説明

通信ネットワークにおいて消費されたサービスに対してインボイスを発行するのに使用される機構、方法、および製造物

【課題】消費したシステム資源に対して、ユーザへインボイスを発行する効率的なやり方を提供する。
【解決手段】インボイスの発行は、資源のプロバイダが課金する課金に基づいて適応できる融通性のある基準に基づく。ユーザはアプリケーションプログラムをダウンロードすることに対して1回の課金を負うか、またはダウンロード料金にプログラムへの頻繁なアクセス、およびプログラムの更新に対して月極の経常料金を加えて課金される。さらにアプリケーションが使用されるたびに、料金が課金されることもある。これらの料金は、借り方として記録され、借り方を反映するインボイスを作成するインボイス発行位置へ転送される。借り方には、無線サービスへのアクセス、インターネットサービスへのアクセス、ダウンロードされたアプリケーションプログラム、データ、マルチメディアサービス、またはその他に対する料金が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求書発行サービスに関する。とくに、本発明は、通信サービスのユーザが消費したサービスに対して請求書を発行するのに使用される方法、機構、および製造物に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムおよびインターネットが成熟してきたのにしたがって、無線通信システムのユーザ(無線ユーザ)に対して、単なる音声通信以上のものを提供できるようになった。従来、無線電話は、地上ベースの電話と同様に、誰かと話しをしたり、または簡単なメッセージを送るのに使用されていた。今日では、第2世代(second generation, 2G)および第3世代(third generation, 3G)の無線通信システムが発展してきたのにしたがって、さらにより多くのことを行うことができる。例えば、無線ユーザは、無線移動ユニットを介してインターネットにアクセスしたり、映画を観たり、または他の無線ユーザとゲームをしたりすることができる。しかしながら、無線システムを特定の目的に使用するには、無線ユーザは、特定の用途のために構成された無線移動ユニットを使用しなければならない。無線移動ユニットは、無線通信システムにおいて情報を通信するのに使用する無線通信デバイスであり、例えばセルラ移動電話、パーソナル通信システム(personal communication system, PCS)移動電話、パーソナルディジタルアシスタント(personal digital assistant, PDA)(例えば、Palm Pilot(商標))、または他のこのようなデバイスである。さらに加えて、無線ユーザは、使用したい特定のソフトウエアアプリケーションプログラムにアクセスしなければならない。一般に、これらのソフトウエア構成およびアプリケーションプログラム(ソフトウエア)は、無線ユーザの移動ユニット内には入っておらず、移動ユニットの外部のソースからダウンロードしなければならない。
【0003】
ソフトウエア供給業者は、通常は、ソフトウエアをダウンロードするときに、
そのソフトウエア料を徴収することを望む。現在、ソフトウエア供給業者には、
料金を徴収するために、オプションが2つある。1つのオプションでは、ソフトウエア供給業者は、アプリケーションをダウンロードしたい無線ユーザと直接の関係を設定しなければならない。これは一般に、パーソナルコンピュータを使用して、ソフトウエアをダウンロードする前に、顧客がクレジットカード番号を供給業者に提示することで達成される。しかしながら、無線移動ユニットがパーソナルコンピュータと比較してより小型化されたことにより、この手法は困難で、ほとんど不可能になった。名前、住所、16桁のカード番号、カードの有効期限、および要求される他の情報を入力するに、無線移動ユニットのキーパッドを使用するのは、不便である。
【0004】
別の解決案では、ソフトウエア供給業者は、無線ユーザのサービスプロバイダとの関係を設定して、ソフトウエアを提供する。サービスプロバイダは、ソフトウエア供給業者に権利使用料(royalty)を支払い、サービスプロバイダに加入したユーザがソフトウエアを使用できるようにする。サービスプロバイダは、特定のソフトウエアをダウンロードするときに、ユーザから直接に、または間接に料金を徴収する。例えば、日本のNTT DoCoMoでは、無線サービスプロバイダとして、このモデルを実行して、スクリーンセーバを無線移動ユニットにダウンロードしている。
【0005】
