連結されたハイブリッド動的システムのシミュレーションをオフライン制御するための方法およびシステム
システムの物理的構造構成要素を駆動し、試験装置に入力される試験装置駆動値信号の印加の結果として、試験装置応答を生成するように構成される、物理的試験装置を備える、連結されたハイブリッド動的システムのシミュレーションを制御するためのシステムおよび方法が、提供される。プロセッサは、システムの仮想モデルを用いて構成される。プロセッサは、試験装置応答を受信し、受信した試験装置応答と、仮想駆動値入力とに基づいて、システムのモデル応答を生成する。システム応答モデル化ステップでは、システムは、ランダム入力によって駆動される。プロセッサは、試験装置応答をモデル応答と比較し、差異は、試験駆動値信号を生成するシステム動的応答モデルを形成するために、使用される。試験駆動値開発ステップでは、システム動的応答モデルの逆数を使用し、モデル応答と規定閾値を下回る試験装置応答との間の差異を反復的に減少させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シミュレーションの分野に関し、より具体的には、動的システムのシミュレーションを制御するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両および車両構成要素等、複雑な動的システムの設計ならびに評価においては、構成要素を試験し、調節することが望ましく、必要とされる場合が多い。これは、車両性能に及ぼす車両構成要素の影響と、構成要素に及ぼす車両の影響とを決定することになる。耐久性試験だけではなく、望ましい他の種類の試験も行われ得る。いくつかの異なる方法論およびシステムが、車両における構成要素の試験の際に採用されている。
【0003】
図1−4は、従来の実験シミュレーション試験のためのデータ収集システムおよび方法を示す。そのような方法では、物理的車両10が、試験道路12上で駆動され、特定の構成要素応答が測定される。例えば、物理的車両10内に搭載されたストラット式サスペンション(図示せず)の変位が、測定され、適切なデータベース内に記憶可能である。これらの応答は、参照番号14として提供される。ストラット等の特定の構成要素の応答は、試験制御プロセスのために、基準測定値として使用される。
【0004】
次に、図2を参照すると、ここでは、ランダム装置駆動値とも称される、一般的(すなわち、ランダム振幅、広帯域周波数)駆動値16が、試験装置18に入力される。特定の車両構成要素、本実施例では、ストラット式サスペンション20が、試験装置18内に搭載される。装置コントローラ22は、ランダム装置駆動値16からの駆動値信号を変換し、試験装置18の移動を制御する。ストラット20の変位等、試験構成要素の応答が、試験装置18で測定される。測定値は、24で提供され、試験構成要素応答を形成する。図2の実施例では、試験構成要素応答24は、入力および装置16に応答したランダム装置変位である。ランダム装置駆動値16の入力およびランダム装置変位24の測定は、リアルタイムプロセスである。装置コントローラ22は、ランダム駆動値16に単に応答するのみであるため、複雑な追跡コントローラである必要はない。装置コントローラ22は、装置または試料動態を補償するために、複雑なリアルタイムのモデル化計算を行わない。
【0005】
試験構成要素応答24は、試験装置駆動値16と併用され、一般的システム動的応答モデル26を計算する。応答モデルは、試験システムおよび構成要素の連結された動態を表す。多入力多出力試験では、また、制御入力との間の相互連結された動態も表すであろう。応答モデル26、典型的には、周波数応答関数(FRF)は、反転され、シミュレーション制御プロセスにおいて、試験装置駆動値予測のために使用されることになる。本実施例では、駆動値および応答時間履歴全体が、明確に定義されたFRFを計算するために必要とされるため、一般的システム動的応答モデル26の決定は、オフラインプロセスである。
【0006】
故に、従来の試験システムおよびプロセスでは、第1のステップは、試験装置18における実験室において存在する入力/出力関係を決定することである。試験のための制御システムへの入力と、そのシステムがそれらの入力に対してどのように応答するかとの関係が、理解される必要がある。本理解によって、補償された試験駆動値信号が、開発され、任意の所望の構成要素応答を生成可能となる。
【0007】
構成要素が、車両環境において、どのように応答するのか(図1参照)と、試験環境が、構成要素応答にどのように影響するのか(図2参照)とを決定後、次いで、図3に描写されるように、反復的試験駆動値信号開発プロセスが、行われる。
【0008】
初期反復(N=0)では、試験装置応答は、ゼロとみなされ、図1で既に決定された所望の応答32が、図2で決定された一般的システム動的応答モデル26の逆数(FRF−1)40と併用され、初期駆動値をもたらす。各反復では、現在の試験装置応答30が、所望の応答と比較される。比較器34は、シミュレーションエラーを提供し、逆数(FRF−1)を使用して、駆動値補正値38を生成する。この時点で、反復数が、増分される。
【0009】
駆動値補正値38は、以前の試験装置駆動値40に追加され、次の試験装置駆動値42を生成する。以前の試験装置応答に応答した次の試験装置駆動値の決定は、オフラインプロセスである。
【0010】
次の試験装置駆動値42は、試験装置18に適用され、構成要素応答30が、測定される。図3のプロセスは、結果として生じるシミュレーションエラーが、所望の許容値を下回るまで、反復的に繰り返される。試験駆動値の反復を行う際、試験装置駆動値42は、以前に測定された試験装置18からの応答を取得するために、増分的に変更される。言い換えると、図1のデータ収集段階の際にすでに取得された物理的車両構成要素からの同一応答を生じさせるであろう試験装置駆動値42が、決定される。
【0011】
シミュレーションエラーが所定の値を下回るまで、反復プロセスを通して、試験装置駆動値42が決定されると、図4から分かるように、現時点での最終試験装置駆動値44が、構成要素の後続試験のために使用される。性能試験、耐久性試験等、異なる種類の試験を行うことが可能である。
【0012】
従来の反復的試験方法は、ある効果を有するが、この方法の場合、試験を調製する前に、望ましい車両を固定し、器具を装着し、試験データを取得することが要件となる。これは、ある点において、従来のシミュレーション試験システムおよび方法をあまり有用ではないものにする。構成要素応答を測定するための好適な試験車両は、車両構成要素を試験する必要性に先立って得られることが不可能である可能性がある。例えば、未だ製造されていない、または試作品さえ作製されていない、新しいモデル車等、未だ存在しない車両の車両構成要素の応答を決定することが所望される場合がある。さらに、物理的構成要素試験のためのデータを測定するために、車両を適切に調製する時間またはリソースが不十分である場合が多い。さらに、多数の構成要素の変形例が、試験される必要がある場合があり、各変形例は、車両内の構成要素応答に影響を及ぼすであろう。また、車両システム内の構成要素の応答は、耐久性試験において等、経時的に徐々に変化する場合が多く、試験は、試験が有効のままであるように適応されなければならない。
【0013】
図5は、物理的構成要素を試験するための別のシステムおよび方法論を描写しており、リアルタイムmHIL(ループ内のモデルハードウェア)として知られる。図1−4に描写される試験方法とは対照的に、物理的車両は、搭載された重要となる構成要素とともに、道路上を駆動されない。代わりに、仮想車両が、搭載された重要となる構成要素を伴わずに使用され、仮想道路上で駆動される。本車両は、プロセッサ(図示せず)によってモデル化される。参照番号50として表される車両モデルは、物理的試験構成要素を排除する。車両モデルは、仮想試験道路上で駆動され、応答52を生成する。本応答52は、試験装置58等の物理的試験システムへの制御入力56として、反映メモリプロセッサリンク54を通して適用される。
【0014】
試験装置58は、モデルが提供される、複雑な装置コントローラ60を含む。仮想車両内に生じたことは何でも、試験装置58内の物理的構成要素62にも生じさせる必要がある。故に、試験装置58は、車両モデル50内に提供されていなかった物理的試験構成要素を含む。
【0015】
試験装置58内の物理的構成要素62の応答は、車両50のモデルへの付加的入力64として提供される。本応答は、反映メモリリンク54を介して、モデル50にリアルタイムで提供される。
【0016】
