遊技場用システム
【課題】、遊技者の過度の反感を買うことなく、持込行為を効果的に防止することが可能となる遊技場用システムを提供する。
【解決手段】1パチコーナーでの持玉Aが要注意基準値以上である30個以上残して遊技を終了した遊技者が、4パチコーナーで遊技をした場合に不正と判定して警告するようにした。これにより、このような不正を行う遊技者に対して適切に警告することができる。
【解決手段】1パチコーナーでの持玉Aが要注意基準値以上である30個以上残して遊技を終了した遊技者が、4パチコーナーで遊技をした場合に不正と判定して警告するようにした。これにより、このような不正を行う遊技者に対して適切に警告することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体の貸出金額が異なる遊技機が設置されたコーナー間の移動が禁止された遊技場に好適な遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技場外から玉を持込んで、その玉を遊技に使用する者がいた。このような行為は遊技場にとって不利益となるので、遊技者の持玉が所定のマイナス値に達すると、玉が持込まれたと判定し、不正行為を検知することが行われている(特許文献1参照)。
また、近年、玉を1個4円で貸す4円パチンココーナーの他に1個1円で貸す1円パチンココーナーを併設した遊技場が増加している。このような遊技場では、1円パチンココーナーから4円パチンココーナーへの玉も持込が禁止されているが、小量なら許されるだろうと考えて日常的に4円パチンココーナーへの玉の持込をする遊技者が存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−357974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、1円パチンココーナーから4円パチンココーナーへの持込が日常的に行われると、その被害は甚大であり、遊技場からは少量でも防止したいという要望がある。そこで、1円パチンココーナーから4円パチンココーナーへ玉を持込む行為についても遊技場外からの持込検知と同様の方法で検知することが考えられる。
ところが、多くの遊技場では、持玉を知合い同士で共有することを禁止しているにも関わらず頻繁に行われており、このような行為まで不正とみなすと判定回数が大幅に増加して実用性に乏しくなるばかりでなく、遊技者の反感を買ってしまい却って不利益になりかねないので、むやみに基準値を下げられないという事情がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、遊技者の過度の反感を買うことなく、持込行為を効果的に防止することが可能となる遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、遊技媒体の貸出単価に応じて区分された複数のエリアを有する遊技場に設けられる遊技場用システムであって、
各遊技機に対応して設けられ、遊技中の遊技者を撮像する撮像手段と、前記撮像手段が遊技者を撮像した場合に、撮像結果から抽出した当該遊技者を識別可能な情報である遊技者識別情報を記録する遊技者識別情報記録手段と、貨幣の受付に応じて貸出される遊技媒体である貸出遊技媒体の数、遊技に使用された遊技媒体である使用遊技媒体の数、及び遊技結果に応じて遊技者に付与される遊技媒体である付与遊技媒体の数を特定可能な遊技信号に基づいて、前記撮像手段が撮像している遊技者の所有する所有遊技媒体の数を算出する所有遊技媒体算出手段と、前記所有遊技媒体算出手段が算出した前記所有遊技媒体の数を前記遊技者識別情報及び前記貸出単価と対応付けて記憶する所有遊技媒体記憶手段と、前記貸出単価の相対的に低いエリアである低単価エリアにおいて遊技の終了を判定した場合に、その時点での低単価に対応する前記所有遊技媒体が要注意基準値以上であるか否かを判定する要注意判定手段と、前記要注意判定手段により低単価に対応する前記所有遊技媒体が要注意基準値以上であると判定された場合において、その遊技者が前記貸出単価の相対的に高いエリアである高単価エリアで遊技した場合に不正と判定する高単価持込判定手段と、前記高単価持込判定手段が不正を判定した場合に警告をする警告手段と、を備えたものである(請求項1)。
【0006】
請求項1に記載の遊技場用システムにおいて、
前記要注意判定手段により低単価に対応する前記所有遊技媒体が前記要注意基準値以上であると判定された場合に、当該所有遊技媒体に対応する前記遊技者識別情報を要注意人物情報として記録する要注意人物記録手段と、前記高単価エリアにおいて前記撮像手段が遊技者を撮像した場合に、当該遊技者が前記要注意人物記録手段に記録された要注意人物情報の遊技者と同一人物であるか否かを判定する要注意人物判定手段と、を備え、前記高単価持込判定手段は、前記要注意人物判定手段により前記高単価エリアで遊技する遊技者が前記要注意人物記録手段に記録された要注意人物情報の遊技者と同一人物であると判定された場合に不正と判定するようにしても良い(請求項2)。
【0007】
請求項2に記載の遊技場用システムにおいて、
前記高単価エリアで遊技する遊技者の高単価に対応する前記所有遊技媒体が一般持込判定値(但し、一般持込判定値<0)以下となった場合に不正と判定する一般持込判定手段を備え、前記高単価持込判定手段は、前記要注意人物判定手段により前記高単価エリアで遊技する遊技者が前記要注意人物記録手段に記録された要注意人物情報の遊技者と同一人物であると判定され、且つさらに高単価に対応する前記所有遊技媒体が高単価持込判定値(但し、一般持込判定値<高単価持込判定値<0)以下となった場合に不正と判定するようにしても良い(請求項3)。
【0008】
請求項2又は3に記載の遊技場用システムにおいて、
前記遊技者の前記遊技者識別情報が要注意人物情報として記録された後、再度当該遊技者が同一の遊技機で遊技を再開した場合に、当該遊技者の前記遊技者識別情報を要注意人物情報のリストから削除する削除手段を備えるようにしても良い(請求項4)。
請求項2ないし4の何れかに記載の遊技場用システムにおいて、
前記貸出遊技媒体の数を特定可能な遊技信号の入力に応じて遊技の開始を判定した場合に、その遊技中の遊技者の前記遊技者識別情報を要注意人物情報のリストから削除する削除手段を備えるようにしても良い(請求項5)。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、撮像手段が撮像した遊技中の遊技者と所有遊技媒体算出手段が算出した所有遊技媒体とにより遊技者がどのエリアでどの程度の遊技媒体を獲得したかを把握できるので、低単価エリアで得た遊技媒体を高単価エリアで使用しようとした場合に不正と判定して警告することができる。
請求項2の発明によれば、低単価エリアで得た遊技者の所有遊技媒体が要注意基準値以上となると、要注意人物情報のリストを作成するので、高単価持込判定手段による処理の負担を軽減することができる。
請求項3の発明によれば、遊技媒体を所有していないはずの遊技者が遊技をして所有遊技媒体が本来ありえない所定のマイナス値に達した場合には一般持込不正と判定することができる。
【0010】
請求項4の発明によれば、一旦休憩した後に再度遊技を再開する場合も頻繁にあるが、このような場合には要注意人物情報として記録する必要はないので、休憩であったことが判定できた場合にはリストから削除することにより不正判定の精度を高めることができる。
請求項5の発明によれば、遊技の開始時に使用遊技媒体を特定可能な遊技信号(アウト信号)よりも貸出遊技媒体を特定可能な遊技信号(売上信号)を先に入力した場合には、持込んだ遊技媒体ではなく新たに借受けた遊技媒体にて遊技を行うものと推測できるので、この場合には既に低単価エリアで得た遊技媒体を所有していないものとしてリストから削除することにより不正判定の精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態における遊技場用システムの全体構成を示す概略図
【図2】遊技場の構成を概略的に示す平面図
【図3】当日辞書を示す図
【図4】総合辞書を示す図
【図5】遊技機毎の遊技履歴を示す図
【図6】遊技者毎の遊技履歴の一例を示す図(その1)
【図7】遊技者毎の遊技履歴の一例を示す図(その2)
【図8】遊技者毎の遊技履歴の一例を示す図(その3)
【図9】遊技者毎の遊技履歴の一例を示す図(その4)
【図10】要注意人物情報リストを示す図
