説明

通帳類

【課題】 所望する使用目的のICチップを用いて非接触ICユニットを構成できるようにする。
【解決手段】 頁にアンテナ3を設け、このアンテナ3には所望するICチップ2が選択的に接続されて非接触ICユニット1が構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナとICチップとで構成される非接触ICユニットを頁に搭載可能な通帳類に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の通帳類としては、アンテナとこのアンテナに接続されるICチップで構成される非接触ICユニットを頁に搭載するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平11−129659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来における通帳類は、アンテナとICチップを頁に固定的に配置して非接触ICユニットを構成していたため、使用目的を異にするICチップをアンテナに接続しようとしても接続することができず、広範囲の使用目的に対応することができないという問題があった。
【0004】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、所望する使用目的のICチップを用いて非接触ICユニットを任意に構成できるようにした通帳類を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1記載のものは、頁にアンテナを設け、前記アンテナには、所望するICチップが選択的に接続されて非接触ICユニットが構成されることを特徴とする。
【0006】
請求項7記載のものは、頁にICチップを設け、前記ICチップには、必要に応じてアンテナが接続されて非接触ICユニットが構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、所望する使用目的のICチップを用いて非接触ICユニットを構成することができ、広範囲の使用目的に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、非接触ICユニット1の構成を示すものである。
【0009】
この非接触ICユニット1は、ICチップ2とアンテナ3とから構成され、通帳類の頁(表紙及び裏表紙を含む)に搭載可能となっている。アンテナ3の大きさは、ISO/IECなどの標準規格で定められる場合もあるが、ここでは問わない。
【0010】
図2(a)、(b)は本発明の一実施の形態である通帳類Tの異なる頁を開いた状態を示すものである。
【0011】
通帳類Tの各頁にはそれぞれ、予めアンテナ3のみが装着され、ICチップ2は装着されていない。ICチップ2としては、後から所望する使用目的のものが装着されてアンテナ3に接続できるようになっている。
【0012】
アンテナ3の位置は各頁同じで、通帳類Tを閉じた時には各頁のアンテナ3が重なる状態となっている。
【0013】
この実施の形態によれば、通帳類Tの頁にアンテナ3のみを設け、後からこのアンテナ3にICチップ2を接続可能とするため、所望する使用目的、例えば、個人データ用の情報、或いは発行者側の管理用の情報を記録するICチップなどを選択的にアンテナ3に接続することができ、広範囲の使用目的に対応することができる利点がある。
【0014】
なお、ICチップ2は一度装着すると、壊さない限り取れない構造にしても良いし、必要に応じて、取り外しが可能な構造としても良い。
【0015】
また、ある頁に関しては、ICチップ2を一度装着すると、壊さない限り取れない構造とし、他の頁では取り外しが可能な構造としても良い。
【0016】
ICチップ2を取り外し可能な構造にした場合には、使用するICチップ2のみを接続しておくことで、他の非接触ICユニットの影響を抑えることができる。
【0017】
また、ICチップ2を一度装着すると取れない構造にした場合には、ICチップ2を紛失したり、悪用される心配等を軽減することができる。
【0018】
図3(a)、(b)は本発明の第2の実施の形態である通帳類Tの異なる頁を開いた状態を示すものである。
【0019】
なお、以下に示す各実施の形態においては、上記した第1の実施の形態で示した部分と同一部分については、同一番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0020】
通帳類Tの各頁にはそれぞれ、予めICチップ2のみが装着され、アンテナ3は装着されていない。アンテナ3は、後から必要に応じて頁に装着されてICチップ2に接続できるようになっている。
【0021】
アンテナ3の位置は、各頁とも同じで通帳類Tを閉じた時には、各頁のアンテナ3が重なる状態になる。
【0022】
この第2の実施の形態によれば、通帳類Tの頁にICチップ2のみを設け、必要に応じて後からこのICチップ2にアンテナ3を接続可能とするため、所望する使用目的のICチップに対してアンテナ3を選択的に接続してICユニット1を構成することができ、広範囲の使用目的に対応することができる。
【0023】
なお、アンテナ3は一度装着すると、壊さない限り取れない構造にしても良いし、必要に応じて、取り外しが可能な構造としても良い。
【0024】
また、ある頁に関しては、アンテナ3を一度装着すると、壊さない限り取れない構造とし、他の頁では取り外しが可能な構造としても良い。
【0025】
アンテナ3を取り外しができる構造になっていれば、所望する使用目的のICチップにのみアンテナを装着することで、他の非接触ICユニットの影響を抑えることができる。
【0026】
また、アンテナ3を一度装着すると取れない構造にした場合には、ICチップ2やアンテナ3を紛失したり、悪用される心配等が軽減される。
【0027】
図4(a)、(b)は本発明の第3の実施の形態である通帳類Tの異なる頁を開いた状態を示すものである。
【0028】
図4(a)では、頁の上部側に非接触ICユニット1をそのアンテナ3を横向きにした状態で装着し、図4(b)では、図4(a)の頁とは異なる頁の下部側に非接触ICユニット1をそのアンテナ3を横向きにした状態で装着している。
