遊技機
【課題】ハンドル操作に伴って指に生じる局所的な負担を低減可能な遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機10の前扉枠14にはハンドル装置41が設けられている。ハンドル装置41は前扉枠14に対する取付部としての基部を備えている。基部には回動操作部材160が軸支されており、所定の方向に回動可能となっている。回動操作部材160の前方には前部カバー170が設けられており、その前部カバー170は回動操作部材160を基部との間に挟んだ状態で固定されている。回動操作部材160には自身の外方に突出する指掛け操作部164〜166が設けられており、これら指掛け操作部164〜166には回動操作方向(減少方向)を向いたガイド面が形成されている。ガイド面は前扉枠14側で回動操作方向(増加方向)に向けて湾曲する曲面状をなしている。
【解決手段】パチンコ機10の前扉枠14にはハンドル装置41が設けられている。ハンドル装置41は前扉枠14に対する取付部としての基部を備えている。基部には回動操作部材160が軸支されており、所定の方向に回動可能となっている。回動操作部材160の前方には前部カバー170が設けられており、その前部カバー170は回動操作部材160を基部との間に挟んだ状態で固定されている。回動操作部材160には自身の外方に突出する指掛け操作部164〜166が設けられており、これら指掛け操作部164〜166には回動操作方向(減少方向)を向いたガイド面が形成されている。ガイド面は前扉枠14側で回動操作方向(増加方向)に向けて湾曲する曲面状をなしている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種であるパチンコ機は、遊技機本体の前面部にハンドル装置を備えており、当該ハンドル装置が操作されることで発射装置が動作し、遊技領域の上部に遊技球が発射される。
【0003】
従来のハンドル装置351は、図18に示すように、遊技機本体352に固定された基部353と、ハンドル装置351の前面部を構成する前部カバー354と、これら基部353及び前部カバー354の間において回動自在に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作される操作レバー355と、を備えている。遊技者は、操作レバー355の回動量を調節し、所望の飛距離となる回動位置に操作レバー355を保持した姿勢を維持して遊技を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−305079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記ハンドル装置351では、前部カバー354の基端側の周縁部を外側から覆うようにして操作レバー355が設けられており、両者の間には隙間356が生じている。当該構成においては、操作レバー355の回動位置の保持を手動によらずに行うようにすべく、前部カバー354と操作レバー355との間の隙間356にコイン357等を差し込んで操作レバー355を回動位置に固定する行為が行われていた。この場合、ハンドル装置351の損傷や故障の原因となるおそれがあった。
【0006】
一方で、このような挟み込みの防止を行った場合、ハンドル装置を好適に保護できる反面、遊技者はハンドル装置を常時握っておく必要がある。特に操作レバーを保持する指においては、操作レバーの姿勢の維持に常時貢献する必要があるため、常時局所的な負担が発生し得ると懸念される。
【0007】
本発明は、以上例示した事情等に鑑みてなされたものであり、ハンドル操作に伴って指に生じる局所的な負担を低減可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
遊技領域に向けて遊技球を発射すべく操作されるハンドル装置を遊技機本体の前面に備えており、
前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部と、
前記基部の前方に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な環状の操作部材と、
前記操作部材の外周部から当該操作部材の外方に突出して設けられ、前記回動操作がなされる場合に、指が引っ掛けられた状態にて前記回動方向へ操作される指掛け操作部と
を備え、
前記指掛け操作部の後部における少なくとも一部は、前記遊技機本体側に向けて凸となる成分を有する曲面状をなしていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ハンドル操作に伴って指に生じる局所的な負担を低減可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。
【図3】パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。
【図4】パチンコ機の構成を示す背面図である。
【図5】本体枠の構成を示す正面図である。
【図6】遊技盤の構成を示す正面図である。
【図7】遊技盤の背面構成を示す斜視図である。
【図8】ハンドル装置の構成を示す斜視図である。
【図9】ハンドル装置の構成を示す斜視図である。
【図10】ハンドル装置の構成を示す側面図である。
【図11】ハンドル装置の構成を示す分解斜視図である。
【図12】(a)は図10のA−A線部分端面図、(b)は図1のB−B線部分断面図、(c)は図10のC−C線部分端面図、(d)は図10のD−D線部分端面図である。
【図13】ハンドル装置を正面から見た模式図である。
【図14】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図15】別の前部カバーの構成を示す側面図である。
【図16】図15のE−E線部分端面図である。
【図17】別の前部カバーの構成を示す正面図である。
【図18】背景技術及び課題を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
【0012】
手段1.遊技領域に向けて遊技球を発射すべく操作されるハンドル装置(ハンドル装置41)を遊技機本体(遊技機主部12)の前面に備えており、
前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部(ハンドルベース150)と、
前記基部の前方に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な環状の操作部材(回動操作部材160)と、
前記操作部材の外周部から当該操作部材の外方に突出して設けられ、前記回動操作がなされる場合に、指が引っ掛けられた状態にて前記回動方向へ操作される指掛け操作部(指掛け操作部164〜166)と
を備え、
前記指掛け操作部の後部における少なくとも一部は、前記遊技機本体側に向けて凸となる成分を有する曲面状をなしていることを特徴とする遊技機。
【0013】
手段1の遊技機では、指掛け操作部に指を引っ掛けて回動操作方向に押す等することで、操作部材を容易に回動させることができる。操作部材の回動操作量に応じて遊技球の発射速度が調整される。所望とする発射速度が実現された後には、操作部材が手(詳しくは指等)によって固定され、当該操作部材の位置ずれが抑制される。これにより、所望とする発射速度を維持したまま遊技を行うことが可能となる。
【0014】
指掛け操作部の後部の少なくとも一部は奥側に向けて凸となる曲面状をなしており、その周囲と滑らかに連続している。この曲面状をなす部位に指が接触している場合、指に対して鋭利な角部や端部等が当たることが抑制され、指に対する局所的な負荷の増加を抑制可能となっている。故に、指掛け操作部を利用して操作部材の回動操作が行われる場合の指の保護に貢献することができる。
【0015】
例えば、指掛け操作部が遊技機本体に対向する対向面(接触面164d〜166d)を有する場合、その対向面とその周囲の面とを滑らかに連続させる連続曲面(ガイド面164b〜166b)を設けるとよい。
【0016】
なお、「遊技機本体側に向けて凸となる成分を有する曲面状」とは、曲面部分が複数の方向に凸となる成分が合成されて形成されている場合であっても、その成分の少なくとも1つが遊技機本体側に凸となる成分であることを示している。具体的には、回動部材の中心軸線方向における放射方向に凸となる成分を有する曲面であっても、遊技機本体側に凸となる成分を有していればよいし、遊技機本体側に凸となる曲面の一部であってもよい。
【0017】
手段2.遊技領域に向けて遊技球を発射すべく操作されるハンドル装置(ハンドル装置41)を遊技機本体(遊技機主部12)の前面に備えており、
前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部(ハンドルベース150)と、
前記基部の前方に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な環状の操作部材(回動操作部材160)と、
前記操作部材の外周部から当該操作部材の外方に突出して設けられ、前記回動操作がなされる場合に、指が引っ掛けられた状態にて前記回動方向へ操作される指掛け操作部(指掛け操作部164〜166)と
を備え、
前記指掛け操作部の頂部及び側部のうち少なくとも一方の後部(ガイド面164b〜166bや接触面164d〜166d)は、手前側から前記遊技機本体側に向けて前記指掛け操作部の内方に徐々に湾曲する曲面状をなすことを特徴とする遊技機。
【0018】
手段2によれば、上述した手段1と同様の効果を奏する。具体的には、指掛け操作部の頂部及び側部の少なくとも一方の後部が指掛け操作部の内方に湾曲する曲面状をなしているため、この曲面状をなす部位に指が接触している場合、指に対して鋭利な角部や端部等が当ることが抑制される。これにより、指掛け操作部を操作する際に、指に対して局所的な負荷が生じることを抑制可能となっている。故に、指掛け操作部を利用して操作部材の回動操作が行われる場合の指の保護に貢献することができる。
【0019】
手段3.遊技領域に向けて遊技球を発射すべく操作されるハンドル装置(ハンドル装置41)を遊技機本体(遊技機主部12)の前面に備えており、
前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部(ハンドルベース150)と、
前記基部の前方に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な環状の操作部材(回動操作部材160)と、
前記操作部材の外周部から当該操作部材の外方に突出して設けられ、前記回動操作がなされる場合に、指が引っ掛けられた状態にて前記回動方向へ操作される指掛け操作部(指掛け操作部164〜166)と
を備え、
前記指掛け操作部は前記回動方向に所定の幅を有するとともに、当該指掛け操作部における最大幅位置よりも前記遊技機本体側は、後方へ向けて凸となる曲面状をなすことを特徴とする遊技機。
【0020】
手段3によれば、上述した手段1や手段2と同様の効果を奏する。具体的には、指掛け操作部の最大幅位置より後側は、後方に凸となる曲面状をなしているため、この曲面状をなす部位に指が接触している場合、指に対して鋭利な角部や端部等が当ることが抑制される。これにより、指掛け操作部を操作する際に、指に対して局所的な負荷が生じることを抑制可能となっている。故に、指掛け操作部を利用して操作部材の回動操作が行われる場合の指の保護に貢献することができる。
【0021】
手段4.遊技領域に向けて遊技球を発射すべく操作されるハンドル装置(ハンドル装置41)を遊技機本体(遊技機主部12)の前面に備えており、
前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部(ハンドルベース150)と、
前記基部の前方に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な環状の操作部材(回動操作部材160)と、
前記操作部材の外周部から当該操作部材の外方に突出して設けられ、前記回動操作がなされる場合に、指が引っ掛けられた状態で前記回動方向へ操作される指掛け操作部(指掛け操作部164〜166)と
を備え、
前記指掛け操作部における回動操作方向の手前側には、前記操作部材の外周部から起立するとともに指と当接される当接面(ガイド面164b〜166b)が形成され、
前記当接面は、前記操作部の回動軸線方向に所定の幅を有するとともに、前記遊技機本体に向けて凸となる成分を有し、その幅方向全域にて滑らかに連続する曲面状をなすことを特徴とする遊技機。
【0022】
手段4の遊技機では、指で当接面を押すことによって、操作部材を回動させることができる。これにより、操作部材の回動操作の容易化が図られている。
【0023】
一般的に、このような操作は以下のようにして行われる。すなわち、先ず操作部材の回動中心軸線上に腕を配置し、ハンドル装置に指を添える。次に、指を操作部材(詳しくは当接面)に当てた状態とし、その状態のまま肘から先を回動させる。これにより、指によって当接面が押され、操作部材全体が回動する。そして、回動操作量の調整が行われた後、ハンドル装置を握ることで手の位置が固定される。これにより、操作部材の位置ずれが抑えられる。このように操作を行った場合、回動操作量の変化によらず当接面とそれに当っている指との位置関係は同一のまま維持される。すなわち、当接面と指との接触部位は変化しにくくなっている。このため、回動操作量が変化することに起因して指と指掛け操作部の端部や角部等とが局所的な当り方をするといった不都合は生じにくくなっている。一方、ハンドル装置が回動中心軸線から外れた位置から斜め掴みされた状態にて回動操作がなされる場合、指と当接部との接触部位はばらつきやすいと考えられる。より詳しくは、ハンドル装置(詳しくは操作部材)は自身の前側からアクセスされるため、操作部材の回動中心軸線方向と把持方向とがばらつくことで、指は当接面の後部等に当りやすくなる。更には、回動中心軸線上からずれた位置から回動操作がなされる場合、回動操作量の増加、具体的には当接面の押し込み操作量の増加に伴って、指と当接面との接触部位が後方に移りやすくなると考えられる。
【0024】
本手段においては特に、当接面は、遊技機本体に向けて凸となる成分を有し、幅方向全域にて滑らかに連続する曲面状をなしている。ハンドル装置の把持方向がばらついた場合、当接面の押し込み操作量の増加に伴って、指と当接面との接触位置が後方へ徐々に移動する。換言すれば、指が当接面上を滑り移動する。当接面は上述の如く曲面状をなしているため、接触位置の変位に起因して、指に鋭利な角部や端部が接触するといった不都合が生じにくくなっている。このように指に対する角部等の局所当りを抑え、指の保護を図ることで、ハンドル装置の把持方向のばらつき、詳しくは当接面と指との接触位置のばらつきが指に及ぼす局所負荷の増大等の影響を抑えている。すなわち、様々な方向からハンドル装置を操作したとしても、指に対する局所的な負荷が増加しにくくなっている。
【0025】
また、指は、自身と当接面との接触状態が維持された状態のまま、当接面に沿って移動する。これにより、回動操作中の当接面と指との接触感覚、すなわち指掛け操作部の操作感覚が変わりにくくなっている。換言すれば、回動操作に伴って、当接面に接触している指の接触感覚が急に変化することが抑制されている。これにより、ハンドル装置の操作性の向上(具体的には操作の円滑化)が図られている。
【0026】
手段5.遊技領域に向けて遊技球を発射すべく操作されるハンドル装置(ハンドル装置41)を遊技機本体(遊技機主部12)の前面に備えており、
前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部(ハンドルベース150)と、
前記基部の前方に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な環状の操作部材(回動操作部材160)と、
前記操作部材の外周部から当該操作部材の外方に突出して設けられ、前記回動操作がなされる場合に、指が引っ掛けられた状態で前記回動方向へ操作される指掛け操作部(指掛け操作部164〜166)と
を備え、
前記操作部材が所定の方向に回動操作されることで、前記遊技球の発射速度が増加する設定とされており、
前記指掛け操作部における前記所定の回動操作方向の手前側に形成され、前記操作部材の外周部から起立するとともに指と当接される当接面(ガイド面164b〜166b)を有し、
前記当接面は、前記遊技機本体側ほど前記所定の操作方向に向かって湾曲していることを特徴とする遊技機。
【0027】
手段5によれば、上記手段4と同様の効果を奏する。具体的には、指で当接面を押すことによって、操作部材を容易に回動されることができる。手段4に示したようにハンドル装置の把持方向がばらついた場合であっても、操作部材の所定方向への回動操作量の増加に伴って、指と当接面との接触位置が当接面に沿って遊技機本体側(すなわち後方)へ移動する。当接面は湾曲状をなしており鋭利な角部や端部を有していないため、接触位置の変位に起因して、指に角部等が当たるといった不都合を生じにくくなっている。
【0028】
また、指は、自身と当接面との接触状態が維持されたまま当接面に沿って移動するため、回動操作中の当接面と指との接触感覚が変わりにくくなっている。これにより、ハンドル装置の操作性の向上(具体的には操作の円滑化)が図られている。
【0029】
手段6.前記指掛け操作部は自身の後部にて前記遊技機本体と対向する対向面を有し、
記対向面と前記当接面とは連続する曲面として滑らかに繋がっていることを特徴とする手段4又は手段5に記載の遊技機。
【0030】
手段6によれば、対向面と当接面とが滑らかに連続しているため、当接面の奥側に指が当る場合であっても、当接面の縁部が指に対して局所当りするといった不都合が抑制されている。これにより、指の保護を一層好適なものとすることができる。
【0031】
手段7.前記当接面が、前記操作部材と前記基部との境界部位よりも前方に配置されていることを特徴とする手段4乃至手段6のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
【0032】
手段7によれば、当接面が境界部位よりも前方に配置されている。仮に当接面が境界部位よりも後方に延びている場合、回動操作に伴って指との接触部位も境界部位よりも後方に変位し得る。かかる場合、指における当接面との接触部位も指先側に移りやすくなる。接触部位が指の付け根から遠ざかることに起因して、指の付け根に生じる負担が大きくなると考えられる。より詳しくは、指で当接面を押し操作する際に、指の付け根に発生する応力が大きくなると想定される。
【0033】
しかしながら、境界部位よりも前方に湾曲面を配置すれば、湾曲面との接触部位をより指の付け根に近い位置にまとめやすくなる。これにより、湾曲面を操作することで、指の付け根に発生する局所負荷を抑えることができる。
【0034】
特に手段6との組み合わせ(対向面と当接面とが滑らかに連続している構成)においては、当接面の前後方向の幅を積極的に小さくすることに起因して対向面との境界部位付近に指が当りやすくなると想定される。しかしながら、両者の境界部位は滑らか連続しており、鋭利な角部等が排除されている。このため、指における指掛け操作部との接触部位に局所的な負荷が生じるといった不都合を好適に抑制できる。
【0035】
また、操作部材の前方に設けられているとともに、基部との間に操作部材を挟んだ状態で固定する前部カバーを更に備える構成とするとよい。かかる場合、指の付け根側を前部カバーに接触させるとともに、先端側とを基部に接触させることで、指の位置ずれを好適に抑えることが可能である。この状態で両接触部分の間にて指掛け操作部(詳しくは当接面)を押し操作することで、指の先端及び付け根にて負荷を分担して受け止めることができる。故に、指に生じる局所的な負荷を一層好適に抑えることができる。
【0036】
以上詳述した手段1乃至手段7に記載の遊技機においては、ハンドル装置の外周面を略球状となるように構成するとよい。より具体的には、基部と回動操作部材と前部カバーとを備えるハンドル装置にあっては、それらの外周面によって1つの球面が形成される構成とすればよい。本発明においては、ハンドル装置の把持方向のばらつきによる操作部材の操作感覚の変化や局所当りによる指等に対する負担の増加が生じにくくなっている。かかる場合、上述の如くハンドル装置が球状をなす構成とすれば、把持方向のばらつきを一層好適に許容することができ、操作性の向上に貢献することができる。
【0037】
なお、当接面のみならず指掛け操作部全体が前記境界部位よりも前方に位置する構成とするとよい。すなわち、指掛け操作部全体が前記境界部位からの出っ張りを抑えるとよい。これにより、基部と指掛け操作部の間にコイン等を挿入可能な空間が形成されることを回避でき、操作部材が固定されるといった不都合の発生を抑えることができる。
【0038】
手段8.前記操作部材が所定の方向に回動操作されることで、前記遊技球の発射速度が大きくなるように設定され、
前記所定の方向と反対の方向に向かって前記操作部材を付勢する付勢部材を備え、
前記当接面が、前記指掛け操作部における前記付勢方向を向いた側面の少なくとも後部に形成されていることを特徴とする手段4乃至手段7のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
【0039】
遊技機のハンドル装置の多くは、操作部材を回動操作方向と反対の方向に付勢する付勢部材を備えている。この付勢部材の付勢力に抗して操作部材を回動させることで、遊技球の発射が実施される。かかる構成においては、操作部材を回動操作する際に、付勢力に抗して指掛け操作部(詳しくは当接面)が押し操作される。このため、指掛け操作部に引っ掛かっている指に付勢力に基づく負荷が集中しやすいと考えられる。また、所望とする回動位置にて操作部材を固定する場合には、操作部材は付勢力によって元の位置に戻ろうとする。この戻ろうとする力に対向する力を指で発生することで、操作部材が所望とする位置にて保持される。かかる場合、指掛け操作部と接触している指に対して負担が生じやすくなると考えられる。
【0040】
仮に指掛け操作部の鋭利な角部や端部と指とが局所当りしている場合には、前記付勢力によって指の局所に負荷が集中し、遊技者に対して指が痛くなるといった不快感を与えるおそれがある。しかしながら、本手段においては、指と指掛け操作部との局所当りを回避可能な構成としていることで、指が痛くなる等の不都合を好適に回避することができる。具体的には、各手段に示したように、指掛け操作部には指が当接される当接面が設けられており、回動操作の際には指が当接面に沿って移動可能となっている。この当接面は鋭利な角部や端部等を有さないため、指が角部等に局所当りすることを回避可能となっている。特に回動操作に伴って指との接触部位が後方に移っても、指が角部等に局所当りしにくくなっている。故に、付勢力が加わることに起因して、指の局所に負荷が集中するといった不都合を抑制することができる。
【0041】
手段9.遊技領域に向けて遊技球を発射すべく操作されるハンドル装置(ハンドル装置41)を遊技機本体(遊技機主部12)の前面に備えており、
前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部(ハンドルベース150)と、
前記基部の前方に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な環状の操作部材(回動操作部材160)と、
前記操作部材の外周部から当該操作部材の外方に突出して設けられ、前記回動操作がなされる場合に、指が引っ掛けられた状態にて前記回動方向へ操作される指掛け操作部(指掛け操作部164〜166)と
を備え、
前記指掛け操作部の表面全域が段差部及び角部のない滑らかな曲面状をなすことを特徴とする遊技機。
【0042】
手段9によれば、上記手段1と同様の効果を奏し、更に以下の特別な効果を奏する。指掛け操作部に指を引っ掛けた状態で回動方向へ押したり引いたりすることで、操作部材を容易に回動させることができる。かかる場合、ハンドル装置の握り方がばらつく等することで、指と指掛け操作部との接触位置がばらつく可能性がある。仮にこのように、接触位置がばらついたとしても、指掛け操作部の表面全域が段差部及び角部のない滑らかな曲面状をなすため、指と指掛け操作部が局所当りするといった不都合が生じにくくなっている。これにより、指掛け操作部の操作の仕方に依存することなく、指を好適に保護することができる。
【0043】
手段10.前記基部に固定されているとともに、前記操作部材の前方に配置され、前記ハンドル装置の前部を構成する前部カバー(前部カバー170)を備えたことを特徴とする手段1乃至手段9のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
【0044】
ハンドル装置を構築するには、本手段に示すように、操作部材の前方に、前部カバーを設けるとよい。これにより、実用上好ましい構成が実現できる。具体的には、回動操作を行う場合に、手を前部カバーに乗せた状態とすることで、腕や手の重量の一部をハンドル装置に預けることができる。これにより、操作部材を操作している指に腕等の重量が集中することを抑制できる。故に、操作に伴って指生じる負担を好適に低減することが可能となる。
【0045】
手段11.前記ハンドル装置の回動操作に基づいて遊技球を弾いて発射する球発射手段(遊技球発射機構110)と、
その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く誘導部(内レール部101や外レール部102)と、
前記遊技領域内に配置された各遊技部品(一般入賞口82等)と
を備えていることを特徴とする手段1乃至手段10のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
【0046】
手段11によれば、一般に弾球遊技機(いわゆるパチンコ機)と称される遊技機を好適に具体化できる。この遊技機においては、操作部材の回動操作によって発射された遊技球が誘導部を解して遊技領域に導かれることで、遊技が行われる。上述の如く、操作部材を回動操作する際に、指に対して生じる局所的な負担の低減に貢献することができれば、遊技機に対する技術的貢献度は大きいものとなる。
【0047】
以下に、本明細書の開示範囲において抽出可能な技術的思想を記載する。
【0048】
(1).遊技領域に向けて遊技球を発射すべく操作されるハンドル装置(ハンドル装置41)を遊技機本体(遊技機主部12)の前面に備えており、
前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部(ハンドルベース150)と、
前記基部に固定され、前記ハンドル装置の前部を構成する前部カバー(前部カバー170)と、
前記基部と前記前部カバーとの間に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な操作部材(回動操作部材160)と、
前記基部及び前記前部カバーの少なくともいずれかに設けられているとともに、前記操作部材の回動方向と同一の方向に所定の間隔をおいて複数配置され、指が入る凹状の指掛け部(指掛け凸部190)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0049】
(1)の遊技機では、操作部材を回動操作することで遊技球が発射される。より詳細には、遊技者は、手や指で操作部材を所望とする位置まで回動操作した後、操作部材を固定した状態とすることで所望とする遊技球の発射速度を維持したまま遊技を行うことができる。かかる場合、操作部材の前後に設けられた固定物である前部カバー及び基部の少なくともいずれかに手や指等を接触させた状態とすることで、固定物との摩擦によって手や指の移動(例えば滑り)が抑制される。より具体的には操作ハンドルを握り込む等することで、固定物との摩擦が増大し、指や手の位置ずれが抑えられる。位置ずれが抑制された指や手によって操作部材が保持されることで、所望とする回動操作位置からの操作部材の位置ずれを抑制できる。これにより、上述の如く操作部材の固定がなされる。
【0050】
操作部材を所望とする位置にて固定する場合、固定物(基部や前部カバー)に設けられた指掛け部に指が嵌まった状態(より詳しくは引っ掛かった状態)とすることで、指や手の位置ずれを好適に抑えることができる。具体的には、前部カバーの外面等を指や手が滑ること等に伴って操作部材が回動するといった不都合を抑制することができる。このように指掛け部に指を嵌めることができることで、固定部と指等との摩擦力のみに依存して位置ずれの抑制を図る必要がなくなる。つまり、ハンドル装置を握る力に依存して摩擦力の増大を図ることなく、位置ずれを抑制することができる。故に、ハンドル装置を握る力を低減しつつ操作部材の固定が可能となることで、ハンドル装置の操作に起因して遊技者に生じる負担を低減することができる。すなわち、遊技に伴う疲労の低減に貢献することができる。
【0051】
また、(1)に示すように、指掛け部を操作部材の回動方向と同一方向に複数配置することは、操作状態や握り方の差異を許容しやすくすることにつながり、指掛け部による上述したような効果を発揮しやすくすることができる。故に、指掛け部の利用促進に貢献することができる。また、所望とする遊技球の動きを実現するための操作部材の回動操作量は、遊技機の機種の違いによって異なる可能性がある。上述の如く指掛け部を複数設ける構成であれば、各機種間での回動操作量の違いを許容することができ、それら機種間におけるハンドル装置の汎用性の向上に貢献することができる。
【0052】
(2).前記指掛け部は、少なくとも前記前部カバーに設けられていることを特徴とする(1)に記載の遊技機。
【0053】