通常は、構成およびアプリケーションプログラムは、より大きいパッケージのソフトウエアおよびサービスの一部として提供される。都合の悪いことに、このやり方の本質により、無線ユーザに、使用しないプログラムおよびサービスに対して支払わせてしまうことになる。さらに加えて、ソフトウエア供給業者が、自社のソフトウエアを世界の市場に普及させたいならば、多数の無線サービスプロバイダとの関係を設定しなければならないので、このサービス方法は不完全である。ソフトウエア供給業者が、ソフトウエアを世界中で無線ユーザに配給することを意図してプログラムを生成するならば、これは非実際的で、コストの高い努力である。代わって、無線サービスプロバイダは、所有する資源に制限があり、かつソフトウエア開発業者の大半とのライセンス契約に参入することも、単に業者数が非常に多いといった理由で、不可能である。したがって、無線ユーザが、大多数のソフトウエアに迅速に、かつ効率的にアクセスすることはできない。
【0006】
ソフトウエア供給業者が、各無線サービスプロバイダとのこのような関係をつくるための著しい量のタスクをやり遂げたとしても、無線プロバイダが使用する技術と、ソフトウエア供給業者が、ソフトウエアの各ダウンロード以外に対して請求書を発行することを許可する技術とは両立しない。ユーザは、パーソナルコンピュータ上で使用するプログラムに支払う金額と同額を(ダウンロードに)支払うのを望まないであろう。したがって、サービスプロバイダが、アプリケーションを単にダウンロードすること以外のサービスに対して料金をとることができるようにする代わりの請求書発行手段が求められている。例えば、供給業者は、プログラムをダウンロードすることに対して料金を課金し、プログラムが使用されるたびに、追加の使用料金をとることを望む。したがって、供給業者は、システムユーザから非常に望ましい経常収益を得られることになる。
【0007】
融通性のある方式を使用して、システムユーザに請求書を発行することができるようにする請求書発行技術を与える方法、機構、および製造物が求められている。例えば、ユーザに、ダウンロード料金と、各アプリケーションの使用に対しての10セントとを課金する。別の例では、ユーザに、ユーザが利用できるソフトウエアに対して1ヶ月に1ドル課金する。
【0008】
無線通信システムによって使用される種々の異なる通信デバイス(例えば、PDA、符号分割多重アクセス(code division multiple access, CDMA)移動ユニット、パーソナルコンピュータ、またはGSM(登録商標)移動電話)に適応するように、機構には、システムユーザに請求書を発行するのに使用するためのサーバと、アプリケーションプログラムインターフェイス(application program interface, API)との両者が含まれている。インターフェイスは、種々の通信デバイスがソフトウエアを実行できるようにするものである。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、概ね、請求書発行(インボイス発行)システムに関する。とくに、
本発明は、融通性のある方式を使用して、通信システムのユーザにインボイスを発行することを可能にする本発明の方法、機構、および物品に関する。
【0010】
次の記述および説明では、インボイスシステムを、無線通信システムに関連付けて取扱う。しかしながら、本発明は、このようなシステムに制限されないことが分かるであろう。本発明は、無線通信システム、地上ベースの通信システム、無線通信システムと地上ベースの通信システムとの組合わせ、通信ネットワーク、通信システム、情報システム、エンタテインメントシステム、あるいは通信システムと、情報システムと、エンタテインメントシステムとの組み合わせに適用して、システムユーザにサービスを提供することができる。
【0011】
1つの実施形態では、本発明は、サービスに対してシステムユーザにインボイスを発行するための方法を提供するように構成される。インボイスは、融通性のある基準、すなわち希望のサービスに依存して適応できる基準に基づく。例えば、ユーザは、所望のアプリケーションのローディングに対して1回の課金を負うか、またはソフトウエアに頻繁にアクセスするときは、ローディング料金に、経常月極め料金を付加して課金される。さらに加えて、ソフトウエアを使用するたびに、料金を課金してもよい。この関連において、ソフトウエアは幅広く使用されており、単一の処理システムによって使用されるプログラム、手続、規則、および関連付けられたデータの全てまたは一部を示す。例えば、“ソフトウエア”には、アプリケーションソフトウエア、統合形ソフトウエア、およびシステムソフトウエアが含まれる。
【0012】