【図11】カメラによる顔認証処理を示すフローチャート
【図12】管理装置による遊技履歴作成処理1を示すフローチャート
【図13】管理装置による遊技履歴作成処理2を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場には遊技機1に対応して貸出装置2が設置され、管理室には管理装置3が設置されている。中継装置4は、2台の遊技機1、2台の貸出装置2及び管理装置3とLAN5を介して接続されている。管理装置3は、遊技機側(遊技機1、貸出装置2等)から送信される遊技信号を中継装置4を介して受信することにより遊技機1毎の遊技データを管理する。
【0013】
管理対象となる遊技機1は、発射装置を構成する操作ハンドル6に対する操作により盤面7に発射した玉(遊技媒体に相当)が始動口8に入賞(始動入賞)するのに応じて大当たり抽選を行い、抽選結果を表示部9において行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当たり状態となる。大当たりが発生すると15ラウンド(R)分だけ大入賞口10を開放する。入賞により払出された玉は上部受皿11にて受けられ、この上部受皿11が満杯状態となって溢れた玉は下部受皿12で受けられる。尚、1Rの上限入賞数は10個で、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間のいずれかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0014】
遊技機側からは、次の遊技信号が出力される。
アウト信号=使用玉(使用媒体)を回収するアウトBOXから出力される使用玉数(アウト、使用遊技媒体に相当)を特定可能な信号。回収(使用、打込)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定。尚、遊技機1から出力される信号であっても良い。
セーフ信号=遊技機1から出力される払出玉数(セーフ、付与遊技媒体に相当)を特定可能な信号。遊技機1での遊技(入賞)に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
【0015】
スタート信号=遊技機1から出力される図柄変動数(役物作動数、スタート)を特定可能な信号。始動口8への入賞により変動(作動)する表示部9における図柄変動(役物作動、スタート処理)1回につき1パルスが出力されるので、「スタート信号数×1」をスタートとして特定する。尚、始動口8への入賞に応じて出力される始動入賞信号をスタート信号としても良い。
大当たり信号=遊技機1から出力される大当たりを特定可能な信号。大当たり中にレベル出力される状態信号なので、大当たり信号受信中を大当たり中として特定する。
売上信号=貸出装置2から出力される売上情報(売上玉数、売上額)を特定可能な信号。遊技者に対する有価価値を対価とした貸出玉25玉毎に1パルスが出力されるので、「売上信号数×25」を売上玉数として特定し、売上玉数×貸単価を売上額として特定する。
再プレイ信号=貸出装置2から出力される再プレイ玉(再遊技媒体)数を特定可能な信号。遊技者に対する貯玉を対価とした再プレイ玉25玉毎に1パルスが出力されるので、「再プレイ信号数×25」を再プレイ玉数として特定する。
【0016】
貸出装置2は、以下の機能を有する。
(1)貨幣投入口13から貨幣が投入されるとノズル14から対価分の玉を払出す。
(2)CCDカメラ15(撮像手段に相当、以下「カメラ」という)を内蔵しており、対応する遊技者の顔を中心とした上半身を斜め前方から撮影して顔データを出力する。
管理装置3(遊技者識別情報記録手段、所有遊技媒体算出手段、所有遊技媒体記憶手段、要注意判定手段、高単価持込判定手段、警告手段、要注意人物記録手段、要注意人物判定手段、一般持込判定手段、削除手段に相当)は、遊技機側からの各種遊技信号に基づいて遊技データを作成する。遊技データは、一人の遊技者が連続して遊技していると判断できる範囲における台データ、及び売上データ、並びにカード挿入による再遊技玉、計数玉等の累積を示すものである。また、管理装置3は、カメラ15から入力した顔データに基づいて遊技者を特定する。
【0017】
図2は遊技場の構成を概略的に示す平面図である。遊技場は上述した遊技機1及び貸出装置2が設置された複数の島16からなる4円パチンココーナー(高単価エリアに相当。以下「4パチコーナー」という)と1円パチンココーナー(低単価エリアに相当。以下「1パチコーナー」という)に区切られている。そして、4パチコーナーと1パチコーナーの両方のコーナー全体を見渡せるように景品交換カウンタ17が設置されている。4パチコーナーでは貸玉(貸出遊技媒体に相当)を1個4円で貸出すように貸出装置2が設定され、1パチコーナーでは玉を1個1円で貸出すように設定されている。貸出装置2は貸出ボタンが操作されると500円分の玉を貸出すので、4パチコーナーの場合は125個、1パチコーナーの場合は500個の玉を貸出す。
【0018】
1パチコーナーから4パチコーナーへ持玉を持って移動すること(台移動)は禁止されている。4パチコーナー内、又は1パチコーナー内での台移動は可能である。但し、同じコーナー内であっても他人と持玉を共有することは禁止されている。また、店外からの玉の持込も禁止されている。1パチコーナーから4パチコーナーへの移動は島端からしか行き来できないので、遊技場側が監視しやすく、遊技者の移動は実質的に禁止されているといえる。
しかしながら、遊技者が1パチコーナーで獲得した少量の玉を隠して4パチコーナーに移動する不正を発見することは困難であり、日常的に行われた場合には遊技場が多大の不利益を被ることから、本実施形態では次のようにして1パチコーナーで得た持玉を4パチコーナーで使用した遊技者を特定するようにした。
【0019】
図11は、カメラ15による顔認証処理を示すフローチャートである。カメラ15は、電源がオンすると(A1:YES)、タイマの作動を開始(タイマ時間4秒)してから(A2)、顔を検出したか(A3)、顔認証フラグが1か(A14)を判定してから、タイマがタイムアップするまで待機する(A19)。
遊技者が椅子に着座すると、カメラ15の撮像範囲に遊技者の上半身が位置するようになるので、カメラ15は、顔を検出するようになり(A3:YES)、未検出カウンタをクリアし(A4)、顔認証フラグが0かを判定する(A5)。この場合、顔認証フラグは0であることから(A5:YES)、遊技者を撮影し(A6)、信頼度が規定値以上かを判定する(A7)。この信頼度とは遊技者の撮影画像に基づいて顔データ(遊技者識別情報に相当)を作成可能かを数値化したもので、信頼度が規定値未満であると判定した場合は、ステップA19へ移行する。信頼度が規定値以上であると判定した場合は(A7:YES)、顔認証フラグを1とする(A8)。
【0020】
次に、記録した顔データが無いかを判定し(A9)、電源投入直後で顔データが無い場合は(A9:YES)、顔データを記録してから(A10)、顔データを管理装置3へ送信する(A13)。
以上の動作により、遊技者が着座したときは、遊技者の顔データがカメラ15から管理装置3へ送信される。
カメラ15は、タイマがタイムアップすると(A19:YES)、次の撮影となり、この場合には、顔認証フラグが1であることから(A5:NO)、ステップA19へ移行する。従って、顔データが送信されることはない。
【0021】
さて、遊技者が離席したり、遊技者の姿勢が変化したりして遊技者の顔を検出できなくなった場合は(A3:NO)、顔認証フラグが1であることから(A14:YES)、未検出カウンタをインクリメントし(A15)、さらに未検出カウンタが2でないことを判定してから(A16:NO)、タイマがタイムアップしたかを判定する(A19)。タイマがタイムアップすると(A19:YES)、ステップA1へ移行し、上述した動作を繰り返す。上述した動作を繰り返した結果、未検出カウンタが2となることから(A16:YES)、顔認証フラグを0とし(A17)、離席信号を送信する(A18)。
以上の動作により、顔を検出できなくなると、8秒後にカメラ15から管理装置3へ離席信号が送信される。
【0022】
