通風に抗しうるレンジフード
【課題】 効果的に煤や有害ガスを排気し、あらゆる方向からの通風に抗し、高温の膨張ガスの漏れを防ぐ。
【解決手段】 頂部にエア生成装置を設置したカウンターの上で用いられる、通風に抗しうるレンジフードを提供する。このレンジフードは、エアを上方向に引くための細長排気スロットを底部に備えた排気フードを含む。そのうえ、エアを下方向に吹き付けるために、前記細長排気スロットの正面に吹き付け溝が設けられる。前記排気フードの左側面と右側面との下に、長左側直立板と長右側直立板とがそれぞれ備えられる。それによって、前記細長排気スロットがエアを引くとき、斜め方向の気流が形成される。そのうえ、斜め方向の気流構造を守るため、長左側直立板と長右側直立板とは、側面方向からの通風を妨げることができる。その結果、上方向への気流の流れはそのままに、煤や有害ガスが排気される。
【解決手段】 頂部にエア生成装置を設置したカウンターの上で用いられる、通風に抗しうるレンジフードを提供する。このレンジフードは、エアを上方向に引くための細長排気スロットを底部に備えた排気フードを含む。そのうえ、エアを下方向に吹き付けるために、前記細長排気スロットの正面に吹き付け溝が設けられる。前記排気フードの左側面と右側面との下に、長左側直立板と長右側直立板とがそれぞれ備えられる。それによって、前記細長排気スロットがエアを引くとき、斜め方向の気流が形成される。そのうえ、斜め方向の気流構造を守るため、長左側直立板と長右側直立板とは、側面方向からの通風を妨げることができる。その結果、上方向への気流の流れはそのままに、煤や有害ガスが排気される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、レンジフードに関し、特に、あらゆる方向からの通風に抗し、煤や汚染物質を排出し、家庭のキッチンや、レストランのキッチン、他の汚染ガスを生じる仕事場に適したレンジフードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
キッチンの従来のレンジフードは、仕事場にあるような天井吸引(top-suction)スタイルのものとほとんど変わるところがなかった。この従来種類のレンジフードは、気流がレンジフードの排気スロットの近距離まで近づくと、上昇方向への気流速度が大幅に減じられ、それゆえ、上昇方向の引き抜き力は常に不十分であった。それによって、レンジフードの性能は、周囲をあるく人々やファンやエアコンの運転などによって引き起こされる通風に極めて容易に影響されがちであった。結果として、煤を閉じ込めるための有効面積は極めて小さくなる。このようにして、排気スロットの近隣に近づいた煤は、通風に沿って逃げ、キッチンで調理する人々の健康を危うくする。
【0003】
その結果、上記の問題を克服するために、本願発明者は、空気力学原理に基づいた「エアカーテン」を備えるレンジフードを開発してきた。そのようなレンジフードの主な技術的特徴は、カウンター正面からみて、上方向と斜めの方向とに向かうエアジェットを供給し、オーブンの上にスロット形状の換気フードを設け、吹き出して引かれるエアジェットによって、ほぼ2次元のエアカーテンが形成されるようにし、カウンター上のオーブンの左右は、左側をエア供給のために開口する。この吹き出し場は、空気力学原理によって検証されており、これにより、斜め方向のエアカーテンと後壁との間の煤と有害ガスとを確実に上方向の排気フードに向かって運び排出することができる。
【0004】
実施にあたって、強い通風がなければ、上記レンジフードは、煤や有害ガスを効果的に閉じ込めて排出する能力を有している。そのうえ、周囲をあるく人々や20cm/s未満の速度のわずかな通風により引き起こされる漏れを最小化することができる。前述のように、カウンター上のオーブンの左側と右側とのうち、左側は開放されており、調理する人々が面する2次元エアカーテンを形成するように、エアが引き込まれ、供給される。このようにして、カウンターの前の通風の干渉に対して強い抵抗を供給することができる。しかし、キッチンでは、電気ファンによって生成される気流や他のドアや窓を通して吹いてくる外からの気流のように、あらゆる方向から来る僅かに強い通風の干渉を完全に取り除くことが困難である。この現象は、キッチンの通風を複雑なものとする。
特に、カウンター上のオーブンの左側や右側に通風が存在するとき、エアカーテン構造は、カウンター上のオーブンの左側や右側の近くに形成されるエア供給空間を通した側面からの通風によって壊される。その結果、煤の排気能力は大幅に減じられる。国立台湾科技大学によって行われた実験結果によれば、通風の速度が約20cm/s以上のとき、煤の深刻な漏れが商業的に利用される従来のレンジフードにおいて引き起こされる。この現象は、二次元エアカーテンを備えるレンジフードにおいても発生するであろう。通風はキッチンに一般的にみられ、その速度を小さな範囲内に閉じ込めることは難しい。それによって、煤の漏れは、これらの場所において非常に深刻である。そのうえ、煤やガスが高温のときは、ガスの膨張性のために煤の漏れを妨げることがより難しくなる。
【0005】
さらに、2次元エアカーテンを備える上記レンジフードは、同時に、吹き出し装置と排気装置とを含むことを要求される。それゆえ、これらの部品を組み立てたり、交換したりすることが極めて不便である。そのうえ、より多くの器械が要求されるから、装置のコストや製造の手間は増大させられる。
【0006】
従来のものと異なる改善された構造を提供し、上記の欠点を克服するために、本願発明者は、鋭意研究の末に本願発明を開発した。懸命の研究開発の後、本願発明者は、効果的に煤や有害ガスを排気し、あらゆる方向からの通風に抗し、高温の膨張ガスの漏れを防ぐことのできるレンジフードを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願発明の目的は、排気フードの底部の細長排気スロットと、前記排気フードの左側および右側側面のそれぞれの下の長い直立板とを備えることにより、流れ込む側面方向の通風を防ぎ、上方向への気流の流れはそのままに、煤や有害ガスを排気し、通風に抗しうるレンジフードを提供することである。
【0008】
本願発明の更なる目的は、前記排気フードの左側および右側側面のそれぞれの下の長い直立板と、2枚の直立板の各前端にガイド部とを備えることにより、直立板の前端を通して前記排気フードの下の空間にエアが流れ込むとき、左右直立板の前端からそれた気流によってバックフロー領域が形成されるのを低減し、排気流の流れを円滑に保つ、通風に抗しうるレンジフードを提供することである。
【0009】
本願発明の更なる目的は、前記排気フードの底部に位置する排気スロットの一端に、吹き付け溝を備え、上方向の吹き付けエアにより、エア発生装置によって生成される高温の膨張ガスをその漏れを防ぐために閉じ込めて、細長排気スロットへとガイドする、通風に抗しうるレンジフードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本願発明は、壁によりかかって構成される背面を有し、頂部にエア発生装置を備えるカウンターの上に位置する、通風に抗しうるレンジフードとしている。前記レンジフードは、排気フードと長左側直立板と長右側直立板とを含む。前記排気フードはその底部に、下方向に面して開口を有する細長排気スロットを備えている。前記細長排気スロットは、エアを上方向に引くための排気装置と接続される。前記細長排気スロットの前端には、下方向に面する開口を有する細長吹き付け溝が備えられている。前記細長吹き付け溝は、エアを下方向に吹き付けるための吹き付け装置と接続される。前記細長排気スロットと前記細長吹き付け溝とは、前記排気フードの前端面と後端面との間の位置に、前記前端面および後端面と平行に配される。長左側直立板は、前記排気フードの左側面の下にしっかりと設けられ、その水平幅が、前記エア発生装置の後端から前記壁までの水平距離を下回ることがない一方で、その鉛直長さが、前記カウンターの頂部から当該長左側直立板の底部までの高さを下回ることがない。長右側直立板は、前記排気フードの右側面の下にしっかりと設けられ、その水平幅が、前記エア発生装置の後端から前記壁までの水平距離を下回ることがない一方で、その鉛直長さが、前記カウンターの頂部から当該長右側直立板の底部までの高さを下回ることがない。
