遊技機
【課題】 確率変動状態中における遊技状態を変化に富んだものにし、遊技の興趣を向上させることのできる遊技機を提供することである。
【解決手段】 確変終了判定用のランダムカウンタから抽出された数値データが確変終了判定値と一致するか否かを判定することにより変動表示装置における確変状態を終了させるか否かを判定する。そして確変終了判定値の個数(確変終了判定確率)が、初期値から変化させられ、所定の初期化条件が成立したときに初期値に戻される。
【解決手段】 確変終了判定用のランダムカウンタから抽出された数値データが確変終了判定値と一致するか否かを判定することにより変動表示装置における確変状態を終了させるか否かを判定する。そして確変終了判定値の個数(確変終了判定確率)が、初期値から変化させられ、所定の初期化条件が成立したときに初期値に戻される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばパチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシン等で代表される遊技機に関する。詳しくは、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能であって、所定の始動条件が成立した後に開始条件が成立することにより、前記識別情報の変動表示が行なわれた後表示結果が導出される変動表示装置を有し、前記表示結果が予め定められた特定表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御され、該特定遊技状態の終了後において前記変動表示の表示結果が前記特定表示態様となる確率が前記特定遊技状態とは異なる通常遊技状態よりも向上した確率変動状態に制御されたときに、該確率変動状態を終了させる旨の判定がされるまで当該確率変動状態を継続させる制御を行なう遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機として従来から一般的に知られているものに、たとえば、各々が識別可能な図柄等の複数種類の識別情報を変動表示可能であって、始動入賞等の所定の始動条件が成立した後に開始条件が成立することにより、識別情報の変動表示が行なわれた後表示結果が導出される変動表示装置を有するものがあった。
【0003】
このような遊技機では、表示結果が予め定められた特定表示態様(大当り図柄の組合せ)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御され、該特定遊技状態の終了後において変動表示の表示結果が特定表示態様となる確率が特定遊技状態とは異なる通常遊技状態よりも向上した確率変動状態に所定期間制御され、所定の継続条件が成立したときに、当該確率変動状態を継続させる制御を行なうものがあった。
【0004】
そして、このような遊技機においては、確率変動状態に関する遊技の興趣を向上させるために、高確率時(確率変動状態時)と通常時(確率変動状態時以外)とで確変図柄の設定数を異ならせることにより、通常時に確変図柄で当って確変に突入する確率(突入率)を、高確率時に再度確変図柄で当って確変を更新継続する確率(継続率)に比べて高く設定したものがあった(特許文献1)。
【特許文献1】特開平8−323000号公報(段落番号0034〜0036等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前述のような従来の遊技機では、確率変動状態のときと、確率変動状態以外のときとで確率変動状態になる確率が異なるが、確率変動状態での遊技に変化が生じないため、確率変動状態中における遊技が単調となり、遊技の興趣が低下するおそれがあった。
【0006】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、確率変動状態中における遊技状態を変化に富んだものにし、遊技の興趣を向上させることのできる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
【0007】
(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、特別図柄)を変動表示可能であって、所定の始動条件(たとえば、始動入賞口14への遊技球の入賞)が成立した後に開始条件(たとえば、保留記憶カウンタが減算されて変動表示の開始順番が来ること)が成立することにより、前記識別情報の変動表示が行なわれた後表示結果が導出される変動表示装置(変動表示装置9)を有し、前記表示結果が予め定められた特定表示態様(大当り図柄の組合せ)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御され、該特定遊技状態の終了後において前記変動表示の表示結果が前記特定表示態様となる確率が前記特定遊技状態とは異なる通常遊技状態よりも向上した確率変動状態(確変状態)に制御されたときに、該確率変動状態を終了させる旨の判定がされるまで当該確率変動状態を継続させる制御を行なう遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記確率変動状態を終了させるか否かを判定するために用いられる終了判定用数値情報(確変終了判定用のランダムカウンタR5のカウント値)を更新する終了判定用数値情報更新手段(確変終了判定用のランダムカウンタR5、図22のS12,S23)と、
該終了判定用数値情報更新手段から前記終了判定用数値情報を抽出する終了判定用数値情報抽出手段(図24のS43)と、
前記終了判定用数値情報抽出手段により抽出された前記終了判定用数値情報が前記確率変動状態を終了させるように定められた特定値(確変終了判定値)と一致するか否かを判定することにより、前記確率変動状態を終了させるか否かを判定する終了判定手段(図25のS55e、図28のS101)と、
前記確率変動状態において、前記終了判定手段により前記確率変動状態を終了させるように定められた前記特定値の個数を初期値(たとえば4個等の初期値)から前記初期値とは異なる所定値(たとえば3個等)に変化させ、所定の初期化条件(各パターンの第4ステップにおいてR10の抽出値を用いて確変終了判定確率を段階的に変化させる条件が成立した旨の判定がされたとき)が成立したときに、当該特定値の個数を初期値に戻す特定値個数変更手段(図25のS55d、図27のS201〜S205)とを含む。
【0008】
このような構成によれば、終了抽選用数値情報更新手段から抽出された終了抽選用数値情報が確率変動状態を終了させるように定められた特定値と一致するか否かを判定することにより、確率変動状態を終了させるか否かが判定される。そして、そのように確率変動状態を終了させるように定められた特定値の個数が、初期値から変化させられ、所定の初期化条件が成立したときに初期値に戻される。このように、確率変動状態を終了させるか否かの判定について、確率変動状態を終了させるように定められた特定値の個数が初期値から変化させられるので、確率変動状態を終了させると判定する確率が変化するため、確率変動状態中における遊技状態を変化に富んだものにすることができる。さらに、初期化条件が成立したときに、特定値の個数が初期値に戻されるので、確率変動状態中における遊技状態をさらに変化に富んだものにすることができる。このように確率変動状態中における遊技状態を変化に富んだものにすることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
【0009】
(2) 前記初期値を示す初期値データ(第1ステップの確変終了判定値の個数を特定する確変終了判定確率のデータ)と、前記所定値を示すデータであって前記初期値データよりも前記特定値の個数が少なくなるように設定された所定値データ(第2〜第4ステップの確変終了判定値の個数を特定する確変終了判定確率のデータ)とが記憶(確変終了判定確率変化パターンテーブルのデータとして記憶)された記憶手段(ROM54)をさらに含み、
前記特定値個数変更手段は、前記記憶手段から初期値データ、あるいは、所定値データのいずれかを選択することにより前記特定値の個数を変化させる(図4)。
【0010】
このような構成によれば、確率変動状態を終了させるように定められた特定値の個数を変化させるために、選択するデータが初期値データから所定値データに変化させられることにより、特定値の変化として、特定値の個数が少なくなるように変化させられるので、初期化条件が成立するまでの間に、確率変動状態に対する遊技者の期待感を高めることができる。さらに、初期化条件が成立すると、特定値の個数が初期値に戻されることにより、このような特定値の個数の変化によって遊技者にとって過剰に有利な状態になるのを制限することができる。
【0011】
(3) 前記初期値を示す初期値データ(第1ステップの確変終了判定値の個数を特定する確変終了判定確率のデータ)と、前記所定値を示すデータであって前記初期値データよりも前記特定値の個数が多くなるように設定された所定値データ(第2〜第4ステップの確変終了判定値の個数を特定する確変終了判定確率のデータ)とが記憶(確変終了判定確率変化パターンテーブルのデータとして記憶)された記憶手段(ROM54)をさらに含み、
前記特定値個数変更手段は、前記記憶手段から初期値データ、あるいは、所定値データのいずれかを選択することにより前記特定値の個数を変化させる(図35)。
【0012】
このような構成によれば、確率変動状態を終了させるように定められた特定値の個数を変化させるために、選択するデータが初期値データから所定値データに変化させられることにより、特定値の変化として、特定値の個数が多くなるように変化させられるので、初期化条件が成立するまでの間に、確率変動状態の終了に対する遊技者の緊張感を高めることができる。さらに、初期化条件が成立すると、特定値の個数が初期値に戻されることにより、このような特定値の個数の変化によって遊技者にとって過剰に不利な状態になるのを制限することができ、確率変動状態に対する遊技者の期待感を高めることができる。
【0013】
(4) 前記確率変動状態となるときに、前記初期値を、予め定められた複数の初期値(図5)のうちから選択的に決定する初期値決定手段をさらに含む(図33のS402)。
【0014】
このような構成によれば、確率変動状態となるときに、確率変動状態を終了させるように定められた特定値の個数を変化させるときの初期値が、予め定められた複数の初期値のうちから選択的に決定されるので、このような初期値が変化に富むようになることに基づいて、確率変動状態中における遊技状態をさらに変化に富んだものにすることができる。
【0015】
(5) 前記終了判定手段による終了判定が行なわれる前において、前記特定値個数変更手段により前記特定値の個数を変化させるために予め定められた変化条件が成立したか否かを判定する変化条件判定手段(図27のS201、図6)をさらに含み、
前記特定値個数変更手段は、前記変化条件判定手段により前記変化条件が成立したと判定されたときに、前記特定値の個数を変化させる(S202〜S205)。
【0016】
このような構成によれば、終了判定手段による終了判定が行なわれる前において、特定値個数変更手段による特定値の個数を変化させるために予め定められた変化条件が成立したか否かが判定され、その変化条件が成立したと判定されたときに、その特定値の個数が変化させられる。これにより、このような特定値の個数が変化させられるタイミングが変化に富むようになり、確率変動状態中における遊技状態をさらに変化に富んだものにすることができる。
【0017】
(6) 予め定められた報知条件が成立したときに、前記終了判定手段による判定の結果を報知する報知手段(図30のS88、S92、図32のS128〜S134、図34のS505)と、
予め定められた複数回の変動表示が行なわれるごとに、前記報知手段による報知条件が成立したと判定する報知条件判定手段(図32のS128)とをさらに含み、
前記終了判定手段は、前記開始条件が成立するごとに判定を行ない(図25のS55eの確変終了判定処理が実行される特別図柄通常処理は、変動表示が行なわれるごとに実行されるので、確変終了判定処理は変動表示が行なわれるごとに実行される)、
前記報知手段は、前記報知条件判定手段により前記報知条件が成立したと判定されたときのみ、前記予め定められた複数回の変動表示に対する前記終了判定手段による判定の結果を報知する(図31のS111〜図32のS134は、確変終了判定結果報知周期ごとに繰返し実行される)。
【0018】
このような構成によれば、開始条件が成立するごとに終了判定手段による判定が行なわれ、予め定められた複数回の変動表示が行なわれるごとに成立する報知条件が成立したときのみ、その予め定められた複数回の変動表示に対する確率変動状態を終了させるか否かの判定の結果が報知される。このように、予め定められた複数回の変動表示が行なわれたときのみ、その複数回の変動表示に対する判定の結果が報知されることにより、予め定められた複数回の変動表示が行なわれるごとに、遊技者の確率変動状態の継続への期待感を高めることができる。
【0019】
(7) 前記変動表示の表示結果を前記特定表示態様とするか否かを判定する特定判定手段(図25のS56)をさらに含み、
前記終了判定手段は、前記確率変動状態を終了させるか否かの判定を、前記特定判定手段による判定が行なわれる前に実行し(図25の特別図柄通常処理でS56の実行前にS55eが実行される)、
前記特定判定手段は、前記終了判定手段による前記確率変動状態を終了させるか否かの判定の結果に対応した確率(通常の大当り確率か、確変状態での大当り確率(高確率))で、前記変動表示の表示結果を前記特定表示態様とするか否かを判定(大当り判定)する。
【0020】
このような構成によれば、確率変動状態を終了させるか否かの判定の結果に対応した確率で、変動表示の表示結果を特定表示態様とするか否かの判定が行なわれ、その確率変動状態を終了させるか否かの判定が、変動表示の表示結果を特定表示態様とするか否かの判定が行なわれる前に実行されるので、確率変動状態を終了させるか否かの判定が、変動表示の表示結果を特定表示態様とするか否かの判定が行なわれた後に実行される場合と比べて、確率変動状態を終了させるか否かの判定の結果を特定する情報を長期間保存しておく必要がない。このため、確率変動状態を終了させるか否かの判定の結果を特定する情報について情報の改変等の不正行為が行なわれる可能性を低減することができるとともに、その判定の結果を特定する情報がノイズ等により誤った情報に変化してしまう可能性を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機およびスロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能であって、所定の始動条件が成立した後に開始条件が成立することにより、前記識別情報の変動表示が行なわれた後表示結果が導出される変動表示装置を有し、前記表示結果が予め定められた特定表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御され、該特定遊技状態の終了後において前記変動表示の表示結果が前記特定表示態様となる確率が前記特定遊技状態とは異なる通常遊技状態よりも向上した確率変動状態に制御されたときに、該確率変動状態を終了させる旨の判定がされるまで当該確率変動状態を継続させる制御を行なう遊技機であればすべてに適用することが可能である。
【0022】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機1の正面図である。パチンコ遊技機1には、遊技領域7が形成された遊技盤6が取付けられている。ここでは図示を省略するが、パチンコ遊技機1の左側面側には、遊技者所有の記録媒体である遊技用カード(プリペイドカード)に記録されている遊技用価値としてのカード残高からの引落としに応じて遊技球を貸出すカードユニットが設けられている。このようなカードユニットでは、遊技者が、遊技用カードを挿入した状態で所定の貸球操作を行なうことにより、所定の貸出単位額分の残高がカード残高から減額されるとともに、その貸出単位額分の遊技球がパチンコ遊技機1の遊技球供給皿3に貸出される。遊技者が操作ノブ5を操作すると、打球供給皿3に貯留された遊技球(パチンコ球)が1個ずつ発射されて遊技領域7内に打込まれる。遊技者が操作ノブ5を操作すると、打球供給皿3に貯留された遊技球(パチンコ球)が1個ずつ発射されて遊技領域7内に打込まれる。
【0023】
遊技領域7の中央には、図柄等の各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示(可変表示、更新表示ともいう)させる表示装置として、特別図柄を変動表示させる変動表示装置9が設けられている。変動表示装置9は、画像を表示する液晶表示器(LCD表示器)で構成された表示装置である。変動表示装置9において表示される特別図柄は、たとえば、0〜9の複数の数字の図柄よりなる。
【0024】
また、変動表示装置9では、演出用のキャラクタ等のその他の画像も表示される。ここで、キャラクタとは、変動表示装置9に表示される人間,動物,あるいは物等を表わす映像をいう。なお、変動表示装置9により変動表示される識別情報は、数字、文字、図形、模様、キャラクタ等の識別情報であれば、どのような識別情報であってもよく、数字のみ、文字のみ、図形のみ、模様のみ、キャラクタのみ、または、これらを適宜組合せたもの等であってもよい。
【0025】
変動表示装置9では、特別図柄が変動表示される複数の変動表示部(左,中,右変動表示部)が画像上で設けられる。これら変動表示部では、左図柄,中図柄,右図柄と呼ばれる3つの特別図柄がスクロール等の所定の変動表示パターンで変動表示される。このような変動表示が開始された後、左図柄,中図柄,右図柄の3つの図柄がそれぞれ停止表示されることにより、変動表示の表示結果が導出表示される。変動表示装置9で特別図柄の変動表示が開始されるときには、左,中,右図柄の変動表示が一斉に開始される。その後、表示結果が導出表示されるときには、たとえば、左,右,中図柄の順に図柄が順次停止表示されていき、表示結果が導出表示される。このような変動表示の開始時から表示結果の導出表示時までの時間は、変動時間(変動表示時間)と呼ばれる。
【0026】
なお、変動表示装置9は、液晶表示器に限らず、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED等のLED(Light Emitting Diode)、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。また、変動表示装置9は、画像表示式の表示装置に限らず、外周に複数種類の図柄が描かれた回転ドラムを回転駆動する回転ドラム式等のその他の機械式の変動表示装置であってもよい。
【0027】
変動表示装置9の上方には、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示可能な普通図柄表示装置10が設けられている。普通図柄表示装置10は、当り図柄である○印を表示可能な当り表示器10aと、はずれ図柄である×印を表示可能なはずれ表示器10bとを含み、当り図柄とはずれ図柄とを交互に点灯表示することにより、普通図柄を変動表示する。変動表示装置9の下方には、特別図柄の変動表示を始動させる遊技球を受入れ可能な始動口14を有する始動用電動役物14aと、普通図柄の変動表示を始動させる遊技球を受入れ可能な2つの通過口11とが設けられている。
【0028】
通過口11に遊技球が進入すると、ゲートスイッチ12により遊技球の通過(始動通過という)が検出され、それに応じて、乱数値となる数値データが抽出され、通過記憶データとして、後述するRAM55に記憶される。通過記憶データの記憶個数には上限値が設定されており、上限値に達しない状態で始動通過が検出されると普通図柄の変動表示の実行条件(始動条件)が成立して始動通過が有効となるが、上限値に達した状態で始動通過が検出されると実行条件が成立せず始動通過が無効となる。通過記憶データに基づき普通図柄の変動表示を開始させることができる開始条件(普通図柄の変動表示が実行中でないこと)が成立すると、普通図柄の変動表示が開始される。これにより、通過記憶データが複数記憶されたときには、それぞれのデータに基づいて普通図柄の変動表示が順次実行されていく。開始条件が未成立の通過記憶データの個数は、変動表示装置9上方に設けられた通過記憶表示器15でのLEDの点灯数により表示される。
【0029】
始動通過記憶データの値が所定の当り判定値と合致するときには、普通図柄の当りと判定され、当り図柄が普通図柄の表示結果として導出表示される。一方、始動通過記憶データの値が当り判定値と合致しないときには、普通図柄のはずれと判定され、はずれ図柄が普通図柄の表示結果として導出表示される。
【0030】
始動用電動役物14aは、ソレノイド16によって駆動される左右一対の可動片の開閉によって開閉可能である。始動用電動役物14aは、普通図柄の変動表示結果が当りとなった場合に始動口14に遊技球が進入しやすい開成状態となり、その開成状態で遊技球が1つ入賞すると始動口14に遊技球が進入しにくい閉成状態に戻る。また、始動用電動役物14aは、開成状態となってから所定の開放期間が経過すれば、遊技球が入賞しなくても閉成状態に戻る。
【0031】
始動口14に遊技球が進入すると、始動口スイッチ17により遊技球(始動入賞球)が検出され、それに応じて、乱数値となる数値データ(大当り判定用のランダムカウンタのカウント値)が抽出されて始動入賞記憶(以下、保留記憶という)のデータとして後述するRAM55に記憶される。このような保留記憶データは、記憶順番(抽出順番)を特定可能に記憶される。保留記憶データの記憶個数には上限値(4つ)が設定されており、上限値に達しない状態で始動入賞が検出されると特別図柄の変動表示の始動条件(実行条件ともいう)が成立して始動入賞が有効となるが、上限値に達した状態で始動入賞が検出されると始動条件が成立せず始動入賞が無効となる。保留記憶データに基づき特別図柄の変動表示を開始させることができる開始条件(保留記憶データがある状態で、特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ大当り遊技状態中でもない場合)が成立するごとに保留記憶データが1つずつ読出されて、特別図柄の変動表示が開始される。これにより、保留記憶データが複数記憶されたときには、それぞれのデータに基づいて特別図柄の変動表示が順次実行され、保留記憶データが消化されていく。開始条件が未成立の保留記憶データの個数は、変動表示装置9において画像により表示される。
【0032】
読出された保留記憶データの値が所定の大当り判定値と合致するときには、特別図柄の変動表示結果が大当りと判定され、特定の識別情報の組合せ(特定の表示態様)としての大当り図柄の組合せ(たとえば「777」等のゾロ目。)が表示結果として導出表示される。一方、読出された保留記憶データの値が大当り判定値と合致しないときには、変動表示結果がはずれと判定され、はずれ図柄の組合せ(たとえばゾロ目以外の図柄の組合せ)が表示結果として導出表示される。
【0033】
始動用電動役物14aの下方には、遊技球が入賞可能な大入賞口18と、大入賞口18を開閉する開閉板20とを備えた可変入賞球装置19が設けられている。特別図柄の変動表示結果が大当り図柄の組合せとなると、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御され、可変入賞球装置19の開閉板20が、遊技者に不利な第2の状態である閉状態から遊技者に有利な第1の状態である開状態に制御される。開閉板20の駆動は、ソレノイド21によって行なわれる。
【0034】
可変入賞球装置19における大入賞口18の内部には、特定入賞領域と通常入賞領域とが設けられている。特定入賞領域に進入した遊技球は、V入賞球と呼ばれ、Vカウントスイッチ22により検出された後、カウントスイッチ23により検出される。通常入賞領域に進入した遊技球は、カウントスイッチ23のみにより検出される。
【0035】
大当り遊技状態の可変入賞球装置10において、大入賞口18が開口した第1の状態で、大入賞口18に進入した遊技球の数が所定個数(たとえば10個)に達したとき、または所定期間(たとえば30秒間)経過したときのうちのいずれか早い方の条件が成立したときには、第1の状態が一旦終了して開閉板20が閉成し、第2の状態に制御される。そして、可変入賞球装置19が第1の状態となっている期間中に進入した遊技球が特定入賞領域に入賞し、Vカウントスイッチ22により検出されたことを条件として、その回における可変入賞球装置19の第1の状態が終了して第2の状態となった後、再度開閉板20が開成されて、可変入賞球装置19を第1の状態にする繰返し継続制御が実行される。繰返し継続制御の実行上限回数は、たとえば16回と定められている。繰返し継続制御において、可変入賞球装置19が第1の状態にされている状態はラウンドと呼ばれる。
【0036】
また、特別図柄の変動表示結果が特定の表示態様(大当り図柄の組合せ)となって大当り遊技状態が発生し、その大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態としての確率変動状態(以下、確変状態という)に制御される。この実施の形態の場合には、大当り図柄の組合せの種類にかかわらず、大当り遊技状態が終了した後には、必ず確変状態に制御される。確変状態は、確率向上状態ともいい、大当りとなる確率が変動して通常遊技状態(大当り遊技状態および確変状態以外の遊技状態)よりも向上した(高くなった)状態である。確変状態は、次回の大当りが発生するまで、または、後述するような確変終了判定により確変状態を終了させる旨の判定がされるまで、継続される。ここで確変終了判定とは、確変状態を終了させるか否かを抽選により判定することをいう。より具体的に、この実施の形態での確変終了判定は、確変状態において、特別図柄の変動表示が1回実行されるごとに1回行なわれる。確変状態は、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ53の確率変動制御機能により実現される。
【0037】
また、特別図柄の変動表示中においては、たとえばまだ中図柄の表示結果が確定していない段階で左図柄と右図柄とが同じ図柄に揃ったようなリーチ状態(リーチ態様、リーチ表示態様ともいう)が発生する場合がある。ここで、リーチとは、複数の表示領域(変動表示領域、変動表示部)における一部の表示領域において表示結果がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示領域の表示結果が特定表示結果の組合せ(大当り図柄の組合せ)となる条件を満たしている表示状態をいう。また、リーチとして定義されるもののうちには、複数の表示領域のすべてで特定表示結果の組合せを保持した状態で変動表示を行なっている所謂全回転リーチも含まれる。また、リーチとして定義されるもののうちには、複数の表示領域のすべてで特定表示結果の組合せを保持した状態が表示されているが、表示結果が未だ確定していない表示状態としてのリーチも含まれる。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
【0038】
また、特別図柄の変動表示中においては、表示結果が大当り図柄の組合せとなるときに、特別図柄を非確変大当り図柄の組合せで一旦仮に停止(たとえば、図柄が更新されていない状態で揺動している状態等であり、以下、仮停止という)させた後、特別図柄が再度変動表示され、その後、表示結果として、最終的に確定した非確変大当り図柄の組合せまたは確変大当り図柄の組合せを表示する再変動表示が行なわれる場合がある。この再変動表示においては、表示結果が大当り図柄の組合せとなるときに、確変大当り図柄となるか非確変大当り図柄となるかという楽しみを遊技者に与えることができる。
【0039】
遊技領域7には、一般入賞口である入賞口24および装飾ランプ25等の他の構造物も設けられている。遊技領域7の下端部には、どの入賞口にも入賞しなかった遊技球をアウト球として回収するアウト口26が設けられている。遊技領域7の外周には遊技効果LED42等の各種ランプが設けられている。遊技領域7の上部の左右には効果音等の音を発生するスピーカ41,41が設けられている。
【0040】
図2は、パチンコ遊技機1における主な制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。遊技制御基板31、演出制御基板80、および、払出制御基板37のそれぞれには、制御用のマイクロコンピュータ等が搭載されている。
【0041】
払出制御基板37では、球払出装置97が接続され、各種入賞に応じた景品球の払出し等の球の払出しが払出制御用マイクロコンピュータ370により制御される。演出制御基板80では、スピーカ41よりなる音出力手段と、遊技効果LED42、普通図柄表示装置10(10a,10b)、および、通過記憶表示器15等の発光手段と、変動表示装置9よりなる表示手段と含む各種装置が接続され、これらが演出制御用マイクロコンピュータ81により制御される。
【0042】
遊技制御基板31には、遊技制御用のプログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ53、スイッチ回路58、ソレノイド回路59、情報出力回路64、初期リセット回路65、および、アドレスデコード回路67が設けられている。
【0043】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、遊技制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用されるRAM55、遊技制御用のプログラムに従って制御動作を行なうCPU56、および、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、CPU56が、ROM54から遊技制御用プログラムを読出し、そのプログラムをタイマ割込みに従って定期的(たとえば2msec毎)に先頭から繰返し実行することにより、各種の遊技制御を実行する機能を有する。スイッチ回路58は、接続されている各種検出器等のスイッチからの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53に与える回路であり、ゲートスイッチ12等のスイッチが接続されている。ソレノイド回路59は、前述したソレノイド16,21を遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令に従って駆動する回路である。
【0044】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、各種検出器から検出信号を受けて検出された状態を認識する機能を有し、パチンコ遊技機1の状態を把握して前述した遊技が行なえるように、制御対象の各種機器を駆動する制御を行なう。遊技制御用マイクロコンピュータ53から演出制御用マイクロコンピュータ81および賞球制御用マイクロコンピュータ370のそれぞれには、各マイクロコンピュータが実行する制御内容を指令する指令情報(制御信号)の一例である制御コマンドが送信される。このように、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、制御コマンドを送信する機能(コマンド送信手段)を有している。演出制御用マイクロコンピュータ81には、演出制御基板80に接続された機器を制御するための制御コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ81は、受信した制御コマンドに応じて、変動表示装置9での変動表示等の各種表示制御(保留記憶数の表示も含む)、発光手段による発光制御、および、音出力手段による音制御を行なう。
【0045】
演出制御用マイクロコンピュータ81には、演出制御用のプログラム等を記憶するROM82、ワークメモリとして使用されるRAM83、演出制御用のプログラムに従って制御動作を行なうCPU84、画像表示用のIC(集積回路)であるVDP(Video Display Processor )85、画像表示のための作業領域として用いられるVRAM(Video Random Access Memory)86、および、画像データを記憶したキャラクタROM87が設けられている。CPU84からVDP85には、画像表示を命令するための命令データが与えられる。命令データはROM82において画像表示の種類ごとに格納されており、必要に応じて読出され、VDP85に与えられる。VDP85は、与えられた命令データに従った画像表示をするために、画像データが記憶されたキャラクタROM87から必要なデータを読出し、読出したデータに従って変動表示装置9に表示するための画像データを生成し、その画像データをVRAM86に格納する。VRAM86内の画像データは、RGB信号に変換されて、変動表示装置9へ与えられる。これにより、変動表示装置9において、特別図柄の変動表示等の各種表示が行なわれる。
【0046】
制御コマンドの送信は、次のように行なわれる。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、特別図柄の変動表示に際して、次のような制御コマンドを送信する。変動表示を開始する段階において、特別図柄の変動パターン(変動時間を含む)を指定するとともに変動表示の開始を指示するコマンドである変動パターンコマンドが送信される。その後、直ちに変動表示される各特別図柄の予定停止図柄を指定する停止図柄コマンドが送信される。変動表示の開始後、コマンドにより指定した変動時間が経過した時には、変動表示の停止を指定する全図柄停止コマンドが送信される。このような変動時間は、変動表示が行なわれるごとに変動時間タイマにより管理される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、変動表示の始動条件が成立した段階において、現在の保留記憶数を示す保留記憶数コマンドを送信する。この保留記憶数コマンドは、変動表示装置9において保留記憶数を表示するために用いられる。
【0047】
また、後述するような確変状態演出を行なうときには、変動表示装置9において確変状態演出の演出内容を指示する確変状態演出コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ53が送信する。ここで、確変状態演出とは、変動表示装置9での画像表示等により確変状態を演出することをいう。より具体的に、この実施の形態での確変状態演出は、確変終了判定の判定結果を所定回数(この例では7回)の変動表示が行なわれるごとにまとめて報知する(以下、確変終了判定結果報知という)ときに、その報知を演出するための表示を行なうことをいう。確変状態演出コマンドは、変動表示が行なわれるごとに演出内容を指定するので、変動表示が行なわれるごとに送信される。また、普通図柄表示装置10での普通図柄の変動表示を制御するときには、普通図柄の変動表示内容を指示する制御コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ53が送信する。
【0048】
演出制御用マイクロコンピュータ81では、前述したような特別図柄の変動表示に関する制御コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより指定される表示による演出を変動表示装置9において実行する制御を行なうとともに、表示態様と予め関係付けられた効果音等の音を音出力手段としてのスピーカ41から出力させる制御、および、表示態様と予め関係付けられた発光パターンで遊技効果ランプ42等の発光手段を発光させる制御を行なう。また、演出制御用マイクロコンピュータ81では、前述したような普通図柄の変動表示に関する制御コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより指定される表示による演出を普通図柄表示装置10において実行する制御を行なうとともに、その表示態様と予め関係付けられた効果音等の音を音出力手段としてのスピーカ41から出力させる制御、および、その表示態様と予め関係付けられた発光パターンで遊技効果ランプ42等の発光手段を発光させる制御を行なう。
【0049】
なお、図2においては、表示制御機能、音制御機能、および、発光制御機能を1つのマイクロコンピュータの機能に含ませる例を示したが、これに限らず、これらの機能をそれぞれ別のマイクロコンピュータに設け、そのマイクロコンピュータ別に、遊技制御用マイクロコンピュータ53が、表示制御、音制御、およびランプ制御のそれぞれのコマンドを送信し、そのコマンドを受信した各マイクロコンピュータが、コマンドに応じて各種制御をしてもよい。
【0050】
次に、パチンコ遊技機1での制御に用いられる乱数値となる数値データを発生させるためのランダムカウンタについて説明する。図3は、遊技制御用マイクロコンピュータ53が遊技制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。図3には、ランダムカウンタの一例として、ランダムカウンタR1〜R10の10種類のランダムカウンタが示されている。
【0051】
R1は、変動表示装置9の変動表示について大当り状態を発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるための大当り判定用のランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「599」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このR1は、2msec毎に加算更新されることとなる。始動口スイッチ17により有効な始動入賞が検出されると、それに応じてこのR1のカウント値が抽出されて保留記憶のデータとしてRAM55に記憶される。そして、変動表示装置9について、特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、そのようにRAM55に記憶された抽出値が予め定められた大当り判定値と一致するか否かが判断される。この判断において、一致した場合には、変動表示の表示結果を大当り図柄の組合せとして大当りを発生させることが決定されて前述した大当り遊技状態の制御が行なわれ、一致しない場合には、変動表示の表示結果をはずれとすることが決定されて遊技状態が変化しない。確変状態以外の通常の確変状態においては、大当り判定値がたとえば2つの数値に設定される。確変状態においては、大当り判定値が2つよりも多い複数個の数値(この場合、大当り判定値は、大当り判定に偏りが生じなくするために、数値順番が隣接した数値とならないように設定される)に設定されることにより、通常遊技状態に比べて大当りの発生確率が向上する。
【0052】
図3の各ランダムカウンタについての範囲の欄に示されている数値範囲は、このようなランダムカウンタのカウント範囲であって、R1で説明したように初期値から上限値までカウントアップした後、再度初期値からカウントアップし直すものである。したがって、説明を簡略化するために、以下の各種カウンタの説明においては、カウント範囲およびカウント方法についての説明を適宜省略する場合がある。
【0053】
R2は、大当りを発生させることが事前決定されているときにどの種類の大当り図柄の組合せを変動表示装置9に表示させるかをランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるための大当り図柄決定用のランダムカウンタである。特別図柄は、予め定められた図柄の配列順序に従って変動(更新)表示されていく。R2は、2msec毎に更新され、0から更新されてその上限である9まで更新された後再度0から更新される。複数種類の特別図柄のそれぞれには図柄決定用の数値データが対応付けられており、所定のタイミングでR2から抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の特別図柄(一致する図柄)として決定される。
【0054】
R3−1〜R3−3は、変動表示装置9について、はずれとなる表示結果における停止図柄を事前にランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのランダムカウンタである。R3−1は、左図柄の停止図柄を事前に決定するために用いられる。R3−2は、中図柄の停止図柄を事前に決定するために用いられる。R3−3は、右図柄の停止図柄を事前に決定するために用いられる。R3−1〜R3−3のそれぞれについては、R3−1が2msecごとおよび割込み処理余り時間、R3−2がR3−1の桁上げごと、R3−3がR3−2の桁上げごとにそれぞれ加算更新されることにより、カウントアップされるタイミングが異ならされている。
【0055】
ここで、R3−1等の所定のランダムカウンタにおいて行なわれる割込み処理余り時間におけるカウントアップ動作について説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ53のCPU56は、定期的な割込み処理の実行により、各種制御を行なうが、割込み処理の終了から次の割込み処理の実行開始までの期間は割込み処理待ち状態となる。そのような割込み処理待ち状態である割込み処理の余り時間において、無限ループを利用してランダムカウンタの加算更新処理を繰返し実行することを割込み処理余り時間におけるカウントアップという。
【0056】
前述したように、複数種類の特別図柄のそれぞれには図柄決定用の数値データが対応付けられており、前述の大当り判定ではずれとする判定がされた場合において後述するリーチ判定によりリーチ状態としないことが判定された場合には、所定のタイミングでR3−1〜R3−3のそれぞれから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の特別図柄の停止図柄として決定される。なお、大当り判定ではずれとする判定がされた場合において、このようなカウンタの抽出値に対応する停止図柄が偶然大当りの図柄と一致する場合には、はずれの図柄となるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、大当り判定ではずれとする判定がされた場合において後述するリーチ判定によりリーチ状態とすることが判定された場合には、前述したタイミングで抽出されたカウンタの値のうち、R3−1から抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各特別図柄の停止図柄として決定され、R3−3から抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれの図柄となるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
【0057】
R4は、変動表示装置9について、特別図柄の変動パターン(変動時間の長さおよび変動の態様により規定される情報である)をランダムに決定するために用いる乱数値を発生させるための変動パターン決定用のランダムカウンタである。R4のカウント値は、2msecごとおよび割込み処理余り時間に所定数ずつ加算されることとなる。予め定められた複数種類の変動パターンのそれぞれには変動パターン決定用の数値データが対応付けられており、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングでR4から抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する変動パターンが、変動表示時において実行する変動パターンとして選択決定される。
【0058】
R5は、前述の確変状態を終了させるか否かの判定である確変終了判定の判定結果をランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのランダムカウンタである。R5のカウント値は、0〜99の範囲内で2msec毎および割込処理余り時間に所定数ずつ加算されることとなる。確変終了判定は、確変状態において特別図柄の変動表示が1回実行されるごとに1回行なわれる。変動表示が実行されるごとに、所定のタイミングでR5のカウンタの値が抽出される。R5から抽出されたカウンタの値と、確率変動状態を終了させるように予め定められた特定値としての確変終了判定値とが一致するときに、確変状態を終了させる旨の判定がされ、一方、これらの値が一致しないときに、確変状態を継続させる旨の判定がされる。この実施の形態の場合には、確変終了判定値の個数は、後述するように、遊技状況に応じて変化(変更)させられる。たとえば、確変終了判定値が複数個であるときには、R5から抽出されたカウンタの値と、複数個の確変終了判定値のうちのいずれかとが一致するときに確変状態を終了させる旨の判定がされることとなる。
