説明

遊技場監視システム

【課題】監視カメラに対して店員の立ち会いのない遊技機の撮像を優先させることで、遊技場の監視体制に適応させた効率的な監視を実現する。
【解決手段】遊技場に設置される遊技機10を撮像する監視カメラ40を備える遊技場監視システム1であって、複数の遊技機10を個別に撮像可能に設置された監視カメラ40に撮像させる遊技機10を指定する監視管理装置70と、複数の遊技機から入力される所定の遊技信号にもとづいて各遊技機を個別に特定可能な撮像要求情報を生成するとともに、所定の入力操作によって生成される店員の立ち会いのある遊技機を示す立ち会い情報が入力されるホールコンピュータ20と、を備え、監視管理装置70は、ホールコンピュータ20から入力される撮像要求情報と立ち会い情報とにもとづいて、複数の遊技機10のうちで監視カメラ40に撮像させる遊技機10を指定する構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の遊技機を個別に撮像可能に設置された監視カメラに撮像させる遊技機を指定する遊技場監視システムに関し、特に、複数の遊技機を個別に特定可能な撮像要求情報と、所定の入力操作によって生成される店員の立ち会いのある遊技機を示す立ち会い情報とにもとづいて監視カメラに撮像させる遊技機を指定する遊技場監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のパチンコホール、パチスロホール等の遊技場には、遊技機、遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機、カード等の券売機、遊技媒体を計数するジェットカウンタ等の計数機などの遊技設備、及びこれらの遊技設備の周辺(以下、遊技設備及びこれらの遊技設備の周辺を遊技機と称する。)を撮像する監視カメラを備える遊技場の監視システムが導入されている。
このような遊技場監視システムにおいては、一台の監視カメラの撮像能力は、時間的及び空間的に限られていることから、一の監視カメラが撮像を受け持つ遊技機を予め数台ずつ割り当てるとともに、この割り当てられたうちのいずれか一の遊技機を撮像するように、監視カメラの向きを時分割制御する。
【0003】
このような遊技場監視システムにおいては、監視カメラに撮像させる遊技機を、当該遊技機を特定可能な情報であってこの遊技機で発生した事象(不正行為にもとづく事象も含む)に対応する撮像要求情報にもとづいて指定することで、監視効率を高める技術が知られている。
例えば、撮像要求情報に遊技機で発生した事象を特定可能な情報を含め、発生した事象の重要度(不正行為の発生可能性)の低い撮像要求情報に係る遊技機よりも、重要度の高い撮像要求情報に係る遊技機の撮像を優先させて、一台の監視カメラを効率的に制御する技術がある(特許文献1、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−273706号公報
【特許文献2】特開平5−166082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、このような撮像要求情報と同等な情報(例えば、店員呼出情報)は、遊技場の店員が携行するインカム等の携帯端末装置にも入力され、店員はこの情報にもとづいて、当該情報の発信元となる遊技機に急行して、不正行為の有無を確認するとともに、遊技機で発生した事象を修復する処理を遂行するようになっている。
その結果、従来の遊技場監視システムでは、店員呼出情報の発信元となる遊技機に店員が立ち会っているにもかかわらず、監視カメラが撮像要求情報にもとづき店員の立ち会いのある遊技機の撮像を行うという二重監視の状態が生じ、必ずしも監視効率の良いものとはいえなかった。すなわち、店員の立ち会いのある遊技機は、店員の立ち会いのない遊技機に比べて、不正行為がなされる可能性が低いにもかかわらず、このような立ち会いのある遊技機を監視カメラで監視することは、時間的及び空間的に撮像能力が限られている監視カメラを有効に利用しているものとはいえなかった。
【0006】
さらに、このような店員の立ち会いのある遊技機の撮像中において、同じ割り当て内の遊技機が特定される、撮像中の遊技機より重要度の低い撮像要求情報が入力されたときには、この撮像要求情報に係る遊技機は、店員の立ち会いがないにもかかわらず、撮像されずに放置されてしまうおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、監視カメラに店員の立ち会いのない遊技機を優先的に撮像させることで、遊技場の監視体制に適応させた効率的な監視を実現する遊技場監視システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の遊技場監視システムは、遊技場に設置される遊技機を撮像する撮像手段を備える遊技場監視システムであって、複数の遊技機を個別に撮像可能に設置された第一の撮像手段に撮像させる遊技機を指定する撮像対象指定装置と、前記複数の遊技機から入力される所定の遊技信号にもとづいて各遊技機を個別に特定可能な撮像要求情報を生成するとともに、所定の入力操作によって生成される店員の立ち会いのある遊技機を示す立ち会い情報が入力される情報処理装置と、を備え、前記撮像対象指定装置は、前記情報処理装置から入力される前記撮像要求情報と前記立ち会い情報とにもとづいて、前記複数の遊技機のうちで前記第一の撮像手段に撮像させる遊技機を指定する構成としてある。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、監視カメラに対して店員の立ち会いのない遊技機の撮像を優先させることで、遊技場の監視体制に適応させた効率的な監視を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊技場監視システムの構成を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る遊技場監視システムの各装置間で送受される情報の流れを模式的に示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る遊技場監視システムにおける、(a)は、監視カメラが撮像する遊技場のレイアウトを模式的に示す説明図であり、(b)は、撮像領域毎の撮像対象とこの撮像対象を受け持つ監視カメラの対応関係を示す説明図であり、(c)は、撮像要求情報の種別と