説明

通信装置、コンテンツ検索方法およびプログラム

【課題】蓄積されたコンテンツの中から適切なコンテンツを容易に検索する。
【解決手段】制御部102が、通信部103によってコンテンツが添付された電子メールが送信または受信された際に、電子メールの本文のテキストデータからキーワードを抽出し、抽出したキーワードの変換候補としてコンテンツのコンテンツ識別情報をキーワードと対応付けて文字変換データ蓄積部108に蓄積し、文字入力部107に文字が入力された際、入力された文字に応じたキーワードに基づいて、コンテンツ識別情報を文字変換データ蓄積部108から検索し、検索したコンテンツ識別情報に応じたコンテンツをコンテンツ蓄積部109から読み出し、読み出したコンテンツをキーワードの変換候補として表示部104に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保存されたコンテンツを検索する通信装置、コンテンツ検索方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、携帯電話機などの通信装置において、電子メール作成時に添付するコンテンツ(静止画や音声メモ等)の検索方法としては、コンテンツ選択画面を開き、そこで実際に静止画を再生するなどして、電子メールの作成者がコンテンツを直接選択する方法がとられている。
【0003】
しかし、この方法では、検索対象のコンテンツの数が増加するにつれて、適切な添付コンテンツを検索するための時間や手間がかかってしまう。
【0004】
そこで、コンテンツにあらかじめ付与されたキーワードを元に、かな文字変換を行う際に、該当するキーワードのコンテンツ(絵文字)を変換候補として示すことで、検索効率を上げる技術が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−015743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、コンテンツに適切なキーワードがあらかじめ付与されている必要がある。そのため、そのキーワードを誰かが入力しておかなければならないという問題点がある。
【0007】
つまり、例えば、個人が使用するカメラ付き携帯電話で撮影された写真などのコンテンツに、撮影毎にキーワードを付与しなければならなく、そのための手間がかかってしまうという問題点がある。
【0008】
本発明の目的は、上述した課題を解決する通信装置、コンテンツ検索方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の通信装置は、
通信装置であって、
当該通信装置以外の通信装置との間で通信を行う通信部と、
当該通信装置の外部から文字を入力するための文字入力部と、
コンテンツを表示する表示部と、
前記コンテンツを、該コンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報とともに蓄積するコンテンツ蓄積部と、
前記文字入力部に入力される文字と該文字の変換候補とを対応付けた文字変換データを蓄積する文字変換データ蓄積部と、
前記通信部が、前記コンテンツが添付された電子メールを送信または受信した際に、該電子メールの本文のテキストデータからキーワードを抽出し、該抽出したキーワードの変換候補として該コンテンツのコンテンツ識別情報を該キーワードと対応付けて前記文字変換データ蓄積部に蓄積し、前記文字入力部に文字が入力された際、該文字に応じたキーワードに基づいて、前記コンテンツ識別情報を前記文字変換データ蓄積部から検索し、該検索したコンテンツ識別情報に応じたコンテンツを前記コンテンツ蓄積部から読み出し、該読み出したコンテンツを該キーワードの変換候補として前記表示部に表示させる制御部とを有する。
【0010】
また、本発明のコンテンツ検索方法は、
通信装置に蓄積されたコンテンツを検索するコンテンツ検索方法であって、
コンテンツが添付された電子メールを送信または受信した際に、該電子メールの本文のテキストデータからキーワードを抽出する処理と、
前記コンテンツを、該コンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報とともに、当該通信装置に具備されたコンテンツ蓄積部に蓄積する処理と、
前記抽出したキーワードの変換候補として該コンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報を該キーワードと対応付けて当該通信装置に具備された文字変換データ蓄積部に蓄積する処理と、
当該通信装置に文字が入力された際、該文字に応じたキーワードに基づいて、前記コンテンツ識別情報を前記文字変換データ蓄積部から検索する処理と、
前記検索したコンテンツ識別情報に応じたコンテンツを前記コンテンツ蓄積部から読み出す処理と、
前記読み出したコンテンツを該キーワードの変換候補として表示する処理とを行う。
【0011】
また、本発明のプログラムは、
通信装置に実行させるためのプログラムであって、
コンテンツが添付された電子メールを送信または受信した際に、該電子メールの本文のテキストデータからキーワードを抽出する手順と、
