説明

遊技媒体搬送装置および遊技球搬送装置

【課題】モータの故障やベルトの切断などにより搬送動作が停止した場合に、ベルトコンベア上から遊技媒体を自動的に排除して復旧作業の負担を軽減することのできる遊技媒体搬送装置を提供する。
【解決手段】センサ58によりベルトコンベア50の搬送動作を検出し、ベルトの切断やモータの故障などにより搬送動作が停止したことを検出したとき、上部タンク13の上部タンクシャッタ13aを閉鎖すると共に、伸縮ロッド63を縮退させ、上部タンク13側の回動軸61を中心に排出部25側が下降するようにベルトコンベアを傾斜させる。これによりベルトコンベア50上の遊技球が排出部25に向かって転動して強制排出される。また、故障が復旧して搬送動作が再開されたことを検出したとき、伸縮ロッド63を伸張させてベルトコンベア50を略水平な状態に戻し、上部タンクシャッタ13aを開いて遊技球を補給搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機島に収容された各遊技装置へ遊技球などの遊技媒体を搬送したり、他の遊技機島へ遊技媒体を移送したりする遊技媒体搬送装置および遊技球搬送装置に係わり、特に、略水平に設置された動力式のベルトコンベアを用いた遊技媒体搬送装置および遊技球搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機などの遊技装置を複数並設して収容する遊技機島では、遊技装置の上方に下り勾配をつけて掛け渡した補給樋を設置し、この補給樋の下り勾配を利用して上部タンクから各遊技装置へ遊技球を補給するようになっていた。このような補給方法では勾配を稼ぐ必要があるので、どうしても遊技機島の高さが高くなってしまう。特に、大型の遊技機島では、補給樋を上下二段に設けたりするので、遊技機島の高さを低くすることが難しかった。
【0003】
そこで、動力式のベルトコンベアで遊技球を水平に搬送する遊技球搬送装置が提案されている。たとえば、駆動ローラと従動ローラとの間に複数のテンションローラを配置し、駆動ローラと従動ローラとの間に掛け渡された水平搬送ベルトを複数のテンションローラの周面に沿うようにして周回させて遊技球を搬送し、水平搬送ベルトの両サイドに設けられた複数の分離器に遊技球をテンションローラの弧に沿って供給するようにした遊技球搬送装置がある(たとえば、特許文献1参照。)。
【0004】
この搬送装置では、水平搬送ベルトを支軸で揺動自在に軸支すると共に、該水平搬送ベルトの勾配角を調節する勾配調節機構を設けてあり、必要に応じて勾配を調節することで、補給スピードを高め、複数の遊技機で同時に大当りが発生したような場合にも、スムーズな遊技球の補給ができるようになされている。
【0005】
なお、ベルトコンベアによる動力式の搬送装置は、隣り合う遊技機島間で遊技球を搬送する用途にも使用される(たとえば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】特開平6−39136号公報
【特許文献2】特開平7−148334号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
水平に設置された動力式の搬送装置では、モータの故障やベルトの切断などが生じて搬送動作が停止すると、搬送路上に多数の遊技球が残存してしまい、復旧作業に負担が掛かってしまう。勾配調節機構を有する装置では、モータの故障やベルトの切断などによって搬送動作が停止した場合に、遊技場の従業員が、上部タンクのシャッタを閉じて水平搬送ベルト上への遊技球の供給を停止させ、さらに勾配調節機構を操作して水平搬送ベルトの勾配を急にすれば、水平搬送ベルト上の遊技球を排除して復旧作業を進めることが可能になる。しかしながら、従業員が水平搬送ベルトの異常に気付いて上記の操作を行なうまでの間は、稼動しない水平搬送ベルト上に遊技球が供給され続けるので、水平搬送ベルト上に多数の遊技球が溢れて復旧が遅くなるという問題があった。
【0008】
また、特許文献1に開示された装置では、モータの故障やベルトの切断などが発生すると、水平搬送ベルト上の遊技球はテンションローラの弧に沿って分離器に直ちにこぼれ落ちるので、遊技客に対して事態を説明したり他の遊技機島に誘導したりするなどの余裕がなく、営業への支障が大きくなるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、モータの故障やベルトの切断などによって搬送動作が停止した場合に、ベルトコンベア上から遊技媒体を自動的に強制排出して復旧作業の負担を軽減することのできる遊技媒体搬送装置および遊技球搬送装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係わる発明は、複数の遊技装置(2、3)を並設して収容すると共に遊技媒体を貯留する上部タンク(13)を備えた遊技機島(10)に設けられ、前記遊技機島(10)の長手方向にあるいは遊技機島(10)間にわたって設置された搬送路を備え、前記上部タンク(13)から供給された遊技媒体を前記搬送路により前記各遊技装置(2、3)あるいは他方の遊技機島(10)へ搬送する遊技媒体搬送装置(50、80)において、
前記搬送路を、略水平に配置したベルトコンベア(51a、51b)によって構成し、
前記上部タンク(13)の供給口を開閉する上部タンクシャッタ(13a)と、
前記ベルトコンベア(51a、51b)の動作状態を検出する動作状態検出手段(58)と、
前記ベルトコンベア(51a、51b)上の遊技媒体の強制排出を行なう強制排出手段(60)と、
前記動作状態検出手段(58)の検出結果に応じて、前記上部タンクシャッタ(13a)の開閉と前記強制排出手段(60)による遊技媒体の強制排出動作とを制御する制御手段(28)と
を備えた
ことを特徴とする遊技媒体搬送装置(50、80)である。
【0011】
上記発明によれば、ベルトコンベア(51a、51b)の動作状態を動作状態検出手段(58)によって検出し、その検知結果に応じて、上部タンクシャッタ(13a)の開閉と強制排出手段(60)による遊技媒体の強制排出動作とを制御する。たとえば、ベルトコンベア(51a、51b)がモータの故障やベルトの切断などにより動作しない状態となったとき、この事態をいち早く検知してベルトコンベア(51a、51b)への遊技媒体の供給を停止すると共に遊技媒体をベルトコンベア(51a、51b)上から強制的に排出する。これにより、ベルトコンベア(51a、51b)上から遊技媒体が早期に一掃され、ベルトコンベア(51a、51b)の復旧作業の負担が軽減されて復旧作業を素早く円滑に行なうことが可能になる。
【0012】
また、ベルトコンベア(51a、51b)の復旧作業が終了した場合は、ベルトコンベア(51a、51b)の作動開始を検出して遊技媒体の強制排出動作を停止させると共に上部タンク(13)からベルトコンベア(51a、51b)への遊技媒体の供給を再開させるので、ベルトコンベア(51a、51b)の稼動準備に係わる作業負担を軽減することができる。
【0013】
なお、遊技媒体としてはメダル、コインなどの円板状体やパチンコ球などの遊技球を含み、強制排出手段(60)としてはベルトコンベア(51a、51b)を傾斜させて遊技球の強制排出を行なうものや、ソレノイドなどで駆動されるスクレーパで円板状体を掻き落とすものなども含まれる。
【0014】
請求項2に係わる発明は、複数の遊技装置(2、3)を並設して収容すると共に遊技球を貯留する上部タンク(13)を備えた遊技機島(10)に設けられ、前記遊技機島(10)の長手方向にあるいは遊技機島(10)間にわたって設置された搬送路を備え、前記上部タンク(13)から供給された遊技球を前記搬送路により前記各遊技装置(2、3)あるいは他方の遊技機島(10)へ搬送する遊技媒体搬送装置(50、80)において、
前記搬送路を、略水平に配置したベルトコンベア(51a、51b)によって構成し、
前記上部タンク(13)の供給口を開閉する上部タンクシャッタ(13a)と、
前記ベルトコンベア(51a、51b)の動作状態を検出する動作状態検出手段(58)と、
前記ベルトコンベア(51a、51b)を傾斜させることにより前記ベルトコンベア(51a、51b)上の遊技球の強制排出を行なう強制排出手段(60)と、
前記動作状態検出手段(58)の検出結果に応じて前記上部タンクシャッタ(13a)の開閉と前記強制排出手段(60)による遊技球の強制排出動作とを制御する制御手段(28)と
を備えた
ことを特徴とする遊技球搬送装置である。
【0015】
