遊技球振分装置及び弾球遊技機
【課題】有利な流路に切換わる到達時期に近い遠いの差のある振分状況を、遊技球の受入れ順に従って確実かつ周期的に作り出す。
【解決手段】球受入口80から受入れた遊技球Pを第1流路81と第2流路82とに振分ける振分装置であって、球受入口80から受入れた遊技球Pと接触して所定角度変位する球検出体83と、球受入口80から受入れた遊技球Pを予め定めた複数個である第1個数(7個)について第1流路81に振分ける第1作動態様と球受入口80から受入れた遊技球Pを前記第1個数以下の予め定めた第2個数(1個)について第2流路82に振分ける第2作動態様とを交互に切換える切換体84と、検出体83の変位を第1個数対第2個数の比率に従って切換体84の作動態様の切換に変換する変換機構85とを設けた。
【解決手段】球受入口80から受入れた遊技球Pを第1流路81と第2流路82とに振分ける振分装置であって、球受入口80から受入れた遊技球Pと接触して所定角度変位する球検出体83と、球受入口80から受入れた遊技球Pを予め定めた複数個である第1個数(7個)について第1流路81に振分ける第1作動態様と球受入口80から受入れた遊技球Pを前記第1個数以下の予め定めた第2個数(1個)について第2流路82に振分ける第2作動態様とを交互に切換える切換体84と、検出体83の変位を第1個数対第2個数の比率に従って切換体84の作動態様の切換に変換する変換機構85とを設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤上を転動する遊技球を受入れて二つの流路の何れかに振分ける遊技球振分装置及びこの振分装置を具備するパチンコ遊技機等の弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、外周に4つの玉保持部を設けた電動式の回転体を設け、回転体に零個を含む4個未満の遊技球が保持された状態では、回転体に遊技球を受継がせる球受入口に入った遊技球を順次玉保持部に受渡し、回転体の半時計方向の回転に伴って各玉保持部から第1流路に遊技球を放出し、回転体に4個の遊技球が全て同時に保持された状態では、回転体の総重量の増加により回転体の軸を下方に変位させ、球受入口の斜め下方に遊技球落下口を開いて第2流路に遊技球を放出する遊技球振分装置及びこれを用いたパチンコ遊技機が知られている。
【0003】
また、特許文献2や3に記載されているように、右と左に開放する玉受部を90度ずつ交互に設けた4羽根水車のような非電動式の回転体を設け、この回転体を遊技盤からの球受入口の直下に配置し、遊技球を受入れる毎に、遊技球の自重により90度ずつ回転体を円滑に回転させ、球受入口の直下に対面する玉受部を順次交互に更新すると共に、遊技球を右の第1流路又は左の第2流路に順次交互に開放させる遊技球振分装置及びこれを用いたパチンコ遊技機が知られている。
【0004】
さらに、特許文献4に記載されているように、直径方向の外周2箇所で開放する玉保持部を備える電動式の回転体を設け、この回転体への球受入口を遊技盤上の電動チューリップの入賞通路の下流に配置し、一方側に開放する玉保持部に2個同時に遊技球が連なって保持されると、外側に保持された遊技球のみを時計の4時の回転位置において右側に落下させて、大当り確率を高く設定した右始動口に入賞させ、内側に保持された遊技球は玉保持部内に設ける突起により時計の4時の回転位置では落下させず、時計の8時の回転位置において左側に落下させて、大当り確率を低く設定した左始動口に入賞させる遊技球振分装置及びこれを用いたパチンコ遊技機が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−185330号公報
【特許文献2】特開2010−104564号公報
【特許文献3】特開2010−104565号公報
【特許文献4】特開2007−29280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上の各特許文献に記載されたものは、それぞれの遊技球振分装置によりそれぞれの遊技性を打ち出すものではあるが、何れも、遊技盤から受入れた遊技球を第1流路と第2流路の何れに振分けるかは偶然性によるところが極めて大きいか、あるいは、より有利な方の流路に振分けられるその瞬間にのみ感動を与えるものでしかない。
【0007】
特許文献1のものは、球受入口に第5番目に遊技球が入ったとき、先行する第1番目から第4番目の遊技球が全て回転体に保持されているとは限らず、第5番目の遊技球が必ずしも第2流路に振分けられるわけではなく、第6番目以降の遊技球が第2流路に振分けられるかもしれないし、そうこうしているうちに、回転体に保持された遊技球の数が減って一からやり直ししなければならなくなり、あとどれくらいで振分け流路が変わるか確実なことは一切言えない状況が常に続く。
【0008】
特許文献2,3のものは、必ず、一個ずつの交互振分けであり、第1流路に振分けられた次は、第2流路に振り分けられ、第2流路に振分けられた次は、第1流路に振り分けられるだけである。このため、第1流路と第2流路とに優劣がある場合に、もうじき優の流路に切換わるとか、なかなか優の流路に切換わらないとかいったように、到達時期に近い遠いという差のある段階的な有利不利の状況を作り出すことは到底できない。
【0009】
特許文献4のものは、一方側に開放する玉保持部に2個同時に遊技球が連なって保持された場合に限り、外側に保持された遊技球のみを大当り確率を高く設定した右始動口に入賞させ、一方側及び又は他方側に開放する玉保持部に1個の遊技球が保持された場合は、必ず大当り確率を低く設定した左始動口に入賞させるものであって、電動チューリップに同時に2個以上の遊技球を入賞させることができて初めて右入賞口への入賞が可能となるものであり、遊技球の振分は偶然性に大きく依存する。
【0010】
本発明の課題は、もうじき優の流路に切換わるとか、なかなか優の流路に切換わらないとかいったように、到達時期に近い遠いの差のある段階的な有利不利の状況を、遊技球の受入れ順に従って確実かつ周期的に作り出すことができ、従来にない斬新な遊技性を打ち出し得る遊技球振分装置及び弾球遊技機を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る遊技球振分装置は、図面に例示するように、
球受入口80から受入れた遊技球Pを第1流路81と第2流路82とに振分ける遊技球振分装置であって、
前記球受入口80から受入れた遊技球Pと接触して所定角度変位する球検出体83と、
前記球受入口80から受入れた遊技球Pを予め定めた複数個である第1個数N1について前記第1流路81に振分ける第1作動態様と前記球受入口80から受入れた遊技球Pを前記第1個数以下の予め定めた第2個数N2について前記第2流路82に振分ける第2作動態様とを交互に切換える切換体84と、
前記球検出体83の変位を前記第1個数N1対前記第2個数N2の比率に従って前記切換体84の作動態様の切換に変換する変換機構85とを設けた特定事項をもつ。
【0012】
これにより、球受入口80からの受入れ順に従って、遊技球Pは、複数個である第1個数N1について第1流路81に振分けられ、第1個数以下の第2個数N2について第2流路82に振分けられ、これらを一周期として繰り返される。第2流路82への振分が第1流路81への振分に比べてより有利なら、第1流路81への振分時、第1個数N1に到達してより有利な第2流路82への振分に切換わるのがまだまだか、もうすぐかにより、遊技者に与える期待感を段階的に盛り上げることができる。一方、第2流路82への振分が第1流路81への振分に比べて不利なら、第1流路81への振分時、第1個数N1に到達して不利な第2流路82に切換わってしまうのがまだまだか、もうすぐかにより、遊技者に与えるハラハラ・ドキドキ感を段階的に盛り上げることができる。
【0013】
以上の遊技球振分装置において、前記変換機構85は、カム851及び該カム851に従動するテコ859から成り、
前記第2個数N2は、前記第1個数N1よりも少ない数であり、
前記カム851による前記テコ859への操作荷重の作用時、前記第2作動態様に切換え、前記カム851による前記テコ859への操作荷重の解除時、前記第1作動態様に切換える仕様にしているのが好ましい。
これにより、多い方の遊技球の振分は、カム851によるテコ859への操作荷重が解除されたときにされるため、円滑かつ効率的な振分けが行える。
【0014】
また、以上の遊技球振分装置において、前記球検出体83の外周に設ける球接触部830を、遊技球Pが通過する通路800の上流から下流に向けて円弧状に凹入する凹入溝871,872に突入状に臨ませているのが好ましい。これにより、球検出体83による遊技球Pの検出を確実にすることができる。
【0015】
さらに、凹入溝871,872を設ける場合に、前記凹入溝871,872に対応する遊技球Pの通路800に、前記凹入溝871,872に遊技球Pを導くガイド突起891,892を設けているのが好ましい。これにより、球検出体83による遊技球Pの検出をより確実にすることができる。
【0016】
また、以上の遊技球振分装置において、前記第1流路81への遊技球の振分けが前記第1個数N1のうちの第何番目に当たるのかについて認識可能な態様で報知する振分状況報知手段8Dを設けているのが好ましい。これにより、第1流路81への振分時、第1個数N1に到達して第2流路82への振分に切換わるのがまだまだか、もうすぐかを一層明確に認識することができる。
【0017】
本発明に係る第1態様の弾球遊技機は、遊技盤2に、球受入口80から受入れた遊技球Pを第1流路81と第2流路82とに振分ける遊技球振分装置8を設けた弾球遊技機であって、
前記遊技球振分装置8には、前記球受入口80から受入れた遊技球Pと接触して所定角度変位する球検出体83と、前記球受入口80から受入れた遊技球Pを予め定めた複数個である第1個数N1について前記第1流路81に振分ける第1作動態様と前記球受入口80から受入れた遊技球Pを前記第1個数以下の予め定めた第2個数N2について前記第2流路82に振分ける第2作動態様とを交互に切換える切換体84と、前記球検出体83の変位を前記第1個数N1対前記第2個数N2の比率に従って前記切換体84の作動態様の切換に変換する変換機構85とを設けており、
前記第1流路81には、該第1流路81に振分けられた遊技球の入球により、相対的な優劣をつけた予め定めた優側遊技価値と劣側遊技価値とのうち、前記劣側遊技価値を前記優側遊技価値よりも高率で付与する契機となる劣側の始動口8Xを設け、
前記第2流路81には、該第2流路82に振分けられた遊技球の入球により、前記優側遊技価値を前記劣側遊技価値よりも高率で付与する契機となる優側の始動口8Yを設けた特定事項をもつ。
【0018】
ここに、「始動口」とは、あらかじめ定められた一の特別電動役物又はあらかじめ定められた一の特別図柄表示装置のいずれかを作動させることとなる遊技球の入賞に係る入賞口をいう(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則(以下、遊技機規則という)第6条別表第2(2)ル)。
【0019】
これにより、劣側の始動口8Xへの振分が続いているとき、優側の始動口8Yへの振分が近づくほど興趣を徐々に高めることができ、従来にない斬新な遊技性を打ち出すことができる。
【0020】
以上の第1態様の弾球遊技機において、前記遊技盤2に、遊技球Pを通過させるゲートGTと、このゲートGTへの球通過を契機とした普通図柄抽選での当選を条件に開放する普通電動役物GDと、この普通電動役物GDを入口に設ける可変入賞装置付の始動口8Zと、前記各始動口8X,8Y,8Zへの入球を契機とした大当り抽選での当選を条件に開放する大入賞口9とを備え、
前記優側遊技価値は、前記大入賞口9を開放する大当り遊技後、前記普通図柄抽選での当選確率及び又は前記普通電動役物GDの開放時間を前記劣側遊技価値の場合に比べて大にすることにより前記可変入賞装置付の始動口8Zへの入球を契機とした抽選効率の高い時短大当りとしていると共に、
前記劣側遊技価値は、前記大入賞口9を開放する大当り遊技後、前記普通図柄抽選での当選確率及び又は前記普通電動役物GDの開放時間を前記優側遊技価値の場合に比べて小にすることにより前記可変入賞装置付の始動口8Zへの入球を契機とした抽選効率の低い非時短大当りとしているのが好ましい。
【0021】
ここに、「普通電動役物」とは、電動役物のうち、大入賞口以外の入賞口の入口を開き、又は拡大するもので、遊技球が特定の入賞口に入賞し、若しくは特定のゲートを通過し、又は特定の図柄の組合せが表示された場合に作動するものをいう(遊技機規則第6条別表第2(2)ホ)。
「大入賞口」とは、入賞口のうち、役物が作動した場合に著しく入賞が容易になるものをいう(遊技機規則第6条別表第2(2)ニ)。なお、「役物」とは、入賞を容易にするための特別の装置をいう(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則第7条表中、ぱちんこ遊技機の第五)。
【0022】
本発明でいう「大当り」とは、遊技機規則第6条別表第2(2)チで定義する「役物連続作動装置」が作動することをいう。なお、「役物連続作動装置」とは、特別電動役物を連続して作動させることができる特別の装置をいい(遊技機規則第6条別表第2(2)チ)、「特別電動役物」とは、電動役物のうち、大入賞口の入口を開き、又は拡大するものをいう(遊技機規則第6条別表第2(2)ト)。
【0023】
これにより、優側遊技価値である時短大当りは、劣側遊技価値である非時短大当りに比べて有利な度合いが顕著に高く、優側遊技価値である時短大当りを獲得するための契機となる優側の始動口8Yへの入賞がされることになる第2流路82への切換時期が待ち遠しいものとなり、第2流路82への切換時期が近づくと遊技を止めづらくなる等、遊技性の向上が効果的に達成できる。
【0024】
さらに、この場合、前記可変入賞装置付の始動口8Zへの入球により、前記優側遊技価値である前記時短大当りを前記劣側遊技価値である前記非時短大当りよりも高率で付与する仕様にしているのが好ましい。これにより、第2流路82への振分による優側の始動口8Yへの入球を契機とした時短大当りの獲得により、可変入賞装置付の始動口8Zへの入球を契機とした再度の時短大当りの獲得も期待でき、時短大当りの連続による大量出玉を見込むことができる。このため、第2流路82への切換が遊技者の一層の関心事となり、遊技性の向上が一層効果的に達成できる。
【0025】
本発明に係る第2態様の弾球遊技機は、上記第1態様の弾球遊技機と異なり、
前記第1流路81には、該第1流路81に振分けられた遊技球Pの入球により、相対的な優劣をつけた予め定めた優側遊技価値と劣側遊技価値とのうち、前記優側遊技価値を前記劣側遊技価値よりも高率で付与する契機となる優側の始動口8X2を設け、
前記第2流路82には、該第2流路82に振分けられた遊技球Pの入球により、前記劣側遊技価値を前記優側遊技価値よりも高率で付与する契機となる劣側の始動口8Y1を設けた特定事項をもつ。
【0026】
これにより、第1流路81側とした優側の始動口8X2への振分が続いているときは、安心して遊技を続けることができ、第2流路82側とした劣側の始動口8Y1への振分が近づくほど心穏やかでなくなり、従来にない刺激的な遊技性を打ち出すことができる。
【0027】
以上の第2態様の弾球遊技機において、前記遊技盤2に、前記優側及び劣側の始動口と別の第3の始動口8Z1と、遊技球Pを通過させるゲートGTと、このゲートGTへの球通過を契機とした普通図柄抽選での当選を条件に開放する普通電動役物GDと、前記各始動口8X2,8Y1,8Z1への入球を契機とした大当り抽選での当選を条件に開放する大入賞口9とを備え、
前記遊技球振分装置8の球受入口80には前記普通電動役物GDを設けており、
前記優側遊技価値は、前記大入賞口9を開放する大当り遊技後、前記普通図柄抽選での当選確率及び又は前記普通電動役物GDの開放時間を前記劣側遊技価値の場合に比べて大にすることにより前記球受入口80への入球率の高い時短大当りとしていると共に、
前記劣側遊技価値は、前記大入賞口9を開放する大当り遊技後、前記普通図柄抽選での当選確率及び又は前記普通電動役物GDの開放時間を前記優側遊技価値の場合に比べて小にすることにより前記球受入口80への入球率の低い非時短大当りとしているのが好ましい。
【0028】
これにより、劣側遊技価値である非時短大当りは、優側遊技価値である時短大当りに比べて不利な度合いが顕著に高く、劣側遊技価値である非時短大当りの獲得の契機となる劣側の始動口8Y1への入賞がされることになる第2流路82への切換時期が遠いほど安心だが近づくほどに心配となり、まさに第2流路82への切換時は「大当りするな」との心理さえ働き、ワクワク・ドキドキ感を効果的に演出できる。
【0029】
さらに、この場合、前記第3の始動口8Z1への入球により、前記劣側遊技価値である前記非時短大当りを前記優側遊技価値である前記時短大当りよりも高率で付与する仕様にしているのが好ましい。これにより、第3の始動口8Z1への入球により期待できるのは、有利といいがたい非時短大当りの獲得が高率で見込まれるため、遊技者に遊技球振分装置8に遊技球を受入れさせる遊技に重点を置くことを促し得る。このため、第2流路82への切換時における心配事を、遊技の全般を通じて周期的に挿入でき、従来にない刺激的な遊技性を一層効果的に打ち出すことができる。
【0030】
以上の第1態様又は第2態様の弾球遊技機において、前記第2個数N2を複数個に設定し、前記第2作動態様への切換時、複数個である前記第2個数N2について連続して前記第2流路82に振分ける仕様にしているのも好ましい。この場合には、第2流路82への切換による有利な状況又は不利な状況がある程度続くことになり、チャンスゾーンやデンジャーゾーン的な遊技状況を効果的に作り出すことができる。
【0031】
本発明に係る第3態様の弾球遊技機は、遊技盤2に、球受入口80から受入れた遊技球Pを第1流路81と第2流路82とに振分ける遊技球振分装置8を設けた弾球遊技機であって、