前記コンテンツを、該コンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報とともに、当該通信装置に具備されたコンテンツ蓄積部に蓄積する手順と、
前記抽出したキーワードの変換候補として該コンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報を該キーワードと対応付けて当該通信装置に具備された文字変換データ蓄積部に蓄積する手順と、
当該通信装置に文字が入力された際、該文字に応じたキーワードに基づいて、前記コンテンツ識別情報を前記文字変換データ蓄積部から検索する手順と、
前記検索したコンテンツ識別情報に応じたコンテンツを前記コンテンツ蓄積部から読み出す手順と、
前記読み出したコンテンツを該キーワードの変換候補として表示する手順とを実行させる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明においては、蓄積されたコンテンツの中から適切なコンテンツを容易に検索することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の通信装置の実施の一形態を示す図である。
【図2】図1に示した形態におけるコンテンツ検索方法のうち、電子メールに添付したコンテンツを登録する処理を説明するためのフローチャートである。
【図3】図1に示した形態におけるコンテンツ検索方法のうち、送信する電子メールに挿入(添付)するコンテンツを検索する処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】図1に示した形態の具体的な構成例を示すブロック図である。
【図5】図4に示した文字変換辞書DBの内部構成の一例を示す図である。
【図6】図4に示した携帯電話機におけるコンテンツ検索方法のうち、電子メールに添付したコンテンツを登録する処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】図4に示した携帯電話機におけるコンテンツ検索方法のうち、送信する電子メールに挿入(添付)するコンテンツを検索する処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】図4に示したディスプレイに表示された画面の一例を示す図である。
【図9】図1に示した形態におけるコンテンツ検索方法のうち、電子メールに添付したコンテンツを抽出頻度に応じて登録する処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の通信装置の他の実施の形態を示す図である。
【図11】図10に示した形態におけるコンテンツ検索方法のうち、電子メールに添付したコンテンツを登録する処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】図10に示した形態におけるコンテンツ検索方法のうち、送信する電子メールに挿入(添付)するコンテンツを検索する処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の通信装置の実施の一形態を示す図である。
【0016】
本形態における通信装置101には図1に示すように、制御部102と、通信部103と、表示部104と、コンテンツ生成部105と、文字入力部107と、文字変換データ蓄積部108と、コンテンツ蓄積部109とが設けられており、それらが互いに通信路106を介して接続されている。
【0017】
通信部103は、通信装置101以外の通信装置との間で通信を行う。
【0018】
表示部104は、コンテンツを含め、所定の情報を表示する。
【0019】
コンテンツ生成部105は、コンテンツを生成する。
【0020】
文字入力部107は、通信装置101の外部から入力された文字を受け付ける。
【0021】
文字変換データ蓄積部108は、文字入力部107に入力される文字と当該文字の変換候補とを対応付けた文字変換データを蓄積する。
【0022】
コンテンツ蓄積部109は、コンテンツを、そのコンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報とともに蓄積する。
【0023】
制御部102は、コンテンツが添付された電子メールを通信部103によって送信または受信した際に、当該電子メールの本文のテキストデータの字句解析を行って、キーワードを抽出する。この字句解析によるキーワード抽出方法は、ここでは特に規定しない。例えば、電子メールの本文に「富士山へ行った時の写真」と記載されていた場合、助詞や動詞などを除去して名詞のみを抽出し、名詞である「富士山」と「写真」とを得るものであっても良い。また、制御部102は、抽出したキーワードの変換候補として、当該電子メールに添付されたコンテンツのコンテンツ識別情報(コンテンツのファイル名)と当該キーワードとを対応付けて文字変換データ蓄積部108に蓄積する。また、制御部102は、文字入力部107に文字が入力された際、入力された文字に応じたキーワードに基づいて、コンテンツ識別情報を文字変換データ蓄積部108から検索する。また、制御部102は、文字変換データ蓄積部108から検索したコンテンツ識別情報に応じたコンテンツ(コンテンツファイル)をコンテンツ蓄積部109から読み出す。また、制御部102は、コンテンツ蓄積部109から読み出したコンテンツをキーワードの変換候補として表示部104に表示させる。
