説明

通信機器、テレビジョン受像機、通信システム、通信設定方法、プログラム、および記録媒体。

【課題】効率的かつ適確に、複数の通信機器に対して通信設定をおこなうこと。
【解決手段】モニタ110は、一の設定画面において、STB120およびモニタ110の各々の通信設定値の入力を受け付ける入力受付部402と、STB120およびモニタ110の各々に対して、入力された複数の通信設定値のうちの、対応する通信設定値を設定する設定部408とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の通信機器に対する通信設定をおこなうことが可能な通信機器、テレビジョン受像機、通信システム、通信設定方法、プログラム、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)やAutoIP等によって動的に割り当てられたIPアドレスを、通信機器に対して自動的に設定する技術が広く利用されている。このように通信設定を自動的におこなう技術を利用することで、通信設定に係る設定者の手間や時間を軽減することが可能となる。そこで、これまで、通信設定を自動的におこなうことに関し、様々な技術が考案されている。
【0003】
例えば、下記引用文献1には、他のデバイスのIPアドレスを取得しておき、DHCPサーバから自身のIPアドレスを取得できない場合、他のデバイスのIPアドレスに基づいて仮のIPアドレスを生成し、生成した仮のIPアドレスが使用可能であると判断した場合には、当該仮のIPアドレスを自身のIPアドレスとして設定する技術が開示されている。
【0004】
また、下記引用文献2には、DHCPサーバから自動的に割り当てられたIPアドレスのネットワークアドレスを用いて、自身のIPアドレスを自動生成する技術が開示されている。
【0005】
また、下記引用文献3には、仮のサブネットマスクを設定し、この仮のサブネットマスクに基づくネットワーク内にARPリクエストパケットを送信し、ゲートウェイがARPリプライパケットを返信したと判定したときには、その直前に設定した仮サブネットマスクを新規接続機器に設定する技術が開示されている。
【0006】
また、下記引用文献4には、第1のルータに割り当てられたネットワークアドレスと、第2のルータに割り当てられたネットワークアドレスとが一致する場合、第2のルータに割り当てられたネットワークアドレスおよびIPアドレスを変更する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−239281号公報(2010年10月21日公開)
【特許文献2】特開2008−078990号公報(2008年4月3日公開)
【特許文献3】特開2005−236943号公報(2005年9月2日公開)
【特許文献4】特開2005−197793号公報(2005年7月21日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、ネットワーク上において、複数の通信機器がネットワークを介して互いに通信をおこなうためには、複数の通信機器の各々に対して、IPアドレス等の通信設定をおこなう必要がある。
【0009】
この通信設定方法としては、上述したDHCPやAutoIPにより自動的に設定する方法もあるが、通信機器が通信設定を自動的に設定できない環境にある場合や、通信設定を自動的に設定することをユーザが望まない場合がある。例えば、通信設定を自動的に設定する方法を採用した場合、通信設定を自動的に取得するために比較的長い時間を要し、また、通信設定を自動的に割り当てるルータの故障などにより、通信設定を自動的に取得できない等の不具合が生じる場合もある。このため、ユーザによっては、通信設定を自動的に設定する方法を採用せず、通信設定を手作業で設定する方法を採用する場合がある。
【0010】
この場合、ユーザは、各々の通信機器に対し、その通信機器に応じて通信設定用のユーザインターフェース(例えば、通信設定画面等)を利用して、手作業で通信設定をおこなう必要がある。したがって、ユーザは、複数のユーザインターフェースの各々の操作方法を理解したうえで、これら複数のユーザインターフェースを操作しなければならない。
【0011】
特に、通信機器の中には、通信設定用のユーザインターフェースを備えていないものも存在し、このような通信機器に対しては、通信設定用のユーザインターフェースを備える装置を別途用意し、この装置から、やはり手作業で通信設定をおこなう必要がある。
【0012】
このように、複数の通信機器に対する通信設定を手作業でおこなうためには、手間、時間、コストをかけて、複数の通信機器に対応する複数のユーザインターフェースを操作しなければならない。
【0013】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、効率的かつ適確に、複数の通信機器に対して通信設定をおこなうことにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記した課題を解決するため、本発明に係る通信機器は、通信ネットワークを介して他の通信機器と互いに通信することが可能な通信機器であって、一の設定画面において、当該通信機器の通信設定値の入力を受け付けるとともに、他の通信機器の通信設定値の入力を受け付ける入力受付手段と、当該通信機器に対して、入力された当該通信機器の通信設定値を設定するとともに、前記他の通信機器に対して、入力された前記他の通信機器の通信設定値を設定する設定手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、一の通信機器から、当該一の通信機器を含む複数の通信機器の通信設定をおこなうことができる。したがって、ユーザは、複数の通信機器や、複数のユーザインターフェースを操作する必要がないため、手間や時間をかけることなく、複数の通信機器に対して通信設定をおこなうことができる。特に、他の通信機器がユーザインターフェースを有していない場合であっても、その通信機器の通信設定をおこなうための装置を別途用意したり操作したりする必要がないため、手間、時間、コストをかけることなく、複数の通信機器に対して通信設定をおこなうことができる。また、複数の通信機器に対して、通信設定の変更を一括しておこなうことができるので、例えば、ある通信機器の通信設定のみが変更されてしまい、通信機器同士が互いに通信することができなくなる、というような問題が発生することもない。
【0016】
特に、本発明によれば、一の設定画面から、複数の通信機器の通信設定をおこなうことができるので、複数の通信機器の通信設定を一目で判断することができる。例えばユーザは、複数の通信設定において、互いに同一としなければならない設定値(例えば、ネットワークアドレス)や、互いに同一としてはならない設定値(例えば、ホストアドレス)等の、複数の通信設定値同士を比較しながら、適切な値を入力しなければならない場合がある。この場合であっても、ユーザは、このような比較を、複数の画面を切り替えたりメモをとっておいたりする等、手間や時間がかかり、かつミスが発生しやすい作業をおこなうことなく、容易におこなうことができる。
【0017】
上記通信機器において、前記入力受付手段は、前記一の設定画面において、当該通信機器の通信設定および前記他の通信機器の通信設定に共通する通信設定値の入力を受け付け、前記設定手段は、入力された前記共通する通信設定値を、当該通信機器および前記他の通信機器の各々に対して設定することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、共通する通信設定値をユーザが複数回入力する手間を省くことができるうえ、共通であるべき通信設定値が複数の通信機器で互いに異なるといった設定ミスが生じることもない。
