遊技機
【課題】操作有効期間が報知されていない期間において、演出用操作手段を操作した遊技者の期待に応えつつ、驚かすことができ、遊技者の興趣を高めることができる遊技機を提供すること。
【解決手段】統括CPUは、第1操作有効期間中に演出ボタンが操作された場合、演出ボタンの操作に応じて実行される第1演出の実行中、演出ボタンの操作を無効とする操作無効期間を設定する。そして、統括CPUは、本来ならば第2操作有効期間内の操作であっても、操作無効期間が設定された場合には、操作回数を更新しないようにした。そして、統括CPUは、操作無効期間、必要操作回数及び操作回数を秘匿するようにした。
【解決手段】統括CPUは、第1操作有効期間中に演出ボタンが操作された場合、演出ボタンの操作に応じて実行される第1演出の実行中、演出ボタンの操作を無効とする操作無効期間を設定する。そして、統括CPUは、本来ならば第2操作有効期間内の操作であっても、操作無効期間が設定された場合には、操作回数を更新しないようにした。そして、統括CPUは、操作無効期間、必要操作回数及び操作回数を秘匿するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者が操作可能な演出用操作手段を備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ機は、例えば、液晶ディスプレイ型の可変表示器を備え、当該可変表示器において複数種類の図柄を変動させて図柄組み合わせを導出する図柄組み合わせゲーム(図柄変動ゲーム)が行われている。そして、遊技者は、図柄組み合わせゲームで導出され、最終的に停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。このようなパチンコ機では、遊技の興趣を高めるために、遊技者が操作可能な操作手段(操作ボタン)を備えたものがある。このようなパチンコ機では、通常、操作ボタンを適宜数回押すことにより、図柄組み合わせゲームの結果を事前に報知するようになっている。これらのパチンコ機では、遊技者は、遊技球を発射する以外に、操作ボタンを操作して遊技に参加することができ、遊技の興趣が向上している。
【0003】
また、報知されている操作ボタンの操作有効期間だけでなく、秘匿されている操作有効期間における操作ボタンの操作回数を記憶し、当該操作回数に応じて特別な演出を実行する遊技機がある(例えば、特許文献1)。特許文献1のパチンコ機は、何事か起きることを期待して操作有効期間が報知されていなくても操作ボタンを操作する遊技者の期待に応え、遊技の興趣を向上することができる。
【特許文献1】特開2008−93015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のパチンコ機では、特別な演出を実行させるために、秘匿される操作有効期間において、操作ボタンの必要操作回数は、予め決められていた。このため、必要操作回数が分かっていれば、いつ達成できるかが分かってしまい、特別な演出が実行された際に、遊技者を驚かすことができない虞があった。その一方、多くの種類の必要操作回数を用意すると記憶容量が大きくなるという問題があった。さらに、報知されていない操作有効期間において、必要操作回数に達するまで操作ボタンを押しても何も起きないということとなれば、操作ボタンを押させ続けることができない虞もあった。
【0005】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、操作有効期間が報知されていない期間において、演出用操作手段を操作した遊技者の期待に応えつつ、驚かすことができ、遊技者の興趣を高めることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームの表示結果が予め定めた大当り表示結果になったことを契機に大当り遊技が行われる遊技機において、遊技者に操作される演出用操作手段と、大当りとなるか否かを判定する大当り判定手段の判定結果に基づき、前記図柄変動ゲームの演出内容を特定可能な演出パターンを複数種類の演出パターンの中から選択決定する演出パターン決定手段と、前記演出パターン決定手段により決定された演出パターンに基づいて、図柄変動ゲームを実行させる演出制御手段と、前記演出用操作手段の操作を有効とするとともに、操作が有効であると報知される第1操作有効期間を設定する第1有効期間設定手段と、前記演出用操作手段の操作を有効とする第2操作有効期間を秘匿状態で設定する第2有効期間設定手段と、所定の特別演出を実行させるために必要な演出用操作手段の必要操作回数を設定する回数設定手段と、前記第2操作有効期間内における前記演出用操作手段の操作回数を記憶する操作回数記憶手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記第1操作有効期間中、前記演出用操作手段が操作されると複数種類の遊技演出のうち予め定められた第1演出を演出実行手段に実行させ、前記第2操作有効期間中、前記演出用操作手段が操作された場合であって、前記操作回数記憶手段が記憶した操作回数が前記必要操作回数に達していない場合には、前記第1演出とは異なる第2演出を演出実行手段に実行させる一方、前記操作回数記憶手段が記憶した操作回数が前記必要操作回数に達した場合には、前記第2演出の代わりに前記特別演出を実行させるよう構成されており、前記第1有効期間設定手段は、前記演出パターン決定手段により決定された演出パターンに基づき、1回の図柄変動ゲーム中に前記第1操作有効期間を設定するように構成され、前記第2有効期間設定手段は、前記第2操作有効期間の少なくとも一部を前記第1操作有効期間内に設定するように構成されており、前記第1有効期間設定手段及び前記第2有効期間設定手段は、前記第1操作有効期間中に前記演出用操作手段が操作された場合、前記演出用操作手段の操作に応じて実行される前記第1演出を構成する遊技演出の実行中、前記演出用操作手段の操作を無効とする操作無効期間を設定することを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記演出制御手段は、前記第2操作有効期間中、前記演出用操作手段が操作される毎に、同じ演出内容の前記第2演出を繰り返し実行させることを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記演出制御手段は、前記第2操作有効期間中、前記演出用操作手段が操作された場合であって、前記操作回数記憶手段が記憶した操作回数が前記必要操作回数に達していない場合には、前記演出パターン決定手段により決定された演出パターンに応じた第2演出を演出実行手段に実行させる一方、前記操作回数記憶手段が記憶した操作回数が前記必要操作回数に達した場合には、前記演出パターン決定手段により決定された演出パターンに応じた前記特別演出を実行させることを要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、操作有効期間が報知されていない期間において、演出用操作手段を操作した遊技者の期待に応えつつ、驚かすことができ、遊技者の興趣を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図13に基づいて説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を保護するための保護ガラスが装着されるガラス枠を備えた前枠14と、上球皿15がそれぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、発光体(LED、ランプなど)の発光(点灯(点滅))により、発光演出を実行する演出実行手段としての装飾ランプ16が設けられている。外枠11の下部には、各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出を行う演出実行手段としてのスピーカ17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。そして、遊技者が発射装置19を操作して、該発射装置19を駆動させることにより、上球皿15内の遊技球が遊技盤13の遊技領域13aへ発射されるようになっている。
【0011】
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、7セグメント型の演出実行手段としての特図表示器H1と、液晶ディスプレイ型の演出実行手段としての可変表示器H2を備えたセンター役物20が配設されている。図2に示すように、特図表示器H1はセンター役物20の下部に設けられているとともに、可変表示器H2はセンター役物20の中央に設けられている。特図表示器H1では、複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。可変表示器H2では、特図表示器H1で行われる図柄変動ゲームに係わる表示演出が行われるようになっている。具体的には、可変表示器H2では、変動画像(又は画像表示)に基づく表示演出が行われるとともに、複数種類の図柄を複数列で変動させて図柄組み合わせを表示する図柄変動ゲーム(以下、図柄組み合わせゲームと示す場合がある)が行われる。
【0012】
そして、図柄変動ゲームにおいて特図表示器H1では、複数種類の特別図柄(以下、「特図」と示す場合がある)を1列で変動させて特図を表示する。この特図は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。一方、図柄変動ゲームに係わる表示演出において可変表示器H2では、複数種類の飾り図柄(以下、「飾図」と示す場合がある)を複数列(本実施形態では3列)で変動させて各列毎に飾図を表示する。この飾図は、表示演出を多様化するために用いられる演出用の図柄である。
【0013】
そして、特図表示器H1では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄の変動表示が開始され、該ゲームの終了と同時に特図が確定停止表示される。また、可変表示器H2では、図柄変動ゲームの開始により同時に飾図の変動表示が開始され、該ゲーム終了前に飾図がゆれ変動状態で一旦停止表示され、該ゲームの終了と同時に各列の飾図が確定停止表示される。「変動表示」とは、図柄を表示する表示器に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態であり、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。なお、特図表示器H1と可変表示器H2では、同時に図柄変動ゲームと図柄変動ゲームに係わる表示演出が開始され、同時に終了する(すなわち、同時に特図と飾図が確定停止表示される)。
【0014】
本実施形態において特図表示器H1には、[0]〜[9]の数字と、[−]の図柄が特図として表示されるようになっている。特図表示器H1に最終的に表示(確定停止表示)された図柄が[0]〜[9]の数字の場合、その図柄から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄が、特図における大当り図柄(大当り表示結果)となる。一方、特図表示器H1に確定表示された図柄が[−]の場合、その図柄からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄が、特図におけるはずれ図柄(はずれ表示結果)となる。
【0015】
また、本実施形態において可変表示器H2には、各列毎に[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]の8種類の数字が飾図として表示されるようになっている。そして、本実施形態において可変表示器H2は、特図表示器H1に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、可変表示器H2に停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。可変表示器H2に停止表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾図による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、可変表示器H2に確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)となる。
【0016】
また、本実施形態において、可変表示器H2における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾図が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾図が変動を開始すると)、可変表示器H2において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾図が停止表示されるようになっている。そして、停止表示された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾図が同一種類となって停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾図が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾図によるリーチの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ機10では、図柄変動ゲームの開始後、最初に飾図を停止表示させる左列が第1停止表示列になるとともに、次に飾図を停止表示させる右列が第2停止表示列になり、さらに最後に飾図を停止表示させる中列が第3停止表示列となる。
【0017】
また、可変表示器H2には、特図表示器H1の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。より詳しくは、特図表示器H1の特図による図柄と、可変表示器H2の飾図による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特図による図柄と飾図による図柄組み合わせが対応して確定停止表示されるようになっている。例えば、特図表示器H1に[0]の大当り図柄が確定停止表示される場合には、可変表示器H2にも[222]や[444]などの大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、特図表示領域H1に[−]のはずれ図柄が停止表示される場合には、可変表示器H2にも[121]や[345]などのはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。なお、特図に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特図に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
【0018】
以上のように、本実施形態の可変表示器H2では、特図表示器H1で行われる図柄変動ゲーム(1列の図柄を変動表示させる図柄変動ゲーム)に係わる表示演出(3列の図柄を変動表示させて図柄の組み合わせを表示させる図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。
【0019】
また、センター役物20の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根21を備えた始動入賞口22が配設されている。始動入賞口22の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1(図3に示す)が設けられている。始動入賞口22は、遊技球の入賞検知を契機に、図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。また、始動入賞口22の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉24を備えた大入賞口23が配設されている。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉24の開動作によって大入賞口23が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得る場合がある。なお、本実施形態の大入賞口扉24及び大入賞口23は、特別入賞装置(大入賞口装置)を構成する。また、始動口センサSE1及び始動入賞口22により入賞検知手段を構成する。
【0020】
また、本実施形態のパチンコ機10は、始動入賞口22へ遊技球が入賞した場合、その入賞した遊技球の個数を記憶し、始動保留球の記憶数(保留記憶数)として機内部(主制御基板30のRAM30c)で記憶されるようになっている。図柄変動ゲームが行われている場合に累積された保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。保留記憶数は、始動入賞口22に遊技球が入賞することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口22へ遊技球が入賞すると、保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。そして、図2に示すように、センター役物20の右下部には、保留記憶数に基づく保留中の図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知するための保留記憶数表示部Rが配設されている。
【0021】
保留記憶数表示部Rは、保留ランプR1、保留ランプR2、保留ランプR3及び保留ランプR4からなる複数(本実施形態では4個)のLEDからなる発光手段によって構成されている。前記各保留ランプR1〜R4の点灯個数により、保留中の図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知している。例えば、保留ランプR1のみが点灯している場合には1回の図柄変動ゲームが保留中であることを示し、保留ランプR1〜R4の全てが点灯している場合には4回の図柄変動ゲームが保留中であることを示している。
【0022】
また、可変表示器H2は、図2に示すように、その表示領域下方(変動表示する図柄と重ならない位置)において、保留ランプR1〜R4の点灯個数に相当する数の保留球表示Lを表示するようになっている。この保留球表示Lは、保留ランプR1〜R4の点灯個数に対応しており、保留ランプR1のみが点灯している場合には1つの保留球表示L1のみが表示されるようになっており、保留ランプR1〜R4の全てが点灯している場合には保留球表示L1〜L4が表示されるようになっている。従って、遊技者は、保留球表示Lの数から保留記憶数を把握することができる。
【0023】
また、大当り遊技は、図柄変動ゲームにて各表示器H1,H2に大当り図柄が停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が所定の演出時間(本実施形態では、10秒)行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口23が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では16ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口23が開放されてから閉鎖されるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口23は、規定入賞個数(本実施形態では10個)の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間(本実施形態では25秒)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、可変表示器H2において、ラウンド演出が行われる。また、ラウンド遊技の間では、インターバル演出が所定時間実行される。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が所定の演出時間(本実施形態では10秒)行われ、大当り遊技は終了される。
【0024】