【0059】
R6は、確変状態において変動表示装置9で複数回の変動表示に亘って表示される確変状態演出のうちの各変動表示時の演出の種類をランダムに決定するために用いる乱数値を発生させるための演出決定用のランダムカウンタである。R6のカウント値は、0〜19の範囲内で2msecごとおよび割込み処理余り時間に所定数ずつ加算されることとなる。
【0060】
後述するように、確変状態演出は、たとえば、確変終了判定結果報知が行なわれる周期(以下、確変終了判定結果報知周期という)の1周期としての7回の変動表示が実行される間に亘り、物語性(ストーリー性)を持たせた画像表示を行なうものである。このような確変状態演出は、確変終了判定結果報知周期としての7回の変動表示毎に演出が区切られている。言い換えると、確変状態演出は、7回の変動表示に対応して、7つの場面に分けられている。そして、7つの場面においては、場面ごとに演出内容が選択される。つまり、確変状態演出は、7つの場面に分けられた7つの演出内容をつなぎ合わせることにより、物語性を有する演出となるように構成されている。R6は、このような、確変状態演出における場面ごとの演出内容の選択をするときに、その演出の選択をランダムに行なうために用いられる。
【0061】
R7は、変動表示装置9について、前述の大当り判定においてはずれとする判定がされたときに、特別図柄についてリーチ状態を形成する(以下、リーチはずれという)かリーチ状態を形成しない(以下、非リーチはずれという)かをランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるためのリーチ判定用のランダムカウンタである。このR7は、2msecごとおよび割込み処理余り時間に実行される。特別図柄の停止図柄を決定する前の段階で、R7のカウント値が抽出され、抽出されたカウント値が予め定められたリーチ判定値と一致するか否かが判断される。そして、これらの値が一致した場合には、リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態とする制御が行なわれる。一方、これらの値が一致した場合には、非リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態としない制御が行なわれる。
【0062】
R8は、普通図柄表示器10の変動表示について当りを発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるためのランダムカウンタである。ゲートスイッチ12により有効な始動通過が検出されると、それに応じて、このR8のカウント値が抽出されて通過記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、普通図柄の変動表示を開始する前の段階で、その抽出値が予め定められた当り判定値と一致するか否かが判断され、一致した場合には普通図柄の当りを発生させることが決定されて前述のような制御が行なわれ、不一致の場合にははずれとすることが決定されて前述のような制御が行なわれる。
【0063】
R9は、前述の確変終了判定を行なうときに確変状態を終了させる旨の判定をする確率(確変終了判定用のランダムカウンタR5がとり得る数値範囲(0〜99)内の数値データの個数(100個)に対する確変終了判定値の個数の割合であり、以下、確変終了判定確率という)の初期値(言い換えると、確変終了判定を行なうときに確変状態を終了させる旨の判定をするように定められた確変終了判定値の個数の初期値)をランダムに決定するために用いる乱数値を発生させるための確変終了判定確率初期値決定用のランダムカウンタである。ここで、確変終了判定確率は、確変状態において、後述するように選択決定された初期値から段階的に変化(変更)させられ、所定の初期化条件が成立したときに、初期値に戻される。このR9は、そのような初期値を選択決定するために用いられる。R9のカウント値は、2msecごとおよび割込み処理余り時間に所定数ずつ加算されることとなる。予め定められた複数種類の初期値のそれぞれには初期値決定用の数値データが対応付けられている。始動口スイッチ17により有効な始動入賞が検出されると、それに応じてこのR9のカウント値が抽出されて保留記憶のデータとしてRAM55に記憶される。そして、変動表示装置9について、特別図柄の変動表示を開始する前の段階でRAM55に記憶されたR9の抽出値が読出され、その抽出値に対応する初期値が、確変終了判定を行なうときの確率の初期値(以下、確変終了判定確率初期値という)として選択決定される。なお、R9のカウント値の抽出は、始動口スイッチ17により有効な始動入賞が検出された段階で行なわずに、特別図柄の変動表示を開始する前の段階で行なうようにしてもよい。このようにすれば、始動入賞時に抽出して記憶したデータが使用されずに無駄になることが防がれる。その場合、確変状態演出の選択決定は、特別図柄の変動表示が行なわれるごとに、変動表示を開始する前の段階で行なうようにする。
【0064】
R10は、前述の確変終了判定について、前述の確変終了判定確率を段階的に変化させるとき(言い換えると、確変状態を終了させる旨の判定をするように定められた確変終了判定値の個数を段階的に変化させるとき)において変化させる条件(以下、確変終了判定確率変化条件という)が成立したか否かをランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるための確変終了判定確率変化判定用のランダムカウンタである。このR10は、2msecごとおよび割込み処理余り時間に所定数ずつ加算されることとなる。始動口スイッチ17により有効な始動入賞が検出されると、それに応じてこのR10のカウント値が抽出されて保留記憶のデータとしてRAM55に記憶される。そして、変動表示装置9について、特別図柄の変動表示を開始する前の段階でRAM55に記憶されたR10の抽出値が読出され、その抽出値が予め定められた変化判定値と一致するか否かが判断される。この判断において、一致した場合には、確変終了判定確率を段階的に変化させる条件が成立したと判断し、確変終了判定確率を1段階変化させる制御が行なわれる。不一致の場合には、確変終了判定確率を段階的に変化させる条件が成立しないと判断し、確変終了判定確率の変化が行なわれない。なお、R10のカウント値の抽出は、始動口スイッチ17により有効な始動入賞が検出された段階で行なわずに、特別図柄の変動表示を開始する前の段階で行なうようにしてもよい。このようにすれば、始動入賞時に抽出して記憶したデータが使用されずに無駄になることが防がれる。
【0065】
以上に示したような大当り判定機能、大当り図柄決定機能、はずれ停止図柄決定機能、変動パターン決定機能、確変終了判定機能、確変状態演出選択機能、リーチ判定機能、普通図柄当り判定機能、確変終了判定確率初期値決定機能、および、確変終了判定確率変化判定機能等の機能は、遊技制御用マイクロコンピュータ53の制御機能により実現される。
【0066】
次に、前述した確変終了判定確率の段階的変化をさせるために用いられるデータテーブルである確変終了判定確率変化パターンテーブルを説明する。確変終了判定確率変化パターンテーブルは、ROM54に記憶されている。図4は、確変終了判定確率変化パターンテーブルのデータ内容を表形式で示す図である。
【0067】
図4を参照して、この実施の形態の場合、確変終了判定確率の段階的変化は、確変終了判定値の個数の段階的変化に基づいて、第1ステップ〜第4ステップの4段階で行なわれる。このような確変終了判定確率の段階的変化を行なう変化のパターンとしては、第1パターン〜第4パターンという複数種類の変化パターンが予め定められている。確変終了判定確率変化パターンテーブルでは、第1パターン〜第4パターンのそれぞれについて、確変終了判定値の個数に基づいて設定される第1ステップ〜第4ステップの確変終了判定確率のデータが予め定められている。この第1ステップ〜第4ステップのうち、第1ステップの確変終了判定確率のデータは、確変終了判定確率の初期値のデータとして定められており、第2ステップ〜第4ステップのデータは、初期値のデータとは異なる所定値のデータとして定められている。
【0068】
第1パターンは、確変終了判定確率が、確変終了判定値の個数が4個である4%を初期値とし、4%→3%→2%→1%の順番で段階的に低くなる変化をし、所定の初期化条件が成立したときに4%という初期値に戻る。第2パターンは、確変終了判定確率が、確変終了判定値の個数が5個である5%を初期値とし、5%→4%→3%→2%の順番で段階的に低くなる変化をし、所定の初期化条件が成立したときに5%という初期値に戻る。第3パターンは、確変終了判定確率が、確変終了判定値の個数が6個である6%を初期値とし、6%→5%→4%→3%の順番で段階的に低くなる変化をし、所定の初期化条件が成立したときに6%という初期値に戻る。第4パターンは、確変終了判定確率が、確変終了判定値の個数が7個である7%を初期値とし、7%→6%→5%→4%の順番で段階的に低くなる変化をし、所定の初期化条件が成立したときに7%という初期値に戻る。この実施の形態の場合の初期化条件は、各パターンの第4ステップにおいて、前述したR10の抽出値を用いて確変終了判定確率を段階的に変化させる条件が成立した旨の判定がされたときに成立する。
【0069】
確変状態となったときには、前述したR9により確変終了判定確率初期値が選択決定され、この確変終了判定確率変化パターンテーブルが参照され、選択決定された初期値に対応する変化パターン(たとえば、初期値として4%が選択されたときには、対応するパターンが第1パターンである)にしたがって、確変終了判定確率の段階的変化が行なわれる。
【0070】
第1パターン〜第4パターンの各パターンは、確変終了判定値の個数が段階的に少なくなることにより確変終了判定確率が段階的に低くなるパターンである。また、確変終了判定確率は、第1パターン〜第4パターンのうち、第1パターンの初期値が最も低確率であり、第2パターン、第3パターン、第4パターンの順番で高確率となるように設定されている。さらに、各ステップの確変終了判定確率についても、第1パターンが最も低確率であり、第2パターン、第3パターン、第4パターンの順番で高確率となるように設定されている。したがって、S402により初期値として第1パターンの初期値が選択決定されたときには、変化パターンの各段階における確変終了判定確率が他のパターンよりも低いため、遊技者にとって最も有利なものとなる。
【0071】
前述したような複数種類の確変終了判定確率については、確変終了判定確率ごとに、前述した判定確率が得られるような個数の確変終了判定値のデータが予め設定されており、確変終了判定確率毎に設定された確変終了判定値のデータが確変終了判定に用いられることにより実現される。たとえば、確変終了判定確率が4%であるときは、前述のR5が取り得る0〜99のうちの4個の数値データが確変終了判定値のデータとして設定され、確変終了判定確率が5%であるときは、前述のR5が取り得る0〜99のうちの5個の数値データが確変終了判定値のデータとして設定される。このような確変終了判定値の数値データは、ROM54に記憶されており、読出されて使用される。
【0072】
次に、前述した確変終了判定確率初期値を決定するために用いられるデータテーブルである確変終了判定確率初期値決定テーブルを説明する。確変終了判定確率初期値決定テーブルは、ROM54に記憶されている。図5は、確変終了判定確率初期値決定テーブルのデータ内容を表形式で示す図である。確変終了判定確率初期値決定テーブルでは、R9の抽出値(0〜59の範囲)と、選択決定される終了判定確変初期値との関係が示されている。
【0073】
図5を参照して、R9の抽出値が0〜24の範囲内であるときには、前述の第1パターンの初期値(4%)が選択決定される。R9の抽出値が25〜44の範囲内であるときには、前述の第2パターンの初期値(5%)が選択決定される。R9の抽出値が45〜54の範囲内であるときには、前述の第3パターンの初期値(6%)が選択決定される。R9の抽出値が55〜59の範囲内であるときには、前述の第4パターンの初期値(7%)が選択決定される。この実施の形態の場合には、前述したような遊技者にとって有利な変化パターン程、選択されやすいようにR9の抽出値が第1〜第4変動パターンに割振られている。このため、確変終了判定確率を段階的に変化させる変化パターンの選択に関して、遊技者の遊技意欲の低下を防ぎ、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
【0074】
次に、前述した確変終了判定確率変化条件が成立したか否かを判定するために用いられるデータテーブルである確変終了判定確率変化判定テーブルを説明する。確変終了判定確率変化判定テーブルは、ROM54に記憶されている。図6は、確変終了判定確率変化判定テーブルのデータ内容を表形式で示す図である。確変終了判定確率変化判定テーブルでは、R10の抽出値(0〜29の範囲)と、確変終了判定確率変化条件が成立したか否かの判定結果との関係が示されている。
【0075】
図6を参照して、R10の抽出値が0〜7という変化判定値のいずれかと一致するときには、確変終了判定確率変化条件が成立したと判定される。一方、R10の抽出値が8〜29という変化判定値以外の値のいずれかと一致するときには、確変終了判定確率変化条件が成立していないと判定される。これにより、確変状態において変動表示が行なわれるときに、約1/4の確率で確変終了判定確率変化条件が成立し、確変終了判定確率が段階的に変化することとなる。
【0076】
次に、前述した確変終了判定確率の段階的変化が行なわれるときの確変終了判定確率の変化の仕方の一例を説明する。図7は、確変終了判定確率の段階的変化が行なわれるときの確変終了判定確率の変化の仕方の一例を示すタイミングチャートである。図7には、一例として、確変終了判定確率初期値として第1パターンの初期値が選択決定され、第1パターンにしたがって確変終了判定確率が変化する例が示されている。
【0077】
図7においては、(a)に確変フラグの状態が示され、(b)に変動表示の状態が示され、(c)に確変終了判定確率の状態が示されており、これらの状態が時間経過にしたがって示されている。ここで、確変フラグとは、確変状態に制御されているときにセット(ON状態)されるフラグであり、このフラグの状態に基づいて、確変状態に制御されているか否かが示される。この実施の形態の場合、確変フラグは、後述する図33のS401によりセットされ、図28のS102によりリセット(OFF状態)される。
【0078】
確変状態に制御されると、第1回目の変動表示を除き、各変動表示が実行されるごとに、前述の確変終了判定確率変化条件が成立したか否かの判定が行なわれた後、前述の確変終了判定が行なわれる。これにより、確変終了判定確率は、初期値(4%)が設定された第1ステップから段階的に変化していくこととなる。この確変終了判定確率の段階的な変化が行なわれるタイミング(変動表示の回)は、前述のR10を用いた判定によりランダムとなる。そして、確変終了判定確率の変化パターンの第4ステップにおいて前述の確変終了判定確率変化条件が成立(確変終了判定確率変化条件が成立)したときに、確変終了判定確率が初期値に戻され、再び第1ステップから確変終了判定確率の段階的変化が繰返されることとなる。
【0079】
次に、変動表示装置9において行なわれる前述の確変状態演出の表示例を具体的に説明する。まず先に、確変状態演出の演出内容の全体的な流れを説明した後、具体的な演出例を説明する。
【0080】
図8は、確変状態演出における演出内容の全体的な流れを示す行程図である。図8においては、説明を容易にするために、確変状態演出の場面ごとの演出を特定する番号として、1A〜6A、7A1〜7A5、4C〜7C、5D、4B〜7B、5E〜7Eの演出番号が付与されている。
【0081】
図8を参照して、確変状態演出は、確変状態において、7回の変動表示を1周期として繰返し実行される。確変状態演出は、このような演出の1周期内の第1回目の変動表示から第7回目の変動表示まで、7回の変動表示のそれぞれに対応して行なわれるように、7つの場面の演出に分けられている。各変動表示時の演出内容は、第1回目の変動表示から第7回目の変動表示までの演出内容に物語性を持たせるような設定態様で、個別に設定されて実行される。また、このような7回の演出のうち、第7回目の変動表示においては、前述の確変終了判定の結果が報知される。
【0082】
第1回目の変動表示においては、第1回目の演出として、予め定められた1A演出が選択されて実行される。次に、第2回目の変動表示においては、予め定められた第2回目の演出として、2A演出が選択されて実行される。次に、第3回目の変動表示においては、第3回目の演出として、予め定められた3A演出が選択されて実行される。第1〜3回目の変動表示の演出は、後述する図14に示す第1演出選択テーブルを用いて選択される。第1回目の1A演出と第2回目の2A演出とは演出内容が関連し、第2回目の2A演出と第3回目の3A演出とは演出内容が関連する。
【0083】
なお、この例では、第1回目〜第3回目の変動表示の演出として固定的に予め定められた演出を実行することが示されるが、これに限らず、第1回目〜第3回目の各変動表示の演出としては、複数定められた演出のうちからランダムに選択された演出を実行するようにしてもよい。
【0084】
次に、第4回目の変動表示においては、第4回目の演出として、第3回目の3A演出と演出内容が関連する4A演出〜4Cの3つの演出のうちから演出が選択され、選択された演出が実行される。第4回目の演出は、図15に示す第2演出選択テーブルまたは図16に示す第3演出選択テーブルを用いて選択される。具体的に、第4回目の演出を決定する時点で第7回目の変動表示が実行されるまでの間で確変状態が継続すること(以下、確変継続という)が確定しているときには、第2演出選択テーブルを用いて、確変継続確定演出として4B演出が選択される。また、第4回目の演出を決定する時点でそのような確変継続が確定していないときには、第3演出選択テーブルを用いて、4B演出または4C演出がランダムに選択される。
【0085】
次に、第5回目の変動表示においては、第5回目の演出として、5A演出〜5Eの5つの演出のうちから演出が選択され、選択された演出が実行される。第5回目の演出は、次のように選択される。第4回目の演出として4A演出が選択されていたときには、図17の第4演出選択テーブルを用いて、4A演出と演出内容に関連性がある5A演出または5E演出が第5回目の演出としてランダムに選択される。
【0086】
また、第4回目の演出として確変継続確定演出である4B演出が選択されていたときには、第2演出選択テーブルを用いて、4B演出と演出内容に関連性がある確変継続確定演出としての5B演出が選択される。また、第4回目の演出として4C演出が選択されていたときには、図18の第5演出選択テーブルを用いて、4C演出と演出内容に関連性がある5C演出または5D演出が第5回目の演出としてランダムに選択される。
【0087】
次に、第6回目の変動表示においては、第6回目の演出として、6A演出、6B演出、6C演出、6E演出の4つの演出のうちから演出が選択され、選択された演出が実行される。第6回目の演出は、次のように選択される。第5回目の演出として5A演出が選択されていたときには、図19の第6演出選択テーブルを用いて、5A演出と演出内容に関連性がある6A演出が第6回目の演出として選択される。第5回目の演出として5B演出が選択されていたときには、図2の第2演出選択テーブルを用いて、5B演出と演出内容に関連性がある確変継続確定演出としての6Bが第6回目の演出として選択される。
【0088】
第5回目の演出として5C演出が選択されていたときには、図19の第6演出選択テーブルを用いて、5C演出と演出内容に関連性がある6C演出が第6回目の演出として選択される。第5回目の演出として5D演出が選択されていたときには、図19の第6演出選択テーブルを用いて、5D演出と演出内容に関連性がある6C演出が第6回目の演出として選択される。第5回目の演出として5E演出が選択されていたときには、図19の第6演出選択テーブルを用いて、5E演出と演出内容に関連性がある6E演出が第6回目の演出として選択される。
【0089】
次に、第7回目の変動表示においては、第7回目の演出として、第1の組合せ演出(7A1+7A2+7A3+7A5の演出の組合せ)、第2の組合せ演出(7A3+7A5の演出の組合せ)、第3の組合せ演出(7A3+7A4の演出の組合せ)、第4の組合せ演出(7A1+7A2+7A3+7A4の演出の組合せ)、第5の組合せ演出(7A1+7A2の演出の組合せ)、第6の組合せ演出(7C+7A4の演出の組合せ)、第7の組合せ演出(7E+7A4の演出の組合せ)、第8の組合せ演出(7B+7A4の演出の組合せ)の8つの演出(演出の組合せ)のうちから演出が選択され、選択された演出が実行される。
【0090】
ここで、7A1演出および7A3演出は、6A演出に関連性がある。7A2演出は、7A1演出に関連性があり、確変状態が終了した旨を報知する演出である。7A3演出は、6A演出に関連性がある。7B演出は、6B演出に関連性がある。7C演出は、6C演出に関連性がある。7E演出は、6E演出に関連性がある。7A4演出は、7B演出、7C演出、7E演出、7A3Eのそれぞれに関連性があり、確変状態が継続する旨を報知する演出である。7A5演出は、7A3演出に関連性があり、大当りが発生した旨を報知する演出である。
【0091】
第7回目の演出は、次のように選択される。第6回目の演出として6A演出が選択されていたときには、図20の第7演出選択テーブルを用いて、第1の組合せ演出〜第5組合せ演出のうちのいずれかが第7回目の演出としてランダムに選択される。第6回目の演出として6C演出が選択されていたときには、図21の第8演出選択テーブルを用いて、6C演出と演出内容に関連性がある第6の組合せ演出が第7回目の演出として選択される。第6回目の演出として6E演出が択されていたときには、図21の第8演出選択テーブルを用いて、6E演出と演出内容に関連性がある第7の組合せ演出が第7回目の演出として選択される。第6回目の演出として6B演出が選択されていたときには、図2の第2演出選択テーブルを用いて、6B演出と演出内容に関連性がある確変継続確定演出としての第8の組合せ演出が第8回目の演出として選択される。
【0092】
このように、確変状態演出においては、第1回目の変動表示〜第7回目の変動表示の7回の変動表示において、各変動表示ごとに前後で関連性がある演出が行なわれる。これにより、確変終了判定結果報知周期としての複数回の変動表示に亘って段階的に演出内容を変化させた後に、確変終了判定の結果が特定可能となる演出としての段階的演出が行なわれることとなる。
【0093】
前述した演出の流れのうち、4B演出〜7B演出は、第4回目の変動表示を行なう時点で確変継続が確定した時の確変継続確定演出であり、第4回目の変動表示を行なう時点で確変継続が確定した時に100%の確率で実行される。したがって、このような確変継続確定演出が実行されることにより、遊技者の興趣が向上する。また、5C演出〜7C演出と、5E演出〜7E演出とのそれぞれは、第5回目の変動表示を行なう時点で確変継続が確定した時の確変継続確定演出であり、第5回目の変動表示を行なう時点で確変継続が確定した時に、ともに70%の確率で実行される。したがって、このような確変継続確定演出が実行されることにより、遊技者の興趣が向上する。
【0094】
次に、確変状態演出の表示の具体例について説明する。図9〜図13は、変動表示装置9において行なわれる確変状態演出の表示例を示す表示画面図である。図9〜図13のそれぞれにおいては、画像表示の流れにしたがって画像を特定する番号として(1)〜(39)の番号が付与されているとともに、各画像に対応する確変状態演出の演出番号1A〜6A、7A1〜7A5、4C〜7C、5D、4B〜7B、5E〜7E(図8の演出番号と対応)が付与されている。
【0095】
以下に説明する確変状態演出においては、敵キャラクタ(遊技者に敵対する立場にあるキャラクタ)と味方キャラクタ(遊技者に味方する立場にあるキャラクタ)との2つのキャラクタが格闘により対戦する物語が展開されるという物語性を有する画像表示が行なわれる。この確変状態演出では、基本的に、確変状態が継続するときのように遊技者に有利な状況となるときに、味方キャラクタの戦いが有利となる表示が行なわれる。
【0096】
まず、図9を参照して、大当り遊技状態が終了して確変状態が開始すると、(1)のように、大当り遊技状態が終了し、確変状態に突入する旨を報知する画像が表示される。確変状態においては、変動表示装置9の表示領域において、左,中,右特別図柄91,92,93が、右上部に表示され、確変状態演出が表示領域の中央部に表示される。
【0097】
次に、(2),(3)に示すように、第1回目の変動表示時においては、1A演出として、敵キャラクタである第1キャラクタaのみが登場する表示が行なわれる。そして、(4),(5)に示すように、第2回目の変動表示時においては、2A演出として、味方キャラクタである第2キャラクタbのみが登場する表示が行なわれる。その後、(6),(7)に示すように、第3回目の変動表示時においては、3A演出として、第1キャラクタaと2キャラクタbとの両方が登場する表示が行なわれる。
【0098】
次に、第4回目の変動表示時においては、4A演出、4B演出、4C演出のうちのいずれかの演出が選択されて行なわれる。4A演出が行なわれる場合には、(8),(9)に示すように、第1キャラクタaが第2キャラクタbに対してパンチ攻撃を行なう表示が行なわれる。ここで、第1キャラクタaが行なう攻撃には、複数種類ある攻撃のうちの弱い攻撃であるパンチ攻撃と、強い攻撃であるキック攻撃とが含まれる。
【0099】
次に、4A演出が行なわれた後の第5回目の変動表示時においては、5A演出、5E演出のうちのいずれかの演出が選択されて行なわれる。5A演出が行なわれる場合には、図9の(10),図10の(11)に示すように、第1キャラクタaのパンチ攻撃が第2キャラクタbにヒットする表示が行なわれる。そして、5A演出が行なわれた後の第6回目の変動表示時においては、6A演出として、図10の(12),(13)に示すように、第1キャラクタaのパンチ攻撃を受けた第2キャラクタbが倒れる表示が行なわれる。
【0100】
次に、6A演出が行なわれた後の第7回目の変動表示時においては、前述した第1〜第5の組合せ演出うちのいずれかが選択されて行なわれる。確変終了が確定しているときには、第5の組合せ演出が選択されて、7A1演出として、図10の(14)に示すように、倒れた第2キャラクタbのみが表示された後、7A2演出として、(15)に示すように、確変状態が終了した旨と、確変状態が継続した変動表示の回数(図の例では、10回)とを示す確変終了報知が行なわれる。
【0101】
また、6A演出が行なわれた後の第7回目の変動表示時において確変継続が確定しているときには、第3の組合せ演出、または、第4の組合せ演出がランダムに選択される。第4の組合せ演出が選択されたときには、7A3演出として、図10の(16)に示すように、倒れていた第2キャラクタbのみが起上がる表示がされた後、7A4演出として、図10の(17)に示すように、確変状態が継続する旨と、次の確変継続報知が行なわれるまでの変動表示回数(図の例では、次の+7回)とを示す確変終了判定結果報知が行なわれる。このように、図10の(15)、(17)に示すような確変終了判定の判定結果に応じて異なる演出が実行される。一方、第3の組合せ演出が選択されたときには、前述したような(14)の7A1演出および(15)の7A2演出が一旦行なわれた後、(16)の7A3演出を経て(17)の7A4演出が行なわれることにより、一旦確変終了報知が行なわれた後に確変継続報知が行なわれるという確変継続についての敗者復活的な演出が行なわれる。
【0102】
また、6A演出が行なわれた後の第7回目の変動表示時において大当りとなることが決定されているときには、第1の組合せ演出、または、第2の組合せ演出がランダムに選択される。第2の組合せ演出が選択されたときには、(16)の7A3演出が行なわれた後に、7A5演出として、図10の(18)に示すように大当り図柄の組合せの停止表示に合わせて、大当りとなった旨を示す大当り報知が行なわれる。一方、第1の組合せ演出が選択されたときには、前述したような(14)の7A1演出および(15)の7A2演出が一旦行なわれた後、(16)の7A3演出を経て(18)の7A5演出が行なわれることにより、一旦確変終了報知が行なわれた後に大当り報知が行なわれるという大当りの発生についての敗者復活的な演出が行なわれる。
【0103】
このように、確変継続についての敗者復活的な演出と、大当りの発生についての敗者復活的な演出が行なわれるとが行なわれる場合があることにより、7A2演出が行なわれたときであっても、まだ確変継続または大当りの発生が生じる可能性があるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0104】
次に、第4回目の変動表示時において4C演出が選択されて行なわれる場合の表示例を説明する。図11を参照して、4C演出が行なわれる場合には、(19),(20)に示すように、第1キャラクタaが第2キャラクタbに対してキック攻撃を行なう表示が行なわれる。
【0105】
次に、4C演出が行なわれた後の第5回目の変動表示時においては、5C演出、5D演出のうちのいずれかの演出が選択されて行なわれる。5D演出が行なわれる場合には、(21),(22)に示すように、第1キャラクタaのキック攻撃が第2キャラクタbにヒットする表示が行なわれる。そして、5D演出が行なわれた後の第6回目の変動表示時においては、前述の図10の(12)の6A演出に進み、前述したような演出が引続き行なわれる。
【0106】
一方、5C演出が行なわれる場合には、(23),(24)に示すように、第2キャラクタbが第1キャラクタaのキック攻撃を回避する表示が行なわれる。そして、5C演出が行なわれた後の第6回目の変動表示時においては、6C演出として、(25),(26)に示すように、攻撃に失敗した第1キャラクタaと攻撃の回避に成功した第2キャラクタbとが向い合う表示が行なわれる。
【0107】
次に、6C演出が行なわれた後の第7回目の変動表示時においては、前述した第6の組合せ演出が選択されて行なわれる。この場合は、確変継続が確定しているときであり、7C演出として、(27)に示すように、第1キャラクタaと第2キャラクタbとが向い合う表示が継続された後、図10の(17)の7A4演出が行なわれることにより、確変継続報知が行なわれる。
【0108】
このような4C演出〜6C演出に加えて第6の組合せ演出が行なわれるときは、5C演出が選択される時点で確変継続が確定しているので、演出された表示を見る遊技者の確変継続に対する期待感が一層向上する。
【0109】
次に、第4回目の変動表示時において4B演出が選択されて行なわれる場合の表示例を説明する。図12を参照して、4B演出が行なわれる場合には、(28),(29)に示すように、第2キャラクタbが第1キャラクタaに対して攻撃(パンチ攻撃)を行なう表示が行なわれる。
【0110】
次に、4B演出が行なわれた後の第5回目の変動表示時においては、5B演出として、(30),(31)に示すように、第2キャラクタbの攻撃が第1キャラクタaにヒットする表示が行なわれる。そして、5B演出が行なわれた後の第6回目の変動表示時においては、6B演出として、(32),(33)に示すように、第2キャラクタbの攻撃を受けた第1キャラクタaが倒れる表示が行なわれる。
【0111】
次に、6B演出が行なわれた後の第7回目の変動表示時においては、前述した第8の組合せ演出が選択されて行なわれる。この場合は、確変継続が確定しているときであり、7B演出として、(34)に示すように、倒れていた第1キャラクタaが起上がる表示が行なわれる。その後、図10の(17)の7A4演出が行なわれることにより、確変継続報知が行なわれる。
【0112】
このような4B演出〜6B演出に加えて第8の組合せ演出が行なわれるときは、4B演出が選択される時点で確変継続が確定しているので、演出された表示を見る遊技者の確変継続に対する期待感がより一層向上する。
【0113】
次に、第5回目の変動表示時において5E演出が選択されて行なわれる場合の表示例を説明する。図13を参照して、5E演出が行なわれる場合には、(35),(36)に示すように、第2キャラクタbが第1キャラクタaのパンチ攻撃を回避する表示が行なわれる。そして、5E演出が行なわれた後の第6回目の変動表示時においては、6E演出として、(37),(38)に示すように、攻撃に失敗した第1キャラクタaと攻撃の回避に成功した第2キャラクタbとが向い合う表示が行なわれる。
【0114】
次に、6E演出が行なわれた後の第7回目の変動表示時においては、前述した第7の組合せ演出が選択されて行なわれる。この場合は、確変継続が確定しているときであり、7E演出として、(39)に示すように、第1キャラクタaと第2キャラクタbとが向い合う表示が継続された後、図10の(17)の7A4演出が行なわれることにより、確変継続報知が行なわれる。
【0115】
このような5E演出〜7E演出に加えて第7の組合せ演出が行なわれるときは、5E演出が選択される時点で確変継続が確定しているので、演出された表示を見る遊技者の確変継続に対する期待感が一層向上する。
【0116】
次に、前述した第1演出選択テーブル〜第9演出選択テーブルを説明する。図14は、第1演出選択テーブルを表形式で示す図である。
【0117】
図14を参照して、第1演出選択テーブルは、前述した確変状態演出における第1回目〜第3回目の変動表示で選択する演出について、確変状態演出時中における変動表示回数(N)と、選択される演出との関係を示すデータテーブルである。この第1演出選択テーブルが参照されることにより、確変終了判定結果報知周期としての7回の変動表示のうち、第1回目〜第3回目の変動表示における演出が選択される。具体的に、第1回目の変動表示時には演出1Aが選択され、第2回目の変動表示時には演出2Aが選択され、第3回目の変動表示時には演出3Aが選択される。
【0118】
図15は、第2演出選択テーブルを表形式で示す図である。前述したように、第2演出選択テーブルは、第4回目の演出を決定する時点で確変継続が確定しているときに、それ以後の変動表示での確変継続確定演出の選択に用いられる。
【0119】
図15を参照して、第2演出選択テーブルは、前述した確変状態演出における第4回目〜第7回目の変動表示で確変継続確定演出を選択して行なうために、変動表示回数(N)と、選択される演出との関係を示すデータテーブルである。この第2演出選択テーブルが参照されることにより、確変終了判定結果報知周期としての7回の変動表示のうち、第4回目〜第7回目の変動表示における確変継続確定演出が選択される。具体的に、第4回目の変動表示時には4B演出が選択され、第5回目の変動表示時には5B演出が選択され、第6回目の変動表示時には6B演出が選択され、第7回目の変動表示時には3B演出+7A4演出が選択される。
【0120】
図16は、第3演出選択テーブルを表形式で示す図である。前述したように、第3演出選択テーブルは、第4回目の演出を決定する時点で確変継続が確定していないときに、4A演出と4C演出とをランダムに選択するために用いられる。
【0121】
図16を参照して、第3演出選択テーブルでは、演出選択用のランダムカウンタR6の抽出値と、その抽出値に基づいて選択される演出との関係が示されている。第3演出選択テーブルでは、R6の抽出値が0〜9の範囲内であるときには4A演出が選択され、R6の抽出値が10〜19範囲内であるときには4C演出が選択される。
【0122】
図17は、第4演出選択テーブルを表形式で示す図である。前述したように、第4演出選択テーブルは、4A演出の後の第5回目の演出を決定する時点で5A演出と5E演出とのいずれかを選択するために用いられる。
【0123】
図17を参照して、第4演出選択テーブルでは、確変継続が確定しているときと、確変継続が確定していないときとに分けて演出が選択できるように、確変終了判定の状態、演出選択用のランダムカウンタR6の抽出値、および、選択される演出の関係が示されている。
【0124】
第4演出選択テーブルでは、確変継続が確定していないときに、R6の抽出値によらず、5A演出が選択される。第4演出選択テーブルでは、確変継続が確定しているときに、R6の抽出値に基づいて演出が選択される。具体的に、R6の抽出値が0〜5の範囲内であるときには5A演出が選択され、R6の抽出値が6〜19の範囲内であるときには5E演出が選択される。
【0125】
第4演出選択テーブルによれば、確変継続が確定しているときには、5A演出よりも5E演出の方が高い割合で選択される。また、5A演出は、確変継続が確定しているときよりも確変継続が確定してない方が高い割合で選択される。
【0126】
図18は、第5演出選択テーブルを表形式で示す図である。前述したように、第5演出選択テーブルは、4C演出の後の第5回目の演出を決定する時点で5C演出と5D演出とのいずれかを選択するために用いられる。
【0127】
図18を参照して、第5演出選択テーブルでは、確変継続が確定しているときと、確変継続が確定していないときとに分けて演出が選択できるように、確変終了判定の状態、演出選択用のランダムカウンタR6の抽出値、および、
選択される演出の関係が示されている。
【0128】
第5演出選択テーブルでは、確変継続が確定していないときに、R6の抽出値によらず、5D演出が選択される。第5演出選択テーブルでは、確変継続が確定しているときに、R6の抽出値に基づいて演出が選択される。具体的に、R6の抽出値が0〜5の範囲内であるときには5D演出が選択され、R6の抽出値が6〜19の範囲内であるときには5C演出が選択される。
【0129】
第5演出選択テーブルによれば、確変継続が確定しているときには、5D演出よりも5C演出の方が高い割合で選択される。また、5D演出は、確変継続が確定しているときよりも確変継続が確定してない方が高い割合で選択される。
【0130】
図19は、第6演出選択テーブルを表形式で示す図である。図19を参照して、第6演出選択テーブルは、第6回目の演出を決定する時点で、前回の変動表示について選択された演出に対応して今回の変動表示における演出を選択するために用いられるデータテーブルである。第6演出選択テーブルでは、前回選択された演出と今回選択する演出との関係が示されている。前述したように、前回に5A演出が選択された場合には、6A演出が今回選択される。前回に5C演出が選択された場合には、6C演出が今回選択される。前回に5D演出が選択された場合には、6A演出が今回選択される。前回に5E演出が選択された場合には、6E演出が今回選択される。
【0131】
なお、前回に5B演出が選択された場合は、図15を用いて演出が選択されることとなるが、これに限らず、第6演出選択テーブルにおいて、前回に5B演出が選択された場合に6B演出が今回選択されるようにデータを設定しておき、第6演出選択テーブルを用いて、前回に5B演出が選択された場合に今回の演出を選択するようにしてもよい。
【0132】
図20は、第7演出選択テーブルを表形式で示す図である。前述したように、第7演出選択テーブルは、4A演出の後の第7回目の演出を決定する時点で前述の第1の組合せ演出〜第5の組合せ演出のうちのいずれかを選択するために用いられる。
【0133】
図20を参照して、第7演出選択テーブルでは、今回の変動表示について大当りとすることが決定されているとき(以下、大当り決定時という)と、はずれとすることが決定されているとき(以下、はずれ決定時という)とに分けて演出が選択され、かつ、はずれ決定時について、確変継続が確定しているときと、確変終了が確定しているときとに分けて演出が選択されるように、大当り判定の状態、確変終了判定の状態、演出選択用のランダムカウンタR6の抽出値、および、選択される組合せ演出の関係が示されている。
【0134】
第7演出選択テーブルでは、大当り決定時に、R6の抽出値に基づいて演出が選択される。具体的に、R6の抽出値が0〜5の範囲内であるときには第1の組合せ演出が選択され、R6の抽出値が6〜19の範囲内であるときには第2の組合せ演出が選択される。また、第7演出選択テーブルでは、はずれ決定時において、確変継続が確定しているときに、R6の抽出値に基づいて演出が選択される。具体的に、R6の抽出値が0〜5の範囲内であるときには第3の組合せ演出が選択され、R6の抽出値が6〜19の範囲内であるときには第4の組合せ演出が選択される。また、第7演出選択テーブルでは、はずれ決定時において、確変終了が確定しているときに、R6の抽出値によらず、第5の組合せ演出が選択される。
【0135】
第7演出選択テーブルによれば、大当り決定がされているときには、第1の組合せ演出よりも第2の組合せ演出の方が高い割合で選択される。また、はずれ決定がされている場合において、確変継続が確定しているときには、第3の組合せ演出よりも第4の組合せ演出の方が高い割合で選択される。
【0136】
図21は、第8演出選択テーブルを表形式で示す図である。図21を参照して、第8演出選択テーブルは、第7回目の演出を決定する時点で、前回の変動表示について選択された演出に対応して今回の変動表示における演出を選択するために用いられるデータテーブルである。第8演出選択テーブルでは、前回選択された演出と今回選択する演出との関係が示されている。前述したように、前回に6C演出が選択された場合には、第6の組合せ演出が今回選択される。前回に6E演出が選択された場合には、第7の組合せ演出が今回選択される。
【0137】
なお、前回に6B演出が選択された場合は、図15を用いて演出が選択されることとなるが、これに限らず、第8演出選択テーブルにおいて、前回に6B演出が選択された場合に第8の組合せ演出が今回選択されるようにデータを設定しておき、第8演出選択テーブルを用いて、前回に6B演出が選択された場合に今回の演出を選択するようにしてもよい。
【0138】
図22は、遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される遊技制御用メイン処理およびタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。図22においては、(a)に遊技制御メイン処理が示され、(b)にタイマ割込処理が示されている。このタイマ割込処理は、たとえば2msec毎に1回実行される。
【0139】
(a)に示す遊技制御メイン処理においては、まずステップS(以下、単位Sという)11において内蔵デバイスレジスタ等の初期化をする初期化処理が行なわれ、S12においてランダムカウンタを更新するための乱数更新処理が行なわれる。S12における乱数更新処理は前述のR3〜R10の値を更新するための処理である。なお、本実施形態において、2msec毎の割込処理が実行された後次回の割込処理が実行されるまでの割込待ち処理余り時間に、無限にS12の処理が繰返し行なわれることとなる。
【0140】
次に、(b)タイマ割込処理について説明する。タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(S21)を行なった後、S22〜S34の割込処理である遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、カウントスイッチ23、Vカウントスイッチ22、入賞口スイッチ99等の各種スイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S22)。
【0141】
次に、CPU56は、S23において、ランダムカウンタの値を更新するための乱数更新処理を行なう。S23における乱数更新処理は、前述のR1〜R10を更新するための処理である。
【0142】
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S24)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じて変動表示装置9等を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0143】
