説明

通信ユニット及び情報処理装置

【課題】第1の装置及び第2の装置間との間に設けられる通信ユニットにおいて、第2の装置と前記第1の装置とを接続させるためのデバイスが動作可能な状態であることを保証可能な通信ユニットを提供する。
【解決手段】PCI Express/光ケーブル変換ボードは、電気式カードエッジ50と、PCI Expressスイッチ51と、2つの光ケーブルコネクタ52a,52bと、電源遅延回路53とを有する。電気式カードエッジ50にはPCI Expressスイッチ51が配線接続される。光ケーブルコネクタ52には、光トランシーバ600を介して光アクティブケーブル500が接続される。電源遅延回路53は、PCI Expressスイッチ51及び光アクティブケーブル500に接続される光トランシーバ600の起動タイミングを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ユニット及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
データ通信における通信規格として例えばPCI Express(登録商標)は、元来PC(Personal Computer)を初めとしたコンピュータの同一筐体内などの比較的短距離のホスト-デバイス間通信を目的として開発されてきたが、近年では、異なる装置間での通信への応用も盛んに行われようになった。このため、ケーブル接続による通信規格(PCI Express External Cabling Specification)が制定されるに至った。しかし、PCI Express External Cabling 規格での通信では、メタルケーブルを用いて電気信号をそのまま伝送するため、延長可能な距離が最大で15m程度という制約がある。そこで,電気信号を直接光信号に変換し光ケーブルを用いて信号の伝送を行うことでより長距離の伝送を可能にできることが既に知られている。しかし、光ケーブルを用いて、信号を伝送可能な距離を延長すると、参照クロックに問題が生じる恐れがあった。このような問題を解決するために、電気信号を光信号に変換する光変換モジュールを有し光ケーブルが接続される変換ボード上にPCI Expressスイッチを搭載したものが開発されている(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のPCI Expressスイッチを搭載した変換ボードでは、変換ボード上のPCI Expressスイッチと光変換モジュールとの起動時間に差があることにより、変換ボード上のPCI Expressスイッチが起動しリンクトレーニングシーケンスに入る時点までに光変換モジュールが通信可能な状態にならず、PCI Expressスイッチがリンクアップできない場合があった。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、第1の装置及び第2の装置間との間に設けられる通信ユニットにおいて、第2の装置と第1の装置とを接続させるためのデバイスが動作可能な状態であることを保証可能な通信ユニット及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、第1の装置及び第2の装置間との間に設けられる通信ユニットであって、前記第1の装置に接続され、前記第1の装置から供給された電力を前記通信ユニット内へ供給する接続部と、前記第2の装置と前記第1の装置とを接続させるためのデバイスと、前記デバイスを介した前記第2の装置と前記接続部を介した前記第1の装置とを中継する中継部と、前記デバイス及び前記中継部の起動タイミングを制御する起動制御部とを備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、情報処理装置であって、上記の通信ユニットを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第1の装置及び第2の装置間との間に設けられる通信ユニットにおいて、第2の装置と第1の装置とを接続させるためのデバイスが動作可能な状態であることを保証可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、第1の実施の形態のプリントシステムの概略構成図である。
【図2】図2は、サーバ及びプリンタにおけるPCI Expressツリーを説明するための図(その1)である。
【図3】図3は、サーバ及びプリンタにおけるPCI Expressツリーを説明するための図(その2)である。
【図4】図4は、サーバとプリンタとの間の伝送路を説明するための図である。
【図5】図5は、カードアダプタ300として用いるPCI Express/光ケーブル変換ボードの構成の概要を例示する図である。
【図6】図6は、電源遅延回路53の内部構成を例示する図である。
【図7】図7は、仕様上において、電源投入時のPCI Expressスイッチ51と光ケーブルコネクタ52に接続される光トランシーバ600との起動タイミングを説明するための図である。
【図8】図8は、同実施の形態において、電源投入時のPCI Expressスイッチ51と光ケーブルコネクタ52に接続される光トランシーバ600との起動タイミングを説明するための図である。
【図9】図9は、第2の実施の形態に係る電源遅延回路53の構成を例示する図である。
