説明

通信装置

【課題】不具合に至った履歴情報をリーダライタ機器に近接した場合に送信する。
【解決手段】本発明に係る端末機器M101は、端末部M201と近接無線通信部M107とを備える。端末部M201は、端末機器M101の動作履歴情報を記憶するメインメモリM106と、コントローラM105とを備える。近接無線通信部M107は、携帯機器M102と近接無線通信を行う通信制御部M216と、近接通信メモリM215とを備える。コントローラM105は、端末部M201の不具合が検出されたとき、メインメモリM106に記憶されている動作履歴情報の少なくとも一部を、近接通信メモリM215に記憶し、通信制御部M216は、携帯機器M102からの要求に応じて、近接通信メモリM215に記憶されている動作履歴情報を、近接無線通信により携帯機器M102に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置及び通信方法に関し、近接無線通信を用いる通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の近接無線通信を利用した通信装置としては、車両などに無線通信ICタグを付与して、履歴情報をICタグに記憶されているIDとともに、ネットワークを介して接続される履歴情報蓄積装置へ送信する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の通信システムは、履歴情報を生成する物体に取り付けられ、前記履歴情報を送信する無線ICタグと、該無線ICタグにネットワークを介して接続され、前記履歴情報を蓄積する履歴情報蓄積装置とを有する通信システムであって、無線ICタグは、生成された履歴情報を取得する履歴情報取得手段と、前記無線ICタグに付与された識別情報である固有のIDを保持する保持手段と、前記履歴情報及び無線ICタグ固有のIDを、前記ネットワークを介して前記履歴情報蓄積装置に定期的に送信する送信手段とを有する。また、前記履歴情報蓄積装置は、受信した履歴情報を前記無線ICタグ固有のIDごとに蓄積する。
【0004】
また、機器の使用段階での環境負荷値を精度よく算出できる環境負荷値算出システム、環境負荷値算出装置、及び環境負荷値算出方法を提供する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
特許文献2には、複数の機能を実行するための機能実行部と、複数の機能それぞれの動作履歴を収集する動作履歴収集部と、その動作履歴収集部で収集された機能ごとの動作履歴を記録するICタグとを電子電気機器に備え、ICタグの動作履歴をICリーダに無線で送信して、コンピュータで環境負荷値を算出することが開示されている。
【0006】
このように、特許文献1及び特許文献2記載の従来の技術は、ICタグなどの近接無線通信部から履歴情報を送信し続ける構成である。
【0007】
一方で、通信装置とリーダライタ機器とを近接させる(リーダライタ機器を通信装置にかざす又はタッチする)ことによって通信を確立する技術が知られている。
【0008】
このような技術の一例として、システム自体が立ち上がらないといった致命的な故障発生時においても、保守作業等を目的に、故障情報を外部に取り出すことが可能な情報処理装置を提供する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0009】
特許文献3に記載の情報処理装置は、システムに電源を供給する主電源と、主電源とシステムとの間に配置され、主電源のシステムに対する電源供給を制御する電源回路と、システムへの電源供給異常を監視する、もしくは、システムの動作異常を監視する異常監視部と、情報処理装置に内蔵され、故障情報を記憶するためのメモリを有する故障情報通知部とを備える。また、異常監視部は、監視したシステムへの電源供給異常及びシステムの動作異常を故障情報として故障情報通知部のメモリに記憶させる。故障情報通知部は、主電源とは異なる副電源を有し、その副電源からの電力供給により、メモリに記憶された故障情報を読み出して外部に発信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−185392号公報
【特許文献2】特開2007−249542号公報
【特許文献3】特開2005−115766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2記載の従来の技術は、ICタグなどの近接無線通信部から履歴情報を送信し続ける構成である。また、特許文献3記載の従来の技術は、リーダライタ機器がかざされた場合に不具合情報のみを送信する構成である。よって、これら従来の技術は、不具合に至った使用履歴情報を不具合情報とともに近接無線通信によってリーダライタ機器に送信できないという課題を有していた。
【0012】
具体的には、上述したような通信装置とリーダライタ機器とを近接させて通信を行う場合には、履歴情報を蓄積するメモリ容量及び通信データ量に制限がある。よって、特許文献1及び特許文献2記載の従来の技術を、このような、通信装置とリーダライタ機器とを近接させて通信を行う場合に適用しても、不具合に至った重要な履歴情報をリーダライタ機器に送信できない場合がある。例えば、不具合の発生後に、履歴情報が上書きされることが想定される。
【0013】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するもので、不具合に至った履歴情報をリーダライタ機器に近接した場合に送信できる通信装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の一形態に係る通信装置は、システム部と近接無線通信部とを備える通信装置であって、前記システム部は、前記通信装置の動作履歴情報を生成する動作履歴検出部と、前記システム部の不具合を検出して、当該不具合の内容を示すエラー検出情報を生成するエラー検出部と、前記動作履歴情報を記憶する主記憶部と、前記通信装置を制御するシステム制御部とを備え、前記近接無線通信部は、外部のリーダライタ機器から発せられる電波を受信するアンテナ部と、前記アンテナ部を介して、前記リーダライタ機器と近接無線通信を行う通信制御部と、前記通信装置を識別可能な識別情報を記憶し、前記リーダライタ機器から読み出し可能な近接通信メモリとを備え、前記システム制御部は、前記エラー検出部によって前記システム部の不具合が検出されたとき、前記エラー検出情報と、前記主記憶部に記憶されている前記動作履歴情報の少なくとも一部とを、前記近接通信メモリに記憶し、前記通信制御部は、前記リーダライタ機器からの要求に応じて、前記近接通信メモリに記憶されている前記識別情報、前記動作履歴情報及び前記エラー検出情報を、前記近接無線通信により前記リーダライタ機器に送信する。
【0015】
これによって、本発明の一形態に係る通信装置は、不具合解析に重要な不具合に至った動作履歴情報を外部のリーダライタ機器から読み出し可能な構成となる。よって、例え通信装置のメインシステム(システム部)が不具合によって操作不可能に陥ったとしても、重要な動作履歴情報を読み出すことが可能となる。また、本発明の一形態に係る通信装置は、不具合に至った動作履歴情報を近接通信メモリに記憶する。これにより、不具合の発生後に、履歴情報が上書きされることを防止できる。このように、本発明の一形態に係る通信装置は、通信装置の不具合に至った重要な履歴情報をリーダライタ機器に近接した場合に送信できるので、不具合の解析を容易にできる。
【0016】
また、前記近接無線通信部は、さらに、前記アンテナ部で受信した前記リーダライタ機器からの電波を整流することにより、前記近接無線通信部を動作させるための電源を生成する電源生成部と、前記近接無線通信部の駆動電源として、前記電源生成部により生成された電源と、前記システム部から供給される電源との一方を選択する電源切替部とを備え、前記電源切替部は、前記エラー検出部が前記システム部の不具合を検出したとき、前記近接無線通信部の駆動電源として、前記システム部から供給される電源を選択してもよい。
【0017】
これによって、本発明の一形態に係る通信装置は、不具合発生時にシステム部で検出した動作履歴情報を近接通信メモリに書き込む場合、システム部から近接無線通信部へ電源供給を行うことが可能となる。これにより、本発明の一形態に係る通信装置は、安定に近接通信メモリに動作履歴情報を書き込むことが可能となる。
【0018】
また、前記近接無線通信部は、さらに、前記アンテナ部で受信した前記リーダライタ機器からの電波を整流することにより、前記近接無線通信部を動作させるためのクロック信号を生成するクロック生成部と、前記近接無線通信部を動作させるクロック信号として、前記クロック生成部により生成されたクロック信号と、前記システム部から供給されるクロック信号との一方を選択するクロック切替部とを備え、前記クロック切替部は、前記エラー検出部が前記システム部の不具合を検出したとき、前記近接無線通信部を動作させるクロック信号として、前記システム部から供給されるクロック信号を選択してもよい。
【0019】
これによって、本発明の一形態に係る通信装置は、不具合発生時にシステム部で検出した動作履歴情報を近接通信メモリに書き込む場合、システム部から近接無線通信部へクロック供給を行うことが可能となる。これにより、本発明の一形態に係る通信装置は、安定に近接通信メモリに動作履歴情報を書き込むことが可能となる。
【0020】
また、前記電源切替部及び前記クロック切替部は、前記エラー検出部が不具合を検出していない通常動作時には、前記近接無線通信部の駆動電源として、前記電源生成部により生成された電源を選択し、前記近接無線通信部を動作させるクロック信号として、前記クロック生成部により生成されたクロック信号を選択してもよい。
【0021】
これによって、本発明の一形態に係る通信装置は、不具合発生時以外の通常時には、通信装置にリーダライタ機器を近づけることによって近接通信メモリの記憶内容を外部のリーダライタ機器に送信するように制御することが可能となる。
【0022】
また、前記電源切替部及び前記クロック切替部は、前記システム制御部からの要求に応じて、選択する電源及びクロック信号を切り替えてもよい。
【0023】
また、前記主記憶部は、前記動作履歴検出部によって生成される前記動作履歴情報を、ラップアラウンド方式のアドレッシングによって記憶し、さらに、前記主記憶部に最後に記憶された前記動作履歴情報のアドレス位置を保持し、前記システム制御部は、前記エラー検出部が前記システム部の不具合を検出したとき、前記アドレス位置を基準として、前記主記憶部に記憶されている前記動作履歴情報を前記近接通信メモリに記憶させるように制御してもよい。
【0024】
これによって、本発明の一形態に係る通信装置は、有限のメモリに対して、不具合に至った重要な動作履歴を確実に保持することが可能となる。
【0025】
また、前記システム制御部は、前記エラー検出部が前記システム部の不具合を検出したとき、前記近接通信メモリの記憶可能容量を確認して、前記近接通信メモリに記憶させる前記動作履歴情報の容量を決定してもよい。
【0026】
これによって、本発明の一形態に係る通信装置は、不具合解析に重要な不具合に至った動作履歴情報を確実に外部のリーダライタ機器から読み出し可能なメモリに記憶させることが可能となる。
【0027】
また、前記近接通信メモリは、前記近接無線通信部が、前記近接通信メモリに記憶している前記動作履歴情報を、前記アンテナ部を介して前記リーダライタ機器に送信した後、送信した前記動作履歴を削除してもよい。
【0028】
これによって、本発明の一形態に係る通信装置は、さらに不具合が生じたときの使用履歴情報を蓄積するための領域を確保することが可能となる。よって、本発明の一形態に係る通信装置は、有限なメモリを効率的に使用することが可能となる。
【0029】
なお、本発明は、このような通信装置として実現できるだけでなく、通信装置に含まれる特徴的な手段をステップとする通信方法として実現したり、そのような特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
【0030】
さらに、本発明は、このような通信装置の機能の一部又は全てを実現する半導体集積回路(LSI)として実現できる。
【発明の効果】
【0031】