【0019】
上記通信機器において、前記共通する通信設定値は、少なくともIPアドレスのネットワークアドレス、ネットマスク、またはゲートウェイアドレスであることが好ましい。
【0020】
特に、IPアドレスのネットワークアドレス、ネットマスク、およびゲートウェイアドレスは、複数の通信機器に共通する重要な通信設定でありながら、入力に手間がかかるうえに、入力ミスが生じ易い通信設定である。この構成によれば、このような通信設定についても、ユーザの手間を省きつつ、設定ミスを排除することができる。
【0021】
なお、前記共通する通信設定値は、上記に限らず、DNSサーバのアドレス等であってもよい。
【0022】
また、上記通信機器において、入力された一または複数の通信設定値に基づいて、入力された他の通信設定値が正しいか否かを判断する判断手段と、前記判断手段によって前記他の通信設定値が正しくないと判断された場合、その旨をユーザに通知する通知手段とをさらに備えることが好ましい
一または複数の通信設定値に基づいて、他の通信設定値がある範囲内に制限される場合がある。この構成によれば、他の通信設定値として範囲外の値が誤って入力された場合でも、通信接続の試行をするまでもなく、直ちにその誤りを通知することで、入力された通信設定値の修正をユーザに促すことができる。
【0023】
また、上記通信機器において、入力された当該通信機器の通信設定値、および、入力された前記他の通信機器の通信設定値を使用して、前記他の通信機器との通信を試行する試行手段をさらに備え、前記判断手段は、前記通信の試行結果により、入力された当該通信機器の通信設定値、および、入力された前記他の通信機器の通信設定値が正しいか否かをさらに判断することが好ましい。
【0024】
この構成によれば、入力された通信設定値が正しいか否かを、実際に通信接続の試行をしなければ判断できない場合であっても、通信の試行により判断することができる。そして、入力された通信設定値が誤っていると判断した場合は、直ちにその誤りを通知することで、入力された通信設定値の修正をユーザに促すことができる。
【0025】
また、上記通信機器において、入力された一または複数の通信設定値に基づいて、他の通信設定項目に入力されるべき通信設定値を決定する決定手段と、前記他の通信設定項目に対して、決定された当該他の通信設定項目に入力されるべき通信設定値を自動的に入力する自動入力手段とをさらに備えることが好ましい。
【0026】
一または複数の通信設定値に基づいて、他の通信設定項目に入力されるべき通信設定値が決まる場合がある。この構成によれば、他の通信設定項目に入力されるべき通信設定値を自動的に決定し、さらに、他の通信設定項目に対してこの通信設定値を自動的に入力することができる。これにより、ユーザの手間や入力ミスの発生を大幅に軽減することができる。
【0027】
また、上記通信機器において、通信設定値が自動的に入力された前記他の通信設定項目に対する手動入力を制限する手動入力制限手段をさらに備えることが好ましい。
【0028】
この構成によれば、自動的に入力された通信設定値を誤って書き換えてしまうといった、ユーザによる入力ミスを確実に無くすことができる。自動的に入力された通信設定項目を制限することは、手動で入力すればよい通信設定項目を、ユーザに示すということにもなる。したがって、ユーザは、迷うことなく、手動で入力すればよい通信設定項目を容易に判断することができる。
【0029】
また、本発明に係るテレビジョン受像機は、上記通信機器を備えたことを特徴とする。
【0030】
本発明によれば、テレビジョン受像機により、上記通信機器と同様の効果を奏することができる。
【0031】
また、本発明に係る通信システムは、通信ネットワークを介して互いに通信することが可能な複数の通信機器を有する通信システムであって、前記複数の通信機器のうちの少なくともいずれか一の通信機器は、一の設定画面において、当該通信機器の通信設定値の入力を受け付けるとともに、他の通信機器の通信設定値の入力を受け付ける入力受付手段と、当該通信機器に対して、入力された当該通信機器の通信設定値を設定するとともに、前記他の通信機器に対して、入力された前記他の通信機器の通信設定値を設定する設定手段とを備えることを特徴とする。
【0032】
本発明によれば、上記通信機器と同様の効果を奏することができる。
【0033】
また、本発明に係る通信設定方法は、通信ネットワークを介して他の通信機器と互いに通信することが可能な通信機器による通信設定方法であって、一の設定画面において、当該通信機器の通信設定値の入力を受け付けるとともに、他の通信機器の通信設定値の入力を受け付ける入力受付工程と、当該通信機器に対して、入力された当該通信機器の通信設定値を設定するとともに、前記他の通信機器に対して、入力された前記他の通信機器の通信設定値を設定する設定工程とを含むことを特徴とする。
【0034】
本発明によれば、当該通信設定方法を通信機器が実行することにより、上記通信機器と同様の効果を奏することができる。
【0035】
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータを上記通信機器として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記通信機器が備える前記各手段として機能させるプログラムである。
【0036】
本発明によれば、コンピュータが当該プログラムを実行することにより、上記通信機器と同様の効果を奏することができる。
【0037】
また、本発明に係る記録媒体は、上記プログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0038】
本発明によれば、上記通信機器と同様の効果を奏することができる上記プログラムを当該記録媒体により提供することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明に係る通信機器、テレビジョン受像機、通信システム、通信設定方法、プログラム、および記録媒体によれば、一の通信機器から、当該一の通信機器を含む複数の通信機器に対して、通信設定をおこなうことができる。これにより、ユーザは、複数の通信機器の通信設定をおこなうために複数の機器を操作する必要がないため、手間や時間をかけることなく、複数の通信機器に対して通信設定をおこなうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】実施形態1に係るテレビジョン受像機の装置構成を示す図である。
【図2】実施形態1に係るモニタの構成を示すブロック図である。
【図3】実施形態1に係るSTBの構成を示すブロック図である。
【図4】実施形態1に係るモニタの制御回路が備える通信設定に関する機能の構成を示すブロック図である。
【図5】実施形態1に係るテレビジョン受像機における通信設定処理の手順を示すシーケンス図である。
【図6】複数の通信設定値を入力するための設定画面の一例を示す図である。
【図7】複数の通信設定値の入力例を示す図である。
【図8】複数の通信設定値の入力例を示す図である。
【図9】複数の通信設定値が正しくないことを通知するためのエラーメッセージの一例を示す図である。
【図10】入力された通信設定値が正しくない部分を通知する方法の一例を示す図である。
【図11】実施形態2に係るモニタの制御回路が備える通信設定に関する機能の構成を示すブロック図である。
【図12】実施形態3に係るモニタの制御回路が備える通信設定に関する機能の構成を示すブロック図である。
【図13】通信設定値の自動入力例を示す図である。
【図14】通信設定値の自動入力例を示す図である。