遊技機で発生する発生事象と撮像優先順位との対応関係を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る遊技場監視システムの録画再生装置における、(a)は、内部構成を示すブロック図であり、(b)は、記憶部に記憶される撮像情報の内容を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る遊技場監視システムの監視管理装置の内部構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る遊技場監視システムの監視管理装置が撮像対象を指定するときの撮像対象指定基準を示す説明図で、(a)は、サブカメラ使用不可時の説明図であり、(b)は、サブカメラ使用可能時の説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る遊技場監視システムの監視管理装置で実行されるサブカメラ使用不可時における撮像対象指定処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係る遊技場監視システムの監視管理装置で実行されるサブカメラ使用可能時における撮像対象指定処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係る遊技場監視システムの監視管理装置で実行される立ち会いマーク付加処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態に係る遊技場監視システムの録画再生装置で実行される録画再生処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る遊技場監視システムの好ましい実施形態について図1〜図10を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る遊技場監視システム1は、複数の遊技機10(10−1〜10−20)と、遊技機10毎に設置される呼出ランプ11(11−1〜11−20)と、ホールコンピュータ20と、遊技場関係者(以下、店員という。)の携行するリモコン30と、監視カメラ40(40a,40b)と、カメラコントローラ50と、録画再生装置60と、監視管理装置70とで構成され、これらは、所定のネットワーク(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク)を介して、図2に示すように、種々の情報や信号を送受可能に接続されている。
【0012】
各図に示すように、本実施形態の遊技場監視システム1は、パチンコホール、パチスロホール等の遊技場2に備えられるパチンコ機やパチスロ機等の遊技機10からの撮像要求情報にもとづいて、監視カメラ40が、当該遊技機10、その遊技機10周辺の遊技者(椅子)12、及び遊技機10に併設される遊技媒体貸出装置(不図示)等(以下、これらをまとめて遊技機10という。)を撮像して監視を行う遊技場2の監視システムとして構成されている。
遊技場2においては、図3(a)に示す例では、遊技機10はいわゆる「島」単位で設置され、本実施形態では二つの遊技機島が並列され、各島には片側10台,両側20台の遊技機10が設置されている。
そして、隣接する遊技機島の間の通路(いわゆる「川」)に監視カメラ40が設置され、各遊技機島の遊技機10を撮像するようになっている。図3(a)に示す例では、一つの通路(川)に、二つの監視カメラ40a,40bが設置され、各監視カメラ40で、20台の遊技機10(10−1〜10−20)を撮像できるようになっている。
【0013】
各監視カメラ40は、例えば遊技場の天井に取り付けられ、撮像対象となる遊技機10毎に、パン角,チルト角,ズーム倍率の撮像条件が予め初期設定されている。
さらに、各監視カメラ40は、図3(a)、(b)に示すように、メインカメラ(第一の撮像手段)として撮像を受け持つ領域と補助的にサブカメラ(第二の撮像手段)として撮像を受け持つ領域がそれぞれ設定され、遊技機10−1〜5,10−11〜15を撮像対象とする撮像領域Aは、この領域に近接して設置された監視カメラ40aをメインカメラとして使用し、この領域から離間して設置された監視カメラ40bをサブカメラとして使用するように設定されている。
また、遊技機10−6〜10,10−16〜20を撮像対象とする撮像領域Bは、この領域に近接して設置された監視カメラ40bをメインカメラとして使用し、この領域から離間して設置された監視カメラ40aをサブカメラとして使用するように設定されている。
すなわち、メインカメラは、近接した領域に設置された遊技機10及びその周辺を優先的に撮像し、サブカメラは、メインカメラが撮像中のときに、そのメインカメラが受け持つ撮像領域(撮像対象)を補助的に撮像するカメラとして使用するようになっている。
【0014】
遊技機10は、後述のホールコンピュータ20が生成する撮像要求情報の元になる所定の遊技信号をホールコンピュータ20に出力する(図2参照)。
例えば、遊技機10は、遊技機10の大当たり状態を示す大当り信号、遊技機10の前面を覆う扉の開放を示すドア開信号、遊技媒体の出入り数を示す払出(セーフ)信号及び投入(アウト)信号、ゲームの始動回数を示すスタート信号、また、遊技機10毎に併設された遊技媒体貸出装置からは遊技媒体の貸出数を示す売上げ信号などを、ホールコンピュータ20に出力する。
【0015】
呼出ランプ11は、遊技機10毎に設けられ、遊技者の操作によって点灯するランプを備え、この操作にもとづいて店員等を呼び出す店員呼出信号をホールコンピュータ20に出力する店員呼出装置であり、本実施形態では、さらに、リモコン30から赤外線送信される立ち会い情報を受信する赤外線受信部を備えるとともに、この立ち会い情報をホールコンピュータ20に送信するように構成されている(図2参照)。
【0016】
ホールコンピュータ20は、パーソナルコンピュータやワークステーション等からなる本発明に係る情報処理装置であり、遊技場の全遊技機10から入力される遊技信号を収集するとともに、これらの遊技信号から、所定の営業データ(セーフ玉数,アウト玉数,大当たり回数、ベース、売上げ等)を演算して、各遊技機10で発生する異常等の事象を検出,監視するようになっている。
例えば、ホールコンピュータ20は、アウト玉数に占めるセーフ玉数の割合を示すベースを算出し、大当り状態でないにもかかわらず、このベースが所定の値を超えたときにベース異常を検出する。
