通帳伝票プリンタ装置
【課題】コスト低減を図ることができると共に、通帳及び伝票を、連続して取込みかつ処理するオーバーラップ処理での処理速度の向上を図れる通帳伝票プリンタ装置を提供する。
【解決手段】通帳伝票プリンタ装置10を、挿入された通帳又は伝票を吸入する吸入搬送路11、吸入搬送路11に設けられ通帳又は伝票の幅を検知し両者を判別する幅検知センサ12、吸入搬送路11と連通し幅検知センサ12により判別された通帳を搬送する通帳搬送路13、通帳搬送路13に吸入された通帳の磁気ストライプの記録再生を実施するMSR/Wユニット26、吸入搬送路11と連通すると共に幅検知センサ12により判別された伝票を搬送する伝票搬送路14、通帳搬送路13と伝票搬送路14とを切替える吸入ゲート機構19、及び印字処理した通帳と伝票とを排出する通帳伝票排出部16と、を備えた構成とした。
【解決手段】通帳伝票プリンタ装置10を、挿入された通帳又は伝票を吸入する吸入搬送路11、吸入搬送路11に設けられ通帳又は伝票の幅を検知し両者を判別する幅検知センサ12、吸入搬送路11と連通し幅検知センサ12により判別された通帳を搬送する通帳搬送路13、通帳搬送路13に吸入された通帳の磁気ストライプの記録再生を実施するMSR/Wユニット26、吸入搬送路11と連通すると共に幅検知センサ12により判別された伝票を搬送する伝票搬送路14、通帳搬送路13と伝票搬送路14とを切替える吸入ゲート機構19、及び印字処理した通帳と伝票とを排出する通帳伝票排出部16と、を備えた構成とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行や農協などの金融機関で使用される通帳伝票プリンタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通帳を連続して取り込み処理するオーバーラップ処理可能な通帳プリンタ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図14に示すように、上記特許文献1に開示された通帳プリンタ装置100は、通帳を同時に取り込んで処理するオーバーラップ処理を行う場合、下段口101より通帳を挿入し、装置内部のMSR/Wユニット103で通帳の磁気ストライプを読み取り、所要の印字をした後、上段口102の磁気ストライプにて記録し、最後に排出するように構成されている。
【0003】
すなわち、通帳プリンタ装置100は、通帳吸入用のフロントインサータが上記下段口101となって設けられ、このフロントインサータ101の上方に通帳返却用のフロントディスペンサが上記上段口102となって設けられている。
フロントインサータ101の奥端には可動搬送路104が、その奥端104Aを支点として、前端104Bがフロントインサータ101とフロントディスペンサ102との間を往復回動できるように構成されている。
通帳は、フロントインサータ101から吸入され、可動搬送路104を搬送されて印字機構部105に到達し、その印字機構部105の印字ヘッド106で所定の印字処理を行った後、フロントディスペンサ102側に回動されている可動搬送路104を経由してフロントディスペンサ102から返却される。この際にも、フロントディスペンサ102側に配置されたMSR/Wユニット107で通帳に記録されるようになっている。
以上のように、通帳プリンタ装置100は、上下段にそれぞれMSR/Wユニット103,107を備えて構成されている。
【0004】
【特許文献1】特開昭62-292468号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示された通帳プリンタ装置100では、下段口101が通帳吸入用のフロントインサータとして、又、上段口102が通帳返却用のフロントディスペンサとして設けられ、下段口101と上段口102のそれぞれにMSR/Wユニット103,107を配置する必要があるため、コストアップの要因となっていた。
又、通帳を返却する際にその通帳の後端を上段口102に切替える必要があるため、ゲート切替え可能位置まで、すなわち可動搬送路104の奥端104Aを越える位置まで搬送しなければならない。可動搬送路104は、通帳を印字機構部105に移送させなければならないため、開いた通帳の長さ以上でなければならない。その結果、フロントインサータ101から印字機構部105までの距離が長くなり、処理速度の低下を招いていた。
更に、可動搬送路104は、通帳吸入用のフロントインサータ101と通帳返却用のフロントディスペンサ102とのいずれかと連通した状態でしか使用できないため、可動搬送路104内に媒体である通帳が入っている場合は、通帳吸入用のフロントインサータ101と通帳返却用のフロントディスペンサ102のうち、どちらか一方は使用できない。その結果、使用されていない方が「待ち」の状態となるので、その分、処理速度が低下するという課題がある。
【0006】
[発明の目的]
このため、本発明では、前記従来例の不都合を改善し、コスト低減を図ることができると共に、通帳及び伝票を、連続して取込みかつ処理するオーバーラップ処理での処理速度の向上を図れる通帳伝票プリンタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る通帳伝票プリンタ装置を、挿入された通帳又は伝票を吸入する吸入部と、この吸入部の入り口寄りに設けられ当該吸入部に挿入された前記通帳又は伝票の幅を検知し両者を判別する通帳伝票判別手段と、前記吸入部と連通すると共に前記通帳伝票判別手段により判別された前記通帳を搬送する通帳搬送路と、この通帳搬送路の近傍に設けられ当該通帳搬送路に吸入された前記通帳の磁気ストライプの記録再生を実施する磁気ストライプ読取り/書込み装置と、前記吸入部と連通すると共に前記通帳伝票判別手段により判別された前記伝票を搬送する伝票搬送路と、前記吸入部と前記通帳搬送路及び伝票搬送路との連通部近傍に設けられ、前記吸入部と前記通帳搬送路及び伝票搬送路のいずれか一方とを連通させるために前記通帳搬送路と伝票搬送路とを切替える搬送部切替え手段と、前記吸入部に隣接して設けられると共に前記通帳搬送路及び伝票搬送路に連通し、当該通帳搬送路及び伝票搬送路の奥側において印字処理した前記通帳及び伝票を排出する通帳伝票排出部と、を備えた構成とした(請求項1)。
【0008】
本発明の通帳伝票プリンタ装置によれば、吸入部に、通帳搬送路と伝票搬送路とが搬送部切替え手段により切替え可能に連通され、通帳搬送路の近傍に磁気ストライプ読取り/書込み装置が設けられており、又、吸入部と通帳伝票排出部が別々に構成されているので、搭載される磁気ストライプ読取り/書込み装置が1個でもオーバーラップ処理が可能となる。その結果、高額な磁気ストライプ読取り/書込み装置が従来の装置よりも少なくてすむので、コスト削減ができる。
又、吸入部に、通帳搬送路と伝票搬送路とが搬送部切替え手段により切替え可能に連通されていると共に、吸入部と通帳伝票排出部とが別々に構成されているので、例えば通帳搬送路に通帳が吸入され、その通帳が印字処理されている間に、伝票搬送路に伝票を吸入することができる。そして、上記通帳の印字処理終了後にその通帳を排出する一方で、伝票に印字処理を実行することができる。その結果、通帳搬送路と伝票搬送路とに吸入された通帳と伝票とが「待ち」の状態となることがなくなり、これにより、搬送路通帳及び伝票を、連続して取込みかつ処理するオーバーラップ処理での処理速度の向上を図れる。
【0009】
本発明において、前記吸入部を、上方への開口部を有しかつ装置の上部から内方に向けて形成すると共に前記開口部から挿入した通帳又は伝票を吸入する吸入搬送路に形成し、前記通帳伝票判別手段を、前記通帳又は伝票の送り方向と直交する方向の幅を検知する幅検知センサで構成し、前記通帳伝票排出部を、前記通帳搬送路から前記通帳を排出する通帳排出搬送路と、前記伝票搬送路から前記伝票を排出する伝票排出搬送路とで構成し、前記搬送部切替え手段を、吸入ゲート機構で構成すると共に、この吸入ゲート機構を切替えて、前記吸入搬送路と前記通帳搬送路、前記吸入搬送路と前記伝票搬送路、前記通帳搬送路と前記通帳排出搬送路、及び前記伝票搬送路と前記伝票排出搬送路とのいずれかを連通させる構成とし、前記通帳搬送路と前記伝票搬送路との終端を合流可能な構成とすると共に、これらの通帳搬送路又は伝票搬送路に連通され、前記通帳搬送路又は前記伝票搬送路に吸入された前記通帳又は前記伝票に印字処理する印字搬送路を前記終端から延出する方向に設け、前記通帳搬送路と前記伝票搬送路との合流部近傍に、当該通帳搬送路及び伝票搬送路のいずれかを前記印字搬送路に連通させる合流切替えゲート機構を設け、前記印字処理を、前記印字搬送路に設けた印字処理部により実行する構成としてもよい(請求項2)。
【0010】
このようにすると、吸入搬送路から吸入された通帳又は伝票が吸入ゲート機構で切替えられ、それぞれが、通帳搬送路又は伝票搬送路に吸入された後、合流切替えゲート機構により切替えられて、印字搬送路に設けた印字処理部により印字処理される。その後、通帳及び伝票は、それぞれが通帳排出口と伝票排出口とから排出される。その結果、通帳及び伝票の後端を揃えてゲート切替え位置まで搬送する必要がないため、処理速度の向上が図れる。
【0011】
本発明において、前記合流切替えゲート機構を、前記通帳搬送路と前記印字搬送路との連通部又は前記伝票搬送路と前記印字搬送路との連通部を遮蔽する開閉ゲートとこの開閉ゲートを回動自在に支持する支持軸とを含み構成してもよい(請求項3)。
【0012】
このため、これによると、開閉ゲートが支持軸により回動自在となっているので、簡単な構造で切替えることができる。
【0013】
