説明

通過管理装置及び受付管理システム

【課題】本発明は、例えば、ゲストカードを発行する特別な専用端末を必要とせず、登録操作が簡便な通過管理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る通過管理装置100は、個人を特定する第1の個人特定情報311とゲートの通過の許可を判定する際に用いる第1の通過判定情報312とを受付ける第1の受付部201と、ゲートに設置され、ゲート通過希望者がゲートを通過する際に、ゲート通過希望者を特定する第2の個人特定情報321と、第2の通過判定情報322とを受付ける第2の受付部202と、判定部204が第1の個人特定情報311と第2の個人特定情報321とが一致し、かつ、第1の通過判定情報311の範囲に第2の通過判定情報322が含まれると判定した場合に、ゲート通過希望者のゲート通過を許可する個人認証部205とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ゲートにより個人の入退館を管理する通過管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、ゲストの入退館を管理する場合、建物の入口に受付を設置し、受付にてゲストの身元と予約状況等をチェックすることにより建物内に不審な者が出入りしないようにしている。
【0003】
特許文献1において開示されている来客受付システムは、可視情報を繰り返し書き込み及び消去可能な表示部を有するカード状記録媒体と、予約情報を格納するホストコンピュータと、入口に設置されカード状記録媒体に記録された情報を読み取みとり、この情報に基づいて入口の通過を許容または阻止する入場ゲートと、予約情報を入力し入力情報と予約情報とが一致している場合には、カード状記録媒体に入口の通過に必要な情報を記録するとともに表示部に識別情報、訪問先等を含む可視情報を書き込む受付用端末装置とを備えている。
【0004】
また、特許文献2において開示されている集合住宅の出入管理システムでは、ゲストカード発行機を設け、撮像部と音声会話部とを設けたエントランス用インターホンを通じて居住者が来訪者を確認し、出入り用のゲストカードを発行することにより、不法侵入者を防いでいる。
【特許文献1】特開平11−259712公報
【特許文献2】特開2007−197911公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の出入り管理システム等の通過管理装置では、一時利用者のためのゲストカードを発行(登録)するには、専用端末が必要であり、専用端末を用いてゲストカードを登録するという操作が必要であった。また、ゲストカードの登録には、人手を介したり、特別の登録操作が必要となることより、運用に費用が掛かったり、操作が煩雑になるという課題があった。
そこで、本発明に係る通過管理装置では、例えば、ゲスト等の一次利用のために、ゲストカードを発行する特別な専用端末を必要とせず、登録操作が簡便であり、管理が容易な通過管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る通過管理装置は、
CPU(Central Proccessing Unit)を備え、ゲートの通過を管理する通過管理装置において、
個人を特定する第1の個人特定情報と、前記ゲートの通過の許可を判定する際に用いる第1の通過判定情報とを受付ける第1の受付部と、
前記第1の受付部が受付けた前記第1の個人特定情報と、前記第1の通過判定情報とを対応させて記憶する記憶部と、
前記ゲートに設置され、前記ゲートの通過を希望するゲート通過希望者が前記ゲートを通過する際に、前記ゲート通過希望者を特定する第2の個人特定情報と、前記第1の通過判定情報との判定の対象となる第2の通過判定情報とを前記ゲート通過希望者から受付ける第2の受付部と、
前記第1の個人特定情報と前記第2の個人特定情報とが一致するか否かと、前記第1の個人特定情報に対応した第1の通過判定情報の範囲に第2の通過判定情報が含まれるか否かとを、CPUを用いて判定する判定部と、
前記判定部が前記第1の個人特定情報と前記第2の個人特定情報とが一致し、かつ、前記第1の個人特定情報に対応した第1の通過判定情報の範囲に第2の通過判定情報が含まれると判定した場合に、前記ゲート通過希望者の前記ゲート通過を許可する個人認証部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の通過管理装置によれば、個人を特定する第1の個人特定情報と、ゲートの通過の許可を判定する際に用いる第1の通過判定情報とを予め記憶し、ゲート通過希望者がゲート通過時に入力する第2の個人特定情報と、第2の通過判定情報とを比較して、一致しているか否かを判定することにより通過の許可を行っていることから、個人特定情報を偽装することによる個人の成りすましをを防ぐことができる。さらに、特別な専用端末を必要とせず登録操作が容易であるため、簡便にゲートの通過を管理することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
本発明の実施の形態について、図1〜図6を用いて説明する。
【0009】
図1は、実施の形態1に係る通過管理装置100を用いた受付管理システム1000の全体構成の一例を示す構成図である。図2は、実施の形態1に係る通過管理装置100の機能構成の一例を示すブロック構成図である。図3は、実施の形態1に係る通過管理装置100の記憶部に記憶される個人認証テーブル、ゲスト候補テーブル、ゲスト削除テーブルの一例を示す図である。図4は、実施の形態1に係る通過管理装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。図5は、通過管理装置100が、ゲストの入館時に実行する処理の一例を示す図である。図6は、通過管理装置100が、ゲストの退館時に実行する処理の一例を示す図である。
【0010】
受付管理システム1000は、建物の入口に設置された複数のゲートにより、個人が建物に入退出することを管理するシステムである。建物とは、例えば、図書館、事務所、集合住宅であり、通常の利用者(正規の利用者)は特定の鍵やキーを用いることによりゲートを通過することが可能である。本実施の形態では、建物を一時的に利用する一時利用者(以下ゲストと呼ぶ)が建物に入退出する場合について管理する受付管理システムおよび受付管理システム1000で利用する通過管理装置100について説明する。
【0011】
図1を用いて、本実施の形態に係る通過管理装置100を利用した受付管理システム1000の全体構成について説明する。
【0012】
受付管理システム1000の通過管理装置100がゲスト(個人)を特定し認証する方法として、非接触型のIDカード181を用いる場合について説明する。
受付管理システム1000は、セキュリティエリア外(建物の外側、ゲートの外側)において、ゲストが利用するクライアントPC162を備えている。クライアントPC162は、例えば、ゲストの自席などにあるPC(パーソナルコンピュータ)であり、インターネット152に接続している。ゲストは、例えば、クライアントPC162から、ゲストが有するIDカード181のカード番号(第1の個人特定情報の一例)や入館予定の日時である入館日時等をインターネット152を経由して、後述するセキュリティエリア内に設置されている受付管理システムのサーバPC161に登録する。クライアントPC162は、IDカード181のカード番号等を登録するのに、カード登録機171を用いても良い。カード番号等はクライアントPC162が有する入力装置(キーボード)から直接番号を入力することにより登録しても構わない。IDカード181が非接触型のIDカード、FeliCa(登録商標)である場合、カード登録機171は市販のパソリ(登録商標)などが使用できる。