【図15】通信設定値の自動入力例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0042】
(実施形態1)
(テレビジョン受像機100の概要)
まず、図1を参照して、実施形態1に係るテレビジョン受像機100の概要について説明する。図1は、実施形態1に係るテレビジョン受像機100の装置構成を示す図である。図1に示すテレビジョン受像機100は、地上デジタル放送の放送波またはBS/CSデジタル放送の放送波として送信された各種コンテンツを、対応するチューナ(地上デジタルチューナまたはBS/CSデジタルチューナ)によって受信し、このコンテンツを再生することができる。
【0043】
このテレビジョン受像機100は、モニタ110およびSTB(セットトップボックス)120を、通信機器として備えている。STB120およびモニタ110は、LAN10に接続されており、LAN10を介して互いに通信することが可能となっている。
【0044】
STB120およびモニタ110は互いが同一ネットワーク(互いに直接通信できる範囲)に接続されていることを前提として、ブロードキャストもしくはマルチキャストベースのプロトコルにより探索を行い、互いを発見し通信を行う。
【0045】
STB120には、地上デジタル放送およびBS放送を受信するチューナが内蔵されている。STB120は、DTV/BSアンテナ16によって受信されたコンテンツを、このチューナを用いて取得する。そして、STB120は、取得したコンテンツを、LAN10を介して、モニタ110に送信する。そして、モニタ110は、得られたコンテンツをディスプレイに表示する。
【0046】
実施形態1においては、モニタ110として、液晶ディスプレイを採用しているが、これ以外にも、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、ブラウン管ディスプレイ等が採用され得る。
【0047】
STB120およびモニタ110には、外部機器を接続することができる。例えば、STB120は、USB−HDDを接続することができる。そして、STB120は、USB−HDDにコンテンツを録画したり、USB−HDDに録画したコンテンツをモニタ110に送信して表示させたりすることができる。同様に、モニタ110は、レコーダ/プレーヤを接続することができる。そして、モニタ110は、レコーダ/プレーヤによって再生されたコンテンツを表示したりすることができる。
【0048】
LAN10は、ルータ12を介して、インターネット14に接続されている。これにより、STB120およびモニタ110は、LAN10を介してインターネット14にアクセスすることが可能となっている。例えば、STB120およびモニタ110は、インターネット14からコンテンツをダウンロードして再生したり、インターネット14からテレビ番組情報等の各種情報を取得して表示したり、インターネット14に対して懸賞の応募情報等の各種情報を送信したりすることができる。
【0049】
なお、実施形態1のSTB120およびモニタ110は、LANケーブルによってLAN10に有線接続されているが、少なくともいずれか一方の通信機器を、無線アクセスポイントを介して、LAN10に無線接続させることも可能である。この場合、無線アクセスポイントとの無線通信が可能なエリア内の任意の場所に、その通信機器を設置することが可能になる。無線アクセスポイントとの無線通信に好適な通信規格としては、例えば、IEEE802.11シリーズなどが挙げられる。
【0050】
また、STB120およびモニタ110は、LAN10を介さずに、他の無線通信または有線通信を介して、直接的に互いに通信することも可能である。ユーザは、STB120およびモニタ110との間の通信接続形態として、LAN10を介した接続形態を選択することもできるし、LAN10を介さない直接的な接続形態を選択することもできる。後者の場合、STB120は、LAN10に接続されていてもよく、LAN10の無線アクセスポイントとして機能してもよい。これにより、例えば、モニタ110は、STB120を介してLAN10やインターネットにアクセスすることができる。
【0051】
(モニタ110の構成)
ここで、図2を参照して、モニタ110の構成について説明する。図2は、実施形態1に係るモニタ110の構成を示すブロック図である。
【0052】
図2に示すように、モニタ110は、LANモジュール212、DRM復号部214、制御回路240、パネルコントローラ218、ディスプレイ219、HDMIトランシーバ/レシーバ216、インジケータ220、電源部224、リモコン250、リモコン受光部252、および操作ボタン260を備えている。
【0053】
LANモジュール212は、LAN通信のための通信インターフェースである。例えば、LANモジュール212は、STB120から送信された、コンテンツの暗号化データを受信する。LANモジュール212によって受信された暗号化データは、DRM復号部214に供給される。DRM復号部214は、供給された暗号化データを復号することによって映像信号を得る。DRM復号部214によって得られた映像信号は、パネルコントローラ218に供給される。パネルコントローラ218は、供給された映像信号に基づいて、当該映像信号に応じた映像をディスプレイ219に表示させる。
【0054】
HDMIトランスミッタ/レシーバ216は、レコーダ、プレーヤなどの外部機器との通信を実現するための通信インターフェースである。
【0055】
例えば、HDMIトランスミッタ/レシーバ216は、外部機器によって再生されたコンテンツの映像信号をその外部機器から受信する。HDMIトランスミッタ/レシーバ216によって得られた映像信号は、STB120から受信したコンテンツの映像信号と同様に、パネルコントローラ218に供給される。これにより、その映像信号に応じた映像がディスプレイ219の表示パネルに表示される。
【0056】
電源部224は、モニタ110の各部に対し、その動作に必要な電力を供給する。
【0057】
インジケータ220は、制御回路240の制御により点灯することにより、モニタ110の状態等をユーザに通知するためのものである。
【0058】
リモコン250は、モニタ110の本体とは別体に設けられており、モニタ110に対して各種遠隔操作をおこなうためのものである。
【0059】
リモコン受光部252は、リモコン250により発せられた赤外光を受光することにより、リモコン250による遠隔操作を受け付けるためのものである。
【0060】
操作ボタン260は、モニタ110の本体に設けられており、モニタ110に対する各種操作をおこなうためのものである。
【0061】
例えば、ユーザは、リモコン250または操作ボタン260を操作することによって、テレビジョン受像機100に対して、電源のON/OFF、音量調整、入力切り替え、選局、各種設定、録画、再生等の操作をおこなうことができる。
【0062】
制御回路240は、CPU、ROM、RAM等によって構成されており、ROM、RAM等に記録されているプログラムをCPUが実行することにより、モニタ110の各部を制御する。
【0063】
(STB120の構成)
続いて、図3を参照して、STB120の構成について説明する。図3は、実施形態1に係るSTB120の構成を示すブロック図である。
【0064】
図3に示すように、STB120は、チューナ302、デモジュレータ304、デマルチプレクサ306、制御回路340、DRM暗号化部308、LANモジュール310、インジケータ320、電源部324、および操作ボタン350を備えている。
【0065】
チューナ302は、デジタルテレビ放送の放送波またはBSデジタル放送の放送波をDTV/BSアンテナ16から受信する。チューナ302によって受信された映像データは、デモジュレータ304に供給される。