上記発明によれば、ベルトコンベア(51a、51b)の動作状態を動作状態検出手段(58)によって検出し、その検知結果に応じて、上部タンクシャッタ(13a)の開閉とベルトコンベア(51a、51b)を傾斜させることによる遊技球の強制排出動作とを制御する。遊技球が転動するので、ベルトコンベア(51a、51b)を傾斜させることで、ほぼすべての遊技球を簡単にベルトコンベア(51a、51b)上から強制的に排出することができる。
【0016】
たとえば、ベルトコンベア(51a、51b)がモータの故障やベルトの切断などにより動作しない状態となったとき、該事態をいち早く検知してベルトコンベア(51a、51b)への遊技球の供給を停止すると共にベルトコンベア(51a、51b)を傾斜させる。これにより、ベルトコンベア(51a、51b)上から遊技球が転動して早期に一掃され、ベルトコンベア(51a、51b)の復旧作業の負担が軽減されて復旧作業を素早く円滑に行なうことができる。
【0017】
また、ベルトコンベア(51a、51b)の復旧作業が終了した場合は、ベルトコンベア(51a、51b)の作動開始を検出して自動でベルトコンベア(51a、51b)を略水平な状態に戻すと共に上部タンク(13)からベルトコンベア(51a、51b)への遊技球の供給を再開させるので、ベルトコンベア(51a、51b)の稼動準備に係わる作業負担を軽減することができる。
【0018】
請求項3に係わる発明は、前記制御手段(28)は、前記動作状態検出手段(58)が前記ベルトコンベア(51a、51b)の停止を検出したことを条件として前記上部タンクシャッタ(13a)を閉鎖すると共に、前記強制排出手段(60)を駆動して前記ベルトコンベア(51a、51b)を傾斜させる
ことを特徴とする請求項2に記載の遊技球搬送装置である。
【0019】
上記発明によれば、ベルトの切断などによりベルトコンベア(51a、51b)の動作が停止した場合に、上部タンク(13)からベルトコンベア(51a、51b)への遊技球の供給を停止すると共に、ベルトコンベア(51a、51b)を傾斜させ、遊技球を転動させてベルトコンベア(51a、51b)上から強制的に排出するので、ほぼすべての遊技球を簡単にベルトコンベア(51a、51b)上から強制的に排出することができ、ベルトコンベア(51a、51b)の復旧作業負担を軽減することができる。
【0020】
請求項4に係わる発明は、さらに前記制御手段(28)は、前記動作状態検出手段(58)が前記ベルトコンベア(51a、51b)の作動を検出したことを条件として前記上部タンクシャッタ(13a)の開放制御を行なうと共に、前記強制排出手段(60)を駆動して前記ベルトコンベア(51a、51b)を略水平にする
ことを特徴とする請求項2または3に記載の遊技球搬送装置である。
【0021】
上記発明によれば、ベルトコンベア(51a、51b)の復旧作業が終了し、動作状態検出手段(58)によってベルトコンベア(51a、51b)の作動開始が検出されると、上部タンク(13)からベルトコンベア(51a、51b)への遊技球の供給を再開すると共に、ベルトコンベア(51a、51b)を略水平に戻す。これにより、ベルトコンベア(51a、51b)の稼動準備に係わる作業負担を軽減することができる。
【0022】
請求項5に係わる発明は、前記ベルトコンベア(51a、51b)は、前記上部タンク(13)から前記遊技機島(10)の端部に向かう方向に沿って設けられ、
前記強制排出手段(60)は、前記上部タンク(13)側を回動軸(61)として前記遊技機島(10)の端部側を下降させることにより前記ベルトコンベア(51a、51b)を傾斜させて前記ベルトコンベア(51a、51b)上の遊技球を前記遊技機島(10)の端部側から強制排出する
ことを特徴とする請求項2、3または4に記載の遊技球搬送装置である。
【0023】
上記発明によれば、たとえば、遊技機島(10)の中央に設置された上部タンク(13)を中心に左右それぞれに遊技球搬送装置が設置され、各遊技球搬送装置は、上部タンク(13)側を回動軸として遊技機島(10)の端部側を下降させることで傾斜を形成して遊技球を遊技機島(10)の端部側から強制排出する。遊技機島(10)の全長にわたる1台のベルトコンベアを設置するような場合に比べて、ベルトコンベア(51a、51b)の傾斜勾配を大きく確保することが容易になり、遊技機島(10)の全長が長くなっても、傾斜によってベルトコンベア(51a、51b)上の遊技球を強制排出することができる。
【0024】
請求項6に係わる発明は、前記ベルトコンベア(51a、51b)は、前記上部タンク(13)から前記遊技機島(10)の端部に向かう方向に沿って設けられ、
前記強制排出手段(60)は、前記遊技機島(10)の端部側を回動軸(61)として前記上部タンク(13)側を上昇させることにより前記ベルトコンベア(51a、51b)を傾斜させて前記ベルトコンベア(51a、51b)上の遊技球を前記遊技機島(10)の端部側から強制排出する
ことを特徴とする請求項2、3、4または5に記載の遊技球搬送装置である。
【0025】
上記発明によれば、上部タンク(13)側を上昇させてベルトコンベア(51a、51b)を傾斜させるので、たとえば、上部タンク(13)側のベルトコンベア(51a、51b)の上昇動作に伴って上部タンクシャッタ(13a)の閉鎖を連動して行なわせることを、簡単な機構の追加で実現することができる。
【0026】
請求項7に係わる発明は、前記ベルトコンベア(51a、51b)は、前記上部タンク(13)から前記遊技機島(10)の端部に向かう方向に沿って設けられ、
前記強制排出手段(60)は、前記上部タンク(13)側を回動軸(61)として前記遊技機島(10)の端部側を上昇させることにより前記ベルトコンベア(51a、51b)を傾斜させて前記ベルトコンベア(51a、51b)上の遊技球を前記上部タンク(13)側から強制排出する
ことを特徴とする請求項2、3、4、5または6に記載の遊技球搬送装置である。
【0027】
上記発明によれば、ベルトコンベア(51a、51b)を傾斜させる場合に、上部タンク(13)側を回動軸(61)として遊技機島(10)の端部側を上昇させるので、ベルトコンベア(51a、51b)を傾斜させても上部タンク(13)にベルトコンベア(51a、51b)が干渉するおそれがなく、十分な勾配(傾斜)を確保することができる。また、遊技球を上部タンク(13)側から強制排出するようにしているので、ベルトコンベア(51a、51b)から遊技球を排出するホース(24)と上部タンク(13)のオーバーフローホース(21)とを集約することができる。
【0028】
請求項8に係わる発明は、前記ベルトコンベア(51a、51b)は、前記上部タンク(13)から前記遊技機島(10)の端部に向かう方向に沿って設けられ、
前記強制排出手段(60)は、前記遊技機島(10)の端部側を回動軸(61)として前記上部タンク(13)側を下降させることにより前記ベルトコンベア(51a、51b)を傾斜させて前記ベルトコンベア(51a、51b)上の遊技球を前記上部タンク(13)側から強制排出する
ことを特徴とする請求項2、3、4、5、6または7に記載の遊技媒体搬送装置(50、80)及び遊技球搬送装置である。
【0029】
上記発明によれば、ベルトコンベア(51a、51b)を傾斜させる場合に、遊技機島(10)の端部側を回動軸(61)として上部タンク(13)側を下降させるので、ベルトコンベア(51a、51b)を傾斜させても上部タンク(13)にベルトコンベア(51a、51b)が干渉するおそれがなく、十分な勾配を確保することができる。また、遊技球を上部タンク(13)側から強制排出するようにしているので、ベルトコンベア(51a、51b)から遊技球を排出するホース(24)と上部タンク(13)のオーバーフローホース(21)とを集約することができる。
【0030】
請求項9に係わる発明は、前記搬送路は、前記上部タンク(13)から供給された遊技球を前記遊技機島(10)の長手方向にわたって搬送し、かつ搬送方向を互いに逆向きにした2本のベルトコンベア(51a、51b)を平行に並設して構成され、逆向きに搬送される遊技球同士を前記2本のベルトコンベア(51a、51b)の境界部で衝突させることを起因として、前記搬送される遊技球が前記複数の遊技装置(2、3)の取込口(32)に取り込まれるようにしたものであり、
さらに、一方のベルトコンベアによって搬送されてきた遊技球を他方のベルトコンベアへ移行させる当接部材(65a、65b)を設けることで、前記2本のベルトコンベア(51a、51b)間を遊技球が循環するようになしてあり、
前記強制排出手段(60)は、前記2本のベルトコンベア(51a、51b)の傾斜に応じて前記当接部材(65a)を前記2本のベルトコンベア(51a、51b)から離脱させることにより前記ベルトコンベア(51a、51b)上の遊技球を排出するようにした
ことを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7または8に記載の遊技球搬送装置である。
