説明

遊技用記憶媒体

【目的】 遊技用記憶媒体において記憶媒体読取装置の情報読取部の清掃を効率良く行なうことのできるようにする。
【構成】 遊技に関連した情報を記憶する記憶手段を備え、記憶媒体読取装置を有する遊技装置に使用されるカード状の遊技用記憶媒体であって、その表面の所定部位には、前記記憶媒体読取装置の情報読取部を清掃する情報読取部清掃手段が設けられるようにした。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カードリーダ等の記憶媒体読取装置を備えたパチンコ機等の遊技装置において使用されるカード状の遊技用記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カード状の遊技用記憶媒体を媒介として遊技を行なうようにした記憶媒体式遊技設備の代表的な例としてのカード式のパチンコ遊技システムが提唱されている。
【0003】このカード式のパチンコ遊技システムでは、遊技客が遊技用記憶媒体としてのカードのみを持ち歩けばよく、落下し易いパチンコ球を大量に持ち運ぶ手間を軽減することができるという利点がある。
【0004】ところで、カード状の遊技用記憶媒体としては、主に磁気記録部に情報を記録する所謂磁気カードが用いられるが、最近は半導体メモリあるいはメモリを内蔵したシングルチップマイコンを搭載し、所定の記憶手段に情報を記憶する所謂ICカード等が開発され、さらに、ICカードの表面に磁気記録部を設けたハイブリッド型のカードも存在しており、これらも遊技用として使用することも考えられる。
【0005】磁気記録部を有する磁気カードやICカードの場合には、記憶媒体読取装置としてのカードリーダが備える情報読取部としての磁気ヘッドが、磁気記録部に摺接することによって記録された遊技関連情報が読み取られたり、あるいは所定の情報が書き込まれたりされる。
【0006】また、ICカードの内、表面に接触用電極を設けるものは、記憶媒体読取装置側に設けられるICカード・インターフェースの情報読取部としての電極と接触して、遊技関連データの授受を行なうようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、カード式のパチンコ遊技システムにおける遊技用記憶媒体としての磁気カードやICカードは、遊技を実行する度毎に、頻繁にパチンコ機の記憶媒体読取装置への投入,排出が繰り返して行われるため、情報読取部としての前記磁気ヘッドやICカード・インターフェースの電極に汚れが付着し易く、磁気カードやICカードの情報の読取り不良や、書き込み不良を生じ易いという問題があった。
【0008】また、遊技店内では、パチンコ遊技中に喫煙することが間々あり、煙の粒子が記憶媒体読取装置内に侵入して、情報読取部としての磁気ヘッドや電極の表面に付着堆積して、磁気カードやICカードの読取りや書き込みに支障を生じる場合もあった。
【0009】そのため、遊技店では、定期的に各パチンコ機の記憶媒体読取装置の情報読取部としての磁気ヘッドや電極の清掃作業を行なう必要がるが、パチンコ機の設置台数が多い場合には、その清掃作業に膨大な時間を要し、従業員の作業負担も大きいという問題がある。
【0010】そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、記憶媒体読取装置の情報読取部の清掃を効率良く行なうことのできる遊技用記憶媒体を提供して、情報の読取りや書き込みが確実に行なわれるようにし、また、遊技店側の清掃作業の負担を軽減することができるようにすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明は、遊技に関連した情報を記憶する記憶手段を備え、記憶媒体読取装置を有する遊技装置に使用されるカード状の遊技用記憶媒体であって、その表面の所定部位には、前記記憶媒体読取装置の情報読取部を清掃する情報読取部清掃手段が設けられるようにした。
【0012】また、前記記憶手段は前記記憶媒体読取装置への挿入方向に沿った帯状の磁気記録部で構成され、前記情報読取部清掃手段は前記磁気記録部の延長上に設けられるようにするとよい。
【0013】また、前記情報読取部清掃手段は、記憶媒体を構成するカード状基板の表面に形成されたクリーニング剤の塗布層からなるように構成できる。
【0014】また、前記基板表面の前記情報読取部清掃手段を除く部分には、前記磁気記録部を覆う所定色の保護層が形成され、前記塗布層は前記保護層と同一色にされるようにしてもよい。
【0015】
【作用】上記手段によれば、カード状の遊技用記憶媒体(例えば、磁気カードやICカード等)は、その表面の所定部位に、記憶媒体読取装置(例えば、カードリーダ等)の情報読取部(例えば、磁気ヘッドや電極等)を清掃する情報読取部清掃手段が設けられているので、遊技用記憶媒体が記憶媒体読取装置へ投入,排出される度に情報読取部を自動的に清掃することができ、遊技用記憶媒体の記憶手段に記憶された遊技に関連した情報の読取りや書き込みを常に確実に行なえるようにし、また、遊技店側の清掃作業の負担を軽減することができる。
【0016】特に、遊技用記憶媒体の記憶手段が、前記記憶媒体読取装置への挿入方向に沿った帯状の磁気記録部で構成され、前記情報読取部清掃手段が前記磁気記録部の延長上に設けられるようにした場合には、この遊技用記憶媒体が記憶媒体読取装置(例えば、カードリーダ等)に挿入され、磁気記録部が情報読取部(例えば、磁気ヘッド等)に摺接して情報の読取り,書き込みを行なう際に、この磁気記録部の延長上にある情報読取部清掃手段も情報読取部に接触して移動するため、遊技客が普通に遊技用記憶媒体を記憶媒体読取装置に挿入するだけで情報読取部の清掃を確実に行なうことが可能となる。
【0017】また、前記情報読取部清掃手段を、記憶媒体を構成するカード状基板の表面に形成されたクリーニング剤の塗布層で構成する場合には、清掃手段を容易に設けることができ、遊技用記憶媒体のコストダウンを図ることができる。
【0018】また、前記基板表面の前記情報読取部清掃手段を除く部分には、前記磁気記録部を覆う所定色の保護層が形成され、前記塗布層は前記保護層と同一色にされる場合には、情報読取部清掃手段は表面上略視認できなくなり、遊技用記憶媒体の表面のデザインの自由度を高めることができるとともに、磁気記録部の存在位置を隠匿する効果が期待でき、磁気データ改竄等の不正行為を防止する一助とすることができる。
【0019】
【実施例】図1に本発明に係る遊技用記憶媒体を使用する記憶媒体式遊技設備の一例としてのカード式パチンコ遊技システムの一実施例を示す。
【0020】このカード式パチンコ遊技システムは、遊技装置としてのパチンコ機100と、各パチンコ機100における遊技を開始させるためローカルな有価価値を有する本発明に係るカード状の遊技用記憶媒体としての磁気カード(以下、単にカードという)CDを発行する記憶媒体発行装置としての発行機200と、遊技の結果得られた賞品球および遊技に使用せずに残った購入金を精算するための記憶媒体精算装置としての精算機300と、上記各種端末機を集中的に管理し、制御する管理装置400と、この管理装置400と各端末機を有機的に結合する伝送手段としてのデータ伝送路500とからなり、これらによって、有機的結合体が構成される。この有機的結合体は、上記カードCDによってのみ介入が可能とされ、かつ有機的結合体によってのみカードCDの運用とその有価データの変換が可能となっている。
【0021】そのため、有機的結合体の各構成要素たるパチンコ機100、発行機200、精算機300および管理装置400には、それぞれ記憶媒体読取装置としてのカードリーダ(この明細書では、カードの磁気面への書込みを行うものもカードリーダと称する)180が設けられているとともに、カードCDの情報(持玉数データ、残高残金データ、カード毎に設定される識別符号等)および各端末機の情報は、管理装置400の記憶手段としての記憶装置内に、前記カードCDの識別符号(例えば、発行通し番号等)に基づいて、各カードCD毎のファイルの形で記憶されるようになっている。
【0022】次に、上記有機的結合体の各構成要素についての具体的な説明に入る前に、本実施例に係る遊技用記憶媒体としてのカードCDについて説明する。
【0023】本実施例に係るカードCDは、例えば図2の(A)に示すように、カードCDの中心に沿って購入金額AMやカード挿入方向DIR、発行日データとしての発行年月日(=有効年月日)DATE等の遊技客にとって必要な情報およびデータの破損したカードの復活の際に必要な発行通し番号n(識別符号)等が発行時に印字される印字表示部PRTが設けられている。従って、予め異なる金額を印字した複数種類のカードを用意しておく必要がない。
【0024】この印字表示部PRTのすぐ上には、真偽識別領域TFが設けられ、ここにはカード表面からは見えない磁気インク等の特殊塗料を利用した隠匿部材もしくはホログラム等の偽造が困難な構造からなる真偽鑑別物理層TF1〜TF4が適当な間隔をおいて4個設けられ、さらにその上方には、カードCDの状態すなわち、発行済、復活、遊技、帰零および精算済等、カードCDの来歴もしくは状態遷移を穿孔の形で記録する穿孔形成部としてのパンチ穴形成領域PHが設けられている。
【0025】カードCDに形成された上記穿孔を光電検出器で検出することで、磁気記録部MGに記録されているコードを使って管理装置400のファイルから持玉数データを読み出して確認することなく容易にカードの状態を把握することができ、これによって、カードCDの状態に対応した処理を決定するのに要するカードリーダのコントローラや管理装置400の負担を軽減することができる。
【0026】一方、上記印字表示部PRTの下方には、磁性材が塗布された記憶手段としての磁気記録部MGが設けられている。また、この磁気記録部MGの延長上(図2の(A)において、磁気記録部MGの右側)には、記憶媒体読取装置としてのカードリーダ180(図6R>6参照)の情報読取部を構成する磁気ヘッド808(図1111参照)の汚れを除去するための情報読取部清掃手段としてのヘッドクリーニング領域HCNが設けられている。
【0027】このヘッドクリーニング領域HCNは、例えば、研摩材を含む合成樹脂等のクリーニング剤の塗付層で構成されている。
【0028】これにより、カードCDがパチンコ機100のカードリーダ180に挿入されると、カードリーダ180の磁気ヘッド808は、磁気記録部MGに記憶された磁気データを読み取ったりあるいは書き込んだりする際に、その磁気記録部MGの延長上に有るヘッドクリーニング領域HCNにも摺接し、その磁気ヘッド808の表面に付着した汚れが除去される。したがって、遊技客が普通にカードCDをパチンコ機100に対して使用するだけで、カードリーダ180の磁気ヘッド808は自動的に清掃されて常にクリーンな状態に保たれることとなり、磁気ヘッド808によるカードCDの磁気記録部MGの情報の読取り,書き込みを確実に行なうことができると共に、遊技店側の磁気ヘッド等の清掃作業の負担を軽減することができる。
【0029】なお、発行機200のカードリーダ220(図4参照)においても、カードCDの発行時に、カードCDがカードリーダ220内を通過することにより、カードリーダ220が備える記録ヘッド808a及び再生ヘッド808bをヘッドクリーニング領域HCNによって清掃することができる。
【0030】また、前記クリーニング剤は、ヘッドクリーニング領域HCNを囲む表面部を形成する樹脂層(保護層)と同色のものが選定されているので、カードCDの表面上からそのヘッドクリーニング領域HCNを略視認することができないようになっている。このため、カードCDの表面へ施すデザインの自由度を高めることができる。
【0031】また、磁気記録部MG、印字表示部PRT、真偽鑑別領域TF以外の余白部分には、図示しないが、装飾用のイラスト等の模様や遊技店のホール名等が印刷されている。
【0032】なお、真偽鑑別領域TFを設ける代わりに装飾用の模様を模倣しにくい精巧なものにして、その模様を光学的に検査してカードの真偽を鑑別するようにしてもよい。
【0033】この実施例のカードCDでは、磁気記録部MG、印字表示部PRT、真偽鑑別領域TFおよびパンチ穴形成領域PHが、カードCDの挿入方向に沿って形成されている。
【0034】なお、図2の実施例のカードCDでは印字表示部PRTと磁気記録部MGとの間に挿入方向に沿ってカードCDの判定に利用される重要な情報を何ら有しない帯状の空白領域があるので、そこをカードリーダ180の搬送ローラが走行するローラ走行領域として利用するようにしてもよい。
【0035】上記磁気記録部MGは、例えば図2の(B)に示すように5つのトラックTR1〜TR5に分割され、このうち第5トラックTR5には他の4つのビットのパリティチェック用のビットが記録される。また、磁気記録部MGには左側から順に、有効データ部を保護するためのダミーデータたる8ビットのタイミングコードTMS、データの始まりを示す4ビットの補助データSTX、遊技店のコード(遊技店識別符号)を示す16ビットの識別コードDSC、カード発行年月日を表示する16ビットの年月日データDATE、発行通し番号nに基づいて変換された16ビットのカード番号No(識別符号)、データの終了を示す4ビットの補助データETX、上記データSTXからETXまでの各データのビット列ごとのパリティチェック用のチェックビットLRC、有効データ部を保護するためのダミーデータたる8ビットのタイミングコードTMEが記録されるようになっている。なお、カード番号No.と補助データETXとの間には、上記以外の情報を入れることができるように予備エリアRSUが設けられており、ここに遊技客の持玉数データや残高金額データ等の有価データを記録できる。
【0036】このように、この実施例のカードCDの磁気面に記録される情報は、カードCDの使用可能領域を特定するための識別コードと、カードの有効期間を示すための発行年月日と、発行通し番号nから適当な関数もしくは変換方式を使って得られる識別符号としてのカード番号と、エラー検出用のチェックコードである。これらは、上記カード番号No(識別符号)によって管理装置400のデータファイルからリアルタイムで引出し可能な構成にしてある。
【0037】これによって、カードCDのコピーによる不正を防止し、かつ不正による被害を最小限にとどめることができる。つまり、カードCDがコピーされてもデータファイル内に登録されている購入金額と獲得玉数以上の被害は生じないので、カードCDをコピーするのは全くの無駄な行為となる。
【0038】しかも、上記実施例ではカードCDに記録された磁気記録情報のみならず偽造が困難な真偽鑑別物理層TF1〜TF4によってもカード真偽を鑑定するようにしているので、カードCDの不正をより確実に防止することができる。また、真偽鑑別物理層TF1〜TF4のチェックにより不正カードを直ちに検出できるので、磁気情報を管理装置に送って不正カードの判定を行うよりもすばやく不正カードを発見することができる。
【0039】なお、磁気記録部を有するテレホンカード等においても穿孔が形成されるようになっているが、従来のカードの穿孔は未使用残額を使用者に知らせるために設けられるものであり、カードリーダが穿孔を検出して何らかの処理もしくは判定に利用するためのものではない。実施例では真偽鑑別物理層が4個設けられているが、その数は一つでもよい。
【0040】また、上記カードCDは使い捨て方式とすることにより、カード回収設備を不用にしてシステムの簡略化およびカードCDの管理を容易にするとともに、使い捨てに伴う経費節減を図るため、カードCDの大きさを縦86mm横54mmの定型とし、かつカードCDのカード基板として紙材を選択してある。
【0041】図27には、本発明に係る遊技用記憶媒体の第2の実施例が示されている。
【0042】本実施例に係る遊技用記憶媒体としてのカードCD’は、図2に示されているカードCDと同様に、カード上におけるそれぞれの位置は多少異なるが印字表示部PRTと磁気記録部MGとパンチ穴形成部PHと真偽鑑別領域TFが設けられている。
【0043】しかして、この実施例のカードCD’では、印字表示部PRTと磁気記録部MGとの間、すなわちカードの中央にカードリーダ180内の搬送ローラよりも少し幅の広い帯状のローラ走行領域RRAがカードの長手方向に沿って設けられており、搬送ローラとの接触によりカードCD’の表面、特にカードの判定に利用される重要な情報を有する上記磁気記録部MG、印字表示部PRT、真偽鑑別領域TFが損傷されるのを防止し、それらの情報が読取り不能になるのを回避できるようになっている。
