説明

遊技機、及び遊技機の傾斜角度測定アダプタ

【課題】正確な傾斜角度の測定が可能な遊技機、及び遊技機の傾斜角度測定アダプタを提供する。
【解決手段】島設備に取り付けられる機枠2と、この機枠2に開閉可能に取り付けられる前面枠と、この前面枠に着脱可能に取り付けられる遊技盤とを備え、機枠2は、木製の上辺材21と下辺材22と左側側辺材23L、金属製の右側側辺材23Rからなり、右側側辺材23Rの内側面に重合状態と垂直状態とに変位可能に縦長な板状部材6を取り付け、前面枠に設けたフックの受け具7を、機枠2の右側側辺材23Rの内側面に設け、垂直状態にある板状部材6の後板面62が受け具7の前端部73に当接して、板状部材6の前板面61が、右側側辺材23Rの前端面27Lと平行になるように構成し、垂直状態にある板状部材6の前板面61に傾斜角度測定器を当接させて、機枠2の傾斜角度を測定可能な遊技機を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機、及び遊技機の傾斜角度測定アダプタに関し、特に、傾斜角度を容易に測定可能な遊技機、及び遊技機の傾斜角度の測定作業を容易にする遊技機の傾斜角度測定アダプタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種であるパチンコ機は、一般に、木材を素材とする上辺材、下辺材、左右の側辺材を組み付けて構成した木製の機枠と、この機枠に開閉可能に取り付けられる前面枠と、この前面枠に着脱可能に取り付けられる遊技盤と、を備えている。そこで、パチンコ機の機枠を、島設備に取り付けるには、熟練技術を有する大工が釘で島設備に取り付けるか、または、島設備の上下に設けられた機枠固定調節金具を介して、島設備を取り付けていた。
【0003】
また、機枠を島設備に取り付ける際には、パチンコ機が所定の角度傾斜するように取り付ける必要があるため、所定長さに切った木片の一端を膳板の前端に合わせて、他端に機枠が当接するように機枠を取り付け、その後、機枠の左辺材と右辺材の前面に前方から傾斜角度測定器を当接させて所定の傾斜角度になっているか確認していた。
【0004】
そして、パチンコ機の傾斜角度を測定する傾斜角度測定器の一例として、例えば、特許文献1に記載されたパチンコ機における固定枠の傾斜角度測定具がある。
【0005】
【特許文献1】特開2000−51508号公報
【0006】
一方、近年では、遊技者及び遊技店からインパクトのある遊技機が求められており、遊技機メーカは各社競って表示装置の大型化を図っている。そのため、遊技盤を拡大する必要が生じている。
【0007】
しかしながら、遊技機一台当りが使用可能な島設備の横幅は限られている。即ち、機枠の横幅は予め決められている。このため、遊技盤の拡大に伴い機枠の左右側辺材の厚さを薄くしなければならなくなり、金属など、従来の木製に変わる素材が用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
傾斜角度測定器により機枠の傾斜を測定するには、傾斜角度測定器を機枠の側辺材に当接させなければならない。しかしながら、側辺材の厚さを薄くした機枠にあっては、傾斜角度測定器と当接する面の幅が狭いので、側辺材の角を支点として傾斜角度測定器が振れてしまい、測定に誤差が生じる恐れがあった。
本発明はかかる点を鑑みてなされたものであり、正確な傾斜角度の測定が可能な遊技機、及び遊技機の傾斜角度測定アダプタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、島設備に取り付けられる機枠と、該機枠に開閉可能に取り付けられる前面枠と、該前面枠に着脱可能に取り付けられる遊技盤と、を備えた遊技機において、前記機枠は、上辺材と、下辺材と、左右の側辺材と、からなり、少なくとも一方の側辺材の内側面には、該内側面に重なる重合状態と、前記内側面に対して垂直な垂直状態と、に変位可能に縦長な板状部材を取り付け、垂直状態となった前記板状部材の前板面が、前記側辺材の前端面と平行になるように構成し、前記垂直状態にある板状部材の前板面に傾斜角度を測定する傾斜角度測定器を当接させて、機枠の傾斜角度を測定可能にしたