遊技台
【課題】画像を表示するために必要な記憶領域の容量を従来よりも削減することができる遊技台を提供する。
【解決手段】遊技台は、第一解像度の動画に対応する動画構成データを展開するための第一展開領域と、前記第一解像度とは異なる第二解像度の動画に対応する動画構成データを展開するための第二展開領域と、を含む展開領域を備える。また、動画構成データ展開手段は、前記第一展開領域に、前記第二解像度の動画に対応する前記動画構成データを展開可能であり、動画表示制御手段は、第一展開領域に展開された前記第二解像度の動画に対応する動画構成データに基づいて、動画表示手段に前記第二解像度の動画を表示させる。
【解決手段】遊技台は、第一解像度の動画に対応する動画構成データを展開するための第一展開領域と、前記第一解像度とは異なる第二解像度の動画に対応する動画構成データを展開するための第二展開領域と、を含む展開領域を備える。また、動画構成データ展開手段は、前記第一展開領域に、前記第二解像度の動画に対応する前記動画構成データを展開可能であり、動画表示制御手段は、第一展開領域に展開された前記第二解像度の動画に対応する動画構成データに基づいて、動画表示手段に前記第二解像度の動画を表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回胴遊技機(スロットマシン)や弾球遊技機(パチンコ機)に代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技台は、液晶表示装置などに様々な画像を表示させることによって演出効果を高め、遊技者の興趣を向上するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−200302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技台では、複数種類の解像度の画像データに基づいて解像度の異なる画像を生成する際に、画像データを一時的に記憶する記憶領域が解像度毎に必要なため、記憶領域が不足し、複雑な画像表示を行うことができないといった問題点があった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものであって、画像を表示するために必要な記憶領域の容量を従来よりも削減することができる遊技台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、動画データを記憶する動画情報記憶手段と、前記動画情報記憶手段に記憶されている動画データの動画構成データを展開する動画構成データ展開手段と、動画を表示可能な動画表示手段と、前記動画構成データ展開手段に展開されている動画構成データに基づいて前記動画表示手段に前記動画を表示させる動画表示制御手段と、備え、前記動画の解像度毎に前記動画構成データを展開する展開領域を前記動画構成データ展開手段に事前に設定可能な遊技台であって、前記展開領域は、第一解像度の動画に対応する動画構成データを展開するための第一展開領域と、前記第一解像度とは異なる第二解像度の動画に対応する動画構成データを展開するための第二展開領域と、を含んで構成され、前記動画構成データ展開手段は、前記第一展開領域に、前記第二解像度の動画に対応する前記動画構成データを展開可能であり、前記動画表示制御手段は、前記第一展開領域に展開された前記第二解像度の動画に対応する動画構成データに基づいて、前記動画表示手段に前記第二解像度の動画を表示させることを特徴とする遊技台である。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る遊技台によれば、画像を表示するために必要な記憶領域の容量を従来よりも削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】パチンコ機を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【図2】パチンコ機を背面側から見た外観図である。
【図3】遊技盤を正面から見た略示正面図である。
【図4】制御部の回路ブロック図を示したものである。
【図5】(a)特図の停止図柄態様の一例を示したものである。(b)装飾図柄の停止図柄態様の一例を示したものである。(c)普図の停止表示図柄の一例を示したものである。
【図6】主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】VRAM436に画像データが展開される前のROM406とVRAM436の内部構成の一例を示したブロック図である。
【図9】(a)ROM406に予め記憶されるムービーデータの制御情報の一例を示した図である。(b)VRAM436に記憶されるムービーデータの制御情報の一例を示した図である。
【図10】(a)第1副制御部のCPUが実行するメイン処理のフローチャートである。(b)第1副制御部のコマンド受信割込み処理のフローチャートである。(c)第1副制御部のタイマ割込処理のフローチャートである。(d)第1副制御部の画像制御処理のフローチャートである。
【図11】VRAM436に画像データが展開された後のROM406とVRAM436の内部構成の一例を示したブロック図である。
【図12】(a)第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。(b)第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。(c)第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。
【図13】パディング処理の一例を示した図である。
【図14】パディング処理の変形例を示した図である。
【図15】パディング処理の変形例を示した図である。
【図16】ムービーデータの変形例を説明するための図である。
【図17】ムービーAを再生する際の画像描画処理の流れを示した図である。
【図18】ムービーBを再生する際の画像描画処理の流れを示した図である。
【図19】ムービーB´を再生する際の画像描画処理の流れを示した図である。
【図20】ムービーB´を再生する際の画像描画処理の他の例の流れを示した図である。
【図21】リーチ用ムービーの再生後に大当り遊技用ムービーを再生する際の画像描画処理の流れを示した図である。
【図22】解像度が異なるムービーAとムービーBを同時に再生する際の画像描画処理の流れを示した図である。
【図23】解像度が同一のムービーXとムービーYを同時に再生する際の画像描画処理の流れを示した図である。
【図24】パチンコ機を正面から見た正面図である。
【図25】カジノマシンを正面から見た外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る遊技台(パチンコ機100)について詳細に説明する。
【0010】
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の実施形態1に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【0011】
パチンコ機100は、外部的構造として、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面に備える。
【0012】
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。本体104は、内枠と呼ばれ、外枠102の内部に備えられ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。また、本体104が開放された場合、本体104の開放を検出する不図示の内枠開放センサを備える。
【0013】
前面枠扉106は、ロック機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部とした扉部材である。なお、この前面枠扉106には、開口部にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124を区画形成する。また、前面枠扉106が開放された場合、前面枠扉106の開放を検出する不図示の前面枠扉開放センサを備える。
【0014】
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤200の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。また、下皿128が満タンであることを検出する不図示の下皿満タンセンサを備える。
【0015】
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。
【0016】
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部から観察することができる。
【0017】
図2は、図1のパチンコ機100を背面側から見た外観図である。パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、この球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
【0018】
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。
【0019】
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600へ出力する。なお、この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の表側に配設した上皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、この構成により遊技者に対して球の払い出しを行う。
【0020】
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源制御部660を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRWMクリア信号を主制御部300に出力するRWMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部186を配設している。
【0021】
図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。
【0022】
遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。この演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
【0023】
演出装置206は、演出可動体224を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施例では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
【0024】
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。
【0025】
普図保留ランプ216は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施例では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。第1特図保留ランプ218および第2特図保留ランプ220は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施例では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。高確中ランプ222は、遊技状態が大当りが発生し易い高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を大当りが発生し難い低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
【0026】
また、この演出装置206の周囲には、所定の球進入口、例えば、一般入賞口226と、普図始動口228と、第1特図始動口230と、第2特図始動口232と、可変入賞口234を配設している。
【0027】
一般入賞口226は、本実施例では遊技盤200に複数配設しており、この一般入賞口226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施例では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
【0028】
普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施例では遊技盤200の左側に1つ配設している。普図始動口228を通過した球は一般入賞口226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
【0029】
第1特図始動口230は、本実施例では遊技盤200の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第1特図表示装置212による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0030】
第2特図始動口232は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施例では第1特図始動口230の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口232は、左右に開閉自在な羽根部材232aを備え、羽根部材232aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当たり図柄を停止表示した場合に羽根部材232aが所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第2特図表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0031】
可変入賞口234は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施例では遊技盤200の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口234は、開閉自在な扉部材234aを備え、扉部材234aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選して特図表示装置が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材234aが所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。なお、可変入賞口234に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0032】
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘238を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口を設けている。
【0033】
このパチンコ機100は、遊技者が上皿126に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(第1特図始動口230、第2特図始動口232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。
【0034】
<演出装置206>
次に、パチンコ機100の演出装置206について説明する。この演出装置206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242およびステージ244を配設し、遊技球の転動不可能な領域に演出可動体224を配設している。また、演出装置206の背面側には、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246(以下、扉と称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置206において、装飾図柄表示装置208および遮蔽手段は、ワープ装置242、ステージ244、および演出可動体224の後方に位置することとなる。
【0035】
ワープ装置242は、演出装置206の左上方に設けたワープ入口242aに入った遊技球を演出装置206の前面下方のステージ244にワープ出口242bから排出する。
ステージ244は、ワープ出口242bから排出された球や遊技盤200の釘などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ244の中央部には、通過した球が第1特図始動口230へ入球し易くなるスペシャルルート244aを設けている。
【0036】
演出可動体224は、本実施形態では人間の右腕の上腕と前腕を模した上腕部224aと前腕部224bとからなり、肩の位置に上腕部224aを回動させる不図示の上腕モータと肘の位置に前腕部224bを回動させる不図示の前腕モータを備える。演出可動体224は、上腕モータと前腕モータによって装飾図柄表示装置208の前方を移動する。
【0037】
遮蔽装置246は、格子状の左扉246aおよび右扉246bからなり、装飾図柄表示装置208および前面ステージ244の間に配設する。左扉246aおよび右扉246bの上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉246aおよび右扉246bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽手段は、左扉246aおよび右扉246bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置208を視認し難いように遮蔽する。左扉246aおよび右扉246bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置208の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置208の表示の全てを視認可能である。また、左扉246aおよび右扉246bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左扉246aおよび右扉246bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置208の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置208による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置208を全く視認不可にしてもよい。
【0038】
<制御部>
次に、図4を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
【0039】
パチンコ機100の制御部は、大別すると、主に遊技の進行(例えば、遊技者による操作の検出、遊技状態の遷移、遊技媒体の払出制御、当否判定など)を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源制御部660と、によって構成している。
【0040】
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
【0041】
また、基本回路302には、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路318(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、所定の球検出センサ、例えば各始動口、入賞口、可変入賞口を通過する遊技球を検出するセンサや、前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、所定の図柄表示装置、例えば第1特図表示装置212や第2特図表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、所定の図柄表示装置、例えば普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、第1特図保留ランプ218、第2特図保留ランプ220、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、所定の可動部材、例えば第2特図始動口232の羽根部材232aや可変入賞口234の扉部材234a等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334を接続している。
【0042】
なお、第1特図始動口230に球が入賞したことを球検出センサ320が検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路318に出力する。この信号を受信したカウンタ回路318は、第1特図始動口230に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路318は、第2特図始動口232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口232に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
【0043】
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
【0044】
また、主制御部300には、電源制御部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、この電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
【0045】
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(詳細は後述する)。
【0046】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400および払出制御部600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400および払出制御部600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400および払出制御部600からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0047】
<副制御部>
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
【0048】
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC416と、各種ランプ418(例えば、チャンスボタンランプ138)の制御を行うための駆動回路420と、遮蔽装置246の駆動制御を行うための駆動回路432と、遮蔽装置246の現在位置を検出する遮蔽装置センサ430と、チャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ426と、遮蔽装置センサ430やチャンスボタン検出センサ426からの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428と、CPU404からの信号に基づいてROM406に記憶された画像データ等を読み出してVRAM436のワークエリアを使用して表示画像を生成して装飾図柄表示装置208に画像を表示するVDP434(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)と、を接続している。
【0049】
次に、パチンコ機100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作し、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506が設けられている。
【0050】
また、基本回路502には、演出可動体224の駆動制御を行うための駆動回路516と、演出可動体224の現在位置を検出する演出可動体センサ424と、演出可動体センサ424からの検出信号を基本回路502に出力するセンサ回路518と、遊技盤用ランプ532の制御を行うための遊技盤用ランプ駆動回路530と、遊技台枠用ランプ542の制御を行うための遊技台枠用ランプ駆動回路540と、遊技盤用ランプ駆動回路530と遊技台枠用ランプ駆動回路540との間でシリアル通信による点灯制御を行うシリアル通信制御回路520と、を接続している。
【0051】
<払出制御部、発射制御部、電源制御部>
次に、パチンコ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源制御部660について説明する。払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置152の払出モータ602を制御すると共に、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部606を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。
【0052】
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆146および発射槌148を駆動する発射モータ632の制御や、上皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
【0053】
電源制御部660は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、第1副制御部400等の各制御部や払出装置152等の各装置に供給する。さらに、電源制御部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源制御部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給し、払出制御部600から主制御部300と第2副制御部500と発射制御部630に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
【0054】
<図柄の種類>
次に、図5(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の第1特別図柄表示装置212、第2特別図柄表示装置214、装飾図柄表示装置208、普通図柄表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。同図(a)は特図の停止図柄態様の一例を示したものである。
【0055】
第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、第2特図始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、第1特別図柄表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、第2特別図柄表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」を行う。これらの「特図1の変動表示」および「特図2の変動表示」が本発明にいう図柄の変動表示の一例に相当する。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間(本発明にいう変動時間が相当)が経過すると、第1特別図柄表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間(これも本発明にいう変動時間が相当)が経過すると、第2特別図柄表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。
【0056】
