説明

通信端末、通信方法、プログラム、および記録媒体

【課題】一時的に通信の確立が解除された場合であっても、ユーザが簡単な操作を行うことで、短時間で容易に通信の確立を復帰させることのできる通信端末および通信方法を提供する。
【解決手段】指向性を有する無線通信を用いて他の通信端末と通信を行う赤外線通信部22と、3次元空間における自端末の移動量および回転角度を配置情報として取得する姿勢認識センサ28と、正常な通信が行われている状態の配置情報を記憶部26に記憶させる履歴記録部18と、通信状態が悪化した場合に、記憶部26に記憶されている配置情報、および、姿勢認識センサ28によって取得された現在の配置情報を比較して、通信状態を良好に保つための移動量、回転角度のうち少なくとも一方の操作手順を算出する判断部12と、通信状態が悪化した場合に、通信状態を良好に保つための操作手順をユーザに提示するメッセージ出力制御部14とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指向性を有する無線通信を利用して他の通信端末と通信を行う通信端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、近距離における端末同士のデータ通信に用いる通信経路として、赤外線通信が広く使われている。赤外線を利用した通信では、例えば、IrDA(登録商標)やIrSimple(登録商標)といったプロトコルに沿って通信を行っている。
【0003】
これらのプロトコルに従って通信を行うことで、赤外線通信が可能な端末間で簡単にデータの送受信を行うことができるが、赤外線の空間的に広がりにくいという性質から、赤外線を発光および受光する赤外線発受光端子を向かい合うように配置する必要がある。また、赤外線通信では、赤外線の持つ指向性の特性から、他の無線通信手段に比べて通信可能範囲が狭く、通信中に端末を動かすことにより通信可能範囲から外れて通信が中断されるという問題がある。
【0004】
上記の問題点に対する改善案として、特許文献1では、赤外線を感知するスキャナ部と制御により角度を変更できるミラーとを備え、スキャナにより赤外線光を感知した場合、ミラーの角度を変更することにより、通信可能範囲外の端末との赤外線通信を可能にするように調節する方法が開示されている。
【特許文献1】特開平11−288336号公報(1999年10月19日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の構成では、受信する側の端末の場所が移動する度にミラーを駆動させて赤外線通信角度を調整する必要があるため、ミラーの駆動制御処理によって通信可能な状態にするまでのタイムラグが発生するという問題を生じる。
【0006】
また、上記従来の構成では、赤外線の指向角度を制御するミラーおよび駆動回路を赤外線素子の前に設置する必要があり、端末の形状、配置スペース、およびコストの面で様々な制限が発生する場合がある。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、通信の確立を維持するために特別な機構を別途設ける必要がなく、一時的に通信の確立が解除された場合であっても、ユーザが簡単な操作を行うことで、短時間で容易に通信の確立を復帰させることのできる通信端末、通信方法、通信プログラム、および記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る通信端末は、上記課題を解決するために、指向性を有する無線通信を用いて他の通信端末と通信を行う通信手段と、3次元空間における各次元軸上の座標によって決まる位置情報及び各次元軸に対する回転角度によって決まる傾き情報を自端末の姿勢情報として取得する姿勢情報取得手段と、前記通信手段による他の通信端末との通信が確立されている状態で、前記姿勢情報取得手段が取得した自端末の姿勢情報を第1姿勢情報として記憶する記憶手段と、前記通信手段による他の通信端末との通信の確立が解除された状態で、前記姿勢情報取得手段が取得した自端末の姿勢情報を第2姿勢情報としたとき、該第2姿勢情報と、前記記憶手段に記憶された前記第1姿勢情報とから、自端末が第1姿勢情報が示す第1姿勢状態から第2姿勢情報が示す第2姿勢状態への変化の度合いを示す状態変化量として、自端末の移動量及び回転角度を算出する状態変化量算出手段と、前記状態変化量算出手段により算出された状態変化量から、自端末が第2姿勢状態から第1姿勢状態に変化するための手順を示す手順情報を作成する手順情報作成手段と、前記手順情報作成手段により作成された手順情報を、ユーザに提示する手順情報提示手段とを備えていることを特徴としている。
【0009】
