通行面
通行面(1)が、互いに接するように敷設されたプレート状の被覆部材(3a,3b)により構成されている。互いに隣接する被覆部材(3a,3b)の互いに向き合う縁部(4a,4b)には、被覆部材の平面状に延びている部分と平行に縁部(4a,4b)から被覆部材に入り込むように延びている切欠き(7a,7b,7c,7d)が設けられている。互いに対向して配置された切欠き(7a,7b,7c,7d)は、互いにアライメントされている。アライメントバーは、互いにアライメントされた2つの切欠きの一方の中で移動可能に支持されており、互いにアライメントされた両切欠き(7a,7b,7c,7d)と係合し、隣接する被覆部材(3a,3b)同士の間に存在する隙間(9)を橋渡しするように、調節軸(8a,8b)によって、互いにアライメントされた両切欠きのうちの他方の中へ部分的に入るように移動可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに接するように敷設されたプレート状の被覆部材で構成されている通行面、特に平面交差の通行面に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上述した種類の通行面では、プレート状の被覆部材が、段差のない連続する面を形成するようになっているのが通常である。しかしながら、これは、プレート状の被覆部材を支える基礎構造が、段差のない連続的に延びる通行面のために必要な被覆部材の安定した支持を与えることができない場合には、実現しないことが多い。そのような通行面を通る乗物は被覆部材に荷重をかける。そのような荷重が作用する個所は絶えず変化して、ある部材から他の部材へと移っていき、その都度ちょうど荷重を受けている被覆部材が、その時に荷重を受けていない被覆部材よりも多少なりとも大きく、下向きに押さえ付けられることがある。そのために、隣接する被覆部材の互いに向かい合う縁部のところで、一時的に、望ましくない通行面の段差が生じる。これは、特に被覆部材が弾性的に支持されている場合、たとえば平面交差の通行面を構成するために線路のレールに弾性的に支持される被覆部材などの場合に当てはまる。特に、こうした平面交差の上を、重い道路走行車両が、線路が延びている方向に対して斜めに走行すると、上述した不都合な作用が起こる可能性がある。また、プレート状の被覆部材で構成されたその他の通行面、たとえばプレート状の被覆部材が敷設された公共の広場などで、隣接して配置された被覆部材同士の互いに相対的な、特徴的な垂直方向の運動が、多くの場合には非対称に作用する交通荷重の影響のもとで多少なりとも生じ、それが、所望の通行面の段差なしに延びる部分を妨げる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、上に述べたような欠点を解消した、冒頭に述べた種類の通行面を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に基づいて構成される冒頭に述べた種類の通行面は、被覆部材には、各被覆部材の、隣接する被覆部材の方を向いている少なくとも1つの縁部に、アライメントバーを収容する役目をする少なくとも1つの切欠きが設けられており、切欠きは、被覆部材の平面状に延びている部分と平行に被覆部材の縁部から被覆部材の中に入り込んでおり、互いに隣接する被覆部材の互いに向き合う縁部に設けられた切欠きは、互いにアライメントされており、切欠きの高さは、アライメントバーを切欠きの中で案内するようにアライメントバーの高さ寸法に対応しており、アライメントバーは、それぞれ切欠きの中で変位可能に支持されており、アライメントバーは、隣接する被覆部材同士の間にある隙間を橋渡しするように各アライメントバーを支持している切欠きに対してアライメントされた隣接する被覆部材の切欠きと係合するように、外部から操作可能であり対応する切欠きへ通じる調節軸によって、各アライメントバーを支持する切欠きから部分的に外に出るように移動可能であることを特徴とする。このような構成により、前記した目的を良好に達成することができる。本発明の構成により、設計的に簡単な方法で、望ましくない不都合な段差の発生に対処することができ、また、被覆部材を敷設するときに、通行面の段差なしに延びる部分を実現するために必要な操作が容易になり、メンテナンス作業を行うために必要な場合には、隣接する被覆部材同士の間に設けられた連結部を後の時点で容易に外すことができ、その際に、個々の被覆部材を大きな組立体から取り外すことも容易にできるというさらなる利点も得られる。
【0005】
アライメントバーと、その被覆部材内への取り付けは、非対称に作用する交通荷重から引き起こされ、被覆部材の平面状に延びている部分に対して垂直方向に生じる、予期される横方向力を安全に受け止めて、隣接する各被覆部材へ伝えて、被覆部材が傾く方向のあらゆる運動を防ぐことができるように設定されている。
【0006】
重い荷重が予想される場合に特に有利な好ましい実施形態は、切欠きは通路状に構成されており、互いに隣接する被覆部材の互いに向き合う縁部に設けられた切欠きの幾何軸は互いにアライメントされており、アライメントバーは、その長手方向に延びる噛み合い部をそれぞれ有し、通路状の切欠き内でのアライメントバーの滑り嵌めを生じさせる断面を有するスライドバーとして構成されており、さらに、スライドバーとして構成されたアライメントバーが内部で支持される、互いにアライメントされた各切欠き対の各々の切欠きには、それぞれ通路状の切欠きに入り込むように歯車が回転可能に配置されており、歯車は、アライメントバーの長手方向の変位のためにその噛み合い部と係合可能であり、外部へ通じる調節軸に据え付けられており、調節軸とともに回転可能であり、各切欠きの奥行は、対応するアライメントバーの長さと少なくとも同じ大きさであることを特徴とする。この点で、各歯車の意図しない回転を防ぐ固定部が設けられるようになっていると、より有利である。さらに、スライドバーに、外側への変位経路を制限する制限ストッパがそれぞれ設けられると好都合であり、制限ストッパは、好ましくは各スライドバーの内側端部に配置された小板として構成される。
【0007】
通路状の切欠きの構成に関しては、通路状の切欠きが止まり穴として構成されるようになっていると、受け止めるべき荷重に関して多くの場合に好都合な、構造が簡単な実施形態が得られる。被覆部材の製造に関してしばしば利点をもたらす変形例は、被覆部材は通路状の切欠きが設けられた互いに平行な2つの縁部を有しており、通路状の切欠きは一方の縁部から他方の縁部まで連続して延びていることを特徴とする。
【0008】
通路状の切欠きが管材で内側から覆われるようになっていると、製造に関してと、被覆部材に外部から作用する荷重の受け止めに関して好ましい。
【0009】