したがって、「特図1の変動表示」を開始してから特図1の停止図柄態様を停止表示するまで、あるいは「特図2の変動表示」を開始してから特図2の停止図柄態様を停止表示するまでが本発明にいう図柄変動停止表示の一例に相当し、以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を図柄変動停止表示と称する。後述するように、図柄変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。同図(a)には、図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図J」までの10種類の特図が示されており、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
【0057】
「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当たり図柄であり、「特図B」は15R大当たり図柄である。本実施形態のパチンコ機100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。また、15R特別大当たり遊技終了後および15R大当たり遊技終了後はいずれも時短状態に移行する。時短については詳しくは後述するが、時短状態に移行する状態のことを普図高確率状態と称し、時短状態に移行しない状態のことを普図低確率状態と称する。15R特別大当たり図柄である「特図A」は、特図高確率普図高確率状態であり、15R大当たり図柄である「特図B」は、特図低確率普図高確率状態である。これらの「特図A」および「特図B」は、遊技者に付与する利益量が相対的に大きな利益量になる図柄である。
【0058】
「特図C」は突然確変と称される2R大当たり図柄であり、特図高確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図A」と比べて、「特図C」は2Rである点が異なる。「特図D」は突然時短と称される2R大当たり図柄であり、特図低確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図B」と比べて、「特図D」は2Rである点が異なる。
【0059】
「特図E」は隠れ確変と称される2R大当たり図柄であり、特図高確率普図低確率状態である。「特図F」は突然通常と称される2R大当たり図柄であり、特図低確率普図低確率状態である。これら「特図E」および「特図F」はいずれも、2Rであるとともに、時短状態に移行しない状態である。
【0060】
「特図G」は第1小当たり図柄であり、「特図H」は第2小当たり図柄であり、何れも特図低確率普図低確率状態である。ここにいう小当たりは、2R時短無し大当たりと同じものに相当する。すなわち、この「特図G」、「特図H」は「特図F」と同じ状態であるが、両者では装飾図柄表示装置208に表示される演出が異なり、あえて、同じ状態でも「特図G」、「特図H」と「特図F」を設けておくことで、遊技の興趣を高めている。
【0061】
また、「特図I」は第1はずれ図柄であり、「特図J」は第2はずれ図柄であり、遊技者に付与する利益量が相対的に小さな利益量になる図柄である。
【0062】
なお、本実施形態のパチンコ機100には、15R特別大当たり図柄として「特図A」以外の図柄も用意されており、15R大当たり図柄等の他の図柄についても同様である。
【0063】
図5(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口230または第2特図始動口232に球が入賞したこと、すなわち、第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは第2特図始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。そして、「特図B」の15R大当たりを報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに15R大当たりに対応する、同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾1−装飾1−装飾1」や「装飾2−装飾2−装飾2」等)を停止表示する。「特図A」の15R特別大当たりを報知する場合には、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾3−装飾3−装飾3」や「装飾7−装飾7−装飾7」等)を停止表示する。
【0064】
また、「特図E」の隠れ確変と称される2R大当たり、「特図F」の突然通常と称される2R大当たり、あるいは「特図G」の第1小当たり、「特図H」の第2小当たりを報知する場合には、「装飾1−装飾2−装飾3」を停止表示する。さらに、「特図C」の突然確変と称される2R大当たり、あるいは「特図D」の突然時短と称される2R大当たりを報知する場合には、「装飾1−装飾3−装飾5」を停止表示する。一方、「特図I」の第1はずれ、「特図J」の第2はずれを報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに同図(b)に示す図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示する。
【0065】
図5(c)は普図の停止表示図柄の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当たり図柄である「普図A」と、外れ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口228を球が通過したことを上述のゲートセンサが検出したことに基づいて、普通図柄表示装置210は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図A」を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には「普図B」を停止表示する。この同図(c)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
【0066】
<主制御部メイン処理>
次に、図6を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0067】
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図6に示す主制御部メイン処理を実行する。
【0068】
ステップS101では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。ステップS103では、WDT314のカウンタの値をクリアし、WDT314による時間計測を再始動する。
【0069】
ステップS105では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源制御部660から主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS103に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS107に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS103に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS105は繰り返し実行される。
【0070】
ステップS107では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
【0071】
ステップS109では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)には初期化処理(ステップS113)に進む。
【0072】
具体的には、最初に、電源基板に設けたRWMクリアスイッチ180を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)には、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS111に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべくステップS113に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS113に進む。
【0073】
ステップS111では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS115内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、図4に示す主制御部300における基本回路302に搭載されているRAM308には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップS111では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
【0074】
ステップS113では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割込禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。さらにここで、主制御部300のRAM308に設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部300の初期化処理(ステップS113)が行われたことを表すコマンドであり、復電コマンドと同じく、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
【0075】
ステップS115では、割込禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、および特図タイマ乱数値それぞれを生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。なお、初期値生成用乱数カウンタは、後述するステップS207でも更新する。主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、ステップS115の処理を繰り返し実行する。
【0076】
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図7を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【0077】
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
【0078】
ステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
【0079】
ステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、上述の前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサ、各種の球検出センサを含む各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
【0080】
また、ステップS205では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、上述のステップS205では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図4に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このステップS205では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226、可変入賞口234、第1特図始動口230、および第2特図始動口232への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口226、234やこれらの始動口230、232、228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
【0081】
ステップS207およびステップS209では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップSA15で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部300で使用する、普図当選乱数値、特図1乱数値、および特図2乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。また、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。なお、本実施形態では特図1の乱数値を取得するためのカウンタと特図2の乱数値を取得するためのカウンタとを別に設けたが、同一のカウンタを用いてもよい。
【0082】
ステップS211では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
【0083】
ステップS213では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、第1特別図柄表示装置212に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、第2特図表示装置214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
【0084】
ステップS215では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口226、234や始動口230、232、228に入賞があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
【0085】
また、ステップS217では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1特図始動口230、第2特図始動口232、普図始動口228および可変入賞口234への入賞があったか否かを判定する。ここでは、ステップS203における入賞判定パターン情報と一致するか否かの判定結果を用いて判定する。第1特図始動口230へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、カウンタ回路318の当選用カウンタ値記憶用レジスタから値を特図1当選乱数値として取得するとともに特図1乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図1乱数値として取得して対応する乱数値記憶領域に格納する。第2特図始動口232へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、カウンタ回路318の当選用カウンタ値記憶用レジスタから値を特図2当選乱数値として取得するとともに特図2乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図2乱数値として取得して対応する乱数値記憶領域に格納する。普図始動口228へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を普図当選乱数値として取得して対応する乱数値記憶領域に格納する。可変入賞口234へ入賞があった場合には、可変入賞口用の入賞記憶領域に、可変入賞口234に球が入球したことを示す情報を格納する。
【0086】
ステップS219では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は、例えば1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
【0087】
ステップS221では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
【0088】
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、当たり図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、外れ図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は、当り図柄(図5(c)に示す普図A)および外れ図柄(図5(c)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
【0089】
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口232の羽根部材232aの開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材232aを開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
【0090】
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド332に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
【0091】
また、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果が外れであれば、後述するように、普図外れフラグがオンされる。この普図外れフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS223に移行するようにしている。
【0092】
ステップS223では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口232の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
【0093】
次いで、特図1および特図2それぞれについての特図状態更新処理を行うが、最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行う(ステップS225)。この特図2状態更新処理は、特図2の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、第2特別図柄表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。
また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転開始設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶してから処理を終了する。
【0094】
また、主制御部300のRAM308には、15R大当りフラグ、2R大当たりフラグ、第1小当たりフラグ、第2小当たりフラグ、第1はずれフラグ、第2はずれフラグ、特図確率変動フラグ、および普図確率変動フラグそれぞれのフラグが用意されている。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には図5(a)に示す特図A、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図B、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には特図C、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図D、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグはオンの場合には特図E、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグもオフの場合には特図F、第1小当たりフラグがオンの場合には特図G、第2小当たりフラグがオンの場合には特図H、第1はずれフラグがオンの場合には特図I、第2はずれフラグがオンの場合には特図Iそれぞれの態様となるように、第2特別図柄表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は、15R特別大当たり図柄(特図A)、15R大当たり図柄(特図B)、突然確変図柄(特図C)、突然時短図柄(特図D)、隠れ確変図柄(特図E)、突然通常図柄(特図F)、第1小当たり図柄(特図G)、第2小当たり図柄(特図H)、第1はずれ図柄(特図I)、および第2はずれ図柄(特図J)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた時短回数記憶部に記憶された時短回数が1以上であれば、その時短回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中(詳細は後述)でなければ、時短フラグをオフする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)にも、時短フラグをオフする。
【0095】
また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転停止設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
【0096】
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、後述するように、大当りフラグがオンされる。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で入賞演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
【0097】
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口234の扉部材234aの開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材234aを開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口開放設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
【0098】
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口234の扉部材234aの開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材234aを閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
【0099】
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(本実施例では15ラウンドか2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、普図確率変動フラグがオンに設定されていれば、この大当たり遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた時短回数記憶部に時短回数100回をセットするともに、RAM308に設けられた時短フラグをオンする。なお、その普図確率変動フラグがオフに設定されていれば、時短回数記憶部に時短回数をセットすることもなく、また時短フラグをオンすることもない。ここにいう時短とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くするため、パチンコ機が遊技者にとって有利な状態になることをいう。この時短フラグがオンに設定されていると、普図高確率状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技に大当りする可能性が高い。また、普図高確率状態の方が、普図低確率状態に比べて普図変動遊技の変動時間および特図変動遊技の変動時間は短くなる。さらに、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、第2特別始動口232の一対の羽根部材232aの1回の開放における開放時間が長くなりやすい。加えて、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、一対の羽根部材232aは多く開きやすい。また、上述のごとく、時短フラグは、大当り遊技中(特別遊技状態中)にはオフに設定される。したがって、大当たり遊技中には、普図低確率状態が維持される。これは、大当たり遊技中に普図高確率状態であると、大当たり遊技中に可変入賞口234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に第2特図始動口232に多くの遊技球が入球し、大当たり中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。
【0100】
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS233)で終了演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
【0101】
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。さらに、特図2変動遊技の結果が外れであれば、後述するように、はずれフラグがオンされる。このはずれフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次のステップS227に移行するようにしている。
【0102】
続いて、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う(ステップS227)。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
【0103】
ステップS225およびステップS227における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。ここでも先に、特図2についての特図関連抽選処理(特図2関連抽選処理)を行い(ステップS229)、その後で、特図1についての特図関連抽選処理(特図1関連抽選処理)を行う(ステップS231)。これらの特図関連抽選処理についても、主制御部300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。また、装飾図柄表示装置208による、特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、第1副制御部400によって行われ、第2特図始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が、第1特図始動口230への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われる。
【0104】
ステップS233では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は例えば16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、大当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、FRAMクリアコマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
【0105】
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、特図確率変動フラグの値などを含み、大当りラウンド数指定コマンドの場合であれば特図確率変動フラグの値、大当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口230への入賞の有無、第2特図始動口232への入賞の有無、可変入賞口234への入賞の有無などを含む。
【0106】
