説明

通行体用ホース保護具

【課題】給油等に用いるホースの保護および通行体の円滑化を図る用具を提供する。
【解決手段】適宜形状の金属剛性板体による上板を設け、該上板下方に、斜辺を有する脚板を設けるとともに、一方の上板端より所定距離を持って脚板端を位置させ、以上の物体を一対設け、一方の上板端にマグネットを配置して互いの上板端の磁着を可能とすることにより、その下部に空隙を有する斜方上面の形成を可能としたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、給油時等のホースを通行体や通行人から保護し、また通行体や通行人の安全通行を維持するための保護具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ホースを保護するための保護用具としては、個人発案による一体型手作りの板状体しかなく、本発明にて示すように、二分割磁着型のものは現在のところ見あたらない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来より、大量の給油や給水時にはホースが必須であり、一般的にはタンクローリーからタンク等の給油・給水場所までホースをはわせることになり、このホース外径分だけ路面上に障害物となり、通行の妨げとなる。これを防ぐために、既述のような手作りの斜面を有する架橋体形状の物体を用いて通行体に対する通行の円滑化を図ってきた。
しかし、通行体用のために所定の大きさと重量を有する一体物のため、設置に際してはその運搬に難度があり、準備に時間を要し、制作者技量によっては十分なる機能を有さないなどの問題があった。
本発明は、以上のような従来からのホース保護具に関わる課題を解決するために発明されたもので、二分割磁着型の採用により、より簡便かつ準備時間を極少とするとともにその保管にも便利なる通行体用のホース保護具を提供することを目的として開発されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
課題を解決する手段として本発明は以下の構成とした。
すなわち、適宜形状の金属剛性板体による上板を設け、該上板下方に、斜辺を有する脚板を設けるとともに、一方の上板端より所定距離を持って脚板端を位置させ、以上の物体を一対設け、一方の上板端にマグネットを配置して互いの上板端の磁着を可能とすることにより、その下部に空隙を有する斜方上面の形成を可能とする。本発明は以上の構成よりなる通行体用ホース保護具である。
【発明の効果】
【0005】
本発明は下記の効果を有する。
1.一対の磁着型物体を用いる方式のため、準備を迅速に行うことができる。
2.上板と脚板を有するシンプルな構成のため、使用時の安定性に優れ、コスト面でも有 利である。
3.上板表面にゴムライニングを施すことにて、通行体のスリップを防止し、併せて上板 面適所に蛍光塗料や反射材を用いることにて夜間や薄暮時の安全性を高めることができ る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図において、1は上板で、表面処理を施した所定厚の鉄製長方形板体であり、その一方の端面近傍は鈍角に折曲される。この上板の一方の端面には強力マグネット2がその端面を上板端面に略同一となるように設けられる。3は脚板で、上板と同一材料にて形成される三角板である。この脚板はその斜辺を上板両側端近傍下面に固着されて位置する一対の板体である。この上板と脚板の一体物は一対が設けられ、一方の上板端には既述のようにマグネットが設けられる。従って、地面載置時においては図4にて示すように、上板上面はなだらかな斜面を有し、互いの上板端は磁着して略山型状となる。
なお、脚板垂直端面は上板端面位置より内部に位置する。従って、磁着時においては図のように、双方の脚板端部に所定距離が存在し、この空隙内にホースを位置させることができ、通行体からホースを保護するとともに安全通行を可能とすることができる。
本発明の使用前は、相互の磁着を解除した状態にて保管しておく。使用時はホースをまたぐように本品を位置させ、上板端部距離を縮めていくと、磁力作用にて磁石と他の上板端はぴったりと磁着し、図4の状態となる。この状態において、ホースは上板下方の空隙内に位置し、このホース上方には上板が存在するのでこの上板表面が通行体と接触することとなる。また、図のように双方の上板にてなだらかに上下する傾斜面が得られるので、通行人や通行体はホースに触れることなくスムースに通行することができる。既述の例では上板相互当接面近傍は適度な鈍角に折曲しており、磁着時ではこの当接個所近傍は平面状となるので、より円滑に通行することができる。なお、本品のサイズは任意であるが、上板巾は800ミリメートル近傍が適当であると思われる。
【0007】
図6は脚板下部に丸みを持たせた例で、使用時はホースに角があたってホースを傷つける恐れがなく、またホースに対する位置決めが容易となる。図7は磁石に代えて蝶番を用いた例であり、他の部分は前例と同様である。図8は分離型に変えて一体型とした例である。
以上、本発明について記したが、本発明は簡単な構成品を磁着にて使用するものとしたところにその特徴を有し、利便性に富む物品を提供するものである。
本発明の材料については磁力に反応する鉄製としたが、他材質例えば木製や樹脂製とすることもできるが、この場合は一方の上板端面に鉄板などの磁力に反応する材料を設けることが必要である。既述の例では脚板は上板両側近傍に各1枚としたが、必要に応じてより多数の脚板を用いて構成してもよい。また、脚板に代えて上板両側を下方に折曲して形成してもよく、上板表面に凹凸を設けてもよい。この脚板は上板が傾斜面を形成するための形状であればよく、三角形以外の他の形状でもよい。また、上板の地面近傍端は既述例では地面に対し垂直面となっているが、この個所上面を延長することにて、上板上面端を地面に対して極接近位置とすることができる。
なお、上板表面にゴムライニングを施すことにて、通行体のスリップを防止することができる。図1や図5における二点鎖線は表示部5を示すもので、ここに黒と黄色が交互に現れる表現をすれば、本品の存在が明確になり、また、蛍光塗料や反射材等を表示することで薄暮時や夜間の本品視認をより容易とすることができて、安全通行上での効果を上げることができる。本品はその性質上、強度面での配慮が必要であり、適度な厚さの材料を用いることが望ましく、またそれにて適度な重量が得られて使用時の安定性を向上させることができる。
以上のごとく、本発明によって扱いの容易性、使用の安定性、保管の利便性を有する有用なる物品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の平面図(片方のみ表現)
【図2】本発明の正面図(片方のみ表現)
【図3】本発明の左側面図(片方のみ表現)
【図4】本発明の使用説明図
【図5】本発明の使用説明図
【図6】本発明の変化例説明図
【図7】本発明の変化例説明図
【図8】本発明の別例説明図
【符号の説明】
【0009】
1 上板
2 マグネット
3 脚板
4 ホース
5 表示部
6 蝶番

【特許請求の範囲】
【請求項1】
適宜形状の金属剛性板体による上板を設け、該上板下方に、斜辺を有する脚板を設けるとともに、一方の上板端より所定距離を持って脚板端を位置させ、以上の物体を一対設け、一方の上板端にマグネットを配置して互いの上板端の磁着を可能とすることにより、その下部に空隙を有する斜方上面の形成を可能としたことを特徴とする通行体用ホース保護具。
【請求項2】
マグネットに代えて蝶番を用いてなる請求項1記載の通行体用ホース保護具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−264572(P2009−264572A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−136030(P2008−136030)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(508154036)株式会社発明館 (1)
【Fターム(参考)】