同一の遊技者、或いは異なる次の遊技者が着席したり、同一遊技者の顔を再認識したりすると、カメラ15は、記録した顔データが有ることから(A9:NO)、記録した顔データに該当する顔データの誤差が規定値の範囲内か(A11)、つまり同一人物と見なすことができるかを判定する。誤差が規定値の範囲内の場合は(A11:YES)、同一人物であると判定し、ステップA13へ移行して顔データを送信する。従って、前回と同一の顔データが送信される。記録した顔データに該当する顔データの誤差が規定値の範囲外(A11:NO)、つまり同一人物と見なすことができない場合は、顔データを書換えてから(A12)、顔データを送信する(A13)。尚、顔データは、遊技者の上半身の特徴、特に顔の特徴点である顔の目、眉毛、鼻、口などを抽出し、当該特徴点の互いの位置関係に基づいて遊技者の外観を特定する情報である。
【0023】
図12は、管理装置3による遊技履歴作成処理1を示すフローチャートである。管理装置3は、遊技信号を入力したか(B1)、顔データを入力したか(B5)を判定している。顔データを入力した場合に遊技履歴作成中であったときは(B5:YES、B6:YES)、遊技中の遊技者の顔データが入力したことを意味しているので、例えばjpegなどの画像データとして記憶し、当日辞書を更新する(B7)。
図3は当日辞書を示しており、遊技履歴作成中に当日初めて検出した遊技者の顔データを順に当日遊技者IDを割当てて記憶する。但し、その遊技履歴作成中において既に別の顔データを入力していた場合には、その顔データと同一の当日遊技者IDと対応付けて記憶する。つまり、同一の遊技者であっても、顔データが異なる場合があることから、このような場合は異なる顔データを順に記憶するのである。
【0024】
次に管理装置3は、直前に作成された遊技データに対応付けられた人物と同一人物かを判定する(B8)。入力された顔データに基づいて同一人物であると判定された場合に(B8:YES)、直前の遊技の終了判定を撤回してから(B9)、後述するように要注意人物情報リストに登録されている場合は要注意人物情報リストの登録を削除する(B10)。
遊技者が遊技を開始すると、遊技機1から遊技信号が出力されるので、管理装置3は、遊技信号を入力したときは(B1:YES)、遊技中を判定するためのタイマの作動を開始してから(B2)、遊技履歴の作成中でないことを確認し(B3:NO)、遊技の開始を判定し(B4)、遊技機1毎の遊技履歴(アウト、セーフ、差玉、図柄変動回数、特賞回数)を更新する(B14)。遊技履歴は、アウト信号、セーフ信号、有効スタート信号のいずれかを入力(遊技の開始判定)してから、何れも入力しなくなった後タイマがタイムアップする20秒が経過(遊技の終了判定)するまでのデータを1回の遊技データとして作成する。
【0025】
図5は、1パチコーナーに設置された遊技機1の遊技履歴を示しており、遊技開始時刻、遊技終了時刻、当日遊技者IDに加えて、次の項目が設定されている。
・持玉A(所有遊技媒体に相当)……1個1円の玉の持玉数(売上玉数+セーフ玉数−アウト玉数)
図5に示すNO.1レコードの例では、当日遊技者IDt3の遊技者は、9時2分に遊技を開始し、11時13分に遊技を終了し、そのときの持玉Aが80個であることを示している。つまり、遊技者は1パチコーナーで80個の持玉を残して遊技を終了した。
【0026】
管理装置3は、閉店後のバッチ処理で、当日辞書のデータを基に図4に示す総合辞書を作成する。具体的には、当日辞書の顔データ(1人の遊技者に対して複数の顔データがある場合には当日最初に記憶した顔データ)の中に総合辞書に無い顔データがあれば総合遊技者IDを割当てて記憶する。つまり、処理負担軽減、及び他人を同一人物と判定する誤判定防止のため、当日辞書のように1人の遊技者に対して複数の顔データを対応付けて記憶することはしない。従って、総合辞書は、遊技場に来店した全ての遊技者の顔データを記憶していることになる。この総合辞書の利用方法としては、遊技履歴作成中において最初に顔データを入力した場合に来店済みの遊技者かの判定を行うことができると共に、総合遊技者IDの数の変化により来店した遊技者の変化を把握することができる。
【0027】
さて、1円パチコーナーから4円パチコーナーへの玉の持込は禁止されていることから、管理装置3は、次のようにして持込可能性が高い要注意人物を特定するようになっている。
図13は、管理装置3による遊技履歴作成処理2を示すフローチャートである。管理装置3は、遊技機側からの遊技信号を入力しなくなってから20秒が経過したときは(C1:YES)、遊技の終了であると判定してから(C2)、持玉Aが30個(要注意基準値に相当)以上かを判定し(C3)、30個以上の場合は(C3:YES)、当該遊技者の当日遊技者IDを要注意人物情報リストに登録する(C4)。つまり、遊技終了時には持玉Aは本来0となるべきであるが、持玉Aを残して遊技を終了したということは4パチコーナーへの玉の持込の可能性があるということを意味しているからである。この場合、持玉Aの誤差を考慮して判定値を30個とした。
【0028】
図10は要注意人物情報リストを示しており、次の各項目が設定されている。
・登録時刻……要注意人物情報リストに登録された時刻
・持玉A……リスト登録時の持玉A
・累計持玉A……リスト登録時の累計持玉A
・累計持玉B……リスト登録時の累計持玉B
尚、以上のようにして要注意人物情報リストに登録された場合であっても、遊技者が1パチコーナーで遊技を継続することにより同一人物であると判定された場合は、要注意人物情報リストの登録を削除する。
【0029】
上述のようにして1パチコーナーでの遊技により持玉Aを残した遊技者が持玉Aを隠して4パチコーナーに不正に移動して遊技を開始し、その持玉B(所有遊技媒体に相当)が本来ならありえない−10個以下となった場合は、不正であると判定することができる。この場合、4パチコーナーで遊技する遊技者を画像認識により特定する必要があるが、貸出装置2の画像認識が成功するのに時間を要した場合は、画像認識を成功するタイミングが、持玉Bが−10個となるタイミングに対して前後することから、本実施形態では、それらのタイミングの違いに対応するようにした。尚、何れか一方でも良い。
【0030】
(画像認識が遅れる場合)
管理装置3は、顔データを入力した場合において(B5:YES)、その顔データから遊技者が要注意人物情報リストに登録されている場合に(B11:YES)、持玉B(所有遊技媒体に相当)が−10個(高単価持込判定値に相当)以下となったときは(B12:YES)、高単価持込判定により警告する(B13)。警告は、従業員が携帯するインカムに不正が行われた台番を音声で通知することで行われる。
(持玉判定が遅れる場合)
管理装置3は、持玉が−10個以下の場合において(B17:YES)、現在の遊技履歴作成中に顔データ入力済であった場合に(B18:YES)、要注意人物情報リストに登録されている人物であったときは(B19:YES)、高単価持込判定により警告する(B20)。
以上のようにして、遊技者毎の遊技履歴を追跡することにより1パチコーナーから4パチコーナーへの玉の持込を判定することができる。
【0031】
図6ないし図9は遊技者毎の遊技履歴の一例を示しており、遊技開始時刻、遊技終了時刻、台番、機種名、持玉Aに加えて、次の各項目が設定されている。
・持玉B……1個4円の玉の持玉数
・累計持玉A……持玉Aの累計
・累計持玉B……持玉Bの累計
図6に示す例は、NO.2レコードの作成中を示しており、遊技者が1パチコーナー⇒4パチコーナーと移動したことを想定している。NO.1レコードは、遊技者が1パチコーナーで持玉Aを80個残して遊技を終了したことを示し、NO.2レコードは、4パチコーナーで持玉Bが−10個となったことを示している。この場合、NO.1レコードに基づいて要注意人物情報リストに登録するので、NO.2レコードの作成中に持玉Bが−10個以下となったことに応じて要注意人物情報リスト中の人物と判定した時点で高単価持込不正を判定する。
【0032】
図7に示す例は、NO.3レコードの作成中を示しており、遊技者が4パチコーナー⇒1パチコーナー⇒4パチコーナーと移動した場合を想定している。
NO.1レコードは、遊技者が4パチコーナーで持玉Bを1770個残して遊技を終了したことを示し、NO.2レコードは、1パチコーナーで持玉Aを50個残して遊技を終了したことを示し、NO.3レコードは、4パチコーナーで持玉Bが−10個となったことを示している。この場合、NO.2レコードに基づいて要注意人物情報リストに登録するので、NO.3レコード作成中に持玉Bが−10個以下となったことに応じて要注意人物情報リスト中の人物と判定した時点で高単価持込不正を判定する。
【0033】