【0024】
以下に、図1に示した形態におけるコンテンツ検索方法について説明する。まずは、図1に示した形態におけるコンテンツ検索方法のうち、電子メールに添付したコンテンツを登録する処理について説明する。
【0025】
図2は、図1に示した形態におけるコンテンツ検索方法のうち、電子メールに添付したコンテンツを登録する処理を説明するためのフローチャートである。
【0026】
まず、通信装置101を操作する操作者からの操作によって、コンテンツ蓄積部109から1つ以上のコンテンツが制御部102によって読み出され、送信される電子メール本文に添付され(ステップS1)、当該電子メールと、読み出されたコンテンツとが通信部103によって、通信装置101以外の通信装置へ送信されると(ステップS2)、送信された電子メール本文のテキストデータの字句解析が制御部102によって行われ、キーワードが抽出される(ステップS3)。
【0027】
ここで、ステップS1およびステップS2の操作は、文字入力部107を用いて行われるものであっても良い。また、コンテンツ蓄積部109に蓄積されているコンテンツは、コンテンツ生成部105によってあらかじめ生成されたものであっても良いし、受信した電子メールに添付されていたコンテンツであっても良い。また、電子メールを作成するには、表示部104が用いられることは言うまでもない。また、ステップS3の字句解析は、電子メールの作成中に行われるものであっても、作成が完了した時に行われるものであっても、送信後に行われるものであっても良い。
【0028】
すると、ステップS3で抽出されたキーワードと、電子メールに添付されたコンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報(例えば、コンテンツファイルのファイル名)とが、制御部102によって対応付けられて文字変換データ蓄積部108に蓄積(格納)される(ステップS4)。
【0029】
なお、上述したような電子メールの送信時だけではなく、コンテンツが添付された電子メールの受信時に、受信した電子メール本文の字句解析を行い、抽出されたキーワードを、添付されたコンテンツのコンテンツ識別情報と対応付けて、文字変換データ蓄積部108に格納するものであっても良い。このように動作させることで、自分が作成する以上の静止画を自動的にキーワードと対応付けて利用することができるようになる。
【0030】
続いて、図1に示した形態におけるコンテンツ検索方法のうち、送信する電子メールに挿入(添付)するコンテンツを検索する処理について説明する。
【0031】
図3は、図1に示した形態におけるコンテンツ検索方法のうち、送信する電子メールに挿入(添付)するコンテンツを検索する処理を説明するためのフローチャートである。
【0032】
通信装置101から送信される電子メールを作成するために、文字入力部107から文字変換操作が受け付けられると(ステップS11)、文字変換の対象となる「かな(キーワード)」が、コンテンツ識別情報と対応付けられて文字変換データ蓄積部108に蓄積されたものであるかどうかが制御部102によって判断される(ステップS12)。つまり、当該キーワードに基づいて、コンテンツ識別情報が文字変換データ蓄積部108から検索されることとなる。
【0033】
コンテンツ識別情報が検索されると、検索されたコンテンツ識別情報に応じたコンテンツが制御部102によってコンテンツ蓄積部109から読み出される(ステップS13)。
【0034】
そして、読み出されたコンテンツが、表示部104に表示される(ステップS14)。
【0035】
その後、表示部104に表示されたコンテンツが確定されると(ステップS15)、確定されたコンテンツが制御部102によって文字の代わりに電子メール本文に挿入される(ステップS16)。この確定方法は、文字変換候補から所望のものを選択する一般的なものである。
【0036】
なお、コンテンツ蓄積部109に格納されるコンテンツは、コンテンツ生成部105によって生成されたコンテンツでも良いし、通信部103によって外部から取得(受信)したコンテンツであっても良い。また、コンテンツ蓄積部109に格納されるコンテンツは、静止画であっても、動画であっても、音声(音楽を含む)であっても良い。
【0037】
コンテンツ生成部105が静止画であるコンテンツを生成する場合、コンテンツ生成部105は、スチルカメラの機能であっても良い。また、コンテンツ生成部105が動画であるコンテンツを生成する場合、コンテンツ生成部105は、ムービーカメラであっても良い。また、コンテンツ生成部105が音声(音楽を含む)であるコンテンツを生成する場合、コンテンツ生成部105は、集音機能を有するマイクであっても良い。これにより、電子メール本文に挿入されるコンテンツは、静止画であっても、動画であっても、音声(音楽を含む)であっても良い。
【0038】