【0011】
実施にあたっては、湾曲した第1のガイド部が、前記長左側直立板の前端の右側に設けられ、湾曲した第2のガイド部が、前記長右側直立板の前端の左側に設けられる。
【0012】
実施にあたっては、通風に抗しうるレンジフードを直接にカウンターの上に吊されるとき、前記細長排気スロットを、排気フードの前端面と後端面との間で中程に位置させる。エア発生装置の左右側面を覆うために、長左側直立板の水平幅は、排気フードの左側面の水平幅の4分の1より小さくなることはなく、長右側直立板の水平幅は、排気フードの右側面の水平幅の4分の1より小さくなることはない。さらに、細長排気スロットの前端と後端とには、それぞれ、下方向に面して開口を有する細長吹き付け溝が備えられている。前記細長吹き付け溝は、エアを下方向に吹き付けるための吹き付け装置と接続される。そのうえ、前記細長吹き付け溝は、前記細長排気スロットと平行である。
【0013】
次なる詳細な説明では、図面を伴う例示や具体的な実施態様によって、本願発明が最良に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本願発明の第1の実施形態を示す、カウンターより上の説明図である。
【図2】本願発明の第1の実施形態であり、壁によりかかった構成を示す断面図である。
【図3】本願発明のある形態のエアコレクタを示す断面図である。
【図4】本願発明のある形態のエアコレクタを示す断面図である。
【図5】ガス排気プロセスにおける本願発明の第1の実施形態の使用を示す図である。
【図6】ガス排気プロセスにおける本願発明の第1の実施形態の使用を示す図である。
【図7】ガス排気プロセスにおける本願発明の第2の実施形態の使用を示す図である。
【図8】本願発明の第3の実施形態を示す断面図である。
【図9】ガスの排気プロセスにおける本願発明の第3の実施形態を示す図である。
【図10】本願発明において、オーブン上に煙を発し、レーザによって煙の流れの場を視覚化する技術を適用した状態で、水平面と中間の垂直平面とでの煙の様子を示す写真である。
【図11】静的なテストにおける、本願発明と他のレンジフードとによって得られた捕捉効率について、比較のカーブを示すグラフである。
【図12】動的なテストにおける、本願発明と他のレンジフードとによって得られた捕捉効率について、比較のカーブを示すグラフである。
【図13】本願発明の第4の実施形態における壁によりかかった構成の断面図である。
【図14】本願発明の第4の実施形態において、吹き付け溝の更なるパターンを示す説明図である。
【図15】本願発明の第4の実施形態の使用を示す図である。
【図16】本願発明の第5の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1および図2は、本願発明に係る通風に抗しうるレンジフード1の第1の実施形態を示すものである。この実施形態では、レンジフードは、壁11によりかかった背面を持ち、カウンター12の上に位置している。オーブンは、カウンター12の頂部に配置され、オーブンの上に調理器具が置かれる。オーブンは、エア発生装置13として設計されている。エア発生装置13は、壁11と面する後端131と、それと反対側で壁11から離れた前端132とを有している。実施においては、エア発生装置13は、有害ガスを生じることのある調理器具や他の用品を含みうる。そして、レンジフード1は、排気フード2、長左側直立板3、長右側直立板4を含む。
【0016】
排気フード2は、エアコレクタ21を備えている。エアコレクタ21は、その中に空間211を有する実質的に長方形の囲いである。そのうえ、エアコレクタ21は、下方向に面して開口している細長排気スロット22を有する底板212を備えている。細長排気スロット22は、排気フード2の前端面23と後端面24との間に位置し、前端面23と後端面24とに平行になっている。エアコレクタ21の底板212には、油防枠213が備えられている。油防枠213は、底板212の表面から突き出しており、細長排気スロット22の周囲を取り囲んでいる。油蓄箱25は、エアコレクタ21の底板212の表面の背面端の下に設けられる。あるいは、油蓄箱25は、底板212の表面の前端の下か側面の下に設けられてもよい。そのうえ、エアコレクタ21の頂部には、排気装置26に接続されるための排気インレット214が設けられる。排気インレット214は、細長排気スロット22の上方位置からは離して設けられる。実施にあたっては、排気装置26は、引き込みファンや吹き付け機やエアを引き込みうる他の流体機構からなりうる。
【0017】
実施にあたって、エアコレクタ21は、実質的にL字型の囲いであってもよい。図3に示されるように、細長排気スロット22は、下方向に面しており、所定の角度において斜めを向いている。あるいは、図4に示されるように、細長排気スロット22は、エアコレクタ21の後端面24から離れる方向に向けられる。
【0018】
長左側直立板3は、実質的に長方形をしており、その頂部は、エアコレクタ21の左側面の下にしっかりと配置され、そのため、長左側直立板3と細長排気スロット22とが互いに実質的に垂直になるように、エアコレクタ21の左側面の下の位置から下方向に延ばされている。そのうえ、湾曲した第1のガイド部31は、長左側直立板3の前端の右側の位置に設けられる。長左側直立板3の水平幅Wは、エア発生装置13の後端131から壁11までの水平距離W1より小さくなることはない。言い換えれば、長左側直立板3は、エア発生装置13の左側面の少なくとも一部を覆う。さらに、長左側直立板3の高さHは、カウンター12の頂部から長左側直立板3の底までの高さH1より小さくなることはない。
【0019】
長右側直立板4と長左側直立板3とは、エアコレクタ21の左右側面にそれぞれ対称的に配される。長右側直立板4の頂部は、エアコレクタ21の右側面の下にしっかりと設けられるので、長右側直立板4と細長排気スロット22とが互いに実質的に垂直になるように、長右側直立板4は、エアコレクタ21の右側面の下から下方向に延ばされる。そのうえ、湾曲した第2のガイド部41は、長右側直立板4の前端の左側に設けられる。長右側直立板4の水平幅は、エア発生装置13の後端131から壁11までの水平距離より小さくなることはない。言い換えれば、長右側直立板4は、エア発生装置13の右側面の少なくとも一部を覆う。さらに、長右側直立板4の高さは、カウンター12の頂部から長右側直立板4の底までの高さより小さくなることはない。
【0020】
その結果、長左側直立板3の前端と排気フード2の左側面の前端との下方には、第1のエア供給空間27が実質的に長方形状に形成される。そのうえ、長右側直立板4の前端と排気フード2の右側面の前端との下方には、第2のエア供給空間28が実質的に長方形状に形成される。さらに、長左側直立板3の底とカウンター12の左側面との間には、第3のエア供給空間29が実質的に長方形状に形成される一方、長右側直立板4の底とカウンター12の右側面との間には、第4のエア供給空間30が実質的に長方形状に形成される。
【0021】
それによって、図5および図6に示されるように、本願発明が壁に固定され、エア発生装置13が煤や他の有害ガスを生成し始めるとき、排気装置26の操作によって、細長排気スロット22がエアを上方向に引き始める。細長排気スロット22の高速排気によって、エア発生装置13によって生成された煤や他の有害ガスを上方に運ぶように、エアコレクタ21の前端の下に斜めの気流が形成される。エアコレクタ21内部の空間211を通過すると、排気装置26によって煤や他の有害ガスは排気される。排気装置26の排気インレット214は、細長排気スロット22の上方位置からは離れて設けられるので、蓄積された廃油は、細長排気スロット22からたれ落ちるよりも、むしろ底板212に付着することになる。さらに、細長排気スロット22の周囲を油防枠213で取り囲むことにより、廃油が細長排気スロット22からたれ落ちることを防止することができる。それによって、廃油は油蓄箱25の中に流れ込む。長左側直立板3と長右側直立板4との妨げによって側面方向からの通風に抵抗することができる。その結果、前述の斜め気流の構造は壊されず、煤や有害ガスを排出するように、そのまま上方向への気流を形成することができる。
