運動補助装置
【課題】より好適に脚部の運動を行うことが可能な運動補助装置を提供する。
【解決手段】臀部支持手段を構成する座部13bの後部には、使用者の背部をもたれさせる背もたれ部15が備えられる。
【解決手段】臀部支持手段を構成する座部13bの後部には、使用者の背部をもたれさせる背もたれ部15が備えられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脚部の運動を行うことができる運動補助装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
脚部の運動を可能とする運動補助装置としては、例えば室内でランニングを可能とするトレッドミルや自転車の漕ぎ運動を模したフィットネスバイクなどが広く知られている。トレッドミルやフィットネスバイクのような運動補助装置では、膝関節の屈伸を伴ったり、膝関節に強い負荷が作用したりすることから、使用者が膝等を痛めている場合には、過度な負荷となり、運動を継続することが難しい。
【0003】
このような問題を改善するべく、使用者の膝にかかる負荷を抑えて脚部(特に大腿部)の運動を可能とする運動補助装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1の運動補助装置は、使用者の臀部を支持する臀部支持部と使用者の足部を支持する足置き部とを備え、臀部支持部を揺動駆動部によって揺動動作させるようになっている。このように、臀部支持部を揺動駆動部によって揺動動作させることで、使用者の臀部に作用していた使用者の自重の一部が脚部側に作用するため、脚部の運動を行うことができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−264320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような運動補助装置では、座部を揺動させることで、脚部の運動を行うことができるが、より好適に脚部の運動を行うことが可能な運動補助装置の開発が望まれている。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、より好適に脚部の運動を行うことが可能な運動補助装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の運動補助装置は、使用者の臀部を支持する臀部支持手段と、前記使用者の足を置く足置き部と、前記臀部支持手段を少なくとも前後方向に揺動させる揺動駆動手段とを備えた運動補助装置であって、前記臀部支持手段には、前記使用者の背部をもたれさせる背もたれ部を備えたことを特徴とする。
【0008】
また上記構成において、背もたれ部は、前記臀部支持手段と別体で構成されることが好ましい。
また上記構成において、背もたれ部は、前記臀部支持手段と一体で構成されることが好ましい。
【0009】
また上記構成において、使用者の肘を置くことが可能な肘置き部を備えることが好ましい。
また上記構成において、揺動駆動手段は、前後方向の揺動に加えて前記臀部支持手段を左右方向に揺動させることが好ましい。
【0010】
また上記構成において、揺動駆動手段は、前後方向の揺動と左右方向の揺動とを組み合わせて前記臀部支持手段を8の字に動作させることが好ましい。
また上記構成において、使用者が把持可能な把持部を備えることが好ましい。
【0011】
また上記構成において、把持部は、移動不能に設けられることが好ましい。
また上記構成において、把持部は、少なくとも前後方向に傾動可能に構成されることが好ましい。
【0012】
また上記構成において、把持部は、前記使用者による該把持部の移動を補助又は前記把持部の移動に抗する力が作用する作用手段が設けられることが好ましい。
また上記構成において、把持部は、駆動源により傾動動作可能に構成されることが好ましい。
【0013】
また上記構成において、揺動駆動手段の駆動源と、把持部の傾動動作に用いられる駆動源とが同一のものであることが好ましい。
また上記構成において、足置き部の前後方向の位置を調整可能な位置調整手段を備えることが好ましい。
【0014】
また上記構成において、位置調整手段は、前記足置き部を前記臀部支持手段の下部まで後退させて前記足置き部を収容可能に構成されることが好ましい。
また上記構成において、足置き部は、前記使用者の足の基節骨と当接する当接部を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、より好適に脚部の運動を行うことが可能な運動補助装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施形態における運動補助装置の側面図である。
【図2】同上における座部を省略した状態の運動補助装置の平面図である。
【図3】(a)(b)第2実施形態における運動補助装置の斜視図である。
【図4】同上における運動補助装置の側面図である。
【図5】同上における運動補助装置に備えられる揺動駆動装置の分解斜視図である。
【図6】同上における運動補助装置に備えられる揺動駆動装置の側面図である。
【図7】別例における運動補助装置の斜視図である。
【図8】別例における運動補助装置の側面図である。
【図9】(a)(b)は別例における運動補助装置の側面図である。
【図10】別例における運動補助装置の足置き台の側面図である。
【図11】別例における運動補助装置の足置き台の側面図である。
【図12】(a)は足置き台と基節骨について説明するための側面図であり、(b)は足置き台と基節骨について説明するための側面図であり、(c)は基節骨について説明するための足の骨の平面図である。
【図13】別例における足置き台について説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、運動補助装置10は、その基台11が図示しない床面に載置されるとともに、基台11上に設けられた揺動駆動装置12を備えている。
【0018】
図1に示すように揺動駆動装置12は、前記基台11上に設けられる臀部支持部13及び同基台11上に設けられて使用者によって把持可能な長尺状の把持部14を前後方向に揺動させるものである。揺動駆動装置12は、図2に示すように駆動源としてのモータ20と、伝達経路を成す駆動伝達機構21とから構成されている。駆動装置12を構成するモータ20は、前記基台11の前後方向に対して交わる方向に傾倒した状態で固定されるとともに、制御部(図示略)によりその駆動が制御されている。
【0019】
また、駆動伝達機構21は、モータ20のウォーム20aに噛合して駆動連結される第1ギヤ23とこの第1ギヤ23に噛合して駆動連結される第2ギヤ24とを備える。そして、各ギヤ23,24がモータ20の駆動により回転されることでその駆動力が臀部支持部13及び前記基台11上に設けられた把持部14に伝達されるようになっている。なお、第1ギヤ23及び第2ギヤ24の回転数比は2:1、つまり第2ギヤ24の直径が第1ギヤ23の2倍となるように設定されている。
【0020】
駆動伝達機構21を構成する第1ギヤ23には、この第1ギヤ23の径方向略中心において一体回転する回転支軸23aの一端側に偏心クランク部材23bの基端側が接続される。そして、偏心クランク部材23bの先端側には臀部支持部13と接続される接続部材23cが接続されている。
【0021】
一方、第2ギヤ24には、この第2ギヤ24の径方向略中心において一体回転する回転支軸24aの両端に、偏心クランク部材24bの基端側が接続される。そして、この偏心クランク部材24bの先端側には固定ピン24cを介して把持部14側と接続される接続部材24dが接続されている。
【0022】
揺動駆動装置12によって揺動される臀部支持部13は、図1に示すように基台11の後部において上方に立設される支柱部13aと、この支柱部13aの上部に固定される座部13bとを備えている。そして、前記支柱部13aはその下部の回転軸11aを中心として回動可能に構成されている。また、臀部支持部13を構成する座部13bの後部には使用者が背中(身体)をもたれさせることが可能な背もたれ部15が座部13bと一体移動可能に固設されている。
【0023】
一方、揺動駆動装置12によって揺動される把持部14は、図1及び図2に示すようにその基端部14aが基台11側の回転軸11bを中心として回動可能に構成されており、把持部14の基端部14aに前記駆動伝達機構21の接続部材24cが接続されている。これにより、接続部23cからの駆動力が伝達されて把持部14の先端側であるグリップ部14b,14cが傾動(揺動)されるようになっている。なお、グリップ部14b,14cは右手用のグリップ部14bと、左手用のグリップ部14cとでなる。
【0024】
また、本実施形態の運動補助装置10の前記基台11には、図1及び図2に示すように、その上面前部に使用者の左右の足を独立して置くことが可能な足置き部16が設けられている。この足置き部16は、基台11の上面前部から上方に向かって立設される支持部16aの上端に、回動軸16bを介して略平板状の足置き台16c,16dの基端側が接続されて足置き台16c,16dが前記回動軸16bを中心として傾動可能に構成されている。また、各足置き台16c,16dは、その先端側(後端側)における上面から延出する凸状の踵当接部16eを備えている。なお、足置き台16c,16dは、右足用の足置き台16cと、左足用の足置き台16dとでなる。また、足置き台16c,16d(足置き部16)は、基台11に備えられる多段階に伸縮可能なスライドレールからなるスライド機構17により前後方向位置が任意に調整可能となっている。
【0025】
次に、本実施形態の運動補助装置10の作用について説明する。
上記のように構成された運動補助装置10では、使用者による操作部(図示略)の操作によりスタートスイッチ(図示略)が押圧操作されると、前記制御部はモータ20に電力を供給して回転させる。これに伴い、モータ20と駆動連結される駆動伝達機構21が動作して把持部14(グリップ部14b,14c)及び臀部支持部13が前後方向に揺動動作する。
【0026】
