説明

造成改良体の計測システム及び計測方法

【課題】試験工事を行うことなく高い信頼性で改良体の造成範囲を計測する。
【解決手段】本発明に係る造成改良体の計測システム1は、中空内部に噴射管2を挿通可能なケーシング3と、該ケーシングの材軸に沿ってその外面に取り付けられた環状の電極41、42、・・・・4nと、該電極に切換手段である切換器5を介して電気接続された直流電源6及び電圧計7と、これら各機器を制御する演算制御部8とを備える。切換器5は、電極41、42、・・4nのうち、所望の電極を電流電極4a、4b及び電位電極4c、4dとして選択できるようになっている。演算制御部8は、直流電源6を作動させて電流電極4a、4b間に電圧を印加することにより、ケーシング3の周囲に造成された改良体11に通電するとともに、電位電極4c、4d間の電位差を計測して該電位差と通電されている電流値との関係から改良体11の造成範囲を評価するように構成してある。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地盤内に注入された硬化剤によって該地盤内に造成された造成改良体を計測するシステム及び計測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】軟弱な地盤を改良する地盤改良工法として硬化剤を地盤内に注入する薬液注入工法があるが、かかる工法のうち、硬化剤を高圧噴射によって地盤内に撹拌注入するいわゆる高圧噴射撹拌工法が知られている。
【0003】かかる工法は、噴射ノズルを回転させながら所定の硬化剤を地盤内に高圧噴射することによって地盤への硬化剤注入を行うとともに、その噴射エネルギーで地山の切削並びに地山との混合撹拌を行うようになっており、かかる工法によれば、軟弱地盤内にパイル状の改良体を造成することができる。
【0004】ところで、高圧噴射撹拌工法によって地盤改良を行った後、実際に施工された改良体の大きさ、言い換えれば地盤改良が施された範囲が意図した通りのものになっているかどうかを確認することは、地盤改良工事において重要な事項であるが、その確認方法としては、弾性波、超音波などを用いた計測方法よりも、本工事に先だって試験工事を行い、該試験工事で造成された改良体の径をその周囲を掘り返すことによって直接計測する方法を採用する方が一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような試験工事による計測方法は、弾性波等による方法よりも計測データの信頼性が高いという長所を有する反面、本工事とは別に試験工事を行わねばならないため、工期やコストの面で不利になるという問題を生じていた。また、現場が狭くて試験工事ができない、試験工事を行う場所と本工事を行う場所の地質構造が一致するとは限らない等の問題も生じていた。
【0006】本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、試験工事を行うことなく信頼性の高いデータを得ることが可能な造成改良体の計測システム及び計測方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明に係る造成改良体の計測システムは請求項1に記載したように、中空内部に噴射管を挿通可能なケーシングと、該ケーシングの外面に取り付けられた一対の電流電極と、該一対の電流電極に電気接続された電源と、前記ケーシングの外面に取り付けられた複数の電位電極と、該電位電極に電気接続された電圧計とを備えたものである。
【0008】また、本発明に係る造成改良体の計測システムは、前記ケーシングの外面にその材軸に沿って電極を多数配列するとともに該電極を所定の切換手段を介して前記電源及び前記電圧計に電気接続し、前記切換手段を、前記電極のうち、所望の電極を前記一対の電流電極及び前記電位電極として任意に選択可能に構成したものである。
【0009】また、本発明に係る造成改良体の計測システムは、前記電源、前記電圧計及び前記切換手段を制御する演算制御部を備え、該演算制御部を、前記切換手段を制御して前記電極のうちの所定の電極を前記電源と前記電圧計とにそれぞれ電気接続して電流電極、電位電極とし、かかる状態で前記電源を作動させて前記電流電極間に電圧を印加し前記ケーシングの周囲に造成された改良体に通電するとともに前記電位電極間の電位差を計測し、該電位差と通電されている電流値との関係から前記改良体の造成範囲を評価するように構成したものである。