【0022】
なお、湾曲した第1のガイド部は、長左側直立板3の前端の右側に設けられる一方、湾曲した第2のガイド部は、長右側直立板4の前端の左側に設けられる。それによって、第1のエア供給空間27と第2のエア供給空間28とを通して、エアコレクタ21の下の空間にエアが流れ込んだとき、第1のガイド部31と第2のガイド部41との出発点311,411は、より後ろに位置することになる。結果として、排気の流れを円滑に保つように、気流によって生成されるバックフロー領域を低減することができる。
【0023】
図7を参照すると、本願発明の第2の実施形態が図示されている。この実施形態は、第1の実施形態と次のような面で異なっている。カウンター12は、細長吹き付け部5を備える前端を有している。細長吹き付け部5は、細長排気スロット22に対応したサイズの斜めの細長吹き付けスロット51を備えている。細長吹き付けスロット51は、吹き付け機52に連結されている。吹き付け機52の操作によって、細長吹き付けスロット51と細長排気スロット22との間の斜めのエアカーテン53を形成するように、細長吹き付けスロット51を通して所定の角度でエアジェットが上方向に吹き上がり、細長排気スロット22へと入るようになっている。実施にあたっては、吹き付け機52の代わりにクロスフロー(cross-flow)ファンや他の流体機構も用いられうる。
【0024】
図8を参照すると、本願発明の第3の実施形態が図示されている。この実施形態は、第1および第2の実施形態と次のような面で異なっている。
排気フード2の前面と後面とを開放するために、レンジフードが直接にカウンター12の上に吊されている。細長排気スロット22は、排気フード2の前端面と後端面との間で中程に位置している。エア発生装置13の左右側面を覆うために、長左側直立板3の水平幅W2は、排気フード2の左側面の水平幅W3の4分の1より小さくなることはない一方で、長右側直立板4の水平幅は、排気フード2の右側面の水平幅の4分の1より小さくなることはない。図9に示されるように、カウンター12の後端もまた更なる細長吹き付け部6を備えている。細長吹き付け部6は、細長排気スロット22に対応する細長吹き付けスロット61を備えている。そのうえ、細長吹き付けスロット61は吹き付け機52と接続されている。それによって、細長吹き付けスロット61から所定の角度でエアジェットが吹き付けられ、細長排気スロット22へと流れ込んだとき、細長吹き付けスロット61と細長排気スロット22との間に更なる斜めのエアカーテン62が形成されうる。
【0025】
細長吹き付け部5および細長吹き付け部6の存否に応じてエアカーテンが1つであっても2つであっても、煤や他の有害ガスを、排気フード2へとしっかりと上方へと運ぶことができ、排気装置26の操作によって排出が行われる。
【0026】
本願発明の装置における、いくつかの水平と垂直な平面をみるために、煙がオーブンの上に放たれ、レーザによって煙の流れを視覚化する技術を適用した。図10は、水平面と中間の垂直面との煙の様子を示す写真である。垂直面における煙の分布からわかるように、煙生成装置から生成された煙は、まず上昇してから所定の角度で後壁に向かい、そして、前面から逃げる代わりに、後方に位置する排気スロットに引き込まれる。また、水平面における煙の分布からわかるように、煙生成装置から生成された煙の大半は、横方向へ拡散する代わりに中央領域周辺に集まる。
【0027】
本願発明の汚染物質除去効果は、国立台湾科技大学の熱流体実験室によって行われ、追跡ガス検出法を適用した実験によって証明された。ガス放出装置がオーブンの上に配され、六フッ化硫黄(SF6)ガスが一定の濃度と速度で放出された。
排気フードのダクトの十分離れた終端で測定される「単位時間あたりに通過するSF6ガスの体積を、単位時間あたりにガス放出装置から放たれたSF6ガスの体積で割った値」として定義される捕捉効率(η)を計算するために、排気フードのダクトの十分離れた終端で、六フッ化硫黄ガスの濃度と流速とが測定された。
【0028】
第1のテストは静的なテストである。このテストでは、排気フードは、カウンターからそれぞれ異なった高さ(H)に設けられる。周囲環境の通風の流速(Vdraft)が非常にゆっくりした(約0.03m/s)条件下で、5種類のレンジフードについて、各々の捕捉効率が測定された。5種類のレンジフードとは、(1)従来のレンジフード、(2)エアを上方向に吹き上げるためにカウンターの前端にスロットを設けた従来のレンジフード、(3)左側面と右側面とにそれぞれ保護板を備えた従来のレンジフード、(4)エアカーテンタイプのレンジフード、(5)本願発明のレンジフードを含む。結果を図11に示す。最初の3種類のレンジフード(従来のレンジフード、エアを上方向に吹き上げるためにカウンターの前端にスロットを設けた従来のレンジフード、左側面と右側面とにそれぞれ保護板を備えた従来のレンジフード)の捕捉効率が、最後の2種類のレンジフード(エアカーテンタイプのレンジフード、本願発明のレンジフード)の捕捉効率より遙かに下であることは明らかである。さらに、本願発明のレンジフードの捕捉効率は、エアカーテンタイプのレンジフードの捕捉効率より高い。この現象は、レンジフードの高さが0.5mより高いときにより顕著となった。
【0029】
第2のテストは、周囲環境の通風に抗する能力を測定するテストである。このテストでは、排気フードは、カウンターから0.6mの高さに設けられた。そのうえ、異なる流速(Vdraft)の通風が、上記5種類のレンジフードから2mの距離で、各レンジフードに向かって45度の角度で吹き付けられた。当該5種類のレンジフードの捕捉効率が各々測定された。結果を示すのが図12である。最初の3種類のレンジフード(従来のレンジフード、エアを上方向に吹き上げるためにカウンターの前端にスロットを設けた従来のレンジフード、左側面と右側面とにそれぞれ保護板を備えた従来のレンジフード)の捕捉効率が、最後の2種類のレンジフード(エアカーテンタイプのレンジフード、本願発明のレンジフード)の捕捉効率より遙かに下であることは明らかである。さらに、本願発明のレンジフードの捕捉効率は、エアカーテンタイプのレンジフードの捕捉効率より高い。特に、本願発明は、通風の流速が0.2m/sより大きいときに強みを発揮する。本願発明の捕捉効率は、流速が1m/sの速さになっても、僅かに減少するだけで高い値を保っている。本願発明に係るレンジフードとは対照的に、通風が徐々に強くなると、他の4種類のレンジフードの捕捉効率は、容認できない程度に急速に減少する。通風の角度を変えても同様の結果が得られた。
【0030】
図13を参照すると、本願発明の第4の実施形態が示されている。この実施形態では、長左側直立板3は、排気フード2の左側面の下に位置を固定されている一方、長右側直立板4は、排気フード2の右側面の下に位置を固定されている。そのうえ、細長排気スロット22の前端には、下方向に向かって開口している細長吹き付け溝221が備えられている。細長吹き付け溝221は、細長排気スロット22に平行で、細長吹き付け溝221は、エアを下方向に向かって吹き付けるための吹き付け装置222と接続されている。実施にあたっては、吹き付け装置222は、エアブロワー(air blower)かクロスフロー(cross-flow)ファンを用いる。図14に示されるように、細長吹き付け溝221は、さらに、互いに間隔をあけて一直線に整列される、左側吹き付け溝2211および右側吹き付け溝2212を含んでいる。さらに、細長吹き付け溝221、左側吹き付け溝2211、右側吹き付け溝2212は、互いに間隔を開けて配列された複数の吹き付け穴から構成されてもよい。
【0031】
