説明

遊技装置及び遊技システム

【課題】カード識別ユニットと管理サーバとの間の通信において、通信プロトコルの整合が取りやすく且つたとえ通信不良となってもそれ以後の遊技玉数の情報が保存可能な遊技装置及び遊技システムを提供する。
【解決手段】遊技台で遊技媒体を用いて遊技するためのカードを識別するカード識別ユニットと、遊技者の固有情報及び遊技媒体の貯玉情報を対応付けて管理する管理サーバと、を接続する通信線上に介在し、管理サーバからカード識別ユニットの識別結果で特定される固有情報に対応付けられる貯玉情報を取得し、貯玉情報を基に遊技台での遊技玉数を管理するインタフェースユニット、を備えてなる遊技装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技装置及び遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技台で遊技媒体を用いて遊技する際の遊技玉数を管理する遊技装置(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)は、この遊技のためのカードを識別するカード識別ユニットに接続されているものがある。このカード識別ユニットは、遊技者の固有情報及び遊技媒体の貯玉情報を対応付けて管理する管理サーバに、所定の通信線で接続されている。尚、遊技台とは例えばパチンコやスロットマシン等であり、この場合、遊技媒体は玉(パチンコ玉やコイン等)となる。
【0003】
図7を参照しつつ、前述した遊技装置の構成例について説明する。同図は、遊技装置9の構成例を示すブロック図である。遊技装置9は、遊技台100を備えるとともに、カード識別ユニット20に接続されている。カード識別ユニット20は、前述したカードを識別して遊技者の固有情報を特定する情報処理装置であり、この固有情報に対し貯玉情報を対応付けて記憶する情報処理装置である管理サーバ30に接続されている。
【0004】
具体例として、カード識別ユニット20は、遊技者により遊技玉の料金を支払うために挿入される紙幣を識別するための紙幣識別部20aや、遊技者により挿入される例えばICカードに対し情報(固有情報や貯玉情報等)の読み出し及び書き込みを行うためのカードリーダライタ20b等を備えているとともに、例えば前記紙幣や貯玉数等に対応する金銭の入出力情報を管理するためのカードサーバ25に接続されている。また、カード識別ユニット20は、例えば、遊技媒体の獲得数を計数する計数機101や、遊技媒体の獲得数又はその程度を表示する表示器102等が接続されており、これらを制御する。
【0005】
また、具体例として、管理サーバ30は、前述したカード識別ユニット20と、通信線Cで接続されており、カードリーダライタ20bにより読み出されたICカード中の固有情報と、計数機101により計数された遊技媒体の獲得数に基づく貯玉情報とを対応付けて記憶するとともに、例えば遊技の開始及び終了時に、カード識別ユニット20からの要求情報に応じて、貯玉情報等を含む応答情報を送信するものである。
【0006】
以上の構成により、カード識別ユニット20により取得された遊技者の固有情報や遊技媒体の獲得数の情報等は通信線Cを通じて管理サーバ30に適時送信され、この管理サーバ30において遊技者の貯玉情報として管理されている。遊技者は、ICカードをカード識別ユニット20に挿入すると、管理サーバ30から送信される遊技開始時の貯玉情報を、カード識別ユニット20を通じて知ることができる。また、遊技者は、遊技終了時には、管理サーバ30から送信される遊技終了時の貯玉情報を、カード識別ユニット20を通じて知ることができる。更に、遊技者は、遊技中、遊技媒体の獲得数又はその程度を、表示器102を通じて知ることができる。
【0007】
尚、図7の例示では、管理サーバ30とカード識別ユニット20との間の通信線Cには島コン35が介在している。島コン35は、例えば複数台の遊技台100にそれぞれ対応する複数台のカード識別ユニット20を管理するための情報処理装置である。例えば、1台の管理サーバ30が複数の島コン35を管理し、各島コン35が複数のカード識別ユニット20を介して複数の遊技台100を管理している。
【特許文献1】特開平5−68740号公報
【特許文献2】特開平4−30875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、前述した遊技装置9では、カード識別ユニット20と、管理サーバ30(又は島コン35が接続された管理サーバ30)とは、通信線Cを介して直接接続されている。また、これにより、管理サーバ30が管理するべき遊技台100の遊技玉数の情報は、必ずカード識別ユニット20を経由して管理サーバ30に送信される。つまり、遊技玉数の情報を取得するための所定の手段(前述した例では計数機101)は、実質的にカード識別ユニット20に制御される。
【0009】
