遊技機
【課題】複数の部材を接続する演出部材において、接続した複数の部材同士のずれを抑制する。
【解決手段】パチンコ遊技機100は、遊技盤110に設けられて演出を行う頭部11と、遊技盤110にて、頭部11とは別体に設けられ、頭部11と相対的に近づいて頭部11に接続して演出を行う胴体部31と、頭部11と胴体部31とが接続した際に、頭部11と胴体部31とが離れないように頭部11と胴体部31とを連結する連結部として機能する開閉機構部51とを備えている。
【解決手段】パチンコ遊技機100は、遊技盤110に設けられて演出を行う頭部11と、遊技盤110にて、頭部11とは別体に設けられ、頭部11と相対的に近づいて頭部11に接続して演出を行う胴体部31と、頭部11と胴体部31とが接続した際に、頭部11と胴体部31とが離れないように頭部11と胴体部31とを連結する連結部として機能する開閉機構部51とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶画面等で行われる画像演出に合わせて、実際の構造物、いわゆるギミックといわれる演出部材を作動させて、演出効果を盛り上げる遊技機が提案されている。
例えば、特許文献1には、以下のようなギミックを備えた遊技機の技術が記載されている。左右のハート形開閉部材は、上下の金属棒によるレールによって左右にスライド可能な状態で設けられている。左右のハート形開閉部材は、閉じた状態で互いに接触する接触面を閉塞側の端面の上側及び下側に有し、互いに接触せずに停止した状態で、駆動力が加えられない側となる上側の接触面が、駆動力が加えられる側となる下側の接触面より閉じる方向にずれるように所定角度だけ傾斜して配置する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−234021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、遊技盤において複数の部材を接続させる演出部材を用いて演出を行いたい場合がある。この場合に、複数の部材を接続した後に、例えば他の構成部材が動作などによって振動が発生し、その振動により複数の部材同士の位置関係にずれが生じる場合がある。このように、複数の部材同士の位置関係が本来意図する位置からずれると、演出部材として見栄えが低下する畏れがある。
本発明は、複数の部材を接続する演出部材において、接続した複数の部材同士のずれを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成する本発明は、遊技盤110に設けられて演出を行う第1部材11と、遊技盤110にて、第1部材11とは別体に設けられ、第1部材11と相対的に近づいて第1部材11に接続して演出を行う第2部材31と、第1部材11と第2部材31とが接続した際に、第1部材11と第2部材31とが離れないように第1部材11と第2部材31とを連結する連結部51と、を備え、連結部51は、第2部材31に設けられ、凸部52G及び第1部材11に設けられる受け部16に掛かる掛かり部52Fを備えるフック部材52と、フック部材52の凸部52Gが嵌め込まれて凸部52Gを介してフック部材52の掛かり部52Fの位置を案内する案内溝571,572と、を有し、案内溝571,572は、フック部材52の掛かり部52Fが第1部材11の受け部16に掛かるように案内する連結案内部S1と、掛かり部52Fの受け部16に対する掛かりが解除するように案内する解除案内部S3とを形成することを特徴とする遊技機100である。
【0006】
また、上記の目的を達成する本発明は、遊技盤110に設けられて演出を行う第1部材11と、遊技盤110にて、第1部材11とは別体に設けられ、第1部材11と相対的に近づいて第1部材11に接続して演出を行う第2部材31と、第1部材11と第2部材31とが接続した際に、第1部材11と第2部材31とが離れないように第1部材11と第2部材31とを連結する連結部51と、を備えることを特徴とする遊技機100である。
ここで、連結部51は、第2部材31に設けられ、第1部材11に設けられる受け部16に掛かるフック部材52を有することを特徴とすることができる。
また、フック部材52は、凸部52G及び受け部16に掛かる掛かり部52Fを備え、連結部51は、フック部材52の凸部52Gが嵌め込まれ凸部52Gを介してフック部材52の掛かり部52Fの位置を案内する案内溝571,572をさらに備え、案内溝571,572は、フック部材52の掛かり部52Fが第1部材11の受け部16に掛かるように案内する連結案内部S1と、掛かり部52Fの受け部16に対する掛かりが解除するように案内する解除案内部S3とを形成することを特徴とすることができる。
【0007】
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の部材を接続する演出部材において、接続した複数の部材同士のずれを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係るパチンコ遊技機の概略正面図である。
【図2】本実施形態のパチンコ遊技機の部分拡大図である。
【図3】本実施形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示す図である。
【図4】本実施形態の可動役物の全体図である。
【図5】頭部を説明するための図である。
【図6】アーム部を説明するための図である。
【図7】胴体部を説明するための図である。
【図8】出現状態の位置ある胴体部ユニットを示す図である。
【図9】開閉機構部を説明するための図である。
【図10】フック部材を詳細に説明するための図である。
【図11】開閉機構部の動作を説明するための図である。
【図12】位置合わせ部を説明するための図である。
【図13】腕部ユニットの全体図である。
【図14】クランク機構を説明するための図である。
【図15】第1段階における第1腕部ユニットを示す図である。
【図16】第2段階における第1腕部ユニットを示す図である。
【図17】第3段階における第1腕部ユニットを示す図である。
【図18】第4段階における第1腕部ユニットを示す図である。
【図19】第5段階における第1腕部ユニットを示す図である。
【図20】本実施形態の可動役物の全体としての動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
【0011】
遊技盤110は、正面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の正面に、各種の演出に用いられる可動役物115(後述の図4参照)および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
【0012】
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
【0013】
本実施形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動するゲート124と、が遊技盤110に配設されている。ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器を作動させることとなる遊技球の入賞に係る入賞口をいう。
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば6秒間)および規定回数(例えば3回)だけ開く。
【0014】
なお、パチンコ遊技機100は、所定の条件下で、特別図柄抽選において大当たりに当選する大当たり確率が変動する場合(低確状態(例えば300分の1)から高確状態(例えば30分の1)への変動)がある。また、パチンコ遊技機100は、所定の条件下で、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間が短縮されたり、普通図柄抽選時の当選する確率が高まったり、普通図柄抽選時の普通図柄変動時間が短縮されたり、電動チューリップ123の羽根の開時間が延長されたり、電動チューリップ123の羽根が開く回数が増えたりする場合がある。
【0015】
また、本実施形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選が始動しない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。
なお、本実施形態では、遊技領域111に第1始動口121および第2始動口122が配設されているが、いずれか一方のみを配設する構成例やさらに他の始動口を配設する構成例も考えられる。また、本実施形態では、遊技領域111に大入賞口125が1つ配設されているが、大入賞口125を複数配設する構成例も考えられる。
本実施形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
【0016】
また、遊技盤110の裏面には、内部抽選および当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられる。また、遊技盤110の裏面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が配設されている。
【0017】
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿153(図2参照)と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
なお、本実施形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
【0018】
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
【0019】
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行い、また、枠ランプ157は、点灯点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
【0020】
図2は、本実施形態に係るパチンコ遊技機100の部分拡大図である。図2(a)は遊技盤110の右下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、図2(b)はパチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過することにより普通図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222および普通図柄表示器223の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって各抽選結果を表す図柄が表示される。
【0021】
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
【0022】
ここで、保留について説明する。特別図柄や普通図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに他の遊技球による入賞があると、その入賞した遊技球に対する図柄の変動表示動作は、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、規定個数(例えば4個)を限度に保留される。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未抽選数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
【0023】
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図2(b)に示すように、本実施形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。演出キー162は、その中央に1つの中央キーを配置し、また、中央キーの周囲に略同一形状の4つの周囲キーを配置して構成されている。遊技者は、4つの周囲キーを操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶことが可能であり、また、中央キーを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
【0024】
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。
図3に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、内部抽選および当選の判定等といった払い出す賞球数に関する各種制御を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部400と、を備えている。
【0025】
前述したように、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320、および払出制御部400各々は、遊技盤110の後面に配設されたメイン基板としての遊技制御基板、サブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
【0026】
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、内部抽選および当選の判定等といった払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選での当選か否かの判定結果を演出制御部300に送る。また、特別図柄抽選時の当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間の短縮設定、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間の短縮設定を行い、設定内容を演出制御部300に送る。
【0027】
さらに、遊技制御部200は、電動チューリップ123の羽根の開時間の延長、および電動チューリップ123の羽根が開く回数の設定、さらには羽根が開く際の開閉動作間隔の設定を制御する。また、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
また、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口125が所定条件(例えば30秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
【0028】
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部400に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部400に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部400に指示しない。
払出制御部400が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部400から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
【0029】
遊技制御部200には、図2に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
【0030】
また、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(大当たり抽選)の未抽選分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器218と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の未抽選分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器219と、ゲート124への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する未抽選分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
【0031】
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
【0032】
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板250が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部400から取得した払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板250を介してホストコンピュータに送信する。
【0033】
〔演出制御部の構成・機能〕
次に、演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果に基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン等(演出ボタン161および演出キー162)を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。また、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、遊技制御部200が特別図柄抽選時の当選確率を変動させた場合、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間を短縮させた場合、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間を短縮させた場合には、演出制御部300は設定された内容に対応させて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
【0034】
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。
【0035】
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。さらには、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
【0036】
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
【0037】
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
【0038】
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部400は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU401と、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM402と、CPU401の作業用メモリ等として用いられるRAM403と、を備えている。
そして、払出制御部400は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部400は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部411を制御する。ここでの払出駆動部411は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
【0039】
また、払出制御部400には、払出駆動部411により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部412と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部413と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部414と、が接続されている。そして、払出制御部400は、払出球検出部412、球有り検出部413および満タン検出部414にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
【0040】
さらに、払出制御部400には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板450が接続されている。そして、払出制御部400は、例えば払出駆動部411に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部412にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板450を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
【0041】
〔可動役物の機能・構成〕
図4は、本実施形態の可動役物115の全体図である。
可動役物115は、図4に示すように、頭部ユニット10、胴体部ユニット30及び腕部ユニット60を備えている。また、本実施形態の可動役物115は、図4に示すように、ロボット型をしている。そして、本実施形態の可動役物115では、例えば遊技状態に応じて、装飾部材118の背面側に待機させておいた頭部ユニット10、胴体部ユニット30及び腕部ユニット60が遊技盤110の中央部に向けて移動することで出現する。
【0042】
頭部ユニット10は、遊技盤110の上側に設けられている。頭部ユニット10は、頭を模した第1部材の一例としての頭部11及び頭部11を上下方向に移動させるアーム部21を有している。そして、頭部ユニット10は、遊技盤110の上側にて装飾部材118の背面側に待機させた頭部11を、アーム部21によって下方に移動させ、例えば画像表示部114の前に頭部11を出現させる。本実施形態では、後述するように頭部11と胴体部31とを合体させるために、頭部11は、胴体部31に向けて移動する。そして、演出が終了すると、頭部ユニット10では、アーム部21によって頭部11を上方に移動させ、元の待機させた状態にする。
【0043】
胴体部ユニット30は、遊技盤110の下側に設けられている。胴体部ユニット30は、胴体を摸した胴体部31及び胴体部31を上下方向に移動させるリフト部41を有している。そして、胴体部ユニット30は、遊技盤110の下側にて装飾部材118の背面側に待機させた胴体部31を、リフト部41によって上方に移動させ、例えば画像表示部114の前に胴体部31を出現させる。本実施形態では、頭部11と胴体部31とを合体させるために、胴体部31は、頭部11に向けて移動する。また、演出が終了すると、リフト部41によって胴体部31を下方に移動させ、元の待機させた状態にする。
【0044】
そして、本実施形態の可動役物115は、頭部ユニット10の頭部11と胴体部ユニット30の胴体部31とが待機した状態からそれぞれ移動して、遊技盤110の中央部に集まる。そして、図4に示すように、頭部ユニット10の頭部11と胴体部ユニット30の胴体部31とが合体する(コンバイン)ように構成されている。
【0045】
腕部ユニット60は、図4の左側に配置される第1腕部ユニット60Lと、図4の右側に配置される第2腕部ユニット60Rとを備えている。また、第1腕部ユニット60L及び第2腕部ユニット60Rは、それぞれ前腕部61及び拳部71を有している。
そして、第1腕部ユニット60Lにおいて、前腕部61及び拳部71は、下方に設けられる回転軸を中心に図中時計周りに回転し、遊技盤110の左側側面における装飾部材118の背面側に待機した状態(図1の状態)から遊技盤110の中央部に出現する。また、第2腕部ユニット60Rにおいて、前腕部61及び拳部71は、下方に設けられる回転軸を中心に図中反時計回りに回転し、遊技盤110の右側側面の装飾部材118の背面側に待機した状態(図1の状態)から、遊技盤110の中央部に出現する。
【0046】
なお、以下の説明において、頭部ユニット10の頭部11、胴体部ユニット30の胴体部31、及び腕部ユニット60の前腕部61及び拳部71が遊技盤110の中央部に出現した状態を「出現状態」と呼び、遊技盤110の装飾部材118の背面側にそれぞれ位置した状態を「待機状態」と呼ぶ。
【0047】
(頭部の機能・構成)
図5は、頭部11を説明するための図である。なお、図5(a)は、顔シャッタ13(後述)が閉じた状態であり、図5(b)は顔シャッタ13が開いた状態である。
図5(a)に示すように、頭部11は、顔部材12と、顔部材12に対して移動可能に設けられ顔部材12を覆う顔シャッタ13とを備えている。顔部材12は、顔シャッタ13に接続するシャッタばね17と案内ピン15を有する。顔シャッタ13は、顔シャッタ13の移動を案内するシャッタ案内部14と後述するフック部材52の掛かりを受けるフック受け部16を有する。
なお、図5(a)に示すように、頭部11には、頭部11と胴体部31とを合体させる際に、頭部11と胴体部31との相対的な位置を合わせるための部位となる頭位置合わせ部91を備えている。なお、この頭位置合わせ部91については、後に詳しく説明する。
【0048】
図5(b)に示すように、シャッタ案内部14は、顔シャッタ13の左右側部にそれぞれ形成された直線状の溝である。シャッタ案内部14は、頭部11が遊技盤110に設けられた状態で、溝の方向が遊技盤110の上下方向に沿うように設定されている。また、シャッタ案内部14の溝は、顔部材12に形成される案内ピン15が移動可能に嵌るように幅が設定されている。
【0049】
案内ピン15は、シャッタ案内部14に嵌められて、顔部材12の正面側に取り付けられる。本実施形態の案内ピン15は、図5(b)に示すように、顔シャッタ13の左右それぞれに設けられている。案内ピン15には、顔シャッタ13のシャッタ案内部14の溝が嵌り込むようになっている。そして、顔部材12の案内ピン15は、シャッタ案内部14を保持することによって、顔シャッタ13の移動方向を案内する。
なお、本実施形態では、左右の2箇所にて顔シャッタ13の移動を案内することで、顔シャッタ13の移動を安定させている。
【0050】
受け部の一例としてのフック受け部16は、顔シャッタ13の下端部に設けられる。また、本実施形態では、フック受け部16は、顔シャッタ13の左右方向の端部側にそれぞれ一つずつ設けられて合計2箇所に設けられる。本実施形態では、フック受け部16を離れた2箇所に設けることによって、顔シャッタ13を移動させる際に、顔シャッタ13が傾かないようにし、顔シャッタ13の開閉動作が安定するようにしている。
また、シャッタばね17には、本実施形態ではコイルばねを用いることができる。シャッタばね17は、顔部材12と顔シャッタ13とをつなぐ部材である。シャッタばね17は、図6(b)に示すように、一端が顔部材12の上側に接続し、他端が顔シャッタ13の上端に接続している。そして、シャッタばね17は、顔シャッタ13が顔部材12を覆う、顔シャッタ13を図中上側に引っ張る力を顔シャッタ13に付与する。
【0051】
(顔部の動作)
続いて、頭部11における顔シャッタ13の開閉動作について説明する。
図5(b)に示すように、シャッタばね17の引っ張り力に抗して、フック受け部16を下側に向けて引っ張ることによって、頭部11の顔シャッタ13が下側にスライド移動する。このとき、顔シャッタ13は、シャッタ案内部14が顔部材12の案内ピン15に案内されて、下側に向けて直線状に移動する。そして、顔シャッタ13が下側に向けて降りることで、顔シャッタ13の背後に設けられる顔部材12が現れる。
【0052】
そして、顔シャッタ13が下側に降りて顔シャッタ13が開いた状態において、フック受け部16を開放すると、シャッタばね17のバネ力によって顔シャッタ13が引き戻される。そして、顔シャッタ13が上側に向けて上昇する。その結果、図5(a)に示すように、顔シャッタ13により顔部材12が再び覆われた状態になる。
以上のようにして、頭部11は、顔部材12に対して顔シャッタ13が開閉し、顔部材12が隠れた状態と顔部材12が現れた状態との2つの状態をとるように構成されている。
【0053】
(アーム部の機能・構成)
図6は、アーム部21を説明するための図である。なお、図6(a)は頭部11を待機状態に位置させた場合を示し、図6(b)は頭部11を出現状態に位置させた場合を示す。なお、図6(a)及び図6(b)は、それぞれ頭部ユニット10の背面側を示している。
図6(a)に示すように、アーム部21は、図中左側に位置する第1アーム部材22Laと第2アーム部材22Lbとを有している。第1アーム部材22Laと第2アーム部材22Lbとは、ヒンジ23Lによって互いに接続している。また、アーム部21は、図中右側に位置する第3アーム部材22Raと第4アーム部材22Rbとを有している。第3アーム部材22Raと第4アーム部材22Rbとは、ヒンジ23Rによって互いに接続している。そして、これら第1アーム部材22La、第2アーム部材22Lb、第3アーム部材22Ra、及び第4アーム部材22Rbの4本の部材は菱形状に配置される。
【0054】
さらには、アーム部21は、第1アーム部材22Laなどのアーム部材を移動させる際の動力源となるアームモータ21Mを備えている。また、アーム部21は、図6(a)に示すように、円弧状歯部241に設けた被検知部27の通過を検知するアームセンサ28を備えている。そして、アーム部21は、第1アーム部材22Laなどのアーム部材やアームモータ21M及びアームセンサ28を保持するアームベース部材21Bを備えている。