また、上述の回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図1関連抽選処理および特図2関連抽選処理で選択したタイマ番号、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値などを示す情報を設定する。上述の入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。また、このステップS233では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、コマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、予告情報(事前予告情報、偽事前予告情報、または事前予告無情報のいずれか)を設定する。
【0107】
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
【0108】
ステップS235では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路336を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路350に出力する。
【0109】
ステップS237では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、所定のエラーの有無、例えば前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、前面枠扉開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド332を駆動して第2特図始動口232や、可変入賞口234の開閉を制御したり、表示回路324、326、330を介して普通図柄表示装置210、第1特別図柄表示装置212、第2特別図柄表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS219)で設定した出力予定情報を出力ポート(I/O310)を介して第1副制御部400に出力する。
【0110】
ステップS239では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS243に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS241に進む。
【0111】
ステップS241では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込許可の設定などを行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。
【0112】
一方、ステップS243では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、上述の主制御部メイン処理に復帰する。
【0113】
<第1副制御部400のROMとVRAM>
次に、第1副制御部400のROM406とVRAM436の内部構成について説明する。図8は、VRAM436に画像データが展開される前のROM406とVRAM436の内部構成の一例を示したブロック図である。
【0114】
上述の通り、第1副制御部400は、制御プログラムや画像データを記憶するためのROM406と、画像データ等を一時的に記憶するためのVRAM436と、ROM406に記憶された画像データ等を読み出してVRAM436の記憶領域を使用して表示画像を生成して装飾図柄表示装置208に画像を表示するVDP434と、を有している。
【0115】
ROM406には、制御プログラムのほか、圧縮されたムービーデータ(圧縮動画データ)や、静止画像からなるテクスチャデータなどの画像データが予め記憶されている。例えば、図8に示す例では、ムービーデータとして、ムービーA用のムービーデータMVaと、ムービーB用のムービーデータMVbと、ムービーC用のムービーデータMVcの3種類が記憶されているとともに、テクスチャデータとして、テクスチャデータT001やテクスチャデータT002などがROM406に記憶されている。
【0116】
また、ROM406には、これらの画像データのほかに、ムービーデータの解像度などを含む制御情報が予め記憶されている。図9(a)は、ROM406に予め記憶されるムービーデータの制御情報の一例を示した図である。この例では、ムービーA用のムービーデータMVaの解像度(画像サイズ)が1280×960であることを示す情報と、ムービーB用のムービーデータMVbの解像度(画像サイズ)が1024×768であることを示す情報と、ムービーC用のムービーデータMVcの解像度(画像サイズ)が800×600であることを示す情報と、を含む制御情報がROM406に記憶されている。
【0117】
図8に戻って、VRAM436には、ムービーデータを一時的に記憶(展開)するためのムービーデータ展開用領域MVEと、テクスチャデータを一時的に記憶(展開)するためのテクスチャデータ展開用領域TEと、装飾図柄表示装置208に表示させる画像に対応する画像データを一時的に記憶(展開)するためのフレームバッファ1(FB1)およびフレームバッファ2(FB2)が設けられている。なお、フレームバッファ1(FB1)およびフレームバッファ2(FB2)は、描画領域および表示領域のいずれか一方の指定が可能に構成され、描画領域に指定されたフレームバッファには画像データを展開することが可能であり、指定を描画領域から表示領域に変更することによって、表示領域に指定されたフレームバッファに記憶された画像データに対応する画像が、装飾図柄表示装置208に表示される。
【0118】
<第1副制御部400の処理>
次に、図10を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部400のストローブ割込み処理のフローチャートである。同図(c)は、第1副制御部400のタイマ変数更新割込処理のフローチャートである。同図(d)は、第1副制御部400の画像制御処理のフローチャートである。
【0119】
まず、同図(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずS301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0120】
ステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
【0121】
ステップS307では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、S307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
【0122】
ステップS311では、チャンスボタンの押下を検出していた場合、ステップS309で更新した演出データをチャンスボタンの押下に応じた演出データに変更する処理を行う。ステップS313では、S309で読み出した演出データの中にVDP434への命令がある場合には、この命令をVDP434に出力する(詳細は後述)。
【0123】
ステップS315では、S309で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。ステップS317では、S309で読み出した演出データの中に各種ランプ418への命令がある場合には、この命令を駆動回路420に出力する。
【0124】
ステップS319では、S309で読み出した演出データの中に遮蔽装置246への命令がある場合には、この命令を駆動回路432に出力する。ステップS321では、S309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、S303へ戻る。
【0125】
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS401では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0126】
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0127】
第1副制御部タイマ割込処理のステップS501では、第1副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
【0128】
第1副制御部タイマ割込処理のステップS503では、ステップS319で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0129】
<画像制御処理>
次に、同図(d)を用いて、第1副制御部400のメイン処理におけるステップS313の画像制御処理について詳細に説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示した図である。
【0130】
<画像制御処理/画像データの転送処理>
ステップS601では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU404は、まず、VRAM436のフレームバッファ1(FB1)とフレームバッファ2(FB2)の描画領域と表示領域の指定を入れ替える(スワップ)する。これにより、表示領域に記憶されたフレームバッファに記憶された1フレームの画像が、装飾図柄表示装置208に表示される。次に、CPU404は、VDP434のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM406の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM436の転送先アドレス)などを設定した後、ROM406からVRAM436への画像データ(上述のムービーデータやテクスチャデータ)の転送開始を指示する命令を設定する。VDP434は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて、ROM406から、VRAM436のムービーデータ展開用領域MVEやテクスチャデータ展開用領域TEに画像データを転送する。
【0131】
<画像制御処理/画像データの転送処理/初期転送処理>
図11は、VRAM436に画像データが展開された後のROM406とVRAM436の内部構成の一例を示したブロック図である。第1副制御部400は、電源投入後やリセット後の上記ステップS601においては、ムービーデータやテクスチャデータの初期転送処理を行う。
【0132】
具体的には、ムービーデータの初期転送処理では、ROM406に記憶されたムービーデータの制御情報に応じて、ムービーデータ展開用領域MVEに、制御情報の種類毎に設けた展開用領域を設定する。例えば、同図に示す例では、第1副制御部400は、ROM406に記憶されたムービーデータMVaの制御情報(解像度)に応じて、ムービーデータ展開用領域MVEに、解像度1280×960の画像データが記憶可能な第1ムービーデータ展開用領域MVE1を設定するとともに、上記図9(b)に示すように、第1ムービーデータ展開用領域MVE1に記憶される画像データの解像度が1280×960であることを示す情報をVRAM436の所定記憶領域に記憶する。
【0133】
続いて、第1副制御部400は、ROM406に記憶されたムービーデータMVbの制御情報(解像度)に応じて、ムービーデータ展開用領域MVEに、解像度1024×768の画像データが記憶可能な第2ムービーデータ展開用領域MVE2を設定するとともに、上記図9(b)に示すように、第2ムービーデータ展開用領域MVE2に記憶される画像データの解像度が1024×768であることを示す情報をVRAM436の所定記憶領域に記憶する。
【0134】
続いて、第1副制御部400は、ROM406に記憶されたムービーデータMVcの制御情報(解像度)に応じて、ムービーデータ展開用領域MVEに、解像度800×600の画像データが記憶可能な第3ムービーデータ展開用領域MVE3を設定するとともに、上記図9(b)に示すように、第3ムービーデータ展開用領域MVE3に記憶される画像データの解像度が800×600であることを示す情報をVRAM436の所定記憶領域に記憶する。
【0135】
また、テクスチャデータの初期転送処理では、図11に示すように、ROM406に記憶された全てのテクスチャデータT001、T002、…を、テクスチャデータ展開用領域TEに転送(展開)する。
【0136】
<画像制御処理/画像データの転送処理/定常転送処理>
また、第1副制御部400は、上記初期転送処理後のステップS601においては、ムービーデータの定常転送処理を行う。具体的には、ムービーデータの定常転送処理では、ROM406に記憶されたムービーデータのうち、再生を行うムービーに対応するムービーデータを複数の画像データに解凍した後、解凍後の画像データを1フレーム毎に、ムービーデータ展開用領域MVEに設定した複数のムービーデータ展開用領域MVEのいずれかに転送(展開)する。
【0137】
例えば、ムービーAを再生する場合には、ムービーAに対応するムービーA用ムービーデータMVa(解像度1280×960)を複数の画像データに解凍した後、解凍後の画像データを1フレーム毎に、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)、第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)、および、第3ムービーデータ展開用領域MVE3(解像度800×600)のいずれかの領域に転送する。
【0138】
また、ムービーBを再生する場合には、ムービーBに対応するムービーB用ムービーデータMVb(解像度1024×768)を複数の画像データに解凍した後、解凍後の画像データを1フレーム毎に、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)、第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)、および、第3ムービーデータ展開用領域MVE3(解像度800×600)のいずれかの領域に転送する。なお、ムービーB用ムービーデータMVb(解像度1024×768)を、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送する場合には、画像データの解像度を転送先のムービーデータ展開用領域の解像度に合わせるために、後述するパディング処理を行う。
【0139】
また、ムービーCを再生する場合には、ムービーCに対応するムービーC用ムービーデータMVc(解像度800×600)を複数の画像データに解凍した後、解凍後の画像データを1フレーム毎に、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)、第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)、および、第3ムービーデータ展開用領域MVE3(解像度800×600)のいずれかの領域に転送する。なお、ムービーC用ムービーデータMVc(解像度800×600)を、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)、および、第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)のいずれかの領域に転送する場合には、画像データの解像度を転送先のムービーデータ展開用領域の解像度に合わせるために、後述するパディング処理を行う。
【0140】
図10に戻って、ステップS603では、VDP434からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS605に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。ステップS605では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU404は、ステップS601でVRAM436に転送した画像データに基づいてVRAM436のフレームバッファ1(FB1)またはフレームバッファ2(FB2)に表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM436の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP434に指示する。VDP434はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
【0141】
ステップS607では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU404は、VDP434に画像の描画開始を指示する。VDP434は、CPU404の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
【0142】
ステップS609では、画像の描画終了に基づくVDP434からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS611に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。ステップS611では、RAM408の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
【0143】
<第2副制御部500の処理>
次に、図12を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、同図(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。
【0144】
まず、同図(a)のステップS701では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずS701で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0145】
ステップS703では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS705の処理に移行する。
【0146】
ステップS705では、タイマ変数に0を代入する。ステップS707では、コマンド処理を行う。第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS709では、演出制御処理を行う。例えば、S707で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
【0147】
ステップS711では、第1副制御部400からの遊技盤用ランプ532や遊技台枠用ランプ542への命令がある場合には、この命令をシリアル通信制御回路520に出力する。ステップS713では、第1副制御部400からの演出可動体224への命令がある場合には、この命令を駆動回路516に出力し、S703に戻る。
【0148】
次に、同図(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS801では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0149】
次に、同図(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0150】
第2副制御部タイマ割込処理のステップS901では、第2副制御部メイン処理におけるステップS703において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS703において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。第2副制御部タイマ割込処理のステップS903では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0151】
<パディング処理>
次に、上述のパディング処理について詳細に説明する。図13は、パディング処理の一例を示した図である。この例では、第1副制御部400は、ROM406に記憶されたムービーB用ムービーデータMVbから生成した、同図(a)に示す1フレーム分の画像データMVb1(解像度1024×768)を、この画像データMVb1と解像度が同一の第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)に展開せずに、画像データMVb1よりも解像度が大きい、同図(b)に示す第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送する。
【0152】
そして、この転送処理において、第1副制御部400は、転送元の画像データMVb1(解像度1024×768)の左上隅の位置と、転送先の第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)の左上隅の位置が一致するように画像データMVb1(解像度1024×768)をROM406からVRAM436に転送するとともに、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)のうち、画像データMVb1(解像度1024×768)の記憶領域として使用されなかった未使用領域(この例では、右端の未使用領域と下端の未使用領域)を黒色の画素で埋めるパディング処理を行うことによって、転送元の画像データの解像度を、転送先のムービーデータ展開用領域の解像度に一致させる。
【0153】
このように、転送元の画像データを、この画像データよりも解像度が大きいムービーデータ展開用領域に転送した後に、転送元の画像データの解像度を、転送先のムービーデータ展開用領域の解像度に一致させるパディング処理を行えば、転送元の画像データと同一の解像度のムービーデータ展開用領域が無い場合や、転送元の画像データと同一の解像度のムービーデータ展開用領域はあるが他の画像データの生成に使用しているような場合に、転送元の画像データとは解像度が異なるムービーデータ展開用領域を使用して画像の生成を行うことができる。このため、ムービーデータ展開用領域を解像度毎に設ける必要がなく、画像の生成に必要な記憶領域の容量を低減することができる上に、解像度が同一のムービーデータ展開用領域が空くのを待つ必要もないため、従来よりも高度な画像の生成を行うことができる場合がある。
【0154】
<パディング処理の変形例>
図14および図15は、パディング処理の変形例を示した図である。図14(a)に示す例では、第1副制御部400は、画像データMVb1(解像度1024×768)の右下隅の位置と、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)の右下隅の位置が一致するように画像データMVb1(解像度1024×768)をROM406からVRAM436に転送するとともに、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)のうち、画像データMVb1(解像度1024×768)の記憶領域として使用されなかった未使用領域(この例では、左端の未使用領域と上端の未使用領域)を黒色の画素で埋めるパディング処理を行うことによって、転送元の画像データの解像度を、転送先のムービーデータ展開用領域の解像度に一致させる。
【0155】
また、同図(b)に示す例では、第1副制御部400は、画像データMVb1(解像度1024×768)の中心位置と、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)の中心位置が一致するように画像データMVb1(解像度1024×768)をROM406からVRAM436に転送するとともに、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)のうち、画像データMVb1(解像度1024×768)の記憶領域として使用されなかった未使用領域(外縁の未使用領域)を黒色の画素で埋めるパディング処理を行うことによって、転送元の画像データの解像度を、転送先のムービーデータ展開用領域の解像度に一致させる。
【0156】
また、同図(c)に示す例では、第1副制御部400は、画像データMVb1(解像度1024×768)を複数(この例では6つ)の画像データMVb11〜MVb16に分割する。次に、分割後の画像データMVb11〜MVb16の各々を、所定の間隔を空けて第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送するとともに、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)のうち、画像データMVb11〜MVb16の記憶領域として使用されなかった未使用領域を黒色の画素で埋めるパディング処理を行うことによって、転送元の画像データの解像度を、転送先のムービーデータ展開用領域の解像度に一致させる。
【0157】
同図(a)〜(c)のように、転送元の画像データを、この画像データよりも解像度が大きいムービーデータ展開用領域に転送した後に、転送元の画像データの解像度を、転送先のムービーデータ展開用領域の解像度に一致させるパディング処理を行えば、転送元の画像データと同一の解像度のムービーデータ展開用領域が無い場合や、転送元の画像データと同一の解像度のムービーデータ展開用領域はあるが他の画像データの生成に使用しているような場合に、転送元の画像データとは解像度が異なるムービーデータ展開用領域を使用して画像の生成を行うことができる。このため、ムービーデータ展開用領域を解像度毎に設ける必要がなく、画像の生成に必要な記憶領域の容量を低減することができる上に、解像度が同一のムービーデータ展開用領域が空くのを待つ必要もないため、従来よりも高度な画像の生成を行うことができる場合がある。
【0158】
また、図15に示す例では、転送元の画像データMVb1の水平方向の画像サイズと、転送先の第1ムービーデータ展開用領域MVE1の水平方向の画像サイズは同一であるが、画像データMVb1のアスペクト比(横16:縦9)と、第1ムービーデータ展開用領域MVE1のアスペクト比(横4:縦3)が互いに異なっている。この場合、第1副制御部400は、画像データMVb1(解像度1024×768)の水平方向位置と、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)の水平方向位置が一致するように画像データMVb1(解像度1024×768)をROM406からVRAM436に転送するとともに、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)のうち、画像データMVb1(解像度1024×768)の記憶領域として使用されなかった未使用領域(この例では、上縁の未使用領域)を黒色の画素で埋めるパディング処理を行うことによって、転送元の画像データのアスペクト比を、転送先のムービーデータ展開用領域のアスペクト比に一致させる。
【0159】
このように、転送元の画像データを、この画像データよりも解像度が大きいムービーデータ展開用領域に転送した後に、転送元の画像データのアスペクト比を、転送先のムービーデータ展開用領域のアスペクト比に一致させるパディング処理を行えば、転送元の画像データと同一のアスペクト比のムービーデータ展開用領域が無い場合や、転送元の画像データと同一のアスペクト比のムービーデータ展開用領域はあるが他の画像データの生成に使用しているような場合に、転送元の画像データとはアスペクト比が異なるムービーデータ展開用領域を使用して画像の生成を行うことができる。このため、ムービーデータ展開用領域をアスペクト比毎に設ける必要がなく、画像の生成に必要な記憶領域の容量を低減することができる上に、アスペクト比が同一のムービーデータ展開用領域が空くのを待つ必要もないため、従来よりも高度な画像の生成を行うことができる場合がある。
【0160】
<ムービーデータの変形例>
次に、ムービーデータの変形例について説明する。図16は、ムービーデータの変形例を説明するための図である。上記実施例では、画像データMVb1(解像度1024×768)を、この画像データMVb1と解像度が異なる第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送する際にパディング処理を行うことによって、転送元の画像データの解像度を、転送先のムービーデータ展開用領域の解像度に一致させる例を示したが、ここでは、ムービーデータに予め所定の加工を施すことによって解像度を一致させる。
