説明

遊技機及び遊技機用プログラム及び記録媒体

【課題】特定の場合にウエイト期間を延長することによって遊技状態の報知を行うことができ、ウエイト期間延長によって次遊技のウエイト期間を短縮させることを可能とする。
【解決手段】前回の遊技の遊技制限時間中にスタートスイッチ30が操作され、特定の当選役に当選した場合には、前回の遊技の遊技制限時間を所定時間だけ延長させる。特定の当選役に当選しない場合でも、抽選によって当該遊技の遊技制限時間を延長させる。当該遊技の遊技制限時間を延長させた場合には、次の遊技(今回の遊技)の遊技制限時間を延長した時間分だけ短縮させる。遊技制限時間が経過したら、スタートスイッチ30の操作に基づいて回転リール40が回転開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、当選判定の抽選を行い、スタートスイッチの操作により回転リールなどの図柄表示手段が変動し、ストップスイッチの操作によってそれらの変動を停止させるようにした遊技機であって、今回の遊技と次遊技との間に所定の遊技実行制限期間が設定されている遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機、例えばスロットマシンにおいては、遊技者が一定時間に過度のメダルを投入できないように、一回の遊技が終了した後であっても、所定の時間(遊技実行制限期間いわゆるウエイト期間)が経過していないと次遊技を行うことができないようになっている。このため、所定時間経過前に操作スイッチ例えばスタートスイッチ(スタートレバー)やストップスイッチ(停止ボタン)を操作しても、その操作は無効とされる(操作信号が出力されない、操作信号の出力によってもリールが回転開始又は回転停止しない)ように形成されている。
前記したウエイト期間中は、遊技スピードが速い遊技者にとっては退屈な時間となるため、この時間を有効活用し、所定の演出を行わせるスロットマシンが多く考案されている(特許文献1参照)。また、長時間の演出実行により一回の遊技時間が長くなった場合には、以後の遊技のウエイト期間を短縮調整する技術も開示されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−219207号公報
【特許文献2】特開2003−135667号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の遊技機においては、いわゆるウエイト期間を積極的に(故意に)延長させることによって、なんらかの遊技性を作り出そうとするものはなかった。また、演出として、一定時間、操作手段が効かなくなる、いわゆるフリーズといわれるものも存在しているが、これはウエイト期間とは無関係であった。
そこで本願発明は、特定の場合にウエイト期間を延長することによって遊技状態(例えば内部当選)の報知を行うことができ、それによって次遊技のウエイト期間を短縮させることも可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記した目的を達成するためになされたものであり、本発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(特徴点)
(請求項1)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1記載の発明は、表面に複数の図柄が表示された複数の回転リール(40)を備え、遊技を行うための操作手段として、前記複数の回転リール(40)の回転を開始させるためのスタートスイッチ(30)と、回転中の前記回転リール(40)を個々に停止させるためのストップスイッチ(50)とを少なくとも備え、前記スタートスイッチ(30)の操作時に乱数を抽出し、当該抽出乱数値と複数種類の当選及びハズレの領域を定めた当選判定テーブル(113)とを対比して、当選か否かの当選判定の抽選を行う当選抽選手段(110)を備え、前記当選判定の抽選結果が所定の当選役に当選し、前記複数の回転リール(40)の当選に係る図柄を、前記ストップスイッチ(50)の操作により予め定められた態様に停止させることができた場合に入賞となる遊技機に係る。
【0005】
本発明に係る遊技機は、スロットマシンやパロット遊技機とすることができ、上記構成の他にも、入賞時に遊技媒体を払い出すための払い出し装置(ホッパーユニット65)その他の構成部品を備えていてもよい。なお、「遊技媒体」とは、遊技に使用するメダルや遊技球(パチンコ球)、コインなどを含むものである。
前記「操作手段」は、その操作によって遊技機の作動に関わるボタンやレバーなどの操作スイッチであって、スタートスイッチ(30)、ストップスイッチ(50)の他に、クレジットをメダル投入に変えるためのベットスイッチ(16)等を備えていてもよい。
前記当選抽選手段(110)は、乱数発生手段(111)の発生する乱数を乱数抽出手段(112)が抽出し、抽出した乱数値を当選判定テーブル(113)と対比することにより、当選の種類及び有無を決定するためのものである。なお、乱数の抽出は、スタートスイッチ(30)の有効な操作信号受信時に行われる。すなわち、前遊技の終了、メダル投入等所定の遊技開始条件を満たせばスタートスイッチ(30)の操作信号が有効化し、その信号受信を契機に当選判定の抽選が実施される。ただし、所定の遊技制限時間が経過するまでは、スタートスイッチ(30)の操作信号によっても回転リール(40)は回転開始しない。
【0006】
さらに、本発明においては、前記スタートスイッチ(30)の操作後、前記複数の回転リール(40)がすべて停止操作可能となったときまでの間のいずれかの時から時計測を開始し、当該遊技に設定された遊技制限時間を計測するための制限時間計測手段(ウエイト期間計測手段131)と、前記制限時間計測手段(131)が前回の遊技中に時計測を開始した遊技制限時間の時計測中に、前記操作手段のいずれかが操作された場合には、当該操作に基づく今回の遊技の前記回転リール(40)の回転開始又は回転停止のいずれかを無効にするための操作無効手段(133)と、前記制限時間計測手段(131)が計測する遊技制限時間を設定するための遊技制限時間設定手段(ウエイト期間設定手段132)とを少なくとも設けてある。
【0007】
また、前記遊技制限時間設定手段(132)は、前記制限時間計測手段(131)が前回の遊技中に時計測を開始した遊技制限時間の時計測中に、前記スタートスイッチ(30)が操作された場合において、前記当選抽選手段(110)が抽出した抽出乱数値が、前記当選判定テーブル(113)の特定の当選役に対応する当選領域に属しない場合には、今回の遊技の遊技制限時間を、あらかじめ定められた規定遊技制限時間に設定するとともに、前記当選抽選手段(110)が抽出した抽出乱数値が、前記当選判定テーブルの特定の当選役に対応する当選領域に属する場合には、前記制限時間計測手段(131)が計測している遊技制限時間を、所定時間だけ延長させることができるように形成されている。
【0008】
そして、前記制限時間計測手段(131)は、計測中の遊技制限時間の計測終了後も、前記延長された遊技制限時間が終了するまで時計測を継続し、前記操作無効手段(133)は、前記制限時間計測手段(131)が前記規定遊技制限時間又は前記遊技制限時間設定手段によって延長された遊技制限時間の時計測を終了した場合には、前記操作手段の操作に基づく前記回転リール(40)の回転開始又は回転停止の無効を解除することを特徴とする。
ここで、前記「遊技制限時間」とは、前遊技が終了してもその時間が経過しないと遊技を開始することができないように設定された時間であり、「規定遊技制限時間」とは、短時間に過度のゲーム数を実行できないよう制限を課すために定められているいわゆるウエイト時間(4.1秒)のことである。本発明においては、「遊技制限時間」は、前記遊技制限時間設定手段(132)によって延長設定される場合があるので、4.1秒とは限らない。
【0009】
また、「スタートスイッチ(30)の操作後、前記複数の回転リール(40)がすべて停止操作可能となったときまでの間」とは、前回の遊技が終了した後、今回の遊技のためにスタートスイッチ(30)を操作してから、それに基づいて回転リール(40)が回転開始して、全ての回転リール(40)が定常回転(回転リール(40)を回転させるための駆動モータが一定の回転数に達すること)となるまでの間のことである。すなわち、本発明における制限時間計測手段(131)は、回転リール(40)の回転開始を契機に遊技制限時間を計測するのであってもよいし、すべての回転リール(40)が定常回転に達したときから遊技制限時間を計測するのであってもよい。
【0010】
前記操作無効手段(133)は、遊技制限時間中において、操作手段としてのスタートスイッチ(30)又はストップスイッチ(50)のいずれか一方の操作を無効にするためのものである。ここで、「操作に基づく・・・回転開始又は回転停止のいずれかを無効にする」とは、スタートスイッチ(30)の操作によっても回転リール(40)が回転開始しないようにすること、あるいはストップスイッチ(50)の操作によっても回転リール(40)が回転停止しないようにすることである。具体的には、回転リール(40)を回転させるための駆動モータに、駆動開始信号あるいは駆動停止信号を出力させないようにすることである。これは、スタート操作を無効にすること、あるいは停止操作を無効にすることと同義である。
【0011】
逆に、「無効を解除する」とは、スイッチ操作によっても回転リール(40)が回転開始又は回転停止しない状態をやめさせること、すなわちスイッチ操作によって回転リール(40)が回転開始し、あるいは回転停止するようにすることである。なお、スタートスイッチ(30)の操作に基づく回転リール(40)の回転開始の無効を解除する場合には、すでに受信しているスタートスイッチ(30)の操作信号に基づいて回転リール(40)を回転開始させることができるが、ストップスイッチ(50)の操作に基づく回転リール(40)の回転停止の無効を解除する場合には、新たに入力されるストップスイッチ(50)の操作信号によって回転リール(40)を回転停止させるようにする。
【0012】
なお、操作無効手段(133)がスタートスイッチ(30)の操作に基づく回転リール(40)の回転開始を無効及び無効解除する場合には、前記制限時間計測手段(131)は回転リール(40)の回転開始から遊技制限時間を計測開始し、操作無効手段(133)がストップスイッチ(50)の操作に基づく回転リール(40)の回転停止を無効及び無効解除する場合には、制限時間計測手段(131)は回転リール(40)の定常回転開始から遊技制限時間を計測開始するように設定するのが好ましい。
前記遊技制限時間設定手段(132)は、前記制限時間計測手段(131)が前回の遊技の遊技制限時間を計測中にスタートスイッチ(30)が操作された場合、当該スタートスイッチ(30)の操作に基づく当選判定の抽選結果に基づいて、今回の遊技、すなわち前記スタートスイッチ(30)の操作によってこれから回転リール(40)を回転させる遊技の遊技制限時間を決定するものである。
【0013】
ここで、「当選抽選手段(110)が抽出した抽出乱数値が、前記当選判定テーブル(113)の特定の当選役に対応する当選領域に属しない」とは、抽選結果がハズレの場合、抽選の結果が所定の当選役に当選したが特定の当選役ではない場合を含む。
また、「当選抽選手段(110)が抽出した抽出乱数値が、前記当選判定テーブル(113)の特定の当選役に対応する当選領域に属する」とは、当選判定の抽選の結果、当該遊技で特定の当選役が当選したことを意味している。すなわち、当該遊技において、当選の権利が次遊技以降に持ち越し可能に形成されている特定の当選役が当選している場合(当選フラグが成立している場合)は含まないようにしてもよい。
【0014】
なお、「特定の当選役に対応する当選領域」は、特定の当選役の当選領域として定められた数値の範囲(例えば0〜20)の他に、特定の当選役が当選となる数値(例えば1と77)も含まれる。そして、前記遊技制限時間設定手段(132)は、前記当選抽選手段(110)が抽出した抽出乱数値が、前記当選判定テーブル(113)の特定の当選役に対応する当選領域中の特定の乱数値と一致する場合(例えば1と77うち77に該当)に、遊技制限時間を延長するようにしてもよい。
また、遊技制限時間を所定時間だけ延長させる場合には、その延長の旨を所定の報知装置を用いて報知させるようにしてもよい。これにより、遊技制限時間によってスタートスイッチ(30)又はストップスイッチ(50)が効かないのを故障等と誤解されるのを防ぐことができる。さらに、遊技制限時間の延長に係る1回の遊技が終了するまで継続して報知をさせ、この遊技における遊技制限時間内に停止操作等を行わなかった遊技者に対して当選に関する情報提供を可能とするように形成してもよい。
【0015】
(作用)
制限時間計測手段(131)は、全ての回転リール(40)が回転開始した時、又は全ての回転リール(40)が定常回転となった時から、所定の遊技制限時間(規定遊技制限時間又は遊技制限時間設定手段(132)によって延長された遊技制限時間)の時計測を開始する。
