説明

通行制御装置

【課題】通行を許可してはならない利用者に対して通行を確実に阻止できる通行制御装置を提供する。
【解決手段】乗客P3の乗車媒体に対する判定結果が通行不可であった場合、乗客とリンクされずに残った判定情報余りJx,Jyがあるか否かをチェックして、判定情報余りJx,Jyがあればこれらを消去する。判定情報余りJx,Jyがなくなることで、判定結果が通行不可の乗車媒体を所持する乗客P3は、乗客P1,P2が通路から出た後にゲート扉53が閉じて通行が阻止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば鉄道の駅に設置される自動改札装置などの通行制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1に記載されている自動改札装置は、先に本出願人により提案されたものである。この自動改札装置においては、複数のセンサを通行方向に直線状に配列し、各センサの間隔を、隣接するセンサが1人の人間を同時に検知するように設定する。また、少なくとも隣接するセンサを含む複数個のセンサを1グループとし、各グループごとにセンサ位置に対応したステータスを割当てる。そして、1グループにおける複数個のセンサ全部が検知信号を出力している状態のときに、当該グループのステータスに人間が位置していると判定し、ステータスの遷移を追跡することにより人間の位置をリアルタイムに管理する。このようにすることで、センサによって通行者の位置を確実に追跡することができ、通行者の数を正確にカウントすることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2005−4285号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の自動改札装置においては、通行者が所持する乗車媒体(例えば、非接触ICカード)に記録された通行情報を読取手段(例えばアンテナ)で読み取って、通行の可否を判定するとともに、通行者が読取手段近傍の所定位置に到達したことがセンサで検知されると、当該通行者に判定情報を対応付けるようになっている。この場合、人や荷物を正確に識別できておれば、判定情報に余りは生じない。
【0005】
しかしながら、人や荷物を100%正確に識別することは非常に困難であるため、特許文献1の自動改札装置においてさえも、まれに、判定情報に余りが発生する場合がある。例えば、自動改札装置に2人の通行者が隣接して進入した場合、投入された2枚の乗車券の判定結果が通行可であれば、2つの判定情報が記憶手段に記憶されるが、両通行者が接触状態で通路を通過すると、両者は1人として認識されるため、対応付けされる判定情報は1つだけであり、記憶手段に判定情報が1つ余ることになる。
【0006】
また、反射型の光センサで大人を識別する自動改札装置では、通行者が大人であるにもかかわらず、何らかの原因(例えば姿勢や服の色など)によりセンサが反射光を受光しなかった場合、正常な大人券の投入によって判定情報が記憶手段に記憶されるが、大人が識別されていないため、通行者が通路を通過しても、それは大人ではなく荷物が通過したと誤判定され、判定情報の対応付けが行われない。したがって、この場合も、記憶手段に判定情報が余ることになる。
【0007】
このような判定情報余りが発生している状態では、後続の、通行を許可してはならない利用者の通行を正確に阻止できなくなる。例えば、乗車券が期限切れ等により無効であるため判定NGとなった利用者や、非接触ICカードがアンテナに十分な時間かざされなかったため、カードに所定のデータが書き込まれず処理未了となった利用者であっても、判定情報に余りがあることで、通行が許可されてしまうことになる。通行を阻止できなかった利用者は、次の改札装置通過時に券やカードの情報が異常であるとして通行が阻止されるが、この場合、係員の対応が必要となり、処理未了媒体を窓口で書換えなければならないなど係員の負荷が増大する。また、本来厳密な入出場チェックにより期待された不正乗車防止効果が低減するという問題点もある。特に、最近では非接触ICカードの普及により、このような問題がますます増大することが懸念されている。
【0008】
本発明は上記課題を解決するものであって、その目的とするところは、たとえ判定情報余りが発生したとしても、通行を許可してはならない利用者に対しては通行を確実に阻止できる通行制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、通行者が所持する記録媒体に対する判定結果に基づいて扉の開閉を制御し、通行を許可または禁止する通行制御装置において、記録媒体に記録された通行情報を読み取る読取手段と、この読取手段が読み取った通行情報に基づいて通行の可否を判定する第1の判定手段と、この第1の判定手段の判定に係る通行情報を判定情報として読取手段の読み取り順に記憶する記憶手段と、通行者の通行を検知して、通行者毎に通行位置を管理する通行管理手段と、この通行管理手段により、通行者が読取手段の近傍の所定位置に到達したと判断されたとき、記憶手段に記憶されている判定情報の中で最も読み取り順の早い判定情報から順に、当該通行者に判定情報を対応付けする対応付け手段と、第1の判定手段の通行可否判定結果が通行不可であるとき、記憶手段に記憶されている先行の判定情報であって、第1の判定手段で通行可と判定され、かつ対応付け手段により対応付けされずに余った判定情報余りがあるか否かを判定する第2の判定手段と、この第2の判定手段により判定情報余りがあると判定されたとき、当該判定情報余りを消去する消去手段とを備える。