【図10】図10は、同実施の形態において、電源投入時のPCI Expressスイッチ51と光ケーブルコネクタ52に接続される光トランシーバ600との起動タイミングを説明するための図である。
【図11】図11は、第3の実施の形態に係る電源遅延回路53の構成を例示する図である。
【図12】図12は、同実施の形態において、電源投入時のPCI Expressスイッチ51と光ケーブルコネクタ52に接続される光トランシーバ600との起動タイミングを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる通信ユニット及び情報処理装置の一実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
[第1の実施の形態]
図1は、本実施の形態のプリントシステム100の概略構成図である。本実施の形態のプリントシステム100は、サーバ200、プリンタ400、光アクティブケーブル500、複数の端末800、ネットワーク900などを備えている。
【0011】
サーバ200は、いわゆるプリントサーバであり、ネットワーク900を介して複数の端末(例えば、PC)800と接続されている。サーバ200及びプリンタ400は、一例として図2に示されるように、それぞれ、PCI Expressの規格にて規定されたツリー構造のトポロジに従って接続されたデバイス群を有する。PCI Expressの規格にて規定されたツリー構造のトポロジとは、一例として図3に示されるように、ルートコンプレックスを頂点としたツリー型の構成であり、ルートコンプレックスとエンドポイントとが接続されるトポロジである。
【0012】
サーバ200は、図4に示されるように、そのマザーボードにPCI Expressの規格に準拠したソケット(PCI Expressソケット410)が少なくとも4つ搭載されている。そして、各PCI Expressソケット410には、通信ユニットであるカードアダプタ300が装着されている。また、プリンタ400は、そのマザーボードにPCI Expressの規格に準拠したソケット(PCI Expressソケット410)が少なくとも4つ搭載されている。そして、各PCI Expressソケットには、カードアダプタ300が装着されている。また、各カードアダプタ300には、トランシーバソケット312を介して光トランシーバ600がそれぞれ取り付けられている。そして、サーバ側の光トランシーバ600とプリンタ側の光トランシーバ600とは、光アクティブケーブル500によって個別に接続されている。ここで、本実施の形態では、光トランシーバ600は、光アクティブケーブル500を介したデータの転送を行う機能に加え、データの転送媒体である電気信号と光信号との変換機能を備えている。
【0013】
ここでは、ブラックの画像情報、シアンの画像情報、マゼンタの画像情報、及びイエローの画像情報が、ラスターイメージの可逆圧縮データの形で、個別にサーバ200からプリンタ400に伝送される。そして、プリンタ400は、受信したブラックの画像情報、シアンの画像情報、マゼンタの画像情報、及びイエローの画像情報に応じてカラーの画像を形成する。
【0014】
次に、本実施の形態にかかるカードアダプタ300として用いるPCI Express/光ケーブル変換ボードの構成の概要について図5を用いて説明する。PCI Express/光ケーブル変換ボードは、サーバ200及びプリンタ400などの装置間でデータ通信を通信媒体として光ケーブルを介して行う際に、通信媒体と装置との間に設けられるアダプタである。同図に示されるように、本実施の形態にかかるPCI Express/光ケーブル変換ボードは、電気式カードエッジ50と、PCI Expressスイッチ51と、2つの光ケーブルコネクタ52a,52bと、電源遅延回路53とを有する。尚、2つの光ケーブルコネクタ52a,52bを区別する必要がないときは、光ケーブルコネクタ52という。電気式カードエッジ50は、PCI Expressの通信規格に準拠したカードエッジコネクタである。電気式カードエッジ50は、サーバ側あるいはプリンタ側のPCI Expressソケット410と接続可能であり、サーバ200のマザーボードやプリンタ400のマザーボードに接続され、サーバ200及びプリンタ400間で通信されるデータの転送及び電力の供給を行う接続部である。具体的には、電気式カードエッジ50は、マザーボードから供給される電力をPCI Expressスイッチ51及び光ケーブルコネクタ52a,52bに供給したり、マザーボードから送信されたデータなどの電気信号をPCI Expressスイッチ51に送信したり、PCI Expressスイッチ51から送信されたデータなどの電気信号をマザーボードに送信したりする。PCI Express規格に準拠した電気式カードエッジ50として、例えば、PCI Express Gen2x8が使用される。
【0015】