【0017】
また、ホールコンピュータ20は、検出した異常等の事象を、店員の携行するインカムやリモコン30等の無線端末装置に送信する。
例えば、呼出ランプ11から店員呼出信号を受信したり、遊技機10から大当り信号とドア開信号を受信したり、さらには、ベース異常を検出すると、インカムに、これらの発生事象と該当する遊技機の番号を送信する。これにより、店員は、信号の発信元となる遊技機10に急行して、ドアの不正な開放や、不正な玉詰まりを要因とするベース異常などの不正行為の有無を確認するとともに、遊技機で発生した事象を修復する処理を遂行することができる。
【0018】
また、ホールコンピュータ20は、遊技機からの遊技信号に基づいて検出した異常等の事象、すなわち、撮像の要因となる種別を特定可能な撮像要求情報と、呼出ランプ11が受信したリモコン30からの立ち会い情報とを、監視管理装置70に送信する。
例えば、図3(c)に示すように、ホールコンピュータ20は、撮像の要因となる、大当り信号、ドア開信号、ベース異常を受信及び検出すると、これらに一対一対応するとともに当該事象の発生した遊技機を特定可能な遊技機番号を付した撮像要求情報1〜3(1〜3が要因種別情報を示す)を生成し、監視管理装置70に送信する。
【0019】
なお、撮像要求情報1〜3の種別は、そのまま撮像の重要度を示す優先順位に対応させてある。例えば、本実施形態では、ドア開は遊技機の前面を覆う扉が開放され不正行為の可能性が最も高い状態なので、ドア開に対応する撮像要求情報1の撮像優先順位を最も高く設定し、次に不正行為の可能性の高いベース異常に対応する撮像要求情報2を、撮像要求情報1に次ぐ優先順位の高い撮像要求情報に設定してある。このように撮像要求情報と撮像優先順位とを対応付けることにより、ホールコンピュータ20が同時期に複数の撮像要求情報を監視管理装置70に送信したときに、監視管理装置70がこの撮像優先順位に従って、監視カメラ40に撮像させる撮像対象を取捨選択することができる。
また、ホールコンピュータ20は、呼出ランプ11から立ち会い情報を受信すると、この立ち会い情報に、この情報を出力した呼出ランプ11に対応する遊技機を特定可能な遊技機番号を付して、監視管理装置70に送信する。
【0020】
リモコン30は、呼出ランプ11と赤外線通信を行う店員の携行する端末装置であり、呼出ランプ11の赤外線受信部に向けて赤外線信号を送信する赤外線送信部を備え、店員による所定の操作によって立ち会い情報を生成するとともに送信する、情報生成装置として動作する。すなわち、リモコン30は、店員が呼出ランプ11に向けて所定の操作することで、自分の立ち会い中の遊技機10を、呼出ランプ11及びホールコンピュータ20を介して監視管理装置70に伝送することができるようになっている。
また、リモコン30は、ホールコンピュータ20が検出した異常等をホールコンピュータ20から無線通信により受信する無線受信部も備えている。
【0021】
カメラコントローラ50は、監視カメラ40を制御する制御装置であって、監視カメラ40毎に設定された撮像対象(遊技機10)毎の撮像条件(パン角,チルト角,ズーム倍率)を所定の記録部(ハードディスク等)に記憶するとともに、監視管理装置70から撮像対象指定情報(撮像させる監視カメラ40を指定するカメラ番号と遊技機番号からなる情報)を受信すると(図2参照)、カメラ番号で指定された監視カメラ40に遊技機番号で指定された遊技機10を、その遊技機10に対応する撮像条件(パン角,チルト角,ズーム倍率)で撮像させる。
【0022】
録画再生装置60は、監視カメラ40で撮像した撮像データを録画再生可能なビデオレコーダーであり、本発明の撮像データ記憶装置及び撮像データ再生装置として動作するようになっている。
録画再生装置60は、監視管理装置70から送信される録画再生指示(コントロール信号)に従い、監視カメラ40で撮像した撮像データの録画再生を行う。
具体的には、録画再生装置60は、図4(a)に示すように、通信部61と、ハードディスクからなる記憶部62と、コンピュータからなる制御部63とを備えている。
通信部61は、録画再生指示を示す監視管理装置70からのコントロール信号、監視カメラ40からのビデオ信号、監視管理装置70へのビデオ信号を送受する。
記憶部62は、各監視カメラ40で撮像した撮像データ62aと、撮像データ62aの撮像状況を示す撮像情報62bと、再生時に実行される録画再生処理に係るプログラムとデータを記憶する。
【0023】
撮像データ62aは、各監視カメラ40で撮像された、撮像要求情報に係る遊技機10及びその周辺の映像データであり、撮像順に「撮像データ番号」が付され、撮像情報62bと紐付けされている。
【0024】
撮像情報62bは、撮像データ62aの撮像状況を記録したデータであり、例えば、図4(b)に示すように、撮像データ62aと紐付けされた「撮像データ番号」、その撮像データ62aを撮像した日付及び時刻を示す「時刻」、撮像した遊技機10を示す「撮像対象」、その撮像に係る撮像要求情報の種別(要因種別情報)を示す「撮像要求情報」、撮像中においてその遊技機10の店員の立ち会いの有無を示す「店員立ち合い」、撮像データ62aを撮像した監視カメラ40を特定可能なカメラ番号を示す「監視カメラ」などの項目に区分されている。
【0025】
録画再生処理に係るプログラムとデータは、監視管理装置70から再生指示に係るコントロール信号を受信すると実行される、撮像情報62bにもとづいて店員の立ち会いなしの撮像データ62aを優先的に選別し、この選別した撮像データ62aを再生する処理に係るプログラムとデータである。また、この録画再生処理では、選別した店員の立ち会いなしの撮像データ62aを、図3(c)に示す、撮像優先順位の高い順(撮像要求情報の種別における数字の小さい方が優先順位が高い)にソートし、この順番で再生するようになっている。
【0026】
また、録画再生装置60は、通信部61を介して、監視管理装置70から録画指示に係るコントロール信号を受信すると、そのとき監視管理装置70で撮像対象が指示された状態(アクティブ状態)となっている監視カメラ40の撮像データ(ビデオ信号)を録画するとともに、録画指示に係るコントロール信号に包含して送信される上記の撮像情報62bを撮像データ62aと紐付けして記憶する。