別の実施形態では、本発明には、希望のインボイス発行方法を実行するための機構が含まれる。機構には、無線通信システムのためのディジタル信号処理デバイス、記憶ユニット、およびトランシーバユニットが構成されている。さらに別の実施形態では、本発明には、製造物、例えば、本発明の方法を実行するのに使用する機械の実行可能ディジタル信号情報が含まれる。
【0013】
本発明は、ユーザに多数の異なる利益を与える。その1つは、システムユーザに対するサービスの請求書発行を、要求に応じてカスタマイズできることである。請求書を多数の異なる基準に基づいて生成し、徴収料は寄与している各当事者に分配される。したがって、寄与している当事者は、非常に数多くのサービスプロバイダとの多数の関係を設定する必要なく、サービスに対する支払いを確保することができる。本発明は、数多くの他の長所および利益も与え、それらは、次に記載する本発明の種々の実施形態の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0014】
当業者には、添付の図面に関連付けて記載されている詳細な説明を検討することにより、本発明の性質、目的、および長所が、より明らかになるであろう。なお、添付の図面では、同じ参照符号により全体的に同じ要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明にしたがう通信システムを示す図。
【図2】本発明にしたがうディジタルデータ処理機構を示す図。
【図3】本発明にしたがう無線移動装置のブロック図。
【図4】本発明の1つの方法についてのフローチャート。
【図5】本発明にしたがう2つのタイプのディジタル信号メモリユニットを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1ないし5には、本発明の種々の機構、方法、および製造物の例が示されている。これらの例は、制限することを意図してではなく、説明を容易にするために、ディジタル信号処理機構に関連付けて記載される。
【0017】
ハードウエア構成要素および相互接続
図1は、一連の機械読み出し命令を実行するのに使用されるディジタルデータ処理機構の1つの例を示しており、このディジタルデータ処理機構は、種々の異なるハードウエア構成要素および相互接続によって実現される。図1の機構(100)において、システムユーザ(102)は、無線サービスプロバイダ(104)に通信上で接続される。サービスプロバイダは、図示されている無線サービスプロバイダ(wireless service provider, WSP)のみである必要はないが、この詳細な説明の目的として、WSP(104)が使用されている。
【0018】
WSP(104)はインターネットサービスも提供するか、または別々のインタ
ーネットサービスプロバイダ(Internet Service Provider, ISP)(図示されて
いない)がWSP(104)へ通信上で接続される。WSP(104)とシステムユーザ(102)との間の無線通信は、連続形、非連続形、ランダム形、計画形、バースト形、または機構(100)の構成に依存して望ましい他の技術で行われる。通信されるのは、音声、データ、ファクシミリ、マルチメディア、または他の情報である。(図1には)例示的に、システムユーザ(102)とWSP(104)との間で通信されるデータバーストメッセージが示されている。構成とは無関係に、システムユーザ(102)は、図1のWSP(104)を介して、通信アクセス、例えばインターネット(106)へのアクセスを得る。
【0019】
インターネット(106)により、システムユーザ(102)は多数のソフトウエアおよび情報ソースにアクセスすることができる。例えば、希望の会社のホームページ(108)にアクセスすることができ、要求にしたがって、会社のウエブサイトからシステムユーザ(102)へソフトウエア(110)をダウンロードすることができる。他の実施形態では、所望であれば、他の情報、ほんの数例を挙げると、例えばクリップアート、FTPファイル、データ、およびマルチメディア(例えば、映画またはビデオ流)をダウンロードすることができる。ホームページ(108)には、デバイスまたはタグ(図示されていない)が含まれていることもあり、これらにより、会社および製品の識別を、システムユーザ(102)にダウンロードされるソフトウエアまたは情報に付随させることができる。
【0020】