以上より、本発明は、不具合に至った履歴情報をリーダライタ機器に近接した場合に送信できる通信装置等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態に係る通信システムの構成を示す概念図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る端末機器の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る端末機器の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る端末機器の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る近接通信メモリに記憶される情報を示す概念図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るコントローラの処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態に係るメインメモリ及び近接通信メモリにおいて使用履歴情報を更新する動作の概念を示す概念図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る近接無線通信部が外部のリーダライタ機器と通信する動作の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態に係る通信システムにおいて、携帯機器を端末機器にタッチすることで発生する各構成要素間の通信情報を示す概念図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る通信システムにおいて、サーバ機器から携帯機器を介して端末機器に送信される各通信情報の内容を示す概念図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る通信システムにおいて、携帯機器を端末機器にタッチすることによって端末機器のファームウェアを更新する場合の各通信情報の概念図である。
【図12A】本発明の実施の形態に係る、ファームウェアの更新時の携帯機器の表示例を示す概念図である。
【図12B】本発明の実施の形態に係る、ファームウェアの更新時の携帯機器の表示例を示す概念図である。
【図12C】本発明の実施の形態に係る、ファームウェアの更新時の携帯機器の表示例を示す概念図である。
【図12D】本発明の実施の形態に係る、ファームウェアの更新時の携帯機器の表示例を示す概念図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る、端末機器、携帯機器及びサーバ機器の動作の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0034】
本実施の形態では、近接無線通信機能を有する端末機器と、端末機器と近接無線通信を行う携帯機器と、携帯機器とインターネット又は携帯電話通信網などの汎用のネットワークを介して接続されるサーバ機器とを含む通信システムにおいて、端末機器のセンシング情報などを、リーダライタ機器を介してサーバ機器のデータベースに登録する通信システムについて図面を用いて詳細に説明する。
【0035】
図1は、本実施の形態に係る通信システムの全体像を表した概念図である。図1に示す通信システムM100は、端末機器M101、携帯機器M102及びサーバ機器M104を含む。
【0036】
端末機器M101と携帯機器M102とは、近接無線通信によって通信可能である。本実施の形態における近接無線通信とは、(1)電磁誘導方式の13.56MHz帯(HF帯)、又は電波方式の52〜954MHz帯(UHF帯)などを用いるRFID(Radio Frequency Identification、ISO 14443)タグとリーダライタ機器との通信、又は、(2)13.56MHz帯のNFC(Near Field Communication、ISO/IEC 21481)による通信を想定している。通常、HF帯では数10cm、UHF帯では数cmの通信距離に限られるため、携帯機器を端末機器にかざす(又はタッチする)ことによって通信を確立する。
【0037】
本実施の形態では、携帯機器M102側にリーダライタ機能を実装し、端末機器M101側にICタグ機能を有する構成を説明する。ただし、本実施の形態の主眼は、端末機器M101と携帯機器M102とが互いに近接無線通信によって情報のやりとりができる構成であればよい。つまり、携帯機器M102側にICタグ機能を実装し、端末機器M101側にリーダライタ機能を有する構成であっても、本発明の範疇である。また、NFCでは、PtoP通信機能、カードエミュレーション、及びリーダライタエミュレーションが規格化されている。この場合には、ICタグとリーダライタ機器との関係はどちらでもよいことになる。本実施の形態では便宜上、携帯機器M102側にリーダライタ機能を実装し、端末機器M101側にICタグ機能を有する構成で説明する。
【0038】
端末機器M101は、コントローラM105、メインメモリM106、近接無線通信部M107及びアンテナM108を備える。
【0039】
コントローラM105は、例えば、端末機器M101のシステムコントローラであるCPUである。このコントローラM105は、少なくとも端末機器M101の近接無線通信部M107以外のシステムコントロールを行う。
【0040】
メインメモリM106は、コントローラM105で動作するための制御ソフトウェア、及び端末機器M101でセンシングするあらゆるデータを記憶可能なメモリであり、通常は、コントローラM105のLSI内部に実装される(無論、外付けメモリの構成もありうる)。例えば、メインメモリM106は、RAM又は不揮発性メモリ等である。
【0041】
近接無線通信部M107は、携帯機器M102に実装されているリーダライタ機器と通信を行う。この近接無線通信部M107は、リーダライタ機器への転送データを変調したり、リーダライタ機器からの転送データを復調したりする。また、この近接無線通信部M107は、リーダライタ機器から受信した電波に基づいて、少なくとも近接無線通信を確立するための電力生起を行うとともに、リーダライタ機器からの電波に基づいてクロック信号を抽出する。よって、端末機器M101の少なくとも近接無線通信部M107は、リーダライタ機器からの電波で生起した電力とクロックとによって動作する。これにより、端末機器M101の主電源がオフの状態においても、近接無線通信部M107は、携帯機器M102と近接無線通信を行うことが可能である。
【0042】
アンテナM108は、携帯機器M102に実装されているリーダライタ機器と近接無線を行うためのループアンテナである。
【0043】
携帯機器M102は、アンテナM109、表示部M110及びキーM111を備える。
【0044】
アンテナM109は、端末機器M101と近接無線通信を行うためのアンテナである。携帯機器M102は、端末機器M101が備えるICタグに向けてポーリングを行い、通信が確立した時点で、端末機器M101から情報を読み出したり、端末機器M101へ情報を書き込んだりする。
【0045】
表示部M110は、携帯機器M102と端末機器M101との近接無線通信の結果、及びサーバ機器M104から送信されたデータを表示する。この表示部M110は、例えば、液晶ディスプレイなどである。
【0046】
キーM111は、携帯機器M102をユーザが操作するためのインタフェースである。携帯機器M102は、ユーザによるキーM111へのキー入力に応じて、携帯機器M102が備える近接無線通信部を起動させ、起動後、端末機器M101に対して近接無線通信を行うためのポーリング動作を開始する。通常、ポーリング動作は、不特定の相手に対して電波を出し続けるので、バッテリ駆動の携帯機器M102には電池寿命の観点で負担が生じる。したがって、携帯機器M102にポーリング動作を行わせるための専用ボタンを配置すれば、無駄なポーリング動作を行わせないと同時に、ユーザの機器操作負担を軽減できる。
【0047】
サーバ機器M104は、データベースを備えたサーバである。通常は、サーバ機器M104は、データベースを持ったWEBサーバで構成される。また、サーバ機器M104は、インターネットM103を介して、携帯機器M102に接続されている。このサーバ機器M104は、携帯機器M102から転送されてくる情報をデータベースに登録して、その結果を示す情報を、携帯機器M102に転送する。また、携帯機器M102の表示部M110は、当該情報を表示する。
【0048】
以上のようなシステム構成によって、端末機器M101でセンシングした情報を、携帯機器M102を介してサーバ機器M104のデータベースに登録できる。例えば、端末機器M101から製造番号、型番又はメーカ識別情報といった端末機器を唯一に識別可能な情報を近接無線通信で携帯機器M102に転送する。また、携帯機器M102は、近接無線通信を介して端末機器M101から受信した情報と、携帯機器M102が保持しているユーザ又は携帯機器そのものを特定するための情報(メールアドレス、電話番号、携帯端末識別情報、又はSIMカードID)、及び携帯機器が位置情報をセンシングできる場合には位置を特定するための情報(GPS情報、A−GPS情報、又は携帯網の基地局から推定される位置情報など)とをサーバ機器M104に転送する。また、サーバ機器M104は、これらをデータベース登録する。これら一連の動作によって、ユーザに、さまざまな情報を入力する作業の負担を無くすことができる。つまり、実質、ユーザは、携帯機器M102を端末機器M101にかざすだけで、端末機器M101の愛用者登録などを行うことができる。
【0049】
また、端末機器M101のセンシング情報として、不具合発生状況又は使用履歴情報を送ることによって、メーカでは、特定ロットの初期不良を迅速に判断でき対処できる。さらに、メーカは、使用履歴情報からユーザごとに使用されている機能を特定することにより、特定した情報を次期商品開発に利用するなどのメーカのメリットを出すことが可能となる。
【0050】
次に、本実施の形態に係る端末機器M101について図面を用いて詳細に説明する。
【0051】
図2は、本実施の形態に係る端末機器M101の構成を示すブロック図である。
【0052】
この端末機器(通信装置)M101は、端末部(システム部)M201と、近接無線通信部M107とを備える。
【0053】
端末部M201は、使用履歴検出部(動作履歴検出部)M203と、エラー検出部M204と、メインメモリ(主記憶部)M106と、コントローラ(システム制御部)M105とを備える。
【0054】
使用履歴検出部M203は、端末機器M101の動作の履歴を示す使用履歴情報(動作履歴情報)を生成する。
【0055】
エラー検出部M204は、端末部M201の不具合を検出して、当該不具合の内容を示すエラー検出情報を生成する。
【0056】
メインメモリM106は、使用履歴検出部M203により生成された使用履歴情報を記憶する。
【0057】
コントローラM105は、端末機器M101を制御する。
【0058】
近接無線通信部M107は、アンテナM108と、通信制御部M216と、近接通信メモリM215とを備える。
【0059】
アンテナM108は、外部のリーダライタ機器である携帯機器M102から発せられる電波を受信する。
【0060】
通信制御部M216は、アンテナM108を介して、携帯機器M102と近接無線通信を行う。
【0061】
近接通信メモリM215は、端末機器M101を識別可能な識別情報を記憶する。また、近接通信メモリM215は、携帯機器M102から読み出し可能である。
【0062】
また、コントローラM105は、エラー検出部M204によって端末部M201の不具合が検出されたとき、エラー検出部M204で生成されたエラー検出情報に関連付けて、メインメモリM106に記憶されている使用履歴情報の少なくとも一部を、近接通信メモリM215に記憶する。
【0063】
また、通信制御部M216は、携帯機器M102からの要求に応じて、近接通信メモリM215に記憶されている識別情報に関連付けて、近接通信メモリM215に記憶されている使用履歴情報を、近接無線通信により携帯機器M102に送信する。
【0064】
図3は、本実施の形態に係る端末機器M101の詳細な構成を示すブロック図である。
【0065】
図3に示すように、近接無線通信部M107は、さらに、電源生成部M219と、電源切替部M212とを備える。
【0066】
この電源生成部M219は、アンテナM108で受信した携帯機器M102からの電波を整流することにより、近接無線通信部M107を動作させるための電源を生成する。
【0067】
電源切替部M212は、近接無線通信部M107の駆動電源として、電源生成部M219により生成された電源と、端末部M201から供給される電源との一方を選択する。また、電源切替部M212は、エラー検出部M204が端末部M201の不具合を検出したとき、近接無線通信部M107の駆動電源として、端末部M201から供給される電源を選択する。
【0068】
図4は、本実施の形態に係る端末機器M101のさらに詳細な構成を示すブロック図である。
【0069】
図4に示すように、端末部M201と近接無線通信部M107とは、互いに通信可能なインタフェースM210(シリアルインタフェース、USBなど)を介して接続される。
【0070】
