説明

遊技機

【課題】異常発生の報知を従来にない斬新な態様で実行し易い遊技機を提供する。
【解決手段】払出制御装置64と主制御装置51と演出制御装置52とを備え、払出制御装置64と球貸ユニット35との間で相互に通信可能としたパチンコ遊技機において、払出制御装置64は、異常状態を検出することにより主制御装置51へ異常情報を送信する異常情報送信手段を備え、主制御装置51は、異常情報送信手段からの異常情報の受信に基づいて、異常を報知するための情報を演出制御装置52に送信し、演出制御装置52は、異常を報知するための情報により、異常であることを変動表示装置25に表示する異常報知処理手段を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機、例えば、パチンコ遊技機においては、当該パチンコ遊技機の側方に別体のカード式球貸ユニット(記憶媒体受付装置)を設け、該カード式球貸ユニットにプリペイドカード(有価価値情報記憶媒体)を挿入した状態で球貸操作を行うと、パチンコ遊技機の前面に設けられた球貯留皿に遊技球を貸球として払い出すものがある。そして、球貯留皿には、球貸操作を実行するための球貸ボタンや、プリペイドカードの残高(有価価値情報)を表示する残高表示部などを設け、カード式球貸ユニットにて異常が発生した場合には、残高表示部にエラーメッセージ(エラー記号)を表示してカード式球貸ユニットの異常発生を報知する旨が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−049743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の遊技機では、遊技店の店員が異常発生に気付き難い。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、異常発生の報知を従来にない斬新な態様で実行し易くすることができる遊技機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、払出制御装置と、遊技進行を統括制御し、前記払出制御装置へ払出指令信号を送信可能な主制御装置と、該主制御装置からの制御信号に基づいて、変動表示装置における演出動作を制御する演出制御装置と、を備え、
前記払出制御装置と、価値情報記憶媒体に記憶された有価価値情報を読取可能な記憶媒体受付装置との間で相互に通信可能とする遊技機において、
前記払出制御装置は、
異常状態を検出することにより前記主制御装置へ異常情報を送信する異常情報送信手段を備え、
前記主制御装置は、
前記異常情報送信手段からの前記異常情報の受信に基づいて、異常を報知するための情報を前記演出制御装置に送信し、
前記演出制御装置は、
前記主制御装置から受信した前記異常を報知するための情報により、異常であることを前記変動表示装置に表示する異常報知処理手段を備え、
前記異常情報送信手段は、
前記記憶媒体受付装置との未接続状態を検出することにより、前記払出制御装置と前記記憶媒体受付装置とが未接続状態である情報を送信し、
前記主制御装置は、
前記異常情報送信手段からの前記未接続状態である情報の受信に基づいて、前記払出制御装置と前記記憶媒体受付装置との未接続状態を報知するための情報を前記演出制御装置に送信し、
前記異常報知処理手段は、
前記主制御装置から受信した前記未接続状態を報知するための情報により、前記払出制御装置と前記記憶媒体受付装置とが未接続状態であることを前記変動表示装置に表示することを特徴とする遊技機である。
【0007】
請求項2に記載のものは、前記払出制御装置は、
遊技球を発射する発射装置を制御可能であり、
前記異常情報送信手段は、
前記記憶媒体受付装置との未接続状態を検出することにより、前記発射装置の発射を停止することを特徴とする請求項1に記載の遊技機である。
【0008】
請求項3に記載のものは、前記異常情報送信手段は、
前記記憶媒体受付装置で発生した異常を検出することにより、前記記憶媒体受付装置で異常が発生した情報を送信し、
前記主制御装置は、
前記異常情報送信手段からの前記記憶媒体受付装置で異常が発生した情報の受信に基づいて、前記記憶媒体受付装置で異常が発生したことを報知するための情報を前記演出制御装置に送信し、
前記異常報知処理手段は、
前記主制御装置から受信した、前記記憶媒体受付装置で異常が発生したことを報知するための情報により、前記記憶媒体受付装置で異常が発生したことを前記変動表示装置に表示することを特徴とする請求項1に記載の遊技機である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、異常発生の報知を従来にない斬新な態様で実行し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】パチンコ遊技機および球貸ユニットの正面図である。
【図2】主制御装置を中心に示した制御系統のブロック図である。
【図3】演出制御装置を中心に示した制御系統のブロック図である。
【図4】払出制御装置を中心に示した制御系統のブロック図である。
【図5】各特図変動表示ゲームに関する遊技の流れを示す説明図である。
【図6】(a)は第1特図変動表示ゲームにおける各状態発生の確率を示す円グラフであり、(b)は第2特図変動表示ゲームにおける各状態発生の確率を示す円グラフである。
【図7】遊技店と管理会社とのネットワークを示す概略図である。
【図8】会員情報管理装置の制御系統のブロック図である。
【図9】会員情報管理装置内のプログラムおよびデータベースの説明図である。
【図10】球貸ユニットの異常状態報知の指令の流れを示す説明図である。
【図11】球貸ユニットの異常報知を表示した変動表示装置の説明図である。
【図12】球貸ユニットと払出制御装置との間で通信される信号のタイミングチャートである。
【図13】球貸ユニットと払出制御装置との間での通信時に監視される内容を示す表である。
【図14】T0タイムショートエラーの発生および解除のタイミングチャートである。
【図15】T0タイムオーバーエラーの発生および解除のタイミングチャートである。
【図16】T2タイムショートエラーの発生および解除のタイミングチャートである。
【図17】T2タイムオーバーエラーの発生および解除のタイミングチャートである。
【図18】T4(TE)タイムオーバーエラーの発生および解除のタイミングチャートである。
【図19】球貸異常処理のフローチャートである。
【図20】球貸異常報知処理のフローチャートである。
【図21】払出制御装置で検出するエラーを示す表である。
【図22】遊技状態の報知および球貸ユニットの異常報知を表示した変動表示装置の表示部の説明図であり、(a)は確変時の表示状態図、(b)は大当たり時の表示状態図である。
【図23】球貸異常検出処理のフローチャートである。
【図24】球貸ユニットの異常状態報知の指令の流れの変形例を示す説明図である。
【図25】球貸異常出力処理のフローチャートである。
