説明

遊技機

【課題】CPUに暴走等により問題が生じた場合にも、被害を最小限にする。
【解決手段】遊技を統括的に制御する主制御基板30aと、主制御基板からの制御信号に基づいて演出制御を行う複数の演出制御基板とを備えた遊技機であって、演出制御基板として、主制御基板からの制御信号に基づいて当該複数の演出制御基板の演出制御を行う第1CPU41aを搭載した音声制御基板41と、音声制御基板41からの制御信号に基づいて演出表示装置13における表示制御を行う第2CPU42aを搭載した表示制御基板42とを備え、音声制御基板の第1CPUは、第2CPUの動作状態を監視して、第2CPUが正常に動作を行っていないことを検出した場合に、第2CPUのリセットを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技を統括的に制御する主基板と、主基板からの指示により表示装置の表示制御を行う表示基板を備え、両基板にはそれぞれメインCPUとサブCPUが搭載されている。
ここで、表示基板にはサブCPUの他に、ROMやRAM、液晶表示装置を制御する液晶ドライバ、サブCPUを監視する監視回路等が含まれている。この監視回路は、サブCPUからのウォッチドッグタイマパルスが途絶えるか、或いは周期が変化するとサブCPUをリセットスタートする構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−249032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1におけるリセット動作では、サブCPUが暴走した場合、液晶表示装置に表示されている表示が全て消え、遊技者に遊技機の故障を印象づけ、遊技継続の意欲を削ぐとともに、非常に不快感を与えることとなる。
また、通常、表示基板といわれる基板には、液晶表示装置に関する制御の他、スピーカ等から発せられる音声や、遊技機に複数配設されているLED、さらには遊技機の装飾に用いられる可動物等のモータ制御を行う機能が搭載されている。このため、この制御を統括するCPUに暴走、故障等の問題が発生すると、遊技機を装飾する全ての演出用機能部材が一旦動作を停止することとなり、一瞬にして遊技者の遊技意欲、遊技の興味を減衰させることとなってしまう。
【0004】
そこで、本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、CPUに暴走等により問題が生じた場合にも、被害を最小限にすることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
複数の画像を表示可能な表示部を有する表示装置と、遊技機の演出を行う複数の演出用機能部材と、遊技を統括的に制御する主基板と、該主基板からの制御信号に基づいて演出制御を行う複数の演出制御基板と、を備えた遊技機であって、
前記複数の演出制御基板は、
前記主基板からの制御信号に基づいて当該複数の演出制御基板の演出制御を行う第1CPUを搭載した第1制御基板と、
前記第1制御基板からの制御信号に基づいて前記表示装置における表示制御を行う第2CPUを搭載した第2制御基板と、を備えて構成され、
前記第1制御基板は、前記第2CPUの動作状態を監視する第2CPU監視手段を有し、
前記第2CPU監視手段は、前記第2CPUが正常に動作を行っていないことを検出した場合に、前記第2CPUのリセットを行う第2CPUリセット手段を備えることを特徴としている。
【0006】
ここで、第2CPUの動作状態の監視とは、第2CPUの動作が正常であるか異常であるかを監視することを言い、例えば、第2CPUから出力される所定の信号を監視・検出して、その検出結果に応じて第2CPUの動作が正常であるか異常であるかを判断するものである。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、演出制御を行う複数の演出制御基板を備え、第1制御基板の第2CPU監視手段により第2制御基板の第2CPUの動作状態を監視して、第2CPUが正常に動作を行っていない場合に、第2CPUリセット手段により第2CPUのリセットを行うので、分割された演出制御基板のうち、主として演出制御を行う演出制御基板により動作状況を監視でき、不具合からのリカバリが可能となる。
また、演出制御を行う演出制御基板を分割したので、CPUに暴走等により問題が生じた場合にも、遊技機の演出が一度に落ちてしまうことを防止でき、被害を最小限にすることができる。従って、遊技者に不快感を与えず、遊技の興趣を削ぐことを防止することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、
前記第1制御基板は、当該第1制御基板に搭載される第1CPUの動作状態を監視する第1CPU監視手段を有し、
前記第1CPU監視手段は、前記第1CPUが正常に動作を行っていないことを検出した場合に、前記第1CPUのリセットを行う第1CPUリセット手段を備えることを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、第1制御基板の第1CPU監視手段は、当該第1制御基板に搭載される第1CPUの動作状態を監視して、第1CPUが正常に動作を行っていない場合に、第1CPUリセット手段により第1CPUのリセットを行うことができるので、複数の演出制御基板のうち、演出を司る主たる演出制御基板は独自でリセット可能である。従って、演出制御基板に問題が生じても独自にリセットすることにより、復帰までの間に演出表示装置などの演出が途切れて遊技者に不快感を与えることがなく、遊技の興趣を削ぐことを防止することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の遊技機において、
前記第2制御基板は、前記表示装置における表示制御を行う表示制御部と、該表示制御部の動作状態を監視する表示制御部監視手段とを有し、