なお、電子メール本文に挿入されるコンテンツが静止画である場合は、静止画のサイズを縮小して電子メール本文に絵文字のように表示しても良いし、画面上には静止画を表示しない添付ファイルという形でも良い。また、電子メール本文の背景に表示するようにしても良いし、電子メール本文とは重複しないで文字が回り込むようなレイアウトされた表示でも良い。
【0039】
また、電子メール本文に挿入されるコンテンツが動画である場合には、画面上には動画を表示しない添付ファイルという形でも良いし、電子メール本文の背景に表示するようにしても良いし、電子メール本文とは重複しないで文字が回り込むようなレイアウトされた表示でも良い。
【0040】
また、電子メール本文に挿入されるコンテンツが音声(音楽を含む)である場合、電子メール本文を表示する際に自動で再生する、あるいは自動では再生しない添付ファイルという形でも良いし、電子メール本文に挿入されたことが分かる記号や図形が表示され、電子メールの受信側でその記号もしくは図形に対して何らかの操作をすると音声が再生されるような、レイアウトを伴う形でも良い。
【0041】
以下に、具体的な実施例について説明する。ここでは、通信装置101が、携帯電話機401である場合を例に挙げて説明する。
【0042】
図4は、図1に示した形態の具体的な構成例を示すブロック図である。
【0043】
図4に示すように、携帯電話機401には、CPU402と、通信チップ403と、ディスプレイ404と、カメラ405と、文字入力ボタン407と、文字変換辞書DB408と、メディアデータ保存領域409とが設けられており、それらが互いにバス406を介して接続されている。
【0044】
CPU402は、図1に示した制御部102に相当する。
【0045】
通信チップ403は、図1に示した通信部103に相当する。
【0046】
ディスプレイ404は、図1に示した表示部104に相当する。
【0047】
カメラ405は、図1に示したコンテンツ生成部105に相当する。
【0048】
バス406は、図1に示した通信路106に相当する。
【0049】
文字入力ボタン407は、図1に示した文字入力部107に相当する。
【0050】
文字変換辞書DB408は、図1に示した文字変換データ蓄積部108に相当する。
【0051】
図5は、図4に示した文字変換辞書DB408の内部構成の一例を示す図である。
【0052】
図4に示した文字変換辞書DB408は図5に示すように、文字テーブル701から構成される。文字テーブル701には、各入力かな文字702と、かな文字変換候補703とが対応付けられて格納される。また、かな文字変換候補703は、かな漢字変換候補704と、かな静止画変換候補705とから構成される。
【0053】
図5に示した例では、「はな」という入力かな文字702に対して、「花」、「鼻」、華」および「端」という4つのかな漢字変換候補704が対応付けられており、また、ファイル名「S20091218083811.JPEG」および「S20100103124555.JPEG」という2つのかな静止画変換候補705が対応付けられており、それらの対応付けが格納されている。
【0054】
また、メディアデータ保存領域409は、図1に示したコンテンツ蓄積部109に相当する。また、メディアデータ保存領域409は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリであって良い。
【0055】
以下に、図4に示した携帯電話機401におけるコンテンツ検索方法について説明する。まずは、図4に示した携帯電話機401におけるコンテンツ検索方法のうち、電子メールに添付したコンテンツを登録する処理について説明する。なお、ここでは、当該コンテンツのファイル形式がJPEG形式である静止画の場合を例に挙げて説明する。また、他のファイル形式でも仕組みとしては全く同じであり、ファイル形式の限定は具体性のある例示に過ぎない。
【0056】
図6は、図4に示した携帯電話機401におけるコンテンツ検索方法のうち、電子メールに添付したコンテンツを登録する処理を説明するためのフローチャートである。
【0057】
まず、携帯電話機401を操作する操作者からの操作によって、メディアデータ保存領域409から1つ以上のJPEGファイルがCPU402によって読み出され、送信される電子メール本文に添付され(ステップS21)、当該電子メールと、読み出されたJPEGファイルとが通信チップ403によって、携帯電話機401以外の通信装置へ送信されると(ステップS22)、送信された電子メール本文のテキストデータの字句解析がCPU402によって行われ、キーワードが抽出される(ステップS23)。
【0058】
ここで、ステップS21およびステップS22の操作は、文字入力ボタン407を用いて行われるものであっても良い。また、メディアデータ保存領域409に蓄積されているJPEGファイルは、カメラ405によってあらかじめ生成されたものであっても良いし、受信した電子メールに添付されていたJPEGファイルであっても良い。また、電子メールを作成するには、ディスプレイ404が用いられることは言うまでもない。また、ステップS23の字句解析は、電子メールの作成中に行われるものであっても、作成が完了した時に行われるものであっても、送信後に行われるものであっても良い。