ここで、本実施形態の運動補助装置10では駆動伝達機構21を構成する第1ギヤ23及び第2ギヤ24の回転数比が前述したように2:1となっている。このため、第1ギヤ23の回転駆動が回転支軸23a、偏心クランク部材23b及び接続部材23cを介して伝達されて臀部支持部13が前後方向に2往復揺動動作すると、把持部のグリップ部14b,14cが交互に1回ずつ前後に揺動するようになっている。そして、臀部支持部13が前方に動作されると、各グリップ部14b,14cの内の一方のグリップ部14b,14cが回動軸11bを中心として最前位置まで移動され、他方のグリップ部14b,14cが回動軸11bを中心として最後位置まで傾動される。なお、図1及び図2では、使用者が運動補助装置10の座部13bに着座した状態で左手側のグリップ部14cが最前位置まで移動されるとともに、右手側のグリップ部14bが最後位置まで移動された状態を示している。
【0027】
また、モータ20及び駆動伝達機構21にて臀部支持部13が前後方向に揺動されることで臀部支持部13が前方に動作して使用者の身体がそれに伴って移動する場合に、足置き台16c,16dに置かれた使用者の脚部に負荷がかかり脚部を鍛えることができる。このとき、背もたれ部15によって使用者の身体が後部に逃げることを抑えることができるため、使用者の脚部の筋力に作用する力(負荷)を背もたれ部15が省略した構成と比較して大きくできるようになっている。
【0028】
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)臀部支持手段を構成する座部13bの後部には、使用者の背部をもたれさせる背もたれ部15が備えられる。背もたれ部15によって使用者の身体が後部に逃げることを抑えることができるため、使用者の脚部の筋力に作用する力(負荷)を背もたれ部15が省略した構成と比較して大きくできる。これにより、より好適に使用者の脚部の運動を行うことができる。
【0029】
(2)背もたれ部15は、臀部支持手段を構成する座部13bと一体で構成される。このため、座部13bと背もたれ部15との位置関係が変更されることなく、脚部に対して一定の負荷を与えることが可能となる。
【0030】
(3)使用者が把持可能な把持部14b,14cが備えられる。把持部14b,14cが設けられるため、使用者がバランスをくずした際に把持部14b,14cにて自身を支えることが容易となる。また、使用者に対して把持部14b,14cを把持することによる安心感を与えることができる。
【0031】
(4)把持部14b,14cは、前後方向に揺動可能に構成される。これにより、使用者の手(腕)の運動を行うことができる。
(5)把持部14b,14cは、駆動源としてのモータ20により前後方向に揺動動作可能に構成される。モータ20により把持部14b,14cが自動で揺動するため、他動運動を実施することができる。
【0032】
(6)臀部支持手段を構成する座部13bを揺動させる揺動駆動手段を構成する駆動源と、把持部14b,14cの動作に用いられる駆動源とが同一のモータ20で構成される。このため、それぞれ別の駆動源を設ける場合と比較して、比較的高価な駆動源の個数を減らすことができる。また、1つの駆動源(モータ20)で座部13b及び把持部14b,14cを動作させることで容易に連動性を図ることができる。
【0033】
(7)足置き部16(足置き台16c,16d)の前後方向の位置を調整可能な位置調整手段としてのスライド機構17が備えられる。これにより、使用者個々の体格の違いに応じた運動を実施することができる。
【0034】
(8)位置調整手段を構成するスライド機構17は、前記足置き部16(足置き台16c,16d)を座部13bの下部まで後退させて座部13b下部に収容可能に構成される。このような構成とすることで、本装置10を使用しない際には足置き部16を収容してコンパクトにすることができるため、本装置10が邪魔になることを抑えることができる。
【0035】
(9)座部13bは、その高さが足置き部16よりも若干高い程度に設定されて比較的低く設定されている。このため、乗り降りがし易く、高齢者等の使用者に対して恐怖感を与えるといったことが抑えられる。
【0036】
(10)また、足置き台16c,16dの踵側が爪先側よりも低い位置とされているため、足置き台16c,16dを基台11並びに座部13bの座面と平行に設定した場合と比較して臀部支持部13(座部13b)を前後に揺動させた場合の運動を効率よく行うことが可能となる。
【0037】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図3〜図6に従って説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して、その説明の一部又は全部を割愛する。
【0038】
図3(a)(b)及び図4に示すように、運動補助装置10は、その基台11が図示しない床面に載置されるとともに、基台11の上に設けられた揺動駆動装置50と、この揺動駆動装置50により揺動される臀部支持部13(座部13b)とを備えている。
【0039】
また、臀部支持部13(座部13b)の後方には、この臀部支持部13(座部13b)とは別体の背もたれ部15が基台11から延出する複数の支持部材41にて支持されている。また、背もたれ部15には背もたれ部15の幅方向外側から前方にかけて湾曲するように延出する延出部42が一体形成されている。この延出部42は背もたれ部15よりも上下方向長さが短くなるように延出部42の上面側が前方側の途中位置まで徐々に下がり、延出部42の上下方向長さが徐々に短くなり、途中位置から前方側においては上下方向長さが略一定となるように形成されている。また、延出部42は、その上部が使用者の肘を置くことが可能な肘置き部43として機能するようになっている。
【0040】
次に図5及び図6を参照して、揺動駆動装置50の詳細な構造について説明する。
揺動駆動装置50は、座部13bが固定された台座57をモータ61により幅方向X及び高さ方向Yと奥行方向(前後方向)Z回りで揺動運動させることにより、台座57とともに座部13bを揺動運動させるようになっている。
【0041】
また本実施形態の揺動駆動装置50においては、座部13bの角度を調整する昇降機構90が設けられている。
揺動駆動装置50は、前方の端部と後方の端部が同程度の高さとなる状態で脚部の上面に固定されるベース51と、揺動運動が可能となるように台座57を支持する筐体53とを備える。また、揺動駆動装置50は、筐体53及び台座57を互いに接続する連結リンク56と、連結リンク56を介して台座57を揺動運動させるための駆動部60とを備える。
【0042】
連結リンク56は、側板58と接続される。連結リンク56としては、奥行方向Zにおいて所定の間隔をおいて配置された2つのリンク、すなわち前リンク56A及び昇降機構90が設けられている。
【0043】
連結リンク56は、次のように台座57及び側板58に連結されている。
・連結リンク56の前リンク56Aの下端は、下軸ピン59Aにより側板58に対して回転可能な状態で側板58の前端に連結されている。また連結リンク56の前リンク56Aの上端は、上軸ピン59Bにより台座57に対して回転可能な状態で台座57の前端に連結されている。
【0044】
昇降機構90は、次のように台座57及び側板58に連結されている。
昇降機構90の下端は、下軸ピン59Cにより側板58に対して回転可能な状態で側板58の後端に連結されている。昇降機構90の上端は、上軸ピン59Dにより台座57に対して回転可能な状態で台座57の後端に連結されている。
【0045】
台座57の前端部は下軸ピン59Aを中心とする円弧上を移動し、台座57の後端部は軸部59Cを中心とする円弧上を移動するように、台座57の移動範囲が規制されている。ここで、後リンク56は前リンク56よりも長寸に形成してあり、台座57の前端部と後端部との回転半径が異なることにより、台座57は前後に移動するのに伴って上面の傾斜角度を変化させることになる。
【0046】
奥行方向Zの後方側に設けられる昇降機構90が伸長及び縮小することにより、台座57及び座部13bが前傾状態及び後傾状態の間で動作する。昇降機構90が最大限まで伸長または最大限まで縮小したときの台座57及び座部13bの傾斜角度は、昇降機構90が各下軸ピン59A,59Cを中心に回転したときの最大の傾斜角度よりも大きい。
【0047】
図5に示されるように、筐体53の左側及び右側の端のそれぞれは、奥行方向Zに沿う形状の側板58により形成されている。筐体53の前方及び後方の端のそれぞれは、高さ方向Yに沿う形状の連結板54により形成されている。
【0048】
図6に示されるように、ベース51には、奥行方向Zに並べられた2つの軸支板52(図5参照)が設けられている。各軸支板52には、支軸55により軸支板52に対して回転可能な状態で連結板54が連結されている。すなわち支軸55は、幅方向X回りの回転が可能な状態で筐体53を支持している。
【0049】
次に台座57と連結リンク56との関係について説明する。
連結リンク56が各下軸ピン59A,59Cを中心に前方に向けて回転したとき、高さ方向Yにおいて昇降機構90がベース51に対して傾斜する。このため、高さ方向Yにおいて台座57の後方の端部が前方の端部よりも低くなる。すなわち、奥行方向Zにおいて前方から後方に向かうにつれて高さ方向Yにおいて上方から下方に向けて台座57が傾斜する。
【0050】
連結リンク56が各下軸ピン59A,59Cを中心に後方に向けて回転したとき、高さ方向Yにおいて昇降機構90がベース51に対して傾斜する。このため、高さ方向Yにおいて台座57の後方の端部が前方の端部よりも低くなる。すなわち、奥行方向Zにおいて前方から後方に向かうにつれて高さ方向Yにおいて上方から下方に向けて台座57が傾斜する。
【0051】
昇降機構90は、ウォームギヤ及びウォームホイール(いずれも図示略)が内部に設けられたギヤボックス91と、ウォームギヤを回転するためのモータ92と、モータ92の回転に基づいて直線運動するボールねじ93とを備える。ボールねじ93は、ウォームホイールに噛み合わされている。また、ボールねじ93の上端は台座57に左右方向X回りに回転可能に連結されている。
【0052】
また、ギヤボックス91はギヤボックス支持板91Aを介して筐体53に左右方向X回りに回転可能に連結されている.