【図26】第2実施形態における球貸ユニットの説明図であり、(a)は概略図、(b)は球貸制御部を中心にした制御系統のブロック図である。
【図27】第2実施形態における遊技店と管理会社とのネットワークを示す概略図である。
【図28】第2実施形態における会員情報管理装置の制御系統のブロック図である。
【図29】第2実施形態における会員カード受付処理のフローチャートである。
【図30】第2実施形態における変動表示装置の報知表示の説明図であり、(a)は会員名を表示した態様、(b)は会員カードの発行情報を表示した態様、(c)は会員の来店履歴を表示した態様である。
【図31】第2実施形態における潜伏確変報知処理のフローチャートである。
【図32】パチンコ遊技機の遊技状態を球貸ユニットの球貸表示装置に表示した状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例に挙げて本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、矩形状の機枠(外枠)2に前面枠(内枠)3を開閉可能な状態で軸着し、該前面枠3には矩形状の遊技盤5を前方から収納可能とし、遊技盤5の表面には遊技領域6を区画形成している。また、前面枠3の前側には、一側(図1中、左側)が軸着された透明部材保持枠8を開閉可能に設け、該透明部材保持枠8に透視可能な透明部材9を保持し、透明部材9を通して遊技領域6をパチンコ遊技機1の前方から透視できるように構成している。さらに、透明部材保持枠8の下部には上皿ユニット11を設け、透明部材保持枠8の下方には、下皿ユニット12を上皿ユニット11に対して左右方向にずれた位置に配置している。また、下皿ユニット12の一側部(図1中、右側部)には、発射装置(図示せず)を操作するための発射操作ユニット(発射操作ハンドル)14を備え、他側部(図1中、左側部)には下側スピーカ15を備え、上皿ユニット11の前側には、遊技中に遊技者が操作するための遊技演出用ボタン18を備え、該遊技演出用ボタン18内には、複数のLED等の発光体を円環状に並べて内蔵している。そして、透明部材保持枠8の上縁部の左右両側には、発光しながら回転して演出動作を行う照明装置20と、音を発生させて演出動作を行う上側スピーカ21とを備え、透明部材保持枠8の上縁部のうち左右方向の中央寄りの位置には、パチンコ遊技機1の動作のエラー、詳しくは遊技球の払出動作に関するエラーを報知するためのエラー報知装置(エラー報知LED)22を備えている。
【0012】
また、遊技盤5の表面に区画形成された遊技領域6の略中央には、表示部25aが設けられた変動表示装置25を配設し、遊技領域6のうち変動表示装置25の一側方(図1中、左側方)には普図始動ゲート26を配置し、変動表示装置25の下方には第1始動口27を備え、該第1始動口27の直下には、羽根状の普通電動役物28aが左右に備えられた第2始動口28を備えている。さらに、該第2始動口28の下方には大入賞口(アタッカー)29を配置し、該大入賞口29の下方に位置する遊技領域6の下端には、入賞せずに流下してきた遊技球を回収するアウト口30を設けている。
【0013】
そして、パチンコ遊技機1(前面枠3)の側方には、パチンコ遊技機1とは別体の縦長な球貸ユニット35(本発明における記憶媒体受付装置に相当)を設け、パチンコ遊技機1の上方には、遊技者の呼び出し操作に基づいて発光したり、あるいはパチンコ遊技機1に関する遊技情報(変動表示ゲームのゲーム回数や大当たり回数等)を表示したりする呼び出しランプ36を備えている。球貸ユニット35は、前面の上部に紙幣識別装置(紙幣受入部)38を設け、前面の下部にはカードリーダライタ39を備え、該カードリーダライタ39が球貸用プリペイドカード(本発明における価値情報記憶媒体に相当 図示せず)を受け入れて球貸用プリペイドカードに記憶された金額情報または球貸可能度数情報等の有価価値情報を読取可能としている。また、図4に示すように、球貸ユニット35の内部には、当該球貸ユニット35を制御する球貸制御部40を内蔵し、該球貸制御部40にカード利用可報知LED41、カード挿入中報知LED42、カードリーダライタ39、紙幣識別装置38、さらには、パチンコ遊技機1内の制御装置の一部や、透明部材保持枠8の下部に設けられた球貸スイッチ44、カード返却スイッチ45、球貸可報知LED46、残高表示器47を接続している。そして、有価価値情報に含まれる有価価値を使って、言い換えると、金額情報に記載された金額や球貸可能度数情報に記載された度数等の有価価値を消費(減算)して、球貸制御部40とパチンコ遊技機1の制御系との間で指令信号の送受信を行い、パチンコ遊技機1内に設けられた払出機構(払出モータ)49(図4参照)を駆動して遊技球を上皿ユニット11へ払い出すように構成されている。
【0014】
次に、パチンコ遊技機1の遊技進行等の制御を行う遊技制御装置50、および該遊技制御装置50を中心とする制御系統について説明する。
遊技制御装置50は、図2に示すように、遊技進行を統括制御する主制御装置51と、該主制御装置51からの制御信号に基づいて演出動作の制御を行う演出制御装置52とを備えて構成されている。主制御装置51は、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための制御プログラム等を記憶しているROM、および遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAM、入力部(入力インターフェース)、出力部(出力インターフェース)等から構成されている。そして、各種検出装置(磁気センサスイッチ54、振動センサスイッチ55、始動口スイッチ56、ゲートスイッチ57、入賞口スイッチ58、カウントスイッチ59、前面枠開放検出スイッチ60、保持枠開放検出スイッチ61、電源装置62等)からの検出信号を受けて、特別遊技状態(大当たり状態)、遊技者に対する報知、停電対応処理等、種々の処理を行う。さらに、演出制御装置52や払出制御装置64の他、大入賞口29を開閉するための大入賞口ソレノイド65、普通電動役物28aを開閉するための普電ソレノイド66、特図/普図/遊技状態表示装置67、外部情報端子68等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
【0015】
演出制御装置52は、図3に示すように、演出制御を司るCPU、演出制御のための制御プログラムを格納したPROM、画像データ等を格納した画像ROM、演出制御時のワークエリアとして利用されるVRAM、入力インターフェース、出力インターフェース等から構成されている。そして、パチンコ遊技機1における遊技の進行に伴って発生する信号、具体的には、主制御装置51からの制御信号、遊技演出用ボタン18に設けられたスイッチからの信号、照明装置20の回転位置を検出するスイッチからの信号等に基づいて、遊技の演出を実行する演出実行装置(制御対象部)の演出動作、例えば変動表示装置25の演出動作を制御する。詳しくは、変動表示装置25の表示部25aの表示、上側スピーカ21や下側スピーカ15からの効果音出力、遊技盤5に設けられたLED(盤装飾装置71)や透明部材保持枠8上に設けられたLED(照明装置20の発光部を含む枠装飾装置72)等の発光、遊技盤5に設けられた演出部材を駆動するモータ(盤演出装置73)や透明部材保持枠8上の演出部材を駆動するモータ(照明装置20の駆動モータを含む枠演出装置74)等の駆動を制御する。
