説明

遊技機

【課題】変動表示装置が遊技者に近過ぎるという圧迫感を抑えることができる遊技機を提供する。
【解決手段】前面枠3と、該前面枠3側に着脱可能な遊技盤5と、遊技盤5の遊技盤本体6の後方に配置された変動表示装置11と、遊技球を前面枠3の前側へ排出可能な球排出機構42とを備え、遊技盤5の前方から変動表示装置11の表示領域を視認可能としたパチンコ遊技機において、変動表示装置11は、遊技盤本体6から後方へ離隔した位置に配置され、変動表示装置11と遊技盤本体6との間に透明な管部材を配置し、管部材の内部空間を遊技球が1個ずつ通過可能な広さに設定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前面枠と、該前面枠側に着脱可能な遊技盤と、遊技に関わる変動表示ゲームを実行する変動表示装置とを備えたパチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の遊技機、例えば、パチンコ遊技機においては、遊技演出の効果を増すために、表示装置を大型化したものが提案されている。具体的には、前面枠に大型液晶パネル等で構成された変動表示装置を設け、該変動表示装置を前面枠の横幅と略等しい横幅に設定し、変動表示装置の前方に透光性部材で形成された遊技盤を装着し、遊技者が該遊技盤を介して変動表示装置の表示領域を視認できるように構成されたパチンコ遊技機が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−131329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献に記載のパチンコ遊技機は、遊技盤の下部の左右両側に一般入賞口および球通路部(すなわち入賞装置)を配置して、変動表示装置の下部を入賞装置により前方から覆い隠すように構成されている。この結果、遊技者に対して変動表示装置が近過ぎるという印象、すなわち圧迫感を与え易く、遊技の興趣を減衰させる虞がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、変動表示装置が遊技者に近過ぎるという圧迫感を抑えることができる遊技機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、前面枠と、該前面枠側に着脱可能であり、透明部材で形成された遊技盤本体に障害部材及び入賞装置を設けた遊技盤と、前記遊技盤本体の後方に配置され、表示領域内で遊技に関わる変動表示ゲームを実行する変動表示装置と、前記入賞装置への入賞に基づいて遊技球を前面枠の前側へ排出可能な球排出機構と、を備え、前記遊技盤の前方から変動表示装置の表示領域を視認可能とした遊技機において、
前記変動表示装置は、前記遊技盤本体から後方へ離隔した位置に配置され、
前記変動表示装置と前記遊技盤本体との間には透明な管部材を配置し、該管部材の内部空間を遊技球が1個ずつ通過可能な広さに設定したことを特徴とする遊技機である。
【0007】
請求項2に記載のものは、前記球排出機構は、前記入賞装置への入賞に基づいて遊技球の排出動作を行う球排出装置と、該球排出装置から排出された遊技球が流下可能な排出誘導路と、を備え、
前記管部材は、前記排出誘導路を構成することを特徴とする請求項1に記載の遊技機である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
すなわち、前面枠と、該前面枠側に着脱可能であり、透明部材で形成された遊技盤本体に障害部材及び入賞装置を設けた遊技盤と、遊技盤本体の後方に配置され、表示領域内で遊技に関わる変動表示ゲームを実行する変動表示装置と、入賞装置への入賞に基づいて遊技球を前面枠の前側へ排出可能な球排出機構と、を備え、遊技盤の前方から変動表示装置の表示領域を視認可能とした遊技機において、変動表示装置は、遊技盤本体から後方へ離隔した位置に配置され、変動表示装置と遊技盤本体との間には透明な管部材を配置し、該管部材の内部空間を遊技球が1個ずつ通過可能な広さに設定したので、遊技盤と変動表示装置との間隔を十分に確保することができる。したがって、変動表示装置が遊技者に近過ぎるという圧迫感を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】遊技盤を着脱する途中のパチンコ遊技機の斜視図である。
【図2】遊技盤を取り外した状態のパチンコ遊技機の正面図である。
【図3】パチンコ遊技機の後方斜視図である。
【図4】(a)は裏機構ユニットの分解斜視図、(b)は球排出装置の説明図である。
【図5】遊技盤の正面図である。
【図6】前面枠の断面図である。
【図7】表示領域における排出報知表示の説明図である。
【図8】球排出機構の一部を変動表示装置と遊技盤本体との間に配置した状態図である。
【図9】球排出機構を遊技領域の外方に配置した状態のパチンコ遊技機の正面図である。
【図10】(a)は回収案内路を備えた球排出機構の説明図、(b)は排出分岐路および排出切換部材を備えた球排出装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例に挙げて本発明の実施の最良の形態を図面に基づき説明する。図1は遊技盤を着脱する途中のパチンコ遊技機の斜視図、図2は遊技盤を取り外した状態のパチンコ遊技機の正面図である。
