遊技機、遊技機部品、遊技機関連部品及び遊技機部品の製造方法
【課題】 遊技機部品に施す作業の作業性を悪化させたり、当該作業を不可能とすることなく、遊技機全体の再利用率を高めて、ひいては、環境保護及び資源保護に寄与できる遊技機等を提供する。
【解決手段】 複数の遊技機部品を用いて構成される遊技機である。所定の遊技機部品の少なくとも一部に、木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備える。木質発泡樹脂成形部は、木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料と、熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料と、を混合して生成された部品原料を用いて発泡成形して構成される。
【解決手段】 複数の遊技機部品を用いて構成される遊技機である。所定の遊技機部品の少なくとも一部に、木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備える。木質発泡樹脂成形部は、木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料と、熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料と、を混合して生成された部品原料を用いて発泡成形して構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機、遊技機部品、遊技機関連部品及び遊技機部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機(弾球遊技機)やスロットマシン(回胴式遊技機)等の遊技機の一部には、「木製の遊技機部品」が用いられている。例えば、パチンコ機では、遊技盤や遊技制御部品等から構成されるパチンコ機本体(遊技機本体)を、矩形状の外枠の一側に回動自在に組み付けて構成されている。そして、このパチンコ機においては、外枠や遊技盤が、「木製の遊技機部品」に該当する(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
このような「木製の遊技機部品」は、経年劣化による耐久性の低下や、湿気による変形により、長時間の使用(以後の使用)が困難になり、新たなものに交換することが必要となることがある。かかる場合においては、木製の遊技機部品(外枠や遊技盤等)を新規に作成することが必要なため、新たに木材を使用することになると共に、古くなった「木製の遊技機部品」が、廃棄されることになる。
【0004】
また、パチンコホールにおいて、遊技機(パチンコ機等)が長期間使用されることにより、この遊技機の主要な機器(役物装置、制御基板等)の寿命が到来し、当該遊技機(パチンコ機等)を新たな遊技機に交換することが必要となることがある。更に、パチンコホールにおいて、旧機種の遊技機が設置部位(島設備)から取り外され、新機種の遊技機が当該「設置部位(島設備)」に設置されること(所謂「新台入れ替え」)がある。
【0005】
これらの場合においては、古くなった遊技機(パチンコ機等)が、パチンコホールの設置部位から外されると、その遊技機(パチンコ機等)を構成する「一部の遊技機部品(樹脂製の遊技機部品)」は再利用(リサイクル、リユース)されるものの、他の遊技機部品は「木製の遊技機部品」を含めて廃棄されることになる。そして、新機種の製造・販売に際しては、その都度、外枠や遊技盤等の「木製の遊技機部品」も新規に作成するため、それにあわせて大量の木材を使用することになる。
【0006】
以上のように、従来の遊技機(パチンコ機等)では、木製の遊技機部品(外枠や遊技盤等)の交換を行ったり、遊技機(パチンコ機等)全体の交換、入れ換え等を行う場合に、古くなった遊技機部品が再利用されないため、環境保護及び資源保護等の観点から好ましくない。そこで、本発明者らは、「従来、木材を用いて構成していた遊技機部品(外枠や遊技盤等)を、再原料化が容易な樹脂を用いて構成することで、当該遊技機部品(外枠や遊技盤等)の再利用の促進を図ることができる」との知見を得た。
【特許文献1】特開平10−15190号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、「木製の遊技機部品」を、単に「樹脂製の遊技機部品」とするだけでは、以下のような問題が発生する。つまり、「樹脂製の遊技機部品」には釘を打ち込むことが困難であるか、不可能である(例えば、樹脂製の遊技機部品に破損を生ずるため、不可能である。)と共に、「樹脂製の遊技機部品」は、「木製の遊技機部品」に比べて重量が重くなるのが一般的である。このため、例えば、外枠や遊技盤を樹脂製とした場合、次のような問題を生ずる。
【0008】
先ず、外枠をパチンコホールの島設備の設置部位に固定する際には、外枠に釘を打ち込むことが必要である。ところが、外枠を単なる「樹脂製部品」として構成した場合には、釘を外枠に打ち込むことが困難であるため、結局、遊技機(パチンコ機)をパチンコホールに設置する作業の作業性が悪化したり、この作業が不可能となる恐れがある。また、外枠を単なる「樹脂製部品」として構成すると、外枠の重量が多くなるため、パチンコホール内で、遊技機全体(遊技機本体及び外枠)の配置転換を行う場合に、この配置転換のための作業の作業性が悪化する恐れもある。
【0009】
また、遊技盤の盤面上(前面部)には、通常、多数の障害釘が打ち込まれて配置されている。ところが、遊技盤を単なる「樹脂製部品」として構成した場合には、遊技盤面上に障害釘を打ち込むことが困難であるため、結局、障害釘の配置の作業性が悪化したり、障害釘の配置の作業が不可能となる恐れがある。また、遊技盤を単なる「樹脂製部品」として構成した場合には、遊技盤の重量が多くなるため、遊技盤を遊技機本体から着脱する作業を行う際に、この作業の作業性が悪化する恐れもある。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、遊技機部品に施す作業の作業性を悪化させたり、当該作業を不可能とすることなく、遊技機全体の再利用率を高めて、ひいては、環境保護及び資源保護に寄与できる遊技機を提供することを目的とする。
【0011】
本発明の他の目的は、釘打ち等の作業の作業性を悪化させたり、当該作業を不可能とすることなく、再利用が促進され、ひいては、環境保護及び資源保護に寄与できる遊技機部品を提供することを目的とする。
【0012】
本発明の更に他の目的は、釘打ち等の作業の作業性を悪化させたり、当該作業を不可能とすることなく、再利用が促進され、ひいては、環境保護及び資源保護に寄与できる遊技機関連部品を提供することを目的とする。
【0013】
本発明の更に他の目的は、釘打ち等の作業の作業性を悪化させたり、当該作業を不可能とすることなく、再利用が促進され、ひいては、環境保護及び資源保護に寄与できる遊技機部品を得るための「遊技機部品の製造方法」を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1記載の遊技機は、
複数の遊技機部品を用いて構成される遊技機であって、
所定の遊技機部品の少なくとも一部に、木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備えると共に、
該木質発泡樹脂成形部は、使用済みで木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料と、使用済みで熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料と、を混合、混練りして生成された部品原料を用いて発泡成形して構成されることを特徴とする。
【0015】
また、請求項2記載の遊技機は、
複数の遊技機部品を用いて構成される遊技機であって、
所定の遊技機部品の少なくとも一部に、木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備えると共に、
該木質発泡樹脂成形部は、木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料と、熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料と、を混合して生成された部品原料を用いて発泡成形して構成されることを特徴とする。
【0016】
請求項1及び2の各発明の遊技機によると、所定の遊技機部品の少なくとも一部に、木質発泡樹脂成形部を備える。そして、この木質発泡樹脂成形部は、木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料と、熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料とを構成原料とする。このため、この木質発泡樹脂成形部の成形に際し、使用済みの「木製の遊技機部品」の再利用(再原料化)を行うと共に、使用済みの「熱可塑性樹脂製の遊技機部品」の再利用(再原料化)を行うことができる。よって、請求項1及び2の各発明の遊技機によると、遊技機全体の再利用率を高めることができ、これにより、環境保護及び資源保護に寄与することができる。但し、請求項2の発明では、使用済みの「遊技機部品」のみならず、使用前の遊技機部品(不良品、過剰在庫品等)の利用をも意図している。尚、この点に関しては、請求項3〜10の各発明においても同様である。
【0017】
また、請求項1及び2の各発明の遊技機では、木質発泡樹脂成形部が、気泡を備える発泡成形品とされるため、この木質発泡樹脂成形部に「釘(固定用の釘や、障害釘等)」を打ち込むことが容易である。また、木質発泡樹脂成形部は、気泡を備える分だけ、軽量化されているため、遊技機部品の軽量化が図られる。よって、請求項1及び2の発明の遊技機によると、遊技機部品に施す作業(例えば、島設備への固定作業、障害釘の打ち込み作業、パチンコホール内での搬送作業、遊技機メーカからパチンコホールへの搬送作業、使用済み遊技機の回収作業、他の遊技機部品への組付作業等)の作業性を悪化させることがない。
【0018】
更に、請求項1及び2の各発明では、従来「木製」とされていた「遊技機部品」を、木質発泡樹脂成形部を備える構成とする。つまり、木質材料を構成原料に含むことで、木製の「風合い」を保ちつつも、熱可塑性樹脂を構成原料に含むことで、遊技機部品の耐久性の向上(従来の木製の遊技機部品に比べた耐久性の向上)を図ることができ、経年劣化や使用環境による変形が生じ難くなっている。更に、木質発泡樹脂成形部を、同一の成形部(同一の遊技機部品、若しくは、同一の遊技機部品の一部)とし、再度、再利用(再原料化)する場合においては、分別作業等が不要となる。よって、この再度、再利用を行うことが容易である。
【0019】
ここで、本明細書において「木材製の遊技機部品」としては、(1)パチンコ機(弾球遊技機)やスロットマシン(回胴式遊技機)等の遊技機を構成する「外枠(請求項6の発明を参照)」や、(2)パチンコ機(弾球遊技機)を構成する遊技盤(請求項7の発明を参照)を例示できる。また、「熱可塑性樹脂製の遊技機部品」としては、中枠、前面枠、遊技制御部品用ケース等を例示できる。
【0020】
請求項1及び2の各発明の「部品原料」は、木材製の遊技機部品の粉砕品(木質材料)と、熱可塑性樹脂製の遊技機部品の粉砕品(樹脂材料)と、を単に混合(但し、請求項1では、混合して混練する。)生成された部品原料であってもよいが、造粒品であってもよい。つまり、木材製の遊技機部品の粉砕品(木質材料)と、熱可塑性樹脂製の遊技機部品の粉砕品(樹脂材料)と、混合して(請求項1では、混合し、混練して)、更に造粒して生成される部品原料であってもよい。また、請求項1の発明では、「発泡成形」を、部品原料に発泡剤を添加して行ってもよし、空気若しくは炭酸ガス等を注入しつつ、行ってもよい。但し、請求項2、3、5〜請求項11の発明においては、「部品原料」を作製する際に、木材製の遊技機部品の粉砕品(木質材料)と、熱可塑性樹脂製の遊技機部品の粉砕品(樹脂材料)とを混合し、更に、「混練り」することを排除するものではない。
【0021】
尚、請求項1及び2の各発明において、木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料と、熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料は、小片状(例えば、チップ状)に構成されてもよいし、粉状に構成されてもよい。また、各請求項の発明においては、木質発泡樹脂成形部の品質の向上を図るため、部品原料に、未使用の材料(未使用の木材を粉砕して構成されるバージン木質材料や、未使用の熱可塑性樹脂(バージン熱可塑性樹脂)を混入してもよい。
【0022】
ここで、各請求項の発明の「熱可塑性樹脂」としては、PC(ポリカーボネート)、ABS樹脂、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PMMA(ポリ酢酸ビニル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PA(ポリアミド)、POM(ポリオキシメチレン)、PSU(ポリサルフォン)、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、PI(ポリイミド)、フッ素樹脂等を例示できる。
【0023】
そして、各請求項の発明では、これらの「熱可塑性樹脂」のうちで、ABS樹脂若しくはPCを特に好適に用いることができる。蓋し、ABS樹脂及びPCは、遊技機部品の構成素材として広く使用されているからである。但し、各請求項の発明において、木質発泡樹脂成形品を作製する際に、ABS樹脂及びPCのうちの何れを用いるかの選択を、例えば、以下のように行うことができる。つまり、硬度と、強度を優先する遊技機部品では、ABSを用いることが望ましい。一方、「釘の打ち込み作業等の作業性」を優先する遊技機部品では、PCを用いることが望ましい。更に、木質発泡樹脂成形部が、直接、遊技者の目に触れる場合には、PCを用いることが望ましい。蓋し、ABSを用いた遊技機部品は、通常、着色されているので、ABSの再利用品を使用する場合には、その色を考慮することが必要となる場合があるためである。
【0024】
各請求項の発明において、木質材料と、樹脂材料との配合比率を種々選択することができる。特に、木質材料の使用重量と、樹脂材料の使用重量とを合わせたものを100重量部とする場合、木質材料の使用重量を「40重量部〜80重量部」のうちの何れかとすることが望ましく、「55重量部〜65重量部」のうちの何れかとすることが更に望ましく、「58重量〜62重量部」のうちの何れかとすることが更に一層、望ましい。木質材料の使用重量が、40重量部未満となると、木質発泡樹脂成形品の硬度や、強度を高くなり過ぎてしまい、この木質発泡樹脂成形品に釘打ち作業を施すことが困難となる恐れがある。一方、木質材料の使用重量が、80重量部を超えると、木質発泡樹脂成形品の硬度や、強度を不十分となる恐れがあるからである。
【0025】
各請求項の発明(但し、請求項8の発明を除く)の「発泡成形」の具体的な手法としては、押し出し成形や、射出成形等を例示できる。また、この「発泡成形」において使用する「発泡剤」としては、(1)ADCA発泡剤(アゾジカルボンアミド)、DPT発泡剤(ジニトロソペンタメチレンテトラミン)、OBSH発泡剤等の有機発泡剤や、(2)無機発泡剤等を用いることができる。但し、木質発泡樹脂成形部を再度、リサイクルするための便宜を図るためには、有機発泡剤を使用することが望ましい。蓋し、木質材料及び樹脂材料が、有機系の材料であるため、発泡剤としても、有機系のものを使用すれば、木質発泡樹脂成形部をより効率的に再利用することができるからである。
【0026】
請求項3記載の遊技機は、
複数の遊技機部品を用いて構成される遊技機であって、
所定の遊技機部品の少なくとも一部に、木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備えると共に、
該木質発泡樹脂成形部は、
木材製の粉砕物を用いて構成される木質材料と、
熱可塑性樹脂製の粉砕物、熱可塑性樹脂製の小片状物及び熱可塑性樹脂製の粉状物のうちの少なくとも何れかを用いて構成される樹脂材料と、
を混合して生成された部品原料を用いて発泡成形して構成されることを特徴とする。
【0027】
請求項3の発明は、請求項2の発明の上位概念を示している。つまり、請求項3の発明においては、(A)木質材料を、木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料に限定しない点と、(B)樹脂材料を、熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料に限定しない点とが、請求項3の発明との相違点である。つまり、請求項3の発明の「木質材料」には、未使用の木材を粉砕して構成される木質材料(木製の遊技機部品の製造時に生じた「端切れ等」を粉砕した粉砕物)も含まれる。また、請求項3の発明の「樹脂材料」には、「未使用の可塑性樹脂製の粉砕物(例えば、熱可塑性樹脂製の遊技機部品の製造時に生じた不良品を粉砕した粉砕物)」や、熱可塑性樹脂製のバージン原料(ペレット等の小片状物によって構成されるバージン原料や、造粒等がなされて粉状物で構成されるバージン原料等)が含まれる。
【0028】
請求項3の発明の遊技機においても、木質発泡樹脂成形部が、気泡を備える発泡成形品とされるため、この木質発泡樹脂成形部に「釘」を打ち込むことが容易であると共に、遊技機部品の軽量化が図られる。よって、請求項3の発明の遊技機によっても、遊技機部品に施す作業(遊技機メーカからパチンコホールへの搬送作業、使用済み遊技機の回収作業、他の遊技機部品への組付作業等)の作業性を悪化させることがない。また、「遊技機部品」を、木質発泡樹脂成形部を備える構成とすることで、この遊技機部品の耐久性の向上を図ることができ、経年劣化や使用環境による変形が生じ難くなっている。更に、木質発泡樹脂成形部を、同一の成形部(同一の遊技機部品、若しくは、同一の遊技機部品の一部)とし、再度、再利用(再原料化)する場合においては、分別作業等が不要となる。よって、この再度、再利用を行うことが容易である。
【0029】
尚、請求項3の発明においても、木質材料を、「木材製の遊技機部品」を粉砕して構成される木質材料とする場合には、使用済みの「木製の遊技機部品」の再利用を行うことができる。よって、請求項1の発明と同様に、遊技機全体の再利用率を高めることができ、これにより、環境保護及び資源保護に寄与することができる。また、請求項3の発明においても、「発泡成形」を、部品原料に発泡剤を添加して行ってもよし、空気若しくは炭酸ガス等を注入しつつ、行ってもよい。
【0030】
請求項4記載の遊技機は、
複数の遊技機部品を用いて構成される遊技機であって、
所定の遊技機部品の少なくとも一部に、木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備えると共に、
該木質発泡樹脂成形部は、
木材製の粉砕物を用いて構成される木質材料と、
熱可塑性樹脂製の粉砕物、熱可塑性樹脂製の小片状物、熱可塑性樹脂製の粉状物、及び熱可塑性樹脂製の流動物のうちの少なくとも何れかを用いて構成される樹脂材料と、
所定の発泡剤と、
を用いた発泡成形によって製造されることを特徴とする。
【0031】
請求項4の発明も、請求項2の発明の上位概念を示している。つまり、請求項4の発明においても、(A)木質材料を、「木材製の遊技機部品」を粉砕して構成される木質材料に限定しない点と、(B)樹脂材料を、熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料に限定しない点とが、請求項1の発明との相違点である。つまり、請求項4の発明の「木質材料」には、未使用の木材を粉砕して構成される木質材料も含まれる。また、請求項4の発明の「樹脂材料」には、「未使用の可塑性樹脂製の粉砕物」、熱可塑性樹脂製のバージン原料や、熱可塑性樹脂を溶融させて構成される流動物等が含まれる。
【0032】
また、請求項4の発明においては、請求項2の発明のように、(a)木質材料と、樹脂材料と、を混合して生成された部品原料を用いて発泡成形を行う態様の他に、(b)木質材料と、樹脂材料と、を用いて直接(請求項2の発明の「部品原料」を作製すること無く)、発泡成形を行う態様も含まれる。
【0033】
請求項4の発明の遊技機においても、木質発泡樹脂成形部が、気泡を備える発泡成形品とされるため、この木質発泡樹脂成形部に「釘」を打ち込むことが容易であると共に、遊技機部品の軽量化が図られる。よって、請求項4の発明の遊技機によっても、遊技機部品に施す作業(遊技機メーカからパチンコホールへの搬送作業、使用済み遊技機の回収作業、他の遊技機部品への組付作業等)の作業性を悪化させることがない。また、「遊技機部品」を、木質発泡樹脂成形部を備える構成とすることで、この遊技機部品の耐久性の向上を図ることができ、経年劣化や使用環境による変形が生じ難くなっている。更に、木質発泡樹脂成形部を、同一の成形部(同一の遊技機部品、若しくは、同一の遊技機部品の一部)とし、再度、再利用する場合においては、分別作業等が不要となる。よって、この再度、再利用を行うことが容易である。
【0034】
尚、請求項4の発明においても、木質材料を、木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料とする場合には、使用済みの「木製の遊技機部品」の再利用(再原料化)を行うことができる。よって、請求項2の発明と同様に、遊技機全体の再利用率を高めることができ、これにより、環境保護及び資源保護に寄与することができる。
【0035】
請求項5記載の遊技機は、
複数の遊技機部品を用いて構成される遊技機であって、
所定の遊技機部品の少なくとも一部に、木材製の粉砕物を用いて構成される木質材料と、熱可塑性樹脂と、を用いて発泡成形して形成される木質発泡樹脂成形部を備え、
