説明

遊技機

【課題】糸吊りによる不正行為を効果的に防止することができる遊技機を提供すること。
【解決手段】糸付き球Pが打球発射装置450により発射され、発射球誘導通路400から連絡部410を介して遊技領域7内に打ち出された場合、発射球誘導通路400から連絡部410を介して糸付き球Pまで引き出されることで、開閉板502の先端部に形成された切込溝510a,510bのいずれかに食い込まれる。そして、糸Tが操作されて引き戻されたりすることにより糸Tに張力がかかることにより、糸Tが切断もしくは移動が規制されるため、糸Tを繰り出したり引き戻したりすることが困難となるため、糸付き球Pによる不正行為を未然に防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤に形成された遊技領域へ向けて遊技媒体を発射する発射装置と、前記発射装置により発射された遊技媒体を前記遊技領域に誘導する誘導通路と、前記誘導通路と前記遊技領域とを連絡する連絡部に設けられ、該遊技領域内に進入した遊技媒体が前記誘導通路に戻ることを防止する戻り防止装置と、を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機としてのパチンコ機に備えられた戻り防止装置としては、例えば、発射装置から発射された遊技球が当接する発射球当接面と、遊技領域から誘導通路側に向けて戻る遊技球が当接する戻り球当接面とを有する板状の開閉部材を揺動自在に設け、遊技領域と誘導通路との連絡部を開閉可能としたもの等がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、この種のパチンコ遊技機においては、例えば釣り糸等を遊技球に接着し、該糸付き球を球送り部に装填して発射装置により遊技領域に打ち出し、手元の糸を送り出したり引き戻したり操作することにより糸付き球を繰り返し入賞させたり、打ち出した糸付き球を遊技球の流下方向に影響を与えうる箇所(例えばワープ入口や風車等)にかけておく(所謂球かけ)ことで、始動入賞口等に遊技球が誘導されやすくするもの等があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−153648号公報(第28−29頁、第11図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の遊技機に設けられた戻り防止装置は、遊技領域内に進入した遊技球が誘導通路に戻ることは防止できるが、上記したような不正な糸付き球が遊技領域内に進入することや、該遊技領域内に導かれた糸を引き戻して入賞を繰り返すといった不正行為を防止することはできなかった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、糸吊りによる不正行為を効果的に防止することができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、
遊技盤(遊技盤6)に形成された遊技領域(遊技領域7)へ向けて遊技媒体(遊技球)を発射する発射装置(打球発射装置450)と、前記発射装置により発射された遊技媒体を前記遊技領域の上部に誘導する誘導通路(発射球誘導通路400)と、前記誘導通路と前記遊技領域とを連絡する連絡部(連絡部410)に設けられ、該遊技領域内に進入した遊技媒体が前記誘導通路に戻ることを防止する戻り防止装置(戻り球防止装置500、500A〜500E)と、を備えた遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記戻り防止装置に、前記遊技領域内に進入した遊技媒体(例えば、糸付き球P)から前記誘導通路内に延びる糸(糸T)を切断する切断部(切込溝510a,510b/カッター530、550/切込溝540、560、570)を設けた、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、戻り防止装置に切断部が設けられていることで、不正行為として、一端が遊技媒体に取り付けられた糸の他端を保持したまま該糸付き遊技媒体を発射装置により打ち出し、誘導通路から連絡部を介して遊技領域内に不正に進入させた場合でも、遊技媒体の自重により糸に張力が生じるばかりか、糸の引き戻しを繰り返すことにより糸が切断部により切断されやすくなるので、糸付き遊技媒体による不正行為を未然に防ぐことが可能となる。
【0008】
本発明の請求項2に記載の遊技機は、
遊技盤(遊技盤6)に形成された遊技領域(遊技領域7)へ向けて遊技媒体(遊技球)を発射する発射装置(打球発射装置450)と、前記発射装置により発射された遊技媒体を前記遊技領域の上部に誘導する誘導通路(発射球誘導通路400)と、前記誘導通路と前記遊技領域とを連絡する連絡部(連絡部410)に設けられ、該遊技領域内に進入した遊技媒体が前記誘導通路に戻ることを防止する戻り防止装置(戻り球防止装置500、500A〜500E)と、を備えた遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記戻り防止装置に、前記遊技領域内に進入した遊技媒体(例えば、糸付き球P)から前記誘導通路内に延びる糸(糸T)の移動を規制する移動規制部(切込溝510a,510b/カッター530、550/切込溝540、560、570)を設けた、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、連絡部に移動規制部が設けられていることで、不正行為として、一端が遊技媒体に取り付けられた糸の他端を保持したまま該糸付き遊技媒体を発射装置により打ち出し、誘導通路から連絡部を介して遊技領域内に不正に進入させた場合でも、遊技媒体の自重により糸に張力が生じるばかりか、糸を引き戻しにくくなるので、糸付き遊技媒体による不正行為を未然に防ぐことが可能となる。
【0009】
本発明の手段1に記載の遊技機は、請求項1または2に記載の遊技機であって、
前記戻り防止装置(戻り球防止装置500、500A〜500E)は、前記連絡部(連絡部410)を開閉可能に設けられ、前記発射装置(打球発射装置450)から発射された遊技媒体(遊技球)が当接する発射当接面(発射当接面502a)及び該発射当接面の反対側面であって前記遊技領域(遊技領域7)から前記誘導通路(発射球誘導通路400)側に向けて戻る遊技媒体が当接する戻り当接面(戻り当接面502b)を有する開閉板(開閉板502)を備え、
前記切断部(切込溝510a,510b/カッター550/切込溝560、570)または前記移動規制部(切込溝510a,510b/カッター550/切込溝560、570)は、前記開閉板に設けられている、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技媒体が連絡部を通過する際に該遊技媒体が当接する開閉板に切断部や移動規制部が設けられていることで、移動する遊技媒体に追従する糸が切断部または移動規制部に誘導されやすくなる。また、開閉板が可動することで糸が掛かりやすくなるばかりか、糸を引き戻そうとしても開閉板が可動して糸を操りにくくなるので、不正行為を抑制することができる。
【0010】
本発明の手段2に記載の遊技機は、手段1に記載の遊技機であって、
前記開閉板(開閉板502)は、先端部の幅方向に形成された複数の舌片(中央片511、前片512a、後片512b/前片580a、後片580b)を有し、該複数のうち一の舌片(例えば、前片512a、後片512b/例えば、前片580a)は、他の舌片(例えば、中央片511/例えば、後片580b)に対し、前記先端部に向けて前記発射当接面側または前記戻り当接面側(例えば、戻り当接面502b側)に傾斜して設けられており(図6(b)参照)、
前記切断部または前記移動規制部は、前記一の舌片及び前記他の舌片において隣り合う縁辺により形成される切込溝(切込溝510a,510b/切込溝570)である(図6参照)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、互いに隣り合う一対の舌片それぞれの縁辺同士がずれて間口が広がることで、切込溝へ糸が誘導されやすくなる。
【0011】
本発明の手段3に記載の遊技機は、手段2に記載の遊技機であって、
前記一の舌片(例えば、前片512a、後片512b)と前記他の舌片(例えば、中央片511)とのうち少なくともいずれかの先端縁(先端縁E1〜E3/E30,31)は、前記切込溝(切込溝510a,510b、570)に向けて前記先端部と反対側の基端部側(回動中心側)に傾斜している(図6参照)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、先端縁に糸が接触したときに、糸が切込溝へ誘導されやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】パチンコ遊技機を示す正面図である。