パチンコ遊技機1は、外枠(機枠あるいは本体枠)2に、大きな矩形状開口を有する略額縁状の前面枠(内枠)3を開閉可能に軸着し、この前面枠3のベースとなる前面枠本体4(すなわち前面枠3側)に矩形状の遊技盤5を収納し、該遊技盤5のベースとなる遊技盤本体6を透明部材で形成し、該遊技盤本体6の前面に遊技領域7を形成している。また、前面枠3の前面側には、一側(図1中左側)が軸着された前面カバー部材(ガラス枠)8を開閉(回動)可能に設け、該前面カバー部材8に透視可能なガラス板8aを収納し、前面カバー部材8を閉じると、遊技盤5が前面カバー部材8により覆われるとともに、ガラス板8aを通して遊技領域7を前方から透視できるように構成している。さらに、前面枠本体4の裏面側のうち、遊技盤5(遊技盤本体6)の後方には、大型の表示部10を備えた変動表示装置11を配置し、該変動表示装置11を前面カバー部材8および遊技盤5を介して遊技盤5の前方から視認できるように構成されている。そして、前面カバー部材8の下方には、上皿ユニット12と下皿ユニット13とを左右に少し位置をずらした状態で上下に設け、上皿ユニット12と下皿ユニット13との間には、遊技状態に応じて音を発生するスピーカー14を配置し、下皿ユニット13の左側に灰皿15を備え、下皿ユニット13の右側に、遊技球を遊技領域7へ向けて発射操作するための発射装置(発射操作ユニット)16を備えている。
なお、変動表示装置11およびその周辺の構成、遊技盤5の構成については、後で詳細に説明する。
【0011】
前面枠本体4は、矩形状の開口を上寄りに開設した合成樹脂製枠体であり、開口の周縁に額縁状の遊技盤収納フレーム20を備え、遊技盤収納フレーム20内に遊技盤5を着脱可能な状態で収納している。また、遊技盤収納フレーム20の下方にフレームボード部21を備え、該フレームボード部21の上端に遊技盤載置部22を設け、該遊技盤載置部22に遊技盤5の下端を載置することで遊技盤5の上下方向の位置を規制する。なお、本実施形態の前面枠本体4は、遊技盤収納フレーム20およびフレームボード部21を含んだ状態で合成樹脂により一体成型されているが、遊技盤収納フレーム20およびフレームボード部21を別部材にして取り付けてもよい。
【0012】
遊技盤収納フレーム20は、前面枠本体4の前面から一段窪ませた凹状態で設けられたフレームである。また、遊技盤収納フレーム20の後縁には、内側(開口側)へ向けて背面部27を延設し、該背面部27を遊技盤5の後部に当接することで遊技盤5の前後方向の位置決めを行えるように構成されている(図6参照)。さらに、遊技盤収納フレーム20の一側(図2中左側)には、遊技盤5の正面から見て左側を前方から係合可能な係合部材28を上下2箇所に設け、該係合部材28の近傍には、遊技盤5の左側縁に当接可能なリブ状の位置決め部材29を配置している。また、遊技盤収納フレーム20の他側(図2中右側)には、遊技盤5の正面から見て右側を係止可能な側部係止部材30を回動可能な状態で軸着し、該側部係止部材30の上方には、遊技盤5の右側縁に当接可能なリブ状の当接部材31を配置している。そして、遊技盤収納フレーム20の上側部の右寄りには、遊技盤5の上部を係止可能な上部係止部材32を回動可能な状態で軸着している。なお、各係止部材30,32は、回動操作により、遊技盤5の前面に移動して背面部27との間で遊技盤5を挟み込む固定状態と、遊技盤5の前面から退避して遊技盤5を解放する解放状態とに変換するように構成されている。
【0013】
そして、前面枠本体4の裏側には、図3に示すように、裏機構ユニット35を前面枠本体4の開口を後方から覆う状態で配置し、該裏機構ユニット35の下方には、電源供給装置36、排出発射制御装置37、中継基板38、演出制御装置39等を配置している。裏機構ユニット35は、前面枠本体4に回動可能な状態で軸着されたユニットであり、主に遊技演出のための画像を表示する機能と、遊技球を貯留および排出する機能とを備えている。具体的に説明すると、前面枠本体4の開口よりも幅広に形成された裏機構枠40と、裏機構枠40の前側に配置された略矩形板状の変動表示装置11と、裏機構枠40の上側に配置された球貯留タンク41と、裏機構枠40の前側に配置された球排出機構42とを備えて構成されている。
【0014】
裏機構枠40は、図4に示すように、その前面を後方へ凹ませて略矩形状の表示装置収容部45を形成し、該表示装置収容部45内に変動表示装置11を収容している。また、表示装置収容部45の四隅には、変動表示装置11の隅部を嵌合可能な溝部46を設け、裏機構枠40の下縁部のうち左右の溝部46の間には、凹部47を上方へ凹ませて形成している。
【0015】
変動表示装置11は、表示した画像を変動させることにより遊技に関わる変動表示ゲームを実行するものであり、前面枠本体4の横幅と略等しい横幅に設定された大型の表示装置である。変動表示装置11は、発光する表示領域50を備えた液晶パネル等の表示部10と、該表示部10を収容する額縁状のフレーム部51と、該フレーム部51の四隅から上下方向へ突設された嵌合突起52とを備えている。また、各嵌合突起52を裏機構枠40の溝部46に嵌合し、当該変動表示装置11が上下方向及び左右方向へ移動したり、傾斜したりすることなく、表示装置収容部45内に収容できるように構成されている。
【0016】