【0016】
遊技球の払出動作を制御する払出制御装置64は、図4に示すように、払出制御を司るCPU、払出制御のための制御プログラムを格納したROM、払出制御時のワークエリアとして利用されるRAM、入出力インターフェース等から構成されており、主制御装置51と当該払出制御装置64との間、および球貸ユニット35(詳しくは球貸制御部40)と当該払出制御装置64との間で相互に通信可能としている。そして、パチンコ遊技機1における遊技の進行に伴って発生する信号、具体的には、主制御装置51からの制御信号(例えば、払出指令信号)やパチンコ遊技機1内に設けられたスイッチ(払出球検出スイッチ81、エラー解除スイッチ82、シュート球切れスイッチ83、オーバーフロースイッチ84)からの信号、球貸ユニット35からの信号に基づいて、発射装置を制御する発射制御装置85に指令信号を送信したり、払出機構49の払出モータにより払出動作を行う制御を実行したりする。また、払出制御装置64で検出したエラーをエラーナンバー表示LED86で報知したり、外部端子板87に信号を出力したりする。
【0017】
そして、パチンコ遊技機1の遊技進行においては、遊技球が普図始動ゲート26へ入賞(通過)すると、特図/普図/遊技状態表示装置67が普図変動表示ゲームを表示し、該普図変動表示ゲームの結果態様が「当たり」を示す状態になった場合には第2始動口28の普通電動役物28aが開いて、遊技球が第2始動口28へ入賞し易い状態に変換する。また、遊技球が第1始動口27へ入賞すると、特図/普図/遊技状態表示装置67が第1特図変動表示ゲームを行って表示を変動させる。また、遊技球が第2始動口28へ入賞して特図/普図/遊技状態表示装置67が第2特図変動表示ゲームを行って表示を変動させる。
【0018】
さらに、第1特図変動表示ゲームまたは第2特図変動表示ゲームの表示態様が予め定められた特別の結果態様になったときには、図5に示すように、パチンコ遊技機1の遊技状態が通常状態から変化する。具体的には、ゲームの表示態様が小当たり態様になった場合には、パチンコ遊技機1の遊技状態が小当たり状態に変化して、大入賞口29にて1秒間の開放を2回実施し、この開放の実施後に通常状態へ戻る。
【0019】
また、ゲームの表示態様が大当たり態様になった場合には、パチンコ遊技機1の遊技状態が2R当たり状態、15R当たり状態のいずれかに変化する。2R当たり状態に変化すると、大入賞口29で1秒間の開放を2回実施し、この開放の実施後に高確率状態Dへ移行して遊技が進行する。高確率状態Dでは、次回の第1特図変動表示ゲームまたは第2特図変動表示ゲームにおいて大当たり態様となる確率が通常状態時よりも高くなり、普図変動表示ゲームにおいては時短動作を実施可能とし、普図変動表示ゲームの実行時間が通常状態時に比べて短くなり、且つ「当たり」時の普通電動役物28aの開状態時間が長くなるように設定される。そして、次回の第1特図変動表示ゲームまたは第2特図変動表示ゲームで大当たりが発生すると、高確率状態Dが解除されて通常状態に戻る。
【0020】
一方、15R当たり状態に変化すると、大入賞口29で20秒間の開放、または遊技球が10個入賞するまでの開放を15回実施し、この開放の実施後に高確率状態Dまたは低確率状態Eのいずれかへ移行して遊技が進行する。低確率状態Eでは、次回の第1特図変動表示ゲームまたは第2特図変動表示ゲームにおいて大当たり態様となる確率が通常状態時と同じ確率に設定され、普図変動表示ゲームにおいては時短動作を実施可能とする。そして、低確率状態Eで100回の特図変動表示ゲームを実行すると、低確率状態Eが解除されて通常状態に戻る。
【0021】
なお、第1特図変動表示ゲームで大当たりとなった場合には、図6(a)に示すように、2R確変当たりが選択される確率が24%、15R確変当たりが選択される確率が38%、15R通常当たりが選択される確率が38%となっている。一方、第2特図変動表示ゲームで大当たりとなった場合には、図6(b)に示すように、15R確変当たりが選択される確率が62%、15R通常当たりが選択される確率が38%となっており、2R確変当たりが選択される確率は0%である。したがって、第1特図変動表示ゲームよりも第2特図変動表示ゲームの方が、遊技者にとって有利なゲームとなっている。
【0022】
また、パチンコ遊技機1および球貸ユニット35は、図7に示すように、遊技店内において、情報収集端末装置90および中継端末装置91を介して遊技店内部管理装置92および会員情報管理装置93に接続され、当該パチンコ遊技機1および当該球貸ユニット35と、遊技店内部管理装置92および会員情報管理装置93との間で相互に通信可能としている。なお、遊技店内部管理装置92は、他の遊技店の遊技店内部管理装置92とともにWAN(Wide Area Network)を介して管理会社内に設置された遊技店外部管理装置95に接続されており、遊技店内部管理装置92と遊技店外部管理装置95との間で管理情報を相互に通信可能としている。さらに、各パチンコ遊技機1に接続されている情報収集端末装置90には、会員カード等の会員情報記憶媒体から遊技店会員の会員情報(会員名や会員番号等)を読取可能な会員端末96と、遊技店員にパチンコ遊技機1の状態や不具合発生等を報知するための呼び出しランプ36とを接続し、情報収集端末装置90と中継端末装置91との間には、パチンコ遊技機1を設置する設置島(図示せず)に設けられたコーナーランプ97を接続している。
【0023】
会員情報管理装置93は、図8に示すように、CPUやRAM等から構成される管理制御部93aにモニタ、プリンタ、キーボード等の入出力装置を接続して構成されており、会員情報管理装置93とは別個に設けられた装置、具体的には、遊技店内に設置された営業管理装置100や監視カメラ制御装置101、会員端末96に設けられた会員登録装置102との間で相互に通信可能としている。また、管理制御部93aにおいては、図9に示すように、会員登録プログラム、会員抹消プログラム、遊技履歴管理プログラム等の制御プログラムを実行可能とし、各会員情報を蓄積した会員情報データベースの他、監視カメラ制御データや監視カメラで撮影した記録画像のデータベース、各会員の遊技履歴を記録した遊技履歴データベース、会員のうち不審な行動を取った者をリストアップした不審遊技者データベース等を記憶している。
【0024】