前記遊技球振分装置8には、前記球受入口80から受入れた遊技球Pと接触して所定角度変位する球検出体83と、前記球受入口80から受入れた遊技球Pを予め定めた複数個である第1個数N1について前記第1流路81に振分ける第1作動態様と前記球受入口80から受入れた遊技球Pを前記第1個数以下の予め定めた第2個数N2について前記第2流路82に振分ける第2作動態様とを交互に切換える切換体84と、前記球検出体83の変位を前記第1個数N1対前記第2個数N2の比率に従って前記切換体84の作動態様の切換に変換する変換機構85とを設けており、
前記第1流路81は、前記遊技盤2に開放し、
前記第2流路81に対応させて、この第2流路82に振分けられた遊技球Pを入球させ、その入球により、所定の遊技価値を付与する契機となる第1の始動口を8X3(又は8X4)設けた特定事項をもつ。
【0032】
また、本発明に係る第3態様のさらに発展した形態の弾球遊技機は、
遊技球振分装置8は複数個あり、
各遊技球振分装置8に、上記と同様な、球検出体83と、切換体84と、変換機構85とを設けており、
上流側に位置する上流側遊技球振分装置8と下流側に位置する下流側遊技球振分装置8とを、下流側遊技球振分装置の球受入口80に上流側遊技球振分装置8の第2流路82に振分けられた遊技球が受入れられる関係で縦列接続していると共に、
最下流に位置する最下流側遊技球振分装置8の第2流路82に対応させて、この最下流側の第2流路82に振分けられた遊技球Pを入球させ、その入球により、所定の遊技価値を付与する契機となる第1の始動口を8X3(又は8X4)設けた特定事項をもつ。
【0033】
これにより、(第1個数N1+第2個数N2)/第2個数N2を(遊技球振分装置8の数)でべき乗した数の遊技球が、最上流に位置する遊技球振分装置8の球受入口80に受入れられると、第1の始動口8X3(又は8X4)に一個の遊技球が入ることになる。
例えば、第1個数N1が7、第2個数N2が1で、遊技球振分装置8の数が1の場合、(7+1)/1の8を1乗した8個の遊技球が受入れられると、第1の始動口8X3(又は8X4)に1個の遊技球が入る。第1個数N1が7、第2個数N2が1で、遊技球振分装置8の数が3の場合、(7+1)/1の8を3乗した512個の遊技球が受入れられると、第1の始動口8X3(又は8X4)に1個の遊技球が入る。また、第1個数N1が6、第2個数N2が2で、遊技球振分装置8の数が2の場合、(6+2)/2の4を2乗した16個の遊技球が受入れられると、第1の始動口8X3(又は8X4)に1個の遊技球が入る。さらに、第1個数N1が3、第2個数N2が1で、遊技球振分装置8の数が2の場合、(3+1)/1の4を2乗した16個の遊技球が受入れられると、第1の始動口8X3(又は8X4)に1個の遊技球が入る。
【0034】
従って、所定総数の受入れ遊技球に対して一定の割合で第1の始動口8X3へ入球させることを可能にし、低い出玉状況が長く続くスランプ等を改善することができる。
【0035】
以上の第3態様の弾球遊技機において、前記遊技盤2に、遊技球Pを通過させるゲートGTと、このゲートGTへの球通過を契機とした普通図柄抽選での当選を条件に開放する普通電動役物GDを設けた可変入賞装置付の始動口8Z3と、前記各始動口8X3,8Z3への入球を契機とした大当り抽選での当選を条件に開放する大入賞口9とを備え、
前記ゲートGTを、該ゲートGTに通過した遊技球が前記遊技球振分装置8の球受入口80に受入可能に設けており、
前記第1の始動口8X3への入球を契機に付与する前記所定の遊技価値は、前記大入賞口9の開放に係る大当り遊技後、前記普通図柄抽選での当選確率及び又は前記普通電動役物GDの開放時間を通常時に比べて大にすることにより前記可変入賞装置付の始動口8Z3への入球を契機とした抽選効率の高い時短大当りとしていることが好ましい。
【0036】
これにより、(第1個数N1+第2個数N2)/第2個数N2を(遊技球振分装置の数)でべき乗した数の遊技球が、遊技球振分装置8の球受入口80に受入れられると、第1の始動口8X3に一個の遊技球が入って、この第1の始動口8X3への入球を契機とした大当り抽選で当選を得て、擬似的な天井による大当りを勝ち取ることができる。このため、ゲートGTへの球通過を契機とした普通図柄抽選での当選を条件に開放する普通電動役物GDを設けた可変入賞装置付の始動口8Z3への入球を契機とした大当り抽選でなかなか当選が得られない場合にも救済が図られる。しかも、この擬似的な天井による大当りは、可変入賞装置付の始動口8Z3への入球を契機とした抽選効率の高い時短大当りを期待できるため、第1の始動口8X3への入球を契機に付与する遊技価値は十分に高いものとなり、ユニークな遊技性を打ち出すことができる。
【0037】
さらに、この場合、前記可変入賞装置付の始動口8Z3への入球を契機とした大当り抽選での当選時、前記大入賞口9の開放に係る大当り遊技後、前記普通図柄抽選での当選確率及び又は前記普通電動役物GDの開放時間を通常時に比べて大にすることにより前記可変入賞装置付の始動口8Z3への入球を契機とした抽選効率の高い時短大当りを付与する仕様にしているのが好ましい。
【0038】
これにより、第1の始動口8X3への入球を契機とした時短大当りの獲得により、可変入賞装置付の始動口8Z3への入球を契機とした再度の時短大当りの獲得も期待でき、時短大当りの連続による大量出玉を見込むことができる。このため、第1の始動口8X3への入球による擬似的な天井による大当りが一層効果的な救済策となり、遊技性が一層向上できる。
【発明の効果】
【0039】
本発明に係る遊技球振分装置及び弾球遊技機によれば、もうじき優の流路に切換わるとか、なかなか優の流路に切換わらないとかいったように、到達時期に近い遠いの差のある段階的な有利不利の状況を、遊技球の受入れ順に従って確実かつ周期的に作り出すことができ、従来にない斬新な遊技性を打ち出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、本発明に係る遊技球振分装置の正面図である。
【図2】図2は、同遊技球振分装置の前カバーを取外した正面図である。
【図3】図3は、第1流路への切換状態を説明する斜視図である。
【図4】図4は、第2流路への切換状態を説明する斜視図である。。
【図5】図5は、球検出体、変換機構、切換体の動作を説明する斜視図である。
【図6】図6は、カム及びテコの時系列動作を示す断面図その1である。
【図7】図7は、カム及びテコの時系列動作を示す断面図その2である。
【図8】図8は、実施例1に係る弾球遊技機の遊技盤の正面図である。
【図9】図9は、実施例1に係る弾球遊技機のスペック一覧表である。
【図10】図10は、実施例2に係る弾球遊技機の遊技盤の正面図である。
【図11】図11は、実施例2に係る弾球遊技機のスペック一覧表である。
【図12】図12は、第2個数N2を複数個とした場合の、カム及びテコの時系列動作を示す断面図その1である。
【図13】図13は、第2個数N2を複数個とした場合の、カム及びテコの時系列動作を示す断面図その2である。
【図14】図14は、実施例3に係る弾球遊技機の遊技盤の正面図である。
【図15】図15は、実施例3に係る弾球遊技機のスペック一覧表である。
【図16】図16は、実施例3の変形例に係る弾球遊技機のスペック一覧表である。
【図17】図17は、球検出体の半回転で一周期となる遊技球振分装置における、カム及びテコの時系列動作を示す断面図その1である。
【図18】図18は、球検出体の半回転で一周期となる遊技球振分装置における、カム及びテコの時系列動作を示す断面図その2である。
【図19】図19は、実施例4に係る弾球遊技機の遊技盤の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、本発明に係る遊技球振分装置8であって、遊技盤への取付ベース8Bと前カバー8Fとをもつ球ハウジング8Hを備え、前カバー8Fの上部に開口する球受入口80から前カバー8Fの裏側に設ける鉛直な受入通路800に受入れる遊技球Pを、前カバー8Fの裏側に設ける正面視で右側の第1流路81と正面視で左側の第2流路82との何れかに振分ける。前カバー8Fには、受入通路800の下部で二股に分かれる第1流路81と第2流路82との分岐部812に到達した振分対象の遊技球Pを確認できる中央丸穴8Cと、右側の第1流路81に対応した振分前後の遊技球Pを確認できる右側スリット穴8Rと、左側の第2流路82に対応した振分前後の遊技球Pを確認できる左側スリット穴8Lとを開口している。第1流路81には、第1始動口8Xとその入賞センサ8xを、第2流路82には、第2始動口8Yとその入賞センサ8yを各設けている。
【0042】
図2に示すように、取付ベース8Bには、球受入口80から受入通路800に受入れた遊技球Pと接触して該遊技球Pの運動により所定角度(例えば45度)回転して変位するスプロケット形の球検出体83を取付けている。この球検出体83の外周に設ける球接触部830は、取付ベース8Bに開口する第1スリット86を介して受入通路800に臨ませていると共に、第1スリット86の左右両側において受入通路800の上流から下流に向けて紙面奥行き方向に円弧状に凹入する一対の凹入溝871,872に突入状に臨ませている。
【0043】
また、取付ベース8Bには、球受入口80から受入通路800に受入れた遊技球Pを予め定めた複数個である第1個数N1(例えば7個)について連続して第1流路81に振分ける第1作動態様(図1の点線で示す態様)と、球受入口80から受入通路800に受入れた遊技球Pを第1個数以下の予め定めた第2個数N2(例えば1個)について第2流路82に振分ける第2作動態様(図2の実線で示す態様)とを交互に切換える振り子状の切換体84を支持している。さらに、取付ベース8Bの裏側に、球検出体83の変位を第1個数N1対第2個数N2の比率に従って切換体84の作動態様の切換に変換する変換機構85を設けている。88は、変換機構85のカム851を妨げなく作動させるための第2スリットである。
【0044】
図3に示すように、球検出体83は、前記第1個数N1と第2個数N2を合計した個数(1+7=8個)の円弧状に凹入する球接触部830を有し、この球接触部830を隣合う凸状の歯部831を挟んで一周360度について設けている。特定の位置例えば上部に順次位置されてくる一つの球接触部830には、該球接触部830の円弧面に倣う薄い板バネから成る回転規制体832を、右側から見て反時計方向に向かう球検出体83の回転が所定角度ずつ円滑に行えるよう、所定の姿勢及び適切な付勢力により接触させている。球検出体83と一体回転する回転軸833は、取付ベース8Bの裏側に突設する一対の軸受834,835に回転自由に軸支しており、この回転軸833に、変換機構85の構成要素となる板状のカム851を一体回転するように連結している。
【0045】
本発明でいうカムとは、接触子を有する従節との直接接触により従節に所要の周期的運動を与える特殊な形状の原節をいい、従節との直接接触は一周期の少なくとも一期間においてされるもので足りる。カム851は、球検出体83の一つの歯部831に対応させて突出する操作片852を一体に備える。変換機構85の他の構成要素となり、原節たるカム851によって従動する従節には、一端にカム851の操作片852と接触する接触子853を、他端に切換体84の半円状のベース840の後方に突設するピン841と長穴854を介して連動させる連動子855を各々有し、接触子側アーム856と連動子側アーム857とを揺動軸858を挟んでL字形に連結して成るテコ859を用いている。
【0046】
テコ859は、常時、巻きバネから成る復帰用付勢体860により、揺動軸858の回りに正面視で時計方向に付勢され、接触子853を上方に持ち上げている。本来、切換体84はその振り子軸842の回りに揺動自在であるが、球検出体83に遊技球が接触して所定角度変位しても、カム851の操作片852とテコ859の接触子853とが加圧接触しない関係にあるとき、半円状のベース840の前方において上方に立ち上がるデバイダー片843と右斜め下方に延びる第1滑り片844とで形成するV字形の第1受渡部845を受入通路800の直下に対面させた第1作動態様を保ち、受入れた遊技球を右側の第1流路81に振分ける。
【0047】
図4に示すように、球検出体83に遊技球が接触して所定角度変位することにより、カム851の操作片852が、テコ859の接触子853と加圧接触して該接触子853を押し下げると、揺動軸858の回りにテコ859全体を回転させて連動子855を下方に変位させ、長穴854に連動する切換体84のピン841を押し下げる。こうして、切換体84の姿勢は、上方に立ち上がるデバイダー片843と左斜め下方に延びる第2滑り片846とで形成するV字形の第2受渡部847を受入通路800の直下に対面させた第2作動態様に切換えられ、受入れた遊技球を左側の第2流路82に振分ける。
【0048】
図5に示すように、左側の第2流路82に振分けられる遊技球が球検出体83に接触する前は、[1]のとおり、切換体84は、右側の第1流路81に振分ける第1作動態様にある。左側の第2通路82に振分けられる遊技球が球検出体83に接触した直後、[2]のとおり、切換体84は、左側の第2流路82に振分ける第2作動態様に切換わる。新たな遊技球が受入れられ、この新たな遊技球が球検出体83に接触した直後は、[3]のとおり、カム851の操作片852とテコ859の接触子853との加圧接触が外れ、カム851によるテコ859への操作荷重が解除され、切換体84は、右側の第1流路81に振分ける第1作動態様に復帰する。
【0049】
図6及び図7に示すように、丸を付した番号順に、球受入口80からの受入れ順に従って、遊技球は、P1−1〜P1−7の合計7個の第1個数N1について連続して第1流路81に振分けられ、P2−1の1個の第2個数N2について第2流路82に振分けられ、これらを一周期として繰り返される。891,892は、球検出体83の球接触部830を突入状に臨ませる凹入溝871,872に対応して設け、該凹入溝871,872に遊技球を導くガイド突起であって、上流側ガイド突起891は、遊技球を一旦下流側ガイド突起892に向けて案内し、下流側ガイド突起892からの跳ね返りにより凹入溝871,872に遊技球を導くようにしている。
【実施例1】
【0050】
図8は、以上の遊技球振分装置8を具備する実施例1に係るパチンコ遊技機の遊技盤2を示す。遊技球振分装置8は、カラー液晶表示器から成る演出表示装置70を具備する演出表示ユニット7の下方に配置している。球受入口80は、演出表示ユニット7の飾り枠71の左側に設けるワープルート入口72から取り込んだ遊技球を開放する中央下部のワープルート出口73の下方に対応させて配置している。
【0051】
遊技球振分装置8の前カバー8Fには、1周期について8個の遊技球P1−1〜P1−7,P2−2が第1又は第2始動口8X,8Yの各入賞センサ8x,8yで検出される毎に、第2流路82に振分けられた遊技球P2−1(丸囲み2の表示)を時計の12時の位置として45度ずつあたかも時計が進むように、内蔵するLEDランプを所定時間例えば5秒間を上限に点灯させ、第1流路81への遊技球の振分けが第1個数N1(7個)のうちの第何番目に当たるのかについて認識可能な態様(丸囲み1と丸囲み2の順次点灯)で報知し、何かと関心事となる第2通路82への振分の切換時期の遠近を知らせる振分状況報知手段8Dを設けている。右側の第1流路81に対応させて第1流路目印810(丸囲み1の表示)を、左側の第2流路82に対応させて第2流路目印820(丸囲み2の表示)を、それぞれシール等の貼付けにより表示している。
【0052】
ところで、「演出表示装置」とは、遊技機規則で定義する「特別図柄表示装置」での図柄の変動及び確定停止と同期した変動及び確定停止をする演出用の表示装置をいう。なお、「特別図柄表示装置」とは、特別電動役物及び条件装置が作動することとなる図柄の組合せを表示するための装置をいう(遊技機規則第6条別表第2(2)ヌ)。
「条件装置」とは、その作動が役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている装置で、特定の図柄の組合せが表示され、又は遊技球(役物連続作動装置が作動している時にその入口が開き、又は拡大した大入賞口に入賞したものを除く。)が大入賞口内の特定の領域を通過した場合に作動するものをいう(遊技機規則第6条別表第2(2)リ)。
【0053】
遊技球振分装置8の右側の第1流路81に対応して設けた第1始動口8Xは、その入賞センサ8xで検出する第1流路81に振分けられた遊技球の入球により、相対的な優劣をつけた予め定めた優側遊技価値と劣側遊技価値とのうち、劣側遊技価値を優側遊技価値よりも高率で付与する契機となる劣側の始動口として用いている。左側の第2流路82に対応して設けた第2始動口8Yは、その入賞センサ8yで検出する第2流路82に振分けられた遊技球の入球により、優側遊技価値を劣側遊技価値よりも高率で付与する契機となる優側の始動口として用いている。ここに、高率とは、50%を越え、100%以下で予め定めた値をいう。すなわち、他方の低率は50%未満となる。以下、同様である。
【0054】
遊技盤2には、遊技球を通過させるゲートGTと、このゲートGTへの球通過を契機とした普通図柄抽選での当選を条件に開放する電動チューリップから成る普通電動役物GDと、この普通電動役物GDを入口に設ける可変入賞装置付の第3始動口8Zと、第1〜第3始動口8X,8Y,8Zへの入球を契機とした大当り抽選での当選を条件にアタッカー90を前に倒すことにより開放する大入賞口9とを備える。普通電動役物GDたる電動チューリップが開かない限り、第3始動口8Zへは遊技球が入らない仕様にしている。
【0055】
優側遊技価値は、大入賞口9を開放する大当り遊技後、普通図柄抽選での当選確率及び又は普通電動役物GDの開放時間を劣側遊技価値の場合に比べて大にすることにより可変入賞装置付の第3始動口8Zを契機とした抽選効率の高い時短大当りとしている。また、劣側遊技価値は、大入賞口9を開放する大当り遊技後、普通図柄抽選での当選確率及び又は普通電動役物NDの開放時間を優側遊技価値の場合に比べて小にすることにより可変入賞装置付の第3始動口8Zを契機とした抽選効率の低い非時短大当りとしている。なお、可変入賞装置付の第3始動口8Zへの入球により、優側遊技価値である時短大当りを劣側遊技価値である非時短大当りよりも高率で付与する仕様にしている。