【0059】
すると、ステップS23で抽出されたキーワードと、電子メールに添付されたJPEGファイルのファイル名とが、CPU402によって対応付けられて文字変換辞書DB408に蓄積(格納)される(ステップS24)。
【0060】
続いて、図4に示した携帯電話機401におけるコンテンツ検索方法のうち、送信する電子メールに挿入(添付)するコンテンツを検索する処理について説明する。
【0061】
図7は、図4に示した携帯電話機401におけるコンテンツ検索方法のうち、送信する電子メールに挿入(添付)するコンテンツを検索する処理を説明するためのフローチャートである。
【0062】
携帯電話機401から送信される電子メールを作成するために、文字入力ボタン407から文字変換操作が受け付けられると(ステップS31)、文字変換の対象となる「かな(キーワード)」が、JPEGファイルのファイル名と対応付けられて文字変換辞書DB408に蓄積されたものであるかどうかがCPU402によって判断される(ステップS32)。つまり、当該キーワードに基づいて、JPEGファイルのファイル名が文字変換辞書DB408から検索されることとなる。
【0063】
JPEGファイルのファイル名が検索されると、検索されたファイル名のJPEGファイルがCPU402によってメディアデータ保存領域409から読み出される(ステップS33)。
【0064】
そして、読み出されたJPEGファイルが、ディスプレイ404に表示される(ステップS34)。
【0065】
図8は、図4に示したディスプレイ404に表示された画面の一例を示す図である。
【0066】
図8には、電子メール本文の文字入力中の動作時の画面を示す。
【0067】
ディスプレイ全体801は、メール本文入力欄802と、変換候補提示欄805とから構成される。
【0068】
メール本文入力欄802には、今、「来週の土曜日、」という変換済みの文字803と、「おはな」という変換中のかな文字804とが表示されている。また、変換候補提示欄805に表示されている、「お花」、「お鼻」、「お花見」および「お花茶屋」は、「おはな」に対する、文字変換候補806を示している。また、それらの下に表示されている3つの静止画アイコンは、「おはな」に対する、静止画変換候補807である。それぞれ「はな」というかな文字のキーワードに対して、文字変換辞書DB408に登録されていた(蓄積されている)JPEGファイルの中身を縮小表示している。
【0069】
その後、ディスプレイ404に表示されたJPEGファイルが確定されると(ステップS35)、確定されたJPEGファイルがCPU402によって文字の代わりに電子メール本文に挿入される(ステップS36)。
【0070】
また、字句解析によって抽出されたキーワードには、本来のコンテンツとは無関係のキーワードも含まれる可能性がある。そのため、そのような無関係のキーワード(不要語)を除去するために、自分が作成した電子メール本文、または、図1に示した通信部103によって通信装置101と接続された外部サーバ(不図示)と通信して他の人が作成した電子メール本文から抽出したキーワードを統計処理し、重複使用されているキーワードを重視した対応付けを行うように構成して良い。例えば「富士山の写真を送るね。みほりん。」という電子メール本文に写真(コンテンツ)が添付されている場合に、「富士山」および「写真」は変換する際のキーワードとして意味があるが、「みほりん」はその電子メールの相手であり、写真の内容とは無関係である。これを不要語として排除するために、このような手段を使えば、「富士山」「写真」等の共通の意味のあるキーワードのみを抽出できる可能性が高まる。
【0071】
上述した重複使用されているキーワードを重視した対応付けを用いるものとして、抽出した抽出頻度(抽出回数を含む)に応じて重み付け係数を付与し、当該キーワードを文字変換データ蓄積部108に蓄積するものを例に挙げて説明する。
【0072】
図9は、図1に示した形態におけるコンテンツ検索方法のうち、電子メールに添付したコンテンツを抽出頻度に応じて登録する処理を説明するためのフローチャートである。
【0073】
まず、通信装置101を操作する操作者からの操作によって、コンテンツ蓄積部109から1つ以上のコンテンツが制御部102によって読み出され、送信される電子メール本文に添付され(ステップS41)、当該電子メールと、読み出されたコンテンツとが通信部103によって、通信装置101以外の通信装置へ送信されると(ステップS42)、送信された電子メール本文のテキストデータの字句解析が制御部102によって行われ、キーワードが抽出される(ステップS43)。
【0074】
ここで、ステップS41およびステップS42の操作は、文字入力部107を用いて行われるものであっても良い。また、コンテンツ蓄積部109に蓄積されているコンテンツは、コンテンツ生成部105によってあらかじめ生成されたものであっても良いし、受信した電子メールに添付されていたコンテンツであっても良い。また、電子メールを作成するには、表示部104が用いられることは言うまでもない。また、ステップS3の字句解析は、電子メールの作成中に行われるものであっても、作成が完了した時に行われるものであっても、送信後に行われるものであっても良い。
