説明

連結型枕の分割枕セット

【課題】人間の頸部から頭部に掛けての形状、サイズに合わせて組み合わせて使用可能であり、組み合わせによって体位(頸部から頭部に掛けての部分の高さ、角度等)を変えることができる連結型枕の分割枕セットを提案すること。
【解決手段】医療用連結型枕1を構成するために用いる分割枕セット30には、複数種類の第1分割枕31と複数種類の第2分割枕32が備わっている。連結型枕1には、凸状の頸部支持面2、この後端に滑らかに連続している湾曲状の後頭部支持面4およびこの後端に滑らかに連続している頭頂部当接面6が形成されている。選択した第1分割枕31に、選択した第2分割枕32を連結して一体化すると、滑らかに連続する頸部支持面2、後頭部支持面4、頭頂部当接面6を備えた連結型枕1が構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の分割枕を連結して一体化することによって形状、サイズの異なる連結型枕を構成可能な分割枕セットに関する。特に、本発明は、放射線治療、MR検査などにおいて患者の頭部から頸部に掛けての部分を固定するために用いるのに適した医療用連結型枕の分割枕セットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、放射線治療においては治療台に乗せた患者の位置を固定して患部に正確に放射線を照射するために、治療台上において患者の各部を定まった位置に固定する必要がある。従来においては頭部頸部固定用の医療用枕が使用されている。このような枕は、特許文献1の図1、図3にはおいて固定用補助体として開示されている。
【0003】
一方、一般的に使用される枕は、使用者の好み、体型・頭部形状の相違などに対応できるように、各種のものが製造販売されている。特許文献2には、使用者が各種の形態で使用できるように、頭部を乗せる二連型枕と頸部を乗せる大径筒枕がベルクロファスナーによって着脱可能となっている構造の組み合わせ安眠枕が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3138540号公報
【特許文献2】特開平10−52347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に開示されているような放射線治療、検査用の枕は、患者の頸部から頭部に掛けての部分を治療台あるいは検査台上において定まった位置に固定できるように、頸部に対応した輪郭形状の頸部支持面および後頭部に対応した輪郭形状の頭部支持面を備えている。患者の頭部形状、サイズには個人差があるので、頸部から頭部に掛けての部分を固定するためには、患者の頭部形状、サイズに合った頸部支持面および頭部支持面を備えた枕を使用する必要がある。しかしながら、従来においては、患者の頭部形状、サイズの個人差に柔軟に対応可能な枕は提案されていない。
【0006】
また、一般的な枕においては、特許文献2に開示されているように、複数の枕を連結して各種態様で用いることは提案されているものの、使用者の頭部形状、サイズに合った頸部支持面および後頭部支持面を備えた枕において、頭部形状、サイズの個人差に柔軟に対応可能な枕については提案されていない。
【0007】
本発明の課題は、この点に鑑みて、人間の頸部から頭部に掛けての形状、サイズに合わせて組み合わせて使用可能であり、組み合わせによって体位(頸部から頭部に掛けての部分の高さ、角度等)を変えることができる連結型枕の分割枕セットを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は、異なる形状、サイズの連結型枕を構成するために用いる分割枕セットであって、
少なくとも、第1分割枕および第2分割枕を有し、
少なくとも第2分割枕には上面の形状、サイズが相互に相違する複数個の第2分割枕が含まれており、
連結型枕には、凸状の頸部支持面、この頸部支持面の後端に滑らかに連続している湾曲状の後頭部支持面、および、この後頭部支持面の後端に滑らかに連続している頭頂部当接面が形成されており、
第1分割枕に、複数個の第2分割枕から選択した一つの第2分割枕を連結して一体化すると、滑らかに連続する頸部支持面、後頭部支持面および頭頂部当接面を備えた連結枕が構成されることを特徴としている。
【0009】
第1、第2分割枕を連結して一体化する方法としては接着剤を用いて接着固定することが考えられるが、これらを着脱可能な構造で連結できるようにすれば、連結して一体化した第1、第2分割枕を分離して繰り返し使用できるので便利である。
【0010】
