説明

通信装置、情報記憶媒体、及び通信方法

【課題】複数のアプリケーションの中から所望のアプリケーションの簡単選択を可能にする通信装置を提供すること。
【解決手段】通信装置は、情報記憶媒体と通信する通信手段と、前記通信手段による前記情報記憶媒体との通信時間に応じてアプリケーションの切り換えを制御する制御手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話、ICカードなどの情報記憶媒体と通信する通信装置及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路等に適用されている距離料金収受システムは、通行券を用いた運用を実施している。つまり、距離料金収受システムにより、入口ゲートに設置された通行券発行装置により通行券が発券され、出口ゲートに設置された料金自動収受装置で発券した通行券が回収されるとともに、回収される通行券に基づき所定の通行料金が収受される。発券される通行券には、入口情報や車種情報等が記録されている。また、料金自動収受装置は、硬貨、紙幣、クレジットカードなどによる通行料金の支払いに対応している。
【0003】
また、上記した通行券による通行料金の収受以外に、ETC(Electronic Toll Collection)システムが急速に普及している。ETCシステムは、車両に設置された車載装置と料金所に設置された通信装置との間の無線通信により、車両の確認、および料金収受を行う。
【0004】
さらに、近年では、電子マネーによる通行料金収受が要望されている。例えば、入口ゲート及び出口ゲートに電子マネーリーダライタ(以下、リーダライタ)を設置する。車両の運転手等は、電子マネー利用情報(例えばID)等が記憶された携帯電話又はICカード等をリーダライタにかざす。これにより、リーダライタは、携帯電話等に記憶された電子マネー利用情報を読み取り、料金収受サーバは、読み取った電子マネー利用情報及び電子マネー利用情報に対応付けられた電子マネー残額等に基づき通行料金を収受する。
【0005】
電子マネー規格は、Edy(登録商標)、Suica(登録商標)、Waon(登録商標)、及びnanaco(登録商標)など複数存在する。例えば、1台の携帯電話等が、複数の電子マネー規格に対応した複数の電子マネーアプリケーションを記憶し、これら複数の電子マネーアプリケーションを選択的に実行することができる。
【0006】
例えば、複数種類の電子マネーに対応した複数の通信エリアを備えた電子マネー決済端末が開示されている(特許文献1参照)。この電子マネー決済端末は、複数の通信エリアのうちのどの通信エリアと電子マネー媒体とが通信したかによって電子マネーの種別を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−258853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記したように電子マネーによる通行料金収受の場合、例えば、ユーザは、ハンドルを握りながら、片手で、車両の窓から携帯電話等をリーダライタに向けて差し出し、携帯電話等をリーダライタにかざす。そのため、リーダライタの通信エリアを比較的大きくして、携帯電話等をかざし易くするなどの工夫が必要となる。
【0009】
このような使用環境で、上記特許文献1に開示された電子マネー決済端末を適用した場合、操作性があまりよくないことがある。例えば、車両の停止位置等によっては、運転者等が若干無理な姿勢を取らないと、複数の通信エリアの中の所定の通信エリアに対して携帯電話等をかざすことができない場合があり、このような状況では操作性があまりよくない。
【0010】
本発明の目的は、複数のアプリケーションの中から所望のアプリケーションの簡単選択を可能にする通信装置、情報記憶媒体、及び通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態に係る通信装置は、情報記憶媒体と通信する通信手段と、前記通信手段による前記情報記憶媒体との通信時間に応じてアプリケーションの切り換えを制御する制御手段とを備える。
【0012】
本発明の一実施形態に係る情報記憶媒体は、通信装置と通信する通信手段と、前記通信手段による前記通信装置との通信時間に対応してアプリケーションの切り換えを制御する制御手段とを備える。
【0013】
本発明の一実施形態に係る通信方法は、通信媒体と通信し、前記通信装置との通信時間に対応してアプリケーションの切り換えを制御する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数のアプリケーションの中から所望のアプリケーションの簡単選択を可能にする通信装置、情報記憶媒体、及び通信方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る通信システムの概略を示す図である。
