遊技機
【目的】 所定回数の確変状態および時短状態の残りの可変表示の回数が無効となることを遊技者に悟られにくい遊技機を提供する。
【構成】 第1確変状態中に第2大当りとする旨の判定がなされたことにもとづいて変動時間が短い変動パターンの変動表示を行って、特別図柄表示器10に第2確変図柄を導出表示するとともに、飾り図柄表示部9にはずれ図柄を導出表示するため(図19(J))、遊技者に第2大当りとなったことを悟られ難くすることができる。また、第2大当り遊技状態終了後、第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達したときに確変状態を継続する旨を報知する継続報知演出(図19(O))を実行して確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動回数を加算した回数を報知表示するため(図19(P))、遊技者に第1確変状態にて無効となった変動回数を悟られ難くし、継続報知演出を実行することにより興趣を向上できる。
【構成】 第1確変状態中に第2大当りとする旨の判定がなされたことにもとづいて変動時間が短い変動パターンの変動表示を行って、特別図柄表示器10に第2確変図柄を導出表示するとともに、飾り図柄表示部9にはずれ図柄を導出表示するため(図19(J))、遊技者に第2大当りとなったことを悟られ難くすることができる。また、第2大当り遊技状態終了後、第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達したときに確変状態を継続する旨を報知する継続報知演出(図19(O))を実行して確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動回数を加算した回数を報知表示するため(図19(P))、遊技者に第1確変状態にて無効となった変動回数を悟られ難くし、継続報知演出を実行することにより興趣を向上できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者が遊技領域に遊技球を発射することにより遊技を行い、所定の始動条件の成立にもとづいて各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示装置と、前記遊技領域に設けられ遊技者にとって有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の状態とのいずれかの状態に変化可能な特別可変入賞装置と、を備え、前記可変表示装置の表示結果が予め定められた特定表示結果となった後に前記特別可変入賞装置を前記第1の状態に変化させる特定遊技状態に制御する遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。さらに、識別情報を可変表示可能な可変表示装置が設けられ、可変表示装置における識別情報の可変表示の表示結果が予め定められた特定の表示結果(特定表示結果)となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となるように構成されたものがある。
【0003】
特定遊技状態とは、所定の遊技価値が付与された遊技者にとって有利な状態を意味する。具体的には、特定遊技状態は、例えば特別可変入賞装置の状態を打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態(大当り遊技状態)、遊技者にとって有利な状態となるための権利が発生した状態、景品遊技媒体払出の条件が成立しやすくなる状態などの、所定の遊技価値が付与された状態である。
【0004】
上記した遊技機では、特別図柄(識別情報)を表示する可変表示装置の表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様の組合せ(特定表示結果)となることを、通常、「大当り」という。大当りが発生すると、例えば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個(例えば10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成する。そして、大入賞口の開放回数は、所定回数(例えば15ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば29.5秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。また、大入賞口が閉成した時点で所定の条件(例えば、大入賞口内に設けられているVゾーンへの入賞)が成立していない場合には、大当り遊技状態は終了する。
【0005】
また、可変表示装置における識別情報の可変表示の表示結果の違いによって、例えば、通常の大当り遊技状態の他にその大当り遊技状態終了後からの可変表示装置における識別情報が特定表示結果となる確率を変動させる(確変状態)確率変動大当りや、大当り遊技状態終了後からの可変表示装置にて識別情報の可変表示を開始してから表示結果が導出表示されるまでの時間(可変表示時間)を短くする(時短状態)時間短縮大当りなど、遊技価値の異なる複数種類の大当りを用意することで、遊技興趣の一層の向上を図った遊技機も数多く知られている。
【0006】
このような遊技機において、予め定められた所定の条件が成立したとき、例えば、可変表示装置における表示結果が所定の識別情報の組み合わせとなったことによる大当り遊技状態が終了したときに、上述した確変状態を発生させ、当該確変状態における識別情報の可変表示が予め定められた所定回数実行されたときに当該確変状態を終了させる。そして、当該確変状態中に可変表示装置における表示結果が所定の識別情報の組み合わせとなったことによる大当り遊技状態となったときに当該確変状態を終了し、当該大当り遊技状態が終了した後、新たに確変状態を発生させるものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、予め定められた所定の条件とは異なる条件が成立したとき、例えば、可変表示装置における表示結果が所定の識別情報の組み合わせとは異なる組み合わせとなったことによる大当り遊技状態が終了したときに、上述した時短状態を発生させ、当該時短状態における識別情報の可変表示が予め定められた所定回数実行されたときに当該時短状態を終了し、また、当該時短状態中に大当りとなったときに当該時短状態を終了するものがあった。また、時短状態が発生したときに前回および前々回の時短状態における所定回数の残り回数と、今回の所定回数の残り回数と、を報知するものがあった(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−33569号公報(第16−18頁、第6図)
【特許文献2】特開平9−10395号公報(第7−8頁、第6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上記した特許文献1および特許文献2の遊技機においては、例えば、大当りとなったときに所定回数の確変状態および時短状態の可変表示が行われていない場合であっても確変状態および時短状態を終了させるため、確変および時短状態の所定回数の残りの可変表示の回数が無効となることを遊技者に悟られてしまい、興趣が低下する虞があった。本発明は上記した事情に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、所定回数の確変状態および時短状態の残りの可変表示の回数が無効となることを遊技者に悟られにくい遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の発明においては、遊技者が遊技領域(例えば、遊技領域7)に遊技球を発射することにより遊技を行い、所定の始動条件の成立(例えば、始動入賞口14に打球が入賞)にもとづいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄10a)の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示装置(例えば、可変表示装置8)と、前記遊技領域に設けられ遊技者にとって有利な第1の状態(例えば、遊技球が入賞可能な開放状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(例えば、遊技球が入賞不可能な閉塞状態)とのいずれかの状態に変化可能な特別可変入賞装置(例えば、特別可変入賞装置20)と、を備え、前記可変表示装置の表示結果が予め定められた特定表示結果(例えば、大当り図柄)となった後に前記特別可変入賞装置を前記第1の状態に変化させる特定遊技状態(例えば、第1大当り遊技状態、第2大当り遊技状態)に制御する遊技機(例えば、弾球遊技機1)において、前記始動条件の成立にもとづいて前記表示結果をその導出表示以前に前記特定表示結果のうち第1特定表示結果(例えば、特別図柄10aの大当り図柄「0」〜「11」のうち「3」以外の図柄)とするか、前記特定表示結果のうち該第1特定表示結果とは異なる第2特定表示結果(例えば、第2確変図柄:「3」)とするか、前記特定表示結果とは異なる非特定表示結果(例えば、はずれ図柄:「−」)とするかを決定する事前決定手段(例えば、CPU56の機能であって、大当り判定処理(ステップS55)を実行する部分)と、該事前決定手段によって前記可変表示装置の表示結果を前記第1特定表示結果とすることが決定され、前記可変表示装置に該第1特定表示結果を導出表示した後に前記特定遊技状態のうち前記特別可変入賞装置を所定期間(例えば、30秒、または、打球が10個入賞するまで)第1の状態に変化させる第1特定遊技状態(例えば、第1大当り遊技状態)に制御する第1特定遊技状態制御手段(例えば、CPU56の機能であって、大入賞口開放前処理(ステップS304)のステップS114で開放回数カウンタに「15」をセットするとともに、ステップS117で開放タイマに「30秒」をセットし、開放回数カウンタ、および、開放タイマにもとづいて第1大当り遊技状態に制御する部分)と、前記事前決定手段によって前記可変表示装置の表示結果を前記第2特定表示結果とすることが決定され、前記可変表示装置に該第2特定表示結果を導出表示した後に前記特定遊技状態のうち前記特別可変入賞装置を前記所定期間より短い期間(例えば、1秒、または、打球が10個入賞するまで)第1の状態に変化させる第2特定遊技状態(例えば、第2大当り遊技状態)に制御する第2特定遊技状態制御手段(例えば、CPU56の機能であって、大入賞口開放前処理(ステップS304)のステップS115で開放回数カウンタに「2」をセットするとともに、ステップS118で開放タイマに「1秒」をセットし、開放回数カウンタ、および、開放タイマにもとづいて第2大当り遊技状態に制御する部分)と、前記特定遊技状態終了後、前記事前決定手段により前記表示結果を前記特定表示結果に決定する確率を前記特定遊技状態とは異なる通常遊技状態より高くする高確率状態(確変状態)に制御する高確率状態制御手段(例えば、CPU56の機能であって、大当り終了処理(ステップS306)で第1確変大当り、または、第2大当りが終了したときにステップS141で遊技状態フラグを確変状態フラグに書き換えることにより確変状態に制御する部分)と、該高確率状態制御手段によって前記高確率状態への制御が開始された後に実行された可変表示回数を計数する高確率回数計数手段(例えば、CPU56の機能であって、確変時処理(ステップS58)のステップS244、または、ステップS248で第1確変カウンタを減算する部分)と、該高確率回数計数手段により計数した回数が所定の可変表示回数となったか否かを判定する高確率状態回数判定手段(例えば、CPU56の機能であって、確変終了判定処理(ステップS104)のステップS253で第1確変カウンタが0であるか否か判定する部分)と、前記特定遊技状態に移行されずに前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされたとき、前記高確率状態を終了させる高確率状態終了手段(例えば、CPU56の機能であって、確変終了判定処理(ステップS104)のステップS253で第1確変カウンタが0と判定されたときにステップS254で遊技状態フラグを通常状態フラグに書き換える部分)と、該高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御され(例えば、遊技状態フラグが確変状態フラグであり)、前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされておらず(例えば、第1確変カウンタが0ではなく)、前記事前決定手段によって前記第2特定表示結果とする旨の決定がなされたときには、前記第2特定遊技状態制御手段によって前記第2特定遊技状態に制御した後に再度、前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に継続して制御する高確率状態継続制御手段(例えば、CPU56の機能であって、大当り終了処理(ステップS307)のステップS141で継続して遊技状態フラグを確変状態フラグにすることで確変状態に継続して制御する部分)と、該高確率状態継続制御手段により前記高確率状態が継続される以前から前記高確率回数計数手段により計数された可変表示回数が前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされたとき(例えば、確変時処理(ステップS58)におけるステップS245でYES)に前記高確率状態に継続して制御される旨を報知する継続報知演出(例えば、図19(O)で継続報知表示94を表示制御して確変状態を継続する旨の報知演出)を実行する継続報知演出実行手段(例えば、CPU56により確変時処理(ステップS58)のステップS245で第1確変カウンタが0であると判定されたときにステップS246で表示制御基板80に継続演出コマンドを送信し、表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUが継続演出コマンドを受信したことにもとづいて表示制御基板80に搭載されるROMから継続演出実行データを読み出し、読み出した継続演出実行データにもとづく演出態様で飾り図柄表示部9にて継続演出を実行する部分)と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2の発明においては、前記高確率状態制御手段は、前記第2特定遊技状態終了後に予め定められた可変表示回数(例えば、100回)、前記高確率状態に制御する第2高確率状態制御手段(例えば、CPU56の機能であって、第2大当り設定処理(ステップS221)のステップS231で第2確変カウンタに第2確変回数をセットするとともに、ステップS232で第2大当りフラグをセットし、大当り終了処理(ステップS306)のステップS141で遊技状態フラグを確変状態フラグに書き換える部分)を含み、前記高確率回数計数手段は、前記第2高確率状態制御手段により前記高確率状態に制御されているときに実行された可変表示回数を計数する第2高確率回数計数手段(例えば、CPU56の機能であって、確変時処理(ステップS58)のステップS243、および、S247で第2確変カウンタを減算する部分)を備え、前記高確率状態回数判定手段は、前記第2高確率回数計数手段により計数した回数が前記予め定められた可変表示回数となったか否かを判定する第2高確率状態回数判定手段(例えば、CPU56の機能であって、確変終了判定処理(ステップS104)のステップS252で第2確変カウンタが0か否か判定する部分)と、前記第2高確率回数計数手段の計数結果にもとづき前記第2高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御される残り回数を特定する第2高確率残回数特定手段(例えば、CPU56の機能であって、第2確変カウンタのカウント値を参照して第2確変状態の残り回数を特定する部分)と、前記継続報知演出を実行するときに、前記継続報知演出の態様が示された複数種類の継続演出実行データのうち前記第2高確率残回数特定手段により特定した第2高確率回数の残り回数にもとづいて継続演出実行データを選択する継続演出実行データ選択手段(例えば、CPU56により確変時処理(ステップS58)のステップS246で第2確変カウンタに応じた継続演出コマンドを表示制御基板80に送信し、表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUにより受信した継続演出コマンドに応じた継続演出実行データを表示制御基板80に搭載されるROMから選択する部分)と、を含み、前記継続報知演出実行手段は、前記継続演出データ選択手段によって選択された継続演出データを用いて前記継続報知演出を実行することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3の発明においては、前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数を報知する高確率回数報知手段(例えば、表示制御用CPUにより確変状態における変動パターンコマンドの受信回数に応じて実行回数表示93にて変動回数を報知する部分)を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4の発明においては、遊技者が遊技領域(例えば、遊技領域7)に遊技球を発射することにより遊技を行い、所定の始動条件の成立(例えば、始動入賞口14に打球が入賞)にもとづいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄10a)の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示装置(例えば、可変表示装置8)と、前記遊技領域に設けられ遊技者にとって有利な第1の状態(例えば、遊技球が入賞可能な開放状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(例えば、遊技球が入賞不可能な閉塞状態)とのいずれかの状態に変化可能な特別可変入賞装置(例えば、特別可変入賞装置20)と、を備え、前記可変表示装置の表示結果が予め定められた特定表示結果(例えば、大当り図柄)となった後に前記特別可変入賞装置を前記第1の状態に変化させる特定遊技状態(例えば、第1大当り遊技状態、第2大当り遊技状態)に制御する遊技機(例えば、弾球遊技機1)において、前記始動条件の成立にもとづいて前記表示結果をその導出表示以前に前記特定表示結果のうち第1特定表示結果(例えば、特別図柄10aの大当り図柄「0」〜「11」のうち「3」以外の図柄)とするか、前記特定表示結果のうち該第1特定表示結果とは異なる第2特定表示結果(例えば、第2確変図柄:「3」)とするか、前記特定表示結果とは異なる非特定表示結果(例えば、はずれ図柄:「−」)とするかを決定する事前決定手段(例えば、CPU56の機能であって、大当り判定処理(ステップS55)を実行する部分)と、該事前決定手段によって前記可変表示装置の表示結果を前記第1特定表示結果とすることが決定され、前記可変表示装置に該第1特定表示結果を導出表示した後に前記特定遊技状態のうち前記特別可変入賞装置を所定期間(例えば、30秒、または、打球が10個入賞するまで)第1の状態に変化させる第1特定遊技状態(例えば、第1大当り遊技状態)に制御する第1特定遊技状態制御手段(例えば、CPU56の機能であって、大入賞口開放前処理(ステップS304)のステップS114で開放回数カウンタに「15」をセットするとともに、ステップS117で開放タイマに「30秒」をセットし、開放回数カウンタ、および、開放タイマにもとづいて第1大当り遊技状態に制御する部分)と、前記事前決定手段によって前記可変表示装置の表示結果を前記第2特定表示結果とすることが決定され、前記可変表示装置に該第2特定表示結果を導出表示した後に前記特定遊技状態のうち前記特別可変入賞装置を前記所定期間より短い期間(例えば、1秒、または、打球が10個入賞するまで)第1の状態に変化させる第2特定遊技状態(例えば、第2大当り遊技状態)に制御する第2特定遊技状態制御手段(例えば、CPU56の機能であって、大入賞口開放前処理(ステップS304)のステップS115で開放回数カウンタに「2」をセットするとともに、ステップS118で開放タイマに「1秒」をセットし、開放回数カウンタ、および、開放タイマにもとづいて第2大当り遊技状態に制御する部分)と、前記特定遊技状態終了後、前記事前決定手段により前記表示結果を前記特定表示結果に決定する確率を前記特定遊技状態とは異なる通常遊技状態より高くする高確率状態(確変状態)に制御する高確率状態制御手段(例えば、CPU56の機能であって、大当り終了処理(ステップS306)で第1確変大当り、または、第2大当りが終了したときにステップS141で遊技状態フラグを確変状態フラグに書き換えることにより確変状態に制御する部分)と、該高確率状態制御手段によって前記高確率状態への制御が開始された後に実行された可変表示回数を計数する高確率回数計数手段(例えば、CPU56の機能であって、確変時処理(ステップS58)のステップS244、または、ステップS248で第1確変カウンタを減算する部分)と、該高確率回数計数手段により計数した回数が所定の可変表示回数となったか否かを判定する高確率状態回数判定手段(例えば、CPU56の機能であって、確変終了判定処理(ステップS104)のステップS253で第1確変カウンタが0であるか否か判定する部分)と、前記特定遊技状態に移行されずに前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされたとき、前記高確率状態を終了させる高確率状態終了手段(例えば、CPU56の機能であって、確変終了判定処理(ステップS104)のステップS253で第1確変カウンタが0と判定されたときにステップS254で遊技状態フラグを通常状態フラグに書き換える部分)と、該高確率状態終了手段によって前記高確率状態を終了させるときに、その旨を報知する終了報知演出(例えば、図28(O)と同一の演出態様の演出)を行う終了報知演出実行手段(例えば、CPU56により確変終了判定処理(ステップS104)のステップS252で第2確変カウンタが0と判定されたとき、または、ステップS253で第1確変カウンタが0と判定されたとき、にステップS255で終了コマンドを表示制御基板80に送信し、終了コマンドを受信したことにもとづいて表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUにより終了報知演出を実行する部分)と、前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御され(例えば、遊技状態フラグが確変状態フラグであり)、前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされておらず(例えば、第1確変カウンタが0ではなく)、前記事前決定手段によって前記第2特定表示結果とする旨の決定がなされたときには、前記第2特定遊技状態制御手段によって前記第2特定遊技状態に制御した後に再度、前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に継続して制御する高確率状態継続制御手段(例えば、CPU56の機能であって、大当り終了処理(ステップS307)のステップS162で継続して遊技状態フラグを確変状態フラグにすることで確変状態に継続して制御する部分)と、該高確率状態継続制御手段により前記高確率状態が継続される以前から前記高確率回数計数手段により計数された可変表示回数が前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされたとき(例えば、確変時処理(ステップS58)におけるステップS289でYES)に前記終了報知演出と同一の報知態様のダミー終了報知演出(例えば、図28(O)で偽終了報知表示95を表示制御して確変状態を終了する旨の報知演出)を実行するダミー終了報知演出実行手段(例えば、CPU56により確変時処理(ステップ58)のステップS277aで報知回数カウンタが0であると判定されたとき、または、ステップS289で第1確変カウンタが0であると判定されたとき、にステップS278cにてダミー終了コマンドを表示制御基板80に送信し、ダミー終了コマンドを受信したことにもとづいて表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUにより表示制御基板80に搭載されるROMからダミー終了報知演出実行データにもとづき飾り図柄表示部9にてダミー終了報知演出を実行する部分)と、該ダミー終了報知演出実行手段により前記ダミー終了報知演出を実行した後、予め定められた特定回数(例えば、第2大当り設定処理(ステップS221)のステップS264で抽出した演出開始タイミング決定用乱数により開始前カウンタにセットされた回数)の可変表示を行ったときに前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御しているときには、前記高確率状態に継続して制御される旨を報知するダミー開始報知演出(例えば、図29(U)で再開報知表示96を表示制御して確変状態を継続する旨の報知演出)を実行するダミー開始報知演出実行手段(例えば、CPU56により確変時処理(ステップS58)のステップS281で開始前カウンタが0となったときに第1確変カウンタと第2確変カウンタとの一方が0でないことを条件にステップS283bで継続演出コマンドを表示制御基板80に送信し、継続演出コマンドを受信したことにもとづいて表示制御用CPUが表示制御基板80に搭載されるROMからダミー開始報知演出実行データを読み出し、飾り図柄表示部9にて読み出したダミー開始報知演出実行データにもとづくダミー開始報知演出を実行する部分)と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項5の発明においては、前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御されるときに前記所定の可変表示回数(例えば、50回)を報知するか、前記所定の可変表示回数よりも少ない回数である擬似可変表示回数(例えば、10回、20回、30回、40回)を報知するか、を判定する擬似報知判定手段(例えば、CPU56の機能であって、報知回数判定処理(ステップS161)のステップS292で報知回数判定用乱数と、報知回数判定テーブルと、にもとづいて擬似可変表示回数を報知するか否か判定する部分)と、該擬似報知判定手段により前記擬似可変表示回数を報知する旨の判定がなされたときに(例えば、報知回数判定処理(ステップS161)のステップS293にてYES)、予め定められた複数種類の可変表示回数のうちいずれの可変表示回数を前記擬似可変表示回数として報知するか決定する擬似可変表示回数決定手段(例えば、CPU56の機能であって、報知回数判定処理(ステップS161)のステップS295で報知回数決定用乱数と、回数決定テーブルと、にもとづいて報知回数を決定する部分)と、該擬似可変表示回数決定手段により決定した擬似可変表示回数を報知する擬似可変表示回数報知手段(例えば、CPU56により報知回数判定処理(ステップS161)のステップS297で報知回数に応じた演出制御コマンドを表示制御基板80に送信し、表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUにより実行回数表示93に表示制御する部分)と、前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が前記擬似可変表示回数決定手段により決定した擬似可変表示回数となったか否かを判定する擬似可変表示回数判定手段(例えば、CPU56の機能であって、確変時処理(ステップS58)のステップS277aで報知回数カウンタが0であるか否か判定する部分)と、をさらに備え、ダミー終了報知演出実行手段は、前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御され(例えば、遊技状態フラグが確変状態フラグであり)、前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされておらず(例えば、第1確変カウンタが0ではなく)、前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が前記擬似可変表示回数判定手段によって前記擬似可変表示回数になった旨の判定がなされたとき(例えば、確変時処理(ステップS58)のステップS277aでYESとなったとき)に前記ダミー終了報知演出を実行することを特徴とする。
【0014】
また、請求項6の発明においては、前記ダミー終了報知演出実行手段により前記ダミー終了報知演出を実行したとき、予め定められた複数種類の特定回数のうちいずれかの特定回数に決定する特定回数決定手段(例えば、CPU56の機能であって、第2大当り設定処理(ステップS221)のステップS264で抽出した演出開始タイミング決定用乱数の値をステップS265で開始前カウンタにセットする部分)を備え、前記特定回数決定手段により決定された特定回数の可変表示を行ったときに前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御しているときには、前記ダミー開始報知演出実行手段は、前記ダミー開始報知演出を実行することを特徴とする。
【0015】
また、請求項7の発明においては、前記高確率状態制御手段は、前記第2特定遊技状態終了後に予め定められた可変表示回数(例えば、100回)、前記高確率状態に制御する第2高確率状態制御手段(例えば、CPU56の機能であって、第2大当り設定処理(ステップS221)のステップS231で第2確変カウンタに第2確変回数をセットするとともに、ステップS232で第2大当りフラグをセットし、大当り終了処理(ステップS306)のステップS141で遊技状態フラグを確変状態フラグに書き換える部分)を含み、前記高確率回数計数手段は、前記第2高確率状態制御手段により前記高確率状態に制御されているときに実行された可変表示回数を計数する第2高確率回数計数手段(例えば、CPU56の機能であって、確変時処理(ステップS58)のステップS274、S285、および、S288で第2確変カウンタを減算する部分)を備え、前記高確率状態回数判定手段は、前記第2高確率回数計数手段により計数した回数が前記予め定められた可変表示回数となったか否かを判定する第2高確率状態回数判定手段(例えば、CPU56の機能であって、確変終了判定処理(ステップS104)のステップS252で第2確変カウンタが0か否か判定する部分)と、前記第2高確率回数計数手段の計数結果にもとづき前記第2高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御される残り回数を特定する第2高確率残回数特定手段(例えば、CPU56の機能であって、第2確変カウンタのカウント値を参照して第2確変状態の残り回数を特定する部分)と、前記ダミー終了報知演出を実行するときに、前記ダミー終了報知演出の態様が示された複数種類のダミー終了報知演出実行データのうち前記第2高確率残回数特定手段により特定した第2高確率回数の残り回数にもとづいてダミー終了報知演出実行データを選択するダミー終了演出データ選択手段(例えば、CPU56により確変時処理(ステップS58)のステップS283bで第2確変カウンタに応じた継続演出コマンドを表示制御基板80に送信し、表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUにより受信した継続演出コマンドに応じたダミー終了報知演出実行データを表示制御基板80に搭載されるROMから選択する部分)と、を含み、前記ダミー終了報知演出実行手段は、前記ダミー終了演出データ選択手段によって選択されたダミー終了報知演出実行データを用いて前記ダミー終了報知演出を実行することを特徴とする。
【0016】
また、請求項8の発明においては、前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数を報知する高確率回数報知手段(例えば、表示制御用CPUにより確変状態における変動パターンコマンドの受信回数に応じて実行回数表示93にて変動回数を報知する部分)を備え、該高確率回数報知手段は、前記ダミー終了報知演出実行手段により前記ダミー終了報知演出が実行されたときに前記可変表示回数の報知を中断し、前記ダミー開始報知演出実行手段により前記ダミー開始報知演出が実行されたときに前記可変表示回数の報知を可変表示回数を報知する際に用いられる初期値から再開報知する(例えば、図28(O)にてダミー終了報知演出を実行したときに実行回数表示93の表示制御を中止し、図29(U)でダミー開始報知演出を実行した後、確変状態にて特別図柄表示器10にて実行された変動表示回数として実行回数表示93に1回から表示制御する)ことを特徴とする。
【0017】
また、請求項9の発明においては、前記事前決定手段による決定結果にもとづいて前記可変表示装置にて前記識別情報の可変表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの表示態様が示された複数種類の可変表示データ(例えば、変動パターンコマンド)のうちいずれかを選択する可変表示データ選択手段(例えば、CPU56の機能であって、変動パターン設定処理(ステップS301)にて変動パターンを選択する部分)を備え、該可変表示データ選択手段は、前記通常遊技状態において前記事前決定手段により前記第2特定表示結果とする旨の判定がなされたときに前記複数種類の可変表示データのうち予め定められた特定可変表示データを選択する(例えば、変動パターン設定処理(ステップS301)のステップS77で確変状態フラグがセットされていなければ通常の変動時間の変動パターン12を選択する)一方、前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御されているときに前記事前決定手段により前記第2特定表示結果とする旨の判定がなされたときに前記複数種類の可変表示データのうち前記特定可変表示データとは異なる非特定可変表示データを選択する(例えば、変動パターン設定処理(ステップS301)のステップS77で確変状態フラグがセットされていれば変動時間の短い変動パターン14を選択する)ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る発明においては、高確率状態制御手段により高確率状態に制御され、高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が高確率状態回数判定手段によって所定の可変表示回数となった旨の判定がなされておらず、事前決定手段によって第2特定表示結果とする旨の決定がなされ、第2特定遊技状態制御手段によって第2特定遊技状態に制御した後に再度、高確率状態制御手段によって高確率状態に継続して制御し、高確率状態回数判定手段によって所定の可変表示回数となった旨の判定がなされたときに高確率状態に継続して制御される旨を報知する継続報知演出を実行するため、第2特定遊技状態に制御したことにより所定の可変表示回数の残り回数が無効になったことが遊技者に悟られ難くなり、加えて、所定回数の可変表示が行われたときに高確率状態を継続して制御される旨の継続報知演出を行うことで遊技者の興趣を再度高めることができる。
【0019】
また、請求項2に係る発明においては、継続報知演出の態様が示された複数種類の継続演出実行データのうち第2高確率残回数特定手段により特定した第2高確率回数の残り回数にもとづいて継続演出データ選択手段によって選択された継続演出データを用いて継続報知演出を実行するため、所定回数の可変表示が行われたときに高確率状態の残りの可変表示回数に応じて異なる継続報知演出を実行でき、演出のバリエーションを増加させることができるとともに、遊技者の興趣を向上できる。
【0020】
また、請求項3に係る発明においては、高確率回数計数手段により計数した可変表示回数を報知するため、高確率状態に継続して制御されている印象を遊技者により強く与えることができ、興趣が高まる。
【0021】
また、請求項4に係る発明においては、高確率状態制御手段によって高確率状態に制御され、高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が高確率状態回数判定手段によって所定の可変表示回数となった旨の判定がなされておらず、事前決定手段によって第2特定表示結果とする旨の決定がなされ、第2特定遊技状態制御手段によって第2特定遊技状態に制御した後に再度、高確率状態制御手段によって高確率状態に継続して制御し、高確率状態回数判定手段によって所定の可変表示回数となった旨の判定がなされたときに終了報知演出と同一の報知態様のダミー終了報知演出を実行するため、第2特定遊技状態に制御したことにより高確率状態における所定の可変表示回数の残り回数が無効になったことが遊技者に悟られ難くなる。また、ダミー終了報知演出実行手段によりダミー終了報知演出を実行した後、予め定められた特定回数の可変表示を行ったときに高確率状態制御手段によって高確率状態に制御しているときには、高確率状態に継続して制御される旨を報知するダミー開始報知演出を実行するため、遊技者の興趣を再度高めることができるとともに、終了報知演出が実行された場合であってもダミー開始報知演出に対する期待感を高めることができる。
【0022】
また、請求項5に係る発明においては、高確率状態制御手段によって高確率状態に制御され、高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が高確率状態回数判定手段によって所定の可変表示回数となった旨の判定がなされておらず、高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が擬似可変表示回数判定手段によって擬似可変表示回数になった旨の判定がなされたときにダミー終了報知演出を実行するため、演出のバリエーションが増加し、遊技者の興趣が高まる。
【0023】
また、請求項6に係る発明においては、複数種類の特定回数のうち特定回数決定手段により決定された特定回数の可変表示を行ったときに高確率状態制御手段によって高確率状態に制御しているときには、ダミー開始報知演出実行手段によりダミー開始報知演出を実行するため、演出のバリエーションが増加し、遊技者の興趣が高まる。
【0024】
また、請求項7に係る発明においては、ダミー終了報知演出を実行するときに、ダミー終了報知演出の態様が示された複数種類のダミー終了報知演出実行データのうち第2高確率残回数特定手段により特定した第2高確率回数の残り回数にもとづいてダミー終了演出データ選択手段によって選択されたダミー終了報知演出実行データを用いてダミー終了報知演出を実行するため、所定の可変表示回数の残りの可変表示回数に応じて異なるダミー開始報知演出を実行でき、演出のバリエーションを増加させることができるとともに、遊技者の興趣を向上できる。
【0025】
また、請求項8に係る発明においては、ダミー終了報知演出実行手段によりダミー終了報知演出が実行されたときに可変表示回数の報知を中断し、ダミー開始報知演出実行手段によりダミー開始報知演出が実行されたときに可変表示回数の報知を可変表示回数を報知する際に用いられる初期値から再開報知するため、高確率状態が再開して発生した印象を遊技者に与えることができ、興趣が高まる。
【0026】
また、請求項9に係る発明においては、通常遊技状態において事前決定手段により第2特定表示結果とする旨の判定がなされたときに複数種類の可変表示データのうち予め定められた特定可変表示データを選択する一方、高確率状態制御手段によって高確率状態に制御されているときに事前決定手段により第2特定表示結果とする旨の判定がなされたときに複数種類の可変表示データのうち特定可変表示データとは異なる非特定可変表示データを選択するため、第2特定遊技状態となったことを遊技者に悟られ難くなり、継続報知演出およびダミー開始報知演出を行った際にさらに遊技者の興趣を高められる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(第1実施形態)
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例である弾球遊技機1の全体の構成について説明する。図1は弾球遊技機1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例として弾球遊技機を示すが、本発明は弾球遊技機に限られず、例えば、画像式の遊技機、コイン遊技機、及び、スロット機、等であってもよい。
【0028】
弾球遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、弾球遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)と、を含む構造体である。
【0029】
図1に示すように、弾球遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
【0030】
遊技領域7の中央付近には、所定の始動条件の成立(例えば、打球が始動入賞口14へ入賞)にもとづいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄10a)の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示装置8を備えている。本実施形態では、可変表示装置8の右下部に7セグメントLEDにより構成される特別図柄表示器10と、可変表示装置8の中央に液晶表示装置(LCD)により構成される飾り図柄表示部9と、を備えている。特別図柄表示器10では、7セグメントLEDによって表示される特別図柄10aの比較的単調な可変表示を行なっている。また、飾り図柄表示部9では、複数の表示領域(本実施形態では3つ)にて飾り図柄9a〜9cの可変表示を行っている。飾り図柄表示部9は、特別図柄表示器10で行われる可変表示の内容を、より演出効果を高めて遊技者に表示するための可変表示装置であり、この実施の形態では、左・中・右の3つの表示領域に飾り図柄9a〜9cが表示制御される。
【0031】
なお、本実施形態における弾球遊技機1は、始動入賞発生時(例えば、始動入賞口14へ打球が入賞する)に後述する抽出手段(例えば、CPU56の機能であって数値データ(大当り判定用乱数、等)を抽出する機能:ステップS203)によって、数値データ更新手段(例えば、CPU56の機能であって数値データ(大当り判定用乱数、等)を更新(カウントアップ)する機能:ステップS23)が更新する数値データから抽出された数値データ(大当り判定用乱数等)が事前判定手段(例えば、CPU56の機能であって始動入賞発生時に抽出した大当り判定用乱数が大当り判定値と合致するか否かを判定する部分:ステップS55)により所定の判定値(大当り判定値)と合致すると判定されたときに、特別図柄表示器10に特定表示結果(大当り図柄、例えば、「0」〜「11」のいずれかの図柄)を表示した後に遊技者にとって有利な特定遊技状態(第1大当り遊技状態、第2大当り遊技状態)に制御する機能を有する。
【0032】
また、特定表示結果(大当り図柄)には、第1特定表示結果(第1確変図柄、例えば、「0」〜「11」の図柄のうち「3」以外の奇数図柄)と、第2特定表示結果(第2確変図柄、例えば、「3」)と、第1特定表示結果および第2特定表示結果とは異なる第3特定表示結果(非確変図柄、例えば、例えば、「0」〜「11」の図柄のうち偶数図柄)が含まれ、本実施形態における弾球遊技機1は、事前判定手段により表示結果を第1特定表示結果(第1確変図柄)とすることを決定したときに特別図柄表示器10に第1特定表示結果(第1確変図柄)を表示した後に第1特定遊技状態(第1大当り遊技状態)に制御し、第1特定遊技状態(第1大当り遊技状態)終了後に、特定遊技状態(第1特定遊技状態、第2特定遊技状態)とは異なる遊技状態であって、通常遊技状態より表示結果が特定表示結果(大当り図柄)となり易い(事前判定手段により大当りと判定する確率が高い)第1高確率状態としての第1確変状態に制御することにより遊技者にとって有利な状態に移行制御する。なお、通常遊技状態とは、確変状態(第1確変状態、第2確変状態)、大当り遊技状態(第1大当り遊技状態、第2大当り遊技状態)、および、後述する時短状態、とは異なる遊技状態のことである。
【0033】
また、事前判定手段により表示結果を第2特定表示結果(第2確変図柄)とすることを決定したときに特別図柄表示器10に第2特定表示結果(第2確変図柄)を導出表示した後に第2特定遊技状態(第2大当り遊技状態)に制御し、第2特定遊技状態(第2大当り遊技状態)終了後に、特定遊技状態(第1特定遊技状態、第2特定遊技状態)とは異なる遊技状態であって、通常遊技状態より特定表示結果(大当り図柄)となり易い(事前判定手段により大当りと判定する確率が高い)第2高確率状態としての第2確変状態に制御することによって遊技者にとってさらに有利な状態に移行制御する。
【0034】
また、事前判定手段により表示結果を第3特定表示結果(非確変図柄)とすることを決定したときに特別図柄表示器10に第3特定表示結果(非確変図柄)を導出表示した後に第1特定遊技状態(第1大当り遊技状態)に制御し、第1特定遊技状態(第1大当り遊技状態)終了後に、通常遊技状態に制御する。なお、第1特定表示結果が導出表示されたことを第1確変大当り、第3特定表示結果が導出表示されたことを第1通常大当りということがある。
【0035】
このように、この実施の形態では、第1高確率状態および第2高確率状態として通常遊技状態よりも大当りとなる確率が高い確変状態に制御している。また、第1確変状態および第2確変状態は、特別図柄表示器10にてそれぞれ所定回数の可変表示が行われたとき、第1大当り遊技状態が発生したとき、および、第2大当り遊技状態が発生したとき、に終了する。この実施の形態では、第1確変状態として特別図柄表示器10にて最大50回の可変表示が行われるまで確変状態に制御され、第2確変状態として特別図柄表示器10にて最大100回の可変表示が行われるまで確変状態に制御されることで第1確変状態と第2確変状態との遊技価値を異ならせている。
【0036】
また、第1確変状態中および第2確変状態中に第1大当り遊技状態または第2大当り遊技状態が発生したことにより第1確変状態または第2確変状態が終了した場合であっても、第1特定表示結果が導出表示されたことにもとづく第1大当り遊技状態が発生したとき(第1確変大当りとなったとき)には第1大当り遊技状態終了後に新たに第1確変状態に移行制御され、第2特定表示結果が導出表示されたことにもとづく第2大当り遊技状態が発生したときには第2大当り遊技状態終了後に新たに第2確変状態に移行制御される。
【0037】