また、裏機構枠40の前側の左右両側部には蓋部材58を止着している。右側の蓋部材58aは、裏機構枠40の上下方向の長さと略同じ長さで形成された縦長な部材であり、裏機構枠40の右側に配置された上下の溝部46の前方および表示装置収容部45の右側縁の前方を覆っている。また、左側の蓋部材58bは、倒L字状に形成された部材であり、縦長な側辺部を裏機構枠40の上下方向の長さと略同じ長さに設定し、横長な上辺部を裏機構枠40の横方向の長さよりも短く、先端部が右側の蓋部材58aに干渉しない程度の長さに設定している。そして、裏機構枠40の左側に配置された上下の溝部46の前方、表示装置収容部45の左側縁の前方および上側縁の前方を覆っている。したがって、左右の蓋部材58は、嵌合突起52が溝部46から外れる不具合を防いでいる。さらに、蓋部材58の上部および下部には、溝部46へ挿入可能な挿入突部(図示せず)を後方へ向けて突設し、該挿入突部と溝部46の後部との間に嵌合突起52を挟み込んで変動表示装置11が表示装置収容部45内でガタつくことを防いでいる。
【0017】
また、左右の蓋部材58のうち、外枠2と前面枠3との軸着側に配置される左側蓋部材58bには、回動軸受59を上下両側に設け、該回動軸受59に前面枠本体4の裏側に突設された回動軸60を嵌合して、裏機構枠40(すなわち裏機構ユニット35)を前面枠本体4に対して開閉できるように構成されている。さらに、外枠2と前面枠3との軸着側とは反対側に配置される右側蓋部材58aには、前面枠本体4に止着するための止着部61を突設し、裏機構ユニット35を前面枠本体4に対して閉成した状態で止着部61をビス等の止着部材62により前面枠本体4に止着して、裏機構ユニット35の閉状態(図3参照)を維持できるように構成されている。なお、裏機構ユニット35は、その閉状態を止着部材62により維持することに限定されない。例えば、前面枠本体4に係合部材(図示せず)を回動可能な状態で軸着し、係合部材を回動して止着部61に係合することで裏機構ユニット35を閉状態に維持し、係合部材を回動して止着部材から外すことで裏機構ユニット35の閉状態から開状態への変換を許容するように構成してもよい。
【0018】
そして、表示装置収容部45の一側(図4(a)中左側)の前方、具体的には左側蓋部材58bの前側には、正面から見て倒L字状の排出機構収容部63を後方へ凹ませて形成し、該排出機構収容部63内に球排出機構42を前方から収容できるように構成されている。なお、排出機構収容部63(すなわち左側蓋部材58b)は、その全体を透明樹脂等の透光性部材で形成され、後方に配置される変動表示装置11からの発光を前方へ透過する機能を備えている。
【0019】
このような構成の裏機構ユニット35を閉じた状態においては、変動表示装置11は、遊技盤収納フレーム20および遊技盤5(遊技盤本体6)から後方へ離隔した位置に、前面枠3の一側から他側に亘る状態、詳しくは変動表示装置11の一側を前面枠3の一側端周辺に配置するとともに、変動表示装置11の他側を前面枠3の他側端周辺に配置し、当該変動表示装置11の表示領域50を前面枠本体4の開口から前方へ臨ませた状態で配置される。また、閉状態の裏機構ユニット35は、フレームボード部21、電源供給装置36、排出発射制御装置37の上方に裏機構枠40の凹部47を配置して、変動表示装置11の下方に前後方向へ貫通する横長な開口部64を開設する(図2および図6参照)。さらに、後述する球排出機構42を遊技盤本体6および遊技盤収納フレーム20よりも後方に配置する(図6参照)。
【0020】
球貯留タンク41は、パチンコ遊技機1の外部、具体的には遊技機設置島設備の補給装置(図示せず)から供給(補給)される遊技球を貯留するためのものである。球貯留タンク41は、図4(a)に示すように、上部を開口した横長な有底箱体状に形成され、上部開口を球受入口として補給装置の下方に配置している。また、球貯留タンク41の底部を長手方向の一側(図4(a)中左側)から他側(図4(a)中右側)に向けて下り傾斜させ、球貯留タンク41の底部の傾斜下端側には、球排出機構42に連通する球流出口(図示せず)を開設している。
【0021】
球排出機構42は、図4(a)に示すように、球整列樋66、排出流入樋(排出待機路)67、球排出装置68、および球誘導樋69から構成されており、左側蓋部材58bの排出機構収容部63に収容され、左側蓋部材58bから突出しない状態で配置されている。球整列樋66は、球貯留タンク41の下方に配置されて球貯留タンク41の球流出口に連通する部材であり、排出機構収容部63の横長な上辺部に収容されている。また、球整列樋66の内部には、球流出口から遊技球を2条に整列させる整列路66a(図6参照)を球貯留タンク41の底部の傾斜方向とは反対方向に下り傾斜した状態で形成している。
【0022】
排出流入樋67は、球整列樋66を流下した遊技球を賞球あるいは貸球としてパチンコ遊技機1の前面側(具体的には上皿ユニット12あるいは下皿ユニット13)へ流下させるか、またはパチンコ遊技機1の外部(遊技機島設備内の球回収樋)へ流下させるかを切り換えるための部材である。この排出流入樋67は、排出機構収容部63の上辺部の一側寄り(図4(a)中左寄り)に配置されており、排出流入樋67の内部には、球整列樋66の整列路66aの傾斜下端に連通する受入流路67aを備え、該受入流路67aの下端を分岐して排出路と球抜路とに分岐し、分岐部には切換弁を設け(何れも図示せず)、受入流路67a内の遊技球を排出路へ流下させる状態と球抜路へ流下させる状態とに変換できるように構成されている。
