説明

連結装置及び連結方法

【課題】撹拌機の撹拌軸が駆動軸から脱落するのを防止する。
【解決手段】キー部材13を、撹拌軸40の第1の縦溝40eにボルト18で固定し、撹拌軸40を、第2のカップリング12の軸孔12aに挿通し、撹拌軸40の基端面40dに、撹拌軸40が第2のカップリング12から脱落するのを防止する脱落防止部材14を配置し、座金15を、脱落防止部材14上に配置して脱落防止部材14にボルト19で固定し、脱落防止部材14を、撹拌軸40のボルト部40gにナット16を締め付けることで、固定し、座金15の第1の舌片15bを、折り曲げてナット16の側面16aに沿うように設けるとともに、座金15の第2の舌片15cを、折り曲げて脱落防止部材14の切欠部14bに係合させ、撹拌軸40が取り付けられた第2のカップリング12と、駆動部50の駆動軸52aと一体的に回転する第1のカップリング11とを締結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撹拌軸を駆動部で回転駆動して液体を撹拌する撹拌機の撹拌軸と駆動部とを連結する連結装置において、撹拌軸が駆動軸から脱落するのを防止する連結装置及び連結方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
槽の内部に収容された溶液やスラリー状の液体を撹拌軸をモータで回転駆動して撹拌する撹拌機が広く使われている。このような撹拌機は、モータの一部である回転軸が、この回転軸の回転数を調整する減速機構と第1の連結機構を介して連結され、この減速機構の一部である駆動軸が、撹拌羽根を有する撹拌軸と第2の連結機構を介して連結されている。そして、撹拌機は、モータを駆動し、第1の連結機構、減速機構及び第2の連結機構を介して、撹拌軸を回転させ、撹拌軸の撹拌羽根によって、槽内の液体の撹拌を行う。
【0003】
このような撹拌機は、モータの回転軸、減速機構の駆動軸及び撹拌軸の3種類の回転する軸を、2個の連結機構で連結しており、槽内の液体を撹拌する撹拌軸が槽の上方に設置される。
【0004】
したがって、撹拌機は、運転中に何らかの理由でこれらの連結が外れると、撹拌軸が連結機構から脱落し、液体の入った槽中に落下してしまう。工程がストップすると、操業効率が低下するだけでなく、場合によっては槽を破損させてしまう虞がある。
【0005】
特に、駆動軸と撹拌軸との連結機構において、撹拌羽根の交換などの比較的軽微な作業を行う場合は、撹拌軸を槽の上方に設置したままで作業を行なうことが作業効率の観点から好ましい。このため、撹拌軸は、駆動軸に対して、取り外しが容易でありながら、運転中の脱落が防止されなければならない。
【0006】
特許文献1には、減速機構の内部において、駆動軸の脱落を防止する技術が記載されている。しかしながら、特許文献1のように、減速機構を分解して駆動軸を取り外す頻度は、駆動軸と撹拌軸との取り外しに比べて少ない。しかも、減速機構を分解する作業は、予め、駆動軸と撹拌軸とを取り外した残りの部分を槽から取り外して、別の作業場にて行い、容易に行うことはできない。
【0007】
また、駆動軸と撹拌軸との連結において、撹拌軸の基端部をテーパ加工して、カップリングの軸孔に挿通し、撹拌軸の基端部側の端面に、脱落防止部材を、撹拌軸の基端部側の端面に設けられたボルト部とそれに対応するナットとを締め付けることによって、駆動軸から撹拌軸が脱落することを防止している。更に、脱落防止部材とナットとの間には、座金が挟み込まれ、この座金が、ナットが撹拌軸の基端部側の端面に設けられたボルト部に対して弛むことを防止している。
【0008】
なお、駆動軸の回転は、カップリング及び撹拌軸にそれぞれ形成された縦溝から構成されるキー溝にキー部材を挿入することで、撹拌軸に伝達されている。更に、脱落防止部材の周囲に切欠部が形成されており、この切欠部がキー部材に係合することで、カップリングと撹拌軸とが同調して回転する。よって、カップリングと脱落防止部材との間には、摩擦による損傷が無く、また、脱落防止部材が、撹拌軸に固定されているナットを緩めることが無いように設けられている。
【0009】
しかしながら、特に撹拌軸を回転する負荷が大きい場合には、わずかな組み付け不良による座金のずれ、或いは、わずかなテーパ加工不良によるキー部材のずれなどで、運転中に撹拌軸が脱落する虞がある。
【0010】