該木質発泡樹脂成形部は、表面側及び裏面側に位置する表皮部と、該表皮部の間に形成される中間部とを備える略板状に構成されると共に、
前記中間部の発泡倍率は、前記表皮部の発泡倍率よりも高くされていることを特徴とする。
【0036】
請求項5の発明においても、(A)木質材料を、「木材製の遊技機部品」を粉砕して構成される木質材料に限定しない点と、(B)樹脂材料を、「熱可塑性樹脂製の遊技機部品」を粉砕して構成される樹脂材料に限定しない点とが、請求項2の発明との相違点である。つまり、請求項4の発明の「木質材料」には、未使用の木材を粉砕して構成される木質材料も含まれる。また、請求項4の発明の「樹脂材料」には、「未使用の可塑性樹脂製の粉砕物、熱可塑性樹脂製のバージン原料や、熱可塑性樹脂を溶融させて構成される流動物等が含まれる。
【0037】
請求項5の発明の遊技機においても、木質発泡樹脂成形部が、気泡を備える発泡成形品とされるため、この木質発泡樹脂成形部に「釘」を打ち込むことが容易であると共に、遊技機部品の軽量化が図られる。よって、請求項5の発明の遊技機によっても、遊技機部品に施す作業(遊技機メーカからパチンコホールへの搬送作業、使用済み遊技機の回収作業、他の遊技機部品への組付作業等)の作業性を悪化させることがない。また、「遊技機部品」を、木質発泡樹脂成形部を備える構成とすることで、この遊技機部品の耐久性の向上を図ることができ、経年劣化や使用環境による変形が生じ難くなっている。更に、木質発泡樹脂成形部を、同一の成形部(同一の遊技機部品、若しくは、同一の遊技機部品の一部)とし、再度、再利用する場合においては、分別作業等が不要となる。よって、この再度、再利用を行うことが容易である。
【0038】
更に、請求項5の発明によると、木質発泡樹脂成形部が表皮部と、中間部とを備えると共に、表皮部が、発泡倍率が低く硬い部分とされ、中間部が、発泡倍率が高く柔らかい部分とされる。つまり、外観として外部に露呈しない中間部の発泡倍率が高くされるため、この「木質発泡樹脂成形部」に釘を打ち込む作業の作業性が確保されると共に、「木質発泡樹脂成形部」の軽量化が図られる。
【0039】
尚、請求項5の発明においても、木質材料を、木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料とする場合には、使用済みの「木製の遊技機部品」の再利用(再原料化)を行うことができる。よって、請求項2の発明と同様に、遊技機全体の再利用率を高めることができ、これにより、環境保護及び資源保護に寄与することができる。
【0040】
請求項6記載の遊技機は、請求項1〜5の何れかに一項に記載の遊技機において、
遊技機の設置箇所に設置される外枠と、該外枠に装着される遊技機本体と、を備えると共に、
該外枠の少なくとも一部に、前記木質発泡樹脂成形部を備えることを特徴とする。
【0041】
請求項6の発明は、請求項1〜請求項5の発明の具体例を示すものである。ここで、外枠とは、通常、島設備の設置部位に釘を用いて固定される。更に、この外枠の一側には、遊技機本体が回動自在に組み付けられる。また、この外枠は、通常、天板と、左側の側板(遊技者から見て)と、右側の側板(遊技者から見て)と、底板とを略矩形状に組み合わせて構成されている。尚、外枠を、島設備の設置部位に固定する場合には、通常、天板と、底板とに釘が打ち込まれる。
【0042】
この外枠は、通常、パチンコホールにおいて、頻繁にその配置替えが行われる。つまり、パチンコホールにおいては、新機種の導入時等に頻繁に、遊技機の配置替えを行う。ところが、外枠は、個々の遊技機メーカ毎に固有の取付金具(遊技機本体を固定するための取付金具)等を有している。よって、同一の外枠を、製造メーカの異なる遊技機本体を固定するための外枠として汎用的に用いることができない。従って、遊技機本体を外枠と共に配置替することが必要となる。
【0043】
しかし、従来の外枠(単に木材で構成した外枠)は重量が重いため、遊技機の新たな配置箇所に移動する作業を行う者の負担が多くなっている。また、外枠の配置換えを実行する毎に、旧設置箇所において打ち込まれていた釘を、天板と底板から抜き取り、新たな設置箇所において、この天板と底板に、再び、釘を打ち込むことが必要である。そして、外枠の頻繁な「配置替え」に対応して、天板と底板に度々、釘が打ち込まれることが原因となり、天板と底板に破損を生ずることがある。このため、外枠は、頻繁に交換されるのが一般的である。
【0044】
これに対し、請求項6の発明は、このような外枠の特性を考慮してなされたものである。つまり、請求項6の発明では、外枠に木質発泡樹脂成形部を設け、その軽量化を図るため、この外枠の「配置替え」の作業の作業性が向上する。また、使用中の外枠の「天板と底板」に破損を生じ、外枠を交換する場合にも、当該、「使用中の外枠」を、新たな外枠の材料として使用することができる。
【0045】
請求項6の発明においては、外枠全体を木質発泡樹脂成形部で構成してもよいし、外枠を構成する特定の板のみ、若しくは、特定の板の一部のみを木質発泡樹脂成形部で構成してもよい。つまり、(1)天板、底板、左側の側板及び右側の側板を、木質発泡樹脂成形部で構成する態様、(2)天板及び底板を木質発泡樹脂成形部で構成し、左側及び右側の側板を木材や樹脂で構成する態様、(3)天板及び底板を木材で構成し、左側及び右側の側板を木質発泡樹脂成形部で構成する態様、等を例示することができる。
【0046】
(1)の態様(外枠全体を木質発泡樹脂成形部で構成する態様)は、外枠の軽量化のために特に好ましい。また、(2)の態様では、天板及び底板を、釘を打ち込み易い「木質発泡樹脂成形部」で構成するため、外枠を島設備の設置部位に固定する際の作業性を確保できる。更に、(3)の態様では、天板及び底板を、釘を打ち込むことができる木材で構成しつつも、左側及び右側の側板を軽量の木質発泡樹脂成形部で構成するため、外枠の軽量化を図ることができる。
【0047】
請求項7記載の遊技機は、請求項1〜6の何れかに一項に記載の遊技機において、
遊技機の設置箇所に設置される外枠と、該外枠に装着されると共に遊技盤を備える遊技機本体と、を備えると共に、
該遊技盤の少なくとも一部に、前記木質発泡樹脂成形部を備えることを特徴とする。
【0048】
請求項7の発明は、請求項1〜請求項6の発明の具体例を示すものである。ここで、遊技盤は、表面部を遊技盤面とし、裏面部を制御基板等の設置部とする。そして、遊技盤面に障害釘が打ち込まれる。
【0049】
この遊技盤は、通常、パチンコホールにおいて、頻繁に交換(所謂「面換え」である。)が行われる。ところが、一般的な遊技盤(単に木材で構成した遊技盤)は重いため、遊技盤の交換作業を行う者の負担が多くなっている。これに対し、請求項7の発明は、このような遊技盤の特性を考慮してなされたものである。つまり、請求項7の発明では、遊技盤に木質発泡樹脂成形部を設け、その軽量化を図るため、この遊技盤の「交換」の作業の作業性が向上する。
【0050】
請求項7の発明においては、(A)遊技盤全体を木質発泡樹脂成形部で構成してもよいが、遊技盤の一部のみを木質発泡樹脂成形部で構成してもよい。例えば、遊技盤を、複数の板を貼り合わせて構成する場合、当該複数の板から選択される所定の板のみを木質発泡樹脂成形部で構成してもよい。つまり、遊技盤が、表面部を構成する表板部と、裏面部を構成する裏板部と、表板部及び裏板部間に配置される中板部(中板部が複数枚存在してもよい。)とを積層状に貼り合わせて構成される場合に、(B)表板部のみを木質発泡樹脂成形部で構成し、その他の部分を木材で構成する態様、(C)裏板部のみを木質発泡樹脂成形部で構成し、その他の部分を木材で構成する態様、(D)表板部及び裏板部を木質発泡樹脂成形部で構成し、中板部を木材で構成する態様、(E)中板部を木質発泡樹脂成形部で構成し、その他の部分を木材で構成する態様(中板部が複数枚存在する場合、少なくとも1つの中板部を木質発泡樹脂成形部で構成する態様)等を例示できる。
【0051】
そして、(A)〜(E)の何れの態様の遊技盤も、遊技盤全体を木材で構成する従来品に比べて重量が軽くなり、取り扱いが容易である。特に、(A)及び(B)の態様では、遊技盤の表板部を木材よりも硬度が低い木質発泡樹脂成形部で構成するため、遊技盤全体(表板部を含めた全体)を木材で構成する従来品に比べて、障害釘の打ち込み作業が容易となるという、効果を得ることもできる。しかも、(B)の態様では、裏板部を木材で構成し、遊技盤の裏面側の剛性を確保する。このため、この遊技盤の裏面側(裏板部)に、重量の嵩む遊技機部品(制御基板)等を多数装着しても、遊技盤の無用の変形等を生ずることはない。
【0052】
請求項8記載の遊技機は、
外枠と、該外枠に装着されると共に遊技盤を備える遊技機本体と、を備える遊技機であって、
前記遊技盤は、表面部側を構成する表板部と、裏面部側を構成する裏板部と、該表板部及び該裏板部間に配置される少なくとも1つの中板部と、を積層状に貼り合わせて構成される遊技盤本体を備え、
前記表板部を木材で構成し、前記中板部及び裏板部のうちの少なくとも中板部に、木質樹脂成形品で構成される木質樹脂成形部を備えると共に、
該木質樹脂成形部は、木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料と、熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料と、を混合して生成された部品原料を用いて発泡成形して構成されることを特徴とする。
【0053】
請求項8の発明は、木質発泡樹脂成形部の代わりに、木質樹脂成形部を備える点が、請求項7の発明{特に、(E)の態様}と相違する。つまり、木質材料と、樹脂材料とを用いて生成された部品原料を使用しつつ、発泡を行うことなく成形した「木質樹脂成形部」を備える点が、請求項7の発明と相違する。
【0054】
請求項8の発明においては、遊技盤の一部(厚さ方向に沿った中間部)に、木質樹脂成形部を備える。そして、この木質樹脂成形部は、「木材製の遊技機部品」を粉砕して構成される木質材料と、「熱可塑性樹脂製の遊技機部品」を粉砕して構成される樹脂材料とを構成原料とする。このため、この木質樹脂成形部の成形に際し、使用済みの「木製の遊技機部品」の再利用を行うと共に、使用済みの「熱可塑性樹脂製の遊技機部品」の再利用を行うことができる。よって、請求項8の発明によると、遊技機全体の再利用率を高めることができ、これにより、環境保護及び資源保護に寄与することができる。
【0055】
また、請求項8の発明の遊技機では、遊技盤の芯材(中板部)を木材よりも、硬度、剛性が高い「木質樹脂成形部」によって構成するため、遊技盤全体の剛性が高くなる。しかも、表板部は、木材で構成されるため、本発明に係る遊技盤に対して障害釘を打ち込む作業の作業性は、従来の遊技盤(全体を木材で構成する遊技盤)に対して障害釘を打ち込む作業の作業性と異なることがない。つまり、請求項8の発明の遊技機では、遊技盤に対して障害釘を打ち込む作業の作業性を損なうことなく、遊技盤全体の剛性を高めている。このため、遊技盤の耐久性の向上を図ることができ、経年劣化や使用環境による変形が生じ難くなっている。
【0056】
尚、請求項8の発明の遊技盤が中板部を複数備える場合には、少なくとも1つの中板部を木質樹脂成形部すれば、請求項8の発明の目的を達成できる。また、請求項7の発明の遊技盤においては、裏板部を木材で構成してもよいし、木質樹脂成形部で構成してもよいが、木質樹脂成形部構成すると、遊技盤の裏面側の剛性がより一層高くなる。このため、この遊技盤の裏面側(裏板部)に、重量の嵩む遊技機部品(制御基板)等を多数装着しても、遊技盤の無用の変形等を生ずることをより確実に防止できる。
【0057】
尚、請求項8の発明においても、「木材製の遊技機部品」を粉砕して構成される木質材料と、「熱可塑性樹脂製の遊技機部品」を粉砕して構成される樹脂材料は、小片状(例えば、チップ状)に構成されてもよいし、粉状に構成されてもよい。また、木質発泡樹脂成形部の品質の向上を図るため、部品原料に、未使用の材料(未使用の木材を粉砕して構成されるバージン木質材料や、未使用の熱可塑性樹脂製成形品若しくは製造中に不良品となった熱可塑性樹脂製成形品を、粉砕して構成される材料)を混入してもよい。
【0058】
請求項9記載の遊技機部品は、
遊技機を構成する遊技機部品であって、
木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備えると共に、
該木質発泡樹脂成形部は、
木材製の粉砕物を用いて構成される木質材料と、
熱可塑性樹脂製の粉砕物、熱可塑性樹脂製の小片状物及び可塑性樹脂製の粉状物のうちの少なくとも何れかを用いて構成される樹脂材料と、
を混合して生成された部品原料を用いて発泡成形して構成されることを特徴とする。
【0059】
請求項9の発明は、請求項1の発明の遊技機を構成する「遊技機部品」に関するものである。そして、請求項9の発明によると、請求項2の発明と同様な効果が得られる。
【0060】
請求項10記載の遊技機関連部品は、
遊技機に関連する遊技機関連部品であって、
木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備えると共に、
該木質発泡樹脂成形部は、
木材製の粉砕物を用いて構成される木質材料と、
熱可塑性樹脂製の粉砕物、熱可塑性樹脂製の小片状物及び可塑性樹脂製の粉状物のうちの少なくとも何れかを用いて構成される樹脂材料と、
を混合して生成された部品原料を用いて発泡成形して構成されることを特徴とする。
【0061】
請求項10の発明は、請求項9の発明と同様な構成を備える「遊技機関連部品」に関するものである。
【0062】
ここで、遊技機関連部品とは、パチンコホールにおいて、遊技機と共に使用される部品を指す。例えば、島設備のうちで遊技機の設置部位を構成する部分であって、外枠を固定する際に釘が打ち込まれる木質の部分を例示できる。また、遊技者が獲得した賞品球を収納するための容器(箱)を例示することもできる。
【0063】
請求項10の発明の遊技機関連部品は木質発泡樹脂成形部を備える。そして、この木質発泡樹脂成形部は、「木材製の遊技機部品」を粉砕して構成される木質材料と、「熱可塑性樹脂製の遊技機部品」を粉砕して構成される樹脂材料とを構成原料とする。このため、この木質発泡樹脂成形部の成形に際し、使用済みの「木製の遊技機部品」の再利用(再原料化)を行うと共に、使用済みの「熱可塑性樹脂製の遊技機部品」の再利用(再原料化)を行うことができる。よって、請求項10の発明によると、遊技機全体の再利用率を高めることができ、これにより、環境保護及び資源保護に寄与することができる。
【0064】
しかも、請求項10の発明の遊技機では、木質発泡樹脂成形部が、気泡を備える発泡成形品とされるため、この木質発泡樹脂成形部に「釘(固定用の釘や、障害釘等)」を打ち込むことが容易である。また、木質発泡樹脂成形部は、気泡を備える分だけ、軽量化されているため、遊技機関連部品の軽量化が図られる。よって、請求項10の発明の遊技機関連部品によると、遊技機関連部品に施す作業(例えば、釘の打ち込み作業、パチンコホールへの搬送作業、使用済み遊技関連部品の回収作業等)の作業性を悪化させることがない。
【0065】
更に、請求項10の発明では、従来「木製」とされていた「遊技機関連部品」を、木質発泡樹脂成形部を備える構成とする。つまり、木質材料を構成原料に含むことで、木製の「風合い」を保ちつつも、熱可塑性樹脂を構成原料に含むことで、遊技機関連部品の耐久性の向上(従来の木製の遊技機関連部品に比べた耐久性の向上)を図ることができ、経年劣化や使用環境による変形が生じ難くなっている。更に、木質発泡樹脂成形部を、同一の成形部(同一の遊技機関連部品、若しくは、同一の遊技機関連部品の一部)とし、再度、再利用(再原料化)する場合においては、分別作業等が不要となる。よって、この再度、再利用を行うことが容易である。
【0066】
請求項11の発明の遊技機部品の製造方法は、
使用済みの遊技機を分解し、該遊技機を構成する遊技機部品を少なくとも材質毎に分別する分別行程と、
前記分別された遊技機部品のうちで、木材を用いて構成される木材製の遊技機部品を粉砕して木質材料とする木材粉砕行程と、
前記分別された遊技機部品のうちで、熱可塑性樹脂を用いて構成される熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して樹脂材料とする樹脂粉砕行程と、
前記木質材料及び前記樹脂材料を混合して部品原料を生成する部品原料生成行程と、
前記部品原料を用いて発泡成形して、木質発泡樹脂成形品を形成する発泡成形行程と、
を含むことを特徴とする。
【0067】
請求項11の発明は、請求項1〜請求項7のうちの何れか発明に対応する「遊技機部品の製造方法」の具体例を示している。この請求項11の発明によると、遊技機のリサイクルを、各行程(分別行程、木材粉砕行程、樹脂粉砕行程、部品原料生成行程、発泡成形行程)に従って効率的に行うことができる。尚、請求項11の発明では、各行程を必ずしも、同一の業者が行う必要はない。例えば、「分別業者」が「分別行程」を実行し、粉砕業者が「木材粉砕行程」及び「樹脂粉砕行程」を実行する。そして、部品原料生成業者が「部品原料生成行程」を実行し、発泡成形業者が「発泡成形行程」を実行してもよい。
【発明の効果】
【0068】
以上記述したように、請求項1〜請求項8の各発明によれば、遊技機部品に施す作業の作業性を悪化させたり、当該作業を不可能とすることなく、遊技機全体の再利用率を高めて、ひいては、環境保護及び資源保護に寄与できる遊技機が得られる。また、請求項9及び11の発明によると、釘打ち等の作業の作業性を悪化させたり、当該作業を不可能とすることなく、再利用が促進され、ひいては、環境保護及び資源保護に寄与できる遊技機部品が得られる。更に、請求項10の発明によると、釘打ち等の作業の作業性を悪化させたり、当該作業を不可能とすることなく、再利用が促進され、ひいては、環境保護及び資源保護に寄与できる遊技機関連部品が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0069】
以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
【0070】
(1)遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1〜図11を参照して説明する。この遊技機1は、図1〜図3に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hと、を備えている。
【0071】
外枠2は、図4に示すように、パチンコホールの島設備Sに設けられた設置部位S1に固定されると共に、遊技機本体Hを支持するためのものである。尚、島設備Sには、固定用上板部S2と固定用下板部S3とが、上下方向に所定の間隔(外枠2の略「全高」分の幅)をおいて、略平行に配置されている。また、固定用上板部S2と固定用下板部S3は、何れも、木材を用いて構成され、釘の打ち込みが可能とされている。そして、設置部位S1は、固定用上板部S2と固定用下板部S3との間に形成された空間部Kによって構成されている。
【0072】
外枠2は、図5に示すように、略矩形状の枠状体(額縁状体)によって構成されている。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22と、外枠本体21の左端側の上下に配置された取付金具23、24と、を備えている。そして、本実施例では、外枠本体21と、前板部22とを、請求項1の発明に従う「木質発泡樹脂成形品P」によって構成した。
【0073】
この「木質発泡樹脂成形品P」は、図6(a)に示すように、熱可塑性樹脂を主体に構成される樹脂製基材部Tに、略均一な粒径を備える「木質材料の粉状物Q」を、略均一に分散させた構造を備えている。この「木質発泡樹脂成形品P」において、表面部側及び裏面部側に位置する表皮部P1、P3では、発泡倍率が低くされている。このため、これらの表皮部P1、P3は、気泡Rが殆ど存在しない硬質部分とされている。また、「木質発泡樹脂成形品P」において、両表皮部P1、P3間に配置される中間部P2では、発泡倍率が高くされている。このため、気泡Rが多数存在する軟質部分とされている。尚、表皮部P1、P3は、請求項5の発明の「表皮部」の具体例を構成し、中間部P2は、請求項5の発明の「中間部」の具体例を構成する。
【0074】
尚、この木質発泡樹脂成形品Pでは、「木質材料の粉状物Q」と、「樹脂製基材部Tとの重量比が、以下のように定められている。つまり、「木質材料の粉状物Q」の重量と、「樹脂製基材部T」の重量を合わせたものを100重量部とする場合、「木質材料の粉状物Q」を「60重量部」含むものとされている。これは、図6(b)に示すように、「木質材料の粉状物Q」の含有量が不足気味になると、木質発泡樹脂成形品Pの硬度が過大となり、木質発泡樹脂成形品Pに釘打ち作業等を効率的に施すことが困難となる。一方、「木質材料の粉状物Q」の含有量が過量となっても、木質発泡樹脂成形品Pの硬度が不足し、木質発泡樹脂成形品Pに釘打ち作業等を効率的に施すことが困難となる。これらに対して、「木質材料の粉状物Q」の含有量が「60重量部」程度であると、特に良好な作業性(釘打ち作業等)を得ることができるからである。尚、この「木質発泡樹脂成形品P(外枠本体21及び前板部22)の具体的な製造方法については後述する。
【0075】
外枠本体21は、図5に示すように、天板部25と、底板部26と、左側の側板部27と、右側の側板部28とを略矩形状に組み合わせて構成されている。ここで、天板部25、底板部26及び左右の側板部27、28と、前板部22は、何れも、帯状の板状物で構成されている。また、「天板部25の左端部と、左側の側板部27の上端部」、「天板部25の右端部と、右側の側板部28の上端部」、「底板部26の左端部と、左側の側板部27の下端部」、及び、「底板部26の右端部と、右側の側板部28の下端部」は、何れも、略直角に接合(所謂、「三枚組継ぎ構造」である。)されている。
【0076】