【0031】
上記発明によれば、遊技球は、搬送路の両端部でそれぞれ当接部材と当接することによって一方のベルトコンベア(51a、51b)から他方のベルトコンベア(51a、51b)へ移行し、2本のベルトコンベア(51a、51b)間を循環して搬送される。そして、2本のベルトコンベア(51a、51b)の傾斜に応じて当接部材(65a)をベルトコンベア(51a、51b)から離脱させると、遊技球はベルトコンベア(51a、51b)上を循環しなくなって端部から排出される。このように、傾斜に伴って当接部材(65a)がベルトコンベア(51a、51b)から離脱するので、新たにシャッタ装置などを設けることなく簡単な構成で遊技球をベルトコンベア(51a、51b)上から強制的に排出することができる。
【0032】
請求項10に係わる発明は、前記搬送路は、前記上部タンク(13)から供給された遊技球を前記遊技機島(10)の長手方向にわたって搬送し、かつ搬送方向を互いに逆向きにした2本のベルトコンベア(51a、51b)を平行に並設して構成され、
前記2本のベルトコンベア(51a、51b)の境界部に該ベルトコンベア(51a、51b)の長手方向に沿って仕切り壁(81)を設け、
前記仕切り壁(81)の両壁面に、前記搬送路の搬送方向と平行な姿勢に対して前記取込口(32)側の面が搬送方向上流側を向くように傾斜した第1姿勢と、前記第1姿勢に比べて前記傾斜の少ない第2姿勢とに変位しかつ前記第1姿勢に向けて弾性力で付勢された進路変更部材(82)を配設し、前記搬送される遊技球を前記進路変更部材(82)に衝突させることを起因として、前記搬送される遊技球が前記複数の遊技装置(2、3)の取込口(32)に取り込まれるようになされており、
さらに、一方のベルトコンベアによって搬送されてきた遊技球を他方のベルトコンベアへ移行させる当接部材(65a、65b)を設けることで、前記2本のベルトコンベア(51a、51b)間を遊技球が循環するようになしてあり、
前記強制排出手段(60)は、前記2本のベルトコンベア(51a、51b)の傾斜に応じて前記当接部材(65a)を前記2本のベルトコンベア(51a、51b)から離脱させることにより前記ベルトコンベア(51a、51b)上の遊技球を排出するようにした
ことを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7または8に記載の遊技球搬送装置である。
【0033】
上記発明によれば、請求項10と同様に、ベルトコンベア(51a、51b)の傾斜に伴って当接部材(65a)が離脱するので、新たにシャッタ装置などを設けることなく簡単な構成で遊技球をベルトコンベア(51a、51b)上から強制的に排出することができる。
【0034】
請求項11に係わる発明は、前記2本のベルトコンベア(51a、51b)は、前記遊技機島(10)の長手方向の略全長にわたって設けられ、
前記強制排出手段(60)は、前記遊技機島(10)の一方の端部側を回動軸(61d)として他方の端部側を下降あるいは上昇させることにより前記2本のベルトコンベア(51a、51b)を傾斜させて前記2本のベルトコンベア(51a、51b)上の遊技球を前記遊技機島(10)の一方あるいは他方の端部側から強制排出する
ことを特徴とする請求項9または10に記載の遊技球搬送装置である。
【0035】
上記発明によれば、2本のベルトコンベア(51a、51b)を遊技機島(10)の長手方向の略全長にわたって1組設け、遊技機島(10)の一方の端部側を回動軸(61d)に他方の端部側を下降あるいは上昇させてベルトコンベア(51a、51b)を傾斜させる。これにより、ベルトコンベア(51a、51b)を傾斜させるための強制排出手段(60)の設置数を1つにすることができ、装置構成が簡略化される。
【0036】
請求項12に係わる発明は、前記ベルトコンベア(51a、51b)は、搬送路の長手方向に延びる平面状の支持部(52c)を備えた搬送フレームの両端にローラを配置し、無端ベルト(55a、55b)を、遊技球の載る側を前記支持部(52c)に這わせるようにして前記ローラ間に掛け渡したものである
ことを特徴とする請求項5、6、7、8、9、10または11に記載の遊技球搬送装置である。
【0037】
上記発明によれば、無端ベルト(55a、55b)を、遊技球が載る側を平面状の支持部に這わせるようにして搬送フレームの両端のローラ間に掛け渡してあるので、搬送路の路面は、遊技球を載せてもほぼ平らな状態に維持され、複数のテンションローラの周面に沿って搬送路の路面が断面凸状に湾曲しているような場合に比べて、無端ベルト(55a、55b)上に遊技球が留まりやすい。そのため、モータの故障やベルトの切断などに応じてベルトコンベア(51a、51b)を傾斜させると同時に上部タンクシャッタ(13a)を閉鎖した場合でも、無端ベルト(55a、55b)上に遊技球が多少残留するようになり、しばらくは遊技装置へ遊技球を補給することができる。遊技場の係員は、この間に、遊技客に対して事態を説明したり他の遊技機島に誘導したりすることができ、営業への支障を幾分緩和することが可能になる。
【0038】
請求項13に係わる発明は、前記ベルトコンベア(51a、51b)は、一方の遊技機島(10)の上部タンク(13)から他方の遊技機島(10)の上部タンク(13)に向けて遊技球を搬送するものであり、
前記強制排出手段(60)は、前記一方の遊技機島(10)の上部タンク(13)側を回動軸(61)として前記他方の遊技機島(10)の上部タンク(13)側を下降、あるいは前記他方の遊技機島(10)の上部タンク(13)側を回動軸(61)として前記一方の遊技機島(10)の上部タンク(13)側を上昇させることにより前記ベルトコンベア(51a、51b)を傾斜させ、前記ベルトコンベア(51a、51b)上の遊技球を前記他方の遊技機島(10)側へ強制排出する
ことを特徴とする請求項2、3または4に記載の遊技球搬送装置である。
【0039】
上記発明によれば、モータの故障などが生じた場合でも、正常時にベルトコンベア(51a、51b)で遊技球を搬送していた方向と同一方向に遊技球が転動するようにベルトコンベア(51a、51b)を傾斜させる。これにより、動力による搬送が停止した後も該傾斜を利用して遊技球を遊技機島(10)間で目的の方向へ移送することができ、別途、遊技機島(10)の遊技球の貯留量を調整する制御を追加しなくて済む。
【発明の効果】
【0040】
本発明に係わる遊技媒体搬送装置および遊技球搬送装置によれば、ベルトコンベアがモータの故障やベルトの切断などにより動作しない状態となったとき、この異常を検知してベルトコンベア上への遊技媒体の供給を停止しかつベルトコンベアを傾斜させるなどによって遊技媒体をベルトコンベア上から強制排出するので、停止したベルトコンベア上に遊技球がいつまでも残留することがなく、ベルトコンベアの復旧作業の負担が軽減されると共に、復旧作業を素早く行なうことができる。
【0041】
また、ベルトコンベアの復旧作業が終了した場合は、ベルトコンベアの作動を検出して自動的に傾斜を戻すと共に上部タンクからベルトコンベアへの遊技媒体の供給を再開させるので、ベルトコンベアの稼動準備に係わる作業負担を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0043】
図1は、本実施の形態に係わる遊技球補給装置を備えた遊技機島10の内部構造を示している。遊技機島10は、遊技装置として遊技機2と台間玉貸機3とを一組にして並置したものを多数並設収容している。また、遊技に供する遊技媒体である遊技球を遊技機島10の中で循環させて繰り返し使用するための各種付帯設備を収容している。ここでは、遊技機2はパチンコ機であり、台間玉貸機3は遊技者に遊技球(パチンコ球)を貸し出す装置である。
【0044】
遊技機島10は、島枠や島柱11を遊技ホールのフロア上に構築し、これらに遊技装置2、3や付帯設備を取り付けると共に、その他必要な箇所に図示省略の外装を施して構成される。遊技機島10の中央には、遊技球を島の下部から上部へ研磨しながら揚送する揚送装置12が立設されており、揚送装置12の左右両側に、遊技機2と台間玉貸機3とを一組としたものが多数背中合わせにした状態で遊技機島10の表裏両面に設置される。
【0045】
遊技機島10の中央上部には、揚送装置12が揚送した遊技球を貯留する上部タンク13が設置されている。揚送装置12の左右両側には、上部タンク13の下方から遊技機島10の左端または右端に掛けて遊技球搬送装置50が遊技機2および台間玉貸機3の上方に略水平に掛け渡され設置されている。
【0046】