【0010】
ここで、第1の判定手段に関して、「読取手段が読み取った通行情報に基づいて通行の可否を判定する」とは、記録媒体から読み取った通行情報それ自体がNG(例えば有効期限切れ、区間外など)であるため通行不可と判定する場合のほか、記録媒体から読み取った情報はOKだが、記録媒体への書込み(例えば入場ビットの記録)が正常に行えなかったために、通行不可と判定するような場合も含む。
【0011】
本発明では、通行可否の判定結果が通行不可である場合に、通行者に対応付けされずに余った判定情報余りがあれば、この余りを消去するようにしたので、無効な乗車媒体を所持する利用者や、処理未了の乗車媒体を所持する利用者等は、判定情報余りがないため通行が禁止される。したがって、たとえ判定情報余りが発生したとしても、通行を許可してはならない利用者に対しては通行を確実に阻止できる。この結果、次の改札装置通過時での通行阻止を回避して係員の負荷を軽減できるとともに、厳密な入出場チェックにより不正乗車防止効果を高めることができる。
【0012】
本発明の好ましい実施形態では、第1の判定手段により通行不可と判定され、かつ、第2の判定手段により判定情報余りがあると判定された場合に、当該通行不可と判定された記録媒体の1つ前の記録媒体に対する通行の可否判定後に、対応付け手段による対応付けが行なわれているか否かを判定する第3の判定手段を更に備える。そして、この第3の判定手段により、対応付けが行なわれていると判定されたときは、全ての判定情報余りを消去手段により消去し、第3の判定手段により、対応付けが行なわれていないと判定されたときは、少なくとも1つの判定情報余りを残して、他の判定情報余りを消去手段により消去する。
【0013】
例えば、読取手段の近傍に2人が滞留しており、前方の利用者について記録媒体の判定結果がOKで対応付けが未完了の状態で、後方の利用者の記録媒体の判定結果がNGであった場合、全ての判定情報余りを消去すると、前方の利用者の判定情報も消去されるので、前方の利用者は対応付けが行われないまま通行が禁止されてしまう。そこで、上記のように、少なくとも1つの判定情報余りを残して、他の判定情報余りを消去することにより、前方の利用者が通行できなくなるという不具合を解消することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、通行を許可してはならない利用者に対して、通行を確実に阻止できる信頼性の高い通行制御装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1ないし図4は、本発明の実施形態に係る自動改札装置を示した図であり、図1は斜視図、図2は側面図、図3は上面図、図4は正面図である。図1、図3および図4において、50は自動改札装置、51は自動改札装置50の本体、52は自動改札装置50の改札側に設けられたゲート扉、53は自動改札装置50の集札側に設けられたゲート扉、54は自動改札装置50で使用される非接触ICカード(図示省略)との間で通信を行うアンテナ、55はアンテナ54で読み取った非接触ICカードが正常な乗車媒体であるか否かを表示するランプ表示部、56は乗客に対して通行許可や通行禁止等の各種メッセージを表示するメッセージ表示部、57は本体51の側部に設けられた側板、58は側板57の上面に設けられた小児/学生表示ランプ、59は側板57内に設けられているセンサ(後述)を覆うカバー、60は本体51の正面に設けられている通行可否表示部、61は1対の自動改札装置50により形成される通路である。
【0016】
以上のような自動改札装置50は、例えば鉄道の駅に設置され、乗客が非接触ICカードをアンテナ54の上にかざすと、アンテナ54が読み取った非接触ICカードのデータが本体51の内部に設けられている制御部に送られ、制御部が乗車媒体の適否を判定してゲート扉52,53の開閉を制御し、通行を許可または禁止する。なお、ここでは乗車媒体として非接触ICカードを用いる非接触型の自動改札装置を例に挙げているが、本発明は、磁気カードを用いる接触型の自動改札装置や、磁気カードと非接触ICカードの両方を使用できるハイブリッド型の自動改札装置にも適用することができる。
【0017】