【0056】
劣側の始動口である第1始動口8Xへの入球を契機として、表示器ボードDB内の第1特別図柄表示装置SD1上で第1特別図柄を変動させると共に、演出表示装置70上で演出図柄を変動させ、所定時間経過後、第1特別図柄表示装置SD1及び演出表示装置70で同時に大当りの当否を停止図柄の違い(当選時は第1特別図柄表示装置SD1に「7」や「3」等、演出表示装置70に「7」「7」「7」や「3」「3」「3」等、外れ時は同SD1にバー「−」、同70に非三つ揃い図柄の組合せ)により導出する。H1,H2,H3,H4は、最大4個の保留中にある、第1始動口8Xへの入球に基づく大当り抽選の権利数を表示する第1特別図柄保留表示器である。
【0057】
優側の始動口である第2始動口8Y又は可変入賞装置付の第3始動口8Zへの入球を契機として、表示器ボードDB内の第2特別図柄表示装置SD2上で第2特別図柄を変動させると共に、演出表示装置70上で演出図柄を変動させ、所定時間経過後、第2特別図柄表示装置SD2及び演出表示装置70で同時に大当りの当否を停止図柄の違い(当選時は第2特別図柄表示装置SD2に「7」や「3」等、演出表示装置70に「7」「7」「7」や「3」「3」「3」等、外れ時は同SD2にバー「−」、同70に非三つ揃い図柄の組合せ)により導出する。K1,K2,K3,K4は、最大4個の保留中にある、第2始動口8Y又は第3始動口8Zへの入球に基づく大当り抽選の権利数を表示する第2特別図柄保留表示器である。
【0058】
ゲートGTへの球通過を契機として、表示器ボードDB内の緑色当りランプGLと赤色外れランプRLとから成る普通図柄表示装置NDを交互点灯させて変動させ、普通図柄抽選での当り時は緑色当りランプGLの点灯で、外れ時は赤色外れランプRLの点灯で停止させる。普通図柄抽選での当り時は、普通電動役物GDを所定態様で開放する。斜めに並ぶ8個のLEDe1〜e8のうち、J1(e3),J2(e4),J3(e5),J4(e6)は、最大4個の保留中にある、ゲートGTへの球通過に基づく普通図柄抽選の権利数を表示する普通図柄保留表示器である。
【0059】
遊技盤2には、略円形の遊技領域200を区画し且つ発射装置(図示せず)により打出す遊技球を導くレール21、球戻り防止片22、球止め23、入賞1個につき所定数例えば10個の賞球を払出す左上入賞口24、同左中入賞口25、同左下入賞口26、右入賞口27、遊技球の流下方向を変化させる風車28a,28b,28c、入賞を逃した遊技球を排出するアウト口29を備える。また、遊技領域200には独特のゲージに従い、もっと多数の遊技釘20が打たれている。
【0060】
図9に、実施例1の遊技機のスペックを一覧で示す。大当り抽選は、遊技機内部に設ける制御装置に具備するマイクロプロセッサで実行している。大当り確率は、低い方の低確時も、高い方の高確時も、各始動口8X,8Y,8Zへの入球を契機に抽出する大当り抽選用乱数の取り得る数値(例えば0〜65535個の65536とおりの数値)のうち、例えば約1/10を当選範囲としており、低確時は6552/65536=約1/10、高確時は6553/65536=約1/10としている。ごく僅かな差でしかない。
【0061】
また、マイクロプロセッサのRAMクリア時にのみ低確としており、大当りに1回でも当選すると、以後、高確となる。すなわち、確率変動割合は100%である。大当り抽選での初回当選から数える予め定めた連続大当り上限回数を規定するリミッターも設けていない。大当り出玉は、大入賞口9の繰り返し開放回数である所定ラウンド数例えば2R(ラウンド)に、一回のラウンドでの最大開放時間(例えば28秒間)中に許容される制限入賞数であるカウント数例えば4カウント、及び、大入賞口9への入賞一個について払出される賞球数例えば15個を乗じた120発としている。
【0062】
普通図柄抽選も、遊技機内部に設ける制御装置に具備するマイクロプロセッサで実行している。普通図柄抽選での当りとなる普図確率は、低い方の非時短時は、極めて低い例えば1/65536、高い方の時短時は、極めて高い例えば65534/65536としている。普通図柄抽選での当りで開放する普通電動役物GDたる電動チューリップ(電チューという)の開放仕様は、最大開放時間が例えば5.5秒、開放回数は例えば1回としている。電チューによる出玉、すなわち第3始動口8Zへの入球による出玉は、5.5秒の最大開放時間中に許容される制限球数であるカウント数例えば5カウントと、始動口(8X,8Y,8Z)に対する入賞一個について払い出される賞球例えば3個とを乗じた15発としている。
【0063】
劣側の始動口である第1始動口8Xへの入球を契機として第1特別図柄においてされる大当り抽選で当選した場合、高率の例えば95%の選択率で、第1特別図柄表示装置SD1及び演出表示装置70での停止図柄は大当り図柄1(例えば、第1特別図柄表示装置SD1に「3」等、演出表示装置70に「3」「3」「3」等)となり、今回の大当り当選時に時短状態であった場合を除いて、大当り遊技後に時短の利益が得られない時短回数0の非時短となる。ただし、低率の例えば5%の選択率で、第1特別図柄表示装置SD1及び演出表示装置70での停止図柄は大当り図柄2(例えば、第1特別図柄表示装置SD1に「7」等、演出表示装置70に「7」「7」「7」等)となり、大当り遊技後に時短回数100回の時短となる。この100回は、時短状態での大当り抽選回数の上限である。
【0064】
優側の始動口である第2始動口8Y又は可変入賞装置付の第3始動口83への入球を契機として第2特別図柄においてされる大当り抽選で当選した場合、高率の例えば95%の選択率で、第2特別図柄表示装置SD2及び演出表示装置70での停止図柄は大当り図柄1(例えば、第2特別図柄表示装置SD2に「7」等、演出表示装置70に「7」「7」「7」等)となり、大当り遊技後に時短回数100回の時短となる。ただし、低率の例えば5%の選択率で、第2特別図柄表示装置SD2及び演出表示装置70での停止図柄は大当り図柄2(例えば、第2特別図柄表示装置SD2に「3」等、演出表示装置70に「3」「3」「3」等)となり、今回の大当り当選時に非時短状態であった場合を除いて、大当り遊技後に時短の利益が得られない時短回数0の非時短となる。
【0065】
時短回数100回のうちに、いわゆる右打ちにより、第3始動口8Zへの入賞を促進でき、約1/10の大当り確率で再度大当りに当選していわゆる連荘させるのは比較的容易である。この連荘中に5%の低い選択率で非時短となる大当り当選があっても、あるいは、時短状態での大当り抽選回数の上限である100回に達して非時短となっても、第3始動口8Zへの入賞に基づく第2特別図柄での抽選の場合は、非時短でも100回の時短が付くため、保留玉による大当りの当選により連荘を復活させることもできる。
【実施例2】
【0066】
図10は、実施例2に係るパチンコ遊技機の遊技盤2を示す。この実施例2は、実施例1と異なり、遊技球振分装置8は、遊技盤2の右領域に配置しており、第1流路81には、該第1流路81に振分けられた遊技球の入球により、相対的な優劣をつけた予め定めた優側遊技価値と劣側遊技価値とのうち、優側遊技価値を劣側遊技価値よりも高率で付与する契機となる優側の始動口8X2及びその入賞センサを設け、第2流路82には、該第2流路81に振分けられた遊技球の入球により、劣側遊技価値を優側遊技価値よりも高率で付与する契機となる劣側の始動口8Y1及びその入賞センサを設けている。
【0067】
遊技球振分装置8の前カバー8Fには、1周期について8個の遊技球P1−1〜P1−7,P2−2が第1又は第2始動口8X,8Yの各入賞センサ8x,8yで検出される毎に、第2流路82に振分けられた遊技球P2−1(丸囲み?の表示)を時計の12時の位置として45度ずつあたかも時計が進むように、内蔵するLEDランプを所定時間例えば5秒間を上限に点灯させ、第1流路81への遊技球の振分けが第1個数N1(7個)のうちの第何番目に当たるのかについて認識可能な態様(丸囲み良と丸囲み?の順次点灯)で報知し、何かと関心事となる第2通路82への振分の切換時期の遠近を知らせる振分状況報知手段8Dを設けている。右側の第1流路81に対応させて第1流路目印810(丸囲み良の表示)を、左側の第2流路82に対応させて第2流路目印820(丸囲み?の表示)を、それぞれシール等の貼付けにより表示している。
【0068】
また、遊技盤2には、優側及び劣側の始動口8X2,8Y1と別の第3の始動口8Z1と、遊技球を通過させるゲートGTと、このゲートGTへの球通過を契機とした普通図柄抽選での当選を条件に開放する普通電動役物GD(電動チューリップ)と、各始動口8X2,8Y1,8Z1の入球を契機とした大当り抽選での当選を条件に開放する大入賞口9とを備え、遊技球振分装置8の球受入口80には普通電動役物GDを設けている。普通電動役物GDたる電動チューリップが開かない限り、遊技球振分装置8の球受入口80へは遊技球が入らない仕様にしている。第3の始動口8Z1は、演出表示ユニット7の飾り枠71の左側に設けるワープルート入口72から取り込んだ遊技球を開放する中央下部のワープルート出口73の下方に対応させて配置している。
【0069】
優側遊技価値は、大入賞口9を開放する大当り遊技後、普通図柄抽選での当選確率及び又は普通電動役物GDの開放時間を劣側遊技価値の場合に比べて大にすることにより遊技球振分装置8の球受入口80への入球率の高い時短大当りとしている。また、劣側遊技価値は、大入賞口9を開放する大当り遊技後、普通図柄抽選での当選確率及び又は普通電動役物GDの開放時間を優側遊技価値の場合に比べて小にすることにより遊技球振分装置8の球受入口80への入球率の低い非時短大当りとしている。なお、第3の始動口8Z1への入球により、劣側遊技価値である非時短大当りを優側遊技価値である時短大当りよりも高率で付与する仕様にしている。
【0070】
図11に、実施例2の遊技機のスペックを一覧で示す。大当り抽選は、遊技機内部に設ける制御装置に具備するマイクロプロセッサで実行している。大当り確率は、低い方の低確時も、高い方の高確時も、各始動口8X2,8Y1,8Z1への入球を契機に抽出する大当り抽選用乱数の取り得る数値(例えば0〜65535個の65536とおりの数値)のうち、例えば約1/10を当選範囲としており、低確時は6552/65536=約1/10、高確時は6553/65536=約1/10としている。ごく僅かな差でしかない。
【0071】
また、マイクロプロセッサのRAMクリア時にのみ低確としており、大当りに1回でも当選すると、以後、高確となる。すなわち、確率変動割合は100%である。大当り抽選での初回当選から数える予め定めた連続大当り上限回数を規定するリミッターも設けていない。大当り出玉は、大入賞口9の繰り返し開放回数である所定ラウンド数例えば2R(ラウンド)に、一回のラウンドでの最大開放時間(例えば28秒間)中に許容される制限入賞数であるカウント数例えば4カウント、及び、大入賞口9への入賞一個について払出される賞球数例えば15個を乗じた120発としている。
【0072】
普通図柄抽選も、遊技機内部に設ける制御装置に具備するマイクロプロセッサで実行している。普通図柄抽選での当りとなる普図確率は、低い方の非時短時は、極めて低い例えば1/65536、高い方の時短時は、極めて高い例えば65534/65536としている。普通図柄抽選での当りで開放する普通電動役物GDたる電動チューリップ(電チューという)の開放仕様は、最大開放時間が例えば5.5秒、開放回数は例えば1回としている。電チューによる出玉、すなわち優側又は劣側の始動口8X2,8Y1への入球による出玉は、5.5秒の最大開放時間中に許容される制限球数であるカウント数例えば5カウントと、始動口(8X2,8Y1,8Z1)に対する入賞一個について払い出される賞球例えば3個とを乗じた15発としている。
【0073】
劣側の始動口8Y1又は第3の始動口8Z1への入球を契機として第1特別図柄においてされる大当り抽選で当選した場合、高率の例えば95%の選択率で、第1特別図柄表示装置SD1及び演出表示装置70での停止図柄は大当り図柄1(例えば、第1特別図柄表示装置SD1に「3」等、演出表示装置70に「3」「3」「3」等)となり、大当り遊技後に時短の利益が得られない時短回数0の非時短となる。ただし、低率の例えば5%の選択率で、第1特別図柄表示装置SD1及び演出表示装置70での停止図柄は大当り図柄2(例えば、第1特別図柄表示装置SD1に「7」等、演出表示装置70に「7」「7」「7」等)となり、大当り遊技後に時短回数100回の時短となる。この100回は、時短状態での大当り抽選回数の上限である。
【0074】
優側の始動口8X2への入球を契機として第2特別図柄においてされる大当り抽選で当選した場合、高率の例えば100%の選択率で、第2特別図柄表示装置SD2及び演出表示装置70での停止図柄は大当り図柄1(例えば、第2特別図柄表示装置SD2に「7」等、演出表示装置70に「7」「7」「7」等)となり、大当り遊技後に時短回数100回の時短となる。
【0075】
時短回数100回のうちに、いわゆる右打ちにより、遊技球振分装置8の球受入口80への入賞を促進でき、約1/10の大当り確率で再度大当りに当選していわゆる連荘させるのは比較的容易である。この連荘中に劣側の始動口8Y1に振分けられると、第1特別図柄での選択率に従う95%の高率で非時短となって連荘が終了するが、5%の低率ではあるが、再び100回の時短が付く時短大当りとなる場合もあり、この場合は連荘が復活する。
【0076】
図12及び図13に示すように、以上の実施例1又は実施例2において、第2流路82に振分ける第2個数N2を複数個の例えば3個とし、第2作動態様への切換時、複数個である第2個数N2=3個について連続して第2流路82に振分ける仕様にしてもよい。カム851には、球検出体83の3つの連続する歯部831に対応させて突出する約90度の扇形の操作片85Tを一体に設けている。
【0077】
N2=3の場合、丸を付した番号順に、球受入口80からの受入れ順に従って、遊技球は、P1−1〜P1−5の合計5個の第1個数N1について連続して第1流路81に振分けられ、P2−1〜P2−3の3個の第2個数N2について第2流路82に振分けられ、これらを一周期として繰り返される。これにより、第2流路82への3連続の遊技球の振分時、実施例1のものではチャンスゾーンとなり、実施例2のものではデンジャーゾーンとなる。
【実施例3】
【0078】
図14は、実施例3に係るパチンコ遊技機の遊技盤2を示す。この実施例3は、遊技球振分装置8を複数個備え、各遊技球振分装置8は、図1〜図7で示したものを水平方向に左右反転させた構造をもち、数の多い第1個数N1=7の遊技球を連続して振分ける第1流路81を左側に設けると共に、数の少ない第2個数N2=1の遊技球を振分ける第2流路82を右側に設けており、これら第1流路81及び第2流路82に振分けられた遊技球を遊技盤2の裏側に回収せずに、前カバー8Fの下部に開口する各球出口81J,82Jから遊技盤2の前面側に開放するようにしている。
【0079】
そして、上流側の上部に位置する上流側遊技球振分装置8と下流側の下部に位置する下流側遊技球振分装置8とを、下流側遊技球振分装置8の球受入口80に上流側遊技球振分装置8の右側の第2流路82に振分けられた遊技球が受入れられる関係で縦列接続していると共に、最下流の最下部に位置する最下流側遊技球振分装置8の右側の第2流路82に対応させて、この最下流側の第2流路82に振分けられた遊技球を入球させ、その入球により、所定の遊技価値を付与する契機となる第1の始動口8X3及びその入賞センサを設けている。
【0080】
遊技盤2には、遊技球を通過させる二つのゲートGT,GTと、何れかのゲートGTへの球通過を契機とした普通図柄抽選での当選を条件に開放する普通電動役物GD(電動チューリップ)を設けた可変入賞装置付の始動口8Z3と、各始動口8X3,8Z3への入球を契機とした大当り抽選での当選を条件に開放する大入賞口9とを備え、一つのゲートGTを、該ゲートGTに通過した遊技球が最上流に位置する最上流側遊技球振分装置8の球受入口80に受入可能に設けている。普通電動役物GDたる電動チューリップが開かない限り、可変入賞装置付の始動口8Z3へは遊技球が入らない仕様にしている。
【0081】
第1の始動口8X3への入球を契機に付与する所定の遊技価値は、大当り抽選での初回当選から数える予め定めた連続大当り上限回数を超過しない条件下で、大入賞口9の開放に係る大当り遊技後、普通図柄抽選での当選確率及び又は普通電動役物GDの開放時間を大当り抽選での初回当選前の通常時に比べて大にすることにより可変入賞装置付の始動口8Z3を契機とした抽選効率の高い時短大当りとしている。
【0082】
また、可変入賞装置付の始動口8Z3への入球を契機とした大当り抽選での当選時、大当り抽選での初回当選から数える予め定めた連続大当り上限回数を超過しない条件下で、大入賞口9の開放に係る大当り遊技後、普通図柄抽選での当選確率及び又は普通電動役物GDの開放時間を大当り抽選での初回当選前の通常時に比べて大にすることにより可変入賞装置付の始動口8Z3を契機とした抽選効率の高い時短大当りを付与する仕様にしている。
【0083】
特別図柄は第1特別図柄のみとし、第2特別図柄はなく、各始動口8X3,8Z3への入球を契機として、表示器ボードDB内の第1特別図柄表示装置SD1上で第1特別図柄を変動させると共に、演出表示装置70上(飾り枠71にはワープルートはない)で演出図柄を変動させ、所定時間経過後、第1特別図柄表示装置SD1及び演出表示装置70で同時に大当りの当否を停止図柄の違い(当選時は第1特別図柄表示装置SD1に「7」等、演出表示装置70に「7」「7」「7」等、外れ時は同SD1にバー「−」、同70に非三つ揃い図柄の組合せ)により導出する。保留玉はない仕様にしており、第1特別図柄保留表示器も設けていない。
【0084】