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載した遊技機であって、前面枠開放端側の前記前面枠の裏面には、当該前面枠の閉状態を維持するフックが後方に向けて設けられ、前記機枠の前記前面枠開放端側の側辺材の内側面には、前記フックが係止可能な係止部を有する受け具が設けられ、前記板状部材が垂直状態にあるときに、前記板状部材の後板面が前記受け具の前面部に当接するようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、遊技盤を着脱可能な前面枠が軸着されると共に、島設備に取り付けられる機枠と、該機枠の傾斜角度を測定する傾斜角度測定器と、の間に介在させて機枠の傾斜角度を測定するための遊技機の傾斜角度測定アダプタであって、前記機枠は、上辺材と、下辺材と、左右の側辺材と、からなり、前記傾斜角度測定アダプタは、横板部と縦板部とを有するL字形状で、横板部の裏面を前記機枠の上辺材または下辺材の前端面に当接させるとともに、縦板部の裏面を前記機枠の一方の側辺材の前端面に当接させ、且つ、縦板部の前板面に前記傾斜角度測定器を当接させて前記機枠の傾斜角度を測定するようにしたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載した遊技機の傾斜角度測定アダプタであって、前記機枠の一方の側辺材の内側面に当接可能なガイド部が、前記縦板部の裏面に、後方に向けて延出状に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、遊技機の傾斜角度を測定する際に、傾斜角度測定器を当接させる部位を拡大することができ、傾斜角度測定器が振れることがなく、安定して正確な測定が可能である。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、傾斜角度測定器を当接させる板状部材を、測定時に機枠に対して固定状にすることができるので、板状部材を安定させた状態で傾斜角度の測定が可能であり、より正確な測定が可能である。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、遊技機に何ら手を加えることなく、傾斜角度測定器を用いて、遊技機の傾斜角度を容易に測定することができる。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、遊技機に何ら手を加えることなく、傾斜角度の測定を容易に行なうことができ、更に測定操作に集中することが可能で、正確な傾斜角度の測定を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
遊技店の島設備に取り付けられる機枠と、この機枠に開閉可能に取り付けられる前面枠と、この前面枠に着脱可能に取り付けられる遊技盤とを備え、前記機枠は、木製の上辺材と下辺材と左側の側辺材、及び金属製の右側の側辺材からなり、少なくとも一方の側辺材の内側面には、この内側面に重なる重合状態と、前記内側面に対して垂直な垂直状態と、に変位可能に縦長な板状部材を取り付け、前面枠の裏面に設けたフックが係止可能な係止部を有する受け具を、前記機枠の前記前面枠開放端側の側辺材の内側面に設け、前記板状部材が垂直状態にあるときに、前記板状部材の後板面が前記受け具の前面部に当接して、前記板状部材の前板面が、前記側辺材の前端面と平行になるように構成し、前記垂直状態にある板状部材の前板面に傾斜角度を測定する傾斜角度測定器を当接させて、機枠の傾斜角度を測定可能にした。
【実施例】
【0018】
以下、本発明の実施例を、図面を参照して説明する。先ず、図1は、遊技機、例えばパチンコ機を、島設備1に設置する状態の概略を示す斜視図である。パチンコ機は、上辺材21、下辺材22(図面では隠れている)、左右の側辺材23L、23Rを組み付けて構成した機枠2と、この機枠2に開閉可能に取り付けられた図示を省略している前面枠と、この前面枠に着脱可能に取り付けられた図示を省略している遊技盤と、を備えている。なお、図1に示す機枠2では、下辺材22の前面に、左右の側辺材23L、23Rに渡して前面板24が設けてあり、この前面板24の上に前面枠が載るようになっている。