図2は、図1における右側の自動改札装置50のカバー59を取り外した状態の側面図である。1〜20は通行方向に直線状に配列された人間位置追跡用のセンサであって、ここでは透過型の光センサから構成されている。また、図1の左側の自動改札装置50における側版57にも、通路61を挟んでセンサ1〜20のそれぞれと対向する位置に、透過型の光センサが設けられている。そして、各自動改札装置50においては、センサを構成する投光素子と受光素子とが通行方向に交互に配列されており、かつ、一方の自動改札装置50の投光素子と他方の自動改札装置50の受光素子とが通路61を挟んで対向している。このことにより、一方の自動改札装置50に投光素子のみを配列し、他方の自動改札装置50に受光素子のみを配列した場合に比べて、隣接する投光素子の間隔が2倍になるため、センサの数が多くなっても、センサ間での光の干渉を防止して誤動作を回避することができる。図3および図4のL1は、投光素子から受光素子へ投射される光の光軸を示している。
【0018】
図2において、センサ1〜20の各センサ間の間隔yは、人間の胴体の前後幅よりも小さな間隔、例えば8cmに設定されている。この結果、隣接するセンサ(例えばセンサ10とセンサ11)は、1人の人間により同時に遮光されて検知信号を出力するようになっている。上述したセンサ1〜20は検知手段を構成するが、検知手段はここに示したセンサ1〜20に限定されるものではなく、例えば検知手段として反射型の光センサを用いることもできる。また、図2では20個のセンサ1〜20を一列に配置しているが、これは一例であって、センサの数は自動改札装置50の通路長に応じて適宜選定すればよい。また、図2ではセンサ1〜20が一直線上に並ぶように配列されているが、隣接するセンサの床面からの高さを若干異ならせて、複数のセンサを交互に千鳥状に配列してもよい。さらに、本体51の筐体設計の都合上、センサ1〜20のうち一部のセンサ(例えばアンテナ54付近のセンサ)の床面からの高さを上下方向へずらして配列するようにしてもよい。
【0019】
図2の21,22は、大人と小児とを判別するための大人/小児センサであって、センサ1〜20の列よりやや上方の位置に設けられている。一方の大人/小児センサ21は、自動改札装置50の改札側に設けられ、他方の大人/小児センサ22は、自動改札装置50の集札側に設けられている。これらの大人/小児センサ21,22は、反射型の光センサから構成されており、斜め上方へ光を投射してその反射光を受光する。図4のL4は、大人/小児センサ21,22の光軸を示している。なお、大人/小児センサ21,22は透過型の光センサから構成してもよい。
【0020】
図2の31,32,41は、自動改札装置50の改札側に設けられた扉部小児検知用センサであって、このうち扉部小児検知用センサ31,32は、ゲート扉52の上部位置に配置されていて、入退出検知用センサを兼用している。扉部小児検知用センサ41は、ゲート扉52の下部位置に配置されている。また、33,34,42は、自動改札装置50の集札側に設けられた扉部小児検知用センサであって、このうち扉部小児検知用センサ33,34は、ゲート扉53の上部位置に配置されていて、入退出検知用センサを兼用している。扉部小児検知用センサ42は、ゲート扉53の下部位置に配置されている。これらの各センサ31〜34、41、42は、センサ1〜20と同様に、透過型の光センサから構成されている。図4のL2はセンサ31〜34の光軸を示しており、L3はセンサ41,42の光軸を示している。
【0021】
なお、図2において、センサ1〜20は自動改札装置50の設置面(床面)から約90cmの高さに設置されており、センサ31〜34は同設置面から約70cmの高さに設置されており、センサ41,42は、同設置面から約40cmの高さに設置されている。但し、これらは一例であって、各センサの設置高さは必要に応じて最適な値に設定すればよい。
【0022】
図5は、自動改札装置50の電気的構成を示したブロック図である。71は自動改札装置50の動作を制御する制御部としてのCPU、72はメモリから構成される記憶部である。記憶部72には、後述する判定情報が一時的に格納される判定情報キュー(Queue)73aと、判定情報を通行者と対応付けるためのリンクテーブル73bの領域が設けられている。このほか、記憶部72には、乗車媒体から読み取った通行情報が一時的に格納される領域、CPU71の動作プログラムや制御パラメータが格納される領域、自動改札装置50の稼働データが格納される領域等が設けられている(図示省略)。CPU71は、本発明における第1の判定手段、第2の判定手段、第3の判定手段、対応付け手段、消去手段の一実施形態を構成する。また、記憶部72は、本発明における記憶手段の一実施形態を構成する。
【0023】