【0055】
図6(a)に示すように、第1アーム部材22Laは、ヒンジ23Lが接続しない側の端部に複数の歯を円弧状に配置した円弧状歯部241を有している。第2アーム部材22Lbは、ヒンジ23Lが設けられない側の端部に円弧状歯部242を有している。
また、第3アーム部材22Raは、ヒンジ23Rが設けられない側の端部に円弧状歯部243を有している。第4アーム部材22Rbは、ヒンジ23Rが接続しない側の端部に円弧状歯部244を有している。
【0056】
そして、本実施形態では、第1アーム部材22Laの円弧状歯部241の回転中心に通される軸261が、上側の枠部材150(図1参照)に固定されるアームベース部材21Bに取り付けられる。同様に、第3アーム部材22Raの円弧状歯部243の回転中心に通される軸263が、アームベース部材21Bに取り付けられる。これによって、アーム部21は、アームベース部材21Bにぶら下がるように保持される。
【0057】
また、図6(a)に示すように、第2アーム部材22Lbの円弧状歯部242の回転中心に通される軸262が、頭部11の背面側に取り付けられる。同様に、第4アーム部材22Rbの円弧状歯部244の回転中心に通される軸264が、頭部11の背面側に取り付けられる。これにより、本実施形態の頭部11は、アーム部21を介してアームベース部材21Bから吊り下げられた状態になる。
なお、本実施形態では、上記のとおり、第2アーム部材22Lb及び第4アーム部材22Rbの2本の部材によって、例えば頭部11が傾かないように頭部11を安定して保持している。
【0058】
さらに、アーム部21は、図6(a)に示すように、第1アーム部材22Laの円弧状歯部241に噛み合う第1ギア251と、第1ギア251及び第3アーム部材22Raの円弧状歯部243にそれぞれ噛み合う第3ギア253とを備える。
さらに、アーム部21は、第2アーム部材22Lbの円弧状歯部242に噛み合う第2ギア252と、第2ギア252と第4アーム部材22Rbの円弧状歯部244にそれぞれ噛み合う第4ギア254とを備える。
【0059】
本実施形態では、円弧状歯部243と円弧状歯部244とを、第2ギア252及び第4ギア254を介して接続することによって、第1ギア251〜第4ギア254、及び第1アーム部材22La〜第4アーム部材22Rbが機構的に連結する。そして、本実施形態では、アーム部21を構成する上記の部材が連動するようにしている。本実施形態では、このように全ての部材を連動させ、例えば特定の部材が他の部材よりも遅れて動くといった部材間のずれを防止している。また後述するように、単一のアームモータ21Mによりアーム部21を構成する部材全体を動かすことを可能にしている。
【0060】
アームモータ21Mには、本実施形態ではステッピングモータなどを採用することができる。アームモータ21Mは、アームベース部材21Bに取り付けられる。また、アームモータ21Mは、演出制御部300の制御によって駆動する。そして、アームモータ21Mは、第1ギア251に接続し、第1ギア251に回転駆動力を付与する。
【0061】
アームセンサ28は、アームベース部材21Bに取り付けられている。従って、第1アーム部材22Laが動作した際においても、アームセンサ28の位置は移動しない。また、アームセンサ28は、図6(a)に示すように、円弧状歯部241の被検知部27が対向した際に、被検知部27を挟むようにして配置される発光素子及び受光素子(検知素子)を備えている。そして、アームセンサ28は、発光素子から発したビームが受光素子によって検知されたか否かという検知結果を演出制御部300に送信する。
【0062】
被検知部27は、図6(a)に示すように、円弧状歯部241の外周に設けられた扇形の板状の部材である。被検知部27は、一端27aと他端27bとを有する。そして、被検知部27の一端27aは、図6(a)に示すように、頭部11が待機状態になるように円弧状歯部241が回転した状態において、アームセンサ28に対向する部分となるように設定されている。また、被検知部27の他端27bは、図6(b)に示すように、頭部11が出現状態になるように円弧状歯部241が回転した状態において、アームセンサ28に対向する部分となるように設定されている。
【0063】
そして、本実施形態では、アームセンサ28の検知結果に基づいて、アーム部21の状態を把握する。例えば、図6(a)の待機状態から図6(b)の出現状態へと移行する場合、被検知部27の他端27bがアームセンサ28を通過する。この通過するとき、アームセンサ28の検出パターン結果は、アームセンサ28に対し被検知部27の一端27aから他端27bまでの間の領域が対向する状態の「受光なし」から、他端27bを通過してアームセンサ28に被検知部27が対向しない状態の「受光あり」に変化する。本実施形態では、この「受光なし」から「受光あり」に変化する受光パターンの検知結果に基づいて、頭部11が出現状態の位置にとなる状態にアーム部21がなったと把握する。なお、出現状態から待機状態へと移行する場合も同様である。
【0064】
本実施形態において、演出制御部300は、通常、アーム部21を動作させる際には、アームモータ21Mを予め定めた回転角度だけ回転するように制御する。本実施形態のアーム部21において、例えば頭部11を待機状態から出現状態に移行させる場合、演出制御部300は、待機状態のアーム部21のアームモータ21Mを予め定められたステップ数(回転角度)だけ回転させる。また、アーム部21によって頭部11を出現状態から待機状態に移行させる場合には、演出制御部300は、出現状態のアーム部21のアームモータ21Mを予め定められたステップ数(回転角度)だけ回転させる。
このように、アームモータ21Mのステップ数(回転角度)を制御することによって、アーム部21の上下動を制御することにより、本実施形態では、演出制御部300におけるアーム部21の制御プログラムの簡易化を図っている。
【0065】
そして、何らかの原因よって、アーム部21の動作が意図する状態から外れる場合がある。即ち、出現状態のアーム部21において予め定めた回転角度だけアームモータ21Mを回転させたにもかかわらず、アーム部21が待機状態にならない場合がある。このような場合には、アームセンサ28の検知結果を利用することで、アーム部21の動作の修正を図る。
【0066】
具体的には、アーム部21が待機状態となる方向にアームモータ21Mを回転させる。そして、アームセンサ28による受光パターンが「受光なし」→「受光あり」に変化したタイミングでアームモータ21Mの回転を停止する。これにより、アーム部21を待機状態に戻すことができる。
また、アーム部21が出現状態となる方向にアームモータ21Mを回転させる。そして、アームセンサ28による受光パターンが「受光なし」→「受光あり」に変化したタイミングでアームモータ21Mの回転を停止する。これにより、アーム部21を出現状態にすることができる。
【0067】
(アーム部の動作)
図6(b)に示すように、アームモータ21Mを駆動することによって、第1ギア251を図中矢印VIb方向に回転させる。そうすると、第1ギア251の回転を受けた第1アーム部材22Laの円弧状歯部241が回転することにより、第1アーム部材22Laが下側に向けて押し下げられる。そして、第1アーム部材22Laが押し下げられることで、ヒンジ23Lを介して、第2アーム部材22Lbも押し下げられる。
また、第1ギア251が回転することにより、第3ギア253が回転し、第3ギア253の回転を受けた第3アーム部材22Raの円弧状歯部243が回転することにより、第3アーム部材22Raが下側に向けて押し下げられる。そして、第3アーム部材22Raが押し下げられることで、ヒンジ23Rを介して、第4アーム部材22Rbも押し下げられる。
そして、第2アーム部材22Lbの円弧状歯部242を通る軸262、及び第4アーム部材22Rbの円弧状歯部244を通る軸264に接続する頭部11が下側に向けて移動する。
【0068】
以上のように、本実施形態では、アームモータ21Mを駆動し、第1ギア251を回転させることによって、図6(a)に示す待機状態から、図6(b)に示す出現状態へと頭部11の位置が移行する。
なお、頭部11の位置を出現状態から待機状態へと移行させる場合には、図6(b)に示す矢印VIbとは逆方向に第1ギア251を回転させる。これによって、図6(b)に示す出現状態のように頭部11が下側に位置した状態から、図6(a)に示す待機状態のように頭部11が上側に位置した状態へと移行する。
【0069】
〔胴体部ユニットの機能・構成〕
図7は、胴体部31を説明するための図である。図7(a)は胴体部ユニット30の背面図であり、図7(b)は(a)に示すVIIb−VIIb断面図である。また、図8は、出現状態の位置ある場合の胴体部ユニット30を示す図である。
胴体部ユニット30は、第2部材の一例としての胴体部31と、胴体部31を上下に移動させるリフト部41とを備えている。そして、胴体部31は、図7(b)に示すように、胴体ベース部材31Bと、胴体部31の正面側(遊技者側)に装飾を施す胴体装飾部材33と、頭部ユニット10における頭部11の顔シャッタ13を開閉する開閉機構部51とを備えている。
【0070】
胴体ベース部材31Bは、後述するリフト部41の第1ピニオンギア441及び第2ピニオンギア442の接続をそれぞれ受ける第1ラックギア341及び第2ラックギア342を備える。また、胴体ベース部材31Bは、後述するリフト部41によって移動の際に案内を受ける第1凸条部351及び第2凸条部352を備えている。さらには、胴体ベース部材31Bは、後述する第1リフトセンサ46及び第2リフトセンサ47の検出対象となる第1被検知部361及び第2被検知部を備えている。
そして、胴体ベース部材31Bには、胴体装飾部材33及び開閉機構部51が取り付けられる。つまり、胴体装飾部材33及び開閉機構部51は、胴体ベース部材31Bによって保持される。従って、後述するように、リフト部41が胴体ベース部材31Bを上下に移動させることで、胴体装飾部材33及び開閉機構部51も胴体ベース部材31Bに伴って上下に移動する。
【0071】
第1ラックギア341及び第2ラックギア342は、図7(a)に示すように、胴体部31が遊技盤110に設けられた状態で、上下方向に沿って延びて設けられる。そして、第1ラックギア341及び第2ラックギア342は、本実施形態では、胴体ベース部材31Bの左右の端部にそれぞれ設けられる。また、第1ラックギア341の歯と第2ラックギア342の歯とが向き合うように形成される。そして、第1ラックギア341には第1ピニオンギア441が接続し、第2ラックギア342には第2ピニオンギア442が接続する。そして、第1ラックギア341及び第2ラックギア342が力を受けることによって、胴体ベース部材31Bが上下方向に移動する。
【0072】
第1凸条部351及び第2凸条部352は、図7(b)に示すように、断面が凸形状を有する筋状の部材である。第1凸条部351及び第2凸条部352は、胴体部31が遊技盤110に取り付けられた状態にて、それぞれ上下方向に延びて形成される(図8参照)。そして、図7(b)に示すように、第1凸条部351はリフトベース部材41Bの第1リフト案内部451の溝に、第2凸条部352は第2リフト案内部452の溝に移動可能に嵌め込まれる。このようにして、第1凸条部351及び第2凸条部352がリフト部41の第1リフト案内部451及び第2リフト案内部452によって移動可能の保持されることで、胴体部31がリフト部41によって案内されながら上下方向に移動する。
【0073】
第1被検知部361と第2被検知部362とは、それぞれ背面側に向けて突出形成された部材である。そして、第1被検知部361及び第2被検知部362は、後述する第1リフトセンサ46及び第2リフトセンサ47を用いた胴体ベース部材31Bの位置の検出の際に基準となる被検部材として用いられる。
そして、第1被検知部361と第2被検知部362とは、本実施形態では、それぞれ第1ラックギア341と第2ラックギア342とに取り付けられる。図7(a)に示すように、第1ラックギア341の上端部に第1被検知部361が設けられる。また、第2ラックギア342の下端部に第2被検知部362が設けられる。
【0074】
本実施形態では、第1被検知部361は、図7(a)に示すように、胴体部31が待機状態の位置にあるときに、第1リフトセンサ46に対向する第1ラックギア341の部分に形成する。また、第2被検知部362は、図8に示すように、胴体部31が出現状態の位置にあるときに、第2リフトセンサ47に対向する第2ラックギア342の部分に形成する。
【0075】
(リフト部の機能・構成)
リフト部41は、図7(a)に破線で示すように、リフトベース部材41Bを有する。また、リフト部41は、駆動源であるリフトモータ41M、リフトモータ41Mのシャフトに接続するモータシャフトギア431、及びモータシャフトギア431に接続するギア432を備える。さらに、リフト部41は、モータシャフトギア431及び胴体部31の第1ラックギア341に噛み合う第1ピニオンギア441と、ギア432及び胴体部31の第2ラックギア342に噛み合う第2ピニオンギア442とを備える。さらに、図7(a)に示すように、リフトベース部材41Bは、胴体ベース部材31Bを案内する第1リフト案内部451及び第2リフト案内部452を左右方向の端部にそれぞれ有している。
【0076】
図7(b)に示すように、リフトモータ41Mは、リフトベース部材41Bに取り付けられる。また、ギア432、第1ピニオンギア441、及び第2ピニオンギア442の回転軸は、それぞれリフトベース部材41Bに取り付けられる。そして、リフトベース部材41Bは遊技盤110に固定される。従って、リフトベース部材41Bに保持されるリフトモータ41Mやギア部材は、部材の位置として移動はしない。
【0077】
本実施形態のリフトモータ41Mには、ステッピングモータを用いることができる。リフトモータ41Mは、演出制御部300による制御により回転する。そして、リフトモータ41Mは、回転力をモータシャフトギア431に付与する。
モータシャフトギア431は、リフトモータ41Mから受けた回転力を第1ピニオンギア441に伝達する。また、モータシャフトギア431は、リフトモータ41Mから受けた回転力を第2ピニオンギア442にも伝達する。
そして、第1ピニオンギア441及び第2ピニオンギア442は、リフトモータ41Mから伝達される回転力を胴体部31の第1ラックギア341及び第2ラックギア342に付与する。
【0078】
第1リフト案内部451及び第2リフト案内部452は、図7(b)に示すように断面が凹部形状を有する溝である。そして、第1リフト案内部451及び第2リフト案内部452は、リフト部41が遊技盤110に設けられた状態にて、上下方向に沿って延びて形成される。第1リフト案内部451及び第2リフト案内部452を構成する溝の幅は、胴体ベース部材31Bの第1凸条部351及び第2凸条部352の幅を大きく超えないサイズに設定されている。そして、第1リフト案内部451の溝に沿って胴体ベース部材31Bの第1凸条部351が移動可能に嵌め込まれ、第2リフト案内部452の溝に沿って第2凸条部352が嵌め込まれて、リフト部41にて胴体部31を上下方向移動させる際に胴体ベース部材31Bを案内する。
【0079】
第1リフトセンサ46及び第2リフトセンサ47は、図7(a)に示すように、リフトベース部材41Bに取り付けられる。従って、胴体部31が移動しても、第1リフトセンサ46及び第2リフトセンサ47は移動しない。
【0080】
第1リフトセンサ46は、第1被検知部361が対向した際に、第1被検知部361を挟むようにして配置される発光素子及び受光素子(検知素子)を有する。また、第2リフトセンサ47は、第2被検知部362が対向した際に、第2被検知部362を挟むようにして配置される発光素子及び受光素子(検知素子)を有する。そして、第1リフトセンサ46及び第2リフトセンサ47は、それぞれ、発光素子から発したビームが受光素子によって検知されたか否かという検知結果を演出制御部300に送信する。
【0081】
例えば、図7(a)に示す待機状態においては、第1リフトセンサ46には第1被検知部361が対向し、第2リフトセンサ47には第2被検知部362は対向していない。従って、第1リフトセンサ46では「受光なし」、第2リフトセンサ47では「受光あり」という検知結果が得られる。一方で、図8に示す出現状態では、第1リフトセンサ46には第1被検知部361は対向せずに、第2リフトセンサ47に第2被検知部362が対向する状態になる。この場合、第1リフトセンサ46では「受光あり」、第2リフトセンサ47では「受光なし」とう検知結果が得られる。
このように、本実施形態では、演出制御部300において、第1リフトセンサ46及び第2リフトセンサ47における受光パターンに基づき、少なくとも胴体ベース部材31Bが待機状態の位置あるいは出現状態のいずれの状態にあるかを判断可能な構成となっている。
【0082】
(リフト部の動作)
本実施形態では、演出制御部300によってリフトモータ41Mを制御することで、リフト部41を動作させる。例えば、演出制御部300は、リフトモータ41Mが予め定められた回転方向に、予め定められたステップ数(回転角度)だけ回転するように制御する。
そして、図8に示すように、リフトモータ41Mを動作させて、モータシャフトギア431を図中矢印VIII方向に回転させる。そうすると、モータシャフトギア431に接続する第1ピニオンギア441が回転する。そして、第1ピニオンギア441の回転を受けて、リフトベース部材41Bの第1ラックギア341が上方に向けて押し上げられる。一方、モータシャフトギア431が回転することで、ギア432を介して第2ピニオンギア442が回転する。そして、第2ピニオンギア442の回転によって、リフトベース部材41Bの第2ラックギア342が上方に向けて押し上げられる。リフトベース部材41Bが上側に向けて押し上げられることで、リフトベース部材41Bに保持される胴体部31が出現状態の位置へと移動する。
【0083】
以上のように、本実施形態では、リフトモータ41M駆動し、モータシャフトギア431を回転させることによって、図7(a)に示す待機状態から、図8に示す出現状態へと胴体部31の位置が移行する。
なお、胴体部31の位置を出現状態から待機状態へと移行させる場合には、図8に示す矢印VIIIとは逆方向にモータシャフトギア431を回転させる。これによって、図8に示す出現状態のように胴体部31が上側に位置した状態から、図7(a)に示す待機状態のように胴体部31が下側に位置した状態へと移行する。
【0084】
(開閉機構部の機能・構成)
続いて、図9及び図10を参照しながら、開閉機構部51の説明を行う。
図9は、開閉機構部51を説明するための図である。図9(a)は開閉機構部51を背面側からみた図であり、図9(b)は開閉機構部51を正面側からみた図である。また、図10は、フック部材52を詳細に説明するための図である。
なお、説明のために図9(a)ではリフト部41の図示を省略し、図9(b)では胴体装飾部材33の図示を省略している。
【0085】
図9(a)に示すように、連結部の一例としての開閉機構部51は、頭部11における顔シャッタ13のフック受け部16(図5参照)に掛けられるフック部材52(第1フック部材521及び第2フック部材522)と、フック部材52を移動させるフック移動部材53と、フック移動部材53の動力源となるフックモータ51Mと、フック部材52の動きを案内するフック案内部材57(図9(b)参照)とを備える。
【0086】
図9(a)に示すように、フック移動部材53は、背面側に第1ラックギア541と第2ラックギア542とを備える。そして、開閉機構部51は、図9(a)に示すように、第1ラックギア541に接続する第1ピニオンギア551と、第1ピニオンギア551に噛み合うとともに第2ラックギア542に接続する第2ピニオンギア552とを備える。さらに、開閉機構部51は、第2ピニオンギア552に接続する第1ギア561、第1ギア561に接続する第2ギア562、及び第2ギア562に噛み合うととものフックモータ51Mの回転軸に接続するモータシャフトギア563を備える。
さらには、開閉機構部51は、開閉機構センサ58と、第1ラックギア541に設けられ開閉機構センサ58の検知対象となる被検知部53Pとを備える。
なお、本実施形態では、第1ピニオンギア551、第2ピニオンギア552、第1ギア561、第2ギア562、モータシャフトギア563、フックモータ51M、及び開閉機構センサ58は、胴体ベース部材31Bに保持される。
【0087】
フック部材52は、図10に示すように、一端側に掛かり部52Fを有し、他端側に被案内部52Gを有する。また、フック部材52は、掛かり部52Fとフック案内部材57との間に接続部52Jを有する。
フック部材52の掛かり部52Fは、顔シャッタ13のフック受け部16に引っ掛かるように、本実施形態では先端部が鍵状に形成されている。また、被案内部52Gは、凸形状を有しており、後述するようにフック案内部材57の溝に嵌め込まれて、溝に案内されながら移動することで、フック案内部材57による案内を受ける部分である。また、できるように構成されている。さらに、接続部52Jは、フック移動部材53に接続する部分である。そして、本実施形態では、フック部材52は、接続部52Jを中心に掛かり部52F及び被案内部52Gが回転方向に移動できるように、接続部52Jがフック移動部材53に保持される。
【0088】
図9(a)に示すように、第1ラックギア541及び第2ラックギア542は、遊技盤110に取り付けられた状態にて、上下方向に延びて形成される。また、第1ラックギア541と第2ラックギア542とは、各々が有する歯が互いに向き合いように取り付けられる。そして、第1ラックギア541と第2ラックギア542との間に、第1ピニオンギア551と第2ピニオンギア552とが配置される。
【0089】
フック移動部材53には、図9(b)に示すように、正面側に、第1フック部材521の接続部52J及び第2フック部材522の接続部52Jがそれぞれ取り付けられる。そして、フック移動部材53は、接続部52Jを介してフック部材52を回転自在に保持する。
【0090】
また、フック移動部材53には、正面側に、筋状の突起である前側凸部53Fpが形成されている(図7(b)参照)。また。フック移動部材53は、背面側に、筋状の突起である背面凸部53Bpを備えている(図7(b)参照)。そして、フック移動部材53は、正面側において対向するフック案内部材57に前側凸部53Fpが接触し、背面側において対向する胴体ベース部材31Bに背面凸部53Bpが接触する。これにより、フック移動部材53は、フック案内部材57と胴体ベース部材31Bとによる正面側から背面側への方向(以下、前後方向と呼ぶ)の案内を受ける。さらに、フック移動部材53は、2箇所に設けられた背面凸部53Bpが胴体ベース部材31Bによって両端側から挟み込まれることで、左右方向の案内を受ける。
【0091】
そして、フック移動部材53は、背面側にて、第1ラックギア541及び第2ラックギア542が、第1ピニオンギア551及び第2ピニオンギア552から力を受けることで、遊技盤110の上下方向に沿って直線状に移動する。また、フック移動部材53は、移動に伴って、正面側にて接続部52Jを介して保持するフック部材52を移動させる。
なお、本実施形態では、フック移動部材53を移動させてフック部材52を介して顔シャッタ13を保持しながら移動させ、移動前にフック移動部材53が位置していた空間に顔シャッタ13を格納する。従って、本実施形態では、フック移動部材53が移動することで、移動前にフック移動部材53が位置する空間(図7(b)参照)が格納部として機能する。
【0092】
フックモータ51Mには、ステッピングモータなどを用いることができる。フックモータ51Mは、胴体ベース部材31Bに取り付けられる。本実施形態では、フックモータ51Mは、演出制御部300による制御に基づいて回転する。そして、フックモータ51Mは、モータシャフトギア563に回転力を付与する。
そして、フックモータ51Mは、モータシャフトギア563、第2ギア562、第1ギア561、第1ピニオンギア551及び第2ピニオンギア552に回転力を伝達する。そして、フックモータ51Mは、第1ピニオンギア551及び第2ピニオンギア552を介して、フック移動部材53の第1ラックギア541および第2ラックギア542に力を付与する。
【0093】
開閉機構センサ58は、図9(a)に示すように、本実施形態では、胴体ベース部材31Bの下端側であって、フック移動部材53に伴って移動する被検知部53Pの移動経路上に設けられる。そして、開閉機構センサ58は、被検知部53Pが対向した際に、被検知部53Pを挟むようにして配置される発光素子及び受光素子(検知素子)を有する。そして、開閉機構センサ58は、発光素子から発したビームが受光素子によって検知されたか否かという検知結果を演出制御部300に送信する。
【0094】
被検知部53Pは、フック移動部材53の図中左側の側部に設けられ、外側に向けて突出した部材である。本実施形態では、被検知部53Pは、フック移動部材53が最も引き下げられ、後述するようにフック部材52がフック案内部材57の第3区間S3(後述)に達したときに、開閉機構センサ58と対向する部分に設けられる。
【0095】
フック案内部材57は、図9(b)に示すように、第1案内溝571及び第2案内溝572を備える。そして、本実施形態の第1案内溝571及び第2案内溝572は、フック案内部材57の内側に向けて延び、一旦直線状になり、その後さらに内側に向けて延びた形状の溝によってそれぞれ構成されている。
また、フック案内部材57は、胴体ベース部材31Bに取り付けられている。従って、後述するように、フックモータ51Mによってモータを回転させ、フック移動部材53やフック部材52を移動させた場合であっても、これらの部材との関係では、フック案内部材57は相対的に移動しない。
【0096】
そして、図10に示すように、第1案内溝571及び第2案内溝572は、顔シャッタ13のフック受け部16(図5参照)にフック部材52の掛かり部52Fを掛けるように案内する第1区間S1と、フック受け部16に掛かり部52Fを掛けた状態で下側に向けて引っ張るように案内する第2区間S2と、フック受け部16に掛けた掛かり部52Fを解除するように案内する第3区間S3とをそれぞれ形成している。
なお、本実施形態では、第1区間S1が連結案内部として、第3区間S3が解除案内部として機能する。
【0097】
そして、図10に示すように、第1案内溝571には、第1フック部材521の被案内部52Gが嵌め込まれる。また、第2案内溝572には、第2フック部材522の接続部52Jが嵌め込まれる。本実施形態のフック部材52は、接続部52Jを中心に回転可能に構成され、さらに接続部52Jが上下方向に移動する。そして、フック案内部材57は、フック部材52の端部に設けられる被案内部52Gの位置を案内することで、フック部材52が接続部52Jを中心にして回転させ、フック部材52の他端に設けられる掛かり部52Fの位置を変える。
そして、フック案内部材57は、フック移動部材53によってフック部材52が上下方向に移動する際に、第1案内溝571が第1フック部材521の被案内部52Gを案内し、第2案内溝572が被案内部52Gを案内することによって、フック部材52の掛かり部52Fの左右方向における位置を動かす機能を有している。
【0098】
(開閉機構部の動作)
図11は、開閉機構部51の動作を説明するための図である。
なお、第1案内溝571及び第1フック部材521と、第2案内溝572及び第2フック部材522とは、それぞれ左右対称の関係にあることを除いて基本的な構成および動作は同様である。従って、以下では、フック案内部材57の第2案内溝572による、第2フック部材522の案内動作を例にして説明し、第1案内溝571及び第1フック部材521についての説明は省略する。
また、図11では、説明のために、顔部材12の顔シャッタ13を併せて表示している。
【0099】
頭部ユニット10の頭部11と胴体部ユニット30の胴体部31とが互いに出現状態の位置に移動する(図4参照)。このとき、図11(a)に示すように、第2フック部材522の被案内部52Gは、第2案内溝572の第1区間S1の上端の始点に位置している。
【0100】
まず、フックモータ51Mによってモータシャフトギア563を図9(a)に示す矢印IXa方向に回転させる。そうすると、第1ピニオンギア551及び第2ピニオンギア552は、第1ギア561及び第2ギア562を介して、モータシャフトギア563から回転力の伝達を受ける。そして、第1ピニオンギア551及び第2ピニオンギア552は、それぞれ第1ラックギア541及び第2ラックギア542に対して下側に移動する力を付与する。その結果、フック移動部材53は、下側に向けて移動する。
【0101】
図11(a)に示すように、フック移動部材53が動作する前の状態において、第2フック部材522の被案内部52Gは、第2案内溝572の第1区間S1の始点に位置している。この状態において、第2フック部材522の掛かり部52Fは、顔シャッタ13のフック受け部16に対して左右方向における内側に位置しており、フック受け部16には掛かっていない状態にある。
【0102】
そして、図11(a)に示す状態から、フック移動部材53が下側に移動することによって、フック移動部材53に接続する接続部52Jを介して第2フック部材522は、下側に向けて引っ張られる。そして、第2フック部材522の被案内部52Gは、第2案内溝572の第1区間S1の終点(第2区間S2の始点)に到達する。このとき、フック部材52は、第1区間S1の始点から第1区間の終点に到達するまでの間に、第2フック部材522は、接続部52Jを中心に被案内部52Gが内側に引き込まれる。そして、第2フック部材522は、回転可能に保持される接続部52Jを中心に、図11(b)の矢印XIb方向に回転する。これに伴って、接続部52Jを挟んで被案内部52Gとは反対側に設けられる掛かり部52Fは外側に向けて移動する。