また、普通図柄プロセス処理を行なう(S25)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示部10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。普通図柄プロセス処理を実行することにより普通図柄表示部10の表示制御および始動用電動役物14aの開閉制御が実行される。
【0144】
次いで、CPU56は、特別図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行なう(特別図柄コマンド制御処理:S26)。また、普通図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行なう(普通図柄コマンド制御処理:S27)。
【0145】
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう(S28)。
【0146】
また、CPU56は、始動口スイッチ17、カウントスイッチ23、Vカウントスイッチ22、入賞口スイッチ99等の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(S29)。具体的には、始動口スイッチ17、カウントスイッチ23、Vカウントスイッチ22、入賞口スイッチ等の入賞領域に設けられたスイッチの何れかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板36に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板36に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置44を駆動する。
【0147】
そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(S30)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(S31)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路29に駆動指令を行なう(S32)。始動用電動役物14aおよび可変入賞球装置19を開状態または閉状態とするために、ソレノイド回路33は、駆動指令に応じてソレノイド19,21を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(S33)、割込許可状態に設定する(S34)。
【0148】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0149】
図23は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では変動表示装置9を制御する処理が実行される。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう際に、遊技盤6に設けられている始動口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動始動口スイッチ17がオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(S311)、始動口スイッチ通過処理(S312)を行なった後に、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
【0150】
なお、始動口スイッチ通過処理では、CPU56は、RAM55の大当りバッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達しているかどうか確認し、大当りバッファに記憶される数値データの記憶数が最大値に達していなければ、保留記憶数を示す保留記憶カウンタのカウント値を1増やす。そして、数値データ更新手段としての大当り判定用ランダムカウンタ(たとえば、CPU56の機能であって数値データ(大当り判定用のランダムカウタの数値データ等)を更新(カウントアップ)する部分)から大当り判定用のランダムカウンタ当の各数値データ(乱数)の値を抽出し、それらを大当りバッファの抽出順番に対応する(保留記憶カウンタの値に対応する)保存領域に格納する処理が実行される。このように始動始動口スイッチ17がオンし、かつ、大当りバッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達していないときに、数値データを抽出する条件が成立する。なお、数値データ(乱数)を抽出するとは、数値データ(乱数)を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を数値データの値(乱数値)とすることである。
【0151】
特別図柄通常処理(S300):特別図柄の変動表示を開始できる状態になるのを待つ。CPU56は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、大当りバッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。大当りバッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。そして、保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄の変動表示の結果、当りとするか否か(特定表示態様とするか否か)を決定する。当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に移行するように更新する。
【0152】
特別図柄停止図柄設定処理(S301):前述のランダムカウンタR2,R3の抽出値に応じて、変動表示後の特別図柄の停止図柄(大当り図柄の組合せ、または、はずれ図柄の組合せ)を決定する。はずれ図柄を決定するときには、前述のランダムカウンタR7の抽出値に応じてリーチ判定を行ない、リーチとする判定がされたときに、R3の抽出値に応じてリーチとなるはずれ図柄を決定する。一方、リーチとしない判定がされたときには、R3の抽出値に応じてリーチとならないはずれ図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に移行するように更新する。
【0153】
変動パターン設定処理(ステップS302):特別図柄の変動表示の変動パターン(変動表示データ)を、前述のランダムカウンタR4の抽出値に応じて、予め定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。変動パターンには変動態様と、該変動態様を実行する時間(変動時間)とを特定する情報が含まれている。また、決定された変動パターンに基づいて、特別図柄が変動表示を行なって導出表示されるまでの変動表示時間(変動時間)を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。このとき、演出制御基板80に対して、変動時間を含む変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンド)と、特別図柄の停止図柄を指令する情報(特別図柄停止図柄コマンド)とが送信される。さらに、確変状態演出を行なうときには、たとえば、R6の抽出値に応じて演出を選択する等、所定の演出選択方法により演出を選択し、選択した演出を指令する情報(確変状態演出コマンド)が送信される。変動パターン設定処理の終了後、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
【0154】
特別図柄変動処理(S303):変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S302でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に移行するように更新する。
【0155】
特別図柄停止処理(S304):変動表示装置9において変動表示される特別図柄が停止されるように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す演出制御コマンド(特別図柄停止コマンド)が送信される状態に設定する。そして、大当りフラグがセット(ON)されている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をS300に移行するように更新する。
【0156】
大入賞口開放前処理(S305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して別可変入賞球装置19を開状態とすることで大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に移行するように更新する。
【0157】
大入賞口開放中処理(S306):大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、大入賞口内に設けられたVカウントスイッチ22による検出の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行なう。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をS307に移行するように更新する。
【0158】
大当り終了処理(S307):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段に行なわせるための制御を行なう。さらに、大当り遊技状態の終了に応じて、確変フラグをセット(ON)し、確変状態に制御する。これにより、大当り遊技状態が終了した後には、必ず、確変状態に制御されることとなる。そして、内部状態をS300に移行するように更新する。
【0159】
次に、図23のS312による始動口スイッチ通過処理の内容を説明する。図24は、始動口スイッチ通過処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0160】
S41により、保留記憶カウンタの値が上限値である「4」以上になっているか否かの判断がなされる。保留記憶カウンタは、打玉が始動入賞して始動条件が成立したが未だに変動表示に用いられていない始動条件を保留記憶するカウンタであり、記憶の上限がたとえば「4」と定められている。この保留記憶カウンタの値(保留記憶数)が「4」に既に達している場合にはそれ以上保留記憶できないために、このサブルーチンが終了するが、「4」に達していない場合には制御がS42へ進み、保留記憶カウンタを「1」加算更新する処理がなされる。次にS43へ進み、ランダムカウンタR1,R2,R5,R9,R10の値を抽出する処理がなされる。次に制御がS44へ進み、加算した保留記憶カウンタの値に対応する乱数記憶エリアに各抽出値を記憶させる制御が行なわれる。
【0161】
次に、図23のS300の特別図柄通常処理の内容を説明する。図25は、特別図柄通常処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0162】
特別図柄通常処理において、CPU56は、特別図柄の変動表示を開始することができる状態(たとえば、特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、大当り遊技中でもないことにより特別図柄プロセスフラグの値がS300を示す値となっている場合)になっているか否かを確認する(S50)。特別図柄の変動表示を開始することができる状態になっているときには、CPU56は保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、保留記憶カウンタのカウント値を確認する。
【0163】
保留記憶数が0でなければ、確変状態演出用判定処理が実行される(S52)。確変状態演出用判定処理においては、確変状態演出を行なう必要があるときに、確変状態演出の選択のために用いる情報として、現在記憶されている保留記憶の数値データにおけるR5の抽出値のすべてについて、記憶順番にしたがって、確変状態を終了させる旨の判定がされる値であるかどうか(確変終了判定値と一致するか否か)を事前に判定していくことにより、確変終了が確定しているか否かについての情報、および、確変継続が確定しているか否かについての情報等の各種の情報を得る。
【0164】
次に、RAM55の保留記憶バッファにおける保留記憶カウンタ=1に対応する乱数記憶エリアに格納されている各抽出値(乱数値)を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S53)。
【0165】
次にS54に進み、CPU56は、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶カウンタのカウント値を1減算し)、そして、S55により、各乱数記憶エリアの内容をシフトする。すなわち、RAM55の保留記憶バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する乱数記憶エリアに格納する。よって、各乱数記憶エリア数に対応するそれぞれの乱数記憶エリアに格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、変動表示の開始条件が成立する毎に、各乱数記憶エリアの内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。
【0166】
次に、S55aに進み、確変フラグがセット(ON)されているか否かが判断される。確変フラグがセットされていないと判断された場合は、後述するS56に進む。一方、確変フラグがセットされていると判断された場合は、S55bにより、確変時初回変動フラグがセット(ON)されているか否かが判断される。ここで、確変時初回変動フラグとは、確変状態となったときの変動表示装置9の第1回目の変動表示時であるか否かを示すフラグであり、後述する図33のS403でセットされることにより、当該第1回目の変動表示時であるときにセットされている状態となる。
【0167】
S55bで確変時初回変動フラグがセットされていないと判断された場合は、S55dにより、確変終了判定確率を初期値から段階的に変化させるための処理である確変終了判定確率変化処理が行なわれる。確変終了判定確率変化処理の処理内容については、図27を用いて後述する。そして、S55eにより、確変終了判定をする処理である確変終了判定処理が行なわれた後、S56に進む。確変終了判定処理の処理内容については、図28を用いて後述する。
【0168】
このように、S55bで確変時初回変動フラグがセットされていないと判断された場合、すなわち、確変状態における第2回目以降の変動表示時には、確変終了判定処理および確変終了判定確率変化処理が実行される。一方、S55bで確変時初回変動フラグがセットされていると判断された場合、すなわち、確変状態における第1回目の変動表示時には、S55cにより確変時初回変動フラグをリセットした後S56に進むことにより、確変終了判定処理および確変終了判定確率変化処理が実行されない。これは、確変状態となったときにおいて、第1回目の変動表示の大当り判定の前の段階で確変状態が判定により終了してしまうと、確変状態に制御されたにもかかわらず確変状態での大当り判定が実質的に1回も行なわれずに確変状態が終了してしまい、確変状態に制御されたにもかかわらず確変状態下での変動表示が実質的に1回も行なわれずに確変状態が終了してしまうという遊技者にとって不利な現象が生じるから、遊技者の興趣の低下を招かないように、確変状態下で少なくとも1回の変動表示の実行を担保するためである。
【0169】
なお、確変時初回変動フラグを用いず、確変状態における第1回目の変動表示の大当り判定前に前述の確変終了判定処理および確変終了判定確率変化処理を実行してもよい。
【0170】
次いで、CPU56は、大当り判定処理を実行する(S56)。大当り判定処理では、R1の抽出値と大当り判定値とが比較される。大当り判定処理での比較の結果、R1の抽出値と大当り判定値のいずかとが一致するときには、大当りとすることが決定され(S57)、CPU56は、大当りフラグをセット(ON)する(S58)。つまり、S57は、S56によるR1の抽出値と大当り判定値との比較の結果、R1の抽出値と大当り判定値のいずかとが一致するときに、大当りと決定する判定をするステップであり、そのステップで大当りとする決定がされると、大当りフラグがセットされるのである。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理(S301)に対応した値に更新する(S59)。
【0171】
以上の特別図柄通常処理においては、確変状態演出用判定処理において、確変状態演出を行なう必要があるときに、現在記憶されている保留記憶の数値データにおけるR5の抽出値のすべてについて確変終了が確定しているか否かの事前判定を行なう確変状態演出用判定処理が実行されることとなる。
【0172】
次に、図25のS52による確変状態演出用判定処理の内容を説明する。図26は、確変状態演出用判定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0173】
まず、CPU56は、S61により、確変フラグがセット(ON)されているか否かを判断する。S61により確変フラグがセットされていないと判断された場合は、確変状態ではなく、確変状態演出のための判定を行なう必要がないので、リターンする。一方、S61により確変フラグがセットされていると判断された場合は、確変状態であり、S62により、確変終了確定フラグまたは確変継続確定フラグがセット(ON)されているか否かが判断される。ここで、確変終了確定フラブは、確変終了判定結果報知が行なわれる1周期(以下、確変終了判定結果報知周期という)としての7回の変動表示について確変終了が確定していることを示すフラグであり、後述するS68によりセットされる。また、確変継続確定フラブは、確変終了判定結果報知が行なわれる1周期としての7回の変動表示について確変継続が確定していることを示すフラグであり、後述するS70によりセットされる。
【0174】
S62によりいずれかのフラグがセットされていると判断された場合は、確変終了判定結果報知周期内での確変終了判定の結果が確定している段階であり、この段階では確変終了判定結果報知周期内でさらに判定を行なう必要がないので、リターンする。一方、S62によりいずれのフラグもセットされていないと判断された場合は、確変終了判定結果報知周期内での確変終了判定の結果がまだ確定していない段階であり、S63により確変終了判定がまだ行なわれていない未判定のR5の抽出値のデータが乱数記憶エリア中にあるか否かが判断される。
【0175】
S63により未判定のデータがないと判断された場合は、リターンする。一方、S63により未判定のデータがあると判断された場合は、S64により、S63により判断された未判定のR5の抽出データ(1個のデータである場合と、複数個のデータである場合とがある)のすべてについて、後述する変動開始前に行なわれる確変終了判定処理(S55e)が実行される前に、前述したR5の値に基づく確変終了判定を行なうことである確変終了事前判定が実行される。これにより、未だ変動表示の開始条件が成立していない変動表示に対応して保留記憶バッファに記憶されているR5のデータに基づいて、確変状態を終了させる旨の判定がされるデータがあるか否かが判定される。
【0176】
このようなS64においては、基本的に、乱数記憶エリア中に存在している未判定のデータのすべてを対象として確変終了事前判定が行なわれるのであるが、1回の確変終了判定結果報知周期内で確変終了事前判定が行なわれた判定済のデータMの個数が予め定められた上限値(7個、すなわち、確変終了判定結果報知周期中に行なわれる7回の変動表示に対応するデータの個数)に達する時点で、データの判定が終了させられる。その理由は、判定済のデータMの個数が上限値に達すれば、それ以外のデータについては次回の確変終了判定結果報知周期内で判定する必要があるからである。このように、S64においては、判定済のデータの個数を計数しながら確変終了事前判定が行なわれる。また、S64においては、1回の確変終了判定結果報知周期内での判定済のデータ個数Mが上限値に達していない段階でも、確変終了となる判定がされた段階で、データの判定が終了する。その理由は、確変終了となる判定がされると、その判定がされたデータ以後に記憶されたデータは、確変状態が終了した後の状態での変動表示に対応するデータとなり、判定の対象とならないからである。
【0177】
また、本実施の形態の場合には、変動表示ごとに確変終了判定の判定確率が変化し得るため、S64での確変終了事前判定は、次に示すように、乱数記憶エリア中に存在している未判定のデータのそれぞれについて、確変終了判定の判定確率がどのようになるかを確認しつつ確変終了事前判定を行なう。具体的に、S64での各未判定のデータについて確変終了事前判定を行なうときには、後述するS402(図33)と同様の処理を行なうことによりR9の抽出値に基づいて決定される確変終了判定確率の初期値を事前に確認する処理と、後述するS201(図27)と同様の処理を行なうことによりR10の抽出値に基づいて確変終了判定確率が変化するか否かを確認する処理と、後述するS202〜S205(図27)と同様の処理を行なうことにより確変終了判定確率の初期値により定まる確変終了判定確率の変化パターンに基づいて確変終了判定確率が変化するときにおける確変終了判定確率を確認する処理とを行なう。これにより、変動表示ごとに変化し得る確変終了判定の判定確率を先読みした確変終了事前判定を正確に行なうことができる。
【0178】
次に、S65により、前述した確変終了判定結果報知周期内での判定済のデータ個数Mが、今回のS64の処理において判定済となったデータの個数分だけ加算更新される。この判定済のデータ個数Mは、後述する確変状態演出選択処理において確変終了判定結果報知周期内のすべての演出の選択が完了した後、「0」にクリアされる。
【0179】
次に、S66により、確変継続回数Lに今回のS64の処理において判定済となったデータの個数を加算する処理が行なわれる。ここで、確変継続回数Lは、確変状態が何回の変動表示が行なわれるまで継続したかを示す回数である。この確変継続回数Lは、前述の図10の(15)に示す7A2演出において表示する確変状態が継続した変動表示の回数を表示するために計数される。
【0180】
次に、S67により、S64での確変終了事前判定において確変終了となることが決定されたデータがあったか否かが判断される。S67によりあったと判断された場合は、S68により確変終了確定フラグがセット(ON)され、その後、リターンする。これにより、保留記憶されているR5の抽出値のデータについて、判定済データの個数Mの個数が上限値に達するまでに確変終了事前判定において確変終了となることが決定されると、その確変終了判定結果報知周期内での確変終了が確定していることが確変終了確定フラグにより示されることとなる。
【0181】
一方、S67によりなかったと判断された場合は、S69に進み、判定済データの個数Mが上限値(7)に達しているか否かが判断される。S69により上限値に達していない
と判断された場合は、確変継続となるかどうかが未確定であるので、リターンする。S69により上限値に達していると判断された場合は、確変継続となることが確定したので、S70により確変継続確定フラグがセット(ON)され、その後、リターンする。これにより、保留記憶されているR5の抽出値のデータについて、判定済データの個数Mの個数が上限値に達した段階で確変終了事前判定において確変終了となることが決定されていないと、その確変終了判定結果報知周期内での確変確変継続が確定していることが確変継続確定フラグにより示されることとなる。
【0182】
次に、図25のS55dの確変終了判定確率変化処理の内容を説明する。図27は、確変終了判定確率変化処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まず、S201により、S53で読出した確変終了判定確率変化判定用のランダムカウンタR10の抽出値と、予め定められた変化判定値とが一致するか否かを判断することにより、確変終了判定確率を変化させるか否かが判定される。次に、S202により、S201での判定で確変終了判定確率を変化させることが決定されたか否かが判断される。
【0183】
S202により確変終了判定確率を変化させることが決定されていないと判断された場合は、リターンする。これにより、該当する回の変動表示においては、確変終了判定確率(言い換えると、確変終了判定値の個数)が変化しない。一方、S202により確変終了判定確率を変化させることが決定されたと判断された場合は、S203により、現在設定されている確変終了判定確率が、確変状態の開始時において図33のS402により選択された初期値に対応する変化パターンの最終ステップ(第4ステップ)の確率(たとえば、第1パターンが選択されたときには1%の確率)であるか否かが判断される。この判断において、選択された初期値に対応する変化パターンは、後述するS402により設定(RAM55に記憶)されるデータであって、決定された初期値が第1〜第4変化パターンのうちのどの変化パターンであるかを特定するデータに基づいて特定される。
【0184】
S203により最終ステップ(第4ステップ)の確率ではないと判断された場合は、S205により、選択された変化パターンにおける次のステップ(たとえば、第2ステップの次は第3ステップ)での確変終了判定確率が、新たな確変終了判定確率として設定されることにより確変終了判定確率(言い換えると、確変終了判定値の個数)が変化し、リターンする。一方、S203により最終ステップ(第4ステップ)の確率であると判断された場合は、S204により、選択された変化パターンにおける第1ステップの確率(初期値)が、確変終了判定確率として設定されることにより確変終了判定確率(言い換えると、確変終了判定値の個数)が変化し、リターンする。
【0185】
この確変終了判定確率変化処理が行なわれれば、変動表示が実行されるごとに確変終了判定確率を変化させるか否かがランダムに決定されることにより、確変終了判定確率を変化させる条件が成立したか否かが判定され、確変終了判定確率を変化させることが決定されたときに、確変終了判定確率の設定が変化する。
【0186】
次に、図25のS55eの確変終了判定処理の内容を説明する。図28は、確変終了判定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まず、S101により、S43で読出した確変終了判定用のランダムカウンタR5の抽出値と、現在設定されている確変終了判定確率に対応する確変終了判定値の少なくとも1つとが一致するか否かが判定される。S101により一致していないと判定された場合は、リターンすることにより、確変状態を終了させないことが決定される。一方、S101により一致していると判定された場合は、S102により確変フラグがリセット(OFF)されることにより、確変状態を終了させることが決定され、確変状態が終了させられる。S102の後、リターンする。前述のS101における判定では、確変終了判定値の個数が、前述のように変化し得る確変終了判定確率の設定に対応して変化するので、確変終了判定確率が前述のように段階的に変化することとなる。
【0187】
次に、図25のS56による大当り判定処理の内容を説明する。図29は、大当り判定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まず、S71により、確変フラグがセット(ON)されているか否かの判断がなされ、セットされていない場合すなわち通常状態の大当り確率の遊技状態の場合には、S73により、大当り判定値Aを7と511との2つのデータにセットする処理がなされる。そして、S74により、保留バッファから読み出された大当り判定用のランダムカウンタR1の抽出値と大当り当り判定値Aとを比較する処理が行なわれ、リターンする。S74での比較の結果、R1が7または511のいずれかと一致するときには、前述のS57により大当りの判定がなされる。
【0188】
一方、S71により確変フラグがセットされていると判断された場合は、S72により、大当り判定値Aを、0〜599の間の16個の素数にセットする処理がなされる。そして、S74により、保留バッファから読み出された大当り判定用のランダムカウンタR1の抽出値と大当り当り判定値Aとを比較する処理が行なわれ、リターンする。S74での比較の結果、R1が前述した16個の素数のいずれかと一致するときには、前述のS57により大当りの判定がなされる。これにより、その結果、確変状態となれば、通常状態での大当り確率時に比べて大当りの発生確率が8倍高くなる。なお、確変状態での大当り確率と通常状態での大当り確率との関係は、この例に限られるものではなく、確変状態での大当り確率の方が通常状態での大当り確率よりも高ければ、どのような関係にあってもよい。
【0189】
以上のような大当り判定処理においては、図28に示される確変終了判定処理における確変終了判定の判定結果、すなわち、確変フラグがセットされているかどうかに応じて異なる数の大当り判定値がセットされることにより、S72による確変状態での大当り判定と、S723よる非確変状態での大当り判定とが行なわれることとなる。
【0190】
次に、図23のS302による変動パターン設定処理の内容を説明する。図30は、変動パターン設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0191】
まず、S81において、大当りフラグがセット(図25のS58によりセット)されているかに基づいて、大当りとなることが決定されているか否かが判断される。大当りとなることが決定されていると判断されたときは、S82により、大当りとなるときの変動パターンとしての大当り変動パターンが選択された後、S87に進む。具体的に、S82では、変動パターン決定用のランダムカウンタR4の値を抽出し、大当り変動用の変動パターンテーブルを用いて、その抽出値に対応して定められた大当り変動パターンが選択される。
【0192】
一方、S81において、大当りとならないことが決定されていると判断されたときは、S83に進み、リーチフラグがセットされているか否かに基づいて、はずれとなるリーチとすることが決定されているか否かが判断される。ここで、リーチフラグとは、リーチとする判定がされたことを示すフラグであり、前述の特別図柄停止図柄設定処理におけるリーチ判定においてリーチ判定用のランダムカウンタR7の抽出値に応じてリーチとする判定がされたときにセットされる。S83によりリーチフラグがセットされていると判断されたときは、S84により、リーチはずれとなるときの変動パターン(変動表示中にリーチとなった後に表示結果としてはずれの図柄が停止表示される変動パターン)が変動パターンとして選択された後、S87に進む。具体的に、S84では、変動パターン決定用のランダムカウンタR4の値を抽出し、リーチはずれ用の変動パターンテーブルを用いて、その抽出値に対応して定められたリーチはずれ変動パターンが選択される。
【0193】
一方、S83によりリーチフラグがセットされていないと判断されたときは、S85により、非リーチはずれとなるときの変動パターンが変動パターンとして選択された後、S87に進む。具体的に、S85では、変動パターン決定用のランダムカウンタR4の値を抽出し、非リーチはずれ用の変動パターンテーブルを用いて、その抽出値に対応して定められた非リーチはずれ変動パターンが選択される。なお、本実施の形態における変動パターンからは、当該変動パターンが用いられたときの特別図柄の変動表示時間の情報と、当該変動パターンが用いられたときに大当り図柄の組合せとなる表示結果を導出表示するか否かの情報とを少なくとも特定できるように構成されている。
【0194】
次に、S87では、確変状態演出を実行する状態にあるか否かが判断される。具体的に、S87では、1回の確変終了判定結果報知周期内での判定済のデータ個数Mの値が「0」であるか否かに基づいて、確変状態演出を実行する状態にあるか否かが判断される。つまり、判定済のデータ個数Mの値は、1回の確変終了判定結果報知周期内において、1回の確変終了事前判定が行なわれたときに「0」から「0」以外の値となり、その後、1回の確変終了判定結果報知周期内で行なわれる確変状態演出のうちのすべての演出の選択が終了した段階で「0」になるため、判定済のデータ個数Mの値が「0」以外の値であるときは、確変状態演出を実行する状態にある。これにより、S87では、判定済のデータ個数Mの値が「0」でないときに、確変状態演出を実行する状態にあると判断し、判定済のデータ個数Mの値が「0」であるときに、確変状態演出を実行しない状態にあると判断する。
【0195】
S87により確変状態演出を実行する状態にあると判断された場合は、S88により、確変状態演出を行なう必要があるときに確変状態演出の演出を変動表示が行なわれるごとに選択する処理である確変状態演出選択処理が行なわれ、その後、S89に進む。S88では、前述した確変状態演出用判定処理における判定結果等の各種データに基づいて、確変状態演出の各変動表示における演出を選択して設定する。確変状態演出選択処理の処理内容については、図31および図32を用いて後述する。一方、S87により確変状態演出を実行する状態にないと判断された場合は、そのままS89に進む。
【0196】
次に、S89では、S82、S84またはS85により選択された変動パターンを指令する変動パターンコマンドのアドレスをポインタにセットする処理が行なわれる。これにより、変動パターンコマンドが送信されることとなる。そして、S90により、前述の特別図柄停止図柄設定処理により決定された特別図柄の停止図柄を指令する特別図柄停止図柄コマンドのアドレスをポインタにセットする処理が行なわれる。これにより、特別図柄停止図柄コマンドが送信されることとなる。
【0197】
次に、S91により、確変状態演出を実行する状態にあるか否かが判断される。具体的に、S91では、S88によって確変状態演出における演出を選択したデータが設定(記憶)されているか否かに基づいて確変状態演出を実行する状態にあるか否かが判断される。つまり、S88によって確変状態演出における演出が選択されたときには、選択された演出を示すデータが設定(記憶)されるので、その選択された演出を示すデータが設定(記憶)されているときには、確変状態演出を実行する状態にあると判断し、そのようなデータが設定(記憶)されていないときには、確変状態演出を実行する状態にないと判断す
る(後述するように、1回の確変終了判定結果報知周期内での最後の演出を指令する確変状態演出コマンドのアドレスが設定された後は、次回の確変状態演出に向けて演出の選択データが初期化されるので、確変状態に制御されていないときには、選択された演出を示すデータが残らないようになっている)。
【0198】
S91により、確変状態演出を実行する状態にあると判断された場合は、S92により、S88で選択された確変状態演出を指令する確変状態演出コマンドのアドレスをポインタにセットする処理が行なわれる。これにより、確変状態演出コマンドが送信されることとなる。S92においては、S88で選択された確変状態演出を指令する確変状態演出コマンドのアドレスをポインタにセットした後、1回の確変終了判定結果報知周期内での最後の演出を指令する確変状態演出コマンドのアドレスを設定した後は、次回の確変状態演出に向けて演出の選択データを初期化するために、S88で設定された演出の選択に関するデータがクリアされる。一方、S91により、確変状態演出を実行する状態にないと判断された場合は、そのままS93に進む。
【0199】
次に、S93により、S82、S84またはS85により選択された変動パターンから特定される時間(変動時間)が変動表示タイマにセットされ、その変動表示タイマの計時をスタートする処理が行なわれる。ここで、変動表示タイマとは、変動表示の開始時からの経過時間を計時するためのタイマである。そして、S94により、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄変動処理に対応する(移行する)値に更新された後、リターンする。
【0200】
次に、図30のS88の確変状態演出選択処理の内容を説明する。図31および図32は、確変状態演出選択処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0201】
まず、S111により、確変演出時の変動表示回数Nを「1」加算更新する処理が行なわれる。この確変演出時の変動表示回数Nは、図14および図15の演出選択テーブルで説明した変動表示回数Nである。この変動表示回数Nは、確変状態が開始した段階では初期値「0」に設定されており、確変状態演出選択処理が実行されるごと、すなわち、確変状態において特別図柄の変動表示が1回実行されるごとに加算更新される。
【0202】
次に、S112により、変動表示回数Nが「1」〜「3」のうちのいずれかであるか否かが判断される。S112により変動表示回数Nが「1」〜「3」のうちのいずれかであると判断された場合は、S113により、前述したように、図14に示す第1演出選択テーブルを用いて変動表示回数Nに対応する演出が選択され、RAM55における選択演出記憶領域において、その選択された演出を特定するデータが記憶(設定)される。以下、このように選択演出記憶領域に記憶されるデータを選択設定データという。このように、第1回目〜第3回目のそれぞれの変動表示時における確変状態演出の演出の選択は、S113によって順次行なわれていく。その場合、前述の選択設定データは、各変動表示時において演出が選択されるごとに、選択された演出を示すデータに書換えられていく。それは、以下の第4回目〜第7回目の変動表示時における演出の選択時においても同様である。
【0203】
一方、S112により変動表示回数Nが「1」〜「3」のうちのいずれかに該当しないと判断された場合は、S114に進み、変動表示回数Nが「4」であるか否かが判断される。
【0204】
S114により変動表示回数Nが「4」であると判断された場合は、S115に進み、前述の確変継続確定フラグがセット(ON)されているか否かが判断される。S115により確変継続確定フラグがセットされていると判断されたときは、第4回目の変動表示での演出を決定する時点で第7回目の変動表示が実行されるまでの間について確変継続が確定しているときであり、S116に進み、確変状態演出中における第4回目の変動表示時の演出として、第2演出選択テーブルを用いて、4B演出が選択され、選択された演出を特定する選択設定データが選択演出記憶領域に記憶される。これにより、図12に示す確変継続確定演出が選択されることとなる。S116の後、リターンする。
【0205】
一方、S115により確変継続確定フラグがセットされていないと判断されたときは、第4回目の演出を決定する時点で確変継続が確定していないときであり、S117により、演出選択用のランダムカウンタR6から数値データが抽出される。そして、S118により、確変状態演出中における第4回目の変動表示時の演出として、第3演出選択テーブルを用いて、R6の抽出に対応する演出(4A演出または4C演出)が選択され、選択された演出を特定する選択設定データが選択演出記憶領域に記憶される。S118の後、リターンする。
【0206】
また、前述のS114により変動表示回数Nが「4」に該当しないと判断された場合は、S119に進み、変動表示回数Nが「5」であるか否かが判断される。
【0207】
S119により変動表示回数Nが「5」であると判断された場合は、S120に進み、前回の演出選択時に記憶された選択設定データに基づいて、確変継続確定演出の選択中、つまり、前回の変動表示について選択された確変継続確定演出を構成する4B演出であるか否かが判断される。S120により確変継続確定演出の選択中であると判断されたときは、S121に進み、確変状態演出中における第5回目の変動表示時の演出として、第2演出選択テーブルを用いて、5B演出が選択され、選択された演出を特定する選択設定データが選択演出記憶領域に記憶される。S121の後、リターンする。
【0208】
一方、S120により確変継続確定演出の選択中ではないと判断されたときは、S121に進み、演出選択用のランダムカウンタR6から数値データが抽出される。そして、S123により、前回の演出選択時に記憶された選択設定データに基づいて、前述したように、前回の変動表示について選択された演出に応じて、図17に示す第4演出選択テーブルと、図18に示す第5演出選択テーブルとのいずれかが選択され、選択された演出選択テーブルを用いて、確変終了判定の状態と、R6の抽出値との関係に基づいて、確変状態演出中における第5回目の変動表示時の演出が選択される。そして、選択された演出を特定する選択設定データが選択演出記憶領域に記憶される。前述したように、第4演出選択テーブルが用いられるときには、5A演出または5B演出が選択され、第5演出選択テーブルが用いられるときには、5C演出または5D演出が選択される。S123の後、リターンする。
【0209】
また、前述のS119により変動表示回数Nが「5」に該当しないと判断された場合は、S124に進み、変動表示回数Nが「6」であるか否かが判断される。
ここから
S124により変動表示回数Nが「6」であると判断された場合は、S125に進み、前回の演出選択時に記憶された選択設定データに基づいて、確変継続確定演出の選択中、つまり、前回の変動表示について選択された確変継続確定演出を構成する5B演出であるか否かが判断される。S125により確変継続確定演出の選択中であると判断されたときは、S126に進み、確変状態演出中における第6回目の変動表示時の演出として、第2演出選択テーブルを用いて、6B演出が選択され、選択された演出を特定する選択設定データが選択演出記憶領域に記憶される。S126の後、リターンする。
【0210】
一方、S125により確変継続確定演出の選択中ではないと判断されたときは、S127に進み、前述したように、図19に示す第6演出選択テーブルを用いて、前回の演出選択時に記憶された選択設定データに基づいて、前回の変動表示について選択された演出に応じた演出が、確変状態演出中における第6回目の変動表示時の演出として選択され、選択された演出を特定する選択設定データが選択演出記憶領域に記憶される。S127の後、リターンする。
【0211】
また、前述のS124により変動表示回数Nが「6」に該当しないと判断された場合は、S128に進み、変動表示回数Nが「7」であるか否かが判断される。
【0212】
S120により変動表示回数Nが「7」であると判断された場合は、S129に進み、前回の演出選択時に記憶された選択設定データに基づいて、確変継続確定演出の選択中、つまり、前回の変動表示について選択された確変継続確定演出を構成する6B演出であるか否かが判断される。S129により確変継続確定演出の選択中であると判断されたときは、S130に進み、確変状態演出中における第7回目の変動表示時の演出として、第2演出選択テーブルを用いて、第8の組合せ演出が選択され、選択された演出を特定する選択設定データが選択演出記憶領域に記憶される。S130の後、後述するS135に進む。
【0213】
一方、S129により確変継続確定演出の選択中ではないと判断されたときは、S131に進み、前回の演出選択時に記憶された選択設定データに基づいて、前回の変動表示について6A演出が選択されていたか否かが判断される。
【0214】
S131により6A演出が選択されていたと判断された場合は、S132に進み、演出選択用のランダムカウンタR6から数値データが抽出される。そして、S133により、前述したように、第7演出選択テーブルを用いて、大当り判定状態と、確変終了判定の状態と、R6の抽出値との関係に基づいて、第1の組合せ演出〜第5の組合せ演出のうちのいずれか1つの演出が、確変状態演出中における第5回目の変動表示時の演出として選択される。そして、選択された演出を特定する選択設定データが選択演出記憶領域に記憶される。
【0215】
一方、S131により6A演出が選択されていないと判断された場合は、S134に進み、前述したように、図21に示す第8演出選択テーブルを用いて、前回の演出選択時に記憶された選択設定データに基づいて、前回の変動表示について選択された演出に応じた演出が、確変状態演出中における第6回目の変動表示時の演出として選択される。そして、選択された演出を特定する選択設定データが選択演出記憶領域に記憶される。これにより、第6の組合せ演出または第7の組合せ演出が選択される。S134の後、S135に進む。
