説明

遊技機

【課題】遊技店側の意思により遊技店側だけが複数の演出モードの中から特別演出モードを設定することができる遊技機を提供すること。
【解決手段】遊技機への電源投入時から最初の図柄組み合わせゲームが開始されるまでの間に、前枠が開放されている場合に、演出スイッチが操作されたことに応じて、統括CPUが演出モードとして特別演出モード(演出モード2又は演出モード3)を選択し、設定するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の演出モードによって遊技演出が行われる遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ機は、例えば、液晶ディスプレイ型の可変表示器を備え、当該可変表示器において複数種類の図柄を変動させて図柄組み合わせを導出する図柄組み合わせゲームが行われている。そして、遊技者は、図柄組み合わせゲームで導出され、最終的に停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。
【0003】
このようなパチンコ機では、遊技の興趣を高めるために、例えば、リーチ演出や予告演出などの様々な演出が行われている。リーチ演出は、図柄組み合わせゲームにおいてリーチが形成(リーチの組み合わせが表示)されてから、大当りの組み合わせ又ははずれの組み合わせが停止又は一旦停止する迄の間に行われる演出である。また、予告演出は、図柄組み合わせゲーム中に、特定のキャラクタなどを可変表示器に出現させ、大当りになる可能性が高いことを事前に告げる演出である。そして、パチンコ機では、複数種類のリーチ演出や予告演出を用意しておき、遊技者が抱く大当りへの期待感を変化させるようになっている。即ち、これらの演出は、図柄組み合わせゲーム中の演出として出現する割合(出現率)は高いが大当りになる期待が小さい演出や、出現する割合(出現率)は低いが大当りになる期待が大きい演出などに区別され、期待の大小によって遊技者が抱く大当りになる期待感を変化させるようになっている。
【0004】
ところで、前述のように多種類の演出を用意したとしても、遊技者は、常に全ての演出を目にすることができる訳ではなく、一部の演出しか目にすることができない。特に、遊技者は、出現する割合が高く大当りになる期待が小さい演出を最も目にし、出現する割合が低く大当りになる期待が大きい演出ほど、目にするチャンスが少ない。そのため、遊技者は、同一又は同種のパチンコ機で何度か遊技を行うと、そのパチンコ機における演出の特徴(演出の出現率や大当りへの期待度)を把握してしまい、出現した演出の種類によっては大当りへの期待感を抱くことができず、面白みに欠け、飽きてしまう。そこで、従来、所定の契機に基づき、演出の出現する割合やその演出の期待度を変化させることができるパチンコ機が提案された(特許文献1、特許文献2参照)。特許文献1,2のパチンコ機では、出現する割合や期待度を異ならせた特別なモードを用意しておき、電源投入時や電源投入後に始めて入賞した時などにモードを選択し、そのモードに応じて出現する割合や期待度を異ならせるようにしている。特許文献1,2のパチンコ機では、演出が出現する割合や期待度が遊技者に固定的に捉えられることなく、変化に富んだ遊技を楽しむことができるとされている。
【特許文献1】特開平11−319235号公報(段落番号[0053]〜[0055]、図14)
【特許文献2】特開平10−15175号公報(段落番号[0167],[0168])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1,2のパチンコ機では、次のような問題がある。即ち、特許文献1,2のパチンコ機では、電源投入時又は電源投入後に始めて入賞した時に、機内部において乱数抽選を行い、その抽選結果に基づき特別なモードを選択するようになっている。
【0006】
このため、遊技店は、複数のパチンコ機が設置されている島の中で特別なモードを選択させたパチンコ機が占める割合を設定しにくかった。すなわち、電源投入時にモードが設定される場合、パチンコ機の故障などにより営業時間中に電源投入が行われると、開店時に設定したモードが変更されてしまう。また、電源投入後に始めて入賞した時にモードが設定される場合、遊技者の操作によってモードが変更されてしまう。従って、例えば、プレミアム的な演出が出現しやすいモードなど、遊技者が興味を抱く特別なモードを設定したパチンコ機の割合を遊技店側が意図的に多くすることができなかった。
【0007】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、遊技店側の意思により遊技店側だけが複数の演出モードの中から特別演出モードを設定することができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、通常演出モードと当該通常演出モードとは異なる演出態様で遊技演出を行わせることが可能な1つ又は複数の特別演出モードからなる複数の演出モードを有する遊技機において、遊技機への電源投入時から所定の選択期間の間に、所定の選択可能条件が満たされている場合に操作手段が操作されたことに応じて前記特別演出モードを選択する選択手段を備え、前記選択可能条件は、機体の外郭をなす外枠の開口前面側に開閉可能に組付けられる中枠と、前記中枠の前面側に開閉可能に組付けられて該中枠に取り付けられる遊技盤を透視保護する保護ガラスが装着される前枠と、前記中枠の前面側に開閉可能に組付けられる皿部材のうち少なくとも1つが開放されているという条件であることを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、複数種類の図柄を変動表示する図柄変動ゲームが行われる表示手段を備え、前記選択期間は、電源投入時から最初の前記図柄変動ゲームが行われるまでの間の期間であることを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記選択可能条件は、前記前枠が開放されているという条件であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、遊技店側の意思により遊技店側だけが複数の演出モードの中から特別演出モードを設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図5に基づき説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。また、中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護する保護ガラス27が装着されるガラス枠を備えた縦長方形の前枠14が横開き状態で開閉可能に組み付けられている。なお、図2において、前枠14が開放された状態を図示している。図1及び図2に示すように中枠12の横幅(図において左右方向の幅)と前枠14の横幅は同じであり、中枠12の縦幅(図において上下方向の幅)は前枠14の縦幅よりも長く形成されている。