【0013】
セキュリティエリア内では、ゲストが建物に入館する際に通過する入館ゲート101、入館ゲート102が設置されている。また、退館する際に通過する退館ゲート103、退館ゲート104が設置されている。図1では、入館ゲートと退館ゲートが物理的には同一のゲートで構成されており、通行方向により入館と退館とに分かれている。各ゲートは、人々の通過を阻止するフラッパー131、132を備えているフラッパー方式のゲートである。入館は、セキュリティエリア外からセキュリティエリア内への通行で、退館はその逆となる。
【0014】
各ゲートには、人々の通過・通行を感知し電気信号等を発する通過感知装置141、142が設置されている。また、各ゲートには、ゲートの通過を希望するもの(ゲスト)が所有するIDカード181のカード番号(第2の個人特定情報の一例)を入力するための個人情報入力装置が設置されている。ゲートの通過希望者は、入館する場合においては入館用の個人情報入力装置111,112を使用してカード番号を入力し、退館する場合は、退館用の個人情報入力装置121、122を使用してカード番号を入力する。
ゲート、フラッパー、個人情報入力装置、通過感知装置はそれらを制御する通過管理装置100に接続されている。通過管理装置100はゲート毎に設置されており、図1の入館ゲート101、入館用の個人情報入力装置111、退館ゲート103、退館用の個人情報入力装置121、入館ゲート101及び退館ゲート103のフラッパー131、通過感知装置141は、通過管理装置100aに接続されており、通過管理装置100aが制御・管理している。また、同様に入館ゲート102、個人情報入力装置112、退館ゲート104、個人情報入力装置122、入館ゲート102及び退館ゲート104のフラッパー132、通過感知装置142は、通過管理装置100bに接続されており、通過管理装置100bが制御・管理している。
【0015】
建物内部の居住空間である居間Aについて説明する。居間Aは、入退出の際に通過する扉133で管理されており、居間Aの入口には、カード番号等を入力する個人情報入力装置113、通過感知装置143が設置されている。ゲートと同様に個人情報入力装置113と通過感知装置143は通過管理装置100cによって制御・管理されている。
【0016】
受付管理システム1000は、各ゲートや居間Aに設置された通過管理装置100を集中管理する受付管理サーバPC161を備えている。通過管理装置100と受付管理サーバPC161はLAN151に接続している。受付管理システムのサーバPC161は、LANに接続した各通過管理装置100aと信号のやり取り(送受信)が可能となっている。また、受付管理システムのサーバPC161は、セキュリティエリア外のクライアントPC162とはインターネットで接続している。サーバPC161とクライアントPC162とは情報(信号)の送受信が可能である。サーバPC161は、Webサーバ或いはメールサーバ機能を有していても構わない。受付管理システムのサーバPC161は、クライアントPC162が入力したカード番号等の第1の個人特定情報や、ゲート番号等を示す第1の通過判定情報を受付け、それらを通過管理装置100に送信する。通過管理装置100は、受付管理システムのサーバPC161から受付けた第1の個人特定情報や第1の通過判定情報を記憶部に記憶する。第1の通過判定情報によりゲート番号が指定されている場合は、サーバPC161は、ゲート番号で特定されるゲートを管理している通過管理装置100に第1の個人特定情報を送信しても良い。例えば、ゲストが、クライアントPC162からカード番号とゲート番号「101」を入力した場合、サーバPC161は、ゲート101を制御する通過管理装置100aにカード番号を送信する。このとき、サーバPC161は、受付けた時刻をカード番号と共に送信しても構わない。
【0017】
次に、図2を用いて、本実施の形態に係る通過管理装置100の機能構成について説明する。
通過管理装置100は、第1の受付部201、第2の受付部202、記憶部203、判定部204、個人認証部205、個人認証記憶判定部206、情報削除部207、情報消去部208を備えている。
【0018】
通過管理装置100の第1の受付部201は、例えば、個人を特定する第1の個人特定情報311と、ゲートの通過の許可を判定する際に用いる第1の通過判定情報312とを受付ける。第1の個人特定情報と第1の通過判定情報312とは、図1で示したサーバPC161から受付けても良い。また、通過管理装置100にサーバ機能がある場合は、クライアントPC162から直接受付けても構わない。入館ゲート101等のゲートに設置された入力装置から受付けても良い。
個人特定情報とは、例えば、IDカードのカード番号である。個人特定情報は、個人を特定可能なものであれば、指紋などのバイオ情報を使ったものでも良い。本実施の形態では、個人特定情報である第1の個人特定情報311として、カード番号を図1で示すようにクライアントPC162から、インターネット152を経由して受付ける。建物の管理者等が、サーバPC161に接続されたキーボードやカード登録機171から直接登録しても構わない。バイオ情報を使った場合、カード番号の代わりにサーバPC161に個人認証する指紋情報を通知するか、予め、サーバPC161で個人番号と共に指紋情報を登録しておき、個人特定情報として指紋情報に対応した個人番号を通知することとなる。
第1の通過判定情報312とは、個人がゲートを通過する際に、通過管理装置100が通過の許可を判定するときに用いる情報であり、本実施の形態では複数のゲートのうち、通過するゲートを特定するゲート番号(例えば、「101」又は「102」)である。ゲートを特定するための名称(例えば「101 左側 入館ゲート」)であっても良い。また、ゲストが入館する予定の期間であっても良い。例えば、第1の通過判定情報312は「2007年9月26日9:55〜10:05」といった日時によって登録される。日時による期間とするのは、特定の時刻であった場合、都合によりゲストが建物への到着が遅れる若しくは早まる可能性があり、必ずしも特定の時刻に入館できるとは限らないため、ある程度の幅を持たせているからである。通過管理装置100が入館予定の期間を登録する方法として、ゲストは、入館予定の時刻を入力し、その前後5分間を第1の通過判定情報312として登録する方法がある。また、第1の通過判定情報312はゲート番号と、予定の期間とからなる情報であっても良い。
サーバPC161は、例えば、第1の通過判定情報312であるゲート番号をクライアントPC162から受付ける。サーバPC161は、例えば、ゲート番号により特定したゲートを管理する通過管理装置100にカード番号(第1の個人特定情報311)を出力する。また、クライアントPC162からゲート番号を受付けるのではなく、サーバPC161が、ゲート番号をランダムに設定し、クライアントPC162に設定したゲート番号を告げると同時に、カード番号(第1の個人特定情報311)をクライアントPCに告げたゲートを管理する通過管理装置100に出力しても構わない。サーバPC161により予め、ゲストが通過するゲートの振り分けが行われていれば、特定のゲートを管理する通過管理装置100は、ゲストのカード番号のみを記憶しておくことにより、自己が管理するゲートの番号を通過するゲストのみの通過について管理することが可能となる。