ソフトウエアまたは情報をインターネット(106)からダウンロードするとき、課金または料金(112)が、そのダウンロードと関係付けられる。各料金(112)は、ホームページ(108)、WSP(104)、またはシステムユーザ(102)の何れかから直接にサーバ(114)へ通信される。各料金(112)は、図1に示したソースからサーバ(114)へ通信されるか、またはサーバ(114)が情報を受信することを条件として、任意の他の技術によってサーバ(114)へ通信される。サーバ(114)は機能ユニットであり、機構(100)を構成する種々の要素へ、特定のサービス、例えば請求書発行サービスまたは情報アクセスサービスを提供する。
【0021】
サーバ(114)は、インボイス(116)、すなわちシステムユーザ(102)が使用したサービスの記録を生成する。インボイス(116)は、転送システム(118)を介して、サーバ(114)へ通信上でリンクされる支払い位置(120)へ送られる
。転送システム(118)は、米国郵政省(United States Postal Office)の、直接回収、電子転送、または電子メッセージングのような転送システムであって、システムユーザ(102)が指定した支払い位置(120)におけるインボイス(116)の確実な受取りを保証する。支払い位置は、システムユーザ(102)の自宅、職場、金融口座、またはシステムユーザ(102)が選択した任意の他の場所であってもよい。
【0022】
図2には、本発明のディジタルデータ処理機構の別の例が示されている。この実施形態では、機構(200)にはサーバ(114)が構成されていて、サーバ(114)はWSP(104)の要素として示されているが、サーバ(114)とWSP(104)とは別々であってもよい。サーバ(114)は資源センター(202)へ通信上で接続され、資源センター(202)はWSP(104)へ通信上で接続される。例えば、資源センター(202)には、インターネット(106)を介してアクセスする。別の実施形態では、資源センター(202)は、WSP(104)の要素である。概念上、資源センター(202)は、種々の選択されたソフトウエアおよび情報(例えば、クリップアート、FTPファイル、アプリケーションプログラム、および既に記載した他のアイテム)へのアクセスを得る位置である。システムユーザ(102)は、このソフトウエアおよび情報を、要求に応じて、かつ使用できるようにダウンロードすることができる。
【0023】
1つの実施形態では、資源センター(202)には、ソフトウエアアプリケーションプログラムから限定的に選択したものが構成されていて、それらは、図2にはアプリケーション(204,206,208)として示されており、WSP(104)によって無線サービス“エンハンスメント”プログラムの一部としてシステムユーザ(102)へ供給される。システムユーザ(102)は、資源ロケータ(202)へのアクセス、特定のプログラムの使用、またはそのプログラムへのアクセスおよび使用の各々に対して課金される。この例は、資源センター(202)についての多数の実施形態の中の1つに過ぎない。当業者には、この詳細な説明を読むと、他の実施形態が容易に明らかになるであろう。
【0024】
図3には、移動装置(300)が示されていて、移動装置(300)は、図1に示されているシステムユーザ(102)の1つの実施形態を表わしている。移動装置(300)にはアンテナ(302)が構成されていて、アンテナ(302)は、無線通信を受信するためのトランシーバ(図示されいない)に接続されている。無線通信には、ダウンロードされたアプリケーションプログラムが含まれ、移動装置(300)は、このようなプログラムを実行するか、または後で使用するために記憶することができる。装置(300)には、アプリケーションプログラムインターフェイス(application program interface, API)(304)が構成されていて、移動装置(300)はAPIを使用して、アプリケーションプログラムと対話する。API(304)は、移動装置(300)が使用するオペレーティングシステムか、または個々のプログラムかによって与えられる機能インターフェイスであって、オペレーティングシステムまたは該個々のプログラムの特定のデータまたは機能を、任意のプログラムにおいて使用できるようにするものである。例えば、仮想遠隔通信アクセス方法(virtual telecommunications access method, VTAM)プログラムでは、それは、制御ブロックで使用される言語構造であって、アプリケーションプログラムは、それらを参照して、VTAMに対して識別される。
【0025】
API(304)は、メモリ(306)、タイマ(308)、およびプロセッサ(310)
に通信上で接続される。移動装置(300)が使用する情報(例えば、ダウンロー