被覆部材を敷設するときや、必要に応じてそれを組立体から取り外すときに、操作すべき構造部材への容易なアクセスを可能にする設計形態は、被覆部材の中で、被覆部材の平面状に延びている部分に対して垂直に外部へ通じる軸に据え付けられた歯車が設けられていることを特徴とする。被覆部材の中で、被覆部材の平面状に延びている部分と平行に外部へ通じる軸に据え付けられた歯車が設けられていることを特徴とする変形例は、たとえば線路の2つのレールの間にただ1列の被覆部材が敷設された平面交差の通行面を構成する場合などの多くのケースにおいて、被覆部材の上面で閉じた面を実現することを可能にする。歯車の形成に関して、およびスライドバーとして構成されたアライメントバーの噛み合い部と係合するための歯車の被覆部材への挿入に関しては、歯車の歯は、外部へ通じる軸に刻まれた噛み合い部の形態で構成されるようになっていることが好ましい。
【0010】
通行面を構成するための被覆部材の敷設に関して好ましい被覆部材の実施形態は、被覆部材は互いに平行な2つの縁部をそれぞれ有しており、これらの縁部の各々に2つの切欠きが設けられており、一方の縁部に設けられた切欠き同士の相互の間隔は、他方の縁部に設けられた切欠き同士の相互の間隔に等しく、一方の縁部に設けられた切欠きは、他方の縁部に設けられた切欠きとそれぞれアライメントされており、アライメントバーの支持部を形成している切欠きは、支持用の切欠きから突出するアライメントバーが係合する切欠きとそれぞれアライメントされており、各々の縁部には、支持用の切欠きだけでなく係合用に設けられた切欠きも設けられていることを特徴とする。この実施形態では、被覆部材の特定の形状の向きを合わせる必要なしに、すべての被覆部材をつなぎ合わせることができる。その変形例は、被覆部材は互いに平行な2つの縁部を有しており、これらの縁部の各々に少なくとも1つの切欠き、好ましくは複数の、特に2つの切欠きが設けられており、一方の縁部に設けられた切欠き同士の相互の間隔は、他方の縁部に設けられた切欠き同士の相互の間隔に等しく、一方の縁部に設けられた切欠きは、他方の縁部に設けられた切欠きとそれぞれアライメントされており、一方の縁部には、アライメントバーをそれぞれ支持する切欠きが設けられており、他方の縁部には、支持用の切欠きから突出するアライメントバーが係合する切欠きが設けられていることを特徴とする。
【0011】
小さい荷重が予想される通行面に特に適しており、アライメントバーが非常に単純な構造を有しており、隣接する被覆部材同士の間の連結部を形成するため、およびそのような種類の連結を解除するために、容易かつ迅速に操作可能な、本発明に基づいて構成された通行面の他の実施形態は、アライメントバーは、各アライメントバーを支持する被覆部材内において被覆部材の平面状に延びている部分に対して垂直方向に延びるように支持されている軸にそれぞれ取り付けられ、その軸によって支持用の被覆部材の切欠きから外に出るようにピボット運動可能である翼状のピボットバーからなることを特徴とする。この点で、アライメントバーの簡単な操作のため、およびこれらのアライメントバーにより形成される連結部の良好な安定性の実現のために、切欠きは、ピボットバーに対してピボット運動の角度を制限するように形成されるようになっていることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に基づいて構成された通行面の第1の実施例を示す平面図であり、複数の部分領域を破断して水平方向の断面を示す図である。
【図2】図1のII−II線に沿う垂直方向の断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う垂直方向の断面図である。
【図4】本発明に基づいて構成された通行面のために設けられた被覆部材の一部を示す平面図であり、前記した被覆部材の破断された部分の水平方向の断面を示す図である。
【図5】本発明に基づいて構成された通行面のために設けられた被覆部材の変形例を示す平面図であり、前記した被覆部材の破断された部分の水平方向の断面を示す図である。
【図6】本発明に基づいて構成された通行面の他の実施例を示す平面図である。
【図7】この通行面の破断された部分領域を示す、図8のVII−VII線に沿う水平方向の断面図である。
【図8】前記した部分領域を示す、図7のVIII−VIII線に沿う垂直方向の断面図である。
【図9】被覆部材が2次元的に互いに接するように敷設された、本発明に基づいて構成された通行面のさらに他の実施例を示す平面図である。
【図10】同様に、図9に示す実施例の変形例を示す平面図である。
【図11】同様に、図1に示す実施例の変形例を示す同じく平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、平面交差の踏切の通行面を形成する、本発明に基づいて構成された通行面1の実施例を示している。この通行面は、線路のレール2の間で互いに接するように敷設され、これらのレールに支持されるプレート状の被覆部材3a,3bで構成されている。レールのほうを向いている被覆部材の縁部と、レールとの間には、図面には詳しくは示さない弾性的な挿入物を設けるのが好ましい。図1に概略的に示されているように、被覆部材3a,3bと同一または類似するように作られた、レール2の外側に接するように敷設された被覆部材3cも設けられている。
【0014】
個々の被覆部材3a,3bには、その縁部4a,4bに切欠き7a,7bが設けられており、これらの切欠きは、本実施例ではスライドバー5の形態で構成されたアライメントバーを収容する役目をする。それぞれ個々のアライメントバーごとに、隣接して配置された被覆部材の互いに向き合う縁部4a,4bに対して対向するように1対の切欠き7a,7bが設けられており、これらの切欠き7a,7bは被覆部材3a,3bの平面状に延びる部分と平行に、被覆部材の縁部4a,4bから被覆部材の中へ入り込んでいる。切欠き7a,7bは、スライドバー5の形態であるアライメントバーの構成に対応して通路(チャネル)状に構成されている。互いに隣接して配置された被覆部材3a,3bの互いに向き合う縁部4a,4bに設けられ、互いに対向するように位置する切欠き7a,7bの幾何軸10a,10bは、相互にアライメントされている。スライドバー5は、通路状に構成された切欠き7a,7bの中で滑り嵌めを生じさせる断面を有している。特に切欠き7a,7bの高さHは、スライドバー5として構成されたアライメントバーの高さ寸法に相当する。切欠き7aは、スライドバー5として構成されたアライメントバーの長さと少なくとも同じ大きさの奥行14を有しており、このアライメントバーは、被覆部材の敷設が行われるまで、切欠き7aに差し込まれたまま保たれる。その後、アライメントバーは、その長さ方向の一部が切欠き7aから外に出るように動かされ、それによって、アライメントバーは、隣接する被覆部材同士の間にある隙間9を橋渡しするように、それぞれ対応する切欠き7aとアライメントされた隣の被覆部材の切欠き7bに係合する。スライドバー5のこのような運動を引き起こすために、このスライドバーにはその長方向に延びる噛み合い部11が設けられており、スライドバーとして構成されたアライメントバーの長手方向の変位のために噛み合い部11と係合可能な歯車12が設けられている。この歯車12は、各アライメントバーごとに設けられた通路状の切欠き7aに入り込むように回転可能に配置されている。これらの各々の歯車12は、図1に示す実施例では被覆部材の平面状に延びる部分に対して垂直方向に延びる、外部へと通じる調節軸8aに据え付けられている。スライドバー5の上述した長手方向の変位は、矢印13によって図示されている。調節バー5の変位のために比較的小さい力しか必要としない、構造が簡単で頑丈な歯車の実施形態は、歯車の歯を、調節軸に刻まれた噛み合い部の形状に形成することによって得られる。各調節バー5には、外側への変位を制限する制限ストッパ15も設けられているのが好ましい。このような制限ストッパは、たとえば各スライドバーの内側端部に設けられたプレートレット(小板)の形態で具体化されていてよく、このプレートレットは、スライドバーが最大の外側への変位長さに達したときに各歯車12に当接して、それ以上の歯車の回転運動を妨げる。さらに、各歯車の意図しない回転を防ぐための固定部を設けるのが好都合である。このような固定部は、たとえば噛み合い部へ差込可能なピンやストラップの形態で構成されていてよい。