【0161】
例えば、同図(a)に示すようなムービーB用ムービーデータMVb(解像度1024×768)に、黒色の画素からなるパディングデータを付加することによって、同図(b)に示すようなムービーB´用ムービーデータMVb´(解像度1280×960)を生成し、このムービーB´用ムービーデータMVb´(解像度1280×960)をROM406に予め記憶する。そして、第1副制御部400は、ムービーデータの定常転送処理の際に、ムービーB´用ムービーデータMVb´から生成した1フレーム分の画像データMVb´1(解像度1280×960)を、この画像データMVb´1と解像度が同一の第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送する。
【0162】
この例では、ムービーB用ムービーデータMVb(解像度1024×768)にパディングデータを付加して生成した画像データMVb´1の解像度(1280×960)と、転送先の第1ムービーデータ展開用領域MVE1の解像度(1280×960)を同一にしているため、上述の定常転送処理において両者の解像度を一致させるパディング処理が不要となり、画像の転送処理や、その後の画像の表示処理を速めることができる場合がある。
【0163】
なお、この例では、パディングデータを黒色の画素で構成したが、例えば、同図(c)に示すように、透明色の画素(色情報を持たない画素)で構成すれば、ムービーデータのデータ容量を少なくすることができる上に、ムービーデータの転送処理時の制御負担を軽減できる場合がある。特に、単色のパディングデータの場合、ムービーデータの圧縮効率が高くなるため記憶手段の容量削減になる場合がある。
【0164】
<画像制御処理/画像の描画処理>
次に、第1副制御部400が行う画像の描画処理について説明する。図17は、ムービーAを再生する際の画像描画処理の流れを示した図である。
【0165】
<画像制御処理/画像の描画処理/ムービーA>
ムービーAを再生する場合、第1副制御部400は、ムービーAに対応するムービーA用ムービーデータMVa(解像度1280×960)を複数の画像データに解凍した後、解凍後の画像データを1フレーム毎に、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)、第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)、および、第3ムービーデータ展開用領域MVE3(解像度800×600)のいずれかの領域に転送する。ここでは、ムービーA用ムービーデータMVa(解像度1280×960)と同一の解像度である第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)が使用可能であるため優先して使用し、ムービーA用ムービーデータMVa(解像度1280×960)を、この第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送する処理を行い、パディング処理は実行しない。
【0166】
続いて、第1副制御部400は、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送したムービーA用ムービーデータMVa(解像度1280×960)に基づいてVRAM436のフレームバッファ1(FB1)またはフレームバッファ2(FB2)に表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM436の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP434に指示する。この際、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)からフレームバッファに切り出す画像サイズとして1280×960を指定し、ムービーA用ムービーデータMVa(解像度1280×960)の全ての領域を表示可能とする。
【0167】
続いて、第1副制御部400は、表示画像を形成したフレームバッファを指定して描画指示を行う。VDP434は、この描画指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。これにより、装飾図柄表示装置208にムービーA用ムービーデータMVa(解像度1280×960)に対応する画像が表示される。
【0168】
<画像制御処理/画像の描画処理/ムービーB>
図18は、ムービーBを再生する際の画像描画処理の流れを示した図である。例えば、ムービーBを再生する場合、第1副制御部400は、ムービーBに対応するムービーB用ムービーデータMVb(解像度1024×768)を複数の画像データに解凍した後、解凍後の画像データを1フレーム毎に、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)、第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)、および、第3ムービーデータ展開用領域MVE3(解像度800×600)のいずれかの領域に転送する。ここでは、ムービーB用ムービーデータMVb(解像度1024×768)と同一の解像度である第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)が使用中のため、代わりに第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)を使用し、ムービーB用ムービーデータMVb(解像度1024×768)を、この第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送する処理を行い、パディング処理を行う。
【0169】
続いて、第1副制御部400は、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送したムービーB用ムービーデータMVb(解像度1024×768)に基づいてVRAM436のフレームバッファ1(FB1)またはフレームバッファ2(FB2)に表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM436の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP434に指示する。この際、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)からフレームバッファに切り出す画像サイズとして1024×768を指定するとともに、解像度1280×960に合わせて画像データを拡大し、ムービーB用ムービーデータMVb(解像度1024×768)の全ての領域を表示可能とする。
【0170】
続いて、第1副制御部400は、表示画像を形成したフレームバッファを指定して描画指示を行う。VDP434は、この描画指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。これにより、装飾図柄表示装置208にムービーB用ムービーデータMVb(解像度1024×768)に対応する画像が表示される。
【0171】
<画像制御処理/画像の描画処理/ムービーB´>
図19は、ムービーB´を再生する際の画像描画処理の流れを示した図である。例えば、ムービーB´を再生する場合、第1副制御部400は、ムービーB´に対応するムービーB´用ムービーデータMVb´(解像度1280×960)を複数の画像データに解凍した後、解凍後の画像データを1フレーム毎に、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)、第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)、および、第3ムービーデータ展開用領域MVE3(解像度800×600)のいずれかの領域に転送する。ここでは、ムービーB´用ムービーデータMVb´(解像度1280×960)と同一の解像度である第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)が使用可能であるため優先して使用し、ムービーB´用ムービーデータMVb´(解像度1280×960)を、この第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送する処理を行い、パディング処理は実行しない。
【0172】
続いて、第1副制御部400は、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送したムービーB´用ムービーデータMVb´(解像度1280×960)に基づいてVRAM436のフレームバッファ1(FB1)またはフレームバッファ2(FB2)に表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM436の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP434に指示する。この際、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)からフレームバッファに切り出す画像サイズとして1024×768を指定するとともに、解像度1280×960に合わせて画像データを拡大し、ムービーB´用ムービーデータMVb´(解像度1024×768)の全ての領域を表示可能とする。
【0173】
続いて、第1副制御部400は、表示画像を形成したフレームバッファを指定して描画指示を行う。VDP434は、この描画指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。これにより、装飾図柄表示装置208にムービーB´用ムービーデータMVb´(解像度1024×768)に対応する画像が表示される。
【0174】
なお、この例では、画像データを拡大してフレームバッファに記憶する例を示したが、例えば、図20に示すように、画像データの一部を抜き出してフレームバッファFB1(FB2)に記憶し、この画像データに対応する画像を装飾図柄表示装置208に表示させてもよい。
【0175】
<画像制御処理/画像の描画処理/リーチ用ムービーの再生後に大当たりムービー>
図21は、リーチ用ムービーの再生後に大当り遊技用ムービーを再生する際の画像描画処理の流れを示した図である。リーチ用ムービーは、リーチ状態を報知するための動画像であり、装飾図柄表示装置208の表示領域全てを用いて再生を行うため、上述のムービーAと同一の解像度(解像度1280×960)のムービーとしている。一方、大当り遊技用ムービーは大当り遊技中に再生する動画像であり、大当り遊技中に装飾図柄表示装置208の表示領域の一部を用いて他の情報(ラウンド数など)とともに再生を行うため、ムービーAよりも解像度が低い、上述のムービーBと同一の解像度(解像度1024×768)のムービーとしている。
【0176】
リーチ用ムービーを再生する場合、第1副制御部400は、同図(a)に示すように、リーチ用ムービーに対応するムービーデータ(解像度1280×960)を複数の画像データに解凍した後、解凍後の画像データを1フレーム毎に、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)、第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)、および、第3ムービーデータ展開用領域MVE3(解像度800×600)のいずれかの領域に転送する。ここでは、リーチ用ムービーデータ(解像度1280×960)と同一の解像度である第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)が使用可能であるため優先して使用し、リーチ用ムービーデータ(解像度1280×960)を、この第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送する処理を行い、パディング処理は実行しない。
【0177】
続いて、第1副制御部400は、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送したリーチ用ムービーデータ(解像度1280×960)に基づいてVRAM436のフレームバッファ1(FB1)またはフレームバッファ2(FB2)に表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM436の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP434に指示する。この際、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)からフレームバッファに切り出す画像サイズとして1280×960を指定し、リーチ用ムービーデータの全ての領域を表示可能とする。
【0178】
続いて、第1副制御部400は、表示画像を形成したフレームバッファを指定して描画指示を行う。VDP434は、この描画指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。これにより、装飾図柄表示装置208にリーチ用ムービーデータに対応する画像が表示される。
【0179】
続いて、第1副制御部400は、同図(b)に示すように、大当り遊技用ムービーデータ(解像度1024×768)を複数の画像データに解凍した後、解凍後の画像データを1フレーム毎に、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)、第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)、および、第3ムービーデータ展開用領域MVE3(解像度800×600)のいずれかの領域に転送する。ここでは、リーチ用ムービーデータの転送処理に用いた第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)を使用し、大当り遊技用ムービーデータ(解像度1024×768)を、この第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送する処理を行い、パディング処理を行う。
【0180】
続いて、第1副制御部400は、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送した大当り遊技用ムービーデータ(解像度1024×768)に基づいてVRAM436のフレームバッファ1(FB1)またはフレームバッファ2(FB2)に表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM436の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP434に指示する。この際、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)からフレームバッファに切り出す画像サイズとして1024×768を指定し、大当り遊技用ムービーデータ(解像度1024×768)を表示可能とするとともに、ラウンド数などを示すテクスチャ画像をフレームバッファに転送する。
【0181】
続いて、第1副制御部400は、表示画像を形成したフレームバッファを指定して描画指示を行う。VDP434は、この描画指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。これにより、装飾図柄表示装置208に大当り遊技用ムービーデータ(解像度1024×768)に対応する画像と、テクスチャ画像に対応する画像が表示される。
【0182】
この例のように、パディング処理を行う部位の上にテクスチャ画像を上書きするようにすれば、パディング処理を行う部位の色などに留意する必要が無く特に限定されることがないため、画像の生成速度を速めることができる場合がある。
【0183】
また、高解像度かつ表示領域が大きな第1のムービー(リーチ用ムービー)の表示を行った後に、低解像度かつ表示領域が小さな第2のムービー(大当りムービー)の表示を容易に行うことができ、制御負担を増大させることなく、従来よりも高度な演出を行うことができる場合がある。
【0184】
<画像制御処理/画像の描画処理/解像度が異なるムービーの同時再生>
図22は、解像度が異なるムービーAとムービーBを同時に再生する際の画像描画処理の流れを示した図である。この例では、同図(b)に示すように、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)を2つ備え、上述の方法で、同図(a)に示すムービーAとムービーBを同時に再生するように構成したものである。上述の通り、ムービーAに対するムービーA用ムービーデータMVa(解像度1280×960)は、パディング処理を行うことなく第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送された後、拡大や縮小も行われることなく装飾図柄表示装置208に表示される。
【0185】
一方、ムービーBに対するムービーB用ムービーデータMVb(解像度1024×768)は、パディング処理が行われて第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送された後、同図(c)、(d)に示すように、拡大されて装飾図柄表示装置208に表示される。したがって、ムービーAとムービーBの表示の大きさは同一であるが、ムービーBのほうが画像サイズを拡大している分だけ表示が粗くなる。遊技者は、表示が粗いムービーBよりも、表示が細かいムービーAの表示を注目することになるため、ムービーAに表示する情報(例えば、大当り遊技の開始を示唆するリーチ情報)の信頼性を、ムービーBに表示する情報の信頼性よりも高めることができる場合がある。
【0186】
<画像制御処理/画像の描画処理/解像度が同一のムービーの同時再生>
図23は、解像度が同一のムービーXとムービーYを同時に再生する際の画像描画処理の流れを示した図である。この例では、同時に再生するムービーXとムービーYに対応するムービーX用ムービーデータの解像度が同一の解像度1024×768であるのに対して、第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)を1つだけ備えている。
【0187】
このため、第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)が未使用の際には、パディング処理を行うことなくムービーX(またはムービーY)に対応するムービーX用ムービーデータを第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)に転送し、第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)が使用中の場合には、パディング処理を行ってムービーX(またはムービーY)に対応するムービーX用ムービーデータを第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送する。
【0188】
このような構成とすれば、転送元の画像データと同一の解像度のムービーデータ展開用領域はあるが他の画像データの生成に使用しているような場合に、転送元の画像データとは解像度が異なるムービーデータ展開用領域を使用して画像の生成を行うことができる。このため、解像度が同一のムービーデータ展開用領域が空くのを待つ必要もないため、従来よりも高度な画像の生成を行うことができる場合がある。また、解像度が異なる2種類のムービーデータ展開用領域を用いて、解像度が同一の2種類のムービーデータを同時に表示することが可能となり、従来よりも高度な画像の生成を行うことができる場合がある。
【0189】
以上説明したように、本実施形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機100)は、動画データ(例えば、ムービーデータ)を記憶する動画情報記憶手段(例えば、ROM406)と、前記動画情報記憶手段に記憶されている動画データの動画構成データ(例えば、ムービーデータを構成する1フレームの画像データ)を展開する動画構成データ展開手段(例えば、VRAM436)と、動画を表示可能な動画表示手段(例えば、装飾図柄表示装置208)と、前記動画構成データ展開手段に展開されている動画構成データに基づいて前記動画表示手段に前記動画を表示させる動画表示制御手段(例えば、VDP436、CPU404)と、備え、前記動画の解像度毎に前記動画構成データを展開する展開領域(例えば、ムービーデータ展開用領域)を前記動画構成データ展開手段に事前に設定可能な遊技台であって、前記展開領域は、第一解像度(例えば、1280×960)の動画(例えば、ムービーA)に対応する動画構成データを展開するための第一展開領域(例えば、第1ムービーデータ展開用領域MVE1)と、前記第一解像度とは異なる第二解像度(例えば、1024×768)の動画(例えば、ムービーB)に対応する動画構成データを展開するための第二展開領域(例えば、第2ムービーデータ展開用領域MVE2)と、を含んで構成され、前記動画構成データ展開手段は、前記第一展開領域に、前記第二解像度の動画に対応する前記動画構成データを展開可能であり、前記動画表示制御手段は、前記第一展開領域に展開された前記第二解像度の動画に対応する動画構成データに基づいて、前記動画表示手段に前記第二解像度の動画を表示させることを特徴とする遊技台である。
【0190】
本実施形態に係る遊技台によれば、転送元の画像データと同一の解像度のムービーデータ展開用領域が無い場合や、転送元の画像データと同一の解像度のムービーデータ展開用領域はあるが他の画像データの生成に使用しているような場合に、転送元の画像データとは解像度が異なるムービーデータ展開用領域を使用して画像の生成を行うことができる。このため、ムービーデータ展開用領域を解像度毎に設ける必要がなく、画像の生成に必要な記憶領域の容量を低減することができる上に、解像度が同一のムービーデータ展開用領域が空くのを待つ必要もないため、従来よりも高度な画像の生成を行うことができる場合がある。また、空いた領域に他のテクスチャデータを展開しておくことができるので、他の演出表示やエラー表示がより早く表示可能になる場合がある。また、解像度が異なる動画に表示を切り替える際、展開用領域を切り替える必要がなくなるため、処理速度が速くなる場合がある。
【0191】
また、前記動画構成データ展開手段は、前記第一展開領域に、前記第二解像度の動画に対応する前記動画構成データを前記第一解像度に変更して展開可能であってもよい(例えば、図13に示すように、解像度1024×768の画像データMVb1を、解像度1280×960に変更して第1ムービーデータ展開用領域MVE1に展開する)。
【0192】
このような構成とすれば、ソフトやハードが解像度の相違を意識することなく処理を実行することが可能になる場合がある。このため、ソフトやハードの構成をシンプルにでき、トラブルが発生しにくくなる場合がある。
【0193】
また、前記動画表示制御手段は、前記第一展開領域に展開された前記第一解像度の動画に対応する動画構成データに基づいて、前記動画表示手段に前記第一解像度の動画を表示させた後に、前記第一展開領域に展開された前記第二解像度の動画に対応する動画構成データに基づいて、前記動画表示手段に前記第二解像度の動画を表示させてもよい(例えば、図21に示すように、解像度1280×960のリーチ用ムービーの再生後に、解像度1024×768×960の大当たりムービーを再生する)。
【0194】
このような構成とすれば、解像度が異なる動画を連続再生するような場合に展開領域を切り替える必要がなくなるため、動画の切り替えを円滑に行うことができる上に、制御負担を軽減できる場合がある。
【0195】
なお、本発明に係る遊技台の構成は、上記実施形態に係るパチンコ機の構成に限定されず、例えば、主制御部と副制御部(第1副制御部、第2副制御部)をワンチップで構成してもよいし、主制御部と副制御部で双方向の通信が可能に構成してもよい。また、ムービーデータなどの画像データはROM406に記憶する例に限定されず、ROM406とは別に設けたCGROMなどに記憶してもよい。
【0196】
また、画像サイズの縦サイズと横サイズの両方が異なるムービーデータの例を示したが縦サイズと横サイズのいずれか一方が異なるムービーデータに適用してもよい。また、本発明に係る動画情報記憶手段や動画構成データ展開手段は、ROMやRAMに限定されるものではなく、他の記憶手段を適用してもよい。また、ムービーデータ(動画データ)は圧縮されたデータに限定されない。
【0197】
また、本発明に係る遊技台は、図24に示す、「所定の遊技領域1002に球を発射する発射装置1010と、発射装置1010から発射された球を入球可能に構成された入賞口1006と、入賞口に入球した球を検知する検知手段1008と、検知手段1008が球を検知した場合に球を払出す払出手段1012と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置1004を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置1004が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようなパチンコ機1000」にも好適である。
【0198】
また、本発明に係る遊技台は、図25に示す、「紙幣投入口2002に紙幣を投入し、ベット2004およびスタート2006操作に基づいて抽選を実行し、抽選結果を抽選結果表示装置2008で表示し、当選時には特典コイン数を残クレジット数に加算し、キャッシュアウト2009が選択された場合には、レシート発行機2010から残クレジット数に対応するコードが記載されたレシートを発行するカジノマシン2000」であってもよい。
【0199】
また、本発明の実施例に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。また、複数種類の実施例を示したが、各々の実施例を入れ替えたり組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0200】
本発明の遊技台は、回胴遊技機(スロットマシン)や弾球遊技機(パチンコ等)に代表される遊技台の分野で特に利用することができる。
【符号の説明】
【0201】
100 パチンコ機
300 主制御部
304 CPU
306 ROM
308 RAM
310 I/O
400 第1副制御部
500 第2制御部
1100 スロットマシン
1300 主制御部
1304 CPU
1306 ROM
1308 RAM
1310 I/O
1400 第1副制御部
1500 第2制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、回胴遊技機(スロットマシン)や弾球遊技機(パチンコ機)に代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技台は、液晶表示装置などに様々な画像を表示させることによって演出効果を高め、遊技者の興趣を向上するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−200302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技台では、複数種類の解像度の画像データに基づいて解像度の異なる画像を生成する際に、画像データを一時的に記憶する記憶領域が解像度毎に必要なため、記憶領域が不足し、複雑な画像表示を行うことができないといった問題点があった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものであって、画像を表示するために必要な記憶領域の容量を従来よりも削減することができる遊技台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、動画データを記憶する動画情報記憶手段と、前記動画情報記憶手段に記憶されている動画データの動画構成データを展開する動画構成データ展開手段と、動画を表示可能な動画表示手段と、前記動画構成データ展開手段に展開されている動画構成データに基づいて前記動画表示手段に前記動画を表示させる動画表示制御手段と、備え、前記動画の解像度毎に前記動画構成データを展開する展開領域を前記動画構成データ展開手段に事前に設定可能な遊技台であって、前記展開領域は、第一解像度の動画に対応する動画構成データを展開するための第一展開領域と、前記第一解像度とは異なる第二解像度の動画に対応する動画構成データを展開するための第二展開領域と、を含んで構成され、前記動画構成データ展開手段は、前記第一展開領域に、前記第二解像度の動画に対応する前記動画構成データを展開可能であり、前記動画表示制御手段は、前記第一展開領域に展開された前記第二解像度の動画に対応する動画構成データに基づいて、前記動画表示手段に前記第二解像度の動画を表示させることを特徴とする遊技台である。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る遊技台によれば、画像を表示するために必要な記憶領域の容量を従来よりも削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】パチンコ機を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【図2】パチンコ機を背面側から見た外観図である。