図15に示されるように、エア発生装置13が高温ガスを発生するとき、煤は、ガス膨張現象のために、排気フード2の前端面23に向かって拡散していく。一方、細長吹き付け溝221からの下方向の吹き付けは、排気フード2の底の前端を通した高温で膨張したガスの漏れを防ぐことができるだけでなく、高温ガスが逃げるのを防止するために当該ガスが細長排気スロット22に吹き込むようにガイドすることもできる。
【0032】
図16は、本願発明の第5の実施形態を示している。この実施形態では、長左側直立板3は、排気フード2の左側面の中央部分の下にしっかりと配される一方、長右側直立板4は、排気フード2の右側面の中央部分の下にしっかりと配される。細長排気スロット22は、下方向に向かって開口している細長吹き付け溝221をそれぞれ前端と後端とに備えている。2つの細長吹き付け溝221は、排気フード2の前端面23と後端面24から高温のガスが漏れるのを防ぐために、それぞれ下方向に吹き付けるための吹き付け装置222と接続されている。実施にあたっては、任意の細長吹き付け溝221を、互いに間隔をあけて一直線に整列される、左側吹き付け溝2211および右側吹き付け溝2212から構成してもよい。代わりに、細長吹き付け溝221、左側吹き付け溝2211、右側吹き付け溝2212を、互いに間隔を開けて配列された複数の吹き付け穴から構成されてもよい。
【0033】
それゆえ、本願発明は次のような利点を備えている。
【0034】
本願発明によれば、エアを引くことのできる細長排気スロットによって、煤や有害ガスを排気できるように、上方向に向かって流れる気流をそのままに形成しながら、長左側板および長右側板により、横方向からの通風に抗することができる。
【0035】
本願発明によれば、長左側板および長右側板の前端に、それぞれ湾曲したガイド部を設けることによって、排気フードの下の空間に入るバックフローバブルを低減することができる。それによって、バックフローバブルは、外に向かってはみ出ることがなく、煤が拡散することを防止できる。さらに、上方向に向かう気流の流れはそのままにするので、円滑な排気が可能となる。
【0036】
本願発明によれば、細長排気スロットと長左側板および長右側板との協力によって、上方への流れをそのままに、煤や有害ガスを排出することができる。それによって、本願発明のレンジフードは、他の台所用品を変更する必要なしに、従来のレンジフードを置き換えることができるので、簡便に用いることができる。
【0037】
本願発明によれば、排気フードの底の吹き付け溝からの下方向への吹き付けは、高温の膨張ガスの漏れを防ぐことができるだけでなく、高温の膨張ガスが細長排気スロットに吹き込むようにガイドすることもできる。それによって、ガスが高温状態で、通風のある条件下であっても、効果的に上記の漏れを防ぐことができる。
【0038】
上記の詳細な説明と添付図面とで開示したように、本願発明は、あらゆる方向からの通風を妨げ、効果的に煤や有害ガスを排出することのできる、通風に抗しうるレンジフードを提供するものである。本願発明は、新規性と産業上の利用性を備えている。
【0039】
本願発明の具体的態様について詳細に説明したが、多くの改変やバリエーションは、上述に開示された教示内容から当業者がなし得るものである。それゆえ、いかなる改変やバリエーションも、特許請求の範囲によって定義される技術的範囲に属し、本願発明の精神と均等とみなされるべきである。
【符号の説明】
【0040】
1 レンジフード
2 排気フード
3 長左側直立板
4 長右側直立板
11 壁
12 カウンター
13 エア発生装置
22 細長排気スロット
26 排気装置
【技術分野】
【0001】
本願発明は、レンジフードに関し、特に、あらゆる方向からの通風に抗し、煤や汚染物質を排出し、家庭のキッチンや、レストランのキッチン、他の汚染ガスを生じる仕事場に適したレンジフードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
キッチンの従来のレンジフードは、仕事場にあるような天井吸引(top-suction)スタイルのものとほとんど変わるところがなかった。この従来種類のレンジフードは、気流がレンジフードの排気スロットの近距離まで近づくと、上昇方向への気流速度が大幅に減じられ、それゆえ、上昇方向の引き抜き力は常に不十分であった。それによって、レンジフードの性能は、周囲をあるく人々やファンやエアコンの運転などによって引き起こされる通風に極めて容易に影響されがちであった。結果として、煤を閉じ込めるための有効面積は極めて小さくなる。このようにして、排気スロットの近隣に近づいた煤は、通風に沿って逃げ、キッチンで調理する人々の健康を危うくする。
【0003】
その結果、上記の問題を克服するために、本願発明者は、空気力学原理に基づいた「エアカーテン」を備えるレンジフードを開発してきた。そのようなレンジフードの主な技術的特徴は、カウンター正面からみて、上方向と斜めの方向とに向かうエアジェットを供給し、オーブンの上にスロット形状の換気フードを設け、吹き出して引かれるエアジェットによって、ほぼ2次元のエアカーテンが形成されるようにし、カウンター上のオーブンの左右は、左側をエア供給のために開口する。この吹き出し場は、空気力学原理によって検証されており、これにより、斜め方向のエアカーテンと後壁との間の煤と有害ガスとを確実に上方向の排気フードに向かって運び排出することができる。
【0004】
実施にあたって、強い通風がなければ、上記レンジフードは、煤や有害ガスを効果的に閉じ込めて排出する能力を有している。そのうえ、周囲をあるく人々や20cm/s未満の速度のわずかな通風により引き起こされる漏れを最小化することができる。前述のように、カウンター上のオーブンの左側と右側とのうち、左側は開放されており、調理する人々が面する2次元エアカーテンを形成するように、エアが引き込まれ、供給される。このようにして、カウンターの前の通風の干渉に対して強い抵抗を供給することができる。しかし、キッチンでは、電気ファンによって生成される気流や他のドアや窓を通して吹いてくる外からの気流のように、あらゆる方向から来る僅かに強い通風の干渉を完全に取り除くことが困難である。この現象は、キッチンの通風を複雑なものとする。
特に、カウンター上のオーブンの左側や右側に通風が存在するとき、エアカーテン構造は、カウンター上のオーブンの左側や右側の近くに形成されるエア供給空間を通した側面からの通風によって壊される。その結果、煤の排気能力は大幅に減じられる。国立台湾科技大学によって行われた実験結果によれば、通風の速度が約20cm/s以上のとき、煤の深刻な漏れが商業的に利用される従来のレンジフードにおいて引き起こされる。この現象は、二次元エアカーテンを備えるレンジフードにおいても発生するであろう。通風はキッチンに一般的にみられ、その速度を小さな範囲内に閉じ込めることは難しい。それによって、煤の漏れは、これらの場所において非常に深刻である。そのうえ、煤やガスが高温のときは、ガスの膨張性のために煤の漏れを妨げることがより難しくなる。
【0005】
さらに、2次元エアカーテンを備える上記レンジフードは、同時に、吹き出し装置と排気装置とを含むことを要求される。それゆえ、これらの部品を組み立てたり、交換したりすることが極めて不便である。そのうえ、より多くの器械が要求されるから、装置のコストや製造の手間は増大させられる。
【0006】
従来のものと異なる改善された構造を提供し、上記の欠点を克服するために、本願発明者は、鋭意研究の末に本願発明を開発した。懸命の研究開発の後、本願発明者は、効果的に煤や有害ガスを排気し、あらゆる方向からの通風に抗し、高温の膨張ガスの漏れを防ぐことのできるレンジフードを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願発明の目的は、排気フードの底部の細長排気スロットと、前記排気フードの左側および右側側面のそれぞれの下の長い直立板とを備えることにより、流れ込む側面方向の通風を防ぎ、上方向への気流の流れはそのままに、煤や有害ガスを排気し、通風に抗しうるレンジフードを提供することである。
【0008】