【0019】
一方、パチンコ機を設置する島設備1は、島の長手方向に沿って延びる上横桟部材11と、この上横桟部材11に対応して所定の間隔を開けて島の長手方向に沿って配置した下横桟部材12と、を備えている。上横桟部材11には、機枠2の上辺材21を止着する。下横桟部材12の上面には機枠2を載置し、これを止着する。また、下横桟部材12の前面には、遊技者が獲得した賞球を入れた球箱等を載置しておく膳板13が設けてある。
【0020】
なお、島設備1を構成している上横桟部材11と下横桟部材12との間には、パチンコ機に隣接して、台間玉貸機3或いはカードユニット等が設置してある。
【0021】
機枠2は、前記したように、上辺材21、下辺材22、左右の側辺材23L、23Rを、矩形に組み付けて構成してあり、図示の実施例では、右側の側辺材23Rが金属板を折曲形成した金属製となっている。そして、残りの上辺材21、下辺材22、左側の側辺材23Lが、木製となっている。
【0022】
上辺材21と左側の側辺材23Lとが突き合わされる左上角部には、前面枠を開閉可能に軸着するためのヒンジ装置を構成する上接続金具41が設けてある。この上接続金具41は、上辺材21と左側の側辺材23Lとを接続する金具を兼ねている。
【0023】
また、下辺材22と左側側辺材23Lとが突き合わされる左下角部から、下辺材22の前面を覆う前面板24に掛けて、前面枠を開閉可能に軸着するためのヒンジ装置を構成する下接続金具42が設けてある。この下接続金具42は、下辺材22と左側側辺材23Lと前面板24とを接続する金具を兼ねている。
【0024】
左側の側辺材23Lは、木製の部材であり、拡張された遊技盤に対応するために、内側側面の所定の位置に切欠26が形成してある。一方、右側の側辺材23Rは、厚みを薄くするために、金属製となっている。
【0025】
そこで、前記したような従来の機枠2を備えるパチンコ機において、機枠2の傾斜角度を測定するには、傾斜角度測定器5(以下、単に測定器5という)を、左側の側辺材23Lの狭くなっ前端面27Lに宛がって測定するしかない。このため、測定面に当接させる測定器5の当接面の一部が、測定面である左側の側辺材23Lの前端面27Lから飛び出してしまい、測定器5が振れ易く、正確な測定が困難な状況にあった。
【0026】
パチンコ機の傾斜を正確に測定できないと、正確なパチンコ機の設置が不可能である。パチンコ機は傾斜が変わると、球の動きが変わる。このため、遊技店が釘調整を行っても、意図した入賞とならないことがあり、入賞し易くなって遊技店が損害を被ったり、入賞が難しくなって、面白味が無くなり、遊技者が離れてしまい、遊技店にとってはこの状況が一番怖いものとなっている。
【0027】
パチンコ機の傾斜角度を測定する傾斜角度測定器5は、適宜な径の管に適当な大きさの気泡を残して液体を封入した気泡管51を、アルミニウム製或いは合成樹脂製等のフレーム52に配置したものであり、気泡と標線との位置関係により、水平、垂直、勾配を示すものである。図面に示す測定器5は、複数の気泡管51が一本のフレーム52に配設してあり、各気泡管51の中央に気泡が位置するときに、所定の傾斜になるように設定してある。従って、この傾斜角度測定器5を使用すれば、一目で所望の傾斜を得ることが可能である。
【0028】
次に、本発明の一実施例を、図2及び図3に基づいて説明する。この実施例の概略は、パチンコ機の機枠2を構成する右側の側辺材23Rの内面に、この右側側辺材23Rに沿って縦長な板状部材6を、右側側辺材23Rに重なる重合状態と、右側側辺材23Rに対して垂直な垂直状態と、に変位可能に取り付けたものである。
【0029】
機枠2の構成は、前記した図1で説明したものと同様のものである。即ち、木製の上辺材21、下辺材22及び左側の側辺材23Lと、金属製の右側の側辺材23Rとを、四隅に配置した接続金具を介して矩形に組み立てて構成したものである。この実施例においては、左側の側辺材23Lの内側の一部に切欠26を形成して、この切欠26を利用して図示していない前面枠の側部が、機枠2と干渉することがないようになっている。また、上辺材21の後縁にも切欠211が設けてあり、この切欠211は、例えば球の補給装置との干渉を避けるためのものである。