また、本発明に係る通信方法は、指向性を有する無線通信を用いて他の通信端末と通信を行う通信ステップと、3次元空間における3次元空間座標によって決まる位置情報及び各次元軸に対する回転角度によって決まる傾き情報を自端末の姿勢情報として取得する姿勢情報取得ステップと、前記通信ステップによる他の通信端末との通信が確立されている状態で、前記姿勢情報取得ステップによって取得した自端末の姿勢情報を第1姿勢情報として記憶手段に記憶させる記憶ステップと、前記通信ステップによる他の通信端末との通信中に、前記他の通信端末との通信可能範囲外に自端末が移動したときに、前記姿勢情報取得ステップにより取得した自端末の姿勢情報を第2姿勢情報とし、該第2姿勢情報と、前記記憶手段に記憶された前記第1姿勢情報とから、第1姿勢情報が示す第1姿勢状態から第2姿勢情報が示す第2姿勢状態への自端末の変化の度合いを示す状態変化量として、自端末の移動量及び回転角度を算出する状態変化量算出ステップと、前記状態変化量算出ステップにより算出された状態変化量から、自端末が第2姿勢状態から第1姿勢状態に変化するための手順を示す手順情報を作成する手順情報作成ステップと、前記手順情報作成ステップにより作成された手順情報を、ユーザに提示する手順情報提示ステップとを備えていることを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、通信手段による他の通信端末との通信中に、前記他の通信端末との通信可能範囲外に自端末が移動したときに、前記姿勢情報取得手段が取得した自端末の姿勢情報を第2姿勢情報とし、該第2姿勢情報と、前記記憶手段に記憶された前記第1姿勢情報とから、自端末が第1姿勢情報が示す第1姿勢状態から第2姿勢情報が示す第2姿勢状態への変化の度合いを示す状態変化量として、この状態変化量から、自端末が第2姿勢状態から第1姿勢状態に変化するための手順を示す手順情報を作成し、作成した手順情報を、ユーザに提示することで、ユーザは提示された手順情報に基づいて操作中の通信端末を動かすだけで、他の通信端末との通信を再開させることができる。
【0011】
これにより、従来のように、通信の確立を維持するために特別な機構を別途設ける必要がなく、一時的に通信の確立が解除された場合であっても、ユーザは簡単な操作を行うことで、短時間で容易に通信の確立を復帰させることができる。
【0012】
ここでは、第2姿勢状態から第1姿勢状態に完全に戻る必要はなく、他の通信端末との通信可能範囲に戻ればよい。
【0013】
従来、指向性を有する無線通信では、通信状態を良好に保つために行う通信端末の配置の調整はユーザの裁量に委ねられていたが、指向角度が狭い無線通信ではユーザが通信端末をわずかに傾けただけですぐに通信可能な領域から通信対象の端末が外れてしまうという問題が頻発した。
【0014】
本発明に係る通信端末および通信方法では、通信が正常に行われていた、通信状態が良好であった状態の配置情報を記録しておき、現在の配置情報と比較することによって通信端末自端末の移動量、回転角度を具体的に計算し、ユーザに対して提示するので、ユーザにとって分かりやすい操作手順を提示することができる。これによって、ユーザは容易な操作で、短時間に良好な通信状態を保つための配置に通信端末を戻すことができるという効果を奏する。
【0015】
上記の通信端末では、前記配置情報取得手段は、3軸の地磁気センサおよび3軸の加速度センサを用いた6軸センサであることを特徴としている。
【0016】
上記の構成によれば、3軸の地磁気センサおよび3軸の加速度センサを用いた6軸センサを配置情報取得手段として用いるので、通信端末の配置情報をより高速に、正確に把握することができる。なお、近年、6軸センサの開発が進み、高機能化および小型化が進んでいるため、様々な通信端末に対して適切な6軸センサを利用することができる。
【0017】
前記手順情報は、自端末が移動すべき方向及び移動量を示す移動方向情報及び自端末が回転すべき方向及び回転角度を示す回転方向情報であることが好ましい。
【0018】
これにより、ユーザは、他の通信端末との通信を復帰させるために、端末をどの方向にどの程度移動させればよいのか、そして、端末をどの方向にどの程度回転させればよいのかを容易に把握することができる。
【0019】
前記手順情報提示手段は、前記手順情報を文字、および/または、画像の形式で出力する表示手段であってもよい。
【0020】
また、前記手順情報提示手段は、前記手順情報を音声の形式で出力する音声出力手段であってもよい。
【0021】
上記の構成によれば、文字、画像、または音声といった形式で操作手順を出力するので、ユーザはより直感的に通信を良好に保つための配置の変更方法を把握することができるという効果を奏する。
【0022】
上記の通信端末では、前記無線通信は、赤外線通信であってもよい。
【0023】
また、上記の通信端末で前記赤外線通信に使用するプロトコルは、IrDAまたはIrSimpleであってもよい。
【0024】
上記の構成によれば、通信状態が容易に悪化することが多い赤外線通信において、容易な操作で良好な通信状態を保つことができる通信端末を構成することができる。その際、IrDAやIrSimpleといったプロトコルを用いることで、通信端末の設計や構成を容易に行うことができる。
【0025】
