説明

連結具

【課題】 二枚の板状体を面一に確実に連結するとともに、容易に着脱することができる連結具を提供する。
【解決手段】 外周に帯状の突縁部が設けられた二枚の板状体を面一に連結するために用いる連結具1であって、連結する二枚の板状体の隣り合う隅角部を、開閉可能に形成された基板3と蓋体4とで挟持するようになした連結具本体2と、このように連結する二枚の板状体の隣り合う隅角部を挟持させた連結具本体2の基板3と蓋体4との外側に被着させる断面コ字状の固定部材5とで構成される。また、連結具本体2の基板3と蓋体4の内側に、板状体の外周に設けられた突縁部と嵌合する位置決め溝が、連結する二枚の板状体の隣り合う隅角部に対応して形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二枚の板状体を面一に連結するために用いられる連結具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から二枚の板状体を面一に連結する場合には、粘着テープを貼って連結するのが一般的であった。
【0003】
しかし、粘着テープを使用した場合、粘着テープを一旦取り外した後は,粘着力が弱まるために再使用することは困難である。また、接着剤が板状体に残ったり、或いは板状体の塗装が剥げるおそれがあるといった問題があった。
【0004】
このために、板状体と分離して着脱自在に構成された連結具が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
この連結具は、嵌合溝を嵌合することにより板状体の周側端部に取り付けられる連結用縁枠であって、複数の係合片が長手方向に一定の間隔をおいて設けられている。そして、一方の板状体に取り付けられた連結用縁枠の係合片に形成された係合溝と、他方の板状体に取り付けられた連結用縁枠の係合片に形成された係合溝とが互いに係合することにより、二枚の板状体が連結されるように構成されている。
【特許文献1】特開2002−967号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した特許文献1に記載の連結具では、係合片に形成された係合溝の係合のみにより連結されるために、板状体同士がずれ易く、また、僅かにずれただけでも外れ易くなってしまうといった問題点があった。また、この連結具は、嵌合溝を嵌合することにより板状体の周側端部に取り付けられるので、厚紙程度の薄くて軽量な板状体に適用できるにとどまり、金属製や木製の薄板のような厚みと重量のある板状体を連結することは困難である。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑み創案されたもので、二枚の板状体を面一に確実に連結するとともに容易に着脱することができる連結具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明に係る連結具は、外周に帯状の突縁部が設けられた二枚の板状体を面一に連結するために用いる連結具であって、連結する二枚の板状体の隣り合う隅角部を、開閉可能に形成された基板と蓋体とで挟持するようになした連結具本体と、このように連結する二枚の板状体の隣り合う隅角部を挟持させた前記連結具本体の基板と蓋体との外側に被着させる断面コ字状の固定部材とで構成されたことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、連結する二枚の板状体の隣り合う隅角部を、連結具本体の基板と蓋体とで挟持しているので、二枚の板状体を面一に連結することができる。
【0010】
また、このように二枚の板状体を挟持した連結具本体の基板と蓋体との外側に固定部材を被着させるように構成しているので、二枚の板状体を簡単で確実に連結することができる。
【0011】
さらに、被着した固定部材を取り外して連結具本体の基板と蓋体を開くと、二枚の板状体をそれぞれ分離することができる。したがって、運搬時や保管時には連結具を各板状体から取り外すことにより省スペース化を図ることができるるとともに、連結具を再使用することができる。
【0012】
本発明は、前記連結具本体の基板の内側および蓋体の内側に、板状体の外周に設けられた突縁部と嵌合する位置決め溝が、連結する二枚の板状体の隣り合う隅角部に対応して形成されていることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、連結する二枚の板状体の外周に設けられた突縁部を位置決め溝に嵌合することにより、二枚の板状体が連結具本体の基板と蓋体との間でずれることなく挟持される。したがって、簡単な構成で確実に二枚の板状体を連結することができる連結具を提供することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る連結具によれば、二枚の板状体を面一に確実に連結するとともに、容易に着脱することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
【0016】