サーバPC161は、第1の通過判定情報312として、ゲート番号と入館予定時刻とを、ゲートを管理する複数の通過管理装置100に出力しても良い。この場合、それぞれの通過管理装置100は、ゲート番号と入館予定時刻とを第1の通過判定情報として利用することができる。
【0019】
通過管理装置100の記憶部203は、第1の受付部201が受付けた、第1の個人特定情報311と第1の通過判定情報312とを対応させて記憶する。即ち、第1の個人特定情報311と第1の通過判定情報312とを合わせて、第1の通過許可情報310として記憶する。本実施の形態において、記憶部203は、第1の個人特定情報311と第1の通過判定情報312とを記憶するため、所定のテーブルを用意しデータベースとして記憶しておくものとする。所定のテーブル(ゲスト候補テーブル)の例を図3(b)、図3(c)に示す。図3(b)はゲストが入館時に使用するゲスト候補テーブル211aであり、サーバPC161が、ゲストがカード番号を登録する際に入力したゲート番号によりゲストが通過を希望するゲートを振り分けており、ゲストが通過するゲートを管理する通過管理装置100にカード番号と入館予定時刻とを出力した場合である。例えば、ゲストが入館ゲート101に2007年9月26日10時に通過するとした場合、入館ゲート101を制御・管理する通過管理装置100aが記憶するゲスト管理テーブルである。図3(c)のゲスト候補テーブル211bのように、カード番号を第1の個人特定情報311として、また、入館ゲート番号と入館予定時刻とを第1の通過判定情報312として、テーブル形式で記憶しても良い。図3(d)と図3(e)のテーブルはゲストが退館時に所定のゲートを通過するときに使用するゲスト削除テーブルである。図3(d)は、図3(b)で示すゲスト候補テーブル211aと同様、特定の通過管理装置100に記憶されたゲスト削除テーブル212aである。そのため、カード番号とそれに対応した退館時刻を記憶している。退館時刻は、ゲストが退館する期限を示すものであるので、時刻であっても構わない。また、退館する期間を日時で示しても良い。図3(e)に示すように、ゲスト削除テーブル212bとして、カード番号、退館ゲート番号、退館時刻を記憶しておいても良い。ゲスト候補テーブル211、ゲスト削除テーブル212は、予めサーバPC161により特定のゲートを管理する通過管理装置100にゲストのカード番号が振り分けられている場合で、時刻や日時によりゲストの通過を管理しない場合は、カード番号のみからなるテーブルであっても構わない。
【0020】
通過管理装置100の第2の受付部202は、ゲートに設置されたカード番号等を入力する個人情報入力装置(入力装置)から、個人(ゲートの通過を希望するゲート通過希望者)がゲートを通過する際に入力する、個人を特定する第2の個人特定情報321と、第1の通過判定情報との判定対象となる第2の通過判定情報322とを受付ける。本実施の形態では、第2の個人特定情報とは、ゲート通過希望者が所有(持参、所持)するカードから、個人情報入力装置が読み取ったカード番号である。また、第2の通過判定情報322とは、ゲート通過希望者がカード番号を入力した個人情報入力装置が設置されているゲートの番号を示すゲート番号である。
【0021】
通過管理装置100の判定部204は、第2の受付部が第2の個人特定情報321と第2の通過判定情報322とを受付けた場合(第2の通過許可情報320を受付けた場合)に、第1の個人特定情報311と第2の個人特定情報321とが一致するか否かを判定する。また、一致した場合、第1の個人特定情報311に対応した第1の通過判定情報312と、第2の通過判定情報322とが一致するか、または、第1の通過判定情報312が示す範囲に第2の通過判定情報322が含まれているか否かを判定する。本実施の形態では、ゲートに設置された個人情報入力装置が読み取ったカード番号(第2の個人特定情報321)が、記憶部203が記憶するカード番号(第1の個人特定情報311)と一致するか否かを判定する。また、カード番号が一致した場合、第2の個人特定情報321が入力された時刻(第2の通過判定情報322)と、予定した入館予定時刻(期間)とを比較する。入力された時刻が入館予定時刻(期間)内であれば、判定部204は一致していると判定する。判定部204は、カード番号を読み取った個人情報入力装置が設置されたゲート番号と、記憶部203に記憶されたゲート番号とが一致するか否かを判定しても良い。記憶部203に記憶されたゲート番号が複数ある場合、第2の受付部が受付けたゲート番号が、記憶部203が記憶する複数のゲート番号のうち何れかのゲート番号であることを(含まれているか否か)を判定する。
【0022】
また、判定部204は、サーバPC161が予め、特定のゲートを管理する通過管理装置100にカード番号のみを送信しており、記憶部203がカード番号のみを第1の通過許可情報310として記憶していた場合、第2の通過判定情報322(ゲート番号)が一致しているか否かの判定は省略し、カード番号のみを比較しても良い。
【0023】
通過管理装置100の個人認証部205は、判定部204が判定した結果(判定結果330)に基づき、ゲート通過希望者のゲート通過を許可する信号331を出力する。すなわち、個人認証部205は、前記判定部が前記第1の個人特定情報と前記第2の個人特定情報とが一致し、かつ、前記第1の個人特定情報に対応した第1の通過判定情報の範囲に第2の通過判定情報が含まれると判定した場合に、前記ゲート通過希望者の前記ゲート通過を許可する。本実施の形態では、記憶部203が記憶するカード番号と、第2の受付部202が受付けたカード番号と一致し、更に、記憶部203が記憶するカード番号に対応したゲート番号と、第2の受付部202が受付けたカード番号とも一致したと判定部204が判定した場合、個人認証部205はゲート通過を許可する信号331を出力する。具体的にはゲートのフラッパー131を開ける動作を行う。
【0024】
通過管理装置100の個人認証部205は、ゲート通過希望者のゲート通過を許可した場合、判定部204が第2の個人特定情報と一致すると判定した第1の個人特定情報を、記憶部203に記憶しても良い。個人認証テーブルとは、例えば、図3(a)に示すカード番号の一覧である。例えば、記憶部203は第1の個人特定情報を記憶するテーブルとして個人認証テーブル210を用意しておき、ゲートを通過したゲストのカード番号を個人認証テーブル210に記憶する。個人認証テーブル210は、館内のLANに接続した他の通過管理装置100と共有しても良い。個人認証テーブル210に変更があった場合に、他の通過管理装置100が有する個人認証テーブルも同じ変更を行う。例えば、ゲートを通過した者の個人特定情報を共有することにより、建物内に設置された居間Aの入退出を管理することが可能となる。居間Aに設置された通過管理装置100cは、個人情報入力装置113によりゲストのカード番号が入力された場合、共有する個人認証テーブル210を参照することにより扉133を開閉するか否かを判定することが可能となる。
【0025】
