説明

連結式筋力運動機

【課題】
筋力運動機を、誰にでも楽に使用でき、能率を向上できる連結式筋力運動機を提供すること。
【解決手段】
筋力運動機41において、足運動機構4は、座部7の下方に基軸10を有する回動腕11と、回動腕11に載設された足支持部12と、回動腕11に立設され患者の下肢の側部に当接する押当部13とからなり、連結機構6は、回動腕11に連結され基軸10を中心に水平面上に回動する入力側アーム17と、錘機構5に連結され基軸10を中心に水平面上に入力側アーム17に非連動に回動する大径輪18と、入力側アーム17と大径輪18とを回動連結する掛止具37とを有し、掛止具37は、左・右足支持部12a・12bの互いの開角度を、通常者用角度、肥満者用角度、乗降時用最大開角度等に選択設定するものであることを特徴とする連結式筋力運動機である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リハビリテ−ションの1種目である股関節の内転外転を、高齢者その他の者に対して行なう運動機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来装置には、腰掛台と、回動軸で固定された足支持部材と、起立片と、可撓制固定具と、荷重手段とからなる運動用器具があった。
従来装置では、容易に運動用器具に両足を固定することができる。しかし、足支持部材と荷重手段との間の連結機構の中に、左右の足支持部材の運動初期の開角度を、適宜角度に設定する構成は開示されておらず、体躯の大きい人には窮屈な場合も起きる。
又、連結機構の中に、増角機構をもって患者の動作に係る変位を拡大し、荷重を好適に調節する構成は開示されておらず、筋力運動の能率向上が図れない。
【特許文献1】特開2004−194987号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
解決しようとする課題は、筋力運動機を、誰にでも楽に使用でき、能率を向上できる構成にする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、筋力運動機を、誰にでも楽に使用でき、能率を向上できる連結式筋力運動機を提供することにある。
即ち本発明は、フレーム2と、患者が座る椅子3と、下肢を移動可能に支持する足運動機構4と、足運動機構4の移動に対して荷重を掛ける錘機構5と、足運動機構4と錘機構5とを連結する連結機構6とからなる筋力運動機41において、足運動機構4は、座部7の下方に基軸10を有する回動腕11と、回動腕11に載設された足支持部12と、回動腕11に立設され患者の下肢の側部に当接する押当部13とからなり、連結機構6は、回動腕11に連結され基軸10を中心に水平面上に回動する入力側アーム17と、錘機構5に連結され基軸10を中心に水平面上に入力側アーム17に非連動に回動する大径輪18と、入力側アーム17と大径輪18とを回動連結する掛止具37とを有し、掛止具37は、左・右足支持部12a・12bの互いの開角度を、通常者用角度、肥満者用角度、乗降時用最大開角度等に選択設定するものであることを特徴とする連結式筋力運動機である。
又、連結機構6は、患者が足運動機構4に作用させて行なう下肢の運動中に、その運動に係る回動角度が進むに従って下肢に掛かる負荷を漸減させる漸減負荷機構27を有し、前記足運動機構4と漸減負荷機構27の間に、足運動機構4の回動角度を増角して漸減負荷機構27に伝達させる増角機構26を設け、増角機構26によって患者の動作に係る変位を拡大し、漸減負荷機構27の機能を全うさせ、更に、錘機構5の動的荷重を増す。
更に、増角機構26は、足運動機構4に連結された大径の大径輪18と、錘機構5に連結された小径の小径輪20と、大径輪18と小径輪20を連結する連結索体19とを有してなり、大径輪18より小径輪20を増大回動させ、漸減負荷機構27は、小径輪20に一体的に取着された作用アーム22と、フレーム2に設けられた作用プーリー23とを有してなり、錘索体24は、作用アーム22を基端にして、作用プーリー23に掛かり、続いて錘機構5に止着されており、