そして、制限時間計測手段(131)が前記所定の遊技制限時間の時計測をしている間に、ストップスイッチ(50)の操作によりすべての回転リール(40)が停止し(遊技が終了し)、次の遊技のためのスタートスイッチ(30)が操作されると、まず、当該操作に基づいて、当選抽選手段(110)が当選判定の抽選のための乱数を抽出する。ここで、操作無効手段(133)が、スタートスイッチ(30)の操作に基づく回転リール(40)の回転開始を無効にしている場合には、回転リール(40)は回転開始しない。操作無効手段(133)が、ストップスイッチ(50)の操作に基づく回転リール(40)の回転停止を無効にしている場合には、回転リール(40)は回転開始するが、ストップスイッチ(50)を操作しても回転リール(40)は回転停止しない。
【0016】
また、遊技制限時間設定手段(132)は、前記抽出乱数値が特定の当選領域に属している場合には、前記制限時間計測手段(131)が計測中の遊技制限時間(前回の遊技の遊技制限時間)を、所定の時間(α秒)加算した時間に延長する設定を行う。所定時間は、抽選により決定してもよいし、特定の当選役の種類に応じて定められていてもよい。一方、前記抽出乱数値が特定の当選領域に属していない場合には、制限時間計測手段(131)が計測中の遊技制限時間はそのままにして、今回の遊技、すなわちこれから回転リール(40)を回転させ又は回転している回転リール(40)を停止操作により停止させる遊技の遊技制限時間(次に制限時間計測手段(131)が計測する遊技制限時間)を、規定遊技制限時間(4.1秒)に設定する。
【0017】
そして、遊技制限時間設定手段(132)が制限時間計測手段(131)が計測中の遊技制限時間を延長設定した場合には、制限時間計測手段(131)は、当初設定されていた遊技制限時間(例えば4.1秒)の時計測が終了した後も、前記延長時間を加えた時間(4.1+α秒)の時計測が終了するまで、時計測を継続する。
制限時間計測手段(131)が、所定の遊技制限時間(延長された遊技制限時間又は延長されない遊技制限時間)の時計測を終了すると、操作無効手段(133)が無効を解除して、回転リール(40)が回転開始し、あるいはストップスイッチ(50)による停止操作が可能となる。
【0018】
本発明によれば、特定の当選役が当選した遊技においては、ウエイト期間が延長されるので、遊技者は、スタートスイッチ(30)又はストップスイッチ(50)が効かなくなることで、当選を察知することができる。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項2記載の発明は、前記遊技制限時間設定手段(132)は、前記当選抽選手段(110)が抽出した抽出乱数値が、前記当選判定テーブル(113)の特定の当選役に対応する当選領域に属する場合には、前記制限時間計測手段(131)が計測している遊技制限時間を、前記規定遊技制限時間の範囲内において所定時間だけ延長させることができ、前記制限時間計測手段(131)が計測している前回の遊技の遊技制限時間を延長させた場合には、今回の遊技の遊技制限時間を、前記規定遊技制限時間から前記延長させた時間だけ減じた時間に短縮して設定することを特徴とする。
【0019】
本発明は、特定当選役の当選によって前回の遊技の遊技制限時間を延長する代わりに、今回の遊技で同等の時間、遊技制限時間短縮させることにより、2回の遊技を平均すると遊技制限時間が規定遊技制限時間(4.1秒)となるように形成したものである。従って、延長される時間は、規定遊技制限時間を超えない時間に設定される。
本発明によれば、遊技制限時間を延長して当選の報知を行うと同時に、遊技制限時間が延長された遊技の次遊技を迅速に進行させることができる。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0020】
すなわち、請求項3記載の発明は、前記遊技制限時間設定手段(132)は、前記制限時間計測手段(131)が計測している前回の遊技の遊技制限時間を延長させた場合には、今回の遊技の遊技制限時間を、前記規定遊技制限時間から前記延長させた時間の範囲内において所定時間だけ減じた時間に短縮して設定し、前記延長した時間から前記短縮した時間を減算した残存時間がある場合には、当該残存時間を記憶し、次回の遊技以降の遊技の遊技制限時間を、前記規定遊技制限時間から前記残存時間の範囲内において所定時間だけ減じた時間に短縮して設定可能であることを特徴とする。
本発明は、遊技制限時間の延長分を、複数回の遊技に分散して短縮する(残存時間を消化する)ように形成したものである。ここで、今回の遊技で短縮させる所定時間は、延長させた時間の範囲内で抽選により決定してもよいし、あらかじめ定められていてもよい。
【0021】
なお、遊技制限時間が短縮設定されている遊技中に再度特定当選役に当選し、当該遊技の遊技制限時間が延長され次遊技の遊技制限時間が延長時間より短い時間だけ短縮された場合には、残存時間が消化される前に新たな残存時間が発生する。このようなケースは希であると考えられるが、その場合には、未消化の残存時間に新たに発生した残存時間を加算して、加算された残存時間を、その後の複数回の遊技に分けて消化すればよい。
本発明によれば、遊技制限時間を延長して当選の報知を行うと同時に、遊技制限時間が延長された遊技の次遊技以降の複数回の遊技を迅速に進行させることができる。
(請求項4)
請求項4記載の発明は、上記した請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0022】
すなわち、請求項4記載の発明は、前記遊技制限時間設定手段(132)は、前記制限時間計測手段(131)が前回の遊技中に時計測を開始した遊技制限時間の時計測中に、前記スタートスイッチ(30)が操作された場合において、前記当選抽選手段(110)が抽出した抽出乱数値が、前記当選判定テーブル(113)の特定の当選役に対応する当選領域に属さない場合であっても、所定の確率で、前記制限時間計測手段(131)が計測している遊技制限時間を延長させることができることを特徴とする。
本発明は、当選判定の抽選結果がハズレの場合でも、遊技制限時間を延長させるか否かの抽選結果に基づいて、遊技制限時間が延長される場合があるように形成したものである。
【0023】
本発明によれば、遊技制限時間が長くなったことで、特定当選役が当選しているかもしれないという期待感を遊技者に抱かせることができる。
(請求項5)
請求項5記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項5記載の発明は、遊技機を、複数の図柄を変動表示及び停止表示可能な複数の図柄表示手段、少なくとも前記図柄表示手段の図柄変動を開始させるための図柄変動開始手段及び複数の前記図柄表示手段の図柄変動を個々に停止させるための図柄変動停止手段とから構成される、遊技を行うための操作手段、前記図柄変動開始手段の操作時に乱数を抽出し、当該抽出乱数値と複数種類の当選及びハズレの領域を定めた当選判定テーブル(113)とを対比して、当選か否かの当選判定の抽選を行うための当選抽選手段(110)、前記当選判定の抽選結果が所定の当選役に当選し、前記複数の図柄表示手段の当選に係る図柄を、前記図柄変動停止手段の操作により予め定められた態様に停止させることができた場合に入賞として扱うための入賞判定手段、前記図柄変動開始手段の操作後、前記複数の図柄表示手段がすべて停止操作可能となったときまでの間のいずれかの時から時計測を開始し、当該遊技に設定された遊技制限時間を計測するとともに、遊技制限時間設定手段が遊技制限時間を延長した場合には、計測中の遊技制限時間の計測終了後も、前記延長された遊技制限時間が終了するまで時計測を継続する制限時間計測手段(131)、前記制限時間計測手段(131)が前回の遊技中に時計測を開始した遊技制限時間の時計測中に、前記図柄変動開始手段が操作された場合において、前記当選抽選手段(110)が抽出した抽出乱数値が、前記当選判定テーブル(113)の特定の当選役に対応する当選領域に属しない場合には、今回の遊技の遊技制限時間を、あらかじめ定められた規定遊技制限時間に設定するとともに、前記当選抽選手段(110)が抽出した抽出乱数値が、前記当選判定テーブル(113)の特定の当選役に対応する当選領域に属する場合には、前記制限時間計測手段(131)が計測している遊技制限時間を、所定時間だけ延長させることができる遊技制限時間設定手段(132)、前記制限時間計測手段(131)が前回の遊技中に時計測を開始した遊技制限時間の時計測中に、前記操作手段のいずれかが操作された場合には、当該操作に基づく今回の遊技の図柄表示手段の図柄変動開始又は図柄変動停止のいずれかを無効にするとともに、前記制限時間計測手段(131)が前記規定遊技制限時間又は前記遊技制限時間設定手段によって延長された遊技制限時間の時計測を終了した場合には、前記操作手段の操作に基づく前記図柄表示手段の図柄変動開始又は図柄変動停止の無効を解除するための操作無効手段(133)、として機能させるための遊技機用プログラムである。
【0024】
ここで、遊技機としては、スロットマシンなどの現実の遊技機でもよく、液晶ディスプレイやCRTなどの画像表示装置に表示させた擬似的な遊技機であってもよい。
また、前記図柄表示手段を、周囲に複数の図柄を表示した回転リール(40)とし、この回転リール(40)の回転を制御するように形成することができる。この場合、前記図柄変動開始手段は、回転リール(40)の回転を開始させるためのスタートスイッチ(30)とすることができ、前記図柄変動停止手段は、回転リール(40)の回転を停止させるためのストップスイッチ(50)とすることができる。
あるいは、前記図柄表示手段を、液晶ディスプレイやCRTなどの画像表示装置とし、これに複数の図柄を変動表示又は停止表示させるように形成してもよい。
【0025】
前記入賞判定手段は、この遊技機用プログラムを用いて現実の遊技機を制御しようとする場合には、ホッパーユニット(65)を作動させて遊技者に対してメダル等対価の払い出しを行うように形成することができる。一方、この遊技機用プログラムを用いて業務用、家庭用のテレビゲーム機等を制御しようとする場合には、液晶ディスプレイやCRTなどの画像表示装置に、入賞時にメダルの払い出しがなされるような画像や、手持ちの遊技メダル数が増加するような表示や、所定の得点が加算されるような表示を行うように形成することができる。
このように、本発明は、現実の遊技機を制御するためのプログラムと、業務用、家庭用のテレビゲーム機やパソコン等に読み込まれることによりそれらを遊技機として機能させるためのプログラムとの双方を含むものである。
【0026】
本発明によれば、特定の当選役が当選した遊技においては、ウエイト期間が延長されるので、遊技者は、図柄変動開始手段又は図柄変動停止手段が効かなくなることで、当選を察知することができる。
ところで、本発明においては、前記遊技制限時間設定手段(132)は、前記当選抽選手段(110)が抽出した抽出乱数値が、前記当選判定テーブル(113)の特定の当選役に対応する当選領域に属する場合には、前記制限時間計測手段(131)が計測している遊技制限時間を、前記規定遊技制限時間の範囲内において所定時間だけ延長させることができ、前記制限時間計測手段(131)が計測している前回の遊技の遊技制限時間を延長させた場合には、今回の遊技の遊技制限時間を、前記規定遊技制限時間から前記延長させた時間だけ減じた時間に短縮して設定するように形成することができる。このように形成すれば、遊技制限時間を延長して当選の報知を行うと同時に、遊技制限時間が延長された遊技の次遊技を迅速に進行させることができる。
【0027】
また、前記遊技制限時間設定手段(132)は、前記制限時間計測手段(131)が計測している前回の遊技の遊技制限時間を延長させた場合には、今回の遊技の遊技制限時間を、前記規定遊技制限時間から前記延長させた時間の範囲内において所定時間だけ減じた時間に短縮して設定し、前記延長した時間から前記短縮した時間を減算した残存時間がある場合には、当該残存時間を記憶し、次回の遊技以降の遊技の遊技制限時間を、前記規定遊技制限時間から前記残存時間の範囲内において所定時間だけ減じた時間に短縮して設定可能とすることができる。このように形成した場合には、遊技制限時間を延長して当選の報知を行うと同時に、遊技制限時間が延長された遊技の次遊技以降の複数回の遊技を迅速に進行させることができる。
【0028】
さらに、前記遊技制限時間設定手段(132)は、前記制限時間計測手段(131)が前回の遊技中に時計測を開始した遊技制限時間の時計測中に、前記スタートスイッチ(30)が操作された場合において、前記当選抽選手段(110)が抽出した抽出乱数値が、前記当選判定テーブル(113)の特定の当選役に対応する当選領域に属さない場合であっても、所定の確率で、前記制限時間計測手段(131)が計測している遊技制限時間を延長させるように形成することができる。このように形成すれば、遊技者に期待感を抱かせることができる。
(請求項6)
請求項6記載の発明は、次の点を特徴とする。
【0029】