【図2】パチンコ遊技機を示す背面図である。
【図3】主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図4は、遊技盤を示す正面図である。
【図5】戻り球防止装置を示す斜視図である。
【図6】(a)は開閉板を示す平面図、(b)は開閉板を示す正面図である。
【図7】戻り球防止装置の動作態様を示す断面図である。
【図8】糸付き球による不正行為の一例を説明するための概略図である。
【図9】開閉板の先端部に糸がかかる状態を示す斜視図である。
【図10】開閉板に糸がかかる状態を示す平面図である。
【図11】(a)は遊技球が遊技領域に進入した状態、(b)は糸を引き戻した状態を示す概略図である。
【図12】変形例1としての戻り球防止装置を示す図である。
【図13】変形例2としての戻り球防止装置を示す図である。
【図14】変形例3としての戻り球防止装置を示す図である。
【図15】変形例4としての戻り球防止装置を示す図である。
【図16】変形例5としての戻り球防止装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施例を図面に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0014】
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、パチンコ遊技機を示す背面図である。図3は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。図4は、遊技盤を示す正面図である。
【0015】
パチンコ遊技機1は、図1及び図2に示すように、縦長の方形枠状に形成された外枠100と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ左側辺を中心に開閉可能に設けられている。
【0016】
下扉枠103の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4(下皿)や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠102の背面には、遊技盤6が前面枠101に対して着脱可能に取り付けられている。
【0017】
遊技盤6は、遊技領域7が前面に形成された透光性の合成樹脂材からなる盤面板(図示略)と、所定の厚み幅寸法を有する非透光性の合成樹脂材からなり、盤面板を取り付ける取付面が前面に設けられたスペーサ部材(図示略)と、から構成され、該遊技盤6の背面側には、演出表示装置9及び演出制御基板80等を含む変動表示制御ユニット(図示略)等の遊技に関連する遊技用部品が一体的に組み付けられている(図2参照)。
【0018】
遊技盤ユニット310は、遊技盤6と、該遊技盤6の背面側に配置され、遊技盤6を背面側から装飾する装飾ユニット(図示略)と、該装飾ユニットの背面に取り付けられ、演出表示装置9及び演出制御基板80等を含む変動表示制御ユニットと、から主に構成され、遊技盤6に対して着脱可能に取り付けられる。
【0019】
図4に示すように、遊技盤6における盤面板200の遊技盤面200aには、打球発射装置450から発射された遊技球を遊技領域7内に誘導する発射球誘導通路400の一部を構成する外レール401及び内レール402、外レール飾り600a〜600c、障害釘K(例えば、図8)、風車(図示略)、戻り球防止装置500等が取り付けられるとともに、センター枠飾り11、可変入賞球装置15、特別可変入賞球装置20、ゲート32、装飾部材25等が各取付穴201,202に前面側から取り付けられる。
【0020】
これら外レール401及び内レール402、外レール飾り600a〜600c、障害釘K、風車、戻り球防止装置500、センター枠飾り11、可変入賞球装置15、特別可変入賞球装置20、ゲート32、装飾部材25は、遊技盤面200a上に配設される遊技用構造物であり、そのうち遊技領域7の周囲に配設される外レール飾り600a〜600c及び各レール401,402を除く障害釘K、風車、戻り球防止装置500、センター枠飾り11、可変入賞球装置15、特別可変入賞球装置20、ゲート32、装飾部材25は、遊技領域7に遊技球の流下の障害となるように配設され、遊技球の流下方向を変更させる流下方向変更部材を構成する。
【0021】
また、外レール飾り600a〜600cは、遊技盤面200aにおける遊技領域7の周囲に配設されることで、遊技盤面200a上に立設される正面視円弧状の各誘導面601a〜601cの端部同士が接続されて環状の誘導面が構成される。なお、外レール401は誘導面601a,601bの一部の内側に沿って配設され、実質的に誘導面601a,601bを構成している。内レール402の一部は誘導面601cの一部の内側に沿って配設され、実質的に誘導面601cの一部を構成している。
【0022】
このようにこれら誘導面601a〜601cにより、遊技盤面200aは、中央部に形成される略円形の遊技領域7とその周囲に形成される非遊技領域とに区画されるため、外レール飾り600a〜600c及び外レール401及び内レール402は遊技領域7を形成するレール部材を構成している。
【0023】
各レール401,402は帯状の金属板から構成され、遊技盤面200a側の縁辺部に長手方向に向けて所定間隔おきに固設された複数の取付ピン(図示略)を遊技盤面200aに形成された複数の取付穴(図示略)に圧入することにより、縁辺部と遊技盤面200aとの間に隙間を設けて取り付けられる。このように縁辺部と遊技盤面200aとの間に隙間を設けて取り付けることで、各レール401,402の側面に遊技球が接触することにより振動が生じても、縁辺部と遊技盤面200aとが擦れることがないので、遊技盤面200aが削れることにより生じた粉が遊技盤面200aに付着して遊技盤面200aが汚れたりする可能性が低い。
【0024】
また、外レール401及び内レール402とは、遊技球の直径よりも若干大寸の幅寸法離間されていることで、発射球誘導通路400を移動する遊技球は、外レール401における発射球誘導通路400に臨む側面(立設面)を滑るまたは転動するように接触することが多く、該側面上に遊技球が落下しても大きな振動が生じることは少ないため、少なくとも戻り球防止装置500が取り付けられる端部側において遊技盤面200aと縁辺部との間に隙間が形成されていれば縁辺部と遊技盤面200aとが擦れることがないので、遊技盤面200aが削れることにより生じた粉が遊技盤面200aに付着して遊技盤面200aが汚れたりする可能性が低い。
【0025】
発射球誘導通路400(図4中斜線領域)は、遊技盤6に形成された遊技領域7(図4中網点領域)の右側下方位置に設けられた打球発射装置450から遊技領域7の上部左側に向けて該遊技領域7の左周縁を回り込むように延設される円弧状部を有し、該打球発射装置450から発射された遊技球を遊技領域7の上部に向けて旋回させるように案内するように形成されている。
【0026】
そしてこの発射球誘導通路400と遊技領域7とを連絡する連絡部410には、戻り球防止装置500が設けられ、遊技領域7内に進入した遊技球が発射球誘導通路400に戻ることが防止されている。また、本実施例においては、発射球誘導通路400から連絡部410を介して発射領域7内に出射される遊技球は、右斜め上方に向けて出射されるようになっている。
【0027】
図1に戻って、遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄(演出図柄)を可変表示する複数の可変表示部を含む演出表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。演出図柄の可変表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
【0028】
遊技盤6における右側下部位置には、第1識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施例では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、第1特別図柄表示器8aの上方位置には、第2識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
【0029】
この実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば2つの7セグメントLED等を用いて00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
【0030】