【0075】
すると、抽出されたキーワードのうち、抽出頻度(抽出回数を含む)が高いものが制御部102によって選択される(ステップS44)。ここで、抽出頻度が高いかどうかを判断するには、抽出頻度が高いものから順に大きな値の重みづけ係数を付与し、当該重みづけ係数があらかじめ設定された閾値よりも大きなものが抽出頻度が高いと判断するものであっても良い。
【0076】
ここで抽出頻度とは、例えば、1つの電子メール本文から同じキーワードが抽出される回数としても良い。また、重み付け係数を用いるものでなく、抽出頻度そのものを判断基準に用いるものであっても良い。つまり、抽出頻度があらかじめ設定された閾値よりも高いものが選択されるものであっても良い。
【0077】
すると、ステップS44で選択されたキーワードと、電子メールに添付されたコンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報(例えば、コンテンツファイルのファイル名)とが、制御部102によって対応付けられて文字変換データ蓄積部108に蓄積(格納)される(ステップS45)。
【0078】
また、電子メールを送信した際の通信装置101の位置も、キーワードの抽出条件に加えることにより、意味のあるキーワードのみを抽出できる可能性が高まる。
【0079】
図10は、本発明の通信装置の他の実施の形態を示す図である。
【0080】
本形態における通信装置101は図10に示すように、図1に示した構成要素に、位置情報取得部110が追加された構成を有している。
【0081】
位置情報取得部110は、通信装置101の位置を示す位置情報を取得する。この位置情報の取得方法は、GPS(Global Positioning System)を用いるものや、通信装置101から最寄りの通信基地局の情報を用いるものであっても良い。
【0082】
また、制御部102は、コンテンツが添付された電子メールを送信した際に、抽出したキーワードとコンテンツのコンテンツ識別情報と位置情報取得部110が取得した位置情報とを対応付けて文字変換データ蓄積部108に蓄積する。また、制御部102は、文字入力部107に文字が入力された際、入力された文字に応じたキーワードと位置情報取得部110が位置情報とに基づいて、コンテンツ識別情報を文字変換データ蓄積部108から検索する。
【0083】
以下に、図10に示した形態におけるコンテンツ検索方法について説明する。まずは、図10に示した形態におけるコンテンツ検索方法のうち、電子メールに添付したコンテンツを登録する処理について説明する。
【0084】
図11は、図10に示した形態におけるコンテンツ検索方法のうち、電子メールに添付したコンテンツを登録する処理を説明するためのフローチャートである。
【0085】
まず、通信装置101を操作する操作者からの操作によって、コンテンツ蓄積部109から1つ以上のコンテンツが制御部102によって読み出され、送信される電子メール本文に添付され(ステップS51)、当該電子メールと、読み出されたコンテンツとが通信部103によって、通信装置101以外の通信装置へ送信されると(ステップS52)、送信された電子メール本文のテキストデータの字句解析が制御部102によって行われ、キーワードが抽出される(ステップS53)。
【0086】
ここで、ステップS51およびステップS52の操作は、文字入力部107を用いて行われるものであっても良い。また、コンテンツ蓄積部109に蓄積されているコンテンツは、コンテンツ生成部105によってあらかじめ生成されたものであっても良いし、受信した電子メールに添付されていたコンテンツであっても良い。また、電子メールを作成するには、表示部104が用いられることは言うまでもない。また、ステップS3の字句解析は、電子メールの作成中に行われるものであっても、作成が完了した時に行われるものであっても、送信後に行われるものであっても良い。
【0087】
また、位置情報取得部110によって、通信装置101の位置を示す位置情報が取得される(ステップS54)。
【0088】
すると、ステップS53で抽出されたキーワードと、電子メールに添付されたコンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報(例えば、コンテンツファイルのファイル名)と、ステップS54で取得された位置情報とが、制御部102によって対応付けられて文字変換データ蓄積部108に蓄積(格納)される(ステップS55)。
【0089】
続いて、図10に示した形態におけるコンテンツ検索方法のうち、送信する電子メールに挿入(添付)するコンテンツを検索する処理について説明する。
【0090】
図12は、図10に示した形態におけるコンテンツ検索方法のうち、送信する電子メールに挿入(添付)するコンテンツを検索する処理を説明するためのフローチャートである。
【0091】
通信装置101から送信される電子メールを作成するために、文字入力部107から文字変換操作が受け付けられると(ステップS61)、位置情報取得部110によって、通信装置101の位置を示す位置情報が取得される(ステップS62)。
