説明

遊技機のガイド部材

【課題】塗装を施すことによる視覚的な演出効果を長期間にわたって持続させること。
【解決手段】少なくとも、塗装されている第1の部材602と、塗装されていない第2の部材603とから構成し、入賞した遊技球を移動経路に沿って案内するガイド部材が備える、遊技盤に対して前方側に突出する球受け部を、当該球受け部のうち、遊技球が衝突する球受け部の前面部分が第1の部材602となるとともに、当該前面部分を除く部分が第2の部材603となるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ぱちんこ遊技機などの遊技機に関し、特に、発射された遊技球を誘導する遊技機のガイド部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技盤の遊技領域に発射された遊技球が特定の始動入賞口に入ると、表示部に表示される3列の図柄(たとえば、1〜12の数字の図柄など)が上から下に移動するように表示され、あるライン(有効ライン)上に同一あるいは関連性のある図柄が揃うと大当たりとなって、大入賞口が開き、大当たり遊技ができる遊技機が広く使用されている。
【0003】
このような遊技機においては、遊技機を構成する部材に、金色や銀色などの金属色の塗装が施されているものがあった。また、このような遊技機には、塗装が施された部材を用いて、遊技領域に発射された遊技球を誘導するガイド部材を構成した技術があった(たとえば、下記特許文献1を参照。)。このような従来の遊技機は、塗装、特に金属色の塗装を施すことによって、塗装が施された部材を目立たせ、遊技機の高級感や重量感を出し、遊技機のインパクトを強める効果が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−346077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術のように、塗装が施された部材を用いて、遊技領域に発射された遊技球を誘導するガイド部材を構成した場合、当該ガイド部材に遊技球が衝突することによってガイド部材に施された塗装が剥げ落ちてしまうことがあった。このような塗装の剥げ落ちは、部分的に突出した形状をなすガイド部材における突出部分において顕著に発生する傾向にある。
【0006】
また、塗装は、一般的に、表面に皮膜となる塗料を常温・大気下で塗布することができるため、簡便におこなうことができる。
【0007】
さらに、上述した従来の遊技機は、塗装を施すことによって塗装が施された部材を目立たせているため、塗装の剥げ落ちが発生すると塗装が剥げ落ちた箇所も目に付きやすい。このため、遊技機の高級感や重量感を出すために塗装を施したにもかかわらず、経時にともなって却って遊技機が見苦しくなってしまうことがあった。このように、従来の遊技機においては、塗装を施したことによる効果を長期間にわたって持続させることが難しいという問題があった。
【0008】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、塗装を施すことによる視覚的な演出効果を長期間にわたって持続させることができる遊技機のガイド部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。括弧内の参照符号は、本発明の理解を容易にするために実施形態との対応関係を示したものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。この発明にかかる遊技機のガイド部材(601)は、入賞した遊技球を移動経路に沿って案内する、遊技盤に対して前方側に突出するように球受け部を備えるガイド部材(601)であって、前記球受け部は、当該球受け部のうち、遊技球が衝突する球受け部の前面部分には塗装が施されるとともに、当該前面部分を除く部分には塗装が施されないように構成されていることを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる遊技機のガイド部材(601)は、入賞した遊技球を移動経路に沿って案内する、遊技盤に対して前方側に突出するように球受け部を備えるガイド部材(601)であって、少なくとも、塗装されている第1の部材(602)と、塗装されていない第2の部材(603)とから構成され、前記球受け部は、当該球受け部のうち、遊技球が衝突する球受け部の前面部分が第1の部材(602)となるとともに、当該前面部分を除く部分が第2の部材(603)となるように構成されていることを特徴とする。
また、この発明にかかる遊技機のガイド部材(601)は、上記の発明において、第2の部材(603)は光源からの光を透過する透過性部材であることを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる遊技機のガイド部材(150、601)は、発射された遊技球を誘導する遊技機のガイド部材(150、601)であって、少なくとも、塗装されている第1の部材(403、602)と、塗装されていない第2の部材(404、603)とから構成され、前記遊技球が衝突する側面の突出部分(402、610)の前面部分のみが前記第1の部材(403、602)となるとともに、前記突出部分(402、610)の前記前面部分を除く部分が前記第2の部材(404、603)となるように、当該第1の部材(403、602)と当該第2の部材(404、603)とを嵌合させたことを特徴とする。
また、この発明にかかる遊技機のガイド部材(150、601)は、上記の発明において、前記第1の部材(403、602)が、金属色の塗装が施されていることを特徴とする。
また、この発明にかかる遊技機のガイド部材(150)は、上記の発明において、前記第2の部材(404、603)が、光源からの光を透過する透過性部材であることを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、塗装されていない第2の部材によって、ガイド部材における突出部分の前面部分を除く部分を構成することにより、突出部分を備えた形状をなすガイド部材とした場合にも、遊技球が衝突することによってガイド部材における塗装が剥げ落ち、遊技機の見栄えが低下することを長期間にわたって抑制することができる。
【0013】
また、上記構成によれば、遊技球が衝突する側面の突出部分に、塗装されている第1の部材を設けることによって、遊技球が衝突しやすい突出部分を備えた形状をなすガイド部材とした場合にも、遊技者の視界に入る部材に施した塗装が剥げ落ちることによって遊技機の見栄えが低下することを長期間にわたって抑制することができる。
【0014】
これによって、ガイド部材の形状に左右されることなく、塗装を施すことによる視覚的な演出効果を長期間にわたって持続させることができるので、ガイド部材に塗装を施すことによって遊技機の高級感や重量感を向上させ、遊技機のインパクトを強めるとともに、高級感や重量感を向上させインパクトを強めた状態を長期にわたって維持することができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、ガイド部材の形状に左右されることなく、塗装を施すことによる視覚的な演出効果を長期間にわたって持続させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明にかかる実施の形態の遊技機の基本構成を示す説明図(その1)である。
