説明

遊技機

【課題】遊技制御装置から送信される表示指令信号に基づいて表示制御装置が表示装置の可変表示を制御する遊技機において、遊技制御装置の負担を軽減でき、また検査や開発における労力を低減できるとともに、表示装置の表示と各種演出装置の動作を適切に調和させうるものを提供することを目的とする。
【解決手段】遊技制御装置100から表示制御装置150に送信される表示制御信号として、変動開始指令と、図柄別停止図柄通知と、変動停止指令とを備える。変動開始指令には、図柄変動時間T1を特定する時間特定情報と、演出装置の動作パターン(例えば音出力装置の音出力タイミングTS)を特定する演出パターン選択データとを持たせる。停止図柄通知には、停止図柄を特定する停止態様決定情報を持たせる。また、図柄停止前には、全図柄が揺動動作をする余裕時間T2を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特に遊技制御装置から表示制御装置への指令信号の送信についての改良に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機においては、遊技機に備えられた可変表示装置に、遊技の進行に合わせて変動する表示を行うことにより、遊技の興趣が高められている。このような可変表示装置は表示制御装置により制御されるが、この表示制御装置による表示制御は、遊技を統括的に制御する遊技制御装置からの指令信号に基づいてなされるようになっている。
【0003】
図8、図9は、従来の遊技機における遊技制御装置から表示制御装置への指令信号送信の一例を示すタイミングチャートである。
【0004】
図示されるように、指令信号の送信データは、所定の通信割り込み周期(例えば16ミリ秒周期)で、モードデータ、左図番データ、左図位データ、中図番データ、中図位データ、右図番データ、右図位データが、順次ストローブ信号に同期して送信される。
【0005】
モードデータは、可変表示装置の表示におけるモード、すなわち背景表示(例えば背景画面の色)、図柄(後述する左図柄、中図柄、右図柄)の色、およびキャラクタ表示を指示するものである。具体的には、例えば図9に示すように、モードデータ=01Hであれば、表示制御装置は、背景画面は白色、図柄は青色、キャラクタは出現せずの表示を行う。また、モードデータが02Hに切り替われば、表示制御装置は、背景画面を赤色に、図柄を黒色に切り替え、キャラクタを所定時間にわたって出現および移動させる。また、この場合、表示制御の確実性を高めるため、表示制御装置は、切り替わったモードデータを2度続けて受信したとき(図9では02Hを2度目に受信したとき)に、そのモードデータにしたがった表示に画面を切り替えるようになっている。
【0006】
なお、背景表示やキャラクタ表示は、表示制御装置にあらかじめ記憶されたプログラムにしたがって動画アニメーション表示されるもので、表示制御装置は、指令信号のモードデータにしたがって動画アニメーション表示態様の選択(切り替え)を行うようになっている。
【0007】
図番データおよび図位データは、可変表示装置の3つの表示領域に表示される左図柄、中図柄、右図柄の図柄番号および図柄の位置を指示するものである。なお、これらの図柄は、上述した背景表示やキャラクタ表示に重ね合わせた状態で表示される。
【0008】
具体的には、例えば図10に示すように、各表示領域には、図番データ(図には図柄番号として示す)で指示された16進数が、図位データ(図には図柄位置として示す)で指示されたスクロール位置で表示される。この場合、破線で示す図柄のスクロール位置が、その右隣から矢印で対応づけられる図位データに対応する。
【0009】
そして、この図柄のスクロール位置が、図11(a)〜(c)に一点鎖線で示した可変表示装置の基準位置に来るように表示がなされる。例えば、図番データが05Hで図位データが00Hの場合には、図11(a)に示すような表示がなされる。また、図番データが05Hで図位データが02Hの場合には図45(b)に示すような表示がなされる。また、図番データが06Hで図位データが00Hの場合には、図11(c)に示すような表示がなされることになる。
【0010】
このように、従来の遊技機においては、可変表示装置における画像表示は、遊技制御装置から表示制御装置に所定周期で送信されて来る指令信号のデータ内容に1対1で対応してなされ、指令信号ごとに画像表示の1コマ1コマのモード(背景表示、図柄の色、キャラクタ表示)、表示図柄番号、図柄位置が決定されるようになっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、このように可変表示装置における表示と指令信号を1対1で対応させたのでは、可変表示装置における1コマ1コマの画面表示のために、この1コマ1コマごとに、指令信号として各画面表示を決定するためのデータを送信せねばならず、送信されるべき指令信号の種類は膨大なものとなってしまう。例えば、モードの種類がL通り、各図柄がM種類、各図柄の図柄位置がN通りあったとすれば、指令信号の種類Sは、L×M3×N3という膨大な数となる。
【0012】
このため、可変表示装置における表示を検査機関により検査する場合や、メーカーにおいて遊技機を開発する場合などには、この膨大な種類の指令信号を画面表示と一々対応させて確認しなければならず、多大な労力が要求されてしまっていた。また、上述のように可変表示装置における表示では背景画面およびキャラクタ表示のアニメーション動作と各図柄の変動とが組み合わされるので、これらを視覚的に確認するのは極めて困難な作業であった。
【0013】
また、近年、可変表示装置における表示には、複雑かつ多様な表示パターンが採用されるようになってきている。すなわち、近年の遊技機では、図柄の種類が従来の3種類(左、中、右図柄)を超えるものがあり、また背景やキャラクタの動作パターンも増加する傾向にある。このため、指令信号が具体的にどのような表示に対応しているのか認識するのは、ますます難しくなってきている。
【0014】
一方、パチンコ機等においては金属製の遊技球が多数使用され、これに起因して遊技機は静電気によるノイズが発生しやすい環境にあるので、遊技制御装置による遊技制御は、所定の周期(例えば2ミリ秒)を単位として実行され、ノイズによる暴走等が防止されている。したがって、遊技制御装置から表示制御装置への指令信号の送信処理も、この遊技制御の1周期内に収める必要がある。ところが、上述のように指令信号が複雑化してデータ長が長くなると、その送信処理が遊技制御の1周期に収まらなくなってしまう恐れがある。