【0023】
球排出装置68は、排出流入樋67の排出路の下端に連通し、遊技球の排出動作を行う装置であり、排出機構収容部63の縦長な側辺部の上寄りに配置されている。そして、排出流入樋67の排出路から流下する遊技球(賞球あるいは貸球)を計数しながら排出できる機能を備えている。具体的には、図4(b)に示すように、当該球排出装置68の内部に球排出流路68aを形成し、該球排出流路68aの途中には、前後に並んだ2つのスプロケット68bの端部を臨ませ、球排出流路68aのうちスプロケット68bよりも下方には遊技球を検出可能な検出センサ68cを設けている。そして、スプロケット68bの外周部に形成した球保持溝68d内に球が1つずつ嵌合した状態でスプロケット68bを回転すると、遊技球が球排出流路68aの下流側に流下し、検出センサ68cが所定数の遊技球が流下したことを検出すると、スプロケット68bの回転が停止される。なお、2つのスプロケット68bは、互いに球保持溝68dの1個分だけ位相がずれた状態で回転軸68eに固定され、該回転軸68eを駆動モータ68fの出力軸に伝動機構(図示せず)を介して接続し、遊技球1個分だけ位相をずらして回転するように構成されている。したがって、2つのスプロケット68bは、一体に回転し、交互に遊技球を下方へ排出できるように構成されている。
【0024】
球誘導樋69は、球排出装置68から排出された遊技球を流下させて上皿ユニット12あるいは下皿ユニット13へ誘導する一方、排出流入樋67の球抜路から流下する遊技球を遊技機島設備内の球回収樋へ誘導するための樋である。球誘導樋69は、排出機構収容部63の側辺部に配置され、当該球誘導樋69の内部に排出誘導路69aと球抜誘導路69bとを備えている。そして、排出誘導路69aを裏機構枠40の一側寄り(図4(a)中右寄り)、言い換えると遊技盤本体6の中央寄りの後方に配置し、球抜誘導路69bを裏機構枠40の他側寄り(図4(a)中左寄り)、言い換えると遊技盤本体6の側部寄り(図5中左側部寄り)の後方に配置している。さらに、排出誘導路69aの上流端を球排出装置68の球排出流路68aの下流端に接続し、球抜誘導路69bの上流端を排出流入樋67の球抜路の下流端に接続している。また、排出誘導路69aの下流端を前面枠本体4の裏側に形成された排出案内路の受入口(図示せず)に接続し、球抜誘導路69bの下流端を前面枠本体4の裏側に形成された球抜案内路72の受入口(図示せず)に接続している。なお、本実施形態の球排出機構42では、排出誘導路69aの上流端が球抜誘導路69bの上流端よりも1段低い位置に設定され、球排出装置68が排出誘導路69aの上流端と排出流入樋67の下端部との間に挟まれる状態で配置されている。
【0025】
そして、本実施形態の球排出機構42は、透明部材で形成されている。具体的に説明すると、球排出機構42は、球整列樋66の整列路66a、排出流入樋67内の各流路、球排出装置68内の球排出流路68a、球誘導樋69の排出誘導路69a等、遊技球が通過可能な通路を透光性部材(例えば、透明樹脂)で区画形成するとともに、各通路を収納するケーシングを透光性部材で形成している。したがって、球排出機構42は、当該球排出機構42内を移動する遊技球を外部から視認できるように構成されている。さらには、後方の変動表示装置11の表示領域50を、遊技盤5の前方から球排出機構42および排出機構収容部63を透過して視認できるように構成されている。
【0026】
次に遊技盤5について説明する。
遊技盤5は、図5および図6に示すように、矩形状の透明樹脂板で形成された遊技盤本体6と、該遊技盤本体6の裏側に配置された枠部材76と、該枠部材76の下部の裏側(遊技盤本体6とは反対側)に配置された球寄せベース77と、該球寄せベース77に軸着され、機種毎に異なる画像や音声等を記憶する記憶部として機能する演出データ装置78と、該演出データ装置78の後部に回動機構79を介して配置され、機種毎に異なる遊技の進行を統括的に制御する遊技制御装置80とを備えて構成されている。
【0027】
遊技盤本体6は、その前面に遊技領域区画部材81を止着して略円形状の遊技領域7を区画形成し、遊技領域区画部材81の側部(図5中左側部)には、遊技領域7内へ遊技球を案内するための円弧状の案内誘導路82を形成している。そして、遊技領域7の略中央部にゲーム視認領域83を設定し、該ゲーム視認領域83から後方の変動表示装置11の表示領域50のうち変動表示ゲームを表示する部分、具体的には、表示領域50の中央部分を前方に臨ませるように構成している。さらに、ゲーム視認領域83の上方及び左右両側方を覆うようにして透明な庇部84を設け、該庇部84の上面を遊技領域7の左右両側へ向けて下り傾斜させている。したがって、遊技盤5は、案内誘導路82から遊技領域7の上部へ案内された遊技球を庇部84により遊技領域7の左右両側へ振り分けて、遊技球がゲーム視認領域83内を流下することを防止する。そして、遊技盤本体6の裏側のうち庇部84よりも上方の位置には、不透明なカバー部85を設け、遊技盤本体6の上部の後方に配置される球排出機構42の一部(具体的には球整列樋66)をカバー部85により覆い隠して遊技盤5の前方から視認不能となるように構成されている。
