説明

遊技球発射装置及びそれを備えた遊技機

【課題】簡単な構造であっても遊技球の発射を可能とするとともに、発射槌を回転させる場合にも問題なく遊技球の発射を可能とする遊技球発射装置、及びそれを備えた遊技機を提供する。また、様々な位置に配置可能で汎用性の高い遊技球発射装置、及びそれを備えた遊技機を提供する。
【解決手段】初期位置では遊技球5が発射位置にある。遊技球5は、発射レール6と球支持部25とにより支持され、発射ヘッド12にて打球されるのを待つ状態にある。発射槌2が一定方向に一回転するように回転し、発射ヘッド12の当接位置となると、すなわち発射位置にある遊技球5を打球して発射がなされると、遊技球5に対する発射が完了し、次に発射される遊技球5が待機状態になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発射位置へ送り出された遊技球を遊技盤上へ打ち出すための遊技球発射装置、及びそれを備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、遊技球を遠心力によって遊技盤上へ発射する遊技球発射装置が開示されている。この装置は、発射モータの回転軸に基端が固定されて一方向へと一回転する発射アームと、発射アームの先端に設けられて発射まで遊技球を収容する球収容部と、発射アーム及び球収容部の回転に伴う遊技球の移動を案内する発射レールと、球収容部に設けられ発射直前まで遊技球の発射を抑制する抑制部と、球収容部へ遊技球を供給する球供給部とを備えて構成されている。
【0003】
遊技球発射装置は、遊技者による発射ハンドルの操作に伴って発射距離を変化させるために、発射アームの回転速度が変化するように制御されている。特許文献1の装置の場合、発射アームの先端に球収容部を有することから、発射アームが回転したままで、また、回転速度が変化する状況下で球収容部に遊技球をタイミングよく且つ確実に収容することは困難である。このため、遊技球を球収容部に収容する際には、発射アームの回転を一度止めてから球収容部に遊技球を供給するように構成・制御されている。
【0004】
尚、球供給部は、遊技球を球収容部へと供給する必要があることから、これをどこに配設してもよいというわけでなく、特許文献1においては遊技球を確実に収容できる位置として装置上部に配設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−122068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来技術にあっては、遊技球を確実に球収容部に収容するためとして発射アームの回転を一度止めるようにしていることから、制御プログラムが複雑になってしまうという問題点を有している。制御プログラムが複雑になってしまうのは、回転する発射アームに対してこの回転を妨げるようなストッパを設けることができないという構造上の理由があるからである(発射アームの回転を止めるためのストッパを設けると、遊技球を発射する度に発射アームを一回転させることができなくなってしまう。従って、遊技球を遊技盤上へ遠心力によって発射するためには、複雑な制御プログラムにより発射アームの回転を一度止める必要があることになる)。
【0007】
また、上記従来技術にあっては、遊技球を収容する球収容部に抑制部を設ける必要があるとともに、回転に伴う遊技球の移動を発射レールにより案内する必要があることから、構造面でも複雑化してしまうという問題点を有している(球収容部、抑制部、及び発射レール(遊技球を発射させる前の案内に使用する部分)は、遊技球を遠心力によって遊技盤上へ発射するために有用であるが、反面、構造の複雑化を招いてしまうことになる)。
【0008】
この他、上記従来技術にあっては、球供給部を装置上部に配設していることから、この配置を保つために遊技機における遊技球発射装置の配置に制限がでてしまうという問題点を有している。また、遊技球発射装置の配置に制限がでるようであれば、遊技球の発射角度にも制限がでてしまうという問題点を有している。従って、上記従来技術にあっては、配置が限られて汎用性に乏しいという問題点を有している。