モータ92の回転にともないウォームホイールが回転することにより、ウォームギヤが回転する。これにより、ウォームギヤの回転がボールねじ93に伝達される。そして、ボールねじ93が回転に応じて直線運動することにより、昇降機構90が伸長または縮小する。
【0053】
図5を参照して、駆動部60の詳細な構造について説明する。
駆動部60は、高さ方向Yに沿うように配置される出力軸62を有するモータ61と、幅方向Xに沿うように配置される第1シャフト64とを備える。また、駆動部60は、出力軸62に設けられるモータギヤ63と、第1シャフト64に設けられてモータギヤ63に噛み合わされる第1ギヤ65とを備える。また、駆動部60は、台座57を奥行方向Zにおいて運動させるための第1駆動部70と、台座57を幅方向Xにおいて運動させるための第2駆動部80とを備える。モータ61は、側板58に固定されている。第1シャフト64の両端は、それぞれ側板58により支持されている。
【0054】
第1駆動部70は、第1シャフト64の両端に接続される2つの偏心クランク71と、一端が偏心クランク71に接続される2つのアームリンク73とを備える。また、図6に示されるように、各偏心クランク71と各アームリンク73の一端とを互いに接続する軸ピン72と、前リンク56Aと各アームリンク73の他端とを互いに接続する軸ピン74とを備える。
【0055】
第2駆動部80の詳細な構造について説明する。
第2駆動部80は、第1シャフト64に固定される連動ギヤ83と、連動ギヤ83に噛み合わされる第2ギヤ81と、第2ギヤ81が設けられる第2シャフト82と、第2シャフト82に連結される偏心ロッド84とを備える。また、第2駆動部80は、偏心ロッド84の下端が回転可能な状態で連結された連結金具86と、偏心ロッド84の下端と連結金具86とを互いに回転可能に連結する軸ピン87とを備える。また、第2シャフト82は、第2シャフト82の左端と偏心ロッド84の上端とを互いに連結する軸ピン85を備える。
【0056】
第2シャフト82は、幅方向Xに沿うように配置されるとともに筐体53により支持されている。偏心ロッド84は、第2シャフト82の回転中心に対して偏心して同シャフト82に連結されている。
【0057】
次に、図6を参照して、揺動駆動装置50の駆動態様並びに運動補助装置10の作用について説明する。
モータ61の出力軸62が回転するとき、出力軸62の回転がモータギヤ63を介して第1ギヤ65に伝達される。これにより、第1ギヤ65とともに第1シャフト64が回転する。このとき、各偏心クランク71が第1シャフト64に対して回転運動する。そして、偏心クランク71の回転運動にともないアームリンク73が第1シャフト64に対して偏心運動を行ない、前リンク56Aが奥行方向Zに往復運動し、これにともない座部13bが図中の矢印Mの方向に往復運動する。
【0058】
出力軸62の回転にともない第1シャフト64が回転するとき、同シャフト64の回転が連動ギヤ83を介して第2ギヤ81に伝達される。これにより、第2ギヤ81とともに第2シャフト82が回転する。このとき、第2シャフト82の回転にともない偏心ロッド84の上端が第2シャフト82に対して偏心運動する。そして、この偏心ロッド84の偏心運動が同ロッド84の上端及び第2シャフト82を介して筐体53に伝達される。台座57及び座部13bが幅方向Xに往復運動する。
【0059】
そして、上述した座部13bの2つの往復運動、すなわち図6中矢印Mの方向の往復運動及び幅方向Xの往復運動が組み合わされることにより、座部13bが幅方向X及び高さ方向Yと奥行方向Z回りの揺動運動を行う。
【0060】
揺動駆動装置50においては、座部13bが幅方向Xに1往復する間に座部13bが奥行方向Zに2往復するように第1駆動部70及び第2駆動部80の各ギヤが構成されている。このため、運動補助装置10の平面視において座部13bが例えば乗馬を模した8の字状に揺動運動する。
【0061】
そして、例えば、揺動駆動装置50にて臀部支持部13が前後方向に揺動されることで臀部支持部13が前方に動作して使用者の身体がそれに伴って移動する場合に、足置き台16c,16dに置かれた使用者の脚部に負荷がかかり脚部を鍛えることができるようになっている。また、揺動駆動装置50にて臀部支持部13が左右方向に揺動されることで、例えば使用者の腰の筋肉にも負荷を与えることができる。
【0062】
本実施形態によれば、第1実施形態の(1)の効果、及び第1実施形態の(3)及び(4)の効果に加えて次のような効果が得られる。
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
【0063】
(1)使用者の肘を置くことが可能な肘置き部43が備えられる。これにより、肘を置くことができ、利便性を向上できる。更に、肘置き部43を利用することで、座部13bにのみ使用者の自重が作用することによる腰の痛みを和らげることも可能となる。
【0064】
(2)座部13bが揺動駆動装置50により前後方向及び左右方向に動作される。これにより、左右方向の揺動動作によって使用者の脚部の一方に対して負荷を与えることができ、より効果的な運動を行うことができる。
【0065】
なお、本発明の各実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、特に言及していないが、例えば揺動動作の速度(揺動周期)や揺動時の移動量等を任意に変更可能に構成してもよい。
【0066】
・上記各実施形態では、特に言及していないが、例えば臀部支持部13を構成する座部13bに対する背もたれ部15の角度を変更可能な構成、つまりリクライニング機構を備えた構成を採用してもよい。このリクライニング機構としては、使用者自身が直接背もたれ部15を動作させて角度変更する構成や、使用者のスイッチを操作することによって駆動源(モータ等)を駆動させることで背もたれ部15が動作させて角度変更する構成などが考えられる。
【0067】
・上記各実施形態では、基台11に設けられるスライド機構17(位置調整手段)により足置き部16を座部13b下部まで移動させて、座部13b下部に足置き部16を収容する構成としたが、収容不能な構成を採用してもよい。
【0068】
・上記各実施形態では、足置き部16の前後方向における位置を調整可能なスライド機構17を設ける構成としたが、足置き部16の前後方向における位置を調整不能、つまり足置き部16の前後方向における位置を固定する構成としてもよい。
【0069】
・上記第1実施形態では、臀部揺動手段を構成する座部13bを揺動させる揺動駆動装置12の駆動源と、把持部14を揺動させる駆動源とが同一の駆動源(モータ20)としたが、これに限らず、個別に駆動源を設ける構成を採用してもよい。
【0070】
・上記各実施形態では、把持部14を駆動源としてのモータ20により所定範囲で傾動(揺動)させる構成としたが、把持部14を単に傾動(揺動)可能として例えば使用者自らが動作させる構成を採用してもよい。
【0071】
・上記各実施形態では、把持部14が傾動可能な構成としたが、把持部14が傾動不能な構成、つまり把持部14の位置が固定される構成を採用してもよい。
・上記各実施形態では、把持部14を設ける構成としたが、この把持部14を省略した構成を採用してもよい。
【0072】
・上記第2実施形態では、座部13bを前後方向並びに左右方向に揺動させて8の字状に揺動動作する構成としたが、8の字以外のV字、W字状に揺動動作するように構成してもよい。
【0073】
・上記第2実施形態では、揺動駆動装置50にて臀部支持部13(座部13b)を前後方向及び左右方向に動作させる構成としたが、少なくとも前後方向に揺動させる構成であればよい。
【0074】
・上記第2実施形態では、肘置き部43を設ける構成としたが、省略してもよい。
・上記第1実施形態では、特に言及していないが把持部14とは異なる肘置き部を設ける構成を採用してもよい。
【0075】
・上記第2実施形態では、特に言及していないが、図7及び8に示すように把持部14を設けてもよい。また、例えば図7〜図9に示すように、肘置き部43の下部を刳り抜いて使用者が把持可能な構成としてもよい。
【0076】
・上記各実施形態では、特に言及していないが、例えば図9(a)(b)に示すように把持部14にばね部材110を設ける構成を採用してもよい。このような構成とすることで、把持部14を使用者自らで傾動動作させる際に、ばね部材110が作用する方向と抗する方向に動作させることで、把持部14の傾動動作に対して抗する力が作用するため使用者の腕の運動を行うことができる。一方、把持部14をばね部材110が抗する方向に傾動させてばね部材110が十分に伸張した状態から逆方向に把持部14を動作させる場合には、ばね部材110にて傾動動作を補助する力が働くこととなる。このとき、使用者の腕の力はあまり作用しない事から、単に腕の関節の運動を行うことができる。なお、このような構成としてはばね部材110に限らず、使用者の把持部14を傾動動作させる力に対して抗するような手段であれば適宜変更してもよい。また、使用者の把持部14を傾動動作させる力を補助する手段であればばね部材110以外の構成に適宜変更してもよい。
