説明

通気膜を備えたトリガー式噴霧器

トリガー式噴霧器は、簡略化された低コスト構造の受動通気システムを備える。気体透過性で液体不透過性の膜が、トリガー式噴霧器ハウジングの通気開口部の上に配置され、これがトリガー式噴霧器に取り付けられた容器からの液体の漏洩を防止すると同時に、空気をトリガー式噴霧器の外部から容器内部へ通すことを可能にする。膜は、噴霧器ハウジングの環状面と同一平面に連続して配置された、噴霧器ハウジングの通気開口部壁に固定される。これによって、単一の平坦なガスケットを使用して、通気開口部の周囲を密閉し、トリガー式噴霧器とトリガー式噴霧器に取り付けられた液体容器との間を密閉することが可能になる。
【その他】 本願に係る特許出願人の国際段階での記載住所は「アメリカ合衆国、ミズーリー・63376、セント・ピーターズ、グエンザー・ブールバード・18」ですが、識別番号505292627を付与された国内書面に記載の住所が適正な住所表記であります。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個別の液体容器に連結可能なトリガー式噴霧器に関し、トリガー式噴霧器は、容器から液体を汲み上げるように手動操作されるトリガーを有し、トリガー式噴霧器から液体を噴霧、流れ、または泡として分与する。
【0002】
特に、本発明は、容器から液体が分与されるにつれて、空気を容器の内部容積内に通気することを可能にするために、トリガー式噴霧器に固定される通気膜と、トリガー式噴霧器を容器に対して密封させるガスケットとに関する。
【0003】
本発明は、液体を含む個別の容器に連結可能なトリガー式噴霧器に関する。このトリガー式噴霧器は、トリガー式噴霧器でポンプを作動させるために手動操作されるトリガーを有する。そのポンプは、液体容器からトリガー式噴霧器を通して液体を引き上げ、その液体をトリガー式噴霧器から噴霧、流れ、または泡として分与する。
【背景技術】
【0004】
トリガー式噴霧器に連結された液体容器の内部に、空気を通すことを可能にする従来のトリガー式噴霧器の構成には、多数の様々なシステムが使用されている。トリガー式噴霧器の通気システムは、空気が容器に進入し、トリガー式噴霧器によって容器から分与された液体によって空けられた容器の内部容積を占めることを可能にする。容器の内部容積の通気が必要な理由は、容器とトリガー式噴霧器との連結が、通常は流体密閉連結であるからである。これは、容器とそれに取り付けられたトリガー式噴霧器とが、万一ひっくり返され、または横向きに置かれた場合に、液体内容物が容器から不用意に漏洩するのを防止する。容器とトリガー式噴霧器との間の流体密閉連結は、通常、容器の首部の上部縁と、トリガー式噴霧器ハウジングの底部環状面との間に配置されたガスケットによってもたらされる。トリガー式噴霧器を容器に取り付ける連結器が、容器の首部とトリガー式噴霧器ハウジングの環状面との間のガスケットを圧縮し、それによって、トリガー式噴霧器と容器との間の流体密閉を提供する。しかし、トリガー式噴霧器と容器との間の流体密閉は、液体が容器から分与されるにつれて、容器の内部を通気することを困難にする。トリガー式噴霧器ハウジングと容器との間の流体密閉連結を維持するために、従来技術の通気システムでは、トリガー式噴霧器の製造コストを増大させる複雑な構造が必要となっている。
【0005】
例えば、ある典型的な通気システムでは、容器内部を容器外部の周囲環境と連通させる、噴霧器ハウジング内の通気穴を覆う弾性のダイアフラム弁と、トリガー式噴霧器のトリガーに連結されるプランジャとを使用する。トリガーを操作すると、プランジャが噴霧器ハウジングの通気穴を通って挿入され、ダイアフラム弁を押圧して、ダイアフラム弁を通気穴から離し、それによって容器の内部を通気する。このタイプの通気システムは、ダイアフラムの材料の弾性が、多くの場合、プランジャが引き込められた際に、ダイアフラム弁が通気穴の上にそれ自体を即座に配置できるようにしないとう点で、不利であることが判明している。これによって、液体が容器から通気穴を通って漏洩することが発生する可能性がある。トリガー式噴霧器の構造に弾性ダイアフラム弁とプランジャとを設けることは、構造コストも増大させる。
【0006】