【0028】
また、遊技領域7のうちゲーム視認領域83の左右両側方に普通図柄始動ゲート86および風車87を配置し、ゲーム視認領域83の下方に入賞装置88を配置している。具体的には、ゲーム視認領域83の中央部の下方に変動表示装置11の変動表示ゲームを始動するための始動入賞口89を配置し、該始動入賞口89の左右両側方に一般入賞口90を配置し、始動入賞口89の下方に大入賞口91を配置している。また、入賞装置88の後部には、入賞装置88へ入賞した遊技球が通過する入賞通路(図示せず)をそれぞれ形成し、該入賞通路(すなわち入賞装置88の後部)を遊技盤本体6の後方へ突出している。さらに、一般入賞口90の側方には、発光により各種の装飾表示を行うサイドランプ92を配置し、大入賞口91の下方には、入賞せずに流下した遊技球を回収するアウト口93を開設している。そして、遊技領域7のうち普通図柄始動ゲート86、始動入賞口89、一般入賞口90、大入賞口91、サイドランプ92やゲーム視認領域83を除いた部分に障害釘94(本発明における障害部材に相当)を植設してある。なお、障害部材は、釘状のものに限定されず、遊技領域7の遊技球の流下を邪魔するものであれば、どのようなものでもよい。
【0029】
枠部材76は、遊技盤本体6の周囲に沿う状態で配置された矩形状の部材であり、中央部分に大きな略扇形状の枠開口96(図6参照)を開設し、該枠開口96の周縁部から視認領域区画壁97を後方、すなわち変動表示装置11側へ向けて延出している。視認領域区画壁97は、変動表示装置11の前方の領域を内外に区画する半透明樹脂製の壁であり、当該視認領域区画壁97の内側の前方には、遊技領域7のゲーム視認領域83が配置され、後方には、変動表示装置11の表示領域50の中央部周辺が配置される。また、視認領域区画壁97の外方、具体的には、視認領域区画壁97のうち枠開口96の下縁部に設けられた部分の下方には、遊技球が通過可能な大きさで前後方向に貫通した複数の通路開口(図示せず)を開設し、該通路開口を入賞装置88の入賞通路に連通している。
【0030】
球寄せベース77は、入賞装置88に入賞した遊技球を回収するための部材であり、当該球寄せベース77の内部に遊技球が通過可能な球寄せ流路を複数形成し、該球寄せ流路の下流側開口を球寄せベース77の下縁部に開設し、該球寄せ流路を流下した遊技球を遊技盤5の下方へ排出するように構成されている(いずれも図示せず)。
【0031】
演出データ装置78は、球寄せベース77と略同じ横幅で形成された装置であり、球寄せベース77の裏側に回動可能な状態で装着されている。また、遊技盤5のうち開口部64に対応する箇所、具体的には、遊技盤5を前面枠本体4へ装着した際に当該演出データ装置78が開口部64へ進入可能となる箇所(高さ)に配置されている(図1および図6参照)。さらに、演出データ装置78の裏面の下部には、回動機構79の一部である軸部99を備えている。
【0032】
遊技制御装置80は、前面枠本体4の開口部64を挿通可能な程度の厚さを有する横長な箱形状を呈し、遊技盤5のうち開口部64に対応する箇所、具体的には、遊技盤5を前面枠本体4へ装着した際に当該遊技制御装置80が開口部64を後方へ通過可能となる箇所(高さ)に配置されている。また、遊技制御装置80の一側縁(図6中上側縁)に回動機構79の一部である軸受部100を設け、該軸受部100に軸部99を回動自在な状態で軸着して、軸部99を中心にして上下方向へ回動可能としている。したがって、遊技制御装置80は、回動機構79により横向きに配置されて開口部64へ挿脱(通過)可能となる挿脱状態(図1参照)と、縦向きに配置されて開口部64へ挿脱不能となる挿脱不能状態(図6参照)とに変換できるように構成されている。
【0033】
次に、前面枠本体4に遊技盤5を着脱する手順について説明する。
まず、前面枠3に遊技盤5を取り付けるには、前面カバー部材8を大きく開き、係止部材30,32を解放状態に変換しておく。そして、遊技盤5の遊技制御装置80を横に倒して挿脱状態に変換し、遊技領域7を前に向けた姿勢で、遊技盤5の左側部を係合部材28と背面部27との間に差し込み(図1参照)、この状態で遊技盤5の左側面を位置決め部材29に押し当てるようにしながら遊技盤5の右側を遊技盤収納フレーム20内に押し入れ、遊技盤5の下端を遊技盤載置部22上に載せる。すると、挿脱状態の遊技制御装置80が開口部64を通過して開口部64の後方に配置され、回動機構79および演出データ装置78が開口部64内に挿入される。さらに、遊技盤5を十分に後退させて背面部27に遊技盤5(詳しくは枠部材76)の裏面を当接する。すると、演出データ装置78が開口部64内に配置される。
【0034】
前面枠3に遊技盤5を装着したならば、係止部材30,32を固定状態に変換して遊技盤5を固定する。そして、必要に応じて前面枠3の裏側を操作できる状態(例えば、外枠2に対して前面枠3を開いて前面枠3の裏側を露出させた状態)に変換し、開口部64の後方に配置された挿脱状態の遊技制御装置80を下方へ回動して挿脱不能状態に変換する(図6および図3参照)。すると、遊技制御装置80は、裏機構ユニット35の下方に配置されて前面枠3の後部に装備され、当該遊技制御装置80の下部を開口部64よりも下方に配置し、開口部64から前後方向へ引き出せない姿勢となる。
【0035】