【0013】
また、前枠14の下側であって、中枠12の前面側には、中枠12の下部に備えられた発射装置19に供給する遊技球を貯留する皿部材としての上球皿15が横開き状態で開閉可能に組み付けられている。これらの中枠12、前枠14及び上球皿15には、施錠手段としての錠28が施されており、所定の鍵にて錠28を解錠しなければ、開放できないようになっている。この所定の鍵は、不正行為防止のため、通常、遊技店側のみが管理している。従って、中枠12、前枠14及び上球皿15は、遊技店のみが開放できるようになっている。また、中枠12の前面側には、前枠14の開放を検知するための開放センサ29が備えられている。この開放センサ29は、前枠14が開放されると(図2参照)、主制御基板30(メインCPU30a)に前枠14が開放されたことを示す開放信号を出力する。
【0014】
また、前枠14の前面側には、枠ランプ16aが設けられており、遊技盤13の遊技領域13aには、遊技盤ランプ16bが設けられている。枠ランプ16a及び遊技盤ランプ16bは、点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく発光演出を行う。また、外枠11の下部には、各種音声(効果音)を出力し、音声出力に基づく音声演出を行うスピーカ17が設けられている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。
【0015】
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、液晶ディスプレイ型の可変表示器Hを備えた表示装置21が配設されている。表示装置21では、可変表示器Hの変動画像(又は画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。そして、可変表示器Hでは、表示演出に関連して、複数種類の図柄を複数列で変動させて図柄組み合わせを導出する図柄組み合わせゲーム(図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。本実施形態では、図柄組み合わせゲームで3列の図柄による組み合わせを導出し、該組み合わせを構成する各列の図柄の種類を0,1,2,3,4,5,6,7の8種類の数字としている。従って、本実施形態では、可変表示器Hが図柄組み合わせゲームが行われる表示手段となる。
【0016】
そして、遊技者は、可変表示器Hに最終的に表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。可変表示器Hに表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([111][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが大当りの組み合わせとなる。大当りの組み合わせが最終的(確定的)に表示された場合、遊技者には、大当り遊技状態が付与される。また、可変表示器Hに表示された全列の図柄が異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([234][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせがはずれの組み合わせとなる。
【0017】
また、表示装置21の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動によって開閉動作を行う開閉羽根22を備えた始動入賞口23が配設されている。始動入賞口23の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1(図3に示す)が設けられている。始動入賞口23は、遊技球の入賞検知を契機に、図柄組み合わせゲームの始動条件を付与し得る。
【0018】
また、始動入賞口23の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動によって開閉動作を行う大入賞口扉26を備えた大入賞口24が配設されている。大入賞口24は、図柄組み合わせゲームによって導出され、最終的に表示された図柄組み合わせが大当りの組み合わせになったことに関連して大入賞口扉26が開閉動作し、開放又は閉鎖されるようになっている。そして、大当り遊技状態が付与されると、大入賞口扉26の開閉動作によって大入賞口24が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。
【0019】
上球皿15の前面側略中央には、遊技者が所定の遊技演出を実行させるための押し釦式の演出スイッチ25が設けられている。この演出スイッチ25が押下操作されると、演出スイッチ25は、統括制御基板31(統括CPU31a)に演出スイッチ25が押下操作されたことを示す演出信号を出力する。本実施形態では、遊技者がこの演出スイッチ25を図柄組み合わせゲーム中に押下操作することにより、所定の文字メッセージMが可変表示器Hに表示されるようになっている。
【0020】