本願発明の更なる目的は、前記排気フードの左側および右側側面のそれぞれの下の長い直立板と、2枚の直立板の各前端にガイド部とを備えることにより、直立板の前端を通して前記排気フードの下の空間にエアが流れ込むとき、左右直立板の前端からそれた気流によってバックフロー領域が形成されるのを低減し、排気流の流れを円滑に保つ、通風に抗しうるレンジフードを提供することである。
【0009】
本願発明の更なる目的は、前記排気フードの底部に位置する排気スロットの一端に、吹き付け溝を備え、上方向の吹き付けエアにより、エア発生装置によって生成される高温の膨張ガスをその漏れを防ぐために閉じ込めて、細長排気スロットへとガイドする、通風に抗しうるレンジフードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本願発明は、壁によりかかって構成される背面を有し、頂部にエア発生装置を備えるカウンターの上に位置する、通風に抗しうるレンジフードとしている。前記レンジフードは、排気フードと長左側直立板と長右側直立板とを含む。前記排気フードはその底部に、下方向に面して開口を有する細長排気スロットを備えている。前記細長排気スロットは、エアを上方向に引くための排気装置と接続される。前記細長排気スロットの前端には、下方向に面する開口を有する細長吹き付け溝が備えられている。前記細長吹き付け溝は、エアを下方向に吹き付けるための吹き付け装置と接続される。前記細長排気スロットと前記細長吹き付け溝とは、前記排気フードの前端面と後端面との間の位置に、前記前端面および後端面と平行に配される。長左側直立板は、前記排気フードの左側面の下にしっかりと設けられ、その水平幅が、前記エア発生装置の後端から前記壁までの水平距離を下回ることがない一方で、その鉛直長さが、前記カウンターの頂部から当該長左側直立板の底部までの高さを下回ることがない。長右側直立板は、前記排気フードの右側面の下にしっかりと設けられ、その水平幅が、前記エア発生装置の後端から前記壁までの水平距離を下回ることがない一方で、その鉛直長さが、前記カウンターの頂部から当該長右側直立板の底部までの高さを下回ることがない。
【0011】
実施にあたっては、湾曲した第1のガイド部が、前記長左側直立板の前端の右側に設けられ、湾曲した第2のガイド部が、前記長右側直立板の前端の左側に設けられる。
【0012】
実施にあたっては、通風に抗しうるレンジフードを直接にカウンターの上に吊されるとき、前記細長排気スロットを、排気フードの前端面と後端面との間で中程に位置させる。エア発生装置の左右側面を覆うために、長左側直立板の水平幅は、排気フードの左側面の水平幅の4分の1より小さくなることはなく、長右側直立板の水平幅は、排気フードの右側面の水平幅の4分の1より小さくなることはない。さらに、細長排気スロットの前端と後端とには、それぞれ、下方向に面して開口を有する細長吹き付け溝が備えられている。前記細長吹き付け溝は、エアを下方向に吹き付けるための吹き付け装置と接続される。そのうえ、前記細長吹き付け溝は、前記細長排気スロットと平行である。
【0013】
次なる詳細な説明では、図面を伴う例示や具体的な実施態様によって、本願発明が最良に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本願発明の第1の実施形態を示す、カウンターより上の説明図である。
【図2】本願発明の第1の実施形態であり、壁によりかかった構成を示す断面図である。
【図3】本願発明のある形態のエアコレクタを示す断面図である。
【図4】本願発明のある形態のエアコレクタを示す断面図である。
【図5】ガス排気プロセスにおける本願発明の第1の実施形態の使用を示す図である。
【図6】ガス排気プロセスにおける本願発明の第1の実施形態の使用を示す図である。
【図7】ガス排気プロセスにおける本願発明の第2の実施形態の使用を示す図である。
【図8】本願発明の第3の実施形態を示す断面図である。
【図9】ガスの排気プロセスにおける本願発明の第3の実施形態を示す図である。
【図10】本願発明において、オーブン上に煙を発し、レーザによって煙の流れの場を視覚化する技術を適用した状態で、水平面と中間の垂直平面とでの煙の様子を示す写真である。
【図11】静的なテストにおける、本願発明と他のレンジフードとによって得られた捕捉効率について、比較のカーブを示すグラフである。
【図12】動的なテストにおける、本願発明と他のレンジフードとによって得られた捕捉効率について、比較のカーブを示すグラフである。
【図13】本願発明の第4の実施形態における壁によりかかった構成の断面図である。
【図14】本願発明の第4の実施形態において、吹き付け溝の更なるパターンを示す説明図である。
【図15】本願発明の第4の実施形態の使用を示す図である。
【図16】本願発明の第5の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1および図2は、本願発明に係る通風に抗しうるレンジフード1の第1の実施形態を示すものである。この実施形態では、レンジフードは、壁11によりかかった背面を持ち、カウンター12の上に位置している。オーブンは、カウンター12の頂部に配置され、オーブンの上に調理器具が置かれる。オーブンは、エア発生装置13として設計されている。エア発生装置13は、壁11と面する後端131と、それと反対側で壁11から離れた前端132とを有している。実施においては、エア発生装置13は、有害ガスを生じることのある調理器具や他の用品を含みうる。そして、レンジフード1は、排気フード2、長左側直立板3、長右側直立板4を含む。
【0016】
排気フード2は、エアコレクタ21を備えている。エアコレクタ21は、その中に空間211を有する実質的に長方形の囲いである。そのうえ、エアコレクタ21は、下方向に面して開口している細長排気スロット22を有する底板212を備えている。細長排気スロット22は、排気フード2の前端面23と後端面24との間に位置し、前端面23と後端面24とに平行になっている。エアコレクタ21の底板212には、油防枠213が備えられている。油防枠213は、底板212の表面から突き出しており、細長排気スロット22の周囲を取り囲んでいる。油蓄箱25は、エアコレクタ21の底板212の表面の背面端の下に設けられる。あるいは、油蓄箱25は、底板212の表面の前端の下か側面の下に設けられてもよい。そのうえ、エアコレクタ21の頂部には、排気装置26に接続されるための排気インレット214が設けられる。排気インレット214は、細長排気スロット22の上方位置からは離して設けられる。実施にあたっては、排気装置26は、引き込みファンや吹き付け機やエアを引き込みうる他の流体機構からなりうる。
【0017】
実施にあたって、エアコレクタ21は、実質的にL字型の囲いであってもよい。図3に示されるように、細長排気スロット22は、下方向に面しており、所定の角度において斜めを向いている。あるいは、図4に示されるように、細長排気スロット22は、エアコレクタ21の後端面24から離れる方向に向けられる。
【0018】
長左側直立板3は、実質的に長方形をしており、その頂部は、エアコレクタ21の左側面の下にしっかりと配置され、そのため、長左側直立板3と細長排気スロット22とが互いに実質的に垂直になるように、エアコレクタ21の左側面の下の位置から下方向に延ばされている。そのうえ、湾曲した第1のガイド部31は、長左側直立板3の前端の右側の位置に設けられる。長左側直立板3の水平幅Wは、エア発生装置13の後端131から壁11までの水平距離W1より小さくなることはない。言い換えれば、長左側直立板3は、エア発生装置13の左側面の少なくとも一部を覆う。さらに、長左側直立板3の高さHは、カウンター12の頂部から長左側直立板3の底までの高さH1より小さくなることはない。
【0019】
