説明

遊技機

【課題】 従来のクレジット式遊技機では、球払出装置にて球を払い出す遊技機において、大量の持ち玉を有した遊技者がいることを他の遊技者にアピールできない、また、低貸球料で遊技を行わせる場合、1回の貸球で下皿まで球が流下してしまい、その球を上皿まで持ち上げる手間がかかる。
【解決手段】 前記貸球クレジット手段に記憶された貸球数があるにもかかわらず、所定時間貸球の払出が行われなくても異常を報知しないが、前記賞球クレジット手段に記憶された賞球数があるにもかかわらず、所定時間賞球の払出が行われない場合に異常を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、所定の払出条件の成立に基づき、所要数の球を払出する球払出装置と、該球払出装置から払出された球を受け入れて貯留する球貯留部と、を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
球を用いて遊技を行う遊技機としては、例えば、パチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、或いは雀球遊技機などの弾球遊技機などが知られ、これら遊技機は島設備などの遊技関連設備等とともに遊技店内に設置されている。
上記遊技機の場合、入賞口への入賞等により賞球が生じた場合、該賞球は発射準備球を貯留するための上皿に払い出される。大当たり中などに、その上皿が満杯状態になった場合、以降払い出された球はオーバーフロー樋を流下して、上皿の下方に設けられた下皿に至ることになる。更に下皿まで満杯状態になると払出を停止する。このような状態になると入賞口への入賞等により生じるはずの賞球が迅速に払い出されないという問題点があった。
【0003】
上記問題点を鑑み、球貯留部の遊技球が一定量以上になった場合に、遊技球の入賞が発生すると、遊技球の払出を保留して、その保留している遊技球の数量を表示し、後に遊技が進行して、球貯留部に貯留されている遊技球が所定量以下になった場合に、外部から遊技球の払出指令が与えられて、保留していた遊技球の払出を行い、その際に保留している遊技球の数量の表示を変更するパチンコゲーム機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、遊技機に台間球貸機を併設し、該台間球貸機との協働により、遊技機の球払出装置にて貸球を払い出す遊技機も知られている。
【0005】
また、遊技店で球を借りる値段は、国家公安委員会規則である風営法施行規則で玉1個につき4円以下と定められており、従来はその上限である玉1個につき4円を球貸料としている遊技店が多かった。しかしながら、近年、遊技客層の多様化等により低球貸料で遊技を行わせるホールが増えている。
【0006】
現在、低貸球料で遊技を行わせる遊技店では、玉1個につき1円を球貸料としているところもある。そのような遊技店では500円分の球を借りるためには500個の払い出しを行わなければならず、機種によっては上皿に入りきれず、下方にある下皿まで球が払い出される場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平03−193076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
遊技店としては、大当たりをたくさん発生させて大量の持ち玉を有した遊技者がいることを他の遊技者に伝えることで、優良店であることをアピールしたい。そのために通路に球の入った球箱を積み上げるような店もある。しかしながら、特許文献1に記載されたパチンコゲーム機の場合、大当たりをたくさん発生させ大量に持ち玉がある遊技者がいたとしてもクレジット表示数が大きい数になっているだけで他の遊技者へのアピールに欠け、目立たない。
更に、遊技者は賞品球の獲得をクレジットデータで認識するしかなく、いわゆる大当たり状態になった場合に得られる出球の臨場感が薄いものとなってしまうという問題点がある。
【0009】
また、球払出装置にて貸球を払い出す遊技機で、低貸球料で遊技を行わせる場合、1回の貸球で下皿まで球が流下してしまい、その後その球を上皿まで持ち上げるのが面倒であった。
【0010】
本発明の目的は、球払出装置にて貸球を払い出す遊技機において、大当たりをたくさん発生させて大量の持ち玉を有した遊技者がいることを他の遊技者にアピールできると共に、低貸球料で遊技を行わせる場合、1回の貸球で下皿まで球が流下してしまい、その球を上皿まで持ち上げる手間を省くことである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上の課題を解決するため、請求項1の発明は、所定条件の成立に基づき、球を払い出す球払出装置と、外部からの貸球要求信号を受信することにより貸し球を払い出し、入賞による賞球払出信号を受信することにより賞球を払い出すように前記球払出装置の球の払出を制御する球払出制御装置と、前記球払出装置から払い出された球を受け入れて貯留し、発射装置まで流下させる球貯留部を備える球貯留部ユニットと、を備えた遊技機において、前記球貯留部ユニットは、前記球貯留部の所定部位における球の有無を検出する球貯留部球有無検出手段と、前記球払出装置から前記球貯留部迄の間の球流路に備えられ、球貯留部に球が満杯状態であることを検出する球貯留部満杯検出手段と、を備え、前記球払出制御装置は、外部から貸球要求信号を受信することにより払い出し予定の貸球を記憶する貸球クレジット手段と、入賞による賞球払出信号を受信することにより払い出し予定の賞球を記憶する賞球クレジット手段と、前記貸球クレジット手段に記憶された貸球数を表示する貸球クレジット数報知手段と、前記賞球クレジット手段に記憶された賞球数を表示する賞球クレジット数報知手段と、貸球クレジットよりも賞球クレジットに基づいて球を優先して払い出すクレジット払出手段と、球の払い出しの異常状態を報知する異常状態報知手段と、を備え、前記クレジット払出手段は、前記賞球クレジット手段に記憶された賞球数があり、前記球貯留部満杯検出手段が満杯状態でなければ、前記球貯留部満杯検出手段が満杯状態になるか、前記賞球クレジット手段に記憶された賞球数が無くなるまで賞球の払い出しを行い、前記貸球クレジット手段に記憶された貸球数があり、前記球貯留部満杯検出手段が満杯状態でなく、さらに、前記球貯留部球有無検出手段が球無し状態であれば、所定数の貸球の払い出しを行い、払い出し後、前記球貯留部球有無検出手段が球有り状態であれば払い出しを停止し、前記異常状態報知手段は、前記貸球クレジット手段に記憶された貸球数があるにもかかわらず、所定時間貸球の払出が行われなくても異常を報知しないが、前記賞球クレジット手段に記憶された賞球数があるにもかかわらず、所定時間賞球の払出が行われない場合に異常を報知することを特徴とする。