また、本実施形態のパチンコ機10の上球皿15の前面側略中央には、遊技中に遊技者の操作が許容される演出用操作手段としての押し釦式の演出ボタン25が設けられている(図1及び図3参照)。この演出ボタン25が押下操作(操作)されると、演出ボタン25は、統括制御基板31(統括CPU31a)に演出ボタン25が操作されたことを示す検知信号を出力する。
【0025】
次に、パチンコ機10の制御構成について図3に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、パチンコ機10全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と、表示制御基板32と、ランプ制御基板33と、音声制御基板34とが装着されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、可変表示器H2の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、ランプ制御基板33は主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、装飾ランプ16の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。また、音声制御基板34は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、スピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
【0026】
以下、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32について、その具体的な構成を説明する。
前記主制御基板30には、メインCPU30aが備えられている。該メインCPU30aには、ROM30b及びRAM30cが接続されている。また、メインCPU30aには、始動入賞口22に入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1が接続されている。また、メインCPU30aには、特図表示器H1が接続されている。また、メインCPU30aには、保留記憶数表示部Rが接続されている。また、メインCPU30aは、大当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM30cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
【0027】
ROM30bには、パチンコ機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、ROM30bには、複数種類の変動パターンP1〜P5が記憶されている。変動パターンP1〜P5は、図柄(特図及び飾図)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、特図が変動開始してから特図が確定停止表示されるまでの間の図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定することができる。
【0028】
また、変動パターンは、大当り演出用の変動パターンP1〜P2と、はずれリーチ演出用の変動パターンP3〜P4と、はずれ演出用の変動パターンP5に分類することができる。そして、大当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、センター役物20の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、大当りの図柄組み合わせ、又ははずれの図柄組み合わせが導出される迄の間に行われる演出である。
【0029】
本実施形態において、大当り演出用の変動パターンP1〜P2及びはずれリーチ演出用の変動パターンP3〜P4に基づく図柄変動ゲームでは、2種類のリーチ演出N,Sのうち、いずれかのリーチ演出が行われるようになっている。例えば、リーチ演出Nは、飾図によるリーチの図柄組み合わせが表示された後、残り1列(本実施形態では、中列)を変動させて飾図を導出する演出内容でリーチ演出が行われるようになっている(ノーマルリーチ演出とも言う)。また、リーチ演出Sは、残り1列の飾図の変動中又は一旦表示した後、例えば、特定のキャラクタが登場し、登場キャラクタの名称で呼ばれる「○○○リーチ」へ移行(発展)して飾り図柄を導出する演出内容でリーチ演出が行われるようになっている(スーパーリーチ演出とも言う)。本実施形態では、リーチ演出N(ノーマルリーチ演出)が通常のリーチ演出となり、リーチ演出S(スーパーリーチ演出)が段階的に発展するリーチ演出となる。
【0030】
そして、本実施形態では、リーチ演出の種類に応じて、大当り遊技状態が付与される割合(大当り信頼度又は大当り期待度)を異ならせている。より詳しく言えば、リーチ演出Nよりリーチ演出Sの方が、大当り遊技状態が付与される割合が高くなるように設定されている。これは、リーチ演出Nよりリーチ演出Sの方が、大当り遊技状態が付与される期待度(可能性)が高まることを示している。大当り遊技状態が付与される割合は、各リーチ演出が行われる変動パターンを大当り演出用とはずれリーチ演出用に振り分ける際の振り分け態様に応じて決定される。即ち、リーチ演出の大当り遊技状態が付与される割合を高くするためには、当該リーチ演出が図柄変動ゲームにおいて出現する割合(大当りの場合とはずれリーチの場合に出現する全体の割合)に対して、大当りの場合に当該リーチ演出が出現する割合を高めると共にはずれリーチの場合に当該リーチ演出が出現する割合を低める(又はいずれか一方を行う)ように変動パターンを振り分ければよい。このように大当り遊技状態が付与される割合を異ならせることにより、リーチの図柄組み合わせが表示され、リーチ演出が行われた場合には、当該リーチ演出の種類に応じて遊技者が抱く大当りへの期待感を変化させることができる。なお、本実施形態では、図4に示すように変動パターンP1,P3に基づく図柄変動ゲームにて、リーチ演出Nが実行されるようになっており、変動パターンP2,P4にてリーチ演出Sが実行されるようになっている。
【0031】
また、ROM30bには、大当り遊技における演出パターンが、オープニング演出用、ラウンド演出用、エンディング演出用に分類されて記憶されている。前記ラウンド演出は、実行されているラウンド遊技が何ラウンド目かを示す演出である。
【0032】
また、ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。また、RAM30cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(各種乱数の値など)が記憶されるようになっている。例えば、RAM30cには、大当り決定時に大当り図柄となる特図(本実施形態では[0]〜[9])の種類を決定する際に用いる特図振分用乱数が記憶されている。この特図振分用乱数は、メインCPU30aによって所定の周期毎に順次更新される乱数であり、メインCPU30aは、更新後の値をRAM30cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。また、特図振分用乱数は、各大当り図柄に所定個数ずつ振り分けられている。
【0033】
次に、図3に基づき統括制御基板31について説明する。
統括制御基板31には、統括CPU31aが備えられている。該統括CPU31aには、ROM31b及びRAM31cが接続されている。また、統括CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM31cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、ROM31bには、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。また、統括制御基板31(統括CPU31a)には、演出ボタン25が接続されており、演出ボタン25から演出ボタン25が操作されたことを示す検知信号が入力されるようになっている。
【0034】
次に、図3に基づき表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32には、サブCPU32aが備えられている。該サブCPU32aには、ROM32b及びRAM32cが接続されている。また、表示制御基板32(サブCPU32a)には、可変表示器H2が接続されている。ROM32bには、可変表示器H2の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、ROM32bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、RAM32cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
【0035】
次に、メインCPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する入賞処理や変動パターン決定処理などの各種処理について説明する。まず、入賞処理について図5に基づき説明する。
【0036】
メインCPU30aは、所定時間間隔で遊技球の入賞検知がなされたか否かを判定する(ステップS11)。つまり、メインCPU30aは、始動入賞口22及び始動口センサSE1によって構成される始動入賞装置が出力する検知信号を入力したか否かを判定する。この判定結果が否定の場合(入賞検知なしの場合)、メインCPU30aは、入賞処理を終了する。一方、判定結果が肯定の場合(入賞検知ありの場合)、メインCPU30aは、RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(ステップS12)。この判定結果が否定の場合(保留記憶数=4の場合)、メインCPU30aは、入賞処理を終了する。
【0037】
一方、この判定結果が肯定の場合(保留記憶数<4の場合)、メインCPU30aは、RAM30cに記憶されている保留記憶数に「1」加算(+1)し、保留記憶数を書き換える(ステップS13)。また、メインCPU30aは、書き換え後の保留記憶数を指定する保留記憶数指示コマンドを、統括制御基板31を介して表示制御基板32に出力する。表示制御基板32のサブCPU32aは、当該保留記憶数指示コマンドを入力すると、保留記憶数指示コマンドにより指定された保留記憶数に対応する数の保留球表示Lを表示する。また、メインCPU30aは、書き換え後の保留記憶数に対応させて保留ランプR1〜R4を点灯させる。
【0038】
続いて、メインCPU30aは、大当り判定用乱数の値をRAM30cから読み出して取得し、当該読み出した大当り判定用乱数の値を保留記憶数に対応付けられたRAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS14)。また、メインCPU30aは、特図振分用乱数の値をRAM30cから取得し、当該読み出した特図振分用乱数の値を保留記憶数に対応付けられたRAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS14)。なお、大当り判定用乱数及び特図振分用乱数は、メインCPU30aによって所定の周期毎に順次更新される乱数であり、メインCPU30aは、更新後の値をRAM30cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。そして、メインCPU30aは、入賞処理を終了する。
【0039】
次に、変動パターン決定処理について図6に基づき説明する。
メインCPU30aは、図柄(特図及び飾図)が変動表示中であるか否か及び特別遊技(大当り遊技)中であるか否か判定する(ステップS21)。ステップS21の判定結果が肯定の場合(図柄変動ゲーム中である又は大当り遊技中である場合)、メインCPU30aは、変動パターン決定処理を終了する。一方、ステップS21の判定結果が否定の場合(図柄変動ゲーム中でなく、大当り遊技中でない場合)、メインCPU30aは、所定時間間隔で保留記憶数が「0」よりも大きいか否か判定する(ステップS22)。ステップS22の判定結果が否定の場合(保留記憶数=0の場合)、保留中の図柄変動ゲームが存在しないので、メインCPU30aは、変動パターン決定処理を終了する。
【0040】
一方、ステップS22の判定結果が肯定の場合(保留記憶数>0の場合)、メインCPU30aは、保留記憶数に対応付けられてRAM30cに記憶されている大当り判定用乱数の値及び特図振分乱数を取得する。そして、メインCPU30aは、取得した大当り判定用乱数がROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う(ステップS23)。なお、本実施形態において、大当り判定の判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、1/315としている。また、メインCPU30aは、保留記憶数を「1」減算(−1)した後に、当該保留記憶数に対応付けられて記憶されている大当り判定用乱数及び特図振分用乱数の値を取得するようになっている。また、メインCPU30aは、保留記憶数を「1」減算して書き換えると、書き換え後の保留記憶数を指定する保留記憶数指示コマンドを、統括制御基板31を介して表示制御基板32に出力する。表示制御基板32のサブCPU32aは、当該保留記憶数指示コマンドを入力すると、保留記憶数指示コマンドにより指定された保留記憶数に対応する数の保留球表示Lを表示する。また、メインCPU30aは、書き換え後の保留記憶数に対応させて保留ランプR1〜R4を点灯させる。
【0041】
大当り判定の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、メインCPU30aは、保留記憶数に対応付けられてRAM30cに記憶されていた特図振分用乱数の値に基づき、特図による大当り図柄の中から特図表示器H1にて確定停止表示される最終停止図柄を決定する(ステップS24)。なお、本実施形態では、特図による大当り図柄は、[0]〜[9]のいずれかであり、メインCPU30aは、これらの中から特図振分用乱数の値に基づき、特図を決定する。
【0042】
その後、メインCPU30aは、決定した大当り図柄に基づき、大当り演出用の変動パターンP1,P2の中から変動パターンを決定する(ステップS25)。変動パターン及び最終停止図柄を決定したメインCPU30aは、統括制御基板31(サブCPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、図柄変動ゲームに関する各種処理を実行する(ステップS26)。具体的に言えば、メインCPU30aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。同時に、メインCPU30aは、特図を変動開始させるように特図表示器H1の表示内容を制御する。メインCPU30aは、最終停止図柄を指定するための特別図柄指定コマンドを出力する。そして、メインCPU30aは、変動パターン決定処理を終了する。
【0043】
その後、変動パターン決定処理とは別の処理において、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特図表示器H1の表示内容を制御する。メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0044】
一方、ステップS23の大当り判定の判定結果が否定の場合(大当りでないの場合)、メインCPU30aは、リーチ演出を行う否かを判定するリーチ判定を行う(ステップS27)。本実施形態では、リーチ判定の判定結果が肯定となる確率(リーチ演出を行う確率)は、図柄変動ゲーム開始時において保留記憶数が所定値(本実施形態では2)以下である場合には、1/12とし、所定値より大きい場合には1/30としている。従って、保留記憶数が大きい場合(保留となっている図柄変動ゲームが多い場合)には、図柄変動ゲームがはずれとなるリーチ演出が実行される確率が低くなり、相対的にリーチ演出の大当り信頼度が高くなる。
【0045】
ステップS27のリーチ判定の判定結果が肯定の場合(リーチ演出を行う場合)、メインCPU30aは、はずれを示す特図[−]を最終停止図柄として決定する(ステップS28)。そして、メインCPU30aは、はずれリーチ演出用の変動パターンP3,P4の中から変動パターンを決定する(ステップS29)。その後、メインCPU30aは、ステップS26の処理を実行し、変動パターン決定処理を終了する。その後、変動パターン決定処理とは別の処理において、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特図表示器H1の表示内容を制御する。メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0046】
一方、ステップS27のリーチ判定の判定結果が否定の場合(リーチ演出を行わない場合)、メインCPU30aは、はずれを示す特図[−]を最終停止図柄として決定する(ステップS30)。そして、メインCPU30aは、はずれ演出用の変動パターンP5を決定する(ステップS31)。その後、メインCPU30aは、ステップS26の処理を実行し、変動パターン決定処理を終了する。その後、変動パターン決定処理とは別の処理において、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特図表示器H1の表示内容を制御する。メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0047】
そして、メインCPU30aは、大当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、大当りとなったときの大当り遊技の制御を開始し、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、メインCPU30aは、最初に、オープニング演出における演出パターンを指定するオープニングコマンドを出力する。次に、メインCPU30aは、各ラウンド遊技の開始時に、各ラウンド演出における演出パターンを指定するラウンド開始コマンドを出力する。その際、メインCPU30aは、ラウンド遊技毎に大入賞口扉24を開放させ、所定時間経過後又は規定入賞個数の遊技球が大入賞口23に入賞した後、大入賞口扉24を閉鎖させる。そして、メインCPU30aは、各ラウンド演出の終了及びラウンド遊技間のインターバル演出を通知するラウンド閉鎖コマンドを出力する。このラウンド遊技をメインCPU30aは、16ラウンドのラウンド遊技を繰り返し実行させる。そして、メインCPU30aは、最終ラウンドの終了時に、エンディング演出における演出パターンを指定するエンディングコマンドを出力して、大当り遊技を終了させる。
【0048】
以上のように、本実施形態のメインCPU30aは、大当りとなるか否かを判定する大当り判定手段となる。また、メインCPU30aは、演出パターンを選択する演出パターン決定手段となる。
【0049】
次に、統括制御基板31の統括CPU31aが統括制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。メインCPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、統括CPU31aは、それに応じて所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、統括CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドを各制御基板32〜34に出力する。また、統括CPU31aは、オープニングコマンド、ラウンド開始コマンド、ラウンド閉鎖コマンド、エンディングコマンドを中継するようになっている。
【0050】
また、統括CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン及び特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄に基づき、可変表示器H2に表示させる飾り図柄による図柄組み合わせを決定する。