例えば、硫化ニッケル化合物の塩素浸出に使用される30m程度の槽であれば、従来の撹拌機(撹拌軸の直径略160mm)でも撹拌軸の脱落は発生しないが、生産量増大にともなって50〜60m程度の槽になると、槽のサイズに合せて大きくした従来の撹拌機(撹拌軸の直径略210mm)では、撹拌軸の脱落が発生する虞があり、操業上の大きな問題となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2004−100772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、このような状況を解決するためになされたものであり、撹拌軸を駆動部で回転駆動して撹拌する撹拌機の撹拌軸と駆動部の駆動軸とを連結する連結装置において、撹拌軸が駆動軸から脱落するのを防止する連結装置及び連結方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するために本発明に係る連結装置は、槽の内部に収容された液体を撹拌軸を駆動部で回転駆動して撹拌する撹拌機の該撹拌軸と該駆動部の駆動軸とを連結する連結装置において、上記駆動部の駆動軸と一体的に回転する第1のカップリングと、上記第1のカップリングと締結され、上記撹拌軸が挿通される軸孔を有する第2のカップリングと、上記撹拌軸の基端部側に形成された第1の縦溝と上記第2のカップリングに形成された第2の縦溝とで構成されるキー溝に挿入され、上記第2のカップリングに伝達された回転駆動力を上記撹拌軸に伝達するキー部材と、上記撹拌軸の基端部側の端面に、座金を介して、ナットを該基端部側の端面に形成されたボルト部に締め付けることで、固定され、上記第2のカップリングの軸孔の周囲に突き当てられて上記撹拌軸の脱落方向の移動を規制し、上記撹拌軸が上記第2のカップリングから脱落するのを防止する脱落防止部材とを備え、上記座金は、折り曲げ可能な第1の舌片と第2の舌片とを有し、該第1の舌片が上記ナット側に折り曲げられて該ナットの側面に沿うように設けられるとともに、該第2の舌片が上記脱落防止部材側に折り曲げられて該脱落防止部材の周囲に形成された切欠部に係合され、上記キー部材は、上記第1の縦溝に配置されたときに、一端部が上記撹拌軸の基端部側の端面から突出し、該一端部が上記脱落防止部材の切欠部に係合されるとともに、第1のボルトを該第1の縦溝のネジ孔に締め付けて固定され、上記座金は、上記脱落防止部材に第2のボルトを該脱落防止部材のネジ孔に締め付けて固定される。
【0014】
また、本発明に係る連結装置は、槽の内部に収容された液体を撹拌軸を駆動部で回転駆動して撹拌する撹拌機の該撹拌軸と該駆動部の駆動軸とを連結する連結装置において、上記駆動部の駆動軸と一体的に回転する第1のカップリングと、上記第1のカップリングと締結され、上記撹拌軸が挿通される軸孔を有する第2のカップリングと、上記撹拌軸の基端部側に形成された第1の縦溝と上記第2のカップリングに形成された第2の縦溝とで構成されるキー溝に挿入され、上記第2のカップリングに伝達された回転駆動力を上記撹拌軸に伝達するキー部材と、上記撹拌軸の基端部側の端面に、座金を介して、ナットを該基端部側の端面に形成されたボルト部に締め付けることで、固定され、上記第2のカップリングの軸孔の周囲に突き当てられて上記撹拌軸の脱落方向の移動を規制し、上記撹拌軸が上記第2のカップリングから脱落するのを防止する脱落防止部材とを備え、上記座金は、折り曲げ可能な第1の舌片と第2の舌片とを有し、該第1の舌片が上記ナット側に折り曲げられて該ナットの側面に沿うように設けられるとともに、該第2の舌片が上記脱落防止部材側に折り曲げられて該脱落防止部材の周囲に形成された切欠部に係合され、上記キー部材は、上記第1の縦溝に配置されたときに、一端部が上記撹拌軸の基端部側の端面から突出され、該一端部が上記座金の切欠部に係合されるとともに、第1のボルトを該第1の縦溝のネジ孔に締め付けて固定される。
【0015】
更に、本発明に係る連結装置は、槽の内部に収容された液体を撹拌軸を駆動部で回転駆動して撹拌する撹拌機の該撹拌軸と該駆動部の駆動軸とを連結する連結装置において、上記駆動部の駆動軸と一体的に回転する第1のカップリングと、上記第1のカップリングと締結され、上記撹拌軸が挿通される軸孔を有する第2のカップリングと、上記撹拌軸の基端部側に形成された第1の縦溝と上記第2のカップリングに形成された第2の縦溝とで構成されるキー溝に挿入され、上記第2のカップリングに伝達された回転駆動力を上記撹拌軸に伝達するキー部材と、上記撹拌軸の基端部側の端面に、座金を介して、ナットを該基端部側の端面に形成されたボルト部に締め付けることで、固定され、上記第2のカップリングの軸孔の周囲に突き当てられて上記撹拌軸の脱落方向の移動を規制し、上記撹拌軸が上記第2のカップリングから脱落するのを防止する脱落防止部材とを備え、上記座金は、折り曲げ可能な第1の舌片と第2の舌片とを有し、該第1の舌片が上記ナット側に折り曲げられて該ナットの側面に沿うように設けられるとともに、該第2の舌片が上記脱落防止部材側に折り曲げられて該脱落防止部材の周囲に形成された切欠部に係合され、上記キー部材は、上記第1の縦溝に配置されたときに、一端部が上記撹拌軸の基端部側の端面から突出され、該一端部が上記座金の切欠部に係合され、上記座金は、上記キー部材の基端部に対応する位置で、上記脱落防止部材に第1のボルトを該脱落防止部材のネジ孔に締め付けて固定される。
【0016】