【図2】この発明にかかる実施の形態の遊技機の基本構成を示す説明図(その2)である。
【図3】この発明にかかる実施の形態の遊技機の制御部の内部構成を示すブロック図である。
【図4】この発明にかかる実施の形態の表示枠部材の構成を示す説明図(その1)である。
【図5】この発明にかかる実施の形態の表示枠部材の構成を示す説明図(その2)である。
【図6−1】この発明の実施の形態にかかる始動入賞口の構成を示す説明図である。
【図6−2】この発明の実施の形態にかかる始動入賞口の別の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施の形態)
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる遊技機の演出方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
(遊技機の基本構成)
図1および図2は、この発明にかかる実施の形態の遊技機の基本構成を示す説明図である。図1においては、この発明にかかる実施の形態の遊技機の一例を正面から見た状態を示している。図2においては、この発明にかかる実施の形態の遊技機の一部を分解して斜め方向から見た状態を示している。
【0019】
図1および図2において、この発明にかかる実施の形態の遊技機は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、遊技領域103内に遊技球を発射する発射部(図3における符号392を参照)が配置されている。発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102a、102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、自重によって遊技領域103内を落下する。遊技領域103には、複数の釘や風車などが設けられており、遊技領域103内に打ち出された遊技球は、複数の釘や風車などに衝突することで落下方向を各種方向に変化させながら落下する。
【0020】
遊技領域103には、始動入賞口105、入賞ゲート106、複数の普通入賞口107などが配設されている。始動入賞口105、入賞ゲート106、複数の普通入賞口107には、各入賞口105〜107における遊技球の入賞の有無に応じて出力が変化する各検出部(図3における符号321〜324を参照)が設けられている。始動入賞口105には、電動で開閉するチューリップ型の役物である電動チューリップ(図6における符号620を参照。以下「電チュー」という)が設けられている。電チューは、入賞ゲート106に入賞があった場合に、所定のタイミングで、始動入賞口105を一定時間だけ通常より大きく開放するように動作する。
【0021】
遊技領域103の下方には、大入賞口109が設けられている。大入賞口109には、大入賞口109を開放可能に閉塞する大入賞扉109aが設けられている。大入賞口109は、大当たり状態以外の状態では大入賞扉109aによって閉塞されている。大入賞扉109aによる大入賞口109の開閉は、大入賞口開閉部(図3における符号331を参照)によっておこなわれる。遊技領域103の最下部には、どの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口108が設けられている。
【0022】
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材110が設けられている。枠部材110は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む形状からなる。枠部材110には、遊技機に向かって右下部分に、操作ハンドル113が設けられている。操作ハンドル113は、上記の発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材114を備えている。
【0023】
発射指示部材114は、操作ハンドル113の外周部において、所定方向(たとえば遊技者から見て右回り)に回転(回動)可能に設けられている。発射部は、発射指示部材114が遊技者によって直接操作され、所定方向に回転した状態において遊技球を発射させる。操作ハンドル113には、遊技者が発射指示部材114を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。遊技者が発射指示部材114を直接操作していることを検出するセンサについては、公知の技術であるため説明を省略する。
【0024】
枠部材110において、遊技領域103の下側となる辺には、遊技者による操作を受け付けるチャンスボタン117が設けられている。この実施の形態において、チャンスボタン117は、凸状ボタン形状を有している。
【0025】
また、枠部材110において、チャンスボタン117の隣には、十字キー118が設けられている。十字キー118は、操作内容などの選択などをおこなうカーソルキーと、カーソルキーの操作によって選択された操作内容などを確定する「ENTER」キー(図示を省略する)と、を備えている。チャンスボタン117や十字キー118などの演出ボタンは、凸状ボタンの他、タッチパネル方式を採用した入力パッドなどであってもよい。
【0026】
遊技盤101において、遊技領域103の中央部分には、画像表示画面を備えた表示部104が配置されている。表示部104は、たとえば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)によって実現することができる。液晶ディスプレイによって実現される表示部104は、各種画像をカラー表示可能な画像表示画面を実現する液晶表示パネル201と、液晶表示パネル201の背面に設けられる液晶シャッター202とを備えている。
【0027】
表示部104の背面側には、表示部104を照明する、図示を省略する光源が設けられている。液晶シャッター202は、印加された電圧に基づいて、表示領域全域にわたってあるいは一部表示領域において、光源から照射された照明光を遊技機の前面側に透過あるいは遮断するように動作する。
【0028】
表示部104の背面側(遊技者から見て遊技機の奥側)には、リール203が配置されている。リール203は、縦3個×横3個の合計9個(9コマ)の小リール203a〜203iをマトリクス状に配置することによって構成されている。小リール203a〜203iは、表示部104の背面側において、表示部104がなす液晶表示パネル201に平行な面をなすように配置されている。
【0029】
各小リール203a〜203iは、それぞれ、円筒形をなし、外周面には複数種類の図柄が表記されている。具体的には、小リール203a〜203iの外周面には、それぞれ、大当たり用の図柄(たとえば「7」)、およびハズレ用の図柄(たとえば星印)が表記されている。各小リール203a〜203iは、それぞれ、円筒の軸心を中心として回転可能に設けられている。
【0030】
各小リール203a〜203iには、それぞれ、各小リール203a〜203iを独立して回転させる図示を省略するモータが接続されている。この実施の形態における「回転」は、各小リール203a〜203iにおける任意の基準位置が、各々の軸心を中心とする円周上を360度移動する動作状態を示す。また、この実施の形態における「回転」は、各小リール203a〜203iにおける任意の基準位置が、各々の軸心を中心とする円周上を360度未満あるいは360度より大きな回転角度で移動する、いわゆる「回動」する動作状態を含む。