【0015】
また、各図柄、背景、キャラクタは互いに同期して変動することにより画面全体の調和を保つ必要があるため、各図柄、背景、キャラクタに関する指令信号送信においては、同期がうまく確保される必要がある。
【0016】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、遊技制御装置から送信される表示指令信号に基づいて表示制御装置が表示装置の可変表示を制御する遊技機において、遊技制御装置の負担を軽減でき、また検査や開発における労力を低減できるとともに、表示装置の表示と各種演出装置の動作を適切に調和させうるものを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明では、複数の表示領域にて図柄を変動表示させる表示装置が備えられ、前記表示領域で変動表示される図柄の最終停止態様が特別表示結果となった場合に変動入賞装置を開放して遊技者にとって有利な特別遊技状態にすると共に、確率変動状態を発生するようにした遊技機において、遊技を統括的に制御すると共に、前記表示装置における表示を制御する表示制御信号を送信する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの表示制御信号を読み込み、前記読み込んだ表示制御信号に基づいて前記表示装置における表示を制御する表示制御装置と、を備え、前記遊技制御装置は、前記表示領域にて図柄の変動表示を開始させる際に、図柄変動時間を特定する時間特定情報と、該変動表示の停止後に確率変動状態が発生するか否かを特定する停止態様決定情報とを前記表示制御信号として前記表示制御装置に送信し、前記時間特定情報の送信の際に、該時間特定情報により特定される図柄変動時間をタイマにセットし、該タイマがタイムアップしたときには、前記各表示領域の全図柄の変動表示を停止させる変動停止指令を前記表示制御信号として前記表示制御装置に送信し、前記特別遊技状態が発生する場合には、前記変動停止指令の送信後に前記変動入賞装置を開放する制御を行い、前記表示制御装置は、最終局面に所定の余裕時間が設けられた複数の変動パターンが設定され、前記時間特定情報の受信により、当該時間特定情報に対応する変動パターンを選択して前記表示領域にて図柄の変動表示を開始し、前記停止態様決定情報の受信により、前記確率変動状態の発生の有無に対応する停止図柄を選択することで最終停止態様を決定し、前記余裕時間に到達した時点では、前記表示領域の停止位置で前記最終停止態様となる図柄を揺動させる表示が行われて、前記遊技制御装置からの前記変動停止指令の受信待機状態となり、さらに、該変動停止指令を受信したタイミングにて図柄の変動表示を前記停止位置に当該最終停止態様で完全停止させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、表示制御信号の構成が単純化され、例えば、表示制御信号には確率変動状態が発生するか否かを特定する停止態様決定情報が含まれ、コマンド長を短くでき、表示制御信号の送信回数を少なくできるので、遊技制御装置の処理負担を大幅に軽減できるとともに、遊技機の表示制御信号に関連する検査や開発における労力を低減できる。
【0019】
また、表示制御信号には時間特定情報が含まれているので、表示制御装置は、表示制御信号の受信と同時に、図柄変動時間に適合した変動パターンを選択し、この変動パターンによる図柄変動を開始することができる。したがって、表示制御装置における処理が合理化できる。
【0020】
また、変動表示の最終局面に図柄が揺動動作する時間が設けられるので、図柄変動時間に対して、種々の変動パターンを違和感なく当てはめることができる。したがって、画像表示に多様性を持たせることができ、遊技の興趣が高められるとともに、遊技機開発の効率を高めることができる。
【0021】
また、表示制御信号には変動表示を停止する指令を備えたので、図柄変動時間の送信エラーや、表示制御装置における何らかのエラーがあった場合でも、図柄の変動表示は、変動表示を停止する指令を受け取ったタイミングで停止される。したがって、エラーが生じた場合でも、遊技の進行と画面の表示の内容とを、大筋で一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態における弾球遊技機の遊技盤を示す正面図である。
【図2】同じく弾球遊技機の制御系を示す構成図である。
【図3】同じく表示制御装置の構成を示す構成図である。
【図4】同じく表示指令信号の具体的構成を示す図表である。
【図5】同じく遊技制御および表示制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】同じく指令信号と表示装置の表示態様との相関関係を示すタイミングチャートである。
【図7】同じく表示装置における具体的な表示例を示す説明図である。
【図8】従来の遊技機における指令信号の送信を示すタイミングチャートである。
【図9】同じくモードデータの送信と、これに伴う背景表示、図柄の色、キャラクタ表示の変動を示すタイミングチャートである。
【図10】同じく可変表示装置の表示と指令信号のデータ内容との関係を示す説明図である。
【図11】同じく可変表示装置の表示を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
【0024】
図1は、弾球遊技機の遊技盤10の正面図である。
【0025】
この遊技盤10の表面において、ガイドレール9で囲われた部分が遊技領域11となる。弾球遊技においては、図示されない打球発射装置の操作により、遊技球(パチンコ球)が1個ずつ遊技領域11へ向けて打ち出される。
【0026】