【0029】
この第3の実施の形態によれば、通帳類Tを閉じたとき、異なる頁のアンテナ3が、全く重なることがなく、アンテナ3間で結合が起きることがない。従って、各非接触ICユニットの共振周波数がずれることがなく、安定した通信が可能となる。
【0030】
なお、図2、及び図3で示したように、異なる頁に配設されるアンテナ3の位置が各頁で同じ場合、通帳類Tを閉じた時に、それぞれのアンテナ3が重なる。この場合、アンテナ3間で結合が起き、各非接触ICユニットの共振周波数がずれてしまい、安定に通信することができなくなる虞がある。
【0031】
図5(a)、(b)は本発明の第4の実施の形態である通帳類Tを異なる頁を開いた状態で示すものである。
【0032】
図5(a)では、頁の上部側に非接触ICユニット1をそのアンテナ3を縦向きにした状態で装着し、図5(b)では、図5(a)の頁とは異なる頁の下部側に非接触ICユニット1をそのアンテナ3を縦向きの状態で装着している。
【0033】
この第4の実施の形態によれば、通帳類Tを閉じたとき異なる頁のアンテナ3が多少重なるが、アンテナ3間での結合が少ない。従って、各非接触ICユニット1の共振周波数のずれも少なく、安定した通信が可能となる。
【0034】
図6(a)、(b)は本発明の第5の実施の形態である通帳類Tを異なる頁を開いた状態で示すものである。
【0035】
図6(a)では、ある頁に複数の非接触ICユニット1をそのアンテナ3を横向きの状態で平行に装着し、図6(b)では、図6(a)と異なる頁に一個の非接触ICユニット1をそのアンテナ3を縦向きの状態で装着している。
【0036】
この第5の実施の形態によれば、通帳類Tを閉じたときには、異なる頁のアンテナ3が多少重なるが、アンテナ3間での結合が少ない。従って、各非接触ICユニットの共振周波数のずれも少なく、安定した通信が可能となる。
【0037】
なお、上記した各実施の形態では、アンテナ3の大きさを同一としているが、大きさや形状を変えることも可能である。
【0038】
また、アンテナ配置に関しては、ICチップ2を後から装着する場合と、アンテナ3を後から装着する場合のそれぞれに適用することができる。
【0039】
上記したように、本発明によれば、ICチップ2もしくはアンテナ3を必要に応じて装着することで、所望する使用目的のICユニット1を任意に構成でき、広範囲の使用目的に対応することができる。
【0040】
また、複数のアンテナ3の結合を軽減した配置にすることで、複数の非接触ICユニット1が動作する状態でも、問題なく通信することが可能となる。
【0041】
なお、上記各実施の形態においては、通帳類の頁にICチップ2及びアンテナ3を配設してICユニット1を構成したが、これに限られることなく、カード状の媒体にICチップ2及びアンテナ3を配設してICユニット1を構成するようにしても良い。
【0042】
また、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。さらに、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるICユニットを示す構成図。
【図2】図1のICユニットを搭載可能な通帳類を示す斜視図。
【図3】本発明の第2の実施の形態である通帳類を示す斜視図。
【図4】本発明の第3の実施の形態である通帳類を示す斜視図。
【図5】本発明の第4の実施の形態である通帳類を示す斜視図。
【図6】本発明の第5の実施の形態である通帳類を示す斜視図。
【符号の説明】
【0044】
1…非接触ICユニット、2…ICチップ、3…アンテナ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頁にアンテナを設け、
前記アンテナには、所望するICチップが選択的に接続されて非接触ICユニットが構成されることを特徴とする通帳類。
【請求項2】
前記アンテナは複数の頁にそれぞれ配設されることを特徴とする請求項1記載の通帳類。
【請求項3】
前記アンテナは同一の頁に複数配設されることを特徴とする請求項1記載の通帳類。
【請求項4】
前記アンテナは同一の頁に複数配設され、この頁とは異なる頁に一個配設されることを特徴とする請求項1記載の通帳類。
【請求項5】
前記アンテナに対し、前記ICチップは着脱自在に接続されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の通帳類。
【請求項6】
前記複数の頁のうちの所定の頁に設けられるアンテナに接続されるICチップは固定され、前記所定の頁とは別の頁に設けられるアンテナに接続されるICチップは着脱自在であることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載の通帳類。
【請求項7】
頁にICチップを設け、
前記ICチップには、必要に応じてアンテナが接続されて非接触ICユニットが構成されることを特徴とする通帳類。
【請求項8】
前記ICチップは複数の頁にそれぞれ配設され、前記アンテナは所望するICチップに選択的に接続されることを特徴とする請求項7記載の通帳類。
【請求項9】
前記ICチップは同一の頁に複数配設され、前記アンテナは所望するICチップに選択的に接続されることを特徴とする請求項7記載の通帳類。
【請求項10】
前記ICチップは同一の頁に複数配設され、この頁とは異なる頁に一個配設され、前記アンテナは所望するICチップに選択的に接続されることを特徴とする請求項7記載の通帳類。
【請求項11】
前記ICチップに対し、前記アンテナは着脱自在に接続されることを特徴とする請求項7乃至10の何れか一項に記載の通帳類。
【請求項12】
前記複数の頁のうちの所定の頁に設けられるICチップに接続されるアンテナは固定され、前記所定の頁とは別の頁に設けられるICチップに接続されるアンテナは着脱自在であることを特徴とする請求項8乃至10の何れか一項に記載の通帳類。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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