図5に描写されるリアルタイムmHILプロセスは、物理的構成要素試験応答が即座に評価され、試験環境内の変化に自動的に適応する閉ループプロセスである。本システムの適用の制限は、リアルタイム車両モデルの忠実性、反映メモリリンクおよびプロセッサの速度、ならびに試験装置コントローラ60の追跡性能である。そのようなシステムが作動するために、モデルは、リアルタイムで動作する必要がある。今日の技術によって、これを達成するためには、車両モデルおよび装置コントローラ内のモデル化は、簡素化される必要がある場合がある。また、リアルタイムに可能なモデルは、より高い周波数では、忠実性に欠ける場合があるが、耐久性を評価する技術者は、正確な試験を達成するために、これらの周波数のシミュレーションを必要とする場合がある。故に、図5のリアルタイムmHILプロセスおよび構成は、そのようなシステムの有用性を制限し得る、制約を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
物理的車両または他のシステムからデータを取得する必要性を回避し、また、試験装置から車両モデルにフィードバックリンクを提供する、システムおよび方法を提供する必要性がある。一般に、ハイブリッドシミュレーションは、一般的試験能力に対する可能性をもたらす。これは、特定の一意的システム入力または応答を把握する必要なく、分離された物理的サブシステムの正確なシミュレーションおよび試験が可能であることを意味する。仮想構成要素動態が、物理的システム力および動作に連結される最適な実装では、ハイブリッドシステムは、システム入力において生じる任意の変化、あるいは物理的構成要素挙動または仮想構成要素挙動の変化に正確に応答可能である。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述の必要性は、連結されたハイブリッド動的システムのシミュレーションを制御するための構成を提供する、本開示によるシステムおよび方法によって充足される。構成は、システムの物理的構造構成要素を駆動し、試験装置に入力される駆動値信号を適用する結果として試験装置応答を生成するように構成される物理的試験装置を備える。プロセッサは、物理的構成要素の相補的システムの仮想モデルによって構成される。プロセッサは、入力として、試験装置応答を受信し、入力としての受信した試験装置応答の第1の部分と仮想駆動値とを使用して、システムのモデル応答を生成する。プロセッサは、試験装置応答の異なる第2の部分を対応するモデル応答と比較し、差異を形成するようにさらに構成され、差異は、試験装置駆動値信号を生成するシステム動的応答モデルを形成するために、使用される。
【0019】
ある実施形態では、プロセッサは、試験駆動値信号を生成し、試験装置応答を受信し、モデル応答を生成し、試験装置応答をモデル応答と比較し、ハイブリッドシミュレーションプロセスエラーを生成するようにさらに構成される。次いで、エラーは、モデル応答と試験装置応答との間の差異が規定閾値を下回るまで、反復的方式において、システム動的応答モデルの逆数を使用して、減少される。
【0020】
開示される実施形態の上述の特徴、側面、および利点は、以下の発明を実施するための形態ならびに付随の図面からより明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、従来技術による、データ収集プロセスの概略ブロック図である。
【図2】図2は、従来技術による、応答シミュレーション試験構成のための応答モデルの測定の概略ブロック図である。
【図3】図3は、従来技術による、反復的シミュレーションエラー減少プロセスを行う、応答シミュレーション試験システムの概略ブロック図である。
【図4】図4は、従来技術による、シミュレーション実験試験を行うためのシステムの概略ブロック図である。
【図5】図5は、従来技術による、ループ内リアルタイムモデルハードウェア(mHIL)システムの概略ブロック図である。
【図6】図6は、本開示の実施形態による、オフラインmHILシステム動的応答測定を行うためのシステムを描写する。
【図7】図7は、本開示の実施形態による、図6のオフラインmHILシステムを採用する、反復プロセスの概略ブロック図である。
【図8】図8は、本開示の実施形態による、オフラインmHIL試験の概略ブロック図である。
【図9】図9は、本開示の実施形態による、図6−8に描写される、オフラインmHILプロセスを行うためのシステムのブロック図を描写する。
【図10】図10は、本開示の実施形態による、オフラインmHIL反復および試験を行うための方法内のあるステップの工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示の実施形態は、他のシステムにおいてデータを取得する必要性、リアルタイムモデル化を行う必要性、およびそのようなリアルタイムモデル化が課す制約に関する懸念等、動的システムの制御に関連する問題に対処し、解決する。本開示の実施形態は、一部として、連結されたハイブリッド動的システムのシミュレーションを制御するための構成を提供することによって、これらの懸念に対処し、解決する。構成は、システムの物理的構造構成要素を駆動し、試験装置に入力される駆動値信号を適用する結果として、試験装置応答を生成するように構成される、物理的試験装置を備える。プロセッサは、システムの仮想モデルによって構成される。プロセッサは、試験装置応答を受信し、入力としての受信した試験装置応答の第1の部分と仮想駆動値との使用に基づいて、システムのモデル応答を生成する。プロセッサは、試験装置応答の異なる第2の部分を対応するモデル応答と比較するようにさらに構成され、差異は、プロセッサによって使用され、試験装置駆動値信号を生成するために、システム動的応答モデルを形成する。これは、システム応答モデル化ステップである。試験駆動値開発ステップでは、ある実施形態に提供されるように、システム動的応答モデルの逆数を反復的に使用して、モデル応答と規定閾値を下回る試験装置応答との間の差異を減少させる。本アプローチの利点の1つは、完全な物理的システムが必要とされず、むしろ、非試験システム構成要素のオフラインの非リアルタイムモデルが、採用され得ることである。さらに、方法は、実際は、構成要素の正確なモデルが利用不可能であるため、試験される場合が多い、物理的構成要素をモデル化する必要性を回避する。故に、計算能力、計算速度、および試験される構成要素の正確なモデルの可用性に基づく制限が、回避される。
【0023】
図6は、本開示の実施形態による、連結されたハイブリッド動的システムのシミュレーションを制御するための構成を描写する。本構成では、車両モデル70は、プロセッサ上に提供される(図9に見られるように)。しかしながら、車両のモデルは、例示にすぎず、他のシステムも、本開示から逸脱することなく、モデル化され得る。また、説明の目的のために、物理的構成要素は、車両サスペンションシステム内で採用される、ストラットである。他の構成要素が、試験されてもよく、ストラットは、物理的構成要素の実施例にすぎない。また、試験装置72も、提供される。本実施例では、試験装置72は、試験装置72内に搭載された物理的ストラットを試験するように構成される。しかしながら、試験装置73は、他の構造構成要素を試験するように構成され得る。
【0024】
試験装置72は、装置コントローラ74を有する。図4のリアルタイムmHILシステムの装置コントローラ60と異なり、図5の実施形態における装置コントローラ74は、モデルコマンドに対して即時応答を提供する、複雑なシステムモデルを有する必要はない。複雑性を欠いているため、安価な装置コントローラが、採用され得る。さらに、より高い周波数における試験が、実現され得る。
【0025】
構成は、試験装置72を駆動するために使用される、駆動値信号を生成するために採用される、システム動的応答モデルを形成する。システム動的応答モデル76は、一実施例として、周波数応答関数(FRF)であり得る。また、システム動的応答モデル76は、システムモデル70が起動される同一プロセッサによって、決定または計算され得る(例えば、図9参照)。しかしながら、また、システム動的応答モデル76は、図に示されない別個のプロセッサ上で決定および計算され得る。
【0026】
図6は、システム動的応答モデル76を形成する、構成およびステップを描写する。これは、システム応答モデル化ステップと称され得る。本システム動的応答モデルは、後述の図7の反復プロセスにおいて採用されることになる。図6では、ランダム試験装置駆動値78が、車両構成要素80(ストラット等)が搭載された試験装置72に導入される。ランダム試験装置駆動値78は、ランダム振幅、広帯域周波数駆動値等、一般的駆動値であり得る。本開示の実施形態では、2つの応答が測定されるが、構成は、2つの応答に限定されない。ランダム試験装置力信号82等のこれらの応答のうちの1つは、車両モデル70に適用されることになる。ランダム装置変位84等の他の応答は、モデル応答と比較される応答である。図6の本開示の実施形態では、第1の応答は、試験装置72上のストラットによって及ぼされる力である一方、第2の応答84は、装置コントローラ74への入力としても提供され得る、ストラット80の変位である。力および変位信号は、例示にすぎず、他の応答信号が、試験装置72から提供され得ることに留意されたい。