長右側直立板4と長左側直立板3とは、エアコレクタ21の左右側面にそれぞれ対称的に配される。長右側直立板4の頂部は、エアコレクタ21の右側面の下にしっかりと設けられるので、長右側直立板4と細長排気スロット22とが互いに実質的に垂直になるように、長右側直立板4は、エアコレクタ21の右側面の下から下方向に延ばされる。そのうえ、湾曲した第2のガイド部41は、長右側直立板4の前端の左側に設けられる。長右側直立板4の水平幅は、エア発生装置13の後端131から壁11までの水平距離より小さくなることはない。言い換えれば、長右側直立板4は、エア発生装置13の右側面の少なくとも一部を覆う。さらに、長右側直立板4の高さは、カウンター12の頂部から長右側直立板4の底までの高さより小さくなることはない。
【0020】
その結果、長左側直立板3の前端と排気フード2の左側面の前端との下方には、第1のエア供給空間27が実質的に長方形状に形成される。そのうえ、長右側直立板4の前端と排気フード2の右側面の前端との下方には、第2のエア供給空間28が実質的に長方形状に形成される。さらに、長左側直立板3の底とカウンター12の左側面との間には、第3のエア供給空間29が実質的に長方形状に形成される一方、長右側直立板4の底とカウンター12の右側面との間には、第4のエア供給空間30が実質的に長方形状に形成される。
【0021】
それによって、図5および図6に示されるように、本願発明が壁に固定され、エア発生装置13が煤や他の有害ガスを生成し始めるとき、排気装置26の操作によって、細長排気スロット22がエアを上方向に引き始める。細長排気スロット22の高速排気によって、エア発生装置13によって生成された煤や他の有害ガスを上方に運ぶように、エアコレクタ21の前端の下に斜めの気流が形成される。エアコレクタ21内部の空間211を通過すると、排気装置26によって煤や他の有害ガスは排気される。排気装置26の排気インレット214は、細長排気スロット22の上方位置からは離れて設けられるので、蓄積された廃油は、細長排気スロット22からたれ落ちるよりも、むしろ底板212に付着することになる。さらに、細長排気スロット22の周囲を油防枠213で取り囲むことにより、廃油が細長排気スロット22からたれ落ちることを防止することができる。それによって、廃油は油蓄箱25の中に流れ込む。長左側直立板3と長右側直立板4との妨げによって側面方向からの通風に抵抗することができる。その結果、前述の斜め気流の構造は壊されず、煤や有害ガスを排出するように、そのまま上方向への気流を形成することができる。
【0022】
なお、湾曲した第1のガイド部は、長左側直立板3の前端の右側に設けられる一方、湾曲した第2のガイド部は、長右側直立板4の前端の左側に設けられる。それによって、第1のエア供給空間27と第2のエア供給空間28とを通して、エアコレクタ21の下の空間にエアが流れ込んだとき、第1のガイド部31と第2のガイド部41との出発点311,411は、より後ろに位置することになる。結果として、排気の流れを円滑に保つように、気流によって生成されるバックフロー領域を低減することができる。
【0023】
図7を参照すると、本願発明の第2の実施形態が図示されている。この実施形態は、第1の実施形態と次のような面で異なっている。カウンター12は、細長吹き付け部5を備える前端を有している。細長吹き付け部5は、細長排気スロット22に対応したサイズの斜めの細長吹き付けスロット51を備えている。細長吹き付けスロット51は、吹き付け機52に連結されている。吹き付け機52の操作によって、細長吹き付けスロット51と細長排気スロット22との間の斜めのエアカーテン53を形成するように、細長吹き付けスロット51を通して所定の角度でエアジェットが上方向に吹き上がり、細長排気スロット22へと入るようになっている。実施にあたっては、吹き付け機52の代わりにクロスフロー(cross-flow)ファンや他の流体機構も用いられうる。
【0024】
図8を参照すると、本願発明の第3の実施形態が図示されている。この実施形態は、第1および第2の実施形態と次のような面で異なっている。
排気フード2の前面と後面とを開放するために、レンジフードが直接にカウンター12の上に吊されている。細長排気スロット22は、排気フード2の前端面と後端面との間で中程に位置している。エア発生装置13の左右側面を覆うために、長左側直立板3の水平幅W2は、排気フード2の左側面の水平幅W3の4分の1より小さくなることはない一方で、長右側直立板4の水平幅は、排気フード2の右側面の水平幅の4分の1より小さくなることはない。図9に示されるように、カウンター12の後端もまた更なる細長吹き付け部6を備えている。細長吹き付け部6は、細長排気スロット22に対応する細長吹き付けスロット61を備えている。そのうえ、細長吹き付けスロット61は吹き付け機52と接続されている。それによって、細長吹き付けスロット61から所定の角度でエアジェットが吹き付けられ、細長排気スロット22へと流れ込んだとき、細長吹き付けスロット61と細長排気スロット22との間に更なる斜めのエアカーテン62が形成されうる。
【0025】
細長吹き付け部5および細長吹き付け部6の存否に応じてエアカーテンが1つであっても2つであっても、煤や他の有害ガスを、排気フード2へとしっかりと上方へと運ぶことができ、排気装置26の操作によって排出が行われる。
【0026】
本願発明の装置における、いくつかの水平と垂直な平面をみるために、煙がオーブンの上に放たれ、レーザによって煙の流れを視覚化する技術を適用した。図10は、水平面と中間の垂直面との煙の様子を示す写真である。垂直面における煙の分布からわかるように、煙生成装置から生成された煙は、まず上昇してから所定の角度で後壁に向かい、そして、前面から逃げる代わりに、後方に位置する排気スロットに引き込まれる。また、水平面における煙の分布からわかるように、煙生成装置から生成された煙の大半は、横方向へ拡散する代わりに中央領域周辺に集まる。
【0027】
本願発明の汚染物質除去効果は、国立台湾科技大学の熱流体実験室によって行われ、追跡ガス検出法を適用した実験によって証明された。ガス放出装置がオーブンの上に配され、六フッ化硫黄(SF6)ガスが一定の濃度と速度で放出された。
排気フードのダクトの十分離れた終端で測定される「単位時間あたりに通過するSF6ガスの体積を、単位時間あたりにガス放出装置から放たれたSF6ガスの体積で割った値」として定義される捕捉効率(η)を計算するために、排気フードのダクトの十分離れた終端で、六フッ化硫黄ガスの濃度と流速とが測定された。
【0028】
第1のテストは静的なテストである。このテストでは、排気フードは、カウンターからそれぞれ異なった高さ(H)に設けられる。周囲環境の通風の流速(Vdraft)が非常にゆっくりした(約0.03m/s)条件下で、5種類のレンジフードについて、各々の捕捉効率が測定された。5種類のレンジフードとは、(1)従来のレンジフード、(2)エアを上方向に吹き上げるためにカウンターの前端にスロットを設けた従来のレンジフード、(3)左側面と右側面とにそれぞれ保護板を備えた従来のレンジフード、(4)エアカーテンタイプのレンジフード、(5)本願発明のレンジフードを含む。結果を図11に示す。最初の3種類のレンジフード(従来のレンジフード、エアを上方向に吹き上げるためにカウンターの前端にスロットを設けた従来のレンジフード、左側面と右側面とにそれぞれ保護板を備えた従来のレンジフード)の捕捉効率が、最後の2種類のレンジフード(エアカーテンタイプのレンジフード、本願発明のレンジフード)の捕捉効率より遙かに下であることは明らかである。さらに、本願発明のレンジフードの捕捉効率は、エアカーテンタイプのレンジフードの捕捉効率より高い。この現象は、レンジフードの高さが0.5mより高いときにより顕著となった。
【0029】