【0077】
・上記第1実施形態では、臀部支持部13を構成する座部13bと背もたれ部15と一体形成して、座部13bと背もたれ部15とが一体移動可能に構成したが、第2実施形態の様に座部13bの揺動に関わらず背もたれ部15の位置を固定する構成としてもよい。
【0078】
・上記第2実施形態では、背もたれ部15と座部13b(臀部支持部13)とが独立して、座部13bの揺動に関わらず背もたれ部15の位置が固定される構成としたが、第1実施形態の様に座部13bと背もたれ部15とが一体移動可能に構成してもよい。
【0079】
・上記各実施形態では、特に言及していないが、足置き台16c,16d(足置き部15)の上下方向位置を変更可能な構成を採用してもよい。これにより、使用者の好みの位置で足置き台16c,16dを使用することが可能となる。
【0080】
・上記各実施形態では、脚部の運動に使用する足置き台16c,16dを設ける構成としたが、これに加えて例えば図13に示すように脚部の休息に使用する足載せ台100を別途設ける構成を採用してもよい。足載せ台100は、図13に示すように、足置き部16を構成する各支持部16aの上端に固設される足載せ本体101と、この各足載せ本体101の左右方向(幅方向X)略中央に形成される窪み部102とで構成される。窪み部102は、使用者の踵部を載置することを想定し、踵部を安定して載置できる大きさとされている。このとき、足載せ台100が足置き台16,16d(足置き部16)よりも高い位置と設定されるため、使用者の脚部を略水平に維持することが可能となる。また、足置き部16の前後方向の位置を調整するスライド機構17と併用することで、使用者が着座した状態で膝の曲げ伸ばし等の運動を行うことも可能となる。
【0081】
・上記実施形態では、特に言及していないが図10に示すように、支持部16aと足置き台16c,16dとの間にばね部材120等の弾性部材を配置して、足置き台16c,16d並びに使用者の脚部に対して弾性力が生じる構成を採用してもよい。このような構成とすることで、弾性部材(ばね部材120)の弾性力と使用者からの足置き台16c,16dに作用する力とによって足置き台16c,16dの傾動角度が変化する。使用者個々の脚力に合わせて足首の関節の運動を行うことができる。
【0082】
また、図11に示すように支持部16aと足置き台16c,16dとの間に弾性力の異なる複数のばね部材121,122(弾性部材)を配置する構成として2段階の弾性力が生じる構成を採用してもよい。なお、複数のばね部材121,122との間には前記足置き台16c,16dの回動中心である回動軸16bを中心として回動する回動部材16fが介在されている。このような構成とすることで、使用者の踏み込む強さによって、足首の関節可動域を変更したり、脚力の運動の強さを変化させることができる。
【0083】
・上記各実施形態では、足置き部16の足置き台16c,16dが支持部16aに対して傾動可能な構成としたが、傾動不能な構成を採用してもよい。
・上記各実施形態では、特に言及していないが、図12(a)(b)に示すように足置き台44を足裏の基節骨K周辺を中心として力を受けるように設置してもよい。足の基節骨K周辺で力を受けることでより脚部,特に大腿前部の運動に効果がある。ちなみに、基節骨Kとは、図12(c)に示すように、第一趾(親指)Aにおいて先端から2番目の骨であり、第二趾(人差し指)B、第三趾(中指)C、第四趾(薬指)D、第五趾(小指)Eにおいて先端から3番目の骨である。なお、本構成においては、足置き台44に少なくとも第一趾(親指)Aの基節骨Kが当接して第一趾(親指)Aの基節骨Kを中心として運動できればよく、他の指B〜Eの基節骨Kが足置き台44に当接するか否かは問わない。
【0084】
・上記各実施形態では、足置き台16c,16dの先端側に踵当接部16eを設ける構成としたが、この踵当接部16eを省略する構成を採用してもよい。また、踵当接部16eを省略した場合にゴム部材等の滑り止めの役割を担う部材を足置き台16c,16dの上面に設けることで、足の位置ずれを抑えることが可能となる。
【0085】
・上記各実施形態では、使用者の足の爪先側が上方を向くように足置き台16c,16dを傾倒させたが、使用者の足の踵側と爪先側が水平となるように足置き台16c,16dを水平に配置した構成を採用してもよい。
【0086】
・上記各実施形態では、左右の足を独立して乗せることができるように足置き台16c,16dを2つ設けたが、足置き台を1つ設ける構成を採用してもよい。足置き台を1つ設ける構成とすることで、2つ以上設ける場合と比較して、部品点数の増加を抑えることができる。また、足置き台をモータ等の駆動源により自動で傾動動作させる場合においても、部品点数の増加を抑えてコスト低減に寄与することができる。
【0087】
・上記第2実施形態では、昇降機構90にて座部13bの角度を調整するように構成したが、座部13bの角度を調整不能とした構成を採用してもよい。また、第1実施形態においても座部13bの角度を調整する角度調整機構を設けてもよい。
【符号の説明】
【0088】
10…運動補助装置、12,50…揺動駆動装置(揺動駆動手段)、20…モータ(駆動源)、13…臀部支持部(臀部支持手段)、13b…臀部支持部を構成する座部、14…把持部、15…背もたれ部、16…足置き部、16c,16d…足置き台、17…スライド機構(位置調整手段)、43…肘置き部、44…足置き台、110…ばね部材(作用手段)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、脚部の運動を行うことができる運動補助装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
脚部の運動を可能とする運動補助装置としては、例えば室内でランニングを可能とするトレッドミルや自転車の漕ぎ運動を模したフィットネスバイクなどが広く知られている。トレッドミルやフィットネスバイクのような運動補助装置では、膝関節の屈伸を伴ったり、膝関節に強い負荷が作用したりすることから、使用者が膝等を痛めている場合には、過度な負荷となり、運動を継続することが難しい。
【0003】
このような問題を改善するべく、使用者の膝にかかる負荷を抑えて脚部(特に大腿部)の運動を可能とする運動補助装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1の運動補助装置は、使用者の臀部を支持する臀部支持部と使用者の足部を支持する足置き部とを備え、臀部支持部を揺動駆動部によって揺動動作させるようになっている。このように、臀部支持部を揺動駆動部によって揺動動作させることで、使用者の臀部に作用していた使用者の自重の一部が脚部側に作用するため、脚部の運動を行うことができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−264320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような運動補助装置では、座部を揺動させることで、脚部の運動を行うことができるが、より好適に脚部の運動を行うことが可能な運動補助装置の開発が望まれている。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、より好適に脚部の運動を行うことが可能な運動補助装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の運動補助装置は、使用者の臀部を支持する臀部支持手段と、前記使用者の足を置く足置き部と、前記臀部支持手段を少なくとも前後方向に揺動させる揺動駆動手段とを備えた運動補助装置であって、前記臀部支持手段には、前記使用者の背部をもたれさせる背もたれ部を備えたことを特徴とする。
【0008】
また上記構成において、背もたれ部は、前記臀部支持手段と別体で構成されることが好ましい。
また上記構成において、背もたれ部は、前記臀部支持手段と一体で構成されることが好ましい。
【0009】
また上記構成において、使用者の肘を置くことが可能な肘置き部を備えることが好ましい。
また上記構成において、揺動駆動手段は、前後方向の揺動に加えて前記臀部支持手段を左右方向に揺動させることが好ましい。