【0009】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、簡単な構造であっても遊技球の発射を可能とするとともに、発射槌を回転させる場合にも問題なく遊技球の発射を可能とする遊技球発射装置、及びそれを備えた遊技機を提供することを課題とする。また、様々な位置に配置可能で汎用性の高い遊技球発射装置、及びそれを備えた遊技機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の遊技球発射装置は、発射位置にある遊技球を発射するための発射槌と、該発射槌を一方向へ回転させる回転体と、前記発射位置にて前記遊技球を支持する第1支持部及び第2支持部とを備える遊技球発射装置において、前記発射槌の構成としては、前記遊技球を打球する発射ヘッドと、前記回転体の回転軸に係合する軸部と、前記発射ヘッドを固定する第1槌構成部と、該第1槌構成部を先端側に連成するとともに前記軸部を基端に連成する第2槌構成部とを含み、前記発射槌の各構成の配置としては、前記第2槌構成部を前記回転軸の半径方向へのびるように配置するとともに、前記第1槌構成部を前記第2槌構成部から前記回転軸の軸方向へのびるように配置し、且つ前記発射ヘッドを前記回転軸の周方向の接線方向へ向くように配置し、前記第1支持部及び前記第2支持部の配置としては、前記第1支持部を前記発射ヘッドの回転軌跡及び前記回転軸の間となる回転軌跡内側で前記第2槌構成部に対し所定の間隔をあけるように配置するとともに、前記第2支持部を回転軌跡外側で前記第1支持部の対向位置に配置し、前記遊技球の発射としては、前記発射ヘッド及び前記第1槌構成部を前記発射槌の回転の都度、前記第1支持部と前記第2支持部との間を通過させるとともに、前記発射位置にある前記遊技球を前記発射ヘッドにて打球し発射することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の遊技球発射装置は、前記遊技球を前記発射位置へと送り出す球送り手段を備えるとともに、前記発射槌の構成としては、該発射槌の回転の都度、前記球送り手段に作用して前記遊技球の球送りを協働する作用部を更に含むことを特徴とする。
【0012】
以上のような特徴を有する本発明によれば、第1支持部及び第2支持部により遊技球が支持される。支持された遊技球は発射位置に位置することになり、一方向に回転する発射槌の第1槌構成部に固定された発射ヘッドにより打球される。発射槌は、この回転が妨げられることはない。本発明によれば、遊技球は遠心力により遊技盤上へと発射されるのではなく、発射ヘッドにて打球されて発射されることから、比較的簡素な構造で発射することが可能になる。遊技球は発射位置にて支持され、そして、打球されることから、遠心力を利用する場合のように回転を一度止める必要性はない。遊技球は発射槌と共に回転するものでなく、発射位置にて支持された状態になることから、遊技球の支持が可能であれば遊技球発射装置の配設位置や発射角度を様々にすることが可能になる。
【0013】
また、本発明によれば、発射槌が回転する都度、遊技球が発射位置へと送り出される。遊技球の供給は発射槌の回転に連動することから、遊技球は確実に発射位置へと送り出される。
【0014】
そして、本発明の遊技機は、上記特徴を有する遊技球発射装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、遊技球を打球により発射することから、従来よりも構造を簡素化することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、発射槌を回転させる場合にも問題なく遊技球を発射することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、従来よりも制御プログラムを簡素化することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、遊技球発射装置の配設位置や発射角度を様々にして汎用性を高めることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、遊技球を確実に発射位置へと送り出すことができるという効果を奏する。
【0016】
また、本発明によれば、上記特徴を有する遊技球発射装置を備えた遊技機を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の遊技球発射装置を含む遊技機の正面図である。
【図2】図1の遊技機の斜視図である。
【図3】遊技球発射装置の遊技機正面側から見た場合の分解斜視図である。
【図4】遊技球発射装置の遊技機背面側から見た場合の分解斜視図である。
【図5】図3の発射槌及びベース部材の拡大図である。
【図6】図3の球送り手段の拡大図である。
【図7】遊技球発射装置の初期位置の図(一部破断面を含む)であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図8】遊技球発射装置の初期位置の図(一部破断面を含む)であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図9】遊技球発射装置の初期位置の図(ベース部材側を省略)であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図10】遊技球発射装置の初期位置の図(ベース部材側を省略)であり、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