【0092】
すると、文字変換の対象となる「かな(キーワード)」と取得された位置情報とが、コンテンツ識別情報と対応付けられて文字変換データ蓄積部108に蓄積されたものであるかどうかが制御部102によって判断される(ステップS63)。つまり、当該キーワードと位置情報とに基づいて、コンテンツ識別情報が文字変換データ蓄積部108から検索されることとなる。
【0093】
コンテンツ識別情報が検索されると、検索されたコンテンツ識別情報に応じたコンテンツが制御部102によってコンテンツ蓄積部109から読み出される(ステップS64)。
【0094】
そして、読み出されたコンテンツが、表示部104に表示される(ステップS65)。
【0095】
その後、表示部104に表示されたコンテンツが確定されると(ステップS66)、確定されたコンテンツが制御部102によって文字の代わりに電子メール本文に挿入される(ステップS67)。
【0096】
このように、本発明においては、テキストで構成された電子メール本文の送信時に、電子メール本文内のテキストからキーワードを抽出し、そのキーワードを、電子メール本文に添付したコンテンツと対応付けて管理し、次回以降の電子メール作成時には、入力中の文字と、その文字に対応付けられたキーワードとを照合することで、該当するコンテンツを検索することができる。
【0097】
上述した通信装置101に設けられた各構成要素が行う処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を記述したプログラムを通信装置101にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを通信装置101に読み込ませ、実行するものであっても良い。通信装置101にて読取可能な記録媒体とは、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、通信装置101に内蔵されたROM、RAM等のメモリやHDD等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、通信装置101に設けられた制御部102にて読み込まれ、制御部102の制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、制御部102は、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
【符号の説明】
【0098】
101 通信装置
102 制御部
103 通信部
104 表示部
105 コンテンツ生成部
106 通信路
107 文字入力部
108 文字変換データ蓄積部
109 コンテンツ蓄積部
110 位置情報取得部
401 携帯電話機
402 CPU
403 通信チップ
404 ディスプレイ
405 カメラ
406 バス
407 文字入力ボタン
408 文字変換辞書DB
409 メディアデータ保存領域
701 文字テーブル
702 入力かな文字
703 かな文字変換候補
704 かな漢字変換候補
705 かな静止画変換候補
801 ディスプレイ全体
802 メール本文入力欄
803 変換済みの文字
804 変換中のかな文字
805 変換候補提示欄
806 文字変換候補
807 静止画変換候補

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
当該通信装置以外の通信装置との間で通信を行う通信部と、
当該通信装置の外部から文字を入力するための文字入力部と、
コンテンツを表示する表示部と、
前記コンテンツを、該コンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報とともに蓄積するコンテンツ蓄積部と、
前記文字入力部に入力される文字と該文字の変換候補とを対応付けた文字変換データを蓄積する文字変換データ蓄積部と、
前記通信部が、前記コンテンツが添付された電子メールを送信または受信した際に、該電子メールの本文のテキストデータからキーワードを抽出し、該抽出したキーワードの変換候補として該コンテンツのコンテンツ識別情報を該キーワードと対応付けて前記文字変換データ蓄積部に蓄積し、前記文字入力部に文字が入力された際、該文字に応じたキーワードに基づいて、前記コンテンツ識別情報を前記文字変換データ蓄積部から検索し、該検索したコンテンツ識別情報に応じたコンテンツを前記コンテンツ蓄積部から読み出し、該読み出したコンテンツを該キーワードの変換候補として前記表示部に表示させる制御部とを有する通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置において、
前記制御部は、前記抽出したキーワードそれぞれの抽出頻度に応じて、該キーワードの重み付け係数をそれぞれに設定し、該重み付け係数に基づいて、前記キーワードを前記文字変換データ蓄積部に蓄積することを特徴とする通信装置。
【請求項3】
請求項2に記載の通信装置において、