【0010】
また上記構成において、揺動駆動手段は、前後方向の揺動と左右方向の揺動とを組み合わせて前記臀部支持手段を8の字に動作させることが好ましい。
また上記構成において、使用者が把持可能な把持部を備えることが好ましい。
【0011】
また上記構成において、把持部は、移動不能に設けられることが好ましい。
また上記構成において、把持部は、少なくとも前後方向に傾動可能に構成されることが好ましい。
【0012】
また上記構成において、把持部は、前記使用者による該把持部の移動を補助又は前記把持部の移動に抗する力が作用する作用手段が設けられることが好ましい。
また上記構成において、把持部は、駆動源により傾動動作可能に構成されることが好ましい。
【0013】
また上記構成において、揺動駆動手段の駆動源と、把持部の傾動動作に用いられる駆動源とが同一のものであることが好ましい。
また上記構成において、足置き部の前後方向の位置を調整可能な位置調整手段を備えることが好ましい。
【0014】
また上記構成において、位置調整手段は、前記足置き部を前記臀部支持手段の下部まで後退させて前記足置き部を収容可能に構成されることが好ましい。
また上記構成において、足置き部は、前記使用者の足の基節骨と当接する当接部を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、より好適に脚部の運動を行うことが可能な運動補助装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施形態における運動補助装置の側面図である。
【図2】同上における座部を省略した状態の運動補助装置の平面図である。
【図3】(a)(b)第2実施形態における運動補助装置の斜視図である。
【図4】同上における運動補助装置の側面図である。
【図5】同上における運動補助装置に備えられる揺動駆動装置の分解斜視図である。
【図6】同上における運動補助装置に備えられる揺動駆動装置の側面図である。
【図7】別例における運動補助装置の斜視図である。
【図8】別例における運動補助装置の側面図である。
【図9】(a)(b)は別例における運動補助装置の側面図である。
【図10】別例における運動補助装置の足置き台の側面図である。
【図11】別例における運動補助装置の足置き台の側面図である。
【図12】(a)は足置き台と基節骨について説明するための側面図であり、(b)は足置き台と基節骨について説明するための側面図であり、(c)は基節骨について説明するための足の骨の平面図である。
【図13】別例における足置き台について説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、運動補助装置10は、その基台11が図示しない床面に載置されるとともに、基台11上に設けられた揺動駆動装置12を備えている。
【0018】
図1に示すように揺動駆動装置12は、前記基台11上に設けられる臀部支持部13及び同基台11上に設けられて使用者によって把持可能な長尺状の把持部14を前後方向に揺動させるものである。揺動駆動装置12は、図2に示すように駆動源としてのモータ20と、伝達経路を成す駆動伝達機構21とから構成されている。駆動装置12を構成するモータ20は、前記基台11の前後方向に対して交わる方向に傾倒した状態で固定されるとともに、制御部(図示略)によりその駆動が制御されている。
【0019】
また、駆動伝達機構21は、モータ20のウォーム20aに噛合して駆動連結される第1ギヤ23とこの第1ギヤ23に噛合して駆動連結される第2ギヤ24とを備える。そして、各ギヤ23,24がモータ20の駆動により回転されることでその駆動力が臀部支持部13及び前記基台11上に設けられた把持部14に伝達されるようになっている。なお、第1ギヤ23及び第2ギヤ24の回転数比は2:1、つまり第2ギヤ24の直径が第1ギヤ23の2倍となるように設定されている。
【0020】
駆動伝達機構21を構成する第1ギヤ23には、この第1ギヤ23の径方向略中心において一体回転する回転支軸23aの一端側に偏心クランク部材23bの基端側が接続される。そして、偏心クランク部材23bの先端側には臀部支持部13と接続される接続部材23cが接続されている。
【0021】
一方、第2ギヤ24には、この第2ギヤ24の径方向略中心において一体回転する回転支軸24aの両端に、偏心クランク部材24bの基端側が接続される。そして、この偏心クランク部材24bの先端側には固定ピン24cを介して把持部14側と接続される接続部材24dが接続されている。
【0022】
揺動駆動装置12によって揺動される臀部支持部13は、図1に示すように基台11の後部において上方に立設される支柱部13aと、この支柱部13aの上部に固定される座部13bとを備えている。そして、前記支柱部13aはその下部の回転軸11aを中心として回動可能に構成されている。また、臀部支持部13を構成する座部13bの後部には使用者が背中(身体)をもたれさせることが可能な背もたれ部15が座部13bと一体移動可能に固設されている。
【0023】
一方、揺動駆動装置12によって揺動される把持部14は、図1及び図2に示すようにその基端部14aが基台11側の回転軸11bを中心として回動可能に構成されており、把持部14の基端部14aに前記駆動伝達機構21の接続部材24cが接続されている。これにより、接続部23cからの駆動力が伝達されて把持部14の先端側であるグリップ部14b,14cが傾動(揺動)されるようになっている。なお、グリップ部14b,14cは右手用のグリップ部14bと、左手用のグリップ部14cとでなる。
【0024】
また、本実施形態の運動補助装置10の前記基台11には、図1及び図2に示すように、その上面前部に使用者の左右の足を独立して置くことが可能な足置き部16が設けられている。この足置き部16は、基台11の上面前部から上方に向かって立設される支持部16aの上端に、回動軸16bを介して略平板状の足置き台16c,16dの基端側が接続されて足置き台16c,16dが前記回動軸16bを中心として傾動可能に構成されている。また、各足置き台16c,16dは、その先端側(後端側)における上面から延出する凸状の踵当接部16eを備えている。なお、足置き台16c,16dは、右足用の足置き台16cと、左足用の足置き台16dとでなる。また、足置き台16c,16d(足置き部16)は、基台11に備えられる多段階に伸縮可能なスライドレールからなるスライド機構17により前後方向位置が任意に調整可能となっている。
【0025】
次に、本実施形態の運動補助装置10の作用について説明する。
上記のように構成された運動補助装置10では、使用者による操作部(図示略)の操作によりスタートスイッチ(図示略)が押圧操作されると、前記制御部はモータ20に電力を供給して回転させる。これに伴い、モータ20と駆動連結される駆動伝達機構21が動作して把持部14(グリップ部14b,14c)及び臀部支持部13が前後方向に揺動動作する。
【0026】
ここで、本実施形態の運動補助装置10では駆動伝達機構21を構成する第1ギヤ23及び第2ギヤ24の回転数比が前述したように2:1となっている。このため、第1ギヤ23の回転駆動が回転支軸23a、偏心クランク部材23b及び接続部材23cを介して伝達されて臀部支持部13が前後方向に2往復揺動動作すると、把持部のグリップ部14b,14cが交互に1回ずつ前後に揺動するようになっている。そして、臀部支持部13が前方に動作されると、各グリップ部14b,14cの内の一方のグリップ部14b,14cが回動軸11bを中心として最前位置まで移動され、他方のグリップ部14b,14cが回動軸11bを中心として最後位置まで傾動される。なお、図1及び図2では、使用者が運動補助装置10の座部13bに着座した状態で左手側のグリップ部14cが最前位置まで移動されるとともに、右手側のグリップ部14bが最後位置まで移動された状態を示している。
【0027】
また、モータ20及び駆動伝達機構21にて臀部支持部13が前後方向に揺動されることで臀部支持部13が前方に動作して使用者の身体がそれに伴って移動する場合に、足置き台16c,16dに置かれた使用者の脚部に負荷がかかり脚部を鍛えることができる。このとき、背もたれ部15によって使用者の身体が後部に逃げることを抑えることができるため、使用者の脚部の筋力に作用する力(負荷)を背もたれ部15が省略した構成と比較して大きくできるようになっている。
【0028】