連結型枕における頸部支持面は、上面前後方向においてはその途中位置において頂部が形成される凸曲面によって規定され、上面幅方向においては左右対称な凹曲面によって規定される三次元曲面であることが望ましい。後頭部支持面は、上面前後方向においてはその途中位置において最深部が形成される凹曲面によって規定され、上面幅方向においてはその中央において最深部が形成される左右対称な凹曲面によって規定される三次元曲面であることが望ましい。また、頭頂部当接面は、前後方向においては凹曲線によって規定され、上面幅方向においては左右対称な凹曲面によって規定される三次元曲面であることが望ましい。このように、人間の頸部から頭部に掛けての解剖学的形状に沿うように、これらの支持面を形成しておけば、これらに乗せた頭部を定まった位置に確実に固定することができ、また、繰り返し同一位置に固定することができる。
【0011】
この場合、連結型枕を後頭部支持面の最深部から頭頂部当接面の後端縁部までの間の位置において分割することによって得られた前側の分割枕を前記第1分割枕とし、後側の分割枕を第2分割枕とすることができる。例えば、第2分割枕として長短の各種のサイズのものを用意しておけば、これらのうちから適切なものを選択することにより、頭部サイズに合った連結型枕を得ることができる。
【0012】
ここで、連結型枕の上面における頭頂部当接面の後端縁部に、上面幅方向においてその中央が後端縁部最深部となる左右対称な凹曲面状に切り取られた切り取り部が形成されていることが望ましい。使用者の頭部のサイズが縦方向に長い場合には、切り取り部から頭頂部の先を後方に突出させることにより対応できる。よって、多数のサイズの分割枕を用意する必要がないという利点がある。
【0013】
次に、本発明の分割枕セットは、放射線による治療あるいは検査時における患者の頸部から頭部に掛けての部分を固定するための医療用枕として用いる連結用枕を構成するために用いることができる。
【0014】
このような医療用枕においては、患者の頭部などに対する放射線照射位置を正確に設定する必要があり、そのためには、患者の頸部から頭部に掛けての部分の高さ位置、縦方向(頭足方向)の位置および幅方向の位置を正確に設定し、その位置に固定する必要がある。本発明の分割枕セットを用いて医療用枕としての連結型枕を構成すれば、各患者に最も適した形状、サイズのものを提供できるので、患者の頭部を所望の位置に固定する固定性、繰り返し所望の位置に固定する固定再現性が改善される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の分割枕セットでは、使用者の頸部から頭部に掛けての形状、サイズに合うように第2分割枕を選択し、これを第1分割枕に連結して一体化することにより個人差に対応した頸部支持面、後頭部支持面および頭頂部当接面を備えた連結型枕が得られる。第1分割枕も形状、サイズの異なる複数個のものを用意しておけば、使用者の頸部から頭部に掛けての形状、サイズに対する適用性を一層高めることができる。よって、本発明の分割枕セットは、人間の頸部から頭部に掛けての形状、サイズに合う連結型枕が得られるように組み合わせて使用可能であり、組み合わせによって体位(頸部から頭部に掛けての部分の高さ、角度等)を所望の状態に設定可能な連結型枕を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明を適用した分割枕セットの一例を示す説明図である。
【図2】分割枕セットを用いて構成した医療用連結型枕を示す斜視図である。
【図3】図2の医療用連結型枕を示す平面図、側面図、正面図および背面図である。
【図4】図2の医療用連結型枕を示す図であり、(a)は図3の線a−aで切断した場合の縦断面図、(b)は図3の線b−b線で切断した場合の横断面図、(c)は図3の線c−cで切断した場合の横断面図、(d)は図3の線d−dで切断した場合の横断面図である。
【図5】本発明を適用した別の例を示す説明図である。
【図6】医療用連結枕の別の例を示す斜視図である。
【図7】医療用連結枕の別の例を示す斜視図および側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図面を参照して、本発明を医療用枕に適用した場合の実施の形態を説明する。図1に示すように、本実施の形態に係る分割枕セット30は第1分割枕31と第2分割枕32から構成されている。第1分割枕31として、形状、サイズが異なる複数種類の上面31A(1)、31A(2)、31A(3)・・・を備えた第1分割枕31(1)、31(2)、31(3)・・・が用意されている。また、第2分割枕32も同様に、形状、サイズが異なる複数種類の上面32A(1)、32A(2)、32A(3)・・・を備えた第2分割枕32(1)、32(2)、32(3)・・・が用意されている。第1分割枕31、第2分割枕32は例えば放射線吸収率の低い樹脂発泡体からなる成形品である。