【0012】
請求項1の発明によれば、賞球は満杯状態が発生するまで払い出すが、貸球は、球貯留部に球がある状態になるまでしか球を払い出さないので、低球貸料金の遊技店のように1回の貸球数が多い場合でも、貸球を貸球クレジット手段に加算した分、徐々に球を借りることが出来る。
【0013】
また、貸球を払い出す場合は、前記球貯留部球有無検出手段が球有り状態であれば払い出しを停止するため、前記球貯留部満杯検出手段が満杯状態になることが無く、前記球貯留部満杯検出手段が満杯状態になることによる異常状態の報知を行うこともない。よって、貸球クレジットによる貸球制御をスムーズに行うことが出来る。
また、賞球の払出を優先することで、賞球クレジットを先に0にすることが出来るので、賞球クレジット有りの異常状態を先に解除することが出来、貸球クレジットがあっても異常報知しないので、普段と同じように遊技を行うことが出来る。
【0014】
ここで、外部とは、台間球貸機やパチンコ遊技機を管理する管理装置等である。台間球貸機は、硬貨や紙幣を直接投入したり、有価価値を記憶したカード状の記憶媒体や、有価価値を記憶した紙状の記憶媒体や、有価価値を記憶したコイン状の記憶媒体を挿入したり、或いは、有価価値情報を記憶した携帯電話等を翳すことで、有価価値情報に基づいて遊技機に貸球払出情報を送信するものである。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1に記載の遊技機であって、前記球払出制御装置は、外部から貸球要求信号を受信することにより前記貸球クレジット手段に払い出し予定の貸球を記憶し、外部に払出終了信号を送信することを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明は、請求項2に記載の遊技機であって、前記球払出制御装置は、外部からの残金返却要求信号を受信した場合、前記貸球クレジット手段から所定球数単位で上限数まで減算処理を行い、減算した球数に対応した返金要求信号を外部に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、賞球は満杯状態が発生するまで払い出すが、貸球は、球貯留部に球がある状態になるまでしか球を払い出さないので、低球貸料金の遊技店のように1回の貸球数が多い場合でも、貸球クレジット分、徐々に球を借りることが出来る。
また、貸球払出の場合は、前記球貯留部球有無検出手段が球有り状態であれば払い出しを停止するため、前記球貯留部満杯検出手段が満杯状態になることが無く、前記球貯留部満杯検出手段が満杯状態になることによる異常状態の報知を行うこともない。よって、貸球クレジットによる貸球制御をスムーズに行うことが出来る。
【0018】
また、賞球数の払出を優先することで、賞球クレジットを先に0にすることが出来るので、賞球クレジット有りの異常状態をいち早く解除することが出来、貸球クレジットがあっても異常報知しないので、普段と同じように遊技を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る遊技機として例示するパチンコ遊技機を示す斜視図である。
【図2】パチンコ遊技機の前面装飾枠の球貯留部近傍の斜視図である。
【図3】パチンコ遊技機とカードサンドのブロック図である。
【図4】(a)(b) パチンコ遊技機の払出制御基板のフローチャートである。
【図5】パチンコ遊技機の払出制御基板のフローチャートである。
【図6】パチンコ遊技機の払出制御基板のフローチャートである。
【図7】(a)(b)パチンコ遊技機の払出異常の報知例を表す図である。
【図8】パチンコ遊技機の払出制御基板が貸球要求信号を受信した際のタイミングチャートである。
【図9】パチンコ遊技機の払出制御基板が賞球払出信号を受信した際のタイミングチャートである。
【図10】(a)パチンコ遊技機の払出制御基板が返金要求信号を受信した際のフローチャートである。(b)カードサンドが返金金額信号を受信した際のフローチャートである。
【図11】(a)返金時の貸球クレジット表示部を表す図である。(b)合計クレジット表示部を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、図1〜3を用いて説明する。図1は、本発明に係る遊技機として例示するパチンコ遊技機1の斜視図である。図2は、パチンコ遊技機1の前面装飾枠4の球貯留部43近傍の斜視図である。図3は、パチンコ遊技機1とカードサンド30のブロック図である。
【0021】
この実施の形態のパチンコ遊技機1は、内部の遊技領域15(後述)内に遊技球を発射して遊技を行うもので、パチンコ遊技機1の前側上半部には、ガラス板が前面装飾枠4に保持された状態で片開き形式に開閉自在に取り付けられ、ガラス板の奥側に遊技領域15を構成する遊技盤が設置されている。
【0022】
また、このパチンコ遊技機1の隣にはカードサンド30が並設され、投入されたプリペイドカード等の有価価値媒体に基づいて遊技球の貸出を行うようになっている。
また、カードサンド30は、紙幣(1000円、2000円、5000円、10000円)を挿入、或いは硬貨(100円、500円)を投入して遊技球の貸出を行うようになっている。
カードサンド30は、カードサンド30の利用可能状態を表示する利用可能表示装置31と、紙幣を挿入可能な紙幣挿入口32と、硬貨を投入可能な硬貨投入口33と、硬貨を返却するための返却ボタン34と、返却された硬貨を取り出すための硬貨返却口35と、遊技価値が記憶されたカードを挿入するためのカード挿入口36と、(カードではなくコイン状の記憶媒体、紙状の記憶媒体でも良い。)会員カードを挿入するための会員カード挿入口37と、を備える。