他の従来技術の通気システムでは、トリガー式噴霧器のトリガーとポンプピストンと共に往復する小型通気ピストンを使用する。この通気ピストンは、噴霧器ハウジング内に形成された通気室内で往復する。通気ピストンが通気室に押し入れられるにつれて、ピストンは通気孔を開け、それによって容器内部が外部の周囲環境に通気される。通気ピストンが通気室を通って引かれ、通気穴を覆うにつれて、容器内部は、再度外部環境から密閉される。これらのタイプの通気システムの構造は、噴霧器ハウジングに追加の通気室が設けられること、またトリガーおよび/またはポンプピストンに追加の通気ピストンが設けられることを必要として、トリガー式噴霧器の製造コストを増大させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術のトリガー式噴霧器のこうした欠点を克服するために必要なものは、トリガー式噴霧器の製造コストをそれほど増大させずに、トリガー式噴霧器に連結された容器の内部を通気するのを可能にし、同時にトリガー式噴霧器と容器との間のガスケットによる流体密閉を維持する通気システムである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるトリガー式噴霧器の構造は、可動部品およびそれらの関連コストが必要ない、受動型通気システムを備えたトリガー式噴霧ハウジングを提供することによって、一般的に従来技術のトリガー式噴霧器に関連する上述の欠点を克服する。本発明の通気システムは、トリガー式噴霧器ハウジング内に通気穴を備え、通気穴は、トリガー式噴霧器に取り付けられた容器の内部容積内に空気を通し、気体透過性で液体不透過性の膜によって覆われる。通気穴および膜が、噴霧器ハウジングに配置されることによって、噴霧器ハウジングが、トリガー式噴霧器に取り付けられた容器の内部容積に空気を通すことを可能にし、かつトリガー式噴霧器と容器との間の流体密閉を維持しながら、噴霧器ハウジングを経済的に製造することが可能になる。
【0009】
本発明のトリガー式噴霧器は、2つの個別セクション、即ちポンプセクションと通気セクションとで構築されたハウジングからなる。ポンプセクションと通気セクションは、トリガー式噴霧器を組み立てる際に、これら2つのセクションが一緒にプレス嵌め、またはスナップ嵌めすることができるように構築される。
【0010】
ハウジングポンプセクションは、多くの従来のトリガー式噴霧器に見られる、トリガー式噴霧器の構成部品を含む。このハウジングセクションは、ポンプ室、ならびにポンプ室と連通する液体供給通路および液体排出通路を含む。ハウジングポンプセクションの底部は、ハウジング通気セクションを受け取るように寸法決めされた開口部を有する。
【0011】
ポンプピストンが、ポンプ室内でピストンが往復運動するように、ポンプ室内に組み立てられる。
【0012】
トリガーが旋回運動するように、トリガーが、ハウジングポンプセクションに取り付けられる。トリガーは、トリガーがトリガー式噴霧器で手動操作されるのに応答して、ポンプ室内でポンプピストンが往復するために、ポンプピストンと動作可能に連結される。
【0013】
トリガー式噴霧器からの液体排出の所望パタンに応じて、液体スピナー、または液体泡立器、または他の類似の構成要素が、ハウジングポンプセクションの液体排出通路に組み立てられる。
【0014】
ハウジングのポンプセクションの上にシュラウドが組み立てられて、トリガー式噴霧器の見栄えを良くする。
【0015】
ハウジングの通気セクションは、ハウジングポンプセクションの底部開口部の内部構成に相補的な、全体として円筒状の構成を有する。これは、通気セクションをポンプセクションに挿入することによって、これら2つのセクションを互いにプレス嵌め、またはスナップ嵌めすることを可能にする。液体供給管が、通気セクションを通って延び、ハウジングポンプセクションの液体供給通路と連通する。浸漬管が、液体供給管に取り付けられ、トリガー式噴霧器に取り付けられた液体容器の中に延びる。環状面付きの円形フランジが、ハウジング通気セクションの底部開口部を囲む。環状面が、ハウジング通気セクションに位置決めされて、トリガー式噴霧器と、トリガー式噴霧器が取り付けられた液体容器の首部との間に配置されたガスケットに対して係合する。ハウジング通気セクションの通気壁は、環状面と同一平面であり、環状面と連続する。通気壁は、トリガー式噴霧器に取り付けられた容器の内部を、トリガー式噴霧器の外部環境に連通させ、かつ通気させる通気開口部を有する。