なお、この実施の形態では、最大50回の可変表示が行われるまで確変状態に制御する第1確変状態と、最大100回の可変表示が行われるまで確変状態に制御する第2確変状態と、することで確変状態の制御される可変表示回数に制限を設けているが、第1確変状態と第2確変状態とのうち一方の確変状態にのみ可変表示回数に制限を設けてもよく、例えば、第1確変状態においては最大100回の可変表示が行われるまで確変状態に制御し、第2確変状態においては、第1大当り遊技状態が発生したとき、および、第2大当り遊技状態が発生したとき、に第2確変状態を終了するように構成してもよい。
【0038】
また、この特別図柄表示器10の表示結果と飾り図柄表示部9の表示結果とはほぼ対応している。例えば、特別図柄表示器10の表示結果が第1特定表示結果になる場合には、飾り図柄表示部9の表示結果も第1特定表示結果に応じた大当り図柄になり、特別図柄表示器10の表示結果が第3特定表示結果になる場合には、飾り図柄表示部9の表示結果も第3特定表示結果に応じた大当り図柄となる。また、特別図柄表示器10の表示結果が特定表示結果とは異なる非特定表示結果(はずれ図柄)となる場合には、飾り図柄表示部9の表示結果もはずれ図柄となり、特別図柄表示器10の表示結果が第2特定表示結果になる場合には、飾り図柄表示部9の表示結果も第2特定表示結果に応じた大当り図柄となる。なお、特別図柄表示器10の表示結果が第2特定表示結果になる場合には、遊技機の遊技状態に応じて飾り図柄表示部9の表示結果を第2特定表示結果と対応しないはずれ図柄にする場合がある。この実施の形態では、第1確変状態および第2確変状態中に特別図柄表示器10の表示結果が第2特定表示結果になる場合には、飾り図柄表示部9の表示結果をはずれ図柄とすることにより、遊技者の目を欺かせることができ、遊技状態の変化を遊技者に悟られ難くすることができる。
【0039】
飾り図柄表示器9の上方には、後述する始動入賞口14に遊技球が入り始動条件が成立したが未だ特別図柄表示器10の開始条件(例えば、前回の特別図柄10aの可変表示の終了、第1大当り遊技状態および第2大当り遊技状態の終了)が成立していない始動条件の成立回数である保留記憶数を記憶する保留記憶手段(例えば、主基板31のRAM55により保留記憶数を記憶する機能)に記憶された保留記憶数を表示する保留記憶数表示手段として特別図柄保留記憶表示器11が設けられている。特別図柄保留記憶表示器11は、4つのLEDから構成され、始動入賞口14への有効始動入賞(本実施形態では、保留記憶数が4未満のときの始動入賞)がある毎に、LEDを1つ点灯し、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの可変表示が開始される毎に、点灯しているLEDを1つ減らす。すなわち、LEDを1つ消灯する。
【0040】
特別図柄保留記憶表示器11は、特別図柄表示器10における特別図柄10aの始動条件が成立(打球が始動入賞口14へ入賞)したときに後述する抽出手段(ステップS203)によって後述する数値データ更新手段(ステップS23)から抽出された数値データ(例えば、大当り判定用乱数等)の抽出順番を特定可能に記憶する保留記憶手段としての保留記憶バッファ(例えば、主基板31に搭載されるRAM55により抽出手段(ステップS203)によって抽出された数値データ(大当り判定用乱数等)を記憶する機能)に記憶された数値データの記憶数(保留記憶数)を特定可能に表示する。
【0041】
また、この実施の形態では、保留記憶バッファには、抽出手段(ステップS203)によって抽出された数値データ(例えば、大当り判定用乱数等)のうち未だ開始条件(例えば、前回の特別図柄10aの可変表示の終了、第1大当り遊技状態および第2大当り遊技状態の終了)が成立していない数値データが予め定められた上限数として4個まで記憶される。なお、保留記憶バッファに記憶可能となる数値データの上限数は上記したものに限らず、例えば、上限数を20(または0〜∞のうち任意の整数)としてもよい。また、所定の変更条件が成立した(例えば、表示結果が特別表示結果となった等)ことにもとづいて上限値を変更し(例えば、4個から20個に変更する)、所定の終了条件が成立した(例えば、表示結果が第3特定表示結果となった等)ことにもとづいて上限値を元に戻す(例えば、20個から4個に戻す)構成としてもよい。この場合には、全ての保留記憶数を表示できるように複数のLEDにより構成した特別図柄保留記憶表示器11としてもよく、また、保留記憶数のうち所定数(例えば、5つ)のみ表示するようにしてもよい。さらに、特別図柄保留記憶表示器11を7セグメントLEDにより構成し、保留記憶数全てを数値表示するように構成してもよい。
【0042】
可変表示装置8の下方には、遊技球が入賞可能な始動入賞口14を有する可変入賞装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ62によって検出される。可変入賞装置15は、ソレノイド71によって開状態とされる。ソレノイド71により可変入賞装置15が開状態となることにより、遊技球が始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態となる。
【0043】
可変入賞装置15の下方には、特別図柄表示器10に特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたことにもとづく特定遊技状態(第1大当り遊技状態、第2大当り遊技状態)においてソレノイド72によって開状態とされる特別可変入賞装置20が設けられている。特別可変入賞装置20は、内部に大入賞口21を備え、ソレノイド72により可動して大入賞口21に遊技球が入賞可能な受入可能状態と、大入賞口21に遊技球が入賞不能な受入不能状態と、に変化可能に設けられている。また、特別可変入賞装置20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち、一方(V入賞領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ64で検出され、もう一方(10カウント入賞領域)に入った入賞球はカウントスイッチ63で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口21内の経路を切り換えるためのソレノイド73も設けられている。
【0044】
特別可変入賞装置20の左側方には、「○」及び「×」と付された左右一対のLEDからなる普通図柄表示器12が設けられている。この普通図柄表示器12は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」及び「×」)を可変表示可能なものである。
【0045】
ゲート28を遊技球が通過しゲートスイッチ61で検出されると、普通図柄当り判定用乱数が抽出されて主基板31に搭載されるRAM55の普通図柄バッファに格納される。この実施の形態では、RAM55の普通図柄バッファに記憶可能な普通図柄当り判定用乱数の記憶数の上限は、4個となっている。そして、普通図柄バッファに記憶される普通図柄当り判定用乱数の記憶数が上限に達していなければ、つまり、遊技球がゲートスイッチ61で検出されると普通図柄バッファに記憶される普通図柄当り判定用乱数の記憶数が4個に達していなければ、普通図柄当り判定用乱数が抽出される。そして、普通図柄表示器12において普通図柄の表示状態が変化(「○」および「×」が交互に点灯)する可変表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器12において普通図柄の可変表示が開始される。普通図柄表示器12において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄当り判定用乱数を普通図柄バッファに格納することで普通図柄当り判定用乱数の記憶数が1増加する。
【0046】
また、普通図柄表示器12の下方には、普通図柄バッファに格納される普通図柄当り判定用乱数の記憶数を表示する所定数(この実施の形態では4つ)のLEDを有する普通図柄保留記憶表示器13が設けられている。この普通図柄保留記憶表示器13は、ゲート28を遊技球が通過し、ゲートスイッチ61で遊技球が検出される毎に点灯するLEDを1つ増やす。そして、普通図柄表示器12にて普通図柄(例えば、「○」及び「×」)の可変表示が開始される毎に点灯しているLEDを1減らす。
【0047】
この実施の形態では、普通図柄表示器12にて、○と×の付された左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の可変表示が行われ、可変表示は所定時間(例えば、29.2秒)継続する。そして、可変表示の終了時に○の付された左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、ゲート28を遊技球が通過し、ゲートスイッチ61で遊技球が検出されたときに抽出された数値データ(普通図柄当り判定用乱数)の値が所定の普通図柄当り判定値と合致したか否かによって決定される。普通図柄表示器12における可変表示の表示結果が当りである場合には、可変入賞装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が始動入賞口14に入賞しやすい状態になる。すなわち、可変入賞装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態(可変入賞装置15が開放していない状態)から有利な状態(可変入賞装置15が開放した状態)に変化する。
【0048】
更に、第1高確率状態としての第1確変状態および第2高確率状態としての第2確変状態では、特別図柄表示器10にて可変表示される特別図柄10aの停止図柄が大当り図柄(特定表示結果:例えば、「0」〜「11」のいずれか)になる確率が通常遊技状態より高められるとともに、特別図柄10aの可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態より短縮される。更に、普通図柄表示器12において、停止図柄が大当り図柄になる確率が通常遊技状態より高められるとともに、可変入賞装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常遊技状態より高められる。これにより遊技者にとって更に有利な状態となる。また、確変状態(第1確変状態、第2確変状態)等の所定の状態では、普通図柄表示器12における普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態より短縮されることによって、遊技者にとって更に有利になるようにしてもよい。
【0049】
なお、この実施の形態では、第1高確率状態および第2高確率状態として確変状態に制御するが、第1高確率状態、第2高確率状態のうちいずれか一方、または、双方を時短状態に制御することにより遊技者にとって通常遊技状態よりも有利な状態としてもよい。時短状態では、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの変動表示(可変表示)が所定回数(例えば、第1高確率状態として50回、第2高確率状態として100回)実行されるまで、特別図柄表示器10の特別図柄10aおよび普通図柄表示器12の普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態より短縮される。更に、可変入賞装置15において、開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常遊技状態より高められる。可変入賞装置15の開放時間または開放回数が通常遊技状態より高められることにより、始動入賞口14への始動入賞が起こりやすくなり、所定期間内での特別図柄表示器10における特別図柄10aの可変表示回数が増加して特別図柄10aが大当り図柄となる確率が通常遊技状態より高まるため、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利な状態となる。
【0050】
また、高確率状態(第1高確率状態、第2高確率状態)は上記したものに限らず、遊技者に有利となる遊技制御を高確率状態とすればよい。すなわち、特別図柄10a乃至普通図柄に対しての時間短縮(時短)制御または確率変動(確変)制御、電役(例えば、可変入賞装置15)の開放期間の延長制御、特別図柄10a乃至普通図柄に対しての始動通過領域の増設制御(例えば、遊技盤6に設置される入賞口(図示しない)を特別図柄10aの始動入賞口として設定変更する制御)、賞球数の増加制御(例えば、入賞に伴う賞球を通常遊技状態時の13個から15個に増加する制御)、あるいは所定領域への通過率向上制御(例えば、始動入賞口14の上流側に打玉規制装置を設け、該打玉規制装置の作動により始動入賞率を向上する制御)を高確率状態とすることができ、さらには始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する弾球遊技機に本発明を適用した場合には、特定領域への入賞率向上制御を高確率状態としてもよい。
【0051】
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ40、枠ランプ左41および枠ランプ右42が設けられている。また、枠ランプ左41の近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が、枠ランプ右42の近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が、設けられている。
【0052】
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。なお、この実施の形態では、特別図柄表示器10は7セグメントLEDにより構成され、1つの特別図柄10aの可変表示を行うため、リーチ表示態様となることはない。そのため、この実施の形態では、飾り図柄表示部9にて飾り図柄9a〜9cのリーチ表示態様とする。
【0053】
本実施形態では、飾り図柄表示部9に予め定められた図柄が停止することで大当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行われている状態(例えば、飾り図柄表示部9における左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部となる(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態)、および有効ライン上の表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、飾り図柄表示部9における左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
【0054】
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(特別図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、飾り図柄表示部9の背景の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。
【0055】
また、図示しないが弾球遊技機1には打球操作ハンドル5を操作することにより駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置45が設けられている。打球発射装置45から発射された遊技球は、遊技盤6に遊技領域7を囲むように円形状に載設された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ62で検出されると、特別図柄10aの可変表示を開始できる状態であれば(例えば、第1大当り遊技終了または前回の可変表示の終了)、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの可変表示を開始するとともに、飾り図柄表示部9にて飾り図柄9a〜9cの可変表示(変動表示)を開始する。特別図柄10aの可変表示を開始できる状態でなければ、保留記憶バッファに記憶される数値データ(例えば、大当り判定用乱数等)の記憶数を1増やし、特別図柄保留記憶表示器11の点灯するLEDを1つ増やす。
【0056】
特別図柄表示器10における特別図柄10aの可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄10aが大当り図柄(特定表示結果)となると、大当り図柄の種類に応じて第1大当り遊技状態、または、第2大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口21に入賞するまで特別可変入賞装置20によって大入賞口21が開放される。なお、特別可変入賞装置20によって大入賞口21が開閉されてから一定期間(例えば、第1大当り遊技状態においては30秒、第2大当り遊技状態においては1秒)経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口21に入賞するまで、が第1大当り遊技状態における1ラウンドである。そして、特別可変入賞装置20による大入賞口21の開放中に打球が大入賞口21内のV入賞領域に入賞し、V入賞スイッチ64で検出されると、継続権が発生し特別可変入賞装置20により大入賞口21の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、第1大当り遊技状態においては15ラウンド、第2大当り遊技状態においては2ラウンド)許容される。
【0057】
なお、第2大当り遊技状態は複数回のラウンドにわたって特別可変入賞装置20の開放時間を短く制御することにより遊技者に第2大当り遊技状態となったことを悟られにくい態様であればよく、特別可変入賞装置の開放時間は、本実施形態の例(「1秒」)に限らないし、ラウンド回数も本実施形態の例(「2ラウンド」)に限らない。
【0058】
また、本発明に係る特定遊技状態は、上記に限らず以下に示す1〜5の制御のうちいずれか1つの制御または組合せた制御を実行する状態であればよい。
1.打球の入賞を容易にする第1の状態と、打球が入賞できないまたは入賞しにくい第2の状態と、に変化可能な可変入賞装置に対して所定時間連続的または間欠的に第1の状態にする制御
2.特定の入賞または通過領域での打球の検出を介在させ、打球の入賞を容易にする第1の状態と、打球が入賞できないまたは入賞しにくい第2の状態と、に変化可能な可変入賞装置に対して所定時間連続的または間欠的に第1の状態にする制御
3.打球の入賞に関わらず所定数の景品球を直接排出する制御
4.有価価値を有する記憶媒体(カードやレシート等)に対して有価数を加算する制御
5.得点があることにもとづいて遊技可能な弾球遊技機に対して得点を付与する制御
図2は、本実施形態に係る弾球遊技機1の回路構成の概要を表したブロック図である。主基板31には、プログラムに従って弾球遊技機1を制御する基本回路53が搭載されている。基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って遊技の信号を制御するCPU56、及び表示制御基板80等に制御信号を送信するI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。
【0059】
なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータとは、主基板31に搭載されるCPU56、ROM54、RAM55、I/Oポート部57、等の周辺回路のことである。
【0060】
また、ゲートスイッチ61、始動口スイッチ62、カウントスイッチ63、V入賞スイッチ64、クリアスイッチ65、余剰球受皿4がいっぱいになったときに検出する満タンスイッチ(図示しない)、カウントスイッチ短絡信号(図示しない)、からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路32、可変入賞装置15を開閉するソレノイド71、特別可変入賞装置20を開閉するソレノイド72、大入賞口21内に設けられたシーソーを可動するソレノイド73、等を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路33、電源投入時に基本回路53をリセットするためのシステムリセット回路(図示しない)、基本回路53から与えられるデータに従って、大当り遊技状態(第1大当り遊技状態、第2大当り遊技状態)の発生を示す大当り情報、等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路34、も主基板31に搭載されている。
【0061】
また、主基板31に搭載されたCPUは、可変表示装置8に設けられた特別図柄表示器10の表示制御、および、普通図柄表示器12の表示制御を行う。さらに、特別図柄保留記憶表示器11および普通図柄保留記憶表示器13の発光制御を行う。
【0062】
主基板31に設けられた遊技制御用マイクロコンピュータ(CPU56及びROM54,RAM55等の周辺回路)は、プリペイドカード等が挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50、遊技盤6に設けられた複数の入賞口にて遊技球の入賞を検出したことにより賞球払い出しを行う球払出装置44、を制御する払出制御基板36に払出制御信号を送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータは、打球操作ハンドル5を操作することにより打球発射装置45を駆動制御して遊技球を遊技領域7に向けて発射制御する発射制御基板37に発射制御信号を送信する。
【0063】
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータは表示制御基板80に演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御コマンドを受信することにより表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータ(表示制御用CPU(図示しない)、RAM(図示しない)、ROM(図示しない)、I/Oポート部(図示しない)、等の周辺回路)が可変表示装置8の飾り図柄表示部9の表示制御を行う。
【0064】
表示制御用CPUは、ROMに格納されたプログラムに従って動作し、主基板31から演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドに従って可変表示装置8の飾り図柄表示部9の表示制御を行う。具体的には、画像表示を行う表示制御機能及び高速描画機能を有するVDP(図示しない)により飾り図柄表示部9の表示制御を行う。表示制御用CPUは、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示しない)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、飾り図柄表示部9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、怪物、文字、図形または記号等を予め格納しておくためのものである。
【0065】
そして、表示制御用CPUはキャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは表示制御用CPUからデータが入力されたことにもとづいて動作する。この実施の形態では、飾り図柄表示部9の表示制御を行うVDP(図示しない)が表示制御基板80に搭載されている。また、VDPは、表示制御用CPUとは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAM(図示しない)をマッピングしている。
【0066】
VDPはキャラクタ画像データに従って飾り図柄表示部9に表示するための画像データを生成し、VDPはVRAMに展開する。VRAMはVDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。そして、飾り図柄表示部9に出力する。
【0067】
また、この実施の形態では、表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータが音声出力基板70にスピーカ27の駆動信号を出力することによりスピーカ27の音声出力制御を行うとともに、ランプドライバ基板35にランプ・LEDの駆動信号を出力することにより弾球遊技機1に設けられたランプ・LEDの発光制御を行う。すなわち、表示制御基板80に搭載される表示制御用マイクロコンピュータは、主基板31から送信される飾り図柄表示部9の表示制御、ランプ・LEDの点灯制御、遊技音発生等の演出の制御に関する指令情報としての演出制御コマンド(制御信号)にもとづいて飾り図柄表示部9、スピーカ27、弾球遊技機1に設けられるランプ・LED等の発光体の制御を行う演出制御用マイクロコンピュータである。
【0068】
図3は、CPU56が実行するメイン処理にて2ms毎に実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(ステップS21)を行った後、ステップS22〜S36の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路32を介して、ゲートスイッチ61、始動口スイッチ62、カウントスイッチ63、V入賞スイッチ64、クリアスイッチ65、等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS22)。
【0069】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23:数値データ更新手段)。CPU56は、更に、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理(ステップS24)及び表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS25)。
【0070】
ここで、この実施の形態で用いられる乱数を説明する。図4は、この実施の形態で用いられる乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)大当り判定用乱数:大当りを発生させるか否か決定する。
(2)大当り図柄決定用乱数:第1確変大当りとするか、第1通常大当りとするか、第2大当りとするか、を決定する
(3)変動パターン決定用乱数:特別図柄10aおよび飾り図柄9a〜9cの変動パターンを決定する
(4)普通図柄当り判定用乱数:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する
(5)大当り判定用乱数初期値決定用乱数:当り判定用乱数の初期値を決定する
(6)普通図柄当り判定用乱数初期値決定用乱数:普通図柄当り判定用乱数の初期値を決定する
図3に示す遊技制御処理におけるステップS23では、CPU56は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り図柄決定用乱数、および、(4)の普通図柄当り判定用乱数、を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、(3)の変動パターン決定用乱数が表示用乱数であり、(5)の大当り判定用乱数初期値決定用乱数、および、(6)の普通図柄当り判定用乱数初期値決定用乱数、が初期値用乱数である。
【0071】
更に、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて特別図柄表示器10、飾り図柄表示部9、特別可変入賞装置20、等を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0072】
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器12の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。普通図柄プロセス処理を実行することにより普通図柄表示器12の表示制御および可変入賞装置15の開閉制御が実行される。
【0073】
次いで、CPU56は、飾り図柄9a〜9cに関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御基板80に送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS28)。また、普通図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS29)。
【0074】
更に、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
【0075】
また、CPU56は、始動口スイッチ62、カウントスイッチ63、V入賞スイッチ64、等の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、始動口スイッチ62、カウントスイッチ63、V入賞スイッチ64、等の何れかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板36に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板36に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置44を駆動する。
【0076】
そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS32)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。更に、所定の条件が成立したときにソレノイド回路33に駆動指令を行う(ステップS34)。可変入賞装置15、特別可変入賞装置20、を開状態または閉状態としたり、大入賞口21内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路33は、駆動指令に応じてソレノイド71〜73を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS35)、割込許可状態に設定する(ステップS36)。
【0077】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0078】
図5は、主基板31に搭載されるCPU56が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器10の表示を制御する処理を行うとともに、飾り図柄表示部9の表示を制御する処理が実行される。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ62がオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S306のうちのいずれかの処理を行う。
【0079】
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄10aの可変表示を開始できる状態になるのを待つ。CPU56は、特別図柄10aの可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。そして、保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄10aの可変表示の結果、大当りとするか否か(特定表示結果とするか否か)を決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。また、特別図柄10aの可変表示の結果、大当りとする場合には、大当り図柄決定用乱数にもとづいて第1大当りとするか、第2大当りとするかを決定するとともに、第1確変大当りとするか、第1通常大当り(非確変大当り)とするか決定する。
【0080】
この実施の形態では、大当りとなるときに「0」〜「11」の数値範囲で更新する大当り図柄決定用乱数にもとづいて大当り図柄を「3」とする場合には、特別図柄表示器10に「3」を導出表示した後に第2大当り遊技状態に制御し、第2大当り遊技状態終了後に第2確変状態に制御する。また、大当りとなるときに「0」〜「11」の数値範囲で更新する大当り図柄決定用乱数にもとづいて大当り図柄を「3」以外の奇数図柄とする場合には、特別図柄表示器10に「3」以外の奇数図柄を導出表示した後に第1大当り遊技状態に制御し、第1大当り遊技状態終了後に確変状態に制御する。さらに、大当りとなるときに「0」〜「11」の数値範囲で更新する大当り図柄決定用乱数にもとづいて大当り図柄を偶数図柄とする場合には、特別図柄表示器10に偶数図柄を導出表示した後に第1大当り遊技状態に制御し、第1大当り遊技状態終了後に通常遊技状態に制御する。すなわち、大当り図柄決定用乱数にもとづいて第1大当りとするか第2大当りとするかを決定するとともに、第1大当りとするときには、第1確変大当りとするか、第1通常大当り(非確変大当り)とするかを決定している。
【0081】
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄10aおよび飾り図柄9a〜9cの可変表示の変動パターン(可変表示データ)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数の値に応じて予め定められた複数種類の変動パターン(可変表示データ)の中から選択する。変動パターンには飾り図柄9a〜9cの変動態様と、変動表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの時間(変動時間)と、を特定する情報が含まれている。また、決定された変動パターンにもとづいて、特別図柄10aが可変表示を行って導出表示されるまでの可変表示時間(変動時間)を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。このとき、特別図柄表示器10に特別図柄の変動表示開始を指示する信号を出力するとともに、表示制御基板80に対して、変動時間を含む特別図柄10aの変動態様(変動パターン)を指令する情報(変動パターンコマンド)を送信する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
【0082】
特別図柄変動処理(ステップS302):変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
【0083】
特別図柄停止処理(ステップS303):特別図柄表示器10にて可変表示する特別図柄10aの可変表示を停止するとともに、飾り図柄表示部9にて可変表示する飾り図柄9a〜9cの可変表示を停止するように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す信号を特別図柄表示器10に出力される状態に設定するとともに、飾り図柄停止を示す演出制御コマンド(飾り図柄停止コマンド)を表示制御基板80に送信される状態に設定する。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0084】
大入賞口開放前処理(ステップS304):大入賞口21を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド72を駆動して特別可変入賞装置20を開状態とすることで大入賞口21を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。
【0085】
大入賞口開放中処理(ステップS305):第1大当り遊技状態中および第2大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを表示制御基板80に送出する制御や大入賞口21の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口21の閉成条件が成立したら、大入賞口21内に設けられたV入賞スイッチ64の通過の有無を監視して、第1大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。第1大当り遊技状態継続の条件が成立し、且つ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS304に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に第1大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS306に移行するように更新する。
【0086】
大当り終了処理(ステップS306):第1大当り遊技状態または第2大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0087】
図6は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図6において、「EXT」とは、「MODE」と「EXT」との2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。この実施の形態では、表示制御基板80に送信する演出制御コマンドは、主基板31に搭載されるROM54に格納される「MODE」と「EXT」とからなる2バイト構成のデータであり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
【0088】
また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示時間)を示す。この例では、特別図柄10aおよび飾り図柄9a〜9cの各変動パターンは、第1通常大当り(非確変大当り)とするか否か、第1確変大当りとするか否か、第2大当りとするか否か、はずれとするか否か、など各種の演出態様の違いに応じて複数種類用意されている。
【0089】
なお、「通常変動」とは、リーチ表示態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチ」とは、所定のリーチ表示態様を伴う変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ表示態様を持つ変動パターンである。また、リーチ表示態様が異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをいう。例えば、「ノーマルリーチ」では単に1種類の変動態様によってリーチ表示態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ表示態様が実現される。また、「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ表示態様を持つ変動パターンであり、「リーチC」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、および、「リーチB」とは異なるリーチ表示態様を持つ変動パターンである。
【0090】
上述したように、この実施の形態では、特別図柄10aを可変表示する特別図柄表示器10が7セグメントLEDにより構成されるため、上述した「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」、および、「リーチC」の変動パターンが選択されたときにも、通常の可変表示を行って変動時間が経過したことにもとづいて表示結果を導出表示する。すなわち、上述した「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」、および、「リーチC」は、飾り図柄表示部9における飾り図柄9a〜9cの変動表示態様を示すものである。
【0091】
また、この実施の形態では、短縮変動パターンが用いられる。短縮変動パターンは、上述した高確率状態(第1確変状態、第2確変状態)の実行中に実行される変動パターンである。短縮変動パターンには、はずれとなるときと、第2大当りとなるときと、が設けられている。第2大当りとなるときの短縮変動パターンでは、特別図柄10aおよび飾り図柄9a〜9cの「1秒」の変動表示を行って、特別図柄表示器10に第2確変図柄を導出表示するとともに、飾り図柄表示部9にはずれ図柄を導出表示する。そのため、遊技者に第2大当りとなったことを悟られにくい。なお、この実施の形態では、第1大当りとなるときには、短縮変動パターンが設けられていないため、変動パターン6〜変動パターン11の可変表示を行って大当り図柄を導出表示するが、高確率時には変動パターン6〜11のそれぞれの変動時間を短くした短縮変動パターンを実行するようにしてもよく、また、高確率時に用いられる変動パターン群(使用されうる複数の変動パターン)と低確率時に用いられる変動パターン群とを別にしてもよい。
【0092】
図7は、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS201)。保留記憶数が4に達していなければ、保留記憶数を1増やし(ステップS202)、大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出し(ステップS203)、それらを保留記憶数の値に対応した保存領域(保留記憶バッファ)に格納する(ステップS204)。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。ステップS203では、図4に示された乱数のうち、ランダム1〜ランダム3が抽出される。
【0093】
図8は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、特別図柄10aの変動表示を開始することができる状態(例えば特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)には、保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、保留記憶カウンタのカウント値を確認する。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの変動表示がなされておらず、かつ、特別図柄表示器10に大当り図柄が導出表示されたことにもとづく第1大当り遊技状態、または、第2大当り遊技状態が実行中でもない場合である。
【0094】
ステップS51にて保留記憶数が0でなければ、RAM55の保留記憶バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS52)、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の保留記憶バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。
【0095】
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS54)、大当り判定処理サブルーチンを実行して(ステップS55)大当り(第1大当り、または、第2大当り)とすることに決定した場合には、CPU56は、大当りフラグをセットする。大当りフラグがセットされていなければ(ステップS56)、確変状態フラグがセットされているか、すなわち、第1確変状態、および、第2確変状態に制御されているかを確認する(ステップS57)。確変状態フラグがセットされていれば、確変時処理サブルーチンを実行し(ステップS58)、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS59)。
【0096】
図9は、大当り判定テーブルの一例を示す説明図である。図9に示すように、この実施の形態では、低確率時(非確変状態)では大当り判定値は「3」となっているが、高確率時(確変状態)では大当り判定値は「3」、「7」、「79」、「103」、「107」となり、高確率時における大当りとなる確率は、低確率時における大当りとなる確率の5倍高くなっている。
【0097】
図10は、大当り判定処理サブルーチン(ステップS55)を示すフローチャートである。大当り判定処理において、CPU56は、まず、確変状態フラグがセットされているか否か確認する(ステップS211)。すなわち、そのときの遊技機の遊技状態が確変状態(第1確変状態、または、第2確変状態)であるか否か確認する。確変状態フラグがセットされていれば、すなわち、確変状態であれば、図9に示された大当り判定テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS212)。確変中でなければ、大当り判定テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS213)。
【0098】
そして、抽出されている大当り判定用乱数の値に合致する値が大当り判定テーブル中にあるか判定し(ステップS214)、合致する値があれば(ステップS215)、大当りフラグをセットし(ステップS216)、合致する値がなければ処理を終了する。
【0099】
ステップS216で大当りフラグをセットした後、大当り図柄決定用乱数を読み出し(ステップS217)、確変図柄である場合には、すなわち、読み出した大当り図柄決定用乱数が「0」〜「11」のうち奇数の値である場合には(ステップS218)、第2大当りであるか否か、すなわち、読み出した大当り図柄決定用乱数が「3」であれば(ステップS219)、第2大当り設定処理サブルーチンを実行する(ステップS221)。また、第2大当りでなければ、すなわち、読み出した大当り図柄決定用乱数が「0」〜「11」のうち「3」以外の奇数の値である場合である第1確変大当りを示す状態であれば(ステップS219)、確変フラグをセットする(ステップS220)。
【0100】
図11は、第2大当り設定処理(ステップS221)の一例を示すフローチャートである。第2大当り設定処理において、CPU56は、まず、第2確変カウンタに第2確変回数をセットする(ステップS231)。この実施の形態では、第2大当り遊技状態終了後に特別図柄表示器10にて特別図柄10aの可変表示が最大で100回実行されるまで確変状態に制御する第2確変状態に移行するため、第2確変カウンタに100回をセットする。すなわち、第2確変カウンタは、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの可変表示回数(変動表示回数)がセットされ、第2確変状態への制御を開始してから特別図柄表示器10にて実行された特別図柄10aの変動表示回数を示すカウンタである。
【0101】