通過管理装置100の情報削除部207は、個人認証部205が、ゲート通過希望者のゲート通過を許可した場合、記憶部203から、判定部204が第2の個人特定情報321と一致すると判定した第1の個人特定情報311と、第1の個人特定情報311に対応した第1の通過判定情報312とを削除する。具体的には、記憶部203に記憶されたゲスト候補テーブルからカード番号とそれに対応したゲート番号とを削除する。削除することにより、同じカード番号をもつゲストは入館することができなくなり、カード番号の偽造による成りすましを防ぎ、不正侵入者を防ぐことが可能となる。
【0026】
通過管理装置100の情報消去部208は、第1の個人特定情報311と第1の通過判定情報312とを、例えば、サーバPC161が登録した翌日に記憶部203から消去する。
この場合、記憶部203は、第1の受付部201が第1の個人特定情報311と第1の通過判定情報312とを受付けた日時を記憶しており、第1の受付部201が第1の個人特定情報311と第1の通過判定情報312とを受付けた日時から所定の日時が経過した後、情報消去部は、記憶部に第1の個人特定情報と第1の通過判定情報が記憶されている場合に、記憶部から第1の個人特定情報と第1の通過判定情報とを消去する。
これは、クライアントPC162からゲストとして登録していたが、何らかの都合によりゲートを通過しなかった場合、記憶部203に記憶されている情報は不要であるために消去するためだけではなく、記憶部のカード番号等が不正侵入に用いられないようにするためである。
本実施の形態では、例えば、カード番号がクライアントPCより入力された日時を記憶しておき、入館予定日となっても入館されず、記憶部にカード番号が残っていた場合、入館予定日の翌日にカード番号とゲート番号とを消去することができる。
【0027】
通過管理装置100の個人認証記憶判定部206は、記憶部203の個人認証テーブル210に第1の個人特定情報311が記憶済みであるか否かを判定する。これは、入館したゲストが退館したか否かを管理することを目的としている。ゲート通過希望者は、入館時の第1の個人特定情報311と第1の通過判定情報312をクライアントPC162から入力するとき、退館時に利用する第1の個人特定情報311と第1の通過判定情報312とをクライアントPCを通じて受付け、記憶部203に記憶しているものとする。退館時に利用する第1の個人特定情報311は、サーバPC161が入館時に利用する第1の個人特定情報311が入力されたときに、自動的に所定の規則に従ってクライアントPC162に返信するようにしても構わない。例えば、サーバPC161は、第1の通過判定情報312として、入館予定時刻(期間)が入力されたとき、所定の時間経過後に退館時に利用する退館時刻を第1の通過判定情報312をクライアントPC162に返信し、通過管理装置100は、退館時刻をゲスト番号と共に受付けても良い。
個人認証記憶判定部206は、判定部204が第2の個人特定情報と第1の個人特定情報とが一致すると判定したとき、判定部204が第2の個人特定情報と一致すると判定した前記第1の個人特定情報が、個人認証テーブル210に記憶されているか否かをCPUを用いて判定し、情報削除部207は、個人認証記憶判定部206が、判定部204が第2の個人特定情報と一致すると判定した第1の個人特定情報が、個人認証テーブル210に記憶されていると判定した場合、記憶部203の個人認証テーブル210から第1の個人特定情報311を削除する。例として、ゲストが退館する場合を説明する。ゲストは、入館時にゲートの通過が許可され、個人認証テーブル210にカード番号(第1の個人特定情報)が登録されているものとする。個人認証記憶判定部206は、ゲストが退館ゲートを通過したときに、個人認証テーブル210にゲストのカード番号が登録されているか否かを判定する。情報削除部207は、個人認証記憶判定部206が、カード番号が登録されていると判定した場合は、個人認証テーブル210からゲストのカード番号を削除する。個人認証テーブル210にゲストのカード番号が無い場合は、ゲストが退館したことを示すこととなる。すなわち、建物の閉館時においても、カード番号が個人認証テーブル210に残っている場合(記録されている場合)は、ゲストが退館していないことを示すこととなる。
個人認証記憶判定部206により、一旦ゲートを通過しているか否かを判定することが可能となるため、通過管理装置100は、ゲストとして入館した者が退館したか否かを判定することが可能となる。
【0028】
また、個人認証記憶判定部206は、所定の時刻に、個人認証テーブル210に第1の個人特定情報が記憶されているか否かをCPUを用いて判定する。情報削除部207は、個人認証記憶判定部206が、所定の時刻に個人認証テーブル210に第1の個人特定情報が記憶されていると判定した場合、個人認証テーブル210から第1の個人特定情報を削除する。
具体的には、建物の閉館時に、個人認証テーブル210として残っているカード番号等の記録を一斉に削除するものである。削除することにより閉館後に居間Aに不正に侵入することを防ぐことが可能となる。また、何らかの理由により退館の記録が残されていない場合があるので、不要な情報を削除するためでもある。
【0029】
本実施の形態において、図1及び図2を用いて説明した、「〜部」は、すべてマイクロコンピューター内のソフトウェアによって構成されているが、ハードウェアによって構成されていても構わない。
【0030】
次に、図4を用いて、通過管理装置100のハードウェア資源の一例について説明する。
図4において、通過管理装置100は、プログラムを実行するCPU911(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置ともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、通信装置915、表示装置916、入力機器902、記憶装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。記憶装置920は、例えば、磁気ディスク装置、光ディスク装置、メモリカード読み書き装置などである。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、記憶装置920の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶部の一例である。
通信装置915、入力機器902などは、入力部、入力装置の一例である。本実施の形態でゲートに設置された個人情報入力装置は入力機器902であり、入力部、入力装置である。クライアントPCも入力部の一例である。
また、通信装置915、表示装置916などは、出力部、出力装置の一例である。
【0031】
通信装置915は、例えば、ファクシミリ機、電話器、LAN等に接続されている。通信装置915は、LANに限らず、インターネット網、ISDN等のWAN(ワイドエリアネットワーク)などに接続されていても構わない。
記憶装置920には、オペレーティングシステム921(OS)、プログラム群922、ファイル群923が記憶されている。プログラム群922のプログラムは、CPU911、オペレーティングシステム921により実行される。
【0032】
上記プログラム群922には、実施の形態の説明において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
ファイル群923には、実施の形態の説明において、「〜の判定結果」、「〜の計算結果」、「〜の処理結果」として説明するデータや信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。