電気式カードエッジ50にはPCI Expressスイッチ51が配線接続される。電気式カードエッジ50からPCI Expressスイッチ51に接続される信号線(PCI Express信号線という)が、PCI Expressスイッチ51の上流ポートに接続され、PCI Expressスイッチ51の下流ポートの8本の差動信号線が光ケーブルコネクタ52a,52bに接続される。PCI Expressスイッチ51は、光ケーブルコネクタ52a,52bのそれぞれにシリアル信号で接続されており、電気式カードエッジ50から送信された電気信号を光ケーブルコネクタ52に供給したり、光ケーブルコネクタ52から送信された電気信号を電気式カードエッジ50に送信したりする中継部であり、電気式カードエッジ50と光ケーブルコネクタ52a,52b間の配線のレーンの接続と遮断を切り替える。PCI Expressスイッチ51は、光ケーブルコネクタ52a,52bのそれぞれからシリアル信号線を介して、光トランシーバ600a,600bの状態が変化したことを示す割り込み信号(IntL信号)を受信し、光ケーブルコネクタ52a,52b内のメモリから光トランシーバ600a,600bの通信状態をステータス情報として読み取って、このステータス情報に基づいて、サイドバンド信号を生成する。生成されたサイドバンド信号は、電気式カードエッジ50を介して接続機器に送信される。
【0016】
光ケーブルコネクタ52は、例えば、QSFP(Quad small Form−factor Pluggable)の通信規格に準拠した光ケーブルが接続されるコネクタである。光ケーブルコネクタ52には、光トランシーバ600を介して光アクティブケーブル500が接続される。光ケーブルコネクタ52は、PCI Expressスイッチ51から送信された信号を光トランシーバ600を介して光アクティブケーブル500に送信したり、光アクティブケーブル500を介して光トランシーバ600から受信されたデータをPCI Expressスイッチ51に送信したりする。2つの光ケーブルコネクタ52a,52bのそれぞれには、光アクティブケーブル500の光トランシーバ600a,600bが接続され、内部に自己の状態を記憶するメモリが設けられている。尚、光信号により光アクティブケーブル500から伝送されたデータは、光トランシーバ600で電気信号に変換されて、光ケーブルコネクタ52を介してPCI Expressスイッチ51に送信される。また、PCI Expressスイッチ51及び光ケーブルコネクタ52を介して送信されたデータは、光トランシーバ600で光信号に変換されて光アクティブケーブル500を介して伝送される。
【0017】
電源遅延回路53は、PCI Expressスイッチ51及び光アクティブケーブル500に接続される光トランシーバ600の起動タイミングを制御するためのものである。本実施の形態においては、電源遅延回路53は、電気式カードエッジ50から供給された電力について、PCI Expressスイッチ51への電力の供給を光ケーブルコネクタ52への電力の供給より所定時間遅延させる。図6は、電源遅延回路53の内部構成を例示する図である。電源遅延回路53は、電圧検出回路60と、抵抗(R)61と、キャパシタ(C)62と、スイッチ(SW)63とを含む信号遅延回路とを有する。同図に示される端子P1は、光ケーブルコネクタ52に接続され、端子P2は、PCI Expressスイッチ51に接続される。電圧検出回路60は、電気式カードエッジ50から供給された電力の電圧値が一定値を超えた場合、信号を出力する。この信号は、抵抗61とキャパシタ62とにより決まる所定時間後にスイッチ63を閉じさせる。スイッチ63が閉じると、端子P2からPCI Expressスイッチ51へ電力が供給される。従って、この電源遅延回路53によれば、電気式カードエッジ50から光ケーブルコネクタ52へ電力が供給されてから、所定時間後に、PCI Expressスイッチ51へ電力が供給されることになる。
【0018】
ここで、電源投入時のPCI Expressスイッチ51と光ケーブルコネクタ52に接続される光トランシーバ600との起動タイミングについて説明する。まず、PCI Express CEM仕様書2.0およびQSFP+モジュール仕様書(SFF-8436)に基づく電源投入時の起動タイミングの仕様について図7を用いて説明する。PCI Express CEM仕様書では、電気式カードエッジに供給する電力が安定した後、電気式カードエッジに接続されるマザーボードがPCI Expressスイッチのリセット状態を解除する場合のリセット(PERST)信号を出力するまでの時間を100msと規定している。PCI Expressスイッチのリセット状態を解除する場合のリセット信号とは、Highの信号である。また,PCI Express仕様書ではその後、PCI ExpressLinkがアクティブになるまでの時間は3.2us(16000UI)と規定されている。一方、QSFP+モジュール仕様書では、電源投入後、光ケーブルコネクタに接続される光トランシーバが起動して動作可能な状態になるまでの時間を最大2000msと規定している。この時間差のため、PCI Express/光ケーブル変換ボードへの電源投入に合わせてPCI Expressスイッチと光トランシーバとが同時に起動すると、PCI Expressスイッチ51のPCI ExpressLinkがアクティブになった時点で光トランシーバは動作可能な状態にはないため、リンクアップに失敗することになる。
【0019】