【図3】遊技盤を正面から見た略示正面図である。
【図4】制御部の回路ブロック図を示したものである。
【図5】(a)特図の停止図柄態様の一例を示したものである。(b)装飾図柄の停止図柄態様の一例を示したものである。(c)普図の停止表示図柄の一例を示したものである。
【図6】主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】VRAM436に画像データが展開される前のROM406とVRAM436の内部構成の一例を示したブロック図である。
【図9】(a)ROM406に予め記憶されるムービーデータの制御情報の一例を示した図である。(b)VRAM436に記憶されるムービーデータの制御情報の一例を示した図である。
【図10】(a)第1副制御部のCPUが実行するメイン処理のフローチャートである。(b)第1副制御部のコマンド受信割込み処理のフローチャートである。(c)第1副制御部のタイマ割込処理のフローチャートである。(d)第1副制御部の画像制御処理のフローチャートである。
【図11】VRAM436に画像データが展開された後のROM406とVRAM436の内部構成の一例を示したブロック図である。
【図12】(a)第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。(b)第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。(c)第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。
【図13】パディング処理の一例を示した図である。
【図14】パディング処理の変形例を示した図である。
【図15】パディング処理の変形例を示した図である。
【図16】ムービーデータの変形例を説明するための図である。
【図17】ムービーAを再生する際の画像描画処理の流れを示した図である。
【図18】ムービーBを再生する際の画像描画処理の流れを示した図である。
【図19】ムービーB´を再生する際の画像描画処理の流れを示した図である。
【図20】ムービーB´を再生する際の画像描画処理の他の例の流れを示した図である。
【図21】リーチ用ムービーの再生後に大当り遊技用ムービーを再生する際の画像描画処理の流れを示した図である。
【図22】解像度が異なるムービーAとムービーBを同時に再生する際の画像描画処理の流れを示した図である。
【図23】解像度が同一のムービーXとムービーYを同時に再生する際の画像描画処理の流れを示した図である。
【図24】パチンコ機を正面から見た正面図である。
【図25】カジノマシンを正面から見た外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る遊技台(パチンコ機100)について詳細に説明する。
【0010】
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の実施形態1に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【0011】
パチンコ機100は、外部的構造として、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面に備える。
【0012】
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。本体104は、内枠と呼ばれ、外枠102の内部に備えられ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。また、本体104が開放された場合、本体104の開放を検出する不図示の内枠開放センサを備える。
【0013】
前面枠扉106は、ロック機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部とした扉部材である。なお、この前面枠扉106には、開口部にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124を区画形成する。また、前面枠扉106が開放された場合、前面枠扉106の開放を検出する不図示の前面枠扉開放センサを備える。
【0014】
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤200の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。また、下皿128が満タンであることを検出する不図示の下皿満タンセンサを備える。
【0015】
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。
【0016】
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部から観察することができる。
【0017】
図2は、図1のパチンコ機100を背面側から見た外観図である。パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、この球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
【0018】
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。
【0019】
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600へ出力する。なお、この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の表側に配設した上皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、この構成により遊技者に対して球の払い出しを行う。
【0020】
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源制御部660を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRWMクリア信号を主制御部300に出力するRWMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部186を配設している。
【0021】
図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。
【0022】
遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。この演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
【0023】
演出装置206は、演出可動体224を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施例では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
【0024】
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。
【0025】
普図保留ランプ216は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施例では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。第1特図保留ランプ218および第2特図保留ランプ220は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施例では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。高確中ランプ222は、遊技状態が大当りが発生し易い高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を大当りが発生し難い低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
【0026】
また、この演出装置206の周囲には、所定の球進入口、例えば、一般入賞口226と、普図始動口228と、第1特図始動口230と、第2特図始動口232と、可変入賞口234を配設している。
【0027】
一般入賞口226は、本実施例では遊技盤200に複数配設しており、この一般入賞口226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施例では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
【0028】
普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施例では遊技盤200の左側に1つ配設している。普図始動口228を通過した球は一般入賞口226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
【0029】
第1特図始動口230は、本実施例では遊技盤200の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第1特図表示装置212による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0030】
第2特図始動口232は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施例では第1特図始動口230の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口232は、左右に開閉自在な羽根部材232aを備え、羽根部材232aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当たり図柄を停止表示した場合に羽根部材232aが所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第2特図表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0031】
可変入賞口234は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施例では遊技盤200の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口234は、開閉自在な扉部材234aを備え、扉部材234aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選して特図表示装置が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材234aが所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。なお、可変入賞口234に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0032】
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘238を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口を設けている。
【0033】
このパチンコ機100は、遊技者が上皿126に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(第1特図始動口230、第2特図始動口232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。
【0034】
<演出装置206>
次に、パチンコ機100の演出装置206について説明する。この演出装置206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242およびステージ244を配設し、遊技球の転動不可能な領域に演出可動体224を配設している。また、演出装置206の背面側には、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246(以下、扉と称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置206において、装飾図柄表示装置208および遮蔽手段は、ワープ装置242、ステージ244、および演出可動体224の後方に位置することとなる。
【0035】
ワープ装置242は、演出装置206の左上方に設けたワープ入口242aに入った遊技球を演出装置206の前面下方のステージ244にワープ出口242bから排出する。
ステージ244は、ワープ出口242bから排出された球や遊技盤200の釘などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ244の中央部には、通過した球が第1特図始動口230へ入球し易くなるスペシャルルート244aを設けている。
【0036】
演出可動体224は、本実施形態では人間の右腕の上腕と前腕を模した上腕部224aと前腕部224bとからなり、肩の位置に上腕部224aを回動させる不図示の上腕モータと肘の位置に前腕部224bを回動させる不図示の前腕モータを備える。演出可動体224は、上腕モータと前腕モータによって装飾図柄表示装置208の前方を移動する。
【0037】
遮蔽装置246は、格子状の左扉246aおよび右扉246bからなり、装飾図柄表示装置208および前面ステージ244の間に配設する。左扉246aおよび右扉246bの上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉246aおよび右扉246bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽手段は、左扉246aおよび右扉246bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置208を視認し難いように遮蔽する。左扉246aおよび右扉246bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置208の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置208の表示の全てを視認可能である。また、左扉246aおよび右扉246bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左扉246aおよび右扉246bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置208の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置208による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置208を全く視認不可にしてもよい。
【0038】
<制御部>
次に、図4を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
【0039】
パチンコ機100の制御部は、大別すると、主に遊技の進行(例えば、遊技者による操作の検出、遊技状態の遷移、遊技媒体の払出制御、当否判定など)を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源制御部660と、によって構成している。
【0040】
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
【0041】
また、基本回路302には、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路318(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、所定の球検出センサ、例えば各始動口、入賞口、可変入賞口を通過する遊技球を検出するセンサや、前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、所定の図柄表示装置、例えば第1特図表示装置212や第2特図表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、所定の図柄表示装置、例えば普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、第1特図保留ランプ218、第2特図保留ランプ220、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、所定の可動部材、例えば第2特図始動口232の羽根部材232aや可変入賞口234の扉部材234a等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334を接続している。
【0042】
なお、第1特図始動口230に球が入賞したことを球検出センサ320が検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路318に出力する。この信号を受信したカウンタ回路318は、第1特図始動口230に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路318は、第2特図始動口232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口232に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
【0043】
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
【0044】
また、主制御部300には、電源制御部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、この電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
【0045】
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(詳細は後述する)。
【0046】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400および払出制御部600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400および払出制御部600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400および払出制御部600からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0047】
<副制御部>
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
【0048】
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC416と、各種ランプ418(例えば、チャンスボタンランプ138)の制御を行うための駆動回路420と、遮蔽装置246の駆動制御を行うための駆動回路432と、遮蔽装置246の現在位置を検出する遮蔽装置センサ430と、チャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ426と、遮蔽装置センサ430やチャンスボタン検出センサ426からの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428と、CPU404からの信号に基づいてROM406に記憶された画像データ等を読み出してVRAM436のワークエリアを使用して表示画像を生成して装飾図柄表示装置208に画像を表示するVDP434(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)と、を接続している。
【0049】
次に、パチンコ機100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作し、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506が設けられている。
【0050】
また、基本回路502には、演出可動体224の駆動制御を行うための駆動回路516と、演出可動体224の現在位置を検出する演出可動体センサ424と、演出可動体センサ424からの検出信号を基本回路502に出力するセンサ回路518と、遊技盤用ランプ532の制御を行うための遊技盤用ランプ駆動回路530と、遊技台枠用ランプ542の制御を行うための遊技台枠用ランプ駆動回路540と、遊技盤用ランプ駆動回路530と遊技台枠用ランプ駆動回路540との間でシリアル通信による点灯制御を行うシリアル通信制御回路520と、を接続している。
【0051】
<払出制御部、発射制御部、電源制御部>
次に、パチンコ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源制御部660について説明する。払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置152の払出モータ602を制御すると共に、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部606を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。
【0052】
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆146および発射槌148を駆動する発射モータ632の制御や、上皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
【0053】
電源制御部660は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、第1副制御部400等の各制御部や払出装置152等の各装置に供給する。さらに、電源制御部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源制御部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給し、払出制御部600から主制御部300と第2副制御部500と発射制御部630に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
【0054】
<図柄の種類>
次に、図5(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の第1特別図柄表示装置212、第2特別図柄表示装置214、装飾図柄表示装置208、普通図柄表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。同図(a)は特図の停止図柄態様の一例を示したものである。
【0055】
第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、第2特図始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、第1特別図柄表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、第2特別図柄表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」を行う。これらの「特図1の変動表示」および「特図2の変動表示」が本発明にいう図柄の変動表示の一例に相当する。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間(本発明にいう変動時間が相当)が経過すると、第1特別図柄表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間(これも本発明にいう変動時間が相当)が経過すると、第2特別図柄表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。
【0056】
したがって、「特図1の変動表示」を開始してから特図1の停止図柄態様を停止表示するまで、あるいは「特図2の変動表示」を開始してから特図2の停止図柄態様を停止表示するまでが本発明にいう図柄変動停止表示の一例に相当し、以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を図柄変動停止表示と称する。後述するように、図柄変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。同図(a)には、図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図J」までの10種類の特図が示されており、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
【0057】
「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当たり図柄であり、「特図B」は15R大当たり図柄である。本実施形態のパチンコ機100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。また、15R特別大当たり遊技終了後および15R大当たり遊技終了後はいずれも時短状態に移行する。時短については詳しくは後述するが、時短状態に移行する状態のことを普図高確率状態と称し、時短状態に移行しない状態のことを普図低確率状態と称する。15R特別大当たり図柄である「特図A」は、特図高確率普図高確率状態であり、15R大当たり図柄である「特図B」は、特図低確率普図高確率状態である。これらの「特図A」および「特図B」は、遊技者に付与する利益量が相対的に大きな利益量になる図柄である。
【0058】
「特図C」は突然確変と称される2R大当たり図柄であり、特図高確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図A」と比べて、「特図C」は2Rである点が異なる。「特図D」は突然時短と称される2R大当たり図柄であり、特図低確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図B」と比べて、「特図D」は2Rである点が異なる。
【0059】
「特図E」は隠れ確変と称される2R大当たり図柄であり、特図高確率普図低確率状態である。「特図F」は突然通常と称される2R大当たり図柄であり、特図低確率普図低確率状態である。これら「特図E」および「特図F」はいずれも、2Rであるとともに、時短状態に移行しない状態である。
【0060】