74はゲート扉52,53を駆動する扉駆動部であって、扉開閉用のモータや、モータの駆動回路などから構成される。75は表示部であって、図1に示したランプ表示部55、メッセージ表示部56、小児/学生表示ランプ58および通行可否表示部60から構成される。76は上位装置であるホスト装置(図示省略)との間で通信を行うホスト通信部、77は自動改札装置50の各部に電源を供給する電源部である。78は人間検知部であって、図2に示したセンサ1〜20、21、22、31〜34、41、42から構成される。79はアンテナ54の動作を制御するアンテナ制御部であって、アンテナ54は非接触ICカードからなる非接触媒体81との間で無線通信を行い、非接触媒体81に記録されている通行情報を非接触で読み取る。人間検知部78は、CPU71および記憶部72とともに、本発明における通行管理手段の一実施形態を構成する。また、アンテナ54は、本発明における読取手段の一実施形態を構成し、非接触媒体81は、本発明における記録媒体の一実施形態を構成する。
【0024】
図6は、自動改札装置50での判定項目を表す判定情報フォーマットの一例である。判定項目としては、乗車券ID、判定結果、処理状態、券投入方向、小児投入、大人券/小児券がある。乗車券IDは乗車媒体ごとに割り振られる識別番号である。判定結果には、判定OK、判定NG、判定前がある。有効な乗車媒体の場合は、判定結果は判定OKとなり、無効な乗車媒体の場合は、判定結果は判定NGとなる。処理状態には、処理中、処理未了、処理完了がある。乗車媒体から読み取った情報に基づいて判定が行なわれた後、乗車媒体に対して所定の情報(例えば入場ビットや乗車駅コード)の書き込みが正常に行われて、はじめて処理完了となる。そして、判定結果がOKで、かつ処理状態が処理完了である場合に、通行が許可される。判定結果がOKであっても、書き込みが失敗した場合は、処理未了となり、通行は禁止される。券投入方向は、乗車媒体が改札側と集札側のいずれから投入されたかを表す判定情報である。小児投入は、券を投入したのが小児か否かを表す判定情報であって、大人/小児センサ21,22(図2)の検出結果から得られる。大人券/小児券は、投入された券が大人券か小児券かを表す判定情報である。
【0025】
図7は、記憶部72における判定情報キュー73aを模式的に示した図である。判定情報キュー73aは、FIFO(First In First Out)方式のバッファであり、判定結果がOKで処理が完了した判定情報、すなわち通行可と判定された判定情報が順次格納され、最も読み取り順の早い(古い)情報から順に取り出される。図7の例では、判定情報1、判定情報2、判定情報3の順に格納され、判定情報1、判定情報2、判定情報3の順に取り出される。
【0026】
図8は、記憶部72におけるリンクテーブル73bを模式的に示した図である。リンクテーブル73bには、判定情報キュー73aから読み取りの早い順に取り出された判定情報が、乗客と順次対応付けられて記録される。この対応付けは、後述する無札検知位置に乗客が到達するたびに行われる。乗客にはそれぞれ乗客IDが割り振られており、この乗客IDは、後述するように乗客が通路へ進入した時点で割り振られる。また、リンクテーブル73bには、乗客ごとのステータス情報も記録される。ステータス情報は、自動改札装置50を通行する人の位置を追跡して、通行者毎に通行位置をリアルタイムに管理するための情報である。ステータス情報については、前掲の特許文献1で詳細に述べられているが、以下でも説明しておく。
【0027】
図9A、図9Bは、ステータスとその遷移を説明する図である。ステータスとは、複数個のセンサをグループ化し、各グループごとにセンサ位置に対応して割り当てた位置情報のことである。例えば、図9A(a)のように上下に間隔を置いて設けられたセンサ1とセンサ31とが1グループを構成し、当該グループに対してステータスST1が割り当てられる。また、図9A(b)のように隣接するセンサ1,2とセンサ31とが1グループを構成し、当該グループに対してステータスST2が割り当てられる。また、図9A(c)のように隣接するセンサ2,3と、センサ32とが1グループを構成し、当該グループに対してステータスST3が割り当てられる。同様に、図9A(d)のように隣接するセンサ3,4と、センサ32とが1グループを構成し、当該グループに対してステータスST4が割り当てられる。
【0028】
続くステータスST5〜ST17は、図9A(e)〜(f)、図9B(g)に示したように割り当てられる。すなわち、隣接するセンサ2個が1グループを構成し、各グループに対してステータスST5、ST6、…ST17が順次割り当てられる。また、ステータスST18〜ST21は、ステータスST4〜ST1と同様に割り当てられる。
【0029】
CPU71は、センサ1〜20およびセンサ31〜34からの検知信号を監視して、1つのグループにおける複数個のセンサ全部が検知信号を出力している状態のとき、すなわち1グループ内のセンサの遮光状態のAND条件が成立しているときに、そのグループのステータスに人間が位置していると判定する。以下では、1人の人間により遮光されるセンサは、隣接する2個のセンサのみと仮定する。
【0030】