作用アーム22が回動進行する時、作用アーム22の延設方向と錘索体24の張設方向との為す角が漸減しつつ錘索体24を引っ張る態様下で、前記増角機構26は、作用アーム22が負荷の漸減作用を発現する範囲の全幅に、当該作用アーム22を回動させる。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係る連結機構6は、回動腕11に連結され基軸10を中心に水平面上に回動する入力側アーム17と、錘機構5に連結され基軸10を中心に水平面上に入力側アーム17に非連動に回動する大径輪18と、入力側アーム17と大径輪18とを回動連結する掛止具37とを有し、掛止具37は、左・右足支持部12a・12bの互いの開角度を、通常者用角度、肥満者用角度、乗降時用最大開角度等に選択設定するものであるから、運動時に、足支持部12の開始位置が好適な位置及び開角度にでき、通常者、肥満者共に、股関節の運動をゆったりと行なえ、又、錘29の荷重によって下肢が、締め付けられず痛められることもなく、又、乗降時に、足支持部12を最大角度に開角すれば、患者は椅子3に乗り降りし易く、好都合である。
【0006】
本発明に係る連結機構6は、連結機構6は、患者が足運動機構4に作用させて行なう下肢の運動中に、その運動に係る回動角度が進むに従って下肢に掛かる負荷を漸減させる漸減負荷機構27を有し、前記足運動機構4と漸減負荷機構27の間に、足運動機構4の回動角度を増角して漸減負荷機構27に伝達させる増角機構26を設け、増角機構26によって患者の動作に係る変位を拡大し、漸減負荷機構27の機能を全うさせ、更に、錘機構5の動的荷重を増すから、足運動機構4に漸減負荷を掛け、下肢の運動、具体的には股関節の外旋運動を、行い易くし、満足感を与えながら能率的に行なえ、更に、錘機構5の動的荷重を増し荷重に適宜な変化が有り、好都合である。
【0007】
本発明は、作用アーム22が回動進行する時、作用アーム22の延設方向と錘索体24の張設方向との為す角が漸減しつつ錘索体24を引っ張る態様下で、前記増角機構26は、作用アーム22が負荷の漸減作用を発現する範囲の全幅に、当該作用アーム22を回動させるから、十分に発現された負荷漸減作用を享受できて下肢の運動、具体的には股関節の運動を、行い易く又高能率に行なえ、好都合である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
筋力運動機を、誰にでも楽に使用でき、能率を向上できる連結式筋力運動機を提供する目的を、フレーム2と、患者が座る椅子3と、下肢を移動可能に支持する足運動機構4と、足運動機構4の移動に対して荷重を掛ける錘機構5と、足運動機構4と錘機構5とを連結する連結機構6とからなる筋力運動機41において、足運動機構4は、座部7の下方に基軸10を有する回動腕11と、回動腕11に載設された足支持部12と、回動腕11に立設され患者の下肢の側部に当接する押当部13とからなり、連結機構6は、回動腕11に連結され基軸10を中心に水平面上に回動する入力側アーム17と、錘機構5に連結され基軸10を中心に水平面上に入力側アーム17に非連動に回動する大径輪18と、入力側アーム17と大径輪18とを回動連結する掛止具37とを有し、掛止具37は、左・右足支持部12a・12bの互いの開角度を、通常者用角度、肥満者用角度、乗降時用最大開角度等に選択設定するものとして、実現した。
【実施例1】
【0009】
図1〜4に示す本発明の実施例1の連結式筋力運動機1は、筋力運動機41に係る押当部13を、押軸15中心に回動する構成としたものである。
実施例1を用いて、患者は下肢を開脚、閉脚して、股関節を内転、外転する。
フレーム2と、患者が座る椅子3と、下肢を移動可能に支持する足運動機構4と、足運動機構4の移動に対して負荷を掛ける錘機構5と、足運動機構4と錘機構5とを連結する連結機構6とからなる。
【0010】
フレーム2は、椅子3、足運動機構4、錘機構5、及び連結機構6等が組み付けられるものである。
椅子3は、座部7と、背凭れ8と、取手9とからなり、フレーム2で支持される。
足運動機構4は、座部7の下方に設けられる基軸10(=左・右基軸10a・10b)と、基軸10を回動軸にして水平に前後方向に延設される回動腕11と、回動腕11に支持された足支持部12と、回動腕11に立設され患者の下肢(主として大腿)の側部に当接する押当部13とからなる。