端末部M201は、端末機器M101の主要機能を実現する。この端末部M201は、端末機器M101が冷蔵庫なら冷蔵庫機能、端末機器M101が電子レンジならレンジ機能、端末機器M101がエアコンならエアコン機能を実現する。本実施の形態に係る端末機器M101は、電子機器端末、及び家電製品の全てを対象とする。よって、本実施の形態では、一つ一つの機器の説明は省略し、それぞれに共通の機能のみを説明する。なお、端末機器M101は、電子機器端末、及び家電製品以外であってもよい。例えば、端末機器M101は、自動車等の車両、又は耕作機械等であってもよい。
【0071】
また、端末部M201は、コントローラM105、メインメモリM106、キーM202、使用履歴検出部M203、エラー検出部M204、電源検出部M205、電源遮断検出部M206、メイン電源M207及びメイン電源制御部M209を備える。
【0072】
コントローラM105は、少なくとも端末部M201と、近接無線通信部M107の切替部M211とを制御可能なシステムコントローラである。このコントローラM105は、所謂、マイコン又はCPUで構成される。
【0073】
メインメモリM106は、内部に書き換え不可能なROM領域M230と、書き換え可能なRAM領域M231と、コントローラM105の制御手順を記したファームウェア(FW)を格納したFW領域M232とを含む。
【0074】
ROM領域M230には、端末機器M101の端末部M201を識別可能な識別情報、製造年月日、及びメーカ識別情報などが記録されている。
【0075】
RAM領域M231には、使用履歴検出部M203によって収集された使用履歴情報、及びエラー検出部M204によって検出された端末機器M101のエラー情報が記録される。
【0076】
FW領域M232には、コントローラM105の制御手順であるファームウェアが記録される。なお、FW領域M232は、ROMでも構わないし、RAMでも構わない。ただし、後述するファームウェアの更新機能を具備させるために、FW領域M232にRAMを採用する。
【0077】
キーM202は、端末機器M101の操作ボタンであり、ユーザ操作を受け付ける。
【0078】
使用履歴検出部M203は、ユーザによるキーM202の操作に応じて、操作された操作履歴を使用履歴情報として検出して、検出した使用履歴情報をメインメモリM106に蓄積する。なお、本実施の形態で説明する使用履歴情報は、ユーザ操作に関するものだけではなく、端末機器が持っているセンサーのセンシング情報を含む。例えば、センシング情報は、エアコンにおける人感センサー、室内温度/室外温度、湿度情報、又は空気中の埃の含有量等を指す。また、使用履歴情報には、操作された、又はセンシングした日時情報を含む。また、パソコンのようにユーザ識別可能な端末機器M101の場合には、使用履歴情報は、操作を行ったユーザ識別情報を含む。通常、使用履歴情報は、無限に蓄積される可能性があるので、メインメモリM106では、使用履歴情報蓄積可能なメモリ領域の中で、新しい使用履歴情報が記録されるように、メインメモリM106を、ラップアラウンド方式のアドレッシングを行うFIFO(First In First Out)スタック構成にすることが望ましい。
【0079】
電源検出部M205は、後述するメイン電源M207の電源状態を検出する。ここで電源状態とは、電源が入っている状態と、コントローラM105から電源を制御できる状態(スリープモード)と、電源オフの状態との少なくとも3状態を含む。具体的には、電源検出部M205は、電源がオンになった状態で電源オン状態を検知する。また、電源検出部M205は、コントローラM105の制御によりスリープモード又は電源オフ状態に移行する直前に、当該スリープモード又は電源オフ状態への移行を検知して、検知した電源状態(スリープモード又は電源オフ状態)をメインメモリM106又は近接無線通信部M107の近接通信メモリM215に記憶する。
【0080】
電源遮断検出部M206は、端末機器M101において、コンセントからなどの外部からの電源供給源が不慮に絶たれたことを検出する。電源遮断検出部M206は、メイン電源M207にかかる電圧値の低下などをみてコンセントが遮断を判断することが可能である。また、この電源遮断検出部M206は、メイン電源M207に具備される蓄電部M208から電力を供給されることによって動作する。これにより、電源遮断検出部M206は、コンセントが遮断された場合にも、安定して電力源の遮断を検知できる。また、電源遮断検出部M206は、検知結果を電源検出部M205に通知する。これにより、電源検出部M205は、電源が遮断されたことを示すフラグ情報をメインメモリM106、又は近接無線通信部M107の近接通信メモリM215に格納する。
【0081】
メイン電源M207は、端末機器M101の主電源であり、バッテリ又はコンセント接続によって電力を供給する。このメイン電源M207は、少なくとも端末部M201への電源供給と、近接無線通信部M107の近接通信メモリM215へのアクセスのための電源供給とを行う。
【0082】
メイン電源制御部M209は、コントローラM105からの起動命令、又は終了命令に応じて、電源の供給を開始したり(起動)、供給を停止したり(終了)する。
【0083】
一方、近接無線通信部M107は、端末部M201とシリアルインタフェースなどで結合されており、切替部M211、近接通信メモリM215、通信制御部M216、電源生成部M219、クロック生成部M220及びアンテナM108を備える。
【0084】
アンテナM108は、外部のリーダライタ機器からの電波を受信するループアンテナである。
【0085】
通信制御部M216は、アンテナM108で受信した電波を復調する復調部M218と、アンテナM108を介してリーダライタ機器へ情報を転送するときに当該情報を変調する変調部M217とを備える。
【0086】
電源生成部M219は、アンテナM108で受信した電波から、少なくとも近接無線通信部M107が動作可能な電力を電磁誘導によって生起する。
【0087】
また、クロック生成部M220は、リーダライタ機器からの電波を整流することにより、近接無線通信部M107を動作させるためのクロック信号を生成する。また、クロック生成部M220は生成したクロック信号を、近接無線通信部M107のデジタル回路部に供給する。
【0088】
近接無線通信部M107は、電源生成部M219で生成された電源と、クロック生成部M220で生成したクロック信号とに基づいて動作可能である。したがって、近接無線通信部M107は、端末部M201のメイン電源M207がどのような状態であってもリーダライタ機器からの電波を受信すれば、近接通信メモリM215に保持している情報をリーダライタ機器に転送したり、リーダライタ機器からの転送データを受信して、近接通信メモリM215に記憶したりできるパッシブタグ機能(バッテリレスモード)を有する。
【0089】
近接通信メモリM215は、内部にROM領域M302とRAM領域M310とを持つ。ROM領域M302(書き換え不可能か生産時に1度だけ記録できる更新不可能な領域)には、少なくとも近接無線通信部M107を唯一に識別可能な識別情報、端末機器M101を識別可能な端末機器識別情報、端末機器の型番、及びサーバ機器M104のアドレス情報等が記憶されている。また、RAM領域M310には、端末部M201の使用履歴検出部M203で抽出した使用履歴情報、エラー検出部M204で検出したエラー情報、及び電源検出部M205で検出した電源状態情報が、コントローラM105から記録される。また、リーダライタ機器から転送される情報も一旦、当該RAM領域M310に記憶される。よって、当該RAM領域M310は、メインメモリM106に記録されている情報の一部がミラーリングされて記憶されている構成となる。
【0090】
切替部M211は、電源切替部M212、クロック切替部M213及びアクセス切替部M214を備える。
【0091】
電源切替部M212は、近接通信メモリM215の駆動電源を、端末部M201から供給するか、電源生成部M219で生成された電源を供給するかを切り替える。
【0092】
クロック切替部M213は、近接通信メモリM215を動作させるクロック信号として、クロック生成部M220により生成されたクロック信号と、端末部M201から供給されるクロック信号との一方を選択する。また、クロック切替部M213は、選択したクロック信号を近接通信メモリM215に供給する。
【0093】
この切替部M211は、コントローラM105からの指示がない場合においては、電源生成部M219で生成した電源とクロック生成部M220で抽出したクロック信号とを近接通信メモリM215に供給する。また、切替部M211は、コントローラM105からのアクセスに従って、近接通信メモリM215の記憶内容を参照したり書き換えたりする場合に、コントローラM105の指示に従って、端末部M201から電源及びクロック信号を供給できるように制御を行う。
【0094】
つまり、電源切替部M212は、エラー検出部M204が端末部M201の不具合を検出したとき、近接無線通信部M107の駆動電源として、端末部M201から供給される電源を選択する。また、クロック切替部M213は、エラー検出部M204が端末部M201の不具合を検出したとき、近接無線通信部M107を動作させるクロック信号として、端末部から供給されるクロック信号を選択する。
【0095】
また、電源切替部M212は、エラー検出部M204が不具合を検出していない通常動作時には、近接無線通信部M107の駆動電源として、電源生成部M219により生成された電源を選択する。また、クロック切替部M213は、エラー検出部M204が不具合を検出していない通常動作時には、近接無線通信部M107を動作させるクロック信号として、クロック生成部M220により生成されたクロック信号を選択する。
【0096】
また、電源切替部M212及びクロック切替部M213は、コントローラM105からの要求に応じて、選択する電源及びクロック信号を切り替える。
【0097】
アクセス切替部M214は、コントローラM105及び近接無線通信部M107から近接通信メモリM215へのアクセスを制御する。
【0098】
また、切替部M211は、先アクセス優先で制御することが望ましい。例えば、切替部M211は、近接通信メモリM215が近接無線通信を介してアクセスされている最中に、コントローラM105から切替指示が来ても、アクセス中であることをコントローラM105側に通知して、切替を行わない。逆に、切替部M211は、コントローラM105が近接通信メモリM215にアクセスしている最中に、近接無線通信から近接通信メモリM215へアクセスがきたとしても、コントローラM105からのアクセス中には、電源及びクロック信号を切り替えることはない。これによって、近接通信メモリM215に対する双方のアクセスによって、近接通信メモリM215のメモリ内容が同時に更新されることを防止することが可能となる。また、近接通信メモリM215の少なくともRAM領域M310を冗長的に構成することによって双方のアクセスを同時に受け付ける構成としてもよい。これにより、他方がアクセスしている場合に待機することがなくなり、アクセスの高速化を実現することもできる。
【0099】
以上の構成により、本発明の実施の形態に係る端末機器M101は、次のような場合に有効に機能する。例えば、エラー検出部M204にてエラーを検出すると同時に、コントローラM105は、メインメモリM106が保持している使用履歴情報M317と、検出したエラー検出情報M316とを近接通信メモリM215に記憶させる。これにより、例え端末部M201が検出したエラーによって動作不能に陥ったとしても、そのエラーに至った使用履歴が、近接通信メモリM215に蓄積される。よって、使用履歴情報M317を、リーダライタ機能を有する携帯機器M102などの外部機器によって読み出すことが可能となる。これにより、メーカは、故障の再現などができるので、不具合の解析を容易に行うことができる。
【0100】
また、端末機器M101の電源状態も近接通信メモリM215に格納される。これにより、端末部M201のファームアップデート情報をリーダライタ機器から受け取ってアップデートする場合に、サーバ機器M104等は、電源状態に応じた動作を行うことができる。
【0101】
例えば、電子レンジにおけるレシピの追加など端末機器M101への機能アップデートを受信する場合には、端末部M201の電源がオンになっている必要がある。これに対して、リーダライタ機器は、近接通信メモリM215に保持されている端末部M201の電源状態を、タッチするだけで読み取ることで、ファームウェアのアップデートが可能かどうかの判定をすることが可能となる。このように端末部M201の電源状態を近接通信メモリM215に保持することによってリーダライタ機能を備える携帯機器M102、及び携帯機器M102と通信可能なサーバ機器M104は、端末部M201の電源状態を判断できるので、電源状態に応じた動作を行うことができる。
【0102】
例えば、サーバ機器M104は、端末機器M101のファームのバージョンアップが必要であると判断し、かつ、端末部M201がスリープ状態であると判断した場合に、携帯機器M102を介して、起動コマンドを端末機器M101に送信することも可能である。また、端末機器M101のコンセントが入っていない場合には、サーバ機器M104は、携帯機器M102の表示部M110に、コンセントを差し込むことを促すメッセージを表示することも可能となる。