第2のテストは、周囲環境の通風に抗する能力を測定するテストである。このテストでは、排気フードは、カウンターから0.6mの高さに設けられた。そのうえ、異なる流速(Vdraft)の通風が、上記5種類のレンジフードから2mの距離で、各レンジフードに向かって45度の角度で吹き付けられた。当該5種類のレンジフードの捕捉効率が各々測定された。結果を示すのが図12である。最初の3種類のレンジフード(従来のレンジフード、エアを上方向に吹き上げるためにカウンターの前端にスロットを設けた従来のレンジフード、左側面と右側面とにそれぞれ保護板を備えた従来のレンジフード)の捕捉効率が、最後の2種類のレンジフード(エアカーテンタイプのレンジフード、本願発明のレンジフード)の捕捉効率より遙かに下であることは明らかである。さらに、本願発明のレンジフードの捕捉効率は、エアカーテンタイプのレンジフードの捕捉効率より高い。特に、本願発明は、通風の流速が0.2m/sより大きいときに強みを発揮する。本願発明の捕捉効率は、流速が1m/sの速さになっても、僅かに減少するだけで高い値を保っている。本願発明に係るレンジフードとは対照的に、通風が徐々に強くなると、他の4種類のレンジフードの捕捉効率は、容認できない程度に急速に減少する。通風の角度を変えても同様の結果が得られた。
【0030】
図13を参照すると、本願発明の第4の実施形態が示されている。この実施形態では、長左側直立板3は、排気フード2の左側面の下に位置を固定されている一方、長右側直立板4は、排気フード2の右側面の下に位置を固定されている。そのうえ、細長排気スロット22の前端には、下方向に向かって開口している細長吹き付け溝221が備えられている。細長吹き付け溝221は、細長排気スロット22に平行で、細長吹き付け溝221は、エアを下方向に向かって吹き付けるための吹き付け装置222と接続されている。実施にあたっては、吹き付け装置222は、エアブロワー(air blower)かクロスフロー(cross-flow)ファンを用いる。図14に示されるように、細長吹き付け溝221は、さらに、互いに間隔をあけて一直線に整列される、左側吹き付け溝2211および右側吹き付け溝2212を含んでいる。さらに、細長吹き付け溝221、左側吹き付け溝2211、右側吹き付け溝2212は、互いに間隔を開けて配列された複数の吹き付け穴から構成されてもよい。
【0031】
図15に示されるように、エア発生装置13が高温ガスを発生するとき、煤は、ガス膨張現象のために、排気フード2の前端面23に向かって拡散していく。一方、細長吹き付け溝221からの下方向の吹き付けは、排気フード2の底の前端を通した高温で膨張したガスの漏れを防ぐことができるだけでなく、高温ガスが逃げるのを防止するために当該ガスが細長排気スロット22に吹き込むようにガイドすることもできる。
【0032】
図16は、本願発明の第5の実施形態を示している。この実施形態では、長左側直立板3は、排気フード2の左側面の中央部分の下にしっかりと配される一方、長右側直立板4は、排気フード2の右側面の中央部分の下にしっかりと配される。細長排気スロット22は、下方向に向かって開口している細長吹き付け溝221をそれぞれ前端と後端とに備えている。2つの細長吹き付け溝221は、排気フード2の前端面23と後端面24から高温のガスが漏れるのを防ぐために、それぞれ下方向に吹き付けるための吹き付け装置222と接続されている。実施にあたっては、任意の細長吹き付け溝221を、互いに間隔をあけて一直線に整列される、左側吹き付け溝2211および右側吹き付け溝2212から構成してもよい。代わりに、細長吹き付け溝221、左側吹き付け溝2211、右側吹き付け溝2212を、互いに間隔を開けて配列された複数の吹き付け穴から構成されてもよい。
【0033】
それゆえ、本願発明は次のような利点を備えている。
【0034】
本願発明によれば、エアを引くことのできる細長排気スロットによって、煤や有害ガスを排気できるように、上方向に向かって流れる気流をそのままに形成しながら、長左側板および長右側板により、横方向からの通風に抗することができる。
【0035】
本願発明によれば、長左側板および長右側板の前端に、それぞれ湾曲したガイド部を設けることによって、排気フードの下の空間に入るバックフローバブルを低減することができる。それによって、バックフローバブルは、外に向かってはみ出ることがなく、煤が拡散することを防止できる。さらに、上方向に向かう気流の流れはそのままにするので、円滑な排気が可能となる。
【0036】
本願発明によれば、細長排気スロットと長左側板および長右側板との協力によって、上方への流れをそのままに、煤や有害ガスを排出することができる。それによって、本願発明のレンジフードは、他の台所用品を変更する必要なしに、従来のレンジフードを置き換えることができるので、簡便に用いることができる。
【0037】
本願発明によれば、排気フードの底の吹き付け溝からの下方向への吹き付けは、高温の膨張ガスの漏れを防ぐことができるだけでなく、高温の膨張ガスが細長排気スロットに吹き込むようにガイドすることもできる。それによって、ガスが高温状態で、通風のある条件下であっても、効果的に上記の漏れを防ぐことができる。
【0038】
上記の詳細な説明と添付図面とで開示したように、本願発明は、あらゆる方向からの通風を妨げ、効果的に煤や有害ガスを排出することのできる、通風に抗しうるレンジフードを提供するものである。本願発明は、新規性と産業上の利用性を備えている。
【0039】
本願発明の具体的態様について詳細に説明したが、多くの改変やバリエーションは、上述に開示された教示内容から当業者がなし得るものである。それゆえ、いかなる改変やバリエーションも、特許請求の範囲によって定義される技術的範囲に属し、本願発明の精神と均等とみなされるべきである。
【符号の説明】
【0040】
1 レンジフード
2 排気フード
3 長左側直立板
4 長右側直立板
11 壁
12 カウンター
13 エア発生装置
22 細長排気スロット
26 排気装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁によりかかって構成される背面を有するとともに、頂部にエア発生装置を備えかつ前記壁に面した後端を有するカウンター、の上に位置し、通風に抗しうるレンジフードであって、
下方向に面する開口を有し、エアを上方向に引くための排気装置と接続されるとともに、その底部に、前端面と後端面との間に位置し、前記前端面および後端面と平行な細長排気スロットを備える排気フードと、
前記排気フードの左側面の下に設けられ、その水平幅が、前記エア発生装置の後端から前記壁までの水平距離を下回ることがなく、その鉛直長さが、前記カウンターの頂部から、その底部までの高さを下回ることがない長左側直立板と、
前記排気フードの右側面の下に設けられ、その水平幅が、前記エア発生装置の後端から前記壁までの水平距離を下回ることがなく、その鉛直長さが、前記カウンターの頂部から、その底部までの高さを下回ることがない長右側直立板とを含むことを特徴とする通風に抗しうるレンジフード。
【請求項2】
前記長左側直立板の前端面と前記排気フードの左側面の前端との下に形成される第1のエア供給空間と、
前記長右側直立板の前端面と前記排気フードの右側面の前端との下に形成される第2のエア供給空間と、
前記長左側直立板の前端の右側に設けられる湾曲した第1のガイド部と、
前記長右側直立板の前端の左側に設けられる湾曲した第2のガイド部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の通風に抗しうるレンジフード。
【請求項3】
前記排気フードは、エアコレクタを含み、
前記排気装置は、前記エアコレクタの頂部と接続され、
前記細長排気スロットは、前記エアコレクタの底部に形成され、
前記排気装置には、エアを引くためのインレットが備えられ、
前記インレットは、前記細長排気スロットの上部位置から離されていることを特徴とする請求項1または2に記載の通風に抗しうるレンジフード。
【請求項4】
前記エアコレクタは底板を有しており、
前記細長排気スロットは、前記底板に形成され、
油防枠が、前記底板に形成され、前記細長排気スロットを取り囲むことを特徴とする請求項3に記載の通風に抗しうるレンジフード。
【請求項5】
前記カウンターの前端には、細長吹き付け部を備え、
前記細長吹き付け部は、前記細長排気スロットに対応する細長吹き付けスロットを有し、
前記細長吹き付けスロットと前記細長排気スロットとの間に斜め方向のエアカーテンを形成するように、前記細長吹き付けスロットを通して所定の角度で吹き上げられ、前記細長排気スロットに入るエアジェットを備えることを特徴とする請求項4に記載の通風に抗しうるレンジフード。