【0031】
リール203においては、各モータを駆動して各小リール203a〜203iを個々に回転させることによって、各小リール203a〜203iが表示部104側に向ける図柄をそれぞれ変化させることができる。各小リール203a〜203iは、それぞれが1つの図柄を表示部104側に向けて停止した状態において、所定の出目を示す。リール203が示す所定の出目は、各小リール203a〜203iがすべて停止した状態において、各小リール203a〜203iがそれぞれ示す図柄の組み合わせによって示される。
【0032】
上記の光源は、表示部104とリール203との間に設けられている。光源は、たとえば複数のLEDによって構成することができる。光源は、表示部104のバックライトとして機能するとともに、リール203における各小リール203a〜203iが示す図柄を照らす照明として機能する。
【0033】
遊技領域103には、表示枠部材150が設けられている。表示枠部材150は、遊技盤101に設けられ、表示部104における画像表示画面の周囲を囲む枠形状をなしている。表示枠部材150は、遊技領域内に発射された遊技球が所定の領域内を移動するように遊技球を誘導する。この実施の形態においては、表示枠部材150によって、遊技機のガイド部材を実現することができる。表示枠部材150については、説明を後述する。
【0034】
(制御部の内部構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の遊技機の制御部の内部構成について説明する。図3は、この発明にかかる実施の形態の遊技機の制御部の内部構成を示すブロック図である。制御部300は、主制御部301、演出制御部302および賞球制御部303を含む、複数の制御部によって構成されている。各制御部301〜303は、それぞれ独立した基板に設けられている。各制御部301〜303は、たとえば主制御部301と賞球制御部303とを同一のプリント基板上に設けるなど、一部あるいは全部が同じ基板に設けられていてもよい。
【0035】
主制御部301は、遊技機の遊技にかかる基本動作を制御する。主制御部301は、CPU311、ROM312、RAM313などによって構成されている。CPU311は、ROM312に記憶されたプログラムに基づき、遊技内容の進行にともなう基本処理を実行する。ROM312は、遊技内容の進行にともなう基本処理を実行するための各種プログラムや、大当たり判定に用いる大当たり値などを記憶している。RAM313は、CPU311の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0036】
CPU311は、遊技内容の進行にともなう基本処理として、たとえば大当たり判定用乱数のカウントをおこなう。具体的には、たとえば大当たり確率が1/280に設定されている遊技機の場合、CPU311は、遊技機が起動している間中、1ループが0〜279までの数値で+1ずつカウントアップする。CPU311は、このカウントアップを、主制御部301への電源供給時から開始し、1ループ分のカウント後は、つぎの1ループ分のカウントをおこなう、というようにループ状のカウントをおこなう。RAM313は、このような大当たり判定用乱数のカウントに際してのカウンタとして機能する。
【0037】
そして、CPU311は、発射部392によって発射された遊技球が始動入賞口105に入賞(以下「始動入賞」という)すると、始動入賞した時点のカウント値を大当たり判定用乱数として取得する。取得する大当たり判定用乱数は、始動入賞したタイミングによって異なる。具体的には、たとえば上記の大当たり確率1/280が設定されている遊技機であれば、CPU311は、0〜279までの整数を含む数値群から、始動入賞した時点でカウントされた数値を、大当たり判定用乱数として取得する。上記の例であれば、0〜279までの整数によって構成される数値群の中の数値を大当たり判定用乱数として取得する。
【0038】
CPU311は、大当たり判定用乱数を取得するごとに、取得した大当たり判定用乱数とROM312に記憶されている大当たり値とを比較して、大当たり判定をおこなう。CPU311は、具体的には、たとえば大当たり判定用乱数と大当たり値とが一致するか否かを判定し、一致する場合を大当たりと判定する。大当たり判定は、当該大当たり判定をおこなうための大当たり判定用乱数を取得した時点、すなわち始動入賞があった時点において先の始動入賞に対応した演出の実行中である場合、当該実行中の演出が終了してからおこなう。始動入賞があった時点において先の始動入賞に対応した演出の実行中である場合、始動入賞による大当たり判定の権利は、保留球として所定数保留することができる。
【0039】
また、CPU311は、遊技内容の進行にともなう基本処理として、たとえばリーチ乱数のカウント、変動パターン乱数のカウント、図柄乱数のカウント、などをおこなう。リーチ乱数は、始動入賞があった場合に取得され、当該始動入賞にしたがっておこなう演出においてリーチ演出をおこなうか否かを決定する。リーチ乱数は大当たり判定の結果がハズレであった場合に有効となり、遊技機においては大当たり判定の結果がハズレであってCPU311が特定のリーチ乱数を取得した場合にリーチ演出つきのハズレ演出をおこなう。
【0040】
変動パターン乱数は、始動入賞にしたがって演出をおこなうごとに、当該演出を開始する直前に取得され、演出に際してリール203あるいは表示部104が表示する図柄の変動パターンを決定する。図柄乱数は、始動入賞にしたがって大当たり演出をおこなうごとに、当該大当たり演出を開始する直前に取得され、大当たりの図柄を決定する。リーチ乱数のカウント、変動パターン乱数のカウント、および図柄乱数のカウントは、それぞれ別々のカウンタを用いておこなう。各乱数のカウントについては、上記の大当たり判定用乱数のカウントと同様であるため説明を省略する。
【0041】
主制御部301の入力側には、始動入賞口検出部321、ゲート検出部322、普通入賞口検出部323および大入賞口検出部324などが接続されている。始動入賞口検出部321は、始動入賞口105に入賞した遊技球(入賞球)を検出する。ゲート検出部322は、入賞ゲート106を通過した遊技球を検出する。普通入賞口検出部323は、普通入賞口107に入賞した遊技球を検出する。大入賞口検出部324は、大入賞口109に入賞した入賞球を検出する。各検出部321〜324は、たとえば近接センサなどによって実現することができる。この場合、検出部321〜324を実現する各センサは、それぞれ、遊技球が各センサに接近したタイミングでオン状態を示す信号を出力する。
【0042】
CPU311は、一定時間(たとえば4msec)ごとに各検出部321〜324からの出力を監視している。始動入賞口105、入賞ゲート106、普通入賞口107あるいは大入賞口109に遊技球が入賞した場合、該当する検出部321〜324からの出力は2回以上連続してオン状態となる。CPU311は、各検出部321〜324からの出力に基づいて、2回以上連続してオン状態となった検出部321〜324に対応する箇所において入賞があったものとして判断する。
【0043】