(2)によれば、少なくとも操作部材よりも手前側に位置する前部カバーに指掛け部が設けられている。前部カバーはハンドル装置における前部を構成するものであり、遊技者が遊技機前方から操作部材にアクセスする際には、前部カバー周辺に指や手が位置すると想定される。より具体的には、遊技機前方から操作部材にアクセスする(握ろうとする)と、遊技者の手が前部カバーに対して自然に接触することとなる。例えばハンドル装置の握り方が浅い場合であっても、操作部材を指操作可能であるならば、指と前部カバーとは接触した状態になりやすいと想定される。このように、操作部材が回動操作される際に、指が位置しやすい範囲に指掛け部を設けることで、指掛け部の利用の促進を図ることができる。
【0054】
一方、操作部材よりも奥側に位置する基部に指掛け部を設けた場合、指掛け部を利用するためには操作部材を越えて指掛け部にアクセスする必要が生じる。例えば手の小さな遊技者等にあっては、指掛け部の利用が困難となり得る。すなわち、基部に指掛け部を設けた場合、指掛け部を有益に利用できる遊技者が限定される可能性がある。
【0055】
以上例示した事情からも、指掛け部が基部及び前部カバーのいずれに設けられているかによって、指掛け部の利用条件に差が生じることは明確であり、指掛け部は少なくとも前部カバーに設けることが望ましいと考えられる。
【0056】
(3).前記指掛け部は、前記操作部材と前記前部カバーとの境界部位に沿って配置されていることを特徴とする(2)に記載の遊技機。
【0057】
指掛け部を設ける場合、(2)に示すように、前部カバーと操作部材との境界部位に沿って配置するとよい。これにより、指掛け部と操作部材との両者を近づけて配置することが可能となる。指掛け部及び操作部材の間隔が離れると、操作部材にアクセスしている指が指掛け部に届かず、すなわち指掛け部に手の平等が接触し、上述したような指の引っ掛かり状態を実現することが困難となる可能性がある。かかる場合、ハンドル操作に起因する疲労の低減効果を享受しにくくなると想定される。このような不都合は、特に指の短い遊技者にとって顕著となり得る。しかしながら、指掛け部と操作部材との両者を近づけて配置すれば、指の長さの違い等により指が指掛け部に届かないといった不都合を抑制し、指掛け部の利用促進を図ることが可能となる。これにより、ハンドル操作時の疲労低減機能を担保しやすくすることができる。
【0058】
なお、一般的に前部カバーの外形は境界部位周辺にて最も大きくなりやすい。この境界部位に沿って指掛け部を配置する構成とすれば、配置される指掛け部の数を多く設定することが可能となる。
【0059】
(4).前記操作部材は、環状をなすとともに、所定の範囲内で回動可能に設定され、当該操作部材の外周部から同操作部材の外方に突出する指掛け操作部(操作面164a〜166a)を有し、
前記指掛け部の少なくとも1つは、前記操作部材の回動中心軸線方向視において当該操作部材が回動する角度範囲に含まれていることを特徴とする(2)又は(3)に記載の遊技機。
【0060】
(4)においては、指掛け操作部に指を当てた状態で操作部材の周方向に押し操作することで、前記回動操作を容易に行うことができる。また、このように指掛け操作部を設けることで、回動操作部材に対するアクセス位置が特定しやすくなっている。指掛け部を配置する場合には、(4)に示すように、操作部材の回動中心軸線方向視において操作部材の回動角度範囲内に指掛け部を配置するとよい。操作部材の回動操作に直接寄与する指が、すなわち指掛け操作部に当る指が、指掛け部に嵌まる(引っ掛かる)ことで、操作部材のずれをより積極的に抑制することができる。具体的には、指掛け操作部の操作に関与しない他の指の位置がずれたとしても、操作部材を操作している指が指掛け部に嵌まっていることで、操作部材の位置ずれは好適に抑制される。換言すれば、操作部材を固定している状態であっても、他の指や手の配置を変えやすくなっている。このように操作部材を固定したまま手や指の位置を適宜変更可能であるため、手や指の一部に局所的な負担が生じることを抑制することができる。
【0061】
(5).前記前部カバーの表面は遊技機の前方に凸となる曲面状をなし、
前記指掛け部は、前記前部カバーの表面から当該前部カバーの内方に凹む指掛け凹部(指掛け凹部242)であり、その指掛け凹部の深さが前記回動操作方向にて断続的に又は連続的に変化していることを特徴とする(2)乃至(4)のいずれか1つに記載の遊技機。
【0062】
(5)によれば、指掛け凹部(具体的には指掛け凹部の内周面)に指を嵌める(詳しくは引っ掛ける)ことで、指を所望の位置に保持することが容易となっている。かかる場合、指掛け凹部の深さは回動操作方向にて断続的に又は連続的に変化しているため、指掛け凹部の内周面に沿って指を移動させることが可能である。このため、指掛け凹部と指との引っ掛かり状態を維持しつつ、指位置の微調整、回動操作量の微調整が可能となっている。なお、指掛け凹部の深さを断続的に変化させた場合、指位置の調整が段階的になりやすい。一方、指掛け凹部の深さを連続的に変化させた場合、指位置を無段階的に調整することができる。故に、深さを連続的に変化させることで、断続的に変化させた場合よりも細やかな指位置の調整を実現することができる。すなわち、より繊細な回動操作量の調整に対応する指掛け部の構築に貢献することができる。
【0063】
特に(4)との組み合せ(操作部材が指掛け操作部を有し、指掛け操作部の回動範囲に指掛け部が含まれている構成)においては、指掛け部に回動操作位置を示すための指標としての機能を付与することができる。具体的には、遊技者が所望とする位置にて操作部材を保持した際に、指掛け操作部を操作している指がいずれかの指掛け凹部に嵌まった状態となる。遊技者がその引っ掛かりの対象となった指掛け凹部を記憶しておくことで、再度位置合わせを行う際に、所望とする回動操作位置への大よその復帰が可能となる。詳しくは、記憶した指掛け凹部に指が嵌まるように回動操作することで、以前の遊技状態を大よそ再現することができる。更に、指が指掛け凹部のいずれの位置(詳しくは深さ位置)に当っているかを感触として記憶しておくことで、所望とする回動操作位置への復帰精度を向上することができる。
【0064】
一般的に、操作部材の位置合わせにおいては、打ち出された遊技球の軌道等を確認しながら操作部材の回動操作量を調整するといった手法が用いられる。このように、打ち出された遊技球を目視にて確認しながら回動操作量を調整する場合には、その調整に無駄球を伴いやすいと考えられる。このような無駄球の発生は、遊技開始の際のみならず、再遊技の際にも同様に生じ得る。上述の如く指の感触等に基づいて所望とする回動操作位置への復帰が可能であれば、再遊技の際の無駄球の発生を抑えることができる。例えば、回動操作中に遊技球の発射を規制する発射止めスイッチ(発射止めスイッチ177)を備える遊技機においては、発射止めスイッチによって遊技球の発射を規制した状態で、指の感触等に基づいて所望とする回動操作位置への位置合わせを行うとよい。その後、発射止めスイッチによる発射規制を解除することで、無駄球の打ち出しを抑えつつ遊技を再開することができる。
【0065】
(6).前記指掛け凹部は前記操作部材側に開放されていることを特徴とする(5)に記載の遊技機。
【0066】
指掛け凹部を形成する際には、(6)に示すように、操作部材側すなわち遊技機の後方に開放させることで実用上好ましい構成を実現できる。仮に指掛け凹部が操作部材側にて閉じている場合、指が指掛け凹部を跨ぐ等して同指掛け凹部に十分に嵌まらず、上記引っ掛かり状態を実現しにくくなるといった不都合が生じ得る。特に、操作部材にアクセスしている指においては、指先以外(例えば指の腹)を指掛け凹部に嵌まった状態とすることは困難であると想定される。一方、上述の如く指掛け凹部が操作部材側にて開放されている場合、指掛け凹部に沿って指を曲げることで、指は指掛け凹部に嵌まった状態となり、前記引っ掛かり状態を容易に実現することができる。これにより、指の引っ掛かり機能を担保しやすくすることができる。例えば、前部カバーの後端縁に沿って波状となるように指掛け凹部を配置するとよい。
【0067】
特に、(4)等に示したように操作部材が環状をなす構成においては、指掛け凹部の底部と操作部材の外周部との段差を抑え、底部及び外周部の両者を同一曲面上に配置するとよい。これにより、操作部材にアクセスしている指が指掛け凹部を跨ぐことに起因して、指の引っ掛かり機能が活かされにくくなるといった不都合を好適に抑制できる。
【0068】
(7).前記指掛け凹部には、前記回動操作方向における当該指掛け凹部の幅を規定する両側面部(当接面244)が形成されており、
これら両側面部の間隔が前記操作部材側ほど広くなっていることを特徴とする(6)に記載の遊技機。
【0069】
(7)によれば、指掛け凹部には当該指掛け凹部の幅を規定する側面部が形成されている。両側面部間の間隔を指の幅よりも大きくなるように設定した場合には、それら両側面部間に指を嵌めることが可能となる。(7)においては特に、各側面部は操作部材に向けて開いた状態、すなわち後方広がりな状態で配置されている。側面部の手前側では、指の移動範囲を積極的に狭め、その位置ずれを抑えやすくしている。一方、側面部の奥側では、指の移動範囲を積極的に広げ、指の移動を許容しやすくなっている。これにより、間隔の小さい手前側にて積極的に指の引っ掛かりを実現しつつ、間隔の大きい奥側で上述した指の位置の微調整を行いやすくしている。例えば、側面部間に嵌まった指は側面部の手前側を支点として且つ側面部に接した状態で回動可能となっている。このように指の引っ掛かりを担保しつつ指の微小な移動を許容することで、操作部材の回動操作量の調整が可能となっている。
【0070】
また、このように指の嵌まり状態(詳しくは引っ掛かり状態)を維持しつつ、指の向きを変えることができるため、操作部材の回動中心方向に対して傾いた方向からハンドル装置を握った場合であっても、指掛け部の引っ掛かり機能が担保されやすくなっている。すなわち、ハンドル装置の握り方向等のばらつきに対する指掛け部の追従性が担保されている。
【0071】
(8).前記前部カバーの表面は遊技機の前方に凸となる曲面状をなし、
前記指掛け部は、前記前部カバーの表面から当該前部カバーの外方に突出する凸状をなす一対の指掛け凸部(指掛け凸部190)に挟まれて構成されており、それら指掛け凸部の突出量が前記回動操作方向にて断続的に又は連続的に変化していることを特徴とする(2)乃至(4)のいずれか1つに記載の遊技機。
【0072】
(8)によれば、(5)と同様の効果を奏する。具体的には、指は、一対の指掛け凸部の間に嵌まった状態(詳しくは引っ掛かった状態)となることで、所望とする位置に保持されやすくなっている。指掛け凸部に嵌まった指は、指掛け凸部との引っ掛かり状態を維持したまま同指掛け凸部の周面に沿って移動可能となっている。このように、指の移動が許容されていることで、操作部材の回動操作量の微調整が可能となっている。
【0073】
また、(5)と同様に、指が指掛け凸部のいずれの位置(詳しくは突出位置)に当っているかを感触として記憶しておくことで、所望とする回動操作位置を容易に再現することができる。
【0074】
(9).前記指掛け凸部における前記回動方向の両側には、当該指各凸部の頂部から徐々に下るとともに指が当接される当接面部(当接面190a,190b)がそれぞれ形成されており、
前記回動方向における前記指掛け部の幅を規定している前記当接面部の間隔が、前記操作部材側ほど広くなっていることを特徴とする(8)に記載の遊技機。
【0075】
(9)によれば、上述した(7)と同様の効果を奏する。具体的には一対の指掛け凸部にそれぞれ設けられた当接面部の間には所定の間隔が設けられている。当接面部間の間隔を指の幅よりも大きくなるように設定した場合には、それら当接面部間に指を嵌めることが可能となる。これら当接面部の間隔は後方に向けて徐々に大きくなっており、間隔の小さい手前側では積極的に指の引っ掛かりを行い、間隔の大きい奥側では指位置の微調整を可能としている。例えば、2つの隣り合う指掛け凸部に相対向する当接面部をそれぞれ設けるとよい。
【0076】
(7)及び(9)においては、当接面部間の間隔が手前側から奥側に向けて大きくなる構成とした。これにより、指の付け根側を基端として、指の先端側を回動させることが可能となっている。このように、回動の基端部分を前側に設定することで、指の付け根側の小さな変位により、回動操作量の微調整が可能となっている。仮に、当接面部間の間隔が奥側から手前側に向けて大きくなる構成とした場合には、回動の基端部分が奥側に設定される。このため、前記回動操作量と同様の微調整を行うためには、指の付け根側の変位を大きくする必要が生じる。以上のことからも、当接面部間の間隔が手前側から奥側に向けて大きくなる構成とする方が、回動操作量を微調整する際の手の位置への影響を抑えることができるため、操作性向上に対する貢献度が高いと考えられる。
【0077】
(10).遊技領域に向けて遊技球を発射すべく操作されるハンドル装置(ハンドル装置41)を遊技機本体(遊技機主部12)の前面に備えており、
前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部(ハンドルベース150)と、
前記基部に固定され、前記ハンドル装置の前部を構成する前部カバー(前部カバー170)と、
前記基部と前記前部カバーとの間に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な環状の操作部材(回動操作部材160)と、
前記操作部材の外周部から同操作部材の外方に突出し、前記回動操作方向にて第1の角度(配置角度A1等)をおいて配置されている複数の指掛け操作部(指掛け操作部164〜166)と、
前記基部及び前記前部カバーの少なくともいずれかに設けられているとともに、前記回動操作方向にて第2の角度(配置角度A2)をおいて配置されている複数の指掛け部(指掛け凸部190)と
を備え、
前記第1の角度は、前記第2の角度の非整数倍であることを特徴とする遊技機。
【0078】
(10)の遊技機では、指掛け操作部に指を当てた状態で押し操作することにより、操作部材の回動操作を容易に実施することができる。特に指掛け操作部を複数設けていることで、指掛け操作部を操作する複数の指に操作に基づく負荷が分散される。これにより、1つの指に集中負荷が生じることが抑制されている。また、これら指掛け操作部にアクセスする指が指掛け部にそれぞれ引っ掛かることで、指の引っ掛かりによる指の位置ずれを一層好適なものとすることができる。
【0079】
(8)及び(9)に示すように指掛け部が一対の指掛け凸部によって構成されている場合、それら指掛け凸部の頂部に指が乗り上げた状態では、指の嵌まり(詳しくは引っ掛かり)が実現されないといった不都合が生じ得る。また(5)乃至(7)に示すように指掛け部が凹状をなす場合、その窪んだ部分から外れた位置(詳しくは窪みと窪みとの間)に指が置かれると、指の嵌まり(詳しくは引っ掛かり)が実現されないといった不都合が生じ得る。すなわち、指の位置によっては指掛け部の嵌まり(引っ掛かり)が機能しない可能性がある。これらの不都合は複数の指が指掛け部に嵌まる構成においても同様に発生し得る。より具体的には、指掛け操作部の配置角度が、指掛け部の配置角度の整数倍となるように設定されている場合、回動操作の際に各指掛け操作部と各指掛け部との相対位置が、全て同期した状態にて変位すると考えられる。かかる場合、指掛け操作部に当接している全ての指が、指掛け部に嵌まらない部位に位置する可能性がある。すなわち、回動操作量によっては、指の引っ掛かり機能を享受できない可能性がある。
【0080】
しかしながら、上述の如く、各配置角度を非整数倍とすることで、それぞれの操作部に対応する各指と指掛け部との相対位置は、操作部材の回動に伴ってばらばらに変位する。すなわち、各指と指掛け部との相対位置は、同期した状態で変位しにくくなっている。このため、いずれの回動位置においても各指のうち少なくともいずれかは、上述した指掛け部が機能しない位置を回避可能することができる。故に、操作部材の回動操作量によらず、指掛け部による指の引っ掛かり機能機能が担保されやすく、そして操作部材の固定状態を維持しやすくなっている。故に、ハンドル操作に伴って生じる負担の低減により一層貢献することができる。
【0081】
(1)〜(10)の各遊技機は、上記手段1〜手段11のいずれか1つの手段と任意に組み合わせて実施可能である。(1)〜(10)に示す技術的思想を上記各手段と組み合わせるとともに、ハンドル装置の外周面を略球状となるように構成するとよい。より具体的には、基部と回動操作部材と前部カバーとを備えるハンドル装置にあっては、それらの外周面によって1つの球面が形成される構成とすればよい。上記各手段に示した発明においては、ハンドル装置の把持方向のばらつきによる操作部材の操作感覚の変化や局所当りによる指等に対する負担の増加が生じにくくなっている。かかる場合、上述の如くハンドル装置が球状をなす構成とすれば、把持方向のばらつきを一層好適に許容することができ、操作性の向上に貢献することができる。かかる構成において、把持方向がばらついたとしても、指掛け部によって回動操作位置における指の保持が容易化されていれば、ハンドル操作に伴う疲労の低減機能が担保される。具体的には、ハンドルの把持方向のばらつきによる操作感覚の変化を抑えつつ、同把持方向のばらつき起因する指の引っ掛かかりにくさの招来を好適に抑制することができる。
【0082】
(第1の実施の形態)
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図4はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
【0083】
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
【0084】
遊技機主部12は、ベース体としての本体枠13と、その本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機主部12のうち本体枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として本体枠13が前方へ回動可能とされている。
【0085】
本体枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、本体枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
【0086】
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1〜図3を参照する。
【0087】
前扉枠14は本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、左右の賞球ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
【0088】
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
【0089】
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにしてハンドル装置41が設けられている。ハンドル装置41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。このハンドル装置41の構成については、後に詳細に説明する。
【0090】
次に、本体枠13について詳細に説明する。図5は本体枠13の正面図である。
【0091】
本体枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース51を主体に構成されている。樹脂ベース51の中央部には略楕円形状の窓孔52が形成されている。樹脂ベース51には遊技盤61が着脱可能に取り付けられている。遊技盤61は合板よりなり、遊技盤61の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース51の窓孔52を通じて本体枠13の前面側に露出した状態となっている。
【0092】
ここで、遊技盤61の構成を図6に基づいて説明する。遊技盤61には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口62,可変入賞装置63,作動口64,スルーゲート65及び可変表示ユニット66等がそれぞれ設けられている。一般入賞口62は、左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられている。一般入賞口62、可変入賞装置63及び作動口64に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤61の最下部にはアウト口67が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口67を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤61には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘68が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0093】
可変表示ユニット66には、作動口64への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置71が設けられている。また、可変表示ユニット66には、図柄表示装置71を囲むようにしてセンターフレーム72が配設されている。センターフレーム72の上部には、第1特定ランプ部73及び第2特定ランプ部74が設けられている。また、センターフレーム72の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部75,76が設けられている。下側の保留ランプ部75は、図柄表示装置71及び第1特定ランプ部73に対応しており、遊技球が作動口64を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部75の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部76は、第2特定ランプ部74に対応しており、遊技球がスルーゲート65を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部76の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
【0094】
図柄表示装置71は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置71には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
【0095】
第1特定ランプ部73では、作動口64への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部74では、遊技球のスルーゲート65の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口64に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。
【0096】
可変入賞装置63は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置63の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置63が繰り返し開放されるものが一般的である。
【0097】
遊技盤61には、内レール部53と外レール部54とが取り付けられており、これら内レール部53と外レール部54とにより誘導レールが構成され、後述する遊技球発射機構から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
【0098】
遊技球発射機構80は、図5に示すように、樹脂ベース51における窓孔52の下方に取り付けられている。遊技球発射機構80は、電磁式のソレノイド81と、発射レール82と、球送り機構83とからなり、ソレノイド81への電気的な信号の入力により当該ソレノイド81の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構83によって発射レール82上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。なお、遊技球発射機構80の電動アクチュエータはソレノイド81に限定されることはなく、発射モータなどを用いてもよい。
【0099】
次に、遊技盤61の背面の構成を説明する。図7は遊技盤61を後方より見た斜視図である。遊技盤61の背面には、主制御装置ユニット90及び音声ランプ制御装置ユニット100が搭載されている。
【0100】
主制御装置ユニット90は、合成樹脂製の取付台91を有し、取付台91に主制御装置92が搭載されている。主制御装置92は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス93に収容されて構成されている。
【0101】
音声ランプ制御装置ユニット100は、音声ランプ制御装置101と、取付台102とを具備する構成となっており、取付台102上に音声ランプ制御装置101が装着されている。音声ランプ制御装置101は、主制御装置92からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス103に収容されて構成されている。
【0102】
次に、裏パックユニット15について図3及び図4を参照して説明する。
【0103】
裏パックユニット15は、裏パック111を備えており、当該裏パック111に対して、払出機構部112及び制御装置集合ユニット113が取り付けられている。裏パック111は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部112などが取り付けられるベース部121と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部122とを有する。
【0104】
ベース部121には、その右上部に外部端子板123が設けられている。外部端子板123には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。
【0105】
ベース部121には、保護カバー部122を迂回するようにして払出機構部112が配設されている。すなわち、裏パック111の最上部には上方に開口したタンク131が設けられており、タンク131には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク131の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール132が連結され、タンクレール132の下流側には上下方向に延びるケースレール133が連結されている。ケースレール133の最下流部には払出装置134が設けられている。払出装置134より払い出された遊技球は、当該払出装置134の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿33又は下皿34に排出される。
【0106】
払出機構部112には、裏パック基板135が設置されている。裏パック基板135には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ135aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
【0107】
ベース部121の下端部には、制御装置集合ユニット113が取り付けられている。制御装置集合ユニット113は、横長形状をなす取付台141を有し、取付台141に払出制御装置142と電源及び発射制御装置143(以下、電源装置143又は発射制御装置143ともいう)とが搭載されている。これら払出制御装置142と電源装置143とは、払出制御装置142がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
【0108】
払出制御装置142は、基板ボックス144内に払出装置134を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置142から払出装置134への払出指令の信号は上述した裏パック基板135により中継される。また、払出制御装置142には状態復帰スイッチ145が設けられている。例えば、払出装置134における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ145が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
【0109】
電源装置143は、基板ボックス146内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者によるハンドル装置41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置143にはRAM消去スイッチ147が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
【0110】
次に、ハンドル装置41の構成について説明する。図8はハンドル装置41を前方から見た斜視図、図9はハンドル装置41を後方から見た斜視図、図10はハンドル装置41の側面図、図11はハンドル装置41の分解斜視図である。
【0111】
ハンドル装置41は、前扉枠14に装着されるハンドルベース150と、遊技球の発射操作に際して回動操作される回動操作部材160と、ハンドル装置41の前面側を構成する前部カバー170とを備えている。
【0112】
ハンドルベース150は、前扉枠14への取付対象としての取付基部151を有している。この取付基部151が前扉枠14にネジ止めされることで、ハンドル装置41は前扉枠14に固定された状態となっている。取付基部151は前後方向に延びる筒状をなし、その前端縁には、略半球状をなす半球状拡径部152が形成されている。
【0113】
