遊技場用椅子
【課題】詰めて設置しても着席の際に隣の遊技者に迷惑が掛からない遊技場用の椅子を提供する。
【解決手段】遊技場用椅子1の機構部8は、右側外壁26と左側外壁27を有し、当該右側外壁26と左側外壁26の間に左右ガイド軸30,31が挿通されている。右側外壁26と左側外壁27は、前後移動部21に対して左右に移動することができるが、バネ35,36によって前後移動部21が右側外壁26と左側外壁27の中心にくる様に付勢されている。前後移動部21の中には駒部材22が内蔵されており、前後移動部21は、駒部材22に対して前後方向に移動することができる。バネ47によって後壁部53が駒部材22に近づく様に付勢されている。腰掛け部3を後方に移動させ、ケース部材23が後方に移動すると、駒部材22の突入部63が二つの係合片40の傾斜面41によって形成されたテーパー形状部43と係合し、左右方向の移動が規制される。
【解決手段】遊技場用椅子1の機構部8は、右側外壁26と左側外壁27を有し、当該右側外壁26と左側外壁26の間に左右ガイド軸30,31が挿通されている。右側外壁26と左側外壁27は、前後移動部21に対して左右に移動することができるが、バネ35,36によって前後移動部21が右側外壁26と左側外壁27の中心にくる様に付勢されている。前後移動部21の中には駒部材22が内蔵されており、前後移動部21は、駒部材22に対して前後方向に移動することができる。バネ47によって後壁部53が駒部材22に近づく様に付勢されている。腰掛け部3を後方に移動させ、ケース部材23が後方に移動すると、駒部材22の突入部63が二つの係合片40の傾斜面41によって形成されたテーパー形状部43と係合し、左右方向の移動が規制される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用椅子に関するもので、特には前後左右に可動する遊技場用椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場では、1人でも多くの遊技者にパチンコ台やスロット台等の遊技機を楽しんでもらえるように、出来る限り多くの遊技機が隙間なく設置されている。即ち、複数の遊技機が連続的に列を成して並べられて、当該列が複数の島を形成している。また、遊技機同士の間には、パチンコ玉やメダルなどの遊技媒体を貸し出す貸出機が設置されており、遊技機同士の間隔は当該貸出機が有する幅程度の大きさしか確保されていない場合が少なくない。
【0003】
ところで、遊技場には、各遊技機に向かい合うように1脚ずつの遊技場用の椅子(以下、単に椅子と略称することがある)が配置されている。また当該椅子は、床に固定されている。そして遊技機毎に配置された椅子同士の間隔も、遊技機同士の間隔と同様に、十分な幅が確保されていないため、遊技者が当該椅子に腰を掛ける際に座席に着きにくいと感じる場合があった。特に、遊技しようとする遊技機に配置された椅子の両隣にすでに遊技者が腰掛けている場合には、椅子同士の間隔がさらに狭く感じられ、当該間隔を通過して椅子に腰を掛ける際に、隣接する椅子に着席している遊技者に迷惑をかけてしまう問題があった。
即ち椅子に着席する際には、椅子の前(椅子と遊技機との間)に遊技者が回り込まなければならないが、腰掛けようとする椅子と隣の椅子との隙間が狭く、且つ隣に他人が座っている場合には、腰掛けようとする椅子と隣の椅子との間をすり抜けにくい。そのため他人に体が当たるという様な迷惑をかけてしまう。
【0004】
そこで、特許文献1には、椅子に腰を掛ける前は遊技機の正面からずれた位置に待機し、遊技者が当該椅子に腰を掛けると、その荷重で遊技機の正面に腰掛け部がスライド移動する遊技場用椅子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−68084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の遊技場用椅子は、腰を掛けた遊技者に隣接した椅子が空席の場合、当該遊技者に圧迫感を抱かせる場合があった。即ち、特許文献1に記載の椅子は、付勢手段により常時右又は左方向に付勢されており、遊技者が着席していないときは遊技機に対して左側あるいは右側にずれた位置に配置されており、遊技者が腰を掛けると遊技機の真正面に移動する構成とされている。
【0007】
従って、椅子に座席した状態の遊技者に隣接する椅子が空席の場合は、当該遊技者に対して空席の椅子が近くに寄っている(遊技機の正面に対してずれている)ため、圧迫感を感じることがあった。さらに、特許文献1に記載の遊技場用椅子は、前記したように、人が腰を掛けていない時には遊技機の正面に位置しないため、無意識に当該椅子に腰を掛けようとすると、座り損ねて背中側から転倒する危険があった。
【0008】
また、特許文献1に記載の遊技場用椅子は、人が腰を掛けた状態で右又は左方向に移動するため、違和感を感じる場合がある。これは、普段の生活において、椅子に座りながら半自動的に右又は左方向に移動する状況を殆ど経験しないための心理的な戸惑いによるものであると考えられる。
【0009】
また都市部のパチンコホール等では、より多くの客に遊技を楽しんでもらうために、島同士の間隔を狭く設計する傾向にある。即ち前記した様にパチンコホール等では、複数の遊技機が連続的に列を成して並べられて、当該列が複数の島を形成している。そして都市部のパチンコホール等では、遊技機(パチンコ台)の列の間隔を狭く設計する傾向にある。
一方、島同士の間は、客たる遊技者やホールの従業員が通行する通路として機能する場所である。そのため島同士の隙間が狭いと、客や従業員の通行が困難となってしまう。
【0010】
そこで本発明は、詰めて設置しても着席の際に隣の遊技者に迷惑が掛からない遊技場用椅子を提供するものであり、遊技者に圧迫感や違和感を抱かせることがなく、さらに無意識に腰を掛けても座り損ねることがない椅子であって、客や従業員の通行スペースを少しでも広く確保することが可能な遊技場用椅子を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、腰掛け部を有し、多数の遊技機が連続的に並べられて配置された遊技場においてそれぞれの遊技機に対応して遊技機の前に並べて設置される遊技場用椅子において、遊技機に対して左右方向正面であって遊技機から前後方向に所定距離だけ離れた位置たる定常位置と、遊技機に対して左右方向正面であって遊技機から定常位置よりも離れた位置たる着座予定位置とがあり、前記腰掛け部は、遊技機に向かって左右方向及び前後方向に移動可能であり、前記腰掛け部は、常時定常位置に向かって付勢されていて、無負荷状態の際には前記腰掛け部は定常位置にあり、前記腰掛け部が定常位置にある際には前記腰掛け部は左右の少なくともいずれかの方向と少なくとも遊技機から離れる方向に移動可能であり、前記腰掛け部が着座予定位置にあるときには左右方向の移動が規制されることを特徴とする遊技場用椅子である。
【0012】
ここで本明細書において左右方向とは、遊技機に向かって左右方向を言う。例えばパチンコホールの様に、遊技機が一列に並べられている場合には、左右方向とは、列に対して平行な方向を示す。
また本明細書において前後方向とは、遊技機に対して近接及び離反する方向を言う。即ち遊技機に対して近づく方向が前方向であり、遊技機から離れて行く方向が後方向である。
本発明の遊技場用椅子は、腰掛け部が左又は右方向の少なくとも一方に移動可能であるため、遊技者が着席する際、左右のいずれかに腰掛け部をずらすことで容易に座席間のスペースが拡がる。そのため腰掛けようとする椅子と隣の椅子との間が広がり、椅子と椅子との間をすり抜けやすい。従って使用者は容易に椅子の前に回り込むことができる。