本発明において、前記通帳搬送路の終端側に当該通帳搬送路と連通すると共に通帳搬送路内に吸入された前記通帳の先端部を退避可能とした退避搬送路を設けてもよい(請求項4)。
【0014】
このようにすると、通帳搬送路内に吸入された通帳の先端部を一端退避搬送路に退避させることができるので、通帳搬送路の長さを短くすることができる。その結果、通帳の搬送距離が短くてすみ、処理速度の向上を図れる。
【0015】
本発明において、前記退避搬送路を、前記通帳搬送路と並列して設けると共に、前記開閉ゲートが前記通帳搬送路と前記印字搬送路との連通部を遮蔽する方向に回動した際、その動きに追従し前記伝票搬送路から離れる方向に回動可能な構成としてもよい(請求項5)。
【0016】
このため、これによると、退避搬送路を開閉ゲートの動きに追従させればよいので、動きがフリーとなる構成とすればよく、その結果、退避搬送路を簡単な構成とすることができる。
【0017】
本発明において、前記通帳搬送路の始端側に当該通帳搬送路に吸入された前記通帳の後端位置を検知する通帳位置検知手段を設けると共に、前記伝票搬送路の始端側に当該伝票搬送路に吸入された前記伝票の後端位置を検知する伝票位置検知手段を設けた構成としてもよい(請求項6)。
【0018】
このようにすると、通帳位置検知手段により通帳搬送路に通帳が後端まで完全に吸入されたこと、伝票位置検知手段により伝票搬送路に伝票が後端まで完全に吸入されたことがそれぞれ検知されるので、搬送部切替え手段の切替え操作を安全に行うことができる。
【0019】
本発明において、前記印字搬送路の始端側に当該印字搬送路に吸入された前記通帳または伝票の後端位置を検知する印字位置検知手段を設けた構成としてもよい(請求項7)。
【0020】
このようにすると、印字位置検知手段により印字搬送路に通帳または伝票が後端まで完全に吸入されたことが検知されるので、合流切替え手段の切替え操作を安全に行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、コスト低減を図ることができると共に、通帳及び伝票を、連続して取込みかつ処理するオーバーラップ処理での処理速度の向上を図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図1〜4に基づいて、本発明の通帳伝票プリンタ装置10の一実施形態を説明する。
【0023】
図1には、上記実施形態の通帳伝票プリンタ装置10の概略構成が側面の縦断面図として示されている。
同図に示すように、通帳伝票プリンタ装置10の上部には、吸入部としての吸入搬送路11が設けられている。この吸入搬送路11は、上方が開口されると共に装置10の上面から斜め奥側下方に向かって所定距離延びた形状となっている。吸入搬送路11は、通帳50と伝票51(図5,10等参照)とをそれぞれ吸入し、かつ搬送できるような幅寸法と厚さ寸法に形成されている。
なお、通帳50は、開いた状態で、開き方向先端から挿入されるようになっている。
【0024】
吸入搬送路11の入り口寄りには、通帳伝票判別手段としての幅検知センサ12が設けられている。この幅検知センサ12は、吸入搬送路11に挿入されたものが、通帳50であるのか、あるいは伝票51であるのかを検知するものであり、それぞれの幅を検知することで両者50,51を判別できるようになっている。
なお、通帳50は、開き方向と直交する方向、すなわち送り方向と直交する方向の幅が検知されるようになっている。
【0025】
吸入搬送路11の先端は通帳搬送路13と伝票搬送路14とに連通されている。これらの通帳搬送路13と伝票搬送路14とは吸入搬送路11から分岐した後、並列状態で、それぞれが斜め奥側下方に向かって所定距離延びた後、合流部において各搬送路13,14の先端が互いに合流する構成とされている。
【0026】
そして、各搬送路13,14の先端が互いに合流する部位では、それぞれの搬送路13,14が、その奥側に設けられた印字搬送路15に連通可能となっており、後述する合流切替えゲート機構29を適宜切替えることで、通帳搬送路13と伝票搬送路14とのいずれかと、印字搬送路15とが連通するようになっている。
なお、印字搬送路15は、前記通帳搬送路13の略延長上に形成されている。
【0027】
通帳搬送路13と伝票搬送路14とには、前記吸入搬送路11との連通部近傍において、通帳伝票プリンタ装置10の上面側に開口する排出部16が連通可能に設けられ、この排出部16は、通帳排出搬送路17と伝票排出搬送路18とで構成されている。
又、これらの通帳排出搬送路17と伝票排出搬送路18とは、前記吸入搬送路11の先端とも連通している。
【0028】
前記吸入搬送路11と、通帳搬送路13、伝票搬送路14、通帳排出搬送路17及び伝票排出搬送路18との連通部近傍には、搬送部切替え手段としての吸入ゲート機構19が設けられている。
【0029】
この吸入ゲート機構19は、その詳細を図2〜4に示すように、第1切替え弁20、第2切替え弁21、第3切替え弁22を備えている。これらの第1〜第3切替え弁20〜21は、それぞれ第1カム23、第2カム24、第3カム25に連動する構成となっており、これらの第1〜第3カム23〜25を制御することによって切換えが行われるようになっている。
【0030】
第1切替え弁20は、図4に示すように、単独で吸入搬送路11の通帳搬送路13等への連通部を遮蔽すると共に、図2に示すように、第2切替え弁21と協働して吸入搬送路11と通帳搬送路13とを連通させることができるような形状に形成されている。
【0031】
第2切替え弁21は、図3に示すように、第1切替え弁20で通帳搬送路13等への連通部を遮蔽しない状態において、単独で通帳搬送路13の始端を遮蔽できると共に、図4に示すように、通帳搬送路13と通帳排出搬送路17とを連通させることができるような形状に形成されている。
【0032】
又、第3切替え弁22は、図2,4に示すように、伝票搬送路14と伝票排出搬送路18とを連通させることができ、かつ図3に示すように、第1切替え弁20と協働して吸入搬送路11と伝票搬送路14とを連通させることができるような形状に形成されている。
【0033】
そして、これらの各切替え弁20〜21を適宜切替えることにより、吸入搬送路11を通帳搬送路13あるいは伝票搬送路14に連通させることができ、又、通帳50あるいは伝票51の排出時に、通帳搬送路13と通帳排出搬送路18、あるいは伝票搬送路14と伝票排出搬送路18とを連通させることができる。
このように、前記吸入ゲート機構19は、3ポジションの切替えが可能になっている。又、各切替え弁20〜21の切替えは、前記幅検知センサ12により検知されて判別された情報に基づいて行われる。
【0034】
すなわち、吸入搬送路11に吸入されたものが幅検知センサ12により通帳50である、と判断されたときは、その情報に基づいて、図2に示すように、第1切替え弁20と第2切替え弁21とが制御され、これらの切替え弁20,21で、吸入搬送路11から伝票搬送路14、通帳排出搬送路17及び伝票排出搬送路18への通路を遮断することにより、吸入搬送路11と通帳搬送路13とが連通され、吸入搬送路11に吸入された通帳50が通帳搬送路13に搬送されるようになる。そして、この状態が通帳搬送ポジションとされる。
【0035】
又、吸入搬送路11に吸入されたものが幅検知センサ12により伝票51である、と判断されたときは、その情報に基づいて、図3に示すように、第1切替え弁20と第3切替え弁22とで、通帳排出搬送路17及び伝票排出搬送路18の入り口を遮断すると共に、第2切替え弁21により吸入搬送路11から通帳搬送路13への通路を遮断することで、伝票51が伝票搬送路14に搬送されるようになる。そして、この状態が伝票搬送ポジションとされる。
【0036】
更に、通帳51及び伝票51を排出する際は、図4に示すように、第1〜第3切替え弁20〜21を制御し、第1切替え弁20で吸入搬送路11から通帳搬送路13等への通路を遮断すると共に、第2切替え弁21で通帳搬送路13から伝票排出搬送路18への通路を遮断し、第3切替え弁22で伝票搬送路14から通帳排出搬送路17への通路を遮断することで、通帳50を通帳搬送路13から通帳排出搬送路17に搬送し、かつそこから排出させることができる。又、伝票51を、伝票搬送路14から伝票排出搬送路18に搬送し、かつそこから排出させることができる。
そして、前記図4の状態が排出ポジションとされる。
【0037】
図1に戻って、前記通帳搬送路13の吸入ゲート機構19側寄りには、吸入された通帳50の磁気ストライプの記録再生をする磁気ストライプ読取り/書込み装置としてのMSR/Wユニット26が配置されている。
【0038】
又、通帳搬送路13の先端側端部には、図5等にも示すように、通帳50の先端部を収容可能な退避搬送路27が設けられている。この退避搬送路27は、支持部材27Aを介して、後述する合流切替えゲート機構30の動きに追従して、図7等に示すように通帳搬送路13と並列した状態と、図5に示すように、伝票搬送路14から遠ざかる方向に回動可能な構成となっている。つまり、退避搬送路27は動きがフリーな構成となっている。そして、図5に示す状態となったとき、通帳搬送路13内の通帳50の先端が合流切替えゲート機構30の開閉ゲート31にガイドされて退避搬送路27に収納されるようになっている(図6参照)。
【0039】
通帳搬送路13におけるMSR/Wユニット26の吸入ゲート機構19側手前には通帳用位置センサ28が設けられている。この通帳用位置センサ28は、通帳搬送路13内に吸入された通帳50の後端位置を検知するものであり、これにより、通帳搬送路13内に通帳50がその後端まで完全に吸入されていることを確認することができる。
【0040】