半球状拡径部152の前方には回動操作部材160が配置されている。回動操作部材160は、その外殻を構成する外環部161と、ハンドルベース150に対する取付部としての内環部162とを有している。半球状拡径部152の中央にはパチンコ機10の前方に延びる軸部153が形成されており、内環部162には軸部153に対応する軸受け部163が形成されている。軸受け部163に軸部153が挿通されていることで、すなわち回動操作部材160が軸部153に軸支されていることで、回動操作部材160はハンドルベース150に軸部153の中心軸線を基準として回動可能な状態で装着されている。また、外環部161には外方に隆起した指掛け操作部164〜166が形成されており、これら指掛け操作部164〜166に指を掛けることで回動操作部材160の操作性の向上が図られている。
【0114】
半球状拡径部152の内部には軸部153の中心軸線方向と同一方向に延びるボス154が複数形成されている(図11参照)。回動操作部材160にはこれらボス154が挿通される長孔状の回動規制部167が設けられており、これらボス154及び回動規制部167によって回動操作部材160が所定の範囲内で回動可能となるように規制されている。
【0115】
なお、ハンドル装置41は図示せぬ付勢部材(バネ)を備えている。回動操作部材160はこの付勢部材によってパチンコ機10の正面視において反時計周り方向に付勢されている。非操作時の回動操作部材160は、付勢部材の付勢力によって回動範囲内の所定の位置(以下、初期位置という)に留まった状態となっている。
【0116】
回動操作部材160の前方には前部カバー170が配置されている。前部カバー170は、ハンドルベース150との間に回動操作部材160を挟んだ状態で固定されている。具体的には、ハンドルベース150には中空状をなすボス154に連通する連通孔155が形成されており、パチンコ機10の後方からボス154に挿入されたネジ156の先端部が前部カバー170に螺着されている。これにより、回動操作部材160のハンドルベース150からの抜け落ちが防止されている。また、前部カバー170には、パチンコ機10の前方に突出した半球形状をなす把持部171が形成されている。回動操作部材160の操作時には、この把持部171に手を掛けることで、手や腕の重量の一部をハンドル装置41に預けることができる。これにより、操作時の安定性向上と疲労の低減とが図られている。
【0117】
なお、半球状拡径部152の内部には、回動操作部材160の回動操作量を検知するためのギア部品175,176及び可変抵抗器が設置されている。ギア部品175,176の回転に応じて可変抵抗器の抵抗値が変化し、その抵抗値が発射制御装置143に出力されることで、当該発射制御装置143にて回動操作量が把握される構成となっている。また、半球状拡径部152の内部には、回動操作部材160を操作した状態において遊技球の発射を停止させる発射止めスイッチ177と、発射止めスイッチ177の操作状態を検知するプッシュセンサ178とが設置されている。プッシュセンサ178の検知信号が発射制御装置143に出力されることで、当該発射制御装置143にて発射止めスイッチ177が操作されているか否かが把握される。さらには、ハンドルベース150には回動操作部材160が実際に手で触れられていることを検知するタッチセンサが内蔵されており、このタッチセンサの検知信号が発射制御装置143に出力されることで、当該発射制御装置143にて回動操作部材160が手で触れられているか否かが把握される。
【0118】
次に、遊技を行う際のハンドル装置41の操作について簡単に説明する。遊技者は、回動操作部材160を回動操作することで、遊技球の発射速度の調整を行う。具体的には、付勢部材の付勢力に抗して回動操作部材160を回動操作することで遊技球の発射速度が大きくなり、付勢方向に戻すことで遊技球の発射速度が小さくなる。以下、遊技球の発射速度が大きくなる方向を増加方向といい、遊技球の発射速度が小さくなる方向を減少方向として区別する。回動操作部材160の回動操作量に基づき前記可変抵抗器の抵抗値が変化し、その抵抗値が発射制御装置143に出力される。発射制御装置143においては、その抵抗値に基づいて遊技球発射機構80(詳しくはソレノイド81)における遊技球の発射速度が設定される。こうして所定の速度にて遊技球発射機構80から打ち出された遊技球は、図6に示す内外のレール部53,54の間を通り、作動口64や釘68等が設けられた遊技領域に到達する。通常、遊技領域に到達した遊技球は、釘68等によって流下経路が適度にばらつきながら、作動口64に向けて案内されやすくなっている。より詳しくは、釘68等は遊技領域に適度に分散されて配置されており、遊技球の勢い等により、作動口64に向かって案内される頻度が変化し得る。このような遊技球の流下経路の変化は、専ら遊技球の発射速度(すなわち到達位置)に依存している。作動口64への遊技球の入賞をトリガとして大当たり等の判定がなされるため、より多くの遊技球を作動口64へ導くべく遊技球の発射速度の調整が行われる。回動操作部材160の回動操作量を調整し所望とする発射速度を実現できた後には、その回動位置から回動操作部材160が位置ずれしないように当該回動操作部材160を保持する。これにより、所望とする発射速度を維持した状態で遊技を継続することができる。仮に、遊技中にハンドル装置41から手を離す等した場合、付勢部材の付勢力によって、回動操作部材160は初期位置に復帰する。このため、再遊技に際しては、上述した回動操作部材160の操作が再度行われることとなる。
【0119】
ここで、ハンドル装置41の外観についてより詳細に説明する。ハンドル装置41の外形は、少なくともハンドル装置41を遊技者が握った際の手の接触範囲において、球状をなしている(指掛け操作部164等の出っ張りを除く)。詳しくは、ハンドルベース150の取付基部151を除いたほぼ外周全域が球状をなしている。より具体的には、図10に示すように、複数に分割された球面によって、すなわち半球状拡径部152の外面と外環部161の外面と把持部171の外面とによって1つの仮想球面Gが構成されている。
【0120】
半球状拡径部152の外面と外環部161の外面との境界部位における隙間寸法は、コイン等の異物の侵入を抑制可能な程度(本実施の形態においては0.1mm程度)に設定されており、外環部161の外面と把持部171の外面との境界部位における隙間寸法も上記寸法と同程度に設定されている。各境界部位を同一仮想球面G上に配し、隙間寸法を小さくすることで、それら境界部位における段差の発生が抑えられている。詳しくは、仮想球面Gの放射方向における段差の発生が抑制されている。なお、各境界部位における隙間寸法がコインの厚み寸法等よりも小さく設定されているため、それら境界部位にコイン等が挟み込まれ、回動操作部材160が固定されるといった不都合が回避されている。
【0121】
このように、ハンドル装置41の外形を段差のない単一球面状をなすように形成することで、ハンドル装置41に対する把持方向のばらつきを許容しやすくなっている。具体的に説明すれば、ハンドル装置41は、パチンコ機10の前方から回動操作部材160の中心軸線に沿って真っ直ぐ把持した場合に持ちやすくなるように設定されていることが多い。しかしながら、現実的には、遊技者によって把持方向がばらついたり、遊技中の姿勢等の変化に起因して把持方向が変わったりすると考えられる。上述の如く手が接触する部位に段差や曲率の変化が設けられていないことで、把持方向のばらつきに起因してハンドル装置41の掴み具合が変化するといった不都合を抑制することができる。すなわち、把持方向のばらつきに起因してハンドル装置41の操作性が低下することを抑制可能となっている。
【0122】
なお、本実施の形態においては、ハンドルベース150及び前部カバー170における回動操作部材160側の端部に、内方に向かって凹む環状段差部181,182が形成されている。そして、それら環状段差部181,182は外環部161の内周面と対向している。換言すれば、回動操作部材160の放射方向視にて、回動操作部材160とハンドルベース150及び前部カバー170が重なった状態となっている。これにより、境界部位が上下方向に開放されていることに起因して埃等の異物がハンドル装置41の内部に入るといった不都合を抑制可能となっている。また、仮に境界部位に対してコイン等が無理に挿入された場合であっても、コイン等の端部がすぐに環状段差部181,182に当るため、挿入状態を維持することが困難となっている。
【0123】
次に回動操作部材160の指掛け操作部164〜166について詳細に説明する。図8等に示すように、指掛け操作部164〜166は、外環部161の周方向に離間して配置されている。より具体的には、回動操作部材160の前記増加方向に向かって第1指掛け操作部164→第2指掛け操作部165→第3指掛け操作部166の順に所定の間隔を隔てた状態で配置されている。これら各指掛け操作部164〜166は同様の構成を有するため、先ず図8〜図10及び図12(a)〜図12(c)を用いて第3指掛け操作部166について説明し、後に他の指掛け操作部164,165の構成について簡単に説明する。図12(a)は図10のA−A線部分端面図、図12(b)は図1のB−B線部分断面図、図12(c)は図10のC−C線部分端面図である。
【0124】
第3指掛け操作部166は、外環部161の外面からその放射方向に向けて隆起している。第3指掛け操作部166の外周は閉じた曲面状をなしており、角部(例えば鋭利な角部や段差部)等を有さない構成となっている。より詳しくは、第3指掛け操作部166の外周は曲率の連続する連続面で構成されている。図8等に示すように、第3指掛け操作部166の前記増加方向における手前側には、回動操作時に指(例えば中指M)で引っ掛けて押し操作可能な第3操作面166aが設けられている。すなわち、第3指掛け操作部166における第2指掛け操作部165側に第3操作面166aは設けられている。第3操作面166aは、外環部161から起立し、中心軸線方向において所定の幅を有している(図12(a)参照)。また、図12(b)等に示すように、第3操作面166aは、幅方向視(すなわち前記中心軸線方向視)において、前記減少方向に緩やかに突出した曲面状をなしている。第3操作面166aの後部には回動操作部材160の回動に伴って指との当り位置が変化する第3ガイド面166bが設けられている。具体的には、第3ガイド面166bは、前方から後方に向けて増加方向へと徐々に湾曲している。
【0125】
また、第3指掛け操作部166には第3操作面166aから増加方向に向かって尾根状に延びる稜線部166cが形成されている。図12(c)等に示すように、稜線部166cの背側には第3ガイド面166bから滑らかに連続する第3接触面166dが設けられている。すなわち、稜線部166cと第3接触面166dとの境界部位において鋭利な角部等を有さない構成となっている。第3接触面166dは稜線部166cとの境界部位においても鋭利な角部等が無く、稜線部166cを介して第3指掛け操作部166の前面と滑らかに連続している。また、第3接触面166dは、稜線部166cからハンドルベース150との境界部位に向かって緩やかに湾曲している。すなわち、回動操作部材160の放射方向における稜線部166cの突出量は、回動操作部材160の増加方向に向かって徐々に減少している。
【0126】
ハンドル装置41の把持状態において、仮に指が第3指掛け操作部166の背側、すなわち第3接触面166dに触れたとしても、第3接触面166dは角張ってないので指に対して局所的な負荷が生じにくくなっている。例えば、図13に示すように、第3指掛け操作部166に薬指R及び小指Lを置いた場合であっても、指への局所的な負担が低減されている。また、薬指Rや小指Lを第3接触面166dに沿わせて握り込むことで、第3指掛け操作部166を薬指Rや小指Lによって挟持できる。これにより、回動操作部材160の保持が一層容易なものとなる。
【0127】
なお、第3指掛け操作部166における稜線部166cよりも前側も稜線部166cから前部カバー170との境界に向かって緩やかに湾曲する弧状をなしており、角部や凹み等が設けられていない。これにより、見栄えの向上が図られている。
【0128】
ここで、図9及び図12に基づいて回動操作部材160が回動操作される際の、指と第3指掛け操作部166との位置関係について詳細に説明する。回動操作部材160は指(例えば中指M)によって第3操作面166aが押されることで前記増加方向に回動する。回動操作部材160の中心軸線に沿ってハンドル装置41を把持した状態で、腕全体を回動させた場合、第3操作面166aと中指Mとの接触位置を同一に保たったまま回動操作を行うことができる。例えば、回動操作量に依らず、図12(b)に示す中指M1の状態が維持される。一方、腕全体を回動することで第3操作面166aを押し操作するのではなく、中指Mを屈曲させる等することで第3操作面166aを押し操作した場合、中指Mと第3操作面166aとの接触位置は回動操作量に応じて変位する。具体的には、増加方向への回動に伴って、第3ガイド面166bに沿ってその接触位置が後方に移動する。例えば、図12(b)に示す中指M1の状態から中指M2の状態に変位する。かかる場合であっても、第3ガイド面166bの湾曲にあわせて指の接触位置が円滑に移動する。すなわち、中指Mが第3操作面166a(詳しくは第3ガイド面166b)の角等に当って操作感覚が変わったり、押し込み量に対する回動量が変わったりすることなく、円滑な操作が可能となっている。
【0129】
第1指掛け操作部164及び第2指掛け操作部165についても同様に、操作面164a,165aとガイド面164b、65bと稜線部164c,165cと接触面164d,165dとを有しており、その外周は曲率の連続する連続面で構成されている。このため、各指掛け操作部164,165と指の局所当りが抑制されている。
【0130】
なお、回動操作部材160の放射方向視において、各指掛け操作部164〜166全体と外環部161とが重なっている。すなわち、指掛け操作部164〜166の前端部及び後端部が前部カバー170側及びハンドルベース150側に突出しない構成となっている。このため、図18に示すような指掛け操作部164〜166とハンドルベース150及び前部カバー170との間にコイン等の異物が挿入され回動操作部材160が固定されるといった不都合が抑制されている。
【0131】
次に前部カバー170について詳細に説明する。前部カバー170における把持部171の外周面には、当該外周面から隆起する複数の指掛け凸部190が形成されている。指掛け凸部190は、遊技者によって把持部171が握られた状態で指が接触すると想定される部位に配置されている。具体的には、それら指掛け凸部190は把持部171の後端部、すなわち把持部171の周縁部周辺に配置されている。遊技者が把持部を握った際に、手の平と指掛け凸部190との接触が抑制されており、把持部171の手の平に対する追従性の向上に貢献している。これにより、把持部171が指掛け凸部190を有する構成であっても、把持部171の握りやすさが担保されている。
【0132】
指掛け凸部190は、把持部171の後端縁に沿って、すなわち回動操作部材160との境界部位に沿って配置されている。図13等に示すように指掛け凸部190は円環状に配置されており、隣り合う指掛け凸部190は所定の間隔を隔てた状態となっている。具体的には、隣り合う指掛け凸部190の間隔寸法は指の幅寸法と同程度に設定されており、これら指掛け凸部190間に指を置くことが可能となっている。以下、これら各指掛け凸部190によって挟まれた領域を指載置領域200という。
【0133】
ここで、指掛け凸部190の構成について図8の部分拡大図や図12(c),(d)に基づいて説明する。図12(d)は図10のD−D線部分端面図である。
【0134】
指掛け凸部190は把持部171の外周面から放射方向に隆起しており、回動操作部材160の中心軸線方向において所定の幅を有している。指掛け凸部190には、指と当ることでその指の移動を制限する当接面190a,190bが形成されている。当接面190a,190bは、指掛け凸部190の頂部190cを境目として、指掛け凸部190における外環部161の周方向両側に配されている。より詳細には、隣接する指掛け凸部190のうち一方の指掛け凸部190の当接面190aと他方の指掛け凸部190の当接面190bとが相対向している。当接面190aは緩やかに湾曲する曲面状をなしており、前記増加方向に向けて把持部171の外周面からの高さ位置が徐々に高くなっている。一方、当接面190bも当接面190aと同様に緩やかに湾曲する曲面状をなし、前記減少方向に向けて把持部171の外周面からの高さ位置が徐々に高くなっている。そして、これら当接面190a,190bは頂部190cを介して滑らかに連続している(図12(d)参照)。
【0135】
また、図8の部分拡大図に示すように、隣接する指掛け凸部190の間隔寸法、すなわち相対向する当接面190a及び当接面190bの間隔寸法は、回動操作部材160に向かって徐々に大きくなっている。すなわち、当接面190a及び当接面190bは後方に開いた状態となっており、指載置領域200は回動操作部材160側で拡張されている。当接面190a及び当接面190bの前側の端部周辺、すなわち各当接面190a,190b間の間隔が小さくなっている部位には、指を支持する支持部210が設けられている。指載置領域200に置かれた指は、これら支持部210を基端として回動可能となっている。より具体的には、当接面190a,190bによって挟まれた範囲内で回動可能となっている。
【0136】
以下、指掛け操作部164〜166及び指掛け凸部190の位置関係について図13を用いて説明する。
【0137】
先ず、指掛け操作部164〜166の配置について詳細に説明する。指掛け操作部164〜166は、外環部161の全周のおよそ半分の範囲内に所定の間隔を隔てて配置されている。これら各指掛け操作部164〜166は、それぞれ異なる指に対応して設けられている。具体的には、図1や図13(a)に示すように、回動操作部材160の初期位置において、前扉枠14の回動基端側に第1指掛け操作部164が配置されている。回動操作部材160の中心軸線を挟んで反対側には第3指掛け部166が配置されており、これら各指掛け部164,166の間には第2指掛け操作部165が配置されている。第1指掛け操作部164は親指Tに対応しており、第1操作面164aは親指Tによって操作される構成となっている。第2指掛け操作部165は人差し指Iに対応しており、第2操作面165aが人指し指Iによって操作され、第3指掛け操作部166は中指Mに対応しており、第3操作面166aが中指Mによって操作される構成となっている。回動操作部材160の回動操作範囲はボス154及び回動規制部167によって規制されており(本実施の形態においては100°)、その回動範囲内では、各操作面164a〜166aと各指T,I,Mとの接触状態が維持される(図13の(b)参照)。
【0138】
上述の如く各指T,I,Mの位置は各操作面164a〜166aと接触することで決定されている。回動操作部材160の中心軸線を基端とした親指Tと人差し指Iとの角度A1、すなわち第1操作面164aと第2操作面165aとの配置角度A1は、指掛け凸部190の配置角度A2の非整数倍となるように設定されている。このため、遊技者が所望とする位置で回動操作部材160を固定した際に、各指T,Iが指掛け凸部190等の頂部190cに乗り上げ指の引っ掛かりが正常に行われないといった不都合を回避可能となっている。すなわち、各指T,Iのうちいずれか一方が頂部190c等に乗り上げることで指載置領域200等に位置しない場合であっても、他方は指載置領域200内に位置する構成となっている。故に、指掛け凸部190等における指引っ掛かり機能は担保される。
【0139】
更に、回動操作部材160の中心軸線を基端とした人指し指Iと中指Mとの角度A3、すなわち第2操作面165aと第3操作面166aとの配置角度A3は、指掛け凸部の配置角度A2の非整数倍となるように設定されている。このため、各指I,Mのうちいずれか一方が頂部190c等に乗り上げることで指載置領域200等に位置しない場合であっても、他方は指載置領域200内に位置する。また、角度A1とA3とを足した角度A4についても同様に、角度A2の非整数倍となるように設定されている。以上のことから、回動操作部材160がいずれの位置に回動した場合であっても各指T,I,Mのうち少なくとも2つの指は指載置領域200等内に位置され、指掛け凸部190等の指保持機能は一層好適に担保される。
【0140】
以下、回動操作部材160の所望とする位置への位置合わせ操作と、その位置の再現方法について詳細に説明する。
【0141】
図13(a)に示すように、回動操作部材160が初期位置にある状態で、各操作面164a〜166aに、親指T,人差し指I,中指Mを添える。かかる状態においては、各指T,I,Mは指載置領域200に嵌まっている。パチンコ機10の正面視において時計回り(増加方向)に回動操作部材160を回動操作することで、各指T,I,Mは指載置領域200間を転移する。遊技球の発射速度が所望とする速さに近づいた際には、回動操作による大まかな位置合わせが完了し、指載置領域200間での指T,I,Mの移動が終了される。次に、指が嵌まっている指載置領域200内にて、支持部210を基端として指を当接面に沿って回動させる。これに伴い操作面164a〜166aの位置が若干移動することで、遊技球の発射速度をより細やかに調整される(例えば図13(b)に示す状態)。ここで、かかる状態に至るまでに各指T,I,Mが通過した指載置領域200の数と、当接面190a,190bにおける各指T,I,Mが接触している部分とが遊技者によって記憶される。
【0142】
遊技を中断等した後に、所望とする位置への回動操作部材160の固定を行うには以下の手順で操作が行われる。すなわち、先ず、発射止めスイッチ177により遊技球の発射を止めた状態で、事前に記憶した指載置領域200へ各指T,I,Mが嵌まるように回動操作部材160を回動操作する。かかる場合、初期位置から通過した指載置領域200を数え、事前に記憶している数と一致した場合に回動操作を一時停止する。次に、当接面190a,190bと指T,I,Mとのそれぞれの接触状態を指の感覚に基づいて再現する。すなわち、当接面190a,190bに沿って指T,I,Mを回動することで事前に記憶した感触と近い位置にそれら指T,I,Mを運ぶ。これにより、回動操作部材160は所望とする位置に誘導され、以前遊技を行っていた状態と同じ状態が再現される。そして、発射止めスイッチ177による発射の制限を解除することで、遊技が再開される。
【0143】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0144】
図8等に示すように、固定体としての前部カバー170に指掛け凸部190を設けた。回動操作部材160を所望とする位置にて固定する際には、指掛け凸部190間に形成された指載置領域200に指を嵌めることで、指の位置ずれが抑えられる。これにより、所望とする位置における回動操作部材160の固定の容易化に貢献することができる。本実施の形態においては特に、コイン等の挟み込みによる回動操作部材160の固定を回避しているため、遊技者は自分の手で回動操作部材160を固定する必要がある。かかる場合、遊技者の指や手や腕等に生じる負担に起因して、遊技意欲の減退を招来する可能性がある。しかしながら、上述の如く回動操作部材160の固定の容易化に貢献することで、遊技によって発生する疲れ等を低減し、遊技意欲の減退を好適に抑えることが可能となっている。
【0145】
通常、ハンドル装置41の握り方や、手の大きさには個人差がある。このため、指掛け凸部の配置によっては効果に差異が生じる可能性がある。具体的には、指掛け凸部の配置に起因して、指の引っ掛かりが十分に期待できなくなる可能性がある。例えば、ハンドルベース150に指掛け凸部を設けた場合、手の小さな遊技者や、浅い握りを好む遊技者等は、指が指掛け凸部に到達せず指掛け凸部の恩恵を享受できない可能性がある。そこで、本実施の形態においては上述の如く、固定体としてのハンドルベース150及び前部カバー170のうち、前部カバー170に指掛け凸部190を設けた。すなわち、回動操作部材160の前方に指掛け凸部190を配置した。回動操作部材160へのアクセス時には、指が指掛け凸部190を跨ぐため、指と指掛け凸部190とが自然に接触した状態となる。すなわち、遊技を行っている状態であれば、必然的に指掛け凸部190への指の引っ掛かりが実現可能となっている。このため、ハンドル装置41の握り方や、手の大きさ等のばらつきを許容し、指掛け凸部190を利用しやすいパチンコ機10を提供することができる。
【0146】
指掛け凸部190の配置範囲が、全ての操作面164a〜166aの回動範囲よりも広く設定されている。このため、操作面164a〜166aの少なくとも1つに指が掛けられていれば、指掛け凸部190による手の位置ずれ抑制効を期待することができる。
【0147】
本実施の形態においては特に、各指掛け操作部164〜166(詳しくは操作面164a〜166a)間の配置角度A1,A3が指掛け凸部190の配置角度A2の非整数倍となるように設定した。このため、指掛け操作部164〜166にアクセスしている全ての指が、指掛け凸部190の頂部190c〜199cに乗り上げるといった不都合が抑制されている。すなわち、指掛け操作部164〜166のうち少なくとも2つに指がアクセスしている場合、指掛け凸部190による指の引っ掛かり機能が担保される。
【0148】
また、遊技者が所望とする位置にて回動操作部材160を固定した場合、指掛け操作部164〜166を操作している各指が指載置領域200のいずれの領域に置かれているかを把握することで、回動操作部材160の回動位置を記憶することが容易となる。すなわち、指掛け凸部190は、回動操作部材160の回動位置を記憶するための指標としての機能を併せ有している。より詳細に説明すれば、指載置領域200において、第1当接面190a〜199a及び第2当接面190bのいずれの部位に当っているか又はそれらいずれにも当っていないかを指の感触によって把握することで、回動操作部材160の回動位置の把握精度を一層向上することができる。これにより、遊技中断後の回動操作部材160の再位置合わせが容易なものとなっている。具体的には、遊技中断に伴いハンドル装置41から手が離れた場合、回動操作部材160は初期位置に復帰する。その後再び遊技を開始する際には、指掛け凸部190と指との当り具合を再現することで、回動操作部材160の位置合わせが容易に実現される。
【0149】
一般的に、回動操作部材160の位置合わせにおいては、打ち出された遊技球の軌道等を確認しながら回動操作部材160の回動操作量を調整するといった手法が用いられる。このように、打ち出された遊技球を目視にて確認しながら回動操作量を調整する場合には、その調整に無駄球を伴いやすいと考えられる。このような無駄球の発生は、遊技開始の際のみならず、再遊技の際にも同様に生じ得る。上述の如く指の感触等に基づいて所望とする回動操作位置への復帰が可能であれば、再び遊技を始める際の無駄球の発生を抑えることができる。例えば、発射止めスイッチ177によって遊技球の発射を規制した状態で、指の感触等に基づいて所望とする回動操作位置への位置合わせを行うとよい。その後、発射止めスイッチ177による発射規制を解除することで、無駄球の打ち出しを抑えつつ遊技を再開することができる。
【0150】
回動操作部材160が操作された際には、その回動操作量に応じて各指と操作面164a〜166aとの当り位置がガイド面164b〜166bに沿って円滑に変位する。このため、腕全体で回動操作を行うのでなく指等の屈曲により操作を行ったとしても、指が操作面164a〜166aの角部や端部等に触れにくくなっている。これにより、指に対して局所的な負担が発生しにくくなっている。このため、例えば長時間に亘ってハンドル装置41を握り続けた場合であっても、指等が痛くなるといった不都合を好適に抑制することができる。図1等に示すように、ハンドル装置41は、パチンコ機10の隅部、すなわち遊技者の正面から離れた位置に配置されている。このため、遊技者によっては、遊技機中央側からハンドル装置41に向かって斜めに腕を伸ばし、ハンドル装置41の回動中心軸線に対して傾いた方向から回動操作を行う可能性がある。このような場合であっても、指と操作面164a〜166aの角部等とが触れにくくなっていため、操作を快適に行うことができる。つまり、ガイド面164b〜166bを設けることで、回動中心軸線方向以外の方向からでも快適に操作を行うことができるハンドル装置41を実現している。
【0151】
また、指がガイド面164b〜166bを乗り越え、指掛け操作部164〜166の背側、すなわち接触面164d〜166dに回り込むことが想定される。操作面164a〜166aと接触面164d〜166dとの境界には鋭利な角部や段差等が無いため、仮に上述の如く指の当り位置が極端に後方に変位したとしても、指にエッジや角部等が当ることで局所的に負荷が増加することを抑制することができる。
【0152】
ハンドル装置41全体が球状をなす構成としたため、ハンドル装置41の把持方向に起因する操作性のばらつきを抑えることができる。詳しくは、把持部171の外面と外環部161の外面と半球状拡径部152の外面とが同一の曲率を有し、それらの境界部位での段差が抑えられている。このため、把持方向によって段差による引っ掛かりが変わったり、曲率が変わったりすることに起因する把持感覚の変化が生じにくくなっている。これにより例えばハンドル装置41の回動中心軸線方向と異なる方向から把持した場合であっても、把持感覚の変化を抑え操作性を担保しやすくなっている。
【0153】
また指載置領域200は回動操作部材160側で拡張されている。上述の如くハンドル装置41の把持方向のばらつきを許容する構成においても、指が指載置領域200内で支持部210〜219を基端として回転することで、引っ掛かりを担保しながら把持方向のずれに追従することができる。
【0154】