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
【0031】
第1特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13aに入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
【0032】
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄ともいう)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合せが停止表示される。
【0033】
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13aを有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13aに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14a(例えば、近接スイッチ)及び第1入賞確認スイッチ14b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。
【0034】
また、第1始動入賞口(第1始動口)13aを有する入賞装置の下側には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)13bに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ15a及び入賞確認スイッチ15bによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13aよりも、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口13bに入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
【0035】
また、第1始動口スイッチ14aと第1入賞確認スイッチ14bの検出結果及び第2始動口スイッチ15aと第2入賞確認スイッチ15bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。
【0036】
以下、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
【0037】
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口13bに極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13aは演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13aとの間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13aの周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13aの周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13aに導きづらくして、第2始動入賞口13bの入賞率の方を第1始動入賞口13aの入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
【0038】
第2特別図柄表示器8bの上部には、第1始動入賞口13aに入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する第1特別図柄保留記憶表示部と、該第1特別図柄保留記憶表示部とは別個に設けられ、第2始動入賞口13bに入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示部と、が設けられた例えば7セグメントLEDからなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示部は、第1保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示部は、第2保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。なお、この例では、第1始動入賞口13aへの入賞による始動記憶数及び第2始動入賞口13bへの入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
【0039】
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部9aと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部9bとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
【0040】
なお、この実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口13bに対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13aおよび第2始動入賞口13bのいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
【0041】
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口扉を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって大入賞口扉が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。
【0042】
大入賞口内には、大入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23a)が設けられている。この実施例では、大入賞口内で、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aとが配置されている(本例では、カウントスイッチ23が上側に配置され、第3入賞確認スイッチ23aが下側に配置されている)。従って、この実施例では、大入賞口内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まずカウントスイッチ23で検出され、次いで第3入賞確認スイッチ23aで検出される。
【0043】
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置20において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bといった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置20において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
【0044】
第1特別図柄表示器8aの右側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、例えば2つのランプからなる。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施例では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10の下側のランプが点灯して当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、下側のランプが点灯して当りである場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口13bに遊技球が入賞可能な状態)に変化する。特別図柄保留記憶表示器18の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(例えば、7セグメントLEDのうち4つのセグメント)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示部を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示部を1減らす。
【0045】
なお、7セグメントLEDからなる普通図柄保留記憶表示器41には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(セグメント)とともに、例えば大当り時における特別可変入賞球装置20の開放回数(大当りラウンド数)を示す2つの表示部(セグメント)、及び遊技状態を示す2つの表示部(セグメント)が設けられているが、これら表示部を普通図柄保留記憶表示部とは別個の表示器にて構成してもよい。また、普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示可能なセグメントLED等にて構成してもよい。