また、録画再生装置60は、通信部61を介して、監視管理装置70から再生指示に係るコントロール信号を受信すると、このコントロール信号に包含して送信される撮像データ62aを特定可能な情報(例えば、一遊技機の一営業日(撮像日)における撮像データ群を特定可能な、「時刻」と「撮像対象」などの情報)から特定される撮像データ62aを、上記の録画再生処理で選別及びソートされた順番で再生する(後述)。
【0027】
監視管理装置70は、パーソナルコンピュータやワークステーション等の情報処理装置である。
監視管理装置70は、図5に示すように、液晶TVなどの表示手段からなるモニタ70a、通信部71、入力部72、記憶部73、コンピュータからなる制御部74を備え、本発明の撮像対象指定装置として動作するようになっている。
通信部71は、情報入出力手段であり、複数の遊技機10−1〜20を個別に特定可能な前述の撮像要求情報と、店員の入力操作によって生成される店員の立ち会いのある遊技機を示す立ち会い情報とを、ホールコンピュータ20から受信するとともに、この撮像要求情報から特定される遊技機10を撮像するように、カメラコントローラ50に撮像対象指定情報(撮像させる監視カメラ40を指定するカメラ番号と遊技機番号からなる情報)を送信する。また、通信部71は、録画再生装置60に録画と再生指示に係るコンロトール信号を送信するとともに、再生時には録画再生装置60から撮像データ(ビデオ信号)を受信する。
録画指示に係るコントロール信号には、上述の撮像情報62bが含まれ、これにより、録画再生装置60は、撮像データ62aと撮像情報62bとを紐付けして記憶する。
【0028】
入力部72は、キーボードやマウス等からなり、サブカメラの使用可/使用不可の切り換え設定や、遊技機10が複数特定される複数の撮像要求情報が同時期に入力されたときに、各監視カメラ40に撮像させる遊技機10の優先順位の設定(後述の撮像対象指定基準)等を入力することができる。
記憶部73は、ハードディスク等の記憶手段で構成され、撮像要求情報と立ち会い情報とにもとづいて、複数の遊技機10のうちで各監視カメラ40に撮像させる遊技機10を指定する撮像対象指定処理等の制御プログラム及びデータを記憶する。
制御部74は、撮像対象指定処理に係る制御プログラム及びデータを実行することにより撮像対象指定手段として動作する。以下、制御部74の撮像対象指定手段としての動作について説明する。
【0029】
制御部74は、ホールコンピュータ20から通信部71を介して遊技機10を個別に特定可能な遊技機番号の付された撮像要求情報が入力されると、その番号の遊技機10を受け持つメインカメラを抽出し、抽出されたメインカメラを特定可能なカメラ番号と撮像対象となる遊技機番号とを付した撮像対象指定情報をカメラコントローラ50に出力する。すなわち、制御部74は、撮像要求情報にもとづいて、複数の遊技機10のうちでメインカメラ(第一の撮像手段)に撮像させる遊技機を指定する。
これにより、カメラコントローラ50は、抽出されたメインカメラを制御して、遊技機番号に該当する遊技機10を撮像させる。
これが制御部74の撮像対象指定手段としての基本動作であり、撮像要求情報が同時期に重複して入力されない限り、この基本動作を実行するようになっている。
【0030】
また、制御部74は、入力部72における入力操作にもとづいて、撮像領域A,Bを、それぞれに対応するメインカメラでのみ撮像させるメインモードと、メインカメラの撮像中をサブカメラ(第二の撮像手段)が補完して撮像する補助モードとの切り換えを行う。
具体的には、メインモードとは、撮像領域A,Bを、それぞれを受け持つメインカメラでのみ撮像させるモードで、撮像領域Aに属する遊技機10(1〜5,11〜15)は、この撮像領域Aに近接するメインカメラである監視カメラ40aにのみ撮像を行わせ、撮像領域Bに属する遊技機10(6〜10,16〜20)は、この撮像領域Bに近接するメインカメラである監視カメラ40bにのみ撮像を行わせ、サブカメラを使用しないモードである。
補助モードとは、撮像領域A,Bを、メインカメラを主体的に用いて撮像させつつ、メインカメラの撮像中に新たな撮像要求情報が重複して入力されたときは、サブカメラに新たな撮像要求情報に係る遊技機10を撮像させるモードで、例えば、撮像領域Aに属する遊技機10(1〜5,11〜15)は、原則的に監視カメラ40aに撮像させ、監視カメラ40aの撮像中に、新たな撮像要求情報がこの撮像領域Aに属する遊技機10から重複して入力されたときに限り、その新たな撮像要求情報に係る遊技機10を監視カメラ40bに撮像を行わせるモードである。
このようなモードの切り換えは、モニタ70aに表示される初期設定画面等で、入力部72を操作しながら切り換え設定できるようになっている。
【0031】
また、制御部74は、同時期に複数の遊技機10を特定可能な複数の撮像要求情報が入力されると、その撮像要求情報に係る遊技機10からの立ち合い情報の有無を参照し、立ち合い情報のない撮像要求情報に係る遊技機10を優先的に撮像対象に指定する処理を実行する。
例えば、制御部74は、サブカメラの使用不可能なメインモードにおいて、一の撮像領域の撮像対象から二つの撮像要求情報が全く同一のタイミングで入力されると、立ち合い情報のない撮像要求情報に係る遊技機10を撮像対象に指定し、この指定にもとづく撮像対象指定情報をカメラコントローラ50に出力する。これにより、メインカメラにより、店員の立ち合いのない遊技機10の撮像が開始される。
この場合、二つの撮像要求情報に係る遊技機10の全てにおいて、立ち合い情報のないとき又は立ち合い情報のあるときは、前述の撮像優先順位の高い撮像要求情報に係る遊技機10を撮像対象に指定し、この指定にもとづく撮像対象指定情報をカメラコントローラ50に出力する。これにより、メインカメラにより、撮像優先順位の高い撮像要求情報に係る遊技機10の撮像が開始される。
【0032】
また、制御部74は、サブカメラの使用不可能なメインモードにおいて、一の撮像領域の撮像対象から二つの撮像要求情報が前後して入力されると、図6(a)に示す撮像対象指定基準にもとづいて、メインカメラの撮像対象を指定する。
具体的には、一の撮像領域の撮像対象から二つの撮像要求情報が前後して入力されると、先の入力に係る遊技機mを撮像対象に指定することで、メインカメラは先の入力に係る遊技機mの撮像中となるものの、制御部74は、撮像中の遊技機mの立ち合い情報の有無と、後の入力に係る新たな撮像要求情報に係る遊技機nの立ち合い情報の有無を、図6(a)に示す撮像対象指定基準と照合し、メインカメラの撮像対象を新たに指定する。
【0033】