【0016】
通気壁に膜が固定されて、通気開口部を覆う。この膜は、気体透過性/液体不透過性の膜である。したがって、この膜は、空気が容器内部からその膜および通気開口部を通過するのを可能にするが、液体が容器内部から膜および通気開口部を通過するのを防止する。ハウジング通気セクションは、ハウジングの底部開口部を通って突出する複数の柱も含む。
【0017】
ガスケットは、一般的なガスケット材料からなる平坦な円板である。ガスケットは、ハウジング通気セクションの環状面の円形周囲縁部と一致する円形周囲縁部を有する。複数の穴がガスケットを通過する。これらの複数の穴は、液体供給穴を通って延びるトリガー式噴霧器の浸漬管を収容するように、ガスケットに配置される液体供給穴を含む。通気穴は、通気穴が、ハウジング通気セクションの通気開口部を覆う膜に配置される位置で、ガスケットも通過する。ガスケットには、ガスケットをハウジング通気セクションの環状面に対して保持するために、ハウジング通気セクションの複数の柱を受ける複数の柱穴を設けることもできる。別法として、ガスケットを柱穴なしで柱の両端に押圧することによって、ハウジング通気セクションに杭固定されることもでき、それによってガスケットをハウジングセクションに杭固定する。
【0018】
トリガー式噴霧器ハウジングの新規な構成は、トリガー式噴霧器に簡略化された低コスト構造の受動通気システムを与える。通気開口部の上に使用される膜は、空気をトリガー式噴霧器の外部から容器の内部へと通すことができるようにしながら、液体が、容器からトリガー式噴霧器を通って漏洩するのを防止する。通気開口部壁とハウジング通気セクションの環状面とを同一平面上に配置することによって、通気開口部の周りの密閉にも、トリガー式噴霧器と液体容器との間の密閉にも、同一のガスケットを使用することができる。したがって、これらの特徴を組み合わせると、経済的に製造され、トリガー式噴霧器と液体容器との間の流体密閉をもたし、容器の通気を可能にしながら液体が容器から漏洩するのを防止する、トリガー式噴霧器が提供される。
【0019】
本発明の他の目的および特徴を、本発明の好ましい実施形態についての以下の詳しい説明と、図面とで記載する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本願の図1〜図3は、Fosterおよびその他による米国特許第5,344,053号および第5,337,928号で開示されるトリガー式噴霧器と構造が類似するトリガー式噴霧器を示し、参照によりその開示を本明細書に組み込む。本発明の受動通気システムを、上記参照特許で開示されるタイプのトリガー式噴霧器で使用するものとしてここに記述する。しかし、本発明の通気システムは、多様なトリガー式噴霧器の構造で使用できることを理解されたい。本明細書に開示するトリガー式噴霧器の特定の構造は、この通気システムを使用することのできる一環境を例示することを目的とし、限定することを目的とするものではない。本発明の通気システムは、多様なタイプのトリガー式噴霧器で使用できるので、本発明の通気システムの構造および動作に重要でないトリガー式噴霧器の構成部品は、本明細書では全般的に記述する。
【0021】
先に述べたように、本発明のトリガー式噴霧器の構造は、通気穴を備えるトリガー式噴霧器ハウジングを提供することによって、従来技術のトリガー式噴霧器に一般的に関連する欠点を克服し、通気穴は、空気を、トリガー式噴霧器に取り付けられた容器の内部容積へと通し、通気穴が、気体透過性で液体不透過性の膜によって覆われる。通気穴および膜が、噴霧器ハウジングに配置されて、受動通気システムを備えた、即ち可動部品を有さない噴霧器ハウジングを、経済的に製造することが可能にする。この受動通気システムは、トリガー式噴霧器が、トリガー式噴霧器に取り付けられた容器の内部容積を通気し、同時にトリガー式噴霧器と容器との間で流体密閉を維持することを可能にする。
【0022】