【図2】図1に示す通信システムの機能ブロック図である。
【図3】リーダライタの概略構成を示すブロック図である。
【図4】情報記憶媒体の電子マネー決済処理部の概略構成を示すブロック図である。
【図5】電子マネーの種別選択処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システムの概略を示す図である。また、図2は、図1に示す通信システムの機能ブロック図である。図1及び図2に示す通信システムは、例えば、電子マネーによる通行料金収受システムである。
【0018】
図2に示すように、通信システムは、端末1(通信装置)及び情報記憶媒体2(携帯電話、ICカードなど)により構成される。端末1は、例えば有料道路の入場口又は出場口に設置され、情報記憶媒体2は車両の運転手等が所持する。例えば、端末1は、制御部11、表示部12、キーボード13、リーダライタ14、テンキー15を備えている。
【0019】
リーダライタ14は、情報記憶媒体2と接触又は非接触で、情報記憶媒体2に記憶された記憶された電子マネー利用情報(例えばID)を読み取る。また、リーダライタ14は、情報記憶媒体2に記憶された通行履歴情報(入場履歴情報)を読み取ったり、情報記憶媒体2に対して通行履歴情報(入場履歴情報、出場履歴情報)を書き込んだりすることもできる。
【0020】
制御部11は、複数の通信方式及び複数のアプリケーション(例えば複数の電子マネーアプリケーション)を選択的に実行することができる。例えば、制御部11は、情報記憶媒体との通信時間に応じてアプリケーションの切り換えを制御する制御手段として機能する。制御部11によるアプリケーションの切り換え制御については後に詳しく説明する。表示部12は、情報記憶媒体2との通信結果及び認証結果等を表示する。また、表示部12は、複数のアプリケーションの中から選出された所定のアプリケーションによる取引案内等を表示することもできる。キーボード13は、制御部11に対して文字等を入力する。テンキー15は、制御部11に対して数字等を入力する。
【0021】
図3は、リーダライタ14の概略構成を示すブロック図である。図3に示すように、リーダライタ14は、通信I/F142、CPU143、データメモリ(不揮発性メモリ)144、RAM145、ROM146を備えている。CPU143は、情報記憶媒体2に対するコマンド等の送信を制御したり、情報記憶媒体2からのレスポンスを検出したりする。
【0022】
図4は、情報記憶媒体2の電子マネー決済処理部の概略構成を示すブロック図である。情報記憶媒体2は、携帯電話又はICカード等であり、通信I/F部21、制御部22、RAM23、ROM24、不揮発性メモリ(EEPROM、FRAM、FLASH等)25を備えている。
【0023】
例えば、制御部22は、ROM24に記憶されたICカードプログラム等に基づき動作し、端末1からのコマンド等の受信を制御したり、受信したコマンド等を解釈したり、端末1に対するレスポンス等の送信を制御したりする。例えば、制御部22は、端末1(リーダライタ14)との通信時間に応じてアプリケーションの切り換えを制御する制御手段として機能する。制御部22によるアプリケーションの切り換え制御については後に詳しく説明する。
【0024】
RAM23は、ワーキングメモリとして機能し、コマンドの実行に対応した実行結果等を記憶する。また、不揮発性メモリ25は、RAMに記憶された実行結果等を記憶(バックアップ)する。ROM24は、制御部22により実行されるICカードプログラムを保持する。
【0025】
次に、図5に示すフローチャートを参照し、電子マネーの種別選択処理の一例について説明する。
【0026】
例えば、車両の運転手は、リーダライタ14に対して車両を近づけて停止させて、車両の窓から手を伸ばしてリーダライタ14に対して情報記憶媒体2をかざす(ST1)。
【0027】
これに対応して、リーダライタ14と情報記憶媒体2とが通信を開始し、制御部11は、表示部12に対して第1の電子マネー(第1の電子マネーアプリケーション)に関する第1の情報を表示するための第1の表示制御情報を出力する。表示部12は、第1の表示制御情報に基づき、第1の情報を表示する(ST2)。例えば、表示部12は、第1の電子マネー(第1の電子マネーアプリケーション)により電子マネー決済可能である旨、そのまま継続して情報記憶媒体2をかざし続けることにより第1の電子マネーによる電子マネー決済を実行することができる旨、及び情報記憶媒体2をリーダライタ14から離すことにより別の電子マネー決済を選択することが可能である旨を表示する(ST2)。