【0023】
また、前面装飾部材下半部には、賞球のクレジット数を表示する賞球クレジット数表示器14と、貸球のクレジット数を表示する貸球クレジット数表示器13と、遊技球を発射準備球として貯留可能な球貯留部43と、後述の払出装置(球払出モータ)84から払出される遊技球を受け入れる球貯留部43への受入れ口である上受入れ口と、払出装置84からの払出球の放出口52と、放出口よりも上流側で球貯留部の満杯状態を検出する球貯留部満杯検出スイッチ41と、放出口よりも下流側で球貯留部の球有り状態を検出する球貯留部球有無検出スイッチ45と、プリペイドカードなどの有価価値媒体に記録されている有効残度の表示を行う残高表示器61と、挿入されている有価価値媒体を返却させるための返却スイッチ62と、有価価値媒体による遊技球の球貸しを行わせるための球貸しスイッチ63と、前記貸球クレジット手段に記憶されている球数に基づき返金する返金スイッチ22と、球貯留部64の下端で球抜きを行う球抜きレバー72と、球貯留部64の前方に備えられる演出ボタン52と、球貯留部64の底面の開放穴に対応する位置で、開放穴を開閉する球抜き開閉部材44と、球抜き開閉部材11を操作する球抜きボタン72と、遊技球発射用の発射ハンドル7と、スピーカ3等が設置されている。
【0024】
発射ハンドル7を回動することにより遊技領域15に遊技球を発射し、遊技領域15に向かって左側に備えられる普図ゲート19を遊技球が通過すると普通図柄表示装置(図示せず)が変動し、当たり図柄が表示されると第2始動口18である普通電動役物が開放し、遊技球が入賞しやすくなる。
【0025】
また、遊技領域15を流下する遊技球が第1始動口または、第2入賞口に入賞すると第1特図表示装置72または、第2特図表示装置72が変動し、当たりが表示された場合、大入賞口16が所定回数或いは所定時間開放する。なお、第1特図表示装置72または、第2特図表示装置72の変動中は連動して図柄ゲーム表示装置20で変動表示ゲームを行う。
【0026】
球貯留部43は、払出装置から払出された球などを受け入れて貯留し、その貯留球を内部の発射部(図示省略)に順次供給するためのもので、遊技球を所定量貯留できるようになっている。
【0027】
賞球クレジット数表示器14は、払出制御基板80が球貯留部満杯検出スイッチ41に基づき満杯状態を検出していて、遊技制御基板60から賞球払出信号を受信した場合、該賞球払出信号に基づく賞球数を加算して表示する。
【0028】
貸球クレジット数表示器13は、払出制御基板80が球貯留部球有無検出スイッチ45に基づき球有り状態を検出していて、カードサンド30から貸球要求信号を受信した場合、該貸球要求信号に基づく貸球数を加算して表示する。
【0029】
図1のようにパチンコ遊技機1の側方にカードサンド30を備え、併せて遊技装置とする。
図3の点線で囲まれている部分がパチンコ遊技機1のブロック図である。点線以外がカードサンド30のブロック図である。
【0030】
まず、パチンコ遊技機1は、遊技制御基板60と払出制御基板80と演出制御基板50との制御基板により電気部品等の制御を行う。
遊技制御基板60は、CPU、ROM、RAM等からなる制御部や信号の入出力等を行うインターフェース等を備えて構成してある。
【0031】
そして、この遊技制御基板60には、普図ゲート通過球検出スイッチ64、他穴入賞球検出スイッチ65、第1始動口入賞球検出スイッチ66、第2始動口入賞球検出スイッチ67、大入賞口入賞球検出スイッチ68、払出制御基板80からの払い出し終了信号が入力されている。
【0032】
また、この遊技制御基板60から払出制御基板80へ賞球払出信号等の賞球の払い出しに関する指令信号が出力される。遊技制御基板60から演出制御基板50へ図柄ゲーム表示装置20で表示される変動表示ゲームの変動時間を示す変動パターン信号等の演出制御に関する指令信号が出力される。大入賞口ソレノイド69、普電ソレノイド70、盤用外部出力端子板71、第1、2特図表示装置72(図示せず)への制御信号も出力される。
ここで、大入賞口ソレノイド69は大入賞口16の扉板を開閉させる駆動源であり、普電ソレノイド70は第2始動口18の羽部材を動作させる駆動源である。また、盤用外部出力端子71には、変動表示ゲームの終了を契機とする変動表示ゲーム終了信号を含む第1.2特図変動表示ゲームに関する信号を外部に出力する。
【0033】
また、演出制御基板50は、CPU55、ROM53、RAM54等からなる制御部や信号の入出力等を行うインターフェース等を備えて構成している。
さらに、演出制御基板50にはスピーカ3、図柄ゲーム表示装置20、各種LED51が接続され、それらの制御が行われている。また、演出ボタン検出スイッチ52が入力され、その検出結果と遊技制御基板60からの情報に基づいて図柄ゲーム表示装置20、各種報知LED51、スピーカ3を制御する。
【0034】
また、払出制御基板80は、CPU83、ROM81、RAM82等からなる制御部や信号の入出力等を行うインターフェース等を備えて構成している。
さらに、払出制御基板80には、払出球検出スイッチ85、球貯留部球有無検出スイッチ45、球貯留部満杯検出スイッチ41が入力されている。
【0035】
また、払出制御基板80には、カードサンド30から貸球払出要求信号や台間球貸機準備完了信号等の制御信号を入力され、遊技制御基板60からは、賞球の払い出しに関する指令信号が入力される。
さらに、払出制御基板80から球払出モータ84、賞球クレジット数表示器14、貸球クレジット数表示器13、枠用外部出力端子板86への制御信号も出力される。
また、この払出制御基板80から遊技制御基板60へ賞球払出完了信号等の賞球の払い出しに関する指令信号が出力される。払出制御基板80からカードサンド30へ貸球の払出準備完了信号や払出終了信号等の制御信号を出力する。
【0036】
カードサンド30のカードサンド制御基板91は、CPU74、ROM92、RAM93等からなる制御部や信号の入出力等を行うインターフェース等を備えて構成している。