【0010】また、本発明に係る造成改良体の計測方法は請求項4に記載したように、地盤内にケーシングを圧入するとともに該ケーシング内の中空空間に挿通した噴射管を回転させながら硬化剤を噴射して前記ケーシングの周囲に改良体を造成し、前記ケーシングの外面に取り付けた一対の電流電極間に電圧を印加して前記改良体に通電を行うとともに、かかる通電状態にて前記ケーシング外面に取り付けた一対の電位電極間における電位差を計測し、計測された電位差と通電されている電流値との関係から前記改良体の造成範囲を評価するものである。
【0011】本発明に係る造成改良体の計測システム及び計測方法においては、まず、計測対象となる改良体を予め地盤内に造成する。すなわち、地盤改良の対象となる地盤やトンネル内空洞内にケーシングを挿入するとともに該ケーシング内の中空空間に挿通した噴射管を必要に応じて回転させながら硬化剤を噴射することによって、ケーシングの周囲にパイル状の改良体を造成する。
【0012】このようにして改良体が造成されたならば、電源を作動させて一対の電流電極間に電圧を印加し、ケーシング周囲に電流を流す。そして、かかる通電状態にてケーシング外面に取り付けた電位電極間における電位差を電圧計で計測する。かかる計測は、電流電極や電位電極の位置や間隔を必要に応じて適宜変更して複数回繰り返す。
【0013】次に、計測された電位差と通電されている電流値との関係からケーシング周囲に拡がる物質の比抵抗やその厚みを分析するとともに、かかる分析結果に基づいて改良体の造成範囲、例えばその径を評価する。
【0014】一方、計測が終了した後は、ケーシングを引き抜きながら二次注入を行うか、ケーシングを引き抜かずに埋め殺しとし、該ケーシング内の中空部分には二次注入を行って地盤改良を終了する。
【0015】電源は、直流電流を流すことができるようになっていればよいが、直流とみなせるほど長い周期で電源の極性を切り替えて矩形波(交替直流)とする方法でもよい。
【0016】電流電極及び電位電極の配置の仕方は任意であり、例えば一対の電流電極の間に電位電極を直線上に複数並べる方法があるが、ここで、前記ケーシングの外面にその材軸に沿って電極を多数配列するとともに該電極を所定の切換手段を介して前記電源及び前記電圧計に電気接続し、前記切換手段を、前記電極のうち、所望の電極を前記一対の電流電極及び前記電位電極として任意に選択可能に構成しておけば、電流電極や電位電極の切換えを瞬時に行って計測の準備に要する時間を短縮するとともに、その結果として多数の計測を短時間に実行することが可能となる。さらに、計測数を増やすことができる分、改良体の計測精度が向上する。
【0017】また、このような切換手段の操作や電圧計の計測を計測者自ら直接行ってもよいが、かかる構成に加えて、前記電源、前記電圧計及び前記切換手段を制御する演算制御部を備え、該演算制御部を、前記切換手段を制御して前記電極のうちの所定の電極を前記電源と前記電圧計とにそれぞれ電気接続して電流電極、電位電極とし、かかる状態で前記電源を作動させて前記電流電極間に電圧を印加し前記ケーシングの周囲に造成された改良体に通電するとともに前記電位電極間の電位差を計測し、該電位差と通電されている電流値との関係から前記改良体の造成範囲を評価するように構成したならば、電極の選択及び切換え、電源の作動、通電時間の設定、電位差の計測並びに改良体の造成範囲の評価といった一連の作業を自動化することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る造成改良体の計測システム及び計測方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0019】図1は、本実施形態に係る造成改良体の計測システムの全体図である。同図でわかるように、本実施形態に係る造成改良体の計測システム1は、中空内部に噴射管2を挿通可能なケーシング3と、該ケーシングの材軸に沿ってその外面に取り付けられた環状の電極41、42、43、・・・・4nと、該電極に切換手段である切換器5を介して電気接続された直流電源6及び電圧計7と、これら各機器を制御する演算制御部8とを備える。