【0046】
特別可変入賞球装置20の周辺には普通入賞装置の入賞口29a〜29dが設けられ、入賞口29a,29cに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30aによって検出され、入賞口29b,29dに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30bによって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13bや大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
【0047】
遊技領域7の左側には、遊技中に点滅表示される装飾LED25aを有する装飾部材25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上下部には、効果音を発する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾LED25aは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
【0048】
図1および図2では、図示を省略しているが、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球ランプが設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプが設けられている。なお、賞球ランプおよび球切れランプは、賞球の払出中である場合や球切れが検出された場合に、演出制御基板に搭載された演出制御用マイクロコンピュータによって点灯制御される。さらに、特に図示はしないが、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
【0049】
遊技者の操作により、後述する打球発射装置から発射された遊技球は、発射球誘導通路(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13aへの入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
【0050】
遊技球が第2始動入賞口13bに入り第2始動口スイッチ15aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口13bへの入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
【0051】
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示及び第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると「大当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄とは異なる所定の小当り図柄(所定表示結果)であると「小当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄及び小当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。
【0052】
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。
【0053】
演出表示装置9に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアでは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示(変動表示)が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示領域にて仮停止表示された飾り図柄が大当り組み合せの一部を構成しているときに未だ仮停止表示もされていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組み合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が仮停止表示されているときに未だ仮停止表示もしていない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリアなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
【0054】
次に、パチンコ遊技機1の背面の構造について図2を参照して説明する。図2は、遊技機を背面から見た背面図である。図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声制御基板70、ランプドライバ基板35、および球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、遊技制御基板31は基板収納ケース150に収納されている。
【0055】
さらに、パチンコ遊技機1背面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板90やタッチセンサ基板(図示略)が設けられている。電源基板90には、パチンコ遊技機1における遊技制御基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、遊技制御基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ156のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
【0056】
なお、この実施例では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
【0057】
なお、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。なお、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。なお、この実施例では、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチによって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチは、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。
【0058】
パチンコ遊技機1の背面には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板91が設置されている。ターミナル基板91には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(始動口信号、図柄確定回数1信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、セキュリティ信号、賞球信号1、遊技機エラー状態信号)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。なお、遊技機エラー状態信号に関しては必ずしもパチンコ遊技機1の外部に出力しなくてもよく、該情報出力端子から、この遊技機エラー状態信号の替わりに遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号等を出力するようにしてもよい。
【0059】
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レールを通り、カーブ樋を経て払出ケース97aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ43が設けられている。球切れスイッチ43が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ43が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
【0060】
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示略)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
【0061】