主制御部301の出力側には大入賞口開閉部331が接続されており、CPU311は、遊技球が大入賞口109に入賞したことを検出すると、大入賞口開閉部331に対して、大入賞扉109aの開閉信号を出力する。大入賞口開閉部331は、主制御部301から出力された開閉信号に基づいて、大入賞扉109aによる大入賞口109の開閉を制御する。大入賞口開閉部331は、たとえば大入賞扉109aに連結されたソレノイドによって実現することができる。
【0044】
CPU311は、大当たりが発生した場合に、大入賞口109を一定期間だけ開放するように大入賞口開閉部331を制御する。大入賞口109は、たとえば大当たり判定により大当たりが確定してから所定時間後に開放される。また、CPU311は、大当たりが発生した場合に、大入賞口109を開放した後ふたたび閉塞する開閉動作を、所定ラウンド(たとえば15ラウンド)繰り返すように大入賞口開閉部331を制御する。1ラウンドの期間は、たとえば大入賞口109に遊技球が10個入賞する間、あるいは、所定期間(たとえば30秒間)とされている。大当たりは、生成した乱数に基づき所定の確率(たとえば1/280)で発生するようあらかじめプログラムされている。
【0045】
また、CPU311は、始動入賞口105、普通入賞口107、大入賞口109など、払い出しがある箇所に遊技球が入賞したことを検出すると、主制御部301の出力側に接続された賞球制御部303に対して、賞球制御信号を出力する。賞球制御部303は、主制御部301からの出力信号に基づいて、遊技機が入賞した箇所に応じた賞球数を払い出すように、賞球制御部303の出力側に接続された払出部391を駆動制御する。
【0046】
賞球制御部303は、CPU381、ROM382、RAM383などによって構成されている。CPU381は、主制御部301からの制御信号およびROM382に記憶されたプログラムに基づいて、賞球制御部303の出力側に接続された払出部391を駆動制御し、入賞した箇所に対応した数の賞球を払い出させる。
【0047】
賞球制御部303は、大入賞口109の開閉動作中、たとえば大入賞口109に対して遊技球が1個入賞するごとに、15個の賞球数を払い出させる。RAM383は、CPU381の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。払出部391は、遊技球の貯留部につながっており、遊技球を払い出すためのモータや、払い出した遊技球の個数をカウントするためのセンサなどを備えている。払出部391は、賞球制御部303からの出力信号にしたがって、入賞した箇所に対応した数の賞球を払い出す。
【0048】
また、賞球制御部303は、発射部392に対する遊技球の発射の操作を検出し、遊技球の発射を制御する。発射部392は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える(いずれも図示を省略する)。賞球制御部303は、発射部392のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイドなどを駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
【0049】
演出制御部302は、遊技中の各種演出の制御をおこなう。演出制御部302の出力側には表示部104およびリール203が接続されており、演出制御部302は表示部104およびリール203の動作を制御することによって遊技中の演出動作を制御する。演出制御部302は、CPU341、ROM342、RAM343などによって構成されている。
【0050】
CPU341は、主制御部301からの制御信号およびROM342に記憶されたプログラムに基づいて、遊技内容を演出する演出処理を実行する。ROM342は、演出処理の実行にかかる各種プログラム、表示部104に各種画像(背景画像、図柄画像、キャラクター画像など)を表示させる各種画像データなどの表示制御データ、リール203に対する回転制御データを記憶する。RAM343は、CPU341の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0051】
CPU341は、ROM342に記憶されたプログラムや各種画像データを読み込んで、背景画像表示処理、図柄画像表示/変動処理、キャラクター画像表示処理などの各種画像処理をおこなう。各種画像処理の実行に際し、CPU341は、適宜必要な画像データをROM342から読み出し、読み出した画像データを、演出制御部302が備えるVRAM344などに書き込む。CPU341は、演出制御部302が備えるVRAM344への画像データの書き込みに際して、図柄画像やキャラクター画像が背景画像よりも手前に見えるように、画像データの加工をおこなう。
【0052】
具体的には、たとえば表示部104に表示させる背景画像と図柄画像の表示位置が画像表示画面内の同一位置に重なる場合、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、VRAM344などに図柄画像を優先して記憶させる。表示部104は、VRAM344に書き込まれた画像データに基づいて、図柄画像やキャラクター画像が背景画像よりも手前に見える画像を表示する。表示部104は、具体的には、たとえば入賞するまでの間遊技内容を演出する図柄や、リーチ(3つの図柄のうち2つが揃った状態)図柄、大当たり時の遊技内容を演出する図柄などをあらわす画像を表示する。
【0053】
また、CPU341は、ROM342に記憶されたプログラムや回転制御データを読み込んで、リール203の回転制御処理をおこなう。リール203の回転制御処理に際し、CPU341は、適宜必要な回転制御データをROM342から読み出し、読み出した回転制御データに基づいてリール203における各小リール203a〜203iに接続されたモータの回転方向、回転速度、回転数などを制御する。
【0054】
CPU341によってリール203を回転制御することにより、リール203においては、具体的には、たとえば所定数(たとえば3つ)の図柄が1つの有効ライン上に揃った図柄が示される。また、CPU341によってリール203を回転制御することにより、リール203においては、具体的には、たとえばリーチを示す数(3つの図柄のうち2つが)の図柄が1つの有効ライン上に揃った図柄が示される。
【0055】
CPU341は、表示部104が表示する演出画像とリール203が示す図柄の状態とが互いに連動するように、リール203が示す図柄の状態にあわせて、リール203が示す図柄を補助する各種画像データを生成して出力する。具体的には、CPU341は、たとえばリール203がなす図柄がリーチ状態や大当たり状態を示す場合には、リール203の図柄を補助し、遊技者の期待感や興奮を高めるような演出画像の画像データを生成して出力する。
【0056】
また、CPU341は、チャンスボタン117や十字キー118などの演出ボタンの操作にしたがって、表示部104が表示する演出画像が変化するように、演出ボタンの操作の有無あるいは演出ボタンの操作タイミングにしたがって異なる画像データを生成して出力する。また、CPU341は、演出ボタンの操作にしたがって、リール203が示す図柄が変化するように、演出ボタンの操作の有無あるいは演出ボタンの操作タイミングにしたがってリール203の回転制御を異ならせる。
【0057】