遊技領域11の下方付近には、内部に大入賞口を有する特別変動入賞装置12が配設される。この特別変動入賞装置12は、大入賞口ソレノイド12A(図2参照)への通電により開閉されるものである。また、遊技領域11の各所には一般入賞口13が設けられるとともに、特別変動入賞装置12の直ぐ上方には、電動ゲート(普通変動入賞装置)15を有する始動口14が配設される。この電動ゲート15は、電動ゲートソレノイド15A(図2参照)への通電により動作し、始動口14への入口の広さを変更する。さらに、遊技領域11の最下端には、排出口16が設けられる。これにより、遊技領域11内に打ち込まれた遊技球は、遊技領域11内の各所に配置された風車等の転動誘導部材17により転動方向を変えられながら遊技領域11表面を流下し、特別変動入賞装置12、一般入賞口13、始動口14、排出口16のいずれかに入るようになっている。
【0027】
各入賞装置(特別変動入賞装置12、一般入賞口13、始動口14)への入賞は、セーフセンサ51(図2参照)により検出される。そして、入賞した入賞装置の種類に応じた数の賞球が賞球口6Aから排出されるように、排出制御装置200(図2参照)により、球排出装置(排出ユニット)が制御されるようになっている。
【0028】
特別変動入賞装置12上方の遊技領域11ほぼ中央には、表示装置(特別図柄表示装置)20が備えられる。この表示装置20は、表示制御装置150(図2参照)により制御されて、遊技の進行に対応した画像を表示するものである。具体的に、この表示装置20においては、主たる表示として、表示画面の複数の表示領域(例えば左、中、右の3つの表示領域)のそれぞれに、識別情報である特別図柄が可変表示される。これらの特別図柄としては、例えば、16進法で表現された16個の数字(「0」〜「F」)が表示され、これらの数字からなる帯をスクロールさせながら変動表示することができるようになっている。なお、この表示装置20の表示画面部分は、例えばLCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等から構成される。
【0029】
始動口14には入賞球を検出する特別図柄始動センサ52(図2参照)が設けられる。始動口14への遊技球の入賞タイミングは、特別図柄入賞記憶として、遊技制御装置100(図2参照)の所定の記憶領域(RAM113(図2参照)の第1〜第4の特別図柄記憶領域)に最大4回分を限度として記憶される。また、この特別図柄入賞記憶の数は、表示装置20上部に設けられた特別図柄記憶表示器21に表示される。遊技制御装置100は、特別図柄入賞記憶に基づき、(特別図柄に関する)大当たり発生の抽選を行う。
【0030】
この大当たりの抽選のたびに、表示装置20の画像表示は可変状態となる。具体的には、各表示領域の特別図柄が変動(例えばスクロール)する。そして、抽選により遊技が大当たり状態となると、変動した各識別情報が所定の組み合わせで停止するとともに、特別変動入賞装置12が、所定期間にわたって、球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換され、遊技者により多くの賞球獲得のチャンスが与えられる。
【0031】
特別変動入賞装置12内には、特別変動入賞装置12への入賞球数をカウントするカウントセンサ55(図2参照)ならびに特別変動入賞装置12内に設けられた継続入賞口への入賞球を検出する継続センサ54(図2参照)が備えられている。
【0032】
上記の開状態は、このカウントセンサ55により検出される特別変動入賞装置12への所定数(例えば10個)の入賞または所定時間の経過(例えば30秒)を1単位(1ラウンド)として実行される。そして、各ラウンドにおいて特別変動入賞装置12へ所定数の入賞があり、かつ継続センサ54により検出される継続入賞口への入賞がある限り、ラウンドは所定の上限値(例えば16ラウンド)に至るまで繰り返されるようになっている。
【0033】
遊技領域11の所定位置には、普通図柄始動ゲート18が配設される。この普通図柄始動ゲート18への遊技球の通過は普通図柄始動ゲートセンサ53(図2参照)により検出され、この通過タイミング(普通図柄始動記憶)は、遊技制御装置100に記憶される。遊技制御装置100は、この普通図柄始動記憶に基づき、普通図柄に関する当たりの抽選を行う。この普通図柄に関する当たりが発生したときには、所定時間にわたって始動口14の電動ゲート15が開かれ、始動口14への入賞が容易とされるようになっている。なお、普通図柄始動記憶の記憶数は、後述の普通図柄表示器30の両側に配設された普通図柄記憶表示器31に表示されようになっている。
【0034】
始動口14の基部には、普通図柄(例えば一桁の数字)を表示する普通図柄表示器31が配設される。この普通図柄表示器31における可変表示は、普通図柄始動記憶があると変動を始め、普通図柄に関する抽選が当たりとなると、所定の当たり図柄で停止する。
【0035】
また、弾球遊技機には、装飾表示制御装置300(図2参照)により制御される各種装飾表示装置(サイドランプ41等)が配設され、遊技の進行に伴うランプ点灯等の装飾表示が行われるようになっている。さらに、弾球遊技機には、音制御装置250(図2参照)に制御される音出力装置(図示せず)が備えられ、遊技状態に対応した効果音を出力するようになっている。なお、以下の説明では、装飾表示装置と音出力装置とを併せて演出装置と言い、音制御装置250と装飾表示制御装置300とを併せて演出制御装置と言う。
【0036】
図2は、弾球遊技機の制御系を示すブロック構成図である。
【0037】
図示されるように、遊技制御装置100は、遊技用マイクロコンピュータ101、入力インターフェイス102、出力インターフェイス103、分配回路104、発振器105等から構成される。
【0038】
遊技用マイクロコンピュータ101は、CPU111、ROM112,RAM113を備える。
【0039】
CPU111は、遊技制御装置100による制御(遊技制御)を司るICである。
【0040】
ROM112は、遊技制御のための不変の情報を記憶しているもので、各種プログラムや、遊技制御における大当たりの確率などの定数が記憶されている。
【0041】
RAM113は、CPU111による遊技制御時にワークエリアとして利用されるもので、特別図柄乱数カウンタ、特別図柄乱数記憶、普通図柄乱数カウンタ、普通図柄乱数記憶、大当たり判定フラグ等が、対応する格納領域に記憶される。ここで、特別図柄乱数カウンタ、普通図柄乱数カウンタは、それぞれ、(特別図柄に関する)大当たり、普通図柄に関する当たりを決定するために用いられるカウンタで、所定の数値範囲内で更新されるものである。また、大当たり判定フラグは、大当たりの発生/非発生を示すフラグである。
【0042】