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)156が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施例では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ156には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路60が内蔵されている。
【0062】
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ156においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ156(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
【0063】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156には、乱数回路60が内蔵されている。乱数回路60は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路60は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
【0064】
乱数回路60は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路60は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
【0065】
乱数回路60は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
【0066】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数回路60が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ156の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路60が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路60が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
【0067】
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ15aへの始動入賞が生じたときに乱数回路60から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
【0068】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ)や演出制御基板80(の演出制御用マイクロコンピュータ)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路61が内蔵されている。なお、払出制御用マイクロコンピュータや演出制御用マイクロコンピュータにも、遊技制御用マイクロコンピュータ156とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている(図示略)。
【0069】
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
【0070】
遊技制御用マイクロコンピュータ156のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ156等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
【0071】
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。なお、電源監視回路を電源基板に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
【0072】
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第1入賞確認スイッチ14b、第2始動口スイッチ15a、第2入賞確認スイッチ15b、カウントスイッチ23、第3入賞確認スイッチ23aおよび各入賞口スイッチ30a,30bからの検出信号を基本回路に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21と、基本回路からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ156をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板91を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
【0073】
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
【0074】
演出制御基板80は、演出制御用CPUおよびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ(図示略)を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU(図示略)は、内蔵または外付けのROM(図示略)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU(図示略)は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
【0075】
演出制御用CPU(図示略)は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU(図示略)は、キャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは、演出制御用CPUから入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
【0076】
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバに入力する。入力ドライバは、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
【0077】
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。さらに、単方向性回路であるI/Oポート部を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ156側)に入り込まない。
【0078】
さらに、演出制御用CPU(図示略)は、出力ポート(図示略)を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPUは、出力ポートを介して音声制御基板70に対して音番号データを出力する。
【0079】
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ(図示略)を介してLEDドライバに入力される。LEDドライバは、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25aに駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
【0080】
音声制御基板70において、音番号データは、入力ドライバ(図示略)を介して音声合成用IC(図示略)に入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路(図示略)に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM(図示略)には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
【0081】
次に、戻り球防止装置500について、図5〜図11に基づいて説明する。図5は、戻り球防止装置を示す斜視図である。図6は、(a)は開閉板を示す平面図、(b)は開閉板を示す正面図である。図7は、戻り球防止装置の動作態様を示す断面図である。図8は、糸付き球による不正行為の一例を説明するための概略図である。図9は、開閉板の先端部に糸がかかる状態を示す斜視図である。図10は、開閉板に糸がかかる状態を示す平面図である。図11は、(a)は遊技球が遊技領域に進入した状態、(b)は糸を引き戻した状態を示す概略図である。尚、以下の説明においては、パチンコ遊技機1の正面に対峙した状態を基準として上下左右方向を説明する。