【0051】
より詳しくは、統括CPU31aは、指定された最終停止図柄が、大当り図柄[0]〜[9]の場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、全列の図柄を同一種類にして大当りを認識し得る大当りの図柄組み合わせを決定する。また、統括CPU31aは、指定された最終停止図柄がはずれ図柄の場合であってはずれリーチ演出用の変動パターンP3,P4が指定された場合、はずれリーチの図柄組み合わせを決定する。また、統括CPU31aは、指定された最終停止図柄がはずれ図柄の場合であってはずれ演出用の変動パターンP5が指定された場合、左右の図柄が異なるはずれの図柄組み合わせを決定する。そして、統括CPU31aは、決定した各列の飾り図柄を指定する飾り図柄指定コマンドを表示制御基板32に出力する。また、メインCPU30aは、全図柄停止コマンドを入力すると、当該コマンドを表示制御基板32に出力する。
【0052】
次に、表示制御基板32のサブCPU32aが表示制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
サブCPU32aは、統括制御基板31(統括CPU31a)から制御コマンドを入力すると、表示制御プログラムに基づき、入力した制御コマンドに応じた制御を行う。具体的には、サブCPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンで飾り図柄を変動表示させて図柄組み合わせゲームを開始させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。そして、サブCPU32aは、全図柄停止コマンドを入力すると、入力した飾り図柄指定コマンドで指定された図柄組み合わせを可変表示器H2に表示させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。この制御により、可変表示器H2では図柄変動ゲームが行われる。
【0053】
また、サブCPU32aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。また、サブCPU32aは、ラウンド開始コマンドを入力すると、ラウンド演出を実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。また、サブCPU32aは、ラウンド閉鎖コマンドを入力すると、インターバル演出を実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。また、サブCPU32aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出を実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。これにより、可変表示器H2では、オープニング演出、ラウンド演出、インターバル演出、エンディング演出がそれぞれ実行される。
【0054】
そして、本実施形態では、図柄変動ゲーム中、所定のタイミングで演出ボタン25を操作することにより、所定の遊技演出を実行させることができるようになっている。以下、詳しく説明する。
【0055】
図柄変動ゲーム中、リーチ演出が実行されたときに、変動パターンにより予め決められた所定のタイミングで可変表示器H2には、「Push」等の文字列などを表示する報知演出が行われ(図7(a)参照)、演出ボタン25の操作が有効である第1操作有効期間であることを示すと共に、操作を促すようになっている。そして、この第1操作有効期間中に演出ボタン25が操作されると、所定の表示画像が表示される第1演出が行われる(図7(b)〜図7(c)参照)。本実施形態では、図柄変動ゲーム中に第1操作有効期間が複数設けられ、各第1操作有効期間において演出ボタン25が操作される毎に段階的に表示画像が表示される第1演出が実行されるようになっている。例えば、図7(b)においては、中央に表示された雷を模した絵柄が操作毎に表示されたり、段階的に表示されたり、表示される毎に色彩が変化したりするようになっている。
【0056】
また、図柄変動ゲーム中、保留記憶数を示す保留球表示が可変表示器H2の表示領域の下方に表示されているとき(図8(a)参照)、変動パターンにより予め決められた所定の第2操作有効期間中に操作することにより、保留球表示が変化して表示される第2演出を実行するようになっている(図8(b)〜図8(c)参照)。なお、第2操作有効期間は、報知演出などにより報知されないようになっている。また、第2操作有効期間として変動パターンにより決められていたとしても、第1操作有効期間にて演出ボタン25が操作され、第1演出の実行中であるときには、第2演出を実行させるための演出ボタン25の操作が無効となり、新たな第2演出の実行が規制されるようになっている。また、第2演出の実行回数が予め決められた所定回数となると、第2演出の代わりに特別演出が実行されるようになっている(図8(d)〜図8(f)参照)。
【0057】
以下、演出ボタン25の操作に応じた遊技演出を実行させるための制御について説明する。まず、操作有効期間を設定するための設定処理について図9に基づき説明する。この設定処理は、図柄変動ゲーム中、所定周期毎に統括CPU31aにより繰り返し実行されるようになっている。
【0058】
設定処理を実行すると、まず、統括CPU31aは、第1操作有効期間中であることを示す第1期間フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS101)。ステップS101の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、指定された変動パターンに基づき、図柄変動ゲーム開始時からの経過時間が、変動パターンに予め定められた第1操作有効期間の開始に至ったか否かを判定する(ステップS102)。ステップS102の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、第1操作有効期間中であることを示すように第1期間フラグに「1」を設定する(ステップS103)。また、その際、統括CPU31aは、第1操作有効期間が開始したことを示す報知演出を実行させる報知演出指定コマンドを表示制御基板32に出力する。これにより、可変表示器H2は、報知演出を実行する。
【0059】
一方、ステップS101の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、指定された変動パターンに基づき、図柄変動ゲーム開始時からの経過時間が、変動パターンに予め定められた第1操作有効期間の終了に至ったか否かを判定する(ステップS104)。ステップS104の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、第1操作有効期間中でないことを示すように第1期間フラグに「0」を設定する(ステップS105)。
【0060】
なお、本実施形態において、第1操作有効期間は、変動パターンに応じて0回〜2回の間で設定されるようになっている。具体的には、リーチ演出Nを伴う変動パターンP1,P3に基づく図柄変動ゲーム(すなわち、大当り信頼度が低い図柄変動ゲーム)中には、図4に示すように、図柄変動ゲーム開始後、15秒〜20秒の間に、1回目の第1操作有効期間が設定されるようになっている。一方、リーチ演出Sを伴う変動パターンP2,P4に基づく図柄変動ゲーム(すなわち、大当り信頼度が高い図柄変動ゲーム)中には、図4に示すように、図柄変動ゲーム開始後、15秒〜20秒の間に1回目の第1操作有効期間が、30秒〜35秒の間に2回目の第1操作有効期間が設定されるようになっている。また、リーチ演出を伴わない変動パターンP5に基づく図柄変動ゲーム(すなわち、大当り信頼度が極めて低い図柄変動ゲーム)中には、第1操作有効期間が設定されないようになっている。従って、遊技者は、第1演出の実行回数によって図柄変動ゲームの大当り信頼度を認識することができる。また、遊技者は、第1演出の有無によってリーチ演出の有無を認識することができる。また、遊技者は、第1演出の実行回数によってリーチ演出N,Sのいずれかが実行されるかを認識することができる。
【0061】
そして、ステップS102の判定結果が否定の場合、又はステップS103の処理を終了した場合、又はステップS104の判定結果が否定の場合、又はステップS105の処理が終了した場合、統括CPU31aは、第2操作有効期間中であることを示す第2期間フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS106)。
【0062】
ステップS106の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、指定された変動パターンに基づき、図柄変動ゲーム開始時からの経過時間が、変動パターンに予め定められた第2操作有効期間の開始に至ったか否かを判定する(ステップS107)。ステップS107の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、第2操作有効期間中であることを示すように第2期間フラグに「1」を設定し(ステップS108)、設定処理を終了する。また、ステップS107の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、そのまま設定処理を終了する。
【0063】
一方、ステップS106の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、指定された変動パターンに基づき、図柄変動ゲーム開始時からの経過時間が、変動パターンに予め定められた第2操作有効期間の終了に至ったか否かを判定する(ステップS109)。ステップS109の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、第2操作有効期間中でないことを示すように第2期間フラグに「0」を設定し(ステップS110)、その後設定処理を終了する。また、ステップS109の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、そのまま設定処理を終了する。このように、統括CPU31aは、第1操作有効期間が開始された場合には、報知演出を実行して第1操作有効期間中であることを示す一方、第2操作有効期間が開始されても特に報知を行わず、第2操作有効期間であることを秘匿している。
【0064】
なお、本実施形態において、第2操作有効期間は、変動パターンによって長さは異なっている。具体的には、図4に示すように、変動パターンP1,P3に基づく図柄変動ゲーム中には、図柄変動ゲーム開始後、5秒〜25秒の間に、第2操作有効期間が設定される。一方、変動パターンP2,P4に基づく図柄変動ゲーム中には、図4に示すように、図柄変動ゲーム開始後、5秒〜40秒の間に第2操作有効期間が設定される。そして、変動パターンP5に基づく図柄変動ゲーム中には、図4に示すように、図柄変動ゲーム開始後、5秒〜10秒の間に第2操作有効期間が設定される。また、本実施形態では、第2操作有効期間の方が、図4に示すように、第1操作有効期間よりも期間が長く設定されており、第2操作有効期間中に第1操作有効期間が設定されるようになっている。すなわち、操作有効期間が被っている。
【0065】
次に、演出ボタン25が操作された際の演出処理について図10に基づき説明する。この演出処理は、統括CPU31aにより所定周期毎に実行される。
統括CPU31aは、演出ボタン25から操作されたことを示す検知信号を入力したか否かを判定する(ステップS201)。ステップS201の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、演出処理を終了する。一方、ステップS201の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、第1演出が実行中であるか否かを判定する(ステップS202)。この判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、演出処理を終了する。なお、本実施形態における第1演出の実行時間は、5秒とし(第1操作有効期間の長さと同じ時間)、第2演出の実行時間は、1秒としている。
【0066】
一方、ステップS202の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、第1操作有効期間であることを示す第1期間フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS203)。ステップS203の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、図柄変動ゲーム開始からの第1演出の実行回数及び変動パターンに基づき、第1演出の演出内容を特定する第1演出パターンを決定する(ステップS204)。
【0067】
第1演出は、変動パターンP1,P3が指定された場合には、図柄変動ゲーム中最大1回実行される一方、変動パターンP2,P4が指定された場合には、図柄変動ゲーム中最大2回実行されるようになっている。統括CPU31aは、統括制御基板31のRAM31cから第1演出の実行回数を読み出し、図柄変動ゲームが開始されてから第1演出が実行されていない場合、ステップS204において、最初の第1演出を指定する第1演出パターンPa1を決定する。一方、統括CPU31aは、図柄変動ゲームが開始されてから第1演出が1回実行された場合、ステップS204において、2回目の第1演出を指定する第1演出パターンPa2を決定するようになっている。従って、第1演出の実行回数から大当り信頼度を知ることができるようになっている。
【0068】
統括CPU31aは、第1演出パターンを決定すると、当該第1演出パターンを指示すると共に、第1演出の実行を指示する第1演出指定コマンドを表示制御基板32に出力する(ステップS205)。表示制御基板32のサブCPU32aは、当該第1演出指示コマンドを入力すると、第1演出指示コマンドにより指定された第1演出パターンに基づき、第1演出を実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。これにより、可変表示器H2は、第1演出を実行することとなる。
【0069】
ステップS203の判定結果が否定の場合、又はステップS205の処理が終了した場合、統括CPU31aは、第2操作有効期間であることを示す第2期間フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS206)。ステップS206の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、図柄変動ゲーム開始からいままで第2操作有効期間中に演出ボタン25が有効に操作された操作回数(すなわち、第2操作有効期間中に演出ボタン25が有効に操作されて、第2演出が実行された回数)に1加算して更新する(ステップS207)。そして、統括CPU31aは、加算後の操作回数が予め決められた必要操作回数に達したか否かを判定する(ステップS208)。
【0070】
前記必要操作回数は、変動パターンP1〜P5に基づく図柄変動ゲーム開始時において、統括CPU31aにより乱数抽選により決定される。なお、統括CPU31aは、図11に示すように、変動パターンP1〜P5に基づく図柄変動ゲーム開始時において、必要操作回数として、「15回」を3/59の確率で、「20回」を5/59の確率で、「23回」を8/59の確率で決定する。また、統括CPU31aは、変動パターンP1〜P5に基づく図柄変動ゲーム開始時において、必要操作回数として、「25回」を16/59の確率で、「35回」を11/59の確率で、「45回」を9/59の確率で、「55回」を7/59の確率で決定するようになっている。
【0071】
ステップS208の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、変動パターンに基づき、第2演出の演出内容を特定するための第2演出パターンを決定する(ステップS209)。本実施形態では、統括CPU31aは、大当り演出用又ははずれリーチ演出用の変動パターンP1〜P4が決定された場合には、第2演出パターンPb1を決定する一方、はずれ演出用の変動パターンP5が決定された場合には、第2演出パターンPb2を決定するようになっている。なお、本実施形態では、第2演出パターンPb1が決定された場合、第2演出において、保留球表示が「○」から、当該遊技機にて登場するキャラクタの顔を模した真顔(図8(b)参照)になって元に戻る演出が実行される。本実施形態では、第2演出パターンPb2が決定された場合、第2演出において、保留球表示が「○」から、当該遊技機にて登場するキャラクタの顔を模した笑顔(図8(c)参照)になって元に戻る演出が実行される。
【0072】
そして、統括CPU31aは、決定した第2演出パターンを通知すると共に、第2演出の実行を指示する第2演出指示コマンドを表示制御基板32に出力し(ステップS210)、演出処理を終了する。表示制御基板32のサブCPU32aは、当該第2演出指示コマンドを入力すると、第2演出指示コマンドにより指定された第2演出パターンに基づき、第2演出を実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。これにより、可変表示器H2は、第2演出を実行することとなる。
【0073】
一方、ステップS208の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、変動パターンに基づき、特別演出の演出内容を特定するための特別演出パターンを決定する(ステップS211)。特別演出パターンは、図12に示すように指定された変動パターン毎に、複数対応付けられており、各特別演出パターンに演出振分用乱数がそれぞれ複数振り分けられている。演出振分用乱数は、「0〜99」の全100通りの整数からなり、変動パターン毎に演出用振分用乱数の振り分け方が異なっている。例えば、変動パターンP3が指定された場合、特別演出パターンSP1に「0〜79」の演出振分用乱数が振り分けられ、特別演出パターンSP2に「80〜99」の演出振分用乱数が振り分けられている。従って、統括CPU31aは、変動パターンP3が指定された場合、特別演出パターンSP1を80/100の確率で決定し、特別演出パターンSP2を20/100の確率で決定するようになっている。同様に、変動パターンP2が指定された場合、特別演出パターンSP1に「0〜39」の演出振分用乱数が振り分けられ、特別演出パターンSP2に「40〜89」の演出振分用乱数が振り分けられ、特別演出パターンSP3に「90〜99」の演出振分用乱数が振り分けられている。従って、統括CPU31aは、変動パターンP2が指定された場合、特別演出パターンSP1を40/100の確率で決定し、特別演出パターンSP2を50/100の確率で決定し、特別演出パターンSP3を10/100の確率で決定するようになっている。
【0074】
図12に示すように、特別演出パターンSP2は、大当り信頼度が高いリーチ演出Sを伴う変動パターンP2,P4が決定されたときに高確率で決定されるようになっている。また、特別演出パターンSP3は、大当り演出用の変動パターンP1,P2が決定されたときのみ決定されるようになっている。従って、特別演出の演出内容から大当りの可能性が示唆されることとなる。なお、特別演出パターンSP1が決定された場合、特別演出において、保留球表示が「○」から「△」になり、図柄変動ゲーム終了後までそのまま表示され、ゲーム終了後に元に戻る演出が実行される(図8(d)参照)。また、特別演出パターンSP2が決定された場合、特別演出において、保留球表示が「○」から「◇」になり、図柄変動ゲーム終了後までそのまま表示され、ゲーム終了後に元に戻る演出が実行される(図8(e)参照)。また、特別演出パターンSP3が決定された場合、特別演出において、保留球表示が「○」から「☆」になり、図柄変動ゲーム終了後までそのまま表示され、ゲーム終了後に元に戻る演出が実行される(図8(f)参照)。
【0075】