【0027】
ランダム装置力82等の試験装置からの応答は、入力として供給され、車両モデル70へのランダムモデル駆動値86を形成する。車両モデル70は、被試験構成要素、この場合、ストラット80を除外する。車両モデル70は、ランダムモデル応答信号88、この場合、変位によって、ランダムモデル駆動値入力信号86に応答する。
【0028】
プロセスの第3のステップでは、モデル応答88は、関連付けられた試験装置応答84と比較される。比較90が、行われ、応答差異92を形成する。応答差異とランダム装置駆動値との間の関係は、システム動的応答モデルを確立する。本結合された応答モデル76は、反転され、図7の反復的シミュレーション制御プロセスにおける試験装置駆動値予測のために使用されることになる。結合されたシステム動的応答モデル76の決定は、高出力および高速計算能力を必要としないように、オフラインプロセスにおいて行われ得る。さらに、図6のオフラインmHILシステム動的応答モデル測定値の場合、物理的車両等の実際のシステムは、必要とされない。これは、物理的システムを採用する場合に特有の不利点の多くを克服する。データを取得する必要性がないため、構成要素が仮想モデル内または物理的環境内でどのように応答するかの以前の知識を伴わずに、任意の構成要素が、試験可能である。システム動的応答モデルのオフラインmHIL測定値は、モデル応答と、構成要素が物理的システム内にある場合の装置入力に対する装置応答との差異の感度を測定する。装置駆動値とシステム応答差異との間の関係92が、モデル化されると、図7に見られるように、オフラインmHIL反復プロセスが行われる。これは、試験駆動値開発ステップとして見なされ得る。
【0029】
オフライン反復である、図7の反復プロセスでは、試験構成要素を除く、仮想システムが、作動される。例示的実施形態では、仮想システムは、仮想車両であって、除外される試験構成要素は、ストラット80である。仮想車両は、試験道路上を駆動され、モデル応答100を生成する。実施例として、モデル応答100は、ストラット80の変位を表し得るが、ストラット80は、実際には存在しないため、実際は、モデル応答100によって測定される、ストラット80によって占有されるであろう空間の変位である。仮想試験道路入力に加え、付加的モデル入力が、参照番号98として示される。車両モデル70への付加的モデル入力98は、試験装置72からの試験装置応答94に基づく。試験装置72において測定された力等の付加的モデル入力98は、試験の際、車両モデル70に同時に適用される。初期反復(N=0)の場合、モデル入力98は、典型的には、ゼロであるだろう。
【0030】
モデル応答100は、試験装置72からの試験装置応答96と比較される。また、モデル応答100が、変位である場合、本試験装置応答96は、変位でなければならない。102の比較は、試験装置応答96とモデル応答100との間で行われ、応答差異103を形成する。
【0031】
応答差異103、この場合、変位差は、所望の差異104と比較される。典型的には、所望の差異104は、反復的制御プロセスのために、ゼロに設定されるであろう。しかしながら、さらなる実施形態では、他の所望の差異も、本開示の範囲から逸脱することなく、採用され得る。
【0032】
応答差異103と所望の差異104との間の比較106は、図6に示されるステップにおいて以前に決定されたシステム動的応答モデル76の逆数(FRF−1)によって使用される、シミュレーションエラー107をもたらす。システム動的応答モデル76の逆数は、図7における参照番号108として描写される。駆動値補正値109が、112において、以前の試験装置駆動値信号110に追加され、次の試験装置駆動値信号114を生成する。
【0033】
次の試験装置駆動値信号114は、試験装置72に適用され、第1および第2の応答が、測定される。車両モデルに適用される応答である、応答94は、モデル応答である、応答96と比較される応答である。プロセスは、結果として生じるシミュレーションエラー107が所望の許容値に減少するまで、反復的に繰り返される。
【0034】
車両70のモデル化および最終試験装置駆動値信号の決定は、単一プロセッサ内で行うことが可能である。しかしながら、ある実施形態では、複数のプロセッサが、採用され得る。また、シミュレーションエラーを決定するためのプロセスおよび試験装置駆動値信号114の決定は、オフラインで行われ、上述の利点をもたらし得ることを理解されたい。
【0035】
試験装置駆動値信号114の決定後、最終試験装置駆動値信号114は、図8に見られるように、試験構成要素80の試験の際に使用される。試験装置駆動値信号114は、装置72を駆動する、試験装置コントローラ74への入力である。故に、以前に測定および試験された、または実際に存在する物理的車両を必要とせずに、性能試験、耐久性試験、および他の種類の試験は、ストラット等の物理的構成要素80上で行われ得る。物理的構成要素は、ハイブリッドシステムの一部であるため、構成要素の複雑なモデルも必要ない。オフライン測定は、物理的車両または他のシステムの必要性を回避するが、リアルタイムモデル化システムの性能を必要とせずに、システムのモデルを使用可能にする。
【0036】
図9は、試験装置72に連結される、プロセッサ120のブロック図を示す。また、プロセッサ120は、データベース122と、インターフェース、モニタ等の処理と関連付けられた任意の他の従来の構成要素とに連結され得る。プロセッサ120と試験装置72との間の接続として示されるが、接続は、リアルタイムmHILシステムの図3に示される、反映メモリプロセッサリンク54ではないことに留意されたい。プロセッサ120と試験装置72との間の連結は、図6−8に既に描写されるように、試験装置72に信号を提供するにすぎない。
【0037】
図10は、本開示の実施形態による、連結されたハイブリッド動的システムのシミュレーションのオフラインmHIL制御を行うための簡素化された方法を示す。図10に描写される方法論は、図6−8に関して説明されたステップを包含する。
【0038】
ステップ200では、ランダム装置駆動値78が、搭載された構成要素80を伴う、試験装置72に導入される。ステップ202では、第1の試験装置応答が、試験構成要素を除く、システムのモデルに適用され、モデル応答を生成する。モデル応答は、ステップ204において、第2の試験装置応答と比較され、応答差異を生成する。ステップ206では、システム動的応答モデルが、ランダム装置駆動値および応答差異から生成される。ステップ200−206は、これらのステップが、周波数応答関数等のシステム動的応答モデルのオフラインmHIL測定を行うように、図6に関して説明されたステップを表す。
【0039】
後述のステップ208−222は、図7のオフラインmHIL反復プロセスにおいて行われたステップを表す。ステップ208では、被試験構成要素を除く、システムのモデルが、駆動され、モデル応答を生成する。システムモデルの駆動は、システムモデルへの入力として、試験装置応答を含む。ステップ210では、モデル応答は、代替試験装置応答と比較され、応答差異を生成する。応答差異は、ステップ212において、所望の差異と比較され、シミュレーションエラーを生成する。ステップ214では、シミュレーションエラーが許容値未満であるかどうかが決定される。回答が「いいえ」であると仮定すると、次いで、ステップ216において、駆動値補正値が、逆数システム動的応答モデルを使用して、シミュレーションエラーから生成される。駆動値補正値は、ステップ218において、以前の試験装置駆動値に追加される。補正された試験装置駆動値は、ステップ220において、試験装置に提供され、試験装置駆動値に対する試験装置応答が、ステップ222において、測定され、駆動値モデルへの入力として、モデル応答との比較のために提供される。プロセスは、ステップ208に戻り、ステップ214で決定されるように、シミュレーションエラーが許容値未満となるまで、繰り返される。
【0040】
ステップ224は、図8に描写される、物理的構成要素を試験するプロセスを表す。物理的構成要素80は、試験装置72を駆動するために、最後に補正された試験装置駆動値信号114を使用して試験される。
【0041】