また、各実施の形態の説明において説明するフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、記憶装置920の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disk)等の記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0033】
また、以下に述べる実施の形態の説明において「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、ハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。すなわち、プログラムは、以下に述べる「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、以下に述べる「〜部」の手順をコンピュータに実行させるものである。
【0034】
以下に、本実施の形態における通過管理装置100が、ゲストが入館する際に実行する動作の一例について図1と図5を用いて説明する。
【0035】
まず、ゲストとして入館する前(少なくとも1日前が望ましい)に、ゲストが所持する非接触IDカード181の、例えば、カード番号と入館日時を受付管理システム1000に登録する。
【0036】
自席などにあるクライアントPC162より、カード番号と入館日時(例えば、2007年9月26日の10:00)を指定し、受付管理システムのサーバPC161に対して登録要求を行う。この場合インターネット152などを通じて、遠隔より行うこともある。受付管理システムのサーバPC161は、Webサーバ或いはメールサーバ機能を有するものとする。
【0037】
カード番号は、クライアントPC162に接続されるカード登録機171と読み取りソフトなどにより読み取ることが可能である。カードがFeliCa(登録商標)の場合、カード登録機は市販のパソリ(登録商標)などが使用できる。
【0038】
クライアントPC162からの登録要求に対して、サーバPC161にてゲストとして入館を許可できると判断する場合、登録要求の応答として、受付管理システムが管理している入館ゲート番号(「101」)又は、ゲート名称(例えば、「101 左側 入館ゲート」)をクライアントPC162に返信する。
以下、例えば、左側の入館ゲート(101)での操作により、ゲストを登録する前提で説明する。
【0039】
ここで、ゲストとして入館を許可すると判断するには例えば、ゲストカード(通過が許可されたゲストのカード番号が記録されたIDカード)の候補を示すゲストカード候補として、カード番号を予め受付管理システムのサーバ内に記憶しておいても良い。但しこの候補として記憶するだけでは、個人情報入力装置で照合しても照合NGとなるだけであり、セキュリテイ性は保たれている。
或いは、クライアントPC162とサーバPC161との間での、ホスト名などによる認証や、職制を通じたワークフローなどを用いても良い。
【0040】
また登録要求の応答として、入館予定時刻(期限付き;例えば、2007年9月26日の9:55〜10:05など)を返信しても良い。応答する入館予定時刻は、登録要求にある入館日時を含めた前後数分などとしても良いし、入館日時以前の時刻(例えば、2007年9月26日の9:30〜9:35)をサーバPC161側で適当に決めても良い。
【0041】
さらに登録要求の応答として、上記の入館ゲート番号と入館操作時刻とをペアで返信しても良い。
【0042】
また登録要求の応答に、退館ゲート番号(例えば、左側の退館ゲート(101)のゲート番号)を併せてクライアントPC162に返信しても良い。
【0043】
サーバPC161に登録要求されたゲストのカード番号などは、ゲストカードを登録する際に入館操作する個人情報入力装置111に接続された左側ゲート101のフラッパー131の開閉制御などを行う通過管理装置100aへ送信される。
【0044】
右側のゲート102を制御する通過管理装置100bや、ゲストカードとして登録後に通行可能(個人認証テーブル210にカード番号を登録後に通行可能)となる居室Aなど扉133の開閉などを制御する通過管理装置100cには、この時点ではゲストとしてのカード番号などは送信しない。
【0045】
ゲストカードのカード番号などを受信した通過管理装置100aでは、入館可能なカード番号を記憶する個人認証テーブル210とは別に、ゲスト候補テーブル211aに、ゲストで入館するカード番号などを記憶する。
【0046】
ここで入館予定時刻も合わせてゲスト候補テーブル211aに記憶する場合、サーバPC161からは入館可能時刻の数分前にゲストのカード番号を通過管理装置100aに通知する様にしても良い。また通過管理装置100aでは、入館予定時刻が過ぎた時点で、ゲスト候補テーブル211に記憶したカード番号を削除処理することにしても良い。この様にすれば、ゲストカード候補テーブル211には入館予定時刻(範囲)にだけ、入館操作可能なゲストのカード番号が記憶され、後述のチェック処理が少なくて済む。
【0047】
次にゲストが入館操作する場合について図5を用いて説明する。ゲストは、ゲストカード(IDカード181)を所持し入館ゲート101に設置の個人情報入力装置111にゲストカードをかざす。個人情報入力装置111が読み取ったカード番号は、通過管理装置100aへ送られ(ステップS101)、個人認証処理(ステップS102)される。ここで個人情報入力装置111は、非接触のICカード読み取り機(非接触CR)などである。
【0048】
通過管理装置100aでは先ず、個人認証テーブル内において、判定部204が個人情報入力装置で読み取ったカード番号の有無をチェックする(ステップS102)。ゲストカードで未だ登録されていない場合(Noの場合)、結果は当然NGである。判定部204が個人情報入力装置111により入力されたカード番号が、記憶部203の個人認証テーブル210に登録されていると判断した場合は、ゲートを一時的にオープン(ステップS103)する。これは、個人認証テーブル210に登録されているカード番号は、正規の利用者であるか、ゲストが一旦ゲストとしてゲートを通過しており、一時退出している場合である。通過管理装置100aは、ゲストが通行したことをサーバPC161や他の通過管理装置100に通知する(ステップS104)。
【0049】
ステップ102でNoと判定された場合、通過管理装置100aの判定部204は同様にゲスト候補テーブル211内において、カード番号の有無をチェックする(ステップS105)。ゲスト候補テーブル211に当該カード番号があれば、又はさらに操作した現在時刻がテーブル内に記憶の当該ゲストカードの入館予定時刻範囲内にあれば(ステップS105においてYesの場合)、ゲストカードの登録処理(カード番号を個人認証テーブルに登録する処理)を行った後(ステップS106)、ゲートのフラッパー131をオープン(ステップS107)し、通過管理装置100aはゲストの入館を許可する。このとき、ゲストがゲート101を通行したことを、ゲストカードとして登録したことと共に他の通過管理装置100に通知しても良い(ステップS108)。
【0050】
ステップS105において、判定部204が、カード番号はゲスト候補テーブル211に登録済みでないと判定した場合は、個人認証部205は、ゲート101のフラッパー131は閉じたままとし、ゲストの通過を阻止する(ステップS109)。通過管理装置100aの個人認証部205が、判定部204の判定結果に基づき、ゲートそばに設置された警告ブザーを鳴動させても良い。