【0216】
S135では、前述した図26の確変状態演出用判定処理においてセット(ON)された確変継続確定フラグまたは確変終了確定フラグを、1周期の確変状態演出の終了(第7回目の変動表示における演出の終了)に応じて、リセット(OFF)する処理が行なわれる。そして、同様の理由により、S136で前述の変動表示回数Nが「0」にクリアされ、S138で前述の判定済データの個数Mが「0」にクリアされる。S138の後、リターンする。なお、図示を省略するが、前述の確変継続回数Lは、確変状態を終了する判定がされたときの演出が選択されて実行されたときに「0」にクリアされる。
【0217】
以上のような確変状態演出選択処理が実行されることにより、確変終了判定結果報知周期に合わせた確変状態演出時の1周期中における7回の変動表示のそれぞれについての演出が選択される。これにより、図8に示すような展開で演出が選択され、図9〜図13に示すような確変状態演出の表示が行なうことができる。そして、このような確変状態演出選択処理は、確変状態が継続する場合に繰返し行なわれる。
【0218】
確変状態演出における各変動表示が行なわれるときには、前述したように選択された演出を指令する確変状態演出コマンドが、変動表示開始時に遊技制御用マイクロコンピュータ31から演出制御用マイクロコンピュータ81に送信される。これにより、図9〜図13に示すような確変状態演出の表示が行なうことができる。
【0219】
次に、図23のS307による大当り終了処理の内容を説明する。図30は、変動パターン設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、まず、S401により、確変フラグをセット(ON)する。これは、この実施の形態の場合は、大当り遊技状態の終了後において100%の確率で確変状態に制御されるからである。
【0220】
そして、S402により、S43で読出したR9の抽出値に基づき、図5の確変終了判定確率初期値決定テーブルに示されたR9と確変終了判定確率初期値との関係に応じて、確変終了判定確率の初期値(すなわち、確変終了判定値の個数の初期値)がランダムに選択決定され、決定された初期値を特定するデータが確変終了判定確率の初期値として設定(RAM55に記憶)される。このように決定された初期値が確変終了判定確率の初期値として設定されるときには、決定された初期値が前述の第1〜第4変化パターンのうちのどの変化パターンであるかを特定するデータも設定(RAM55に記憶)される。このように、どの変化パターンであるかを特定するデータが設定(RAM55に記憶)されることにより、そのデータに基づいて、図4に示したような変化パターンを特定し、特定した変化パターンにしたがって確変終了判定確率を初期値から段階的に変化させることが可能となる。
【0221】
次に、S403により、前述の確変時初回変動フラグがセット(ON)される。これにより、大当り遊技状態終了後の確変状態における第1回目の変動表示の大当り判定において、非確変状態での判定が行なわれることが回避される。そして、S404により、大当り大当りフラグがリセット(OFF)される。S404の後、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新される(S405)。
【0222】
次に、演出制御用マイクロコンピュータ81により実行される制御を説明する。図34は、演出制御メイン処理およびタイマ割込み処理の処理内容を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ81では、演出制御の進行を制御するための処理であるメイン処理およびタイマ割込み処理が実行され、これらの処理により、各種制御用のサブルーチンプログラムが呼出されて実行されることにより、表示制御等の各種の演出制御が行なわれる。
【0223】
図34を参照して、まず、(A)に示す演出制御メイン処理のS501により、RAM領域のクリア、各種初期値の設定、演出制御の起動間隔を決めるための2msecタイマの初期設定等の各種初期化を行なうための初期化処理が行なわれる。その後、タイマ割込フラグの監視の確認を行なうループ処理に移行する。
【0224】
また、(B)に示すタイマ割込み処理(2msecごとに起動される処理)においてタイマ割込が発生すると、S507によりタイマ割込フラグがセットされる。(A)に示す演出制御メイン処理においては、S502によりタイマ割込フラグがセットされているか否かが判断され、タイマ割込フラグがセットされていたら、S503により、タイマ割込フラグがクリアされ、以下のような演出制御処理が実行される。
【0225】
この実施の形態では、タイマ割込は0.002sec毎にかかる。すなわち、表示制御処理は、0.002sec毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理でフラグのセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
【0226】
S503の後、S504により、コマンド解析処理が実行される。具体的にコマンド解析処理においては、遊技制御用マイクロコンピュータ53から送信される制御コマンドを受信したときに、受信した制御コマンドにより示される情報がどのような情報であるかを確認するために、受信した制御コマンドが解析される。
【0227】
次に、S505により、変動表示装置9の変動表示等についての演出制御プロセス処理である演出制御プロセス処理が行なわれる。演出制御プロセス処理は、表示制御等の演出制御を複数のプロセスの処理に分け、制御状態に応じたプロセスの処理を所定の順序で実行するための演出制御プロセスフラグに従って、該当するプロセスの処理が選び出されて実行されることにより、コマンド解析処理によって解析されたコマンドが示す内容に応じた変動表示制御等の演出制御が行なわれる。この演出制御プロセス処理においては、受信した制御コマンドに応じて、特別図柄の変動表示制御、普通図柄の変動表示制御、各種発光体の制御、および、スピーカ41から出力する音の制御が行なわれる。制御コマンド演出制御プロセスフラグの値は、制御状態に応じて各処理中に更新される。
【0228】
次に、S506により、乱数更新処理が行なわれる。この乱数更新処理においては、演出制御用マイクロコンピュータ81で更新が行なわれるランダムカウンタのカウント値を更新するための処理が行なわれる。S506の後、S502に戻り、前述した処理が繰返し行なわれる。
【0229】
このような処理が行なわれる演出制御用マイクロコンピュータ81では、受信した制御コマンドが示す内容にしたがって、変動表示装置9において、特別図柄の変動表示、および、確変状態演出の表示等の各種表示を実行させる制御を行なう。これにより、たとえば、図9〜図13に示すような表示が行なわれる。
【0230】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。この第2実施形態においては、確変状態において、確変終了判定確率を、選択決定された初期値から段階的に変化させ、所定の初期化条件が成立したときに初期値に戻す変化パターンのその他の例を説明する。第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0231】
図35は、第2実施形態による確変終了判定確率変化パターンテーブルのデータ内容を表形式で示す図である。図35の確変終了判定確率変化パターンテーブルは、ROM54に記憶されている。
【0232】
図35を参照して、この第2実施形態の場合、確変終了判定確率の段階的変化は、第1ステップ〜第4ステップの4段階で行なわれる。第1パターンは、確変終了判定確率が、1%を初期値とし、1%→2%→3%→4%の順番で段階的に高くなる変化をし、所定の初期化条件が成立したときに1%という初期値に戻る。第2パターンは、確変終了判定確率が、2%を初期値とし、2%→3%→4%→5%の順番で段階的に高くなる変化をし、所定の初期化条件が成立したときに2%という初期値に戻る。第3パターンは、確変終了判定確率が、3%を初期値とし、3%→4%→5%→6%の順番で段階的に高くなる変化をし、所定の初期化条件が成立したときに3%という初期値に戻る。第4パターンは、確変終了判定確率が、4%を初期値とし、4%→5%→6%→7%の順番で段階的に高くなる変化をし、所定の初期化条件が成立したときに4%という初期値に戻る。この実施の形態の場合の初期化条件は、各パターンの第4ステップにおいて、前述したR10の抽出値を用いて確変終了判定確率を段階的に変化させる条件が成立した旨の判定がされたときに成立する。
【0233】
確変状態となったときには、前述したR9により確変終了判定確率初期値が選択決定され、この確変終了判定確率変化パターンテーブルが参照され、選択決定された初期値に対応するパターン(たとえば、初期値として1%が選択されたときには、対応するパターンが第1パターンである)にしたがって、確変終了判定確率の段階的変化が行なわれる。
【0234】
第1パターン〜第4パターンについては、各パターンが確変終了判定確率が段階的に高くなるパターンである。そして、各ステップの確変終了判定確率については、第1パターンが最も低確率であり、第2パターン、第3パターン、第4パターンの順番で高確率となるように設定されている。確変終了判定確率が、第1パターン〜第4パターンのうち、第1パターンの初期値が最も低確率であり、第2パターン、第3パターン、第4パターンの順番で高確率となるように設定されている。したがって、S402により初期値として第1パターンの初期値が選択決定されたときには、変化パターンの各段階における確変終了判定確率が他のパターンよりも低いため、遊技者にとって最も有利なものとなる。
【0235】
次に、前述した第1実施形態および第2実施形態を含む実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
【0236】
(1) 図28に示されるように、確変終了判定用のランダムカウンタR5から抽出された数値データが確変終了判定値と一致するか否かを判定することにより変動表示装置9における確変状態を終了させるか否かが判定される(変動表示の開始条件が成立する毎に判定される)。そして、そのように確率状態を終了させるように定められた確変終了判定値の個数(確変終了判定確率)が、図4または図35およびS201〜S205に示されるように、初期値から変化(段階的に変化)させられ、R10を用いて変終了判定確率を変化させることが決定されたときのように、所定の初期化条件が成立したときに初期値に戻される。このように、確変状態終了判定について、確率状態を終了させるように定められた確変終了判定値の個数が初期値から変化(段階的に変化)させられるので、確率変動状態を終了させると判定する確率が変化(段階的に変化)するため、確変状態中における遊技状態を変化に富んだものにすることができる。さらに、前述の初期化条件が成立したときに、確変終了判定値の個数が初期値に戻されるので、確変状態中における遊技状態をさらに変化に富んだものにすることができる。このように確変状態中における遊技状態を変化に富んだものにすることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
【0237】
(2) 図4に示されるように、確率変動状態を終了させるように定められた確変終了判定値の個数を変化させるために、選択するデータが初期値のデータ(たとえば、4%等)から初期値以外の所定値データ(たとえば、3%等)に変化させられることにより、確変終了判定値の個数が少なくなるように変化(段階的に変化)させられるので、前述の初期化条件が成立するまでの間に、確変状態に対する遊技者の期待感を高める(徐々に高める)ことができる。さらに、初期化条件が成立すると、確変終了判定値の個数が初期値に戻されることにより、このような確率の変化によって遊技者にとって過剰に有利な状態になるのを制限することができる。
【0238】
(3) 図35に示されるように、確率変動状態を終了させるように定められた確変終了判定値の個数を変化させるために、選択するデータが初期値のデータ(たとえば、1%等)から初期値以外の所定値データ(たとえば、2%等)に変化させられることにより、確変終了判定値の個数が多くなるように変化(段階的に変化)させられるので、前述の初期化条件が成立するまでの間に、確変状態の終了に対する遊技者の緊張感を高める(徐々に高める)ことができる。さらに、初期化条件が成立すると、確変終了判定値の個数が初期値に戻されることにより、このような確率の変化によって遊技者にとって過剰に不利な状態になるのを制限することができ、確変状態に対する遊技者の期待感を高めることができる。
【0239】
(4) 図5、および、図33のS402に示されるように、確変状態となるときに、確変終了判定値の個数を変化させる(段階的に変化をさせる)ときの初期値が、予め定められた複数の初期値のうちから選択的に決定されるので、このような初期値が変化に富むようになることに基づいて、確変状態中における遊技状態をさらに変化に富んだものにすることができる。
【0240】
(5) 確変終了判定が行なわれる前において、図27のS201により、確変終了判定確率を変化させる条件が成立したか否かが判定され、その条件が成立したと判定されたときに、S204,S205に示されるように、確変終了判定値の個数が変化(段階的に変化)させられる。これにより、このような確変終了判定値が変化(段階的に変化)させられるタイミングが変化に富むようになり、確率変動状態中における遊技状態をさらに変化に富んだものにすることができる。
【0241】
(6) 図32に示されるように、予め定められた複数回(7回)の変動表示が行なわれるごとに確変終了判定結果の報知条件が成立する(S128Y)。そして、図32のS130、S133、S134に示されるように判定結果を報知するときの演出が選択されて、図9〜図13に示すように、報知条件が成立した複数回の変動表示全体を対象として、確変状態を終了させるか否かの判定の結果が報知される。このように、たとえば7回というような予め定められた複数回の変動表示が行なわれたときのみ、その回数の変動表示に対する確変終了判定の判定結果が報知されることにより、予め定められた複数回の変動表示が行なわれるごとに、遊技者の確変状態の継続への期待感を高めることができる。
【0242】
(7) 図25の特別図柄通常処理でS56による大当り判定処理の実行前にS55eによる確変終了判定処理が実行されることにより、その確変終了判定が、大当り判定が行なわれる前に実行され、S55eによる確変終了判定の結果に対応した確率(すなわち、確変状態での大当り判定確率または非確変状態での大当り判定確率)で大当り判定が行なわれるので、確変終了判定が、大当り判定が行なわれた後に実行される場合と比べて、確変終了判定の判定結果を特定する情報(データ)を長期間RAM55に保存しておく必要がない。このため、確変終了判定の判定結果を特定する情報について情報の改変等の不正行為が行なわれる可能性を低減することができるとともに、その判定結果を特定する情報がノイズ等により誤った情報に変化(データ化け)してしまう可能性を低減することができる。
【0243】
(8) 前述の実施の形態に示した発明は、次のように特定することができる。予め定められた報知条件が成立したときに、前記終了判定手段による判定の結果を報知する報知手段(図30のS88、S92、図32のS128〜S134、図34のS505)と、
予め定められた複数回の変動表示が行なわれるごとに、前記報知手段による報知条件が成立したと判定する報知条件判定手段(図32のS128)とをさらに含み、
前記報知手段は、前記報知条件判定手段により前記報知条件が成立したと判定されたときのみ、前記予め定められた複数回の変動表示に対する前記終了判定手段による判定の結果を報知する(図31のS111〜図32のS134は、確変終了判定結果報知周期ごとに繰返し実行される)。
【0244】
このような構成によれば、図32に示されるように、予め定められた複数回(7回)の変動表示が行なわれるごとに確変終了判定結果の報知条件が成立する(S128Y)。そして、図32のS130、S133、S134に示されるように判定結果を報知するときの演出が選択されて、図9〜図13に示すように、報知条件が成立した複数回の変動表示全体を対象として、確変状態を終了させるか否かの判定の結果が報知される。このように、たとえば7回というような予め定められた複数回の変動表示が行なわれたときのみ、その予め定められた複数回数の変動表示に対する確変終了判定の判定結果が報知されることにより、判定結果が報知されるまでの間における複数回の変動表示に亘って、確変状態が終了しているかどうかが遊技者にとって明確に判断できない期間を生じさせることができるので、そのような期間の存在により遊技者の確変状態の継続への期待感を高めることができる。これにより、確変状態を終了させるか否かの判定の結果の報知を確変状態の継続への期待感を高めるような態様で行なうことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0245】
(9) 前述の実施の形態に示した発明は、次のように特定することができる。前記報知手段は、前記終了判定手段による判定の結果を報知するときに、複数回の変動表示に亘って段階的に演出内容を変化させる段階的演出を行なう演出手段(図31のS113、S116、S118、S121、S123、S126、S127、図32のS130、S133、S134)を含み、
該演出手段は、複数回の変動表示に亘って段階的に演出内容を変化させた後に、前記終了判定手段による判定の結果に応じて異なる演出(図10の(15)、(17)を実行する。
【0246】
このような構成によれば、図10の(15)、(17)に示されるように、確変状態を終了させるか否かの判定の結果を報知するときに、複数回の変動表示に亘って段階的に演出内容を変化させた後に、終了判定の判定結果に応じて異なる演出が実行されるので、この演出により、確変状態の継続への遊技者の期待感を段階的に盛上げることができる。
【0247】
(10) 前述の実施の形態に示した発明は、次のように特定することができる。前記演出手段により実行される前記段階的演出を、第1の段階的演出、および、該第1の段階的演出とは演出内容が異なる第2の段階的演出を含む複数の段階的演出のうちから選択する演出選択手段をさらに含み、
該演出選択手段は、前記報知手段により前記確率変動状態を終了させない判定結果に応じた報知が行なわれるときには、前記第1の段階的演出よりも前記第2の段階的演出の方を高い割合で選択し、前記報知手段により確率変動状態を終了させる判定結果に応じた報知が行なわれるときには、前記第2の段階的演出よりも前記第1の段階的演出の方を高い割合で選択する(たとえば、4A演出の後の第5回目の変動以後の演出について、確変継続が確定したときには、5E〜7Eの演出を選択する割合(14/20の割合)の方が5A〜7Aの演出を選択する割合(6/20の割合)よりも高い)。
【0248】
このような構成によれば、また、たとえば、図17を参照して、4A演出の後の第5回目の変動以後の演出について、確変継続が確定したときには、5E〜7Eの演出を選択する割合(14/20の割合)の方が5A〜7Aの演出を選択する割合(6/20の割合)よりも高く設定した。これにより、確変状態演出が、演出内容が異なる第1の演出(5E〜7Eの演出)および第2の演出(5A〜7Aの演出)を含む複数の演出のうちから選択されるようにし、確変状態を終了させない判定結果に応じた報知が行なわれるときには、第1の演出よりも第2の演出の方が高い割合で選択され、確変状態を終了させる判定結果に応じた報知が行なわれるときには、第2の演出よりも第1の演出の方が高い割合で選択される。このため、選択されて実行される演出の種類を識別することに基づいて、確変状態が終了する報知がされやすいか否かを遊技者が認識することができるようになり、これによって確変状態の継続への遊技者の期待感をより向上させることが可能になる。
【0249】
(11) 前述の実施の形態に示した発明は、次のように特定することができる。前記変動表示の始動条件の成立に基づいて前記終了判定手段による判定に用いられる終了判定データ(R6の抽出データ)を記憶する判定データ記憶手段(RAM55の保留記憶バッファ)と、
未だ変動表示の開始条件が成立していない変動表示に対応して前記判定データ記憶手段に記憶されている終了判定データに基づいて、前記確率変動状態を終了させる旨のデータがあるか否かを判定する(S64により保留記憶バッファにおいて記憶されているR5のデータについて確変終了事前判定を実行する)終了データ判定手段(S64)とを含み、
前記演出選択手段は、前記終了データ判定手段の判定結果に応じて前記段階的演出を複数の段階的演出のうちから選択する(たとえば、図15の第2演出選択テーブル、図17の第4演出選択テーブル、図18の第5演出選択テーブル等では、S64での確変終了事前判定により確変継続が確定したか否かに基づいて演出を選択する)。
【0250】
このような構成によれば、S64により保留記憶バッファにおいて記憶されているR5のデータについて確変終了事前判定を実行することにより、確変状態演出における演出を複数種類の演出のうちから選択するときに、未だ変動表示の開始条件が成立していない変動表示に対応して保留記憶バッファに記憶されているR5のデータに基づいて、確変状態を終了させる旨判定されるデータがあるか否か判定され、その判定結果に応じて確変状態演出の選択が行なわれる(たとえば、図15の第2演出選択テーブル、図17の第4演出選択テーブル、図18の第5演出選択テーブルでの確変継続が確定したか否かに基づく演出の選択等)。このため、確変状態を終了させるか否かの判定の結果が報知されるまでの複数回の変動表示に亘り、その判定の結果を先取りした態様で判定結果に対応した確変状態演出を行なうことができる。
【0251】
(12) 前述の実施の形態に示した発明は、次のように特定することができる。前記報知手段は、前記確率変動状態が終了しない旨の報知として、一旦、前記確率変動状態を終了させる判定がされたときに選択される演出と同一の演出(図10の7A2演出)を行なった後、前記確率変動状態を終了させないことを報知する特定の演出(図10の7A4演出)を実行する(図8、図10)。
【0252】
このような構成によれば、図10の(14)〜(17)に示すように、確変状態が終了しない旨の報知として、一旦、確変状態を終了させる判定がされたときに選択される演出である7A1演出および7A2演出と同一の演出を行なった後、確変状態が継続することを報知する特定の演出としての7A4演出が実行されるので、そのような特定の演出が実行されることにより、確変状態が継続する旨の報知として敗者復活戦的な演出を行なうことができ、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
【0253】
(13) 前述の実施の形態に示した発明は、次のように特定することができる。前記変動表示の表示結果が前記特定表示態様となる旨の報知として、一旦、前
記確率変動状態を終了させる判定がされたときに選択される演出と同一の演出(図10の7A2演出)を行なった後、前記変動表示の結果が前記特定表示態様となることを報知する特別の演出(図10の7A5演出)を実行する特別演出実行手段(図32のS133)をさらに含む。
【0254】
このような構成によれば、図10の(14)〜(16)、(18)に示すように、大当りとなる旨の報知として、一旦、確変状態を終了させる判定がされたときに選択される演出である7A1演出および7A2演出と同一の演出を行なった後、変動表示結果が大当りとなることを報知する特別の演出としての7A5演出が実行されるので、そのような特定の演出が実行されることにより、大当りとなる旨の報知として敗者復活戦的な演出を行なうことができ、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
【0255】
次に、以上に説明した本実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
【0256】
(1) 前述した実施の形態においては、確変終了判定確率を段階的に変化させることについて、特別図柄の変動表示が1回行なわれるごとに、確変終了判定確率を変化させるか否かをランダムに決定する例を示した。しかし、これに限らず、特別図柄の変動表示が予め定められた複数回行なわれるごとに確変終了判定確率を変化させるか否かをランダムに決定するようにしてもよい。また、特別図柄の変動表示が1回行なわれるごとに必ず確変終了判定確率を変化させる制御を行なうようにしてもよい。また、特別図柄の変動表示が予め定められた複数回行なわれるごとに必ず確変終了判定確率を変化させる制御を行なうようにしてもよい。
【0257】
(2) 前述した実施の形態においては、図4および図35を用いて、確変終了判定確率が低い変化パターンである程選択されやすく設定された例を示した。しかし、これに限らず、確変終了判定確率が高い変化パターンである程選択されやすく設定されてもよい。また、確変終了判定確率の高低に関係なく均等な割合または不均等な割合で各変化パターンが選択されるように設定されてもよい。
【0258】
(3) 前述した実施の形態においては、確変終了判定確率を段階的に変化させるときの各段階(ステップ)について、確変終了判定確率を変化させることを同じ確率で決定する例を示した。しかし、これに限らず、確変終了判定確率を段階的に変化させるときの各段階(ステップ)について、確変終了判定確率を変化させることを異なる確率で決定する制御を行なうようにしてもよい。たとえば、確変終了判定確率が低い段階(ステップ)である程、確変終了判定確率が変化する確率が低くなるようにしてもよい。また、確変終了判定確率が高い段階(ステップ)である程、確変終了判定確率が変化する確率が低くなるようにしてもよい。
【0259】
(4) 前述した実施の形態においては、図25のS55bおよびS55cに示すように、確変状態となったときの第1回目の変動表示時において、確変終了判定確率変化処理(S55d)および確変終了判定処理(S55e)が行なわれないように制御する例を示した。しかし、これに限らず、確変状態となったときの第1回目の変動表示時においても、確変終了判定確率変化処理(S55d)および確変終了判定処理(S55e)が行なわれるようにしてもよい。
【0260】
(5) 前述した実施の形態では、図27において、確変終了判定確率を初期値から段階的に変化させるときに、変動表示が1回行なわれるごとに、S201により確変終了判定確率を変化させるか否かをランダムに決定する。したがって、前述した例では、S201での判定結果によっては、図33のS402により設定された初期値ではなく、第2ステップの確変終了判定確率での確変終了判定が行なわれるときもある(S402により初期値が設定されたが、S201で確変終了判定確率を変化させる判定がされたときには、設定された初期値での確変終了判定が行なわれることなく、まず、第2ステップの確変終了判定確率での確変終了判定が行なわれる)。しかし、これに限らず、確変状態において、確変終了判定確率を初期値から段階的に変化させるときには、当該確変状態における最初の終了判定は、必ず、S402により設定された初期値を用いて行なわれるようにしてもよい。
【0261】
(6) 前述した実施の形態においては、確変終了判定確率を段階的に変化させるときにおいて確変終了判定確率を初期値に戻す初期化条件として、各パターンの第4ステップにおいて、前述したR10の抽出値を用いて確変終了判定確率を段階的に変化させる条件が成立した旨の判定がされたときに成立する例を示した。しかし、これに限らず、R10の抽出値を用いた判定とは別個の判定を行なうことにより、初期化条件が成立したか否かを判定するようにしてもよい。たとえば、R10の抽出値またはその他の所定のランダムカウンタの抽出値を用いて、予め定められた判定確率(第1〜第3ステップのときは異なる確率)で初期化条件が成立したか否かを判定するようにしてもよい。
【0262】
(7) 前述した実施の形態においては、予め定められた回数(たとえば、7回)の変動表示が行なわれるごとに報知条件が成立し、その予め定められた回数の変動表示に対する確率変動状態を終了させるか否かの判定の結果が報知される。この場合における予め定められた回数としては、前述の7回のような複数回であってもよく、または、1回であってもよい。
【0263】
(8) 前述した実施の形態においては、大当り遊技状態が終了した後に、必ず確変状態に制御される例を示した。しかし、これに限らず、大当りとなることが決定されたときであっても、確変状態に制御される場合と、確変状態に制御されない場合とに所定の割合で振分けるようにしてもよい。たとえば、変動表示時に決定された大当り図柄が特別の図柄の組合せ(たとえば、奇数の図柄の組合せ)となるときに確変状態に制御され、その大当り図柄が特別の図柄以外の図柄の組合せ(たとえば、偶数の図柄の組合せ)となるときに確変状態に制御されないようにしてもよい。また、そのような振分けは、前述のようなランダムカウンタを用いた抽選により行なうようにしてもよい。たとえば、確変状態判定用のランダムカウンタを設け、その抽出値が所定の確変判定値と一致したときに、確変状態に制御され、その抽出値が所定の確変判定値と一致しないときに確変状態に制御されないようにしてもよい。このような振分けの割合は、たとえば1/2等のどのような割合であってもよい。
【0264】
(9) 前述した実施の形態において、確変状態演出(確変終了判定結果の報知を含む)として、特別図柄以外のキャラクタおよび文字等により演出および報知を行なう例を示した。しかし、これに限らず、特別図柄によりそのような確変状態演出(確変終了判定結果の報知を含む)を行なうようにしてもよい。たとえば、確変終了判定の判定結果を報知することとして、確変状態が終了する判定結果として、はずれとなるスーパーリーチを変動表示において表示するようにしてもよい。そのようにすれば、変動表示においてスーパーリーチが表示されると、大当りとなる信頼度が高いが、表示結果がはずれとなれば確変状態が終了することになるので、変動表示結果に対する遊技者の期待感をより一層高めることができる。
【0265】
(10) 特別図柄により確変状態演出(確変終了判定結果の報知を含む)を行なう例としては、次のような例を採用してもよい。確変状態が終了する判定結果として、たとえば、「1、2、3」というような特定の図柄の組合せを、特別図柄の変動表示時において表示結果として表示するようにしてもよい。
【0266】
(11) 前述した実施の形態においては、確変状態演出が行なわれる確変終了判定結果報知周期(確変状態演出が行なわれる変動表示回数)が変動表示7回分の期間に固定的に設定されている例を示した。しかし、確変終了判定結果報知周期を規定する変動表示の回数の設定回数(確変状態演出が行なわれる変動表示回数)は、状況に応じて変化するようにしてもよい。たとえば、10回、5回、1回というように変動表示回数を複数種類設けておき、確変状態が終了するタイミングが近い程、確変終了判定結果報知周期(確変状態演出が行なわれる変動表示回数)を規定する変動表示回数が少なくなるように設定してもよい。また、確変状態演出が行なわれる変動表示回数は、ランダムカウンタを用いてランダムに決定するようにしてもよい。
【0267】
(12) 前述の実施の形態に示した発明は、次のように特定することができる。予め定められた報知条件が成立したときに、前記終了判定手段による判定の結果を報知する報知手段(図30のS88、S92、図32のS128〜S134、図34のS505)と、
予め定められた複数回の変動表示が行なわれるごとに、前記報知手段による報知条件が成立したと判定する報知条件判定手段(図32のS128)とをさらに含み、
前記終了判定手段は、前記開始条件が成立するごとに判定を行ない(図25のS55eの確変終了判定処理が実行される特別図柄通常処理は、変動表示が行なわれるごとに実行されるので、確変終了判定処理は変動表示が行なわれるごとに実行される)、
前記報知手段は、前記報知条件判定手段により前記報知条件が成立したと判定されたときのみ、前記予め定められた複数回の変動表示が行なわれる間に行なわれた前記終了判定手段による判定の結果を報知する(図31のS111〜図32のS134は、確変終了判定結果報知周期ごとに繰返し実行される)。
【0268】
(13) 前述の実施の形態では、前記確率変動状態となるときに、前記初期値(前記終了判定手段により前記確率変動状態を終了させるように定められた前記特定値の個数の初期値)を、予め定められた複数の初期値(図5および図35参照)のうちから選択的に決定する初期値決定手段が開示されている(図33のS402)。この初期値決定手段は、前述したような初期値の決定方法以外に、次のような方法で初期値を決定して確変終了判定確率を変化させるようにしてもよい。つまり、たとえば、図4に示された確率変化パターンの各パターンを構成する第1ステップ〜第4ステップのどのステップも初期値として選択できるようにしてもよい。その場合は、複数のパターン(第1パターン〜第4パターン)のうちのから1つのパターンを選択(ランダムに選択してもよく、予め定められた順番で選択してもよい)し、その選択されたパターンを構成する複数のステップ(第1ステップ〜第4ステップ)のうちから、初期値とするステップを選択する(ランダムに選択してもよく、予め定められた順番で選択してもよい)処理を行なう。このように初期値が選択されると、選択されたパターンにおいて、選択されたステップの確変終了判定確率を初期値として、前述のように予め定められた順序にしたがって確変終了判定確率が変化させられる。このように初期値を決定して確変終了判定確率を変化させる処理は、第2実施形態に示された確変終了判定確率の変化パターン(図35参照)について同様に適用してもよい。
【0269】
(14) 前述した実施の形態においては、確変終了判定確率が変化することを示した。確変終了判定確率が変化したときには、変動表示装置9、スピーカ41、および、遊技効果LED等のいずれか1つ、または、これらの組合せによる報知手段により、表示、音、および、発光のいずれか1つ、または、これらの組合せによる次のような報知を行なうようにしてもよい。たとえば、確変終了判定確率が変化したときに確変終了判定確率が変化した旨を報知してもよい。このような報知をすれば、確変終了判定確率が変化したことを遊技者が容易に把握することができる。また、確変終了判定確率が変化したときに確変終了判定確率がどの段階(どのようなステップ、どのような判定確率)に変化したかを報知してもよい。このような報知をすれば、確変終了判定確率がどのような状況にあるかを遊技者が容易に把握することができる。また、前述したように確変終了判定確率が変化して一旦初期値に戻る制御を行なうときには、確変終了判定確率が初期値に変化したとき(戻ったとき)に確変終了判定確率が初期値に変化した旨を報知してもよい。このような報知をすれば、たとえば、図4に示されるような確変終了判定確率が初期値から段階的に下がっていく変化パターンで判定確率が変化する場合には、遊技者の期待感を高めることができる。一方、図35に示されるような確変終了判定確率が初期値から段階的に上がっていく変化パターンで判定確率が変化する場合には、遊技者の緊張感を高めることができる。
【0270】
(15) 前述した実施の形態では、確変状態において、変動表示の開始条件が成立するごとに確変終了判定を行なう例を示した。これにより、前記終了判定手段は、確変状態において変動表示の開始条件が成立するごとに前記判定を行なうものであると限定することができる。
【0271】
(16) 前述した実施の形態では、確変状態において、第1回目の変動表示において確変終了判定を行なわない例を示した。しかし、これに限らず、確変状態における第1回目の変動表示において確変終了判定を行なうようにしてもよい。
【0272】
(17) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0273】
【図1】本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】パチンコ遊技機における主な制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】遊技制御用マイクロコンピュータが遊技制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。
【図4】確変終了判定確率変化パターンテーブルのデータ内容を表形式で示す図である。
【図5】確変終了判定確率初期値決定テーブルのデータ内容を表形式で示す図である。
【図6】確変終了判定確率変化判定テーブルのデータ内容を表形式で示す図である。
【図7】確変終了判定確率の段階的変化が行なわれるときの確変終了判定確率の変化の仕方の一例を示すタイミングチャートである。
【図8】確変状態演出における演出内容の全体的な流れを示す行程図である。
【図9】変動表示装置において行なわれる確変状態演出の表示例を示す表示画面図である。
【図10】変動表示装置において行なわれる確変状態演出の表示例を示す表示画面図である。
【図11】変動表示装置において行なわれる確変状態演出の表示例を示す表示画面図である。
【図12】変動表示装置において行なわれる確変状態演出の表示例を示す表示画面図である。
【図13】変動表示装置において行なわれる確変状態演出の表示例を示す表示画面図である。
【図14】第1演出選択テーブルを表形式で示す図である。
【図15】第2演出選択テーブルを表形式で示す図である。
【図16】第3演出選択テーブルを表形式で示す図である。
【図17】第4演出選択テーブルを表形式で示す図である。
【図18】第5演出選択テーブルを表形式で示す図である。
【図19】第6演出選択テーブルを表形式で示す図である。
【図20】第7演出選択テーブルを表形式で示す図である。
【図21】第8演出選択テーブルを表形式で示す図である。
【図22】遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される遊技制御用メイン処理およびタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。
【図23】特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。
【図24】始動口スイッチ通過処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図25】特別図柄通常処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図26】確変状態演出用判定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図27】確変終了判定確率変化処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図28】確変終了判定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図29】大当り判定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図30】変動パターン設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図31】確変状態演出選択処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図32】確変状態演出選択処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図33】大当り終了処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図34】演出制御メイン処理およびタイマ割込み処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図35】第2実施形態による確変終了判定確率変化パターンテーブルのデータ内容を表形式で示す図である。
【符号の説明】
【0274】
14 始動入賞口、9 変動表示装置、1 パチンコ遊技機、53 遊技制御用マイクロコンピュータ、81 演出制御用マイクロコンピュータ、55 RAM。
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばパチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシン等で代表される遊技機に関する。詳しくは、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能であって、所定の始動条件が成立した後に開始条件が成立することにより、前記識別情報の変動表示が行なわれた後表示結果が導出される変動表示装置を有し、前記表示結果が予め定められた特定表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御され、該特定遊技状態の終了後において前記変動表示の表示結果が前記特定表示態様となる確率が前記特定遊技状態とは異なる通常遊技状態よりも向上した確率変動状態に制御されたときに、該確率変動状態を終了させる旨の判定がされるまで当該確率変動状態を継続させる制御を行なう遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機として従来から一般的に知られているものに、たとえば、各々が識別可能な図柄等の複数種類の識別情報を変動表示可能であって、始動入賞等の所定の始動条件が成立した後に開始条件が成立することにより、識別情報の変動表示が行なわれた後表示結果が導出される変動表示装置を有するものがあった。
【0003】
このような遊技機では、表示結果が予め定められた特定表示態様(大当り図柄の組合せ)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御され、該特定遊技状態の終了後において変動表示の表示結果が特定表示態様となる確率が特定遊技状態とは異なる通常遊技状態よりも向上した確率変動状態に所定期間制御され、所定の継続条件が成立したときに、当該確率変動状態を継続させる制御を行なうものがあった。
【0004】
そして、このような遊技機においては、確率変動状態に関する遊技の興趣を向上させるために、高確率時(確率変動状態時)と通常時(確率変動状態時以外)とで確変図柄の設定数を異ならせることにより、通常時に確変図柄で当って確変に突入する確率(突入率)を、高確率時に再度確変図柄で当って確変を更新継続する確率(継続率)に比べて高く設定したものがあった(特許文献1)。
【特許文献1】特開平8−323000号公報(段落番号0034〜0036等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前述のような従来の遊技機では、確率変動状態のときと、確率変動状態以外のときとで確率変動状態になる確率が異なるが、確率変動状態での遊技に変化が生じないため、確率変動状態中における遊技が単調となり、遊技の興趣が低下するおそれがあった。
【0006】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、確率変動状態中における遊技状態を変化に富んだものにし、遊技の興趣を向上させることのできる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
【0007】
(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、特別図柄)を変動表示可能であって、所定の始動条件(たとえば、始動入賞口14への遊技球の入賞)が成立した後に開始条件(たとえば、保留記憶カウンタが減算されて変動表示の開始順番が来ること)が成立することにより、前記識別情報の変動表示が行なわれた後表示結果が導出される変動表示装置(変動表示装置9)を有し、前記表示結果が予め定められた特定表示態様(大当り図柄の組合せ)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御され、該特定遊技状態の終了後において前記変動表示の表示結果が前記特定表示態様となる確率が前記特定遊技状態とは異なる通常遊技状態よりも向上した確率変動状態(確変状態)に制御されたときに、該確率変動状態を終了させる旨の判定がされるまで当該確率変動状態を継続させる制御を行なう遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記確率変動状態を終了させるか否かを判定するために用いられる終了判定用数値情報(確変終了判定用のランダムカウンタR5のカウント値)を更新する終了判定用数値情報更新手段(確変終了判定用のランダムカウンタR5、図22のS12,S23)と、
