説明

遊技機

【課題】木製の遊技盤に用いられるレール取り付け構造を利用した樹脂製の遊技盤を備える遊技機を提供する。
【解決手段】遊技盤の遊技盤本体60は、くぼんで形成された裏面側にボス部21〜25,41〜47を有する。ボス部21〜25,41〜47は、遊技盤本体60の前面60aから後方に向けて立設するように形成されている。ボス部21〜25,41〜47の端面20,40は、略平たんに形成され、かつ、遊技盤本体60の後面60bと略面一になるように形成されている。遊技盤本体60の前面60aから端面20,40までの寸法は、遊技盤本体60の厚さTとなる。ボス部21〜25,41〜47には、レール部材51,53の固定ピン54が圧入される取り付け穴11〜15,31〜37が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球の入賞によって大当たりの抽選を行う遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機等の遊技機では、遊技球が始動口等の役物に入賞することにより大当たりの抽選が行われる。そして、大当たりに当選した場合には、遊技機は、大入賞口が開放されて、多くの賞球を獲得し得る大当たり遊技状態となる。したがって、遊技機が設置されたホールでは、遊技者は、遊技機を大当たり遊技状態にすべく、遊技球を打つことで入賞による大当たりの抽選が行われるように遊技を行う。また、遊技機では、遊技者による遊技球の遊技に伴って、画像表示部での表示や各種のランプの点灯、スピーカによる音響等の各種の演出が行われる。
【0003】
遊技機には、遊技盤の下側に設けられる発射装置から発射される遊技球を、遊技領域に供給すべく遊技球を案内するレール部材が設けられている。一般的に、遊技機においては、遊技盤の下側から上側へと遊技球を上昇させ、遊技領域の左側から右側にわたって任意の位置から遊技球が落ちるように構成されている。そのため、遊技盤のレール部材は、遊技領域の左下側から上側に向けて形成され、さらに遊技盤の上側において遊技領域の左側から右側にかけて設けられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−340895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、樹脂製の遊技盤に対して、木製(合板製)の遊技盤を取り付ける従来のレールの取り付け構造をそのまま利用できれば、コストの削減を図ることが可能になる。また、例えばレールの取り付け構造を共用化することができれば、様々な事情を考慮して機種ごとに遊技盤を樹脂製とするか木製とするかの選択を行ったとしてもコスト上昇を抑制することが可能になる。
本発明は、木製の遊技盤に用いられるレール取り付け構造を利用した樹脂製の遊技盤を備える遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が適用される遊技機は、遊技球による遊技を行うための遊技領域111がレール51,53により画定される遊技盤110を備える遊技機100であって、前記遊技盤110が有する遊技盤本体60は、当該遊技盤本体60の裏面にて盛り上がるボス21〜25,41〜47を備え、前記遊技機本体60の前記ボス21〜25,41〜47の位置に、前記レール51,53が有する差し込み部54を受け入れるための受け入れ穴11〜15,31〜37が形成されていることを特徴とするものである。
ここで、前記遊技領域111に対応する前記遊技盤本体60の裏面が前記遊技盤本体60の周縁部71よりもくぼんで形成され、前記遊技盤本体60の前面60aから前記ボス21〜25,41〜47の後端面20,40までの距離は、前記遊技盤本体60の前記周縁部71の厚さ寸法Tと略同一であることを特徴とすることができる。
【0007】
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、木製の遊技盤に用いられるレール取り付け構造を利用した遊技盤を備える遊技機を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施の形態に係るパチンコ遊技機の概略正面図である。
【図2】本実施の形態のパチンコ遊技機の部分平面拡大図である。
【図3】本実施の形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図4】遊技盤本体の構成を説明する図である。
【図5】遊技盤本体の構成を説明する図である。
【図6】レール部材の取り付け構造を説明する図である。
【図7】レール部材の取り付け構造を説明する図である。
【図8】第1の変形例を説明する図である。
【図9】第2の変形例を説明する図である。
【図10】第3の変形例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
同図に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
【0011】
遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材51,53と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
【0012】
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
【0013】
本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動するゲート124と、が遊技盤110に配設されている。ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器を作動させることとなる遊技球の入賞に係る入賞口をいう。
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば6秒間)および規定回数(例えば3回)だけ開く。
【0014】