そのため本発明の椅子は、体格の大きな人でも座りづらく感じることはない。また、腰掛け部は、常時定常位置に向かって付勢されていて、無負荷状態の際には前記腰掛け部は定常位置にある。そして定常位置は、遊技機に対して左右方向正面であるから、遊技者が座席と遊技機との間(着席可能位置)に入り、外力を解放した状態では、当該腰掛け部は遊技機の真正面に位置する。即ち、遊技者は、腰掛け部を左右に移動させて、着席可能位置に移動し、遊技機の真正面で無意識に腰を掛けても、腰掛け部は遊技機の真正面に必ず戻るため、腰掛け部に座り損ねることがない。
そして椅子が定常位置にある場合は、少なくとも遊技機から離れる方向に腰掛け部を移動させることが可能であるから、遊技者は椅子を後退させて遊技機との間に適度の距離を確保することができる。そのため遊技者は、窮屈を感じることなく、ゆったりと遊技を楽しむことができる。
また、本発明の遊技場用椅子は、腰掛け部が、常時定常位置に向かって付勢されているため、空席状態の椅子は常時対応する遊技機の正面にある。そのため隣接する椅子に座った遊技者が空席の椅子から圧迫感を受けることがない。
さらに本発明の遊技場用椅子は、空席状態の際には腰掛け部が前記した定常位置にあり、当該定常位置は着座予定位置よりも遊技機に近い位置であるから、空席状態の際には隣接する島の対向する位置にある椅子との間隔が広がる。そのため客や従業員の通行スペースを多少広く確保することができる。
また、本発明の椅子では、腰掛け部が着座予定位置にあるときには左右方向の移動が規制される。そのため遊技者は、違和感無く座っていることができる。従って遊技者は腰を据えて、安定した状態で遊技を行うことができる。また遊技中、遊技者が興奮して体を揺すっても、腰掛け部が左右に動くことがないから、左右に座る遊技者に迷惑が掛からない。
【0013】
請求項2に記載の発明は、床面から直立する支持軸と、支持軸と係合する駒部材とを有し、前記駒部材は腰掛け部の下部に配置されており、腰掛け部が駒部材に対して左右方向及び遊技機に向かって前後方向に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の遊技場用椅子である。
【0014】
本発明の遊技場用椅子では、駒部材が支持軸と係合して腰掛け部を支えている。そして腰掛け部が駒部材に対して左右方向及び遊技機に向かって前後方向に移動可能である。
【0015】
請求項3に記載の発明は、駒部材に対して腰掛け部自体を左右方向にガイドする左右ガイド手段と、腰掛け部自体を遊技機に向かって前後方向にガイドする前後ガイド手段とを有することを特徴とする請求項2に記載の遊技場用椅子である。
【0016】
本発明によると、左右ガイド手段と、前後ガイド手段によって腰掛け部が移動する。
【0017】
請求項4に記載の発明は、腰掛け部と一体に設けられた係止部を有し、腰掛け部が着座予定位置にあるとき、前記係止部が前記駒部材と係合して駒部材と腰掛け部との左右方向の相対移動が阻止され、腰掛け部の左右方向の移動が規制されることを特徴とする請求項3に記載の遊技場用椅子である。
【0018】
本発明の遊技場用椅子では、係止部が駒部材と係合することによって腰掛け部の左右方向の移動が規制される。
【0019】
請求項5に記載の発明は、駒部材と係止部の少なくともいずれかに傾斜部が設けられ、係止部が前記駒部材と係合する際に係止部が前記傾斜部に沿って移動し、腰掛け部が着座予定位置に至る様にガイドされることを特徴とする請求項4に記載の遊技場用椅子である。
【0020】
本発明の遊技場用椅子では、腰掛け部を遊技具から離れる方向に移動させる際に、係止部が前記傾斜部に沿って移動し、腰掛け部が着座予定位置に至る様にガイドされる。そのため腰掛け部の左右方向の位置が多少中心を外れた状態で、腰掛け部を遊技機から離れる方向に移動させても、腰掛け部は左右方向中心たる着座予定位置に納まる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の遊技場用椅子は、比較的狭い間隔で並べて設置しても、着席する際に前に回り込むことが容易であり、他の遊技者に迷惑をかけることが少ないという効果がある。また本発明の遊技場用椅子は、遊技者に違和感を抱かせることがなく、安心して遊技を行うことができる。さらに本発明の遊技場用椅子は、無意識に腰を掛けても座り損ねることがない。また本発明の遊技場用椅子は、着席した遊技者の隣接する席が空席であっても、空席の椅子は常に遊技機の真正面に位置しているため、当該遊技者は空席の椅子による圧迫感を抱くことがない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態に係る遊技場用椅子を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図2のB−B断面図である。
【図4】図1の遊技場用椅子を腰掛け部と機構部と軸部とに分けて表示した分解斜視図である。
【図5】図4の機構部の左右移動部を示す斜視図である。
【図6】図4の機構部の左右移動部の分解斜視図である。
【図7】図6からバネの図示を省略した機構部の左右移動部の分解斜視図である。
【図8】図4の機構部の前後移動部の斜視図である。
【図9】図4の機構部の前後移動部の天井板部を除いた状態と、左右移動部の一部との斜視図である。
【図10】図4の機構部の前後移動部の断面図である。
【図11】図4の機構部の前後移動部の分解斜視図である。
【図12】図11の状態から更に分解した状態を示す図3の機構部の前後移動部の分解斜視図である。
【図13】図4の機構部をスケルトンで表示した機構図である。
【図14】図1の椅子が複数のパチンコ台の前に列状に並べられた状態の平面図であり、中央の椅子だけが空席で他の椅子に遊技者が着席している状態を示す。
【図15】図14の状態におけるパチンコ台と椅子との正面図である。
【図16】図1の椅子が複数のパチンコ台の前に列状に並べられた状態の平面図であり、中央の椅子だけが空席であって新たな遊技者が中央の椅子に着席しようとする際の状態を示す。
【図17】図16の状態におけるパチンコ台と椅子との正面図である。
【図18】図1の椅子が複数のパチンコ台の前に列状に並べられた状態の平面図であり、中央の椅子とパチンコ台との間に新たな遊技者が回り込んだ際の状態を示す。
【図19】図18に次ぐ状態を示す椅子が複数のパチンコ台の前に列状に並べられた状態の平面図であり、中央の椅子に新たな遊技者が着席した際の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の具体的実施形態について説明する。
本発明の第1実施形態に係る遊技場用椅子1は、図1、図14〜図19に示す様に、パチンコ台2に対向して設置されるもので、パチンコ台2に1脚ずつ配されている。即ち、遊技場用椅子1は、所望のパチンコ台2で遊ぶ際に腰掛けるものである。
【0024】
本実施形態の遊技場用椅子1は、図1に示す様に、腰掛け部3と、背もたれ部6と、腰掛け部3を支持する支持軸7とを有している。また腰掛け部3の内側下部には、図2、図3に示すような機構部8が内蔵されている。
【0025】
腰掛け部3は、平面視した形状が略正方形の筐体の角を面取りした形状で、図2に示す様に、遊技者が着席した際に当該遊技者の尻部(図示しない)が当接するカバー部材10と、当該カバー部材10の内面側に設けられたクッション部材11と、当該クッション部材11よりさらに内部に備えられたベース部材12によって構成されている。
ベース部材12は樹脂の射出成形によって作られたものである。ベース部材12は四角形の盆を伏せた様な形状をしており、四角形の天面壁15と、前側周壁16と、後側周壁17と、左右周壁18,19を有している。なお前側周壁16は、遊技場用椅子1がパチンコホールに設置された際にパチンコ台2に面する周壁であり、後側周壁17は、前記前側周壁16と対向する面を構成する周壁である。また左右周壁18,19は、前側周壁16と後側周壁17との間を繋ぐ周壁であり、遊技場用椅子1がパチンコホールに設置された際には、図2の様にパチンコ台2に対して前後方向に延びる。