ドされたプログラム)は、プロセッサ(310)および記憶装置(306)を使用して、調整し、記憶する。別の実施形態では、記憶装置(306)を使用して、請求書発行データを記憶する。なお、請求書発行データとは、システムユーザが無線サービスを使用したことによって負わされる課金および料金、インターネットまたは資源センターへのアクセスによる課金、またはダウンロードした情報に対する料金を反映したものである。所望であれば、タイマ(308)を使用して、この記憶されている請求書発行情報を、図1に示されているサーバ(114)へ転送することを取入れてもよい。
【0026】
動作
図4は、システム(100)のような通信システムによって実行される1つの方法(400)のフローチャートである。方法(400)は、少なくとも1本の無線リンクを有する通信システムに関連して記載されているが、種々のリンクを有するシステムについて、他の実施形態を構成してもよい。例えば、種々のシステムユーザを接続するリンクの一部または全ては、地上形、無線形、ディジタルコピー形、ハードコピー形か、または1つの位置から別の位置へ通信を転送できるようにする他の通信リンクであってもよい。
【0027】
方法のローディングステップ(402)では、希望のソフトウエアのコピーを少なくとも1つの第1の位置へ、第2の位置からロードする。1つの実施形態では、第1の位置は移動無線ユニットであり、第2の位置はソフトウエアプロバイダのホームページである。この説明のために、ソフトウエアという用語は、既に記載したように、元のソフトウエアか、またはソフトウエアのコピーを指し、アプリケーションプログラムは、希望の機能のために実行されるソフトウエアプログラムである。例えば、ソフトウエアプログラムをロードすると、多数の第1の位置ではゲームをしたり、互いに競い合ったりすることができると仮定する。この実施形態では、各第1の位置はゲームプログラムをロードされる。ローディングプロセスは、通常は、ダウンロードであるが、ダウンロードされたプログラムを受取る各第1の位置に関係するデータおよび情報、例えば第1の位置の識別子は、第2の位置にアップロードされるが、これもローディングプロセスに含まれる。
【0028】
借り方ステップ(404)に示されているように、ソフトウエアを第1の位置にロードする直前に、または同時に、あるいは直後に、料金を負わされる。通常は、この料金は、プログラムをロードすることを認可された第1の位置に対する借り方として反映される。第1の位置は、第1の位置へロードされたプログラムに対してのみ借り方に記入されるか、または全ての第1の位置へロードされた選択された各プログラムに対して借り方に記入される。借り方を負うと、記録ステップ(406)において、借り方が記録される。
【0029】
有効期限ステップ(408、412)に示されているように、プログラムをダウンロードした後、プログラムの実行前、またはその実行後の時間点において、プログラムを使用するオプションの有効期限が切れることがある。使用オプションの有効期限が切れると、方法(400)は借り方ステップ(404)へ戻り、料金が課金されるときは、記録ステップ(406)において、別の借り方が記録される。したがって、プログラムの使用に対して課金するのではなく、第1の位置がロードされたプログラムを使用するのに、それが使用可能であり続ける時間に対して、第1の位置を借り方に記入するといった融通性が得られる。
【0030】
使用ステップ(410)では、第1の位置は、希望の借り方構造とは関係なく、プログラムを実行する。プログラムを使用するたびに、借り方ステップ(414)において料金を負わされ、記録ステップ(416)において記録される。別のバージョンでは、プログラムの1回の使用に基づいてではなく、プログラムの“n”回の使用に基づいて、料金が課金される。例えば、n=10であるときは、プログラムを10回使用するたびに、料金が課金される。プログラムを使用することによって、使用料金を負わされるときは、借り方ステップ(414)において、第1の位置に対して料金を借り方へ記入し、記録ステップ(416)において記録する。使用料金が課金されないときは、方法(400)は、続いて、新しいプログラムステップ(418)へ進む。
【0031】
新しいプログラムステップ(418)では、第2のプログラムが第1の位置にロードされ、方法(400)はロードステップ(402)へ戻る。新しいプログラムがロードされないときは、時間ステップ(420)の選択された時間で、インボイス発行ステップ(421)において、第1の位置が負う借り方を反映したインボイスが生成される。借り方には、プログラムアクセス、プログラムローディング、プログラム使用、インターネットアクセス、無線通信サービス、地上通信サービス、およびインボイス発行料金が含まれるが、これらに制限されない。インボイスは、第1の位置の借り方に対して責務を負う当事者へ通信される。インボイスは、郵便または宅配便、電子メール、無線通信、伝書鳩、または他の類似の通信方法のような技術を使用して通信される。