該終了判定用数値情報更新手段から前記終了判定用数値情報を抽出する終了判定用数値情報抽出手段(図24のS43)と、
前記終了判定用数値情報抽出手段により抽出された前記終了判定用数値情報が前記確率変動状態を終了させるように定められた特定値(確変終了判定値)と一致するか否かを判定することにより、前記確率変動状態を終了させるか否かを判定する終了判定手段(図25のS55e、図28のS101)と、
前記確率変動状態において、前記終了判定手段により前記確率変動状態を終了させるように定められた前記特定値の個数を初期値(たとえば4個等の初期値)から前記初期値とは異なる所定値(たとえば3個等)に変化させ、所定の初期化条件(各パターンの第4ステップにおいてR10の抽出値を用いて確変終了判定確率を段階的に変化させる条件が成立した旨の判定がされたとき)が成立したときに、当該特定値の個数を初期値に戻す特定値個数変更手段(図25のS55d、図27のS201〜S205)とを含む。
【0008】
このような構成によれば、終了抽選用数値情報更新手段から抽出された終了抽選用数値情報が確率変動状態を終了させるように定められた特定値と一致するか否かを判定することにより、確率変動状態を終了させるか否かが判定される。そして、そのように確率変動状態を終了させるように定められた特定値の個数が、初期値から変化させられ、所定の初期化条件が成立したときに初期値に戻される。このように、確率変動状態を終了させるか否かの判定について、確率変動状態を終了させるように定められた特定値の個数が初期値から変化させられるので、確率変動状態を終了させると判定する確率が変化するため、確率変動状態中における遊技状態を変化に富んだものにすることができる。さらに、初期化条件が成立したときに、特定値の個数が初期値に戻されるので、確率変動状態中における遊技状態をさらに変化に富んだものにすることができる。このように確率変動状態中における遊技状態を変化に富んだものにすることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
【0009】
(2) 前記初期値を示す初期値データ(第1ステップの確変終了判定値の個数を特定する確変終了判定確率のデータ)と、前記所定値を示すデータであって前記初期値データよりも前記特定値の個数が少なくなるように設定された所定値データ(第2〜第4ステップの確変終了判定値の個数を特定する確変終了判定確率のデータ)とが記憶(確変終了判定確率変化パターンテーブルのデータとして記憶)された記憶手段(ROM54)をさらに含み、
前記特定値個数変更手段は、前記記憶手段から初期値データ、あるいは、所定値データのいずれかを選択することにより前記特定値の個数を変化させる(図4)。
【0010】
このような構成によれば、確率変動状態を終了させるように定められた特定値の個数を変化させるために、選択するデータが初期値データから所定値データに変化させられることにより、特定値の変化として、特定値の個数が少なくなるように変化させられるので、初期化条件が成立するまでの間に、確率変動状態に対する遊技者の期待感を高めることができる。さらに、初期化条件が成立すると、特定値の個数が初期値に戻されることにより、このような特定値の個数の変化によって遊技者にとって過剰に有利な状態になるのを制限することができる。
【0011】
(3) 前記初期値を示す初期値データ(第1ステップの確変終了判定値の個数を特定する確変終了判定確率のデータ)と、前記所定値を示すデータであって前記初期値データよりも前記特定値の個数が多くなるように設定された所定値データ(第2〜第4ステップの確変終了判定値の個数を特定する確変終了判定確率のデータ)とが記憶(確変終了判定確率変化パターンテーブルのデータとして記憶)された記憶手段(ROM54)をさらに含み、
前記特定値個数変更手段は、前記記憶手段から初期値データ、あるいは、所定値データのいずれかを選択することにより前記特定値の個数を変化させる(図35)。
【0012】
このような構成によれば、確率変動状態を終了させるように定められた特定値の個数を変化させるために、選択するデータが初期値データから所定値データに変化させられることにより、特定値の変化として、特定値の個数が多くなるように変化させられるので、初期化条件が成立するまでの間に、確率変動状態の終了に対する遊技者の緊張感を高めることができる。さらに、初期化条件が成立すると、特定値の個数が初期値に戻されることにより、このような特定値の個数の変化によって遊技者にとって過剰に不利な状態になるのを制限することができ、確率変動状態に対する遊技者の期待感を高めることができる。
【0013】
(4) 前記確率変動状態となるときに、前記初期値を、予め定められた複数の初期値(図5)のうちから選択的に決定する初期値決定手段をさらに含む(図33のS402)。
【0014】
このような構成によれば、確率変動状態となるときに、確率変動状態を終了させるように定められた特定値の個数を変化させるときの初期値が、予め定められた複数の初期値のうちから選択的に決定されるので、このような初期値が変化に富むようになることに基づいて、確率変動状態中における遊技状態をさらに変化に富んだものにすることができる。
【0015】
(5) 前記終了判定手段による終了判定が行なわれる前において、前記特定値個数変更手段により前記特定値の個数を変化させるために予め定められた変化条件が成立したか否かを判定する変化条件判定手段(図27のS201、図6)をさらに含み、
前記特定値個数変更手段は、前記変化条件判定手段により前記変化条件が成立したと判定されたときに、前記特定値の個数を変化させる(S202〜S205)。
【0016】
このような構成によれば、終了判定手段による終了判定が行なわれる前において、特定値個数変更手段による特定値の個数を変化させるために予め定められた変化条件が成立したか否かが判定され、その変化条件が成立したと判定されたときに、その特定値の個数が変化させられる。これにより、このような特定値の個数が変化させられるタイミングが変化に富むようになり、確率変動状態中における遊技状態をさらに変化に富んだものにすることができる。
【0017】
(6) 予め定められた報知条件が成立したときに、前記終了判定手段による判定の結果を報知する報知手段(図30のS88、S92、図32のS128〜S134、図34のS505)と、
予め定められた複数回の変動表示が行なわれるごとに、前記報知手段による報知条件が成立したと判定する報知条件判定手段(図32のS128)とをさらに含み、
前記終了判定手段は、前記開始条件が成立するごとに判定を行ない(図25のS55eの確変終了判定処理が実行される特別図柄通常処理は、変動表示が行なわれるごとに実行されるので、確変終了判定処理は変動表示が行なわれるごとに実行される)、
前記報知手段は、前記報知条件判定手段により前記報知条件が成立したと判定されたときのみ、前記予め定められた複数回の変動表示に対する前記終了判定手段による判定の結果を報知する(図31のS111〜図32のS134は、確変終了判定結果報知周期ごとに繰返し実行される)。
【0018】
このような構成によれば、開始条件が成立するごとに終了判定手段による判定が行なわれ、予め定められた複数回の変動表示が行なわれるごとに成立する報知条件が成立したときのみ、その予め定められた複数回の変動表示に対する確率変動状態を終了させるか否かの判定の結果が報知される。このように、予め定められた複数回の変動表示が行なわれたときのみ、その複数回の変動表示に対する判定の結果が報知されることにより、予め定められた複数回の変動表示が行なわれるごとに、遊技者の確率変動状態の継続への期待感を高めることができる。
【0019】
(7) 前記変動表示の表示結果を前記特定表示態様とするか否かを判定する特定判定手段(図25のS56)をさらに含み、
前記終了判定手段は、前記確率変動状態を終了させるか否かの判定を、前記特定判定手段による判定が行なわれる前に実行し(図25の特別図柄通常処理でS56の実行前にS55eが実行される)、
前記特定判定手段は、前記終了判定手段による前記確率変動状態を終了させるか否かの判定の結果に対応した確率(通常の大当り確率か、確変状態での大当り確率(高確率))で、前記変動表示の表示結果を前記特定表示態様とするか否かを判定(大当り判定)する。
【0020】
このような構成によれば、確率変動状態を終了させるか否かの判定の結果に対応した確率で、変動表示の表示結果を特定表示態様とするか否かの判定が行なわれ、その確率変動状態を終了させるか否かの判定が、変動表示の表示結果を特定表示態様とするか否かの判定が行なわれる前に実行されるので、確率変動状態を終了させるか否かの判定が、変動表示の表示結果を特定表示態様とするか否かの判定が行なわれた後に実行される場合と比べて、確率変動状態を終了させるか否かの判定の結果を特定する情報を長期間保存しておく必要がない。このため、確率変動状態を終了させるか否かの判定の結果を特定する情報について情報の改変等の不正行為が行なわれる可能性を低減することができるとともに、その判定の結果を特定する情報がノイズ等により誤った情報に変化してしまう可能性を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機およびスロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能であって、所定の始動条件が成立した後に開始条件が成立することにより、前記識別情報の変動表示が行なわれた後表示結果が導出される変動表示装置を有し、前記表示結果が予め定められた特定表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御され、該特定遊技状態の終了後において前記変動表示の表示結果が前記特定表示態様となる確率が前記特定遊技状態とは異なる通常遊技状態よりも向上した確率変動状態に制御されたときに、該確率変動状態を終了させる旨の判定がされるまで当該確率変動状態を継続させる制御を行なう遊技機であればすべてに適用することが可能である。
【0022】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機1の正面図である。パチンコ遊技機1には、遊技領域7が形成された遊技盤6が取付けられている。ここでは図示を省略するが、パチンコ遊技機1の左側面側には、遊技者所有の記録媒体である遊技用カード(プリペイドカード)に記録されている遊技用価値としてのカード残高からの引落としに応じて遊技球を貸出すカードユニットが設けられている。このようなカードユニットでは、遊技者が、遊技用カードを挿入した状態で所定の貸球操作を行なうことにより、所定の貸出単位額分の残高がカード残高から減額されるとともに、その貸出単位額分の遊技球がパチンコ遊技機1の遊技球供給皿3に貸出される。遊技者が操作ノブ5を操作すると、打球供給皿3に貯留された遊技球(パチンコ球)が1個ずつ発射されて遊技領域7内に打込まれる。遊技者が操作ノブ5を操作すると、打球供給皿3に貯留された遊技球(パチンコ球)が1個ずつ発射されて遊技領域7内に打込まれる。
【0023】
遊技領域7の中央には、図柄等の各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示(可変表示、更新表示ともいう)させる表示装置として、特別図柄を変動表示させる変動表示装置9が設けられている。変動表示装置9は、画像を表示する液晶表示器(LCD表示器)で構成された表示装置である。変動表示装置9において表示される特別図柄は、たとえば、0〜9の複数の数字の図柄よりなる。
【0024】
また、変動表示装置9では、演出用のキャラクタ等のその他の画像も表示される。ここで、キャラクタとは、変動表示装置9に表示される人間,動物,あるいは物等を表わす映像をいう。なお、変動表示装置9により変動表示される識別情報は、数字、文字、図形、模様、キャラクタ等の識別情報であれば、どのような識別情報であってもよく、数字のみ、文字のみ、図形のみ、模様のみ、キャラクタのみ、または、これらを適宜組合せたもの等であってもよい。
【0025】
変動表示装置9では、特別図柄が変動表示される複数の変動表示部(左,中,右変動表示部)が画像上で設けられる。これら変動表示部では、左図柄,中図柄,右図柄と呼ばれる3つの特別図柄がスクロール等の所定の変動表示パターンで変動表示される。このような変動表示が開始された後、左図柄,中図柄,右図柄の3つの図柄がそれぞれ停止表示されることにより、変動表示の表示結果が導出表示される。変動表示装置9で特別図柄の変動表示が開始されるときには、左,中,右図柄の変動表示が一斉に開始される。その後、表示結果が導出表示されるときには、たとえば、左,右,中図柄の順に図柄が順次停止表示されていき、表示結果が導出表示される。このような変動表示の開始時から表示結果の導出表示時までの時間は、変動時間(変動表示時間)と呼ばれる。
【0026】
なお、変動表示装置9は、液晶表示器に限らず、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED等のLED(Light Emitting Diode)、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。また、変動表示装置9は、画像表示式の表示装置に限らず、外周に複数種類の図柄が描かれた回転ドラムを回転駆動する回転ドラム式等のその他の機械式の変動表示装置であってもよい。
【0027】
変動表示装置9の上方には、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示可能な普通図柄表示装置10が設けられている。普通図柄表示装置10は、当り図柄である○印を表示可能な当り表示器10aと、はずれ図柄である×印を表示可能なはずれ表示器10bとを含み、当り図柄とはずれ図柄とを交互に点灯表示することにより、普通図柄を変動表示する。変動表示装置9の下方には、特別図柄の変動表示を始動させる遊技球を受入れ可能な始動口14を有する始動用電動役物14aと、普通図柄の変動表示を始動させる遊技球を受入れ可能な2つの通過口11とが設けられている。
【0028】
通過口11に遊技球が進入すると、ゲートスイッチ12により遊技球の通過(始動通過という)が検出され、それに応じて、乱数値となる数値データが抽出され、通過記憶データとして、後述するRAM55に記憶される。通過記憶データの記憶個数には上限値が設定されており、上限値に達しない状態で始動通過が検出されると普通図柄の変動表示の実行条件(始動条件)が成立して始動通過が有効となるが、上限値に達した状態で始動通過が検出されると実行条件が成立せず始動通過が無効となる。通過記憶データに基づき普通図柄の変動表示を開始させることができる開始条件(普通図柄の変動表示が実行中でないこと)が成立すると、普通図柄の変動表示が開始される。これにより、通過記憶データが複数記憶されたときには、それぞれのデータに基づいて普通図柄の変動表示が順次実行されていく。開始条件が未成立の通過記憶データの個数は、変動表示装置9上方に設けられた通過記憶表示器15でのLEDの点灯数により表示される。
【0029】
始動通過記憶データの値が所定の当り判定値と合致するときには、普通図柄の当りと判定され、当り図柄が普通図柄の表示結果として導出表示される。一方、始動通過記憶データの値が当り判定値と合致しないときには、普通図柄のはずれと判定され、はずれ図柄が普通図柄の表示結果として導出表示される。
【0030】
始動用電動役物14aは、ソレノイド16によって駆動される左右一対の可動片の開閉によって開閉可能である。始動用電動役物14aは、普通図柄の変動表示結果が当りとなった場合に始動口14に遊技球が進入しやすい開成状態となり、その開成状態で遊技球が1つ入賞すると始動口14に遊技球が進入しにくい閉成状態に戻る。また、始動用電動役物14aは、開成状態となってから所定の開放期間が経過すれば、遊技球が入賞しなくても閉成状態に戻る。
【0031】
始動口14に遊技球が進入すると、始動口スイッチ17により遊技球(始動入賞球)が検出され、それに応じて、乱数値となる数値データ(大当り判定用のランダムカウンタのカウント値)が抽出されて始動入賞記憶(以下、保留記憶という)のデータとして後述するRAM55に記憶される。このような保留記憶データは、記憶順番(抽出順番)を特定可能に記憶される。保留記憶データの記憶個数には上限値(4つ)が設定されており、上限値に達しない状態で始動入賞が検出されると特別図柄の変動表示の始動条件(実行条件ともいう)が成立して始動入賞が有効となるが、上限値に達した状態で始動入賞が検出されると始動条件が成立せず始動入賞が無効となる。保留記憶データに基づき特別図柄の変動表示を開始させることができる開始条件(保留記憶データがある状態で、特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ大当り遊技状態中でもない場合)が成立するごとに保留記憶データが1つずつ読出されて、特別図柄の変動表示が開始される。これにより、保留記憶データが複数記憶されたときには、それぞれのデータに基づいて特別図柄の変動表示が順次実行され、保留記憶データが消化されていく。開始条件が未成立の保留記憶データの個数は、変動表示装置9において画像により表示される。
【0032】
読出された保留記憶データの値が所定の大当り判定値と合致するときには、特別図柄の変動表示結果が大当りと判定され、特定の識別情報の組合せ(特定の表示態様)としての大当り図柄の組合せ(たとえば「777」等のゾロ目。)が表示結果として導出表示される。一方、読出された保留記憶データの値が大当り判定値と合致しないときには、変動表示結果がはずれと判定され、はずれ図柄の組合せ(たとえばゾロ目以外の図柄の組合せ)が表示結果として導出表示される。
【0033】
始動用電動役物14aの下方には、遊技球が入賞可能な大入賞口18と、大入賞口18を開閉する開閉板20とを備えた可変入賞球装置19が設けられている。特別図柄の変動表示結果が大当り図柄の組合せとなると、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御され、可変入賞球装置19の開閉板20が、遊技者に不利な第2の状態である閉状態から遊技者に有利な第1の状態である開状態に制御される。開閉板20の駆動は、ソレノイド21によって行なわれる。
【0034】
可変入賞球装置19における大入賞口18の内部には、特定入賞領域と通常入賞領域とが設けられている。特定入賞領域に進入した遊技球は、V入賞球と呼ばれ、Vカウントスイッチ22により検出された後、カウントスイッチ23により検出される。通常入賞領域に進入した遊技球は、カウントスイッチ23のみにより検出される。
【0035】
大当り遊技状態の可変入賞球装置10において、大入賞口18が開口した第1の状態で、大入賞口18に進入した遊技球の数が所定個数(たとえば10個)に達したとき、または所定期間(たとえば30秒間)経過したときのうちのいずれか早い方の条件が成立したときには、第1の状態が一旦終了して開閉板20が閉成し、第2の状態に制御される。そして、可変入賞球装置19が第1の状態となっている期間中に進入した遊技球が特定入賞領域に入賞し、Vカウントスイッチ22により検出されたことを条件として、その回における可変入賞球装置19の第1の状態が終了して第2の状態となった後、再度開閉板20が開成されて、可変入賞球装置19を第1の状態にする繰返し継続制御が実行される。繰返し継続制御の実行上限回数は、たとえば16回と定められている。繰返し継続制御において、可変入賞球装置19が第1の状態にされている状態はラウンドと呼ばれる。
【0036】
また、特別図柄の変動表示結果が特定の表示態様(大当り図柄の組合せ)となって大当り遊技状態が発生し、その大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態としての確率変動状態(以下、確変状態という)に制御される。この実施の形態の場合には、大当り図柄の組合せの種類にかかわらず、大当り遊技状態が終了した後には、必ず確変状態に制御される。確変状態は、確率向上状態ともいい、大当りとなる確率が変動して通常遊技状態(大当り遊技状態および確変状態以外の遊技状態)よりも向上した(高くなった)状態である。確変状態は、次回の大当りが発生するまで、または、後述するような確変終了判定により確変状態を終了させる旨の判定がされるまで、継続される。ここで確変終了判定とは、確変状態を終了させるか否かを抽選により判定することをいう。より具体的に、この実施の形態での確変終了判定は、確変状態において、特別図柄の変動表示が1回実行されるごとに1回行なわれる。確変状態は、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ53の確率変動制御機能により実現される。
【0037】
また、特別図柄の変動表示中においては、たとえばまだ中図柄の表示結果が確定していない段階で左図柄と右図柄とが同じ図柄に揃ったようなリーチ状態(リーチ態様、リーチ表示態様ともいう)が発生する場合がある。ここで、リーチとは、複数の表示領域(変動表示領域、変動表示部)における一部の表示領域において表示結果がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示領域の表示結果が特定表示結果の組合せ(大当り図柄の組合せ)となる条件を満たしている表示状態をいう。また、リーチとして定義されるもののうちには、複数の表示領域のすべてで特定表示結果の組合せを保持した状態で変動表示を行なっている所謂全回転リーチも含まれる。また、リーチとして定義されるもののうちには、複数の表示領域のすべてで特定表示結果の組合せを保持した状態が表示されているが、表示結果が未だ確定していない表示状態としてのリーチも含まれる。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
【0038】
また、特別図柄の変動表示中においては、表示結果が大当り図柄の組合せとなるときに、特別図柄を非確変大当り図柄の組合せで一旦仮に停止(たとえば、図柄が更新されていない状態で揺動している状態等であり、以下、仮停止という)させた後、特別図柄が再度変動表示され、その後、表示結果として、最終的に確定した非確変大当り図柄の組合せまたは確変大当り図柄の組合せを表示する再変動表示が行なわれる場合がある。この再変動表示においては、表示結果が大当り図柄の組合せとなるときに、確変大当り図柄となるか非確変大当り図柄となるかという楽しみを遊技者に与えることができる。
【0039】
遊技領域7には、一般入賞口である入賞口24および装飾ランプ25等の他の構造物も設けられている。遊技領域7の下端部には、どの入賞口にも入賞しなかった遊技球をアウト球として回収するアウト口26が設けられている。遊技領域7の外周には遊技効果LED42等の各種ランプが設けられている。遊技領域7の上部の左右には効果音等の音を発生するスピーカ41,41が設けられている。
【0040】
図2は、パチンコ遊技機1における主な制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。遊技制御基板31、演出制御基板80、および、払出制御基板37のそれぞれには、制御用のマイクロコンピュータ等が搭載されている。
【0041】
払出制御基板37では、球払出装置97が接続され、各種入賞に応じた景品球の払出し等の球の払出しが払出制御用マイクロコンピュータ370により制御される。演出制御基板80では、スピーカ41よりなる音出力手段と、遊技効果LED42、普通図柄表示装置10(10a,10b)、および、通過記憶表示器15等の発光手段と、変動表示装置9よりなる表示手段と含む各種装置が接続され、これらが演出制御用マイクロコンピュータ81により制御される。
【0042】
遊技制御基板31には、遊技制御用のプログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ53、スイッチ回路58、ソレノイド回路59、情報出力回路64、初期リセット回路65、および、アドレスデコード回路67が設けられている。
【0043】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、遊技制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用されるRAM55、遊技制御用のプログラムに従って制御動作を行なうCPU56、および、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、CPU56が、ROM54から遊技制御用プログラムを読出し、そのプログラムをタイマ割込みに従って定期的(たとえば2msec毎)に先頭から繰返し実行することにより、各種の遊技制御を実行する機能を有する。スイッチ回路58は、接続されている各種検出器等のスイッチからの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53に与える回路であり、ゲートスイッチ12等のスイッチが接続されている。ソレノイド回路59は、前述したソレノイド16,21を遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令に従って駆動する回路である。
【0044】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、各種検出器から検出信号を受けて検出された状態を認識する機能を有し、パチンコ遊技機1の状態を把握して前述した遊技が行なえるように、制御対象の各種機器を駆動する制御を行なう。遊技制御用マイクロコンピュータ53から演出制御用マイクロコンピュータ81および賞球制御用マイクロコンピュータ370のそれぞれには、各マイクロコンピュータが実行する制御内容を指令する指令情報(制御信号)の一例である制御コマンドが送信される。このように、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、制御コマンドを送信する機能(コマンド送信手段)を有している。演出制御用マイクロコンピュータ81には、演出制御基板80に接続された機器を制御するための制御コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ81は、受信した制御コマンドに応じて、変動表示装置9での変動表示等の各種表示制御(保留記憶数の表示も含む)、発光手段による発光制御、および、音出力手段による音制御を行なう。
【0045】
演出制御用マイクロコンピュータ81には、演出制御用のプログラム等を記憶するROM82、ワークメモリとして使用されるRAM83、演出制御用のプログラムに従って制御動作を行なうCPU84、画像表示用のIC(集積回路)であるVDP(Video Display Processor )85、画像表示のための作業領域として用いられるVRAM(Video Random Access Memory)86、および、画像データを記憶したキャラクタROM87が設けられている。CPU84からVDP85には、画像表示を命令するための命令データが与えられる。命令データはROM82において画像表示の種類ごとに格納されており、必要に応じて読出され、VDP85に与えられる。VDP85は、与えられた命令データに従った画像表示をするために、画像データが記憶されたキャラクタROM87から必要なデータを読出し、読出したデータに従って変動表示装置9に表示するための画像データを生成し、その画像データをVRAM86に格納する。VRAM86内の画像データは、RGB信号に変換されて、変動表示装置9へ与えられる。これにより、変動表示装置9において、特別図柄の変動表示等の各種表示が行なわれる。
【0046】
制御コマンドの送信は、次のように行なわれる。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、特別図柄の変動表示に際して、次のような制御コマンドを送信する。変動表示を開始する段階において、特別図柄の変動パターン(変動時間を含む)を指定するとともに変動表示の開始を指示するコマンドである変動パターンコマンドが送信される。その後、直ちに変動表示される各特別図柄の予定停止図柄を指定する停止図柄コマンドが送信される。変動表示の開始後、コマンドにより指定した変動時間が経過した時には、変動表示の停止を指定する全図柄停止コマンドが送信される。このような変動時間は、変動表示が行なわれるごとに変動時間タイマにより管理される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、変動表示の始動条件が成立した段階において、現在の保留記憶数を示す保留記憶数コマンドを送信する。この保留記憶数コマンドは、変動表示装置9において保留記憶数を表示するために用いられる。
【0047】
また、後述するような確変状態演出を行なうときには、変動表示装置9において確変状態演出の演出内容を指示する確変状態演出コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ53が送信する。ここで、確変状態演出とは、変動表示装置9での画像表示等により確変状態を演出することをいう。より具体的に、この実施の形態での確変状態演出は、確変終了判定の判定結果を所定回数(この例では7回)の変動表示が行なわれるごとにまとめて報知する(以下、確変終了判定結果報知という)ときに、その報知を演出するための表示を行なうことをいう。確変状態演出コマンドは、変動表示が行なわれるごとに演出内容を指定するので、変動表示が行なわれるごとに送信される。また、普通図柄表示装置10での普通図柄の変動表示を制御するときには、普通図柄の変動表示内容を指示する制御コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ53が送信する。
【0048】
演出制御用マイクロコンピュータ81では、前述したような特別図柄の変動表示に関する制御コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより指定される表示による演出を変動表示装置9において実行する制御を行なうとともに、表示態様と予め関係付けられた効果音等の音を音出力手段としてのスピーカ41から出力させる制御、および、表示態様と予め関係付けられた発光パターンで遊技効果ランプ42等の発光手段を発光させる制御を行なう。また、演出制御用マイクロコンピュータ81では、前述したような普通図柄の変動表示に関する制御コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより指定される表示による演出を普通図柄表示装置10において実行する制御を行なうとともに、その表示態様と予め関係付けられた効果音等の音を音出力手段としてのスピーカ41から出力させる制御、および、その表示態様と予め関係付けられた発光パターンで遊技効果ランプ42等の発光手段を発光させる制御を行なう。
【0049】
なお、図2においては、表示制御機能、音制御機能、および、発光制御機能を1つのマイクロコンピュータの機能に含ませる例を示したが、これに限らず、これらの機能をそれぞれ別のマイクロコンピュータに設け、そのマイクロコンピュータ別に、遊技制御用マイクロコンピュータ53が、表示制御、音制御、およびランプ制御のそれぞれのコマンドを送信し、そのコマンドを受信した各マイクロコンピュータが、コマンドに応じて各種制御をしてもよい。
【0050】
次に、パチンコ遊技機1での制御に用いられる乱数値となる数値データを発生させるためのランダムカウンタについて説明する。図3は、遊技制御用マイクロコンピュータ53が遊技制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。図3には、ランダムカウンタの一例として、ランダムカウンタR1〜R10の10種類のランダムカウンタが示されている。
【0051】
R1は、変動表示装置9の変動表示について大当り状態を発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるための大当り判定用のランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「599」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このR1は、2msec毎に加算更新されることとなる。始動口スイッチ17により有効な始動入賞が検出されると、それに応じてこのR1のカウント値が抽出されて保留記憶のデータとしてRAM55に記憶される。そして、変動表示装置9について、特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、そのようにRAM55に記憶された抽出値が予め定められた大当り判定値と一致するか否かが判断される。この判断において、一致した場合には、変動表示の表示結果を大当り図柄の組合せとして大当りを発生させることが決定されて前述した大当り遊技状態の制御が行なわれ、一致しない場合には、変動表示の表示結果をはずれとすることが決定されて遊技状態が変化しない。確変状態以外の通常の確変状態においては、大当り判定値がたとえば2つの数値に設定される。確変状態においては、大当り判定値が2つよりも多い複数個の数値(この場合、大当り判定値は、大当り判定に偏りが生じなくするために、数値順番が隣接した数値とならないように設定される)に設定されることにより、通常遊技状態に比べて大当りの発生確率が向上する。
【0052】
図3の各ランダムカウンタについての範囲の欄に示されている数値範囲は、このようなランダムカウンタのカウント範囲であって、R1で説明したように初期値から上限値までカウントアップした後、再度初期値からカウントアップし直すものである。したがって、説明を簡略化するために、以下の各種カウンタの説明においては、カウント範囲およびカウント方法についての説明を適宜省略する場合がある。
【0053】
R2は、大当りを発生させることが事前決定されているときにどの種類の大当り図柄の組合せを変動表示装置9に表示させるかをランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるための大当り図柄決定用のランダムカウンタである。特別図柄は、予め定められた図柄の配列順序に従って変動(更新)表示されていく。R2は、2msec毎に更新され、0から更新されてその上限である9まで更新された後再度0から更新される。複数種類の特別図柄のそれぞれには図柄決定用の数値データが対応付けられており、所定のタイミングでR2から抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の特別図柄(一致する図柄)として決定される。
【0054】
R3−1〜R3−3は、変動表示装置9について、はずれとなる表示結果における停止図柄を事前にランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのランダムカウンタである。R3−1は、左図柄の停止図柄を事前に決定するために用いられる。R3−2は、中図柄の停止図柄を事前に決定するために用いられる。R3−3は、右図柄の停止図柄を事前に決定するために用いられる。R3−1〜R3−3のそれぞれについては、R3−1が2msecごとおよび割込み処理余り時間、R3−2がR3−1の桁上げごと、R3−3がR3−2の桁上げごとにそれぞれ加算更新されることにより、カウントアップされるタイミングが異ならされている。
【0055】
ここで、R3−1等の所定のランダムカウンタにおいて行なわれる割込み処理余り時間におけるカウントアップ動作について説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ53のCPU56は、定期的な割込み処理の実行により、各種制御を行なうが、割込み処理の終了から次の割込み処理の実行開始までの期間は割込み処理待ち状態となる。そのような割込み処理待ち状態である割込み処理の余り時間において、無限ループを利用してランダムカウンタの加算更新処理を繰返し実行することを割込み処理余り時間におけるカウントアップという。
【0056】
前述したように、複数種類の特別図柄のそれぞれには図柄決定用の数値データが対応付けられており、前述の大当り判定ではずれとする判定がされた場合において後述するリーチ判定によりリーチ状態としないことが判定された場合には、所定のタイミングでR3−1〜R3−3のそれぞれから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の特別図柄の停止図柄として決定される。なお、大当り判定ではずれとする判定がされた場合において、このようなカウンタの抽出値に対応する停止図柄が偶然大当りの図柄と一致する場合には、はずれの図柄となるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、大当り判定ではずれとする判定がされた場合において後述するリーチ判定によりリーチ状態とすることが判定された場合には、前述したタイミングで抽出されたカウンタの値のうち、R3−1から抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各特別図柄の停止図柄として決定され、R3−3から抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれの図柄となるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
【0057】
R4は、変動表示装置9について、特別図柄の変動パターン(変動時間の長さおよび変動の態様により規定される情報である)をランダムに決定するために用いる乱数値を発生させるための変動パターン決定用のランダムカウンタである。R4のカウント値は、2msecごとおよび割込み処理余り時間に所定数ずつ加算されることとなる。予め定められた複数種類の変動パターンのそれぞれには変動パターン決定用の数値データが対応付けられており、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングでR4から抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する変動パターンが、変動表示時において実行する変動パターンとして選択決定される。
【0058】
R5は、前述の確変状態を終了させるか否かの判定である確変終了判定の判定結果をランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのランダムカウンタである。R5のカウント値は、0〜99の範囲内で2msec毎および割込処理余り時間に所定数ずつ加算されることとなる。確変終了判定は、確変状態において特別図柄の変動表示が1回実行されるごとに1回行なわれる。変動表示が実行されるごとに、所定のタイミングでR5のカウンタの値が抽出される。R5から抽出されたカウンタの値と、確率変動状態を終了させるように予め定められた特定値としての確変終了判定値とが一致するときに、確変状態を終了させる旨の判定がされ、一方、これらの値が一致しないときに、確変状態を継続させる旨の判定がされる。この実施の形態の場合には、確変終了判定値の個数は、後述するように、遊技状況に応じて変化(変更)させられる。たとえば、確変終了判定値が複数個であるときには、R5から抽出されたカウンタの値と、複数個の確変終了判定値のうちのいずれかとが一致するときに確変状態を終了させる旨の判定がされることとなる。
【0059】
R6は、確変状態において変動表示装置9で複数回の変動表示に亘って表示される確変状態演出のうちの各変動表示時の演出の種類をランダムに決定するために用いる乱数値を発生させるための演出決定用のランダムカウンタである。R6のカウント値は、0〜19の範囲内で2msecごとおよび割込み処理余り時間に所定数ずつ加算されることとなる。
【0060】
後述するように、確変状態演出は、たとえば、確変終了判定結果報知が行なわれる周期(以下、確変終了判定結果報知周期という)の1周期としての7回の変動表示が実行される間に亘り、物語性(ストーリー性)を持たせた画像表示を行なうものである。このような確変状態演出は、確変終了判定結果報知周期としての7回の変動表示毎に演出が区切られている。言い換えると、確変状態演出は、7回の変動表示に対応して、7つの場面に分けられている。そして、7つの場面においては、場面ごとに演出内容が選択される。つまり、確変状態演出は、7つの場面に分けられた7つの演出内容をつなぎ合わせることにより、物語性を有する演出となるように構成されている。R6は、このような、確変状態演出における場面ごとの演出内容の選択をするときに、その演出の選択をランダムに行なうために用いられる。
【0061】
R7は、変動表示装置9について、前述の大当り判定においてはずれとする判定がされたときに、特別図柄についてリーチ状態を形成する(以下、リーチはずれという)かリーチ状態を形成しない(以下、非リーチはずれという)かをランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるためのリーチ判定用のランダムカウンタである。このR7は、2msecごとおよび割込み処理余り時間に実行される。特別図柄の停止図柄を決定する前の段階で、R7のカウント値が抽出され、抽出されたカウント値が予め定められたリーチ判定値と一致するか否かが判断される。そして、これらの値が一致した場合には、リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態とする制御が行なわれる。一方、これらの値が一致した場合には、非リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態としない制御が行なわれる。
【0062】
R8は、普通図柄表示器10の変動表示について当りを発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるためのランダムカウンタである。ゲートスイッチ12により有効な始動通過が検出されると、それに応じて、このR8のカウント値が抽出されて通過記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、普通図柄の変動表示を開始する前の段階で、その抽出値が予め定められた当り判定値と一致するか否かが判断され、一致した場合には普通図柄の当りを発生させることが決定されて前述のような制御が行なわれ、不一致の場合にははずれとすることが決定されて前述のような制御が行なわれる。
【0063】
R9は、前述の確変終了判定を行なうときに確変状態を終了させる旨の判定をする確率(確変終了判定用のランダムカウンタR5がとり得る数値範囲(0〜99)内の数値データの個数(100個)に対する確変終了判定値の個数の割合であり、以下、確変終了判定確率という)の初期値(言い換えると、確変終了判定を行なうときに確変状態を終了させる旨の判定をするように定められた確変終了判定値の個数の初期値)をランダムに決定するために用いる乱数値を発生させるための確変終了判定確率初期値決定用のランダムカウンタである。ここで、確変終了判定確率は、確変状態において、後述するように選択決定された初期値から段階的に変化(変更)させられ、所定の初期化条件が成立したときに、初期値に戻される。このR9は、そのような初期値を選択決定するために用いられる。R9のカウント値は、2msecごとおよび割込み処理余り時間に所定数ずつ加算されることとなる。予め定められた複数種類の初期値のそれぞれには初期値決定用の数値データが対応付けられている。始動口スイッチ17により有効な始動入賞が検出されると、それに応じてこのR9のカウント値が抽出されて保留記憶のデータとしてRAM55に記憶される。そして、変動表示装置9について、特別図柄の変動表示を開始する前の段階でRAM55に記憶されたR9の抽出値が読出され、その抽出値に対応する初期値が、確変終了判定を行なうときの確率の初期値(以下、確変終了判定確率初期値という)として選択決定される。なお、R9のカウント値の抽出は、始動口スイッチ17により有効な始動入賞が検出された段階で行なわずに、特別図柄の変動表示を開始する前の段階で行なうようにしてもよい。このようにすれば、始動入賞時に抽出して記憶したデータが使用されずに無駄になることが防がれる。その場合、確変状態演出の選択決定は、特別図柄の変動表示が行なわれるごとに、変動表示を開始する前の段階で行なうようにする。