【0051】
情報削除部207は、個人認証テーブル210にカード番号が登録された後、当該カード番号をゲスト候補テーブルより削除する。さらに、例えばゲストカードとして入室可能な居室Aの扉の開閉などを制御する通過管理装置100cへも登録処理し、当該通過管理装置100aの同様の個人認証テーブル内に当該カード番号を登録すれば、ゲストは居室Aへの入室も可能となる。
【0052】
ゲストが入室可能な部屋の設定は、ゲストという属性で一意に決めても良いし、事前にゲストカードとして、受付管理システム1000でそのカード番号と入室可能な部屋番号とを関連付けて記憶しておいても良い。
【0053】
また、ゲスト侯補テーブル211にゲストのカード番号を登録がされていない通過管理装置100bに接続されている右側の個人情報入力装置112でカード操作した場合、ゲストとしての登録処理ができないことは当然である。
また左側の個人情報入力装置111での操作時刻が、当該カード番号と共に記憶している入館予定時刻範囲外であっても、ゲストとして登録処理できないことも当然である。
【0054】
次に、本実施の形態における通過管理装置100が、ゲストが退館する際に実行する動作について図6を用いて説明する。
【0055】
退館操作する個人情報入力装置(例えば、退館時では向かって右側の個人情報入力装置121)が接続される通過管理装置100aのゲスト削除テーブル212aにゲストカードのカード番号が記録されるのは、ゲスト候補テーブル211aに記録するのと同様で、サーバPC161への登録要求の応答として、退館ゲート番号(103番号)を返信した際に記憶する。
【0056】
退館時の操作も入館時の操作と同様、個人情報入力装置121にカードをかざし退館操作する(ステップS201)。この場合入館時の処理と異なるのは、図6に示すフローの通り、個人認証テーブル210でカード番号が登録済みか否かを確認する処理(ステップS202)を行った後、ゲート103のフラッパー131を開け、通過できるようにし(ステップS203)、ゲストが通過したことを他の通過管理装置100や、サーバPC161に通知することである。個人認証テーブル210にカード番号が無い場合は、ゲートのフラッパー131を閉じたまま警告ブザー等を鳴動し、ゲストに警告する(ステップS208)。同時に、記録部に通過履歴を記録しても構わない(ステップS204)。次に、ゲスト削除テーブルでカード番号の有無をチェック処理する(ステップS205)こととなる。ゲスト削除テーブルにカード番号が有り、退館時を経過している場合(ステップS205のYesの場合)は、カード番号を削除する処理(ステップS206)を行う。
【0057】
削除処理では、ゲスト削除テーブル212aでの当該カード番号の削除とともに、個人認証テーブル210での当該カード番号の削除も行う(ステップS206)。登録時の処理と同様、個人認証テーブル210に登録した居室Aの通過管理装置100cにおいても個人認証テーブル210より当該ゲストカード番号の削除を実行する。
【0058】
ここで、ゲスト削除テーブル212aにカード番号の記録がない通過管理装置100bが制御する個人情報入力装置122で退館操作した場合はゲストカードの削除処理は行われない(ステップS205のNoの場合)ことは当然である。例えば、昼食などで一時的に退館し再度入館する場合などはこちらでの操作となる。
【0059】
また退館操作時刻が、ゲスト削除テーブル212aに記録された退館時刻以前の操作であれば、ゲストカードの削除を行わない様にしても良い。この場合、一時的な退館はどちらのゲートで行っても良いことになる。
【0060】
また受付管理システム内で取り決めた時刻(翌日の01:23など)に一斉に、ゲストカード(個人認証テーブルに記録されたカード番号)を全て削除処理する様にしても良い。この場合、ゲスト削除テーブル212にカード番号の記録がない通過管理装置100に接続する個人情報入力装置122で退館操作して帰宅してしまうなど正規でない退館操作による削除処理忘れを防することができる。
【0061】
本実施の形態で説明した通過管理装置100の特徴について、別の表現で以下に説明する。
【0062】
本実施の形態に係る通過管理装置100は、複数ある入館ゲートのうち、特定の入館ゲートを事前通知し、当該入館ゲートに設置した個人情報入力装置での入館操作により、当該個人をゲストとして登録することを特徴とする。
【0063】
また、本実施の形態に係る通過管理装置100は、入館操作可能時刻(期間)を事前通知し、ゲートに設置の個人情報入力装置で、当該時刻範囲内での入館操作により、当該個人をゲストとして登録することを特徴とする。
【0064】
通過管理装置100にゲストとして登録するための、上記2つの操作(入館ゲートを指定する操作及び入館する時刻を登録する操作)は、OR条件でもAND条件でもどちらで行っても良い。すなわち、入館ゲートの指定と入館操作可能時刻の両方を事前通知し、個人(ゲスト)が入館する時に入館ゲートと入館予定時刻との両方の情報を入力し、両方の条件が一致した(若しくは含まれている)場合にゲートを通過する個人をゲストとして登録しても良い。もしくは、入館ゲートか入館予定時刻の何れか一方が一致していれば、ゲストとして登録するようにしても良い。
【0065】
本実施の形態で示した通過管理装置100は、複数ある退館ゲートのうち、特定の退館ゲートを事前通知し、当該ゲートに設置した個人情報入力装置での退館操作により、当該個人のカード番号をゲストカード(個人認証テーブル210)から削除することを特徴とする。
【0066】
また、退館操作可能時刻(又は退館操作可能期間)を事前通知し、ゲートに設置の個人情報入力装置で、当該時刻範囲内での退館操作により、当該個人のカード番号をゲストカード(個人認証テーブル210)から削除することを特徴とする。
上記2つの操作は、OR条件でもAND条件でもどちらで行っても良い。また、入館操作だけで運用する場合と、入館操作と退館操作とを組み合わせて行う様にしても良い。入館操作だけで運用する場合は、ゲストの削除は、例えば入館操作した翌日に自動で実施する。
通過管理装置100が上記のような処理を行うことにより、セキュリテイ性を保ちながら、操作性が向上することが可能となる。
【0067】
本実施の形態で説明した通過管理装置100の特徴について、また別の表現で以下に説明する。
【0068】
本実施の形態に係る通過管理装置100は、
複数ある入退館ゲートに設置される個人情報入力装置で認証、使用可能なゲストカードの発行管理をおこなう受付管理システム1000で使用する通過管理装置100であって、
通過管理装置100は、ゲストカードの発行管理を受付管理システム1000の入退館ゲートに設置されたいずれかの個人情報入力装置によりおこない、
通過管理装置100の記憶部は、個人のIDカードをゲストカードとして発行し、ゲストカードとして使用した後、ゲストカードから抹消する運用を許可する個人のIDカード番号をゲストカード候補としてゲスト候補テーブル211に記憶し、
通過管理装置100は、ゲストカード候補として記憶された個人のIDカードをゲストカードとして発行をおこなう日時及び発行をおこなう個人認証端末が設置された入館ゲート番号を事前に遠隔操作により登録したものを受付け、
通過管理装置100は、さらに、ゲストカードとして発行され、使用が終了した個人のIDカードをゲストカードから抹消をおこなう日時及び抹消をおこなう個人情報入力装置が設置された退館ゲート番号を事前に遠隔操作により登録する