本開示の実施形態は、ハードウェア回路とソフトウェアとのどんな特定の組み合わせにも限定されない。本開示のある側面によると、処理は、データベースまたはメモリ122内に含まれる1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行する、図9のプロセッサ120を使用して実装され得る。そのような命令は、命令を含むディスク等の別の機械可読媒体からデータベースまたはメモリ122に読み込まれ、例えば、ディスクドライブ(図示せず)によって読み取られてもよい。データベースまたはメモリ122内に含まれる命令のシーケンスの実行は、プロセッサ120に、上述のプロセスステップを行わせる。また、多重処理構成の1つ以上のプロセッサが採用され、データベースまたはメモリ122内に含まれる命令のシーケンスを実行し得る。代替実施形態では、配線回路が、ソフトウェア命令の代わりに、またはそれと組み合わせて使用され、本開示の種々の実施形態を実装し得る。
【0042】
本明細書で使用される用語「機械可読媒体」とは、実行のために、プロセッサ120に命令を提供する際に関与する、任意の媒体を指す。そのような媒体は、多くの形態をとってもよく、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含むが、それらに限定されない。不揮発性媒体は、例えば、光学または磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、動的メモリを含む。伝送媒体は、同軸ケーブル、銅線、および光ファイバを含む。また、伝送媒体は、無線周波数および赤外線データ通信の際に生成されるような音響または光波の形態をとることも可能である。機械可読媒体の一般的形態として、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD−ROM、DVD、任意の他の光学媒体、パンチカード、穿孔テープ、穿孔パターンを伴う任意の他の物理的媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH EPROM、任意の他のメモリチップまたはカートリッジ、搬送波、あるいはコンピュータが読取可能な任意の他の媒体を含む。
【0043】
本開示の実施形態は、詳細に説明および例証されたが、これらは、例証および例示にすぎず、制限として捉えられるものではなく、発明の範囲は、添付の請求項の観点からのみ制限される。
【技術分野】
【0001】
本開示は、シミュレーションの分野に関し、より具体的には、動的システムのシミュレーションを制御するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両および車両構成要素等、複雑な動的システムの設計ならびに評価においては、構成要素を試験し、調節することが望ましく、必要とされる場合が多い。これは、車両性能に及ぼす車両構成要素の影響と、構成要素に及ぼす車両の影響とを決定することになる。耐久性試験だけではなく、望ましい他の種類の試験も行われ得る。いくつかの異なる方法論およびシステムが、車両における構成要素の試験の際に採用されている。
【0003】
図1−4は、従来の実験シミュレーション試験のためのデータ収集システムおよび方法を示す。そのような方法では、物理的車両10が、試験道路12上で駆動され、特定の構成要素応答が測定される。例えば、物理的車両10内に搭載されたストラット式サスペンション(図示せず)の変位が、測定され、適切なデータベース内に記憶可能である。これらの応答は、参照番号14として提供される。ストラット等の特定の構成要素の応答は、試験制御プロセスのために、基準測定値として使用される。
【0004】
次に、図2を参照すると、ここでは、ランダム装置駆動値とも称される、一般的(すなわち、ランダム振幅、広帯域周波数)駆動値16が、試験装置18に入力される。特定の車両構成要素、本実施例では、ストラット式サスペンション20が、試験装置18内に搭載される。装置コントローラ22は、ランダム装置駆動値16からの駆動値信号を変換し、試験装置18の移動を制御する。ストラット20の変位等、試験構成要素の応答が、試験装置18で測定される。測定値は、24で提供され、試験構成要素応答を形成する。図2の実施例では、試験構成要素応答24は、入力および装置16に応答したランダム装置変位である。ランダム装置駆動値16の入力およびランダム装置変位24の測定は、リアルタイムプロセスである。装置コントローラ22は、ランダム駆動値16に単に応答するのみであるため、複雑な追跡コントローラである必要はない。装置コントローラ22は、装置または試料動態を補償するために、複雑なリアルタイムのモデル化計算を行わない。
【0005】
試験構成要素応答24は、試験装置駆動値16と併用され、一般的システム動的応答モデル26を計算する。応答モデルは、試験システムおよび構成要素の連結された動態を表す。多入力多出力試験では、また、制御入力との間の相互連結された動態も表すであろう。応答モデル26、典型的には、周波数応答関数(FRF)は、反転され、シミュレーション制御プロセスにおいて、試験装置駆動値予測のために使用されることになる。本実施例では、駆動値および応答時間履歴全体が、明確に定義されたFRFを計算するために必要とされるため、一般的システム動的応答モデル26の決定は、オフラインプロセスである。
【0006】
故に、従来の試験システムおよびプロセスでは、第1のステップは、試験装置18における実験室において存在する入力/出力関係を決定することである。試験のための制御システムへの入力と、そのシステムがそれらの入力に対してどのように応答するかとの関係が、理解される必要がある。本理解によって、補償された試験駆動値信号が、開発され、任意の所望の構成要素応答を生成可能となる。
【0007】
構成要素が、車両環境において、どのように応答するのか(図1参照)と、試験環境が、構成要素応答にどのように影響するのか(図2参照)とを決定後、次いで、図3に描写されるように、反復的試験駆動値信号開発プロセスが、行われる。
【0008】
初期反復(N=0)では、試験装置応答は、ゼロとみなされ、図1で既に決定された所望の応答32が、図2で決定された一般的システム動的応答モデル26の逆数(FRF−1)40と併用され、初期駆動値をもたらす。各反復では、現在の試験装置応答30が、所望の応答と比較される。比較器34は、シミュレーションエラーを提供し、逆数(FRF−1)を使用して、駆動値補正値38を生成する。この時点で、反復数が、増分される。
【0009】
駆動値補正値38は、以前の試験装置駆動値40に追加され、次の試験装置駆動値42を生成する。以前の試験装置応答に応答した次の試験装置駆動値の決定は、オフラインプロセスである。
【0010】
次の試験装置駆動値42は、試験装置18に適用され、構成要素応答30が、測定される。図3のプロセスは、結果として生じるシミュレーションエラーが、所望の許容値を下回るまで、反復的に繰り返される。試験駆動値の反復を行う際、試験装置駆動値42は、以前に測定された試験装置18からの応答を取得するために、増分的に変更される。言い換えると、図1のデータ収集段階の際にすでに取得された物理的車両構成要素からの同一応答を生じさせるであろう試験装置駆動値42が、決定される。
【0011】
シミュレーションエラーが所定の値を下回るまで、反復プロセスを通して、試験装置駆動値42が決定されると、図4から分かるように、現時点での最終試験装置駆動値44が、構成要素の後続試験のために使用される。性能試験、耐久性試験等、異なる種類の試験を行うことが可能である。
【0012】
従来の反復的試験方法は、ある効果を有するが、この方法の場合、試験を調製する前に、望ましい車両を固定し、器具を装着し、試験データを取得することが要件となる。これは、ある点において、従来のシミュレーション試験システムおよび方法をあまり有用ではないものにする。構成要素応答を測定するための好適な試験車両は、車両構成要素を試験する必要性に先立って得られることが不可能である可能性がある。例えば、未だ製造されていない、または試作品さえ作製されていない、新しいモデル車等、未だ存在しない車両の車両構成要素の応答を決定することが所望される場合がある。さらに、物理的構成要素試験のためのデータを測定するために、車両を適切に調製する時間またはリソースが不十分である場合が多い。さらに、多数の構成要素の変形例が、試験される必要がある場合があり、各変形例は、車両内の構成要素応答に影響を及ぼすであろう。また、車両システム内の構成要素の応答は、耐久性試験において等、経時的に徐々に変化する場合が多く、試験は、試験が有効のままであるように適応されなければならない。
【0013】