次に、パチンコ機10の制御構成を図3に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、パチンコ機10全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と、表示制御基板32と、ランプ制御基板33と、音声制御基板34とが装着されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示装置21(可変表示器H)の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。ランプ制御基板33は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、枠ランプ16a及び遊技盤ランプ16bの発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。また、音声制御基板34は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、スピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
【0021】
従って、本実施形態では、主制御基板30が、パチンコ機10全体を制御するメイン制御装置となる。また、本実施形態の統括制御基板31が主制御基板30が出力した制御信号に応じた各種制御を実行するサブ制御装置となる。
【0022】
以下、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32について、その具体的な構成を説明する。
前記主制御基板30には、メインCPU30aが備えられている。メインCPU30aには、ROM30b及びRAM30cが接続されている。また、メインCPU30aには、開放センサ29が接続されている。メインCPU30aは、前枠14が開放されている間、開放センサ29から開放信号を入力するため、前枠14が開放されていることを検知することができる。また、メインCPU30aは、各種乱数の値を所定の周期毎に順次更新するようになっている。
【0023】
前記ROM30bには、パチンコ機10を制御するための制御プログラムや、複数種類の演出パターンが記憶されている。前記RAM30cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(各種乱数の値など)が記憶されるようになっている。
【0024】
前記演出パターンは、パチンコ機10で行われる演出のベースとなるパターンを示すものである。ROM30bには、複数種類の演出パターンが、大当り演出用及びはずれ演出用に分類されて記憶されている。前記大当り演出は、図柄組み合わせゲームが、大当りの組み合わせを表示するように展開される演出である。前記はずれ演出は、図柄組み合わせゲームが、はずれの組み合わせを表示するように展開される演出である。本実施形態では、大当り演出用の演出パターンを「演出パターンP1」と示し、はずれ演出用の演出パターンを「演出パターンP2」と示す。
【0025】
そして、メインCPU30aは、制御プログラムに基づき、大当り判定、最終的に表示させる最終停止図柄の決定、及び演出パターンの決定などの各種処理を実行するようになっている。例えば、メインCPU30aは、図柄組み合わせゲームの開始時に大当り判定を実行する。大当り判定の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、メインCPU30aは、全列が同一種類となるように最終停止図柄を決定すると共に、演出パターンP1を決定する。一方、大当り判定の判定結果が否定の場合(はずれの場合)、メインCPU30aは、全列の図柄が同一種類とならないように各列の最終停止図柄を決定すると共に、演出パターンP2を決定する。
【0026】
演出パターン及び最終停止図柄を決定したメインCPU30aは、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、メインCPU30aは、最初に演出パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する演出パターン指定コマンドを出力する。次に、メインCPU30aは、各列毎の最終停止図柄を指定するための図柄指定コマンドを出力する。その後に、メインCPU30aは、前記指定した演出パターンに定められている変動時間に基づいて変動停止を指示し、図柄組み合わせゲームを終了するための全図柄停止コマンドを出力する。また、メインCPU30aは、開放センサ29から開放信号を入力している間(前枠14が開放されていることを検知している間)、前枠14が開放されていることを示す開放コマンドを出力し続ける。
【0027】
次に、統括制御基板31について説明する。統括制御基板31には、図3に示すように、統括CPU31aが設けられている。前記統括CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に順次更新するようになっている。また、統括CPU31aには、ROM31b及びRAM31cが接続されている。前記ROM31bには、前記各制御基板32〜34を統括的に制御するための制御プログラムなどが記憶されている。また、前記RAM31cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。例えば、設定期間フラグ、開放フラグ、モードフラグや予告パターン振分乱数の値などの情報がRAM31cに記憶(設定)されるようになっている。また、統括CPU31aは、演出スイッチ25と接続されており、当該演出スイッチ25から演出スイッチ25が押下操作されたことを示す演出信号を入力することにより、演出スイッチ25が押下操作されたことを検知するようになっている。
【0028】
そして、メインCPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、統括CPU31aは、それに応じて所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、統括CPU31aは、演出パターン指定コマンドを入力すると、当該演出パターン指定コマンドを各制御基板32〜34に出力する。また、統括CPU31aは、図柄指定コマンド又は全図柄停止コマンドを入力すると、当該各コマンドを表示制御基板32に出力する。また、統括CPU31aは、演出パターン指定コマンドを入力してから全図柄停止コマンドを入力するまでの間に演出スイッチ25が押下操作されたことを検知すると、所定の文字メッセージMを可変表示器Hに表示させるように指示するボタン演出指定コマンドを表示制御基板32に出力する。
【0029】