【0020】噴射管2は、その先端(同図では下端)に形成された噴出口9からセメントなどのスラリー、水ガラス系の薬剤といった硬化剤を噴出できるよう、図示しない薬液タンクやコンプレッサー等に接続してある。
【0021】ケーシング3は、例えば硬質塩化ビニル、FRP、プレキャストコンクリート等の非導電性部材で構成するのがよいが、電極41、42、43、・・・・4n並びに周囲に形成される造成体との電気的非接触が確保されるのであれば、導電体である鋼管等で構成してもかまわない。
【0022】直流電源6は、直流電流を流すことができるようになっていればよいが、直流とみなせるほど長い周期で電源の極性を切り替えて矩形波(交替直流)を出力することができるものでもよい。
【0023】切換器5は、演算制御部8の制御下において、電極41、42、43、・・・・4nのうち、所望の2つの電極を一対の電流電極4a、4bとして選択するとともに、残りの電極のうち、所望の電極、例えば、一対の電流電極4a、4bの間に配列された2つの電極を電位電極4c、4dとして選択できるようになっている。
【0024】演算制御部8は、かかる切換器5を制御して一対の電流電極4a、4bを直流電源6に、一対の電位電極4c、4dを電圧計7にそれぞれ電気接続するとともに、かかる状態で直流電源6を作動させて電流電極4a、4b間に電圧を印加することにより、図2に示すようにケーシング3の周囲に造成された改良体11に通電し、さらに、電位電極4c、4d間の電位差を計測して該電位差と通電されている電流値との関係から改良体11の造成範囲を評価することができるようになっている。演算制御部8は、例えばパーソナルコンピュータで構成することが可能である。
【0025】本実施形態に係る造成改良体の計測システム1及び計測方法においては、まず、計測対象となる改良体11を予め地盤内に造成する。すなわち、図3(a)に示すように、地盤改良の対象となる地盤21内にケーシング3を回転圧入するとともに該ケーシング内の中空空間に挿通した噴射管2を回転させながらその下端に設けた噴出口9から硬化剤を地盤21内に噴射することによって、ケーシング3の周囲の土壌と硬化剤とを撹拌混合してパイル状の改良体11を上方から下方に向けて順次造成する。
【0026】次に、同図(b)に示すような改良体11が造成されたならば、直流電源6を作動させて電流電極4a、4b間に電圧を印加し、ケーシング3周囲に造成された改良体11に通電する。そして、かかる通電状態にて電位電極4c、4d間の電位差を電圧計で計測する。かかる計測は、切換器5で電流電極4a、4b及び電位電極4c、4dを変更しながら必要な回数だけ繰り返す。
【0027】次に、計測された電位差と通電されている電流値との関係からケーシング3周囲に拡がる物質の比抵抗やその厚みを分析するとともに、かかる分析結果に基づいて改良体11の造成範囲、特にその径Rを評価する。
【0028】具体的には、電流電極や電位電極の位置あるいは間隔をさまざまに変化させてそれぞれの電位差とそのときに通電されていた電流値とを計測するとともに、それらの計測値を用いて比抵抗を算出する。そして、比抵抗法の原理、すなわち電流電極の間隔が狭ければ該電極近傍の地下構造が比抵抗に大きく反映され、逆にそれらの間隔が広ければ遠方の地下構造が比抵抗に影響するという原理を応用することによって、ケーシング3周囲の地下構造、ひいては改良体11の造成範囲を評価する。
【0029】ここで、上述した電流電極4a、4b及び電位電極4c、4dの選択及び切換え、直流電源6の作動、通電時間の設定、電圧計7における電位差の計測並びに改良体11の造成範囲の評価といった一連の作業は、すべて演算制御部8にて行うようにするのがよい。
【0030】なお、改良体の造成範囲と比抵抗との関係を解析によって予め導いておき、これをデータベースの形で演算制御部8の記憶装置に格納しておけば、現場で計測算出された比抵抗を入力することによって改良体11の造成範囲を瞬時に評価することも可能である。
【0031】計測が終了した後は、硬化剤の作用で改良体11が完全に硬化する前にケーシング3を引き抜きながら二次注入を行うか、ケーシング3を引き抜かずに埋め殺しとし、該ケーシング内の中空部分には二次注入を行って地盤改良を終了する。