図8に示す例は、NO.3レコードの作成中であり、1パチコーナー⇒4パチコーナー⇒4パチコーナーと移動した場合を想定している。
NO.1レコードは、1パチコーナーで持玉Aを60個残して遊技終了したことを示し、NO.2レコードは、4パチコーナーで持玉Bを2730個残して遊技終了したことを示し、NO.3レコードは、4パチコーナーで持玉Bが−10個となったことを示している。この場合、NO.1レコードに基づいて要注意人物情報リストに登録するので、NO.3レコードの作成中に持玉Bが−10個以下となったことに応じて要注意人物情報リスト中の人物と判定した時点で高単価持込不正を判定する。
尚、この例では、NO.2レコード作成前に持玉Aが既に計数済みで、NO.3レコード作成中には4パチコーナーで得た持玉を用いている可能性が高いので、不正と判定しないようにしても良い。例えば、リスト登録後、アウト信号又はセーフ信号入力前に売上信号を入力した場合にはリストから削除しても良いし、リストには残すが警告をしないようにしても良い。
【0034】
一方、4パチコーナーから1パチコーナーに玉を持込むことはないものの、4パチコーナーにおいて、外部から玉を持込むことが考えられる。このような持込による不正を考慮して、管理装置3は、要注意人物情報リストに登録されていなかった場合であっても、持玉Bが500個(一般持込判定値)以下となった時点で(B15:YES)、一般持込判定により警告する(B16)。
図9に示す例は、NO.1レコードの作成中を示しており、NO.1レコードは、4パチコーナーで持玉Bが−500個となったことを示している。この場合、要注意人物情報リストに登録されていないが、持玉Bが−500個以下となった時点で一般持込不正を判定して警告が行われる。
管理装置3は、上述のように何れかの不正を判定した場合には、店員のインカムに音声で警告するので、通知を受けた従業員は、遊技者に対して不正な台移動を注意する。
【0035】
このような実施形態によれば、次の効果を奏することができる。
1パチコーナーでの持玉Aが要注意基準値である30個以上残して遊技を終了した遊技者が、4パチコーナーで持玉が−10個以下となる遊技をした場合に不正と判定して警告するようにしたので、このような不正を行う遊技者に対して適切に警告することができる。
1パチコーナーでの持玉Aが30個以上となると、要注意人物情報リストを作成するようにしたので、管理装置3による高単価持込判定処理の負担を軽減することができる。
持玉Bが−500個以下となった場合に一般持込判定により警告するようにしたので、このような不正にも対処することができる。
【0036】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
高単価持込判定値としては、0より小さく且つ一般持込判定値より大きい任意の数を設定すれば良い。
一般持込判定、高レート持込判定共に、持玉Bでなく累計持玉Bが各基準値以下となった場合に不正と判定するようにしても良い。
警告方法は、例えば管理装置3の表示部に表示出力するようにしても良い。
以下の場合にリストから要注意人物を削除するようにしても良い。
例えば、登録後所定時間(例えば、30分)経過した場合にリストから削除するようにしても良い。かなり時間が経過している場合には、その後その遊技者が4パチコーナーでの遊技したとしても、使用された玉が1パチコーナーで獲得した玉ではない(知合いの持玉を共有した)可能性が高いからである。
【0037】
また、計数時か景品交換時に遊技者の画像を撮像する構成を追加し、撮像された場合にはリストから削除するようにしても良い。
また、計数時の計数玉数又は景品交換時の交換玉数と一致又は近い値の持玉Aは計数処理されたものとして、リストから削除しても良い。
同一人物によって再度同じ遊技機1で遊技が再開された場合にはリストから削除するようにしても良い。1パチコーナーの何れかの遊技機1で遊技が確認された場合にリストから削除するようにしても良い。さらにこの場合には、遊技終了時点で「持玉A」ではなく「累計持玉A」が30個以上であった場合に、当該遊技者の当日遊技者IDを要注意人物情報リストに登録するようにしても良い。
4パチコーナーでの遊技で、アウト信号入力の前に売上信号を入力した場合に、リストから削除するようにしても良いし、リストには残すが警告をしないようにしても良い。
持玉Aが−500個以下となった場合にも一般持込判定により警告するようにしても良い。
4パチコーナー内、及び1パチコーナー内での台移動を不可としても良い。
メダルの貸出金額が異なるパチスロ機がコーナー毎に設置された遊技場に適用するようにしても良い。
【符号の説明】
【0038】
図面中、1は遊技機、2は貸出装置、3は管理装置(遊技者識別情報記録手段、所有遊技媒体算出手段、所有遊技媒体記憶手段、要注意判定手段、高単価持込判定手段、警告手段、要注意人物記録手段、要注意人物判定手段、一般持込判定手段、削除手段)、15はカメラ(撮像手段)である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体の貸出金額が異なる遊技機が設置されたコーナー間の移動が禁止された遊技場に好適な遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技場外から玉を持込んで、その玉を遊技に使用する者がいた。このような行為は遊技場にとって不利益となるので、遊技者の持玉が所定のマイナス値に達すると、玉が持込まれたと判定し、不正行為を検知することが行われている(特許文献1参照)。
また、近年、玉を1個4円で貸す4円パチンココーナーの他に1個1円で貸す1円パチンココーナーを併設した遊技場が増加している。このような遊技場では、1円パチンココーナーから4円パチンココーナーへの玉も持込が禁止されているが、小量なら許されるだろうと考えて日常的に4円パチンココーナーへの玉の持込をする遊技者が存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−357974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、1円パチンココーナーから4円パチンココーナーへの持込が日常的に行われると、その被害は甚大であり、遊技場からは少量でも防止したいという要望がある。そこで、1円パチンココーナーから4円パチンココーナーへ玉を持込む行為についても遊技場外からの持込検知と同様の方法で検知することが考えられる。
ところが、多くの遊技場では、持玉を知合い同士で共有することを禁止しているにも関わらず頻繁に行われており、このような行為まで不正とみなすと判定回数が大幅に増加して実用性に乏しくなるばかりでなく、遊技者の反感を買ってしまい却って不利益になりかねないので、むやみに基準値を下げられないという事情がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、遊技者の過度の反感を買うことなく、持込行為を効果的に防止することが可能となる遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、遊技媒体の貸出単価に応じて区分された複数のエリアを有する遊技場に設けられる遊技場用システムであって、
各遊技機に対応して設けられ、遊技中の遊技者を撮像する撮像手段と、前記撮像手段が遊技者を撮像した場合に、撮像結果から抽出した当該遊技者を識別可能な情報である遊技者識別情報を記録する遊技者識別情報記録手段と、貨幣の受付に応じて貸出される遊技媒体である貸出遊技媒体の数、遊技に使用された遊技媒体である使用遊技媒体の数、及び遊技結果に応じて遊技者に付与される遊技媒体である付与遊技媒体の数を特定可能な遊技信号に基づいて、前記撮像手段が撮像している遊技者の所有する所有遊技媒体の数を算出する所有遊技媒体算出手段と、前記所有遊技媒体算出手段が算出した前記所有遊技媒体の数を前記遊技者識別情報及び前記貸出単価と対応付けて記憶する所有遊技媒体記憶手段と、前記貸出単価の相対的に低いエリアである低単価エリアにおいて遊技の終了を判定した場合に、その時点での低単価に対応する前記所有遊技媒体が要注意基準値以上であるか否かを判定する要注意判定手段と、前記要注意判定手段により低単価に対応する前記所有遊技媒体が要注意基準値以上であると判定された場合において、その遊技者が前記貸出単価の相対的に高いエリアである高単価エリアで遊技した場合に不正と判定する高単価持込判定手段と、前記高単価持込判定手段が不正を判定した場合に警告をする警告手段と、を備えたものである(請求項1)。