今、自動改札装置50の改札側から乗客が進入してくる場合を考えると、最初に入口のセンサ1,31が同時に遮光状態となるから、この時点でCPU71は、人間の現在位置が図9A(a)のステータスST1であると判定する。乗客が通路61を進むと、次にセンサ2が遮光状態となるが、前述したようにセンサ1とセンサ2との間隔は人間の胴体の前後幅より小さいため、センサ1,31は遮光状態を維持しており、センサ1,2,31が同時に遮光状態となり、各センサから検知信号が出力される。したがって、CPU71は、人間の現在位置が図9A(b)のステータスST2であると判定する。
【0031】
さらに乗客が通路61を進むと、次にセンサ3,32が遮光状態となるが、センサ2とセンサ3との間隔は人間の胴体の前後幅より小さいため、センサ2は遮光状態を維持しており、センサ2,3,32が同時に遮光状態となり、各センサから検知信号が出力される。したがって、CPU71は、人間の現在位置が図9A(c)のステータスST3であると判定する。同様に、乗客が通路61をさらに進むと、センサ3,4,32が同時に遮光状態となり、CPU71は人間の現在位置が図9A(d)のステータスST4であると判定する。乗客が通路61をさらに進むと、センサ4,5が同時に遮光状態となり、CPU71は人間の現在位置が図9A(e)のステータスST5であると判定する。
【0032】
以下同様にして、乗客が通路61を進むに伴って、ステータスはST6、ST7、…ST17と遷移してゆく(図9A(f)、図9B(g))。そして、乗客が出口付近に近づくと、図9B(h)〜(j)のように水平方向のセンサと上下方向のセンサとを含む3個のセンサ(17,18,33等)が同時に遮光状態となって、ステータスはST18、ST19、ST20と遷移する。最後に、乗客が出口に至ると図9B(k)のように上下のセンサ20,34が同時に遮光状態となり、ステータスはST21と判定される。その後、乗客が出口を抜けると、センサ20,34は透光状態となり、CPU71は自動改札装置50から乗客が退出したと判定する。
【0033】
以上の過程において、CPU71はステータスST1を判定した時点で、自動改札装置50へ進入した乗客に対して、前述の乗客IDを割当てる。そして、割当てた乗客IDをリンクテーブル73b(図8)に記録する。その後、CPU71は、そのIDの乗客の位置をステータス情報により管理する。すなわち、通行に伴ってセンサ1〜20の検知出力がセンサ間で順次遷移してゆくので、この遷移をCPU71が追跡し、ステータス情報を更新することにより、乗客の位置をリアルタイムに正確に管理することができる。また、人間の胴体より幅の小さい手や傘などを前方に差し出して通過するような場合に、たまたま1個のセンサがそれらを検知したとしても、それをもって人間を検知したと判定されることはなく、誤検知を防止することができる。
【0034】
次に、自動改札装置50における判定処理について説明する。図10〜図14は、判定処理の原理を説明するための模式図である。これらの図において、図2と同一部分には同一符号を付してある。なお、「無札検知位置」は、乗客が非接触媒体81をアンテナ54にかざさずに通行したか否かを判定する基準位置であり、アンテナ54近傍の所定位置に設定される。この無札検知位置は、また、人と判定情報とを対応付け(リンク)するタイミングを決める基準位置でもある。
【0035】
今、図10において、乗客P1の所持する乗車媒体(非接触ICカード)から通行情報を読み取って判定が行なわれると、前述したように乗車媒体に対して乗車券IDが割り振られ、判定結果が通行可(判定OKかつ処理完了)であれば、判定情報J1が判定情報キュー73aに格納される。このとき、乗客P1はまだ無札検知位置に至っていないので、乗客と判定情報とのリンクは完了していない。乗客P1が無札検知位置に至ると、判定情報キュー73aに記憶されている最も読み取り順の早い判定情報である判定情報J1が判定情報キュー73aから取り出され、乗客P1と判定情報J1とがリンクされ、リンクテーブル73bに記録される。
【0036】
次に、図11のように、リンクが完了した乗客P1が通路を進んだ後、乗客P2が自動改札装置50へ進入する場合、乗客P2に対して、乗客P1と同様の処理が行われる。すなわち、乗客P2の乗車媒体から通行情報を読み取って判定が行なわれると、乗車媒体に対して乗車券IDが割り振られ、判定結果が通行可であれば、判定情報J2が判定情報キュー73aに格納される。この時点では、先の判定情報J1はすでに取り出されていて存在しないので、判定情報J2が最も読み取り順の早い判定情報となる。そして、乗客P2が無札検知位置に至ると、この判定情報J2が判定情報キュー73aから取り出され、乗客P2と判定情報J2とがリンクされ、リンクテーブル73bに記録される。
【0037】