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)臀部支持手段を構成する座部13bの後部には、使用者の背部をもたれさせる背もたれ部15が備えられる。背もたれ部15によって使用者の身体が後部に逃げることを抑えることができるため、使用者の脚部の筋力に作用する力(負荷)を背もたれ部15が省略した構成と比較して大きくできる。これにより、より好適に使用者の脚部の運動を行うことができる。
【0029】
(2)背もたれ部15は、臀部支持手段を構成する座部13bと一体で構成される。このため、座部13bと背もたれ部15との位置関係が変更されることなく、脚部に対して一定の負荷を与えることが可能となる。
【0030】
(3)使用者が把持可能な把持部14b,14cが備えられる。把持部14b,14cが設けられるため、使用者がバランスをくずした際に把持部14b,14cにて自身を支えることが容易となる。また、使用者に対して把持部14b,14cを把持することによる安心感を与えることができる。
【0031】
(4)把持部14b,14cは、前後方向に揺動可能に構成される。これにより、使用者の手(腕)の運動を行うことができる。
(5)把持部14b,14cは、駆動源としてのモータ20により前後方向に揺動動作可能に構成される。モータ20により把持部14b,14cが自動で揺動するため、他動運動を実施することができる。
【0032】
(6)臀部支持手段を構成する座部13bを揺動させる揺動駆動手段を構成する駆動源と、把持部14b,14cの動作に用いられる駆動源とが同一のモータ20で構成される。このため、それぞれ別の駆動源を設ける場合と比較して、比較的高価な駆動源の個数を減らすことができる。また、1つの駆動源(モータ20)で座部13b及び把持部14b,14cを動作させることで容易に連動性を図ることができる。
【0033】
(7)足置き部16(足置き台16c,16d)の前後方向の位置を調整可能な位置調整手段としてのスライド機構17が備えられる。これにより、使用者個々の体格の違いに応じた運動を実施することができる。
【0034】
(8)位置調整手段を構成するスライド機構17は、前記足置き部16(足置き台16c,16d)を座部13bの下部まで後退させて座部13b下部に収容可能に構成される。このような構成とすることで、本装置10を使用しない際には足置き部16を収容してコンパクトにすることができるため、本装置10が邪魔になることを抑えることができる。
【0035】
(9)座部13bは、その高さが足置き部16よりも若干高い程度に設定されて比較的低く設定されている。このため、乗り降りがし易く、高齢者等の使用者に対して恐怖感を与えるといったことが抑えられる。
【0036】
(10)また、足置き台16c,16dの踵側が爪先側よりも低い位置とされているため、足置き台16c,16dを基台11並びに座部13bの座面と平行に設定した場合と比較して臀部支持部13(座部13b)を前後に揺動させた場合の運動を効率よく行うことが可能となる。
【0037】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図3〜図6に従って説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して、その説明の一部又は全部を割愛する。
【0038】
図3(a)(b)及び図4に示すように、運動補助装置10は、その基台11が図示しない床面に載置されるとともに、基台11の上に設けられた揺動駆動装置50と、この揺動駆動装置50により揺動される臀部支持部13(座部13b)とを備えている。
【0039】
また、臀部支持部13(座部13b)の後方には、この臀部支持部13(座部13b)とは別体の背もたれ部15が基台11から延出する複数の支持部材41にて支持されている。また、背もたれ部15には背もたれ部15の幅方向外側から前方にかけて湾曲するように延出する延出部42が一体形成されている。この延出部42は背もたれ部15よりも上下方向長さが短くなるように延出部42の上面側が前方側の途中位置まで徐々に下がり、延出部42の上下方向長さが徐々に短くなり、途中位置から前方側においては上下方向長さが略一定となるように形成されている。また、延出部42は、その上部が使用者の肘を置くことが可能な肘置き部43として機能するようになっている。
【0040】
次に図5及び図6を参照して、揺動駆動装置50の詳細な構造について説明する。
揺動駆動装置50は、座部13bが固定された台座57をモータ61により幅方向X及び高さ方向Yと奥行方向(前後方向)Z回りで揺動運動させることにより、台座57とともに座部13bを揺動運動させるようになっている。
【0041】
また本実施形態の揺動駆動装置50においては、座部13bの角度を調整する昇降機構90が設けられている。
揺動駆動装置50は、前方の端部と後方の端部が同程度の高さとなる状態で脚部の上面に固定されるベース51と、揺動運動が可能となるように台座57を支持する筐体53とを備える。また、揺動駆動装置50は、筐体53及び台座57を互いに接続する連結リンク56と、連結リンク56を介して台座57を揺動運動させるための駆動部60とを備える。
【0042】
連結リンク56は、側板58と接続される。連結リンク56としては、奥行方向Zにおいて所定の間隔をおいて配置された2つのリンク、すなわち前リンク56A及び昇降機構90が設けられている。
【0043】
連結リンク56は、次のように台座57及び側板58に連結されている。
・連結リンク56の前リンク56Aの下端は、下軸ピン59Aにより側板58に対して回転可能な状態で側板58の前端に連結されている。また連結リンク56の前リンク56Aの上端は、上軸ピン59Bにより台座57に対して回転可能な状態で台座57の前端に連結されている。
【0044】
昇降機構90は、次のように台座57及び側板58に連結されている。
昇降機構90の下端は、下軸ピン59Cにより側板58に対して回転可能な状態で側板58の後端に連結されている。昇降機構90の上端は、上軸ピン59Dにより台座57に対して回転可能な状態で台座57の後端に連結されている。
【0045】
台座57の前端部は下軸ピン59Aを中心とする円弧上を移動し、台座57の後端部は軸部59Cを中心とする円弧上を移動するように、台座57の移動範囲が規制されている。ここで、後リンク56は前リンク56よりも長寸に形成してあり、台座57の前端部と後端部との回転半径が異なることにより、台座57は前後に移動するのに伴って上面の傾斜角度を変化させることになる。
【0046】
奥行方向Zの後方側に設けられる昇降機構90が伸長及び縮小することにより、台座57及び座部13bが前傾状態及び後傾状態の間で動作する。昇降機構90が最大限まで伸長または最大限まで縮小したときの台座57及び座部13bの傾斜角度は、昇降機構90が各下軸ピン59A,59Cを中心に回転したときの最大の傾斜角度よりも大きい。
【0047】
図5に示されるように、筐体53の左側及び右側の端のそれぞれは、奥行方向Zに沿う形状の側板58により形成されている。筐体53の前方及び後方の端のそれぞれは、高さ方向Yに沿う形状の連結板54により形成されている。
【0048】
図6に示されるように、ベース51には、奥行方向Zに並べられた2つの軸支板52(図5参照)が設けられている。各軸支板52には、支軸55により軸支板52に対して回転可能な状態で連結板54が連結されている。すなわち支軸55は、幅方向X回りの回転が可能な状態で筐体53を支持している。
【0049】
次に台座57と連結リンク56との関係について説明する。
連結リンク56が各下軸ピン59A,59Cを中心に前方に向けて回転したとき、高さ方向Yにおいて昇降機構90がベース51に対して傾斜する。このため、高さ方向Yにおいて台座57の後方の端部が前方の端部よりも低くなる。すなわち、奥行方向Zにおいて前方から後方に向かうにつれて高さ方向Yにおいて上方から下方に向けて台座57が傾斜する。
【0050】
連結リンク56が各下軸ピン59A,59Cを中心に後方に向けて回転したとき、高さ方向Yにおいて昇降機構90がベース51に対して傾斜する。このため、高さ方向Yにおいて台座57の後方の端部が前方の端部よりも低くなる。すなわち、奥行方向Zにおいて前方から後方に向かうにつれて高さ方向Yにおいて上方から下方に向けて台座57が傾斜する。
【0051】
昇降機構90は、ウォームギヤ及びウォームホイール(いずれも図示略)が内部に設けられたギヤボックス91と、ウォームギヤを回転するためのモータ92と、モータ92の回転に基づいて直線運動するボールねじ93とを備える。ボールねじ93は、ウォームホイールに噛み合わされている。また、ボールねじ93の上端は台座57に左右方向X回りに回転可能に連結されている。
【0052】
また、ギヤボックス91はギヤボックス支持板91Aを介して筐体53に左右方向X回りに回転可能に連結されている.