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、前部カバーに関する構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下にその前部カバーの構成について詳細に説明する。なお、以下の説明では、上記第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、同一の構成については基本的に説明を省略する。図15は本実施の形態におけるハンドル装置の側面図、図16は図15のE−E線部分断面図である。
【0155】
図15及び図16に示すように、本実施の形態では、上記第1の実施の形態と同様に、ハンドルベース150及び回動操作部材160が設けられている。それらハンドルベース150や回動操作部材160等に関する構成は、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0156】
図15に示すように、把持部241の外周面は半球状をなしており、その外面は、外環部161の外面及び半球状拡径部152の外面を含んだ仮想球面Gよりも外側に設定されている。前部カバー240の把持部241には、指掛け凸部190に代えて前部カバー240の内側へ凹む指掛け凹部242が複数設けられている。指掛け凹部242は把持部241の後端縁に沿って配置されており、その後部すなわち回動操作部材160側が開放されている。これら指掛け凹部242に指が嵌まることで、回動操作部材160を固定した状態からの指の位置ずれが抑制される。
【0157】
指掛け凹部242の底面243は仮想球面G上に配置されている。すなわち、底面243は外環部161の外面や半球状拡径部152の外面と同一の曲率を有している。また、底面243と外環部161の外面との境界部位においては、仮想球面Gの放射方向における段差がほぼゼロとなっている。
【0158】
指掛け凹部242の後端部、すなわち回動操作部材160側は、後方に向かって開放されている。このため、指が指掛け凹部242を跨ぐことで、指掛け凹部242に嵌まりにくくなるといった不都合の発生が抑えられている。また、指掛け凹部242に嵌まった指を底面243及び外環部161及び半球状拡径部152に沿って曲げることが可能となっており、指掛け凹部242に指が嵌まった状態においてもハンドル装置41(詳しくは回動操作部材160及び前部カバー240)の握りやすさは損なわれにくくなっている。
【0159】
底面243における回動方向両側には、相対向する当接面244が当該底面243を挟んだ状態で形成されている。指掛け凹部242に嵌まった指は両当接面244に当ることで、その移動が制限される。それら当接面244の間隔寸法は回動操作部材160側の開放部位に向けて大きくなっている。すなわち、両当接面244はパチンコ機10の後方に向けて開いた状態となっている。
【0160】
底面243の前側の端部には、底面243と把持部241の外面とを繋ぐとともに把持部241上の指を指掛け凹部242に誘導する誘導傾斜面245が形成されている。誘導傾斜面245は両当接面244と滑らかに連続しており、両当接面244の間隔寸法は誘導傾斜面245との境界部位にて最小となっている。
【0161】
指掛け凹部242に指が嵌まった状態においては、当接面244間の間隔寸法が小さく抑えられた手前側部分にて指の位置ずれが積極的に抑えられている。一方、当接面244間の間隔寸法が大きく設定された奥側部分では、指の位置調整が容易なものとなっている。これにより、第1の実施の形態と同様に、指の引っ掛かりを担保しつつ、回動操作量の細やかな調整を可能としている。
【0162】
指掛け凹部242の深さは回動操作方向に徐々に変位している。具体的には、底面243を挟んで形成されている両側面のうち遊技球発射速度の増加方向側の側面においては、その増加方向に向かって深さが徐々に浅くなっており、遊技球発射速度の減少方向側の側面においては、減少方向に向かって深さが徐々に浅くなっている。すなわち、当接面244は前部カバー240の放射方向に徐々に拡開した窄み状をなしている。これにより、指が指掛け凹部242に嵌まった状態において、指と当接面244とが当接した状態での指位置の調整が可能となっている。また、指掛け凹部242は指が接触する部分であるため、汚れ等の付着がおきやすいと考えられる。上述の如く指掛け凹部242が放射方向に向けて拡開されていることで、清掃等のメンテナンスが容易なものとなっている。
【0163】
以上詳述した、指掛け凹部242は、前部カバー240の後端縁に沿って等間隔で配置され、隣り合う指掛け凹部242同士が滑らかに連続する波形状をなしている。より詳細には、隣り合う指掛け部242の各当接面242は回動操作部材160と対向する側で滑らかに連続している。このため、指が指掛け凹部242内にて回動する際や指掛け凹部242間で移動する際に、指と前部カバー240(詳しくは指掛け凹部242)の角部や端部とが局所当りするといった不都合が好適に抑制されている。
【0164】
指掛け凹部242に嵌まった指は、両当接面244及び誘導傾斜面245に接触した状態となる。かかる場合、指は、当接面244の間隔寸法が最小となる部位を基端として当接面244によって制限された範囲内にて回動可能となっている。より具体的には、指は、底面243に沿って回転し、当接面244によって設定された広がり角度の範囲内で回動可能となっている。
【0165】
以上詳述した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様、回動操作部材160を所望とする位置にて固定する場合に、その位置ずれを好適に抑制することができる。また、指掛け凹部242内での指の回動を許容することで、指が支持された状態での回動操作部材160の位置の微調整が可能となっている。更に、第1の実施の形態と同様に、指掛け凹部242に回動操作部材160の操作位置を記憶するための指標としての機能を付与することも可能となっている。
【0166】
回動操作部材160が操作された際には、その回動操作量に応じて各指と操作面164a〜166aとの当り位置がガイド面164b〜166bに沿って円滑に変位する。このため、腕全体で回動操作を行うのでなく指等の屈曲により操作を行ったとしても、指が操作面164a〜166aの角部や端部等に触れにくくなっている。これにより、指に対して局所的な負担が発生しにくくなっている。このため、例えば長時間に亘ってハンドル装置41を握り続けた場合であっても、指等が痛くなるといった不都合を好適に抑制することができる。図1等に示すように、ハンドル装置41は、パチンコ機10の隅部、すなわち遊技者の正面から離れた位置に配置されている。このため、遊技者によっては、遊技機中央側からハンドル装置41に向かって斜めに腕を伸ばし、ハンドル装置41の回動中心軸線に対して傾いた方向から回動操作を行う可能性がある。このような場合であっても、指と操作面164a〜166aの角部等とが触れにくくなっていため、操作を快適に行うことができる。つまり、ガイド面164b〜166bを設けることで、回動中心軸線方向以外の方向からでも快適に操作を行うことができるハンドル装置41を実現している。
【0167】
また、指がガイド面164b〜166bを乗り越え、指掛け操作部164〜166の背側、すなわち接触面164d〜166dに回り込むことが想定される。操作面164a〜166aと接触面164d〜166dとの境界には鋭利な角部や段差等が無いため、仮に上述の如く指の当り位置が極端に後方に変位したとしても、指にエッジや角部等が当ることで局所的に負荷が増加することを抑制することができる。
【0168】
ハンドル装置41全体が球状をなす構成としたため、ハンドル装置41の把持方向に起因する操作性のばらつきを抑えることができる。詳しくは、把持部241の外面と外環部161の外面と半球状拡径部152の外面とが同一の曲率を有し、それらの境界部位での段差が抑えられている。このため、把持方向によって段差による引っ掛かりが変わったり、曲率が変わったりすることに起因する把持感覚の変化が生じにくくなっている。これにより例えばハンドル装置41の回動中心軸線方向と異なる方向から把持した場合であっても、把持感覚の変化を抑え操作性を担保しやすくなっている。
【0169】
また指掛け凹部242は回動操作部材160側で拡張されている。上述の如くハンドル装置41の把持方向のばらつきを許容する構成においても、指が指掛け凹部242内で誘導傾斜面245側を基端として回転することで、引っ掛かりを担保しながら把持方向のずれに追従することができる。
【0170】
(第3の実施の形態)
本実施の形態では、前部カバーに関する構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下にその前部カバーの構成について詳細に説明する。なお、以下の説明では、上記第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、同一の構成については基本的に説明を省略する。図17は本実施の形態におけるハンドル装置の正面図である。
【0171】
図17に示すように、本実施の形態では、上記第1の実施の形態と同様に、ハンドルベース150(図示略)及び回動操作部材160が設けられている。それらハンドルベース150や回動操作部材160等に関する構成は、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0172】
本実施の形態においては、前部カバー170に設けられた指掛け凸部190及び指載置領域200の配置のみが異なっている。第1の実施の形態においては指掛け凸部190及び指載置領域200を把持部171の後端縁全周に沿って配置した。すなわち、指掛け凸部190及び指載置領域200を円環状に配置した。一方、本実施の形態においては、円環状に配置された指掛け凸部190及び指載置領域200を一部の範囲で削除している。すなわち、指掛け凸部190及び指載置領域200の配置範囲に端部を設定し、それらが円弧状をなす配置としている。
【0173】
以下、指載置領域200の配置範囲について詳細に説明する。
【0174】
上述の如く回動操作部材160が前記増加方向に向けて回動操作された場合、遊技球がレール部53,54に向けて発射される。回動操作部材160が所定の量操作されると、
遊技球が遊技盤61の遊技領域に導かれ、遊技が有効となる。このように遊技球が遊技領域を流下可能になる回動操作位置に対応して指載置領域200が配置されている。すなわち、図17(a)に示すように、指載置領域200は、前記所定量の回動操作がされた状態において、第1操作面164aにアクセスしている親指Tとの重なりが想定される部位に配置されている。一方、図17(b)に示すように、回動操作部材160の最大回転状態において中指Mに対応する位置にも、指載置領域200が配置されている。すなわち、指載置領域200は、第3操作面166aにアクセスしている中指Mとの重なりが想定される部位に配置されている。他の指載置領域200は、これら2つの指載置領域200を両端として弧状をなすように等間隔で配置されている。そして、これら指載置領域200は、指掛け操作部164〜166が設けられている側に配置されている。
【0175】
なお、レール部53,54から飛び出した遊技球の右方への移動を抑えるストッパ部を遊技盤61の右上部に備える遊技機においては、回動操作が行われ遊技球がストッパ部に到達し得る回動位置に指載置領域200を配置し、遊技球が遊技領域に導かれストッパ部によってその移動が制限される範囲内で指載置領域200を配置してもよい。
【0176】
以上詳述した第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果に加え、以下の特別な効果を奏する。本実施の形態においては特に、指載置領域200の配置範囲を限定した。上述の如く、指載置領域200(詳しくは指掛け凸部190)は、回動操作部材160を回動操作した際の指位置を記憶するための指標としての機能を有している。指載置領域200の配置を第1操作面164aの初期位置と対応させることで、目視によって所望とする状態を記憶することが一層容易となる。例えば、回動操作部材160を所望とする位置で保持した状態において、第1操作面164aにアクセスしている親指Tが初期位置から数えて2つ目の位置に存在していることを記憶しておくことで、再遊技の際に親指Tを2つ目の指載置領域200に置くことにより、所望とする回動操作位置の再現を一層容易なものとすることができる。
【0177】
また、親指Tが指載置領域200に到達するまで回動操作することで、遊技球を遊技領域へ導くことができる。このため、遊技者は、遊技球の打ち出しを目視にて確認しながら、遊技球が遊技領域に到達する強さになるように回動量を調整する必要がない。これにより、回動操作時の調整に伴う煩雑さを抑えることができる。すなわち、遊技を開始する際の回動操作量の調整をしやすくすることができる。以上詳述した第3の実施の形態は、前記第2の実施の形態(指掛け凹部242を有する構成)と組み合わせることも可能である。
【0178】
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0179】
(a)上記各実施の形態では、「当接面」としてのガイド面164b〜166b及び接触面164d〜166dの両者を曲面状としたが、いずれか一方のみを曲面状とすることも可能である。例えば、他方を平面状とすることも可能である。但し、一般的には、ガイド面164b〜166bは、回動操作部材160の操作時に指が当りやすい部位である。このため、ガイド面164b〜166bは曲面状としておくことが望ましい。
【0180】
(b)上記各実施の形態では、指掛け操作部164〜166における前後方向の中間位置に稜線部164c〜166cを配置したが、これに限定されるものではない。例えば、指掛け操作部164〜166の前端部に稜線部164c〜166cを配置することも可能である。但し、このように、稜線部164c〜166cを前端部に配置すると、指掛け操作部164〜166の前側の曲面を維持することが困難となる。指掛け操作部164〜166に対してアクセスする指は指掛け操作部164〜166の前面に接触しやすいと想定される。故に、望ましくは、指掛け操作部164〜166の前方に緩やかな曲面を維持できる範囲で稜線部164c〜166cの配置を行うとよい。
【0181】
(c)指掛け操作部164〜166の外形を、外環部161の外面から放射方向に突出する半球状としてもよい。また、指掛け操作部164〜166の外形を、外環部161の外面から放射方向に突出する4半球状とすることも可能である。かかる場合、球状部分を後方、端面部分を前方に向けて配置することが望ましい。
【0182】
また、指掛け操作部164〜166を回動操作部材160の放射方向に延びる円柱状とすることも可能である。以上詳述したように、指掛け操作部を増加方向の手前側及び奥側で対称となるように構成した場合、手前側及び奥側の両側に当接面を設定するとよい。かかる場合、2つの指で1つの指掛け操作部を挟んだ状態で操作することで、指掛け操作部と指との引っ掛かりが安定しやすくなる。特に、指掛け操作部が半球状や円柱状をなす場合、すなわち、パチンコ機10の手前側及び奥側においても対称となる場合、指掛け操作部を指で挟んだまま回動させると、それぞれの指の接触部位は指掛け操作部の表面に沿って滑らかに変位する。すなわち、指が、指掛け操作部の端部等に接触することなく円滑に変位する。これにより、回動操作時における指掛け操作部と指との引っ掛かりの安定性を向上しつつ、指掛け操作部と指との局所当りを回避しやすくすることができる。
【0183】
(d)上記各実施の形態では、図12(b)等に示すように、パチンコ機10の正面視において、操作面164a〜166aが減少方向に最も突出する部分を前部カバー170及びハンドルベース150と回動操作部材160との各境界部位のほぼ中間となるように配置したが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、操作面の最も突出する部分を前部カバー170と回動操作部材160との境界部位に配置することも可能である。
【0184】
(e)上記各実施の形態では、指掛け操作部164〜166が、前部カバー170及びハンドルベース150と回動操作部材160との各境界部位の間に収まる構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、指掛け操作部164〜166が、少なくともいずれか一方の境界部位を越える構成としてもよい。例えば、指掛け操作部164〜166をハンドルベース150と回動操作部材160との境界部位よりも後方に延出する構成とすることも可能である。
【0185】
(f)上記各実施の形態では、図12(b)に示すように、ガイド面164b〜166bの曲率はハンドルベース150側で徐々に小さくなる構成としたが、これを変更し、ガイド面164b〜166bの曲率が一定となるように構成することも可能である。例えば、操作面164a〜166aと接触面164d〜166dを一定の半径を有するガイド面で繋ぐとよい。但し、上述の如く、ガイド面の曲率を一定にした場合、曲率を徐々に小さくする場合と比較して、ガイド面の前後方向の大きさ(すなわち「幅」)の確保が難しくなると考えられる。このため、ガイド面に沿った指の移動範囲も必然的に狭まるとともに、指に対する接触面積の確保も困難となりやすいと想定される。かかる場合、指に対する鋭利な角部等の接触を抑制できるものの、指とガイド面との接触面積が小さくなることで、局所負荷の低減機能が弱まる可能性がある。故に、ガイド面の曲率は後方で徐々に小さくなるように設定し、指との接触面積をできるだけ大きくすることが好ましい。
【0186】
(g)上記各実施の形態では、指掛け操作部164〜166を計3つ設けたが、その数は3つに限定されるものではない。例えば、指掛け操作部を1つだけ設けることも可能である。但し、かかる場合、指掛け操作部を操作する指への負担が、複数の指掛け操作部を複数の指で操作する場合よりも分散されにくくなると考えられる。このように、負担が分散されなくなることで、特定の指に負担が集中し、指の疲れや痛み等の不都合を招来しやすくなると想定される。故に、望ましくは指掛け操作部を複数設定するとよい。例えば、各指にそれぞれ対応する指掛け操作部を、計5つ設けるとよい。
【0187】
(h)上記各実施の形態では、指掛け操作部164〜166がそれぞれ同一の外形を有する構成としたが、これを変更し、それぞれが対応する指等に合わせて大きさや形を異にする構成としてもよい。図13等に示すように、指掛け操作部164は親指Tを、指掛け操作部165は人差し指Iを、指掛け操作部166は中指Mにそれぞれ対応している。例えば、指掛け操作部165,166を指掛け操作部164よりも小さくすることも可能である。より具体的には、操作面165a,166aやガイド面165d,166dを、操作面164aやガイド面164dより小さくすることも可能である。
【0188】
(i)上記各実施の形態では、回動操作部材160を1部材で構成したが、これを変更し、複数の部材を組み合わせることで構成してもよい。より具体的には、回動操作部材160を1部材によって環状をなす構成としたが、複数部材で環状をなす構成としてもよい。例えば、2つの半環状部材を相互に固定することで、全体として環状をなす回動操作部材を構成してもよい。
【0189】
(j)上記各実施の形態では、「ハンドル装置」としての遊技球発射ハンドル41を「遊技機本体」としての遊技機主部12の回動先端側に設けたが、これを変更し、遊技球発射ハンドル41を回動基端側に設けてもよい。
【0190】
(k)上記各実施の形態では、パチンコ機10の正面視において、回動操作部材160を時計回りに回動操作することで遊技球の発射速度が増加する構成としたが、これを変更し、回動操作部材160を反時計回りに回動操作することで遊技球の発射速度が増加する構成とすることも可能である。
【0191】
(l)上記各実施の形態では、前部カバー170を取付基部151に対して固定したが、これを変更し、回動操作部材160に固定することも可能である。かかる場合、回動操作部材160の回動に伴って、前部カバー170も回動することとなる。また、回動操作部材160と前部カバー170とは必ずしも別体である必要はなく、両者を一体成形することも可能である。
【0192】
(m)上記各実施の形態では、指掛け操作部164〜166を回動操作部材160(詳しくは外環部161)と一体成形したが、これを変更し、指掛け操作部164〜166を別体で形成した後、回動操作部材160(詳しくは外環部161)に取付けてもよい。
【0193】
(n)上記各実施の形態では、各当接面190a,190bが曲面状をなす構成としたが、これを変更し、各当接面190a,190bが平面状をなす構成とすることも可能である。
【0194】
(o)上記各実施の形態では、対向する両当接面190a,190bが回動操作部材160の回動方向と同一方向において高さ又は深さが変位する構成としたが、回動方向と同一の方向において高さ及び深さが変位しない構成とすることも可能である。すなわち、当接面190a,190bが回動方向と直交する平面状をなす構成とすることも可能である。なお、付勢部材によって付勢されている回動方向に対して反対側を向いた当接面は、指との接触位置を変位させることで回動操作量の微調整を行うことがあるため、高さ又は深さが変位する構成とすることが望ましい。
【0195】
(p)上記各実施の形態では、両当接面190a,190bの間隔寸法が遊技機後方で大きくなる構成としたが、これを変更し、間隔寸法が一定となる構成とすることも可能である。
【0196】
また、間隔寸法が遊技機前方で大きくなる構成とすることも可能である。但し、かかる変更によって、回動操作時の操作性に影響がおよぶと考えられる。上述の如く、間隔寸法を後方で大きくした場合には、指載置領域200内における指の回動基端部分が指載置領域200の奥側、すなわち指の先端側となりやすくなる。上述の如く両当接面190a,190bの間隔寸法が遊技機後方で大きくなる構成とした場合に、回動操作量を調整する際の指付け根側の変位量を変位量D1とすれば、両当接面190a,190bの間隔寸法が遊技機前方で大きくなる構成とした場合に、前記回動操作量と同様の微調整を行うために必要な指付け根側の変位量D2は変位量D1よりも大きくなると考えられる。すなわち、間隔寸法が遊技機前方で大きくなる構成とした場合には、回動操作量の微調整を行う際に手全体の位置を変更させる必要が生じやすくなると考えられる。以上のことから、当接面190a,190b間の隙間寸法が手前側から奥側に向けて大きくなる構成とする方が、回動操作量を微調整する際の手の位置への影響を抑えることができるため、操作性向上に対する貢献度が高いと考えられる。なお、相対向する当接面242の間隔寸法についても、同様の変更は可能である。
【0197】
(q)上記各実施の形態では、「指掛け部」として把持部171,241の外面から突出する指掛け凸部190及び内方に凹む指掛け凹部242のいずれか一方のみを設けたが、凸状及び凹状の指掛け部を混在して設けることも可能である。
【0198】
(r)上記各実施の形態では、前部カバー170に指掛け凸部190や指掛け凹部242を配置したが、これを変更し、ハンドルベース150に配置することも可能である。例えば、半球状拡径部152の前端縁に沿って配置するとよい。
【0199】
(s)上記各実施の形態では、「操作部」としての指掛け操作部164〜166を計3つ設けたが、その数はこれに限定されるものではない。操作部を1つ設けてもよいし、2つ設けてもよいし、4つ以上設けてもよい。例えば、各指に対応する操作部を1つづつ設けることも可能である。
【0200】
また、全ての指掛け操作部164〜166の移動範囲に対応して指掛け部を配置する必要は必ずしも無く、指掛け操作部164〜166のうち少なくとも1つの移動範囲に対応して指掛け部を配置することも可能である。
【0201】
(t)上記各実施の形態では、全ての指掛け操作部164〜166が同様の形状をなす構成としたが、これに限定されるものではなく、それぞれの形状を相異させることも可能である。例えば、それぞれの指掛け操作部164〜166が対応する指T,I,Mに応じて操作面164a〜166aの大きさを変更し、この変更に基づいて、指掛け操作部164〜166の全体の大きさを変えてもよい。
【0202】
(u)上記第1の実施の形態では、全ての指掛け凸部190を同一の形状によって構成したが、個々で異なる形状によって構成することも可能である。例えば、指掛け凸部の突出量を個々に変更してもよい。
【0203】
(v)上記第1の実施の形態では、指掛け凸部190の突出量が回動操作部材160側で減少する構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、指掛け凸部190の突出量が回動操作部材160側で増加する構成としてもよい。また、指掛け凸部190の突出量が一定となるように構成してもよい。
【0204】
(w)上記第1及び第3の実施の形態では、把持部171の外面と外環部161の外面と半球状拡径部152の外面とによって仮想球面Gを構成したが、これに限定されるものではない。例えば、それら各外面が異なる曲率を有する構成としてもよいし、各外面の境界部位に放射方向における段差が形成される構成としてもよい。
【0205】
(x)上記第2の実施の形態では、指掛け凹部242の底面243によって仮想球面Gの一部を構成したが、これに限定されるものではない。例えば、底面243をすり鉢状(具体的には内方に凸)となるように構成してもよいし、平面状をなす構成とすることも可能である。また、底面243を仮想球面Gよりも外側となるように配置することも可能である。
【0206】
(y)上記第2の実施の形態では、指掛け凹部242の後部に開放部分を設けたが、この開放部分を設けなくてもよい。但し、開放部分を設けない場合には、指が指掛け凹部242に十分に嵌まらず、引っ掛かりの機能が低下する可能性がある。このため、指掛け凹部242を拡大する等の対策を講じ、指が指掛け凹部を跨ぐといった不都合の発生を抑制する必要があると考えられる。
【0207】
(z)上記第2の実施の形態では、指掛け凹部242に誘導傾斜面245を設けたがこれを省略することも可能である。
【0208】
(aa)上記第1及び第3の実施の形態における各指掛け凸部190が異なる色を有する構成としてもよい。例えば、各指掛け凸部190に異なる色の塗装を施すとよい。これにより、各指掛け凸部190の識別を容易化し、指標としての機能を向上することができる。
【0209】
(ab)上記第3の実施の形態では、第1操作面164aの初期位置に合わせて指掛け凸部190の配置範囲の端部を配置したが、これを以下のように、変更することも可能である。例えば第1操作面164aの初期位置に合わせて配置された指掛け凸部190の大きさを他の指掛け凸部190に対してと異なるものとしてもよい。また、大きさを変更するのではなく、形や色を変更することも可能である。更に、大きさ,形,色の組み合わせにより特定の指掛け凸部190の差別化を図ってもよい。
【0210】
(ac)上記第1及び第3の実施の形態では、各指掛け凸部190の配置間隔を一定としたが、それら指掛け凸部190の間隔を個々に異なるものとしてもよい。例えば、遊技球の発射速度が増加する方向に向けて、指掛け凸部190の間隔を大きくしたり、小さくしたりしてもよい。
【0211】
また、使用頻度が高くなると想定される範囲において指掛け凸部190の配置間隔を小さくすること、すなわち指掛け凸部190を密にすることも可能である。例えば、遊技盤61におけるレール53,54側の上部に配置された釘68周辺に(いわゆるぶっこみ)遊技球が到達しやすいと想定される回動操作位置に対応して、指掛け凸部190の配置を密にするとよい。また、遊技状況に合わせて遊技球を遊技領域の右側及び左側で打ち分ける必要がある場合には、各回動操作位置に合わせて指掛け凸部190の配置を密にしてもよい。
【0212】
なお、上記第2の実施の形態における指掛け凹部242に上述した変更と同様の変更を適用することも可能である。
【0213】
(ad)上記第1及び第3の実施の形態では、隣接する一方の指掛け凸部190の当接面190aと、他方の指掛け凸部190の当接面190bとの両者が、回動操作部材160側でその間隔が広がるように湾曲する構成としたが、これを以下のように変更してもよい。例えば、当接面190bを回動中心軸線方向に延びる平面状とし、当接面190aを回動操作部材160側で当接面190bから広がるように湾曲させることも可能である。
【0214】
(ae)上記各実施の形態とは異なる他のタイプの弾球遊技機、例えば他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも適用できる。
【0215】
以上詳述した各実施の形態における構成及び(a)〜(ae)の各別例における構成のそれぞれを任意に組み合わせた構成とすることも可能である。例えば、第2の実施の形態にと第3の実施の形態を組み合わせてもよいし、各実施の形態の構成と複数の別例を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0216】
10…遊技機としてのパチンコ機、12…遊技機本体としての遊技機主部、41…ハンドル装置、150…基部としてのハンドルベース、151…取付基部、152…半球状拡径部、160…操作部材としての回動操作部材、161…外環部、164〜166…指掛け操作部、164a〜166a…操作面、164b〜166b…当接面としてのガイド面、164c〜166c…稜線部、164d〜166d…当接面としての接触面、170…前部カバー、171…把持部、190…指掛け凸部、190a,190b…当接面、200…指載置領域、210…支持部、240…前部カバー、241…把持部、242…指掛け凹部、243…底面、244…当接面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種であるパチンコ機は、遊技機本体の前面部にハンドル装置を備えており、当該ハンドル装置が操作されることで発射装置が動作し、遊技領域の上部に遊技球が発射される。
【0003】