なお、パチンコ遊技機100は、所定の条件下で、特別図柄抽選において大当たりに当選する大当たり確率が変動する場合(低確状態(例えば300分の1)から高確状態(例えば30分の1)への変動)がある。また、パチンコ遊技機100は、所定の条件下で、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間が短縮されたり、普通図柄抽選時の当選する確率が高まったり、普通図柄抽選時の普通図柄変動時間が短縮されたり、電動チューリップ123の羽根の開時間が延長されたり、電動チューリップ123の羽根が開く回数が増えたりする場合がある。
【0015】
また、本実施の形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選が始動しない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。
なお、本実施の形態では、遊技領域111に第1始動口121および第2始動口122が配設されているが、いずれか一方のみを配設する構成例やさらに他の始動口を配設する構成例も考えられる。また、本実施の形態では、遊技領域111に大入賞口125が1つ配設されているが、大入賞口125を複数配設する構成例も考えられる。
本実施の形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
【0016】
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで不図示の発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、不図示の供給装置が不図示の発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく上皿153(図2参照)と、を備えている。この上皿153には、例えば払い出しユニット(不図示)による払出球が払い出される。
また、枠部材150は、上皿153が遊技球でいっぱいになったときに、あふれた遊技球を一時的に溜めておくことが可能な下皿160を備えている。下皿160は上皿153よりも下側に位置する。本実施の形態では、上皿153と下皿160とを分離する構成を採用しており、上下皿一体とする構成を採用していない。このため、賞球としての遊技球をより多く溜めることが可能になる。
なお、不図示の発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
【0017】
また、枠部材150は、不図示の発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、上皿153に溜まっている遊技球を下皿160に落下させるための上球抜きボタン163と、下皿160に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための下球抜きボタン164と、を備えている。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行い、また、枠ランプ157は、点灯点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
枠部材150は、枠ランプ157とは別の枠ランプ171,172,173と、光源を内蔵して駆動力により収納および展開が相互に切り替え可能な枠駆動演出部180と、を備えている。枠ランプ171,172,173は、連続的に配置されている。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板159を備えている。透明板159は、遊技盤110の盤面を覆っている。
【0018】
図2は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100を説明する図であり、(a)は、遊技盤110の右下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、(b)は、パチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2の(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過することにより普通図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222および普通図柄表示器223の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって各抽選結果を表す図柄が表示される。
【0019】
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
【0020】
ここで、保留について説明する。特別図柄や普通図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに他の遊技球による入賞があると、その入賞した遊技球に対する図柄の変動表示動作は、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、規定個数(例えば4個)を限度に保留される。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未抽選数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
【0021】
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図2の(b)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された押しボタンである4つのキーからなる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。演出ボタン161は、上皿153の近傍に位置し、また、演出キー162は、演出ボタン161と上皿153との間に位置する。遊技者は、4つのキーを操作することにより、例えば画像表示部114に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶことが可能である。
