説明

造粒機

【課題】所望の造粒を容易、かつ、科学的に再現することのできる造粒機を提供する。
【解決手段】粉体を収容するガラス容器21と、このガラス容器21の開口を上側から覆う蓋体と、ガラス容器21内で回転し、粉体を攪拌する攪拌翼46と、この攪拌翼46を回転させる攪拌翼駆動機構42と、この攪拌翼駆動機構42のトルクを測定するトルク測定機構48と、ガラス容器21内で回転し、粉体を攪拌する補助攪拌翼56と、この補助攪拌翼56を回転させる補助攪拌翼駆動機構52と、ガラス容器21内へ造粒液を供給する造粒液注入ノズル63を備えた造粒液供給機構61と、入力設定部への入力に基づいて攪拌翼駆動機構42、補助攪拌翼駆動機構52および造粒液注入機構61を制御部で駆動制御し、トルク測定機構48で測定したデータを表示記録部で表示、記録する制御機構とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、粉体に造粒液を添加して造粒する小型の造粒機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記した造粒機として、攪拌翼および補助攪拌翼を配置した容器内に、粉体を投入して攪拌翼および補助攪拌翼を回転させるとともに、容器内へ造粒液を注入することにより、造粒する造粒機が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
【非特許文献1】深江パウテック(基本構造→構造見取り図)、平成19年8月18日検索、インターネット<URL:http://www.fukae−powtec.co.jp/structure/index.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した造粒機は、造粒できるものの、例えば、攪拌翼のトルクを測定する機構などが設けられていない。
あるいは、造粒を実施するのに多くの粉体を必要とするため、粉体(原薬)が非常に高価であったり、使用できる粉体量に限りがある場合、乳鉢、乳棒を用いた手作業で造粒を行うことが一般的である。
したがって、所望の造粒過程を再現しようとしても、造粒状態を解析する手立てがないので、所望の造粒が得られる造粒時間などのプロセス設定が困難であり、再現することが難しかった。
また、一般に、造粒容器はステンレス製であり、ガラス製の覗き窓はあるものの、造粒状態を目視で観察し難かった。
【0005】
この発明は、上記したような不都合を解消するためになされたもので、少量の粉体(薬物)を用いて湿式攪拌造粒実験を行うことが可能で、かつ、ガラス容器を使用し、造粒時の攪拌翼にかかるトルク、あるいは、攪拌翼を駆動するモータの消費電力を測定することによって刻々と変化する造粒状態を観察、記録でき、所望の造粒を容易、かつ、科学的に再現することのできる造粒機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、以下のような発明である。
(1)粉体を収容するガラス容器と、このガラス容器の開口を上側から覆う蓋体と、前記ガラス容器内で回転し、前記粉体を攪拌する攪拌翼と、この攪拌翼を回転させる攪拌翼駆動機構と、この攪拌翼駆動機構のトルクを測定するトルク測定機構と、前記ガラス容器内で回転し、前記粉体を攪拌する補助攪拌翼と、この補助攪拌翼を回転させる補助攪拌翼駆動機構と、前記ガラス容器内へ造粒液を供給する造粒液供給ノズルを備えた造粒液供給機構と、この造粒液供給機構、前記攪拌翼駆動機構および前記補助攪拌翼駆動機構を駆動制御する入力を設定する入力設定部と、この入力設定部への入力に基づいて前記攪拌翼駆動機構、前記補助攪拌翼駆動機構および前記造粒液供給機構を駆動制御する制御部と、前記トルク測定機構で測定したデータを表示、記録する表示記録部と、を備えることを特徴とする。
(2)粉体を収容するガラス容器と、このガラス容器の開口を上側から覆う蓋体と、前記ガラス容器内で回転し、前記粉体を攪拌する攪拌翼と、この攪拌翼を回転させる攪拌翼駆動機構と、この攪拌翼駆動機構のモータの消費電力を測定する消費電力測定機構と、前記ガラス容器内で回転し、前記粉体を攪拌する補助攪拌翼と、この補助攪拌翼を回転させる補助攪拌翼駆動機構と、前記ガラス容器内へ造粒液を供給する造粒液供給ノズルを備えた造粒液供給機構と、この造粒液供給機構、前記攪拌翼駆動機構および前記補助攪拌翼駆動機構を駆動制御する入力を設定する入力設定部と、この入力設定部への入力に基づいて前記攪拌翼駆動機構、前記補助攪拌翼駆動機構および前記造粒液供給機構を駆動制御する制御部と、前記消費電力測定機構で測定したデータを表示、記録する表示記録部と、を備えることを特徴とする。
(3)(1)または(2)に記載の造粒機において、前記ガラス容器の平坦な内側底面と前記攪拌翼とのクリアランスを2mm以下にするとともに、前記ガラス容器の内側底面と前記ガラス容器の内側円筒面とを所定半径の曲面で連結した、ことを特徴とする。
(4)(1)または(2)に記載の造粒機において、前記蓋体が固定テーブルの下面に着脱可能に取り付けられ、前記ガラス容器が、自身のフランジを前記固定テーブルとで狭持するガラス容器固定フランジと、前記固定テーブルに取り付けられ、前記ガラス容器固定フランジを前記固定テーブルへ押し付けて固定する複数のクランプとで着脱可能に取り付けられ、前記攪拌翼駆動機構、前記補助攪拌翼駆動機構および前記造粒液供給ノズルが前記固定テーブルおよび前記蓋体を貫通している、ことを特徴とする。