次に、本実施の形態において、電源投入時のPCI Expressスイッチ51と光ケーブルコネクタ52に接続される光トランシーバ600との起動タイミングについて図8を用いて説明する。同図では、上述した電源遅延回路53によりPCI Expressスイッチ51に供給する電力の立ち上げを、電気式カードエッジ50から供給される電力の立ち上がりより所定時間遅らせた場合の起動タイミングを示している。PCI Expressスイッチ51に電力が供給された時点では、PCI Expressスイッチ51に対するリセット状態を解除する場合のリセット信号が出力されているので、PCI Expressスイッチ51のPCI ExpressLinkは、電力の供給開始後速やかにアクティブ状態となる。一方、光ケーブルコネクタ52に接続される光トランシーバ600に対する電力の供給は、電気式カードエッジ50からの電力の供給と同時に行われる。尚、電力の供給の時間差としての所定時間は、抵抗61とキャパシタ62とにより決まるため、これを適切に設定することにより、PCI Expressスイッチ51のリンクがアクティブになった時点で光ケーブルコネクタ52に接続される光トランシーバ600が確実に動作していることを保証することができる。
【0020】
以上のように、PCI Expressスイッチ51を搭載したPCI Express/光ケーブル変換ボードにおいて、光ケーブルコネクタ52に接続される光トランシーバ600に対してPCI Expressスイッチ51への電力の供給を遅延させることにより、これらの起動タイミング及び起動順序を制御する。これにより、PCI Expressスイッチ51が起動した時点で光トランシーバ600が通信可能な状態となっていることを保証することができる。この結果、PCI Expressスイッチ51はリンクアップを確実に行うことが可能になる。
【0021】
[第2の実施の形態]
次に、通信ユニット及び情報処理装置の第2の実施の形態について説明する。なお、上述の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。
【0022】
本実施の形態においては、電源遅延回路53は、光ケーブルコネクタ52に接続される光トランシーバ600が起動して動作を開始した後に、PCI Expressスイッチ51への電力の供給を開始させることにより、PCI Expressスイッチ51及び光トランシーバ600の起動タイミングを制御する。図9は、本実施の形態に係る電源遅延回路53の構成を例示する図である。電源遅延回路53は、スイッチ63と、信号検出回路64とを有する。信号検出回路64には、光トランシーバ600が動作した後に送信する上述の割り込み信号(IntL信号)及びステータス情報が入力される。信号検出回路64は、割り込み信号(IntL信号)及びステータス情報を検出して、ステータス情報のData_not_Readyビットにセットされた値に応じて、信号を出力する。この信号は、スイッチ63を閉じさせる。スイッチ63が閉じると、端子P2からPCI Expressスイッチ51へ電力が供給される。従って、この電源遅延回路53によれば、図10に例示されるように、光トランシーバ600が起動して動作を開始した後に、PCI Expressスイッチ51へ電力が供給されることになる。
【0023】
以上のような構成によっても、PCI Expressスイッチ51が起動した時点で光トランシーバ600が通信可能な状態となっていることを保証することができる。この結果、PCI Expressスイッチ51はリンクアップを確実に行うことが可能になる。
【0024】
[第3の実施の形態]
次に、通信ユニット及び情報処理装置の第3の実施の形態について説明する。なお、上述の第1の実施の形態又は第2の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。
【0025】
本実施の形態においては、電源遅延回路53は、光ケーブルコネクタ52に接続される光トランシーバ600が起動して動作を開始した後に、PCI Expressスイッチ51に対してリセット状態を解除する場合のリセット信号を出力することにより、PCI Expressスイッチ51及び光トランシーバ600の起動タイミングを制御する。図11は、本実施の形態に係る電源遅延回路53の構成を例示する図である。電源遅延回路53は、AND回路65と、抵抗61と、キャパシタ62とを含む信号遅延回路とを有する。端子P1には、マザーボードから電気式カードエッジ50を介して送信されたPCI Expressスイッチ51へのリセット信号が入力される。端子P3は、PCI Expressスイッチ51へリセット信号を出力する端子である。端子P2には、光ケーブルコネクタ52に接続される光トランシーバ600から送信されるステータス情報の1つとしてアクティブ信号が入力される。尚、光トランシーバ600が起動して動作を開始した場合、光トランシーバ600からHighのアクティブ信号が出力される。AND回路65は、端子P1に入力されたリセット信号がHighである場合且つ端子P2に入力されたアクティブ信号がHighである場合、Highの信号を出力する。この信号は、抵抗61とキャパシタ62とにより決まる所定時間後に端子P3に入力され、端子P3からPCI Expressスイッチ51へ出力される。この結果、図12に例示されるように、PCI Expressスイッチ51へHighのリセット信号が所定時間遅延して入力される、即ち、光トランシーバ600の動作が開始した後にPCI Expressスイッチ51に対してリセット状態を解除する場合のリセット信号が出力される。
【0026】
以上のような構成によっても、PCI Expressスイッチ51が起動した時点で光トランシーバ600が通信可能な状態となっていることを保証することができる。この結果、PCI Expressスイッチ51はリンクアップを確実に行うことが可能になる。
【0027】
[変形例]