【0066】
デモジュレータ304は、映像データを復調する。デモジュレータ304によって復調された映像データは、デマルチプレクサ306に供給される。デマルチプレクサ306は、映像データから映像信号を分離する。デマルチプレクサ306によって分離された映像信号は、DRM暗号化部308へ供給される。DRM暗号化部308は、供給された映像信号を暗号化することによって暗号化データを得る。DRM暗号化部308によって得られた暗号化データは、LANモジュール310に供給される。LANモジュール310は、LAN通信のための通信インターフェースである。LANモジュール310は、供給された暗号化データをモニタ110に送信する。
【0067】
電源部324は、STB120の各部に対し、その動作に必要な電力を供給する。
【0068】
インジケータ320は、制御回路340の制御によって点灯することにより。STB120の状態等をユーザに通知するためのものである。
【0069】
操作ボタン350は、STB120の本体に設けられており、STB120に対する各種操作をおこなうためのものである。
【0070】
例えば、ユーザは、この操作ボタン350を操作することによって、STB120に対して、電源のON/OFF等の操作をおこなうことができる。
【0071】
制御回路340は、CPU、ROM、RAM等によって構成されており、ROM、RAM等に記録されているプログラムをCPUが実行することにより、STB120の各部を制御する。
【0072】
(通信設定)
ここで、STB120およびモニタ110がLAN10を介して互いに通信するためには、STB120およびモニタ110の各々に対し、通信設定をおこなう必要がある。本実施形態のテレビジョン受像機100は、STB120およびモニタ110の各々の通信設定を、モニタ110から一括しておこなうことが可能となっている。以下、モニタ110による通信設定の設定方法について具体的に説明する。
【0073】
(通信設定機能)
まず、図4を参照して、モニタ110の制御回路240が備える通信設定に関する機能について説明する。図4は、実施形態1に係るモニタ110の制御回路240が備える通信設定に関する機能の構成を示すブロック図である。図4に示すように、制御回路240は、通信設定に関する機能として、入力受付部402、判断部404、通知部406、設定部408、および自動取得部420を備えている。
【0074】
(入力受付部)
入力受付部402は、一の設定画面において、STB120およびモニタ110の各々の通信設定値の入力を受け付ける。具体的には、入力受付部402は、上記通信設定値を設定するための設定画面をディスプレイ219に表示する。ユーザは、リモコン250を操作することにより、この設定画面に対して上記通信設定値を入力する。
【0075】
(判断部)
判断部404は、入力された複数の通信設定値が正しいか否かを判断する。具体的には、上記複数の通信設定値は、互いに相関関係を有している。判断部404は、入力された複数の通信設定値が、互いにこの相関関係を満たしていか否かを判断することにより、各通信設定値が正しいか否かを判断する。
【0076】
例えば、本実施形態の例では、上記複数の通信設定値には、STB120およびモニタ110の各々のIPアドレス、ネットマスク、およびゲートウェイが含まれている。このうち、STB120のIPアドレスは、STB120に設定されるものである。また、モニタ110のIPアドレスは、モニタ110に設定されるものである。そして、ネットマスクおよびゲートウェイは、STB120およびモニタ110の各々に設定されるものである。
【0077】
ここで、ネットマスクとは、IPアドレスのうちのネットワークアドレスの部分を定めることにより、LAN10内で直接通信できるIPアドレスの範囲を定めるものである。
【0078】
すなわち、STB120およびモニタ110の各々のIPアドレスは、ネットマスクによって定められたIPアドレスの範囲内であり、かつ互いに異なっていなければならない。
【0079】
そのため、STB120およびモニタ110の各々のIPアドレスは、(1)ネットワークアドレスが互いに同一であり、かつ(2)ホストアドレスが互いに異なっていなければならない。
【0080】
そこで、判断部404は、STB120およびモニタ110の各々のIPアドレスが、上記(1),(2)の全てを満たしているか否かを判断することによって、これらのIPアドレスが正しいか否かを判断する。例えば、判断部404は、STB120およびモニタ110の各々のIPアドレスが、上記(1),(2)の全てを満たしている場合には、これらのIPアドレスが正しいと判断し、STB120およびモニタ110の各々のIPアドレスが、上記(1),(2)のいずれかが満たされていない場合には、これらのIPアドレスが正しくないと判断する。
【0081】
(通知部)
通知部406は、入力された通信設定値が正しくないと判断部404によって判断された場合、その旨をユーザに通知するための構成である。
【0082】
例えば、通知部406は、入力された通信設定値が正しくない旨のメッセージをディスプレイ219に表示する。または、通知部406は、設定画面上において、入力された通信設定値が正しくない部分を強調表示する。
【0083】
(設定部)
設定部408は、STB120およびモニタ110の各々に対して、入力された複数の通信設定値のうちの、対応する通信設定値を設定する。
【0084】
具体的には、設定部408は、STB120が備える通信設定テーブルに対しては、ネットマスクおよびゲートウェイを設定するとともに、自装置のIPアドレスとして、STB120のIPアドレスを設定し、通信相手先のIPアドレスとして、モニタ110のIPアドレスを設定する。
【0085】
一方、設定部408は、モニタ110が備える通信設定テーブルに対しては、ネットマスクおよびゲートウェイを設定するとともに、自装置のIPアドレスとして、モニタ110のIPアドレスを設定し、通信相手先のIPアドレスとして、STB120のIPアドレスを設定する。
【0086】
これにより、STB120およびモニタ110は、LAN10を介して互いに通信をおこなうことが可能となる。
【0087】
(自動取得部)
自動取得部420は、複数の通信設定値の少なくとも一部を、自動的に取得する。本実施形態の例では、デフォルト設定としてSTB120およびモニタ110に自動的に取得する設定がなされている。また、ユーザは、STB120およびモニタ110の各々IPアドレスを自動的に取得するか否かを選択することができる。自動的に取得する設定となっている場合、自動取得部420は、DHCPやAutoIP等により、当該モニタ110のIPアドレスを自動的に取得する。この場合、設定部408は、自動的に取得されたIPアドレスを、モニタ110が備える通信設定テーブルに対して、自装置のIPアドレスとして設定する。
【0088】
また、ユーザによって自動的に取得することが選択された場合、自動取得部420は、その旨をSTB120に設定する。デフォルト設定によるか、ユーザによってこの設定がなされたSTB120は、DHCPやAutoIP等により、当該STB120のIPアドレスを自動的に取得し、取得したIPアドレスを、当該STB120が備える通信設定テーブルに対して、自装置のIPアドレスとして設定する。
【0089】
STB120およびモニタ110は自身の設定が行われた後、あらかじめ定めたプロトコルに基づき検索をおこない、発見したアドレスを自身が備える通信設定テーブルに対して、通信相手先のIPアドレスとして設定する。
【0090】
(通信設定処理の手順)
次に、図5を参照して、テレビジョン受像機100における通信設定処理の手順について説明する。図5は、実施形態1に係るテレビジョン受像機100における通信設定処理の手順を示すシーケンス図である。