図面を参照すると、本発明のトリガー式噴霧器12は、ポンプセクション14と通気セクション16の2つの個別セクションに構築されたハウジングからなる。それらの名前が示唆するように、ハウジングポンプセクション14は、トリガー式噴霧器のポンプを含み、ハウジング通気セクション16は、本発明の通気システムを含む。ポンプセクション14と通気セクション16は、トリガー式噴霧器12を組み立てる際に、それらを一緒にプレス嵌めまたはスナップ嵌めすることができるように構築される。この組み立てをし易くするために、2つのハウジングセクション14、16は、トリガー式噴霧器の構築で通常使用される弾性のプラスチック材料から構築される。
【0023】
ハウジングポンプセクション14は、従来型のトリガー式噴霧器に一般的に見られる構成部品を含む。これらの構成部品はよく知られているので、それらについては全般的に述べる。ハウジングポンプセクション14は、ポンプ室18と、ポンプ室に連通し、かつポンプ室から離れて延びる(図示しない)液体排出通路と、ポンプ室に連通し、かつポンプ室に延びる(図示しない)液体供給通路とを含む。ハウジングポンプセクション14の底部は、全体に円筒形状の壁22を有する。壁22は、ポンプセクションの内部への底部アクセス開口部24を囲む。ポンプセクション壁22は、壁の内部面に複数の内部リブ26を有する。リブ26は、ポンプセクション壁22の底部開口部24に突出し、ポンプセクション14と通気セクション16との間にプレス嵌め連結またはスナップ嵌め連結の一部分を提供する。ポンプセクション底部開口部24は、通気セクション16をポンプセクションに組み立てる際、通気セクションをそこに受けるように寸法決めされる。
【0024】
従来のトリガー式噴霧器のように、ポンプピストン28が、ハウジングポンプセクション14のポンプ室18に組み立てられる。ポンプピストン28は、ポンプ室18で往復運動するように取り付けられる。
【0025】
トリガー32が、トリガーとポンプセクションとの間の旋回連結(図示しない)によって、ハウジングポンプセクション14に取り付けられる。この旋回連結は、トリガー32が、ポンプセクション14で手動操作され、または手動で振動されるのを可能にする。トリガー32は、ポンプピストン28に動作可能に連結されて、トリガー32のポンプセクション14での振動運動に応答して、ポンプピストンをポンプ室18で往復させる。従来のトリガー式噴霧器の動作のように、トリガー32の操作と、ポンプピストン28の往復とは、液体を、トリガー式噴霧器12に取り付けられた個別の液体容器からポンプ室18に引き、トリガー式噴霧器から液体を分与する。
【0026】
シュラウド34が、ハウジングポンプセクション14に組み立てられる。シュラウド34は、トリガー式噴霧器12に、消費者に対する見栄えの良さを与えるように構成される。
【0027】
ハウジング通気セクション16は、壁から外向きに突出する複数の弓形リッジ38を備えた円筒壁36を有する。弓形リッジ38は、ハウジングポンプセクション14の内部リブ26と対合して、ポンプセクションの内部の通気セクション16とプレス嵌めまたはスナップ嵌めするように構成される。通気セクション壁36は、ハウジング通気セクション16の中空の内部容積42を囲む。液体供給管44が、通気セクション16を通って延びる。管44の上部分は、通気セクション16がポンプセクション14の中に組み立てられる際、ポンプ室18と連通し、それによってトリガー式噴霧器12を通る液体供給通路を確立する。管44の下端部は、トリガー式噴霧器12が取り付けられる液体容器の内部へと延びる(図示しない)浸漬管と連通する。これは、ポンプ室18を液体容器に含まれる液体に連通させる。
【0028】
円形フランジ46が、通気セクション壁36の底部から外向きに突出する。フランジ46は、ハウジング通気セクション16の底部に、円形の周囲縁部面と平坦な環状底面52とを有する。環状底面52は、通気ハウジングセクションの内部42へのアクセスを提供する底部開口部を囲む。
【0029】
ハウジング通気セクション16は、平坦な環状底面52の内側に配置された通気壁54を有する。通気壁54は、平坦な底面を有する。図3で分かるように、通気壁54は、通気セクションフランジ46から径方向内向きに突出し、通気壁面は、フランジ環状面52と同一平面であり、フランジ環状面52と連続する。