【0044】また、この実施例のカードCD’では、真偽鑑別領域TFに真偽鑑別物理層TF1〜TF4を設ける代わりに、カード表面に印刷されるホール名等の文字中に隠匿されたセキュリティマークを設けてある。すなわち、カードの表面に印刷される「PLAZA」なる文字を、図28に示すように各文字の脚部が、3.5mmの等ピッチで設けられる検出ビットパターンB0〜B9に対応する位置に来るようにデザインして印刷しておく。そして、文字幅が0.5〜3.0mmとなるようにし、各ビットの“1”または“0”を、文字の濃淡で表現する。しかも、10個のビットのうち左から5番目のビットB4と最後のビットB9は、ビットB0〜B3とB5〜B8のパリティを表すように文字の濃淡を決定しておく。
【0045】なお、この文字列中に隠匿されたセキュリティビットは、センサにおいてのみ検出でき、人間の目には区別がつかないような特殊なインクを用いて形成しておくとより好ましい。
【0046】カードCD’の表面には、前記実施例に係るカードCDと略同様に、磁気記録部MGに連続した帯状領域に磁気ヘッド808の汚れを除去するための情報読取部清掃手段としてのクリーニング剤(例えば、研摩材を含む合成樹脂等)を塗付してなるヘッドクリーニング領域HCNが設けられているので、カードCD’がパチンコ機100のカードリーダ180に挿入されると、カードリーダ180の磁気ヘッド808は、磁気記録部MGに摺接して記憶された磁気データを読み取ったり書き込んだりする際に、その磁気記録部MGの延長上に有るヘッドクリーニング領域HCNにも接触して移動し、その磁気ヘッド808の表面に付着した汚れがクリーニング剤の作用によって除去される。
【0047】したがって、遊技を行なう際に、遊技客が普通にカードCD’をパチンコ機100に対して使用するだけで、カードリーダ180の磁気ヘッド808は自動的に清掃されて常に清浄な状態に保たれることとなる。
【0048】これにより、磁気ヘッド808によるカードCDの磁気記録部MGの情報の読取り,書き込みを常に確実に行なうことができると共に、遊技店側の磁気ヘッド等の清掃にかかる作業負担を軽減することが可能となる。
【0049】また、本実施例のカードCD’では、上記磁気記録部MGがどこに設けられているか分からないようにするため、図29に示すように、ポリエステル等のプラスチックからなる基材(カード基板)11上に磁性粒子を均一に塗付してなる磁気層12の上にホワイト層(保護層)13を形成し、さらにその上に絵柄印刷層14を載せてからその一部(印字表示部PRTに対応する部位)に感熱発色層15を形成し、その上方に透明な保護膜16をコーティングしてある。
【0050】また、クリーニング領域HCNには、ホワイト層13と同一色に選定されたクリーニング剤を塗付し、その表面には保護膜16がコーティングされないようにして露出させて、クリーニング領域HCNが他の部位と色彩的にほとんど変わらないようにすることによって略視認できないようにして、このクリーニング領域HCNの延長上にある磁気記録部MGの存在位置を隠匿し、磁気データの改竄等の不正行為の発生を防止できるようにすると共に、カードCD’の美観の向上を図ることができるようになっている。
【0051】また、カードの基材11の裏面には絵柄印刷層17を形成し、その上を保護膜18でコーティングするようになっている。
【0052】磁気層12の表面にホワイト層13が形成されている上記のような構造のカードにあっては、黒色の磁性粒子からなる磁気層12が白色のホワイト層13で覆われているため、絵柄を印刷してファッション性の豊かなカードを提供することが可能になるとともに、磁気記録部MGを隠匿する機能も有している。
【0053】さらに、カードCD’の表面に保護膜16がコーティングされているため、印字表示部PRTや磁気記録部MGおよび真偽鑑別領域TF等カードの判別に使用される重要な情報を保持する領域が保護され、それらの情報が破壊されにくくなって、カードの信頼性が向上する。
【0054】図30には、カードCD’に設けられた磁気記録部MGの他の構成例を示す。
【0055】図2の(B)の実施例に係るカードCDでは、磁気記録部MGに5つのトラックを設けているが、ここでは記録密度を105BPI(4.134ビット/mm)とすることにより、2トラック構成とした。このうち、第1のトラックTRC1にはサンプリングタイミングを与えるクロックデータを記録する。第2のトラックTRC2は、左から順に4ビットの開始符号とそのパリティビットの入るフィールドSTX、カードリーダの製造元を示す企業コードMKCとカードリーダの機種を示す機器コードMCC、遊技店の識別コードDSC、年月日データDATE、カード番号No、カード発行時にカードリーダから与えられる発行指令コードFNCおよび真偽鑑別領域から読み取られたセキュリティデータSDCの入るテキストフィールドTXT、テキスト終了符号の入るフィールドETX、テキストデータと終了符号との排他的論理和の値(検出符号)の入るフィールドLRCと開始符号の入るフィールドSTXとから構成されている。しかも、年月日データは、4ビットごとにそれぞれのパリティを示すビットPが設けられているとともに、最初の4ビットで「月」を、第6〜第9ビットと第11ビットとで「日」を、そして第12〜第14ビットおよび第16〜第19ビットで西暦の下2桁を2進コード化してそれぞれ記録するようになっている。
【0056】磁気記録部MGを有するカードでは、一般に年月日から記録フォーマットや記録データの解読するのが一番容易であるが、上記実施例のカードCD’では年月日の順序を入れ替えるとともに、4ビットごとにパリティビットを入れ、さらに記録ビットの対応に変化を持たせているため、カードCD’の偽造が極めて困難となる。
【0057】図3には、上記カード発行機200の構成例を示す。
【0058】この実施例のカード発行機200は、カード購入のための紙幣を識別する紙幣識別装置210と、購入金に対応した金額を印刷し、カード番号を記録するカードリーダ220と、つり銭を排出するための残金払出装置230と、各種表示器241〜245および、発行機200全体の制御を行なう制御ユニット250等により構成されている。
【0059】上記紙幣識別装置210に対応して、前面パネル201には紙幣挿入口211と、購入金額選択スイッチ群212および金額表示器213が設けられている。従って、遊技客は、先ず紙幣挿入口211より紙幣を投入すると、金額表示器213に投入金額が表示される。そして、選択スイッチ群212の中から所望の購入金額に対応するスイッチを押圧することにより、所望の購入金額に相当するカードが上記カードリーダ220のカード排出口202より発行される。また、上記金額選択スイッチ群212は、各々ランプ内蔵型スイッチで構成されており、スイッチを操作すると対応する内蔵ランプが点灯されるようになっている。そして、投入された紙幣は、紙幣収納タンク214内に回収される。
【0060】カードリーダ220は、カードタンク内にストックされている白紙状態のカードを1枚ずつ取り出して、表面に購入金額と、発行年月日および管理装置400より付与される発行通し番号nを印刷するとともに、カード裏面の磁気面に制御ユニット250により演算されたカード番号および識別コード(店コード)、発行年月日コード、チェックコード等を記録し、さらに発行済穿孔位置PH1(図2参照)にパンチ穴を開けてから前面パネル201に設けられたカード排出口202より排出する。
【0061】上記発行通し番号nは、カード発行機200からカード購入の申込を受けた管理装置400が、自己の制御下にある複数のカード発行機200からの購入申込みに対し、その受付け順に発行通し番号nを決定し、各カード発行機に付与する番号であって、カードのコピーによる不正を防止するため、カードの磁気面には、上記発行通し番号nに対して所定の関数f(n)を用いた演算もしくはビットの並び換え等のコード変換処理を行なって得られたコードをカード番号として記録し、カードに関する情報はこのカード番号に基づいてカード毎に管理装置400内の記憶装置のファイルに記録するようになっている。
【0062】また、発行通し番号nを印字表示部PRTに印字するようになっているため、カードの破損等により磁気記録部MGの情報が読出し不能になっても、発行通し番号nに基づいて管理装置400のファイル情報からカードのデータを復活することができる。
【0063】上記発行通し番号nからカード番号の算出を可能にするため、管理装置400の制御プログラムには、関数f(n)もしくはコード変換手続きが予め与えられているともに、カードから読み出されたカード番号と発行通し番号nとの一致を確認するため逆関数もしくは逆変換手続きが用意されている。
【0064】一方、発行機200の紙幣挿入口211より紙幣が挿入され、金額選択スイッチ212により購入金額が決定されて残金が生じたときに、それを払い戻すための残金払出装置230は、紙幣をストックしておく紙幣タンク231を備えており、残金に相当する紙幣を前面パネル201に設けられた紙幣排出口232により排出するように構成されている。
【0065】さらに、上記カード発行機200の前面パネル201には、カード発行可能な状態にあることを示す発行中ランプ241、カード発行不能状態を示す発行中止ランプ242、紙幣挿入口211より投入された紙幣でタンク214が満杯になったことを知らせる紙幣プールオーバ表示器243、カードタンク221内の未発行カードが空になったことを知らせるカード不足表示器244、残金払出装置の紙幣タンク231内のストック紙幣がなくなったことを知らせるつり銭不足表示器245が設けられている。また、上記状態を検出して対応する表示器を点灯させるため、紙幣タンク214,231およびカードタンク221にはセンサ261,262,263がそれぞれ設けられている。
【0066】さらに、この実施例のカード発行機200には、遊技店に設置される複数(数十台)の発行機200の各々を区別して、特定のカードを発行した発行機200を管理装置400において把握できるようにするため台番号設定器205が内部に設けられており、この設定器205により設定された台番号は管理装置400に送られて、データ通信の際の伝送アドレスの生成および各発行機ごとのデータファイルの作成に供される。
【0067】なお、特に限定されないが、設定器205によって設定される台番号と同じ番号が、発行機の前面パネル201の上部に付着された銘板206に表示されるようになっている。
【0068】カードリーダ220は、その詳細を図4に示すように、一端(図では右端)に磁気記録部MGと印字表示部PRTが白紙の状態とされているカードCDが、多数収納されたカードタンク821とこのタンク内から一枚ずつカードCDを取り出すカード取出装置822が設けられ、このカード取出装置822の近傍には、取り出されたカードCDの端部を検出する光電式のセンサ814が、また、カードリーダ220の他端(左端)にはカード挿排口801が設けられ、その近傍にカードCDの端部を検出する光電式センサ811が配設されている。このセンサ811に隣接してカードCDに形成された真偽識別物理層TF1〜TF4を検査して正規のカードであるか確認するためのセンサ812が設けられている。
【0069】上記カード取出装置822によりカードタンク821からカードCDが取り出されて、カード取入口823に挿入され、センサ814によって検出されると、パルスモータからなる搬送モータ802が駆動され、ベルト803を介して搬送ローラ804が回転される。すると、カードCDが搬送ローラ804とガイドローラ805とに挾まれて走行路806に沿って搬送され、カードリーダ220内に取り込まれる。搬送モータ802には回転角を検出するエンコーダのような回転検出器(センサ5)815が設けられており、所定量だけカードを搬送するとモータが停止される。
【0070】また、カードリーダ220の本体中央には記録ヘッド808aと再生ヘッド808bが設けられており、記録ヘッド808aでカードCDの磁気記録部MGに識別コード等のデータの書込みを行ない、再生ヘッド808bで確認のための読出しを行なう。
【0071】そして、カードCDの発行時に、カードCDが記録ヘッド808aと再生ヘッド808bを通過することにより、カードCDの磁気記録部MGの延長上に有るクリーニング領域HCNが両磁気ヘッド808a,808bに摺接して、磁気ヘッド808a,808bの表面に付着した汚れを除去する。これにより、カードリーダ220の記録ヘッド808aと再生ヘッド808bは常に清浄に保たれて、カードCDの磁気記録部MGへの確実なデータの書き込み,読込みを行なうことができるようになる。
【0072】また、この記録ヘッド808aと再生ヘッド808bとの間にパンチ穴を形成するための穿孔装置807が設けられている。発行機200のカードリーダ220では、カード発行時に上記穿孔装置807が駆動され、所定の穿孔位置PH1にパンチ穴があけられるようになっている。
【0073】さらに、穿孔装置807の近傍には穿孔装置807による穿孔が実施されたか確認するためのパンチ穴検出用の光電式センサ813が設けられている。このセンサ813はパチンコ機や精算機ではカードCDにあけられたパンチ穴PH1〜PH5を検出してカードCDの状態を把握するのに使用される。
【0074】さらに、上記センサ813と812との間には、印字装置809が配置されており、搬送されて来たカードCDの印字表示部PRTに対して購入金額AM、発行年月日DATEおよび発行通し番号nを印字する。そして、上記記録ヘッド808aによる磁気データの記録、穿孔装置807によるパンチ穴の形成、印字装置809による印字が終了し、センサ811によってカードCDの後端が検出されると、搬送モータ802が停止される。
【0075】上記各センサ811〜815の検出信号に基づく上記モータ802や穿孔装置807、磁気ヘッド808a,808bの制御がマイクロコンピュータからなるコントローラ228(パチンコ機では188、精算機では319)によって行なわれる。
【0076】図5には、上記のごとく構成されたカード発行機200の制御システムの構成例が示されている。
【0077】なお、同図において、符号L1〜L5で示されているのが、購入金額の選択スイッチ群212に内蔵されたランプで、オンされたスイッチに対応するランプが点灯されて操作ボタンを後方から照明するようになっている。
【0078】この実施例では、カードリーダ220の各構成部品たる磁気ヘッド808a,808bや搬送モータ802、穿孔装置807、印字装置809、カード取出装置822が、センサ811〜815からの検出信号に基づいて、CPU(マイクロコンピュータ)のようなコントローラ228(図4参照)によって制御され、このコントローラ228および発行機200に設けられた各種センサや表示器、紙幣識別器210、残金払出装置230が、同じくマイクロコンピュータからなる制御ユニット250内のユニットコントローラ251によって制御されるようになっている。
【0079】ユニットコントローラ251は、上記構成部品の制御やカード番号の受信を行なってカード発行処理を実行するともに、稼動データを収集し、それをデュアルポートメモリからなるパラレル通信手段としてのユニットメモリ270内の送信データエリアSDAに書き込む。ユニットメモリ270に書き込まれた稼動データは、後述の伝送コントローラとネットワーク制御手段(NAU)とにより伝送ケーブル(ネットワーク)を介して管理装置400との間のデータ交信によって管理装置400に送られる。また、管理装置400から送られて来るデータも一旦ユニットメモリ270内の受信データエリアRDAに書き込まれ、ユニットコントローラ251がこれを読み取ることによってデータの受信が行なわれる。ユニットメモリ270には送信データや受信データがメモリ内にあることを相手方のコントローラに伝えるためのコマンドやステータス情報の入る共有データエリアCDAが設けられている。
【0080】〔表1〕、〔表2〕および〔表3〕に、各々上記ユニットメモリ270内の送信データエリアSDA、受信データエリアRDAおよび共有データエリアの構成例を示す。
【0081】
【表1】