【0091】
この通信設定処理は、STB120およびモニタ110を新たに互いに通信接続させる場合や、通信接続の経路をLAN10に切り替える場合、既になされているLAN10の通信設定をし直す場合等に実行される。いずれにしても、テレビジョン受像機100は、予め定められたタイミングで通信設定処理を実行してもよく、ユーザが指定した任意のタイミングで通信設定処理を実行してもよい。
【0092】
(仮接続)
まず、モニタ110は、自動取得部420により、DHCPやAutoIP等により、STB120との通信をおこなうための一時的なIPアドレスを取得し(ステップS502)、取得されたIPアドレスを使用して、LAN10に仮接続する(ステップS504)。
【0093】
同様に、STB120は、DHCPやAutoIP等により、モニタ110との通信をおこなうための一時的なIPアドレスを取得し(ステップS506)、取得されたIPアドレスを使用して、LAN10に仮接続する(ステップS508)。
【0094】
そして、STB120およびモニタ110は、LAN10に対して、例えばペアリング処理等によって事前に得られた各々のMACアドレス等を用いて、通信相手を検索したり、この検索に対して応答したりすることにより、互いに通信相手として認識しあう(ステップS510,512)。
【0095】
もちろん、モニタ110およびSTB120が既にLAN10に接続され、互いに通信相手として認識しあっている場合は、これらの処理をおこなわなくても良い。
【0096】
本実施形態の例ではデフォルト設定として自動取得の設定を行うようにしておき、この状態で問題なければ設定の変更をしなくてもそのまま常用してもよい。また、仮接続の方法としては自動設定ではなく、他の機器をLAN10へ接続しないなどの制約をかけて、あらかじめ定めた特定の固定アドレスを設定することで実現してもよい。
【0097】
(通信設定)
続いて、モニタ110は、入力受付部402により、STB120およびモニタ110の各々の通信設定値の入力を受け付ける(ステップS520)。そして、モニタ110は、判断部404により、ステップS520で入力された複数の通信設定値が正しいか否かを判断する(ステップS522)。
【0098】
ステップS522において、入力された複数の通信設定値が正しくないと判断した場合(ステップS522:No)、モニタ110は、通知部406によって、入力された通信設定値が正しくない旨を示すエラーメッセージを通知し(ステップS524)、ステップS520に戻って、再度、通信設定値の入力を受け付ける。
【0099】
一方、ステップS522において、入力された複数の通信設定値が正しいと判断した場合(ステップS522:Yes)、モニタ110は、設定部408により、STB120に対して対応する通信設定値を送信する(ステップS526)。
【0100】
この通信設定値を受信したSTB120は、一旦LAN10から切断し(ステップS530)、この通信設定値をLAN10に関する通信設定項目に設定し(ステップS532)、この通信設定値を利用してLAN10に再接続する(ステップS534)。
【0101】
同様に、モニタ110は、一旦LAN10から切断し(ステップS540)、入力された通信設定値をLAN10に関する通信設定項目に設定し(ステップS542)、この通信設定値を利用してLAN10に再接続する(ステップS544)。
【0102】
(設定画面の一例)
図6は、複数の通信設定値を入力するための設定画面の一例を示す図である。図6に示す画面600は、複数の通信設定値を入力するための設定画面である。この画面600は、入力受付部402がSTB120およびモニタ110の各々の通信設定値の入力を受け付ける際に、モニタ110のディスプレイ219に表示される。
【0103】
図6に示すように、画面600は、選択欄610、入力欄620、入力欄630、入力欄640を有している。
【0104】
選択欄610は、STB120およびモニタ110の各々のIPアドレスを自動取得するか否かを選択するために設けられている。入力欄620は、モニタ110のIPアドレスを入力するために設けられている。入力欄630は、STB120のIPアドレスを入力するために設けられている。
【0105】
そして、入力欄630は、STB120およびモニタ110に共通する通信設定項目である、ネットマスクおよびゲートウェイルータのIPアドレスを入力するために設けられている。なお、ゲートウェイルータのIPアドレスの入力は、LAN10にゲートウェイルータが設けられている場合のみ入力すればよい。本実施形態のLAN10には、ゲートウェイルータが設けられていないこととする。
【0106】
(通信設定値の入力例およびエラーメッセージの一例)
図7および図8は、複数の通信設定値の入力例を示す図である。図9は、複数の通信設定値が正しくないことを通知するためのエラーメッセージの一例を示す図である。
【0107】
図7および図8に示す例では、図6で説明した画面600に対して、複数の通信設定値が入力されている。
【0108】
例えば、図7の例では、選択欄610において、IPアドレスを自動取得しないための「いいえ」ボタンが選択されている。また、入力欄620においては、モニタ110のIPアドレスとして、「192.168.0.10」が入力されている。また、入力欄630においては、STB120のIPアドレスとして、「192.168.0.11」が入力されている。また、入力欄640においては、モニタ110およびSTB120に共通するネットマスクとして、「255.255.255.0」が入力されている。
【0109】
一方、図8の例では、選択欄610において、IPアドレスを自動取得しないための「いいえ」ボタンが選択されている。また、入力欄620においては、モニタ110のIPアドレスとして、「192.168.0.10」が入力されている。また、入力欄630においては、STB120のIPアドレスとして、「192.168.1.11」が入力されている。また、入力欄640においては、モニタ110およびSTB120に共通するネットマスクとして、「255.255.255.0」が入力されている。
【0110】
このように、複数の通信設定値が入力されると、モニタ110の判断部404は、直ちに、または、画面600に設けられた「次へ」ボタンが押下されたタイミングで、これら複数の通信設定値が正しいか否かを判断する。
【0111】
例えば、図7の例では、判断部404は、ネットマスクの設定から、IPアドレスの上位24ビットがネットワークアドレスになると判断する。そして、判断部404は、モニタ110のIPアドレスのネットワークアドレスと、STB120のIPアドレスのネットワークアドレスとが同じ「192.168.0」であることから、これらのIPアドレスの設定が正しいと判断する。
【0112】
この場合、モニタ110は、複数の通信設定値が正しくないことを示すエラーメッセージを通知することなく、これら複数の通信設定値を、モニタ110およびSTB120へ反映する。
【0113】
一方、図8の例では、判断部404は、ネットマスクの設定から、IPアドレスの上位24ビットがネットワークアドレス(IPアドレスのネットワーク部)になり、残りの8ビットがホストアドレス(IPアドレスのホスト部)になると判断する。そして、判断部404は、モニタ110のIPアドレスのネットワークアドレスが「192.168.0」であり、STB120のIPアドレスのネットワークアドレスが「192.168.1」であり、両者が異なっていることから、これらのIPアドレスの設定が正しくないと判断する。
【0114】