【0064】
R10は、前述の確変終了判定について、前述の確変終了判定確率を段階的に変化させるとき(言い換えると、確変状態を終了させる旨の判定をするように定められた確変終了判定値の個数を段階的に変化させるとき)において変化させる条件(以下、確変終了判定確率変化条件という)が成立したか否かをランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるための確変終了判定確率変化判定用のランダムカウンタである。このR10は、2msecごとおよび割込み処理余り時間に所定数ずつ加算されることとなる。始動口スイッチ17により有効な始動入賞が検出されると、それに応じてこのR10のカウント値が抽出されて保留記憶のデータとしてRAM55に記憶される。そして、変動表示装置9について、特別図柄の変動表示を開始する前の段階でRAM55に記憶されたR10の抽出値が読出され、その抽出値が予め定められた変化判定値と一致するか否かが判断される。この判断において、一致した場合には、確変終了判定確率を段階的に変化させる条件が成立したと判断し、確変終了判定確率を1段階変化させる制御が行なわれる。不一致の場合には、確変終了判定確率を段階的に変化させる条件が成立しないと判断し、確変終了判定確率の変化が行なわれない。なお、R10のカウント値の抽出は、始動口スイッチ17により有効な始動入賞が検出された段階で行なわずに、特別図柄の変動表示を開始する前の段階で行なうようにしてもよい。このようにすれば、始動入賞時に抽出して記憶したデータが使用されずに無駄になることが防がれる。
【0065】
以上に示したような大当り判定機能、大当り図柄決定機能、はずれ停止図柄決定機能、変動パターン決定機能、確変終了判定機能、確変状態演出選択機能、リーチ判定機能、普通図柄当り判定機能、確変終了判定確率初期値決定機能、および、確変終了判定確率変化判定機能等の機能は、遊技制御用マイクロコンピュータ53の制御機能により実現される。
【0066】
次に、前述した確変終了判定確率の段階的変化をさせるために用いられるデータテーブルである確変終了判定確率変化パターンテーブルを説明する。確変終了判定確率変化パターンテーブルは、ROM54に記憶されている。図4は、確変終了判定確率変化パターンテーブルのデータ内容を表形式で示す図である。
【0067】
図4を参照して、この実施の形態の場合、確変終了判定確率の段階的変化は、確変終了判定値の個数の段階的変化に基づいて、第1ステップ〜第4ステップの4段階で行なわれる。このような確変終了判定確率の段階的変化を行なう変化のパターンとしては、第1パターン〜第4パターンという複数種類の変化パターンが予め定められている。確変終了判定確率変化パターンテーブルでは、第1パターン〜第4パターンのそれぞれについて、確変終了判定値の個数に基づいて設定される第1ステップ〜第4ステップの確変終了判定確率のデータが予め定められている。この第1ステップ〜第4ステップのうち、第1ステップの確変終了判定確率のデータは、確変終了判定確率の初期値のデータとして定められており、第2ステップ〜第4ステップのデータは、初期値のデータとは異なる所定値のデータとして定められている。
【0068】
第1パターンは、確変終了判定確率が、確変終了判定値の個数が4個である4%を初期値とし、4%→3%→2%→1%の順番で段階的に低くなる変化をし、所定の初期化条件が成立したときに4%という初期値に戻る。第2パターンは、確変終了判定確率が、確変終了判定値の個数が5個である5%を初期値とし、5%→4%→3%→2%の順番で段階的に低くなる変化をし、所定の初期化条件が成立したときに5%という初期値に戻る。第3パターンは、確変終了判定確率が、確変終了判定値の個数が6個である6%を初期値とし、6%→5%→4%→3%の順番で段階的に低くなる変化をし、所定の初期化条件が成立したときに6%という初期値に戻る。第4パターンは、確変終了判定確率が、確変終了判定値の個数が7個である7%を初期値とし、7%→6%→5%→4%の順番で段階的に低くなる変化をし、所定の初期化条件が成立したときに7%という初期値に戻る。この実施の形態の場合の初期化条件は、各パターンの第4ステップにおいて、前述したR10の抽出値を用いて確変終了判定確率を段階的に変化させる条件が成立した旨の判定がされたときに成立する。
【0069】
確変状態となったときには、前述したR9により確変終了判定確率初期値が選択決定され、この確変終了判定確率変化パターンテーブルが参照され、選択決定された初期値に対応する変化パターン(たとえば、初期値として4%が選択されたときには、対応するパターンが第1パターンである)にしたがって、確変終了判定確率の段階的変化が行なわれる。
【0070】
第1パターン〜第4パターンの各パターンは、確変終了判定値の個数が段階的に少なくなることにより確変終了判定確率が段階的に低くなるパターンである。また、確変終了判定確率は、第1パターン〜第4パターンのうち、第1パターンの初期値が最も低確率であり、第2パターン、第3パターン、第4パターンの順番で高確率となるように設定されている。さらに、各ステップの確変終了判定確率についても、第1パターンが最も低確率であり、第2パターン、第3パターン、第4パターンの順番で高確率となるように設定されている。したがって、S402により初期値として第1パターンの初期値が選択決定されたときには、変化パターンの各段階における確変終了判定確率が他のパターンよりも低いため、遊技者にとって最も有利なものとなる。
【0071】
前述したような複数種類の確変終了判定確率については、確変終了判定確率ごとに、前述した判定確率が得られるような個数の確変終了判定値のデータが予め設定されており、確変終了判定確率毎に設定された確変終了判定値のデータが確変終了判定に用いられることにより実現される。たとえば、確変終了判定確率が4%であるときは、前述のR5が取り得る0〜99のうちの4個の数値データが確変終了判定値のデータとして設定され、確変終了判定確率が5%であるときは、前述のR5が取り得る0〜99のうちの5個の数値データが確変終了判定値のデータとして設定される。このような確変終了判定値の数値データは、ROM54に記憶されており、読出されて使用される。
【0072】
次に、前述した確変終了判定確率初期値を決定するために用いられるデータテーブルである確変終了判定確率初期値決定テーブルを説明する。確変終了判定確率初期値決定テーブルは、ROM54に記憶されている。図5は、確変終了判定確率初期値決定テーブルのデータ内容を表形式で示す図である。確変終了判定確率初期値決定テーブルでは、R9の抽出値(0〜59の範囲)と、選択決定される終了判定確変初期値との関係が示されている。
【0073】
図5を参照して、R9の抽出値が0〜24の範囲内であるときには、前述の第1パターンの初期値(4%)が選択決定される。R9の抽出値が25〜44の範囲内であるときには、前述の第2パターンの初期値(5%)が選択決定される。R9の抽出値が45〜54の範囲内であるときには、前述の第3パターンの初期値(6%)が選択決定される。R9の抽出値が55〜59の範囲内であるときには、前述の第4パターンの初期値(7%)が選択決定される。この実施の形態の場合には、前述したような遊技者にとって有利な変化パターン程、選択されやすいようにR9の抽出値が第1〜第4変動パターンに割振られている。このため、確変終了判定確率を段階的に変化させる変化パターンの選択に関して、遊技者の遊技意欲の低下を防ぎ、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
【0074】
次に、前述した確変終了判定確率変化条件が成立したか否かを判定するために用いられるデータテーブルである確変終了判定確率変化判定テーブルを説明する。確変終了判定確率変化判定テーブルは、ROM54に記憶されている。図6は、確変終了判定確率変化判定テーブルのデータ内容を表形式で示す図である。確変終了判定確率変化判定テーブルでは、R10の抽出値(0〜29の範囲)と、確変終了判定確率変化条件が成立したか否かの判定結果との関係が示されている。
【0075】
図6を参照して、R10の抽出値が0〜7という変化判定値のいずれかと一致するときには、確変終了判定確率変化条件が成立したと判定される。一方、R10の抽出値が8〜29という変化判定値以外の値のいずれかと一致するときには、確変終了判定確率変化条件が成立していないと判定される。これにより、確変状態において変動表示が行なわれるときに、約1/4の確率で確変終了判定確率変化条件が成立し、確変終了判定確率が段階的に変化することとなる。
【0076】
次に、前述した確変終了判定確率の段階的変化が行なわれるときの確変終了判定確率の変化の仕方の一例を説明する。図7は、確変終了判定確率の段階的変化が行なわれるときの確変終了判定確率の変化の仕方の一例を示すタイミングチャートである。図7には、一例として、確変終了判定確率初期値として第1パターンの初期値が選択決定され、第1パターンにしたがって確変終了判定確率が変化する例が示されている。
【0077】
図7においては、(a)に確変フラグの状態が示され、(b)に変動表示の状態が示され、(c)に確変終了判定確率の状態が示されており、これらの状態が時間経過にしたがって示されている。ここで、確変フラグとは、確変状態に制御されているときにセット(ON状態)されるフラグであり、このフラグの状態に基づいて、確変状態に制御されているか否かが示される。この実施の形態の場合、確変フラグは、後述する図33のS401によりセットされ、図28のS102によりリセット(OFF状態)される。
【0078】
確変状態に制御されると、第1回目の変動表示を除き、各変動表示が実行されるごとに、前述の確変終了判定確率変化条件が成立したか否かの判定が行なわれた後、前述の確変終了判定が行なわれる。これにより、確変終了判定確率は、初期値(4%)が設定された第1ステップから段階的に変化していくこととなる。この確変終了判定確率の段階的な変化が行なわれるタイミング(変動表示の回)は、前述のR10を用いた判定によりランダムとなる。そして、確変終了判定確率の変化パターンの第4ステップにおいて前述の確変終了判定確率変化条件が成立(確変終了判定確率変化条件が成立)したときに、確変終了判定確率が初期値に戻され、再び第1ステップから確変終了判定確率の段階的変化が繰返されることとなる。
【0079】
次に、変動表示装置9において行なわれる前述の確変状態演出の表示例を具体的に説明する。まず先に、確変状態演出の演出内容の全体的な流れを説明した後、具体的な演出例を説明する。
【0080】
図8は、確変状態演出における演出内容の全体的な流れを示す行程図である。図8においては、説明を容易にするために、確変状態演出の場面ごとの演出を特定する番号として、1A〜6A、7A1〜7A5、4C〜7C、5D、4B〜7B、5E〜7Eの演出番号が付与されている。
【0081】
図8を参照して、確変状態演出は、確変状態において、7回の変動表示を1周期として繰返し実行される。確変状態演出は、このような演出の1周期内の第1回目の変動表示から第7回目の変動表示まで、7回の変動表示のそれぞれに対応して行なわれるように、7つの場面の演出に分けられている。各変動表示時の演出内容は、第1回目の変動表示から第7回目の変動表示までの演出内容に物語性を持たせるような設定態様で、個別に設定されて実行される。また、このような7回の演出のうち、第7回目の変動表示においては、前述の確変終了判定の結果が報知される。
【0082】
第1回目の変動表示においては、第1回目の演出として、予め定められた1A演出が選択されて実行される。次に、第2回目の変動表示においては、予め定められた第2回目の演出として、2A演出が選択されて実行される。次に、第3回目の変動表示においては、第3回目の演出として、予め定められた3A演出が選択されて実行される。第1〜3回目の変動表示の演出は、後述する図14に示す第1演出選択テーブルを用いて選択される。第1回目の1A演出と第2回目の2A演出とは演出内容が関連し、第2回目の2A演出と第3回目の3A演出とは演出内容が関連する。
【0083】
なお、この例では、第1回目〜第3回目の変動表示の演出として固定的に予め定められた演出を実行することが示されるが、これに限らず、第1回目〜第3回目の各変動表示の演出としては、複数定められた演出のうちからランダムに選択された演出を実行するようにしてもよい。
【0084】
次に、第4回目の変動表示においては、第4回目の演出として、第3回目の3A演出と演出内容が関連する4A演出〜4Cの3つの演出のうちから演出が選択され、選択された演出が実行される。第4回目の演出は、図15に示す第2演出選択テーブルまたは図16に示す第3演出選択テーブルを用いて選択される。具体的に、第4回目の演出を決定する時点で第7回目の変動表示が実行されるまでの間で確変状態が継続すること(以下、確変継続という)が確定しているときには、第2演出選択テーブルを用いて、確変継続確定演出として4B演出が選択される。また、第4回目の演出を決定する時点でそのような確変継続が確定していないときには、第3演出選択テーブルを用いて、4B演出または4C演出がランダムに選択される。
【0085】
次に、第5回目の変動表示においては、第5回目の演出として、5A演出〜5Eの5つの演出のうちから演出が選択され、選択された演出が実行される。第5回目の演出は、次のように選択される。第4回目の演出として4A演出が選択されていたときには、図17の第4演出選択テーブルを用いて、4A演出と演出内容に関連性がある5A演出または5E演出が第5回目の演出としてランダムに選択される。
【0086】
また、第4回目の演出として確変継続確定演出である4B演出が選択されていたときには、第2演出選択テーブルを用いて、4B演出と演出内容に関連性がある確変継続確定演出としての5B演出が選択される。また、第4回目の演出として4C演出が選択されていたときには、図18の第5演出選択テーブルを用いて、4C演出と演出内容に関連性がある5C演出または5D演出が第5回目の演出としてランダムに選択される。
【0087】
次に、第6回目の変動表示においては、第6回目の演出として、6A演出、6B演出、6C演出、6E演出の4つの演出のうちから演出が選択され、選択された演出が実行される。第6回目の演出は、次のように選択される。第5回目の演出として5A演出が選択されていたときには、図19の第6演出選択テーブルを用いて、5A演出と演出内容に関連性がある6A演出が第6回目の演出として選択される。第5回目の演出として5B演出が選択されていたときには、図2の第2演出選択テーブルを用いて、5B演出と演出内容に関連性がある確変継続確定演出としての6Bが第6回目の演出として選択される。
【0088】
第5回目の演出として5C演出が選択されていたときには、図19の第6演出選択テーブルを用いて、5C演出と演出内容に関連性がある6C演出が第6回目の演出として選択される。第5回目の演出として5D演出が選択されていたときには、図19の第6演出選択テーブルを用いて、5D演出と演出内容に関連性がある6C演出が第6回目の演出として選択される。第5回目の演出として5E演出が選択されていたときには、図19の第6演出選択テーブルを用いて、5E演出と演出内容に関連性がある6E演出が第6回目の演出として選択される。
【0089】
次に、第7回目の変動表示においては、第7回目の演出として、第1の組合せ演出(7A1+7A2+7A3+7A5の演出の組合せ)、第2の組合せ演出(7A3+7A5の演出の組合せ)、第3の組合せ演出(7A3+7A4の演出の組合せ)、第4の組合せ演出(7A1+7A2+7A3+7A4の演出の組合せ)、第5の組合せ演出(7A1+7A2の演出の組合せ)、第6の組合せ演出(7C+7A4の演出の組合せ)、第7の組合せ演出(7E+7A4の演出の組合せ)、第8の組合せ演出(7B+7A4の演出の組合せ)の8つの演出(演出の組合せ)のうちから演出が選択され、選択された演出が実行される。
【0090】
ここで、7A1演出および7A3演出は、6A演出に関連性がある。7A2演出は、7A1演出に関連性があり、確変状態が終了した旨を報知する演出である。7A3演出は、6A演出に関連性がある。7B演出は、6B演出に関連性がある。7C演出は、6C演出に関連性がある。7E演出は、6E演出に関連性がある。7A4演出は、7B演出、7C演出、7E演出、7A3Eのそれぞれに関連性があり、確変状態が継続する旨を報知する演出である。7A5演出は、7A3演出に関連性があり、大当りが発生した旨を報知する演出である。
【0091】
第7回目の演出は、次のように選択される。第6回目の演出として6A演出が選択されていたときには、図20の第7演出選択テーブルを用いて、第1の組合せ演出〜第5組合せ演出のうちのいずれかが第7回目の演出としてランダムに選択される。第6回目の演出として6C演出が選択されていたときには、図21の第8演出選択テーブルを用いて、6C演出と演出内容に関連性がある第6の組合せ演出が第7回目の演出として選択される。第6回目の演出として6E演出が択されていたときには、図21の第8演出選択テーブルを用いて、6E演出と演出内容に関連性がある第7の組合せ演出が第7回目の演出として選択される。第6回目の演出として6B演出が選択されていたときには、図2の第2演出選択テーブルを用いて、6B演出と演出内容に関連性がある確変継続確定演出としての第8の組合せ演出が第8回目の演出として選択される。
【0092】
このように、確変状態演出においては、第1回目の変動表示〜第7回目の変動表示の7回の変動表示において、各変動表示ごとに前後で関連性がある演出が行なわれる。これにより、確変終了判定結果報知周期としての複数回の変動表示に亘って段階的に演出内容を変化させた後に、確変終了判定の結果が特定可能となる演出としての段階的演出が行なわれることとなる。
【0093】
前述した演出の流れのうち、4B演出〜7B演出は、第4回目の変動表示を行なう時点で確変継続が確定した時の確変継続確定演出であり、第4回目の変動表示を行なう時点で確変継続が確定した時に100%の確率で実行される。したがって、このような確変継続確定演出が実行されることにより、遊技者の興趣が向上する。また、5C演出〜7C演出と、5E演出〜7E演出とのそれぞれは、第5回目の変動表示を行なう時点で確変継続が確定した時の確変継続確定演出であり、第5回目の変動表示を行なう時点で確変継続が確定した時に、ともに70%の確率で実行される。したがって、このような確変継続確定演出が実行されることにより、遊技者の興趣が向上する。
【0094】
次に、確変状態演出の表示の具体例について説明する。図9〜図13は、変動表示装置9において行なわれる確変状態演出の表示例を示す表示画面図である。図9〜図13のそれぞれにおいては、画像表示の流れにしたがって画像を特定する番号として(1)〜(39)の番号が付与されているとともに、各画像に対応する確変状態演出の演出番号1A〜6A、7A1〜7A5、4C〜7C、5D、4B〜7B、5E〜7E(図8の演出番号と対応)が付与されている。
【0095】
以下に説明する確変状態演出においては、敵キャラクタ(遊技者に敵対する立場にあるキャラクタ)と味方キャラクタ(遊技者に味方する立場にあるキャラクタ)との2つのキャラクタが格闘により対戦する物語が展開されるという物語性を有する画像表示が行なわれる。この確変状態演出では、基本的に、確変状態が継続するときのように遊技者に有利な状況となるときに、味方キャラクタの戦いが有利となる表示が行なわれる。
【0096】
まず、図9を参照して、大当り遊技状態が終了して確変状態が開始すると、(1)のように、大当り遊技状態が終了し、確変状態に突入する旨を報知する画像が表示される。確変状態においては、変動表示装置9の表示領域において、左,中,右特別図柄91,92,93が、右上部に表示され、確変状態演出が表示領域の中央部に表示される。
【0097】
次に、(2),(3)に示すように、第1回目の変動表示時においては、1A演出として、敵キャラクタである第1キャラクタaのみが登場する表示が行なわれる。そして、(4),(5)に示すように、第2回目の変動表示時においては、2A演出として、味方キャラクタである第2キャラクタbのみが登場する表示が行なわれる。その後、(6),(7)に示すように、第3回目の変動表示時においては、3A演出として、第1キャラクタaと2キャラクタbとの両方が登場する表示が行なわれる。
【0098】
次に、第4回目の変動表示時においては、4A演出、4B演出、4C演出のうちのいずれかの演出が選択されて行なわれる。4A演出が行なわれる場合には、(8),(9)に示すように、第1キャラクタaが第2キャラクタbに対してパンチ攻撃を行なう表示が行なわれる。ここで、第1キャラクタaが行なう攻撃には、複数種類ある攻撃のうちの弱い攻撃であるパンチ攻撃と、強い攻撃であるキック攻撃とが含まれる。
【0099】
次に、4A演出が行なわれた後の第5回目の変動表示時においては、5A演出、5E演出のうちのいずれかの演出が選択されて行なわれる。5A演出が行なわれる場合には、図9の(10),図10の(11)に示すように、第1キャラクタaのパンチ攻撃が第2キャラクタbにヒットする表示が行なわれる。そして、5A演出が行なわれた後の第6回目の変動表示時においては、6A演出として、図10の(12),(13)に示すように、第1キャラクタaのパンチ攻撃を受けた第2キャラクタbが倒れる表示が行なわれる。
【0100】
次に、6A演出が行なわれた後の第7回目の変動表示時においては、前述した第1〜第5の組合せ演出うちのいずれかが選択されて行なわれる。確変終了が確定しているときには、第5の組合せ演出が選択されて、7A1演出として、図10の(14)に示すように、倒れた第2キャラクタbのみが表示された後、7A2演出として、(15)に示すように、確変状態が終了した旨と、確変状態が継続した変動表示の回数(図の例では、10回)とを示す確変終了報知が行なわれる。
【0101】
また、6A演出が行なわれた後の第7回目の変動表示時において確変継続が確定しているときには、第3の組合せ演出、または、第4の組合せ演出がランダムに選択される。第4の組合せ演出が選択されたときには、7A3演出として、図10の(16)に示すように、倒れていた第2キャラクタbのみが起上がる表示がされた後、7A4演出として、図10の(17)に示すように、確変状態が継続する旨と、次の確変継続報知が行なわれるまでの変動表示回数(図の例では、次の+7回)とを示す確変終了判定結果報知が行なわれる。このように、図10の(15)、(17)に示すような確変終了判定の判定結果に応じて異なる演出が実行される。一方、第3の組合せ演出が選択されたときには、前述したような(14)の7A1演出および(15)の7A2演出が一旦行なわれた後、(16)の7A3演出を経て(17)の7A4演出が行なわれることにより、一旦確変終了報知が行なわれた後に確変継続報知が行なわれるという確変継続についての敗者復活的な演出が行なわれる。
【0102】
また、6A演出が行なわれた後の第7回目の変動表示時において大当りとなることが決定されているときには、第1の組合せ演出、または、第2の組合せ演出がランダムに選択される。第2の組合せ演出が選択されたときには、(16)の7A3演出が行なわれた後に、7A5演出として、図10の(18)に示すように大当り図柄の組合せの停止表示に合わせて、大当りとなった旨を示す大当り報知が行なわれる。一方、第1の組合せ演出が選択されたときには、前述したような(14)の7A1演出および(15)の7A2演出が一旦行なわれた後、(16)の7A3演出を経て(18)の7A5演出が行なわれることにより、一旦確変終了報知が行なわれた後に大当り報知が行なわれるという大当りの発生についての敗者復活的な演出が行なわれる。
【0103】
このように、確変継続についての敗者復活的な演出と、大当りの発生についての敗者復活的な演出が行なわれるとが行なわれる場合があることにより、7A2演出が行なわれたときであっても、まだ確変継続または大当りの発生が生じる可能性があるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0104】
次に、第4回目の変動表示時において4C演出が選択されて行なわれる場合の表示例を説明する。図11を参照して、4C演出が行なわれる場合には、(19),(20)に示すように、第1キャラクタaが第2キャラクタbに対してキック攻撃を行なう表示が行なわれる。
【0105】
次に、4C演出が行なわれた後の第5回目の変動表示時においては、5C演出、5D演出のうちのいずれかの演出が選択されて行なわれる。5D演出が行なわれる場合には、(21),(22)に示すように、第1キャラクタaのキック攻撃が第2キャラクタbにヒットする表示が行なわれる。そして、5D演出が行なわれた後の第6回目の変動表示時においては、前述の図10の(12)の6A演出に進み、前述したような演出が引続き行なわれる。
【0106】
一方、5C演出が行なわれる場合には、(23),(24)に示すように、第2キャラクタbが第1キャラクタaのキック攻撃を回避する表示が行なわれる。そして、5C演出が行なわれた後の第6回目の変動表示時においては、6C演出として、(25),(26)に示すように、攻撃に失敗した第1キャラクタaと攻撃の回避に成功した第2キャラクタbとが向い合う表示が行なわれる。
【0107】
次に、6C演出が行なわれた後の第7回目の変動表示時においては、前述した第6の組合せ演出が選択されて行なわれる。この場合は、確変継続が確定しているときであり、7C演出として、(27)に示すように、第1キャラクタaと第2キャラクタbとが向い合う表示が継続された後、図10の(17)の7A4演出が行なわれることにより、確変継続報知が行なわれる。
【0108】
このような4C演出〜6C演出に加えて第6の組合せ演出が行なわれるときは、5C演出が選択される時点で確変継続が確定しているので、演出された表示を見る遊技者の確変継続に対する期待感が一層向上する。
【0109】
次に、第4回目の変動表示時において4B演出が選択されて行なわれる場合の表示例を説明する。図12を参照して、4B演出が行なわれる場合には、(28),(29)に示すように、第2キャラクタbが第1キャラクタaに対して攻撃(パンチ攻撃)を行なう表示が行なわれる。
【0110】
次に、4B演出が行なわれた後の第5回目の変動表示時においては、5B演出として、(30),(31)に示すように、第2キャラクタbの攻撃が第1キャラクタaにヒットする表示が行なわれる。そして、5B演出が行なわれた後の第6回目の変動表示時においては、6B演出として、(32),(33)に示すように、第2キャラクタbの攻撃を受けた第1キャラクタaが倒れる表示が行なわれる。
【0111】
次に、6B演出が行なわれた後の第7回目の変動表示時においては、前述した第8の組合せ演出が選択されて行なわれる。この場合は、確変継続が確定しているときであり、7B演出として、(34)に示すように、倒れていた第1キャラクタaが起上がる表示が行なわれる。その後、図10の(17)の7A4演出が行なわれることにより、確変継続報知が行なわれる。
【0112】
このような4B演出〜6B演出に加えて第8の組合せ演出が行なわれるときは、4B演出が選択される時点で確変継続が確定しているので、演出された表示を見る遊技者の確変継続に対する期待感がより一層向上する。
【0113】
次に、第5回目の変動表示時において5E演出が選択されて行なわれる場合の表示例を説明する。図13を参照して、5E演出が行なわれる場合には、(35),(36)に示すように、第2キャラクタbが第1キャラクタaのパンチ攻撃を回避する表示が行なわれる。そして、5E演出が行なわれた後の第6回目の変動表示時においては、6E演出として、(37),(38)に示すように、攻撃に失敗した第1キャラクタaと攻撃の回避に成功した第2キャラクタbとが向い合う表示が行なわれる。
【0114】
次に、6E演出が行なわれた後の第7回目の変動表示時においては、前述した第7の組合せ演出が選択されて行なわれる。この場合は、確変継続が確定しているときであり、7E演出として、(39)に示すように、第1キャラクタaと第2キャラクタbとが向い合う表示が継続された後、図10の(17)の7A4演出が行なわれることにより、確変継続報知が行なわれる。
【0115】
このような5E演出〜7E演出に加えて第7の組合せ演出が行なわれるときは、5E演出が選択される時点で確変継続が確定しているので、演出された表示を見る遊技者の確変継続に対する期待感が一層向上する。
【0116】
次に、前述した第1演出選択テーブル〜第9演出選択テーブルを説明する。図14は、第1演出選択テーブルを表形式で示す図である。
【0117】
図14を参照して、第1演出選択テーブルは、前述した確変状態演出における第1回目〜第3回目の変動表示で選択する演出について、確変状態演出時中における変動表示回数(N)と、選択される演出との関係を示すデータテーブルである。この第1演出選択テーブルが参照されることにより、確変終了判定結果報知周期としての7回の変動表示のうち、第1回目〜第3回目の変動表示における演出が選択される。具体的に、第1回目の変動表示時には演出1Aが選択され、第2回目の変動表示時には演出2Aが選択され、第3回目の変動表示時には演出3Aが選択される。
【0118】
図15は、第2演出選択テーブルを表形式で示す図である。前述したように、第2演出選択テーブルは、第4回目の演出を決定する時点で確変継続が確定しているときに、それ以後の変動表示での確変継続確定演出の選択に用いられる。
【0119】
図15を参照して、第2演出選択テーブルは、前述した確変状態演出における第4回目〜第7回目の変動表示で確変継続確定演出を選択して行なうために、変動表示回数(N)と、選択される演出との関係を示すデータテーブルである。この第2演出選択テーブルが参照されることにより、確変終了判定結果報知周期としての7回の変動表示のうち、第4回目〜第7回目の変動表示における確変継続確定演出が選択される。具体的に、第4回目の変動表示時には4B演出が選択され、第5回目の変動表示時には5B演出が選択され、第6回目の変動表示時には6B演出が選択され、第7回目の変動表示時には3B演出+7A4演出が選択される。
【0120】
図16は、第3演出選択テーブルを表形式で示す図である。前述したように、第3演出選択テーブルは、第4回目の演出を決定する時点で確変継続が確定していないときに、4A演出と4C演出とをランダムに選択するために用いられる。
【0121】
図16を参照して、第3演出選択テーブルでは、演出選択用のランダムカウンタR6の抽出値と、その抽出値に基づいて選択される演出との関係が示されている。第3演出選択テーブルでは、R6の抽出値が0〜9の範囲内であるときには4A演出が選択され、R6の抽出値が10〜19範囲内であるときには4C演出が選択される。
【0122】
図17は、第4演出選択テーブルを表形式で示す図である。前述したように、第4演出選択テーブルは、4A演出の後の第5回目の演出を決定する時点で5A演出と5E演出とのいずれかを選択するために用いられる。
【0123】
図17を参照して、第4演出選択テーブルでは、確変継続が確定しているときと、確変継続が確定していないときとに分けて演出が選択できるように、確変終了判定の状態、演出選択用のランダムカウンタR6の抽出値、および、選択される演出の関係が示されている。
【0124】
第4演出選択テーブルでは、確変継続が確定していないときに、R6の抽出値によらず、5A演出が選択される。第4演出選択テーブルでは、確変継続が確定しているときに、R6の抽出値に基づいて演出が選択される。具体的に、R6の抽出値が0〜5の範囲内であるときには5A演出が選択され、R6の抽出値が6〜19の範囲内であるときには5E演出が選択される。
【0125】
第4演出選択テーブルによれば、確変継続が確定しているときには、5A演出よりも5E演出の方が高い割合で選択される。また、5A演出は、確変継続が確定しているときよりも確変継続が確定してない方が高い割合で選択される。
【0126】
図18は、第5演出選択テーブルを表形式で示す図である。前述したように、第5演出選択テーブルは、4C演出の後の第5回目の演出を決定する時点で5C演出と5D演出とのいずれかを選択するために用いられる。
【0127】
図18を参照して、第5演出選択テーブルでは、確変継続が確定しているときと、確変継続が確定していないときとに分けて演出が選択できるように、確変終了判定の状態、演出選択用のランダムカウンタR6の抽出値、および、
選択される演出の関係が示されている。
【0128】
第5演出選択テーブルでは、確変継続が確定していないときに、R6の抽出値によらず、5D演出が選択される。第5演出選択テーブルでは、確変継続が確定しているときに、R6の抽出値に基づいて演出が選択される。具体的に、R6の抽出値が0〜5の範囲内であるときには5D演出が選択され、R6の抽出値が6〜19の範囲内であるときには5C演出が選択される。
【0129】
第5演出選択テーブルによれば、確変継続が確定しているときには、5D演出よりも5C演出の方が高い割合で選択される。また、5D演出は、確変継続が確定しているときよりも確変継続が確定してない方が高い割合で選択される。
【0130】
図19は、第6演出選択テーブルを表形式で示す図である。図19を参照して、第6演出選択テーブルは、第6回目の演出を決定する時点で、前回の変動表示について選択された演出に対応して今回の変動表示における演出を選択するために用いられるデータテーブルである。第6演出選択テーブルでは、前回選択された演出と今回選択する演出との関係が示されている。前述したように、前回に5A演出が選択された場合には、6A演出が今回選択される。前回に5C演出が選択された場合には、6C演出が今回選択される。前回に5D演出が選択された場合には、6A演出が今回選択される。前回に5E演出が選択された場合には、6E演出が今回選択される。
【0131】
なお、前回に5B演出が選択された場合は、図15を用いて演出が選択されることとなるが、これに限らず、第6演出選択テーブルにおいて、前回に5B演出が選択された場合に6B演出が今回選択されるようにデータを設定しておき、第6演出選択テーブルを用いて、前回に5B演出が選択された場合に今回の演出を選択するようにしてもよい。
【0132】
図20は、第7演出選択テーブルを表形式で示す図である。前述したように、第7演出選択テーブルは、4A演出の後の第7回目の演出を決定する時点で前述の第1の組合せ演出〜第5の組合せ演出のうちのいずれかを選択するために用いられる。
【0133】
図20を参照して、第7演出選択テーブルでは、今回の変動表示について大当りとすることが決定されているとき(以下、大当り決定時という)と、はずれとすることが決定されているとき(以下、はずれ決定時という)とに分けて演出が選択され、かつ、はずれ決定時について、確変継続が確定しているときと、確変終了が確定しているときとに分けて演出が選択されるように、大当り判定の状態、確変終了判定の状態、演出選択用のランダムカウンタR6の抽出値、および、選択される組合せ演出の関係が示されている。
【0134】
第7演出選択テーブルでは、大当り決定時に、R6の抽出値に基づいて演出が選択される。具体的に、R6の抽出値が0〜5の範囲内であるときには第1の組合せ演出が選択され、R6の抽出値が6〜19の範囲内であるときには第2の組合せ演出が選択される。また、第7演出選択テーブルでは、はずれ決定時において、確変継続が確定しているときに、R6の抽出値に基づいて演出が選択される。具体的に、R6の抽出値が0〜5の範囲内であるときには第3の組合せ演出が選択され、R6の抽出値が6〜19の範囲内であるときには第4の組合せ演出が選択される。また、第7演出選択テーブルでは、はずれ決定時において、確変終了が確定しているときに、R6の抽出値によらず、第5の組合せ演出が選択される。
【0135】
第7演出選択テーブルによれば、大当り決定がされているときには、第1の組合せ演出よりも第2の組合せ演出の方が高い割合で選択される。また、はずれ決定がされている場合において、確変継続が確定しているときには、第3の組合せ演出よりも第4の組合せ演出の方が高い割合で選択される。
【0136】
図21は、第8演出選択テーブルを表形式で示す図である。図21を参照して、第8演出選択テーブルは、第7回目の演出を決定する時点で、前回の変動表示について選択された演出に対応して今回の変動表示における演出を選択するために用いられるデータテーブルである。第8演出選択テーブルでは、前回選択された演出と今回選択する演出との関係が示されている。前述したように、前回に6C演出が選択された場合には、第6の組合せ演出が今回選択される。前回に6E演出が選択された場合には、第7の組合せ演出が今回選択される。
【0137】
なお、前回に6B演出が選択された場合は、図15を用いて演出が選択されることとなるが、これに限らず、第8演出選択テーブルにおいて、前回に6B演出が選択された場合に第8の組合せ演出が今回選択されるようにデータを設定しておき、第8演出選択テーブルを用いて、前回に6B演出が選択された場合に今回の演出を選択するようにしてもよい。
【0138】
図22は、遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される遊技制御用メイン処理およびタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。図22においては、(a)に遊技制御メイン処理が示され、(b)にタイマ割込処理が示されている。このタイマ割込処理は、たとえば2msec毎に1回実行される。
【0139】
(a)に示す遊技制御メイン処理においては、まずステップS(以下、単位Sという)11において内蔵デバイスレジスタ等の初期化をする初期化処理が行なわれ、S12においてランダムカウンタを更新するための乱数更新処理が行なわれる。S12における乱数更新処理は前述のR3〜R10の値を更新するための処理である。なお、本実施形態において、2msec毎の割込処理が実行された後次回の割込処理が実行されるまでの割込待ち処理余り時間に、無限にS12の処理が繰返し行なわれることとなる。
【0140】
次に、(b)タイマ割込処理について説明する。タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(S21)を行なった後、S22〜S34の割込処理である遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、カウントスイッチ23、Vカウントスイッチ22、入賞口スイッチ99等の各種スイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S22)。
【0141】
次に、CPU56は、S23において、ランダムカウンタの値を更新するための乱数更新処理を行なう。S23における乱数更新処理は、前述のR1〜R10を更新するための処理である。
【0142】
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S24)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じて変動表示装置9等を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0143】
また、普通図柄プロセス処理を行なう(S25)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示部10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。普通図柄プロセス処理を実行することにより普通図柄表示部10の表示制御および始動用電動役物14aの開閉制御が実行される。
【0144】
次いで、CPU56は、特別図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行なう(特別図柄コマンド制御処理:S26)。また、普通図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行なう(普通図柄コマンド制御処理:S27)。
【0145】
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう(S28)。
【0146】
また、CPU56は、始動口スイッチ17、カウントスイッチ23、Vカウントスイッチ22、入賞口スイッチ99等の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(S29)。具体的には、始動口スイッチ17、カウントスイッチ23、Vカウントスイッチ22、入賞口スイッチ等の入賞領域に設けられたスイッチの何れかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板36に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板36に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置44を駆動する。
【0147】
そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(S30)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(S31)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路29に駆動指令を行なう(S32)。始動用電動役物14aおよび可変入賞球装置19を開状態または閉状態とするために、ソレノイド回路33は、駆動指令に応じてソレノイド19,21を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(S33)、割込許可状態に設定する(S34)。
【0148】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0149】
図23は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では変動表示装置9を制御する処理が実行される。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう際に、遊技盤6に設けられている始動口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動始動口スイッチ17がオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(S311)、始動口スイッチ通過処理(S312)を行なった後に、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
【0150】
なお、始動口スイッチ通過処理では、CPU56は、RAM55の大当りバッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達しているかどうか確認し、大当りバッファに記憶される数値データの記憶数が最大値に達していなければ、保留記憶数を示す保留記憶カウンタのカウント値を1増やす。そして、数値データ更新手段としての大当り判定用ランダムカウンタ(たとえば、CPU56の機能であって数値データ(大当り判定用のランダムカウタの数値データ等)を更新(カウントアップ)する部分)から大当り判定用のランダムカウンタ当の各数値データ(乱数)の値を抽出し、それらを大当りバッファの抽出順番に対応する(保留記憶カウンタの値に対応する)保存領域に格納する処理が実行される。このように始動始動口スイッチ17がオンし、かつ、大当りバッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達していないときに、数値データを抽出する条件が成立する。なお、数値データ(乱数)を抽出するとは、数値データ(乱数)を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を数値データの値(乱数値)とすることである。
【0151】