例えば、制御部74は、遊技機mに立ち合い情報がなく、遊技機nに立ち合い情報があるときは(図6(a)中の右上の欄)、メインカメラの撮像対象を遊技機nに指定することなく、遊技機mに指定する。すなわち、メインカメラに遊技機mの撮像を継続させる。
また、遊技機mに立ち合い情報があり、遊技機nに立ち合い情報がないときには(図6(a)中の左下の欄)、メインカメラの撮像対象に遊技機nを新たに指定し、この指定にもとづく撮像対象指定情報をカメラコントローラ50に送信する。その結果、メインカメラは、撮像中の遊技機mであって、店員の立ち合いのある遊技機mの撮像を止め、店員の立ち合いのない遊技機nの撮像を開始することになる。
このように、店員の立ち合いのない遊技機10の撮像を優先することで、店員による監視と監視カメラ40による監視が重なる二重監視が解消され、監視効率を向上させることができる。
【0034】
また、制御部74は、遊技機mと遊技機nに立ち合い情報がないとき(図6(a)中の右下の欄)、又は、遊技機mと遊技機nに立ち合い情報があるときは(図6(a)中の左上の欄)、前述の撮像優先順位の高い撮像要求情報に係る遊技機10(遊技機m又は遊技機nのいずれか)を撮像対象に指定し、この指定にもとづく撮像対象指定情報をカメラコントローラ50に送信する。これにより、メインカメラにより、撮像優先順位の高い撮像要求情報に係る遊技機10の撮像が開始される。
これにより、不正行為が行われている可能性の高低に応じて遊技機10を監視することができる。
なお、この場合において、撮像優先順位にかかわらず、メインカメラに遊技機mの撮像を継続させることもできる。
【0035】
また、制御部74は、サブカメラの使用可能な補助モードにおいて、一の撮像領域の撮像対象から二つの撮像要求情報が全く同一のタイミングで入力されると、立ち合い情報のない撮像要求情報に係る遊技機10をメインカメラの撮像対象に指定し、立ち合い情報のある撮像要求情報に係る遊技機10をサブカメラの撮像対象に指定し、この指定にもとづく撮像対象指定情報をカメラコントローラ50に出力する。その結果、店員の立ち合いのない遊技機10は、近接して設置されたメインカメラにより撮像されるとともに、店員の立ち合いのある遊技機10は、離間して設置されたサブカメラにより撮像されることになり、店員の立ち合いのない遊技機10をより近くの監視カメラ40で監視しつつ、店員の立ち合いのある遊技機10も見逃すことなく監視することができる。
この場合、二つの撮像要求情報に係る遊技機10の全てにおいて、立ち合い情報のないとき又は立ち合い情報のあるときは、前述の撮像優先順位の最も高い撮像要求情報に係る遊技機10をメインカメラの撮像対象に指定し、これより低い撮像優先順位の撮像要求情報に係る遊技機10をサブカメラの撮像対象に指定する。その結果、撮像優先順位の高い撮像要求情報に係る遊技機10は、近接して設置されたメインカメラにより撮像され、撮像優先順位の低い撮像要求情報に係る遊技機10は、サブカメラにより撮像され、不正行為が行われている可能性の高低に応じて、高い方をメインカメラ、低い方をサブカメラと使い分けて、遊技機10を効率的に監視することができる。
【0036】
また、制御部74は、サブカメラの使用可能な補助モードにおいて、一の撮像領域の撮像対象から二つの撮像要求情報が前後して入力されると、図6(b)に示す撮像対象指定基準にもとづいて、メインカメラとサブカメラのそれぞれの撮像対象を指定する。
具体的には、一の撮像領域の撮像対象から二つの撮像要求情報が前後して入力されると、先の入力に係る遊技機mを撮像対象に指定することで、メインカメラは先の入力に係る遊技機mの撮像中となるものの、制御部74は、撮像中の遊技機mの立ち合い情報の有無と、後の入力に係る新たな撮像要求情報に係る遊技機nの立ち合い情報の有無を、図6(b)に示す撮像対象指定基準と照合し、メインカメラとサブカメラそれぞれの撮像対象を新たに指定する。
【0037】
例えば、制御部74は、遊技機mに立ち合い情報がなく、遊技機nに立ち合い情報があるときは(図6(b)中の右上の欄)、メインカメラの撮像対象を遊技機mに指定するとともに、サブカメラの撮像対象を遊技機nに指定する。すなわち、メインカメラに遊技機mの撮像を継続させつつ、サブカメラに遊技機nを撮像させる。
また、遊技機mに立ち合い情報があり、遊技機nに立ち合い情報がないときには(図6(b)中の左下の欄)、立ち合い情報のない遊技機nをメインカメラの撮像対象に指定するとともに、立ち合い情報のある遊技機mをサブカメラの撮像対象に指定し、この指定にもとづく撮像対象指定情報をカメラコントローラ50に出力する。その結果、メインカメラは、撮像中の遊技機m、すなわち、店員の立ち合いのある遊技機mの撮像を止め、店員の立ち合いのない遊技機nの撮像を開始する一方、サブカメラは、メインカメラが撮像していた遊技機m、すなわち、店員の立ち合いのある遊技機mの撮像を開始することになる。
このように、メインカメラに店員の立ち合いのない遊技機10の撮像を優先させることで、店員の立ち合いのない遊技機10をより近くの監視カメラ40で監視しつつ、店員の立ち合いのある遊技機10も見逃すことなく監視することができる。
また、メインカメラに店員の立ち会いのない遊技機10を撮像させることにより、メインカメラは遊技機10の正面に近い角度から撮像することができることから、不正があった場合には不正が確認しやすい映像が撮れる。
【0038】
また、制御部74は、遊技機mと遊技機nに立ち合い情報がないとき(図6(b)中の右下の欄)、又は、遊技機mと遊技機nに立ち合い情報があるときは(図6(b)中の左上の欄)、メインカメラの撮像対象を遊技機mに指定するとともに、サブカメラの撮像対象を遊技機nに指定する。すなわち、メインカメラに遊技機mの撮像を継続させつつ、サブカメラに遊技機nを撮像させる。
なお、この場合において、前述の撮像優先順位の高い撮像要求情報に係る遊技機10をメインカメラの撮像対象に指定するとともに、これより撮像優先順位の低い撮像要求情報に係る遊技機10をサブカメラの撮像対象に指定し、この指定にもとづく撮像対象指定情報をカメラコントローラ50に出力することもできる。これにより、撮像優先順位の高い撮像要求情報に係る遊技機10を常にメインカメラにより撮像させることもできる。
【0039】
以上のような撮像対象指定処理は、以下に示すフローチャートにもとづいて実行される。図7は、サブカメラの使用不可能なメインモードにおいて実行される撮像対象指定処理のフローチャートで、図8は、サブカメラの使用可能な補助モードにおいて実行される撮像対象指定処理フローチャートである。