上部タンク13は、遊技球搬送装置50に遊技球を供給するための供給口を開閉する電動式の上部タンクシャッタ13aを備えている。遊技球搬送装置50は、ベルトコンベア式の搬送装置であり、上部タンク13から供給された遊技球を略水平に遊技機島10の長手方向に沿って搬送して各遊技装置(遊技機2および台間玉貸機3)に補給する機能を果たす。搬送中の遊技球は、搬送路の長手方向の両縁部に沿って配設されたシュート31に適宜取り込まれて整列された後、各遊技機2や台間玉貸機3に補給される。遊技球の取込口となるシュート31は、遊技機2および台間玉貸機3の設置箇所に対応させて、遊技機2毎、台間玉貸機3毎に設置される。
【0047】
遊技機島10に並設収容された遊技機2や台間玉貸機3の下方には、遊技球を貯留するための下部タンク15が複数設置されている。下部タンク15の底部には排出口を開閉する下部タンクシャッタ15aが設けてある。下部タンク15の下方には、左右の島端からそれぞれ揚送装置12下部の球導入口12aに掛けて回収コンベア16が設置されており、各遊技機2からアウト球として排出された遊技球や下部タンク15から排出された遊技球を回収コンベア16で回収して揚送装置12の球導入口12aへ搬送するようになっている。
【0048】
上部タンク13には、余剰の遊技球を逃がすためのオーバーフロー管21が付設されている。オーバーフロー管21を流下してきた遊技球は、下部タンク15に排出されて貯留される。また、遊技球搬送装置50で余剰となった遊技球は、オーバーフローシャッタ22を備えた専用シュート31aからオーバーフロー管23を通じて、下部タンク15に案内されて貯留される。
【0049】
各遊技球搬送装置50の島端側の端部には、回収コンベア16まで垂下した排出ホース24が設置されており、遊技球搬送装置50から強制排出された遊技球を排出ホース24で回収コンベア16へ案内するようになっている。
【0050】
遊技機島10においては、各遊技機2から排出された遊技球を回収路17や回収コンベア16で回収し、これを揚送装置12で研磨しながら上部タンク13へ揚送して貯留し、上部タンク13から供給される遊技球を遊技球搬送装置50で搬送して再び各遊技機2へ補給するという経路を基本にして、遊技に供する遊技球を遊技機島10の中で循環させて繰り返し使用するようになっている。遊技機島10の左側の島端上部には、島内での遊技球の循環や貯留に係わる各種の制御を行なう電子機器を収めた制御盤28が設置されている。制御盤28は、遊技球搬送装置50の動作や上部タンクシャッタ13aの開閉、遊技球搬送装置50からの遊技球の強制排出動作などを制御する制御手段としての機能を果たす。
【0051】
図2は、遊技機島10に設置された左右2台の遊技球搬送装置50と上部タンク13とを含む補給装置の全体正面を示し、図3は、左側の遊技球搬送装置50の両端部を拡大したものであり、図4は遊技球搬送装置50の中央付近の平面を示し、図5は、遊技球搬送装置50の搬送路の断面を示している。左右2台の遊技球搬送装置50は同一構造をなしており、図2では、左側の遊技球搬送装置50は遊技球搬送装置50の表面側が現れ、右側の遊技球搬送装置50は遊技球搬送装置50の裏面側が現れている。
【0052】
遊技球搬送装置50は、図4、図5に示すように、遊技球5を搬送する搬送路として互いに搬送方向が逆向きの第1ベルトコンベア51aと第2ベルトコンベア51bとを平行に並設して備える。ここでは、第1ベルトコンベア51aは、図4の矢印B方向に遊技球を搬送し、第2ベルトコンベア51bはその逆の矢印C方向に遊技球を搬送する。
【0053】
遊技球搬送装置50は、搬送路の長手方向のほぼ全長をなす搬送フレーム52を備えており、第1ベルトコンベア51aは(図2の右側参照)、搬送フレーム52の一端部に軸支された第1駆動プーリ53aと、他端部に軸支された第1従動プーリ54aとの間に無端の第1搬送ベルト55aを掛け渡して構成される。さらに、第1駆動プーリ53aを駆動する第1モータ56aと、第1搬送ベルト55aの弛みを取る第1テンションローラ57aとを備えている。
【0054】
第2ベルトコンベア51bは(図2の左側もしくは図3参照)、第1ベルトコンベア51aと逆向きに構成されており、搬送フレーム52の両端部に設けた第2駆動プーリ53bと第2従動プーリ54bとの間に無端の第2搬送ベルト55bを掛け渡して構成され、さらに、第2駆動プーリ53bを駆動する第2モータ56bと、第2搬送ベルト55bの弛みを取る一組の第2テンションローラ57bとを備えている。
【0055】
さらに遊技球搬送装置50は、各テンションローラ57a、57bの回転を検知するスリットセンサ58(図3参照)を備えている。スリットセンサ58は、第1、第2の搬送ベルト55a、55bが正常に周回しているか否かを検出するものであり、ベルトコンベア51a、51bの動作状態を検出する動作状態検出手段としての機能を果たす。
【0056】
遊技球搬送装置50には、図2に示すように、遊技機2と台間玉貸機3の横幅を合わせた間隔Dに対して片側2個ずつのシュート31(遊技機用のシュート31bと台間玉貸機用のシュート31c)が、遊技球搬送装置50の長手方向両サイドに沿って取り付けられている。
【0057】
また、図5に示すように、搬送フレーム52は、搬送路の長手方向に延びる平面状の支持部52aを有している。第1ベルトコンベア51aおよび第2ベルトコンベア51bは、それぞれ遊技球が載る側の裏面を搬送フレーム52の支持部52aに這わせるようにして掛け渡されており、搬送される遊技球の重みを支持部52aで受けて支えるようになっている。支持部52aは、断面略下向きコの字型の台座部52cによって支持されている。
【0058】
遊技球搬送装置50の搬送フレーム52は、図2に示すように、上部タンク13側の端部近傍で回動軸61により軸支されており、遊技機島10の端部側の近傍で駆動シリンダ62から進退する伸縮ロッド63によって支持されている。詳細には、図7に示すように、駆動シリンダ62は遊技機島10の幕板内支持部11aに固定されており、伸縮ロッド63の先端は台座部52cの下端を支持している。
【0059】
搬送フレーム52および第1ベルトコンベア51a、第2ベルトコンベア51bは伸縮ロッド63を伸縮させることで回動軸61を中心に回動して遊技機島10の端部側が昇降し、遊技機島10の端部側が下降した傾斜状態と水平状態とに変位可能に構成されている。図7の位置Dpは、下降した状態の台座部52cの位置を示している。回動軸61、駆動シリンダ62、伸縮ロッド63は、第1ベルトコンベア51a、第2ベルトコンベア51b上から遊技球を強制的に排出する強制排出手段60としての機能を果たす。
【0060】
図3に示すように、遊技球搬送装置50のうち遊技機島10の端部側の終端には、排出部25が配設され、その下方側には排出ホース24が設けられている。また、第1ベルトコンベア51aおよび第2ベルトコンベア51bの端部から排出部25に掛けて、遊技球を導く排出レール26が設置されている。
【0061】
遊技球搬送装置50の長手方向の両端部にはそれぞれ、搬送方向の終端近傍に到達した遊技球が当接する当接部材65a、65bが設けてある。一方のベルトコンベアの終端まで搬送されてきた遊技球は当接部材65a、65bに当接してその手前で滞留し、やがて溢れ出して他方のベルトコンベアに移行する(図6参照)。両端でこのような移行が行なわれることで、遊技球搬送装置50上の遊技球は、第1ベルトコンベア51aおよび第2ベルトコンベア51bにより、当接部材65aと当接部材65bとの間を周回するように搬送される。
【0062】
排出部25側に設けられた当接部材65aは、幕板内支持部11aに固定されて上方に延びた支持フレーム66の上端に取り付けられており、伸縮ロッド63の伸縮によって搬送フレーム52の遊技機島10の端部側が昇降すると、搬送フレーム52と当接部材65aとが相対移動し、搬送フレーム52が略水平状態にあるときは、搬送されてきた遊技球と当接部材65aとが当接して遊技球が一方から他方のベルトコンベアへ移行する状態が形成され、搬送フレーム52の遊技機島10の端部側が下降した傾斜状態になると、当接部材65aが第1ベルトコンベア51aおよび第2ベルトコンベア51bから離脱して、搬送されてきた遊技球と当接部材65aとが当接しない状態が形成されるようになっている。
【0063】
次に、遊技球搬送装置50による遊技球の搬送作用について説明する。
【0064】
上部タンク13の上部タンクシャッタ13aを開放することにより、上部タンク13から遊技球搬送装置50の第1ベルトコンベア51aおよび第2ベルトコンベア51b上に遊技球が供給される。供給された遊技球は、図4に示すように、第1ベルトコンベア51aによって矢印B方向に搬送されると共に、第2ベルトコンベア51bによってこれと逆向きの矢印C方向に搬送される。また、両端では当接部材65a、65bとの当接によって一方のベルトコンベアから他方のベルトコンベアへの移行が生じ、遊技球は2本のベルトコンベア51a、51b上を循環して周回するように搬送される。