図1、および図2には、本実施形態の連結具1の全体が示されている。
【0017】
この連結具1は、連結する二枚の板状体6a,6bの隣り合う隅角部を挟持する連結具本体2と、この各板状体6a,6bを挟持した連結具本体2に被着させる固定部材5とから構成されている。
【0018】
板状体6a,6bは、同一形状の一対のもので構成されている。板状体6aは、図4に示すように平面視四角形状の薄板であって、本実施形態では、アルミニウム製の平板で形成されており、床面に載置すれば犬や猫等のペットがその上に乗ることで涼感を得ることができるように図られている。
【0019】
なお、板状体6a,6bの材質は熱伝導が高いことからアルミニウムが好適に用いられるが、アルミニウムに限定されるものではない。例えば、保温性を有する発泡体で形成して、気温の低いときにペットがその上に乗って温感を得ることで、快適に過ごすことができるようにしても良い。
【0020】
また、板状体6a,6bの床面と接する側の面に、滑り止め材を取り付けるようにしても良い。
【0021】
板状体6a,6bの外周縁には、エッジ保護カバー7が取り付けられており、板状体6a,6bの縁でペットが傷つけられることがないように図られている。このエッジ保護カバー7は、板状体6a,6bの外周縁を被覆しており、板状体6a,6bの表面および裏面から若干突出する帯状の突縁部7aが形成されている(図4(b)参照)。
【0022】
連結具本体2は、合成樹脂製の薄板であって、ヒンジ部21を介して基板3と蓋体4とが折曲可能とされ、開閉可能に形成されている。
【0023】
基板3の内側には、板状体6a,6bの各角隅部のエッジ保護カバー7の突縁部7aが嵌め込まれる位置決め溝3aが形成されている。また、連結具本体2を閉じたときに蓋体4と接する部分には、3個所の凹部31が形成されている(図3参照)。さらに、基板3の外側には、固定部材5が嵌め込まれる凹み部32が形成されている。この凹み部32は、固定部材5の厚みと略等しい深さに形成されており、固定部材5を被着した際に基板3と固定部材5とが面一になるように図られている(図2参照)。
【0024】
蓋体4の内側には、板状体6a,6bの各角隅部のエッジ保護カバー7の突縁部7aが嵌め込まれる位置決め溝4aが形成されている。また、連結具本体2を閉じたときに基板3と接する部分には、基板3の凹部31に嵌合する3個所の凸部41が形成されている(図3参照)。さらに、蓋体4の外側には、固定部材5が嵌め込まれる凹み部42が形成されている(図1,図2参照)。
【0025】
ヒンジ部21は、基板3と蓋体4との境界線上に設けられた2個所の薄肉部で形成されている。また、基板3と蓋体4との境界線上の薄肉部で挟まれた部分には、長孔22が開口されており、ヒンジ部21で基板3と蓋体4とを折曲した際、固定部材5が嵌み込まれる切欠23が形成されるように図られている。
【0026】
固定部材5は、合成樹脂製の薄板の両端が同方向に屈曲されて断面コ字状に形成され、連結具本体2の基板3と蓋体4との外側に被着させることができるようになされている。
【0027】
この固定部材5は、上下一対の固定片51,52と、これら一対の固定片51,52の後端側を連結する連結片53とからなっている。また、固定部材5は、弾性力を有しており、連結する二枚の板状体6a,6bの隣り合う隅角部を挟持させた連結具本体2の基板3と蓋体4との外側に被着すると、連結具本体2の基板3と蓋体4とを内側に圧迫することができるように図られている。
【0028】
上部固定片52の外面適所には、使用者が指を掛けて固定部材5を容易に嵌め込むことができるように、指掛け部52aが形成されている(図1参照)。一方、下部固定片51の外面適所には、使用者の指が滑らないように図示しない滑り止め部が形成されている。
【0029】
なお、上下一対の固定片51,52の双方若しくはいずれか一方の先端の内側に突起を設け、この突起に対応する溝を連結具本体2の基板3および/または蓋体4の凹み部32,42に形成して、固定部材5を連結具本体2の基板3および蓋体4に嵌め込んだ状態を保持するようにしてもよい。
【0030】
また、連結具本体2および固定部材5は、上記したように合成樹脂で形成され、ポリプロピレンが好適に用いられるが、合成樹脂に限定されるものではない。
【0031】
次に、上記構成の連結具1の使用方法を、図を参照しながら説明する。
【0032】
まず、使用者は、固定部材5を取り外して連結具本体2を開き、基板3の上に板状体6aの板状体6bと隣接する角隅部をエッジ保護カバー7の突縁部7aが連結具本体2の基板3の位置決め溝3aに嵌合するように配置する(図5(a)参照)。板状体6bについても、同様にして板状体6aと隣接する角隅部をエッジ保護カバー7の突縁部7aが連結具本体2の基板3の位置決め溝3aに嵌合するように配置する。
【0033】
次いで、ヒンジ部21で折曲することにより、蓋体4を板状体6a,6bを配置した基板3に被せて連結具本体2を閉じる(図5(b)参照)。この際、板状体6a,6bのエッジ保護カバー7の突縁部7aが蓋体4の位置決め溝4aに嵌合するようにする。
【0034】