【0032】
1つの実施形態では、インボイス発行ステップ(421)において使用される借り方を第1の位置から受取る。ソフトウエアがダウンロードされると、第1の位置に借り方が記録され、後でサーバ(114)(図1参照)へ通信するために記憶されるか、またはソフトウエアをロードするのに成功した直後にサーバ(114)へ通信される。別の実施形態では、第2の位置のみからの借り方を同様のやり方で受取る。さらに別の実施形態では、第1の位置および第2の位置からの借り方をサーバ(114)において受取る。これが行われるときは、インボイス発行ステップ(421)には、第1の位置から受取った借り方と第2の位置から受取った借り方とを比較し、第1の位置がサーバ(114)へ借り方をこまめに通信したことをソフトウエア供給業者に確認させることが含まれる。
【0033】
使用される借り方通信方法とは無関係に、インボイス発行ステップ(421)の前に、借り方を任意の位置に記憶して、サーバ(114)に通信してもよい。理想的には、好ましい実施形態では、システム資源の使用可能度がピークのときに、借り方を通信するが、これは実際的ではない。さらに、借り方通信の代わりに、ヘッダまたは識別タグで、サーバ(144)は、借り方通信を受取ったかを容易に判断することができる。方法は、終了ステップ(424)において終了する。
【0034】
製造物
このような方法(400)は、例えば、図3に示されているディジタル信号プロセッサ(310)を動作して、一連の機械可読データの実行を開始することによって行なわれる。本明細書では、“機械可読データ(machine-readable data)”という用語が幅広く使用されており、機械可読データには、例えば機械可読言語構成が含まれ、機械可読言語構成は、演算を指定して、オペランド(命令)、アプリケーションプログラム、ソフトウエア構成データ、マルチメディアデータ、ビデオデータ、およびオーディオデータを識別するものである。これらのデータは、ホスト通信システム(100)、通信チャンネル、装置(300)、または通信チャンネルまたは装置(300)にアクセス可能な他の位置の何れかに位置する種々のタイプの記憶ユニット内に収められる。
【0035】
例えば、データは、別のデータ記憶媒体(例えば、図5に示されている磁気データ記憶ディスケット(500)か、またはRAID(redundant array of inexpensive disks)(502)のような種々の具体化)内に収められてもよい。データが、記憶ユニット、ディスケット(500)、またはRAID(502)の何れに収められていても、命令が、さらに別のタイプの別の記憶媒体(例えば、直接アクセス記憶装置(direct access storage device, DASD))内に記憶されてもよいことが分かるであろう。なお、DASDには、例えば、従来の単一ディスクハードドライブ、電子読出し専用メモリ(例えば、セラミックディスク−読み出し専用メモリ(ceramic disk-read only memory, CD-ROM)、追記型装置(write-once-read-many, WORM)、光記憶デバイス、紙穿孔カード、またはデータ記憶媒体が含まれる。種々の実施形態において、機械可読データは、コンパイルされた“C型”言語、ソースコード、オブジェクトコード、実行可能な機械コード、実行可能なプログラム、データバンク、または他のタイプの一般的に知られているデータを含むか、またはこれらをエミュレートする。
【0036】
他の実施形態
特定の上述の説明にも関わらず、この開示の利益を受ける普通の技能をもつ熟練工には、上述の機構、方法、および製造物が、本発明の技術的範囲から逸脱することなく、異なる構成の機構、システム、方法、または製造物において構成できることが分かるであろう。同様に、並行方法を展開してもよい。特定の機構の例として、図1に示されているWSP(104)のような構成要素の1つは、無線サービスおよびインターネットアクセスサービスのような多数のサービスを提供してもよい。WSP(104)には、サーバ(114)を含めてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを使用してアクセスした情報に対してユーザへインボイスを発行するための方法であって、
第1の位置を遠隔の第2の位置と通信させることと、