図15に、実施例3の遊技機のスペックを一覧で示す。大当り抽選は、遊技機内部に設ける制御装置に具備するマイクロプロセッサで実行している。大当り確率は、低い方の低確時も、高い方の高確時も、各始動口8X3,8Z3への入球を契機に抽出する大当り抽選用乱数の取り得る数値(例えば0〜65535個の65536とおりの数値)のうち、ほとんどを当選範囲としており、低確時は65533/65536=約1/1、高確時は65534/65536=約1/1としている。どちらも、始動口8X3,8Z3へ入球すると、ほぼ大当りとなる。
【0085】
また、マイクロプロセッサのRAMクリア時に低確となる他、確率変動割合は100%であるも大当り抽選での初回当選から数える予め定めた連続大当り上限回数例えば30回を規定するリミッターを設けており、第30回目の大当りの当選でリミッターが作動するとき、低確となる(同時に非時短ともなる)。大当り出玉は、大入賞口9の繰り返し開放回数である所定ラウンド数例えば2R(ラウンド)に、一回のラウンドでの最大開放時間(例えば28秒間)中に許容される制限入賞数であるカウント数例えば1カウント、及び、大入賞口9への入賞一個について払出される賞球数例えば6個を乗じた12発という大当りとしては顕著に少ないものにしている。
【0086】
普通図柄抽選も、遊技機内部に設ける制御装置に具備するマイクロプロセッサで実行している。普通図柄抽選での当りとなる普図確率は、低い方の非時短時は、比較的当り難い例えば1/256、高い方の時短時は、ほとんど当りとなる例えば254/256=約1/1としている。普通図柄抽選での当りで開放する普通電動役物GDたる電動チューリップ(電チューという)の開放仕様は、最大開放時間が例えば5.5秒、開放回数は例えば1回としている。電チューによる出玉、すなわち可変入賞装置付の始動口8Z3への入球による出玉は、5.5秒の最大開放時間中に許容される制限球数であるカウント数例えば5カウントと、始動口(8X3,8Z3)に対する入賞一個について払い出される賞球例えば10個とを乗じた50発とし、いわゆる電チューで出玉を増やすタイプにしている。
【0087】
各始動口8X3,8Z3への入球を契機として第1特別図柄においてされる大当り抽選で当選した場合、高率の100%の選択率で、第1特別図柄表示装置SD1及び演出表示装置70での停止図柄は大当り図柄1(例えば、第1特別図柄表示装置SD1に「7」等、演出表示装置70に「7」「7」「7」等)となり、大当り遊技後に次回大当りに再当選するまで無制限に時短の利益が得られる次回までの時短となる。
【0088】
ただし、リミッター作動時は、第1特別図柄表示装置SD1及び演出表示装置70での停止図柄が大当り図柄1(例えば、第1特別図柄表示装置SD1に「7」等、演出表示装置70に「7」「7」「7」等)であっても、大当り遊技後に時短の利益が得られない時短回数0の非時短となり、連荘は終了する。
【0089】
大当り連荘の発生ルートとして、1/256の比較的低い普通図柄抽選での当りにより普通電動役物GDを開放させて、可変入賞装置付の始動口8Z3に入球させて初回大当りにより次回までの時短を得るルートと、遊技球振分装置8の3段縦列接続により第1の始動口8X3に入球させて初回大当りにより次回までの時短を得るルートとの二つが確立され、多様な遊技性が打ち出し得る。遊技球振分装置8の3段縦列接続により、8の三乗の512個の遊技球が遊技球振分装置8の最上流に受け入れられると、必ず1個が第1の始動口8X3に入り、いわゆる天井機能として働き、スランプが回避される。
【0090】
図16に示すように、図15のスペックを一部変更し、リミッターは設けず、かつ、大当り抽選に係る特別図柄の仕様は、大当り当選時に非時短状態であった場合は、停止図柄として選択する大当り図柄1,2に拘わらず、時短状態(次回まで)へ移行する一方、大当り当選時に時短状態であった場合は、所定の高率例えば98%の選択率で選択する大当り図柄1を引き当てたときに時短状態(次回まで)へ移行し、2%で大当り図柄2を引き当てたときには時短が終了するものとし、98%で大当り図柄1を引き当て続ける限り、連荘が継続するようにしてもよい。
【0091】
図17及び図18に示すように、カム851に、複数例えば2つの操作片85A,85Bを所定位置例えば180度変位した位置に設けても良い。なお、この図17及び図18の遊技球振分装置8は、図1〜図7で示したものを水平方向に左右反転させた構造をもち、数の多い第1個数N1の遊技球を連続して振分ける第1流路81を左側に設けると共に、数の少ない第2個数N2の遊技球を振分ける第2流路82を右側に設けており、これら第1流路81及び第2流路82に振分けられた遊技球を遊技盤2の裏側に回収せずに、前カバー8Fの下部に開口する各球出口81J,82Jから遊技盤2の前面側に開放する仕様にしている。
【0092】
このものでは、カム851の半回転すなわち球検出体83の半回転で、第1流路81への3個連続振分(N1=3)と第2流路82への1個単独振分(N2=1)の1周期分の動作が行われ、カム851の一回転すなわち球検出体83の一回転により、丸を付した番号順に、球受入口80からの受入れ順に従って、遊技球は、P1−1〜P1−6の合計6個について第1流路81に振分けられ、P2−1,P2−2の合計2個について第2流路82に振分けられる。これにより、N1:N2=6:2=3:1の振分が行えることになる。
【実施例4】
【0093】
図19は、実施例4に係るパチンコ遊技機の遊技盤2を示す。この実施例4は、図17,18の遊技球振分装置8を2個備え、上流側の上部に位置する上流側遊技球振分装置8と下流側の下部に位置する下流側遊技球振分装置8とを、下流側遊技球振分装置8の球受入口80に上流側遊技球振分装置8の右側の第2流路82に振分けられた遊技球が受入れられる関係で縦列接続していると共に、最下流の最下部に位置する最下流側遊技球振分装置8の右側の第2流路82に対応させて、この最下流側の第2流路82に振分けられた遊技球を入球させ、その入球により、大当り抽選を起動する第1の始動口8X4及びその入賞センサを設けている。
【0094】
この第1の始動口8X4の直下には、ゲートGTへの球通過を契機とした普通図柄抽選での当選を条件に開放する普通電動役物GD(電動チューリップ)を設けた可変入賞装置付の始動口8Z4を設け、これら始動口8X4,8Z4への入球を契機とした大当り抽選での当選を条件に開放する大入賞口9を開放する、一般的な、旧来(遊技機規則改定前)からの第一種に属する遊技仕様を有するものに適用している。
【0095】
最上部の遊技球振分装置8の球受入口80は、遊技盤2の中央から左寄りに遊技球を転動させるいわゆる左打ち時に、所定数例えば発射された遊技球の大半の入球が見込まれる位置に開口させている。この場合、16個の遊技球が最上部の遊技球振分装置8の球受入口80に入ると、第1の始動口8X4に1個の入賞が生じ、1分間に100個の遊技球を遊技盤2に打ち出す通常の発射仕様の場合、1分間に6.25個の始動入賞が見込まれ、その入賞間隔は9.6秒程度となり、入賞スランプをほぼ確実に回避できる。1分間について100個の発射球のうち約半分が最上部の遊技球振分装置8の球受入口80に受入れられるものとしても、1分間に3.125個の始動入賞が生じ、入賞間隔は19.2秒程度となり、入賞スランプの回避は十分に実現される。
【産業上の利用可能性】
【0096】
主に、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第1項第7号のぱちんこ屋や同8号の店舗等の営業に供される遊技機の産業分野において有用である。
【符号の説明】
【0097】
2;遊技盤
8;遊技球振分装置
80;球受入口
800;受入通路
81;第1流路
82;第2流路
83;球検出体
830;球接触部
84;切換体
85;変換機構
851;カム
859;テコ
871,872;凹入溝
891,892;ガイド突起
8D;振分状況報知手段
9;大入賞口
GT;ゲート
GD;普通電動役物(電動チューリップ)
8X,8X2,8X3,8X4;第1の始動口
8Y,8Y1,;第2の始動口
8Z,8Z1,8Z3,8Z4;第3の始動口
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤上を転動する遊技球を受入れて二つの流路の何れかに振分ける遊技球振分装置及びこの振分装置を具備するパチンコ遊技機等の弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、外周に4つの玉保持部を設けた電動式の回転体を設け、回転体に零個を含む4個未満の遊技球が保持された状態では、回転体に遊技球を受継がせる球受入口に入った遊技球を順次玉保持部に受渡し、回転体の半時計方向の回転に伴って各玉保持部から第1流路に遊技球を放出し、回転体に4個の遊技球が全て同時に保持された状態では、回転体の総重量の増加により回転体の軸を下方に変位させ、球受入口の斜め下方に遊技球落下口を開いて第2流路に遊技球を放出する遊技球振分装置及びこれを用いたパチンコ遊技機が知られている。
【0003】
また、特許文献2や3に記載されているように、右と左に開放する玉受部を90度ずつ交互に設けた4羽根水車のような非電動式の回転体を設け、この回転体を遊技盤からの球受入口の直下に配置し、遊技球を受入れる毎に、遊技球の自重により90度ずつ回転体を円滑に回転させ、球受入口の直下に対面する玉受部を順次交互に更新すると共に、遊技球を右の第1流路又は左の第2流路に順次交互に開放させる遊技球振分装置及びこれを用いたパチンコ遊技機が知られている。
【0004】
さらに、特許文献4に記載されているように、直径方向の外周2箇所で開放する玉保持部を備える電動式の回転体を設け、この回転体への球受入口を遊技盤上の電動チューリップの入賞通路の下流に配置し、一方側に開放する玉保持部に2個同時に遊技球が連なって保持されると、外側に保持された遊技球のみを時計の4時の回転位置において右側に落下させて、大当り確率を高く設定した右始動口に入賞させ、内側に保持された遊技球は玉保持部内に設ける突起により時計の4時の回転位置では落下させず、時計の8時の回転位置において左側に落下させて、大当り確率を低く設定した左始動口に入賞させる遊技球振分装置及びこれを用いたパチンコ遊技機が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−185330号公報
【特許文献2】特開2010−104564号公報
【特許文献3】特開2010−104565号公報
【特許文献4】特開2007−29280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上の各特許文献に記載されたものは、それぞれの遊技球振分装置によりそれぞれの遊技性を打ち出すものではあるが、何れも、遊技盤から受入れた遊技球を第1流路と第2流路の何れに振分けるかは偶然性によるところが極めて大きいか、あるいは、より有利な方の流路に振分けられるその瞬間にのみ感動を与えるものでしかない。
【0007】
特許文献1のものは、球受入口に第5番目に遊技球が入ったとき、先行する第1番目から第4番目の遊技球が全て回転体に保持されているとは限らず、第5番目の遊技球が必ずしも第2流路に振分けられるわけではなく、第6番目以降の遊技球が第2流路に振分けられるかもしれないし、そうこうしているうちに、回転体に保持された遊技球の数が減って一からやり直ししなければならなくなり、あとどれくらいで振分け流路が変わるか確実なことは一切言えない状況が常に続く。
【0008】
特許文献2,3のものは、必ず、一個ずつの交互振分けであり、第1流路に振分けられた次は、第2流路に振り分けられ、第2流路に振分けられた次は、第1流路に振り分けられるだけである。このため、第1流路と第2流路とに優劣がある場合に、もうじき優の流路に切換わるとか、なかなか優の流路に切換わらないとかいったように、到達時期に近い遠いという差のある段階的な有利不利の状況を作り出すことは到底できない。
【0009】
特許文献4のものは、一方側に開放する玉保持部に2個同時に遊技球が連なって保持された場合に限り、外側に保持された遊技球のみを大当り確率を高く設定した右始動口に入賞させ、一方側及び又は他方側に開放する玉保持部に1個の遊技球が保持された場合は、必ず大当り確率を低く設定した左始動口に入賞させるものであって、電動チューリップに同時に2個以上の遊技球を入賞させることができて初めて右入賞口への入賞が可能となるものであり、遊技球の振分は偶然性に大きく依存する。
【0010】
本発明の課題は、もうじき優の流路に切換わるとか、なかなか優の流路に切換わらないとかいったように、到達時期に近い遠いの差のある段階的な有利不利の状況を、遊技球の受入れ順に従って確実かつ周期的に作り出すことができ、従来にない斬新な遊技性を打ち出し得る遊技球振分装置及び弾球遊技機を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る遊技球振分装置は、図面に例示するように、
球受入口80から受入れた遊技球Pを第1流路81と第2流路82とに振分ける遊技球振分装置であって、
前記球受入口80から受入れた遊技球Pと接触して所定角度変位する球検出体83と、
前記球受入口80から受入れた遊技球Pを予め定めた複数個である第1個数N1について前記第1流路81に振分ける第1作動態様と前記球受入口80から受入れた遊技球Pを前記第1個数以下の予め定めた第2個数N2について前記第2流路82に振分ける第2作動態様とを交互に切換える切換体84と、
前記球検出体83の変位を前記第1個数N1対前記第2個数N2の比率に従って前記切換体84の作動態様の切換に変換する変換機構85とを設けた特定事項をもつ。
【0012】
これにより、球受入口80からの受入れ順に従って、遊技球Pは、複数個である第1個数N1について第1流路81に振分けられ、第1個数以下の第2個数N2について第2流路82に振分けられ、これらを一周期として繰り返される。第2流路82への振分が第1流路81への振分に比べてより有利なら、第1流路81への振分時、第1個数N1に到達してより有利な第2流路82への振分に切換わるのがまだまだか、もうすぐかにより、遊技者に与える期待感を段階的に盛り上げることができる。一方、第2流路82への振分が第1流路81への振分に比べて不利なら、第1流路81への振分時、第1個数N1に到達して不利な第2流路82に切換わってしまうのがまだまだか、もうすぐかにより、遊技者に与えるハラハラ・ドキドキ感を段階的に盛り上げることができる。
【0013】
以上の遊技球振分装置において、前記変換機構85は、カム851及び該カム851に従動するテコ859から成り、
前記第2個数N2は、前記第1個数N1よりも少ない数であり、
前記カム851による前記テコ859への操作荷重の作用時、前記第2作動態様に切換え、前記カム851による前記テコ859への操作荷重の解除時、前記第1作動態様に切換える仕様にしているのが好ましい。
これにより、多い方の遊技球の振分は、カム851によるテコ859への操作荷重が解除されたときにされるため、円滑かつ効率的な振分けが行える。
【0014】
また、以上の遊技球振分装置において、前記球検出体83の外周に設ける球接触部830を、遊技球Pが通過する通路800の上流から下流に向けて円弧状に凹入する凹入溝871,872に突入状に臨ませているのが好ましい。これにより、球検出体83による遊技球Pの検出を確実にすることができる。
【0015】
さらに、凹入溝871,872を設ける場合に、前記凹入溝871,872に対応する遊技球Pの通路800に、前記凹入溝871,872に遊技球Pを導くガイド突起891,892を設けているのが好ましい。これにより、球検出体83による遊技球Pの検出をより確実にすることができる。
【0016】
また、以上の遊技球振分装置において、前記第1流路81への遊技球の振分けが前記第1個数N1のうちの第何番目に当たるのかについて認識可能な態様で報知する振分状況報知手段8Dを設けているのが好ましい。これにより、第1流路81への振分時、第1個数N1に到達して第2流路82への振分に切換わるのがまだまだか、もうすぐかを一層明確に認識することができる。
【0017】
本発明に係る第1態様の弾球遊技機は、遊技盤2に、球受入口80から受入れた遊技球Pを第1流路81と第2流路82とに振分ける遊技球振分装置8を設けた弾球遊技機であって、
前記遊技球振分装置8には、前記球受入口80から受入れた遊技球Pと接触して所定角度変位する球検出体83と、前記球受入口80から受入れた遊技球Pを予め定めた複数個である第1個数N1について前記第1流路81に振分ける第1作動態様と前記球受入口80から受入れた遊技球Pを前記第1個数以下の予め定めた第2個数N2について前記第2流路82に振分ける第2作動態様とを交互に切換える切換体84と、前記球検出体83の変位を前記第1個数N1対前記第2個数N2の比率に従って前記切換体84の作動態様の切換に変換する変換機構85とを設けており、
前記第1流路81には、該第1流路81に振分けられた遊技球の入球により、相対的な優劣をつけた予め定めた優側遊技価値と劣側遊技価値とのうち、前記劣側遊技価値を前記優側遊技価値よりも高率で付与する契機となる劣側の始動口8Xを設け、
前記第2流路81には、該第2流路82に振分けられた遊技球の入球により、前記優側遊技価値を前記劣側遊技価値よりも高率で付与する契機となる優側の始動口8Yを設けた特定事項をもつ。
【0018】
ここに、「始動口」とは、あらかじめ定められた一の特別電動役物又はあらかじめ定められた一の特別図柄表示装置のいずれかを作動させることとなる遊技球の入賞に係る入賞口をいう(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則(以下、遊技機規則という)第6条別表第2(2)ル)。
【0019】
これにより、劣側の始動口8Xへの振分が続いているとき、優側の始動口8Yへの振分が近づくほど興趣を徐々に高めることができ、従来にない斬新な遊技性を打ち出すことができる。
【0020】