次いで、第2大当り遊技状態の開始を示す第2大当りフラグをセットし(ステップS232)、確変状態フラグがセットされているか、すなわち、確変状態(第1確変状態および第2確変状態)であるかを確認し(ステップS233)、確変状態でなければ、第2大当り遊技状態終了後に第2確変状態に制御する旨の表示を行うことを示す演出開始フラグをセットする(ステップS238)。後述する大当り終了処理(ステップS306)にて、演出開始フラグがセットされていれば、CPU56は第2確変状態を開始する報知表示の開始を指示する演出開始コマンドを表示制御基板80に送信する。第2大当りフラグは、第2大当りとなったことを示すフラグである。
【0102】
また、ステップS233で確変状態であれば、第2大当り実行中フラグがセットされているか確認し(ステップS234)、第2大当り実行中フラグがセットされていれば、ステップS238に移行し、第2大当り実行中フラグがセットされていなければ、第1確変カウンタを1減算し(ステップS235)、第1確変カウンタが0であれば(ステップS236)、継続演出フラグをセットする(ステップS237)。なお、第1確変カウンタは、上述した第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの可変表示回数(変動表示回数)がセットされ、第1確変状態への制御を開始してから特別図柄表示器10にて実行された特別図柄10aの変動表示回数を示すカウンタであり、後述する大当り終了処理(ステップS306)にて50回がセットされる。また、継続演出フラグは、第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの可変表示回数(変動表示回数)に達したときに、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの可変表示回数がある場合にセットされ、確変状態の継続を報知表示する継続報知演出の実行を指示する継続演出コマンドを表示制御基板80に送信することを示すフラグである。また、第2大当り実行中フラグは、後述する特別図柄停止処理(ステップS303)にてセットされ、第2大当り遊技状態実行中、または、第2大当り遊技状態終了後の第2確変状態実行中であることを示すフラグである。
【0103】
なお、この実施の形態では、第1確変大当りとなったことにもとづく第1大当り遊技状態終了後に制御される第1確変状態、および、第2大当り遊技状態終了後に制御される第2確変状態、にて実行可能な特別図柄10aの可変表示回数が予め決定されているが、第1確変大当り、または、第2大当りとする旨の判定がなされた後、複数種類の可変表示回数のうちいずれかを確変状態にて実行可能な特別図柄10aの可変表示回数として決定するように構成してもよい。このように構成することにより、弾球遊技機1にて実行される遊技にランダム性を持たせることができ、遊技者の興趣が向上する。
【0104】
図12は、特別図柄通常処理(ステップS300)における確変時処理(ステップS58)の一例を示すフローチャートである。確変時処理において、CPU56は、まず、第1確変カウンタが0であるか確認し(ステップS241)、第1確変カウンタが0であれば、第2確変状態中であると判定され、第2確変カウンタを1減算する(ステップS247)。
【0105】
ステップS241で第1確変カウンタが0でなければ、第2確変カウンタが0であるか確認し(ステップS242)、第2確変カウンタが0であれば、第1確変状態中であると判定され、第1確変カウンタを1減算する(ステップS248)。
【0106】
ステップS242で第2確変カウンタが0でなければ、第2確変状態中であると判定され、第2確変カウンタを1減算するとともに(ステップS243)、第1確変カウンタを1減算する(ステップS244)。そして、第1確変カウンタが0となったら(ステップS245)、継続演出コマンドを表示制御基板80に送信する(ステップS246)。なお、継続演出コマンドは、第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達したときに、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの可変表示回数がある場合に表示制御基板80に確変状態を継続する旨を報知する継続報知演出の開始を指示するコマンドである。また、第2確変カウンタは、第2確変状態において特別図柄表示器10にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数(可変表示回数)がセットされ、第2確変状態への制御を開始してから特別図柄表示器10にて実行された特別図柄10aの変動表示回数を示すカウンタであり、この実施の形態では、100回がセットされる。
【0107】
図13は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか確認し(ステップS71)、大当りフラグがセットされてなければ、はずれ時変動パターンテーブルを選択する(ステップS72)。ステップS71で大当りフラグがセットされていれば、第2大当りフラグがセットされているか確認し(ステップS73)、第2大当りフラグがセットされていなければ、第1大当り時変動パターンテーブルを選択する(ステップS74)。次いで、変動パターン決定用乱数を読み出し(ステップS75)、変動パターン決定用乱数にもとづいて変動パターンを決定する(ステップS76)。具体的には、ステップS76にて、予め用意されている複数種類の変動パターン(図6参照)の中から、使用テーブルとして設定されている変動パターンテーブルに配されている比較値のうち、ロードした変動パターン決定用乱数の値と合致する比較値が対応付けされている変動パターンとすることに決定する。
【0108】
また、ステップS73で第2大当りフラグがセットされていれば、確変状態フラグがセットされているか確認し(ステップS77)、確変状態フラグがセットされていれば、変動パターン14に決定する(ステップS79)。また、ステップS77で確変状態フラグがセットされていない場合には、変動パターン12に決定する(ステップS80)。
【0109】
上述したように、変動パターン14は、変動時間が短い特別図柄10aの短縮変動パターンである。この実施の形態では、確変状態(第1確変状態、または、第2確変状態)中に第2大当りとする旨の判定がなされると、第2大当りとなったことを遊技者に悟られないようにするために特別図柄10aおよび飾り図柄9a〜9cの変動時間を短い変動表示を行って特別図柄表示器10に第2確変図柄を導出表示するとともに、飾り図柄表示部9にはずれ図柄を導出表示する変動パターン14が選択される。また、この実施の形態では、上述した第1確変状態および第2確変状態は、第1大当り遊技状態または第2大当り遊技状態が発生したことにより終了する。そのため、第1確変状態および第2確変状態にて特別図柄10aの可変表示可能な残り回数がある状態で第1大当り遊技状態または第2大当り遊技状態が発生することにより残り回数が無効になってしまい、遊技者の興趣を下げる原因となっていた。そこで、この実施の形態では確変状態(第1確変状態、または、第2確変状態)中に第2大当りとする旨の判定がなされたときに遊技者に第2大当りとなったことを悟られにくい変動パターン14を選択することにより、遊技者の興趣低下を防いでいる。
【0110】
変動パターンを決定すると、CPU56は、決定した変動パターンの変動時間データを特別図柄プロセスタイマに設定する(ステップS81)。そして、CPU56は、決定した変動パターン指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS82)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS83)。
【0111】
コマンドセット処理を実行することによって演出制御コマンドが表示制御基板80に送信される。この実施の形態では、演出制御手段に送信されうる各演出制御コマンドはROMのコマンド送信テーブルに格納されている。また、コマンドセット処理では、CPU56は、ポインタが示すROM54のアドレスに格納されている演出制御コマンドデータを、演出制御コマンドデータを出力するための出力ポートに設定するとともに、コマンドを送信することを示す演出制御INT信号を出力する。
【0112】
そして、特別図柄プロセスタイマをスタートし(ステップS84)、特別図柄プロセスフラグを特別図柄変動処理に対応した値に変更する(ステップS85)。以上の処理により確変状態(第1確変状態、第2確変状態)にて第2大当りとする旨の判定がなされたときには、変動時間が短い変動パターンが選択されて飾り図柄表示部9にはずれ図柄を導出表示させ、遊技者に第2大当りとなったことを悟られ難くする制御がなされる。
【0113】
図14は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、まず、特別図柄停止コマンドのアドレスをコマンド送信テーブルのポインタにセットする(ステップS91)。ここでセットされた特別図柄停止コマンドは、特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)にて、特別図柄表示器10に出力されるとともに、表示制御基板80に送信される。特別図柄表示器10では、特別図柄停止コマンドが入力されると特別図柄10aの変動表示を停止させて表示結果を導出表示する。また、飾り図柄表示部9では、特別図柄停止コマンドを受信すると飾り図柄9a〜9cの変動表示を停止させて表示結果を導出表示する。
【0114】
次いで、CPU56は、大当りフラグがセットされていれば(ステップS92a)、大当りフラグをリセットした後(ステップS92b)、第2大当り実行中フラグがセットされているか確認し(ステップS93)、第2大当り実行中フラグがセットされていれば、第2確変カウンタをクリアするとともに(ステップS94)、第2大当り実行中フラグをリセットする(ステップS95)。
【0115】
次いで、第2大当りフラグがセットされていなければ(ステップS96)、すなわち、第1大当りである場合には、第1大当り開始コマンドのアドレスをコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットするとともに(ステップS97)、第1確変カウンタが0でなければ(ステップS98)、第1確変カウンタをクリアし(ステップS99)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS102)。
【0116】
ステップS96で第2大当りフラグがセットされていれば、第2大当りフラグをリセットするとともに(ステップS100)、第2大当り実行中フラグをセットする。第2大当り実行中フラグをセットすることにより、第2確変状態の実行中であることを確認することができる。
【0117】
また、ステップS92aで大当りフラグがセットされていなければ、確変状態フラグがセットされているか確認し(ステップS103)、確変状態フラグがセットされていれば、確変終了判定処理サブルーチンを実行した後(ステップS104)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS105)。
【0118】
このように、この実施の形態では、特別図柄表示器10に大当り図柄が導出表示されたときに第1確変状態および第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数を示す第1確変カウンタおよび第2確変カウンタをクリアするため、第1大当り遊技状態、または、第2大当り遊技状態の終了した後には、第1大当り遊技状態、および、第2大当り遊技状態の開始前に第1確変状態および第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数の変動表示を行わないように制御される。すなわち、第1確変状態および第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数がある状態で第1大当りまたは第2大当りとなることにより残りの変動表示回数が無効となる。
【0119】
図15は、特別図柄停止処理(ステップS303)における確変終了判定処理(ステップS104)を示すフローチャートである。確変終了判定処理では、確変状態(第1確変状態、第2確変状態)にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数が0であるか否かに応じて確変状態(第1確変状態、第2確変状態)を終了するか否かの判定を行う。
【0120】
確変終了判定処理において、CPU56は、第2大当り実行中フラグがセットされていれば(ステップS251)、第2確変カウンタが0であるか否か確認し(ステップS252)、第2確変カウンタが0であれば、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数が0になったと判定されて遊技状態フラグを通常状態フラグに書き換え(ステップS254)、表示制御基板80に確変状態の終了を報知する終了報知演出の実行を指示する終了コマンドを送信する(ステップS255)。通常状態フラグは、遊技機の遊技状態を制御するフラグであり、遊技状態フラグを確変状態フラグに書き換えることにより確変状態となり、遊技状態フラグを通常状態フラグに書き換えることにより通常遊技状態となる。
【0121】
また、ステップS251で第2大当り実行中フラグがセットされていなければ、第1確変カウンタが0であるか否か確認し(ステップS253)、第1確変カウンタが0であれば、第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数が0になったと判定されて遊技状態フラグを通常状態フラグに書き換え(ステップS254)、表示制御基板80に終了コマンドを送信する(ステップS255)。
【0122】
なお、この実施の形態では、第1確変カウンタ、第2確変カウンタ等のカウンタを所定の値が設定された後に減算して0となったときに所定の値となったことを判定するカウントダウン式のカウンタとしているが、これに限らず、計数したときに加算し、加算した値が所定の値となったことを判定するカウントアップ式のカウンタとしてもよい。この場合には、カウンタの値が所定の数値に達していることにもとづき確変状態にて実行された変動表示回数を判定してもよい。
【0123】
表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUは、終了コマンドを受信したことにもとづいて表示制御基板80に搭載されるROMから終了報知演出の演出態様が示された終了報知演出実行データを読み出し、読み出した終了報知演出実行データにもとづいて飾り図柄表示部9にて終了報知演出を実行する。
【0124】
図16は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS304)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理では、CPU56は、第1大当り遊技状態における特別可変入賞装置20の駆動態様(例えば、開放回数、開放時間、等)の設定、および、第2大当り遊技状態における特別可変入賞装置20の駆動態様(例えば、開放回数、開放時間、等)の設定を行う。大入賞口開放前処理において、CPU56は、まず、開放動作実行中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS111)。開放動作実行中フラグは、後述するステップS112でセットされ、第1大当り遊技状態および第2大当り遊技状態の実行中であることを示すフラグである。
【0125】
ステップS111で開放動作実行中フラグがセットされていなければ、開放動作実行中フラグをセットし(ステップS112)、第1大当り遊技状態または第2大当り遊技状態の設定を行う。すなわち、第2大当り実行中フラグがセットされている否か確認し(ステップS113)、第2大当り実行中フラグがセットされていなければ、第1大当り遊技状態として開放回数カウンタに第1大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの最大数「15」をセットする(ステップS114)。また、ステップS113で第2大当り実行中フラグがセットされていれば、第2大当り遊技状態として開放回数カウンタに第2大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの最大数「2」をセットする(ステップS115)。
【0126】
次いで、第2大当り実行中フラグがセットされていなければ(ステップS116)、第1大当り遊技状態として開放タイマに第1大当り遊技状態の1回のラウンドにて特別可変入賞装置20を開放状態とすることが可能な最大時間として「30秒」をセットし(ステップS117)、第2大当り実行中フラグがセットされていれば(ステップS116)、第2大当り遊技状態として開放タイマに第2大当り遊技状態の1回のラウンドにて特別可変入賞装置20を開放状態とすることが可能な最大時間として「1秒」をセットする(ステップS118)。
【0127】
そして、開放回数カウンタを1減算した後(ステップS119)、特別可変入賞装置20を開閉するソレノイド72をオンとすることにより特別可変入賞装置20を開放状態にするとともに(ステップS120)、開放タイマをスタートし(ステップS121)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS122)。
【0128】
このように、第1大当り遊技状態と第2大当り遊技状態とでは、実行可能なラウンドの最大数、1回のラウンドにて特別可変入賞装置20を開放可能な最大時間、を異ならせることにより、第1大当り遊技状態、第2大当り遊技状態、それぞれのときで遊技価値を異ならせている。
【0129】
図17は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、第2大当り実行中フラグがセットされていれば(ステップS131)、演出開始フラグがセットされているか確認し(ステップS132)、演出開始フラグがセットされていれば、演出開始コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS133)。また、ステップS132で演出開始フラグがセットされていなければ、継続演出フラグがセットされているか確認し(ステップS134)、継続演出フラグがセットされていれば、継続演出コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS135)。そして、演出開始フラグおよび継続演出フラグをリセットし(ステップS136)、遊技状態フラグを確変状態フラグに書き換える(ステップS141)。
【0130】
また、ステップS131で第2大当り実行中フラグがセットされていなければ、確変フラグがセットされているか否か確認し(ステップS137)、確変フラグがセットされていれば、第1確変大当り終了コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS138)、第1確変カウンタに第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数としての確変回数50回をセットする(ステップS139)。そして、確変フラグをリセットし(ステップS140)、遊技状態フラグを確変状態フラグに書き換える(ステップS141)。
【0131】
また、ステップS137で確変フラグがセットされていなければ、第1通常大当り終了コマンドのアドレスをポインタにセットし(ステップS142)、遊技状態フラグを通常状態フラグに書き換える(ステップS143)。
【0132】
次いで、開放動作実行中フラグをリセットし(ステップS144)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS145)。以上の処理により、第1大当り遊技状態終了後に第1確変大当りだった場合には、遊技状態フラグが確変フラグに書き換えられるとともに、第1確変カウンタに確変回数がセットされて第1確変状態に制御される。また、第2大当り遊技状態終了後に、遊技状態フラグが確変フラグに書き換えられて第2確変状態に制御される。
【0133】
以上、本発明の処理の一例について説明してきたが、上述した処理による特別図柄表示器10および飾り図柄表示部9にて実行される表示制御の一例について以下に説明する。
【0134】
図18は、第1確変大当りとなった後に第1確変状態に制御される状態を示す説明図であり、図19は、第1確変状態実行中に第2大当りとなり、第2大当り遊技状態終了後に第2確変状態に制御される状態を示す説明図であり、図20は、後述する継続報知演出の他の例を示す説明図である。
【0135】
上述したように、この実施の形態では、第1確変状態中に第2大当りとなった場合には、第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達したときに主基板31から表示制御基板80に継続演出コマンドを送信し、継続演出コマンドを受信したことにもとづいて表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUが飾り図柄表示部9を表示制御して確変状態を継続する旨を報知する継続報知演出を実行する。
【0136】
すなわち、通常遊技状態にて特別図柄表示器10にて可変表示を行い図18(A)〜図18(C))、特別図柄表示器10に第1特定表示結果としての第1確変図柄(図18(D)の場合には「5」)を導出表示したことにもとづいて(図18(D))、第1大当り遊技状態に制御した後、第1確変状態に制御する旨の確変開始表示92として「50回の確変タイム!」を飾り図柄表示部9に表示制御する。上述したように、この実施の形態では、第1確変状態として特別図柄10aの最大50回の変動表示が可能である。なお、飾り図柄表示部9に飾り図柄9a〜9cよりも奥方向に表示される背景表示は、各遊技状態にて異なり、図18(A)〜図18(D)の通常遊技状態では、通常状態中背景表示90が表示される。遊技者は、飾り図柄表示部9の背景表示の変化により確変状態であるか、通常遊技状態であるか、を認識することができる。
【0137】
確変開始表示92を表示制御し、第1確変状態への制御を開始すると、飾り図柄表示部9の背景表示を確変状態中背景表示91に変更した後、飾り図柄9a〜9cの変動表示を行う。また、確変状態(第1確変状態、第2確変状態)では、確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数、および、確変状態にて実行した特別図柄10aの変動表示回数、として実行回数表示93を飾り図柄表示部9に表示する(図18(F))。遊技者は、実行回数表示93により確変状態における特別図柄10aの残りの変動表示回数を認識できる。
【0138】
この実施の形態では、表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUにより確変状態中における変動パターンコマンドの受信回数に応じて確変状態にて実行された特別図柄10aの変動表示回数の表示、すなわち、実行回数表示93を更新表示する。表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUは、第1確変図柄が導出表示したことにもとづく第1大当り遊技状態が終了したとき、および、第2大当り遊技状態が終了したとき、から変動パターンコマンドを受信した回数を計数している。なお、主基板31から確変状態にて特別図柄表示器10にて実行された変動表示回数を指示する演出制御コマンドを送信するように構成してもよい。
【0139】
また、第1確変状態中に第2大当りとする旨の判定がなされたときには、変動パターン設定処理(ステップS301)にて変動パターン14にすることに決定され、変動時間の短い変動表示を行う(図18(G)〜図19(J))。また、表示制御基板80にて変動パターン14を指示する変動パターンコマンドを受信したときには、表示制御用CPUは飾り図柄表示部9に大当り図柄を導出表示しない。すなわち、はずれとなる表示結果を導出表示する。このとき、特別図柄表示器10には、第2確変図柄が導出されるが、遊技者は、特別図柄表示器10よりも大きいサイズで構成され、特別図柄表示器10よりも多彩な演出を実行する飾り図柄表示部9の表示結果に注目するため、第2大当りとなったことを悟られにくい。
【0140】
特別図柄表示器10に第2特定表示結果としての第2確変図柄(この実施の形態では、「3」)が導出表示したことにもとづいて第2大当り遊技状態に制御し(図19(J))、第2大当り遊技状態実行中には、飾り図柄表示部9では、停止図柄を導出表示した状態、具体的には、図19(J)の状態となり、次の変動表示を行わない。しかし、上述したように、第2大当り遊技状態は、比較的早く終了するため、違和感なく次の変動表示を行うことができる。
【0141】
なお、第2大当り遊技状態中に飾り図柄表示部9にて飾り図柄9a〜9cのダミーの変動表示を行い、特別図柄表示器10においては、第2確変図柄を導出表示した状態で変動表示を行わないように構成してもよい。この場合には、大当り判定用乱数の判定結果を参照することなく、飾り図柄表示部9にはずれ図柄を導出表示するように構成すればよい。このように構成することにより、第2大当り遊技状態実行中にも飾り図柄表示部9にて飾り図柄9a〜9cの変動表示が行われるため、遊技者を飾り図柄9a〜9cの変動表示に注目させることができ、遊技者に第2大当り遊技状態となったことをより悟られ難くすることができる。
【0142】
上述したように、この実施の形態では、第1確変状態および第2確変状態は、第1大当り遊技状態または第2大当り遊技状態となったときに終了する。すなわち、第1確変状態および第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数は、第1大当り遊技状態または第2大当り遊技状態となった時点で無効となる。ところが、第1確変状態、または、第2確変状態の残りの変動表示回数が無効になったことを遊技者に報知してしまうと遊技者の興趣が低下する虞がある。そのため、遊技者に第2大当り遊技状態となったことを悟られ難くするために、この実施の形態では、短い変動時間の変動表示を行い、実行回数表示93を継続して表示している。
【0143】
そして、確変状態にて実行した特別図柄10aの変動表示回数が確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として実行回数表示93に表示制御される実行回数(この実施の形態では、「50回」)に達したときに、主基板31に搭載されるCPU56は、表示制御基板80に継続演出コマンドを送信し、継続演出コマンドを受信したことにもとづいて表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUにより確変状態を継続する旨を報知する継続報知演出を行う(図19(O)。継続報知演出では、飾り図柄表示部9に継続報知表示94として「まだまだ続くよ!」を表示制御することにより遊技者に確変状態を継続することを報知する。
【0144】
継続報知演出を実行するときに表示制御用CPUは、表示制御基板80に搭載されるROMに格納された継続演出実行データを読み出し、読み出した継続演出実行データに従って飾り図柄表示部9を表示制御する。なお、複数種類の演出態様が示された複数種類の継続演出実行データを備えるように構成してもよく、この場合には、継続報知演出を実行するときに第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数に応じて複数種類の継続演出実行データのうちいずれかを選択するように構成してもよい。
【0145】
具体的には、図20に示すように、飾り図柄表示部9に継続報知表示94として「数間違えたかな!?」を表示制御する継続演出実行データと、飾り図柄表示部9に継続報知表示94として「あとちょっとあるよ!」を実行する継続演出実行データと、を備え、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数が多いとき(例えば、50回以上)には、飾り図柄表示部9に継続報知表示94として「数間違えたかな!?」を表示制御する継続演出実行データを選択し、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数が少ないとき(例えば、50回未満)には、飾り図柄表示部9に継続報知表示94として「あとちょっとあるよ!」を表示制御する継続演出実行データを選択するように構成してもよい。
【0146】
この場合には、確変時処理(ステップS58)のステップS246で継続演出コマンドを表示制御基板80に送信する際、および、大当り終了処理(ステップS307)のステップS135で継続演出コマンドを表示制御基板80に送信する際、に第2確変カウンタのカウント値を参照し、第2確変カウンタのカウント値に応じた(第2確変カウンタのカウント値を指示する情報を含んだ)継続演出コマンドを表示制御基板80に送信し、継続演出コマンドを受信したことにもとづいて表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUが表示制御基板80に搭載されるROMから継続演出コマンドに応じた継続演出実行データを読み出して継続報知演出を実行するように構成してもよい。
【0147】
また、表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUにより確変状態にて実行された特別図柄10aの変動表示回数を計数する場合には、主基板31から継続演出コマンドを受信したことにもとづいて表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUが計数した変動表示回数にもとづいて残り回数を算出し、算出した残り回数に応じた継続演出実行データを読み出して継続報知演出を実行するように構成してもよい。
【0148】
なお、複数種類の演出態様が示された複数種類の継続演出実行データを備えるように構成した場合には、第2確変状態の残り回数に応じた継続報知演出の開始を指示する演出制御コマンドを表示制御基板80に送信するように構成してもよい。具体的には、第2確変状態の残り回数に応じた複数種類の継続演出コマンドを備え、確変時処理(ステップS58)のステップS245で第1確変カウンタが0となったと判定されたときにステップS246で第2確変カウンタのカウント値に応じた(第2確変状態の残り回数に応じた)継続演出コマンドを表示制御基板80に送信するように構成してもよい。継続演出コマンドを受信したこともとづいて表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUは、表示制御基板80に搭載されるROMから継続演出コマンドに応じた継続演出実行データを読み出し、読み出した継続演出実行データに応じた継続報知演出を実行する。
【0149】
また、継続報知演出を実行した後、実行回数表示93における確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数を更新表示する(図19(P))。この実施の形態では、第2確変状態にて特別図柄表示器10にて最大で100回の変動表示が可能であり、図19(J)にて第1確変状態における特別図柄10aの変動表示が25回実行されたときに第2大当りとなったため、図19(N)で第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達したときには、第2確変状態における特別図柄10aの変動表示が25回実行された状態である。従って、実行回数表示93における確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数を、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数として75回を加算した125回に更新表示する(図19(P))。
【0150】
このように、この実施の形態では、第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達する以前に第2大当りとなったことにもとづいて第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数が無効となったことを遊技者に悟られ難くするとともに、確変状態にて実行した特別図柄10aの変動表示回数が第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達したときに確変状態を継続する旨の継続報知演出を行うため、遊技者に第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数が無効となったことを悟られ難くして興趣の低下を防ぐとともに、継続報知演出を実行することにより遊技者の興趣を向上させることができる。
【0151】
なお、この実施の形態では、第1確変状態の実行中に第2大当りとなった例について示したが、第2確変状態の実行中に第2大当りとなった場合であっても同様の制御がなされるように構成してもよい。
【0152】
また、この実施の形態では、第2確変状態として、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの変動表示が最大100回実行されるが、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数を複数種類設け、第2大当りとする旨の判定がなされたときに複数種類の変動表示回数のうちいずれかを選択するように構成してもよく、この場合には、継続報知演出を実行することにより実行回数表示93にて表示する確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数がいずれの値となっても、遊技者に確変状態にて無効となった変動表示回数をより悟られ難くすることができる。
【0153】
また、この実施の形態では、継続報知演出を実行した後、実行回数表示93における確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数を更新表示するときに、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数を現在報知表示している確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に加算した値に更新表示するが、該値とは異なる値に更新表示するようにしてもよい。例えば、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数を現在報知表示している確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に加算した値が103回であった場合には、実行回数表示93における確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として「100回」を表示し、確変状態にて実行した特別図柄10aの変動表示回数が100回になったときに図20(O’)に示す継続報知表示94として「数間違えたかな!?」を飾り図柄表示部9に表示制御し、確変状態にて実行した特別図柄10aの変動表示回数が103回になったときに確変状態を終了して通常遊技状態への制御を開始するように構成してもよい。
【0154】
また、継続報知演出を実行した後、実行回数表示93における確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数を更新表示するときに、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数を現在報知表示している確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に加算した値に更新表示せずに、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数を実行回数表示93にて報知表示するように構成してもよい。このように構成することにより、確変状態が終了した後、再び確変状態になったように遊技者に誤認させることができ、興趣が向上する。
【0155】
また、この実施の形態では、第1確変状態実行中に第2大当りとなり、第2大当り遊技状態終了後、第2確変状態に制御して、確変状態にて実行された特別図柄10aの変動表示回数が第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達したときに確変状態を継続する旨を報知するが、第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達したときに確変状態を終了する旨を報知する終了報知演出と同一の報知態様のダミー終了報知演出を実行し、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの特定回数の変動表示を行ったときに確変状態に制御している場合には、確変状態の制御を再開する旨を報知するダミー開始報知演出を実行するように構成してもよい。以下、第2実施形態として説明する。
(第2実施形態)
図21は、この実施の形態で用いられる乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)大当り判定用乱数:大当り発生させるか否か決定する。
(2)大当り図柄決定用乱数:第1確変大当りとするか、第1通常大当りとするか、第2大当りとするか、を決定する
(3)変動パターン決定用乱数:特別図柄10aおよび飾り図柄9a〜9cの変動パターンを決定する
(4)普通図柄当り判定用乱数:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する
(5)大当り判定用乱数初期値決定用乱数:大当り判定用乱数の初期値を決定する
(6)普通図柄当り判定用乱数初期値決定用乱数:普通図柄当り判定用乱数の初期値を決定する
(7)報知回数判定用乱数:第1確変状態において実行可能な特別図柄10aの変動表示回数よりも少ない回数を報知するか否か判定する
(8)報知回数決定用乱数:第1確変状態において実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として報知表示する回数を決定する
(9)演出開始タイミング決定用乱数:ダミー開始報知演出を行うタイミングを決定する
図3に示す遊技制御処理におけるステップS23では、CPU56は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り図柄決定用乱数、および、(4)の普通図柄当り判定用乱数、を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、(3)の変動パターン決定用乱数、(7)の報知回数判定用乱数、(8)の報知回数決定用乱数、および、(9)の演出開始タイミング決定用乱数、が表示用乱数であり、(5)の大当り判定用乱数初期値決定用乱数、および、(6)の普通図柄当り判定用乱数初期値決定用乱数、が初期値用乱数である。
【0156】
図22は、各判定テーブルの一例を示す説明図である。図22に示すように、この実施の形態では、報知回数判定用乱数を用いて第1確変状態において実行可能な特別図柄10aの変動表示回数よりも少ない回数として擬似可変表示回数を報知するか否かを判定するための報知回数判定値は、「30〜49」となっている。また、報知回数判定用乱数が報知回数判定値と合致したときに、実行回数表示93にて第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として表示する報知回数は、「10回」、「20回」、「30回」、「40回」のいずれかとなっている。CPU56は、報知回数決定用乱数と、報知回数決定テーブルと、を比較し、抽出した報知回数決定用乱数の値に応じて報知回数を決定する。
【0157】
図23は、図10に示す大当り判定処理(ステップS55)における第2大当り設定処理(ステップS221)の第2実施形態の一例を示すフローチャートである。第2大当り設定処理において、CPU56は、まず、第2確変カウンタに第2確変回数をセットする(ステップS260)。この実施の形態では、第2大当り遊技状態終了後に特別図柄表示器10にて特別図柄10aの可変表示が最大で100回実行されるまで確変状態に制御する第2確変状態に移行するため、第2確変カウンタに100回をセットする。すなわち、第2確変カウンタは、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの可変表示回数(変動表示回数)がセットされ、第2確変状態への制御を開始してから特別図柄表示器10にて実行された特別図柄10aの変動表示回数を示すカウンタである。
【0158】
次いで、第2大当り遊技状態の開始を示す第2大当りフラグをセットし(ステップS261)、確変状態フラグがセットされているか、すなわち、確変状態(第1確変状態および第2確変状態)であるかを確認し(ステップS262)、確変状態でなければ、第2大当り遊技状態終了後に第2確変状態に制御する旨の表示を行うことを示す演出開始フラグをセットする(ステップS269)。大当り終了処理(ステップS306)にて、演出開始フラグがセットされていれば、CPU56は第2確変状態を開始する報知表示の開始を指示する演出開始コマンドを表示制御基板80に送信する。第2大当りフラグは、第2大当りとなったことを示すフラグである。
【0159】
また、ステップS262で確変状態であれば、第2大当り実行中フラグがセットされているか確認し(ステップS263)、第2大当り実行中フラグがセットされていれば、ステップS269に移行し、第2大当り実行中フラグがセットされていなければ、演出開始タイミング決定用乱数を抽出し(ステップS264)、抽出した演出開始タイミング決定用乱数の値を開始前カウンタにセットする(ステップS265)。なお、開始前カウンタは、確変状態にて実行した特別図柄10aの変動表示回数が第1大当り遊技状態終了後に確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として実行回数表示93に報知表示した値となったときから、ダミー開始報知演出を実行するまでに特別図柄表示器10にて実行する特別図柄10aの変動表示回数を示すカウンタである。
【0160】
そして、開始前カウンタを1減算し(ステップS266)、開始前カウンタが0であれば(ステップS267)継続演出フラグをセットする(ステップS268)。なお、継続演出フラグは、第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達したときに、開始前カウンタが0となり、ダミー開始報知演出の実行を指示する継続演出コマンドを表示制御基板80に送信することを示すフラグである。また、第2大当り実行中フラグは、第2大当り遊技状態終了後の第2確変状態実行中であることを示すフラグである。
【0161】
なお、この実施の形態では、第1確変大当りとなったことにもとづく第1大当り遊技状態終了後に制御される第1確変状態、および、第2大当り遊技状態終了後に制御される第2確変状態、にて実行可能な特別図柄10aの可変表示回数が予め決定されているが、第1確変大当り、または、第2大当りとする旨の判定がなされた後、複数種類の可変表示回数のうちいずれかを確変状態にて実行可能な特別図柄10aの可変表示回数として決定するように構成してもよい。このように構成することにより、弾球遊技機1にて実行される遊技にランダム性を持たせることができ、遊技者の興趣が向上する。
【0162】
このとき、第1確変大当りとなったことにもとづく第1大当り遊技状態終了後に第2大当りとなり、擬似報知回数を報知した場合においては擬似報知回数に達したとき、若しくは、擬似報知回数は報知せず第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数を報知した場合においては当該変動表示回数に達したときに、開始前カウンタの値が確変状態にて実行可能な変動表示回数の残りの変動回数よりも大きいとき(例えば、開始前カウンタのカウント値が第1確変カウンタまたは第2確変カウンタのカウント値よりも大きいとき)には、ダミー終了報知演出は実行しない(例えば、継続演出を実行してもよいし、継続演出を実行しなくてもよい)ように構成してもよい。このように構成することにより、ダミー開始報知演出を実行することが不可能にもかかわらずダミー終了報知演出を実行することを防止でき、遊技者が実際の回数よりも少ない回数しか確変状態が継続しなかったと誤認し、興趣が低下することを防止できる。
【0163】
さらに、第1確変大当りとなったことにもとづく第1大当り遊技状態終了後に第2大当りとなり、擬似報知回数を報知した場合においては、擬似報知回数に達したとき、若しくは、擬似報知回数は報知せず第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数を報知した場合においては当該変動表示回数に達したときに、開始前カウンタの値を確変状態にて実行可能な変動表示回数の残りの変動回数よりも少ない回数の擬似可変表示回数の中から選択してセットするように構成してもよい。このように構成することにより、確変状態にて実行可能な変動表示回数の残りの変動回数が少ないときにもダミー終了報知演出、ダミー開始報知演出を実行することが可能となり、遊技者の興趣を向上できる。
【0164】
また、第2確変状態として特別図柄10aの変動表示を最大100回実行するまで確変状態に制御し、確変状態にて第2大当りとする旨の判定がなされた場合には、当該確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数が終了し、開始前カウンタが0となったときに実行回数表示93に確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として第2確変状態の残りの変動表示回数を表示するが、第2確変状態の残りの変動表示回数よりも少ない回数としての擬似可変表示回数を表示し、表示した回数に達したときにダミー終了報知演出を行い、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの特定回数の可変表示を行ったときに確変状態に制御している場合には、ダミー開始報知演出を実行するように構成してもよい。このように構成することにより、ダミー開始報知演出に対する遊技者の期待感を高めることができ、興趣が向上する。
【0165】