【0028】
その後、端末1(制御部11)が、リーダライタ14と情報記憶媒体2との所定時間以上(例えば3秒〜10秒)の連続通信を検出すると(ST3、YES)、第1の電子マネー(第1の電子マネーアプリケーション)を選択(確定)する(ST10)。つまり、第1の表示制御情報の出力期間中における、リーダライタ14と情報記憶媒体2との所定時間以上の連続通信に対応して、端末1(制御部11)は、第1の電子マネー(第1の電子マネーアプリケーション)による第1の電子マネー決済を選択(確定)する。この場合、例えば、端末1(制御部11)は、第1の電子マネーアプリケーションを起動するとともに、さらに、端末1(制御部11)は、リーダライタ14を介して情報記憶媒体2に対して第1の電子マネー決済(第1の電子マネーアプリケーションの起動)を指示する。情報記憶媒体2(制御部22)は、第1の電子マネー決済の指示を受信し、第1の電子マネーアプリケーションを起動する。
【0029】
或いは、情報記憶媒体2(制御部22)が、リーダライタ14と情報記憶媒体2との所定時間以上の連続通信を検出すると(ST3、YES)、第1の電子マネー(第1の電子マネーアプリケーション)を選択(確定)する(ST10)。この場合、例えば、情報記憶媒体2(制御部22)は、第1の電子マネーアプリケーションを起動するとともに、さらに、情報記憶媒体2(制御部22)は、通信I/F142を介して端末1(制御部11)に対して第1の電子マネー決済(第1の電子マネーアプリケーションの起動)を指示する。端末1(制御部11)は、第1の電子マネー決済の指示を受信し、第1の電子マネーアプリケーションを起動する。
【0030】
上記したように、端末1及び情報記憶媒体2の両者が第1の電子マネーアプリケーションを起動し、第1の電子マネーアプリケーションによる第1の電子マネー決済が実行される。
【0031】
なお、制御部11が、第1の電子マネー(第1の電子マネーアプリケーション)を選択(確定)前(直前)に、制御部11からの指示に基づき、表示部12が、まもなく第1の電子マネーによる電子決済が確定する旨、第1の電子マネーによる電子決済を希望する場合はそのまま情報記憶媒体2をかざし続ける旨、第1の電子マネーによる電子決済を希望しない場合は情報記憶媒体2をリーダライタ14から離す(遠ざける)旨を表示するようにしてもよい。
【0032】
制御部11が、リーダライタ14と情報記憶媒体2との所定時間以上の連続通信の不成立を検出すると(ST3、NO)、つまり、リーダライタ14と情報記憶媒体2との所定時間以上の連続通信の成立前に、リーダライタ14から情報記憶媒体2が離されると、制御部11は、第1の電子マネー(第1の電子マネーアプリケーション)に替えて第2の電子マネー(第2の電子マネーアプリケーション)を選択候補として選出し、例えば表示部12に対して第2の電子マネー(第2の電子マネーアプリケーション)に関する第2の情報を表示するための第2の表示制御情報を出力する。表示部12は、第2の表示制御情報に基づき、第2の情報を表示する(ST4)。例えば、表示部12は、第2の電子マネー(第2の電子マネーアプリケーション)により電子マネー決済可能である旨、そのまま継続して情報記憶媒体2をかざし続けることにより第2の電子マネーによる電子マネー決済を実行することができる旨、及び情報記憶媒体2をリーダライタ14から離すことにより別の電子マネー決済を選択することが可能である旨を表示する(ST4)
その後、端末1(制御部11)が、リーダライタ14と情報記憶媒体2との所定時間以上の連続通信を検出すると(ST5、YES)、第2の電子マネー(第2の電子マネーアプリケーション)を選択(確定)する(ST10)。つまり、第2の表示制御情報の出力期間中における、リーダライタ14と情報記憶媒体2との所定時間以上の連続通信に対応して、端末1(制御部11)は、第2の電子マネー(第2の電子マネーアプリケーション)による第2の電子マネー決済を選択(確定)する。この場合、例えば、端末1(制御部11)は、第2の電子マネーアプリケーションを起動するとともに、さらに、端末1(制御部11)は、リーダライタ14を介して情報記憶媒体2に対して第2の電子マネー決済(第2の電子マネーアプリケーションの起動)を指示する。情報記憶媒体2(制御部22)は、第2の電子マネー決済の指示を受信し、第2の電子マネーアプリケーションを起動する。
【0033】