【0103】
図5は、端末機器M101の近接無線通信部M107の近接通信メモリM215に記憶される情報を示す概念図である。
【0104】
この近接通信メモリM215は、読み出し可能であるROM領域M302と更新可能なRAM領域M310とを含む。
【0105】
ROM領域M302には、近接無線通信部M107を唯一に識別可能な近接通信識別情報(UID)M301と、端末機器M101の製造時の工程にて書き込まれる、端末機器識別情報(製造番号)M303、端末機器型番(製造品番)M304、製造メーカ識別情報M305、生産ロット識別情報及び生産日M306とが記憶されている。これらの情報を端末機器M101からサーバ機器M104に送信することによって、メーカ側で端末機器M101を識別することが可能となる。
【0106】
また、ROM領域M302には、携帯機器M102が、端末機器M101から近接無線通信を介して読み出した情報を、サーバ機器M104に転送する際に必要となる、サーバアクセス情報M307が記録される。サーバアクセス情報M307は、サーバアドレス(URL)M308及びサーバ認証情報(ログインアカウント、パスワード)M309を含む。このサーバアクセス情報M307も端末機器M101の生産工程の中で記録される。これによって、A社製の端末機器情報がA社とは別のB社のサーバに転送されるということを回避することが可能となる。ここで、メーカとしては、自社製品のユーザ使用履歴などは、他社に漏洩させたくない貴重なデータである。よって、端末機器M101を、当該端末機器M101に応じたサーバ機器M104に接続することが重要となる。これを近接通信メモリM215にサーバアクセス情報M307を記録することで実現できる。
【0107】
また、前述のとおり、当該ROM領域M302の情報は端末機器M101の生産時に書き込まれている。なお、当該ROM領域M302も、物理的には書き換え可能なフラッシュメモリなどで構成されていても構わない。ただし、その場合は、ROM領域M302は、携帯機器M102に実装されているリーダライタ機器からはリードオンリーの領域として管理される。これによって、不正に識別情報を書き換えることによって成りすましをしたり、不正なサーバアクセス情報に書き換えたりするなどの悪意ある操作を防止できるので、セキュリティを向上させることが可能である。
【0108】
一方、更新可能なRAM領域M310は、携帯機器M102に実装されているリーダライタ機器からのみ書き込み可能なリーダライタ書込領域M311と、端末機器M101の端末部M201からのみ書き込み可能な端末部書込領域M315とを含む。
【0109】
リーダライタ書込領域M311には、ファームウェア領域と、端末機器設定情報領域と、通信設定情報領域とが設定されている。ファームウェア領域には、端末機器M101のファームウェアアップデート時に更新されるファームウェアM312が記録される。端末機器設定情報領域には、レンジにおけるレシピ情報、又は炊飯器における炊飯プログラムなど機器の設定情報である端末機器設定情報M313が記録される。通信設定情報領域には、端末機器M101が近接無線通信とは異なる汎用のネットワーク(例えば、Wi−Fi、Zegbee、Eatherなど)を用いた通信機能を持っている場合に、通信設定情報M314(Wi−FiにおけるWEP/WPAキーなど)が記憶される。
【0110】
端末部書込領域M315は、端末部M201のコントローラM105からのみ書き込みが許されている領域である。この端末部書込領域M315には、メインメモリM106に保持されている情報が書き込まれる。
【0111】
この端末部書込領域M315は、エラー検出情報領域と、エラー発生日時領域と、使用履歴情報領域と、ファームバージョン領域と、メイン電源状態情報M320が記録されるメイン電源状態情報領域とを含む。エラー検出情報領域には、端末部M201のエラー検出部M204でセンシングされたエラー情報であるエラー検出情報M316が記録される。エラー発生日時領域には、エラー発生日時M318が記録される。使用履歴情報領域には、使用履歴検出部M203が検出した使用履歴情報M317が記録される。ファームバージョン領域には、端末部M201のメインメモリM106のFW領域に記録されているファームウェアのバージョン情報であるファームバージョンM319が記録される。メイン電源状態情報領域には、電源検出部M205でセンシングされる電源状態を示すメイン電源状態情報M320が記録される。これらの情報は、携帯機器M102に実装されているリーダライタ機器から読み出され、サーバ機器M104に送信される。よって、サーバ機器M104は、ファームバージョンM319に基づきファームウェアの更新の要否を判定できるとともに、ファームウェアを更新可能かどうかをメイン電源状態情報M320によって判定できる。
【0112】
次に、端末部M201のコントローラM105の処理の流れについて説明する。
【0113】
図6は、端末部M201のコントローラM105の処理の流れを示すフローチャートである。
【0114】
まず、ユーザによる端末機器M101の電源投入に伴って、電源検出部M205はコントローラM105に供給される電圧レベルから電源オン状態を検知する(M401)。
【0115】
電源検出部M205が電源オンを検知した後、コントローラM105は、近接無線通信部M107の切替部M211を、端末部M201からのアクセスを優先するモード(端末部優先モード)に切り替える(M402)。これにより、切替部M211は、端末部M201からの供給電源及び供給クロックで近接通信メモリM215を駆動させるように動作を切り替える。また、切替部M211は、切り替えを行った後、コントローラM105に対して切り替え完了信号を出力する。
【0116】
次に、コントローラM105は、切替部M211からの切り替え完了信号を受信して、切替部M211により切り替えが行われたかどうかを判定する(M403)。切り替えが完了していない場合(M403でNo)、コントローラM105は、端末部優先モードの再設定を行う(S402)。
【0117】
切り替えが完了した場合(M403でYes)には、コントローラM105は、近接通信メモリに格納されているメイン電源状態情報M320を“ON”に書き換える(M404)。
【0118】
ステップM404で近接通信メモリM215のメイン電源状態情報M320の書き換えを完了した場合、次に、コントローラM105は、切替部M211の端末部優先モードを解除して、切替部M211を、近接通信メモリM215へのアクセスに対して、近接無線通信部M107(リーダライタ機器)からのアクセスを優先するリーダライタ優先モードにする(M405)。
【0119】
このように、ステップM401にて電源遮断検出部M206がコントローラM105への電源“ON”を検出した場合、コントローラM105は、近接無線通信部M107の切替部M211を端末部優先モードに設定した後、端末部M201から近接通信メモリM215のメイン電源状態情報M320を“ON”に書き換え、その後、端末部優先モードを解除する。
【0120】
ステップM405で端末部優先モードを解除した後、コントローラM105は、電源遮断検出部M206が電源の遮断を検知したかどうか判定する(M406)。
【0121】
電源の遮断が検知されれば(M406でYes)、メイン電源M207の蓄電部M208で蓄電された電力によって、ステップM414〜M416の処理を実行して、処理を終了する。
【0122】
ステップM414では、ステップM402と同様に、コントローラM105は、近接無線通信部M107の切替部M211を端末部優先モードに設定する。
【0123】
ステップM415では、コントローラM105は、端末部優先モードの設定が完了したかどうかを判定する。完了した場合(M415でYes)には、コントローラM105は、近接通信メモリM215のメイン電源状態情報M320を“遮断”に書き換える(M416)。
【0124】
一方、ステップM406で電源の遮断を検出しなかった場合(M406でNo)には、次に、コントローラM105は、当該コントローラM105に対する電源“OFF”の操作を検出したかどうか判定する(M407)。電源“OFF”の操作を検知した場合(M407でYes)には、コントローラM105は、ステップM417〜M420の操作を行う。
【0125】
ステップM417は、ステップM402と同様であり、コントローラM105は、近接無線通信部M107の切替部M211を端末部優先モードに設定する。
【0126】
ステップM418では、コントローラM105は、端末部優先モードの設定が完了したかどうかを判定する。
【0127】
ステップM419では、コントローラM105は、近接通信メモリM215のメイン電源状態情報M320を“OFF”に書き換える。
【0128】
また、ステップM419で電源状態を“OFF”に書き換えた後、コントローラM105は、端末部M201の電源をOFFに設定することで、システムを終了する(M420)。
【0129】
ここで、本実施の形態で説明している電源状態について詳細に説明する。本実施の形態での電源状態“ON”とは、端末部M201の電源がONの状態であり、端末部M201が起動していることを指す。また、電源状態“OFF”とは、システム終了状態を指すが、電力供給源自体が遮断されているわけではなく、ユーザからの操作(例えば電源投入ボタンの押下)などによってシステムが起動可能状態であることを示す。また、電源遮断状態とは、電力供給自体が遮断されている、例えば、コンセントが外されていたり、バッテリが取り外されていたりする状態を示す。つまり、電源遮断状態は電源状態OFFとは異なり、ユーザからのキー操作では起動することができない状態を示す。
【0130】
また、本実施の形態では、ステップM406及びステップM407をシステムフローの中で実行しているが、これらは、別スレッドとして、電源状態が変化するイベントをきっかけとして実行される方が望ましい。
【0131】
ステップM406及びステップM407にて、電源の遮断もOFFも検知されなければ(M407でNo)、次に、コントローラM105は、使用履歴検出部M203がユーザからのキー操作を検知したかどうかを判定する(M408)。検知されなければ(M408でNo)、コントローラM105は、ステップM406の処理に戻る。
【0132】
一方、ステップM408にて、ユーザからのキー操作を検知すれば(M408でYes)、コントローラM105は、検知したキー操作に応じてメインメモリM106の使用履歴情報を更新する(M409)。
【0133】
次に、コントローラM105は、キー操作に応じて端末部M201で発生したエラーを、エラー検出部M204が検知したかどうかを判定する(M410)。検知されなければ(M410でNo)、コントローラM105は、ステップM406の処理に戻る。
【0134】
ステップM410にてエラーを検知すれば(M410でYes)、コントローラM105は、近接無線通信部M107の切替部M211を端末部優先モードに設定する(M411)。
【0135】
ステップM412では、コントローラM105は、ステップM411における端末部優先モードへの設定が完了したかどうかを判定する(M412)。切り替えが完了していなければ(M412でNo)、コントローラM105は、ステップM411の処理に戻る。
【0136】
一方、切り替え処理が完了していれば(M412でYes)、コントローラM105は、メインメモリM106の使用履歴情報に応じて近接通信メモリM215の使用履歴情報M317を更新し(M413)、処理を終了する。
【0137】
したがって、本実施の形態では、使用履歴検出部M203によって検出されたキー操作などの使用履歴情報は、一旦、メインメモリM106に蓄積される。また、エラー検出部M204によってエラーが検出されたときに、メインメモリM106に蓄積していた使用履歴情報はエラーの識別情報とともに、近接通信メモリM215に書き込まれる。また、近接通信メモリM215の使用履歴情報M317を記憶するための記憶領域がメインメモリM106に蓄積されている使用履歴情報より小さい場合には、コントローラM105は、エラーを検知したタイミングを基準として直近の使用履歴情報を選択して、選択した使用履歴情報のみを近接通信メモリM215に記憶させる。
【0138】
したがって、近接通信メモリM215には、エラーが検知されるに至った数ステップの使用履歴が蓄積される。また、近接通信メモリM215は、端末部M201が起動していなくても外部のリーダライタ機器から近接無線通信を介して読み出すことができる。よって、例え、エラーによって端末部M201の電源が投入できない事態に陥っても、そのエラーに至った数ステップの使用履歴情報を外部から読み出すことが可能となる。これにより、修理工場での故障の不再現問題によるロスコストを削減することが可能となる。なぜならば、故障の不再現問題は、エラーに至った使用履歴が不明である場合に生じる課題であり、エラーに至った数ステップの使用履歴を外部から読み出せる本実施の形態の構成では、このような課題を大幅に抑制することが可能となる。