このような構成を備えたパチンコ遊技機1および球貸ユニット35においては、遊技者が球貸ユニット35のカードリーダライタ39に球貸用プリペイドカードを挿入し、この状態で球貸スイッチ44を操作すると、貸球払出要求信号が球貸制御部40から払出制御装置64へ送信される。すると、払出制御装置64が貸球払出要求信号の受信に基づいて貸球払出制御を実行し、払出機構(払出モータ)49が作動して遊技球を貸球として上皿ユニット11に払い出し、カードリーダライタ39が球貸用プリペイドカードの記憶金額または球貸可能度数を減算して書き換える。また、遊技者がカード返却スイッチ45を操作すると、球貸ユニット35が球貸用プリペイドカードを排出して遊技者に返却する。
【0025】
そして、払出制御装置64と球貸ユニット35との間、さらには払出制御装置64と主制御装置51(遊技制御装置50)との間で相互に通信可能(図4参照)としたことを利用して、球貸ユニット35で異常が発生したことを変動表示装置25で報知するように構成されている。具体的には、図10に示すように、球貸ユニット35で異常が発生すると、払出制御装置64は、本発明における異常情報送信手段として機能し、球貸ユニット35からの異常信号を受信して球貸ユニット35の異常を検出し、この検出結果に基づいて異常情報(球貸ユニット35にて異常が発生した旨を示す情報)を主制御装置51へ送信する。また、当該払出制御装置64が球貸ユニット35の異常を検出している期間においては、払出機構49に遊技球を貸球として払い出させる貸球払出制御の実行を規制するとともに、払出機構49に遊技球を賞球として払い出させる賞球払出制御の実行を許容する。
【0026】
さらに、払出制御装置64が異常情報を送信すると、主制御装置51は、異常発生報知手段として機能し、払出制御装置64からの異常情報の受信に基づいて演出制御装置52に異常報知指令を送信する。異常報知指令を受信した演出制御装置52は、本発明における異常報知処理手段として、異常報知を実施する処理を行い、図11に示すように、変動表示装置25の表示部25aに「球貸エラー発生」の文字を表示して球貸ユニット35の異常を報知する。なお、演出制御装置52の異常報知処理においては、上側スピーカ21や下側スピーカ15から予め設定された報知音を出力したり、透明部材保持枠8の照明装置20を発光および回転したり、遊技演出用ボタン18内の複数の発光体を円周方向に沿って次々と発光したりして球貸ユニット35の異常を報知するように制御してもよい。
【0027】
次に、球貸動作時に球貸ユニット35と払出制御装置64との間で通信される信号のタイミングチャートを図12に基づいて説明する。なお、図12においては、球貸用プリペイドカードに記憶された金額から400円を減算し、400円相当の個数の遊技球を単位貸出数分(100円分)に分けて遊技者に貸し出す動作を例示している。
【0028】
まず、球貸用プリペイドカードがカードリーダライタ39にセットされ、この状態で球貸スイッチ44が操作されると、球貸制御部40は、払出制御装置64がEXS信号(球貸要求を受信したことを通知するための要求了解および球貸完了信号)をONにしていないこと、および払出制御装置64がPRDY信号(球貸準備信号)をONにしていることを条件に、BRDY信号(球貸要求信号)をONに設定する。そして、1回の球貸スイッチ44の操作に対応する遊技球の数が払い出されるまで(1回の球貸スイッチ44により設定された連続球貸が終了するまで、又は、連続球貸が実行できないエラーが生じるまで)BRDY信号を払出制御装置64へ出力し、BRDY信号を出力してから貸出要求監視時間(T0)が経過した後に、BRQ信号(球貸指令信号)をONにして払出制御装置64へ出力する。
【0029】
BRQ信号を受信した払出制御装置64は、BRQ要求了解ACK監視時間(T1)が経過した後にEXS信号をONにしてBRQ信号を受信したことを球貸制御部40へ通知する。さらに、貸出指示監視時間(T2)が経過すると、球貸制御部40がBRQ信号をOFFにするとともに、球貸用プリペイドカードの残高を100円減算して書き換える。また、払出制御装置64は、BRQ信号のOFFを受信し、この受信を契機にして払出球検出スイッチ81出力許可信号をOFFにするとともに、単位貸出数(100円分の個数)の遊技球を貸球として払い出す分だけ払出機構(払出モータ)49を駆動する。そして、払出機構49の駆動停止後、払出球通過ウェイトをONにして遊技球を払出球検出スイッチ81で検出する待ち時間を確保し、払出監視時間(T3)の経過と同時に払出球通過ウェイトをOFFにするとともに払出球検出スイッチ出力許可信号をONにして、払出球検出スイッチ81の検出結果を出力可能とする。さらに、EXS信号をOFFにして、球貸制御部40に単位貸出数分(100円分)の遊技球の払い出し(貸し出し)が完了したことを通知する。
【0030】
EXS信号がOFFになってから次要求確認タイミング(T4)が経過すると、球貸制御部40は、次の単位貸出数分の遊技球の払い出しを開始するために、BRQ信号を出力する。そして、BRQ信号を受信してから次要求BRQ要求了解ACK監視時間(T5)が経過すると、払出制御装置64は、BRQ信号を受信したことを通知するEXS信号を出力する。
【0031】
これらの処理を400円分の遊技球が払い出されるまで繰り返し、BRQ信号が4回出力されて遊技球の払い出しが終わると、球貸制御部40は、BRDY信号の出力をOFFにして、遊技球の球貸処理を終了する。
【0032】
また、球貸ユニット35と払出制御装置64との通信においては、払出制御装置64は、BRDY信号の状態またはBRQ信号の状態を監視している。具体的に説明すると、図13に示すように、貸出要望待ち(球貸操作待ち)状態においては、球貸ユニット35と払出制御装置64との通信の正常動作時(以下、単に「通信正常動作時」と称す)にBRDY信号がONであることを監視するが、BRQ信号の監視は行わない。
【0033】
貸出要求監視時間(T0)中においては、通信正常動作時にBRDY信号およびBRQ信号がONであることを監視し、BRDY信号がOFFになった場合には、異常な信号波形が発生したと判断して球貸処理を終了する。さらに、BRDY信号がONになってから予め設定された規定時間の範囲から外れたタイミングでBRQ信号がONになった場合にはエラー(T0タイムショートエラーまたはT0タイムオーバーエラー)が発生したと判断し、球貸ユニット35から異常信号を送信する。
【0034】
BRQ要求了解ACK監視時間(T1)中、または次要求BRQ要求了解ACK監視時間(T5)中においては、通信正常動作時にBRDY信号およびBRQ信号の状態を監視しない。また、EXS信号がONになるタイミングにおいては、通信正常動作時にBRDY信号およびBRQ信号がONであることを監視し、BRDY信号およびBRQ信号がOFFになった場合には、異常な信号波形が発生したと判断して球貸処理を終了する。
【0035】