【0103】
本実施形態では、第2フック部材522の被案内部52Gが第2案内溝572の第2区間S2に位置すると、第2フック部材522の掛かり部52Fが顔シャッタ13のフック受け部16に掛かるようになっている。
以上のようにして、第2案内溝572の第1区間S1によって、第2フック部材522は、顔シャッタ13のフック受け部16に掛かった状態になる。
【0104】
続いて、フック移動部材53が下側に向けてさらに移動すると、図11(c)に示すように、第2フック部材522の被案内部52Gが、第2案内溝572の第2区間S2の始点から終点まで移動する。このとき、本実施形態では、第2案内溝572は、第2フック部材522(被案内部52Gが)の移動方向に沿って形成されているため、第2フック部材522は回転しない。即ち、第2フック部材522の掛かり部52Fが顔シャッタ13のフック受け部16に掛かった状態が維持されながら、第2フック部材522が下側に向けて移動する。
これに伴って、頭部11の顔シャッタ13は、下側に向けて引っ張られることで、顔部材12に対してスライドするように移動する(図5(b)参照)。
【0105】
なお、頭部11の顔シャッタ13は、下側に向けて移動することによって、胴体部ユニット30の胴体部31に引き込まれた状態になる。本実施形態では、図7(b)に示すように、顔シャッタ13は、胴体ベース部材31Bとフック案内部材57との間に収まる。そして、この状態において、本実施形態の可動役物115を正面側から見ると、顔シャッタ13が胴体部31によって引き込まれ、顔シャッタ13が胴体部31に覆われて隠れた状態になる。一方で、頭部11においては、顔シャッタ13が下側へとスライド移動することによって、顔シャッタ13の背後に隠れていた顔部材12が露出した状態になる。
【0106】
その後、フック移動部材53をさらに下側にさらに移動させると、図11(d)に示すように、第2フック部材522の被案内部52Gは、第2案内溝572の第3区間S3の始点から終点へと移動する。このとき、第2フック部材522は、回転可能に保持される接続部52Jを中心にして、被案内部52Gが内側に引き込まれるように図11(d)中XId方向に回転する。これに伴って、接続部52Jを挟んで被案内部52Gとは反対側に設けられる掛かり部52Fは、外側に向けて移動する。そして、第2フック部材522の掛かり部52Fの顔シャッタ13のフック受け部16に対する接続が解除される。
【0107】
なお、頭部11においては、顔シャッタ13が下側に位置した状態から、顔シャッタ13の引っ張り力が開放されることによって、顔シャッタ13が上側に向けて移動する。この顔シャッタ13の動きは、顔シャッタ13に取り付けられたシャッタばね17の戻り力によって生じる。そして、頭部11において、顔シャッタ13が再び顔部材12を覆った状態になる。
【0108】
また、第2フック部材522の被案内部52Gが、第2案内溝572の第3区間S3に位置すると、図9(a)を参照しながら説明したように、開閉機構センサ58に被検知部53P対向する。これによって、開閉機構センサ58における検知パターンは、「受光あり」→「受光なし」になる。この受光パターンの変化に基づき、演出制御部300では、フックモータ51Mの回転を停止する。さらに、フックモータ51Mによってモータシャフトギア563を図9(a)の矢印IXaとは逆方向に回転させることで、フック移動部材53を元の位置に戻して次回の顔シャッタ13の開閉動作に備える。
【0109】
(位置合わせ部の機能・構成)
続いて、頭部11と胴体部31との位置合わせについて説明する。
図12は、位置合わせ部90を説明するための図である。図12(a)は頭部11の斜視図であり、図12(b)は胴体部31の斜視図である。また、12(b)は、位置合わせ部90の詳細を説明するための頭部11と胴体部31との部分断面図である。
【0110】
本実施形態の可動役物115は、ロボット型をしている。そのため、頭部11と胴体部31とが合体した際に、例えば胴体部31の中心線と胴体部31の中心線がずれるなど両者の位置関係が大きくずれていると可動役物115としての見栄えが悪くなってしまう。
また、本実施形態では、上述したとおり、胴体部31側に設けられるフック部材52を頭部11のフック受け部16に掛けるように構成している。従って、頭部11と胴体部31とが合体した際に、顔部材12のフック受け部16に胴体部31のフック部材52を掛けられるように予め定められた位置関係に位置合わせされた状態で、頭部11と胴体部31とが接続することが要求される。
【0111】
ここで、例えば頭部11と胴体部31とを介在部材としてのレールに接続し、このレールに沿って移動させることで頭部11と胴体部31とを近づけることも考えられる。しかしながら、このようなレールは、遊技盤110における頭部11と胴体部31との移動経路に沿って形成する必要があるため、頭部11と胴体部31とを接続するレールが遊技者から見え易くなる。このように、レールが遊技者に見えてしまうと、頭部11と胴体部31との合体のからくりが遊技者に判ってしまい、合体の臨場感が低下する畏れがある。
【0112】
これに対して、本実施形態の可動役物115においては、頭部11と胴体部31とは、合体前の状態において例えば介在部材を介して頭部11と胴体部31とが接続されるような接続関係にあるのではなく、合体前の状態では完全に分離した別体として遊技盤110に設けられる。このように、本実施形態の可動役物115では、頭部11と胴体部31とを合体前の状態において別体に構成し、さらにアーム部21とリフト部41というそれぞれ独立した移動機構によってそれぞれ移動させて、頭部11と胴体部31とを接続させる。
以上のことからも、本実施形態の可動役物115において、頭部11と胴体部31とを予め定められた位置関係で合体させるために、頭部11と胴体部31との位置を合わせる位置合わせ部90を設けている。
【0113】
位置合わせ部90は、図12(a)及び(b)にそれぞれ示すように、頭部11に設けられる頭位置合わせ部91と、胴体部31に設けられる胴位置合わせ部92とを備えている。
頭位置合わせ部91は、図12(a)に示すように、頭部11の胴体部31と対向する側となる下端側に形成される。頭位置合わせ部91は、左右方向の位置合わせを行う左側凸部91L及び右側凸部91Rと、前後方向の位置合わせを行う頭中央置合わせ部93とを有している。
【0114】
左側凸部91L及び右側凸部91Rは、図12(c)に示すように、頭部11の下端側において胴体部31側に向けてそれぞれ突出している。即ち、左側凸部91L及び右側凸部91Rは、それぞれ移動方向に向けて突出する凸部形状を有している。そして、左側凸部91Lと右側凸部91Rとは、それぞれ頭部11の左右方向の端部に離れて配置される。
左側凸部91Lは、図12(c)に示すように、第1面911及び第2面912を備える。第1面911及び第2面912は、左右方向に対して斜めに向く面である。そして、第1面911と第2面912とは、頭部11から離れるに従って次第に近づくように構成される。従って、左側凸部91Lは、頭部11の左右方向における幅が頭部11から離れるに従って次第に短くなった台形状になっている。即ち、左側凸部91Lは、先端に向かうに従って幅が短くなっている。そして、左側凸部91Lは、後述する胴位置合わせ部92の左側凹部92Lと噛み合うように形状が設定されている。
【0115】
また、右側凸部91Rは、第3面913及び第4面914を備える。第3面913及び第4面914は、左右方向に対して斜めに向く面である。そして、第3面913と第4面914とは、頭部11から離れるに従って次第に近づくように構成される。従って、右側凸部91Rは、頭部11の左右方向における幅が、頭部11から離れるに従って次第に短くなった台形状になっている。即ち、右側凸部91Rは、先端に向かうに従って幅が短くなっている。そして、右側凸部91Rは、後述する胴位置合わせ部92の右側凹部92Rと噛み合う形状を有している。
【0116】
頭中央置合わせ部93は、図12(c)に示すように、左側凸部91Lと右側凸部91Rとの間に設けられる。そして、頭中央位置合わせ部93は、頭部11において正面側を向く面である接触面931を有する。また、接触面931は、頭部11から離れるに従って、頭部11の前後方向において正面側から背面側に向かうように傾斜している。
頭中央位置合わせ部93は、頭部11と胴体部31とが合体する状態で、後述する胴位置合わせ部94と対向する位置に設けられる。そして、頭中央位置合わせ部93の接触面931は、後述する胴位置合わせ部94の接触面941に沿う形状に設定されている。
【0117】
図12(b)に示すように、胴体部31の胴位置合わせ部92は、胴体部31の頭部11と対向する側となる上端側に設けられる。胴位置合わせ部92は、左右方向の位置合わせを行う左側凹部92L及び右側凹部92Rと、前後方向の位置合わせを行う胴中央位置合わせ部94とを有している。
【0118】
左側凹部92L及び右側凹部92Rは、図12(c)に示すように、胴体部31の上端側において頭部11とは逆側(胴体部31の内部側)に向けて窪んだ形状をそれぞれ有している。また、頭部11と胴体部31とが合体する状態において、左側凹部92Lは頭部11の左側凸部91Lに、右側凹部92Rは頭部11の右側凸部91Rにそれぞれ対向する位置に設けられる。
【0119】
そして、左側凹部92Lは、図12(c)に示すように、第1面921及び第2面922を備える。第1面921及び第2面922は、左右方向に対して斜めに向く面である。そして、第1面921と第2面922とは、胴体部31から離れるに従って次第に遠ざかるように構成される。従って、左側凹部92Lは、胴体部31の左右方向における幅が胴体部31から離れる方向に向かうに従って次第に長くなった逆台形状になっている。即ち、左側凹部92Lは、底に向かうに従って幅が短くなっている。そして、この左側凹部92Lは、第1面921及び第2面922が、頭部11の左側凸部91Lの第1面911及び第2面912にそれぞれ接触することで、左側凸部91Lとの間で接触するようになっている。
【0120】
また、右側凹部92Rは、第3面923及び第4面924を備える。第3面923及び第4面924は、左右方向に対して斜めに向く面である。そして、第3面923と第4面924とは、胴体部31から離れるに従って次第に遠ざかるように構成される。従って、右側凹部92Rは、胴体部31の左右方向における幅が胴体部31から離れるに従って次第に長くなった逆台形状になっている。即ち、左側凹部92Lは、底に向かうに従って幅が短くなっている。そして、この右側凹部92Rは、第3面923及び第4面924が、頭部11の右側凸部91Rの第3面913及び第4面914にそれぞれ接触することで、右側凸部91Rとの間で接触するようになっている。
【0121】
胴中央位置合わせ部94は、図12(c)に示すように、左側凹部92Lと右側凹部92Rとの間に設けられる。本実施形態の胴中央位置合わせ部94は、外観が台形状を有している。そして、胴中央位置合わせ部94は、胴体部31において背面側を向く面である接触面941を有する。また、接触面941は、胴体部31から離れるに従って、胴体部31の前後方向において背面側から正面側に向かうように傾斜している。
【0122】
本実施形態では、アーム部21によって頭部11の背面側を保持し、頭部11を上下させる構成としている。従って、頭部11は、面側にてアーム部21からの力を受けるため、背面側よりも正面側に向けて押された状態になる。そこで、本実施形態では、頭中央位置合わせ部93の接触面931が正面側を向き、胴中央位置合わせ部94の接触面941が背面側を向くように構成している。そして、本実施形態では、アーム部21によって頭部11が正面側に押される力を利用して、正面側を向く頭中央位置合わせ部93の接触面931を、背面側を向く胴中央位置合わせ部94の接触面941に受けさせるように構成している。
【0123】
そして、アーム部21によって頭部11を出現状態の位置まで移動させ、一方、リフト部41によって胴体部31を出現状態の位置まで移動させると、頭部11の下端側と胴体部31の上端側とが接触する。そして、頭部11の左側凸部91L及び右側凸部91Rは、胴体部31の左側凹部92L及び右側凹部92Rにそれぞれ嵌め込まれる。そうすると、左側凸部91Lの第1面911及び第2面912は、左側凹部92Lの第1面921及び第2面922にそれぞれ接触する。また、右側凸部91Rの第3面913及び第4面914は、右側凹部92Rの第3面923及び第4面924に接触する。これらの面は、左右方向側を向く面であるため、これらの面の接触によって、頭部11と胴体部31との左右方向における位置合わせが行われる。さらに、これらの面は、左右方向に対して斜めに形成されており移動方向を向く面の成分を有しているため、頭部11と胴体部31との移動方向の位置合わせも行われる。
【0124】
また、頭中央位置合わせ部93の接触面931と、胴中央位置合わせ部94の接触面941とが接触する。これらの面は、前後方向側を向く面である。従って、頭部11と胴体部31との前後方向の位置合わせが行われる。
以上のようにして、本実施形態の位置合わせ部90は、頭部11及び胴体部31の移動方向において頭部11と胴体部31とを予め定められた位置関係に定める。さらに、本実施形態の位置合わせ部90は、頭部11及び胴体部31の移動方向に直交する方向(上記の頭部11及び胴体部31の左右方向,前後方向)において、頭部11と胴体部31とを予め定められた位置関係に定める。
【0125】
特に、本実施形態では、頭位置合せ部91を右側凸部91Rと左側凸部91Lとの2つの凸部材によって構成し、胴頭位置合せ部92を右側凹部92Rと左側凹部92Lとの2つの凹部材によって構成し、2地点(2組)にて位置合わせを行う。これによって、本実施形態では、頭部11と胴体部31との移動方向を軸としてねじれる方向のズレの抑制を図っている。
【0126】
なお、本実施形態の頭位置合せ部91の形状は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、頭位置合せ部91は、円錐形状や半球形状を有していても構わない。一方、胴位置合わせ部92は、頭位置合わせ部91の形状に合わせて、逆円錐形状の凹部や半球状の凹部に形成しても良い。
【0127】
さらに、頭中央位置合わせ部93及び胴中央位置合わせ部94の構成は、本実施形態に限定されるものではない。例えば頭中央位置合わせ部93において、接触面931の逆側にて頭部11の背面側を向く接触面をさらに形成する。また、胴中央位置合わせ部94において、接触面941の逆側にて胴体部31の正面側を向く接触面をさらに形成する。このように構成した場合、頭部11と胴体部31との接触の際に、頭中央位置合わせ部93にさらに形成した接触面と、胴位置合わせ部94にさらに形成した接触面とが接触する。この構成によって、例えば本実施形態のようにアーム部21が頭部11を正面側に向けて押す構成を有しない場合においても、頭中央位置合わせ部93と胴中央位置合わせ部94とによって前後方向の位置合わせをすることができる。
【0128】
以上のようにして、本実施形態では、頭部11と胴体部31との合体の際に、頭部11と胴体部31との位置合わせを行う。
なお、本実施形態のように位置合わせ部90を用いて位置合わせを行う構成の他に、頭部11と胴体部31との位置を検知するセンサを設けて、そのセンサの検知結果に基づいて頭部11と胴体部31との位置を制御することも考えられる。しかしながら、この場合、センサを設けることによる部品点数の増加や、制御の複雑化を招いてしまう。
これに対し、本実施形態では、頭部11と胴体部31とが接触することで、頭部11と胴体部31とが予め定めた相対的な位置関係に位置合わせすることができ、簡易な構成による位置合わせが実現される。
【0129】
〔腕部ユニットの機能・構成〕
図13は、腕部ユニット60の全体図である。図13(a)は正面側の斜視図であり、図13(b)は背面側の斜視図である。
また、図14は、クランク機構81を説明するための図である。図14(a)及び(b)はクランク機構81の部分拡大図であり、図14(c)はクランクギア82を背面側からみた図である。
腕部ユニット60は、遊技盤110の左側に配置される第1腕部ユニット60Lと、遊技盤110の右側に配置される第2腕部ユニット60Rとを備えている(図4参照)。そして、第1腕部ユニット60Lと第2腕部ユニット60Rは左右対称の関係にあり、第1腕部ユニット60Lと第2腕部ユニット60Rとの基本的な構成は同様である。従って、以下では、主に第1腕部ユニット60Lを例に説明を行い、第2腕部ユニット60Rの詳細な説明は省略する。
【0130】
第1腕部ユニット60Lは、図13(a)に示すように、腕ベース部材60Bと、前腕部61と、前腕部61の端部側において前腕部61に対して進退移動可能に設けられる拳部71と、前腕部61及び拳部71を駆動するクランク機構81とを備えている。
【0131】
そして、第1腕部ユニット60Lでは、クランク機構81を動作させることによって、遊技盤110に取り付けられた状態で、前腕部61及び拳部71が主に以下の5段階の状態をとれるようになっている。
第1段階:前腕部61が上下方向に沿って立ち上がり、拳部71が格納された状態。
第2段階:前腕部61が左右方向に沿って横たわり、拳部71が格納された状態。
第3段階:前腕部61が左右方向に沿って横たわり、拳部71が突出した状態。
第4段階:前腕部61が斜め方向に立ち上がり、拳部71が突出した状態。
第5段階:前腕部61が上下方向に沿って立ち上がり、拳部71が突出した状態。
【0132】
第1腕部ユニット60Lの腕ベース部材60Bは、L字形状を有する部材である(後述の図15参照)。そして、第1腕部ユニット60Lの腕ベース部材60Bは、遊技盤110の左側の端部に固定される。腕ベース部材60Bは、第1腕部ユニット60Lが遊技盤110に取り付けられた状態で正面側から見て右下端部において、後述するクランク回転軸82Sを保持する。このクランク回転軸82S(後述)には、前腕部61及び拳部71を構成する部材が接続しており、腕ベース部材60Bがクランク回転軸82S(後述)を保持することによって、腕ベース部材60Bは前腕部61及び拳部71を保持する。
また、腕ベース部材60Bは、前腕部61が第2段階(後述の図16(b)参照)の位置になった場合に、前腕部材62を支えるストッパ部60Sを有している。
【0133】
(前腕部の構成)
前腕部61は、図13(a)に示すように、前腕を摸した前腕部材62と、前腕部材62の回転中心(肘に相当)となる回転軸部63とを備えている。さらに、前腕部61は、図13(b)に示すように、後述するスライド部材73を移動可能に保持するレール部64と、前腕部材62の移動を一時的に固定する腕ロック部66とを有している。
回転軸部63は、前腕部材62の端部に設けられる。そして、回転軸部63は、図14(a)に示すように、円弧状溝部63Tと、円弧状歯部63Gと、第1解除部631及び第2解除部632とを備えている。
円弧状溝部63Tは、回転軸部63のクランク回転軸82Sを中心とした円弧状の溝であり、その幅は、後述するクランク機構81のクランクギア82のピン82Pの外形よりも大きく設定されている。また、円弧状溝部63Tは、図14(a)に示すように、一端63Taから他端63Tbまで形成される。そして、円弧状溝部63Tは、クランク機構81のクランクギア82を回転させて拳部材72を進退させる際に、クランクギア82の回転に伴って移動するピン82P(後述)の移動経路に沿って形成される。即ち、円弧状溝部63Tは、クランクギア82を回転させることで、拳部材72を進退させるときに限っては、後述するクランクギア82のピン82Pの移動を阻害しないように形成されている。
【0134】
本実施形態では、拳部71が前腕部61に引き込まれた状態から、後述するクランク機構81のクランクギア82を一方向に約180度回転させることで、拳部71を最も突き出した状態にする。また、拳部71が突き出た状態から、クランクギア82を一方向とは逆方向に約180度回転させることで、拳部71を前腕部61に最も引き込んだ状態にする。本実施形態の円弧状溝部63Tは、一端63Taから他端63Tbまでの弧の長さが約180度の角度に相当する長さになっている。そして、クランクギア82が拳部71を前腕部61から最も突出させたときに、クランクギア82のピン82Pが円弧状溝部63Tにおいて位置する箇所に一端63Taを形成する。また、クランクギア82が拳部71を前腕部61に最も引き込んだときに、クランクギア82のピン82Pが円弧状溝部63Tにおいて位置する箇所に他端63Tbを形成する。
【0135】
円弧状歯部63Gは、図14(b)に示すように、後述するクランク機構81のギア85と対向した際にギア85と噛み合うことができるよう構成された複数の歯を円弧状に配置した部分である。そして、本実施形態では、円弧状歯部63Gの歯は、クランクギア82の歯と同様な構成になっている。そして、図13(a)に示すように、円弧状歯部63Gは、円弧状歯部63Gの歯とクランクギア82の歯とが軸方向に一致するように、回転軸部63とクランクギア82とが重ねて設けられる。
【0136】
第1解除部631と第2解除部632とは、図14(a)に示すように、円弧状歯部63Gの両端部にそれぞれ設けられる。第1解除部631及び第2解除部632は、回転軸部63と後述するギア85とが接触しないように形成された凹部である。さらに、図14(b)に示すように、回転軸部63において、第1解除部631と第2解除部632が設けられる位置には、後述するギア85のフランジ部85Fに接触する第1ガイド部631Gと第2ガイド部632Gとがそれぞれ設けられている。これら第1ガイド部631Gと第2ガイド部632Gとは、ギア85のフランジ部85Fと接触した際に、互いに滑るように構成されている。従って、回転軸部63は、第1解除部631及び第2解除部632がそれぞれギア85に対向した状態では、ギア85には噛み合わずにギア85から回転力の伝達を受けないように構成されている。
【0137】
そして、第1解除部631は、前腕部材62が遊技盤110において上下方向に沿って立ち上がる第1段階にて(後述の図15(a)参照)、ギア85と対向するように形成されている。また、第2解除部632は、前腕部材62が遊技盤110において左右方向に沿って横たわった第2段階にて(後述の図16(a)参照)、ギア85と対向するように形成されている。
【0138】
なお、クランクギア82と回転軸部63とは、後述するクランク機構81のクランクギア82と回転軸部63とにおける側面(回転軸方向を向く両部材の接触面)同士は互いに滑るように構成されている。従って、クランクギア82と回転軸部63とは、後述するようにクランクギア82のピン82Pと回転軸部63の円弧状溝部63Tとの接続により回転力が付与される場合を除いては、一方の部材の回転が他方の部材の回転に影響しないように構成されている。
【0139】
レール部64は、図13(b)に示すように、前腕部材62の長手方向に延びる筋状の突起である凸条部64Rを有している。なお、本実施形態の凸条部64Rは、前腕部材62において2本平行に設けられる。そして、レール部64は、凸条部64Rによって、後述するスライド部材73の掛かり部73Fを移動可能に保持する。
【0140】
腕ロック部66は、図13(b)に示すように、爪部66F及びコイルばね66Sを有している。腕ロック部66の爪部66Fは、拳部材72が前腕部材62に収まった状態にてスライド部材73の端部に掛かる位置に設けられている。コイルばね66Sは、爪部66Fに対して爪部66Fがスライド部材73に掛かるように力を付与している。このコイルばね66Sは、前腕部材62が自重で回転移動しない程度の力を付与する。そして、腕ロック部66は、拳部材72が前腕部材62に収まった状態にて、前腕部材62に接続するスライド部材73を押さえる。
本実施形態では、腕ロック部66は、前腕部材62が遊技盤110の上下方向に沿って立っている第1段階(後述の図15(b)参照)において、前腕部材62が遊技盤110の中央に向けて倒れないように前腕部材62を一時的に固定するように機能する。
なお、コイルばね66Sは、後述するようにクランク機構81によって前腕部61が動作する際には、前腕部材62に接続するスライド部材73が爪部66Fの掛かりに抗して移動できる程度の力を付与している。
【0141】
(拳部の機能・構成)
拳部71は、図13(b)に示すように、拳部材72と、拳部材72が取り付けられるスライド部材73と、スライド部材73及びクランクシャフト83(後述)を接続する接続部材74と、拳部材72の位置を検出する拳センサ75とを備えている。
拳部材72は、前腕部材62よりも小さいサイズに形成されている。また、拳部材72は、スライド部材73に取り付けられている。そして、スライド部材73の移動に伴って移動することにより、前腕部材62に最も引き込まれ前腕部材62の背面側にて格納される状態と、前腕部材62から最も突き出して前腕部材62から突出した状態との2つの状態をとるようになっている。
【0142】
スライド部材73は、拳部材72を保持する部材である。スライド部材73は、スライド部材73は、前腕部材62に設けられるレール部64の凸条部64Rに掛かる掛かり部73Fを有している。そして、スライド部材73は、掛かり部73Fがレール部64の凸条部64Rに移動可能に接続することによって、凸条部64Rに保持されるとともに、移動の際に案内を受ける。
【0143】
また、スライド部材73には、クランクシャフト83に連結する接続部材74が取り付けられる。そして、後述するようにクランクシャフト83が動作する際に、スライド部材73は、接続部材74を介してクランクシャフト83から力を受けることで、レール部64の凸条部64Rに案内されながら移動する。そして、スライド部材73は、スライド部材73に固定される拳部材72を前腕部材62の長手方向に沿って移動させる。
【0144】
さらに、スライド部材73は、拳センサ75による検知の対象部位となる被検知部73Pを有している。被検知部73Pは、スライド部材73が前腕部材62に収まった状態(「第1段階」)にて、拳センサ75と対向するようになっている。
【0145】
接続部材74は、図13(b)に示すように、一端側がスライド部材73に固定され、他端側がヒンジ74hを介してクランクシャフト83に連結されることで、スライド部材73とクランクシャフト83とを連結する部材である。
【0146】
拳センサ75は、図13(b)に示すように、前腕部材62に固定されている。そして、拳センサ75は、拳部材72が前腕部材62に最も引き込まれて格納された状態におけるスライド部材73の被検知部73Pと対向する位置に設けられる。拳センサ75は、スライド部材73の被検知部73Pが対向した際に、被検知部73Pを挟むように配置される発光素子及び受光素子を備えている。そして、拳センサ75は、発光素子から発したビームが受光素子によって検知されたか否かという検知結果を演出制御部300に送信する。
即ち、拳センサ75において「受光なし」が検知されている場合には、拳部材72が最も引き込まれて格納された状態であると判断し、拳センサ75において「受光あり」が検知されている場合には、少なくとも格納された状態から拳部材72が移動していると判断できる。
【0147】
(クランク機構81の機能・構成)
図13(a)に示すように、クランク機構81は、クランク機構81の駆動源であるクランクモータ81Mと、クランクモータ81Mの回転軸に取り付けられるモータシャフトギア84と、モータシャフトギア84とクランクギア82とに噛み合うギア85とを備えている。さらには、図13(b)に示すように、クランク機構81は、クランクモータ81Mからの回転力を受けて回転するクランクギア82と、クランクギア82に連結しクランクギア82に従動するクランクシャフト83とを備える。また、クランク機構81は、クランクギア82の回転位置を検知するクランクセンサ86を有している。
【0148】
クランクモータ81Mには、例えばステッピングモータなどを採用することができる。クランクモータ81Mは、腕ベース部材60Bに取り付けられる。また、クランクモータ81Mは、モータシャフトギア84に接続し、モータシャフトギア84に回転力を付与する。また、クランクモータ81Mは、演出制御部300に制御されて動作する。
【0149】
モータシャフトギア84は、クランクモータ81Mの回転シャフトに取り付けられるとともにギア85に接続する。そして、クランクモータ81Mの回転力をギア85を介して、クランクギア82に伝達する。
【0150】
ギア85は、図13(a)に示すように、クランクギア82と円弧状歯部63Gとの両方に噛み合うことができるように構成されている。本実施形態では、ギア85の軸方向の歯幅は、軸方向に重ね合わされるクランクギア82の歯幅と回転軸部63の円弧状歯部63Gの歯幅を足した幅にしている。そして、ギア85は、モータシャフトギア84に接続するとともに、クランクギア82及び前腕部材62における回転軸部63の円弧状歯部63Gに噛み合うことが可能になっている。