なお、上記通信端末は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記通信端末をコンピュータにて実現させる通信制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る通信端末は、指向性を有する無線通信を用いて他の通信端末と通信を行う通信手段と、3次元空間における各次元軸上の座標によって決まる位置情報及び各次元軸に対する回転角度によって決まる傾き情報を自端末の姿勢情報として取得する姿勢情報取得手段と、前記通信手段による他の通信端末との通信が確立されている状態で、前記姿勢情報取得手段が取得した自端末の姿勢情報を第1姿勢情報として記憶する記憶手段と、前記通信手段による他の通信端末との通信の確立が解除された状態で、前記姿勢情報取得手段が取得した自端末の姿勢情報を第2姿勢情報としたとき、該第2姿勢情報と、前記記憶手段に記憶された前記第1姿勢情報とから、自端末が第1姿勢情報が示す第1姿勢状態から第2姿勢情報が示す第2姿勢状態への変化の度合いを示す状態変化量として、自端末の移動量及び回転角度を算出する状態変化量算出手段と、前記状態変化量算出手段により算出された状態変化量から、自端末が第2姿勢状態から第1姿勢状態に変化するための手順を示す手順情報を作成する手順情報作成手段と、前記手順情報作成手段により作成された手順情報を、ユーザに提示する手順情報提示手段とを備えている。
【0027】
また、本発明に係る通信方法は、指向性を有する無線通信を用いて他の通信端末と通信を行う通信ステップと、3次元空間における3次元空間座標によって決まる位置情報及び各次元軸に対する回転角度によって決まる傾き情報を自端末の姿勢情報として取得する姿勢情報取得ステップと、前記通信ステップによる他の通信端末との通信が確立されている状態で、前記姿勢情報取得ステップによって取得した自端末の姿勢情報を第1姿勢情報として記憶手段に記憶させる記憶ステップと、前記通信ステップによる他の通信端末との通信中に、前記他の通信端末との通信可能範囲外に自端末が移動したときに、前記姿勢情報取得ステップにより取得した自端末の姿勢情報を第2姿勢情報とし、該第2姿勢情報と、前記記憶手段に記憶された前記第1姿勢情報とから、第1姿勢情報が示す第1姿勢状態から第2姿勢情報が示す第2姿勢状態への自端末の変化の度合いを示す状態変化量として、自端末の移動量及び回転角度を算出する状態変化量算出ステップと、前記状態変化量算出ステップにより算出された状態変化量から、自端末が第2姿勢状態から第1姿勢状態に変化するための手順を示す手順情報を作成する手順情報作成ステップと、前記手順情報作成ステップにより作成された手順情報を、ユーザに提示する手順情報提示ステップとを備えている。
【0028】
上記の構成によれば、従来のように、通信の確立を維持するために特別な機構を別途設ける必要がなく、一時的に通信の確立が解除された場合であっても、ユーザは簡単な操作を行うことで、短時間で容易に通信の確立を復帰させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の一実施形態について図1から図5に基づいて説明すると以下の通りである。まず、本実施形態の通信端末が備える主要部の機能について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態で説明する通信端末1の要部構成を示す機能ブロック図である。
【0030】
本実施形態の通信端末1は、制御部10、赤外線通信部(通信手段)22、表示部24、記憶部26、姿勢認識センサ(姿勢情報取得手段、6軸センサ)28、操作部30、および音声出力部32を備えている。制御部10は、さらに、判断部(状態変化量算出手段)12、メッセージ出力制御部(手順情報作成手段)14、表示制御部16、履歴記録部(記憶制御手段)18、および通信制御部20を備えている。
【0031】
制御部10は、通信端末1の各部の制御およびデータの入出力を行う。具体的には、制御部10は、操作部30からのユーザの操作入力に基づいて、他の通信端末との間で赤外線通信(指向性を有する通信)を行うための赤外線通信部22の通信の制御を行い、通信の結果を表示部24や音声出力部32から出力する。また、制御部10は、通信の過程で取得した様々なデータや、姿勢認識センサ28から取得した姿勢情報(後述する)などのデータを記憶部26に一時保存し、必要に応じて参照する。
【0032】
上記姿勢認識センサ28は、3次元空間における3次元空間座標によって決まる位置情報及び各次元軸に対する回転角度によって決まる傾き情報を自端末の姿勢情報として取得するようになっている。この姿勢認識センサ28としては、例えば、3軸の地磁気センサおよび3軸の加速度センサを用いた6軸センサが用いられる。
【0033】
判断部12は、姿勢認識センサ28によって取得された現在の自端末の姿勢情報、および記憶部26に記憶された自端末の姿勢情報から、通信を行うために適切な配置情報、すなわち、通信端末1および赤外線通信部22の位置や角度などの判断を行い、メッセージ出力制御部14を用いてユーザに対して通信を行うための適切な通信端末1の配置(角度、位置)に戻るための手順情報を提示させる。
【0034】
具体的には、前記記憶部26に、前記赤外線通信部22による他の通信端末との通信が確立されている状態で、前記姿勢認識センサ28が取得した自端末の姿勢情報を第1姿勢情報として記憶されているとき、判断部12は、前記赤外線通信部22による他の通信端末との通信中に、前記他の通信端末との通信可能範囲外に自端末が移動したときに、前記姿勢認識センサ28が取得した自端末の姿勢情報を第2姿勢情報とし、該第2姿勢情報と、前記記憶部26に記憶された前記第1姿勢情報とから、第1姿勢情報が示す第1姿勢状態から第2姿勢情報が示す第2姿勢状態への変化の度合いを示す状態変化量として、自端末の移動量及び回転角度を算出するようになっている。