【0139】
図7は、メインメモリM106及び近接通信メモリM215において使用履歴情報を更新する動作の概念を示す概念図である。
【0140】
メインメモリM106の使用履歴情報は、メインメモリM106のRAM領域M231に格納される。また、メインメモリM106は、ユーザのキー操作などの操作が行われるごとに、保持している古い履歴情報を削除して、新しい履歴情報を記憶する所謂スタック構成である。
【0141】
一方、近接通信メモリM215は、使用履歴情報M317を内部のRAM領域M310に格納する。また、エラー検出部M204によってエラーが検出されたタイミングでメインメモリM106に保持している使用履歴情報が近接通信メモリM215に複製される。また、近接通信メモリM215に記憶される使用履歴情報M317は、生じたエラーを特定するためのエラー検出情報M316及びエラー発生日時M318などと関連付けて記憶される。
【0142】
これによって、外部のリーダライタ機器から近接無線通信を介して近接通信メモリM215の内容を読み出せば、エラーに至までの使用履歴情報M317が読み出せる。また、故障不再現の課題解決、及び修理を行う場合の情報として重要な情報をワンタッチという簡単操作で読み出すことが可能となる。
【0143】
また、コントローラM105は、エラー検出部M204が端末部M201の不具合を検出したとき、近接通信メモリM215の記憶可能容量を確認して、近接通信メモリM215に記憶させる使用履歴情報の容量を決定する。例えば、コントローラM105は、近接通信メモリM215のRAM領域M310に含まれる使用履歴情報M317が格納される使用履歴情報領域の容量を確認し、当該容量と同じ、又は当該容量より小さい容量を、近接通信メモリM215に記憶させる使用履歴情報の容量に決定する。
【0144】
また、近接通信メモリM215は、近接無線通信部M107が、近接通信メモリM215に記憶している使用履歴情報M317を、アンテナM108を介して携帯機器M102に送信した後、重複読み出しを避けるために、送信した使用履歴情報M317を削除することが望ましい。あるいは、送信した使用履歴情報M317に送信済みを示すフラグを付与することでも、同様の効果を実現することが可能となる。この場合、外部のリーダライタ機器は、送信済みフラグの示す内容に従って、読み出す使用履歴情報M317を決定すればよい。
【0145】
また、メインメモリM106は、ユーザ操作ごとに生じる使用履歴情報をラップアラウンド方式のアドレッシングによって記憶する。ラップアラウンド方式とは、メインメモリM106に空きがある場合には、アドレスをインクリメントしながら使用履歴情報を記憶していく方法である。また、アドレスがメインメモリM106に記憶可能な最大値になれば、アドレスを初期化し(0にする、先頭位置にする)、もともと記憶されている古い使用履歴情報に対して上書きしながら記憶させる。これによって、不具合解析には重要ではない、古い使用履歴情報を削除しながら、不具合解析にとって重要である直近の使用履歴情報を確実にメインメモリM106に記憶させることが可能となる。
【0146】
また、メインメモリM106は、最新の使用履歴情報を保持しているアドレス位置、つまり、メインメモリM106に最後に記憶された使用履歴情報のアドレス位置を保持する。また、コントローラM105は、エラー検出部M204が端末部M201の不具合を検出したとき、このアドレス位置を基準として、メインメモリM106に記憶されている使用履歴情報を近接通信メモリM215に記憶させるように制御する。このように、コントローラM105は、不具合発生時に、近接通信メモリM215に不具合に至った時点を機軸として、使用履歴情報を近接通信メモリM215に記憶させることが可能となる。よって、不具合解析を容易にできる。
【0147】
また、近接通信メモリM215は、外部のリーダライタ機器に送信した使用履歴情報を削除する。これによって、さらに不具合が生じたときの使用履歴情報を蓄積するための領域を確保することが可能となり、有限なメモリを効率的に使用することが可能となる。
【0148】
図8は、近接無線通信部M107が外部のリーダライタ機器と通信する動作の流れを示すフローチャートである。
【0149】
まず、近接無線通信部M107はアンテナM108を介して、リーダライタ機器からの不特定への呼びかけ信号であるポーリング電波を受信する(M601)。
【0150】
ポーリング電波を受信すると、ポーリング電波から電源生成部M219、及びクロック生成部M220は、近接無線通信部M107を動作させるための電力及びクロック信号を生成する(M602)。
【0151】
電力とクロックが生成されると、近接無線通信部M107は、当該近接無線通信部M107のシステムを起動し、ポーリング電波を出力している外部のリーダライタ機器に対してポーリング応答を返す(M603)。
【0152】
次に、近接無線通信部M107は、切替部M211が端末部優先モードかどうかを判定する(M604)。切替部M211が端末部優先モードであれば(M604Yes)、端末部M201が近接通信メモリM215にアクセス中なので、近接無線通信部M107は、端末部アクセス優先モードである間、待機する。
【0153】
一方、切替部M211が端末部優先モードでない場合(M604でNo)、近接無線通信部M107は、切替部M211をリーダライタ優先モードに切り替える(M605)。
【0154】
次に、近接無線通信部M107は、近接通信メモリM215に保持している情報に基づいて、リーダライタ機器に送信するアクセス情報及び端末情報を生成する(M606)。
【0155】
次に、近接無線通信部M107は、生成したアクセス情報及び端末情報をリーダライタ機器に送信する(M607)。もちろん、近接無線通信部M107は、当該情報を、リーダライタ機器からのリードコマンドに応じて転送する。
【0156】
送信が完了すると、近接無線通信部M107は、切替部M211に設定しているリーダライタ優先モードを解除して近接無線通信の処理を完了する(M608)。
【0157】
図9は、本実施の形態に係る通信システムM100において、携帯機器M102を端末機器M101にタッチすることで発生する各構成要素間の通信情報を示す概念図である。
【0158】
携帯機器M102が端末機器M101にタッチされることによって、端末機器M101は、近接無線通信を介して近接通信メモリM215に記憶されている内容に基づいてアクセス情報M701、メイン電源状態情報M704及び端末情報M705を生成する。端末機器M101は、携帯機器M102からのリードコマンドに応じて、生成したアクセス情報M701、メイン電源状態情報M704及び端末情報M705を携帯機器M102に送信する。
【0159】
アクセス情報M701は、携帯機器M102からサーバ機器M104に接続するために必要な情報である。このアクセス情報M701、サーバアドレスM702及びサーバ認証情報M703を含む。
【0160】
サーバアドレスM702は、サーバ機器M104のアドレス情報であるURL(Uniform Resource Locator)情報を含む。サーバ認証情報M703はサーバ機器M104にログインするための認証情報を含む。このアクセス情報M701は、近接通信メモリM215のROM領域M302にサーバアクセス情報M307として記憶されている情報である。なお、アクセス情報M701を、サーバアドレスM702とサーバ認証情報M703とを含むサーバ機器M104へのアクセスコマンドとして生成しても構わない。
【0161】
メイン電源状態情報M704は、端末機器M101の端末部M201の電源状態を示すフラグ情報である。このメイン電源状態情報M704は、近接通信メモリM215のRAM領域M310の端末部書込領域M315のメイン電源状態情報M320に応じて生成された情報である。このメイン電源状態情報M704は、少なくとも電源状態として“ON”、“OFF”、“遮断”のいずれかを示している情報である。例えば、このメイン電源状態情報M704は、メイン電源状態情報M320と同じ内容を示す情報である。
【0162】
端末情報M705は、携帯機器M102を中継してサーバ機器M104に送信され、サーバ機器M104のデータベースに登録される情報である。この端末情報M705は、近接無線通信部識別情報M706、端末機器識別情報M707、端末機器型番M708、製造メーカ識別情報M709、生産ロット識別情報及び生産日M710、エラー検出情報M711、使用履歴情報M712、エラー発生日時M713及びファームバージョンM714を含む。また、端末情報M705には、当該端末情報M705の全体の署名情報である端末情報デジタル署名M715が付与されている。
【0163】
近接無線通信部識別情報M706は、端末機器M101の近接無線通信部M107を唯一に識別可能な識別情報である。この近接無線通信部識別情報M706は、近接通信メモリM215に記憶されている近接無線通信部識別情報M301によって生成される。例えば、近接無線通信部識別情報M706は、近接無線通信部識別情報M301と同じ内容を示す情報である。
【0164】
端末機器識別情報M707は、端末機器M101の製造番号など、端末機器M101を識別するための情報である。この端末機器識別情報M707は、近接通信メモリM215の端末機器識別情報M303に基づいて生成される。例えば、端末機器識別情報M707は、端末機器識別情報M303と同じ内容を示す情報である。
【0165】
端末機器型番M708は、端末機器M101の製造品番などの型番を示す情報であり、近接通信メモリM215の端末機器型番M304に基づいて生成される。例えば、端末機器型番M708は、端末機器型番M304と同じ内容を示す情報である。
【0166】
製造メーカ識別情報M709は、端末機器M101の製造メーカを識別するための情報であり、近接通信メモリM215の製造メーカ識別情報M305に基づいて生成される。例えば、製造メーカ識別情報M709は、製造メーカ識別情報M305と同じ内容を示す情報である。
【0167】
生産ロット識別情報及び生産日M710は、端末機器M101の生産ロット番号及び生産日を識別するための情報であり、近接通信メモリM215の生産ロット識別情報及び生産日M306に基づいて生成される情報である。例えば、生産ロット識別情報及び生産日M710は、生産ロット識別情報及び生産日M306と同じ内容を示す情報である。
【0168】
エラー検出情報M711は、エラー検出部M204によって検出されたエラーの識別情報であり、近接通信メモリM215端末部書込領域M315のエラー検出情報M316に基づいて生成される。例えば、エラー検出情報M711は、エラー検出情報M316と同じ内容を示す情報である。
【0169】
使用履歴情報M712は、エラー検出部M204によってエラーが検出されタイミングでメインメモリM106に格納されていた使用履歴情報が近接通信メモリM215にコピーされた使用履歴情報M317に基づいて生成される情報である。例えば、使用履歴情報M712は、使用履歴情報M317と同じ内容を示す情報である。
【0170】
エラー発生日時M713は、エラー検出部M204によってエラーが検出された日時情報であり、近接通信メモリM215のエラー発生日時M318に基づいて生成される。例えば、エラー発生日時M713は、エラー発生日時M318と同じ内容を示す情報である。
【0171】
ファームバージョンM714は、端末機器M101のファームウェアのバージョン情報であり、コントローラM105によって近接通信メモリM215に書き込まれたファームバージョンM319に基づいて生成される。例えば、ファームバージョンM714は、ファームバージョンM319と同じ内容を示す情報である。
【0172】
また、この端末情報M705には、通信路及び不正な携帯機器による情報の改竄を防止する目的で用いられるデジタル署名である端末情報デジタル署名M715が付与されている。この端末情報デジタル署名M715のアルゴリズムには、例えば、一般的な秘密鍵暗号又は公開鍵暗号が用いられる。
【0173】
また、端末情報M705の各情報要素(近接無線通信部識別情報M706、端末機器識別情報M707、端末機器型番M708、製造メーカ識別情報M709、生産ロット識別情報及び生産日M710、エラー検出情報M711、使用履歴情報M712、エラー発生日時M713及びファームバージョンM714)は、携帯機器M102を通じて送信される、サーバ機器M104に対するデータベース登録コマンドの形式でも構わない。
【0174】
携帯機器M102は、近接無線通信を介して端末機器M101から読み出したアクセス情報M701及び端末情報M705に基づいて、サーバ機器M104に携帯機器情報M720、メイン電源状態情報M704及び端末情報M705をインターネット網又は携帯電話通信網を介してサーバ機器M104に送信する。