次に、図12のように、リンクが完了した乗客P1,P2が通路を進んだ後、乗客P3が自動改札装置50へ進入する場合、乗客P3に対して、乗客P1,P2と同様の処理が行われる。すなわち、乗客P3の乗車媒体から通行情報を読み取って判定が行なわれると、乗車媒体に対して乗車券IDが割り振られ、判定結果が通行可であれば、判定情報J3が判定情報キュー73aに格納される。この時点では、先の判定情報J1、J2はすでに取り出されていて存在しないので、判定情報J3が最も読み取り順の早い判定情報となる。そして、乗客P3が無札検知位置に至ると、この判定情報J3が判定情報キュー73aから取り出され、乗客P3と判定情報J3とがリンクされ、リンクテーブル73bに記録される。
【0038】
以上は、判定情報に余りの発生していない正常状態での処理動作であるが、最初にも述べたように、2人の乗客が接触状態で通行した場合や、人を荷物と誤検知した場合には、判定情報キュー73aに判定情報余りが発生する。判定情報余りが発生した場合、本発明のような対策を講じないと、通行を許可してはならない乗客でも、通行が可能となってしまう。これを図13の例で説明する。
【0039】
図13のように、リンクが完了した乗客P1,P2が通路を進んだ後、後続の乗客P3の乗車媒体に対する判定結果が通行不可(判定NGまたは処理未了)であったとする。この場合、判定情報余りがなければ、乗客P1,P2が通路から出た後にゲート扉53が閉じて、乗客P3は通行が禁止されるが、図13の例では、乗客とリンクされずに残った判定情報余りJx,Jyがあるため、乗客P1,P2が通路から出た後もゲート扉53は開いたままであり、乗客P3が不正に自動改札装置50を通過できてしまう。なお、ここでは、判定情報余りが2つの場合を示したが、判定情報余りが1つの場合や3つ以上の場合も同様である。
【0040】
そこで、本発明においては、図14に示すように、乗客P3の乗車媒体に対する判定結果が通行不可である場合に、判定情報余りJx,Jyを消去する。こうすることで、判定情報余りがなくなるので、判定結果が通行不可の乗車媒体を所持する乗客P3は、乗客P1,P2が通路から出た後にゲート扉53が閉じて通行が阻止される。
【0041】
図15は、判定処理の詳細な手順を示したフローチャートである。この手順は、CPU71(図5)が判定処理プログラムに従って実行する。ステップS1では、乗客の進入があったか否かを人間検知部78のセンサ出力に基づいて判定し、進入があれば(ステップS1:YES)、ステップS2へ進んで、乗車媒体(非接触ICカード)を受け付けたかどうかをアンテナ制御部79からの信号に基づいて判定する。アンテナ54に乗車媒体がかざされ、受け付けが検出されると(ステップS2:YES)、乗車媒体に記録されている通行情報を読み取って、通行可否の判定を行なう(ステップS3)。また、乗車媒体が検出されないまま(ステップS2:NO)、乗客が無札検知位置に達したことが人間検知部78のセンサ出力に基づいて検出された場合は(ステップS4:YES)、後述のステップS9へ移行する。
【0042】
ステップS3での判定が通行可であれば、判定情報を判定情報キュー73aへ格納し(ステップS5)、ステップS8へ進む。一方、ステップS3での判定が通行不可であれば、ステップS6へ移行して、判定情報キュー73aに判定情報余りがあるか否かを調べる。その結果、判定情報余りがなければ(ステップS6:NO)、ステップS8へ進み、判定情報余りがあれば(ステップS6:YES)、その判定情報余りを全てクリア(消去)し(ステップS7)、その後ステップS8へ進む。このステップS6とステップS7が、本発明の特徴をなす処理ステップである。
【0043】
ステップS8では、乗客が無札検知位置に至ったかどうかを、人間検知部78のセンサ出力に基づいて判定する。乗客が無札検知位置に至ると(ステップS8:YES)、その乗客が乗車券の必要な乗客か否か(大人か小児か)を、大人/小児センサ21,22の出力に基づいて判定する(ステップS9)。乗車券の必要な乗客(大人)であれば(ステップS9:YES)、次に、判定情報があるかどうかを判定情報キュー73aを参照して判定する(ステップS10)。ステップS5で判定情報が判定情報キュー73aに格納されている場合は、判定情報があるので(ステップS10:YES)、判定情報キュー73aから読み取りの早い順に判定情報を取り出し、取り出した判定情報を乗客とリンクさせてリンクテーブル73bに記録する(ステップS11)。その後、扉駆動部74によりゲート扉53(または54)を開状態にして、乗客の通行を許可する(ステップS12)。
【0044】
一方、ステップS3での判定が通行不可であった場合は、ステップS5での判定情報の格納が行われず、また、判定情報余りがある場合はこれが消去されるので(ステップS7)、判定情報キュー73aには判定情報が無いこととなり、ステップS10の判定はNOとなる。このときは、ステップS11での人と判定情報とのリンクは行われず、扉駆動部74によりゲート扉53(または54)が閉状態になって、乗客の通行が禁止される(ステップS13)。また、ステップS9での判定結果が乗車券の不要な乗客(小児)であれば(ステップS9:NO)、ステップS10、S11を省略してステップS12へ進み、通行を許可する。