伝票搬送路14における吸入ゲート機構19側手前には伝票用位置センサ29が設けられている。この伝票用位置センサ29は、伝票搬送路14内に搬送されてきた伝票51の後端位置を検知するものであり、これにより、伝票搬送路14内に伝票51がその後端まで完全に吸入されていることを確認することができる。
【0041】
上述のように、通帳搬送路13の始端側に当該通帳搬送路13に吸入された通帳50の後端位置を検知する通帳用位置センサ28が設けられ、また、伝票搬送路14の始端側に当該伝票搬送路14に吸入された伝票51の後端位置を検知する伝票用位置センサ29が設けられているので、通帳搬送路13に通帳50が後端まで完全に吸入されたこと、あるいは伝票搬送路14に伝票51が後端まで完全に吸入されたことをそれぞれ検知することができる。その結果、吸入ゲート機構19の切替え操作を安全に行うことができる。
【0042】
また、通帳搬送路13において、次に詳細を述べる合流切替えゲート機構30側寄りには、通帳搬送路13内に吸入された通帳50がその位置まで確実に吸入されているか否かを確認する通帳通過位置センサ35が設けられている。
更に、伝票搬送路14において、合流切替えゲート機構30側寄りには、伝票搬送路14内に吸入された伝票51がその位置まで確実に吸入されているか否かを確認する伝票通過位置センサ36が設けられている。
ただし、これらの通帳通過位置センサ35及び伝票通過位置センサ36は必ずしも設けなくてもよい。
【0043】
通帳搬送路13と伝票搬送路14とが合流する合流部近傍には、合流切替えゲート機構30が設けられている。この合流切替えゲート機構30は、図5等に示すように、断面略櫂状に形成された開閉ゲート31と、この開閉ゲート31を回動自在に支持する支持軸31とを備えて構成されている。
【0044】
開閉ゲート31は、通帳50及び伝票51の幅と略同じ、あるいはそれ以上の幅寸法に形成されている。そして、開閉ゲート31は、図5,6等に示すような退避搬送路27側と、図7に示すような伝票搬送路14側との間で回動し、通帳搬送路13と伝票搬送路14とを適宜開閉することで、通帳50、あるいは伝票51を、それぞれ通帳搬送路13、あるいは伝票搬送路14から、印字搬送路15に送り込むような構成となっている。
【0045】
ここで、開閉ゲート31が、図5,6等に示すように退避搬送路27側に回動されているとき、通帳搬送路13内に吸入されてきた通帳50の先端は、開閉ゲート31の先端で、印字搬送路15への搬送が遮蔽された状態となると共に、退避搬送路27に送り込まれた状態となる。このとき、図10に示すように、伝票搬送路14と印字搬送路15とが連通した状態となり、伝票51が伝票搬送路14から印字搬送路15へと送り込まれるようになっている。
【0046】
前記印字搬送路15において、合流切替えゲート機構30側には、通帳50及び伝票51に印字を実行する印字部としての印字ヘッド33が設けられている。
又、印字搬送路15において、印字ヘッド33の合流部側寄りには、印字用位置センサ34が設けられている。この印字用位置センサ34は、印字搬送路15に搬送されてくる通帳50、又は伝票51の先端位置を検知するものであり、これにより、印字搬送路15内に通帳50、又は伝票51が確実に吸入されていることを確認することができる。
【0047】
次に、以上のような構成の通帳伝票プリンタ装置10の動作を、図5〜8に基づいて説明する。なお、図5〜8は、通帳50の単発処理をする場合の動作順序を示したものである。
【0048】
まず、図5に示すように、吸入搬送路11に通帳50を挿入した場合、この通帳50は、幅検知センサ12により幅が検知されて通帳50と判断され、その情報に基づいて、吸入ゲート機構19により、通帳搬送路13と伝票搬送路14のうち通帳搬送路13側に切替えられ、吸入搬送路11と通帳搬送路13とが連通する。
この際、第1切替え弁20と第2切替え弁21とで、吸入搬送路11から伝票搬送路14への入り口が塞がれる結果、吸入搬送路11と通帳搬送路13とが連通される。
【0049】
次に、図6に示すように、吸入搬送路11から通帳搬送路13への切替えが終了すると、通帳50は、通帳用位置センサ28で位置を検出された後、通帳搬送路13の磁気ストライプの読み取り位置まで吸入され、磁気ストライプのデータをMSR/Wユニット26により読み取られる。このとき通帳50の先端は、退避搬送路27に退避している。
【0050】
その後、通帳13に印字処理するため、図7に示すように、通帳用位置センサ28により一旦排出方向に移動させて通帳50の先端を退避搬送路27から抜き出し、その後、合流切替えゲート機構30による切替え可能位置まで搬送し、合流切替えゲート機構30の開閉ゲート31を伝票搬送路14側に回動して、通帳搬送路13と印字搬送路15とを連通させ、伝票用位置センサ29により、通帳50を所定の位置まで搬送し、所定の印字処理が行われる。
なお、図7では第一印字位置が通帳の1行目を表しているが、2行目以降も順次送り込んで、印字処理が行われる。
【0051】
そして、印字処理が終了すると、図8に示すように、通帳搬送路13と印字搬送路15とを連通させた状態で、かつ吸入ゲート機構19により、吸入搬送路11を通帳搬送路13側に切替えた後、MSR/Wユニット26で通帳50の磁気ストライプに書き込み、引き続き、通帳排出搬送路17を経由させて排出する。
【0052】
以上の説明は、通帳50の挿入から排出までであったが、伝票51の場合も、基本的には通帳50と同様である。
すなわち、吸入搬送路11に伝票51を挿入した場合、この伝票51は、幅検知センサ12により幅が検知されて伝票51と判断され、その情報により、吸入ゲート機構19を切替え、吸入搬送路11と伝票搬送路14とが連通される。そして、伝票搬送路14では、吸入した伝票51を、伝票用位置センサ29により、伝票51の後端が、吸入ゲート機構19が切替えられる位置まで搬送され、その位置で停止される。
【0053】
次いで、伝票51の印字処理をするため、合流切替えゲート機構30の操作により、伝票搬送路14と印字搬送路15とを連通させると共に、伝票用位置センサ29により伝票51を所定の位置まで搬送し、印字ヘッド33で印字処理を行う。
伝票51への印字処理が終了すると、吸入ゲート機構19の第3切替え弁22を操作して、伝票搬送路14と伝票排出搬送路18とを連通させ、印字処理済の伝票51を伝票排出搬送路18から完全排出する。
【0054】
次に、図9〜13に基づいて、通帳50と伝票51の連続処理をする場合の動作を説明する。
【0055】
まず、図9に示すように、吸入搬送路11に通帳50が挿入された場合、幅検知センサ12により通帳50と判断され、その情報に基づいて吸入ゲート機構19の第1、第2切替え弁20,21を操作して、通帳搬送路13側に切替え(図2も参照)、吸入搬送路11と通帳搬送路13とを連通させる。
【0056】
通帳搬送路13への切替えが終了すると、図10に示すように、通帳50は、通帳搬送路13の磁気ストライプの読み取り位置まで吸入され、その位置で、通帳50の磁気ストライプのデータがMSR/Wユニット26により読み取られる。
このとき、合流切替えゲート機構30の開閉ゲート31が退避搬送路27側に回動しており、通帳搬送路13と印字搬送路15とは遮蔽しているので、通帳50の先端は、開閉ゲート31に押しやられ、退避搬送路27に退避している状態である。
【0057】
通帳50が通帳搬送路13内に収容された状態で、次に、伝票51を吸入搬送路11に挿入すると、幅検知センサ12により伝票51と判断され、その情報に基づいて、吸入ゲート機構19の第1〜第3切替え弁20〜21を操作して、伝票搬送路14側に切替えられる。そして、伝票搬送路14では、図10に示すように、伝票51を吸入し、吸入ゲート機構19を切替えることができるような位置まで、すなわち、伝票用位置センサ29により伝票51の後端を検知することができる位置まで搬送され停止する。
【0058】
その後、図11に示すように、通帳50と伝票51とに印字処理するため、まず、通帳50が通帳搬送路13から印字搬送路15内の所定の位置まで印字用位置センサ34により搬送され、印字ヘッド33で所定の印字が実行される。
通帳50への印字処理が終了すると、図12に示すように、その通帳50は排出方向に移動され、MSR/Wユニット26で通帳50の磁気ストライプに書き込んでから、通帳排出搬送路17を経由して排出される。
【0059】
引き続き伝票51の印字処理をするため、図12に示すように、合流切替えゲート機構30の開閉ゲート31を退避搬送路27側に回動させて伝票搬送路14を印字搬送路15に連通させ、伝票搬送路14内に収容されている伝票51が、印字用位置センサ34で印字搬送路15内の所定の位置まで搬送され、印字ヘッド32によって所定の印字処理が行われる。
【0060】
次に、伝票51への印字処理が終了すると、図13に示すように、その伝票51は排出方向に移動され、伝票排出搬送路18を経由して完全排出される。
【0061】
なお、上記に説明した通帳50と伝票51の同時処理で、通帳50の排出後に、再度通帳50が吸入搬送路11に挿入された場合、吸入ゲート機構19を通帳搬送路13側に切替えることができる。
このとき、伝票51が吸入ゲート機構19の内部にある場合があるが、この場合は、吸入ゲート機構19の伝票排出側に切替える切替え弁が動かないように制御することで通帳搬送路13側に切替えることが出来る。
【0062】
本実施形態の通帳伝票プリンタ装置10は、以上のように構成され、作動するので、次のような効果を得ることができる。
(1)吸入搬送路11に、通帳搬送路13と伝票搬送路14とが吸入ゲート機構19により切替え可能に連通され、通帳搬送路13の近傍にMSR/Wユニット26が設けられており、又、吸入搬送路11と通帳搬送路13が別々に構成されているので、搭載されるMSR/Wユニット26が1個でもオーバーラップ処理が可能となる。その結果、高額なMSR/Wユニット26が従来の装置よりも少なくてすむので、コスト削減ができる。