以上の第1態様の弾球遊技機において、前記遊技盤2に、遊技球Pを通過させるゲートGTと、このゲートGTへの球通過を契機とした普通図柄抽選での当選を条件に開放する普通電動役物GDと、この普通電動役物GDを入口に設ける可変入賞装置付の始動口8Zと、前記各始動口8X,8Y,8Zへの入球を契機とした大当り抽選での当選を条件に開放する大入賞口9とを備え、
前記優側遊技価値は、前記大入賞口9を開放する大当り遊技後、前記普通図柄抽選での当選確率及び又は前記普通電動役物GDの開放時間を前記劣側遊技価値の場合に比べて大にすることにより前記可変入賞装置付の始動口8Zへの入球を契機とした抽選効率の高い時短大当りとしていると共に、
前記劣側遊技価値は、前記大入賞口9を開放する大当り遊技後、前記普通図柄抽選での当選確率及び又は前記普通電動役物GDの開放時間を前記優側遊技価値の場合に比べて小にすることにより前記可変入賞装置付の始動口8Zへの入球を契機とした抽選効率の低い非時短大当りとしているのが好ましい。
【0021】
ここに、「普通電動役物」とは、電動役物のうち、大入賞口以外の入賞口の入口を開き、又は拡大するもので、遊技球が特定の入賞口に入賞し、若しくは特定のゲートを通過し、又は特定の図柄の組合せが表示された場合に作動するものをいう(遊技機規則第6条別表第2(2)ホ)。
「大入賞口」とは、入賞口のうち、役物が作動した場合に著しく入賞が容易になるものをいう(遊技機規則第6条別表第2(2)ニ)。なお、「役物」とは、入賞を容易にするための特別の装置をいう(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則第7条表中、ぱちんこ遊技機の第五)。
【0022】
本発明でいう「大当り」とは、遊技機規則第6条別表第2(2)チで定義する「役物連続作動装置」が作動することをいう。なお、「役物連続作動装置」とは、特別電動役物を連続して作動させることができる特別の装置をいい(遊技機規則第6条別表第2(2)チ)、「特別電動役物」とは、電動役物のうち、大入賞口の入口を開き、又は拡大するものをいう(遊技機規則第6条別表第2(2)ト)。
【0023】
これにより、優側遊技価値である時短大当りは、劣側遊技価値である非時短大当りに比べて有利な度合いが顕著に高く、優側遊技価値である時短大当りを獲得するための契機となる優側の始動口8Yへの入賞がされることになる第2流路82への切換時期が待ち遠しいものとなり、第2流路82への切換時期が近づくと遊技を止めづらくなる等、遊技性の向上が効果的に達成できる。
【0024】
さらに、この場合、前記可変入賞装置付の始動口8Zへの入球により、前記優側遊技価値である前記時短大当りを前記劣側遊技価値である前記非時短大当りよりも高率で付与する仕様にしているのが好ましい。これにより、第2流路82への振分による優側の始動口8Yへの入球を契機とした時短大当りの獲得により、可変入賞装置付の始動口8Zへの入球を契機とした再度の時短大当りの獲得も期待でき、時短大当りの連続による大量出玉を見込むことができる。このため、第2流路82への切換が遊技者の一層の関心事となり、遊技性の向上が一層効果的に達成できる。
【0025】
本発明に係る第2態様の弾球遊技機は、上記第1態様の弾球遊技機と異なり、
前記第1流路81には、該第1流路81に振分けられた遊技球Pの入球により、相対的な優劣をつけた予め定めた優側遊技価値と劣側遊技価値とのうち、前記優側遊技価値を前記劣側遊技価値よりも高率で付与する契機となる優側の始動口8X2を設け、
前記第2流路82には、該第2流路82に振分けられた遊技球Pの入球により、前記劣側遊技価値を前記優側遊技価値よりも高率で付与する契機となる劣側の始動口8Y1を設けた特定事項をもつ。
【0026】
これにより、第1流路81側とした優側の始動口8X2への振分が続いているときは、安心して遊技を続けることができ、第2流路82側とした劣側の始動口8Y1への振分が近づくほど心穏やかでなくなり、従来にない刺激的な遊技性を打ち出すことができる。
【0027】
以上の第2態様の弾球遊技機において、前記遊技盤2に、前記優側及び劣側の始動口と別の第3の始動口8Z1と、遊技球Pを通過させるゲートGTと、このゲートGTへの球通過を契機とした普通図柄抽選での当選を条件に開放する普通電動役物GDと、前記各始動口8X2,8Y1,8Z1への入球を契機とした大当り抽選での当選を条件に開放する大入賞口9とを備え、
前記遊技球振分装置8の球受入口80には前記普通電動役物GDを設けており、
前記優側遊技価値は、前記大入賞口9を開放する大当り遊技後、前記普通図柄抽選での当選確率及び又は前記普通電動役物GDの開放時間を前記劣側遊技価値の場合に比べて大にすることにより前記球受入口80への入球率の高い時短大当りとしていると共に、
前記劣側遊技価値は、前記大入賞口9を開放する大当り遊技後、前記普通図柄抽選での当選確率及び又は前記普通電動役物GDの開放時間を前記優側遊技価値の場合に比べて小にすることにより前記球受入口80への入球率の低い非時短大当りとしているのが好ましい。
【0028】
これにより、劣側遊技価値である非時短大当りは、優側遊技価値である時短大当りに比べて不利な度合いが顕著に高く、劣側遊技価値である非時短大当りの獲得の契機となる劣側の始動口8Y1への入賞がされることになる第2流路82への切換時期が遠いほど安心だが近づくほどに心配となり、まさに第2流路82への切換時は「大当りするな」との心理さえ働き、ワクワク・ドキドキ感を効果的に演出できる。
【0029】
さらに、この場合、前記第3の始動口8Z1への入球により、前記劣側遊技価値である前記非時短大当りを前記優側遊技価値である前記時短大当りよりも高率で付与する仕様にしているのが好ましい。これにより、第3の始動口8Z1への入球により期待できるのは、有利といいがたい非時短大当りの獲得が高率で見込まれるため、遊技者に遊技球振分装置8に遊技球を受入れさせる遊技に重点を置くことを促し得る。このため、第2流路82への切換時における心配事を、遊技の全般を通じて周期的に挿入でき、従来にない刺激的な遊技性を一層効果的に打ち出すことができる。
【0030】
以上の第1態様又は第2態様の弾球遊技機において、前記第2個数N2を複数個に設定し、前記第2作動態様への切換時、複数個である前記第2個数N2について連続して前記第2流路82に振分ける仕様にしているのも好ましい。この場合には、第2流路82への切換による有利な状況又は不利な状況がある程度続くことになり、チャンスゾーンやデンジャーゾーン的な遊技状況を効果的に作り出すことができる。
【0031】
本発明に係る第3態様の弾球遊技機は、遊技盤2に、球受入口80から受入れた遊技球Pを第1流路81と第2流路82とに振分ける遊技球振分装置8を設けた弾球遊技機であって、
前記遊技球振分装置8には、前記球受入口80から受入れた遊技球Pと接触して所定角度変位する球検出体83と、前記球受入口80から受入れた遊技球Pを予め定めた複数個である第1個数N1について前記第1流路81に振分ける第1作動態様と前記球受入口80から受入れた遊技球Pを前記第1個数以下の予め定めた第2個数N2について前記第2流路82に振分ける第2作動態様とを交互に切換える切換体84と、前記球検出体83の変位を前記第1個数N1対前記第2個数N2の比率に従って前記切換体84の作動態様の切換に変換する変換機構85とを設けており、
前記第1流路81は、前記遊技盤2に開放し、
前記第2流路81に対応させて、この第2流路82に振分けられた遊技球Pを入球させ、その入球により、所定の遊技価値を付与する契機となる第1の始動口を8X3(又は8X4)設けた特定事項をもつ。
【0032】
また、本発明に係る第3態様のさらに発展した形態の弾球遊技機は、
遊技球振分装置8は複数個あり、
各遊技球振分装置8に、上記と同様な、球検出体83と、切換体84と、変換機構85とを設けており、
上流側に位置する上流側遊技球振分装置8と下流側に位置する下流側遊技球振分装置8とを、下流側遊技球振分装置の球受入口80に上流側遊技球振分装置8の第2流路82に振分けられた遊技球が受入れられる関係で縦列接続していると共に、
最下流に位置する最下流側遊技球振分装置8の第2流路82に対応させて、この最下流側の第2流路82に振分けられた遊技球Pを入球させ、その入球により、所定の遊技価値を付与する契機となる第1の始動口を8X3(又は8X4)設けた特定事項をもつ。
【0033】
これにより、(第1個数N1+第2個数N2)/第2個数N2を(遊技球振分装置8の数)でべき乗した数の遊技球が、最上流に位置する遊技球振分装置8の球受入口80に受入れられると、第1の始動口8X3(又は8X4)に一個の遊技球が入ることになる。
例えば、第1個数N1が7、第2個数N2が1で、遊技球振分装置8の数が1の場合、(7+1)/1の8を1乗した8個の遊技球が受入れられると、第1の始動口8X3(又は8X4)に1個の遊技球が入る。第1個数N1が7、第2個数N2が1で、遊技球振分装置8の数が3の場合、(7+1)/1の8を3乗した512個の遊技球が受入れられると、第1の始動口8X3(又は8X4)に1個の遊技球が入る。また、第1個数N1が6、第2個数N2が2で、遊技球振分装置8の数が2の場合、(6+2)/2の4を2乗した16個の遊技球が受入れられると、第1の始動口8X3(又は8X4)に1個の遊技球が入る。さらに、第1個数N1が3、第2個数N2が1で、遊技球振分装置8の数が2の場合、(3+1)/1の4を2乗した16個の遊技球が受入れられると、第1の始動口8X3(又は8X4)に1個の遊技球が入る。
【0034】
従って、所定総数の受入れ遊技球に対して一定の割合で第1の始動口8X3へ入球させることを可能にし、低い出玉状況が長く続くスランプ等を改善することができる。
【0035】
以上の第3態様の弾球遊技機において、前記遊技盤2に、遊技球Pを通過させるゲートGTと、このゲートGTへの球通過を契機とした普通図柄抽選での当選を条件に開放する普通電動役物GDを設けた可変入賞装置付の始動口8Z3と、前記各始動口8X3,8Z3への入球を契機とした大当り抽選での当選を条件に開放する大入賞口9とを備え、
前記ゲートGTを、該ゲートGTに通過した遊技球が前記遊技球振分装置8の球受入口80に受入可能に設けており、
前記第1の始動口8X3への入球を契機に付与する前記所定の遊技価値は、前記大入賞口9の開放に係る大当り遊技後、前記普通図柄抽選での当選確率及び又は前記普通電動役物GDの開放時間を通常時に比べて大にすることにより前記可変入賞装置付の始動口8Z3への入球を契機とした抽選効率の高い時短大当りとしていることが好ましい。
【0036】
これにより、(第1個数N1+第2個数N2)/第2個数N2を(遊技球振分装置の数)でべき乗した数の遊技球が、遊技球振分装置8の球受入口80に受入れられると、第1の始動口8X3に一個の遊技球が入って、この第1の始動口8X3への入球を契機とした大当り抽選で当選を得て、擬似的な天井による大当りを勝ち取ることができる。このため、ゲートGTへの球通過を契機とした普通図柄抽選での当選を条件に開放する普通電動役物GDを設けた可変入賞装置付の始動口8Z3への入球を契機とした大当り抽選でなかなか当選が得られない場合にも救済が図られる。しかも、この擬似的な天井による大当りは、可変入賞装置付の始動口8Z3への入球を契機とした抽選効率の高い時短大当りを期待できるため、第1の始動口8X3への入球を契機に付与する遊技価値は十分に高いものとなり、ユニークな遊技性を打ち出すことができる。
【0037】
さらに、この場合、前記可変入賞装置付の始動口8Z3への入球を契機とした大当り抽選での当選時、前記大入賞口9の開放に係る大当り遊技後、前記普通図柄抽選での当選確率及び又は前記普通電動役物GDの開放時間を通常時に比べて大にすることにより前記可変入賞装置付の始動口8Z3への入球を契機とした抽選効率の高い時短大当りを付与する仕様にしているのが好ましい。
【0038】
これにより、第1の始動口8X3への入球を契機とした時短大当りの獲得により、可変入賞装置付の始動口8Z3への入球を契機とした再度の時短大当りの獲得も期待でき、時短大当りの連続による大量出玉を見込むことができる。このため、第1の始動口8X3への入球による擬似的な天井による大当りが一層効果的な救済策となり、遊技性が一層向上できる。
【発明の効果】
【0039】
本発明に係る遊技球振分装置及び弾球遊技機によれば、もうじき優の流路に切換わるとか、なかなか優の流路に切換わらないとかいったように、到達時期に近い遠いの差のある段階的な有利不利の状況を、遊技球の受入れ順に従って確実かつ周期的に作り出すことができ、従来にない斬新な遊技性を打ち出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、本発明に係る遊技球振分装置の正面図である。
【図2】図2は、同遊技球振分装置の前カバーを取外した正面図である。
【図3】図3は、第1流路への切換状態を説明する斜視図である。
【図4】図4は、第2流路への切換状態を説明する斜視図である。。
【図5】図5は、球検出体、変換機構、切換体の動作を説明する斜視図である。
【図6】図6は、カム及びテコの時系列動作を示す断面図その1である。
【図7】図7は、カム及びテコの時系列動作を示す断面図その2である。
【図8】図8は、実施例1に係る弾球遊技機の遊技盤の正面図である。
【図9】図9は、実施例1に係る弾球遊技機のスペック一覧表である。
【図10】図10は、実施例2に係る弾球遊技機の遊技盤の正面図である。
【図11】図11は、実施例2に係る弾球遊技機のスペック一覧表である。
【図12】図12は、第2個数N2を複数個とした場合の、カム及びテコの時系列動作を示す断面図その1である。
【図13】図13は、第2個数N2を複数個とした場合の、カム及びテコの時系列動作を示す断面図その2である。
【図14】図14は、実施例3に係る弾球遊技機の遊技盤の正面図である。
【図15】図15は、実施例3に係る弾球遊技機のスペック一覧表である。
【図16】図16は、実施例3の変形例に係る弾球遊技機のスペック一覧表である。
【図17】図17は、球検出体の半回転で一周期となる遊技球振分装置における、カム及びテコの時系列動作を示す断面図その1である。
【図18】図18は、球検出体の半回転で一周期となる遊技球振分装置における、カム及びテコの時系列動作を示す断面図その2である。
【図19】図19は、実施例4に係る弾球遊技機の遊技盤の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、本発明に係る遊技球振分装置8であって、遊技盤への取付ベース8Bと前カバー8Fとをもつ球ハウジング8Hを備え、前カバー8Fの上部に開口する球受入口80から前カバー8Fの裏側に設ける鉛直な受入通路800に受入れる遊技球Pを、前カバー8Fの裏側に設ける正面視で右側の第1流路81と正面視で左側の第2流路82との何れかに振分ける。前カバー8Fには、受入通路800の下部で二股に分かれる第1流路81と第2流路82との分岐部812に到達した振分対象の遊技球Pを確認できる中央丸穴8Cと、右側の第1流路81に対応した振分前後の遊技球Pを確認できる右側スリット穴8Rと、左側の第2流路82に対応した振分前後の遊技球Pを確認できる左側スリット穴8Lとを開口している。第1流路81には、第1始動口8Xとその入賞センサ8xを、第2流路82には、第2始動口8Yとその入賞センサ8yを各設けている。
【0042】
図2に示すように、取付ベース8Bには、球受入口80から受入通路800に受入れた遊技球Pと接触して該遊技球Pの運動により所定角度(例えば45度)回転して変位するスプロケット形の球検出体83を取付けている。この球検出体83の外周に設ける球接触部830は、取付ベース8Bに開口する第1スリット86を介して受入通路800に臨ませていると共に、第1スリット86の左右両側において受入通路800の上流から下流に向けて紙面奥行き方向に円弧状に凹入する一対の凹入溝871,872に突入状に臨ませている。
【0043】
また、取付ベース8Bには、球受入口80から受入通路800に受入れた遊技球Pを予め定めた複数個である第1個数N1(例えば7個)について連続して第1流路81に振分ける第1作動態様(図1の点線で示す態様)と、球受入口80から受入通路800に受入れた遊技球Pを第1個数以下の予め定めた第2個数N2(例えば1個)について第2流路82に振分ける第2作動態様(図2の実線で示す態様)とを交互に切換える振り子状の切換体84を支持している。さらに、取付ベース8Bの裏側に、球検出体83の変位を第1個数N1対第2個数N2の比率に従って切換体84の作動態様の切換に変換する変換機構85を設けている。88は、変換機構85のカム851を妨げなく作動させるための第2スリットである。
【0044】
図3に示すように、球検出体83は、前記第1個数N1と第2個数N2を合計した個数(1+7=8個)の円弧状に凹入する球接触部830を有し、この球接触部830を隣合う凸状の歯部831を挟んで一周360度について設けている。特定の位置例えば上部に順次位置されてくる一つの球接触部830には、該球接触部830の円弧面に倣う薄い板バネから成る回転規制体832を、右側から見て反時計方向に向かう球検出体83の回転が所定角度ずつ円滑に行えるよう、所定の姿勢及び適切な付勢力により接触させている。球検出体83と一体回転する回転軸833は、取付ベース8Bの裏側に突設する一対の軸受834,835に回転自由に軸支しており、この回転軸833に、変換機構85の構成要素となる板状のカム851を一体回転するように連結している。
【0045】
本発明でいうカムとは、接触子を有する従節との直接接触により従節に所要の周期的運動を与える特殊な形状の原節をいい、従節との直接接触は一周期の少なくとも一期間においてされるもので足りる。カム851は、球検出体83の一つの歯部831に対応させて突出する操作片852を一体に備える。変換機構85の他の構成要素となり、原節たるカム851によって従動する従節には、一端にカム851の操作片852と接触する接触子853を、他端に切換体84の半円状のベース840の後方に突設するピン841と長穴854を介して連動させる連動子855を各々有し、接触子側アーム856と連動子側アーム857とを揺動軸858を挟んでL字形に連結して成るテコ859を用いている。