そして、ギア85は、図14(b)に示すように、回転軸部63の円弧状歯部63Gに対向している状態では、回転軸部63及びクランクギア82に接続して、これらの部材に回転力を伝達する。一方、ギア85は、回転軸部63の第1解除部631又は第2解除部632に対向した状態では、ギア85のフランジ部85Fが第1ガイド部631G又は第2ガイド部632Gに接触し、ギア85と回転軸部63との噛み合わなくなる。従って、ギア85は、回転軸部63の第1解除部631と第2解除部632に対向した状態では、回転軸部63には回転力を伝達せず、クランクギア82のみに接続してクランクギア82に回転力を伝達する。
【0151】
クランクギア82は、図14(a)に示すように、クランクギア82の回転中心を通るクランク回転軸82Sと、クランクギア82の半径方向に突出するレバー部82Lと、前腕部材62における回転軸部63側に向けて突出して回転軸部63の円弧状溝部63Tに嵌め込まれるピン82Pとを備えている。
また、クランクギア82は、図14(c)に示すように、クランクギア82の軸方向においてピン82Pとは逆側に向けて突出し、クランクセンサ86によりクランクギア82の回転角度を検知する際に検知対象となる第1被検知部821、第2被検知部822及び第3被検知部823を備えている。
【0152】
レバー部82Lは、本実施形態では、クランク回転軸82Sを通り半径方向に離れる方向に延びる部材であり、その先端部にヒンジ83hが取り付けられる。そして、レバー部82Lは、ヒンジ83hが設けられる部分にてクランクシャフト83と連接する。そして、レバー部82Lは、先端部にてクランクシャフト83にクランクギア82の回転力を伝達する。
そして、本実施形態では、クランクギア82のレバー部82Lが前腕部材62の長手方向に沿って拳部材72側を向く状態から、長手方向に沿って拳部材72が位置する側とは反対側を向く状態まで回転するように構成されている。
クランクギア82のレバー部82Lが前腕部材62の長手方向に沿って拳部材72側を向くことで、クランクシャフト83が拳部材72を保持するスライド部材73を最も外側に向けて押し遣る状態になる。そして、この状態において、拳部材72は、前腕部材62から最も突出した状態になる。また、クランクギア82のレバー部82Lが拳部材72とは逆側を向くことで、クランクシャフト83が拳部材72を固定するスライド部材73を最も内側に引き込んだ状態になる。そして、この状態において拳部材72が前腕部材62に格納された状態になる。
【0153】
ピン82Pは、本実施形態では、クランクギア82の側面(回転軸方向を向く面)において、クランクギア82の回転に伴ってクランク回転軸82Sを中心に回転する。本実施形態では、ピン82Pは、クランク回転軸82Sとヒンジ83hとの間に設けている。そして、ピン82Pは、クランクギア82の回転に伴ってクランク回転軸82Sを中心に回転(公転)する。
ここで、本実施形態では、クランクギア82は、図13(a)を参照しながら説明したとおり、回転軸部63の円弧状歯部63Gと重なるように設けられる。そして、クランクギア82と回転軸部63とは、それぞれの回転中心を通るようにしてクランク回転軸82Sが取り付けられる。
そして、ピン82Pは、前腕部材62の回転軸部63の円弧状溝部63Tに嵌め込まれる。クランクギア82のピン82Pは、円弧状溝部63Tが形成される範囲内(一端63Ta及び他端63Tbよりも内側の範囲)で円弧状溝部63Tに沿って移動する場合には、回転軸部63に力を付与する接続関係を形成しない。一方で、クランクギア82のピン82Pは、円弧状溝部63Tの一端63Ta又は他端63Tbに達し、一端63Ta又は他端63Tbに向けて移動する場合には、回転軸部63に力を付与する接続関係を形成する。
【0154】
なお、クランクギア82に設けるピン82Pは、クランクギア82の移動に伴って回転(公転)するように設けられていれば良く、クランクギア82の側面における形成位置は限定されない。ただし、例えば、レバー部82Lの先端部となるヒンジ83hの位置にピン82Pを設けた場合、ピン82Pが嵌るように構成する円弧状溝部63Tの領域(半径)が大きくなり回転軸部63のサイズが大きくなる。これに対して、本実施形態では、少なくともレバー部82Lのヒンジ83hよりもクランク回転軸82S側にピン82Pを間に設けることによって回転軸部63の小型化を図っている。
【0155】
クランクシャフト83は、図13(b)に示すように、一端側がクランクギア82のレバー部82Lにヒンジ83hを介して連結し、他端側がヒンジ74hを介して接続部材74に連結する。クランクシャフト83は、クランクギア82の回転に従って揺動する。そして、クランクシャフト83は、クランクギア82の回転運動を、接続部材74を介して接続するスライド部材73に伝達してスライド部材73を進退移動させる。
【0156】
続いて、本実施形態のクランク機構81における、角度検知について説明する。
本実施形態では、クランク機構81のクランクギア82を回転させることによって、第1腕部ユニット60Lを第1段階から第5段階の5段階に変化させる。そのため、クランク機構81におけるクランクセンサ86によってクランクギア82の回転状態(回転角度)を間接的に検出できるように構成している。
【0157】
クランクセンサ86は、図13(b)に示すように、腕ベース部材60Bに取り付けられている。従って、クランクギア82が動作した際においても、クランクセンサ86の位置は移動しない。また、クランクセンサ86、第1被検知部821、第2被検知部822及び第3被検知部823がそれぞれ対向した際に、第1被検知部821、第2被検知部822及び第3被検知部823を挟むようにして配置される発光素子及び受光素子(検知素子)を備えている。そして、クランクセンサ86は、発光素子から発したビームが受光素子によって検知されたか否かという検知結果を演出制御部300に送信する。
【0158】
図14(c)に示すように、第1被検知部821、第2被検知部822及び第3被検知部823は、クランクギア82のクランク回転軸82Sを中心にして円弧状に形成されている。そして、本実施形態では、図14(c)に示すように、円周方向において第3被検知部823、第1被検知部821、第2被検知部822の順に並べて配置している。そして、クランクギア82が回転することで、クランクセンサ86に対して第1被検知部821、第2被検知部822及び第3被検知部823がそれぞれ通過する。そして、各被検知部の端である“端部”がクランクセンサ86を通過する際、クランクセンサ86において、「受光あり」→「受光なし」あるいは「受光なし」→「受光なし」という検知状態の変化がある。そして、本実施形態では、このように、検知状態が変化する被検知部の端部の位置が、第1腕部ユニット60Lを第1段階から第5段階にするためのクランクギア82のとる回転位置(回転角度)に対応するように、第1被検知部821、第2被検知部822及び第3被検知部823をそれぞれ形成している。
【0159】
本実施形態では、図14(c)に示すように、第1段階から第5段階までの各状態において、クランクセンサ86と対向するクランクギア82の箇所に、クランクセンサ86における検知状態を変化させる“端部”を配置する。その端部は、第1段階ではP1地点、第2段階ではP2地点、第3段階ではP3地点、第4段階ではP4地点、第5段階ではP5地点としている。そして、第1被検知部821の両端部にP1地点及びP3地点を形成する。また、第2被検知部822のP1地点に近い側の端部にP2地点を形成する。さらに、第3被検知部823のP3地点に近い側の端部にP4地点を、遠い側の端部にP5地点を形成する。
【0160】
そして、本実施形態では、演出制御部300がクランクセンサ86による各地点(被検知部の端部)の検知結果(検知パターン)に基づき、クランクモータ81Mの動作(回転/停止のタイミング、回転量(回転角度))を制御するようにしている。
【0161】
以下、本実施形態のクランクセンサ86による各地点の検知に基づいて、クランクモータ81Mの動作させた、第1腕部ユニット60Lの各段階への移行について具体的に説明する。
本実施形態では、第1腕部ユニット60Lの待機状態となる第1段階を原点として演出動作を開始する。そして、クランクセンサ86は、第1腕部ユニット60Lが第1段階にある状態で、クランクギア82の第1被検知部821のP1地点に対向した状態になっている。このとき、クランクセンサ86で「受光なし」が検知結果として得られた状態にある。
【0162】
そして、P1地点の第1段階からP2地点の第2段階へと移行する場合には、クランクセンサ86にクランクギア82のP2地点が対向したと判断するまで、クランクモータ81Mを動作させてクランクギア82を回転させる。この判断は、クランクセンサ86の検知結果が、第1被検知部821のP1地点に対向した状態である「受光なし」から、第1被検知部821と第2被検知部822との間に対向する「受光あり」に移り、第2被検知部822のP2地点と対向する「受光なし」に変化することによって行う。
【0163】
また、P2地点の第2段階からP3地点の第3段階へと移行する場合には、クランクセンサ86にクランクギア82のP3地点が対向したと判断するまで、クランクモータ81Mを動作させてクランクギア82を回転させる。この判断は、クランクセンサ86の検知結果が、第2被検知部822のP2地点に対向した状態である「受光なし」から、第2被検知部822と第1被検知部821との間に対向する状態である「受光あり」、P1地点を通過して第1被検知部821に対向した状態である「受光なし」に移り、第1被検知部821のP3地点のすぐ外側に対向した状態である「受光あり」に変化することによって行う。
【0164】
さらに、P3地点の第3段階からP4地点の第4段階へと移行する場合には、クランクセンサ86にクランクギア82のP4地点が対向したと判断するまで、クランクモータ81Mを動作させてクランクギア82を回転させる。この判断は、クランクセンサ86の検知結果が、第1被検知部821のP3地点のすぐ外側(第1被検知部821と第3被検知部823との間においてP3地点を大きく離れない位置)に対向した状態である「受光あり」から、第3被検知部823のP4地点に対向する状態の「受光なし」に変化することによって行う。
【0165】
そして、P4地点の第4段階からP5地点の第5段階へと移行する場合には、クランクセンサ86にクランクギア82のP5地点が対向したと判断するまで、クランクモータ81Mを動作させてクランクギア82を回転させる。この判断は、クランクセンサ86の検知結果が、第3被検知部823のP4地点に対向した状態である「受光なし」から、第3被検知部823のP5地点のすぐ外側に対向する状態である「受光あり」に変化することによって行う。
【0166】
〔腕部ユニットの動作〕
続いて、図15〜図19を参照しながら、腕部ユニット60の動作について第1腕部ユニット60Lを例に説明する。
図15〜図19は、それぞれ第1段階〜第5段階における第1腕部ユニット60Lを示す図である。また、図15〜図19において、各図の(a)は第1腕部ユニット60Lの正面図を示し、各図の(b)は第1腕部ユニット60Lの背面図を示す。
<第1段階>
第1段階は、図1に示す第1腕部ユニット60Lの待機状態の位置に対応する。そして、第1段階においては、図15(a)に示すように、モータシャフトギア84に接続するギア85は、前腕部材62の回転軸部63の第1解除部631に対向している。従って、ギア85は、クランクギア82のみに噛み合った状態にある。
そして、第1段階では、クランクギア82のレバー部82Lは、拳部材72が位置する側と逆側を向いている。これにより、図15(b)に示すように、クランクシャフト83が引き込まれた状態となり、スライド部材73及び接続部材74を介して接続する拳部材72が前腕部材62に格納されている。
【0167】
ここで、第1段階においては、クランクセンサ86に対してクランクギア82の第1被検知部821のP1地点が対向している。
また、第1段階では、クランクギア82のピン82Pは、拳部材72が位置する側と逆側を向く。そして、ピン82Pは、回転軸部63の円弧状溝部63Tの一端63Taと接触する位置にある。
【0168】
さらに、図15(b)に示すように、拳部材72が格納される位置にあることで、スライド部材73には、腕ロック部66の爪部66Fが掛かっている。従って、腕ロック部66により、前腕部61及び拳部71が遊技盤110の中央部に向けて倒れ込むことが防止される。これにより、例えば待機状態である第1段階においては、前腕部61及び拳部71を固定するためにクランクモータ81Mに通電して動作させておく必要は必ずしもないため、クランクモータ81Mを停止して不必要な電力消費を抑制しても良い。
【0169】
また、拳部材72が格納される位置にあることで、スライド部材73に設けられる被検知部73Pは拳センサ75に対向している。そして、拳センサ75では、被検知部73Pによって発光光が遮蔽された状態になっている。拳センサ75における遮蔽されているという情報は演出制御部300へと送信されている。
【0170】
<第2段階>
第1段階から第2段階へと移行する際、図16(a)に示すように、クランクモータ81Mを回転駆動することによってギア85を駆動して、矢印XVIa方向(図中時計回り)にクランクギア82を回転させる。なお、第1段階から第2段階へと移行する際のクランクモータ81Mの動作の制御はクランクセンサ86の検知結果に基づいて行う。本実施形態の場合、第2段階になったことは、クランクセンサ86による対してクランクギア82の第2被検知部822のP2地点の検知に基づいて行う。
【0171】
第1段階においては、クランクギア82のピン82Pが回転軸部63の円弧状溝部63Tの一端63Taに位置していた。そして、第1段階から第2段階へと移行するためにクランクギア82を矢印XVIa方向に回転させることで、ピン82Pが回転軸部63の円弧状溝部63Tの一端63Taを矢印XVIa方向に押す。その結果、前腕部材62は、クランク回転軸82S回りに矢印XVIa方向に回転する。これによって、前腕部材62が遊技盤110において左右方向に横たわった状態へと移行する。
そして、本実施形態では、前腕部材62が第2段階の位置に達することで、ストッパ部60Sによって前腕部材62が支持される。
【0172】
なお、第1段階から第2段階に移行する際に、ギア85は、回転軸部63の第1解除部631(図15(a)の状態)から第2解除部632(図16(a)の状態)に到るまでの間、円弧状歯部63Gに接続する。このように、クランクギア82のピン82Pによって回転軸部63に回転力を付与する際に、回転軸部63の円弧状歯部63Gにギア85を直接接続させることで、本実施形態では、前腕部材62を安定して移動させる構成としている。
【0173】
また、第2段階では、図16(a)に示すように、クランクギア82のレバー部82Lは、拳部材72が位置する側と逆側を向いたままである。つまり、図16(b)に示すように、クランクシャフト83が腕ベース部材60B側に引き込まれており、スライド部材73及び接続部材74を介してクランクシャフト83に接続する拳部材72は、前腕部材62に格納された状態が維持されている。
【0174】
<第3段階>
第2段階から第3段階へと移行する際には、図17(a)に示すように、クランクモータ81Mによってギア85を図中反時計回りに回転させ、クランクギア82を図中矢印XVIIa方向に回転させる。そして、クランクギア82のレバー部82Lを、第2段階の位置から拳部材72が位置する側へと回転移動させる。このとき、回転軸部63の円弧状溝部63Tがピン82Pの軌跡に沿って形成されているため、ピン82Pは、回転軸部63に力を付与しない。さらに、第3段階では、ギア85は、第2解除部632に対向しているため、回転軸部63とも接続しない。そして、クランクギア82のピン82Pは、回転軸部63の円弧状溝部63Tの他端63Tbに到達する。クランクモータ81Mは、クランクギア82のピン82Pが、他端63Tbに達すると、ギア85の回転を停止させる。
なお、クランクモータ81Mの停止は、図17(b)に示すように、クランクセンサ86による第1被検知部821のP3地点の検知に基づいて行う。
【0175】
そして、クランクギア82のレバー部82Lが、拳部材72側へと移動することによって、図17(b)に示すように、クランクシャフト83がスライド部材73を拳部材72側へと押し遣る。その結果として、拳部材72が前腕部材62から突出した状態になる。
【0176】
なお、第2段階から第3段階へと移行する際には、ピン82Pは、回転軸部63の円弧状溝部63Tに沿って一端63Taから他端63Tbまで移動する。このとき、ピン82Pは、回転軸部63に回転力を付与しない。また、ギア85は、回転軸部63の第2解除部632に対向しているため、ギア85と回転軸部63との直接的な接触関係においても、ギア85は、回転軸部63に対して回転力を付与しない。
【0177】
<第4段階>
第3段階から第4段階に移行する際には、図18(a)に示すように、クランクモータ81Mによってギア85を図中時計回りに回転させ、クランクギア82を図中矢印XVIIIa方向に回転させる。このとき、第3段階から第4段階へと移行し始める際に、クランクギア82のピン82Pは、回転軸部63の円弧状溝部63Tの他端63Tbに位置した状態にある。このクランクギア82のピン82Pが円弧状溝部63Tの他端63Tbに位置した状態から、クランクギア82を図中矢印XVIIIa方向に回転させることによって、ピン82Pが円弧状溝部63Tの他端63Tbを押すことで、回転軸部63がクランク回転軸82Sを中心に、図中矢印XVIIIa方向に回転する。その結果として、前腕部材62が持ち上がる方向に移動する。
そして、前腕部材62が斜め方向に沿って曲がった状態で、クランクモータ81Mの回転を位置停止し、その状態を保持する。クランクモータ81Mの停止は、図18(b)に示すように、クランクセンサ86による第3被検知部823のP4地点の検出に基づいて行う。
【0178】
また、第4段階において、ギア85が回転軸部63の円弧状歯部63Gに接続している。従って、前腕部材62の回転軸部63は、円弧状歯部63Gを介してギア85に保持され、円弧状溝部63Tにおいてピン82Pに保持されることで、2つの箇所において保持された状態になっている。これによって、本実施形態では、前腕部材62を安定して保持している。
【0179】
なお、第4段階では、図18(b)に示すように、クランクギア82のピン82Pは、円弧状溝部63Tの他端63Tbに位置しており、クランクギア82のレバー部82Lは、拳部材72を突出させた状態は維持されている。
【0180】
<第5段階>
第4段階から第5段階に移行する際には、図19(a)に示すように、クランクモータ81Mによってギア85を図中反時計回りに回転させ、クランクギア82を図中矢印XIXa方向に回転させる。クランクギア82のピン82Pは、回転軸部63の円弧状溝部63Tの他端63Tbに位置した状態にある。そのため、クランクギア82を図中矢印XIXa方向に回転させることによって、ピン82Pが円弧状溝部63Tの他端63Tbを押すことで、回転軸部63がクランク回転軸82Sを中心に、図中矢印XIXa方向に回転する。その結果として、前腕部材62が上下方向に沿って立ち上がった状態となる。
なお、図19(b)に示すように、クランクギア82のレバー部82Lは、拳部材72側を向いた状態にあり、拳部材72が前腕部材62から突出している。
【0181】
そして、第5段階から元の第1段階へと移行するには、前腕部材62が上下方向に立ち上がった第5段階から、クランクモータ81Mのギア85を図中時計回りに回転させることによって、クランクギア82を図中矢印XIXaとは逆方向に回転させる。そして、クランクギア82のレバー部82Lは、図中矢印XIXaとは逆方向に回転する。そして、クランクギア82のレバー部82Lが拳部材72側とは逆側を向くことによって、クランクシャフト83が引き込まれて、拳部材72が前腕部材62の内側に格納される。
【0182】
なお、ピン82Pは、回転軸部63の円弧状溝部63Tに沿って他端63Tbから一端63Taまで移動する。このとき、ピン82Pは、回転軸部63に対して回転力を付与しない。また、ギア85は、回転軸部63の第2解除部632に対向しているため、ギア85と回転軸部63との直接的な接触関係においても、ギア85は、回転軸部63に回転力を付与しない。
【0183】
また、クランクギア82のレバー部82Lが拳部材72側とは逆側を向きにクランクシャフト83を引き込むことによって、拳部材72が取り付けられるスライド部材73が回転軸部63側へと引き込まれる。そして、スライド部材73に設けられる被検知部73Pが拳センサ75に対向する(図15(b)参照)。拳センサ75では、被検知部73Pによって発光光が遮蔽された状態になっている。この拳センサ75において遮蔽されているという情報は演出制御部300へと送信される。
【0184】
また、拳部材72が格納される位置に戻ることで、スライド部材73には、腕ロック部66の爪部66Fが再び掛けられる(図15(b)参照)。そして、クランクモータ81Mが停止した状態でも、腕ロック部66によって、前腕部61及び拳部71が遊技盤110の中央部に向けて倒れ込まないように保持される。
【0185】
以上のようにして、本実施形態における第1腕部ユニット60L(腕部ユニット60)における第1段階から第5段階まで、そして第5段階から元の第1段階に戻るまでの動作が行われる。
なお、いずれかの状態において何らかのエラーが発生した場合に、クランクセンサ86からの信号のみでは、クランクギア82がどのような状態(角度)にあるか判断ができない場合がある。そこで、このような場合には、第1腕部ユニット60Lを第1段階に戻す動作である原点復帰動作を実施する。
【0186】
具体的には、前腕部材62が上下方向に立ち上がる方向(反時計回り)にギア85を回転させる。前腕部材62が上下方向に沿って立ち上がると、前腕部材62が例えば腕ベース部材60Bに接触して、前腕部材62がそれ以上移動できなくなりギア85の回転が止まる。そして、ギア85(クランクモータ81M)が回転できなくなったことを契機に、クランクモータ81Mの動作を停止させる。
【0187】
そして、クランクモータ81Mを再び動作させて、今度は、拳部材72を前腕部材62に格納させる方向(時計回り)にギア85を回転させる。このクランクギア82の回転を拳部材72が格納された状態になるまで継続する。拳部材72が格納された状態に有るか否かの判断には、拳センサ75による検知を利用する。即ち、拳部材72が格納されてスライド部材73の被検知部73Pが検知されたタイミングで、クランクモータ81Mの回転を停止する。そして、このクランクギア82が停止したタイミングでのクランクギア82のなす角度での位置が第1段階の状態となる原点復帰がなされる。
【0188】
図20は、本実施形態の可動役物115の全体としての動作を説明するための図である。
本実施形態では、演出制御部300がアーム部21のアームモータ21M、リフト部41のリフトモータ41M、開閉機構部51のフックモータ51M、及びクランク機構81のクランクモータ81Mの動作を統括的に制御することによって、頭部11、胴体部31、フック部材52、前腕部61、及び拳部71を以下のように動作させる。
図20(a)に示すように、まず、リフト部41を用いて胴体部31を遊技盤110の上側に向けて移動させる。そして、本実施形態では胴体部31を画像表示部114の前に位置させて出現状態にする。
【0189】
そして、図20(b)に示すように、アーム部21によって頭部11を遊技盤110の下側に向けて移動させる。そして、本実施形態では、頭部11を画像表示部114の前に位置させて出現状態にする。さらに、頭部11と胴体部31とを接触させる。このとき、位置合わせ部90(図12参照)によって、頭部11と胴体部31との相対的な位置合わせが行われる。そして、頭部11と胴体部31とが接続する。なお、この段階では、腕部ユニット60は待機した状態にある(第1段階の腕部ユニット60)。
【0190】
そして、図20(c)に示すように、腕部ユニット60の前腕部材62が出現状態になる。本実施形態では、腕部ユニット60では、前腕部材62が画像表示部114の前において左右方向に横たわるように出現する(第2段階の腕部ユニット60)。
【0191】
さらに、図20(d)に示すように、腕部ユニット60の拳部材72が前腕部材62から突出した状態になる(第3段階の腕部ユニット60)。これによって、頭部11(顔部材12を覆う顔シャッタ13)が、腕部ユニット60の拳部材72によって覆われることで一時的に隠された状態になる。
【0192】
そして、この状態において、胴体部ユニット30では、開閉機構部51が動作する。即ち、開閉機構部51におけるフック部材52が、頭部11の顔シャッタ13のフック受け部16に接続する(図11参照)。これによって、胴体部31と頭部11との連結が行われる。さらに、開閉機構部51によって、フック部材52が顔シャッタ13を胴体部31の内側(格納部)へと引き込む。そして、頭部11の顔シャッタ13は、胴体部31に覆われて隠された状態になる。一方で、頭部11においては、顔シャッタ13がスライドすることによって、顔部材12が露出した状態になる。
【0193】
そして、図20(e)に示すように、腕部ユニット60の前腕部材62及び拳部材72を斜め方向に沿って傾いた状態にする(第4段階の腕部ユニット60)。このとき、本実施形態では、頭部11の顔部材12が現れ、本実施形態ではロボット型の可動役物115として“決めのポーズ”となる。
なお、胴体部31の開閉機構部51のフック部材52が、頭部11の顔シャッタ13に掛かり(図11参照)、胴体部31と頭部11とが離れないように連結された状態にある。従って、この状態において、例えば腕部ユニット60が動作するなどして、頭部11と胴体部31とに振動が伝わった場合であっても両者はずれ難くなっている。
その後は、腕部ユニット60、頭部11及び胴体部31は、それぞれ遊技盤110の側面に移動して、再び待機状態に移行する。そして、上記の一連の演出動作に備えて待機する。
【0194】
なお、頭部11と胴体部31とが離れないように連結する連結部の態様は、上記の実施形態に限られるものではない。連結部として、例えば胴体部31に演出制御部300の制御に基づき電流を流すことにより磁力を発生する電磁石を設け、頭部11にその電磁石に引きつけられる金属を取り付けておく。そして、頭部11と胴体部31とが合体した際に、胴体部31の電磁石に電流を流して頭部11の金属を引きつけることで、頭部11と胴体部31とが離れないように連結しても良い。
【0195】
また、可動役物115を用いて演出を行う際に、上述したように一連の動作の全てを行う必要はない。即ち、可動役物115の取り得る動作を数段階に分けて演出を行うことも可能である。一連の全ての動作を行う演出の他に、例えば、図20(d)を参照しながら説明したように頭部11、胴体部31及び腕部ユニット60が出現した後、頭部11における顔シャッタ13を開くことなく、各々部材が退いて待機状態に戻るという演出を行っても良い。このように段階的な演出を予め準備し、例えばリーチ演出などにおいて当選の信頼度に応じた段階的な演出を行っても良い。
【0196】
なお、本実施形態の可動役物115では、頭部11と胴体部31との両方をそれぞれ移動させ、両者を接続する構成としている。しかしながら、頭部11と胴体部31とのいずれか一方のみを移動させ、両者を合体させても構わない。
【符号の説明】
【0197】
10…頭部ユニット、11…頭部、21…アーム部、30…胴体部ユニット、31…胴体部、41…リフト部、51…開閉機構部、60…腕部ユニット、61…前腕部、71…拳部、81…リンク機構部、100…パチンコ遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶画面等で行われる画像演出に合わせて、実際の構造物、いわゆるギミックといわれる演出部材を作動させて、演出効果を盛り上げる遊技機が提案されている。
例えば、特許文献1には、以下のようなギミックを備えた遊技機の技術が記載されている。左右のハート形開閉部材は、上下の金属棒によるレールによって左右にスライド可能な状態で設けられている。左右のハート形開閉部材は、閉じた状態で互いに接触する接触面を閉塞側の端面の上側及び下側に有し、互いに接触せずに停止した状態で、駆動力が加えられない側となる上側の接触面が、駆動力が加えられる側となる下側の接触面より閉じる方向にずれるように所定角度だけ傾斜して配置する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−234021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、遊技盤において複数の部材を接続させる演出部材を用いて演出を行いたい場合がある。この場合に、複数の部材を接続した後に、例えば他の構成部材が動作などによって振動が発生し、その振動により複数の部材同士の位置関係にずれが生じる場合がある。このように、複数の部材同士の位置関係が本来意図する位置からずれると、演出部材として見栄えが低下する畏れがある。
本発明は、複数の部材を接続する演出部材において、接続した複数の部材同士のずれを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成する本発明は、遊技盤110に設けられて演出を行う第1部材11と、遊技盤110にて、第1部材11とは別体に設けられ、第1部材11と相対的に近づいて第1部材11に接続して演出を行う第2部材31と、第1部材11と第2部材31とが接続した際に、第1部材11と第2部材31とが離れないように第1部材11と第2部材31とを連結する連結部51と、を備え、連結部51は、第2部材31に設けられ、凸部52G及び第1部材11に設けられる受け部16に掛かる掛かり部52Fを備えるフック部材52と、フック部材52の凸部52Gが嵌め込まれて凸部52Gを介してフック部材52の掛かり部52Fの位置を案内する案内溝571,572と、を有し、案内溝571,572は、フック部材52の掛かり部52Fが第1部材11の受け部16に掛かるように案内する連結案内部S1と、掛かり部52Fの受け部16に対する掛かりが解除するように案内する解除案内部S3とを形成することを特徴とする遊技機100である。