本実施形態では、図2の様に、番号18が、パチンコ台2に向かって右側に位置する右周壁であり、番号19が、パチンコ台2に向かって左側に位置する左周壁である。
【0026】
支持軸7は、金属の軸であり、パチンコホールの床面に垂直姿勢に固定される。
【0027】
機構部8は、大きく分けて、左右移動部20と前後移動部21とが結合されたものであり、前後移動部21の内部に図2,4,6,9,10,11に示すように駒部材22が内蔵されている。駒部材22は、後記する様に支持軸7と係合する部材である。
機構部8は、駒部材22に対して腰掛け部3を前後及び左右に相対移動させるものである。
【0028】
即ち左右移動部20は、図5,6,7に示すように、二枚の外壁26,27を有している。外壁26,27は図示しない天井壁によって連結されている。二枚の外壁26,27は、左右方向に距離をおいて設置され、いずれも垂直方向に立設している。
【0029】
そして当該外壁26,27の間に2本の左右ガイド軸(左右ガイド手段)30,31が挿通されている。二枚の外壁26,27によって囲まれる空間を上部側から観察すると略長方形である。そして当該左右ガイド軸30,31に前後移動部21のケース部材23が係合している。
即ち左右移動部20は、右側外壁26と左側外壁26とを有し、二枚の外壁26,27は、金属製の板であり、図2の様に、前記した腰掛け部3の、ベース部材12の内面に一体的に固定されている。
即ち左右移動部20の右側外壁26は、ベース部材12の右周壁18の内面に一体的に固定されている。
同様に左右移動部20の左側外壁27は、ベース部材12の左周壁19の内面に一体的に固定されている。
左右ガイド軸30,31は、左右外壁26,27を繋ぐものであり、左右外壁26,27の下部同士の間にある。また左右ガイド軸30,31は、前後方向に距離をおいて配置されている。
図5の様に、パチンコ台2側の位置に一方の左右ガイド軸30が設けられ、パチンコ台2から離れた側に他方の左右ガイド軸31が設けられている。
そして二つの左右ガイド軸30,31にスリーブ60を介して前後移動部21のケース部材23が係合している。そのため前後移動部21は、左右ガイド軸30,31に沿って左右方向に移動することができる。
【0030】
また前後移動部21のケース部材23の天面壁33と、左右外壁26,27との間には、4本のバネ35a,35b,36a,36bが掛け渡されている。
即ち左側外壁27と前後移動部21のケース部材23との間には、バネ35a,35bが掛け渡されている。また右側外壁26と前後移動部21のケース部材23との間には、バネ36a,36bが掛け渡されている。
そしてバネ35a,35b,36a,36bのバランスによって、前後移動部21のケース部材23は、常時左右外壁26,27の中央に位置する様に付勢されている。
【0031】
また左右移動部20の外壁26,27には、図7の様に係合片40が突出して設けられている。係合片40は、樹脂等によって作られたものであり、外壁26,27の前側(パチンコ台2側)に設けられており、外壁26,27から外壁26,27の内側に向かって突出している。
係合片40は、四角柱状の部材であり、先端部に傾斜面41を有している。そして二つの係合片40の傾斜面41によって、一つのテーパー形状部43を形成している。当該テーパー形状部43は、図3の様に、パチンコ台2側に向かって間隔が狭くなる形状である。
【0032】
次に前後移動部21について説明する。前後移動部21は、前記した様にケース部材23を有し、当該ケース部材23内に図11、図12の様に、駒部材22と、押さえ棒45,46と、2本のバネ47が内蔵されたものである。
【0033】
ケース部材23は、金属で作られたものであり、天面壁33、右壁部50、左壁部51、前壁部52、後壁部53を有している。
ケース部材23は、平面視が略長方形をしている。
ケース部材23の右壁部50は、左右移動部20の右側外壁26に面している。同様にース部材21の左壁部51は、左右移動部20の左側外壁27に面している。
前壁部52と後壁部53は、前記した右壁部50及び左壁部51よりも高さの低い壁であり、前壁部52は、パチンコ台2に面した側にあり、後壁部53は前壁部52に対向する面を構成している。
【0034】
右壁部50と左壁部51の間には、筒状部材55,56が挿通されている。筒状部材55,56は、高さ方向には下端よりの位置にあり、前後方向には間隔を開けて設けられている。筒状部材55,56の中には、スリーブ60が内蔵され、さらに前記した左右ガイド軸30,31が挿通されている。
【0035】
右壁部50と左壁部51には、それぞれ開口部54が設けられている。開口部54は、高さ方向には上端寄りの位置にあり、前後方向には前側(パチンコ台2側)の位置に設けられている。
【0036】
ケース部材23の前壁部52と後壁部53との間には、押さえ棒45,46が挿通されている。押さえ棒45,46は、右壁部50又は左壁部51の近傍にあって、右壁部50と左壁部51に対して平行に延びている。
【0037】
駒部材22は、樹脂で作られたブロック状の部材である。即ち駒部材22は、図3、図10、図11に示すように、略長方形の本体部61と、上端部に設けられたガイドフランジ部62と、前端部に設けられた突入部63を有する部材である。
駒部材22の本体部61は、前記した様に略直方体であり、下部に穴65が設けられている。当該穴65は、支持軸7の先端を係合するために設けられている。
【0038】
駒部材22の突入部63は、本体部61とは別の部材として作られ、後加工によって本体部61に固定されたものである。駒部材22の突入部63は、本体部61の前端部(パチンコ台2側)に設けられており、平面形状が等角台形に似た形状をしている。即ち突入部63は、二つの傾斜面を持ち、先端側に行くほど幅が狭くなっている。
【0039】
ガイドフランジ部62は、本体部61の上端側であって、左右の長辺部に設けられている。ガイドフランジ部62の幅wは、前記したケース部材23の右壁部50と左壁部51間の距離Wよりも僅かに小さい。
またガイドフランジ部62には、スリーブ70が装着されている。スリーブ70は、固体潤滑性に優れた樹脂で作られている。スリーブ70は、断面形状が略「コ」の字状てあり、ガイドフランジ部62の上面と、側面と下面を覆う。
【0040】
駒部材22は、ケース部材23の中にあり、駒部材22のガイドフランジ部62は、ケース部材23の天面壁33とケース部材23に挿通された押さえ棒45,46の間に配置されている。またスリーブ70が、ケース部材23の天面壁33と左右の壁部50,51と接している。
そのため駒部材22は、ケース部材23の左右の壁部50,51に沿って前後方向に相対移動することができる。駒部材22を中心として考えると、ケース部材23が駒部材22に対して前後方向に移動する。
駒部材22と後壁部53との間には、2本のバネ47が掛け渡されており、当該バネ47によって駒部材22は常時後壁部53側に付勢されている。
【0041】
次に本実施形態の遊技場用椅子1の機能について説明する。
図13は、遊技場用椅子1の機構部8をスケルトンで表示した機構図である。
機構部8は、前記した様に、右側外壁26と左側外壁27を有し、当該右側外壁26と左側外壁27の間に左右ガイド軸30,31が挿通されている。そして左右ガイド軸30,31に沿って前後移動部21のケース部材23が左右に移動することができる。
ケース部材23を中心として考えると、機構部8の右側外壁26と左側外壁27は、前後移動部21に対して左右に移動することができる。
この様に本実施形態では、左右ガイド軸30,31が左右ガイド手段として機能する。