特別図柄通常処理(S300):特別図柄の変動表示を開始できる状態になるのを待つ。CPU56は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、大当りバッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。大当りバッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。そして、保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄の変動表示の結果、当りとするか否か(特定表示態様とするか否か)を決定する。当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に移行するように更新する。
【0152】
特別図柄停止図柄設定処理(S301):前述のランダムカウンタR2,R3の抽出値に応じて、変動表示後の特別図柄の停止図柄(大当り図柄の組合せ、または、はずれ図柄の組合せ)を決定する。はずれ図柄を決定するときには、前述のランダムカウンタR7の抽出値に応じてリーチ判定を行ない、リーチとする判定がされたときに、R3の抽出値に応じてリーチとなるはずれ図柄を決定する。一方、リーチとしない判定がされたときには、R3の抽出値に応じてリーチとならないはずれ図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に移行するように更新する。
【0153】
変動パターン設定処理(ステップS302):特別図柄の変動表示の変動パターン(変動表示データ)を、前述のランダムカウンタR4の抽出値に応じて、予め定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。変動パターンには変動態様と、該変動態様を実行する時間(変動時間)とを特定する情報が含まれている。また、決定された変動パターンに基づいて、特別図柄が変動表示を行なって導出表示されるまでの変動表示時間(変動時間)を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。このとき、演出制御基板80に対して、変動時間を含む変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンド)と、特別図柄の停止図柄を指令する情報(特別図柄停止図柄コマンド)とが送信される。さらに、確変状態演出を行なうときには、たとえば、R6の抽出値に応じて演出を選択する等、所定の演出選択方法により演出を選択し、選択した演出を指令する情報(確変状態演出コマンド)が送信される。変動パターン設定処理の終了後、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
【0154】
特別図柄変動処理(S303):変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S302でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に移行するように更新する。
【0155】
特別図柄停止処理(S304):変動表示装置9において変動表示される特別図柄が停止されるように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す演出制御コマンド(特別図柄停止コマンド)が送信される状態に設定する。そして、大当りフラグがセット(ON)されている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をS300に移行するように更新する。
【0156】
大入賞口開放前処理(S305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して別可変入賞球装置19を開状態とすることで大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に移行するように更新する。
【0157】
大入賞口開放中処理(S306):大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、大入賞口内に設けられたVカウントスイッチ22による検出の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行なう。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をS307に移行するように更新する。
【0158】
大当り終了処理(S307):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段に行なわせるための制御を行なう。さらに、大当り遊技状態の終了に応じて、確変フラグをセット(ON)し、確変状態に制御する。これにより、大当り遊技状態が終了した後には、必ず、確変状態に制御されることとなる。そして、内部状態をS300に移行するように更新する。
【0159】
次に、図23のS312による始動口スイッチ通過処理の内容を説明する。図24は、始動口スイッチ通過処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0160】
S41により、保留記憶カウンタの値が上限値である「4」以上になっているか否かの判断がなされる。保留記憶カウンタは、打玉が始動入賞して始動条件が成立したが未だに変動表示に用いられていない始動条件を保留記憶するカウンタであり、記憶の上限がたとえば「4」と定められている。この保留記憶カウンタの値(保留記憶数)が「4」に既に達している場合にはそれ以上保留記憶できないために、このサブルーチンが終了するが、「4」に達していない場合には制御がS42へ進み、保留記憶カウンタを「1」加算更新する処理がなされる。次にS43へ進み、ランダムカウンタR1,R2,R5,R9,R10の値を抽出する処理がなされる。次に制御がS44へ進み、加算した保留記憶カウンタの値に対応する乱数記憶エリアに各抽出値を記憶させる制御が行なわれる。
【0161】
次に、図23のS300の特別図柄通常処理の内容を説明する。図25は、特別図柄通常処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0162】
特別図柄通常処理において、CPU56は、特別図柄の変動表示を開始することができる状態(たとえば、特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、大当り遊技中でもないことにより特別図柄プロセスフラグの値がS300を示す値となっている場合)になっているか否かを確認する(S50)。特別図柄の変動表示を開始することができる状態になっているときには、CPU56は保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、保留記憶カウンタのカウント値を確認する。
【0163】
保留記憶数が0でなければ、確変状態演出用判定処理が実行される(S52)。確変状態演出用判定処理においては、確変状態演出を行なう必要があるときに、確変状態演出の選択のために用いる情報として、現在記憶されている保留記憶の数値データにおけるR5の抽出値のすべてについて、記憶順番にしたがって、確変状態を終了させる旨の判定がされる値であるかどうか(確変終了判定値と一致するか否か)を事前に判定していくことにより、確変終了が確定しているか否かについての情報、および、確変継続が確定しているか否かについての情報等の各種の情報を得る。
【0164】
次に、RAM55の保留記憶バッファにおける保留記憶カウンタ=1に対応する乱数記憶エリアに格納されている各抽出値(乱数値)を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S53)。
【0165】
次にS54に進み、CPU56は、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶カウンタのカウント値を1減算し)、そして、S55により、各乱数記憶エリアの内容をシフトする。すなわち、RAM55の保留記憶バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する乱数記憶エリアに格納する。よって、各乱数記憶エリア数に対応するそれぞれの乱数記憶エリアに格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、変動表示の開始条件が成立する毎に、各乱数記憶エリアの内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。
【0166】
次に、S55aに進み、確変フラグがセット(ON)されているか否かが判断される。確変フラグがセットされていないと判断された場合は、後述するS56に進む。一方、確変フラグがセットされていると判断された場合は、S55bにより、確変時初回変動フラグがセット(ON)されているか否かが判断される。ここで、確変時初回変動フラグとは、確変状態となったときの変動表示装置9の第1回目の変動表示時であるか否かを示すフラグであり、後述する図33のS403でセットされることにより、当該第1回目の変動表示時であるときにセットされている状態となる。
【0167】
S55bで確変時初回変動フラグがセットされていないと判断された場合は、S55dにより、確変終了判定確率を初期値から段階的に変化させるための処理である確変終了判定確率変化処理が行なわれる。確変終了判定確率変化処理の処理内容については、図27を用いて後述する。そして、S55eにより、確変終了判定をする処理である確変終了判定処理が行なわれた後、S56に進む。確変終了判定処理の処理内容については、図28を用いて後述する。
【0168】
このように、S55bで確変時初回変動フラグがセットされていないと判断された場合、すなわち、確変状態における第2回目以降の変動表示時には、確変終了判定処理および確変終了判定確率変化処理が実行される。一方、S55bで確変時初回変動フラグがセットされていると判断された場合、すなわち、確変状態における第1回目の変動表示時には、S55cにより確変時初回変動フラグをリセットした後S56に進むことにより、確変終了判定処理および確変終了判定確率変化処理が実行されない。これは、確変状態となったときにおいて、第1回目の変動表示の大当り判定の前の段階で確変状態が判定により終了してしまうと、確変状態に制御されたにもかかわらず確変状態での大当り判定が実質的に1回も行なわれずに確変状態が終了してしまい、確変状態に制御されたにもかかわらず確変状態下での変動表示が実質的に1回も行なわれずに確変状態が終了してしまうという遊技者にとって不利な現象が生じるから、遊技者の興趣の低下を招かないように、確変状態下で少なくとも1回の変動表示の実行を担保するためである。
【0169】
なお、確変時初回変動フラグを用いず、確変状態における第1回目の変動表示の大当り判定前に前述の確変終了判定処理および確変終了判定確率変化処理を実行してもよい。
【0170】
次いで、CPU56は、大当り判定処理を実行する(S56)。大当り判定処理では、R1の抽出値と大当り判定値とが比較される。大当り判定処理での比較の結果、R1の抽出値と大当り判定値のいずかとが一致するときには、大当りとすることが決定され(S57)、CPU56は、大当りフラグをセット(ON)する(S58)。つまり、S57は、S56によるR1の抽出値と大当り判定値との比較の結果、R1の抽出値と大当り判定値のいずかとが一致するときに、大当りと決定する判定をするステップであり、そのステップで大当りとする決定がされると、大当りフラグがセットされるのである。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理(S301)に対応した値に更新する(S59)。
【0171】
以上の特別図柄通常処理においては、確変状態演出用判定処理において、確変状態演出を行なう必要があるときに、現在記憶されている保留記憶の数値データにおけるR5の抽出値のすべてについて確変終了が確定しているか否かの事前判定を行なう確変状態演出用判定処理が実行されることとなる。
【0172】
次に、図25のS52による確変状態演出用判定処理の内容を説明する。図26は、確変状態演出用判定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0173】
まず、CPU56は、S61により、確変フラグがセット(ON)されているか否かを判断する。S61により確変フラグがセットされていないと判断された場合は、確変状態ではなく、確変状態演出のための判定を行なう必要がないので、リターンする。一方、S61により確変フラグがセットされていると判断された場合は、確変状態であり、S62により、確変終了確定フラグまたは確変継続確定フラグがセット(ON)されているか否かが判断される。ここで、確変終了確定フラブは、確変終了判定結果報知が行なわれる1周期(以下、確変終了判定結果報知周期という)としての7回の変動表示について確変終了が確定していることを示すフラグであり、後述するS68によりセットされる。また、確変継続確定フラブは、確変終了判定結果報知が行なわれる1周期としての7回の変動表示について確変継続が確定していることを示すフラグであり、後述するS70によりセットされる。
【0174】
S62によりいずれかのフラグがセットされていると判断された場合は、確変終了判定結果報知周期内での確変終了判定の結果が確定している段階であり、この段階では確変終了判定結果報知周期内でさらに判定を行なう必要がないので、リターンする。一方、S62によりいずれのフラグもセットされていないと判断された場合は、確変終了判定結果報知周期内での確変終了判定の結果がまだ確定していない段階であり、S63により確変終了判定がまだ行なわれていない未判定のR5の抽出値のデータが乱数記憶エリア中にあるか否かが判断される。
【0175】
S63により未判定のデータがないと判断された場合は、リターンする。一方、S63により未判定のデータがあると判断された場合は、S64により、S63により判断された未判定のR5の抽出データ(1個のデータである場合と、複数個のデータである場合とがある)のすべてについて、後述する変動開始前に行なわれる確変終了判定処理(S55e)が実行される前に、前述したR5の値に基づく確変終了判定を行なうことである確変終了事前判定が実行される。これにより、未だ変動表示の開始条件が成立していない変動表示に対応して保留記憶バッファに記憶されているR5のデータに基づいて、確変状態を終了させる旨の判定がされるデータがあるか否かが判定される。
【0176】
このようなS64においては、基本的に、乱数記憶エリア中に存在している未判定のデータのすべてを対象として確変終了事前判定が行なわれるのであるが、1回の確変終了判定結果報知周期内で確変終了事前判定が行なわれた判定済のデータMの個数が予め定められた上限値(7個、すなわち、確変終了判定結果報知周期中に行なわれる7回の変動表示に対応するデータの個数)に達する時点で、データの判定が終了させられる。その理由は、判定済のデータMの個数が上限値に達すれば、それ以外のデータについては次回の確変終了判定結果報知周期内で判定する必要があるからである。このように、S64においては、判定済のデータの個数を計数しながら確変終了事前判定が行なわれる。また、S64においては、1回の確変終了判定結果報知周期内での判定済のデータ個数Mが上限値に達していない段階でも、確変終了となる判定がされた段階で、データの判定が終了する。その理由は、確変終了となる判定がされると、その判定がされたデータ以後に記憶されたデータは、確変状態が終了した後の状態での変動表示に対応するデータとなり、判定の対象とならないからである。
【0177】
また、本実施の形態の場合には、変動表示ごとに確変終了判定の判定確率が変化し得るため、S64での確変終了事前判定は、次に示すように、乱数記憶エリア中に存在している未判定のデータのそれぞれについて、確変終了判定の判定確率がどのようになるかを確認しつつ確変終了事前判定を行なう。具体的に、S64での各未判定のデータについて確変終了事前判定を行なうときには、後述するS402(図33)と同様の処理を行なうことによりR9の抽出値に基づいて決定される確変終了判定確率の初期値を事前に確認する処理と、後述するS201(図27)と同様の処理を行なうことによりR10の抽出値に基づいて確変終了判定確率が変化するか否かを確認する処理と、後述するS202〜S205(図27)と同様の処理を行なうことにより確変終了判定確率の初期値により定まる確変終了判定確率の変化パターンに基づいて確変終了判定確率が変化するときにおける確変終了判定確率を確認する処理とを行なう。これにより、変動表示ごとに変化し得る確変終了判定の判定確率を先読みした確変終了事前判定を正確に行なうことができる。
【0178】
次に、S65により、前述した確変終了判定結果報知周期内での判定済のデータ個数Mが、今回のS64の処理において判定済となったデータの個数分だけ加算更新される。この判定済のデータ個数Mは、後述する確変状態演出選択処理において確変終了判定結果報知周期内のすべての演出の選択が完了した後、「0」にクリアされる。
【0179】
次に、S66により、確変継続回数Lに今回のS64の処理において判定済となったデータの個数を加算する処理が行なわれる。ここで、確変継続回数Lは、確変状態が何回の変動表示が行なわれるまで継続したかを示す回数である。この確変継続回数Lは、前述の図10の(15)に示す7A2演出において表示する確変状態が継続した変動表示の回数を表示するために計数される。
【0180】
次に、S67により、S64での確変終了事前判定において確変終了となることが決定されたデータがあったか否かが判断される。S67によりあったと判断された場合は、S68により確変終了確定フラグがセット(ON)され、その後、リターンする。これにより、保留記憶されているR5の抽出値のデータについて、判定済データの個数Mの個数が上限値に達するまでに確変終了事前判定において確変終了となることが決定されると、その確変終了判定結果報知周期内での確変終了が確定していることが確変終了確定フラグにより示されることとなる。
【0181】
一方、S67によりなかったと判断された場合は、S69に進み、判定済データの個数Mが上限値(7)に達しているか否かが判断される。S69により上限値に達していない
と判断された場合は、確変継続となるかどうかが未確定であるので、リターンする。S69により上限値に達していると判断された場合は、確変継続となることが確定したので、S70により確変継続確定フラグがセット(ON)され、その後、リターンする。これにより、保留記憶されているR5の抽出値のデータについて、判定済データの個数Mの個数が上限値に達した段階で確変終了事前判定において確変終了となることが決定されていないと、その確変終了判定結果報知周期内での確変確変継続が確定していることが確変継続確定フラグにより示されることとなる。
【0182】
次に、図25のS55dの確変終了判定確率変化処理の内容を説明する。図27は、確変終了判定確率変化処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まず、S201により、S53で読出した確変終了判定確率変化判定用のランダムカウンタR10の抽出値と、予め定められた変化判定値とが一致するか否かを判断することにより、確変終了判定確率を変化させるか否かが判定される。次に、S202により、S201での判定で確変終了判定確率を変化させることが決定されたか否かが判断される。
【0183】
S202により確変終了判定確率を変化させることが決定されていないと判断された場合は、リターンする。これにより、該当する回の変動表示においては、確変終了判定確率(言い換えると、確変終了判定値の個数)が変化しない。一方、S202により確変終了判定確率を変化させることが決定されたと判断された場合は、S203により、現在設定されている確変終了判定確率が、確変状態の開始時において図33のS402により選択された初期値に対応する変化パターンの最終ステップ(第4ステップ)の確率(たとえば、第1パターンが選択されたときには1%の確率)であるか否かが判断される。この判断において、選択された初期値に対応する変化パターンは、後述するS402により設定(RAM55に記憶)されるデータであって、決定された初期値が第1〜第4変化パターンのうちのどの変化パターンであるかを特定するデータに基づいて特定される。
【0184】
S203により最終ステップ(第4ステップ)の確率ではないと判断された場合は、S205により、選択された変化パターンにおける次のステップ(たとえば、第2ステップの次は第3ステップ)での確変終了判定確率が、新たな確変終了判定確率として設定されることにより確変終了判定確率(言い換えると、確変終了判定値の個数)が変化し、リターンする。一方、S203により最終ステップ(第4ステップ)の確率であると判断された場合は、S204により、選択された変化パターンにおける第1ステップの確率(初期値)が、確変終了判定確率として設定されることにより確変終了判定確率(言い換えると、確変終了判定値の個数)が変化し、リターンする。
【0185】
この確変終了判定確率変化処理が行なわれれば、変動表示が実行されるごとに確変終了判定確率を変化させるか否かがランダムに決定されることにより、確変終了判定確率を変化させる条件が成立したか否かが判定され、確変終了判定確率を変化させることが決定されたときに、確変終了判定確率の設定が変化する。
【0186】
次に、図25のS55eの確変終了判定処理の内容を説明する。図28は、確変終了判定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まず、S101により、S43で読出した確変終了判定用のランダムカウンタR5の抽出値と、現在設定されている確変終了判定確率に対応する確変終了判定値の少なくとも1つとが一致するか否かが判定される。S101により一致していないと判定された場合は、リターンすることにより、確変状態を終了させないことが決定される。一方、S101により一致していると判定された場合は、S102により確変フラグがリセット(OFF)されることにより、確変状態を終了させることが決定され、確変状態が終了させられる。S102の後、リターンする。前述のS101における判定では、確変終了判定値の個数が、前述のように変化し得る確変終了判定確率の設定に対応して変化するので、確変終了判定確率が前述のように段階的に変化することとなる。
【0187】
次に、図25のS56による大当り判定処理の内容を説明する。図29は、大当り判定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まず、S71により、確変フラグがセット(ON)されているか否かの判断がなされ、セットされていない場合すなわち通常状態の大当り確率の遊技状態の場合には、S73により、大当り判定値Aを7と511との2つのデータにセットする処理がなされる。そして、S74により、保留バッファから読み出された大当り判定用のランダムカウンタR1の抽出値と大当り当り判定値Aとを比較する処理が行なわれ、リターンする。S74での比較の結果、R1が7または511のいずれかと一致するときには、前述のS57により大当りの判定がなされる。
【0188】
一方、S71により確変フラグがセットされていると判断された場合は、S72により、大当り判定値Aを、0〜599の間の16個の素数にセットする処理がなされる。そして、S74により、保留バッファから読み出された大当り判定用のランダムカウンタR1の抽出値と大当り当り判定値Aとを比較する処理が行なわれ、リターンする。S74での比較の結果、R1が前述した16個の素数のいずれかと一致するときには、前述のS57により大当りの判定がなされる。これにより、その結果、確変状態となれば、通常状態での大当り確率時に比べて大当りの発生確率が8倍高くなる。なお、確変状態での大当り確率と通常状態での大当り確率との関係は、この例に限られるものではなく、確変状態での大当り確率の方が通常状態での大当り確率よりも高ければ、どのような関係にあってもよい。
【0189】
以上のような大当り判定処理においては、図28に示される確変終了判定処理における確変終了判定の判定結果、すなわち、確変フラグがセットされているかどうかに応じて異なる数の大当り判定値がセットされることにより、S72による確変状態での大当り判定と、S723よる非確変状態での大当り判定とが行なわれることとなる。
【0190】
次に、図23のS302による変動パターン設定処理の内容を説明する。図30は、変動パターン設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0191】
まず、S81において、大当りフラグがセット(図25のS58によりセット)されているかに基づいて、大当りとなることが決定されているか否かが判断される。大当りとなることが決定されていると判断されたときは、S82により、大当りとなるときの変動パターンとしての大当り変動パターンが選択された後、S87に進む。具体的に、S82では、変動パターン決定用のランダムカウンタR4の値を抽出し、大当り変動用の変動パターンテーブルを用いて、その抽出値に対応して定められた大当り変動パターンが選択される。
【0192】
一方、S81において、大当りとならないことが決定されていると判断されたときは、S83に進み、リーチフラグがセットされているか否かに基づいて、はずれとなるリーチとすることが決定されているか否かが判断される。ここで、リーチフラグとは、リーチとする判定がされたことを示すフラグであり、前述の特別図柄停止図柄設定処理におけるリーチ判定においてリーチ判定用のランダムカウンタR7の抽出値に応じてリーチとする判定がされたときにセットされる。S83によりリーチフラグがセットされていると判断されたときは、S84により、リーチはずれとなるときの変動パターン(変動表示中にリーチとなった後に表示結果としてはずれの図柄が停止表示される変動パターン)が変動パターンとして選択された後、S87に進む。具体的に、S84では、変動パターン決定用のランダムカウンタR4の値を抽出し、リーチはずれ用の変動パターンテーブルを用いて、その抽出値に対応して定められたリーチはずれ変動パターンが選択される。
【0193】
一方、S83によりリーチフラグがセットされていないと判断されたときは、S85により、非リーチはずれとなるときの変動パターンが変動パターンとして選択された後、S87に進む。具体的に、S85では、変動パターン決定用のランダムカウンタR4の値を抽出し、非リーチはずれ用の変動パターンテーブルを用いて、その抽出値に対応して定められた非リーチはずれ変動パターンが選択される。なお、本実施の形態における変動パターンからは、当該変動パターンが用いられたときの特別図柄の変動表示時間の情報と、当該変動パターンが用いられたときに大当り図柄の組合せとなる表示結果を導出表示するか否かの情報とを少なくとも特定できるように構成されている。
【0194】
次に、S87では、確変状態演出を実行する状態にあるか否かが判断される。具体的に、S87では、1回の確変終了判定結果報知周期内での判定済のデータ個数Mの値が「0」であるか否かに基づいて、確変状態演出を実行する状態にあるか否かが判断される。つまり、判定済のデータ個数Mの値は、1回の確変終了判定結果報知周期内において、1回の確変終了事前判定が行なわれたときに「0」から「0」以外の値となり、その後、1回の確変終了判定結果報知周期内で行なわれる確変状態演出のうちのすべての演出の選択が終了した段階で「0」になるため、判定済のデータ個数Mの値が「0」以外の値であるときは、確変状態演出を実行する状態にある。これにより、S87では、判定済のデータ個数Mの値が「0」でないときに、確変状態演出を実行する状態にあると判断し、判定済のデータ個数Mの値が「0」であるときに、確変状態演出を実行しない状態にあると判断する。
【0195】
S87により確変状態演出を実行する状態にあると判断された場合は、S88により、確変状態演出を行なう必要があるときに確変状態演出の演出を変動表示が行なわれるごとに選択する処理である確変状態演出選択処理が行なわれ、その後、S89に進む。S88では、前述した確変状態演出用判定処理における判定結果等の各種データに基づいて、確変状態演出の各変動表示における演出を選択して設定する。確変状態演出選択処理の処理内容については、図31および図32を用いて後述する。一方、S87により確変状態演出を実行する状態にないと判断された場合は、そのままS89に進む。
【0196】
次に、S89では、S82、S84またはS85により選択された変動パターンを指令する変動パターンコマンドのアドレスをポインタにセットする処理が行なわれる。これにより、変動パターンコマンドが送信されることとなる。そして、S90により、前述の特別図柄停止図柄設定処理により決定された特別図柄の停止図柄を指令する特別図柄停止図柄コマンドのアドレスをポインタにセットする処理が行なわれる。これにより、特別図柄停止図柄コマンドが送信されることとなる。
【0197】
次に、S91により、確変状態演出を実行する状態にあるか否かが判断される。具体的に、S91では、S88によって確変状態演出における演出を選択したデータが設定(記憶)されているか否かに基づいて確変状態演出を実行する状態にあるか否かが判断される。つまり、S88によって確変状態演出における演出が選択されたときには、選択された演出を示すデータが設定(記憶)されるので、その選択された演出を示すデータが設定(記憶)されているときには、確変状態演出を実行する状態にあると判断し、そのようなデータが設定(記憶)されていないときには、確変状態演出を実行する状態にないと判断す
る(後述するように、1回の確変終了判定結果報知周期内での最後の演出を指令する確変状態演出コマンドのアドレスが設定された後は、次回の確変状態演出に向けて演出の選択データが初期化されるので、確変状態に制御されていないときには、選択された演出を示すデータが残らないようになっている)。
【0198】
S91により、確変状態演出を実行する状態にあると判断された場合は、S92により、S88で選択された確変状態演出を指令する確変状態演出コマンドのアドレスをポインタにセットする処理が行なわれる。これにより、確変状態演出コマンドが送信されることとなる。S92においては、S88で選択された確変状態演出を指令する確変状態演出コマンドのアドレスをポインタにセットした後、1回の確変終了判定結果報知周期内での最後の演出を指令する確変状態演出コマンドのアドレスを設定した後は、次回の確変状態演出に向けて演出の選択データを初期化するために、S88で設定された演出の選択に関するデータがクリアされる。一方、S91により、確変状態演出を実行する状態にないと判断された場合は、そのままS93に進む。
【0199】
次に、S93により、S82、S84またはS85により選択された変動パターンから特定される時間(変動時間)が変動表示タイマにセットされ、その変動表示タイマの計時をスタートする処理が行なわれる。ここで、変動表示タイマとは、変動表示の開始時からの経過時間を計時するためのタイマである。そして、S94により、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄変動処理に対応する(移行する)値に更新された後、リターンする。
【0200】
次に、図30のS88の確変状態演出選択処理の内容を説明する。図31および図32は、確変状態演出選択処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0201】
まず、S111により、確変演出時の変動表示回数Nを「1」加算更新する処理が行なわれる。この確変演出時の変動表示回数Nは、図14および図15の演出選択テーブルで説明した変動表示回数Nである。この変動表示回数Nは、確変状態が開始した段階では初期値「0」に設定されており、確変状態演出選択処理が実行されるごと、すなわち、確変状態において特別図柄の変動表示が1回実行されるごとに加算更新される。
【0202】
次に、S112により、変動表示回数Nが「1」〜「3」のうちのいずれかであるか否かが判断される。S112により変動表示回数Nが「1」〜「3」のうちのいずれかであると判断された場合は、S113により、前述したように、図14に示す第1演出選択テーブルを用いて変動表示回数Nに対応する演出が選択され、RAM55における選択演出記憶領域において、その選択された演出を特定するデータが記憶(設定)される。以下、このように選択演出記憶領域に記憶されるデータを選択設定データという。このように、第1回目〜第3回目のそれぞれの変動表示時における確変状態演出の演出の選択は、S113によって順次行なわれていく。その場合、前述の選択設定データは、各変動表示時において演出が選択されるごとに、選択された演出を示すデータに書換えられていく。それは、以下の第4回目〜第7回目の変動表示時における演出の選択時においても同様である。
【0203】
一方、S112により変動表示回数Nが「1」〜「3」のうちのいずれかに該当しないと判断された場合は、S114に進み、変動表示回数Nが「4」であるか否かが判断される。
【0204】
S114により変動表示回数Nが「4」であると判断された場合は、S115に進み、前述の確変継続確定フラグがセット(ON)されているか否かが判断される。S115により確変継続確定フラグがセットされていると判断されたときは、第4回目の変動表示での演出を決定する時点で第7回目の変動表示が実行されるまでの間について確変継続が確定しているときであり、S116に進み、確変状態演出中における第4回目の変動表示時の演出として、第2演出選択テーブルを用いて、4B演出が選択され、選択された演出を特定する選択設定データが選択演出記憶領域に記憶される。これにより、図12に示す確変継続確定演出が選択されることとなる。S116の後、リターンする。
【0205】
一方、S115により確変継続確定フラグがセットされていないと判断されたときは、第4回目の演出を決定する時点で確変継続が確定していないときであり、S117により、演出選択用のランダムカウンタR6から数値データが抽出される。そして、S118により、確変状態演出中における第4回目の変動表示時の演出として、第3演出選択テーブルを用いて、R6の抽出に対応する演出(4A演出または4C演出)が選択され、選択された演出を特定する選択設定データが選択演出記憶領域に記憶される。S118の後、リターンする。
【0206】
また、前述のS114により変動表示回数Nが「4」に該当しないと判断された場合は、S119に進み、変動表示回数Nが「5」であるか否かが判断される。
【0207】
S119により変動表示回数Nが「5」であると判断された場合は、S120に進み、前回の演出選択時に記憶された選択設定データに基づいて、確変継続確定演出の選択中、つまり、前回の変動表示について選択された確変継続確定演出を構成する4B演出であるか否かが判断される。S120により確変継続確定演出の選択中であると判断されたときは、S121に進み、確変状態演出中における第5回目の変動表示時の演出として、第2演出選択テーブルを用いて、5B演出が選択され、選択された演出を特定する選択設定データが選択演出記憶領域に記憶される。S121の後、リターンする。
【0208】
一方、S120により確変継続確定演出の選択中ではないと判断されたときは、S121に進み、演出選択用のランダムカウンタR6から数値データが抽出される。そして、S123により、前回の演出選択時に記憶された選択設定データに基づいて、前述したように、前回の変動表示について選択された演出に応じて、図17に示す第4演出選択テーブルと、図18に示す第5演出選択テーブルとのいずれかが選択され、選択された演出選択テーブルを用いて、確変終了判定の状態と、R6の抽出値との関係に基づいて、確変状態演出中における第5回目の変動表示時の演出が選択される。そして、選択された演出を特定する選択設定データが選択演出記憶領域に記憶される。前述したように、第4演出選択テーブルが用いられるときには、5A演出または5B演出が選択され、第5演出選択テーブルが用いられるときには、5C演出または5D演出が選択される。S123の後、リターンする。
【0209】
また、前述のS119により変動表示回数Nが「5」に該当しないと判断された場合は、S124に進み、変動表示回数Nが「6」であるか否かが判断される。
ここから
S124により変動表示回数Nが「6」であると判断された場合は、S125に進み、前回の演出選択時に記憶された選択設定データに基づいて、確変継続確定演出の選択中、つまり、前回の変動表示について選択された確変継続確定演出を構成する5B演出であるか否かが判断される。S125により確変継続確定演出の選択中であると判断されたときは、S126に進み、確変状態演出中における第6回目の変動表示時の演出として、第2演出選択テーブルを用いて、6B演出が選択され、選択された演出を特定する選択設定データが選択演出記憶領域に記憶される。S126の後、リターンする。
【0210】
一方、S125により確変継続確定演出の選択中ではないと判断されたときは、S127に進み、前述したように、図19に示す第6演出選択テーブルを用いて、前回の演出選択時に記憶された選択設定データに基づいて、前回の変動表示について選択された演出に応じた演出が、確変状態演出中における第6回目の変動表示時の演出として選択され、選択された演出を特定する選択設定データが選択演出記憶領域に記憶される。S127の後、リターンする。
【0211】
また、前述のS124により変動表示回数Nが「6」に該当しないと判断された場合は、S128に進み、変動表示回数Nが「7」であるか否かが判断される。
【0212】
S120により変動表示回数Nが「7」であると判断された場合は、S129に進み、前回の演出選択時に記憶された選択設定データに基づいて、確変継続確定演出の選択中、つまり、前回の変動表示について選択された確変継続確定演出を構成する6B演出であるか否かが判断される。S129により確変継続確定演出の選択中であると判断されたときは、S130に進み、確変状態演出中における第7回目の変動表示時の演出として、第2演出選択テーブルを用いて、第8の組合せ演出が選択され、選択された演出を特定する選択設定データが選択演出記憶領域に記憶される。S130の後、後述するS135に進む。
【0213】
一方、S129により確変継続確定演出の選択中ではないと判断されたときは、S131に進み、前回の演出選択時に記憶された選択設定データに基づいて、前回の変動表示について6A演出が選択されていたか否かが判断される。
【0214】
S131により6A演出が選択されていたと判断された場合は、S132に進み、演出選択用のランダムカウンタR6から数値データが抽出される。そして、S133により、前述したように、第7演出選択テーブルを用いて、大当り判定状態と、確変終了判定の状態と、R6の抽出値との関係に基づいて、第1の組合せ演出〜第5の組合せ演出のうちのいずれか1つの演出が、確変状態演出中における第5回目の変動表示時の演出として選択される。そして、選択された演出を特定する選択設定データが選択演出記憶領域に記憶される。
【0215】
一方、S131により6A演出が選択されていないと判断された場合は、S134に進み、前述したように、図21に示す第8演出選択テーブルを用いて、前回の演出選択時に記憶された選択設定データに基づいて、前回の変動表示について選択された演出に応じた演出が、確変状態演出中における第6回目の変動表示時の演出として選択される。そして、選択された演出を特定する選択設定データが選択演出記憶領域に記憶される。これにより、第6の組合せ演出または第7の組合せ演出が選択される。S134の後、S135に進む。
【0216】
S135では、前述した図26の確変状態演出用判定処理においてセット(ON)された確変継続確定フラグまたは確変終了確定フラグを、1周期の確変状態演出の終了(第7回目の変動表示における演出の終了)に応じて、リセット(OFF)する処理が行なわれる。そして、同様の理由により、S136で前述の変動表示回数Nが「0」にクリアされ、S138で前述の判定済データの個数Mが「0」にクリアされる。S138の後、リターンする。なお、図示を省略するが、前述の確変継続回数Lは、確変状態を終了する判定がされたときの演出が選択されて実行されたときに「0」にクリアされる。
【0217】
以上のような確変状態演出選択処理が実行されることにより、確変終了判定結果報知周期に合わせた確変状態演出時の1周期中における7回の変動表示のそれぞれについての演出が選択される。これにより、図8に示すような展開で演出が選択され、図9〜図13に示すような確変状態演出の表示が行なうことができる。そして、このような確変状態演出選択処理は、確変状態が継続する場合に繰返し行なわれる。
【0218】
確変状態演出における各変動表示が行なわれるときには、前述したように選択された演出を指令する確変状態演出コマンドが、変動表示開始時に遊技制御用マイクロコンピュータ31から演出制御用マイクロコンピュータ81に送信される。これにより、図9〜図13に示すような確変状態演出の表示が行なうことができる。
【0219】
次に、図23のS307による大当り終了処理の内容を説明する。図30は、変動パターン設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、まず、S401により、確変フラグをセット(ON)する。これは、この実施の形態の場合は、大当り遊技状態の終了後において100%の確率で確変状態に制御されるからである。
【0220】
そして、S402により、S43で読出したR9の抽出値に基づき、図5の確変終了判定確率初期値決定テーブルに示されたR9と確変終了判定確率初期値との関係に応じて、確変終了判定確率の初期値(すなわち、確変終了判定値の個数の初期値)がランダムに選択決定され、決定された初期値を特定するデータが確変終了判定確率の初期値として設定(RAM55に記憶)される。このように決定された初期値が確変終了判定確率の初期値として設定されるときには、決定された初期値が前述の第1〜第4変化パターンのうちのどの変化パターンであるかを特定するデータも設定(RAM55に記憶)される。このように、どの変化パターンであるかを特定するデータが設定(RAM55に記憶)されることにより、そのデータに基づいて、図4に示したような変化パターンを特定し、特定した変化パターンにしたがって確変終了判定確率を初期値から段階的に変化させることが可能となる。
【0221】
次に、S403により、前述の確変時初回変動フラグがセット(ON)される。これにより、大当り遊技状態終了後の確変状態における第1回目の変動表示の大当り判定において、非確変状態での判定が行なわれることが回避される。そして、S404により、大当り大当りフラグがリセット(OFF)される。S404の後、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新される(S405)。
【0222】
次に、演出制御用マイクロコンピュータ81により実行される制御を説明する。図34は、演出制御メイン処理およびタイマ割込み処理の処理内容を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ81では、演出制御の進行を制御するための処理であるメイン処理およびタイマ割込み処理が実行され、これらの処理により、各種制御用のサブルーチンプログラムが呼出されて実行されることにより、表示制御等の各種の演出制御が行なわれる。
【0223】
図34を参照して、まず、(A)に示す演出制御メイン処理のS501により、RAM領域のクリア、各種初期値の設定、演出制御の起動間隔を決めるための2msecタイマの初期設定等の各種初期化を行なうための初期化処理が行なわれる。その後、タイマ割込フラグの監視の確認を行なうループ処理に移行する。
【0224】
また、(B)に示すタイマ割込み処理(2msecごとに起動される処理)においてタイマ割込が発生すると、S507によりタイマ割込フラグがセットされる。(A)に示す演出制御メイン処理においては、S502によりタイマ割込フラグがセットされているか否かが判断され、タイマ割込フラグがセットされていたら、S503により、タイマ割込フラグがクリアされ、以下のような演出制御処理が実行される。
【0225】
この実施の形態では、タイマ割込は0.002sec毎にかかる。すなわち、表示制御処理は、0.002sec毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理でフラグのセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
【0226】