図5は、物理的構成要素を試験するための別のシステムおよび方法論を描写しており、リアルタイムmHIL(ループ内のモデルハードウェア)として知られる。図1−4に描写される試験方法とは対照的に、物理的車両は、搭載された重要となる構成要素とともに、道路上を駆動されない。代わりに、仮想車両が、搭載された重要となる構成要素を伴わずに使用され、仮想道路上で駆動される。本車両は、プロセッサ(図示せず)によってモデル化される。参照番号50として表される車両モデルは、物理的試験構成要素を排除する。車両モデルは、仮想試験道路上で駆動され、応答52を生成する。本応答52は、試験装置58等の物理的試験システムへの制御入力56として、反映メモリプロセッサリンク54を通して適用される。
【0014】
試験装置58は、モデルが提供される、複雑な装置コントローラ60を含む。仮想車両内に生じたことは何でも、試験装置58内の物理的構成要素62にも生じさせる必要がある。故に、試験装置58は、車両モデル50内に提供されていなかった物理的試験構成要素を含む。
【0015】
試験装置58内の物理的構成要素62の応答は、車両50のモデルへの付加的入力64として提供される。本応答は、反映メモリリンク54を介して、モデル50にリアルタイムで提供される。
【0016】
図5に描写されるリアルタイムmHILプロセスは、物理的構成要素試験応答が即座に評価され、試験環境内の変化に自動的に適応する閉ループプロセスである。本システムの適用の制限は、リアルタイム車両モデルの忠実性、反映メモリリンクおよびプロセッサの速度、ならびに試験装置コントローラ60の追跡性能である。そのようなシステムが作動するために、モデルは、リアルタイムで動作する必要がある。今日の技術によって、これを達成するためには、車両モデルおよび装置コントローラ内のモデル化は、簡素化される必要がある場合がある。また、リアルタイムに可能なモデルは、より高い周波数では、忠実性に欠ける場合があるが、耐久性を評価する技術者は、正確な試験を達成するために、これらの周波数のシミュレーションを必要とする場合がある。故に、図5のリアルタイムmHILプロセスおよび構成は、そのようなシステムの有用性を制限し得る、制約を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
物理的車両または他のシステムからデータを取得する必要性を回避し、また、試験装置から車両モデルにフィードバックリンクを提供する、システムおよび方法を提供する必要性がある。一般に、ハイブリッドシミュレーションは、一般的試験能力に対する可能性をもたらす。これは、特定の一意的システム入力または応答を把握する必要なく、分離された物理的サブシステムの正確なシミュレーションおよび試験が可能であることを意味する。仮想構成要素動態が、物理的システム力および動作に連結される最適な実装では、ハイブリッドシステムは、システム入力において生じる任意の変化、あるいは物理的構成要素挙動または仮想構成要素挙動の変化に正確に応答可能である。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述の必要性は、連結されたハイブリッド動的システムのシミュレーションを制御するための構成を提供する、本開示によるシステムおよび方法によって充足される。構成は、システムの物理的構造構成要素を駆動し、試験装置に入力される駆動値信号を適用する結果として試験装置応答を生成するように構成される物理的試験装置を備える。プロセッサは、物理的構成要素の相補的システムの仮想モデルによって構成される。プロセッサは、入力として、試験装置応答を受信し、入力としての受信した試験装置応答の第1の部分と仮想駆動値とを使用して、システムのモデル応答を生成する。プロセッサは、試験装置応答の異なる第2の部分を対応するモデル応答と比較し、差異を形成するようにさらに構成され、差異は、試験装置駆動値信号を生成するシステム動的応答モデルを形成するために、使用される。
【0019】
ある実施形態では、プロセッサは、試験駆動値信号を生成し、試験装置応答を受信し、モデル応答を生成し、試験装置応答をモデル応答と比較し、ハイブリッドシミュレーションプロセスエラーを生成するようにさらに構成される。次いで、エラーは、モデル応答と試験装置応答との間の差異が規定閾値を下回るまで、反復的方式において、システム動的応答モデルの逆数を使用して、減少される。
【0020】
開示される実施形態の上述の特徴、側面、および利点は、以下の発明を実施するための形態ならびに付随の図面からより明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、従来技術による、データ収集プロセスの概略ブロック図である。
【図2】図2は、従来技術による、応答シミュレーション試験構成のための応答モデルの測定の概略ブロック図である。
【図3】図3は、従来技術による、反復的シミュレーションエラー減少プロセスを行う、応答シミュレーション試験システムの概略ブロック図である。
【図4】図4は、従来技術による、シミュレーション実験試験を行うためのシステムの概略ブロック図である。
【図5】図5は、従来技術による、ループ内リアルタイムモデルハードウェア(mHIL)システムの概略ブロック図である。
【図6】図6は、本開示の実施形態による、オフラインmHILシステム動的応答測定を行うためのシステムを描写する。
【図7】図7は、本開示の実施形態による、図6のオフラインmHILシステムを採用する、反復プロセスの概略ブロック図である。
【図8】図8は、本開示の実施形態による、オフラインmHIL試験の概略ブロック図である。
【図9】図9は、本開示の実施形態による、図6−8に描写される、オフラインmHILプロセスを行うためのシステムのブロック図を描写する。
【図10】図10は、本開示の実施形態による、オフラインmHIL反復および試験を行うための方法内のあるステップの工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示の実施形態は、他のシステムにおいてデータを取得する必要性、リアルタイムモデル化を行う必要性、およびそのようなリアルタイムモデル化が課す制約に関する懸念等、動的システムの制御に関連する問題に対処し、解決する。本開示の実施形態は、一部として、連結されたハイブリッド動的システムのシミュレーションを制御するための構成を提供することによって、これらの懸念に対処し、解決する。構成は、システムの物理的構造構成要素を駆動し、試験装置に入力される駆動値信号を適用する結果として、試験装置応答を生成するように構成される、物理的試験装置を備える。プロセッサは、システムの仮想モデルによって構成される。プロセッサは、試験装置応答を受信し、入力としての受信した試験装置応答の第1の部分と仮想駆動値との使用に基づいて、システムのモデル応答を生成する。プロセッサは、試験装置応答の異なる第2の部分を対応するモデル応答と比較するようにさらに構成され、差異は、プロセッサによって使用され、試験装置駆動値信号を生成するために、システム動的応答モデルを形成する。これは、システム応答モデル化ステップである。試験駆動値開発ステップでは、ある実施形態に提供されるように、システム動的応答モデルの逆数を反復的に使用して、モデル応答と規定閾値を下回る試験装置応答との間の差異を減少させる。本アプローチの利点の1つは、完全な物理的システムが必要とされず、むしろ、非試験システム構成要素のオフラインの非リアルタイムモデルが、採用され得ることである。さらに、方法は、実際は、構成要素の正確なモデルが利用不可能であるため、試験される場合が多い、物理的構成要素をモデル化する必要性を回避する。故に、計算能力、計算速度、および試験される構成要素の正確なモデルの可用性に基づく制限が、回避される。
【0023】
図6は、本開示の実施形態による、連結されたハイブリッド動的システムのシミュレーションを制御するための構成を描写する。本構成では、車両モデル70は、プロセッサ上に提供される(図9に見られるように)。しかしながら、車両のモデルは、例示にすぎず、他のシステムも、本開示から逸脱することなく、モデル化され得る。また、説明の目的のために、物理的構成要素は、車両サスペンションシステム内で採用される、ストラットである。他の構成要素が、試験されてもよく、ストラットは、物理的構成要素の実施例にすぎない。また、試験装置72も、提供される。本実施例では、試験装置72は、試験装置72内に搭載された物理的ストラットを試験するように構成される。しかしながら、試験装置73は、他の構造構成要素を試験するように構成され得る。
【0024】
試験装置72は、装置コントローラ74を有する。図4のリアルタイムmHILシステムの装置コントローラ60と異なり、図5の実施形態における装置コントローラ74は、モデルコマンドに対して即時応答を提供する、複雑なシステムモデルを有する必要はない。複雑性を欠いているため、安価な装置コントローラが、採用され得る。さらに、より高い周波数における試験が、実現され得る。