また、本実施形態のパチンコ機10は、図柄組み合わせゲーム中に、大当り予告が表示演出にて行われるようになっており、統括制御基板31(統括CPU31a)が大当り予告を実行させるか否かを決定するようになっている。大当り予告は、大当りとなる可能性があることを予め遊技者に告げるための演出(当否の可能性を示唆する演出)である。本実施形態では、可変表示器Hに予告キャラクタKa又は予告キャラクタKbを登場(表示)させて大当り予告を行うようになっており、大当り予告の演出内容が2種類用意されている。以下、予告キャラクタKa及び予告キャラクタKbが登場する大当り予告を区別して記載する場合には、予告キャラクタKaが登場する大当り予告を「大当り予告YKa」と示し、予告キャラクタKbが登場する大当り予告を「大当り予告YKb」と示す。
【0030】
統括CPU31aは、演出パターン指定コマンドを入力すると、予告パターン振分乱数及びROM31bに記憶されている予告パターン振分テーブルY1(図4(a))、予告パターン振分テーブルY2(図4(b))又は予告パターン振分テーブルY3(図4(c))に基づいて予告決定処理を行う。予告決定処理にて統括CPU31aは、大当り予告を実行するか否かの決定、及び大当り予告を実行する場合の大当り予告の演出内容を決定する。予告パターン振分乱数は、統括CPU31aによって所定の周期毎に順次更新される乱数であり、統括CPU31aは、更新後の値をRAM31cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。本実施形態では、予告パターン振分乱数の取り得る数値を0〜49までの全50通りの整数としている。
【0031】
また、本実施形態のパチンコ機10には、異なる演出態様で遊技演出を行わせることが可能な複数(本実施形態では3種類)の演出モードが設けられている。本実施形態では、通常演出モードとしての演出モード1と、特別演出モードとしての演出モード2及び演出モード3が設けられている。演出モード1、演出モード2及び演出モード3では、大当り予告YKa及び大当り予告YKbの出現率(大当り予告が行われる割合を示す)を異ならせている。
【0032】
具体的に言えば、演出モード1では、大当り予告YKaが、大当り演出となる図柄組み合わせゲームとはずれ演出となる図柄組み合わせゲームの何れでも行われるようになっている。その一方、演出モード1では、大当り予告YKbが、大当り演出となる図柄組み合わせゲームとはずれ演出となる図柄組み合わせゲームの何れでも行われないようになっている。すなわち、演出モード1では、大当り予告YKbの出現率は、0%となっている。
【0033】
演出モード2では、大当り予告YKaが大当り演出となる図柄組み合わせゲームとはずれ演出となる図柄組み合わせゲームの何れでも行われるようになっている一方で、大当り予告YKbが大当り演出となる図柄組み合わせゲームのみで行われるようになっている。即ち、演出モード2では、はずれ演出の場合における大当り予告YKbの出現率は0%である一方、大当り演出の場合における大当り予告YKbの出現率は0%でない。このため、演出モード2では、大当り予告(大当り予告YKa及び大当り予告YKb)の出現率が演出モード1と異なっている。
【0034】
演出モード3では、大当り予告YKa及び大当り予告YKbが大当り演出となる図柄組み合わせゲームとはずれ演出となる図柄組み合わせゲームの何れでも行われるようになっている。即ち、演出モード3では、大当り予告YKbの出現率は0%でない。このため、演出モード3では、大当り予告(大当り予告YKa及び大当り予告YKb)の出現率が演出モード1と異なっている。また、演出モード3では、はずれ演出の場合における大当り予告YKbの出現率は0%でない。このため、演出モード3では、大当り予告(大当り予告YKa及び大当り予告YKb)の出現率が演出モード2と異なっている。
【0035】
以上のように、演出モードによって大当り予告の出現率が変更されている。そして、特別演出モードである演出モード2及び演出モード3では、通常演出モードである演出モード1では行われない大当り予告YKbが行われるようになっている。このため、通常演出モードよりも特別演出モードの方が遊技者の興趣を向上させる演出モードであるといえる。また、演出モード2では、大当りとなる図柄組み合わせゲームのみで大当り予告YKbが行われるので、演出モード2の大当り予告YKbは、演出モード3の大当り予告YKbよりも遊技者の期待感をより高める演出といえる。
【0036】
そして、本実施形態では、前述のように演出モード1〜演出モード3で大当り予告の出現率を異ならせるために、3種類の予告パターン振分テーブルY1,Y2,Y3がROM31bに記憶されている(図4)。予告パターン振分テーブルY1は、演出モード1の場合に統括CPU31aが予告決定処理にて参照するテーブルとされ、予告パターン振分テーブルY2は、演出モード2の場合に参照するテーブルとされ、予告パターン振分テーブルY3は、演出モード3の場合に参照するテーブルとされている。以下、予告パターン振分テーブルY1、予告パターン振分テーブルY2及び予告パターン振り分けテーブルY3の具体的な構成について図4に基づき説明する。
【0037】
予告パターン振分テーブルY1,Y2,Y3では、予告パターン振分乱数の値に基づき、指定された演出パターンP1,P2に応じて「予告なし」、「予告パターンYA」又は「予告パターンYB」の何れかが決定されるようになっている。なお、統括CPU31aは、「予告なし」の決定によって大当り予告を実行しないことを決定し、「予告パターンYA」又は「予告パターンYB」の決定によって大当り予告の実行を決定したことになる。さらに、統括CPU31aは、「予告パターンYA」又は「予告パターンYB」の何れかの決定によって大当り予告の演出内容を決定したことになる。予告パターンYAは、大当り予告YKaの演出内容が特定されるパターンであり、予告パターンYBは、大当り予告YKbの演出内容が特定されるパターンである。
【0038】
予告パターン振分テーブルY1において大当り演出用の演出パターンP1には、「予告なし」に予告パターン振分乱数の値「0」〜「19」が、「予告パターンYA」に予告パターン振分乱数の値「20」〜「49」が対応付けられている。大当り演出用の演出パターンP2には、「予告なし」に予告パターン振分乱数の値「0」〜「39」が、「予告パターンYA」に予告パターン振分乱数の値「40」〜「49」が対応付けられている。従って、演出モード1の場合、統括CPU31aは、演出パターンP1又は演出パターンP2のいずれが指定されても、予告決定処理にて「予告なし」又は「予告パターンYA」の何れかを決定するようになっている。