さらに、カードサンド制御基板91には、球貸スイッチ21、カード返却スイッチ23、返金スイッチ22が入力され、払出制御基板80からの貸球払出終了信号等の貸し球に関する制御信号が入力されている。
また、返金スイッチ22のON状態が入力されると払出制御基板80に残金返却要求信号を送信する。
更に、このカードサンド制御基板91から残高表示器40への制御信号も出力され、払出制御基板80へ貸球払出要求信号等の貸球の払い出しに関する指令信号が出力される。
図3の払出制御基板80は、CPU(Central Processing Unit)83、ROM(Read Only Memory)81、RAM(Random Access Memory)82、インターフェース等から構成され、ROM81中に書き込まれている制御プログラムや制御データに従いインターフェースに接続された機器を制御するようになっている。
【0037】
CPU83は、RAM82を作業領域にROM81中に書き込まれた制御プログラムに従って、各種演算処理を行うと共に、インターフェースを介して接続された各装置および各スイッチと信号の送受信を行うようになっている。
ROM81には、球の払出を行う制御プログラムや制御データ、並びに、後述する貸球信号受信処理を行う制御プログラムや制御データ、賞球信号受信処理を行う制御プログラムや制御データ、クレジット球払出処理を行う制御プログラムや制御データ、クレジット関連異常報知処理を行う制御プログラムや制御データ等が書き込まれている。
RAM82には、賞球クレジット数を示すデータ、貸球クレジット数を示すデータ、各種データ等の記憶領域と、CPU83による作業領域などを備えている。
【0038】
この実施の形態のパチンコ遊技機1は、上記のように構成され、払出制御基板80により、例えば、次のようなクレジットに関する処理の制御が行われている。
【0039】
パチンコ遊技機1での遊技は、遊技者により発射ハンドル7が回動されることで、遊技盤の遊技領域15に遊技球が発射されて行われる。
遊技領域15に発射された遊技球は、遊技盤上の入賞口(入賞領域)に入賞したり、遊技領域15下部のアウト口に流入する。
入賞口に遊技球が入賞すると、その入賞球が他穴入賞球検出スイッチ65により検出され、その検出信号が遊技制御基板60に入力され、この入力信号に基づき、遊技制御基板60から払出制御基板80へ賞球払出信号を出力する。
この賞球払出信号に基づいて、球払出装置からの放出口より所定量の賞品球の放出が行われる。
球貯留部43へ流入した遊技球は、順次内部の発射部に供給され、発射装置により遊技領域へ発射される。
【0040】
一方、普図ゲート19内には、該普図ゲート19を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなる普図ゲート通過球検出スイッチ64(図3参照)が設けられており、遊技領域15内に打ち込まれた遊技球が普図ゲート19内を通過すると、普図ゲート通過球検出スイッチ64により検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置(第2始動口18)が開状態に変換されている場合に、普図ゲート19を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
【0041】
普図変動表示ゲームは、変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置の一対の可動部材が所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置の内部の第2始動口18へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
【0042】
普図ゲート19への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置は、内蔵されている普電ソレノイド70(図3参照)が駆動されることにより、可動部材が所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
【0043】
第1始動口17への入賞球及び第2始動口18への入賞球は、それぞれは内部に設けられた第1始動口入賞球検出スイッチ66と第2始動口入賞球検出スイッチ67によって検出される。第1始動口17へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、第2始動口18へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御基板60内の特図記憶領域(RAM62の一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、図柄ゲーム表示装置20においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
【0044】
遊技制御基板60は、第1始動口17への入賞球及び第2始動口18への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、図柄ゲーム表示装置20で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、図柄ゲーム表示装置20にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。なお、本実施形態の遊技機では、大当りの他に小当りも発生可能である。小当りの場合は、大当り(2R大当り)の場合と同様の処理が行われて特別遊技状態となる。
【0045】
図柄ゲーム表示装置20における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、図柄ゲーム表示装置20では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0046】
また、図柄ゲーム表示装置20も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
【0047】