モータ92の回転にともないウォームホイールが回転することにより、ウォームギヤが回転する。これにより、ウォームギヤの回転がボールねじ93に伝達される。そして、ボールねじ93が回転に応じて直線運動することにより、昇降機構90が伸長または縮小する。
【0053】
図5を参照して、駆動部60の詳細な構造について説明する。
駆動部60は、高さ方向Yに沿うように配置される出力軸62を有するモータ61と、幅方向Xに沿うように配置される第1シャフト64とを備える。また、駆動部60は、出力軸62に設けられるモータギヤ63と、第1シャフト64に設けられてモータギヤ63に噛み合わされる第1ギヤ65とを備える。また、駆動部60は、台座57を奥行方向Zにおいて運動させるための第1駆動部70と、台座57を幅方向Xにおいて運動させるための第2駆動部80とを備える。モータ61は、側板58に固定されている。第1シャフト64の両端は、それぞれ側板58により支持されている。
【0054】
第1駆動部70は、第1シャフト64の両端に接続される2つの偏心クランク71と、一端が偏心クランク71に接続される2つのアームリンク73とを備える。また、図6に示されるように、各偏心クランク71と各アームリンク73の一端とを互いに接続する軸ピン72と、前リンク56Aと各アームリンク73の他端とを互いに接続する軸ピン74とを備える。
【0055】
第2駆動部80の詳細な構造について説明する。
第2駆動部80は、第1シャフト64に固定される連動ギヤ83と、連動ギヤ83に噛み合わされる第2ギヤ81と、第2ギヤ81が設けられる第2シャフト82と、第2シャフト82に連結される偏心ロッド84とを備える。また、第2駆動部80は、偏心ロッド84の下端が回転可能な状態で連結された連結金具86と、偏心ロッド84の下端と連結金具86とを互いに回転可能に連結する軸ピン87とを備える。また、第2シャフト82は、第2シャフト82の左端と偏心ロッド84の上端とを互いに連結する軸ピン85を備える。
【0056】
第2シャフト82は、幅方向Xに沿うように配置されるとともに筐体53により支持されている。偏心ロッド84は、第2シャフト82の回転中心に対して偏心して同シャフト82に連結されている。
【0057】
次に、図6を参照して、揺動駆動装置50の駆動態様並びに運動補助装置10の作用について説明する。
モータ61の出力軸62が回転するとき、出力軸62の回転がモータギヤ63を介して第1ギヤ65に伝達される。これにより、第1ギヤ65とともに第1シャフト64が回転する。このとき、各偏心クランク71が第1シャフト64に対して回転運動する。そして、偏心クランク71の回転運動にともないアームリンク73が第1シャフト64に対して偏心運動を行ない、前リンク56Aが奥行方向Zに往復運動し、これにともない座部13bが図中の矢印Mの方向に往復運動する。
【0058】
出力軸62の回転にともない第1シャフト64が回転するとき、同シャフト64の回転が連動ギヤ83を介して第2ギヤ81に伝達される。これにより、第2ギヤ81とともに第2シャフト82が回転する。このとき、第2シャフト82の回転にともない偏心ロッド84の上端が第2シャフト82に対して偏心運動する。そして、この偏心ロッド84の偏心運動が同ロッド84の上端及び第2シャフト82を介して筐体53に伝達される。台座57及び座部13bが幅方向Xに往復運動する。
【0059】
そして、上述した座部13bの2つの往復運動、すなわち図6中矢印Mの方向の往復運動及び幅方向Xの往復運動が組み合わされることにより、座部13bが幅方向X及び高さ方向Yと奥行方向Z回りの揺動運動を行う。
【0060】
揺動駆動装置50においては、座部13bが幅方向Xに1往復する間に座部13bが奥行方向Zに2往復するように第1駆動部70及び第2駆動部80の各ギヤが構成されている。このため、運動補助装置10の平面視において座部13bが例えば乗馬を模した8の字状に揺動運動する。
【0061】
そして、例えば、揺動駆動装置50にて臀部支持部13が前後方向に揺動されることで臀部支持部13が前方に動作して使用者の身体がそれに伴って移動する場合に、足置き台16c,16dに置かれた使用者の脚部に負荷がかかり脚部を鍛えることができるようになっている。また、揺動駆動装置50にて臀部支持部13が左右方向に揺動されることで、例えば使用者の腰の筋肉にも負荷を与えることができる。
【0062】
本実施形態によれば、第1実施形態の(1)の効果、及び第1実施形態の(3)及び(4)の効果に加えて次のような効果が得られる。
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
【0063】
(1)使用者の肘を置くことが可能な肘置き部43が備えられる。これにより、肘を置くことができ、利便性を向上できる。更に、肘置き部43を利用することで、座部13bにのみ使用者の自重が作用することによる腰の痛みを和らげることも可能となる。
【0064】
(2)座部13bが揺動駆動装置50により前後方向及び左右方向に動作される。これにより、左右方向の揺動動作によって使用者の脚部の一方に対して負荷を与えることができ、より効果的な運動を行うことができる。
【0065】
なお、本発明の各実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、特に言及していないが、例えば揺動動作の速度(揺動周期)や揺動時の移動量等を任意に変更可能に構成してもよい。
【0066】
・上記各実施形態では、特に言及していないが、例えば臀部支持部13を構成する座部13bに対する背もたれ部15の角度を変更可能な構成、つまりリクライニング機構を備えた構成を採用してもよい。このリクライニング機構としては、使用者自身が直接背もたれ部15を動作させて角度変更する構成や、使用者のスイッチを操作することによって駆動源(モータ等)を駆動させることで背もたれ部15が動作させて角度変更する構成などが考えられる。
【0067】
・上記各実施形態では、基台11に設けられるスライド機構17(位置調整手段)により足置き部16を座部13b下部まで移動させて、座部13b下部に足置き部16を収容する構成としたが、収容不能な構成を採用してもよい。
【0068】
・上記各実施形態では、足置き部16の前後方向における位置を調整可能なスライド機構17を設ける構成としたが、足置き部16の前後方向における位置を調整不能、つまり足置き部16の前後方向における位置を固定する構成としてもよい。
【0069】
・上記第1実施形態では、臀部揺動手段を構成する座部13bを揺動させる揺動駆動装置12の駆動源と、把持部14を揺動させる駆動源とが同一の駆動源(モータ20)としたが、これに限らず、個別に駆動源を設ける構成を採用してもよい。
【0070】
・上記各実施形態では、把持部14を駆動源としてのモータ20により所定範囲で傾動(揺動)させる構成としたが、把持部14を単に傾動(揺動)可能として例えば使用者自らが動作させる構成を採用してもよい。
【0071】
・上記各実施形態では、把持部14が傾動可能な構成としたが、把持部14が傾動不能な構成、つまり把持部14の位置が固定される構成を採用してもよい。
・上記各実施形態では、把持部14を設ける構成としたが、この把持部14を省略した構成を採用してもよい。
【0072】
・上記第2実施形態では、座部13bを前後方向並びに左右方向に揺動させて8の字状に揺動動作する構成としたが、8の字以外のV字、W字状に揺動動作するように構成してもよい。
【0073】
・上記第2実施形態では、揺動駆動装置50にて臀部支持部13(座部13b)を前後方向及び左右方向に動作させる構成としたが、少なくとも前後方向に揺動させる構成であればよい。
【0074】
・上記第2実施形態では、肘置き部43を設ける構成としたが、省略してもよい。
・上記第1実施形態では、特に言及していないが把持部14とは異なる肘置き部を設ける構成を採用してもよい。
【0075】
・上記第2実施形態では、特に言及していないが、図7及び8に示すように把持部14を設けてもよい。また、例えば図7〜図9に示すように、肘置き部43の下部を刳り抜いて使用者が把持可能な構成としてもよい。
【0076】
・上記各実施形態では、特に言及していないが、例えば図9(a)(b)に示すように把持部14にばね部材110を設ける構成を採用してもよい。このような構成とすることで、把持部14を使用者自らで傾動動作させる際に、ばね部材110が作用する方向と抗する方向に動作させることで、把持部14の傾動動作に対して抗する力が作用するため使用者の腕の運動を行うことができる。一方、把持部14をばね部材110が抗する方向に傾動させてばね部材110が十分に伸張した状態から逆方向に把持部14を動作させる場合には、ばね部材110にて傾動動作を補助する力が働くこととなる。このとき、使用者の腕の力はあまり作用しない事から、単に腕の関節の運動を行うことができる。なお、このような構成としてはばね部材110に限らず、使用者の把持部14を傾動動作させる力に対して抗するような手段であれば適宜変更してもよい。また、使用者の把持部14を傾動動作させる力を補助する手段であればばね部材110以外の構成に適宜変更してもよい。