図7に示すように、メインモードにおいて、制御部74は、常時、撮像要求情報の受信待ちを行い(S10−No)、発信元を遊技機nとする撮像要求情報を受信すると(S10−Yes)、以下の撮像対象指定処理を実行する。
まず、制御部74は、撮像要求情報に係る遊技機nを受け持つメインカメラを抽出し(S11)、そのメインカメラが他の遊技機mを撮像中か否かの判定を行う(S12)。
メインカメラが他の遊技機mの撮像中でないときは(S12−No)、遊技機nをメインカメラの撮像対象に指定する(S13)。その結果、制御部74は、この指定にもとづいて撮像対象指定情報を生成し、この撮像対象指定情報をカメラコントローラ50に送信する。これにより、メインカメラが遊技機nの撮像を開始することになる。
一方、メインカメラが他の遊技機mの撮像中であるときは(S12−Yes)、さらに、この撮像中の遊技機mにおける店員の立ち会いの有無(立ち会い情報の有無)と(S14)、撮像要求情報に係る遊技機nにおける店員の立ち会いの有無(立ち会い情報の有無)とを(S15、S16)、判定する(前述の撮像対象指定基準との照合)。
【0040】
そして、遊技機mに立ち会いがあり(S14−Yes)、遊技機nに立ち会いがないときには(S15−No)、遊技機nをメインカメラの撮像対象に指定する(S19)。その結果、制御部74は、この指定にもとづいて、撮像対象指定情報を生成し、この撮像対象指定情報をカメラコントローラ50に送信する。これにより、メインカメラは、遊技機mの撮像を止めて、遊技機nの撮像を開始することになる。
また、遊技機mに立ち会いがなく(S14−No)、遊技機nに立ち会いがあるときには(S16−Yes)、メインカメラの撮像対象を遊技機mに継続指定する(S18)。その結果、メインカメラは遊技機mの撮像を継続する。
このように、店員の立ち会いのない遊技機10を常に撮像対象に指定することで、店員の監視できない状況を補完し、監視効率を高めることができる。
【0041】
一方、遊技機mに立ち会いがあり(S14−Yes)、遊技機nにも立ち会いがあるとき(S15−Yes)、又は、遊技機mに立ち会いがなく(S14−No)、遊技機nにも立ち会いがないときは(S16−No)、撮像優先順位の高い撮像要求情報に係る遊技機10を撮像対象に指定し(S17)、この指定にもとづく撮像対象指定情報をカメラコントローラ50に送信する。これにより、メインカメラにより、撮像優先順位の高い撮像要求情報に係る遊技機10の撮像が開始される。
これにより、不正行為が行われている可能性の高低に応じて、高い方をメインカメラに監視させることができる。
【0042】
次に、補助モードでは、図8に示すように、制御部74は、常時、撮像要求情報の受信待ちを行い(S20−No)、発信元を遊技機nとする撮像要求情報を受信すると(S20−Yes)、以下の撮像対象指定処理を実行する。
まず、制御部74は、撮像要求情報に係る遊技機nを受け持つメインカメラを抽出し(S21)、そのメインカメラが他の遊技機mを撮像中か否かの判定を行う(S22)。
メインカメラが他の遊技機mの撮像中でないときは(S22−No)、遊技機nをメインカメラの撮像対象に指定する(S23)。その結果、制御部74は、この指定にもとづいて撮像対象指定情報を生成し、この撮像対象指定情報をカメラコントローラ50に送信する。これにより、メインカメラが遊技機nの撮像を開始することになる。
一方、メインカメラが他の遊技機mの撮像中であるときは(S22−Yes)、さらに、この撮像中の遊技機mにおける店員の立ち会いの有無(立ち会い情報の有無)と(S24)、撮像要求情報に係る遊技機nにおける店員の立ち会いの有無(立ち会い情報の有無)とを(S25)、判定する(前述の撮像対象指定基準との照合)。
【0043】
そして、遊技機mに立ち会いがあり(S24−Yes)、遊技機nに立ち会いがないときには(S25−No)、遊技機nをメインカメラの撮像対象に指定するとともに(S28)、遊技機mをサブカメラの撮像対象に指定する(S29)。その結果、制御部74は、この指定にもとづいて撮像対象指定情報を生成し、この撮像対象指定情報をカメラコントローラ50に送信する。これにより、メインカメラは、遊技機mの撮像を止めて、遊技機nの撮像を開始するとともに、サブカメラは、遊技機mの撮像を開始することになる。このように、メインカメラに店員の立ち合いのない遊技機10の撮像を優先させることで、店員の立ち合いのない遊技機10をより近くの監視カメラ40で監視しつつ、店員の立ち合いのある遊技機10も見逃すことなく監視することができる。
また、メインカメラに店員の立ち会いのない遊技機10を撮像させることにより、メインカメラは遊技機10の正面に近い角度から撮像することができることから、不正があった場合には不正が確認しやすい映像が撮れる。
【0044】
また、遊技機mに立ち会いがないとき(S24−No)、又は、遊技機mに立ち会いがあり(S24−Yes)、遊技機nにも立ち会いがあるときは(S25−Yes)、遊技機nをサブカメラの撮像対象に指定するとともに(S26)、メインカメラの撮像対象を遊技機mに継続指定する(S27)。その結果、サブカメラは遊技機nの撮像を開始し、メインカメラは遊技機mの撮像を継続する。
このように、店員の立ち会いのない遊技機10を常にメインカメラの撮像対象に指定しながら、店員の立ち会いのある遊技機10をサブカメラの撮像対象に指定することで、店員の立ち合いのない遊技機10をより近くの監視カメラ40で監視しつつ、店員の立ち合いのある遊技機10も見逃すことなく監視することができる。
【0045】
また、制御部74は、上記の撮像対象指定処理において、撮像対象の指定に伴い撮像情報62bを生成する。例えば、指定順のシリアル番号を「撮像データ番号」の欄に設定し、指定した日付及び時間を「時刻」の欄に設定し、撮像対象に指定した遊技機10を「撮像対象」の欄に設定し、受信した撮像要求情報の種別を「撮像要求情報」の欄に設定し、撮像させる監視カメラのカメラ番号を「監視カメラ」の欄に設定する。
また、この撮像情報62bの生成時において、撮像対象として指定した遊技機10から立ち会い情報が送信されたときには、この撮像情報62bの「店員立ち会い」の欄に店員の立ち会いありを設定する立ち会いマーク付加処理を実行する。この立ち会いマーク付加処理は、図9に示すフローチャートにもとづいて実行される。
【0046】