【0039】
一方、予告パターン振分テーブルY2において大当り演出用の演出パターンP1には、「予告なし」に予告パターン振分乱数の値「0」〜「9」が、「予告パターンYA」に予告パターン振分乱数の値「10」〜「39」が、「予告パターンYB」に予告パターン振分乱数の値「40」〜「49」が対応付けられている。すなわち、予告パターン振分テーブルY1と異なり、予告パターン振分テーブルY2の演出パターンP1において、「予告パターンYB」と予告パターン振分乱数の値とが対応付けされている。なお、予告パターン振分テーブルY2では、演出パターンP2については、予告パターン振分乱数の値の対応付けが予告パターン振分テーブルY1と同一となっている。従って、演出モード2の場合、統括CPU31aは、大当り演出用の演出パターンP1が指定されたときに、予告パターンYBを決定する場合がある。その結果、演出モード2では、演出モード1と異なり、大当り演出となる図柄組み合わせゲーム(演出パターンP1に基づく図柄組み合わせゲーム)において大当り予告YKbが出現する場合がある。
【0040】
そして、予告パターン振分テーブルY3において大当り演出用の演出パターンP1には、「予告なし」に予告パターン振分乱数の値「0」〜「9」が、「予告パターンYA」に予告パターン振分乱数の値「10」〜「39」が、「予告パターンYB」に予告パターン振分乱数の値「40」〜「49」が対応付けられている。また、予告パターン振分テーブルY3においてはずれ演出用の演出パターンP2には、「予告なし」に予告パターン振分乱数の値「0」〜「29」が、「予告パターンYA」に予告パターン振分乱数の値「30」〜「44」が、「予告パターンYB」に予告パターン振分乱数の値「45」〜「49」が対応付けられている。
【0041】
すなわち、予告パターン振分テーブルY3では、予告パターン振分テーブルY1と異なり、「予告パターンYB」と予告パターン振分乱数の値とが対応付けされている。従って、演出モード3の場合、統括CPU31aは、演出パターンP1又は演出パターンP2が指定されたとき、予告パターンYBを決定する場合がある。その結果、演出モード3では、演出モード1と異なり、図柄組み合わせゲームにおいて大当り予告YKbが出現する場合がある。また、予告パターン振分テーブルY2と異なり、予告パターン振分テーブルY3の演出パターンP2において、「予告パターンYB」と予告パターン振分乱数の値とが対応付けされている。従って、演出モード3の場合、統括CPU31aは、はずれ演出用の演出パターンP2が指定されたときに、予告パターンYBを決定する場合がある。その結果、演出モード3では、演出モード2と異なり、はずれ演出となる図柄組み合わせゲーム(演出パターンP2に基づく図柄組み合わせゲーム)において大当り予告YKbが出現する場合がある。
【0042】
このような構成の予告パターン振り分けテーブルY1〜Y3がROM31bに記憶されており、統括CPU31aは、演出パターン指定コマンドを入力すると、予告パターン振分乱数の値をRAM31cから抽出し、演出モードが演出モード1の場合には予告パターン振分テーブルY1に基づいて予告決定処理を行う。また、統括CPU31aは、演出パターン指定コマンドを入力すると、演出モード2の場合には予告パターン振分テーブルY2に基づいて予告決定処理を行い、演出モード3の場合には予告パターン振分テーブルY3に基づいて予告決定処理を行う。そして、統括CPU31aは、予告決定処理の結果により予告パターンYA又は予告パターンYBを決定した場合、演出パターン指定コマンドと共に、予告パターンを指定する予告パターン指定コマンドを表示制御基板32(サブCPU32a)に出力する。
【0043】
次に、表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32は、サブCPU32aを備えており、該サブCPU32aにはROM32b及びRAM32cが接続されている。ROM32bには、可変表示器Hの表示内容(図柄の変動やキャラクタの動作)を制御するため表示制御プログラムや、各種画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)などが記憶されている。また、RAM32cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。
【0044】
そして、サブCPU32aは、統括制御基板31(統括CPU31a)から制御コマンドを入力すると、表示制御プログラムに基づき、入力した制御コマンドに応じた制御を行う。具体的には、サブCPU32aは、演出パターン指定コマンドを入力すると、演出パターン指定コマンドにて指定された演出パターンで図柄を変動表示させて図柄組み合わせゲームを開始させるように可変表示器Hの表示内容を制御する。そして、サブCPU32aは、全図柄停止コマンドを入力すると、入力した各特図指定コマンドで指定された停止特図左、停止特図中、停止特図右による図柄組み合わせを可変表示器Hに表示させるように可変表示器Hの表示内容を制御する。この制御により、可変表示器Hでは図柄組み合わせゲームが行われる。また、サブCPU32aは、予告パターン指定コマンドを入力すると、図柄組み合わせゲームと共に、予告パターン指定コマンドにより指定された予告パターンで大当り予告(大当り予告YKa又は大当り予告YKb)を表示させるように可変表示器Hの表示内容を制御する。また、サブCPU32aは、ボタン演出指定コマンドを入力すると、図柄組み合わせゲームと共に、所定の文字メッセージMを可変表示器20に表示させるように可変表示器Hの表示内容を制御する。
【0045】
そして、本実施形態の統括CPU31aは、電源投入時から最初の図柄組み合わせゲームが開始するまでの間に、演出モード1〜演出モード3の何れかを選択し、その選択した演出モードを設定するようになっている。より詳しく言えば、統括CPU31aは、電源投入時から最初の図柄組み合わせゲームが開始するまでの間であって、前枠14が開放されているときに、演出スイッチ25が押下操作されたことを検知した場合には、演出モード2又は演出モード3を選択し、それ以外の場合には演出モード1を選択するようになっている。