このため、もしカード識別ユニット20が別機種等に交換された場合、これに応じて、カード識別ユニット20と管理サーバ30との間の通信プロトコルや、カード識別ユニット20と前記所定の手段(例えば計数機101)との間の通信プロトコル等も変更しなければならない事態が生じる。このような交換にともなうプロトコルの相違は、例えば、カード識別ユニット20及びカードサーバ25の管理者と、前記所定の手段(例えば計数機101)や管理サーバ30等の管理者とが異なる場合に一層顕著となる。このため、遊技装置9のバージョンアップ等が、コストの嵩む行為となってしまう虞がある。
【0010】
また、前述した遊技装置9では、カード識別ユニット20により取得された固有情報や遊技玉数の情報等は適時管理サーバ30に送信され、当該管理サーバ30において2つの情報が対応付けられて管理されている。
【0011】
このため、もし遊技中に通信線Cに不都合が起きてカード識別ユニット20と管理サーバ30との間の通信が途切れた場合、それ以後の遊技台100における遊技玉数の情報が管理サーバ30に保存されないという事態が生じる。このため、遊技者にとっては、遊技の醍醐味が著しく損なわれる虞がある。
【0012】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、カード識別ユニットと管理サーバとの間の通信において、通信プロトコルの整合が取りやすく且つたとえ通信不良となってもそれ以後の遊技玉数の情報が保存可能な遊技装置及び遊技システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するための発明は、遊技台で遊技媒体を用いて遊技するためのカードを識別するカード識別ユニットと、遊技者の固有情報及び前記遊技媒体の貯玉情報を対応付けて管理する管理サーバと、を接続する通信線上に介在し、前記管理サーバから前記カード識別ユニットの識別結果で特定される前記固有情報に対応付けられる前記貯玉情報を取得し、前記貯玉情報を基に前記遊技台での遊技玉数を管理するインタフェースユニット、を備えてなる遊技装置である。
【0014】
この遊技装置によれば、カード識別ユニットと管理サーバとの間にはインタフェースユニットが介在するため、例えばカード識別ユニットを交換した場合、当該カード識別ユニットとインタフェースユニットとの間の通信プロトコルのみを変更しておけば、インタフェースユニットと管理サーバとの間の通信プロトコルを変更せずに済ませることができる。また、この遊技装置によれば、インタフェースユニットは、カード識別ユニットからの固有情報に対応する貯玉情報を管理サーバから取得し、この貯玉情報に基づいて遊技玉数を管理できる。つまり、もしインタフェースユニットと管理サーバとの通信が途切れても、インタフェースユニットではこの途切れた以後の貯玉情報を保存できる。以上から、カード識別ユニットと管理サーバとの間の通信において、通信プロトコルの整合が取りやすく且つたとえ通信不良となってもそれ以後の遊技玉数の情報が保存可能である。これにより、例えば遊技装置のバージョンアップ等にともなうコストを削減できるとともに、例えば遊技者にとっての遊技の醍醐味を著しく損なうこともない。
【0015】
また、かかる遊技装置において、前記インタフェースユニットは、前記遊技媒体の獲得数を計数する計数機と接続され、前記計数機の計数結果を取得する、ことが好ましい。
【0016】
この遊技装置によれば、計数機はインタフェースユニットに接続されているため、例えばカード識別ユニットを交換した場合、当該カード識別ユニットとインタフェースユニットとの間の通信プロトコルのみを変更しておけば、インタフェースユニットと計数機との間の通信プロトコルを変更せずに済ませることができる。同様に、例えば計数機を交換した場合も、当該計数機とインタフェースユニットとの間の通信プロトコルのみを変更しておけば、カード識別ユニットまで影響が及ぶことはない。また、もしインタフェースユニットと管理サーバとの通信が途切れても、インタフェースユニットではそれ以後に計数機から取得した計数結果を保存できる。以上から、カード識別ユニットと管理サーバとの間の通信において、通信プロトコルの整合が取りやすく且つたとえ通信不良となっても例えば遊技中の遊技玉数の情報が保存される。
【0017】
また、かかる遊技装置において、前記インタフェースユニットは、前記遊技媒体の獲得数又は前記遊技媒体の獲得数の程度を表示する表示器と接続され、前記計数機の計数結果に応じて、前記表示のための表示信号を前記表示器に出力する、ことが好ましい。
【0018】