CPU111には、入力インターフェース102を介して、各種検出装置、すなわちセーフセンサ51、特別図柄始動センサ52、普通図柄始動ゲートセンサ53、カウントセンサ54、継続センサ54からの検出信号が入力される。CPU111は、これらの検出信号に基づいて、ROM112に格納されたプログラム(遊技プログラム)により、遊技の統括的な制御(遊技制御)を行う。
【0043】
詳しく説明すると、遊技用マイクロコンピュータ101は、特別図柄入賞記憶(特別図柄始動センサ52による始動口14への入賞検出のタイミングにおける特別図柄乱数カウンタの値)に基づいて、(特別図柄に関する)大当たりの抽選を行う。また、普通図柄入賞記憶(普通図柄始動センサ52による普通図柄始動ゲート18通過検出のタイミングにおける普通図柄乱数カウンタの値)に基づいて、普通図柄に関する当たりの抽選を行う。
【0044】
また、CPU111は、表示制御装置150に表示制御信号を送信して、表示装置20における表示を制御する。また、同様に、特別図柄記憶表示器21、普通図柄表示器30、普通図柄記憶表示器31に制御信号を送信し、これら各表示器の表示を制御する。
【0045】
また、CPU111は、特別変動入賞装置12の駆動用ソレノイドである大入賞口ソレノイド12A、電動ゲート15の駆動ソレノイドである電動ゲートソレノイド15Aに制御信号を送信し、これらのソレノイドへの通電を制御することにより、特別変動入賞装置12、電動ゲート15の開閉を制御する。
【0046】
また、CPU111は、排出制御装置200に、賞球数データ等を含む排出制御信号(賞球数制御情報)を送信し、図示されない排出装置からの賞球(および貸球)の排出を制御する。なお、排出制御装置50には、セーフセンサ51からの検出信号が、分配回路104を介して入力される。
【0047】
また、CPU111は、装飾表示制御装置250、音制御装置300に、それぞれ音制御信号、装飾表示制御信号を送信し、各種装飾表示装置(サイドランプ41等)の点滅動作、音出力装置からの音出力等を制御する。
【0048】
これらの場合、遊技制御装置100と、この遊技制御装置100により統括制御される各種制御装置(表示制御装置150、排出制御装置200、音制御装置250、装飾表示制御装置300)との間の通信は、遊技制御装置100から各種制御装置に向かう単方向通信となっている。すなわち、各種制御装置から遊技制御装置100に向けては、何らかの情報が送信されることはない(ただし、電源供給のような情報通信とは関係ない要素が伝達されることはあり得る)。
【0049】
これにより、各種制御装置側から遊技制御装置100に向けて不正な信号を送信して遊技制御装置100による制御を攪乱する不正行為を有効に防止できる。また、遊技機の検査は、各種制御装置から遊技制御装置100に通信がなされないことを前提に行えるので、検査の労力を低減できる。
【0050】
発振器105は、一定周期(例えば、2msec)のリセット割込信号を生成し、CPU111のリセット入力端子に入力する。CPU111は、このリセット割込信号の入力毎に、予め定めた所定番地から遊技プログラムを実行する。遊技制御は、このリセット割込信号の割込時間(信号周期)を単位として実行されることになる。なお、このCPU111のリセットは、CPU111内でソフト的にかけることもできる。
【0051】
遊技制御装置100は、外部情報端子盤60を介して、図示されない遊技店のホールコンピュータ(中央管理装置)に接続される。ホールコンピュータには、大当たりが発生したときの大当たり信号、確率変動状態への移行を示す確率変動信号、表示装置20における図柄停止を示す図柄停止信号、異常信号等が送信され、複数の弾球遊技機が統括的に管理される。
【0052】
図3には、表示制御装置150の構成を示す。
【0053】
図示されるように、表示制御装置150は、CPU151、ROM152、RAM153、DMAC(ダイレクト・メモリ・アクセス・コントローラ)154、インターフェイス155、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)156、表示装置(LCD)20の画像データを格納したフォントROM157、クロック158等から構成される。
【0054】
CPU151は、インターフェイス155を介して遊技制御装置100からの通信割り込みを受けると、遊技制御装置100からの表示制御信号(表示制御データ)の読み込みを行うとともに、この表示制御データに基づいて画面情報(図柄表示情報、背景画面情報、動画キャラクタ画面情報など)を作成して、RAM153に記憶する。
【0055】
この画面情報は、VDP156からCPU151への垂直同期割り込みのタイミングで、VDP156から転送指令を受けたDMAC154により、VDP156に転送される。VDP156は、この画像情報に基づき、フォントROM157の該当画像データを取り込み、表示装置20の画面に水平走査、垂直走査を行って、所定の画像表示を行う。
【0056】
なお、前述したように、遊技制御装置100と表示制御装置150の通信は、遊技制御装置100から表示制御装置150に向かう単方向通信である。
【0057】
図4は、遊技制御装置100から表示制御装置150に送信される表示指令信号の具体的構成を示す図表である。
【0058】
図示されるように、表示指令信号は、第1フレームデータと第2フレームデータとから構成される。第1フレームデータと第2フレームデータは、一塊りで送信処理され、この第1フレームデータと第2フレームデータの数値の組み合わせにより、表示指令信号の種類(内容)が特定される。
【0059】
表示指令信号としては、変動開始指令と、図柄別停止図柄通知と、変動停止指令が備えられる。
【0060】
変動開始指令は、左、中、右の全図柄の変動開始を指示する指令信号である。この変動開始指令は、図柄変動時間(全図柄が変動開始してから、全図柄が変動停止するまでの時間)を特定する情報(時間特定情報)を備え、さらに場合により、演出装置の動作パターン(例えば音出力装置からの音出力)を特定する情報(演出パターン選択データ)を備える。例えば、図表の各変動開始指令は、指令信号名称欄のかっこ内に示された秒数を図柄変動時間として指令する時間特定情報を持つ信号である。また、図表中、図柄変動時間が20秒の各変動開始指令は、2種類の音(音A、音B)を図柄変動開始してから所定時間経過後に出力する指令を演出パターン選択データとして持つ信号である。
