説明

遊技機

【課題】 本発明は、パチンコ機またはスロットマシン機において、3列のリールの上下回転により一旦はずれになった後、これまでにないリールの移動方法を用いることによって、再度のチャンスが与えられ、もって娯楽性を高めることを課題とする。
【解決手段】 本発明は、3列のリールの上下回転により一旦はずれになった後、3列のうち2列もしくは1列が、右ないし左に移動し、その上から第4のリールが降りて来るか、もしくはその奥から映像が現れた後、当該第4のリールが上下に回転し、停止することによって、再度のチャンスが与えられるという構造を有する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
遊戯に必要な図柄を変動表示する変動表示手段と、その変動表示を制御するマイクロコンピュータ等の制御手段とを備えたスロットマシン、パチンコその他の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスロットマシン機、パチンコ機においては、通常、リールもしくは映像による図柄が3列に並び、その各列が上下に回転して、3列の横もしくは斜めに一直線に並ぶことにより、大当たりとする構造であった。
また、一旦はずれた後、再度チャンスを与える方法は既に考案されているが、その場合も、3列のうちいずれかの列が再度上下に回転して停止するというものにとどまる。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
3列の図柄が一旦はずれになった後に、再度のチャンスを与えるにあたり、これまでのような3列のうちの1列の再回転による単純なものではなく、別の1列が現れるという複雑かつバラエティに富んだ方法を採用し、遊戯者の娯楽性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、3列の上下回転により一旦はずれになった後、3列のうち2列もしくは1列が、右ないし左に移動し、その上から第4のリールが降りて来るか、もしくはその奥から映像が現れた後、当該第4のリールが上下に回転し、停止することによって、再度のチャンスが与えられるという構造を有する。
【作用及び効果】
【0005】
本発明により、一旦はずれになった場合でも、別の1列のリールないし映像の列が現れることにより、改めてチャンスを与えられると共に、そのチャンスについても、別の映像・図柄によるものとなり、より娯楽性が高まる。
【発明の実施形態】
【0006】
本発明を表す最適な実施の形態を、遊技機としてパチンコ機を用いて図面に基づき説明する。
【0007】
本発明は、図1及び図3ないし10のとおり、遊戯前には縦方向に複数の図柄が記された3列の縦のリールが表れている状態である。
また、各リールは、遊戯者から見て、上段・中段・下段の3段が視認可能な状態になっている。
【0008】
遊戯者は、通常のパチンコ機の遊戯方法同様、玉を購入して玉受け上皿に挿入の上、ハンドルを回して玉を飛ばし、抽選アタッカーに入賞した後に、3列のリールが回転する。
【0009】
この回転の制御については、公知技術に従っているものであるから、本明細においては省略する。
また、回転後、停止の制御を行い、所定の確率で入賞の抽選を行う。この入賞の制御についても、同じく公知技術に従っているものであるから、本明細においては省略する
【0010】
この抽選により、3列のリールのうち横または斜めで同じ図柄が揃えば、大当たりとなり、一定の数量の玉が払い戻されることになる。
【0011】
本発明は、この抽選につき、一旦はずれとなった後、再度チャンスが与えられる方法に関するものである。
すなわち、一旦はずれとなった後、リール移動の制御装置により、3列のうち左の2列が、次のようなメカニズムにより左に移動する。
【0012】
図1は、3列のうち左の2列が左に移動する際のメカニズムを説明する斜視図である。
図1の移動リール1a・1bは移動ハンガー2と移動ベース3を備えた部材により、固定リール1cは固定ハンガー4と固定ベース5を備えた部材により、それぞれ支えられている。
レール6は、移動ハンガー2と移動ベース3を貫通するようにして、固定ハンガー4と固定ベース5によって支えられている。
移動ベース4は、ベルト動力部7により、両方向に駆動するベルト8に装着されている。
移動リール1aは、左への移動に応じて、パネル9の横幅が3列分となる表示窓10の外に隠れるように収納される。
【0013】
2列のリールが左に移動した後、真ん中のリールがあった位置の奥から、凹面鏡の映像が現れる。その映像の表示方法は次のとおりである。
【0014】