貸出指示監視時間(T2)中においては、通信正常動作時にBRDY信号およびBRQ信号がONであることを監視し、BRDY信号がOFFになった場合には、異常な信号波形が発生したと判断して球貸処理を終了する。さらに、EXS信号がONになってから予め設定された規定時間の範囲から外れたタイミングでBRQ信号がOFFになった場合にはエラー(T2タイムショートエラーまたはT2タイムオーバーエラー)が発生したと判断し、球貸ユニット35から異常信号を送信する。
【0036】
払出監視時間(T3)中においては、通信正常動作時にBRQ信号がOFFであることを監視し、BRDY信号がOFFになった場合またはBRQ信号がONになった場合には、異常な信号波形が発生したと判断するが無視する。また、EXS信号がOFFになるタイミングにおいては、通信正常動作時にBRDY信号およびBRQ信号の状態を監視せず、BRDY信号がOFFになった場合またはBRQ信号がONになった場合には、異常な信号波形が発生したと判断するが無視する。
【0037】
次要求確認タイミング(T4)または球貸完了監視時間(TE)中においては、通信正常動作時にBRDY信号がONであること、およびBRQ信号がOFFであることを監視し、異常な信号波形が発生したか否かを監視しない。さらに、次要求確認タイミング(T4)にて、EXS信号がOFFになってから予め設定された規定時間を越えたタイミングでBRQ信号がONになった場合にはエラー(T4タイムオーバーエラー)が発生したと判断する。また、球貸完了監視時間(TE)にて、EXS信号がOFFになってから予め設定された規定時間を越えたタイミングでBRDY信号がOFFになった場合にはエラー(TEタイムオーバーエラー)が発生したと判断し、球貸ユニット35から異常信号を送信する。
【0038】
ここで、球貸ユニット35の異常が原因で発生する各タイムオーバーエラーおよびタイムショートエラーについて説明する。T0タイムショートエラーは、図14に示すように、BRDY信号がONになってから、貸出要求監視時間(T0)として予め設定された規定時間が経過する前(例えば28msが経過する前)にBRQ信号がONになった場合に検出される。T0タイムオーバーエラーは、図15に示すように、BRDY信号がONになってから、貸出要求監視時間(T0)として予め設定された規定時間が経過した後(例えば52msが経過した後)にBRQ信号がONになった場合に検出される。
【0039】
T2タイムショートエラーは、図16に示すように、EXS信号がONになってから、貸出指示監視時間(T2)として予め設定された規定時間が経過する前(例えば32msが経過する前)にBRQ信号がOFFになった場合に検出される。T2タイムオーバーエラーは、図17に示すように、EXS信号がONになってから、貸出指示監視時間(T2)として予め設定された規定時間が経過した後(例えば54msが経過した後)にBRQ信号がOFFになった場合に検出される。
【0040】
T4タイムオーバーエラーは、図18に示すように、EXS信号がOFFになってから、次要求確認タイミング(T4)として予め設定された規定時間が経過した後(例えば254msが経過した後)にBRQ信号がONになった場合に検出される。また、TEタイムオーバーエラーは、EXS信号がOFFになってから、球貸完了監視時間(TE)として予め設定された規定時間が経過した後(例えば254msが経過した後)にBRDY信号がOFFになった場合に検出される。
【0041】
そして、上記各ショートエラーまたはオーバーエラーが発生した場合には、PRDY信号のON・OFFを交互に実行する。詳しくは、200msのON、200msのOFF、100msのON、100msのOFF、100msのON、10s以上のOFFを実行する。このON・OFF動作の実行後、BRDY信号およびBRQ信号がOFFであることを検出したならば、エラーを解除する。
【0042】
次に、払出制御装置64で行われる球貸異常処理、および演出制御装置52で行われる球貸異常報知処理を、図19および図20に示すフローチャートに基づいて説明する。
払出制御装置64が実行する球貸異常処理においては、図19に示すように、まず、球貸ユニット35から異常信号を受信しているか否か、言い換えると球貸ユニット35の異常状態を検出しているか否かを判定し(S1)、異常状態を検出している場合には、払出機構49が遊技球を貸球として払い出す動作を規制するとともに、賞球として払い出す動作を許容する(S2)。そして、ステップS1において異常状態を検出していない場合、またはステップS2において遊技球を貸球として払い出す動作のみを規制した場合には、球貸ユニット35の異常状態が解除されたことを示す解除信号(または球貸ユニット35が正常状態であることを示す正常信号)を受信したか否かを判定し(S3)、解除信号または正常信号を受信していなければ、球貸異常処理を終了する。一方、解除信号または正常信号を受信していれば、遊技球を貸球または賞球として払い出す動作を許容し(S4)、球貸異常処理を終了する。
【0043】
また、演出制御装置52が実行する球貸異常報知処理においては、図20に示すように、主制御装置51から異常報知指令を受信しているか否かを判定し(S11)、異常報知指令を受信してない場合には、球貸異常報知処理を終了し、異常報知指令を受信している場合には、変動表示装置25(または、スピーカ15,21や照明装置20等の演出実行装置)を制御して球貸異常報知を行わせて(S12)、球貸異常報知処理を終了する。
【0044】
このようにして、球貸ユニット35で異常が発生したことをパチンコ遊技機1の遊技制御装置50および演出制御装置52の制御により報知可能としたので、球貸ユニット35における異常発生の報知を従来にない斬新な態様で実行し易くなり、遊技店の店員も球貸ユニット35の異常発生の把握、ひいては復旧作業の着手を迅速に行うことができる。さらに、演出実行装置を利用して球貸ユニット35における異常発生の報知を斬新な態様で行うことができる。そして、不正行為者が不正な制御基板を接続して不正な球貸指令の信号を発生させ、この信号に起因して異常が発生した場合には、不正行為の実行を変動表示装置25等で報知することができて発見し易い。
【0045】
また、払出制御装置64は、球貸ユニット35から送信された貸球払出要求信号に基づいて、払出機構49に遊技球を貸球として払い出させる貸球払出制御を実行するので、遊技球の貸出操作を確実に行うことができる。そして、球貸ユニット35で異常が発生すると、遊技球を貸球として払い出すことを規制するが、賞球として払い出すことを許容するので、遊技者は、球貸ユニット35で異常が発生したか否かにかかわらず、遊技において大当たり等が発生すれば支障なく賞球を得ることができる。
【0046】