【0035】
前記メッセージ出力制御部14は、前記判断部12により算出された状態変化量から、自端末が第2姿勢状態から第1姿勢状態に変化するための手順を示す手順情報を作成するようになっている。
【0036】
前記表示制御部16は、前記メッセージ出力制御部14によって作成された手順情報を表示部24により表示可能な表示情報に変換するようになっている。
【0037】
従って、前記表示部24には、ユーザに提示する手順情報として、通信が途切れたときに通信を復帰させるための手順を示す情報(通信端末1をどの方向にどの程度移動させるのかを示す情報)が表示される。
【0038】
また、図示しないが音声出力制御部は、前記メッセージ出力制御部14によって作成された手順情報を音声出力部32により音声出力可能な音声情報に変換するようになっている。
【0039】
従って、前記音声出力部32には、ユーザに提示する手順情報として、通信が途切れたときに通信を復帰させるための手順を示す情報(通信端末1をどの方向にどの程度移動させるのかを示す情報)を示す音声が出力される。
【0040】
なお、本実施形態では、メッセージ出力制御部14は、表示制御部16を介して通信端末1の通信復帰手順を、表示部24に出力させたり、音声出力部32を介して音声メッセージとして出力しているが、これに限定されるものではなく、通信復帰手順を、振動、点字、電気信号、電光掲示板、およびその他の外部出力装置を介してユーザに提示してもよい。
【0041】
履歴記録部18は、姿勢認識センサ28によって取得された通信端末1の配置情報(位置情報および姿勢情報)および当該配置に通信端末1があった際に赤外線通信部22を介した通信が良好な状態で行われていたか否かを示すフラグ情報を記憶部26に記録する。なお、履歴記録部18は、赤外線通信部22による赤外線通信が良好な状態でいた場合だけ、記憶部26に配置情報を記録する構成としてもよい。
【0042】
姿勢認識センサ28は、上述した通り、本実施形態では6軸センサを用い、3軸の地磁気センサおよび3軸の加速度センサによって構成されている。なお、6軸センサは、通信端末1の筐体内部に内蔵されているものとする。
【0043】
ここで、姿勢情報について具体的な内容を説明する。姿勢情報は、姿勢認識センサ28によって取得された情報であり、通信端末1の角度情報と、所定の位置からどれだけ移動したかを検出する移動情報とから構成される。角度情報は、水平な地面に対する絶対角度として記録してもよいし、通信開始状態または良好な通信状態を0として、どれだけ角度が移動したかを相対角度として記録してもよい。また、配置情報は、座標で記録してもよいし、移動量で記録してもよい。
【0044】
なお、本実施形態では地磁気センサおよび加速度センサを用いて姿勢情報を取得する構成としたが、これに限るものではない。衛星からの位置情報や気圧に基づく高度情報などを用いて端末の位置情報を把握してもよいし、鉛直下向きの重力を検知するセンサや、ジャイロセンサなどを用いて端末の角度情報を取得してもよい。
【0045】
通信制御部20は、赤外線通信部22を制御して、通信相手の端末との赤外線通信の制御を行う。赤外線通信部22は、赤外線発光素子および赤外線受光素子で構成された赤外線通信デバイスである。なお、本実施形態では、赤外線通信を例に説明するが、これに限るものではない。指向性を有する無線通信デバイスであれば、本実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0046】
表示部24は、液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示素子を用いた画像表示デバイスである。記憶部26は、半導体メモリや光学、磁気などの記録媒体をもちいた記録デバイスである。操作部30は、スイッチ、ボタン、キーボード、タッチパネル、ダイアル、およびその他の入力デバイスで構成された操作入力手段である。音声出力部32は、スピーカまたは外部音声出力端子などで構成された出力デバイスである。
【0047】
次に、通信端末1の概略構成について、図2を参照して説明する。図2は、通信端末1の外見の概略構成を示す側面図である。
【0048】
通信端末1の正面側には表示部24および操作部30のスイッチ群が配置されている。通信端末1の下側側面には赤外線通信部22が、右側側面には音声出力部32のスピーカが配置されている。また、通信端末1の内部には姿勢認識センサ28が内蔵されており、通信端末1の角度、特に、赤外線通信部22がどちらの方向を向いているかを検出している。
【0049】
姿勢認識センサ28は、通信端末1の筐体および赤外線通信部22がどちらの方向を向いているか、および、通信端末1の筐体全体が3次元空間上で計測開始地点からどの方向にどれだけ移動したかを検出している。ユーザは、通信端末1の筐体全体を傾けることによって赤外線通信部22の方向を変更し、赤外線通信可能な通信領域に通信相手の端末を含めるように調整することになる。
【0050】
赤外線通信は指向性が強く、赤外線通信部22の発光受光素子の指向角が±15度〜±30度程度となっているため、通信を行う端末の一方が30度以上傾いてしまうと通信が中断してしまうという問題が存在した。この問題に対して、本実施形態の通信端末1では、通信状態が良好な状態での位置および傾きを示す配置情報を記録して現在の状態と比較することで、ユーザに対して良好な通信を行うための適切な方法を提示している。