ステップS211において、統括CPU31aは、特別演出パターンを決定すると、特別演出パターンを通知し、特別演出の実行を指示する特別演出指定コマンドを表示制御基板32に出力する(ステップS212)。そして、統括CPU31aは、演出処理を終了する。表示制御基板32のサブCPU32aは、当該特別演出指示コマンドを入力すると、特別演出指示コマンドにより指定された特別演出パターンに基づき、特別演出を実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。これにより、可変表示器H2は、特別演出を実行することとなる。
【0076】
このように、本実施形態の統括CPU31aは、ステップS202の判定結果が肯定の場合(第1演出実行中の場合)、その演出処理において、第2演出に関する処理(ステップS203以降の処理)を実行せずにそのまま終了する。これにより、統括CPU31aは、第1演出実行中であるならば、演出ボタン25が操作されたとしても無効とする。すなわち、統括CPU31aは、第1演出開始後、第1演出の演出時間に相当する時間、演出ボタン25の操作を無効とする操作無効期間を設定することとなる。これにより、第1演出が途中で中断することや、第1演出の実行途中に次の第1演出を実行させてしまうなどの異常を防止できる。その一方、統括CPU31aは、第2操作有効期間中に演出ボタン25が操作された場合には、第2演出の実行有無にかかわらず第2演出を最初から実行させるようになっている。また、統括CPU31aは、第1演出実行中であり、演出ボタン25の操作が無効とされた場合、操作回数に1を加算しない。これにより、遊技者が実際に演出ボタン25を操作した回数が必要操作回数に達していたとしても、特別演出が行われないこととなる。
【0077】
以上のことにより、本実施形態の統括CPU31aが、第1操作有効期間を設定する第1有効期間設定手段となる。また、統括CPU31aが、第2操作有効期間を設定する第2有効期間設定手段となる。また、統括CPU31aが、必要操作回数を設定する回数設定手段となる。また、RAM31cが、演出ボタン25の操作回数を記憶する操作回数記憶手段となる。そして、統括CPU31aと、サブCPU32aが、演出パターンに基づいて図柄変動ゲームを実行される演出制御手段となる。
【0078】
次に、遊技者が演出ボタン25を操作した回数と、特別演出の実行タイミングについて図13に基づき説明する。図13(a),(b)では、変動パターンP2が指定され、遊技者が、第2操作有効期間中に演出ボタン25を15回操作するものとして説明する。また、図13(a),(b)では、必要操作回数として「15回」が決定され、1回目の第1操作有効期間中に遊技者が演出ボタン25を1回操作し、2回目の第1操作有効期間中に演出ボタン25を1回操作するものとして説明する。
【0079】
図13(a),(b)に示すように、統括CPU31aは、図柄変動ゲーム開始後(時点A0)、指定された変動パターンP2に基づき、第2操作有効期間を設定する(時点A1)。ここで、第2操作有効期間開始から最初の第1操作有効期間が設定されるまでの間(時点A1〜時点A2)に、演出ボタン25が9回操作されるものとして説明する。統括CPU31aは、演出ボタン25が操作される毎に、操作回数に1加算してその値を更新すると共に、第2演出を実行させる。このため、第2操作有効期間開始から最初の第1操作有効期間が設定されるまでの間に、操作回数が9回となる。
【0080】
そして、図柄変動ゲーム開始から所定時間経過後、統括CPU31aは、変動パターンP2に基づき、1回目の第1操作有効期間を設定する(時点A2)。ここで前提より1回目の第1操作有効期間中、演出ボタン25が1回操作されるので、統括CPU31aは、第1演出と共に第2演出を実行させる。その際、統括CPU31aは、操作回数に1を加算して更新する。これにより、1回目の第1操作有効期間中(時点A2〜時点A3)に、操作回数が10回となる。
【0081】
ここで、1回目の第1操作有効期間終了後、2回目の第1操作有効期間が設定されるまで(時点A3〜時点A4)、演出ボタン25が2回操作されるものとして説明する。このため、統括CPU31aは、1回目の第1操作有効期間終了後、2回目の第1操作有効期間が設定されるまで、演出ボタン25が操作される毎に、第2演出を実行させ、また、実行させる毎に操作回数に1を加算していく。これにより、1回目の第1操作有効期間終了後、2回目の第1操作有効期間が設定されるまで(時点A3〜時点A4)に、操作回数が12回となる。
【0082】
そして、図柄変動ゲーム開始から所定時間経過後、統括CPU31aは、変動パターンP2に基づき、2回目の第1操作有効期間を設定する(時点A4)。ここで前提より第1操作有効期間中、演出ボタン25が1回操作されるので、統括CPU31aは、第1演出と共に第2演出を実行させる。その際、統括CPU31aは、操作回数に1を加算して更新する。これにより、2回目の第1操作有効期間中(時点A4〜時点A5)に、操作回数が13回となる。
【0083】
ここで、2回目の第1操作有効期間終了後、第2操作有効期間が終了するまでの間(時点A5〜時点A6)に、演出ボタン25が2回操作されるものとして説明する。このため、2回目の第1操作有効期間終了後、第2操作有効期間が終了するまでの間、演出ボタン25が1回操作された場合、統括CPU31aは、第2演出を実行させ、操作回数に1を加算して操作回数を14回に更新する。
【0084】
そして、当該第2演出終了後、第2操作有効期間が終了するまでの間に、演出ボタン25が2回目に操作された場合、統括CPU31aは、操作回数が必要操作回数(15回)に達するため、特別演出を実行させる。
【0085】
図13(c),(d)では、変動パターンP2が指定され、遊技者が、第2操作有効期間中に演出ボタン25を18回操作するものとして説明する。また、図13(c),(d)では、必要操作回数として「15回」が決定され、1回目の第1操作有効期間中に遊技者が演出ボタン25を2回操作し、2回目の第1操作有効期間中に演出ボタン25を3回操作するものとして説明する。
【0086】
図13(c),(d)に示すように、統括CPU31aは、図柄変動ゲーム開始後(時点B0)、指定された変動パターンP2に基づき、第2操作有効期間を設定する(時点B1)。ここで、第2操作有効期間開始から最初の第1操作有効期間が設定されるまでの間(時点B1〜時点B2)に、演出ボタン25が9回操作されるものとして説明する。統括CPU31aは、演出ボタン25が操作される毎に、操作回数に1加算してその値を更新すると共に、第2演出を実行させる。このため、第2操作有効期間開始から最初の第1操作有効期間が設定されるまでの間に、操作回数が9回となる。
【0087】
そして、図柄変動ゲーム開始から所定時間経過後、統括CPU31aは、変動パターンP2に基づき、1回目の第1操作有効期間を設定する(時点B2)。ここで前提より1回目の第1操作有効期間中、演出ボタン25が2回操作される。このため、統括CPU31aは、1回目の第1操作有効期間が設定されて、最初の演出ボタン25の操作に応じて、第1演出と共に第2演出を実行させる。その際、統括CPU31aは、操作回数に1を加算して更新する。これにより、1回目の第1操作有効期間中(時点A2〜時点A3)に、操作回数が10回となる。
【0088】
次に、統括CPU31aは、1回目の第1操作有効期間が設定されてから、2回目の演出ボタン25の操作がされた場合、第1演出の実行中であることから、当該操作を無効とする。すなわち、統括CPU31aは、2回目の演出ボタン25の操作がされた場合、第2演出を新たに実行させることなく、操作回数に1を加算して更新することもしない。従って、これにより、1回目の第1操作有効期間中(時点A2〜時点A3)において、操作回数は、10回のままとなる。
【0089】
ここで、1回目の第1操作有効期間終了後、2回目の第1操作有効期間が設定されるまで(時点B3〜時点B4)、演出ボタン25が2回操作されるものとして説明する。このため、統括CPU31aは、1回目の第1操作有効期間終了後、2回目の第1操作有効期間が設定されるまで、演出ボタン25が操作される毎に、第2演出を実行させ、また、実行させる毎に操作回数に1を加算していく。これにより、1回目の第1操作有効期間終了後、2回目の第1操作有効期間が設定されるまで(時点B3〜時点B4)に、操作回数が12回となる。
【0090】
そして、図柄変動ゲーム開始から所定時間経過後、統括CPU31aは、変動パターンP2に基づき、2回目の第1操作有効期間を設定する(時点B4)。ここで前提より第1操作有効期間中、演出ボタン25が3回操作される。
【0091】
このため、統括CPU31aは、2回目の第1操作有効期間が設定されて、最初の演出ボタン25の操作に応じて、第1演出と共に第2演出を実行させる。その際、統括CPU31aは、操作回数に1を加算して更新する。これにより、2回目の第1操作有効期間中(時点B4〜時点B5)に、操作回数が13回となる。
【0092】
次に、統括CPU31aは、2回目の第1操作有効期間が設定されてから、2回目の演出ボタン25の操作がされた場合、第1演出の実行中であることから、当該操作を無効とする。すなわち、統括CPU31aは、2回目の演出ボタン25の操作がされた場合、第2演出を新たに実行させることなく、操作回数に1を加算して更新することもしない。従って、これにより、2回目の第1操作有効期間中(時点B4〜時点B5)において、操作回数は、13回のままとなる。
【0093】
同様に、統括CPU31aは、2回目の第1操作有効期間が設定されてから、3回目の演出ボタン25の操作がされた場合、第1演出の実行中であることから、当該操作を無効とする。すなわち、統括CPU31aは、2回目の演出ボタン25の操作がされた場合、第2演出を新たに実行させることなく、操作回数に1を加算して更新することもしない。従って、これにより、2回目の第1操作有効期間中(時点B4〜時点B5)において、操作回数は、13回のままとなる。
【0094】
ここで、2回目の第1操作有効期間終了後、第2操作有効期間が終了するまでの間(時点B5〜時点B6)に、演出ボタン25が2回操作されるものとして説明する。このため、2回目の第1操作有効期間終了後、第2操作有効期間が終了するまでの間、演出ボタン25が1回操作された場合、統括CPU31aは、第2演出を実行させ、操作回数に1を加算して操作回数を14回に更新する。
【0095】
そして、当該第2演出終了後、第2操作有効期間が終了するまでの間に、演出ボタン25が2回目に操作された場合、統括CPU31aは、操作回数が必要操作回数(15回)に達するため、特別演出を実行させる。
【0096】
以上のように、内部的に必要操作回数が同じだったとしても、第1演出実行中の演出ボタン25の操作は無効となるため、演出ボタン25を操作するタイミングによっては、特別演出を実行させるまでに遊技者が実際に演出ボタン25を操作する回数が異なることとなる。
【0097】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)統括CPU31aは、第1操作有効期間中に演出ボタン25が操作された場合、演出ボタン25の操作に応じて実行される第1演出の実行中、演出ボタン25の操作を無効とする操作無効期間を設定する。このため、第1演出の実行中、演出ボタン25が連続操作されることにより、最初の第1演出が実行し終えていないときに次の第1演出を実行させてしまうなどの異常が発生することを防止することができる。また、RAM31cは、本来ならば第2操作有効期間内の操作であっても、操作無効期間が設定された場合には、操作が無効とされるので、操作回数を更新することができない。そして、第2操作有効期間が設定されているか否か及び操作無効期間であるか否か、及びRAM31cが記憶している操作回数は遊技者に報知されないため、遊技者が実際に操作した回数と、RAM31cが記憶した操作回数は異なっても遊技者は分からないこととなる。従って、遊技者が、必要操作回数分操作したと思っても、操作回数が足らなくなる場合がある。このため、遊技者は、いつ特別演出が実行されるかを認識できなくなり、特別演出が実行された場合、驚くこととなる。そして、必要操作回数が同一であっても操作回数と必要操作回数に差が生じ得るため、多くの種類の必要操作回数を用意する必要がなく、ROM31bの記憶容量を少なくすることができる。さらに、報知されていない第2操作有効期間において、演出ボタン25が操作される毎に、第1演出とは異なる第2演出が実行されるため、特別演出を実行させるまで、遊技者に飽きさせることなく演出ボタン25を押させ続けることができる。従って、演出ボタン25の操作が有効であることが報知されていない第2操作有効期間において、演出ボタン25を操作した遊技者の期待に応えつつ、驚かすことができ、遊技者の興趣を高めることができる。
【0098】
(2)統括CPU31aは、第2操作有効期間中、演出ボタン25が操作される毎に、同じ演出内容の前記第2演出を繰り返し実行させる。このため、第2操作有効期間中、演出ボタン25が操作されたのにも係わらず、第2演出でなく、特別演出が実行された場合、遊技者を驚かすことができる。
【0099】
(3)統括CPU31aは、第2操作有効期間中、演出ボタン25が操作された場合であって、RAM31cが記憶した操作回数が必要操作回数に達していない場合には、変動パターンに応じた第2演出を可変表示器H2に実行させる。その一方、統括CPU31aは、RAM31cが記憶した操作回数が必要操作回数に達した場合には、変動パターンに応じた特別演出を実行させる。これにより、第2演出及び特別演出の演出内容から図柄変動ゲームが大当りとなる可能性を予想することができる。従って、大当りとなる可能性を知りたい遊技者に演出ボタン25を操作させることができる。
【0100】
(4)統括CPU31aは、図柄変動ゲーム開始時に、複数種類の必要操作回数の中から1種類の必要操作回数を設定する。また、設定された必要操作回数は、報知されない。これにより、より必要操作回数を分かり難くすることができる。
【0101】
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
○上記実施形態において、第1演出と、第2演出の演出時間を任意に変更しても良い。例えば、第1演出の演出時間を3秒とし、第2演出の演出時間を2秒としてもよい。
【0102】
○上記実施形態において、第1演出の演出実行時間と、第1操作有効期間を一致させたが、一致させなくても良い。
○上記実施形態において、第1操作有効期間の回数を任意に変更しても良い。例えば、3回設定するようにしても良い。
【0103】
○上記実施形態において、第1演出は、実行される毎に異なる表示画像を段階的に表示させていたが、同じ表示画像を表示させても良い。
○上記実施形態において、第1操作有効期間を長くして、1回の第1操作有効期間中に、第1演出を複数回実行できるようにしても良い。
【0104】
○上記実施形態において、第1演出の段階数は、2段階であったが、任意の段階数、例えば、5段階などに変更しても良い。
○上記実施形態において、統括CPU31aは、必要操作回数を複数用意したが、1種類だけでもよい。
【0105】
○上記実施形態において、第1操作有効期間における1回目と2回目の演出内容を異ならせても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
【0106】
(イ)前記第1有効期間設定手段及び前記第2有効期間設定手段は、前記第1操作有効期間中に演出用操作手段が操作された場合、前記演出パターン決定手段により決定された演出パターンに応じて予め定められた操作無効期間を前記演出用操作手段の操作時から設定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【0107】
(ロ)前記回数設定手段は、複数種類の必要操作回数の中から1種類の必要操作回数を設定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】パチンコ遊技機の機表側を示す正面図。
【図2】センター役物の拡大図。
【図3】パチンコ遊技機の制御構成を示すブロック図。
【図4】変動パターンの説明図。
【図5】入賞処理の流れを示すフローチャート。
【図6】変動パターン決定処理の流れを示すフローチャート。
【図7】(a)〜(c)は、第1演出を示す画面遷移図。
【図8】(a)〜(f)は、第2演出及び特別演出を示す画面遷移図。
【図9】設定処理を示すフローチャート。
【図10】演出処理を示すフローチャート。
【図11】必要操作回数と変動パターンの関係性を示す説明図。
【図12】特別演出パターンの振り分けを説明する説明図。
【図13】(a)〜(d)は、演出ボタンの操作回数と、特別演出の実行タイミングを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0109】
H1…特図表示器(演出実行手段)、H2…可変表示器(演出実行手段)、SE1…始動口センサ、10…パチンコ機、20…センター役物、22…始動入賞口、23…大入賞口、24…大入賞口扉、25…演出ボタン(演出用操作手段)、30…主制御基板、30a…メインCPU(演出パターン決定手段、大当り判定手段)、30c…RAM、31…統括制御基板、31a…統括CPU(演出制御手段、第1有効期間設定手段、第2有効期間設定手段、回数設定手段)、31b…ROM、31c…RAM(操作回数記憶手段)、32…表示制御基板、32a…サブCPU(演出制御手段)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者が操作可能な演出用操作手段を備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ機は、例えば、液晶ディスプレイ型の可変表示器を備え、当該可変表示器において複数種類の図柄を変動させて図柄組み合わせを導出する図柄組み合わせゲーム(図柄変動ゲーム)が行われている。そして、遊技者は、図柄組み合わせゲームで導出され、最終的に停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。このようなパチンコ機では、遊技の興趣を高めるために、遊技者が操作可能な操作手段(操作ボタン)を備えたものがある。このようなパチンコ機では、通常、操作ボタンを適宜数回押すことにより、図柄組み合わせゲームの結果を事前に報知するようになっている。これらのパチンコ機では、遊技者は、遊技球を発射する以外に、操作ボタンを操作して遊技に参加することができ、遊技の興趣が向上している。
【0003】
また、報知されている操作ボタンの操作有効期間だけでなく、秘匿されている操作有効期間における操作ボタンの操作回数を記憶し、当該操作回数に応じて特別な演出を実行する遊技機がある(例えば、特許文献1)。特許文献1のパチンコ機は、何事か起きることを期待して操作有効期間が報知されていなくても操作ボタンを操作する遊技者の期待に応え、遊技の興趣を向上することができる。
【特許文献1】特開2008−93015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のパチンコ機では、特別な演出を実行させるために、秘匿される操作有効期間において、操作ボタンの必要操作回数は、予め決められていた。このため、必要操作回数が分かっていれば、いつ達成できるかが分かってしまい、特別な演出が実行された際に、遊技者を驚かすことができない虞があった。その一方、多くの種類の必要操作回数を用意すると記憶容量が大きくなるという問題があった。さらに、報知されていない操作有効期間において、必要操作回数に達するまで操作ボタンを押しても何も起きないということとなれば、操作ボタンを押させ続けることができない虞もあった。