【0011】
押当部13は、押当板14とこれを回動可能に支持し回動腕11に鉛直方向に立設される押軸15とからなる。
押当板14は、足支持部12の両側に位置し、押軸15中心に回動し、押当板14に押し当てる下肢の側部に添う。
【0012】
連結機構6は、左・右基軸10a・10bにそれぞれ連結された同径の左・右プーリー16a・16bと、右基軸10bに繋がる入力側アーム17と、入力側アーム17に回動連結可能な大径輪18と、大径輪18に連結索体19でたすき掛けに掛け回わされる小径輪20と、小径輪20の小径輪軸21を回動軸にして小径輪軸21から延設される作用アーム22と、フレーム2に設けられる作用プーリー23と、作用アーム22の中部から作用プーリー23を掛け回して錘機構5に連結される錘索体24とからなる。
左・右プーリー16a・16bには、互いに両プーリー16a・16bにたすき掛けに同期索体25が掛け回される。左・右プーリー16a・16bは互いに逆方向に回動し、左・右回動腕11a・11bは左右対称に回動する。
【0013】
角度設定器36は、入力側アーム17と、大径輪18とにわたって設けられる。
角度設定器36は、回動腕11に連結され基軸10を中心に水平面上に回動する入力側アーム17と、錘機構5に連結され基軸10を中心に水平面上に回動する大径輪18と、入力側アーム17及び大径輪18は互いに同軸に非連動に回動可能に設けられ入力側アーム17を大径輪18に回動連結する掛止具37とを有する。
【0014】
掛止具37は、入力側アーム17を大径輪18の複数箇所に設けられた穴38のいずれかを択一して掛止するものである。
運動を開始する時には、足支持部12の開角度を、痩身者及び通常者角度(=閉じた状態の零角度)、肥満者角度(=僅か開いた角度、掛止具37は穴38aを選択する)等に選択して設定することが可能である。
又、掛止具37は、患者が椅子3に乗降する時には患者が座部7に近づき易くするために、穴38bを選択し、足支持部12を最大限に開いた最大開角度を選択する。
掛止具37は解除レバー40の操作で解除・掛止が行なわれる。
【0015】
増角機構26は、大径輪18の回動角度を増角して錘機構5側に伝動するものである。増角機構26によって患者の動作に係る変位が拡大する。この拡大により漸減負荷機構27はその機能を全う出来る。更に、患者の動作に係る変位が拡大する為、錘29がより速く動き、錘機構5の動的荷重を増す。
【0016】
増角機構26は、錘機構5に連結された小径輪20と、大径の大径輪18と、大径輪18と小径輪20を連結する連結索体19とからなる。
大径輪18の回動を、大径輪18から小径輪20へ増角して伝動させる。
【0017】
漸減負荷機構27は、足運動機構4への負荷を、下肢の開脚移動が進むに従って漸減するものである。
漸減負荷機構27は、小径輪20に一体的に取着された作用アーム22と、フレーム2に設けられた作用プーリー23と、作用アーム22に基端が止着され、作用アーム22の中部のローラー28を掛け回し、更に作用プーリー23を掛け回し、錘機構5に繋がる錘索体24とからなる。
作用アーム22の漸減負荷作用を好適に発現せしめるために、増角機構26が設けられる。
【0018】
錘機構5は、連結機構6から取り出される錘索体24に張力を付加するものであり、椅子3の左側に隣接して立設され、フレーム2に固定される。
錘機構5は、錘索体24に引き上げられ、又戻されて上・下に移動する複数個の錘29と、複数個の錘29を昇降可能に保持する保持枠30と、錘29を引き上げる芯部材31と、錘29と芯部材31とを掛止する差込ピン32と、芯部材31を引き上げる錘索体24と、各錘29の裏面に設けられる消音部材33と、錘29を囲繞する囲繞枠35とからなる。
差込ピン32は芯部材31に錘29を選択して掛止するものである。
【0019】
消音部材33は緩衝作用を有するものであり、その緩衝作用により錘29が落下した時に出る振動や衝撃音は、吸収及び消音される。
押当部13は錘29に連結される。即ち、押当部13が左右に開回動し或いは中央に閉回動すると、足運動機構4が左右に開回動し或いは中央に閉回動する。足運動機構4の移動に伴なって作用アーム22が回動し、錘索体24が往復移動し、錘機構5の錘29が上下に移動する。