演出制御部302の出力側には、音声制御部355が接続されている。CPU341は、音声制御部355に対して、スピーカ377が備えるコイルに対する通電状態を制御するためのデータ(音声出力制御データ)を出力する。音声制御部355は、演出制御部302から出力された音声出力制御データに基づいて、コイルに対する通電状態を変化させることによって、BGM、演出の効果音、キャラクターの台詞などの各種の音声をスピーカ377から出力させる。
【0058】
(遊技機の基本動作)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の遊技機の基本動作の一例を説明する。遊技機は、遊技者の操作を検出した場合に、発射部392によって遊技球の発射をおこなう。発射された遊技球は、遊技領域103内を、釘や風車に衝突しながら自重によって下方へ落下する。発射された遊技球の一部は、始動入賞口105、普通入賞口107、大入賞口109などに入賞する。
【0059】
主制御部301は、始動入賞口105、普通入賞口107、大入賞口109など、払い出しがある箇所における遊技球の入賞状況を賞球制御部303に出力する。賞球制御部303は、主制御部301からの出力信号にしたがって、入賞状況に対応した賞球数の払い出しをおこなう。また、主制御部301は、遊技球が入賞ゲート106に入賞した場合、始動入賞口105を一定時間だけ通常より大きく開放させる。
【0060】
また、主制御部301は、遊技球が始動入賞口105に入賞(始動入賞)した場合、上記の大当たり判定をおこない、大当たり判定結果にしたがってハズレ演出あるいは大当たり演出をおこなう。遊技機は、具体的には、取得した大当たり判定用乱数と大当たり値とが一致しないと判定した場合に、演出制御部302によってハズレ演出を実行する。また、主制御部301は、取得した大当たり判定用乱数と大当たり値とが一致すると判定した場合に、演出制御部302によって大当たり演出を実行する。また、主制御部301は、取得した大当たり判定用乱数と大当たり値とが一致すると判定した場合に、大入賞口109を所定ラウンド数分開放する。
【0061】
また、主制御部301は入賞があった箇所に応じた信号を賞球制御部303に出力し、賞球制御部303は主制御部301からの出力信号にしたがって払出部391を駆動制御して、入賞があった箇所に応じた賞球数の払い出しをおこなわせる。そして、主制御部301は、大当たり演出終了後は、大当たり状態を解除し、通常の遊技状態に復帰する。
【0062】
主制御部301は、先の始動入賞に対応する演出実行中に別の始動入賞があった場合、当該始動入賞があった時点の大当たり判定用乱数を取得するとともに取得した大当たり判定用乱数を保留する。そして、実行中の演出が終了した後に、保留した大当たり判定用乱数を用いた大当たり判定をおこない、当該大当たり判定結果を示す信号を演出制御部302に出力する。演出制御部302は、主制御部301からの出力信号に応じた各種演出をおこなう。
【0063】
演出制御部302は、表示部104およびリール203を用いて、ハズレ演出および大当たり演出などの各種演出をおこなう。演出制御部302は、具体的には、たとえばすべての小リール203a〜203iを回転させたのち、当該小リール203a〜203iを順次停止させることでリール203が所定の出目を示すようにリール203を制御するとともに、リール203の回転および停止動作にあわせた画像が表示部104に表示されるように表示部104を制御する。表示部104は、リール203の動作およびリール203がなす出目に連動した画像を表示する。このように、表示部104における画像の表示動作とリール203の動作とを連動することによって、遊技機がなす演出の演出効果を高めることができる。
【0064】
表示部104およびリール203が遊技機の奥行き方向に重ねて配置されているため、遊技者は、表示部104が表示する画像に応じて、リール203全体あるいは一部の小リール203a〜203iを視認することができる。遊技者は、表示部104を通して、当該表示部104のうしろ側(背面側)にあるリール203を見ることになり、表示部104による演出とリール203による演出とを、視線をずらすことなく同時に見ることができる。
【0065】
また、表示部104およびリール203が遊技機の奥行き方向に重ねて配置されているため、表示部104とリール203とが重なる領域において、表示部104による光の透過具合を調整することにより、遊技者にリール203全体を見せたり、リール203の一部(たとえば小リール203a〜203iの中の1つのみ)だけを遊技者に見せたりする演出をおこなうことができる。具体的には、たとえば液晶ディスプレイによって表示部104を実現する場合、シャッターの開閉度合いを調整することによって、遊技者にリール203全体を見せたり、リール203の一部だけを遊技者に見せたりする演出をおこなうことができる。
【0066】
つぎに、リール203における小リール203a〜203iの停止順序の一例について説明する。リール203における小リール203a〜203iは、4段階にわたって停止する。1段階目は、遊技者に向かって、左上の小リール203aと、右下の小リール203iが停止する。2段階目は、遊技者に向かって、上段における中央の小リール203bと、中段における左右の小リール203d、203fと、下段における中央の小リール203hと、が停止する。3段階目は、遊技者に向かって、左下の小リール203gと、右上の小リール203cが停止する。4段階目は、中央の小リール203eが停止する。
【0067】
リール203において、停止する途中でリーチ状態(1直線上に並ぶ3つの小リールのうち2つが同じ図柄となり、残りの1つが回転中となる状態)が発生した場合は、複数同時に停止する小リール203a〜203iがそれぞれ順番に停止するようにしてもよい。具体的には、たとえば3段階目に停止する小リール203c、203gがリーチに絡む場合、左下の小リール203gが停止してから、右上の小リール203cが停止するようにしてもよい。
【0068】
(表示枠部材150の構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の表示枠部材150の構成について説明する。図4および図5は、この発明にかかる実施の形態の表示枠部材150の構成を示す説明図である。図4および図5においては、図1において表示枠部材150に連結された、表示枠部材150以外の各部材を取り外した状態の表示枠部材150を示している。
【0069】
図4および図5において、この発明にかかる実施の形態の表示枠部材150は、表示装置104における画像表示画面の周囲を囲むような枠形状をなす壁部401(401A、401B)を備えている。遊技領域内に発射され壁部401に衝突した遊技球は、壁部401に沿って、始動入賞口105など遊技領域における下方に向けて誘導される。
【0070】
表示枠部材150の上面部分をなす壁部401Aは、中央ほど高く、両端部ほど低くなるように湾曲(あるいは傾斜)した形状をなしている。このように、表示枠部材150の上面部分をなす壁部401Aの形状を略山形とすることによって、遊技領域内に発射された遊技球を表示枠部材150の上部に滞留させることなく、始動入賞口105など遊技領域における下方に向けて誘導することができる。
【0071】