従来のハンドル装置351は、図18に示すように、遊技機本体352に固定された基部353と、ハンドル装置351の前面部を構成する前部カバー354と、これら基部353及び前部カバー354の間において回動自在に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作される操作レバー355と、を備えている。遊技者は、操作レバー355の回動量を調節し、所望の飛距離となる回動位置に操作レバー355を保持した姿勢を維持して遊技を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−305079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記ハンドル装置351では、前部カバー354の基端側の周縁部を外側から覆うようにして操作レバー355が設けられており、両者の間には隙間356が生じている。当該構成においては、操作レバー355の回動位置の保持を手動によらずに行うようにすべく、前部カバー354と操作レバー355との間の隙間356にコイン357等を差し込んで操作レバー355を回動位置に固定する行為が行われていた。この場合、ハンドル装置351の損傷や故障の原因となるおそれがあった。
【0006】
一方で、このような挟み込みの防止を行った場合、ハンドル装置を好適に保護できる反面、遊技者はハンドル装置を常時握っておく必要がある。特に操作レバーを保持する指においては、操作レバーの姿勢の維持に常時貢献する必要があるため、常時局所的な負担が発生し得ると懸念される。
【0007】
本発明は、以上例示した事情等に鑑みてなされたものであり、ハンドル操作に伴って指に生じる局所的な負担を低減可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
遊技領域に向けて遊技球を発射すべく操作されるハンドル装置を遊技機本体の前面に備えており、
前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部と、
前記基部の前方に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な環状の操作部材と、
前記操作部材の外周部から当該操作部材の外方に突出して設けられ、前記回動操作がなされる場合に、指が引っ掛けられた状態にて前記回動方向へ操作される指掛け操作部と
を備え、
前記指掛け操作部の後部における少なくとも一部は、前記遊技機本体側に向けて凸となる成分を有する曲面状をなしていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ハンドル操作に伴って指に生じる局所的な負担を低減可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。
【図3】パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。
【図4】パチンコ機の構成を示す背面図である。
【図5】本体枠の構成を示す正面図である。
【図6】遊技盤の構成を示す正面図である。
【図7】遊技盤の背面構成を示す斜視図である。
【図8】ハンドル装置の構成を示す斜視図である。
【図9】ハンドル装置の構成を示す斜視図である。
【図10】ハンドル装置の構成を示す側面図である。
【図11】ハンドル装置の構成を示す分解斜視図である。
【図12】(a)は図10のA−A線部分端面図、(b)は図1のB−B線部分断面図、(c)は図10のC−C線部分端面図、(d)は図10のD−D線部分端面図である。
【図13】ハンドル装置を正面から見た模式図である。
【図14】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図15】別の前部カバーの構成を示す側面図である。
【図16】図15のE−E線部分端面図である。
【図17】別の前部カバーの構成を示す正面図である。
【図18】背景技術及び課題を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
【0012】
手段1.遊技領域に向けて遊技球を発射すべく操作されるハンドル装置(ハンドル装置41)を遊技機本体(遊技機主部12)の前面に備えており、
前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部(ハンドルベース150)と、
前記基部の前方に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な環状の操作部材(回動操作部材160)と、
前記操作部材の外周部から当該操作部材の外方に突出して設けられ、前記回動操作がなされる場合に、指が引っ掛けられた状態にて前記回動方向へ操作される指掛け操作部(指掛け操作部164〜166)と
を備え、
前記指掛け操作部の後部における少なくとも一部は、前記遊技機本体側に向けて凸となる成分を有する曲面状をなしていることを特徴とする遊技機。
【0013】
手段1の遊技機では、指掛け操作部に指を引っ掛けて回動操作方向に押す等することで、操作部材を容易に回動させることができる。操作部材の回動操作量に応じて遊技球の発射速度が調整される。所望とする発射速度が実現された後には、操作部材が手(詳しくは指等)によって固定され、当該操作部材の位置ずれが抑制される。これにより、所望とする発射速度を維持したまま遊技を行うことが可能となる。
【0014】
指掛け操作部の後部の少なくとも一部は奥側に向けて凸となる曲面状をなしており、その周囲と滑らかに連続している。この曲面状をなす部位に指が接触している場合、指に対して鋭利な角部や端部等が当たることが抑制され、指に対する局所的な負荷の増加を抑制可能となっている。故に、指掛け操作部を利用して操作部材の回動操作が行われる場合の指の保護に貢献することができる。
【0015】
例えば、指掛け操作部が遊技機本体に対向する対向面(接触面164d〜166d)を有する場合、その対向面とその周囲の面とを滑らかに連続させる連続曲面(ガイド面164b〜166b)を設けるとよい。
【0016】
なお、「遊技機本体側に向けて凸となる成分を有する曲面状」とは、曲面部分が複数の方向に凸となる成分が合成されて形成されている場合であっても、その成分の少なくとも1つが遊技機本体側に凸となる成分であることを示している。具体的には、回動部材の中心軸線方向における放射方向に凸となる成分を有する曲面であっても、遊技機本体側に凸となる成分を有していればよいし、遊技機本体側に凸となる曲面の一部であってもよい。
【0017】
手段2.遊技領域に向けて遊技球を発射すべく操作されるハンドル装置(ハンドル装置41)を遊技機本体(遊技機主部12)の前面に備えており、
前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部(ハンドルベース150)と、
前記基部の前方に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な環状の操作部材(回動操作部材160)と、
前記操作部材の外周部から当該操作部材の外方に突出して設けられ、前記回動操作がなされる場合に、指が引っ掛けられた状態にて前記回動方向へ操作される指掛け操作部(指掛け操作部164〜166)と
を備え、
前記指掛け操作部の頂部及び側部のうち少なくとも一方の後部(ガイド面164b〜166bや接触面164d〜166d)は、手前側から前記遊技機本体側に向けて前記指掛け操作部の内方に徐々に湾曲する曲面状をなすことを特徴とする遊技機。
【0018】
手段2によれば、上述した手段1と同様の効果を奏する。具体的には、指掛け操作部の頂部及び側部の少なくとも一方の後部が指掛け操作部の内方に湾曲する曲面状をなしているため、この曲面状をなす部位に指が接触している場合、指に対して鋭利な角部や端部等が当ることが抑制される。これにより、指掛け操作部を操作する際に、指に対して局所的な負荷が生じることを抑制可能となっている。故に、指掛け操作部を利用して操作部材の回動操作が行われる場合の指の保護に貢献することができる。
【0019】
手段3.遊技領域に向けて遊技球を発射すべく操作されるハンドル装置(ハンドル装置41)を遊技機本体(遊技機主部12)の前面に備えており、
前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部(ハンドルベース150)と、
前記基部の前方に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な環状の操作部材(回動操作部材160)と、
前記操作部材の外周部から当該操作部材の外方に突出して設けられ、前記回動操作がなされる場合に、指が引っ掛けられた状態にて前記回動方向へ操作される指掛け操作部(指掛け操作部164〜166)と
を備え、
前記指掛け操作部は前記回動方向に所定の幅を有するとともに、当該指掛け操作部における最大幅位置よりも前記遊技機本体側は、後方へ向けて凸となる曲面状をなすことを特徴とする遊技機。
【0020】
手段3によれば、上述した手段1や手段2と同様の効果を奏する。具体的には、指掛け操作部の最大幅位置より後側は、後方に凸となる曲面状をなしているため、この曲面状をなす部位に指が接触している場合、指に対して鋭利な角部や端部等が当ることが抑制される。これにより、指掛け操作部を操作する際に、指に対して局所的な負荷が生じることを抑制可能となっている。故に、指掛け操作部を利用して操作部材の回動操作が行われる場合の指の保護に貢献することができる。
【0021】
手段4.遊技領域に向けて遊技球を発射すべく操作されるハンドル装置(ハンドル装置41)を遊技機本体(遊技機主部12)の前面に備えており、
前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部(ハンドルベース150)と、
前記基部の前方に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な環状の操作部材(回動操作部材160)と、
前記操作部材の外周部から当該操作部材の外方に突出して設けられ、前記回動操作がなされる場合に、指が引っ掛けられた状態で前記回動方向へ操作される指掛け操作部(指掛け操作部164〜166)と
を備え、
前記指掛け操作部における回動操作方向の手前側には、前記操作部材の外周部から起立するとともに指と当接される当接面(ガイド面164b〜166b)が形成され、
前記当接面は、前記操作部の回動軸線方向に所定の幅を有するとともに、前記遊技機本体に向けて凸となる成分を有し、その幅方向全域にて滑らかに連続する曲面状をなすことを特徴とする遊技機。
【0022】
手段4の遊技機では、指で当接面を押すことによって、操作部材を回動させることができる。これにより、操作部材の回動操作の容易化が図られている。
【0023】
一般的に、このような操作は以下のようにして行われる。すなわち、先ず操作部材の回動中心軸線上に腕を配置し、ハンドル装置に指を添える。次に、指を操作部材(詳しくは当接面)に当てた状態とし、その状態のまま肘から先を回動させる。これにより、指によって当接面が押され、操作部材全体が回動する。そして、回動操作量の調整が行われた後、ハンドル装置を握ることで手の位置が固定される。これにより、操作部材の位置ずれが抑えられる。このように操作を行った場合、回動操作量の変化によらず当接面とそれに当っている指との位置関係は同一のまま維持される。すなわち、当接面と指との接触部位は変化しにくくなっている。このため、回動操作量が変化することに起因して指と指掛け操作部の端部や角部等とが局所的な当り方をするといった不都合は生じにくくなっている。一方、ハンドル装置が回動中心軸線から外れた位置から斜め掴みされた状態にて回動操作がなされる場合、指と当接部との接触部位はばらつきやすいと考えられる。より詳しくは、ハンドル装置(詳しくは操作部材)は自身の前側からアクセスされるため、操作部材の回動中心軸線方向と把持方向とがばらつくことで、指は当接面の後部等に当りやすくなる。更には、回動中心軸線上からずれた位置から回動操作がなされる場合、回動操作量の増加、具体的には当接面の押し込み操作量の増加に伴って、指と当接面との接触部位が後方に移りやすくなると考えられる。
【0024】
本手段においては特に、当接面は、遊技機本体に向けて凸となる成分を有し、幅方向全域にて滑らかに連続する曲面状をなしている。ハンドル装置の把持方向がばらついた場合、当接面の押し込み操作量の増加に伴って、指と当接面との接触位置が後方へ徐々に移動する。換言すれば、指が当接面上を滑り移動する。当接面は上述の如く曲面状をなしているため、接触位置の変位に起因して、指に鋭利な角部や端部が接触するといった不都合が生じにくくなっている。このように指に対する角部等の局所当りを抑え、指の保護を図ることで、ハンドル装置の把持方向のばらつき、詳しくは当接面と指との接触位置のばらつきが指に及ぼす局所負荷の増大等の影響を抑えている。すなわち、様々な方向からハンドル装置を操作したとしても、指に対する局所的な負荷が増加しにくくなっている。
【0025】
また、指は、自身と当接面との接触状態が維持された状態のまま、当接面に沿って移動する。これにより、回動操作中の当接面と指との接触感覚、すなわち指掛け操作部の操作感覚が変わりにくくなっている。換言すれば、回動操作に伴って、当接面に接触している指の接触感覚が急に変化することが抑制されている。これにより、ハンドル装置の操作性の向上(具体的には操作の円滑化)が図られている。
【0026】
手段5.遊技領域に向けて遊技球を発射すべく操作されるハンドル装置(ハンドル装置41)を遊技機本体(遊技機主部12)の前面に備えており、
前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部(ハンドルベース150)と、
前記基部の前方に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な環状の操作部材(回動操作部材160)と、
前記操作部材の外周部から当該操作部材の外方に突出して設けられ、前記回動操作がなされる場合に、指が引っ掛けられた状態で前記回動方向へ操作される指掛け操作部(指掛け操作部164〜166)と
を備え、
前記操作部材が所定の方向に回動操作されることで、前記遊技球の発射速度が増加する設定とされており、
前記指掛け操作部における前記所定の回動操作方向の手前側に形成され、前記操作部材の外周部から起立するとともに指と当接される当接面(ガイド面164b〜166b)を有し、
前記当接面は、前記遊技機本体側ほど前記所定の操作方向に向かって湾曲していることを特徴とする遊技機。
【0027】
手段5によれば、上記手段4と同様の効果を奏する。具体的には、指で当接面を押すことによって、操作部材を容易に回動されることができる。手段4に示したようにハンドル装置の把持方向がばらついた場合であっても、操作部材の所定方向への回動操作量の増加に伴って、指と当接面との接触位置が当接面に沿って遊技機本体側(すなわち後方)へ移動する。当接面は湾曲状をなしており鋭利な角部や端部を有していないため、接触位置の変位に起因して、指に角部等が当たるといった不都合を生じにくくなっている。
【0028】
また、指は、自身と当接面との接触状態が維持されたまま当接面に沿って移動するため、回動操作中の当接面と指との接触感覚が変わりにくくなっている。これにより、ハンドル装置の操作性の向上(具体的には操作の円滑化)が図られている。
【0029】
手段6.前記指掛け操作部は自身の後部にて前記遊技機本体と対向する対向面を有し、
記対向面と前記当接面とは連続する曲面として滑らかに繋がっていることを特徴とする手段4又は手段5に記載の遊技機。
【0030】
手段6によれば、対向面と当接面とが滑らかに連続しているため、当接面の奥側に指が当る場合であっても、当接面の縁部が指に対して局所当りするといった不都合が抑制されている。これにより、指の保護を一層好適なものとすることができる。
【0031】
手段7.前記当接面が、前記操作部材と前記基部との境界部位よりも前方に配置されていることを特徴とする手段4乃至手段6のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
【0032】
手段7によれば、当接面が境界部位よりも前方に配置されている。仮に当接面が境界部位よりも後方に延びている場合、回動操作に伴って指との接触部位も境界部位よりも後方に変位し得る。かかる場合、指における当接面との接触部位も指先側に移りやすくなる。接触部位が指の付け根から遠ざかることに起因して、指の付け根に生じる負担が大きくなると考えられる。より詳しくは、指で当接面を押し操作する際に、指の付け根に発生する応力が大きくなると想定される。
【0033】
しかしながら、境界部位よりも前方に湾曲面を配置すれば、湾曲面との接触部位をより指の付け根に近い位置にまとめやすくなる。これにより、湾曲面を操作することで、指の付け根に発生する局所負荷を抑えることができる。
【0034】
特に手段6との組み合わせ(対向面と当接面とが滑らかに連続している構成)においては、当接面の前後方向の幅を積極的に小さくすることに起因して対向面との境界部位付近に指が当りやすくなると想定される。しかしながら、両者の境界部位は滑らか連続しており、鋭利な角部等が排除されている。このため、指における指掛け操作部との接触部位に局所的な負荷が生じるといった不都合を好適に抑制できる。
【0035】
また、操作部材の前方に設けられているとともに、基部との間に操作部材を挟んだ状態で固定する前部カバーを更に備える構成とするとよい。かかる場合、指の付け根側を前部カバーに接触させるとともに、先端側とを基部に接触させることで、指の位置ずれを好適に抑えることが可能である。この状態で両接触部分の間にて指掛け操作部(詳しくは当接面)を押し操作することで、指の先端及び付け根にて負荷を分担して受け止めることができる。故に、指に生じる局所的な負荷を一層好適に抑えることができる。
【0036】
以上詳述した手段1乃至手段7に記載の遊技機においては、ハンドル装置の外周面を略球状となるように構成するとよい。より具体的には、基部と回動操作部材と前部カバーとを備えるハンドル装置にあっては、それらの外周面によって1つの球面が形成される構成とすればよい。本発明においては、ハンドル装置の把持方向のばらつきによる操作部材の操作感覚の変化や局所当りによる指等に対する負担の増加が生じにくくなっている。かかる場合、上述の如くハンドル装置が球状をなす構成とすれば、把持方向のばらつきを一層好適に許容することができ、操作性の向上に貢献することができる。
【0037】
なお、当接面のみならず指掛け操作部全体が前記境界部位よりも前方に位置する構成とするとよい。すなわち、指掛け操作部全体が前記境界部位からの出っ張りを抑えるとよい。これにより、基部と指掛け操作部の間にコイン等を挿入可能な空間が形成されることを回避でき、操作部材が固定されるといった不都合の発生を抑えることができる。
【0038】
手段8.前記操作部材が所定の方向に回動操作されることで、前記遊技球の発射速度が大きくなるように設定され、
前記所定の方向と反対の方向に向かって前記操作部材を付勢する付勢部材を備え、
前記当接面が、前記指掛け操作部における前記付勢方向を向いた側面の少なくとも後部に形成されていることを特徴とする手段4乃至手段7のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
【0039】
遊技機のハンドル装置の多くは、操作部材を回動操作方向と反対の方向に付勢する付勢部材を備えている。この付勢部材の付勢力に抗して操作部材を回動させることで、遊技球の発射が実施される。かかる構成においては、操作部材を回動操作する際に、付勢力に抗して指掛け操作部(詳しくは当接面)が押し操作される。このため、指掛け操作部に引っ掛かっている指に付勢力に基づく負荷が集中しやすいと考えられる。また、所望とする回動位置にて操作部材を固定する場合には、操作部材は付勢力によって元の位置に戻ろうとする。この戻ろうとする力に対向する力を指で発生することで、操作部材が所望とする位置にて保持される。かかる場合、指掛け操作部と接触している指に対して負担が生じやすくなると考えられる。
【0040】
仮に指掛け操作部の鋭利な角部や端部と指とが局所当りしている場合には、前記付勢力によって指の局所に負荷が集中し、遊技者に対して指が痛くなるといった不快感を与えるおそれがある。しかしながら、本手段においては、指と指掛け操作部との局所当りを回避可能な構成としていることで、指が痛くなる等の不都合を好適に回避することができる。具体的には、各手段に示したように、指掛け操作部には指が当接される当接面が設けられており、回動操作の際には指が当接面に沿って移動可能となっている。この当接面は鋭利な角部や端部等を有さないため、指が角部等に局所当りすることを回避可能となっている。特に回動操作に伴って指との接触部位が後方に移っても、指が角部等に局所当りしにくくなっている。故に、付勢力が加わることに起因して、指の局所に負荷が集中するといった不都合を抑制することができる。
【0041】
手段9.遊技領域に向けて遊技球を発射すべく操作されるハンドル装置(ハンドル装置41)を遊技機本体(遊技機主部12)の前面に備えており、
前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部(ハンドルベース150)と、
前記基部の前方に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な環状の操作部材(回動操作部材160)と、
前記操作部材の外周部から当該操作部材の外方に突出して設けられ、前記回動操作がなされる場合に、指が引っ掛けられた状態にて前記回動方向へ操作される指掛け操作部(指掛け操作部164〜166)と
を備え、
前記指掛け操作部の表面全域が段差部及び角部のない滑らかな曲面状をなすことを特徴とする遊技機。
【0042】
手段9によれば、上記手段1と同様の効果を奏し、更に以下の特別な効果を奏する。指掛け操作部に指を引っ掛けた状態で回動方向へ押したり引いたりすることで、操作部材を容易に回動させることができる。かかる場合、ハンドル装置の握り方がばらつく等することで、指と指掛け操作部との接触位置がばらつく可能性がある。仮にこのように、接触位置がばらついたとしても、指掛け操作部の表面全域が段差部及び角部のない滑らかな曲面状をなすため、指と指掛け操作部が局所当りするといった不都合が生じにくくなっている。これにより、指掛け操作部の操作の仕方に依存することなく、指を好適に保護することができる。
【0043】
手段10.前記基部に固定されているとともに、前記操作部材の前方に配置され、前記ハンドル装置の前部を構成する前部カバー(前部カバー170)を備えたことを特徴とする手段1乃至手段9のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
【0044】
ハンドル装置を構築するには、本手段に示すように、操作部材の前方に、前部カバーを設けるとよい。これにより、実用上好ましい構成が実現できる。具体的には、回動操作を行う場合に、手を前部カバーに乗せた状態とすることで、腕や手の重量の一部をハンドル装置に預けることができる。これにより、操作部材を操作している指に腕等の重量が集中することを抑制できる。故に、操作に伴って指生じる負担を好適に低減することが可能となる。
【0045】
手段11.前記ハンドル装置の回動操作に基づいて遊技球を弾いて発射する球発射手段(遊技球発射機構110)と、
その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く誘導部(内レール部101や外レール部102)と、
前記遊技領域内に配置された各遊技部品(一般入賞口82等)と
を備えていることを特徴とする手段1乃至手段10のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
【0046】
手段11によれば、一般に弾球遊技機(いわゆるパチンコ機)と称される遊技機を好適に具体化できる。この遊技機においては、操作部材の回動操作によって発射された遊技球が誘導部を解して遊技領域に導かれることで、遊技が行われる。上述の如く、操作部材を回動操作する際に、指に対して生じる局所的な負担の低減に貢献することができれば、遊技機に対する技術的貢献度は大きいものとなる。
【0047】
以下に、本明細書の開示範囲において抽出可能な技術的思想を記載する。
【0048】
(1).遊技領域に向けて遊技球を発射すべく操作されるハンドル装置(ハンドル装置41)を遊技機本体(遊技機主部12)の前面に備えており、
前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部(ハンドルベース150)と、
前記基部に固定され、前記ハンドル装置の前部を構成する前部カバー(前部カバー170)と、
前記基部と前記前部カバーとの間に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な操作部材(回動操作部材160)と、
前記基部及び前記前部カバーの少なくともいずれかに設けられているとともに、前記操作部材の回動方向と同一の方向に所定の間隔をおいて複数配置され、指が入る凹状の指掛け部(指掛け凸部190)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0049】
(1)の遊技機では、操作部材を回動操作することで遊技球が発射される。より詳細には、遊技者は、手や指で操作部材を所望とする位置まで回動操作した後、操作部材を固定した状態とすることで所望とする遊技球の発射速度を維持したまま遊技を行うことができる。かかる場合、操作部材の前後に設けられた固定物である前部カバー及び基部の少なくともいずれかに手や指等を接触させた状態とすることで、固定物との摩擦によって手や指の移動(例えば滑り)が抑制される。より具体的には操作ハンドルを握り込む等することで、固定物との摩擦が増大し、指や手の位置ずれが抑えられる。位置ずれが抑制された指や手によって操作部材が保持されることで、所望とする回動操作位置からの操作部材の位置ずれを抑制できる。これにより、上述の如く操作部材の固定がなされる。
【0050】
操作部材を所望とする位置にて固定する場合、固定物(基部や前部カバー)に設けられた指掛け部に指が嵌まった状態(より詳しくは引っ掛かった状態)とすることで、指や手の位置ずれを好適に抑えることができる。具体的には、前部カバーの外面等を指や手が滑ること等に伴って操作部材が回動するといった不都合を抑制することができる。このように指掛け部に指を嵌めることができることで、固定部と指等との摩擦力のみに依存して位置ずれの抑制を図る必要がなくなる。つまり、ハンドル装置を握る力に依存して摩擦力の増大を図ることなく、位置ずれを抑制することができる。故に、ハンドル装置を握る力を低減しつつ操作部材の固定が可能となることで、ハンドル装置の操作に起因して遊技者に生じる負担を低減することができる。すなわち、遊技に伴う疲労の低減に貢献することができる。
【0051】
また、(1)に示すように、指掛け部を操作部材の回動方向と同一方向に複数配置することは、操作状態や握り方の差異を許容しやすくすることにつながり、指掛け部による上述したような効果を発揮しやすくすることができる。故に、指掛け部の利用促進に貢献することができる。また、所望とする遊技球の動きを実現するための操作部材の回動操作量は、遊技機の機種の違いによって異なる可能性がある。上述の如く指掛け部を複数設ける構成であれば、各機種間での回動操作量の違いを許容することができ、それら機種間におけるハンドル装置の汎用性の向上に貢献することができる。
【0052】
(2).前記指掛け部は、少なくとも前記前部カバーに設けられていることを特徴とする(1)に記載の遊技機。
【0053】
(2)によれば、少なくとも操作部材よりも手前側に位置する前部カバーに指掛け部が設けられている。前部カバーはハンドル装置における前部を構成するものであり、遊技者が遊技機前方から操作部材にアクセスする際には、前部カバー周辺に指や手が位置すると想定される。より具体的には、遊技機前方から操作部材にアクセスする(握ろうとする)と、遊技者の手が前部カバーに対して自然に接触することとなる。例えばハンドル装置の握り方が浅い場合であっても、操作部材を指操作可能であるならば、指と前部カバーとは接触した状態になりやすいと想定される。このように、操作部材が回動操作される際に、指が位置しやすい範囲に指掛け部を設けることで、指掛け部の利用の促進を図ることができる。
【0054】
一方、操作部材よりも奥側に位置する基部に指掛け部を設けた場合、指掛け部を利用するためには操作部材を越えて指掛け部にアクセスする必要が生じる。例えば手の小さな遊技者等にあっては、指掛け部の利用が困難となり得る。すなわち、基部に指掛け部を設けた場合、指掛け部を有益に利用できる遊技者が限定される可能性がある。
【0055】
以上例示した事情からも、指掛け部が基部及び前部カバーのいずれに設けられているかによって、指掛け部の利用条件に差が生じることは明確であり、指掛け部は少なくとも前部カバーに設けることが望ましいと考えられる。
【0056】
(3).前記指掛け部は、前記操作部材と前記前部カバーとの境界部位に沿って配置されていることを特徴とする(2)に記載の遊技機。
【0057】
指掛け部を設ける場合、(2)に示すように、前部カバーと操作部材との境界部位に沿って配置するとよい。これにより、指掛け部と操作部材との両者を近づけて配置することが可能となる。指掛け部及び操作部材の間隔が離れると、操作部材にアクセスしている指が指掛け部に届かず、すなわち指掛け部に手の平等が接触し、上述したような指の引っ掛かり状態を実現することが困難となる可能性がある。かかる場合、ハンドル操作に起因する疲労の低減効果を享受しにくくなると想定される。このような不都合は、特に指の短い遊技者にとって顕著となり得る。しかしながら、指掛け部と操作部材との両者を近づけて配置すれば、指の長さの違い等により指が指掛け部に届かないといった不都合を抑制し、指掛け部の利用促進を図ることが可能となる。これにより、ハンドル操作時の疲労低減機能を担保しやすくすることができる。