更にまた、本発明に係る連結方法は、槽の内部に収容された液体を撹拌軸を駆動部で回転駆動して撹拌する撹拌機の該撹拌軸と該駆動部の駆動軸とを連結する連結方法において、上記撹拌軸の基端部に形成された第1の縦溝に、キー部材を、第1のボルトを該第1の縦溝のネジ孔に締め付けて固定し、上記キー部材が固定された撹拌軸を、該キー部材を上記駆動部の駆動軸と一体的に回転する第1のカップリングと連結される第2のカップリングに形成された第2の縦溝に挿入しながら、該第2のカップリングに形成された軸孔に挿通し、上記第2のカップリングに挿通された撹拌軸の基端部側の端面に、上記撹拌軸が上記第2のカップリングから脱落するのを防止する脱落防止部材を配置し、上記撹拌軸の基端部側の端面に配置された脱落防止部材上に、折り曲げ可能な第1の舌片と第2の舌片とを有する座金を配置し、上記脱落防止部材上に配置された座金を、上記脱落防止部材に、第2のボルトを該脱落防止部材のネジ孔に締め付けて固定し、上記脱落防止部材を、上記座金を介して、上記撹拌軸の基端部側の端面に形成されたボルト部にナットを締め付けて、上記撹拌軸の基端部側の端面に固定し、上記第1の舌片を、上記固定ナット側に折り曲げて該ナットの側面に沿うように設けるとともに、上記第2の舌片を、上記脱落防止部材側に折り曲げて該脱落防止部材の周囲に形成された切欠部に係合させ、上記撹拌軸が取り付けられた上記第2のカップリングと、上記第1のカップリングとを締結する。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、キー溝に挿入されたキー部材が、撹拌軸に形成された第1の縦溝に、ボルトを第1の縦溝のネジ孔に締め付けて固定されているので、動作中の振動等により、キー部材がキー溝から競り上がることで脱落防止部材及び座金を競り上げることや、加工不良等によりキー部材がずれることで、撹拌軸のボルト部に締め付けられたナットが緩むことを防止することができる。よって、撹拌機の駆動部の駆動軸から撹拌軸が脱落するのを確実に防止することができる。
【0018】
また、本発明は、脱落防止部材とナットとの間に設けられた座金が、脱落防止部材に、ボルトを脱落防止部材のネジ孔に締め付けて固定されているので、座金が、動作中の振動等により、脱落防止部材に対して回転することや、組み付け不良等で座金がずれて組み付けられることで、撹拌軸のボルト部に締め付けられたナットが緩んで撹拌軸のボルト部から外れることを防止することができる。よって、座金と脱落防止部材とを確実に一体的に回転させることができ、撹拌機の駆動部の駆動軸から撹拌軸が脱落するのを確実に防止することができる。
【0019】
更に、本発明は、キー部材の一端部が、撹拌軸の基端部の端面から基端側に突出し、この一端部が、脱落防止部材の切欠部に係合されているので、脱落防止部材が、動作中の振動等により、撹拌軸に対して回転し、撹拌軸のボルト部に締め付けられたナットが緩んで撹拌軸のボルト部から外れることを防止することができる。よって、撹拌軸と脱落防止部材とを確実に一体的に回転させることができ、撹拌機の駆動部の駆動軸から撹拌軸が脱落するのを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明が適用された連結装置が用いられる撹拌機を示した斜視図である。
【図2】本発明が適用された連結装置を示した分解正面図である。
【図3】本発明が適用された連結装置を示した正面断面図である。
【図4】本発明が適用された連結装置を示した側面断面図である。
【図5】撹拌軸の基端部側を示した分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明が適用された連結装置を、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明が適用された連結装置1は、図1に示すように、槽30の内部に収容された液体を撹拌軸40を駆動部50で回転駆動して撹拌する撹拌機20において、撹拌軸40と駆動部50との連結に用いられるものである。以下、本発明が適用された連結装置1が用いられる撹拌機20については、下記の順番で説明を行う。
【0022】
1.撹拌機の構成の説明
(1−1)全体の構成の説明
(1−2)連結装置の構成の説明
(1−3)撹拌軸と駆動部との連結方法の説明
2.本発明が適用された連結装置の実施例
3.本発明が適用された連結装置の作用効果
【0023】
1.撹拌機の構成の説明
(1−1)全体の構成の説明
撹拌機20は、図1に示すように、液体が収容される槽30と、この槽30の内部に収容された液体を撹拌する撹拌軸40と、この撹拌軸40を回転駆動する駆動部50と、撹拌軸40と駆動部50とを連結させる連結装置1とを備える。
【0024】
内部に液体が収容される槽30は、図1に示すように、上部が開口した有底円筒状に形成された本体部31と、この本体部31の開口を閉塞する蓋部32とを有している。
【0025】
本体部31は、50〜60m程度の容積を有し、内部に、溶液やスラリー状の液体が収容される。また、本体部31の内部には、撹拌軸40の基端部40bが蓋部32の上面に形成された貫通孔33から外部に引き出されるように、撹拌軸40が収容されている。
【0026】