【0018】
第1分割枕31の後端面は第2分割枕32を連結するための同一形状の連結用後端面31Bとなっており、第2分割枕32の前端面は第1分割枕32を連結するための同一形状の連結用前端面32Bとなっている。各連結用後端面31Bと各連結用前端面32Bも相互に同一形状であり、いずれの組み合わせであっても、第1分割枕31と第2分割枕32を連結して一体化した場合に、それらの上面31A、32Aは滑らかに連続した面が形成されるようになっている。
【0019】
第1分割枕31の一つと第2分割枕32の一つを相互に連結して一体化することにより、後述の図2に示す形状の連結型枕1が構成される。第1分割枕31と第2分割枕32を連結して一体化する方法としては接着剤を用いて固定する方法を採用することができる。この代わりに、連結用後端面31Bおよび連結用前端面32Bの一方の差し込み用の突起を形成し、他方に突起差し込み用の溝を形成しておき、これらをスナップフィット式に連結することにより、双方を連結して一体化することも可能である。また、これらの面にベロクロファスナーなどの着脱可能な機構を取り付けておいてもよい。
【0020】
図2は、一つの第1分割枕31と一つの第2分割枕32を連結して一体化することにより構成される医療用連結型枕を示す斜視図であり、図3はその平面図、側面図、正面図、背面図である。これらの図を参照し説明すると、医療用連結型枕1は、その前端側に、患者の頸部分を乗せるための凸状の頸部支持面2が形成された頸支持部3を備えている。この後側には、頸部支持面2の後端に滑らかに連続して患者の後頭部を乗せるための湾曲状の後頭部支持面4が形成された頭支持部5が連続しており、この後側には、後頭部支持面4の後端に滑らかに連続して患者の頭頂部に当接させるための頭頂部当接面6が形成された後壁部7が連続している。
【0021】
頸部支持面2の前端縁は平坦な長方形の底面8の前端縁9に繋がっており、頸部支持面2および後頭部支持面4の両側の側縁11、12は、垂直な左右の側面13、14の上端縁に繋がっている。頭頂部当接面6の後端縁15は所定幅の上端面16に繋がっており、この上端面16の後端縁は垂直な背面17の上端縁に繋がっている。また、左右の側面13、14の下端縁18および背面17の下端縁19がそれぞれ長方形の底面8の左右の縁および後端縁に繋がっている。
【0022】
頸部支持面2は、前後方向Yにおいてはその途中位置において頂部2aが形成される凸曲面によって規定され、幅方向Xにおいては左右対称な凹曲面によって規定される三次元曲面である。後頭部支持面4は、前後方向Yにおいてはその途中位置において最深部Bが形成される凹曲面によって規定され、幅方向Xにおいてはその中央において最深部Bが形成される左右対称な凹曲面によって規定される三次元曲面である。頭頂部当接面6は、前後方向Yにおいては凹曲線によって規定され、幅方向においては左右対称な凹曲面によって規定される三次元曲面である。
【0023】
ここで、頸部支持面2と後頭部支持面4の境界は頂部2aと最深部Bの間の位置にあり、後頭部支持面4と頭頂部当接面6の境界は最深部Bと後端縁15の間の位置にある。本例では、第1分割枕31と第2分割枕32の連結面33が、最深部Bと後端縁15の間に位置しており、この連結面33より前側が第1分割枕31の上面31A(31A(1)、31A(2)、31A(3)・・・)によって規定され、後側が第2分割枕32の上面32A(32A(1)、32A(2)、32A(3)・・・)によって規定されている。
【0024】
次に、図4を主に参照して、医療用連結型枕1の各部の形状を詳しく説明する。まず、図4(d)に示すように、後壁部7における頭頂部当接面6の上端面16(後端縁15)は、幅方向における両端部Fが最も高い位置にある水平な(底面8に平行な)一定長さの平坦面となっており、これらの間の部分が、幅方向Xの中央が最深部(以下、後端縁部最深部Cと呼ぶ。)となる左右対称な凹曲面状に切り取られた切り取り部21となっている。後壁部7の切り取り部21の後端縁部最深部Cの高さL(C)を基準として、上端面16(後端縁15)の幅方向Xの両端部Fの高さL(F)は少なくともL(C)の120%の高さ寸法に設定されている。
【0025】
一般的には、後壁部7に形成した切り取り部21は凹円弧面によって規定することができる。また、幅方向Xにおいて少なくとも90mmの長さとし、後端縁部最深部Cの高さに対して、上端面16の両端部Fを少なくとも20mm高い位置となるように設定することが望ましい。
【0026】