【0082】
図5に示すように、戻り球防止装置500は、内レール402の端部に取り付け可能に形成された取付支持部501と、取付支持部501に前後方向を向く軸部材503を中心として回動可能に設けられる開閉板502と、から主に構成される。
【0083】
取付支持部501は、開閉板502の基部を収容可能な凹部が形成された軸支部501aと、内レール402が取り付けられる内レール402の端部における前後側縁を差込可能な差込溝504a(図7参照)が形成された一対の差込部504が前後側に形成されているとともに、内レール402の端部に形成された係止孔506に係脱可能な弾性係止爪505が形成されており、内レール402の端部における前後側縁を差込部504に差し込んで弾性係止爪505が係止孔506に係止されることで、内レール402からの逸脱が規制されて該内レール402に取り付けられる。
【0084】
図6に示すように、開閉板502は、所定の板厚(例えば、約1mm等)を有する横長の金属板からなり、所定箇所を折曲げ加工することにより形成されている。左右方向の中央位置よりもやや左側には、軸部材503を受支する軸受孔507aが形成された軸支片507が、前後縁からそれぞれ下方に折曲げ形成されている。また、開閉板502の左端部は、正面視略C字形をなすように下方に向けて湾曲状に曲げ加工されており、これにより略筒状に形成された空間部内に、円柱状の金属材等からなるバランスウェイト508(図7参照)を収容できるようになっている。
【0085】
軸支片507から右側の先端部(遊端部)までの開閉部509は、前後方向の幅寸法が軸支片507側よりも広い幅広部とされている。特に開閉部509の幅寸法L1は、遊技球の直径2Rよりも幅広とされている(図10参照)。また、開閉部509は、軸支片507を挟んで反対側の幅狭部に対して、先端部に向けて上側に傾斜している。
【0086】
開閉部509の先端部は、先端縁における前後幅方向の2箇所から回動中心側に向けて形成された左右方向を向く切込溝510a,510bにより、中央片511及び該中央片511の前後側の前片512a及び後片512bに分割されている。前片512a及び後片512bは、中央片511に対して先端部に向けて漸次下側に傾斜する傾斜片とされている。
【0087】
中央片511の先端縁E1は、前後方向の中央位置からそれぞれ前側及び後側(切込溝510a,510b)に向けて回動中心側に傾斜する湾曲状に形成されている。前片512aの先端縁E2は、前後方向の中央位置からそれぞれ前側及び後側(切込溝510a,510b)に向けて回動中心側に傾斜する湾曲状に形成されている。また、前片512aから縁E2は、後側(切込溝510a)に向けて回動中心側に傾斜する湾曲状に形成されている。前片512aの先端縁E3は、前側(切込溝510b)に向けて回動中心側に傾斜する湾曲状に形成されている。
【0088】
よって、図6(a)に示すように、平面視において、開閉部509の先端部における切込溝510a,510bに対応する箇所には、右向き略V字形の溝部が形成されている。これにより、切込溝510a,510bの開放端側の間口が前後幅方向に広がるため、これら縁部により後述する糸が誘導されやすくなる。
【0089】
一方、図6(b)に示すように、正面視において、中央片511の前縁辺と左片512aの後縁辺及び中央片511の後縁辺と右片512bの前縁辺は、先端部に向けて互いに上下に離れる方向に傾斜しているため、これら隣り合う一対の縁辺により、正面視において右向き略V字形の切込溝が形成されている。つまり、切込溝510a,510bの開放端側の間口が上下幅方向に広がるため、これら縁辺により後述する糸が誘導されやすくなる。
【0090】
このように構成された戻り球発射装置500は、図7に示すように、軸部材503の軸心が盤面板200の遊技盤面200aに対し略直交するように設けられる。すなわち、開閉板502は、遊技盤面200aに対し起立され、かつ、遊技球の移動方向に沿って延びるように設けられる。
【0091】
詳しくは、開閉部509がほぼ上下方向を向く姿勢をなし、該開閉部509により連絡部410を閉止する閉止位置A(図7中1点鎖線で示す位置)と、開閉部509が斜め右側に傾倒する姿勢をなし、該開閉部509により連絡部410を開放する開放位置B(図7中実線で示す位置)と、の間で回動可能に設けられている。
【0092】
すなわち、閉止位置Aにおいて、開閉板502の上面、つまり、打球発射装置450から発射された遊技球が当接する発射当接面502aが発射球誘導通路400側を向くとともに、開閉板502の下面、つまり、発射当接面502aの反対側面であって遊技領域7から発射球誘導通路400側に向けて戻る遊技球が当接する戻り当接面502bが、遊技領域7側を向くように設けられている。
【0093】
また、開閉板502は、バランスウェイト508の自重により閉止位置Aに起立姿勢で保持されることで連絡部410が閉止状態となるとともに、発射当接面502aに遊技球が衝突することにより、バランスウェイト508の自重に抗して開閉部509が押し倒され下方位置Bに傾倒姿勢となることで連絡部410が開放状態となる。また、遊技球により開閉板502が開放位置に傾倒した場合、パチンコ球が通過した後に、バランスウェイト508の自重により回動して閉止位置Aに復帰するようになっている。
【0094】
このように戻り球発射装置500は、発射球誘導通路400と遊技領域7とを連絡する連絡部410に該連絡部410を開閉可能に設けられる。特に本実施例では、発射球誘導通路400から連絡部410を介して遊技領域7に出射される遊技球は右斜め上約45度の方向に出射されるようになっている。よって、連絡部410から遊技領域7に出射されたものの、勢いが弱い場合や障害釘等により跳ね返された場合には、発射球誘導通路400内に遊技球が戻ってしまうことがあるが、開閉板502が開放位置Bまで移動した後に閉止位置Aに復帰することで、戻り当接面502bにより遊技球の発射球誘導通路400内への戻りが防止される。
【0095】
次に、不正行為に使用される糸付き球が打球発射装置450から打ち出された場合の状況を、図8〜図11にもとづいて説明する。
【0096】
従来、例えば釣り糸等の透明なナイロン糸の一端を遊技球や透明な合成樹脂球等に接着し、該糸付き球を打球発射装置450により遊技領域7に打ち出し、手元の糸を送り出したり引き戻したり操作することにより糸付き球を繰り返し入賞させたり、打ち出した糸付き球を遊技球の流下方向に影響を与えうる箇所(例えばワープ入口や風車等)にかけておく(所謂球かけ)ことで、始動入賞口等に遊技球が誘導されやすくするといった不正行為が行われることがあった。
【0097】
ここで、糸付き球を用いた不正行為の一例を簡単に説明する。
【0098】
図8に示すように、糸Tの一端が接着材等により接着された糸付き球Pを打球発射装置450に送り出すとともに、その糸Tの他端は送り出さずに手前に残したまま打球発射装置450にて打ち出すと、糸付き球Pは発射球誘導通路400から連絡部410を通過して遊技領域7内に出射される。この糸付き球Pの移動に追従して糸Tが引き出されていく。
【0099】
図9及び図10に示すように、開閉部509の前後幅寸法L1は、糸付き球Pの直径2Rよりも幅広で、かつ、盤面板200の遊技盤面200aとガラス扉枠102の透視窓102aの背面102a’との離間幅寸法L2よりも短寸である(L2>L1>2R)。また、離間幅寸法L2から前後幅寸法L1を差し引いた長さが糸付き球Pの直径2Rよりも短い(L2−L1<2R)。
【0100】
よって糸付き球Pは、連絡部410において遊技盤面200aと透視窓102aとの間を通過する際に確実に開閉板502に接触する、つまり、開閉板502の上方位置を通過するようになっている。より詳しくは、糸付き球Pが遊技盤面200aに当接した場合及び透視窓102aの背面102a’に当接した場合において、糸付き球Pの中心は中央片511の近傍に対応する位置にある。よって、開閉板502の上方位置を通過する糸付き球Pに追従して引き出される糸Tは、開閉板502の上方位置で引き出されていく。
【0101】
ここで、例えば、入賞口29cに糸付き球Pを繰り返し入賞させることにより賞球を不正に得ようとする場合、遊技領域7の左領域を狙って遊技球が打ち出される。遊技領域7の左側上部位置に設けられた連絡部410から右斜め上向きに出射された糸付き球Pは、次第に下方に方向転換していく(図8(b)参照)。
【0102】
そして、遊技領域7の左領域を流下した糸付き球Pが入賞口29c内に進入し、該入賞口29c内に設けられた入賞口スイッチ30aにより検出されたら、手元にある糸Tの繰り出しをやめて糸付き球Pの流下を規制した後、糸Tを引き戻して糸付き球Pを逆流させ、入賞口スイッチ30aの上流側まで引き出す。ここで、一般的に入賞口スイッチ30aは入賞口内の入賞通路に設けられているため、入賞口29c内から糸付き球Pを引き上げなくても、入賞口スイッチ30aの上流側まで逆流させるだけでよい。