【図11】遊技球発射装置の発射ヘッド当接位置の図(一部破断面を含む)であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図12】遊技球発射装置の発射ヘッド当接位置の図(一部破断面を含む)であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図13】遊技球発射装置の発射ヘッド離間位置の図(一部破断面を含む)であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図14】遊技球発射装置の発射ヘッド離間位置の図(一部破断面を含む)であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図15】発射槌及び球送り手段の作用説明図であり、(a)は作用前の状態説明図、(b)は作用中の状態説明図である。
【図16】球送り手段の構成にバネを付加した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら一実施形態を説明する。図1は本発明の遊技球発射装置を含む遊技機の正面図、図2は遊技機の斜視図である。
【0019】
図1及び図2において、遊技機201(パチンコ機)は、外枠202と、遊技盤203を設けてなる内枠204と、この内枠204を覆う前面枠205とを備えて構成されている。内枠204は、ヒンジ機構206により外枠202に対して前面側に開閉可能に取り付けられている。また、前面枠205は、内枠204に対して開閉可能に取り付けられている。引用符号207は内枠204及び前面枠205を施錠する施錠装置のシリンダ錠を示している。前面枠205の表示窓208の下方には、遊技球を貯留するとともに本発明の遊技球発射装置1へ遊技球を供給するための供給皿209が設けられている。また、供給皿209の下方には、供給皿209の余剰球を貯留するための貯留皿210が設けられている。貯留皿210の両側には、遊技盤203上に遊技球を打ち出す際の弾発力を調節するための操作ハンドル211と、例えばタバコを収容するための灰皿212とが設けられている。
【0020】
遊技盤203は、略方形状に形成されている。遊技盤203には、所定の幅員のレール213によって略円形に区画される遊技領域214が形成されている。遊技領域214には、センター役物215が設けられている。遊技領域214の略中央領域には、可変表示装置216(図柄表示装置)が設けられている。この可変表示装置216の下方には、入賞装置217(電チュー)が設けられている。入賞装置217は、可変表示装置216の特別図柄を変動させる始動入賞口として設けられている。このような入賞装置217の下方には、扉部材を開閉して多量の入賞を可能とする大入賞口218(アタッカー)が設けられている。大入賞口218の側方には、一般入賞口219(チャッカー)を備えた電飾装置(サイドランプ)が設けられている。一方、可変表示装置216の側方には、検知スイッチを備えた球通過ゲート220(スルーチャッカー)や風車221が設けられている。遊技領域214の最下端には、入賞口に入賞しなかった遊技球が流入するアウト口222が設けられている。
【0021】
遊技盤203の下方には、遊技球を遊技盤203上(遊技領域214)に打ち出すための本発明の遊技球発射装置1が取り付けられている。遊技球発射装置1は、供給皿209から導かれた遊技球の供給によって、この供給された遊技球を所定の発射位置へと送り出し、そして、打ち出す(打球して発射する)ことができるように構成されている。
【0022】
以下、図3ないし図16を参照しながら遊技球発射装置1について説明をする。図3及び図4は遊技球発射装置1の分解斜視図、図5及び図6は遊技球発射装置1の各構成に係る図、図7ないし図10は遊技球発射装置1の初期位置に係る図、図11及び図12は遊技球発射装置1の発射ヘッド当接位置に係る図、図13及び図14は遊技球発射装置1の発射ヘッド離間位置に係る図、図15及び図16は球送り手段に係る図である。
【0023】
図3及び図4において、遊技球発射装置1は、発射槌2と、この発射槌2を一方向へ一回転させる発射モータ3(特許請求の範囲に記載した回転体に相当)と、一方の面側に発射槌2を回転自在に配置し他方の面に発射モータ3を固定するベース部材4と、発射位置に供給された遊技球5(図7参照)を支持するとともに発射後の案内をする発射レール6(特許請求の範囲に記載した第2支持部に相当)と、遊技球5を発射位置へと送り出す球送り手段7とを含んで構成されている。先ず、上記各構成部材について説明をする。
【0024】