【0063】
(2)吸入搬送路11に、通帳搬送路13と伝票搬送路14とが吸入ゲート機構19により切替え可能に連通されていると共に、吸入搬送路11と通帳排出搬送路17等とが別々に構成されているので、例えば通帳搬送路13に通帳50が吸入され、その通帳50が印字処理されている間に、伝票搬送路18に伝票51を吸入することができる。そして、通帳50の印字処理終了後にその通帳50を排出する一方で、伝票51に印字処理を実行することができる。その結果、通帳搬送路13と伝票搬送路14とに吸入された通帳50と伝票51とが「待ち」の状態となることがなくなり、これにより、通帳50及び伝票51を、連続して取込みかつ処理するオーバーラップ処理での処理速度の向上を図れる。
【0064】
(3)通帳伝票排出部16が、通帳排出口17と伝票排出口18とに分けられており、通帳50や伝票51の後端を同一の排出口に切替える必要がないため、処理速度が向上する。
【0065】
(4)合流切替えゲート機構30を、通帳搬送路13と印字搬送路15との連通部、又は伝票搬送路14と印字搬送路15との連通部を遮蔽する開閉ゲート31とこの開閉ゲート31を回動自在に支持する支持軸32とを含み構成としたので、簡単な構造で切替えることができる。
【0066】
(5)通帳搬送路13の終端側に当該通帳搬送路13と連通すると共に通帳搬送路13内に吸入された通帳50の先端部を退避可能とした退避搬送路27が設けられているので、通帳搬送路13内に吸入された通帳50の先端部を一端退避搬送路27に退避させることができる。その結果、通帳搬送路13の長さを短くすることができるので、通帳50の搬送距離が短くてすみ、処理速度の向上を図れる。
【0067】
(6)退避搬送路27が通帳搬送路13と並列して設けられており、この退避搬送路27は、開閉ゲート31が通帳搬送路13と印字搬送路15との連通部を遮蔽する方向に回動した際、その動きに追従し伝票搬送路14から離れる方向に回動可能となっているので、動きがフリーとなる構成とすればよく、その結果、退避搬送路27を簡単な構成とすることができる。
【0068】
(7)通帳搬送路13の始端側に当該通帳搬送路13に吸入された通帳50の後端位置を検知する通帳用位置センサ28が設けられ、また、伝票搬送路14の始端側に当該伝票搬送路14に吸入された伝票51の後端位置を検知する伝票用位置センサ29が設けられているので、通帳搬送路13に通帳50が後端まで完全に吸入されたこと、あるいは伝票搬送路14に伝票51が後端まで完全に吸入されたことをそれぞれ検知することができる。その結果、吸入ゲート機構19の切替え操作を安全に行うことができる。
【0069】
(8)印字搬送路15の始端側に当該印字搬送路15に吸入された通帳50または伝票51の後端位置を検知する印字位置センサ34が設けられているので、印字搬送路15に通帳50または伝票51が後端まで完全に吸入されたことを検知することができる。その結果、合流切替えゲート機構30の切替え操作を安全に行うことができる。
【0070】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、通帳搬送路13に退避搬送路27を設けてあるが、この退避搬送路27は必ずしも設けなくてもよい。この場合、通帳伝票プリンタ装置10の全長を若干長く形成することで、通帳50を退避搬送路27に退避する必要がなくなるので、印字のために、排出方向に搬送する必要がなくなる。その結果、処理速度の向上を図ることができるという効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の本発明は、銀行や農協などの金融機関などに使用される通帳伝票プリンタ装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の通帳伝票プリンタ装置の一実施形態を示す側面の縦断面図である。
【図2】前記実施形態のゲート機構の一態様を示す縦断面図である。
【図3】前記実施形態のゲート機構の他の態様を示す縦断面図である。
【図4】前記実施形態のゲート機構の更に他の態様を示す縦断面図である。
【図5】前記実施形態における通帳の単発処理の手順を示し、吸入搬送路に通帳が吸入された状態を示す縦断面図である。
【図6】前記実施形態における通帳の単発処理の手順を示し、通帳搬送路に通帳が吸入された状態を示す縦断面図である。
【図7】前記実施形態における通帳の単発処理の手順を示し、印字搬送路において通帳に印字処理が施工されている状態を示す縦断面図である。
【図8】前記実施形態における通帳の単発処理の手順を示し、印字処理済の通帳が排出される状態を示す縦断面図である。
【図9】前記実施形態における通帳と伝票との連続処理の手順を示し、吸入搬送路に通帳が吸入された状態を示す縦断面図である。
【図10】前記実施形態における通帳と伝票との連続処理の手順を示し、伝票搬送路から印字搬送路に伝票が送られ印字処理が施工されている状態を示す縦断面図である。
【図11】前記実施形態における通帳と伝票との連続処理の手順を示し、通帳に印字施工されると共に印字処理済の伝票が排出される状態を示す縦断面図である。
【図12】前記実施形態における通帳と伝票との連続処理の手順を示し、印字処理済の伝票が排出されると共に次の伝票の処理が行われる状態を示す縦断面図である。
【図13】前記実施形態における通帳と伝票との連続処理の手順を示し、最後の印字処理済の伝票が排出される状態を示す縦断面図である。
【図14】従来の通帳伝票プリンタ装置を示す側面の縦断面図である。
【符号の説明】
【0073】
10 通帳伝票プリンタ装置
11 吸入搬送路
12 通帳伝票判別手段としての幅検知センサ
13 通帳搬送路
14 伝票搬送路
15 印字搬送路
16 通帳伝票排出部
17 通帳伝票排出部を構成する通帳排出搬送路
18 通帳伝票排出部を構成する伝票排出搬送路
19 搬送部切替え手段としての吸入ゲート機構
26 磁気ストライプ読取り/書込み装置としてのMSR/Wユニット
50 通帳
51 伝票
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行や農協などの金融機関で使用される通帳伝票プリンタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通帳を連続して取り込み処理するオーバーラップ処理可能な通帳プリンタ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図14に示すように、上記特許文献1に開示された通帳プリンタ装置100は、通帳を同時に取り込んで処理するオーバーラップ処理を行う場合、下段口101より通帳を挿入し、装置内部のMSR/Wユニット103で通帳の磁気ストライプを読み取り、所要の印字をした後、上段口102の磁気ストライプにて記録し、最後に排出するように構成されている。
【0003】
すなわち、通帳プリンタ装置100は、通帳吸入用のフロントインサータが上記下段口101となって設けられ、このフロントインサータ101の上方に通帳返却用のフロントディスペンサが上記上段口102となって設けられている。
フロントインサータ101の奥端には可動搬送路104が、その奥端104Aを支点として、前端104Bがフロントインサータ101とフロントディスペンサ102との間を往復回動できるように構成されている。
通帳は、フロントインサータ101から吸入され、可動搬送路104を搬送されて印字機構部105に到達し、その印字機構部105の印字ヘッド106で所定の印字処理を行った後、フロントディスペンサ102側に回動されている可動搬送路104を経由してフロントディスペンサ102から返却される。この際にも、フロントディスペンサ102側に配置されたMSR/Wユニット107で通帳に記録されるようになっている。
以上のように、通帳プリンタ装置100は、上下段にそれぞれMSR/Wユニット103,107を備えて構成されている。
【0004】
【特許文献1】特開昭62-292468号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示された通帳プリンタ装置100では、下段口101が通帳吸入用のフロントインサータとして、又、上段口102が通帳返却用のフロントディスペンサとして設けられ、下段口101と上段口102のそれぞれにMSR/Wユニット103,107を配置する必要があるため、コストアップの要因となっていた。
又、通帳を返却する際にその通帳の後端を上段口102に切替える必要があるため、ゲート切替え可能位置まで、すなわち可動搬送路104の奥端104Aを越える位置まで搬送しなければならない。可動搬送路104は、通帳を印字機構部105に移送させなければならないため、開いた通帳の長さ以上でなければならない。その結果、フロントインサータ101から印字機構部105までの距離が長くなり、処理速度の低下を招いていた。
更に、可動搬送路104は、通帳吸入用のフロントインサータ101と通帳返却用のフロントディスペンサ102とのいずれかと連通した状態でしか使用できないため、可動搬送路104内に媒体である通帳が入っている場合は、通帳吸入用のフロントインサータ101と通帳返却用のフロントディスペンサ102のうち、どちらか一方は使用できない。その結果、使用されていない方が「待ち」の状態となるので、その分、処理速度が低下するという課題がある。
【0006】
[発明の目的]