すなわち、請求項6記載の発明は、遊技機を、複数の図柄を変動表示及び停止表示可能な複数の図柄表示手段、少なくとも前記図柄表示手段の図柄変動を開始させるための図柄変動開始手段及び複数の前記図柄表示手段の図柄変動を個々に停止させるための図柄変動停止手段とから構成される、遊技を行うための操作手段、前記図柄変動開始手段の操作時に乱数を抽出し、当該抽出乱数値と複数種類の当選及びハズレの領域を定めた当選判定テーブル(113)とを対比して、当選か否かの当選判定の抽選を行うための当選抽選手段(110)、前記当選判定の抽選結果が所定の当選役に当選し、前記複数の図柄表示手段の当選に係る図柄を、前記図柄変動停止手段の操作により予め定められた態様に停止させることができた場合に入賞として扱うための入賞判定手段、前記図柄変動開始手段の操作後、前記複数の図柄表示手段がすべて停止操作可能となったときまでの間のいずれかの時から時計測を開始し、当該遊技に設定された遊技制限時間を計測するとともに、遊技制限時間設定手段が遊技制限時間を延長した場合には、計測中の遊技制限時間の計測終了後も、前記延長された遊技制限時間が終了するまで時計測を継続する制限時間計測手段(131)、前記制限時間計測手段(131)が前回の遊技中に時計測を開始した遊技制限時間の時計測中に、前記図柄変動開始手段が操作された場合において、前記当選抽選手段(110)が抽出した抽出乱数値が、前記当選判定テーブル(113)の特定の当選役に対応する当選領域に属しない場合には、今回の遊技の遊技制限時間を、あらかじめ定められた規定遊技制限時間に設定するとともに、前記当選抽選手段(110)が抽出した抽出乱数値が、前記当選判定テーブル(113)の特定の当選役に対応する当選領域に属する場合には、前記制限時間計測手段(131)が計測している遊技制限時間を、所定時間だけ延長させることができる遊技制限時間設定手段(132)、前記制限時間計測手段(131)が前回の遊技中に時計測を開始した遊技制限時間の時計測中に、前記操作手段のいずれかが操作された場合には、当該操作に基づく今回の遊技の図柄表示手段の図柄変動開始又は図柄変動停止のいずれかを無効にするとともに、前記制限時間計測手段(131)が前記規定遊技制限時間又は前記遊技制限時間設定手段によって延長された遊技制限時間の時計測を終了した場合には、前記操作手段の操作に基づく前記図柄表示手段の図柄変動開始又は図柄変動停止の無効を解除するための操作無効手段(133)、として機能させるための遊技機用プログラムを記録した記録媒体である。
【0030】
本発明は、請求項5に記載の遊技機用プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
(作用)
本発明によれば、上記した請求項5記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、以上のように構成されているので、特定の場合にウエイト期間を延長することによって遊技状態の報知を行うことができ、それによって次遊技のウエイト期間を短縮させることも可能な遊技機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明の好適な実施の形態を、遊技機としてスロットマシンを例に、第一乃至第三の実施の形態に分けて、図面に基づき説明する。
(第一の実施の形態)
(図面の説明)
図1乃至図6は、本発明の第一の実施の形態を示すものである。
図1はスロットマシン10の外観正面図、図2はスロットマシンの入力、出力、制御を示すブロック図、図3乃至図6はスロットマシンの作動を示す流れ図である。
(スロットマシン10)
スロットマシン10は、図1に示すように、四角箱状の筐体11を有する。この筐体11には、遊技者側に向かって臨む表示窓12が形成されており、さらに表示窓12には、三個の回転リール40(41,42,43)の図柄を見ることができる図柄表示窓13が形成されている。そして、スロットマシン10の略中央端部には、メダル投入口14が設けられている。
【0033】
スロットマシン10の内部には、図示していないが、スロットマシン10の全体の動作を制御するための制御装置20(図2参照)が内蔵されている。
(制御装置20)
上記制御装置20は、図示しないが、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。ここでCPUは、一個に限定されず、二個以上のCPUで制御するようにしてもよい。また、CPU、ROM、RAM及びI/O等は一体化されてワンチップを構成してもよい。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、次の(1)及び(2)の装置を構成する。
【0034】
(1)遊技制御装置21
(2)演出制御装置22
遊技制御装置21は、スタートスイッチ30及びストップスイッチ50の操作により、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものである。演出制御装置22は、遊技制御装置21からの出力信号、スタートスイッチ30等の操作手段の操作信号に基づいて、ランプ68やスピーカ69等の演出表示装置66を制御するためのものである。
ここで、制御装置20を、主制御装置と、主制御装置からの信号を受信して作動する副制御装置とから構成し、前記遊技制御装置21を主制御装置に、前記演出制御装置22を副制御装置に配置することができる。このように、遊技を司る制御装置と演出を司る制御装置を別個に形成することにより、演出制御に当てられるメモリを大幅に増やすことができると共に、演出のみを変更することもできる。
【0035】
(入力段)
上記制御装置20の入力段には、図2に示すように、次のパーツが接続されている。
(1)投入スイッチ15
(2)ベットスイッチ16
(3)精算スイッチ17
(4)スタートスイッチ30
(5)ストップスイッチ50
なお、入力段としては、上記した(1)乃至(5)のパーツに限定されるものではない。
【0036】
(投入スイッチ15)
投入スイッチ15は、図1に示すように、メダル投入口14の下方に内蔵された検知センサであって、投入された遊技メダルを検知するためのものである。
(ベットスイッチ16)
ベットスイッチ16は、図1に示すように、回転リール40の下方に位置するボタンスイッチであって、クレジットをメダル投入に代えるためのものである。
ここで、クレジットとは、次遊技以降に使用するためのメダルをあらかじめ遊技機内部に貯留しておくことであり、スロットマシン10は、メダル投入口14から投入され投入スイッチ15を通過した遊技メダル、又は入賞により払い出される遊技メダルを、最大50枚まで、遊技機内部に貯留する扱いができるように形成されている。
【0037】
(精算スイッチ17)
精算スイッチ17は、図1に示すように、回転リールの斜め下方に位置するボタンスイッチであって、貯留した投入メダルを払い出すためのものである。
(スタートスイッチ30)
スタートスイッチ30は、図1に示すように、回転リール40の斜め下方に位置するレバーであって、遊技メダルの投入若しくはベットスイッチ16の押下を条件に、または、「再遊技(Replay)」時には前遊技から所定時間経過を条件に、リールユニット60の駆動を開始させるためのものである。スタートスイッチ30の筐体内部側には、特に図示しないが、レバーの押下による移動を検知する遮光センサが設けられていて、レバー押下が検知されるとともに、当該検知信号が操作信号として制御装置20に出力されるようになっている。
【0038】
ここで、「再遊技(Replay)」とは、当選抽選手段110の抽選により、「再遊技(Replay)」のフラグが成立し、「再遊技(Replay)」の図柄が入賞有効ライン上に揃うことにより、次の遊技において、遊技メダルを新たに投入することなく、再度、遊技を行うことができるものである。
なお、スロットマシン10は、所定のウエイト期間中においては、スタートスイッチ30が操作されても、回転リール40を回転開始させないようになっているが、これについては後述する。
(ストップスイッチ50)
ストップスイッチ50は、リールユニット60の駆動を停止させるためのものである。具体的には、ストップスイッチ50は、図1に示すように、各回転リール40に対応した三個の停止ボタン51,52,53から構成され、各回転リール40の下方に1個ずつ配置されている。各停止ボタン51,52,53の筐体内部側には、特に図示しないが、接触により通電する接触センサ、あるいはボタンの押下による移動を検知する遮光センサが設けられていて、ボタンの押下が検知されるとともに、当該検知信号が操作信号として制御装置20に出力されるようになっている。
【0039】
そして、回転リール40に対応したストップスイッチ50の操作により、当該対応した回転リール40が回転を停止するように設定されているものである。すなわち、左側の停止ボタン51の操作により左リール41を停止させることができ、中央の停止ボタン52の操作により中リール42を、右側の停止ボタン53の操作により右リール43を、それぞれ停止させることができる。
(出力段)
前記制御装置20の出力段には、図2に示すように、次のパーツが接続されている。
(1)リールユニット60
(2)ホッパーユニット65
(3)演出表示装置66(画像表示部67及びランプ68及びスピーカ69)
なお、出力段としては、上記した(1)乃至(3)のパーツに限定されるものではない。
【0040】
(リールユニット60)
リールユニット60は、特に図示しないが枠体に固定或いは支持された三個のモータと、各々のモータの出力軸に固定された左リール41、中リール42、右リール43(図1参照)の三個の回転リール40から構成されている。
そして、各回転リール40は、合成樹脂からなる回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるテープ状のリールテープとを備えている。このリールテープの外周面には、複数個(例えば21個)の図柄が表示されている。
(ホッパーユニット65)
ホッパーユニット65は、図1に示すように、筐体11の内部に設けられた払い出し装置であって、遊技の結果に基づいて、遊技者にメダルを払い出すためのものである。
【0041】
(演出表示装置66)
演出表示装置66は、演出制御装置22の制御により、入賞等を報知させるなど、種々の演出を行うものである。具体的には、演出表示装置66は、画像表示部67及びランプ68及びスピーカ69から構成されている。
画像表示部67は、回転リール40の側方に設けられた窓部であり、LED、ドットマトリックス、液晶画面等を用いて、入賞の報知その他の演出を表示するためのものである。なお、画像表示部67としては上記のものに限られず、例えば演出専用の回転リールを設け、リールの図柄や文字等により演出を表示するようにしても良い。
【0042】
ランプ68及びスピーカ69は、発光体の点灯又は点滅、入賞音の発生により入賞等を報知するためのものである。
(遊技制御装置21)
次に、遊技制御装置21について詳述する。
遊技制御装置21は、スタートスイッチ30及びストップスイッチ50の操作により、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものである。そして、この遊技制御装置21は、次の(1)乃至(7)の手段として機能する。
(1)通常遊技制御手段70
(2)特別遊技制御手段80
(3)当選抽選手段110
(4)リール制御手段120
(5)遊技制限制御手段130
(6)ホッパー制御手段140
(7)入賞判定手段150
なお、遊技制御装置21としては、上記した(1)乃至(7)の手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいても良い。
【0043】
(通常遊技制御手段70)
通常遊技制御手段70は、通常遊技を行わせるためのものである。
すなわち、メダルの投入若しくはベットスイッチ16の押下を条件に、または、「再遊技(Replay)」時には前遊技から所定時間経過を条件に、スタートスイッチ30を操作すると、リールユニット60が駆動され、三個の回転リール40が回転を開始する。
その後、ストップスイッチ50の一個を操作すると、当該対応する回転リール40の回転が停止する。そして、ストップスイッチ50を三個全て操作し終わると、三個の回転リール40の回転が全て停止する。このとき、表示窓12の入賞有効ライン上に、予め設定された図柄が停止すると、ホッパーユニット65を介して所定枚数のメダルが払い出される。なお、メダルを払い出す代わりに、クレジットしても良い。
【0044】
当選には、入賞により遊技メダルの払い出しを伴い、遊技者に利益を付与する小役当選と、この小役当選よりもさらに大きな利益を遊技者に付与する特別当選と、遊技メダルの払い出しは無いが、遊技メダルを新たに投入することなく再度の遊技を行うことができる「再遊技(Replay)」とを備えている。
また、抽選結果がいずれかの役に当選となった場合、その当選に対応した当選フラグが成立する。そして、抽選結果が特別当選である場合に、特別当選フラグが成立し、この特別当選フラグ成立中に、リールユニット60の回転リール40の停止図柄の組み合わせが、予め定められた所定の特別当選図柄(例えば、入賞有効ライン上に「7」が三個揃うもの)と一致したことを条件に入賞し、遊技者に有利な特別遊技を行わせるように形成されている。
【0045】
一方、抽選により特別当選フラグが成立したが、回転リール40の停止図柄の組み合わせが特別当選図柄と一致していない場合には、それ以後の遊技に特別当選フラグ成立の権利が持ち越されるように設定されている。なお、小役の当選フラグは、当選フラグが成立した遊技で入賞させられない場合、当選フラグ成立の権利の次の遊技への持ち越しはない。