保持枠30の上部の適宜位置に、錘29の移動上限を設定するロムストパー35が掛止される。
図1中、39は最上位の錘29に適宜載せる補助錘、図3中、42は安全カバーである。
【0020】
実施例1を使用する際は、先ず、足支持部12の角度を、掛止具37で最大開角度を選択し、最大に開いた角度に設定する。その状態のもとで患者が座部7に腰掛ける。
【0021】
運動の初頭の足支持部12の角度を、角度設定器36の掛止具37で設定(=初期設定)する。
痩身又は通常体型の患者には、大径輪18の複数個の穴38の内所定の穴38を選択し、左・右足支持部12a・12bの開角度を零度とし、左・右足支持部12a・12bを閉じる。
肥満の患者には、大径輪18の複数個の穴38の内適宜な1つの穴38aを、入力側アーム17の掛止具37で選択し、左足支持部12aと右足支持部12bとの角度を適宜な開角度とし、左・右足支持部12a・12bを僅か開く。肥満の患者が座部7に楽に座れるように左右足支持部12a・12bを設定する。
次に、患者の大腿部の両側に押当部13を当てがう。
【0022】
上記セッティングをした後、患者は、大腿を開く方向(=開脚方向)に力を入れて大腿を開き、股関節の外転運動をする。
押当部13の押当板14が、押軸15を中心に回動し、下肢(=主に大腿)の側部に添う。
外転運動時に、押当部13を、椅子3の中央から外方向へ動かす(=往運動)。開脚限度に至ると、下肢の力を抜き、大腿を閉じる方向(閉脚方向)に動かし(=復運動)、押当部13を戻す。前述の往・復運動を所定回数又は所定時間行なう。
【0023】
往運動時には、押当部13が患者によって回動し、押当部13の回動は、足運動機構4の回動腕11、連結機構6の入力側アーム17及び大径輪18、錘索体24を順次伝動して、錘29を上昇させ、前記押当部13の動きに対して錘29の荷重が掛かる。
荷重には、錘29が停止している時、或いは等速度で動いている時の 静的荷重と、錘29が加速度を有して動いている時の動的荷重とがある。
復運動時には、患者は下肢の力を抜くと錘29が重力で下降し、下肢に負荷は掛からない。
【0024】
増角機構26に係る大径輪18の回動は、連結索体19で小径輪20に、増角(実施例では2倍の回転角度に増角する)して伝動する。
小径輪20の回動と共に作用アーム22が回動(=増角の結果最大約150度まで回動)し、錘索体24を引く。
漸減負荷機構27に係る作用アーム22が、回動するに従って、錘索体24が小径輪軸21に徐々に接近し、トルクが漸減し、下肢の開運動中の負荷が漸減する。
増角機構26によって患者の動作に係る変位を拡大し、漸減負荷機構27の機能を全うさせ、更に、錘機構5の動的荷重を増す。
【0025】
増角機構26の作用により、作用アーム22が下肢の開角度より大幅に増角されるため、負荷の漸減が十分に好適に行なえる。
作用アーム22が回動進行する時、作用アーム22の延設方向と錘索体24の張設方向との為す角が漸減しつつ錘索体24を引っ張る態様下で、前記増角機構26は、作用アーム22が負荷の漸減作用を発現する範囲の全幅に、当該作用アーム22を回動させる。
負荷を漸減することにより、能率のよい好適な股関節の運動が期待できる。
錘29は複数個設けられており、複数個の錘29は互いに差込ピン32により任意に連結・解除できる。
【0026】
錘29の連結個数を増減して、重量の大きさを適宜変更し、患者へ与える運動負荷を調節する。
錘29の連結個数を増やし、上昇個数を増せば、錘索体24に掛かる重量は大きくなり、外転運動に掛かる負荷が大きくなる。
又、錘29の連結個数を減らし、上昇個数を減らせば、錘索体24に掛かる重量は小さくなり、外転運動に掛かる負荷が小さくなる。
【0027】
各錘29の裏面に設けられる消音部材33は、緩衝作用を有し、その緩衝作用により落下の際の着地時に出る錘29の衝撃音を消音し、振動を平穏化する。
所定の時間又は回数運動を行なうと、運動を終了する。患者は椅子3から降りる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