ただし前後移動部21のケース部材23と右側外壁26及び左側外壁27の間には4本のバネがあり、当該バネによって前後移動部21が右側外壁26と左側外壁27の中心に来る様に付勢されている。
【0042】
一方、前後移動部21の中には駒部材22が内蔵されており、駒部材22とケース部材23は相対移動することができる。即ちケース部材23の駒部材22は、ケース部材23の左右の壁部50,51に沿って前後方向に相対移動することができる。
駒部材22を中心に考えると、前後移動部21は、駒部材22に対して前後方向に移動することができる。
なお本実施形態では、ケース部材23の左右の壁部50,51が前後ガイド手段として機能している。
また駒部材22と後壁部53との間には、2本のバネ47が掛け渡されており、当該バネ47によって後壁部53が駒部材22に近づく様に付勢されている。
【0043】
従って駒部材22と腰掛け部3との関係を駒部材22を中心として考えると、腰掛け部3は駒部材22に対して左右方向と前後方向に自由度を持っている。
しかしながら前後移動部21のケース部材23と右側外壁26及び左側外壁27の間に設けられた4本のバネの作用によって、腰掛け部3の左右方向の中心軸が、駒部材22の左右方向の中心軸と一致する様に付勢されている。
【0044】
また前後移動部21内に設けられた2本のバネ47の作用によって、腰掛け部3が前側(パチンコ台2側)に付勢されている。
一方、バネ47に抗して腰掛け部3を後方に移動させることができるが、腰掛け部3を後方に移動させ、ケース部材23が後方に移動すると、駒部材22の突入部63が二つの係合片40の傾斜面41によって形成されたテーパー形状部43と係合する。そのため腰掛け部3を後方に移動させると、腰掛け部3の左右方向の移動が規制される。
【0045】
次に、本実施形態の椅子1の作用を実際の遊技者の動作に則して説明する。なお本実施形態の遊技場用椅子は、パチンコホール等における遊技者の挙動を観察して開発されたものであり、遊技者は無理なく着席し、そして遊技を行うことができる。
【0046】
本実施形態の椅子1は、図14〜図19に示す様に、パチンコ台2に対向して設置されるもので、パチンコ台2に1脚ずつ配される。即ち支持軸7が図15の様にパチンコ台2の正面の床に固定される。支持軸7の左右方向の中心軸は、パチンコ台2の中心軸と一致する。
一方、支持軸7の前後方向の位置は、パチンコ台2と、腰掛け部3の距離を勘案して決定される。
即ち本実施形態では、腰掛け部3は、パチンコ台2に対して前後方向に移動することができる。そして本実施形態では、腰掛け部3がパチンコ台2から最も離れた状態となる位置を着座予定位置と決め、この位置に遊技者が座ることを前提として支持軸7の前後方向の位置を決定する。
【0047】
本実施形態では、前後移動部21内に設けられた2本のバネ47の作用によって、腰掛け部3が前側(パチンコ台2側)に付勢されているから、腰掛け部3は、適正な着座位置よりも前側で安定する。なお本実施形態では、この位置を定常位置と称する。即ち腰掛け部3は、パチンコ台2に向かって前後方向に移動可能であるが、腰掛け部3は、常時定常位置に向かって付勢されている。
【0048】
また腰掛け部3は、左右方向に移動可能であるが、ケース部材23と右側外壁26及び左側外壁27の間に設けられた4本のバネの作用によって、腰掛け部3の左右方向の中心軸が、パチンコ台2の中心軸と一致する様に付勢されている。
【0049】
図14は、椅子1がA,B,Cの3脚設置された様子を示しており、中央の椅子Bだけが空席となっている状態を示している。なお、椅子の前に図示された円形の図形は、遊技者の足の位置を示している。
【0050】
図14の前提条件として、中央の椅子Bは空席であるから、椅子Bに対しては何の負荷も掛かっておらず、椅子の腰掛け部3は、図14の様に定常位置にある。即ち椅子Bは、前方に寄った位置にあり、パチンコ台2に近い位置にある。
そのため椅子の後方には、広い空間があり、通路が広がっている。
また椅子Bは左右方向に関して中央にある。そのため椅子Bが、他の遊技者の迷惑となることはない。
【0051】
他の椅子A,Cの腰掛け部3は、遊技者が着座しており、定常位置よりも後方にある。また他の椅子A,Cは、左右方向に関して中央にある。
【0052】
この状態において、椅子Bに着座することを欲する遊技者は、図16の様に、椅子Cの横からパチンコ台2側に回り込もうとする。この時、図16の様に足の一部(例えばふくらはぎ)が、腰掛け部3に当たり、腰掛け部3を左右方向に押す。ここで、腰掛け部3は、左右方向に自由度を持つから、図16、図17の様に腰掛け部3は左側に逃げ、隣接する椅子Cとの間が広がる。
【0053】
続いて図18の様に、遊技者は、腰掛け部3とパチンコ台2との間に回り込む。
この状態では、ふくらはぎ等による、横方向の押圧はないから、4本のバネの作用によって、腰掛け部3が左右方向の中央に戻る。
そのため遊技者の尻の下には、腰掛け部3があり、遊技者が腰を下ろしても尻餅をつく懸念はない。
【0054】
ここで前記した定常位置は、パチンコ台2側に寄った位置であり、遊技者は足元が狭いと感じるから、腰掛け部3を後方にずらそうとする。ここで、本実施形態の椅子1では、腰掛け部3が前後方向に自由度を持つから、腰掛け部3は、後方にずれる。
そして腰掛け部3が後方にずれると、図19の様に、駒部材22の突入部63が二つの係合片40の傾斜面41によって形成されたテーパー形状部43と係合する。そのため腰掛け部3を着座予定位置に移動させると、腰掛け部3の左右方向の移動が規制される。
そのため遊技者は、安定した姿勢で遊技を行うことができる。また遊技者が多少体を揺すっても腰掛け部3は左右には動かないから、隣の遊技者に迷惑をかけることがない。
【0055】
この様に本実施形態の椅子1は、着座する際に腰掛け部3を左右に移動させることができるから、着座の際に左右の人に迷惑をかけない。また正規の位置で着座した後は、腰掛け部3が左右に動かない状態となるから、安定した姿勢で遊技を行うことができる。
【符号の説明】
【0056】
1 遊技場用椅子
2 パチンコ台
3 腰掛け部
6 背もたれ部
7 支持軸
8 機構部
20 左右移動部
21 前後移動部
22 駒部材
23 ケース部材(前後ガイド手段)
30,31 左右ガイド軸(左右ガイド手段)
35a,35b バネ
36a,36b バネ
40 係合片
41 傾斜面
45,46 押さえ棒
47 バネ
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用椅子に関するもので、特には前後左右に可動する遊技場用椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場では、1人でも多くの遊技者にパチンコ台やスロット台等の遊技機を楽しんでもらえるように、出来る限り多くの遊技機が隙間なく設置されている。即ち、複数の遊技機が連続的に列を成して並べられて、当該列が複数の島を形成している。また、遊技機同士の間には、パチンコ玉やメダルなどの遊技媒体を貸し出す貸出機が設置されており、遊技機同士の間隔は当該貸出機が有する幅程度の大きさしか確保されていない場合が少なくない。
【0003】
ところで、遊技場には、各遊技機に向かい合うように1脚ずつの遊技場用の椅子(以下、単に椅子と略称することがある)が配置されている。また当該椅子は、床に固定されている。そして遊技機毎に配置された椅子同士の間隔も、遊技機同士の間隔と同様に、十分な幅が確保されていないため、遊技者が当該椅子に腰を掛ける際に座席に着きにくいと感じる場合があった。特に、遊技しようとする遊技機に配置された椅子の両隣にすでに遊技者が腰掛けている場合には、椅子同士の間隔がさらに狭く感じられ、当該間隔を通過して椅子に腰を掛ける際に、隣接する椅子に着席している遊技者に迷惑をかけてしまう問題があった。