【0051】
以下、ユーザに対して指示を与える手順について、図3を参照して説明する。図3は、ユーザに対して良好な通信状態を保つ方法を指示する処理の流れを示すフロー図である。
【0052】
まず、処理が開始されると、通信端末1の通信制御部20は、S101において、赤外線通信が正常な状態で開始されているか否かを判定し、判断部12および履歴記録部18に出力する。正常な通信が行われている場合(S101でYES)、処理はS102に進む。正常な通信が行われていない場合(S101でNO)、処理はS103へ進む。ここで、正常な通信とは、通信端末1と他の通信端末との間でデータの送受を行える状態の通信をいう。
【0053】
S103において、通信端末1の判断部12は、通信が正常に行われていない状態で一定の時間が経過したか否かを判断する。
【0054】
なお、ユーザがナビゲーションを開始したことに気付かず放置するなど、なんらかの要因でナビゲーション状態のままとなる状況が発生する場合があり、また、電池容量等により活動時間が限られている制約もあることから、30秒から1分程度の一定の時間をナビゲーション活動時間として設定し、その時間内にナビゲーションが終了しなければ、タイムアウトエラーとしてナビゲーションを終了させるものとする。
【0055】
ナビゲーション活動時間が経過している場合(S103でYES)、処理はS104へ進む。ナビゲーション活動時間が経過していない場合(S103でNO)、処理はS101に戻り、再び通信状態の判定を繰り返す。
【0056】
S104において、判断部12は、メッセージ出力制御部14に対して、ナビゲーション活動時間が経過したことによるタイムアウトしたことを示すエラーメッセージを表示させるように指示を出す。エラーメッセージの出力指示を受けたメッセージ出力制御部14は、表示制御部16を介してエラーメッセージを表示部24に出力させて、一連の処理を終了する。
【0057】
S102において、通信制御部20は履歴記録部18に対して、現在正常に通信が行われていることを伝達し、履歴記録部18は記憶部26に対して、姿勢認識センサ28の6軸センサから現在出力されている出力データ(配置情報)の記録を開始する。
【0058】
S105において、履歴記録部18は、赤外線通信部22における通信状態に関する情報を通信制御部20から受け取り、赤外線を用いたデータ通信が終了したか否かを判断する。データ通信が終了していた場合(S106でYES)、処理はS109へ進む。データ通信が終了していない場合(S106でNO)、処理はS108へ進む。
【0059】
S109において、履歴記録部18は、姿勢認識センサ28から出力された6軸センサの出力データ(配置情報)の記録を終了し、一連の処理を終了する。
【0060】
S108において、判断部12は、通信の中断の原因がデータ通信の完了でもユーザ操作によるデータ通信の中断でもないことから、この通信の中断は通信端末1の配置が赤外線通信可能な範囲から外れたことによるユーザが意図しない通信の中断だと判断して、6軸センサからの出力データ(配置情報)の記録を終了する。
【0061】
S110において、判断部12は、記憶部26に記録された6軸センサの出力データ(配置情報)および姿勢認識センサ28から出力されている現在の状態における配置情報を比較して、現在の通信端末1の配置から通信が良好だった状態の配置までの間の3次元空間におけるズレの量を計算する。S111において、メッセージ出力制御部14は、S110で計算したズレの量に基づいて、音声出力部32のスピーカまたは表示部24のLCD(Liquid Crystal Display)に対して、通信端末1の角度および位置の補正を指示するメッセージを出力させる。
【0062】
S112において、履歴記録部18は、記憶部26に対する6軸センサの出力データ(配置情報)の記録を再開する。S113において、判断部12は、姿勢認識センサ28から出力された現在の配置情報と、記憶部26に記憶されている通信状態が良好な状態の配置情報とが一致するか否かを判断する。
【0063】
現在の配置情報と、良好な状態の配置情報とが一致する場合、規定の良好な配置まで通信端末1の位置が到着したものと判断し(S113でYES)、処理はS115へ進む。現在の配置情報と、良好な状態の配置情報とが一致しない場合(S113でNO)、一定時間が経過したか否かを判断し(S114)、一定時間が経過した場合には(S114でYES)、処理はS116に進む。一定時間が経過しない場合には(S114でNO)、処理はS113に戻り、規定の良好は配置に到着したか否かの判断を繰り返す。
【0064】
S116において、判断部12は規定の処理時間が経過し、通信処理がタイムアウトしたものと判断して、メッセージ出力制御部14に対して良好な通信状態を保つためのナビゲーション処理を終了するメッセージを表示させる。S117において、履歴記録部18は、6軸センサからの出力データ(配置情報)の記録を終了する。S115において、判断部12は、メッセージ出力制御部14に対して、良好な通信状態を保つことができる配置に到達したためにナビゲーションを終了するメッセージを出力させる。
【0065】