具体的には、外枠本体21の4隅の各々において、一対の板部の端部(例えば、天板部25の左端部と、左側の側板部27の上端部等)を略直角に接合している。このように、相互に接合される端部のうちの一方に設けられた凹部29a{図7(a)及び(b)参照}に、他方に設けられた凸部(ほぞ)29b{図8(a)及び(b)参照}が嵌合されている。そして、相互に接合される端部を縦断する状態で固定用のビス29cが装着され、外枠本体21を構成する板部(天板部25、底板部26、左側の側板部27、右側の側板部28)の一体化が図られている。また、前板部22も、外枠本体21の前面側の下部に固定用のビスを用いて装着されている。尚、天板部25、左側の側板部27及び右側の側板部28において、外枠本体21の後方(遊技者から見て後方)を向く面には、凹部29dが形成されている。この凹部29dは、本遊技機1に設けられる配線等を通過させるものである。
【0077】
本実施例においては、固定用のビス29cを取り外すことで、外枠本体21を、個々の板部(天板部25、底板部26、左側の側板部27、右側の側板部28)に分解することができる。同様に、前板部22を固定するための「固定用のビス」を、取り外すことで、前板部22を外枠本体21から分離することができる。よって、外枠2のリサイクルは、外枠2全体で行うことができるばかりか、個々の部材(天板部25、底板部26、左側の側板部27、右側の側板部28、前板部22)毎に行うことができる。
【0078】
このように構成される外枠2は、図4に示すように、前述の空間部K(設置部位S1)に挿入される。そして、固定用の釘Mを、天板部25の下方から、天板部25に打ち込み、この釘Mの先端部側を、固定用上板部S2に到達させると共に、固定用の釘Nを、底板部26の上方から、底板部26に打ち込み、この釘Nの先端部側を、固定用下板部S3に到達させる。これにより、外枠2は、島設備Sの設置部位S1に固定された状態となる。また、外枠2を設置部位S1から取り外す場合には、固定用の釘Mを、天板部25及び固定用上板部S2から抜き取ると共に、固定用の釘Nを、底板部26及び固定用下板部S3から抜き取り、外枠2を空間部K(設置部位S1)から取り外すことになる。
【0079】
遊技機本体Hは、図2及び図3に示すように、外枠2の一側(遊技者から見て左端側)に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、中枠3と、前面枠4と、遊技盤10(図9を参照)と、裏機構盤102(図3を参照)等を主要部としている。
【0080】
中枠3は、全体がプラスチック製(熱可塑性樹脂製)であり、外枠2の内側に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。また、中枠3の右端中央には施錠装置7(図1参照)が設けられている。更に、中枠3の下方側の前面部には、遊技球を遊技盤10に発射する発射ユニット(図示を省略)と、遊技球を発射ユニットに供給するための球送り装置(図示を省略)と、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカー400a(図11参照)等が配設されている。
【0081】
中枠3の前面部には、遊技盤10(図9)が保持されている。そして、遊技盤10の背面部には、裏機構盤102(図3参照)が装着され、この背面部を覆う状態とされている。この遊技盤10は、「木製の遊技機部品」の他の具体例を示すものである。尚、遊技盤10及び裏機構盤102(図3参照)の詳細に関しては後述する。
【0082】
前面枠4は、図1に示すように、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、全体がプラスチック製(熱可塑性樹脂製)である。また、前面枠4は円形状の開口部4aを有している。この開口部4aは、前面枠4を閉じた状態としたときに、前面枠4の奥側(背後)に配置される遊技盤10の盤面を、前方(遊技者の側)から視認可能とするためのものである。つまり、この開口部4aは、遊技盤10に形成された遊技領域11(図9参照)の形状に対応して、略円周状に開設されている。また、前面枠4の裏面には、開口部4aに応じて二枚のガラス板(図示を省略)が嵌められた略長方形状のガラス枠(図示を省略)が装着されている。
【0083】
前面枠4には、各種のLED表示部4b、4c、4d、4e、4fが設けられ、これらのLED表示部4b〜4fは、遊技効果を高めること等を目的として、ゲームの進行に応じて点灯及び消灯したり、点滅する。また、前面枠4の前面上方側の中央で左右に並ぶ2個の中上LED表示部4f、4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。更に、賞球LED表示部4gの上方には、エラーLED表示部4hが略扇形に設けられている。ここで、これらの表示部4b、4c、4d、4e、4f、4g、4hを覆うカバーは、全て、熱可塑性樹脂を用いて構成されている。
【0084】
図1に示すように、前面枠3の前面部の下方側の部位には、上皿部5が突出状に設けられていると共に、皿外縁部5aと、遊技機1の内部の遊技球を下皿部6に排出するための排出口5b等を備えている。尚、上皿部5の裏側には、音量スイッチ基板12(図11参照)が設けられ、皿外縁部5aには球抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が設けられている。
【0085】
前面枠3の前面部であって、上皿部5よりも下方の部位には、下皿部6が突出状に設けられている。そして、この下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部6の右端には発射ハンドル9が設けられている。更に、下皿部6の上部には、灰皿6bの上面を開閉可能なスライド蓋が設けられている。また、下皿部6の底面には球抜き孔(図示を省略)が設けられている。この球抜き孔は、通常時には、閉鎖されているが、下皿部6に貯留された遊技球を遊技機1から排出する際に開放状態とされる。
【0086】
発射ハンドル9は、発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。この発射ハンドル9には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。また、施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。更に、遊技機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が設けられている。尚、上皿部5の略中央部には第1音声出力部5cが設けられている。この第1音声出力部5cには、スピーカー400aを構成する中高音用ユニット(ツィータ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。また、下皿部6における排出ノブ6cの右側及び左側には第2音声出力部6dが設けられている。この第2音声出力部6dには、スピーカー400aを構成するユニット(ウーハ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。また、本遊技機1では、上皿部5の前面における左端側の部位に、2つの操作ボタンB1、B2を配置している。
【0087】
遊技盤10は、図10(a)に示すように、遊技盤本体10Aと、遊技盤本体10Aの表面に装着(例えば、貼着)された装飾用シート10Bと、を備えている。この装飾用シート10Bには、所定の「セル画」が描かれている。
【0088】
遊技盤本体10Aは、平面形状が略正方形で、しかも、木質の板部材(10a、10b、10c、10d、10e、10f、10g、10p、10q、10r、10s、10t、10u)を積層状に貼り合わせて構成されている。つまり、この遊技盤本体10Aは、前面側の部分を構成する板部材(10a〜10f)と、後面側の部分を構成する板部材(10p〜10u)と、両者の間に配置される板部材10gとを備える。
【0089】
この遊技盤本体10Aにおいては、遊技盤本体10Aの肉厚方向に沿った中央に位置する板部材10gのみが、「木質発泡樹脂成形品P」によって構成され、その他の板部材(10a〜10f、10p〜10u)は、木材(例えば、ベニア材)によって構成されている。尚、図10(a)においては、隣合う各板部材間(10a及び10b、10b及び10c、10c及び10d、10d及び10e、10e及び10f、10f及び10g、10g及び10p、10p及び10q、10q及び10r、10s及び10t、10t及び10u)を接着するための接着剤と、装飾用シート10Bを遊技盤本体10Aに粘着(接着)するための粘着剤(接着剤)の図示を省略している。また、図10(b)、図14及び図15においても、隣合う各板部材間を接着するための接着剤の図示を省略している。また、遊技盤本体10Aの表面側に位置する板部材10aが、「表板部」の具体例を構成し、遊技盤本体10Aの裏面側に位置する板部材10uが、「裏板部」の具体例を構成する。更に、その他の板部材間(10b〜10g、10p〜10t)が「中板部」の具体例を構成する。
【0090】
この遊技盤10の前面部には、図9に示すように、外レール14と内レール15とが配設されている。そして、この遊技盤10の表面部(前面部)において、外レール14と内レール15とで囲まれた部位によって、略円形状の遊技領域11が形成されている。この遊技領域11内には、中央装置26と、始動口(普通電動役物171)17と、変動入賞装置18と、左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22と、多数の障害釘23と、一対のランプ風車24、25等が配設されている。
【0091】
図9に示すように、中央装置26は遊技領域11の略中央部に配置されると共に、液晶表示装置27を備えている。また、中央装置26の上部中央には、普通図柄表示装置32が配置されている。この普通図柄表示装置32は、7セグメント表示器32aと、普通図柄保留表示LED32bとを有している。更に、中央装置26の左右斜め下方には、普通図柄作動ゲート36、37がそれぞれ設けられ、この左右の普通図柄作動ゲート36、37内に左、右普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ36s、37s(図11参照)が配設されている。
【0092】
遊技領域11において、中央装置26の下方に離れた位置には、始動口17が配設されている。そして、この始動口17の入口側部分に、普通電動役物171が配置されている。つまり、この普通電動役物171は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。また、普通電動役物171の内部には、遊技球の通過を検出する始動口(普通電動役物171)入賞検出スイッチ17s(図11参照)と、翼片部を作動させるための始動口(普通電動役物)ソレノイド17c(図11参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
【0093】
変動入賞装置18は、上記始動口(普通電動役物171)17の下方に配設されており、前面側が略逆台形状に形成された基板34に、大入賞装置31と、左下入賞口21と右下入賞口22とを備えている。ここで、大入賞装置31は、略中央に形成され、帯状に開口された大入賞口311と、この大入賞口311を開放・閉鎖する開閉板312と、この開閉板312を開閉するための大入賞口ソレノイド313(図11参照)と、大入賞口311に入賞した後に遊技球が通過する特定領域(V入賞口及び一般入賞口/図示略)と、連動杆(図示略)と、入賞球を検出する入賞球検出スイッチ318(図11参照)と、裏箱(図示略)と、大入賞口中継基板(図示略)とから主に構成されている。
【0094】
また、左下入賞口21は、始動口(普通電動役物171)17の略斜め左下側に配設されて、内部に左下入賞口通過検出スイッチ21s(図11参照)が設けられている。そして、この左下入賞口21の下方には複数個の左下入賞口LED223が左下入賞口LED基板21f(図11参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。さらに、右下入賞口22は、始動口(普通電動役物)17の略斜め右下側に配設されて、内部に右下入賞口通過検出スイッチ22s(図4参照)が設けられている。そして、この右下入賞口22の下方には複数個の右下入賞口LED224が右下入賞口LED基板22f(図11参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。
【0095】
変動入賞装置18の左右斜め上方には、左入賞口19及び右入賞口20がそれぞれ配設されている。そして、その内部にはそれぞれ、左入賞口通過検出スイッチ19s(図11参照)、右入賞口通過検出スイッチ20s(図11参照)が設けられている。また、中央装置26の左右斜め上方には、一対のランプ風車24、25がそれぞれ配設されている。さらに、遊技領域11の左右両端部には、一対のサイドランプ38、39がそれぞれ縦円弧状で相対称状に配設されている。
【0096】
これらの障害釘23は、以上説明した各遊技装置との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。具体的には、図10(a)に示すように、遊技領域11の前方側から、遊技盤10に打ち込まれている。このように打ち込まれた障害釘23の先端部23aは、中央に位置する「板部材10g(木質発泡樹脂成形品P)」に到達している。
【0097】
また、図9に示すように、遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられており、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材59は、内レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム60は、ファール球防止部材59の位置とは略正反対側の、遊技盤10の右半分側の位置であって、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
【0098】
尚、本遊技機1では、図1に示すように、上皿部5の前面における左端側の部位に操作ボタンB1、B2を配設している。この操作ボタンB1、B2は、液晶表示装置27の表示画面271で行われる表示に変更を加えるためのものである。
【0099】
次に、本遊技機1の裏面構造について図3を参照して説明する。前面枠4(図1)は中枠3にあって、前面枠4の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ101により、開閉可能に支持されている。また、裏機構盤102は中枠3にあって裏機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、開閉可能に支持されている。更に、遊技盤10(図9参照)は中枠3の表面側に着脱可能に取り付けられている。また、上端側にあるヒンジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検出スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。更に、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられ、その下流側には、補給球切れ検出スイッチ(図示を省略)が、さらに、その下流側には、裏側遊技装置としての賞球払出装置109が配設されている。
【0100】
また、遊技球の振り分け部(図示略)が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タンクレール106の下側には、液晶表示装置27(図9参照)を格納した蓋付きの裏ケース(図示ぜす)が設けられ、この裏ケースの下側には、後述する主制御部140(図11参照)を構成する主制御基板を格納した主制御基板ケース112が配設されている。
【0101】
この主制御基板ケース112の背面下側には、発射装置制御部193(図11参照)を構成する発射装置制御基板を格納した発射装置制御基板ケース113と、発射制御集合中継基板(図示略)と、が設けられている。また、裏機構盤102の左下方部には、上述した発射装置ユニット(図示略)が配設され、裏機構盤102の右下方部には、払出制御部150(図11参照)を構成する払出制御基板を格納した払出制御基板ケース118が配設されている。更に、遊技機1の裏面側には、中継基板(図示を省略)が装着されている。
【0102】
図11に示すように、この中継基板190は、入賞球検出スイッチ318,19s〜22s等と主制御部140とを中継するための基板とされている。尚、本実施例においては、主制御基板ケース112、中継基板190及び払出制御基板ケース118は、金属板(図示を省略)に着脱自在に装着され、この金属板は裏機構盤102に対して回動自在に懸架されている。
【0103】
一方、裏機構盤102の左下端部には、ヒューズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミナル基板121及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板(図示略)が設けられている。また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123も端子基板(図示略)の上側に配設されている。また、払出制御基板ケース118からは接続ケーブル124が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット13に接続されている。更に、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材(図示略)が設けられている。尚、本実施例では、電源ターミナル基板121に対して、ラムクリア信号を発生させるためのラムクリアスイッチ121aを接続しているが、このラムクリアスイッチ121aの接続を省略したり、ラムクリアスイッチ121aの接続個所を変更してもよい。
【0104】
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置130について、図11を参照して説明する。この電子制御装置130は、主制御部140と、複数の副制御部とを含んで構成されている。また、副制御部は、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(払出制御部150、音声・ランプ制御部170等)と、この第1次副制御部を介して主制御部140に接続された第2次副制御部(発射装置制御部193、図柄制御部160等)。尚、主制御部140と第1次副制御部とは信号伝送経路500aによって接続され、第1次副制御部及び第2次副制御部は信号伝送経路500bによって接続されている。
【0105】
次に、各制御部間における「データ等」の伝送方式について述べる。即ち、主制御部140から、払出制御部150および音声・ランプ制御部170へは、一方向形式若しくは双方向形式でデータ等が伝送される。また、音声・ランプ制御部170から図柄制御部160へも一方向形式でデータが伝送されるものとして説明するが、音声・ランプ制御部170と図柄制御部160との間では双方向形式でデータを伝送することとしてもよい。尚、図11に示した破線の矢印は、各制御部140ないし180への電源供給経路を表している。また、図示されているように、電源は先ず初めに電源受電基板410に供給され、電源ユニット420で所定電圧に変換された後、分電基板430から各制御部140ないし180に電力が供給される。更に、電源投入時には、後述するシステムリセット信号が全制御基板に送信される。
【0106】
ここで、主制御部140は、遊技の基本進行を司る制御部であり、当否判定の等、本遊技機1において重要な処理を実行する。また、主制御部140は、図14及び図15に示すように、各種スイッチ(9a、9b、9b、104、192、17s、19s〜22s、36s、37s、318)等からの情報を受け取って所定の演算を行った後、払出制御部150や音声・ランプ制御部170に各種のコマンドを出力するとともに、各種の基板やソレノイド(17c、313、37)などに駆動信号を出力する。
【0107】
尚、図示を省略するが、音声・ランプ制御部170は、スピーカー400aやランプ等の制御を主に行うための制御基板と、制御基板からの命令を受けて、ランプ等に駆動信号を出力するための駆動基板の、主に2つの基板から構成されている。また、図柄制御部160は、特別図柄制御基板によって主に構成されている。
【0108】
中継基板190には、入賞球検出スイッチ318,19s〜22s等が接続されている。また、払出用端子基板191には、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、ヴォリュームスイッチ192、タンク球切れ検出スイッチ104及び補給球切れ検出スイッチ108等が接続され、払出用端子基板191の出力端子は、払出制御部150の入出力回路部に接続されている。
【0109】
以上の電子制御装置130においては、遊技球が始動口17に入球すると、その情報が始動口入賞検出スイッチ17sによって検出されて、主制御部140に入力される。また、遊技球が普通図柄作動左ゲート36あるいは普通図柄作動右ゲート37を通過すると、その情報が普通図柄作動口通過検出器36s,37sにより検出されて、主制御部140に入力される。更に、入賞球検出スイッチ19s〜22s,318で遊技球の入球が検出されると、その情報は、中継基板190を介して主制御部140に入力される。
【0110】
(2)「木質発泡樹脂成形品」の製造方法
【0111】