【0061】
また、図柄別停止図柄通知は、左、中、右の各図柄(表示領域)のそれぞれについて、図柄変動後、停止したときに表示すべき停止図柄を指定する情報(停止態様決定情報)を持つ指令信号である。この図柄別停止図柄通知は、左、中、右の各図柄毎に、停止図柄に1対1で対応するものである。
【0062】
また、変動停止指令は、全図柄の完全停止を指示する指令信号である。後述するように、この変動停止指令は、変動開始指令により指示された図柄変動時間経過のタイミングで送信される。
【0063】
図5は、遊技制御装置100における遊技制御の処理手順、および表示制御装置150における表示制御の処理手順を示すフローチャートである。
【0064】
遊技制御装置100においては、まずステップS1で、RAM113のクリア等の初期化処理が行われる。続くステップS2では、特別図柄始動記憶があるか否かの判定がなされ、始動記憶がなければ始動記憶が発生するまで待機し、始動記憶があればステップS3に進む。
【0065】
ステップS3では、図柄停止情報の設定処理が行われる。
【0066】
具体的には、まず、最も古い特別図柄始動記憶に基づいて、大当たりの判定を行う。続いて、この判定結果に基づいて、左、中、右の各図柄の停止図柄を決定する。また、図柄変動時間を決定する。また、場合により、変動動作中における演出装置の動作(音出力装置からの効果音の出力、各種装飾表示装置(サイドランプ41等)の装飾動作)も併せて決定する。そして、このように決定された変動時間、演出装置の動作パターン、停止図柄に基づいて、表示指令信号(変動開始指令および図柄別停止図柄通知)を編集する。最後に、これらの処理の終了したら、最も古い特別図柄始動記憶を消去し、図柄変動時間に相当する時間を制御タイマにセットする。
【0067】
ステップS4では、ステップS3で編集した表示指令信号の送信を行う。具体的には、まず図柄変動指令の送信を行い、その後、2ミリ秒間隔で、左、中、右の各図柄別停止図柄通知の送信を行う。
【0068】
ステップS5では、ステップS3でセットした制御タイマを減算更新し、続くステップS6で制御タイマがタイムアップするまで、この減算更新処理を継続する。また、この制御タイマの更新処理の間には、音制御装置250、装飾表示制御装置300に向けて、それぞれ音指令信号、装飾指令信号を送信する。なお、これらの指令信号は、当然、ステップS3において選択された演出装置の動作パターンに対応するものである。
【0069】
このステップS6で制御タイマのタイムアップが確認されたらば、ステップS7に進み、変動停止指令を表示制御装置150に送信する。このように、変動停止指令の送信は、ステップS3で設定された図柄変動時間経過のタイミングを待って行われる。
【0070】
続くステップS8では、大当たり関連処理を行う。具体的には、大当たり発生の場合は、特別変動入賞装置12の開放などの大当たり時の処理を行い、大当たり状態が終了したら、ステップS2に戻る。また、大当たり発生でない場合には、そのままステップS2に戻る。
【0071】
一方、表示制御装置150においては、まずステップS11において、RAM153のクリア等の初期化処理が行われる。
【0072】
ステップS12では、変動開始指令の受信処理を行う。具体的には、遊技制御装置100から送信処理(ステップS4参照)された変動開始指令を受信し、この変動開始指令に含まれる情報(時間特定情報、演出パターン選択データ)に基づいて、この情報に対応する制御用データをROM152から選択し、RAM153に記憶する。
【0073】
ステップS13では、左、中、右の全図柄の変動を開始する。
【0074】
ステップS14では、遊技制御装置100から送信処理(ステップS4参照)された左、中、右の各図柄の図柄別停止図柄通知(停止態様決定情報)を順次受信し、この通知に対応する制御用データをROM152から選択し、RAM153に記憶する。
【0075】
ステップS15では、ステップS12、ステップS14でRAM153に記憶された、時間特定情報、演出パターン選択データ、停止態様決定情報に対応する制御用データに基づいて、具体的な変動パターンを決定する。そして、この変動パターンに基づいて、表示装置20における表示を制御する。これにより、図柄変動を始めとする表示装置20における表示は、演出装置の動作に整合したものとなる。
【0076】
なお、この図柄変動の最終局面では、左、中、右の各図柄が、図柄別停止図柄データで指定された停止図柄を停止位置近傍で表示した状態で上下に小さく揺動しながら、変動停止指令を待機するようにする。
【0077】
ステップS16では、遊技制御装置100から送信処理(ステップS7参照)された変動停止指令の受信処理を行う。
【0078】
ステップS17では、左、中、右の各図柄を、各図柄別停止図柄通知で指定された図柄で完全に停止させる。
【0079】
ステップS18では、大当たり関連表示処理を行う。具体的には、大当たりが発生して、遊技制御装置100から大当たり関連の表示指令信号を受信した場合には、この表示指令信号に基づいて、表示装置20に大当たり時用の画面表示を行い、大当たり状態の終了後、ステップS12に戻る。また、大当たりが発生せず、大当たり関連の表示指令信号を受信しなかった場合には、そのままステップS12に戻る。
【0080】
つぎに、図6、図7に基づいて、本実施の形態における表示装置20の表示の一例を説明する。
【0081】
図6は、遊技制御装置100からの各種指令信号送信と、表示装置20における表示との関係を示すタイミングチャートである。また、図7は、図6のタイミングチャートの各瞬間における、表示装置20の具体的な画面表示状態を示す説明図である。
【0082】
図6に示すように、遊技制御装置100から表示制御装置150に向けて変動開始指令が送信されると、左、中、右の各図柄は、図柄停止状態(図7(a))から変動状態(図7(b))に移行する。なお、この変動開始指令は、図柄変動時間として時間T1を指示し、また図柄変動開始から時間TS経過後の音出力を指示するものである。
【0083】
その後、2ミリ秒間隔で、左図柄に関する停止図柄通知、中図柄に関する停止図柄通知、右図柄に関する停止図柄通知が、遊技制御装置100から表示制御装置150に向けて順次送信される。
【0084】