「特図G」は第1小当たり図柄であり、「特図H」は第2小当たり図柄であり、何れも特図低確率普図低確率状態である。ここにいう小当たりは、2R時短無し大当たりと同じものに相当する。すなわち、この「特図G」、「特図H」は「特図F」と同じ状態であるが、両者では装飾図柄表示装置208に表示される演出が異なり、あえて、同じ状態でも「特図G」、「特図H」と「特図F」を設けておくことで、遊技の興趣を高めている。
【0061】
また、「特図I」は第1はずれ図柄であり、「特図J」は第2はずれ図柄であり、遊技者に付与する利益量が相対的に小さな利益量になる図柄である。
【0062】
なお、本実施形態のパチンコ機100には、15R特別大当たり図柄として「特図A」以外の図柄も用意されており、15R大当たり図柄等の他の図柄についても同様である。
【0063】
図5(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口230または第2特図始動口232に球が入賞したこと、すなわち、第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは第2特図始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。そして、「特図B」の15R大当たりを報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに15R大当たりに対応する、同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾1−装飾1−装飾1」や「装飾2−装飾2−装飾2」等)を停止表示する。「特図A」の15R特別大当たりを報知する場合には、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾3−装飾3−装飾3」や「装飾7−装飾7−装飾7」等)を停止表示する。
【0064】
また、「特図E」の隠れ確変と称される2R大当たり、「特図F」の突然通常と称される2R大当たり、あるいは「特図G」の第1小当たり、「特図H」の第2小当たりを報知する場合には、「装飾1−装飾2−装飾3」を停止表示する。さらに、「特図C」の突然確変と称される2R大当たり、あるいは「特図D」の突然時短と称される2R大当たりを報知する場合には、「装飾1−装飾3−装飾5」を停止表示する。一方、「特図I」の第1はずれ、「特図J」の第2はずれを報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに同図(b)に示す図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示する。
【0065】
図5(c)は普図の停止表示図柄の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当たり図柄である「普図A」と、外れ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口228を球が通過したことを上述のゲートセンサが検出したことに基づいて、普通図柄表示装置210は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図A」を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には「普図B」を停止表示する。この同図(c)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
【0066】
<主制御部メイン処理>
次に、図6を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0067】
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図6に示す主制御部メイン処理を実行する。
【0068】
ステップS101では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。ステップS103では、WDT314のカウンタの値をクリアし、WDT314による時間計測を再始動する。
【0069】
ステップS105では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源制御部660から主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS103に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS107に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS103に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS105は繰り返し実行される。
【0070】
ステップS107では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
【0071】
ステップS109では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)には初期化処理(ステップS113)に進む。
【0072】
具体的には、最初に、電源基板に設けたRWMクリアスイッチ180を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)には、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS111に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべくステップS113に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS113に進む。
【0073】
ステップS111では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS115内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、図4に示す主制御部300における基本回路302に搭載されているRAM308には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップS111では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
【0074】
ステップS113では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割込禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。さらにここで、主制御部300のRAM308に設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部300の初期化処理(ステップS113)が行われたことを表すコマンドであり、復電コマンドと同じく、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
【0075】
ステップS115では、割込禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、および特図タイマ乱数値それぞれを生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。なお、初期値生成用乱数カウンタは、後述するステップS207でも更新する。主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、ステップS115の処理を繰り返し実行する。
【0076】
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図7を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【0077】
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
【0078】
ステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
【0079】
ステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、上述の前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサ、各種の球検出センサを含む各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
【0080】
また、ステップS205では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、上述のステップS205では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図4に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このステップS205では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226、可変入賞口234、第1特図始動口230、および第2特図始動口232への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口226、234やこれらの始動口230、232、228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
【0081】
ステップS207およびステップS209では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップSA15で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部300で使用する、普図当選乱数値、特図1乱数値、および特図2乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。また、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。なお、本実施形態では特図1の乱数値を取得するためのカウンタと特図2の乱数値を取得するためのカウンタとを別に設けたが、同一のカウンタを用いてもよい。
【0082】
ステップS211では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
【0083】
ステップS213では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、第1特別図柄表示装置212に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、第2特図表示装置214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
【0084】
ステップS215では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口226、234や始動口230、232、228に入賞があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
【0085】
また、ステップS217では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1特図始動口230、第2特図始動口232、普図始動口228および可変入賞口234への入賞があったか否かを判定する。ここでは、ステップS203における入賞判定パターン情報と一致するか否かの判定結果を用いて判定する。第1特図始動口230へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、カウンタ回路318の当選用カウンタ値記憶用レジスタから値を特図1当選乱数値として取得するとともに特図1乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図1乱数値として取得して対応する乱数値記憶領域に格納する。第2特図始動口232へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、カウンタ回路318の当選用カウンタ値記憶用レジスタから値を特図2当選乱数値として取得するとともに特図2乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図2乱数値として取得して対応する乱数値記憶領域に格納する。普図始動口228へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を普図当選乱数値として取得して対応する乱数値記憶領域に格納する。可変入賞口234へ入賞があった場合には、可変入賞口用の入賞記憶領域に、可変入賞口234に球が入球したことを示す情報を格納する。
【0086】
ステップS219では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は、例えば1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
【0087】
ステップS221では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
【0088】
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、当たり図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、外れ図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は、当り図柄(図5(c)に示す普図A)および外れ図柄(図5(c)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
【0089】
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口232の羽根部材232aの開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材232aを開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
【0090】
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド332に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
【0091】
また、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果が外れであれば、後述するように、普図外れフラグがオンされる。この普図外れフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS223に移行するようにしている。
【0092】
ステップS223では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口232の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
【0093】
次いで、特図1および特図2それぞれについての特図状態更新処理を行うが、最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行う(ステップS225)。この特図2状態更新処理は、特図2の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、第2特別図柄表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。
また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転開始設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶してから処理を終了する。
【0094】
また、主制御部300のRAM308には、15R大当りフラグ、2R大当たりフラグ、第1小当たりフラグ、第2小当たりフラグ、第1はずれフラグ、第2はずれフラグ、特図確率変動フラグ、および普図確率変動フラグそれぞれのフラグが用意されている。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には図5(a)に示す特図A、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図B、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には特図C、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図D、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグはオンの場合には特図E、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグもオフの場合には特図F、第1小当たりフラグがオンの場合には特図G、第2小当たりフラグがオンの場合には特図H、第1はずれフラグがオンの場合には特図I、第2はずれフラグがオンの場合には特図Iそれぞれの態様となるように、第2特別図柄表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は、15R特別大当たり図柄(特図A)、15R大当たり図柄(特図B)、突然確変図柄(特図C)、突然時短図柄(特図D)、隠れ確変図柄(特図E)、突然通常図柄(特図F)、第1小当たり図柄(特図G)、第2小当たり図柄(特図H)、第1はずれ図柄(特図I)、および第2はずれ図柄(特図J)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた時短回数記憶部に記憶された時短回数が1以上であれば、その時短回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中(詳細は後述)でなければ、時短フラグをオフする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)にも、時短フラグをオフする。
【0095】
また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転停止設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
【0096】
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、後述するように、大当りフラグがオンされる。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で入賞演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
【0097】
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口234の扉部材234aの開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材234aを開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口開放設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
【0098】
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口234の扉部材234aの開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材234aを閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
【0099】
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(本実施例では15ラウンドか2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、普図確率変動フラグがオンに設定されていれば、この大当たり遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた時短回数記憶部に時短回数100回をセットするともに、RAM308に設けられた時短フラグをオンする。なお、その普図確率変動フラグがオフに設定されていれば、時短回数記憶部に時短回数をセットすることもなく、また時短フラグをオンすることもない。ここにいう時短とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くするため、パチンコ機が遊技者にとって有利な状態になることをいう。この時短フラグがオンに設定されていると、普図高確率状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技に大当りする可能性が高い。また、普図高確率状態の方が、普図低確率状態に比べて普図変動遊技の変動時間および特図変動遊技の変動時間は短くなる。さらに、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、第2特別始動口232の一対の羽根部材232aの1回の開放における開放時間が長くなりやすい。加えて、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、一対の羽根部材232aは多く開きやすい。また、上述のごとく、時短フラグは、大当り遊技中(特別遊技状態中)にはオフに設定される。したがって、大当たり遊技中には、普図低確率状態が維持される。これは、大当たり遊技中に普図高確率状態であると、大当たり遊技中に可変入賞口234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に第2特図始動口232に多くの遊技球が入球し、大当たり中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。
【0100】
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS233)で終了演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
【0101】
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。さらに、特図2変動遊技の結果が外れであれば、後述するように、はずれフラグがオンされる。このはずれフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次のステップS227に移行するようにしている。
【0102】
続いて、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う(ステップS227)。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
【0103】
ステップS225およびステップS227における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。ここでも先に、特図2についての特図関連抽選処理(特図2関連抽選処理)を行い(ステップS229)、その後で、特図1についての特図関連抽選処理(特図1関連抽選処理)を行う(ステップS231)。これらの特図関連抽選処理についても、主制御部300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。また、装飾図柄表示装置208による、特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、第1副制御部400によって行われ、第2特図始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が、第1特図始動口230への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われる。
【0104】
ステップS233では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は例えば16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、大当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、FRAMクリアコマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
【0105】
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、特図確率変動フラグの値などを含み、大当りラウンド数指定コマンドの場合であれば特図確率変動フラグの値、大当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口230への入賞の有無、第2特図始動口232への入賞の有無、可変入賞口234への入賞の有無などを含む。
【0106】
また、上述の回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図1関連抽選処理および特図2関連抽選処理で選択したタイマ番号、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値などを示す情報を設定する。上述の入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。また、このステップS233では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、コマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、予告情報(事前予告情報、偽事前予告情報、または事前予告無情報のいずれか)を設定する。
【0107】
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
【0108】
ステップS235では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路336を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路350に出力する。
【0109】
ステップS237では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、所定のエラーの有無、例えば前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、前面枠扉開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド332を駆動して第2特図始動口232や、可変入賞口234の開閉を制御したり、表示回路324、326、330を介して普通図柄表示装置210、第1特別図柄表示装置212、第2特別図柄表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS219)で設定した出力予定情報を出力ポート(I/O310)を介して第1副制御部400に出力する。
【0110】
ステップS239では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS243に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS241に進む。
【0111】
ステップS241では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込許可の設定などを行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。
【0112】