【0046】
テコ859は、常時、巻きバネから成る復帰用付勢体860により、揺動軸858の回りに正面視で時計方向に付勢され、接触子853を上方に持ち上げている。本来、切換体84はその振り子軸842の回りに揺動自在であるが、球検出体83に遊技球が接触して所定角度変位しても、カム851の操作片852とテコ859の接触子853とが加圧接触しない関係にあるとき、半円状のベース840の前方において上方に立ち上がるデバイダー片843と右斜め下方に延びる第1滑り片844とで形成するV字形の第1受渡部845を受入通路800の直下に対面させた第1作動態様を保ち、受入れた遊技球を右側の第1流路81に振分ける。
【0047】
図4に示すように、球検出体83に遊技球が接触して所定角度変位することにより、カム851の操作片852が、テコ859の接触子853と加圧接触して該接触子853を押し下げると、揺動軸858の回りにテコ859全体を回転させて連動子855を下方に変位させ、長穴854に連動する切換体84のピン841を押し下げる。こうして、切換体84の姿勢は、上方に立ち上がるデバイダー片843と左斜め下方に延びる第2滑り片846とで形成するV字形の第2受渡部847を受入通路800の直下に対面させた第2作動態様に切換えられ、受入れた遊技球を左側の第2流路82に振分ける。
【0048】
図5に示すように、左側の第2流路82に振分けられる遊技球が球検出体83に接触する前は、[1]のとおり、切換体84は、右側の第1流路81に振分ける第1作動態様にある。左側の第2通路82に振分けられる遊技球が球検出体83に接触した直後、[2]のとおり、切換体84は、左側の第2流路82に振分ける第2作動態様に切換わる。新たな遊技球が受入れられ、この新たな遊技球が球検出体83に接触した直後は、[3]のとおり、カム851の操作片852とテコ859の接触子853との加圧接触が外れ、カム851によるテコ859への操作荷重が解除され、切換体84は、右側の第1流路81に振分ける第1作動態様に復帰する。
【0049】
図6及び図7に示すように、丸を付した番号順に、球受入口80からの受入れ順に従って、遊技球は、P1−1〜P1−7の合計7個の第1個数N1について連続して第1流路81に振分けられ、P2−1の1個の第2個数N2について第2流路82に振分けられ、これらを一周期として繰り返される。891,892は、球検出体83の球接触部830を突入状に臨ませる凹入溝871,872に対応して設け、該凹入溝871,872に遊技球を導くガイド突起であって、上流側ガイド突起891は、遊技球を一旦下流側ガイド突起892に向けて案内し、下流側ガイド突起892からの跳ね返りにより凹入溝871,872に遊技球を導くようにしている。
【実施例1】
【0050】
図8は、以上の遊技球振分装置8を具備する実施例1に係るパチンコ遊技機の遊技盤2を示す。遊技球振分装置8は、カラー液晶表示器から成る演出表示装置70を具備する演出表示ユニット7の下方に配置している。球受入口80は、演出表示ユニット7の飾り枠71の左側に設けるワープルート入口72から取り込んだ遊技球を開放する中央下部のワープルート出口73の下方に対応させて配置している。
【0051】
遊技球振分装置8の前カバー8Fには、1周期について8個の遊技球P1−1〜P1−7,P2−2が第1又は第2始動口8X,8Yの各入賞センサ8x,8yで検出される毎に、第2流路82に振分けられた遊技球P2−1(丸囲み2の表示)を時計の12時の位置として45度ずつあたかも時計が進むように、内蔵するLEDランプを所定時間例えば5秒間を上限に点灯させ、第1流路81への遊技球の振分けが第1個数N1(7個)のうちの第何番目に当たるのかについて認識可能な態様(丸囲み1と丸囲み2の順次点灯)で報知し、何かと関心事となる第2通路82への振分の切換時期の遠近を知らせる振分状況報知手段8Dを設けている。右側の第1流路81に対応させて第1流路目印810(丸囲み1の表示)を、左側の第2流路82に対応させて第2流路目印820(丸囲み2の表示)を、それぞれシール等の貼付けにより表示している。
【0052】
ところで、「演出表示装置」とは、遊技機規則で定義する「特別図柄表示装置」での図柄の変動及び確定停止と同期した変動及び確定停止をする演出用の表示装置をいう。なお、「特別図柄表示装置」とは、特別電動役物及び条件装置が作動することとなる図柄の組合せを表示するための装置をいう(遊技機規則第6条別表第2(2)ヌ)。
「条件装置」とは、その作動が役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている装置で、特定の図柄の組合せが表示され、又は遊技球(役物連続作動装置が作動している時にその入口が開き、又は拡大した大入賞口に入賞したものを除く。)が大入賞口内の特定の領域を通過した場合に作動するものをいう(遊技機規則第6条別表第2(2)リ)。
【0053】
遊技球振分装置8の右側の第1流路81に対応して設けた第1始動口8Xは、その入賞センサ8xで検出する第1流路81に振分けられた遊技球の入球により、相対的な優劣をつけた予め定めた優側遊技価値と劣側遊技価値とのうち、劣側遊技価値を優側遊技価値よりも高率で付与する契機となる劣側の始動口として用いている。左側の第2流路82に対応して設けた第2始動口8Yは、その入賞センサ8yで検出する第2流路82に振分けられた遊技球の入球により、優側遊技価値を劣側遊技価値よりも高率で付与する契機となる優側の始動口として用いている。ここに、高率とは、50%を越え、100%以下で予め定めた値をいう。すなわち、他方の低率は50%未満となる。以下、同様である。
【0054】
遊技盤2には、遊技球を通過させるゲートGTと、このゲートGTへの球通過を契機とした普通図柄抽選での当選を条件に開放する電動チューリップから成る普通電動役物GDと、この普通電動役物GDを入口に設ける可変入賞装置付の第3始動口8Zと、第1〜第3始動口8X,8Y,8Zへの入球を契機とした大当り抽選での当選を条件にアタッカー90を前に倒すことにより開放する大入賞口9とを備える。普通電動役物GDたる電動チューリップが開かない限り、第3始動口8Zへは遊技球が入らない仕様にしている。
【0055】
優側遊技価値は、大入賞口9を開放する大当り遊技後、普通図柄抽選での当選確率及び又は普通電動役物GDの開放時間を劣側遊技価値の場合に比べて大にすることにより可変入賞装置付の第3始動口8Zを契機とした抽選効率の高い時短大当りとしている。また、劣側遊技価値は、大入賞口9を開放する大当り遊技後、普通図柄抽選での当選確率及び又は普通電動役物NDの開放時間を優側遊技価値の場合に比べて小にすることにより可変入賞装置付の第3始動口8Zを契機とした抽選効率の低い非時短大当りとしている。なお、可変入賞装置付の第3始動口8Zへの入球により、優側遊技価値である時短大当りを劣側遊技価値である非時短大当りよりも高率で付与する仕様にしている。
【0056】
劣側の始動口である第1始動口8Xへの入球を契機として、表示器ボードDB内の第1特別図柄表示装置SD1上で第1特別図柄を変動させると共に、演出表示装置70上で演出図柄を変動させ、所定時間経過後、第1特別図柄表示装置SD1及び演出表示装置70で同時に大当りの当否を停止図柄の違い(当選時は第1特別図柄表示装置SD1に「7」や「3」等、演出表示装置70に「7」「7」「7」や「3」「3」「3」等、外れ時は同SD1にバー「−」、同70に非三つ揃い図柄の組合せ)により導出する。H1,H2,H3,H4は、最大4個の保留中にある、第1始動口8Xへの入球に基づく大当り抽選の権利数を表示する第1特別図柄保留表示器である。
【0057】
優側の始動口である第2始動口8Y又は可変入賞装置付の第3始動口8Zへの入球を契機として、表示器ボードDB内の第2特別図柄表示装置SD2上で第2特別図柄を変動させると共に、演出表示装置70上で演出図柄を変動させ、所定時間経過後、第2特別図柄表示装置SD2及び演出表示装置70で同時に大当りの当否を停止図柄の違い(当選時は第2特別図柄表示装置SD2に「7」や「3」等、演出表示装置70に「7」「7」「7」や「3」「3」「3」等、外れ時は同SD2にバー「−」、同70に非三つ揃い図柄の組合せ)により導出する。K1,K2,K3,K4は、最大4個の保留中にある、第2始動口8Y又は第3始動口8Zへの入球に基づく大当り抽選の権利数を表示する第2特別図柄保留表示器である。
【0058】
ゲートGTへの球通過を契機として、表示器ボードDB内の緑色当りランプGLと赤色外れランプRLとから成る普通図柄表示装置NDを交互点灯させて変動させ、普通図柄抽選での当り時は緑色当りランプGLの点灯で、外れ時は赤色外れランプRLの点灯で停止させる。普通図柄抽選での当り時は、普通電動役物GDを所定態様で開放する。斜めに並ぶ8個のLEDe1〜e8のうち、J1(e3),J2(e4),J3(e5),J4(e6)は、最大4個の保留中にある、ゲートGTへの球通過に基づく普通図柄抽選の権利数を表示する普通図柄保留表示器である。
【0059】
遊技盤2には、略円形の遊技領域200を区画し且つ発射装置(図示せず)により打出す遊技球を導くレール21、球戻り防止片22、球止め23、入賞1個につき所定数例えば10個の賞球を払出す左上入賞口24、同左中入賞口25、同左下入賞口26、右入賞口27、遊技球の流下方向を変化させる風車28a,28b,28c、入賞を逃した遊技球を排出するアウト口29を備える。また、遊技領域200には独特のゲージに従い、もっと多数の遊技釘20が打たれている。
【0060】
図9に、実施例1の遊技機のスペックを一覧で示す。大当り抽選は、遊技機内部に設ける制御装置に具備するマイクロプロセッサで実行している。大当り確率は、低い方の低確時も、高い方の高確時も、各始動口8X,8Y,8Zへの入球を契機に抽出する大当り抽選用乱数の取り得る数値(例えば0〜65535個の65536とおりの数値)のうち、例えば約1/10を当選範囲としており、低確時は6552/65536=約1/10、高確時は6553/65536=約1/10としている。ごく僅かな差でしかない。
【0061】
また、マイクロプロセッサのRAMクリア時にのみ低確としており、大当りに1回でも当選すると、以後、高確となる。すなわち、確率変動割合は100%である。大当り抽選での初回当選から数える予め定めた連続大当り上限回数を規定するリミッターも設けていない。大当り出玉は、大入賞口9の繰り返し開放回数である所定ラウンド数例えば2R(ラウンド)に、一回のラウンドでの最大開放時間(例えば28秒間)中に許容される制限入賞数であるカウント数例えば4カウント、及び、大入賞口9への入賞一個について払出される賞球数例えば15個を乗じた120発としている。
【0062】
普通図柄抽選も、遊技機内部に設ける制御装置に具備するマイクロプロセッサで実行している。普通図柄抽選での当りとなる普図確率は、低い方の非時短時は、極めて低い例えば1/65536、高い方の時短時は、極めて高い例えば65534/65536としている。普通図柄抽選での当りで開放する普通電動役物GDたる電動チューリップ(電チューという)の開放仕様は、最大開放時間が例えば5.5秒、開放回数は例えば1回としている。電チューによる出玉、すなわち第3始動口8Zへの入球による出玉は、5.5秒の最大開放時間中に許容される制限球数であるカウント数例えば5カウントと、始動口(8X,8Y,8Z)に対する入賞一個について払い出される賞球例えば3個とを乗じた15発としている。
【0063】
劣側の始動口である第1始動口8Xへの入球を契機として第1特別図柄においてされる大当り抽選で当選した場合、高率の例えば95%の選択率で、第1特別図柄表示装置SD1及び演出表示装置70での停止図柄は大当り図柄1(例えば、第1特別図柄表示装置SD1に「3」等、演出表示装置70に「3」「3」「3」等)となり、今回の大当り当選時に時短状態であった場合を除いて、大当り遊技後に時短の利益が得られない時短回数0の非時短となる。ただし、低率の例えば5%の選択率で、第1特別図柄表示装置SD1及び演出表示装置70での停止図柄は大当り図柄2(例えば、第1特別図柄表示装置SD1に「7」等、演出表示装置70に「7」「7」「7」等)となり、大当り遊技後に時短回数100回の時短となる。この100回は、時短状態での大当り抽選回数の上限である。
【0064】
優側の始動口である第2始動口8Y又は可変入賞装置付の第3始動口83への入球を契機として第2特別図柄においてされる大当り抽選で当選した場合、高率の例えば95%の選択率で、第2特別図柄表示装置SD2及び演出表示装置70での停止図柄は大当り図柄1(例えば、第2特別図柄表示装置SD2に「7」等、演出表示装置70に「7」「7」「7」等)となり、大当り遊技後に時短回数100回の時短となる。ただし、低率の例えば5%の選択率で、第2特別図柄表示装置SD2及び演出表示装置70での停止図柄は大当り図柄2(例えば、第2特別図柄表示装置SD2に「3」等、演出表示装置70に「3」「3」「3」等)となり、今回の大当り当選時に非時短状態であった場合を除いて、大当り遊技後に時短の利益が得られない時短回数0の非時短となる。
【0065】
時短回数100回のうちに、いわゆる右打ちにより、第3始動口8Zへの入賞を促進でき、約1/10の大当り確率で再度大当りに当選していわゆる連荘させるのは比較的容易である。この連荘中に5%の低い選択率で非時短となる大当り当選があっても、あるいは、時短状態での大当り抽選回数の上限である100回に達して非時短となっても、第3始動口8Zへの入賞に基づく第2特別図柄での抽選の場合は、非時短でも100回の時短が付くため、保留玉による大当りの当選により連荘を復活させることもできる。
【実施例2】
【0066】
図10は、実施例2に係るパチンコ遊技機の遊技盤2を示す。この実施例2は、実施例1と異なり、遊技球振分装置8は、遊技盤2の右領域に配置しており、第1流路81には、該第1流路81に振分けられた遊技球の入球により、相対的な優劣をつけた予め定めた優側遊技価値と劣側遊技価値とのうち、優側遊技価値を劣側遊技価値よりも高率で付与する契機となる優側の始動口8X2及びその入賞センサを設け、第2流路82には、該第2流路81に振分けられた遊技球の入球により、劣側遊技価値を優側遊技価値よりも高率で付与する契機となる劣側の始動口8Y1及びその入賞センサを設けている。
【0067】
遊技球振分装置8の前カバー8Fには、1周期について8個の遊技球P1−1〜P1−7,P2−2が第1又は第2始動口8X,8Yの各入賞センサ8x,8yで検出される毎に、第2流路82に振分けられた遊技球P2−1(丸囲み?の表示)を時計の12時の位置として45度ずつあたかも時計が進むように、内蔵するLEDランプを所定時間例えば5秒間を上限に点灯させ、第1流路81への遊技球の振分けが第1個数N1(7個)のうちの第何番目に当たるのかについて認識可能な態様(丸囲み良と丸囲み?の順次点灯)で報知し、何かと関心事となる第2通路82への振分の切換時期の遠近を知らせる振分状況報知手段8Dを設けている。右側の第1流路81に対応させて第1流路目印810(丸囲み良の表示)を、左側の第2流路82に対応させて第2流路目印820(丸囲み?の表示)を、それぞれシール等の貼付けにより表示している。
【0068】
また、遊技盤2には、優側及び劣側の始動口8X2,8Y1と別の第3の始動口8Z1と、遊技球を通過させるゲートGTと、このゲートGTへの球通過を契機とした普通図柄抽選での当選を条件に開放する普通電動役物GD(電動チューリップ)と、各始動口8X2,8Y1,8Z1の入球を契機とした大当り抽選での当選を条件に開放する大入賞口9とを備え、遊技球振分装置8の球受入口80には普通電動役物GDを設けている。普通電動役物GDたる電動チューリップが開かない限り、遊技球振分装置8の球受入口80へは遊技球が入らない仕様にしている。第3の始動口8Z1は、演出表示ユニット7の飾り枠71の左側に設けるワープルート入口72から取り込んだ遊技球を開放する中央下部のワープルート出口73の下方に対応させて配置している。
【0069】
優側遊技価値は、大入賞口9を開放する大当り遊技後、普通図柄抽選での当選確率及び又は普通電動役物GDの開放時間を劣側遊技価値の場合に比べて大にすることにより遊技球振分装置8の球受入口80への入球率の高い時短大当りとしている。また、劣側遊技価値は、大入賞口9を開放する大当り遊技後、普通図柄抽選での当選確率及び又は普通電動役物GDの開放時間を優側遊技価値の場合に比べて小にすることにより遊技球振分装置8の球受入口80への入球率の低い非時短大当りとしている。なお、第3の始動口8Z1への入球により、劣側遊技価値である非時短大当りを優側遊技価値である時短大当りよりも高率で付与する仕様にしている。
【0070】
図11に、実施例2の遊技機のスペックを一覧で示す。大当り抽選は、遊技機内部に設ける制御装置に具備するマイクロプロセッサで実行している。大当り確率は、低い方の低確時も、高い方の高確時も、各始動口8X2,8Y1,8Z1への入球を契機に抽出する大当り抽選用乱数の取り得る数値(例えば0〜65535個の65536とおりの数値)のうち、例えば約1/10を当選範囲としており、低確時は6552/65536=約1/10、高確時は6553/65536=約1/10としている。ごく僅かな差でしかない。
【0071】
また、マイクロプロセッサのRAMクリア時にのみ低確としており、大当りに1回でも当選すると、以後、高確となる。すなわち、確率変動割合は100%である。大当り抽選での初回当選から数える予め定めた連続大当り上限回数を規定するリミッターも設けていない。大当り出玉は、大入賞口9の繰り返し開放回数である所定ラウンド数例えば2R(ラウンド)に、一回のラウンドでの最大開放時間(例えば28秒間)中に許容される制限入賞数であるカウント数例えば4カウント、及び、大入賞口9への入賞一個について払出される賞球数例えば15個を乗じた120発としている。
【0072】