図2は、左に移動した2列と右の1列の間の奥から映像が現れる際のメカニズムについて説明する断面図であり、凹面鏡の作用により虚像図柄が視認される原理の説明図である。
昇降リール11は、アーム動力部12により両方向に駆動するアーム13により支えられている。
昇降リール11の図柄101は、凹面鏡14の作用により、左に移動した移動リール1bと固定リール1cの間の奥から虚像図柄107として視認されるが、図柄101の文様の背景を黒色とするとともに、遮光版15により昇降リール11の上方からの光を遮ることにより、図柄の文様のみを視認させることができる。これについては、増田千尋著の「3次元ディスプレイ」95ページ(産業図書、平成2年5月25日発行)に記載がある。
また、昇降リール11の図柄101は、凹面鏡14に黒色鏡面を用いることにより、液晶表示器などによる映像の図柄にも応用することができるとされている。この応用を示したものとして、実用新案登録番号2554745号がある。
【0015】
虚像図柄107が視認される空間の側面となる移動リール1bの右側と固定リール1cの左側は、黒色とするか、平面鏡16を設けて合わせ鏡効果で側面の存在を消失させることにより、虚像図柄107をより鮮明に視認させることができる。
【0016】
図柄101は、上面入力光102から下面入力光103までの光軸束として、凹面鏡14の鏡心点104に向かい、上面反射光105から下面反射光106までの光軸束となり、表示窓10から虚像図柄107として視認されるが、昇降リール10により図柄101が下降する動きは、虚像図柄107の奥から手前への動きとして視認される。
【0017】
凹面鏡14により、上面入力光102から下面入力光103までの光軸束と、上面反射光105から下面反射光106までの光軸束とは、逆位相の相似形となるため、図柄101と虚像図柄107は左右反転となるが、図柄101の円弧の膨らみは虚像図柄107のそれと同位相である。
【0018】
昇降リール11と移動リール1bと凹面鏡14の曲率を約2:3:5として、図2のように配置することにより、昇降リール11を最下降時にも表示窓10の外に隠れる位置に収納できるとともに、虚像図柄107を移動リール1bの図柄表面の位置に視認できる。
【0019】
昇降リール11は、移動リール1bと同じ大きさとして凹面鏡14を用いずに直接視認させてもよいが、実際には移動リール1a〜1bが左に移動する前、すなわち昇降リール11が下降する前の最上昇時の収納などが問題となるとともに、視覚効果としても興趣に見劣りがすることから、凹面鏡を用いる方が望ましい。
【0020】
奥から表れた複数の図柄が縦に並んだ映像は、上下に回転し、停止する。
停止の際、前記の3列の回転と同様、一定の確率により大当たりの抽選を行う制御装置により、大あたりまたははずれが決定される。
この際の大当たりのパターンについては、次のとおりである。
【0021】
3列のリールのうち、左端のリールの上段、真ん中のリールの中段の図柄が同一であり、大当たりのチャンスとして右端のリールが回転した結果、大当たりとはならなかった場合、すなわち同リールの下段の図柄が左端リールの上段、真ん中リールの中段と同一ではなかった場合において、右端のリールの中段の図柄が真ん中のリールの中段と同一であることを条件に、左端及び真ん中のリールが左へ移動し、真ん中のリールがあったスペースの奥から第4のリールが現れ回転した結果、同リールの中段の図柄がその左にあるリール(すなわち、元の真ん中のリール)の中段の図柄、及びその右にあるリール(すなわち、元の右端のリール)の中段の図柄と一致する、図3のパターン。
【0022】
3列のリールのうち、左端のリールの上段、真ん中のリールの上段の図柄が同一であり、大当たりのチャンスとして右端のリールが回転した結果、大当たりとはならなかった場合、すなわち同リールの上段の図柄が左端リールの上段、真ん中リールの上段と同一ではなかった場合において、右端のリールの下段の図柄が真ん中のリールの上段と同一であることを条件に、左端及び真ん中のリールが左へ移動し、真ん中のリールがあったスペースの奥から第4のリールが現れ回転した結果、同リールの中段の図柄がその左にあるリール(すなわち、元の真ん中のリール)の上段の図柄、及びその右にあるリール(すなわち、元の右端のリール)の下段の図柄と一致する、図4のパターン。
【0023】
3列のリールのうち、左端のリールの上段、右端のリールの下段の図柄が同一であり、大当たりのチャンスとして真ん中のリールが回転した結果、大当たりとはならなかった場合、すなわち同リールの中段の図柄が左端リールの上段、右端リールの下段と同一ではなかった場合において、真ん中のリールの下段の図柄が右端のリールの下段と同一であることを条件に、左端及び真ん中のリールが左へ移動し、真ん中のリールがあったスペースの奥から第4のリールが現れ回転した結果、同リールの下段の図柄がその左にあるリール(すなわち、元の真ん中のリール)の下段の図柄、及びその右にあるリール(すなわち、元の右端のリール)の下段の図柄と一致する、図5のパターン。