図4(a)、(b)に示すように、頸部支持面2における幅方向Xに延びる頂部2aは、前後方向Yから見た場合に、幅方向Xの中央が頂部最深部Aとなる左右対称な凹曲線によって規定されている。また、本例では、後壁部7の後端縁部最深部Cの高さL(F)が、頸部支持面の頂部最深部Aの高さL(A)と同一の高さ寸法に設定されている。
【0027】
図4(a)に示すように、頸部支持面2の頂部最深部Aの高さL(A)を基準高さとすると、後頭部支持面4の幅方向の中央に位置する最深部Bの高さL(B)は基準高さの25%以下の高さに設定されている。また、後壁部7の後端縁部最深部Cの高さL(C)は、基準高さの90%以下の高さに設定されている。
【0028】
また、図4(b)に示すように、頸部支持面2の幅方向の中央の頂部最深部Aの高さL(A)を基準として、頂部2aの両端部Dの高さL(D)は少なくとも1.2L(A)(少なくとも120%の高さ)に設定されている。後頭部支持面4においても、その最深部Bの高さL(B)を基準として、当該後頭部支持面4における当該最深部Bを通る幅方向の両端部Eの高さL(E)は少なくとも1.2L(B)(120%の高さ)に設定されている。
【0029】
(分割枕セットによる作用効果)
第1、第2分割枕31、32により構成した医療用連結型枕1の作用効果を説明する。まず、患者の頸部から頭部に掛けての形状、サイズに適合するように、分割枕セット30から一つの第1分割枕31と一つの第2分割枕32を選択する。選択した双方の分割枕31、32を連結して一体化することにより、患者の頸部から頭部に掛けての形状、サイズに略適合した医療用連結型枕1が得られる。このように、分割枕セット30から第1、第2分割枕を選択することによって、医療用連結型枕1の形状、サイズを患者に合うように調整できる。
【0030】
また、構成された医療用連結型枕1は、患者の頭頂部に当接する頭頂部当接面6を備えた後壁部7を備えており、この後壁部7の頭頂部当接面6の後端縁15には凹曲面状の切り取り部21が形成されている。患者の頭部のサイズが縦方向に長い場合には、切り取り部21から頭頂部の先を後方に突出させることにより対応できる。このようにして、患者の頭部の形状、サイズに合わせて、患者の頭部を医療用連結型枕1に乗せる位置を微調整して、患者の頸部から頭部に掛けての部位を所望の位置、角度に固定できる。
【0031】
なお、本例の医療用連結型枕1では、凹曲面状に切り取られた切り取り部21に患者の頭の頭頂部の先が乗り、後頭部支持面4よりも高い位置において患者の頭が下側および両側から支持される。よって、切り取り部21の凹曲面状の上面によって頭の幅方向Xへの移動を拘束することができる。よって、患者の頭を、幅方向Xにおいても、確実に位置決めして固定できるという効果も得られる。
【0032】
また、後壁部7の後端縁部最深部Cと、頸部支持面2における幅方向に延びる頂部2aにおける頂部最深部Aとが同一の高さに設定されている。このように、後頭部支持面4に乗せた患者の頭部が、凹曲面状の後頭部支持面4よりも高い同一高さ位置にある3つの点(A、F、F)によって支持された状態が形成される。3点支持によって頭部の縦方向および幅方向の位置が規定されるので、頭の位置決め性および固定性、並びに位置決めの再現性が改善されるという作用効果が得られる。
【0033】
(その他の実施の形態)
本例では、図5(a)に示すように、後頭部支持面4の最深部Bと頭頂部当接面6の後端縁15の間の位置において医療用連結型枕1を前後に二分割して得られる前後の分割枕を、第1分割枕31、第2分割枕32としている。この代わりに、図5(b)に示すように、頸部支持面2の頂部2aと後頭部支持面4の最深部Bとの間の位置43において医療用連結型枕1を前後に二分割して得られる前後の分割枕を、第1分割枕41、第2分割枕42として用いることもできる。さらには、図5(c)に示すように、医療用連結型枕1における頸部支持面2の頂部2aと後頭部支持面4の最深部Bとの間の位置54、並びに、当該最深部Bと頭頂部当接面6の後端縁15との間の位置55において、前後に三分割して得られる分割枕51、52、53からなる分割枕セットとすることもできる。
【0034】
次に、上記の医療用連結型枕1では、後壁部7の上端面に切り取り部21を形成して、患者の頭部を乗せる位置を微調整できるようにしている。例えば、多数種類の分割枕を用意しておけば、このような切り取り部21を設けなくても各患者の頭部の形状、サイズに適合した医療用連結型枕を構成することができる。このような場合には、図6に示すように、切り取り部21を省略した形状の医療用連結型枕1Aを用いることができる。したがって、これに対応して分割枕の形状も変えればよい。
【0035】