続いて、固定部材5の指掛け部52aと滑り止め部に指を掛けて、固定部材5を連結具本体2の基板3の凹み部32および蓋体4の凹み部42に嵌め込んで被着する(図5(c)参照)。
【0035】
さらに、二枚の板状体6a,6bの反対側の隣接する角隅部に対しても、上記と同様にして連結具1で連結する(図6(a)参照)。このようにすると、板状体6a,6bの相対向する一辺が互いに突き合わされて連結される。
【0036】
なお、このように板状体6a,6bを連結した場合、同一に形成された連結具1を2個用いているので、板状体6a,6bを面一に連結することができる。
【0037】
また、図6(b)に示すように、二枚の板状体6a,6bは、相対向する一辺の長さが同じであれば大きさが異なっていても、2個の連結具1を用いて好適に面一に連結することができる。
【0038】
なお、図6(c)に示すように、いずれか一方の板状体(例えば6b)と、新たな板状体6cとを上記と同様に連結すると、3枚の板状体6a,6b,6cを4個の連結具1を用いて面一に連結することもできる。
【0039】
さらに、図6(d)に示すように、4枚の板状体6a,6b,6c,6dの角隅部を4個の連結具1を用いて連結することにより、これら板状体6a,6b,6c,6dを面一に連結することもできる。
【0040】
また、連結具1を取り外すには、固定部材5を連結具本体2から引き抜いて取り外し、蓋体4を起こして連結具本体2を開き、板状体6a,6bのエッジ保護カバー7の突縁部7aを位置決め溝3aから取り外して板状体6a,6bを分離するだけで良い。
【0041】
このように連結具1は容易に着脱することができるので、連結具1を板状体6a,6bから取り外して保管することができ、省スペース化を図ることができる。また、商品として販売する際は、連結具1と板状体6a,6b、若しくは、連結具1と板状体6a,6b,6c,6dなど任意に組み合わせて梱包し、犬や猫の大きさに合わせて使用者が選択可能とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、二枚の板状体を面一に確実に連結するとともに、容易に着脱することができる連結具に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る連結具を示す斜視図である。
【図2】図1の連結具を示す側面図である。
【図3】図1の連結具の連結具本体を示す斜視図である。
【図4(a)】本発明に係る連結具で連結される板状体を示す図である。
【図4(b)】本発明に係る連結具で連結される板状体の一部を示す側面図である。
【図5(a)】図1の連結具の使用方法を説明する斜視図である。
【図5(b)】図1の連結具の使用方法を説明する斜視図である。
【図5(c)】図1の連結具の使用方法を説明する斜視図である。
【図6(a)】図1の連結具の使用状態を示す斜視図である。
【図6(b)】図1の連結具の使用状態を示す斜視図である。
【図6(c)】図1の連結具の使用状態を示す斜視図である。
【図6(d)】図1の連結具の使用状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
1 連結具
2 連結具本体
3 基板
3a 位置決め溝
4 蓋体
4a 位置決め溝
5 固定部材
6a,6b 板状体
7a 突縁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周に帯状の突縁部が設けられた二枚の板状体を面一に連結するために用いる連結具であって、
連結する二枚の板状体の隣り合う隅角部を、開閉可能に形成された基板と蓋体とで挟持するようになした連結具本体と、
このように連結する二枚の板状体の隣り合う隅角部を挟持させた前記連結具本体の基板と蓋体との外側に被着させる断面コ字状の固定部材とで構成されたことを特徴とする連結具。
【請求項2】
前記連結具本体の基板の内側および蓋体の内側に、板状体の外周に設けられた突縁部と嵌合する位置決め溝が、連結する二枚の板状体の隣り合う隅角部に対応して形成されていることを特徴とする請求項1記載の連結具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図5(a)】
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【図5(b)】
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【図5(c)】
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【図6(a)】
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【図6(b)】
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【図6(c)】
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【図6(d)】
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