これに応じて、モニタ110の通知部406は、複数の通信設定値が正しくないことを通知するためのエラーメッセージが示された画面900(図9参照)を、モニタ110のディスプレイに表示する。その後、モニタ110は、複数の通信設定値の再入力を受け付ける。
【0115】
図10は、入力された通信設定値が正しくない部分を通知する方法の一例を示す図である。モニタ110の通知部406は、入力された複数の通信設定値のうち、判断部404によって正しくないと判断された部分をユーザに通知してもよい。
【0116】
例えば、通知部406は、設定画面に対し、入力された通信設定値が正しくない部分を強調することにより、この正しくない部分をユーザに通知してもよい。
【0117】
図10の例では、図8の例と同様に、ネットマスクとして「255.255.255.0」が入力されているのに対し、モニタ110のIPアドレスのネットワークアドレスが「192.168.0」であり、STB120のIPアドレスのネットワークアドレスが「192.168.1」であり、両者が異なっていることから、これらのIPアドレスの設定が正しくないと判断部404によって判断されている。
【0118】
そのため、図10に示す画面600は、通知部406の制御により、入力された通信設定値が正しい部分については着色され、入力された通信設定値が正しくない部分(モニタ110のIPアドレスにおいて、「0」が入力されている3番目の8ビットの部分、および、STB120のIPアドレスにおいて、「1」が入力されている3番目の8ビットの部分)については着色されていない。
【0119】
これにより、ユーザは、どの部分が正しくないかを容易に把握することができるため、正しい通信設定値を適確かつ迅速に入力することができる。
【0120】
なお、図10の例では、ネットマスクの設定が間違っている可能性もある。そこで、通知部406は、IPアドレスの一部を強調表示することに加えて/替えて、ネットマスクの設定を強調表示するようにしてもよい。
【0121】
(効果)
以上のように、実施形態1のテレビジョン受像機100によれば、モニタ110から、当該モニタ110およびSTB120の各々の通信設定をおこなうことができる。したがって、ユーザは、モニタ110およびSTB120のそれぞれのユーザインターフェースを操作する必要がないため、手間や時間をかけることなく、モニタ110およびSTB120の各々に対して通信設定をおこなうことができる。特に、STB120はユーザインターフェースを有していないが、STB120の通信設定をおこなうための装置を別途用意したり操作したりする必要がないため、手間、時間、コストをかけることなく、モニタ110およびSTB120の各々に対して通信設定をおこなうことができる。
【0122】
また、実施形態1のテレビジョン受像機100によれば、同じ設定画面から、モニタ110およびSTB120の各々の通信設定をおこなうことができるので、IPアドレス同士の比較や、IPアドレスとネットマスクとの比較等の等の、複数の通信設定値同士の比較を容易におこなうことができる。
【0123】
また、実施形態1のテレビジョン受像機100によれば、設定画面上において共通する通信設定値(ネットマスクおよびゲートウェイルータのIPアドレス)をそれぞれ一つずつ入力する構成としたので、共通する通信設定値をユーザが複数回入力する手間を省くことができるうえ、共通する通信設定値がモニタ110とSTB120とで異なるといった入力ミスも生じない。
【0124】
また、実施形態1のテレビジョン受像機100によれば、入力された一または複数の通信設定値に基づいて、入力された他の通信設定値が正しいか否かを判断し、正しくないと判断された場合、その旨を通知することとしたので、他の通信設定値が誤って入力された場合でも、通信接続の試行をするまでもなく、直ちにその誤りを通知することで、入力された他の通信設定値の修正をユーザに促すことができる。
【0125】
(実施形態2)
次に、本発明に係る実施形態2について説明する。この実施形態2のテレビジョン受像機100は、以下に説明する点以外の点については、実施形態1で説明したテレビジョン受像機100と同様であるため、説明を省略する。以下、実施形態1で説明したテレビジョン受像機100との相違点について説明する。
【0126】
図11は、実施形態2に係るモニタ110の制御回路240が備える通信設定に関する機能の構成を示すブロック図である。図11に示すように、この実施形態2の制御回路240は、実施形態1の制御回路240から、さらに試行部410を備えた構成となっている。
【0127】
(試行部)
試行部410は、入力された複数の通信設定値を使用して、STB120およびモニタ110による通信を試行する。
【0128】
例えば、試行部410は、STB120およびモニタ110の各々に対して、入力された通信設定値(IPアドレス、ネットマスク、およびゲートウェイ)を仮設定する。そのとき、試行部410は、STB120およびモニタ110の双方または一方に対して、通信を試行するように指示しておく。
【0129】
そして、試行部410は、STB120およびモニタ110の双方または一方から、通信の試行結果を示す信号を受信する。
【0130】
例えば、試行部410は、複数の通信設定値が入力され、この入力が確定されたタイミングで、上記通信を試行する。または、試行部410は、複数の通信設定値が入力され、これら複数の通信設定値が正しいと判断部404によって判断されたタイミングで、上記通信を試行してもよい。または、試行部410は、ユーザが指定した任意のタイミングで、上記通信を試行してもよい。
【0131】
(判断部)
試行部410が受信した信号が、試行が正常に終了したことを示すものである場合、判断部404は、入力された通信設定値が正しいと判断する。反対に、試行部410が受信した信号が、試行が正常に終了していないことを示すものである場合、判断部404は、入力された通信設定値が正しくないと判断する。通信が継続しておらず設定値が正しくないと判断部404が判断した場合、モニタ110は、仮設定した内容を元に戻すなどして通信が継続できるよう復帰処理を行ってもよい。
【0132】
(通知部)
このように、試行結果に基づいて、入力された通信設定値が正しくないと判断された場合も、通知部406は、実施形態1と同様に、入力された通信設定値が正しくない旨を通知する。
【0133】
(効果)
以上のように、実施形態2のテレビジョン受像機100によれば、STB120とモニタ110とによる通信の試行結果により、入力されたモニタ110の通信設定値、および、入力されたSTB120の通信設定値が正しいか否かをさらに判断することとした。
【0134】
これにより、入力された通信設定値が正しいか否かを、実際に通信接続をしなければ判断できない場合であっても、通信の試行により判断することができる。そして、入力された通信設定値が誤っていると判断した場合は、直ちにその誤りを通知することで、入力された通信設定値の修正をユーザに促すことができる。
(実施形態3)
次に、本発明に係る実施形態3について説明する。この実施形態3のテレビジョン受像機100は、以下に説明する点以外の点については、実施形態1で説明したテレビジョン受像機100と同様であるため、説明を省略する。以下、実施形態1で説明したテレビジョン受像機100との相違点について説明する。
【0135】
図12は、実施形態3に係るモニタ110の制御回路240が備える通信設定に関する機能の構成を示すブロック図である。図12に示すように、この実施形態3の制御回路240は、実施形態1の制御回路240から、さらに決定部432、自動入力部434、および入力制限部436を備えた構成となっている。
【0136】
(決定部)
決定部432は、入力された一または複数の通信設定値に基づいて、他の通信設定項目に入力されるべき通信設定値を決定する。
【0137】
(自動入力部)