このため、本発明では、前記従来例の不都合を改善し、コスト低減を図ることができると共に、通帳及び伝票を、連続して取込みかつ処理するオーバーラップ処理での処理速度の向上を図れる通帳伝票プリンタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る通帳伝票プリンタ装置を、挿入された通帳又は伝票を吸入する吸入部と、この吸入部の入り口寄りに設けられ当該吸入部に挿入された前記通帳又は伝票の幅を検知し両者を判別する通帳伝票判別手段と、前記吸入部と連通すると共に前記通帳伝票判別手段により判別された前記通帳を搬送する通帳搬送路と、この通帳搬送路の近傍に設けられ当該通帳搬送路に吸入された前記通帳の磁気ストライプの記録再生を実施する磁気ストライプ読取り/書込み装置と、前記吸入部と連通すると共に前記通帳伝票判別手段により判別された前記伝票を搬送する伝票搬送路と、前記吸入部と前記通帳搬送路及び伝票搬送路との連通部近傍に設けられ、前記吸入部と前記通帳搬送路及び伝票搬送路のいずれか一方とを連通させるために前記通帳搬送路と伝票搬送路とを切替える搬送部切替え手段と、前記吸入部に隣接して設けられると共に前記通帳搬送路及び伝票搬送路に連通し、当該通帳搬送路及び伝票搬送路の奥側において印字処理した前記通帳及び伝票を排出する通帳伝票排出部と、を備えた構成とした(請求項1)。
【0008】
本発明の通帳伝票プリンタ装置によれば、吸入部に、通帳搬送路と伝票搬送路とが搬送部切替え手段により切替え可能に連通され、通帳搬送路の近傍に磁気ストライプ読取り/書込み装置が設けられており、又、吸入部と通帳伝票排出部が別々に構成されているので、搭載される磁気ストライプ読取り/書込み装置が1個でもオーバーラップ処理が可能となる。その結果、高額な磁気ストライプ読取り/書込み装置が従来の装置よりも少なくてすむので、コスト削減ができる。
又、吸入部に、通帳搬送路と伝票搬送路とが搬送部切替え手段により切替え可能に連通されていると共に、吸入部と通帳伝票排出部とが別々に構成されているので、例えば通帳搬送路に通帳が吸入され、その通帳が印字処理されている間に、伝票搬送路に伝票を吸入することができる。そして、上記通帳の印字処理終了後にその通帳を排出する一方で、伝票に印字処理を実行することができる。その結果、通帳搬送路と伝票搬送路とに吸入された通帳と伝票とが「待ち」の状態となることがなくなり、これにより、搬送路通帳及び伝票を、連続して取込みかつ処理するオーバーラップ処理での処理速度の向上を図れる。
【0009】
本発明において、前記吸入部を、上方への開口部を有しかつ装置の上部から内方に向けて形成すると共に前記開口部から挿入した通帳又は伝票を吸入する吸入搬送路に形成し、前記通帳伝票判別手段を、前記通帳又は伝票の送り方向と直交する方向の幅を検知する幅検知センサで構成し、前記通帳伝票排出部を、前記通帳搬送路から前記通帳を排出する通帳排出搬送路と、前記伝票搬送路から前記伝票を排出する伝票排出搬送路とで構成し、前記搬送部切替え手段を、吸入ゲート機構で構成すると共に、この吸入ゲート機構を切替えて、前記吸入搬送路と前記通帳搬送路、前記吸入搬送路と前記伝票搬送路、前記通帳搬送路と前記通帳排出搬送路、及び前記伝票搬送路と前記伝票排出搬送路とのいずれかを連通させる構成とし、前記通帳搬送路と前記伝票搬送路との終端を合流可能な構成とすると共に、これらの通帳搬送路又は伝票搬送路に連通され、前記通帳搬送路又は前記伝票搬送路に吸入された前記通帳又は前記伝票に印字処理する印字搬送路を前記終端から延出する方向に設け、前記通帳搬送路と前記伝票搬送路との合流部近傍に、当該通帳搬送路及び伝票搬送路のいずれかを前記印字搬送路に連通させる合流切替えゲート機構を設け、前記印字処理を、前記印字搬送路に設けた印字処理部により実行する構成としてもよい(請求項2)。
【0010】
このようにすると、吸入搬送路から吸入された通帳又は伝票が吸入ゲート機構で切替えられ、それぞれが、通帳搬送路又は伝票搬送路に吸入された後、合流切替えゲート機構により切替えられて、印字搬送路に設けた印字処理部により印字処理される。その後、通帳及び伝票は、それぞれが通帳排出口と伝票排出口とから排出される。その結果、通帳及び伝票の後端を揃えてゲート切替え位置まで搬送する必要がないため、処理速度の向上が図れる。
【0011】
本発明において、前記合流切替えゲート機構を、前記通帳搬送路と前記印字搬送路との連通部又は前記伝票搬送路と前記印字搬送路との連通部を遮蔽する開閉ゲートとこの開閉ゲートを回動自在に支持する支持軸とを含み構成してもよい(請求項3)。
【0012】
このため、これによると、開閉ゲートが支持軸により回動自在となっているので、簡単な構造で切替えることができる。
【0013】
本発明において、前記通帳搬送路の終端側に当該通帳搬送路と連通すると共に通帳搬送路内に吸入された前記通帳の先端部を退避可能とした退避搬送路を設けてもよい(請求項4)。
【0014】
このようにすると、通帳搬送路内に吸入された通帳の先端部を一端退避搬送路に退避させることができるので、通帳搬送路の長さを短くすることができる。その結果、通帳の搬送距離が短くてすみ、処理速度の向上を図れる。
【0015】
本発明において、前記退避搬送路を、前記通帳搬送路と並列して設けると共に、前記開閉ゲートが前記通帳搬送路と前記印字搬送路との連通部を遮蔽する方向に回動した際、その動きに追従し前記伝票搬送路から離れる方向に回動可能な構成としてもよい(請求項5)。
【0016】
このため、これによると、退避搬送路を開閉ゲートの動きに追従させればよいので、動きがフリーとなる構成とすればよく、その結果、退避搬送路を簡単な構成とすることができる。
【0017】
本発明において、前記通帳搬送路の始端側に当該通帳搬送路に吸入された前記通帳の後端位置を検知する通帳位置検知手段を設けると共に、前記伝票搬送路の始端側に当該伝票搬送路に吸入された前記伝票の後端位置を検知する伝票位置検知手段を設けた構成としてもよい(請求項6)。
【0018】
このようにすると、通帳位置検知手段により通帳搬送路に通帳が後端まで完全に吸入されたこと、伝票位置検知手段により伝票搬送路に伝票が後端まで完全に吸入されたことがそれぞれ検知されるので、搬送部切替え手段の切替え操作を安全に行うことができる。
【0019】
本発明において、前記印字搬送路の始端側に当該印字搬送路に吸入された前記通帳または伝票の後端位置を検知する印字位置検知手段を設けた構成としてもよい(請求項7)。
【0020】
このようにすると、印字位置検知手段により印字搬送路に通帳または伝票が後端まで完全に吸入されたことが検知されるので、合流切替え手段の切替え操作を安全に行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、コスト低減を図ることができると共に、通帳及び伝票を、連続して取込みかつ処理するオーバーラップ処理での処理速度の向上を図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図1〜4に基づいて、本発明の通帳伝票プリンタ装置10の一実施形態を説明する。
【0023】
図1には、上記実施形態の通帳伝票プリンタ装置10の概略構成が側面の縦断面図として示されている。
同図に示すように、通帳伝票プリンタ装置10の上部には、吸入部としての吸入搬送路11が設けられている。この吸入搬送路11は、上方が開口されると共に装置10の上面から斜め奥側下方に向かって所定距離延びた形状となっている。吸入搬送路11は、通帳50と伝票51(図5,10等参照)とをそれぞれ吸入し、かつ搬送できるような幅寸法と厚さ寸法に形成されている。
なお、通帳50は、開いた状態で、開き方向先端から挿入されるようになっている。
【0024】
吸入搬送路11の入り口寄りには、通帳伝票判別手段としての幅検知センサ12が設けられている。この幅検知センサ12は、吸入搬送路11に挿入されたものが、通帳50であるのか、あるいは伝票51であるのかを検知するものであり、それぞれの幅を検知することで両者50,51を判別できるようになっている。
なお、通帳50は、開き方向と直交する方向、すなわち送り方向と直交する方向の幅が検知されるようになっている。
【0025】
吸入搬送路11の先端は通帳搬送路13と伝票搬送路14とに連通されている。これらの通帳搬送路13と伝票搬送路14とは吸入搬送路11から分岐した後、並列状態で、それぞれが斜め奥側下方に向かって所定距離延びた後、合流部において各搬送路13,14の先端が互いに合流する構成とされている。
【0026】
そして、各搬送路13,14の先端が互いに合流する部位では、それぞれの搬送路13,14が、その奥側に設けられた印字搬送路15に連通可能となっており、後述する合流切替えゲート機構29を適宜切替えることで、通帳搬送路13と伝票搬送路14とのいずれかと、印字搬送路15とが連通するようになっている。
なお、印字搬送路15は、前記通帳搬送路13の略延長上に形成されている。
【0027】
通帳搬送路13と伝票搬送路14とには、前記吸入搬送路11との連通部近傍において、通帳伝票プリンタ装置10の上面側に開口する排出部16が連通可能に設けられ、この排出部16は、通帳排出搬送路17と伝票排出搬送路18とで構成されている。
又、これらの通帳排出搬送路17と伝票排出搬送路18とは、前記吸入搬送路11の先端とも連通している。
【0028】
前記吸入搬送路11と、通帳搬送路13、伝票搬送路14、通帳排出搬送路17及び伝票排出搬送路18との連通部近傍には、搬送部切替え手段としての吸入ゲート機構19が設けられている。
【0029】
この吸入ゲート機構19は、その詳細を図2〜4に示すように、第1切替え弁20、第2切替え弁21、第3切替え弁22を備えている。これらの第1〜第3切替え弁20〜21は、それぞれ第1カム23、第2カム24、第3カム25に連動する構成となっており、これらの第1〜第3カム23〜25を制御することによって切換えが行われるようになっている。