表示枠部材150の側面部分をなす壁部401Bは、画像表示画面の外側に膨らむように湾曲した形状をなしている。表示枠部材150の側面部分をなす壁部401Bをこのような形状とすることにより、表示枠部材150の側方であって上側となる部分に衝突した遊技球を、当該遊技球の速度を落としながら壁部401に沿って下方に誘導することができる。また、表示枠部材150の側面部分をなす壁部401Bをこのような形状とすることにより、表示枠部材150の側方であって下側となる部分に衝突した遊技球を、表示枠部材150の周辺に滞留させることなく、始動入賞口105など遊技領域における下方に向けて誘導することができる。
【0072】
壁部401において、壁部401Aと壁部401Bとの境界部分には、表示枠部材150における外側へ向かって突出する突出部402が形成されている。突出部402は、表示枠部材150において、発射部によって発射された遊技球が遊技領域内に進入する位置に向かって突出した形状をなしている。
【0073】
表示枠部材150において、突出部402および突出部402の近傍部分は、第1の部材403と第2の部材404とを組み合わせた2ピース構造とされている。第1の部材403および第2の部材404は、樹脂材料を用いた射出成形によって形成されている。樹脂材料を用いた射出成形によって形成することにより、第1の部材403および第2の部材404を精度よく製造することができる。
【0074】
表示枠部材150において、第2の部材404を除く各部分には、たとえば金色などの金属色の塗装が施されている。金属色の塗装を施すことにより表示枠部材150に質感をもたせ、表示枠部材150が金属材料を用いて形成されているような重厚感を表現することができる。表示枠部材150において、第2の部材404を除く各部分に施す塗装は、金色に限らず、たとえば銀色やその他のメタリック色などのように金属的な光沢を示す塗装であることが好ましい。
【0075】
第2の部材404は、突出部402において、画像表示画面の外周側に向かってもっとも突出する角部分をなしている。また、第2の部材404は、表示枠部材150において、第1の部材403が設けられている位置よりも、遊技領域内に発射された遊技球が衝突しやすい位置に設けられている。第2の部材404は、塗装などの2次加工が施されておらず、樹脂材料が表面に露出した状態とされている。
【0076】
この実施の形態において、第2の部材404は、透明な樹脂材料を用いて形成されている。また、第2の部材404は、画像表示画面に連続するように、画像表示画面に隣接する位置に設けられている。第2の部材404は、隣接する第1の部材403とともに、内側に空間を形成する形状をなしている。第2の部材404が形成する空間の内側には、LEDが設けられている。
【0077】
第2の部材404が形成する空間の内側に設けられたLEDは、表示装置における画像表示画面に表示される演出画像に応じて、所定のタイミングで発光するように制御される。第2の部材404の内側には所定の凹凸が設けられている。この凹凸は、第2の部材404が形成する空間の内側に設けられたLEDが発光した光を、LEDを直接視認することができないように拡散する。図4および図5において、第2の部材404が形成する空間の内側に設けられたLEDは、図示を省略している。
【0078】
この実施の形態の遊技機は、たとえば主人公(遊技者)が邪悪な魔王を討伐するストーリーを題材としたものとなっている。具体的には、この実施の形態の遊技機は、たとえば小人の国から魔王を倒す旅に出発した主人公が、魔王の住む魔界へと入るために魔界の門を通過して魔界へ入り、魔王の重臣ドラゴンを倒した後に、魔王の居城へと到達し、魔王と対決するストーリーにしたがった演出をおこなう。遊技に際して魔王と対決し、魔王の討伐に成功した場合に大当たりが発生する。
【0079】
演出に際しては、たとえば魔王や魔王の重臣ドラゴンとの対決場面を示す演出画像を表示する。そして、対決場面を示す演出画像の表示に際しては、プレイヤー(遊技者自身)を模したキャラクターと敵キャラクターとが互いに剣を打ち合わせるシーンや、各キャラクターが振り下ろした太刀筋を示す画像を画像表示画面に表示する。
【0080】
太刀筋を示す画像は、たとえば画像表示画面を上下に縦断、あるいは、左右に横断するように表示する。また、太刀筋を示す画像は、対角線上を斜めに移動するように表示してもよい。第2の部材404が形成する空間の内側に設けられたLEDは、画像表示画面において対角線上を斜めに移動する太刀筋の画像の表示に際して点灯する。
【0081】
具体的には、第2の部材404が形成する空間の内側に設けられたLEDは、たとえば画像表示画面における右下から左上に向かって移動する太刀筋の画像を表示する場合に、当該太刀筋を示す画像が画像表示画面における左上に到達したタイミングにあわせて点灯する。
【0082】
また、具体的には、第2の部材404が形成する空間の内側に設けられたLEDは、たとえば画像表示画面における左上から右下に向かって移動する太刀筋の画像を表示する場合に、当該太刀筋を示す画像を画像表示画面における左上に表示するタイミングにあわせて、あるいはその直前に点灯する。
【0083】
これにより、画像表示画面において対角線上を斜めに移動する太刀筋が、画像表示画面の大きさに限定されることなく、大きく移動したような演出をおこなうことができ、太刀筋が移動する演出画像による演出に一層の躍動感をもたせることができる。このような、躍動感のある演出によって、遊技者の高揚感や興奮を高め、遊技を楽しくおこなわせることができる。
【0084】
(始動入賞口105の構成)
つぎに、この発明の実施の形態にかかる始動入賞口105の構成について説明する。図6−1は、この発明の実施の形態にかかる始動入賞口105の構成を示す説明図である。図6−1において、この発明にかかる始動入賞口105は、遊技機のガイド部材としての始動口ガイド部材601を備えている。遊技機の始動口ガイド部材601は、始動入賞口105の上方に誘導された遊技球が、始動入賞口検出部321を実現するセンサの近傍を通過するように、遊技球の移動経路を案内する。図6−1における符号620は、電チューを構成する役物を示している。
【0085】
始動口ガイド部材601は、始動入賞口105における上側を開放する開口と、当該開口と始動入賞口検出部321を実現するセンサの近傍とを連通する経路と、を構成する。始動口ガイド部材601は、第1の部材602と第2の部材603とを備えている。第1の部材602は、遊技盤101に設けられる始動口台板部602aと、上記の開口および入賞した遊技球の移動経路を構成する始動口経路部602bとによって構成されている。
【0086】
始動口経路部602bの底部分は、遊技機の左右方向における中央部分ほど下方に向かって突出する略円弧状に湾曲した形状をなしている。これにより、始動入賞口105に入賞した遊技球は、始動口経路部602bにおける底面の、左右方向における中央部分を転がりながら、始動入賞口検出部321を実現するセンサの方向に移動する。このように、始動口経路部602bにおける底面を湾曲させることにより、始動入賞した遊技球が始動口経路部602b内において方々に衝突しながら移動することをなくし、始動口経路部602b内における遊技球の移動位置を安定化することができる。
【0087】
第1の部材602には、たとえば金色などの金属色の塗装が施されている。第1の部材602に施す塗装は、金色に限らず、たとえば銀色やその他のメタリック色などのように金属的な光沢を示す塗装であることが好ましい。これにより、第1の部材602に質感をもたせ、第1の部材602が金属材料を用いて形成されているような重厚感を表現することができる。