【0058】
なお、一般的に前部カバーの外形は境界部位周辺にて最も大きくなりやすい。この境界部位に沿って指掛け部を配置する構成とすれば、配置される指掛け部の数を多く設定することが可能となる。
【0059】
(4).前記操作部材は、環状をなすとともに、所定の範囲内で回動可能に設定され、当該操作部材の外周部から同操作部材の外方に突出する指掛け操作部(操作面164a〜166a)を有し、
前記指掛け部の少なくとも1つは、前記操作部材の回動中心軸線方向視において当該操作部材が回動する角度範囲に含まれていることを特徴とする(2)又は(3)に記載の遊技機。
【0060】
(4)においては、指掛け操作部に指を当てた状態で操作部材の周方向に押し操作することで、前記回動操作を容易に行うことができる。また、このように指掛け操作部を設けることで、回動操作部材に対するアクセス位置が特定しやすくなっている。指掛け部を配置する場合には、(4)に示すように、操作部材の回動中心軸線方向視において操作部材の回動角度範囲内に指掛け部を配置するとよい。操作部材の回動操作に直接寄与する指が、すなわち指掛け操作部に当る指が、指掛け部に嵌まる(引っ掛かる)ことで、操作部材のずれをより積極的に抑制することができる。具体的には、指掛け操作部の操作に関与しない他の指の位置がずれたとしても、操作部材を操作している指が指掛け部に嵌まっていることで、操作部材の位置ずれは好適に抑制される。換言すれば、操作部材を固定している状態であっても、他の指や手の配置を変えやすくなっている。このように操作部材を固定したまま手や指の位置を適宜変更可能であるため、手や指の一部に局所的な負担が生じることを抑制することができる。
【0061】
(5).前記前部カバーの表面は遊技機の前方に凸となる曲面状をなし、
前記指掛け部は、前記前部カバーの表面から当該前部カバーの内方に凹む指掛け凹部(指掛け凹部242)であり、その指掛け凹部の深さが前記回動操作方向にて断続的に又は連続的に変化していることを特徴とする(2)乃至(4)のいずれか1つに記載の遊技機。
【0062】
(5)によれば、指掛け凹部(具体的には指掛け凹部の内周面)に指を嵌める(詳しくは引っ掛ける)ことで、指を所望の位置に保持することが容易となっている。かかる場合、指掛け凹部の深さは回動操作方向にて断続的に又は連続的に変化しているため、指掛け凹部の内周面に沿って指を移動させることが可能である。このため、指掛け凹部と指との引っ掛かり状態を維持しつつ、指位置の微調整、回動操作量の微調整が可能となっている。なお、指掛け凹部の深さを断続的に変化させた場合、指位置の調整が段階的になりやすい。一方、指掛け凹部の深さを連続的に変化させた場合、指位置を無段階的に調整することができる。故に、深さを連続的に変化させることで、断続的に変化させた場合よりも細やかな指位置の調整を実現することができる。すなわち、より繊細な回動操作量の調整に対応する指掛け部の構築に貢献することができる。
【0063】
特に(4)との組み合せ(操作部材が指掛け操作部を有し、指掛け操作部の回動範囲に指掛け部が含まれている構成)においては、指掛け部に回動操作位置を示すための指標としての機能を付与することができる。具体的には、遊技者が所望とする位置にて操作部材を保持した際に、指掛け操作部を操作している指がいずれかの指掛け凹部に嵌まった状態となる。遊技者がその引っ掛かりの対象となった指掛け凹部を記憶しておくことで、再度位置合わせを行う際に、所望とする回動操作位置への大よその復帰が可能となる。詳しくは、記憶した指掛け凹部に指が嵌まるように回動操作することで、以前の遊技状態を大よそ再現することができる。更に、指が指掛け凹部のいずれの位置(詳しくは深さ位置)に当っているかを感触として記憶しておくことで、所望とする回動操作位置への復帰精度を向上することができる。
【0064】
一般的に、操作部材の位置合わせにおいては、打ち出された遊技球の軌道等を確認しながら操作部材の回動操作量を調整するといった手法が用いられる。このように、打ち出された遊技球を目視にて確認しながら回動操作量を調整する場合には、その調整に無駄球を伴いやすいと考えられる。このような無駄球の発生は、遊技開始の際のみならず、再遊技の際にも同様に生じ得る。上述の如く指の感触等に基づいて所望とする回動操作位置への復帰が可能であれば、再遊技の際の無駄球の発生を抑えることができる。例えば、回動操作中に遊技球の発射を規制する発射止めスイッチ(発射止めスイッチ177)を備える遊技機においては、発射止めスイッチによって遊技球の発射を規制した状態で、指の感触等に基づいて所望とする回動操作位置への位置合わせを行うとよい。その後、発射止めスイッチによる発射規制を解除することで、無駄球の打ち出しを抑えつつ遊技を再開することができる。
【0065】
(6).前記指掛け凹部は前記操作部材側に開放されていることを特徴とする(5)に記載の遊技機。
【0066】
指掛け凹部を形成する際には、(6)に示すように、操作部材側すなわち遊技機の後方に開放させることで実用上好ましい構成を実現できる。仮に指掛け凹部が操作部材側にて閉じている場合、指が指掛け凹部を跨ぐ等して同指掛け凹部に十分に嵌まらず、上記引っ掛かり状態を実現しにくくなるといった不都合が生じ得る。特に、操作部材にアクセスしている指においては、指先以外(例えば指の腹)を指掛け凹部に嵌まった状態とすることは困難であると想定される。一方、上述の如く指掛け凹部が操作部材側にて開放されている場合、指掛け凹部に沿って指を曲げることで、指は指掛け凹部に嵌まった状態となり、前記引っ掛かり状態を容易に実現することができる。これにより、指の引っ掛かり機能を担保しやすくすることができる。例えば、前部カバーの後端縁に沿って波状となるように指掛け凹部を配置するとよい。
【0067】
特に、(4)等に示したように操作部材が環状をなす構成においては、指掛け凹部の底部と操作部材の外周部との段差を抑え、底部及び外周部の両者を同一曲面上に配置するとよい。これにより、操作部材にアクセスしている指が指掛け凹部を跨ぐことに起因して、指の引っ掛かり機能が活かされにくくなるといった不都合を好適に抑制できる。
【0068】
(7).前記指掛け凹部には、前記回動操作方向における当該指掛け凹部の幅を規定する両側面部(当接面244)が形成されており、
これら両側面部の間隔が前記操作部材側ほど広くなっていることを特徴とする(6)に記載の遊技機。
【0069】
(7)によれば、指掛け凹部には当該指掛け凹部の幅を規定する側面部が形成されている。両側面部間の間隔を指の幅よりも大きくなるように設定した場合には、それら両側面部間に指を嵌めることが可能となる。(7)においては特に、各側面部は操作部材に向けて開いた状態、すなわち後方広がりな状態で配置されている。側面部の手前側では、指の移動範囲を積極的に狭め、その位置ずれを抑えやすくしている。一方、側面部の奥側では、指の移動範囲を積極的に広げ、指の移動を許容しやすくなっている。これにより、間隔の小さい手前側にて積極的に指の引っ掛かりを実現しつつ、間隔の大きい奥側で上述した指の位置の微調整を行いやすくしている。例えば、側面部間に嵌まった指は側面部の手前側を支点として且つ側面部に接した状態で回動可能となっている。このように指の引っ掛かりを担保しつつ指の微小な移動を許容することで、操作部材の回動操作量の調整が可能となっている。
【0070】
また、このように指の嵌まり状態(詳しくは引っ掛かり状態)を維持しつつ、指の向きを変えることができるため、操作部材の回動中心方向に対して傾いた方向からハンドル装置を握った場合であっても、指掛け部の引っ掛かり機能が担保されやすくなっている。すなわち、ハンドル装置の握り方向等のばらつきに対する指掛け部の追従性が担保されている。
【0071】
(8).前記前部カバーの表面は遊技機の前方に凸となる曲面状をなし、
前記指掛け部は、前記前部カバーの表面から当該前部カバーの外方に突出する凸状をなす一対の指掛け凸部(指掛け凸部190)に挟まれて構成されており、それら指掛け凸部の突出量が前記回動操作方向にて断続的に又は連続的に変化していることを特徴とする(2)乃至(4)のいずれか1つに記載の遊技機。
【0072】
(8)によれば、(5)と同様の効果を奏する。具体的には、指は、一対の指掛け凸部の間に嵌まった状態(詳しくは引っ掛かった状態)となることで、所望とする位置に保持されやすくなっている。指掛け凸部に嵌まった指は、指掛け凸部との引っ掛かり状態を維持したまま同指掛け凸部の周面に沿って移動可能となっている。このように、指の移動が許容されていることで、操作部材の回動操作量の微調整が可能となっている。
【0073】
また、(5)と同様に、指が指掛け凸部のいずれの位置(詳しくは突出位置)に当っているかを感触として記憶しておくことで、所望とする回動操作位置を容易に再現することができる。
【0074】
(9).前記指掛け凸部における前記回動方向の両側には、当該指各凸部の頂部から徐々に下るとともに指が当接される当接面部(当接面190a,190b)がそれぞれ形成されており、
前記回動方向における前記指掛け部の幅を規定している前記当接面部の間隔が、前記操作部材側ほど広くなっていることを特徴とする(8)に記載の遊技機。
【0075】
(9)によれば、上述した(7)と同様の効果を奏する。具体的には一対の指掛け凸部にそれぞれ設けられた当接面部の間には所定の間隔が設けられている。当接面部間の間隔を指の幅よりも大きくなるように設定した場合には、それら当接面部間に指を嵌めることが可能となる。これら当接面部の間隔は後方に向けて徐々に大きくなっており、間隔の小さい手前側では積極的に指の引っ掛かりを行い、間隔の大きい奥側では指位置の微調整を可能としている。例えば、2つの隣り合う指掛け凸部に相対向する当接面部をそれぞれ設けるとよい。
【0076】
(7)及び(9)においては、当接面部間の間隔が手前側から奥側に向けて大きくなる構成とした。これにより、指の付け根側を基端として、指の先端側を回動させることが可能となっている。このように、回動の基端部分を前側に設定することで、指の付け根側の小さな変位により、回動操作量の微調整が可能となっている。仮に、当接面部間の間隔が奥側から手前側に向けて大きくなる構成とした場合には、回動の基端部分が奥側に設定される。このため、前記回動操作量と同様の微調整を行うためには、指の付け根側の変位を大きくする必要が生じる。以上のことからも、当接面部間の間隔が手前側から奥側に向けて大きくなる構成とする方が、回動操作量を微調整する際の手の位置への影響を抑えることができるため、操作性向上に対する貢献度が高いと考えられる。
【0077】
(10).遊技領域に向けて遊技球を発射すべく操作されるハンドル装置(ハンドル装置41)を遊技機本体(遊技機主部12)の前面に備えており、
前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部(ハンドルベース150)と、
前記基部に固定され、前記ハンドル装置の前部を構成する前部カバー(前部カバー170)と、
前記基部と前記前部カバーとの間に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な環状の操作部材(回動操作部材160)と、
前記操作部材の外周部から同操作部材の外方に突出し、前記回動操作方向にて第1の角度(配置角度A1等)をおいて配置されている複数の指掛け操作部(指掛け操作部164〜166)と、
前記基部及び前記前部カバーの少なくともいずれかに設けられているとともに、前記回動操作方向にて第2の角度(配置角度A2)をおいて配置されている複数の指掛け部(指掛け凸部190)と
を備え、
前記第1の角度は、前記第2の角度の非整数倍であることを特徴とする遊技機。
【0078】
(10)の遊技機では、指掛け操作部に指を当てた状態で押し操作することにより、操作部材の回動操作を容易に実施することができる。特に指掛け操作部を複数設けていることで、指掛け操作部を操作する複数の指に操作に基づく負荷が分散される。これにより、1つの指に集中負荷が生じることが抑制されている。また、これら指掛け操作部にアクセスする指が指掛け部にそれぞれ引っ掛かることで、指の引っ掛かりによる指の位置ずれを一層好適なものとすることができる。
【0079】
(8)及び(9)に示すように指掛け部が一対の指掛け凸部によって構成されている場合、それら指掛け凸部の頂部に指が乗り上げた状態では、指の嵌まり(詳しくは引っ掛かり)が実現されないといった不都合が生じ得る。また(5)乃至(7)に示すように指掛け部が凹状をなす場合、その窪んだ部分から外れた位置(詳しくは窪みと窪みとの間)に指が置かれると、指の嵌まり(詳しくは引っ掛かり)が実現されないといった不都合が生じ得る。すなわち、指の位置によっては指掛け部の嵌まり(引っ掛かり)が機能しない可能性がある。これらの不都合は複数の指が指掛け部に嵌まる構成においても同様に発生し得る。より具体的には、指掛け操作部の配置角度が、指掛け部の配置角度の整数倍となるように設定されている場合、回動操作の際に各指掛け操作部と各指掛け部との相対位置が、全て同期した状態にて変位すると考えられる。かかる場合、指掛け操作部に当接している全ての指が、指掛け部に嵌まらない部位に位置する可能性がある。すなわち、回動操作量によっては、指の引っ掛かり機能を享受できない可能性がある。
【0080】
しかしながら、上述の如く、各配置角度を非整数倍とすることで、それぞれの操作部に対応する各指と指掛け部との相対位置は、操作部材の回動に伴ってばらばらに変位する。すなわち、各指と指掛け部との相対位置は、同期した状態で変位しにくくなっている。このため、いずれの回動位置においても各指のうち少なくともいずれかは、上述した指掛け部が機能しない位置を回避可能することができる。故に、操作部材の回動操作量によらず、指掛け部による指の引っ掛かり機能機能が担保されやすく、そして操作部材の固定状態を維持しやすくなっている。故に、ハンドル操作に伴って生じる負担の低減により一層貢献することができる。
【0081】
(1)〜(10)の各遊技機は、上記手段1〜手段11のいずれか1つの手段と任意に組み合わせて実施可能である。(1)〜(10)に示す技術的思想を上記各手段と組み合わせるとともに、ハンドル装置の外周面を略球状となるように構成するとよい。より具体的には、基部と回動操作部材と前部カバーとを備えるハンドル装置にあっては、それらの外周面によって1つの球面が形成される構成とすればよい。上記各手段に示した発明においては、ハンドル装置の把持方向のばらつきによる操作部材の操作感覚の変化や局所当りによる指等に対する負担の増加が生じにくくなっている。かかる場合、上述の如くハンドル装置が球状をなす構成とすれば、把持方向のばらつきを一層好適に許容することができ、操作性の向上に貢献することができる。かかる構成において、把持方向がばらついたとしても、指掛け部によって回動操作位置における指の保持が容易化されていれば、ハンドル操作に伴う疲労の低減機能が担保される。具体的には、ハンドルの把持方向のばらつきによる操作感覚の変化を抑えつつ、同把持方向のばらつき起因する指の引っ掛かかりにくさの招来を好適に抑制することができる。
【0082】
(第1の実施の形態)
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図4はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
【0083】
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
【0084】
遊技機主部12は、ベース体としての本体枠13と、その本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機主部12のうち本体枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として本体枠13が前方へ回動可能とされている。
【0085】
本体枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、本体枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
【0086】
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1〜図3を参照する。
【0087】
前扉枠14は本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、左右の賞球ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
【0088】
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
【0089】
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにしてハンドル装置41が設けられている。ハンドル装置41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。このハンドル装置41の構成については、後に詳細に説明する。
【0090】
次に、本体枠13について詳細に説明する。図5は本体枠13の正面図である。
【0091】
本体枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース51を主体に構成されている。樹脂ベース51の中央部には略楕円形状の窓孔52が形成されている。樹脂ベース51には遊技盤61が着脱可能に取り付けられている。遊技盤61は合板よりなり、遊技盤61の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース51の窓孔52を通じて本体枠13の前面側に露出した状態となっている。
【0092】
ここで、遊技盤61の構成を図6に基づいて説明する。遊技盤61には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口62,可変入賞装置63,作動口64,スルーゲート65及び可変表示ユニット66等がそれぞれ設けられている。一般入賞口62は、左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられている。一般入賞口62、可変入賞装置63及び作動口64に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤61の最下部にはアウト口67が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口67を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤61には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘68が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0093】
可変表示ユニット66には、作動口64への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置71が設けられている。また、可変表示ユニット66には、図柄表示装置71を囲むようにしてセンターフレーム72が配設されている。センターフレーム72の上部には、第1特定ランプ部73及び第2特定ランプ部74が設けられている。また、センターフレーム72の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部75,76が設けられている。下側の保留ランプ部75は、図柄表示装置71及び第1特定ランプ部73に対応しており、遊技球が作動口64を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部75の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部76は、第2特定ランプ部74に対応しており、遊技球がスルーゲート65を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部76の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
【0094】
図柄表示装置71は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置71には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
【0095】
第1特定ランプ部73では、作動口64への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部74では、遊技球のスルーゲート65の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口64に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。
【0096】
可変入賞装置63は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置63の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置63が繰り返し開放されるものが一般的である。
【0097】
遊技盤61には、内レール部53と外レール部54とが取り付けられており、これら内レール部53と外レール部54とにより誘導レールが構成され、後述する遊技球発射機構から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
【0098】
遊技球発射機構80は、図5に示すように、樹脂ベース51における窓孔52の下方に取り付けられている。遊技球発射機構80は、電磁式のソレノイド81と、発射レール82と、球送り機構83とからなり、ソレノイド81への電気的な信号の入力により当該ソレノイド81の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構83によって発射レール82上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。なお、遊技球発射機構80の電動アクチュエータはソレノイド81に限定されることはなく、発射モータなどを用いてもよい。
【0099】
次に、遊技盤61の背面の構成を説明する。図7は遊技盤61を後方より見た斜視図である。遊技盤61の背面には、主制御装置ユニット90及び音声ランプ制御装置ユニット100が搭載されている。
【0100】
主制御装置ユニット90は、合成樹脂製の取付台91を有し、取付台91に主制御装置92が搭載されている。主制御装置92は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス93に収容されて構成されている。
【0101】
音声ランプ制御装置ユニット100は、音声ランプ制御装置101と、取付台102とを具備する構成となっており、取付台102上に音声ランプ制御装置101が装着されている。音声ランプ制御装置101は、主制御装置92からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス103に収容されて構成されている。
【0102】
次に、裏パックユニット15について図3及び図4を参照して説明する。
【0103】
裏パックユニット15は、裏パック111を備えており、当該裏パック111に対して、払出機構部112及び制御装置集合ユニット113が取り付けられている。裏パック111は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部112などが取り付けられるベース部121と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部122とを有する。
【0104】
ベース部121には、その右上部に外部端子板123が設けられている。外部端子板123には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。
【0105】
ベース部121には、保護カバー部122を迂回するようにして払出機構部112が配設されている。すなわち、裏パック111の最上部には上方に開口したタンク131が設けられており、タンク131には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク131の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール132が連結され、タンクレール132の下流側には上下方向に延びるケースレール133が連結されている。ケースレール133の最下流部には払出装置134が設けられている。払出装置134より払い出された遊技球は、当該払出装置134の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿33又は下皿34に排出される。
【0106】
払出機構部112には、裏パック基板135が設置されている。裏パック基板135には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ135aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
【0107】
ベース部121の下端部には、制御装置集合ユニット113が取り付けられている。制御装置集合ユニット113は、横長形状をなす取付台141を有し、取付台141に払出制御装置142と電源及び発射制御装置143(以下、電源装置143又は発射制御装置143ともいう)とが搭載されている。これら払出制御装置142と電源装置143とは、払出制御装置142がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
【0108】
払出制御装置142は、基板ボックス144内に払出装置134を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置142から払出装置134への払出指令の信号は上述した裏パック基板135により中継される。また、払出制御装置142には状態復帰スイッチ145が設けられている。例えば、払出装置134における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ145が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
【0109】
電源装置143は、基板ボックス146内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者によるハンドル装置41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置143にはRAM消去スイッチ147が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
【0110】
次に、ハンドル装置41の構成について説明する。図8はハンドル装置41を前方から見た斜視図、図9はハンドル装置41を後方から見た斜視図、図10はハンドル装置41の側面図、図11はハンドル装置41の分解斜視図である。
【0111】
ハンドル装置41は、前扉枠14に装着されるハンドルベース150と、遊技球の発射操作に際して回動操作される回動操作部材160と、ハンドル装置41の前面側を構成する前部カバー170とを備えている。
【0112】
ハンドルベース150は、前扉枠14への取付対象としての取付基部151を有している。この取付基部151が前扉枠14にネジ止めされることで、ハンドル装置41は前扉枠14に固定された状態となっている。取付基部151は前後方向に延びる筒状をなし、その前端縁には、略半球状をなす半球状拡径部152が形成されている。
【0113】
半球状拡径部152の前方には回動操作部材160が配置されている。回動操作部材160は、その外殻を構成する外環部161と、ハンドルベース150に対する取付部としての内環部162とを有している。半球状拡径部152の中央にはパチンコ機10の前方に延びる軸部153が形成されており、内環部162には軸部153に対応する軸受け部163が形成されている。軸受け部163に軸部153が挿通されていることで、すなわち回動操作部材160が軸部153に軸支されていることで、回動操作部材160はハンドルベース150に軸部153の中心軸線を基準として回動可能な状態で装着されている。また、外環部161には外方に隆起した指掛け操作部164〜166が形成されており、これら指掛け操作部164〜166に指を掛けることで回動操作部材160の操作性の向上が図られている。
【0114】
半球状拡径部152の内部には軸部153の中心軸線方向と同一方向に延びるボス154が複数形成されている(図11参照)。回動操作部材160にはこれらボス154が挿通される長孔状の回動規制部167が設けられており、これらボス154及び回動規制部167によって回動操作部材160が所定の範囲内で回動可能となるように規制されている。
【0115】
なお、ハンドル装置41は図示せぬ付勢部材(バネ)を備えている。回動操作部材160はこの付勢部材によってパチンコ機10の正面視において反時計周り方向に付勢されている。非操作時の回動操作部材160は、付勢部材の付勢力によって回動範囲内の所定の位置(以下、初期位置という)に留まった状態となっている。
【0116】
回動操作部材160の前方には前部カバー170が配置されている。前部カバー170は、ハンドルベース150との間に回動操作部材160を挟んだ状態で固定されている。具体的には、ハンドルベース150には中空状をなすボス154に連通する連通孔155が形成されており、パチンコ機10の後方からボス154に挿入されたネジ156の先端部が前部カバー170に螺着されている。これにより、回動操作部材160のハンドルベース150からの抜け落ちが防止されている。また、前部カバー170には、パチンコ機10の前方に突出した半球形状をなす把持部171が形成されている。回動操作部材160の操作時には、この把持部171に手を掛けることで、手や腕の重量の一部をハンドル装置41に預けることができる。これにより、操作時の安定性向上と疲労の低減とが図られている。