【0015】
調節軸8aの外側端部には、歯車12を回すために調節軸8aに配置される、回転工具のための取り付け面が設けられるのが好ましい。これはドライバーを挿入するための単純なスリット18であってよく、あるいは調節軸8aの端部における三角形、四角形、六角形の形状であってもよく、このような形状は調節軸の外面に形成されていてもよく、または調節軸に設けられた窪みの形態に形成されていてもよい。
【0016】
互いに対向するとともに相互にアライメントされており互いに隣接する被覆部材に設けられた切欠き7a,7bに、スライドバー5が係合しており、このスライドバーが、隣接する被覆部材同士の間にある隙間を橋渡しすることによって、被覆部材にかかる不均一な荷重によって生じて個々の被覆部材の高さ位置を変化させようとする横方向の力が安定化させられるように受け止められ、通行面に望ましくない段差が発生するのが防げる。このような非対称の著しく大きい荷重は、たとえば非常に重い道路走行車両がしばしば通過する平面交差の踏切で生じることがあり、これは特に、走行方向Fが線路の長手方向Gに対して垂直方向ではなく、図1に示すように斜めに延びている場合に生じる。
【0017】
図1に示す実施例では、通路状に構成された切欠き7a,7bは止まり穴の形態で製作されており、このような切欠きは被覆部材の断面全体のうちのわずかな部分のみを占める。このような切欠きは、被覆部材を製造するときに、被覆部材に簡単に形成することができる。
【0018】
被覆部材を製造するときに、正確に形成された切欠きの内面を比較的少ない作業コストで得るために、図4に符号7bで示すように、通路状の切欠き7a,7bの内側を管16で覆うのが好ましい。通路状の切欠きを被覆部材の内部に形成するのを簡単にするという点と、このような切欠きが正確にアライメントした状態で延びるのを実現するという点で、図5に示すように、通路状の切欠きが被覆部材の一方の縁部4aから他方の縁部4bまで連続して延びるようにするのが好都合である場合も多い。このような実施形態では、内側を覆う管材16を設けるのが特に好ましく、このような管材16は切欠きの形成を容易にするばかりでなく、被覆部材の強度への好ましい貢献も果たす。
【0019】
図5に示す実施例では、スライドバー5の噛み合い部11に係合する歯車12は、対応する被覆部材の中でその被覆部材の平面状に延びる部分と平行に外部へ通じる軸8bに据え付けられている。対応する被覆部材の上面は閉じられた構成にすることができ、歯車から外部へと通じる軸に沿う異物の意図しない侵入が防止される。
【0020】
図6から図8に示す実施例では、互いに隣接して敷設されたプレート状の被覆部材3a,3bから構成されている通行面1の段差なしに連続して延びている部分を確保するために設けられているアライメントバーは、翼状のピボットバー6である。このピボットバー6は、各被覆部材の平面状に延びる部分に対して垂直方向に切欠き7cを通って延びる軸8aにそれぞれ取り付けられている。軸を回転させることで、ピボットバー6は、そのピボットバーが支持されている切欠き7から長さの一部が出るように動き、矢印17により示されているように、切欠き7cとアライメントされた切欠き7dへ挿入され得る。切欠き7c,7dの高さHはピボットバー6の高さ寸法に対応しており、このようにして、互いに隣接して配置された被覆部材3a,3bの間の高さの相対的なずれが生じるのを防ぐ。切欠き7c,7dは、切欠き7dに係合するピボットバー6が当接する端面7c’,7d’を有することによって、ピボット角度が制限されるように形成されている。
【0021】
図9は、2次元的に互いに接するように敷設されたプレート状の被覆部材で構成されている通行面の平面図を示している。互いに接するように配置された被覆部材3a,3bの互いに向き合う縁部4a,4bには、図7および図8に示すようなアライメントバーが配置されている。
【0022】
図10は、図1に示す実施例で用いられているようなアライメントバーが設けられている変形例を示している。
【0023】
図1に示す実施例では、被覆部材3a,3bは互いに平行な2つの縁部4a,4bを有しており、これらの縁部の各々に、アライメントバーを収容するための2つの切欠きが設けられている。この一方の縁部に設けられた切欠き同士の間の相互間隔は、他方の縁部に設けられた切欠き同士の間の相互間隔に等しい。被覆部材3bの一方の縁部4aに設けられた切欠きは、被覆部材の他方の縁部4bに設けられた切欠きにそれぞれアライメントされており、一方の縁部にはアライメントバーのための支持部を形成する切欠き7aが設けられており、他方の縁部には、支持用の切欠き7aから突出するアライメントバーがそれぞれ係合する切欠き7bが設けられている。この実施例は、通行面を共同で形成する個々の被覆部材が一貫して同じ位置決めをすることを必要とする。変形例では、被覆部材の互いに平行な両縁部の各々にただ1つずつの切欠きを設けることができ、また、両縁部の各々に2つより多い切欠きを設けることもできる。
【0024】
図1に示す実施例の変形例が図11に示されており、この変形例は、つなぎ合わせて通行面を形成するときに個々の被覆部材を特定の向きを保つための方策を必要としない。この場合、各被覆部材3a,3bの縁部4a,4bの各々に、支持用の切欠き7aと係合用に設けられた切欠き7bの両方が、相互にオフセットされた状態に設けられており、それ以外の点では、切欠き7a,7bのアライメントおよび相互の間隔に関して、図1に示す実施例と同じ条件が当てはまる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに接するように敷設されたプレート状の被覆部材で構成されている通行面、特に平面交差の通行面に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上述した種類の通行面では、プレート状の被覆部材が、段差のない連続する面を形成するようになっているのが通常である。しかしながら、これは、プレート状の被覆部材を支える基礎構造が、段差のない連続的に延びる通行面のために必要な被覆部材の安定した支持を与えることができない場合には、実現しないことが多い。