また、いずれかの当選フラグが成立中に、対応する当選図柄を入賞有効ライン上に揃えることができるか否かは、回転リール40の回転速度が一定の場合、ストップスイッチ50のタイミングによるものである。具体的には、ストップスイッチ50を操作した後、190ms以内に回転リール40が停止するように設定されているため、ストップスイッチ50を操作した後、そのまま停止させるか、或いは190ms以内に停止可能な回転リール40の円周上の引き込み可能図柄、例えば停止図柄から連続する4個の引き込み可能図柄の中に、対応する入賞図柄が含まれているような場合には、停止するまでの時間を遅らせて、回転リール40は入賞有効ライン上にその当選図柄を引き込んで停止する。一方、かかる4個の引き込み可能図柄の中に、対応する当選図柄が含まれていないような場合には、入賞有効ライン上にその当選図柄を引き込んで停止することができない。
【0046】
(特別遊技制御手段80)
特別遊技制御手段80は、抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を行わせるためのものである。
上記特別遊技としては、大別すると、次のゲームがある。
(1)特定導入遊技(ビッグボーナスゲーム・以下BBゲームという)
(2)特定遊技(レギュラーボーナスゲーム・以下RBゲーム)
(3)特定当選遊技(ジャックゲーム・以下JACゲームという)
なお、RBゲームは、BBゲーム中に行われる場合と、BBゲーム中でないときにも単独で行われる場合がある。JACゲームは、RBゲーム中に行われるものである。また、特別遊技としては、上記した(1)乃至(3)の遊技に限定されるものではない。
【0047】
特別遊技制御手段80は、図1に示すように、大別すると、次の手段を備える。
(1)特定導入遊技制御手段90
(2)特定遊技制御手段100
(特定導入遊技制御手段90)
特定導入遊技制御手段90は、BBゲームを制御するためのものである。
具体的には、通常遊技において、例えば「7」等の図柄が入賞有効ライン上に三個揃うと、ホッパーユニット65を介して、例えば15枚のメダルが払い出される。このとき、BBゲームが開始される。
【0048】
BBゲームに移行すると、通常遊技と同様に最大3枚のメダルの投入によって開始され、3つの回転リール40の回転を各々停止させた際に、入賞有効ライン上に当選図柄が揃っているか否かによって、メダルの払い出しが行われるものである。
したがって、BBゲーム中では、通常遊技と同様に小役を含めた抽選が毎回行われるものである。ただ、このBBゲーム中にRBゲームに移行するための特定当選図柄が入賞有効ライン上に揃った場合には、その後RBゲームに移行するものである。
なお、RBゲームが終了した後は、また前述したような通常遊技と同様な抽選及び制御が行われる。そして、BBゲームは、一定枚数のメダル払い出し終了により終了するものである。
【0049】
(特定遊技制御手段100)
特定遊技制御手段100は、RBゲームを制御するためのものである。
具体的には、RBゲームに移行すると、メダルが1枚投入となり、回転リール40の所定の図柄が表示窓12のセンターライン上に揃った場合に入賞となる特定当選遊技が行われるものである。そして、RBゲームでは、入賞するか否かの特定当選遊技が最大12回行えるものであり、そのうち、最大8回の入賞が可能である。すなわち、最大8回の入賞するか、或いは最大12回の特定当選遊技の終了により、RBゲームは終了するものである。
(当選抽選手段110)
当選抽選手段110は、予め定めた抽選確率に基づいて、当選か否かの当選判定の抽選を行うものである。そして、当選抽選手段110による抽選の結果、所定の当選役に当選である場合に当選フラグが成立し、この当選フラグ成立中に、回転リール40の停止図柄の組み合わせが予め定められた当選図柄と一致したことを条件に入賞し、遊技者にメダルの払い出しや、特別遊技等の利益が付与されるように設定されている。
【0050】
上記当選抽選手段110は、図1に示すように、大別すると、次の手段を備える。
(1)乱数発生手段111
(2)乱数抽出手段112
(3)当選判定テーブル113
(4)判定手段114
なお、当選抽選手段110としては、上記した(1)乃至(4)に限定されるものではない。
(乱数発生手段111)
乱数発生手段111は、当選抽選用の乱数を所定の領域内(例えば十進数で0〜65535)で発生させるものである。
【0051】
(乱数抽出手段112)
乱数抽出手段112は、乱数発生手段111が発生する乱数を、スタートスイッチ30の操作タイミングで抽出するものである。なお、この抽出した乱数を抽出乱数データとする。
なおここで、「乱数発生手段」としては、ソフト乱数としての平均採中法等で乱数を発生させることができるものの他に、一定範囲の数字を高速で1づつ加算するカウンタを用いて構成することもできる。例えば、0〜16383の範囲の数字を、1秒間に700万回程度順次繰り返すようにしたカウンタが考えられる。そして、「乱数抽出手段」としては、スタートスイッチを押したタイミングでカウンタの数字を読みとることなる。
【0052】
このように形成すると、「乱数発生手段」では乱数を発生しているわけではないものの、「乱数抽出手段」によって抽出される数字は、あたかも乱数のような分布となる。このように、結果として乱数のような分布を示す数字が得られる手段を、ここでは「乱数発生手段」あるいは「乱数抽出手段」に含めて考えるものとする。
(当選判定テーブル113)
当選判定テーブル113は、乱数発生手段111がとる乱数の全領域中、各当選項目の当選領域を有するものである。
(判定手段114)
判定手段114は、乱数抽出手段112が抽出した抽出乱数データと、当選判定テーブル113の抽選確率データを基に、乱数発生手段111がとる乱数の全領域中の各当選項目の当選領域からなる当選判定領域データとを照合し、当該抽出乱数データが属する当選領域に対応する当選を決定するものである。
【0053】
(リール制御手段120)
リール制御手段120は、有効なスタートスイッチ30の操作に基づいて回転リール40を回転させると共に、特に図示しないがリール回転検知センサの検知信号に基づいて図柄の現在位置を認識しつつ、当選抽選手段110の抽選結果及び有効なストップスイッチ50の操作タイミングに基づいて、回転リール40の停止を制御するためのものである。
具体的には、リール制御手段120は、投入スイッチ15が投入メダルを検知した場合、クレジットが「1」以上の場合、及びホッパーユニット65がメダルの払い出し中でないなど、所定の遊技開始条件を満たしている場合であって、後述する遊技制限制御手段130がスタート操作の無効を解除している場合には、スタートスイッチ30の操作信号に基づくスタート信号(リールユニット60のモータを駆動開始させるための信号)を出力し、全ての回転リール40を回転開始させる。
【0054】
また、リール制御手段120は、いずれかのストップスイッチ50が操作された場合に、当該ストップスイッチ50の操作信号に基づくストップ信号(各回転リール40のモータを駆動停止させるための信号)を出力し、回転リール40の回転を個々に停止させる。回転リール40を停止させる際、当選抽選手段110の抽選結果がハズレの場合には、三個の回転リール40の停止図柄が如何なる入賞の態様にも揃わないように蹴飛ばし制御を行い、抽選結果が所定の当選役に当選の場合には、三個の回転リール40の停止図柄が極力当該当選に係る入賞の態様となるように蹴飛ばし及び引き込み制御を行う。これらの制御は、ストップスイッチ50の操作信号受信とストップ信号出力のタイミングをずらして、回転リール40が停止するまでの時間を遅らせることにより行われる。
【0055】
なお、以下に述べる遊技制限制御手段130がスタート操作の無効を解除していない場合には、スタートスイッチ30が操作されてもスタート信号が出力されることはなく、回転リール40も回転開始しない。
(遊技制限制御手段130)
遊技制限制御手段130は、前遊技が終了後、所定のウエイト期間中においては、スタートスイッチ30のスタート操作を無効にする(有効化しない)ことにより、次遊技を行わせないためのものである。
ここで、「ウエイト期間」とは、一定時間内に投入するメダル数が多大にならないよう定められた法規制に基づき設定されている時間であって、前回の遊技の開始から今回の遊技が開始可能となるまでの時間(規定ウエイト期間4.1秒)である。本実施の形態においては、このウエイト期間のタイムカウントを、回転リール40の回転開始から行うようにしている。
【0056】
さらに、本実施の形態においては、所定の場合には、前記規定ウエイト期間が延長され、あるいは短縮されるように形成されている。
そして、遊技制限制御手段130は、図2に示すように、次の(1)乃至(3)の手段を有している。
(1)ウエイト期間計測手段131
(2)ウエイト期間設定手段132
(3)操作無効手段133
なお、遊技制限制御手段130としては、上記以外の手段を有していてもかまわない。
【0057】
(ウエイト期間計測手段131)
ウエイト期間計測手段131は、ウエイト期間を計測するための時計測手段であり、特に図示しないが、パルス発信器の発信パルス数をカウントすることにより時計測を行うカウンタと、所定のタイムカウント終了時にタイムアップ信号を出力する信号出力手段を有している。
ウエイト期間計測手段131は、後述するウエイト期間設定手段132によってウエイト期間が規定ウエイト期間に設定されている場合には、回転リール40の回転開始を契機にタイムカウントを開始し、4.1秒のタイムカウント終了後にタイムアップ信号を出力する。
【0058】
一方、ウエイト期間の計測中に、ウエイト期間設定手段132によって、ウエイト期間の延長(例えばα秒)が決定された場合には、当該延長された時間(4.1+α秒)のタイムカウント終了後にタイムアップ信号を出力する。
さらに、ウエイト期間が延長された遊技の次遊技においては、規定ウエイト期間にプラスされた時間(上記α)を4.1秒から減算した時間(4.1−α秒)のタイムカウント終了後にタイムアップ信号を出力するようになっている。
(ウエイト期間設定手段132)
ウエイト期間設定手段132は、前回の遊技のウエイト期間の終了前に、スタートスイッチ30が操作された場合に、当該遊技の当選抽選手段110の抽選結果及びウエイト延長抽選の抽選結果に基づいて、前回の遊技のウエイト期間の延長及び今回の遊技のウエイト期間の短縮の決定を行うためのものである。
【0059】
ここで、「前回の遊技」とは、直前に終了した遊技(非入賞の場合には回転リール40が全停止し、入賞の場合には入賞メダルの払い出しが終了した遊技)のことであり、「今回の遊技」とは、前回の遊技後に回転リール40の回転を開始させる遊技のことである。
具体的には、ウエイト期間設定手段132は、前記ウエイト期間計測手段131がタイムアップ信号を出力する前に、スタートスイッチ30の操作信号を受信した場合に作動する。そして、スタートスイッチ30の操作信号受信のタイミングで行われる当選抽選手段110の当選判定の抽選結果が、特定の当選役に当選した場合には、当選役に応じてあらかじめ定められた時間を、規定ウエイト期間に加算して、当該遊技のウエイト期間として設定する。例えば、BB当選の場合には2秒、RB当選の場合には1秒を、4.1秒に加えた時間をウエイト期間とする。
【0060】
なお、加算する時間(延長時間)は、4.1秒を超えない範囲とする。これは、後述するが、本実施の形態においては、加算した時間と同じ時間を、次遊技(今回の遊技)の規定ウエイト期間(4.1秒)から減算するようになっているためである。
また、当選の有無は、当選フラグが成立しているか否かではなく、当選判定手段110が当選の評価をしたかどうかによって判断する。また、当選判定手段110が当選の評価をした場合であって、かつ特定の当選役が特定の抽出乱数によって当選した場合に、ウエイト期間を延長するようにしてもよい。例えば、BB当選用の乱数が「1」と「77」に設定されているとしたら、当選抽選手段110の乱数抽出手段112が「1」を抽出してBB当選となった場合にのみ、あるいは「77」を抽出してBB当選となった場合にのみ、ウエイト期間の延長を決定する。
【0061】
さらに、ウエイト期間設定手段132は、当選抽選手段110の当選判定の抽選結果が、特定の当選役に当選しなかった場合(ハズレの場合及び特定当選役以外の当選役が当選した場合、あるいは特定の当選役が当選したが特定の抽出乱数によって当選しなかった場合)には、ウエイト期間を延長するか否かのウエイト延長抽選を行うように形成されている。
ウエイト期間設定手段132は、特に図示しない抽選手段を備えており、「当たり」と「ハズレ」の領域を所定の割合で定めた抽選テーブルと抽出乱数(当選判定手段110による抽出乱数とは異なる)を対比することにより、ウエイト延長抽選に当選かハズレかを決定する。 なお、抽選テーブルの「当たり」の領域には、「延長1秒」「延長2秒」のように、延長される時間を設定した当選領域を設けてもよい。ウエイト延長抽選に当選した場合には、あらかじめ定めた所定の時間、あるいは抽選により決定された所定時間、ウエイト期間の延長を決定する。
【0062】
また、ウエイト延長抽選は、当選抽選手段110の抽選結果がハズレの場合と、特定当選役以外の当選役に当選した場合とで、「当たり」となる確率が変化する(当選確率の異なる抽選テーブルを用いて判定する)ように形成してもよい。この場合、ハズレの場合よりも特定当選役以外の当選役に当選した場合の方が、当たりとなる確率(ウエイト延長される確率)が高くなるように設定するのが好ましい。