この遊技装置によれば、表示器はインタフェースユニットに接続されているため、例えばカード識別ユニットを交換した場合、当該カード識別ユニットとインタフェースユニットとの間の通信プロトコルのみを変更しておけば、インタフェースユニットと表示器との間の通信プロトコルを変更せずに済ませることができる。同様に、例えば表示器を交換した場合も、当該表示器とインタフェースユニットとの間の通信プロトコルのみを変更しておけば、カード識別ユニットまで影響が及ぶことはない。また、もしインタフェースユニットと管理サーバとの通信が途切れても、インタフェースユニットは、それ以後に計数機から取得した計数結果を保存するとともに、この計数結果を表示器に出力させることもできる。以上から、カード識別ユニットと管理サーバとの間の通信において、通信プロトコルの整合が取りやすく且つたとえ通信不良となっても例えば遊技者に対し遊技媒体の獲得数又はその程度を表示できる。
【0019】
また、前記課題を解決するための発明は、遊技台で遊技媒体を用いて遊技するためのカードを識別するカード識別ユニットと、前記カード識別ユニットと、遊技者の固有情報及び前記遊技媒体の貯玉情報を対応付けて管理する管理サーバと、を接続する通信線上に介在し、前記管理サーバから前記カード識別ユニットの識別結果で特定される前記固有情報に対応付けられる前記貯玉情報を取得し、前記貯玉情報を基に前記遊技台での遊技玉数を管理するインタフェースユニットと、を備えてなる遊技システムである。
【0020】
また、かかる遊技システムにおいて、前記遊技媒体の獲得数を計数する計数機を更に備え、前記インタフェースユニットは、前記計数機と接続され、前記計数機の計数結果を取得する、ことが好ましい。
【0021】
また、かかる遊技システムにおいて、前記遊技媒体の獲得数又は前記遊技媒体の獲得数の程度を表示する表示器を更に備え、前記インタフェースユニットは、前記表示器と接続され、前記計数機の計数結果に応じて前記表示のための表示信号を前記表示器に出力する、ことが好ましい。
【0022】
また、前記課題を解決するための発明は、遊技台で遊技媒体を用いて遊技するためのカードを識別するカード識別ユニットと、遊技者の固有情報及び前記遊技媒体の貯玉情報を対応付けて管理する管理サーバと、前記カード識別ユニットと前記管理サーバとを接続する通信線上に介在し、前記管理サーバから前記カード識別ユニットの識別結果で特定される前記固有情報に対応付けられる前記貯玉情報を取得し、前記貯玉情報を基に前記遊技台での遊技玉数を管理するインタフェースユニットと、を備えてなる遊技システムである。
【発明の効果】
【0023】
カード識別ユニットと管理サーバとの間の通信において、通信プロトコルの整合が取りやすく且つたとえ通信不良となってもそれ以後の遊技玉数の情報が保存可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
===遊技装置の構成===
図1を参照しつつ、本実施の形態の遊技装置1の構成例について説明する。同図は、本実施の形態の遊技装置1の構成例を示すブロック図である。尚、同図では、前述の図9の構成と略同様の構成(同一の構成とは限らない)には同じ番号を付してある。
【0025】
図1に例示されるように、本実施の形態の遊技装置1は、遊技者が遊技媒体を用いて遊技するための遊技台100と、玉数を管理するためのインタフェースユニット10とを備えている。尚、本実施の形態の遊技台100は例えばパチンコやスロットマシン等であり、この場合、前述した遊技媒体は玉(パチンコ玉やコイン等)となる。また、以後、遊技媒体を「玉」と称する。
【0026】
本実施の形態のインタフェースユニット10は、CPU10a、ROM10b、及びRAM10cを備えた情報処理装置であり、カード識別ユニット20と管理サーバ30とを接続する通信線A、B上に介在している。つまり、カード識別ユニット20とインタフェースユニット10とは通信線Aで接続され、インタフェースユニット10と管理サーバ30とは通信線Bで接続されている。本実施の形態では、通信線B上には更に島コン35が介在している。また、本実施の形態のインタフェースユニット10には、計数機101及び表示器102が接続されている。更に、本実施の形態のインタフェースユニット10において、ROM10bに記憶された所定のプログラムに基づいて、CPU10aが後述する動作を実行するものである。RAM10cは、例えば、後述する遊技中の玉数の情報を記憶するものである。
【0027】
以下、前述したインタフェースユニット10と接続される各機器について説明する。
【0028】
本実施の形態のカード識別ユニット20は、遊技者により挿入される紙幣を識別するための紙幣識別部20aと、遊技者により挿入される例えばICカードに対し情報(固有情報や貯玉情報等)の読み出し及び書き込みを行うためのカードリーダライタ20bとを備えた情報処理装置である。また、カード識別ユニット20は、前記紙幣や貯玉数等に対応する金銭の入出力情報を管理するためのカードサーバ25に接続されている。更に、カード識別ユニット20は、遊技台100と接続されており、例えば後述する払い出し要求に応じた数の玉を供給させる等、遊技台100を制御するものである。尚、本実施の形態では、遊技者は、玉数に応じた料金を予め紙幣で支払うようになっている(プリペイド方式)。ICカードは遊技者の固有情報を記憶しており、遊技者は、ICカードの固有情報をカードリーダライタ20bに読ませるとともに、紙幣識別部20aに紙幣を挿入することにより、支払った料金分の玉数を予め登録するようになっている。後述するように、本実施の形態のICカードには、貯玉情報を管理サーバ30に登録させておくために前記固有情報(以後、「カードID」と称する)を記憶する会員カードと、カードIDと当日限り有効な貯玉情報とを記憶する当日カードとの2通りがあるものとする。