【0022】
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、内部抽選および当選の判定等といった払い出す賞球数に関する各種制御を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部400と、を備えている。
【0023】
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、内部抽選および当選の判定等といった払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選での当選か否かの判定結果を演出制御部300に送る。また、特別図柄抽選時の当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間の短縮設定、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間の短縮設定を行い、設定内容を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、電動チューリップ123の羽根の開時間の延長、および電動チューリップ123の羽根が開く回数の設定、さらには羽根が開く際の開閉動作間隔の設定を制御する。また、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
また、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口125が所定条件(例えば30秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
【0024】
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部400に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部400に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部400に指示しない。
払出制御部400が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部400から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
【0025】
遊技制御部200には、図2に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
【0026】
また、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(大当たり抽選)の未抽選分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器218と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の未抽選分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器219と、ゲート124への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する未抽選分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
【0027】
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
【0028】
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板250が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部400から取得した払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板250を介してホストコンピュータに送信する。
【0029】
〔演出制御部の構成・機能〕
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果に基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン等(演出ボタン161および演出キー162)を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。その際、演出ボタン等を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。また、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、遊技制御部200が特別図柄抽選時の当選確率を変動させた場合、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間を短縮させた場合、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間を短縮させた場合には、演出制御部300は設定された内容に対応させて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
【0030】
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。さらには、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
【0031】
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
また、ランプ制御部320は、枠ランプ171,172,173および枠駆動演出部180の制御を行う。