【0005】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、操作有効期間が報知されていない期間において、演出用操作手段を操作した遊技者の期待に応えつつ、驚かすことができ、遊技者の興趣を高めることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームの表示結果が予め定めた大当り表示結果になったことを契機に大当り遊技が行われる遊技機において、遊技者に操作される演出用操作手段と、大当りとなるか否かを判定する大当り判定手段の判定結果に基づき、前記図柄変動ゲームの演出内容を特定可能な演出パターンを複数種類の演出パターンの中から選択決定する演出パターン決定手段と、前記演出パターン決定手段により決定された演出パターンに基づいて、図柄変動ゲームを実行させる演出制御手段と、前記演出用操作手段の操作を有効とするとともに、操作が有効であると報知される第1操作有効期間を設定する第1有効期間設定手段と、前記演出用操作手段の操作を有効とする第2操作有効期間を秘匿状態で設定する第2有効期間設定手段と、所定の特別演出を実行させるために必要な演出用操作手段の必要操作回数を設定する回数設定手段と、前記第2操作有効期間内における前記演出用操作手段の操作回数を記憶する操作回数記憶手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記第1操作有効期間中、前記演出用操作手段が操作されると複数種類の遊技演出のうち予め定められた第1演出を演出実行手段に実行させ、前記第2操作有効期間中、前記演出用操作手段が操作された場合であって、前記操作回数記憶手段が記憶した操作回数が前記必要操作回数に達していない場合には、前記第1演出とは異なる第2演出を演出実行手段に実行させる一方、前記操作回数記憶手段が記憶した操作回数が前記必要操作回数に達した場合には、前記第2演出の代わりに前記特別演出を実行させるよう構成されており、前記第1有効期間設定手段は、前記演出パターン決定手段により決定された演出パターンに基づき、1回の図柄変動ゲーム中に前記第1操作有効期間を設定するように構成され、前記第2有効期間設定手段は、前記第2操作有効期間の少なくとも一部を前記第1操作有効期間内に設定するように構成されており、前記第1有効期間設定手段及び前記第2有効期間設定手段は、前記第1操作有効期間中に前記演出用操作手段が操作された場合、前記演出用操作手段の操作に応じて実行される前記第1演出を構成する遊技演出の実行中、前記演出用操作手段の操作を無効とする操作無効期間を設定することを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記演出制御手段は、前記第2操作有効期間中、前記演出用操作手段が操作される毎に、同じ演出内容の前記第2演出を繰り返し実行させることを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記演出制御手段は、前記第2操作有効期間中、前記演出用操作手段が操作された場合であって、前記操作回数記憶手段が記憶した操作回数が前記必要操作回数に達していない場合には、前記演出パターン決定手段により決定された演出パターンに応じた第2演出を演出実行手段に実行させる一方、前記操作回数記憶手段が記憶した操作回数が前記必要操作回数に達した場合には、前記演出パターン決定手段により決定された演出パターンに応じた前記特別演出を実行させることを要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、操作有効期間が報知されていない期間において、演出用操作手段を操作した遊技者の期待に応えつつ、驚かすことができ、遊技者の興趣を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図13に基づいて説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を保護するための保護ガラスが装着されるガラス枠を備えた前枠14と、上球皿15がそれぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、発光体(LED、ランプなど)の発光(点灯(点滅))により、発光演出を実行する演出実行手段としての装飾ランプ16が設けられている。外枠11の下部には、各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出を行う演出実行手段としてのスピーカ17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。そして、遊技者が発射装置19を操作して、該発射装置19を駆動させることにより、上球皿15内の遊技球が遊技盤13の遊技領域13aへ発射されるようになっている。
【0011】
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、7セグメント型の演出実行手段としての特図表示器H1と、液晶ディスプレイ型の演出実行手段としての可変表示器H2を備えたセンター役物20が配設されている。図2に示すように、特図表示器H1はセンター役物20の下部に設けられているとともに、可変表示器H2はセンター役物20の中央に設けられている。特図表示器H1では、複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。可変表示器H2では、特図表示器H1で行われる図柄変動ゲームに係わる表示演出が行われるようになっている。具体的には、可変表示器H2では、変動画像(又は画像表示)に基づく表示演出が行われるとともに、複数種類の図柄を複数列で変動させて図柄組み合わせを表示する図柄変動ゲーム(以下、図柄組み合わせゲームと示す場合がある)が行われる。
【0012】
そして、図柄変動ゲームにおいて特図表示器H1では、複数種類の特別図柄(以下、「特図」と示す場合がある)を1列で変動させて特図を表示する。この特図は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。一方、図柄変動ゲームに係わる表示演出において可変表示器H2では、複数種類の飾り図柄(以下、「飾図」と示す場合がある)を複数列(本実施形態では3列)で変動させて各列毎に飾図を表示する。この飾図は、表示演出を多様化するために用いられる演出用の図柄である。
【0013】
そして、特図表示器H1では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄の変動表示が開始され、該ゲームの終了と同時に特図が確定停止表示される。また、可変表示器H2では、図柄変動ゲームの開始により同時に飾図の変動表示が開始され、該ゲーム終了前に飾図がゆれ変動状態で一旦停止表示され、該ゲームの終了と同時に各列の飾図が確定停止表示される。「変動表示」とは、図柄を表示する表示器に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態であり、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。なお、特図表示器H1と可変表示器H2では、同時に図柄変動ゲームと図柄変動ゲームに係わる表示演出が開始され、同時に終了する(すなわち、同時に特図と飾図が確定停止表示される)。
【0014】
本実施形態において特図表示器H1には、[0]〜[9]の数字と、[−]の図柄が特図として表示されるようになっている。特図表示器H1に最終的に表示(確定停止表示)された図柄が[0]〜[9]の数字の場合、その図柄から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄が、特図における大当り図柄(大当り表示結果)となる。一方、特図表示器H1に確定表示された図柄が[−]の場合、その図柄からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄が、特図におけるはずれ図柄(はずれ表示結果)となる。
【0015】
また、本実施形態において可変表示器H2には、各列毎に[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]の8種類の数字が飾図として表示されるようになっている。そして、本実施形態において可変表示器H2は、特図表示器H1に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、可変表示器H2に停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。可変表示器H2に停止表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾図による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、可変表示器H2に確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)となる。
【0016】
また、本実施形態において、可変表示器H2における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾図が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾図が変動を開始すると)、可変表示器H2において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾図が停止表示されるようになっている。そして、停止表示された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾図が同一種類となって停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾図が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾図によるリーチの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ機10では、図柄変動ゲームの開始後、最初に飾図を停止表示させる左列が第1停止表示列になるとともに、次に飾図を停止表示させる右列が第2停止表示列になり、さらに最後に飾図を停止表示させる中列が第3停止表示列となる。
【0017】
また、可変表示器H2には、特図表示器H1の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。より詳しくは、特図表示器H1の特図による図柄と、可変表示器H2の飾図による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特図による図柄と飾図による図柄組み合わせが対応して確定停止表示されるようになっている。例えば、特図表示器H1に[0]の大当り図柄が確定停止表示される場合には、可変表示器H2にも[222]や[444]などの大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、特図表示領域H1に[−]のはずれ図柄が停止表示される場合には、可変表示器H2にも[121]や[345]などのはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。なお、特図に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特図に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
【0018】
以上のように、本実施形態の可変表示器H2では、特図表示器H1で行われる図柄変動ゲーム(1列の図柄を変動表示させる図柄変動ゲーム)に係わる表示演出(3列の図柄を変動表示させて図柄の組み合わせを表示させる図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。
【0019】
また、センター役物20の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根21を備えた始動入賞口22が配設されている。始動入賞口22の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1(図3に示す)が設けられている。始動入賞口22は、遊技球の入賞検知を契機に、図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。また、始動入賞口22の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉24を備えた大入賞口23が配設されている。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉24の開動作によって大入賞口23が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得る場合がある。なお、本実施形態の大入賞口扉24及び大入賞口23は、特別入賞装置(大入賞口装置)を構成する。また、始動口センサSE1及び始動入賞口22により入賞検知手段を構成する。
【0020】
また、本実施形態のパチンコ機10は、始動入賞口22へ遊技球が入賞した場合、その入賞した遊技球の個数を記憶し、始動保留球の記憶数(保留記憶数)として機内部(主制御基板30のRAM30c)で記憶されるようになっている。図柄変動ゲームが行われている場合に累積された保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。保留記憶数は、始動入賞口22に遊技球が入賞することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口22へ遊技球が入賞すると、保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。そして、図2に示すように、センター役物20の右下部には、保留記憶数に基づく保留中の図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知するための保留記憶数表示部Rが配設されている。
【0021】
保留記憶数表示部Rは、保留ランプR1、保留ランプR2、保留ランプR3及び保留ランプR4からなる複数(本実施形態では4個)のLEDからなる発光手段によって構成されている。前記各保留ランプR1〜R4の点灯個数により、保留中の図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知している。例えば、保留ランプR1のみが点灯している場合には1回の図柄変動ゲームが保留中であることを示し、保留ランプR1〜R4の全てが点灯している場合には4回の図柄変動ゲームが保留中であることを示している。
【0022】
また、可変表示器H2は、図2に示すように、その表示領域下方(変動表示する図柄と重ならない位置)において、保留ランプR1〜R4の点灯個数に相当する数の保留球表示Lを表示するようになっている。この保留球表示Lは、保留ランプR1〜R4の点灯個数に対応しており、保留ランプR1のみが点灯している場合には1つの保留球表示L1のみが表示されるようになっており、保留ランプR1〜R4の全てが点灯している場合には保留球表示L1〜L4が表示されるようになっている。従って、遊技者は、保留球表示Lの数から保留記憶数を把握することができる。
【0023】
また、大当り遊技は、図柄変動ゲームにて各表示器H1,H2に大当り図柄が停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が所定の演出時間(本実施形態では、10秒)行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口23が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では16ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口23が開放されてから閉鎖されるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口23は、規定入賞個数(本実施形態では10個)の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間(本実施形態では25秒)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、可変表示器H2において、ラウンド演出が行われる。また、ラウンド遊技の間では、インターバル演出が所定時間実行される。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が所定の演出時間(本実施形態では10秒)行われ、大当り遊技は終了される。
【0024】
また、本実施形態のパチンコ機10の上球皿15の前面側略中央には、遊技中に遊技者の操作が許容される演出用操作手段としての押し釦式の演出ボタン25が設けられている(図1及び図3参照)。この演出ボタン25が押下操作(操作)されると、演出ボタン25は、統括制御基板31(統括CPU31a)に演出ボタン25が操作されたことを示す検知信号を出力する。
【0025】
次に、パチンコ機10の制御構成について図3に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、パチンコ機10全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と、表示制御基板32と、ランプ制御基板33と、音声制御基板34とが装着されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、可変表示器H2の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、ランプ制御基板33は主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、装飾ランプ16の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。また、音声制御基板34は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、スピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
【0026】
以下、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32について、その具体的な構成を説明する。
前記主制御基板30には、メインCPU30aが備えられている。該メインCPU30aには、ROM30b及びRAM30cが接続されている。また、メインCPU30aには、始動入賞口22に入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1が接続されている。また、メインCPU30aには、特図表示器H1が接続されている。また、メインCPU30aには、保留記憶数表示部Rが接続されている。また、メインCPU30aは、大当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM30cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
【0027】
ROM30bには、パチンコ機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、ROM30bには、複数種類の変動パターンP1〜P5が記憶されている。変動パターンP1〜P5は、図柄(特図及び飾図)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、特図が変動開始してから特図が確定停止表示されるまでの間の図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定することができる。
【0028】
また、変動パターンは、大当り演出用の変動パターンP1〜P2と、はずれリーチ演出用の変動パターンP3〜P4と、はずれ演出用の変動パターンP5に分類することができる。そして、大当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、センター役物20の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、大当りの図柄組み合わせ、又ははずれの図柄組み合わせが導出される迄の間に行われる演出である。
【0029】