なお、払出制御装置64では、図21に示すように、各タイムショートエラーおよびタイムオーバーエラー等の球貸ユニット35からの異常信号の他、払出機構49で発生した異常(シュート球切れエラー、オーバーフローエラー、スイッチ異常エラー、払出球検出エラー、払い出し不足エラー、払い出し過剰エラー)、払出制御装置64と通信する構成との接続で発生した異常(通信コネクタ未接続エラー、球貸ユニット35未接続エラー)を検出する。そして、払出機構49で発生した異常、および払出制御装置64との通信接続で発生した異常を検出すると、払出制御装置64に実装されたエラーナンバー表示LED86(図4参照)には、各異常内容に対応して予め設定されたエラーナンバーを表示するとともに、透明部材保持枠8に設けられたエラー報知装置(エラー報知LED)22を点灯または消灯する制御を行う。また、各異常内容に優先順位を設定しておき、複数の異常が同時に発生した場合には、優先順位の高いものに対応するエラーナンバーの表示およびエラー報知装置22の動作を行う。そして、いずれの異常が発生した場合においても、払出制御装置64での検出に基づいて主制御装置51へ信号を送信し、さらには主制御装置51が演出制御装置52に指令(異常が発生したことを報知するための情報)を送信し、変動表示装置25に報知用文字を表示して異常発生を報知する。
【0047】
また、上記した球貸異常報知処理のうち球貸異常報知を行う制御(S12)においては、変動表示装置25の表示部25aにキャラクタなどの画像を表示するとともに、スピーカ15,21から遊技者に遊技店店員を呼ぶように促す音声を出力してもよい。あるいは、進行中の遊技状態の表示と併せて球貸ユニット35の異常発生を報知してもよい。例えば、図22に示すように、遊技が確変状態である場合には、変動表示装置25の表示部25aに「確変中に球貸エラー発生」の文字表示と、確変状態であることを報知するキャラクタとを表示し(図22(a)参照)、遊技が大当たり状態である場合には、変動表示装置25の表示部25aに「大当たり中に球貸エラー発生」の文字表示と、確変状態報知用の態様とは異なる態様の球貸エラー用キャラクタとを表示してもよい(図22(b)参照)。
【0048】
さらに、異常発生報知手段として機能する主制御装置51(遊技制御装置50)は、払出制御装置64から異常情報を所定時間内に所定回数受信したことを条件にして、演出制御装置52に異常報知指令を送信するように設定してもよい。このとき、主制御装置51においては、図23に示すフローチャートに基づいて球貸異常検出処理を行って、異常報知指令を送信する条件を満たしたか否かを判定する。例えば、払出制御装置64から球貸ユニット35の異常情報(各タイムショートエラー、各タイムオーバーエラー)を所定時間内に所定回数(例えば、3分間以内に5回)受信したか否かを判定し(S13)、受信していなければ球貸異常検出処理を終了し、受信していれば、演出制御装置52に異常報知指令(エラー報知)を送信し(S14)、球貸異常検出処理を終了する。
【0049】
また、異常発生報知手段として機能する主制御装置51(遊技制御装置50)は、演出制御装置52に異常報知指令を送信すること(図10参照)だけではなく、外部情報端子68を介してパチンコ遊技機1の外部に信号を出力し、遊技店側に球貸ユニット35の異常を報知してもよい。例えば、図24に示すように、払出制御装置64からの異常情報の受信に基づいて、主制御装置51が外部情報端子68に球貸ユニット35の異常を示す信号(球貸異常報知信号)を出力し、この球貸異常報知信号を受信した呼び出しランプ36が球貸ユニット35の異常を報知する動作(報知発光)を実行してもよい。このとき、主制御装置51においては、図25に示すフローチャートに基づいて球貸異常出力処理を行って、球貸異常報知信号を出力するか否かを制御する。具体的には、払出制御装置64から球貸ユニット35の異常情報を受信したか否かを判定し(S16)、受信していなければ球貸異常出力処理を終了し、受信していれば、球貸異常報知信号を外部情報端子68からパチンコ遊技機1の外部へ出力し(S17)、球貸異常出力処理を終了する。
【0050】
このようにして、球貸ユニット35において異常が発生したことをパチンコ遊技機1の外部へ出力して遊技店側に報知すれば、遊技店側に球貸ユニット35の異常を迅速に知らせることができる。なお、球貸異常報知信号は、呼び出しランプ36にて受信されることに限らず、遊技店内部管理装置92等の管理装置にて受信可能としてもよい。要は、主制御装置51がパチンコ遊技機1の外部に球貸異常報知信号を出力して遊技店側に球貸ユニット35の異常を報知できれば、球貸異常報知信号は何処で受信されてもよい。また、主制御装置51がパチンコ遊技機1の外部にのみ球貸異常報知信号を出力するように設定してもよい。
【0051】
ところで、上記実施形態では、球貸ユニット35と払出制御装置64との間、および払出制御装置64と主制御装置51(遊技制御装置50)との間でそれぞれ双方向通信可能としたことを利用して、パチンコ遊技機1の演出実行装置で球貸ユニット35の異常報知を行うように構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図26に示す第2実施形態においては、基本的には上記第1実施形態と同じであるが、球貸ユニットに表示装置および会員カードリーダを備えて会員端末としても利用可能とした点、球貸ユニットでは球貸用プリペイドカードの代わりに球貸用コインを価値情報記憶媒体として受け付ける点等で異なる。そして、球貸ユニットが会員カードから読み取った遊技者の情報(言い換えると遊技店会員の会員情報)を主制御装置51へ送信し、パチンコ遊技機1の変動表示装置25において、会員情報に基づいて遊技店会員への伝達事項を報知できるように構成されている。
【0052】
具体的に説明すると、図26(a)に示す実施形態の球貸ユニット105は、円板状の球貸用コイン(図示せず)を価値情報記憶媒体として受け付けて球貸操作を許容する装置であり、当該球貸ユニット105の前面の上部にはコイン投入口106を開設し、該コイン投入口106から投入された球貸用コインを内部のコインリーダライタ107(図26(b)参照)に受け入れて、球貸用コインに記憶された金額情報また球貸可能度数情報(本発明における有価価値情報に相当)を読取可能としている。また、コイン投入口106の下方には、コインリーダライタ107から排出された球貸用コインを返却するためのコイン返却口108を開設し、コイン投入口106とコイン返却口108との間には、液晶パネル等で構成された球貸表示装置109を備えている。さらに、コイン返却口108の下方には紙幣識別装置110を備え、該紙幣識別装置110の下方には会員カードリーダ111を備え、遊技店会員の会員カードに記憶された会員情報(会員名や会員番号等)を球貸ユニット105(会員カードリーダ111)で読取可能としている。そして、図26(b)に示すように、球貸ユニット105の内部には、当該球貸ユニット105を制御する球貸制御部113を内蔵し、該球貸制御部113にコイン利用可報知LED114、コイン挿入中報知LED115、コインリーダライタ107、紙幣識別装置110、会員カードリーダ111、球貸表示装置109、さらには、パチンコ遊技機1内の払出制御装置64を接続し、当該球貸ユニット105の会員カードリーダ111で読み取られた会員情報を払出制御装置64で受信可能としている。なお、図27および図28に示すように、第2実施形態においては遊技店内の会員情報管理装置93を直接WANに接続し、会員情報管理装置93から遊技店外部管理装置95へ情報を送信可能としている。