前記表示制御部監視手段は、前記表示制御部が正常に動作を行っていないことを検出した場合に、前記表示制御部のリセットを行う表示制御部リセット手段を備えることを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、第2制御基板の表示制御部監視手段は、表示制御部の動作状態を監視して、表示制御部が正常に動作を行っていない場合に、表示制御部リセット手段により表示制御部のリセットを行うので、表示装置の制御は第2制御基板が独自に行うことができ、被害を最小限に抑えることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機において、
前記複数の演出制御基板に電源を供給する電源基板を備え、
電源投入時における前記電源基板からの電源供給が行われてからの所定時間を、前記第2CPU監視手段による前記第2CPUの監視を行わない監視無効時間としたことを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、第2CPU監視手段による第2CPUの監視を、電源投入時における電源基板からの電源供給が行われてからの所定時間(監視無効時間)行わないので、誤ってリセットをかけることで遊技の進行に影響を及ぼすことを防止できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、分割された演出制御基板のうち、主として演出制御を行う演出制御基板により動作状況を監視でき、不具合からのリカバリが可能となる。
また、演出制御を行う演出制御基板を分割したので、CPUに暴走等により問題が生じた場合にも、遊技機の演出が一度に落ちてしまうことを防止でき、被害を最小限にすることができる。従って、遊技者に不快感を与えず、遊技の興趣を削ぐことを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について図1〜図7を用いて説明を行う。
図1,2に示すように、本実施形態の遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110を備え、機枠110の前面側には、該機枠110に対して前方向へ扉状に回動可能に矩形枠状の前面枠120が軸着されている。
【0016】
前面枠120は、当該前面枠120に備えられる各種部材等の取付用のベースとなる前面枠本体130と、当該前面枠本体130に対して、その前面側に回動可能に軸支されたクリア部材保持枠140と、前面枠本体130の前面のクリア部材保持枠140の下側に取り付けられた発射操作ユニット150と、を有する。
【0017】
前面枠本体130は、矩形枠状の機枠110の前面側をちょうど覆うような概略矩形板状に構成されるとともに、その中央から上端部に渡る部分に遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部が形成されている。そして、前面枠本体130に収容された遊技盤1の前面が前面枠本体130の開口部から前側に臨むようになっている。すなわち遊技盤1は、前面枠本体130に嵌め込まれることで前面枠120に取り付けられている。
【0018】
また、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部にわたる部分には、前面枠本体130の前側を覆うクリア部材保持枠140が配置されており、遊技盤1の前面とクリア部材保持枠140に嵌め込まれたクリア部材としてのガラス板(図示略)との間で、遊技盤1の前面に設けられたガイドレール2に囲まれた部分が、遊技球が発射されて流下する遊技領域1aとされている。
【0019】
また、クリア部材保持枠140の一方の側部(遊技機100の前面側から見て左側の側部)は、前面枠本体130の一方の側部に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、クリア部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの前側を開放可能となっている。クリア部材保持枠140には、前面枠本体130の開口部をほぼ閉塞するように、該開口部に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球が流下可能な遊技領域1aとなる間隔を開けて二重のガラス板が固定されている。そして、クリア部材保持枠140において、遊技機100の前側からガラス板を介して遊技盤1の前面側の少なくとも遊技領域1aの部分が視認可能となっている。また、クリア部材保持枠140の前面であって、ガラス板が固定されて遊技領域1aを視認可能とする部分の周囲には、枠装飾装置としての装飾ランプ・LED144(図4参照)、音声を出力するスピーカ145,145などが設けられている。
【0020】
また、前面枠本体130に軸着されたクリア部材保持枠140の開放端側となる前面側から見て右側の端部の前面には、施錠装置の一部をなす鍵穴143が形成されている。この鍵穴143は、前面枠本体130の施錠装置の一部であるとともに、クリア部材保持枠140の施錠装置の一部でもあって、鍵穴143に鍵を入れて一方(例えば左回り)に回すと前面枠本体130の施錠が解除され、他方(例えば右回り)に回すとクリア部材保持枠140の施錠が解除されるようになっている。
【0021】
また、前面枠本体130の前面側のクリア部材保持枠140の下側には、発射操作ユニット150が取り付けられている。発射操作ユニット150は、左右側部のうちの一側部となる左側部を前面枠本体130に軸着されて、左右方向に回動して開閉自在な開閉パネル151とその下の下部パネル152とからなる。開閉パネル151は、排出された遊技球を貯留するとともに、遊技球を発射する発射装置(図示略)に遊技球を送る上皿153を有している。この上皿153の周囲には、遊技者が操作可能な演出用ボタン(図示略)が設けられている。また、開閉パネル151の下側の下部パネル152には、上皿153に収容しきれない遊技球を収容する下皿154及び灰皿155と、遊技領域1aに向けての遊技球の発射操作を行うとともに、該遊技領域1aに遊技球を発射する際の発射勢を調節するための操作ハンドル156、音声を出力するスピーカ157などが設けられている。
【0022】