次に、図12及び図13を用いて、外枠2を構成する各板部(天板部25、底板部26、左側の側板部27、右側の側板部28、前板部22)の製造工程を説明する。この外枠2を構成する各板部は、図12に示すように、複数の業者の分業により、以下の工程の順に従って行われる。但し、以下に示す製造工程は、所定の「使用済みの遊技機(以下、「古遊技機」という。)」に対して、第1回目のリサイクルを施しつつ、行われるものである。
【0112】
a.回収工程(S10)
回収業者若しくは回収業者から委託を受けた運送業者等が、パチンコホールから「古遊技機」を回収する。そして、回収業者は、この「古遊技機」を中間処理業者のもとに輸送する。
【0113】
b.分解、分別工程(S20)及び破砕工程(S30、335)
中間処理業者は、自己の元に、搬入された「古遊技機」を、個々遊技機部品毎に分解し、更に、各遊技機部品をその材質毎に分別する(請求項11の発明の「分別工程」の具体例)。そして、再資源化する遊技機部品を、その材質毎に破砕する。つまり、特定の熱可塑性樹脂(例えば、ABS若しくはPC等)製の遊技機部品のみを集め、破砕装置で破砕し、熱可塑性樹脂製破砕物を作製する(S30;請求項11の発明の「樹脂粉砕工程」の具体例である。)。そして、熱可塑性樹脂製破砕物の中から金属等の不要物を除去する(S33)。尚、熱可塑性樹脂製破砕物は、樹脂材料の具体例を構成する。
【0114】
また、この熱可塑性樹脂製の遊技機部品の破砕とは別に、木製の遊技機部品(外枠2、遊技盤本体10A)のみを集め、破砕装置で破砕し、木製破砕物を作製する(S35;請求項11の発明の「樹脂粉砕工程」の具体例である。)。そして、木製破砕物の中から金属等の不要物を除去する(S38)。尚、木製破砕物は、「木質材料」の具体例を構成する。
【0115】
c.配合工程(S40)、造粒工程(S50)、成形工程(S60)
木製破砕物及び熱可塑性樹脂製破砕物は、輸送業者により、成形業者の元へ輸送される。そして、木製破砕物と、熱可塑性樹脂製破砕物とは、所定の配合割合(木製破砕物60重量部に対して、熱可塑性樹脂製破砕物40重量部の配合割合)にて配合する(S40)。更に、木製破砕物と、熱可塑性樹脂製破砕物との配合物を溶融し、更に混練する。そして、この混練された配合物を造粒する(S50)これにより、木質材料及び樹脂材料が略均等に混ざり、粒径が略揃えられた「部品原料」を得る(請求項11の発明の「部品原料生成工程」の具体例である。)。
【0116】
更に、押出成形機のホッパーに、この「部品原料」を、発泡剤(ADCA発泡剤)及び発泡助剤等と共に投入する。これらの投入物は、押出成形機内(バレル内)で溶融しつつ、混練される。そして、「部品原料」は、発泡しつつ、押出成形機のスクリューにより押し出される。これにより、「部品原料」は、木質発泡樹脂成形品(P)となる(請求項11の発明の「発泡成形工程」の具体例である。)と共に、押出成形機に設けられた「成形ダイ」を通過して所定の肉厚の板材となりつつ、押出成形機外に押し出される(S60)。尚、この板材が請求項1の発明の「木質発泡樹脂成形部」の具体例を構成する。
【0117】
尚、本実施例では、発泡成形工程に先立ち(押出成形機の使用に先立ち)、木質材料及び樹脂材料をブレンドし、「部品原料」を構成する態様を例示した。但し、請求項1の発明等においては、発泡成形工程の開始後(押出成形機の使用中に)、「部品原料」を構成してもよい。例えば、押出成形機内(バレル内)で、木質材料及び樹脂材料が溶融状態となりつつ、混練されることによって、「部品原料」を構成してもよい。但し、本実施例のように、発泡成形工程に先立ち、「部品原料」を構成し、しかも、造粒する態様によると、作製される「木質発泡樹脂成形部」の品質が高くなる。つまり、木質材料の粉状物と、樹脂材料の粉状物とが、粒径を略揃えつつ、略均一に混合されるため、「木質発泡樹脂成形部」の品質が、全体を通じて略一様となるからである。
【0118】
尚、このように構成される板材に対しては、その付加価値を高めるために、表面加工を施してもよい。例えば、板材の表面側の僅かな部分を、自動カンナ盤で削ることで、板材に、通常の木材のような外観を付与してもよい。
【0119】
d.部品製造工程(S70)
板材は、輸送業者により、部品製造業者(遊技機部品の製造業者)の元へ輸送される。そして、部品製造業者は、板材に加工を施して、外枠2を構成する各板部(天板部25、底板部26、左側の側板部27、右側の側板部28、前板部22)を作製する。そして、各板部を組み付けて外枠2を作製する(S70)。尚、以下の説明において、この外枠2を、リサイクル外枠2と称する。
【0120】
尚、遊技盤10を製造する場合には、前述の押出成形機で作製される「板材」を用いて、板部材10gを構成する。そして、この板部材10gの表面側に、「遊技盤本体10Aの前面側の部分を構成する板部材(10a〜10f)」を積層配置すると共に、板部材10gの裏面側に、「遊技盤本体10Aの後面側の部分を構成する板部材(10p〜10u)」を積層配置する。そして、この積層物に仕上げ加工を施すと、遊技盤本体10Aが完成する。
【0121】
e.組み付け工程(S80)
リサイクル外枠2は、輸送業者により、遊技機の製造メーカの元へ輸送される。そして、遊技機の製造メーカは、このリサイクル外枠2に、遊技機本体Hを装着し、遊技機1を作製する(S80)。尚、以下の説明において、この遊技機1を、「リサイクル遊技機1」と称する。
【0122】
以上のように構成される「リサイクル遊技機1」は、輸送業者により、所定のパチンコホールに輸送される。尚、本実施例では、回収工程(S10)において、「古遊技機」全体を回収する態様を例示したが、この回収工程(S10)においては、特定の遊技機部品(特に、外枠2)のみを回収してもよい。
【0123】
また、リサイクル外枠2を所定期間使用した後、このリサイクル外枠2自体にリサイクルを施す場合には、前述の「分別工程」が不要となる。このため、より効率的なリサイクルを実行することができる。
【0124】
(3)実施例1の効果
【0125】
本実施例の遊技機1によると、外枠2全体と、遊技盤10の一部部に、木質発泡樹脂成形部(木質発泡樹脂成形品P)を備える。そして、この木質発泡樹脂成形部(木質発泡樹脂成形品P)は、外枠2等の「木材製の遊技機部品」を粉砕して構成される木質材料と、熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料とを構成原料とする。このため、この木質発泡樹脂成形部(木質発泡樹脂成形品P)の成形に際し、使用済みの「木製の遊技機部品」の再利用を行うと共に、使用済みの「熱可塑性樹脂製の遊技機部品」の再利用を行うことができる。よって、本実施例によると、遊技機1全体の再利用率を高めることができ、これにより、環境保護及び資源保護に寄与することができる。
【0126】
しかも、本実施例の遊技機1では、木質発泡樹脂成形部(木質発泡樹脂成形品P)が、気泡Rを備える発泡成形品とされるため、この木質発泡樹脂成形部(木質発泡樹脂成形品P)に「釘(固定用の釘や、障害釘等)」を打ち込むことが容易である。また、木質発泡樹脂成形部(木質発泡樹脂成形品P)は、気泡Rを備える分だけ、軽量化されているため、外枠2や遊技盤10の軽量化が図られる。よって、本実施例の遊技機1によると、外枠2や遊技盤10に施す作業(例えば、島設備Sへの固定作業、障害釘23の打ち込み作業、パチンコホール内での搬送作業、遊技機メーカからパチンコホールへの搬送作業、使用済み遊技機1の回収作業、他の遊技機部品への組付作業等)の作業性を悪化させることがない。
【0127】
更に、本実施例では、従来「木製」とされていた外枠2や遊技盤10を、木質発泡樹脂成形部(木質発泡樹脂成形品P)を備える構成とする。つまり、木質材料を構成原料に含むことで、木製の「風合い」を保ちつつも、熱可塑性樹脂を構成原料に含むことで、遊技機部品の耐久性の向上(従来の木製の遊技機部品に比べた耐久性の向上)を図ることができ、経年劣化や使用環境による変形が生じ難くなっている。更に、木質発泡樹脂成形部(木質発泡樹脂成形品P)を、同一の成形部(同一の遊技機部品、若しくは、同一の遊技機部品の一部)とし、再度、再利用する場合においては、分別作業等が不要となる。よって、この再度、再利用を行うことが容易である。
【0128】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。即ち、本実施例では、木質樹脂発泡成形品Pを成形する際に、押出成形を用いたが、木質樹脂発泡成形品Pの成形方法は特に問わない。例えば、射出成形等の他の成形方法を用いてもよい。
【0129】
本実施例では、外枠2を構成する全板部(天板部25、底板部26、左側の側板部27、右側の側板部28、前板部22)を、木質発泡樹脂成形品P(木質発泡樹脂成形部)で構成したが、これらの全板部のうちの幾つかを、木質発泡樹脂成形品P(木質発泡樹脂成形部)としてもよい。また、外枠2を構成する各板部(天板部25、底板部26、左側の側板部27、右側の側板部28、前板部22)のうちの一部のみを、木質発泡樹脂成形品P(木質発泡樹脂成形部)としてもよい。
【0130】
更に、外枠2のリサイクルは、各板部(天板部25、底板部26、左側の側板部27、右側の側板部28、前板部22)毎に行ってもよい。例えば、外枠2を構成する全板部(天板部25、底板部26、左側の側板部27、右側の側板部28、前板部22)のうちで、天板部25及び底板部26のみを、リサイクルの対象としてもよい。
【0131】
また、本実施例では、遊技盤本体10Aを構成する木質の板部材(10a〜10f、10g、10p〜10u)のうちで、中央に位置する板部材10gのみを、「木質発泡樹脂成形品P」によって構成する態様を例示したが、請求項6の発明の具体的な態様はこれに限定されない。例えば、図14(a)の変形例1に示すように、遊技盤本体10Aを構成する木質の板部材のうちで、遊技盤本体10Aの前面側に位置するもの(10a)を、「木質発泡樹脂成形品P」によって構成し、その他の部分を構成する板部材(10h、10i、10j、10p〜10u)を木材(合板等)によって構成してもよい。この態様によると、遊技盤本体10Aの表面側の広範囲な部位(遊技盤本体10Aの厚み方向に沿った広範囲な部位)が、「木質発泡樹脂成形品P」で構成されるため、障害釘23を遊技盤10に打ち込む作業がより一層、容易となる。
【0132】
また、図14(b)の変形例2に示すように、遊技盤本体10Aを構成する木質の板部材のうちで、遊技盤本体10Aの後面側に位置するもの(10u)を、「木質発泡樹脂成形品P」によって構成し、その他の部分を構成する板部材(10a〜10f、10h、10i、10j)を木材(合板等)によって構成してもよい。この態様によると、遊技盤本体10Aの表面側の広範囲な部位(遊技盤本体10Aの厚み方向に沿った広範囲な部位)が、「木質発泡樹脂成形品P」で構成されるため、遊技盤本体10A(遊技盤10)のより一層の軽量化を図ることができる。
【0133】
また、請求項7の発明の具体例として、図15に示す遊技盤本体10Bを例示できる。この遊技盤本体10Bにおいても、木質の板部材(100a、100b、100c、100d、100e、100f、100g、100p、100q、100r、100s、100t、100u)を積層状に貼り合わせて構成されている。つまり、この遊技盤本体10Bは、前面側の部分を構成する板部材(100a〜100f)と、後面側の部分を構成する板部材(100p〜100u)と、両者の間に配置される板部材100gとを備える。
【0134】
この遊技盤本体10Bにおいても、遊技盤本体10Bの肉厚方向に沿った中央に位置する板部材100gのみが、「木質樹脂成形品W」によって構成され、その他の板部材(100a〜100f、100p〜100u)は、木材(例えば、ベニア材)によって構成されている。
【0135】
この「木質樹脂成形品」は、前述の「木質発泡樹脂成形品」とは、以下の点が異なる。つまり、この「木質樹脂成形品」を製造する場合にも、前述の「回収工程(S10)」と、「分解、分別工程(S20)」と、「破砕工程(S30)」と、「配合工程(S40)」と、「造粒工程(S50)」とが実行される。但し、「成形工程(S60)」において、「押出成形機のホッパ」に発泡剤(ADCA発泡剤)及び発泡助剤が投入されない。このため、「木質樹脂成形品」は、発泡を生じない(気泡を生じない)成形品として作製される。尚、「部品製造工程(S70)」と、「組み付け工程(S80)」は、実施例と同様に実行される。
【0136】
この請求項7の発明の具体例によると、遊技盤10の一部(厚さ方向に沿った中間部)に、木質樹脂成形部を備える。そして、この木質樹脂成形部は、木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料と、熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料とを構成原料とする。このため、この木質樹脂成形部の成形に際し、使用済みの「木製の遊技機部品」の再利用を行うと共に、使用済みの「熱可塑性樹脂製の遊技機部品」の再利用を行うことができる。よって、請求項7の発明によると、遊技機全体の再利用率を高めることができ、これにより、環境保護及び資源保護に寄与することができる。
【0137】
また、遊技盤10の芯材(中板部100c)を木材よりも、硬度、剛性が高い「木質樹脂成形部」によって構成するため、遊技盤10全体の剛性が高くなる。しかも、表板部100aは、木材で構成されるため、この遊技盤10に対して障害釘を打ち込む作業の作業性は、従来の遊技盤(全体を木材で構成する遊技盤)に対して障害釘23を打ち込む作業の作業性と異なることがない。つまり、この具体例によると、遊技盤10に対して障害釘を打ち込む作業の作業性を損なうことなく、遊技盤10全体の剛性を高めている。このため、遊技盤10の耐久性の向上を図ることができ、経年劣化や使用環境による変形が生じ難くなっている。
【0138】
尚、図示を省略するが、請求項5の発明の遊技機関連部品の具体例として、以下のものを例示できる。つまり、島設備Sを構成する固定用上板部S2と、固定用下板部S3とを、本実施例の「木質発泡樹脂成形品P」で構成した具体例を例示できる。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明は、遊技機を製造、販売等する分野において利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機を示す正面図である。
【図2】本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、前面枠が開いた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機を示す裏面図である。
【図4】本発明の各実施例及び各変形例において、島設備と外枠とを説明するための説明図である。
【図5】本発明の各実施例及び各変形例において、外枠の背面側を示す斜視図である。
【図6】(a)は木質発泡樹脂成形品の概略的な縦断面図であり、(b)は木質材料の量と、木質発泡樹脂成形品の特性との間の関係を示す説明図ある。
【図7】(a)は天板部の平面図であり、(b)は底板部の平面図である。
【図8】(a)は右側の側板部の右側面図であり、(b)は右側の側板部の背面図であり、(c)は前板部の正面図である。
【図9】本発明の実施例及び各変形例に係る遊技機において、遊技盤を示す正面図である。
【図10】(a)は遊技盤の一部縦断面図であり、(b)は遊技盤の分解した状態を示す一部縦断面図である。
【図11】本発明の各実施例及び各変形例に係る電子制御装置を示すブロック図である。
【図12】外枠の製造工程を、各工程を実行する主体を中心に説明した説明図である。
【図13】外枠の製造工程の流れを示す説明した説明図である。
【図14】(a)は変形例1を示す一部縦断面図であり、(b)は変形例2を示す一部縦断面図である。
【図15】請求項7の具体例を示す一部縦断面図である。
【符号の説明】
【0141】
1;遊技機、
10a;板部材(表板部)、
10b〜10g、10p〜10t;板部材(中板部)、
10u;板部材(裏板部)、
P;木質発泡樹脂成形品、
P1、P3;表皮部、
P2;中間部。
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機、遊技機部品、遊技機関連部品及び遊技機部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機(弾球遊技機)やスロットマシン(回胴式遊技機)等の遊技機の一部には、「木製の遊技機部品」が用いられている。例えば、パチンコ機では、遊技盤や遊技制御部品等から構成されるパチンコ機本体(遊技機本体)を、矩形状の外枠の一側に回動自在に組み付けて構成されている。そして、このパチンコ機においては、外枠や遊技盤が、「木製の遊技機部品」に該当する(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
このような「木製の遊技機部品」は、経年劣化による耐久性の低下や、湿気による変形により、長時間の使用(以後の使用)が困難になり、新たなものに交換することが必要となることがある。かかる場合においては、木製の遊技機部品(外枠や遊技盤等)を新規に作成することが必要なため、新たに木材を使用することになると共に、古くなった「木製の遊技機部品」が、廃棄されることになる。
【0004】
また、パチンコホールにおいて、遊技機(パチンコ機等)が長期間使用されることにより、この遊技機の主要な機器(役物装置、制御基板等)の寿命が到来し、当該遊技機(パチンコ機等)を新たな遊技機に交換することが必要となることがある。更に、パチンコホールにおいて、旧機種の遊技機が設置部位(島設備)から取り外され、新機種の遊技機が当該「設置部位(島設備)」に設置されること(所謂「新台入れ替え」)がある。
【0005】
これらの場合においては、古くなった遊技機(パチンコ機等)が、パチンコホールの設置部位から外されると、その遊技機(パチンコ機等)を構成する「一部の遊技機部品(樹脂製の遊技機部品)」は再利用(リサイクル、リユース)されるものの、他の遊技機部品は「木製の遊技機部品」を含めて廃棄されることになる。そして、新機種の製造・販売に際しては、その都度、外枠や遊技盤等の「木製の遊技機部品」も新規に作成するため、それにあわせて大量の木材を使用することになる。
【0006】
以上のように、従来の遊技機(パチンコ機等)では、木製の遊技機部品(外枠や遊技盤等)の交換を行ったり、遊技機(パチンコ機等)全体の交換、入れ換え等を行う場合に、古くなった遊技機部品が再利用されないため、環境保護及び資源保護等の観点から好ましくない。そこで、本発明者らは、「従来、木材を用いて構成していた遊技機部品(外枠や遊技盤等)を、再原料化が容易な樹脂を用いて構成することで、当該遊技機部品(外枠や遊技盤等)の再利用の促進を図ることができる」との知見を得た。
【特許文献1】特開平10−15190号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、「木製の遊技機部品」を、単に「樹脂製の遊技機部品」とするだけでは、以下のような問題が発生する。つまり、「樹脂製の遊技機部品」には釘を打ち込むことが困難であるか、不可能である(例えば、樹脂製の遊技機部品に破損を生ずるため、不可能である。)と共に、「樹脂製の遊技機部品」は、「木製の遊技機部品」に比べて重量が重くなるのが一般的である。このため、例えば、外枠や遊技盤を樹脂製とした場合、次のような問題を生ずる。
【0008】
先ず、外枠をパチンコホールの島設備の設置部位に固定する際には、外枠に釘を打ち込むことが必要である。ところが、外枠を単なる「樹脂製部品」として構成した場合には、釘を外枠に打ち込むことが困難であるため、結局、遊技機(パチンコ機)をパチンコホールに設置する作業の作業性が悪化したり、この作業が不可能となる恐れがある。また、外枠を単なる「樹脂製部品」として構成すると、外枠の重量が多くなるため、パチンコホール内で、遊技機全体(遊技機本体及び外枠)の配置転換を行う場合に、この配置転換のための作業の作業性が悪化する恐れもある。
【0009】
また、遊技盤の盤面上(前面部)には、通常、多数の障害釘が打ち込まれて配置されている。ところが、遊技盤を単なる「樹脂製部品」として構成した場合には、遊技盤面上に障害釘を打ち込むことが困難であるため、結局、障害釘の配置の作業性が悪化したり、障害釘の配置の作業が不可能となる恐れがある。また、遊技盤を単なる「樹脂製部品」として構成した場合には、遊技盤の重量が多くなるため、遊技盤を遊技機本体から着脱する作業を行う際に、この作業の作業性が悪化する恐れもある。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、遊技機部品に施す作業の作業性を悪化させたり、当該作業を不可能とすることなく、遊技機全体の再利用率を高めて、ひいては、環境保護及び資源保護に寄与できる遊技機を提供することを目的とする。
【0011】
本発明の他の目的は、釘打ち等の作業の作業性を悪化させたり、当該作業を不可能とすることなく、再利用が促進され、ひいては、環境保護及び資源保護に寄与できる遊技機部品を提供することを目的とする。
【0012】
本発明の更に他の目的は、釘打ち等の作業の作業性を悪化させたり、当該作業を不可能とすることなく、再利用が促進され、ひいては、環境保護及び資源保護に寄与できる遊技機関連部品を提供することを目的とする。
【0013】
本発明の更に他の目的は、釘打ち等の作業の作業性を悪化させたり、当該作業を不可能とすることなく、再利用が促進され、ひいては、環境保護及び資源保護に寄与できる遊技機部品を得るための「遊技機部品の製造方法」を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1記載の遊技機は、
複数の遊技機部品を用いて構成される遊技機であって、
所定の遊技機部品の少なくとも一部に、木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備えると共に、