ことを特徴とする。
【0069】
本実施の形態に係る通過管理装置100は、
受付管理システムにおいて、入館するために認証がおこなわれたIDカード番号、日時、入館ゲート番号と、ゲストカード候補として記憶された個人のIDカード番号及びこのIDカード番号に登録されたゲストカードとして発行される日時、発行される入館ゲート番号とが合致したとき、この認証がおこなわれた個人のIDカードをゲストカードとして発行(又は個人認証テーブルに登録)することを特徴とする。
【0070】
本実施の形態に係る通過管理装置100は、
受付管理システムにおいて、退館するために認証がおこなわれたIDカード番号、日時、退館ゲート番号と、ゲストカード候補として記憶された個人のIDカード番号及びこのIDカード番号に登録されたゲストカードから抹消される日時、抹消される退館ゲート番号とが合致したとき、認証がおこなわれた個人のIDカードをゲストカードから抹消(又は個人認証テーブルから削除する)することを特徴とする。
【0071】
前記ゲストカードとして発行され、使用が終了した個人のIDカードをゲストカードから抹消をおこなう日時及び抹消をおこなう退館ゲートにおいて、退館するための認証がおこなわれないとき、ゲストカードとして発行された個人のIDカードをゲストカードから強制的に抹消する(又は個人認証テーブルから削除する)ことを特徴とする。
【0072】
本実施の形態に係る通過管理装置100は、個人を特定するカード番号等の個人特定情報とともに別の情報を予め登録しておき、個人がゲートを通過するときに個人特定情報と予め登録しておいた別の情報を入力することにより、個人を特定し通過を許可することを特徴とする。さらに、個人の通過を許可した場合には、予め個人が登録しておいた別の情報を削除することにより、個人特定情報を偽装した不正侵入者を妨げることができる。また、本実施の形態の通過管理装置100は、一度通過を許可した個人特定情報を、個人が退館するか若しくは一定期間経過するまで保持している。そのため、館内の他の通過管理装置とネットワークによって接続されていれば、他の通過管理装置と個人特定情報を共有することができる。即ち個人認証テーブルを共有することが可能である。個人認証テーブルを共有することにより、建物内における別のゲートの通過を許可する場合や、一時的に退館する場合であってもその個人特定情報(カード番号等)を利用することができ、個人の入退出管理が容易となる。
【0073】
本実施の形態で説明した通過管理装置100は、上記の特徴を有するため、ゲストカードを発行する特別な専用端末を必要とせず、ゲストの入退館の管理やゲストの登録操作が簡便となるという効果を奏する。
【0074】
実施の形態2.
本実施の形態について、図1、図3、図5を用いて以下に説明する。実施の形態1で説明した受付管理システム1000は複数のゲートを備えており、予め、クライアントPC162から利用する入館ゲート若しくは退館ゲートを指定して登録処理を行っていた。本実施の形態では、利用する入館ゲートの指定をせず、入館予定時刻だけを登録した場合の実施の形態について説明する。
【0075】
受付管理システム1000の全体構成及び通過管理装置100の機能構成は図1、図2と同様であるため説明は省略する。実施の形態1との異なる点は、クライアントPC162からサーバPC161に、ゲストカードとして利用するカードのカード番号を入力する際、入館ゲートを指定せず、サーバPC161は入館予定時刻だけをゲストに応答通知する。ゲストが直接入館予定時刻をカード番号と共に入力しても良い。入館予定時刻は時刻のみであっても構わないが、ある程度幅のある期間であるほうが望ましい。例えば、「1:00〜1:10」といった情報を入力する。ゲストが時刻を入力した場合、サーバPC161がその時刻の前後10分間を期間として登録しても構わない。この場合、サーバPC161は、ゲートを制御する全ての通過管理装置100にゲストカードとして利用するカード番号と入館予定時刻とを送信する。
【0076】
この場合、ゲストは、指定した入館予定時刻が示す期間内であれば、図1で示す左側の入館ゲート101だけでなく右側の入館ゲートからもゲストとしての登録操作が可能となる。入館時のゲストカード登録処理は、図5で示す入館時の処理と同様である。
【0077】
ゲスト候補テーブルの削除処理については、ゲストが操作した個人情報入力装置を有する通過管理装置100が自身の記憶部に記憶したゲスト候補テーブルからゲストのカード番号を削除するだけでなく、他の通過管理装置100にもゲストの当該カード番号と共に削除要求を通知し、通知された通過管理装置100がゲスト候補テーブルより、当該カード番号を削除する処理を追加しても良い。
例えば、ゲート101を管理する通過管理装置100aとゲート102を管理する通過管理装置100bの両方の記憶部に記憶されているゲスト候補テーブルは、図3(c)のゲスト候補テーブル211bに示すように、共にゲストカード番号と入館予定時刻が記録されているものとする。ゲストが入館予定時刻に入館ゲート101の個人情報入力装置111を操作しカード番号を入力した場合、通過管理装置100aは、自身の記憶部に記憶されているゲスト候補テーブル211bに登録されているカード番号を削除すると共に、通過管理装置100bにも削除要求を通知し、通過管理装置100bが記憶するゲスト候補テーブル211bから通過したゲストのカード番号を削除する。
【0078】
また、本実施の形態の通過管理装置100は、ゲートを区別せず入館予定時刻のみを第1の通過判定情報とし、第2の通過判定情報をゲストがゲート通過した(第2の個人特定情報を個人情報入力装置により入力した)時刻としている。すなわち、ゲートは必ずしも複数ある必要は無く、ゲートが1つだけの場合でも利用することが可能である。1つのゲートでゲストを管理するため、ゲートを増設するためのコストを削減することができる。
【0079】
本実施の形態では、入館予定時刻を第1の通過判定情報としたが、第1の通過判定情報は、サーバPC161が、クライアントPC162からゲストより登録要求があったときにランダムに発生させた暗証番号であっても良い。この場合、各ゲートには、カードの番号を読み取る個人情報入力装置以外に、番号を入力可能なテンキーを備えているものとする。ゲストは、ゲート通過時に、カード番号等の第2の個人特定情報を入力すると共に、テンキーを用いて第2の通過判定情報となる暗証番号を入力することにより、通過管理装置100は、個人を特定し、ゲート通過を許可することが可能となる。
【0080】
本実施の形態で示す通過管理装置100が上記で説明した処理を行うことにより、一旦、ゲストがゲートを通過して入館した場合は、再度登録しない限りゲスト候補テーブルには登録されないため、入館することができなくなる。そのため、カード番号を偽造による不法侵入者を防ぐことが可能となる。また、ゲストとして登録する場合、カード番号と時刻のみを入力することから、登録の手間を少なくするとともに、特別な装置を減らし、コスト削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】実施の形態1における受付管理システムの全体構成を示す構成図。
【図2】実施の形態1に係る通過管理装置の機能構成の一例を示すブロック構成図。
【図3】実施の形態1に係る通過管理装置の記憶部に記憶される個人認証テーブル、ゲスト候補テーブル、ゲスト削除テーブルの一例を示す図。