【0082】
【表2】


【0083】
【表3】


【0084】上記〔表1〕に示されているホットコードは、システムの立上りのときに管理装置400がユニットメモリ270の送信エリア内に、例えば010101・・・01なるコードを書き込んでおいて、定期的に管理装置400に送って、静電気等のノイズによるRAMデータの破壊の有無をチェックし、送信データの異常を速やかに検出できるようになっている。
【0085】なお、上記〔表1〕に示されているモニタ情報1は、〔表4〕に示すようにシステム立上り時のテスト実行中を示すビット、初期値設定/未設定を示すビット、ホットコードエラーを示すビット、ローカルネットワーク(伝送ケーブル500)の異常を示すビット(低層用と高層用の2ビット)、発行機異常を示すビット等により構成されている。
【0086】また、モニタ情報2は、〔表5〕に示すようにカードリーダの異常を示すビット、カードの有無を示すビット、同紙幣タンク内の状態を示すビット、紙幣詰まりを示すビット、紙幣の強制引き抜きを示すビット、残金払出器230の紙幣タンク内の状態を示すビット、残金払出器230の異常を示すビット等により構成されている。
【0087】
【表4】


【0088】
【表5】


【0089】次に、本来の遊技を提供するパチンコ機100の構成例について図6,図7を用いて説明する。
【0090】この実施例のパチンコ機100は、遊技機本体110と、遊技機100と1対1で対応されて遊技機本体110上方の島設備等に装着され、主としてカードCDに関する処理と遊技中の稼動データの収集を司る制御ユニット160とにより構成される。
【0091】制御ユニット160は、遊技機本体110と別個に構成され、カード挿排口161と、カードCDの有する金額を表示する金額表示器162、遊技者の持玉数をディジタル数字で表示する持玉表示器163、複数個のランプが一列に整列されてなるアナログ表示器164、係員呼出し用の呼出しスイッチ165等を前面に有している。上記アナログ表示器164は、遊技中の持玉数をアナログ的に表示したり、打止め状態やフリー状態を同時点滅と移動点滅で表示するのに用いられる。
【0092】また、特に限定されないが、制御ユニット160の前面には、従来はパチンコ機100の本体に設けられていた入賞球発生表示用のセーフランプ166や遊技中であることを示す遊技表示ランプ167、効果音および警告発生用のスピーカ168が設けられている。
【0093】さらに、制御ユニット160の側面の島設備内部に位置される部位には、パチンコ機100を管理装置400と切り離した特異状態で、後述のテストカードを用いて遊技動作を可能にさせるためのテストスイッチ171が、またユニット前面には当該パチンコ機100に与えられる台番号を明示する銘板172がそれぞれ設けられている。
【0094】そして、制御ユニット160の内部には、上記カード挿排口161に対応してカードリーダ180が、また台番号の銘板172の後方に台番号設定スイッチ173が、さらにこの制御ユニット160全体の制御を司るユニットコントローラ190が各々設けられている。ユニットコントローラ190は、光ファイバもしくは同軸ケーブルのような伝送路191によって、遊技機本体110の制御装置150に、また後述の伝送コントローラおよびローカルネットワーク(伝送ケーブル)を介して管理装置400に接続される。
【0095】パチンコ機100のカードリーダ180は、図4に示されている発行機用のカードリーダ220と略同じであり、印字装置809とカードタンク821、カード取出装置822を有していない点が異なる。
【0096】なお、前述したように上記カードリーダ180が備える磁気ヘッド808は、このカードリーダ180にカードCDあるいはカードCD’が挿入される度に、カードCD,CD’に設けられたクリーニング領域HCNによって表面に付着した汚れが除去されて、常に清浄な状態に保たれるようになっている。
【0097】一方、本実施例の遊技機本体110は、機内に封入された遊技球を循環使用する密閉型遊技機として構成されており、封入球を循環させる循環装置120を有している。また、遊技機本体110の下部には、上記封入球を一個ずつ遊技領域内に発射する発射装置111とその操作ダイヤル112および前記カードを使用した遊技の手続きを可能にするための購入スイッチ113、終了スイッチ114、中断スイッチ115が設けられている。遊技領域の構成は従来のものと同じである。購入スイッチ113は、カード挿排口161へのカードCDの挿入を前提としてカードCDの有する金額の範囲内で、200円等の単位でこれを遊技球に変換するための指示スイッチで、変換された遊技球が持玉数となる。持玉数は玉数表示器163に表示され、打球発射装置111により遊技球一つ発射されるごとに持玉数が一つ減算され、入賞球が発生すると賞品球数の分だけ加算表示される。
【0098】終了スイッチ114は、遊技者が遊技を終了させたくなったとき(遊技台を変更したい場合を含む)にいつでもこれをオンさせることで、使用中のカードを制御ユニット160より排出させることができる。そのときユニットコントローラ190はその時点で遊技客の持玉数(購入玉と獲得球の和)を、カードCDのカード番号(識別符号)に基づいて、カードCD毎の管理装置400のファイル内に登録してからカードを挿排口161より排出する。
【0099】また、中断スイッチ115は、遊技者が現在遊技中の遊技機での遊技を止める意思はないが、休憩のため一時的に遊技を中断させるために使用するスイッチで、このスイッチが操作されると、ユニットコントローラ190は一旦カードを排出して再び同一カードが挿入されるまで待機状態となり、その間他のカードを受け付けないようになる。
【0100】なお、上記各スイッチのうち購入スイッチ113と中断スイッチ115はランプ内蔵型で、持玉数が「0」になると購入スイッチ113内のランプが点滅されるとともに、中断スイッチ115が押されると中断が解除されるまで内蔵ランプが点灯される。
【0101】図8には、遊技機本体110の裏面の構成例を示す。
【0102】遊技盤101前面の遊技領域内に設けられた入賞領域に対応して遊技盤101を貫通するように形成された複数の入賞球導出孔121を覆う入賞球集合樋122が、遊技盤101の裏面に取り付けられている。入賞球集合樋122の底壁は中央に向かって下り傾斜されて案内棚122a,122bとされ、その流下端部に第1誘導樋123が接続されており、入賞球集合樋122内に流入した入賞球は、案内棚122a,122b上に流下して集合され、第1誘導樋123を流下する途中でセーフセンサ131により検出される。また、遊技領域の下部に設けられたアウト穴102に対応して遊技盤の裏面には、回収樋124が設けられており、この回収樋124の終端は上記第1誘導樋123の終端部に合流されている。さらに、この実施例では遊技領域に設けられた大型の変動入賞装置に入賞した遊技球を回収する第2誘導樋125が設けられ、この第2誘導樋125の終端は上記回収樋124の終端部に合流されている。上記回収樋124および第2誘導樋125には、アウトセンサ132とセーフセンサ133が設けられていて、そこへ流入した遊技球を検出する。第1誘導樋123と第2誘導樋125とを設けることにより、それぞれの入賞領域に入賞して得られる賞品球数を異ならせて遊技者に提供することができる。
【0103】そして、上記各樋の合流部は、連通口127にて、回収した遊技球を打球発射装置111まで案内する案内樋126の途中に連通されている。
【0104】上記案内樋126は、図9に示すように、打球発射装置111によって発射された遊技球を、遊技領域上部まで案内する円弧状のガイドレール103の途中に設けられたファール球取込口104に接続された樋であり、ファール球、セーフ球(入賞球)およびアウト球は、すべて最終的にこの案内樋126によって回収され、打球発射装置111まで誘導される。案内樋126の途中には、ファール球取込口104より回収された遊技球を検出するファールセンサ134、案内樋に回収された遊技球を整列させる球ナラシ105、封入球を外部へ抜き取るための玉抜きレバー106が設けられている。
【0105】ファールセンサ134により検出された球は発射球から減算され、実際に遊技領域に打ち込まれた打球数が正確に計数される。また、ガイドレール103の始端部には打球発射装置111により発射された打球を検出するための発射センサ135,136が設けられ、空打ちを発射球として計数しないようになっているとともに、発射センサ135側から発射センサ136側への打球の移動をもって発射数として計数している。
【0106】また、この逆として発射センサ136側から135側への打球の移動を検出した場合には、戻り球(ファール球)として検出する。
【0107】玉抜きレバー106は、案内樋126の底壁の一部を構成するように設けられた回転可能な回動プレート107の回転を阻止して遊技球を打球発射装置111側へ供給させ、玉抜きレバー106を図10の(A)のごとく上方へスライドさせると回動プレート107が自重で下方へ回動して案内樋126内の遊技球を排出するように構成されている。
【0108】一方、案内樋126の下端には、図10の(B)に示すごとく玉受け部128aを有する玉送り128が揺動可能に取り付けられており、これが揺動することにより案内樋126内の遊技球を一個ずつ分離してガイドレール103の発射始端位置に移動させるようになっている。玉送り128は、打球発射装置111の発射杆111aに連動して上方へ回動される。案内樋126とガイドレール103の始端部との境界には分離壁109が形成されており、玉送り128が上方へ回動されると、先端の玉受け部128aに係合している遊技球が一つだけ分離壁109を乗り越えることにより、球の移動が行なわれる。なお、玉送り128内には円柱状のウェイト129が内蔵されており、このウェイト129の自重によって玉送り128の回動復帰が円滑に行なわれる。
【0109】図11には、パチンコ機100の制御システムの構成例が示されている。
【0110】同図におけるコントローラ188が、図4に示されているカードリーダ180の各構成部品たる搬送モータ802、磁気ヘッド808、穿孔装置807を制御するコントローラである。そして、このコントローラ188および制御ユニット160に設けられた各種スイッチ165,171,173や表示器162,163,164,166,167、スピーカ168は、同じくマイクロコンピュータからなるユニットコントローラ190によって制御されるようになっている。