(5)(4)に記載の造粒機において、前記蓋体の下側で前記攪拌翼が前記攪拌翼駆動機構に対して着脱可能に取り付けられ、前記蓋体の下側で前記補助攪拌翼が前記補助攪拌翼駆動機構に対して着脱可能に取り付けられている、ことを特徴とする。
(6)(1)または(2)に記載の造粒機において、前記造粒液供給ノズルの注入孔径が3mm以下で、前記造粒液供給ノズルの注入孔側の外形が下側へ窄む円錐面形状である、ことを特徴とする。
(7)(1)または(2)に記載の造粒機において、前記造粒液供給ノズルの注入孔径が3mm以下で、前記造粒液供給ノズルの注入孔側の外径が前記注入孔径に0.4mm〜0.6mmを加えた値である、ことを特徴とする。
(8)(1)または(2)に記載の造粒機において、前記造粒液供給ノズルを、スプレイノズルにした、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、攪拌翼駆動機構のトルクを測定するトルク測定機構と、攪拌翼駆動機構、補助攪拌翼駆動機構および造粒液供給機構を駆動制御する入力を設定する入力設定部と、トルク測定機構または消費電力測定機構で測定したデータを表示、記録する表示記録部とを備えているので、表示記録部で得た測定データを入力設定部に入力することにより、所望の造粒を容易、かつ、科学的に再現することができる。
そして、ガラス容器の平坦な内側底面と攪拌翼とのクリアランスを2mm以下にするとともに、ガラス容器の内側底面とガラス容器の内側円筒面とを所定半径の曲面で連結したので、デッドスペースを減ら(少なく)して攪拌されない粉体量を最少化し、かつ、攪拌翼の回転によって巻き上がった粉体を攪拌翼の内側に巻き込み、攪拌効果を高めることができる。
また、蓋体が固定テーブルの下面に着脱可能に取り付けられ、ガラス容器が、自身のフランジを固定テーブルとで狭持するガラス容器固定フランジと、固定テーブルに取り付けられ、ガラス容器固定フランジを固定テーブルへ押し付けて固定する複数のクランプとで着脱可能に取り付けられ、攪拌翼駆動機構、補助攪拌翼駆動機構および造粒液供給ノズルが固定テーブルおよび蓋体を貫通しているので、トップドライブとなることにより、軸受け部分に内容物が付着するのを防止して清掃等を容易に行うことができるとともに、各駆動機構を固定テーブルに軸受けなどを介して支持することにより、攪拌翼および補助攪拌翼の回転ぶれを防止でき、また、複数のクランプを操作することにより、ガラス容器の着脱、交換を容易、かつ、簡単に行うことができる。
さらに、蓋体の下側で攪拌翼が攪拌翼駆動機構に対して着脱可能に取り付けられ、蓋体の下側で補助攪拌翼が補助攪拌翼駆動機構に対して着脱可能に取り付けられているので、攪拌翼および補助攪拌翼の交換を容易、かつ、簡単に行うことができるとともに、攪拌翼および補助攪拌翼の清掃等を容易に行うことができる。
また、造粒液供給ノズルの注入孔径が3mm以下で、造粒液供給ノズルの注入孔側の外形が下側へ窄む円錐面形状であるので、または、造粒液供給ノズルの注入孔径が3mm以下で、造粒液供給ノズルの注入孔側の外径が注入孔径に0.4mm〜0.6mmを加えた値であるので、造粒液供給ノズルの先端に表面張力によって造粒液が滞留(付着)しなくなることにより、所望量の造粒液を正確、かつ、連続的、あるいは、造粒状態を観察しながら間欠的に注入(添加)することができる。
また、造粒液供給ノズルを、スプレイノズルに交換して装着した場合、大型機の仕様により近くなり、より正確なプロセス設定をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明の実施例を図に基づいて説明する。
【0009】
図1はこの発明の一実施例である造粒機の正面図、図2は図1に示した造粒機の平面図、図3は図1に示した造粒機の一部を破断した右側面図、図4は図1に示した造粒機の入力設定部、表示記録部などの詳細を示す正面図、図5は図1に示した造粒機の駆動機構などを示す正面図に相当する説明図、図6は図1に示した造粒機のガラス容器、クランプ機構などを示す正断面図に相当する説明図、図7は図6に示した造粒液注入ノズルの一例を示す断面図、図8は図6に示した攪拌翼の取付方を示す説明図である。
なお、図1、図3、図5および図6において、蓋体を貫通してガラス容器内へ突入する部分は、実線で表されている。
【0010】
図1において、造粒機Mは、支持台11と、粉体を収容するガラス容器21と、支持台11の固定テーブル14の下面に着脱可能に取り付けられ、ガラス容器21の上側に設けられた開口を上側から覆う、例えば、ゴムなどの弾性体からなる円形の蓋体27(図3、図6参照)と、ガラス容器21を固定テーブル14の下側に着脱自在に取り付けるクランプ機構31と、ガラス容器21内の粉体を攪拌する攪拌機構41と、この攪拌機構41のトルクを測定するトルク測定機構48(図5参照)と、ガラス容器21内の粉体を攪拌する補助攪拌機構51と、ガラス容器21内へ造粒液を供給する造粒液供給機構61(図5、図6参照)と、各部を制御するデータを入力する入力設定部72、この入力設定部72へ入力したデータに基づいて各部を駆動制御する制御部77(図2参照)、トルク測定機構48で測定したデータなどを表示、記録する表示記録部79などを備えた制御機構71(図2〜図4参照)とで構成されている。
【0011】
上記した支持台11は、図1〜図3に示すように、支持テーブル12と、この支持テーブル12の前後方向の途中の全幅に、上下方向に取り付けられた区画壁13と、この区画壁13の前側の全幅に後端が取り付けられ、支持テーブル12と所定間隔で対向するように支柱などを用いて前後左右が支持テーブル12に取り付けられた固定テーブル14と、支持テーブル12の前後左右の下側四隅部分に設けられた支持脚15とで構成されている。