【0046】
以下、統括CPU31aが、演出モードを選択する際に実行する選択処理について説明する。
統括CPU31aは、演出スイッチ25が押下操作されたことを検知した場合、設定期間フラグに0が設定されているか否かを判定する。この設定期間フラグは、演出モードを設定することが可能な選択期間であるか否かを示すフラグであり、設定期間フラグに0が設定されていた場合には、選択期間であることを示している。なお、設定期間フラグは、パチンコ機10の電源が投入されたときから最初の演出パターン指定コマンドが統括CPU31aに入力されるまで0が設定される。すなわち、電源投入時から最初の図柄組み合わせゲームの開始時までが、本実施形態の選択期間となっている。従って、統括CPU31aは、演出スイッチ25が押下操作されたことを検知した場合、電源投入時から最初の図柄組み合わせゲームが開始されるまでの間であるか否かを判定している。
【0047】
この判定結果が否定の場合(設定期間フラグに0が設定されていない場合)、統括CPU31aは、選択処理を終了する。
一方、この判定結果が肯定の場合(設定期間フラグに0が設定されている場合)、統括CPU31aは、開放フラグに1が設定されているか否か判定する。この開放フラグは、演出モードを設定することが可能な選択可能条件を満たしているか否かを示すフラグであり、開放フラグに1が設定されていた場合には、選択可能条件を満たしていることを示している。なお、この開放フラグは、前枠14が開放されている(主制御基板30(メインCPU30a)から開放コマンドを入力し続けている)ときに1が設定される。すなわち、前枠14が開放されていることが、本実施形態の選択可能条件となっている。従って、統括CPU31aは、前枠14が開放されているか否かを判定している。
【0048】
この判定結果が否定の場合(開放フラグに1が設定されている場合)、統括CPU31aは、選択処理を終了する。
一方、この判定結果が肯定の場合(開放フラグに1が設定されている場合)、統括CPU31aは、演出モードとして特別演出モードを設定する。すなわち、統括CPU31aは、演出モード2又は演出モード3を設定する。具体的には、統括CPU31aは、乱数抽選により特別演出モードの中から1の演出モードを決定する。そして、統括CPU31aは、乱数抽選の結果に基づいて演出モードを示すモードフラグに1又は2を設定してRAM31cに記憶する。モードフラグは、演出モードの種類を示すフラグであり、0が設定されている場合には演出モード1が、1が設定されている場合には演出モード2が、2が設定されている場合には演出モード3が設定されていることを示している。なお、電源投入時は、モードフラグに0が設定されている。
【0049】
従って、本実施形態では、統括CPU31aが特別演出モードを選択する選択手段となる。また、本実施形態では、演出スイッチ25が操作手段となる。
以上のように、前枠14が開放されているという選択可能条件を満たさなければ、特別演出モードは選択されない。前枠14を開放するには錠28を解錠しなくてはならないため、選択条件を満たすことができる者は、遊技店側の者となる。従って、遊技店側だけが特別演出モードを設定できることとなる。また、電源投入時から最初の図柄組み合わせゲームが開始するまでの間という選択期間中でなければ、特別演出モードは設定されない。電源投入時から最初の図柄組み合わせゲームが開始するまでの間は、通常、遊技店の開店時に該当する。従って、開店時にのみ特別演出モードを設定できることとなる。
【0050】
次に、本実施形態において演出モードが切り替わるタイミングについて図5に従って説明する。なお、図5(a)においては、電源投入から最初の図柄組み合わせゲームが開始されるまで、前枠14が開放されなかったときについて図示している。また、図5(b)においては、電源投入から最初の図柄組み合わせゲームが開始されるまでの間に前枠14が開放されたときについて図示している。
【0051】
図5(a)に示すように、電源投入されると(時点A1)、モードフラグには0が設定され、演出モードとして通常演出モード(演出モード1)が設定される。また、このときには設定期間フラグ及び開放フラグには共に0が設定されている。ここで、電源投入から最初の図柄組み合わせゲームが開始されるまでの間に演出スイッチ25が押下操作されても(時点A2)、開放フラグには0が設定されているので、統括CPU31aは、演出モードの設定を行わない。すなわち、電源投入から最初の図柄組み合わせゲームが開始されるまでの間に演出スイッチ25が押下操作されても、前枠14が開放されていなければ、特別演出モードは設定されない。
【0052】
そして、最初の図柄組み合わせゲームが開始されると(時点A3)、統括CPU31aは、設定期間フラグに1を設定する。このため、これ以降、前枠14が開放されて演出スイッチ25が押下操作されても、演出モードの設定ができなくなる。なお、図柄組み合わせゲーム中に演出スイッチ25が押下操作されると(時点A4)、統括CPU31aは、ボタン演出指定コマンドを表示制御基板32(サブCPU32a)に出力し、可変表示器Hに所定の文字メッセージMを表示させる。
【0053】
また、図5(b)に示すように、電源投入されて(時点B1)モードフラグに0が設定された後、前枠14が開放されると(時点B2)、主制御基板30(メインCPU30a)は、開放センサ29から開放信号を入力する。これにより、メインCPU30aは、前枠14の開放を検知し、統括制御基板31(統括CPU31a)に開放コマンドを出力する。この開放コマンドを入力することにより、統括CPU31aは、開放フラグに1を設定する。このとき、演出スイッチ25が押下操作されたことを検知すると(時点B3)、統括CPU31aは、設定期間フラグに0が設定されており、且つ、開放フラグに1が設定されているので、選択処理にて演出モードとして特別演出モードを設定する。なお、ここでは、乱数抽選の結果、特別演出モードとして演出モード2が設定されるものとして説明する。このため、統括CPU31aは、モードフラグに1を設定する。
【0054】