【0175】
具体的には、携帯機器M102は、端末機器M101から送信されたアクセス情報M701から、接続するサーバ機器M104のアドレス情報及び認証情報を読み出し、サーバ機器M104に接続する。また、携帯機器M102は、端末機器M101から送信された端末情報M705に携帯機器情報M720を付与することによりサーバ機器M104に送信するデータを生成する。
【0176】
携帯機器情報M720は、携帯機器M102に保持している情報に基づいて生成される。この携帯機器情報M720は、携帯機器識別情報M721、ユーザ情報M728、及び携帯機器位置情報M726を含む。ユーザ情報M728は、電話番号M722、メールアドレスM723、サーバアカウントM724、及びサーバパスワードM725を含む。
【0177】
携帯機器識別情報M721は、携帯機器M102を唯一に識別可能な識別情報であり、携帯機器M102が携帯電話であれば、例えば、携帯端末の識別情報又はSIM(Subscriber Identity Module)の識別情報である。
【0178】
電話番号M722は、携帯機器M102に設定されている電話番号情報である。
【0179】
メールアドレスM723も同様に、携帯機器M102に設定されているメールアドレス情報である。
【0180】
サーバアカウントM724は、サーバ機器M104に接続するためのアカウント情報である。
【0181】
サーバパスワードM725は、サーバ機器M104に接続するためのパスワード情報である。
【0182】
携帯機器位置情報M726は、携帯機器M102内に構成される測位手段によって抽出された位置情報である。例えば、携帯機器位置情報M726は、GPS(Global Positioning System)、からの位置情報、又は携帯基地局との距離に応じて割り出した位置情報である。この携帯機器位置情報M726は、携帯機器M102を端末機器M101にタッチして近接無線通信が確立した場合に、当該携帯機器M102により取得される。また、近接無線通信は、通常数10cmが通信可能範囲であるため、携帯機器M102の位置情報を、タッチした端末機器M101の位置情報として扱うことが可能である。
【0183】
また、携帯機器情報M720の各要素(携帯機器識別情報M721、電話番号M722、メールアドレスM723、サーバアカウントM724、サーバパスワードM725、携帯機器位置情報M726)は、サーバ機器M104に対するデータベース登録コマンドの形式でも構わない。
【0184】
また、携帯機器M102は、端末機器M101から送信されたメイン電源状態情報M704及び端末情報M705をそのまま含むサーバ通信情報M731をサーバ機器M104に送信する。また、携帯機器M102からサーバ機器M104へ送信されたサーバ通信情報M731には、途中での改竄を防止するためのデジタル署名である情報デジタル署名M727が付与されている。
【0185】
また、端末機器M101から携帯機器M102に送信される端末情報M705は、端末機器M101内で暗号化されていることが望ましい。この暗号は、携帯機器M102では復号できず、サーバ機器M104でのみ復号できる形態が望ましい。なぜなら、重要な端末機器情報が不正なサーバに送信され解析されるような悪意ある携帯機器M102が登場したとしても、正規のサーバ機器M104によってのみ復号可能な情報として送信できるからである。これにより、このような不正行為から端末機器情報を保護することが可能となる。
【0186】
図10は、サーバ機器M104から携帯機器M102を介して端末機器M101に送信される各通信情報の内容を示す概念図である。通常、サーバ機器M104からの情報送信は、図9に示すように、端末機器M101から携帯機器M102を介してサーバ機器M104に情報が送信された後に行われる。
【0187】
サーバ機器M104は、携帯機器M102から端末情報M705及び携帯機器情報M720を受信すると携帯機器情報M720に関連付けて、端末情報M705をデータベースに登録する。これと同時に、サーバ機器M104は、端末情報M705のファームバージョンM714を確認して、端末機器M101のファームウェアの更新が必要かどうかを判断する。必要であるならば、サーバ機器M104は、新しいファームウェア、追加機能情報、又は端末機器設定情報を、携帯機器M102を介して端末機器M101に送信する。これによって、サーバ機器M104は、端末機器M101のファームウェアのバージョンアップを行う。
【0188】
サーバ機器M104から携帯機器M102に送信される情報(サーバ通信情報M801)は、ファームウェア情報M802を含む。また、サーバ通信情報M801は、2つの署名情報として端末機器用デジタル署名M806と携帯機器用デジタル署名M807とを含む。
【0189】
ファームウェア情報M802は、ファームウェアM803、追加機能情報M804及び端末機器設定情報M805を含む。
【0190】
ファームウェアM803は、端末機器M101において更新されるファームウェアそのものである。
【0191】
追加機能情報M804は、電子レンジにおけるレシピの追加など、端末機器M101への追加機能が実装されたソフトウェアである。
【0192】
端末機器設定情報M805は、電子炊飯器における炊飯プログラムなどで、端末機器M101の設定を自動化するためのソフトウェアである。
【0193】
また、携帯機器用デジタル署名M807は、サーバ通信情報M801に改竄が行われていないかどうかを携帯機器M102において判定可能なデジタル署名である。この携帯機器用デジタル署名M807は、例えば、サーバ機器M104と携帯機器M102との間で秘密の秘密鍵を用いて生成される。
【0194】
また、端末機器用デジタル署名M806は、ファームウェア情報M802に改竄が行われていないかどうかを端末機器M101において判定可能なデジタル署名である。この端末機器用デジタル署名M806は、例えば、サーバ機器M104と端末機器M101との間で秘密の秘密鍵を用いて生成される。
【0195】
携帯機器用デジタル署名M807は、主に、サーバ機器M104と携帯機器M102との間の通信路でサーバ通信情報M801が改竄されていないかどうかを判定する目的で付与される。一方、携帯機器用デジタル署名M807は、悪意ある携帯機器M102によってファームウェア情報M802が改竄されていないかどうかを判定する目的で付与される。
【0196】
特に、ファームウェアの更新では、悪意あるものによってファームウェアが改竄されることによって、当該ファームウェアに発火プログラムなどが挿入されれば重大な事故につながる可能性がある。よって、本実施の形態では、通信路及び携帯機器M102が不正なものでないかどうかの確認を行うために用いる2つのデジタル署名を用いる。なお、本実施の形態では、デジタル署名を用いる場合を説明しているが、もちろん、情報そのものを暗号化し、携帯機器M102でサーバ通信情報M801を復号し、端末機器M101でファームウェア情報M802を復号してもよい。この場合も同様の効果を実現できる。
【0197】
また、携帯機器M102は、受信したサーバ通信情報M801を携帯機器用デジタル署名M807によって改竄がされていないかどうかを判定し、正規の情報である場合のみ、ファームウェア情報M802及び端末機器用デジタル署名M806を、近接無線通信を介して端末機器M101に送信する。
【0198】
なお、携帯機器M102と端末機器M101とが近接無線通信を行うためには、ユーザにタッチしてもらう必要があるので、携帯機器用デジタル署名M807の検証が完了した時点で携帯機器M102の表示部M110に、ユーザに携帯機器M102を端末機器M101へタッチさせるためのメッセージを表示することが望ましい。
【0199】
携帯機器M102が端末機器M101にタッチされると、携帯機器M102は、ファームウェア情報M802を、近接無線通信を介して端末機器M101に送信する。次に、端末機器M101は、端末機器用デジタル署名M806を検証することによってファームウェア情報M802が改竄されていないかを検証する。また、端末機器M101は、正規である場合に限り、ファームウェアM803を用いてファームウェアの更新を行ったり、追加機能情報M804を用いて端末機器M101へ機能追加を行ったり、端末機器設定情報M805を用いて端末機器M101のキーに操作を対応付けたりする。
【0200】
以上のように、インターネットなどの汎用のネットワークを持たない携帯機器M102においても、安価でユーザが直感的に操作しやすい近接無線通信手段を持つことによって、端末機器M101のファームウェアのバージョンアップを行ったり、機能追加を行ったりできる。これによって、各ユーザの操作感に最適な設定を端末機器M101に実装することが可能となる。また、サーバ機器M104は、近接無線通信を介して得られる使用履歴情報を利用してユーザに最適な端末機器M101の設定情報などを生成できる。これによって、ユーザごとに最適化された端末機器M101を実現できる。
【0201】
図11は、図10と同じく、携帯機器M102を端末機器M101にタッチすることによって端末機器M101のファームウェアを更新する場合の各通信情報の概念図である。ただし、図11では図10に対して、端末機器M101の電源状態が“OFF”になっていることが異なる。
【0202】
まず、携帯機器M102が端末機器M101にタッチされると、端末機器M101は、アクセス情報M701、メイン電源状態情報M704、書込領域の空き領域M901、端末情報M705、及び端末情報デジタル署名M902を携帯機器M102に送信する。
【0203】
書込領域の空き領域M901は、近接通信メモリM215のRAM領域M310の書き込み可能な空き容量を示す情報である。
【0204】
端末情報デジタル署名M902は、端末情報M705のデジタル署名情報であり、端末機器M101において生成される。
【0205】
携帯機器M102は、端末機器M101から送信されたアクセス情報M701に基づいてサーバ機器M104に接続する。そして、携帯機器M102は、端末機器M101から受信したメイン電源状態情報M704、書込領域の空き領域M901及び端末情報M705に、携帯機器情報M720を付与してサーバ機器M104に送信する。
【0206】
また、携帯機器M102は、生成した携帯機器情報M720、メイン電源状態情報M704、書込領域の空き領域M901及び端末情報M705に対して、携帯機器M102によるデジタル署名情報である情報デジタル署名M903を生成して付与し、これらの情報をサーバ機器M104に送信する。
【0207】
サーバ機器M104は、携帯機器M102で付与された情報デジタル署名M903を検証し、さらに、端末機器M101で付与された端末情報デジタル署名M902を検証する。サーバ機器M104は、情報デジタル署名M903及び端末情報デジタル署名M902がともに正規の情報であると判断した場合に、携帯機器情報M720に関連付けて、端末情報M705をデータベースに登録する。
【0208】
また、サーバ機器M104は、端末情報M705に含まれるファームバージョンM714に基づき、ファームウェアを更新すべきかを判定する。更新する場合には、サーバ機器M104は、対応するファームウェアM904を、携帯機器M102を介して端末機器M101に送信する。
【0209】
また、サーバ機器M104は、端末機器M101において、ファームウェアが更新できる状況であるかどうかをメイン電源状態情報M704に基づき判定する。すなわち、メイン電源状態情報M704が電源状態“ON”を示している場合には、ファームウェアの更新が可能であるので、サーバ機器M104は、更新するファームウェアM904を端末機器M101へ送信する。
【0210】
一方、電源状態として“OFF”が示されている場合には、起動すればファームウェアの更新が可能であるので、サーバ機器M104は、更新するファームウェアM904と端末機器起動コマンドM905とを、携帯機器M102を介して端末機器M101に送信する。
【0211】
また、電源状態として“遮断”が示されている場合には、端末機器M101にファームウェアM904を送信してもファームウェアを更新することが不可能である。よって、サーバ機器M104は、ファームウェアの更新のために端末機器M101の電源を投入するようにユーザに対して指示するメッセージを携帯機器M102の表示部M110に表示させる指示を携帯機器M102へ送信する。
【0212】
以後、端末機器M101の電源状態が“OFF”であった場合を想定して説明する。
【0213】
サーバ機器M104にて、ファームバージョンM714によってファームウェアの更新が必要と判断し、かつ、電源状態が“OFF”を示していて、さらに書込領域の空き領域M901が、更新するファームウェアの容量に対して十分である場合には、サーバ機器M104は、更新するファームウェアM904及び端末機器起動コマンドM905をファームウェア情報M906として携帯機器M102に送信する。
【0214】