【0006】
また、上記の目的を達成する本発明は、遊技盤110に設けられて演出を行う第1部材11と、遊技盤110にて、第1部材11とは別体に設けられ、第1部材11と相対的に近づいて第1部材11に接続して演出を行う第2部材31と、第1部材11と第2部材31とが接続した際に、第1部材11と第2部材31とが離れないように第1部材11と第2部材31とを連結する連結部51と、を備えることを特徴とする遊技機100である。
ここで、連結部51は、第2部材31に設けられ、第1部材11に設けられる受け部16に掛かるフック部材52を有することを特徴とすることができる。
また、フック部材52は、凸部52G及び受け部16に掛かる掛かり部52Fを備え、連結部51は、フック部材52の凸部52Gが嵌め込まれ凸部52Gを介してフック部材52の掛かり部52Fの位置を案内する案内溝571,572をさらに備え、案内溝571,572は、フック部材52の掛かり部52Fが第1部材11の受け部16に掛かるように案内する連結案内部S1と、掛かり部52Fの受け部16に対する掛かりが解除するように案内する解除案内部S3とを形成することを特徴とすることができる。
【0007】
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の部材を接続する演出部材において、接続した複数の部材同士のずれを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係るパチンコ遊技機の概略正面図である。
【図2】本実施形態のパチンコ遊技機の部分拡大図である。
【図3】本実施形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示す図である。
【図4】本実施形態の可動役物の全体図である。
【図5】頭部を説明するための図である。
【図6】アーム部を説明するための図である。
【図7】胴体部を説明するための図である。
【図8】出現状態の位置ある胴体部ユニットを示す図である。
【図9】開閉機構部を説明するための図である。
【図10】フック部材を詳細に説明するための図である。
【図11】開閉機構部の動作を説明するための図である。
【図12】位置合わせ部を説明するための図である。
【図13】腕部ユニットの全体図である。
【図14】クランク機構を説明するための図である。
【図15】第1段階における第1腕部ユニットを示す図である。
【図16】第2段階における第1腕部ユニットを示す図である。
【図17】第3段階における第1腕部ユニットを示す図である。
【図18】第4段階における第1腕部ユニットを示す図である。
【図19】第5段階における第1腕部ユニットを示す図である。
【図20】本実施形態の可動役物の全体としての動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
【0011】
遊技盤110は、正面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の正面に、各種の演出に用いられる可動役物115(後述の図4参照)および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
【0012】
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
【0013】
本実施形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動するゲート124と、が遊技盤110に配設されている。ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器を作動させることとなる遊技球の入賞に係る入賞口をいう。
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば6秒間)および規定回数(例えば3回)だけ開く。
【0014】
なお、パチンコ遊技機100は、所定の条件下で、特別図柄抽選において大当たりに当選する大当たり確率が変動する場合(低確状態(例えば300分の1)から高確状態(例えば30分の1)への変動)がある。また、パチンコ遊技機100は、所定の条件下で、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間が短縮されたり、普通図柄抽選時の当選する確率が高まったり、普通図柄抽選時の普通図柄変動時間が短縮されたり、電動チューリップ123の羽根の開時間が延長されたり、電動チューリップ123の羽根が開く回数が増えたりする場合がある。
【0015】
また、本実施形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選が始動しない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。
なお、本実施形態では、遊技領域111に第1始動口121および第2始動口122が配設されているが、いずれか一方のみを配設する構成例やさらに他の始動口を配設する構成例も考えられる。また、本実施形態では、遊技領域111に大入賞口125が1つ配設されているが、大入賞口125を複数配設する構成例も考えられる。
本実施形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
【0016】
また、遊技盤110の裏面には、内部抽選および当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられる。また、遊技盤110の裏面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が配設されている。
【0017】
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿153(図2参照)と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
なお、本実施形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
【0018】
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
【0019】
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行い、また、枠ランプ157は、点灯点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
【0020】
図2は、本実施形態に係るパチンコ遊技機100の部分拡大図である。図2(a)は遊技盤110の右下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、図2(b)はパチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過することにより普通図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222および普通図柄表示器223の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって各抽選結果を表す図柄が表示される。
【0021】
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
【0022】
ここで、保留について説明する。特別図柄や普通図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに他の遊技球による入賞があると、その入賞した遊技球に対する図柄の変動表示動作は、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、規定個数(例えば4個)を限度に保留される。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未抽選数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
【0023】
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図2(b)に示すように、本実施形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。演出キー162は、その中央に1つの中央キーを配置し、また、中央キーの周囲に略同一形状の4つの周囲キーを配置して構成されている。遊技者は、4つの周囲キーを操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶことが可能であり、また、中央キーを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
【0024】
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。
図3に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、内部抽選および当選の判定等といった払い出す賞球数に関する各種制御を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部400と、を備えている。
【0025】
前述したように、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320、および払出制御部400各々は、遊技盤110の後面に配設されたメイン基板としての遊技制御基板、サブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
【0026】
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、内部抽選および当選の判定等といった払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選での当選か否かの判定結果を演出制御部300に送る。また、特別図柄抽選時の当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間の短縮設定、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間の短縮設定を行い、設定内容を演出制御部300に送る。
【0027】
さらに、遊技制御部200は、電動チューリップ123の羽根の開時間の延長、および電動チューリップ123の羽根が開く回数の設定、さらには羽根が開く際の開閉動作間隔の設定を制御する。また、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
また、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口125が所定条件(例えば30秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
【0028】
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部400に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部400に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部400に指示しない。
払出制御部400が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部400から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
【0029】
遊技制御部200には、図2に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
【0030】
また、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(大当たり抽選)の未抽選分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器218と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の未抽選分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器219と、ゲート124への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する未抽選分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
【0031】
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
【0032】
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板250が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部400から取得した払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板250を介してホストコンピュータに送信する。
【0033】
〔演出制御部の構成・機能〕
次に、演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果に基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン等(演出ボタン161および演出キー162)を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。また、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、遊技制御部200が特別図柄抽選時の当選確率を変動させた場合、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間を短縮させた場合、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間を短縮させた場合には、演出制御部300は設定された内容に対応させて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
【0034】
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。
【0035】
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。さらには、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
【0036】
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
【0037】
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
【0038】
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部400は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU401と、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM402と、CPU401の作業用メモリ等として用いられるRAM403と、を備えている。
そして、払出制御部400は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部400は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部411を制御する。ここでの払出駆動部411は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
【0039】
また、払出制御部400には、払出駆動部411により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部412と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部413と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部414と、が接続されている。そして、払出制御部400は、払出球検出部412、球有り検出部413および満タン検出部414にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
【0040】
さらに、払出制御部400には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板450が接続されている。そして、払出制御部400は、例えば払出駆動部411に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部412にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板450を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
【0041】
〔可動役物の機能・構成〕
図4は、本実施形態の可動役物115の全体図である。
可動役物115は、図4に示すように、頭部ユニット10、胴体部ユニット30及び腕部ユニット60を備えている。また、本実施形態の可動役物115は、図4に示すように、ロボット型をしている。そして、本実施形態の可動役物115では、例えば遊技状態に応じて、装飾部材118の背面側に待機させておいた頭部ユニット10、胴体部ユニット30及び腕部ユニット60が遊技盤110の中央部に向けて移動することで出現する。
【0042】
頭部ユニット10は、遊技盤110の上側に設けられている。頭部ユニット10は、頭を模した第1部材の一例としての頭部11及び頭部11を上下方向に移動させるアーム部21を有している。そして、頭部ユニット10は、遊技盤110の上側にて装飾部材118の背面側に待機させた頭部11を、アーム部21によって下方に移動させ、例えば画像表示部114の前に頭部11を出現させる。本実施形態では、後述するように頭部11と胴体部31とを合体させるために、頭部11は、胴体部31に向けて移動する。そして、演出が終了すると、頭部ユニット10では、アーム部21によって頭部11を上方に移動させ、元の待機させた状態にする。
【0043】
胴体部ユニット30は、遊技盤110の下側に設けられている。胴体部ユニット30は、胴体を摸した胴体部31及び胴体部31を上下方向に移動させるリフト部41を有している。そして、胴体部ユニット30は、遊技盤110の下側にて装飾部材118の背面側に待機させた胴体部31を、リフト部41によって上方に移動させ、例えば画像表示部114の前に胴体部31を出現させる。本実施形態では、頭部11と胴体部31とを合体させるために、胴体部31は、頭部11に向けて移動する。また、演出が終了すると、リフト部41によって胴体部31を下方に移動させ、元の待機させた状態にする。
【0044】
そして、本実施形態の可動役物115は、頭部ユニット10の頭部11と胴体部ユニット30の胴体部31とが待機した状態からそれぞれ移動して、遊技盤110の中央部に集まる。そして、図4に示すように、頭部ユニット10の頭部11と胴体部ユニット30の胴体部31とが合体する(コンバイン)ように構成されている。
【0045】
腕部ユニット60は、図4の左側に配置される第1腕部ユニット60Lと、図4の右側に配置される第2腕部ユニット60Rとを備えている。また、第1腕部ユニット60L及び第2腕部ユニット60Rは、それぞれ前腕部61及び拳部71を有している。
そして、第1腕部ユニット60Lにおいて、前腕部61及び拳部71は、下方に設けられる回転軸を中心に図中時計周りに回転し、遊技盤110の左側側面における装飾部材118の背面側に待機した状態(図1の状態)から遊技盤110の中央部に出現する。また、第2腕部ユニット60Rにおいて、前腕部61及び拳部71は、下方に設けられる回転軸を中心に図中反時計回りに回転し、遊技盤110の右側側面の装飾部材118の背面側に待機した状態(図1の状態)から、遊技盤110の中央部に出現する。
【0046】
なお、以下の説明において、頭部ユニット10の頭部11、胴体部ユニット30の胴体部31、及び腕部ユニット60の前腕部61及び拳部71が遊技盤110の中央部に出現した状態を「出現状態」と呼び、遊技盤110の装飾部材118の背面側にそれぞれ位置した状態を「待機状態」と呼ぶ。
【0047】
(頭部の機能・構成)
図5は、頭部11を説明するための図である。なお、図5(a)は、顔シャッタ13(後述)が閉じた状態であり、図5(b)は顔シャッタ13が開いた状態である。
図5(a)に示すように、頭部11は、顔部材12と、顔部材12に対して移動可能に設けられ顔部材12を覆う顔シャッタ13とを備えている。顔部材12は、顔シャッタ13に接続するシャッタばね17と案内ピン15を有する。顔シャッタ13は、顔シャッタ13の移動を案内するシャッタ案内部14と後述するフック部材52の掛かりを受けるフック受け部16を有する。
なお、図5(a)に示すように、頭部11には、頭部11と胴体部31とを合体させる際に、頭部11と胴体部31との相対的な位置を合わせるための部位となる頭位置合わせ部91を備えている。なお、この頭位置合わせ部91については、後に詳しく説明する。
【0048】
図5(b)に示すように、シャッタ案内部14は、顔シャッタ13の左右側部にそれぞれ形成された直線状の溝である。シャッタ案内部14は、頭部11が遊技盤110に設けられた状態で、溝の方向が遊技盤110の上下方向に沿うように設定されている。また、シャッタ案内部14の溝は、顔部材12に形成される案内ピン15が移動可能に嵌るように幅が設定されている。
【0049】
案内ピン15は、シャッタ案内部14に嵌められて、顔部材12の正面側に取り付けられる。本実施形態の案内ピン15は、図5(b)に示すように、顔シャッタ13の左右それぞれに設けられている。案内ピン15には、顔シャッタ13のシャッタ案内部14の溝が嵌り込むようになっている。そして、顔部材12の案内ピン15は、シャッタ案内部14を保持することによって、顔シャッタ13の移動方向を案内する。
なお、本実施形態では、左右の2箇所にて顔シャッタ13の移動を案内することで、顔シャッタ13の移動を安定させている。
【0050】
受け部の一例としてのフック受け部16は、顔シャッタ13の下端部に設けられる。また、本実施形態では、フック受け部16は、顔シャッタ13の左右方向の端部側にそれぞれ一つずつ設けられて合計2箇所に設けられる。本実施形態では、フック受け部16を離れた2箇所に設けることによって、顔シャッタ13を移動させる際に、顔シャッタ13が傾かないようにし、顔シャッタ13の開閉動作が安定するようにしている。
また、シャッタばね17には、本実施形態ではコイルばねを用いることができる。シャッタばね17は、顔部材12と顔シャッタ13とをつなぐ部材である。シャッタばね17は、図6(b)に示すように、一端が顔部材12の上側に接続し、他端が顔シャッタ13の上端に接続している。そして、シャッタばね17は、顔シャッタ13が顔部材12を覆う、顔シャッタ13を図中上側に引っ張る力を顔シャッタ13に付与する。
【0051】
(顔部の動作)
続いて、頭部11における顔シャッタ13の開閉動作について説明する。
図5(b)に示すように、シャッタばね17の引っ張り力に抗して、フック受け部16を下側に向けて引っ張ることによって、頭部11の顔シャッタ13が下側にスライド移動する。このとき、顔シャッタ13は、シャッタ案内部14が顔部材12の案内ピン15に案内されて、下側に向けて直線状に移動する。そして、顔シャッタ13が下側に向けて降りることで、顔シャッタ13の背後に設けられる顔部材12が現れる。
【0052】
そして、顔シャッタ13が下側に降りて顔シャッタ13が開いた状態において、フック受け部16を開放すると、シャッタばね17のバネ力によって顔シャッタ13が引き戻される。そして、顔シャッタ13が上側に向けて上昇する。その結果、図5(a)に示すように、顔シャッタ13により顔部材12が再び覆われた状態になる。
以上のようにして、頭部11は、顔部材12に対して顔シャッタ13が開閉し、顔部材12が隠れた状態と顔部材12が現れた状態との2つの状態をとるように構成されている。
【0053】
(アーム部の機能・構成)
図6は、アーム部21を説明するための図である。なお、図6(a)は頭部11を待機状態に位置させた場合を示し、図6(b)は頭部11を出現状態に位置させた場合を示す。なお、図6(a)及び図6(b)は、それぞれ頭部ユニット10の背面側を示している。
図6(a)に示すように、アーム部21は、図中左側に位置する第1アーム部材22Laと第2アーム部材22Lbとを有している。第1アーム部材22Laと第2アーム部材22Lbとは、ヒンジ23Lによって互いに接続している。また、アーム部21は、図中右側に位置する第3アーム部材22Raと第4アーム部材22Rbとを有している。第3アーム部材22Raと第4アーム部材22Rbとは、ヒンジ23Rによって互いに接続している。そして、これら第1アーム部材22La、第2アーム部材22Lb、第3アーム部材22Ra、及び第4アーム部材22Rbの4本の部材は菱形状に配置される。
【0054】
さらには、アーム部21は、第1アーム部材22Laなどのアーム部材を移動させる際の動力源となるアームモータ21Mを備えている。また、アーム部21は、図6(a)に示すように、円弧状歯部241に設けた被検知部27の通過を検知するアームセンサ28を備えている。そして、アーム部21は、第1アーム部材22Laなどのアーム部材やアームモータ21M及びアームセンサ28を保持するアームベース部材21Bを備えている。
【0055】
図6(a)に示すように、第1アーム部材22Laは、ヒンジ23Lが接続しない側の端部に複数の歯を円弧状に配置した円弧状歯部241を有している。第2アーム部材22Lbは、ヒンジ23Lが設けられない側の端部に円弧状歯部242を有している。
また、第3アーム部材22Raは、ヒンジ23Rが設けられない側の端部に円弧状歯部243を有している。第4アーム部材22Rbは、ヒンジ23Rが接続しない側の端部に円弧状歯部244を有している。
【0056】
そして、本実施形態では、第1アーム部材22Laの円弧状歯部241の回転中心に通される軸261が、上側の枠部材150(図1参照)に固定されるアームベース部材21Bに取り付けられる。同様に、第3アーム部材22Raの円弧状歯部243の回転中心に通される軸263が、アームベース部材21Bに取り付けられる。これによって、アーム部21は、アームベース部材21Bにぶら下がるように保持される。
【0057】
また、図6(a)に示すように、第2アーム部材22Lbの円弧状歯部242の回転中心に通される軸262が、頭部11の背面側に取り付けられる。同様に、第4アーム部材22Rbの円弧状歯部244の回転中心に通される軸264が、頭部11の背面側に取り付けられる。これにより、本実施形態の頭部11は、アーム部21を介してアームベース部材21Bから吊り下げられた状態になる。
なお、本実施形態では、上記のとおり、第2アーム部材22Lb及び第4アーム部材22Rbの2本の部材によって、例えば頭部11が傾かないように頭部11を安定して保持している。
【0058】
さらに、アーム部21は、図6(a)に示すように、第1アーム部材22Laの円弧状歯部241に噛み合う第1ギア251と、第1ギア251及び第3アーム部材22Raの円弧状歯部243にそれぞれ噛み合う第3ギア253とを備える。
さらに、アーム部21は、第2アーム部材22Lbの円弧状歯部242に噛み合う第2ギア252と、第2ギア252と第4アーム部材22Rbの円弧状歯部244にそれぞれ噛み合う第4ギア254とを備える。
【0059】
本実施形態では、円弧状歯部243と円弧状歯部244とを、第2ギア252及び第4ギア254を介して接続することによって、第1ギア251〜第4ギア254、及び第1アーム部材22La〜第4アーム部材22Rbが機構的に連結する。そして、本実施形態では、アーム部21を構成する上記の部材が連動するようにしている。本実施形態では、このように全ての部材を連動させ、例えば特定の部材が他の部材よりも遅れて動くといった部材間のずれを防止している。また後述するように、単一のアームモータ21Mによりアーム部21を構成する部材全体を動かすことを可能にしている。
【0060】
アームモータ21Mには、本実施形態ではステッピングモータなどを採用することができる。アームモータ21Mは、アームベース部材21Bに取り付けられる。また、アームモータ21Mは、演出制御部300の制御によって駆動する。そして、アームモータ21Mは、第1ギア251に接続し、第1ギア251に回転駆動力を付与する。