【0030】
通気開口部56が、通気壁54を通って延びる。通気開口部56は、トリガー式噴霧器12に取り付けられた容器の内部を、トリガー式噴霧器の外部環境と連通させて、容器の内部を通気する。
【0031】
膜58が、通気開口部56の上を覆う通気壁54に固定される。膜58は、気体透過性でありかつ液体不透過性である材料の平坦な円板である。このようにして、膜58は、空気が容器の内部から膜および通気開口部56を通過するのを可能にするが、液体が容器内部から膜および通気開口部を通過するのを防止する。本発明の好ましい実施形態では、膜58の材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。他の同等材料を、膜58に使用することもできる。好ましい実施形態では、膜58は、表面に無線周波数溶接することによって、通気壁54の表面に固定される。膜58を、他の同等の方法によって表面54に固定することもできる。
【0032】
ハウジング通気セクション16は、通気セクション16の内部面から通気セクション内部42を通って延びる複数の柱62も備える。複数の柱62が、ハウジング通気セクション16の底部開口部を通って外向きに突出し、環状面52によって囲まれる。図3で分かるように、複数の柱62は、環状面52から内向きに離隔され、環状面の周りに離隔して配置される。
【0033】
ガスケット64が、ハウジング通気セクション16に固定される。ガスケット64は、一般的なガスケット材料で構築され、円形の周囲縁部66を有する平坦な円板として構築される。ガスケット周囲縁部66の寸法は、通気セクションの円形フランジ46の寸法と一致する。これは、ガスケット64が、通気セクション16の平坦な環状面52の上を覆い、それに対して係合することを可能にする。
【0034】
複数の穴がガスケットを通過する。これらが含む液体供給穴68は、ガスケットに配置されて、液体供給穴68を経て、トリガー式噴霧器12に取り付けられた容器の液体の中に延びるトリガー式噴霧器の浸漬管を収容する。通気穴72もガスケット64を通過する。通気穴72は、ガスケット64に配置されが、この通気穴は、通気壁54の通気開口部56の上を覆う膜52の上に配置される。ガスケット64の好ましい実施形態は、複数の柱穴74も備える。柱穴74は、ガスケット64に配置されて、通気セクション柱62を受け、ガスケットをハウジング通気セクション16の環状面52に対して保持する。液体供給穴68、通気穴72、および柱穴74は、全て相互に離れており、ガスケット64の周囲縁部66の内側で相対的な位置に配置される。これらの穴の相対的な位置によって、通気セクション柱62がガスケット柱穴74の中に延びる際に、液体供給穴68が、通気セクション管44と一致して配置され、通気穴72が、膜58および通気開口部56に一致して配置される。ガスケット64の中に延びる柱62は、膜58がガスケット64と通気壁54との間に配置された状態で、ガスケットをハウジング通気セクション環状面52に杭固定する。代替的実施形態では、ガスケット64に液体供給穴68および通気穴72だけを設けることもできる。ガスケットのこの実施形態は、ガスケットを柱62の両端部に押圧し、それによってガスケットをハウジング通気セクションに杭固定することによって、ハウジング通気セクション16に杭固定される。いずれの実施形態でも、ガスケット62は、ガスケットの柱穴74の中に延びる柱62によって、ハウジング通気セクション16に固定される。
【0035】
円筒側壁84を有するキャップ82が、ハウジング通気セクション16に配置され、その後でそれがハウジングポンプセクション14に取り付けられる。キャップ82は環状リップ86を有するが、環状リップ86は、ハウジング通気セクションフランジ46の頂部に載り、そのようにして、キャップを通気セクションに対して回転させるために、キャップ82を通気セクション16に取り付ける。キャップ82が通気セクションに取り付けられた状態で、通気セクション16をハウジングポンプセクション14に押圧すると、通気セクションリッジ38をポンプセクションリブ26と相互連結させる。これによって、キャップ82が、トリガー式噴霧器12上でキャップを回転するためにハウジングに取り付けられた状態で、ハウジング通気セクション16がハウジングポンプセクション14に取り付けられる。キャプ82は、トリガー式噴霧器12を液体容器の首部に従来通りの方法で取り付けるために、キャップの側壁84の内部面に内部ねじ山を備える。トリガー式噴霧器12を液体容器に取り付けるために、他の手段をキャップ82に設けてもよい。