その後、前枠14が閉鎖されると(時点B4)、メインCPU30aからの開放コマンドの入力が終了するので、統括CPU31aは、開放フラグに0を設定する。そして、最初の図柄組み合わせゲームが開始されると(時点B5)、統括CPU31aは、設定期間フラグに1を設定する。このため、これ以降、前枠14が開放されて演出スイッチ25が押下操作されても、演出モードの設定ができなくなる。なお、図柄組み合わせゲーム中に演出スイッチ25が押下操作されると(時点B6)、前述同様、可変表示器Hに所定の文字メッセージMが表示される。
【0055】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)パチンコ機10への電源投入時から最初の図柄組み合わせゲームが開始されるまでの期間中に前枠14が開放されている場合に演出スイッチ25が押下操作されると、演出スイッチ25が押下操作されたことに応じて、統括CPU31aが演出モードとして特別演出モードを選択し、設定する。前枠14の開放は、遊技店側しかできないので、遊技店側だけが特別演出モードの設定を行うことができる。また、前枠14の開放という簡単な条件を選択可能条件にしたので、特別演出モードの設定を簡単に行うことができる。
【0056】
(2)特別演出モードを設定できる期間は、電源投入時から最初の図柄組み合わせゲームが行われるまでの間の期間である。このため、遊技店側が開店時にのみ特別演出モードを設定することができる。すなわち、パチンコ機10の故障など(球詰まり等)により営業中に前枠14を開放することがあるが、その開放により選択可能条件が満たされることはない。従って、確実に遊技店側だけが開店時にのみ特別演出モードを設定することができる。また、電源投入時から最初の図柄組み合わせゲームが開始されるまでとしたので、例えば、多数のパチンコ機10に対して一斉に電源を投入する場合であっても、特別演出モードを設定するために十分な時間を確保できる。
【0057】
(3)特別演出モードを設定できる選択可能条件は、前枠14が開放されていることとした。このため、遊技店が開店時に遊技盤13上に配置されている釘調整を行うと同時に特別演出モードの設定が可能となる。従って、遊技店側の手間を省くことができる。また、営業中にパチンコ機10の故障などにより電源投入を行う場合があるが、通常、遊技者が遊技盤13上に配置されている釘をふれないようにするため、前枠14を閉じたまま電源投入を行う。このため、確実に遊技店側だけが特別演出モードを設定できる。
【0058】
(4)演出スイッチ25は、上球皿15の前面側(パチンコ機10の前面側)に備えられているので、前枠14を開放した際、演出スイッチ25を操作しやすい。従って、特別演出モードを設定しやすい。
【0059】
(5)選択可能条件を遊技店しか満たすことができない条件としたので、所定の遊技演出を実行させるために遊技者によって使用される演出スイッチ25を演出モードの設定用スイッチとして流用できる。また、遊技演出のための演出スイッチ25を流用したため、演出モードを選択するためだけに特別なスイッチを設ける必要がない。このため、製造コストを低減することができる。
【0060】
(6)統括制御基板31(統括CPU31a)が特別演出モードの選択を行うので主制御基板30(メインCPU30a)の制御負担を軽くすることができる。
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
【0061】
○上記実施形態では、演出スイッチ25は、上球皿15の前面側略中央に設けたが、任意の場所に設けても良い。例えば、下球皿18に設けても良く、中枠12に設けても良い。
【0062】
○上記実施形態では、選択可能条件を、前枠14が開放されていることとしたが、遊技店側だけができることを条件とするならば、変更しても良い。例えば、遊技店側しか開放することができない前枠14、中枠12又は上球皿15のうち少なくとも1つが開放していることを選択可能条件としてもよい。
【0063】
○上記実施形態では、上球皿15と下球皿18は別部材としたが、一体形成しても良い。
○上記実施形態では、選択期間を、電源投入時から最初の図柄組み合わせゲームが開始する(最初の演出パターン指定コマンドを入力する)までとしたが、遊技店が開店準備のためにパチンコ機10の調整を行う期間であるならば、任意に変更しても良い。例えば、選択期間を、電源投入時から所定期間(例えば、10分間)経過するまでとしてもよい。このようにした場合、可変表示器Hの動作確認のために図柄組み合わせゲームを行った後でも、特別演出モードを設定することができる。また、選択期間を、電源投入時から予め決められた図柄変動ゲームに係わる複数のゲーム制御信号(例えば、演出パターン指定コマンド、全図柄停止コマンドや図柄指定コマンドなど)を入力するまでとしてもよい。例えば、大当り演出用の演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを入力するまでとした場合、可変表示器Hの動作確認のために図柄組み合わせゲームを行った後でも、特別演出モードを設定することができる。
【0064】
○上記実施形態では、演出モードの設定を行うためのスイッチとして、遊技者が所定の遊技演出を実行させるための演出スイッチ25を兼用したが、演出モードの設定を行うためだけのスイッチを設けても良い。
【0065】
○上記実施形態では、図柄組み合わせゲーム中に演出スイッチ25を押下操作すると、文字メッセージMを可変表示器Hに表示させたが、これ以外の遊技演出を実行させてもよい。例えば、スピーカ17から音声メッセージを出力しても良いし、遊技盤ランプ16bを発光させても良い。
【0066】
○上記実施形態の発射装置19の操作ハンドルを回動させたとき又は触ったときに、演出モードを設定できるようにしても良い。
○上記実施形態の統括CPU31aは、乱数抽選により特別演出モードの中から1の演出モードを設定したが、特別演出モードに含まれる演出モードの中から任意の演出モードを指定することができるようにしてもよい。例えば、演出スイッチ25を押下する回数によって演出モードを指定することができるようにしても良い。これにより、遊技店は、複数の特別演出モードの中から任意の演出モードを設定することができる。
【0067】
○上記実施形態では、演出スイッチ25は押し釦式にしたが、タッチセンサ式にしてもよい。