具体的には、図9に示すように、まず、制御部74は、常時、撮像要求情報の受信待ちを行い(S40−No)、撮像要求情報を受信すると(S40−Yes)、上記の撮像対象指定処理における撮像対象の指定の有無の判定を行う(S41)。
そして、撮像対象の指定がないとき、例えば、メインモードにおいて、既にメインカメラが店員の立ち会いのない遊技機を撮像中で、新たな撮像対象の指定ができないようなときは(S41−No)、処理を終了する。
一方、撮像対象の指定を行ったとき、すなわち、撮像対象指定情報をカメラコントローラ50に送信し、該当する監視カメラ40に撮像対象の撮像を開始させたときには、同時に、録画再生装置60に録画指示に係るコントロール信号を送信する。これにより、録画再生装置60は、撮像を開始している監視カメラ40からのビデオ信号にもとづいて撮像データ62aの録画を開始する。
この録画指示に係るコントロール信号を送信する場合において、制御部74は、撮像対象として指定した遊技機10の立ち会い情報の有無を判定し(S42)、指定した遊技機に立ち会い情報があるときは(S42−Yes)、撮像情報62bの「店員立ち会い」の項目に、立ち会いありを示す「星マーク」を付加し(S43)、指定した遊技機に立ち会い情報がないときは(S42−No)、立ち会いなしを示すように何も付加することなく処理を終了する。
この撮像情報62bは、録画指示に係るコントロール信号に付加されて録画再生装置60に送信され、録画再生装置60の記憶部62に、録画中の撮像データ62aと紐付けされて記憶される。
【0047】
このようにして撮像データ62aと紐付けされた撮像情報62bは、監視管理装置70が録画再生装置60に要求することで、録画再生装置60から監視管理装置70に送信され、監視管理装置70のモニタ70aに、図4(b)に示すような表形式で、表示させることができる。
そして、モニタ70a上で、この撮像情報62bを確認しながら、入力部72を操作することで、例えば、「時刻」や「撮像対象」の項目において、所定の日付と遊技機を選択することで、選択した日付に対応する遊技機を撮像した一群の撮像データ62aを、モニタ70a上に再生させることができる。
このとき、制御部74は、日付と遊技機とを特定可能な再生指示に係るコントロール信号を録画再生装置60に送信する。これを受信した録画再生装置60は、該当する日付に対応する遊技機を撮像した一群の撮像データ62aのうちで、撮像情報62bの「店員立ち会い」の項目における、立ち会いなしを示す撮像データ62aを優先的に再生するようになっている。
このような撮像データ62aの再生処理は、録画再生装置60の記憶部62に記憶された録画再生処理に係るプログラムにもとづいて実行される。以下に、この録画再生処理に係るフローチャートについて、図10を参照して説明する。
【0048】
録画再生装置60は、再生指示に係るコントロール信号の受信待ちを行い(S50−No)、例えば、日付と遊技機とを特定可能なコントロール信号を受信すると(S50−Yes)、該当する日付及び遊技機の撮像データ62aと紐付けされた撮像情報62bを参照し、この撮像情報62bにおいて「店員立ち会い」の項目に立ち会いなしの撮像データ62aを優先的に選別する(S51)。
さらに、選別した撮像データ62aが複数あるときには、「撮像要求情報」の項目における撮像要求情報の番号(要因種別情報)が小さい順に、選別した撮像データ62aをソート(並べる)する(S52)。すなわち、このソートにより、選別した撮像データ62aが撮像優先順位の高い順に並べられることになる。
そして、録画再生装置60は、この撮像優先順位の高い順に撮像データ62aを再生し(S54)、これをソートした撮像データ62aの再生が全て終了するまで繰り返し実行する(S55−No)。つまり、録画再生装置60は、立ち会いのなく撮像優先順位の高いビデオ信号を監視管理装置70に送信することで、モニタ70aにおいて、店員の立ち会いのない、しかも、撮像優先順位の高い再生画像を優先的に確認することができる。これにより、店員の立ち会いのない撮像データを見逃すことなく、不正行為の可能性が低い店員の立ち会いのある撮像データの確認を後回しにでき、確認作業を大幅に短縮することができる。
【0049】
以上説明したように、本実施形態の遊技場監視システム1によれば、監視カメラ40に対して店員の立ち会いのない遊技機10の撮像を優先させることで、遊技場の監視体制に適応させた効率的な監視を実現することができる。
【0050】
以上、遊技場監視システムの好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技場監視システムは上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、サブカメラ(第二の撮像手段)を一台としたが、複数台設けることもできる。この場合には、撮像要求情報に係る遊技機と、サブカメラの設置されている距離に応じてサブカメラを選定する。具体的には、立ち会い情報のない撮像優先順位の異なる複数(例えば、三つ)の撮像要求情報が同時期に入力されたときには、最も撮像優先順位の高い撮像要求情報に係る遊技機をメインカメラで撮像し、次に撮像優先順位の高い撮像要求情報に係る遊技機を、この遊技機の最も近くに設置されているサブカメラで撮像し、最も撮像優先順位の低い撮像要求情報に係る遊技機を、この遊技機の最も近くに設置されているサブカメラで撮像するように設定することができる。
【0051】
また、本実施形態では、撮像対象指定装置(監視管理装置70)と撮像データ再生装置(録画再生装置60)とをそれぞれ個別に設けたが、一体の装置として構成(例えば、監視管理装置70に録画再生装置60の機能を搭載する。)することもできる。
また、本実施形態では、撮像要求情報と立ち会い情報とをホールコンピュータ20を介して、撮像対象指定装置(監視管理装置70)に入力したが、遊技機10(呼出ランプ11)から直接入力させることもできる。
【0052】
また、立ち会い情報は、リモコン30から、呼出ランプ11を介して、撮像対象指定装置(監視管理装置70)に入力したが、呼出ランプ11やホールコンピュータ20に立ち会い情報を生成する操作ボタン等を設け、店員がこの操作ボタン等を操作することで、呼出ランプ11やホールコンピュータ20から立ち会い情報を出力することもできる。この場合には、呼出ランプ11、ホールコンピュータ20が情報生成装置となる。