或いは、情報記憶媒体2(制御部22)が、リーダライタ14と情報記憶媒体2との所定時間以上の連続通信を検出すると(ST5、YES)、第2の電子マネー(第2の電子マネーアプリケーション)を選択(確定)する(ST10)。この場合、例えば、情報記憶媒体2(制御部22)は、第2の電子マネーアプリケーションを起動するとともに、さらに、情報記憶媒体2(制御部22)は、通信I/F142を介して端末1(制御部11)に対して第2の電子マネー決済(第2の電子マネーアプリケーションの起動)を指示する。端末1(制御部11)は、第2の電子マネー決済の指示を受信し、第2の電子マネーアプリケーションを起動する。
【0034】
上記したように、端末1及び情報記憶媒体2の両者が第2の電子マネーアプリケーションを起動し、第2の電子マネーアプリケーションによる第2の電子マネー決済が実行される。
【0035】
なお、第2の電子マネー(第2の電子マネーアプリケーション)を選択(確定)前(直前)に、表示部12が、まもなく第2の電子マネーによる電子決済が確定する旨、第2の電子マネーによる電子決済を希望する場合はそのまま情報記憶媒体2をかざし続ける旨、第2の電子マネーによる電子決済を希望しない場合は情報記憶媒体2をリーダライタ14から離す(遠ざける)旨を表示するようにしてもよい。
【0036】
制御部11が、リーダライタ14と情報記憶媒体2との所定時間以上の連続通信の不成立を検出すると(ST5、NO)、つまり、第2の情報が表示された後(ST4)、リーダライタ14と情報記憶媒体2との所定時間以上の連続通信の成立前に、リーダライタ14から情報記憶媒体2が離されると、制御部11は、第2の電子マネー(第2の電子マネーアプリケーション)に替えて第3の電子マネー(第3の電子マネーアプリケーション)を選択候補として選出し、例えば表示部12に対して第3の電子マネー(第3の電子マネーアプリケーション)に関する第3の情報を表示するための第3の表示制御情報を出力する。表示部12は、第3の表示制御情報に基づき、第3の情報を表示する(ST6)。例えば、表示部12は、第3の電子マネー(第3の電子マネーアプリケーション)により電子マネー決済可能である旨、そのまま継続して情報記憶媒体2をかざし続けることにより第3の電子マネーによる電子マネー決済を実行することができる旨、及び情報記憶媒体2をリーダライタ14から離すことにより別の電子マネー決済を選択することが可能である旨を表示する(ST6)。
【0037】
その後、端末1(制御部11)が、リーダライタ14と情報記憶媒体2との所定時間以上の連続通信を検出すると(ST7、YES)、第3の電子マネー(第3の電子マネーアプリケーション)を選択(確定)する(ST10)。つまり、第3の表示制御情報の出力期間中における、リーダライタ14と情報記憶媒体2との所定時間以上の連続通信に対応して、端末1(制御部11)は、第3の電子マネー(第3の電子マネーアプリケーション)による第3の電子マネー決済を選択(確定)する。この場合、例えば、端末1(制御部11)は、第3の電子マネーアプリケーションを起動するとともに、さらに、端末1(制御部11)は、リーダライタ14を介して情報記憶媒体2に対して第3の電子マネー決済(第3の電子マネーアプリケーションの起動)を指示する。情報記憶媒体2(制御部22)は、第3の電子マネー決済の指示を受信し、第3の電子マネーアプリケーションを起動する。
【0038】
或いは、情報記憶媒体2(制御部22)が、リーダライタ14と情報記憶媒体2との所定時間以上の連続通信を検出すると(ST7、YES)、第3の電子マネー(第3の電子マネーアプリケーション)を選択(確定)する(ST10)。この場合、例えば、情報記憶媒体2(制御部22)は、第3の電子マネーアプリケーションを起動するとともに、さらに、情報記憶媒体2(制御部22)は、通信I/F142を介して端末1(制御部11)に対して第3の電子マネー決済(第3の電子マネーアプリケーションの起動)を指示する。端末1(制御部11)は、第3の電子マネー決済の指示を受信し、第3の電子マネーアプリケーションを起動する。
【0039】
上記したように、端末1及び情報記憶媒体2の両者が第3の電子マネーアプリケーションを起動し、第3の電子マネーアプリケーションによる第3の電子マネー決済が実行される。
【0040】
なお、第3の電子マネー(第3の電子マネーアプリケーション)を選択(確定)前(直前)に、表示部12が、まもなく第3の電子マネーによる電子決済が確定する旨、第3の電子マネーによる電子決済を希望する場合はそのまま情報記憶媒体2をかざし続ける旨、第3の電子マネーによる電子決済を希望しない場合は情報記憶媒体2をリーダライタ14から離す(遠ざける)旨を表示するようにしてもよい。
【0041】