また、図2に示すように、前面枠本体130の裏面側には、遊技機100としての諸機能を実現するための機構として、例えば、島設備より供給される遊技球を貯留する貯留タンク101や、球貸要求に応じた球排出や賞球排出を行う排出装置(図示略)や、遊技盤1に設けられた各種入賞口へ入賞して回収された遊技球や何れの入賞口にも入賞せずにアウト穴11から回収された遊技球を機外の回収球搬送路へ導く遊技球回収機構などが設けられている。
また、遊技盤1に設けた遊技装置の動作制御などを行うことで遊技の進行を統括的に制御する遊技制御装置30、液晶表示装置などを備え、変動表示ゲームなどを表示する演出表示装置13、遊技制御装置30の制御下で各種の演出に関する制御を行う演出制御装置40、排出装置による賞球又は貸球の払い出しの制御を行う払出制御装置50、発射装置による遊技球の発射を制御する発射制御装置(図示略)、各部へ所定の電源を供給する電源供給装置60等が設けられている。
【0023】
遊技盤1は、図1に示すように、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体1b(木製もしくは合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体1bの前面に、ガイドレール2で囲まれた遊技領域1aを有している。そして、ガイドレール2で囲まれた遊技領域1a内に発射装置から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。
【0024】
遊技領域1a内には、普通図柄始動ゲート4と、普通図柄変動表示ゲームの未処理回数を表示する普通図柄記憶表示器(図示略)、普通図柄の変動表示ゲームを表示する普通図柄表示器5(図3参照)が設けられている。
また、遊技領域1a内には、始動入賞口をなす普通変動入賞装置7と、補助遊技としての特別図柄変動表示ゲームの未処理回数を点灯表示する特別図柄記憶表示器(図示略)、特別図柄変動表示ゲームを表示する特別図柄表示器9(図3参照)が設けられている。
【0025】
さらに遊技領域1aには、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉10aを有し、補助遊技としての特別図柄変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する特別変動入賞装置10、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト穴11が設けられている。
この他、遊技領域1aには、一般入賞口12,12,…、打球方向変換部材としての風車8、多数の障害釘(図示略)などが配設されている。
【0026】
普通図柄始動ゲート4内には、該普通図柄始動ゲート4を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ4aが設けられている。そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が普通図柄始動ゲート4内を通過すると、普通図柄変動表示ゲームが行われる。
また、普通図柄変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普通図柄変動表示ゲームが行われ、その普通図柄変動表示ゲームが終了していない状態や、普通図柄変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置7が開状態に変換されている場合に、普通図柄始動ゲート4を遊技球が通過すると、普通図柄始動記憶数の上限数未満でならば、普通図柄始動記憶数が1加算されて普通図柄始動記憶が1つ記憶されることとなる。
なお、普通図柄変動表示ゲームの始動記憶は、LEDを備える普通図柄記憶表示器にて表示されるようになっており、始動記憶が1つ記憶されるのに対応してLEDを1つ点灯し、始動記憶が1つ減算されるのに対応してLEDを1つ消灯するようになっている。
【0027】
普通図柄変動表示ゲームは、遊技領域1a内に設けられた7セグからなる普通図柄表示器5で実行されるようになっている。
なお、演出表示装置13の表示領域の一部で普図変動表示ゲームを表示するようにしても良く、この場合は識別図柄として、例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようにする。
この普通図柄変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となれば、普通図柄の当りとなって、普通変動入賞装置7の開閉部材7a,7aが所定時間(例えば、0.5秒間)上述のように開放される。これにより、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞しやすくなり、特別図柄の変動表示ゲームの始動が容易となる。
【0028】
普通変動入賞装置7は左右一対の開閉部材7a,7aを具備し、この開閉部材7a,7aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普通図柄変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としてのソレノイド(普電SOL7b;図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置7に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
この普通変動入賞装置7は、特別図柄変動表示ゲームの始動入賞口も兼ねている。すなわち、普通変動入賞装置7の内部(入賞領域)に備えられた始動口スイッチ7dによって遊技球を検出することに基づき、補助遊技としての特別図柄変動表示ゲームを開始する始動権利が発生するようになっている。
【0029】
この特別図柄変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で始動記憶(特別図柄始動記憶)として記憶される。従って、特別図柄変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、特別図柄変動表示ゲームが開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
【0030】