続いて、表示制御装置150内の制御により、表示画面には、所定のキャラクター表示(流れ星)が所定時間にわたって出現する(図7(c))。また、変動開始から時間TS経過のタイミングで、遊技制御装置100から音制御装置250に向けて音指令信号が送信され、所定時間にわたって音出力装置から音出力がなされる。この場合、表示画面へのキャラクターの出現と音出力が整合性をもってなされるように、表示制御装置150は、変動開始指令に含まれる音出力に関する情報にしたがって、適切なキャラクター表示を選択する。
【0085】
その後、左、中、右図柄は、順次、スクロール変動を終了し、図柄別停止図柄データで指定された停止図柄を停止位置近傍で表示しながら上下に揺動する揺動動作に移行する(図7(d)、(e)、(f))。なお、この場合、左、中図柄の停止図柄が同一図柄で揃ったならば、図7(h)に示すように、背景画面の色を変えるリーチ画面表示に移行する。
【0086】
その後、変動開始指令により指示された図柄変動時間T1経過のタイミングで、遊技制御装置100から表示制御装置150に向けて変動停止指令が送信され、左、右、中の全図柄は揺動動作を終了して完全停止する(図7(g))。
【0087】
この場合、全図柄が揺動動作する状態(図7(f))が、全図柄の完全停止まで時間T2に渡って継続するようにする。このように、図柄変動の最後に全図柄が揺動動作をする余裕時間を設けることにより、一つの図柄変動時間に対して、種々の変動パターンを違和感なく当てはめることができるので、画像表示に多様性を持たせることができ、遊技の興趣が高められるとともに、遊技機開発の効率を高めることができる。
【0088】
以上のように本発明では、表示指令信号は、主として、図柄変動時間を特定するための情報(時間特定情報)を持つ変動開始指令と、各表示領域の停止図柄を特定するための情報(停止態様決定情報)を持つ図柄別停止図柄通知とから構成される。よって、遊技制御装置100は、遊技制御装置100から表示制御装置150に向かう単方向通信しか許容されないという制約のもとでも、これら変動開始指令と図柄別停止図柄通知とにより、表示制御装置150の制御を的確に行うことができる。したがって、表示指令信号の構成が単純化され、コマンド長を短くできるとともに、表示指令信号の送信回数を少なくすることができる。よって、遊技制御装置100の処理負担を大幅に軽減できるとともに、遊技機の表示制御信号に関連する検査や開発における労力を低減できる。
【0089】
また、変動開始指令には図柄変動時間が情報として含まれているので、表示制御装置150は、変動開始指令の受信と同時に、図柄変動時間に適合した変動パターンを選択し、この変動パターンによる図柄変動を開始することができる。したがって、表示制御装置150における処理が合理化できる。
【0090】
また、変動開始指令に演出装置(音出力装置、装飾表示装置)の動作パターンを特定する情報(演出パターン選択データ)を持たせることにより、表示制御装置150は、この演出装置の動作パターンに整合した表示(図柄変動およびキャラクター表示)を、適切かつ効率的に選択することができる。
【0091】
また、停止図柄通知は左、中、右の各図柄(表示領域)毎に備えられるので、遊技機の開発の際等に、一つ一つの表示領域毎の確認を容易に行うことができ、遊技機の開発や検査作業が合理化できる。
【0092】
さらに、表示指令信号には変動停止指令が備えられるので、変動開始指令における時間特定情報の送信エラーや、表示制御装置150における何らかのエラーがあった場合でも、表示装置20における図柄変動は変動停止指令による適切なタイミングで停止される。したがって、エラーが生じた場合でも、遊技の進行と表示装置20の表示の内容とを、大筋で一致させることができる。
【0093】
なお、上記実施の形態では、図柄別停止図柄通知に停止図柄を停止態様決定情報として含ませることにより、図柄別停止図柄通知に対して各表示領域の停止図柄が一意的に特定されるようになっているが、本発明はこのような形態に限られるものではない。例えば、停止態様決定情報として図柄停止後の遊技状態(大当たり発生、はずれ、確率変動発生等)を特定し得る情報を停止図柄通知に含ませることにより、この図柄停止後の遊技状態に適合するように、表示制御装置150が3つの表示領域の停止図柄を選択する形態を採ってもよい。要するに、停止図柄通知(停止態様決定情報)は、図柄の停止態様(各表示領域の停止図柄が採り得る組み合わせの範囲)を、遊技の進行と調和するように特定し得るものであれば、特に形態を限定されるものではない。
【0094】
特許請求の範囲に記載した以外の本発明の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
【0095】
(1)遊技を統括的に制御する遊技制御装置と、複数の識別情報表示を可変的に表示可能な表示装置と、前記表示装置における表示を制御する表示制御装置と、前記遊技制御装置からの表示指令信号を前記表示制御装置に向けて単方向に送信する送信手段と、を備えた遊技機において、前記表示指令信号として、前記識別情報表示の変動開始から変動停止までの時間を特定するための時間特定情報を持つ信号と、前記識別情報表示が可変表示後に停止したときに示す停止態様を特定するための停止態様決定情報を持つ信号とを備えたことを特徴とする遊技機。
【0096】
(2)前記表示指令信号として、前記識別情報表示の変動開始を指示する変動開始指令を備え、この変動開始指令に前記時間特定情報を持たせたことを特徴とする(1)に記載の遊技機。
【0097】
(3)前記表示装置には前記識別情報表示を表示する複数の表示領域を備えるとともに、前記停止態様決定情報を持つ信号は各表示領域毎に備えられることを特徴とする(1)または(2)に記載の遊技機。
【0098】
(4)前記表示指令信号として、前記識別情報表示の変動停止を指示する変動停止指令を備えたことを特徴とする(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機。
【0099】
(5)遊技の進行に合わせて演出動作を行う演出装置を備えるとともに、前記表示指令信号として、前記演出装置の演出動作パターンを特定するための演出パターン選択データを持つ信号を備えたことを特徴とする(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機。