【0103】
このように、再度糸Tを繰り出して入賞口スイッチ30aに検出させた後、また引き戻すといった一連の操作を繰り返すことで、糸付き球Pを何回も入賞口スイッチ30aに検出させて、不正に賞球を得ることができる。
【0104】
また、特に図示はしないが、例えばステージ枠のワープ入口や障害釘の間に糸付き球Pを引っ掛けて(詰まらせる)、遊技球が所定の入賞口等に誘導されやすいようにする不正行為(所謂球かけ)を行う場合は、上記と同様に糸付き球Pを打ち出して遊技領域7内の所定箇所で糸Tの繰り出しを止めてその場に糸付き球Pを滞留させればよい。
【0105】
上記のように、遊技領域7内に打ち出された糸付き球Pが流下した後、糸Tの繰り出しを止めた場合、糸Tは糸付き球Pの自重により張力が生じることになる。
【0106】
具体的には、図8(b)に示すように、発射球誘導通路400から遊技領域7の上部にある連絡部410まで引き出された糸Tは、戻り球防止装置500で下向きに折返されて遊技領域7下部まで延出される。このように、発射球誘導通路400を上方に向けて移動して連絡部410から遊技領域7内に右斜め上方に出射された糸付き球Pは、自重により戻り球防止装置500にて下向きに折返された後、該戻り球防止装置500よりも下方位置まで自然流下していくため、糸Tの繰り出しを止めることで、糸付き球Pが戻り球防止装置500から垂れ下がった状態となり糸Tに張力が生じる。よって、糸付き球Pが開閉板502の上方位置を通過した後に流下していくことで、開閉板502に糸Tが引っ掛かることになる。
【0107】
図9及び図10に示すように、糸付き球Pが開閉板502の上方位置を通過して遊技領域7に出射された後、戻り球防止装置500よりも下方位置まで流下することで、閉止位置Aに位置している開閉部509の先端縁E1〜E3のいずれかに糸Tが掛かる。このとき、先端縁E1〜E3は、切込溝510a,510bに向けて軸部材503側に傾斜され、各切込溝510a,510bの先端に凹部が形成されていることで、張力が大きくなるにつれて中央片511と前片512aとの間の切込溝510aまたは中央片511と後片512bとの間の切込溝510bに誘導されていく。
【0108】
そして、糸Tに張力が生じることで、各切込溝510a,510bの基部に向けて糸Tが食い込んでいくことで、切込溝510aを構成する中央片511と前片512aとの縁辺または切込溝510bを構成する中央片511と後片512bとの縁辺により糸Tが蛇行するように挟持され、糸Tを繰り出したり引き出したりといった糸Tの移動が規制されるため、糸付き球Pを繰り返し入賞口スイッチ30aに検出させることができなくなる。つまり、切込溝510a,510bは、糸Tの移動を規制する移動規制部を構成している。
【0109】
また、より強い張力が生じた場合は、ハサミと同様の作用が生じ、切込溝510a,510bの縁辺にて糸Tが切断する可能性もある。このように糸Tが切断された場合、糸Tを繰り出したり引き出したりといった糸Tの操作ができなくなるため、糸付き球Pを繰り返し入賞口スイッチ30aに検出させることができなくなる。つまり、切込溝510a,510bは、糸Tを切断する切断部を構成している。
【0110】
また、図11(a)に示すように、糸Tが切断されないまでも切込溝510a,510bにて移動が規制された状態で糸付き球Pの自重により糸Tに張力が生じると、開閉板502の先端縁E1〜E3が右下に向けて引張られるため、開放位置Bに保持される。
【0111】
このように、切込溝510a,510bが連絡部410を開閉可能に設けられた開閉板502に形成されていることで、糸Tに張力が生じたときに開閉板502が開放位置Bに保持されたままになるので、不正行為が行われている可能性があることを目視にて発見しやすくなる。
【0112】
また、図11(b)に示すように、図11(a)の状態から糸付き球Pを逆流させるために糸Tが引き戻された場合に、糸Tが切込溝510a,510bに引っ掛かって移動規制されていると、開閉板502が開放位置Bから閉止位置Aまで移動することになる。このように糸Tを繰り出したり引き戻したりする際に、糸Tの折返し部が軸部材503を中心とする円周上で動いてしまうため、糸Tの微妙な操作が困難となる。
【0113】
また、開閉板502が閉止位置Aに位置したとき、開閉板502は略上下方向を向く起立姿勢となることで、切込溝510a,510bにて折返されている糸Tの折返し角度θ2が、開閉板502が開放位置Bに位置しているときの折返し角度θ1よりも小さくなる、つまり、鋭角になる。
【0114】
すなわち、戻り球防止装置500は、打球発射装置450により遊技領域7内上部に打ち出された遊技球(糸付き球T)が下方に向けて流下することにより、糸Tが山型に折返される内レール402の上端部に設けられていることで、糸付き球Pの自重がかかった状態で糸Tを引き戻そうとする際に、切込溝510a,510bが上向きに開放されることで、糸Tが切込溝510a,510bにより深く食い込むことになるため、糸Tの移動が規制されやすくなるとともに、所定以上の力で引き戻された場合には、略下向きに力がかかることで、糸Tが切断されやすくなる。
【0115】
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、戻り球防止装置500に切込溝510a,501bが設けられていることで、不正行為として、一端が遊技球に取り付けられた糸Tの他端を保持したまま該糸付き球Pを打球発射装置450により打ち出し、発射球誘導通路400から連絡部410を介して遊技領域7内に不正に進入させた場合でも、糸付き球Pの自重により糸Tに張力が生じるばかりか、糸Tの引き戻しを繰り返すことにより糸Tが切込溝510a,501bにより切断または移動が規制されやすくなるので、糸付き球による不正行為を未然に防ぐことが可能となる。
【0116】
このように切込溝510a,501bは、糸Tを切断する切断部であってもよいし、引っ掛かった糸Tの送り出しまたは引き戻し方向の移動を規制する移動規制部であってもよいし、あるいは、第1の力がかかることで糸Tの移動を規制するとともに、第1の力以上の第2の力がかかった場合に糸Tを切断するものであってもよい。
【0117】
また、切込溝510a,501bが開閉板502に形成されていることで、糸付き球Pが連絡部410を通過する際に該糸付き球Pが当接する開閉板502に切込溝510a,501bが設けられていることで、移動する糸付き球Pに追従する糸Tが切込溝510a,501bに誘導されやすくなる。また、開閉板502が可動(開閉)することで糸Tが掛かりやすくなるばかりか、糸Tを引き戻そうとしても開閉板502が可動して糸Tを操りにくくなるので、不正行為を抑制することができる。
【0118】
また、本実施例では、開閉板502を構成する金属板の先端部から切込溝を切断加工することで切込溝510a,501bを形成していたが、このような切込溝は極力細くすればするほど、中央片511と前片512a及び後片512bとの縁辺同士が近づくので、切込溝510a,501bの基部側に行くほど糸Tが蛇行しやすくなるので引っ掛けやすくなるとともに、切断加工の際に縁辺にバリ等が生じることで、糸Tに抵抗を付与しやすくなる。
【0119】
また、開閉板502の先端部には、中央片511、前片512a、後片512bが前後幅方向に並設されており、前片512a及び後片512bは、中央片511に対し先端部に向けて戻り当接面502b側に傾斜して設けられており、これら中央片511と前片512a及び後片512bとの間に切込溝510a,510bが形成されていることで、中央片511と前片512a及び後片512bとの縁辺同士がずれて切込溝510a,510bの間口が広がることで、切込溝510a,510bへ糸Tが誘導されやすくなる。
【0120】
このように、切込溝510a,510bの幅方向の間口を広げることなく、糸Tの移動方向(上下方向)の間口を広げることで、糸Tを切込溝510a,510b内に誘導しやすくしつつ、かつ、切込溝510a,510b内で糸を保持または切断しやすくすることができる。
【0121】
また、開閉板502の先端縁E1〜E3は、切込溝510a,510bに向けて回動中心側に傾斜していることで、先端縁E1〜E3に糸Tが接触したときに、糸Tが切込溝510a,510bへ誘導されやすくなる。
【0122】
また、移動する遊技球の中心点の軌跡に対応する箇所に配置される中央片511の上面は、開閉部509の回動基部側から先端部側に向けて平坦面にて形成され屈曲部等はないとともに、前片512a及び後片512bは戻り当接面502b側に屈曲しているので、通常時における遊技球の通過に影響を与えることがない。