また、サーバ機器M104は、ファームウェア情報M906に、端末機器M101において検証可能なデジタル署名である端末機器用デジタル署名M806と、携帯機器M102にて検証可能な携帯機器用デジタル署名M807とを付与して携帯機器M102に送信する。
【0215】
携帯機器M102は、受信した情報に含まれる携帯機器用デジタル署名M807を検証して、正規の情報であると判断した場合には、ファームウェア情報M906を端末機器M101に送信する。
【0216】
端末機器M101では、近接無線通信部M107が、端末部M201に対する起動コマンドを発行することによって端末部M201を起動させる。次に、端末機器M101は、受信したファームウェアM904に基づきファームウェアの更新を行う。
【0217】
以上のように、端末機器M101からメイン電源状態情報M704及び書込領域の空き領域M901をサーバ機器M104に送信する。これにより、サーバ機器M104は、端末機器M101がファームウェアの更新を可能かどうか判定することが可能となる。よって、サーバ機器M104は、携帯機器M102にその状況に応じたメッセージを表示させたり、端末機器M101に起動コマンドを送信したりできる。これにより、ファームウェアの更新のためのユーザ操作の負担を大幅に軽減することが可能となる。
【0218】
図12A〜図12Dは、図9〜図11を用いて説明したファームウェア更新時の携帯機器M102の表示内容を示す概念図である。
【0219】
図12Aは、メイン電源状態情報M704で示される電源状態が“ON”である場合であり、携帯機器M102がサーバ機器M104からファームウェアを取得した後、携帯機器M102に表示される画面例である。もう一度、携帯機器M102を端末機器M101へタッチすることによって、携帯機器M102に保持しているファームウェアを端末機器M101に送信して、ファームウェアの更新を行うことができる。
【0220】
図12Bは、メイン電源状態情報M704で示される電源状態が“OFF”である場合の携帯機器M102に表示される画面例である。このとき、サーバ機器M104からの送信情報の中には、端末機器起動コマンドM905が含まれる。よって、もう一度、タッチすることによって起動コマンドを携帯機器M102から端末機器M101に転送して、端末機器M101を起動させる。その後、再度、タッチすることによって携帯機器M102から端末機器M101へファームウェアを転送し、端末機器M101でファームウェアの更新を行う。なお、本事例では、近接通信メモリM215の容量が十分ではなく、起動コマンドとファームウェアとを2回のタッチに分けて送信している例を示している。また、近接通信メモリM215に十分な容量がある場合には、起動コマンド及び更新するファームウェア(更新コマンド)を、携帯機器M102から端末機器M101へ同時に転送する。そして、端末機器M101は、起動コマンドによって起動後、ファームウェアの更新を行う。
【0221】
図12Cは、メイン電源状態情報M704で示される電源状態が“遮断”である場合の携帯機器M102に表示される画面例である。この場合には、ユーザに電源投入を指示する必要があるので、サーバ機器M104は携帯機器M102の表示部M110に電源を投入するような指示を表示させる。
【0222】
図12Dは、図12Bの画面を表示したのち、再度、タッチされたが、まだ、端末機器M101の起動が完了していない場合に表示させるメッセージを示す。起動が完了していなければ、近接通信メモリM215のメイン電源状態情報M704も更新されておらず“OFF”のままになっている。このメイン電源状態情報M704が“OFF”であることを携帯機器M102、又はサーバ機器M104が判断して、携帯機器M102の表示部M110に図12Dのようなメッセージを表示させる。これにより、安全にファームウェアの更新を行うことができる。
【0223】
図13は、本実施の形態に係る端末機器M101、携帯機器M102及びサーバ機器M104の動作の流れを示すシーケンス図である。
【0224】
サーバ機器M104は、内部にデータベースを有し、常時、データベースに登録されている機器に対してファームウェア、及び機能向上プログラムの追加などがあるかどうかを判定している。サーバ機器M104は、特定機器に対して、ファームウェアのアップデート、又は機能向上プログラムが存在すると判定した場合には、ファームウェアの更新又は機能向上プログラムの追加を促すメッセージを作成する(M1101)。このメッセージは、携帯機器M102の表示部M110に表示するためのメッセージであり、表示部M110に現れるポップアップメッセージ、又は電子メールの形態でも構わない。これにより、更新の必要な特定機器を保有するユーザに対して、更新を促すことができる。
【0225】
メッセージを受信した携帯機器M102は、表示部M110に受信したメッセージを表示する(M1102)。
【0226】
メッセージを確認したユーザは、携帯機器M102の近接無線通信を行うリーダライタ機器を起動するためのアプリケーションを立ち上げて、当該リーダライタ機器にポーリングを開始させる(M1103)。
【0227】
次に、ユーザは、ポーリングを開始させた携帯機器M102を、更新の必要な特定機器である端末機器M101のアンテナM108が実装されている領域へタッチする。タッチされれば、端末機器M101の近接無線通信部M107は、携帯機器M102からの電波をアンテナM108で受信して、少なくとも端末機器M101の近接無線通信部M107を駆動するための電力及びクロック信号を携帯機器M102からの電場により生成する。そして、端末機器M101は、近接無線通信部M107を起動させる(M1104)。
【0228】
近接無線通信部M107の起動が完了すると、近接無線通信部M107は、ポーリング応答信号を携帯機器M102に送信する(M1105)。これにより、端末機器M101と携帯機器M102との近接無線通信が確立する。
【0229】
携帯機器M102は、端末機器M101からポーリング応答信号を受信すると、端末機器M101の近接通信メモリM215からアクセス情報及び端末情報を読み出すためのコマンドを生成して、端末機器M101に送信する(M1106)。
【0230】
端末機器M101の近接無線通信部M107は、コマンドを受信すると、内部の近接通信メモリM215に記憶されているアクセス情報及び端末情報を携帯機器M102に送信する(M1107)。
【0231】
携帯機器M102は、端末機器M101から受信した情報の中からアクセス情報M701を抽出することによって、接続すべきサーバ機器M104のアドレス情報(サーバアドレスM702)を取得する(M1108)。
【0232】
本実施の形態では、端末機器M101に携帯機器M102をタッチさせることによって、端末機器M101のメーカが運営するサーバ機器M104に、製造番号を登録する愛用者登録と、エラー発生時の対応と、エラー発生をトリガとした使用履歴情報をサーバに登録することによるカスタマーサービスとを展開できる通信システムM100を提案している。
【0233】
したがって、接続すべきサーバ機器M104のサーバアドレスM702は、端末機器M101の近接通信メモリM215に記憶されている。これによって、例え、端末機器M101と異なるメーカの携帯機器M102であっても、端末機器M101に対応したサーバ機器M104に接続することが可能となる。
【0234】
また、端末機器M101にサーバアドレスM702が記憶されていない場合には、携帯機器M102が端末機器M101のメーカを判別する必要があったり、各メーカのサーバにリダイレクトする冗長的なサーバを用意する必要があったりする。一方、端末機器M101にサーバアドレスM702を記憶させることによってこれらの冗長的な仕組みを排除することが可能となり、トータルコストを削減することが可能となる。
【0235】
次に、携帯機器M102は、端末機器M101から受信した端末情報M705と、携帯機器M102が記憶している携帯機器情報M720とを組み合わせることによってサーバ機器M104へ送信するサーバ通信情報M731を生成する。次に、携帯機器M102は、端末機器M101から受信したアクセス情報M701に記されたサーバ機器M104に、生成したサーバ通信情報M731を送信する(M1109)。
【0236】
サーバ機器M104は、受信したサーバ通信情報M731に基づいて、サーバ機器M104内部に保持しているデータベースに端末機器M101の端末情報M705を携帯機器M102の携帯機器情報M720に対応付けて管理及び記憶する(M1110)。
【0237】
なお、サーバ機器M104による当該データベースへの登録は、当該情報が既に登録されている場合には行う必要はない。まず、サーバ機器M104は、携帯機器情報M720が既に登録されているかどうかを判別し、登録されていなければ、当該携帯機器情報M720を登録する。既に同じ携帯機器情報M720が登録されている場合には、当該携帯機器情報M720に対応付けられて端末情報M705が登録されているかどうかを判別する。登録されていなければ、サーバ機器M104は端末情報M705を登録する。
【0238】
携帯機器情報M720が既に登録されているかどうかの判別のために、サーバ機器M104は、携帯機器情報M720に含まれる電話番号M722、メールアドレスM723、及び携帯機器識別情報M721の少なくとも一つを用いる。ここで携帯機器識別情報M721とは、携帯機器M102ごとに固有の識別情報、又は携帯機器M102に設定されているユーザ識別情報のことを指す。また、ユーザ識別情報とは、例えば携帯電話端末におけるSIM(Subscriber Identity Module)に設定された識別情報のことである。
【0239】
次に、サーバ機器M104は、受信した端末情報M705に含まれるファームバージョンM714から、端末機器M101のファームアップデートが必要であるかどうかを判断する(M1111)。
【0240】
また、サーバ機器M104は、端末情報M705に含まれるメイン電源状態情報M704から、端末機器M101の電源状態を判別する(M1112)。
【0241】
また、サーバ機器M104は、端末情報M705に含まれる書込領域の空き領域M901から、端末機器M101の近接通信メモリM215の書き込み可能容量を判別する(M1113)。
【0242】
ステップM1111で、ファームの更新が必要であると判断された場合には、サーバ機器M104は、ステップM1112で確認した端末機器M101の電源状態と、ステップM1113で確認した近接通信メモリM215の書き込み可能領域の判断結果とに応じて、端末機器M101の表示部M110に表示させる表示内容を生成する(M1114)。この表示内容は、例えば、ファームアップデートが必要であるにも関わらず、端末機器M101の電源状態が遮断されている場合には、携帯機器M102の表示部M110に対して、端末機器M101の電源を入れることを促すメッセージである。
【0243】
ステップM1111〜M1113の処理で、ファームの更新が必要かつ、更新可能状態にあると判断した場合には、サーバ機器M104は、携帯機器M102に対して、端末機器M101の更新するファームウェアを送信する(M1115)。
【0244】
携帯機器M102は、サーバ機器M104から送信されたファームウェアを受信し(SM1116)、一旦、受信したファームウェアを記憶する。また携帯機器M102は、ファームウェアに付与されている携帯機器用デジタル署名M807を検証して、サーバ機器M104から携帯機器M102の通信路においてファームウェアに改竄が行われていないかどうかを判定する(M1117)。
【0245】
ファームウェアの携帯機器用デジタル署名M807の検証が完了すると、携帯機器M102は、携帯機器M102を端末機器M101にタッチすることをユーザに対して指示するメッセージを表示部M110に表示する(M1118)。
【0246】
次に、携帯機器M102が、端末機器M101にタッチされると、携帯機器M102は、記憶しているファームウェアを端末機器M101へ、近接無線通信部M107を介して送信する。そして端末機器M101は、端末部M201のメインメモリM106に更新すべきファームウェアを記憶する(M1119)。
【0247】
次に、端末部M201は、ファームウェアを更新する前に、当該ファームウェアに付与されている端末機器用デジタル署名M806を用いて、ファームウェアに改竄が生じていないことを確認する(M1120)。
【0248】
したがって、本実施の形態では、サーバ機器M104から送信されたファームウェアを携帯機器にて携帯機器用デジタル署名M807を用いて検証し、端末機器M101において端末機器用デジタル署名M806を用いて検証する。これによって、サーバ機器M104から携帯機器M102の通信路において改竄がされていないこと、また、携帯機器M102にて改竄がされていないことを検証することが可能となる。よって、悪意ある携帯機器M102が出現して、ファームウェアを改竄したとしても、端末機器M101においてその改竄を見極めることが可能となり、安全なファームウェアの更新が可能となる。