【0006】
請求項1に記載の遊技場用システムにおいて、
前記要注意判定手段により低単価に対応する前記所有遊技媒体が前記要注意基準値以上であると判定された場合に、当該所有遊技媒体に対応する前記遊技者識別情報を要注意人物情報として記録する要注意人物記録手段と、前記高単価エリアにおいて前記撮像手段が遊技者を撮像した場合に、当該遊技者が前記要注意人物記録手段に記録された要注意人物情報の遊技者と同一人物であるか否かを判定する要注意人物判定手段と、を備え、前記高単価持込判定手段は、前記要注意人物判定手段により前記高単価エリアで遊技する遊技者が前記要注意人物記録手段に記録された要注意人物情報の遊技者と同一人物であると判定された場合に不正と判定するようにしても良い(請求項2)。
【0007】
請求項2に記載の遊技場用システムにおいて、
前記高単価エリアで遊技する遊技者の高単価に対応する前記所有遊技媒体が一般持込判定値(但し、一般持込判定値<0)以下となった場合に不正と判定する一般持込判定手段を備え、前記高単価持込判定手段は、前記要注意人物判定手段により前記高単価エリアで遊技する遊技者が前記要注意人物記録手段に記録された要注意人物情報の遊技者と同一人物であると判定され、且つさらに高単価に対応する前記所有遊技媒体が高単価持込判定値(但し、一般持込判定値<高単価持込判定値<0)以下となった場合に不正と判定するようにしても良い(請求項3)。
【0008】
請求項2又は3に記載の遊技場用システムにおいて、
前記遊技者の前記遊技者識別情報が要注意人物情報として記録された後、再度当該遊技者が同一の遊技機で遊技を再開した場合に、当該遊技者の前記遊技者識別情報を要注意人物情報のリストから削除する削除手段を備えるようにしても良い(請求項4)。
請求項2ないし4の何れかに記載の遊技場用システムにおいて、
前記貸出遊技媒体の数を特定可能な遊技信号の入力に応じて遊技の開始を判定した場合に、その遊技中の遊技者の前記遊技者識別情報を要注意人物情報のリストから削除する削除手段を備えるようにしても良い(請求項5)。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、撮像手段が撮像した遊技中の遊技者と所有遊技媒体算出手段が算出した所有遊技媒体とにより遊技者がどのエリアでどの程度の遊技媒体を獲得したかを把握できるので、低単価エリアで得た遊技媒体を高単価エリアで使用しようとした場合に不正と判定して警告することができる。
請求項2の発明によれば、低単価エリアで得た遊技者の所有遊技媒体が要注意基準値以上となると、要注意人物情報のリストを作成するので、高単価持込判定手段による処理の負担を軽減することができる。
請求項3の発明によれば、遊技媒体を所有していないはずの遊技者が遊技をして所有遊技媒体が本来ありえない所定のマイナス値に達した場合には一般持込不正と判定することができる。
【0010】
請求項4の発明によれば、一旦休憩した後に再度遊技を再開する場合も頻繁にあるが、このような場合には要注意人物情報として記録する必要はないので、休憩であったことが判定できた場合にはリストから削除することにより不正判定の精度を高めることができる。
請求項5の発明によれば、遊技の開始時に使用遊技媒体を特定可能な遊技信号(アウト信号)よりも貸出遊技媒体を特定可能な遊技信号(売上信号)を先に入力した場合には、持込んだ遊技媒体ではなく新たに借受けた遊技媒体にて遊技を行うものと推測できるので、この場合には既に低単価エリアで得た遊技媒体を所有していないものとしてリストから削除することにより不正判定の精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態における遊技場用システムの全体構成を示す概略図
【図2】遊技場の構成を概略的に示す平面図
【図3】当日辞書を示す図
【図4】総合辞書を示す図
【図5】遊技機毎の遊技履歴を示す図
【図6】遊技者毎の遊技履歴の一例を示す図(その1)
【図7】遊技者毎の遊技履歴の一例を示す図(その2)
【図8】遊技者毎の遊技履歴の一例を示す図(その3)
【図9】遊技者毎の遊技履歴の一例を示す図(その4)
【図10】要注意人物情報リストを示す図
【図11】カメラによる顔認証処理を示すフローチャート
【図12】管理装置による遊技履歴作成処理1を示すフローチャート
【図13】管理装置による遊技履歴作成処理2を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場には遊技機1に対応して貸出装置2が設置され、管理室には管理装置3が設置されている。中継装置4は、2台の遊技機1、2台の貸出装置2及び管理装置3とLAN5を介して接続されている。管理装置3は、遊技機側(遊技機1、貸出装置2等)から送信される遊技信号を中継装置4を介して受信することにより遊技機1毎の遊技データを管理する。
【0013】
管理対象となる遊技機1は、発射装置を構成する操作ハンドル6に対する操作により盤面7に発射した玉(遊技媒体に相当)が始動口8に入賞(始動入賞)するのに応じて大当たり抽選を行い、抽選結果を表示部9において行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当たり状態となる。大当たりが発生すると15ラウンド(R)分だけ大入賞口10を開放する。入賞により払出された玉は上部受皿11にて受けられ、この上部受皿11が満杯状態となって溢れた玉は下部受皿12で受けられる。尚、1Rの上限入賞数は10個で、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間のいずれかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0014】
遊技機側からは、次の遊技信号が出力される。
アウト信号=使用玉(使用媒体)を回収するアウトBOXから出力される使用玉数(アウト、使用遊技媒体に相当)を特定可能な信号。回収(使用、打込)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定。尚、遊技機1から出力される信号であっても良い。
セーフ信号=遊技機1から出力される払出玉数(セーフ、付与遊技媒体に相当)を特定可能な信号。遊技機1での遊技(入賞)に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
【0015】
スタート信号=遊技機1から出力される図柄変動数(役物作動数、スタート)を特定可能な信号。始動口8への入賞により変動(作動)する表示部9における図柄変動(役物作動、スタート処理)1回につき1パルスが出力されるので、「スタート信号数×1」をスタートとして特定する。尚、始動口8への入賞に応じて出力される始動入賞信号をスタート信号としても良い。
大当たり信号=遊技機1から出力される大当たりを特定可能な信号。大当たり中にレベル出力される状態信号なので、大当たり信号受信中を大当たり中として特定する。
売上信号=貸出装置2から出力される売上情報(売上玉数、売上額)を特定可能な信号。遊技者に対する有価価値を対価とした貸出玉25玉毎に1パルスが出力されるので、「売上信号数×25」を売上玉数として特定し、売上玉数×貸単価を売上額として特定する。
再プレイ信号=貸出装置2から出力される再プレイ玉(再遊技媒体)数を特定可能な信号。遊技者に対する貯玉を対価とした再プレイ玉25玉毎に1パルスが出力されるので、「再プレイ信号数×25」を再プレイ玉数として特定する。
【0016】
貸出装置2は、以下の機能を有する。
(1)貨幣投入口13から貨幣が投入されるとノズル14から対価分の玉を払出す。
(2)CCDカメラ15(撮像手段に相当、以下「カメラ」という)を内蔵しており、対応する遊技者の顔を中心とした上半身を斜め前方から撮影して顔データを出力する。
管理装置3(遊技者識別情報記録手段、所有遊技媒体算出手段、所有遊技媒体記憶手段、要注意判定手段、高単価持込判定手段、警告手段、要注意人物記録手段、要注意人物判定手段、一般持込判定手段、削除手段に相当)は、遊技機側からの各種遊技信号に基づいて遊技データを作成する。遊技データは、一人の遊技者が連続して遊技していると判断できる範囲における台データ、及び売上データ、並びにカード挿入による再遊技玉、計数玉等の累積を示すものである。また、管理装置3は、カメラ15から入力した顔データに基づいて遊技者を特定する。
【0017】