そして、ウエイト期間設定手段132は、上記のように前回の遊技のウエイト期間の延長を決定した場合には、今回の遊技のウエイト期間を、延長された時間と同じ時間だけ短縮する決定を行う。例えば、前回の遊技のウエイト期間が2秒延長されて6.1秒となった場合には、今回の遊技のウエイト期間は4.1秒から2秒を減算した2.1秒に設定する。このように、ある遊技においてウエイト期間が延長された場合には、次遊技でウエイト期間が短縮されるので、次遊技ではほとんどウエイトなしで遊技を行うことができるとともに、2回の遊技の平均をとればウエイト期間は4.1秒となるため、法規制にも抵触しない。
【0063】
ここで、ウエイト期間延長後のウエイト期間短縮に係る遊技において、ウエイト期間内(2.1秒)にスタートスイッチ30が押下され、当該遊技のウエイト期間が2秒延長されて4.1秒になり、次遊技がウエイト短縮されてまた2.1秒になるということもありうる。しかし、連続してウエイト延長が決定されるのは希であること、及び短縮されたウエイト期間内にスタートスイッチ30が押下されることも希であることから、ウエイト期間短縮によって遊技期間全体でウエイト期間が目に見えて短くなるといった不都合は生じない。
(操作無効手段133)
操作無効手段133は、ウエイト期間終了前のスタートスイッチ30のスタート操作を無効にさせる処理を行うためのものである。
【0064】
ここで、「スタート操作を無効にさせる」とは、本実施の形態においては、リール制御手段120のスタート信号がリールユニット60に出力されないようにすることである。具体的には、リールユニット60とリール制御手段120とをつなぐ電気的接続経路中に、所定の信号遮断手段(図示せず)を設け、この信号遮断手段が作動しているときにはリール制御手段120すらのスタート信号がリールユニット60に通達せず、信号遮断手段が非作動のときにはスタート信号がリールユニット60に通達するように形成することができる。信号遮断手段は、電気回路中に設けた論理回路手段やスイッチ手段であってもよいし、そのようなプログラムを制御装置20に組み込んだものであってもよい。
【0065】
ここで、回転リール40の回転開始から次遊技のメダル投入又はベットスイッチ16の操作までの間は、スタートスイッチ30の操作信号が無効(制御装置20に出力されない)となっており、スタートスイッチ30を操作しても何事も起こらない。メダル投入又はベットスイッチ16の操作を契機に、スタートスイッチ30の操作信号が有効化し、当選抽選手段110は、スタートスイッチ30の操作信号に基づいて当選判定の抽選を行う(乱数抽出を行う)。
そして、操作無効手段133は、メダル投入又はベットスイッチ16の操作からウエイト期間が終了するまでの間、前記信号遮断手段を作動させる。このため、スタートスイッチ30の操作信号は有効になっても、リール制御手段120が出力するスタート信号がリールユニット60に届かないので、回転リール40は回転しない。
【0066】
そして、ウエイト期間が終了した場合には、前記信号遮断手段を非作動にする。これにより、スタート操作の無効が解除され、リール制御手段120から出力されているスタート信号がリールユニット60に到達し、回転リール40が回転を開始する。すなわち、スタートスイッチ30を一度押下操作していれば、再操作しなくても、スタート操作の無効が解除されしだい、自動的に回転リール40が回転を開始する。
(ホッパー制御手段140)
ホッパー制御手段140は、入賞判定手段150からのメダル払い出し信号や、精算スイッチ17の操作信号に基づいて、ホッパーユニット65を作動させるためのものである。
【0067】
(入賞判定手段150)
入賞判定手段150は、当選判定の抽選結果が当選の場合に、ストップスイッチ50の操作で三個の回転リール40の当選図柄を入賞の態様に停止させることができたかどうかを判断し、当選図柄を入賞の態様に停止させることができた場合には入賞を決定する。そして、入賞がメダル払い出しを伴う場合には、ホッパーユニット65に遊技メダルの払い出し信号を出力し、ボーナスゲーム入賞などの特別入賞の場合には、特別遊技制御手段80に特別遊技を開始させたりするためのものである。
(スロットマシン10の作動)
次に、上記構成を有するスロットマシン10の作動の概略を、図3乃至図7のフローに基づき説明する。
【0068】
まず、図3に示すステップ100において、スタートスイッチ30がONとなったか否かが判断される。スタートスイッチ30がONにならない場合には、ステップ100に戻る。一方、スタートスイッチ30がONとなった場合には、次のステップ101に進む。
ステップ101において、当選抽選手段110により抽選処理が行われる。そして、次のステップ102に進む。
ステップ102において、遊技制限制御手段130によりウエイト期間の設定処理が行われる。そして、次のステップ103に進む。
ステップ103において、遊技制限制御手段130がスタート操作の無効を解除したか否かが判断される。スタート操作の無効が解除されていない場合には、ステップ103に戻る。一方、スタート操作の無効が解除されている場合には、次のステップ104に進む。
【0069】
ステップ104において、回転リール40の回転が開始する。なお、回転リール40の回転開始を契機に、ウエイト期間計測手段131が遊技実行制限期間のタイムカウントを開始する。そして、次のステップ105に進む。
ステップ105において、ストップスイッチ50が操作されたか、ここでは、いずれかの停止ボタンの停止信号がリール制御手段120に出力されたか否かが判断される。ストップスイッチ50が操作されない場合には、ステップ105に戻る。ストップスイッチ50が操作された場合には、次のステップ106に進む。
ステップ106において、回転リール40の回転停止処理が行われる。そして、次のステップ107に進む。
【0070】
ステップ107において、三個の回転リール40に対応するストップスイッチ50の操作が行われたか否かが判定される。そして、三個の回転リール40に対応するストップスイッチ50の操作が行われていないと判定された場合、ステップ105に戻る。一方、三個の回転リール40に対応するストップスイッチ50の操作が行われたと判定された場合には、次のステップ108に進む。
ステップ108において、当選フラグ成立中に当該当選フラグに対応する当選図柄が入賞有効ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞したか否かが判定される。そして、入賞したと判定された場合、次のステップ109に進む。
【0071】
ステップ109において、当選図柄に相当するメダルの払い出しや、特別遊技への移行処理などの入賞処理が行われる。そして、遊技が終了する。
前記ステップ108において、入賞していないと判定された場合、ステップ109を飛び越して、遊技が終了する。
なお、上記フローにおいて、ステップ104で回転リール40の回転開始となっているが、これは制御の流れを示す便宜上その位置に記載してあるものであり、実際には、スタート操作の無効が解除されることにより回転リール40が回転開始し、それと同時にウエイト期間計測手段131がウエイトカウントを開始する。
【0072】
上述したステップ101の抽選処理について、図4のフローを用いて説明する。
ステップ200において、当選抽選手段110の乱数発生手段111により発生された乱数の中から乱数抽出手段112により乱数が抽出される。そして、次のステップ201に進む。
ステップ201において、抽出された乱数が乱数抽出手段112の内部に記憶される。そして、次のステップ202に進む。
ステップ202において、判定手段114により、抽出された乱数と、当選判定テーブル113の当選判定領域データとの比較が行われる。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、判定手段114により、抽出された乱数が、当選判定テーブル113のどの当選領域に含まれるか決定され、抽選処理の評価が決定される。そして、次のステップ204に進む。
【0073】
ステップ204において、所定の図柄の蹴飛ばしと、所定図柄の引き込みとが設定される。そして、抽選処理が終了する。
上述したステップ106の回転リール40の回転停止処理について、図5を用いて説明する。
ステップ300において、所定の図柄に対して、蹴飛ばしの設定が達成されたか否かが判定される。そして、所定の図柄の蹴飛ばしの設定が達成されていないと判定された場合、次のステップ301に進む。
ステップ301において、1個の図柄分だけ、回転リール40を回転させる。すなわち、1個の図柄分だけ蹴飛ばしを行う。そして、次のステップ302に進む。
【0074】
ステップ302において、上述した1個の図柄分だけ回転リール40を回転させた当該図柄の数がストップスイッチ50の操作後の4個目に該当するか否かが判定される。そして、ストップスイッチ50を操作した後、1図柄ずつ回転リール40を回転させてずらした図柄の数が4個目の場合には、次のステップ303に進む。
ステップ303において、回転リール40の回転を停止させる。これにより、メダル投入から回転リール40の回転停止までのスロットマシン10の動作が終了する。
前記ステップ300において、所定の図柄の蹴飛ばしの設定が達成されていると判定された場合、次のステップ304に進む。
【0075】
ステップ304において、いずれかの図柄に対して引き込みが設定されているか否かが判定される。そして、いずれかの図柄に対して引き込みが設定されていると判定された場合、次のステップ305に進む。
ステップ305において、引き込み設定が達成されたか否かが判定される。そして、引き込み設定が達成されたと判定された場合、次のステップ303に進む。
前記ステップ304において、いずれの図柄に対しても引き込みが設定されていないと判定された場合、ステップ303に進む。
前記ステップ305において、引き込み設定が達成されていないと判定された場合、ステップ301に進む。
【0076】
前記ステップ302において、ストップスイッチ50を操作した後、1図柄ずつ回転リール40を回転させてずらした図柄の数が4個目でない場合には、ステップ300に戻る。
ここで、回転リール40の停止処理に関してステップ301〜ステップ305で説明しているが、この例は、いわゆる最小引き込み停止制御の例であり、逆に最大引き込み停止制御としても良い。更には、例えば、ストップスイッチ50を押すタイミングで予め定めたテーブルに従って回転リール40の停止位置を決定する、いわゆるテーブル停止制御の方法によるものでもよい。このテーブル停止制御は、当選フラグ成立の有無や、当選フラグ成立中の当選図柄に基づいた複数のテーブルを有し、この複数のテーブルから適宜、遊技状況に応じたテーブルが選択されるものである。
【0077】
なお、テーブル停止制御においても、当選フラグが成立しているときには、その当選フラグに対応する図柄が入賞有効ライン上に揃うように、予めテーブルの上で停止位置が決定されてあり、いわゆる引き込み設定の一種を備えているものである。また、当選フラグが成立していないときには、他の当選図柄が入賞有効ライン上に揃わないように、予めテーブルの上で停止位置が決定されてあり、いわゆる蹴飛ばし設定の一種を備えているものである。
次に、図3におけるステップ102のウエイト設定処理について、図6のフローに基づき説明する。
【0078】
まず、図6のステップ400において、前回の遊技のウエイト期間(4.1秒又は短縮されたウエイト期間)が終了しているか否か(すなわちウエイト期間計測手段131からタイムアップ信号が出力されているか否か)が判断される。そしてウエイト期間が終了していない場合には、次のステップ401に進む。
ステップ401において、スタート操作が無効にされる。具体的には、スタートスイッチ30の操作信号に基づくリール制御手段120からのスタート信号が、リールユニット60に出力されない。そして、次のステップ402に進む。
ステップ402において、当選判定の抽選結果が、特定乱数の抽出による当選であったか否かが判断される。特定乱数の抽出による当選でない場合、すなわち、抽選結果がハズレの場合、特定当選役以外の当選役に当選の場合、特定当選役に当選しているが特定乱数の抽出による当選でない場合には、次のステップ403に進む。
【0079】
ステップ403において、ウエイト期間設定手段132によりウエイト延長抽選が行われる。そして、次のステップ404に進む。
ステップ404において、ウエイト延長抽選に当選したか否かが判断される。ウエイト延長抽選に当選した場合には、次のステップ405に進む。
前記ステップ402において、当選判定の抽選結果が、特定乱数の抽出による当選であった場合には、ステップ403、404を飛び越してステップ405に進む。
ステップ405において、特定当選に基づいて、あるいはウエイト延長抽選の結果に基づいて、前回の遊技の延長時間(例えば2秒)が決定され、延長されたウエイト期間(最大4.1+2=6.1秒)が設定される。ウエイト期間計測手段131は、計測カウントの終了値をここで設定された時間に更新する。そして、次のステップ406に進む。
【0080】