少なくとも1つの関係付けられたコストがかかる指定された情報を、その情報に対して少なくとも1つの関係付けられたコストが支払われる前に、第2の位置から第1の位置へ転送することと、
選択された情報を転送した後で、選択された情報に対して第1の位置を借り方に記入することとが含まれる方法。
【請求項2】
関係付けられたコストを第1の位置に記録することと、
記録された関係付けられたコストを第1の位置からインボイス発行位置へ通信することとがさらに含まれる請求項1記載の方法。
【請求項3】
選択された情報を転送した後で、第2の位置からインボイス発行位置へ借り方の課金を通信することがさらに含まれる請求項2記載の方法。
【請求項4】
第1の位置からの記録された借り方と、第2の位置からの借り方の課金とを比較することと、
インボイスを生成することと、
インボイスの返済に責務を負う当事者へインボイスを通信することとがさらに含まれる請求項3記載の方法。
【請求項5】
少なくとも第1の位置が、無線通信デバイスである請求項4記載の方法。
【請求項6】
第1の位置と第2の位置との間の通信が、インターネットを介してルート設定される請求項5記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの関係付けられたコストには、情報へのアクセスの借り方と各使用ごとの借り方とが含まれる請求項6記載の方法。
【請求項8】
通信ネットワークを使用してアクセスした情報に対してユーザへインボイスを発行する方法であって、
第1の位置を遠隔の第2の位置と通信させることと、
第2の位置から第1の位置へ指定された情報のコピーをロードすることと、
第1の位置において指定された情報のコピーを使用することと、
コピーが使用されるたびに、第1の位置への借り方を課金することとが含まれる方法。
【請求項9】
各借り方に対する課金を第1の位置に記憶することと、
第1の位置からインボイス発行位置へ課金を転送することとがさらに含まれる請求項8記載の方法。
【請求項10】
指定された情報をダウンロードした後で、指定された情報のコピーに対して第1の位置への第1の借り方を課金することとがさらに含まれる請求項9記載の方法。
【請求項11】
少なくとも第1の位置が、無線通信デバイスである請求項10記載の方法。
【請求項12】
第2の位置が、インターネットを介してアクセスされる請求項11記載の方法。
【請求項13】
選択された情報が、アプリケーションプログラムである請求項12記載の方法。
【請求項14】
通信ネットワークを使用してアクセスした情報に対してユーザへインボイスを発行するための方法であって、
少なくとも1つの関係付けられたコストで、第1の位置を遠隔の第2の位置と通信させることと、
別の少なくとも1つの関係付けられたコストで、指定された情報のコピーを第2の位置から第1の位置へロードすることと、
ロードされた指定された情報のコピーを使用することと、
全ての関係付けられたコストを第1の位置に記憶することと、
全ての関係付けられたコストを第1の位置からインボイス発行位置へ通信することと、
インボイスを生成することと、
インボイスの返済に責務を負う当事者に対してインボイスを通信することとが含まれる方法。
【請求項15】
別の少なくとも1つの関係付けられたコストはゼロであり、指定された情報のコピーの使用には、各使用に関係付けられたコストがかかり、かつ指定された情報が使用されるたびに、各使用に関係付けられたコストを負う請求項14記載の方法。
【請求項16】
指定された情報のコピーが、第1の位置において使用される請求項15記載の方法。
【請求項17】
通信ネットワークを使用してアクセスした情報に対してユーザへインボイスを発行するためのディジタル信号処理機構であって、
通信システムにアクセス可能なディジタル信号処理ユニット、および、
処理ユニットに通信上で接続された記憶ユニットであって、
第1の位置を遠隔の第2の位置と通信させることと、
少なくとも1つの関係付けられたコストがかかる指定された情報を、その情報に対して少なくとも1つの関係付けられたコストを支払われる前に、第2の位置から第1の位置へ転送することと、
選択された情報を転送した後で、選択された情報に対して第1の位置を借り方に記入することとによって、ディジタル信号処理機構の所定の動作特徴を設定するデータを収めている記憶ユニットとが構成されているディジタル信号処理機構。
【請求項18】
所定の動作特徴には、
関係付けられたコストを第1の位置に記録することと、
記録された関係付けられたコストを第1の位置からインボイス発行位置へ通信することとがさらに含まれる請求項17記載の機構。
【請求項19】