図2は遊技場の構成を概略的に示す平面図である。遊技場は上述した遊技機1及び貸出装置2が設置された複数の島16からなる4円パチンココーナー(高単価エリアに相当。以下「4パチコーナー」という)と1円パチンココーナー(低単価エリアに相当。以下「1パチコーナー」という)に区切られている。そして、4パチコーナーと1パチコーナーの両方のコーナー全体を見渡せるように景品交換カウンタ17が設置されている。4パチコーナーでは貸玉(貸出遊技媒体に相当)を1個4円で貸出すように貸出装置2が設定され、1パチコーナーでは玉を1個1円で貸出すように設定されている。貸出装置2は貸出ボタンが操作されると500円分の玉を貸出すので、4パチコーナーの場合は125個、1パチコーナーの場合は500個の玉を貸出す。
【0018】
1パチコーナーから4パチコーナーへ持玉を持って移動すること(台移動)は禁止されている。4パチコーナー内、又は1パチコーナー内での台移動は可能である。但し、同じコーナー内であっても他人と持玉を共有することは禁止されている。また、店外からの玉の持込も禁止されている。1パチコーナーから4パチコーナーへの移動は島端からしか行き来できないので、遊技場側が監視しやすく、遊技者の移動は実質的に禁止されているといえる。
しかしながら、遊技者が1パチコーナーで獲得した少量の玉を隠して4パチコーナーに移動する不正を発見することは困難であり、日常的に行われた場合には遊技場が多大の不利益を被ることから、本実施形態では次のようにして1パチコーナーで得た持玉を4パチコーナーで使用した遊技者を特定するようにした。
【0019】
図11は、カメラ15による顔認証処理を示すフローチャートである。カメラ15は、電源がオンすると(A1:YES)、タイマの作動を開始(タイマ時間4秒)してから(A2)、顔を検出したか(A3)、顔認証フラグが1か(A14)を判定してから、タイマがタイムアップするまで待機する(A19)。
遊技者が椅子に着座すると、カメラ15の撮像範囲に遊技者の上半身が位置するようになるので、カメラ15は、顔を検出するようになり(A3:YES)、未検出カウンタをクリアし(A4)、顔認証フラグが0かを判定する(A5)。この場合、顔認証フラグは0であることから(A5:YES)、遊技者を撮影し(A6)、信頼度が規定値以上かを判定する(A7)。この信頼度とは遊技者の撮影画像に基づいて顔データ(遊技者識別情報に相当)を作成可能かを数値化したもので、信頼度が規定値未満であると判定した場合は、ステップA19へ移行する。信頼度が規定値以上であると判定した場合は(A7:YES)、顔認証フラグを1とする(A8)。
【0020】
次に、記録した顔データが無いかを判定し(A9)、電源投入直後で顔データが無い場合は(A9:YES)、顔データを記録してから(A10)、顔データを管理装置3へ送信する(A13)。
以上の動作により、遊技者が着座したときは、遊技者の顔データがカメラ15から管理装置3へ送信される。
カメラ15は、タイマがタイムアップすると(A19:YES)、次の撮影となり、この場合には、顔認証フラグが1であることから(A5:NO)、ステップA19へ移行する。従って、顔データが送信されることはない。
【0021】
さて、遊技者が離席したり、遊技者の姿勢が変化したりして遊技者の顔を検出できなくなった場合は(A3:NO)、顔認証フラグが1であることから(A14:YES)、未検出カウンタをインクリメントし(A15)、さらに未検出カウンタが2でないことを判定してから(A16:NO)、タイマがタイムアップしたかを判定する(A19)。タイマがタイムアップすると(A19:YES)、ステップA1へ移行し、上述した動作を繰り返す。上述した動作を繰り返した結果、未検出カウンタが2となることから(A16:YES)、顔認証フラグを0とし(A17)、離席信号を送信する(A18)。
以上の動作により、顔を検出できなくなると、8秒後にカメラ15から管理装置3へ離席信号が送信される。
【0022】
同一の遊技者、或いは異なる次の遊技者が着席したり、同一遊技者の顔を再認識したりすると、カメラ15は、記録した顔データが有ることから(A9:NO)、記録した顔データに該当する顔データの誤差が規定値の範囲内か(A11)、つまり同一人物と見なすことができるかを判定する。誤差が規定値の範囲内の場合は(A11:YES)、同一人物であると判定し、ステップA13へ移行して顔データを送信する。従って、前回と同一の顔データが送信される。記録した顔データに該当する顔データの誤差が規定値の範囲外(A11:NO)、つまり同一人物と見なすことができない場合は、顔データを書換えてから(A12)、顔データを送信する(A13)。尚、顔データは、遊技者の上半身の特徴、特に顔の特徴点である顔の目、眉毛、鼻、口などを抽出し、当該特徴点の互いの位置関係に基づいて遊技者の外観を特定する情報である。
【0023】
図12は、管理装置3による遊技履歴作成処理1を示すフローチャートである。管理装置3は、遊技信号を入力したか(B1)、顔データを入力したか(B5)を判定している。顔データを入力した場合に遊技履歴作成中であったときは(B5:YES、B6:YES)、遊技中の遊技者の顔データが入力したことを意味しているので、例えばjpegなどの画像データとして記憶し、当日辞書を更新する(B7)。
図3は当日辞書を示しており、遊技履歴作成中に当日初めて検出した遊技者の顔データを順に当日遊技者IDを割当てて記憶する。但し、その遊技履歴作成中において既に別の顔データを入力していた場合には、その顔データと同一の当日遊技者IDと対応付けて記憶する。つまり、同一の遊技者であっても、顔データが異なる場合があることから、このような場合は異なる顔データを順に記憶するのである。
【0024】
次に管理装置3は、直前に作成された遊技データに対応付けられた人物と同一人物かを判定する(B8)。入力された顔データに基づいて同一人物であると判定された場合に(B8:YES)、直前の遊技の終了判定を撤回してから(B9)、後述するように要注意人物情報リストに登録されている場合は要注意人物情報リストの登録を削除する(B10)。
遊技者が遊技を開始すると、遊技機1から遊技信号が出力されるので、管理装置3は、遊技信号を入力したときは(B1:YES)、遊技中を判定するためのタイマの作動を開始してから(B2)、遊技履歴の作成中でないことを確認し(B3:NO)、遊技の開始を判定し(B4)、遊技機1毎の遊技履歴(アウト、セーフ、差玉、図柄変動回数、特賞回数)を更新する(B14)。遊技履歴は、アウト信号、セーフ信号、有効スタート信号のいずれかを入力(遊技の開始判定)してから、何れも入力しなくなった後タイマがタイムアップする20秒が経過(遊技の終了判定)するまでのデータを1回の遊技データとして作成する。
【0025】
図5は、1パチコーナーに設置された遊技機1の遊技履歴を示しており、遊技開始時刻、遊技終了時刻、当日遊技者IDに加えて、次の項目が設定されている。
・持玉A(所有遊技媒体に相当)……1個1円の玉の持玉数(売上玉数+セーフ玉数−アウト玉数)
図5に示すNO.1レコードの例では、当日遊技者IDt3の遊技者は、9時2分に遊技を開始し、11時13分に遊技を終了し、そのときの持玉Aが80個であることを示している。つまり、遊技者は1パチコーナーで80個の持玉を残して遊技を終了した。
【0026】
管理装置3は、閉店後のバッチ処理で、当日辞書のデータを基に図4に示す総合辞書を作成する。具体的には、当日辞書の顔データ(1人の遊技者に対して複数の顔データがある場合には当日最初に記憶した顔データ)の中に総合辞書に無い顔データがあれば総合遊技者IDを割当てて記憶する。つまり、処理負担軽減、及び他人を同一人物と判定する誤判定防止のため、当日辞書のように1人の遊技者に対して複数の顔データを対応付けて記憶することはしない。従って、総合辞書は、遊技場に来店した全ての遊技者の顔データを記憶していることになる。この総合辞書の利用方法としては、遊技履歴作成中において最初に顔データを入力した場合に来店済みの遊技者かの判定を行うことができると共に、総合遊技者IDの数の変化により来店した遊技者の変化を把握することができる。
【0027】
さて、1円パチコーナーから4円パチコーナーへの玉の持込は禁止されていることから、管理装置3は、次のようにして持込可能性が高い要注意人物を特定するようになっている。