【0025】
構成は、試験装置72を駆動するために使用される、駆動値信号を生成するために採用される、システム動的応答モデルを形成する。システム動的応答モデル76は、一実施例として、周波数応答関数(FRF)であり得る。また、システム動的応答モデル76は、システムモデル70が起動される同一プロセッサによって、決定または計算され得る(例えば、図9参照)。しかしながら、また、システム動的応答モデル76は、図に示されない別個のプロセッサ上で決定および計算され得る。
【0026】
図6は、システム動的応答モデル76を形成する、構成およびステップを描写する。これは、システム応答モデル化ステップと称され得る。本システム動的応答モデルは、後述の図7の反復プロセスにおいて採用されることになる。図6では、ランダム試験装置駆動値78が、車両構成要素80(ストラット等)が搭載された試験装置72に導入される。ランダム試験装置駆動値78は、ランダム振幅、広帯域周波数駆動値等、一般的駆動値であり得る。本開示の実施形態では、2つの応答が測定されるが、構成は、2つの応答に限定されない。ランダム試験装置力信号82等のこれらの応答のうちの1つは、車両モデル70に適用されることになる。ランダム装置変位84等の他の応答は、モデル応答と比較される応答である。図6の本開示の実施形態では、第1の応答は、試験装置72上のストラットによって及ぼされる力である一方、第2の応答84は、装置コントローラ74への入力としても提供され得る、ストラット80の変位である。力および変位信号は、例示にすぎず、他の応答信号が、試験装置72から提供され得ることに留意されたい。
【0027】
ランダム装置力82等の試験装置からの応答は、入力として供給され、車両モデル70へのランダムモデル駆動値86を形成する。車両モデル70は、被試験構成要素、この場合、ストラット80を除外する。車両モデル70は、ランダムモデル応答信号88、この場合、変位によって、ランダムモデル駆動値入力信号86に応答する。
【0028】
プロセスの第3のステップでは、モデル応答88は、関連付けられた試験装置応答84と比較される。比較90が、行われ、応答差異92を形成する。応答差異とランダム装置駆動値との間の関係は、システム動的応答モデルを確立する。本結合された応答モデル76は、反転され、図7の反復的シミュレーション制御プロセスにおける試験装置駆動値予測のために使用されることになる。結合されたシステム動的応答モデル76の決定は、高出力および高速計算能力を必要としないように、オフラインプロセスにおいて行われ得る。さらに、図6のオフラインmHILシステム動的応答モデル測定値の場合、物理的車両等の実際のシステムは、必要とされない。これは、物理的システムを採用する場合に特有の不利点の多くを克服する。データを取得する必要性がないため、構成要素が仮想モデル内または物理的環境内でどのように応答するかの以前の知識を伴わずに、任意の構成要素が、試験可能である。システム動的応答モデルのオフラインmHIL測定値は、モデル応答と、構成要素が物理的システム内にある場合の装置入力に対する装置応答との差異の感度を測定する。装置駆動値とシステム応答差異との間の関係92が、モデル化されると、図7に見られるように、オフラインmHIL反復プロセスが行われる。これは、試験駆動値開発ステップとして見なされ得る。
【0029】
オフライン反復である、図7の反復プロセスでは、試験構成要素を除く、仮想システムが、作動される。例示的実施形態では、仮想システムは、仮想車両であって、除外される試験構成要素は、ストラット80である。仮想車両は、試験道路上を駆動され、モデル応答100を生成する。実施例として、モデル応答100は、ストラット80の変位を表し得るが、ストラット80は、実際には存在しないため、実際は、モデル応答100によって測定される、ストラット80によって占有されるであろう空間の変位である。仮想試験道路入力に加え、付加的モデル入力が、参照番号98として示される。車両モデル70への付加的モデル入力98は、試験装置72からの試験装置応答94に基づく。試験装置72において測定された力等の付加的モデル入力98は、試験の際、車両モデル70に同時に適用される。初期反復(N=0)の場合、モデル入力98は、典型的には、ゼロであるだろう。
【0030】
モデル応答100は、試験装置72からの試験装置応答96と比較される。また、モデル応答100が、変位である場合、本試験装置応答96は、変位でなければならない。102の比較は、試験装置応答96とモデル応答100との間で行われ、応答差異103を形成する。
【0031】
応答差異103、この場合、変位差は、所望の差異104と比較される。典型的には、所望の差異104は、反復的制御プロセスのために、ゼロに設定されるであろう。しかしながら、さらなる実施形態では、他の所望の差異も、本開示の範囲から逸脱することなく、採用され得る。
【0032】
応答差異103と所望の差異104との間の比較106は、図6に示されるステップにおいて以前に決定されたシステム動的応答モデル76の逆数(FRF−1)によって使用される、シミュレーションエラー107をもたらす。システム動的応答モデル76の逆数は、図7における参照番号108として描写される。駆動値補正値109が、112において、以前の試験装置駆動値信号110に追加され、次の試験装置駆動値信号114を生成する。
【0033】
次の試験装置駆動値信号114は、試験装置72に適用され、第1および第2の応答が、測定される。車両モデルに適用される応答である、応答94は、モデル応答である、応答96と比較される応答である。プロセスは、結果として生じるシミュレーションエラー107が所望の許容値に減少するまで、反復的に繰り返される。
【0034】
車両70のモデル化および最終試験装置駆動値信号の決定は、単一プロセッサ内で行うことが可能である。しかしながら、ある実施形態では、複数のプロセッサが、採用され得る。また、シミュレーションエラーを決定するためのプロセスおよび試験装置駆動値信号114の決定は、オフラインで行われ、上述の利点をもたらし得ることを理解されたい。
【0035】
試験装置駆動値信号114の決定後、最終試験装置駆動値信号114は、図8に見られるように、試験構成要素80の試験の際に使用される。試験装置駆動値信号114は、装置72を駆動する、試験装置コントローラ74への入力である。故に、以前に測定および試験された、または実際に存在する物理的車両を必要とせずに、性能試験、耐久性試験、および他の種類の試験は、ストラット等の物理的構成要素80上で行われ得る。物理的構成要素は、ハイブリッドシステムの一部であるため、構成要素の複雑なモデルも必要ない。オフライン測定は、物理的車両または他のシステムの必要性を回避するが、リアルタイムモデル化システムの性能を必要とせずに、システムのモデルを使用可能にする。
【0036】
図9は、試験装置72に連結される、プロセッサ120のブロック図を示す。また、プロセッサ120は、データベース122と、インターフェース、モニタ等の処理と関連付けられた任意の他の従来の構成要素とに連結され得る。プロセッサ120と試験装置72との間の接続として示されるが、接続は、リアルタイムmHILシステムの図3に示される、反映メモリプロセッサリンク54ではないことに留意されたい。プロセッサ120と試験装置72との間の連結は、図6−8に既に描写されるように、試験装置72に信号を提供するにすぎない。
【0037】
図10は、本開示の実施形態による、連結されたハイブリッド動的システムのシミュレーションのオフラインmHIL制御を行うための簡素化された方法を示す。図10に描写される方法論は、図6−8に関して説明されたステップを包含する。
【0038】
ステップ200では、ランダム装置駆動値78が、搭載された構成要素80を伴う、試験装置72に導入される。ステップ202では、第1の試験装置応答が、試験構成要素を除く、システムのモデルに適用され、モデル応答を生成する。モデル応答は、ステップ204において、第2の試験装置応答と比較され、応答差異を生成する。ステップ206では、システム動的応答モデルが、ランダム装置駆動値および応答差異から生成される。ステップ200−206は、これらのステップが、周波数応答関数等のシステム動的応答モデルのオフラインmHIL測定を行うように、図6に関して説明されたステップを表す。
【0039】