自動入力部434は、上記他の通信設定項目に対して、決定部432によって決定された当該他の通信設定項目に入力されるべき通信設定値を自動的に入力する。
【0138】
(入力制限部)
入力制限部436は、通信設定値が自動的に入力された上記他の通信設定項目に対する手動入力を制限する。入力を制限するとは、入力を不可にする。
【0139】
(通信設定値の自動入力例)
図13、図14、および図15は、通信設定値の自動入力例を示す図である。
【0140】
例えば、サブネットマスクはRFC791に定められたアドレスクラスに準じて運用される場合が多いことから、図13に示すように、入力欄620に「192.168.0.10」と入力された場合、決定部432は、クラスCのアドレスが入力されたと判断し、ネットマスクとして「255.255.255.0」を決定する。そして、このネットマスクが、図14に示すように、自動入力部434により、入力欄640へ自動入力される。
【0141】
また、決定部432は、上記ネットマスクからネットワークアドレスとして「192.168.0」を決定する。そして、このネットワークアドレスが、図14に示すように、自動入力部434により、入力欄630へ自動入力される。
【0142】
さらに、入力欄630へ自動入力されたネットワークアドレス部は、入力欄620へ入力されたディスプレイ部のIPアドレスと、入力欄640へ自動入力されたネットマスクとによって決定される値である。従って、入力制限部436は、この入力欄630のネットワークアドレス部がこれ以外の設定値に変更されると正しい設定値として設定できないと判断し、図15に示すように、この入力欄630のネットワークアドレス部を手動入力できないように制限する。
【0143】
この状態で、ユーザが入力欄620のアドレスを「192.168.1.10」に変更した場合、自動入力部434は、入力欄630へ自動入力されたネットワークアドレスを「192.168.1」に自動的に変更する。また、ユーザがネットマスクを「255.255.0.0」に変更した場合、入力制限部436は、入力欄630の入力制限を「192.168」の範囲に変更する。
【0144】
また、ネットマスクでは「255.255.254.0」の様な指定もできる。入力欄640のネットマスクをこのように変更した場合、IPアドレスの24ビット目がホストアドレスとなるため、制限できる範囲は「192.168」となり、その次の入力欄は取り得る値が制限され、「0」もしくは「1」のどちらかになるため変更できるようにしておく、この場合の入力制限の方法としては、手動入力可能としておき、入力後に範囲内に収まっているかをチェックしてもよいし、一定の範囲の値から選択させるインターフェースを利用して範囲外の値を入力できないようにしてもよい。
【0145】
(通信設定値の他の自動入力例)
自動入力の例として、仮接続を行った時に用いた通信設定値を推奨値として入力しておいてもよい。例えば仮接続を行った時に用いたモニタ110のIPアドレス、STB120のIPアドレス、ネットマスクが、それぞれ、「192.168.1.10」、「192.168.1.11」、「255.255.255.0」であった場合、これらの通信設定値を、対応する入力欄に自動入力しておいてもよい。また、ネットマスクからネットワークアドレスを「192.168.1」と決定し、このネットワークアドレスを、入力欄620および入力欄630の各々に設定しておき、入力欄620および入力欄630の各々のホストアドレスのみユーザに入力してもらう形をとってもよい。
【0146】
(通信設定値の他の自動入力例)
さらなる例として、LAN10に他の機器が接続されていないと仮定すると任意のアドレスが設定可能であることから、推奨値としてあらかじめメモリに格納されているIPアドレスとネットマスクの組、例えば「192.168.0.10」、「192.168.0.11」、「255.255.255.0」等、を自動で入力する手段を備えていてもよく。この場合は前述の入力制限を含めて設定済みであり、問題なければユーザはそのまま入力の手間を一切かけずに設定できるようにしておいてもよい。また、あらかじめ入力されるIPアドレスを、ネットワークアドレス部までとするなど、多くの場合に変更しなくてもよい部分のみにしておき、残りの部分をユーザに入力してもらうという形をとることもできる。
【0147】
(効果)
以上のように、実施形態3のテレビジョン受像機100によれば、入力された一または複数の通信設定値に基づいて、他の通信設定項目に入力されるべき通信設定値を決定し、他の通信設定項目に対して、決定された当該他の通信設定項目に入力されるべき通信設定値を自動的に入力することとした。
【0148】
これにより、ユーザの手間や入力ミスの発生を大幅に軽減することができる。
【0149】
また、実施形態3のテレビジョン受像機100によれば、通信設定値が自動的に入力された他の通信設定項目に対する手動入力を制限することとした。
【0150】
これにより、自動的に入力された通信設定値を誤って書き換えてしまうといった、ユーザによる入力ミスを確実に無くすことができる。また、ユーザは、手動で入力すればよい通信設定項目を容易に判断することができる。
(プログラム、記憶媒体)
実施形態で説明したテレビジョン受像機100の各機能は、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0151】
例えば、テレビジョン受像機100は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の各種記憶装置(記録媒体)を備えている。そして、上記CPUが、上記各種記憶装置に格納されているプログラムを読み出し、このプログラムを実行することによって、テレビジョン受像機100の各機能を実現することができる。
【0152】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類等を用いることができる。
【0153】
なお、上記プログラムは、通信ネットワークを介してテレビジョン受像機100に供給されてもよい。この通信ネットワークは、少なくとも上記プログラムをテレビジョン受像機100に伝送可能であればよく、その種類はどのようなものであっても良い。例えば、通信ネットワークとしては、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。
【0154】
また、上記プログラムをテレビジョン受像機100に供給するための伝送媒体としても、どのような種類のものを利用しても良い。例えば、伝送媒体として、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線によるものを利用しても良い。また、伝送媒体として、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE80211無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線によるものを利用しても良い。
【0155】
(補足説明)
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0156】
(本発明の適用対象)
各実施形態では、本発明をテレビジョン受像機に適用した例を説明したが、少なくとも複数の通信機器を備えるものであれば、これ以外の装置やシステムにも、本発明を適用することができる。例えば、テレビ、チューナ、モニタ、レコーダ、PC、携帯端末、サーバ、プリンタ、スキャナ、家電製品、監視カメラ等を通信機器として備える通信システムや、アンプ、スピーカ等を通信機器として備えるオーディオシステム等にも、本発明を適用することができる。
【0157】