図13は、管理装置3による遊技履歴作成処理2を示すフローチャートである。管理装置3は、遊技機側からの遊技信号を入力しなくなってから20秒が経過したときは(C1:YES)、遊技の終了であると判定してから(C2)、持玉Aが30個(要注意基準値に相当)以上かを判定し(C3)、30個以上の場合は(C3:YES)、当該遊技者の当日遊技者IDを要注意人物情報リストに登録する(C4)。つまり、遊技終了時には持玉Aは本来0となるべきであるが、持玉Aを残して遊技を終了したということは4パチコーナーへの玉の持込の可能性があるということを意味しているからである。この場合、持玉Aの誤差を考慮して判定値を30個とした。
【0028】
図10は要注意人物情報リストを示しており、次の各項目が設定されている。
・登録時刻……要注意人物情報リストに登録された時刻
・持玉A……リスト登録時の持玉A
・累計持玉A……リスト登録時の累計持玉A
・累計持玉B……リスト登録時の累計持玉B
尚、以上のようにして要注意人物情報リストに登録された場合であっても、遊技者が1パチコーナーで遊技を継続することにより同一人物であると判定された場合は、要注意人物情報リストの登録を削除する。
【0029】
上述のようにして1パチコーナーでの遊技により持玉Aを残した遊技者が持玉Aを隠して4パチコーナーに不正に移動して遊技を開始し、その持玉B(所有遊技媒体に相当)が本来ならありえない−10個以下となった場合は、不正であると判定することができる。この場合、4パチコーナーで遊技する遊技者を画像認識により特定する必要があるが、貸出装置2の画像認識が成功するのに時間を要した場合は、画像認識を成功するタイミングが、持玉Bが−10個となるタイミングに対して前後することから、本実施形態では、それらのタイミングの違いに対応するようにした。尚、何れか一方でも良い。
【0030】
(画像認識が遅れる場合)
管理装置3は、顔データを入力した場合において(B5:YES)、その顔データから遊技者が要注意人物情報リストに登録されている場合に(B11:YES)、持玉B(所有遊技媒体に相当)が−10個(高単価持込判定値に相当)以下となったときは(B12:YES)、高単価持込判定により警告する(B13)。警告は、従業員が携帯するインカムに不正が行われた台番を音声で通知することで行われる。
(持玉判定が遅れる場合)
管理装置3は、持玉が−10個以下の場合において(B17:YES)、現在の遊技履歴作成中に顔データ入力済であった場合に(B18:YES)、要注意人物情報リストに登録されている人物であったときは(B19:YES)、高単価持込判定により警告する(B20)。
以上のようにして、遊技者毎の遊技履歴を追跡することにより1パチコーナーから4パチコーナーへの玉の持込を判定することができる。
【0031】
図6ないし図9は遊技者毎の遊技履歴の一例を示しており、遊技開始時刻、遊技終了時刻、台番、機種名、持玉Aに加えて、次の各項目が設定されている。
・持玉B……1個4円の玉の持玉数
・累計持玉A……持玉Aの累計
・累計持玉B……持玉Bの累計
図6に示す例は、NO.2レコードの作成中を示しており、遊技者が1パチコーナー⇒4パチコーナーと移動したことを想定している。NO.1レコードは、遊技者が1パチコーナーで持玉Aを80個残して遊技を終了したことを示し、NO.2レコードは、4パチコーナーで持玉Bが−10個となったことを示している。この場合、NO.1レコードに基づいて要注意人物情報リストに登録するので、NO.2レコードの作成中に持玉Bが−10個以下となったことに応じて要注意人物情報リスト中の人物と判定した時点で高単価持込不正を判定する。
【0032】
図7に示す例は、NO.3レコードの作成中を示しており、遊技者が4パチコーナー⇒1パチコーナー⇒4パチコーナーと移動した場合を想定している。
NO.1レコードは、遊技者が4パチコーナーで持玉Bを1770個残して遊技を終了したことを示し、NO.2レコードは、1パチコーナーで持玉Aを50個残して遊技を終了したことを示し、NO.3レコードは、4パチコーナーで持玉Bが−10個となったことを示している。この場合、NO.2レコードに基づいて要注意人物情報リストに登録するので、NO.3レコード作成中に持玉Bが−10個以下となったことに応じて要注意人物情報リスト中の人物と判定した時点で高単価持込不正を判定する。
【0033】
図8に示す例は、NO.3レコードの作成中であり、1パチコーナー⇒4パチコーナー⇒4パチコーナーと移動した場合を想定している。
NO.1レコードは、1パチコーナーで持玉Aを60個残して遊技終了したことを示し、NO.2レコードは、4パチコーナーで持玉Bを2730個残して遊技終了したことを示し、NO.3レコードは、4パチコーナーで持玉Bが−10個となったことを示している。この場合、NO.1レコードに基づいて要注意人物情報リストに登録するので、NO.3レコードの作成中に持玉Bが−10個以下となったことに応じて要注意人物情報リスト中の人物と判定した時点で高単価持込不正を判定する。
尚、この例では、NO.2レコード作成前に持玉Aが既に計数済みで、NO.3レコード作成中には4パチコーナーで得た持玉を用いている可能性が高いので、不正と判定しないようにしても良い。例えば、リスト登録後、アウト信号又はセーフ信号入力前に売上信号を入力した場合にはリストから削除しても良いし、リストには残すが警告をしないようにしても良い。
【0034】
一方、4パチコーナーから1パチコーナーに玉を持込むことはないものの、4パチコーナーにおいて、外部から玉を持込むことが考えられる。このような持込による不正を考慮して、管理装置3は、要注意人物情報リストに登録されていなかった場合であっても、持玉Bが500個(一般持込判定値)以下となった時点で(B15:YES)、一般持込判定により警告する(B16)。
図9に示す例は、NO.1レコードの作成中を示しており、NO.1レコードは、4パチコーナーで持玉Bが−500個となったことを示している。この場合、要注意人物情報リストに登録されていないが、持玉Bが−500個以下となった時点で一般持込不正を判定して警告が行われる。
管理装置3は、上述のように何れかの不正を判定した場合には、店員のインカムに音声で警告するので、通知を受けた従業員は、遊技者に対して不正な台移動を注意する。
【0035】
このような実施形態によれば、次の効果を奏することができる。
1パチコーナーでの持玉Aが要注意基準値である30個以上残して遊技を終了した遊技者が、4パチコーナーで持玉が−10個以下となる遊技をした場合に不正と判定して警告するようにしたので、このような不正を行う遊技者に対して適切に警告することができる。
1パチコーナーでの持玉Aが30個以上となると、要注意人物情報リストを作成するようにしたので、管理装置3による高単価持込判定処理の負担を軽減することができる。
持玉Bが−500個以下となった場合に一般持込判定により警告するようにしたので、このような不正にも対処することができる。
【0036】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
高単価持込判定値としては、0より小さく且つ一般持込判定値より大きい任意の数を設定すれば良い。
一般持込判定、高レート持込判定共に、持玉Bでなく累計持玉Bが各基準値以下となった場合に不正と判定するようにしても良い。
警告方法は、例えば管理装置3の表示部に表示出力するようにしても良い。
以下の場合にリストから要注意人物を削除するようにしても良い。
例えば、登録後所定時間(例えば、30分)経過した場合にリストから削除するようにしても良い。かなり時間が経過している場合には、その後その遊技者が4パチコーナーでの遊技したとしても、使用された玉が1パチコーナーで獲得した玉ではない(知合いの持玉を共有した)可能性が高いからである。
【0037】
また、計数時か景品交換時に遊技者の画像を撮像する構成を追加し、撮像された場合にはリストから削除するようにしても良い。
また、計数時の計数玉数又は景品交換時の交換玉数と一致又は近い値の持玉Aは計数処理されたものとして、リストから削除しても良い。
同一人物によって再度同じ遊技機1で遊技が再開された場合にはリストから削除するようにしても良い。1パチコーナーの何れかの遊技機1で遊技が確認された場合にリストから削除するようにしても良い。さらにこの場合には、遊技終了時点で「持玉A」ではなく「累計持玉A」が30個以上であった場合に、当該遊技者の当日遊技者IDを要注意人物情報リストに登録するようにしても良い。
4パチコーナーでの遊技で、アウト信号入力の前に売上信号を入力した場合に、リストから削除するようにしても良いし、リストには残すが警告をしないようにしても良い。