【0030】
機枠2の各角部、即ち、上辺材21の左端と左側側辺材23Lの上端との角部、左側側辺材23Lの下端と下辺材22の左端との角部、下辺材22の右端と右側側辺材23Rの下端との角部、右側側辺材23Rの上端と上辺材21の右端との角部には、それぞれを接続する金属製の接続金具41、42、43、44が設けてある。そして、左側の側辺材23Lに設けた上下一対の接続金具41、42は、前面枠を開閉可能に軸着するヒンジ装置を構成している。
【0031】
一方、右側の側辺材23Rは、金属製であって、例えば、鉄板を折曲して構成している。即ち、例えば、図2(b)に示すように、側板部281の前縁に内向きに屈曲する幅狭の前端面27Rを備えると共に、前記側板部281の後縁に内向きに屈曲する幅広の後端面283を備えている。また、前記後端面283には、前面枠を施錠する施錠装置のフック部材を受け入れる受け具7が設けてある。この受け具7は、同図に示すように、前記後端面283に当接する後端部71と、この後端部71から前方に延出する側端部72と、この側端部72の前端から側方に延出する前端部73とを備えている。なお、図2は、測定器5を当接させるための後述する板状部材6が、受け具7の前端部73に当接した状態である。
【0032】
右側の側辺材23Rには、測定器5が当接する板状部材6を、上下の支軸(図示せず)によって回動可能に軸着し、当該板状部材6が右側の側辺材23Rに重なる重合状態と、側面に垂直な垂直状態とに変位するように構成する。そして、垂直状態になると、この板状部材6の前板面61が右側の側辺材23Rの前端面27Rと平行になる。従って、この垂直状態にある板状部材6の前板面61に、傾斜角度測定器5を押し宛てれば、機枠2の傾斜角度を容易に計ることができる。
【0033】
そして、図3に示す実施例では、板状部材6が、コイルスプリング63等の付勢手段によって、通常は右側側辺材23Rに重なるように牽引され、重合状態にある。
【0034】
一方、測定時には、前記付勢手段による付勢に抗して、板状部材6を支軸を支点に90度回動させる。このとき、図示の実施例では、前面枠を施錠するための施錠装置の受け具7の前端部73に板状部材6の後板面62が当接し、板状部材6が側辺材23に対して垂直な固定状になるように構成してある。
【0035】
従って、右側側辺材23Rに対して90度回動して、右側側辺材23Rの前端面27Rと平行になっている固定状の板状部材6の前板面61に、測定器5を押し宛てれば、機枠2の傾斜を測定することができる。このとき、板状部材6の前板面61の幅は、右側側辺材23Rの前端面27Rの幅に比べて格段に広く、測定器5を当接させたときに安定するので、正確な測定が可能になる。
【0036】
前記した実施例においては、右側の側辺材23Rに板状部材6を、重合状態と垂直状態とに変位可能に設けているが、左側の側辺材23Lに板状部材6を設けるようにしてもよいし、両側の側辺材23R、23Lにそれぞれ設けるようにすることもできる。
【0037】
また、板状部材6を付勢部材によって重合状態を維持するようにしているが、係合部材を設けることにより、板状部材6が重合状態を維持するようにてもよい。更に、垂直状態を維持するように、係止手段を設けることもできる。
【0038】
次に、本発明に係る遊技機の傾斜角度測定アダプタを、図4〜図6に基づいて説明する。この傾斜角度測定アダプタ8は、遊技機の機枠2の形状に対応しており、機枠2の上辺材21に当接する横板部81及び側辺材23の前面に当接する縦板部82を備えた、L字状である。そして、縦板部82は、測定器5を当接させるために十分な横幅を有している。また、図示の実施例では、縦板部82の裏面に側辺材23の内面に当接可能なガイド部83が、後方へ向けて長手方向に沿って延設してある。
【0039】
このような傾斜角度測定アダプタ8を、機枠2の、例えば上辺材21及び右側の側辺材23Rに宛がい、この傾斜角度測定アダプタ8の縦板部82に、測定器5を当接させて傾斜角度を測定すればよい。この傾斜角度測定アダプタ8を使用すれば、横幅の狭い機枠2の側辺材23の前端面27に測定器5を当接させる必要がないので、測定器5がずれて正確な測定ができない、といった問題がない。