○上記実施形態において、通常演出モードを設定することができるようにしてもよい。この場合、例えば、通常演出モードを設定することができるスイッチを備えても良いし、前枠14の開放時に発射装置19の操作ハンドルを回すことにより通常演出モードを設定できるようにしても良い。このようにすれば、間違えて特別演出モードを設定した場合、パチンコ機10への電源を落としてやり直す必要がなくなる。
【0068】
○上記実施形態では、特別演出モードを変更することにより、大当り予告の出現率を変更したが、リーチ演出の出現率を変更しても良い。リーチ演出とは、図柄組み合わせゲームにおいてリーチが形成(リーチの組み合わせが表示)されてから、大当りの組み合わせ又ははずれの組み合わせが表示又は一旦表示される迄の間に行われる演出のことをいう。また、特別演出モードを変更することにより、図柄の表示内容を変更しても良い。また、特別演出モードに変更することにより、数字図柄をキャラクタ図柄に変更しても良い。また、特別演出モードに変更することにより、表示された図柄組み合わせが有効となる有効ライン数を増減させても良い。
【0069】
○上記実施形態の特別演出モードは、2つであったが、任意の数に変更しても良い。1つでも良いし、3つ以上でも良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
【0070】
(イ)前記操作手段は、遊技機前面側に備えられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。
(ロ)前記操作手段は、所定の遊技演出を実行させるために遊技者によって使用される演出用スイッチであることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【0071】
(ハ)前記操作手段は、前記演出モードに複数の前記特別演出モードが含まれている場合、当該操作手段に対して所定の操作が加えられることにより複数の特別演出モードの中から所定の特別演出モードを指示するように構成されており、前記選択手段は、前記操作手段からの指示に応じて所定の特別演出モードを選択することを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【0072】
(ニ)遊技機全体を制御するメイン制御装置と、該メイン制御装置が出力した信号に応じた各種演出制御を実行するサブ制御装置を備え、前記サブ制御装置が、前記選択手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【0073】
(ホ)前記メイン制御装置は、始動入賞口への遊技球の入賞を検知した場合には、図柄変動ゲームの開始を指示するゲーム開始信号を出力すると共に、前記選択可能条件が満たされている場合には、開放信号を出力し、前記選択手段は、電源投入時から最初の前記ゲーム開始信号を入力するまでの間に、前記開放信号を入力しているときに前記操作手段が操作されたことを検知した場合、前記特別演出モードを選択することを特徴とする技術的思想(ニ)に記載の遊技機。
【0074】
(ヘ)遊技機全体を制御するメイン制御装置と、該メイン制御装置が出力した信号に応じた各種演出制御を実行するサブ制御装置を備え、前記メイン制御装置は、始動入賞口への遊技球の入賞を検知した場合には、図柄変動ゲームに係わる複数のゲーム制御信号を出力すると共に、前記選択可能条件が満たされた場合には、開放信号を出力し、前記サブ制御装置は、前記選択手段を備え、前記選択手段は、電源投入時から複数の前記ゲーム制御信号の中から予め定められたゲーム制御信号を入力するまでの間に、前記開放信号を入力しているときに前記操作手段が操作されたことを検知した場合に、前記特別演出モードを選択することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】パチンコ遊技機の機表側を示す正面図。
【図2】前枠を開放したときのパチンコ遊技機を示す正面図。
【図3】パチンコ遊技機の制御構成を示すブロック図。
【図4】(a)〜(c)は、予告パターン振り分けテーブルを説明する説明図。
【図5】(a)及び(b)は、演出モードが切り替わるタイミングを示すタイミングチャート。
【符号の説明】
【0076】
10…パチンコ遊技機(遊技機)、11…外枠、12…中枠、13…遊技盤、14…前枠、15…上球皿(皿部材)、21…表示装置、25…演出スイッチ(演出用スイッチ、操作手段)、27…保護ガラス、29…開放センサ、30…主制御基板(メイン制御装置)、30a…メインCPU、31…統括制御基板(サブ制御装置)、31a…統括CPU(選択手段)、31a…サブCPU(制御手段)、H…可変表示器(表示手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常演出モードと当該通常演出モードとは異なる演出態様で遊技演出を行わせることが可能な1つ又は複数の特別演出モードからなる複数の演出モードを有する遊技機において、
遊技機への電源投入時から所定の選択期間の間に、所定の選択可能条件が満たされている場合に操作手段が操作されたことに応じて前記特別演出モードを選択する選択手段を備え、
前記選択可能条件は、機体の外郭をなす外枠の開口前面側に開閉可能に組付けられる中枠と、前記中枠の前面側に開閉可能に組付けられて該中枠に取り付けられる遊技盤を透視保護する保護ガラスが装着される前枠と、前記中枠の前面側に開閉可能に組付けられる皿部材のうち少なくとも1つが開放されているという条件であることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
複数種類の図柄を変動表示する図柄変動ゲームが行われる表示手段を備え、
前記選択期間は、電源投入時から最初の前記図柄変動ゲームが行われるまでの間の期間であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記選択可能条件は、前記前枠が開放されているという条件であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−198036(P2006−198036A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−10915(P2005−10915)
【出願日】平成17年1月18日(2005.1.18)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】