そのような通行面を通る乗物は被覆部材に荷重をかける。そのような荷重が作用する個所は絶えず変化して、ある部材から他の部材へと移っていき、その都度ちょうど荷重を受けている被覆部材が、その時に荷重を受けていない被覆部材よりも多少なりとも大きく、下向きに押さえ付けられることがある。そのために、隣接する被覆部材の互いに向かい合う縁部のところで、一時的に、望ましくない通行面の段差が生じる。これは、特に被覆部材が弾性的に支持されている場合、たとえば平面交差の通行面を構成するために線路のレールに弾性的に支持される被覆部材などの場合に当てはまる。特に、こうした平面交差の上を、重い道路走行車両が、線路が延びている方向に対して斜めに走行すると、上述した不都合な作用が起こる可能性がある。また、プレート状の被覆部材で構成されたその他の通行面、たとえばプレート状の被覆部材が敷設された公共の広場などで、隣接して配置された被覆部材同士の互いに相対的な、特徴的な垂直方向の運動が、多くの場合には非対称に作用する交通荷重の影響のもとで多少なりとも生じ、それが、所望の通行面の段差なしに延びる部分を妨げる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、上に述べたような欠点を解消した、冒頭に述べた種類の通行面を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に基づいて構成される冒頭に述べた種類の通行面は、被覆部材には、各被覆部材の、隣接する被覆部材の方を向いている少なくとも1つの縁部に、アライメントバーを収容する役目をする少なくとも1つの切欠きが設けられており、切欠きは、被覆部材の平面状に延びている部分と平行に被覆部材の縁部から被覆部材の中に入り込んでおり、互いに隣接する被覆部材の互いに向き合う縁部に設けられた切欠きは、互いにアライメントされており、切欠きの高さは、アライメントバーを切欠きの中で案内するようにアライメントバーの高さ寸法に対応しており、アライメントバーは、それぞれ切欠きの中で変位可能に支持されており、アライメントバーは、隣接する被覆部材同士の間にある隙間を橋渡しするように各アライメントバーを支持している切欠きに対してアライメントされた隣接する被覆部材の切欠きと係合するように、外部から操作可能であり対応する切欠きへ通じる調節軸によって、各アライメントバーを支持する切欠きから部分的に外に出るように移動可能であることを特徴とする。このような構成により、前記した目的を良好に達成することができる。本発明の構成により、設計的に簡単な方法で、望ましくない不都合な段差の発生に対処することができ、また、被覆部材を敷設するときに、通行面の段差なしに延びる部分を実現するために必要な操作が容易になり、メンテナンス作業を行うために必要な場合には、隣接する被覆部材同士の間に設けられた連結部を後の時点で容易に外すことができ、その際に、個々の被覆部材を大きな組立体から取り外すことも容易にできるというさらなる利点も得られる。
【0005】
アライメントバーと、その被覆部材内への取り付けは、非対称に作用する交通荷重から引き起こされ、被覆部材の平面状に延びている部分に対して垂直方向に生じる、予期される横方向力を安全に受け止めて、隣接する各被覆部材へ伝えて、被覆部材が傾く方向のあらゆる運動を防ぐことができるように設定されている。
【0006】
重い荷重が予想される場合に特に有利な好ましい実施形態は、切欠きは通路状に構成されており、互いに隣接する被覆部材の互いに向き合う縁部に設けられた切欠きの幾何軸は互いにアライメントされており、アライメントバーは、その長手方向に延びる噛み合い部をそれぞれ有し、通路状の切欠き内でのアライメントバーの滑り嵌めを生じさせる断面を有するスライドバーとして構成されており、さらに、スライドバーとして構成されたアライメントバーが内部で支持される、互いにアライメントされた各切欠き対の各々の切欠きには、それぞれ通路状の切欠きに入り込むように歯車が回転可能に配置されており、歯車は、アライメントバーの長手方向の変位のためにその噛み合い部と係合可能であり、外部へ通じる調節軸に据え付けられており、調節軸とともに回転可能であり、各切欠きの奥行は、対応するアライメントバーの長さと少なくとも同じ大きさであることを特徴とする。この点で、各歯車の意図しない回転を防ぐ固定部が設けられるようになっていると、より有利である。さらに、スライドバーに、外側への変位経路を制限する制限ストッパがそれぞれ設けられると好都合であり、制限ストッパは、好ましくは各スライドバーの内側端部に配置された小板として構成される。
【0007】
通路状の切欠きの構成に関しては、通路状の切欠きが止まり穴として構成されるようになっていると、受け止めるべき荷重に関して多くの場合に好都合な、構造が簡単な実施形態が得られる。被覆部材の製造に関してしばしば利点をもたらす変形例は、被覆部材は通路状の切欠きが設けられた互いに平行な2つの縁部を有しており、通路状の切欠きは一方の縁部から他方の縁部まで連続して延びていることを特徴とする。
【0008】
通路状の切欠きが管材で内側から覆われるようになっていると、製造に関してと、被覆部材に外部から作用する荷重の受け止めに関して好ましい。
【0009】
被覆部材を敷設するときや、必要に応じてそれを組立体から取り外すときに、操作すべき構造部材への容易なアクセスを可能にする設計形態は、被覆部材の中で、被覆部材の平面状に延びている部分に対して垂直に外部へ通じる軸に据え付けられた歯車が設けられていることを特徴とする。被覆部材の中で、被覆部材の平面状に延びている部分と平行に外部へ通じる軸に据え付けられた歯車が設けられていることを特徴とする変形例は、たとえば線路の2つのレールの間にただ1列の被覆部材が敷設された平面交差の通行面を構成する場合などの多くのケースにおいて、被覆部材の上面で閉じた面を実現することを可能にする。歯車の形成に関して、およびスライドバーとして構成されたアライメントバーの噛み合い部と係合するための歯車の被覆部材への挿入に関しては、歯車の歯は、外部へ通じる軸に刻まれた噛み合い部の形態で構成されるようになっていることが好ましい。
【0010】
通行面を構成するための被覆部材の敷設に関して好ましい被覆部材の実施形態は、被覆部材は互いに平行な2つの縁部をそれぞれ有しており、これらの縁部の各々に2つの切欠きが設けられており、一方の縁部に設けられた切欠き同士の相互の間隔は、他方の縁部に設けられた切欠き同士の相互の間隔に等しく、一方の縁部に設けられた切欠きは、他方の縁部に設けられた切欠きとそれぞれアライメントされており、アライメントバーの支持部を形成している切欠きは、支持用の切欠きから突出するアライメントバーが係合する切欠きとそれぞれアライメントされており、各々の縁部には、支持用の切欠きだけでなく係合用に設けられた切欠きも設けられていることを特徴とする。この実施形態では、被覆部材の特定の形状の向きを合わせる必要なしに、すべての被覆部材をつなぎ合わせることができる。その変形例は、被覆部材は互いに平行な2つの縁部を有しており、これらの縁部の各々に少なくとも1つの切欠き、好ましくは複数の、特に2つの切欠きが設けられており、一方の縁部に設けられた切欠き同士の相互の間隔は、他方の縁部に設けられた切欠き同士の相互の間隔に等しく、一方の縁部に設けられた切欠きは、他方の縁部に設けられた切欠きとそれぞれアライメントされており、一方の縁部には、アライメントバーをそれぞれ支持する切欠きが設けられており、他方の縁部には、支持用の切欠きから突出するアライメントバーが係合する切欠きが設けられていることを特徴とする。