【0040】
しかも、図示の実施例においては、縦板部82の裏面にガイド部83を延設しているので、傾斜角度測定アダプタ8をきっちりと機枠2に当接させることができる。即ち、ガイド部83の側面を右側の側辺材23Rの内面に当接させると共に、ガイド部83の上端を上辺材21の下面に当接させる。このようにすれば、傾斜角度測定アダプタ8を機枠2の右上角部に、きっちりと合わせることができる。
【0041】
前記したような傾斜角度測定アダプタ8を使用するときは、この傾斜角度測定アダプタ8を機枠2に対して当接させると共に、この機枠2に対して当接している前記傾斜角度測定アダプタ8に測定器5を当接させる必要がある。
【0042】
そこで、傾斜角度測定アダプタ8と機枠2とが、一体となるように取着手段を設けることもできる。この取着手段は、例えば、傾斜角度測定アダプタ8に磁石を埋め込み、磁力によって、鉄製の側辺材23に吸着させるようにすればよい。また、傾斜角度測定アダプタ8と機枠2とに、互いに係止する係止部をそれぞれ設け、これらの係止部により、傾斜角度測定アダプタ8の位置を所望の場所に維持するようにしてもよい。
【0043】
このような取着手段を利用すれば、傾斜角度測定アダプタ8の位置を維持するための操作が必要なく、傾斜角度の測定に集中できるので、より一層傾斜角度の測定が容易、且つ正確になる。
【0044】
図7は、傾斜角度測定アダプタ8の他の実施例を示す斜視図である。この実施例において、傾斜角度測定アダプタ8は、機枠2の一方の側辺材23、例えば右側の側辺材23Rの内面に対向する側壁部84と、前記右側側辺材23Rの前端面27と平行に前記側壁部84の前縁から延出する前壁部85と、前記側壁部84の後縁から前記右側側辺材23Rの後端面に当接するように延出する後壁部86と、この後壁部86の他縁から前記右側側辺材23Rの外面に当接するように前方へ向けて延出する外壁部87と、を備えている。即ち、この傾斜角度測定アダプタ8では、側壁部84と外壁部87との間に後壁部86を底部とする嵌着溝が形成されている。
【0045】
そこで、この傾斜角度測定アダプタ8を使用するときは、機枠2の一方の側辺材23、例えば右側の側辺材23Rの後方から傾斜角度測定アダプタ8を臨ませ、嵌着溝の中に前記右側側辺材23Rが入り込むように、一旦、傾斜角度測定アダプタ8を引き寄せる。すると、傾斜角度測定アダプタ8の後壁部86が、右側側辺材23Rの後端面に当接する。また、このとき、前記後端面が、傾斜角度測定アダプタ8の側壁部84と外壁部87との間に挟まれて、機枠2の右側側辺材23Rに止着される。
【0046】
この状態では、機枠2を構成している例えば右側の側辺材23Rの前端面27Rと、傾斜角度測定アダプタ8の前壁部85とが平行になっているので、この傾斜角度測定アダプタ8の前壁部85に傾斜角度測定器5を宛がって、機枠2の傾斜角度を測定することが可能である。
【0047】
傾斜角度測定アダプタ8の前壁部85は、側辺材23の前端面27に比べて、大きな横幅を有しているので、測定器5の当接部が測定面である前記前端面27からはみ出ることがなく、安定した測定が可能である。
【0048】
図7に示した実施例では、機枠の側辺材を、傾斜角度測定アダプタで挟むようにして、当該傾斜角度測定アダプタを機枠に対して止着している。しかし、傾斜角度測定アダプタの機枠に対する止着は、他の構成とすることもできる。例えば、磁力によって吸着させたり、係止部を設けて互いに係止させるようにしてもよい。
【0049】
以上本発明を図面の実施例について説明したが、本発明は前記した各実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限り適宜に実施できる。例えば、パチンコ機ばかりではなく、スロットマシン等、他の遊技機にも適用可能である。また、機枠として、木製の枠材に一部金属製の枠材を組み合わせたものとを示したが、全体を木製、或いは全体を金属製としたもの、または合成樹脂製のものなど、適宜な材質の機枠に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】遊技機の一例であるパチンコ機の機枠を、島設備に配置した状態の概略斜視図である。