フレーム2と、患者が座る椅子3と、下肢を移動可能に支持する足運動機構4と、足運動機構4の移動に対して荷重を掛ける錘機構5と、足運動機構4と錘機構5とを連結する連結機構6とからなる筋力運動機41において、足運動機構4は、座部7の下方に基軸10を有する回動腕11と、回動腕11に載設された足支持部12と、回動腕11に立設され患者の下肢の側部に当接する押当部13とからなり、連結機構6は、回動腕11に連結され基軸10を中心に水平面上に回動する入力側アーム17と、錘機構5に連結され基軸10を中心に水平面上に入力側アーム17に非連動に回動する大径輪18と、入力側アーム17と大径輪18とを回動連結する掛止具37とを有し、掛止具37は、左・右足支持部12a・12bの互いの開角度を、通常者用角度、肥満者用角度、乗降時用最大開角度等に選択設定するものである連結式筋力運動機1は、筋力運動機を、誰にでも楽に使用でき、能率を向上できるものに、適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施例1の斜視図である。
【図2】本発明の実施例1に係る角度設定器を示す部分図である。
【図3】本発明の実施例1に係る増角機構を示す部分図である。
【図4】本発明の実施例1に係る錘を示す部分図である。
【符号の説明】
【0030】
1 連結式筋力運動機
2 フレーム
3 椅子
4 足運動機構
5 錘機構
6 連結機構
7 座部
10 基軸
11 回動腕
12 足支持部
12a 左足支持部
12b 右足支持部
13 押当部
17 入力側アーム
18 大径輪
19 連結索体
20 小径輪
22 作用アーム
23 作用プーリー
24 錘索体
26 増角機構
27 漸減負荷機構
36 角度設定器
37 掛止具
41 筋力運動機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム2と、患者が座る椅子3と、下肢を移動可能に支持する足運動機構4と、足運動機構4の移動に対して荷重を掛ける錘機構5と、足運動機構4と錘機構5とを連結する連結機構6とからなる筋力運動機41において、
足運動機構4は、座部7の下方に基軸10を有する回動腕11と、回動腕11に載設された足支持部12と、回動腕11に立設され患者の下肢の側部に当接する押当部13とからなり、
連結機構6は、回動腕11に連結され基軸10を中心に水平面上に回動する入力側アーム17と、錘機構5に連結され基軸10を中心に水平面上に入力側アーム17に非連動に回動する大径輪18と、入力側アーム17と大径輪18とを回動連結する掛止具37とを有し、
掛止具37は、左・右足支持部12a・12bの互いの開角度を、通常者用角度、肥満者用角度、乗降時用最大開角度等に選択設定するものであることを特徴とする連結式筋力運動機。
【請求項2】
連結機構6は、患者が足運動機構4に作用させて行なう下肢の運動中に、その運動に係る回動角度が進むに従って下肢に掛かる荷重負荷を漸減させる漸減負荷機構27を有することを特徴とする請求項1記載の連結式筋力運動機。
【請求項3】
足運動機構4と漸減負荷機構27の間に、足運動機構4の回動角度を増角して漸減負荷機構27に伝達させる増角機構26を設け、
前記増角機構26は、患者の動作に係る変位を拡大し、漸減負荷機構27の機能を全うさせ、更に、錘機構5の動的荷重を増すことを特徴とする請求項2記載の連結式筋力運動機。
【請求項4】
増角機構26は、足運動機構4に連結された大径の大径輪18と、錘機構5に連結された小径の小径輪20と、大径輪18と小径輪20を連結する連結索体19とを有してなり、大径輪18より小径輪20を増大回動させ、
漸減負荷機構27は、小径輪20に一体的に取着された作用アーム22と、フレーム2に設けられた作用プーリー23とを有してなり、錘索体24は、作用アーム22を基端にして、作用プーリー23に掛かり、続いて錘機構5に止着されており、
作用アーム22が回動進行する時、作用アーム22の延設方向と錘索体24の張設方向との為す角が漸減しつつ錘索体24を引っ張る態様下で、前記増角機構26は、作用アーム22が負荷の漸減作用を発現する範囲の全幅に、当該作用アーム22を回動させることを特徴とする請求項3記載の連結式筋力運動機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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