蓋部32は、本体部31から取り外し可能に設けられている。槽30は、蓋部32を本体部31から取り外した状態で、本体部31の内部に液体が注入されるとともに、撹拌軸40の交換が行われる。また、蓋部32には、連結装置1に連結される撹拌軸40の基端部40bを本体部31の外部に露出させる貫通孔33が形成されている。更に、蓋部32の外面32aには、連結装置1、後述する減速機構52及び貫通孔33から引き出された撹拌軸の基端部40bを保護する保護部材34が設けられている。この保護部材34は、例えば、円筒形状、円錐形状に設けられ、複数個に分割された部材からなる分割構造を有する。
【0027】
撹拌軸40は、図1に示すように、先端部40aを挿入端として槽30に挿入されて槽30の内部に収容されたときに、基端部40bが蓋部32から外部に引き出される。このような撹拌軸40には、先端部40aから中程にかけて、槽30に収容された液体を撹拌する撹拌羽根41が設けられている。
【0028】
撹拌羽根41は、先端部40a及び中程に、それぞれ、溶接等により一体に設けられている。具体的に、撹拌羽根41は、撹拌軸40が槽30の内部に収容されたときに、槽30の底面近傍及び槽30の高さ方向の中間部に位置するように設けられている。撹拌羽根41,41は、撹拌軸40が回転駆動されるのに伴い、撹拌軸40と一体的に回転駆動され、槽30に収容された液体を撹拌する。
【0029】
なお、各撹拌羽根41は、図1中に2枚の羽根を有するものを例示しているが、3枚、4枚等、その他複数枚の羽根を有するものでもよい。また、撹拌羽根41は、撹拌軸40の2箇所に設けられることに限定されるものではなく、少なくとも1箇所設けられていればよい。更に、撹拌羽根41は、螺旋状の羽根を有するものでもよい。
【0030】
また、撹拌軸40の基端部40bには、図2及び図3に示すように、基端部40b側に向けて次第に縮径するテーパ部40cが設けられている。このテーパ部40cには、基端部40b側の基端面40dから先端部40a側に向けて所定の位置まで撹拌軸40の軸線Pと略平行に第1の縦溝40eが形成されている。この第1の縦溝40eは、溝底面が撹拌軸40の軸線Pと略平行となるように形成されており、駆動部50からの回転駆動力を撹拌軸40に伝達する後述するキー部材13が取り付けられている。また、第1の縦溝40eには、軸線Pと直交する方向にネジ孔40fが形成されている。このネジ孔40fは、キー部材13を固定するボルト18がネジ止めされる。なお、ボルト18としては、例えば、直径は、8〜12mm程度の六角穴付きボルトが用いられる。
【0031】
また、撹拌軸40の基端部40b側の基端面40dには、基端部40b側に突出し、外周にネジ溝が形成されたボルト部40gが設けられている。このボルト部40gには、後述するナット16が締め付けられる。
【0032】
駆動部50は、図1に示すように、撹拌軸40を回転駆動するモータ51と、このモータ51の回転軸51aの回転数に対して撹拌軸40の回転数を調整する減速機構52とを有する。モータ51は、図示しない固定部材に固定されて、槽30の上方に設置されている。減速機構52は、複数個の歯車を組み合わせてなり、モータ51の回転軸51aの回転数に対して、撹拌軸40と連結される駆動軸52aの回転数を調整する。このような駆動部50は、モータ51の回転駆動力を減速機構52を介して撹拌軸40に伝達し、撹拌軸40を回転駆動する。
【0033】
(1−2)連結装置の構成の説明
連結装置1は、図2及び図4に示すように、駆動部50の減速機構52の駆動軸52aと一体的に回転する第1のカップリング11と、第1のカップリング11と締め付けられる第2のカップリング12と、第2のカップリング12に伝達された回転駆動力を撹拌軸40に伝達するキー部材13と、撹拌軸40の基端部40b側の基端面40dに、座金15を介して、ナット16をボルト部40gに締め付けることで固定される脱落防止部材14とを備える。
【0034】
第1のカップリング11は、図2に示すように、減速機構52の駆動軸52aが挿通される軸孔11aを有する円筒状の本体部11bを有し、この本体部11bに、フランジ部11cが一体に形成されている。本体部11bは、軸孔11aに駆動軸52aが挿入され、挿入された駆動軸52aと、溶接や、ボルト等でネジ止めされることで、一体化されている。したがって、第1のカップリング11は、駆動軸52aと一体的に回転駆動する。また、フランジ部11cには、厚さ方向に貫通する複数個の第1の挿通孔11dが形成されている。
【0035】
第2のカップリング12は、図2に示すように、撹拌軸40のテーパ部40cに対応するテーパが形成された軸孔12aを有する円筒状の本体部12bを有し、この本体部12bに、フランジ部12dが一体に形成されている。本体部12bの軸孔12aの内面には、軸線Pと略平行に、駆動部50からの回転駆動力を撹拌軸40に伝達する後述するキー部材が挿入される第2の縦溝12eが形成されている。第2の縦溝12eは、第1の縦溝40eとで、駆動部50からの回転駆動力を撹拌軸40に伝達するキー部材13が挿入されるキー溝を構成している。
【0036】