本実施形態において、大当り演出用の変動パターンP1〜P2及びはずれリーチ演出用の変動パターンP3〜P4に基づく図柄変動ゲームでは、2種類のリーチ演出N,Sのうち、いずれかのリーチ演出が行われるようになっている。例えば、リーチ演出Nは、飾図によるリーチの図柄組み合わせが表示された後、残り1列(本実施形態では、中列)を変動させて飾図を導出する演出内容でリーチ演出が行われるようになっている(ノーマルリーチ演出とも言う)。また、リーチ演出Sは、残り1列の飾図の変動中又は一旦表示した後、例えば、特定のキャラクタが登場し、登場キャラクタの名称で呼ばれる「○○○リーチ」へ移行(発展)して飾り図柄を導出する演出内容でリーチ演出が行われるようになっている(スーパーリーチ演出とも言う)。本実施形態では、リーチ演出N(ノーマルリーチ演出)が通常のリーチ演出となり、リーチ演出S(スーパーリーチ演出)が段階的に発展するリーチ演出となる。
【0030】
そして、本実施形態では、リーチ演出の種類に応じて、大当り遊技状態が付与される割合(大当り信頼度又は大当り期待度)を異ならせている。より詳しく言えば、リーチ演出Nよりリーチ演出Sの方が、大当り遊技状態が付与される割合が高くなるように設定されている。これは、リーチ演出Nよりリーチ演出Sの方が、大当り遊技状態が付与される期待度(可能性)が高まることを示している。大当り遊技状態が付与される割合は、各リーチ演出が行われる変動パターンを大当り演出用とはずれリーチ演出用に振り分ける際の振り分け態様に応じて決定される。即ち、リーチ演出の大当り遊技状態が付与される割合を高くするためには、当該リーチ演出が図柄変動ゲームにおいて出現する割合(大当りの場合とはずれリーチの場合に出現する全体の割合)に対して、大当りの場合に当該リーチ演出が出現する割合を高めると共にはずれリーチの場合に当該リーチ演出が出現する割合を低める(又はいずれか一方を行う)ように変動パターンを振り分ければよい。このように大当り遊技状態が付与される割合を異ならせることにより、リーチの図柄組み合わせが表示され、リーチ演出が行われた場合には、当該リーチ演出の種類に応じて遊技者が抱く大当りへの期待感を変化させることができる。なお、本実施形態では、図4に示すように変動パターンP1,P3に基づく図柄変動ゲームにて、リーチ演出Nが実行されるようになっており、変動パターンP2,P4にてリーチ演出Sが実行されるようになっている。
【0031】
また、ROM30bには、大当り遊技における演出パターンが、オープニング演出用、ラウンド演出用、エンディング演出用に分類されて記憶されている。前記ラウンド演出は、実行されているラウンド遊技が何ラウンド目かを示す演出である。
【0032】
また、ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。また、RAM30cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(各種乱数の値など)が記憶されるようになっている。例えば、RAM30cには、大当り決定時に大当り図柄となる特図(本実施形態では[0]〜[9])の種類を決定する際に用いる特図振分用乱数が記憶されている。この特図振分用乱数は、メインCPU30aによって所定の周期毎に順次更新される乱数であり、メインCPU30aは、更新後の値をRAM30cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。また、特図振分用乱数は、各大当り図柄に所定個数ずつ振り分けられている。
【0033】
次に、図3に基づき統括制御基板31について説明する。
統括制御基板31には、統括CPU31aが備えられている。該統括CPU31aには、ROM31b及びRAM31cが接続されている。また、統括CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM31cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、ROM31bには、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。また、統括制御基板31(統括CPU31a)には、演出ボタン25が接続されており、演出ボタン25から演出ボタン25が操作されたことを示す検知信号が入力されるようになっている。
【0034】
次に、図3に基づき表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32には、サブCPU32aが備えられている。該サブCPU32aには、ROM32b及びRAM32cが接続されている。また、表示制御基板32(サブCPU32a)には、可変表示器H2が接続されている。ROM32bには、可変表示器H2の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、ROM32bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、RAM32cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
【0035】
次に、メインCPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する入賞処理や変動パターン決定処理などの各種処理について説明する。まず、入賞処理について図5に基づき説明する。
【0036】
メインCPU30aは、所定時間間隔で遊技球の入賞検知がなされたか否かを判定する(ステップS11)。つまり、メインCPU30aは、始動入賞口22及び始動口センサSE1によって構成される始動入賞装置が出力する検知信号を入力したか否かを判定する。この判定結果が否定の場合(入賞検知なしの場合)、メインCPU30aは、入賞処理を終了する。一方、判定結果が肯定の場合(入賞検知ありの場合)、メインCPU30aは、RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(ステップS12)。この判定結果が否定の場合(保留記憶数=4の場合)、メインCPU30aは、入賞処理を終了する。
【0037】
一方、この判定結果が肯定の場合(保留記憶数<4の場合)、メインCPU30aは、RAM30cに記憶されている保留記憶数に「1」加算(+1)し、保留記憶数を書き換える(ステップS13)。また、メインCPU30aは、書き換え後の保留記憶数を指定する保留記憶数指示コマンドを、統括制御基板31を介して表示制御基板32に出力する。表示制御基板32のサブCPU32aは、当該保留記憶数指示コマンドを入力すると、保留記憶数指示コマンドにより指定された保留記憶数に対応する数の保留球表示Lを表示する。また、メインCPU30aは、書き換え後の保留記憶数に対応させて保留ランプR1〜R4を点灯させる。
【0038】
続いて、メインCPU30aは、大当り判定用乱数の値をRAM30cから読み出して取得し、当該読み出した大当り判定用乱数の値を保留記憶数に対応付けられたRAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS14)。また、メインCPU30aは、特図振分用乱数の値をRAM30cから取得し、当該読み出した特図振分用乱数の値を保留記憶数に対応付けられたRAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS14)。なお、大当り判定用乱数及び特図振分用乱数は、メインCPU30aによって所定の周期毎に順次更新される乱数であり、メインCPU30aは、更新後の値をRAM30cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。そして、メインCPU30aは、入賞処理を終了する。
【0039】
次に、変動パターン決定処理について図6に基づき説明する。
メインCPU30aは、図柄(特図及び飾図)が変動表示中であるか否か及び特別遊技(大当り遊技)中であるか否か判定する(ステップS21)。ステップS21の判定結果が肯定の場合(図柄変動ゲーム中である又は大当り遊技中である場合)、メインCPU30aは、変動パターン決定処理を終了する。一方、ステップS21の判定結果が否定の場合(図柄変動ゲーム中でなく、大当り遊技中でない場合)、メインCPU30aは、所定時間間隔で保留記憶数が「0」よりも大きいか否か判定する(ステップS22)。ステップS22の判定結果が否定の場合(保留記憶数=0の場合)、保留中の図柄変動ゲームが存在しないので、メインCPU30aは、変動パターン決定処理を終了する。
【0040】
一方、ステップS22の判定結果が肯定の場合(保留記憶数>0の場合)、メインCPU30aは、保留記憶数に対応付けられてRAM30cに記憶されている大当り判定用乱数の値及び特図振分乱数を取得する。そして、メインCPU30aは、取得した大当り判定用乱数がROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う(ステップS23)。なお、本実施形態において、大当り判定の判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、1/315としている。また、メインCPU30aは、保留記憶数を「1」減算(−1)した後に、当該保留記憶数に対応付けられて記憶されている大当り判定用乱数及び特図振分用乱数の値を取得するようになっている。また、メインCPU30aは、保留記憶数を「1」減算して書き換えると、書き換え後の保留記憶数を指定する保留記憶数指示コマンドを、統括制御基板31を介して表示制御基板32に出力する。表示制御基板32のサブCPU32aは、当該保留記憶数指示コマンドを入力すると、保留記憶数指示コマンドにより指定された保留記憶数に対応する数の保留球表示Lを表示する。また、メインCPU30aは、書き換え後の保留記憶数に対応させて保留ランプR1〜R4を点灯させる。
【0041】
大当り判定の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、メインCPU30aは、保留記憶数に対応付けられてRAM30cに記憶されていた特図振分用乱数の値に基づき、特図による大当り図柄の中から特図表示器H1にて確定停止表示される最終停止図柄を決定する(ステップS24)。なお、本実施形態では、特図による大当り図柄は、[0]〜[9]のいずれかであり、メインCPU30aは、これらの中から特図振分用乱数の値に基づき、特図を決定する。
【0042】
その後、メインCPU30aは、決定した大当り図柄に基づき、大当り演出用の変動パターンP1,P2の中から変動パターンを決定する(ステップS25)。変動パターン及び最終停止図柄を決定したメインCPU30aは、統括制御基板31(サブCPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、図柄変動ゲームに関する各種処理を実行する(ステップS26)。具体的に言えば、メインCPU30aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。同時に、メインCPU30aは、特図を変動開始させるように特図表示器H1の表示内容を制御する。メインCPU30aは、最終停止図柄を指定するための特別図柄指定コマンドを出力する。そして、メインCPU30aは、変動パターン決定処理を終了する。
【0043】
その後、変動パターン決定処理とは別の処理において、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特図表示器H1の表示内容を制御する。メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0044】
一方、ステップS23の大当り判定の判定結果が否定の場合(大当りでないの場合)、メインCPU30aは、リーチ演出を行う否かを判定するリーチ判定を行う(ステップS27)。本実施形態では、リーチ判定の判定結果が肯定となる確率(リーチ演出を行う確率)は、図柄変動ゲーム開始時において保留記憶数が所定値(本実施形態では2)以下である場合には、1/12とし、所定値より大きい場合には1/30としている。従って、保留記憶数が大きい場合(保留となっている図柄変動ゲームが多い場合)には、図柄変動ゲームがはずれとなるリーチ演出が実行される確率が低くなり、相対的にリーチ演出の大当り信頼度が高くなる。
【0045】
ステップS27のリーチ判定の判定結果が肯定の場合(リーチ演出を行う場合)、メインCPU30aは、はずれを示す特図[−]を最終停止図柄として決定する(ステップS28)。そして、メインCPU30aは、はずれリーチ演出用の変動パターンP3,P4の中から変動パターンを決定する(ステップS29)。その後、メインCPU30aは、ステップS26の処理を実行し、変動パターン決定処理を終了する。その後、変動パターン決定処理とは別の処理において、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特図表示器H1の表示内容を制御する。メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0046】
一方、ステップS27のリーチ判定の判定結果が否定の場合(リーチ演出を行わない場合)、メインCPU30aは、はずれを示す特図[−]を最終停止図柄として決定する(ステップS30)。そして、メインCPU30aは、はずれ演出用の変動パターンP5を決定する(ステップS31)。その後、メインCPU30aは、ステップS26の処理を実行し、変動パターン決定処理を終了する。その後、変動パターン決定処理とは別の処理において、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特図表示器H1の表示内容を制御する。メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0047】
そして、メインCPU30aは、大当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、大当りとなったときの大当り遊技の制御を開始し、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、メインCPU30aは、最初に、オープニング演出における演出パターンを指定するオープニングコマンドを出力する。次に、メインCPU30aは、各ラウンド遊技の開始時に、各ラウンド演出における演出パターンを指定するラウンド開始コマンドを出力する。その際、メインCPU30aは、ラウンド遊技毎に大入賞口扉24を開放させ、所定時間経過後又は規定入賞個数の遊技球が大入賞口23に入賞した後、大入賞口扉24を閉鎖させる。そして、メインCPU30aは、各ラウンド演出の終了及びラウンド遊技間のインターバル演出を通知するラウンド閉鎖コマンドを出力する。このラウンド遊技をメインCPU30aは、16ラウンドのラウンド遊技を繰り返し実行させる。そして、メインCPU30aは、最終ラウンドの終了時に、エンディング演出における演出パターンを指定するエンディングコマンドを出力して、大当り遊技を終了させる。
【0048】
以上のように、本実施形態のメインCPU30aは、大当りとなるか否かを判定する大当り判定手段となる。また、メインCPU30aは、演出パターンを選択する演出パターン決定手段となる。
【0049】
次に、統括制御基板31の統括CPU31aが統括制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。メインCPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、統括CPU31aは、それに応じて所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、統括CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドを各制御基板32〜34に出力する。また、統括CPU31aは、オープニングコマンド、ラウンド開始コマンド、ラウンド閉鎖コマンド、エンディングコマンドを中継するようになっている。
【0050】
また、統括CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン及び特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄に基づき、可変表示器H2に表示させる飾り図柄による図柄組み合わせを決定する。
【0051】
より詳しくは、統括CPU31aは、指定された最終停止図柄が、大当り図柄[0]〜[9]の場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、全列の図柄を同一種類にして大当りを認識し得る大当りの図柄組み合わせを決定する。また、統括CPU31aは、指定された最終停止図柄がはずれ図柄の場合であってはずれリーチ演出用の変動パターンP3,P4が指定された場合、はずれリーチの図柄組み合わせを決定する。また、統括CPU31aは、指定された最終停止図柄がはずれ図柄の場合であってはずれ演出用の変動パターンP5が指定された場合、左右の図柄が異なるはずれの図柄組み合わせを決定する。そして、統括CPU31aは、決定した各列の飾り図柄を指定する飾り図柄指定コマンドを表示制御基板32に出力する。また、メインCPU30aは、全図柄停止コマンドを入力すると、当該コマンドを表示制御基板32に出力する。
【0052】
次に、表示制御基板32のサブCPU32aが表示制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
サブCPU32aは、統括制御基板31(統括CPU31a)から制御コマンドを入力すると、表示制御プログラムに基づき、入力した制御コマンドに応じた制御を行う。具体的には、サブCPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンで飾り図柄を変動表示させて図柄組み合わせゲームを開始させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。そして、サブCPU32aは、全図柄停止コマンドを入力すると、入力した飾り図柄指定コマンドで指定された図柄組み合わせを可変表示器H2に表示させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。この制御により、可変表示器H2では図柄変動ゲームが行われる。
【0053】
また、サブCPU32aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。また、サブCPU32aは、ラウンド開始コマンドを入力すると、ラウンド演出を実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。また、サブCPU32aは、ラウンド閉鎖コマンドを入力すると、インターバル演出を実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。また、サブCPU32aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出を実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。これにより、可変表示器H2では、オープニング演出、ラウンド演出、インターバル演出、エンディング演出がそれぞれ実行される。
【0054】
そして、本実施形態では、図柄変動ゲーム中、所定のタイミングで演出ボタン25を操作することにより、所定の遊技演出を実行させることができるようになっている。以下、詳しく説明する。
【0055】
図柄変動ゲーム中、リーチ演出が実行されたときに、変動パターンにより予め決められた所定のタイミングで可変表示器H2には、「Push」等の文字列などを表示する報知演出が行われ(図7(a)参照)、演出ボタン25の操作が有効である第1操作有効期間であることを示すと共に、操作を促すようになっている。そして、この第1操作有効期間中に演出ボタン25が操作されると、所定の表示画像が表示される第1演出が行われる(図7(b)〜図7(c)参照)。本実施形態では、図柄変動ゲーム中に第1操作有効期間が複数設けられ、各第1操作有効期間において演出ボタン25が操作される毎に段階的に表示画像が表示される第1演出が実行されるようになっている。例えば、図7(b)においては、中央に表示された雷を模した絵柄が操作毎に表示されたり、段階的に表示されたり、表示される毎に色彩が変化したりするようになっている。
【0056】