遊技盤5を遊技盤収納フレーム20へ収納し、遊技制御装置80を裏機構ユニット35の下方に配置したならば、遊技盤5と前面枠3内の各装置(排出発射制御装置37や電源供給装置36等)との間の配線作業を行う。そして、前面カバー部材8を閉じて遊技領域7を前面カバー部材8で覆い、前面枠3が外枠2に対して開状態であれば、前面枠3を閉じる。
【0036】
このようにして遊技盤5を装着したパチンコ遊技機1は、図5および図6に示すように、変動表示装置11と遊技盤本体6との間に、球排出機構42の全体を配置し、さらに、遊技領域7の後方に球排出機構42の一部(具体的には、球排出装置68の右側部および球誘導樋69の右側部)を配置して遊技盤5の前方から視認できるように構成される。したがって、変動表示装置11の後方に配置される構成を減少させることができ、変動表示装置11を前面枠3の最後部の周辺に配置して遊技盤5と変動表示装置11との間隔を十分に確保することができる。この結果、パチンコ遊技機1の奥行き寸法を広げずに、変動表示装置11が遊技者に近過ぎるという圧迫感を抑えることができる。また、前面カバー部材8を開放して遊技盤5の前面を露出すれば、球排出機構42の全体を遊技盤5の前方から遊技盤本体6を透過して容易に視認することができる。したがって、球排出機構42の点検(目視点検)のために、前面枠3を開放する等してパチンコ遊技機1の裏側を露出する必要がない。これにより、パチンコ遊技機1の点検作業の効率向上を図ることができる。
【0037】
さらに、変動表示装置11の前方に配置される球排出機構42および排出機構収容部63を透明部材で形成し、遊技盤5の前方から球排出機構42および排出機構収容部63を透過して変動表示装置11の表示領域50を視認可能としたので、表示領域50内の表示内容の一部が球排出機構42および排出機構収容部63の後方に隠れて見えなくなる不都合を防ぐことができ、遊技の興趣の低減を抑えることができる。また、遊技者に球排出機構42内を流下する遊技球の流れを見せることができ、遊技の興趣を高めることができる。さらに、球排出機構42内で遊技球の球詰まりが発生した場合には、球詰まりの状態を容易に確認することができる。したがって、球排出機構42の復旧準備を迅速に行うことができる。
【0038】
また、球排出機構42の復旧準備を行う際には、前面枠3を外枠2に対して開いて裏機構ユニット35を露出し、該裏機構ユニット35を後方へ回動して開状態にすれば、球排出機構42の前側を露出することができる。したがって、遊技盤5を取り外すことなく簡単に球排出機構42を露出することができ、球排出機構42の復旧作業(あるいはメンテナンス作業)の準備を効率よく行うことができる。
【0039】
そして、パチンコ遊技機1は、発射装置16から遊技球を発射すると、該遊技球が案内誘導路82に案内されて遊技領域7の上部に達した後、障害釘94や風車87により方向を変えながら遊技領域7内を流下する。遊技球が入賞装置88へ入賞すると、この入賞装置88への入賞に基づいて、球排出機構42の排出流入樋67および球排出装置68が作動して球貯留タンク41内に貯留された遊技球を賞球として前面枠3の前側(上皿ユニット12あるいは下皿ユニット13)へ排出する。このとき、賞球を流下させる排出誘導路69aが遊技領域7の側部(図8中左側部)の後方に配置されているので、遊技者は、遊技の結果獲得できた賞球が排出される動きを見て楽しむことができ、遊技の興趣を一層高めることができる。
【0040】
さらに、賞球排出時において、変動表示装置11は、表示領域50のうち球排出機構42の後方周辺で、球排出機構42による遊技球の排出を報知する排出報知表示を行う。例えば、図7に示すように、表示領域50のうち球排出機構42の後方周辺に複数の発光エリア102を縦に並べて設定し、各発光エリア102の点滅タイミングをずらして発光部分が遊技球の流下方向に沿って進んでいるかのように見せ、遊技球が発光部分の移動方向と同じ方向へ移動していることを報知する。このような排出報知表示が行われることにより、遊技球の排出作業が行われていることを遊技者へ容易に知らせることができる。また、大当たり中に賞球として大量の遊技球が排出される場合には、大量の遊技球が球排出機構42内を流下する様子を遊技者に見せることができる。したがって、賞球を獲得したという優越感を遊技者へ与え易く、遊技の興趣の向上を図ることができる。
【0041】
ところで、上記実施形態では、遊技盤本体6と変動表示装置11との間に球排出機構42の全体を配置したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図8に示すように、遊技盤本体6と変動表示装置11との間に、球排出機構42の側部(図8中左側部)を遊技盤本体6および変動表示装置11の側部(左側部)から突出する状態で配置して、球排出機構42の一部が遊技盤本体6と変動表示装置11との間に配置されるように構成してもよい。このように構成されたパチンコ遊技機1であっても、変動表示装置11を前面枠3の最後部の周辺に配置することができ、変動表示装置11が遊技者に近過ぎるという圧迫感を抑えることができる。
【0042】