【0100】
(6)前記表示指令信号として、前記識別情報表示の変動開始を指示する変動開始指令を備え、この変動開始指令に前記演出パターン選択データを持たせたことを特徴とする(5)に記載の遊技機。
【0101】
(7)前記演出装置として、効果音を出力する音出力装置を備えたことを特徴とする(5)または(6)に記載の遊技機。
【0102】
(8)前記識別情報表示の可変表示は、複数の図柄をスクロール変動表示した後、表示領域の停止位置に停止図柄を表示する前記停止表示を行うものであるとともに、前記表示制御装置は、前記可変表示の最終局面で前記停止図柄を前記停止位置近傍で揺動動作させる表示が所定の時間にわたって行われるように前記表示装置を制御するようにしたことを特徴とする(1)から(7)のいずれか一つに記載の遊技機。
【0103】
(9)始動口への遊技球の入賞に基づいて大当たり発生の抽選が行なわれ、該抽選毎に表示画面の複数の表示領域に図柄を変動表示させるとともに、抽選結果が大当たりとなる場合には前記各表示領域に図柄を所定の組み合わせで停止させて大当たり状態を発生させ、遊技者に多くの賞球獲得の機会を与える遊技機において、遊技を統括的に制御すると共に、前記表示画面における表示を制御する表示制御信号を送信する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの表示制御信号を読み込み、前記読み込んだ表示制御信号に基づいて前記表示画面における表示を制御する表示制御装置と、を備え、前記遊技制御装置は、前記表示画面の各表示領域にて図柄の変動表示を開始させる際に、図柄変動時間を特定する時間特定情報と、前記図柄の最終停止態様を特定する停止態様決定情報とを前記表示制御信号として前記表示制御装置に送信し、前記表示制御装置は、前記遊技制御装置から前記時間特定情報を受信すると、前記表示画面の各表示領域にて図柄の変動表示を開始させ、その後、該時間特定情報で特定される図柄変動時間が経過すると、前記各表示領域の全図柄が前記停止態様決定情報により特定される最終停止態様で停止する処理を行うとともに、前記図柄変動時間の最終局面には所定の余裕時間が設定されていて、該余裕時間中は、前記各表示領域の全図柄が前記最終停止態様と同じ態様で揺動動作を行うように制御し、該余裕時間の終了時に、前記各表示領域の全図柄を前記最終停止態様で完全停止させることを特徴とする遊技機。
【0104】
(10)複数の表示領域にて図柄を変動表示させる表示装置が備えられ、始動口への遊技球の入賞に基づいて大当たり発生の抽選を行い、該抽選結果に対応して前記表示領域で変動表示される図柄の最終停止態様が決定され、該最終停止態様に対応して大当たり状態が発生すると遊技者に多くの賞球獲得の機会を与える遊技機において、遊技を統括的に制御すると共に、前記表示装置における表示を制御する表示制御信号を送信する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの表示制御信号を読み込み、前記読み込んだ表示制御信号に基づいて前記表示装置における表示を制御する表示制御装置と、を備え、前記遊技制御装置は、前記表示領域にて図柄の変動表示を開始させる際に、図柄変動時間を特定する時間特定情報と、変動表示の最終停止態様を特定可能な停止態様決定情報とを前記表示制御信号として前記表示制御装置に送信し、前記表示制御装置は、前記時間特定情報の受信により前記表示領域にて図柄の変動表示を開始し、その後、該時間特定情報で特定される図柄変動時間が経過すると、変動表示を前記最終停止態様で停止する処理を行うとともに、前記図柄変動時間の最終局面には所定の余裕時間が設定されていて、該余裕時間中は、前記各表示領域の全図柄が前記最終停止態様と同じ態様で揺動動作を行うように制御し、該余裕時間の終了時に、前記各表示領域の全図柄を前記最終停止態様で完全停止させることを特徴とする遊技機。
【0105】
(11)前記遊技制御装置は、前記時間特定情報の送信の際に、該時間特定情報により特定される図柄変動時間をタイマにセットし、該タイマがタイムアップしたときには、前記各表示領域の全図柄の変動表示を停止させる変動停止指令を前記表示制御信号として前記表示制御装置に送信し、前記表示制御装置は、前記遊技制御装置から前記変動停止指令を受信したタイミングにて、全図柄の変動表示を完全停止させることを特徴とする(10)に記載の遊技機。
【0106】
(12)前記遊技制御装置は、前記各表示制御信号の送信に合わせて、該送信される信号の読み込みを行わせるための通信割込信号を前記表示制御装置に送信し、前記表示制御装置は、前記遊技制御装置から通信割込信号を受けて前記表示制御信号に基づく画面情報を作成するCPUと、該画面情報に基づいて前記表示画面における画像表示を行うVDPと、を備え、該VDPからの垂直同期割り込みのタイミングで画像表示が行なわれることを特徴とする(10)又は(11)に記載の遊技機。
【0107】
(1)に記載の発明では、表示指令信号として、時間特定情報を持つ信号と、停止態様決定情報を持つ信号とを備えたので、遊技制御装置は、遊技制御装置から表示制御装置への単方向通信のみが許容されるという制約のもとでも、これらの信号により表示制御装置の制御を適切に行うことができる。したがって、表示指令信号の構成が単純化され、コマンド長を短くできるとともに、表示指令信号の送信回数を少なくすることができる。よって、遊技制御装置の処理負担を大幅に軽減できるとともに、遊技機の表示制御信号に関連する検査や開発における労力を低減できる。
【0108】
(2)に記載の発明では、変動開始指令には識別情報の変動時間が情報として含まれているので、表示制御装置は、変動開始指令の受信と同時に、この変動時間に適合した変動パターンを選択し、この変動パターンによる図柄変動を開始することができる。したがって、表示制御装置における処理が合理化できる。
【0109】
(3)に記載の発明では、停止態様決定情報を持つ信号は表示領域毎に備えられるので、遊技機の開発の際等に、一つ一つの表示領域毎の確認を容易に行うことができ、遊技機の開発や検査作業が合理化できる。
【0110】
(4)に記載の発明では、表示制御信号として変動停止指令を備えたので、変動開始指令における時間特定情報の送信エラーや、表示制御装置における何らかのエラーがあった場合でも、識別情報表示の可変表示は、変動停止指令による適切なタイミングで停止される。したがって、エラーが生じた場合でも、遊技の進行と表示装置の表示の内容とを、大筋で一致させることができる。