S118において、判断部12は、メッセージ出力制御部14に赤外線通信を再開する旨を伝えるメッセージを出力させ、通信制御部20は赤外線通信を再開する。赤外線通信が再開すると(S118)、履歴記録部18は6軸センサからの出力データ(配置情報)の記録を終了して、処理はS101に戻る。
【0066】
以上の一連の処理を繰り返すことによって、ユーザに対して良好な通信を保つための指示、具体的は調整方法と共に随時提示するので、ユーザはメッセージに従って通信端末1の角度や位置などの配置を変更することによって、短時間で容易に良好な赤外線通信の通信状態に移行させることができる。
【0067】
次に、図4および図5を参照して、赤外線通信における良好な通信状態を保つことができる指向角の範囲について説明する。図4は、本実施形態の通信端末1および通信相手の通信端末2が良好な通信状態を保つことができる範囲を図示する模式図である。図5は、本実施形態の通信端末1の角度が変化したために、通信可能範囲から互いの端末が外れてしまった場合を示す模式図である。
【0068】
本実施形態の通信端末1は、図4の下側方向に赤外線通信部22を備えており、通信相手の通信端末2は、図4の上側方向に赤外線通信部を備えている。なお、通信相手の通信端末2は、本実施形態の通信端末1と同じ構成であってもよいし、従来の赤外線通信を行うことができる通信端末であってもよい。
【0069】
通信端末1の赤外線通信部22は、当該赤外線通信部22を中心に下側方向に扇形に広がる赤外線通信可能範囲52を備えている。同様に、通信端末2の赤外線通信部は、当該赤外線通信部を中心に上側方向に扇形に広がる赤外線通信可能範囲51を備えている。それぞれの赤外線通信可能範囲は、概ね±30度の角度で広がっており、赤外線発光素子および赤外線受光素子の発光輝度および受光感度によって赤外線通信が可能な範囲が決定される。
【0070】
図5では、通信端末1が図5の左側方向に回転することで、赤外線通信素子の位置が移動した状態を示している。それぞれの通信端末の角度や位置が変動し、赤外線通信素子の指向方向が変化することによって、通信相手の赤外線素子が通信可能範囲から外れてしまった場合に、通信端末間の赤外線通信は中断されてしまう。
【0071】
このように、通信端末1が移動してしまうことで赤外線通信が中断された際に、上述の一連の処理を行うことで、ユーザに具体的な対応方法を提示し、赤外線通信を良好な状態に戻し、通信を再開させることが本願発明の目的である。
【0072】
上述のように、本実施形態の通信端末では、6軸センサを通信端末内に組み込み、赤外線通信が正常に開始された姿勢と通信中の移動機の位置変化を記録している。その際に、通信が正常終了した場合やユーザ操作により通信が終了した場合以外で、通信が終了したときには通信端末の配置が通信可能範囲から外れたものと判断し、記録していた赤外線通信が正常に開始された姿勢とその後の通信中の動作から、通信が中断された際の端末の配置と通信開始時と配置とのずれを計算している。
【0073】
上記計算結果から、通信端末の配置をどのように変更すれば通信開始時の位置に戻るか判断し、スピーカやディスプレイなどから出力提示することによって赤外線通信を良好に保ち、通信を再開できるようは配置へ通信端末を戻すための操作手順をナビゲーションするので、ユーザが容易に通信可能位置へ通信端末の配置を復帰させることができる。
【0074】
以上のように、本実施形態の通信端末1は、指向性を有する無線通信を用いて他の通信端末と通信を行う赤外線通信部22と、3次元空間における自端末の移動量および回転角度を配置情報として取得する姿勢認識センサ28と、赤外線通信部22によって正常な通信が行われている状態の配置情報を記憶部26に記憶させる履歴記録部18と、赤外線通信部22における通信状態が悪化した場合に、記憶部26に記憶されている配置情報、および、姿勢認識センサ28によって取得された現在の配置情報を比較して、通信状態を良好に保つための移動量、回転角度のうち少なくとも一方の操作手順を算出する判断部12と、前記通信状態が悪化した場合に、通信状態を良好に保つための操作手順をユーザに提示するメッセージ出力制御部14とを備えている。
【0075】
また、本実施形態の通信方法は、指向性を有する無線通信を用いて他の通信端末と通信を行う通信ステップと、3次元空間における自端末の移動量および回転角度を配置情報として取得するステップと、前記通信通信ステップにおいて正常な通信が行われている状態の配置情報を記憶部に記憶させるステップと、前記通信ステップにおける通信状態が悪化した場合に、前記記憶部に記憶されている配置情報、および、前記配置情報取得手段によって取得された現在の配置情報を比較して、通信状態を良好に保つための移動量、回転角度のうち少なくとも一方の操作手順を算出するステップと、前記通信状態が悪化した場合に、通信状態を良好に保つための操作手順をユーザに提示するステップとを含んでいる。
【0076】
上記の構成によれば、正常な通信が行われている状態の配置情報を記憶し、現在の配置情報と比較することによって、通信状態が悪化した場合に通信状態を良好に保つための移動量、回転角度を算出し、ユーザに対して提示するので、ユーザが簡単な操作を行うことで、短時間で容易に良好な通信状態を維持することができる通信端末および通信方法を提供することができる。
【0077】