該木質発泡樹脂成形部は、使用済みで木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料と、使用済みで熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料と、を混合、混練りして生成された部品原料を用いて発泡成形して構成されることを特徴とする。
【0015】
また、請求項2記載の遊技機は、
複数の遊技機部品を用いて構成される遊技機であって、
所定の遊技機部品の少なくとも一部に、木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備えると共に、
該木質発泡樹脂成形部は、木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料と、熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料と、を混合して生成された部品原料を用いて発泡成形して構成されることを特徴とする。
【0016】
請求項1及び2の各発明の遊技機によると、所定の遊技機部品の少なくとも一部に、木質発泡樹脂成形部を備える。そして、この木質発泡樹脂成形部は、木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料と、熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料とを構成原料とする。このため、この木質発泡樹脂成形部の成形に際し、使用済みの「木製の遊技機部品」の再利用(再原料化)を行うと共に、使用済みの「熱可塑性樹脂製の遊技機部品」の再利用(再原料化)を行うことができる。よって、請求項1及び2の各発明の遊技機によると、遊技機全体の再利用率を高めることができ、これにより、環境保護及び資源保護に寄与することができる。但し、請求項2の発明では、使用済みの「遊技機部品」のみならず、使用前の遊技機部品(不良品、過剰在庫品等)の利用をも意図している。尚、この点に関しては、請求項3〜10の各発明においても同様である。
【0017】
また、請求項1及び2の各発明の遊技機では、木質発泡樹脂成形部が、気泡を備える発泡成形品とされるため、この木質発泡樹脂成形部に「釘(固定用の釘や、障害釘等)」を打ち込むことが容易である。また、木質発泡樹脂成形部は、気泡を備える分だけ、軽量化されているため、遊技機部品の軽量化が図られる。よって、請求項1及び2の発明の遊技機によると、遊技機部品に施す作業(例えば、島設備への固定作業、障害釘の打ち込み作業、パチンコホール内での搬送作業、遊技機メーカからパチンコホールへの搬送作業、使用済み遊技機の回収作業、他の遊技機部品への組付作業等)の作業性を悪化させることがない。
【0018】
更に、請求項1及び2の各発明では、従来「木製」とされていた「遊技機部品」を、木質発泡樹脂成形部を備える構成とする。つまり、木質材料を構成原料に含むことで、木製の「風合い」を保ちつつも、熱可塑性樹脂を構成原料に含むことで、遊技機部品の耐久性の向上(従来の木製の遊技機部品に比べた耐久性の向上)を図ることができ、経年劣化や使用環境による変形が生じ難くなっている。更に、木質発泡樹脂成形部を、同一の成形部(同一の遊技機部品、若しくは、同一の遊技機部品の一部)とし、再度、再利用(再原料化)する場合においては、分別作業等が不要となる。よって、この再度、再利用を行うことが容易である。
【0019】
ここで、本明細書において「木材製の遊技機部品」としては、(1)パチンコ機(弾球遊技機)やスロットマシン(回胴式遊技機)等の遊技機を構成する「外枠(請求項6の発明を参照)」や、(2)パチンコ機(弾球遊技機)を構成する遊技盤(請求項7の発明を参照)を例示できる。また、「熱可塑性樹脂製の遊技機部品」としては、中枠、前面枠、遊技制御部品用ケース等を例示できる。
【0020】
請求項1及び2の各発明の「部品原料」は、木材製の遊技機部品の粉砕品(木質材料)と、熱可塑性樹脂製の遊技機部品の粉砕品(樹脂材料)と、を単に混合(但し、請求項1では、混合して混練する。)生成された部品原料であってもよいが、造粒品であってもよい。つまり、木材製の遊技機部品の粉砕品(木質材料)と、熱可塑性樹脂製の遊技機部品の粉砕品(樹脂材料)と、混合して(請求項1では、混合し、混練して)、更に造粒して生成される部品原料であってもよい。また、請求項1の発明では、「発泡成形」を、部品原料に発泡剤を添加して行ってもよし、空気若しくは炭酸ガス等を注入しつつ、行ってもよい。但し、請求項2、3、5〜請求項11の発明においては、「部品原料」を作製する際に、木材製の遊技機部品の粉砕品(木質材料)と、熱可塑性樹脂製の遊技機部品の粉砕品(樹脂材料)とを混合し、更に、「混練り」することを排除するものではない。
【0021】
尚、請求項1及び2の各発明において、木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料と、熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料は、小片状(例えば、チップ状)に構成されてもよいし、粉状に構成されてもよい。また、各請求項の発明においては、木質発泡樹脂成形部の品質の向上を図るため、部品原料に、未使用の材料(未使用の木材を粉砕して構成されるバージン木質材料や、未使用の熱可塑性樹脂(バージン熱可塑性樹脂)を混入してもよい。
【0022】
ここで、各請求項の発明の「熱可塑性樹脂」としては、PC(ポリカーボネート)、ABS樹脂、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PMMA(ポリ酢酸ビニル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PA(ポリアミド)、POM(ポリオキシメチレン)、PSU(ポリサルフォン)、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、PI(ポリイミド)、フッ素樹脂等を例示できる。
【0023】
そして、各請求項の発明では、これらの「熱可塑性樹脂」のうちで、ABS樹脂若しくはPCを特に好適に用いることができる。蓋し、ABS樹脂及びPCは、遊技機部品の構成素材として広く使用されているからである。但し、各請求項の発明において、木質発泡樹脂成形品を作製する際に、ABS樹脂及びPCのうちの何れを用いるかの選択を、例えば、以下のように行うことができる。つまり、硬度と、強度を優先する遊技機部品では、ABSを用いることが望ましい。一方、「釘の打ち込み作業等の作業性」を優先する遊技機部品では、PCを用いることが望ましい。更に、木質発泡樹脂成形部が、直接、遊技者の目に触れる場合には、PCを用いることが望ましい。蓋し、ABSを用いた遊技機部品は、通常、着色されているので、ABSの再利用品を使用する場合には、その色を考慮することが必要となる場合があるためである。
【0024】
各請求項の発明において、木質材料と、樹脂材料との配合比率を種々選択することができる。特に、木質材料の使用重量と、樹脂材料の使用重量とを合わせたものを100重量部とする場合、木質材料の使用重量を「40重量部〜80重量部」のうちの何れかとすることが望ましく、「55重量部〜65重量部」のうちの何れかとすることが更に望ましく、「58重量〜62重量部」のうちの何れかとすることが更に一層、望ましい。木質材料の使用重量が、40重量部未満となると、木質発泡樹脂成形品の硬度や、強度を高くなり過ぎてしまい、この木質発泡樹脂成形品に釘打ち作業を施すことが困難となる恐れがある。一方、木質材料の使用重量が、80重量部を超えると、木質発泡樹脂成形品の硬度や、強度を不十分となる恐れがあるからである。
【0025】
各請求項の発明(但し、請求項8の発明を除く)の「発泡成形」の具体的な手法としては、押し出し成形や、射出成形等を例示できる。また、この「発泡成形」において使用する「発泡剤」としては、(1)ADCA発泡剤(アゾジカルボンアミド)、DPT発泡剤(ジニトロソペンタメチレンテトラミン)、OBSH発泡剤等の有機発泡剤や、(2)無機発泡剤等を用いることができる。但し、木質発泡樹脂成形部を再度、リサイクルするための便宜を図るためには、有機発泡剤を使用することが望ましい。蓋し、木質材料及び樹脂材料が、有機系の材料であるため、発泡剤としても、有機系のものを使用すれば、木質発泡樹脂成形部をより効率的に再利用することができるからである。
【0026】
請求項3記載の遊技機は、
複数の遊技機部品を用いて構成される遊技機であって、
所定の遊技機部品の少なくとも一部に、木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備えると共に、
該木質発泡樹脂成形部は、
木材製の粉砕物を用いて構成される木質材料と、
熱可塑性樹脂製の粉砕物、熱可塑性樹脂製の小片状物及び熱可塑性樹脂製の粉状物のうちの少なくとも何れかを用いて構成される樹脂材料と、
を混合して生成された部品原料を用いて発泡成形して構成されることを特徴とする。
【0027】
請求項3の発明は、請求項2の発明の上位概念を示している。つまり、請求項3の発明においては、(A)木質材料を、木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料に限定しない点と、(B)樹脂材料を、熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料に限定しない点とが、請求項3の発明との相違点である。つまり、請求項3の発明の「木質材料」には、未使用の木材を粉砕して構成される木質材料(木製の遊技機部品の製造時に生じた「端切れ等」を粉砕した粉砕物)も含まれる。また、請求項3の発明の「樹脂材料」には、「未使用の可塑性樹脂製の粉砕物(例えば、熱可塑性樹脂製の遊技機部品の製造時に生じた不良品を粉砕した粉砕物)」や、熱可塑性樹脂製のバージン原料(ペレット等の小片状物によって構成されるバージン原料や、造粒等がなされて粉状物で構成されるバージン原料等)が含まれる。
【0028】
請求項3の発明の遊技機においても、木質発泡樹脂成形部が、気泡を備える発泡成形品とされるため、この木質発泡樹脂成形部に「釘」を打ち込むことが容易であると共に、遊技機部品の軽量化が図られる。よって、請求項3の発明の遊技機によっても、遊技機部品に施す作業(遊技機メーカからパチンコホールへの搬送作業、使用済み遊技機の回収作業、他の遊技機部品への組付作業等)の作業性を悪化させることがない。また、「遊技機部品」を、木質発泡樹脂成形部を備える構成とすることで、この遊技機部品の耐久性の向上を図ることができ、経年劣化や使用環境による変形が生じ難くなっている。更に、木質発泡樹脂成形部を、同一の成形部(同一の遊技機部品、若しくは、同一の遊技機部品の一部)とし、再度、再利用(再原料化)する場合においては、分別作業等が不要となる。よって、この再度、再利用を行うことが容易である。
【0029】
尚、請求項3の発明においても、木質材料を、「木材製の遊技機部品」を粉砕して構成される木質材料とする場合には、使用済みの「木製の遊技機部品」の再利用を行うことができる。よって、請求項1の発明と同様に、遊技機全体の再利用率を高めることができ、これにより、環境保護及び資源保護に寄与することができる。また、請求項3の発明においても、「発泡成形」を、部品原料に発泡剤を添加して行ってもよし、空気若しくは炭酸ガス等を注入しつつ、行ってもよい。
【0030】
請求項4記載の遊技機は、
複数の遊技機部品を用いて構成される遊技機であって、
所定の遊技機部品の少なくとも一部に、木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備えると共に、
該木質発泡樹脂成形部は、
木材製の粉砕物を用いて構成される木質材料と、
熱可塑性樹脂製の粉砕物、熱可塑性樹脂製の小片状物、熱可塑性樹脂製の粉状物、及び熱可塑性樹脂製の流動物のうちの少なくとも何れかを用いて構成される樹脂材料と、
所定の発泡剤と、
を用いた発泡成形によって製造されることを特徴とする。
【0031】
請求項4の発明も、請求項2の発明の上位概念を示している。つまり、請求項4の発明においても、(A)木質材料を、「木材製の遊技機部品」を粉砕して構成される木質材料に限定しない点と、(B)樹脂材料を、熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料に限定しない点とが、請求項1の発明との相違点である。つまり、請求項4の発明の「木質材料」には、未使用の木材を粉砕して構成される木質材料も含まれる。また、請求項4の発明の「樹脂材料」には、「未使用の可塑性樹脂製の粉砕物」、熱可塑性樹脂製のバージン原料や、熱可塑性樹脂を溶融させて構成される流動物等が含まれる。
【0032】
また、請求項4の発明においては、請求項2の発明のように、(a)木質材料と、樹脂材料と、を混合して生成された部品原料を用いて発泡成形を行う態様の他に、(b)木質材料と、樹脂材料と、を用いて直接(請求項2の発明の「部品原料」を作製すること無く)、発泡成形を行う態様も含まれる。
【0033】
請求項4の発明の遊技機においても、木質発泡樹脂成形部が、気泡を備える発泡成形品とされるため、この木質発泡樹脂成形部に「釘」を打ち込むことが容易であると共に、遊技機部品の軽量化が図られる。よって、請求項4の発明の遊技機によっても、遊技機部品に施す作業(遊技機メーカからパチンコホールへの搬送作業、使用済み遊技機の回収作業、他の遊技機部品への組付作業等)の作業性を悪化させることがない。また、「遊技機部品」を、木質発泡樹脂成形部を備える構成とすることで、この遊技機部品の耐久性の向上を図ることができ、経年劣化や使用環境による変形が生じ難くなっている。更に、木質発泡樹脂成形部を、同一の成形部(同一の遊技機部品、若しくは、同一の遊技機部品の一部)とし、再度、再利用する場合においては、分別作業等が不要となる。よって、この再度、再利用を行うことが容易である。
【0034】
尚、請求項4の発明においても、木質材料を、木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料とする場合には、使用済みの「木製の遊技機部品」の再利用(再原料化)を行うことができる。よって、請求項2の発明と同様に、遊技機全体の再利用率を高めることができ、これにより、環境保護及び資源保護に寄与することができる。
【0035】
請求項5記載の遊技機は、
複数の遊技機部品を用いて構成される遊技機であって、
所定の遊技機部品の少なくとも一部に、木材製の粉砕物を用いて構成される木質材料と、熱可塑性樹脂と、を用いて発泡成形して形成される木質発泡樹脂成形部を備え、
該木質発泡樹脂成形部は、表面側及び裏面側に位置する表皮部と、該表皮部の間に形成される中間部とを備える略板状に構成されると共に、
前記中間部の発泡倍率は、前記表皮部の発泡倍率よりも高くされていることを特徴とする。
【0036】
請求項5の発明においても、(A)木質材料を、「木材製の遊技機部品」を粉砕して構成される木質材料に限定しない点と、(B)樹脂材料を、「熱可塑性樹脂製の遊技機部品」を粉砕して構成される樹脂材料に限定しない点とが、請求項2の発明との相違点である。つまり、請求項4の発明の「木質材料」には、未使用の木材を粉砕して構成される木質材料も含まれる。また、請求項4の発明の「樹脂材料」には、「未使用の可塑性樹脂製の粉砕物、熱可塑性樹脂製のバージン原料や、熱可塑性樹脂を溶融させて構成される流動物等が含まれる。
【0037】
請求項5の発明の遊技機においても、木質発泡樹脂成形部が、気泡を備える発泡成形品とされるため、この木質発泡樹脂成形部に「釘」を打ち込むことが容易であると共に、遊技機部品の軽量化が図られる。よって、請求項5の発明の遊技機によっても、遊技機部品に施す作業(遊技機メーカからパチンコホールへの搬送作業、使用済み遊技機の回収作業、他の遊技機部品への組付作業等)の作業性を悪化させることがない。また、「遊技機部品」を、木質発泡樹脂成形部を備える構成とすることで、この遊技機部品の耐久性の向上を図ることができ、経年劣化や使用環境による変形が生じ難くなっている。更に、木質発泡樹脂成形部を、同一の成形部(同一の遊技機部品、若しくは、同一の遊技機部品の一部)とし、再度、再利用する場合においては、分別作業等が不要となる。よって、この再度、再利用を行うことが容易である。
【0038】
更に、請求項5の発明によると、木質発泡樹脂成形部が表皮部と、中間部とを備えると共に、表皮部が、発泡倍率が低く硬い部分とされ、中間部が、発泡倍率が高く柔らかい部分とされる。つまり、外観として外部に露呈しない中間部の発泡倍率が高くされるため、この「木質発泡樹脂成形部」に釘を打ち込む作業の作業性が確保されると共に、「木質発泡樹脂成形部」の軽量化が図られる。
【0039】
尚、請求項5の発明においても、木質材料を、木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料とする場合には、使用済みの「木製の遊技機部品」の再利用(再原料化)を行うことができる。よって、請求項2の発明と同様に、遊技機全体の再利用率を高めることができ、これにより、環境保護及び資源保護に寄与することができる。
【0040】
請求項6記載の遊技機は、請求項1〜5の何れかに一項に記載の遊技機において、
遊技機の設置箇所に設置される外枠と、該外枠に装着される遊技機本体と、を備えると共に、
該外枠の少なくとも一部に、前記木質発泡樹脂成形部を備えることを特徴とする。
【0041】
請求項6の発明は、請求項1〜請求項5の発明の具体例を示すものである。ここで、外枠とは、通常、島設備の設置部位に釘を用いて固定される。更に、この外枠の一側には、遊技機本体が回動自在に組み付けられる。また、この外枠は、通常、天板と、左側の側板(遊技者から見て)と、右側の側板(遊技者から見て)と、底板とを略矩形状に組み合わせて構成されている。尚、外枠を、島設備の設置部位に固定する場合には、通常、天板と、底板とに釘が打ち込まれる。
【0042】
この外枠は、通常、パチンコホールにおいて、頻繁にその配置替えが行われる。つまり、パチンコホールにおいては、新機種の導入時等に頻繁に、遊技機の配置替えを行う。ところが、外枠は、個々の遊技機メーカ毎に固有の取付金具(遊技機本体を固定するための取付金具)等を有している。よって、同一の外枠を、製造メーカの異なる遊技機本体を固定するための外枠として汎用的に用いることができない。従って、遊技機本体を外枠と共に配置替することが必要となる。
【0043】
しかし、従来の外枠(単に木材で構成した外枠)は重量が重いため、遊技機の新たな配置箇所に移動する作業を行う者の負担が多くなっている。また、外枠の配置換えを実行する毎に、旧設置箇所において打ち込まれていた釘を、天板と底板から抜き取り、新たな設置箇所において、この天板と底板に、再び、釘を打ち込むことが必要である。そして、外枠の頻繁な「配置替え」に対応して、天板と底板に度々、釘が打ち込まれることが原因となり、天板と底板に破損を生ずることがある。このため、外枠は、頻繁に交換されるのが一般的である。
【0044】
これに対し、請求項6の発明は、このような外枠の特性を考慮してなされたものである。つまり、請求項6の発明では、外枠に木質発泡樹脂成形部を設け、その軽量化を図るため、この外枠の「配置替え」の作業の作業性が向上する。また、使用中の外枠の「天板と底板」に破損を生じ、外枠を交換する場合にも、当該、「使用中の外枠」を、新たな外枠の材料として使用することができる。
【0045】
請求項6の発明においては、外枠全体を木質発泡樹脂成形部で構成してもよいし、外枠を構成する特定の板のみ、若しくは、特定の板の一部のみを木質発泡樹脂成形部で構成してもよい。つまり、(1)天板、底板、左側の側板及び右側の側板を、木質発泡樹脂成形部で構成する態様、(2)天板及び底板を木質発泡樹脂成形部で構成し、左側及び右側の側板を木材や樹脂で構成する態様、(3)天板及び底板を木材で構成し、左側及び右側の側板を木質発泡樹脂成形部で構成する態様、等を例示することができる。
【0046】
(1)の態様(外枠全体を木質発泡樹脂成形部で構成する態様)は、外枠の軽量化のために特に好ましい。また、(2)の態様では、天板及び底板を、釘を打ち込み易い「木質発泡樹脂成形部」で構成するため、外枠を島設備の設置部位に固定する際の作業性を確保できる。更に、(3)の態様では、天板及び底板を、釘を打ち込むことができる木材で構成しつつも、左側及び右側の側板を軽量の木質発泡樹脂成形部で構成するため、外枠の軽量化を図ることができる。
【0047】
請求項7記載の遊技機は、請求項1〜6の何れかに一項に記載の遊技機において、
遊技機の設置箇所に設置される外枠と、該外枠に装着されると共に遊技盤を備える遊技機本体と、を備えると共に、
該遊技盤の少なくとも一部に、前記木質発泡樹脂成形部を備えることを特徴とする。
【0048】
請求項7の発明は、請求項1〜請求項6の発明の具体例を示すものである。ここで、遊技盤は、表面部を遊技盤面とし、裏面部を制御基板等の設置部とする。そして、遊技盤面に障害釘が打ち込まれる。
【0049】
この遊技盤は、通常、パチンコホールにおいて、頻繁に交換(所謂「面換え」である。)が行われる。ところが、一般的な遊技盤(単に木材で構成した遊技盤)は重いため、遊技盤の交換作業を行う者の負担が多くなっている。これに対し、請求項7の発明は、このような遊技盤の特性を考慮してなされたものである。つまり、請求項7の発明では、遊技盤に木質発泡樹脂成形部を設け、その軽量化を図るため、この遊技盤の「交換」の作業の作業性が向上する。
【0050】