図3ないし図5において、発射槌2は、発射モータ3の回転軸8に挿入されて係合する略円筒形状の軸部9を有している。この軸部9の外周面には、槌10と凸部11とがそれぞれ異なる方向にのびるように連成されている。槌10は、発射モータ3に近い側に配置されている。また、凸部11は、槌10よりも軸方向で発射モータ3から離れる側に配置されている。槌10には、遊技球5を打球するための発射ヘッド12が固定されている。槌10は、先端側の第1槌構成部13と、軸部9に連成される第2槌構成部14とを有している。第1槌構成部13には、発射ヘッド12が固定されている。
【0025】
第2槌構成部14から先に説明すると、この第2槌構成部14は、正面視略く字状に屈曲する帯板に形成されている。帯板の平面は、回転軸8に対して直交する面となるように配置されている。第2槌構成部14は、回転軸8の半径方向に延設されている。第2槌構成部14は、この基端が軸部9に連成されている。一方、第1槌構成部13は、第2槌構成部14の正面側の平面に、また、第2槌構成部14の先端位置に連成されている。第1槌構成部13は、この連成方向が回転軸8に対して平行になるように配置されている。第1槌構成部13は、第2槌構成部14の先端側から回転軸8の軸方向に屈曲するように形成されている。第1槌構成部13は、発射レール6と球送り手段7側の後述する球支持部25との間を通過することができるように形成されている。このような第1槌構成部13の側部には、同じく発射レール6と球支持部25との間を通過する発射ヘッド12が固定されている。発射ヘッド12は、回転軸8の周方向でこの周の接線方向に向くように配置されている。発射ヘッド12は、略截頭円錐形状に形成されている。第2槌構成部14は、上記配置や第1槌構成部13の配置からも分かるように、第2槌構成部14の先端における回転軌跡が発射ヘッド12の回転軌跡とは別の位置で軌跡を描くようになっている。
【0026】
凸部11は、槌10に比べて十分に短く形成されている。凸部11は、この正面側の面に作用部15を固定することができるように形成されている。作用部15は、発射槌2が一回転する毎に球送り手段7に作用して遊技球5の球送りを協働することができるように形成されている。このような作用部15は、凸部11に固定される本体16と、本体16の軸部17に挿入されて球送り手段7の後述する被作用部38に当接する当接リング18と、当接リング18の抜けを規制する抜け止め19とを備えて構成されている。
【0027】
ベース部材4は、方形の板部材であって、発射モータ3を固定するためのモータ固定部20と、発射レール6を固定するためのレール固定部21と、球送り手段7を固定するための複数の球送り手段固定部22とを有している。モータ固定部20には、発射モータ3の一部が露出し回転軸8が突出する穴部23が貫通形成されている。尚、発射モータ3は、例えばステッピングモータ等の公知のものが用いられるものとする。
【0028】
レール固定部21は、遊技球5の発射位置に合わせて発射レール6を固定することができるように配置形成されている。レール固定部21は、発射ヘッド12の回転軌跡上に遊技球5の発射位置が重なるように配置されている。発射レール6は、略M字状となる形状に形成されている。発射レール6は、このような形状であることから、V字状の溝24を有している。溝24の一端は、遊技球5の発射位置として、後述する球支持部25と共に遊技球5を支持することができるように形成されている。遊技球5は、本形態において、溝24で2箇所、球支持部25では1箇所の合計3箇所にて支持されるようになっている(支持の数は一例であるものとする)。遊技球5は、安定した状態で支持されるようになっている。複数の球送り手段固定部22は、球送り手段7とベース部材4の一方の面とを所定の間隔をあけて対向させることができるような例えば柱形状に形成されている。レール固定部21や複数の球送り手段固定部22は、発射槌2の回転の妨げにならない位置に配置されている。
【0029】
図3、図4、及び図6において、球送り手段7は、上記の如く遊技球5を発射位置へと送り出す(供給する)ことの他に、遊技球5の発射位置として遊技球5を支持する球支持部25(特許請求の範囲に記載した第1支持部に相当)を有するように構成されている。球送り手段7は、本形態において、正面側が矩形に開口し背面側の壁外面に上記球支持部25が突出形成される球送りケース26と、この球送りケース26の開口を覆う球送り蓋27と、球送りケース26及び球送り蓋27の内部に収容され且つ後述する被作用部38が外部に突出する球送り28と、球送り28を回動自在に軸支する軸支部29とを有している。
【0030】