制御部11が、リーダライタ14と情報記憶媒体2との所定時間以上の連続通信の不成立を検出すると(ST7、NO)、つまり、第3の情報が表示された後(ST6)、リーダライタ14と情報記憶媒体2との所定時間以上の連続通信の成立前に、リーダライタ14から情報記憶媒体2が離されると、制御部11は、第3の電子マネー(第3の電子マネーアプリケーション)に替えて第4の電子マネー(第4の電子マネーアプリケーション)を選択候補として選出し、例えば表示部12に対して第4の電子マネー(第4の電子マネーアプリケーション)に関する第4の情報を表示するための第4の表示制御情報を出力する。表示部12は、第3の表示制御情報に基づき、第4の情報を表示する(ST8)。例えば、表示部12は、第4の電子マネー(第4の電子マネーアプリケーション)により電子マネー決済可能である旨、そのまま継続して情報記憶媒体2をかざし続けることにより第4の電子マネーによる電子マネー決済を実行することができる旨、及び情報記憶媒体2をリーダライタ14から離すことにより別の電子マネー決済を選択することが可能である旨を表示する(ST8)。
【0042】
その後、端末1(制御部11)が、リーダライタ14と情報記憶媒体2との所定時間以上の連続通信を検出すると(ST9、YES)、第4の電子マネー(第4の電子マネーアプリケーション)を選択(確定)する(ST10)。つまり、第4の表示制御情報の出力期間中における、リーダライタ14と情報記憶媒体2との所定時間以上の連続通信に対応して、端末1(制御部11)は、第4の電子マネー(第4の電子マネーアプリケーション)による第4の電子マネー決済を選択(確定)する。この場合、例えば、端末1(制御部11)は、第3の電子マネーアプリケーションを起動するとともに、さらに、端末1(制御部11)は、リーダライタ14を介して情報記憶媒体2に対して第4の電子マネー決済(第4の電子マネーアプリケーションの起動)を指示する。情報記憶媒体2(制御部22)は、第4の電子マネー決済の指示を受信し、第4の電子マネーアプリケーションを起動する。
【0043】
或いは、情報記憶媒体2(制御部22)が、リーダライタ14と情報記憶媒体2との所定時間以上の連続通信を検出すると(ST9、YES)、第4の電子マネー(第4の電子マネーアプリケーション)を選択(確定)する(ST10)。この場合、例えば、情報記憶媒体2(制御部22)は、第4の電子マネーアプリケーションを起動するとともに、さらに、情報記憶媒体2(制御部22)は、通信I/F142を介して端末1(制御部11)に対して第4の電子マネー決済(第4の電子マネーアプリケーションの起動)を指示する。端末1(制御部11)は、第4の電子マネー決済の指示を受信し、第4の電子マネーアプリケーションを起動する。
【0044】
上記したように、端末1及び情報記憶媒体2の両者が第4の電子マネーアプリケーションを起動し、第4の電子マネーアプリケーションによる第4の電子マネー決済が実行される。
【0045】
なお、第4の電子マネー(第4の電子マネーアプリケーション)を選択(確定)前(直前)に、表示部12が、まもなく第4の電子マネーによる電子決済が確定する旨、第4の電子マネーによる電子決済を希望する場合はそのまま情報記憶媒体2をかざし続ける旨、第4の電子マネーによる電子決済を希望しない場合は情報記憶媒体2をリーダライタ14から離す(遠ざける)旨を表示するようにしてもよい。
【0046】
制御部11は、リーダライタ14と情報記憶媒体2との所定時間以上の連続通信の不成立を検出すると(ST9、NO)、つまり、第4の情報が表示された後(ST8)、リーダライタ14と情報記憶媒体2との所定時間以上の連続通信の成立前に、リーダライタ14から情報記憶媒体2が離されると、制御部11は、第4の電子マネー(第4の電子マネーアプリケーション)に替えて第1の電子マネー(第1の電子マネーアプリケーション)を選択候補として選出し、例えば表示部12に対して第1の電子マネー(第1の電子マネーアプリケーション)に関する第1の情報を表示するための第1の表示制御情報を出力する。
【0047】
上記したように、端末1は、情報記憶媒体2との通信時間に応じて電子マネーアプリケーションの切り換えを制御する。或いは、情報記憶媒体2は、端末1(リーダライタ14)との通信時間に応じて電子マネーアプリケーションの切り換えを制御する。
【0048】
例えば、ユーザが、所定の電子マネー(第3の電子マネーアプリケーション)による電子マネー決済を選択したい場合、情報記憶媒体2をリーダライタ14に対して所定回数タッチすると(情報記憶媒体2をリーダライタ14に対して所定時間未満のかざし動作と離す動作を所定回数繰り返すと)、所定の電子マネー決済可能である旨が表示される。この後、情報記憶媒体2をリーダライタ14に対して所定時間以上かざし続けることにより所定の電子マネーによる電子マネー決済を実行することができる。このようにして複数のアプリケーションの中から所望のアプリケーションを簡単に選択することができる。