なお、支持テーブル12、区画壁13および固定テーブル14で形成される左右の側面は内部を透視できるように側面透明アクリル板16で覆われ、また、支持テーブル12と固定テーブル14とで形成される前面は、例えば、左側を支点として開閉可能に内部を透視できる、取っ手17aを備えた前面透明アクリル扉17で覆われている。
この構造により、ガラス容器21およびガラス容器21内部における異常事故発生時の部品飛散などに対する作業者の安全を確保しつつ、造粒装置M外部からガラス容器21内部の造粒状態を観察することが可能になる。
【0012】
上記したガラス容器21は、図6に示すように、円形平板状の底22と、この底22の外縁に連なる円筒部23と、この円筒部23の上端に外側へ水平に所定幅で連なるフランジ25とで構成され、内部を透視できるように透明とされている。
なお、底22の平坦な内側底面22aは円筒部23の内側円筒面23aに所定半径、例えば、半径10mmの曲面24aで連結されている。
【0013】
上記した蓋体27は、図6に示すように、ガラス容器21の開口を上側から覆うように支持台11の固定テーブル14の下面に着脱可能に取り付けられ、下側外縁に環状の段差(切欠)が設けられている。
【0014】
上記したクランプ機構31は、図6に示すように、ガラス容器21のフランジ25を支持台11の固定テーブル14とで狭持する、例えば、ゴムなどの弾性体で円環状に形成されたガラス容器固定フランジ32と、固定テーブル14に取り付けられ、ガラス容器固定フランジ32を固定テーブル14へ押し付けて固定する複数のクランプ33とで構成されている。
そして、ガラス容器固定フランジ32には、ガラス容器21のフランジ25および蓋体27の一部を収容する、下側へ凹んだ環状内側収容部32aと、この環状内側収容部32aよりも浅く下側へ凹んで環状内側収容部32aに段差状に外側へ連なり、蓋体27の一部を収容する環状外側収容部32bとが設けられている。
【0015】
上記した攪拌機構41は、図5、図6に示すように、攪拌翼駆動機構42と、この攪拌翼駆動機構42で駆動される攪拌翼46とで構成されている。
そして、攪拌翼駆動機構42は、支持台11の区画壁13の前面中央上側に取り付けられ、制御部77で駆動制御される駆動モータ43と、この駆動モータ43の回転軸に接続され、固定テーブル14および蓋体27を上側から下側へ貫通する駆動力伝達機構44と、蓋体27の下側で、駆動力伝達機構44の回転軸44aに、攪拌翼46を同心に着脱自在に取り付けるチャッキング機構45とで構成されている。
そして、攪拌翼46は、駆動力伝達機構44の回転軸44aに着脱される回転軸46aと、この回転軸46aに直交するように取り付けられた攪拌翼本体46bとで構成されている。
【0016】
上記したトルク測定機構48は、測定したトルクを、例えば、電気信号に変換して出力するトルク変換器49とされ、図5に示すように、攪拌機構41の駆動力伝達機構44の部分に取り付けられている。
なお、トルク変換器49の出力は制御部77へ供給される。
【0017】
上記した補助攪拌機構51は、図5、図6に示すように、補助攪拌翼駆動機構52と、この補助攪拌翼駆動機構52で駆動される補助攪拌翼56とで構成されている。
そして、補助攪拌翼駆動機構52は、支持台11の区画壁13の前面右上側に取り付けられ、制御部77で駆動制御される駆動モータ53と、この駆動モータ53の回転軸に接続され、固定テーブル14および蓋体27を上側から下側へ貫通する駆動力伝達機構54と、蓋体27の下側で、駆動力伝達機構54の回転軸54aに、補助攪拌翼56を同心に着脱自在に取り付けるチャッキング機構55とで構成されている。
そして、補助攪拌翼56は、駆動力伝達機構54の回転軸54aに着脱される回転軸56aと、この回転軸56aに直交するように取り付けられた補助攪拌翼本体56bとで構成されている。
【0018】
上記した造粒液供給機構61は、制御部77で駆動制御される、図示を省略した造粒液供給本体機構と、この造粒液本体機構から造粒液が供給される、支持台11の固定テーブル14および蓋体27を上側から下側へ貫通し、交換可能な、造粒液供給ノズルとしての造粒液注入ノズル63(図6参照)を備えている。
この造粒液注入ノズル63は、図7に示すように、細径円筒部64と、この細径円筒部64の上側に同心で連なる太径円筒部65と、この太径円筒部65の上端部に外側へ所定幅で連なるフランジ66とで構成されている。
そして、細径円筒部64は、先端(下端)に設けられた注入孔64a径が好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下の、例えば、2mmで、注入孔64a側の外形が下側へ窄む円錐面形状とされ、下端の肉厚が好ましくは0.2mm〜0.3mmの、例えば、0.25mmとされている。
【0019】
上記した制御機構71の入力設定部72は、図4に示すように、攪拌翼46の回転速度、すなわち、毎分の回転数(rpm)を入力する攪拌翼回転速度設定器73と、補助攪拌翼56の回転速度、すなわち、毎分の回転数(rpm)を入力する補助攪拌翼回転速度設定器74と、注入する造粒液を所定の単位、例えば、gで入力する注入造粒液量設定器75とで構成されている。
また、制御機構71の制御部77は、入力設定部72への入力に基づいて駆動モータ43,53、図示を省略した造粒液供給本体機構を駆動制御するとともに、各データを表示記録部79に表示、記録させるもので、図2、図3に示すように、区画壁13の後側の支持テーブル12の上に設けられている。