【0032】以上説明したように、本実施形態に係る造成改良体の計測システム及び計測方法によれば、いわゆる比抵抗法の原理を用いて電気探査を行うことにより、造成された改良体の造成範囲を評価するようにしたので、従来の弾性波探査や超音波探査よりも高い精度で、しかも弾性波や超音波の受発信装置を設置する手間をかけることなく、改良体の造成範囲を効率よく評価することが可能となる。
【0033】また、従来のように本工事とは別途試験工事を行う必要がなくなるので、地盤改良工事全体の工期やコストを大幅に低減することが可能となるとともに、言うなれば供試体を対象としていたにすぎない試験工事とは違い、あくまで本設の改良体の造成範囲を非破壊でしかも硬化剤注入直後に評価することができるので、造成範囲が当初の目標よりも小さいことが明らかになった場合には硬化剤の再注入を行うといった対策を施すことも可能となり、地盤改良工事の施工品質を大幅に向上させることができる。
【0034】また、本実施形態に係る造成改良体の計測システムによれば、ケーシング3の外面にその材軸に沿って電極41、42、43、・・・・4nを多数配列するとともに該電極を切換器5を介して直流電源6及び電圧計7に電気接続し、該切換器を、電極41、42、43、・・・・4nのうち、所望の電極を一対の電流電極4a、4b及び電位電極4c、4dとして任意に選択できるように構成したので、かかる電流電極や電位電極の切換えを瞬時に行って計測の準備に要する時間を短縮するとともに、その結果として多数の計測を短時間に実行することが可能となる。さらに、計測数を増やすことができる分、改良体11の計測精度が向上する。
【0035】また、本実施形態に係る造成改良体の計測システムによれば、切換器5を制御して電極41、42、43、・・・・4nのうちの所定の電極を直流電源6と電圧計7とにそれぞれ電気接続して電流電極4a、4b、電位電極4c、4dとし、かかる状態で直流電源6を作動させて電流電極4a、4b間に電圧を印加しケーシング3の周囲に造成された改良体11に通電するとともに電位電極4c、4d間の電位差を計測し、該電位差と通電されている電流値との関係から改良体11の造成範囲を評価するように構成したので、電極41、42、43、・・・・4nの選択及び切換え、直流電源6の作動、通電時間の設定、電圧計7における電位差の計測並びに改良体11の造成範囲の評価といった一連の作業を自動化することが可能となる。
【0036】本実施形態では特に言及しなかったが、硬化剤の作用による改良体11の硬化の進行具合と、上述した比抵抗の計測のタイミングについては、改良体11の造成範囲がより明確に把握できる状況であるかどうかで判断すればよく、現地の状況等に応じて硬化前に計測してもよいし、硬化後に計測してもよい。また、硬化の進行に伴って継続して比抵抗を計測するようにすれば、改良体11のどの領域が先行して硬化していくかといったようなことも把握することが可能となる。
【0037】また、本実施形態では、本発明を地盤改良工法に適用した例で説明したが、これ以外にも、地下構造物の防護工や地盤強化あるいは図4に示すように、トンネル掘削において切羽31前方に空洞32の存在が確認された場合、掘削に伴う土砂の崩壊を防止すべく、該空洞に予めグラウト33の注入を行うことがあるが、かかるグラウト33の造成範囲を計測する際にも本発明を適用することができる。
【0038】すなわち、同図に示すように、グラウト機36には、本実施形態と同様の切換器5、直流電源6、電圧計7及び演算制御部8を内蔵した制御装置37を設置してあり、直流電源6及び電圧計7は、本実施形態と同様、切換器5を介してケーシング35に取り付けた電極41、42、43、・・・・4nに電気接続してある。
【0039】計測を行うにあたっては、まず、空洞32内にケーシング35を挿入するとともに該ケーシング内に噴射管を通してその先端からグラウトを注入し、しかる後に本実施形態と同様の手順で電位差を計測するとともに該電位差とそのときの電流値との関係から比抵抗を算出してグラウト33の造成範囲を計測すればよい。
【0040】また、本実施形態では、切換器5、直流電源6及び電圧計7を演算制御部8にて制御するとともに、得られた計測データを該演算制御部にて分析するように構成したが、各機器を計測者自ら操作するとともに計測値を自ら記録して分析を行うようにしてもよい。