また、フランジ部12dには、厚さ方向に貫通する複数個の第2の挿通孔12f形成されている。第2の挿通孔12fは、第1のカップリング11の第1の挿通孔11dとそれぞれ対応して形成されている。したがって、第1のカップリング11及び第2のカップリング12は、第1の挿通孔11dと第2の挿通孔12fとを一致させてフランジ部11c,12dを突き合わせて設けられる。そして、第1のカップリング11及び第2のカップリング12は、ボルト17aが、第2のカップリング12側から第2の挿通孔12f及び第1の挿通孔11dに挿通され、第1のカップリング11側でナット17bで締め付けられることで、固定される。よって、第2のカップリング12は、駆動軸52aが回転すると、駆動軸52aと一体化されている第1のカップリング11と一体的に回転駆動される。
【0037】
キー部材13は、図2及び図5に示すように、矩形板状であり、撹拌軸40の基端部40bに形成された第1の縦溝40eに取り付けられたときに、一端部13aが撹拌軸40の基端面40dから基端部40b側に突出する長さを有している。また、キー部材13には、第1の縦溝40eに取り付けられたときに、第1の縦溝40eに形成されたネジ孔40fに対応する位置に、厚さ方向に貫通した挿通孔13bが形成されている。挿通孔13bは、ボルト18の軸部が挿通される挿通部と、ボルト18の頭部が隠れる凹部とが連続して形成されている。このようなキー部材13は、ボルト18が挿通孔13bに挿通されてネジ孔40fにネジ止めされることで、第1の縦溝40eに固定されている。
【0038】
脱落防止部材14は、図2及び図5に示すように、略円板状に設けられており、第2のカップリング12の軸孔12aの第1のカップリング11と対向する側の外径よりも大きな外径を有するとともに、撹拌軸40を支持することが可能な機械的強度を備える厚さを有している。
【0039】
このような脱落防止部材14は、中央部に、厚さ方向に貫通する中央貫通孔14aが形成されている。中央貫通孔14aは、撹拌軸40のボルト部40gよりやや大きな直径を有し、ボルト部40gが挿通される。脱落防止部材14は、中央貫通孔14aにボルト部40gを挿通させて、撹拌軸40の基端面40d上に配置される。
【0040】
また、脱落防止部材14には、厚み方向に貫通するように切り欠かれた切欠部14bが形成されている。この切欠部14bは、脱落防止部材14が撹拌軸40の基端面40d上に配置されたときに、撹拌軸40の基端部40bから突出したキー部材13の一端部13aと係合される。よって、脱落防止部材14は、確実に、撹拌軸40と一体的に回転駆動する。
【0041】
更に、脱落防止部材14は、主面部の中央貫通孔14aと切欠部14bとで挟まれた位置に、ネジ孔14cが形成されている。ネジ孔14cには、脱落防止部材14上に配置された座金15を固定するボルト19がネジ止めされる。よって、脱落防止部材14は、確実に、座金15と一体的に回転駆動される。なお、ボルト19としては、例えば、直径は、8〜12mm程度の六角穴付きボルトが用いられる。
【0042】
すなわち、脱落防止部材14は、撹拌軸40が第2のカップリング12の軸孔12aに挿通された後に、撹拌軸40のボルト部40gに中央貫通孔14aが挿通されて、切欠部14bに撹拌軸40の基端面40dから突出したキー部材13の一端部13aが係合されるように、撹拌軸40の基端面40d上に配置され、座金15を介してナット16で撹拌軸40の基端面40d上に固定されている。このような脱落防止部材14は、第2のカップリング12の軸孔12aの周囲の突当面12hに突き当てられて、撹拌軸40が、先端部40a側の脱落方向に移動するのを規制し、撹拌軸40が第2のカップリング12から脱落するのを防止する。
【0043】
なお、ネジ孔14cは、主面部の中央貫通孔14aと切欠部14bとに挟まれた位置に1個形成されることに限定されるものではなく、中央貫通孔14aと切欠部14bとに挟まれた位置の他に、更に複数個設けるようにしてもよい。
【0044】
座金15は、図2及び図5に示すように、略円板状に設けられており、脱落防止部材14の外径と略同じ外径又はやや小さな外径を有している。このような座金15は、中央部に、厚さ方向に貫通する中央貫通孔15aが形成されている。中央貫通孔15aは、撹拌軸40のボルト部40gよりやや大きな直径を有し、ボルト部40gが挿通される。座金15は、中央貫通孔15aにボルト部40gを挿通させ、脱落防止部材14上に配置される。また、座金15には、折り曲げ可能な第1の舌片15bと第2の舌片15cとが形成されている。
【0045】
第1の舌片15bは、座金15の一部が、ナット16側に折り曲げられて、ボルト部40gに締め付けられたナット16の側面16aに沿うように設けられる。なお、当接されていてもよい。このような座金15は、ナット16がボルト部40gに締め付けられた後に、ボルト部40gに対して回転し、ナット16が緩むことを防止する。
【0046】