【0032】
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部400は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU401と、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM402と、CPU401の作業用メモリ等として用いられるRAM403と、を備えている。
そして、払出制御部400は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部400は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部411を制御する。ここでの払出駆動部411は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
【0033】
また、払出制御部400には、払出駆動部411により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部412と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部413と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される下皿160が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部414と、が接続されている。そして、払出制御部400は、払出球検出部412、球有り検出部413および満タン検出部414にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
さらに、払出制御部400には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板450が接続されている。そして、払出制御部400は、例えば払出駆動部411に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部412にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板450を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
【0034】
〔遊技盤110が有する遊技盤本体60について〕
本実施の形態に係る遊技盤110は、遊技盤本体60を有する。この本実施の形態に係る遊技盤本体60は、ベニヤ(合板、木)製ではなく、光を透過する樹脂製の板状部材であり、透明遊技板である。より詳しくは、遊技盤本体60は、凹凸形状や切欠き形状を成形により一体形成されるものであり、ポリカーボネート(PC)製である。すなわち、本実施の形態に係る遊技盤本体60は、凹凸形状や切欠き形状を切削する工程を省略することが可能であり、このために、凹凸形状や切欠き形状の端面が磨りガラス状に形成されない。
【0035】
本実施の形態に係る遊技盤本体60を、素材としてのアクリル製の板材を切削加工により凹凸形状や切欠き形状を形成する場合にも適用することが考えられる。この場合には、凹凸形状や切欠き形状の端面が磨りガラス状に形成される。
また、本実施の形態に係る遊技盤本体60を、樹脂製部材を接着剤で互いに貼り合わせることで構成する場合にも適用することが考えられる。
【0036】
ここで、遊技盤本体60がベニヤ製の場合に比べてアクリル製の方が優れている点としては、まず役物構成の自由度が向上することが挙げられる。すなわち、アクリル製の場合は、ゲージ部分の裏側にも役物や電飾を配置して見せることが可能になり、遊技盤の更なる作り込みが可能になる。また、見た目のインパクトや高級感に優れていること等も挙げられる。
付言すると、アクリル製を採用するときにベニヤ製の場合に比べて懸念される事項としては、コスト高、量産性の低下、遊技くぎの破損、剛性の低下が挙げられる。剛性の低下について補足説明すると、アクリル製の場合は厚さが10mmであり、厚さ19mmとなるベニヤ製の場合よりも薄くなり、たわみ易い。
【0037】
また、遊技盤本体60がアクリル製の場合に比べてポリカーボネート製の方が優れている点としては、まずコストが安いことが挙げられる。より具体的には、成形法の違いによるNC加工工数の違いや、成形後の管理の違い、材料自体の単価とその使用量の違いを起因とするコスト削減である。
すなわち、アクリル製の場合には、押出成形による素材としての板材を、外形加工、大径穴小径穴の加工、ルーター加工、遊技くぎの下穴加工および外形面取りの順でNC加工を行う。その一方で、ポリカーボネート製の場合には、射出成形で成形した後に、小径穴の加工、ゲートカット処理および遊技くぎの下穴加工の順でNC加工を行う。このため、成形法の違いによるNC加工工数の違いが顕著である。
また、アクリルは吸水することで変形が起こるために外気の温度や湿度の管理を必要とするものである。その一方で、ポリカーボネートは、成形後の変形がほとんどなく、外気の温度や湿度の管理をアクリルの場合よりも厳密に行う必要がない。このため、成形後の管理の違いが顕著である。
また、アクリル製の場合は、アクリルにゴム成分が入った高価な押し出し材料であり、ルーター加工分の無駄な材料費の削減が困難である。その一方で、ポリカーボネート製の場合には、アクリル製の場合に比べて材料が安価であり、射出成形後のNC加工が少ないことから、無駄な材料費がほとんど発生しない。このため、材料自体の単価とその使用量の違いが顕著である。
【0038】
また、他の優れている点としては、環境に良いこと、遊技盤自体に形状が設けられること、量産性に優れていること、遊技くぎが折れ難いこと、管理がし易いこと、重量が軽くなること等も挙げられる。
付言すると、ポリカーボネート製を採用するときにアクリル製の場合に比べて懸念される事項としては、耐薬品性が弱くなること、形状の変更が困難であること、耐傷性が弱くなること等が挙げられる。