即ち椅子に着席する際には、椅子の前(椅子と遊技機との間)に遊技者が回り込まなければならないが、腰掛けようとする椅子と隣の椅子との隙間が狭く、且つ隣に他人が座っている場合には、腰掛けようとする椅子と隣の椅子との間をすり抜けにくい。そのため他人に体が当たるという様な迷惑をかけてしまう。
【0004】
そこで、特許文献1には、椅子に腰を掛ける前は遊技機の正面からずれた位置に待機し、遊技者が当該椅子に腰を掛けると、その荷重で遊技機の正面に腰掛け部がスライド移動する遊技場用椅子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−68084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の遊技場用椅子は、腰を掛けた遊技者に隣接した椅子が空席の場合、当該遊技者に圧迫感を抱かせる場合があった。即ち、特許文献1に記載の椅子は、付勢手段により常時右又は左方向に付勢されており、遊技者が着席していないときは遊技機に対して左側あるいは右側にずれた位置に配置されており、遊技者が腰を掛けると遊技機の真正面に移動する構成とされている。
【0007】
従って、椅子に座席した状態の遊技者に隣接する椅子が空席の場合は、当該遊技者に対して空席の椅子が近くに寄っている(遊技機の正面に対してずれている)ため、圧迫感を感じることがあった。さらに、特許文献1に記載の遊技場用椅子は、前記したように、人が腰を掛けていない時には遊技機の正面に位置しないため、無意識に当該椅子に腰を掛けようとすると、座り損ねて背中側から転倒する危険があった。
【0008】
また、特許文献1に記載の遊技場用椅子は、人が腰を掛けた状態で右又は左方向に移動するため、違和感を感じる場合がある。これは、普段の生活において、椅子に座りながら半自動的に右又は左方向に移動する状況を殆ど経験しないための心理的な戸惑いによるものであると考えられる。
【0009】
また都市部のパチンコホール等では、より多くの客に遊技を楽しんでもらうために、島同士の間隔を狭く設計する傾向にある。即ち前記した様にパチンコホール等では、複数の遊技機が連続的に列を成して並べられて、当該列が複数の島を形成している。そして都市部のパチンコホール等では、遊技機(パチンコ台)の列の間隔を狭く設計する傾向にある。
一方、島同士の間は、客たる遊技者やホールの従業員が通行する通路として機能する場所である。そのため島同士の隙間が狭いと、客や従業員の通行が困難となってしまう。
【0010】
そこで本発明は、詰めて設置しても着席の際に隣の遊技者に迷惑が掛からない遊技場用椅子を提供するものであり、遊技者に圧迫感や違和感を抱かせることがなく、さらに無意識に腰を掛けても座り損ねることがない椅子であって、客や従業員の通行スペースを少しでも広く確保することが可能な遊技場用椅子を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、腰掛け部を有し、多数の遊技機が連続的に並べられて配置された遊技場においてそれぞれの遊技機に対応して遊技機の前に並べて設置される遊技場用椅子において、遊技機に対して左右方向正面であって遊技機から前後方向に所定距離だけ離れた位置たる定常位置と、遊技機に対して左右方向正面であって遊技機から定常位置よりも離れた位置たる着座予定位置とがあり、前記腰掛け部は、遊技機に向かって左右方向及び前後方向に移動可能であり、前記腰掛け部は、常時定常位置に向かって付勢されていて、無負荷状態の際には前記腰掛け部は定常位置にあり、前記腰掛け部が定常位置にある際には前記腰掛け部は左右の少なくともいずれかの方向と少なくとも遊技機から離れる方向に移動可能であり、前記腰掛け部が着座予定位置にあるときには左右方向の移動が規制されることを特徴とする遊技場用椅子である。
【0012】
ここで本明細書において左右方向とは、遊技機に向かって左右方向を言う。例えばパチンコホールの様に、遊技機が一列に並べられている場合には、左右方向とは、列に対して平行な方向を示す。
また本明細書において前後方向とは、遊技機に対して近接及び離反する方向を言う。即ち遊技機に対して近づく方向が前方向であり、遊技機から離れて行く方向が後方向である。
本発明の遊技場用椅子は、腰掛け部が左又は右方向の少なくとも一方に移動可能であるため、遊技者が着席する際、左右のいずれかに腰掛け部をずらすことで容易に座席間のスペースが拡がる。そのため腰掛けようとする椅子と隣の椅子との間が広がり、椅子と椅子との間をすり抜けやすい。従って使用者は容易に椅子の前に回り込むことができる。
そのため本発明の椅子は、体格の大きな人でも座りづらく感じることはない。また、腰掛け部は、常時定常位置に向かって付勢されていて、無負荷状態の際には前記腰掛け部は定常位置にある。そして定常位置は、遊技機に対して左右方向正面であるから、遊技者が座席と遊技機との間(着席可能位置)に入り、外力を解放した状態では、当該腰掛け部は遊技機の真正面に位置する。即ち、遊技者は、腰掛け部を左右に移動させて、着席可能位置に移動し、遊技機の真正面で無意識に腰を掛けても、腰掛け部は遊技機の真正面に必ず戻るため、腰掛け部に座り損ねることがない。
そして椅子が定常位置にある場合は、少なくとも遊技機から離れる方向に腰掛け部を移動させることが可能であるから、遊技者は椅子を後退させて遊技機との間に適度の距離を確保することができる。そのため遊技者は、窮屈を感じることなく、ゆったりと遊技を楽しむことができる。
また、本発明の遊技場用椅子は、腰掛け部が、常時定常位置に向かって付勢されているため、空席状態の椅子は常時対応する遊技機の正面にある。そのため隣接する椅子に座った遊技者が空席の椅子から圧迫感を受けることがない。
さらに本発明の遊技場用椅子は、空席状態の際には腰掛け部が前記した定常位置にあり、当該定常位置は着座予定位置よりも遊技機に近い位置であるから、空席状態の際には隣接する島の対向する位置にある椅子との間隔が広がる。そのため客や従業員の通行スペースを多少広く確保することができる。
また、本発明の椅子では、腰掛け部が着座予定位置にあるときには左右方向の移動が規制される。そのため遊技者は、違和感無く座っていることができる。従って遊技者は腰を据えて、安定した状態で遊技を行うことができる。また遊技中、遊技者が興奮して体を揺すっても、腰掛け部が左右に動くことがないから、左右に座る遊技者に迷惑が掛からない。
【0013】
請求項2に記載の発明は、床面から直立する支持軸と、支持軸と係合する駒部材とを有し、前記駒部材は腰掛け部の下部に配置されており、腰掛け部が駒部材に対して左右方向及び遊技機に向かって前後方向に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の遊技場用椅子である。
【0014】
本発明の遊技場用椅子では、駒部材が支持軸と係合して腰掛け部を支えている。そして腰掛け部が駒部材に対して左右方向及び遊技機に向かって前後方向に移動可能である。
【0015】
請求項3に記載の発明は、駒部材に対して腰掛け部自体を左右方向にガイドする左右ガイド手段と、腰掛け部自体を遊技機に向かって前後方向にガイドする前後ガイド手段とを有することを特徴とする請求項2に記載の遊技場用椅子である。
【0016】
本発明によると、左右ガイド手段と、前後ガイド手段によって腰掛け部が移動する。
【0017】
請求項4に記載の発明は、腰掛け部と一体に設けられた係止部を有し、腰掛け部が着座予定位置にあるとき、前記係止部が前記駒部材と係合して駒部材と腰掛け部との左右方向の相対移動が阻止され、腰掛け部の左右方向の移動が規制されることを特徴とする請求項3に記載の遊技場用椅子である。
【0018】
本発明の遊技場用椅子では、係止部が駒部材と係合することによって腰掛け部の左右方向の移動が規制される。
【0019】