ステップ406において、延長されたウエイト期間が終了したか否かが判断される。延長されたウエイト期間が終了しない場合には、ステップ406に戻る。一方、延長されたウエイト期間が終了した場合には、次のステップ407に進む。
ステップ407において、今回の遊技のウエイトカウントの減算設定を行う。具体的には、ウエイト期間計測手段131の計測カウントを、延長された時間分だけ短くして設定する。例えば、ウエイト期間のタイムカウントを2秒から開始させるように設定する。そして、次のステップ408に進む。
前記ステップ404において、ウエイト延長抽選に当選しなかった場合には、ステップ410に進む。
【0081】
ステップ410において、ウエイト期間(延長されないウエイト期間)が終了したか否かが判断される。ウエイト期間が終了していない場合には、ステップ410に戻る。一方、ウエイト期間が終了した場合には、ステップ408に進む。
前記ステップ400において、ウエイト期間が終了している場合には、ステップ408に進む。
ステップ408において、スタート操作の無効を解除する。これにより、すべての回転リール40が回転開始する。そして、次のステップ409に進む。
ステップ409において、ウエイト期間計測手段131がウエイトカウントを開始する。具体的には、ステップ407でウエイト減算設定が行われていない場合には、初期値0から4.1秒のカウントを開始し、ステップ407でウエイト減算設定が行われている場合には、初期値0に延長された時間(例えば2)をプラスした数値から4.1秒のカウントを開始する(つまり計測時間は4.1−2=2.1秒になる)。そして、ウエイト設定処理を終了する。
【0082】
なお、上記フローでは、ステップ402において特定の乱数抽出により特定当選役が当選したか否かを判断しているが、このステップでは、単に特定当選役が当選したか否かを判断するようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態によれば、特定当選役の当選時にウエイト期間が延長されることによって、当該当選を報知することができる。これは、演出の一環として遊技機の作動を一時停止させるいわゆる「フリーズ」と似たものであるが、本実施の形態では、ウエイト期間を延長することにより遊技開実行を制限しているので、次遊技のウエイト期間を短くすることができる。このため、ウエイト期間の延長による遊技不能期間があっても、円滑な遊技進行を妨げることがない。
【0083】
(第二の実施の形態)
上記した第一の実施の形態では、ウエイト期間中はスタートスイッチ30の操作が無効とされる(回転リール40が回転開始しない)ように形成してあったが、ウエイト期間中、スタートスイッチ30の操作により回転リール40を回転開始させることはできるが、ストップスイッチ50が操作無効となるように形成することができる。このように形成されている場合でも、ウエイト期間の延長、短縮は可能である。
以下、図7及び図8に基づき、第二の実施の形態について説明する。なお、第二の実施の形態におけるスロットマシン10の基本的構成は、第一の実施の形態で説明したのと同様であるため、重複する部分は説明を省略し、本実施の形態の特徴点のみ述べる。
【0084】
(遊技制限制御手段130)
第二の実施の形態においても、遊技制限制御手段130は、以下の3つの手段を有している(第一の実施の形態を示す図2参照)。
(1)ウエイト期間計測手段131
(2)ウエイト期間設定手段132
(3)操作無効手段133
なお、遊技制限制御手段130としては、上記以外の手段を有していてもかまわない。
(ウエイト期間計測手段131)
本実施の形態におけるウエイト期間計測手段131は、規定ウエイト期間が設定されている場合には、回転リール40のすべてが定常回転となったとなったときから4.1秒が経過するまでの時間を計測するようになっている。
【0085】
ここで、回転リール40が定常回転となるとは、駆動モータの回転数が一定値に達した場合、すなわち加速期間が終了したときのことである。回転リール40が定常回転になったかどうかは、回転リール40を回転させるための駆動モータの仕様に応じて、スタート信号受信からの一定時間を加速時間としてあらかじめ設定しておくことができる。あるいは、リール回転検知センサ(図示せず)が回転リール40に設けられたスタートインデックス(図示せず)を検知する時間の間隔を測定することにより確認するようにしてもよい。
そして、ウエイト期間設定手段132によって、ウエイト期間の延長が決定された場合には、当該延長された時間を延長されたウエイト期間として計測する。さらに、ウエイト期間が延長された遊技の次遊技においては、延長された時間分を規定ウエイト期間4.1秒から減算した時間を、減算されたウエイト期間として計測するようになっている。
【0086】
(ウエイト期間設定手段132)
ウエイト期間設定手段132は、第一の実施の形態と同様である。
(操作無効手段133)
操作無効手段133は、ウエイト期間終了のストップスイッチ50の停止操作を無効にさせる処理を行うためのものである。
ここで、「停止操作を無効にさせる」とは、本実施の形態においては、各停止ボタン51,52,53の操作信号を受信しても、当該操作信号がリール制御手段120に行かないようにすることである。具体的には、停止ボタン51,52,53の各検知センサとリール制御手段120とをつなぐ電気的接続経路中に、所定の信号遮断手段(図示せず)を設け、この信号遮断手段が作動しているときにはセンサの検知信号がリール制御手段120に通達せず、信号遮断手段が非作動のときにはセンサの検知信号がリール制御手段120に通達するように形成することができる。信号遮断手段は、電気回路中に設けた論理回路手段やスイッチ手段であってもよいし、そのようなプログラムを制御装置20に組み込んだものであってもよい。
【0087】
そして、停止操作無効手段133は、原則として、各回転リール40の回転停止から次遊技において回転リール40が回転開始するまでは、前記信号遮断手段を作動させ、各停止ボタン51,52,53の操作信号がリール制御手段120に到達しないようにする。当然のことであるが、回転リール40の回転停止中は停止ボタンは効かない。また、回転リール40の回転開始後も、前記ウエイト期間計測手段131がタイムカウント中は、信号遮断手段を作動状態として、当該停止操作を無効にする。さらに、ウエイト期間計測手段131がタイムアップ信号を出力した場合でも、すべての回転リール40が定常回転に達するまで(すなわち回転リール40が加速回転中)は、信号遮断手段を作動状態として、当該停止操作を無効にする。
【0088】
そして、前回の遊技のウエイト期間が終了(ウエイト期間計測手段131がタイムアップ信号を出力)し、かつすべての回転リール40が定常回転に達した場合には、信号遮断手段を非作動状態にして、各停止ボタン51,52,53の操作信号がリール制御手段120に出力されるようにする。これにより、停止操作の無効が解除される。なお、ストップスイッチ50の操作無効解除の場合には、スタート操作の無効解除と違って、停止操作の無効が解除された後に、いずれかの停止ボタン51,52,53を押下操作しないと、リール制御手段120はリールユニット60にストップ信号を出力しない(回転リール40は回転停止しない)。
(スロットマシン10の作動)
次に、上記構成を有するスロットマシン10の作動の概略を、図7及び図8のフローに基づき説明する。
【0089】
まず、図7に示すステップ1000において、スタートスイッチ30がONとなったか否かが判断される。スタートスイッチ30がONにならない場合には、ステップ1000に戻る。一方、スタートスイッチ30がONとなった場合には、次のステップ1001に進む。
ステップ1001において、当選抽選手段110により抽選処理が行われる。なお、抽選処理の内容は、第一の実施の形態と同様である。そして、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、回転リール40の回転が開始する。そして、次のステップ1003に進む。
ステップ1003において、遊技制限制御手段130によりウエイト期間の設定処理が行われる。そして、次のステップ1004に進む。
【0090】
ステップ1004において、遊技制限制御手段130が停止操作の無効を解除したか否かが判断される。停止操作の無効が解除されていない場合には、ステップ1004に戻る。一方、停止操作の無効が解除されている場合には、次のステップ1005に進む。
ステップ1005において、ストップスイッチ50が操作されたか、ここでは、いずれかの停止ボタンの停止信号がリール制御手段120に出力されたか否かが判断される。ストップスイッチ50が操作されない場合には、ステップ1005に戻る。ストップスイッチ50が操作された場合には、次のステップに進むのであるが、これ以降は、第一の実施の形態を示す図3のステップ106以下の流れと同様であるため、説明を省略する。
【0091】
次に、前記ステップ1003のウエイト設定処理について、図8のフローに基づき説明する。
まず、図8のステップ4000において、前回の遊技のウエイト期間(4.1秒又は短縮されたウエイト期間)が終了しているか否かが判断される。そしてウエイト期間が終了していない場合には、次のステップ4001に進む。
ステップ4001において、停止操作が無効にされる。具体的には、ストップスイッチ50の操作信号がリール制御手段120に出力されない。そして、次のステップ4002に進む。
【0092】
ステップ4002において、当選判定の抽選結果が、特定乱数の抽出による当選であったか否かが判断される。特定乱数の抽出による当選でない場合には、次のステップ4003に進む。
ステップ4003において、ウエイト期間設定手段132によりウエイト延長抽選が行われる。そして、次のステップ4004に進む。
ステップ4004において、ウエイト延長抽選に当選したか否かが判断される。ウエイト延長抽選に当選した場合には、次のステップ4005に進む。
前記ステップ4002において、当選判定の抽選結果が、特定乱数の抽出による当選であった場合には、ステップ4003、4004を飛び越してステップ4005に進む。
【0093】
ステップ4005において、特定当選に基づいて、あるいはウエイト延長抽選の結果に基づいて、当該遊技の延長時間が決定され、延長されたウエイト期間が設定される。ウエイト期間計測手段131は、計測カウントの終了値をここで設定された時間に更新する。そして、次のステップ4006に進む。
ステップ4006において、延長されたウエイト期間が終了したか否かが判断される。延長されたウエイト期間が終了しない場合には、ステップ4006に戻る。一方、延長されたウエイト期間が終了した場合には、次のステップ4007に進む。
ステップ4007において、今回の遊技のウエイトカウントの減算設定を行う。具体的には、ウエイト期間計測手段131の計測カウントを、延長された時間分だけ短くして設定する。そして、次のステップ4008に進む。
【0094】
前記ステップ4004において、ウエイト延長抽選に当選しなかった場合には、ステップ4011に進む。
ステップ4011において、ウエイト期間(延長されないウエイト期間)が終了したか否かが判断される。ウエイト期間が終了していない場合には、ステップ4011に戻る。一方、ウエイト期間が終了した場合には、ステップ4008に進む。
前記ステップ4000において、ウエイト期間が終了している場合には、ステップ4008に進む。
ステップ4008において、全ての回転リール40が定常回転をしているか否かが判断される。回転リール40が定常回転に達していない場合には、ステップ4008に戻る。一方、全ての回転リール40が定常回転をしている場合には、次のステップ4009に進む。
【0095】
ステップ4009において、停止操作の無効を解除する。これにより、ストップスイッチ50の操作信号が有効となり、いずれかの停止ボタン51,52,53を押下操作することにより、回転リール40の回転を停止させることができる。そして、次のステップ4010に進む。
ステップ4010において、ウエイト期間計測手段131がウエイトカウントを開始する。具体的には、ステップ4005でウエイト延長設定が行われていない場合には、初期値0から4.1秒のカウントを開始し、ステップ4007でウエイト減算設定が行われている場合には、初期値0に延長に係る時間をプラスした数値から4.1秒のカウントを開始する。そして、ウエイト設定処理を終了する。
【0096】
(第三の実施の形態)
上記した第一及び第二の実施の形態では、ウエイト期間設定手段132がウエイト期間を延長した場合には、次遊技(今回の遊技)のウエイト期間を、(前回の遊技で)延長した時間分だけ短縮するように形成してあったが、本実施の形態においては、次遊技のウエイト期間を、延長した時間とは異なる時間(短い時間)に設定することができるようにしたものである。
以下、図9に基づき、第三の実施の形態について説明する。なお、第三の実施の形態におけるスロットマシン10の基本的構成は、第一又は第二の実施の形態で説明したのと同様であるため、重複する部分は説明を省略し、本実施の形態の特徴点のみ述べる。
【0097】
(遊技制限制御手段130)
第三の実施の形態においても、遊技制限制御手段130は、以下の3つの手段を有している(第一の実施の形態を示す図2参照)。
(1)ウエイト期間計測手段131
(2)ウエイト期間設定手段132