【0049】
また、端末1の制御部11が、リーダライタ14が情報記憶媒体2から読み取った情報(通信結果)から、情報記憶媒体2が対応可能な電子マネーアプリケーションの種類を検出し、検出結果に応じて電子マネーアプリケーションを選択することもできる。
【0050】
例えば、情報記憶媒体2が上記した第1、第2、第3、第4の電子マネーアプリケーションの何れにも対応可能な場合には、端末1の制御部11は、図5に示すように第1、第2、第3、第4の電子マネーアプリケーションを順に切り換え制御する。
【0051】
また、情報記憶媒体2が上記した第2、第3、第4の電子マネーアプリケーションに対応可能な場合には、つまり第1の電子マネーアプリケーションに対応不能な場合には、端末1の制御部11は、第2、第3、第4の電子マネーアプリケーションを順に切り換え制御する。即ち、端末1の制御部11は、図5に示すST2〜ST3を省略して、第2、第3、第4の電子マネーアプリケーションを順に切り換え制御する。
【0052】
また、情報記憶媒体2が上記した第3、第4の電子マネーアプリケーションに対応可能な場合には、つまり第1、第2の電子マネーアプリケーションに対応不能な場合には、端末1の制御部11は、第3、第4の電子マネーアプリケーションを順に切り換え制御する。即ち、端末1の制御部11は、図5に示すST2〜ST5を省略して、第3、第4の電子マネーアプリケーションを順に切り換え制御する。
【0053】
また、情報記憶媒体2が上記した第4の電子マネーアプリケーションに対応可能な場合には、つまり第1、第2、第3の電子マネーアプリケーションに対応不能な場合には、端末1の制御部11は、第4の電子マネーアプリケーションを選択する。即ち、端末1の制御部11は、図5に示すST2〜ST7を省略して、第4の電子マネーアプリケーションを選択する。
【0054】
以上により、車両の運転手等は、携帯電話(情報記憶媒体)等のボタン操作無しで、またリーダライタ等のボタン操作無しで、所望の電子マネーアプリケーションを選択することができる。つまり、リーダライタに対して携帯電話(情報記憶媒体)等をかざす時間で所望の電子マネーアプリケーションを選択することができ、所望の電子マネーアプリケーションで通行料等を精算することができる。
【0055】
なお、上記説明では、通信時間に応じて電子マネーアプリケーションを切り換え制御するケースについて説明したが、例えば、リーダライタ14に対してかざされる情報記憶媒体2を検出するセンサを設け、このセンサによる情報記憶媒体の検知をトリガとして電子マネーアプリケーションの切り換えを制御するようにしてもよい。例えば、第1の電子マネー(第1の電子マネーアプリケーション)により電子マネー決済可能である旨の表示中に、所定時間以上の間、情報記憶媒体2が検出され続けた場合には、第1の電子マネー(第1の電子マネーアプリケーション)を選択(確定)し、所定時間以上の間、情報記憶媒体2が検出され続けなかった場合には、第2の電子マネー(第2の電子マネーアプリケーション)により電子マネー決済可能である旨の表示に切り換える。
【0056】
また、上記説明では、ボタン操作無しで、情報記憶媒体との通信時間に応じて所望の電子マネーを選択(確定)する端末1について説明したが、所望の電子マネーを選択(確定)させる際には、ボタン操作を必要とする構成の端末1であってもよい。つまり、通信時間に応じて決済候補の電子マネーアプリケーションを切り換えるが、最終的に、電子マネーアプリケーションを選択(確定)する場合にはボタン操作を必要とする構成の端末1であってもよい。
【0057】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0058】
1…端末、2…情報記憶媒体、11…制御部、12…表示部、13…キーボード、14…リーダライタ、15…テンキー、21…通信I/F部、22…制御部、23…RAM、24…ROM、25…不揮発性メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報記憶媒体と通信する通信手段と、
前記通信手段による前記情報記憶媒体との通信時間に応じてアプリケーションの切り換えを制御する制御手段と、