【0111】また、特に制限されないが、この実施例では光ケーブル191を介して、遊技機本体110の制御装置150や各種センサ、表示器等が上記ユニットコントローラ190に接続される。光ファイバケーブルによる通信を可能にするため、パラレルデータとシリアルデータの変換を行なう並−直列変換器や電気信号と光信号との変換を行なう光−電変換器等からなる光多重データリンク(インタフェース)192と193が、ユニットコントローラ190と光ファイバケーブル191との間および光ファイバケーブルと制御装置150との間に設けられている。
【0112】なお、光ファイバケーブル191をユニットコントローラ190とパチンコ機100の制御装置150との間のデータ通信に使用することにより、従来パチンコ機の裏側にて複雑に配設されていた多数の配線をすっきりさせ、保守、管理を容易にするとともに、誤った配線接続を防止することができる。
【0113】図12に遊技機本体110の制御システムの構成例が示されている。
【0114】上記光多重データリンク193および光ケーブル191を介してユニットコントローラ190の制御下には、上記制御装置150とともに、打球発射装置111と購入スイッチ113内蔵の購入可表示ランプ113a、中断スイッチ115内蔵の中断表示ランプ115aがドライバ195を介して設置されている。また、購入スイッチ113や遊技終了スイッチ114、中断スイッチ115からの信号が光多重データリンク193および光ファイバケーブル191を介して、前記ユニットコントローラ190に伝送される。
【0115】上記制御装置150もマイクロコンピュータにより構成されており、この制御装置150には、発射センサ135,136およびセーフセンサ131,133、ファールセンサ134、アウトセンサ132からの検出信号に入力されており、これらの信号に基づいて入賞球やファール球、アウト球等を判定してユニットコントローラ190に知らせる。
【0116】一方、ユニットコントローラ190は、これらの遊技球に関する検出信号や購入スイッチ113からの信号等に基づいて、出玉数、アウト玉数、持玉数、売上金額等の稼動データを演算したり、パチンコ機100に関する稼動情報(遊技状態)やモニタ情報等を生成し、それらをデュアルポートメモリからなるユニットメモリ170の送信データエリアSDAに書き込む。
【0117】ユニットメモリ170に書き込まれた稼動データ等は、後述の伝送コントローラによる管理装置400との間のデータ交信によって管理装置400に送られる。また、管理装置400から送られてくるデータも一旦ユニットメモリ170内の受信データエリアRDAに書き込まれ、ユニットコントローラ190がこれを読み取ることによってデータの受信が行なわれる。ユニットメモリ170には送信データや受信データがメモリ内にあることを相手方のコントローラに伝えるためのコマンドやステータス情報の入る共有データエリアCDAが設けられている。
【0118】〔表6〕、〔表7〕および〔表8〕に、各々上記ユニットメモリ170内の送信データエリアSDA、受信データエリアRDAおよび共有データエリアCDAの構成例を示す。
【0119】
【表6】


【0120】
【表7】


【0121】
【表8】


【0122】
【表9】


【0123】
【表10】


【0124】なお、〔表6〕において示されているモニタ情報1は、〔表9〕に示すようにシステム立上り時のテスト実行中を示すビット、初期値設定/未設定を示すビット、ホットコードエラーを示すビット、ローカルネットワーク(伝送ケーブル500)の異常を示すビット(低層用と高層用の2ビット)、遊技機異常を示すビット等により構成されている。また、モニタ情報2は、〔表10〕に示すようにカードリーダの異常を示すビットを有している。
【0125】さらに、稼動情報は、〔表11〕のごとく打止め状態を示すビット、遊技中断中であることを示すビット、通信異常あるいは不正検出等に基づく管理装置400もしくはコントローラによる強制終了状態を示すビット、遊技中であることを示すビット、遊技機100が遊技客のついていないフリー状態にあることを示すビット等により構成されている。
【0126】
【表11】


【0127】上記〔表11〕より、実際のパチンコ機100の状態は、■フリー状態が、 0000000000000001■遊技中が、 0000000000000010■強制終了受信時が、 0000000000000100■中断時が、 0000000000001000■打止発生時が、 0000000000010000で表わされる。
【0128】図13に、前述した精算機300の構成例を示す。
【0129】この実施例の精算機300は、挿入されたカードCDのカード番号を読み取るカードリーダ310と、そのカードCDについて使用されずに残った未購入金額に相当する金額を払い戻すための残金払出装置320と、遊技により獲得した持玉数を印刷したレシートを発行するプリンタ330と各種表示器340〜342および、精算機300全体の制御を行なう制御ユニット350等により構成されている。
【0130】上記カードリーダ310に対応して、前面パネル301にはカード挿入口311と、獲得した賞球数(持玉数)を表示する玉数表示器312および未購入金額を表示する金額表示器313が設けられている。遊技客が、先ずカード挿入口311よりカードを投入すると、カードリーダ310がカードCDの磁気面に記録されているカード番号(識別符号)を読み取って管理装置400に送り、そのカードCDに関するデータを受け取る。そして、金額表示器313に未購入金額が表示されるとともに、玉数表示器312に獲得玉数が表示され、プリンタ330によりレシートが発行される。また、挿入されたカードCDは精算終了後に穿孔装置807により、所定の穿孔位置PH5にパンチ穴の形成がなされてからカード収納タンク314内に回収(没収)される。これによって、精算済カードの悪用が防止される。
【0131】カードリーダ310の構成は、発行機200のカードリーダ220(図4参照)とほぼ同様であり、カード取出装置822とカードタンク821がなく、その位置にカード収納タンク314が配置されている。そして、カードCDの搬送方向は発行機の場合と逆になる。プリンタ330は、ロール状態でストックされている白紙のシートを引き出して、その表面に発行年月日と、獲得玉数および未使用残金額さらにはカード来歴等を印刷し、レシート発行口331より排出する。
【0132】なお、カードCD,CD’のクリーニング領域HCNによって、精算機300のカードリーダ310が備える磁気ヘッド808に付着した汚れを除去することができるのは勿論である。
【0133】また、未購入金額に相当する金銭が残金払出装置320より払い出される。
【0134】残金払出装置320は、紙幣をストックしておく紙幣タンク321と紙幣排出口322とからなる。また、精算の際には1000円未満の端数が生じるので、100円単位の硬貨を収納する硬貨タンク324と硬貨払出口325とからなる硬貨払出装置326が設けられている。
【0135】さらに、上記精算機300の前面パネル301には、カード精算中であることを示す精算中ランプ341、カード精算不能状態を示す精算中止ランプ342、カード挿入口311より投入されたカードCDでタンク313が満杯になったことを知らせるカードオーバフロー表示器L11や残金払出装置320の紙幣タンク321内のストック紙幣がなくなったことを知らせる紙幣不足表示器L12、硬貨払出装置326の硬貨タンク324内のストック硬貨がなくなったことを知らせる硬貨不足表示器L13、プリンタ330内のロール紙がなくなったことを表示する紙なし表示器L14等からなるモニタ表示ランプ群340が設けられている。
【0136】また、上記各状態を検出して対応する表示器を点灯させるため、カードタンク314、紙幣タンク321、硬貨タンク324、およびプリンタ330にはセンサ361,362,363,364がそれぞれ設けられている。また、硬貨払出装置326には硬貨抜取スイッチ327が設けられている。
【0137】さらに、この実施例の精算機300には、遊技店に設置される複数の精算機の各々を区別して、特定のカードの精算を行なった精算機300を管理装置400において把握できるようにするため台番号設定器305が内部に設けられており、この設定器305により設定された台番号は管理装置400に送られて、データ通信の際の伝送アドレスの生成および各精算機ごとのデータファイル作成に供される。
【0138】なお、特に限定はされないが、設定器305によって設定される台番号と同じ番号が、精算機の前面パネル301の上部に付着された銘板306に表示されるようになっている。
【0139】図14には、上記のごとく構成された精算機300の制御システムの構成例が示されている。
【0140】なお、同図において、符号L11〜L14で示されているのが、上記モニタ表示ランプ群340を構成するランプである。
【0141】この実施例では、カードリーダ310を構成する磁気ヘッド808、穿孔装置807および搬送モータ802が、各種センサ811〜815からの検出信号に基づいてCPU(マイクロコンピュータ)からなるコントローラ319(図4のコントローラ228に相当)によって制御され、このコントローラ319および精算機300に設けられた各種センサや表示器、紙幣払出器320、硬貨払出装置326、プリンタ330が、同じくマイクロコンピュータからなる制御ユニット350内のユニットコントローラ351によって制御されるようになっている。
【0142】ユニットコントローラ351は、上記構成部品の制御やカード番号のチェック、カードデータの受信、表示等を行なって精算処理を実行するとともに、稼動データを収集し、それをデュアルポートメモリからなるユニットメモリ370内の送信データエリアSDAに書き込む。ユニットメモリ370に書き込まれた稼動データは、伝送コントローラによる伝送ケーブルを介した管理装置400との間のデータ交信により管理装置400に送られる。管理装置400から送られて来るデータも、一旦ユニットメモリ370内の受信データエリアRDAに書き込まれ、ユニットコントローラ351がこれを読み取ることによってデータの受信が行なわれる。ユニットメモリ370には送信データや受信データがメモリ内にあることを相手方のコントローラに伝えるためのコマンドやステータス情報の入る共有データエリアCDAが設けられている。
【0143】〔表12〕、〔表13〕および〔表14〕に、各々上記ユニットメモリ370内の送信データエリアSDA、受信データエリアRDAおよび共有データエリアCDAの構成例を示す。
【0144】
【表12】