【0039】
次に、遊技盤本体60の構成について説明する。
図4および図5は、遊技盤本体60の構成を説明する図である。図4の(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、(e)は底面図である。図5の(a)は背面図であり、(b)は、(a)の線X−Xによる断面図である。なお、図4の(b)には、説明の便宜のためにレール部材51,53を実線で示している。
図4および図5に示すように、樹脂製の遊技盤本体60は、前面60aにレール部材51を取り付けるのに用いられる取り付け穴11,12,13,14,15を備えている。また、樹脂製の遊技盤本体60は、前面60aにレール部材53を取り付けるのに用いられる取り付け穴31,32,33,34,35,36,37を備えている。
このように、遊技盤本体60は、レール部材51用の5つの取り付け穴11〜15を備え、レール部材53用の7つの取り付け穴31〜37を備えている。
【0040】
付言すると、図4および図5に示すように、樹脂製の遊技盤本体60は、レール部材51,53以外の各種役物等を取り付けるための切欠き形状を有する。例えば、遊技盤本体60には、センター飾り(不図示)取り付け用の開口部61や、第1始動口121および第2始動口122取り付け用の開口部62、大入賞口125取り付け用の開口部63等が形成されている。これらの開口部61,62,63は、遊技盤本体60の前面60aから後面60bへ貫通している。なお、開口部61は、ゲート124取り付け用の領域61aを有する。
なお、遊技盤本体60の左上の位置にレールガイド(不図示)が取り付けられる。より具体的には、たわませて湾曲形状のレール部材(外側レール)53の外側(遊技領域111の外側)に、レールガイド(不図示)が配設される。
【0041】
遊技盤本体60の前面60aは、遊技盤110の遊技領域111を形成するものであり、略平たんに形成されている(図4参照)。その一方で、遊技盤本体60の後面60bは、凹凸形状に形成されている(図5参照)。
【0042】
さらに説明すると、遊技盤本体60は、縁部に沿って全周にわたって延びる縁リブ71を備えている。この縁リブ71は、前面60aから後方に向けて立設して形成されている。言い換えると、縁リブ71は、遊技盤本体60の厚さ方向に突出している。このような縁リブ71を備える構造を採用することで、遊技盤本体60の剛性を高めている。また、遊技盤本体60に各種役物等の部品を取り付ける際に縁リブ71を利用することで作業性を向上させることが可能になる。また、遊技盤110を遊技盤保持枠(不図示)に取り付ける際に作業者が縁リブ71に指をかけて行うことにより作業性を向上させることが可能になる。
【0043】
このように、樹脂製の遊技盤本体60が形成されることで、遊技盤本体60の厚さTが確保される。ここにいう厚さTは、遊技盤本体60の前面60aと後面60bとの間の離間距離をいう。より詳しくは、遊技盤本体60の後面60bは、上述の縁リブ71の端面や、後述するボス部21〜25,41〜47の端面20,40により画定される。言い換えると、縁リブ71の端面や、後述するボス部21〜25,41〜47の端面20,40は互いに、ほぼ面一に形成されている。
また、樹脂製の遊技盤本体60の厚さTは、ベニヤ製の遊技盤の厚さと同じであり、19mmである。このため、本実施の形態では、枠部材150、より具体的には遊技盤保持枠22の共用化を図ることが可能である。
【0044】
図5の(b)に示すように、樹脂製の遊技盤本体60では、後面60b側をくり抜いた形にすることにより、遊技領域111(図1参照)に対応する後面60bの部分65を板厚t1とし、それ以外の後面60bの部分66を板厚t2としている(t2<t1<T)。すなわち、遊技盤本体60の縁部に縁リブ71を形成し、かつ、縁リブ71で囲まれた部分の後面60b側をへこますことにより縁リブ71で囲まれた部分の板厚を薄くしている。このため、本実施の形態では、遊技盤本体60の必要な強度を確保しつつ、遊技盤本体60の軽量化を図ることが可能である。
また、板厚t1に形成された遊技盤本体60の部分65を設けることにより、遊技盤本体60に取り付けられる各種役物等がなるべく前面60a寄りに位置することになる。このため、遊技盤本体60の後面60bのスペースをより広く確保することが可能になり、各種の機構部品等の設計条件を緩和することが可能になる。
なお、後面60bの部分65は、遊技くぎを取り付けるために必要な厚さを確保すべく、それ以外の後面60bの部分66の板厚t2よりも厚い板厚t1を採用している。
【0045】
〔レール部材51,53の取り付け構造〕
次に、レール部材51,53を樹脂製の遊技盤本体60に取り付けるためのレール部材取り付け構造について説明する。なお、後述するように、本実施の形態に係る遊技盤本体60は、木製遊技盤のレール取り付け構造を利用している。
【0046】
図6および図7は、レール部材51,53の取り付け構造を説明する図である。図6は、レール部材51,53を遊技盤本体60に固定した状態の断面図であり、図6の(a)は、レール部材51,53の板厚方向に切断した場合の断面図、図6の(b)は、レール部材51,53の長さ方向に沿って遊技盤本体60を切断した場合の断面図である。また、図7は、レール部材51,53および固定ピン54を説明する図であり、図7の(a)は、レール部材51,53に固定ピン54を係合させた状態の斜視図、図7の(b)は、固定ピン54の正面図である。
図6の(a)および(b)に示すように、遊技盤本体60は、レール部材51,53の取り付け構造としてのボス部21〜25,41〜47を有する。これらボス部21〜25,41〜47は、遊技盤本体60の前面60aから後方に向けて立設するように形成されている。そして、ボス部21〜25,41〜47の横断面形状は、外面(側面)が外周面形状に形成されており、ボス部21〜25,41〜47の各々の外径寸法はdである。なお、ボス部21〜25,41〜47の横断面の外面が周面形状以外の形状に形成することも考えられる。
【0047】