図24は、特別図柄通常処理(ステップS300)における確変時処理(ステップS58)の第2実施形態の一例を示すフローチャートである。確変時処理において、CPU56は、まず、報知回数カウンタが0であるか確認する(ステップS270)。報知回数カウンタは、後述する第2実施形態の大当り終了処理(ステップS306)における報知回数判定処理(ステップS161)でセットされ、確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として実行回数表示93に報知表示する回数がセットされるカウンタである。すなわち、報知回数カウンタが0となったときにダミー終了報知演出を実行する制御が行われる。
【0166】
ステップS270で報知回数カウンタが0でなければ、報知回数カウンタを1減算し(ステップS271)、第2確変カウンタが0ならば(ステップS272)、第1確変状態であると判定されて第1確変カウンタを1減算する(ステップS273)。ステップS272で第2確変カウンタが0でなければ、第2確変状態と判定されて第2確変カウンタを1減算し(ステップS274)、第1確変カウンタが0でなければ(ステップS275)、第1確変カウンタを1減算する(ステップS276)。
【0167】
次いで、報知回数カウンタが0であるか否か確認し(ステップS277a)、報知回数カウンタが0であれば、開始前カウンタが0より大きいか確認する(ステップS277b)。第2確変カウンタが0より大きくなければ、擬似可変表示回数以内に第2大当りとならなかったと判定されて表示制御基板80に継続演出コマンドを送信する(ステップS277c)。また、ステップS277bで開始前カウンタが0でなければ、再び開始前カウンタが0より大きいか確認し(ステップS278a)、開始前カウンタが0より大きいと判定されて、終了報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS278b)。終了報知フラグは、ダミー終了報知演出を実行する旨のダミー終了コマンドを表示制御基板80に送信したことを示すフラグである。ステップS278bで終了報知フラグがセットされていなければ、ダミー終了コマンドを送信し(ステップS278c)、終了報知フラグをセットする(ステップS278d)。
【0168】
そして、開始前カウンタが0であるか否か確認する(ステップS279)。上述したように、開始前カウンタは、確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として実行回数表示93に報知表示する回数に達してからダミー開始報知演出を実行するまでに特別図柄表示器10にて特別図柄10aの変動表示を行う変動表示回数を示すカウンタである。従って、開始前カウンタが0となったときにダミー開始報知演出を実行する処理が行われる。すなわち、ステップS279で開始前カウンタが0でなければ、開始前カウンタを1減算し(ステップS280)、開始前カウンタが0となったら(ステップS281)、ダミー終了フラグをリセットし(ステップS282)、確変状態の残りの変動表示の回数が0であるか確認する。具体的には、第2確変カウンタが0であるか否か(ステップS283a)確認し、第2確変カウンタが0でなければ確変状態の残りの変動表示の回数が0でないと判定されて表示制御基板80に確変状態の制御を再開する旨を報知するダミー開始報知演出の開始を指示する継続演出コマンドを送信する(ステップS283b)。
【0169】
また、ステップS270で報知回数カウンタが0であれば、第1確変カウンタが0であるか確認し(ステップS284)、第1確変カウンタが0であれば、第2確変状態中であると判定され、第2確変カウンタを1減算する(ステップS285)。
【0170】
ステップS284で第1確変カウンタが0でなければ、第1確変カウンタを1減算し(ステップS286)、第2確変カウンタが0であるか確認する(ステップS287)。ステップS287で第2確変カウンタが0でなければ、第2確変状態中であると判定され、第2確変カウンタを1減算し(ステップS288)、第1確変カウンタが0であれば(ステップS289)、ステップS278aに移行し、開始前カウンタが0より大きければ(ステップS278a)、ダミー開始報知演出を実行するまでの処理を行う(ステップS278b〜ステップS283b)。ステップS278aで開始前カウンタが0であれば、ステップS277cで継続演出コマンドを送信したと判定されて処理を終了する。
【0171】
以上の処理により、確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として実際に実行可能な回数(この実施の形態では、50回)よりも少ない回数としての擬似可変表示回数を実行回数表示93に報知表示し、実行回数表示93に報知表示した回数に達したとき、または、確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として実際に実行可能な回数(この実施の形態では、50回)を実行回数表示93に報知表示し、確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達する以前に第2大当りが発生し、確変状態における特別図柄10aの変動表示回数が実行回数表示93に報知表示している回数に達したとき、にダミー終了報知演出の開始を指示するダミー終了コマンドを表示制御基板80に送信して、ダミー終了報知演出を実行することにより確変状態を終了するときに実行する表示態様と同一の演出を行い、遊技者を欺くことができる。
【0172】
また、ダミー終了報知演出を実行した後、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの特定回数の変動表示を実行したときに確変状態に制御している場合には、継続演出コマンドを表示制御基板80に送信し、継続演出コマンドを受信したことにもとづいて表示制御用CPUが表示制御基板80に搭載されるROMからダミー開始報知演出実行データを読み出し、飾り図柄表示部9にて読み出したダミー開始報知演出実行データにもとづくダミー開始報知演出を実行するため、遊技者のダミー開始報知演出に対する期待感を高めることができ、興趣が向上する。
【0173】
なお、複数種類の演出態様が示された複数種類のダミー開始報知演出を表示制御基板80に搭載されるROMに備える構成としてもよく、この場合には、確変時処理(ステップS58)のステップS277cおよびステップS283bで継続演出コマンドを送信するときに、第1確変カウンタのカウント値、または、第2確変カウンタのカウント値、に応じた継続演出コマンドを表示制御基板80に送信するように構成してもよい。
【0174】
また、この実施の形態では、ダミー終了コマンドと継続演出コマンドとが同一の割込処理内で表示制御基板80に送信される、例えば、開始前カウンタに1がセットされた状態でステップS277aで報知回数カウンタが0になったとき、ステップS278cでダミー終了コマンドを表示制御基板80に送信した後、ステップS280で開始前カウンタを1減算することによりステップS281で開始前カウンタが0と判定されてステップS283bで継続演出コマンドを表示制御基板80に送信することがあるが、表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUによりダミー終了コマンドと継続演出コマンドとの2つの演出制御コマンドを同時(同一割込処理内)に受信したときには、確変状態を継続させる旨の演出態様が示された継続演出実行データを表示制御基板80に搭載されたROMから読み出して飾り図柄表示部9にて確変状態を継続させる旨を報知する演出を実行するようにしてもよい。
【0175】
また、表示制御基板80にダミー終了コマンドを送信した割込処理内では継続演出コマンドを送信しないように構成することにより、同一割込処理内にダミー終了コマンドと継続演出コマンドとを表示制御基板80に送信することを防止するようにしてもよい。例えば、ステップS278cでダミー終了コマンドを表示制御基板80に送信してステップS278dで終了報知フラグをセットした後、ステップS279以降の処理を実行せずに処理を終了することによりダミー終了コマンドを表示制御基板80に送信した後、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの最低1回の変動表示が実行されるため、ダミー終了報知演出が実行された後、ダミー開始報知演出に対する期待感を継続させることができ、興趣が向上する。
【0176】
図25は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS306)の第2実施形態の一例を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、第2大当り実行中フラグがセットされていれば(ステップS151)、演出開始フラグがセットされているか確認し(ステップS152)、演出開始フラグがセットされていれば、演出開始コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS153)。また、ステップS152で演出開始フラグがセットされていなければ、継続演出フラグがセットされているか確認し(ステップS154)、継続演出フラグがセットされていれば、継続演出コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS155)。そして、演出開始フラグおよび継続演出フラグをリセットし(ステップS156)、遊技状態フラグを確変状態フラグに書き換える(ステップS162)。
【0177】
また、ステップS151で第2大当り実行中フラグがセットされていなければ、確変フラグがセットされているか否か確認し(ステップS157)、確変フラグがセットされていれば、第1第1確変大当り終了コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS158)、第1確変カウンタに第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数としての確変回数50回をセットする(ステップS159)。そして、確変フラグをリセットし(ステップS160)、報知回数判定処理サブルーチンを実行した後(ステップS161)、遊技状態フラグを確変状態フラグに書き換える(ステップS156)。
【0178】
また、ステップS157で確変フラグがセットされていなければ、第1通常大当り終了コマンドのアドレスをポインタにセットし(ステップS163)、遊技状態フラグを通常状態フラグに書き換える(ステップS164)。
【0179】
次いで、開放動作実行中フラグをリセットし(ステップS165)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS166)。以上の処理により、第1大当り遊技状態終了後に第1確変大当りだった場合には、遊技状態フラグが確変フラグに書き換えられるとともに、第1確変カウンタに確変回数がセットされて第1確変状態に制御される。また、第2大当り遊技状態終了後に、遊技状態フラグが確変フラグに書き換えられて第2確変状態に制御される。
【0180】
図26は、大当り終了処理(ステップS306)における報知回数判定処理(ステップS161)の一例を示すフローチャートである。報知回数判定処理において、CPU56は、報知回数判定用乱数を抽出し(ステップS291)、抽出した報知回数判定用乱数と図22に示す報知回数判定テーブルとを比較する(ステップS292)。
【0181】
また、ステップS291で抽出した報知回数判定用乱数が報知回数判定テーブルに設定される報知回数判定値と合致すれば(ステップS293)、報知回数決定用乱数を抽出し(ステップS294)、図22に示す回数決定テーブルを用いて実行回数表示93に表示する確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数を決定する(ステップS295)。そして、決定した報知回数を報知回数カウンタにセットし(ステップS296)、決定した報知回数を指示する演出制御コマンドを表示制御基板80に送信する(ステップS297)。
【0182】
表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUは、報知回数を指示する演出制御コマンドを受信したことにもとづいて飾り図柄表示部9の実行回数表示93にて報知表示する確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として当該演出制御コマンドにより指示された回数を報知表示する。
【0183】
また、ステップS293でステップS291で抽出した報知回数判定用乱数が報知回数判定テーブルに設定される報知回数判定値と合致しなければ、確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として予め定められた回数(この実施の形態では、50回)を指示する演出制御コマンドを表示制御基板80に送信する。
【0184】
以上の処理により、特別図柄表示器10に第1確変図柄を導出表示したことにもとづく第1大当り遊技状態が終了したときには、実行回数表示93として確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数(この実施の形態では、50回)より少ない回数としての擬似可変表示回数を報知するか否かの判定を行い、擬似可変表示回数を報知する旨の判定がなされたときに、報知する擬似可変表示回数を決定する処理がなされる。
【0185】
なお、この実施の形態では、報知回数判定用乱数により実行回数表示93として確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数より少ない回数としての擬似可変表示回数を報知するか否かの判定を行い、擬似可変表示回数を報知する旨の判定がなされたときに、報知する回数を決定する処理がなされるが、1つの乱数により確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数より少ない回数としての擬似可変表示回数を報知するか否かおよび、報知する回数を決定するように構成してもよい。例えば、所定回数および所定回数よりも少ない回数としての擬似可変表示回数のそれぞれに判定値が割り振られた報知回数判定テーブルを用いて報知する回数を決定するように構成してもよい。
【0186】
以上、本発明の処理の一例について説明してきたが、上述した処理による特別図柄表示器10および飾り図柄表示部9にて実行される表示制御の一例について以下に説明する。
【0187】
図27は、第1確変大当りとなった後に第1確変状態に制御される状態を示す説明図であり、図28は、ダミー終了報知演出を示す説明図であり、図29は、ダミー開始報知演出を示す説明図であり、図30は、ダミー終了報知演出の他の例を示す説明図である。
【0188】
上述したように、この実施の形態では、特別図柄表示器10に第1確変図柄が導出表示したことにもとづく第1大当り遊技状態終了後に、実行回数表示93として報知表示する確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数(この実施の形態では、50回)より少ない回数としての擬似可変表示回数を報知するか否かの判定を行い、擬似可変表示回数を報知する旨の判定がなされたときに、報知する擬似可変表示回数を決定する。
【0189】
すなわち、通常遊技状態にて特別図柄表示器10にて可変表示を行い(図27(A)〜図27(C))、特別図柄表示器10に第1特定表示結果としての第1確変図柄(図27(D)の場合には「5」)が導出表示したことにもとづいて(図27(D))、第1大当り遊技状態に制御した後、大当り終了処理(ステップS306)における報知回数判定処理(ステップS161)にて確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数(この実施の形態では、50回)より少ない回数としての擬似可変表示回数を報知する旨の判定がなされ、実行回数表示93に確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として30回を報知表示する旨に決定した場合には、第1確変状態に制御する旨の確変開始表示92として「30回の確変タイム!」を飾り図柄表示部9に表示制御する。なお、飾り図柄表示部9に飾り図柄9a〜9cよりも奥方向に表示される背景表示は、各遊技状態にて異なり、図27(A)〜図27(D)の通常遊技状態では、通常状態中背景表示90が表示される。遊技者は、飾り図柄表示部9の背景表示の変化により確変状態であるか、通常遊技状態であるか、を認識することができる。
【0190】
確変開始表示92を表示制御し、第1確変状態への制御を開始すると、飾り図柄表示部9の背景表示を確変状態中背景表示91に変更した後、飾り図柄9a〜9cの変動表示を行う。また、確変状態(第1確変状態、第2確変状態)では、確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数、および、確変状態にて実行した特別図柄10aの変動表示回数、として実行回数表示93を飾り図柄表示部9に表示する(図27(F))。遊技者は、実行回数表示93により確変状態における特別図柄10aの残りの変動表示回数を認識できる。
【0191】
また、第1確変状態中に第2大当りとする旨の判定がなされたときには、変動パターン設定処理(ステップS301)にて変動パターン14にすることに決定され、変動時間の短い変動表示を行う(図27(G)〜図28(J))。また、表示制御基板80にて変動パターン14を指示する変動パターンコマンドを受信したときには、表示制御用CPUは飾り図柄表示部9に大当り図柄を導出表示しない。すなわち、はずれとなる表示結果を導出表示する。このとき、特別図柄表示器10には、第2確変図柄が導出されるが、遊技者は、特別図柄表示器10よりも大きいサイズで構成され、特別図柄表示器10よりも多彩な演出を実行する飾り図柄表示部9の表示結果に注目するため、第2大当りとなったことを悟られにくい。
【0192】
特別図柄表示器10に第2特定表示結果としての第2確変図柄(この実施の形態では、「3」)が導出表示したことにもとづいて第2大当り遊技状態に制御し(図28(J))、第2大当り遊技状態実行中には、飾り図柄表示部9では、停止図柄を導出表示した状態、具体的には、図28(J)の状態となり、次の変動表示を行わない。しかし、上述したように、第2大当り遊技状態は、比較的早く終了するため、違和感なく次の変動表示を行うことができる。
【0193】
なお、第2大当り遊技状態中に飾り図柄表示部9にて飾り図柄9a〜9cのダミーの変動表示を行い、特別図柄表示器10においては、第2確変図柄を導出表示した状態で変動表示を行わないように構成してもよい。この場合には、大当り判定用乱数の判定結果を参照することなく、飾り図柄表示部9にはずれ図柄を導出表示するように構成すればよい。このように構成することにより、第2大当り遊技状態実行中にも飾り図柄表示部9にて飾り図柄9a〜9cの変動表示が行われるため、遊技者を飾り図柄9a〜9cの変動表示に注目させることができ、遊技者に第2大当り遊技状態となったことをより悟られ難くすることができる。
【0194】
上述したように、この実施の形態では、第1確変状態および第2確変状態は、第1大当り遊技状態または第2大当り遊技状態となったときに終了する。すなわち、第1確変状態および第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数は、第1大当り遊技状態または第2大当り遊技状態となった時点で無効となる。ところが、第1確変状態、または、第2確変状態の残りの変動表示回数が無効になったことを遊技者に報知してしまうと遊技者の興趣が低下する虞がある。そのため、遊技者に第2大当り遊技状態となったことを悟られ難くするために、この実施の形態では、短い変動時間の変動表示を行い、実行回数表示93を継続して表示している。
【0195】
また、この実施の形態では、確変状態実行中に第2大当りとする旨の判定がなされると、実行回数表示93として報知表示している確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達した後、特別図柄表示器10にて何回の可変表示を実行したときにダミー開始報知演出を実行するかを決定する。このように構成することにより、ダミー終了報知演出を実行した後、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの変動表示が特定回数行われるまでは遊技者に確変状態が終了したと誤認させることができ、ダミー開始報知演出を実行したときに遊技者の興趣を向上させることができるとともに、ダミー開始報知演出に対する期待感を高めることができる。
【0196】
そして、確変状態にて実行した特別図柄10aの変動表示回数が確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として実行回数表示93に表示制御される実行回数(この実施の形態では、「30回」)に達したときに、主基板31に搭載されるCPU56は、表示制御基板80にダミー終了コマンドを送信し、ダミー終了コマンドを受信したことにもとづいて表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUにより確変状態を終了する旨を報知するダミー終了報知演出を行う(図28(O))。ダミー終了報知演出では、飾り図柄表示部9に偽終了報知表示95として「確変終了!」を表示制御することにより遊技者に確変状態が終了したかのように誤認させることができる。
【0197】
ダミー終了報知演出を実行するときに表示制御用CPUは、表示制御基板80に搭載されるROMに格納されたダミー終了報知演出実行データを読み出し、読み出したダミー終了報知演出実行データに従って飾り図柄表示部9を表示制御する。なお、複数種類の演出態様が示された複数種類のダミー終了報知演出実行データを備えるように構成してもよく、この場合には、ダミー終了報知演出を実行するときに確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数に応じて複数種類のダミー終了報知演出実行データのうちいずれかを選択するように構成してもよい。
【0198】
具体的には、図30に示すように、飾り図柄表示部9に偽終了報知表示95として「確変終わっちゃったね!?」を表示制御する継続演出実行データと、飾り図柄表示部9に偽終了報知表示95として「確変終了!復活しないかな〜」を実行する継続演出実行データと、を備え、確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数が多いとき(例えば、50回以上)には、飾り図柄表示部9に偽終了報知表示95として「確変終わっちゃったね!?」を表示制御する継続演出実行データを選択し、確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数が少ないとき(例えば、50回未満)には、飾り図柄表示部9に偽終了報知表示95として「確変終了!復活しないかな〜」を表示制御する継続演出実行データを選択するように構成してもよい。
【0199】
また、ダミー終了報知演出を実行した後(図28(O))、飾り図柄表示部9の背景表示を通常状態中背景表示90に変更する(図28(P))。上述したように、遊技者は、飾り図柄表示部9の背景表示によっても確変状態であるか否かを判断するため、背景表示を通常状態中背景表示90に変更することにより、ダミー終了報知演出に現実味を持たせることができる。しかし、実際には、遊技機の制御状態を決定する状態フラグの書き換えを行わないため、すなわち、確変状態フラグを通常状態フラグに書き換えないため、確変状態の制御が継続される。
【0200】
ダミー終了報知演出を実行した後、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの変動表示を特定回数(この実施の形態では、5回)実行したときに確変状態に制御されている場合には、ダミー開始報知演出を実行し、確変状態の制御を再開する旨の報知表示を行う(図29(U))。ダミー開始報知演出では、飾り図柄表示部9に再開報知表示96として「確変復活!」を表示制御することにより遊技者に確変状態の制御を再開することを報知する。このように構成することにより、確変状態が終了した後、再び確変状態に制御されたように誤認させることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0201】
また、ダミー開始報知演出を実行した後、実行回数表示93における確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数を更新表示する(図29(V))。この実施の形態では、第2確変状態にて特別図柄表示器10にて最大で100回の変動表示が可能であり、図28(J)にて第1確変状態における特別図柄10aの変動表示が25回実行されたときに第2大当りとなり、第2確変状態が開始されてから図28(K)〜図28(N)で特別図柄表示器10にて特別図柄10aの変動表示を5回実行している。そして、図28(P)〜図29(T)で25回特別図柄10aの変動表示を25回実行し、図29(U)でダミー開始報知演出を実行したときには、第2確変状態における特別図柄10aの変動表示が30回実行された状態である。従って、実行回数表示93における確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数を、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数として70回に更新表示する(図29(V))。
【0202】
このように、この実施の形態では、確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達する以前に第2大当りとなったことにもとづいて確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数が無効となったことを遊技者に悟られ難くするとともに、確変状態にて実行した特別図柄10aの変動表示回数が確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達したときにダミー終了報知演出を行い、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの変動表示を特定回数実行したときにダミー開始報知演出を行うため、遊技者に確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数が無効となったことを悟られ難くして興趣の低下を防ぐとともに、ダミー開始報知演出を実行することにより遊技者の興趣を向上させることができる。
【0203】
なお、この実施の形態では、第1確変状態の実行中に第2大当りとなった例について示したが、第2確変状態の実行中に第2大当りとなった場合であっても同様の制御がなされるように構成してもよい。
【0204】
また、この実施の形態では、第2確変状態として、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの変動表示が最大100回実行されるが、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数を複数種類設け、第2大当りとする旨の判定がなされたときに複数種類の変動表示回数のうちいずれかを選択するように構成してもよく、この場合には、ダミー開始報知演出を実行することにより実行回数表示93にて表示する確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数がいずれの値となっても、遊技者に確変状態にて無効となった変動表示回数をより悟られ難くすることができる。
【0205】
また、この実施の形態では、継続報知演出を実行した後、実行回数表示93における確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数を更新表示するときに、ダミー開始報知演出を実行したときに第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数を報知表示するが、ダミー開始報知演出を実行したときに第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数を実行回数表示93として確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に加算した値に更新表示するように構成してもよい。このように構成することにより、確変状態が継続していることを遊技者に認識させることができ、確変状態の継続回数に興味を抱かせることができるため、興趣が向上する。
【0206】
なお、ダミー終了報知演出として確変状態を終了する旨を報知する終了報知演出と異なる報知態様を実行する構成としてもよい。例えば、確変状態を終了する旨の表示を行わずに次回の飾り図柄表示部9における背景表示を通常状態中背景表示90とする報知態様をダミー終了報知演出としてもよい。
【0207】
また、ダミー終了報知演出を実行した後に、飾り図柄表示部9にて通常遊技状態中と同様の表示(例えば、通常状態中背景表示90)としながらも、主基板31によって制御される電気部品(例えば、特別図柄保留記憶表示器11)により確変状態実行中である旨の報知表示を行うように構成してもよい。このように構成することにより、実際の遊技機の遊技状態を報知表示するため、遊技者に不信感を与えることがない。
【0208】
また、この実施の形態では、確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数より少ない回数としての擬似可変表示回数を報知するか否かの判定を行い、擬似可変表示回数を報知する旨の判定がなされたときに擬似可変表示回数を決定し、実行回数表示93にて擬似可変表示回数を報知表示するが、主基板31によって制御される電気部品(例えば、特別図柄表示器10の上方に設けた確変回数表示器)により実際の確変回数を表示するように構成してもよい。このように構成することにより、確変状態において特別図柄表示器10にて実際に実行可能な可変表示回数を報知表示するため、遊技者に不信感を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【0209】
【図1】本実施形態に係る弾球遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】本実施形態に係る弾球遊技機の回路構成の概要を表したブロック図である。
【図3】2msタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】各乱数を示す説明図である。
【図5】特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】変動パターンの一例を示す説明図である。
【図7】始動口スイッチ通過処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】大当り判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図10】大当り判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】第2大当り設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】確変時処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】確変終了判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】大入賞口開放前処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】第1実施形態の一例を示す説明図である。
【図19】第1実施形態の一例を示す説明図である。
【図20】第1実施形態の一例を示す説明図である。
【図21】第2実施形態の各乱数を示す説明図である。
【図22】第2実施形態の各判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図23】第2実施形態の第2大当り設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図24】第2実施形態の確変時処理の一例を示すフローチャートである。
【図25】第2実施形態の大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。
【図26】第2実施形態の報知回数判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図27】第2実施形態の一例を示す説明図である。
【図28】第2実施形態の一例を示す説明図である。
【図29】第2実施形態の一例を示す説明図である。
【図30】第2実施形態の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0210】
1 弾球遊技機
8 可変表示装置
9 表示部
10 特別図柄表示器
14 始動入賞口
15 可変入賞装置
20 特別可変入賞装置
21 大入賞口
31 主基板
53 基本回路
54 ROM
55 RAM
56 CPU
57 I/Oポート部
80 表示制御基板
90 通常状態中背景表示
91 確変状態中背景表示
92 確変開始表示
93 実行回数表示
94 継続報知表示
95 偽終了報知表示
96 再開報知表示
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者が遊技領域に遊技球を発射することにより遊技を行い、所定の始動条件の成立にもとづいて各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示装置と、前記遊技領域に設けられ遊技者にとって有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の状態とのいずれかの状態に変化可能な特別可変入賞装置と、を備え、前記可変表示装置の表示結果が予め定められた特定表示結果となった後に前記特別可変入賞装置を前記第1の状態に変化させる特定遊技状態に制御する遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。さらに、識別情報を可変表示可能な可変表示装置が設けられ、可変表示装置における識別情報の可変表示の表示結果が予め定められた特定の表示結果(特定表示結果)となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となるように構成されたものがある。
【0003】
特定遊技状態とは、所定の遊技価値が付与された遊技者にとって有利な状態を意味する。具体的には、特定遊技状態は、例えば特別可変入賞装置の状態を打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態(大当り遊技状態)、遊技者にとって有利な状態となるための権利が発生した状態、景品遊技媒体払出の条件が成立しやすくなる状態などの、所定の遊技価値が付与された状態である。
【0004】
上記した遊技機では、特別図柄(識別情報)を表示する可変表示装置の表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様の組合せ(特定表示結果)となることを、通常、「大当り」という。大当りが発生すると、例えば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個(例えば10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成する。そして、大入賞口の開放回数は、所定回数(例えば15ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば29.5秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。また、大入賞口が閉成した時点で所定の条件(例えば、大入賞口内に設けられているVゾーンへの入賞)が成立していない場合には、大当り遊技状態は終了する。
【0005】
また、可変表示装置における識別情報の可変表示の表示結果の違いによって、例えば、通常の大当り遊技状態の他にその大当り遊技状態終了後からの可変表示装置における識別情報が特定表示結果となる確率を変動させる(確変状態)確率変動大当りや、大当り遊技状態終了後からの可変表示装置にて識別情報の可変表示を開始してから表示結果が導出表示されるまでの時間(可変表示時間)を短くする(時短状態)時間短縮大当りなど、遊技価値の異なる複数種類の大当りを用意することで、遊技興趣の一層の向上を図った遊技機も数多く知られている。
【0006】
このような遊技機において、予め定められた所定の条件が成立したとき、例えば、可変表示装置における表示結果が所定の識別情報の組み合わせとなったことによる大当り遊技状態が終了したときに、上述した確変状態を発生させ、当該確変状態における識別情報の可変表示が予め定められた所定回数実行されたときに当該確変状態を終了させる。そして、当該確変状態中に可変表示装置における表示結果が所定の識別情報の組み合わせとなったことによる大当り遊技状態となったときに当該確変状態を終了し、当該大当り遊技状態が終了した後、新たに確変状態を発生させるものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、予め定められた所定の条件とは異なる条件が成立したとき、例えば、可変表示装置における表示結果が所定の識別情報の組み合わせとは異なる組み合わせとなったことによる大当り遊技状態が終了したときに、上述した時短状態を発生させ、当該時短状態における識別情報の可変表示が予め定められた所定回数実行されたときに当該時短状態を終了し、また、当該時短状態中に大当りとなったときに当該時短状態を終了するものがあった。また、時短状態が発生したときに前回および前々回の時短状態における所定回数の残り回数と、今回の所定回数の残り回数と、を報知するものがあった(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−33569号公報(第16−18頁、第6図)
【特許文献2】特開平9−10395号公報(第7−8頁、第6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上記した特許文献1および特許文献2の遊技機においては、例えば、大当りとなったときに所定回数の確変状態および時短状態の可変表示が行われていない場合であっても確変状態および時短状態を終了させるため、確変および時短状態の所定回数の残りの可変表示の回数が無効となることを遊技者に悟られてしまい、興趣が低下する虞があった。本発明は上記した事情に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、所定回数の確変状態および時短状態の残りの可変表示の回数が無効となることを遊技者に悟られにくい遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の発明においては、遊技者が遊技領域(例えば、遊技領域7)に遊技球を発射することにより遊技を行い、所定の始動条件の成立(例えば、始動入賞口14に打球が入賞)にもとづいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄10a)の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示装置(例えば、可変表示装置8)と、前記遊技領域に設けられ遊技者にとって有利な第1の状態(例えば、遊技球が入賞可能な開放状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(例えば、遊技球が入賞不可能な閉塞状態)とのいずれかの状態に変化可能な特別可変入賞装置(例えば、特別可変入賞装置20)と、を備え、前記可変表示装置の表示結果が予め定められた特定表示結果(例えば、大当り図柄)となった後に前記特別可変入賞装置を前記第1の状態に変化させる特定遊技状態(例えば、第1大当り遊技状態、第2大当り遊技状態)に制御する遊技機(例えば、弾球遊技機1)において、前記始動条件の成立にもとづいて前記表示結果をその導出表示以前に前記特定表示結果のうち第1特定表示結果(例えば、特別図柄10aの大当り図柄「0」〜「11」のうち「3」以外の図柄)とするか、前記特定表示結果のうち該第1特定表示結果とは異なる第2特定表示結果(例えば、第2確変図柄:「3」)とするか、前記特定表示結果とは異なる非特定表示結果(例えば、はずれ図柄:「−」)とするかを決定する事前決定手段(例えば、CPU56の機能であって、大当り判定処理(ステップS55)を実行する部分)と、該事前決定手段によって前記可変表示装置の表示結果を前記第1特定表示結果とすることが決定され、前記可変表示装置に該第1特定表示結果を導出表示した後に前記特定遊技状態のうち前記特別可変入賞装置を所定期間(例えば、30秒、または、打球が10個入賞するまで)第1の状態に変化させる第1特定遊技状態(例えば、第1大当り遊技状態)に制御する第1特定遊技状態制御手段(例えば、CPU56の機能であって、大入賞口開放前処理(ステップS304)のステップS114で開放回数カウンタに「15」をセットするとともに、ステップS117で開放タイマに「30秒」をセットし、開放回数カウンタ、および、開放タイマにもとづいて第1大当り遊技状態に制御する部分)と、前記事前決定手段によって前記可変表示装置の表示結果を前記第2特定表示結果とすることが決定され、前記可変表示装置に該第2特定表示結果を導出表示した後に前記特定遊技状態のうち前記特別可変入賞装置を前記所定期間より短い期間(例えば、1秒、または、打球が10個入賞するまで)第1の状態に変化させる第2特定遊技状態(例えば、第2大当り遊技状態)に制御する第2特定遊技状態制御手段(例えば、CPU56の機能であって、大入賞口開放前処理(ステップS304)のステップS115で開放回数カウンタに「2」をセットするとともに、ステップS118で開放タイマに「1秒」をセットし、開放回数カウンタ、および、開放タイマにもとづいて第2大当り遊技状態に制御する部分)と、前記特定遊技状態終了後、前記事前決定手段により前記表示結果を前記特定表示結果に決定する確率を前記特定遊技状態とは異なる通常遊技状態より高くする高確率状態(確変状態)に制御する高確率状態制御手段(例えば、CPU56の機能であって、大当り終了処理(ステップS306)で第1確変大当り、または、第2大当りが終了したときにステップS141で遊技状態フラグを確変状態フラグに書き換えることにより確変状態に制御する部分)と、該高確率状態制御手段によって前記高確率状態への制御が開始された後に実行された可変表示回数を計数する高確率回数計数手段(例えば、CPU56の機能であって、確変時処理(ステップS58)のステップS244、または、ステップS248で第1確変カウンタを減算する部分)と、該高確率回数計数手段により計数した回数が所定の可変表示回数となったか否かを判定する高確率状態回数判定手段(例えば、CPU56の機能であって、確変終了判定処理(ステップS104)のステップS253で第1確変カウンタが0であるか否か判定する部分)と、前記特定遊技状態に移行されずに前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされたとき、前記高確率状態を終了させる高確率状態終了手段(例えば、CPU56の機能であって、確変終了判定処理(ステップS104)のステップS253で第1確変カウンタが0と判定されたときにステップS254で遊技状態フラグを通常状態フラグに書き換える部分)と、該高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御され(例えば、遊技状態フラグが確変状態フラグであり)、前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされておらず(例えば、第1確変カウンタが0ではなく)、前記事前決定手段によって前記第2特定表示結果とする旨の決定がなされたときには、前記第2特定遊技状態制御手段によって前記第2特定遊技状態に制御した後に再度、前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に継続して制御する高確率状態継続制御手段(例えば、CPU56の機能であって、大当り終了処理(ステップS307)のステップS141で継続して遊技状態フラグを確変状態フラグにすることで確変状態に継続して制御する部分)と、該高確率状態継続制御手段により前記高確率状態が継続される以前から前記高確率回数計数手段により計数された可変表示回数が前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされたとき(例えば、確変時処理(ステップS58)におけるステップS245でYES)に前記高確率状態に継続して制御される旨を報知する継続報知演出(例えば、図19(O)で継続報知表示94を表示制御して確変状態を継続する旨の報知演出)を実行する継続報知演出実行手段(例えば、CPU56により確変時処理(ステップS58)のステップS245で第1確変カウンタが0であると判定されたときにステップS246で表示制御基板80に継続演出コマンドを送信し、表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUが継続演出コマンドを受信したことにもとづいて表示制御基板80に搭載されるROMから継続演出実行データを読み出し、読み出した継続演出実行データにもとづく演出態様で飾り図柄表示部9にて継続演出を実行する部分)と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2の発明においては、前記高確率状態制御手段は、前記第2特定遊技状態終了後に予め定められた可変表示回数(例えば、100回)、前記高確率状態に制御する第2高確率状態制御手段(例えば、CPU56の機能であって、第2大当り設定処理(ステップS221)のステップS231で第2確変カウンタに第2確変回数をセットするとともに、ステップS232で第2大当りフラグをセットし、大当り終了処理(ステップS306)のステップS141で遊技状態フラグを確変状態フラグに書き換える部分)を含み、前記高確率回数計数手段は、前記第2高確率状態制御手段により前記高確率状態に制御されているときに実行された可変表示回数を計数する第2高確率回数計数手段(例えば、CPU56の機能であって、確変時処理(ステップS58)のステップS243、および、S247で第2確変カウンタを減算する部分)を備え、前記高確率状態回数判定手段は、