一方、特別図柄変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に特別図柄変動表示ゲームが行われ、その特別図柄変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特別図柄変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特別図柄変動表示ゲームの終了もしくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特別図柄変動表示ゲームが開始される。
なお、特別図柄変動表示ゲームの始動記憶は、LEDを備える特別図柄記憶表示器にて表示されるようになっており、始動記憶が1つ記憶されるのに対応してLEDを1つ点灯し、始動記憶が1つ減算されるのに対応してLEDを1つ消灯するようになっている。
【0031】
補助遊技としての特別図柄(特図、識別情報)変動表示ゲームは、遊技領域1a内に設けられた7セグからなる特別図柄表示器9で実行されるようになっており、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、演出表示装置13にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる特別図柄変動表示ゲームに対応した表示ゲームが実行されるようになっている。そして、この特別図柄変動表示ゲームの結果として、特別図柄表示器9の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して演出表示装置13の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となる。
なお、遊技機に特別図柄表示器9を備えずに、演出表示装置13のみで特別図柄変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
【0032】
遊技領域1aの略中央に、演出表示装置13が配されている。この演出表示装置13は、例えば、液晶ディスプレイを備え、表示内容が変化可能な画像表示面13aがセンターケース(図示略)の表示窓部を介して遊技盤1の前面側から視認可能となるように配されている。
なお、演出表示装置13は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであっても良い。
【0033】
変動入賞装置としての特別変動入賞装置10は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉10aによって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせる。
なお、開閉扉10aは、例えば、駆動装置としてのソレノイド(大入賞口開閉SOL10b;図3参照)により駆動される。また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出する入賞球検出手段としてのカウントスイッチ10cが配設されている。
【0034】
また、遊技領域1aに設けられた各一般入賞口12には、一般入賞口12に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ12aが配設されている。そして、遊技を開始することにより遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口12,12,…、普通変動入賞装置7、特別変動入賞装置10等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球が排出装置によって排出される(払い出される)ようになっている。
【0035】
また、図2及び図3に示すように、遊技機100は、その制御系として遊技の進行を制御する遊技制御装置30、この遊技制御装置30の制御下で各種の演出に関する制御を行うサブ制御装置としての演出制御装置40、排出装置による賞球又は貸球の払い出しの制御を行う払出制御装置50、発射装置による遊技球の発射を制御する発射制御装置、電力を供給する電源供給装置60を備えている。
【0036】
遊技制御装置30は、マイクロプロセッサ(CPU)31a、RAM31b、ROM31c、入力インタフェース(入力I/F)33a、出力インタフェース(出力I/F)33b、外部通信端子32等を備える主制御基板30aを備えている。
【0037】
マイクロプロセッサ31aは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特別図柄変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値などの各種乱数値なども生成している。
RAM31bは、普通変動入賞装置7に設けられた始動口スイッチ7dのオン信号などを記憶する記憶領域や、前記各種乱数値の記憶領域、並びに、マイクロプロセッサ31aの作業領域等を備えている。
ROM31cには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、上述の各種乱数値に対応して、特別図柄変動表示ゲームの大当り発生を判定するための、特別図柄変動表示ゲームの大当り判定値、変動パターン(リーチアクションの種類)の判定値などが記憶されている。
【0038】
入力インタフェース33aには、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、始動口スイッチ7d、ゲートスイッチ4a、入賞口スイッチ12a,12a,…、カウントスイッチ10c、クリア部材保持枠140の開放を検出するためのガラス枠開放スイッチ21、内枠(図示略)の開放を検出するための内枠開放スイッチ22、球切れを検出する球切れスイッチ23、払出球を検出する払出球検出スイッチ24などが接続されている。そして、入力インタフェース33aは、これらから入力された各種信号を中継し、マイクロプロセッサ31aに対し出力する。
【0039】