【0088】
第2の部材603は、略U字形状をなしており、第1の部材602の上側から第1の部材602に重ね合わせるようにして設けられている。第2の部材602は、たとえば第1の部材603に嵌合させることによって始動口ガイド部材601を構成している。第2の部材603は、透明な樹脂材料を用いて形成されている。第2の部材603を形成する樹脂材料は、たとえば無色透明な樹脂材料とすることができる。第2の部材603は、第1の部材602とは別体で形成されており、第1の部材602の上側に設けることによって始動口ガイド部材601を構成している。
【0089】
第2の部材603は、第1の部材602に重ね合わされた状態において、始動入賞口105の側面における上端部をなす突出部610を構成する。この突出部610は、始動入賞口105および始動入賞口105の近傍に移動してきた遊技球が衝突しやすい部分となる。第2の部材603は透明な樹脂材料を用いて形成されているため、突出部610においては、樹脂材料が露出した状態とされている。
【0090】
第2の部材603は無色透明の樹脂材料を用いて形成されているため、第2の部材603と塗装が施された第1の部材602とを組み合わせて始動口ガイド部材601を構成する場合にも、始動口ガイド部材601における、突出部610の周辺において、第2の部材603が浮き上がって見えるような違和感を抑えることができる。
【0091】
第2の部材603を形成する樹脂材料は、たとえば黄色など、第1の部材602の塗装色に近い色に着色された透明な樹脂材料であってもよい。第1の部材602の塗装色に近い色に着色された樹脂材料によって第2の部材603を形成することにより、第2の部材603と塗装が施された第1の部材602とを組み合わせて始動口ガイド部材601を構成する場合にも、始動口ガイド部材601において第2の部材603が浮き上がって見えるような違和感をより確実になくすことができる。
【0092】
始動口ガイド部材601においては、遊技球が衝突する側面の突出部610の前面部分が第1の部材602となっており、突出部610の前面部分を除く部分が第2の部材603となるように、第1の部材602と第2の部材603とを嵌合させることによって構成されている。このため、遊技機の前面側から始動口ガイド部材601を見た場合、突出部610を構成する、塗装が施されていない第2の部材603は見えにくくなっている。
【0093】
第2の部材603は、略U字形状をなしており、遊技機の前面側から見た場合に左右対称な形状をなしている。このため、第2の部材603が構成する突出部610は、始動口ガイド部材601における左右の上端にそれぞれ設けられる。始動口ガイド部材601における左右の上端部に第2の部材603が構成する突出部610を設けることにより、たとえば勢いが強い状態で打ち出されたために遊技盤101における右側を回って落下してきた遊技球や、「右打ち」などと称される打ち方をした場合の遊技球が始動口ガイド部材601に衝突することによる始動口ガイド部材601における塗装の剥げ落ちを防止することができる。
【0094】
(始動入賞口105の別の構成)
つぎに、この発明の実施の形態にかかる始動入賞口105の別の構成について説明する。図6−2は、この発明の実施の形態にかかる始動入賞口105の別の構成を示す説明図である。図6−2において、この発明にかかる始動入賞口105は、遊技機のガイド部材としての始動口ガイド部材601を備えている。遊技機の始動口ガイド部材601は、始動入賞口105の上方に誘導された遊技球が、始動入賞口検出部321を実現するセンサの近傍を通過するように、遊技球の移動経路を案内する。
【0095】
始動口ガイド部材601は、遊技盤101に固定された固定部材602と、当該固定部材602を前面側から覆うように設けられたカバー部材603と、を備えている。固定部材602は、入賞した遊技球の移動経路における左右の側面部分をなすように設けられている。カバー部材603は、遊技機の左右方向における固定部材602を外側から覆うとともに、入賞した遊技球の移動経路における前面部分をなすように設けられている。
【0096】
カバー部材603は、それぞれ別々に構成された第1の部材604と第2の部材605とを嵌合させることによって構成されている。第2の部材605は、始動入賞口105および始動入賞口105の近傍に移動してきた遊技球が衝突しやすい、側面の突出部610に設けられている。この実施の形態において、始動口ガイド部材601の突出部610は、始動入賞口105の側面における上端部とされている。
【0097】
カバー部材603において、第1の部材604は、たとえば金色などの金属色の塗装が施されている。第2の部材605は、塗装などの2次加工が施されておらず、樹脂材料が表面に露出した状態とされている。この実施の形態において、第2の部材605は、透明な樹脂材料を用いて形成されている。
【0098】
第2の部材605を形成する樹脂材料は、たとえば無色透明な樹脂材料とすることができる。無色透明な樹脂材料によって第2の部材605を形成することにより、第2の部材605と塗装が施された第1の部材604とを組み合わせて始動口ガイド部材601を構成する場合にも、ガイド部材において第2の部材605のみが浮き上がって見えるような違和感をなくすことができる。
【0099】
また、第2の部材605を形成する樹脂材料は、たとえば黄色など、第1の部材604の塗装色に近い色に着色された透明な樹脂材料であってもよい。第1の部材604の塗装色に近い色に着色された樹脂材料によって第2の部材605を形成することにより、第2の部材605と塗装が施された第1の部材604とを組み合わせて始動口ガイド部材601を構成する場合にも、始動口ガイド部材601において第2の部材605が浮き上がって見えるような違和感をより確実になくすことができる。
【0100】
カバー部材603は、遊技球が衝突する側面の突出部610の前面部分のみが第1の部材604となるとともに、突出部610の前面部分を除く部分が第2の部材605となるように、当該第1の部材604と当該第2の部材605とを嵌合させることによって構成されている。このため、遊技機の前面側から始動口ガイド部材601を見た場合、塗装されていない第2の部材605は見えにくくなっている。これにより、遊技者に対して、カバー部材603全体が塗装されているように見せることができる。
【0101】
このように、カバー部材603の全体に金属色の塗装が施されているように見せることによって、カバー部材603に質感をもたせ、カバー部材603が金属材料を用いて形成されているような重厚感を表現することができる。カバー部材603において、第2の部材605を除く各部分に施す塗装は、金色に限らず、たとえば銀色やその他のメタリック色などのように金属的な光沢を示す塗装であることが好ましい。
【0102】
また、始動口ガイド部材601においては、カバー部材603の内側に設けられる固定部材602に、第1の部材604と同じ塗装を施してもよい。このように、塗装された固定部材602をカバー部材603の内側に設けることにより、カバー部材603の一部に塗装されていない第2の部材605を設けた場合にも、第2の部材605が塗装されていないことを一層分かりにくくすることができる。これにより、遊技者に対して、始動口ガイド部材601全体が塗装されているように見せることができる。