前記第2高確率回数計数手段により計数した回数が前記予め定められた可変表示回数となったか否かを判定する第2高確率状態回数判定手段(例えば、CPU56の機能であって、確変終了判定処理(ステップS104)のステップS252で第2確変カウンタが0か否か判定する部分)と、前記第2高確率回数計数手段の計数結果にもとづき前記第2高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御される残り回数を特定する第2高確率残回数特定手段(例えば、CPU56の機能であって、第2確変カウンタのカウント値を参照して第2確変状態の残り回数を特定する部分)と、前記継続報知演出を実行するときに、前記継続報知演出の態様が示された複数種類の継続演出実行データのうち前記第2高確率残回数特定手段により特定した第2高確率回数の残り回数にもとづいて継続演出実行データを選択する継続演出実行データ選択手段(例えば、CPU56により確変時処理(ステップS58)のステップS246で第2確変カウンタに応じた継続演出コマンドを表示制御基板80に送信し、表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUにより受信した継続演出コマンドに応じた継続演出実行データを表示制御基板80に搭載されるROMから選択する部分)と、を含み、前記継続報知演出実行手段は、前記継続演出データ選択手段によって選択された継続演出データを用いて前記継続報知演出を実行することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3の発明においては、前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数を報知する高確率回数報知手段(例えば、表示制御用CPUにより確変状態における変動パターンコマンドの受信回数に応じて実行回数表示93にて変動回数を報知する部分)を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4の発明においては、遊技者が遊技領域(例えば、遊技領域7)に遊技球を発射することにより遊技を行い、所定の始動条件の成立(例えば、始動入賞口14に打球が入賞)にもとづいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄10a)の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示装置(例えば、可変表示装置8)と、前記遊技領域に設けられ遊技者にとって有利な第1の状態(例えば、遊技球が入賞可能な開放状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(例えば、遊技球が入賞不可能な閉塞状態)とのいずれかの状態に変化可能な特別可変入賞装置(例えば、特別可変入賞装置20)と、を備え、前記可変表示装置の表示結果が予め定められた特定表示結果(例えば、大当り図柄)となった後に前記特別可変入賞装置を前記第1の状態に変化させる特定遊技状態(例えば、第1大当り遊技状態、第2大当り遊技状態)に制御する遊技機(例えば、弾球遊技機1)において、前記始動条件の成立にもとづいて前記表示結果をその導出表示以前に前記特定表示結果のうち第1特定表示結果(例えば、特別図柄10aの大当り図柄「0」〜「11」のうち「3」以外の図柄)とするか、前記特定表示結果のうち該第1特定表示結果とは異なる第2特定表示結果(例えば、第2確変図柄:「3」)とするか、前記特定表示結果とは異なる非特定表示結果(例えば、はずれ図柄:「−」)とするかを決定する事前決定手段(例えば、CPU56の機能であって、大当り判定処理(ステップS55)を実行する部分)と、該事前決定手段によって前記可変表示装置の表示結果を前記第1特定表示結果とすることが決定され、前記可変表示装置に該第1特定表示結果を導出表示した後に前記特定遊技状態のうち前記特別可変入賞装置を所定期間(例えば、30秒、または、打球が10個入賞するまで)第1の状態に変化させる第1特定遊技状態(例えば、第1大当り遊技状態)に制御する第1特定遊技状態制御手段(例えば、CPU56の機能であって、大入賞口開放前処理(ステップS304)のステップS114で開放回数カウンタに「15」をセットするとともに、ステップS117で開放タイマに「30秒」をセットし、開放回数カウンタ、および、開放タイマにもとづいて第1大当り遊技状態に制御する部分)と、前記事前決定手段によって前記可変表示装置の表示結果を前記第2特定表示結果とすることが決定され、前記可変表示装置に該第2特定表示結果を導出表示した後に前記特定遊技状態のうち前記特別可変入賞装置を前記所定期間より短い期間(例えば、1秒、または、打球が10個入賞するまで)第1の状態に変化させる第2特定遊技状態(例えば、第2大当り遊技状態)に制御する第2特定遊技状態制御手段(例えば、CPU56の機能であって、大入賞口開放前処理(ステップS304)のステップS115で開放回数カウンタに「2」をセットするとともに、ステップS118で開放タイマに「1秒」をセットし、開放回数カウンタ、および、開放タイマにもとづいて第2大当り遊技状態に制御する部分)と、前記特定遊技状態終了後、前記事前決定手段により前記表示結果を前記特定表示結果に決定する確率を前記特定遊技状態とは異なる通常遊技状態より高くする高確率状態(確変状態)に制御する高確率状態制御手段(例えば、CPU56の機能であって、大当り終了処理(ステップS306)で第1確変大当り、または、第2大当りが終了したときにステップS141で遊技状態フラグを確変状態フラグに書き換えることにより確変状態に制御する部分)と、該高確率状態制御手段によって前記高確率状態への制御が開始された後に実行された可変表示回数を計数する高確率回数計数手段(例えば、CPU56の機能であって、確変時処理(ステップS58)のステップS244、または、ステップS248で第1確変カウンタを減算する部分)と、該高確率回数計数手段により計数した回数が所定の可変表示回数となったか否かを判定する高確率状態回数判定手段(例えば、CPU56の機能であって、確変終了判定処理(ステップS104)のステップS253で第1確変カウンタが0であるか否か判定する部分)と、前記特定遊技状態に移行されずに前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされたとき、前記高確率状態を終了させる高確率状態終了手段(例えば、CPU56の機能であって、確変終了判定処理(ステップS104)のステップS253で第1確変カウンタが0と判定されたときにステップS254で遊技状態フラグを通常状態フラグに書き換える部分)と、該高確率状態終了手段によって前記高確率状態を終了させるときに、その旨を報知する終了報知演出(例えば、図28(O)と同一の演出態様の演出)を行う終了報知演出実行手段(例えば、CPU56により確変終了判定処理(ステップS104)のステップS252で第2確変カウンタが0と判定されたとき、または、ステップS253で第1確変カウンタが0と判定されたとき、にステップS255で終了コマンドを表示制御基板80に送信し、終了コマンドを受信したことにもとづいて表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUにより終了報知演出を実行する部分)と、前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御され(例えば、遊技状態フラグが確変状態フラグであり)、前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされておらず(例えば、第1確変カウンタが0ではなく)、前記事前決定手段によって前記第2特定表示結果とする旨の決定がなされたときには、前記第2特定遊技状態制御手段によって前記第2特定遊技状態に制御した後に再度、前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に継続して制御する高確率状態継続制御手段(例えば、CPU56の機能であって、大当り終了処理(ステップS307)のステップS162で継続して遊技状態フラグを確変状態フラグにすることで確変状態に継続して制御する部分)と、該高確率状態継続制御手段により前記高確率状態が継続される以前から前記高確率回数計数手段により計数された可変表示回数が前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされたとき(例えば、確変時処理(ステップS58)におけるステップS289でYES)に前記終了報知演出と同一の報知態様のダミー終了報知演出(例えば、図28(O)で偽終了報知表示95を表示制御して確変状態を終了する旨の報知演出)を実行するダミー終了報知演出実行手段(例えば、CPU56により確変時処理(ステップ58)のステップS277aで報知回数カウンタが0であると判定されたとき、または、ステップS289で第1確変カウンタが0であると判定されたとき、にステップS278cにてダミー終了コマンドを表示制御基板80に送信し、ダミー終了コマンドを受信したことにもとづいて表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUにより表示制御基板80に搭載されるROMからダミー終了報知演出実行データにもとづき飾り図柄表示部9にてダミー終了報知演出を実行する部分)と、該ダミー終了報知演出実行手段により前記ダミー終了報知演出を実行した後、予め定められた特定回数(例えば、第2大当り設定処理(ステップS221)のステップS264で抽出した演出開始タイミング決定用乱数により開始前カウンタにセットされた回数)の可変表示を行ったときに前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御しているときには、前記高確率状態に継続して制御される旨を報知するダミー開始報知演出(例えば、図29(U)で再開報知表示96を表示制御して確変状態を継続する旨の報知演出)を実行するダミー開始報知演出実行手段(例えば、CPU56により確変時処理(ステップS58)のステップS281で開始前カウンタが0となったときに第1確変カウンタと第2確変カウンタとの一方が0でないことを条件にステップS283bで継続演出コマンドを表示制御基板80に送信し、継続演出コマンドを受信したことにもとづいて表示制御用CPUが表示制御基板80に搭載されるROMからダミー開始報知演出実行データを読み出し、飾り図柄表示部9にて読み出したダミー開始報知演出実行データにもとづくダミー開始報知演出を実行する部分)と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項5の発明においては、前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御されるときに前記所定の可変表示回数(例えば、50回)を報知するか、前記所定の可変表示回数よりも少ない回数である擬似可変表示回数(例えば、10回、20回、30回、40回)を報知するか、を判定する擬似報知判定手段(例えば、CPU56の機能であって、報知回数判定処理(ステップS161)のステップS292で報知回数判定用乱数と、報知回数判定テーブルと、にもとづいて擬似可変表示回数を報知するか否か判定する部分)と、該擬似報知判定手段により前記擬似可変表示回数を報知する旨の判定がなされたときに(例えば、報知回数判定処理(ステップS161)のステップS293にてYES)、予め定められた複数種類の可変表示回数のうちいずれの可変表示回数を前記擬似可変表示回数として報知するか決定する擬似可変表示回数決定手段(例えば、CPU56の機能であって、報知回数判定処理(ステップS161)のステップS295で報知回数決定用乱数と、回数決定テーブルと、にもとづいて報知回数を決定する部分)と、該擬似可変表示回数決定手段により決定した擬似可変表示回数を報知する擬似可変表示回数報知手段(例えば、CPU56により報知回数判定処理(ステップS161)のステップS297で報知回数に応じた演出制御コマンドを表示制御基板80に送信し、表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUにより実行回数表示93に表示制御する部分)と、前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が前記擬似可変表示回数決定手段により決定した擬似可変表示回数となったか否かを判定する擬似可変表示回数判定手段(例えば、CPU56の機能であって、確変時処理(ステップS58)のステップS277aで報知回数カウンタが0であるか否か判定する部分)と、をさらに備え、ダミー終了報知演出実行手段は、前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御され(例えば、遊技状態フラグが確変状態フラグであり)、前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされておらず(例えば、第1確変カウンタが0ではなく)、前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が前記擬似可変表示回数判定手段によって前記擬似可変表示回数になった旨の判定がなされたとき(例えば、確変時処理(ステップS58)のステップS277aでYESとなったとき)に前記ダミー終了報知演出を実行することを特徴とする。
【0014】
また、請求項6の発明においては、前記ダミー終了報知演出実行手段により前記ダミー終了報知演出を実行したとき、予め定められた複数種類の特定回数のうちいずれかの特定回数に決定する特定回数決定手段(例えば、CPU56の機能であって、第2大当り設定処理(ステップS221)のステップS264で抽出した演出開始タイミング決定用乱数の値をステップS265で開始前カウンタにセットする部分)を備え、前記特定回数決定手段により決定された特定回数の可変表示を行ったときに前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御しているときには、前記ダミー開始報知演出実行手段は、前記ダミー開始報知演出を実行することを特徴とする。
【0015】
また、請求項7の発明においては、前記高確率状態制御手段は、前記第2特定遊技状態終了後に予め定められた可変表示回数(例えば、100回)、前記高確率状態に制御する第2高確率状態制御手段(例えば、CPU56の機能であって、第2大当り設定処理(ステップS221)のステップS231で第2確変カウンタに第2確変回数をセットするとともに、ステップS232で第2大当りフラグをセットし、大当り終了処理(ステップS306)のステップS141で遊技状態フラグを確変状態フラグに書き換える部分)を含み、前記高確率回数計数手段は、前記第2高確率状態制御手段により前記高確率状態に制御されているときに実行された可変表示回数を計数する第2高確率回数計数手段(例えば、CPU56の機能であって、確変時処理(ステップS58)のステップS274、S285、および、S288で第2確変カウンタを減算する部分)を備え、前記高確率状態回数判定手段は、前記第2高確率回数計数手段により計数した回数が前記予め定められた可変表示回数となったか否かを判定する第2高確率状態回数判定手段(例えば、CPU56の機能であって、確変終了判定処理(ステップS104)のステップS252で第2確変カウンタが0か否か判定する部分)と、前記第2高確率回数計数手段の計数結果にもとづき前記第2高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御される残り回数を特定する第2高確率残回数特定手段(例えば、CPU56の機能であって、第2確変カウンタのカウント値を参照して第2確変状態の残り回数を特定する部分)と、前記ダミー終了報知演出を実行するときに、前記ダミー終了報知演出の態様が示された複数種類のダミー終了報知演出実行データのうち前記第2高確率残回数特定手段により特定した第2高確率回数の残り回数にもとづいてダミー終了報知演出実行データを選択するダミー終了演出データ選択手段(例えば、CPU56により確変時処理(ステップS58)のステップS283bで第2確変カウンタに応じた継続演出コマンドを表示制御基板80に送信し、表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUにより受信した継続演出コマンドに応じたダミー終了報知演出実行データを表示制御基板80に搭載されるROMから選択する部分)と、を含み、前記ダミー終了報知演出実行手段は、前記ダミー終了演出データ選択手段によって選択されたダミー終了報知演出実行データを用いて前記ダミー終了報知演出を実行することを特徴とする。
【0016】
また、請求項8の発明においては、前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数を報知する高確率回数報知手段(例えば、表示制御用CPUにより確変状態における変動パターンコマンドの受信回数に応じて実行回数表示93にて変動回数を報知する部分)を備え、該高確率回数報知手段は、前記ダミー終了報知演出実行手段により前記ダミー終了報知演出が実行されたときに前記可変表示回数の報知を中断し、前記ダミー開始報知演出実行手段により前記ダミー開始報知演出が実行されたときに前記可変表示回数の報知を可変表示回数を報知する際に用いられる初期値から再開報知する(例えば、図28(O)にてダミー終了報知演出を実行したときに実行回数表示93の表示制御を中止し、図29(U)でダミー開始報知演出を実行した後、確変状態にて特別図柄表示器10にて実行された変動表示回数として実行回数表示93に1回から表示制御する)ことを特徴とする。
【0017】
また、請求項9の発明においては、前記事前決定手段による決定結果にもとづいて前記可変表示装置にて前記識別情報の可変表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの表示態様が示された複数種類の可変表示データ(例えば、変動パターンコマンド)のうちいずれかを選択する可変表示データ選択手段(例えば、CPU56の機能であって、変動パターン設定処理(ステップS301)にて変動パターンを選択する部分)を備え、該可変表示データ選択手段は、前記通常遊技状態において前記事前決定手段により前記第2特定表示結果とする旨の判定がなされたときに前記複数種類の可変表示データのうち予め定められた特定可変表示データを選択する(例えば、変動パターン設定処理(ステップS301)のステップS77で確変状態フラグがセットされていなければ通常の変動時間の変動パターン12を選択する)一方、前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御されているときに前記事前決定手段により前記第2特定表示結果とする旨の判定がなされたときに前記複数種類の可変表示データのうち前記特定可変表示データとは異なる非特定可変表示データを選択する(例えば、変動パターン設定処理(ステップS301)のステップS77で確変状態フラグがセットされていれば変動時間の短い変動パターン14を選択する)ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る発明においては、高確率状態制御手段により高確率状態に制御され、高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が高確率状態回数判定手段によって所定の可変表示回数となった旨の判定がなされておらず、事前決定手段によって第2特定表示結果とする旨の決定がなされ、第2特定遊技状態制御手段によって第2特定遊技状態に制御した後に再度、高確率状態制御手段によって高確率状態に継続して制御し、高確率状態回数判定手段によって所定の可変表示回数となった旨の判定がなされたときに高確率状態に継続して制御される旨を報知する継続報知演出を実行するため、第2特定遊技状態に制御したことにより所定の可変表示回数の残り回数が無効になったことが遊技者に悟られ難くなり、加えて、所定回数の可変表示が行われたときに高確率状態を継続して制御される旨の継続報知演出を行うことで遊技者の興趣を再度高めることができる。
【0019】
また、請求項2に係る発明においては、継続報知演出の態様が示された複数種類の継続演出実行データのうち第2高確率残回数特定手段により特定した第2高確率回数の残り回数にもとづいて継続演出データ選択手段によって選択された継続演出データを用いて継続報知演出を実行するため、所定回数の可変表示が行われたときに高確率状態の残りの可変表示回数に応じて異なる継続報知演出を実行でき、演出のバリエーションを増加させることができるとともに、遊技者の興趣を向上できる。
【0020】
また、請求項3に係る発明においては、高確率回数計数手段により計数した可変表示回数を報知するため、高確率状態に継続して制御されている印象を遊技者により強く与えることができ、興趣が高まる。
【0021】
また、請求項4に係る発明においては、高確率状態制御手段によって高確率状態に制御され、高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が高確率状態回数判定手段によって所定の可変表示回数となった旨の判定がなされておらず、事前決定手段によって第2特定表示結果とする旨の決定がなされ、第2特定遊技状態制御手段によって第2特定遊技状態に制御した後に再度、高確率状態制御手段によって高確率状態に継続して制御し、高確率状態回数判定手段によって所定の可変表示回数となった旨の判定がなされたときに終了報知演出と同一の報知態様のダミー終了報知演出を実行するため、第2特定遊技状態に制御したことにより高確率状態における所定の可変表示回数の残り回数が無効になったことが遊技者に悟られ難くなる。また、ダミー終了報知演出実行手段によりダミー終了報知演出を実行した後、予め定められた特定回数の可変表示を行ったときに高確率状態制御手段によって高確率状態に制御しているときには、高確率状態に継続して制御される旨を報知するダミー開始報知演出を実行するため、遊技者の興趣を再度高めることができるとともに、終了報知演出が実行された場合であってもダミー開始報知演出に対する期待感を高めることができる。
【0022】
また、請求項5に係る発明においては、高確率状態制御手段によって高確率状態に制御され、高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が高確率状態回数判定手段によって所定の可変表示回数となった旨の判定がなされておらず、高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が擬似可変表示回数判定手段によって擬似可変表示回数になった旨の判定がなされたときにダミー終了報知演出を実行するため、演出のバリエーションが増加し、遊技者の興趣が高まる。
【0023】
また、請求項6に係る発明においては、複数種類の特定回数のうち特定回数決定手段により決定された特定回数の可変表示を行ったときに高確率状態制御手段によって高確率状態に制御しているときには、ダミー開始報知演出実行手段によりダミー開始報知演出を実行するため、演出のバリエーションが増加し、遊技者の興趣が高まる。
【0024】
また、請求項7に係る発明においては、ダミー終了報知演出を実行するときに、ダミー終了報知演出の態様が示された複数種類のダミー終了報知演出実行データのうち第2高確率残回数特定手段により特定した第2高確率回数の残り回数にもとづいてダミー終了演出データ選択手段によって選択されたダミー終了報知演出実行データを用いてダミー終了報知演出を実行するため、所定の可変表示回数の残りの可変表示回数に応じて異なるダミー開始報知演出を実行でき、演出のバリエーションを増加させることができるとともに、遊技者の興趣を向上できる。
【0025】
また、請求項8に係る発明においては、ダミー終了報知演出実行手段によりダミー終了報知演出が実行されたときに可変表示回数の報知を中断し、ダミー開始報知演出実行手段によりダミー開始報知演出が実行されたときに可変表示回数の報知を可変表示回数を報知する際に用いられる初期値から再開報知するため、高確率状態が再開して発生した印象を遊技者に与えることができ、興趣が高まる。
【0026】
また、請求項9に係る発明においては、通常遊技状態において事前決定手段により第2特定表示結果とする旨の判定がなされたときに複数種類の可変表示データのうち予め定められた特定可変表示データを選択する一方、高確率状態制御手段によって高確率状態に制御されているときに事前決定手段により第2特定表示結果とする旨の判定がなされたときに複数種類の可変表示データのうち特定可変表示データとは異なる非特定可変表示データを選択するため、第2特定遊技状態となったことを遊技者に悟られ難くなり、継続報知演出およびダミー開始報知演出を行った際にさらに遊技者の興趣を高められる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(第1実施形態)
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例である弾球遊技機1の全体の構成について説明する。図1は弾球遊技機1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例として弾球遊技機を示すが、本発明は弾球遊技機に限られず、例えば、画像式の遊技機、コイン遊技機、及び、スロット機、等であってもよい。
【0028】
弾球遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、弾球遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)と、を含む構造体である。
【0029】
図1に示すように、弾球遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
【0030】
遊技領域7の中央付近には、所定の始動条件の成立(例えば、打球が始動入賞口14へ入賞)にもとづいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄10a)の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示装置8を備えている。本実施形態では、可変表示装置8の右下部に7セグメントLEDにより構成される特別図柄表示器10と、可変表示装置8の中央に液晶表示装置(LCD)により構成される飾り図柄表示部9と、を備えている。特別図柄表示器10では、7セグメントLEDによって表示される特別図柄10aの比較的単調な可変表示を行なっている。また、飾り図柄表示部9では、複数の表示領域(本実施形態では3つ)にて飾り図柄9a〜9cの可変表示を行っている。飾り図柄表示部9は、特別図柄表示器10で行われる可変表示の内容を、より演出効果を高めて遊技者に表示するための可変表示装置であり、この実施の形態では、左・中・右の3つの表示領域に飾り図柄9a〜9cが表示制御される。
【0031】
なお、本実施形態における弾球遊技機1は、始動入賞発生時(例えば、始動入賞口14へ打球が入賞する)に後述する抽出手段(例えば、CPU56の機能であって数値データ(大当り判定用乱数、等)を抽出する機能:ステップS203)によって、数値データ更新手段(例えば、CPU56の機能であって数値データ(大当り判定用乱数、等)を更新(カウントアップ)する機能:ステップS23)が更新する数値データから抽出された数値データ(大当り判定用乱数等)が事前判定手段(例えば、CPU56の機能であって始動入賞発生時に抽出した大当り判定用乱数が大当り判定値と合致するか否かを判定する部分:ステップS55)により所定の判定値(大当り判定値)と合致すると判定されたときに、特別図柄表示器10に特定表示結果(大当り図柄、例えば、「0」〜「11」のいずれかの図柄)を表示した後に遊技者にとって有利な特定遊技状態(第1大当り遊技状態、第2大当り遊技状態)に制御する機能を有する。
【0032】
また、特定表示結果(大当り図柄)には、第1特定表示結果(第1確変図柄、例えば、「0」〜「11」の図柄のうち「3」以外の奇数図柄)と、第2特定表示結果(第2確変図柄、例えば、「3」)と、第1特定表示結果および第2特定表示結果とは異なる第3特定表示結果(非確変図柄、例えば、例えば、「0」〜「11」の図柄のうち偶数図柄)が含まれ、本実施形態における弾球遊技機1は、事前判定手段により表示結果を第1特定表示結果(第1確変図柄)とすることを決定したときに特別図柄表示器10に第1特定表示結果(第1確変図柄)を表示した後に第1特定遊技状態(第1大当り遊技状態)に制御し、第1特定遊技状態(第1大当り遊技状態)終了後に、特定遊技状態(第1特定遊技状態、第2特定遊技状態)とは異なる遊技状態であって、通常遊技状態より表示結果が特定表示結果(大当り図柄)となり易い(事前判定手段により大当りと判定する確率が高い)第1高確率状態としての第1確変状態に制御することにより遊技者にとって有利な状態に移行制御する。なお、通常遊技状態とは、確変状態(第1確変状態、第2確変状態)、大当り遊技状態(第1大当り遊技状態、第2大当り遊技状態)、および、後述する時短状態、とは異なる遊技状態のことである。
【0033】
また、事前判定手段により表示結果を第2特定表示結果(第2確変図柄)とすることを決定したときに特別図柄表示器10に第2特定表示結果(第2確変図柄)を導出表示した後に第2特定遊技状態(第2大当り遊技状態)に制御し、第2特定遊技状態(第2大当り遊技状態)終了後に、特定遊技状態(第1特定遊技状態、第2特定遊技状態)とは異なる遊技状態であって、通常遊技状態より特定表示結果(大当り図柄)となり易い(事前判定手段により大当りと判定する確率が高い)第2高確率状態としての第2確変状態に制御することによって遊技者にとってさらに有利な状態に移行制御する。
【0034】
また、事前判定手段により表示結果を第3特定表示結果(非確変図柄)とすることを決定したときに特別図柄表示器10に第3特定表示結果(非確変図柄)を導出表示した後に第1特定遊技状態(第1大当り遊技状態)に制御し、第1特定遊技状態(第1大当り遊技状態)終了後に、通常遊技状態に制御する。なお、第1特定表示結果が導出表示されたことを第1確変大当り、第3特定表示結果が導出表示されたことを第1通常大当りということがある。
【0035】
このように、この実施の形態では、第1高確率状態および第2高確率状態として通常遊技状態よりも大当りとなる確率が高い確変状態に制御している。また、第1確変状態および第2確変状態は、特別図柄表示器10にてそれぞれ所定回数の可変表示が行われたとき、第1大当り遊技状態が発生したとき、および、第2大当り遊技状態が発生したとき、に終了する。この実施の形態では、第1確変状態として特別図柄表示器10にて最大50回の可変表示が行われるまで確変状態に制御され、第2確変状態として特別図柄表示器10にて最大100回の可変表示が行われるまで確変状態に制御されることで第1確変状態と第2確変状態との遊技価値を異ならせている。
【0036】
また、第1確変状態中および第2確変状態中に第1大当り遊技状態または第2大当り遊技状態が発生したことにより第1確変状態または第2確変状態が終了した場合であっても、第1特定表示結果が導出表示されたことにもとづく第1大当り遊技状態が発生したとき(第1確変大当りとなったとき)には第1大当り遊技状態終了後に新たに第1確変状態に移行制御され、第2特定表示結果が導出表示されたことにもとづく第2大当り遊技状態が発生したときには第2大当り遊技状態終了後に新たに第2確変状態に移行制御される。
【0037】
なお、この実施の形態では、最大50回の可変表示が行われるまで確変状態に制御する第1確変状態と、最大100回の可変表示が行われるまで確変状態に制御する第2確変状態と、することで確変状態の制御される可変表示回数に制限を設けているが、第1確変状態と第2確変状態とのうち一方の確変状態にのみ可変表示回数に制限を設けてもよく、例えば、第1確変状態においては最大100回の可変表示が行われるまで確変状態に制御し、第2確変状態においては、第1大当り遊技状態が発生したとき、および、第2大当り遊技状態が発生したとき、に第2確変状態を終了するように構成してもよい。
【0038】
また、この特別図柄表示器10の表示結果と飾り図柄表示部9の表示結果とはほぼ対応している。例えば、特別図柄表示器10の表示結果が第1特定表示結果になる場合には、飾り図柄表示部9の表示結果も第1特定表示結果に応じた大当り図柄になり、特別図柄表示器10の表示結果が第3特定表示結果になる場合には、飾り図柄表示部9の表示結果も第3特定表示結果に応じた大当り図柄となる。また、特別図柄表示器10の表示結果が特定表示結果とは異なる非特定表示結果(はずれ図柄)となる場合には、飾り図柄表示部9の表示結果もはずれ図柄となり、特別図柄表示器10の表示結果が第2特定表示結果になる場合には、飾り図柄表示部9の表示結果も第2特定表示結果に応じた大当り図柄となる。なお、特別図柄表示器10の表示結果が第2特定表示結果になる場合には、遊技機の遊技状態に応じて飾り図柄表示部9の表示結果を第2特定表示結果と対応しないはずれ図柄にする場合がある。この実施の形態では、第1確変状態および第2確変状態中に特別図柄表示器10の表示結果が第2特定表示結果になる場合には、飾り図柄表示部9の表示結果をはずれ図柄とすることにより、遊技者の目を欺かせることができ、遊技状態の変化を遊技者に悟られ難くすることができる。
【0039】
飾り図柄表示器9の上方には、後述する始動入賞口14に遊技球が入り始動条件が成立したが未だ特別図柄表示器10の開始条件(例えば、前回の特別図柄10aの可変表示の終了、第1大当り遊技状態および第2大当り遊技状態の終了)が成立していない始動条件の成立回数である保留記憶数を記憶する保留記憶手段(例えば、主基板31のRAM55により保留記憶数を記憶する機能)に記憶された保留記憶数を表示する保留記憶数表示手段として特別図柄保留記憶表示器11が設けられている。特別図柄保留記憶表示器11は、4つのLEDから構成され、始動入賞口14への有効始動入賞(本実施形態では、保留記憶数が4未満のときの始動入賞)がある毎に、LEDを1つ点灯し、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの可変表示が開始される毎に、点灯しているLEDを1つ減らす。すなわち、LEDを1つ消灯する。
【0040】
特別図柄保留記憶表示器11は、特別図柄表示器10における特別図柄10aの始動条件が成立(打球が始動入賞口14へ入賞)したときに後述する抽出手段(ステップS203)によって後述する数値データ更新手段(ステップS23)から抽出された数値データ(例えば、大当り判定用乱数等)の抽出順番を特定可能に記憶する保留記憶手段としての保留記憶バッファ(例えば、主基板31に搭載されるRAM55により抽出手段(ステップS203)によって抽出された数値データ(大当り判定用乱数等)を記憶する機能)に記憶された数値データの記憶数(保留記憶数)を特定可能に表示する。
【0041】
また、この実施の形態では、保留記憶バッファには、抽出手段(ステップS203)によって抽出された数値データ(例えば、大当り判定用乱数等)のうち未だ開始条件(例えば、前回の特別図柄10aの可変表示の終了、第1大当り遊技状態および第2大当り遊技状態の終了)が成立していない数値データが予め定められた上限数として4個まで記憶される。なお、保留記憶バッファに記憶可能となる数値データの上限数は上記したものに限らず、例えば、上限数を20(または0〜∞のうち任意の整数)としてもよい。また、所定の変更条件が成立した(例えば、表示結果が特別表示結果となった等)ことにもとづいて上限値を変更し(例えば、4個から20個に変更する)、所定の終了条件が成立した(例えば、表示結果が第3特定表示結果となった等)ことにもとづいて上限値を元に戻す(例えば、20個から4個に戻す)構成としてもよい。この場合には、全ての保留記憶数を表示できるように複数のLEDにより構成した特別図柄保留記憶表示器11としてもよく、また、保留記憶数のうち所定数(例えば、5つ)のみ表示するようにしてもよい。さらに、特別図柄保留記憶表示器11を7セグメントLEDにより構成し、保留記憶数全てを数値表示するように構成してもよい。
【0042】
可変表示装置8の下方には、遊技球が入賞可能な始動入賞口14を有する可変入賞装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ62によって検出される。可変入賞装置15は、ソレノイド71によって開状態とされる。ソレノイド71により可変入賞装置15が開状態となることにより、遊技球が始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態となる。
【0043】
可変入賞装置15の下方には、特別図柄表示器10に特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたことにもとづく特定遊技状態(第1大当り遊技状態、第2大当り遊技状態)においてソレノイド72によって開状態とされる特別可変入賞装置20が設けられている。特別可変入賞装置20は、内部に大入賞口21を備え、ソレノイド72により可動して大入賞口21に遊技球が入賞可能な受入可能状態と、大入賞口21に遊技球が入賞不能な受入不能状態と、に変化可能に設けられている。また、特別可変入賞装置20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち、一方(V入賞領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ64で検出され、もう一方(10カウント入賞領域)に入った入賞球はカウントスイッチ63で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口21内の経路を切り換えるためのソレノイド73も設けられている。
【0044】
特別可変入賞装置20の左側方には、「○」及び「×」と付された左右一対のLEDからなる普通図柄表示器12が設けられている。この普通図柄表示器12は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」及び「×」)を可変表示可能なものである。
【0045】
ゲート28を遊技球が通過しゲートスイッチ61で検出されると、普通図柄当り判定用乱数が抽出されて主基板31に搭載されるRAM55の普通図柄バッファに格納される。この実施の形態では、RAM55の普通図柄バッファに記憶可能な普通図柄当り判定用乱数の記憶数の上限は、4個となっている。そして、普通図柄バッファに記憶される普通図柄当り判定用乱数の記憶数が上限に達していなければ、つまり、遊技球がゲートスイッチ61で検出されると普通図柄バッファに記憶される普通図柄当り判定用乱数の記憶数が4個に達していなければ、普通図柄当り判定用乱数が抽出される。そして、普通図柄表示器12において普通図柄の表示状態が変化(「○」および「×」が交互に点灯)する可変表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器12において普通図柄の可変表示が開始される。普通図柄表示器12において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄当り判定用乱数を普通図柄バッファに格納することで普通図柄当り判定用乱数の記憶数が1増加する。
【0046】
また、普通図柄表示器12の下方には、普通図柄バッファに格納される普通図柄当り判定用乱数の記憶数を表示する所定数(この実施の形態では4つ)のLEDを有する普通図柄保留記憶表示器13が設けられている。この普通図柄保留記憶表示器13は、ゲート28を遊技球が通過し、ゲートスイッチ61で遊技球が検出される毎に点灯するLEDを1つ増やす。そして、普通図柄表示器12にて普通図柄(例えば、「○」及び「×」)の可変表示が開始される毎に点灯しているLEDを1減らす。
【0047】
この実施の形態では、普通図柄表示器12にて、○と×の付された左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の可変表示が行われ、可変表示は所定時間(例えば、29.2秒)継続する。そして、可変表示の終了時に○の付された左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、ゲート28を遊技球が通過し、ゲートスイッチ61で遊技球が検出されたときに抽出された数値データ(普通図柄当り判定用乱数)の値が所定の普通図柄当り判定値と合致したか否かによって決定される。普通図柄表示器12における可変表示の表示結果が当りである場合には、可変入賞装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が始動入賞口14に入賞しやすい状態になる。すなわち、可変入賞装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態(可変入賞装置15が開放していない状態)から有利な状態(可変入賞装置15が開放した状態)に変化する。
【0048】
更に、第1高確率状態としての第1確変状態および第2高確率状態としての第2確変状態では、特別図柄表示器10にて可変表示される特別図柄10aの停止図柄が大当り図柄(特定表示結果:例えば、「0」〜「11」のいずれか)になる確率が通常遊技状態より高められるとともに、特別図柄10aの可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態より短縮される。更に、普通図柄表示器12において、停止図柄が大当り図柄になる確率が通常遊技状態より高められるとともに、可変入賞装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常遊技状態より高められる。これにより遊技者にとって更に有利な状態となる。また、確変状態(第1確変状態、第2確変状態)等の所定の状態では、普通図柄表示器12における普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態より短縮されることによって、遊技者にとって更に有利になるようにしてもよい。
【0049】
なお、この実施の形態では、第1高確率状態および第2高確率状態として確変状態に制御するが、第1高確率状態、第2高確率状態のうちいずれか一方、または、双方を時短状態に制御することにより遊技者にとって通常遊技状態よりも有利な状態としてもよい。時短状態では、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの変動表示(可変表示)が所定回数(例えば、第1高確率状態として50回、第2高確率状態として100回)実行されるまで、特別図柄表示器10の特別図柄10aおよび普通図柄表示器12の普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態より短縮される。更に、可変入賞装置15において、開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常遊技状態より高められる。可変入賞装置15の開放時間または開放回数が通常遊技状態より高められることにより、始動入賞口14への始動入賞が起こりやすくなり、所定期間内での特別図柄表示器10における特別図柄10aの可変表示回数が増加して特別図柄10aが大当り図柄となる確率が通常遊技状態より高まるため、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利な状態となる。
【0050】
また、高確率状態(第1高確率状態、第2高確率状態)は上記したものに限らず、遊技者に有利となる遊技制御を高確率状態とすればよい。すなわち、特別図柄10a乃至普通図柄に対しての時間短縮(時短)制御または確率変動(確変)制御、電役(例えば、可変入賞装置15)の開放期間の延長制御、特別図柄10a乃至普通図柄に対しての始動通過領域の増設制御(例えば、遊技盤6に設置される入賞口(図示しない)を特別図柄10aの始動入賞口として設定変更する制御)、賞球数の増加制御(例えば、入賞に伴う賞球を通常遊技状態時の13個から15個に増加する制御)、あるいは所定領域への通過率向上制御(例えば、始動入賞口14の上流側に打玉規制装置を設け、該打玉規制装置の作動により始動入賞率を向上する制御)を高確率状態とすることができ、さらには始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する弾球遊技機に本発明を適用した場合には、特定領域への入賞率向上制御を高確率状態としてもよい。
【0051】
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ40、枠ランプ左41および枠ランプ右42が設けられている。また、枠ランプ左41の近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が、枠ランプ右42の近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が、設けられている。
【0052】
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。なお、この実施の形態では、特別図柄表示器10は7セグメントLEDにより構成され、1つの特別図柄10aの可変表示を行うため、リーチ表示態様となることはない。そのため、この実施の形態では、飾り図柄表示部9にて飾り図柄9a〜9cのリーチ表示態様とする。
【0053】
本実施形態では、飾り図柄表示部9に予め定められた図柄が停止することで大当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行われている状態(例えば、飾り図柄表示部9における左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部となる(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態)、および有効ライン上の表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、飾り図柄表示部9における左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
【0054】
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(特別図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、飾り図柄表示部9の背景の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。
【0055】