【0053】
このような構成を備えた球貸ユニット105の会員カードリーダ111に会員カードを挿入すると、球貸ユニット105は、会員カードから会員情報を読み取り、この会員情報に基づき、遊技店会員に伝達すべき事項を球貸表示装置109やパチンコ遊技機1の変動表示装置25に表示して報知する。このとき、球貸ユニット105の球貸制御部113では、図29のフローチャートで示す会員カード受付処理が実行される。具体的に説明すると、まず、会員カードが挿入されているか否かを判定し(S21)、会員カードが挿入されていたならば、会員カードから会員情報を読み込み(S22)、払出制御装置64および主制御装置51を介して会員情報管理装置93へ送信する(S23)。なお、会員情報を受信した会員情報管理装置93は、会員情報とデータベースとを照合して会員情報に関連する情報を選択して表示データとし、この表示データを主制御装置51および払出制御装置64を介して球貸ユニット105へ送信する。
【0054】
ステップS23の実行後、会員カード受付処理においては、会員カードが挿入されてから表示データを受信できずに予め設定された所定時間が経過したかを判定し(S24)、所定時間が経過している場合には、球貸表示装置109でエラー表示を実行する処理を行う(S25)。一方、所定時間が経過していない場合には、表示データを受信したか否かを判定する(S26)。この判定の結果、表示データを受信している場合には、球貸表示装置109で会員情報に基づく内容の表示(例えば、会員名や会員番号の表示)を実行する処理を行い(S27)、さらには、パチンコ遊技機1の変動表示装置25で表示するための表示情報を会員情報および表示データに基づいて生成し、払出制御装置64を介して主制御装置51へ送信する(S28)。そして、ステップS21で会員カードが挿入されていない場合、ステップS26で表示データを受信していない場合、ステップS25の終了後、ステップS28の終了後に、会員カード受付処理を終了する。
【0055】
ステップS28で生成された表示情報が主制御装置51で受信されると、主制御装置51は、演出制御装置52に表示情報を表示する指令を送信して、変動表示装置25に表示情報を表示して報知する制御を行わせる。この結果、変動表示装置25は、例えば図30(a)に示すように、表示部25aに会員名と「パーラー◎◎へようこそ!」等のメッセージとを併せて表示する。また、図30(b)に示すように、遊技店系列の支店(例えば「パーラー◎◎新橋店」)で発行された会員カードを別の支店(例えば「パーラー◎◎新橋店」)に設置された球貸ユニット105に挿入した場合には、「パーラー◎◎ この会員カードは『銀座店』のものではなく、『新橋店』のものです。」と表示する。さらに、図30(c)に示すように、会員情報管理装置93と遊技店外部管理装置95との間、または会員情報管理装置93同士の間で遊技店会員の来店履歴情報を共有し、表示データに遊技店会員の来店履歴、例えば遊技者が同日中に「銀座店」から「新橋店」へ移動してきたことを示す来店履歴が含まれている場合には、「パーラー◎◎ 『銀座店』から『新橋店』へようこそ」と表示する。このようにして、会員情報に基づいて主制御装置51および演出制御装置52が遊技店会員に伝達事項を報知すれば、遊技店の会員に伝えたい情報を会員が気付き易い態様、例えば、変動表示装置25に大きな文字で表示して報知することができる。
【0056】
また、遊技店において、遊技店を利用したことに応じて会員にポイントを付与する制度(所謂ポイント制度)を導入し、会員カードに会員が得たポイント数を記憶している場合には、球貸ユニット105で会員カードからポイント数(ポイントデータ)を読み取り、このポイント数が予め設定された規定数であることを条件にしてパチンコ遊技機1で進行中の遊技状態を報知するように設定してもよい。例えば、会員カードから読み取られたポイント数を払出制御装置64および主制御装置51を介して演出制御装置52へ送信し、演出制御装置52にて実行される潜伏確変報知処理においてポイント数が予め設定された規定数を満たしていれば、パチンコ遊技機1で進行中の遊技が通常状態よりも高い確率で大当たりになる状態(高確率状態)である旨を報知するように設定してもよい。なお、潜伏確変報知処理は、例えば、図31に示すフローチャートに基づいて実行される。すなわち、球貸ユニット105からポイント数を受信したか否かを判定し(S31)、ポイント数を受信している場合には、このポイント数が予め設定された規定数以上であるか否かを判定する(S32)。さらに、ポイント数が規定数以上である場合には、遊技状態が高確率状態であることを報知しない設定になっているか否かを判定し(S33)、高確率状態を報知しない設定になっていれば高確率状態を報知する設定に変更し(S34)、潜伏確変報知処理を終了する。また、ステップS31においてポイント数を受信していない場合、ステップS32においてポイント数が規定数未満の場合、ステップS33において高確率状態を報知する設定になっている場合には、潜伏確変報知処理を終了する。
【0057】
なお、上記第1実施形態だけではなく上記第2実施形態においても、主制御装置51(遊技制御装置50)は、演出制御装置52に異常報知指令を送信することだけではなく、外部情報端子68を介してパチンコ遊技機1の外部に信号を出力し、遊技店側に球貸ユニット105の異常を報知してもよい。例えば、払出制御装置64からの異常情報の受信に基づいて、主制御装置51が外部情報端子68に球貸ユニット105の異常を示す信号(球貸異常報知信号)を出力し、この球貸異常報知信号を受信した呼び出しランプ36が球貸ユニット105の異常を報知する動作(報知発光)を実行してもよい。この結果、遊技店側に球貸ユニット105の異常を迅速に知らせることができる。なお、球貸異常報知信号は、呼び出しランプ36にて受信されることに限らず、遊技店内の遊技店内部管理装置92等の管理装置にて受信可能としてもよい。要は、主制御装置51がパチンコ遊技機1の外部に球貸異常報知信号を出力して遊技店側に球貸ユニット105の異常を報知できれば、球貸異常報知信号は何処で受信されてもよい。また、主制御装置51がパチンコ遊技機1の外部にのみ球貸異常報知信号を出力するように設定してもよい。
【0058】