を備えた通信装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記情報記録媒体との所定時間以上の連続通信に対応して第1のアプリケーションを選択し、前記情報記録媒体との所定時間以上の連続通信不成立に対応して前記第1のアプリケーションに替えて第2のアプリケーションを選択候補として選出することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記情報記録媒体との所定時間以上の連続通信に対応して第1のアプリケーションによる第1の電子マネー決済を選択し、前記情報記録媒体との所定時間以上の連続通信不成立に対応して前記第1のアプリケーションに替えて第2のアプリケーションを選択候補として選出し、前記第2のアプリケーションの選出後の前記情報記録媒体との所定時間以上の連続通信に対応して前記第2のアプリケーションによる第2の電子マネー決済を選択することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記情報記録媒体との所定時間以上の連続通信に対応して第1のアプリケーションによる第1の電子マネー決済を選択するとともに、前記情報記憶媒体に対して前記第1の電子マネー決済を指示し、前記情報記録媒体との所定時間以上の連続通信不成立に対応して前記第1のアプリケーションに替えて第2のアプリケーションを選択候補として選出し、前記第2のアプリケーションの選出後の前記情報記録媒体との所定時間以上の連続通信に対応して前記第2のアプリケーションによる第2の電子マネー決済を選択するとともに、前記情報記憶媒体に対して前記第2の電子マネー決済を指示することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記制御手段は、第1のアプリケーションに関する第1の情報を表示するための第1の表示制御情報を出力し、前記第1の表示制御情報の出力期間中における、前記情報記録媒体との所定時間以上の連続通信に対応して前記第1のアプリケーションを選択し、前記情報記録媒体との所定時間以上の連続通信不成立に対応して第2のアプリケーションに関する第2の情報を表示するための第2の表示制御情報を出力し、前記第2の表示制御情報の出力期間中における、前記情報記録媒体との所定時間以上の連続通信に対応して前記第2のアプリケーションを選択することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記情報記憶媒体との通信開始に対応して前記第1の表示制御情報を出力することを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記制御手段は、
前記通信手段による前記情報記憶媒体との通信結果から、前記情報記憶媒体が対応可能なアプリケーションの種類を検出し、
前記情報記憶媒体が第1及び第2のアプリケーションに対応可能な場合には、前記情報記憶媒体との通信開始に対応して前記第1のアプリケーションに関する第1の情報を表示するための第1の表示制御情報を出力し、前記第1の表示制御情報の出力期間中における、前記情報記録媒体との所定時間以上の連続通信に対応して前記第1のアプリケーションを選択し、前記情報記録媒体との所定時間以上の連続通信不成立に対応して前記第2のアプリケーションに関する第2の情報を表示するための第2の表示制御情報を出力し、前記第2の表示制御情報の出力期間中における、前記情報記録媒体との所定時間以上の連続通信に対応して前記第2のアプリケーションを選択し、
前記情報記憶媒体が第1のアプリケーションに対応不能で且つ第2のアプリケーションに対応可能な場合には、前記情報記憶媒体との通信開始に対応して前記第2の表示制御情報を出力し、前記第2の表示制御情報の出力期間中における、前記情報記録媒体との所定時間以上の連続通信に対応して前記第2のアプリケーションを選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項8】
通信装置と通信する通信手段と、
前記通信手段による前記通信装置との通信時間に対応してアプリケーションの切り換えを制御する制御手段と、
を備えた情報記憶媒体。
【請求項9】
通信媒体と通信し、
前記通信装置との通信時間に対応してアプリケーションの切り換えを制御することを特徴とする通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−197958(P2011−197958A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63321(P2010−63321)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】