【0145】
【表13】


【0146】〔表13〕に示すように、この実施例ではカードCDの来歴データも受信して、これを時刻データとともにレシートに印刷して排出することにより、遊技客に対し信頼度の高い精算データであることを印象づけることができる。ただし、来歴データはカードファイル内に入っている最高20回までのデータである。
【0147】
【表14】


【0148】なお、上記〔表12〕に示されているモニタ情報1は、〔表15〕に示すようにシステム立上り時のテスト実行中を示すビット、初期値設定/未設定を示すビット、ホットコードエラーを示すビット、ローカルネットワーク(伝送ケーブル500)の異常を示すビット(低層用と高層用の2ビット)、精算機異常を示すビット等により構成されている。
【0149】
【表15】


【0150】また、モニタ情報2は、〔表16〕に示すようにプリンタの異常を示すビット、カードリーダの異常を示すビット、硬貨タンク内の状態を示すビット、硬貨払出機の硬貨詰まりを示すビット、硬貨払出機の異常を示すビット、紙幣払出機の紙幣タンク内の状態を示すビット、紙幣払出機の異常を示すビット等により構成されている。
【0151】
【表16】


【0152】次に、前述のごとく構成されたパチンコ機100、カード発行機200および精算機300を統括的に制御するとともに稼動データをリアルタイムに収集して、停電や故障が発生しても復旧時に直ちに元のデータ状態を復活させてシステム各部の動作を再開させ、また遊技店の経営に必要なデータの集計を可能にする管理装置400について説明する。
【0153】図15に管理装置400の具体的な構成を、また図16に管理装置400のシステム構成を示す。
【0154】管理装置400は、オフィスコンピュータとほぼ同等な構成とされている。
【0155】すなわち、中央処理装置CPUや半導体メモリ(RAM)からなる主記憶装置M−MEM、タイマ(カレンダを含む)、TMR、通信制御装置SCC等が格納されたコントロールボックス401と、このコントロールボックス401の上部に設けられた補助記憶装置としてのフロッピディスク記憶装置(FDD)402、ハードディスク記憶装置(HDD)403と、収集データ等を印字するためのプリンタ404と、メッセージや収集データを表示するCRT表示装置405と、オペレータが中央処理装置に対し指令や設定データを与えるためのコンソール406とにより、管理装置400が構成されている。
【0156】上記プリンタ404は、管理装置400のスループットを向上させるため、印字されるデータを一時的に格納するバッファ404aを備えている。
【0157】さらに、この管理装置400には、パチンコ遊技システムに特有なものとして、各端末からシステムにアクションを起こさせる媒体としてのテスト用カードを発行するカードリーダ407やパチンコ機100で発生する“打止め”等、システムで発生した緊急情報をリアルタイムで印字する補助プリンタ408が上記コントロールボックス401の上部に設けられている。
【0158】また、停電発生時に、主記憶装置M−MEMに揮発的に保持されている全ての端末の稼動データや、発行した全てのカードのデータをハードディスク記憶装置403に移して保護できるようにするため、最低でも10分間程度は管理装置400を動作できるようにする補助電源装置409が、上記コントロールボックス401の下方に設けられている。
【0159】なお、本実施例においては、主としてパチンコ機100とカード発行機200、精算機300および管理装置400からなるシステムについて説明するが、この発明は図16に破線X,Y,Zで示すように店内放送装置Xや景品交換装置Y、自動販売機Z等をも管理装置400の制御下におくようにしたシステムにまで拡張することができる。特に景品交換装置Yは、カードを使って精算機300を通さずに直接景品と交換できるような方式を容易に適用する可能性がある。
【0160】さらに、管理装置400を構成するコンソール406も、本実施例のパチンコ遊技システムに最も適した独特のキー構成となっている。
【0161】図17に、コンソール406の構成例を示す。同図(B)はコンソール406の上面すなわちパネル面、同図(A)はコンソール406の背面を示す。
【0162】図17において、421はシステムの各端末に対する営業開始を指示するための開店スイッチ、422は同じく営業終了を指示するための閉店スイッチで、開店スイッチ421がオンされた後、閉店スイッチ422がオンされるまでの間、各端末機におけるカードの運用が可能となる。また、423は営業終了後に全端末機の稼動データをフロッピディスク記憶装置402に格納し、管理装置400へ動作の停止を指示するための終了スイッチ、424は破損したカードの復活処理を指示するためのカード復活スイッチである。
【0163】なお、上記開店スイッチ421、閉店スイッチ422、終了スイッチ423およびカード復活スイッチ424の4つのスイッチは、本システムにとって特に重要なスイッチであり、システム稼動中安易に操作されるのを防止するため、その後方(図では上方)に設けられたキースイッチ420に連動されており、キースイッチ420を回してオンさせた状態でないと各スイッチ421〜424を操作してオンさせることができないようになっている。
【0164】425,426,427は、通常のパーソナルコンピュータ等のコンソールに設けられているのと同種のテンキー、リターンキーおよびデリートキーである。
【0165】一方、428はカードに関するデータや各端末の稼動データ等をCRT表示装置405の画面上に表示させる指令を与える表示メニュースイッチ、429はCRT表示装置405に表示されたデータの消去を要求するCRTクリアスイッチである。また、430はカードに関するデータや各端末の稼動データ等をプリンタ404によって印字させる指令を与える印字メニュースイッチ、431はプリンタ404による印字の中止を要求する印字ストップスイッチである。432はパチンコ機100における打止数や打止モード等の設定を要求するための設定スイッチ、433は、設定された打止数の賞品球が払い出されて打止すなわち遊技継続不能状態になっているパチンコ機100の打止状態の解除指令を与えるための打止解除スイッチ、434は、通信ネットワークの異常等に伴い正常な制御やデータ収集が不能になった場合、あるいは遊技客の不正を発見した場合に特定端末もしくは全端末に対する強制停止を要求するための強制終了スイッチ、435は強制停止された端末の停止を解除させるための終了解除スイッチ、439は日時設定用スイッチである。
【0166】また、実施例のコンソール406には、パチンコ機100での打止等緊急事態が発生した場合にオペレータの喚起を促す音を発生するブザー440と、その発音停止を指示するブザーストップスイッチ436とが設けられている。
【0167】上記各スイッチのうち、図中2重枠で示されているスイッチ421〜424,432〜436は、ランプ内蔵型のスイッチで、これらのスイッチがオンされて対応する処理の実行中もしくは状態継続中、内蔵ランプが点灯される。ただし、ブザーストップスイッチ436内のランプは、ブザーと連動し、ブザー発音中点灯され、ストップスイッチ436が押されると消灯する。
【0168】さらに、この実施例のコンソール406には、その背面に、テストカード発行指令を与えるためのテストカードスイッチ437と、システム導入時に購入玉の交換レートや店コード、端末機の総台数、入賞球1個当たりの賞品球数等の設定値の設定要求を行なうためのビルトインスイッチ438が設けられている。これらのスイッチ437と438は、他のスイッチと異なり、通常はほとんど使用しないスイッチであり、かつ特定の者(遊技店の支配人等)が存在を知っていればよいスイッチであるため、コンソール406の背面に設けられている。
【0169】ここで、上記テストカードについて言及する。既に説明した構成より明らかなように、この実施例の遊技システムは、すべての端末機(パチンコ機100、カード発行機200、精算機300)が管理装置400の制御下にあり、カード番号等のやり取りによって稼動可能な状態に移行するようになっており、端末単独では動作不能である。しかるに、パチンコ機100は使用頻度が高いため、玉詰まりやいわゆるチューリップなどの役物が故障したりすることが多いとともに、出玉率の調節のため遊技領域内の釘調整が必要である。その場合、修理や釘調整後に試し打ちを行なうことになるが、システム全体を立ち上がらせてしかも購入カードによってのみパチンコ機100を作動させる方式では非常に不便である。
【0170】そこで、本実施例では、前述した各パチンコ機100の制御ユニット160内のテスト用スイッチ171をオンさせ、かつ管理装置400によって発行された特殊なテスト用カードを制御ユニット160のカード挿排口161より挿入すると、一定の持玉数が与えられてパチンコ機100単独で遊技動作が実行可能になるように構成されている。
【0171】なお、管理装置400に設けられたカードリーダ407は、図4に示すカード発行機200内のカードリーダ220と略同じ構成である。ただし、カード発行機200と異なり、内部に白紙カードを有さず、外部から白紙カードを挿入して所定のコードを記録する方式を採っているため、カードタンク821とカード取出装置822を持っていない。
【0172】また、管理装置400により発行される前記テストカードや復活カードは必ずしも他の一般カードのように使用年月日や番号等を明記する必要がないので、印字装置も不要である。そして、復活カード発行の際には穿孔装置807によってカードの所定の穿孔位置PH2にパンチ穴が開けられる。
【0173】なお、テストカードの表面に、前記カードCDやカードCD’と同様のクリーニング領域HCNを設けて、このテストカードを発行する管理装置400の前記カードリーダ407が備える磁気ヘッドや、このテストカードが適用されるパチンコ機100のカードリーダ180の磁気ヘッド808を清掃できるようにしてもよい。
【0174】上述したように、この実施例の端末機100,200,300はすべて管理装置400の管理下に置かれ、管理装置400が起動されていないと、原則として単独で動作できない。従って、システムの立上り時には管理装置400によってすべての端末機に設定値を与えてイニシャライズを行なう。しかも、このイニシャライズに先立って、データ伝送を可能にするため各端末機から台番号を吸い上げて1つ1つの伝送アドレスを形成する。そして、システム稼動中はすべての端末機の稼動データをリアルタイムで収集して主記憶装置M−MEMに保持するようになっている。
【0175】このように、本実施例では管理装置400の取扱うデータの量は膨大なものとなる。
【0176】そこで、実施例ではこれらのデータをファイル管理により整理して取扱いを容易にしている。
【0177】〔表17〕に管理装置400によって管理されるデータのファイル構成例を示す。
【0178】これらのファイルは通常主記憶装置M−MEM内に記録されるが、すべてのファイルは停電時にハードディスク記憶装置403にセーブされる。また、端末機に関するデータファイルすなわちパチンコ機ファイル(以下P機ファイルと称する)、発行機ファイルおよび精算機ファイルは、営業終了時にフロッピーディスク記憶装置402に記憶され、月別の稼動データ集計等に供される。
【0179】
【表17】


【0180】次に、〔表17〕に示されている各ファイルについて更に詳しく説明する。
【0181】同表における設定値ファイルFL1は、システム導入時にコンソール406の入力によって予めハードディスク記憶装置403に記憶される購入玉の交換レートや店コード、端末台数、賞品球数、打止数等のシステムの特性や構成に応じて変動する設定値である。
【0182】この設定値ファイルは通常営業開始時にハードディスク記憶装置403より主記憶装置M−MEMにロードされる。また、設定値ファイルFL1は、パチンコ機の入替えの際等にビルトインスイッチを押してコンソール406より更新できるようになっている。
【0183】〔表18〕に設定値ファイルFL1の構成例を示す。
【0184】
【表18】


【0185】同表において、購入玉交換レートとは、購入金額単位(例えば200円)に対する貸玉数すなわち最初の持玉数であり、NAU台数とは、データ伝送システムとしての高層ネットワークと低層ネットワークとの連結部に設けられるネットワークアダプタユニット(通信制御装置)の総数である。また、符号iで示されるテーブルには、あるパチンコ機からあるパチンコ機までの賞品球数が設定される。この賞品球数には1台につき2種類の賞品球数が設定できるようになっている。しかも、i=1〜16で示されるようにこの実施例では、遊技店の全パチンコ機100,100・・・を16のグループに分割して、各々メインとサブの2つの賞品球数を別個に設定できるようになっている。ただし同一の設定値のパチンコ機100には連続した台番号が与えられ、その先頭番号と末尾番号とによって対象範囲が指定される。
【0186】さらに、jで示されるテーブルには打止数が設定され、kで示されるテーブルには打止モードが設定される。ここで、打止モードとは、打止数の算出の仕方(演算式)を示し、例えば単純に払出し賞品球数が打止数に達したときをもって打止とするモードや、払出し賞品球数から打込球数を引いたものが打止数に達したときをもって打止めとするモード等がある。特に限定はされないが、この実施例ではj=1〜16,k=1〜16で示されるように、各々16のグループに分けて独立に打止数および打止モードを設定できる。
【0187】〔表19〕に、データ伝送に使用される伝送アドレスのファイルFL2の構成例を示す。
【0188】
【表19】