出力インタフェース33bには、マイクロプロセッサ31aから出力される各種の制御信号が入力される。これら制御信号は、該出力インタフェース33bにより中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、特別図柄表示器9、普通図柄表示器5、大入賞口開閉SOL10b、普電SOL7b、遊技機100外部の管理装置などと接続する外部端子板16、払出制御装置50の払出モータ17に出力される。
【0040】
サブ制御装置としての演出制御装置40は、遊技制御装置30(主制御基板30a)から受信した演出制御データに基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)遊技機の制御を行うものである。
以下に、演出制御装置40の構成について図3から図5を参照して詳細に説明する。
【0041】
演出制御装置40は、図3に示すように、音声制御基板(第1制御基板)41、表示制御基板(第2制御基板)42、音声制御基板用ROM基板43、表示制御基板用ROM基板44、装飾ドライバ基板45等を備え、これらの基板が基板ケース(基板収納部材)46に収納されて構成されている(図3参照)。
【0042】
音声制御基板41は、図4に示すように、第1CPU41aと、音源IC41bと、装飾制御ゲートアレイ41cと、枠装飾ドライバ41dと、内部生成電源41e等を備えている。
【0043】
第1CPU41aは、主制御基板30aからの制御信号に基づいて、当該演出制御装置40を構成する複数の演出制御基板(音声制御基板41、表示制御基板42、音声制御基板用ROM基板43、表示制御基板用ROM基板44、装飾ドライバ基板45)の演出制御を行うものである。
【0044】
音源IC41bは、演出用機能部材としてのスピーカ145(157)と接続され、当該スピーカ145(157)からの音の出力を制御するものである。
装飾制御ゲートアレイ41cは、第1CPU41aの制御下にて枠LED144や押しボタンLED146の明るさ等を制御する信号を枠装飾ドライバ41dに出力するものである。
枠装飾ドライバ41dは、演出用機能部材としての枠LED144や押しボタンLED146などの前面枠を装飾する枠装飾手段を駆動するものである。
内部生成電源41eは、当該音声制御基板41の各部に応じて電源を調整して供給するものである。
そして、音声制御基板41は、枠LED144、押ボタンLED146の点灯、点滅や、スピーカ145,157からの効果音の発音を制御する。
【0045】
また、音声制御基板41には、第1CPU41aをリセットするリセットIC41fと、電源基板60aから出力される停電検出信号やリセットIC41fから出力されるリセット信号が入力される第1のOR回路41gと、停電検出信号や第1CPU41aから出力されるリセット信号が入力される第2のOR回路41hと、第1のOR回路41gから出力される信号や第1CPU41aから出力されるリセット信号が入力される第3のOR回路41i等を備えている。
【0046】
リセットIC41fは、電源基板60aからの印加電圧、即ち、電源ON時の電圧を監視して、電源ON後に電圧が安定するまで、及びCPU等の準備が整うまでの期間、リセットをかけるパワーONリセット信号を出力する。
また、リセットIC41fは、WDT(Watch Dog Timer)により第1CPU41aの動作状態を監視して、プログラムが正常に動作していないと判定すると、WDTリセット信号を出力する。
ここで、リセットIC41fは、音声制御基板41に備えられ、当該音声制御基板41に搭載される第1CPU41aの動作状態を監視する第1CPU監視手段を構成している。
【0047】
第1のOR回路41gは、負論理のOR回路であり、停電検出信号及びリセット信号(パワーONリセット信号或いはWDTリセット信号)のうちの何れか一方が入力されると、リセット信号を第1CPU41aに出力する。そして、第1CPU41aは、リセット信号が入力されると、自己をソフトリセットする第1リセット処理を実行する。
ここで、リセットIC41f及び第1のOR回路41gは、第1CPU41aが正常に動作を行っていないことを検出した場合に、第1CPU41aのリセットを行う第1CPUリセット手段を構成している。
【0048】
以下に、図6を参照して第1リセット処理について説明する。
上記のように、停電検出信号、パワーONリセット信号及びWDTリセット信号のうち、何れか一のアクティブな信号が第1のOR回路41gに入力されると、第1CPU41aにより第1リセット処理が実行される。
例えば、図6に示すように、時刻t1にて停電が発生して、電源基板60aから出力される停電検出信号が“Hi”レベルから“Low”レベルに変化すると、第1のOR回路41gから出力されるリセット信号が“Hi”レベルから“Low”レベルに変化して、第1CPU41aは第1リセット処理を実行する。
【0049】
この状態では、時刻t2にてリセットIC41fから出力されるパワーONリセット信号が“Hi”レベルから“Low”レベルに変化しても、第1CPU41aによる第1リセット処理は継続して実行される。
また、時刻t3にて停電状態から復帰して停電検出信号が“Low”レベルから“Hi”レベルに変化しても、第1CPU41aによる第1リセット処理は継続して実行される。
【0050】
そして、時刻t4にてリセットIC41fから出力されるパワーONリセット信号が“Low”レベルから“Hi”レベルに変化すると、第1のOR回路41gから出力されるリセット信号が“Low”レベルから“Hi”レベルに変化して、第1CPU41aによる第1リセット処理が終了する。
このように、アクティブな状態の停電検出信号、パワーONリセット信号及びWDTリセット信号の第1のOR回路41gに対する入力が停止すると、第1CPU41aによる第1リセット処理が終了する。
【0051】
第3のOR回路41iは、負論理のOR回路であり、第1のOR回路41gから出力されたリセット信号及び第1CPU41aから出力されたリセット信号のうちの何れか一方が入力されると、リセット信号を音源IC41bに出力して、ソフトリセットを行う。
【0052】
第2のOR回路41hは、負論理のOR回路であり、電源基板60aから出力された停電検出信号及び第1CPU41aから出力されたリセット信号のうちの何れか一方が入力されると、リセット信号を表示制御基板42に出力する。