また、各実施形態では、LANに対する通信設定をおこなう例を説明したが、これ以外の通信ネットワークに対する通信設定をおこなう場合にも、本発明を適用することができる。
【0158】
また、各実施形態では、IPアドレス、ネットマスク、およびゲートウェイサーバの通信設定をおこなう例を説明したが、これ以外の通信設定項目に対する通信設定をおこなう場合にも、本発明を適用することができる。
【0159】
また、各実施形態では、テレビジョン受像機が備える2つの通信機器の通信設定をおこなう例を説明したが、3つ以上の通信機器の通信設定をおこなう場合にも、本発明を適用することができる。
【0160】
また、各実施形態では、互いに通信をおこなう複数の通信機器のうち、通信設定可能な通信機器を1つだけ備える例を説明したが、通信設定可能な通信機器を複数備える構成とすることもできる。この場合、ユーザは、通信設定可能な通信機器のうちのいずれかから、各通信機器の通信設定をおこなえばよい。
【0161】
また、各実施形態では、入力された通信設定値が誤っていると判断した場合、エラーメッセージを表示することによりその旨を通知することとしたが、さらに警告音を発するなど、他の通知方法を用いて、その旨を通知するようにしてもよい。
【0162】
また、実施形態3では、通信設定項目に設定すべき通信設定値を、その通信設定項目に自動的に入力する例を説明したが、その通信設定値を自動的に入力せずに画面に表示し、その通信設定値を入力するように、ユーザに促すようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0163】
本発明は、他の通信機器と互いに通信することが可能な通信機器、このような通信機器を備えるテレビジョン受像機、このような通信機器を含む複数の通信機器を有する通信システム、このような通信機器を含む複数の通信機器に対する通信設定をおこなうための通信設定方法、コンピュータをこのような通信機器として機能させるためのプログラム、このようなプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録することが可能な記録媒体等に適用することができる。
【符号の説明】
【0164】
10 LAN(通信ネットワーク)
100 テレビジョン受像機
110 モニタ(通信機器)
120 STB(他の通信機器)
219 ディスプレイ
250 リモコン
240 制御回路
402 入力受付部(入力受付手段)
404 判断部(判断手段)
406 通知部(通知手段)
408 設定部(設定手段)
410 試行部(試行手段)
420 自動取得部
432 決定部(決定手段)
434 自動入力部(自動入力手段)
436 入力制限部(入力制限手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して他の通信機器と互いに通信することが可能な通信機器であって、
一の設定画面において、当該通信機器の通信設定値の入力を受け付けるとともに、他の通信機器の通信設定値の入力を受け付ける入力受付手段と、
当該通信機器に対して、入力された当該通信機器の通信設定値を設定するとともに、前記他の通信機器に対して、入力された前記他の通信機器の通信設定値を設定する設定手段と
を備えることを特徴とする通信機器。
【請求項2】
前記入力受付手段は、
前記一の設定画面において、当該通信機器の通信設定および前記他の通信機器の通信設定に共通する通信設定値の入力を受け付け、
前記設定手段は、
入力された前記共通する通信設定値を、当該通信機器および前記他の通信機器の各々に対して設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信機器。
【請求項3】
前記共通する通信設定値は、少なくともIPアドレスのネットワークアドレス、ネットマスク、またはゲートウェイアドレスである
ことを特徴とする請求項2に記載の通信機器。
【請求項4】
入力された一または複数の通信設定値に基づいて、入力された他の通信設定値が正しいか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって前記他の通信設定値が正しくないと判断された場合、その旨をユーザに通知する通知手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の通信機器。
【請求項5】
入力された当該通信機器の通信設定値、および、入力された前記他の通信機器の通信設定値を使用して、前記他の通信機器との通信を試行する試行手段をさらに備え、
前記判断手段は、
前記通信の試行結果により、入力された当該通信機器の通信設定値、および、入力された前記他の通信機器の通信設定値が正しいか否かをさらに判断する
ことを特徴とする請求項4に記載の通信機器。
【請求項6】
入力された一または複数の通信設定値に基づいて、他の通信設定項目に入力されるべき通信設定値を決定する決定手段と、
前記他の通信設定項目に対して、決定された当該他の通信設定項目に入力されるべき通信設定値を自動的に入力する自動入力手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の通信機器。
【請求項7】
通信設定値が自動的に入力された前記他の通信設定項目に対する手動入力を制限する手動入力制限手段
をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の通信機器。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の通信機器を備えたことを特徴とするテレビジョン受像機。
【請求項9】
通信ネットワークを介して互いに通信することが可能な複数の通信機器を有する通信システムであって、
前記複数の通信機器のうちの少なくともいずれか一の通信機器は、
一の設定画面において、当該通信機器の通信設定値の入力を受け付けるとともに、他の通信機器の通信設定値の入力を受け付ける入力受付手段と、
当該通信機器に対して、入力された当該通信機器の通信設定値を設定するとともに、前記他の通信機器に対して、入力された前記他の通信機器の通信設定値を設定する設定手段と
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項10】
通信ネットワークを介して他の通信機器と互いに通信することが可能な通信機器による通信設定方法であって、
一の設定画面において、当該通信機器の通信設定値の入力を受け付けるとともに、他の通信機器の通信設定値の入力を受け付ける入力受付工程と、
当該通信機器に対して、入力された当該通信機器の通信設定値を設定するとともに、前記他の通信機器に対して、入力された前記他の通信機器の通信設定値を設定する設定工程と
を含むことを特徴とする通信設定方法。
【請求項11】
コンピュータを請求項1から7のいずれか一項に記載の通信機器として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記通信機器が備える前記各手段として機能させるプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−42307(P2013−42307A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177220(P2011−177220)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【特許番号】特許第5112549号(P5112549)
【特許公報発行日】平成25年1月9日(2013.1.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】