また、第2の舌片15cは、座金15の外周部から中央貫通孔15aに向かって切り込まれることで設けられている第2の舌片15cは、座金15が脱落防止部材14上に配置された後に、脱落防止部材14側に折り曲げられて脱落防止部材14の切欠部14bに係合される。更に、座金15には、脱落防止部材14のネジ孔14cに対応する位置に、挿通孔15dが形成されている。座金15は、ボルト19が挿通孔15dを介してネジ孔14cにネジ止めされることで、脱落防止部材14にされている。また、座金15とボルト19とは、点溶接されている。よって、座金15は、確実に脱落防止部材14と一体的に回転駆動され、座金15上に設けられたナット16が、脱落防止部材14に対して回転して緩むことを防止する。
【0047】
(1−3)撹拌軸と駆動部との連結方法の説明
次に、撹拌軸40と駆動部50の駆動軸52aとの連結方法について、説明する。
【0048】
先ず、図5に示すように、キー部材13は、撹拌軸40の基端部40bに形成された第1の縦溝40eに配置される。キー部材13は、ボルト18がキー部材13の挿通孔13bを介して第1の縦溝40eに形成されたネジ孔40fにネジ止めされることで、第1の縦溝40eに固定される。
【0049】
次いで、図4に示すように、キー部材13が固定された撹拌軸40の基端部40bは、第1の縦溝40eに固定されたキー部材13を第2のカップリング12の第2の縦溝12eに挿入しながら、第2のカップリング12の軸孔12aに他端部12g側から一端部12c側に向けて挿入される。
【0050】
次いで、撹拌軸40のボルト部40gには、中央貫通孔14aを挿入させて、脱落防止部材14が撹拌軸40の基端面40d上に配置される。このとき、脱落防止部材14は、切欠部14bに撹拌軸40の基端面40dから突出したキー部材13の一端部13aが係合されるように、撹拌軸40の基端面40d上に配置される。
【0051】
次いで、撹拌軸40のボルト部40gには、中央貫通孔15aを挿入させて、座金15が脱落防止部材14上に配置される。
【0052】
次いで、脱落防止部材14上に配置された座金15は、ボルト19が挿通孔15dを介してネジ孔14cにネジ止めされることで、脱落防止部材14上に固定される。そして、ボルト19は、座金15に点溶接される。そして、脱落防止部材14は、ナット16を撹拌軸40のボルト部40gに締め付けることで、撹拌軸40の基端面40dに固定される。そして、第1の舌片15bは、ナット16側に折り曲げられてナット16の側面16aに沿うように設けられるとともに、第2の舌片15cは、脱落防止部材14側に折り曲げられて脱落防止部材14に形成された切欠部14bに係合される。
【0053】
次いで、撹拌軸40が取り付けられた第2のカップリング12と、駆動部50の減速機構52の駆動軸52aと一体的に回転する第1のカップリング11とは、第1の挿通孔11dと第2の挿通孔12fとを一致させてフランジ部11c,12dを突き合わせて設けられる。そして、第1のカップリング11と第2のカップリング12とは、ボルト17aが第2のカップリング12側から第1の挿通孔12f及び第1の挿通孔11dを挿通され、挿通されたボルト17aが第1のカップリング11側でナット17bにより締め付けられることで、固定される。
【0054】
なお、ボルト19が座金15に点溶接された後に、第2の舌片15cは、脱落防止部材14側に折り曲げられて脱落防止部材14に形成された切欠部14bに係合される。そして、脱落防止部材14は、ナット16を撹拌軸40のボルト部40gに締め付けることで、撹拌軸40の基端面40dに固定される。そして、第1の舌片15bは、ナット16側に折り曲げられてナット16の側面16aに沿うように設けられる連結方法であってもよい。
【0055】
2.本発明が適用された連結装置の実施例
<実施例1>
実施例1では、液体を入れる槽の容積が60m、内部に収容された液量は55m、撹拌軸の直径が略210mmであり、更に、直径が12mm、長さが30mmのボルトを使用して、脱落防止部材14の主面部の中央貫通孔14aと切欠部14bとで挟まれた位置に、具体的に、脱落防止部材14の外周部から中央貫通孔14aへ25mmの位置で、座金15をネジ止めして、座金15を脱落防止部材14に固定し、12ヶ月の操業を実施した。
【0056】
その結果、この操業期間で、駆動軸52aから撹拌軸40が脱落することはなかった。また、操業後の定期点検において、脱落防止部材14のキー部材13が対向している部分は変形しておらず、僅かなキズが確認されただけで脱落防止部材の弛みはなかった。
【0057】
<実施例2>
実施例2では、実施例1に加えて、キー部材13を、実施例1で使用したサイズのボルトで、撹拌軸40の第1の縦溝40eにネジ止めして、第1の縦溝40eに固定した以外は、実施例1と同様の条件で、12ヶ月の操業を実施した。
【0058】
その結果、この操業期間で、駆動軸52aから撹拌軸40が脱落することはなかった。また、操業後の定期点検において、脱落防止部材14のキー部材13が対向している部分は変形やキズがみうけられず、キー部材13のズレが防止されていることが確認できた。
【0059】
更に、実施例1,2では、ボルト18,19を取り付ける作業時間が、従来より2〜3分程度増加したが、作業全体が30分程度であることを考えれば、十分無視し得る時間で、駆動軸52aと撹拌軸40とを連結することができた。
【0060】
<比較例1>