【0024】
3列のリールのうち、左端のリールの上段、右端のリールの上段の図柄が同一であり、大当たりのチャンスとして真ん中のリールが回転した結果、大当たりとはならなかった場合、すなわち同リールの上段の図柄が左端リールの上段、右端リールの上段と同一ではなかった場合において、真ん中のリールの下段の図柄が右端のリールの上段と同一であることを条件に、左端及び真ん中のリールが左へ移動し、真ん中のリールがあったスペースの奥から第4のリールが現れ回転した結果、同リールの中段の図柄がその左にあるリール(すなわち、元の真ん中のリール)の下段の図柄、及びその右にあるリール(すなわち、元の右端のリール)の上段の図柄と一致する、図6のパターン。
【0025】
3列のリールのうち、左端のリールの上段、真ん中のリールの中段の図柄が同一であり、大当たりのチャンスとして右端のリールが回転した結果、大当たりとはならなかった場合、すなわち同リールの下段の図柄が左端リールの上段、真ん中リールの中段と同一ではなかった場合において、真ん中のリールの上段の図柄が右端のリールの上段と同一であることを条件に、左端及び真ん中のリールが左へ移動し、真ん中のリールがあったスペースの奥から第4のリールが現れ回転した結果、同リールの上段の図柄がその左にあるリール(すなわち、元の真ん中のリール)の上段の図柄、及びその右にあるリール(すなわち、元の右端のリール)の上段の図柄と一致する、図7のパターン。
【0026】
3列のリールのうち、左端のリールの下段、真ん中のリールの下段の図柄が同一であり、大当たりのチャンスとして右端のリールが回転した結果、大当たりとはならなかった場合、すなわち同リールの下段の図柄が左端リールの下段、真ん中リールの下段と同一ではなかった場合において、真ん中のリールの上段の図柄が右端のリールの下段と同一であることを条件に、左端及び真ん中のリールが左へ移動し、真ん中のリールがあったスペースの奥から第4のリールが現れ回転した結果、同リールの中段の図柄がその左にあるリール(すなわち、元の真ん中のリール)の上段の図柄、及びその右にあるリール(すなわち、元の右端のリール)の下段の図柄と一致する、図8のパターン。
【他の実施形態】
【0027】
本発明の他の実施形態としては、一旦はずれになった後、真ん中のリールが下に移動し、その上から別のリールが降りて来るものであり、そのリールがさらに回転し、停止の際、一定の確率により大当たりの抽選を行う制御装置により、大あたりまたははずれが決定されるものである。
この際の大当たりのパターンについては、次のとおりである。
【0028】
3列のリールのうち、左端のリールの上段、真ん中のリールの上段の図柄が同一であり、大当たりのチャンスとして右端のリールが回転した結果、大当たりとはならなかった場合、すなわち同リールの上段の図柄が左端リールの上段、真ん中リールの上段と同一ではなかった場合において、右端のリールの下段の図柄が左端のリールの上段と同一であることを条件に、真ん中のリールが下へ移動し、その上から第4のリールが降りてきて回転した結果、同リールの中段の図柄がその左にあるリール(すなわち、元の左端のリール)の上段の図柄、及びその右にあるリール(すなわち、元の右端のリール)の下段の図柄と一致する、図9のパターン。
【0029】
3列のリールのうち、左端のリールの上段、真ん中のリールの中段の図柄が同一であり、大当たりのチャンスとして右端のリールが回転した結果、大当たりとはならなかった場合、すなわち同リールの下段の図柄が左端リールの上段、真ん中リールの中段と同一ではなかった場合において、右端のリールの上段の図柄が左端のリールの上段と同一であることを条件に、真ん中のリールが下へ移動し、その上から第4のリールが降りてきて回転した結果、同リールの上段の図柄がその左にあるリール(すなわち、元の左端のリール)の上段の図柄、及びその右にあるリール(すなわち、元の右端のリール)の上段の図柄と一致する、図10のパターン。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】 本発明の実施例を示す斜視図。
【図2】 本発明の実施例を示す断面図及び凹面鏡による虚像図柄の説明図。

【符号の説明】
1ないし10はスライドユニットに関するものである。
1a・1b 移動リール
1c 固定リール
2 移動ハンガー
3 移動ベース
4 固定ハンガー
5 固定ベース
6 レール
7 ベルト動力部
8 ベルト
9 パネル
10 表示窓