【0011】
小さい荷重が予想される通行面に特に適しており、アライメントバーが非常に単純な構造を有しており、隣接する被覆部材同士の間の連結部を形成するため、およびそのような種類の連結を解除するために、容易かつ迅速に操作可能な、本発明に基づいて構成された通行面の他の実施形態は、アライメントバーは、各アライメントバーを支持する被覆部材内において被覆部材の平面状に延びている部分に対して垂直方向に延びるように支持されている軸にそれぞれ取り付けられ、その軸によって支持用の被覆部材の切欠きから外に出るようにピボット運動可能である翼状のピボットバーからなることを特徴とする。この点で、アライメントバーの簡単な操作のため、およびこれらのアライメントバーにより形成される連結部の良好な安定性の実現のために、切欠きは、ピボットバーに対してピボット運動の角度を制限するように形成されるようになっていることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に基づいて構成された通行面の第1の実施例を示す平面図であり、複数の部分領域を破断して水平方向の断面を示す図である。
【図2】図1のII−II線に沿う垂直方向の断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う垂直方向の断面図である。
【図4】本発明に基づいて構成された通行面のために設けられた被覆部材の一部を示す平面図であり、前記した被覆部材の破断された部分の水平方向の断面を示す図である。
【図5】本発明に基づいて構成された通行面のために設けられた被覆部材の変形例を示す平面図であり、前記した被覆部材の破断された部分の水平方向の断面を示す図である。
【図6】本発明に基づいて構成された通行面の他の実施例を示す平面図である。
【図7】この通行面の破断された部分領域を示す、図8のVII−VII線に沿う水平方向の断面図である。
【図8】前記した部分領域を示す、図7のVIII−VIII線に沿う垂直方向の断面図である。
【図9】被覆部材が2次元的に互いに接するように敷設された、本発明に基づいて構成された通行面のさらに他の実施例を示す平面図である。
【図10】同様に、図9に示す実施例の変形例を示す平面図である。
【図11】同様に、図1に示す実施例の変形例を示す同じく平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、平面交差の踏切の通行面を形成する、本発明に基づいて構成された通行面1の実施例を示している。この通行面は、線路のレール2の間で互いに接するように敷設され、これらのレールに支持されるプレート状の被覆部材3a,3bで構成されている。レールのほうを向いている被覆部材の縁部と、レールとの間には、図面には詳しくは示さない弾性的な挿入物を設けるのが好ましい。図1に概略的に示されているように、被覆部材3a,3bと同一または類似するように作られた、レール2の外側に接するように敷設された被覆部材3cも設けられている。
【0014】
個々の被覆部材3a,3bには、その縁部4a,4bに切欠き7a,7bが設けられており、これらの切欠きは、本実施例ではスライドバー5の形態で構成されたアライメントバーを収容する役目をする。それぞれ個々のアライメントバーごとに、隣接して配置された被覆部材の互いに向き合う縁部4a,4bに対して対向するように1対の切欠き7a,7bが設けられており、これらの切欠き7a,7bは被覆部材3a,3bの平面状に延びる部分と平行に、被覆部材の縁部4a,4bから被覆部材の中へ入り込んでいる。切欠き7a,7bは、スライドバー5の形態であるアライメントバーの構成に対応して通路(チャネル)状に構成されている。互いに隣接して配置された被覆部材3a,3bの互いに向き合う縁部4a,4bに設けられ、互いに対向するように位置する切欠き7a,7bの幾何軸10a,10bは、相互にアライメントされている。スライドバー5は、通路状に構成された切欠き7a,7bの中で滑り嵌めを生じさせる断面を有している。特に切欠き7a,7bの高さHは、スライドバー5として構成されたアライメントバーの高さ寸法に相当する。切欠き7aは、スライドバー5として構成されたアライメントバーの長さと少なくとも同じ大きさの奥行14を有しており、このアライメントバーは、被覆部材の敷設が行われるまで、切欠き7aに差し込まれたまま保たれる。その後、アライメントバーは、その長さ方向の一部が切欠き7aから外に出るように動かされ、それによって、アライメントバーは、隣接する被覆部材同士の間にある隙間9を橋渡しするように、それぞれ対応する切欠き7aとアライメントされた隣の被覆部材の切欠き7bに係合する。スライドバー5のこのような運動を引き起こすために、このスライドバーにはその長方向に延びる噛み合い部11が設けられており、スライドバーとして構成されたアライメントバーの長手方向の変位のために噛み合い部11と係合可能な歯車12が設けられている。この歯車12は、各アライメントバーごとに設けられた通路状の切欠き7aに入り込むように回転可能に配置されている。これらの各々の歯車12は、図1に示す実施例では被覆部材の平面状に延びる部分に対して垂直方向に延びる、外部へと通じる調節軸8aに据え付けられている。スライドバー5の上述した長手方向の変位は、矢印13によって図示されている。調節バー5の変位のために比較的小さい力しか必要としない、構造が簡単で頑丈な歯車の実施形態は、歯車の歯を、調節軸に刻まれた噛み合い部の形状に形成することによって得られる。各調節バー5には、外側への変位を制限する制限ストッパ15も設けられているのが好ましい。このような制限ストッパは、たとえば各スライドバーの内側端部に設けられたプレートレット(小板)の形態で具体化されていてよく、このプレートレットは、スライドバーが最大の外側への変位長さに達したときに各歯車12に当接して、それ以上の歯車の回転運動を妨げる。さらに、各歯車の意図しない回転を防ぐための固定部を設けるのが好都合である。このような固定部は、たとえば噛み合い部へ差込可能なピンやストラップの形態で構成されていてよい。
【0015】
調節軸8aの外側端部には、歯車12を回すために調節軸8aに配置される、回転工具のための取り付け面が設けられるのが好ましい。これはドライバーを挿入するための単純なスリット18であってよく、あるいは調節軸8aの端部における三角形、四角形、六角形の形状であってもよく、このような形状は調節軸の外面に形成されていてもよく、または調節軸に設けられた窪みの形態に形成されていてもよい。
【0016】