【0065】
また、第1ベルトコンベア51aと第2ベルトコンベア51bとは境界に段差や障壁がなく互いを遊技球が往来自在に形成してあるので、反対方向に搬送される遊技球同士の衝突が、これら2台のベルトコンベア51a、51bの境界部で生じる。
【0066】
衝突した遊技球は、たとえば、図4の矢印Fで示すように、その進路を斜めに変更し、進路変更した遊技球はさらに他の遊技球と衝突し易くなり、各所で衝突が生じ、搬送中の遊技球は様々な方向へ進路を取る。たとえば、ある遊技球は境界部での衝突によって進路変更し、そのままシュート31の取込口32に取り込まれる。また、境界部で生じた衝突を起因として様々な衝突が連鎖的に発生することにより、搬送中の遊技球がシュート31の取込口32に取り込まれる。
【0067】
なお、取込口32には、ベルトコンベア51a、51bの両脇の玉受けスペース52dにある遊技球も、第1ベルトコンベア51a、あるいは第2ベルトコンベア51bによって搬送される遊技球に引きずられるようにして搬送されて取り込まれる。
【0068】
このように、搬送方向を逆にした第1ベルトコンベア51aと第2ベルトコンベア51bとの境界部で遊技球が衝突することにより、搬送方向に沿って遊技球を搬送する機能と、遊技球補給装置50の長手方向の両縁部に沿って配列されたシュート31の取込口32へ遊技球を振り分けて補給する機能とが実現される。また、遊技球を水平搬送するので、従来の補給樋のように勾配をつける必要がなく、その分、遊技機島10の高さを低くすることができる。さらに、境界部での衝突を起因にして遊技球の進路を変更するので、進路を側方に向けるための特別な機構を設けたりする必要がなく、遊技球補給装置50の構成を簡略化することができる。
【0069】
次に、遊技球の強制排出動作について説明する。
【0070】
制御盤28は、左右の遊技球搬送装置50の動作状態を各スリットセンサ58によって検出し、モータ56a、56bの故障や搬送ベルト55a、55bの切断などによって搬送動作が停止したことを検出すると、その搬送動作の停止した遊技球搬送装置50に遊技球を供給している側の上部タンクシャッタ13aを閉じると共に、搬送動作の停止した遊技球搬送装置50の伸縮ロッド63を縮退させ、排出部25側が低くなるようにベルトコンベア51a、51bを傾斜させる。
【0071】
図8(a)は、水平状態の遊技球搬送装置50を示し、図8(b)は傾斜状態の遊技球搬送装置50を示している。同図(a)に示すように、伸縮ロッド63が伸張している状態では、搬送フレーム52(ベルトコンベア51a、51b)が略水平な状態に維持される。また、当接部材65aは、ほぼベルトコンベア51a、51bの路面に接した状態となり、遊技球は、2本のベルトコンベア51a、51b上を循環して周回するように搬送される。同図8(a)では上部タンクシャッタ13aが開放され、上部タンク13からベルトコンベア51a、51b上へ遊技球が適宜供給される。
【0072】
伸縮ロッド63が縮退すると、図8(b)に示すように、回動軸61を中心に搬送フレーム52が回動して傾斜する。このとき、支持フレーム66に支持された当接部材65aは、水平状態の時と同一の位置に留まるので、当接部材65aが搬送フレーム52(ベルトコンベア51a、51b)から離脱する。その結果、傾斜したベルトコンベア51a、51b上を流下してきた遊技球は、図9に示すように、当接部材65aに当接することなくそのまま転動して、排出部25から排出される。
【0073】
このようにして、新たにシャッタ装置などを設けることなく簡単な構成で遊技球をベルトコンベア51a、51b上から強制的に排出することができる。このとき図8(b)に示すように上部タンクシャッタ13aを閉じるので、上部タンク13からベルトコンベア51a、51b上への遊技球の供給は停止され、ベルトコンベア51a、51b上にあったすべての遊技球がやがて排出部25から排出される。これにより、遊技球がベルトコンベア51a、51b上に残っている場合に比べて、故障した遊技球搬送装置50の復旧作業に係わる負担が軽減する。また、搬送動作の停止が検出された場合に自動的に上部タンクシャッタ13aを閉じると共にベルトコンベア51a、51bを傾斜させて遊技球を強制排出するので、遊技場の係員が上部タンクシャッタ13aの閉鎖やベルトコンベア51a、51bの傾斜を手動操作で行なう場合に比べて、係員がなかなか気付かないようなことがなく、復旧作業を素早く進めることができる。
【0074】
また、ベルトコンベア51a、51bを搬送フレーム52の支持部52a上を這わせるようにして掛け渡してあるので、搬送路の断面は幅方向にほぼ水平となる。その結果、搬送路の路面が複数のテンションローラの周面に沿って断面凸状に湾曲しているような場合に比べて、遊技球がベルトコンベア51a、51b上に留まりやすく、搬送動作の停止により、ベルトコンベア51a、51bを傾斜させると同時に上部タンクシャッタ13aを閉鎖した場合でも、ベルトコンベア51a、51b上に遊技球が多少残留するようになり、しばらくは遊技球をシュート31から遊技機2などへ補給することができる。この間に、遊技客に対して事態を説明したり他の遊技機島に誘導したりすることができ、営業への支障を幾分緩和することができる。
【0075】
その後、ベルトコンベア51a、51bの復旧作業が終了し、ベルトコンベア51a、51bの作動が開始されると、スリットセンサ58によってベルトコンベア51a、51bの作動開始が検出される。該検出により制御盤28は伸縮ロッド63を伸張させて搬送フレーム52(ベルトコンベア51a、51b)を水平状態にすると共に上部タンクシャッタ13aを開放するという一連の制御を実行する。これにより、ベルトコンベア51a、51bの稼動準備作業が軽減され、稼動の再開を円滑かつ迅速に進めることができる。
【0076】
また、遊技機島10の右側と左側とにそれぞれ独立の遊技球搬送装置50を設け、故障などにより搬送動作が停止した側のみに対して上部タンクシャッタ13aの閉鎖と傾斜による強制排出動作とを行なうので、左右のうちの一方の遊技球搬送装置50が故障した場合でも、他方の遊技球搬送装置50の稼動を維持することができ、遊技者に及ぼす影響を少なく抑えることができる。さらに、遊技機島10の右側と左側とに分けて遊技球搬送装置50を設けたことにより、遊技機島10の長手方向のほぼ全長にわたる長大な遊技球搬送装置を設置する場合に比べて、1つの遊技球搬送装置50の全長が短くなり、必要な勾配を得るための下降距離を短くすることができる。その結果、遊技機島10の全長が長くなっても、必要な勾配を確保することができ、遊技機島10の端部からのスムーズな強制排出が可能になる。
【0077】
図10は、図2に示すものに対して、排出部25が上部タンク13側となるように向きを代えて設置した場合の遊技球搬送装置50Bを示している。回動軸61は遊技機島10の一方の端部側にあり、駆動シリンダ62の伸縮により搬送フレーム52の上部タンク13側の端部が昇降するようになっている。スリットセンサ58が搬送動作の停止を検知すると、伸縮ロッド63が縮退して搬送フレーム52の上部タンク13側端部が下降し、遊技球が遊技機島10の端部側から中央に向けて転動し、上部タンク13側の端部に設けられた排出部25から排出されるようになっている。排出ホース24の下端は、遊技機2から排出された遊技球などを回収する回収路17に接続されている。
【0078】
図10に示す構成においては、遊技球を上部タンク13側から強制排出するようにしているので、ベルトコンベア51a、51bから遊技球を排出する排出ホース24と上部タンク13からのオーバーフロー管21とを集約することができる。また、ベルトコンベア51a、51bを傾斜させても上部タンク13にベルトコンベアが干渉するおそれがなく、十分な勾配を確保することができる。
【0079】
なお、図10では、搬送フレーム52の上部タンク13側の端部を下降させることで遊技球が上部タンク13側へ転動するように搬送フレーム52(ベルトコンベア51a、51b)を傾斜させたが、搬送フレーム52の上部タンク13側に回動軸61を設け、搬送フレーム52の遊技機島10一端部側に設けた伸縮ロッド63を伸張することで遊技球が上部タンク13側へ転動するように傾斜させてもよい。
【0080】
この場合においても、図10に示すものと同様に、排出ホース24と上部タンク13からのオーバーフロー管21とを集約することができる。また、ベルトコンベア51a、51bを傾斜させても上部タンク13にベルトコンベアが干渉するおそれがなく、十分な勾配を確保することができる。
【0081】