【0061】
アームセンサ28は、アームベース部材21Bに取り付けられている。従って、第1アーム部材22Laが動作した際においても、アームセンサ28の位置は移動しない。また、アームセンサ28は、図6(a)に示すように、円弧状歯部241の被検知部27が対向した際に、被検知部27を挟むようにして配置される発光素子及び受光素子(検知素子)を備えている。そして、アームセンサ28は、発光素子から発したビームが受光素子によって検知されたか否かという検知結果を演出制御部300に送信する。
【0062】
被検知部27は、図6(a)に示すように、円弧状歯部241の外周に設けられた扇形の板状の部材である。被検知部27は、一端27aと他端27bとを有する。そして、被検知部27の一端27aは、図6(a)に示すように、頭部11が待機状態になるように円弧状歯部241が回転した状態において、アームセンサ28に対向する部分となるように設定されている。また、被検知部27の他端27bは、図6(b)に示すように、頭部11が出現状態になるように円弧状歯部241が回転した状態において、アームセンサ28に対向する部分となるように設定されている。
【0063】
そして、本実施形態では、アームセンサ28の検知結果に基づいて、アーム部21の状態を把握する。例えば、図6(a)の待機状態から図6(b)の出現状態へと移行する場合、被検知部27の他端27bがアームセンサ28を通過する。この通過するとき、アームセンサ28の検出パターン結果は、アームセンサ28に対し被検知部27の一端27aから他端27bまでの間の領域が対向する状態の「受光なし」から、他端27bを通過してアームセンサ28に被検知部27が対向しない状態の「受光あり」に変化する。本実施形態では、この「受光なし」から「受光あり」に変化する受光パターンの検知結果に基づいて、頭部11が出現状態の位置にとなる状態にアーム部21がなったと把握する。なお、出現状態から待機状態へと移行する場合も同様である。
【0064】
本実施形態において、演出制御部300は、通常、アーム部21を動作させる際には、アームモータ21Mを予め定めた回転角度だけ回転するように制御する。本実施形態のアーム部21において、例えば頭部11を待機状態から出現状態に移行させる場合、演出制御部300は、待機状態のアーム部21のアームモータ21Mを予め定められたステップ数(回転角度)だけ回転させる。また、アーム部21によって頭部11を出現状態から待機状態に移行させる場合には、演出制御部300は、出現状態のアーム部21のアームモータ21Mを予め定められたステップ数(回転角度)だけ回転させる。
このように、アームモータ21Mのステップ数(回転角度)を制御することによって、アーム部21の上下動を制御することにより、本実施形態では、演出制御部300におけるアーム部21の制御プログラムの簡易化を図っている。
【0065】
そして、何らかの原因よって、アーム部21の動作が意図する状態から外れる場合がある。即ち、出現状態のアーム部21において予め定めた回転角度だけアームモータ21Mを回転させたにもかかわらず、アーム部21が待機状態にならない場合がある。このような場合には、アームセンサ28の検知結果を利用することで、アーム部21の動作の修正を図る。
【0066】
具体的には、アーム部21が待機状態となる方向にアームモータ21Mを回転させる。そして、アームセンサ28による受光パターンが「受光なし」→「受光あり」に変化したタイミングでアームモータ21Mの回転を停止する。これにより、アーム部21を待機状態に戻すことができる。
また、アーム部21が出現状態となる方向にアームモータ21Mを回転させる。そして、アームセンサ28による受光パターンが「受光なし」→「受光あり」に変化したタイミングでアームモータ21Mの回転を停止する。これにより、アーム部21を出現状態にすることができる。
【0067】
(アーム部の動作)
図6(b)に示すように、アームモータ21Mを駆動することによって、第1ギア251を図中矢印VIb方向に回転させる。そうすると、第1ギア251の回転を受けた第1アーム部材22Laの円弧状歯部241が回転することにより、第1アーム部材22Laが下側に向けて押し下げられる。そして、第1アーム部材22Laが押し下げられることで、ヒンジ23Lを介して、第2アーム部材22Lbも押し下げられる。
また、第1ギア251が回転することにより、第3ギア253が回転し、第3ギア253の回転を受けた第3アーム部材22Raの円弧状歯部243が回転することにより、第3アーム部材22Raが下側に向けて押し下げられる。そして、第3アーム部材22Raが押し下げられることで、ヒンジ23Rを介して、第4アーム部材22Rbも押し下げられる。
そして、第2アーム部材22Lbの円弧状歯部242を通る軸262、及び第4アーム部材22Rbの円弧状歯部244を通る軸264に接続する頭部11が下側に向けて移動する。
【0068】
以上のように、本実施形態では、アームモータ21Mを駆動し、第1ギア251を回転させることによって、図6(a)に示す待機状態から、図6(b)に示す出現状態へと頭部11の位置が移行する。
なお、頭部11の位置を出現状態から待機状態へと移行させる場合には、図6(b)に示す矢印VIbとは逆方向に第1ギア251を回転させる。これによって、図6(b)に示す出現状態のように頭部11が下側に位置した状態から、図6(a)に示す待機状態のように頭部11が上側に位置した状態へと移行する。
【0069】
〔胴体部ユニットの機能・構成〕
図7は、胴体部31を説明するための図である。図7(a)は胴体部ユニット30の背面図であり、図7(b)は(a)に示すVIIb−VIIb断面図である。また、図8は、出現状態の位置ある場合の胴体部ユニット30を示す図である。
胴体部ユニット30は、第2部材の一例としての胴体部31と、胴体部31を上下に移動させるリフト部41とを備えている。そして、胴体部31は、図7(b)に示すように、胴体ベース部材31Bと、胴体部31の正面側(遊技者側)に装飾を施す胴体装飾部材33と、頭部ユニット10における頭部11の顔シャッタ13を開閉する開閉機構部51とを備えている。
【0070】
胴体ベース部材31Bは、後述するリフト部41の第1ピニオンギア441及び第2ピニオンギア442の接続をそれぞれ受ける第1ラックギア341及び第2ラックギア342を備える。また、胴体ベース部材31Bは、後述するリフト部41によって移動の際に案内を受ける第1凸条部351及び第2凸条部352を備えている。さらには、胴体ベース部材31Bは、後述する第1リフトセンサ46及び第2リフトセンサ47の検出対象となる第1被検知部361及び第2被検知部を備えている。
そして、胴体ベース部材31Bには、胴体装飾部材33及び開閉機構部51が取り付けられる。つまり、胴体装飾部材33及び開閉機構部51は、胴体ベース部材31Bによって保持される。従って、後述するように、リフト部41が胴体ベース部材31Bを上下に移動させることで、胴体装飾部材33及び開閉機構部51も胴体ベース部材31Bに伴って上下に移動する。
【0071】
第1ラックギア341及び第2ラックギア342は、図7(a)に示すように、胴体部31が遊技盤110に設けられた状態で、上下方向に沿って延びて設けられる。そして、第1ラックギア341及び第2ラックギア342は、本実施形態では、胴体ベース部材31Bの左右の端部にそれぞれ設けられる。また、第1ラックギア341の歯と第2ラックギア342の歯とが向き合うように形成される。そして、第1ラックギア341には第1ピニオンギア441が接続し、第2ラックギア342には第2ピニオンギア442が接続する。そして、第1ラックギア341及び第2ラックギア342が力を受けることによって、胴体ベース部材31Bが上下方向に移動する。
【0072】
第1凸条部351及び第2凸条部352は、図7(b)に示すように、断面が凸形状を有する筋状の部材である。第1凸条部351及び第2凸条部352は、胴体部31が遊技盤110に取り付けられた状態にて、それぞれ上下方向に延びて形成される(図8参照)。そして、図7(b)に示すように、第1凸条部351はリフトベース部材41Bの第1リフト案内部451の溝に、第2凸条部352は第2リフト案内部452の溝に移動可能に嵌め込まれる。このようにして、第1凸条部351及び第2凸条部352がリフト部41の第1リフト案内部451及び第2リフト案内部452によって移動可能の保持されることで、胴体部31がリフト部41によって案内されながら上下方向に移動する。
【0073】
第1被検知部361と第2被検知部362とは、それぞれ背面側に向けて突出形成された部材である。そして、第1被検知部361及び第2被検知部362は、後述する第1リフトセンサ46及び第2リフトセンサ47を用いた胴体ベース部材31Bの位置の検出の際に基準となる被検部材として用いられる。
そして、第1被検知部361と第2被検知部362とは、本実施形態では、それぞれ第1ラックギア341と第2ラックギア342とに取り付けられる。図7(a)に示すように、第1ラックギア341の上端部に第1被検知部361が設けられる。また、第2ラックギア342の下端部に第2被検知部362が設けられる。
【0074】
本実施形態では、第1被検知部361は、図7(a)に示すように、胴体部31が待機状態の位置にあるときに、第1リフトセンサ46に対向する第1ラックギア341の部分に形成する。また、第2被検知部362は、図8に示すように、胴体部31が出現状態の位置にあるときに、第2リフトセンサ47に対向する第2ラックギア342の部分に形成する。
【0075】
(リフト部の機能・構成)
リフト部41は、図7(a)に破線で示すように、リフトベース部材41Bを有する。また、リフト部41は、駆動源であるリフトモータ41M、リフトモータ41Mのシャフトに接続するモータシャフトギア431、及びモータシャフトギア431に接続するギア432を備える。さらに、リフト部41は、モータシャフトギア431及び胴体部31の第1ラックギア341に噛み合う第1ピニオンギア441と、ギア432及び胴体部31の第2ラックギア342に噛み合う第2ピニオンギア442とを備える。さらに、図7(a)に示すように、リフトベース部材41Bは、胴体ベース部材31Bを案内する第1リフト案内部451及び第2リフト案内部452を左右方向の端部にそれぞれ有している。
【0076】
図7(b)に示すように、リフトモータ41Mは、リフトベース部材41Bに取り付けられる。また、ギア432、第1ピニオンギア441、及び第2ピニオンギア442の回転軸は、それぞれリフトベース部材41Bに取り付けられる。そして、リフトベース部材41Bは遊技盤110に固定される。従って、リフトベース部材41Bに保持されるリフトモータ41Mやギア部材は、部材の位置として移動はしない。
【0077】
本実施形態のリフトモータ41Mには、ステッピングモータを用いることができる。リフトモータ41Mは、演出制御部300による制御により回転する。そして、リフトモータ41Mは、回転力をモータシャフトギア431に付与する。
モータシャフトギア431は、リフトモータ41Mから受けた回転力を第1ピニオンギア441に伝達する。また、モータシャフトギア431は、リフトモータ41Mから受けた回転力を第2ピニオンギア442にも伝達する。
そして、第1ピニオンギア441及び第2ピニオンギア442は、リフトモータ41Mから伝達される回転力を胴体部31の第1ラックギア341及び第2ラックギア342に付与する。
【0078】
第1リフト案内部451及び第2リフト案内部452は、図7(b)に示すように断面が凹部形状を有する溝である。そして、第1リフト案内部451及び第2リフト案内部452は、リフト部41が遊技盤110に設けられた状態にて、上下方向に沿って延びて形成される。第1リフト案内部451及び第2リフト案内部452を構成する溝の幅は、胴体ベース部材31Bの第1凸条部351及び第2凸条部352の幅を大きく超えないサイズに設定されている。そして、第1リフト案内部451の溝に沿って胴体ベース部材31Bの第1凸条部351が移動可能に嵌め込まれ、第2リフト案内部452の溝に沿って第2凸条部352が嵌め込まれて、リフト部41にて胴体部31を上下方向移動させる際に胴体ベース部材31Bを案内する。
【0079】
第1リフトセンサ46及び第2リフトセンサ47は、図7(a)に示すように、リフトベース部材41Bに取り付けられる。従って、胴体部31が移動しても、第1リフトセンサ46及び第2リフトセンサ47は移動しない。
【0080】
第1リフトセンサ46は、第1被検知部361が対向した際に、第1被検知部361を挟むようにして配置される発光素子及び受光素子(検知素子)を有する。また、第2リフトセンサ47は、第2被検知部362が対向した際に、第2被検知部362を挟むようにして配置される発光素子及び受光素子(検知素子)を有する。そして、第1リフトセンサ46及び第2リフトセンサ47は、それぞれ、発光素子から発したビームが受光素子によって検知されたか否かという検知結果を演出制御部300に送信する。
【0081】
例えば、図7(a)に示す待機状態においては、第1リフトセンサ46には第1被検知部361が対向し、第2リフトセンサ47には第2被検知部362は対向していない。従って、第1リフトセンサ46では「受光なし」、第2リフトセンサ47では「受光あり」という検知結果が得られる。一方で、図8に示す出現状態では、第1リフトセンサ46には第1被検知部361は対向せずに、第2リフトセンサ47に第2被検知部362が対向する状態になる。この場合、第1リフトセンサ46では「受光あり」、第2リフトセンサ47では「受光なし」とう検知結果が得られる。
このように、本実施形態では、演出制御部300において、第1リフトセンサ46及び第2リフトセンサ47における受光パターンに基づき、少なくとも胴体ベース部材31Bが待機状態の位置あるいは出現状態のいずれの状態にあるかを判断可能な構成となっている。
【0082】
(リフト部の動作)
本実施形態では、演出制御部300によってリフトモータ41Mを制御することで、リフト部41を動作させる。例えば、演出制御部300は、リフトモータ41Mが予め定められた回転方向に、予め定められたステップ数(回転角度)だけ回転するように制御する。
そして、図8に示すように、リフトモータ41Mを動作させて、モータシャフトギア431を図中矢印VIII方向に回転させる。そうすると、モータシャフトギア431に接続する第1ピニオンギア441が回転する。そして、第1ピニオンギア441の回転を受けて、リフトベース部材41Bの第1ラックギア341が上方に向けて押し上げられる。一方、モータシャフトギア431が回転することで、ギア432を介して第2ピニオンギア442が回転する。そして、第2ピニオンギア442の回転によって、リフトベース部材41Bの第2ラックギア342が上方に向けて押し上げられる。リフトベース部材41Bが上側に向けて押し上げられることで、リフトベース部材41Bに保持される胴体部31が出現状態の位置へと移動する。
【0083】
以上のように、本実施形態では、リフトモータ41M駆動し、モータシャフトギア431を回転させることによって、図7(a)に示す待機状態から、図8に示す出現状態へと胴体部31の位置が移行する。
なお、胴体部31の位置を出現状態から待機状態へと移行させる場合には、図8に示す矢印VIIIとは逆方向にモータシャフトギア431を回転させる。これによって、図8に示す出現状態のように胴体部31が上側に位置した状態から、図7(a)に示す待機状態のように胴体部31が下側に位置した状態へと移行する。
【0084】
(開閉機構部の機能・構成)
続いて、図9及び図10を参照しながら、開閉機構部51の説明を行う。
図9は、開閉機構部51を説明するための図である。図9(a)は開閉機構部51を背面側からみた図であり、図9(b)は開閉機構部51を正面側からみた図である。また、図10は、フック部材52を詳細に説明するための図である。
なお、説明のために図9(a)ではリフト部41の図示を省略し、図9(b)では胴体装飾部材33の図示を省略している。
【0085】
図9(a)に示すように、連結部の一例としての開閉機構部51は、頭部11における顔シャッタ13のフック受け部16(図5参照)に掛けられるフック部材52(第1フック部材521及び第2フック部材522)と、フック部材52を移動させるフック移動部材53と、フック移動部材53の動力源となるフックモータ51Mと、フック部材52の動きを案内するフック案内部材57(図9(b)参照)とを備える。
【0086】
図9(a)に示すように、フック移動部材53は、背面側に第1ラックギア541と第2ラックギア542とを備える。そして、開閉機構部51は、図9(a)に示すように、第1ラックギア541に接続する第1ピニオンギア551と、第1ピニオンギア551に噛み合うとともに第2ラックギア542に接続する第2ピニオンギア552とを備える。さらに、開閉機構部51は、第2ピニオンギア552に接続する第1ギア561、第1ギア561に接続する第2ギア562、及び第2ギア562に噛み合うととものフックモータ51Mの回転軸に接続するモータシャフトギア563を備える。
さらには、開閉機構部51は、開閉機構センサ58と、第1ラックギア541に設けられ開閉機構センサ58の検知対象となる被検知部53Pとを備える。
なお、本実施形態では、第1ピニオンギア551、第2ピニオンギア552、第1ギア561、第2ギア562、モータシャフトギア563、フックモータ51M、及び開閉機構センサ58は、胴体ベース部材31Bに保持される。
【0087】
フック部材52は、図10に示すように、一端側に掛かり部52Fを有し、他端側に被案内部52Gを有する。また、フック部材52は、掛かり部52Fとフック案内部材57との間に接続部52Jを有する。
フック部材52の掛かり部52Fは、顔シャッタ13のフック受け部16に引っ掛かるように、本実施形態では先端部が鍵状に形成されている。また、被案内部52Gは、凸形状を有しており、後述するようにフック案内部材57の溝に嵌め込まれて、溝に案内されながら移動することで、フック案内部材57による案内を受ける部分である。また、できるように構成されている。さらに、接続部52Jは、フック移動部材53に接続する部分である。そして、本実施形態では、フック部材52は、接続部52Jを中心に掛かり部52F及び被案内部52Gが回転方向に移動できるように、接続部52Jがフック移動部材53に保持される。
【0088】
図9(a)に示すように、第1ラックギア541及び第2ラックギア542は、遊技盤110に取り付けられた状態にて、上下方向に延びて形成される。また、第1ラックギア541と第2ラックギア542とは、各々が有する歯が互いに向き合いように取り付けられる。そして、第1ラックギア541と第2ラックギア542との間に、第1ピニオンギア551と第2ピニオンギア552とが配置される。
【0089】
フック移動部材53には、図9(b)に示すように、正面側に、第1フック部材521の接続部52J及び第2フック部材522の接続部52Jがそれぞれ取り付けられる。そして、フック移動部材53は、接続部52Jを介してフック部材52を回転自在に保持する。
【0090】
また、フック移動部材53には、正面側に、筋状の突起である前側凸部53Fpが形成されている(図7(b)参照)。また。フック移動部材53は、背面側に、筋状の突起である背面凸部53Bpを備えている(図7(b)参照)。そして、フック移動部材53は、正面側において対向するフック案内部材57に前側凸部53Fpが接触し、背面側において対向する胴体ベース部材31Bに背面凸部53Bpが接触する。これにより、フック移動部材53は、フック案内部材57と胴体ベース部材31Bとによる正面側から背面側への方向(以下、前後方向と呼ぶ)の案内を受ける。さらに、フック移動部材53は、2箇所に設けられた背面凸部53Bpが胴体ベース部材31Bによって両端側から挟み込まれることで、左右方向の案内を受ける。
【0091】
そして、フック移動部材53は、背面側にて、第1ラックギア541及び第2ラックギア542が、第1ピニオンギア551及び第2ピニオンギア552から力を受けることで、遊技盤110の上下方向に沿って直線状に移動する。また、フック移動部材53は、移動に伴って、正面側にて接続部52Jを介して保持するフック部材52を移動させる。
なお、本実施形態では、フック移動部材53を移動させてフック部材52を介して顔シャッタ13を保持しながら移動させ、移動前にフック移動部材53が位置していた空間に顔シャッタ13を格納する。従って、本実施形態では、フック移動部材53が移動することで、移動前にフック移動部材53が位置する空間(図7(b)参照)が格納部として機能する。
【0092】
フックモータ51Mには、ステッピングモータなどを用いることができる。フックモータ51Mは、胴体ベース部材31Bに取り付けられる。本実施形態では、フックモータ51Mは、演出制御部300による制御に基づいて回転する。そして、フックモータ51Mは、モータシャフトギア563に回転力を付与する。
そして、フックモータ51Mは、モータシャフトギア563、第2ギア562、第1ギア561、第1ピニオンギア551及び第2ピニオンギア552に回転力を伝達する。そして、フックモータ51Mは、第1ピニオンギア551及び第2ピニオンギア552を介して、フック移動部材53の第1ラックギア541および第2ラックギア542に力を付与する。
【0093】
開閉機構センサ58は、図9(a)に示すように、本実施形態では、胴体ベース部材31Bの下端側であって、フック移動部材53に伴って移動する被検知部53Pの移動経路上に設けられる。そして、開閉機構センサ58は、被検知部53Pが対向した際に、被検知部53Pを挟むようにして配置される発光素子及び受光素子(検知素子)を有する。そして、開閉機構センサ58は、発光素子から発したビームが受光素子によって検知されたか否かという検知結果を演出制御部300に送信する。
【0094】
被検知部53Pは、フック移動部材53の図中左側の側部に設けられ、外側に向けて突出した部材である。本実施形態では、被検知部53Pは、フック移動部材53が最も引き下げられ、後述するようにフック部材52がフック案内部材57の第3区間S3(後述)に達したときに、開閉機構センサ58と対向する部分に設けられる。
【0095】
フック案内部材57は、図9(b)に示すように、第1案内溝571及び第2案内溝572を備える。そして、本実施形態の第1案内溝571及び第2案内溝572は、フック案内部材57の内側に向けて延び、一旦直線状になり、その後さらに内側に向けて延びた形状の溝によってそれぞれ構成されている。
また、フック案内部材57は、胴体ベース部材31Bに取り付けられている。従って、後述するように、フックモータ51Mによってモータを回転させ、フック移動部材53やフック部材52を移動させた場合であっても、これらの部材との関係では、フック案内部材57は相対的に移動しない。
【0096】
そして、図10に示すように、第1案内溝571及び第2案内溝572は、顔シャッタ13のフック受け部16(図5参照)にフック部材52の掛かり部52Fを掛けるように案内する第1区間S1と、フック受け部16に掛かり部52Fを掛けた状態で下側に向けて引っ張るように案内する第2区間S2と、フック受け部16に掛けた掛かり部52Fを解除するように案内する第3区間S3とをそれぞれ形成している。
なお、本実施形態では、第1区間S1が連結案内部として、第3区間S3が解除案内部として機能する。
【0097】
そして、図10に示すように、第1案内溝571には、第1フック部材521の被案内部52Gが嵌め込まれる。また、第2案内溝572には、第2フック部材522の接続部52Jが嵌め込まれる。本実施形態のフック部材52は、接続部52Jを中心に回転可能に構成され、さらに接続部52Jが上下方向に移動する。そして、フック案内部材57は、フック部材52の端部に設けられる被案内部52Gの位置を案内することで、フック部材52が接続部52Jを中心にして回転させ、フック部材52の他端に設けられる掛かり部52Fの位置を変える。
そして、フック案内部材57は、フック移動部材53によってフック部材52が上下方向に移動する際に、第1案内溝571が第1フック部材521の被案内部52Gを案内し、第2案内溝572が被案内部52Gを案内することによって、フック部材52の掛かり部52Fの左右方向における位置を動かす機能を有している。
【0098】
(開閉機構部の動作)
図11は、開閉機構部51の動作を説明するための図である。
なお、第1案内溝571及び第1フック部材521と、第2案内溝572及び第2フック部材522とは、それぞれ左右対称の関係にあることを除いて基本的な構成および動作は同様である。従って、以下では、フック案内部材57の第2案内溝572による、第2フック部材522の案内動作を例にして説明し、第1案内溝571及び第1フック部材521についての説明は省略する。
また、図11では、説明のために、顔部材12の顔シャッタ13を併せて表示している。
【0099】
頭部ユニット10の頭部11と胴体部ユニット30の胴体部31とが互いに出現状態の位置に移動する(図4参照)。このとき、図11(a)に示すように、第2フック部材522の被案内部52Gは、第2案内溝572の第1区間S1の上端の始点に位置している。
【0100】
まず、フックモータ51Mによってモータシャフトギア563を図9(a)に示す矢印IXa方向に回転させる。そうすると、第1ピニオンギア551及び第2ピニオンギア552は、第1ギア561及び第2ギア562を介して、モータシャフトギア563から回転力の伝達を受ける。そして、第1ピニオンギア551及び第2ピニオンギア552は、それぞれ第1ラックギア541及び第2ラックギア542に対して下側に移動する力を付与する。その結果、フック移動部材53は、下側に向けて移動する。
【0101】
図11(a)に示すように、フック移動部材53が動作する前の状態において、第2フック部材522の被案内部52Gは、第2案内溝572の第1区間S1の始点に位置している。この状態において、第2フック部材522の掛かり部52Fは、顔シャッタ13のフック受け部16に対して左右方向における内側に位置しており、フック受け部16には掛かっていない状態にある。
【0102】
そして、図11(a)に示す状態から、フック移動部材53が下側に移動することによって、フック移動部材53に接続する接続部52Jを介して第2フック部材522は、下側に向けて引っ張られる。そして、第2フック部材522の被案内部52Gは、第2案内溝572の第1区間S1の終点(第2区間S2の始点)に到達する。このとき、フック部材52は、第1区間S1の始点から第1区間の終点に到達するまでの間に、第2フック部材522は、接続部52Jを中心に被案内部52Gが内側に引き込まれる。そして、第2フック部材522は、回転可能に保持される接続部52Jを中心に、図11(b)の矢印XIb方向に回転する。これに伴って、接続部52Jを挟んで被案内部52Gとは反対側に設けられる掛かり部52Fは外側に向けて移動する。
【0103】
本実施形態では、第2フック部材522の被案内部52Gが第2案内溝572の第2区間S2に位置すると、第2フック部材522の掛かり部52Fが顔シャッタ13のフック受け部16に掛かるようになっている。
以上のようにして、第2案内溝572の第1区間S1によって、第2フック部材522は、顔シャッタ13のフック受け部16に掛かった状態になる。
【0104】
続いて、フック移動部材53が下側に向けてさらに移動すると、図11(c)に示すように、第2フック部材522の被案内部52Gが、第2案内溝572の第2区間S2の始点から終点まで移動する。このとき、本実施形態では、第2案内溝572は、第2フック部材522(被案内部52Gが)の移動方向に沿って形成されているため、第2フック部材522は回転しない。即ち、第2フック部材522の掛かり部52Fが顔シャッタ13のフック受け部16に掛かった状態が維持されながら、第2フック部材522が下側に向けて移動する。
これに伴って、頭部11の顔シャッタ13は、下側に向けて引っ張られることで、顔部材12に対してスライドするように移動する(図5(b)参照)。
【0105】
なお、頭部11の顔シャッタ13は、下側に向けて移動することによって、胴体部ユニット30の胴体部31に引き込まれた状態になる。本実施形態では、図7(b)に示すように、顔シャッタ13は、胴体ベース部材31Bとフック案内部材57との間に収まる。そして、この状態において、本実施形態の可動役物115を正面側から見ると、顔シャッタ13が胴体部31によって引き込まれ、顔シャッタ13が胴体部31に覆われて隠れた状態になる。一方で、頭部11においては、顔シャッタ13が下側へとスライド移動することによって、顔シャッタ13の背後に隠れていた顔部材12が露出した状態になる。
【0106】
その後、フック移動部材53をさらに下側にさらに移動させると、図11(d)に示すように、第2フック部材522の被案内部52Gは、第2案内溝572の第3区間S3の始点から終点へと移動する。このとき、第2フック部材522は、回転可能に保持される接続部52Jを中心にして、被案内部52Gが内側に引き込まれるように図11(d)中XId方向に回転する。これに伴って、接続部52Jを挟んで被案内部52Gとは反対側に設けられる掛かり部52Fは、外側に向けて移動する。そして、第2フック部材522の掛かり部52Fの顔シャッタ13のフック受け部16に対する接続が解除される。
【0107】
なお、頭部11においては、顔シャッタ13が下側に位置した状態から、顔シャッタ13の引っ張り力が開放されることによって、顔シャッタ13が上側に向けて移動する。この顔シャッタ13の動きは、顔シャッタ13に取り付けられたシャッタばね17の戻り力によって生じる。そして、頭部11において、顔シャッタ13が再び顔部材12を覆った状態になる。