上述したように、ボス部21〜25の端面(遊技盤本体60の後ろ側に位置する後端面)20およびボス部41〜47の端面(遊技盤本体60の後ろ側に位置する後端面)40は、略平たんに形成され、かつ、遊技盤本体60の後面60bと略面一になるように形成されている。このため、遊技盤本体60の前面60aからボス部21〜25の端面20までの寸法が、遊技盤本体60の厚さTとなる。また、遊技盤本体60の前面60aからボス部41〜47の端面40までの寸法が、遊技盤本体60の厚さTとなる。
ボス部21〜25,41〜47の端面20,40は、後端面の一例である。
【0048】
さらに説明すると、ボス部21〜25,41〜47には、遊技盤本体60の前面60aからボス部21〜25,41〜47の端面20,40まで貫通する取り付け穴11〜15,31〜37が形成されている。すなわち、ボス部21に取り付け穴11が形成され、ボス部22に取り付け穴12が形成され、ボス部23に取り付け穴13が形成され、ボス部24に取り付け穴14が形成され、ボス部25に取り付け穴15が形成されている(図5の(a)参照)。また、ボス部41に取り付け穴31が形成され、ボス部42に取り付け穴32が形成され、ボス部43に取り付け穴33が形成され、ボス部44に取り付け穴34が形成され、ボス部45に取り付け穴35が形成され、ボス部46に取り付け穴36が形成され、ボス部47に取り付け穴37が形成されている(図5の(a)参照)。
【0049】
ボス部21〜25,41〜47の取り付け穴11〜15,31〜37は、遊技盤本体60の前面60aにレール部材51,53を取り付けるためのものである。
ボス部21〜25,41〜47は、ボスの一例であり、また、取り付け穴11〜15,31〜37は、受け入れ穴の一例である。
【0050】
ここで、レール部材51,53の構成について説明する。なお、レール部材51は、遊技盤本体60の下側において排出口117を横切って上方に延び、レール部材53は、レール部材51に対向するように離間して延びている(図4の(b)参照)。レール部材51とレール部材53との間には、不図示の発射装置から発射されて遊技領域111(図1参照)に向かう遊技球が通る通路が形成される。遊技盤110の遊技領域111は、これらレール部材51,53により画定される。レール部材51は内側レールであり、レール部材53は外側レールである。
【0051】
図7の(a)に示すように、レール部材51,53は、帯状の平板部材であり、幅方向の一側に位置する複数の通し穴52が形成されている。複数の通し穴52は、レール部材51,53の長手方向に沿って形成されている。レール部材51,53は、例えばステンレス製である。
【0052】
複数の通し穴52の各々には、レール部材51,53を遊技盤本体60に取り付けるのに用いられる固定ピン54が装着される。この固定ピン54は、図7の(b)に示すように、長手形状の平板部材であり、横断する方向での互いに同じ方向に突出する2つの突出部54aが形成されている。この固定ピン54は、レール取り付け片である。
これら2つの突出部54aは、互いに離間している。そして、固定ピン54の折曲げ位置54bで固定ピン54を折り曲げると、2つの突出部54aが互いに接触する(図7の(a)参照)。固定ピン54は、例えば軟鋼製である。
レール部材51,53および固定ピン54はレールの一例であり、固定ピン54は差し込み部の一例である。
【0053】
図6に戻って説明を続ける。レール部材51,53の通し穴52に通して折曲げ位置54bで折り曲げられた固定ピン54は、遊技盤本体60の取り付け穴11〜15,31〜37に圧入される。圧入された固定ピン54は、突出部54aの作用により取り付け穴11〜15,31〜37の内周面を押圧する。これにより、レール部材51,53は、遊技盤本体60に対して固定される。
【0054】
このように、樹脂製の遊技盤本体60は、木製遊技盤に用いられているレール取り付け構造を備えている。より詳しくは、遊技盤本体60の取り付け穴11〜15,31〜37に圧入された固定ピン54は、折り曲げられた固定ピン54の弾力によって取り付け穴11〜15,31〜37内で2つの突出部54aが互いに離れようとする。このような固定ピン54の弾力を利用することで、樹脂製の遊技盤110であっても、レール部材51,53をねじで固定することが不要であり、遊技盤本体60にねじ穴を設ける必要がない。
【0055】
このように、遊技盤本体60は、遊技盤本体60の後面60b側において周縁部に縁リブ71を備え、そして、縁リブ71に囲まれた遊技盤本体60の個所が縁リブ71よりもくぼんだ形状に形成されている。これにより、必要な強度を確保しつつ軽量化を図っている。さらには、ボス部21〜25,41〜47の端面20,40の位置を縁リブ71の後ろ側の端面と同じにすることで、ベニヤ製の遊技盤と樹脂製の遊技盤との代替可能性を確保し、遊技盤保持枠(不図示)の共用化を図ることが可能である。
付言すると、ボス部21〜25,41〜47は、レール部材51,53が取り付け穴11〜15,31〜37に圧入されてもこれに耐え得る十分な強度となるように、外径dが決定されている。
【0056】
〔種々の変形例について〕
ここで、ボス部21〜25,41〜47の種々の変形例について説明する。
図8は、第1の変形例を説明する図であり、図9は、第2の変形例を説明する図である。図8および図9は、レール部材51,53を遊技盤本体60に固定した状態の断面図である。図8の(a)および図9は、レール部材51,53の板厚方向に切断した場合の断面図であり、上述した図6の(a)に対応するものである。また、図8の(b)は、第1の変形例による作用を説明する断面図である。
図8に示す第1の変形例および図9に示す第2の変形例は、ボス部21〜25,41〜47の端面20,40を、例えば遊技盤本体60の後ろ側に取り付ける各種の役物等の位置決めに利用するものである。このため、ボス部21〜25,41〜47の端面20,40が遊技盤本体60の後面60bと略面一にはならないように構成している。
【0057】