また、上記実施形態では、球排出機構42は、球排出装置68の一部および球誘導樋69の一部を遊技領域7の後方に配置したが、本発明はこれに限定されず、図9に示すように、球排出装置68および球誘導樋69を遊技領域7の後方から外れた位置に配置してもよい。このとき、球排出機構42は、当該球排出機構42のうち遊技領域7寄りの縁部を遊技領域7の縁部(遊技領域区画部材81の縁部)の近傍に配置することが好適である。このような配置に設定すれば、前面カバー部材8を閉じた状態でパチンコ遊技機1の正面から見ると球排出機構42を視認できないが、斜め前方から見ると球排出機構42を視認することができる。したがって、球排出機構42を遊技中の遊技者から見え難いように配置したとしても、球排出機構42の目視点検を容易に行うことができる。
【0043】
さらに、上記した実施形態では、球排出装置68は、遊技球を球誘導樋69にのみ排出するように構成されたが、本発明はこれに限定されず、遊技球を球誘導樋69だけではなく球誘導樋69以外にも排出できるようにしてもよい。例えば、図10に示す実施形態の球排出機構42は、基本的には第1実施形態と同じであるが、球排出装置68の構成および球誘導樋69の構成が異なる。具体的に説明すると、球排出装置68は、図10(b)に示すように、球排出流路68aのうちスプロケット68bよりも下流側の部分から排出分岐路104を側方(図10(b)中右側)へ向けて分岐し、排出分岐路104の途中に遊技球を検出可能な検出センサ105を設け、排出分岐路104の下端を遊技盤本体6の中央部の後方、詳しくはゲーム視認領域83の中央部の後方へ向けて開放している。また、球排出流路68aと排出分岐路104との分岐部分には、遊技球の排出方向を切換可能な排出切換部材106を備えている。
【0044】
排出切換部材106は、球排出流路68aあるいは排出分岐路104を閉塞できる縦長な弁部材であり、下端部(軸着部)を排出分岐路104の上流側開口の下端近傍に配置するとともに、下端部から回動軸107を後方へ向けて突設し、該回動軸107を中心にして回動可能な状態で軸着され、回動軸107の後端にソレノイド108等の回動駆動源を接続している。そして、例えば、ソレノイド108を消磁した常態においては、当該排出切換部材106の上端部(先端部)を排出分岐路104の上流側開口の上端近傍に配置して排出分岐路104を閉塞し、スプロケット68bから送り出される遊技球を排出誘導路69aへ排出する誘導路排出状態(図10(b)中破線で示す状態)を維持する。また、ソレノイド108を励磁すると、回動軸107の周りに回動して、当該排出切換部材106の上端部が球排出流路68aを挟んで下端部とは反対側に移動し、球排出流路68aを分岐部分で遮断するとともに、球排出流路68aの上流側と排出分岐路104とを連通する状態、すなわち中央排出状態(図10(b)中実線で示す状態)に変換し、スプロケット68bから送り出される遊技球を排出分岐路104へ流下させて、遊技盤本体6の中央部の後方へ向けて排出できるように構成されている。
【0045】
また、球誘導樋69は、その側方に回収案内路110をゲーム視認領域83の後方から球排出機構42側へ向けて下り傾斜した状態で備えている。回収案内路110は、遊技盤本体6の後方に配置され、中央排出状態の球排出装置68からの遊技球を回収可能な球受部であり、その上端をゲーム視認領域83のうち球排出機構42とは反対側(図10(a)中右側)の後方に配置し、該回収案内路110の下流部を排出誘導路69aの下流部に接続(連通)している。また、回収案内路110の上流部(上端から始動入賞口89の後方に対応する箇所までに亘る部分)を、始動入賞口89と右側の風車87との間に並んで植設された障害釘列111(すなわちゲーム視認領域83の下方に植設された障害釘94)よりも上方に配置している。
【0046】
このような構成の球排出装置68および球誘導樋69を備え、排出切換部材106を誘導路排出状態に変換し、この状態でスプロケット68bを回転すると、球排出装置68は、遊技球を球排出流路68aの下端から排出し、球誘導樋69の排出誘導路69aへ流下させる。一方、排出切換部材106を中央排出状態に変換し、この状態でスプロケット68bを回転すると、図10(a)に示すように、遊技球を排出分岐路104から排出してゲーム視認領域83の後方へ流下させる。このことから、遊技の進行に応じて球排出装置68から排出される遊技球の流下方向を変えることができ、遊技盤5の後方で遊技球の流下により遊技演出を行うことができる。例えば、遊技球が始動入賞口89に入賞したことに基づいて変動表示ゲームを実行した結果、大当たりとなる乱数を抽出した場合に、所定の割合(例えば1/6の割合)で排出切換部材106を中央排出状態に変換して、球排出装置68から排出される遊技球(具体的には、大当たり動作が行われる前に発生した賞球)をゲーム視認領域83の後方へ流下すれば、この賞球の流下方向を変化させたことで大当たりの予告を遊技者へ知らせることができる。また、変動表示ゲームを表示する表示領域50の前方に賞球としての遊技球を流下させるので、遊技者は、賞球が流下する様子を変動表示ゲームから視線を外さずに確認することができる。したがって、遊技の興趣を一層高め易い。
【0047】
なお、排出切換部材106を中央排出状態に変換するタイミングは、上記した大当たり予告の段階に限らない。例えば、変動表示ゲームにおいて、所謂リーチ表示が行われている最中(具体的には、大当たり発生直前のリーチ表示や、遊技者に大当たり発生を期待させ易いリーチ表示等が行われている最中)に入賞が発生して賞球が排出される時に、排出切換部材106を中央排出状態に変換して賞球をゲーム視認領域83の後方に流下させてもよい。