【0108】
また、第2フック部材522の被案内部52Gが、第2案内溝572の第3区間S3に位置すると、図9(a)を参照しながら説明したように、開閉機構センサ58に被検知部53P対向する。これによって、開閉機構センサ58における検知パターンは、「受光あり」→「受光なし」になる。この受光パターンの変化に基づき、演出制御部300では、フックモータ51Mの回転を停止する。さらに、フックモータ51Mによってモータシャフトギア563を図9(a)の矢印IXaとは逆方向に回転させることで、フック移動部材53を元の位置に戻して次回の顔シャッタ13の開閉動作に備える。
【0109】
(位置合わせ部の機能・構成)
続いて、頭部11と胴体部31との位置合わせについて説明する。
図12は、位置合わせ部90を説明するための図である。図12(a)は頭部11の斜視図であり、図12(b)は胴体部31の斜視図である。また、12(b)は、位置合わせ部90の詳細を説明するための頭部11と胴体部31との部分断面図である。
【0110】
本実施形態の可動役物115は、ロボット型をしている。そのため、頭部11と胴体部31とが合体した際に、例えば胴体部31の中心線と胴体部31の中心線がずれるなど両者の位置関係が大きくずれていると可動役物115としての見栄えが悪くなってしまう。
また、本実施形態では、上述したとおり、胴体部31側に設けられるフック部材52を頭部11のフック受け部16に掛けるように構成している。従って、頭部11と胴体部31とが合体した際に、顔部材12のフック受け部16に胴体部31のフック部材52を掛けられるように予め定められた位置関係に位置合わせされた状態で、頭部11と胴体部31とが接続することが要求される。
【0111】
ここで、例えば頭部11と胴体部31とを介在部材としてのレールに接続し、このレールに沿って移動させることで頭部11と胴体部31とを近づけることも考えられる。しかしながら、このようなレールは、遊技盤110における頭部11と胴体部31との移動経路に沿って形成する必要があるため、頭部11と胴体部31とを接続するレールが遊技者から見え易くなる。このように、レールが遊技者に見えてしまうと、頭部11と胴体部31との合体のからくりが遊技者に判ってしまい、合体の臨場感が低下する畏れがある。
【0112】
これに対して、本実施形態の可動役物115においては、頭部11と胴体部31とは、合体前の状態において例えば介在部材を介して頭部11と胴体部31とが接続されるような接続関係にあるのではなく、合体前の状態では完全に分離した別体として遊技盤110に設けられる。このように、本実施形態の可動役物115では、頭部11と胴体部31とを合体前の状態において別体に構成し、さらにアーム部21とリフト部41というそれぞれ独立した移動機構によってそれぞれ移動させて、頭部11と胴体部31とを接続させる。
以上のことからも、本実施形態の可動役物115において、頭部11と胴体部31とを予め定められた位置関係で合体させるために、頭部11と胴体部31との位置を合わせる位置合わせ部90を設けている。
【0113】
位置合わせ部90は、図12(a)及び(b)にそれぞれ示すように、頭部11に設けられる頭位置合わせ部91と、胴体部31に設けられる胴位置合わせ部92とを備えている。
頭位置合わせ部91は、図12(a)に示すように、頭部11の胴体部31と対向する側となる下端側に形成される。頭位置合わせ部91は、左右方向の位置合わせを行う左側凸部91L及び右側凸部91Rと、前後方向の位置合わせを行う頭中央置合わせ部93とを有している。
【0114】
左側凸部91L及び右側凸部91Rは、図12(c)に示すように、頭部11の下端側において胴体部31側に向けてそれぞれ突出している。即ち、左側凸部91L及び右側凸部91Rは、それぞれ移動方向に向けて突出する凸部形状を有している。そして、左側凸部91Lと右側凸部91Rとは、それぞれ頭部11の左右方向の端部に離れて配置される。
左側凸部91Lは、図12(c)に示すように、第1面911及び第2面912を備える。第1面911及び第2面912は、左右方向に対して斜めに向く面である。そして、第1面911と第2面912とは、頭部11から離れるに従って次第に近づくように構成される。従って、左側凸部91Lは、頭部11の左右方向における幅が頭部11から離れるに従って次第に短くなった台形状になっている。即ち、左側凸部91Lは、先端に向かうに従って幅が短くなっている。そして、左側凸部91Lは、後述する胴位置合わせ部92の左側凹部92Lと噛み合うように形状が設定されている。
【0115】
また、右側凸部91Rは、第3面913及び第4面914を備える。第3面913及び第4面914は、左右方向に対して斜めに向く面である。そして、第3面913と第4面914とは、頭部11から離れるに従って次第に近づくように構成される。従って、右側凸部91Rは、頭部11の左右方向における幅が、頭部11から離れるに従って次第に短くなった台形状になっている。即ち、右側凸部91Rは、先端に向かうに従って幅が短くなっている。そして、右側凸部91Rは、後述する胴位置合わせ部92の右側凹部92Rと噛み合う形状を有している。
【0116】
頭中央置合わせ部93は、図12(c)に示すように、左側凸部91Lと右側凸部91Rとの間に設けられる。そして、頭中央位置合わせ部93は、頭部11において正面側を向く面である接触面931を有する。また、接触面931は、頭部11から離れるに従って、頭部11の前後方向において正面側から背面側に向かうように傾斜している。
頭中央位置合わせ部93は、頭部11と胴体部31とが合体する状態で、後述する胴位置合わせ部94と対向する位置に設けられる。そして、頭中央位置合わせ部93の接触面931は、後述する胴位置合わせ部94の接触面941に沿う形状に設定されている。
【0117】
図12(b)に示すように、胴体部31の胴位置合わせ部92は、胴体部31の頭部11と対向する側となる上端側に設けられる。胴位置合わせ部92は、左右方向の位置合わせを行う左側凹部92L及び右側凹部92Rと、前後方向の位置合わせを行う胴中央位置合わせ部94とを有している。
【0118】
左側凹部92L及び右側凹部92Rは、図12(c)に示すように、胴体部31の上端側において頭部11とは逆側(胴体部31の内部側)に向けて窪んだ形状をそれぞれ有している。また、頭部11と胴体部31とが合体する状態において、左側凹部92Lは頭部11の左側凸部91Lに、右側凹部92Rは頭部11の右側凸部91Rにそれぞれ対向する位置に設けられる。
【0119】
そして、左側凹部92Lは、図12(c)に示すように、第1面921及び第2面922を備える。第1面921及び第2面922は、左右方向に対して斜めに向く面である。そして、第1面921と第2面922とは、胴体部31から離れるに従って次第に遠ざかるように構成される。従って、左側凹部92Lは、胴体部31の左右方向における幅が胴体部31から離れる方向に向かうに従って次第に長くなった逆台形状になっている。即ち、左側凹部92Lは、底に向かうに従って幅が短くなっている。そして、この左側凹部92Lは、第1面921及び第2面922が、頭部11の左側凸部91Lの第1面911及び第2面912にそれぞれ接触することで、左側凸部91Lとの間で接触するようになっている。
【0120】
また、右側凹部92Rは、第3面923及び第4面924を備える。第3面923及び第4面924は、左右方向に対して斜めに向く面である。そして、第3面923と第4面924とは、胴体部31から離れるに従って次第に遠ざかるように構成される。従って、右側凹部92Rは、胴体部31の左右方向における幅が胴体部31から離れるに従って次第に長くなった逆台形状になっている。即ち、左側凹部92Lは、底に向かうに従って幅が短くなっている。そして、この右側凹部92Rは、第3面923及び第4面924が、頭部11の右側凸部91Rの第3面913及び第4面914にそれぞれ接触することで、右側凸部91Rとの間で接触するようになっている。
【0121】
胴中央位置合わせ部94は、図12(c)に示すように、左側凹部92Lと右側凹部92Rとの間に設けられる。本実施形態の胴中央位置合わせ部94は、外観が台形状を有している。そして、胴中央位置合わせ部94は、胴体部31において背面側を向く面である接触面941を有する。また、接触面941は、胴体部31から離れるに従って、胴体部31の前後方向において背面側から正面側に向かうように傾斜している。
【0122】
本実施形態では、アーム部21によって頭部11の背面側を保持し、頭部11を上下させる構成としている。従って、頭部11は、面側にてアーム部21からの力を受けるため、背面側よりも正面側に向けて押された状態になる。そこで、本実施形態では、頭中央位置合わせ部93の接触面931が正面側を向き、胴中央位置合わせ部94の接触面941が背面側を向くように構成している。そして、本実施形態では、アーム部21によって頭部11が正面側に押される力を利用して、正面側を向く頭中央位置合わせ部93の接触面931を、背面側を向く胴中央位置合わせ部94の接触面941に受けさせるように構成している。
【0123】
そして、アーム部21によって頭部11を出現状態の位置まで移動させ、一方、リフト部41によって胴体部31を出現状態の位置まで移動させると、頭部11の下端側と胴体部31の上端側とが接触する。そして、頭部11の左側凸部91L及び右側凸部91Rは、胴体部31の左側凹部92L及び右側凹部92Rにそれぞれ嵌め込まれる。そうすると、左側凸部91Lの第1面911及び第2面912は、左側凹部92Lの第1面921及び第2面922にそれぞれ接触する。また、右側凸部91Rの第3面913及び第4面914は、右側凹部92Rの第3面923及び第4面924に接触する。これらの面は、左右方向側を向く面であるため、これらの面の接触によって、頭部11と胴体部31との左右方向における位置合わせが行われる。さらに、これらの面は、左右方向に対して斜めに形成されており移動方向を向く面の成分を有しているため、頭部11と胴体部31との移動方向の位置合わせも行われる。
【0124】
また、頭中央位置合わせ部93の接触面931と、胴中央位置合わせ部94の接触面941とが接触する。これらの面は、前後方向側を向く面である。従って、頭部11と胴体部31との前後方向の位置合わせが行われる。
以上のようにして、本実施形態の位置合わせ部90は、頭部11及び胴体部31の移動方向において頭部11と胴体部31とを予め定められた位置関係に定める。さらに、本実施形態の位置合わせ部90は、頭部11及び胴体部31の移動方向に直交する方向(上記の頭部11及び胴体部31の左右方向,前後方向)において、頭部11と胴体部31とを予め定められた位置関係に定める。
【0125】
特に、本実施形態では、頭位置合せ部91を右側凸部91Rと左側凸部91Lとの2つの凸部材によって構成し、胴頭位置合せ部92を右側凹部92Rと左側凹部92Lとの2つの凹部材によって構成し、2地点(2組)にて位置合わせを行う。これによって、本実施形態では、頭部11と胴体部31との移動方向を軸としてねじれる方向のズレの抑制を図っている。
【0126】
なお、本実施形態の頭位置合せ部91の形状は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、頭位置合せ部91は、円錐形状や半球形状を有していても構わない。一方、胴位置合わせ部92は、頭位置合わせ部91の形状に合わせて、逆円錐形状の凹部や半球状の凹部に形成しても良い。
【0127】
さらに、頭中央位置合わせ部93及び胴中央位置合わせ部94の構成は、本実施形態に限定されるものではない。例えば頭中央位置合わせ部93において、接触面931の逆側にて頭部11の背面側を向く接触面をさらに形成する。また、胴中央位置合わせ部94において、接触面941の逆側にて胴体部31の正面側を向く接触面をさらに形成する。このように構成した場合、頭部11と胴体部31との接触の際に、頭中央位置合わせ部93にさらに形成した接触面と、胴位置合わせ部94にさらに形成した接触面とが接触する。この構成によって、例えば本実施形態のようにアーム部21が頭部11を正面側に向けて押す構成を有しない場合においても、頭中央位置合わせ部93と胴中央位置合わせ部94とによって前後方向の位置合わせをすることができる。
【0128】
以上のようにして、本実施形態では、頭部11と胴体部31との合体の際に、頭部11と胴体部31との位置合わせを行う。
なお、本実施形態のように位置合わせ部90を用いて位置合わせを行う構成の他に、頭部11と胴体部31との位置を検知するセンサを設けて、そのセンサの検知結果に基づいて頭部11と胴体部31との位置を制御することも考えられる。しかしながら、この場合、センサを設けることによる部品点数の増加や、制御の複雑化を招いてしまう。
これに対し、本実施形態では、頭部11と胴体部31とが接触することで、頭部11と胴体部31とが予め定めた相対的な位置関係に位置合わせすることができ、簡易な構成による位置合わせが実現される。
【0129】
〔腕部ユニットの機能・構成〕
図13は、腕部ユニット60の全体図である。図13(a)は正面側の斜視図であり、図13(b)は背面側の斜視図である。
また、図14は、クランク機構81を説明するための図である。図14(a)及び(b)はクランク機構81の部分拡大図であり、図14(c)はクランクギア82を背面側からみた図である。
腕部ユニット60は、遊技盤110の左側に配置される第1腕部ユニット60Lと、遊技盤110の右側に配置される第2腕部ユニット60Rとを備えている(図4参照)。そして、第1腕部ユニット60Lと第2腕部ユニット60Rは左右対称の関係にあり、第1腕部ユニット60Lと第2腕部ユニット60Rとの基本的な構成は同様である。従って、以下では、主に第1腕部ユニット60Lを例に説明を行い、第2腕部ユニット60Rの詳細な説明は省略する。
【0130】
第1腕部ユニット60Lは、図13(a)に示すように、腕ベース部材60Bと、前腕部61と、前腕部61の端部側において前腕部61に対して進退移動可能に設けられる拳部71と、前腕部61及び拳部71を駆動するクランク機構81とを備えている。
【0131】
そして、第1腕部ユニット60Lでは、クランク機構81を動作させることによって、遊技盤110に取り付けられた状態で、前腕部61及び拳部71が主に以下の5段階の状態をとれるようになっている。
第1段階:前腕部61が上下方向に沿って立ち上がり、拳部71が格納された状態。
第2段階:前腕部61が左右方向に沿って横たわり、拳部71が格納された状態。
第3段階:前腕部61が左右方向に沿って横たわり、拳部71が突出した状態。
第4段階:前腕部61が斜め方向に立ち上がり、拳部71が突出した状態。
第5段階:前腕部61が上下方向に沿って立ち上がり、拳部71が突出した状態。
【0132】
第1腕部ユニット60Lの腕ベース部材60Bは、L字形状を有する部材である(後述の図15参照)。そして、第1腕部ユニット60Lの腕ベース部材60Bは、遊技盤110の左側の端部に固定される。腕ベース部材60Bは、第1腕部ユニット60Lが遊技盤110に取り付けられた状態で正面側から見て右下端部において、後述するクランク回転軸82Sを保持する。このクランク回転軸82S(後述)には、前腕部61及び拳部71を構成する部材が接続しており、腕ベース部材60Bがクランク回転軸82S(後述)を保持することによって、腕ベース部材60Bは前腕部61及び拳部71を保持する。
また、腕ベース部材60Bは、前腕部61が第2段階(後述の図16(b)参照)の位置になった場合に、前腕部材62を支えるストッパ部60Sを有している。
【0133】
(前腕部の構成)
前腕部61は、図13(a)に示すように、前腕を摸した前腕部材62と、前腕部材62の回転中心(肘に相当)となる回転軸部63とを備えている。さらに、前腕部61は、図13(b)に示すように、後述するスライド部材73を移動可能に保持するレール部64と、前腕部材62の移動を一時的に固定する腕ロック部66とを有している。
回転軸部63は、前腕部材62の端部に設けられる。そして、回転軸部63は、図14(a)に示すように、円弧状溝部63Tと、円弧状歯部63Gと、第1解除部631及び第2解除部632とを備えている。
円弧状溝部63Tは、回転軸部63のクランク回転軸82Sを中心とした円弧状の溝であり、その幅は、後述するクランク機構81のクランクギア82のピン82Pの外形よりも大きく設定されている。また、円弧状溝部63Tは、図14(a)に示すように、一端63Taから他端63Tbまで形成される。そして、円弧状溝部63Tは、クランク機構81のクランクギア82を回転させて拳部材72を進退させる際に、クランクギア82の回転に伴って移動するピン82P(後述)の移動経路に沿って形成される。即ち、円弧状溝部63Tは、クランクギア82を回転させることで、拳部材72を進退させるときに限っては、後述するクランクギア82のピン82Pの移動を阻害しないように形成されている。
【0134】
本実施形態では、拳部71が前腕部61に引き込まれた状態から、後述するクランク機構81のクランクギア82を一方向に約180度回転させることで、拳部71を最も突き出した状態にする。また、拳部71が突き出た状態から、クランクギア82を一方向とは逆方向に約180度回転させることで、拳部71を前腕部61に最も引き込んだ状態にする。本実施形態の円弧状溝部63Tは、一端63Taから他端63Tbまでの弧の長さが約180度の角度に相当する長さになっている。そして、クランクギア82が拳部71を前腕部61から最も突出させたときに、クランクギア82のピン82Pが円弧状溝部63Tにおいて位置する箇所に一端63Taを形成する。また、クランクギア82が拳部71を前腕部61に最も引き込んだときに、クランクギア82のピン82Pが円弧状溝部63Tにおいて位置する箇所に他端63Tbを形成する。
【0135】
円弧状歯部63Gは、図14(b)に示すように、後述するクランク機構81のギア85と対向した際にギア85と噛み合うことができるよう構成された複数の歯を円弧状に配置した部分である。そして、本実施形態では、円弧状歯部63Gの歯は、クランクギア82の歯と同様な構成になっている。そして、図13(a)に示すように、円弧状歯部63Gは、円弧状歯部63Gの歯とクランクギア82の歯とが軸方向に一致するように、回転軸部63とクランクギア82とが重ねて設けられる。
【0136】
第1解除部631と第2解除部632とは、図14(a)に示すように、円弧状歯部63Gの両端部にそれぞれ設けられる。第1解除部631及び第2解除部632は、回転軸部63と後述するギア85とが接触しないように形成された凹部である。さらに、図14(b)に示すように、回転軸部63において、第1解除部631と第2解除部632が設けられる位置には、後述するギア85のフランジ部85Fに接触する第1ガイド部631Gと第2ガイド部632Gとがそれぞれ設けられている。これら第1ガイド部631Gと第2ガイド部632Gとは、ギア85のフランジ部85Fと接触した際に、互いに滑るように構成されている。従って、回転軸部63は、第1解除部631及び第2解除部632がそれぞれギア85に対向した状態では、ギア85には噛み合わずにギア85から回転力の伝達を受けないように構成されている。
【0137】
そして、第1解除部631は、前腕部材62が遊技盤110において上下方向に沿って立ち上がる第1段階にて(後述の図15(a)参照)、ギア85と対向するように形成されている。また、第2解除部632は、前腕部材62が遊技盤110において左右方向に沿って横たわった第2段階にて(後述の図16(a)参照)、ギア85と対向するように形成されている。
【0138】
なお、クランクギア82と回転軸部63とは、後述するクランク機構81のクランクギア82と回転軸部63とにおける側面(回転軸方向を向く両部材の接触面)同士は互いに滑るように構成されている。従って、クランクギア82と回転軸部63とは、後述するようにクランクギア82のピン82Pと回転軸部63の円弧状溝部63Tとの接続により回転力が付与される場合を除いては、一方の部材の回転が他方の部材の回転に影響しないように構成されている。
【0139】
レール部64は、図13(b)に示すように、前腕部材62の長手方向に延びる筋状の突起である凸条部64Rを有している。なお、本実施形態の凸条部64Rは、前腕部材62において2本平行に設けられる。そして、レール部64は、凸条部64Rによって、後述するスライド部材73の掛かり部73Fを移動可能に保持する。
【0140】
腕ロック部66は、図13(b)に示すように、爪部66F及びコイルばね66Sを有している。腕ロック部66の爪部66Fは、拳部材72が前腕部材62に収まった状態にてスライド部材73の端部に掛かる位置に設けられている。コイルばね66Sは、爪部66Fに対して爪部66Fがスライド部材73に掛かるように力を付与している。このコイルばね66Sは、前腕部材62が自重で回転移動しない程度の力を付与する。そして、腕ロック部66は、拳部材72が前腕部材62に収まった状態にて、前腕部材62に接続するスライド部材73を押さえる。
本実施形態では、腕ロック部66は、前腕部材62が遊技盤110の上下方向に沿って立っている第1段階(後述の図15(b)参照)において、前腕部材62が遊技盤110の中央に向けて倒れないように前腕部材62を一時的に固定するように機能する。
なお、コイルばね66Sは、後述するようにクランク機構81によって前腕部61が動作する際には、前腕部材62に接続するスライド部材73が爪部66Fの掛かりに抗して移動できる程度の力を付与している。
【0141】
(拳部の機能・構成)
拳部71は、図13(b)に示すように、拳部材72と、拳部材72が取り付けられるスライド部材73と、スライド部材73及びクランクシャフト83(後述)を接続する接続部材74と、拳部材72の位置を検出する拳センサ75とを備えている。
拳部材72は、前腕部材62よりも小さいサイズに形成されている。また、拳部材72は、スライド部材73に取り付けられている。そして、スライド部材73の移動に伴って移動することにより、前腕部材62に最も引き込まれ前腕部材62の背面側にて格納される状態と、前腕部材62から最も突き出して前腕部材62から突出した状態との2つの状態をとるようになっている。
【0142】
スライド部材73は、拳部材72を保持する部材である。スライド部材73は、スライド部材73は、前腕部材62に設けられるレール部64の凸条部64Rに掛かる掛かり部73Fを有している。そして、スライド部材73は、掛かり部73Fがレール部64の凸条部64Rに移動可能に接続することによって、凸条部64Rに保持されるとともに、移動の際に案内を受ける。
【0143】
また、スライド部材73には、クランクシャフト83に連結する接続部材74が取り付けられる。そして、後述するようにクランクシャフト83が動作する際に、スライド部材73は、接続部材74を介してクランクシャフト83から力を受けることで、レール部64の凸条部64Rに案内されながら移動する。そして、スライド部材73は、スライド部材73に固定される拳部材72を前腕部材62の長手方向に沿って移動させる。
【0144】
さらに、スライド部材73は、拳センサ75による検知の対象部位となる被検知部73Pを有している。被検知部73Pは、スライド部材73が前腕部材62に収まった状態(「第1段階」)にて、拳センサ75と対向するようになっている。
【0145】
接続部材74は、図13(b)に示すように、一端側がスライド部材73に固定され、他端側がヒンジ74hを介してクランクシャフト83に連結されることで、スライド部材73とクランクシャフト83とを連結する部材である。
【0146】
拳センサ75は、図13(b)に示すように、前腕部材62に固定されている。そして、拳センサ75は、拳部材72が前腕部材62に最も引き込まれて格納された状態におけるスライド部材73の被検知部73Pと対向する位置に設けられる。拳センサ75は、スライド部材73の被検知部73Pが対向した際に、被検知部73Pを挟むように配置される発光素子及び受光素子を備えている。そして、拳センサ75は、発光素子から発したビームが受光素子によって検知されたか否かという検知結果を演出制御部300に送信する。
即ち、拳センサ75において「受光なし」が検知されている場合には、拳部材72が最も引き込まれて格納された状態であると判断し、拳センサ75において「受光あり」が検知されている場合には、少なくとも格納された状態から拳部材72が移動していると判断できる。
【0147】
(クランク機構81の機能・構成)
図13(a)に示すように、クランク機構81は、クランク機構81の駆動源であるクランクモータ81Mと、クランクモータ81Mの回転軸に取り付けられるモータシャフトギア84と、モータシャフトギア84とクランクギア82とに噛み合うギア85とを備えている。さらには、図13(b)に示すように、クランク機構81は、クランクモータ81Mからの回転力を受けて回転するクランクギア82と、クランクギア82に連結しクランクギア82に従動するクランクシャフト83とを備える。また、クランク機構81は、クランクギア82の回転位置を検知するクランクセンサ86を有している。
【0148】
クランクモータ81Mには、例えばステッピングモータなどを採用することができる。クランクモータ81Mは、腕ベース部材60Bに取り付けられる。また、クランクモータ81Mは、モータシャフトギア84に接続し、モータシャフトギア84に回転力を付与する。また、クランクモータ81Mは、演出制御部300に制御されて動作する。
【0149】
モータシャフトギア84は、クランクモータ81Mの回転シャフトに取り付けられるとともにギア85に接続する。そして、クランクモータ81Mの回転力をギア85を介して、クランクギア82に伝達する。
【0150】
ギア85は、図13(a)に示すように、クランクギア82と円弧状歯部63Gとの両方に噛み合うことができるように構成されている。本実施形態では、ギア85の軸方向の歯幅は、軸方向に重ね合わされるクランクギア82の歯幅と回転軸部63の円弧状歯部63Gの歯幅を足した幅にしている。そして、ギア85は、モータシャフトギア84に接続するとともに、クランクギア82及び前腕部材62における回転軸部63の円弧状歯部63Gに噛み合うことが可能になっている。
そして、ギア85は、図14(b)に示すように、回転軸部63の円弧状歯部63Gに対向している状態では、回転軸部63及びクランクギア82に接続して、これらの部材に回転力を伝達する。一方、ギア85は、回転軸部63の第1解除部631又は第2解除部632に対向した状態では、ギア85のフランジ部85Fが第1ガイド部631G又は第2ガイド部632Gに接触し、ギア85と回転軸部63との噛み合わなくなる。従って、ギア85は、回転軸部63の第1解除部631と第2解除部632に対向した状態では、回転軸部63には回転力を伝達せず、クランクギア82のみに接続してクランクギア82に回転力を伝達する。
【0151】
クランクギア82は、図14(a)に示すように、クランクギア82の回転中心を通るクランク回転軸82Sと、クランクギア82の半径方向に突出するレバー部82Lと、前腕部材62における回転軸部63側に向けて突出して回転軸部63の円弧状溝部63Tに嵌め込まれるピン82Pとを備えている。
また、クランクギア82は、図14(c)に示すように、クランクギア82の軸方向においてピン82Pとは逆側に向けて突出し、クランクセンサ86によりクランクギア82の回転角度を検知する際に検知対象となる第1被検知部821、第2被検知部822及び第3被検知部823を備えている。
【0152】
レバー部82Lは、本実施形態では、クランク回転軸82Sを通り半径方向に離れる方向に延びる部材であり、その先端部にヒンジ83hが取り付けられる。そして、レバー部82Lは、ヒンジ83hが設けられる部分にてクランクシャフト83と連接する。そして、レバー部82Lは、先端部にてクランクシャフト83にクランクギア82の回転力を伝達する。
そして、本実施形態では、クランクギア82のレバー部82Lが前腕部材62の長手方向に沿って拳部材72側を向く状態から、長手方向に沿って拳部材72が位置する側とは反対側を向く状態まで回転するように構成されている。
クランクギア82のレバー部82Lが前腕部材62の長手方向に沿って拳部材72側を向くことで、クランクシャフト83が拳部材72を保持するスライド部材73を最も外側に向けて押し遣る状態になる。そして、この状態において、拳部材72は、前腕部材62から最も突出した状態になる。また、クランクギア82のレバー部82Lが拳部材72とは逆側を向くことで、クランクシャフト83が拳部材72を固定するスライド部材73を最も内側に引き込んだ状態になる。そして、この状態において拳部材72が前腕部材62に格納された状態になる。
【0153】
ピン82Pは、本実施形態では、クランクギア82の側面(回転軸方向を向く面)において、クランクギア82の回転に伴ってクランク回転軸82Sを中心に回転する。本実施形態では、ピン82Pは、クランク回転軸82Sとヒンジ83hとの間に設けている。そして、ピン82Pは、クランクギア82の回転に伴ってクランク回転軸82Sを中心に回転(公転)する。
ここで、本実施形態では、クランクギア82は、図13(a)を参照しながら説明したとおり、回転軸部63の円弧状歯部63Gと重なるように設けられる。そして、クランクギア82と回転軸部63とは、それぞれの回転中心を通るようにしてクランク回転軸82Sが取り付けられる。