所定の動作特徴には、
選択された情報を転送した後で、第2の位置からインボイス発行位置へ借り方を通信することがさらに含まれる請求項18記載の機構。
【請求項20】
所定の動作特徴には、
第1の位置からの記憶された借り方と、第2の位置からの記録された借り方とを比較することと、
インボイスを生成することと、
インボイスの返済に責務を負う当事者へインボイスを通信することとがさらに含まれる請求項19記載の機構。
【請求項21】
通信ネットワークを使用してアクセスされる情報に対してユーザへインボイスを発行するためのディジタル信号処理機構であって、
信号をディジタル処理し、通信システムへアクセスできるようにするための手段、および、
処理手段に通信上で接続された記憶手段であって、
第1の位置を遠隔の第2の位置と通信させることと、
少なくとも1つの関係付けられたコストがかかる指定された情報を、その情報に対して少なくとも1つの関係付けられたコストが支払われる前に、第2の位置から第1の位置へ転送することと、
選択された情報を転送した後で、選択された情報に対して第1の位置を借り方に記入することとによって、ディジタル信号処理機構の所定の動作特徴を設定するデータを収めている記憶手段とを含むディジタル信号処理機構。
【請求項22】
所定の動作特徴には、
関係付けられたコストを第1の位置に記録することと、
記録された関係付けられたコストを第1の位置からインボイス発行位置へ通信することとがさらに含まれる請求項21記載の機構。
【請求項23】
所定の動作特徴には、
選択された情報を転送した後で、第2の位置からインボイス発行位置へ借り方を通信することがさらに含まれる請求項22記載の機構。
【請求項24】
所定の動作特徴には、
第1の位置からの記憶された借り方と、第2の位置からの記録された借り方とを比較することと、
インボイスを生成することと、
インボイスの返済に責務を負う当事者へインボイスを通信することとがさらに含まれる請求項23記載の機構。
【請求項25】
機械可読命令のデータと、ディジタル処理機構によって実行可能なデータとを具体的に実現し、通信システムを使用してアクセスした情報に対してユーザへインボイスを発行するための方法ステップを実行するための製造物であって;通信システムには、少なくとも1つの第1の位置、少なくとも1つの第2の位置、少なくとも1つのインボイス発行位置、通信システムに通信上で接続される少なくとも1つのディジタル信号処理ユニット、および処理ユニットに通信上で接続され、かつ通信システム内の1以上の位置の所定の動作特徴を設定するためのデータを収めている少なくとも1つの記憶ユニットとが構成されていて;機械可読命令および製造物のデータには、
第1の位置を遠隔の第2の位置と通信させ、
少なくとも1つの関係付けられたコストがかかる指定された情報を、その情報に対して少なくとも1つの関係付けられたコストを支払われる前に、第2の位置から第1の位置へ転送し、かつ、
選択された情報を転送した後で、選択された情報に対して第1の位置を借り方に記入するためのデータが含まれる製造物。
【請求項26】
製造物の機械可読命令には、
関係付けられたコストを第1の位置に記録するための命令およびデータと、
記録された関係付けられたコストを第1の位置から請求書発行位置へ通信するための命令およびデータとがさらに含まれる請求項25記載の製造物。
【請求項27】
製造物の機械可読命令には、選択された情報を転送した後に、第2の位置から請求書発行位置へ借り方の課金を通信するための命令およびデータがさらに含まれる請求項26記載の製造物。
【請求項28】
製造物の機械可読命令には、第1の位置からの記録された借り方と、第2の位置からの記録された借り方とを比較するための命令およびデータと、
インボイスを生成するための命令およびデータと、
インボイスの返済に責務を負う当事者へインボイスを発行するための命令およびデータとがさらに含まれる請求項27記載の製造物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−90296(P2012−90296A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−257601(P2011−257601)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【分割の表示】特願2002−543216(P2002−543216)の分割
【原出願日】平成13年11月19日(2001.11.19)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】