普通図柄抽選も、遊技機内部に設ける制御装置に具備するマイクロプロセッサで実行している。普通図柄抽選での当りとなる普図確率は、低い方の非時短時は、極めて低い例えば1/65536、高い方の時短時は、極めて高い例えば65534/65536としている。普通図柄抽選での当りで開放する普通電動役物GDたる電動チューリップ(電チューという)の開放仕様は、最大開放時間が例えば5.5秒、開放回数は例えば1回としている。電チューによる出玉、すなわち優側又は劣側の始動口8X2,8Y1への入球による出玉は、5.5秒の最大開放時間中に許容される制限球数であるカウント数例えば5カウントと、始動口(8X2,8Y1,8Z1)に対する入賞一個について払い出される賞球例えば3個とを乗じた15発としている。
【0073】
劣側の始動口8Y1又は第3の始動口8Z1への入球を契機として第1特別図柄においてされる大当り抽選で当選した場合、高率の例えば95%の選択率で、第1特別図柄表示装置SD1及び演出表示装置70での停止図柄は大当り図柄1(例えば、第1特別図柄表示装置SD1に「3」等、演出表示装置70に「3」「3」「3」等)となり、大当り遊技後に時短の利益が得られない時短回数0の非時短となる。ただし、低率の例えば5%の選択率で、第1特別図柄表示装置SD1及び演出表示装置70での停止図柄は大当り図柄2(例えば、第1特別図柄表示装置SD1に「7」等、演出表示装置70に「7」「7」「7」等)となり、大当り遊技後に時短回数100回の時短となる。この100回は、時短状態での大当り抽選回数の上限である。
【0074】
優側の始動口8X2への入球を契機として第2特別図柄においてされる大当り抽選で当選した場合、高率の例えば100%の選択率で、第2特別図柄表示装置SD2及び演出表示装置70での停止図柄は大当り図柄1(例えば、第2特別図柄表示装置SD2に「7」等、演出表示装置70に「7」「7」「7」等)となり、大当り遊技後に時短回数100回の時短となる。
【0075】
時短回数100回のうちに、いわゆる右打ちにより、遊技球振分装置8の球受入口80への入賞を促進でき、約1/10の大当り確率で再度大当りに当選していわゆる連荘させるのは比較的容易である。この連荘中に劣側の始動口8Y1に振分けられると、第1特別図柄での選択率に従う95%の高率で非時短となって連荘が終了するが、5%の低率ではあるが、再び100回の時短が付く時短大当りとなる場合もあり、この場合は連荘が復活する。
【0076】
図12及び図13に示すように、以上の実施例1又は実施例2において、第2流路82に振分ける第2個数N2を複数個の例えば3個とし、第2作動態様への切換時、複数個である第2個数N2=3個について連続して第2流路82に振分ける仕様にしてもよい。カム851には、球検出体83の3つの連続する歯部831に対応させて突出する約90度の扇形の操作片85Tを一体に設けている。
【0077】
N2=3の場合、丸を付した番号順に、球受入口80からの受入れ順に従って、遊技球は、P1−1〜P1−5の合計5個の第1個数N1について連続して第1流路81に振分けられ、P2−1〜P2−3の3個の第2個数N2について第2流路82に振分けられ、これらを一周期として繰り返される。これにより、第2流路82への3連続の遊技球の振分時、実施例1のものではチャンスゾーンとなり、実施例2のものではデンジャーゾーンとなる。
【実施例3】
【0078】
図14は、実施例3に係るパチンコ遊技機の遊技盤2を示す。この実施例3は、遊技球振分装置8を複数個備え、各遊技球振分装置8は、図1〜図7で示したものを水平方向に左右反転させた構造をもち、数の多い第1個数N1=7の遊技球を連続して振分ける第1流路81を左側に設けると共に、数の少ない第2個数N2=1の遊技球を振分ける第2流路82を右側に設けており、これら第1流路81及び第2流路82に振分けられた遊技球を遊技盤2の裏側に回収せずに、前カバー8Fの下部に開口する各球出口81J,82Jから遊技盤2の前面側に開放するようにしている。
【0079】
そして、上流側の上部に位置する上流側遊技球振分装置8と下流側の下部に位置する下流側遊技球振分装置8とを、下流側遊技球振分装置8の球受入口80に上流側遊技球振分装置8の右側の第2流路82に振分けられた遊技球が受入れられる関係で縦列接続していると共に、最下流の最下部に位置する最下流側遊技球振分装置8の右側の第2流路82に対応させて、この最下流側の第2流路82に振分けられた遊技球を入球させ、その入球により、所定の遊技価値を付与する契機となる第1の始動口8X3及びその入賞センサを設けている。
【0080】
遊技盤2には、遊技球を通過させる二つのゲートGT,GTと、何れかのゲートGTへの球通過を契機とした普通図柄抽選での当選を条件に開放する普通電動役物GD(電動チューリップ)を設けた可変入賞装置付の始動口8Z3と、各始動口8X3,8Z3への入球を契機とした大当り抽選での当選を条件に開放する大入賞口9とを備え、一つのゲートGTを、該ゲートGTに通過した遊技球が最上流に位置する最上流側遊技球振分装置8の球受入口80に受入可能に設けている。普通電動役物GDたる電動チューリップが開かない限り、可変入賞装置付の始動口8Z3へは遊技球が入らない仕様にしている。
【0081】
第1の始動口8X3への入球を契機に付与する所定の遊技価値は、大当り抽選での初回当選から数える予め定めた連続大当り上限回数を超過しない条件下で、大入賞口9の開放に係る大当り遊技後、普通図柄抽選での当選確率及び又は普通電動役物GDの開放時間を大当り抽選での初回当選前の通常時に比べて大にすることにより可変入賞装置付の始動口8Z3を契機とした抽選効率の高い時短大当りとしている。
【0082】
また、可変入賞装置付の始動口8Z3への入球を契機とした大当り抽選での当選時、大当り抽選での初回当選から数える予め定めた連続大当り上限回数を超過しない条件下で、大入賞口9の開放に係る大当り遊技後、普通図柄抽選での当選確率及び又は普通電動役物GDの開放時間を大当り抽選での初回当選前の通常時に比べて大にすることにより可変入賞装置付の始動口8Z3を契機とした抽選効率の高い時短大当りを付与する仕様にしている。
【0083】
特別図柄は第1特別図柄のみとし、第2特別図柄はなく、各始動口8X3,8Z3への入球を契機として、表示器ボードDB内の第1特別図柄表示装置SD1上で第1特別図柄を変動させると共に、演出表示装置70上(飾り枠71にはワープルートはない)で演出図柄を変動させ、所定時間経過後、第1特別図柄表示装置SD1及び演出表示装置70で同時に大当りの当否を停止図柄の違い(当選時は第1特別図柄表示装置SD1に「7」等、演出表示装置70に「7」「7」「7」等、外れ時は同SD1にバー「−」、同70に非三つ揃い図柄の組合せ)により導出する。保留玉はない仕様にしており、第1特別図柄保留表示器も設けていない。
【0084】
図15に、実施例3の遊技機のスペックを一覧で示す。大当り抽選は、遊技機内部に設ける制御装置に具備するマイクロプロセッサで実行している。大当り確率は、低い方の低確時も、高い方の高確時も、各始動口8X3,8Z3への入球を契機に抽出する大当り抽選用乱数の取り得る数値(例えば0〜65535個の65536とおりの数値)のうち、ほとんどを当選範囲としており、低確時は65533/65536=約1/1、高確時は65534/65536=約1/1としている。どちらも、始動口8X3,8Z3へ入球すると、ほぼ大当りとなる。
【0085】
また、マイクロプロセッサのRAMクリア時に低確となる他、確率変動割合は100%であるも大当り抽選での初回当選から数える予め定めた連続大当り上限回数例えば30回を規定するリミッターを設けており、第30回目の大当りの当選でリミッターが作動するとき、低確となる(同時に非時短ともなる)。大当り出玉は、大入賞口9の繰り返し開放回数である所定ラウンド数例えば2R(ラウンド)に、一回のラウンドでの最大開放時間(例えば28秒間)中に許容される制限入賞数であるカウント数例えば1カウント、及び、大入賞口9への入賞一個について払出される賞球数例えば6個を乗じた12発という大当りとしては顕著に少ないものにしている。
【0086】
普通図柄抽選も、遊技機内部に設ける制御装置に具備するマイクロプロセッサで実行している。普通図柄抽選での当りとなる普図確率は、低い方の非時短時は、比較的当り難い例えば1/256、高い方の時短時は、ほとんど当りとなる例えば254/256=約1/1としている。普通図柄抽選での当りで開放する普通電動役物GDたる電動チューリップ(電チューという)の開放仕様は、最大開放時間が例えば5.5秒、開放回数は例えば1回としている。電チューによる出玉、すなわち可変入賞装置付の始動口8Z3への入球による出玉は、5.5秒の最大開放時間中に許容される制限球数であるカウント数例えば5カウントと、始動口(8X3,8Z3)に対する入賞一個について払い出される賞球例えば10個とを乗じた50発とし、いわゆる電チューで出玉を増やすタイプにしている。
【0087】
各始動口8X3,8Z3への入球を契機として第1特別図柄においてされる大当り抽選で当選した場合、高率の100%の選択率で、第1特別図柄表示装置SD1及び演出表示装置70での停止図柄は大当り図柄1(例えば、第1特別図柄表示装置SD1に「7」等、演出表示装置70に「7」「7」「7」等)となり、大当り遊技後に次回大当りに再当選するまで無制限に時短の利益が得られる次回までの時短となる。
【0088】
ただし、リミッター作動時は、第1特別図柄表示装置SD1及び演出表示装置70での停止図柄が大当り図柄1(例えば、第1特別図柄表示装置SD1に「7」等、演出表示装置70に「7」「7」「7」等)であっても、大当り遊技後に時短の利益が得られない時短回数0の非時短となり、連荘は終了する。
【0089】
大当り連荘の発生ルートとして、1/256の比較的低い普通図柄抽選での当りにより普通電動役物GDを開放させて、可変入賞装置付の始動口8Z3に入球させて初回大当りにより次回までの時短を得るルートと、遊技球振分装置8の3段縦列接続により第1の始動口8X3に入球させて初回大当りにより次回までの時短を得るルートとの二つが確立され、多様な遊技性が打ち出し得る。遊技球振分装置8の3段縦列接続により、8の三乗の512個の遊技球が遊技球振分装置8の最上流に受け入れられると、必ず1個が第1の始動口8X3に入り、いわゆる天井機能として働き、スランプが回避される。
【0090】
図16に示すように、図15のスペックを一部変更し、リミッターは設けず、かつ、大当り抽選に係る特別図柄の仕様は、大当り当選時に非時短状態であった場合は、停止図柄として選択する大当り図柄1,2に拘わらず、時短状態(次回まで)へ移行する一方、大当り当選時に時短状態であった場合は、所定の高率例えば98%の選択率で選択する大当り図柄1を引き当てたときに時短状態(次回まで)へ移行し、2%で大当り図柄2を引き当てたときには時短が終了するものとし、98%で大当り図柄1を引き当て続ける限り、連荘が継続するようにしてもよい。
【0091】
図17及び図18に示すように、カム851に、複数例えば2つの操作片85A,85Bを所定位置例えば180度変位した位置に設けても良い。なお、この図17及び図18の遊技球振分装置8は、図1〜図7で示したものを水平方向に左右反転させた構造をもち、数の多い第1個数N1の遊技球を連続して振分ける第1流路81を左側に設けると共に、数の少ない第2個数N2の遊技球を振分ける第2流路82を右側に設けており、これら第1流路81及び第2流路82に振分けられた遊技球を遊技盤2の裏側に回収せずに、前カバー8Fの下部に開口する各球出口81J,82Jから遊技盤2の前面側に開放する仕様にしている。
【0092】
このものでは、カム851の半回転すなわち球検出体83の半回転で、第1流路81への3個連続振分(N1=3)と第2流路82への1個単独振分(N2=1)の1周期分の動作が行われ、カム851の一回転すなわち球検出体83の一回転により、丸を付した番号順に、球受入口80からの受入れ順に従って、遊技球は、P1−1〜P1−6の合計6個について第1流路81に振分けられ、P2−1,P2−2の合計2個について第2流路82に振分けられる。これにより、N1:N2=6:2=3:1の振分が行えることになる。
【実施例4】
【0093】
図19は、実施例4に係るパチンコ遊技機の遊技盤2を示す。この実施例4は、図17,18の遊技球振分装置8を2個備え、上流側の上部に位置する上流側遊技球振分装置8と下流側の下部に位置する下流側遊技球振分装置8とを、下流側遊技球振分装置8の球受入口80に上流側遊技球振分装置8の右側の第2流路82に振分けられた遊技球が受入れられる関係で縦列接続していると共に、最下流の最下部に位置する最下流側遊技球振分装置8の右側の第2流路82に対応させて、この最下流側の第2流路82に振分けられた遊技球を入球させ、その入球により、大当り抽選を起動する第1の始動口8X4及びその入賞センサを設けている。
【0094】
この第1の始動口8X4の直下には、ゲートGTへの球通過を契機とした普通図柄抽選での当選を条件に開放する普通電動役物GD(電動チューリップ)を設けた可変入賞装置付の始動口8Z4を設け、これら始動口8X4,8Z4への入球を契機とした大当り抽選での当選を条件に開放する大入賞口9を開放する、一般的な、旧来(遊技機規則改定前)からの第一種に属する遊技仕様を有するものに適用している。
【0095】
最上部の遊技球振分装置8の球受入口80は、遊技盤2の中央から左寄りに遊技球を転動させるいわゆる左打ち時に、所定数例えば発射された遊技球の大半の入球が見込まれる位置に開口させている。この場合、16個の遊技球が最上部の遊技球振分装置8の球受入口80に入ると、第1の始動口8X4に1個の入賞が生じ、1分間に100個の遊技球を遊技盤2に打ち出す通常の発射仕様の場合、1分間に6.25個の始動入賞が見込まれ、その入賞間隔は9.6秒程度となり、入賞スランプをほぼ確実に回避できる。1分間について100個の発射球のうち約半分が最上部の遊技球振分装置8の球受入口80に受入れられるものとしても、1分間に3.125個の始動入賞が生じ、入賞間隔は19.2秒程度となり、入賞スランプの回避は十分に実現される。
【産業上の利用可能性】
【0096】
主に、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第1項第7号のぱちんこ屋や同8号の店舗等の営業に供される遊技機の産業分野において有用である。
【符号の説明】
【0097】
2;遊技盤
8;遊技球振分装置
80;球受入口
800;受入通路
81;第1流路
82;第2流路
83;球検出体
830;球接触部
84;切換体
85;変換機構
851;カム
859;テコ
871,872;凹入溝
891,892;ガイド突起
8D;振分状況報知手段
9;大入賞口
GT;ゲート
GD;普通電動役物(電動チューリップ)
8X,8X2,8X3,8X4;第1の始動口
8Y,8Y1,;第2の始動口
8Z,8Z1,8Z3,8Z4;第3の始動口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
球受入口から受入れた遊技球を第1流路と第2流路とに振分ける遊技球振分装置であって、
前記球受入口から受入れた遊技球と接触して所定角度変位する球検出体と、
前記球受入口から受入れた遊技球を予め定めた複数個である第1個数について前記第1流路に振分ける第1作動態様と前記球受入口から受入れた遊技球を前記第1個数以下の予め定めた第2個数について前記第2流路に振分ける第2作動態様とを交互に切換える切換体と、
前記球検出体の変位を前記第1個数対前記第2個数の比率に従って前記切換体の作動態様の切換に変換する変換機構とを設けたことを特徴とする遊技球振分装置。
【請求項2】
前記変換機構は、カム及び該カムに従動するテコから成り、
前記第2個数は、前記第1個数よりも少ない数であり、
前記カムによる前記テコへの操作荷重の作用時、前記第2作動態様に切換え、前記カムによる前記テコへの操作荷重の解除時、前記第1作動態様に切換える仕様にしていることを特徴とする請求項1記載の遊技球振分装置。
【請求項3】
前記球検出体の外周に設ける球接触部を、遊技球が通過する通路の上流から下流に向けて円弧状に凹入する凹入溝に突入状に臨ませていることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技球振分装置。
【請求項4】
前記凹入溝に対応する遊技球の通路に、前記凹入溝に遊技球を導くガイド突起を設けていることを特徴とする請求項3記載の遊技球振分装置。
【請求項5】
前記第1流路への遊技球の振分けが前記第1個数のうちの第何番目に当たるのかについて認識可能な態様で報知する振分状況報知手段を設けていることを特徴とする請求項1〜4何れか一項に記載の遊技球振分装置。
【請求項6】
遊技盤に、球受入口から受入れた遊技球を第1流路と第2流路とに振分ける遊技球振分装置を設けた弾球遊技機であって、
前記遊技球振分装置には、前記球受入口から受入れた遊技球と接触して所定角度変位する球検出体と、前記球受入口から受入れた遊技球を予め定めた複数個である第1個数について前記第1流路に振分ける第1作動態様と前記球受入口から受入れた遊技球を前記第1個数以下の予め定めた第2個数について前記第2流路に振分ける第2作動態様とを交互に切換える切換体と、前記球検出体の変位を前記第1個数対前記第2個数の比率に従って前記切換体の作動態様の切換に変換する変換機構とを設けており、
前記第1流路には、該第1流路に振分けられた遊技球の入球により、相対的な優劣をつけた予め定めた優側遊技価値と劣側遊技価値とのうち、前記劣側遊技価値を前記優側遊技価値よりも高率で付与する契機となる劣側の始動口を設け、
前記第2流路には、該第2流路に振分けられた遊技球の入球により、前記優側遊技価値を前記劣側遊技価値よりも高率で付与する契機となる優側の始動口を設けたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項7】
前記遊技盤に、遊技球を通過させるゲートと、このゲートへの球通過を契機とした普通図柄抽選での当選を条件に開放する普通電動役物と、この普通電動役物を入口に設ける可変入賞装置付の始動口と、前記各始動口への入球を契機とした大当り抽選での当選を条件に開放する大入賞口とを備え、