また、制御機構71の表示記録部79は、図4に示すように、攪拌翼46の回転速度(rpm)を表示する攪拌翼回転速度表示器80と、攪拌翼46のトルクを表示する攪拌翼トルク表示器81と、駆動モータ43の駆動電流を表示する攪拌翼駆動電流計82と、補助攪拌翼56の回転速度(rpm)を表示する補助攪拌翼回転速度表示器83と、注入した造粒液を、例えば、1g/分で注入した量を表示する注入造粒液量表示器84と、少なくとも攪拌翼回転速度、攪拌翼トルクおよび注入造粒液量のデータを、後述するように記録して出力する記録部(図示省略)とで構成されている。
さらに、制御機構71は、図4に示すように、攪拌機構41を起動させるとともに、攪拌機構41が駆動(起動)しているのを表示する攪拌機構起動表示ボタン87と、攪拌機構41を停止させる攪拌機構停止ボタン88と、補助攪拌機構51を起動させるとともに、補助攪拌機構51が駆動(起動)しているのを表示する補助攪拌機構起動表示ボタン89と、補助攪拌機構51を停止させる補助攪拌機構停止ボタン90と、造粒液供給機構61を起動させるとともに、造粒液供給機構61が駆動(起動)しているのを表示する造粒液供給機構起動表示ボタン91と、造粒液供給機構61を停止させる造粒液供給機構停止ボタン92と、主電源スイッチ93と、全体を停止させる非常停止ボタン94とを備えている。
【0020】
次に、攪拌翼46の取付について説明する。
まず、図6および図8(a)に示すように、攪拌翼駆動機構42を構成する回転軸44aが蓋体27の下側へ突出しているので、この回転軸44aの下端の軸心に軸方向(上方)へ設けられた挿入穴44h内へ、攪拌翼46を構成する回転軸46aの上端の軸心に軸方向(上方)へ設けられた挿入部46dを挿入する。
そして、攪拌翼46に取り付けたチャッキング機構45の一方を回転軸44aに取り付けたチャッキング機構45の他方に係合(螺合)させると、図6および図8(b)に示すように、回転軸44aに攪拌翼46を同心に取り付けることができる。
なお、攪拌翼46を取り外す場合は、前述した手順を反対に行うことにより、回転軸44aから攪拌翼46を取り外すことができる。
【0021】
次に、補助攪拌翼56の取付について説明する。
まず、図6に示すように、補助攪拌翼駆動機構52を構成する回転軸54aが蓋体27の下側へ突出しているので、この回転軸54aの下端の軸心に軸方向(上方)へ設けられた挿入穴(図示省略)内へ、補助攪拌翼56を構成する回転軸56aの上端の軸心に軸方向(上方)へ設けられた挿入部(図示省略)を挿入する。
そして、補助攪拌翼56に取り付けたチャッキング機構55の一方を回転軸54aに取り付けたチャッキング機構55の他方に係合(螺合)させると、図6に示すように、回転軸54aに補助攪拌翼56を同心に取り付けることができる。
なお、補助攪拌翼56を取り外す場合は、前述した手順を反対に行うことにより、回転軸54aから補助攪拌翼56を取り外すことができる。
【0022】
次に、ガラス容器21の取付について説明する。
まず、環状のガラス容器固定フランジ32内へガラス容器21の円筒部23を上側から挿入し、図6に示すように、フランジ25を環状内側収容部32a内に収容させる。
そして、ガラス容器固定フランジ32の環状内側、外側収容部32a,32b内に蓋体27を収容させ、ガラス容器固定フランジ32を固定テーブル14の下面へ当接させることにより、図6に示すように、ガラス容器21の開口を蓋体27で上側から覆わせる。
次に、複数のクランプ33を操作し、ガラス容器固定フランジ32を固定テーブル14の下面へ押し付けることにより、図6に示すように、ガラス容器21およびガラス容器固定フランジ32を複数のクランプ33で固定テーブル14に着脱可能に取り付けることができる。
なお、ガラス容器21を取り外す場合は、前述した手順を反対に行うことにより、固定テーブル14からガラス容器21を取り外すことができる。
また、クランプ33による固定の他、ねじ締め式の治具による固定であってもよい。
【0023】
上記したように、ガラス容器21をクランプ機構31で固定テーブル14に取り付けると、駆動力伝達機構44の軸振れを極力減少させた軸支機構により、攪拌翼46がガラス容器21の内側底面22aに接触するのを防がれ、内側底面22aと攪拌翼46とのクリアランスは、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下となるように設定されている。
すなわち、ガラス容器21の内側底面22aと攪拌翼46とのクリアランスが好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下となるように、攪拌翼46が駆動力伝達機構44に取り付けられている。
【0024】
次に、造粒の一例について説明する。
なお、ガラス容器21は、円筒部23の外径が93mm、高さが61mm、内容積が呼び200ml、口まで300mlのものを使用し、攪拌翼46および補助攪拌翼56も対応した大きさのものを使用した。
まず、ガラス容器21内に何も収容させず、攪拌翼回転速度設定器73に回転数700(rpm)を設定した。
【0025】
そして、攪拌機構起動表示ボタン87を操作して攪拌機構41を駆動させると、攪拌翼駆動機構42のトルクをトルク変換器49が検出し、変換して制御部77へ出力する。
このようにして制御部77へ供給されたトルクは、攪拌翼トルク表示器81に表示される。