従来、指向性を有する無線通信では、通信状態を良好に保つために行う通信端末の配置の調整はユーザの裁量に委ねられていたが、指向角度が狭い無線通信ではユーザが通信端末をわずかに傾けただけですぐに通信可能な領域から通信対象の端末が外れてしまうという問題が頻発した。
【0078】
本実施形態の通信端末1および通信方法では、通信が正常に行われていた、通信状態が良好であった状態の配置情報を記録しておき、現在の配置情報と比較することによって通信端末自端末の移動量、回転角度を具体的に計算し、ユーザに対して提示するので、ユーザにとって分かりやすい操作手順を提示することができる。これによって、ユーザは容易な操作で、短時間に良好な通信状態を保つための配置に通信端末1を戻すことができる。
【0079】
上記の通信端末1では、姿勢認識センサ28は、3軸の地磁気センサおよび3軸の加速度センサを用いた6軸センサである。
【0080】
上記の構成によれば、3軸の地磁気センサおよび3軸の加速度センサを用いた6軸センサを姿勢認識センサ28として用いるので、通信端末の配置情報をより高速に、正確に把握することができる。
【0081】
上記の通信端末1では、操作手順は、移動または回転させる量を数値で提示している。
【0082】
上記の構成によれば、操作手順を数値で具体的に提示するので、ユーザは通信端末の配置を変更する操作手順の把握がより容易にできる。
【0083】
上記の通信装置1では、メッセージ出力制御部14は、表示部24に対して文字、および/または、画像の形式で操作手順を出力させている。
【0084】
または、上記の通信装置1では、メッセージ出力制御部14は、音声出力部に対して音声の形式で操作手順を出力させてもよい。
【0085】
上記の構成によれば、文字、画像、または音声といった形式で操作手順を出力するので、ユーザはより直感的に通信を良好に保つための配置の変更方法を把握することができる。
【0086】
上記の通信端末1では、無線通信は、赤外線通信であり、赤外線通信に使用するプロトコルは、IrDAまたはIrSimpleを用いてもよい。
【0087】
上記の構成によれば、通信状態が容易に悪化することが多い赤外線通信において、容易な操作で良好な通信状態を保つことができる通信端末を構成することができる。その際、IrDAやIrSimpleといったプロトコルを用いることで、通信端末の設計や構成を容易に行うことができる。
【0088】
なお、上記通信端末1は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記通信端末1をコンピュータにて実現させる情報管理装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0089】
また、本実施形態では、通信端末1として携帯型の端末装置を例に説明したがが、これに限るものではない。指向性を有する通信手段および配置情報取得手段を備えた電子機器であれば、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、電子辞書、ゲーム機、コンピュータ、ナビゲーション装置、リモートコントローラ、およびその他の通信機器としても好適に利用することができる。
【0090】
ただし、本実施形態のように、小型の通信端末の場合は、通信端末の筐体や赤外線通信素子をわずかに動かしただけで通信可能範囲から外れてしまう場合が多いので、特に効果が大きい。
【0091】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0092】
最後に、通信端末1の各ブロック、特に制御部10の判断部12および履歴記録部18は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0093】
すなわち、通信端末1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである通信端末1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記通信端末1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0094】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0095】
また、通信端末1を通信ネットワークと接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明によれば、正常な通信が行われている状態の配置情報を記憶し、現在の配置情報と比較することによって、通信状態が悪化した場合に通信状態を良好に保つための移動量、回転角度を算出し、ユーザに対して提示するので、ユーザが簡単な操作を行うことで、短時間で容易に良好な通信状態を維持することができるので、携帯電話機、PDA、電子辞書、ゲーム機、コンピュータ、ナビゲーション装置、リモートコントローラ、およびその他の通信機器としても好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、通信端末の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記通信端末の外見の概略構成を示す側面図である。