【0048】
そして、球排出装置68の排出分岐路104から排出された遊技球(賞球)は、ゲーム視認領域83の後方、すなわち遊技領域7上の遊技球が庇部84に阻止されて流下できない領域の後方を流下する。さらに、遊技盤5の正面から見てゲーム視認領域83の下方の障害釘列111よりも上方で回収案内路110に受け止められ、この回収案内路110に案内されて排出誘導路69aの下端へ流入する。したがって、遊技者は、排出分岐路104から排出されて回収案内路110に回収される賞球と、遊技領域7を流下して障害釘列111により流れを規制される遊技球(すなわち入賞の可能性がある遊技球)とを見間違える虞がない。このことから、遊技の興趣が低減する不都合を抑えることができる。
【0049】
なお、上記実施形態の回収案内路110は、上方を開放し、排出分岐路104から流下した遊技球を下方から受け止めるスロープ部材で構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、遊技盤本体6と変動表示装置11との間に透明な管部材を配置して回収案内路(バイパス流路)を構成し、該管部材の内部空間を遊技球が1個ずつ通過可能な程度の広さに設定し、該管部材の上端を排出分岐路104の下端に接続するとともに、管部材の下端を排出誘導路69aの下流部に連通してもよい。そして、管部材を円弧状に湾曲させて、管部材の中間部分をゲーム視認領域83の後方に配置し、排出分岐路104から排出された遊技球が1列に並んだ状態でゲーム視認領域83の後方を流下するように構成してもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、変動表示装置11をその一側が前面枠3の一側端周辺に配置されるとともに、他側が前面枠3の他側端周辺に配置されるように設定したが、本発明はこれに限定されない。変動表示装置11は、その一部が球排出機構42の一部と前後に重なる状態で配置されるものであれば、どのような大きさに設定されてもよい。
【0051】
そして、上記した実施形態は、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、前面枠と、該前面枠側に着脱可能な遊技盤と、遊技に関わる変動表示ゲームを実行する変動表示装置とを備えた遊技機であればどのような遊技機でもよい。例えば、内部に封入した遊技球を循環させる封入球式パチンコ機、アレンジボール式遊技機、雀球式遊技機等の遊技機であってもよい。
【0052】
なお、前記した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は、上記した説明に限らず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれるものである。
【符号の説明】
【0053】
1 パチンコ遊技機
3 前面枠
4 前面枠本体
5 遊技盤
6 遊技盤本体
10 表示部
11 変動表示装置
35 裏機構ユニット
40 裏機構枠
41 球貯留タンク
42 球排出機構
45 表示装置収容部
50 表示領域
58 蓋部材
58a 右側蓋部材
58b 左側蓋部材
63 排出機構収容部
66 球整列樋
67 排出流入樋
68 球排出装置
69 球誘導樋
80 遊技制御装置
83 ゲーム視認領域
84 庇部
94 障害釘
102 発光エリア
104 排出分岐路
106 排出切換部材
110 回収案内路
111 障害釘列

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面枠と、該前面枠側に着脱可能であり、透明部材で形成された遊技盤本体に障害部材及び入賞装置を設けた遊技盤と、前記遊技盤本体の後方に配置され、表示領域内で遊技に関わる変動表示ゲームを実行する変動表示装置と、前記入賞装置への入賞に基づいて遊技球を前面枠の前側へ排出可能な球排出機構と、を備え、前記遊技盤の前方から変動表示装置の表示領域を視認可能とした遊技機において、
前記変動表示装置は、前記遊技盤本体から後方へ離隔した位置に配置され、
前記変動表示装置と前記遊技盤本体との間には透明な管部材を配置し、該管部材の内部空間を遊技球が1個ずつ通過可能な広さに設定したことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記球排出機構は、前記入賞装置への入賞に基づいて遊技球の排出動作を行う球排出装置と、該球排出装置から排出された遊技球が流下可能な排出誘導路と、を備え、
前記管部材は、前記排出誘導路を構成することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−172972(P2011−172972A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104040(P2011−104040)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【分割の表示】特願2005−319345(P2005−319345)の分割
【原出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】