S503の後、S504により、コマンド解析処理が実行される。具体的にコマンド解析処理においては、遊技制御用マイクロコンピュータ53から送信される制御コマンドを受信したときに、受信した制御コマンドにより示される情報がどのような情報であるかを確認するために、受信した制御コマンドが解析される。
【0227】
次に、S505により、変動表示装置9の変動表示等についての演出制御プロセス処理である演出制御プロセス処理が行なわれる。演出制御プロセス処理は、表示制御等の演出制御を複数のプロセスの処理に分け、制御状態に応じたプロセスの処理を所定の順序で実行するための演出制御プロセスフラグに従って、該当するプロセスの処理が選び出されて実行されることにより、コマンド解析処理によって解析されたコマンドが示す内容に応じた変動表示制御等の演出制御が行なわれる。この演出制御プロセス処理においては、受信した制御コマンドに応じて、特別図柄の変動表示制御、普通図柄の変動表示制御、各種発光体の制御、および、スピーカ41から出力する音の制御が行なわれる。制御コマンド演出制御プロセスフラグの値は、制御状態に応じて各処理中に更新される。
【0228】
次に、S506により、乱数更新処理が行なわれる。この乱数更新処理においては、演出制御用マイクロコンピュータ81で更新が行なわれるランダムカウンタのカウント値を更新するための処理が行なわれる。S506の後、S502に戻り、前述した処理が繰返し行なわれる。
【0229】
このような処理が行なわれる演出制御用マイクロコンピュータ81では、受信した制御コマンドが示す内容にしたがって、変動表示装置9において、特別図柄の変動表示、および、確変状態演出の表示等の各種表示を実行させる制御を行なう。これにより、たとえば、図9〜図13に示すような表示が行なわれる。
【0230】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。この第2実施形態においては、確変状態において、確変終了判定確率を、選択決定された初期値から段階的に変化させ、所定の初期化条件が成立したときに初期値に戻す変化パターンのその他の例を説明する。第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0231】
図35は、第2実施形態による確変終了判定確率変化パターンテーブルのデータ内容を表形式で示す図である。図35の確変終了判定確率変化パターンテーブルは、ROM54に記憶されている。
【0232】
図35を参照して、この第2実施形態の場合、確変終了判定確率の段階的変化は、第1ステップ〜第4ステップの4段階で行なわれる。第1パターンは、確変終了判定確率が、1%を初期値とし、1%→2%→3%→4%の順番で段階的に高くなる変化をし、所定の初期化条件が成立したときに1%という初期値に戻る。第2パターンは、確変終了判定確率が、2%を初期値とし、2%→3%→4%→5%の順番で段階的に高くなる変化をし、所定の初期化条件が成立したときに2%という初期値に戻る。第3パターンは、確変終了判定確率が、3%を初期値とし、3%→4%→5%→6%の順番で段階的に高くなる変化をし、所定の初期化条件が成立したときに3%という初期値に戻る。第4パターンは、確変終了判定確率が、4%を初期値とし、4%→5%→6%→7%の順番で段階的に高くなる変化をし、所定の初期化条件が成立したときに4%という初期値に戻る。この実施の形態の場合の初期化条件は、各パターンの第4ステップにおいて、前述したR10の抽出値を用いて確変終了判定確率を段階的に変化させる条件が成立した旨の判定がされたときに成立する。
【0233】
確変状態となったときには、前述したR9により確変終了判定確率初期値が選択決定され、この確変終了判定確率変化パターンテーブルが参照され、選択決定された初期値に対応するパターン(たとえば、初期値として1%が選択されたときには、対応するパターンが第1パターンである)にしたがって、確変終了判定確率の段階的変化が行なわれる。
【0234】
第1パターン〜第4パターンについては、各パターンが確変終了判定確率が段階的に高くなるパターンである。そして、各ステップの確変終了判定確率については、第1パターンが最も低確率であり、第2パターン、第3パターン、第4パターンの順番で高確率となるように設定されている。確変終了判定確率が、第1パターン〜第4パターンのうち、第1パターンの初期値が最も低確率であり、第2パターン、第3パターン、第4パターンの順番で高確率となるように設定されている。したがって、S402により初期値として第1パターンの初期値が選択決定されたときには、変化パターンの各段階における確変終了判定確率が他のパターンよりも低いため、遊技者にとって最も有利なものとなる。
【0235】
次に、前述した第1実施形態および第2実施形態を含む実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
【0236】
(1) 図28に示されるように、確変終了判定用のランダムカウンタR5から抽出された数値データが確変終了判定値と一致するか否かを判定することにより変動表示装置9における確変状態を終了させるか否かが判定される(変動表示の開始条件が成立する毎に判定される)。そして、そのように確率状態を終了させるように定められた確変終了判定値の個数(確変終了判定確率)が、図4または図35およびS201〜S205に示されるように、初期値から変化(段階的に変化)させられ、R10を用いて変終了判定確率を変化させることが決定されたときのように、所定の初期化条件が成立したときに初期値に戻される。このように、確変状態終了判定について、確率状態を終了させるように定められた確変終了判定値の個数が初期値から変化(段階的に変化)させられるので、確率変動状態を終了させると判定する確率が変化(段階的に変化)するため、確変状態中における遊技状態を変化に富んだものにすることができる。さらに、前述の初期化条件が成立したときに、確変終了判定値の個数が初期値に戻されるので、確変状態中における遊技状態をさらに変化に富んだものにすることができる。このように確変状態中における遊技状態を変化に富んだものにすることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
【0237】
(2) 図4に示されるように、確率変動状態を終了させるように定められた確変終了判定値の個数を変化させるために、選択するデータが初期値のデータ(たとえば、4%等)から初期値以外の所定値データ(たとえば、3%等)に変化させられることにより、確変終了判定値の個数が少なくなるように変化(段階的に変化)させられるので、前述の初期化条件が成立するまでの間に、確変状態に対する遊技者の期待感を高める(徐々に高める)ことができる。さらに、初期化条件が成立すると、確変終了判定値の個数が初期値に戻されることにより、このような確率の変化によって遊技者にとって過剰に有利な状態になるのを制限することができる。
【0238】
(3) 図35に示されるように、確率変動状態を終了させるように定められた確変終了判定値の個数を変化させるために、選択するデータが初期値のデータ(たとえば、1%等)から初期値以外の所定値データ(たとえば、2%等)に変化させられることにより、確変終了判定値の個数が多くなるように変化(段階的に変化)させられるので、前述の初期化条件が成立するまでの間に、確変状態の終了に対する遊技者の緊張感を高める(徐々に高める)ことができる。さらに、初期化条件が成立すると、確変終了判定値の個数が初期値に戻されることにより、このような確率の変化によって遊技者にとって過剰に不利な状態になるのを制限することができ、確変状態に対する遊技者の期待感を高めることができる。
【0239】
(4) 図5、および、図33のS402に示されるように、確変状態となるときに、確変終了判定値の個数を変化させる(段階的に変化をさせる)ときの初期値が、予め定められた複数の初期値のうちから選択的に決定されるので、このような初期値が変化に富むようになることに基づいて、確変状態中における遊技状態をさらに変化に富んだものにすることができる。
【0240】
(5) 確変終了判定が行なわれる前において、図27のS201により、確変終了判定確率を変化させる条件が成立したか否かが判定され、その条件が成立したと判定されたときに、S204,S205に示されるように、確変終了判定値の個数が変化(段階的に変化)させられる。これにより、このような確変終了判定値が変化(段階的に変化)させられるタイミングが変化に富むようになり、確率変動状態中における遊技状態をさらに変化に富んだものにすることができる。
【0241】
(6) 図32に示されるように、予め定められた複数回(7回)の変動表示が行なわれるごとに確変終了判定結果の報知条件が成立する(S128Y)。そして、図32のS130、S133、S134に示されるように判定結果を報知するときの演出が選択されて、図9〜図13に示すように、報知条件が成立した複数回の変動表示全体を対象として、確変状態を終了させるか否かの判定の結果が報知される。このように、たとえば7回というような予め定められた複数回の変動表示が行なわれたときのみ、その回数の変動表示に対する確変終了判定の判定結果が報知されることにより、予め定められた複数回の変動表示が行なわれるごとに、遊技者の確変状態の継続への期待感を高めることができる。
【0242】
(7) 図25の特別図柄通常処理でS56による大当り判定処理の実行前にS55eによる確変終了判定処理が実行されることにより、その確変終了判定が、大当り判定が行なわれる前に実行され、S55eによる確変終了判定の結果に対応した確率(すなわち、確変状態での大当り判定確率または非確変状態での大当り判定確率)で大当り判定が行なわれるので、確変終了判定が、大当り判定が行なわれた後に実行される場合と比べて、確変終了判定の判定結果を特定する情報(データ)を長期間RAM55に保存しておく必要がない。このため、確変終了判定の判定結果を特定する情報について情報の改変等の不正行為が行なわれる可能性を低減することができるとともに、その判定結果を特定する情報がノイズ等により誤った情報に変化(データ化け)してしまう可能性を低減することができる。
【0243】
(8) 前述の実施の形態に示した発明は、次のように特定することができる。予め定められた報知条件が成立したときに、前記終了判定手段による判定の結果を報知する報知手段(図30のS88、S92、図32のS128〜S134、図34のS505)と、
予め定められた複数回の変動表示が行なわれるごとに、前記報知手段による報知条件が成立したと判定する報知条件判定手段(図32のS128)とをさらに含み、
前記報知手段は、前記報知条件判定手段により前記報知条件が成立したと判定されたときのみ、前記予め定められた複数回の変動表示に対する前記終了判定手段による判定の結果を報知する(図31のS111〜図32のS134は、確変終了判定結果報知周期ごとに繰返し実行される)。
【0244】
このような構成によれば、図32に示されるように、予め定められた複数回(7回)の変動表示が行なわれるごとに確変終了判定結果の報知条件が成立する(S128Y)。そして、図32のS130、S133、S134に示されるように判定結果を報知するときの演出が選択されて、図9〜図13に示すように、報知条件が成立した複数回の変動表示全体を対象として、確変状態を終了させるか否かの判定の結果が報知される。このように、たとえば7回というような予め定められた複数回の変動表示が行なわれたときのみ、その予め定められた複数回数の変動表示に対する確変終了判定の判定結果が報知されることにより、判定結果が報知されるまでの間における複数回の変動表示に亘って、確変状態が終了しているかどうかが遊技者にとって明確に判断できない期間を生じさせることができるので、そのような期間の存在により遊技者の確変状態の継続への期待感を高めることができる。これにより、確変状態を終了させるか否かの判定の結果の報知を確変状態の継続への期待感を高めるような態様で行なうことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0245】
(9) 前述の実施の形態に示した発明は、次のように特定することができる。前記報知手段は、前記終了判定手段による判定の結果を報知するときに、複数回の変動表示に亘って段階的に演出内容を変化させる段階的演出を行なう演出手段(図31のS113、S116、S118、S121、S123、S126、S127、図32のS130、S133、S134)を含み、
該演出手段は、複数回の変動表示に亘って段階的に演出内容を変化させた後に、前記終了判定手段による判定の結果に応じて異なる演出(図10の(15)、(17)を実行する。
【0246】
このような構成によれば、図10の(15)、(17)に示されるように、確変状態を終了させるか否かの判定の結果を報知するときに、複数回の変動表示に亘って段階的に演出内容を変化させた後に、終了判定の判定結果に応じて異なる演出が実行されるので、この演出により、確変状態の継続への遊技者の期待感を段階的に盛上げることができる。
【0247】
(10) 前述の実施の形態に示した発明は、次のように特定することができる。前記演出手段により実行される前記段階的演出を、第1の段階的演出、および、該第1の段階的演出とは演出内容が異なる第2の段階的演出を含む複数の段階的演出のうちから選択する演出選択手段をさらに含み、
該演出選択手段は、前記報知手段により前記確率変動状態を終了させない判定結果に応じた報知が行なわれるときには、前記第1の段階的演出よりも前記第2の段階的演出の方を高い割合で選択し、前記報知手段により確率変動状態を終了させる判定結果に応じた報知が行なわれるときには、前記第2の段階的演出よりも前記第1の段階的演出の方を高い割合で選択する(たとえば、4A演出の後の第5回目の変動以後の演出について、確変継続が確定したときには、5E〜7Eの演出を選択する割合(14/20の割合)の方が5A〜7Aの演出を選択する割合(6/20の割合)よりも高い)。
【0248】
このような構成によれば、また、たとえば、図17を参照して、4A演出の後の第5回目の変動以後の演出について、確変継続が確定したときには、5E〜7Eの演出を選択する割合(14/20の割合)の方が5A〜7Aの演出を選択する割合(6/20の割合)よりも高く設定した。これにより、確変状態演出が、演出内容が異なる第1の演出(5E〜7Eの演出)および第2の演出(5A〜7Aの演出)を含む複数の演出のうちから選択されるようにし、確変状態を終了させない判定結果に応じた報知が行なわれるときには、第1の演出よりも第2の演出の方が高い割合で選択され、確変状態を終了させる判定結果に応じた報知が行なわれるときには、第2の演出よりも第1の演出の方が高い割合で選択される。このため、選択されて実行される演出の種類を識別することに基づいて、確変状態が終了する報知がされやすいか否かを遊技者が認識することができるようになり、これによって確変状態の継続への遊技者の期待感をより向上させることが可能になる。
【0249】
(11) 前述の実施の形態に示した発明は、次のように特定することができる。前記変動表示の始動条件の成立に基づいて前記終了判定手段による判定に用いられる終了判定データ(R6の抽出データ)を記憶する判定データ記憶手段(RAM55の保留記憶バッファ)と、
未だ変動表示の開始条件が成立していない変動表示に対応して前記判定データ記憶手段に記憶されている終了判定データに基づいて、前記確率変動状態を終了させる旨のデータがあるか否かを判定する(S64により保留記憶バッファにおいて記憶されているR5のデータについて確変終了事前判定を実行する)終了データ判定手段(S64)とを含み、
前記演出選択手段は、前記終了データ判定手段の判定結果に応じて前記段階的演出を複数の段階的演出のうちから選択する(たとえば、図15の第2演出選択テーブル、図17の第4演出選択テーブル、図18の第5演出選択テーブル等では、S64での確変終了事前判定により確変継続が確定したか否かに基づいて演出を選択する)。
【0250】
このような構成によれば、S64により保留記憶バッファにおいて記憶されているR5のデータについて確変終了事前判定を実行することにより、確変状態演出における演出を複数種類の演出のうちから選択するときに、未だ変動表示の開始条件が成立していない変動表示に対応して保留記憶バッファに記憶されているR5のデータに基づいて、確変状態を終了させる旨判定されるデータがあるか否か判定され、その判定結果に応じて確変状態演出の選択が行なわれる(たとえば、図15の第2演出選択テーブル、図17の第4演出選択テーブル、図18の第5演出選択テーブルでの確変継続が確定したか否かに基づく演出の選択等)。このため、確変状態を終了させるか否かの判定の結果が報知されるまでの複数回の変動表示に亘り、その判定の結果を先取りした態様で判定結果に対応した確変状態演出を行なうことができる。
【0251】
(12) 前述の実施の形態に示した発明は、次のように特定することができる。前記報知手段は、前記確率変動状態が終了しない旨の報知として、一旦、前記確率変動状態を終了させる判定がされたときに選択される演出と同一の演出(図10の7A2演出)を行なった後、前記確率変動状態を終了させないことを報知する特定の演出(図10の7A4演出)を実行する(図8、図10)。
【0252】
このような構成によれば、図10の(14)〜(17)に示すように、確変状態が終了しない旨の報知として、一旦、確変状態を終了させる判定がされたときに選択される演出である7A1演出および7A2演出と同一の演出を行なった後、確変状態が継続することを報知する特定の演出としての7A4演出が実行されるので、そのような特定の演出が実行されることにより、確変状態が継続する旨の報知として敗者復活戦的な演出を行なうことができ、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
【0253】
(13) 前述の実施の形態に示した発明は、次のように特定することができる。前記変動表示の表示結果が前記特定表示態様となる旨の報知として、一旦、前
記確率変動状態を終了させる判定がされたときに選択される演出と同一の演出(図10の7A2演出)を行なった後、前記変動表示の結果が前記特定表示態様となることを報知する特別の演出(図10の7A5演出)を実行する特別演出実行手段(図32のS133)をさらに含む。
【0254】
このような構成によれば、図10の(14)〜(16)、(18)に示すように、大当りとなる旨の報知として、一旦、確変状態を終了させる判定がされたときに選択される演出である7A1演出および7A2演出と同一の演出を行なった後、変動表示結果が大当りとなることを報知する特別の演出としての7A5演出が実行されるので、そのような特定の演出が実行されることにより、大当りとなる旨の報知として敗者復活戦的な演出を行なうことができ、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
【0255】
次に、以上に説明した本実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
【0256】
(1) 前述した実施の形態においては、確変終了判定確率を段階的に変化させることについて、特別図柄の変動表示が1回行なわれるごとに、確変終了判定確率を変化させるか否かをランダムに決定する例を示した。しかし、これに限らず、特別図柄の変動表示が予め定められた複数回行なわれるごとに確変終了判定確率を変化させるか否かをランダムに決定するようにしてもよい。また、特別図柄の変動表示が1回行なわれるごとに必ず確変終了判定確率を変化させる制御を行なうようにしてもよい。また、特別図柄の変動表示が予め定められた複数回行なわれるごとに必ず確変終了判定確率を変化させる制御を行なうようにしてもよい。
【0257】
(2) 前述した実施の形態においては、図4および図35を用いて、確変終了判定確率が低い変化パターンである程選択されやすく設定された例を示した。しかし、これに限らず、確変終了判定確率が高い変化パターンである程選択されやすく設定されてもよい。また、確変終了判定確率の高低に関係なく均等な割合または不均等な割合で各変化パターンが選択されるように設定されてもよい。
【0258】
(3) 前述した実施の形態においては、確変終了判定確率を段階的に変化させるときの各段階(ステップ)について、確変終了判定確率を変化させることを同じ確率で決定する例を示した。しかし、これに限らず、確変終了判定確率を段階的に変化させるときの各段階(ステップ)について、確変終了判定確率を変化させることを異なる確率で決定する制御を行なうようにしてもよい。たとえば、確変終了判定確率が低い段階(ステップ)である程、確変終了判定確率が変化する確率が低くなるようにしてもよい。また、確変終了判定確率が高い段階(ステップ)である程、確変終了判定確率が変化する確率が低くなるようにしてもよい。
【0259】
(4) 前述した実施の形態においては、図25のS55bおよびS55cに示すように、確変状態となったときの第1回目の変動表示時において、確変終了判定確率変化処理(S55d)および確変終了判定処理(S55e)が行なわれないように制御する例を示した。しかし、これに限らず、確変状態となったときの第1回目の変動表示時においても、確変終了判定確率変化処理(S55d)および確変終了判定処理(S55e)が行なわれるようにしてもよい。
【0260】
(5) 前述した実施の形態では、図27において、確変終了判定確率を初期値から段階的に変化させるときに、変動表示が1回行なわれるごとに、S201により確変終了判定確率を変化させるか否かをランダムに決定する。したがって、前述した例では、S201での判定結果によっては、図33のS402により設定された初期値ではなく、第2ステップの確変終了判定確率での確変終了判定が行なわれるときもある(S402により初期値が設定されたが、S201で確変終了判定確率を変化させる判定がされたときには、設定された初期値での確変終了判定が行なわれることなく、まず、第2ステップの確変終了判定確率での確変終了判定が行なわれる)。しかし、これに限らず、確変状態において、確変終了判定確率を初期値から段階的に変化させるときには、当該確変状態における最初の終了判定は、必ず、S402により設定された初期値を用いて行なわれるようにしてもよい。
【0261】
(6) 前述した実施の形態においては、確変終了判定確率を段階的に変化させるときにおいて確変終了判定確率を初期値に戻す初期化条件として、各パターンの第4ステップにおいて、前述したR10の抽出値を用いて確変終了判定確率を段階的に変化させる条件が成立した旨の判定がされたときに成立する例を示した。しかし、これに限らず、R10の抽出値を用いた判定とは別個の判定を行なうことにより、初期化条件が成立したか否かを判定するようにしてもよい。たとえば、R10の抽出値またはその他の所定のランダムカウンタの抽出値を用いて、予め定められた判定確率(第1〜第3ステップのときは異なる確率)で初期化条件が成立したか否かを判定するようにしてもよい。
【0262】
(7) 前述した実施の形態においては、予め定められた回数(たとえば、7回)の変動表示が行なわれるごとに報知条件が成立し、その予め定められた回数の変動表示に対する確率変動状態を終了させるか否かの判定の結果が報知される。この場合における予め定められた回数としては、前述の7回のような複数回であってもよく、または、1回であってもよい。
【0263】
(8) 前述した実施の形態においては、大当り遊技状態が終了した後に、必ず確変状態に制御される例を示した。しかし、これに限らず、大当りとなることが決定されたときであっても、確変状態に制御される場合と、確変状態に制御されない場合とに所定の割合で振分けるようにしてもよい。たとえば、変動表示時に決定された大当り図柄が特別の図柄の組合せ(たとえば、奇数の図柄の組合せ)となるときに確変状態に制御され、その大当り図柄が特別の図柄以外の図柄の組合せ(たとえば、偶数の図柄の組合せ)となるときに確変状態に制御されないようにしてもよい。また、そのような振分けは、前述のようなランダムカウンタを用いた抽選により行なうようにしてもよい。たとえば、確変状態判定用のランダムカウンタを設け、その抽出値が所定の確変判定値と一致したときに、確変状態に制御され、その抽出値が所定の確変判定値と一致しないときに確変状態に制御されないようにしてもよい。このような振分けの割合は、たとえば1/2等のどのような割合であってもよい。
【0264】
(9) 前述した実施の形態において、確変状態演出(確変終了判定結果の報知を含む)として、特別図柄以外のキャラクタおよび文字等により演出および報知を行なう例を示した。しかし、これに限らず、特別図柄によりそのような確変状態演出(確変終了判定結果の報知を含む)を行なうようにしてもよい。たとえば、確変終了判定の判定結果を報知することとして、確変状態が終了する判定結果として、はずれとなるスーパーリーチを変動表示において表示するようにしてもよい。そのようにすれば、変動表示においてスーパーリーチが表示されると、大当りとなる信頼度が高いが、表示結果がはずれとなれば確変状態が終了することになるので、変動表示結果に対する遊技者の期待感をより一層高めることができる。
【0265】
(10) 特別図柄により確変状態演出(確変終了判定結果の報知を含む)を行なう例としては、次のような例を採用してもよい。確変状態が終了する判定結果として、たとえば、「1、2、3」というような特定の図柄の組合せを、特別図柄の変動表示時において表示結果として表示するようにしてもよい。
【0266】
(11) 前述した実施の形態においては、確変状態演出が行なわれる確変終了判定結果報知周期(確変状態演出が行なわれる変動表示回数)が変動表示7回分の期間に固定的に設定されている例を示した。しかし、確変終了判定結果報知周期を規定する変動表示の回数の設定回数(確変状態演出が行なわれる変動表示回数)は、状況に応じて変化するようにしてもよい。たとえば、10回、5回、1回というように変動表示回数を複数種類設けておき、確変状態が終了するタイミングが近い程、確変終了判定結果報知周期(確変状態演出が行なわれる変動表示回数)を規定する変動表示回数が少なくなるように設定してもよい。また、確変状態演出が行なわれる変動表示回数は、ランダムカウンタを用いてランダムに決定するようにしてもよい。
【0267】
(12) 前述の実施の形態に示した発明は、次のように特定することができる。予め定められた報知条件が成立したときに、前記終了判定手段による判定の結果を報知する報知手段(図30のS88、S92、図32のS128〜S134、図34のS505)と、
予め定められた複数回の変動表示が行なわれるごとに、前記報知手段による報知条件が成立したと判定する報知条件判定手段(図32のS128)とをさらに含み、
前記終了判定手段は、前記開始条件が成立するごとに判定を行ない(図25のS55eの確変終了判定処理が実行される特別図柄通常処理は、変動表示が行なわれるごとに実行されるので、確変終了判定処理は変動表示が行なわれるごとに実行される)、
前記報知手段は、前記報知条件判定手段により前記報知条件が成立したと判定されたときのみ、前記予め定められた複数回の変動表示が行なわれる間に行なわれた前記終了判定手段による判定の結果を報知する(図31のS111〜図32のS134は、確変終了判定結果報知周期ごとに繰返し実行される)。
【0268】
(13) 前述の実施の形態では、前記確率変動状態となるときに、前記初期値(前記終了判定手段により前記確率変動状態を終了させるように定められた前記特定値の個数の初期値)を、予め定められた複数の初期値(図5および図35参照)のうちから選択的に決定する初期値決定手段が開示されている(図33のS402)。この初期値決定手段は、前述したような初期値の決定方法以外に、次のような方法で初期値を決定して確変終了判定確率を変化させるようにしてもよい。つまり、たとえば、図4に示された確率変化パターンの各パターンを構成する第1ステップ〜第4ステップのどのステップも初期値として選択できるようにしてもよい。その場合は、複数のパターン(第1パターン〜第4パターン)のうちのから1つのパターンを選択(ランダムに選択してもよく、予め定められた順番で選択してもよい)し、その選択されたパターンを構成する複数のステップ(第1ステップ〜第4ステップ)のうちから、初期値とするステップを選択する(ランダムに選択してもよく、予め定められた順番で選択してもよい)処理を行なう。このように初期値が選択されると、選択されたパターンにおいて、選択されたステップの確変終了判定確率を初期値として、前述のように予め定められた順序にしたがって確変終了判定確率が変化させられる。このように初期値を決定して確変終了判定確率を変化させる処理は、第2実施形態に示された確変終了判定確率の変化パターン(図35参照)について同様に適用してもよい。
【0269】
(14) 前述した実施の形態においては、確変終了判定確率が変化することを示した。確変終了判定確率が変化したときには、変動表示装置9、スピーカ41、および、遊技効果LED等のいずれか1つ、または、これらの組合せによる報知手段により、表示、音、および、発光のいずれか1つ、または、これらの組合せによる次のような報知を行なうようにしてもよい。たとえば、確変終了判定確率が変化したときに確変終了判定確率が変化した旨を報知してもよい。このような報知をすれば、確変終了判定確率が変化したことを遊技者が容易に把握することができる。また、確変終了判定確率が変化したときに確変終了判定確率がどの段階(どのようなステップ、どのような判定確率)に変化したかを報知してもよい。このような報知をすれば、確変終了判定確率がどのような状況にあるかを遊技者が容易に把握することができる。また、前述したように確変終了判定確率が変化して一旦初期値に戻る制御を行なうときには、確変終了判定確率が初期値に変化したとき(戻ったとき)に確変終了判定確率が初期値に変化した旨を報知してもよい。このような報知をすれば、たとえば、図4に示されるような確変終了判定確率が初期値から段階的に下がっていく変化パターンで判定確率が変化する場合には、遊技者の期待感を高めることができる。一方、図35に示されるような確変終了判定確率が初期値から段階的に上がっていく変化パターンで判定確率が変化する場合には、遊技者の緊張感を高めることができる。
【0270】
(15) 前述した実施の形態では、確変状態において、変動表示の開始条件が成立するごとに確変終了判定を行なう例を示した。これにより、前記終了判定手段は、確変状態において変動表示の開始条件が成立するごとに前記判定を行なうものであると限定することができる。
【0271】
(16) 前述した実施の形態では、確変状態において、第1回目の変動表示において確変終了判定を行なわない例を示した。しかし、これに限らず、確変状態における第1回目の変動表示において確変終了判定を行なうようにしてもよい。
【0272】
(17) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0273】
【図1】本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】パチンコ遊技機における主な制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】遊技制御用マイクロコンピュータが遊技制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。
【図4】確変終了判定確率変化パターンテーブルのデータ内容を表形式で示す図である。
【図5】確変終了判定確率初期値決定テーブルのデータ内容を表形式で示す図である。
【図6】確変終了判定確率変化判定テーブルのデータ内容を表形式で示す図である。
【図7】確変終了判定確率の段階的変化が行なわれるときの確変終了判定確率の変化の仕方の一例を示すタイミングチャートである。
【図8】確変状態演出における演出内容の全体的な流れを示す行程図である。
【図9】変動表示装置において行なわれる確変状態演出の表示例を示す表示画面図である。
【図10】変動表示装置において行なわれる確変状態演出の表示例を示す表示画面図である。
【図11】変動表示装置において行なわれる確変状態演出の表示例を示す表示画面図である。
【図12】変動表示装置において行なわれる確変状態演出の表示例を示す表示画面図である。
【図13】変動表示装置において行なわれる確変状態演出の表示例を示す表示画面図である。
【図14】第1演出選択テーブルを表形式で示す図である。
【図15】第2演出選択テーブルを表形式で示す図である。
【図16】第3演出選択テーブルを表形式で示す図である。
【図17】第4演出選択テーブルを表形式で示す図である。
【図18】第5演出選択テーブルを表形式で示す図である。
【図19】第6演出選択テーブルを表形式で示す図である。
【図20】第7演出選択テーブルを表形式で示す図である。
【図21】第8演出選択テーブルを表形式で示す図である。
【図22】遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される遊技制御用メイン処理およびタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。
【図23】特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。
【図24】始動口スイッチ通過処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図25】特別図柄通常処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図26】確変状態演出用判定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図27】確変終了判定確率変化処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図28】確変終了判定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図29】大当り判定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図30】変動パターン設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図31】確変状態演出選択処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図32】確変状態演出選択処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図33】大当り終了処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図34】演出制御メイン処理およびタイマ割込み処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図35】第2実施形態による確変終了判定確率変化パターンテーブルのデータ内容を表形式で示す図である。
【符号の説明】
【0274】
14 始動入賞口、9 変動表示装置、1 パチンコ遊技機、53 遊技制御用マイクロコンピュータ、81 演出制御用マイクロコンピュータ、55 RAM。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能であって、所定の始動条件が成立した後に開始条件が成立することにより、前記識別情報の変動表示が行なわれた後表示結果が導出される変動表示装置を有し、前記表示結果が予め定められた特定表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御され、該特定遊技状態の終了後において前記変動表示の表示結果が前記特定表示態様となる確率が前記特定遊技状態とは異なる通常遊技状態よりも向上した確率変動状態に制御されたときに、該確率変動状態を終了させる旨の判定がされるまで当該確率変動状態を継続させる制御を行なう遊技機であって、
前記確率変動状態を終了させるか否かを判定するために用いられる終了判定用数値情報を更新する終了判定用数値情報更新手段と、
該終了判定用数値情報更新手段から前記終了判定用数値情報を抽出する終了判定用数値情報抽出手段と、
前記終了判定用数値情報抽出手段により抽出された前記終了判定用数値情報が前記確率変動状態を終了させるように定められた特定値と一致するか否かを判定することにより、前記確率変動状態を終了させるか否かを判定する終了判定手段と、
前記確率変動状態において、前記終了判定手段により前記確率変動状態を終了させるように定められた前記特定値の個数を初期値から前記初期値とは異なる所定値に変化させ、所定の初期化条件が成立したときに、当該特定値の個数を初期値に戻す特定値個数変更手段とを含むことを特徴とする、遊技機。
【請求項2】
前記初期値を示す初期値データと、前記所定値を示すデータであって前記初期値データよりも前記特定値の個数が少なくなるように設定された所定値データとが記憶された記憶手段をさらに含み、
前記特定値個数変更手段は、前記記憶手段から初期値データ、あるいは、所定値データのいずれかを選択することにより前記特定値の個数を変化させることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記初期値を示す初期値データと、前記所定値を示すデータであって前記初期値データよりも前記特定値の個数が多くなるように設定された所定値データとが記憶された記憶手段をさらに含み、
前記特定値個数変更手段は、前記記憶手段から初期値データ、あるいは、所定値データのいずれかを選択することにより前記特定値の個数を変化させることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
前記確率変動状態となるときに、前記初期値を、予め定められた複数の初期値のうちから選択的に決定する初期値決定手段をさらに含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機。
【請求項5】
前記終了判定手段による終了判定が行なわれる前において、前記特定値個数変更手段により前記特定値の個数を変化させるために予め定められた変化条件が成立したか否かを判定する変化条件判定手段をさらに含み、
前記特定値個数変更手段は、前記変化条件判定手段により前記変化条件が成立したと判定されたときに、前記特定値の個数を変化させることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機。
【請求項6】
予め定められた報知条件が成立したときに、前記終了判定手段による判定の結果を報知する報知手段と、
予め定められた複数回の変動表示が行なわれるごとに、前記報知手段による報知条件が成立したと判定する報知条件判定手段とをさらに含み、
前記終了判定手段は、前記開始条件が成立するごとに判定を行ない、
前記報知手段は、前記報知条件判定手段により前記報知条件が成立したと判定されたときのみ、前記予め定められた複数回の変動表示に対する前記終了判定手段による判定の結果を報知することを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の遊技機。
【請求項7】
前記変動表示の表示結果を前記特定表示態様とするか否かを判定する特定判定手段をさらに含み、
前記終了判定手段は、前記確率変動状態を終了させるか否かの判定を、前記特定判定手段による判定が行なわれる前に実行し、
前記特定判定手段は、前記終了判定手段による前記確率変動状態を終了させるか否かの判定の結果に対応した確率で、前記変動表示の表示結果を前記特定表示態様とするか否かを判定することを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の遊技機。
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能であって、所定の始動条件が成立した後に開始条件が成立することにより、前記識別情報の変動表示が行なわれた後表示結果が導出される変動表示装置を有し、前記表示結果が予め定められた特定表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御され、該特定遊技状態の終了後において前記変動表示の表示結果が前記特定表示態様となる確率が前記特定遊技状態とは異なる通常遊技状態よりも向上した確率変動状態に制御されたときに、該確率変動状態を終了させる旨の判定がされるまで当該確率変動状態を継続させる制御を行なう遊技機であって、
前記確率変動状態を終了させるか否かを判定するために用いられる終了判定用数値情報を更新する終了判定用数値情報更新手段と、
該終了判定用数値情報更新手段から前記終了判定用数値情報を抽出する終了判定用数値情報抽出手段と、
前記終了判定用数値情報抽出手段により抽出された前記終了判定用数値情報が前記確率変動状態を終了させるように定められた特定値と一致するか否かを判定することにより、前記確率変動状態を終了させるか否かを判定する終了判定手段と、
前記確率変動状態において、前記終了判定手段により前記確率変動状態を終了させるように定められた前記特定値の個数を初期値から前記初期値とは異なる所定値に変化させ、所定の初期化条件が成立したときに、当該特定値の個数を初期値に戻す特定値個数変更手段とを含むことを特徴とする、遊技機。
【請求項2】
前記初期値を示す初期値データと、前記所定値を示すデータであって前記初期値データよりも前記特定値の個数が少なくなるように設定された所定値データとが記憶された記憶手段をさらに含み、
前記特定値個数変更手段は、前記記憶手段から初期値データ、あるいは、所定値データのいずれかを選択することにより前記特定値の個数を変化させることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記初期値を示す初期値データと、前記所定値を示すデータであって前記初期値データよりも前記特定値の個数が多くなるように設定された所定値データとが記憶された記憶手段をさらに含み、
前記特定値個数変更手段は、前記記憶手段から初期値データ、あるいは、所定値データのいずれかを選択することにより前記特定値の個数を変化させることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
前記確率変動状態となるときに、前記初期値を、予め定められた複数の初期値のうちから選択的に決定する初期値決定手段をさらに含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機。
【請求項5】
前記終了判定手段による終了判定が行なわれる前において、前記特定値個数変更手段により前記特定値の個数を変化させるために予め定められた変化条件が成立したか否かを判定する変化条件判定手段をさらに含み、
前記特定値個数変更手段は、前記変化条件判定手段により前記変化条件が成立したと判定されたときに、前記特定値の個数を変化させることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機。
【請求項6】
予め定められた報知条件が成立したときに、前記終了判定手段による判定の結果を報知する報知手段と、
予め定められた複数回の変動表示が行なわれるごとに、前記報知手段による報知条件が成立したと判定する報知条件判定手段とをさらに含み、
前記終了判定手段は、前記開始条件が成立するごとに判定を行ない、
前記報知手段は、前記報知条件判定手段により前記報知条件が成立したと判定されたときのみ、前記予め定められた複数回の変動表示に対する前記終了判定手段による判定の結果を報知することを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の遊技機。
【請求項7】
前記変動表示の表示結果を前記特定表示態様とするか否かを判定する特定判定手段をさらに含み、
前記終了判定手段は、前記確率変動状態を終了させるか否かの判定を、前記特定判定手段による判定が行なわれる前に実行し、
前記特定判定手段は、前記終了判定手段による前記確率変動状態を終了させるか否かの判定の結果に対応した確率で、前記変動表示の表示結果を前記特定表示態様とするか否かを判定することを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【公開番号】特開2006−568(P2006−568A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183023(P2004−183023)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]