即ち、第1CPU41aは、第2CPU42aから出力される同期信号を常時検出しており、検出される同期信号に異常が生じると、即ち、第2CPU42aの動作状態に異常が生じると、リセット信号を第2のOR回路41hに出力する。
ここで、第1CPU41aは、第2CPU42aから出力され入力される同期信号に基づいて、第2CPU42aの動作状態を監視する第2CPU監視手段を構成している。
【0053】
表示制御基板42は、図4に示すように、第2CPU42aと、グラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Digital Processor)42bと、当該表示制御基板42の各部に応じて電源を調整して供給する内部生成電源42c等を備えている。
また、表示制御基板42は、インバータ基板47を介して演出表示装置13と接続され、当該演出表示装置13の表示内容を制御する。
【0054】
また、表示制御基板42は、第2CPU42aをリセットするリセットIC42dと、第2のOR回路41hから出力されるリセット信号やリセットIC42dから出力されるパワーONリセット信号が入力される第4のOR回路42eと、第4のOR回路42eから出力されるリセット信号や第2CPU42aから出力されるリセット信号が入力される第5のOR回路42f等を備えている。
【0055】
第4のOR回路42eは、負論理のOR回路であり、第2のOR回路41hから出力されたリセット信号及びリセットIC42dから出力されたパワーONリセット信号のうちの何れか一方が入力されると、リセット信号を第2CPU42a及び第5のOR回路42fに出力する。そして、第2CPU42aは、リセット信号が入力されると、自己をソフトリセットする第2リセット処理を実行する。
ここで、第4のOR回路42e、第1CPU41a及び第2のOR回路41hは、第2CPU42aが正常に動作を行っていないことを検出した場合に、第2CPU42aのリセットを行う第2CPUリセット手段を構成している。
【0056】
第2CPU42aは、VDP42bから出力される異常信号を検出しており、異常信号が検出されると、即ち、VDP42bの動作状態に異常が生じると、リセット信号を第5のOR回路42fに出力する。
ここで、第2CPU42aは、VDP42bから出力される異常信号に基づいて、VDP42bの動作状態を監視する表示制御部監視手段を構成している。
【0057】
第5のOR回路42fは、負論理のOR回路であり、第4のOR回路42eから出力されたリセット信号や第2CPU42aから出力されたリセット信号のうちの何れか一方が入力されると、リセット信号をVDP42bに出力して、ソフトリセットを行う。
ここで、第2CPU42a及び第5のOR回路42fは、VDP42bが正常に動作を行っていないことを検出した場合に、VDP42bのリセットを行う表示制御部リセット手段を構成している。
【0058】
音声制御基板用ROM基板43は、図4に示すように、音声データが記憶された音声ROM43aと、音声による演出の制御内容を記憶した制御ROM43b等を備えている。
【0059】
表示制御基板用ROM基板44は、画像や映像のCGデータが記憶されたCGROM44aと、画像や映像による演出の制御内容を記憶した制御ROM44b等を備えている。
【0060】
装飾ドライバ基板45は、音声制御基板41の第1CPU41aの制御下にて装飾装置(図示略)の可動モータ48の駆動や盤LED49の明るさ等を制御する信号を出力する装飾制御ゲートアレイ45aと、演出用機能部材としての可動モータ48や盤LED49などの遊技盤を装飾する盤装飾手段を駆動する盤装飾ドライバ45b等を備えている。
【0061】
ここで、第1リセット処理及び第2リセット処理のリセット条件及び復帰条件を整理すると、図7に示すように、少なくとも音声制御基板41に異常がある場合には、音声制御基板41の第1CPU41aは、WDTから出力されたWDTリセット信号の入力により第1リセット処理が開始され、一方、主制御基板30aの制御下にて所定のコマンドの入力に基づいて、リセット状態から復帰する。
また、少なくとも表示制御基板42に異常がある場合には、第2CPU42aから出力される同期信号の異常に基づいて、音声制御基板41の第1CPU41aの制御下にて第2CPU42aの第2リセット処理が開始され、一方、音声制御基板41の制御下にて所定のコマンドの入力に基づいて、リセット状態から復帰する。
【0062】
払出制御装置50は、演算処理用CPU、ROM、RAM等を備え、遊技制御装置30からの賞球制御指令(賞球数データの受信)や、球貸機(図示略)からの球貸制御指令に基づいて、排出装置に所定数の遊技球(賞球、貸球)を排出させる制御を行う。
【0063】
また、発射制御装置は、発射装置による遊技球の発射制御を行うようになっており、発射制御装置には、遊技者が操作ハンドル156に触れることで、操作ハンドル156に設けられたタッチセンサ(図示略)からの信号が入力されるようになっている。また、遊技者が操作ハンドル156に設けられた発射停止スイッチ(図示略)を操作することで、該発射停止スイッチからの入力信号がタッチセンサからの入力信号と併せて入力されるようになっている。
【0064】
電源供給装置60は、遊技制御装置30の主制御基板30aや演出制御装置40の音声制御基板41に電源を供給する電源基板60aを備えている。
また、電源供給装置60には、停電時等の外部からの電力の供給が途絶えた場合でも電力を供給可能とするためのバックアップ電源(図示略)が備えられ、停電時等に各制御装置の揮発性メモリに保存されたデータの消失を防止するようになっている。
【0065】
これらの制御回路においては、例えば以下のような制御が行われる。
遊技制御装置30のマイクロプロセッサ31aでは、普通図柄始動ゲート4に備えられたゲートスイッチ4aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普通図柄の当たり判定用乱数値を抽出してROM31cに記憶されている判定値と比較し、普通図柄変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