【0036】
トリガー式噴霧器12が液体容器に取り付けられた状態で、ガスケット16が配置されて、容器の首部とハウジング通気セクション環状面52との間を密閉する。ガスケット64は、通気開口部56を覆う膜58の周囲も密閉する。ガスケット64の中に延びる柱62は、ガスケットをトリガー式噴霧器12で定位置に固定する。
【0037】
トリガー式噴霧器の通気セクション16とガスケット64の新規の構成は、トリガー式噴霧器12に、簡略化された低コスト構造の受動通気システムを与える。通気開口部56上の膜58は、液体が容器からトリガー式噴霧器を通って漏洩するのを防止すると同時に、空気を、トリガー式噴霧器の外部環境から容器の内部に通すことを可能にする。通気開口部壁54と通気セクション環状面52とを同一平面に配置することは、同一のガスケット64が、通気開口部56の周囲を密閉し、かつトリガー式噴霧器12と液体容器との間を密閉することを可能にする。このように、これらの特徴の組み合わせは、経済的に製造され、トリガー式噴霧器と液体容器との間の流体密閉をもたらし、液体が容器から漏洩するのを防止すると同時に容器の通気を可能にする、トリガー式噴霧器を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】トリガー式噴霧器の一部分を切り欠いた、本発明のトリガー式噴霧器の側面図である。
【図2】トリガー式噴霧器の底面図である。
【図3】トリガー式噴霧器のいくつかの構成部品の分解図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手動操作される液体分与装置であって、
手動操作されるポンプを有するハウジングと、
ハウジングを通って延びて、ポンプを液体分与装置に取り付けられた個別の液体容器と連通させる液体供給通路と、
ハウジングの複数の柱と、
ハウジングの通気開口部と、
ガスケットとを備え、該ガスケットは、複数の柱がガスケットに挿入されることによってハウジングに杭固定され、ガスケットは、液体供給通路が通って延びる液体供給穴を有し、かつ通気開口部が配置された通気穴を有し、前記液体分与装置がさらに、
噴霧器ハウジングに固定されて、通気開口部を覆う膜とを備える、装置。
【請求項2】
膜が、空気透過性で液体不透過性の膜である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ガスケットが、ガスケットの複数の柱穴の中に延びる、ハウジングの複数の柱によってハウジングに積み重ねられ、複数の柱穴が、ガスケット内の液体供給穴および通気穴から離れる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
ガスケットが、円形周囲縁部を有する平坦な円板であり、複数の柱穴と、液体供給穴と、通気穴とが、ガスケット周囲縁部の内側に位置する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
ハウジングが、液体供給通路および通気開口部の周囲に延びる平面を有し、
ガスケットが、平面に対して係合する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
ハウジングが、通気開口部が通過する通気壁を有し、
膜が、通気開口部の上で通気壁に固定され、
ガスケットは、膜が通気壁とガスケットとの間に配置された状態で、通気壁に対して係合する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
通気壁が、通気開口部がある平面を有し、
膜が、平坦ででありかつ通気壁平面に固定され、
ガスケットが、通気壁に対して係合する平坦である、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