球支持部25は、球送りケース26の背面側の壁外面から、この壁外面に直交するようにベース部材4の一方の面側へ向けて突出する突起(凸部)であって、本形態においては断面略コ字状となる形状に形成されている(形状は一例であるものとする)。球支持部25の突出先端は、遊技球5を支持する部分として形成されている。球支持部25は、発射ヘッド12の回転軌跡の内側に位置するように配置されている(球支持部25は、発射ヘッド12及び第1槌構成部13の回転軌跡と回転軸8との間に位置するように配置されている)。これに対して発射レール6は、発射ヘッド12の回転軌跡の外側に位置するように配置されている。球支持部25は、遊技球5に対する支持位置が発射レール6の同支持位置と合うように形成されている。発射位置にある遊技球5は、この球心が発射ヘッド12の回転軌跡上に合うように支持されるようになっている。球支持部25は、ベース部材4の一方の面に対して所定の間隔をあけるように、また、第2槌構成部14に対し回転軸8の軸方向に所定の間隔をあけるように配置形成されている(少なくとも発射槌2の回転の妨げにならないように、言い換えれば球支持部25とベース部材4との間を第2槌構成部14及び発射ヘッド12が通過可能なように配置形成されている)。発射レール6は、発射ヘッド12の回転軌跡の外側に配置されていることから、発射槌2の回転の妨げにならず、本形態においては球送りケース26の背面側の壁外面に対して近づくように配置されている(回転軸8の軸方向のコンパクト化を図っている)。
【0031】
尚、球支持部25をベース部材4側に設けることも可能であるものとする。この場合、第1槌構成部13は、第2槌構成部14の先端側から回転軸8の軸方向に且つベース部材4側に屈曲するように形成するものとする。
【0032】
このような球支持部25の基端近傍には、上記壁を貫通するように球導出口30が形成されている。球導出口30は、略正方形状に貫通するように形成されており、遊技球5が発射位置へと送り出される際に通過するようになっている。球送りケース26の側壁31には、比較的大きく開口する切り欠き部32が形成されている。切り欠き部32は、球送り28の後述する被作用部38を図面の上下方向に移動させることができるように形成されている。
【0033】
球送り蓋27は、矩形の平板として形成されている。このような球送り蓋27には、球送り手段7の内部に遊技球5を導入するための球導入口33が貫通形成されている。球導入口33は、略正方形状に貫通するように形成されている。また、球導入口33は、球導出口30よりも正面視において上方に配置されている。軸支部29は、この一端が球送り蓋27の固定穴34に固定され、また、他端が球送りケース26の固定穴35に固定されている。軸支部29に軸支された状態の球送り28は、球導入口33側に形成されて遊技球5を受け止め且つこの受け止めにより遊技球5を待機状態にする球受け部36と、球受け部36の下側に配置形成される球通過穴37と、切り欠き部32を介して外部へ突出する被作用部38とを有している。
【0034】
球送り28における被作用部38は、自重方向の移動(図面下方への移動)範囲が球送りケース26の略中央に配置されるリブ40(上下にのびるリブ)によって規制されるようになっている(尚、図面上方への移動は、図16に示すようなストッパ部41を用いて規制してもよいものとする)。この規制時において、球導入口33の位置にある遊技球5は、球受け部36により受け止められて待機状態となるようになっている。待機状態にある遊技球5が球通過穴37に収容されるのは、被作用部38が上方へと移動する時であり、この上方への移動は被作用部38に発射槌2の作用部15が作用する時である。略正方形状に貫通する球通過穴37に収容された状態の遊技球5は、被作用部38が上方から下方へと移動する時に球通過穴37から転がりだして導出口30を通過するようになっている。
【0035】
次に、上記構成及び構造に基づきながら、遊技球発射装置1に係る組み付け作業について説明をする(図7及び図8を参照)。遊技球発射装置1は、ベース部材4の他方の面に発射モータ3を固定するとともに、予め組み付けておいた発射槌2をベース部材4の一方の面側から回転軸8に固定し(発射槌2を回転軸8の基端側に固定することで、発射槌2の回転を安定させることができる)、この後に、発射レール6をレール固定部21に固定するとともに、予め組み付けておいた球送り手段7を複数の球送り手段固定部22に固定することにより組み付けが完了するようになっている。そして、図2に示すように、遊技機201の所定位置に取り付けられるようになっている。
【0036】
続いて、図7ないし図15を参照しながら、遊技球発射装置1の動作について説明をする。尚、動作についての説明は、遊技球発射装置1における発射槌2の初期位置、発射ヘッド12の当接位置、及び、発射ヘッド12の離間位置それぞれについて説明をする。
【0037】
図7ないし図10において、初期位置では遊技球5が発射位置にある。遊技球5は、発射レール6と球支持部25とにより支持され、発射ヘッド12にて打球されるのを待つ状態にある。発射槌2が図面時計回り方向に回転し(一定方向に一回転するように回転し)、発射ヘッド12の当接位置となると、すなわち発射位置にある遊技球5を打球して発射がなされると、図11及び図12に示すように発射が完了する。この時、発射槌2の作用部15は、発射槌2の回転に伴って被作用部38に当接する直前の状態になる。また、上記の発射がなされるまでは、次に発射される遊技球5が球受け部36によって受け止められた状態になる。