【0117】
なお、半球状拡径部152の内部には、回動操作部材160の回動操作量を検知するためのギア部品175,176及び可変抵抗器が設置されている。ギア部品175,176の回転に応じて可変抵抗器の抵抗値が変化し、その抵抗値が発射制御装置143に出力されることで、当該発射制御装置143にて回動操作量が把握される構成となっている。また、半球状拡径部152の内部には、回動操作部材160を操作した状態において遊技球の発射を停止させる発射止めスイッチ177と、発射止めスイッチ177の操作状態を検知するプッシュセンサ178とが設置されている。プッシュセンサ178の検知信号が発射制御装置143に出力されることで、当該発射制御装置143にて発射止めスイッチ177が操作されているか否かが把握される。さらには、ハンドルベース150には回動操作部材160が実際に手で触れられていることを検知するタッチセンサが内蔵されており、このタッチセンサの検知信号が発射制御装置143に出力されることで、当該発射制御装置143にて回動操作部材160が手で触れられているか否かが把握される。
【0118】
次に、遊技を行う際のハンドル装置41の操作について簡単に説明する。遊技者は、回動操作部材160を回動操作することで、遊技球の発射速度の調整を行う。具体的には、付勢部材の付勢力に抗して回動操作部材160を回動操作することで遊技球の発射速度が大きくなり、付勢方向に戻すことで遊技球の発射速度が小さくなる。以下、遊技球の発射速度が大きくなる方向を増加方向といい、遊技球の発射速度が小さくなる方向を減少方向として区別する。回動操作部材160の回動操作量に基づき前記可変抵抗器の抵抗値が変化し、その抵抗値が発射制御装置143に出力される。発射制御装置143においては、その抵抗値に基づいて遊技球発射機構80(詳しくはソレノイド81)における遊技球の発射速度が設定される。こうして所定の速度にて遊技球発射機構80から打ち出された遊技球は、図6に示す内外のレール部53,54の間を通り、作動口64や釘68等が設けられた遊技領域に到達する。通常、遊技領域に到達した遊技球は、釘68等によって流下経路が適度にばらつきながら、作動口64に向けて案内されやすくなっている。より詳しくは、釘68等は遊技領域に適度に分散されて配置されており、遊技球の勢い等により、作動口64に向かって案内される頻度が変化し得る。このような遊技球の流下経路の変化は、専ら遊技球の発射速度(すなわち到達位置)に依存している。作動口64への遊技球の入賞をトリガとして大当たり等の判定がなされるため、より多くの遊技球を作動口64へ導くべく遊技球の発射速度の調整が行われる。回動操作部材160の回動操作量を調整し所望とする発射速度を実現できた後には、その回動位置から回動操作部材160が位置ずれしないように当該回動操作部材160を保持する。これにより、所望とする発射速度を維持した状態で遊技を継続することができる。仮に、遊技中にハンドル装置41から手を離す等した場合、付勢部材の付勢力によって、回動操作部材160は初期位置に復帰する。このため、再遊技に際しては、上述した回動操作部材160の操作が再度行われることとなる。
【0119】
ここで、ハンドル装置41の外観についてより詳細に説明する。ハンドル装置41の外形は、少なくともハンドル装置41を遊技者が握った際の手の接触範囲において、球状をなしている(指掛け操作部164等の出っ張りを除く)。詳しくは、ハンドルベース150の取付基部151を除いたほぼ外周全域が球状をなしている。より具体的には、図10に示すように、複数に分割された球面によって、すなわち半球状拡径部152の外面と外環部161の外面と把持部171の外面とによって1つの仮想球面Gが構成されている。
【0120】
半球状拡径部152の外面と外環部161の外面との境界部位における隙間寸法は、コイン等の異物の侵入を抑制可能な程度(本実施の形態においては0.1mm程度)に設定されており、外環部161の外面と把持部171の外面との境界部位における隙間寸法も上記寸法と同程度に設定されている。各境界部位を同一仮想球面G上に配し、隙間寸法を小さくすることで、それら境界部位における段差の発生が抑えられている。詳しくは、仮想球面Gの放射方向における段差の発生が抑制されている。なお、各境界部位における隙間寸法がコインの厚み寸法等よりも小さく設定されているため、それら境界部位にコイン等が挟み込まれ、回動操作部材160が固定されるといった不都合が回避されている。
【0121】
このように、ハンドル装置41の外形を段差のない単一球面状をなすように形成することで、ハンドル装置41に対する把持方向のばらつきを許容しやすくなっている。具体的に説明すれば、ハンドル装置41は、パチンコ機10の前方から回動操作部材160の中心軸線に沿って真っ直ぐ把持した場合に持ちやすくなるように設定されていることが多い。しかしながら、現実的には、遊技者によって把持方向がばらついたり、遊技中の姿勢等の変化に起因して把持方向が変わったりすると考えられる。上述の如く手が接触する部位に段差や曲率の変化が設けられていないことで、把持方向のばらつきに起因してハンドル装置41の掴み具合が変化するといった不都合を抑制することができる。すなわち、把持方向のばらつきに起因してハンドル装置41の操作性が低下することを抑制可能となっている。
【0122】
なお、本実施の形態においては、ハンドルベース150及び前部カバー170における回動操作部材160側の端部に、内方に向かって凹む環状段差部181,182が形成されている。そして、それら環状段差部181,182は外環部161の内周面と対向している。換言すれば、回動操作部材160の放射方向視にて、回動操作部材160とハンドルベース150及び前部カバー170が重なった状態となっている。これにより、境界部位が上下方向に開放されていることに起因して埃等の異物がハンドル装置41の内部に入るといった不都合を抑制可能となっている。また、仮に境界部位に対してコイン等が無理に挿入された場合であっても、コイン等の端部がすぐに環状段差部181,182に当るため、挿入状態を維持することが困難となっている。
【0123】
次に回動操作部材160の指掛け操作部164〜166について詳細に説明する。図8等に示すように、指掛け操作部164〜166は、外環部161の周方向に離間して配置されている。より具体的には、回動操作部材160の前記増加方向に向かって第1指掛け操作部164→第2指掛け操作部165→第3指掛け操作部166の順に所定の間隔を隔てた状態で配置されている。これら各指掛け操作部164〜166は同様の構成を有するため、先ず図8〜図10及び図12(a)〜図12(c)を用いて第3指掛け操作部166について説明し、後に他の指掛け操作部164,165の構成について簡単に説明する。図12(a)は図10のA−A線部分端面図、図12(b)は図1のB−B線部分断面図、図12(c)は図10のC−C線部分端面図である。
【0124】
第3指掛け操作部166は、外環部161の外面からその放射方向に向けて隆起している。第3指掛け操作部166の外周は閉じた曲面状をなしており、角部(例えば鋭利な角部や段差部)等を有さない構成となっている。より詳しくは、第3指掛け操作部166の外周は曲率の連続する連続面で構成されている。図8等に示すように、第3指掛け操作部166の前記増加方向における手前側には、回動操作時に指(例えば中指M)で引っ掛けて押し操作可能な第3操作面166aが設けられている。すなわち、第3指掛け操作部166における第2指掛け操作部165側に第3操作面166aは設けられている。第3操作面166aは、外環部161から起立し、中心軸線方向において所定の幅を有している(図12(a)参照)。また、図12(b)等に示すように、第3操作面166aは、幅方向視(すなわち前記中心軸線方向視)において、前記減少方向に緩やかに突出した曲面状をなしている。第3操作面166aの後部には回動操作部材160の回動に伴って指との当り位置が変化する第3ガイド面166bが設けられている。具体的には、第3ガイド面166bは、前方から後方に向けて増加方向へと徐々に湾曲している。
【0125】
また、第3指掛け操作部166には第3操作面166aから増加方向に向かって尾根状に延びる稜線部166cが形成されている。図12(c)等に示すように、稜線部166cの背側には第3ガイド面166bから滑らかに連続する第3接触面166dが設けられている。すなわち、稜線部166cと第3接触面166dとの境界部位において鋭利な角部等を有さない構成となっている。第3接触面166dは稜線部166cとの境界部位においても鋭利な角部等が無く、稜線部166cを介して第3指掛け操作部166の前面と滑らかに連続している。また、第3接触面166dは、稜線部166cからハンドルベース150との境界部位に向かって緩やかに湾曲している。すなわち、回動操作部材160の放射方向における稜線部166cの突出量は、回動操作部材160の増加方向に向かって徐々に減少している。
【0126】
ハンドル装置41の把持状態において、仮に指が第3指掛け操作部166の背側、すなわち第3接触面166dに触れたとしても、第3接触面166dは角張ってないので指に対して局所的な負荷が生じにくくなっている。例えば、図13に示すように、第3指掛け操作部166に薬指R及び小指Lを置いた場合であっても、指への局所的な負担が低減されている。また、薬指Rや小指Lを第3接触面166dに沿わせて握り込むことで、第3指掛け操作部166を薬指Rや小指Lによって挟持できる。これにより、回動操作部材160の保持が一層容易なものとなる。
【0127】
なお、第3指掛け操作部166における稜線部166cよりも前側も稜線部166cから前部カバー170との境界に向かって緩やかに湾曲する弧状をなしており、角部や凹み等が設けられていない。これにより、見栄えの向上が図られている。
【0128】
ここで、図9及び図12に基づいて回動操作部材160が回動操作される際の、指と第3指掛け操作部166との位置関係について詳細に説明する。回動操作部材160は指(例えば中指M)によって第3操作面166aが押されることで前記増加方向に回動する。回動操作部材160の中心軸線に沿ってハンドル装置41を把持した状態で、腕全体を回動させた場合、第3操作面166aと中指Mとの接触位置を同一に保たったまま回動操作を行うことができる。例えば、回動操作量に依らず、図12(b)に示す中指M1の状態が維持される。一方、腕全体を回動することで第3操作面166aを押し操作するのではなく、中指Mを屈曲させる等することで第3操作面166aを押し操作した場合、中指Mと第3操作面166aとの接触位置は回動操作量に応じて変位する。具体的には、増加方向への回動に伴って、第3ガイド面166bに沿ってその接触位置が後方に移動する。例えば、図12(b)に示す中指M1の状態から中指M2の状態に変位する。かかる場合であっても、第3ガイド面166bの湾曲にあわせて指の接触位置が円滑に移動する。すなわち、中指Mが第3操作面166a(詳しくは第3ガイド面166b)の角等に当って操作感覚が変わったり、押し込み量に対する回動量が変わったりすることなく、円滑な操作が可能となっている。
【0129】
第1指掛け操作部164及び第2指掛け操作部165についても同様に、操作面164a,165aとガイド面164b、65bと稜線部164c,165cと接触面164d,165dとを有しており、その外周は曲率の連続する連続面で構成されている。このため、各指掛け操作部164,165と指の局所当りが抑制されている。
【0130】
なお、回動操作部材160の放射方向視において、各指掛け操作部164〜166全体と外環部161とが重なっている。すなわち、指掛け操作部164〜166の前端部及び後端部が前部カバー170側及びハンドルベース150側に突出しない構成となっている。このため、図18に示すような指掛け操作部164〜166とハンドルベース150及び前部カバー170との間にコイン等の異物が挿入され回動操作部材160が固定されるといった不都合が抑制されている。
【0131】
次に前部カバー170について詳細に説明する。前部カバー170における把持部171の外周面には、当該外周面から隆起する複数の指掛け凸部190が形成されている。指掛け凸部190は、遊技者によって把持部171が握られた状態で指が接触すると想定される部位に配置されている。具体的には、それら指掛け凸部190は把持部171の後端部、すなわち把持部171の周縁部周辺に配置されている。遊技者が把持部を握った際に、手の平と指掛け凸部190との接触が抑制されており、把持部171の手の平に対する追従性の向上に貢献している。これにより、把持部171が指掛け凸部190を有する構成であっても、把持部171の握りやすさが担保されている。
【0132】
指掛け凸部190は、把持部171の後端縁に沿って、すなわち回動操作部材160との境界部位に沿って配置されている。図13等に示すように指掛け凸部190は円環状に配置されており、隣り合う指掛け凸部190は所定の間隔を隔てた状態となっている。具体的には、隣り合う指掛け凸部190の間隔寸法は指の幅寸法と同程度に設定されており、これら指掛け凸部190間に指を置くことが可能となっている。以下、これら各指掛け凸部190によって挟まれた領域を指載置領域200という。
【0133】
ここで、指掛け凸部190の構成について図8の部分拡大図や図12(c),(d)に基づいて説明する。図12(d)は図10のD−D線部分端面図である。
【0134】
指掛け凸部190は把持部171の外周面から放射方向に隆起しており、回動操作部材160の中心軸線方向において所定の幅を有している。指掛け凸部190には、指と当ることでその指の移動を制限する当接面190a,190bが形成されている。当接面190a,190bは、指掛け凸部190の頂部190cを境目として、指掛け凸部190における外環部161の周方向両側に配されている。より詳細には、隣接する指掛け凸部190のうち一方の指掛け凸部190の当接面190aと他方の指掛け凸部190の当接面190bとが相対向している。当接面190aは緩やかに湾曲する曲面状をなしており、前記増加方向に向けて把持部171の外周面からの高さ位置が徐々に高くなっている。一方、当接面190bも当接面190aと同様に緩やかに湾曲する曲面状をなし、前記減少方向に向けて把持部171の外周面からの高さ位置が徐々に高くなっている。そして、これら当接面190a,190bは頂部190cを介して滑らかに連続している(図12(d)参照)。
【0135】
また、図8の部分拡大図に示すように、隣接する指掛け凸部190の間隔寸法、すなわち相対向する当接面190a及び当接面190bの間隔寸法は、回動操作部材160に向かって徐々に大きくなっている。すなわち、当接面190a及び当接面190bは後方に開いた状態となっており、指載置領域200は回動操作部材160側で拡張されている。当接面190a及び当接面190bの前側の端部周辺、すなわち各当接面190a,190b間の間隔が小さくなっている部位には、指を支持する支持部210が設けられている。指載置領域200に置かれた指は、これら支持部210を基端として回動可能となっている。より具体的には、当接面190a,190bによって挟まれた範囲内で回動可能となっている。
【0136】
以下、指掛け操作部164〜166及び指掛け凸部190の位置関係について図13を用いて説明する。
【0137】
先ず、指掛け操作部164〜166の配置について詳細に説明する。指掛け操作部164〜166は、外環部161の全周のおよそ半分の範囲内に所定の間隔を隔てて配置されている。これら各指掛け操作部164〜166は、それぞれ異なる指に対応して設けられている。具体的には、図1や図13(a)に示すように、回動操作部材160の初期位置において、前扉枠14の回動基端側に第1指掛け操作部164が配置されている。回動操作部材160の中心軸線を挟んで反対側には第3指掛け部166が配置されており、これら各指掛け部164,166の間には第2指掛け操作部165が配置されている。第1指掛け操作部164は親指Tに対応しており、第1操作面164aは親指Tによって操作される構成となっている。第2指掛け操作部165は人差し指Iに対応しており、第2操作面165aが人指し指Iによって操作され、第3指掛け操作部166は中指Mに対応しており、第3操作面166aが中指Mによって操作される構成となっている。回動操作部材160の回動操作範囲はボス154及び回動規制部167によって規制されており(本実施の形態においては100°)、その回動範囲内では、各操作面164a〜166aと各指T,I,Mとの接触状態が維持される(図13の(b)参照)。
【0138】
上述の如く各指T,I,Mの位置は各操作面164a〜166aと接触することで決定されている。回動操作部材160の中心軸線を基端とした親指Tと人差し指Iとの角度A1、すなわち第1操作面164aと第2操作面165aとの配置角度A1は、指掛け凸部190の配置角度A2の非整数倍となるように設定されている。このため、遊技者が所望とする位置で回動操作部材160を固定した際に、各指T,Iが指掛け凸部190等の頂部190cに乗り上げ指の引っ掛かりが正常に行われないといった不都合を回避可能となっている。すなわち、各指T,Iのうちいずれか一方が頂部190c等に乗り上げることで指載置領域200等に位置しない場合であっても、他方は指載置領域200内に位置する構成となっている。故に、指掛け凸部190等における指引っ掛かり機能は担保される。
【0139】
更に、回動操作部材160の中心軸線を基端とした人指し指Iと中指Mとの角度A3、すなわち第2操作面165aと第3操作面166aとの配置角度A3は、指掛け凸部の配置角度A2の非整数倍となるように設定されている。このため、各指I,Mのうちいずれか一方が頂部190c等に乗り上げることで指載置領域200等に位置しない場合であっても、他方は指載置領域200内に位置する。また、角度A1とA3とを足した角度A4についても同様に、角度A2の非整数倍となるように設定されている。以上のことから、回動操作部材160がいずれの位置に回動した場合であっても各指T,I,Mのうち少なくとも2つの指は指載置領域200等内に位置され、指掛け凸部190等の指保持機能は一層好適に担保される。
【0140】
以下、回動操作部材160の所望とする位置への位置合わせ操作と、その位置の再現方法について詳細に説明する。
【0141】
図13(a)に示すように、回動操作部材160が初期位置にある状態で、各操作面164a〜166aに、親指T,人差し指I,中指Mを添える。かかる状態においては、各指T,I,Mは指載置領域200に嵌まっている。パチンコ機10の正面視において時計回り(増加方向)に回動操作部材160を回動操作することで、各指T,I,Mは指載置領域200間を転移する。遊技球の発射速度が所望とする速さに近づいた際には、回動操作による大まかな位置合わせが完了し、指載置領域200間での指T,I,Mの移動が終了される。次に、指が嵌まっている指載置領域200内にて、支持部210を基端として指を当接面に沿って回動させる。これに伴い操作面164a〜166aの位置が若干移動することで、遊技球の発射速度をより細やかに調整される(例えば図13(b)に示す状態)。ここで、かかる状態に至るまでに各指T,I,Mが通過した指載置領域200の数と、当接面190a,190bにおける各指T,I,Mが接触している部分とが遊技者によって記憶される。
【0142】
遊技を中断等した後に、所望とする位置への回動操作部材160の固定を行うには以下の手順で操作が行われる。すなわち、先ず、発射止めスイッチ177により遊技球の発射を止めた状態で、事前に記憶した指載置領域200へ各指T,I,Mが嵌まるように回動操作部材160を回動操作する。かかる場合、初期位置から通過した指載置領域200を数え、事前に記憶している数と一致した場合に回動操作を一時停止する。次に、当接面190a,190bと指T,I,Mとのそれぞれの接触状態を指の感覚に基づいて再現する。すなわち、当接面190a,190bに沿って指T,I,Mを回動することで事前に記憶した感触と近い位置にそれら指T,I,Mを運ぶ。これにより、回動操作部材160は所望とする位置に誘導され、以前遊技を行っていた状態と同じ状態が再現される。そして、発射止めスイッチ177による発射の制限を解除することで、遊技が再開される。
【0143】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0144】
図8等に示すように、固定体としての前部カバー170に指掛け凸部190を設けた。回動操作部材160を所望とする位置にて固定する際には、指掛け凸部190間に形成された指載置領域200に指を嵌めることで、指の位置ずれが抑えられる。これにより、所望とする位置における回動操作部材160の固定の容易化に貢献することができる。本実施の形態においては特に、コイン等の挟み込みによる回動操作部材160の固定を回避しているため、遊技者は自分の手で回動操作部材160を固定する必要がある。かかる場合、遊技者の指や手や腕等に生じる負担に起因して、遊技意欲の減退を招来する可能性がある。しかしながら、上述の如く回動操作部材160の固定の容易化に貢献することで、遊技によって発生する疲れ等を低減し、遊技意欲の減退を好適に抑えることが可能となっている。
【0145】
通常、ハンドル装置41の握り方や、手の大きさには個人差がある。このため、指掛け凸部の配置によっては効果に差異が生じる可能性がある。具体的には、指掛け凸部の配置に起因して、指の引っ掛かりが十分に期待できなくなる可能性がある。例えば、ハンドルベース150に指掛け凸部を設けた場合、手の小さな遊技者や、浅い握りを好む遊技者等は、指が指掛け凸部に到達せず指掛け凸部の恩恵を享受できない可能性がある。そこで、本実施の形態においては上述の如く、固定体としてのハンドルベース150及び前部カバー170のうち、前部カバー170に指掛け凸部190を設けた。すなわち、回動操作部材160の前方に指掛け凸部190を配置した。回動操作部材160へのアクセス時には、指が指掛け凸部190を跨ぐため、指と指掛け凸部190とが自然に接触した状態となる。すなわち、遊技を行っている状態であれば、必然的に指掛け凸部190への指の引っ掛かりが実現可能となっている。このため、ハンドル装置41の握り方や、手の大きさ等のばらつきを許容し、指掛け凸部190を利用しやすいパチンコ機10を提供することができる。
【0146】
指掛け凸部190の配置範囲が、全ての操作面164a〜166aの回動範囲よりも広く設定されている。このため、操作面164a〜166aの少なくとも1つに指が掛けられていれば、指掛け凸部190による手の位置ずれ抑制効を期待することができる。
【0147】
本実施の形態においては特に、各指掛け操作部164〜166(詳しくは操作面164a〜166a)間の配置角度A1,A3が指掛け凸部190の配置角度A2の非整数倍となるように設定した。このため、指掛け操作部164〜166にアクセスしている全ての指が、指掛け凸部190の頂部190c〜199cに乗り上げるといった不都合が抑制されている。すなわち、指掛け操作部164〜166のうち少なくとも2つに指がアクセスしている場合、指掛け凸部190による指の引っ掛かり機能が担保される。
【0148】
また、遊技者が所望とする位置にて回動操作部材160を固定した場合、指掛け操作部164〜166を操作している各指が指載置領域200のいずれの領域に置かれているかを把握することで、回動操作部材160の回動位置を記憶することが容易となる。すなわち、指掛け凸部190は、回動操作部材160の回動位置を記憶するための指標としての機能を併せ有している。より詳細に説明すれば、指載置領域200において、第1当接面190a〜199a及び第2当接面190bのいずれの部位に当っているか又はそれらいずれにも当っていないかを指の感触によって把握することで、回動操作部材160の回動位置の把握精度を一層向上することができる。これにより、遊技中断後の回動操作部材160の再位置合わせが容易なものとなっている。具体的には、遊技中断に伴いハンドル装置41から手が離れた場合、回動操作部材160は初期位置に復帰する。その後再び遊技を開始する際には、指掛け凸部190と指との当り具合を再現することで、回動操作部材160の位置合わせが容易に実現される。
【0149】
一般的に、回動操作部材160の位置合わせにおいては、打ち出された遊技球の軌道等を確認しながら回動操作部材160の回動操作量を調整するといった手法が用いられる。このように、打ち出された遊技球を目視にて確認しながら回動操作量を調整する場合には、その調整に無駄球を伴いやすいと考えられる。このような無駄球の発生は、遊技開始の際のみならず、再遊技の際にも同様に生じ得る。上述の如く指の感触等に基づいて所望とする回動操作位置への復帰が可能であれば、再び遊技を始める際の無駄球の発生を抑えることができる。例えば、発射止めスイッチ177によって遊技球の発射を規制した状態で、指の感触等に基づいて所望とする回動操作位置への位置合わせを行うとよい。その後、発射止めスイッチ177による発射規制を解除することで、無駄球の打ち出しを抑えつつ遊技を再開することができる。
【0150】
回動操作部材160が操作された際には、その回動操作量に応じて各指と操作面164a〜166aとの当り位置がガイド面164b〜166bに沿って円滑に変位する。このため、腕全体で回動操作を行うのでなく指等の屈曲により操作を行ったとしても、指が操作面164a〜166aの角部や端部等に触れにくくなっている。これにより、指に対して局所的な負担が発生しにくくなっている。このため、例えば長時間に亘ってハンドル装置41を握り続けた場合であっても、指等が痛くなるといった不都合を好適に抑制することができる。図1等に示すように、ハンドル装置41は、パチンコ機10の隅部、すなわち遊技者の正面から離れた位置に配置されている。このため、遊技者によっては、遊技機中央側からハンドル装置41に向かって斜めに腕を伸ばし、ハンドル装置41の回動中心軸線に対して傾いた方向から回動操作を行う可能性がある。このような場合であっても、指と操作面164a〜166aの角部等とが触れにくくなっていため、操作を快適に行うことができる。つまり、ガイド面164b〜166bを設けることで、回動中心軸線方向以外の方向からでも快適に操作を行うことができるハンドル装置41を実現している。
【0151】
また、指がガイド面164b〜166bを乗り越え、指掛け操作部164〜166の背側、すなわち接触面164d〜166dに回り込むことが想定される。操作面164a〜166aと接触面164d〜166dとの境界には鋭利な角部や段差等が無いため、仮に上述の如く指の当り位置が極端に後方に変位したとしても、指にエッジや角部等が当ることで局所的に負荷が増加することを抑制することができる。
【0152】
ハンドル装置41全体が球状をなす構成としたため、ハンドル装置41の把持方向に起因する操作性のばらつきを抑えることができる。詳しくは、把持部171の外面と外環部161の外面と半球状拡径部152の外面とが同一の曲率を有し、それらの境界部位での段差が抑えられている。このため、把持方向によって段差による引っ掛かりが変わったり、曲率が変わったりすることに起因する把持感覚の変化が生じにくくなっている。これにより例えばハンドル装置41の回動中心軸線方向と異なる方向から把持した場合であっても、把持感覚の変化を抑え操作性を担保しやすくなっている。
【0153】
また指載置領域200は回動操作部材160側で拡張されている。上述の如くハンドル装置41の把持方向のばらつきを許容する構成においても、指が指載置領域200内で支持部210〜219を基端として回転することで、引っ掛かりを担保しながら把持方向のずれに追従することができる。
【0154】
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、前部カバーに関する構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下にその前部カバーの構成について詳細に説明する。なお、以下の説明では、上記第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、同一の構成については基本的に説明を省略する。図15は本実施の形態におけるハンドル装置の側面図、図16は図15のE−E線部分断面図である。
【0155】
図15及び図16に示すように、本実施の形態では、上記第1の実施の形態と同様に、ハンドルベース150及び回動操作部材160が設けられている。それらハンドルベース150や回動操作部材160等に関する構成は、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0156】
図15に示すように、把持部241の外周面は半球状をなしており、その外面は、外環部161の外面及び半球状拡径部152の外面を含んだ仮想球面Gよりも外側に設定されている。前部カバー240の把持部241には、指掛け凸部190に代えて前部カバー240の内側へ凹む指掛け凹部242が複数設けられている。指掛け凹部242は把持部241の後端縁に沿って配置されており、その後部すなわち回動操作部材160側が開放されている。これら指掛け凹部242に指が嵌まることで、回動操作部材160を固定した状態からの指の位置ずれが抑制される。
【0157】
指掛け凹部242の底面243は仮想球面G上に配置されている。すなわち、底面243は外環部161の外面や半球状拡径部152の外面と同一の曲率を有している。また、底面243と外環部161の外面との境界部位においては、仮想球面Gの放射方向における段差がほぼゼロとなっている。
【0158】
指掛け凹部242の後端部、すなわち回動操作部材160側は、後方に向かって開放されている。このため、指が指掛け凹部242を跨ぐことで、指掛け凹部242に嵌まりにくくなるといった不都合の発生が抑えられている。また、指掛け凹部242に嵌まった指を底面243及び外環部161及び半球状拡径部152に沿って曲げることが可能となっており、指掛け凹部242に指が嵌まった状態においてもハンドル装置41(詳しくは回動操作部材160及び前部カバー240)の握りやすさは損なわれにくくなっている。