【0029】
尚、本実施の形態のカード識別ユニット20は、その動作の説明のために後述するその他の構成を備えている。
【0030】
本実施の形態の管理サーバ30は、前述したカードリーダライタ20bにより読み出されたカードIDと、前述した計数機101により計数された獲得数に基づく貯玉情報とを対応付けて記憶するとともに、例えば遊技の開始及び終了時に、カード識別ユニット20からの要求情報に応じて、貯玉情報等を含む応答情報を送信する情報処理装置である。尚、本実施の形態の獲得数とは、例えば、遊技において「当たった」玉数や貯玉数等、計数機101の計数対象となる玉数を広く意味するものである。
【0031】
尚、本実施の形態の管理サーバ30は、その動作の説明のために後述するその他の構成を備えている。
【0032】
本実施の形態の計数機101は、前記獲得数を計数するカウンタであり、本実施の形態の表示器102は、この獲得数又はその程度を表示するディスプレイである。つまり、表示器102は、獲得数を数字で表示してもよいし、或いは、例えば玉で満杯となった所定の箱等を1以上積み上げた画像で表示してもよい。後者の獲得数の程度の表示とは、数字自体の表示ではないが、玉数の大小等に対応する表示であればいかなる表示であってもよい。
【0033】
インタフェースユニット10は、以上述べたカード識別ユニット20、管理サーバ30、計数機101、及び表示器102と接続されて、これらとの間で後述する要求信号や応答信号等をやり取りする機能を有している。
【0034】
尚、前述した島コン35は、例えば複数台の遊技台100にそれぞれ対応する複数台のカード識別ユニット20を管理するための情報処理装置である。例えば、1台の管理サーバ30が複数の島コン35を管理し、各島コン35が複数のカード識別ユニット20を介して複数の遊技台100を管理している。但し、本実施の形態の遊技装置1に対し、この島コン35は必ずしも必須の構成要素ではない。
【0035】
===遊技装置の動作===
図2乃至図5を参照しつつ、前述した構成を備えた遊技装置1の動作例について説明する。尚、図2は、会員カードによる遊技開始時のインタフェースユニット10の処理手順の一例を示すフローチャートである。図3は、会員カードによる遊技中及び遊技終了時のインタフェースユニット10の処理手順の一例を示すフローチャートである。図4は、当日カードによる遊技開始時のインタフェースユニット10の処理手順の一例を示すフローチャートである。図5は、当日カードによる遊技中及び遊技終了時のインタフェースユニット10の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0036】
<<<会員カードの場合>>>
図2を参照しつつ、遊技者が会員カードをカード識別ユニット20に挿入してから、遊技台100で玉が払い出されるまでのインタフェースユニット10の処理手順について説明する。
【0037】
インタフェースユニット10は、カード識別ユニット20から、カードIDを受信したか否かを判別する(S100)。
カードIDを受信したと判別した場合(S100:YES)、インタフェースユニット10は、カードIDを管理サーバ30に送信する(S101)。尚、ステップS100:YESの判別結果は、具体的には、遊技者が会員カードをカード識別ユニット20に挿入すると、カード識別ユニット20が会員カードから読み出したカードIDを送信し、インタフェースユニット10が当該カードIDを受信する動作に対応する。
【0038】
インタフェースユニット10は、管理サーバ30から、カードIDに該当する暗証番号及び貯玉情報を受信したか否かを判別する(S102)。尚、本実施の形態の管理サーバ30は、所定の記憶部(不図示)に、予めカードIDと所定の暗証番号及び貯玉情報とを対応付けて記憶しているものとする。
暗証番号及び貯玉情報を受信したと判別した場合(S102:YES)、インタフェースユニット10は、暗証番号及び貯玉情報をカード識別ユニット20に送信する(S103)。
【0039】
インタフェースユニット10は、カード識別ユニット20から、玉の払い出し要求を受信したか否かを判別する(S104)。
玉の払い出し要求を受信したと判別した場合(S104:YES)、インタフェースユニット10は、玉の払い出し要求を管理サーバ30に送信する(S105)。尚、ステップS104:YESの判別結果は、具体的には、カード識別ユニット20が、遊技者により所定の入力部(不図示)を通じて入力された暗証番号と、インタフェースユニット10から受信した暗証番号とを比較し、2つの暗証番号が一致した場合、遊技者による所定の入力部を通じての玉の払い出し要求を受け付け、この払い出し要求をインタフェースユニット10がカード識別ユニット20から受信する動作に対応する。