【0030】
第1切替え弁20は、図4に示すように、単独で吸入搬送路11の通帳搬送路13等への連通部を遮蔽すると共に、図2に示すように、第2切替え弁21と協働して吸入搬送路11と通帳搬送路13とを連通させることができるような形状に形成されている。
【0031】
第2切替え弁21は、図3に示すように、第1切替え弁20で通帳搬送路13等への連通部を遮蔽しない状態において、単独で通帳搬送路13の始端を遮蔽できると共に、図4に示すように、通帳搬送路13と通帳排出搬送路17とを連通させることができるような形状に形成されている。
【0032】
又、第3切替え弁22は、図2,4に示すように、伝票搬送路14と伝票排出搬送路18とを連通させることができ、かつ図3に示すように、第1切替え弁20と協働して吸入搬送路11と伝票搬送路14とを連通させることができるような形状に形成されている。
【0033】
そして、これらの各切替え弁20〜21を適宜切替えることにより、吸入搬送路11を通帳搬送路13あるいは伝票搬送路14に連通させることができ、又、通帳50あるいは伝票51の排出時に、通帳搬送路13と通帳排出搬送路18、あるいは伝票搬送路14と伝票排出搬送路18とを連通させることができる。
このように、前記吸入ゲート機構19は、3ポジションの切替えが可能になっている。又、各切替え弁20〜21の切替えは、前記幅検知センサ12により検知されて判別された情報に基づいて行われる。
【0034】
すなわち、吸入搬送路11に吸入されたものが幅検知センサ12により通帳50である、と判断されたときは、その情報に基づいて、図2に示すように、第1切替え弁20と第2切替え弁21とが制御され、これらの切替え弁20,21で、吸入搬送路11から伝票搬送路14、通帳排出搬送路17及び伝票排出搬送路18への通路を遮断することにより、吸入搬送路11と通帳搬送路13とが連通され、吸入搬送路11に吸入された通帳50が通帳搬送路13に搬送されるようになる。そして、この状態が通帳搬送ポジションとされる。
【0035】
又、吸入搬送路11に吸入されたものが幅検知センサ12により伝票51である、と判断されたときは、その情報に基づいて、図3に示すように、第1切替え弁20と第3切替え弁22とで、通帳排出搬送路17及び伝票排出搬送路18の入り口を遮断すると共に、第2切替え弁21により吸入搬送路11から通帳搬送路13への通路を遮断することで、伝票51が伝票搬送路14に搬送されるようになる。そして、この状態が伝票搬送ポジションとされる。
【0036】
更に、通帳51及び伝票51を排出する際は、図4に示すように、第1〜第3切替え弁20〜21を制御し、第1切替え弁20で吸入搬送路11から通帳搬送路13等への通路を遮断すると共に、第2切替え弁21で通帳搬送路13から伝票排出搬送路18への通路を遮断し、第3切替え弁22で伝票搬送路14から通帳排出搬送路17への通路を遮断することで、通帳50を通帳搬送路13から通帳排出搬送路17に搬送し、かつそこから排出させることができる。又、伝票51を、伝票搬送路14から伝票排出搬送路18に搬送し、かつそこから排出させることができる。
そして、前記図4の状態が排出ポジションとされる。
【0037】
図1に戻って、前記通帳搬送路13の吸入ゲート機構19側寄りには、吸入された通帳50の磁気ストライプの記録再生をする磁気ストライプ読取り/書込み装置としてのMSR/Wユニット26が配置されている。
【0038】
又、通帳搬送路13の先端側端部には、図5等にも示すように、通帳50の先端部を収容可能な退避搬送路27が設けられている。この退避搬送路27は、支持部材27Aを介して、後述する合流切替えゲート機構30の動きに追従して、図7等に示すように通帳搬送路13と並列した状態と、図5に示すように、伝票搬送路14から遠ざかる方向に回動可能な構成となっている。つまり、退避搬送路27は動きがフリーな構成となっている。そして、図5に示す状態となったとき、通帳搬送路13内の通帳50の先端が合流切替えゲート機構30の開閉ゲート31にガイドされて退避搬送路27に収納されるようになっている(図6参照)。
【0039】
通帳搬送路13におけるMSR/Wユニット26の吸入ゲート機構19側手前には通帳用位置センサ28が設けられている。この通帳用位置センサ28は、通帳搬送路13内に吸入された通帳50の後端位置を検知するものであり、これにより、通帳搬送路13内に通帳50がその後端まで完全に吸入されていることを確認することができる。
【0040】
伝票搬送路14における吸入ゲート機構19側手前には伝票用位置センサ29が設けられている。この伝票用位置センサ29は、伝票搬送路14内に搬送されてきた伝票51の後端位置を検知するものであり、これにより、伝票搬送路14内に伝票51がその後端まで完全に吸入されていることを確認することができる。
【0041】
上述のように、通帳搬送路13の始端側に当該通帳搬送路13に吸入された通帳50の後端位置を検知する通帳用位置センサ28が設けられ、また、伝票搬送路14の始端側に当該伝票搬送路14に吸入された伝票51の後端位置を検知する伝票用位置センサ29が設けられているので、通帳搬送路13に通帳50が後端まで完全に吸入されたこと、あるいは伝票搬送路14に伝票51が後端まで完全に吸入されたことをそれぞれ検知することができる。その結果、吸入ゲート機構19の切替え操作を安全に行うことができる。
【0042】
また、通帳搬送路13において、次に詳細を述べる合流切替えゲート機構30側寄りには、通帳搬送路13内に吸入された通帳50がその位置まで確実に吸入されているか否かを確認する通帳通過位置センサ35が設けられている。
更に、伝票搬送路14において、合流切替えゲート機構30側寄りには、伝票搬送路14内に吸入された伝票51がその位置まで確実に吸入されているか否かを確認する伝票通過位置センサ36が設けられている。
ただし、これらの通帳通過位置センサ35及び伝票通過位置センサ36は必ずしも設けなくてもよい。
【0043】
通帳搬送路13と伝票搬送路14とが合流する合流部近傍には、合流切替えゲート機構30が設けられている。この合流切替えゲート機構30は、図5等に示すように、断面略櫂状に形成された開閉ゲート31と、この開閉ゲート31を回動自在に支持する支持軸31とを備えて構成されている。
【0044】
開閉ゲート31は、通帳50及び伝票51の幅と略同じ、あるいはそれ以上の幅寸法に形成されている。そして、開閉ゲート31は、図5,6等に示すような退避搬送路27側と、図7に示すような伝票搬送路14側との間で回動し、通帳搬送路13と伝票搬送路14とを適宜開閉することで、通帳50、あるいは伝票51を、それぞれ通帳搬送路13、あるいは伝票搬送路14から、印字搬送路15に送り込むような構成となっている。
【0045】
ここで、開閉ゲート31が、図5,6等に示すように退避搬送路27側に回動されているとき、通帳搬送路13内に吸入されてきた通帳50の先端は、開閉ゲート31の先端で、印字搬送路15への搬送が遮蔽された状態となると共に、退避搬送路27に送り込まれた状態となる。このとき、図10に示すように、伝票搬送路14と印字搬送路15とが連通した状態となり、伝票51が伝票搬送路14から印字搬送路15へと送り込まれるようになっている。
【0046】
前記印字搬送路15において、合流切替えゲート機構30側には、通帳50及び伝票51に印字を実行する印字部としての印字ヘッド33が設けられている。
又、印字搬送路15において、印字ヘッド33の合流部側寄りには、印字用位置センサ34が設けられている。この印字用位置センサ34は、印字搬送路15に搬送されてくる通帳50、又は伝票51の先端位置を検知するものであり、これにより、印字搬送路15内に通帳50、又は伝票51が確実に吸入されていることを確認することができる。
【0047】
次に、以上のような構成の通帳伝票プリンタ装置10の動作を、図5〜8に基づいて説明する。なお、図5〜8は、通帳50の単発処理をする場合の動作順序を示したものである。
【0048】
まず、図5に示すように、吸入搬送路11に通帳50を挿入した場合、この通帳50は、幅検知センサ12により幅が検知されて通帳50と判断され、その情報に基づいて、吸入ゲート機構19により、通帳搬送路13と伝票搬送路14のうち通帳搬送路13側に切替えられ、吸入搬送路11と通帳搬送路13とが連通する。
この際、第1切替え弁20と第2切替え弁21とで、吸入搬送路11から伝票搬送路14への入り口が塞がれる結果、吸入搬送路11と通帳搬送路13とが連通される。
【0049】
次に、図6に示すように、吸入搬送路11から通帳搬送路13への切替えが終了すると、通帳50は、通帳用位置センサ28で位置を検出された後、通帳搬送路13の磁気ストライプの読み取り位置まで吸入され、磁気ストライプのデータをMSR/Wユニット26により読み取られる。このとき通帳50の先端は、退避搬送路27に退避している。
【0050】
その後、通帳13に印字処理するため、図7に示すように、通帳用位置センサ28により一旦排出方向に移動させて通帳50の先端を退避搬送路27から抜き出し、その後、合流切替えゲート機構30による切替え可能位置まで搬送し、合流切替えゲート機構30の開閉ゲート31を伝票搬送路14側に回動して、通帳搬送路13と印字搬送路15とを連通させ、伝票用位置センサ29により、通帳50を所定の位置まで搬送し、所定の印字処理が行われる。
なお、図7では第一印字位置が通帳の1行目を表しているが、2行目以降も順次送り込んで、印字処理が行われる。
【0051】