球貯留部満杯検出スイッチ41が満杯状態を検出している場合は、遊技制御基板60から送信された賞球払出信号に対応する賞球数をRAM82の賞球クレジット記憶領域に加算する。
このRAM82に記憶されている賞球クレジット数データは、賞球クレジット数表示器に出力され、賞球クレジット数表示器14に賞球クレジット数が表示される。
次に、硬貨投入口33から硬貨が投入される又は、球貸スイッチ21が押されるとカードサンド30で、その状態を検出し、設定された単位の球貸要求信号を払出制御基板80に送信する。
払出制御基板80では、球貯留部球有無検出スイッチ45が有り状態を検出している場合は、カードサンド30から送信された貸球要求信号に対応する貸球数をRAM82の貸球クレジット記憶領域に加算する。このRAM82に記憶されている貸球クレジット数データは、貸球クレジット数表示器13に出力され、貸球クレジット数表示器13に貸球クレジット数が表示される。
【0048】
図4、5は上記のような球払出に関する処理を行うべく、払出制御基板80にて行われる、球払出制御のフローチャートである。
以下の処理は、メイン処理、或いはメイン処理中、所定時間(4ms)毎に行われる割込処理の何れかにおいて行われるサブルーチンである。
【0049】
先ず、図4(a)の貸球信号受信処理の説明をする。
ステップS1では、カードサンド30からの貸球要求信号を受信したか否かを判定する。受信していれば、ステップS2へと移行し、そうでなければ貸球信号受信処理を終了して元の処理に戻る。
ステップS2では、貸球要求信号に基づく貸球数分(例えば、100個)をRAM82の貸球数記憶領域に加算記憶し、貸球クレジット数表示器13に加算結果を表示してステップS3に移行する。
【0050】
ステップ3では、貸球払出完了信号をカードサンド30に送信する。つまり、貸球数を貸球数記憶領域に加算記憶し、貸球クレジット数表示器13に加算結果を表示した時点で貸球の払出が終了した旨を伝えるための貸球払出完了信号を送信して、貸球の払出を終了したことにする。従来であれば、実際に貸球要求信号に基づく貸球数分を払出終わらないと貸球払出完了信号をカードサンド30側に送信していないが、本願発明では、貸球数を貸球数記憶領域に加算記憶し、貸球クレジット数表示器13に加算結果を表示した時点で貸球の払出が終了した旨を伝えるための貸球払出完了信号を送信するため、実際の貸球の払出が終了していなくても貸球払出の処理を終了することが出来るので、一連の貸球払出処理を素早く終了することが出来る。
【0051】
ステップ4では、RAM82の外部出力信号記憶領域に貸球要求信号に基づく貸球数(例えば、100個)を加算し処理を終了する。パチンコ遊技機1で何個の球が貸されたかを所定単位(例えば25個)毎に1パルス、払出制御基板80から枠用外部出力端子板86を介して遊技店の管理装置へと送信するようになっている。本願発明では、貸球数を貸球数記憶領域に加算記憶し、貸球クレジット数表示器13に加算結果を表示した時点で、RAM82の外部出力信号記憶領域に貸球要求信号に基づく貸球数(例えば、100個)を加算するので、一連の貸球数に関する外部出力処理を素早く終了することが出来る。
【0052】
次に、図4(b)の賞球信号受信処理を説明する。
ステップS5では、遊技制御基板60からの賞球払出信号を受信したか否かを判定する。受信していれば、ステップS6へと移行し、そうでなければ賞球信号受信処理を終了して元の処理に戻る。
ステップS6では、賞球払出信号に基づく賞球数分(例えば、13個)をRAMの賞球数記憶領域に加算記憶し、賞球クレジット数表示器14に加算結果を表示してステップS7に移行する。
【0053】
ステップ7では、RAM82の外部出力信号記憶領域に賞球要求信号に基づく賞球数(例えば、13個)を加算し処理を終了する。パチンコ遊技機1で何個の賞球が払い出されたかを所定単位(例えば25個)毎に1パルス、払出制御基板80から枠用外部出力端子板86を介して遊技店の管理装置へと送信するようになっている。本願発明では、賞球数を賞球数記憶領域に加算記憶し、賞球クレジット数表示器14に加算結果を表示した時点で、RAM82の外部出力信号記憶領域に賞球払出信号に基づく賞球数(例えば、13個)を加算するので、一連の賞球数に関する外部出力処理を素早く終了することが出来る。
【0054】
図5のクレジット球払出処理を説明する。
ステップS8では、RAM82の賞球数記憶領域に記憶されている賞球が有るか無いかを判定する。RAM82の賞球数記憶領域に記憶されている賞球が有る場合はステップS9に移行し、RAM82の賞球数記憶領域に記憶されている賞球が無い場合はステップS11に移行する。
【0055】
ステップS9では、球貯留部満杯検出スイッチ41がオン状態か否かを判定する。球貯留部満杯検出スイッチ41がオン状態の場合、クレジット球払出処理を終了し、元の処理に戻る。球貯留部満杯検出スイッチ41がオン状態ではない場合はステップS10に移行する。
【0056】
ステップS10では、RAM82の賞球数記憶領域に記憶されている賞球数を払い出す。ただし、15個超える場合は、最大15個単位で払い出す。
ステップS11では、RAM82の貸球数記憶領域に記憶されている貸球が有るか無いかを判定する。RAM82の貸球数記憶領域に記憶されている貸球が有る場合はステップS12に移行し、RAM82の貸球数記憶領域に記憶されている貸球が無い場合はクレジット球払出処理を終了し、元の処理に戻る。
【0057】
ステップS12では、球貯留部満杯検出スイッチ41がオン状態か否かを判定する。球貯留部満杯検出スイッチ41がオン状態の場合、クレジット球払出処理を終了し、元の処理に戻る。球貯留部満杯検出スイッチ41がオン状態ではない場合はステップS13に移行する。
ステップS13では、球貯留部球有無検出スイッチ45がオン状態か否かを判定する。球貯留部球有無検出スイッチ45がオン状態の場合、クレジット球払出処理を終了し、元の処理に戻る。球貯留部球有無検出スイッチ45がオン状態ではない場合はステップS14に移行する。
ステップS14では、RAM82の貸球数記憶領域に記憶されている貸球数を払い出す。ただし、100個超える場合は、最大100個単位で払い出す。
【0058】