【0040】
インタフェースユニット10は、管理サーバ30から、玉の払い出し要求を承諾する旨の情報を受信したか否かを判別する(S106)。
玉の払い出し要求を承諾する旨の情報を受信したと判別した場合(S106:YES)、インタフェースユニット10は、この旨をカード識別ユニット20に送信する(S107)。尚、ステップS106:YESの判別結果は、具体的には、管理サーバ30がカードIDに対応付けて記憶する貯玉数Aと、払い出し要求されている玉数Bとを比較し、A≧Bである場合、玉の払い出し要求を承諾する旨の情報をカード識別ユニット20に送信する動作に対応する。また、ステップS107以後、カード識別ユニット20は、遊技台100に対し、払い出し要求された分の玉を払い出させる。
【0041】
図3を参照しつつ、遊技者が遊技台100で遊技している状態から遊技を終了するまでのインタフェースユニット10の処理手順について説明する。
【0042】
インタフェースユニット10は、計数機101から玉数(前述した獲得数)の情報を受信したか否かを判別する(S200)。
玉数の情報を受信したと判別した場合(S200:YES)、インタフェースユニット10は、この玉数をRAM10cから読み出した玉数に加算し、累積玉数の情報としてカードIDと対応付けてRAM10cに記憶させる。ここで、カードIDは、前述したステップS100:YES(図2)において既にRAM10cに記憶されているものとする。また、インタフェースユニット10は、表示器102に対し表示信号を送信し、玉数自体又はこれに応じた情報を表示させる(S201)。
【0043】
インタフェースユニット10は、カード識別ユニット20から、会員カードの返却要求を受信したか否かを判別する(S202)。返却要求を受信していないと判別した場合(S202:NO)、インタフェースユニット10は、ステップS200の処理を再度実行する。
【0044】
返却要求を受信したと判別した場合(S202:YES)、インタフェースユニット10は、カードID及び累積玉数の情報をRAM10cから読み出し、2つの情報を対応付けて管理サーバ30に送信する(S203)。尚、ステップS202:YESの判別結果は、具体的には、遊技者が会員カードをカード識別ユニット20から取り出すべく所定の返却ボタン(不図示)を押下し、カード識別ユニット20が返却要求を送信し、インタフェースユニット10が当該返却要求を受信する動作に対応する。また、カードIDと対応付けられた累積玉数の情報を受信した管理サーバ30は、所定の記憶部(不図示)に記憶された当該カードIDに対応する貯玉数(ステップS105における払い出し要求に応じた分減算されている)の情報を読み出し、累積玉数及び貯玉数を合算して新たな貯玉数としこれを当該所定の記憶部に記憶させる。その後、管理サーバ30は、会員カードの排出を承諾する旨の情報をインタフェースユニット10に送信する。
【0045】
インタフェースユニット10は、管理サーバ30から、会員カードの排出を承諾する旨の情報を受信したか否かを判別し(S204)、承諾の旨の情報を受信したと判別した場合(S204:YES)、承諾の旨の情報をカード識別ユニット10に送信する(S205)。その後、カード識別ユニット20は、カードリーダライタ20bから会員カードを排出する。
【0046】
<<<当日カードの場合>>>
図4を参照しつつ、遊技者が当日カードをカード識別ユニット20に挿入してから、遊技台100で玉が払い出されるまでのインタフェースユニット10の処理手順について説明する。
【0047】
インタフェースユニット10は、カード識別ユニット20から、カードID及び玉の払い出し要求を受信したか否かを判別する(S300)。
カードID及び玉の払い出し要求を受信したと判別した場合(S300:YES)、インタフェースユニット10は、カードID及び要求を管理サーバ30に送信する(S301)。尚、ステップS300:YESの判別結果は、具体的には、遊技者が当日カードをカード識別ユニット20に挿入し、玉の払い出し要求を入力すると、カード識別ユニット20が当日カードから読み出したカードID及び入力された要求を送信し、インタフェースユニット10が当該カードID及び要求を受信する動作に対応する。
【0048】
インタフェースユニット10は、管理サーバ30から、玉の払い出し要求を承諾する旨の情報を受信したか否かを判別する(S302)。尚、管理サーバ30は、承諾に際し、所定の判別動作を実行する。
玉の払い出し要求を承諾する旨の情報を受信したと判別した場合(S302:YES)、インタフェースユニット10は、この旨をカード識別ユニット20に送信する(S303)。
【0049】