また、リモコン30と撮像対象指定装置(監視管理装置70)とを無線通信可能に構成し、リモコン30からの立ち会い情報を、無線通信によって、直接、撮像対象指定装置(監視管理装置70)に入力させることもできる。
また、本実施形態では、遊技機を撮像要求情報の発信元としたが、遊技媒体の貸出装置(例えば、玉貸し装置)、遊技媒体を計数する計数装置などの遊技場に設置されている様々な遊技装置を撮像要求情報の発信元とし、監視カメラにこの遊技装置及びその周辺を撮像させることもできる。すなわち、本発明に係る遊技機を遊技装置と言い換えることもできる。
【0053】
また、本実施形態では、監視管理装置70とホールコンピュータ20とを別体に設けたが、ホールコンピュータ20が撮像対象指定装置としての機能を備えることで、これらを一体にすることもできる。
また、本実施形態では、ホールコンピュータ20を本発明に係る情報処理装置としたが、一又は複数台の遊技機10からの遊技信号が入力される台コンピュータと通信可能に接続され、遊技機島毎に設けられる島コンピュータを情報処理装置として動作させることもできる。
また、本実施形態では、監視カメラ40を、隣接する遊技機島の間の通路(いわゆる「川」)の両側に設置したが、監視カメラ40の設置場所はこれに限定されるものではなく、遊技機10を撮像可能な場所であればいずれの場所でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、遊技場の監視システムにおいて、監視カメラに撮像対象を指定する装置として広く利用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 遊技場監視システム
2 遊技場
10 遊技機
11 呼出ランプ
20 ホールコンピュータ(情報処理装置)
30 リモコン
40 監視カメラ40a(第一撮像手段),監視カメラ40b(第二撮像手段)
50 カメラコントローラ
60 録画再生装置(撮像データ記憶装置、撮像データ再生装置)
70 監視管理装置(撮像対象指定装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場に設置される遊技機を撮像する撮像手段を備える遊技場監視システムであって、
複数の遊技機を個別に撮像可能に設置された第一の撮像手段に撮像させる遊技機を指定する撮像対象指定装置と、
前記複数の遊技機から入力される所定の遊技信号にもとづいて各遊技機を個別に特定可能な撮像要求情報を生成するとともに、所定の入力操作によって生成される店員の立ち会いのある遊技機を示す立ち会い情報が入力される情報処理装置と、を備え、
前記撮像対象指定装置は、
前記情報処理装置から入力される前記撮像要求情報と前記立ち会い情報とにもとづいて、前記複数の遊技機のうちで前記第一の撮像手段に撮像させる遊技機を指定する
ことを特徴とする遊技場監視システム。
【請求項2】
前記撮像対象指定装置は、
遊技機が複数特定される複数の前記撮像要求情報が同時期に入力されたときに、前記特定された複数の遊技機のうちで前記立ち会い情報のない遊技機を、前記第一の撮像手段に撮像させる遊技機に指定する請求項1記載の遊技場監視システム。
【請求項3】
前記撮像対象指定装置は、
前記第一の撮像手段が前記立ち会い情報のある前記撮像要求情報に係る遊技機を撮像中において、この撮像中の遊技機以外の遊技機が特定される前記立ち会い情報のない前記撮像要求情報が入力されたときは、この入力に係る遊技機を、前記第一の撮像手段に撮像させる遊技機に指定する請求項1又は2記載の遊技場監視システム。
【請求項4】
前記撮像対象指定装置は、
前記第一の撮像手段が前記立ち会い情報のない前記撮像要求情報に係る遊技機を撮像中において、この撮像中の遊技機以外の遊技機が特定される前記立ち会い情報のある前記撮像要求情報が入力されたときは、この入力に係る遊技機を、前記第一の撮像手段に撮像させる遊技機に指定しない請求項1〜3のいずれか一項に記載の遊技場監視システム。
【請求項5】
前記第一の撮像手段が撮像する前記複数の遊技機を重複して撮像可能であり、第一の撮像手段より前記複数の遊技機に対して離間して設置される第二の撮像手段を備える前記遊技場監視システムにおいて、
前記撮像対象指定装置は、
前記撮像要求情報と前記立ち会い情報とにもとづいて、前記複数の遊技機のうちで前記第一の撮像手段に撮像させる遊技機と第二の撮像手段に撮像させる遊技機をそれぞれ指定し、
前記第一の撮像手段が前記立ち会い情報のある前記撮像要求情報に係る遊技機を撮像中において、この撮像中の遊技機以外の遊技機が特定される前記立ち会い情報のない前記撮像要求情報が入力されたときは、この入力に係る遊技機を、前記第一の撮像手段に撮像させる遊技機に指定するとともに、
前記第一の撮像手段が撮像中の遊技機を、第二の撮像手段に撮像させる遊技機に指定する請求項1〜4のいずれか一項に記載の遊技場監視システム。
【請求項6】
前記撮像対象指定装置は、
前記第一の撮像手段が前記立ち会い情報のない前記撮像要求情報に係る遊技機を撮像中において、この撮像中の遊技機以外の遊技機が特定される前記立ち会い情報のある前記撮像要求情報が入力されたときは、この入力に係る遊技機を、前記第二の撮像手段に撮像させる遊技機に指定するとともに、
第一の撮像手段が撮像中の遊技機を、第一の撮像手段に撮像させる遊技機に指定する請求項5記載の遊技場監視システム。
【請求項7】
前記撮像対象指定装置の指定にもとづいて撮像された遊技機の撮像データ、撮像した遊技機における前記立ち会い情報の有無及び前記撮像要求情報に包含される撮像要求に係る撮像要因の種別を特定可能な要因種別情報をそれぞれ紐付けして記憶する撮像データ記憶装置と、
前記撮像データ記憶装置に記憶された遊技機の撮像データを再生する撮像データ再生装置と、を備え、
撮像データ再生装置は、
前記立ち会い情報の有無と前記要因種別情報とにもとづいて、再生する遊技機の前記撮像データを選別し、
前記立ち会い情報がなく、所定の撮像要因の種別が特定される前記要因種別情報に紐付けされた前記撮像データを優先的に再生する請求項1〜6のいずれか一項に記載の遊技場監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−29725(P2012−29725A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169538(P2010−169538)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】