そして、普通図柄表示器5に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普通図柄変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普通図柄変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、普通図柄表示器5に特別の結果態様を表示するとともに、普電SOL7bを動作させ、普通変動入賞装置7の開閉部材7a,7aを所定時間(例えば、0.5秒間)上述のように開放する制御を行う。
なお、普通図柄変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普通図柄表示器5にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0066】
また、普通変動入賞装置7に備えられた始動口スイッチ7dからの遊技球の検出信号の入力に基づき、特別図柄の大当たり判定用乱数値を抽出してROM31cに記憶されている判定値と比較し、特別図柄変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。また、この他に変動パターンの判定を行う処理などを行い、これらの結果を含む制御信号(演出制御データ)を、演出制御装置40に出力する。そして、特別図柄表示器9に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特別図柄変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置40では、遊技制御装置30からの制御信号に基づき、演出表示装置13で特別図柄変動表示ゲームに対応した表示ゲームを表示する処理や、スピーカ145,157からの音の出力、枠装飾装置としての装飾ランプ、LED144を制御する処理を行う。
【0067】
そして、遊技制御装置30のマイクロプロセッサ31aは、特別図柄変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特別図柄表示器9に特別の結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
この特別遊技状態を発生させる処理においては、例えば、大入賞口開閉SOL10bにより特別変動入賞装置10の開閉扉10aを開放し、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間か経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば15回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
なお、特別図柄変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特別図柄表示器9にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0068】
また、遊技制御装置30のマイクロプロセッサ31aは、各種入賞口に設けられたセンサ(始動口スイッチ7d、カウントスイッチ10c、入賞口スイッチ12a)から入力される遊技球の検出信号に基づき、払出制御装置50に制御信号(賞球数データ)を出力する。
そして、払出制御装置50は、制御信号の入力に基づき排出装置を制御して所定数の遊技球が払い出されるようにする。
【0069】
また、発射制御装置は、操作ハンドル156に設けられたタッチセンサからの信号が入力されている間は、発射装置を動作させて遊技球を発射する制御を行う。
なお、タッチセンサから信号が入力されている間であっても、操作ハンドル156に設けられた発射停止スイッチからの入力信号が入力されている場合は、発射装置を停止させて遊技球の発射を停止する制御を行う。
【0070】
以上のように、本実施形態の遊技機100によれば、演出制御装置40は、演出制御を行う音声制御基板41、表示制御基板42、音声制御基板用ROM基板43、表示制御基板用ROM基板44、装飾ドライバ基板45等の複数の演出制御基板を備え、音声制御基板41の第1CPU41aにより表示制御基板42の第2CPU42aの動作状態を監視して、第2CPU42aが正常に動作を行っていない場合に、第1CPU41aにより第2CPU42aのリセットを行うので、分割された演出制御基板のうち、主として演出制御を行う音声制御基板41により動作状況を監視でき、不具合が生じた場合にリカバリが可能となる。
また、演出制御基板を分割したので、第1CPU41aや第2CPU42aに暴走等により問題が生じた場合にも、遊技機100の演出が一度に落ちてしまうことを防止でき、被害を最小限にすることができる。即ち、音声制御基板41の第1CPU41aに問題が生じた場合であっても、表示制御基板42の第2CPU42aの制御下にて、少なくとも表示による演出は正常な動作を継続することができ、一方、表示制御基板42の第2CPU42aに問題が生じた場合であっても、音声制御基板41の第1CPU41aの制御下にて、少なくとも音声による演出は正常な動作を継続することができることとなるので、遊技者に不快感を与えず、遊技の興趣を削ぐことを防止することができる。
【0071】
また、音声制御基板41のリセットIC41fは、当該音声制御基板41の第1CPU41aの動作状態を監視して、第1CPU41aが正常に動作を行っていない場合に、第1CPU41aのリセットを行うことができるので、複数の演出制御基板のうち、演出を司る主たる音声制御基板41は独自でリセット可能である。
従って、音声制御基板41に問題が生じても独自にリセットすることにより、復帰までの間に音声制御基板41などの演出が途切れて遊技者に不快感を与えることがなく、遊技の興趣を削ぐことを防止することができる。
【0072】
さらに、表示制御基板42の第2CPU42aは、VDP42bの動作状態を監視して、VDP42bが正常に動作を行っていない場合に、VDP42bのリセットを行うので、演出表示装置13の制御は表示制御基板42が独自に行うことができ、被害を最小限に抑えることができる。
【0073】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