【0189】〔表19〕において、種別フラグは端末の種類を示すためのフラグで、「1」がパチンコ機、「2」がカード発行機、「4」が精算機であることを、そして、「0」が端末の不存在を各々示す。台番号および通し番号は「4」と「9」を除いて作られた端末機の番号とその通し番号であり、ユニット番号は、端末の種類にかかわらず一つのNAU(ネットワークアダプタユニット)の下に置かれた各端末機の番号すなわち後述の低層ネットワーク上でのアドレスとなる番号、またチャネル番号は管理装置から見た各端末機のアドレスすなわち後述の高層ネットワーク上でのアドレスとなる番号である。ただし、実施例のシステムでは一つのNAUの下に接続されるパチンコ機台数を64台以下としている。
【0190】NAU番号と台番号は既に述べたように設定スイッチ(173,205,305,561)で与えられる番号で、パチンコ店の場合、パチンコ機100の台番号は、慣例として「4」と「9」を除いた数字で与えられる飛び番号である。ここで「4」と「9」を使用しないということは8進法表現が可能であることが分かる。そこで、10進数表示された台番号を表20に示す変換テーブルを使って0〜7の数字のみで表現する。これに従うと、例えば「258」なる台番号は「247」と表記される。
【0191】
【表20】


【0192】これを2進化8進法によりバイナリコードで表現すると、「010・100・111」となる。このコードは10進法の「167」を示しており、これによって、「4」と「9」の抜けたパチンコ機台番号が連続した通し番号となる。
【0193】一方、低層ネットワーク上でのアドレスを8ビットに抑えるため上記コードの下位8ビットをとって、これを2進化8進法で表されたコード「1010・0111」とみなし、これをHEXA表現すると、「A7H」となる。さらに、一つのNAU下にはパチンコ機100以外に発行機200や精算機300等の端末機も接続されており、それらにも8ビットのユニット番号を与えるため、一つのNAU下のパチンコ機の台数を64台に制限し、上記コード「A7H」とコード「3FH」との論理積をとって「27H」を得る。この実施例ではこれをユニット番号とするものである。そして、このユニット番号の頭にNAU番号を付けた「NAU番号+ユニット番号」をチャネル番号としている。
【0194】このような方法により、「4」と「9」を使用しない台番号を有するパチンコ遊技店の慣例において、2進法のみを使ってデータ処理を行なうマイクロコンピュータの特性に合致した効率の良いアドレス処理が可能となる。
【0195】ちなみに、低層ネットワーク上におけるNAUアドレスには「FFH」番地を与え、発行機200や精算機300にはユニット番号として「41H」〜「EFH」の一つを与えるようにしている。
【0196】上記ファイルは、回線テスト後の管理装置400によるユニットテーブル要求の返答データに基づいて全端末機について作成されている。
【0197】〔表21〕にカードファイルFL3の構成例を示す。カードファイルFL3には、各カードごとの情報が入る。
【0198】
【表21】


【0199】同表において、カード番号(識別符号)は発行通し番号nから関数f(n)を用いて、得られる番号であり、持玉数と金額、カード状態は発行通し番号nとカード番号で特定されるカードの現在状態を示す情報で、この実施例では以下カードテキストと称する。
【0200】なお、ここでカード状態とは、〔表22〕に示すように、遊技に使用されていないフリー状態を示すビット、遊技中を示すビット、遊技機から一時的に離れる中断中を示すビット、既に精算機における精算を行なったカードであることを示すビット、カードの持玉数および残金がともにゼロになったことを示すビット、過去に1回以上打止めを発生したことを示すビット、強制終了されたパチンコ機で使用されたカードであることを示すビット、復活されたカードであることを示すビット等により構成されている。
【0201】
【表22】


【0202】一方、〔表21〕に戻って、カードファイルFL3には、カードの現在存在している端末の位置を示す所在端末通し番号と、所在端末番号が登録される。パチンコ遊技店では慣例として、「4」と「9」の数字を台番号として用いないので、裏と表の2種類の端末番号が発生する。
【0203】また、〔表21〕においてiカウンタとはカードがアクションを起こした数すなわち、カードが有機的結合体たるシステムから外部へ排出動作された回数を示すもので、この回数に対応して、そのときの台番号、持玉数、金額、時刻等のカード情報すなわちカードの来歴が記録される。統計的に見て遊技者は1日20台以下のパチンコ機で遊技するのがほとんどであるので、この実施例では最高20回までカード来歴を記録することとした。ただし、20回を超えた場合には、i=20で示されるテーブルを更新する形で記録される。なお、上記の場合、iカウンタは遊技中断を計数しない。つまり、中断時に各カード情報を新しいエリアに記録するが、中断解除後の遊技終了スイッチオン時にカウンタを更新せず同一エリアに重ねてカード情報を記録することによりiカウンタの値を実質的な遊技台数と一致させている。
【0204】ここで、カードの状態およびアクションとカードファイルFL3ヘのカード情報の登録について図1818を用いて説明する。
【0205】先ず、カード発行機200においてカードCDの発行が行なわれると、カードCDが排出されて、カードCDは未発行(白紙)状態SS0からフリー状態SS1に移行する。それから、所望のパチンコ機100にカードCDを挿入すると、V技状態SS2へ移行する。ここで遊技によってカードCDの持玉および金額がゼロになると、カードCDが排出されて帰零状態SS3に移る。また、遊技中に中断スイッチ115が押されると、カードCDが排出されて、中断状態SS4へ移行し、同一カードの再投入により再び遊技状態SS2へ戻る。
【0206】そして、遊技中に遊技を終了させるべく終了スイッチ114を押すと、カードCDが排出されてフリー状態SS1に移行する。CPUによる強制終了または打止発生によってもカードが排出されて遊技状態SS2からフリー状態SS1へ移る。そのフリー状態のカードCDを持って精算機300に行き精算処理を行なうと、無効マークが付されてからカードCDが回収され精算済の状態SS5へ移る。この実施例のシステムでは、中断状態SS4のカードCDを持ってパチンコ機100に戻らずそのまま精算機300に行き、精算処理を行なうことも可能でありその場合、中断状態SS4から精算済状態SS5へ移行する。
【0207】上記状態遷移図において、遷移方向を示す矢印に○が付されているのがカードファイルFL3へのカード情報の記録を伴うアクションである。また、各ブロック内にて、××Hで示されている符号は、〔表22〕のカード状態を示すコードを用いて対応する状態を16進数字で表現(HEXA表現)したものである。
【0208】次に、〔表23〕にP機ファイルFL4の構成例を示す。
【0209】同図において、台番号からカード状態までの項目は、〔表6〕に示されている送信データエリアに保持されているデータであり、これらは1秒に1回管理装置400によってサンプリングされ、ファイルに登録される。また、メイン賞球数、サブ賞球数、打止数および打止モードは、システム立上り時に〔表18〕に示されている設定値ファイルFL1に基づいてP機ファイルFL4に登録される。
【0210】
【表23】


【0211】〔表24〕および〔表25〕に発行機ファイルFL5と精算機ファイルFL6をそれぞれ示す。〔表24〕に示すデータ項目は、〔表1〕に示されている発行機の送信データエリアに保持されているデータ、また、〔表25〕に示すデータの項目は〔表12〕に示されている送信データエリアに保持されているデータと各々一致する。これらは、1秒間に1回、管理装置400によってサンプリングされる。
【0212】
【表24】