図11は、上部タンク13側を上昇させることでベルトコンベア51a、51bを遊技機島10の端部側に向けて下り傾斜させるようにした遊技球搬送装置50Cを示している。図8の示すものに比べて、搬送フレーム52の遊技機島10の端部側に回動軸61cを配置し、搬送フレーム52の上部タンク13側を駆動シリンダ62cの伸縮ロッド63cで昇降させるようにした点で相違する。また、排出部25側の当接部材65aは幕板内支持部11aに固定された支持フレーム66の先端に取り付けられている。また、上部タンクシャッタ13aはシャッタ連動機構74によって搬送フレーム52の上部タンク13側の端部の所定箇所と接続されている。
【0082】
遊技球搬送装置50Cを水平状態にするときは、図11(a)に示すように、上部タンク13側の伸縮ロッド63cを縮退させる。水平状態ではシャッタ連動機構74がほぼ伸びた状態となって上部タンクシャッタ13aが開放され、遊技球がベルトコンベア51a、51b上に上部タンク13から供給される。また、この場合、当接部材65aはベルトコンベア51a、51bの路面にほぼ接する状態となり、遊技球は2本のベルトコンベア51a、51b上を循環するように搬送される。
【0083】
スリットセンサ58によって、遊技球搬送装置50Cの搬送動作の停止が検知されると、図11(b)に示すように、伸縮ロッド63cを伸張し、回動軸61cを中心に搬送フレーム52の上部タンク13側を上昇させる。このとき当接部材65aは、支持フレーム66に固定されているので、わずかにベルトコンベア51a、51bの路面から離脱した状態になり、当接部材65aとベルトコンベア51a、51bとの間に遊技球が通るだけの隙間ができる。その結果、遊技球搬送装置50Cの傾斜によりベルトコンベア51a、51b上の遊技球は遊技機島10の端部側へ転動する。また、搬送フレーム52の上部タンク13側の端部が上昇することでシャッタ連動機構74が圧縮され、上部タンクシャッタ13aが連動して閉鎖され上部タンク13からの遊技球の供給が停止する。
【0084】
また、当接部材65aがベルトコンベア51a、51bの路面から離脱するので、傾斜したベルトコンベア51a、51b上を流下してきた遊技球は当接部材65aに当接することなくそのまま転動して排出部25から排出される。これにより、故障した遊技球搬送装置50Cの復旧作業に係わる負担が軽減され、復旧作業を素早く進めることができる。
【0085】
このように搬送フレーム52の上部タンク13側を昇降させることで水平状態と傾斜状態とに変位させるので、該変位に応じて簡単な機構のシャッタ連動機構74などで上部タンクシャッタ13aを開閉することができ、上部タンクシャッタ13aを開閉するための特別な制御装置が不要になり、装置構成が簡略化される。
【0086】
図12は、遊技機島10の長手方向の略全長にわたって1台の遊技球搬送装置50Dを設けた場合の構成例を示している。遊技球搬送装置50Dでは、搬送フレーム52のうち、遊技機島10の一方の端部側に回動軸61dを設け、遊技機島10の他方の端部側を、幕板内支持部11aに固定した駆動シリンダ62dから進退する伸縮ロッド63dによって昇降する。伸縮ロッド63dを伸張した場合、搬送フレーム52(ベルトコンベア51a、51b)が略水平となり、支持フレーム66に支持された当接部材65aがベルトコンベア51a、51bの路面とほぼ接する状態になる。
【0087】
一方、図12に示すように伸縮ロッド63dを縮退させると搬送フレーム52(ベルトコンベア51a、51b)が傾斜状態になると共に、支持フレーム66に支持された当接部材65aがベルトコンベア51a、51bの路面から離脱する。これにより、遊技機島10の長手方向の略全長にわたる遊技球搬送装置50D上にあった遊技球が傾斜の下端側へ向かって転動し、排出部25から排出される。スリットセンサ58の検出状態に応じて上部タンクシャッタ13aの開閉と遊技球搬送装置50Dの傾斜を制御する点については図2などに示すものと同様である。
【0088】
図12に示す構成では、ベルトコンベア51a、51bを傾斜させるための強制排出手段(回動軸61、駆動シリンダ62d、伸縮ロッド63dなど)の設置数を1つにすることができる。さらに排出ホース24、排出部25は一方の島端にのみ設ければよいので装置構成が簡略化される。
【0089】
図13は、仕切り壁に進路変更部材を配したタイプの遊技球搬送装置80の略中央部分を示している。遊技球搬送装置80は、第1ベルトコンベア51aと第2ベルトコンベア51bとの境界部に沿って仕切り壁81を立設してあり、この仕切り壁81の両壁面の各所に進路変更部材82を取り付けてある。仕切り壁82は、搬送路の両端近傍を除くほぼ全長にわたって形成されており、その高さは、遊技球より若干高く設定されている。
【0090】
図14(a)に示すように、進路変更部材82は、板バネをへの字状に曲げたものである。また、同図(b)に示すように、搬送方向(図中の矢印M)と平行な姿勢に対してシュート31側の面が搬送方向上流側を向くように傾斜した第1姿勢(S1)と、第1姿勢(S1)に比べて傾斜の少ない第2姿勢(S2)とに変位しかつ当該板バネの弾性力により第1姿勢(S1)に向けて付勢されている。弾性力は、適量の遊技球が進路変更部材82に上流から衝突している場合には第1姿勢(S1)をほぼ維持し、多量の遊技球が進路変更部材82に衝突した場合に第2姿勢(S2)に変位する強さに設定されている。
【0091】
進路変更部材82は、各シュート31の取込口32に対応付けて設けてあり、進路変更部材82で生じた衝突を起因に進路変更した遊技球や連鎖的に衝突した遊技球が上手く取込口32に取り込まれるように進路変更部材82を配置してある。詳細には、進路変更部材82は、目的の取込口32に対してある程度、搬送方向上流側に設定される。たとえば、図13では、取込口32Aに対して進路変更部材82Aを、取込口32Bに対して進路変更部材82Bを設けてある。
【0092】
図13に示すように、遊技球搬送装置80に供給された遊技球は、第1ベルトコンベア51aによって矢印B方向に搬送されると共に、第2ベルトコンベア51bによってこれと逆向きの矢印C方向に搬送される。図13は、適量の遊技球を搬送している状態を示している。適量の遊技球が搬送されているときは、進路変更部材82がほぼ第1姿勢になっているので、搬送中に遊技球と進路変更部材82との衝突が生じる。
【0093】
衝突した遊技球は、たとえば、図中の矢印Hで示すように、その進路を斜めに変更する。このように進路変更した遊技球はさらに他の遊技球と衝突し易くなり、各所で衝突が生じ、搬送中の遊技球は様々な方向へ進路を取る。たとえば、ある遊技球は進路変更部材82との衝突によって進路変更し、そのままシュート61の取込口32に取り込まれる。また、進路変更部材82との衝突を起因として様々な衝突が連鎖的に発生することにより、搬送中の遊技球がシュート31の取込口32に取り込まれる。
【0094】
一方、多量の遊技球を搬送しているときは、図15に示すように、搬送されている多量の遊技球に押されて進路変更部材82が遊技球の搬送方向と平行に近い第2姿勢に変位する。これにより、進路変更部材82が遊技球の進路を妨げず、多量の搬送が効率良く行なわれる。なお、多量の遊技球を搬送しているときは、搬送路のほぼ幅一杯に遊技球が存在するので、進路変更部材82が第2姿勢であっても、両脇の玉受けスペース52dを通る遊技球がシュート31の取込口32に順次取り込まれる。
【0095】
このように、第1ベルトコンベア51aと第2ベルトコンベア51bとの境界部に設けた仕切り壁81の両壁面に進路変更部材82を取り付けることで、搬送方向に沿って遊技球を搬送する機能と、遊技球搬送装置80の長手方向の両縁部に沿って配列されたシュート31の取込口32へ遊技球を振り分けて補給する機能とが実現される。また、遊技球を水平搬送するので、従来の補給樋のように勾配をつける必要がなく、その分、遊技機島10の高さを低くすることができる。さらに、仕切り壁81の壁面に取り付けた進路変更部材82との衝突を起因にして遊技球の進路を変更するので、進路を側方に向けるための特別な機構を設けたりする必要がなく、遊技球搬送装置80の構成を簡略化することができる。
【0096】
以上のように、遊技球補給装置50として、互いに搬送方向が逆向きの第1ベルトコンベア51aと第2ベルトコンベア51bとをほぼ平行に近接配置し、境界で遊技球同士が衝突することで遊技球の軌道が変化しシュート31へ取り込まれる方式のものを使用したが、他の方式でもかまわない。例えば、後述するように1本のベルトコンベアで遊技球を搬送する方式にも本発明は適用できる。
【0097】
次に、第2の実施の形態を説明する。
【0098】