【図4】実施の形態1に係る通過管理装置のハードウェア構成の一例を示す図。
【図5】実施の形態1に係る通過管理装置が入館時に実行する処理の一例を示すフローチャート。
【図6】実施の形態1に係る通過管理装置が退館時に実行する処理の一例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0082】
100 通過管理装置、101,102 ゲート、111,112,113,114 個人情報入力装置、131,132 フラッパー、133 扉、141,142,143 通過感知装置、151 LAN、152 インターネット、161 サーバPC、162 クライアントPC、171 カード登録機、181 カード、201 第1の受付部、202 第2の受付部、203 記憶部、204 判定部、205 個人認証部、206 個人認証記憶判定部、207 情報削除部、208 情報消去部、310 第1の通過許可情報、311 第1の個人特定情報、312 第1の通過判定情報、320 第2の通過許可情報、321 第2の個人特定情報、322 第2の通過判定情報、911 CPU、912 バス、916 表示装置、902 入力機器、913 ROM、914 RAM、915 通信装置、920 記憶装置、921 オペレーティングシステム、922 プログラム群、923 ファイル群、1000 受付管理システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CPU(Central Proccessing Unit)を備え、ゲートの通過を管理する通過管理装置において、
個人を特定する第1の個人特定情報と、前記ゲートの通過の許可を判定する際に用いる第1の通過判定情報とを受付ける第1の受付部と、
前記第1の受付部が受付けた前記第1の個人特定情報と、前記第1の通過判定情報とを対応させて記憶する記憶部と、
前記ゲートに設置され、前記ゲートの通過を希望するゲート通過希望者が前記ゲートを通過する際に、前記ゲート通過希望者を特定する第2の個人特定情報と、前記第1の通過判定情報との判定の対象となる第2の通過判定情報とを前記ゲート通過希望者から受付ける第2の受付部と、
前記第1の個人特定情報と前記第2の個人特定情報とが一致するか否かと、前記第1の個人特定情報に対応した第1の通過判定情報の範囲に第2の通過判定情報が含まれるか否かとを、CPUを用いて判定する判定部と、
前記判定部が前記第1の個人特定情報と前記第2の個人特定情報とが一致し、かつ、前記第1の個人特定情報に対応した第1の通過判定情報の範囲に第2の通過判定情報が含まれると判定した場合に、前記ゲート通過希望者の前記ゲート通過を許可する個人認証部と
を備えたことを特徴とする通過管理装置。
【請求項2】
前記通過管理装置は、更に、
前記個人認証部が、前記ゲート通過希望者の前記ゲート通過を許可した場合、前記記憶部から、前記判定部が前記第2の個人特定情報と一致すると判定した前記第1の個人特定情報と、前記第1の個人特定情報に対応した前記第1の通過判定情報とを削除する情報削除部
を備えたことを特徴とする請求項1記載の通過管理装置。
【請求項3】
前記記憶部は、
前記第1の受付部が前記第1の個人特定情報と前記第1の通過判定情報とを受付けた日時を記憶しており、
前記通過管理装置は、更に、
前記第1の受付部が、前記第1の個人特定情報と前記第1の通過判定情報とを受付けてから所定の日時経過後、前記記憶部が前記第1の個人特定情報と前記第1の個人特定情報とを記憶している場合、前記記憶部から前記第1の個人特定情報と前記第1の通過判定情報とを消去する情報消去部
を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の通過管理装置。
【請求項4】
前記記憶部は、
前記第1の個人特定情報を記憶する個人認証テーブルを有し、
前記個人認証部は、
前記ゲート通過希望者の前記ゲート通過を許可した場合、前記判定部が前記第2の個人特定情報と一致すると判定した前記第1の個人特定情報を前記個人認証テーブルに記憶する
ことを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載の通過管理装置。
【請求項5】
前記通過管理装置は、更に、
前記判定部が前記第2の個人特定情報と一致すると判定した前記第1の個人特定情報が、前記個人認証テーブルに記憶されているか否かをCPUを用いて判定する個人認証記憶判定部を備え、
前記情報削除部は、
前記個人認証記憶判定部が、前記判定部が前記第2の個人特定情報と一致すると判定した前記第1の個人特定情報が、前記個人認証テーブルに記憶されていると判定した場合、前記個人認証テーブルから前記第1の個人特定情報を削除する
ことを特徴とする請求項4記載の通過管理装置。
【請求項6】
前記個人認証記憶判定部は、
所定の時刻に、前記個人認証テーブルに前記第1の個人特定情報が記憶されているか否かをCPUを用いて判定し、
前記情報削除部は、
前記個人認証記憶判定部が、前記所定の時刻に、前記個人認証テーブルに前記第1の個人特定情報が記憶されていると判定した場合、前記個人認証テーブルから前記第1の個人特定情報を削除する
ことを特徴とする請求項5記載の通過管理装置。
【請求項7】
前記第1の通過判定情報は、
複数のゲートのうち前記個人が通過を予定する特定のゲートを示す情報であり、
前記第2の通過判定情報は、
前記ゲート通過希望者が通過するゲートを示す情報である
ことを特徴とする請求項1乃至6何れかに記載の通過管理装置。
【請求項8】
前記第1の通過判定情報は、
日時によって示される前記個人が前記ゲートを通過する予定の期間であり、
前記第2の通過判定情報は、
前記ゲート通過希望者が前記ゲートを通過する日時である
ことを特徴とする請求項1乃至6何れかに記載の通過管理装置。
【請求項9】
前記第1の通過判定情報は、
複数のゲートのうち前記個人が通過を予定する特定のゲートを示す情報と、日時によって示される前記個人が前記複数のゲートの通過を予定する期間とから成る情報であり、
前記第2の通過判定情報は、
前記ゲート通過希望者が通過するゲートを示す情報と、前記ゲートを通過する日時とから成る情報である
ことを特徴とする請求項1乃至6何れかに記載の通過管理装置。
【請求項10】
前記第1の通過判定情報は、
複数のゲートのうち前記個人が通過を予定する特定のゲートを示す情報と、日時によって示される前記個人が前記特定のゲートの通過を予定する期間とから成る情報であり、
前記第2の通過判定情報は、
前記ゲート通過希望者が通過するゲートを示す情報と、前記ゲートを通過する日時とから成る情報である
ことを特徴とする請求項1乃至6何れかに記載の通過管理装置。
【請求項11】
前記第1の個人特定情報は、
前記個人が所有するIDカードに記録されたカード番号であり、
前記第2の個人特定情報は、
前記ゲート通過希望者が所有するIDカードに記録されたカード番号である
ことを特徴とする請求項1乃至10何れかに記載の通過管理装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11の何れかに記載した通過管理装置と、
前記第2の個人特定情報を入力する入力装置を備えたゲートと
を備えたことを特徴とする受付管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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