即ち、上記実施形態にあっては、電源ON時にパワーONリセット信号を出力して音声制御基板41及び表示制御基板42のリセット処理を行う場合に、電源投入時における前記電源基板60aからの電源供給が行われてからの予め定められた時間を監視無効時間として、音声制御基板41の第1CPU41aによる第2CPU42aの監視を行わないようにしても良い。
図8に示すように、第1リセット処理及び第2リセット処理の完了に時間差が生じる場合には、時刻t11での音声制御基板41の電源投入後に、表示制御基板42の電源が投入されて(時刻t12)、第2CPU42aからの同期信号の出力が有効とされるまでの間(時刻t13)に、音声制御基板41の第1CPU41aが同期信号異常を検出してしまうと、ソフトリセットを実行してしまう虞がある。
ここで、電源投入後の所定時間(電源投入時点t11から時刻t14までの期間)を第2CPU42aの監視を行わない監視無効時間として設定することにより、第2CPU42aからの同期信号の出力が有効となってから第2CPU42aの監視を開始することができる。
【0074】
従って、第1CPU41aは、電源投入時における電源基板60aからの電源供給が行われてからの所定時間(監視無効時間)、第2CPU42aの監視を行わないので、誤ってリセットをかけることで遊技の進行に影響を及ぼすことを防止できる。
【0075】
なお、本発明の遊技機100は、上述の実施形態に示されるようなパチンコ遊技機100に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機100に適用可能である。
【0076】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明を適用した実施形態1の遊技機を示す正面図である。
【図2】図1の遊技機を示す背面図である。
【図3】図1の遊技機の制御系の一部を示すブロック図である。
【図4】図1の遊技機の演出制御基板の回路構成を示す図である。
【図5】図1の遊技機の音声制御基板と表示制御基板の回路構成を示す図である。
【図6】図1の遊技機による第1リセット処理に係るタイミングチャートの一例を示す図である。
【図7】図1の遊技機による第1リセット処理及び第2リセット処理に係るリセット条件及び復帰条件を説明するための図である。
【図8】図1の遊技機による第2監視処理における監視無効時間を説明するための図である。
【符号の説明】
【0078】
100 遊技機
1 遊技盤
1a 第1遊技領域
13 演出表示装置(表示装置)
145、157 スピーカ(演出用機能部材)
144 枠LED(演出用機能部材)
146 押しボタンLED(演出用機能部材)
48 可動モータ(演出用機能部材)
49 盤LED(演出用機能部材)
30 遊技制御装置
30a 主制御基板(主基板)
41 音声制御基板(第1制御基板、演出制御基板)
41a 第1CPU(第2CPU監視手段、第2CPUリセット手段)
41f リセットIC(第1CPU監視手段、第1CPUリセット手段)
41g 第1のOR回路(第1CPUリセット手段)
41h 第2のOR回路(第2CPUリセット手段)
42 表示制御基板(第2制御基板、演出制御基板)
42a 第2CPU(表示制御部監視手段、表示制御部リセット手段)
42b VDP(表示制御部)
42e 第4のOR回路(第2CPUリセット手段)
42f 第5のOR回路(表示制御部リセット手段)
43 音声制御基板用ROM基板(演出制御基板)
44 表示制御基板用ROM基板(演出制御基板)
45 装飾ドライバ基板(演出制御基板)
60a 電源基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像を表示可能な表示部を有する表示装置と、遊技機の演出を行う複数の演出用機能部材と、遊技を統括的に制御する主基板と、該主基板からの制御信号に基づいて演出制御を行う複数の演出制御基板と、を備えた遊技機であって、
前記複数の演出制御基板は、
前記主基板からの制御信号に基づいて当該複数の演出制御基板の演出制御を行う第1CPUを搭載した第1制御基板と、
前記第1制御基板からの制御信号に基づいて前記表示装置における表示制御を行う第2CPUを搭載した第2制御基板と、を備えて構成され、
前記第1制御基板は、前記第2CPUの動作状態を監視する第2CPU監視手段を有し、
前記第2CPU監視手段は、前記第2CPUが正常に動作を行っていないことを検出した場合に、前記第2CPUのリセットを行う第2CPUリセット手段を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第1制御基板は、当該第1制御基板に搭載される第1CPUの動作状態を監視する第1CPU監視手段を有し、
前記第1CPU監視手段は、前記第1CPUが正常に動作を行っていないことを検出した場合に、前記第1CPUのリセットを行う第1CPUリセット手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第2制御基板は、前記表示装置における表示制御を行う表示制御部と、該表示制御部の動作状態を監視する表示制御部監視手段とを有し、
前記表示制御部監視手段は、前記表示制御部が正常に動作を行っていないことを検出した場合に、前記表示制御部のリセットを行う表示制御部リセット手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記複数の演出制御基板に電源を供給する電源基板を備え、
電源投入時における前記電源基板からの電源供給が行われてからの所定時間を、前記第2CPU監視手段による前記第2CPUの監視を行わない監視無効時間としたことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−220562(P2008−220562A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−61701(P2007−61701)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(000132747)株式会社ソフィア (2,465)
【Fターム(参考)】