そして、印字処理が終了すると、図8に示すように、通帳搬送路13と印字搬送路15とを連通させた状態で、かつ吸入ゲート機構19により、吸入搬送路11を通帳搬送路13側に切替えた後、MSR/Wユニット26で通帳50の磁気ストライプに書き込み、引き続き、通帳排出搬送路17を経由させて排出する。
【0052】
以上の説明は、通帳50の挿入から排出までであったが、伝票51の場合も、基本的には通帳50と同様である。
すなわち、吸入搬送路11に伝票51を挿入した場合、この伝票51は、幅検知センサ12により幅が検知されて伝票51と判断され、その情報により、吸入ゲート機構19を切替え、吸入搬送路11と伝票搬送路14とが連通される。そして、伝票搬送路14では、吸入した伝票51を、伝票用位置センサ29により、伝票51の後端が、吸入ゲート機構19が切替えられる位置まで搬送され、その位置で停止される。
【0053】
次いで、伝票51の印字処理をするため、合流切替えゲート機構30の操作により、伝票搬送路14と印字搬送路15とを連通させると共に、伝票用位置センサ29により伝票51を所定の位置まで搬送し、印字ヘッド33で印字処理を行う。
伝票51への印字処理が終了すると、吸入ゲート機構19の第3切替え弁22を操作して、伝票搬送路14と伝票排出搬送路18とを連通させ、印字処理済の伝票51を伝票排出搬送路18から完全排出する。
【0054】
次に、図9〜13に基づいて、通帳50と伝票51の連続処理をする場合の動作を説明する。
【0055】
まず、図9に示すように、吸入搬送路11に通帳50が挿入された場合、幅検知センサ12により通帳50と判断され、その情報に基づいて吸入ゲート機構19の第1、第2切替え弁20,21を操作して、通帳搬送路13側に切替え(図2も参照)、吸入搬送路11と通帳搬送路13とを連通させる。
【0056】
通帳搬送路13への切替えが終了すると、図10に示すように、通帳50は、通帳搬送路13の磁気ストライプの読み取り位置まで吸入され、その位置で、通帳50の磁気ストライプのデータがMSR/Wユニット26により読み取られる。
このとき、合流切替えゲート機構30の開閉ゲート31が退避搬送路27側に回動しており、通帳搬送路13と印字搬送路15とは遮蔽しているので、通帳50の先端は、開閉ゲート31に押しやられ、退避搬送路27に退避している状態である。
【0057】
通帳50が通帳搬送路13内に収容された状態で、次に、伝票51を吸入搬送路11に挿入すると、幅検知センサ12により伝票51と判断され、その情報に基づいて、吸入ゲート機構19の第1〜第3切替え弁20〜21を操作して、伝票搬送路14側に切替えられる。そして、伝票搬送路14では、図10に示すように、伝票51を吸入し、吸入ゲート機構19を切替えることができるような位置まで、すなわち、伝票用位置センサ29により伝票51の後端を検知することができる位置まで搬送され停止する。
【0058】
その後、図11に示すように、通帳50と伝票51とに印字処理するため、まず、通帳50が通帳搬送路13から印字搬送路15内の所定の位置まで印字用位置センサ34により搬送され、印字ヘッド33で所定の印字が実行される。
通帳50への印字処理が終了すると、図12に示すように、その通帳50は排出方向に移動され、MSR/Wユニット26で通帳50の磁気ストライプに書き込んでから、通帳排出搬送路17を経由して排出される。
【0059】
引き続き伝票51の印字処理をするため、図12に示すように、合流切替えゲート機構30の開閉ゲート31を退避搬送路27側に回動させて伝票搬送路14を印字搬送路15に連通させ、伝票搬送路14内に収容されている伝票51が、印字用位置センサ34で印字搬送路15内の所定の位置まで搬送され、印字ヘッド32によって所定の印字処理が行われる。
【0060】
次に、伝票51への印字処理が終了すると、図13に示すように、その伝票51は排出方向に移動され、伝票排出搬送路18を経由して完全排出される。
【0061】
なお、上記に説明した通帳50と伝票51の同時処理で、通帳50の排出後に、再度通帳50が吸入搬送路11に挿入された場合、吸入ゲート機構19を通帳搬送路13側に切替えることができる。
このとき、伝票51が吸入ゲート機構19の内部にある場合があるが、この場合は、吸入ゲート機構19の伝票排出側に切替える切替え弁が動かないように制御することで通帳搬送路13側に切替えることが出来る。
【0062】
本実施形態の通帳伝票プリンタ装置10は、以上のように構成され、作動するので、次のような効果を得ることができる。
(1)吸入搬送路11に、通帳搬送路13と伝票搬送路14とが吸入ゲート機構19により切替え可能に連通され、通帳搬送路13の近傍にMSR/Wユニット26が設けられており、又、吸入搬送路11と通帳搬送路13が別々に構成されているので、搭載されるMSR/Wユニット26が1個でもオーバーラップ処理が可能となる。その結果、高額なMSR/Wユニット26が従来の装置よりも少なくてすむので、コスト削減ができる。
【0063】
(2)吸入搬送路11に、通帳搬送路13と伝票搬送路14とが吸入ゲート機構19により切替え可能に連通されていると共に、吸入搬送路11と通帳排出搬送路17等とが別々に構成されているので、例えば通帳搬送路13に通帳50が吸入され、その通帳50が印字処理されている間に、伝票搬送路18に伝票51を吸入することができる。そして、通帳50の印字処理終了後にその通帳50を排出する一方で、伝票51に印字処理を実行することができる。その結果、通帳搬送路13と伝票搬送路14とに吸入された通帳50と伝票51とが「待ち」の状態となることがなくなり、これにより、通帳50及び伝票51を、連続して取込みかつ処理するオーバーラップ処理での処理速度の向上を図れる。
【0064】
(3)通帳伝票排出部16が、通帳排出口17と伝票排出口18とに分けられており、通帳50や伝票51の後端を同一の排出口に切替える必要がないため、処理速度が向上する。
【0065】
(4)合流切替えゲート機構30を、通帳搬送路13と印字搬送路15との連通部、又は伝票搬送路14と印字搬送路15との連通部を遮蔽する開閉ゲート31とこの開閉ゲート31を回動自在に支持する支持軸32とを含み構成としたので、簡単な構造で切替えることができる。
【0066】
(5)通帳搬送路13の終端側に当該通帳搬送路13と連通すると共に通帳搬送路13内に吸入された通帳50の先端部を退避可能とした退避搬送路27が設けられているので、通帳搬送路13内に吸入された通帳50の先端部を一端退避搬送路27に退避させることができる。その結果、通帳搬送路13の長さを短くすることができるので、通帳50の搬送距離が短くてすみ、処理速度の向上を図れる。
【0067】
(6)退避搬送路27が通帳搬送路13と並列して設けられており、この退避搬送路27は、開閉ゲート31が通帳搬送路13と印字搬送路15との連通部を遮蔽する方向に回動した際、その動きに追従し伝票搬送路14から離れる方向に回動可能となっているので、動きがフリーとなる構成とすればよく、その結果、退避搬送路27を簡単な構成とすることができる。
【0068】
(7)通帳搬送路13の始端側に当該通帳搬送路13に吸入された通帳50の後端位置を検知する通帳用位置センサ28が設けられ、また、伝票搬送路14の始端側に当該伝票搬送路14に吸入された伝票51の後端位置を検知する伝票用位置センサ29が設けられているので、通帳搬送路13に通帳50が後端まで完全に吸入されたこと、あるいは伝票搬送路14に伝票51が後端まで完全に吸入されたことをそれぞれ検知することができる。その結果、吸入ゲート機構19の切替え操作を安全に行うことができる。
【0069】
(8)印字搬送路15の始端側に当該印字搬送路15に吸入された通帳50または伝票51の後端位置を検知する印字位置センサ34が設けられているので、印字搬送路15に通帳50または伝票51が後端まで完全に吸入されたことを検知することができる。その結果、合流切替えゲート機構30の切替え操作を安全に行うことができる。
【0070】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、通帳搬送路13に退避搬送路27を設けてあるが、この退避搬送路27は必ずしも設けなくてもよい。この場合、通帳伝票プリンタ装置10の全長を若干長く形成することで、通帳50を退避搬送路27に退避する必要がなくなるので、印字のために、排出方向に搬送する必要がなくなる。その結果、処理速度の向上を図ることができるという効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の本発明は、銀行や農協などの金融機関などに使用される通帳伝票プリンタ装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の通帳伝票プリンタ装置の一実施形態を示す側面の縦断面図である。
【図2】前記実施形態のゲート機構の一態様を示す縦断面図である。
【図3】前記実施形態のゲート機構の他の態様を示す縦断面図である。
【図4】前記実施形態のゲート機構の更に他の態様を示す縦断面図である。
【図5】前記実施形態における通帳の単発処理の手順を示し、吸入搬送路に通帳が吸入された状態を示す縦断面図である。
【図6】前記実施形態における通帳の単発処理の手順を示し、通帳搬送路に通帳が吸入された状態を示す縦断面図である。
【図7】前記実施形態における通帳の単発処理の手順を示し、印字搬送路において通帳に印字処理が施工されている状態を示す縦断面図である。
【図8】前記実施形態における通帳の単発処理の手順を示し、印字処理済の通帳が排出される状態を示す縦断面図である。
【図9】前記実施形態における通帳と伝票との連続処理の手順を示し、吸入搬送路に通帳が吸入された状態を示す縦断面図である。