【0123】
次に、本発明の変形例1としての戻り球防止装置について説明する。図12は、変形例1としての戻り球防止装置を示す図である。
【0124】
前記実施例では、切断部もしくは移動規制部としての切込溝510a,510bは開閉板502に設けられていたが、戻り球防止装置であれば任意の位置に設けてもよく、例えば図12に示す戻り球防止装置500Aのように、取付支持部501に設けられていてもよい。
【0125】
例えば、取付支持部501における右側端部に、前後幅方向に延びるカッター530を設け、図12(b)に示すように、開閉板502と透視窓102aの背面102a’もしくは開閉板502と遊技盤面200aとの間に形成された隙間に糸Tが入り込んでしまった場合でも、取付支持部501に設けられたカッター530により糸Tが切断されるようになる。さらにこの場合、取付支持部501の前後側に一対の誘導傾斜面501aを形成することで、隙間から入り込んできた糸Tをカッター530に誘導することができる。
【0126】
尚、ここでは糸Tを切断しやすいカッター530を設けたが、例えば掛け渡された糸Tの移動を規制できるものであってもよく、例えばゴム部材等の摩擦抵抗が大きい部材や、糸Tとの接触部に凹凸部が形成され摩擦抵抗が大とされた部材を設けることで、糸Tの移動を規制することが可能となる。
【0127】
次に、本発明の変形例2としての戻り球防止装置について説明する。図13は、変形例2としての戻り球防止装置を示す図である。
【0128】
前記実施例では、切断部もしくは移動規制部としての切込溝510a,510bは、開閉板502の先端部に設けられていたが、図13に示すように、切込溝540が開閉板502における先端部以外の箇所に形成されていてもよい。
【0129】
変形例2の戻り球防止装置500Bの場合、例えば糸Tは、開閉板502の先端部に、遊技盤面200aに向けて回動中心側に傾斜するように形成された先端縁E10により遊技盤面200a側に誘導された後、該先端縁E10よりも回動中心側に設けられた傾斜縁E20により、後辺に形成された切込溝540に誘導されるようになっている。このように開閉板502の先端縁だけでなく、前後側の縁辺等に形成されていてもよい。
【0130】
次に、本発明の変形例3としての戻り球防止装置について説明する。図14は、変形例3としての戻り球防止装置を示す図である。
【0131】
前記実施例では、切断部もしくは移動規制部としての切込溝510a,510bは、金属板からなる開閉板502に直接形成されていたが、例えば変形例3の戻り球防止装置500Cのように、開閉板502が合成樹脂板等により形成されている場合、例えばその開閉板502の先端部にカッター550等を別途設けることにより、切断部もしくは移動規制部を構成してもよい。
【0132】
次に、本発明の変形例4としての戻り球防止装置について説明する。図15は、変形例4としての戻り球防止装置を示す図である。
【0133】
前記実施例では、連絡部410を開閉する開閉板502は、前後方向を向く軸部材503を中心として回動可能に設けられていたが、変形例4の戻り球防止装置500Dのように、開閉板502を弾性変形可能な弾性部材にて構成し、弾性変形することにより連絡部410を開閉可能とするようになっていてもよい。このような弾性部材としては、例えば肉薄の金属材や合成樹脂材等であってもよく、種類は限定されるものではない。
【0134】
また、開閉板502の先端縁から回動中心側に向けて、複数の切込溝560が幅方向に複数形成されている。このように切込溝560は、基部から先端部にかけて漸次幅広になるように、平面視略V字形をなすように形成されていてもよく、このようにすれば、糸Tを切込溝560内に誘導しやすくするとともに、誘導された切込溝560にて糸Tを確実に保持または切断することができる。
【0135】
次に、本発明の変形例5としての戻り球防止装置について説明する。図16は、変形例5としての戻り球防止装置を示す図である。
【0136】
前記実施例では、連絡部410を開閉する開閉板502は、先端部の幅方向に形成された2つの切込溝510a,510bにより、中央片511、前片512a、後片512bの3つの片に分割されていたが、図16に示す変形例5の戻り球防止装置500Eの開閉板502のように、1つの切込溝570により、2つの片(例えば、前片580a及び後片580b)に分割されていてもよい。あるいは、3以上の切込溝により4以上の片に分割されていてもよい。
【0137】
また、前片580a及び後片580bのうち一方(前片512a)は、他方(後片580b)に対し先端部に向けて戻り当接面502b側に傾斜して設けられているため、切込溝570の間口が上下方向に広がるとともに、前片580a及び後片580bの先端縁E30,31は、切込溝570に向けて回動中心側に傾斜しているため、前片580a及び後片580bにおける前後幅方向の端部側に糸Tが掛かった場合でも、糸Tが切込溝570に誘導されやすくなる。
【0138】
また、切込溝570が開閉板502における前後幅方向の略中央位置に形成されることで、糸付き球Pの糸Tが、開閉板502における前後幅方向の前側(透視窓102a側)または後側(遊技盤面200a側)のいずれを通過しても、同じように糸Tを誘導溝570に誘導することが可能となる。
【0139】
前記実施例及び変形例では、戻り防止装置500、500A〜500Eは、連絡部410を開閉する開閉板502を有していたが、戻り球を防止できるものであれば、必ずしも開閉板502を有していなくてもよい。
【0140】
また、本実施例のパチンコ遊技機1は、第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bに遊技球が入賞することで、大当りを発生させるか否かを抽選により決定するものであったが、例えば、ゲート32を遊技球が通過したことに基づいて開始された普図ゲームで普図当りが発生したときに開放状態となる特定可変入賞球装置内に設けられ、開放時に入賞した遊技球が入賞することで大当りが発生する特定領域(例えばV入賞口)を備える遊技機に本発明の戻り防止装置500、500A〜500Eを適用することで、不正入賞による賞球の付与の繰り返しだけでなく、不正な特定入賞による不正な大当りの発生の繰り返しを回避することが可能となる。
【0141】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0142】
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状のパチンコ球(遊技球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えばメダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0143】
1 パチンコ遊技機
6 遊技盤
200 盤面板
400 発射球誘導通路
450 打球発射装置
500 戻り球防止装置
501 取付支持部
502 開閉板
503 軸部材
509 開閉部
510a,510b 切込溝
511 中央片
512a 前片
512b 後片
T 糸
P 糸付き球

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤に形成された遊技領域へ向けて遊技媒体を発射する発射装置と、前記発射装置により発射された遊技媒体を前記遊技領域の上部に誘導する誘導通路と、前記誘導通路と前記遊技領域とを連絡する連絡部に設けられ、該遊技領域内に進入した遊技媒体が前記誘導通路に戻ることを防止する戻り防止装置と、を備えた遊技機であって、
前記戻り防止装置に、前記遊技領域内に進入した遊技媒体から前記誘導通路内に延びる糸を切断する切断部を設けた、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技盤に形成された遊技領域へ向けて遊技媒体を発射する発射装置と、前記発射装置により発射された遊技媒体を前記遊技領域の上部に誘導する誘導通路と、前記誘導通路と前記遊技領域とを連絡する連絡部に設けられ、該遊技領域内に進入した遊技媒体が前記誘導通路に戻ることを防止する戻り防止装置と、を備えた遊技機であって、
前記戻り防止装置に、前記遊技領域内に進入した遊技媒体から前記誘導通路内に延びる糸の移動を規制する移動規制部を設けた、
ことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−39251(P2013−39251A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178558(P2011−178558)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】