また、図示しないが弾球遊技機1には打球操作ハンドル5を操作することにより駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置45が設けられている。打球発射装置45から発射された遊技球は、遊技盤6に遊技領域7を囲むように円形状に載設された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ62で検出されると、特別図柄10aの可変表示を開始できる状態であれば(例えば、第1大当り遊技終了または前回の可変表示の終了)、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの可変表示を開始するとともに、飾り図柄表示部9にて飾り図柄9a〜9cの可変表示(変動表示)を開始する。特別図柄10aの可変表示を開始できる状態でなければ、保留記憶バッファに記憶される数値データ(例えば、大当り判定用乱数等)の記憶数を1増やし、特別図柄保留記憶表示器11の点灯するLEDを1つ増やす。
【0056】
特別図柄表示器10における特別図柄10aの可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄10aが大当り図柄(特定表示結果)となると、大当り図柄の種類に応じて第1大当り遊技状態、または、第2大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口21に入賞するまで特別可変入賞装置20によって大入賞口21が開放される。なお、特別可変入賞装置20によって大入賞口21が開閉されてから一定期間(例えば、第1大当り遊技状態においては30秒、第2大当り遊技状態においては1秒)経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口21に入賞するまで、が第1大当り遊技状態における1ラウンドである。そして、特別可変入賞装置20による大入賞口21の開放中に打球が大入賞口21内のV入賞領域に入賞し、V入賞スイッチ64で検出されると、継続権が発生し特別可変入賞装置20により大入賞口21の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、第1大当り遊技状態においては15ラウンド、第2大当り遊技状態においては2ラウンド)許容される。
【0057】
なお、第2大当り遊技状態は複数回のラウンドにわたって特別可変入賞装置20の開放時間を短く制御することにより遊技者に第2大当り遊技状態となったことを悟られにくい態様であればよく、特別可変入賞装置の開放時間は、本実施形態の例(「1秒」)に限らないし、ラウンド回数も本実施形態の例(「2ラウンド」)に限らない。
【0058】
また、本発明に係る特定遊技状態は、上記に限らず以下に示す1〜5の制御のうちいずれか1つの制御または組合せた制御を実行する状態であればよい。
1.打球の入賞を容易にする第1の状態と、打球が入賞できないまたは入賞しにくい第2の状態と、に変化可能な可変入賞装置に対して所定時間連続的または間欠的に第1の状態にする制御
2.特定の入賞または通過領域での打球の検出を介在させ、打球の入賞を容易にする第1の状態と、打球が入賞できないまたは入賞しにくい第2の状態と、に変化可能な可変入賞装置に対して所定時間連続的または間欠的に第1の状態にする制御
3.打球の入賞に関わらず所定数の景品球を直接排出する制御
4.有価価値を有する記憶媒体(カードやレシート等)に対して有価数を加算する制御
5.得点があることにもとづいて遊技可能な弾球遊技機に対して得点を付与する制御
図2は、本実施形態に係る弾球遊技機1の回路構成の概要を表したブロック図である。主基板31には、プログラムに従って弾球遊技機1を制御する基本回路53が搭載されている。基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って遊技の信号を制御するCPU56、及び表示制御基板80等に制御信号を送信するI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。
【0059】
なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータとは、主基板31に搭載されるCPU56、ROM54、RAM55、I/Oポート部57、等の周辺回路のことである。
【0060】
また、ゲートスイッチ61、始動口スイッチ62、カウントスイッチ63、V入賞スイッチ64、クリアスイッチ65、余剰球受皿4がいっぱいになったときに検出する満タンスイッチ(図示しない)、カウントスイッチ短絡信号(図示しない)、からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路32、可変入賞装置15を開閉するソレノイド71、特別可変入賞装置20を開閉するソレノイド72、大入賞口21内に設けられたシーソーを可動するソレノイド73、等を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路33、電源投入時に基本回路53をリセットするためのシステムリセット回路(図示しない)、基本回路53から与えられるデータに従って、大当り遊技状態(第1大当り遊技状態、第2大当り遊技状態)の発生を示す大当り情報、等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路34、も主基板31に搭載されている。
【0061】
また、主基板31に搭載されたCPUは、可変表示装置8に設けられた特別図柄表示器10の表示制御、および、普通図柄表示器12の表示制御を行う。さらに、特別図柄保留記憶表示器11および普通図柄保留記憶表示器13の発光制御を行う。
【0062】
主基板31に設けられた遊技制御用マイクロコンピュータ(CPU56及びROM54,RAM55等の周辺回路)は、プリペイドカード等が挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50、遊技盤6に設けられた複数の入賞口にて遊技球の入賞を検出したことにより賞球払い出しを行う球払出装置44、を制御する払出制御基板36に払出制御信号を送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータは、打球操作ハンドル5を操作することにより打球発射装置45を駆動制御して遊技球を遊技領域7に向けて発射制御する発射制御基板37に発射制御信号を送信する。
【0063】
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータは表示制御基板80に演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御コマンドを受信することにより表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータ(表示制御用CPU(図示しない)、RAM(図示しない)、ROM(図示しない)、I/Oポート部(図示しない)、等の周辺回路)が可変表示装置8の飾り図柄表示部9の表示制御を行う。
【0064】
表示制御用CPUは、ROMに格納されたプログラムに従って動作し、主基板31から演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドに従って可変表示装置8の飾り図柄表示部9の表示制御を行う。具体的には、画像表示を行う表示制御機能及び高速描画機能を有するVDP(図示しない)により飾り図柄表示部9の表示制御を行う。表示制御用CPUは、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示しない)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、飾り図柄表示部9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、怪物、文字、図形または記号等を予め格納しておくためのものである。
【0065】
そして、表示制御用CPUはキャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは表示制御用CPUからデータが入力されたことにもとづいて動作する。この実施の形態では、飾り図柄表示部9の表示制御を行うVDP(図示しない)が表示制御基板80に搭載されている。また、VDPは、表示制御用CPUとは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAM(図示しない)をマッピングしている。
【0066】
VDPはキャラクタ画像データに従って飾り図柄表示部9に表示するための画像データを生成し、VDPはVRAMに展開する。VRAMはVDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。そして、飾り図柄表示部9に出力する。
【0067】
また、この実施の形態では、表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータが音声出力基板70にスピーカ27の駆動信号を出力することによりスピーカ27の音声出力制御を行うとともに、ランプドライバ基板35にランプ・LEDの駆動信号を出力することにより弾球遊技機1に設けられたランプ・LEDの発光制御を行う。すなわち、表示制御基板80に搭載される表示制御用マイクロコンピュータは、主基板31から送信される飾り図柄表示部9の表示制御、ランプ・LEDの点灯制御、遊技音発生等の演出の制御に関する指令情報としての演出制御コマンド(制御信号)にもとづいて飾り図柄表示部9、スピーカ27、弾球遊技機1に設けられるランプ・LED等の発光体の制御を行う演出制御用マイクロコンピュータである。
【0068】
図3は、CPU56が実行するメイン処理にて2ms毎に実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(ステップS21)を行った後、ステップS22〜S36の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路32を介して、ゲートスイッチ61、始動口スイッチ62、カウントスイッチ63、V入賞スイッチ64、クリアスイッチ65、等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS22)。
【0069】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23:数値データ更新手段)。CPU56は、更に、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理(ステップS24)及び表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS25)。
【0070】
ここで、この実施の形態で用いられる乱数を説明する。図4は、この実施の形態で用いられる乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)大当り判定用乱数:大当りを発生させるか否か決定する。
(2)大当り図柄決定用乱数:第1確変大当りとするか、第1通常大当りとするか、第2大当りとするか、を決定する
(3)変動パターン決定用乱数:特別図柄10aおよび飾り図柄9a〜9cの変動パターンを決定する
(4)普通図柄当り判定用乱数:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する
(5)大当り判定用乱数初期値決定用乱数:当り判定用乱数の初期値を決定する
(6)普通図柄当り判定用乱数初期値決定用乱数:普通図柄当り判定用乱数の初期値を決定する
図3に示す遊技制御処理におけるステップS23では、CPU56は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り図柄決定用乱数、および、(4)の普通図柄当り判定用乱数、を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、(3)の変動パターン決定用乱数が表示用乱数であり、(5)の大当り判定用乱数初期値決定用乱数、および、(6)の普通図柄当り判定用乱数初期値決定用乱数、が初期値用乱数である。
【0071】
更に、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて特別図柄表示器10、飾り図柄表示部9、特別可変入賞装置20、等を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0072】
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器12の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。普通図柄プロセス処理を実行することにより普通図柄表示器12の表示制御および可変入賞装置15の開閉制御が実行される。
【0073】
次いで、CPU56は、飾り図柄9a〜9cに関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御基板80に送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS28)。また、普通図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS29)。
【0074】
更に、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
【0075】
また、CPU56は、始動口スイッチ62、カウントスイッチ63、V入賞スイッチ64、等の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、始動口スイッチ62、カウントスイッチ63、V入賞スイッチ64、等の何れかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板36に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板36に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置44を駆動する。
【0076】
そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS32)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。更に、所定の条件が成立したときにソレノイド回路33に駆動指令を行う(ステップS34)。可変入賞装置15、特別可変入賞装置20、を開状態または閉状態としたり、大入賞口21内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路33は、駆動指令に応じてソレノイド71〜73を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS35)、割込許可状態に設定する(ステップS36)。
【0077】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0078】
図5は、主基板31に搭載されるCPU56が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器10の表示を制御する処理を行うとともに、飾り図柄表示部9の表示を制御する処理が実行される。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ62がオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S306のうちのいずれかの処理を行う。
【0079】
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄10aの可変表示を開始できる状態になるのを待つ。CPU56は、特別図柄10aの可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。そして、保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄10aの可変表示の結果、大当りとするか否か(特定表示結果とするか否か)を決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。また、特別図柄10aの可変表示の結果、大当りとする場合には、大当り図柄決定用乱数にもとづいて第1大当りとするか、第2大当りとするかを決定するとともに、第1確変大当りとするか、第1通常大当り(非確変大当り)とするか決定する。
【0080】
この実施の形態では、大当りとなるときに「0」〜「11」の数値範囲で更新する大当り図柄決定用乱数にもとづいて大当り図柄を「3」とする場合には、特別図柄表示器10に「3」を導出表示した後に第2大当り遊技状態に制御し、第2大当り遊技状態終了後に第2確変状態に制御する。また、大当りとなるときに「0」〜「11」の数値範囲で更新する大当り図柄決定用乱数にもとづいて大当り図柄を「3」以外の奇数図柄とする場合には、特別図柄表示器10に「3」以外の奇数図柄を導出表示した後に第1大当り遊技状態に制御し、第1大当り遊技状態終了後に確変状態に制御する。さらに、大当りとなるときに「0」〜「11」の数値範囲で更新する大当り図柄決定用乱数にもとづいて大当り図柄を偶数図柄とする場合には、特別図柄表示器10に偶数図柄を導出表示した後に第1大当り遊技状態に制御し、第1大当り遊技状態終了後に通常遊技状態に制御する。すなわち、大当り図柄決定用乱数にもとづいて第1大当りとするか第2大当りとするかを決定するとともに、第1大当りとするときには、第1確変大当りとするか、第1通常大当り(非確変大当り)とするかを決定している。
【0081】
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄10aおよび飾り図柄9a〜9cの可変表示の変動パターン(可変表示データ)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数の値に応じて予め定められた複数種類の変動パターン(可変表示データ)の中から選択する。変動パターンには飾り図柄9a〜9cの変動態様と、変動表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの時間(変動時間)と、を特定する情報が含まれている。また、決定された変動パターンにもとづいて、特別図柄10aが可変表示を行って導出表示されるまでの可変表示時間(変動時間)を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。このとき、特別図柄表示器10に特別図柄の変動表示開始を指示する信号を出力するとともに、表示制御基板80に対して、変動時間を含む特別図柄10aの変動態様(変動パターン)を指令する情報(変動パターンコマンド)を送信する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
【0082】
特別図柄変動処理(ステップS302):変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
【0083】
特別図柄停止処理(ステップS303):特別図柄表示器10にて可変表示する特別図柄10aの可変表示を停止するとともに、飾り図柄表示部9にて可変表示する飾り図柄9a〜9cの可変表示を停止するように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す信号を特別図柄表示器10に出力される状態に設定するとともに、飾り図柄停止を示す演出制御コマンド(飾り図柄停止コマンド)を表示制御基板80に送信される状態に設定する。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0084】
大入賞口開放前処理(ステップS304):大入賞口21を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド72を駆動して特別可変入賞装置20を開状態とすることで大入賞口21を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。
【0085】
大入賞口開放中処理(ステップS305):第1大当り遊技状態中および第2大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを表示制御基板80に送出する制御や大入賞口21の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口21の閉成条件が成立したら、大入賞口21内に設けられたV入賞スイッチ64の通過の有無を監視して、第1大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。第1大当り遊技状態継続の条件が成立し、且つ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS304に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に第1大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS306に移行するように更新する。
【0086】
大当り終了処理(ステップS306):第1大当り遊技状態または第2大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0087】
図6は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図6において、「EXT」とは、「MODE」と「EXT」との2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。この実施の形態では、表示制御基板80に送信する演出制御コマンドは、主基板31に搭載されるROM54に格納される「MODE」と「EXT」とからなる2バイト構成のデータであり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
【0088】
また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示時間)を示す。この例では、特別図柄10aおよび飾り図柄9a〜9cの各変動パターンは、第1通常大当り(非確変大当り)とするか否か、第1確変大当りとするか否か、第2大当りとするか否か、はずれとするか否か、など各種の演出態様の違いに応じて複数種類用意されている。
【0089】
なお、「通常変動」とは、リーチ表示態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチ」とは、所定のリーチ表示態様を伴う変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ表示態様を持つ変動パターンである。また、リーチ表示態様が異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをいう。例えば、「ノーマルリーチ」では単に1種類の変動態様によってリーチ表示態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ表示態様が実現される。また、「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ表示態様を持つ変動パターンであり、「リーチC」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、および、「リーチB」とは異なるリーチ表示態様を持つ変動パターンである。
【0090】
上述したように、この実施の形態では、特別図柄10aを可変表示する特別図柄表示器10が7セグメントLEDにより構成されるため、上述した「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」、および、「リーチC」の変動パターンが選択されたときにも、通常の可変表示を行って変動時間が経過したことにもとづいて表示結果を導出表示する。すなわち、上述した「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」、および、「リーチC」は、飾り図柄表示部9における飾り図柄9a〜9cの変動表示態様を示すものである。
【0091】
また、この実施の形態では、短縮変動パターンが用いられる。短縮変動パターンは、上述した高確率状態(第1確変状態、第2確変状態)の実行中に実行される変動パターンである。短縮変動パターンには、はずれとなるときと、第2大当りとなるときと、が設けられている。第2大当りとなるときの短縮変動パターンでは、特別図柄10aおよび飾り図柄9a〜9cの「1秒」の変動表示を行って、特別図柄表示器10に第2確変図柄を導出表示するとともに、飾り図柄表示部9にはずれ図柄を導出表示する。そのため、遊技者に第2大当りとなったことを悟られにくい。なお、この実施の形態では、第1大当りとなるときには、短縮変動パターンが設けられていないため、変動パターン6〜変動パターン11の可変表示を行って大当り図柄を導出表示するが、高確率時には変動パターン6〜11のそれぞれの変動時間を短くした短縮変動パターンを実行するようにしてもよく、また、高確率時に用いられる変動パターン群(使用されうる複数の変動パターン)と低確率時に用いられる変動パターン群とを別にしてもよい。
【0092】
図7は、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS201)。保留記憶数が4に達していなければ、保留記憶数を1増やし(ステップS202)、大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出し(ステップS203)、それらを保留記憶数の値に対応した保存領域(保留記憶バッファ)に格納する(ステップS204)。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。ステップS203では、図4に示された乱数のうち、ランダム1〜ランダム3が抽出される。
【0093】
図8は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、特別図柄10aの変動表示を開始することができる状態(例えば特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)には、保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、保留記憶カウンタのカウント値を確認する。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの変動表示がなされておらず、かつ、特別図柄表示器10に大当り図柄が導出表示されたことにもとづく第1大当り遊技状態、または、第2大当り遊技状態が実行中でもない場合である。
【0094】
ステップS51にて保留記憶数が0でなければ、RAM55の保留記憶バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS52)、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の保留記憶バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。
【0095】
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS54)、大当り判定処理サブルーチンを実行して(ステップS55)大当り(第1大当り、または、第2大当り)とすることに決定した場合には、CPU56は、大当りフラグをセットする。大当りフラグがセットされていなければ(ステップS56)、確変状態フラグがセットされているか、すなわち、第1確変状態、および、第2確変状態に制御されているかを確認する(ステップS57)。確変状態フラグがセットされていれば、確変時処理サブルーチンを実行し(ステップS58)、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS59)。
【0096】
図9は、大当り判定テーブルの一例を示す説明図である。図9に示すように、この実施の形態では、低確率時(非確変状態)では大当り判定値は「3」となっているが、高確率時(確変状態)では大当り判定値は「3」、「7」、「79」、「103」、「107」となり、高確率時における大当りとなる確率は、低確率時における大当りとなる確率の5倍高くなっている。
【0097】
図10は、大当り判定処理サブルーチン(ステップS55)を示すフローチャートである。大当り判定処理において、CPU56は、まず、確変状態フラグがセットされているか否か確認する(ステップS211)。すなわち、そのときの遊技機の遊技状態が確変状態(第1確変状態、または、第2確変状態)であるか否か確認する。確変状態フラグがセットされていれば、すなわち、確変状態であれば、図9に示された大当り判定テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS212)。確変中でなければ、大当り判定テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS213)。
【0098】
そして、抽出されている大当り判定用乱数の値に合致する値が大当り判定テーブル中にあるか判定し(ステップS214)、合致する値があれば(ステップS215)、大当りフラグをセットし(ステップS216)、合致する値がなければ処理を終了する。
【0099】
ステップS216で大当りフラグをセットした後、大当り図柄決定用乱数を読み出し(ステップS217)、確変図柄である場合には、すなわち、読み出した大当り図柄決定用乱数が「0」〜「11」のうち奇数の値である場合には(ステップS218)、第2大当りであるか否か、すなわち、読み出した大当り図柄決定用乱数が「3」であれば(ステップS219)、第2大当り設定処理サブルーチンを実行する(ステップS221)。また、第2大当りでなければ、すなわち、読み出した大当り図柄決定用乱数が「0」〜「11」のうち「3」以外の奇数の値である場合である第1確変大当りを示す状態であれば(ステップS219)、確変フラグをセットする(ステップS220)。
【0100】
図11は、第2大当り設定処理(ステップS221)の一例を示すフローチャートである。第2大当り設定処理において、CPU56は、まず、第2確変カウンタに第2確変回数をセットする(ステップS231)。この実施の形態では、第2大当り遊技状態終了後に特別図柄表示器10にて特別図柄10aの可変表示が最大で100回実行されるまで確変状態に制御する第2確変状態に移行するため、第2確変カウンタに100回をセットする。すなわち、第2確変カウンタは、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの可変表示回数(変動表示回数)がセットされ、第2確変状態への制御を開始してから特別図柄表示器10にて実行された特別図柄10aの変動表示回数を示すカウンタである。
【0101】
次いで、第2大当り遊技状態の開始を示す第2大当りフラグをセットし(ステップS232)、確変状態フラグがセットされているか、すなわち、確変状態(第1確変状態および第2確変状態)であるかを確認し(ステップS233)、確変状態でなければ、第2大当り遊技状態終了後に第2確変状態に制御する旨の表示を行うことを示す演出開始フラグをセットする(ステップS238)。後述する大当り終了処理(ステップS306)にて、演出開始フラグがセットされていれば、CPU56は第2確変状態を開始する報知表示の開始を指示する演出開始コマンドを表示制御基板80に送信する。第2大当りフラグは、第2大当りとなったことを示すフラグである。
【0102】
また、ステップS233で確変状態であれば、第2大当り実行中フラグがセットされているか確認し(ステップS234)、第2大当り実行中フラグがセットされていれば、ステップS238に移行し、第2大当り実行中フラグがセットされていなければ、第1確変カウンタを1減算し(ステップS235)、第1確変カウンタが0であれば(ステップS236)、継続演出フラグをセットする(ステップS237)。なお、第1確変カウンタは、上述した第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの可変表示回数(変動表示回数)がセットされ、第1確変状態への制御を開始してから特別図柄表示器10にて実行された特別図柄10aの変動表示回数を示すカウンタであり、後述する大当り終了処理(ステップS306)にて50回がセットされる。また、継続演出フラグは、第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの可変表示回数(変動表示回数)に達したときに、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの可変表示回数がある場合にセットされ、確変状態の継続を報知表示する継続報知演出の実行を指示する継続演出コマンドを表示制御基板80に送信することを示すフラグである。また、第2大当り実行中フラグは、後述する特別図柄停止処理(ステップS303)にてセットされ、第2大当り遊技状態実行中、または、第2大当り遊技状態終了後の第2確変状態実行中であることを示すフラグである。
【0103】
なお、この実施の形態では、第1確変大当りとなったことにもとづく第1大当り遊技状態終了後に制御される第1確変状態、および、第2大当り遊技状態終了後に制御される第2確変状態、にて実行可能な特別図柄10aの可変表示回数が予め決定されているが、第1確変大当り、または、第2大当りとする旨の判定がなされた後、複数種類の可変表示回数のうちいずれかを確変状態にて実行可能な特別図柄10aの可変表示回数として決定するように構成してもよい。このように構成することにより、弾球遊技機1にて実行される遊技にランダム性を持たせることができ、遊技者の興趣が向上する。
【0104】
図12は、特別図柄通常処理(ステップS300)における確変時処理(ステップS58)の一例を示すフローチャートである。確変時処理において、CPU56は、まず、第1確変カウンタが0であるか確認し(ステップS241)、第1確変カウンタが0であれば、第2確変状態中であると判定され、第2確変カウンタを1減算する(ステップS247)。
【0105】
ステップS241で第1確変カウンタが0でなければ、第2確変カウンタが0であるか確認し(ステップS242)、第2確変カウンタが0であれば、第1確変状態中であると判定され、第1確変カウンタを1減算する(ステップS248)。
【0106】
ステップS242で第2確変カウンタが0でなければ、第2確変状態中であると判定され、第2確変カウンタを1減算するとともに(ステップS243)、第1確変カウンタを1減算する(ステップS244)。そして、第1確変カウンタが0となったら(ステップS245)、継続演出コマンドを表示制御基板80に送信する(ステップS246)。なお、継続演出コマンドは、第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達したときに、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの可変表示回数がある場合に表示制御基板80に確変状態を継続する旨を報知する継続報知演出の開始を指示するコマンドである。また、第2確変カウンタは、第2確変状態において特別図柄表示器10にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数(可変表示回数)がセットされ、第2確変状態への制御を開始してから特別図柄表示器10にて実行された特別図柄10aの変動表示回数を示すカウンタであり、この実施の形態では、100回がセットされる。
【0107】
図13は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか確認し(ステップS71)、大当りフラグがセットされてなければ、はずれ時変動パターンテーブルを選択する(ステップS72)。ステップS71で大当りフラグがセットされていれば、第2大当りフラグがセットされているか確認し(ステップS73)、第2大当りフラグがセットされていなければ、第1大当り時変動パターンテーブルを選択する(ステップS74)。次いで、変動パターン決定用乱数を読み出し(ステップS75)、変動パターン決定用乱数にもとづいて変動パターンを決定する(ステップS76)。具体的には、ステップS76にて、予め用意されている複数種類の変動パターン(図6参照)の中から、使用テーブルとして設定されている変動パターンテーブルに配されている比較値のうち、ロードした変動パターン決定用乱数の値と合致する比較値が対応付けされている変動パターンとすることに決定する。
【0108】
また、ステップS73で第2大当りフラグがセットされていれば、確変状態フラグがセットされているか確認し(ステップS77)、確変状態フラグがセットされていれば、変動パターン14に決定する(ステップS79)。また、ステップS77で確変状態フラグがセットされていない場合には、変動パターン12に決定する(ステップS80)。
【0109】
上述したように、変動パターン14は、変動時間が短い特別図柄10aの短縮変動パターンである。この実施の形態では、確変状態(第1確変状態、または、第2確変状態)中に第2大当りとする旨の判定がなされると、第2大当りとなったことを遊技者に悟られないようにするために特別図柄10aおよび飾り図柄9a〜9cの変動時間を短い変動表示を行って特別図柄表示器10に第2確変図柄を導出表示するとともに、飾り図柄表示部9にはずれ図柄を導出表示する変動パターン14が選択される。また、この実施の形態では、上述した第1確変状態および第2確変状態は、第1大当り遊技状態または第2大当り遊技状態が発生したことにより終了する。そのため、第1確変状態および第2確変状態にて特別図柄10aの可変表示可能な残り回数がある状態で第1大当り遊技状態または第2大当り遊技状態が発生することにより残り回数が無効になってしまい、遊技者の興趣を下げる原因となっていた。そこで、この実施の形態では確変状態(第1確変状態、または、第2確変状態)中に第2大当りとする旨の判定がなされたときに遊技者に第2大当りとなったことを悟られにくい変動パターン14を選択することにより、遊技者の興趣低下を防いでいる。
【0110】
変動パターンを決定すると、CPU56は、決定した変動パターンの変動時間データを特別図柄プロセスタイマに設定する(ステップS81)。そして、CPU56は、決定した変動パターン指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS82)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS83)。
【0111】
コマンドセット処理を実行することによって演出制御コマンドが表示制御基板80に送信される。この実施の形態では、演出制御手段に送信されうる各演出制御コマンドはROMのコマンド送信テーブルに格納されている。また、コマンドセット処理では、CPU56は、ポインタが示すROM54のアドレスに格納されている演出制御コマンドデータを、演出制御コマンドデータを出力するための出力ポートに設定するとともに、コマンドを送信することを示す演出制御INT信号を出力する。
【0112】
そして、特別図柄プロセスタイマをスタートし(ステップS84)、特別図柄プロセスフラグを特別図柄変動処理に対応した値に変更する(ステップS85)。以上の処理により確変状態(第1確変状態、第2確変状態)にて第2大当りとする旨の判定がなされたときには、変動時間が短い変動パターンが選択されて飾り図柄表示部9にはずれ図柄を導出表示させ、遊技者に第2大当りとなったことを悟られ難くする制御がなされる。
【0113】
図14は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、まず、特別図柄停止コマンドのアドレスをコマンド送信テーブルのポインタにセットする(ステップS91)。ここでセットされた特別図柄停止コマンドは、特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)にて、特別図柄表示器10に出力されるとともに、表示制御基板80に送信される。特別図柄表示器10では、特別図柄停止コマンドが入力されると特別図柄10aの変動表示を停止させて表示結果を導出表示する。また、飾り図柄表示部9では、特別図柄停止コマンドを受信すると飾り図柄9a〜9cの変動表示を停止させて表示結果を導出表示する。
【0114】
次いで、CPU56は、大当りフラグがセットされていれば(ステップS92a)、大当りフラグをリセットした後(ステップS92b)、第2大当り実行中フラグがセットされているか確認し(ステップS93)、第2大当り実行中フラグがセットされていれば、第2確変カウンタをクリアするとともに(ステップS94)、第2大当り実行中フラグをリセットする(ステップS95)。
【0115】
次いで、第2大当りフラグがセットされていなければ(ステップS96)、すなわち、第1大当りである場合には、第1大当り開始コマンドのアドレスをコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットするとともに(ステップS97)、第1確変カウンタが0でなければ(ステップS98)、第1確変カウンタをクリアし(ステップS99)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS102)。
【0116】
ステップS96で第2大当りフラグがセットされていれば、第2大当りフラグをリセットするとともに(ステップS100)、第2大当り実行中フラグをセットする。第2大当り実行中フラグをセットすることにより、第2確変状態の実行中であることを確認することができる。
【0117】
また、ステップS92aで大当りフラグがセットされていなければ、確変状態フラグがセットされているか確認し(ステップS103)、確変状態フラグがセットされていれば、確変終了判定処理サブルーチンを実行した後(ステップS104)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS105)。
【0118】
このように、この実施の形態では、特別図柄表示器10に大当り図柄が導出表示されたときに第1確変状態および第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数を示す第1確変カウンタおよび第2確変カウンタをクリアするため、第1大当り遊技状態、または、第2大当り遊技状態の終了した後には、第1大当り遊技状態、および、第2大当り遊技状態の開始前に第1確変状態および第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数の変動表示を行わないように制御される。すなわち、第1確変状態および第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数がある状態で第1大当りまたは第2大当りとなることにより残りの変動表示回数が無効となる。
【0119】
図15は、特別図柄停止処理(ステップS303)における確変終了判定処理(ステップS104)を示すフローチャートである。確変終了判定処理では、確変状態(第1確変状態、第2確変状態)にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数が0であるか否かに応じて確変状態(第1確変状態、第2確変状態)を終了するか否かの判定を行う。
【0120】
確変終了判定処理において、CPU56は、第2大当り実行中フラグがセットされていれば(ステップS251)、第2確変カウンタが0であるか否か確認し(ステップS252)、第2確変カウンタが0であれば、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数が0になったと判定されて遊技状態フラグを通常状態フラグに書き換え(ステップS254)、表示制御基板80に確変状態の終了を報知する終了報知演出の実行を指示する終了コマンドを送信する(ステップS255)。通常状態フラグは、遊技機の遊技状態を制御するフラグであり、遊技状態フラグを確変状態フラグに書き換えることにより確変状態となり、遊技状態フラグを通常状態フラグに書き換えることにより通常遊技状態となる。
【0121】
また、ステップS251で第2大当り実行中フラグがセットされていなければ、第1確変カウンタが0であるか否か確認し(ステップS253)、第1確変カウンタが0であれば、第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数が0になったと判定されて遊技状態フラグを通常状態フラグに書き換え(ステップS254)、表示制御基板80に終了コマンドを送信する(ステップS255)。
【0122】
なお、この実施の形態では、第1確変カウンタ、第2確変カウンタ等のカウンタを所定の値が設定された後に減算して0となったときに所定の値となったことを判定するカウントダウン式のカウンタとしているが、これに限らず、計数したときに加算し、加算した値が所定の値となったことを判定するカウントアップ式のカウンタとしてもよい。この場合には、カウンタの値が所定の数値に達していることにもとづき確変状態にて実行された変動表示回数を判定してもよい。
【0123】
表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUは、終了コマンドを受信したことにもとづいて表示制御基板80に搭載されるROMから終了報知演出の演出態様が示された終了報知演出実行データを読み出し、読み出した終了報知演出実行データにもとづいて飾り図柄表示部9にて終了報知演出を実行する。
【0124】
図16は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS304)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理では、CPU56は、第1大当り遊技状態における特別可変入賞装置20の駆動態様(例えば、開放回数、開放時間、等)の設定、および、第2大当り遊技状態における特別可変入賞装置20の駆動態様(例えば、開放回数、開放時間、等)の設定を行う。大入賞口開放前処理において、CPU56は、まず、開放動作実行中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS111)。開放動作実行中フラグは、後述するステップS112でセットされ、第1大当り遊技状態および第2大当り遊技状態の実行中であることを示すフラグである。