互いに対向するとともに相互にアライメントされており互いに隣接する被覆部材に設けられた切欠き7a,7bに、スライドバー5が係合しており、このスライドバーが、隣接する被覆部材同士の間にある隙間を橋渡しすることによって、被覆部材にかかる不均一な荷重によって生じて個々の被覆部材の高さ位置を変化させようとする横方向の力が安定化させられるように受け止められ、通行面に望ましくない段差が発生するのが防げる。このような非対称の著しく大きい荷重は、たとえば非常に重い道路走行車両がしばしば通過する平面交差の踏切で生じることがあり、これは特に、走行方向Fが線路の長手方向Gに対して垂直方向ではなく、図1に示すように斜めに延びている場合に生じる。
【0017】
図1に示す実施例では、通路状に構成された切欠き7a,7bは止まり穴の形態で製作されており、このような切欠きは被覆部材の断面全体のうちのわずかな部分のみを占める。このような切欠きは、被覆部材を製造するときに、被覆部材に簡単に形成することができる。
【0018】
被覆部材を製造するときに、正確に形成された切欠きの内面を比較的少ない作業コストで得るために、図4に符号7bで示すように、通路状の切欠き7a,7bの内側を管16で覆うのが好ましい。通路状の切欠きを被覆部材の内部に形成するのを簡単にするという点と、このような切欠きが正確にアライメントした状態で延びるのを実現するという点で、図5に示すように、通路状の切欠きが被覆部材の一方の縁部4aから他方の縁部4bまで連続して延びるようにするのが好都合である場合も多い。このような実施形態では、内側を覆う管材16を設けるのが特に好ましく、このような管材16は切欠きの形成を容易にするばかりでなく、被覆部材の強度への好ましい貢献も果たす。
【0019】
図5に示す実施例では、スライドバー5の噛み合い部11に係合する歯車12は、対応する被覆部材の中でその被覆部材の平面状に延びる部分と平行に外部へ通じる軸8bに据え付けられている。対応する被覆部材の上面は閉じられた構成にすることができ、歯車から外部へと通じる軸に沿う異物の意図しない侵入が防止される。
【0020】
図6から図8に示す実施例では、互いに隣接して敷設されたプレート状の被覆部材3a,3bから構成されている通行面1の段差なしに連続して延びている部分を確保するために設けられているアライメントバーは、翼状のピボットバー6である。このピボットバー6は、各被覆部材の平面状に延びる部分に対して垂直方向に切欠き7cを通って延びる軸8aにそれぞれ取り付けられている。軸を回転させることで、ピボットバー6は、そのピボットバーが支持されている切欠き7から長さの一部が出るように動き、矢印17により示されているように、切欠き7cとアライメントされた切欠き7dへ挿入され得る。切欠き7c,7dの高さHはピボットバー6の高さ寸法に対応しており、このようにして、互いに隣接して配置された被覆部材3a,3bの間の高さの相対的なずれが生じるのを防ぐ。切欠き7c,7dは、切欠き7dに係合するピボットバー6が当接する端面7c’,7d’を有することによって、ピボット角度が制限されるように形成されている。
【0021】
図9は、2次元的に互いに接するように敷設されたプレート状の被覆部材で構成されている通行面の平面図を示している。互いに接するように配置された被覆部材3a,3bの互いに向き合う縁部4a,4bには、図7および図8に示すようなアライメントバーが配置されている。
【0022】
図10は、図1に示す実施例で用いられているようなアライメントバーが設けられている変形例を示している。
【0023】
図1に示す実施例では、被覆部材3a,3bは互いに平行な2つの縁部4a,4bを有しており、これらの縁部の各々に、アライメントバーを収容するための2つの切欠きが設けられている。この一方の縁部に設けられた切欠き同士の間の相互間隔は、他方の縁部に設けられた切欠き同士の間の相互間隔に等しい。被覆部材3bの一方の縁部4aに設けられた切欠きは、被覆部材の他方の縁部4bに設けられた切欠きにそれぞれアライメントされており、一方の縁部にはアライメントバーのための支持部を形成する切欠き7aが設けられており、他方の縁部には、支持用の切欠き7aから突出するアライメントバーがそれぞれ係合する切欠き7bが設けられている。この実施例は、通行面を共同で形成する個々の被覆部材が一貫して同じ位置決めをすることを必要とする。変形例では、被覆部材の互いに平行な両縁部の各々にただ1つずつの切欠きを設けることができ、また、両縁部の各々に2つより多い切欠きを設けることもできる。
【0024】
図1に示す実施例の変形例が図11に示されており、この変形例は、つなぎ合わせて通行面を形成するときに個々の被覆部材を特定の向きを保つための方策を必要としない。この場合、各被覆部材3a,3bの縁部4a,4bの各々に、支持用の切欠き7aと係合用に設けられた切欠き7bの両方が、相互にオフセットされた状態に設けられており、それ以外の点では、切欠き7a,7bのアライメントおよび相互の間隔に関して、図1に示す実施例と同じ条件が当てはまる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに接するように敷設されたプレート状の被覆部材で構成されている通行面、特に平面交差の通行面において、前記被覆部材(3a,3b)には、各被覆部材(3a)の、隣接する被覆部材(3b)の方を向いている少なくとも1つの縁部(4a)に、アライメントバー(5,6)を収容する役目をする少なくとも1つの切欠き(7a,7b,7c,7d)が設けられており、前記切欠き(7a,7b,7c,7d)は、前記被覆部材(3a,3b)の平面状に延びている部分と平行に該被覆部材の縁部(4a,4b)から該被覆部材の中に入り込んでおり、互いに隣接して配置された前記被覆部材(3a,3b)の互いに向き合う前記縁部(4a,4b)に設けられた前記切欠き(7a,7b,7c,7d)は、互いにアライメントされており、前記切欠き(7a,7b,7c,7d)の高さは、前記アライメントバー(5,6)を前記切欠きの中で案内するように該アライメントバーの高さ寸法に対応しており、前記アライメントバーは、それぞれ切欠き(7a,7c)の中で変位可能に支持されており、前記アライメントバーは、隣接する前記被覆部材(3a,3b)同士の間にある隙間(9)を橋渡しするように各アライメントバーを支持している前記切欠き(7a,7c)に対してアライメントされた隣接する前記被覆部材(3b)の前記切欠き(7b,7d)と係合するように、外部から操作可能であり対応する前記切欠き(7a,7c)へ通じる調節軸(8a,8b)によって、各アライメントバーを支持する前記切欠き(7a,7c)から部分的に外に出るように移動可能であることを特徴とする通行面。
【請求項2】