【0159】
底面243における回動方向両側には、相対向する当接面244が当該底面243を挟んだ状態で形成されている。指掛け凹部242に嵌まった指は両当接面244に当ることで、その移動が制限される。それら当接面244の間隔寸法は回動操作部材160側の開放部位に向けて大きくなっている。すなわち、両当接面244はパチンコ機10の後方に向けて開いた状態となっている。
【0160】
底面243の前側の端部には、底面243と把持部241の外面とを繋ぐとともに把持部241上の指を指掛け凹部242に誘導する誘導傾斜面245が形成されている。誘導傾斜面245は両当接面244と滑らかに連続しており、両当接面244の間隔寸法は誘導傾斜面245との境界部位にて最小となっている。
【0161】
指掛け凹部242に指が嵌まった状態においては、当接面244間の間隔寸法が小さく抑えられた手前側部分にて指の位置ずれが積極的に抑えられている。一方、当接面244間の間隔寸法が大きく設定された奥側部分では、指の位置調整が容易なものとなっている。これにより、第1の実施の形態と同様に、指の引っ掛かりを担保しつつ、回動操作量の細やかな調整を可能としている。
【0162】
指掛け凹部242の深さは回動操作方向に徐々に変位している。具体的には、底面243を挟んで形成されている両側面のうち遊技球発射速度の増加方向側の側面においては、その増加方向に向かって深さが徐々に浅くなっており、遊技球発射速度の減少方向側の側面においては、減少方向に向かって深さが徐々に浅くなっている。すなわち、当接面244は前部カバー240の放射方向に徐々に拡開した窄み状をなしている。これにより、指が指掛け凹部242に嵌まった状態において、指と当接面244とが当接した状態での指位置の調整が可能となっている。また、指掛け凹部242は指が接触する部分であるため、汚れ等の付着がおきやすいと考えられる。上述の如く指掛け凹部242が放射方向に向けて拡開されていることで、清掃等のメンテナンスが容易なものとなっている。
【0163】
以上詳述した、指掛け凹部242は、前部カバー240の後端縁に沿って等間隔で配置され、隣り合う指掛け凹部242同士が滑らかに連続する波形状をなしている。より詳細には、隣り合う指掛け部242の各当接面242は回動操作部材160と対向する側で滑らかに連続している。このため、指が指掛け凹部242内にて回動する際や指掛け凹部242間で移動する際に、指と前部カバー240(詳しくは指掛け凹部242)の角部や端部とが局所当りするといった不都合が好適に抑制されている。
【0164】
指掛け凹部242に嵌まった指は、両当接面244及び誘導傾斜面245に接触した状態となる。かかる場合、指は、当接面244の間隔寸法が最小となる部位を基端として当接面244によって制限された範囲内にて回動可能となっている。より具体的には、指は、底面243に沿って回転し、当接面244によって設定された広がり角度の範囲内で回動可能となっている。
【0165】
以上詳述した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様、回動操作部材160を所望とする位置にて固定する場合に、その位置ずれを好適に抑制することができる。また、指掛け凹部242内での指の回動を許容することで、指が支持された状態での回動操作部材160の位置の微調整が可能となっている。更に、第1の実施の形態と同様に、指掛け凹部242に回動操作部材160の操作位置を記憶するための指標としての機能を付与することも可能となっている。
【0166】
回動操作部材160が操作された際には、その回動操作量に応じて各指と操作面164a〜166aとの当り位置がガイド面164b〜166bに沿って円滑に変位する。このため、腕全体で回動操作を行うのでなく指等の屈曲により操作を行ったとしても、指が操作面164a〜166aの角部や端部等に触れにくくなっている。これにより、指に対して局所的な負担が発生しにくくなっている。このため、例えば長時間に亘ってハンドル装置41を握り続けた場合であっても、指等が痛くなるといった不都合を好適に抑制することができる。図1等に示すように、ハンドル装置41は、パチンコ機10の隅部、すなわち遊技者の正面から離れた位置に配置されている。このため、遊技者によっては、遊技機中央側からハンドル装置41に向かって斜めに腕を伸ばし、ハンドル装置41の回動中心軸線に対して傾いた方向から回動操作を行う可能性がある。このような場合であっても、指と操作面164a〜166aの角部等とが触れにくくなっていため、操作を快適に行うことができる。つまり、ガイド面164b〜166bを設けることで、回動中心軸線方向以外の方向からでも快適に操作を行うことができるハンドル装置41を実現している。
【0167】
また、指がガイド面164b〜166bを乗り越え、指掛け操作部164〜166の背側、すなわち接触面164d〜166dに回り込むことが想定される。操作面164a〜166aと接触面164d〜166dとの境界には鋭利な角部や段差等が無いため、仮に上述の如く指の当り位置が極端に後方に変位したとしても、指にエッジや角部等が当ることで局所的に負荷が増加することを抑制することができる。
【0168】
ハンドル装置41全体が球状をなす構成としたため、ハンドル装置41の把持方向に起因する操作性のばらつきを抑えることができる。詳しくは、把持部241の外面と外環部161の外面と半球状拡径部152の外面とが同一の曲率を有し、それらの境界部位での段差が抑えられている。このため、把持方向によって段差による引っ掛かりが変わったり、曲率が変わったりすることに起因する把持感覚の変化が生じにくくなっている。これにより例えばハンドル装置41の回動中心軸線方向と異なる方向から把持した場合であっても、把持感覚の変化を抑え操作性を担保しやすくなっている。
【0169】
また指掛け凹部242は回動操作部材160側で拡張されている。上述の如くハンドル装置41の把持方向のばらつきを許容する構成においても、指が指掛け凹部242内で誘導傾斜面245側を基端として回転することで、引っ掛かりを担保しながら把持方向のずれに追従することができる。
【0170】
(第3の実施の形態)
本実施の形態では、前部カバーに関する構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下にその前部カバーの構成について詳細に説明する。なお、以下の説明では、上記第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、同一の構成については基本的に説明を省略する。図17は本実施の形態におけるハンドル装置の正面図である。
【0171】
図17に示すように、本実施の形態では、上記第1の実施の形態と同様に、ハンドルベース150(図示略)及び回動操作部材160が設けられている。それらハンドルベース150や回動操作部材160等に関する構成は、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0172】
本実施の形態においては、前部カバー170に設けられた指掛け凸部190及び指載置領域200の配置のみが異なっている。第1の実施の形態においては指掛け凸部190及び指載置領域200を把持部171の後端縁全周に沿って配置した。すなわち、指掛け凸部190及び指載置領域200を円環状に配置した。一方、本実施の形態においては、円環状に配置された指掛け凸部190及び指載置領域200を一部の範囲で削除している。すなわち、指掛け凸部190及び指載置領域200の配置範囲に端部を設定し、それらが円弧状をなす配置としている。
【0173】
以下、指載置領域200の配置範囲について詳細に説明する。
【0174】
上述の如く回動操作部材160が前記増加方向に向けて回動操作された場合、遊技球がレール部53,54に向けて発射される。回動操作部材160が所定の量操作されると、
遊技球が遊技盤61の遊技領域に導かれ、遊技が有効となる。このように遊技球が遊技領域を流下可能になる回動操作位置に対応して指載置領域200が配置されている。すなわち、図17(a)に示すように、指載置領域200は、前記所定量の回動操作がされた状態において、第1操作面164aにアクセスしている親指Tとの重なりが想定される部位に配置されている。一方、図17(b)に示すように、回動操作部材160の最大回転状態において中指Mに対応する位置にも、指載置領域200が配置されている。すなわち、指載置領域200は、第3操作面166aにアクセスしている中指Mとの重なりが想定される部位に配置されている。他の指載置領域200は、これら2つの指載置領域200を両端として弧状をなすように等間隔で配置されている。そして、これら指載置領域200は、指掛け操作部164〜166が設けられている側に配置されている。
【0175】
なお、レール部53,54から飛び出した遊技球の右方への移動を抑えるストッパ部を遊技盤61の右上部に備える遊技機においては、回動操作が行われ遊技球がストッパ部に到達し得る回動位置に指載置領域200を配置し、遊技球が遊技領域に導かれストッパ部によってその移動が制限される範囲内で指載置領域200を配置してもよい。
【0176】
以上詳述した第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果に加え、以下の特別な効果を奏する。本実施の形態においては特に、指載置領域200の配置範囲を限定した。上述の如く、指載置領域200(詳しくは指掛け凸部190)は、回動操作部材160を回動操作した際の指位置を記憶するための指標としての機能を有している。指載置領域200の配置を第1操作面164aの初期位置と対応させることで、目視によって所望とする状態を記憶することが一層容易となる。例えば、回動操作部材160を所望とする位置で保持した状態において、第1操作面164aにアクセスしている親指Tが初期位置から数えて2つ目の位置に存在していることを記憶しておくことで、再遊技の際に親指Tを2つ目の指載置領域200に置くことにより、所望とする回動操作位置の再現を一層容易なものとすることができる。
【0177】
また、親指Tが指載置領域200に到達するまで回動操作することで、遊技球を遊技領域へ導くことができる。このため、遊技者は、遊技球の打ち出しを目視にて確認しながら、遊技球が遊技領域に到達する強さになるように回動量を調整する必要がない。これにより、回動操作時の調整に伴う煩雑さを抑えることができる。すなわち、遊技を開始する際の回動操作量の調整をしやすくすることができる。以上詳述した第3の実施の形態は、前記第2の実施の形態(指掛け凹部242を有する構成)と組み合わせることも可能である。
【0178】
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0179】
(a)上記各実施の形態では、「当接面」としてのガイド面164b〜166b及び接触面164d〜166dの両者を曲面状としたが、いずれか一方のみを曲面状とすることも可能である。例えば、他方を平面状とすることも可能である。但し、一般的には、ガイド面164b〜166bは、回動操作部材160の操作時に指が当りやすい部位である。このため、ガイド面164b〜166bは曲面状としておくことが望ましい。
【0180】
(b)上記各実施の形態では、指掛け操作部164〜166における前後方向の中間位置に稜線部164c〜166cを配置したが、これに限定されるものではない。例えば、指掛け操作部164〜166の前端部に稜線部164c〜166cを配置することも可能である。但し、このように、稜線部164c〜166cを前端部に配置すると、指掛け操作部164〜166の前側の曲面を維持することが困難となる。指掛け操作部164〜166に対してアクセスする指は指掛け操作部164〜166の前面に接触しやすいと想定される。故に、望ましくは、指掛け操作部164〜166の前方に緩やかな曲面を維持できる範囲で稜線部164c〜166cの配置を行うとよい。
【0181】
(c)指掛け操作部164〜166の外形を、外環部161の外面から放射方向に突出する半球状としてもよい。また、指掛け操作部164〜166の外形を、外環部161の外面から放射方向に突出する4半球状とすることも可能である。かかる場合、球状部分を後方、端面部分を前方に向けて配置することが望ましい。
【0182】
また、指掛け操作部164〜166を回動操作部材160の放射方向に延びる円柱状とすることも可能である。以上詳述したように、指掛け操作部を増加方向の手前側及び奥側で対称となるように構成した場合、手前側及び奥側の両側に当接面を設定するとよい。かかる場合、2つの指で1つの指掛け操作部を挟んだ状態で操作することで、指掛け操作部と指との引っ掛かりが安定しやすくなる。特に、指掛け操作部が半球状や円柱状をなす場合、すなわち、パチンコ機10の手前側及び奥側においても対称となる場合、指掛け操作部を指で挟んだまま回動させると、それぞれの指の接触部位は指掛け操作部の表面に沿って滑らかに変位する。すなわち、指が、指掛け操作部の端部等に接触することなく円滑に変位する。これにより、回動操作時における指掛け操作部と指との引っ掛かりの安定性を向上しつつ、指掛け操作部と指との局所当りを回避しやすくすることができる。
【0183】
(d)上記各実施の形態では、図12(b)等に示すように、パチンコ機10の正面視において、操作面164a〜166aが減少方向に最も突出する部分を前部カバー170及びハンドルベース150と回動操作部材160との各境界部位のほぼ中間となるように配置したが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、操作面の最も突出する部分を前部カバー170と回動操作部材160との境界部位に配置することも可能である。
【0184】
(e)上記各実施の形態では、指掛け操作部164〜166が、前部カバー170及びハンドルベース150と回動操作部材160との各境界部位の間に収まる構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、指掛け操作部164〜166が、少なくともいずれか一方の境界部位を越える構成としてもよい。例えば、指掛け操作部164〜166をハンドルベース150と回動操作部材160との境界部位よりも後方に延出する構成とすることも可能である。
【0185】
(f)上記各実施の形態では、図12(b)に示すように、ガイド面164b〜166bの曲率はハンドルベース150側で徐々に小さくなる構成としたが、これを変更し、ガイド面164b〜166bの曲率が一定となるように構成することも可能である。例えば、操作面164a〜166aと接触面164d〜166dを一定の半径を有するガイド面で繋ぐとよい。但し、上述の如く、ガイド面の曲率を一定にした場合、曲率を徐々に小さくする場合と比較して、ガイド面の前後方向の大きさ(すなわち「幅」)の確保が難しくなると考えられる。このため、ガイド面に沿った指の移動範囲も必然的に狭まるとともに、指に対する接触面積の確保も困難となりやすいと想定される。かかる場合、指に対する鋭利な角部等の接触を抑制できるものの、指とガイド面との接触面積が小さくなることで、局所負荷の低減機能が弱まる可能性がある。故に、ガイド面の曲率は後方で徐々に小さくなるように設定し、指との接触面積をできるだけ大きくすることが好ましい。
【0186】
(g)上記各実施の形態では、指掛け操作部164〜166を計3つ設けたが、その数は3つに限定されるものではない。例えば、指掛け操作部を1つだけ設けることも可能である。但し、かかる場合、指掛け操作部を操作する指への負担が、複数の指掛け操作部を複数の指で操作する場合よりも分散されにくくなると考えられる。このように、負担が分散されなくなることで、特定の指に負担が集中し、指の疲れや痛み等の不都合を招来しやすくなると想定される。故に、望ましくは指掛け操作部を複数設定するとよい。例えば、各指にそれぞれ対応する指掛け操作部を、計5つ設けるとよい。
【0187】
(h)上記各実施の形態では、指掛け操作部164〜166がそれぞれ同一の外形を有する構成としたが、これを変更し、それぞれが対応する指等に合わせて大きさや形を異にする構成としてもよい。図13等に示すように、指掛け操作部164は親指Tを、指掛け操作部165は人差し指Iを、指掛け操作部166は中指Mにそれぞれ対応している。例えば、指掛け操作部165,166を指掛け操作部164よりも小さくすることも可能である。より具体的には、操作面165a,166aやガイド面165d,166dを、操作面164aやガイド面164dより小さくすることも可能である。
【0188】
(i)上記各実施の形態では、回動操作部材160を1部材で構成したが、これを変更し、複数の部材を組み合わせることで構成してもよい。より具体的には、回動操作部材160を1部材によって環状をなす構成としたが、複数部材で環状をなす構成としてもよい。例えば、2つの半環状部材を相互に固定することで、全体として環状をなす回動操作部材を構成してもよい。
【0189】
(j)上記各実施の形態では、「ハンドル装置」としての遊技球発射ハンドル41を「遊技機本体」としての遊技機主部12の回動先端側に設けたが、これを変更し、遊技球発射ハンドル41を回動基端側に設けてもよい。
【0190】
(k)上記各実施の形態では、パチンコ機10の正面視において、回動操作部材160を時計回りに回動操作することで遊技球の発射速度が増加する構成としたが、これを変更し、回動操作部材160を反時計回りに回動操作することで遊技球の発射速度が増加する構成とすることも可能である。
【0191】
(l)上記各実施の形態では、前部カバー170を取付基部151に対して固定したが、これを変更し、回動操作部材160に固定することも可能である。かかる場合、回動操作部材160の回動に伴って、前部カバー170も回動することとなる。また、回動操作部材160と前部カバー170とは必ずしも別体である必要はなく、両者を一体成形することも可能である。
【0192】
(m)上記各実施の形態では、指掛け操作部164〜166を回動操作部材160(詳しくは外環部161)と一体成形したが、これを変更し、指掛け操作部164〜166を別体で形成した後、回動操作部材160(詳しくは外環部161)に取付けてもよい。
【0193】
(n)上記各実施の形態では、各当接面190a,190bが曲面状をなす構成としたが、これを変更し、各当接面190a,190bが平面状をなす構成とすることも可能である。
【0194】
(o)上記各実施の形態では、対向する両当接面190a,190bが回動操作部材160の回動方向と同一方向において高さ又は深さが変位する構成としたが、回動方向と同一の方向において高さ及び深さが変位しない構成とすることも可能である。すなわち、当接面190a,190bが回動方向と直交する平面状をなす構成とすることも可能である。なお、付勢部材によって付勢されている回動方向に対して反対側を向いた当接面は、指との接触位置を変位させることで回動操作量の微調整を行うことがあるため、高さ又は深さが変位する構成とすることが望ましい。
【0195】
(p)上記各実施の形態では、両当接面190a,190bの間隔寸法が遊技機後方で大きくなる構成としたが、これを変更し、間隔寸法が一定となる構成とすることも可能である。
【0196】
また、間隔寸法が遊技機前方で大きくなる構成とすることも可能である。但し、かかる変更によって、回動操作時の操作性に影響がおよぶと考えられる。上述の如く、間隔寸法を後方で大きくした場合には、指載置領域200内における指の回動基端部分が指載置領域200の奥側、すなわち指の先端側となりやすくなる。上述の如く両当接面190a,190bの間隔寸法が遊技機後方で大きくなる構成とした場合に、回動操作量を調整する際の指付け根側の変位量を変位量D1とすれば、両当接面190a,190bの間隔寸法が遊技機前方で大きくなる構成とした場合に、前記回動操作量と同様の微調整を行うために必要な指付け根側の変位量D2は変位量D1よりも大きくなると考えられる。すなわち、間隔寸法が遊技機前方で大きくなる構成とした場合には、回動操作量の微調整を行う際に手全体の位置を変更させる必要が生じやすくなると考えられる。以上のことから、当接面190a,190b間の隙間寸法が手前側から奥側に向けて大きくなる構成とする方が、回動操作量を微調整する際の手の位置への影響を抑えることができるため、操作性向上に対する貢献度が高いと考えられる。なお、相対向する当接面242の間隔寸法についても、同様の変更は可能である。
【0197】
(q)上記各実施の形態では、「指掛け部」として把持部171,241の外面から突出する指掛け凸部190及び内方に凹む指掛け凹部242のいずれか一方のみを設けたが、凸状及び凹状の指掛け部を混在して設けることも可能である。
【0198】
(r)上記各実施の形態では、前部カバー170に指掛け凸部190や指掛け凹部242を配置したが、これを変更し、ハンドルベース150に配置することも可能である。例えば、半球状拡径部152の前端縁に沿って配置するとよい。
【0199】
(s)上記各実施の形態では、「操作部」としての指掛け操作部164〜166を計3つ設けたが、その数はこれに限定されるものではない。操作部を1つ設けてもよいし、2つ設けてもよいし、4つ以上設けてもよい。例えば、各指に対応する操作部を1つづつ設けることも可能である。
【0200】
また、全ての指掛け操作部164〜166の移動範囲に対応して指掛け部を配置する必要は必ずしも無く、指掛け操作部164〜166のうち少なくとも1つの移動範囲に対応して指掛け部を配置することも可能である。
【0201】
(t)上記各実施の形態では、全ての指掛け操作部164〜166が同様の形状をなす構成としたが、これに限定されるものではなく、それぞれの形状を相異させることも可能である。例えば、それぞれの指掛け操作部164〜166が対応する指T,I,Mに応じて操作面164a〜166aの大きさを変更し、この変更に基づいて、指掛け操作部164〜166の全体の大きさを変えてもよい。
【0202】
(u)上記第1の実施の形態では、全ての指掛け凸部190を同一の形状によって構成したが、個々で異なる形状によって構成することも可能である。例えば、指掛け凸部の突出量を個々に変更してもよい。
【0203】
(v)上記第1の実施の形態では、指掛け凸部190の突出量が回動操作部材160側で減少する構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、指掛け凸部190の突出量が回動操作部材160側で増加する構成としてもよい。また、指掛け凸部190の突出量が一定となるように構成してもよい。
【0204】
(w)上記第1及び第3の実施の形態では、把持部171の外面と外環部161の外面と半球状拡径部152の外面とによって仮想球面Gを構成したが、これに限定されるものではない。例えば、それら各外面が異なる曲率を有する構成としてもよいし、各外面の境界部位に放射方向における段差が形成される構成としてもよい。
【0205】
(x)上記第2の実施の形態では、指掛け凹部242の底面243によって仮想球面Gの一部を構成したが、これに限定されるものではない。例えば、底面243をすり鉢状(具体的には内方に凸)となるように構成してもよいし、平面状をなす構成とすることも可能である。また、底面243を仮想球面Gよりも外側となるように配置することも可能である。
【0206】
(y)上記第2の実施の形態では、指掛け凹部242の後部に開放部分を設けたが、この開放部分を設けなくてもよい。但し、開放部分を設けない場合には、指が指掛け凹部242に十分に嵌まらず、引っ掛かりの機能が低下する可能性がある。このため、指掛け凹部242を拡大する等の対策を講じ、指が指掛け凹部を跨ぐといった不都合の発生を抑制する必要があると考えられる。
【0207】
(z)上記第2の実施の形態では、指掛け凹部242に誘導傾斜面245を設けたがこれを省略することも可能である。
【0208】
(aa)上記第1及び第3の実施の形態における各指掛け凸部190が異なる色を有する構成としてもよい。例えば、各指掛け凸部190に異なる色の塗装を施すとよい。これにより、各指掛け凸部190の識別を容易化し、指標としての機能を向上することができる。
【0209】
(ab)上記第3の実施の形態では、第1操作面164aの初期位置に合わせて指掛け凸部190の配置範囲の端部を配置したが、これを以下のように、変更することも可能である。例えば第1操作面164aの初期位置に合わせて配置された指掛け凸部190の大きさを他の指掛け凸部190に対してと異なるものとしてもよい。また、大きさを変更するのではなく、形や色を変更することも可能である。更に、大きさ,形,色の組み合わせにより特定の指掛け凸部190の差別化を図ってもよい。
【0210】
(ac)上記第1及び第3の実施の形態では、各指掛け凸部190の配置間隔を一定としたが、それら指掛け凸部190の間隔を個々に異なるものとしてもよい。例えば、遊技球の発射速度が増加する方向に向けて、指掛け凸部190の間隔を大きくしたり、小さくしたりしてもよい。
【0211】
また、使用頻度が高くなると想定される範囲において指掛け凸部190の配置間隔を小さくすること、すなわち指掛け凸部190を密にすることも可能である。例えば、遊技盤61におけるレール53,54側の上部に配置された釘68周辺に(いわゆるぶっこみ)遊技球が到達しやすいと想定される回動操作位置に対応して、指掛け凸部190の配置を密にするとよい。また、遊技状況に合わせて遊技球を遊技領域の右側及び左側で打ち分ける必要がある場合には、各回動操作位置に合わせて指掛け凸部190の配置を密にしてもよい。
【0212】
なお、上記第2の実施の形態における指掛け凹部242に上述した変更と同様の変更を適用することも可能である。
【0213】
(ad)上記第1及び第3の実施の形態では、隣接する一方の指掛け凸部190の当接面190aと、他方の指掛け凸部190の当接面190bとの両者が、回動操作部材160側でその間隔が広がるように湾曲する構成としたが、これを以下のように変更してもよい。例えば、当接面190bを回動中心軸線方向に延びる平面状とし、当接面190aを回動操作部材160側で当接面190bから広がるように湾曲させることも可能である。
【0214】
(ae)上記各実施の形態とは異なる他のタイプの弾球遊技機、例えば他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも適用できる。
【0215】
以上詳述した各実施の形態における構成及び(a)〜(ae)の各別例における構成のそれぞれを任意に組み合わせた構成とすることも可能である。例えば、第2の実施の形態にと第3の実施の形態を組み合わせてもよいし、各実施の形態の構成と複数の別例を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0216】
10…遊技機としてのパチンコ機、12…遊技機本体としての遊技機主部、41…ハンドル装置、150…基部としてのハンドルベース、151…取付基部、152…半球状拡径部、160…操作部材としての回動操作部材、161…外環部、164〜166…指掛け操作部、164a〜166a…操作面、164b〜166b…当接面としてのガイド面、164c〜166c…稜線部、164d〜166d…当接面としての接触面、170…前部カバー、171…把持部、190…指掛け凸部、190a,190b…当接面、200…指載置領域、210…支持部、240…前部カバー、241…把持部、242…指掛け凹部、243…底面、244…当接面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域に向けて遊技球を発射すべく操作されるハンドル装置を遊技機本体の前面に備えており、
前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部と、
前記基部の前方に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な環状の操作部材と、
前記操作部材の外周部から当該操作部材の外方に突出して設けられ、前記回動操作がなされる場合に、指が引っ掛けられた状態にて前記回動方向へ操作される指掛け操作部と
を備え、
前記指掛け操作部の後部における少なくとも一部は、前記遊技機本体側に向けて凸となる成分を有する曲面状をなしていることを特徴とする遊技機。
【請求項1】
遊技領域に向けて遊技球を発射すべく操作されるハンドル装置を遊技機本体の前面に備えており、
前記ハンドル装置は、
前記遊技機本体に固定される基部と、
前記基部の前方に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な環状の操作部材と、
前記操作部材の外周部から当該操作部材の外方に突出して設けられ、前記回動操作がなされる場合に、指が引っ掛けられた状態にて前記回動方向へ操作される指掛け操作部と
を備え、
前記指掛け操作部の後部における少なくとも一部は、前記遊技機本体側に向けて凸となる成分を有する曲面状をなしていることを特徴とする遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−39472(P2013−39472A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−260805(P2012−260805)
【出願日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【分割の表示】特願2008−730(P2008−730)の分割
【原出願日】平成20年1月7日(2008.1.7)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【分割の表示】特願2008−730(P2008−730)の分割
【原出願日】平成20年1月7日(2008.1.7)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]