【0125】
ステップS111で開放動作実行中フラグがセットされていなければ、開放動作実行中フラグをセットし(ステップS112)、第1大当り遊技状態または第2大当り遊技状態の設定を行う。すなわち、第2大当り実行中フラグがセットされている否か確認し(ステップS113)、第2大当り実行中フラグがセットされていなければ、第1大当り遊技状態として開放回数カウンタに第1大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの最大数「15」をセットする(ステップS114)。また、ステップS113で第2大当り実行中フラグがセットされていれば、第2大当り遊技状態として開放回数カウンタに第2大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの最大数「2」をセットする(ステップS115)。
【0126】
次いで、第2大当り実行中フラグがセットされていなければ(ステップS116)、第1大当り遊技状態として開放タイマに第1大当り遊技状態の1回のラウンドにて特別可変入賞装置20を開放状態とすることが可能な最大時間として「30秒」をセットし(ステップS117)、第2大当り実行中フラグがセットされていれば(ステップS116)、第2大当り遊技状態として開放タイマに第2大当り遊技状態の1回のラウンドにて特別可変入賞装置20を開放状態とすることが可能な最大時間として「1秒」をセットする(ステップS118)。
【0127】
そして、開放回数カウンタを1減算した後(ステップS119)、特別可変入賞装置20を開閉するソレノイド72をオンとすることにより特別可変入賞装置20を開放状態にするとともに(ステップS120)、開放タイマをスタートし(ステップS121)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS122)。
【0128】
このように、第1大当り遊技状態と第2大当り遊技状態とでは、実行可能なラウンドの最大数、1回のラウンドにて特別可変入賞装置20を開放可能な最大時間、を異ならせることにより、第1大当り遊技状態、第2大当り遊技状態、それぞれのときで遊技価値を異ならせている。
【0129】
図17は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、第2大当り実行中フラグがセットされていれば(ステップS131)、演出開始フラグがセットされているか確認し(ステップS132)、演出開始フラグがセットされていれば、演出開始コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS133)。また、ステップS132で演出開始フラグがセットされていなければ、継続演出フラグがセットされているか確認し(ステップS134)、継続演出フラグがセットされていれば、継続演出コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS135)。そして、演出開始フラグおよび継続演出フラグをリセットし(ステップS136)、遊技状態フラグを確変状態フラグに書き換える(ステップS141)。
【0130】
また、ステップS131で第2大当り実行中フラグがセットされていなければ、確変フラグがセットされているか否か確認し(ステップS137)、確変フラグがセットされていれば、第1確変大当り終了コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS138)、第1確変カウンタに第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数としての確変回数50回をセットする(ステップS139)。そして、確変フラグをリセットし(ステップS140)、遊技状態フラグを確変状態フラグに書き換える(ステップS141)。
【0131】
また、ステップS137で確変フラグがセットされていなければ、第1通常大当り終了コマンドのアドレスをポインタにセットし(ステップS142)、遊技状態フラグを通常状態フラグに書き換える(ステップS143)。
【0132】
次いで、開放動作実行中フラグをリセットし(ステップS144)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS145)。以上の処理により、第1大当り遊技状態終了後に第1確変大当りだった場合には、遊技状態フラグが確変フラグに書き換えられるとともに、第1確変カウンタに確変回数がセットされて第1確変状態に制御される。また、第2大当り遊技状態終了後に、遊技状態フラグが確変フラグに書き換えられて第2確変状態に制御される。
【0133】
以上、本発明の処理の一例について説明してきたが、上述した処理による特別図柄表示器10および飾り図柄表示部9にて実行される表示制御の一例について以下に説明する。
【0134】
図18は、第1確変大当りとなった後に第1確変状態に制御される状態を示す説明図であり、図19は、第1確変状態実行中に第2大当りとなり、第2大当り遊技状態終了後に第2確変状態に制御される状態を示す説明図であり、図20は、後述する継続報知演出の他の例を示す説明図である。
【0135】
上述したように、この実施の形態では、第1確変状態中に第2大当りとなった場合には、第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達したときに主基板31から表示制御基板80に継続演出コマンドを送信し、継続演出コマンドを受信したことにもとづいて表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUが飾り図柄表示部9を表示制御して確変状態を継続する旨を報知する継続報知演出を実行する。
【0136】
すなわち、通常遊技状態にて特別図柄表示器10にて可変表示を行い図18(A)〜図18(C))、特別図柄表示器10に第1特定表示結果としての第1確変図柄(図18(D)の場合には「5」)を導出表示したことにもとづいて(図18(D))、第1大当り遊技状態に制御した後、第1確変状態に制御する旨の確変開始表示92として「50回の確変タイム!」を飾り図柄表示部9に表示制御する。上述したように、この実施の形態では、第1確変状態として特別図柄10aの最大50回の変動表示が可能である。なお、飾り図柄表示部9に飾り図柄9a〜9cよりも奥方向に表示される背景表示は、各遊技状態にて異なり、図18(A)〜図18(D)の通常遊技状態では、通常状態中背景表示90が表示される。遊技者は、飾り図柄表示部9の背景表示の変化により確変状態であるか、通常遊技状態であるか、を認識することができる。
【0137】
確変開始表示92を表示制御し、第1確変状態への制御を開始すると、飾り図柄表示部9の背景表示を確変状態中背景表示91に変更した後、飾り図柄9a〜9cの変動表示を行う。また、確変状態(第1確変状態、第2確変状態)では、確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数、および、確変状態にて実行した特別図柄10aの変動表示回数、として実行回数表示93を飾り図柄表示部9に表示する(図18(F))。遊技者は、実行回数表示93により確変状態における特別図柄10aの残りの変動表示回数を認識できる。
【0138】
この実施の形態では、表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUにより確変状態中における変動パターンコマンドの受信回数に応じて確変状態にて実行された特別図柄10aの変動表示回数の表示、すなわち、実行回数表示93を更新表示する。表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUは、第1確変図柄が導出表示したことにもとづく第1大当り遊技状態が終了したとき、および、第2大当り遊技状態が終了したとき、から変動パターンコマンドを受信した回数を計数している。なお、主基板31から確変状態にて特別図柄表示器10にて実行された変動表示回数を指示する演出制御コマンドを送信するように構成してもよい。
【0139】
また、第1確変状態中に第2大当りとする旨の判定がなされたときには、変動パターン設定処理(ステップS301)にて変動パターン14にすることに決定され、変動時間の短い変動表示を行う(図18(G)〜図19(J))。また、表示制御基板80にて変動パターン14を指示する変動パターンコマンドを受信したときには、表示制御用CPUは飾り図柄表示部9に大当り図柄を導出表示しない。すなわち、はずれとなる表示結果を導出表示する。このとき、特別図柄表示器10には、第2確変図柄が導出されるが、遊技者は、特別図柄表示器10よりも大きいサイズで構成され、特別図柄表示器10よりも多彩な演出を実行する飾り図柄表示部9の表示結果に注目するため、第2大当りとなったことを悟られにくい。
【0140】
特別図柄表示器10に第2特定表示結果としての第2確変図柄(この実施の形態では、「3」)が導出表示したことにもとづいて第2大当り遊技状態に制御し(図19(J))、第2大当り遊技状態実行中には、飾り図柄表示部9では、停止図柄を導出表示した状態、具体的には、図19(J)の状態となり、次の変動表示を行わない。しかし、上述したように、第2大当り遊技状態は、比較的早く終了するため、違和感なく次の変動表示を行うことができる。
【0141】
なお、第2大当り遊技状態中に飾り図柄表示部9にて飾り図柄9a〜9cのダミーの変動表示を行い、特別図柄表示器10においては、第2確変図柄を導出表示した状態で変動表示を行わないように構成してもよい。この場合には、大当り判定用乱数の判定結果を参照することなく、飾り図柄表示部9にはずれ図柄を導出表示するように構成すればよい。このように構成することにより、第2大当り遊技状態実行中にも飾り図柄表示部9にて飾り図柄9a〜9cの変動表示が行われるため、遊技者を飾り図柄9a〜9cの変動表示に注目させることができ、遊技者に第2大当り遊技状態となったことをより悟られ難くすることができる。
【0142】
上述したように、この実施の形態では、第1確変状態および第2確変状態は、第1大当り遊技状態または第2大当り遊技状態となったときに終了する。すなわち、第1確変状態および第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数は、第1大当り遊技状態または第2大当り遊技状態となった時点で無効となる。ところが、第1確変状態、または、第2確変状態の残りの変動表示回数が無効になったことを遊技者に報知してしまうと遊技者の興趣が低下する虞がある。そのため、遊技者に第2大当り遊技状態となったことを悟られ難くするために、この実施の形態では、短い変動時間の変動表示を行い、実行回数表示93を継続して表示している。
【0143】
そして、確変状態にて実行した特別図柄10aの変動表示回数が確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として実行回数表示93に表示制御される実行回数(この実施の形態では、「50回」)に達したときに、主基板31に搭載されるCPU56は、表示制御基板80に継続演出コマンドを送信し、継続演出コマンドを受信したことにもとづいて表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUにより確変状態を継続する旨を報知する継続報知演出を行う(図19(O)。継続報知演出では、飾り図柄表示部9に継続報知表示94として「まだまだ続くよ!」を表示制御することにより遊技者に確変状態を継続することを報知する。
【0144】
継続報知演出を実行するときに表示制御用CPUは、表示制御基板80に搭載されるROMに格納された継続演出実行データを読み出し、読み出した継続演出実行データに従って飾り図柄表示部9を表示制御する。なお、複数種類の演出態様が示された複数種類の継続演出実行データを備えるように構成してもよく、この場合には、継続報知演出を実行するときに第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数に応じて複数種類の継続演出実行データのうちいずれかを選択するように構成してもよい。
【0145】
具体的には、図20に示すように、飾り図柄表示部9に継続報知表示94として「数間違えたかな!?」を表示制御する継続演出実行データと、飾り図柄表示部9に継続報知表示94として「あとちょっとあるよ!」を実行する継続演出実行データと、を備え、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数が多いとき(例えば、50回以上)には、飾り図柄表示部9に継続報知表示94として「数間違えたかな!?」を表示制御する継続演出実行データを選択し、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数が少ないとき(例えば、50回未満)には、飾り図柄表示部9に継続報知表示94として「あとちょっとあるよ!」を表示制御する継続演出実行データを選択するように構成してもよい。
【0146】
この場合には、確変時処理(ステップS58)のステップS246で継続演出コマンドを表示制御基板80に送信する際、および、大当り終了処理(ステップS307)のステップS135で継続演出コマンドを表示制御基板80に送信する際、に第2確変カウンタのカウント値を参照し、第2確変カウンタのカウント値に応じた(第2確変カウンタのカウント値を指示する情報を含んだ)継続演出コマンドを表示制御基板80に送信し、継続演出コマンドを受信したことにもとづいて表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUが表示制御基板80に搭載されるROMから継続演出コマンドに応じた継続演出実行データを読み出して継続報知演出を実行するように構成してもよい。
【0147】
また、表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUにより確変状態にて実行された特別図柄10aの変動表示回数を計数する場合には、主基板31から継続演出コマンドを受信したことにもとづいて表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUが計数した変動表示回数にもとづいて残り回数を算出し、算出した残り回数に応じた継続演出実行データを読み出して継続報知演出を実行するように構成してもよい。
【0148】
なお、複数種類の演出態様が示された複数種類の継続演出実行データを備えるように構成した場合には、第2確変状態の残り回数に応じた継続報知演出の開始を指示する演出制御コマンドを表示制御基板80に送信するように構成してもよい。具体的には、第2確変状態の残り回数に応じた複数種類の継続演出コマンドを備え、確変時処理(ステップS58)のステップS245で第1確変カウンタが0となったと判定されたときにステップS246で第2確変カウンタのカウント値に応じた(第2確変状態の残り回数に応じた)継続演出コマンドを表示制御基板80に送信するように構成してもよい。継続演出コマンドを受信したこともとづいて表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUは、表示制御基板80に搭載されるROMから継続演出コマンドに応じた継続演出実行データを読み出し、読み出した継続演出実行データに応じた継続報知演出を実行する。
【0149】
また、継続報知演出を実行した後、実行回数表示93における確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数を更新表示する(図19(P))。この実施の形態では、第2確変状態にて特別図柄表示器10にて最大で100回の変動表示が可能であり、図19(J)にて第1確変状態における特別図柄10aの変動表示が25回実行されたときに第2大当りとなったため、図19(N)で第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達したときには、第2確変状態における特別図柄10aの変動表示が25回実行された状態である。従って、実行回数表示93における確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数を、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数として75回を加算した125回に更新表示する(図19(P))。
【0150】
このように、この実施の形態では、第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達する以前に第2大当りとなったことにもとづいて第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数が無効となったことを遊技者に悟られ難くするとともに、確変状態にて実行した特別図柄10aの変動表示回数が第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達したときに確変状態を継続する旨の継続報知演出を行うため、遊技者に第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数が無効となったことを悟られ難くして興趣の低下を防ぐとともに、継続報知演出を実行することにより遊技者の興趣を向上させることができる。
【0151】
なお、この実施の形態では、第1確変状態の実行中に第2大当りとなった例について示したが、第2確変状態の実行中に第2大当りとなった場合であっても同様の制御がなされるように構成してもよい。
【0152】
また、この実施の形態では、第2確変状態として、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの変動表示が最大100回実行されるが、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数を複数種類設け、第2大当りとする旨の判定がなされたときに複数種類の変動表示回数のうちいずれかを選択するように構成してもよく、この場合には、継続報知演出を実行することにより実行回数表示93にて表示する確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数がいずれの値となっても、遊技者に確変状態にて無効となった変動表示回数をより悟られ難くすることができる。
【0153】
また、この実施の形態では、継続報知演出を実行した後、実行回数表示93における確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数を更新表示するときに、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数を現在報知表示している確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に加算した値に更新表示するが、該値とは異なる値に更新表示するようにしてもよい。例えば、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数を現在報知表示している確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に加算した値が103回であった場合には、実行回数表示93における確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として「100回」を表示し、確変状態にて実行した特別図柄10aの変動表示回数が100回になったときに図20(O’)に示す継続報知表示94として「数間違えたかな!?」を飾り図柄表示部9に表示制御し、確変状態にて実行した特別図柄10aの変動表示回数が103回になったときに確変状態を終了して通常遊技状態への制御を開始するように構成してもよい。
【0154】
また、継続報知演出を実行した後、実行回数表示93における確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数を更新表示するときに、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数を現在報知表示している確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に加算した値に更新表示せずに、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数を実行回数表示93にて報知表示するように構成してもよい。このように構成することにより、確変状態が終了した後、再び確変状態になったように遊技者に誤認させることができ、興趣が向上する。
【0155】
また、この実施の形態では、第1確変状態実行中に第2大当りとなり、第2大当り遊技状態終了後、第2確変状態に制御して、確変状態にて実行された特別図柄10aの変動表示回数が第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達したときに確変状態を継続する旨を報知するが、第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達したときに確変状態を終了する旨を報知する終了報知演出と同一の報知態様のダミー終了報知演出を実行し、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの特定回数の変動表示を行ったときに確変状態に制御している場合には、確変状態の制御を再開する旨を報知するダミー開始報知演出を実行するように構成してもよい。以下、第2実施形態として説明する。
(第2実施形態)
図21は、この実施の形態で用いられる乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)大当り判定用乱数:大当り発生させるか否か決定する。
(2)大当り図柄決定用乱数:第1確変大当りとするか、第1通常大当りとするか、第2大当りとするか、を決定する
(3)変動パターン決定用乱数:特別図柄10aおよび飾り図柄9a〜9cの変動パターンを決定する
(4)普通図柄当り判定用乱数:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する
(5)大当り判定用乱数初期値決定用乱数:大当り判定用乱数の初期値を決定する
(6)普通図柄当り判定用乱数初期値決定用乱数:普通図柄当り判定用乱数の初期値を決定する
(7)報知回数判定用乱数:第1確変状態において実行可能な特別図柄10aの変動表示回数よりも少ない回数を報知するか否か判定する
(8)報知回数決定用乱数:第1確変状態において実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として報知表示する回数を決定する
(9)演出開始タイミング決定用乱数:ダミー開始報知演出を行うタイミングを決定する
図3に示す遊技制御処理におけるステップS23では、CPU56は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り図柄決定用乱数、および、(4)の普通図柄当り判定用乱数、を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、(3)の変動パターン決定用乱数、(7)の報知回数判定用乱数、(8)の報知回数決定用乱数、および、(9)の演出開始タイミング決定用乱数、が表示用乱数であり、(5)の大当り判定用乱数初期値決定用乱数、および、(6)の普通図柄当り判定用乱数初期値決定用乱数、が初期値用乱数である。
【0156】
図22は、各判定テーブルの一例を示す説明図である。図22に示すように、この実施の形態では、報知回数判定用乱数を用いて第1確変状態において実行可能な特別図柄10aの変動表示回数よりも少ない回数として擬似可変表示回数を報知するか否かを判定するための報知回数判定値は、「30〜49」となっている。また、報知回数判定用乱数が報知回数判定値と合致したときに、実行回数表示93にて第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として表示する報知回数は、「10回」、「20回」、「30回」、「40回」のいずれかとなっている。CPU56は、報知回数決定用乱数と、報知回数決定テーブルと、を比較し、抽出した報知回数決定用乱数の値に応じて報知回数を決定する。
【0157】
図23は、図10に示す大当り判定処理(ステップS55)における第2大当り設定処理(ステップS221)の第2実施形態の一例を示すフローチャートである。第2大当り設定処理において、CPU56は、まず、第2確変カウンタに第2確変回数をセットする(ステップS260)。この実施の形態では、第2大当り遊技状態終了後に特別図柄表示器10にて特別図柄10aの可変表示が最大で100回実行されるまで確変状態に制御する第2確変状態に移行するため、第2確変カウンタに100回をセットする。すなわち、第2確変カウンタは、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの可変表示回数(変動表示回数)がセットされ、第2確変状態への制御を開始してから特別図柄表示器10にて実行された特別図柄10aの変動表示回数を示すカウンタである。
【0158】
次いで、第2大当り遊技状態の開始を示す第2大当りフラグをセットし(ステップS261)、確変状態フラグがセットされているか、すなわち、確変状態(第1確変状態および第2確変状態)であるかを確認し(ステップS262)、確変状態でなければ、第2大当り遊技状態終了後に第2確変状態に制御する旨の表示を行うことを示す演出開始フラグをセットする(ステップS269)。大当り終了処理(ステップS306)にて、演出開始フラグがセットされていれば、CPU56は第2確変状態を開始する報知表示の開始を指示する演出開始コマンドを表示制御基板80に送信する。第2大当りフラグは、第2大当りとなったことを示すフラグである。
【0159】
また、ステップS262で確変状態であれば、第2大当り実行中フラグがセットされているか確認し(ステップS263)、第2大当り実行中フラグがセットされていれば、ステップS269に移行し、第2大当り実行中フラグがセットされていなければ、演出開始タイミング決定用乱数を抽出し(ステップS264)、抽出した演出開始タイミング決定用乱数の値を開始前カウンタにセットする(ステップS265)。なお、開始前カウンタは、確変状態にて実行した特別図柄10aの変動表示回数が第1大当り遊技状態終了後に確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として実行回数表示93に報知表示した値となったときから、ダミー開始報知演出を実行するまでに特別図柄表示器10にて実行する特別図柄10aの変動表示回数を示すカウンタである。
【0160】
そして、開始前カウンタを1減算し(ステップS266)、開始前カウンタが0であれば(ステップS267)継続演出フラグをセットする(ステップS268)。なお、継続演出フラグは、第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達したときに、開始前カウンタが0となり、ダミー開始報知演出の実行を指示する継続演出コマンドを表示制御基板80に送信することを示すフラグである。また、第2大当り実行中フラグは、第2大当り遊技状態終了後の第2確変状態実行中であることを示すフラグである。
【0161】
なお、この実施の形態では、第1確変大当りとなったことにもとづく第1大当り遊技状態終了後に制御される第1確変状態、および、第2大当り遊技状態終了後に制御される第2確変状態、にて実行可能な特別図柄10aの可変表示回数が予め決定されているが、第1確変大当り、または、第2大当りとする旨の判定がなされた後、複数種類の可変表示回数のうちいずれかを確変状態にて実行可能な特別図柄10aの可変表示回数として決定するように構成してもよい。このように構成することにより、弾球遊技機1にて実行される遊技にランダム性を持たせることができ、遊技者の興趣が向上する。
【0162】
このとき、第1確変大当りとなったことにもとづく第1大当り遊技状態終了後に第2大当りとなり、擬似報知回数を報知した場合においては擬似報知回数に達したとき、若しくは、擬似報知回数は報知せず第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数を報知した場合においては当該変動表示回数に達したときに、開始前カウンタの値が確変状態にて実行可能な変動表示回数の残りの変動回数よりも大きいとき(例えば、開始前カウンタのカウント値が第1確変カウンタまたは第2確変カウンタのカウント値よりも大きいとき)には、ダミー終了報知演出は実行しない(例えば、継続演出を実行してもよいし、継続演出を実行しなくてもよい)ように構成してもよい。このように構成することにより、ダミー開始報知演出を実行することが不可能にもかかわらずダミー終了報知演出を実行することを防止でき、遊技者が実際の回数よりも少ない回数しか確変状態が継続しなかったと誤認し、興趣が低下することを防止できる。
【0163】
さらに、第1確変大当りとなったことにもとづく第1大当り遊技状態終了後に第2大当りとなり、擬似報知回数を報知した場合においては、擬似報知回数に達したとき、若しくは、擬似報知回数は報知せず第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数を報知した場合においては当該変動表示回数に達したときに、開始前カウンタの値を確変状態にて実行可能な変動表示回数の残りの変動回数よりも少ない回数の擬似可変表示回数の中から選択してセットするように構成してもよい。このように構成することにより、確変状態にて実行可能な変動表示回数の残りの変動回数が少ないときにもダミー終了報知演出、ダミー開始報知演出を実行することが可能となり、遊技者の興趣を向上できる。
【0164】
また、第2確変状態として特別図柄10aの変動表示を最大100回実行するまで確変状態に制御し、確変状態にて第2大当りとする旨の判定がなされた場合には、当該確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数が終了し、開始前カウンタが0となったときに実行回数表示93に確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として第2確変状態の残りの変動表示回数を表示するが、第2確変状態の残りの変動表示回数よりも少ない回数としての擬似可変表示回数を表示し、表示した回数に達したときにダミー終了報知演出を行い、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの特定回数の可変表示を行ったときに確変状態に制御している場合には、ダミー開始報知演出を実行するように構成してもよい。このように構成することにより、ダミー開始報知演出に対する遊技者の期待感を高めることができ、興趣が向上する。
【0165】
図24は、特別図柄通常処理(ステップS300)における確変時処理(ステップS58)の第2実施形態の一例を示すフローチャートである。確変時処理において、CPU56は、まず、報知回数カウンタが0であるか確認する(ステップS270)。報知回数カウンタは、後述する第2実施形態の大当り終了処理(ステップS306)における報知回数判定処理(ステップS161)でセットされ、確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として実行回数表示93に報知表示する回数がセットされるカウンタである。すなわち、報知回数カウンタが0となったときにダミー終了報知演出を実行する制御が行われる。
【0166】
ステップS270で報知回数カウンタが0でなければ、報知回数カウンタを1減算し(ステップS271)、第2確変カウンタが0ならば(ステップS272)、第1確変状態であると判定されて第1確変カウンタを1減算する(ステップS273)。ステップS272で第2確変カウンタが0でなければ、第2確変状態と判定されて第2確変カウンタを1減算し(ステップS274)、第1確変カウンタが0でなければ(ステップS275)、第1確変カウンタを1減算する(ステップS276)。
【0167】
次いで、報知回数カウンタが0であるか否か確認し(ステップS277a)、報知回数カウンタが0であれば、開始前カウンタが0より大きいか確認する(ステップS277b)。第2確変カウンタが0より大きくなければ、擬似可変表示回数以内に第2大当りとならなかったと判定されて表示制御基板80に継続演出コマンドを送信する(ステップS277c)。また、ステップS277bで開始前カウンタが0でなければ、再び開始前カウンタが0より大きいか確認し(ステップS278a)、開始前カウンタが0より大きいと判定されて、終了報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS278b)。終了報知フラグは、ダミー終了報知演出を実行する旨のダミー終了コマンドを表示制御基板80に送信したことを示すフラグである。ステップS278bで終了報知フラグがセットされていなければ、ダミー終了コマンドを送信し(ステップS278c)、終了報知フラグをセットする(ステップS278d)。
【0168】
そして、開始前カウンタが0であるか否か確認する(ステップS279)。上述したように、開始前カウンタは、確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として実行回数表示93に報知表示する回数に達してからダミー開始報知演出を実行するまでに特別図柄表示器10にて特別図柄10aの変動表示を行う変動表示回数を示すカウンタである。従って、開始前カウンタが0となったときにダミー開始報知演出を実行する処理が行われる。すなわち、ステップS279で開始前カウンタが0でなければ、開始前カウンタを1減算し(ステップS280)、開始前カウンタが0となったら(ステップS281)、ダミー終了フラグをリセットし(ステップS282)、確変状態の残りの変動表示の回数が0であるか確認する。具体的には、第2確変カウンタが0であるか否か(ステップS283a)確認し、第2確変カウンタが0でなければ確変状態の残りの変動表示の回数が0でないと判定されて表示制御基板80に確変状態の制御を再開する旨を報知するダミー開始報知演出の開始を指示する継続演出コマンドを送信する(ステップS283b)。
【0169】
また、ステップS270で報知回数カウンタが0であれば、第1確変カウンタが0であるか確認し(ステップS284)、第1確変カウンタが0であれば、第2確変状態中であると判定され、第2確変カウンタを1減算する(ステップS285)。
【0170】
ステップS284で第1確変カウンタが0でなければ、第1確変カウンタを1減算し(ステップS286)、第2確変カウンタが0であるか確認する(ステップS287)。ステップS287で第2確変カウンタが0でなければ、第2確変状態中であると判定され、第2確変カウンタを1減算し(ステップS288)、第1確変カウンタが0であれば(ステップS289)、ステップS278aに移行し、開始前カウンタが0より大きければ(ステップS278a)、ダミー開始報知演出を実行するまでの処理を行う(ステップS278b〜ステップS283b)。ステップS278aで開始前カウンタが0であれば、ステップS277cで継続演出コマンドを送信したと判定されて処理を終了する。
【0171】
以上の処理により、確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として実際に実行可能な回数(この実施の形態では、50回)よりも少ない回数としての擬似可変表示回数を実行回数表示93に報知表示し、実行回数表示93に報知表示した回数に達したとき、または、確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として実際に実行可能な回数(この実施の形態では、50回)を実行回数表示93に報知表示し、確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達する以前に第2大当りが発生し、確変状態における特別図柄10aの変動表示回数が実行回数表示93に報知表示している回数に達したとき、にダミー終了報知演出の開始を指示するダミー終了コマンドを表示制御基板80に送信して、ダミー終了報知演出を実行することにより確変状態を終了するときに実行する表示態様と同一の演出を行い、遊技者を欺くことができる。
【0172】
また、ダミー終了報知演出を実行した後、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの特定回数の変動表示を実行したときに確変状態に制御している場合には、継続演出コマンドを表示制御基板80に送信し、継続演出コマンドを受信したことにもとづいて表示制御用CPUが表示制御基板80に搭載されるROMからダミー開始報知演出実行データを読み出し、飾り図柄表示部9にて読み出したダミー開始報知演出実行データにもとづくダミー開始報知演出を実行するため、遊技者のダミー開始報知演出に対する期待感を高めることができ、興趣が向上する。
【0173】
なお、複数種類の演出態様が示された複数種類のダミー開始報知演出を表示制御基板80に搭載されるROMに備える構成としてもよく、この場合には、確変時処理(ステップS58)のステップS277cおよびステップS283bで継続演出コマンドを送信するときに、第1確変カウンタのカウント値、または、第2確変カウンタのカウント値、に応じた継続演出コマンドを表示制御基板80に送信するように構成してもよい。
【0174】
また、この実施の形態では、ダミー終了コマンドと継続演出コマンドとが同一の割込処理内で表示制御基板80に送信される、例えば、開始前カウンタに1がセットされた状態でステップS277aで報知回数カウンタが0になったとき、ステップS278cでダミー終了コマンドを表示制御基板80に送信した後、ステップS280で開始前カウンタを1減算することによりステップS281で開始前カウンタが0と判定されてステップS283bで継続演出コマンドを表示制御基板80に送信することがあるが、表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUによりダミー終了コマンドと継続演出コマンドとの2つの演出制御コマンドを同時(同一割込処理内)に受信したときには、確変状態を継続させる旨の演出態様が示された継続演出実行データを表示制御基板80に搭載されたROMから読み出して飾り図柄表示部9にて確変状態を継続させる旨を報知する演出を実行するようにしてもよい。
【0175】
また、表示制御基板80にダミー終了コマンドを送信した割込処理内では継続演出コマンドを送信しないように構成することにより、同一割込処理内にダミー終了コマンドと継続演出コマンドとを表示制御基板80に送信することを防止するようにしてもよい。例えば、ステップS278cでダミー終了コマンドを表示制御基板80に送信してステップS278dで終了報知フラグをセットした後、ステップS279以降の処理を実行せずに処理を終了することによりダミー終了コマンドを表示制御基板80に送信した後、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの最低1回の変動表示が実行されるため、ダミー終了報知演出が実行された後、ダミー開始報知演出に対する期待感を継続させることができ、興趣が向上する。
【0176】
図25は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS306)の第2実施形態の一例を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、第2大当り実行中フラグがセットされていれば(ステップS151)、演出開始フラグがセットされているか確認し(ステップS152)、演出開始フラグがセットされていれば、演出開始コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS153)。また、ステップS152で演出開始フラグがセットされていなければ、継続演出フラグがセットされているか確認し(ステップS154)、継続演出フラグがセットされていれば、継続演出コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS155)。そして、演出開始フラグおよび継続演出フラグをリセットし(ステップS156)、遊技状態フラグを確変状態フラグに書き換える(ステップS162)。
【0177】
また、ステップS151で第2大当り実行中フラグがセットされていなければ、確変フラグがセットされているか否か確認し(ステップS157)、確変フラグがセットされていれば、第1第1確変大当り終了コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS158)、第1確変カウンタに第1確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数としての確変回数50回をセットする(ステップS159)。そして、確変フラグをリセットし(ステップS160)、報知回数判定処理サブルーチンを実行した後(ステップS161)、遊技状態フラグを確変状態フラグに書き換える(ステップS156)。
【0178】
また、ステップS157で確変フラグがセットされていなければ、第1通常大当り終了コマンドのアドレスをポインタにセットし(ステップS163)、遊技状態フラグを通常状態フラグに書き換える(ステップS164)。
【0179】
次いで、開放動作実行中フラグをリセットし(ステップS165)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS166)。以上の処理により、第1大当り遊技状態終了後に第1確変大当りだった場合には、遊技状態フラグが確変フラグに書き換えられるとともに、第1確変カウンタに確変回数がセットされて第1確変状態に制御される。また、第2大当り遊技状態終了後に、遊技状態フラグが確変フラグに書き換えられて第2確変状態に制御される。
【0180】
図26は、大当り終了処理(ステップS306)における報知回数判定処理(ステップS161)の一例を示すフローチャートである。報知回数判定処理において、CPU56は、報知回数判定用乱数を抽出し(ステップS291)、抽出した報知回数判定用乱数と図22に示す報知回数判定テーブルとを比較する(ステップS292)。
【0181】
また、ステップS291で抽出した報知回数判定用乱数が報知回数判定テーブルに設定される報知回数判定値と合致すれば(ステップS293)、報知回数決定用乱数を抽出し(ステップS294)、図22に示す回数決定テーブルを用いて実行回数表示93に表示する確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数を決定する(ステップS295)。そして、決定した報知回数を報知回数カウンタにセットし(ステップS296)、決定した報知回数を指示する演出制御コマンドを表示制御基板80に送信する(ステップS297)。
【0182】
表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUは、報知回数を指示する演出制御コマンドを受信したことにもとづいて飾り図柄表示部9の実行回数表示93にて報知表示する確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として当該演出制御コマンドにより指示された回数を報知表示する。
【0183】
また、ステップS293でステップS291で抽出した報知回数判定用乱数が報知回数判定テーブルに設定される報知回数判定値と合致しなければ、確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として予め定められた回数(この実施の形態では、50回)を指示する演出制御コマンドを表示制御基板80に送信する。
【0184】
以上の処理により、特別図柄表示器10に第1確変図柄を導出表示したことにもとづく第1大当り遊技状態が終了したときには、実行回数表示93として確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数(この実施の形態では、50回)より少ない回数としての擬似可変表示回数を報知するか否かの判定を行い、擬似可変表示回数を報知する旨の判定がなされたときに、報知する擬似可変表示回数を決定する処理がなされる。
【0185】
なお、この実施の形態では、報知回数判定用乱数により実行回数表示93として確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数より少ない回数としての擬似可変表示回数を報知するか否かの判定を行い、擬似可変表示回数を報知する旨の判定がなされたときに、報知する回数を決定する処理がなされるが、1つの乱数により確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数より少ない回数としての擬似可変表示回数を報知するか否かおよび、報知する回数を決定するように構成してもよい。例えば、所定回数および所定回数よりも少ない回数としての擬似可変表示回数のそれぞれに判定値が割り振られた報知回数判定テーブルを用いて報知する回数を決定するように構成してもよい。
【0186】
以上、本発明の処理の一例について説明してきたが、上述した処理による特別図柄表示器10および飾り図柄表示部9にて実行される表示制御の一例について以下に説明する。
【0187】
図27は、第1確変大当りとなった後に第1確変状態に制御される状態を示す説明図であり、図28は、ダミー終了報知演出を示す説明図であり、図29は、ダミー開始報知演出を示す説明図であり、図30は、ダミー終了報知演出の他の例を示す説明図である。
【0188】
上述したように、この実施の形態では、特別図柄表示器10に第1確変図柄が導出表示したことにもとづく第1大当り遊技状態終了後に、実行回数表示93として報知表示する確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数(この実施の形態では、50回)より少ない回数としての擬似可変表示回数を報知するか否かの判定を行い、擬似可変表示回数を報知する旨の判定がなされたときに、報知する擬似可変表示回数を決定する。
【0189】