後述のステップ208−222は、図7のオフラインmHIL反復プロセスにおいて行われたステップを表す。ステップ208では、被試験構成要素を除く、システムのモデルが、駆動され、モデル応答を生成する。システムモデルの駆動は、システムモデルへの入力として、試験装置応答を含む。ステップ210では、モデル応答は、代替試験装置応答と比較され、応答差異を生成する。応答差異は、ステップ212において、所望の差異と比較され、シミュレーションエラーを生成する。ステップ214では、シミュレーションエラーが許容値未満であるかどうかが決定される。回答が「いいえ」であると仮定すると、次いで、ステップ216において、駆動値補正値が、逆数システム動的応答モデルを使用して、シミュレーションエラーから生成される。駆動値補正値は、ステップ218において、以前の試験装置駆動値に追加される。補正された試験装置駆動値は、ステップ220において、試験装置に提供され、試験装置駆動値に対する試験装置応答が、ステップ222において、測定され、駆動値モデルへの入力として、モデル応答との比較のために提供される。プロセスは、ステップ208に戻り、ステップ214で決定されるように、シミュレーションエラーが許容値未満となるまで、繰り返される。
【0040】
ステップ224は、図8に描写される、物理的構成要素を試験するプロセスを表す。物理的構成要素80は、試験装置72を駆動するために、最後に補正された試験装置駆動値信号114を使用して試験される。
【0041】
本開示の実施形態は、ハードウェア回路とソフトウェアとのどんな特定の組み合わせにも限定されない。本開示のある側面によると、処理は、データベースまたはメモリ122内に含まれる1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行する、図9のプロセッサ120を使用して実装され得る。そのような命令は、命令を含むディスク等の別の機械可読媒体からデータベースまたはメモリ122に読み込まれ、例えば、ディスクドライブ(図示せず)によって読み取られてもよい。データベースまたはメモリ122内に含まれる命令のシーケンスの実行は、プロセッサ120に、上述のプロセスステップを行わせる。また、多重処理構成の1つ以上のプロセッサが採用され、データベースまたはメモリ122内に含まれる命令のシーケンスを実行し得る。代替実施形態では、配線回路が、ソフトウェア命令の代わりに、またはそれと組み合わせて使用され、本開示の種々の実施形態を実装し得る。
【0042】
本明細書で使用される用語「機械可読媒体」とは、実行のために、プロセッサ120に命令を提供する際に関与する、任意の媒体を指す。そのような媒体は、多くの形態をとってもよく、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含むが、それらに限定されない。不揮発性媒体は、例えば、光学または磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、動的メモリを含む。伝送媒体は、同軸ケーブル、銅線、および光ファイバを含む。また、伝送媒体は、無線周波数および赤外線データ通信の際に生成されるような音響または光波の形態をとることも可能である。機械可読媒体の一般的形態として、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD−ROM、DVD、任意の他の光学媒体、パンチカード、穿孔テープ、穿孔パターンを伴う任意の他の物理的媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH EPROM、任意の他のメモリチップまたはカートリッジ、搬送波、あるいはコンピュータが読取可能な任意の他の媒体を含む。
【0043】
本開示の実施形態は、詳細に説明および例証されたが、これらは、例証および例示にすぎず、制限として捉えられるものではなく、発明の範囲は、添付の請求項の観点からのみ制限される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結されたハイブリッド動的システムのシミュレーションを制御するための構成であって、
該システムの物理的構造構成要素を駆動するように構成される物理的試験装置であって、該試験装置に対する駆動値信号入力の印加の結果として試験装置応答を生成する、物理的試験装置と、
該システムの仮想モデルを用いて構成されるプロセッサであって、該試験装置応答を受信して、入力としての該受信した試験装置応答の第1の部分と仮想駆動値との使用に基づいて、該システムのモデル応答を生成するプロセッサと
を備え、該プロセッサは、該試験装置応答の異なる第2の部分を該対応するモデル応答と比較することにより、差異を形成するようにさらに構成され、該差異は、該試験装置駆動値信号を生成するシステム動的応答モデルを形成するために、該プロセッサによって使用される、構成。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記試験装置駆動値信号を生成することと、前記試験装置応答を受信することと、モデル応答を生成することと、該試験装置応答を該モデル応答と比較することにより、シミュレーションプロセスエラーを生成することと、該モデル応答と該試験装置応答との間の差異が規定閾値を下回るまで、前記システム動的応答モデルの逆数を反復的に使用して、該エラーを減少させることと
を行うようにさらに構成される、請求項1に記載の構成。
【請求項3】
前記物理的試験装置は、前記物理的構造構成要素を駆動して、試験装置駆動値信号をリアルタイムで生成し、前記プロセッサは、前記試験装置応答を前記モデル応答と比較することにより、シミュレーションプロセスエラーをオフラインで生成する、請求項2に記載の構成。
【請求項4】
前記試験装置応答は、前記システムのモデルへの入力を形成する第1の構成要素と、該第1の構成要素への入力に対する前記モデル応答との比較のための入力を形成する第2の構成要素とを含む、請求項3に記載の構成。
【請求項5】
前記第1の構成要素は、前記システムのモデルへの入力信号を形成する測定された力信号である、請求項4に記載の構成。
【請求項6】
前記第2の構成要素は、測定された変位信号であり、前記モデル応答は、前記システムの変位信号である、請求項5に記載の構成。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記測定された変位信号を前記システムの変位信号と比較することにより、変位差を形成し、該変位差を所望の変位差と比較することにより、シミュレーションエラー信号を形成するようにさらに構成される、請求項6に記載の構成。
【請求項8】
前記プロセッサは、システム動的モデルの逆数を使用して、駆動値補正値信号を生成するようにさらに構成される、請求項7に記載の構成。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記駆動値補正値信号を前記試験装置駆動値信号と結合することにより、該試験駆動値信号として前記試験装置に入力される更新された試験装置信号を形成するようにさらに構成される、請求項8に記載の構成。
【請求項10】
前記システムは、車両である、請求項9に記載の構成。
【請求項11】
前記第1の構成要素は、前記システムのモデルへの入力信号を形成する測定された変位信号である、請求項4に記載の構成。
【請求項12】
前記第2の構成要素は、測定された力信号であり、前記モデル応答は、前記システムの力信号である、請求項11に記載の構成。
【請求項13】
連結されたハイブリッド動的システムのシミュレーションを制御する方法であって、
試験装置上でシステムの物理的構造構成要素を駆動するステップであって、該ステップは、該試験装置に駆動値信号入力を印加することによって、結果としての試験装置応答を生成する、ステップと、
該システムの仮想モデルによって構成されるプロセッサにおいて、該試験装置応答を受信して、入力としての該受信した試験装置応答の第1の部分の使用に基づいて、該システムのモデル応答を生成するステップと、
該試験装置応答の異なる第2の部分を該対応するモデル応答と比較することにより、差異を形成するステップと、
該試験装置駆動値信号を生成するシステム動的応答モデルを形成するために、該差異を使用するステップと
を含む、方法。
【請求項14】
仮想駆動値を適用するステップと、前記試験装置駆動値信号を生成するステップと、前記試験装置応答を受信するステップと、モデル応答を生成するステップと、該試験装置応答を該モデル応答と比較することにより、シミュレーションプロセスエラーを生成するステップと、該モデル応答と該試験装置応答との間の差異が規定閾値を下回るまで、前記システム動的応答モデルの逆数を反復的に使用して、該エラーを減少させるステップとをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
プロセッサに、連結されたハイブリッド動的システムのシミュレーションを制御させる命令によってエンコードされた機械可読媒体であって、該命令は、