【0249】
以上のように、本実施の形態に係る端末機器M101は、端末機器M101に不具合が発生したタイミングで、使用履歴情報を端末機器M101の近接通信メモリM215に記憶させる。したがって、近接通信メモリM215には、エラーが生じるに至った使用履歴情報のみが記憶されることになる。また、近接無線通信部M107には、携帯機器M102からの電波によって生成された電力が供給される。これにより、端末機器M101の端末部M201が例え故障して動作不能となっていても、近接通信メモリM215の記憶内容を携帯機器M102によって読み出すことが可能となる。このように故障に至った使用履歴情報を読み出すことで、故障の再現性を向上させ、修理等の対応を迅速に行うことが可能となる。結果として、ロスコストを大幅に削減することが可能となる。
【0250】
また、使用履歴情報は、端末機器M101の端末部M201によって暗号化されていることが望ましい。なぜなら、使用履歴情報をどんな携帯機器M102からでも読み出すことのできる構成では、端末機器M101とは異なるメーカの携帯機器M102によって読み出せることになり、ユーザの使用履歴という貴重な情報を他メーカに閲覧される危険があるためである。また、暗号化された使用履歴情報は、端末機器M101に対応したサーバ機器M104によってのみ復号可能であることが望ましい。そのため、端末機器M101の近接通信メモリM215には、端末機器M101に対応するサーバ機器M104のアドレス情報を予め記憶していることが望ましい。これによって、端末機器M101のメーカごとにサーバ機器M104を運用することが可能となるので、端末機器M101の愛用者登録を行うことが可能となる。
【0251】
また、サーバ機器M104は、端末機器M101のファームウェアのバージョン情報及び電源状態を鑑みて、ファームの更新が必要か否か、及び更新が可能か否かを判定することが可能となる。これにより、端末機器M101の状態に応じた処理を実施することが可能となる。
【0252】
また、サーバ機器M104は、携帯機器M102の携帯機器情報M720を主として、端末機器M101の端末情報M705を従としてデータベースに登録する。すなわち、携帯機器情報M720とは、従来のサーバを利用した愛用者登録におけるユーザ登録情報と同様の情報である。通常のユーザ登録の場合は、ユーザによって氏名、住所、及びメールアドレス等を入力する必要があり、操作が煩雑である。一方、携帯機器情報M720を利用する本実施の形態では、ユーザはユーザ登録情報を入力する必要はない。つまり、携帯機器M102で読み出した端末機器M101の端末情報M705に自動的にユーザ登録情報を付与して、サーバ機器M104に送信することが可能である。通常、氏名、住所、及びメールアドレスなどの登録情報は、端末機器M101を保有するユーザのトレーサビリティを確保する目的で使用される。本実施の形態でも、携帯情報として携帯機器M102の固有識別情報、携帯機器M102に設定されているメールアドレス及び電話番号などを利用することが可能となって同様の効果を実現できる。よって、本実施の形態の携帯機器M102が携帯電話であれば、全ての開示内容を実施することが可能である。
【0253】
また、住所に変わる情報として、携帯電話などに搭載されているGPSを利用してもよい。GPSでは、数十メートル程度の精度で、位置情報を取得できるため、端末機器M101が設置されている位置情報を詳細に把握できるばかりか、住所入力のような煩雑な操作をなくすことが可能となる。
【0254】
また、本実施の形態で開示している端末機器M101はいずれも、インターネットなどの汎用のネットワークに接続する必要はない。なぜならば、汎用のネットワークに接続可能な携帯機器M102を介して、端末機器M101をサーバ機器M104に接続することが可能であるからである。
【0255】
また、通常、近接無線通信のためのモジュールは、汎用のネットワークに接続するためのモジュールよりも安価である。これにより、対応できる端末機器M101の対象範囲を広げることが可能となる。よって、全ての機器において、同様のユーザインタフェースを実現することが可能となる。
【0256】
また、近接無線通信の場合、必ずしも、端末機器M101を電源に接続しておくことは必要でない。よって、愛用者登録などのために端末機器M101を電源に接続する必要性はなくなり、ユーザの利便性を向上させることが可能である。また、近接無線通信の場合、消費する電力は圧倒的に少なく、例えば、バッテリ駆動するような端末機器M101にも応用することが可能となる。
【0257】
このように、本発明の実施の形態に係る端末機器M101は、不具合に至った重要な動作履歴情報を確実にリーダライタ機器に送信できるため、故障の不再現の課題に対応することが可能となる。
【0258】
また、端末機器M101は、近接無線通信によってアクセスされる近接通信メモリM215に、リーダライタ機器から電源及びクロックを供給するモードと、システム側からの電源及びクロックを供給するモードとをシームレスに切り替える。これにより、端末機器M101は、重要な動作履歴情報のみを近接通信メモリM215記憶し、当該動作履歴情報を外部に送信することが可能となる。
【0259】
また、上記実施の形態に係る端末機器M101、携帯機器M102及びサーバ機器M104に含まれる各処理部は典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0260】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0261】
また、本発明の実施の形態に係る端末機器M101、携帯機器M102及びサーバ機器M104の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。
【0262】
さらに、本発明は上記プログラムであってもよいし、上記プログラムが記録された記録媒体であってもよい。また、上記プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
【0263】
また、上記実施の形態に係る、端末機器M101、携帯機器M102及びサーバ機器M104、及びこれらの変形例の機能のうち少なくとも一部を組み合わせてもよい。
【0264】
また、上記で用いた数字は、全て本発明を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。
【0265】
また、上記図6及び図8に示す、各ステップが実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、同様の効果が得られる範囲で上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【0266】
さらに、本発明の主旨を逸脱しない限り、本実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0267】
本発明は、通信装置に適用でき、特に、近接無線通信機能を有する通信装置、及び当該通信装置を含む通信システムに有用である。
【符号の説明】
【0268】
M100 通信システム
M101 端末機器(通信装置)
M102 携帯機器
M103 インターネット
M104 サーバ機器
M105 コントローラ
M106 メインメモリ
M107 近接無線通信部
M108、M109 アンテナ
M110 表示部
M111、M202 キー
M201 端末部
M203 使用履歴検出部
M204 エラー検出部
M205 電源検出部
M206 電源遮断検出部
M207 メイン電源
M208 蓄電部
M209 メイン電源制御部
M210 インタフェース
M211 切替部
M212 電源切替部
M213 クロック切替部
M214 アクセス切替部
M215 近接通信メモリ
M216 通信制御部
M217 変調部
M218 復調部
M219 電源生成部
M220 クロック生成部
M230、M302 ROM領域
M231、M310 RAM領域
M232 FW領域
M301、M706 近接無線通信部識別情報
M303、M707 端末機器識別情報(製造番号)
M304、M708 端末機器型番(製造品番)
M305、M709 製造メーカ識別情報
M306、M710 生産ロット識別情報及び生産日
M307 サーバアクセス情報
M308、M702 サーバアドレス(URL)
M309、M703 サーバ認証情報
M311 リーダライタ書込領域
M312、M803、M904 ファームウェア
M313、M805 端末機器設定情報
M314 通信設定情報
M315 端末部書込領域
M316、M711 エラー検出情報
M317、M712 使用履歴情報
M318、M713 エラー発生日時
M319、M714 ファームバージョン
M320、M704 メイン電源状態情報
M701 アクセス情報
M705 端末情報
M715、M902 端末情報デジタル署名
M720 携帯機器情報
M721 携帯機器識別情報
M722 電話番号
M723 メールアドレス
M724 サーバアカウント
M725 サーバパスワード
M726 携帯機器位置情報
M727 情報デジタル署名
M728 ユーザ情報
M731、M801 サーバ通信情報
M802、M906 ファームウェア情報
M804 追加機能情報
M806 端末機器用デジタル署名
M807 携帯機器用デジタル署名
M901 書込領域の空き領域
M903 情報デジタル署名
M905 端末機器起動コマンド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム部と近接無線通信部とを備える通信装置であって、
前記システム部は、
前記近接無線通信部を介して外部のリーダライタ機器から前記通信装置の動作設定情報を受け付ける動作設定情報受付部と、
前記動作設計情報受付部で受け付けた前記動作設定情報に基づいて前記通信装置を制御するシステム制御部と、
前記システム部と前記近接無線通信部とへ電力を供給する第1電源部とを備え、
前記近接無線通信部は、
前記リーダライタ機器から発せられる電波を受信するアンテナ部と、
前記アンテナ部を介して、前記リーダライタ機器と近接無線通信を行い、前記リーダライタ機器から前記動作設定情報を受信する通信制御部と、
前記通信装置を識別する識別情報を記憶し、前記リーダライタ機器から読み出し可能な第2記憶部と、
前記アンテナ部で受信した前記リーダライタ機器からの電波を整流することにより、電力を生成する第2電源部と、
前記第1電源部と前記第2電源部との一方を選択し、選択した電源部から前記近接無線通信部へ電力を供給する電源切替部とを備え、
前記システム制御部は、
前記動作設定情報受付部によって前記リーダライタ機器から出力される前記動作設定情報を受け付けたとき、前記電源切替部により前記第1電源部が選択されている状態で、前記動作設定情報受付部で受け付けた前記動作設定情報に基づいて前記通信装置を制御する
通信装置。
【請求項2】
前記電源切替部は、前記第1電源が稼動している場合に、前記第1電源を選択して前記近接無線通信部へ電力を供給する
請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記電源切替部は、前記リーダライタ機器からの要求に応じて前記第2記憶部がアクセスされている間は、前記近接無線通信部への供給する電源の選択を切り替えない
請求項2記載の通信装置。
【請求項4】
前記電源切替部は、前記近接無線通信部が前記リーダライタ機器から前記動作設定情報を受信したとき、前記第1電源部を選択する
請求項1〜3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記電源切替部は、
前記リーダライタ機器から出力される前記動作設定情報を受け付けたとき、前記電源切替部により前記第2電源が選択されている状態の場合、前記第1電源部が選択される状態へ電源を切り替える
請求項1記載の通信装置。
【請求項6】
前記電源切替部は,
前記リーダライタ機器から出力される前記動作設定情報を受け付けたとき、前記電源切替部により前記第2電源が選択されている状態の場合、前記第1電源部が選択される状態へ電源を切り替え、前記第1電源部への切換が行えない場合は、前記リーダライタ機器へエラーを出力する
請求項5記載の通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−100307(P2012−100307A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−277187(P2011−277187)
【出願日】平成23年12月19日(2011.12.19)
【分割の表示】特願2011−545561(P2011−545561)の分割
【原出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】