【0045】
このように、上述した実施形態によれば、通行不可と判定された場合に、判定情報余りがあれば、この余りを消去するようにしたので、無効な乗車媒体や処理未了の乗車媒体を所持する乗客は通行が禁止される。したがって、万一判定情報余りが発生したとしても、通行を許可してはならない乗客に対しては通行を確実に阻止できる。この結果、次の改札装置通過時での通行阻止を回避して係員の負荷を軽減できるとともに、厳密な入出場チェックにより不正乗車防止効果を高めることができる。
【0046】
また、本実施形態においては、無札検知位置がアンテナ54の近傍に設定されていて、通行者が乗車媒体をアンテナ54にかざすのとほぼ同時に人と判定情報とがリンクされるようになっている点に重要な意義がある。従来の自動改札装置では、通路の中央位置付近で人と判定情報とのリンクを行っているので、後続の乗客が通行不可と判定された時点では、通路内にリンク未完了の乗客が存在する場合がある。このため、当該時点で判定情報余りを消去すると、通路内のリンク未完了の乗客は通行が禁止されてしまう。これに対して、本実施形態では、無札検知位置を過ぎて通路内に入った乗客は、人と判定情報とのリンクが完了しているので、後続の乗客が通行不可と判定された時点では、通路内にリンク未完了の乗客が存在する可能性はきわめて低い。このため、当該時点で判定情報余りを消去しても、通路内の乗客の通行が禁止される事態はほとんど生じない。
【0047】
図16は、本発明の他の実施形態による判定処理の原理を説明するための模式図である。図において、図14と同一部分には同一符号を付してある。ここでは、リンクが完了した乗客P1,P2が通路を進んだ後、自動改札装置50の入口に2人の乗客P3,P4が滞留している場合を想定する。前方の乗客P3は、乗車媒体の判定結果が通行可であるが、無札検知位置に至っておらず、したがって、リンクが未完了である。また、判定情報キュー73aには、リンクがされていない判定情報余りJx,Jyがある。この状態で、後方の乗客P4が手を伸ばして、乗車媒体をアンテナにかざし、その判定結果が通行不可であったとする。このとき、判定情報余りJx,Jyを全て消去してしまうと、乗客P3は本来通行を許可されるはずであるのに、判定情報がなくなるためにリンクが行われず、通行が禁止されてしまう。
【0048】
そこで、この不具合をなくすために、本実施形態では、通行不可と判定された乗車媒体(乗客P4の所持する乗車媒体)の1つ前の乗客媒体(乗客P3の所持する乗車媒体)に対する判定結果が通行可であり、かつ、この通行可否判定後に乗客P3と判定情報とのリンクが未完了である場合は、判定情報余りJx,Jyを全て消去するのではなく、1つ前の乗車媒体についての判定情報余りJyを残して、他の判定情報余りJxを消去する。これにより、乗客P3の判定情報は消されずに残るので、乗客P3が無札検知位置に至った時点で、判定情報と乗客P3とのリンクが行われ、乗客P3は通行が可能となる。一方、1つ前の乗客媒体に対する判定結果が通行可であり、かつ、この通行可否判定後に乗客P3と判定情報とのリンクが完了している場合は、先の実施形態と同様に、判定情報余りが全て消去される。
【0049】
図17は、図16の場合における判定処理の詳細な手順を示したフローチャートである。図17において、図15と同一の処理を行うステップには、図15と同一の符号を付してある。図17では、図15のステップS1〜S13に、さらにステップS14、S15が追加されている。ステップS3での判定が通行不可であり、判定情報余りがある場合(ステップS6:YES)、1つ前の乗車媒体に対する判定結果が通行可であり、かつ、この通行可否判定後に乗客P3と判定情報とのリンクが完了しているか否かを判定する(ステップS14)。その結果、判定結果が通行可で未リンクであれば(ステップS14:YES)、1つ前の判定情報余りを残して、それ以外の判定情報余りをクリアする(ステップS15)。また、判定結果が通行可でリンクが完了しておれば(ステップS14:NO)、判定情報余りを全てクリアする(ステップS7)。その他のステップについては、図15と同じであるので説明は省略する。
【0050】
上述した他の実施形態によれば、乗車媒体の判定結果が通行不可の場合に、当該乗車媒体より1つ前の乗車媒体の判定結果とリンク状態をチェックして、判定結果が通行可でリンクが未完了の場合には、1つ前の記録媒体の判定情報余りを残して他の判定情報余りを消去するようにしたので、図16のようなケースが発生した場合でも、本来通行を許可されるべき乗客が通行できなくなるという不具合を回避することができる。なお、本実施形態においては、1つ前の記録媒体の判定情報余りのみを残すようにしたが、必ずしもこれに限定する必要はなく、余っているどの判定情報を残しても乗客の通行を許可する上では問題がないので、少なくとも1つの判定情報余りを残すようにすればよい。