(3)操作無効手段133
なお、遊技制限制御手段130としては、上記以外の手段を有していてもかまわない。
(ウエイト期間計測手段131)
ウエイト期間計測手段131は、第一又は第二の実施の形態と同様にすることができる。すなわち、ウエイト期間計測手段131は、回転リール40の回転開始からウエイト時間を計測するのであってもよいし、回転リール40のすべてが定常回転となったとなったときからウエイト期間を計測するのであってもよい。
【0098】
(ウエイト期間設定手段132)
ウエイト期間設定手段132の、ウエイト期間の延長決定、及びウエイト延長抽選については、第一の実施の形態と同様である。ただし、本実施の形態では、延長時間を規定ウエイト期間の4.1秒を超えて設定することができる。
そして、本実施の形態におけるウエイト期間設定手段132は、前回の遊技のウエイト期間の延長を決定した場合には、今回の遊技の規定ウエイト期間を、延長された時間の範囲内で所定時間だけ短縮する決定を行うとともに、延長された時間と短縮された時間の差時間(残存時間)がある場合には、それを記憶しておき、今回の遊技以降に行われる遊技の規定ウエイト期間から減算するようになっている。
【0099】
例えば、前回の遊技の規定ウエイト期間が2秒延長され、今回の遊技の規定ウエイト期間が1秒短縮された場合には、その差分2−1=1秒を、次回の遊技(今回の遊技の次に行われる遊技)の規定ウエイト期間から減算する。すなわち、前回の遊技の延長されたウエイト時間は6.1秒で、今回の遊技の短縮されたウエイト時間は3.1秒となり、次回の遊技の短縮されたウエイト時間が3.1秒となる。
ここで、今回の遊技の規定ウエイト期間の短縮時間(減算される時間)は、抽選によって決定することができる。例えば、ウエイト短縮抽選手段を設けて、ウエイト延長抽選とともにウエイト短縮抽選を行う。この際、短縮時間が、特定当選役に対応してあるいはウエイト延長抽選の結果決定された延長時間を超えないよう、延長されたウエイト期間の設定時間に応じて抽選を行うようにする。例えば、延長時間が2秒の場合には、短縮時間を1秒とするか1.5秒とするか又は2秒とするかの抽選を行い、延長時間が1秒の場合には、短縮時間を0.5秒とするか1秒とするかの抽選を行うようにするとよい。
【0100】
あるいは、短縮時間を所定条件に応じてあらかじめ定めておいてもよい。例えば、特定当選役の種類や遊技状況(差枚数、遊技回数、遊技時間)などに応じて、あらかじめ設定しておく。この場合も、延長時間が2秒の場合には、条件に応じて1秒、1.5秒、2秒のうちから対応する短縮時間を選択し、延長時間が1秒の場合には、0.5秒、1秒のうちから対応する短縮時間を選択するようにするとよい。
ところで、延長時間が長い場合には、残存時間が4.1秒を超過することがある。例えば、前回の遊技で特定当選役の当選により例えば10秒のウエイト期間の延長が行われ、今回の遊技のウエイト期間が2秒短縮されたと仮定する。このときの残存時間は10−2=8秒である。このような場合、残存時間8秒を次回の遊技一回で消化することはできないので、複数回の遊技に分けてウエイト期間の短縮設定を行う。具体的には、次回の遊技を含めてさき4回の遊技のウエイト期間をそれぞれ2秒ずつ短縮設定(短縮されたウエイト期間は2.1秒)することができる。あるいは、次回の遊技と次々回の遊技のウエイト期間をそれぞれ4秒ずつ短縮設定(短縮されたウエイト期間は0.1秒)してもよい。
【0101】
また、残存時間が4.1秒を超過していない場合でも、複数回の遊技に分けてウエイト期間の短縮設定を行うようにしてもよい。例えば、残存時間が4秒の場合、次回の遊技と次々回の遊技のウエイト期間をそれぞれ2秒ずつ短縮設定(短縮されたウエイト期間は2.1秒)することができる。
さらに、上記した例において、残存時間を消化する前にウエイト期間の延長が行われた場合には、前記残存時間が消化されないうちに、次の残存時間が発生する場合もあり得る。
具体例を挙げて説明すると、1回目の遊技で特定当選役の当選により例えば4秒のウエイト期間の延長が行われ、2回目の遊技のウエイト期間が1秒短縮されたと仮定する。このときの残存時間は4−1=3秒である。そして、2回目の遊技の短縮されたウエイト期間(4.1−1=3.1秒)の間にスタートスイッチ30が押下され、今度はウエイト延長抽選によって例えば3秒のウエイト期間の延長が行われ、3回目の遊技のウエイト期間が1秒短縮されたとする。このときの残存時間は、3−1=2秒である。
【0102】
上記のような場合には、ウエイト期間設定手段132は、2回目の遊技で発生した残存時間3秒に3回目の遊技で発生した残存時間2秒を加算した合計5秒を、残存時間として記憶する。そして、その後の複数回の遊技において、残存時間が消化されるように、ウエイト期間の短縮設定を行えばよい。
なお、残存時間を複数回の遊技に割り振る場合には、短縮時間を所定時間(例えば2秒)にあらかじめ定めておいて、残存時間を所定時間で除した数(端数は切り上げ)の遊技回数だけ、短縮設定が行われるようにするのが好ましい。例えば、残存時間が5秒の場合には、次回の遊技で2秒、次々回の遊技で2秒、さらに次の遊技で1秒、と3回の遊技にわたってウエイト期間の短縮設定が行われる。また、途中で残存時間が加算された場合には、当該加算された残存時間を所定時間で除した数の遊技回数だけ、ウエイト短縮設定を行う。
【0103】
(操作無効手段133)
操作無効手段133は、第一又は第二の実施の形態と同様にすることができる。すなわち、操作無効手段133は、ウエイト期間終了前のスタートスイッチ30のスタート操作を無効にさせる処理を行うためのものであってもよいし、ウエイト期間終了前のストップスイッチ50の停止操作を無効にさせる処理を行うためのものであってもよい。
(スロットマシン10の作動)
次に、スロットマシン10の作動の概略のうち、ウエイト設定処理について、図9のフローに基づき説明する。
【0104】
ここで、本実施の形態におけるスロットマシン10の作動の概略は、第一又は第二の実施の形態と同様にすることができる。すなわち、本実施の形態によるウエイト設定処理は、スタート操作を無効にさせる場合にも、ストップ操作を無効にさせる場合にも、共通して対応可能なものである。
まず、図9のステップ500において、ウエイト期間(4.1秒又は短縮されたウエイト期間)が終了しているか否かが判断される。そしてウエイト期間が終了していない場合には、次のステップ501に進む。
ステップ501において、所定の遊技操作が無効にされる。具体的には、リール制御手段120からのスタート信号が、リールユニット60に出力されない。あるいは、ストップスイッチ50の操作信号がリール制御手段120に出力されない。そして、次のステップ502に進む。
【0105】
ステップ502において、当選判定の抽選結果が、特定乱数の抽出による当選であったか否かが判断される。特定乱数の抽出による当選でない場合には、次のステップ503に進む。
ステップ503において、ウエイト期間設定手段132によりウエイト延長抽選が行われる。そして、次のステップ504に進む。
ステップ504において、ウエイト延長抽選に当選したか否かが判断される。ウエイト延長抽選に当選した場合には、次のステップ505に進む。
前記ステップ502において、当選判定の抽選結果が、特定乱数の抽出による当選であった場合には、ステップ503、504を飛び越してステップ505に進む。
【0106】
ステップ505において、特定当選に基づいて、あるいはウエイト延長抽選の結果に基づいて、当該遊技の延長時間が決定され、延長されたウエイト期間が設定される。ウエイト期間計測手段131は、計測カウントの終了値をここで設定された時間に更新する。そして、次のステップ506に進む。
ステップ506において、今回の遊技のウエイトカウントの減算値を、例えば抽選により決定する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、延長されたウエイト期間が終了したか否かが判断される。延長されたウエイト期間が終了しない場合には、ステップ507に戻る。一方、延長されたウエイト期間が終了した場合には、次のステップ508に進む。
【0107】
ステップ508において、今回の遊技のウエイトカウントの減算設定を行う。具体的には、ウエイト期間計測手段131の計測カウント値を、前記ステップ506で決定された時間分だけ短くして設定する。そして、次のステップ509に進む。
ステップ509において、延長されたウエイト期間の延長時間と短縮されたウエイト期間の短縮時間の差時間が、残存時間として記憶される。例えば延長時間が10秒で短縮時間が2秒ならば、残存時間は「8」秒であり、延長時間と短縮時間が同等の場合には、残存時間は「0」秒となる。そして次のステップに進む。なお前記ステップ500において、ウエイト期間(4.1秒又は短縮されたウエイト期間)が終了している場合にも、次のステップに進むのであるが、これ以降の流れは、第一の実施の形態を示す図6のステップ408又は第二の実施の形態を示す図8のステップ4008以降の流れと同様にすることができる。すなわち、ウエイト期間中にスタート操作を無効にする場合には図6のステップ408に進み、ウエイト期間中に停止操作を無効にする場合には図8のステップ4008に進む。
【0108】
前記ステップ504において、ウエイト延長抽選に当選しなかった場合には、ステップ510に進む。
ステップ510において、残存時間が有るかどうかを判断する。残存時間が有る場合には、次のステップ511に進む。
ステップ511において、次回の遊技のウエイトカウントの減算設定を行う。具体的には、ウエイト期間計測手段131の計測カウント値を、残存時間分だけ短くして設定する。これと同時に、残存時間の記憶値を「0」にする。なお、残存時間が4.1秒以上ある場合には、次回の遊技を含む複数回の遊技のウエイトカウントの減算設定を行う。あるいは、残存時間が4.1秒以内であっても、次回の遊技を含む複数回の遊技のウエイトカウントの減算設定を行うようにしてもよい。そして、次のステップ512に進む。
【0109】
前記ステップ510において、残存時間が無い場合には、ステップ511を飛び越してステップ512に進む。
ステップ512において、ウエイト期間(延長されないウエイト期間)が終了したか否かが判断される。ウエイト期間が終了していない場合には、ステップ512に戻る。一方、ウエイト期間が終了した場合には、次のステップに進む。次のステップは、前記したとおりである。
このように、第三の実施の形態によれば、特定当選又はウエイト延長抽選によってウエイト期間を延長した後、複数回の遊技にわたって延長分を短縮可能にしてあるので、延長時間を長く設定しても、その後の複数回の遊技をウエイト無し(遊技終了後すぐに次遊技を開始させられる意味)で行うことも可能となる。
【0110】
なお、上記した第一乃至第三の実施の形態において、ウエイト期間を延長させる場合には、その延長の旨を所定の報知装置を用いて報知させるようにしてもよい。例えば画像表示部67に所定のメッセージを表示したり、スピーカ69から所定のアナウンスを流すようにすることができる。これにより、遊技制限時間によってスタートスイッチ30又はストップスイッチ50が効かないのを故障等と誤解されるのを防ぐことができる。さらに、ウエイト期間の延長に係る1回の遊技が終了するまで継続して報知をさせ、この遊技におけるウエイト期間内にスタート操作又は停止操作を行わなかった遊技者に対して、当選に関する情報提供を可能とするように形成してもよい。
【0111】
ところで、本実施の形態に係るスロットマシンは、遊技機を、複数の図柄を変動表示及び停止表示可能な複数の図柄表示手段、少なくとも前記図柄表示手段の図柄変動を開始させるための図柄変動開始手段及び複数の前記図柄表示手段の図柄変動を個々に停止させるための図柄変動停止手段とから構成される、遊技を行うための操作手段、前記図柄変動開始手段の操作時に乱数を抽出し、当該抽出乱数値と複数種類の当選及びハズレの領域を定めた当選判定テーブル(113)とを対比して、当選か否かの当選判定の抽選を行うための当選抽選手段(110)、前記当選判定の抽選結果が所定の当選役に当選し、前記複数の図柄表示手段の当選に係る図柄を、前記図柄変動停止手段の操作により予め定められた態様に停止させることができた場合に入賞として扱うための入賞判定手段、前記図柄変動開始手段の操作後、前記複数の図柄表示手段がすべて停止操作可能となったときまでの間のいずれかの時から時計測を開始し、当該遊技に設定された遊技制限時間を計測するとともに、遊技制限時間設定手段が遊技制限時間を延長した場合には、計測中の遊技制限時間の計測終了後も、前記延長された遊技制限時間が終了するまで時計測を継続する制限時間計測手段(131)、前記制限時間計測手段(131)が前回の遊技中に時計測を開始した遊技制限時間の時計測中に、前記図柄変動開始手段が操作された場合において、前記当選抽選手段(110)が抽出した抽出乱数値が、前記当選判定テーブル(113)の特定の当選役に対応する当選領域に属しない場合には、今回の遊技の遊技制限時間を、あらかじめ定められた規定遊技制限時間に設定するとともに、前記当選抽選手段(110)が抽出した抽出乱数値が、前記当選判定テーブル(113)の特定の当選役に対応する当選領域に属する場合には、前記制限時間計測手段(131)が計測している遊技制限時間を、所定時間だけ延長させることができる遊技制限時間設定手段(132)、前記制限時間計測手段(131)が前回の遊技中に時計測を開始した遊技制限時間の時計測中に、前記操作手段のいずれかが操作された場合には、当該操作に基づく今回の遊技の図柄表示手段の図柄変動開始又は図柄変動停止のいずれかを無効にするとともに、前記制限時間計測手段(131)が前記規定遊技制限時間又は前記遊技制限時間設定手段によって延長された遊技制限時間の時計測を終了した場合には、前記操作手段に基づく前記図柄表示手段の図柄変動開始又は図柄変動停止の無効を解除するための操作無効手段(133)、として機能させるための遊技機用プログラムによって制御することができる。