図5を参照しつつ、遊技者が遊技台100で遊技している状態から遊技を終了するまでのインタフェースユニット10の処理手順について説明する。
同図に例示されるステップS400乃至S402の処理は、図3に例示されるステップS200乃至S202の処理と同様である。
【0050】
ステップS403では、インタフェースユニット10は、カードID及び累積玉数の情報をRAM10cから読み出し、2つの情報を対応付けて管理サーバ30及びカード識別ユニット20に送信する。カードIDと対応付けられた累積玉数の情報を受信した管理サーバ30は、所定の記憶部(不図示)に記憶された当該カードIDに対応する貯玉数(ステップS301における払い出し要求に応じた分減算されている)の情報を読み出し、累積玉数及び貯玉数を合算して新たな貯玉数としこれを当該所定の記憶部に記憶させる。一方、カード識別ユニット20は、カードリーダライタ20bを通じて、受信した累積玉数の情報を当日カードに書き込む。
【0051】
インタフェースユニット10は、管理サーバ30から、当日カードの排出を承諾する旨の情報を受信したか否かを判別し(S404)、承諾の旨の情報を受信したと判別した場合(S404:YES)、承諾の旨の情報をカード識別ユニット10に送信する(S405)。その後、カード識別ユニット20は、カードリーダライタ20bから当日カードを排出する。
【0052】
===通信プロトコルの整合及び通信不良時の情報の保存===
本実施の形態の遊技装置1は、カード識別ユニット20と管理サーバ30とを接続する通信線A、B上に介在し、管理サーバ30からカード識別ユニット20の識別結果で特定されるカードIDに対応付けられる貯玉情報を取得し、この貯玉情報を基に遊技台100での玉数を管理するインタフェースユニット10を備えている(図1)。
【0053】
この遊技装置1によれば、カード識別ユニット20と管理サーバ30との間にはインタフェースユニット10が介在するため、例えばカード識別ユニット20を交換した場合、通信線Aにおける通信プロトコルのみを変更しておけば、通信線Bにおける通信プロトコルを変更せずに済ませることができる。尚、通信線Aにおける通信プロトコルは、例えば、インタフェースユニット10のROM10bに記憶されている所定の情報を変更することにより設定変更できる。
【0054】
また、この遊技装置1によれば、インタフェースユニット10は、カード識別ユニット20からのカードIDに対応する貯玉情報を管理サーバ30から取得し、この貯玉情報に基づいて玉数を管理できる。つまり、もし通信線A、Bにおける通信が途切れても、インタフェースユニット10ではこの途切れた以後の貯玉情報を保存できる。
【0055】
以上から、カード識別ユニット20と管理サーバ30との間の通信において、通信プロトコルの整合が取りやすく且つたとえ通信不良となってもそれ以後の玉数の情報が保存可能である。これにより、例えば遊技装置1のバージョンアップ等にともなうコストを削減できるとともに、例えば遊技者にとっての遊技の醍醐味を著しく損なうこともない。
【0056】
また、本実施の形態のインタフェースユニット10は、前述した獲得数を計数する計数機101と接続され、この計数機101の計数結果を取得するようになっている。これにより、例えばカード識別ユニット20を交換した場合、通信線Aにおける通信プロトコルのみを変更しておけば、インタフェースユニット10と計数機101との間の通信プロトコルを変更せずに済ませることができる。同様に、例えば計数機101を交換した場合も、当該計数機101とインタフェースユニット10との間の通信プロトコルのみを変更しておけば、カード識別ユニット20まで影響が及ぶことはない。尚、以上の通信プロトコルは、例えば、インタフェースユニット10のROM10bに記憶されている所定の情報、或いは、計数機101の所定のメモリ(不図示)に記憶されている所定の情報を変更することにより設定変更できる。また、もし通信線A、Bにおける通信が途切れても、インタフェースユニット10ではそれ以後に計数機101から取得した計数結果を保存できる。以上から、カード識別ユニット20と管理サーバ30との間の通信において、通信プロトコルの整合が取りやすく且つたとえ通信不良となっても例えば遊技中の玉数の情報が保存される。
【0057】
また、本実施の形態のインタフェースユニット10は、前述した獲得数又はその程度を表示する表示器102と接続され、計数機101の計数結果に応じて、表示のための表示信号を表示器102に出力するようになっている。これにより、例えばカード識別ユニット20を交換した場合、通信線Aにおける通信プロトコルのみを変更しておけば、インタフェースユニット10と表示器102との間の通信プロトコルを変更せずに済ませることができる。同様に、例えば表示器102を交換した場合も、当該表示器102とインタフェースユニット10との間の通信プロトコルのみを変更しておけば、カード識別ユニット20まで影響が及ぶことはない。尚、以上の通信プロトコルは、例えば、インタフェースユニット10のROM10bに記憶されている所定の情報、或いは、表示器102の所定のメモリ(不図示)に記憶されている所定の情報を変更することにより設定変更できる。また、もし通信線A、Bにおける通信が途切れても、インタフェースユニット10は、それ以後に計数機101から取得した計数結果を保存するとともに、この計数結果を表示器102に出力させることもできる。以上から、カード識別ユニット20と管理サーバ30との間の通信において、通信プロトコルの整合が取りやすく且つたとえ通信不良となっても例えば遊技者に対し玉の獲得数又はその程度を表示できる。