ボルト18,19を用いずに、その他の条件を実施例1と同様の操業を行なったところ、11ヶ月で1回の脱落が発生し、しかもその際に、槽の破損を伴ったため、復旧には15日を要した。
3.本発明が適用された連結装置の作用効果
本発明に係る連結装置1は、キー溝に挿入されたキー部材13が、撹拌軸40に形成された第1の縦溝40eに、ボルト18を第1の縦溝のネジ孔に締め付けて固定されているので、動作中の振動等により、キー部材13がキー溝から競り上がることで脱落防止部材14及び座金15を競り上げることや、テーパ加工不良等によりキー部材13がずれることで、撹拌軸40のボルト部40gに締め付けられたナット16が緩むことを防止することができる。よって、撹拌機20の駆動部50の駆動軸52aから撹拌軸40が脱落するのを確実に防止することができる。更に、本発明に係る連結装置1は、ボルト18を取り外すことで、キー部材13を第1の縦溝40eから容易に取り外すことができ、駆動軸52aから撹拌軸40を容易に取り外すことができる。
【0061】
また、本発明に係る連結装置は、脱落防止部材14とナット16との間に設けられた座金15が、脱落防止部材14に、ボルト19を脱落防止部材のネジ孔に締め付けて固定されているので、座金15が、動作中の振動等により、脱落防止部材14に対して回転することや、組み付け不良等で座金がずれて組み付けられることで、撹拌軸40のボルト部40gに締め付けられたナット16が緩んで撹拌軸40のボルト部40gから外れることを防止することができる。よって、座金15と脱落防止部材14とを確実に一体的に回転させることができ、撹拌機20の駆動部50の駆動軸52aから撹拌軸40が脱落するのを確実に防止することができる。更に、本発明に係る連結装置1によれば、ボルト19を取り外すことで、座金15を脱落防止部材14から容易に取り外すことができ、駆動軸52aから撹拌軸40を容易に取り外すことができる。
【0062】
更に、本発明は、キー部材13の一端部13aが、撹拌軸40の基端部40bの基端面40dから基端側に突出し、この一端部13aが、脱落防止部材14の切欠部14bに係合されているので、脱落防止部材14が、動作中の振動等により、撹拌軸40に対して回転し、撹拌軸のボルト部に締め付けられたナット16が緩んで撹拌軸40のボルト部40gから外れることを防止することができる。よって、撹拌軸40と脱落防止部材14とを確実に一体的に回転させることができ、撹拌機20の駆動部50の駆動軸52aから撹拌軸40が脱落するのを確実に防止することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 連結装置、11 第1のカップリング、11a 軸孔、11b 本体部、11c フランジ部、11d 第1の挿通孔、12 第2のカップリング、12a 軸孔、12b 本体部、12c 一端部、12d フランジ部、12e 第2の縦溝、12f 第2の挿通孔、12g 他端部、12h 突当部、13 キー部材、13a 一端部、13b 挿通孔、14 脱落防止部材、14a 中央貫通孔、14b 切欠部、14c ネジ孔、15 座金、15a 中央貫通孔、15b 第1の舌片、15c 第2の舌片、15d 挿通孔、16 ナット、16a 側面、17a ボルト、17b ナット、18 ボルト、19 ボルト、20 撹拌機、30 槽、31 本体部、32 蓋部、32a 主面、33 貫通孔、34 保護部材、40 撹拌軸、40a 先端部、40b 基端部、40c テーパ部、40d 基端面、40e 第1の縦溝、40f ネジ孔、40g ボルト部、41 撹拌羽根、50 駆動部、51 モータ、51a 回転軸、52 減速機構、52a 駆動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
槽の内部に収容された液体を撹拌軸を駆動部で回転駆動して撹拌する撹拌機の該撹拌軸と該駆動部の駆動軸とを連結する連結装置において、
上記駆動部の駆動軸と一体的に回転する第1のカップリングと、
上記第1のカップリングと締結され、上記撹拌軸が挿通される軸孔を有する第2のカップリングと、
上記撹拌軸の基端部側に形成された第1の縦溝と上記第2のカップリングに形成された第2の縦溝とで構成されるキー溝に挿入され、上記第2のカップリングに伝達された回転駆動力を上記撹拌軸に伝達するキー部材と、
上記撹拌軸の基端部側の端面に、座金を介して、ナットを該基端部側の端面に形成されたボルト部に締め付けることで、固定され、上記第2のカップリングの軸孔の周囲に突き当てられて上記撹拌軸の脱落方向の移動を規制し、上記撹拌軸が上記第2のカップリングから脱落するのを防止する脱落防止部材とを備え、
上記座金は、折り曲げ可能な第1の舌片と第2の舌片とを有し、該第1の舌片が上記ナット側に折り曲げられて該ナットの側面に沿うように設けられるとともに、該第2の舌片が上記脱落防止部材側に折り曲げられて該脱落防止部材の周囲に形成された切欠部に係合され、
上記キー部材は、上記第1の縦溝に配置されたときに、一端部が上記撹拌軸の基端部側の端面から突出し、該一端部が上記脱落防止部材の切欠部に係合されるとともに、第1のボルトを該第1の縦溝のネジ孔に締め付けて固定され、