【0213】
【表25】


【0214】〔表23〕〜〔表25〕において、セーブ欄に○印が付されているデータは、営業終了時にフロッピディスク記憶装置402にセーブされるデータである。
【0215】次に上記のごとく構成された端末機としてのカード発行機100、パチンコ機200、精算機300およびそれらの端末機の集中制御を行なう管理装置400を有機的に結合して、データ伝送およびカードの運用を可能にするデータ伝送路(ローカルエリアネットワーク)について説明する。図19に階層的データ伝送路を用いたパチンコ遊技システムの構成例を示す。
【0216】すなわち、100〜1000台の端末機は、例えば遊技店の島設備のような単位で20〜40台ずつグループ化され、各群の端末機は、リング状の伝送路上を高速で巡回するトークンと呼ばれるアクセス権をつかまえたノード(端末機)がパケットの形でデータの送受信を行なう権利を有するようにされたトークンパッシング方式の低層ネットワーク(トークンバス)510によってネットワークアダプタユニット(以下、NAUと称する)530に接続されている。
【0217】そして、低層ネットワーク各(トークンバス)510を制御する複数個のNAU530は、CSMA/CD方式の高層ネットワーク520を介して管理装置400に接続されている。
【0218】上記低層ネットワーク510は2.5Mbps(メガビット/秒)のような伝送速度を有し、高層ネットワーク520は、10Mbpsのような伝送速度を有するように制御され、NAU530は両者の伝送速度の差を吸収して円滑なデータ伝送を可能とするバッファとして作用し、これによって、管理装置400の負担を軽減し、大量の稼動データの収集を可能にしている。
【0219】図19において符号Pで示されているが端末機としてのパチンコ機100、符号Hで示されているのがカード発行機200、また符号Sで示されているのが精算機300である。
【0220】各端末機P,H,Sは、図3、図6、図7および図13に示すようなケーブル分岐回路540によって低層ネットワーク510から分岐された分岐線に接続されている。各分岐線の終端に各々の端末機の制御ユニット160,250および350が接続されている。図19において符号Uで示すのが、各端末機の制御ユニットである。
【0221】図20に、各端末機に共通の制御ユニットの構成例を示す。
【0222】すなわち、各端末機の制御を行なうユニットコントローラ190(251,351)と低層ネットワーク510との間には、パラレル通信手段としてのユニットメモリ170(270,370)と、ユニットコントローラ190(251,351)の動作を妨げることなくデータの送受信を行なうデータ伝送コントローラ551と、データ伝送の高速化を図るため送受信データをパケットの形で保持する緩衝用パケットメモリ552と、低層ネットワーク(トークンバス)510での送受信権を確立するとともに、送信するパラレルデータをシリアルデータに変換したり、受信したシリアルデータをパラレルデータに変換する通信制御用のネットワークコントローラ553と、送受信データ信号のレベル変換を行なうレベル変換回路554と、送信信号と受信信号の分離および結合を図るためのケーブル分岐回路540とが接続されている。上記コントローラ551と553は各々マイクロコンピュータで構成され、パケットメモリ552は、ユニットメモリ170と同じくデュアルポートメモリにより構成されている。
【0223】ただし、パケットメモリ552内にはコマンドの入る共有データエリアはなく、データ伝送コントローラ551とネットワークコントローラ553との間の送信、受信の要求のやり取りは、コントローラ間で直接行なわれるようになっている。
【0224】図21に、上記低層ネットワーク510と高層ネットワーク520間のデータ伝送の緩衝を行なう上記NAU(ネットワークアダプタユニット)530の回路構成例を示す。
【0225】この実施例のNAU530は、低層ネットワーク510における送受信権の確立およびデータの直並列変換を行なう低層ネットワークコントローラ533と、CSMA/CD方式の高層ネットワーク520における送受信権の確立およびデータの直並列変換を行なう高層ネットワークコントローラ537と、これらのネットワークコントローラ533と537との間のデータ転送を制御するデータ伝送コントローラ535とを備えている。
【0226】上記コントローラのうち、低層ネットワークコントローラ533は、トークンパッシング専用の通信用LSIからなり、高層ネットワークコントローラ537とデータ伝送コントローラ535は、汎用マイクロコンピュータによって構成されている。
【0227】そして、これらのコントローラ533と535との間および535と537との間には、低層ネットワーク510と高層ネットワーク520のデータ伝送速度違いを吸収するための緩衝用パケットメモリ534と536とがそれぞれ接続されている。上記パケットメモリ534,536はデュアルポートメモリにより構成され、送信データエリアと受信データエリアとを有する。また、上記低層ネットワークコントローラ533と低層ネットワーク(トークスバス)510との間には、送信信号と受信信号の分離および結合を行なう分岐回路531と、送受信データ信号のレベル変換を行なうレベル変換回路532が接続されている。また、同様に、高層ネットワークコントローラ537と高層ネットワーク520との間には、レベル変換回路538と分岐回路539が接続されている。
【0228】さらに、この実施例のNAU530には、複数個接続されているNAUを互いに区別するための番号を設定するNAU番号設定器561と、各NAU530の制御下にある低層ネットワーク510上に存在する端末機のうち最小台番号を設定する最小台番号設定器562と、低層ネットワーク上に存在する端末機の台数を設定する台数設定器563とが設けられている。各設定器561〜563の設定値は、NAU530内のデータ伝送コントローラ535に入力され、NAU番号は高層ネットワーク520における各NAUの伝送アドレスの形成に使用される。また、最小台番号と台数とにより低層ネットワーク510における各端末機の伝送アドレスが形成される。
【0229】上記階層的ローカルネットワーク500(図19)においては、システム立上り時に管理装置400が各NAU530を通じて回線テストと、各端末機に対する設定値の設定を行なうとともに、システム稼動中にはNAU530が低層ネットワーク510を使用して1秒間に1回ずつ端末機P,H,Sから稼動データを収集して自己のメモリ内に蓄積する。そして、蓄積データは、管理装置400からの要求に応じて同じく1秒間に1回ずつ高層ネットワーク520を通して各NAU530から管理装置400内のデータファイル内にストックされる。
【0230】上記のごとく、通信ネットワークがNAU530をバッファとする階層的構成にされ、高層ネットワーク520が低層ネットワーク510の伝送速度2.5Mbpsの4倍の伝送速度を有するようにされているため、100〜1000台の端末機を有するシステムにおいても、各端末機から〔表1〕、〔表6〕、〔表12〕に示すような大量の稼動データを1秒間に1回、管理装置400へ収集することができる。
【0231】次に、パチンコ機100のカードリーダ180によるカードの運用方法の一例を図22および図23R>3を用いて説明する。なお、このフローは真偽鑑別物理層が1つだけ設けられているカードを対象とした手順を示す。
【0232】カードリーダ180の挿排口801にカードが挿入され、センサ1(811)がこれを検出すると、搬送モータ802が正転されるとともに、コントローラ188内に用意された排出フラグがクリアされる(ルーチンR1〜R3)。モータ802の正転によってカードが内部に取り込まれるが、このときモータ802の回転を検出するセンサ5(815)から検出パルスが入って来るとカウンタがパルス数を計数して、コントローラ188がその計数値から回転角を演算し、所定位置すなわち真偽鑑別物理層TF1がセンサ2(812)に対向する位置までカードが進入したときにモータ802の回転が停止され、センサ2により真偽鑑別物理層TF1が走査され、その検出信号に基づいて挿入されたカードが正規のカードであるか否か判定する(ルーチンR4〜R7)。
【0233】ここで、正規のカードであると判定した場合にはルーチンR8でモータを正転させてから、また正規カードでないと判定した場合にはルーチンR9で排出フラグセットをセットしてから、それぞれルーチンR10へ移行する。なお、真偽鑑別物理層の数が4個の場合には、上記ルーチンR5〜R8の手続きを4回繰り返してからルーチンR10へ進む。
【0234】ルーチンR10では、カードCDの発行孔形成箇所PH1が読取り用のセンサ3(813)に対向する位置に来たか否か判定する。そして、読取位置に来たときにセンサ3の信号を読み込んでパンチ穴が開いているか否か判定し(ルーチンR11,R12)、開いていないときはルーチンR13で排出フラグをセットしてから、また開いているときはそのままルーチンR14へ移行する。
【0235】ルーチンR14では、カードCDの復活孔形成箇所PH2が読取り用のセンサ3(813)に対向する位置に来たか否か判定する。そして、読取位置に来たときにセンサ3の信号を読み込んでパンチ穴が開いているか否か判定し(ルーチンR15,R16)、開いていないときはルーチンR17で排出フラグをセットしてから、また開いているときはそのままルーチンR18へ移行する。
【0236】ルーチンR18では、カードCDの帰零孔形成箇所PH4が読取り用のセンサ3(813)に対向する位置に来たか否か判定する。そして、読取位置に来たときにセンサ3の信号を読み込んでパンチ穴が開いているか否か判定し(ルーチンR19,R20)、開いているときはルーチンR21で排出フラグをセットしてから、また開いていないときはそのままルーチンR22へ移行する。
【0237】ルーチンR22では、カードCDの精算孔形成箇所PH5が読取り用のセンサ3(813)に対向する位置に来たか否か判定する。そして、読取位置に来たときにセンサ3の信号を読み込んでパンチ穴が開いているか否か判定し(ルーチンR23,R24)、開いているときはルーチンR25で排出フラグをセットしてから、また開いていないときはそのままルーチンR26へ移行する。
【0238】ルーチンR26では、センサ5からのパルス数に基づいて磁気データの読取位置に来たか否か判定し、ノー(否)ならばルーチンR29へ進み、イエスならばルーチンR27へ進んで磁気記録部MGに記録されているデータ(図2の(B)参照)を磁気ヘッド808で読み取った後、そのデータをコントローラ188内のレジスタもしくはRAM内に一時的に記憶して(ルーチンR28)からルーチンR29へ進む。
【0239】ルーチンR29では、カードリーダ最奥部のセンサ4(814)がカードのエッジを検出したか否か判定し、ノーならばルーチンR4へ戻って上記手順を繰返し、センサ4がカードのエッジを検出した時点でルーチンR30へ進んで、ここでモータを停止させてから、図23に示すデータ鑑定処理へ移行する。
【0240】なお、上記フローにおいては、ルーチンR9,R13,R17,R21,R25で排出フラグをセットした後、メインの流れに戻るようになっているが、符号Zで示すように、直ちに図23のデータの鑑定処理へ移行するようにしてもよい。
【0241】図23に示すデータ鑑定処理においては、先ずルーチンR50で排出フラグが「1」にセットされているか判定して、「1」でないときにのみ本来のデータ鑑定処理R51〜R65へ進み、排出フラグが「1」のときは、ルーチンR71へ移行してモータの逆転を開始し、それからセンサ5のパルス数でカウンタをカウントダウンさせ、カウンタの値を見ながらカード排出位置に来たと判定したときに、モータ802の回転を停止させるようにしている(ルーチンR72〜R74)。このとき、センサ1の信号を併用してそれがオフになったときにモータ802を停止させるようにしてもよい。
【0242】ルーチンR51へ進むと、図22の処理ルーチンR28で記憶しておいた磁気データを、例えば4ビット単位で記憶した順序で読み出す。記憶した磁気データの先頭にはダミーデータが入っているので、読み出したデータが最初の有効データである補助データSTXに一致しているか判定し(ルーチンR52)、補助データSTXが読み出されるまで、ルーチンR53を経てR51を繰り返す。そして、補助データSTXが読み出された時点で次のルーチンR54へ移行するわけであるが、補助データSTXが破壊されていた場合には、ルーチンR52でイエスの判定がでなくなるので、所定の数のデータを読み出してもSTXが出て来ないときは、ルーチンR53でデータ数オーバーとして、前述のルーチンR71へ進み、カードの排出処理を実行する。
【0243】一方、正しい補助データSTXが読み出されてルーチンR54へ移行した場合には、次の磁気データを読み出してそれが正しい識別コードと一致するか否か判定する(ルーチンR55)。識別コードが一致すると次のルーチンR56へ進み、一致しないとルーチンR71のカード排出処理へ移行する。
【0244】ルーチンR56では、次の磁気データを読み出して来て、ルーチンR57でそれが予め設定された年月日と一致するか否か判定する。年月日が一致するとルーチンR58へ進み、一致しないとルーチンR71のカード排出処理へ移行する。
【0245】ルーチンR58では、次の磁気データであるカード番号No.を読み出して、ルーチンR59でそのカード番号を他の記憶エリアに記憶する。それから、ルーチンR60で次の記憶磁気データの読み出しを行うが、それは予備コードであるのでルーチンR61でスキップして破棄し、ルーチンR62へ進む。ここで、次の磁気データを読み出し、そのルーチンR63でそのデータが補助データETXと一致するか否か判定し、一致するとルーチンR64へ進み、一致しないとルーチンR71のカード排出処理へ移行する。
【0246】ルーチンR64では、これまでに読み出したデータSTXからETXまでの各ビット列ごとのチェックコード計算を行ってからルーチンR65へ進み、次の磁気データたるチェックコードLRCを読み出す。そして、ルーチンR66でその読出データLRCがルーチンR64で計算したチェックコードと一致するか判定を行い、一致すると、図24の番号鑑定処理へ移行し、一致しないときはルーチンR71のカード排出処理へ移行する。
【0247】このようにして、図23のフローでは磁気データにより正規のカードであるか否かの鑑定を行っている。一方、図22のフローではルーチンR5〜R9でカード上の真偽鑑別物理層によるカードの鑑定を行っている。そのため、カードのコピーによる不正を確実に排除することができる。また、図22のフローでは、ルーチンR10〜R25において、パンチ穴PH1〜PH5を用いたカード状態の判定を行い、ここでパチンコ遊技が可能なカードであるか否か判別できるので、次に説明する管理装置400によるカード番号の鑑定処理を行わずに直ちに遊技不能なカードをカードリーダ180から排出することができる。
【0248】次に、管理装置400によるカード番号の鑑定の手続きについて図24を用いて説明する。
【0249】カードリーダ180のコントローラ188は、図23のデータ鑑定処理中のルーチンR59で所定のエリアに記憶したカード番号No.を制御ユニット160のユニットコントローラ190に転送する(ステップS1)。すると、そのデータ(カード番号)はユニットメモリ170内の送信エリアSDAに格納され、カードリーダにカードが挿入されせたことを知らせる“カードイン”パケットに入れられてネットワーク500を介して制御ユニット160から管理装置400に送信される(ステップS2)。
【0250】管理装置400では、カード番号を受け取ると発行通し番号nを算出し(ステップS3)、その発行通し番号nを使ってカードファイルFL3〔表21〕を検索する(ステップS4,S5)。そして、対応するファイルが見つかるとそのファイルを読み込んで(ステップS6)、カード状態が「フリー」になっているか判定する(ステップS7)。カード状態が「フリー」以外のときおよびステップS5でファイルが見つからなかったときは、ステップS10で応答拒否たる“NAK”を送信し、カードファイルがありその中のカード状態が「フリー」のときは、カードファイルを更新してカード状態を「遊技中」に変更するとともに、カード番号No.を送って来たパチンコ機100の端末番号を所定の欄に書き込む(ステップS8)。それから、肯定応答たる“ACK”にカードテキスト(カード情報)を入れて送信する(ステップS9)。