請求項7の発明においては、(A)遊技盤全体を木質発泡樹脂成形部で構成してもよいが、遊技盤の一部のみを木質発泡樹脂成形部で構成してもよい。例えば、遊技盤を、複数の板を貼り合わせて構成する場合、当該複数の板から選択される所定の板のみを木質発泡樹脂成形部で構成してもよい。つまり、遊技盤が、表面部を構成する表板部と、裏面部を構成する裏板部と、表板部及び裏板部間に配置される中板部(中板部が複数枚存在してもよい。)とを積層状に貼り合わせて構成される場合に、(B)表板部のみを木質発泡樹脂成形部で構成し、その他の部分を木材で構成する態様、(C)裏板部のみを木質発泡樹脂成形部で構成し、その他の部分を木材で構成する態様、(D)表板部及び裏板部を木質発泡樹脂成形部で構成し、中板部を木材で構成する態様、(E)中板部を木質発泡樹脂成形部で構成し、その他の部分を木材で構成する態様(中板部が複数枚存在する場合、少なくとも1つの中板部を木質発泡樹脂成形部で構成する態様)等を例示できる。
【0051】
そして、(A)〜(E)の何れの態様の遊技盤も、遊技盤全体を木材で構成する従来品に比べて重量が軽くなり、取り扱いが容易である。特に、(A)及び(B)の態様では、遊技盤の表板部を木材よりも硬度が低い木質発泡樹脂成形部で構成するため、遊技盤全体(表板部を含めた全体)を木材で構成する従来品に比べて、障害釘の打ち込み作業が容易となるという、効果を得ることもできる。しかも、(B)の態様では、裏板部を木材で構成し、遊技盤の裏面側の剛性を確保する。このため、この遊技盤の裏面側(裏板部)に、重量の嵩む遊技機部品(制御基板)等を多数装着しても、遊技盤の無用の変形等を生ずることはない。
【0052】
請求項8記載の遊技機は、
外枠と、該外枠に装着されると共に遊技盤を備える遊技機本体と、を備える遊技機であって、
前記遊技盤は、表面部側を構成する表板部と、裏面部側を構成する裏板部と、該表板部及び該裏板部間に配置される少なくとも1つの中板部と、を積層状に貼り合わせて構成される遊技盤本体を備え、
前記表板部を木材で構成し、前記中板部及び裏板部のうちの少なくとも中板部に、木質樹脂成形品で構成される木質樹脂成形部を備えると共に、
該木質樹脂成形部は、木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料と、熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料と、を混合して生成された部品原料を用いて発泡成形して構成されることを特徴とする。
【0053】
請求項8の発明は、木質発泡樹脂成形部の代わりに、木質樹脂成形部を備える点が、請求項7の発明{特に、(E)の態様}と相違する。つまり、木質材料と、樹脂材料とを用いて生成された部品原料を使用しつつ、発泡を行うことなく成形した「木質樹脂成形部」を備える点が、請求項7の発明と相違する。
【0054】
請求項8の発明においては、遊技盤の一部(厚さ方向に沿った中間部)に、木質樹脂成形部を備える。そして、この木質樹脂成形部は、「木材製の遊技機部品」を粉砕して構成される木質材料と、「熱可塑性樹脂製の遊技機部品」を粉砕して構成される樹脂材料とを構成原料とする。このため、この木質樹脂成形部の成形に際し、使用済みの「木製の遊技機部品」の再利用を行うと共に、使用済みの「熱可塑性樹脂製の遊技機部品」の再利用を行うことができる。よって、請求項8の発明によると、遊技機全体の再利用率を高めることができ、これにより、環境保護及び資源保護に寄与することができる。
【0055】
また、請求項8の発明の遊技機では、遊技盤の芯材(中板部)を木材よりも、硬度、剛性が高い「木質樹脂成形部」によって構成するため、遊技盤全体の剛性が高くなる。しかも、表板部は、木材で構成されるため、本発明に係る遊技盤に対して障害釘を打ち込む作業の作業性は、従来の遊技盤(全体を木材で構成する遊技盤)に対して障害釘を打ち込む作業の作業性と異なることがない。つまり、請求項8の発明の遊技機では、遊技盤に対して障害釘を打ち込む作業の作業性を損なうことなく、遊技盤全体の剛性を高めている。このため、遊技盤の耐久性の向上を図ることができ、経年劣化や使用環境による変形が生じ難くなっている。
【0056】
尚、請求項8の発明の遊技盤が中板部を複数備える場合には、少なくとも1つの中板部を木質樹脂成形部すれば、請求項8の発明の目的を達成できる。また、請求項7の発明の遊技盤においては、裏板部を木材で構成してもよいし、木質樹脂成形部で構成してもよいが、木質樹脂成形部構成すると、遊技盤の裏面側の剛性がより一層高くなる。このため、この遊技盤の裏面側(裏板部)に、重量の嵩む遊技機部品(制御基板)等を多数装着しても、遊技盤の無用の変形等を生ずることをより確実に防止できる。
【0057】
尚、請求項8の発明においても、「木材製の遊技機部品」を粉砕して構成される木質材料と、「熱可塑性樹脂製の遊技機部品」を粉砕して構成される樹脂材料は、小片状(例えば、チップ状)に構成されてもよいし、粉状に構成されてもよい。また、木質発泡樹脂成形部の品質の向上を図るため、部品原料に、未使用の材料(未使用の木材を粉砕して構成されるバージン木質材料や、未使用の熱可塑性樹脂製成形品若しくは製造中に不良品となった熱可塑性樹脂製成形品を、粉砕して構成される材料)を混入してもよい。
【0058】
請求項9記載の遊技機部品は、
遊技機を構成する遊技機部品であって、
木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備えると共に、
該木質発泡樹脂成形部は、
木材製の粉砕物を用いて構成される木質材料と、
熱可塑性樹脂製の粉砕物、熱可塑性樹脂製の小片状物及び可塑性樹脂製の粉状物のうちの少なくとも何れかを用いて構成される樹脂材料と、
を混合して生成された部品原料を用いて発泡成形して構成されることを特徴とする。
【0059】
請求項9の発明は、請求項1の発明の遊技機を構成する「遊技機部品」に関するものである。そして、請求項9の発明によると、請求項2の発明と同様な効果が得られる。
【0060】
請求項10記載の遊技機関連部品は、
遊技機に関連する遊技機関連部品であって、
木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備えると共に、
該木質発泡樹脂成形部は、
木材製の粉砕物を用いて構成される木質材料と、
熱可塑性樹脂製の粉砕物、熱可塑性樹脂製の小片状物及び可塑性樹脂製の粉状物のうちの少なくとも何れかを用いて構成される樹脂材料と、
を混合して生成された部品原料を用いて発泡成形して構成されることを特徴とする。
【0061】
請求項10の発明は、請求項9の発明と同様な構成を備える「遊技機関連部品」に関するものである。
【0062】
ここで、遊技機関連部品とは、パチンコホールにおいて、遊技機と共に使用される部品を指す。例えば、島設備のうちで遊技機の設置部位を構成する部分であって、外枠を固定する際に釘が打ち込まれる木質の部分を例示できる。また、遊技者が獲得した賞品球を収納するための容器(箱)を例示することもできる。
【0063】
請求項10の発明の遊技機関連部品は木質発泡樹脂成形部を備える。そして、この木質発泡樹脂成形部は、「木材製の遊技機部品」を粉砕して構成される木質材料と、「熱可塑性樹脂製の遊技機部品」を粉砕して構成される樹脂材料とを構成原料とする。このため、この木質発泡樹脂成形部の成形に際し、使用済みの「木製の遊技機部品」の再利用(再原料化)を行うと共に、使用済みの「熱可塑性樹脂製の遊技機部品」の再利用(再原料化)を行うことができる。よって、請求項10の発明によると、遊技機全体の再利用率を高めることができ、これにより、環境保護及び資源保護に寄与することができる。
【0064】
しかも、請求項10の発明の遊技機では、木質発泡樹脂成形部が、気泡を備える発泡成形品とされるため、この木質発泡樹脂成形部に「釘(固定用の釘や、障害釘等)」を打ち込むことが容易である。また、木質発泡樹脂成形部は、気泡を備える分だけ、軽量化されているため、遊技機関連部品の軽量化が図られる。よって、請求項10の発明の遊技機関連部品によると、遊技機関連部品に施す作業(例えば、釘の打ち込み作業、パチンコホールへの搬送作業、使用済み遊技関連部品の回収作業等)の作業性を悪化させることがない。
【0065】
更に、請求項10の発明では、従来「木製」とされていた「遊技機関連部品」を、木質発泡樹脂成形部を備える構成とする。つまり、木質材料を構成原料に含むことで、木製の「風合い」を保ちつつも、熱可塑性樹脂を構成原料に含むことで、遊技機関連部品の耐久性の向上(従来の木製の遊技機関連部品に比べた耐久性の向上)を図ることができ、経年劣化や使用環境による変形が生じ難くなっている。更に、木質発泡樹脂成形部を、同一の成形部(同一の遊技機関連部品、若しくは、同一の遊技機関連部品の一部)とし、再度、再利用(再原料化)する場合においては、分別作業等が不要となる。よって、この再度、再利用を行うことが容易である。
【0066】
請求項11の発明の遊技機部品の製造方法は、
使用済みの遊技機を分解し、該遊技機を構成する遊技機部品を少なくとも材質毎に分別する分別行程と、
前記分別された遊技機部品のうちで、木材を用いて構成される木材製の遊技機部品を粉砕して木質材料とする木材粉砕行程と、
前記分別された遊技機部品のうちで、熱可塑性樹脂を用いて構成される熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して樹脂材料とする樹脂粉砕行程と、
前記木質材料及び前記樹脂材料を混合して部品原料を生成する部品原料生成行程と、
前記部品原料を用いて発泡成形して、木質発泡樹脂成形品を形成する発泡成形行程と、
を含むことを特徴とする。
【0067】
請求項11の発明は、請求項1〜請求項7のうちの何れか発明に対応する「遊技機部品の製造方法」の具体例を示している。この請求項11の発明によると、遊技機のリサイクルを、各行程(分別行程、木材粉砕行程、樹脂粉砕行程、部品原料生成行程、発泡成形行程)に従って効率的に行うことができる。尚、請求項11の発明では、各行程を必ずしも、同一の業者が行う必要はない。例えば、「分別業者」が「分別行程」を実行し、粉砕業者が「木材粉砕行程」及び「樹脂粉砕行程」を実行する。そして、部品原料生成業者が「部品原料生成行程」を実行し、発泡成形業者が「発泡成形行程」を実行してもよい。
【発明の効果】
【0068】
以上記述したように、請求項1〜請求項8の各発明によれば、遊技機部品に施す作業の作業性を悪化させたり、当該作業を不可能とすることなく、遊技機全体の再利用率を高めて、ひいては、環境保護及び資源保護に寄与できる遊技機が得られる。また、請求項9及び11の発明によると、釘打ち等の作業の作業性を悪化させたり、当該作業を不可能とすることなく、再利用が促進され、ひいては、環境保護及び資源保護に寄与できる遊技機部品が得られる。更に、請求項10の発明によると、釘打ち等の作業の作業性を悪化させたり、当該作業を不可能とすることなく、再利用が促進され、ひいては、環境保護及び資源保護に寄与できる遊技機関連部品が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0069】
以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
【0070】
(1)遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1〜図11を参照して説明する。この遊技機1は、図1〜図3に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hと、を備えている。
【0071】
外枠2は、図4に示すように、パチンコホールの島設備Sに設けられた設置部位S1に固定されると共に、遊技機本体Hを支持するためのものである。尚、島設備Sには、固定用上板部S2と固定用下板部S3とが、上下方向に所定の間隔(外枠2の略「全高」分の幅)をおいて、略平行に配置されている。また、固定用上板部S2と固定用下板部S3は、何れも、木材を用いて構成され、釘の打ち込みが可能とされている。そして、設置部位S1は、固定用上板部S2と固定用下板部S3との間に形成された空間部Kによって構成されている。
【0072】
外枠2は、図5に示すように、略矩形状の枠状体(額縁状体)によって構成されている。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22と、外枠本体21の左端側の上下に配置された取付金具23、24と、を備えている。そして、本実施例では、外枠本体21と、前板部22とを、請求項1の発明に従う「木質発泡樹脂成形品P」によって構成した。
【0073】
この「木質発泡樹脂成形品P」は、図6(a)に示すように、熱可塑性樹脂を主体に構成される樹脂製基材部Tに、略均一な粒径を備える「木質材料の粉状物Q」を、略均一に分散させた構造を備えている。この「木質発泡樹脂成形品P」において、表面部側及び裏面部側に位置する表皮部P1、P3では、発泡倍率が低くされている。このため、これらの表皮部P1、P3は、気泡Rが殆ど存在しない硬質部分とされている。また、「木質発泡樹脂成形品P」において、両表皮部P1、P3間に配置される中間部P2では、発泡倍率が高くされている。このため、気泡Rが多数存在する軟質部分とされている。尚、表皮部P1、P3は、請求項5の発明の「表皮部」の具体例を構成し、中間部P2は、請求項5の発明の「中間部」の具体例を構成する。
【0074】
尚、この木質発泡樹脂成形品Pでは、「木質材料の粉状物Q」と、「樹脂製基材部Tとの重量比が、以下のように定められている。つまり、「木質材料の粉状物Q」の重量と、「樹脂製基材部T」の重量を合わせたものを100重量部とする場合、「木質材料の粉状物Q」を「60重量部」含むものとされている。これは、図6(b)に示すように、「木質材料の粉状物Q」の含有量が不足気味になると、木質発泡樹脂成形品Pの硬度が過大となり、木質発泡樹脂成形品Pに釘打ち作業等を効率的に施すことが困難となる。一方、「木質材料の粉状物Q」の含有量が過量となっても、木質発泡樹脂成形品Pの硬度が不足し、木質発泡樹脂成形品Pに釘打ち作業等を効率的に施すことが困難となる。これらに対して、「木質材料の粉状物Q」の含有量が「60重量部」程度であると、特に良好な作業性(釘打ち作業等)を得ることができるからである。尚、この「木質発泡樹脂成形品P(外枠本体21及び前板部22)の具体的な製造方法については後述する。
【0075】
外枠本体21は、図5に示すように、天板部25と、底板部26と、左側の側板部27と、右側の側板部28とを略矩形状に組み合わせて構成されている。ここで、天板部25、底板部26及び左右の側板部27、28と、前板部22は、何れも、帯状の板状物で構成されている。また、「天板部25の左端部と、左側の側板部27の上端部」、「天板部25の右端部と、右側の側板部28の上端部」、「底板部26の左端部と、左側の側板部27の下端部」、及び、「底板部26の右端部と、右側の側板部28の下端部」は、何れも、略直角に接合(所謂、「三枚組継ぎ構造」である。)されている。
【0076】
具体的には、外枠本体21の4隅の各々において、一対の板部の端部(例えば、天板部25の左端部と、左側の側板部27の上端部等)を略直角に接合している。このように、相互に接合される端部のうちの一方に設けられた凹部29a{図7(a)及び(b)参照}に、他方に設けられた凸部(ほぞ)29b{図8(a)及び(b)参照}が嵌合されている。そして、相互に接合される端部を縦断する状態で固定用のビス29cが装着され、外枠本体21を構成する板部(天板部25、底板部26、左側の側板部27、右側の側板部28)の一体化が図られている。また、前板部22も、外枠本体21の前面側の下部に固定用のビスを用いて装着されている。尚、天板部25、左側の側板部27及び右側の側板部28において、外枠本体21の後方(遊技者から見て後方)を向く面には、凹部29dが形成されている。この凹部29dは、本遊技機1に設けられる配線等を通過させるものである。
【0077】
本実施例においては、固定用のビス29cを取り外すことで、外枠本体21を、個々の板部(天板部25、底板部26、左側の側板部27、右側の側板部28)に分解することができる。同様に、前板部22を固定するための「固定用のビス」を、取り外すことで、前板部22を外枠本体21から分離することができる。よって、外枠2のリサイクルは、外枠2全体で行うことができるばかりか、個々の部材(天板部25、底板部26、左側の側板部27、右側の側板部28、前板部22)毎に行うことができる。
【0078】
このように構成される外枠2は、図4に示すように、前述の空間部K(設置部位S1)に挿入される。そして、固定用の釘Mを、天板部25の下方から、天板部25に打ち込み、この釘Mの先端部側を、固定用上板部S2に到達させると共に、固定用の釘Nを、底板部26の上方から、底板部26に打ち込み、この釘Nの先端部側を、固定用下板部S3に到達させる。これにより、外枠2は、島設備Sの設置部位S1に固定された状態となる。また、外枠2を設置部位S1から取り外す場合には、固定用の釘Mを、天板部25及び固定用上板部S2から抜き取ると共に、固定用の釘Nを、底板部26及び固定用下板部S3から抜き取り、外枠2を空間部K(設置部位S1)から取り外すことになる。
【0079】
遊技機本体Hは、図2及び図3に示すように、外枠2の一側(遊技者から見て左端側)に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、中枠3と、前面枠4と、遊技盤10(図9を参照)と、裏機構盤102(図3を参照)等を主要部としている。
【0080】
中枠3は、全体がプラスチック製(熱可塑性樹脂製)であり、外枠2の内側に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。また、中枠3の右端中央には施錠装置7(図1参照)が設けられている。更に、中枠3の下方側の前面部には、遊技球を遊技盤10に発射する発射ユニット(図示を省略)と、遊技球を発射ユニットに供給するための球送り装置(図示を省略)と、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカー400a(図11参照)等が配設されている。
【0081】
中枠3の前面部には、遊技盤10(図9)が保持されている。そして、遊技盤10の背面部には、裏機構盤102(図3参照)が装着され、この背面部を覆う状態とされている。この遊技盤10は、「木製の遊技機部品」の他の具体例を示すものである。尚、遊技盤10及び裏機構盤102(図3参照)の詳細に関しては後述する。
【0082】
前面枠4は、図1に示すように、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、全体がプラスチック製(熱可塑性樹脂製)である。また、前面枠4は円形状の開口部4aを有している。この開口部4aは、前面枠4を閉じた状態としたときに、前面枠4の奥側(背後)に配置される遊技盤10の盤面を、前方(遊技者の側)から視認可能とするためのものである。つまり、この開口部4aは、遊技盤10に形成された遊技領域11(図9参照)の形状に対応して、略円周状に開設されている。また、前面枠4の裏面には、開口部4aに応じて二枚のガラス板(図示を省略)が嵌められた略長方形状のガラス枠(図示を省略)が装着されている。
【0083】
前面枠4には、各種のLED表示部4b、4c、4d、4e、4fが設けられ、これらのLED表示部4b〜4fは、遊技効果を高めること等を目的として、ゲームの進行に応じて点灯及び消灯したり、点滅する。また、前面枠4の前面上方側の中央で左右に並ぶ2個の中上LED表示部4f、4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。更に、賞球LED表示部4gの上方には、エラーLED表示部4hが略扇形に設けられている。ここで、これらの表示部4b、4c、4d、4e、4f、4g、4hを覆うカバーは、全て、熱可塑性樹脂を用いて構成されている。
【0084】
図1に示すように、前面枠3の前面部の下方側の部位には、上皿部5が突出状に設けられていると共に、皿外縁部5aと、遊技機1の内部の遊技球を下皿部6に排出するための排出口5b等を備えている。尚、上皿部5の裏側には、音量スイッチ基板12(図11参照)が設けられ、皿外縁部5aには球抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が設けられている。
【0085】
前面枠3の前面部であって、上皿部5よりも下方の部位には、下皿部6が突出状に設けられている。そして、この下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部6の右端には発射ハンドル9が設けられている。更に、下皿部6の上部には、灰皿6bの上面を開閉可能なスライド蓋が設けられている。また、下皿部6の底面には球抜き孔(図示を省略)が設けられている。この球抜き孔は、通常時には、閉鎖されているが、下皿部6に貯留された遊技球を遊技機1から排出する際に開放状態とされる。
【0086】
発射ハンドル9は、発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。この発射ハンドル9には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。また、施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。更に、遊技機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が設けられている。尚、上皿部5の略中央部には第1音声出力部5cが設けられている。この第1音声出力部5cには、スピーカー400aを構成する中高音用ユニット(ツィータ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。また、下皿部6における排出ノブ6cの右側及び左側には第2音声出力部6dが設けられている。この第2音声出力部6dには、スピーカー400aを構成するユニット(ウーハ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。また、本遊技機1では、上皿部5の前面における左端側の部位に、2つの操作ボタンB1、B2を配置している。
【0087】