すなわち、通常遊技状態にて特別図柄表示器10にて可変表示を行い(図27(A)〜図27(C))、特別図柄表示器10に第1特定表示結果としての第1確変図柄(図27(D)の場合には「5」)が導出表示したことにもとづいて(図27(D))、第1大当り遊技状態に制御した後、大当り終了処理(ステップS306)における報知回数判定処理(ステップS161)にて確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数(この実施の形態では、50回)より少ない回数としての擬似可変表示回数を報知する旨の判定がなされ、実行回数表示93に確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として30回を報知表示する旨に決定した場合には、第1確変状態に制御する旨の確変開始表示92として「30回の確変タイム!」を飾り図柄表示部9に表示制御する。なお、飾り図柄表示部9に飾り図柄9a〜9cよりも奥方向に表示される背景表示は、各遊技状態にて異なり、図27(A)〜図27(D)の通常遊技状態では、通常状態中背景表示90が表示される。遊技者は、飾り図柄表示部9の背景表示の変化により確変状態であるか、通常遊技状態であるか、を認識することができる。
【0190】
確変開始表示92を表示制御し、第1確変状態への制御を開始すると、飾り図柄表示部9の背景表示を確変状態中背景表示91に変更した後、飾り図柄9a〜9cの変動表示を行う。また、確変状態(第1確変状態、第2確変状態)では、確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数、および、確変状態にて実行した特別図柄10aの変動表示回数、として実行回数表示93を飾り図柄表示部9に表示する(図27(F))。遊技者は、実行回数表示93により確変状態における特別図柄10aの残りの変動表示回数を認識できる。
【0191】
また、第1確変状態中に第2大当りとする旨の判定がなされたときには、変動パターン設定処理(ステップS301)にて変動パターン14にすることに決定され、変動時間の短い変動表示を行う(図27(G)〜図28(J))。また、表示制御基板80にて変動パターン14を指示する変動パターンコマンドを受信したときには、表示制御用CPUは飾り図柄表示部9に大当り図柄を導出表示しない。すなわち、はずれとなる表示結果を導出表示する。このとき、特別図柄表示器10には、第2確変図柄が導出されるが、遊技者は、特別図柄表示器10よりも大きいサイズで構成され、特別図柄表示器10よりも多彩な演出を実行する飾り図柄表示部9の表示結果に注目するため、第2大当りとなったことを悟られにくい。
【0192】
特別図柄表示器10に第2特定表示結果としての第2確変図柄(この実施の形態では、「3」)が導出表示したことにもとづいて第2大当り遊技状態に制御し(図28(J))、第2大当り遊技状態実行中には、飾り図柄表示部9では、停止図柄を導出表示した状態、具体的には、図28(J)の状態となり、次の変動表示を行わない。しかし、上述したように、第2大当り遊技状態は、比較的早く終了するため、違和感なく次の変動表示を行うことができる。
【0193】
なお、第2大当り遊技状態中に飾り図柄表示部9にて飾り図柄9a〜9cのダミーの変動表示を行い、特別図柄表示器10においては、第2確変図柄を導出表示した状態で変動表示を行わないように構成してもよい。この場合には、大当り判定用乱数の判定結果を参照することなく、飾り図柄表示部9にはずれ図柄を導出表示するように構成すればよい。このように構成することにより、第2大当り遊技状態実行中にも飾り図柄表示部9にて飾り図柄9a〜9cの変動表示が行われるため、遊技者を飾り図柄9a〜9cの変動表示に注目させることができ、遊技者に第2大当り遊技状態となったことをより悟られ難くすることができる。
【0194】
上述したように、この実施の形態では、第1確変状態および第2確変状態は、第1大当り遊技状態または第2大当り遊技状態となったときに終了する。すなわち、第1確変状態および第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数は、第1大当り遊技状態または第2大当り遊技状態となった時点で無効となる。ところが、第1確変状態、または、第2確変状態の残りの変動表示回数が無効になったことを遊技者に報知してしまうと遊技者の興趣が低下する虞がある。そのため、遊技者に第2大当り遊技状態となったことを悟られ難くするために、この実施の形態では、短い変動時間の変動表示を行い、実行回数表示93を継続して表示している。
【0195】
また、この実施の形態では、確変状態実行中に第2大当りとする旨の判定がなされると、実行回数表示93として報知表示している確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達した後、特別図柄表示器10にて何回の可変表示を実行したときにダミー開始報知演出を実行するかを決定する。このように構成することにより、ダミー終了報知演出を実行した後、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの変動表示が特定回数行われるまでは遊技者に確変状態が終了したと誤認させることができ、ダミー開始報知演出を実行したときに遊技者の興趣を向上させることができるとともに、ダミー開始報知演出に対する期待感を高めることができる。
【0196】
そして、確変状態にて実行した特別図柄10aの変動表示回数が確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数として実行回数表示93に表示制御される実行回数(この実施の形態では、「30回」)に達したときに、主基板31に搭載されるCPU56は、表示制御基板80にダミー終了コマンドを送信し、ダミー終了コマンドを受信したことにもとづいて表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUにより確変状態を終了する旨を報知するダミー終了報知演出を行う(図28(O))。ダミー終了報知演出では、飾り図柄表示部9に偽終了報知表示95として「確変終了!」を表示制御することにより遊技者に確変状態が終了したかのように誤認させることができる。
【0197】
ダミー終了報知演出を実行するときに表示制御用CPUは、表示制御基板80に搭載されるROMに格納されたダミー終了報知演出実行データを読み出し、読み出したダミー終了報知演出実行データに従って飾り図柄表示部9を表示制御する。なお、複数種類の演出態様が示された複数種類のダミー終了報知演出実行データを備えるように構成してもよく、この場合には、ダミー終了報知演出を実行するときに確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数に応じて複数種類のダミー終了報知演出実行データのうちいずれかを選択するように構成してもよい。
【0198】
具体的には、図30に示すように、飾り図柄表示部9に偽終了報知表示95として「確変終わっちゃったね!?」を表示制御する継続演出実行データと、飾り図柄表示部9に偽終了報知表示95として「確変終了!復活しないかな〜」を実行する継続演出実行データと、を備え、確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数が多いとき(例えば、50回以上)には、飾り図柄表示部9に偽終了報知表示95として「確変終わっちゃったね!?」を表示制御する継続演出実行データを選択し、確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数が少ないとき(例えば、50回未満)には、飾り図柄表示部9に偽終了報知表示95として「確変終了!復活しないかな〜」を表示制御する継続演出実行データを選択するように構成してもよい。
【0199】
また、ダミー終了報知演出を実行した後(図28(O))、飾り図柄表示部9の背景表示を通常状態中背景表示90に変更する(図28(P))。上述したように、遊技者は、飾り図柄表示部9の背景表示によっても確変状態であるか否かを判断するため、背景表示を通常状態中背景表示90に変更することにより、ダミー終了報知演出に現実味を持たせることができる。しかし、実際には、遊技機の制御状態を決定する状態フラグの書き換えを行わないため、すなわち、確変状態フラグを通常状態フラグに書き換えないため、確変状態の制御が継続される。
【0200】
ダミー終了報知演出を実行した後、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの変動表示を特定回数(この実施の形態では、5回)実行したときに確変状態に制御されている場合には、ダミー開始報知演出を実行し、確変状態の制御を再開する旨の報知表示を行う(図29(U))。ダミー開始報知演出では、飾り図柄表示部9に再開報知表示96として「確変復活!」を表示制御することにより遊技者に確変状態の制御を再開することを報知する。このように構成することにより、確変状態が終了した後、再び確変状態に制御されたように誤認させることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0201】
また、ダミー開始報知演出を実行した後、実行回数表示93における確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数を更新表示する(図29(V))。この実施の形態では、第2確変状態にて特別図柄表示器10にて最大で100回の変動表示が可能であり、図28(J)にて第1確変状態における特別図柄10aの変動表示が25回実行されたときに第2大当りとなり、第2確変状態が開始されてから図28(K)〜図28(N)で特別図柄表示器10にて特別図柄10aの変動表示を5回実行している。そして、図28(P)〜図29(T)で25回特別図柄10aの変動表示を25回実行し、図29(U)でダミー開始報知演出を実行したときには、第2確変状態における特別図柄10aの変動表示が30回実行された状態である。従って、実行回数表示93における確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数を、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数として70回に更新表示する(図29(V))。
【0202】
このように、この実施の形態では、確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達する以前に第2大当りとなったことにもとづいて確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数が無効となったことを遊技者に悟られ難くするとともに、確変状態にて実行した特別図柄10aの変動表示回数が確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に達したときにダミー終了報知演出を行い、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの変動表示を特定回数実行したときにダミー開始報知演出を行うため、遊技者に確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数が無効となったことを悟られ難くして興趣の低下を防ぐとともに、ダミー開始報知演出を実行することにより遊技者の興趣を向上させることができる。
【0203】
なお、この実施の形態では、第1確変状態の実行中に第2大当りとなった例について示したが、第2確変状態の実行中に第2大当りとなった場合であっても同様の制御がなされるように構成してもよい。
【0204】
また、この実施の形態では、第2確変状態として、特別図柄表示器10にて特別図柄10aの変動表示が最大100回実行されるが、第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数を複数種類設け、第2大当りとする旨の判定がなされたときに複数種類の変動表示回数のうちいずれかを選択するように構成してもよく、この場合には、ダミー開始報知演出を実行することにより実行回数表示93にて表示する確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数がいずれの値となっても、遊技者に確変状態にて無効となった変動表示回数をより悟られ難くすることができる。
【0205】
また、この実施の形態では、継続報知演出を実行した後、実行回数表示93における確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数を更新表示するときに、ダミー開始報知演出を実行したときに第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数を報知表示するが、ダミー開始報知演出を実行したときに第2確変状態にて実行可能な特別図柄10aの残りの変動表示回数を実行回数表示93として確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数に加算した値に更新表示するように構成してもよい。このように構成することにより、確変状態が継続していることを遊技者に認識させることができ、確変状態の継続回数に興味を抱かせることができるため、興趣が向上する。
【0206】
なお、ダミー終了報知演出として確変状態を終了する旨を報知する終了報知演出と異なる報知態様を実行する構成としてもよい。例えば、確変状態を終了する旨の表示を行わずに次回の飾り図柄表示部9における背景表示を通常状態中背景表示90とする報知態様をダミー終了報知演出としてもよい。
【0207】
また、ダミー終了報知演出を実行した後に、飾り図柄表示部9にて通常遊技状態中と同様の表示(例えば、通常状態中背景表示90)としながらも、主基板31によって制御される電気部品(例えば、特別図柄保留記憶表示器11)により確変状態実行中である旨の報知表示を行うように構成してもよい。このように構成することにより、実際の遊技機の遊技状態を報知表示するため、遊技者に不信感を与えることがない。
【0208】
また、この実施の形態では、確変状態にて実行可能な特別図柄10aの変動表示回数より少ない回数としての擬似可変表示回数を報知するか否かの判定を行い、擬似可変表示回数を報知する旨の判定がなされたときに擬似可変表示回数を決定し、実行回数表示93にて擬似可変表示回数を報知表示するが、主基板31によって制御される電気部品(例えば、特別図柄表示器10の上方に設けた確変回数表示器)により実際の確変回数を表示するように構成してもよい。このように構成することにより、確変状態において特別図柄表示器10にて実際に実行可能な可変表示回数を報知表示するため、遊技者に不信感を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【0209】
【図1】本実施形態に係る弾球遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】本実施形態に係る弾球遊技機の回路構成の概要を表したブロック図である。
【図3】2msタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】各乱数を示す説明図である。
【図5】特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】変動パターンの一例を示す説明図である。
【図7】始動口スイッチ通過処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】大当り判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図10】大当り判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】第2大当り設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】確変時処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】確変終了判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】大入賞口開放前処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】第1実施形態の一例を示す説明図である。
【図19】第1実施形態の一例を示す説明図である。
【図20】第1実施形態の一例を示す説明図である。
【図21】第2実施形態の各乱数を示す説明図である。
【図22】第2実施形態の各判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図23】第2実施形態の第2大当り設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図24】第2実施形態の確変時処理の一例を示すフローチャートである。
【図25】第2実施形態の大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。
【図26】第2実施形態の報知回数判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図27】第2実施形態の一例を示す説明図である。
【図28】第2実施形態の一例を示す説明図である。
【図29】第2実施形態の一例を示す説明図である。
【図30】第2実施形態の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0210】
1 弾球遊技機
8 可変表示装置
9 表示部
10 特別図柄表示器
14 始動入賞口
15 可変入賞装置
20 特別可変入賞装置
21 大入賞口
31 主基板
53 基本回路
54 ROM
55 RAM
56 CPU
57 I/Oポート部
80 表示制御基板
90 通常状態中背景表示
91 確変状態中背景表示
92 確変開始表示
93 実行回数表示
94 継続報知表示
95 偽終了報知表示
96 再開報知表示
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が遊技領域に遊技球を発射することにより遊技を行い、所定の始動条件の成立にもとづいて各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示装置と、前記遊技領域に設けられ遊技者にとって有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の状態とのいずれかの状態に変化可能な特別可変入賞装置と、を備え、前記可変表示装置の表示結果が予め定められた特定表示結果となった後に前記特別可変入賞装置を前記第1の状態に変化させる特定遊技状態に制御する遊技機において、
前記始動条件の成立にもとづいて前記表示結果をその導出表示以前に前記特定表示結果のうち第1特定表示結果とするか、前記特定表示結果のうち該第1特定表示結果とは異なる第2特定表示結果とするか、前記特定表示結果とは異なる非特定表示結果とするかを決定する事前決定手段と、
該事前決定手段によって前記可変表示装置の表示結果を前記第1特定表示結果とすることが決定され、前記可変表示装置に該第1特定表示結果を導出表示した後に前記特定遊技状態のうち前記特別可変入賞装置を所定期間第1の状態に変化させる第1特定遊技状態に制御する第1特定遊技状態制御手段と、
前記事前決定手段によって前記可変表示装置の表示結果を前記第2特定表示結果とすることが決定され、前記可変表示装置に該第2特定表示結果を導出表示した後に前記特定遊技状態のうち前記特別可変入賞装置を前記所定期間より短い期間第1の状態に変化させる第2特定遊技状態に制御する第2特定遊技状態制御手段と、
前記特定遊技状態終了後、前記事前決定手段により前記表示結果を前記特定表示結果に決定する確率を前記特定遊技状態とは異なる通常遊技状態より高くする高確率状態に制御する高確率状態制御手段と、
該高確率状態制御手段によって前記高確率状態への制御が開始された後に実行された可変表示回数を計数する高確率回数計数手段と、
該高確率回数計数手段により計数した回数が所定の可変表示回数となったか否かを判定する高確率状態回数判定手段と、
前記特定遊技状態に移行されずに前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされたとき、前記高確率状態を終了させる高確率状態終了手段と、
前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御され、前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされておらず、前記事前決定手段によって前記第2特定表示結果とする旨の決定がなされたときには、前記第2特定遊技状態制御手段によって前記第2特定遊技状態に制御した後に再度、前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に継続して制御する高確率状態継続制御手段と、
該高確率状態継続制御手段により前記高確率状態が継続される以前から前記高確率回数計数手段により計数された可変表示回数が前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされたときに前記高確率状態に継続して制御される旨を報知する継続報知演出を実行する継続報知演出実行手段と、を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記高確率状態制御手段は、前記第2特定遊技状態終了後に予め定められた可変表示回数、前記高確率状態に制御する第2高確率状態制御手段を含み、
前記高確率回数計数手段は、前記第2高確率状態制御手段により前記高確率状態に制御されているときに実行された可変表示回数を計数する第2高確率回数計数手段を備え、
前記高確率状態回数判定手段は、前記第2高確率回数計数手段により計数した回数が前記予め定められた可変表示回数となったか否かを判定する第2高確率状態回数判定手段と、
前記第2高確率回数計数手段の計数結果にもとづき前記第2高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御される残り回数を特定する第2高確率残回数特定手段と、
前記継続報知演出を実行するときに、前記継続報知演出の態様が示された複数種類の継続演出実行データのうち前記第2高確率残回数特定手段により特定した第2高確率回数の残り回数にもとづいて継続演出実行データを選択する継続演出実行データ選択手段と、を含み、
前記継続報知演出実行手段は、前記継続演出データ選択手段によって選択された継続演出データを用いて前記継続報知演出を実行することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数を報知する高確率回数報知手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
遊技者が遊技領域に遊技球を発射することにより遊技を行い、所定の始動条件の成立にもとづいて各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示装置と、前記遊技領域に設けられ遊技者にとって有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の状態とのいずれかの状態に変化可能な特別可変入賞装置と、を備え、前記可変表示装置の表示結果が予め定められた特定表示結果となった後に前記特別可変入賞装置を前記第1の状態に変化させる特定遊技状態に制御する遊技機において、
前記始動条件の成立にもとづいて前記表示結果をその導出表示以前に前記特定表示結果のうち第1特定表示結果とするか、前記特定表示結果のうち該第1特定表示結果とは異なる第2特定表示結果とするか、前記特定表示結果とは異なる非特定表示結果とするかを決定する事前決定手段と、
該事前決定手段によって前記可変表示装置の表示結果を前記第1特定表示結果とすることが決定され、前記可変表示装置に該第1特定表示結果を導出表示した後に前記特定遊技状態のうち前記特別可変入賞装置を所定期間第1の状態に変化させる第1特定遊技状態に制御する第1特定遊技状態制御手段と、
前記事前決定手段によって前記可変表示装置の表示結果を前記第2特定表示結果とすることが決定され、前記可変表示装置に該第2特定表示結果を導出表示した後に前記特定遊技状態のうち前記特別可変入賞装置を前記所定期間より短い期間第1の状態に変化させる第2特定遊技状態に制御する第2特定遊技状態制御手段と、
前記特定遊技状態終了後、前記事前決定手段により前記表示結果を前記特定表示結果に決定する確率を前記特定遊技状態とは異なる通常遊技状態より高くする高確率状態に制御する高確率状態制御手段と、
該高確率状態制御手段によって前記高確率状態への制御が開始された後に実行された可変表示回数を計数する高確率回数計数手段と、
該高確率回数計数手段により計数した回数が所定の可変表示回数となったか否かを判定する高確率状態回数判定手段と、
前記特定遊技状態に移行されずに前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされたとき、前記高確率状態を終了させる高確率状態終了手段と、
該高確率状態終了手段によって前記高確率状態を終了させるときに、その旨を報知する終了報知演出を行う終了報知演出実行手段と、
前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御され、前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされておらず、前記事前決定手段によって前記第2特定表示結果とする旨の決定がなされたときには、前記第2特定遊技状態制御手段によって前記第2特定遊技状態に制御した後に再度、前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に継続して制御する高確率状態継続制御手段と、
該高確率状態継続制御手段により前記高確率状態が継続される以前から前記高確率回数計数手段により計数された可変表示回数が前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされたときに前記終了報知演出と同一の報知態様のダミー終了報知演出を実行するダミー終了報知演出実行手段と、
該ダミー終了報知演出実行手段により前記ダミー終了報知演出を実行した後、予め定められた特定回数の可変表示を行ったときに前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御しているときには、前記高確率状態に継続して制御される旨を報知するダミー開始報知演出を実行するダミー開始報知演出実行手段と、を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項5】
前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御されるときに前記所定の可変表示回数を報知するか、前記所定の可変表示回数よりも少ない回数である擬似可変表示回数を報知するか、を判定する擬似報知判定手段と、
該擬似報知判定手段により前記擬似可変表示回数を報知する旨の判定がなされたときに、予め定められた複数種類の可変表示回数のうちいずれの可変表示回数を前記擬似可変表示回数として報知するか決定する擬似可変表示回数決定手段と、
該擬似可変表示回数決定手段により決定した擬似可変表示回数を報知する擬似可変表示回数報知手段と、
前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が前記擬似可変表示回数決定手段により決定した擬似可変表示回数となったか否かを判定する擬似可変表示回数判定手段と、をさらに備え、
ダミー終了報知演出実行手段は、前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御され、前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされておらず、前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が前記擬似可変表示回数判定手段によって前記擬似可変表示回数になった旨の判定がなされたときに前記ダミー終了報知演出を実行することを特徴とする請求項4記載の遊技機。
【請求項6】
前記ダミー終了報知演出実行手段により前記ダミー終了報知演出を実行したとき、予め定められた複数種類の特定回数のうちいずれかの特定回数に決定する特定回数決定手段を備え、
前記特定回数決定手段により決定された特定回数の可変表示を行ったときに前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御しているときには、前記ダミー開始報知演出実行手段は、前記ダミー開始報知演出を実行することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の遊技機。
【請求項7】
前記高確率状態制御手段は、前記第2特定遊技状態終了後に予め定められた可変表示回数、前記高確率状態に制御する第2高確率状態制御手段を含み、
前記高確率回数計数手段は、前記第2高確率状態制御手段により前記高確率状態に制御されているときに実行された可変表示回数を計数する第2高確率回数計数手段を備え、
前記高確率状態回数判定手段は、前記第2高確率回数計数手段により計数した回数が前記予め定められた可変表示回数となったか否かを判定する第2高確率状態回数判定手段と、
前記第2高確率回数計数手段の計数結果にもとづき前記第2高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御される残り回数を特定する第2高確率残回数特定手段と、
前記ダミー終了報知演出を実行するときに、前記ダミー終了報知演出の態様が示された複数種類のダミー終了報知演出実行データのうち前記第2高確率残回数特定手段により特定した第2高確率回数の残り回数にもとづいてダミー終了報知演出実行データを選択するダミー終了演出データ選択手段と、を含み、
前記ダミー終了報知演出実行手段は、前記ダミー終了演出データ選択手段によって選択されたダミー終了報知演出実行データを用いて前記ダミー終了報知演出を実行することを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の遊技機。
【請求項8】
前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数を報知する高確率回数報知手段を備え、
該高確率回数報知手段は、前記ダミー終了報知演出実行手段により前記ダミー終了報知演出が実行されたときに前記可変表示回数の報知を中断し、前記ダミー開始報知演出実行手段により前記ダミー開始報知演出が実行されたときに前記可変表示回数の報知を可変表示回数を報知する際に用いられる初期値から再開報知することを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれかに記載の遊技機。
【請求項9】
前記事前決定手段による決定結果にもとづいて前記可変表示装置にて前記識別情報の可変表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの表示態様が示された複数種類の可変表示データのうちいずれかを選択する可変表示データ選択手段を備え、
該可変表示データ選択手段は、前記通常遊技状態において前記事前決定手段により前記第2特定表示結果とする旨の判定がなされたときに前記複数種類の可変表示データのうち予め定められた特定可変表示データを選択する一方、前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御されているときに前記事前決定手段により前記第2特定表示結果とする旨の判定がなされたときに前記複数種類の可変表示データのうち前記特定可変表示データとは異なる非特定可変表示データを選択することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の遊技機。
【請求項1】
遊技者が遊技領域に遊技球を発射することにより遊技を行い、所定の始動条件の成立にもとづいて各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示装置と、前記遊技領域に設けられ遊技者にとって有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の状態とのいずれかの状態に変化可能な特別可変入賞装置と、を備え、前記可変表示装置の表示結果が予め定められた特定表示結果となった後に前記特別可変入賞装置を前記第1の状態に変化させる特定遊技状態に制御する遊技機において、
前記始動条件の成立にもとづいて前記表示結果をその導出表示以前に前記特定表示結果のうち第1特定表示結果とするか、前記特定表示結果のうち該第1特定表示結果とは異なる第2特定表示結果とするか、前記特定表示結果とは異なる非特定表示結果とするかを決定する事前決定手段と、
該事前決定手段によって前記可変表示装置の表示結果を前記第1特定表示結果とすることが決定され、前記可変表示装置に該第1特定表示結果を導出表示した後に前記特定遊技状態のうち前記特別可変入賞装置を所定期間第1の状態に変化させる第1特定遊技状態に制御する第1特定遊技状態制御手段と、
前記事前決定手段によって前記可変表示装置の表示結果を前記第2特定表示結果とすることが決定され、前記可変表示装置に該第2特定表示結果を導出表示した後に前記特定遊技状態のうち前記特別可変入賞装置を前記所定期間より短い期間第1の状態に変化させる第2特定遊技状態に制御する第2特定遊技状態制御手段と、
前記特定遊技状態終了後、前記事前決定手段により前記表示結果を前記特定表示結果に決定する確率を前記特定遊技状態とは異なる通常遊技状態より高くする高確率状態に制御する高確率状態制御手段と、
該高確率状態制御手段によって前記高確率状態への制御が開始された後に実行された可変表示回数を計数する高確率回数計数手段と、
該高確率回数計数手段により計数した回数が所定の可変表示回数となったか否かを判定する高確率状態回数判定手段と、
前記特定遊技状態に移行されずに前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされたとき、前記高確率状態を終了させる高確率状態終了手段と、
前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御され、前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされておらず、前記事前決定手段によって前記第2特定表示結果とする旨の決定がなされたときには、前記第2特定遊技状態制御手段によって前記第2特定遊技状態に制御した後に再度、前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に継続して制御する高確率状態継続制御手段と、
該高確率状態継続制御手段により前記高確率状態が継続される以前から前記高確率回数計数手段により計数された可変表示回数が前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされたときに前記高確率状態に継続して制御される旨を報知する継続報知演出を実行する継続報知演出実行手段と、を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記高確率状態制御手段は、前記第2特定遊技状態終了後に予め定められた可変表示回数、前記高確率状態に制御する第2高確率状態制御手段を含み、
前記高確率回数計数手段は、前記第2高確率状態制御手段により前記高確率状態に制御されているときに実行された可変表示回数を計数する第2高確率回数計数手段を備え、
前記高確率状態回数判定手段は、前記第2高確率回数計数手段により計数した回数が前記予め定められた可変表示回数となったか否かを判定する第2高確率状態回数判定手段と、
前記第2高確率回数計数手段の計数結果にもとづき前記第2高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御される残り回数を特定する第2高確率残回数特定手段と、
前記継続報知演出を実行するときに、前記継続報知演出の態様が示された複数種類の継続演出実行データのうち前記第2高確率残回数特定手段により特定した第2高確率回数の残り回数にもとづいて継続演出実行データを選択する継続演出実行データ選択手段と、を含み、
前記継続報知演出実行手段は、前記継続演出データ選択手段によって選択された継続演出データを用いて前記継続報知演出を実行することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数を報知する高確率回数報知手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
遊技者が遊技領域に遊技球を発射することにより遊技を行い、所定の始動条件の成立にもとづいて各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示装置と、前記遊技領域に設けられ遊技者にとって有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の状態とのいずれかの状態に変化可能な特別可変入賞装置と、を備え、前記可変表示装置の表示結果が予め定められた特定表示結果となった後に前記特別可変入賞装置を前記第1の状態に変化させる特定遊技状態に制御する遊技機において、
前記始動条件の成立にもとづいて前記表示結果をその導出表示以前に前記特定表示結果のうち第1特定表示結果とするか、前記特定表示結果のうち該第1特定表示結果とは異なる第2特定表示結果とするか、前記特定表示結果とは異なる非特定表示結果とするかを決定する事前決定手段と、
該事前決定手段によって前記可変表示装置の表示結果を前記第1特定表示結果とすることが決定され、前記可変表示装置に該第1特定表示結果を導出表示した後に前記特定遊技状態のうち前記特別可変入賞装置を所定期間第1の状態に変化させる第1特定遊技状態に制御する第1特定遊技状態制御手段と、
前記事前決定手段によって前記可変表示装置の表示結果を前記第2特定表示結果とすることが決定され、前記可変表示装置に該第2特定表示結果を導出表示した後に前記特定遊技状態のうち前記特別可変入賞装置を前記所定期間より短い期間第1の状態に変化させる第2特定遊技状態に制御する第2特定遊技状態制御手段と、
前記特定遊技状態終了後、前記事前決定手段により前記表示結果を前記特定表示結果に決定する確率を前記特定遊技状態とは異なる通常遊技状態より高くする高確率状態に制御する高確率状態制御手段と、
該高確率状態制御手段によって前記高確率状態への制御が開始された後に実行された可変表示回数を計数する高確率回数計数手段と、
該高確率回数計数手段により計数した回数が所定の可変表示回数となったか否かを判定する高確率状態回数判定手段と、
前記特定遊技状態に移行されずに前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされたとき、前記高確率状態を終了させる高確率状態終了手段と、
該高確率状態終了手段によって前記高確率状態を終了させるときに、その旨を報知する終了報知演出を行う終了報知演出実行手段と、
前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御され、前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされておらず、前記事前決定手段によって前記第2特定表示結果とする旨の決定がなされたときには、前記第2特定遊技状態制御手段によって前記第2特定遊技状態に制御した後に再度、前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に継続して制御する高確率状態継続制御手段と、
該高確率状態継続制御手段により前記高確率状態が継続される以前から前記高確率回数計数手段により計数された可変表示回数が前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされたときに前記終了報知演出と同一の報知態様のダミー終了報知演出を実行するダミー終了報知演出実行手段と、
該ダミー終了報知演出実行手段により前記ダミー終了報知演出を実行した後、予め定められた特定回数の可変表示を行ったときに前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御しているときには、前記高確率状態に継続して制御される旨を報知するダミー開始報知演出を実行するダミー開始報知演出実行手段と、を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項5】
前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御されるときに前記所定の可変表示回数を報知するか、前記所定の可変表示回数よりも少ない回数である擬似可変表示回数を報知するか、を判定する擬似報知判定手段と、
該擬似報知判定手段により前記擬似可変表示回数を報知する旨の判定がなされたときに、予め定められた複数種類の可変表示回数のうちいずれの可変表示回数を前記擬似可変表示回数として報知するか決定する擬似可変表示回数決定手段と、
該擬似可変表示回数決定手段により決定した擬似可変表示回数を報知する擬似可変表示回数報知手段と、
前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が前記擬似可変表示回数決定手段により決定した擬似可変表示回数となったか否かを判定する擬似可変表示回数判定手段と、をさらに備え、
ダミー終了報知演出実行手段は、前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御され、前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が前記高確率状態回数判定手段によって前記所定の可変表示回数となった旨の判定がなされておらず、前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数が前記擬似可変表示回数判定手段によって前記擬似可変表示回数になった旨の判定がなされたときに前記ダミー終了報知演出を実行することを特徴とする請求項4記載の遊技機。
【請求項6】
前記ダミー終了報知演出実行手段により前記ダミー終了報知演出を実行したとき、予め定められた複数種類の特定回数のうちいずれかの特定回数に決定する特定回数決定手段を備え、
前記特定回数決定手段により決定された特定回数の可変表示を行ったときに前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御しているときには、前記ダミー開始報知演出実行手段は、前記ダミー開始報知演出を実行することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の遊技機。
【請求項7】
前記高確率状態制御手段は、前記第2特定遊技状態終了後に予め定められた可変表示回数、前記高確率状態に制御する第2高確率状態制御手段を含み、
前記高確率回数計数手段は、前記第2高確率状態制御手段により前記高確率状態に制御されているときに実行された可変表示回数を計数する第2高確率回数計数手段を備え、
前記高確率状態回数判定手段は、前記第2高確率回数計数手段により計数した回数が前記予め定められた可変表示回数となったか否かを判定する第2高確率状態回数判定手段と、
前記第2高確率回数計数手段の計数結果にもとづき前記第2高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御される残り回数を特定する第2高確率残回数特定手段と、
前記ダミー終了報知演出を実行するときに、前記ダミー終了報知演出の態様が示された複数種類のダミー終了報知演出実行データのうち前記第2高確率残回数特定手段により特定した第2高確率回数の残り回数にもとづいてダミー終了報知演出実行データを選択するダミー終了演出データ選択手段と、を含み、
前記ダミー終了報知演出実行手段は、前記ダミー終了演出データ選択手段によって選択されたダミー終了報知演出実行データを用いて前記ダミー終了報知演出を実行することを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の遊技機。
【請求項8】
前記高確率回数計数手段により計数した可変表示回数を報知する高確率回数報知手段を備え、
該高確率回数報知手段は、前記ダミー終了報知演出実行手段により前記ダミー終了報知演出が実行されたときに前記可変表示回数の報知を中断し、前記ダミー開始報知演出実行手段により前記ダミー開始報知演出が実行されたときに前記可変表示回数の報知を可変表示回数を報知する際に用いられる初期値から再開報知することを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれかに記載の遊技機。
【請求項9】
前記事前決定手段による決定結果にもとづいて前記可変表示装置にて前記識別情報の可変表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの表示態様が示された複数種類の可変表示データのうちいずれかを選択する可変表示データ選択手段を備え、
該可変表示データ選択手段は、前記通常遊技状態において前記事前決定手段により前記第2特定表示結果とする旨の判定がなされたときに前記複数種類の可変表示データのうち予め定められた特定可変表示データを選択する一方、前記高確率状態制御手段によって前記高確率状態に制御されているときに前記事前決定手段により前記第2特定表示結果とする旨の判定がなされたときに前記複数種類の可変表示データのうち前記特定可変表示データとは異なる非特定可変表示データを選択することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2006−43069(P2006−43069A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−227381(P2004−227381)
【出願日】平成16年8月4日(2004.8.4)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月4日(2004.8.4)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
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