また、図柄変動ゲーム中、保留記憶数を示す保留球表示が可変表示器H2の表示領域の下方に表示されているとき(図8(a)参照)、変動パターンにより予め決められた所定の第2操作有効期間中に操作することにより、保留球表示が変化して表示される第2演出を実行するようになっている(図8(b)〜図8(c)参照)。なお、第2操作有効期間は、報知演出などにより報知されないようになっている。また、第2操作有効期間として変動パターンにより決められていたとしても、第1操作有効期間にて演出ボタン25が操作され、第1演出の実行中であるときには、第2演出を実行させるための演出ボタン25の操作が無効となり、新たな第2演出の実行が規制されるようになっている。また、第2演出の実行回数が予め決められた所定回数となると、第2演出の代わりに特別演出が実行されるようになっている(図8(d)〜図8(f)参照)。
【0057】
以下、演出ボタン25の操作に応じた遊技演出を実行させるための制御について説明する。まず、操作有効期間を設定するための設定処理について図9に基づき説明する。この設定処理は、図柄変動ゲーム中、所定周期毎に統括CPU31aにより繰り返し実行されるようになっている。
【0058】
設定処理を実行すると、まず、統括CPU31aは、第1操作有効期間中であることを示す第1期間フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS101)。ステップS101の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、指定された変動パターンに基づき、図柄変動ゲーム開始時からの経過時間が、変動パターンに予め定められた第1操作有効期間の開始に至ったか否かを判定する(ステップS102)。ステップS102の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、第1操作有効期間中であることを示すように第1期間フラグに「1」を設定する(ステップS103)。また、その際、統括CPU31aは、第1操作有効期間が開始したことを示す報知演出を実行させる報知演出指定コマンドを表示制御基板32に出力する。これにより、可変表示器H2は、報知演出を実行する。
【0059】
一方、ステップS101の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、指定された変動パターンに基づき、図柄変動ゲーム開始時からの経過時間が、変動パターンに予め定められた第1操作有効期間の終了に至ったか否かを判定する(ステップS104)。ステップS104の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、第1操作有効期間中でないことを示すように第1期間フラグに「0」を設定する(ステップS105)。
【0060】
なお、本実施形態において、第1操作有効期間は、変動パターンに応じて0回〜2回の間で設定されるようになっている。具体的には、リーチ演出Nを伴う変動パターンP1,P3に基づく図柄変動ゲーム(すなわち、大当り信頼度が低い図柄変動ゲーム)中には、図4に示すように、図柄変動ゲーム開始後、15秒〜20秒の間に、1回目の第1操作有効期間が設定されるようになっている。一方、リーチ演出Sを伴う変動パターンP2,P4に基づく図柄変動ゲーム(すなわち、大当り信頼度が高い図柄変動ゲーム)中には、図4に示すように、図柄変動ゲーム開始後、15秒〜20秒の間に1回目の第1操作有効期間が、30秒〜35秒の間に2回目の第1操作有効期間が設定されるようになっている。また、リーチ演出を伴わない変動パターンP5に基づく図柄変動ゲーム(すなわち、大当り信頼度が極めて低い図柄変動ゲーム)中には、第1操作有効期間が設定されないようになっている。従って、遊技者は、第1演出の実行回数によって図柄変動ゲームの大当り信頼度を認識することができる。また、遊技者は、第1演出の有無によってリーチ演出の有無を認識することができる。また、遊技者は、第1演出の実行回数によってリーチ演出N,Sのいずれかが実行されるかを認識することができる。
【0061】
そして、ステップS102の判定結果が否定の場合、又はステップS103の処理を終了した場合、又はステップS104の判定結果が否定の場合、又はステップS105の処理が終了した場合、統括CPU31aは、第2操作有効期間中であることを示す第2期間フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS106)。
【0062】
ステップS106の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、指定された変動パターンに基づき、図柄変動ゲーム開始時からの経過時間が、変動パターンに予め定められた第2操作有効期間の開始に至ったか否かを判定する(ステップS107)。ステップS107の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、第2操作有効期間中であることを示すように第2期間フラグに「1」を設定し(ステップS108)、設定処理を終了する。また、ステップS107の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、そのまま設定処理を終了する。
【0063】
一方、ステップS106の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、指定された変動パターンに基づき、図柄変動ゲーム開始時からの経過時間が、変動パターンに予め定められた第2操作有効期間の終了に至ったか否かを判定する(ステップS109)。ステップS109の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、第2操作有効期間中でないことを示すように第2期間フラグに「0」を設定し(ステップS110)、その後設定処理を終了する。また、ステップS109の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、そのまま設定処理を終了する。このように、統括CPU31aは、第1操作有効期間が開始された場合には、報知演出を実行して第1操作有効期間中であることを示す一方、第2操作有効期間が開始されても特に報知を行わず、第2操作有効期間であることを秘匿している。
【0064】
なお、本実施形態において、第2操作有効期間は、変動パターンによって長さは異なっている。具体的には、図4に示すように、変動パターンP1,P3に基づく図柄変動ゲーム中には、図柄変動ゲーム開始後、5秒〜25秒の間に、第2操作有効期間が設定される。一方、変動パターンP2,P4に基づく図柄変動ゲーム中には、図4に示すように、図柄変動ゲーム開始後、5秒〜40秒の間に第2操作有効期間が設定される。そして、変動パターンP5に基づく図柄変動ゲーム中には、図4に示すように、図柄変動ゲーム開始後、5秒〜10秒の間に第2操作有効期間が設定される。また、本実施形態では、第2操作有効期間の方が、図4に示すように、第1操作有効期間よりも期間が長く設定されており、第2操作有効期間中に第1操作有効期間が設定されるようになっている。すなわち、操作有効期間が被っている。
【0065】
次に、演出ボタン25が操作された際の演出処理について図10に基づき説明する。この演出処理は、統括CPU31aにより所定周期毎に実行される。
統括CPU31aは、演出ボタン25から操作されたことを示す検知信号を入力したか否かを判定する(ステップS201)。ステップS201の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、演出処理を終了する。一方、ステップS201の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、第1演出が実行中であるか否かを判定する(ステップS202)。この判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、演出処理を終了する。なお、本実施形態における第1演出の実行時間は、5秒とし(第1操作有効期間の長さと同じ時間)、第2演出の実行時間は、1秒としている。
【0066】
一方、ステップS202の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、第1操作有効期間であることを示す第1期間フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS203)。ステップS203の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、図柄変動ゲーム開始からの第1演出の実行回数及び変動パターンに基づき、第1演出の演出内容を特定する第1演出パターンを決定する(ステップS204)。
【0067】
第1演出は、変動パターンP1,P3が指定された場合には、図柄変動ゲーム中最大1回実行される一方、変動パターンP2,P4が指定された場合には、図柄変動ゲーム中最大2回実行されるようになっている。統括CPU31aは、統括制御基板31のRAM31cから第1演出の実行回数を読み出し、図柄変動ゲームが開始されてから第1演出が実行されていない場合、ステップS204において、最初の第1演出を指定する第1演出パターンPa1を決定する。一方、統括CPU31aは、図柄変動ゲームが開始されてから第1演出が1回実行された場合、ステップS204において、2回目の第1演出を指定する第1演出パターンPa2を決定するようになっている。従って、第1演出の実行回数から大当り信頼度を知ることができるようになっている。
【0068】
統括CPU31aは、第1演出パターンを決定すると、当該第1演出パターンを指示すると共に、第1演出の実行を指示する第1演出指定コマンドを表示制御基板32に出力する(ステップS205)。表示制御基板32のサブCPU32aは、当該第1演出指示コマンドを入力すると、第1演出指示コマンドにより指定された第1演出パターンに基づき、第1演出を実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。これにより、可変表示器H2は、第1演出を実行することとなる。
【0069】
ステップS203の判定結果が否定の場合、又はステップS205の処理が終了した場合、統括CPU31aは、第2操作有効期間であることを示す第2期間フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS206)。ステップS206の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、図柄変動ゲーム開始からいままで第2操作有効期間中に演出ボタン25が有効に操作された操作回数(すなわち、第2操作有効期間中に演出ボタン25が有効に操作されて、第2演出が実行された回数)に1加算して更新する(ステップS207)。そして、統括CPU31aは、加算後の操作回数が予め決められた必要操作回数に達したか否かを判定する(ステップS208)。
【0070】
前記必要操作回数は、変動パターンP1〜P5に基づく図柄変動ゲーム開始時において、統括CPU31aにより乱数抽選により決定される。なお、統括CPU31aは、図11に示すように、変動パターンP1〜P5に基づく図柄変動ゲーム開始時において、必要操作回数として、「15回」を3/59の確率で、「20回」を5/59の確率で、「23回」を8/59の確率で決定する。また、統括CPU31aは、変動パターンP1〜P5に基づく図柄変動ゲーム開始時において、必要操作回数として、「25回」を16/59の確率で、「35回」を11/59の確率で、「45回」を9/59の確率で、「55回」を7/59の確率で決定するようになっている。
【0071】
ステップS208の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、変動パターンに基づき、第2演出の演出内容を特定するための第2演出パターンを決定する(ステップS209)。本実施形態では、統括CPU31aは、大当り演出用又ははずれリーチ演出用の変動パターンP1〜P4が決定された場合には、第2演出パターンPb1を決定する一方、はずれ演出用の変動パターンP5が決定された場合には、第2演出パターンPb2を決定するようになっている。なお、本実施形態では、第2演出パターンPb1が決定された場合、第2演出において、保留球表示が「○」から、当該遊技機にて登場するキャラクタの顔を模した真顔(図8(b)参照)になって元に戻る演出が実行される。本実施形態では、第2演出パターンPb2が決定された場合、第2演出において、保留球表示が「○」から、当該遊技機にて登場するキャラクタの顔を模した笑顔(図8(c)参照)になって元に戻る演出が実行される。
【0072】
そして、統括CPU31aは、決定した第2演出パターンを通知すると共に、第2演出の実行を指示する第2演出指示コマンドを表示制御基板32に出力し(ステップS210)、演出処理を終了する。表示制御基板32のサブCPU32aは、当該第2演出指示コマンドを入力すると、第2演出指示コマンドにより指定された第2演出パターンに基づき、第2演出を実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。これにより、可変表示器H2は、第2演出を実行することとなる。
【0073】
一方、ステップS208の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、変動パターンに基づき、特別演出の演出内容を特定するための特別演出パターンを決定する(ステップS211)。特別演出パターンは、図12に示すように指定された変動パターン毎に、複数対応付けられており、各特別演出パターンに演出振分用乱数がそれぞれ複数振り分けられている。演出振分用乱数は、「0〜99」の全100通りの整数からなり、変動パターン毎に演出用振分用乱数の振り分け方が異なっている。例えば、変動パターンP3が指定された場合、特別演出パターンSP1に「0〜79」の演出振分用乱数が振り分けられ、特別演出パターンSP2に「80〜99」の演出振分用乱数が振り分けられている。従って、統括CPU31aは、変動パターンP3が指定された場合、特別演出パターンSP1を80/100の確率で決定し、特別演出パターンSP2を20/100の確率で決定するようになっている。同様に、変動パターンP2が指定された場合、特別演出パターンSP1に「0〜39」の演出振分用乱数が振り分けられ、特別演出パターンSP2に「40〜89」の演出振分用乱数が振り分けられ、特別演出パターンSP3に「90〜99」の演出振分用乱数が振り分けられている。従って、統括CPU31aは、変動パターンP2が指定された場合、特別演出パターンSP1を40/100の確率で決定し、特別演出パターンSP2を50/100の確率で決定し、特別演出パターンSP3を10/100の確率で決定するようになっている。
【0074】
図12に示すように、特別演出パターンSP2は、大当り信頼度が高いリーチ演出Sを伴う変動パターンP2,P4が決定されたときに高確率で決定されるようになっている。また、特別演出パターンSP3は、大当り演出用の変動パターンP1,P2が決定されたときのみ決定されるようになっている。従って、特別演出の演出内容から大当りの可能性が示唆されることとなる。なお、特別演出パターンSP1が決定された場合、特別演出において、保留球表示が「○」から「△」になり、図柄変動ゲーム終了後までそのまま表示され、ゲーム終了後に元に戻る演出が実行される(図8(d)参照)。また、特別演出パターンSP2が決定された場合、特別演出において、保留球表示が「○」から「◇」になり、図柄変動ゲーム終了後までそのまま表示され、ゲーム終了後に元に戻る演出が実行される(図8(e)参照)。また、特別演出パターンSP3が決定された場合、特別演出において、保留球表示が「○」から「☆」になり、図柄変動ゲーム終了後までそのまま表示され、ゲーム終了後に元に戻る演出が実行される(図8(f)参照)。
【0075】
ステップS211において、統括CPU31aは、特別演出パターンを決定すると、特別演出パターンを通知し、特別演出の実行を指示する特別演出指定コマンドを表示制御基板32に出力する(ステップS212)。そして、統括CPU31aは、演出処理を終了する。表示制御基板32のサブCPU32aは、当該特別演出指示コマンドを入力すると、特別演出指示コマンドにより指定された特別演出パターンに基づき、特別演出を実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。これにより、可変表示器H2は、特別演出を実行することとなる。
【0076】
このように、本実施形態の統括CPU31aは、ステップS202の判定結果が肯定の場合(第1演出実行中の場合)、その演出処理において、第2演出に関する処理(ステップS203以降の処理)を実行せずにそのまま終了する。これにより、統括CPU31aは、第1演出実行中であるならば、演出ボタン25が操作されたとしても無効とする。すなわち、統括CPU31aは、第1演出開始後、第1演出の演出時間に相当する時間、演出ボタン25の操作を無効とする操作無効期間を設定することとなる。これにより、第1演出が途中で中断することや、第1演出の実行途中に次の第1演出を実行させてしまうなどの異常を防止できる。その一方、統括CPU31aは、第2操作有効期間中に演出ボタン25が操作された場合には、第2演出の実行有無にかかわらず第2演出を最初から実行させるようになっている。また、統括CPU31aは、第1演出実行中であり、演出ボタン25の操作が無効とされた場合、操作回数に1を加算しない。これにより、遊技者が実際に演出ボタン25を操作した回数が必要操作回数に達していたとしても、特別演出が行われないこととなる。
【0077】
以上のことにより、本実施形態の統括CPU31aが、第1操作有効期間を設定する第1有効期間設定手段となる。また、統括CPU31aが、第2操作有効期間を設定する第2有効期間設定手段となる。また、統括CPU31aが、必要操作回数を設定する回数設定手段となる。また、RAM31cが、演出ボタン25の操作回数を記憶する操作回数記憶手段となる。そして、統括CPU31aと、サブCPU32aが、演出パターンに基づいて図柄変動ゲームを実行される演出制御手段となる。
【0078】
次に、遊技者が演出ボタン25を操作した回数と、特別演出の実行タイミングについて図13に基づき説明する。図13(a),(b)では、変動パターンP2が指定され、遊技者が、第2操作有効期間中に演出ボタン25を15回操作するものとして説明する。また、図13(a),(b)では、必要操作回数として「15回」が決定され、1回目の第1操作有効期間中に遊技者が演出ボタン25を1回操作し、2回目の第1操作有効期間中に演出ボタン25を1回操作するものとして説明する。
【0079】
図13(a),(b)に示すように、統括CPU31aは、図柄変動ゲーム開始後(時点A0)、指定された変動パターンP2に基づき、第2操作有効期間を設定する(時点A1)。ここで、第2操作有効期間開始から最初の第1操作有効期間が設定されるまでの間(時点A1〜時点A2)に、演出ボタン25が9回操作されるものとして説明する。統括CPU31aは、演出ボタン25が操作される毎に、操作回数に1加算してその値を更新すると共に、第2演出を実行させる。このため、第2操作有効期間開始から最初の第1操作有効期間が設定されるまでの間に、操作回数が9回となる。
【0080】
そして、図柄変動ゲーム開始から所定時間経過後、統括CPU31aは、変動パターンP2に基づき、1回目の第1操作有効期間を設定する(時点A2)。ここで前提より1回目の第1操作有効期間中、演出ボタン25が1回操作されるので、統括CPU31aは、第1演出と共に第2演出を実行させる。その際、統括CPU31aは、操作回数に1を加算して更新する。これにより、1回目の第1操作有効期間中(時点A2〜時点A3)に、操作回数が10回となる。
【0081】
ここで、1回目の第1操作有効期間終了後、2回目の第1操作有効期間が設定されるまで(時点A3〜時点A4)、演出ボタン25が2回操作されるものとして説明する。このため、統括CPU31aは、1回目の第1操作有効期間終了後、2回目の第1操作有効期間が設定されるまで、演出ボタン25が操作される毎に、第2演出を実行させ、また、実行させる毎に操作回数に1を加算していく。これにより、1回目の第1操作有効期間終了後、2回目の第1操作有効期間が設定されるまで(時点A3〜時点A4)に、操作回数が12回となる。