前記優側遊技価値は、前記大入賞口を開放する大当り遊技後、前記普通図柄抽選での当選確率及び又は前記普通電動役物の開放時間を前記劣側遊技価値の場合に比べて大にすることにより前記可変入賞装置付の始動口への入球を契機とした抽選効率の高い時短大当りとしていると共に、
前記劣側遊技価値は、前記大入賞口を開放する大当り遊技後、前記普通図柄抽選での当選確率及び又は前記普通電動役物の開放時間を前記優側遊技価値の場合に比べて小にすることにより前記可変入賞装置付の始動口への入球を契機とした抽選効率の低い非時短大当りとしていることを特徴とする請求項6記載の弾球遊技機。
【請求項8】
前記可変入賞装置付の始動口への入球により、前記優側遊技価値である前記時短大当りを前記劣側遊技価値である前記非時短大当りよりも高率で付与する仕様にしていることを特徴とする請求項7記載の弾球遊技機。
【請求項9】
遊技盤に、球受入口から受入れた遊技球を第1流路と第2流路とに振分ける遊技球振分装置を設けた弾球遊技機であって、
前記遊技球振分装置には、前記球受入口から受入れた遊技球と接触して所定角度変位する球検出体と、前記球受入口から受入れた遊技球を予め定めた複数個である第1個数について前記第1流路に振分ける第1作動態様と前記球受入口から受入れた遊技球を前記第1個数以下の予め定めた第2個数について前記第2流路に振分ける第2作動態様とを交互に切換える切換体と、前記球検出体の変位を前記第1個数対前記第2個数の比率に従って前記切換体の作動態様の切換に変換する変換機構とを設けており、
前記第1流路には、該第1流路に振分けられた遊技球の入球により、相対的な優劣をつけた予め定めた優側遊技価値と劣側遊技価値とのうち、前記優側遊技価値を前記劣側遊技価値よりも高率で付与する契機となる優側の始動口を設け、
前記第2流路には、該第2流路に振分けられた遊技球の入球により、前記劣側遊技価値を前記優側遊技価値よりも高率で付与する契機となる劣側の始動口を設けたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項10】
前記遊技盤に、前記優側及び劣側の始動口と別の第3の始動口と、遊技球を通過させるゲートと、このゲートへの球通過を契機とした普通図柄抽選での当選を条件に開放する普通電動役物と、前記各始動口への入球を契機とした大当り抽選での当選を条件に開放する大入賞口とを備え、
前記遊技球振分装置の球受入口には前記普通電動役物を設けており、
前記優側遊技価値は、前記大入賞口を開放する大当り遊技後、前記普通図柄抽選での当選確率及び又は前記普通電動役物の開放時間を前記劣側遊技価値の場合に比べて大にすることにより前記球受入口への入球率の高い時短大当りとしていると共に、
前記劣側遊技価値は、前記大入賞口を開放する大当り遊技後、前記普通図柄抽選での当選確率及び又は前記普通電動役物の開放時間を前記優側遊技価値の場合に比べて小にすることにより前記球受入口への入球率の低い非時短大当りとしていることを特徴とする請求項9記載の弾球遊技機。
【請求項11】
前記第3の始動口への入球により、前記劣側遊技価値である前記非時短大当りを前記優側遊技価値である前記時短大当りよりも高率で付与する仕様にしていることを特徴とする請求項10記載の弾球遊技機。
【請求項12】
前記第2個数を複数個に設定し、前記第2作動態様への切換時、複数個である前記第2個数について連続して前記第2流路に振分ける仕様にしていることを特徴とする請求項6〜11何れか一項に記載の弾球遊技機。
【請求項13】
遊技盤に、球受入口から受入れた遊技球を第1流路と第2流路とに振分ける遊技球振分装置を設けた弾球遊技機であって、
前記遊技球振分装置には、前記球受入口から受入れた遊技球と接触して所定角度変位する球検出体と、前記球受入口から受入れた遊技球を予め定めた複数個である第1個数について前記第1流路に振分ける第1作動態様と前記球受入口から受入れた遊技球を前記第1個数以下の予め定めた第2個数について前記第2流路に振分ける第2作動態様とを交互に切換える切換体と、前記球検出体の変位を前記第1個数対前記第2個数の比率に従って前記切換体の作動態様の切換に変換する変換機構とを設けており、
前記第1流路は、前記遊技盤に開放し、
前記第2流路に対応させて、この第2流路に振分けられた遊技球を入球させ、その入球により、所定の遊技価値を付与する契機となる第1の始動口を設けたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項14】
遊技盤に、球受入口から受入れた遊技球を第1流路と第2流路とに振分ける遊技球振分装置を複数個設けた弾球遊技機であって、
前記各遊技球振分装置には、前記球受入口から受入れた遊技球と接触して所定角度変位する球検出体と、前記球受入口から受入れた遊技球を予め定めた複数個である第1個数について前記第1流路に振分ける第1作動態様と前記球受入口から受入れた遊技球を前記第1個数以下の予め定めた第2個数について前記第2流路に振分ける第2作動態様とを交互に切換える切換体と、前記球検出体の変位を前記第1個数対前記第2個数の比率に従って前記切換体の作動態様の切換に変換する変換機構とを設けており、
上流側に位置する上流側遊技球振分装置と下流側に位置する下流側遊技球振分装置とを、下流側遊技球振分装置の球受入口に上流側遊技球振分装置の第2流路に振分けられた遊技球が受入れられる関係で縦列接続していると共に、
最下流に位置する最下流側遊技球振分装置の第2流路に対応させて、この最下流側の第2流路に振分けられた遊技球を入球させ、その入球により、所定の遊技価値を付与する契機となる第1の始動口を設けたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項15】
前記遊技盤に、遊技球を通過させるゲートと、このゲートへの球通過を契機とした普通図柄抽選での当選を条件に開放する普通電動役物を設けた可変入賞装置付の始動口と、前記各始動口への入球を契機とした大当り抽選での当選を条件に開放する大入賞口とを備え、
前記ゲートを、該ゲートに通過した遊技球が前記遊技球振分装置の球受入口に受入可能に設けており、
前記第1の始動口への入球を契機に付与する前記所定の遊技価値は、前記大入賞口の開放に係る大当り遊技後、前記普通図柄抽選での当選確率及び又は前記普通電動役物の開放時間を通常時に比べて大にすることにより前記可変入賞装置付の始動口への入球を契機とした抽選効率の高い時短大当りとしていることを特徴とする請求項13又は14記載の弾球遊技機。
【請求項16】
前記可変入賞装置付の始動口への入球を契機とした大当り抽選での当選時、前記大入賞口の開放に係る大当り遊技後、前記普通図柄抽選での当選確率及び又は前記普通電動役物の開放時間を通常時に比べて大にすることにより前記可変入賞装置付の始動口への入球を契機とした抽選効率の高い時短大当りを付与する仕様にしていることを特徴とする請求項15記載の弾球遊技機。
【請求項1】
球受入口から受入れた遊技球を第1流路と第2流路とに振分ける遊技球振分装置であって、
前記球受入口から受入れた遊技球と接触して所定角度変位する球検出体と、
前記球受入口から受入れた遊技球を予め定めた複数個である第1個数について前記第1流路に振分ける第1作動態様と前記球受入口から受入れた遊技球を前記第1個数以下の予め定めた第2個数について前記第2流路に振分ける第2作動態様とを交互に切換える切換体と、
前記球検出体の変位を前記第1個数対前記第2個数の比率に従って前記切換体の作動態様の切換に変換する変換機構とを設けたことを特徴とする遊技球振分装置。
【請求項2】
前記変換機構は、カム及び該カムに従動するテコから成り、
前記第2個数は、前記第1個数よりも少ない数であり、
前記カムによる前記テコへの操作荷重の作用時、前記第2作動態様に切換え、前記カムによる前記テコへの操作荷重の解除時、前記第1作動態様に切換える仕様にしていることを特徴とする請求項1記載の遊技球振分装置。
【請求項3】
前記球検出体の外周に設ける球接触部を、遊技球が通過する通路の上流から下流に向けて円弧状に凹入する凹入溝に突入状に臨ませていることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技球振分装置。
【請求項4】
前記凹入溝に対応する遊技球の通路に、前記凹入溝に遊技球を導くガイド突起を設けていることを特徴とする請求項3記載の遊技球振分装置。
【請求項5】
前記第1流路への遊技球の振分けが前記第1個数のうちの第何番目に当たるのかについて認識可能な態様で報知する振分状況報知手段を設けていることを特徴とする請求項1〜4何れか一項に記載の遊技球振分装置。
【請求項6】
遊技盤に、球受入口から受入れた遊技球を第1流路と第2流路とに振分ける遊技球振分装置を設けた弾球遊技機であって、
前記遊技球振分装置には、前記球受入口から受入れた遊技球と接触して所定角度変位する球検出体と、前記球受入口から受入れた遊技球を予め定めた複数個である第1個数について前記第1流路に振分ける第1作動態様と前記球受入口から受入れた遊技球を前記第1個数以下の予め定めた第2個数について前記第2流路に振分ける第2作動態様とを交互に切換える切換体と、前記球検出体の変位を前記第1個数対前記第2個数の比率に従って前記切換体の作動態様の切換に変換する変換機構とを設けており、
前記第1流路には、該第1流路に振分けられた遊技球の入球により、相対的な優劣をつけた予め定めた優側遊技価値と劣側遊技価値とのうち、前記劣側遊技価値を前記優側遊技価値よりも高率で付与する契機となる劣側の始動口を設け、
前記第2流路には、該第2流路に振分けられた遊技球の入球により、前記優側遊技価値を前記劣側遊技価値よりも高率で付与する契機となる優側の始動口を設けたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項7】
前記遊技盤に、遊技球を通過させるゲートと、このゲートへの球通過を契機とした普通図柄抽選での当選を条件に開放する普通電動役物と、この普通電動役物を入口に設ける可変入賞装置付の始動口と、前記各始動口への入球を契機とした大当り抽選での当選を条件に開放する大入賞口とを備え、
前記優側遊技価値は、前記大入賞口を開放する大当り遊技後、前記普通図柄抽選での当選確率及び又は前記普通電動役物の開放時間を前記劣側遊技価値の場合に比べて大にすることにより前記可変入賞装置付の始動口への入球を契機とした抽選効率の高い時短大当りとしていると共に、
前記劣側遊技価値は、前記大入賞口を開放する大当り遊技後、前記普通図柄抽選での当選確率及び又は前記普通電動役物の開放時間を前記優側遊技価値の場合に比べて小にすることにより前記可変入賞装置付の始動口への入球を契機とした抽選効率の低い非時短大当りとしていることを特徴とする請求項6記載の弾球遊技機。
【請求項8】
前記可変入賞装置付の始動口への入球により、前記優側遊技価値である前記時短大当りを前記劣側遊技価値である前記非時短大当りよりも高率で付与する仕様にしていることを特徴とする請求項7記載の弾球遊技機。
【請求項9】
遊技盤に、球受入口から受入れた遊技球を第1流路と第2流路とに振分ける遊技球振分装置を設けた弾球遊技機であって、
前記遊技球振分装置には、前記球受入口から受入れた遊技球と接触して所定角度変位する球検出体と、前記球受入口から受入れた遊技球を予め定めた複数個である第1個数について前記第1流路に振分ける第1作動態様と前記球受入口から受入れた遊技球を前記第1個数以下の予め定めた第2個数について前記第2流路に振分ける第2作動態様とを交互に切換える切換体と、前記球検出体の変位を前記第1個数対前記第2個数の比率に従って前記切換体の作動態様の切換に変換する変換機構とを設けており、
前記第1流路には、該第1流路に振分けられた遊技球の入球により、相対的な優劣をつけた予め定めた優側遊技価値と劣側遊技価値とのうち、前記優側遊技価値を前記劣側遊技価値よりも高率で付与する契機となる優側の始動口を設け、
前記第2流路には、該第2流路に振分けられた遊技球の入球により、前記劣側遊技価値を前記優側遊技価値よりも高率で付与する契機となる劣側の始動口を設けたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項10】
前記遊技盤に、前記優側及び劣側の始動口と別の第3の始動口と、遊技球を通過させるゲートと、このゲートへの球通過を契機とした普通図柄抽選での当選を条件に開放する普通電動役物と、前記各始動口への入球を契機とした大当り抽選での当選を条件に開放する大入賞口とを備え、
前記遊技球振分装置の球受入口には前記普通電動役物を設けており、
前記優側遊技価値は、前記大入賞口を開放する大当り遊技後、前記普通図柄抽選での当選確率及び又は前記普通電動役物の開放時間を前記劣側遊技価値の場合に比べて大にすることにより前記球受入口への入球率の高い時短大当りとしていると共に、
前記劣側遊技価値は、前記大入賞口を開放する大当り遊技後、前記普通図柄抽選での当選確率及び又は前記普通電動役物の開放時間を前記優側遊技価値の場合に比べて小にすることにより前記球受入口への入球率の低い非時短大当りとしていることを特徴とする請求項9記載の弾球遊技機。
【請求項11】
前記第3の始動口への入球により、前記劣側遊技価値である前記非時短大当りを前記優側遊技価値である前記時短大当りよりも高率で付与する仕様にしていることを特徴とする請求項10記載の弾球遊技機。
【請求項12】
前記第2個数を複数個に設定し、前記第2作動態様への切換時、複数個である前記第2個数について連続して前記第2流路に振分ける仕様にしていることを特徴とする請求項6〜11何れか一項に記載の弾球遊技機。
【請求項13】
遊技盤に、球受入口から受入れた遊技球を第1流路と第2流路とに振分ける遊技球振分装置を設けた弾球遊技機であって、
前記遊技球振分装置には、前記球受入口から受入れた遊技球と接触して所定角度変位する球検出体と、前記球受入口から受入れた遊技球を予め定めた複数個である第1個数について前記第1流路に振分ける第1作動態様と前記球受入口から受入れた遊技球を前記第1個数以下の予め定めた第2個数について前記第2流路に振分ける第2作動態様とを交互に切換える切換体と、前記球検出体の変位を前記第1個数対前記第2個数の比率に従って前記切換体の作動態様の切換に変換する変換機構とを設けており、
前記第1流路は、前記遊技盤に開放し、
前記第2流路に対応させて、この第2流路に振分けられた遊技球を入球させ、その入球により、所定の遊技価値を付与する契機となる第1の始動口を設けたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項14】
遊技盤に、球受入口から受入れた遊技球を第1流路と第2流路とに振分ける遊技球振分装置を複数個設けた弾球遊技機であって、
前記各遊技球振分装置には、前記球受入口から受入れた遊技球と接触して所定角度変位する球検出体と、前記球受入口から受入れた遊技球を予め定めた複数個である第1個数について前記第1流路に振分ける第1作動態様と前記球受入口から受入れた遊技球を前記第1個数以下の予め定めた第2個数について前記第2流路に振分ける第2作動態様とを交互に切換える切換体と、前記球検出体の変位を前記第1個数対前記第2個数の比率に従って前記切換体の作動態様の切換に変換する変換機構とを設けており、
上流側に位置する上流側遊技球振分装置と下流側に位置する下流側遊技球振分装置とを、下流側遊技球振分装置の球受入口に上流側遊技球振分装置の第2流路に振分けられた遊技球が受入れられる関係で縦列接続していると共に、
最下流に位置する最下流側遊技球振分装置の第2流路に対応させて、この最下流側の第2流路に振分けられた遊技球を入球させ、その入球により、所定の遊技価値を付与する契機となる第1の始動口を設けたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項15】
前記遊技盤に、遊技球を通過させるゲートと、このゲートへの球通過を契機とした普通図柄抽選での当選を条件に開放する普通電動役物を設けた可変入賞装置付の始動口と、前記各始動口への入球を契機とした大当り抽選での当選を条件に開放する大入賞口とを備え、
前記ゲートを、該ゲートに通過した遊技球が前記遊技球振分装置の球受入口に受入可能に設けており、
前記第1の始動口への入球を契機に付与する前記所定の遊技価値は、前記大入賞口の開放に係る大当り遊技後、前記普通図柄抽選での当選確率及び又は前記普通電動役物の開放時間を通常時に比べて大にすることにより前記可変入賞装置付の始動口への入球を契機とした抽選効率の高い時短大当りとしていることを特徴とする請求項13又は14記載の弾球遊技機。
【請求項16】
前記可変入賞装置付の始動口への入球を契機とした大当り抽選での当選時、前記大入賞口の開放に係る大当り遊技後、前記普通図柄抽選での当選確率及び又は前記普通電動役物の開放時間を通常時に比べて大にすることにより前記可変入賞装置付の始動口への入球を契機とした抽選効率の高い時短大当りを付与する仕様にしていることを特徴とする請求項15記載の弾球遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−34555(P2013−34555A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171411(P2011−171411)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【特許番号】特許第4938150号(P4938150)
【特許公報発行日】平成24年5月23日(2012.5.23)
【出願人】(000169477)高砂電器産業株式会社 (294)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【特許番号】特許第4938150号(P4938150)
【特許公報発行日】平成24年5月23日(2012.5.23)
【出願人】(000169477)高砂電器産業株式会社 (294)
【Fターム(参考)】
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