また、攪拌翼46の回転数が攪拌翼回転速度表示器80に表示されるとともに、駆動モータ43を駆動する電流値が攪拌翼駆動電流計82に表示される。
このようにして攪拌機構41を、例えば、約2分20秒駆動させた後、攪拌機構停止ボタン88を操作して攪拌機構41を停止させた。
【0026】
上記のような空運転により、攪拌翼46の回転数Rが700(rpm)で、トルクTが0.008(N・m)である図9に示す記録を、図示を省略した記録部から得ることができ、異常がないことと、トルクのベースラインを確認できた。
【0027】
次に、D−マントニール(日本薬局方、東和化成工業株式会社)20.55gと、コーンスターチ(日本薬局方、日本食品化工株式会社)8.85gとを粉体(29.4g)としてガラス容器21内に収容し、攪拌翼回転速度設定器73に回転数700(rpm)を設定し、補助攪拌翼回転速度設定器74に回転数1500(rpm)を設定し、注入造粒液量設定器75に注入量6.00(g)を設定した。
なお、造粒液は10%HPC SL(ヒドロキシプロピルセルロース、日本薬局方、日本曹達株式会社)水溶液であるので、HPC SLは0.6gとなり、合計30.00gになるとともに、仮比重50.7(g/100ml)となる。
【0028】
そして、攪拌機構起動表示ボタン87、補助攪拌機構起動表示ボタン89および造粒液供給機構起動表示ボタン91を操作して攪拌機構41、補助攪拌機構51および造粒液供給機構61を駆動させると、攪拌翼駆動機構42のトルクをトルク変換器49が検出し、変換して制御部77へ出力する。
このようにして制御部77へ供給されたトルクは、攪拌翼トルク表示器81に表示される。
また、攪拌翼46の回転数が攪拌翼回転速度表示器80に表示され、駆動モータ43を駆動する電流値が攪拌翼駆動電流計82に表示され、補助攪拌翼56の回転数が補助攪拌翼回転速度表示器83に表示されるとともに、造粒液の注入量が注入造粒液量表示器84に表示される。
このようにして攪拌機構41および補助攪拌機構51を、例えば、約10分10秒駆動させた後、攪拌機構停止ボタン88および補助攪拌機構停止ボタン90を操作して攪拌機構41および補助攪拌機構51を停止させた。
なお、造粒液供給機構61は、6.00gの造粒液を注入した時点で制御部77の制御によって停止する。
【0029】
上記のような造粒により、攪拌翼46の回転数Rが700(rpm)で、トルクTが変化し、6分間に6.00gの造粒液を注入した図10に示す記録を記録部から得ることができた。
この記録により、造粒液を注入後2分で造粒の進行に伴うトルク値の緩やかな上昇が認められた。
なお、粉体(混合末)の比重が比較的重い、すなわち、体積比の表面積が少ない粉体(混合末)のため、6.00gの造粒液では造粒液が過多となってスラリ状となったためか、トルク値が一旦低下し、その後安定したトルク値が認められた。
【0030】
次に、D−マントニール(日本薬局方、東和化成工業株式会社)10.05g、コーンスターチ(日本薬局方、日本食品化工株式会社)4.35g、無水リン酸水素カルシウム(日本薬局方、協和化学工業株式会社)15.00gとを粉体(29.4g)としてガラス容器21内に収容し、攪拌翼回転速度設定器73に回転数700(rpm)を設定し、補助攪拌翼回転速度設定器74に回転数1500(rpm)を設定し、注入造粒液量設定器75に注入量6.00(g)を設定した。
なお、造粒液は10%HPC SL(日本薬局方、日本曹達株式会社)水溶液であるので、HPC SLは0.6gとなり、合計30.00gになるとともに、仮比重69.0(g/100ml)となる。
【0031】
そして、攪拌機構起動表示ボタン87および補助攪拌機構起動表示ボタン89を操作して攪拌機構41および補助攪拌機構51を駆動させると、攪拌翼駆動機構42のトルクをトルク変換器49が検出し、変換して制御部77へ出力する。
さらに、攪拌機構起動表示ボタン87および補助攪拌機構起動表示ボタン89を操作してから、例えば、約1分後に造粒液供給機構起動表示ボタン91を操作して造粒液供給機構61を駆動させた。
このようにして制御部77へ供給されたトルクは、攪拌翼トルク表示器81に表示される。
また、攪拌翼46の回転数が攪拌翼回転速度表示器80に表示され、駆動モータ43を駆動する電流値が攪拌翼駆動電流計82に表示され、補助攪拌翼56の回転数が補助攪拌翼回転速度表示器83に表示されるとともに、造粒液の注入量が注入造粒液量表示器84に表示される。
このようにして攪拌機構41および補助攪拌機構51を、例えば、約10分30秒駆動させた後、攪拌機構停止ボタン88および補助攪拌機構停止ボタン90を操作して攪拌機構41および補助攪拌機構51を停止させた。
なお、造粒液供給機構61は、6.00gの造粒液を注入した時点で制御部77の制御によって停止する。
【0032】
上記のような造粒により、攪拌翼46の回転数Rが700(rpm)で、トルクTが変化し、6分間に6.00gの造粒液を注入した図11に示す記録を記録部から得ることができた。
この記録により、造粒液を注入後5分から造粒の進行に伴うトルク値の明確な上昇が認められ、造粒液の注入終了後も引き続いて造粒に伴うトルク値の上昇が認められた。
なお、粉体(混合末)の比重が軽い、すなわち、体積比の表面積が大きいため、6.00gの造粒液では不足しているように観察された。
【0033】
次に、エテンザミド(日本薬局方、岩城製薬株式会社)15.00g、D−マントニール(日本薬局方、東和化成工業株式会社)10.05g、コーンスターチ(日本薬局方、日本食品化工株式会社)4.35gとを粉体(29.4g)としてガラス容器21内に収容し、攪拌翼回転速度設定器73に回転数700(rpm)を設定し、補助攪拌翼回転速度設定器74に回転数1500(rpm)を設定し、注入造粒液量設定器75に注入量6.00(g)を設定した。