【0112】
さらに、前記遊技用プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を用いて制御することができる。
ここで、前記図柄表示手段は、回転リール40を用いたものでもよいし、液晶ディスプレイやCRT等の画像表示装置に複数の図柄を順次表示させるようにしたものでもよい。
また、入賞手段としては、前記遊技機用プログラムを用いてスロットマシンを制御する場合には、ホッパーユニット65を介して遊技者にメダルを払い出すように形成することができる。一方、前記遊技機用プログラムを用いて、業務用若しくは家庭用のテレビゲーム機を制御しようとする場合には、現実の遊技メダルの払い出しは行えないので、例えば液晶ディスプレイやCRT等の画像表示装置に、獲得メダル数の枚数表示をしたり、メダルの増減がわかるような絵(動画でも静止画でもよい)を表示するように形成することができる。
【0113】
なお、本発明は、スロットマシン以外の遊技機にも応用できる。例えば、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いてスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット遊技機などにも応用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の第一の実施の形態であって、スロットマシンの外観正面図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態であって、スロットマシンの入力、出力及び制御装置を示すブロック図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態におけるスロットマシンの作動の概略を示す流れ図である。
【図4】スロットマシンの作動のうち抽選処理を示す流れ図である。
【図5】スロットマシンの作動のうちリール回転停止処理を示す流れ図である。
【図6】スロットマシンの作動のうちウエイト設定処理を示す流れ図である。
【図7】本発明の第二の実施の形態であって、スロットマシンの作動の概略を示す流れ図である。
【図8】本発明の第二の実施の形態であって、スロットマシンの作動のうちウエイト設定処理を示す流れ図である。
【図9】本発明の第三の実施の形態であって、スロットマシンの作動のうちウエイト設定処理を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0115】
10 スロットマシン 11 筺体
12 表示窓 13 図柄表示窓
15 投入スイッチ 16 ベットスイッチ
17 精算スイッチ
20 制御装置 21 遊技制御装置
22 演出制御装置
30 スタートスイッチ 40 回転リール
50 ストップスイッチ 60 リールユニット
65 ホッパーユニット 66 演出表示装置
70 通常遊技制御手段 80 特別遊技制御手段
90 特定導入遊技制御手段 100 特定遊技制御手段
110 当選抽選手段 111 乱数発生手段
112 乱数抽出手段 113 当選判定テーブル
114 判定手段 120 リール制御手段
130 遊技制限制御手段 131 ウエイト期間計測手段
132 ウエイト期間設定手段 133 操作無効手段
140 ホッパー制御手段 150 入賞判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に複数の図柄が表示された複数の回転リールを備え、
遊技を行うための操作手段として、前記複数の回転リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、回転中の前記回転リールを個々に停止させるためのストップスイッチとを少なくとも備え、
前記スタートスイッチの操作時に乱数を抽出し、当該抽出乱数値と複数種類の当選及びハズレの領域を定めた当選判定テーブルとを対比して、当選か否かの当選判定の抽選を行う当選抽選手段を備え、
前記当選判定の抽選結果が所定の当選役に当選し、前記複数の回転リールの当選に係る図柄を、前記ストップスイッチの操作により予め定められた態様に停止させることができた場合に入賞となる遊技機において、
前記スタートスイッチの操作後、前記複数の回転リールがすべて停止操作可能となったときまでの間のいずれかの時から時計測を開始し、当該遊技に設定された遊技制限時間を計測するための制限時間計測手段と、
前記制限時間計測手段が前回の遊技中に時計測を開始した遊技制限時間の時計測中に、前記操作手段のいずれかが操作された場合には、当該操作に基づく今回の遊技の前記回転リールの回転開始又は回転停止のいずれかを無効にするための操作無効手段と、
前記制限時間計測手段が計測する遊技制限時間を設定するための遊技制限時間設定手段とを少なくとも設け、
前記遊技制限時間設定手段は、
前記制限時間計測手段が前回の遊技中に時計測を開始した遊技制限時間の時計測中に、前記スタートスイッチが操作された場合において、前記当選抽選手段が抽出した抽出乱数値が、前記当選判定テーブルの特定の当選役に対応する当選領域に属しない場合には、今回の遊技の遊技制限時間を、あらかじめ定められた規定遊技制限時間に設定するとともに、
前記当選抽選手段が抽出した抽出乱数値が、前記当選判定テーブルの特定の当選役に対応する当選領域に属する場合には、前記制限時間計測手段が計測している前回の遊技の遊技制限時間を、所定時間だけ延長させることができ、
前記制限時間計測手段は、計測中の遊技制限時間の計測終了後も、前記延長された遊技制限時間が終了するまで時計測を継続し、
前記操作無効手段は、
前記制限時間計測手段が前記規定遊技制限時間又は前記遊技制限時間設定手段によって延長された遊技制限時間の時計測を終了した場合には、前記操作手段の操作に基づく前記回転リールの回転開始又は回転停止の無効を解除することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記遊技制限時間設定手段は、
前記当選抽選手段が抽出した抽出乱数値が、前記当選判定テーブルの特定の当選役に対応する当選領域に属する場合には、前記制限時間計測手段が計測している遊技制限時間を、前記規定遊技制限時間の範囲内において所定時間だけ延長させることができ、
前記制限時間計測手段が計測している前回の遊技の遊技制限時間を延長させた場合には、今回の遊技の遊技制限時間を、前記規定遊技制限時間から前記延長させた時間だけ減じた時間に短縮して設定することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記遊技制限時間設定手段は、
前記制限時間計測手段が計測している前回の遊技の遊技制限時間を延長させた場合には、今回の遊技の遊技制限時間を、前記規定遊技制限時間から前記延長させた時間の範囲内において所定時間だけ減じた時間に短縮して設定し、
前記延長した時間から前記短縮した時間を減算した残存時間がある場合には、当該残存時間を記憶し、次回の遊技以降の遊技の遊技制限時間を、前記規定遊技制限時間から前記残存時間の範囲内において所定時間だけ減じた時間に短縮して設定可能であることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項4】
前記遊技制限時間設定手段は、
前記制限時間計測手段が前回の遊技中に時計測を開始した遊技制限時間の時計測中に、前記スタートスイッチが操作された場合において、前記当選抽選手段が抽出した抽出乱数値が、前記当選判定テーブルの特定の当選役に対応する当選領域に属さない場合であっても、所定の確率で、前記制限時間計測手段が計測している遊技制限時間を延長させることができることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項5】
遊技機を、
複数の図柄を変動表示及び停止表示可能な複数の図柄表示手段、
少なくとも前記図柄表示手段の図柄変動を開始させるための図柄変動開始手段及び複数の前記図柄表示手段の図柄変動を個々に停止させるための図柄変動停止手段とから構成される、遊技を行うための操作手段、
前記図柄変動開始手段の操作時に乱数を抽出し、当該抽出乱数値と複数種類の当選及びハズレの領域を定めた当選判定テーブルとを対比して、当選か否かの当選判定の抽選を行うための当選抽選手段、
前記当選判定の抽選結果が所定の当選役に当選し、前記複数の図柄表示手段の当選に係る図柄を、前記図柄変動停止手段の操作により予め定められた態様に停止させることができた場合に入賞として扱うための入賞判定手段、
前記図柄変動開始手段の操作後、前記複数の図柄表示手段がすべて停止操作可能となったときまでの間のいずれかの時から時計測を開始し、当該遊技に設定された遊技制限時間を計測するとともに、遊技制限時間設定手段が遊技制限時間を延長した場合には、計測中の遊技制限時間の計測終了後も、前記延長された遊技制限時間が終了するまで時計測を継続する制限時間計測手段、
前記制限時間計測手段が前回の遊技中に時計測を開始した遊技制限時間の時計測中に、前記図柄変動開始手段が操作された場合において、前記当選抽選手段が抽出した抽出乱数値が、前記当選判定テーブルの特定の当選役に対応する当選領域に属しない場合には、今回の遊技の遊技制限時間を、あらかじめ定められた規定遊技制限時間に設定するとともに、前記当選抽選手段が抽出した抽出乱数値が、前記当選判定テーブルの特定の当選役に対応する当選領域に属する場合には、前記制限時間計測手段が計測している遊技制限時間を、所定時間だけ延長させることができる遊技制限時間設定手段、
前記制限時間計測手段が前回の遊技中に時計測を開始した遊技制限時間の時計測中に、前記操作手段のいずれかが操作された場合には、当該操作に基づく今回の遊技の図柄表示手段の図柄変動開始又は図柄変動停止のいずれかを無効にするとともに、前記制限時間計測手段が前記規定遊技制限時間又は前記遊技制限時間設定手段によって延長された遊技制限時間の時計測を終了した場合には、前記操作手段の操作に基づく前記図柄表示手段の図柄変動開始又は図柄変動停止の無効を解除するための操作無効手段、
として機能させるための遊技機用プログラム。
【請求項6】
遊技機を、
複数の図柄を変動表示及び停止表示可能な複数の図柄表示手段、
少なくとも前記図柄表示手段の図柄変動を開始させるための図柄変動開始手段及び複数の前記図柄表示手段の図柄変動を個々に停止させるための図柄変動停止手段とから構成される、遊技を行うための操作手段、
前記図柄変動開始手段の操作時に乱数を抽出し、当該抽出乱数値と複数種類の当選及びハズレの領域を定めた当選判定テーブルとを対比して、当選か否かの当選判定の抽選を行うための当選抽選手段、
前記当選判定の抽選結果が所定の当選役に当選し、前記複数の図柄表示手段の当選に係る図柄を、前記図柄変動停止手段の操作により予め定められた態様に停止させることができた場合に入賞として扱うための入賞判定手段、
前記図柄変動開始手段の操作後、前記複数の図柄表示手段がすべて停止操作可能となったときまでの間のいずれかの時から時計測を開始し、当該遊技に設定された遊技制限時間を計測するとともに、遊技制限時間設定手段が遊技制限時間を延長した場合には、計測中の遊技制限時間の計測終了後も、前記延長された遊技制限時間が終了するまで時計測を継続する制限時間計測手段、
前記制限時間計測手段が前回の遊技中に時計測を開始した遊技制限時間の時計測中に、前記図柄変動開始手段が操作された場合において、前記当選抽選手段が抽出した抽出乱数値が、前記当選判定テーブルの特定の当選役に対応する当選領域に属しない場合には、今回の遊技の遊技制限時間を、あらかじめ定められた規定遊技制限時間に設定するとともに、前記当選抽選手段が抽出した抽出乱数値が、前記当選判定テーブルの特定の当選役に対応する当選領域に属する場合には、前記制限時間計測手段が計測している遊技制限時間を、所定時間だけ延長させることができる遊技制限時間設定手段、
前記制限時間計測手段が前回の遊技中に時計測を開始した遊技制限時間の時計測中に、前記操作手段のいずれかが操作された場合には、当該操作に基づく今回の遊技の図柄表示手段の図柄変動開始又は図柄変動停止のいずれかを無効にするとともに、前記制限時間計測手段が前記規定遊技制限時間又は前記遊技制限時間設定手段によって延長された遊技制限時間の時計測を終了した場合には、前記操作手段の操作に基づく前記図柄表示手段の図柄変動開始又は図柄変動停止の無効を解除するための操作無効手段、
として機能させるための遊技機用プログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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