【0251】“カードイン”パケットを送信した制御ユニット160は、管理装置400から応答があると、その応答が“NAK”か“ACK”か判定し(ステップS11)、“ACK”を受信したときは、制御ユニット前面の表示器162,163に管理装置400から送られて来たカードテキストを参照して未使用金額と持玉数を表示させる(ステップS12)。
【0252】それから、アナログ表示器164のランプを持玉数に比例した数だけ点灯させてから(ステップS13)、打球発射装置111を駆動させる(ステップS14)。また、ユニットメモリ170の送信エリアSDA内のパチンコ機稼働情報を「遊技中」に変更してから(ステップS15)、出玉数や回収球数の演算等の遊技処理ルーチンへ移行する(ステップS16)。
【0253】一方、ステップS11で“NAK”受信と判定すると、カードリーダ180のコントローラ188に対して排出指令を与える(ステップS17)。
【0254】コントローラ188がこの排出指令を受けると、図23に示したルーチンR71〜R74と同一手順からなるカード排出処理を実行してからカード挿入待ち状態となる(ステップS18,S19)。排出指令がないときはカードリーダ180内にカードを保持したまま、他のカードの受付を禁止する状態になる(ステップS20)。このとき、カードCDの磁気記録部MGの予備エリア(RSU)に、持玉数データや残高金額データ等の有価データを書き込んで排出してもよい。
【0255】次に図25を用いてパチンコ機100に設けられた遊技の終了スイッチ114(図6,図7参照)がオンされた場合の制御手順について説明する。
【0256】終了スイッチ114がオンされ、制御ユニット160のユニットコントローラ190がこれを確認すると、打球発射装置111の駆動を停止させる(ステップS101,S102)。
【0257】次に、ユニットメモリ170の送信エリアSDA内のカード状態を「フリー」に変更してから、終了スイッチがオンされたことを知らせる“終了SW”パケットにカードテキストを入れて管理装置400へ送信する(ステップS103,S104)。そして、管理装置400から“ACK”応答を受けると、玉数表示器163と金額表示器162の表示を「0」に変更する(ステップS105,S106)。それから、ユニットメモリ170の送信エリアSDA内のパチンコ機稼働情報を「フリー」に変更した後、カードリーダ180に対してカード排出指令を与える(ステップS107,S108)。しかる後、制御ユニット160は、アナログ表示器164のランプをスクロールさせて“客待ち”状態を知らせる表示を行う(ステップS109)。
【0258】一方、カードリーダ180の制御ユニット188は、上記ステップS108における制御ユニット160からのカード排出指令を受信すると(ルーチンR101)、搬送モータ802を送転させる(ルーチンR102)。そして、モータの回転角を検出するセンサ5(815)のパルスを計数するカウンタを、入ってきたパルスの数だけカウントダウンさせ(ルーチンR103)、カードの遊技孔形成箇所PH3がセンサ3に対向する位置までカードが移動したか否か判定し(ルーチンR104)、イエスになるとルーチンR105へ進む。ルーチンR105ではモータ802の回転を停止させ、次に穿孔装置807を駆動して、遊技孔形成箇所PH3にパンチ穴を開けた後(ルーチンR106)、モータの逆転を再開させる(ルーチンR107)。そして、再びセンサ5のパルスを計数(カウントダウン)して、カード排出位置に来たと判定したときにモータ802の回転を停止させて、カードの排出が終了する(ルーチンR108,R109,R110)。このように、一度遊技に使用されたカードは穿孔装置807によりパンチ穴が所定の位置に開孔されて排出される。
【0259】次に、図26を用いて、パチンコ機100における遊技中にカードの持玉数と未使用金額がともに零になる帰零状態が発生した場合の制御手順を説明する。
【0260】制御ユニット160内のユニットコントローラ190が、遊技中に帰零が発生したと判定すると、打球発射装置111の駆動を停止させる(ステップS201,S202)。
【0261】次に、ユニットメモリ170の送信エリアSDA内のカード状態を「フリー」に変更してから、帰零が発生したことを知らせる“帰零”パケットにカードテキストを入れて管理装置400へ送信する(ステップS203,S204)。
【0262】そして、管理装置400から“ACK”応答を受けると玉数表示器163と金額表示器162の表示を「0」に変更する(ステップS205,S206)。それから、ユニットメモリ170の送信エリアSDA内のパチンコ機稼働情報を「フリー」に変更した後、カードリーダ180に対してカード排出指令を与える(ステップS207,S208)。しかる後、制御ユニット160は、アナログ表示器164のランプをスクロールさせて“客待ち”状態を知らせる表示を行う(ステップS209)。
【0263】一方、カードリーダ180の制御ユニット188は、上記ステップS208における制御ユニット160からのカード排出指令を受信すると(ルーチンR201)、搬送用モータ802を送転させる(ルーチンR202)。そして、モータ802の回転角を検出するセンサ5(815)のパルスを計数するカウンタを入ってきたパルスの数だけカウントダウンさせ(ルーチンR203)、カードの帰零孔形成箇所PH4がセンサ3に対向する位置までカードが移動したか否か判定し(ルーチンR204)、イエスになるとルーチンR205へ進む。ルーチンR205ではモータ802の回転を停止させ、次に穿孔装置807を駆動して、帰零孔形成箇所PH4にパンチ穴を開けた後(ルーチンR206)、モータ802の逆転を再開させる(ルーチンR207)。そして、再びセンサ5のパルスを計数(カウントダウン)して、カードの遊技孔形成箇所PH3がセンサ3対向する位置まで移動したか否か判定し(ルーチンR208,R209)、イエスになるとルーチンR210へ進む。
【0264】ルーチンR210ではモータ802の回転を停止させ、次に穿孔装置807を駆動して、遊技孔形成箇所PH3にパンチ穴を開けた後(ルーチンR211)、モータ802の逆転を再開させる(ルーチンR212)。そして、再びセンサ5のパルスを計数(カウントダウン)して、カード排出位置に来たと判定したときにモータ802の回転を停止させて、カードCDの排出が終了する(ルーチンR213,R214,R215)。
【0265】ただし、帰零発生によるカード排出時には、上記ルーチンR207〜R211を省略し、帰零孔形成箇所PH4にのみパンチ穴を開けて排出するようにしてもよい。
【0266】なお、上記実施例においては、カード状の遊技用記憶媒体として、磁気記録部を有し、その磁気記録部の延長上に情報読取部清掃手段を設けた磁気カードCD,CD’について説明したが、これに限定されるものではなく、情報記憶部として半導体メモリあるいはメモリを内蔵したシングルチップマイコンを搭載した所謂ICカードにおいて、そのICカードの表面に情報読取部清掃手段(クリーニング領域)を設け、カードリーダ側のICカード・インターフェースの接触用電極を清掃できるようにすることも考えられる。
【0267】また、上記実施例では、本発明に係る遊技用記憶媒体を遊技装置の一例として封入球循環方式のパチンコ遊技機を備えた遊技設備に適用した場合について説明したが、これに限定されるものでなく、例えば遊技用記憶媒体が記憶する有価データを各遊技機で実球に変換してそれを遊技機前面の供給皿から1個宛遊技機内部に供給して遊技を行うように構成された遊技機を備えた遊技設備その他記憶媒体により遊技を行なうものであれば、どのような構成の遊技機(パチンコ遊技機以外の遊技機を含む)を備えた遊技設備においても適用することができる。
【0268】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、カード状の遊技用記憶媒体は、その表面の所定部位に、記憶媒体読取装置の情報読取部を清掃する情報読取部清掃手段が設けられているので、遊技用記憶媒体が記憶媒体読取装置へ投入,排出される度に情報読取部を自動的に清掃することができ、遊技用記憶媒体の記憶手段に記憶された遊技に関連した情報の読取りや書き込みを常に確実に行なえるようにし、また、遊技店側の清掃作業の負担を軽減することができるという効果がある。
【0269】特に、遊技用記憶媒体の記憶手段が、前記記憶媒体読取装置への挿入方向に沿った帯状の磁気記録部で構成され、前記情報読取部清掃手段が前記磁気記録部の延長上に設けられるようにした場合には、この遊技用記憶媒体が記憶媒体読取装置に挿入され、磁気記録部が情報読取部に摺接して情報の読取り,書き込みを行なう際に、この磁気記録部の延長上にある情報読取部清掃手段も情報読取部に接触して移動するため、遊技客が普通に遊技用記憶媒体を記憶媒体読取装置に挿入するだけで情報読取部の清掃を確実に行なうことが可能となる。
【0270】また、前記情報読取部清掃手段を、記憶媒体を構成するカード状基板の表面に形成されたクリーニング剤の塗布層で構成する場合には、清掃手段を容易に設けることができ、遊技用記憶媒体のコストダウンを図ることができるという効果がある。
【0271】また、前記基板表面の前記情報読取部清掃手段を除く部分には、前記磁気記録部を覆う所定色の保護層が形成され、前記塗布層は前記保護層と同一色にされる場合には、情報読取部清掃手段は表面上略視認できなくなり、遊技用記憶媒体の表面のデザインの自由度を高めることができるとともに、磁気記録部の存在位置を隠匿する効果が期待でき、磁気データ改竄等の不正行為を防止する一助とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明が適用されたパチンコ遊技システム全体の構成を示すシステム構成図である。
【図2】図2は本発明に係るカードの構成例を示す正面図およびそのカードの磁気記録部の構成例を示す説明図である。
【図3】図3は本発明に係るカードを発行するカード発行機の構成例を示す正面図である。
【図4】図4はカードリーダの構成例を示す概略構成図である。
【図5】図5はカード発行機の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図6】図6はパチンコ機の構成例を示す正面図である。
【図7】図7はパチンコ機の制御ユニットの構成例を示す斜視図である。
【図8】図8はパチンコ機の裏面の構成例を示す背面図である。
【図9】図9はパチンコ機の裏面の封入球循環装置の構成例を示す背面図である。
【図10】図10は封入球循環装置の玉抜き部の詳細を示す拡大図および封入球循環装置の玉送り部の詳細を示す斜視図である。
【図11】図11はパチンコ機全体の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図12】図12はパチンコ機の制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図13】図13は精算機の構成例を示す正面図である。
【図14】図14は精算機の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図15】図15は管理装置全体の構成例を示す斜視図である。
【図16】図16は管理装置自身のシステム構成例を示すブロック図である。
【図17】図17は管理装置のコンソールの構成例を示すもので、(A)は平面図、(B)は背面図である。
【図18】図18は本発明に係るカードが使用される遊技システム内でのカードの状態遷移を示す説明図である。
【図19】図19は本発明に係るカードが使用される遊技システムにおける伝送系の構成例を示すブロック図である。
【図20】図20は各端末機のユニットコントローラと伝送路(ネットワーク)との間のデータ送受信の制御を行なう制御ユニットの構成例を示すブロック図である。
【図21】図21はネットワーク上でのデータ転送制御を行なうNAU(ネットワークアダプタユニット)の構成例を示すブロック図である。
【図22】図22はパチンコ機のカードリーダにおける第1段階の真偽鑑定処理手順を示すフローチャートである。
【図23】図23はパチンコ機のカードリーダにおける磁気データによる第2段階の真偽鑑定処理手順を示すフローチャートである。
【図24】図24は管理装置による識別番号たるカード番号を用いた第3段階の真偽鑑定処理手順を示すフローチャートである。
【図25】図25はパチンコ機の終了スイッチがオンされた場合のカードリーダでの処理手順を示すフローチャートである。
【図26】図26はパチンコ機における遊技中に帰零が発生した場合のカードリーダでの処理手順を示すフローチャートである。
【図27】図27は本発明に係る遊技用カードの第2の実施例を示す正面図およびそのカードの内部構成を示す説明図である。
【図28】図28はカード内の真偽鑑別領域の構成例を示す説明図である。
【図29】図29はカードの断面構造の一例を示す断面図である。
【図30】図30はカード内の磁気記録部の他の構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
CD,CD’磁気カード(カード状の遊技用記憶媒体)
PH 穿孔形成部
TF 真偽鑑別領域
PRT 印字表示部
MG 磁気記録部(記憶手段)
HCN クリーニング領域(情報読取部清掃手段)
RSU 予備エリア
100 パチンコ機
110 遊技機本体
120 封入球循環装置
160 制御ユニット
170 ユニットメモリ
180 カードリーダ(記憶媒体読取装置)
190 ユニットコントローラ
200 カード発行機
210 紙幣識別機
220 カードリーダ(記憶媒体読取装置)
230 残金払出器
250 制御ユニット
300 精算機
310 カードリーダ(記憶媒体読取装置)
320 紙幣払出器
330 プリンタ
350 制御ユニット
400 管理装置
403 ハードディスク記憶装置
510 低層ネットワーク
520 高層ネットワーク
530 NAU(ネットワーク・アダプタ・ユニット)
808 磁気ヘッド(情報読取部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】遊技に関連した情報を記憶する記憶手段を備え、記憶媒体読取装置を有する遊技装置に使用されるカード状の遊技用記憶媒体であって、その表面の所定部位には、前記記憶媒体読取装置の情報読取部を清掃する情報読取部清掃手段が設けられていることを特徴とする遊技用記憶媒体。
【請求項2】前記記憶手段は前記記憶媒体読取装置への挿入方向に沿った帯状の磁気記録部で構成され、前記情報読取部清掃手段は前記磁気記録部の延長上に設けられていることを特徴とする請求項1記載の遊技用記憶媒体。
【請求項3】前記情報読取部清掃手段は、記憶媒体を構成するカード状基板の表面に形成されたクリーニング剤の塗布層からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技用記憶媒体。
【請求項4】前記基板表面の前記情報読取部清掃手段を除く部分には、前記磁気記録部を覆う所定色の保護層が形成され、前記塗布層は前記保護層と同一色にされていることを特徴とする請求項2乃至請求項3に記載の遊技用記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図28】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図17】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【図29】
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【図10】
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【図13】
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【図15】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図16】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図30】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開平8−124125
【公開日】平成8年(1996)5月17日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−177756
【分割の表示】特願昭63−175898の分割
【出願日】昭和63年(1988)7月15日
【出願人】(000132747)株式会社ソフィア (2,465)