なお、造粒液は10%HPC SL(日本薬局方、日本曹達株式会社)水溶液であるので、HPC SLは0.6gとなり、合計30.00gになるとともに、仮比重37.8(g/100ml)となる。
【0034】
そして、攪拌機構起動表示ボタン87、補助攪拌機構起動表示ボタン89および造粒液供給機構起動表示ボタン91を操作して攪拌機構41、補助攪拌機構51および造粒液供給機構61を駆動させると、攪拌翼駆動機構42のトルクをトルク変換器49が検出し、変換して制御部77へ出力する。
このようにして制御部77へ供給されたトルクは、攪拌翼トルク表示器81に表示される。
また、攪拌翼46の回転数が攪拌翼回転速度表示器80に表示され、駆動モータ43を駆動する電流値が攪拌翼駆動電流計82に表示され、補助攪拌翼56の回転数が補助攪拌翼回転速度表示器83に表示されるとともに、造粒液の注入量が造粒液注入量表示器84に表示される。
このようにして攪拌機構41および補助攪拌機構51を、例えば、約10分駆動させた後、攪拌機構停止ボタン88および補助攪拌機構停止ボタン90を操作して攪拌機構41および補助攪拌機構51を停止させた。
なお、造粒液供給機構61は、6.00gの造粒液を注入した時点で制御部77の制御によって停止する。
【0035】
上記のような造粒により、攪拌翼46の回転数Rが700(rpm)で、トルクTが変化し、6分間に6.00gの造粒液を注入した図12に示す記録を記録部から得ることができた。
この記録により、造粒液を注入に伴って順調に造粒が進むとともに、トルク値の上昇が認められた。
なお、造粒物の付着性が高いため、造粒液注入終了後、過造粒の約5分過ぎから造粒の進行に伴い、また、約8分過ぎから過造粒と思われるトルク値の急激な低下が認められた。
【0036】
上記した造粒結果から分かるように、表示記録部79で得た測定データを入力設定部72に入力することにより、所望の造粒を容易、かつ、科学的に再現することができる。
【0037】
上述したように、この発明の一実施例によれば、攪拌翼駆動機構42のトルクを測定するトルク測定機構48と、攪拌翼駆動機構42、補助攪拌翼駆動機構52および造粒液注入機構61を駆動制御する入力を設定する入力設定部72と、トルク測定機構48で測定したデータを表示、記録する表示記録部79とを備えているので、表示記録部79で得た測定データを入力設定部72に入力することにより、所望の造粒を容易、かつ、科学的に再現することができる。
そして、ガラス容器21の平坦な内側底面22aと攪拌翼46とのクリアランスを好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下にするとともに、ガラス容器21の内側底面22aとガラス容器21の内側円筒面23aとを所定半径の曲面24aで連結したので、デッドスペースを減ら(少なく)して攪拌されない粉体量を最小化し、かつ、攪拌翼46の回転によって巻き上がった粉体が攪拌翼46の上空で攪拌翼46の内側に巻き込まれる理想的な造粒粉体の挙動が観察され、攪拌効果を高めている。
また、蓋体27が固定テーブル14の下面に着脱可能に取り付けられ、ガラス容器21が、自身のフランジ25を固定テーブル14とで狭持するガラス容器固定フランジ32と、固定テーブル14に取り付けられ、ガラス容器固定フランジ32を固定テーブル14へ押し付けて固定する複数のクランプ33とで着脱可能に取り付けられ、攪拌翼駆動機構42、補助攪拌翼駆動機構52および造粒液注入ノズル63が固定テーブル14および蓋体27を貫通しているので、トップドライブとなることにより、軸受け部分に内容物が付着するのを防止して清掃等を容易に行うことができるとともに、各駆動機構42,52を固定テーブル14に軸受けなどを介して支持することにより、攪拌翼46および補助攪拌翼56の回転ぶれを防止でき、また、複数のクランプ33を操作することにより、ガラス容器21の着脱、交換を容易、かつ、簡単に行うことができる。
さらに、蓋体27の下側で攪拌翼46が攪拌翼駆動機構42に対して着脱可能に取り付けられ、蓋体27の下側で補助攪拌翼56が補助攪拌翼駆動機構52に対して着脱可能に取り付けられているので、攪拌翼46および補助攪拌翼56の交換を容易、かつ、簡単に行うことができるとともに、攪拌翼46および補助攪拌翼56の清掃等を容易に行うことができる。
また、造粒液注入ノズル63の注入孔64a径が好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下で、造粒液注入ノズル63の注入孔64a側の外形が下側へ窄む円錐面形状であるので、造粒液注入ノズル63の先端に表面張力によって造粒液が滞留(付着)しなくなることにより、所望量の造粒液を正確、かつ、連続的、あるいは、造粒状態を観察しながら間欠的に注入(添加)することができる。
さらに、造粒液注入ノズル63の注入孔64a側の外径が注入孔64a径に好ましくは0.4mm〜0.6mmの、例えば、0.5mmを加えた値であるので、造粒液注入ノズル63の先端に表面張力によって造粒液が滞留(付着)しなくなることにより、所望量の造粒液を液滴で正確、かつ、連続的、あるいは、造粒状態を観察しながら間欠的に注入(添加)することができ、造粒物の均一化に役立っている。
【0038】
図13は造粒液注入ノズル(造粒液供給ノズル)の他の例を示す断面図である。
【0039】