また、図7(a)に示すように、医療用枕としては図1に示す医療用連結型枕1から後壁部7を省略した形状のものが知られている。このような医療用枕を、本発明による分割枕を用いて医療用連結枕として提供することができる。この場合には、例えば、頸部支持面2の頂部2aと後頭部支持面4の最深部Bの間の位置73において前後に二分割して得られる分割枕を、それぞれ第1、第2分割枕71、72として用いて医療用連結型枕1Bとすることができる。
【0036】
一方、上記の各例は本発明を医療用枕を構成するために適用したものであるが、本発明の分割枕セットは、医療用枕に限らず、その他の枕を構成するためにも用いることができる。また、各分割枕の形状、これらによって構成される連結型枕の形状は上記の各例の形状に限定されるものではなく、各種の形状をとることができる。
【符号の説明】
【0037】
1,1A、1B 医療用連結型枕
2 頸部支持面
3 頸支持部
4 後頭部支持面
5 頭支持部
6 頭頂部当接面
7 後壁部
8 底面
9 前端縁
11、12 両側の縁
13、14 側面
15 後端縁
16 上端面
17 背面
18、19 下端の縁
21 切り取り部
30 分割枕セット
31、31(1)、31(2)、31(3)、41、51、71 第1分割枕
32、32(1)、32(2)、32(3)、42、52、72 第2分割枕
31A、31A(1)、31A(2)、31A(3) 上面
32A、32A(1)、32A(2)、32A(3) 上面
31B 連結用後端面
32B 連結用前端面
33、43、54、55、73 連結面
53 第3分割枕
A 頂部最深部
B 後頭部支持面の最深部
C 後端縁部最深部
D 頂部の両端部
E 後頭部支持面の両端部
F 後壁部の両端部
X 幅方向
Y 縦方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる形状、サイズの連結型枕を構成するために用いる分割枕セットであって、
少なくとも、第1分割枕および第2分割枕を有し、
少なくとも第2分割枕には上面の形状、サイズが相互に相違する複数個の第2分割枕が含まれており、
連結型枕には、凸状の頸部支持面、この頸部支持面の後端に滑らかに連続している湾曲状の後頭部支持面、および、この後頭部支持面の後端に滑らかに連続している頭頂部当接面が形成されており、
第1分割枕に、複数個の第2分割枕から選択した一つの第2分割枕を連結して一体化すると、滑らかに連続する頸部支持面、後頭部支持面および頭頂部当接面を備えた連結枕が構成されることを特徴とする連結型枕の分割枕セット。
【請求項2】
請求項1において、
第1分割枕と第2分割枕は着脱可能な状態で連結されていることを特徴とする連結型枕。
【請求項3】
請求項1または2において、
頸部支持面は、上面前後方向においてはその途中位置において頂部が形成される凸曲面によって規定され、上面幅方向においては左右対称な凹曲面によって規定される三次元曲面であり、
後頭部支持面は、上面前後方向においてはその途中位置において最深部が形成される凹曲面によって規定され、上面幅方向においてはその中央において最深部が形成される左右対称な凹曲面によって規定される三次元曲面であり、
頭頂部当接面は、前後方向においては凹曲線によって規定され、上面幅方向においては左右対称な凹曲面によって規定される三次元曲面であることを特徴とする連結型枕の分割枕セット。
【請求項4】
請求項3において、
連結型枕を後頭部支持面の最深部から頭頂部当接面の後端縁部までの間の位置において分割することによって得られた前側の分割枕が前記第1分割枕であり、後側の分割枕が第2分割枕であることを特徴とする連結型枕。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、
連結型枕の上面における頭頂部当接面の後端縁部には、上面幅方向においてその中央が後端縁部最深部となる左右対称な凹曲面状に切り取られた切り取り部が形成されていることを特徴とする連結型枕の分割枕セット。
【請求項6】
請求項1ないし5のうちのいずれかの項において、
連結型枕は、放射線による治療あるいは検査時における患者の頸部から頭部に掛けての部分を固定するための医療用枕であることを特徴とする連結型枕の分割枕セット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−143412(P2012−143412A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4396(P2011−4396)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(591189812)エンジニアリングシステム株式会社 (15)
【Fターム(参考)】