試験装置上でシステムの物理的構造構成要素を駆動するステップであって、該ステップは、該試験装置に駆動値信号入力を印加することによって、結果としての試験装置応答を生成する、ステップと、
該システムの仮想モデルによって構成される該プロセッサにおいて、該試験装置応答を受信して、入力としての該受信した試験装置応答の第1の部分の使用に基づいて、該システムのモデル応答を生成するステップと、
該試験装置応答の異なる第2の部分を該対応するモデル応答と比較することにより、差異を形成するステップと、
該試験装置駆動値信号を生成するシステム動的応答モデルを形成するために、該差異を使用するステップと
を行うためのコードを含む、機械可読媒体。
【請求項16】
前記コードは、
仮想駆動値を適用するステップと、
前記試験装置駆動値信号を生成するステップと、
前記試験装置応答を受信するステップと、
モデル応答を生成するステップと、
該試験装置応答を該モデル応答と比較することにより、シミュレーションプロセスエラーを生成するステップと、
該モデル応答と該試験装置応答との間の差異が規定閾値を下回るまで、前記システム動的応答モデルの逆数を反復的に使用して、該エラーを減少させるステップと
を前記プロセッサに制御させることをさらに提供する、請求項15に記載の機械可読媒体。
【請求項1】
連結されたハイブリッド動的システムのシミュレーションを制御するための構成であって、
該システムの物理的構造構成要素を駆動するように構成される物理的試験装置であって、該試験装置に対する駆動値信号入力の印加の結果として試験装置応答を生成する、物理的試験装置と、
該システムの仮想モデルを用いて構成されるプロセッサであって、該試験装置応答を受信して、入力としての該受信した試験装置応答の第1の部分と仮想駆動値との使用に基づいて、該システムのモデル応答を生成するプロセッサと
を備え、該プロセッサは、該試験装置応答の異なる第2の部分を該対応するモデル応答と比較することにより、差異を形成するようにさらに構成され、該差異は、該試験装置駆動値信号を生成するシステム動的応答モデルを形成するために、該プロセッサによって使用される、構成。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記試験装置駆動値信号を生成することと、前記試験装置応答を受信することと、モデル応答を生成することと、該試験装置応答を該モデル応答と比較することにより、シミュレーションプロセスエラーを生成することと、該モデル応答と該試験装置応答との間の差異が規定閾値を下回るまで、前記システム動的応答モデルの逆数を反復的に使用して、該エラーを減少させることと
を行うようにさらに構成される、請求項1に記載の構成。
【請求項3】
前記物理的試験装置は、前記物理的構造構成要素を駆動して、試験装置駆動値信号をリアルタイムで生成し、前記プロセッサは、前記試験装置応答を前記モデル応答と比較することにより、シミュレーションプロセスエラーをオフラインで生成する、請求項2に記載の構成。
【請求項4】
前記試験装置応答は、前記システムのモデルへの入力を形成する第1の構成要素と、該第1の構成要素への入力に対する前記モデル応答との比較のための入力を形成する第2の構成要素とを含む、請求項3に記載の構成。
【請求項5】
前記第1の構成要素は、前記システムのモデルへの入力信号を形成する測定された力信号である、請求項4に記載の構成。
【請求項6】
前記第2の構成要素は、測定された変位信号であり、前記モデル応答は、前記システムの変位信号である、請求項5に記載の構成。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記測定された変位信号を前記システムの変位信号と比較することにより、変位差を形成し、該変位差を所望の変位差と比較することにより、シミュレーションエラー信号を形成するようにさらに構成される、請求項6に記載の構成。
【請求項8】
前記プロセッサは、システム動的モデルの逆数を使用して、駆動値補正値信号を生成するようにさらに構成される、請求項7に記載の構成。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記駆動値補正値信号を前記試験装置駆動値信号と結合することにより、該試験駆動値信号として前記試験装置に入力される更新された試験装置信号を形成するようにさらに構成される、請求項8に記載の構成。
【請求項10】
前記システムは、車両である、請求項9に記載の構成。
【請求項11】
前記第1の構成要素は、前記システムのモデルへの入力信号を形成する測定された変位信号である、請求項4に記載の構成。
【請求項12】
前記第2の構成要素は、測定された力信号であり、前記モデル応答は、前記システムの力信号である、請求項11に記載の構成。
【請求項13】
連結されたハイブリッド動的システムのシミュレーションを制御する方法であって、
試験装置上でシステムの物理的構造構成要素を駆動するステップであって、該ステップは、該試験装置に駆動値信号入力を印加することによって、結果としての試験装置応答を生成する、ステップと、
該システムの仮想モデルによって構成されるプロセッサにおいて、該試験装置応答を受信して、入力としての該受信した試験装置応答の第1の部分の使用に基づいて、該システムのモデル応答を生成するステップと、
該試験装置応答の異なる第2の部分を該対応するモデル応答と比較することにより、差異を形成するステップと、
該試験装置駆動値信号を生成するシステム動的応答モデルを形成するために、該差異を使用するステップと
を含む、方法。
【請求項14】
仮想駆動値を適用するステップと、前記試験装置駆動値信号を生成するステップと、前記試験装置応答を受信するステップと、モデル応答を生成するステップと、該試験装置応答を該モデル応答と比較することにより、シミュレーションプロセスエラーを生成するステップと、該モデル応答と該試験装置応答との間の差異が規定閾値を下回るまで、前記システム動的応答モデルの逆数を反復的に使用して、該エラーを減少させるステップとをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
プロセッサに、連結されたハイブリッド動的システムのシミュレーションを制御させる命令によってエンコードされた機械可読媒体であって、該命令は、
試験装置上でシステムの物理的構造構成要素を駆動するステップであって、該ステップは、該試験装置に駆動値信号入力を印加することによって、結果としての試験装置応答を生成する、ステップと、
該システムの仮想モデルによって構成される該プロセッサにおいて、該試験装置応答を受信して、入力としての該受信した試験装置応答の第1の部分の使用に基づいて、該システムのモデル応答を生成するステップと、
該試験装置応答の異なる第2の部分を該対応するモデル応答と比較することにより、差異を形成するステップと、
該試験装置駆動値信号を生成するシステム動的応答モデルを形成するために、該差異を使用するステップと
を行うためのコードを含む、機械可読媒体。
【請求項16】
前記コードは、
仮想駆動値を適用するステップと、
前記試験装置駆動値信号を生成するステップと、
前記試験装置応答を受信するステップと、
モデル応答を生成するステップと、
該試験装置応答を該モデル応答と比較することにより、シミュレーションプロセスエラーを生成するステップと、
該モデル応答と該試験装置応答との間の差異が規定閾値を下回るまで、前記システム動的応答モデルの逆数を反復的に使用して、該エラーを減少させるステップと
を前記プロセッサに制御させることをさらに提供する、請求項15に記載の機械可読媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2012−504765(P2012−504765A)
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530156(P2011−530156)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/058945
【国際公開番号】WO2010/039777
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(505383383)エムティーエス システムズ コーポレイション (18)
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/058945
【国際公開番号】WO2010/039777
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(505383383)エムティーエス システムズ コーポレイション (18)
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