より具体的には、ボス部21〜25,41〜47の端面20,40の位置は、第1の変形例では、遊技盤本体60の後面60bよりも前面60a寄りであり、また、第2の変形例では、遊技盤本体60の後面60bのさらに後方である。すなわち、本実施の形態では、遊技盤本体60の前面60aからボス部21〜25,41〜47の端面20,40までの寸法は、遊技盤本体60の厚さTと同じであるが(図5の(b)および図6参照)、第1の変形例では、厚さTよりも小さい値t3とし、また、第2の変形例では、厚さTよりも大きい値t4としている(t3<T<t4)。
言い換えると、第1の変形例では、本実施の形態の場合と同じく、ボス部21〜25,41〜47が縁リブ71(図5参照)よりも突出していない。第2の変形例では、ボス部21〜25,41〜47が縁リブ71(図5参照)よりも突出している。第2の変形例は、とりわけポリカーボネート製の場合に適用し易い構成である。
なお、第1の変形例および第2の変形例では、ボス部21〜25,41〜47の外径は、本実施の形態の場合と同じく、寸法dである。
【0058】
図8の(b)に示すように、遊技盤本体60の後ろ側に取り付ける各種の役物等の一例としての部材81がボス部21〜25,41〜47の端面20,40に接している。すなわち、ボス部21〜25,41〜47の端面20,40により、部材81の遊技盤本体60に対する位置決めが行われる。より具体的には、部材81は、端面20,40により遊技盤本体60の厚さ方向に関する位置決めが行われる。
なお、図8の(b)には、第1の変形例の場合を図示しているが、第2の変形例の場合にも同様である。
【0059】
また、かかる部材81の位置決め作用に鑑みれば、ボス部21〜25,41〜47の各々の端面20,40の位置をすべて同じとせずに、互いに異ならしめる構成例も考えられる。例えば、ボス部21〜25,41〜47の一部が遊技盤本体60の後面60bと略面一である端面20,40であり、残りが遊技盤本体60の後面60bと略面一でない端面20,40である場合である。より詳しくは、例えばポリカーボネート(PC)製の場合には、用いる金型の関係上、機種毎の細かい変更に対応することは困難であるものの、多品種少量に対応可能な金型を用いる場合には、機種毎に、ボス部21〜25,41〜47の形状や寸法を変えることが考えられる。
付言すると、厚さTよりも小さい値とする構成例を採用する場合には、固定ピン54を圧入固定するために必要なボスの寸法を確保する必要がある。
【0060】
図10は、第3の変形例を説明する図である。図10は、レール部材51,53を遊技盤本体60に固定した状態の断面図であり、(a)は、レール部材51,53の板厚方向に切断した場合の断面図であり、(b)は、第3の変形例による作用を説明する断面図である。図10の(a)は図6の(a)に対応するものである。
図10に示す第3の変形例は、上述した第1の変形例および第2の変形例と同じく、ボス部21〜25,41〜47の端面20,40により、各種の役物等の位置決めを行うものである。より具体的には、図10の(b)に示すように、遊技盤本体60に対して位置決めされる部材82は、受け入れ凹部82aを備えている。この受け入れ凹部82aは、ボス部21〜25,41〜47の端面20,40の形状に対応して形成されている。図10の(a)に示すように、端面20,40の外径寸法はdaであり、本実施の形態の端面20,40の外径寸法dよりも大きい(da>d)。このため、ボス部21〜25,41〜47の強度が高まっている。
【0061】
ボス部21〜25,41〜47の端面20,40が部材82の受け入れ凹部82aに係合することで、部材82の遊技盤本体60に対する位置決めが行われる。より具体的には、部材82は、端面20,40により遊技盤本体60の厚さ方向に関する位置決めが行われると共に遊技盤本体60の前面60aが延びる方向に関する位置決めが行われる。
【0062】
なお、第3の変形例を、ボス部21〜25,41〜47のすべてに適用する場合のほか、ボス部21〜25,41〜47の一部に適用する場合も考えられる。また、第3の実施の形態を第1の実施の形態または第2の実施の形態と組み合わせて、本実施の形態に適用することも考えられる。
また、本実施の形態では、ボス部21〜25,41〜47の端面20,40は、遊技盤本体60の後面60bと略平行に形成されているが(図6参照)、位置決めする部材81,82の外形形状によっては、遊技盤本体60の後面60bに対して傾斜するように形成することも考えられる。
【0063】
以上説明したように、本実施の形態では、木製遊技盤用のレール取り付け構造を樹脂製の遊技盤110に利用することが可能になる。
【符号の説明】
【0064】
11〜15,31〜37…取り付け穴、20,40…端面、21〜25,41〜47…ボス部、51,53…レール部材、54…固定ピン、60…遊技盤本体、100…パチンコ遊技機、110…遊技盤、111…遊技領域、T…厚さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球による遊技を行うための遊技領域がレールにより画定される遊技盤を備える遊技機であって、
前記遊技盤が有する遊技盤本体は、当該遊技盤本体の裏面にて盛り上がるボスを備え、
前記遊技機本体の前記ボスの位置に、前記レールが有する差し込み部を受け入れるための受け入れ穴が形成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記遊技領域に対応する前記遊技盤本体の裏面が前記遊技盤本体の周縁部よりもくぼんで形成され、
前記遊技盤本体の前面から前記ボスの後端面までの距離は、前記遊技盤本体の前記周縁部の厚さ寸法と略同一であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−85897(P2013−85897A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232105(P2011−232105)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】