第1の実施の形態では、遊技球搬送装置50、80を遊技機島10内での遊技球の搬送に使用したが、第2の実施の形態では遊技機島10と他の遊技機島10との間での遊技球の移送に使用している。図16は、第1の遊技機島10Aの第1上部タンク13Aと第2の遊技機島10Bの第2上部タンク13Bとの間に掛け渡された遊技球搬送装置としての島間コンベア90を示している。遊技球搬送装置50は搬送方向が逆向きの2本のベルトコンベア51a、51bを有していたが、島間コンベア90では1本のベルトコンベア91で遊技球を第1上部タンク13Aから第2上部タンク13Bへ一方向Jに搬送するようになっている。
【0099】
島間コンベア90の搬送フレーム92は、第1上部タンク13A側の端部が回動軸93で回動可能に支持され、第2上部タンク13B側の端部は、第2上部タンク13Bの所定箇所に固定された駆動シリンダ94から上下に進退する伸縮ロッド95の先端で支持されている。ベルトコンベア91の動作状態は遊技球搬送装置50の場合と同様にスリットセンサ96によって検出される。
【0100】
スリットセンサ96によってベルトコンベア91の作動が検出されている正常時は、図16(a)に示すように、伸縮ロッド95が伸張しており、ベルトコンベア91は略水平な状態に保持されて、第1上部タンク13Aから第2上部タンク13B(矢印J方向)への搬送動作が行なわれる。
【0101】
スリットセンサ96が、モータ97の故障などによるベルトコンベア91の搬送動作の停止を検出すると、図16(b)に示すように伸縮ロッド95を縮退させて搬送フレーム92の第2上部タンク13B側の端部を下降させ、ベルトコンベア91を傾斜させる。この傾斜によりベルトコンベア91上の遊技球は、正常時の搬送方向Jと同一方向に転動し、第1上部タンク13Aから第2上部タンク13Bに向けての遊技球の移送が確保される。これにより、ベルトコンベア91が故障したときのために別途、遊技機島10A、10Bでの遊技球の貯留量を調整する制御を追加しなくて済む。
【0102】
なお、ベルトコンベア91の搬送動作の停止が検出された時点でシャッタなどを閉じて第1上部タンク13Aからベルトコンベア91への遊技球の供給を停止させてもよい。搬送動作の停止に応じてベルトコンベア91上への遊技球の供給を停止すると、ベルトコンベア91上に残存していた遊技球が傾斜によって強制排出された後はベルトコンベア91に遊技球がなくなるので、復旧作業の負担が軽減し、素早く復旧作業を進めることができる。
【0103】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0104】
たとえば、実施の形態では、搬送フレーム52の昇降に伸縮ロッド63を用いたが、カムを利用して搬送フレーム52の昇降を行なってもよい。図17は、カム機構100を用いた遊技球搬送装置50Eを示し、図18はカム機構100の近傍を拡大図示している。駆動シリンダ62および伸縮ロッド63に代えてカム機構100を使用した点以外は図2、図3などに示す遊技球搬送装置50と同様の構成になっている。
【0105】
図17(a)は、動力で回動されるカム機構100を直立姿勢にすることで搬送フレーム52を水平状態に保持した状態を示している。この状態で当接部材65aは、ほぼベルトコンベア51a、51bの路面に接した状態となり、遊技球は、2本のベルトコンベア51a、51b上を循環して周回するように搬送される。同図17(a)では上部タンクシャッタ13aが開放され、上部タンク13から遊技球搬送装置50E上へ遊技球が適宜供給される。
【0106】
スリットセンサ58が、モータ56a、56bの故障や搬送ベルト55a、55bの切断などによる搬送動作の停止を検出すると、図17(b)に示すようにカム機構100を回転させて横倒し姿勢にすると共に、上部タンクシャッタ13aを閉じる。カム機構100を横倒し姿勢にすることで搬送フレーム52は回動軸61を中心に回動し、カム機構100側の端部が下降して傾斜する。このとき、支持フレーム66に支持された当接部材65aは、図17(a)に示す水平状態時と同一の位置に保持されるので、当接部材65aが搬送フレーム52(ベルトコンベア51a、51b)から離脱する。これにより、ベルトコンベア51a、51b上の遊技球は排出部25へと転動して強制排出される。
【0107】
このほか、実施の形態では、遊技機島10内での使用する遊技球搬送装置50、80としてベルトコンベアを2本使用するものを示したが、図19に示す遊技球搬送装置50Fのように、1本のベルトコンベアを使用するものであってもかまわない。なお、図19(a)は搬送中の状態を、図19(b)は搬送動作の停止時の状態を示している。1本のベルトコンベアを使用する場合は、遊技球は上部タンク13側から遊技機島10の端部側の排出部25へ向かって一方通行に搬送される。したがって、上部タンク13側の端部から強制排出を行なう場合には、上部タンク13側の端部にも排出部25および排出ホース24を設けることになる。この排出ホース24はオーバーフロー管21と集約されてもかまわない。
【0108】
このほか、ベルトコンベアの傾斜機構は実施の形態で例示した方法に限定されず、どのような機構で行なってもかまわない。さらに、遊技球を強制排出する方法はベルトコンベアを傾斜させる方法に限定されない。
【0109】
実施の形態では、ベルトコンベアによる搬送動作の停止を検出したことに基づいて上部タンクシャッタ13aを閉鎖するようにしたが、シャッタの閉鎖以外の方法であってもベルトコンベア上への遊技球(遊技媒体)の供給が停止されればよく、たとえば、ベルトコンベア上へ供給される遊技球をオーバーフロー管21などへ逃がすようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の実施の形態に係わる遊技球搬送装置を備えた遊技機島の内部構造を示す正面図である。
【図2】遊技機島に設置された遊技球搬送装置の全体を示す正面図である。
【図3】遊技球搬送装置の駆動部分を示す拡大図である。
【図4】搬送中の遊技球の挙動の一例を示す説明図である。
【図5】遊技球搬送装置の搬送路部分の断面図である。
【図6】水平状態における遊技球搬送装置の排出部側終端部分を示す平面図である。
【図7】遊技球搬送装置の設置状態の断面を示す説明図である。
【図8】遊技機島端部側を下降させて該端部側へ遊技球を強制排出するタイプの遊技球搬送装置の水平状態と傾斜状態とを対比して示す説明図である。
【図9】傾斜状態における遊技球搬送装置の排出部側終端部分を示す平面図である。
【図10】上部タンク側へ遊技球が強制排出されるように設置した遊技球搬送装置を示す説明図である。
【図11】上部タンク側を上昇させて遊技機島端部側へ遊技球が強制排出するタイプの遊技球搬送装置の水平状態と傾斜状態とを対比して示す説明図である。
【図12】遊技機島の長手方向の略全長にわたって1台の遊技球搬送装置を設けた場合の構成例を示す説明図である。
【図13】仕切り壁に進路変更部材を配したタイプの遊技球搬送装置が適量の遊技球を搬送する状態の一例を示す説明図である。
【図14】進路変更部材を示す説明図である。
【図15】仕切り壁に進路変更部材を配したタイプの遊技球搬送装置が多量の遊技球を搬送する状態の一例を示す説明図である。
【図16】島間コンベアの水平状態(通常時)と傾斜状態(搬送動作停止時)とを対比して示す説明図である。
【図17】カム機構を使用した遊技球搬送装置の水平状態と傾斜状態とを対比して示す説明図である。
【図18】駆動部およびカム機構を示す拡大図である。
【図19】1本のベルトコンベアを使用した遊技球搬送装置の排出部側終端部分の通常搬送時と搬送動作停止時とを対比して示す説明図である。
【符号の説明】
【0111】
2…遊技機
3…台間玉貸機
5…遊技球
10…遊技機島
11…島柱
11a…幕板内支持部
12…揚送装置
12a…球導入口
13…上部タンク
13a…上部タンクシャッタ
13A…第1上部タンク
13B…第2上部タンク
15…下部タンク
15a…下部タンクシャッタ
16…回収コンベア
17…回収路
21…オーバーフロー管
22…オーバーフローシャッタ
23…オーバーフロー管
24…排出ホース
25…排出部
26…排出レール
28…制御盤
31…シュート
31a…専用シュート
31b…遊技機用のシュート
31c…台間玉貸機用のシュート
32…取込口
50…遊技球搬送装置
51a…第1ベルトコンベア
51b…第2ベルトコンベア
52…搬送フレーム
52a…支持部
52c…台座部
52d…玉受けスペース
53a…第1駆動プーリ
53b…第2駆動プーリ
54a…第1従動プーリ
54b…第2従動プーリ
55a…第1搬送ベルト
55b…第2搬送ベルト
56a…第1モータ
56b…第2モータ
57a…第1テンションローラ
57b…第2テンションローラ
58…スリットセンサ
60…強制排出手段
61、61d…回動軸
62、62d…駆動シリンダ