前記切欠き(7a,7b)は通路状に構成されており、互いに隣接して配置された前記被覆部材(3a,3b)の互いに向き合う前記縁部(4a,4b)に設けられた前記切欠きの幾何軸(10a,10b)は、互いにアライメントされており、前記アライメントバーは、その長手方向に延びる噛み合い部(11)をそれぞれ有し、通路状の前記切欠き(7a,7b)内での前記アライメントバーの滑り嵌めを生じさせる断面を有するスライドバー(5)として構成されており、前記スライドバー(5)として構成された前記アライメントバーが内部で支持される、互いにアライメントされた各切欠き対(7a,7b)の各々の切欠き(7a)には、それぞれ通路状の前記切欠き(7a)に入り込むように歯車(12)が回転可能に配置されており、前記歯車は、前記アライメントバー(5)の長手方向の変位(13)のためにその前記噛み合い部(11)と係合可能であり、外部へ通じる前記調節軸(8a)に据え付けられており、該調節軸とともに回転可能であり、前記各切欠き(7a)の奥行(14)は、対応する前記アライメントバー(5)の長さと少なくとも同じ大きさであることを特徴とする、請求項1に記載の通行面。
【請求項3】
各歯車(12)の意図しない回転を防ぐ固定部が設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の通行面。
【請求項4】
通路状の前記切欠き(7a,7b)は止まり穴として構成されていることを特徴とする、請求項2または3に記載の通行面。
【請求項5】
前記被覆部材(3a,3b)は通路状の前記切欠き(7a,7b)が設けられた互いに平行な2つの縁部(4a,4b)を有しており、通路状の前記切欠きは一方の前記縁部(4a)から他方の前記縁部(4b)まで連続して延びていることを特徴とする、請求項2または3に記載の通行面。
【請求項6】
通路状の前記切欠き(7a,7b)は管材(16)によって内側が覆われていることを特徴とする、請求項2から5のいずれか1項に記載の通行面。
【請求項7】
前記被覆部材の中で、前記被覆部材の平面状に延びている部分に対して垂直に外部へ通じる軸(8a)に据え付けられた歯車(12)が設けられていることを特徴とする、請求項2から6のいずれか1項に記載の通行面。
【請求項8】
前記被覆部材の中で、前記被覆部材の平面状に延びている部分と平行に外部へ通じる軸(8b)に据え付けられた歯車(12)が設けられていることを特徴とする、請求項2から6のいずれか1項に記載の通行面。
【請求項9】
前記歯車(12)の歯は、外部へ通じる前記軸(8a,8b)に刻まれた噛み合い部の形態で構成されていることを特徴とする、請求項2から8のいずれか1項に記載の通行面。
【請求項10】
前記被覆部材(3a,3b)は互いに平行な2つの縁部(4a,4b)を有しており、これらの縁部の各々に2つの切欠き(7a,7b)が設けられており、一方の前記縁部(4a)に設けられた前記切欠き同士の相互の間隔は、他方の前記縁部(4b)に設けられた前記切欠き同士の相互の間隔に等しく、一方の前記縁部(4a)に設けられた前記切欠きは、他方の前記縁部(4b)に設けられた前記切欠きとそれぞれアライメントされており、前記アライメントバー(5,6)の支持部を形成している切欠き(7a)は、支持用の前記切欠きから突出する前記アライメントバー(5,6)が係合する前記切欠き(7b)とそれぞれアライメントされており、各々の前記縁部(4a,4b)には、支持用の前記切欠き(7a)だけでなく係合用に設けられた前記切欠き(7b)も存在することを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の通行面。
【請求項11】
前記被覆部材(3a,3b)は互いに平行な2つの縁部(4a,4b)を有しており、これらの縁部の各々に少なくとも1つの切欠き(7a,7b)、好ましくは複数の、特に2つの切欠き(7a,7b)が設けられており、一方の前記縁部(4a)に設けられた前記切欠き同士の相互の間隔は、他方の前記縁部(4b)に設けられた前記切欠き同士の相互の間隔に等しく、一方の前記縁部(4a)に設けられた切欠きは、他方の前記縁部(4b)に設けられた切欠きとそれぞれアライメントされており、一方の前記縁部(4a)には、前記アライメントバーをそれぞれ支持する前記切欠き(7a)が設けられており、他方の前記縁部(4b)には、支持用の前記切欠き(7a)から突出する前記アライメントバー(5,6)が係合する切欠き(7b)が設けられていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の通行面。
【請求項12】
前記アライメントバーは、各アライメントバーを支持する前記被覆部材内において該被覆部材の平面状に延びている部分に対して垂直方向に延びるように支持されている軸(8a)にそれぞれ取り付けられ、前記軸によって支持用の前記被覆部材の前記切欠き(7c)から外に出るようにピボット運動可能である、翼状のピボットバー(6)であることを特徴とする、請求項1に記載の通行面。
【請求項13】
前記切欠き(7c,7d)は、前記ピボットバー(6)に対してピボット運動の角度を制限するように形成されていることを特徴とする、請求項12に記載の通行面。
【請求項14】
前記スライドバー(5)には、外側への変位経路を制限する制限ストッパ(15)がそれぞれ設けられており、前記制限ストッパは、好ましくは前記各スライドバーの内側端部に配置された小板として構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の通行面。
【請求項1】
互いに接するように敷設されたプレート状の被覆部材で構成されている通行面、特に平面交差の通行面において、前記被覆部材(3a,3b)には、各被覆部材(3a)の、隣接する被覆部材(3b)の方を向いている少なくとも1つの縁部(4a)に、アライメントバー(5,6)を収容する役目をする少なくとも1つの切欠き(7a,7b,7c,7d)が設けられており、前記切欠き(7a,7b,7c,7d)は、前記被覆部材(3a,3b)の平面状に延びている部分と平行に該被覆部材の縁部(4a,4b)から該被覆部材の中に入り込んでおり、互いに隣接して配置された前記被覆部材(3a,3b)の互いに向き合う前記縁部(4a,4b)に設けられた前記切欠き(7a,7b,7c,7d)は、互いにアライメントされており、前記切欠き(7a,7b,7c,7d)の高さは、前記アライメントバー(5,6)を前記切欠きの中で案内するように該アライメントバーの高さ寸法に対応しており、前記アライメントバーは、それぞれ切欠き(7a,7c)の中で変位可能に支持されており、前記アライメントバーは、隣接する前記被覆部材(3a,3b)同士の間にある隙間(9)を橋渡しするように各アライメントバーを支持している前記切欠き(7a,7c)に対してアライメントされた隣接する前記被覆部材(3b)の前記切欠き(7b,7d)と係合するように、外部から操作可能であり対応する前記切欠き(7a,7c)へ通じる調節軸(8a,8b)によって、各アライメントバーを支持する前記切欠き(7a,7c)から部分的に外に出るように移動可能であることを特徴とする通行面。
【請求項2】