【0058】
尚、例えば、カード識別ユニット20及びカードサーバ25の管理者と、遊技装置1(遊技台100及びインタフェースユニット10)、計数機101、表示器102、島コン35、及び管理サーバ30の管理者とが異なっており、よってカード識別ユニット20側の通信プロトコルと管理サーバ30側の通信プロトコルとの相違がより顕著な場合であっても、本実施の形態の遊技装置1によれば、通信プロトコルを効果的に整合させることができる。
【0059】
以上述べた遊技装置1は、遊技台100及びインタフェースユニット10を備えて構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、カード識別ユニット20、計数機101、及び表示器102の少なくとも1つを備えたものであってもよい。或いは、遊技装置1は、少なくともインタフェースユニット10を備えるが、遊技台100は備えていなくてもよい。
【0060】
また、本実施の形態のカード識別ユニットは、図1に例示されるカード識別ユニット20及びカードサーバ25を併せたものであってもよい。
【0061】
===遊技システム===
<<<管理サーバを含まない場合>>>
本実施の形態の遊技システムは、図1に例示される、カード識別ユニット20と、少なくともインタフェースユニット10を有する遊技装置1とを備えて構成されている。尚、遊技装置1は更に計数機101及び表示器102を有していてもよい。
【0062】
この遊技システムでは、カードサーバ25により、例えば金銭の入出力情報等が管理され、管理サーバ30により、例えばカードIDごとの貯玉情報等が管理される。尚、遊技システムと管理サーバ30との間に島コン35が介在してもよい。また、カード識別ユニットは、図1に例示されるカード識別ユニット20及びカードサーバ25を併せたものであってもよい。この場合、遊技システムは、管理サーバ30により管理されることとなる。
【0063】
この遊技システムによれば、管理サーバ30との間の通信プロトコルの整合が取りやすく且つたとえ通信不良となってもそれ以後の玉数の情報が保存可能である。これにより、例えば遊技システム中の各機器のバージョンアップ等にともなうコストを削減できるとともに、例えば遊技者にとっての遊技の醍醐味を著しく損なうこともない。
【0064】
<<<管理サーバを含む場合>>>
本実施の形態の遊技システムは、図1に例示される、カード識別ユニット20と、管理サーバ30と、少なくともインタフェースユニット10を有する遊技装置1とを備えて構成されている。尚、遊技装置1は更に計数機101及び表示器102を有していてもよい。また、インタフェースユニット10と管理サーバ30との間に島コン35が介在してもよい。更に、カード識別ユニットは、図1に例示されるカード識別ユニット20及びカードサーバ25を併せたものであってもよい。
【0065】
この遊技システムによれば、システム内の通信プロトコルの整合が取りやすく且つたとえ通信不良となってもそれ以後の玉数の情報が保存可能である。これにより、例えば遊技システム中の各機器のバージョンアップ等にともなうコストを削減できるとともに、例えば遊技者にとっての遊技の醍醐味を著しく損なうこともない。
【0066】
===その他の実施の形態===
前述した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0067】
前述した実施の形態では、カード識別ユニット20はカードサーバ25に直接接続されていたが、これに限定されるものではない。
【0068】
図6に例示されるように、管理サーバ30’がカードサーバ25’を有し、このカードサーバ25’がインタフェースユニット10を介してカード識別ユニット20を管理するものであってもよい。尚、同図は、本実施の形態の遊技装置1’の構成例を示すブロック図である。これにより、遊技装置1’は、管理サーバ30’及びカードサーバ25’の双方と、インタフェースユニット10を介して通信線Bで接続されることになるため、各機器の通信プロトコルの整合をとることが一層容易になる。
【0069】
また、前述した実施の形態では、遊技台100は、例えばパチンコやスロットマシン等であったがこれに限定されるものではない。要するに、遊技台は、パチンコ玉やコイン等に限定されない広義の遊技媒体を用いて遊技するためのものであればよい。