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、以下に例示するような種々の変形が可能である。
【0028】
上述した実施の形態においては、PCI Express規格の電気式カードエッジ50、PCI Expressスイッチ51及び2つの光ケーブルコネクタ52を備えるPCI Express/光ケーブル変換ボードについて説明したが、これに限らず、PCI Express/光ケーブル変換ボードは、PCI Expressスイッチ51及び光ケーブルコネクタ52を備えなくても良い。
【0029】
上述した実施の形態においては、光アクティブケーブル500を介してサーバ200及びプリンタ400が接続されるようにしたが、これに限らず、例えば、メタルケーブルを介して接続されるようにしても良い。また、サーバ200及びプリンタ400が無線でデータ通信を行うようにしても良い。
【0030】
上述した実施の形態においては、PCI Express規格に準拠したデータ通信を行う場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0031】
また、デバイスとして、光アクティブケーブル500を介したデータの転送を行う機能を備える光トランシーバ600を取り扱ったが、2つの装置を接続するものであればこれに限らない。
【0032】
上述した各実施の形態においては、電源投入後のPCI Expressスイッチ51及び光トランシーバ600の起動順序を制御するようにしたが、これに限らず、例えば、休止状態から復帰時やハイバネーションからの復帰時にも上述の各実施の形態と同様に、PCI Expressスイッチ51及び光トランシーバ600の起動順序を制御するようにしても良い。
【符号の説明】
【0033】
50 電気式カードエッジ
51 PCI Expressスイッチ
52,52a,52b 光ケーブルコネクタ
53 電源遅延回路
60 電圧検出回路
61 抵抗
62 キャパシタ
63 スイッチ
64 信号検出回路
65 AND回路
600,600a,600b 光トランシーバ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0034】
【特許文献1】特開2007−121922号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の装置及び第2の装置間との間に設けられる通信ユニットであって、
前記第1の装置に接続され、前記第1の装置から電力を供給する接続部と、
前記第2の装置と前記第1の装置とを接続させるためのデバイスと、
前記デバイスを介した前記第2の装置と前記接続部を介した前記第1の装置とを中継する中継部と、
前記デバイス及び前記中継部の起動タイミングを制御する起動制御部とを備える
ことを特徴とする通信ユニット。
【請求項2】
前記起動制御部は、前記中継部への電力の供給が前記デバイスへの電力の供給より所定時間遅延するよう、前記接続部から供給される電力の供給を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信ユニット。
【請求項3】
前記起動制御部は、前記デバイスが起動して動作を開始した後に前記中継部への電力の供給が行われるよう、前記接続部から供給される電力の供給を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信ユニット。
【請求項4】
前記接続部は、前記第1の装置が有するマザーボードが接続されるカードエッジコネクタであり、前記マザーボードから送信された、前記中継部に対するリセット状態を解除する場合のリセット信号を前記中継部に対して送信し、
前記起動制御部は、前記デバイスが起動して動作を開始した後に、前記中継部に対して前記リセット信号が出力されるよう、前記デバイス及び前記中継部の起動タイミングを制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信ユニット。
【請求項5】
前記通信ユニットは、第1の装置及び第2の装置間でのデータ通信を第1の通信媒体を介して行う際に、前記第1の通信媒体と前記第1の装置との間に設けられるものであり、
前記接続部は、前記第1の装置及び第2の装置間で通信されるデータの転送を行うものであり、
前記デバイスは、前記第1の通信媒体が接続され、前記第1の通信媒体を介したデータの転送を行う通信デバイスである
ことを特徴とする請求項1に記載の通信ユニット。
【請求項6】
前記データ通信の通信規格は、PCI Expressであり、
前記中継部は、前記接続部が転送したデータを前記第1の通信媒体に送信する及び前記第1の通信媒体から送信されたデータを前記接続部に転送するPCI Expressスイッチである
ことを特徴とする請求項5に記載の通信ユニット。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の通信ユニットを備える
ことを特徴とする情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−22477(P2012−22477A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159191(P2010−159191)
【出願日】平成22年7月13日(2010.7.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】