請求項5に記載の発明は、駒部材と係止部の少なくともいずれかに傾斜部が設けられ、係止部が前記駒部材と係合する際に係止部が前記傾斜部に沿って移動し、腰掛け部が着座予定位置に至る様にガイドされることを特徴とする請求項4に記載の遊技場用椅子である。
【0020】
本発明の遊技場用椅子では、腰掛け部を遊技具から離れる方向に移動させる際に、係止部が前記傾斜部に沿って移動し、腰掛け部が着座予定位置に至る様にガイドされる。そのため腰掛け部の左右方向の位置が多少中心を外れた状態で、腰掛け部を遊技機から離れる方向に移動させても、腰掛け部は左右方向中心たる着座予定位置に納まる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の遊技場用椅子は、比較的狭い間隔で並べて設置しても、着席する際に前に回り込むことが容易であり、他の遊技者に迷惑をかけることが少ないという効果がある。また本発明の遊技場用椅子は、遊技者に違和感を抱かせることがなく、安心して遊技を行うことができる。さらに本発明の遊技場用椅子は、無意識に腰を掛けても座り損ねることがない。また本発明の遊技場用椅子は、着席した遊技者の隣接する席が空席であっても、空席の椅子は常に遊技機の真正面に位置しているため、当該遊技者は空席の椅子による圧迫感を抱くことがない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態に係る遊技場用椅子を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図2のB−B断面図である。
【図4】図1の遊技場用椅子を腰掛け部と機構部と軸部とに分けて表示した分解斜視図である。
【図5】図4の機構部の左右移動部を示す斜視図である。
【図6】図4の機構部の左右移動部の分解斜視図である。
【図7】図6からバネの図示を省略した機構部の左右移動部の分解斜視図である。
【図8】図4の機構部の前後移動部の斜視図である。
【図9】図4の機構部の前後移動部の天井板部を除いた状態と、左右移動部の一部との斜視図である。
【図10】図4の機構部の前後移動部の断面図である。
【図11】図4の機構部の前後移動部の分解斜視図である。
【図12】図11の状態から更に分解した状態を示す図3の機構部の前後移動部の分解斜視図である。
【図13】図4の機構部をスケルトンで表示した機構図である。
【図14】図1の椅子が複数のパチンコ台の前に列状に並べられた状態の平面図であり、中央の椅子だけが空席で他の椅子に遊技者が着席している状態を示す。
【図15】図14の状態におけるパチンコ台と椅子との正面図である。
【図16】図1の椅子が複数のパチンコ台の前に列状に並べられた状態の平面図であり、中央の椅子だけが空席であって新たな遊技者が中央の椅子に着席しようとする際の状態を示す。
【図17】図16の状態におけるパチンコ台と椅子との正面図である。
【図18】図1の椅子が複数のパチンコ台の前に列状に並べられた状態の平面図であり、中央の椅子とパチンコ台との間に新たな遊技者が回り込んだ際の状態を示す。
【図19】図18に次ぐ状態を示す椅子が複数のパチンコ台の前に列状に並べられた状態の平面図であり、中央の椅子に新たな遊技者が着席した際の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の具体的実施形態について説明する。
本発明の第1実施形態に係る遊技場用椅子1は、図1、図14〜図19に示す様に、パチンコ台2に対向して設置されるもので、パチンコ台2に1脚ずつ配されている。即ち、遊技場用椅子1は、所望のパチンコ台2で遊ぶ際に腰掛けるものである。
【0024】
本実施形態の遊技場用椅子1は、図1に示す様に、腰掛け部3と、背もたれ部6と、腰掛け部3を支持する支持軸7とを有している。また腰掛け部3の内側下部には、図2、図3に示すような機構部8が内蔵されている。
【0025】
腰掛け部3は、平面視した形状が略正方形の筐体の角を面取りした形状で、図2に示す様に、遊技者が着席した際に当該遊技者の尻部(図示しない)が当接するカバー部材10と、当該カバー部材10の内面側に設けられたクッション部材11と、当該クッション部材11よりさらに内部に備えられたベース部材12によって構成されている。
ベース部材12は樹脂の射出成形によって作られたものである。ベース部材12は四角形の盆を伏せた様な形状をしており、四角形の天面壁15と、前側周壁16と、後側周壁17と、左右周壁18,19を有している。なお前側周壁16は、遊技場用椅子1がパチンコホールに設置された際にパチンコ台2に面する周壁であり、後側周壁17は、前記前側周壁16と対向する面を構成する周壁である。また左右周壁18,19は、前側周壁16と後側周壁17との間を繋ぐ周壁であり、遊技場用椅子1がパチンコホールに設置された際には、図2の様にパチンコ台2に対して前後方向に延びる。
本実施形態では、図2の様に、番号18が、パチンコ台2に向かって右側に位置する右周壁であり、番号19が、パチンコ台2に向かって左側に位置する左周壁である。
【0026】
支持軸7は、金属の軸であり、パチンコホールの床面に垂直姿勢に固定される。
【0027】
機構部8は、大きく分けて、左右移動部20と前後移動部21とが結合されたものであり、前後移動部21の内部に図2,4,6,9,10,11に示すように駒部材22が内蔵されている。駒部材22は、後記する様に支持軸7と係合する部材である。
機構部8は、駒部材22に対して腰掛け部3を前後及び左右に相対移動させるものである。
【0028】
即ち左右移動部20は、図5,6,7に示すように、二枚の外壁26,27を有している。外壁26,27は図示しない天井壁によって連結されている。二枚の外壁26,27は、左右方向に距離をおいて設置され、いずれも垂直方向に立設している。
【0029】
そして当該外壁26,27の間に2本の左右ガイド軸(左右ガイド手段)30,31が挿通されている。二枚の外壁26,27によって囲まれる空間を上部側から観察すると略長方形である。そして当該左右ガイド軸30,31に前後移動部21のケース部材23が係合している。
即ち左右移動部20は、右側外壁26と左側外壁26とを有し、二枚の外壁26,27は、金属製の板であり、図2の様に、前記した腰掛け部3の、ベース部材12の内面に一体的に固定されている。
即ち左右移動部20の右側外壁26は、ベース部材12の右周壁18の内面に一体的に固定されている。
同様に左右移動部20の左側外壁27は、ベース部材12の左周壁19の内面に一体的に固定されている。
左右ガイド軸30,31は、左右外壁26,27を繋ぐものであり、左右外壁26,27の下部同士の間にある。また左右ガイド軸30,31は、前後方向に距離をおいて配置されている。
図5の様に、パチンコ台2側の位置に一方の左右ガイド軸30が設けられ、パチンコ台2から離れた側に他方の左右ガイド軸31が設けられている。
そして二つの左右ガイド軸30,31にスリーブ60を介して前後移動部21のケース部材23が係合している。そのため前後移動部21は、左右ガイド軸30,31に沿って左右方向に移動することができる。
【0030】
また前後移動部21のケース部材23の天面壁33と、左右外壁26,27との間には、4本のバネ35a,35b,36a,36bが掛け渡されている。
即ち左側外壁27と前後移動部21のケース部材23との間には、バネ35a,35bが掛け渡されている。また右側外壁26と前後移動部21のケース部材23との間には、バネ36a,36bが掛け渡されている。
そしてバネ35a,35b,36a,36bのバランスによって、前後移動部21のケース部材23は、常時左右外壁26,27の中央に位置する様に付勢されている。
【0031】
また左右移動部20の外壁26,27には、図7の様に係合片40が突出して設けられている。係合片40は、樹脂等によって作られたものであり、外壁26,27の前側(パチンコ台2側)に設けられており、外壁26,27から外壁26,27の内側に向かって突出している。