遊技盤10は、図10(a)に示すように、遊技盤本体10Aと、遊技盤本体10Aの表面に装着(例えば、貼着)された装飾用シート10Bと、を備えている。この装飾用シート10Bには、所定の「セル画」が描かれている。
【0088】
遊技盤本体10Aは、平面形状が略正方形で、しかも、木質の板部材(10a、10b、10c、10d、10e、10f、10g、10p、10q、10r、10s、10t、10u)を積層状に貼り合わせて構成されている。つまり、この遊技盤本体10Aは、前面側の部分を構成する板部材(10a〜10f)と、後面側の部分を構成する板部材(10p〜10u)と、両者の間に配置される板部材10gとを備える。
【0089】
この遊技盤本体10Aにおいては、遊技盤本体10Aの肉厚方向に沿った中央に位置する板部材10gのみが、「木質発泡樹脂成形品P」によって構成され、その他の板部材(10a〜10f、10p〜10u)は、木材(例えば、ベニア材)によって構成されている。尚、図10(a)においては、隣合う各板部材間(10a及び10b、10b及び10c、10c及び10d、10d及び10e、10e及び10f、10f及び10g、10g及び10p、10p及び10q、10q及び10r、10s及び10t、10t及び10u)を接着するための接着剤と、装飾用シート10Bを遊技盤本体10Aに粘着(接着)するための粘着剤(接着剤)の図示を省略している。また、図10(b)、図14及び図15においても、隣合う各板部材間を接着するための接着剤の図示を省略している。また、遊技盤本体10Aの表面側に位置する板部材10aが、「表板部」の具体例を構成し、遊技盤本体10Aの裏面側に位置する板部材10uが、「裏板部」の具体例を構成する。更に、その他の板部材間(10b〜10g、10p〜10t)が「中板部」の具体例を構成する。
【0090】
この遊技盤10の前面部には、図9に示すように、外レール14と内レール15とが配設されている。そして、この遊技盤10の表面部(前面部)において、外レール14と内レール15とで囲まれた部位によって、略円形状の遊技領域11が形成されている。この遊技領域11内には、中央装置26と、始動口(普通電動役物171)17と、変動入賞装置18と、左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22と、多数の障害釘23と、一対のランプ風車24、25等が配設されている。
【0091】
図9に示すように、中央装置26は遊技領域11の略中央部に配置されると共に、液晶表示装置27を備えている。また、中央装置26の上部中央には、普通図柄表示装置32が配置されている。この普通図柄表示装置32は、7セグメント表示器32aと、普通図柄保留表示LED32bとを有している。更に、中央装置26の左右斜め下方には、普通図柄作動ゲート36、37がそれぞれ設けられ、この左右の普通図柄作動ゲート36、37内に左、右普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ36s、37s(図11参照)が配設されている。
【0092】
遊技領域11において、中央装置26の下方に離れた位置には、始動口17が配設されている。そして、この始動口17の入口側部分に、普通電動役物171が配置されている。つまり、この普通電動役物171は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。また、普通電動役物171の内部には、遊技球の通過を検出する始動口(普通電動役物171)入賞検出スイッチ17s(図11参照)と、翼片部を作動させるための始動口(普通電動役物)ソレノイド17c(図11参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
【0093】
変動入賞装置18は、上記始動口(普通電動役物171)17の下方に配設されており、前面側が略逆台形状に形成された基板34に、大入賞装置31と、左下入賞口21と右下入賞口22とを備えている。ここで、大入賞装置31は、略中央に形成され、帯状に開口された大入賞口311と、この大入賞口311を開放・閉鎖する開閉板312と、この開閉板312を開閉するための大入賞口ソレノイド313(図11参照)と、大入賞口311に入賞した後に遊技球が通過する特定領域(V入賞口及び一般入賞口/図示略)と、連動杆(図示略)と、入賞球を検出する入賞球検出スイッチ318(図11参照)と、裏箱(図示略)と、大入賞口中継基板(図示略)とから主に構成されている。
【0094】
また、左下入賞口21は、始動口(普通電動役物171)17の略斜め左下側に配設されて、内部に左下入賞口通過検出スイッチ21s(図11参照)が設けられている。そして、この左下入賞口21の下方には複数個の左下入賞口LED223が左下入賞口LED基板21f(図11参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。さらに、右下入賞口22は、始動口(普通電動役物)17の略斜め右下側に配設されて、内部に右下入賞口通過検出スイッチ22s(図4参照)が設けられている。そして、この右下入賞口22の下方には複数個の右下入賞口LED224が右下入賞口LED基板22f(図11参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。
【0095】
変動入賞装置18の左右斜め上方には、左入賞口19及び右入賞口20がそれぞれ配設されている。そして、その内部にはそれぞれ、左入賞口通過検出スイッチ19s(図11参照)、右入賞口通過検出スイッチ20s(図11参照)が設けられている。また、中央装置26の左右斜め上方には、一対のランプ風車24、25がそれぞれ配設されている。さらに、遊技領域11の左右両端部には、一対のサイドランプ38、39がそれぞれ縦円弧状で相対称状に配設されている。
【0096】
これらの障害釘23は、以上説明した各遊技装置との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。具体的には、図10(a)に示すように、遊技領域11の前方側から、遊技盤10に打ち込まれている。このように打ち込まれた障害釘23の先端部23aは、中央に位置する「板部材10g(木質発泡樹脂成形品P)」に到達している。
【0097】
また、図9に示すように、遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられており、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材59は、内レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム60は、ファール球防止部材59の位置とは略正反対側の、遊技盤10の右半分側の位置であって、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
【0098】
尚、本遊技機1では、図1に示すように、上皿部5の前面における左端側の部位に操作ボタンB1、B2を配設している。この操作ボタンB1、B2は、液晶表示装置27の表示画面271で行われる表示に変更を加えるためのものである。
【0099】
次に、本遊技機1の裏面構造について図3を参照して説明する。前面枠4(図1)は中枠3にあって、前面枠4の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ101により、開閉可能に支持されている。また、裏機構盤102は中枠3にあって裏機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、開閉可能に支持されている。更に、遊技盤10(図9参照)は中枠3の表面側に着脱可能に取り付けられている。また、上端側にあるヒンジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検出スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。更に、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられ、その下流側には、補給球切れ検出スイッチ(図示を省略)が、さらに、その下流側には、裏側遊技装置としての賞球払出装置109が配設されている。
【0100】
また、遊技球の振り分け部(図示略)が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タンクレール106の下側には、液晶表示装置27(図9参照)を格納した蓋付きの裏ケース(図示ぜす)が設けられ、この裏ケースの下側には、後述する主制御部140(図11参照)を構成する主制御基板を格納した主制御基板ケース112が配設されている。
【0101】
この主制御基板ケース112の背面下側には、発射装置制御部193(図11参照)を構成する発射装置制御基板を格納した発射装置制御基板ケース113と、発射制御集合中継基板(図示略)と、が設けられている。また、裏機構盤102の左下方部には、上述した発射装置ユニット(図示略)が配設され、裏機構盤102の右下方部には、払出制御部150(図11参照)を構成する払出制御基板を格納した払出制御基板ケース118が配設されている。更に、遊技機1の裏面側には、中継基板(図示を省略)が装着されている。
【0102】
図11に示すように、この中継基板190は、入賞球検出スイッチ318,19s〜22s等と主制御部140とを中継するための基板とされている。尚、本実施例においては、主制御基板ケース112、中継基板190及び払出制御基板ケース118は、金属板(図示を省略)に着脱自在に装着され、この金属板は裏機構盤102に対して回動自在に懸架されている。
【0103】
一方、裏機構盤102の左下端部には、ヒューズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミナル基板121及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板(図示略)が設けられている。また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123も端子基板(図示略)の上側に配設されている。また、払出制御基板ケース118からは接続ケーブル124が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット13に接続されている。更に、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材(図示略)が設けられている。尚、本実施例では、電源ターミナル基板121に対して、ラムクリア信号を発生させるためのラムクリアスイッチ121aを接続しているが、このラムクリアスイッチ121aの接続を省略したり、ラムクリアスイッチ121aの接続個所を変更してもよい。
【0104】
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置130について、図11を参照して説明する。この電子制御装置130は、主制御部140と、複数の副制御部とを含んで構成されている。また、副制御部は、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(払出制御部150、音声・ランプ制御部170等)と、この第1次副制御部を介して主制御部140に接続された第2次副制御部(発射装置制御部193、図柄制御部160等)。尚、主制御部140と第1次副制御部とは信号伝送経路500aによって接続され、第1次副制御部及び第2次副制御部は信号伝送経路500bによって接続されている。
【0105】
次に、各制御部間における「データ等」の伝送方式について述べる。即ち、主制御部140から、払出制御部150および音声・ランプ制御部170へは、一方向形式若しくは双方向形式でデータ等が伝送される。また、音声・ランプ制御部170から図柄制御部160へも一方向形式でデータが伝送されるものとして説明するが、音声・ランプ制御部170と図柄制御部160との間では双方向形式でデータを伝送することとしてもよい。尚、図11に示した破線の矢印は、各制御部140ないし180への電源供給経路を表している。また、図示されているように、電源は先ず初めに電源受電基板410に供給され、電源ユニット420で所定電圧に変換された後、分電基板430から各制御部140ないし180に電力が供給される。更に、電源投入時には、後述するシステムリセット信号が全制御基板に送信される。
【0106】
ここで、主制御部140は、遊技の基本進行を司る制御部であり、当否判定の等、本遊技機1において重要な処理を実行する。また、主制御部140は、図14及び図15に示すように、各種スイッチ(9a、9b、9b、104、192、17s、19s〜22s、36s、37s、318)等からの情報を受け取って所定の演算を行った後、払出制御部150や音声・ランプ制御部170に各種のコマンドを出力するとともに、各種の基板やソレノイド(17c、313、37)などに駆動信号を出力する。
【0107】
尚、図示を省略するが、音声・ランプ制御部170は、スピーカー400aやランプ等の制御を主に行うための制御基板と、制御基板からの命令を受けて、ランプ等に駆動信号を出力するための駆動基板の、主に2つの基板から構成されている。また、図柄制御部160は、特別図柄制御基板によって主に構成されている。
【0108】
中継基板190には、入賞球検出スイッチ318,19s〜22s等が接続されている。また、払出用端子基板191には、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、ヴォリュームスイッチ192、タンク球切れ検出スイッチ104及び補給球切れ検出スイッチ108等が接続され、払出用端子基板191の出力端子は、払出制御部150の入出力回路部に接続されている。
【0109】
以上の電子制御装置130においては、遊技球が始動口17に入球すると、その情報が始動口入賞検出スイッチ17sによって検出されて、主制御部140に入力される。また、遊技球が普通図柄作動左ゲート36あるいは普通図柄作動右ゲート37を通過すると、その情報が普通図柄作動口通過検出器36s,37sにより検出されて、主制御部140に入力される。更に、入賞球検出スイッチ19s〜22s,318で遊技球の入球が検出されると、その情報は、中継基板190を介して主制御部140に入力される。
【0110】
(2)「木質発泡樹脂成形品」の製造方法
【0111】
次に、図12及び図13を用いて、外枠2を構成する各板部(天板部25、底板部26、左側の側板部27、右側の側板部28、前板部22)の製造工程を説明する。この外枠2を構成する各板部は、図12に示すように、複数の業者の分業により、以下の工程の順に従って行われる。但し、以下に示す製造工程は、所定の「使用済みの遊技機(以下、「古遊技機」という。)」に対して、第1回目のリサイクルを施しつつ、行われるものである。
【0112】
a.回収工程(S10)
回収業者若しくは回収業者から委託を受けた運送業者等が、パチンコホールから「古遊技機」を回収する。そして、回収業者は、この「古遊技機」を中間処理業者のもとに輸送する。
【0113】
b.分解、分別工程(S20)及び破砕工程(S30、335)
中間処理業者は、自己の元に、搬入された「古遊技機」を、個々遊技機部品毎に分解し、更に、各遊技機部品をその材質毎に分別する(請求項11の発明の「分別工程」の具体例)。そして、再資源化する遊技機部品を、その材質毎に破砕する。つまり、特定の熱可塑性樹脂(例えば、ABS若しくはPC等)製の遊技機部品のみを集め、破砕装置で破砕し、熱可塑性樹脂製破砕物を作製する(S30;請求項11の発明の「樹脂粉砕工程」の具体例である。)。そして、熱可塑性樹脂製破砕物の中から金属等の不要物を除去する(S33)。尚、熱可塑性樹脂製破砕物は、樹脂材料の具体例を構成する。
【0114】
また、この熱可塑性樹脂製の遊技機部品の破砕とは別に、木製の遊技機部品(外枠2、遊技盤本体10A)のみを集め、破砕装置で破砕し、木製破砕物を作製する(S35;請求項11の発明の「樹脂粉砕工程」の具体例である。)。そして、木製破砕物の中から金属等の不要物を除去する(S38)。尚、木製破砕物は、「木質材料」の具体例を構成する。
【0115】
c.配合工程(S40)、造粒工程(S50)、成形工程(S60)
木製破砕物及び熱可塑性樹脂製破砕物は、輸送業者により、成形業者の元へ輸送される。そして、木製破砕物と、熱可塑性樹脂製破砕物とは、所定の配合割合(木製破砕物60重量部に対して、熱可塑性樹脂製破砕物40重量部の配合割合)にて配合する(S40)。更に、木製破砕物と、熱可塑性樹脂製破砕物との配合物を溶融し、更に混練する。そして、この混練された配合物を造粒する(S50)これにより、木質材料及び樹脂材料が略均等に混ざり、粒径が略揃えられた「部品原料」を得る(請求項11の発明の「部品原料生成工程」の具体例である。)。
【0116】
更に、押出成形機のホッパーに、この「部品原料」を、発泡剤(ADCA発泡剤)及び発泡助剤等と共に投入する。これらの投入物は、押出成形機内(バレル内)で溶融しつつ、混練される。そして、「部品原料」は、発泡しつつ、押出成形機のスクリューにより押し出される。これにより、「部品原料」は、木質発泡樹脂成形品(P)となる(請求項11の発明の「発泡成形工程」の具体例である。)と共に、押出成形機に設けられた「成形ダイ」を通過して所定の肉厚の板材となりつつ、押出成形機外に押し出される(S60)。尚、この板材が請求項1の発明の「木質発泡樹脂成形部」の具体例を構成する。
【0117】
尚、本実施例では、発泡成形工程に先立ち(押出成形機の使用に先立ち)、木質材料及び樹脂材料をブレンドし、「部品原料」を構成する態様を例示した。但し、請求項1の発明等においては、発泡成形工程の開始後(押出成形機の使用中に)、「部品原料」を構成してもよい。例えば、押出成形機内(バレル内)で、木質材料及び樹脂材料が溶融状態となりつつ、混練されることによって、「部品原料」を構成してもよい。但し、本実施例のように、発泡成形工程に先立ち、「部品原料」を構成し、しかも、造粒する態様によると、作製される「木質発泡樹脂成形部」の品質が高くなる。つまり、木質材料の粉状物と、樹脂材料の粉状物とが、粒径を略揃えつつ、略均一に混合されるため、「木質発泡樹脂成形部」の品質が、全体を通じて略一様となるからである。
【0118】
尚、このように構成される板材に対しては、その付加価値を高めるために、表面加工を施してもよい。例えば、板材の表面側の僅かな部分を、自動カンナ盤で削ることで、板材に、通常の木材のような外観を付与してもよい。
【0119】
d.部品製造工程(S70)
板材は、輸送業者により、部品製造業者(遊技機部品の製造業者)の元へ輸送される。そして、部品製造業者は、板材に加工を施して、外枠2を構成する各板部(天板部25、底板部26、左側の側板部27、右側の側板部28、前板部22)を作製する。そして、各板部を組み付けて外枠2を作製する(S70)。尚、以下の説明において、この外枠2を、リサイクル外枠2と称する。
【0120】
尚、遊技盤10を製造する場合には、前述の押出成形機で作製される「板材」を用いて、板部材10gを構成する。そして、この板部材10gの表面側に、「遊技盤本体10Aの前面側の部分を構成する板部材(10a〜10f)」を積層配置すると共に、板部材10gの裏面側に、「遊技盤本体10Aの後面側の部分を構成する板部材(10p〜10u)」を積層配置する。そして、この積層物に仕上げ加工を施すと、遊技盤本体10Aが完成する。
【0121】
e.組み付け工程(S80)
リサイクル外枠2は、輸送業者により、遊技機の製造メーカの元へ輸送される。そして、遊技機の製造メーカは、このリサイクル外枠2に、遊技機本体Hを装着し、遊技機1を作製する(S80)。尚、以下の説明において、この遊技機1を、「リサイクル遊技機1」と称する。
【0122】
以上のように構成される「リサイクル遊技機1」は、輸送業者により、所定のパチンコホールに輸送される。尚、本実施例では、回収工程(S10)において、「古遊技機」全体を回収する態様を例示したが、この回収工程(S10)においては、特定の遊技機部品(特に、外枠2)のみを回収してもよい。
【0123】
また、リサイクル外枠2を所定期間使用した後、このリサイクル外枠2自体にリサイクルを施す場合には、前述の「分別工程」が不要となる。このため、より効率的なリサイクルを実行することができる。
【0124】
(3)実施例1の効果
【0125】
本実施例の遊技機1によると、外枠2全体と、遊技盤10の一部部に、木質発泡樹脂成形部(木質発泡樹脂成形品P)を備える。そして、この木質発泡樹脂成形部(木質発泡樹脂成形品P)は、外枠2等の「木材製の遊技機部品」を粉砕して構成される木質材料と、熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料とを構成原料とする。このため、この木質発泡樹脂成形部(木質発泡樹脂成形品P)の成形に際し、使用済みの「木製の遊技機部品」の再利用を行うと共に、使用済みの「熱可塑性樹脂製の遊技機部品」の再利用を行うことができる。よって、本実施例によると、遊技機1全体の再利用率を高めることができ、これにより、環境保護及び資源保護に寄与することができる。
【0126】
しかも、本実施例の遊技機1では、木質発泡樹脂成形部(木質発泡樹脂成形品P)が、気泡Rを備える発泡成形品とされるため、この木質発泡樹脂成形部(木質発泡樹脂成形品P)に「釘(固定用の釘や、障害釘等)」を打ち込むことが容易である。また、木質発泡樹脂成形部(木質発泡樹脂成形品P)は、気泡Rを備える分だけ、軽量化されているため、外枠2や遊技盤10の軽量化が図られる。よって、本実施例の遊技機1によると、外枠2や遊技盤10に施す作業(例えば、島設備Sへの固定作業、障害釘23の打ち込み作業、パチンコホール内での搬送作業、遊技機メーカからパチンコホールへの搬送作業、使用済み遊技機1の回収作業、他の遊技機部品への組付作業等)の作業性を悪化させることがない。
【0127】