上記座金は、上記脱落防止部材に第2のボルトを該脱落防止部材のネジ孔に締め付けて固定される連結装置。
【請求項2】
上記第2のボルトは、上記座金に点溶接されている請求項1記載の連結装置。
【請求項3】
槽の内部に収容された液体を撹拌軸を駆動部で回転駆動して撹拌する撹拌機の該撹拌軸と該駆動部の駆動軸とを連結する連結装置において、
上記駆動部の駆動軸と一体的に回転する第1のカップリングと、
上記第1のカップリングと締結され、上記撹拌軸が挿通される軸孔を有する第2のカップリングと、
上記撹拌軸の基端部側に形成された第1の縦溝と上記第2のカップリングに形成された第2の縦溝とで構成されるキー溝に挿入され、上記第2のカップリングに伝達された回転駆動力を上記撹拌軸に伝達するキー部材と、
上記撹拌軸の基端部側の端面に、座金を介して、ナットを該基端部側の端面に形成されたボルト部に締め付けることで、固定され、上記第2のカップリングの軸孔の周囲に突き当てられて上記撹拌軸の脱落方向の移動を規制し、上記撹拌軸が上記第2のカップリングから脱落するのを防止する脱落防止部材とを備え、
上記座金は、折り曲げ可能な第1の舌片と第2の舌片とを有し、該第1の舌片が上記ナット側に折り曲げられて該ナットの側面に沿うように設けられるとともに、該第2の舌片が上記脱落防止部材側に折り曲げられて該脱落防止部材の周囲に形成された切欠部に係合され、
上記キー部材は、上記第1の縦溝に配置されたときに、一端部が上記撹拌軸の基端部側の端面から突出され、該一端部が上記座金の切欠部に係合されるとともに、第1のボルトを該第1の縦溝のネジ孔に締め付けて固定される連結装置。
【請求項4】
槽の内部に収容された液体を撹拌軸を駆動部で回転駆動して撹拌する撹拌機の該撹拌軸と該駆動部の駆動軸とを連結する連結装置において、
上記駆動部の駆動軸と一体的に回転する第1のカップリングと、
上記第1のカップリングと締結され、上記撹拌軸が挿通される軸孔を有する第2のカップリングと、
上記撹拌軸の基端部側に形成された第1の縦溝と上記第2のカップリングに形成された第2の縦溝とで構成されるキー溝に挿入され、上記第2のカップリングに伝達された回転駆動力を上記撹拌軸に伝達するキー部材と、
上記撹拌軸の基端部側の端面に、座金を介して、ナットを該基端部側の端面に形成されたボルト部に締め付けることで、固定され、上記第2のカップリングの軸孔の周囲に突き当てられて上記撹拌軸の脱落方向の移動を規制し、上記撹拌軸が上記第2のカップリングから脱落するのを防止する脱落防止部材とを備え、
上記座金は、折り曲げ可能な第1の舌片と第2の舌片とを有し、該第1の舌片が上記ナット側に折り曲げられて該ナットの側面に沿うように設けられるとともに、該第2の舌片が上記脱落防止部材側に折り曲げられて該脱落防止部材の周囲に形成された切欠部に係合され、
上記キー部材は、上記第1の縦溝に配置されたときに、一端部が上記撹拌軸の基端部側の端面から突出され、該一端部が上記座金の切欠部に係合され、
上記座金は、上記キー部材の基端部に対応する位置で、上記脱落防止部材に第1のボルトを該脱落防止部材のネジ孔に締め付けて固定される連結装置。
【請求項5】
上記第1のボルトは、上記座金に点溶接されている請求項4記載の連結装置。
【請求項6】
槽の内部に収容された液体を撹拌軸を駆動部で回転駆動して撹拌する撹拌機の該撹拌軸と該駆動部の駆動軸とを連結する連結方法において、
上記撹拌軸の基端部に形成された第1の縦溝に、キー部材を、第1のボルトを該第1の縦溝のネジ孔に締め付けて固定し、
上記キー部材が固定された撹拌軸を、該キー部材を上記駆動部の駆動軸と一体的に回転する第1のカップリングと連結される第2のカップリングに形成された第2の縦溝に挿入しながら、該第2のカップリングに形成された軸孔に挿通し、
上記第2のカップリングに挿通された撹拌軸の基端部側の端面に、上記撹拌軸が上記第2のカップリングから脱落するのを防止する脱落防止部材を配置し、
上記撹拌軸の基端部側の端面に配置された脱落防止部材上に、折り曲げ可能な第1の舌片と第2の舌片とを有する座金を配置し、
上記脱落防止部材上に配置された座金を、上記脱落防止部材に、第2のボルトを該脱落防止部材のネジ孔に締め付けて固定し、
上記脱落防止部材を、上記座金を介して、上記撹拌軸の基端部側の端面に形成されたボルト部にナットを締め付けて、上記撹拌軸の基端部側の端面に固定し、
上記第1の舌片を、上記固定ナット側に折り曲げて該ナットの側面に沿うように設けるとともに、上記第2の舌片を、上記脱落防止部材側に折り曲げて該脱落防止部材の周囲に形成された切欠部に係合させ、
上記撹拌軸が取り付けられた上記第2のカップリングと、上記第1のカップリングとを締結する連結方法。
【請求項7】
上記第2のボルトは、上記座金に点溶接されている請求項6記載の連結方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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