一方、ステップS243では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、上述の主制御部メイン処理に復帰する。
【0113】
<第1副制御部400のROMとVRAM>
次に、第1副制御部400のROM406とVRAM436の内部構成について説明する。図8は、VRAM436に画像データが展開される前のROM406とVRAM436の内部構成の一例を示したブロック図である。
【0114】
上述の通り、第1副制御部400は、制御プログラムや画像データを記憶するためのROM406と、画像データ等を一時的に記憶するためのVRAM436と、ROM406に記憶された画像データ等を読み出してVRAM436の記憶領域を使用して表示画像を生成して装飾図柄表示装置208に画像を表示するVDP434と、を有している。
【0115】
ROM406には、制御プログラムのほか、圧縮されたムービーデータ(圧縮動画データ)や、静止画像からなるテクスチャデータなどの画像データが予め記憶されている。例えば、図8に示す例では、ムービーデータとして、ムービーA用のムービーデータMVaと、ムービーB用のムービーデータMVbと、ムービーC用のムービーデータMVcの3種類が記憶されているとともに、テクスチャデータとして、テクスチャデータT001やテクスチャデータT002などがROM406に記憶されている。
【0116】
また、ROM406には、これらの画像データのほかに、ムービーデータの解像度などを含む制御情報が予め記憶されている。図9(a)は、ROM406に予め記憶されるムービーデータの制御情報の一例を示した図である。この例では、ムービーA用のムービーデータMVaの解像度(画像サイズ)が1280×960であることを示す情報と、ムービーB用のムービーデータMVbの解像度(画像サイズ)が1024×768であることを示す情報と、ムービーC用のムービーデータMVcの解像度(画像サイズ)が800×600であることを示す情報と、を含む制御情報がROM406に記憶されている。
【0117】
図8に戻って、VRAM436には、ムービーデータを一時的に記憶(展開)するためのムービーデータ展開用領域MVEと、テクスチャデータを一時的に記憶(展開)するためのテクスチャデータ展開用領域TEと、装飾図柄表示装置208に表示させる画像に対応する画像データを一時的に記憶(展開)するためのフレームバッファ1(FB1)およびフレームバッファ2(FB2)が設けられている。なお、フレームバッファ1(FB1)およびフレームバッファ2(FB2)は、描画領域および表示領域のいずれか一方の指定が可能に構成され、描画領域に指定されたフレームバッファには画像データを展開することが可能であり、指定を描画領域から表示領域に変更することによって、表示領域に指定されたフレームバッファに記憶された画像データに対応する画像が、装飾図柄表示装置208に表示される。
【0118】
<第1副制御部400の処理>
次に、図10を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部400のストローブ割込み処理のフローチャートである。同図(c)は、第1副制御部400のタイマ変数更新割込処理のフローチャートである。同図(d)は、第1副制御部400の画像制御処理のフローチャートである。
【0119】
まず、同図(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずS301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0120】
ステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
【0121】
ステップS307では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、S307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
【0122】
ステップS311では、チャンスボタンの押下を検出していた場合、ステップS309で更新した演出データをチャンスボタンの押下に応じた演出データに変更する処理を行う。ステップS313では、S309で読み出した演出データの中にVDP434への命令がある場合には、この命令をVDP434に出力する(詳細は後述)。
【0123】
ステップS315では、S309で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。ステップS317では、S309で読み出した演出データの中に各種ランプ418への命令がある場合には、この命令を駆動回路420に出力する。
【0124】
ステップS319では、S309で読み出した演出データの中に遮蔽装置246への命令がある場合には、この命令を駆動回路432に出力する。ステップS321では、S309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、S303へ戻る。
【0125】
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS401では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0126】
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0127】
第1副制御部タイマ割込処理のステップS501では、第1副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
【0128】
第1副制御部タイマ割込処理のステップS503では、ステップS319で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0129】
<画像制御処理>
次に、同図(d)を用いて、第1副制御部400のメイン処理におけるステップS313の画像制御処理について詳細に説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示した図である。
【0130】
<画像制御処理/画像データの転送処理>
ステップS601では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU404は、まず、VRAM436のフレームバッファ1(FB1)とフレームバッファ2(FB2)の描画領域と表示領域の指定を入れ替える(スワップ)する。これにより、表示領域に記憶されたフレームバッファに記憶された1フレームの画像が、装飾図柄表示装置208に表示される。次に、CPU404は、VDP434のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM406の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM436の転送先アドレス)などを設定した後、ROM406からVRAM436への画像データ(上述のムービーデータやテクスチャデータ)の転送開始を指示する命令を設定する。VDP434は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて、ROM406から、VRAM436のムービーデータ展開用領域MVEやテクスチャデータ展開用領域TEに画像データを転送する。
【0131】
<画像制御処理/画像データの転送処理/初期転送処理>
図11は、VRAM436に画像データが展開された後のROM406とVRAM436の内部構成の一例を示したブロック図である。第1副制御部400は、電源投入後やリセット後の上記ステップS601においては、ムービーデータやテクスチャデータの初期転送処理を行う。
【0132】
具体的には、ムービーデータの初期転送処理では、ROM406に記憶されたムービーデータの制御情報に応じて、ムービーデータ展開用領域MVEに、制御情報の種類毎に設けた展開用領域を設定する。例えば、同図に示す例では、第1副制御部400は、ROM406に記憶されたムービーデータMVaの制御情報(解像度)に応じて、ムービーデータ展開用領域MVEに、解像度1280×960の画像データが記憶可能な第1ムービーデータ展開用領域MVE1を設定するとともに、上記図9(b)に示すように、第1ムービーデータ展開用領域MVE1に記憶される画像データの解像度が1280×960であることを示す情報をVRAM436の所定記憶領域に記憶する。
【0133】
続いて、第1副制御部400は、ROM406に記憶されたムービーデータMVbの制御情報(解像度)に応じて、ムービーデータ展開用領域MVEに、解像度1024×768の画像データが記憶可能な第2ムービーデータ展開用領域MVE2を設定するとともに、上記図9(b)に示すように、第2ムービーデータ展開用領域MVE2に記憶される画像データの解像度が1024×768であることを示す情報をVRAM436の所定記憶領域に記憶する。
【0134】
続いて、第1副制御部400は、ROM406に記憶されたムービーデータMVcの制御情報(解像度)に応じて、ムービーデータ展開用領域MVEに、解像度800×600の画像データが記憶可能な第3ムービーデータ展開用領域MVE3を設定するとともに、上記図9(b)に示すように、第3ムービーデータ展開用領域MVE3に記憶される画像データの解像度が800×600であることを示す情報をVRAM436の所定記憶領域に記憶する。
【0135】
また、テクスチャデータの初期転送処理では、図11に示すように、ROM406に記憶された全てのテクスチャデータT001、T002、…を、テクスチャデータ展開用領域TEに転送(展開)する。
【0136】
<画像制御処理/画像データの転送処理/定常転送処理>
また、第1副制御部400は、上記初期転送処理後のステップS601においては、ムービーデータの定常転送処理を行う。具体的には、ムービーデータの定常転送処理では、ROM406に記憶されたムービーデータのうち、再生を行うムービーに対応するムービーデータを複数の画像データに解凍した後、解凍後の画像データを1フレーム毎に、ムービーデータ展開用領域MVEに設定した複数のムービーデータ展開用領域MVEのいずれかに転送(展開)する。
【0137】
例えば、ムービーAを再生する場合には、ムービーAに対応するムービーA用ムービーデータMVa(解像度1280×960)を複数の画像データに解凍した後、解凍後の画像データを1フレーム毎に、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)、第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)、および、第3ムービーデータ展開用領域MVE3(解像度800×600)のいずれかの領域に転送する。
【0138】
また、ムービーBを再生する場合には、ムービーBに対応するムービーB用ムービーデータMVb(解像度1024×768)を複数の画像データに解凍した後、解凍後の画像データを1フレーム毎に、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)、第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)、および、第3ムービーデータ展開用領域MVE3(解像度800×600)のいずれかの領域に転送する。なお、ムービーB用ムービーデータMVb(解像度1024×768)を、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送する場合には、画像データの解像度を転送先のムービーデータ展開用領域の解像度に合わせるために、後述するパディング処理を行う。
【0139】
また、ムービーCを再生する場合には、ムービーCに対応するムービーC用ムービーデータMVc(解像度800×600)を複数の画像データに解凍した後、解凍後の画像データを1フレーム毎に、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)、第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)、および、第3ムービーデータ展開用領域MVE3(解像度800×600)のいずれかの領域に転送する。なお、ムービーC用ムービーデータMVc(解像度800×600)を、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)、および、第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)のいずれかの領域に転送する場合には、画像データの解像度を転送先のムービーデータ展開用領域の解像度に合わせるために、後述するパディング処理を行う。
【0140】
図10に戻って、ステップS603では、VDP434からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS605に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。ステップS605では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU404は、ステップS601でVRAM436に転送した画像データに基づいてVRAM436のフレームバッファ1(FB1)またはフレームバッファ2(FB2)に表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM436の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP434に指示する。VDP434はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
【0141】
ステップS607では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU404は、VDP434に画像の描画開始を指示する。VDP434は、CPU404の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
【0142】
ステップS609では、画像の描画終了に基づくVDP434からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS611に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。ステップS611では、RAM408の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
【0143】
<第2副制御部500の処理>
次に、図12を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、同図(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。
【0144】
まず、同図(a)のステップS701では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずS701で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0145】
ステップS703では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS705の処理に移行する。
【0146】
ステップS705では、タイマ変数に0を代入する。ステップS707では、コマンド処理を行う。第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS709では、演出制御処理を行う。例えば、S707で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
【0147】
ステップS711では、第1副制御部400からの遊技盤用ランプ532や遊技台枠用ランプ542への命令がある場合には、この命令をシリアル通信制御回路520に出力する。ステップS713では、第1副制御部400からの演出可動体224への命令がある場合には、この命令を駆動回路516に出力し、S703に戻る。
【0148】
次に、同図(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS801では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0149】
次に、同図(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0150】
第2副制御部タイマ割込処理のステップS901では、第2副制御部メイン処理におけるステップS703において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS703において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。第2副制御部タイマ割込処理のステップS903では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0151】
<パディング処理>
次に、上述のパディング処理について詳細に説明する。図13は、パディング処理の一例を示した図である。この例では、第1副制御部400は、ROM406に記憶されたムービーB用ムービーデータMVbから生成した、同図(a)に示す1フレーム分の画像データMVb1(解像度1024×768)を、この画像データMVb1と解像度が同一の第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)に展開せずに、画像データMVb1よりも解像度が大きい、同図(b)に示す第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送する。
【0152】
そして、この転送処理において、第1副制御部400は、転送元の画像データMVb1(解像度1024×768)の左上隅の位置と、転送先の第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)の左上隅の位置が一致するように画像データMVb1(解像度1024×768)をROM406からVRAM436に転送するとともに、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)のうち、画像データMVb1(解像度1024×768)の記憶領域として使用されなかった未使用領域(この例では、右端の未使用領域と下端の未使用領域)を黒色の画素で埋めるパディング処理を行うことによって、転送元の画像データの解像度を、転送先のムービーデータ展開用領域の解像度に一致させる。
【0153】
このように、転送元の画像データを、この画像データよりも解像度が大きいムービーデータ展開用領域に転送した後に、転送元の画像データの解像度を、転送先のムービーデータ展開用領域の解像度に一致させるパディング処理を行えば、転送元の画像データと同一の解像度のムービーデータ展開用領域が無い場合や、転送元の画像データと同一の解像度のムービーデータ展開用領域はあるが他の画像データの生成に使用しているような場合に、転送元の画像データとは解像度が異なるムービーデータ展開用領域を使用して画像の生成を行うことができる。このため、ムービーデータ展開用領域を解像度毎に設ける必要がなく、画像の生成に必要な記憶領域の容量を低減することができる上に、解像度が同一のムービーデータ展開用領域が空くのを待つ必要もないため、従来よりも高度な画像の生成を行うことができる場合がある。
【0154】
<パディング処理の変形例>
図14および図15は、パディング処理の変形例を示した図である。図14(a)に示す例では、第1副制御部400は、画像データMVb1(解像度1024×768)の右下隅の位置と、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)の右下隅の位置が一致するように画像データMVb1(解像度1024×768)をROM406からVRAM436に転送するとともに、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)のうち、画像データMVb1(解像度1024×768)の記憶領域として使用されなかった未使用領域(この例では、左端の未使用領域と上端の未使用領域)を黒色の画素で埋めるパディング処理を行うことによって、転送元の画像データの解像度を、転送先のムービーデータ展開用領域の解像度に一致させる。
【0155】
また、同図(b)に示す例では、第1副制御部400は、画像データMVb1(解像度1024×768)の中心位置と、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)の中心位置が一致するように画像データMVb1(解像度1024×768)をROM406からVRAM436に転送するとともに、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)のうち、画像データMVb1(解像度1024×768)の記憶領域として使用されなかった未使用領域(外縁の未使用領域)を黒色の画素で埋めるパディング処理を行うことによって、転送元の画像データの解像度を、転送先のムービーデータ展開用領域の解像度に一致させる。
【0156】
また、同図(c)に示す例では、第1副制御部400は、画像データMVb1(解像度1024×768)を複数(この例では6つ)の画像データMVb11〜MVb16に分割する。次に、分割後の画像データMVb11〜MVb16の各々を、所定の間隔を空けて第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送するとともに、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)のうち、画像データMVb11〜MVb16の記憶領域として使用されなかった未使用領域を黒色の画素で埋めるパディング処理を行うことによって、転送元の画像データの解像度を、転送先のムービーデータ展開用領域の解像度に一致させる。
【0157】
同図(a)〜(c)のように、転送元の画像データを、この画像データよりも解像度が大きいムービーデータ展開用領域に転送した後に、転送元の画像データの解像度を、転送先のムービーデータ展開用領域の解像度に一致させるパディング処理を行えば、転送元の画像データと同一の解像度のムービーデータ展開用領域が無い場合や、転送元の画像データと同一の解像度のムービーデータ展開用領域はあるが他の画像データの生成に使用しているような場合に、転送元の画像データとは解像度が異なるムービーデータ展開用領域を使用して画像の生成を行うことができる。このため、ムービーデータ展開用領域を解像度毎に設ける必要がなく、画像の生成に必要な記憶領域の容量を低減することができる上に、解像度が同一のムービーデータ展開用領域が空くのを待つ必要もないため、従来よりも高度な画像の生成を行うことができる場合がある。
【0158】
また、図15に示す例では、転送元の画像データMVb1の水平方向の画像サイズと、転送先の第1ムービーデータ展開用領域MVE1の水平方向の画像サイズは同一であるが、画像データMVb1のアスペクト比(横16:縦9)と、第1ムービーデータ展開用領域MVE1のアスペクト比(横4:縦3)が互いに異なっている。この場合、第1副制御部400は、画像データMVb1(解像度1024×768)の水平方向位置と、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)の水平方向位置が一致するように画像データMVb1(解像度1024×768)をROM406からVRAM436に転送するとともに、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)のうち、画像データMVb1(解像度1024×768)の記憶領域として使用されなかった未使用領域(この例では、上縁の未使用領域)を黒色の画素で埋めるパディング処理を行うことによって、転送元の画像データのアスペクト比を、転送先のムービーデータ展開用領域のアスペクト比に一致させる。
【0159】
このように、転送元の画像データを、この画像データよりも解像度が大きいムービーデータ展開用領域に転送した後に、転送元の画像データのアスペクト比を、転送先のムービーデータ展開用領域のアスペクト比に一致させるパディング処理を行えば、転送元の画像データと同一のアスペクト比のムービーデータ展開用領域が無い場合や、転送元の画像データと同一のアスペクト比のムービーデータ展開用領域はあるが他の画像データの生成に使用しているような場合に、転送元の画像データとはアスペクト比が異なるムービーデータ展開用領域を使用して画像の生成を行うことができる。このため、ムービーデータ展開用領域をアスペクト比毎に設ける必要がなく、画像の生成に必要な記憶領域の容量を低減することができる上に、アスペクト比が同一のムービーデータ展開用領域が空くのを待つ必要もないため、従来よりも高度な画像の生成を行うことができる場合がある。
【0160】
<ムービーデータの変形例>
次に、ムービーデータの変形例について説明する。図16は、ムービーデータの変形例を説明するための図である。上記実施例では、画像データMVb1(解像度1024×768)を、この画像データMVb1と解像度が異なる第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送する際にパディング処理を行うことによって、転送元の画像データの解像度を、転送先のムービーデータ展開用領域の解像度に一致させる例を示したが、ここでは、ムービーデータに予め所定の加工を施すことによって解像度を一致させる。
【0161】
例えば、同図(a)に示すようなムービーB用ムービーデータMVb(解像度1024×768)に、黒色の画素からなるパディングデータを付加することによって、同図(b)に示すようなムービーB´用ムービーデータMVb´(解像度1280×960)を生成し、このムービーB´用ムービーデータMVb´(解像度1280×960)をROM406に予め記憶する。そして、第1副制御部400は、ムービーデータの定常転送処理の際に、ムービーB´用ムービーデータMVb´から生成した1フレーム分の画像データMVb´1(解像度1280×960)を、この画像データMVb´1と解像度が同一の第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送する。
【0162】
この例では、ムービーB用ムービーデータMVb(解像度1024×768)にパディングデータを付加して生成した画像データMVb´1の解像度(1280×960)と、転送先の第1ムービーデータ展開用領域MVE1の解像度(1280×960)を同一にしているため、上述の定常転送処理において両者の解像度を一致させるパディング処理が不要となり、画像の転送処理や、その後の画像の表示処理を速めることができる場合がある。
【0163】
なお、この例では、パディングデータを黒色の画素で構成したが、例えば、同図(c)に示すように、透明色の画素(色情報を持たない画素)で構成すれば、ムービーデータのデータ容量を少なくすることができる上に、ムービーデータの転送処理時の制御負担を軽減できる場合がある。特に、単色のパディングデータの場合、ムービーデータの圧縮効率が高くなるため記憶手段の容量削減になる場合がある。
【0164】
<画像制御処理/画像の描画処理>
次に、第1副制御部400が行う画像の描画処理について説明する。図17は、ムービーAを再生する際の画像描画処理の流れを示した図である。
【0165】
<画像制御処理/画像の描画処理/ムービーA>
ムービーAを再生する場合、第1副制御部400は、ムービーAに対応するムービーA用ムービーデータMVa(解像度1280×960)を複数の画像データに解凍した後、解凍後の画像データを1フレーム毎に、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)、第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)、および、第3ムービーデータ展開用領域MVE3(解像度800×600)のいずれかの領域に転送する。ここでは、ムービーA用ムービーデータMVa(解像度1280×960)と同一の解像度である第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)が使用可能であるため優先して使用し、ムービーA用ムービーデータMVa(解像度1280×960)を、この第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送する処理を行い、パディング処理は実行しない。