更に、本実施例では、従来「木製」とされていた外枠2や遊技盤10を、木質発泡樹脂成形部(木質発泡樹脂成形品P)を備える構成とする。つまり、木質材料を構成原料に含むことで、木製の「風合い」を保ちつつも、熱可塑性樹脂を構成原料に含むことで、遊技機部品の耐久性の向上(従来の木製の遊技機部品に比べた耐久性の向上)を図ることができ、経年劣化や使用環境による変形が生じ難くなっている。更に、木質発泡樹脂成形部(木質発泡樹脂成形品P)を、同一の成形部(同一の遊技機部品、若しくは、同一の遊技機部品の一部)とし、再度、再利用する場合においては、分別作業等が不要となる。よって、この再度、再利用を行うことが容易である。
【0128】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。即ち、本実施例では、木質樹脂発泡成形品Pを成形する際に、押出成形を用いたが、木質樹脂発泡成形品Pの成形方法は特に問わない。例えば、射出成形等の他の成形方法を用いてもよい。
【0129】
本実施例では、外枠2を構成する全板部(天板部25、底板部26、左側の側板部27、右側の側板部28、前板部22)を、木質発泡樹脂成形品P(木質発泡樹脂成形部)で構成したが、これらの全板部のうちの幾つかを、木質発泡樹脂成形品P(木質発泡樹脂成形部)としてもよい。また、外枠2を構成する各板部(天板部25、底板部26、左側の側板部27、右側の側板部28、前板部22)のうちの一部のみを、木質発泡樹脂成形品P(木質発泡樹脂成形部)としてもよい。
【0130】
更に、外枠2のリサイクルは、各板部(天板部25、底板部26、左側の側板部27、右側の側板部28、前板部22)毎に行ってもよい。例えば、外枠2を構成する全板部(天板部25、底板部26、左側の側板部27、右側の側板部28、前板部22)のうちで、天板部25及び底板部26のみを、リサイクルの対象としてもよい。
【0131】
また、本実施例では、遊技盤本体10Aを構成する木質の板部材(10a〜10f、10g、10p〜10u)のうちで、中央に位置する板部材10gのみを、「木質発泡樹脂成形品P」によって構成する態様を例示したが、請求項6の発明の具体的な態様はこれに限定されない。例えば、図14(a)の変形例1に示すように、遊技盤本体10Aを構成する木質の板部材のうちで、遊技盤本体10Aの前面側に位置するもの(10a)を、「木質発泡樹脂成形品P」によって構成し、その他の部分を構成する板部材(10h、10i、10j、10p〜10u)を木材(合板等)によって構成してもよい。この態様によると、遊技盤本体10Aの表面側の広範囲な部位(遊技盤本体10Aの厚み方向に沿った広範囲な部位)が、「木質発泡樹脂成形品P」で構成されるため、障害釘23を遊技盤10に打ち込む作業がより一層、容易となる。
【0132】
また、図14(b)の変形例2に示すように、遊技盤本体10Aを構成する木質の板部材のうちで、遊技盤本体10Aの後面側に位置するもの(10u)を、「木質発泡樹脂成形品P」によって構成し、その他の部分を構成する板部材(10a〜10f、10h、10i、10j)を木材(合板等)によって構成してもよい。この態様によると、遊技盤本体10Aの表面側の広範囲な部位(遊技盤本体10Aの厚み方向に沿った広範囲な部位)が、「木質発泡樹脂成形品P」で構成されるため、遊技盤本体10A(遊技盤10)のより一層の軽量化を図ることができる。
【0133】
また、請求項7の発明の具体例として、図15に示す遊技盤本体10Bを例示できる。この遊技盤本体10Bにおいても、木質の板部材(100a、100b、100c、100d、100e、100f、100g、100p、100q、100r、100s、100t、100u)を積層状に貼り合わせて構成されている。つまり、この遊技盤本体10Bは、前面側の部分を構成する板部材(100a〜100f)と、後面側の部分を構成する板部材(100p〜100u)と、両者の間に配置される板部材100gとを備える。
【0134】
この遊技盤本体10Bにおいても、遊技盤本体10Bの肉厚方向に沿った中央に位置する板部材100gのみが、「木質樹脂成形品W」によって構成され、その他の板部材(100a〜100f、100p〜100u)は、木材(例えば、ベニア材)によって構成されている。
【0135】
この「木質樹脂成形品」は、前述の「木質発泡樹脂成形品」とは、以下の点が異なる。つまり、この「木質樹脂成形品」を製造する場合にも、前述の「回収工程(S10)」と、「分解、分別工程(S20)」と、「破砕工程(S30)」と、「配合工程(S40)」と、「造粒工程(S50)」とが実行される。但し、「成形工程(S60)」において、「押出成形機のホッパ」に発泡剤(ADCA発泡剤)及び発泡助剤が投入されない。このため、「木質樹脂成形品」は、発泡を生じない(気泡を生じない)成形品として作製される。尚、「部品製造工程(S70)」と、「組み付け工程(S80)」は、実施例と同様に実行される。
【0136】
この請求項7の発明の具体例によると、遊技盤10の一部(厚さ方向に沿った中間部)に、木質樹脂成形部を備える。そして、この木質樹脂成形部は、木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料と、熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料とを構成原料とする。このため、この木質樹脂成形部の成形に際し、使用済みの「木製の遊技機部品」の再利用を行うと共に、使用済みの「熱可塑性樹脂製の遊技機部品」の再利用を行うことができる。よって、請求項7の発明によると、遊技機全体の再利用率を高めることができ、これにより、環境保護及び資源保護に寄与することができる。
【0137】
また、遊技盤10の芯材(中板部100c)を木材よりも、硬度、剛性が高い「木質樹脂成形部」によって構成するため、遊技盤10全体の剛性が高くなる。しかも、表板部100aは、木材で構成されるため、この遊技盤10に対して障害釘を打ち込む作業の作業性は、従来の遊技盤(全体を木材で構成する遊技盤)に対して障害釘23を打ち込む作業の作業性と異なることがない。つまり、この具体例によると、遊技盤10に対して障害釘を打ち込む作業の作業性を損なうことなく、遊技盤10全体の剛性を高めている。このため、遊技盤10の耐久性の向上を図ることができ、経年劣化や使用環境による変形が生じ難くなっている。
【0138】
尚、図示を省略するが、請求項5の発明の遊技機関連部品の具体例として、以下のものを例示できる。つまり、島設備Sを構成する固定用上板部S2と、固定用下板部S3とを、本実施例の「木質発泡樹脂成形品P」で構成した具体例を例示できる。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明は、遊技機を製造、販売等する分野において利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機を示す正面図である。
【図2】本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、前面枠が開いた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機を示す裏面図である。
【図4】本発明の各実施例及び各変形例において、島設備と外枠とを説明するための説明図である。
【図5】本発明の各実施例及び各変形例において、外枠の背面側を示す斜視図である。
【図6】(a)は木質発泡樹脂成形品の概略的な縦断面図であり、(b)は木質材料の量と、木質発泡樹脂成形品の特性との間の関係を示す説明図ある。
【図7】(a)は天板部の平面図であり、(b)は底板部の平面図である。
【図8】(a)は右側の側板部の右側面図であり、(b)は右側の側板部の背面図であり、(c)は前板部の正面図である。
【図9】本発明の実施例及び各変形例に係る遊技機において、遊技盤を示す正面図である。
【図10】(a)は遊技盤の一部縦断面図であり、(b)は遊技盤の分解した状態を示す一部縦断面図である。
【図11】本発明の各実施例及び各変形例に係る電子制御装置を示すブロック図である。
【図12】外枠の製造工程を、各工程を実行する主体を中心に説明した説明図である。
【図13】外枠の製造工程の流れを示す説明した説明図である。
【図14】(a)は変形例1を示す一部縦断面図であり、(b)は変形例2を示す一部縦断面図である。
【図15】請求項7の具体例を示す一部縦断面図である。
【符号の説明】
【0141】
1;遊技機、
10a;板部材(表板部)、
10b〜10g、10p〜10t;板部材(中板部)、
10u;板部材(裏板部)、
P;木質発泡樹脂成形品、
P1、P3;表皮部、
P2;中間部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機部品を用いて構成される遊技機であって、
所定の遊技機部品の少なくとも一部に、木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備えると共に、
該木質発泡樹脂成形部は、使用済みで木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料と、使用済みで熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料と、を混合、混練りして生成された部品原料を用いて発泡成形して構成されることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
複数の遊技機部品を用いて構成される遊技機であって、
所定の遊技機部品の少なくとも一部に、木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備えると共に、
該木質発泡樹脂成形部は、木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料と、熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料と、を混合して生成された部品原料を用いて発泡成形して構成されることを特徴とする遊技機。
【請求項3】
複数の遊技機部品を用いて構成される遊技機であって、
所定の遊技機部品の少なくとも一部に、木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備えると共に、
該木質発泡樹脂成形部は、
木材製の粉砕物を用いて構成される木質材料と、
熱可塑性樹脂製の粉砕物、熱可塑性樹脂製の小片状物及び熱可塑性樹脂製の粉状物のうちの少なくとも何れかを用いて構成される樹脂材料と、
を混合して生成された部品原料を用いて発泡成形して構成されることを特徴とする遊技機。
【請求項4】
複数の遊技機部品を用いて構成される遊技機であって、
所定の遊技機部品の少なくとも一部に、木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備えると共に、
該木質発泡樹脂成形部は、
木材製の粉砕物を用いて構成される木質材料と、
熱可塑性樹脂製の粉砕物、熱可塑性樹脂製の小片状物、熱可塑性樹脂製の粉状物、及び熱可塑性樹脂製の流動物のうちの少なくとも何れかを用いて構成される樹脂材料と、
所定の発泡剤と、
を用いた発泡成形によって製造されることを特徴とする遊技機。
【請求項5】
複数の遊技機部品を用いて構成される遊技機であって、
所定の遊技機部品の少なくとも一部に、木材製の粉砕物を用いて構成される木質材料と、熱可塑性樹脂と、を用いて発泡成形して形成される木質発泡樹脂成形部を備え、
該木質発泡樹脂成形部は、表面側及び裏面側に位置する表皮部と、該表皮部の間に形成される中間部とを備える略板状に構成されると共に、
前記中間部の発泡倍率は、前記表皮部の発泡倍率よりも高くされていることを特徴とする遊技機。
【請求項6】
遊技機の設置箇所に設置される外枠と、該外枠に装着される遊技機本体と、を備えると共に、
該外枠の少なくとも一部に、前記木質発泡樹脂成形部を備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項7】
遊技機の設置箇所に設置される外枠と、該外枠に装着されると共に遊技盤を備える遊技機本体と、を備えると共に、
該遊技盤の少なくとも一部に、前記木質発泡樹脂成形部を備えることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項8】
外枠と、該外枠に装着されると共に遊技盤を備える遊技機本体と、を備える遊技機であって、
前記遊技盤は、表面部側を構成する表板部と、裏面部側を構成する裏板部と、該表板部及び該裏板部間に配置される少なくとも1つの中板部と、を積層状に貼り合わせて構成される遊技盤本体を備え、
前記表板部を木材で構成し、前記中板部及び裏板部のうちの少なくとも中板部に、木質樹脂成形品で構成される木質樹脂成形部を備えると共に、
該木質樹脂成形部は、木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料と、熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料と、を混合して生成された部品原料を用いて発泡成形して構成されることを特徴とする遊技機。
【請求項9】
遊技機を構成する遊技機部品であって、
木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備えると共に、
該木質発泡樹脂成形部は、
木材製の粉砕物を用いて構成される木質材料と、
熱可塑性樹脂製の粉砕物、熱可塑性樹脂製の小片状物及び可塑性樹脂製の粉状物のうちの少なくとも何れかを用いて構成される樹脂材料と、
を混合して生成された部品原料を用いて発泡成形して構成されることを特徴とする遊技機部品。
【請求項10】
遊技機に関連する遊技機関連部品であって、
木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備えると共に、
該木質発泡樹脂成形部は、
木材製の粉砕物を用いて構成される木質材料と、
熱可塑性樹脂製の粉砕物、熱可塑性樹脂製の小片状物及び可塑性樹脂製の粉状物のうちの少なくとも何れかを用いて構成される樹脂材料と、
を混合して生成された部品原料を用いて発泡成形して構成されることを特徴とする遊技機関連部品。
【請求項11】
使用済みの遊技機を分解し、該遊技機を構成する遊技機部品を少なくとも材質毎に分別する分別行程と、
前記分別された遊技機部品のうちで、木材を用いて構成される木材製の遊技機部品を粉砕して木質材料とする木材粉砕行程と、
前記分別された遊技機部品のうちで、熱可塑性樹脂を用いて構成される熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して樹脂材料とする樹脂粉砕行程と、
前記木質材料及び前記樹脂材料を混合して部品原料を生成する部品原料生成行程と、
前記部品原料を用いて発泡成形して、木質発泡樹脂成形品を形成する発泡成形行程と、
を含むことを特徴とする遊技機部品の製造方法。
【請求項1】
複数の遊技機部品を用いて構成される遊技機であって、
所定の遊技機部品の少なくとも一部に、木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備えると共に、
該木質発泡樹脂成形部は、使用済みで木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料と、使用済みで熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料と、を混合、混練りして生成された部品原料を用いて発泡成形して構成されることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
複数の遊技機部品を用いて構成される遊技機であって、
所定の遊技機部品の少なくとも一部に、木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備えると共に、
該木質発泡樹脂成形部は、木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料と、熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料と、を混合して生成された部品原料を用いて発泡成形して構成されることを特徴とする遊技機。
【請求項3】
複数の遊技機部品を用いて構成される遊技機であって、
所定の遊技機部品の少なくとも一部に、木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備えると共に、
該木質発泡樹脂成形部は、
木材製の粉砕物を用いて構成される木質材料と、
熱可塑性樹脂製の粉砕物、熱可塑性樹脂製の小片状物及び熱可塑性樹脂製の粉状物のうちの少なくとも何れかを用いて構成される樹脂材料と、
を混合して生成された部品原料を用いて発泡成形して構成されることを特徴とする遊技機。
【請求項4】
複数の遊技機部品を用いて構成される遊技機であって、
所定の遊技機部品の少なくとも一部に、木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備えると共に、
該木質発泡樹脂成形部は、
木材製の粉砕物を用いて構成される木質材料と、
熱可塑性樹脂製の粉砕物、熱可塑性樹脂製の小片状物、熱可塑性樹脂製の粉状物、及び熱可塑性樹脂製の流動物のうちの少なくとも何れかを用いて構成される樹脂材料と、
所定の発泡剤と、
を用いた発泡成形によって製造されることを特徴とする遊技機。
【請求項5】
複数の遊技機部品を用いて構成される遊技機であって、
所定の遊技機部品の少なくとも一部に、木材製の粉砕物を用いて構成される木質材料と、熱可塑性樹脂と、を用いて発泡成形して形成される木質発泡樹脂成形部を備え、
該木質発泡樹脂成形部は、表面側及び裏面側に位置する表皮部と、該表皮部の間に形成される中間部とを備える略板状に構成されると共に、
前記中間部の発泡倍率は、前記表皮部の発泡倍率よりも高くされていることを特徴とする遊技機。
【請求項6】
遊技機の設置箇所に設置される外枠と、該外枠に装着される遊技機本体と、を備えると共に、
該外枠の少なくとも一部に、前記木質発泡樹脂成形部を備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項7】
遊技機の設置箇所に設置される外枠と、該外枠に装着されると共に遊技盤を備える遊技機本体と、を備えると共に、
該遊技盤の少なくとも一部に、前記木質発泡樹脂成形部を備えることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項8】
外枠と、該外枠に装着されると共に遊技盤を備える遊技機本体と、を備える遊技機であって、
前記遊技盤は、表面部側を構成する表板部と、裏面部側を構成する裏板部と、該表板部及び該裏板部間に配置される少なくとも1つの中板部と、を積層状に貼り合わせて構成される遊技盤本体を備え、
前記表板部を木材で構成し、前記中板部及び裏板部のうちの少なくとも中板部に、木質樹脂成形品で構成される木質樹脂成形部を備えると共に、
該木質樹脂成形部は、木材製の遊技機部品を粉砕して構成される木質材料と、熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して構成される樹脂材料と、を混合して生成された部品原料を用いて発泡成形して構成されることを特徴とする遊技機。
【請求項9】
遊技機を構成する遊技機部品であって、
木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備えると共に、
該木質発泡樹脂成形部は、
木材製の粉砕物を用いて構成される木質材料と、
熱可塑性樹脂製の粉砕物、熱可塑性樹脂製の小片状物及び可塑性樹脂製の粉状物のうちの少なくとも何れかを用いて構成される樹脂材料と、
を混合して生成された部品原料を用いて発泡成形して構成されることを特徴とする遊技機部品。
【請求項10】
遊技機に関連する遊技機関連部品であって、
木質発泡樹脂成形品で構成される木質発泡樹脂成形部を備えると共に、
該木質発泡樹脂成形部は、
木材製の粉砕物を用いて構成される木質材料と、
熱可塑性樹脂製の粉砕物、熱可塑性樹脂製の小片状物及び可塑性樹脂製の粉状物のうちの少なくとも何れかを用いて構成される樹脂材料と、
を混合して生成された部品原料を用いて発泡成形して構成されることを特徴とする遊技機関連部品。
【請求項11】
使用済みの遊技機を分解し、該遊技機を構成する遊技機部品を少なくとも材質毎に分別する分別行程と、
前記分別された遊技機部品のうちで、木材を用いて構成される木材製の遊技機部品を粉砕して木質材料とする木材粉砕行程と、
前記分別された遊技機部品のうちで、熱可塑性樹脂を用いて構成される熱可塑性樹脂製の遊技機部品を粉砕して樹脂材料とする樹脂粉砕行程と、
前記木質材料及び前記樹脂材料を混合して部品原料を生成する部品原料生成行程と、
前記部品原料を用いて発泡成形して、木質発泡樹脂成形品を形成する発泡成形行程と、
を含むことを特徴とする遊技機部品の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−230846(P2006−230846A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−52462(P2005−52462)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000204262)タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000204262)タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Fターム(参考)】
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