【0111】
(5)〜(7)に記載の発明では、表示指令信号には、演出パターン選択データを持つ信号が備えられるので、表示制御装置は、演出装置の動作パターン(例えば第7の発明の音出力装置からの効果音出力)に整合した表示パターンを適切に選択することができる。特に第6の発明では、演出パターン選択データは変動開始指令に含まれるので、表示制御装置は、変動開始の時点で適切な表示パターンを選択することができ、制御が効率化される。
【0112】
(8)に記載の発明では、可変表示の最終局面に図柄が揺動動作する時間が設けられるので、時間特定情報により特定される一つの変動時間に対して、種々の変動パターンを違和感なく当てはめることができる。したがって、画像表示に多様性を持たせることができ、遊技の興趣が高められるとともに、遊技機開発の効率を高めることができる。
【0113】
(9)に記載の発明では、表示制御信号の構成が単純化され、コマンド長を短くできるとともに、表示制御信号の送信回数を少なくすることができるので、遊技制御装置の処理負担を大幅に軽減できるとともに、遊技機の表示制御信号に関連する検査や開発における労力を低減できる。また、表示制御信号には図柄の変動時間が情報として含まれているので、表示制御装置は、表示制御信号の受信と同時に、この変動時間に適合した変動パターンを選択し、この変動パターンによる図柄変動を開始することができる。したがって、表示制御装置における処理が合理化できる。また、変動表示の最終局面に図柄が揺動動作する時間が設けられるので、表示制御信号に含まれる変動時間の情報により特定される一つの変動時間に対して、種々の変動パターンを違和感なく当てはめることができる。したがって、画像表示に多様性を持たせることができ、遊技の興趣が高められるとともに、遊技機開発の効率を高めることができる。
【0114】
(10)に記載の発明では、表示制御信号の構成が単純化され、コマンド長を短くできるとともに、表示制御信号の送信回数を少なくすることができるので、遊技制御装置の処理負担を大幅に軽減できるとともに、遊技機の表示制御信号に関連する検査や開発における労力を低減できる。
【0115】
また、表示制御信号には時間特定情報が含まれているので、表示制御装置は、表示制御信号の受信と同時に、図柄変動時間に適合した変動パターンを選択し、この変動パターンによる図柄変動を開始することができる。したがって、表示制御装置における処理が合理化できる。
【0116】
また、変動表示の最終局面に図柄が揺動動作する時間が設けられるので、図柄変動時間に対して、種々の変動パターンを違和感なく当てはめることができる。したがって、画像表示に多様性を持たせることができ、遊技の興趣が高められるとともに、遊技機開発の効率を高めることができる。
【0117】
(11)に記載の発明では、表示制御信号には変動表示を停止する指令を備えたので、図柄変動時間の送信エラーや、表示制御装置における何らかのエラーがあった場合でも、図柄の変動表示は、変動表示を停止する指令を受け取ったタイミングで停止される。したがって、エラーが生じた場合でも、遊技の進行と画面の表示の内容とを、大筋で一致させることができる。
【0118】
(12)に記載の発明では、遊技制御装置から表示制御装置に通信割込信号を用いて表示制御信号を送信させ、表示制御装置はCPUとVDPにより画像表示を行うことができる。
【符号の説明】
【0119】
20 表示装置
100 遊技制御装置
150 表示制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示領域にて図柄を変動表示させる表示装置が備えられ、前記表示領域で変動表示される図柄の最終停止態様が特別表示結果となった場合に変動入賞装置を開放して遊技者にとって有利な特別遊技状態にすると共に、確率変動状態を発生するようにした遊技機において、
遊技を統括的に制御すると共に、前記表示装置における表示を制御する表示制御信号を送信する遊技制御装置と、
前記遊技制御装置からの表示制御信号を読み込み、前記読み込んだ表示制御信号に基づいて前記表示装置における表示を制御する表示制御装置と、を備え、
前記遊技制御装置は、
前記表示領域にて図柄の変動表示を開始させる際に、図柄変動時間を特定する時間特定情報と、該変動表示の停止後に確率変動状態が発生するか否かを特定する停止態様決定情報とを前記表示制御信号として前記表示制御装置に送信し、
前記時間特定情報の送信の際に、該時間特定情報により特定される図柄変動時間をタイマにセットし、
該タイマがタイムアップしたときには、前記各表示領域の全図柄の変動表示を停止させる変動停止指令を前記表示制御信号として前記表示制御装置に送信し、
前記特別遊技状態が発生する場合には、前記変動停止指令の送信後に前記変動入賞装置を開放する制御を行い、
前記表示制御装置は、
最終局面に所定の余裕時間が設けられた複数の変動パターンが設定され、
前記時間特定情報の受信により、当該時間特定情報に対応する変動パターンを選択して前記表示領域にて図柄の変動表示を開始し、
前記停止態様決定情報の受信により、前記確率変動状態の発生の有無に対応する停止図柄を選択することで最終停止態様を決定し、
前記余裕時間に到達した時点では、前記表示領域の停止位置で前記最終停止態様となる図柄を揺動させる表示が行われて、前記遊技制御装置からの前記変動停止指令の受信待機状態となり、さらに、該変動停止指令を受信したタイミングにて図柄の変動表示を前記停止位置に当該最終停止態様で完全停止させることを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−115533(P2010−115533A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−38440(P2010−38440)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【分割の表示】特願2009−121738(P2009−121738)の分割
【原出願日】平成11年6月9日(1999.6.9)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】