この、クレジット球払出処理では、RAM82の賞球数記憶領域に記憶されている賞球数を確認し、有る場合、その払出を行い。無い場合、RAM82の貸球数記憶領域に記憶されている貸球数を確認し、貸球の払出を行うため賞球の払出が優先して行われる。
【0059】
図6のクレジット関連異常状態報知処理を説明する。
ステップS15では、球貯留部満杯検出スイッチ41がオン状態か否かを判定する。球貯留部満杯検出スイッチ41がオン状態の場合、ステップS16に移行する。球貯留部満杯検出スイッチ41がオン状態ではない場合はステップS17に移行する。
【0060】
ステップS16では、図7(a)のように図柄ゲーム表示装置の表示画面に図柄の変動中であっても画面下に「球を抜いてください!」と文字情報を表示するために払出制御基板80から遊技制御基板60に異常情報1を送信する。それを受信した遊技制御基板60が演出制御基板50に異常情報1を送信することで液晶表示画面に図7(a)のような表示を行うことができる。なお、「球を抜いてください!」の文字情報はスクロール表示しても良い。
【0061】
ステップS17では、所定時間RAM82の賞球数記憶領域に賞球数が記憶されているか否かを判定する。所定時間RAM82の賞球数記憶領域に賞球数が記憶されている場合は、ステップS18に移行し、所定時間RAMの賞球数記憶領域に賞球数が記憶されていない場合は、ステップS19に移行する。
【0062】
ステップS18では、図7(b)のように図柄ゲーム表示装置20の表示画面に図柄の変動中であっても画面下に「店員を呼んでください!」と文字情報を表示するために払出制御基板80から遊技制御基板60に異常情報2を送信する。それを受信した遊技制御基板60が演出制御基板50に異常情報2を送信することで液晶表示画面に図7(b)のような表示を行うことができる。なお、「店員を呼んでください!」の文字情報はスクロール表示しても良い。球貯留部43が満杯状態でないのに、所定時間(例えば、3秒)賞球クレジットがある場合、どこかで球詰まりが発生している可能性があるので「店員を呼んでください!」と報知し、遊技機前面からは解除できない球詰まり等を解除することを店員に促すことが出来る。
【0063】
ステップS19では、所定時間RAM82の貸球数記憶領域に貸球数が記憶されているか否かを判定する。所定時間RAM82の貸球数記憶領域に貸球数が記憶されている場合は、ステップS20に移行し、所定時間RAM82の貸球数記憶領域に貸球数が記憶されていない場合は、クレジット関連異常状態報知処理を終了し、元の処理に戻る。
【0064】
ステップS20では、球貯留部球有無検出スイッチ45がオン状態か否かを判定する。球貯留部球有無検出スイッチ45がオン状態ではない場合、ステップS21に移行する。球貯留部球有無検出スイッチ45がオン状態の場合はクレジット関連異常状態報知処理を終了し、元の処理に戻る。
【0065】
ステップS21では、図7(b)のように図柄ゲーム表示装置20の表示画面に図柄の変動中であっても画面下に「店員を呼んでください!」と文字情報を表示するために払出制御基板80から遊技制御基板60に異常情報2を送信する。それを受信した遊技制御基板60が演出制御基板50に異常情報2を送信することで液晶表示画面に図7(b)のような表示を行うことができる。なお、「店員を呼んでください!」の文字情報はスクロール表示しても良い。球貯留部43が満杯状態でなく、貸球クレジットが所定時間(例えば30秒)有るのに球貯留部球有無検出スイッチ45がオンでなければ(球貯留部の流下途中に球がない状態)どこかで球詰まりが発生している可能性があるので「店員を呼んでください!」と報知し、遊技機前面からは解除できない球詰まり等を解除することを店員に促すことが出来る。
【0066】
図7(a)は、異常報知1の状態を示している。遊技領域15から視認可能な図柄ゲーム表示装置20に表示する異常報知1の1例である。変動表示ゲーム中で図柄が変動中の表示画面下方に「球を抜いてください!」の文字情報を表示している。よって、球貯留部43に貯留された遊技球を球箱へと流下させることを遊技者に促すことが出来、素早く、払出異常を解除することが出来る。
図7(b)は、異常報知2の状態を示している。遊技領域15から視認可能な図柄ゲーム表示装置20に表示する異常報知2の1例である。変動表示ゲーム中で図柄が変動中の表示画面下方に「店員を呼んでください!」の文字情報を表示している。よって、遊技店の店員を呼ぶことを遊技者に促すことが出来、素早く、払出異常を解除することが出来る。
【0067】
図8は、本願発明の実施の形態の貸球払出のタイミングチャートである。
球貯留部球有無検出スイッチ45がON状態(球有り状態)で、カードサンドからの貸球要求信号がオンすると、貸球クレジット数表示器13に貸球クレジット数を表示し、球貯留部球有無検出スイッチ45がOFF状態(球無し状態)になると、球払出モータ84を回転し、遊技球の払出を実行する。
なお、この間、異常報知は常にOFF状態(異常報知していない状態)を維持し、図柄ゲーム表示装置20にて図7(a)(b)のような表示は行わないようにする。
【0068】
図9は、本願発明の実施の形態の賞球払出のタイミングチャートである。
球貯留部満杯検出スイッチ41がON状態(球有り状態)で、遊技制御基板60からの賞球払出信号がオンする(パラレル通信で賞球数を送信する)と、賞球クレジット数表示器14に賞球クレジット数を表示し、球貯留部満杯検出スイッチ41がOFF状態(球無し状態)になると、球払出モータ84を回転し、遊技球の払出を実行する。
なお、球貯留部満杯検出スイッチ41がON状態(球有り状態)の間は、異常報知は常にON状態(異常報知している状態)を維持し、図柄ゲーム表示装置20にて図7(a)のような表示を行うようにする。
【0069】
また、図10(a)(b)のように貸球クレジットに加算された遊技球数に基づき、返金可能であっても良い。
図10(a)は、払出制御基板80で行う制御の一部である払出側返金処理である。
ステップS22では、カードサンド30側から返金要求信号を受信したか否かを判定し、カードサンド30側から返金要求信号を受信している場合は、ステップS23に移行し、カードサンド30側から返金要求信号を受信したか否かを判定し、カードサンド30側から返金要求信号を受信していない場合は、払出側返金処理を終了して元の処理に戻る。