ところで、上記各実施形態では、球貸ユニット35,105からパチンコ遊技機1(払出制御装置64や遊技制御装置50)へ信号を送信して、球貸ユニット35,105で読み取られた情報に基づいて変動表示装置25が報知動作を行うが、本発明はこれに限定されない。例えば、球貸ユニット105と主制御装置51との間に接続されている払出制御装置64は、パチンコ遊技機1で進行中の遊技状態を示す遊技状態情報を主制御装置51から受信して球貸ユニット105(詳しくは球貸制御部113)へ送信してもよい。そして、球貸制御部113が報知制御を実行して、球貸表示装置109に遊技状態情報の報知表示を行わせるように設定してもよい(図32参照)。このようにしてパチンコ遊技機1の遊技状態を球貸ユニット105で報知すれば、遊技者は、変動表示装置25から視線を外して球貸ユニット105(球貸表示装置109)を見ているときでも、パチンコ遊技機1の遊技状態を把握することができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0059】
ところで、上記各実施形態では、本発明における記憶媒体受付装置の例示として、球貸用プリペイドカードや球貸用コインなどの遊技専用の価値情報記憶媒体を内部に挿入して有価価値情報を読み取る球貸ユニット35,105を挙げたが、本発明の記憶媒体受付装置および価値情報記憶媒体はこれに限定されない。要は、価値情報記憶媒体に有価価値情報を記憶し、記憶媒体受付装置が価値情報記憶媒体から有価価値情報を読み取り、この有価価値情報に含まれる有価価値を使って球貸操作を許容するものであれば、どのような記憶媒体受付装置であってもよいし、どのような価値情報記憶媒体であってもよい。例えば、携帯電話や電子マネー専用カードなどの非接触型記憶媒体に有価価値情報を記憶し、この非接触型記憶媒体を記憶媒体受付装置に接触させずにかざして、記憶媒体受付装置に有価価値情報を読み取らせてもよい。また、球貸ユニット等の記憶媒体受付装置自体に払出機構をパチンコ遊技機1の払出機構49とは別個に備え、記憶媒体受付装置内の払出機構から貸球のみを払い出すように構成してもよい。
【0060】
さらに、上記各実施形態における遊技制御装置50は、遊技進行を統括制御する主制御装置51と、演出動作を制御する演出制御装置52とを別個に備えて構成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、1つの制御装置で遊技進行を統括制御と演出動作の制御とを実行するように構成してもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例にして説明したが、本発明はこれに限らず、遊技球を払い出す払出機構を制御する払出制御装置と、遊技盤に設けられた制御対象部の動作を制御するとともに、払出制御装置へ払出指令信号を送信可能な遊技制御装置と、を備え、払出制御装置と、価値情報記憶媒体に記憶された有価価値情報を読取可能な記憶媒体受付装置との間で相互に通信可能とし、有価価値情報に含まれる有価価値を使って遊技球を払出機構から払出可能とした遊技機であればどのような遊技機でもよい。例えば、封入球式パチンコ機、アレンジボール式遊技機、雀球式遊技機等の遊技機であってもよい。
【0062】
なお、前記した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は、上記した説明に限らず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれるものである。
【符号の説明】
【0063】
1 パチンコ遊技機
3 前面枠
5 遊技盤
22 エラー報知装置
25 変動表示装置
25a 表示部
35 球貸ユニット
38 紙幣識別装置
39 カードリーダライタ
40 球貸制御部
49 払出機構
50 遊技制御装置
51 主制御装置
52 演出制御装置
64 払出制御装置
68 外部情報端子
87 外部端子板
92 遊技店内部管理装置
93 会員情報管理装置
93a 管理制御部
95 遊技店外部管理装置
105 球貸ユニット
107 コインリーダライタ
109 球貸表示装置
111 会員カードリーダ
113 球貸制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
払出制御装置と、遊技進行を統括制御し、前記払出制御装置へ払出指令信号を送信可能な主制御装置と、該主制御装置からの制御信号に基づいて、変動表示装置における演出動作を制御する演出制御装置と、を備え、
前記払出制御装置と、価値情報記憶媒体に記憶された有価価値情報を読取可能な記憶媒体受付装置との間で相互に通信可能とする遊技機において、
前記払出制御装置は、
異常状態を検出することにより前記主制御装置へ異常情報を送信する異常情報送信手段を備え、
前記主制御装置は、
前記異常情報送信手段からの前記異常情報の受信に基づいて、異常を報知するための情報を前記演出制御装置に送信し、
前記演出制御装置は、
前記主制御装置から受信した前記異常を報知するための情報により、異常であることを前記変動表示装置に表示する異常報知処理手段を備え、
前記異常情報送信手段は、
前記記憶媒体受付装置との未接続状態を検出することにより、前記払出制御装置と前記記憶媒体受付装置とが未接続状態である情報を送信し、
前記主制御装置は、
前記異常情報送信手段からの前記未接続状態である情報の受信に基づいて、前記払出制御装置と前記記憶媒体受付装置との未接続状態を報知するための情報を前記演出制御装置に送信し、
前記異常報知処理手段は、
前記主制御装置から受信した前記未接続状態を報知するための情報により、前記払出制御装置と前記記憶媒体受付装置とが未接続状態であることを前記変動表示装置に表示することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記払出制御装置は、
遊技球を発射する発射装置を制御可能であり、
前記異常情報送信手段は、
前記記憶媒体受付装置との未接続状態を検出することにより、前記発射装置の発射を停止することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記異常情報送信手段は、
前記記憶媒体受付装置で発生した異常を検出することにより、前記記憶媒体受付装置で異常が発生した情報を送信し、
前記主制御装置は、
前記異常情報送信手段からの前記記憶媒体受付装置で異常が発生した情報の受信に基づいて、前記記憶媒体受付装置で異常が発生したことを報知するための情報を前記演出制御装置に送信し、
前記異常報知処理手段は、
前記主制御装置から受信した、前記記憶媒体受付装置で異常が発生したことを報知するための情報により、前記記憶媒体受付装置で異常が発生したことを前記変動表示装置に表示することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2013−81847(P2013−81847A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−25144(P2013−25144)
【出願日】平成25年2月13日(2013.2.13)
【分割の表示】特願2010−45692(P2010−45692)の分割
【原出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】