係合片40は、四角柱状の部材であり、先端部に傾斜面41を有している。そして二つの係合片40の傾斜面41によって、一つのテーパー形状部43を形成している。当該テーパー形状部43は、図3の様に、パチンコ台2側に向かって間隔が狭くなる形状である。
【0032】
次に前後移動部21について説明する。前後移動部21は、前記した様にケース部材23を有し、当該ケース部材23内に図11、図12の様に、駒部材22と、押さえ棒45,46と、2本のバネ47が内蔵されたものである。
【0033】
ケース部材23は、金属で作られたものであり、天面壁33、右壁部50、左壁部51、前壁部52、後壁部53を有している。
ケース部材23は、平面視が略長方形をしている。
ケース部材23の右壁部50は、左右移動部20の右側外壁26に面している。同様にース部材21の左壁部51は、左右移動部20の左側外壁27に面している。
前壁部52と後壁部53は、前記した右壁部50及び左壁部51よりも高さの低い壁であり、前壁部52は、パチンコ台2に面した側にあり、後壁部53は前壁部52に対向する面を構成している。
【0034】
右壁部50と左壁部51の間には、筒状部材55,56が挿通されている。筒状部材55,56は、高さ方向には下端よりの位置にあり、前後方向には間隔を開けて設けられている。筒状部材55,56の中には、スリーブ60が内蔵され、さらに前記した左右ガイド軸30,31が挿通されている。
【0035】
右壁部50と左壁部51には、それぞれ開口部54が設けられている。開口部54は、高さ方向には上端寄りの位置にあり、前後方向には前側(パチンコ台2側)の位置に設けられている。
【0036】
ケース部材23の前壁部52と後壁部53との間には、押さえ棒45,46が挿通されている。押さえ棒45,46は、右壁部50又は左壁部51の近傍にあって、右壁部50と左壁部51に対して平行に延びている。
【0037】
駒部材22は、樹脂で作られたブロック状の部材である。即ち駒部材22は、図3、図10、図11に示すように、略長方形の本体部61と、上端部に設けられたガイドフランジ部62と、前端部に設けられた突入部63を有する部材である。
駒部材22の本体部61は、前記した様に略直方体であり、下部に穴65が設けられている。当該穴65は、支持軸7の先端を係合するために設けられている。
【0038】
駒部材22の突入部63は、本体部61とは別の部材として作られ、後加工によって本体部61に固定されたものである。駒部材22の突入部63は、本体部61の前端部(パチンコ台2側)に設けられており、平面形状が等角台形に似た形状をしている。即ち突入部63は、二つの傾斜面を持ち、先端側に行くほど幅が狭くなっている。
【0039】
ガイドフランジ部62は、本体部61の上端側であって、左右の長辺部に設けられている。ガイドフランジ部62の幅wは、前記したケース部材23の右壁部50と左壁部51間の距離Wよりも僅かに小さい。
またガイドフランジ部62には、スリーブ70が装着されている。スリーブ70は、固体潤滑性に優れた樹脂で作られている。スリーブ70は、断面形状が略「コ」の字状てあり、ガイドフランジ部62の上面と、側面と下面を覆う。
【0040】
駒部材22は、ケース部材23の中にあり、駒部材22のガイドフランジ部62は、ケース部材23の天面壁33とケース部材23に挿通された押さえ棒45,46の間に配置されている。またスリーブ70が、ケース部材23の天面壁33と左右の壁部50,51と接している。
そのため駒部材22は、ケース部材23の左右の壁部50,51に沿って前後方向に相対移動することができる。駒部材22を中心として考えると、ケース部材23が駒部材22に対して前後方向に移動する。
駒部材22と後壁部53との間には、2本のバネ47が掛け渡されており、当該バネ47によって駒部材22は常時後壁部53側に付勢されている。
【0041】
次に本実施形態の遊技場用椅子1の機能について説明する。
図13は、遊技場用椅子1の機構部8をスケルトンで表示した機構図である。
機構部8は、前記した様に、右側外壁26と左側外壁27を有し、当該右側外壁26と左側外壁27の間に左右ガイド軸30,31が挿通されている。そして左右ガイド軸30,31に沿って前後移動部21のケース部材23が左右に移動することができる。
ケース部材23を中心として考えると、機構部8の右側外壁26と左側外壁27は、前後移動部21に対して左右に移動することができる。
この様に本実施形態では、左右ガイド軸30,31が左右ガイド手段として機能する。
ただし前後移動部21のケース部材23と右側外壁26及び左側外壁27の間には4本のバネがあり、当該バネによって前後移動部21が右側外壁26と左側外壁27の中心に来る様に付勢されている。
【0042】
一方、前後移動部21の中には駒部材22が内蔵されており、駒部材22とケース部材23は相対移動することができる。即ちケース部材23の駒部材22は、ケース部材23の左右の壁部50,51に沿って前後方向に相対移動することができる。
駒部材22を中心に考えると、前後移動部21は、駒部材22に対して前後方向に移動することができる。
なお本実施形態では、ケース部材23の左右の壁部50,51が前後ガイド手段として機能している。
また駒部材22と後壁部53との間には、2本のバネ47が掛け渡されており、当該バネ47によって後壁部53が駒部材22に近づく様に付勢されている。
【0043】
従って駒部材22と腰掛け部3との関係を駒部材22を中心として考えると、腰掛け部3は駒部材22に対して左右方向と前後方向に自由度を持っている。
しかしながら前後移動部21のケース部材23と右側外壁26及び左側外壁27の間に設けられた4本のバネの作用によって、腰掛け部3の左右方向の中心軸が、駒部材22の左右方向の中心軸と一致する様に付勢されている。
【0044】
また前後移動部21内に設けられた2本のバネ47の作用によって、腰掛け部3が前側(パチンコ台2側)に付勢されている。
一方、バネ47に抗して腰掛け部3を後方に移動させることができるが、腰掛け部3を後方に移動させ、ケース部材23が後方に移動すると、駒部材22の突入部63が二つの係合片40の傾斜面41によって形成されたテーパー形状部43と係合する。そのため腰掛け部3を後方に移動させると、腰掛け部3の左右方向の移動が規制される。
【0045】
次に、本実施形態の椅子1の作用を実際の遊技者の動作に則して説明する。なお本実施形態の遊技場用椅子は、パチンコホール等における遊技者の挙動を観察して開発されたものであり、遊技者は無理なく着席し、そして遊技を行うことができる。
【0046】
本実施形態の椅子1は、図14〜図19に示す様に、パチンコ台2に対向して設置されるもので、パチンコ台2に1脚ずつ配される。即ち支持軸7が図15の様にパチンコ台2の正面の床に固定される。支持軸7の左右方向の中心軸は、パチンコ台2の中心軸と一致する。
一方、支持軸7の前後方向の位置は、パチンコ台2と、腰掛け部3の距離を勘案して決定される。
即ち本実施形態では、腰掛け部3は、パチンコ台2に対して前後方向に移動することができる。そして本実施形態では、腰掛け部3がパチンコ台2から最も離れた状態となる位置を着座予定位置と決め、この位置に遊技者が座ることを前提として支持軸7の前後方向の位置を決定する。
【0047】
本実施形態では、前後移動部21内に設けられた2本のバネ47の作用によって、腰掛け部3が前側(パチンコ台2側)に付勢されているから、腰掛け部3は、適正な着座位置よりも前側で安定する。なお本実施形態では、この位置を定常位置と称する。即ち腰掛け部3は、パチンコ台2に向かって前後方向に移動可能であるが、腰掛け部3は、常時定常位置に向かって付勢されている。
【0048】