【0070】
ステップS23では、RAM82の貸球クレジット数記憶領域に記憶された貸球クレジット数に基づき、返金可能金額を演算する。例えば、貸球料金が1球1円である場合に、100円単位で返金可能であるとして、貸球クレジット数が452球あったとすると、400円を最大返金金額と演算する。
ステップS24では、最大返金金額に対応する貸球クレジット分を減算する。たとえは、上記例なら452から400を引き、残りの52を表示する。
ステップS25では、ステップS24で減算した分の返金金額信号をカードサンド側に送信する。
【0071】
図10(b)は、カードサンド制御基板91で行う制御の一部であるカードサンド側返金処理である。
ステップS26では、払出制御基板80から返金金額信号を受信したか否かを判定し、払出制御基板80から返金金額信号を受信している場合、ステップS27に移行する。払出制御基板80から返金金額信号を受信していない場合、カードサンド側返金処理を終了して元の処理に戻る。
【0072】
図11(a)は、払出制御基板80とカードサンド制御基板91とが協働して行う返金処理を説明する図である。
貸球クレジットに「278」有る状態で返金スイッチ22を押すと返金可能な最大数である200円分の200球を引いた「078」が表示され、カードサンド30の硬貨返却口35から200円の硬貨が返却される。
【0073】
図11(b)は、賞球クレジット数と貸球クレジット数の和で有る合計クレジット表示部を設けた場合の表示例である。
賞球クレジット数表示器14の賞球クレジット数表示部に「218」と表示され、貸球クレジット数表示器13の貸球クレジット数表示部に「278」と表示される場合、合計クレジット数表示部に「496」と表示される。これらの表示部は賞球クレジット数表示部、貸球クレジット数表示部、合計クレジット数表示部の全てをパチンコ遊技機1に備えても良いし、合計クレジット数表示部のみ設けて、合計クレジット数の値から賞球クレジット数と貸球クレジット数を予想させながら遊技を行っても良い。
【0074】
なお、合計クレジット数表示部は専用の合計クレジット数表示器を別個設けても良いし、賞球クレジット数表示器14或いは、貸球クレジット数表示器13と共用しても良い。共用する場合、例えば、賞球クレジット数表示或いは、貸球クレジット数表示と、合計クレジット数表示を交互に行うように払出制御基板80で制御しても良い。
【0075】
以上のような遊技機では、所定条件の成立に基づき、球を払い出す球払出装置(球払出モータ84)と、カードサンド30からの貸球要求信号を受信することにより貸し球を払い出し、賞球払出信号を受信することにより賞球を払い出すように前記球払出装置の球の払出を制御する球払出制御装置(払出制御基板80)と、前記球払出装置から払い出された球を受け入れて貯留し、発射装置まで流下させる球貯留部43を備える球貯留部ユニット24と、を備えた遊技機において、前記球貯留部ユニット24は、前記球貯留部43底面の所定部位に球貯留部43の球を遊技機外に落下可能な球抜き穴25を形成し、前記球抜き穴25よりも発射装置側に設けられ、球の有無を検出する球貯留部球有無検出手段45と、前記球払出装置から前記球貯留部43迄の間の球流路に備えられ、球貯留部43に球が満杯状態であることを検出する球貯留部満杯検出手段41と、を備え、前記球払出制御装置は、前記カードサンド30から貸球要求信号を受信することにより払い出し予定の貸球を記憶する貸球クレジット手段(RAM82の一部)と、賞球払出信号を受信することにより払い出し予定の賞球を記憶する賞球クレジット手段(RAM82の一部)と、前記貸球クレジット手段に記憶された貸球数を表示する貸球クレジット数報知手段(貸球クレジット数表示器13)と、前記賞球クレジット手段に記憶された賞球数を表示する賞球クレジット数報知手段(賞球クレジット数表示器14)と、貸球クレジットよりも賞球クレジットに基づいて球を優先して払い出すクレジット払出手段(払出制御基板80)と、球の払い出しの異常状態を報知する異常状態報知手段(図柄ゲーム表示装置20)と、を備え、前記クレジット払出手段は、前記賞球クレジット手段に記憶された賞球数があり、前記球貯留部満杯検出手段41が満杯状態でなければ、前記球貯留部満杯検出手段41が満杯状態になるか、前記賞球クレジット手段に記憶された賞球数が無くなるまで賞球の払い出しを行い、前記貸球クレジット手段に記憶された貸球数があり、前記球貯留部満杯検出手段41が満杯状態でなく、さらに、前記球貯留部球有無検出手段45が球無し状態であれば、所定数の貸球の払い出しを行い、払い出し後、前記球貯留部球有無検出手段45が球有り状態であれば払い出しを停止し、前記異常状態報知手段は、前記貸球クレジット手段に記憶された貸球数があるにもかかわらず、所定時間貸球の払出が行われなくても異常を報知しないが、前記賞球クレジット手段に記憶された賞球数があるにもかかわらず、所定時間、賞球の払出が行われない場合に異常を報知する。
【0076】
したがって、賞球は満杯状態が発生するまで払い出すが、貸球は、球貯留部43に球がある状態になるまでしか球を払い出さないので、低球貸料金の遊技店のように1回の貸球数が多い場合でも、貸球クレジット分、徐々に球を借りることが出来る。
また、貸球払出の場合は、前記球貯留部球有無検出手段45が球有り状態であれば払い出しを停止するため、前記球貯留部満杯検出手段41が満杯状態になることが無く、前記球貯留部満杯検出手段41が満杯状態になることによる異常状態の報知を行うこともない。よって、貸球クレジットによる貸球制御をスムーズに行うことが出来る。
また、賞球数の払出を優先することで、賞球クレジットを先に0にすることが出来るので、賞球クレジット有りの異常状態をいち早く解除することが出来、貸球クレジットがあっても異常報知しないので、普段と同じように遊技を行うことが出来る。
【0077】
また、前記球払出制御装置は、前記カードサンド30から貸球要求信号を受信することにより前記貸球クレジット手段に払い出し予定の貸球を記憶し、カードサンド30に払出終了信号を送信する。