【0082】
そして、図柄変動ゲーム開始から所定時間経過後、統括CPU31aは、変動パターンP2に基づき、2回目の第1操作有効期間を設定する(時点A4)。ここで前提より第1操作有効期間中、演出ボタン25が1回操作されるので、統括CPU31aは、第1演出と共に第2演出を実行させる。その際、統括CPU31aは、操作回数に1を加算して更新する。これにより、2回目の第1操作有効期間中(時点A4〜時点A5)に、操作回数が13回となる。
【0083】
ここで、2回目の第1操作有効期間終了後、第2操作有効期間が終了するまでの間(時点A5〜時点A6)に、演出ボタン25が2回操作されるものとして説明する。このため、2回目の第1操作有効期間終了後、第2操作有効期間が終了するまでの間、演出ボタン25が1回操作された場合、統括CPU31aは、第2演出を実行させ、操作回数に1を加算して操作回数を14回に更新する。
【0084】
そして、当該第2演出終了後、第2操作有効期間が終了するまでの間に、演出ボタン25が2回目に操作された場合、統括CPU31aは、操作回数が必要操作回数(15回)に達するため、特別演出を実行させる。
【0085】
図13(c),(d)では、変動パターンP2が指定され、遊技者が、第2操作有効期間中に演出ボタン25を18回操作するものとして説明する。また、図13(c),(d)では、必要操作回数として「15回」が決定され、1回目の第1操作有効期間中に遊技者が演出ボタン25を2回操作し、2回目の第1操作有効期間中に演出ボタン25を3回操作するものとして説明する。
【0086】
図13(c),(d)に示すように、統括CPU31aは、図柄変動ゲーム開始後(時点B0)、指定された変動パターンP2に基づき、第2操作有効期間を設定する(時点B1)。ここで、第2操作有効期間開始から最初の第1操作有効期間が設定されるまでの間(時点B1〜時点B2)に、演出ボタン25が9回操作されるものとして説明する。統括CPU31aは、演出ボタン25が操作される毎に、操作回数に1加算してその値を更新すると共に、第2演出を実行させる。このため、第2操作有効期間開始から最初の第1操作有効期間が設定されるまでの間に、操作回数が9回となる。
【0087】
そして、図柄変動ゲーム開始から所定時間経過後、統括CPU31aは、変動パターンP2に基づき、1回目の第1操作有効期間を設定する(時点B2)。ここで前提より1回目の第1操作有効期間中、演出ボタン25が2回操作される。このため、統括CPU31aは、1回目の第1操作有効期間が設定されて、最初の演出ボタン25の操作に応じて、第1演出と共に第2演出を実行させる。その際、統括CPU31aは、操作回数に1を加算して更新する。これにより、1回目の第1操作有効期間中(時点A2〜時点A3)に、操作回数が10回となる。
【0088】
次に、統括CPU31aは、1回目の第1操作有効期間が設定されてから、2回目の演出ボタン25の操作がされた場合、第1演出の実行中であることから、当該操作を無効とする。すなわち、統括CPU31aは、2回目の演出ボタン25の操作がされた場合、第2演出を新たに実行させることなく、操作回数に1を加算して更新することもしない。従って、これにより、1回目の第1操作有効期間中(時点A2〜時点A3)において、操作回数は、10回のままとなる。
【0089】
ここで、1回目の第1操作有効期間終了後、2回目の第1操作有効期間が設定されるまで(時点B3〜時点B4)、演出ボタン25が2回操作されるものとして説明する。このため、統括CPU31aは、1回目の第1操作有効期間終了後、2回目の第1操作有効期間が設定されるまで、演出ボタン25が操作される毎に、第2演出を実行させ、また、実行させる毎に操作回数に1を加算していく。これにより、1回目の第1操作有効期間終了後、2回目の第1操作有効期間が設定されるまで(時点B3〜時点B4)に、操作回数が12回となる。
【0090】
そして、図柄変動ゲーム開始から所定時間経過後、統括CPU31aは、変動パターンP2に基づき、2回目の第1操作有効期間を設定する(時点B4)。ここで前提より第1操作有効期間中、演出ボタン25が3回操作される。
【0091】
このため、統括CPU31aは、2回目の第1操作有効期間が設定されて、最初の演出ボタン25の操作に応じて、第1演出と共に第2演出を実行させる。その際、統括CPU31aは、操作回数に1を加算して更新する。これにより、2回目の第1操作有効期間中(時点B4〜時点B5)に、操作回数が13回となる。
【0092】
次に、統括CPU31aは、2回目の第1操作有効期間が設定されてから、2回目の演出ボタン25の操作がされた場合、第1演出の実行中であることから、当該操作を無効とする。すなわち、統括CPU31aは、2回目の演出ボタン25の操作がされた場合、第2演出を新たに実行させることなく、操作回数に1を加算して更新することもしない。従って、これにより、2回目の第1操作有効期間中(時点B4〜時点B5)において、操作回数は、13回のままとなる。
【0093】
同様に、統括CPU31aは、2回目の第1操作有効期間が設定されてから、3回目の演出ボタン25の操作がされた場合、第1演出の実行中であることから、当該操作を無効とする。すなわち、統括CPU31aは、2回目の演出ボタン25の操作がされた場合、第2演出を新たに実行させることなく、操作回数に1を加算して更新することもしない。従って、これにより、2回目の第1操作有効期間中(時点B4〜時点B5)において、操作回数は、13回のままとなる。
【0094】
ここで、2回目の第1操作有効期間終了後、第2操作有効期間が終了するまでの間(時点B5〜時点B6)に、演出ボタン25が2回操作されるものとして説明する。このため、2回目の第1操作有効期間終了後、第2操作有効期間が終了するまでの間、演出ボタン25が1回操作された場合、統括CPU31aは、第2演出を実行させ、操作回数に1を加算して操作回数を14回に更新する。
【0095】
そして、当該第2演出終了後、第2操作有効期間が終了するまでの間に、演出ボタン25が2回目に操作された場合、統括CPU31aは、操作回数が必要操作回数(15回)に達するため、特別演出を実行させる。
【0096】
以上のように、内部的に必要操作回数が同じだったとしても、第1演出実行中の演出ボタン25の操作は無効となるため、演出ボタン25を操作するタイミングによっては、特別演出を実行させるまでに遊技者が実際に演出ボタン25を操作する回数が異なることとなる。
【0097】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)統括CPU31aは、第1操作有効期間中に演出ボタン25が操作された場合、演出ボタン25の操作に応じて実行される第1演出の実行中、演出ボタン25の操作を無効とする操作無効期間を設定する。このため、第1演出の実行中、演出ボタン25が連続操作されることにより、最初の第1演出が実行し終えていないときに次の第1演出を実行させてしまうなどの異常が発生することを防止することができる。また、RAM31cは、本来ならば第2操作有効期間内の操作であっても、操作無効期間が設定された場合には、操作が無効とされるので、操作回数を更新することができない。そして、第2操作有効期間が設定されているか否か及び操作無効期間であるか否か、及びRAM31cが記憶している操作回数は遊技者に報知されないため、遊技者が実際に操作した回数と、RAM31cが記憶した操作回数は異なっても遊技者は分からないこととなる。従って、遊技者が、必要操作回数分操作したと思っても、操作回数が足らなくなる場合がある。このため、遊技者は、いつ特別演出が実行されるかを認識できなくなり、特別演出が実行された場合、驚くこととなる。そして、必要操作回数が同一であっても操作回数と必要操作回数に差が生じ得るため、多くの種類の必要操作回数を用意する必要がなく、ROM31bの記憶容量を少なくすることができる。さらに、報知されていない第2操作有効期間において、演出ボタン25が操作される毎に、第1演出とは異なる第2演出が実行されるため、特別演出を実行させるまで、遊技者に飽きさせることなく演出ボタン25を押させ続けることができる。従って、演出ボタン25の操作が有効であることが報知されていない第2操作有効期間において、演出ボタン25を操作した遊技者の期待に応えつつ、驚かすことができ、遊技者の興趣を高めることができる。
【0098】
(2)統括CPU31aは、第2操作有効期間中、演出ボタン25が操作される毎に、同じ演出内容の前記第2演出を繰り返し実行させる。このため、第2操作有効期間中、演出ボタン25が操作されたのにも係わらず、第2演出でなく、特別演出が実行された場合、遊技者を驚かすことができる。
【0099】
(3)統括CPU31aは、第2操作有効期間中、演出ボタン25が操作された場合であって、RAM31cが記憶した操作回数が必要操作回数に達していない場合には、変動パターンに応じた第2演出を可変表示器H2に実行させる。その一方、統括CPU31aは、RAM31cが記憶した操作回数が必要操作回数に達した場合には、変動パターンに応じた特別演出を実行させる。これにより、第2演出及び特別演出の演出内容から図柄変動ゲームが大当りとなる可能性を予想することができる。従って、大当りとなる可能性を知りたい遊技者に演出ボタン25を操作させることができる。
【0100】
(4)統括CPU31aは、図柄変動ゲーム開始時に、複数種類の必要操作回数の中から1種類の必要操作回数を設定する。また、設定された必要操作回数は、報知されない。これにより、より必要操作回数を分かり難くすることができる。
【0101】
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
○上記実施形態において、第1演出と、第2演出の演出時間を任意に変更しても良い。例えば、第1演出の演出時間を3秒とし、第2演出の演出時間を2秒としてもよい。
【0102】
○上記実施形態において、第1演出の演出実行時間と、第1操作有効期間を一致させたが、一致させなくても良い。
○上記実施形態において、第1操作有効期間の回数を任意に変更しても良い。例えば、3回設定するようにしても良い。
【0103】
○上記実施形態において、第1演出は、実行される毎に異なる表示画像を段階的に表示させていたが、同じ表示画像を表示させても良い。
○上記実施形態において、第1操作有効期間を長くして、1回の第1操作有効期間中に、第1演出を複数回実行できるようにしても良い。
【0104】
○上記実施形態において、第1演出の段階数は、2段階であったが、任意の段階数、例えば、5段階などに変更しても良い。
○上記実施形態において、統括CPU31aは、必要操作回数を複数用意したが、1種類だけでもよい。
【0105】
○上記実施形態において、第1操作有効期間における1回目と2回目の演出内容を異ならせても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
【0106】
(イ)前記第1有効期間設定手段及び前記第2有効期間設定手段は、前記第1操作有効期間中に演出用操作手段が操作された場合、前記演出パターン決定手段により決定された演出パターンに応じて予め定められた操作無効期間を前記演出用操作手段の操作時から設定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【0107】
(ロ)前記回数設定手段は、複数種類の必要操作回数の中から1種類の必要操作回数を設定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】パチンコ遊技機の機表側を示す正面図。
【図2】センター役物の拡大図。
【図3】パチンコ遊技機の制御構成を示すブロック図。
【図4】変動パターンの説明図。
【図5】入賞処理の流れを示すフローチャート。
【図6】変動パターン決定処理の流れを示すフローチャート。
【図7】(a)〜(c)は、第1演出を示す画面遷移図。
【図8】(a)〜(f)は、第2演出及び特別演出を示す画面遷移図。
【図9】設定処理を示すフローチャート。
【図10】演出処理を示すフローチャート。
【図11】必要操作回数と変動パターンの関係性を示す説明図。
【図12】特別演出パターンの振り分けを説明する説明図。
【図13】(a)〜(d)は、演出ボタンの操作回数と、特別演出の実行タイミングを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0109】
H1…特図表示器(演出実行手段)、H2…可変表示器(演出実行手段)、SE1…始動口センサ、10…パチンコ機、20…センター役物、22…始動入賞口、23…大入賞口、24…大入賞口扉、25…演出ボタン(演出用操作手段)、30…主制御基板、30a…メインCPU(演出パターン決定手段、大当り判定手段)、30c…RAM、31…統括制御基板、31a…統括CPU(演出制御手段、第1有効期間設定手段、第2有効期間設定手段、回数設定手段)、31b…ROM、31c…RAM(操作回数記憶手段)、32…表示制御基板、32a…サブCPU(演出制御手段)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームの表示結果が予め定めた大当り表示結果になったことを契機に大当り遊技が行われる遊技機において、
遊技者に操作される演出用操作手段と、
大当りとなるか否かを判定する大当り判定手段の判定結果に基づき、前記図柄変動ゲームの演出内容を特定可能な演出パターンを複数種類の演出パターンの中から選択決定する演出パターン決定手段と、
前記演出パターン決定手段により決定された演出パターンに基づいて、図柄変動ゲームを実行させる演出制御手段と、
前記演出用操作手段の操作を有効とするとともに、操作が有効であると報知される第1操作有効期間を設定する第1有効期間設定手段と、
前記演出用操作手段の操作を有効とする第2操作有効期間を秘匿状態で設定する第2有効期間設定手段と、
所定の特別演出を実行させるために必要な演出用操作手段の必要操作回数を設定する回数設定手段と、
前記第2操作有効期間内における前記演出用操作手段の操作回数を記憶する操作回数記憶手段と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記第1操作有効期間中、前記演出用操作手段が操作されると複数種類の遊技演出のうち予め定められた第1演出を演出実行手段に実行させ、
前記第2操作有効期間中、前記演出用操作手段が操作された場合であって、前記操作回数記憶手段が記憶した操作回数が前記必要操作回数に達していない場合には、前記第1演出とは異なる第2演出を演出実行手段に実行させる一方、前記操作回数記憶手段が記憶した操作回数が前記必要操作回数に達した場合には、前記第2演出の代わりに前記特別演出を実行させるよう構成されており、
前記第1有効期間設定手段は、前記演出パターン決定手段により決定された演出パターンに基づき、1回の図柄変動ゲーム中に前記第1操作有効期間を設定するように構成され、
前記第2有効期間設定手段は、前記第2操作有効期間の少なくとも一部を前記第1操作有効期間内に設定するように構成されており、
前記第1有効期間設定手段及び前記第2有効期間設定手段は、前記第1操作有効期間中に前記演出用操作手段が操作された場合、前記演出用操作手段の操作に応じて実行される前記第1演出を構成する遊技演出の実行中、前記演出用操作手段の操作を無効とする操作無効期間を設定することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記演出制御手段は、前記第2操作有効期間中、前記演出用操作手段が操作される毎に、同じ演出内容の前記第2演出を繰り返し実行させることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記演出制御手段は、前記第2操作有効期間中、前記演出用操作手段が操作された場合であって、前記操作回数記憶手段が記憶した操作回数が前記必要操作回数に達していない場合には、前記演出パターン決定手段により決定された演出パターンに応じた第2演出を演出実行手段に実行させる一方、前記操作回数記憶手段が記憶した操作回数が前記必要操作回数に達した場合には、前記演出パターン決定手段により決定された演出パターンに応じた前記特別演出を実行させることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項1】
複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームの表示結果が予め定めた大当り表示結果になったことを契機に大当り遊技が行われる遊技機において、
遊技者に操作される演出用操作手段と、
大当りとなるか否かを判定する大当り判定手段の判定結果に基づき、前記図柄変動ゲームの演出内容を特定可能な演出パターンを複数種類の演出パターンの中から選択決定する演出パターン決定手段と、
前記演出パターン決定手段により決定された演出パターンに基づいて、図柄変動ゲームを実行させる演出制御手段と、
前記演出用操作手段の操作を有効とするとともに、操作が有効であると報知される第1操作有効期間を設定する第1有効期間設定手段と、
前記演出用操作手段の操作を有効とする第2操作有効期間を秘匿状態で設定する第2有効期間設定手段と、
所定の特別演出を実行させるために必要な演出用操作手段の必要操作回数を設定する回数設定手段と、
前記第2操作有効期間内における前記演出用操作手段の操作回数を記憶する操作回数記憶手段と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記第1操作有効期間中、前記演出用操作手段が操作されると複数種類の遊技演出のうち予め定められた第1演出を演出実行手段に実行させ、
前記第2操作有効期間中、前記演出用操作手段が操作された場合であって、前記操作回数記憶手段が記憶した操作回数が前記必要操作回数に達していない場合には、前記第1演出とは異なる第2演出を演出実行手段に実行させる一方、前記操作回数記憶手段が記憶した操作回数が前記必要操作回数に達した場合には、前記第2演出の代わりに前記特別演出を実行させるよう構成されており、
前記第1有効期間設定手段は、前記演出パターン決定手段により決定された演出パターンに基づき、1回の図柄変動ゲーム中に前記第1操作有効期間を設定するように構成され、
前記第2有効期間設定手段は、前記第2操作有効期間の少なくとも一部を前記第1操作有効期間内に設定するように構成されており、
前記第1有効期間設定手段及び前記第2有効期間設定手段は、前記第1操作有効期間中に前記演出用操作手段が操作された場合、前記演出用操作手段の操作に応じて実行される前記第1演出を構成する遊技演出の実行中、前記演出用操作手段の操作を無効とする操作無効期間を設定することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記演出制御手段は、前記第2操作有効期間中、前記演出用操作手段が操作される毎に、同じ演出内容の前記第2演出を繰り返し実行させることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記演出制御手段は、前記第2操作有効期間中、前記演出用操作手段が操作された場合であって、前記操作回数記憶手段が記憶した操作回数が前記必要操作回数に達していない場合には、前記演出パターン決定手段により決定された演出パターンに応じた第2演出を演出実行手段に実行させる一方、前記操作回数記憶手段が記憶した操作回数が前記必要操作回数に達した場合には、前記演出パターン決定手段により決定された演出パターンに応じた前記特別演出を実行させることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
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【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−17295(P2010−17295A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−179133(P2008−179133)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
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