【0166】
続いて、第1副制御部400は、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送したムービーA用ムービーデータMVa(解像度1280×960)に基づいてVRAM436のフレームバッファ1(FB1)またはフレームバッファ2(FB2)に表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM436の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP434に指示する。この際、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)からフレームバッファに切り出す画像サイズとして1280×960を指定し、ムービーA用ムービーデータMVa(解像度1280×960)の全ての領域を表示可能とする。
【0167】
続いて、第1副制御部400は、表示画像を形成したフレームバッファを指定して描画指示を行う。VDP434は、この描画指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。これにより、装飾図柄表示装置208にムービーA用ムービーデータMVa(解像度1280×960)に対応する画像が表示される。
【0168】
<画像制御処理/画像の描画処理/ムービーB>
図18は、ムービーBを再生する際の画像描画処理の流れを示した図である。例えば、ムービーBを再生する場合、第1副制御部400は、ムービーBに対応するムービーB用ムービーデータMVb(解像度1024×768)を複数の画像データに解凍した後、解凍後の画像データを1フレーム毎に、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)、第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)、および、第3ムービーデータ展開用領域MVE3(解像度800×600)のいずれかの領域に転送する。ここでは、ムービーB用ムービーデータMVb(解像度1024×768)と同一の解像度である第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)が使用中のため、代わりに第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)を使用し、ムービーB用ムービーデータMVb(解像度1024×768)を、この第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送する処理を行い、パディング処理を行う。
【0169】
続いて、第1副制御部400は、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送したムービーB用ムービーデータMVb(解像度1024×768)に基づいてVRAM436のフレームバッファ1(FB1)またはフレームバッファ2(FB2)に表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM436の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP434に指示する。この際、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)からフレームバッファに切り出す画像サイズとして1024×768を指定するとともに、解像度1280×960に合わせて画像データを拡大し、ムービーB用ムービーデータMVb(解像度1024×768)の全ての領域を表示可能とする。
【0170】
続いて、第1副制御部400は、表示画像を形成したフレームバッファを指定して描画指示を行う。VDP434は、この描画指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。これにより、装飾図柄表示装置208にムービーB用ムービーデータMVb(解像度1024×768)に対応する画像が表示される。
【0171】
<画像制御処理/画像の描画処理/ムービーB´>
図19は、ムービーB´を再生する際の画像描画処理の流れを示した図である。例えば、ムービーB´を再生する場合、第1副制御部400は、ムービーB´に対応するムービーB´用ムービーデータMVb´(解像度1280×960)を複数の画像データに解凍した後、解凍後の画像データを1フレーム毎に、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)、第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)、および、第3ムービーデータ展開用領域MVE3(解像度800×600)のいずれかの領域に転送する。ここでは、ムービーB´用ムービーデータMVb´(解像度1280×960)と同一の解像度である第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)が使用可能であるため優先して使用し、ムービーB´用ムービーデータMVb´(解像度1280×960)を、この第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送する処理を行い、パディング処理は実行しない。
【0172】
続いて、第1副制御部400は、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送したムービーB´用ムービーデータMVb´(解像度1280×960)に基づいてVRAM436のフレームバッファ1(FB1)またはフレームバッファ2(FB2)に表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM436の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP434に指示する。この際、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)からフレームバッファに切り出す画像サイズとして1024×768を指定するとともに、解像度1280×960に合わせて画像データを拡大し、ムービーB´用ムービーデータMVb´(解像度1024×768)の全ての領域を表示可能とする。
【0173】
続いて、第1副制御部400は、表示画像を形成したフレームバッファを指定して描画指示を行う。VDP434は、この描画指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。これにより、装飾図柄表示装置208にムービーB´用ムービーデータMVb´(解像度1024×768)に対応する画像が表示される。
【0174】
なお、この例では、画像データを拡大してフレームバッファに記憶する例を示したが、例えば、図20に示すように、画像データの一部を抜き出してフレームバッファFB1(FB2)に記憶し、この画像データに対応する画像を装飾図柄表示装置208に表示させてもよい。
【0175】
<画像制御処理/画像の描画処理/リーチ用ムービーの再生後に大当たりムービー>
図21は、リーチ用ムービーの再生後に大当り遊技用ムービーを再生する際の画像描画処理の流れを示した図である。リーチ用ムービーは、リーチ状態を報知するための動画像であり、装飾図柄表示装置208の表示領域全てを用いて再生を行うため、上述のムービーAと同一の解像度(解像度1280×960)のムービーとしている。一方、大当り遊技用ムービーは大当り遊技中に再生する動画像であり、大当り遊技中に装飾図柄表示装置208の表示領域の一部を用いて他の情報(ラウンド数など)とともに再生を行うため、ムービーAよりも解像度が低い、上述のムービーBと同一の解像度(解像度1024×768)のムービーとしている。
【0176】
リーチ用ムービーを再生する場合、第1副制御部400は、同図(a)に示すように、リーチ用ムービーに対応するムービーデータ(解像度1280×960)を複数の画像データに解凍した後、解凍後の画像データを1フレーム毎に、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)、第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)、および、第3ムービーデータ展開用領域MVE3(解像度800×600)のいずれかの領域に転送する。ここでは、リーチ用ムービーデータ(解像度1280×960)と同一の解像度である第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)が使用可能であるため優先して使用し、リーチ用ムービーデータ(解像度1280×960)を、この第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送する処理を行い、パディング処理は実行しない。
【0177】
続いて、第1副制御部400は、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送したリーチ用ムービーデータ(解像度1280×960)に基づいてVRAM436のフレームバッファ1(FB1)またはフレームバッファ2(FB2)に表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM436の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP434に指示する。この際、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)からフレームバッファに切り出す画像サイズとして1280×960を指定し、リーチ用ムービーデータの全ての領域を表示可能とする。
【0178】
続いて、第1副制御部400は、表示画像を形成したフレームバッファを指定して描画指示を行う。VDP434は、この描画指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。これにより、装飾図柄表示装置208にリーチ用ムービーデータに対応する画像が表示される。
【0179】
続いて、第1副制御部400は、同図(b)に示すように、大当り遊技用ムービーデータ(解像度1024×768)を複数の画像データに解凍した後、解凍後の画像データを1フレーム毎に、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)、第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)、および、第3ムービーデータ展開用領域MVE3(解像度800×600)のいずれかの領域に転送する。ここでは、リーチ用ムービーデータの転送処理に用いた第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)を使用し、大当り遊技用ムービーデータ(解像度1024×768)を、この第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送する処理を行い、パディング処理を行う。
【0180】
続いて、第1副制御部400は、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送した大当り遊技用ムービーデータ(解像度1024×768)に基づいてVRAM436のフレームバッファ1(FB1)またはフレームバッファ2(FB2)に表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM436の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP434に指示する。この際、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)からフレームバッファに切り出す画像サイズとして1024×768を指定し、大当り遊技用ムービーデータ(解像度1024×768)を表示可能とするとともに、ラウンド数などを示すテクスチャ画像をフレームバッファに転送する。
【0181】
続いて、第1副制御部400は、表示画像を形成したフレームバッファを指定して描画指示を行う。VDP434は、この描画指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。これにより、装飾図柄表示装置208に大当り遊技用ムービーデータ(解像度1024×768)に対応する画像と、テクスチャ画像に対応する画像が表示される。
【0182】
この例のように、パディング処理を行う部位の上にテクスチャ画像を上書きするようにすれば、パディング処理を行う部位の色などに留意する必要が無く特に限定されることがないため、画像の生成速度を速めることができる場合がある。
【0183】
また、高解像度かつ表示領域が大きな第1のムービー(リーチ用ムービー)の表示を行った後に、低解像度かつ表示領域が小さな第2のムービー(大当りムービー)の表示を容易に行うことができ、制御負担を増大させることなく、従来よりも高度な演出を行うことができる場合がある。
【0184】
<画像制御処理/画像の描画処理/解像度が異なるムービーの同時再生>
図22は、解像度が異なるムービーAとムービーBを同時に再生する際の画像描画処理の流れを示した図である。この例では、同図(b)に示すように、第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)を2つ備え、上述の方法で、同図(a)に示すムービーAとムービーBを同時に再生するように構成したものである。上述の通り、ムービーAに対するムービーA用ムービーデータMVa(解像度1280×960)は、パディング処理を行うことなく第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送された後、拡大や縮小も行われることなく装飾図柄表示装置208に表示される。
【0185】
一方、ムービーBに対するムービーB用ムービーデータMVb(解像度1024×768)は、パディング処理が行われて第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送された後、同図(c)、(d)に示すように、拡大されて装飾図柄表示装置208に表示される。したがって、ムービーAとムービーBの表示の大きさは同一であるが、ムービーBのほうが画像サイズを拡大している分だけ表示が粗くなる。遊技者は、表示が粗いムービーBよりも、表示が細かいムービーAの表示を注目することになるため、ムービーAに表示する情報(例えば、大当り遊技の開始を示唆するリーチ情報)の信頼性を、ムービーBに表示する情報の信頼性よりも高めることができる場合がある。
【0186】
<画像制御処理/画像の描画処理/解像度が同一のムービーの同時再生>
図23は、解像度が同一のムービーXとムービーYを同時に再生する際の画像描画処理の流れを示した図である。この例では、同時に再生するムービーXとムービーYに対応するムービーX用ムービーデータの解像度が同一の解像度1024×768であるのに対して、第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)を1つだけ備えている。
【0187】
このため、第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)が未使用の際には、パディング処理を行うことなくムービーX(またはムービーY)に対応するムービーX用ムービーデータを第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)に転送し、第2ムービーデータ展開用領域MVE2(解像度1024×768)が使用中の場合には、パディング処理を行ってムービーX(またはムービーY)に対応するムービーX用ムービーデータを第1ムービーデータ展開用領域MVE1(解像度1280×960)に転送する。
【0188】
このような構成とすれば、転送元の画像データと同一の解像度のムービーデータ展開用領域はあるが他の画像データの生成に使用しているような場合に、転送元の画像データとは解像度が異なるムービーデータ展開用領域を使用して画像の生成を行うことができる。このため、解像度が同一のムービーデータ展開用領域が空くのを待つ必要もないため、従来よりも高度な画像の生成を行うことができる場合がある。また、解像度が異なる2種類のムービーデータ展開用領域を用いて、解像度が同一の2種類のムービーデータを同時に表示することが可能となり、従来よりも高度な画像の生成を行うことができる場合がある。
【0189】
以上説明したように、本実施形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機100)は、動画データ(例えば、ムービーデータ)を記憶する動画情報記憶手段(例えば、ROM406)と、前記動画情報記憶手段に記憶されている動画データの動画構成データ(例えば、ムービーデータを構成する1フレームの画像データ)を展開する動画構成データ展開手段(例えば、VRAM436)と、動画を表示可能な動画表示手段(例えば、装飾図柄表示装置208)と、前記動画構成データ展開手段に展開されている動画構成データに基づいて前記動画表示手段に前記動画を表示させる動画表示制御手段(例えば、VDP436、CPU404)と、備え、前記動画の解像度毎に前記動画構成データを展開する展開領域(例えば、ムービーデータ展開用領域)を前記動画構成データ展開手段に事前に設定可能な遊技台であって、前記展開領域は、第一解像度(例えば、1280×960)の動画(例えば、ムービーA)に対応する動画構成データを展開するための第一展開領域(例えば、第1ムービーデータ展開用領域MVE1)と、前記第一解像度とは異なる第二解像度(例えば、1024×768)の動画(例えば、ムービーB)に対応する動画構成データを展開するための第二展開領域(例えば、第2ムービーデータ展開用領域MVE2)と、を含んで構成され、前記動画構成データ展開手段は、前記第一展開領域に、前記第二解像度の動画に対応する前記動画構成データを展開可能であり、前記動画表示制御手段は、前記第一展開領域に展開された前記第二解像度の動画に対応する動画構成データに基づいて、前記動画表示手段に前記第二解像度の動画を表示させることを特徴とする遊技台である。
【0190】
本実施形態に係る遊技台によれば、転送元の画像データと同一の解像度のムービーデータ展開用領域が無い場合や、転送元の画像データと同一の解像度のムービーデータ展開用領域はあるが他の画像データの生成に使用しているような場合に、転送元の画像データとは解像度が異なるムービーデータ展開用領域を使用して画像の生成を行うことができる。このため、ムービーデータ展開用領域を解像度毎に設ける必要がなく、画像の生成に必要な記憶領域の容量を低減することができる上に、解像度が同一のムービーデータ展開用領域が空くのを待つ必要もないため、従来よりも高度な画像の生成を行うことができる場合がある。また、空いた領域に他のテクスチャデータを展開しておくことができるので、他の演出表示やエラー表示がより早く表示可能になる場合がある。また、解像度が異なる動画に表示を切り替える際、展開用領域を切り替える必要がなくなるため、処理速度が速くなる場合がある。
【0191】
また、前記動画構成データ展開手段は、前記第一展開領域に、前記第二解像度の動画に対応する前記動画構成データを前記第一解像度に変更して展開可能であってもよい(例えば、図13に示すように、解像度1024×768の画像データMVb1を、解像度1280×960に変更して第1ムービーデータ展開用領域MVE1に展開する)。
【0192】
このような構成とすれば、ソフトやハードが解像度の相違を意識することなく処理を実行することが可能になる場合がある。このため、ソフトやハードの構成をシンプルにでき、トラブルが発生しにくくなる場合がある。
【0193】
また、前記動画表示制御手段は、前記第一展開領域に展開された前記第一解像度の動画に対応する動画構成データに基づいて、前記動画表示手段に前記第一解像度の動画を表示させた後に、前記第一展開領域に展開された前記第二解像度の動画に対応する動画構成データに基づいて、前記動画表示手段に前記第二解像度の動画を表示させてもよい(例えば、図21に示すように、解像度1280×960のリーチ用ムービーの再生後に、解像度1024×768×960の大当たりムービーを再生する)。
【0194】
このような構成とすれば、解像度が異なる動画を連続再生するような場合に展開領域を切り替える必要がなくなるため、動画の切り替えを円滑に行うことができる上に、制御負担を軽減できる場合がある。
【0195】
なお、本発明に係る遊技台の構成は、上記実施形態に係るパチンコ機の構成に限定されず、例えば、主制御部と副制御部(第1副制御部、第2副制御部)をワンチップで構成してもよいし、主制御部と副制御部で双方向の通信が可能に構成してもよい。また、ムービーデータなどの画像データはROM406に記憶する例に限定されず、ROM406とは別に設けたCGROMなどに記憶してもよい。
【0196】
また、画像サイズの縦サイズと横サイズの両方が異なるムービーデータの例を示したが縦サイズと横サイズのいずれか一方が異なるムービーデータに適用してもよい。また、本発明に係る動画情報記憶手段や動画構成データ展開手段は、ROMやRAMに限定されるものではなく、他の記憶手段を適用してもよい。また、ムービーデータ(動画データ)は圧縮されたデータに限定されない。
【0197】
また、本発明に係る遊技台は、図24に示す、「所定の遊技領域1002に球を発射する発射装置1010と、発射装置1010から発射された球を入球可能に構成された入賞口1006と、入賞口に入球した球を検知する検知手段1008と、検知手段1008が球を検知した場合に球を払出す払出手段1012と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置1004を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置1004が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようなパチンコ機1000」にも好適である。
【0198】
また、本発明に係る遊技台は、図25に示す、「紙幣投入口2002に紙幣を投入し、ベット2004およびスタート2006操作に基づいて抽選を実行し、抽選結果を抽選結果表示装置2008で表示し、当選時には特典コイン数を残クレジット数に加算し、キャッシュアウト2009が選択された場合には、レシート発行機2010から残クレジット数に対応するコードが記載されたレシートを発行するカジノマシン2000」であってもよい。
【0199】
また、本発明の実施例に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。また、複数種類の実施例を示したが、各々の実施例を入れ替えたり組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0200】
本発明の遊技台は、回胴遊技機(スロットマシン)や弾球遊技機(パチンコ等)に代表される遊技台の分野で特に利用することができる。
【符号の説明】
【0201】
100 パチンコ機
300 主制御部
304 CPU
306 ROM
308 RAM
310 I/O
400 第1副制御部
500 第2制御部
1100 スロットマシン
1300 主制御部
1304 CPU
1306 ROM
1308 RAM
1310 I/O
1400 第1副制御部
1500 第2制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画データを記憶する動画情報記憶手段と、
前記動画情報記憶手段に記憶されている動画データの動画構成データを展開する動画構成データ展開手段と、
動画を表示可能な動画表示手段と、
前記動画構成データ展開手段に展開されている動画構成データに基づいて前記動画表示手段に前記動画を表示させる動画表示制御手段と、備え、
前記動画の解像度毎に前記動画構成データを展開する展開領域を前記動画構成データ展開手段に事前に設定可能な遊技台であって、
前記展開領域は、
第一解像度の動画に対応する動画構成データを展開するための第一展開領域と、前記第一解像度とは異なる第二解像度の動画に対応する動画構成データを展開するための第二展開領域と、を含んで構成され、
前記動画構成データ展開手段は、
前記第一展開領域に、前記第二解像度の動画に対応する前記動画構成データを展開可能であり、
前記動画表示制御手段は、
前記第一展開領域に展開された前記第二解像度の動画に対応する動画構成データに基づいて、前記動画表示手段に前記第二解像度の動画を表示させることを特徴とする遊技台。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技台において、
前記動画構成データ展開手段は、
前記第一展開領域に、前記第二解像度の動画に対応する前記動画構成データを前記第一解像度に変更して展開可能であることを特徴とする遊技台。
【請求項3】
請求項1または2に記載の遊技台において、
前記動画表示制御手段は、
前記第一展開領域に展開された前記第一解像度の動画に対応する動画構成データに基づいて、前記動画表示手段に前記第一解像度の動画を表示させた後に、前記第一展開領域に展開された前記第二解像度の動画に対応する動画構成データに基づいて、前記動画表示手段に前記第二解像度の動画を表示させることを特徴とする遊技台。
【請求項1】
動画データを記憶する動画情報記憶手段と、
前記動画情報記憶手段に記憶されている動画データの動画構成データを展開する動画構成データ展開手段と、
動画を表示可能な動画表示手段と、
前記動画構成データ展開手段に展開されている動画構成データに基づいて前記動画表示手段に前記動画を表示させる動画表示制御手段と、備え、
前記動画の解像度毎に前記動画構成データを展開する展開領域を前記動画構成データ展開手段に事前に設定可能な遊技台であって、
前記展開領域は、
第一解像度の動画に対応する動画構成データを展開するための第一展開領域と、前記第一解像度とは異なる第二解像度の動画に対応する動画構成データを展開するための第二展開領域と、を含んで構成され、
前記動画構成データ展開手段は、
前記第一展開領域に、前記第二解像度の動画に対応する前記動画構成データを展開可能であり、
前記動画表示制御手段は、
前記第一展開領域に展開された前記第二解像度の動画に対応する動画構成データに基づいて、前記動画表示手段に前記第二解像度の動画を表示させることを特徴とする遊技台。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技台において、
前記動画構成データ展開手段は、
前記第一展開領域に、前記第二解像度の動画に対応する前記動画構成データを前記第一解像度に変更して展開可能であることを特徴とする遊技台。
【請求項3】
請求項1または2に記載の遊技台において、
前記動画表示制御手段は、
前記第一展開領域に展開された前記第一解像度の動画に対応する動画構成データに基づいて、前記動画表示手段に前記第一解像度の動画を表示させた後に、前記第一展開領域に展開された前記第二解像度の動画に対応する動画構成データに基づいて、前記動画表示手段に前記第二解像度の動画を表示させることを特徴とする遊技台。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2013−47747(P2013−47747A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186186(P2011−186186)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】
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