図13において、造粒液注入ノズル63は、細径円筒部64と、この細径円筒部64の上側に同心で連なる太径円筒部65と、この太径円筒部65の上端部に外側へ所定幅で連なるフランジ66とで構成されている。
そして、細径円筒部64は、先端(下端)に設けられた注入孔64a径が好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下の、例えば、2mmで、注入孔64a側の外形が下側へ窄む円錐面形状とされた後、先端円筒部64bとされている。
なお、先端円筒部64bの外径は、注入孔64a径に好ましくは0.4mm〜0.6mmの、例えば、0.5mmを加えた値とされている。
【0040】
図14は造粒液注入ノズル(造粒液供給ノズル)のさらに他の例を示す断面図である。
【0041】
図14において、造粒液注入ノズル63は、細径円筒部64と、この細径円筒部64の上側に同心で連なる太径円筒部65と、この太径円筒部65の上端部に外側へ所定幅で連なるフランジ66とで構成されている。
そして、細径円筒部64は、先端(下端)に設けられた注入孔64a径が好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下の、例えば、1mmで、注入孔64a側の外形が下側へ窄む円錐面形状とされた後、先端円筒部64bとされている。
なお、先端円筒部64bの外径は、注入孔64a径に好ましくは0.4mm〜0.6mmの、例えば、0.5mmを加えた値とされている。
【0042】
図13または図14に示した造粒液注入ノズル63を用いても、造粒液注入ノズル63の先端に表面張力によって造粒液が滞留(付着)しなくなることにより、所望量の造粒液を液滴で正確に注入(添加)することができる。
【0043】
上記した実施例では、固定テーブル14の下面に着脱可能に取り付けた蓋体27でガラス容器21の開口を覆う例を示したが、この蓋体27は、チャッキング機構45,46を操作して攪拌翼46および補助攪拌翼56を取り外すことにより、固定テーブル14から取り外すことができるので、蓋体27の交換を容易、かつ、簡単に行うことができるとともに、蓋体27の清掃等を容易に行うことができる。
また、トルク測定機構48で測定したトルク値で造粒をモニタリングする例を示したが、攪拌翼46を回転する駆動モータ43の消費電力を、例えば、電流計、計器変成器、トランスジューサで構成された消費電力測定器で電気信号に変換して制御部77へ出力し、この消費電力のデータを表示記録部79に表示、記録させて造粒状態を逐次観察、再現しても、同様な効果を得ることができる。
このように、トルク値または消費電力値で造粒をモニタリングする場合、ガラス容器21内の造粒中の粉体の温度を測定すべく熱電対を配置し、この熱電対の検出温度信号を制御部77へ出力し、データを表示記録部79に表示、記録される造粒粉体の品温データをも併せてモニタリングすることで、造粒工程のより詳細な解析が可能になる。
また、造粒液供給ノズルとして造粒液注入ノズル63を示したが、微小な液滴で造粒する場合、造粒液注入ノズル63の他に、大型機で広く用いられるスプレノズルを用いることも可能である。
このように、造粒液供給ノズルを、スプレイノズルにした場合、より実機を反映したプロセル設定をすることができる。
また、付着性の高い造粒物の場合、停止させて造粒物を掻き取った後、再度運転させることも可能である。
なお、ガラスの撥水性などが造粒特性に大きく影響のでる粉体(薬物)の場合、ガラス容器21に変えてステンレスボウル(容器)を使用するとよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】この発明の一実施例である造粒機の正面図である。
【図2】図1に示した造粒機の平面図である。
【図3】図1に示した造粒機の一部を破断した右側面図である。
【図4】図1に示した造粒機の入力操作部の詳細を示す正面図である。
【図5】図1に示した造粒機の駆動機構などを示す正面図に相当する説明図である。
【図6】図1に示した造粒機のガラス容器、クランプ機構などを示す正断面図に相当する説明図である。
【図7】図6に示した造粒液注入ノズルの一例を示す断面図である。
【図8】図6に示した攪拌翼の取付方を示す説明図である。
【図9】表示記録部から得られたデータを示す図である。
【図10】表示記録部から得られたデータを示す図である。
【図11】表示記録部から得られたデータを示す図である。
【図12】表示記録部から得られたデータを示す図である。
【図13】造粒液注入ノズルの他の例を示す断面図である。
【図14】造粒液注入ノズルのさらに他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0045】
M 造粒機
11 支持台
12 支持テーブル
13 区画壁
14 固定テーブル
15 支持脚
16 側面透明アクリル板
17 前面透明アクリル扉
17a 取っ手
21 ガラス容器
22 底
22a 内側底面
23 円筒部
23a 内側円筒面
24a 曲面
25 フランジ
27 蓋体
31 クランプ機構
32 ガラス容器固定フランジ
32a 環状内側収容部
32b 環状外側収容部
33 クランプ
41 攪拌機構
42 攪拌翼駆動機構
43 駆動モータ
44 駆動力伝達機構
44a 回転軸
44h 挿入穴
45 チャッキング機構
46 攪拌翼
46a 回転軸
46d 挿入部
46b 攪拌翼本体
48 トルク測定機構
49 トルク変換器
51 補助攪拌機構
52 補助攪拌翼駆動機構
53 駆動モータ
54 駆動力伝達機構