【0041】また、本実施形態では、電流電極及び電位電極の位置や間隔を変更できるように切換器5を設けたが、例えば予め行われた解析結果を参照することによって、特定の位置で計測された電位差及びそのときの電流値から算出された比抵抗だけを用いて改良体11の造成範囲を特定できるのであれば、電極は、一対の電流電極及び一対の電位電極の計4つで足りるし、切換器5も不要である。
【0042】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に係る本発明の造成改良体の計測システムによれば、従来の弾性波探査や超音波探査よりも高い精度で、しかも弾性波や超音波の受発信装置を設置する手間をかけることなく、改良体の造成範囲を効率よく評価することが可能となる。
【0043】また、請求項2に係る本発明の造成改良体の計測システムによれば、電流電極や電位電極の切換えを瞬時に行って計測の準備に要する時間を短縮するとともに、その結果として多数の計測を短時間に実行することが可能となる。さらに、計測数を増やすことができる分、改良体の計測精度が向上するという効果も奏する。
【0044】また、請求項3に係る本発明の造成改良体の計測システムによれば、電極の選択及び切換え、電源の作動、通電時間の設定、電圧計における電位差の計測並びに改良体の造成範囲の評価といった一連の作業を自動化することが可能となるという効果も奏する。
【0045】また、請求項4に係る本発明の造成改良体の計測方法によれば、従来の弾性波探査や超音波探査よりも高い精度で、しかも弾性波や超音波の受発信装置を設置する手間をかけることなく、改良体の造成範囲を効率よく評価することが可能となる。
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る造成改良体の計測システムの全体図。
【図2】本実施形態に係る造成改良体の計測システムの作用を示した断面図。
【図3】本実施形態に係る造成改良体の計測方法に先だって改良体の造成を行う手順を示した断面図。
【図4】本実施形態に係る造成改良体の計測システムをトンネルグラウトに適用した例を示した全体図。
【符号の説明】
1 造成改良体の計測システム
2 噴射管
3 ケーシング
1、42、43、・・・・4n 電極
4a、4b 電流電極
4c、4d 電位電極
5 切換器(切換手段)
6 直流電源(電源)
7 電圧計
8 演算制御部
11 改良体

【特許請求の範囲】
【請求項1】 中空内部に噴射管を挿通可能なケーシングと、該ケーシングの外面に取り付けられた一対の電流電極と、該一対の電流電極に電気接続された電源と、前記ケーシングの外面に取り付けられた複数の電位電極と、該電位電極に電気接続された電圧計とを備えたことを特徴とする造成改良体の計測システム。
【請求項2】 前記ケーシングの外面にその材軸に沿って電極を多数配列するとともに該電極を所定の切換手段を介して前記電源及び前記電圧計に電気接続し、前記切換手段を、前記電極のうち、所望の電極を前記一対の電流電極及び前記電位電極として任意に選択可能に構成した請求項1記載の造成改良体の計測システム。
【請求項3】 前記電源、前記電圧計及び前記切換手段を制御する演算制御部を備え、該演算制御部を、前記切換手段を制御して前記電極のうちの所定の電極を前記電源と前記電圧計とにそれぞれ電気接続して電流電極、電位電極とし、かかる状態で前記電源を作動させて前記電流電極間に電圧を印加し前記ケーシングの周囲に造成された改良体に通電するとともに前記電位電極間の電位差を計測し、該電位差と通電されている電流値との関係から前記改良体の造成範囲を評価するように構成した請求項2記載の造成改良体の計測システム。
【請求項4】 地盤内にケーシングを圧入するとともに該ケーシング内の中空空間に挿通した噴射管を回転させながら硬化剤を噴射して前記ケーシングの周囲に改良体を造成し、前記ケーシングの外面に取り付けた一対の電流電極間に電圧を印加して前記改良体に通電を行うとともに、かかる通電状態にて前記ケーシング外面に取り付けた一対の電位電極間における電位差を計測し、計測された電位差と通電されている電流値との関係から前記改良体の造成範囲を評価することを特徴とする造成改良体の計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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