したがって、実際に払い出す予定の貸球を記憶した時点で払出終了信号を送信するので、パチンコ遊技機1とカードサンド30間の通信制御を効率よく行うことが出来る。
【0078】
また、前記球払出制御装置は、前記カードサンド30からの残金返却要求信号を受信した場合、前記貸球クレジット手段から所定球数単位で上限数まで減算処理を行い、減算した球数に対応した返金要求信号を前記カードサンド30に送信する。
したがって、球を少量しか使わずに当たり等が発生した場合、クレジットして払い出していない貸球数分に関しては返金可能であるので、遊技者は一度使った金が戻ってくるような感じがするので得した気持ちになる。
【0079】
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
【0080】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0081】
1 パチンコ遊技機
2 前面枠
3 スピーカ
4 前面装飾枠
5 鍵穴
6 本体枠
7 発射ハンドル
8 球抜きレバー
9 演出ボタン
10 球抜きボタン
13 貸球クレジット数表示器
14 賞球クレジット数表示器
15 遊技領域
16 大入賞口
17 第1始動口
18 第2始動口
19 普図ゲート
20 図柄ゲーム表示装置
21 球貸SW(球貸手段)
22 返金SW(返金手段)
23 カード返却SW(カード返却手段)
24 球貯留部ユニット
25 球抜き穴
30 カードサンド(台間球貸機)
31 利用可能表示装置
32 紙幣挿入口
33 硬貨投入口
34 返却ボタン
35 硬貨返却口
36 カード挿入口
37 会員カード挿入口
40 残高表示器
41 球貯留部満杯検出SW(球貯留部満杯検出手段)
42 球出口
43 球貯留部
44 球抜き開閉部材
45 球貯留部球有無検出SW(球貯留部球有無検出手段)
50 演出制御基板
51 各種報知LED
52 演出ボタン検出SW(演出ボタン検出手段)
53 ROM
54 RAM
55 CPU
60 遊技制御基板
61 ROM
62 RAM
63 CPU
64 普図ゲート通過球検出SW(普図ゲート通過球検出手段)
65 他穴入賞球検出SW(他穴入賞球検出手段)
66 第1始動口入賞球検出SW(第1始動口入賞球検手段)
67 第2始動口入賞球検出SW(第2始動口入賞球検出手段)
68 大入賞口入賞球検出SW(大入賞口入賞球検出手段)
69 大入賞口ソレノイド
70 普電ソレノイド
71 盤用外部出力端子板
72 第1,2特図表示装置
80 払出制御基板
81 ROM
82 RAM
83 CPU
84 球払出モータ
85 払出球検出SW(払出球検出手段)
86 枠用外部出力端子板
91 カードサンド制御基板
92 ROM
93 RAM
94 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定条件の成立に基づき、球を払い出す球払出装置と、
外部からの貸球要求信号を受信することにより貸し球を払い出し、入賞による賞球払出信号を受信することにより賞球を払い出すように前記球払出装置の球の払出を制御する球払出制御装置と、
前記球払出装置から払い出された球を受け入れて貯留し、発射装置まで流下させる球貯留部を備える球貯留部ユニットと、
を備えた遊技機において、
前記球貯留部ユニットは、
前記球貯留部の所定部位における球の有無を検出する球貯留部球有無検出手段と、
前記球払出装置から前記球貯留部迄の間の球流路に備えられ、球貯留部に球が満杯状態であることを検出する球貯留部満杯検出手段と、
を備え、
前記球払出制御装置は、
外部から貸球要求信号を受信することにより払い出し予定の貸球を記憶する貸球クレジット手段と、
入賞による賞球払出信号を受信することにより払い出し予定の賞球を記憶する賞球クレジット手段と、
前記貸球クレジット手段に記憶された貸球数を表示する貸球クレジット数報知手段と、
前記賞球クレジット手段に記憶された賞球数を表示する賞球クレジット数報知手段と、
貸球クレジットよりも賞球クレジットに基づいて球を優先して払い出すクレジット払出手段と、
球の払い出しの異常状態を報知する異常状態報知手段と、
を備え、
前記クレジット払出手段は、
前記賞球クレジット手段に記憶された賞球数があり、前記球貯留部満杯検出手段が満杯状態でなければ、前記球貯留部満杯検出手段が満杯状態になるか、前記賞球クレジット手段に記憶された賞球数が無くなるまで賞球の払い出しを行い、
前記貸球クレジット手段に記憶された貸球数があり、前記球貯留部満杯検出手段が満杯状態でなく、さらに、前記球貯留部球有無検出手段が球無し状態であれば、所定数の貸球の払い出しを行い、払い出し後、前記球貯留部球有無検出手段が球有り状態であれば払い出しを停止し、
前記異常状態報知手段は、
前記貸球クレジット手段に記憶された貸球数があるにもかかわらず、所定時間貸球の払出が行われなくても異常を報知しないが、前記賞球クレジット手段に記憶された賞球数があるにもかかわらず、所定時間賞球の払出が行われない場合に異常を報知することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記球払出制御装置は、
外部から貸球要求信号を受信することにより前記貸球クレジット手段に払い出し予定の貸球を記憶し、外部に払出終了信号を送信することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記球払出制御装置は、
外部からの残金返却要求信号を受信した場合、前記貸球クレジット手段から所定球数単位で上限数まで減算処理を行い、減算した球数に対応した返金要求信号を外部に送信することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−167400(P2011−167400A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−34946(P2010−34946)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】