そして、ピン82Pは、前腕部材62の回転軸部63の円弧状溝部63Tに嵌め込まれる。クランクギア82のピン82Pは、円弧状溝部63Tが形成される範囲内(一端63Ta及び他端63Tbよりも内側の範囲)で円弧状溝部63Tに沿って移動する場合には、回転軸部63に力を付与する接続関係を形成しない。一方で、クランクギア82のピン82Pは、円弧状溝部63Tの一端63Ta又は他端63Tbに達し、一端63Ta又は他端63Tbに向けて移動する場合には、回転軸部63に力を付与する接続関係を形成する。
【0154】
なお、クランクギア82に設けるピン82Pは、クランクギア82の移動に伴って回転(公転)するように設けられていれば良く、クランクギア82の側面における形成位置は限定されない。ただし、例えば、レバー部82Lの先端部となるヒンジ83hの位置にピン82Pを設けた場合、ピン82Pが嵌るように構成する円弧状溝部63Tの領域(半径)が大きくなり回転軸部63のサイズが大きくなる。これに対して、本実施形態では、少なくともレバー部82Lのヒンジ83hよりもクランク回転軸82S側にピン82Pを間に設けることによって回転軸部63の小型化を図っている。
【0155】
クランクシャフト83は、図13(b)に示すように、一端側がクランクギア82のレバー部82Lにヒンジ83hを介して連結し、他端側がヒンジ74hを介して接続部材74に連結する。クランクシャフト83は、クランクギア82の回転に従って揺動する。そして、クランクシャフト83は、クランクギア82の回転運動を、接続部材74を介して接続するスライド部材73に伝達してスライド部材73を進退移動させる。
【0156】
続いて、本実施形態のクランク機構81における、角度検知について説明する。
本実施形態では、クランク機構81のクランクギア82を回転させることによって、第1腕部ユニット60Lを第1段階から第5段階の5段階に変化させる。そのため、クランク機構81におけるクランクセンサ86によってクランクギア82の回転状態(回転角度)を間接的に検出できるように構成している。
【0157】
クランクセンサ86は、図13(b)に示すように、腕ベース部材60Bに取り付けられている。従って、クランクギア82が動作した際においても、クランクセンサ86の位置は移動しない。また、クランクセンサ86、第1被検知部821、第2被検知部822及び第3被検知部823がそれぞれ対向した際に、第1被検知部821、第2被検知部822及び第3被検知部823を挟むようにして配置される発光素子及び受光素子(検知素子)を備えている。そして、クランクセンサ86は、発光素子から発したビームが受光素子によって検知されたか否かという検知結果を演出制御部300に送信する。
【0158】
図14(c)に示すように、第1被検知部821、第2被検知部822及び第3被検知部823は、クランクギア82のクランク回転軸82Sを中心にして円弧状に形成されている。そして、本実施形態では、図14(c)に示すように、円周方向において第3被検知部823、第1被検知部821、第2被検知部822の順に並べて配置している。そして、クランクギア82が回転することで、クランクセンサ86に対して第1被検知部821、第2被検知部822及び第3被検知部823がそれぞれ通過する。そして、各被検知部の端である“端部”がクランクセンサ86を通過する際、クランクセンサ86において、「受光あり」→「受光なし」あるいは「受光なし」→「受光なし」という検知状態の変化がある。そして、本実施形態では、このように、検知状態が変化する被検知部の端部の位置が、第1腕部ユニット60Lを第1段階から第5段階にするためのクランクギア82のとる回転位置(回転角度)に対応するように、第1被検知部821、第2被検知部822及び第3被検知部823をそれぞれ形成している。
【0159】
本実施形態では、図14(c)に示すように、第1段階から第5段階までの各状態において、クランクセンサ86と対向するクランクギア82の箇所に、クランクセンサ86における検知状態を変化させる“端部”を配置する。その端部は、第1段階ではP1地点、第2段階ではP2地点、第3段階ではP3地点、第4段階ではP4地点、第5段階ではP5地点としている。そして、第1被検知部821の両端部にP1地点及びP3地点を形成する。また、第2被検知部822のP1地点に近い側の端部にP2地点を形成する。さらに、第3被検知部823のP3地点に近い側の端部にP4地点を、遠い側の端部にP5地点を形成する。
【0160】
そして、本実施形態では、演出制御部300がクランクセンサ86による各地点(被検知部の端部)の検知結果(検知パターン)に基づき、クランクモータ81Mの動作(回転/停止のタイミング、回転量(回転角度))を制御するようにしている。
【0161】
以下、本実施形態のクランクセンサ86による各地点の検知に基づいて、クランクモータ81Mの動作させた、第1腕部ユニット60Lの各段階への移行について具体的に説明する。
本実施形態では、第1腕部ユニット60Lの待機状態となる第1段階を原点として演出動作を開始する。そして、クランクセンサ86は、第1腕部ユニット60Lが第1段階にある状態で、クランクギア82の第1被検知部821のP1地点に対向した状態になっている。このとき、クランクセンサ86で「受光なし」が検知結果として得られた状態にある。
【0162】
そして、P1地点の第1段階からP2地点の第2段階へと移行する場合には、クランクセンサ86にクランクギア82のP2地点が対向したと判断するまで、クランクモータ81Mを動作させてクランクギア82を回転させる。この判断は、クランクセンサ86の検知結果が、第1被検知部821のP1地点に対向した状態である「受光なし」から、第1被検知部821と第2被検知部822との間に対向する「受光あり」に移り、第2被検知部822のP2地点と対向する「受光なし」に変化することによって行う。
【0163】
また、P2地点の第2段階からP3地点の第3段階へと移行する場合には、クランクセンサ86にクランクギア82のP3地点が対向したと判断するまで、クランクモータ81Mを動作させてクランクギア82を回転させる。この判断は、クランクセンサ86の検知結果が、第2被検知部822のP2地点に対向した状態である「受光なし」から、第2被検知部822と第1被検知部821との間に対向する状態である「受光あり」、P1地点を通過して第1被検知部821に対向した状態である「受光なし」に移り、第1被検知部821のP3地点のすぐ外側に対向した状態である「受光あり」に変化することによって行う。
【0164】
さらに、P3地点の第3段階からP4地点の第4段階へと移行する場合には、クランクセンサ86にクランクギア82のP4地点が対向したと判断するまで、クランクモータ81Mを動作させてクランクギア82を回転させる。この判断は、クランクセンサ86の検知結果が、第1被検知部821のP3地点のすぐ外側(第1被検知部821と第3被検知部823との間においてP3地点を大きく離れない位置)に対向した状態である「受光あり」から、第3被検知部823のP4地点に対向する状態の「受光なし」に変化することによって行う。
【0165】
そして、P4地点の第4段階からP5地点の第5段階へと移行する場合には、クランクセンサ86にクランクギア82のP5地点が対向したと判断するまで、クランクモータ81Mを動作させてクランクギア82を回転させる。この判断は、クランクセンサ86の検知結果が、第3被検知部823のP4地点に対向した状態である「受光なし」から、第3被検知部823のP5地点のすぐ外側に対向する状態である「受光あり」に変化することによって行う。
【0166】
〔腕部ユニットの動作〕
続いて、図15〜図19を参照しながら、腕部ユニット60の動作について第1腕部ユニット60Lを例に説明する。
図15〜図19は、それぞれ第1段階〜第5段階における第1腕部ユニット60Lを示す図である。また、図15〜図19において、各図の(a)は第1腕部ユニット60Lの正面図を示し、各図の(b)は第1腕部ユニット60Lの背面図を示す。
<第1段階>
第1段階は、図1に示す第1腕部ユニット60Lの待機状態の位置に対応する。そして、第1段階においては、図15(a)に示すように、モータシャフトギア84に接続するギア85は、前腕部材62の回転軸部63の第1解除部631に対向している。従って、ギア85は、クランクギア82のみに噛み合った状態にある。
そして、第1段階では、クランクギア82のレバー部82Lは、拳部材72が位置する側と逆側を向いている。これにより、図15(b)に示すように、クランクシャフト83が引き込まれた状態となり、スライド部材73及び接続部材74を介して接続する拳部材72が前腕部材62に格納されている。
【0167】
ここで、第1段階においては、クランクセンサ86に対してクランクギア82の第1被検知部821のP1地点が対向している。
また、第1段階では、クランクギア82のピン82Pは、拳部材72が位置する側と逆側を向く。そして、ピン82Pは、回転軸部63の円弧状溝部63Tの一端63Taと接触する位置にある。
【0168】
さらに、図15(b)に示すように、拳部材72が格納される位置にあることで、スライド部材73には、腕ロック部66の爪部66Fが掛かっている。従って、腕ロック部66により、前腕部61及び拳部71が遊技盤110の中央部に向けて倒れ込むことが防止される。これにより、例えば待機状態である第1段階においては、前腕部61及び拳部71を固定するためにクランクモータ81Mに通電して動作させておく必要は必ずしもないため、クランクモータ81Mを停止して不必要な電力消費を抑制しても良い。
【0169】
また、拳部材72が格納される位置にあることで、スライド部材73に設けられる被検知部73Pは拳センサ75に対向している。そして、拳センサ75では、被検知部73Pによって発光光が遮蔽された状態になっている。拳センサ75における遮蔽されているという情報は演出制御部300へと送信されている。
【0170】
<第2段階>
第1段階から第2段階へと移行する際、図16(a)に示すように、クランクモータ81Mを回転駆動することによってギア85を駆動して、矢印XVIa方向(図中時計回り)にクランクギア82を回転させる。なお、第1段階から第2段階へと移行する際のクランクモータ81Mの動作の制御はクランクセンサ86の検知結果に基づいて行う。本実施形態の場合、第2段階になったことは、クランクセンサ86による対してクランクギア82の第2被検知部822のP2地点の検知に基づいて行う。
【0171】
第1段階においては、クランクギア82のピン82Pが回転軸部63の円弧状溝部63Tの一端63Taに位置していた。そして、第1段階から第2段階へと移行するためにクランクギア82を矢印XVIa方向に回転させることで、ピン82Pが回転軸部63の円弧状溝部63Tの一端63Taを矢印XVIa方向に押す。その結果、前腕部材62は、クランク回転軸82S回りに矢印XVIa方向に回転する。これによって、前腕部材62が遊技盤110において左右方向に横たわった状態へと移行する。
そして、本実施形態では、前腕部材62が第2段階の位置に達することで、ストッパ部60Sによって前腕部材62が支持される。
【0172】
なお、第1段階から第2段階に移行する際に、ギア85は、回転軸部63の第1解除部631(図15(a)の状態)から第2解除部632(図16(a)の状態)に到るまでの間、円弧状歯部63Gに接続する。このように、クランクギア82のピン82Pによって回転軸部63に回転力を付与する際に、回転軸部63の円弧状歯部63Gにギア85を直接接続させることで、本実施形態では、前腕部材62を安定して移動させる構成としている。
【0173】
また、第2段階では、図16(a)に示すように、クランクギア82のレバー部82Lは、拳部材72が位置する側と逆側を向いたままである。つまり、図16(b)に示すように、クランクシャフト83が腕ベース部材60B側に引き込まれており、スライド部材73及び接続部材74を介してクランクシャフト83に接続する拳部材72は、前腕部材62に格納された状態が維持されている。
【0174】
<第3段階>
第2段階から第3段階へと移行する際には、図17(a)に示すように、クランクモータ81Mによってギア85を図中反時計回りに回転させ、クランクギア82を図中矢印XVIIa方向に回転させる。そして、クランクギア82のレバー部82Lを、第2段階の位置から拳部材72が位置する側へと回転移動させる。このとき、回転軸部63の円弧状溝部63Tがピン82Pの軌跡に沿って形成されているため、ピン82Pは、回転軸部63に力を付与しない。さらに、第3段階では、ギア85は、第2解除部632に対向しているため、回転軸部63とも接続しない。そして、クランクギア82のピン82Pは、回転軸部63の円弧状溝部63Tの他端63Tbに到達する。クランクモータ81Mは、クランクギア82のピン82Pが、他端63Tbに達すると、ギア85の回転を停止させる。
なお、クランクモータ81Mの停止は、図17(b)に示すように、クランクセンサ86による第1被検知部821のP3地点の検知に基づいて行う。
【0175】
そして、クランクギア82のレバー部82Lが、拳部材72側へと移動することによって、図17(b)に示すように、クランクシャフト83がスライド部材73を拳部材72側へと押し遣る。その結果として、拳部材72が前腕部材62から突出した状態になる。
【0176】
なお、第2段階から第3段階へと移行する際には、ピン82Pは、回転軸部63の円弧状溝部63Tに沿って一端63Taから他端63Tbまで移動する。このとき、ピン82Pは、回転軸部63に回転力を付与しない。また、ギア85は、回転軸部63の第2解除部632に対向しているため、ギア85と回転軸部63との直接的な接触関係においても、ギア85は、回転軸部63に対して回転力を付与しない。
【0177】
<第4段階>
第3段階から第4段階に移行する際には、図18(a)に示すように、クランクモータ81Mによってギア85を図中時計回りに回転させ、クランクギア82を図中矢印XVIIIa方向に回転させる。このとき、第3段階から第4段階へと移行し始める際に、クランクギア82のピン82Pは、回転軸部63の円弧状溝部63Tの他端63Tbに位置した状態にある。このクランクギア82のピン82Pが円弧状溝部63Tの他端63Tbに位置した状態から、クランクギア82を図中矢印XVIIIa方向に回転させることによって、ピン82Pが円弧状溝部63Tの他端63Tbを押すことで、回転軸部63がクランク回転軸82Sを中心に、図中矢印XVIIIa方向に回転する。その結果として、前腕部材62が持ち上がる方向に移動する。
そして、前腕部材62が斜め方向に沿って曲がった状態で、クランクモータ81Mの回転を位置停止し、その状態を保持する。クランクモータ81Mの停止は、図18(b)に示すように、クランクセンサ86による第3被検知部823のP4地点の検出に基づいて行う。
【0178】
また、第4段階において、ギア85が回転軸部63の円弧状歯部63Gに接続している。従って、前腕部材62の回転軸部63は、円弧状歯部63Gを介してギア85に保持され、円弧状溝部63Tにおいてピン82Pに保持されることで、2つの箇所において保持された状態になっている。これによって、本実施形態では、前腕部材62を安定して保持している。
【0179】
なお、第4段階では、図18(b)に示すように、クランクギア82のピン82Pは、円弧状溝部63Tの他端63Tbに位置しており、クランクギア82のレバー部82Lは、拳部材72を突出させた状態は維持されている。
【0180】
<第5段階>
第4段階から第5段階に移行する際には、図19(a)に示すように、クランクモータ81Mによってギア85を図中反時計回りに回転させ、クランクギア82を図中矢印XIXa方向に回転させる。クランクギア82のピン82Pは、回転軸部63の円弧状溝部63Tの他端63Tbに位置した状態にある。そのため、クランクギア82を図中矢印XIXa方向に回転させることによって、ピン82Pが円弧状溝部63Tの他端63Tbを押すことで、回転軸部63がクランク回転軸82Sを中心に、図中矢印XIXa方向に回転する。その結果として、前腕部材62が上下方向に沿って立ち上がった状態となる。
なお、図19(b)に示すように、クランクギア82のレバー部82Lは、拳部材72側を向いた状態にあり、拳部材72が前腕部材62から突出している。
【0181】
そして、第5段階から元の第1段階へと移行するには、前腕部材62が上下方向に立ち上がった第5段階から、クランクモータ81Mのギア85を図中時計回りに回転させることによって、クランクギア82を図中矢印XIXaとは逆方向に回転させる。そして、クランクギア82のレバー部82Lは、図中矢印XIXaとは逆方向に回転する。そして、クランクギア82のレバー部82Lが拳部材72側とは逆側を向くことによって、クランクシャフト83が引き込まれて、拳部材72が前腕部材62の内側に格納される。
【0182】
なお、ピン82Pは、回転軸部63の円弧状溝部63Tに沿って他端63Tbから一端63Taまで移動する。このとき、ピン82Pは、回転軸部63に対して回転力を付与しない。また、ギア85は、回転軸部63の第2解除部632に対向しているため、ギア85と回転軸部63との直接的な接触関係においても、ギア85は、回転軸部63に回転力を付与しない。
【0183】
また、クランクギア82のレバー部82Lが拳部材72側とは逆側を向きにクランクシャフト83を引き込むことによって、拳部材72が取り付けられるスライド部材73が回転軸部63側へと引き込まれる。そして、スライド部材73に設けられる被検知部73Pが拳センサ75に対向する(図15(b)参照)。拳センサ75では、被検知部73Pによって発光光が遮蔽された状態になっている。この拳センサ75において遮蔽されているという情報は演出制御部300へと送信される。
【0184】
また、拳部材72が格納される位置に戻ることで、スライド部材73には、腕ロック部66の爪部66Fが再び掛けられる(図15(b)参照)。そして、クランクモータ81Mが停止した状態でも、腕ロック部66によって、前腕部61及び拳部71が遊技盤110の中央部に向けて倒れ込まないように保持される。
【0185】
以上のようにして、本実施形態における第1腕部ユニット60L(腕部ユニット60)における第1段階から第5段階まで、そして第5段階から元の第1段階に戻るまでの動作が行われる。
なお、いずれかの状態において何らかのエラーが発生した場合に、クランクセンサ86からの信号のみでは、クランクギア82がどのような状態(角度)にあるか判断ができない場合がある。そこで、このような場合には、第1腕部ユニット60Lを第1段階に戻す動作である原点復帰動作を実施する。
【0186】
具体的には、前腕部材62が上下方向に立ち上がる方向(反時計回り)にギア85を回転させる。前腕部材62が上下方向に沿って立ち上がると、前腕部材62が例えば腕ベース部材60Bに接触して、前腕部材62がそれ以上移動できなくなりギア85の回転が止まる。そして、ギア85(クランクモータ81M)が回転できなくなったことを契機に、クランクモータ81Mの動作を停止させる。
【0187】
そして、クランクモータ81Mを再び動作させて、今度は、拳部材72を前腕部材62に格納させる方向(時計回り)にギア85を回転させる。このクランクギア82の回転を拳部材72が格納された状態になるまで継続する。拳部材72が格納された状態に有るか否かの判断には、拳センサ75による検知を利用する。即ち、拳部材72が格納されてスライド部材73の被検知部73Pが検知されたタイミングで、クランクモータ81Mの回転を停止する。そして、このクランクギア82が停止したタイミングでのクランクギア82のなす角度での位置が第1段階の状態となる原点復帰がなされる。
【0188】
図20は、本実施形態の可動役物115の全体としての動作を説明するための図である。
本実施形態では、演出制御部300がアーム部21のアームモータ21M、リフト部41のリフトモータ41M、開閉機構部51のフックモータ51M、及びクランク機構81のクランクモータ81Mの動作を統括的に制御することによって、頭部11、胴体部31、フック部材52、前腕部61、及び拳部71を以下のように動作させる。
図20(a)に示すように、まず、リフト部41を用いて胴体部31を遊技盤110の上側に向けて移動させる。そして、本実施形態では胴体部31を画像表示部114の前に位置させて出現状態にする。
【0189】
そして、図20(b)に示すように、アーム部21によって頭部11を遊技盤110の下側に向けて移動させる。そして、本実施形態では、頭部11を画像表示部114の前に位置させて出現状態にする。さらに、頭部11と胴体部31とを接触させる。このとき、位置合わせ部90(図12参照)によって、頭部11と胴体部31との相対的な位置合わせが行われる。そして、頭部11と胴体部31とが接続する。なお、この段階では、腕部ユニット60は待機した状態にある(第1段階の腕部ユニット60)。
【0190】
そして、図20(c)に示すように、腕部ユニット60の前腕部材62が出現状態になる。本実施形態では、腕部ユニット60では、前腕部材62が画像表示部114の前において左右方向に横たわるように出現する(第2段階の腕部ユニット60)。
【0191】
さらに、図20(d)に示すように、腕部ユニット60の拳部材72が前腕部材62から突出した状態になる(第3段階の腕部ユニット60)。これによって、頭部11(顔部材12を覆う顔シャッタ13)が、腕部ユニット60の拳部材72によって覆われることで一時的に隠された状態になる。
【0192】
そして、この状態において、胴体部ユニット30では、開閉機構部51が動作する。即ち、開閉機構部51におけるフック部材52が、頭部11の顔シャッタ13のフック受け部16に接続する(図11参照)。これによって、胴体部31と頭部11との連結が行われる。さらに、開閉機構部51によって、フック部材52が顔シャッタ13を胴体部31の内側(格納部)へと引き込む。そして、頭部11の顔シャッタ13は、胴体部31に覆われて隠された状態になる。一方で、頭部11においては、顔シャッタ13がスライドすることによって、顔部材12が露出した状態になる。
【0193】
そして、図20(e)に示すように、腕部ユニット60の前腕部材62及び拳部材72を斜め方向に沿って傾いた状態にする(第4段階の腕部ユニット60)。このとき、本実施形態では、頭部11の顔部材12が現れ、本実施形態ではロボット型の可動役物115として“決めのポーズ”となる。
なお、胴体部31の開閉機構部51のフック部材52が、頭部11の顔シャッタ13に掛かり(図11参照)、胴体部31と頭部11とが離れないように連結された状態にある。従って、この状態において、例えば腕部ユニット60が動作するなどして、頭部11と胴体部31とに振動が伝わった場合であっても両者はずれ難くなっている。
その後は、腕部ユニット60、頭部11及び胴体部31は、それぞれ遊技盤110の側面に移動して、再び待機状態に移行する。そして、上記の一連の演出動作に備えて待機する。
【0194】
なお、頭部11と胴体部31とが離れないように連結する連結部の態様は、上記の実施形態に限られるものではない。連結部として、例えば胴体部31に演出制御部300の制御に基づき電流を流すことにより磁力を発生する電磁石を設け、頭部11にその電磁石に引きつけられる金属を取り付けておく。そして、頭部11と胴体部31とが合体した際に、胴体部31の電磁石に電流を流して頭部11の金属を引きつけることで、頭部11と胴体部31とが離れないように連結しても良い。
【0195】
また、可動役物115を用いて演出を行う際に、上述したように一連の動作の全てを行う必要はない。即ち、可動役物115の取り得る動作を数段階に分けて演出を行うことも可能である。一連の全ての動作を行う演出の他に、例えば、図20(d)を参照しながら説明したように頭部11、胴体部31及び腕部ユニット60が出現した後、頭部11における顔シャッタ13を開くことなく、各々部材が退いて待機状態に戻るという演出を行っても良い。このように段階的な演出を予め準備し、例えばリーチ演出などにおいて当選の信頼度に応じた段階的な演出を行っても良い。
【0196】
なお、本実施形態の可動役物115では、頭部11と胴体部31との両方をそれぞれ移動させ、両者を接続する構成としている。しかしながら、頭部11と胴体部31とのいずれか一方のみを移動させ、両者を合体させても構わない。
【符号の説明】
【0197】
10…頭部ユニット、11…頭部、21…アーム部、30…胴体部ユニット、31…胴体部、41…リフト部、51…開閉機構部、60…腕部ユニット、61…前腕部、71…拳部、81…リンク機構部、100…パチンコ遊技機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤に設けられて演出を行う第1部材と、
前記遊技盤にて、前記第1部材とは別体に設けられ、当該第1部材と相対的に近づいて当該第1部材に接続して演出を行う第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材とが接続した際に、当該第1部材と当該第2部材とが離れないように当該第1部材と当該第2部材とを連結する連結部と、を備え、
前記連結部は、前記第2部材に設けられ、凸部及び前記第1部材に設けられる受け部に掛かる掛かり部を備えるフック部材と、当該フック部材の当該凸部が嵌め込まれて当該凸部を介して当該フック部材の当該掛かり部の位置を案内する案内溝と、を有し、
前記案内溝は、前記フック部材の前記掛かり部が前記第1部材の前記受け部に掛かるように案内する連結案内部と、当該掛かり部の当該受け部に対する掛かりが解除するように案内する解除案内部とを形成することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技盤に設けられて演出を行う第1部材と、
前記遊技盤にて、前記第1部材とは別体に設けられ、当該第1部材と相対的に近づいて当該第1部材に接続して演出を行う第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材とが接続した際に、当該第1部材と当該第2部材とが離れないように当該第1部材と当該第2部材とを連結する連結部と、
を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項3】
前記連結部は、前記第2部材に設けられ、前記第1部材に設けられる受け部に掛かるフック部材を有することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記フック部材は、凸部及び前記受け部に掛かる掛かり部を備え、
前記連結部は、前記フック部材の前記凸部が嵌め込まれ当該凸部を介して当該フック部材の前記掛かり部の位置を案内する案内溝をさらに備え、
前記案内溝は、前記フック部材の前記掛かり部が前記第1部材の前記受け部に掛かるように案内する連結案内部と、当該掛かり部の当該受け部に対する掛かりが解除するように案内する解除案内部とを形成することを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項1】
遊技盤に設けられて演出を行う第1部材と、
前記遊技盤にて、前記第1部材とは別体に設けられ、当該第1部材と相対的に近づいて当該第1部材に接続して演出を行う第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材とが接続した際に、当該第1部材と当該第2部材とが離れないように当該第1部材と当該第2部材とを連結する連結部と、を備え、
前記連結部は、前記第2部材に設けられ、凸部及び前記第1部材に設けられる受け部に掛かる掛かり部を備えるフック部材と、当該フック部材の当該凸部が嵌め込まれて当該凸部を介して当該フック部材の当該掛かり部の位置を案内する案内溝と、を有し、
前記案内溝は、前記フック部材の前記掛かり部が前記第1部材の前記受け部に掛かるように案内する連結案内部と、当該掛かり部の当該受け部に対する掛かりが解除するように案内する解除案内部とを形成することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技盤に設けられて演出を行う第1部材と、
前記遊技盤にて、前記第1部材とは別体に設けられ、当該第1部材と相対的に近づいて当該第1部材に接続して演出を行う第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材とが接続した際に、当該第1部材と当該第2部材とが離れないように当該第1部材と当該第2部材とを連結する連結部と、
を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項3】
前記連結部は、前記第2部材に設けられ、前記第1部材に設けられる受け部に掛かるフック部材を有することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記フック部材は、凸部及び前記受け部に掛かる掛かり部を備え、
前記連結部は、前記フック部材の前記凸部が嵌め込まれ当該凸部を介して当該フック部材の前記掛かり部の位置を案内する案内溝をさらに備え、
前記案内溝は、前記フック部材の前記掛かり部が前記第1部材の前記受け部に掛かるように案内する連結案内部と、当該掛かり部の当該受け部に対する掛かりが解除するように案内する解除案内部とを形成することを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−245261(P2012−245261A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120881(P2011−120881)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】
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