11ないし107はスイング・ユニットに関するものである。
11 昇降リール
12 アーム動力部
13 アーム
14 凹面鏡
15 遮光版
16 平面鏡
101 図柄
102 上面入力光
103 下面入力光
104 鏡心点
105 上面反射光
106 下面反射光
107 虚像図柄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に複数の図柄が縦に記された平行な3列の図柄リール、それらを回転させるための回転駆動装置、回転リールの回転開始から停止までを制御するとともに、所定の確率で入賞の抽選を行うための制御装置とを備えた遊技機であって、さらに、一旦停止した後リールを左右に移動させる装置、リールの左右移動後に移動前の位置の奥から現れる映像の表示装置、奥から現れる映像を縦に回転させ、一定期間後停止させる制御装置、停止後4つのリールのうち3つについて入賞の抽選を行う制御装置、入賞の図柄が揃った場合に入賞のメダルまたは玉を払いだす制御装置を備える遊技機
【請求項2】
スロットマシン、パチンコの当たりを変動表示する回転胴において、3列のうち2列または1列が左右に移動し、その奥から凹面鏡による映像が現われ、その図柄が上下に回転し、停止することによって、大当たりの機会が再度与えられることを特徴とする遊技機
【請求項3】
外周面に複数の図柄が縦に記された平行な3列の図柄リール、それらを回転させるための回転駆動装置、回転リールの回転開始から停止までを制御するとともに、所定の確率で入賞の抽選を行うための制御装置とを備えた遊技機であって、さらに、一旦停止した後、1列のリールを下に移動させる装置、リールの下への移動後にその上部から別のリールを降ろす装置、上部から降りたリールを縦に回転させ、一定期間後停止させる制御装置、停止後4つのリールのうち3つについて入賞の抽選を行う制御装置、入賞の図柄が揃った場合に入賞のメダルまたは玉を払いだす制御装置を備える遊技機
【請求項4】
スロットマシン、パチンコのあたりを変動表示する回転胴において、3列のうち1列が下に移動し、その上から新たなリールが現われ、その図柄が上下に回転し、停止することによって、大当たりの機会が再度与えられることを特徴とする遊技機
【請求項5】
外周面に複数の図柄が縦に記された平行な3列の図柄リール、それらを回転させるための回転駆動装置、回転リールの回転開始から停止までを制御するとともに、所定の確率で入賞の抽選を行うための制御装置とを備えた遊技機であって、さらに、一旦停止した後、1列のリールを左右に移動させる装置、リールの左右移動後に移動前の位置の上部から別のリールを降ろす装置、上部から降りたリールを縦に回転させ、一定期間後停止させる制御装置、停止後4つのリールのうち3つについて入賞の抽選を行う制御装置、入賞の図柄が揃った場合に入賞のメダルまたは玉を払いだす制御装置を備える遊技機
【請求項6】
スロットマシン、パチンコの当たりを変動表示する回転胴において、3列のうち2列または1列が左右に移動し、その上から新たなリールが現われ、その図柄が上下に回転し、停止することによって、大当たりの機会が再度与えられることを特徴とする遊技機
【請求項7】
スロットマシン、パチンコの当たりを変動表示する回転胴において、3列のうち2列または1列が左右に移動し、その奥から凹面鏡による映像が現われる遊技機
【請求項8】
スロットマシン、パチンコの当たりを変動表示する回転胴において、3列のうち2列または1列が左右に移動し、その上から新たなリールが現われる遊技機
【請求項9】
スロットマシン、パチンコの当たりを変動表示する回転胴において、3列のうち1列が下に移動し、その上から新たなリールが現われる遊技機
【請求項10】
凹面鏡を用いた映像を上下に回転、停止させ、図柄をそろえて大当たりとすることを特徴とする遊技機
【請求項11】
スロットマシンまたはパチンコの図柄を変動表示する表示装置を構成するリールにして、それ自体が上下に移動する遊技機
【請求項12】
スロットマシン、パチンコのあたりを変動表示する回転胴において、一旦はずれになった後、新たな1列が現れ、その図柄が上下に回転し、停止することによって、大当たりの機会が再度与えられることを特徴とする遊技機

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−55586(P2006−55586A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−267584(P2004−267584)
【出願日】平成16年8月17日(2004.8.17)
【出願人】(593001901)ミカサ商事株式会社 (4)
【出願人】(596098966)株式会社電通テック (18)