【請求項6】
前記細長排気スロットの前端には、下方向に面して開口する細長吹き付け溝を備え、
前記細長吹き付け溝は、下方向に吹き付けるための吹き付け装置と接続されており、
前記細長排気スロットと前記細長吹き付け溝とは、前記排気フードの前端面と後端面との間に設けられ、前記前端面および後端面と平行であることを特徴とする請求項4に記載の通風に抗しうるレンジフード。
【請求項7】
頂部にエア発生装置を備えるカウンターの上に備えられる、通風に抗しうるレンジフードであって、
下方向に面する開口を有し、エアを上方向に引くための排気装置と接続されるとともに、その前端面と後端面との間の中程に位置し、かつ前記前端面および後端面と平行な細長排気スロットを底部に備える排気フードと、
前記排気フードの左側面の中央部の下に設けられ、前記エア発生装置の左側面を覆うために、その水平幅が、前記排気フードの左側面の水平幅の4分の1を下回ることがなく、その鉛直長さが、前記カウンターの頂部から、その底部までの高さを下回ることがない長左側直立板と、
前記排気フードの右側面の中央部の下に設けられ、前記エア発生装置の右側面を覆うために、その水平幅が、前記排気フードの右側面の水平幅の4分の1を下回ることがなく、その鉛直長さが、前記カウンターの頂部から、その底部までの高さを下回ることがない長右側直立板とを備えることを特徴とする通風に抗しうるレンジフード。
【請求項8】
前記カウンターの頂部の前端と後端とには、それぞれ、細長吹き付け部が備えられ、
所定の角度でエアジェットを吹き上げるために、前記各細長吹き付け部には、前記細長排気スロットに対応する細長吹き付けスロットを有し、
前記細長排気スロットと前記2つの細長吹き付けスロットとの間で、対応する2つの斜め方向のエアカーテンを形成するように、前記エアジェットを前記細長排気スロットへと引くことを特徴とする請求項7に記載の通風に抗しうるレンジフード。
【請求項9】
前記細長吹き付けスロットの前端と後端とには、それぞれ、下方向に面して開口する細長吹き付け溝を備え、
前記各細長吹き付け溝は、下方向に吹き付けるための吹き付け装置と接続されており、それぞれ、前記細長排気スロットと平行であることを特徴とする請求項8に記載の通風に抗しうるレンジフード。
【請求項1】
壁によりかかって構成される背面を有するとともに、頂部にエア発生装置を備えかつ前記壁に面した後端を有するカウンター、の上に位置し、通風に抗しうるレンジフードであって、
下方向に面する開口を有し、エアを上方向に引くための排気装置と接続されるとともに、その底部に、前端面と後端面との間に位置し、前記前端面および後端面と平行な細長排気スロットを備える排気フードと、
前記排気フードの左側面の下に設けられ、その水平幅が、前記エア発生装置の後端から前記壁までの水平距離を下回ることがなく、その鉛直長さが、前記カウンターの頂部から、その底部までの高さを下回ることがない長左側直立板と、
前記排気フードの右側面の下に設けられ、その水平幅が、前記エア発生装置の後端から前記壁までの水平距離を下回ることがなく、その鉛直長さが、前記カウンターの頂部から、その底部までの高さを下回ることがない長右側直立板とを含むことを特徴とする通風に抗しうるレンジフード。
【請求項2】
前記長左側直立板の前端面と前記排気フードの左側面の前端との下に形成される第1のエア供給空間と、
前記長右側直立板の前端面と前記排気フードの右側面の前端との下に形成される第2のエア供給空間と、
前記長左側直立板の前端の右側に設けられる湾曲した第1のガイド部と、
前記長右側直立板の前端の左側に設けられる湾曲した第2のガイド部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の通風に抗しうるレンジフード。
【請求項3】
前記排気フードは、エアコレクタを含み、
前記排気装置は、前記エアコレクタの頂部と接続され、
前記細長排気スロットは、前記エアコレクタの底部に形成され、
前記排気装置には、エアを引くためのインレットが備えられ、
前記インレットは、前記細長排気スロットの上部位置から離されていることを特徴とする請求項1または2に記載の通風に抗しうるレンジフード。
【請求項4】
前記エアコレクタは底板を有しており、
前記細長排気スロットは、前記底板に形成され、
油防枠が、前記底板に形成され、前記細長排気スロットを取り囲むことを特徴とする請求項3に記載の通風に抗しうるレンジフード。
【請求項5】
前記カウンターの前端には、細長吹き付け部を備え、
前記細長吹き付け部は、前記細長排気スロットに対応する細長吹き付けスロットを有し、
前記細長吹き付けスロットと前記細長排気スロットとの間に斜め方向のエアカーテンを形成するように、前記細長吹き付けスロットを通して所定の角度で吹き上げられ、前記細長排気スロットに入るエアジェットを備えることを特徴とする請求項4に記載の通風に抗しうるレンジフード。
【請求項6】
前記細長排気スロットの前端には、下方向に面して開口する細長吹き付け溝を備え、
前記細長吹き付け溝は、下方向に吹き付けるための吹き付け装置と接続されており、
前記細長排気スロットと前記細長吹き付け溝とは、前記排気フードの前端面と後端面との間に設けられ、前記前端面および後端面と平行であることを特徴とする請求項4に記載の通風に抗しうるレンジフード。
【請求項7】
頂部にエア発生装置を備えるカウンターの上に備えられる、通風に抗しうるレンジフードであって、
下方向に面する開口を有し、エアを上方向に引くための排気装置と接続されるとともに、その前端面と後端面との間の中程に位置し、かつ前記前端面および後端面と平行な細長排気スロットを底部に備える排気フードと、
前記排気フードの左側面の中央部の下に設けられ、前記エア発生装置の左側面を覆うために、その水平幅が、前記排気フードの左側面の水平幅の4分の1を下回ることがなく、その鉛直長さが、前記カウンターの頂部から、その底部までの高さを下回ることがない長左側直立板と、
前記排気フードの右側面の中央部の下に設けられ、前記エア発生装置の右側面を覆うために、その水平幅が、前記排気フードの右側面の水平幅の4分の1を下回ることがなく、その鉛直長さが、前記カウンターの頂部から、その底部までの高さを下回ることがない長右側直立板とを備えることを特徴とする通風に抗しうるレンジフード。
【請求項8】
前記カウンターの頂部の前端と後端とには、それぞれ、細長吹き付け部が備えられ、
所定の角度でエアジェットを吹き上げるために、前記各細長吹き付け部には、前記細長排気スロットに対応する細長吹き付けスロットを有し、
前記細長排気スロットと前記2つの細長吹き付けスロットとの間で、対応する2つの斜め方向のエアカーテンを形成するように、前記エアジェットを前記細長排気スロットへと引くことを特徴とする請求項7に記載の通風に抗しうるレンジフード。
【請求項9】
前記細長吹き付けスロットの前端と後端とには、それぞれ、下方向に面して開口する細長吹き付け溝を備え、
前記各細長吹き付け溝は、下方向に吹き付けるための吹き付け装置と接続されており、それぞれ、前記細長排気スロットと平行であることを特徴とする請求項8に記載の通風に抗しうるレンジフード。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図10】
【公開番号】特開2012−127638(P2012−127638A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132048(P2011−132048)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(503378235)国立台湾科技大学 (32)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(503378235)国立台湾科技大学 (32)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]