【0051】
以上述べた実施形態では、乗車媒体から読み取って判定した通行情報のうち、判定OKで処理完了のものを判定情報として判定情報キュー73aに格納したが、判定した通行情報を判定結果にかかわらず順次蓄積し、その中から判定OKで処理完了のものを判定情報として読み出すようにしてもよい。
【0052】
また、以上述べた実施形態では、本発明を鉄道の駅に設置される自動改札装置に適用した例を挙げたが、本発明の通行制御装置は空港などに設置される自動改札装置にも適用することができ、また、遊園地やイベント会場などの出入口に設置されるゲート装置などにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態に係る自動改札装置の斜視図である。
【図2】同自動改札装置を示した側面図である。
【図3】同自動改札装置を示した上面図である。
【図4】同自動改札装置を示した正面図である。
【図5】同自動改札装置の電気的構成を示したブロック図である。
【図6】判定情報フォーマットの一例である。
【図7】判定情報キューを模式的に示した図である。
【図8】リンクテーブルを模式的に示した図である。
【図9A】ステータスとその遷移を説明する図である。
【図9B】ステータスとその遷移を説明する図である。
【図10】判定処理の原理を説明するための模式図である。
【図11】判定処理の原理を説明するための模式図である。
【図12】判定処理の原理を説明するための模式図である。
【図13】判定処理の原理を説明するための模式図である。
【図14】判定処理の原理を説明するための模式図である。
【図15】判定処理の詳細な手順を示したフローチャートである。
【図16】他の実施形態による判定処理の原理を説明するための模式図である。
【図17】他の実施形態による判定処理の詳細な手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
1〜20,31〜34 センサ
50 自動改札装置
52,53 ゲート扉
71 CPU
72 記憶部
73a 判定情報キュー
73b リンクテーブル
78 人間検知部
J1〜J3 判定情報
Jx、Jy 判定情報余り
P1〜P4 乗客

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通行者が所持する記録媒体に対する判定結果に基づいて扉の開閉を制御し、通行を許可または禁止する通行制御装置において、
前記記録媒体に記録された通行情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段が読み取った通行情報に基づいて通行の可否を判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段の判定に係る通行情報を判定情報として前記読取手段の読み取り順に記憶する記憶手段と、
前記通行者の通行を検知して、通行者毎に通行位置を管理する通行管理手段と、
前記通行管理手段により、前記通行者が前記読取手段の近傍の所定位置に到達したと判断されたとき、前記記憶手段に記憶されている判定情報の中で最も読み取り順の早い判定情報から順に、当該通行者に判定情報を対応付けする対応付け手段と、
前記第1の判定手段の通行可否判定結果が通行不可であるとき、前記記憶手段に記憶されている先行の判定情報であって、前記第1の判定手段で通行可と判定され、かつ前記対応付け手段により対応付けされずに余った判定情報余りがあるか否かを判定する第2の判定手段と、
前記第2の判定手段により判定情報余りがあると判定されたとき、当該判定情報余りを消去する消去手段と、
を備えたことを特徴とする通行制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通行制御装置において、
前記第1の判定手段により通行不可と判定され、かつ、前記第2の判定手段により判定情報余りがあると判定された場合に、当該通行不可と判定された記録媒体の1つ前の記録媒体に対する通行の可否判定後に、前記対応付け手段による対応付けが行なわれているか否かを判定する第3の判定手段を更に備え、
前記第3の判定手段により、前記対応付けが行なわれていると判定されたときは、全ての判定情報余りを前記消去手段により消去し、
前記第3の判定手段により、前記対応付けが行なわれていないと判定されたときは、少なくとも1つの判定情報余りを残して、他の判定情報余りを前記消去手段により消去することを特徴とする通行制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−146433(P2008−146433A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−334124(P2006−334124)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】