持玉Aが−500個以下となった場合にも一般持込判定により警告するようにしても良い。
4パチコーナー内、及び1パチコーナー内での台移動を不可としても良い。
メダルの貸出金額が異なるパチスロ機がコーナー毎に設置された遊技場に適用するようにしても良い。
【符号の説明】
【0038】
図面中、1は遊技機、2は貸出装置、3は管理装置(遊技者識別情報記録手段、所有遊技媒体算出手段、所有遊技媒体記憶手段、要注意判定手段、高単価持込判定手段、警告手段、要注意人物記録手段、要注意人物判定手段、一般持込判定手段、削除手段)、15はカメラ(撮像手段)である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体の貸出単価に応じて区分された複数のエリアを有する遊技場に設けられる遊技場用システムであって、
各遊技機に対応して設けられ、遊技中の遊技者を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が遊技者を撮像した場合に、撮像結果から抽出した当該遊技者を識別可能な情報である遊技者識別情報を記録する遊技者識別情報記録手段と、
貨幣の受付に応じて貸出される遊技媒体である貸出遊技媒体の数、遊技に使用された遊技媒体である使用遊技媒体の数、及び遊技結果に応じて遊技者に付与される遊技媒体である付与遊技媒体の数を特定可能な遊技信号に基づいて、前記撮像手段が撮像している遊技者の所有する所有遊技媒体の数を算出する所有遊技媒体算出手段と、
前記所有遊技媒体算出手段が算出した前記所有遊技媒体の数を前記遊技者識別情報及び前記貸出単価と対応付けて記憶する所有遊技媒体記憶手段と、
前記貸出単価の相対的に低いエリアである低単価エリアにおいて遊技の終了を判定した場合に、その時点での低単価に対応する前記所有遊技媒体が要注意基準値以上であるか否かを判定する要注意判定手段と、
前記要注意判定手段により低単価に対応する前記所有遊技媒体が要注意基準値以上であると判定された場合において、その遊技者が前記貸出単価の相対的に高いエリアである高単価エリアで遊技した場合に不正と判定する高単価持込判定手段と、
前記高単価持込判定手段が不正を判定した場合に警告をする警告手段と、
を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
前記要注意判定手段により低単価に対応する前記所有遊技媒体が前記要注意基準値以上であると判定された場合に、当該所有遊技媒体に対応する前記遊技者識別情報を要注意人物情報として記録する要注意人物記録手段と、
前記高単価エリアにおいて前記撮像手段が遊技者を撮像した場合に、当該遊技者が前記要注意人物記録手段に記録された要注意人物情報の遊技者と同一人物であるか否かを判定する要注意人物判定手段と、を備え、
前記高単価持込判定手段は、前記要注意人物判定手段により前記高単価エリアで遊技する遊技者が前記要注意人物記録手段に記録された要注意人物情報の遊技者と同一人物であると判定された場合に不正と判定することを特徴とする請求項1に記載の遊技場用システム。
【請求項3】
前記高単価エリアで遊技する遊技者の高単価に対応する前記所有遊技媒体が一般持込判定値(但し、一般持込判定値<0)以下となった場合に不正と判定する一般持込判定手段を備え、
前記高単価持込判定手段は、前記要注意人物判定手段により前記高単価エリアで遊技する遊技者が前記要注意人物記録手段に記録された要注意人物情報の遊技者と同一人物であると判定され、且つさらに高単価に対応する前記所有遊技媒体が高単価持込判定値(但し、一般持込判定値<高単価持込判定値<0)以下となった場合に不正と判定することを特徴とする請求項2に記載の遊技場用システム。
【請求項4】
前記遊技者の前記遊技者識別情報が要注意人物情報として記録された後、再度当該遊技者が同一の遊技機で遊技を再開した場合に、当該遊技者の前記遊技者識別情報を要注意人物情報のリストから削除する削除手段を備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の遊技場用システム。
【請求項5】
前記貸出遊技媒体の数を特定可能な遊技信号の入力に応じて遊技の開始を判定した場合に、その遊技中の遊技者の前記遊技者識別情報を要注意人物情報のリストから削除する削除手段を備えたことを特徴とする請求項2ないし4の何れかに記載の遊技場用システム。
【請求項1】
遊技媒体の貸出単価に応じて区分された複数のエリアを有する遊技場に設けられる遊技場用システムであって、
各遊技機に対応して設けられ、遊技中の遊技者を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が遊技者を撮像した場合に、撮像結果から抽出した当該遊技者を識別可能な情報である遊技者識別情報を記録する遊技者識別情報記録手段と、
貨幣の受付に応じて貸出される遊技媒体である貸出遊技媒体の数、遊技に使用された遊技媒体である使用遊技媒体の数、及び遊技結果に応じて遊技者に付与される遊技媒体である付与遊技媒体の数を特定可能な遊技信号に基づいて、前記撮像手段が撮像している遊技者の所有する所有遊技媒体の数を算出する所有遊技媒体算出手段と、
前記所有遊技媒体算出手段が算出した前記所有遊技媒体の数を前記遊技者識別情報及び前記貸出単価と対応付けて記憶する所有遊技媒体記憶手段と、
前記貸出単価の相対的に低いエリアである低単価エリアにおいて遊技の終了を判定した場合に、その時点での低単価に対応する前記所有遊技媒体が要注意基準値以上であるか否かを判定する要注意判定手段と、
前記要注意判定手段により低単価に対応する前記所有遊技媒体が要注意基準値以上であると判定された場合において、その遊技者が前記貸出単価の相対的に高いエリアである高単価エリアで遊技した場合に不正と判定する高単価持込判定手段と、
前記高単価持込判定手段が不正を判定した場合に警告をする警告手段と、
を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
前記要注意判定手段により低単価に対応する前記所有遊技媒体が前記要注意基準値以上であると判定された場合に、当該所有遊技媒体に対応する前記遊技者識別情報を要注意人物情報として記録する要注意人物記録手段と、
前記高単価エリアにおいて前記撮像手段が遊技者を撮像した場合に、当該遊技者が前記要注意人物記録手段に記録された要注意人物情報の遊技者と同一人物であるか否かを判定する要注意人物判定手段と、を備え、
前記高単価持込判定手段は、前記要注意人物判定手段により前記高単価エリアで遊技する遊技者が前記要注意人物記録手段に記録された要注意人物情報の遊技者と同一人物であると判定された場合に不正と判定することを特徴とする請求項1に記載の遊技場用システム。
【請求項3】
前記高単価エリアで遊技する遊技者の高単価に対応する前記所有遊技媒体が一般持込判定値(但し、一般持込判定値<0)以下となった場合に不正と判定する一般持込判定手段を備え、
前記高単価持込判定手段は、前記要注意人物判定手段により前記高単価エリアで遊技する遊技者が前記要注意人物記録手段に記録された要注意人物情報の遊技者と同一人物であると判定され、且つさらに高単価に対応する前記所有遊技媒体が高単価持込判定値(但し、一般持込判定値<高単価持込判定値<0)以下となった場合に不正と判定することを特徴とする請求項2に記載の遊技場用システム。
【請求項4】
前記遊技者の前記遊技者識別情報が要注意人物情報として記録された後、再度当該遊技者が同一の遊技機で遊技を再開した場合に、当該遊技者の前記遊技者識別情報を要注意人物情報のリストから削除する削除手段を備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の遊技場用システム。
【請求項5】
前記貸出遊技媒体の数を特定可能な遊技信号の入力に応じて遊技の開始を判定した場合に、その遊技中の遊技者の前記遊技者識別情報を要注意人物情報のリストから削除する削除手段を備えたことを特徴とする請求項2ないし4の何れかに記載の遊技場用システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−254103(P2012−254103A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127269(P2011−127269)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]