【図3】上記通信端末において、ユーザに対して良好な通信状態を保つ方法を指示する処理の流れを示すフロー図である。
【図4】上記通信端末および通信相手の通信端末が良好な通信状態を保つことができる範囲を図示する模式図である。
【図5】通信端末の角度が変化したために、通信可能範囲から互いの端末が外れてしまった場合を示す模式図である。
【符号の説明】
【0098】
1 通信端末
2 通信端末
10 制御部
12 判断部(配置算出手段)
14 メッセージ出力制御部(手順情報作成手段)
16 表示制御部
18 履歴記録部(記憶制御手段)
20 通信制御部
22 赤外線通信部(通信手段)
24 表示部(手順情報提示手段)
26 記憶部
28 姿勢認識センサ(姿勢情報取得手段、6軸センサ)
30 操作部
32 音声出力部(手順情報提示手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指向性を有する無線通信を用いて他の通信端末と通信を行う通信手段と、
3次元空間における3次元空間座標によって決まる位置情報及び各次元軸に対する回転角度によって決まる傾き情報を自端末の姿勢情報として取得する姿勢情報取得手段と、
前記通信手段による他の通信端末との通信が確立されている状態で、前記姿勢情報取得手段が取得した自端末の姿勢情報を第1姿勢情報として記憶する記憶手段と、
通信手段による他の通信端末との通信中に、前記他の通信端末との通信可能範囲外に自端末が移動したときに、前記姿勢情報取得手段が取得した自端末の姿勢情報を第2姿勢情報とし、該第2姿勢情報と、前記記憶手段に記憶された前記第1姿勢情報とから、第1姿勢情報が示す第1姿勢状態から第2姿勢情報が示す第2姿勢状態への自端末の変化の度合いを示す状態変化量として、自端末の移動量及び回転角度を算出する状態変化量算出手段と、
前記状態変化量算出手段により算出された状態変化量から、自端末が第2姿勢状態から第1姿勢状態に変化するための手順を示す手順情報を作成する手順情報作成手段と、
前記手順情報作成手段により作成された手順情報を、ユーザに提示する手順情報提示手段とを備えていることを特徴とする通信端末。
【請求項2】
姿勢情報取得手段は、3軸の地磁気センサおよび3軸の加速度センサを用いた6軸センサであることを特徴とする、請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
前記手順情報は、自端末が移動すべき方向及び移動量を示す移動方向情報及び自端末が回転すべき方向及び回転角度を示す回転方向情報であることを特徴とする請求項1または2に記載の通信端末。
【請求項4】
前記手順情報提示手段は、前記手順情報を文字、および/または、画像の形式で出力する表示手段であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の通信端末。
【請求項5】
前記手順情報提示手段は、前記手順情報を音声の形式で出力する音声出力手段であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の通信端末。
【請求項6】
前記無線通信は、赤外線通信であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項7】
前記赤外線通信に使用するプロトコルは、IrDA(登録商標)またはIrSimple(登録商標)であることを特徴とする請求項6に記載の通信端末。
【請求項8】
指向性を有する無線通信を用いて他の通信端末と通信を行う通信ステップと、
3次元空間における3次元空間座標によって決まる位置情報及び各次元軸に対する回転角度によって決まる傾き情報を自端末の姿勢情報として取得する姿勢情報取得ステップと、
前記通信ステップによる他の通信端末との通信が確立されている状態で、前記姿勢情報取得ステップによって取得した自端末の姿勢情報を第1姿勢情報として記憶手段に記憶させる記憶ステップと、
前記通信ステップによる他の通信端末との通信中に、前記他の通信端末との通信可能範囲外に自端末が移動したときに、前記姿勢情報取得ステップにより取得した自端末の姿勢情報を第2姿勢情報とし、該第2姿勢情報と、前記記憶手段に記憶された前記第1姿勢情報とから、第1姿勢情報が示す第1姿勢状態から第2姿勢情報が示す第2姿勢状態への自端末の変化の度合いを示す状態変化量として、自端末の移動量及び回転角度を算出する状態変化量算出ステップと、
前記状態変化量算出ステップにより算出された状態変化量から、自端末が第2姿勢状態から第1姿勢状態に変化するための手順を示す手順情報を作成する手順情報作成ステップと、
前記手順情報作成ステップにより作成された手順情報を、ユーザに提示する手順情報提示ステップとを備えていることを特徴とする通信方法。
【請求項9】
請求項8に記載の通信方法の各ステップをコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−260713(P2009−260713A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−107963(P2008−107963)
【出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】