前記切欠き(7a,7b)は通路状に構成されており、互いに隣接して配置された前記被覆部材(3a,3b)の互いに向き合う前記縁部(4a,4b)に設けられた前記切欠きの幾何軸(10a,10b)は、互いにアライメントされており、前記アライメントバーは、その長手方向に延びる噛み合い部(11)をそれぞれ有し、通路状の前記切欠き(7a,7b)内での前記アライメントバーの滑り嵌めを生じさせる断面を有するスライドバー(5)として構成されており、前記スライドバー(5)として構成された前記アライメントバーが内部で支持される、互いにアライメントされた各切欠き対(7a,7b)の各々の切欠き(7a)には、それぞれ通路状の前記切欠き(7a)に入り込むように歯車(12)が回転可能に配置されており、前記歯車は、前記アライメントバー(5)の長手方向の変位(13)のためにその前記噛み合い部(11)と係合可能であり、外部へ通じる前記調節軸(8a)に据え付けられており、該調節軸とともに回転可能であり、前記各切欠き(7a)の奥行(14)は、対応する前記アライメントバー(5)の長さと少なくとも同じ大きさであることを特徴とする、請求項1に記載の通行面。
【請求項3】
各歯車(12)の意図しない回転を防ぐ固定部が設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の通行面。
【請求項4】
通路状の前記切欠き(7a,7b)は止まり穴として構成されていることを特徴とする、請求項2または3に記載の通行面。
【請求項5】
前記被覆部材(3a,3b)は通路状の前記切欠き(7a,7b)が設けられた互いに平行な2つの縁部(4a,4b)を有しており、通路状の前記切欠きは一方の前記縁部(4a)から他方の前記縁部(4b)まで連続して延びていることを特徴とする、請求項2または3に記載の通行面。
【請求項6】
通路状の前記切欠き(7a,7b)は管材(16)によって内側が覆われていることを特徴とする、請求項2から5のいずれか1項に記載の通行面。
【請求項7】
前記被覆部材の中で、前記被覆部材の平面状に延びている部分に対して垂直に外部へ通じる軸(8a)に据え付けられた歯車(12)が設けられていることを特徴とする、請求項2から6のいずれか1項に記載の通行面。
【請求項8】
前記被覆部材の中で、前記被覆部材の平面状に延びている部分と平行に外部へ通じる軸(8b)に据え付けられた歯車(12)が設けられていることを特徴とする、請求項2から6のいずれか1項に記載の通行面。
【請求項9】
前記歯車(12)の歯は、外部へ通じる前記軸(8a,8b)に刻まれた噛み合い部の形態で構成されていることを特徴とする、請求項2から8のいずれか1項に記載の通行面。
【請求項10】
前記被覆部材(3a,3b)は互いに平行な2つの縁部(4a,4b)を有しており、これらの縁部の各々に2つの切欠き(7a,7b)が設けられており、一方の前記縁部(4a)に設けられた前記切欠き同士の相互の間隔は、他方の前記縁部(4b)に設けられた前記切欠き同士の相互の間隔に等しく、一方の前記縁部(4a)に設けられた前記切欠きは、他方の前記縁部(4b)に設けられた前記切欠きとそれぞれアライメントされており、前記アライメントバー(5,6)の支持部を形成している切欠き(7a)は、支持用の前記切欠きから突出する前記アライメントバー(5,6)が係合する前記切欠き(7b)とそれぞれアライメントされており、各々の前記縁部(4a,4b)には、支持用の前記切欠き(7a)だけでなく係合用に設けられた前記切欠き(7b)も存在することを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の通行面。
【請求項11】
前記被覆部材(3a,3b)は互いに平行な2つの縁部(4a,4b)を有しており、これらの縁部の各々に少なくとも1つの切欠き(7a,7b)、好ましくは複数の、特に2つの切欠き(7a,7b)が設けられており、一方の前記縁部(4a)に設けられた前記切欠き同士の相互の間隔は、他方の前記縁部(4b)に設けられた前記切欠き同士の相互の間隔に等しく、一方の前記縁部(4a)に設けられた切欠きは、他方の前記縁部(4b)に設けられた切欠きとそれぞれアライメントされており、一方の前記縁部(4a)には、前記アライメントバーをそれぞれ支持する前記切欠き(7a)が設けられており、他方の前記縁部(4b)には、支持用の前記切欠き(7a)から突出する前記アライメントバー(5,6)が係合する切欠き(7b)が設けられていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の通行面。
【請求項12】
前記アライメントバーは、各アライメントバーを支持する前記被覆部材内において該被覆部材の平面状に延びている部分に対して垂直方向に延びるように支持されている軸(8a)にそれぞれ取り付けられ、前記軸によって支持用の前記被覆部材の前記切欠き(7c)から外に出るようにピボット運動可能である、翼状のピボットバー(6)であることを特徴とする、請求項1に記載の通行面。
【請求項13】
前記切欠き(7c,7d)は、前記ピボットバー(6)に対してピボット運動の角度を制限するように形成されていることを特徴とする、請求項12に記載の通行面。
【請求項14】
前記スライドバー(5)には、外側への変位経路を制限する制限ストッパ(15)がそれぞれ設けられており、前記制限ストッパは、好ましくは前記各スライドバーの内側端部に配置された小板として構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の通行面。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2012−524191(P2012−524191A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506274(P2012−506274)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【国際出願番号】PCT/AT2010/000101
【国際公開番号】WO2010/121275
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(501111599)グミュンドネル ファーチクタイル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング ウント ツェーオー. カーゲー. (10)
【氏名又は名称原語表記】GMUNDNER FERTIGTEILE GESELLSCHAFT M.B.H. & CO. KG.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【国際出願番号】PCT/AT2010/000101
【国際公開番号】WO2010/121275
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(501111599)グミュンドネル ファーチクタイル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング ウント ツェーオー. カーゲー. (10)
【氏名又は名称原語表記】GMUNDNER FERTIGTEILE GESELLSCHAFT M.B.H. & CO. KG.
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]