【図10】前記実施形態における通帳と伝票との連続処理の手順を示し、伝票搬送路から印字搬送路に伝票が送られ印字処理が施工されている状態を示す縦断面図である。
【図11】前記実施形態における通帳と伝票との連続処理の手順を示し、通帳に印字施工されると共に印字処理済の伝票が排出される状態を示す縦断面図である。
【図12】前記実施形態における通帳と伝票との連続処理の手順を示し、印字処理済の伝票が排出されると共に次の伝票の処理が行われる状態を示す縦断面図である。
【図13】前記実施形態における通帳と伝票との連続処理の手順を示し、最後の印字処理済の伝票が排出される状態を示す縦断面図である。
【図14】従来の通帳伝票プリンタ装置を示す側面の縦断面図である。
【符号の説明】
【0073】
10 通帳伝票プリンタ装置
11 吸入搬送路
12 通帳伝票判別手段としての幅検知センサ
13 通帳搬送路
14 伝票搬送路
15 印字搬送路
16 通帳伝票排出部
17 通帳伝票排出部を構成する通帳排出搬送路
18 通帳伝票排出部を構成する伝票排出搬送路
19 搬送部切替え手段としての吸入ゲート機構
26 磁気ストライプ読取り/書込み装置としてのMSR/Wユニット
50 通帳
51 伝票
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入された通帳又は伝票を吸入する吸入部と、
この吸入部の入り口寄りに設けられ当該吸入部に挿入された前記通帳又は伝票の幅を検知し両者を判別する通帳伝票判別手段と、
前記吸入部と連通すると共に前記通帳伝票判別手段により判別された前記通帳を搬送する通帳搬送路と、
この通帳搬送路の近傍に設けられ当該通帳搬送路に吸入された前記通帳の磁気ストライプの記録再生を実施する磁気ストライプ読取り/書込み装置と、
前記吸入部と連通すると共に前記通帳伝票判別手段により判別された前記伝票を搬送する伝票搬送路と、
前記吸入部と前記通帳搬送路及び伝票搬送路との連通部近傍に設けられ、前記吸入部と前記通帳搬送路及び伝票搬送路のいずれか一方とを連通させるために前記通帳搬送路と伝票搬送路とを切替える搬送部切替え手段と、
前記吸入部に隣接して設けられると共に前記通帳搬送路及び伝票搬送路に連通し、当該通帳搬送路及び伝票搬送路の奥側において印字処理した前記通帳及び伝票を排出する通帳伝票排出部と、を備えていることを特徴とする通帳伝票プリンタ装置。
【請求項2】
前記吸入部を、上方への開口部を有しかつ装置の上部から内方に向けて形成すると共に前記開口部から挿入した通帳又は伝票を吸入する吸入搬送路に形成し、
前記通帳伝票判別手段を、前記通帳又は伝票の送り方向と直交する方向の幅を検知する幅検知センサで構成し、
前記通帳伝票排出部を、前記通帳搬送路から前記通帳を排出する通帳排出搬送路と、前記伝票搬送路から前記伝票を排出する伝票排出搬送路とで構成し、
前記搬送部切替え手段を、吸入ゲート機構で構成すると共に、この吸入ゲート機構を切替えて、前記吸入搬送路と前記通帳搬送路、前記吸入搬送路と前記伝票搬送路、前記通帳搬送路と前記通帳排出搬送路、及び前記伝票搬送路と前記伝票排出搬送路とのいずれかを連通させる構成とし、
前記通帳搬送路と前記伝票搬送路との終端を合流可能な構成とすると共に、これらの通帳搬送路又は伝票搬送路に連通され、前記通帳搬送路又は前記伝票搬送路に吸入された前記通帳又は前記伝票に印字処理する印字搬送路を前記終端から延出する方向に設け、
前記通帳搬送路と前記伝票搬送路との合流部近傍に、当該通帳搬送路及び伝票搬送路のいずれかを前記印字搬送路に連通させる合流切替えゲート機構を設け、
前記印字処理を、前記印字搬送路に設けた印字処理部により実行することを特徴とする請求項1に記載の通帳伝票プリンタ装置。
【請求項3】
前記合流切替えゲート機構を、前記通帳搬送路と前記印字搬送路との連通部又は前記伝票搬送路と前記印字搬送路との連通部を遮蔽する開閉ゲートとこの開閉ゲートを回動自在に支持する支持軸とを含み構成したことを特徴とする請求項2に記載の通帳伝票プリンタ装置。
【請求項4】
前記通帳搬送路の終端側に当該通帳搬送路と連通すると共に通帳搬送路内に吸入された前記通帳の先端部を退避可能とした退避搬送路を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の通帳伝票プリンタ装置。
【請求項5】
前記退避搬送路を、前記通帳搬送路と並列して設けると共に、前記開閉ゲートが前記通帳搬送路と前記印字搬送路との連通部を遮蔽する方向に回動した際、その動きに追従し前記伝票搬送路から離れる方向に回動可能な構成としたことを特徴とする請求項4に記載の通帳伝票プリンタ装置。
【請求項6】
前記通帳搬送路の始端側に当該通帳搬送路に吸入された前記通帳の後端位置を検知する通帳位置検知手段を設けると共に、前記伝票搬送路の始端側に当該伝票搬送路に吸入された前記伝票の後端位置を検知する伝票位置検知手段を設けたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の通帳伝票プリンタ装置。
【請求項7】
前記印字搬送路の始端側に当該印字搬送路に吸入された前記通帳または伝票の後端位置を検知する印字位置検知手段を設けたことを特徴とする請求項2ないし6のいずれか一つに記載の通帳伝票プリンタ装置。
【請求項1】
挿入された通帳又は伝票を吸入する吸入部と、
この吸入部の入り口寄りに設けられ当該吸入部に挿入された前記通帳又は伝票の幅を検知し両者を判別する通帳伝票判別手段と、
前記吸入部と連通すると共に前記通帳伝票判別手段により判別された前記通帳を搬送する通帳搬送路と、
この通帳搬送路の近傍に設けられ当該通帳搬送路に吸入された前記通帳の磁気ストライプの記録再生を実施する磁気ストライプ読取り/書込み装置と、
前記吸入部と連通すると共に前記通帳伝票判別手段により判別された前記伝票を搬送する伝票搬送路と、
前記吸入部と前記通帳搬送路及び伝票搬送路との連通部近傍に設けられ、前記吸入部と前記通帳搬送路及び伝票搬送路のいずれか一方とを連通させるために前記通帳搬送路と伝票搬送路とを切替える搬送部切替え手段と、
前記吸入部に隣接して設けられると共に前記通帳搬送路及び伝票搬送路に連通し、当該通帳搬送路及び伝票搬送路の奥側において印字処理した前記通帳及び伝票を排出する通帳伝票排出部と、を備えていることを特徴とする通帳伝票プリンタ装置。
【請求項2】
前記吸入部を、上方への開口部を有しかつ装置の上部から内方に向けて形成すると共に前記開口部から挿入した通帳又は伝票を吸入する吸入搬送路に形成し、
前記通帳伝票判別手段を、前記通帳又は伝票の送り方向と直交する方向の幅を検知する幅検知センサで構成し、
前記通帳伝票排出部を、前記通帳搬送路から前記通帳を排出する通帳排出搬送路と、前記伝票搬送路から前記伝票を排出する伝票排出搬送路とで構成し、
前記搬送部切替え手段を、吸入ゲート機構で構成すると共に、この吸入ゲート機構を切替えて、前記吸入搬送路と前記通帳搬送路、前記吸入搬送路と前記伝票搬送路、前記通帳搬送路と前記通帳排出搬送路、及び前記伝票搬送路と前記伝票排出搬送路とのいずれかを連通させる構成とし、
前記通帳搬送路と前記伝票搬送路との終端を合流可能な構成とすると共に、これらの通帳搬送路又は伝票搬送路に連通され、前記通帳搬送路又は前記伝票搬送路に吸入された前記通帳又は前記伝票に印字処理する印字搬送路を前記終端から延出する方向に設け、
前記通帳搬送路と前記伝票搬送路との合流部近傍に、当該通帳搬送路及び伝票搬送路のいずれかを前記印字搬送路に連通させる合流切替えゲート機構を設け、
前記印字処理を、前記印字搬送路に設けた印字処理部により実行することを特徴とする請求項1に記載の通帳伝票プリンタ装置。
【請求項3】
前記合流切替えゲート機構を、前記通帳搬送路と前記印字搬送路との連通部又は前記伝票搬送路と前記印字搬送路との連通部を遮蔽する開閉ゲートとこの開閉ゲートを回動自在に支持する支持軸とを含み構成したことを特徴とする請求項2に記載の通帳伝票プリンタ装置。
【請求項4】
前記通帳搬送路の終端側に当該通帳搬送路と連通すると共に通帳搬送路内に吸入された前記通帳の先端部を退避可能とした退避搬送路を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の通帳伝票プリンタ装置。
【請求項5】
前記退避搬送路を、前記通帳搬送路と並列して設けると共に、前記開閉ゲートが前記通帳搬送路と前記印字搬送路との連通部を遮蔽する方向に回動した際、その動きに追従し前記伝票搬送路から離れる方向に回動可能な構成としたことを特徴とする請求項4に記載の通帳伝票プリンタ装置。
【請求項6】
前記通帳搬送路の始端側に当該通帳搬送路に吸入された前記通帳の後端位置を検知する通帳位置検知手段を設けると共に、前記伝票搬送路の始端側に当該伝票搬送路に吸入された前記伝票の後端位置を検知する伝票位置検知手段を設けたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の通帳伝票プリンタ装置。
【請求項7】
前記印字搬送路の始端側に当該印字搬送路に吸入された前記通帳または伝票の後端位置を検知する印字位置検知手段を設けたことを特徴とする請求項2ないし6のいずれか一つに記載の通帳伝票プリンタ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−179060(P2008−179060A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−14300(P2007−14300)
【出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)
【Fターム(参考)】
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