手動操作される液体分与装置であって、
手動操作されるポンプを有するハウジングと、
液体分与装置に取り付けられた個別の液体容器の首部に連結するように構成された、ハウジングの環状面と、
ハウジングを通って延び、かつポンプを液体分与装置に取り付けられた個別の液体容器と連通させる液体供給通路と、
ハウジングの通気面と、
通気面の通気開口部と、
ハウジング環状面およびハウジング通気面に対して係合し、液体供給通路が通って延びる液体供給穴を有し、かつ通気開口部が配置された通気穴を有するガスケットと、
通気開口部を覆って、噴霧器ハウジング通気面に固定される膜とを備える装置。
【請求項9】
膜が、空気透過性で液体不透過性である、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
ハウジング環状面とハウジング通気面が、同一平面にある、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
ハウジング環状面とハウジング通気面が、単一の連続面である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
ハウジングの複数の柱をさらに備え、
ガスケットが、ガスケットに形成された複数の柱穴の中に延びるハウジングの複数の柱によってハウジングに杭固定され、複数の柱穴が、ガスケットの液体供給穴および通気穴から離れる、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
ガスケットが、周囲縁部および柱穴を有し、液体供給穴および通気穴が全て、ガスケット周囲縁部の内側にある、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
ガスケットは、膜が通気面とガスケットとの間に配置された状態で、ハウジング通気面に対して係合する、請求項8に記載の装置。
【請求項15】
ハウジング環状面が、液体供給通路の周囲および通気面の周囲に延びる平面であり、ハウジング環状面が、通気面と同一平面上にある、請求項8に記載の装置。
【請求項16】
手動操作される液体分与装置であって、
手動操作されるポンプを有するハウジングと、
液体分与装置に取り付けられた個別の液体容器の首部に連結するように構成された、ハウジングの環状面と、
ハウジングを通って延び、かつポンプを液体分与装置に取り付けられた個別の液体容器と連通させる液体供給通路と、
ハウジングの通気面とを備え、ハウジング環状面とハウジング通気面が、単一の連続した平面であり、液体分与装置がさらに、
通気面の通気開口部と、
ハウジング環状面の周囲に係合するガスケットとを備える装置。
【請求項17】
通気開口部を覆って、ハウジング通気面に固定される膜をさらに備える、請求項14に記載の装置。
【請求項18】
膜が、空気透過性で液体不透過性である、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
ハウジング環状面が、ハウジング通気面の周囲を完全に延びる、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
ハウジングの複数の柱をさらに備え、
ガスケットが、ガスケットの複数の柱穴の中に延びるハウジングの複数の柱よってハウジングに杭固定され、複数の柱穴が、液体供給穴および通気穴から離れる、請求項16に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−527831(P2007−527831A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503115(P2007−503115)
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2005/009693
【国際公開番号】WO2005/094492
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(505292627)コンチネンタル・エイ・エフ・エイ・デイスペンシング・カンパニー (4)
【Fターム(参考)】