【0103】
第2の部材605は、カバー部材603における左右の上端部に設けてもよい。カバー部材603における左右の上端部に第2の部材605を設けるようにした場合、たとえば勢いが強い状態で打ち出されたために遊技盤101における右側を回って落下してきた遊技球や、「右打ち」などと称される打ち方をした場合の遊技球が始動口ガイド部材601に衝突することによる始動口ガイド部材601における塗装の剥げ落ちを防止することができる。
【0104】
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態の遊技機における表示枠部材150や始動口ガイド部材601は、発射された遊技球を誘導し、少なくとも、塗装されている第1の部材403、603と、塗装されていない第2の部材404、602とから構成され、遊技球が衝突する側面の突出部402、610の前面部分のみが第1の部材403、603となるとともに、突出部402、610の前面部分を除く部分が第2の部材404、602となるように、当該第1の部材403、603と当該第2の部材404、602とを嵌合させたことを特徴としている。
【0105】
このような構成とすることにより、塗装されていない第2の部材404、602によって、表示枠部材150や始動口ガイド部材601における突出部402、610の前面部分を除く部分を構成することにより、突出部402、610を備えた形状をなす表示枠部材150や始動口ガイド部材601とした場合にも、遊技球が衝突することによって表示枠部材150や始動口ガイド部材601における塗装が剥げ落ち、遊技機の見栄えが低下することを長期間にわたって抑制することができる。
【0106】
また、このような構成とすることにより、遊技球が衝突する側面の突出部402、610に、塗装されている第1の部材403、603を設けることによって、遊技球が衝突しやすい突出部402、610を備えた形状をなす表示枠部材150や始動口ガイド部材601とした場合にも、遊技者の視界に入る部材に施した塗装が剥げ落ちることによって遊技機の見栄えが低下することを長期間にわたって抑制することができる。
【0107】
これによって、表示枠部材150や始動口ガイド部材601の形状に左右されることなく、塗装を施すことによって、高級感や重量感を向上させるとともにインパクトを強めた状態、すなわち遊技機の設置時における状態を長期にわたって維持することができる。
【0108】
表示枠部材150や始動口ガイド部材601に塗装を施し高級感や重量感を向上させることによって、遊技者の高揚感や興奮を高めやすくする効果が期待できるため、良好な塗装の状態を長期にわたって維持することにより、経時にかかわらずに遊技者の高揚感や興奮を長期にわたって高めやすくした状態を維持し、遊技機の稼働率の向上を図ることができる。
【0109】
また、表示枠部材150や始動口ガイド部材601の形状に左右されることなく、良好な塗装の状態を長期にわたって維持することにより、経時にともなう見栄えの低下を抑制し、この実施の形態の遊技機を、塗装が施されていない他の機種の遊技機よりも長期にわたって良好な状態で目立たせることができる。そして、目立たせることによって遊技機の稼働率の向上を図ることができる。
【0110】
また、この発明にかかる実施の形態の遊技機の表示枠部材150や始動口ガイド部材601は、第1の部材403、603が、金属色の塗装が施されていることを特徴としている。このような構成とすることにより、塗装を施すことによる高級感や重量感を一層効果的に向上させることができる。これによって、良好な塗装の状態を長期にわたって維持することにより、経時にかかわらずに遊技者の高揚感や興奮を長期にわたって高めやすくした状態を維持し、遊技機の稼働率の向上を図ることができる。
【0111】
また、この発明にかかる実施の形態の遊技機の表示枠部材150は、第2の部材404が、光源からの光を透過する透過性部材であることを特徴としている。このような構成とすることにより、塗装を施した部材の一部に塗装を施していない部材を設けた場合にも、塗装を施すことによって得られる高級感や重量感を低下させることなく、遊技者の視界に入る部材に施した塗装が剥げ落ちることによって遊技機の見栄えが低下することを長期間にわたって抑制することができる。
【0112】
このように、この実施の形態における遊技機の表示枠部材150によれば、表示枠部材150の形状に左右されることなく、当該表示枠部材150に塗装を施して高級感や重量感の向上を図るとともに、遊技者の視界に入る部材に施した塗装が剥げ落ちることによって遊技機の見栄えが低下することを長期間にわたって抑制することができるので、遊技機のデザイン性を低下させることなく高級感や重量感の向上を図ることができる。
【0113】
上述した図6−2における第2の部材605は、カバー部材603における左右の上端部に設けてもよい。カバー部材603における左右の上端部に第2の部材605を設けるようにした場合、たとえば勢いが強い状態で打ち出されたために遊技盤101における右側を回って落下してきた遊技球や、「右打ち」などと称される打ち方をした場合の遊技球が始動口ガイド部材601に衝突して遊技者の視界に入る部材に施した塗装が剥げ落ちることによる遊技機の見栄えの低下を、長期間にわたって抑制することができる。
【符号の説明】
【0114】
150 表示枠部材(遊技機のガイド部材)
402 突出部
403 第1の部材
404 第2の部材、透過性部材
601 始動口ガイド部材(遊技機のガイド部材)
602 第1の部材
603 第2の部材
604 第1の部材
605 第2の部材
610 突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入賞した遊技球を移動経路に沿って案内する、遊技盤に対して前方側に突出するように球受け部を備えるガイド部材であって、
前記球受け部は、当該球受け部のうち、遊技球が衝突する球受け部の前面部分には塗装が施されるとともに、当該前面部分を除く部分には塗装が施されないように構成されていることを特徴とする遊技機のガイド部材。
【請求項2】
入賞した遊技球を移動経路に沿って案内する、遊技盤に対して前方側に突出するように球受け部を備えるガイド部材であって、
少なくとも、塗装されている第1の部材と、塗装されていない第2の部材とから構成され、
前記球受け部は、当該球受け部のうち、遊技球が衝突する球受け部の前面部分が第1の部材となるとともに、当該前面部分を除く部分が第2の部材となるように構成されていることを特徴とする遊技機のガイド部材。
【請求項3】
第2の部材は光源からの光を透過する透過性部材であることを特徴とする請求項2に記載の遊技機のガイド部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【公開番号】特開2013−99641(P2013−99641A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−38644(P2013−38644)
【出願日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【分割の表示】特願2009−2975(P2009−2975)の分割
【原出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】