また腰掛け部3は、左右方向に移動可能であるが、ケース部材23と右側外壁26及び左側外壁27の間に設けられた4本のバネの作用によって、腰掛け部3の左右方向の中心軸が、パチンコ台2の中心軸と一致する様に付勢されている。
【0049】
図14は、椅子1がA,B,Cの3脚設置された様子を示しており、中央の椅子Bだけが空席となっている状態を示している。なお、椅子の前に図示された円形の図形は、遊技者の足の位置を示している。
【0050】
図14の前提条件として、中央の椅子Bは空席であるから、椅子Bに対しては何の負荷も掛かっておらず、椅子の腰掛け部3は、図14の様に定常位置にある。即ち椅子Bは、前方に寄った位置にあり、パチンコ台2に近い位置にある。
そのため椅子の後方には、広い空間があり、通路が広がっている。
また椅子Bは左右方向に関して中央にある。そのため椅子Bが、他の遊技者の迷惑となることはない。
【0051】
他の椅子A,Cの腰掛け部3は、遊技者が着座しており、定常位置よりも後方にある。また他の椅子A,Cは、左右方向に関して中央にある。
【0052】
この状態において、椅子Bに着座することを欲する遊技者は、図16の様に、椅子Cの横からパチンコ台2側に回り込もうとする。この時、図16の様に足の一部(例えばふくらはぎ)が、腰掛け部3に当たり、腰掛け部3を左右方向に押す。ここで、腰掛け部3は、左右方向に自由度を持つから、図16、図17の様に腰掛け部3は左側に逃げ、隣接する椅子Cとの間が広がる。
【0053】
続いて図18の様に、遊技者は、腰掛け部3とパチンコ台2との間に回り込む。
この状態では、ふくらはぎ等による、横方向の押圧はないから、4本のバネの作用によって、腰掛け部3が左右方向の中央に戻る。
そのため遊技者の尻の下には、腰掛け部3があり、遊技者が腰を下ろしても尻餅をつく懸念はない。
【0054】
ここで前記した定常位置は、パチンコ台2側に寄った位置であり、遊技者は足元が狭いと感じるから、腰掛け部3を後方にずらそうとする。ここで、本実施形態の椅子1では、腰掛け部3が前後方向に自由度を持つから、腰掛け部3は、後方にずれる。
そして腰掛け部3が後方にずれると、図19の様に、駒部材22の突入部63が二つの係合片40の傾斜面41によって形成されたテーパー形状部43と係合する。そのため腰掛け部3を着座予定位置に移動させると、腰掛け部3の左右方向の移動が規制される。
そのため遊技者は、安定した姿勢で遊技を行うことができる。また遊技者が多少体を揺すっても腰掛け部3は左右には動かないから、隣の遊技者に迷惑をかけることがない。
【0055】
この様に本実施形態の椅子1は、着座する際に腰掛け部3を左右に移動させることができるから、着座の際に左右の人に迷惑をかけない。また正規の位置で着座した後は、腰掛け部3が左右に動かない状態となるから、安定した姿勢で遊技を行うことができる。
【符号の説明】
【0056】
1 遊技場用椅子
2 パチンコ台
3 腰掛け部
6 背もたれ部
7 支持軸
8 機構部
20 左右移動部
21 前後移動部
22 駒部材
23 ケース部材(前後ガイド手段)
30,31 左右ガイド軸(左右ガイド手段)
35a,35b バネ
36a,36b バネ
40 係合片
41 傾斜面
45,46 押さえ棒
47 バネ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腰掛け部を有し、多数の遊技機が連続的に並べられて配置された遊技場においてそれぞれの遊技機に対応して遊技機の前に並べて設置される遊技場用椅子において、遊技機に対して左右方向正面であって遊技機から前後方向に所定距離だけ離れた位置たる定常位置と、遊技機に対して左右方向正面であって遊技機から定常位置よりも離れた位置たる着座予定位置とがあり、前記腰掛け部は、遊技機に向かって左右方向及び前後方向に移動可能であり、前記腰掛け部は、常時定常位置に向かって付勢されていて、無負荷状態の際には前記腰掛け部は定常位置にあり、前記腰掛け部が定常位置にある際には前記腰掛け部は左右の少なくともいずれかの方向と少なくとも遊技機から離れる方向に移動可能であり、前記腰掛け部が着座予定位置にあるときには左右方向の移動が規制されることを特徴とする遊技場用椅子。
【請求項2】
床面から直立する支持軸と、支持軸と係合する駒部材とを有し、前記駒部材は腰掛け部の下部に配置されており、腰掛け部が駒部材に対して左右方向及び遊技機に向かって前後方向に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の遊技場用椅子。
【請求項3】
駒部材に対して腰掛け部自体を左右方向にガイドする左右ガイド手段と、腰掛け部自体を遊技機に向かって前後方向にガイドする前後ガイド手段とを有することを特徴とする請求項2に記載の遊技場用椅子。
【請求項4】
腰掛け部と一体に設けられた係止部を有し、腰掛け部が着座予定位置にあるとき、前記係止部が前記駒部材と係合して駒部材と腰掛け部との左右方向の相対移動が阻止され、腰掛け部の左右方向の移動が規制されることを特徴とする請求項3に記載の遊技場用椅子。
【請求項5】
駒部材と係止部の少なくともいずれかに傾斜部が設けられ、係止部が前記駒部材と係合する際に係止部が前記傾斜部に沿って移動し、腰掛け部が着座予定位置に至る様にガイドされることを特徴とする請求項4に記載の遊技場用椅子。
【請求項1】
腰掛け部を有し、多数の遊技機が連続的に並べられて配置された遊技場においてそれぞれの遊技機に対応して遊技機の前に並べて設置される遊技場用椅子において、遊技機に対して左右方向正面であって遊技機から前後方向に所定距離だけ離れた位置たる定常位置と、遊技機に対して左右方向正面であって遊技機から定常位置よりも離れた位置たる着座予定位置とがあり、前記腰掛け部は、遊技機に向かって左右方向及び前後方向に移動可能であり、前記腰掛け部は、常時定常位置に向かって付勢されていて、無負荷状態の際には前記腰掛け部は定常位置にあり、前記腰掛け部が定常位置にある際には前記腰掛け部は左右の少なくともいずれかの方向と少なくとも遊技機から離れる方向に移動可能であり、前記腰掛け部が着座予定位置にあるときには左右方向の移動が規制されることを特徴とする遊技場用椅子。
【請求項2】
床面から直立する支持軸と、支持軸と係合する駒部材とを有し、前記駒部材は腰掛け部の下部に配置されており、腰掛け部が駒部材に対して左右方向及び遊技機に向かって前後方向に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の遊技場用椅子。
【請求項3】
駒部材に対して腰掛け部自体を左右方向にガイドする左右ガイド手段と、腰掛け部自体を遊技機に向かって前後方向にガイドする前後ガイド手段とを有することを特徴とする請求項2に記載の遊技場用椅子。
【請求項4】
腰掛け部と一体に設けられた係止部を有し、腰掛け部が着座予定位置にあるとき、前記係止部が前記駒部材と係合して駒部材と腰掛け部との左右方向の相対移動が阻止され、腰掛け部の左右方向の移動が規制されることを特徴とする請求項3に記載の遊技場用椅子。
【請求項5】
駒部材と係止部の少なくともいずれかに傾斜部が設けられ、係止部が前記駒部材と係合する際に係止部が前記傾斜部に沿って移動し、腰掛け部が着座予定位置に至る様にガイドされることを特徴とする請求項4に記載の遊技場用椅子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−244949(P2011−244949A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119732(P2010−119732)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】
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