54a 回転軸
55 チャッキング機構
56 補助攪拌翼
56a 回転軸
56b 補助攪拌翼本体
61 造粒液供給機構
63 造粒液注入ノズル(造粒液供給ノズル)
64 細径円筒部
64a 注入孔
64b 先端円筒部
65 太径円筒部
66 フランジ
71 制御機構
72 入力設定部
73 攪拌翼回転速度設定器
74 補助攪拌翼回転速度設定器
75 注入造粒液量設定器
77 制御部
79 表示記録部
80 攪拌翼回転速度表示器
81 攪拌翼トルク表示器
82 攪拌翼駆動電流計
83 補助攪拌翼回転速度表示器
84 注入造粒液量表示器
87 攪拌機構起動表示ボタン
88 攪拌機構停止ボタン
89 補助攪拌機構起動表示ボタン
90 補助攪拌機構停止ボタン
91 造粒液供給機構起動表示ボタン
92 造粒液供給機構停止ボタン
93 主電源スイッチ
94 非常停止ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体を収容するガラス容器と、
このガラス容器の開口を上側から覆う蓋体と、
前記ガラス容器内で回転し、前記粉体を攪拌する攪拌翼と、
この攪拌翼を回転させる攪拌翼駆動機構と、
この攪拌翼駆動機構のトルクを測定するトルク測定機構と、
前記ガラス容器内で回転し、前記粉体を攪拌する補助攪拌翼と、
この補助攪拌翼を回転させる補助攪拌翼駆動機構と、
前記ガラス容器内へ造粒液を供給する造粒液供給ノズルを備えた造粒液供給機構と、
この造粒液供給機構、前記攪拌翼駆動機構および前記補助攪拌翼駆動機構を駆動制御する入力を設定する入力設定部と、
この入力設定部への入力に基づいて前記攪拌翼駆動機構、前記補助攪拌翼駆動機構および前記造粒液供給機構を駆動制御する制御部と、
前記トルク測定機構で測定したデータを表示、記録する表示記録部と、
を備えることを特徴とする造粒機。
【請求項2】
粉体を収容するガラス容器と、
このガラス容器の開口を上側から覆う蓋体と、
前記ガラス容器内で回転し、前記粉体を攪拌する攪拌翼と、
この攪拌翼を回転させる攪拌翼駆動機構と、
この攪拌翼駆動機構のモータの消費電力を測定する消費電力測定機構と、
前記ガラス容器内で回転し、前記粉体を攪拌する補助攪拌翼と、
この補助攪拌翼を回転させる補助攪拌翼駆動機構と、
前記ガラス容器内へ造粒液を供給する造粒液供給ノズルを備えた造粒液供給機構と、
この造粒液供給機構、前記攪拌翼駆動機構および前記補助攪拌翼駆動機構を駆動制御する入力を設定する入力設定部と、
この入力設定部への入力に基づいて前記攪拌翼駆動機構、前記補助攪拌翼駆動機構および前記造粒液供給機構を駆動制御する制御部と、
前記消費電力測定機構で測定したデータを表示、記録する表示記録部と、
を備えることを特徴とする造粒機。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の造粒機において、
前記ガラス容器の平坦な内側底面と前記攪拌翼とのクリアランスを2mm以下にするとともに、前記ガラス容器の内側底面と前記ガラス容器の内側円筒面とを所定半径の曲面で連結した、
ことを特徴とする造粒機。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の造粒機において、
前記蓋体が固定テーブルの下面に着脱可能に取り付けられ、
前記ガラス容器が、自身のフランジを前記固定テーブルとで狭持するガラス容器固定フランジと、前記固定テーブルに取り付けられ、前記ガラス容器固定フランジを前記固定テーブルへ押し付けて固定する複数のクランプとで着脱可能に取り付けられ、
前記攪拌翼駆動機構、前記補助攪拌翼駆動機構および前記造粒液供給ノズルが前記固定テーブルおよび前記蓋体を貫通している、
ことを特徴とする造粒機。
【請求項5】
請求項4に記載の造粒機において、
前記蓋体の下側で前記攪拌翼が前記攪拌翼駆動機構に対して着脱可能に取り付けられ、
前記蓋体の下側で前記補助攪拌翼が前記補助攪拌翼駆動機構に対して着脱可能に取り付けられている、
ことを特徴とする造粒機。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の造粒機において、
前記造粒液供給ノズルの注入孔径が3mm以下で、前記造粒液供給ノズルの注入孔側の外形が下側へ窄む円錐面形状である、
ことを特徴とする造粒機。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の造粒機において、
前記造粒液供給ノズルの注入孔径が3mm以下で、前記造粒液供給ノズルの注入孔側の外径が前記注入孔径に0.4mm〜0.6mmを加えた値である、
ことを特徴とする造粒機。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載の造粒機において、
前記造粒液供給ノズルを、スプレイノズルにした、
ことを特徴とする造粒機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−106885(P2009−106885A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−283361(P2007−283361)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000001926)塩野義製薬株式会社 (229)
【出願人】(501437536)株式会社樋口商会 (3)
【出願人】(596041847)株式会社井元製作所 (7)
【Fターム(参考)】