63、63d…伸縮ロッド
65a、65b…当接部材
66…支持フレーム
71…駆動シリンダ
72…伸縮ロッド
74…シャッタ連動機構
80…遊技球搬送装置
81…仕切り壁
82…進路変更部材
90…島間コンベア
91…ベルトコンベア
92…搬送フレーム
93…回動軸
94…駆動シリンダ
95…伸縮ロッド
96…スリットセンサ
97…モータ
100…カム機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技装置を並設して収容すると共に遊技媒体を貯留する上部タンクを備えた遊技機島に設けられ、前記遊技機島の長手方向にあるいは遊技機島間にわたって設置された搬送路を備え、前記上部タンクから供給された遊技媒体を前記搬送路により前記各遊技装置あるいは他方の遊技機島へ搬送する遊技媒体搬送装置において、
前記搬送路を、略水平に配置したベルトコンベアによって構成し、
前記上部タンクの供給口を開閉する上部タンクシャッタと、
前記ベルトコンベアの動作状態を検出する動作状態検出手段と、
前記ベルトコンベア上の遊技媒体の強制排出を行なう強制排出手段と、
前記動作状態検出手段の検出結果に応じて、前記上部タンクシャッタの開閉と前記強制排出手段による遊技媒体の強制排出動作とを制御する制御手段と
を備えた
ことを特徴とする遊技媒体搬送装置。
【請求項2】
複数の遊技装置を並設して収容すると共に遊技球を貯留する上部タンクを備えた遊技機島に設けられ、前記遊技機島の長手方向にあるいは遊技機島間にわたって設置された搬送路を備え、前記上部タンクから供給された遊技球を前記搬送路により前記各遊技装置あるいは他方の遊技機島へ搬送する遊技媒体搬送装置において、
前記搬送路を、略水平に配置したベルトコンベアによって構成し、
前記上部タンクの供給口を開閉する上部タンクシャッタと、
前記ベルトコンベアの動作状態を検出する動作状態検出手段と、
前記ベルトコンベアを傾斜させることにより前記ベルトコンベア上の遊技球の強制排出を行なう強制排出手段と、
前記動作状態検出手段の検出結果に応じて前記上部タンクシャッタの開閉と前記強制排出手段による遊技球の強制排出動作とを制御する制御手段と
を備えた
ことを特徴とする遊技球搬送装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記動作状態検出手段が前記ベルトコンベアの停止を検出したことを条件として前記上部タンクシャッタを閉鎖すると共に、前記強制排出手段を駆動して前記ベルトコンベアを傾斜させる
ことを特徴とする請求項2に記載の遊技球搬送装置。
【請求項4】
さらに前記制御手段は、前記動作状態検出手段が前記ベルトコンベアの作動を検出したことを条件として前記上部タンクシャッタの開放制御を行なうと共に、前記強制排出手段を駆動して前記ベルトコンベアを略水平にする
ことを特徴とする請求項2または3に記載の遊技球搬送装置。
【請求項5】
前記ベルトコンベアは、前記上部タンクから前記遊技機島の端部に向かう方向に沿って設けられ、
前記強制排出手段は、前記上部タンク側を回動軸として前記遊技機島の端部側を下降させることにより前記ベルトコンベアを傾斜させて前記ベルトコンベア上の遊技球を前記遊技機島の端部側から強制排出する
ことを特徴とする請求項2、3または4に記載の遊技球搬送装置。
【請求項6】
前記ベルトコンベアは、前記上部タンクから前記遊技機島の端部に向かう方向に沿って設けられ、
前記強制排出手段は、前記遊技機島の端部側を回動軸として前記上部タンク側を上昇させることにより前記ベルトコンベアを傾斜させて前記ベルトコンベア上の遊技球を前記遊技機島の端部側から強制排出する
ことを特徴とする請求項2、3、4または5に記載の遊技球搬送装置。
【請求項7】
前記ベルトコンベアは、前記上部タンクから前記遊技機島の端部に向かう方向に沿って設けられ、
前記強制排出手段は、前記上部タンク側を回動軸として前記遊技機島の端部側を上昇させることにより前記ベルトコンベアを傾斜させて前記ベルトコンベア上の遊技球を前記上部タンク側から強制排出する
ことを特徴とする請求項2、3、4、5または6に記載の遊技球搬送装置。
【請求項8】
前記ベルトコンベアは、前記上部タンクから前記遊技機島の端部に向かう方向に沿って設けられ、
前記強制排出手段は、前記遊技機島の端部側を回動軸として前記上部タンク側を下降させることにより前記ベルトコンベアを傾斜させて前記ベルトコンベア上の遊技球を前記上部タンク側から強制排出する
ことを特徴とする請求項2、3、4、5、6または7に記載の遊技媒体搬送装置及び遊技球搬送装置。
【請求項9】
前記搬送路は、前記上部タンクから供給された遊技球を前記遊技機島の長手方向にわたって搬送し、かつ搬送方向を互いに逆向きにした2本のベルトコンベアを平行に並設して構成され、逆向きに搬送される遊技球同士を前記2本のベルトコンベアの境界部で衝突させることを起因として、前記搬送される遊技球が前記複数の遊技装置の取込口に取り込まれるようにしたものであり、
さらに、一方のベルトコンベアによって搬送されてきた遊技球を他方のベルトコンベアへ移行させる当接部材を設けることで、前記2本のベルトコンベア間を遊技球が循環するようになしてあり、
前記強制排出手段は、前記2本のベルトコンベアの傾斜に応じて前記当接部材を前記2本のベルトコンベアから離脱させることにより前記ベルトコンベア上の遊技球を排出するようにした
ことを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7または8に記載の遊技球搬送装置。
【請求項10】
前記搬送路は、前記上部タンクから供給された遊技球を前記遊技機島の長手方向にわたって搬送し、かつ搬送方向を互いに逆向きにした2本のベルトコンベアを平行に並設して構成され、
前記2本のベルトコンベアの境界部に該ベルトコンベアの長手方向に沿って仕切り壁を設け、
前記仕切り壁の両壁面に、前記搬送路の搬送方向と平行な姿勢に対して前記取込口側の面が搬送方向上流側を向くように傾斜した第1姿勢と、前記第1姿勢に比べて前記傾斜の少ない第2姿勢とに変位しかつ前記第1姿勢に向けて弾性力で付勢された進路変更部材を配設し、前記搬送される遊技球を前記進路変更部材に衝突させることを起因として、前記搬送される遊技球が前記複数の遊技装置の取込口に取り込まれるようになされており、
さらに、一方のベルトコンベアによって搬送されてきた遊技球を他方のベルトコンベアへ移行させる当接部材を設けることで、前記2本のベルトコンベア間を遊技球が循環するようになしてあり、
前記強制排出手段は、前記2本のベルトコンベアの傾斜に応じて前記当接部材を前記2本のベルトコンベアから離脱させることにより前記ベルトコンベア上の遊技球を排出するようにした
ことを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7または8に記載の遊技球搬送装置。
【請求項11】
前記2本のベルトコンベアは、前記遊技機島の長手方向の略全長にわたって設けられ、
前記強制排出手段は、前記遊技機島の一方の端部側を回動軸として他方の端部側を下降あるいは上昇させることにより前記2本のベルトコンベアを傾斜させて前記2本のベルトコンベア上の遊技球を前記遊技機島の一方あるいは他方の端部側から強制排出する
ことを特徴とする請求項9または10に記載の遊技球搬送装置。
【請求項12】
前記ベルトコンベアは、搬送路の長手方向に延びる平面状の支持部を備えた搬送フレームの両端にローラを配置し、無端ベルトを、遊技球の載る側を前記支持部に這わせるようにして前記ローラ間に掛け渡したものである
ことを特徴とする請求項5、6、7、8、9、10または11に記載の遊技球搬送装置。
【請求項13】
前記ベルトコンベアは、一方の遊技機島の上部タンクから他方の遊技機島の上部タンクに向けて遊技球を搬送するものであり、
前記強制排出手段は、前記一方の遊技機島の上部タンク側を回動軸として前記他方の遊技機島の上部タンク側を下降、あるいは前記他方の遊技機島の上部タンク側を回動軸として前記一方の遊技機島の上部タンク側を上昇させることにより前記ベルトコンベアを傾斜させ、前記ベルトコンベア上の遊技球を前記他方の遊技機島側へ強制排出する
ことを特徴とする請求項2、3または4に記載の遊技球搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−289395(P2007−289395A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−120574(P2006−120574)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(000127628)株式会社エース電研 (339)
【Fターム(参考)】