【図2】遊技機の一例であるパチンコ機の機枠の斜視図及び断面図である。
【図3】傾斜角度測定用の板状部材の重合状態と垂直状態とを示す要部の斜視図である。
【図4】パチンコ機の機枠及び傾斜角度測定アダプタの斜視図である。
【図5】傾斜角度測定アダプタの斜視図及び断面図である。
【図6】傾斜角度測定アダプタの使用法を示すパチンコ機の機枠の斜視図である。
【図7】他の実施例による傾斜角度測定アダプタ及びパチンコ機の機枠に適用した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
1 島設備
2 機枠
3 台間玉貸機
5 傾斜角度測定器
6 板状部材
7 受け具
8 傾斜角度測定アダプタ
11 上横桟部材
12 下横桟部材
13 膳板
21 上辺材
22 下辺材
23L 左側側辺材
23R 右側側辺材
24 前面板
27L 前端面
27R 前端面
41 上接続金具
42 下接続金具
51 気泡管
52 フレーム
61 前板面
62 後板面
63 コイルスプリング
71 後端部
72 側端部
73 前端部
81 横板部
82 縦板部
83 ガイド部
84 側壁部
85 前壁部
86 後壁部
87 外壁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
島設備に取り付けられる機枠と、該機枠に開閉可能に取り付けられる前面枠と、該前面枠に着脱可能に取り付けられる遊技盤と、を備えた遊技機において、
前記機枠は、上辺材と、下辺材と、左右の側辺材と、からなり、
少なくとも一方の側辺材の内側面には、該内側面に重なる重合状態と、前記内側面に対して垂直な垂直状態と、に変位可能に縦長な板状部材を取り付け、
垂直状態となった前記板状部材の前板面が、前記側辺材の前端面と平行になるように構成し、前記垂直状態にある板状部材の前板面に傾斜角度を測定する傾斜角度測定器を当接させて、機枠の傾斜角度を測定可能にしたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前面枠開放端側の前記前面枠の裏面には、当該前面枠の閉状態を維持するフックが後方に向けて設けられ、
前記機枠の前記前面枠開放端側の側辺材の内側面には、前記フックが係止可能な係止部を有する受け具が設けられ、
前記板状部材が垂直状態にあるときに、前記板状部材の後板面が前記受け具の前面部に当接するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
遊技盤を着脱可能な前面枠が軸着されると共に、島設備に取り付けられる機枠と、該機枠の傾斜角度を測定する傾斜角度測定器と、の間に介在させて機枠の傾斜角度を測定するための遊技機の傾斜角度測定アダプタであって、
前記機枠は、上辺材と、下辺材と、左右の側辺材と、からなり、
前記傾斜角度測定アダプタは、横板部と縦板部とを有するL字形状で、横板部の裏面を前記機枠の上辺材または下辺材の前端面に当接させるとともに、縦板部の裏面を前記機枠の一方の側辺材の前端面に当接させ、且つ、縦板部の前板面に前記傾斜角度測定器を当接させて前記機枠の傾斜角度を測定するようにしたことを特徴とする遊技機の傾斜角度測定アダプタ。
【請求項4】
前記傾斜角度測定アダプタは、前記機枠の一方の側辺材の内側面に当接可能なガイド部が、前記縦板部の裏面に、後方に向けて延出状に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機の傾斜角度測定アダプタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−222369(P2007−222369A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−46301(P2006−46301)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(000132747)株式会社ソフィア (2,465)
【Fターム(参考)】