【0070】
更に、前述した実施の形態では、カードは、ICカード(会員カード及び当日カード)であるとしたが、これに限定されるものではなく、少なくとも遊技者の固有情報を記録可能な記録媒体であればいかなるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本実施の形態の遊技装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】会員カードによる遊技開始時のインタフェースユニットの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】会員カードによる遊技中及び遊技終了時のインタフェースユニットの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】当日カードによる遊技開始時のインタフェースユニットの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】当日カードによる遊技中及び遊技終了時のインタフェースユニットの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】本実施の形態の遊技装置の構成例を示すもう一つのブロック図である。
【図7】遊技装置の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0072】
1、1’、9 遊技装置
10 インタフェースユニット
10a CPU
10b ROM
10c RAM
20 カード識別ユニット
20a 紙幣識別部
20b カードリーダライタ
25、25’ カードサーバ
30、30’ 管理サーバ
35 島コン
100 遊技台
101 計数機
102 表示器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技台で遊技媒体を用いて遊技するためのカードを識別するカード識別ユニットと、遊技者の固有情報及び前記遊技媒体の貯玉情報を対応付けて管理する管理サーバと、を接続する通信線上に介在し、前記管理サーバから前記カード識別ユニットの識別結果で特定される前記固有情報に対応付けられる前記貯玉情報を取得し、前記貯玉情報を基に前記遊技台での遊技玉数を管理するインタフェースユニット、
を備えたことを特徴とする遊技装置。
【請求項2】
前記インタフェースユニットは、前記遊技媒体の獲得数を計数する計数機と接続され、前記計数機の計数結果を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技装置。
【請求項3】
前記インタフェースユニットは、前記遊技媒体の獲得数又は前記遊技媒体の獲得数の程度を表示する表示器と接続され、前記計数機の計数結果に応じて、前記表示のための表示信号を前記表示器に出力する、
ことを特徴とする請求項2に記載の遊技装置。
【請求項4】
遊技台で遊技媒体を用いて遊技するためのカードを識別するカード識別ユニットと、
前記カード識別ユニットと、遊技者の固有情報及び前記遊技媒体の貯玉情報を対応付けて管理する管理サーバと、を接続する通信線上に介在し、前記管理サーバから前記カード識別ユニットの識別結果で特定される前記固有情報に対応付けられる前記貯玉情報を取得し、前記貯玉情報を基に前記遊技台での遊技玉数を管理するインタフェースユニットと、
を備えたことを特徴とする遊技システム。
【請求項5】
前記遊技媒体の獲得数を計数する計数機を更に備え、
前記インタフェースユニットは、前記計数機と接続され、前記計数機の計数結果を取得する、
ことを特徴とする請求項4に記載の遊技システム。
【請求項6】
前記遊技媒体の獲得数又は前記遊技媒体の獲得数の程度を表示する表示器を更に備え、
前記インタフェースユニットは、前記表示器と接続され、前記計数機の計数結果に応じて前記表示のための表示信号を前記表示器に出力する、
ことを特徴とする請求項5に記載の遊技システム。
【請求項7】
遊技台で遊技媒体を用いて遊技するためのカードを識別するカード識別ユニットと、
遊技者の固有情報及び前記遊技媒体の貯玉情報を対応付けて管理する管理サーバと、
前記カード識別ユニットと前記管理サーバとを接続する通信線上に介在し、前記管理サーバから前記カード識別ユニットの識別結果で特定される前記固有情報に対応付けられる前記貯玉情報を取得し、前記貯玉情報を基に前記遊技台での遊技玉数を管理するインタフェースユニットと、
を備えたことを特徴とする遊技システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−212192(P2008−212192A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−49782(P2007−49782)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】