【0038】
図13及び図14において、発射がなされ発射ヘッド12が発射位置に対して離間する位置になると、作用部15が被作用部38に作用する。これにより、被作用部38が図中上方へ押し上げられる。待機状態にある遊技球5は、球送り28の球通過穴37に収容される(球送り28の移動は図15参照)。作用部15の被作用部38に対する作用が解除されると、球送り28はこの自重によって図中下方へと移動する。これにより、遊技球5は、球導出口30を介して発射位置へと転がりだす。送り出しが完了すると、遊技球5は発射位置にて発射レール6と球支持部25とにより支持される。尚、球送り28の下方への移動は、自重により行う他に、図16に示すようなバネ部材39を用いてもよいものとする(遊技球発射装置1の配設位置に応じてバネ部材39の有り無しを使い分けることができるものとする)。
【0039】
発射槌2は、遊技者による操作ハンドル211の操作により決まる回転速度にもよるが、連続的に一方向へ一回転して遊技球5を次々と打球し、遊技球5を遊技盤203(図2参照)へ向けて発射する。発射槌2の回転に関しては、上記初期位置において、発射槌2の位置を検出することが可能な位置検出装置(図示省略)を設け、タイミングを合わせて一度停止させてから回転させるようにしてもよいものとする。
【0040】
本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0041】
1…遊技球発射装置
2…発射槌
3…発射モータ(回転体)
4…ベース部材
5…遊技球
6…発射レール(第2支持部)
7…球送り手段
8…回転軸
9…軸部
10…槌
11…凸部
12…発射ヘッド
13…第1槌構成部
14…第2槌構成部
15…作用部
16…本体
17…軸部
18…当接リング
19…抜け止め
20…モータ固定部
21…レール固定部
22…球送り手段固定部
23…穴部
24…溝
25…球支持部(第1支持部)
26…球送りケース
27…球送り蓋
28…球送り
29…軸支部
30…球導出口
31…側壁
32…切り欠き部
33…球導入口
34、35…固定穴
36…球受け部
37…球通過穴
38…被作用部
39…バネ部材
40…リブ
41…ストッパ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発射位置にある遊技球を発射するための発射槌と、該発射槌を一方向へ回転させる回転体と、前記発射位置にて前記遊技球を支持する第1支持部及び第2支持部とを備える遊技球発射装置において、
前記発射槌の構成としては、前記遊技球を打球する発射ヘッドと、前記回転体の回転軸に係合する軸部と、前記発射ヘッドを固定する第1槌構成部と、該第1槌構成部を先端側に連成するとともに前記軸部を基端に連成する第2槌構成部とを含み、
前記発射槌の各構成の配置としては、前記第2槌構成部を前記回転軸の半径方向へのびるように配置するとともに、前記第1槌構成部を前記第2槌構成部から前記回転軸の軸方向へのびるように配置し、且つ前記発射ヘッドを前記回転軸の周方向の接線方向へ向くように配置し、
前記第1支持部及び前記第2支持部の配置としては、前記第1支持部を前記発射ヘッドの回転軌跡及び前記回転軸の間となる回転軌跡内側で前記第2槌構成部に対し所定の間隔をあけるように配置するとともに、前記第2支持部を回転軌跡外側で前記第1支持部の対向位置に配置し、
前記遊技球の発射としては、前記発射ヘッド及び前記第1槌構成部を前記発射槌の回転の都度、前記第1支持部と前記第2支持部との間を通過させるとともに、前記発射位置にある前記遊技球を前記発射ヘッドにて打球し発射する
ことを特徴とする遊技球発射装置。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技球発射装置において、
前記遊技球を前記発射位置へと送り出す球送り手段を備えるとともに、前記発射槌の構成としては、該発射槌の回転の都度、前記球送り手段に作用して前記遊技球の球送りを協働する作用部を更に含む
ことを特徴とする遊技球発射装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の遊技球発射装置を備えた
ことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−30868(P2011−30868A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181293(P2009−181293)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(591150270)日本ぱちんこ部品株式会社 (293)
【出願人】(591071610)株式会社福島製作所 (2)
【Fターム(参考)】