前記制御部は、前記重み付け係数が所定の閾値よりも高いキーワードのみを前記文字変換データ蓄積部に蓄積することを特徴とする通信装置。
【請求項4】
請求項1に記載の通信装置において、
当該通信装置の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部をさらに有し、
前記制御部は、前記コンテンツが添付された電子メールを送信した際に、前記抽出したキーワードと該コンテンツのコンテンツ識別情報と前記位置情報取得部が取得した位置情報とを対応付けて前記文字変換データ蓄積部に蓄積し、前記文字入力部に文字が入力された際、該文字に応じたキーワードと前記位置情報とに基づいて、前記コンテンツ識別情報を前記文字変換データ蓄積部から検索することを特徴とする通信装置。
【請求項5】
通信装置に蓄積されたコンテンツを検索するコンテンツ検索方法であって、
コンテンツが添付された電子メールを送信または受信した際に、該電子メールの本文のテキストデータからキーワードを抽出する処理と、
前記コンテンツを、該コンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報とともに、当該通信装置に具備されたコンテンツ蓄積部に蓄積する処理と、
前記抽出したキーワードの変換候補として該コンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報を該キーワードと対応付けて当該通信装置に具備された文字変換データ蓄積部に蓄積する処理と、
当該通信装置に文字が入力された際、該文字に応じたキーワードに基づいて、前記コンテンツ識別情報を前記文字変換データ蓄積部から検索する処理と、
前記検索したコンテンツ識別情報に応じたコンテンツを前記コンテンツ蓄積部から読み出す処理と、
前記読み出したコンテンツを該キーワードの変換候補として表示する処理とを行うコンテンツ検索方法。
【請求項6】
請求項5に記載のコンテンツ検索方法において、
前記抽出したキーワードそれぞれの抽出頻度に応じて、該キーワードの重み付け係数をそれぞれに設定する処理と、
前記重み付け係数に基づいて、前記キーワードを前記文字変換データ蓄積部に蓄積する処理とを行うことを特徴とするコンテンツ検索方法。
【請求項7】
請求項5に記載のコンテンツ検索方法において、
当該通信装置の位置を示す位置情報を取得する処理と、
前記コンテンツが添付された電子メールを送信した際に、前記抽出したキーワードと該コンテンツのコンテンツ識別情報と前記位置情報とを対応付けて前記文字変換データ蓄積部に蓄積する処理と、
前記文字が入力された際、該文字に応じたキーワードと前記位置情報とに基づいて、前記コンテンツ識別情報を前記文字変換データ蓄積部から検索する処理とを行うことを特徴とするコンテンツ検索方法。
【請求項8】
通信装置に、
コンテンツが添付された電子メールを送信または受信した際に、該電子メールの本文のテキストデータからキーワードを抽出する手順と、
前記コンテンツを、該コンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報とともに、当該通信装置に具備されたコンテンツ蓄積部に蓄積する手順と、
前記抽出したキーワードの変換候補として該コンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報を該キーワードと対応付けて当該通信装置に具備された文字変換データ蓄積部に蓄積する手順と、
当該通信装置に文字が入力された際、該文字に応じたキーワードに基づいて、前記コンテンツ識別情報を前記文字変換データ蓄積部から検索する手順と、
前記検索したコンテンツ識別情報に応じたコンテンツを前記コンテンツ蓄積部から読み出す手順と、
前記読み出したコンテンツを該キーワードの変換候補として表示する手順とを実行させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムにおいて、
前記抽出したキーワードそれぞれの抽出頻度に応じて、該キーワードの重み付け係数をに設定する手順と、
前記重み付け係数に基づいて、前記キーワードを前記文字変換データ蓄積部に蓄積する手順とを実行させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項8に記載のプログラムにおいて、
当該通信装置の位置を示す位置情報を取得する手順と、
前記コンテンツが添付された電子メールを送信した際に、前記抽出したキーワードと該コンテンツのコンテンツ識別情報と前記位置情報とを対応付けて前記文字変換データ蓄積部に蓄積する手順と、
前記文字が入力された際、該文字に応じたキーワードと前記位置情報とに基づいて、前記コンテンツ識別情報を前記文字変換データ蓄積部から検索する手順とを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−170743(P2011−170743A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35821(P2010−35821)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】