【0077】
・上記第1実施形態では、臀部支持部13を構成する座部13bと背もたれ部15と一体形成して、座部13bと背もたれ部15とが一体移動可能に構成したが、第2実施形態の様に座部13bの揺動に関わらず背もたれ部15の位置を固定する構成としてもよい。
【0078】
・上記第2実施形態では、背もたれ部15と座部13b(臀部支持部13)とが独立して、座部13bの揺動に関わらず背もたれ部15の位置が固定される構成としたが、第1実施形態の様に座部13bと背もたれ部15とが一体移動可能に構成してもよい。
【0079】
・上記各実施形態では、特に言及していないが、足置き台16c,16d(足置き部15)の上下方向位置を変更可能な構成を採用してもよい。これにより、使用者の好みの位置で足置き台16c,16dを使用することが可能となる。
【0080】
・上記各実施形態では、脚部の運動に使用する足置き台16c,16dを設ける構成としたが、これに加えて例えば図13に示すように脚部の休息に使用する足載せ台100を別途設ける構成を採用してもよい。足載せ台100は、図13に示すように、足置き部16を構成する各支持部16aの上端に固設される足載せ本体101と、この各足載せ本体101の左右方向(幅方向X)略中央に形成される窪み部102とで構成される。窪み部102は、使用者の踵部を載置することを想定し、踵部を安定して載置できる大きさとされている。このとき、足載せ台100が足置き台16,16d(足置き部16)よりも高い位置と設定されるため、使用者の脚部を略水平に維持することが可能となる。また、足置き部16の前後方向の位置を調整するスライド機構17と併用することで、使用者が着座した状態で膝の曲げ伸ばし等の運動を行うことも可能となる。
【0081】
・上記実施形態では、特に言及していないが図10に示すように、支持部16aと足置き台16c,16dとの間にばね部材120等の弾性部材を配置して、足置き台16c,16d並びに使用者の脚部に対して弾性力が生じる構成を採用してもよい。このような構成とすることで、弾性部材(ばね部材120)の弾性力と使用者からの足置き台16c,16dに作用する力とによって足置き台16c,16dの傾動角度が変化する。使用者個々の脚力に合わせて足首の関節の運動を行うことができる。
【0082】
また、図11に示すように支持部16aと足置き台16c,16dとの間に弾性力の異なる複数のばね部材121,122(弾性部材)を配置する構成として2段階の弾性力が生じる構成を採用してもよい。なお、複数のばね部材121,122との間には前記足置き台16c,16dの回動中心である回動軸16bを中心として回動する回動部材16fが介在されている。このような構成とすることで、使用者の踏み込む強さによって、足首の関節可動域を変更したり、脚力の運動の強さを変化させることができる。
【0083】
・上記各実施形態では、足置き部16の足置き台16c,16dが支持部16aに対して傾動可能な構成としたが、傾動不能な構成を採用してもよい。
・上記各実施形態では、特に言及していないが、図12(a)(b)に示すように足置き台44を足裏の基節骨K周辺を中心として力を受けるように設置してもよい。足の基節骨K周辺で力を受けることでより脚部,特に大腿前部の運動に効果がある。ちなみに、基節骨Kとは、図12(c)に示すように、第一趾(親指)Aにおいて先端から2番目の骨であり、第二趾(人差し指)B、第三趾(中指)C、第四趾(薬指)D、第五趾(小指)Eにおいて先端から3番目の骨である。なお、本構成においては、足置き台44に少なくとも第一趾(親指)Aの基節骨Kが当接して第一趾(親指)Aの基節骨Kを中心として運動できればよく、他の指B〜Eの基節骨Kが足置き台44に当接するか否かは問わない。
【0084】
・上記各実施形態では、足置き台16c,16dの先端側に踵当接部16eを設ける構成としたが、この踵当接部16eを省略する構成を採用してもよい。また、踵当接部16eを省略した場合にゴム部材等の滑り止めの役割を担う部材を足置き台16c,16dの上面に設けることで、足の位置ずれを抑えることが可能となる。
【0085】
・上記各実施形態では、使用者の足の爪先側が上方を向くように足置き台16c,16dを傾倒させたが、使用者の足の踵側と爪先側が水平となるように足置き台16c,16dを水平に配置した構成を採用してもよい。
【0086】
・上記各実施形態では、左右の足を独立して乗せることができるように足置き台16c,16dを2つ設けたが、足置き台を1つ設ける構成を採用してもよい。足置き台を1つ設ける構成とすることで、2つ以上設ける場合と比較して、部品点数の増加を抑えることができる。また、足置き台をモータ等の駆動源により自動で傾動動作させる場合においても、部品点数の増加を抑えてコスト低減に寄与することができる。
【0087】
・上記第2実施形態では、昇降機構90にて座部13bの角度を調整するように構成したが、座部13bの角度を調整不能とした構成を採用してもよい。また、第1実施形態においても座部13bの角度を調整する角度調整機構を設けてもよい。
【符号の説明】
【0088】
10…運動補助装置、12,50…揺動駆動装置(揺動駆動手段)、20…モータ(駆動源)、13…臀部支持部(臀部支持手段)、13b…臀部支持部を構成する座部、14…把持部、15…背もたれ部、16…足置き部、16c,16d…足置き台、17…スライド機構(位置調整手段)、43…肘置き部、44…足置き台、110…ばね部材(作用手段)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の臀部を支持する臀部支持手段と、前記使用者の足を置く足置き部と、前記臀部支持手段を少なくとも前後方向に揺動させる揺動駆動手段とを備えた運動補助装置であって、
前記臀部支持手段には、前記使用者の背部をもたれさせる背もたれ部を備えたことを特徴とする運動補助装置。
【請求項2】
請求項1に記載の運動補助装置において、
前記背もたれ部は、前記臀部支持手段と別体で構成されたことを特徴とする運動補助装置。
【請求項3】
請求項1に記載の運動補助装置において、
前記背もたれ部は、前記臀部支持手段と一体で構成されたことを特徴とする運動補助装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の運動補助装置において、
前記使用者の肘を置くことが可能な肘置き部を備えたことを特徴とする運動補助装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の運動補助装置において、
前記揺動駆動手段は、前後方向の揺動に加えて前記臀部支持手段を左右方向に揺動させることを特徴とする運動補助装置。
【請求項6】
請求項5に記載の運動補助装置において、
前記揺動駆動手段は、前後方向の揺動と左右方向の揺動とを組み合わせて前記臀部支持手段を8の字に動作させることを特徴とする運動補助装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の運動補助装置において、
前記使用者が把持可能な把持部を備えたことを特徴とする運動補助装置。
【請求項8】
請求項7に記載の運動補助装置において、
前記把持部は、移動不能に設けられたことを特徴とする運動補助装置。
【請求項9】
請求項7に記載の運動補助装置において、
前記把持部は、少なくとも前後方向に傾動可能に構成されたことを特徴とする運動補助装置。
【請求項10】
請求項9に記載の運動補助装置において、
前記把持部は、前記使用者による該把持部の移動を補助又は前記把持部の移動に抗する力が作用する作用手段が設けられたことを特徴とする運動補助装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の運動補助装置において、
前記把持部は、駆動源により傾動動作可能に構成されたことを特徴とする運動補助装置。
【請求項12】
請求項11に記載の運動補助装置において、
前記揺動駆動手段の駆動源と、前記把持部の傾動動作に用いられる駆動源とが同一のものであることを特徴とする運動補助装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の運動補助装置において、
前記足置き部の前後方向の位置を調整可能な位置調整手段を備えたことを特徴とする運動補助装置。
【請求項14】
請求項13に記載の運動補助装置において、
前記位置調整手段は、前記足置き部を前記臀部支持手段の下部まで後退させて収容可能に構成されたことを特徴とする運動補助装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の運動補助装置において、
前記足置き部は、前記使用者の足の基節骨と当接する当接部を備えたことを特徴とする運動補助装置。
【請求項1】
使用者の臀部を支持する臀部支持手段と、前記使用者の足を置く足置き部と、前記臀部支持手段を少なくとも前後方向に揺動させる揺動駆動手段とを備えた運動補助装置であって、
前記臀部支持手段には、前記使用者の背部をもたれさせる背もたれ部を備えたことを特徴とする運動補助装置。
【請求項2】
請求項1に記載の運動補助装置において、
前記背もたれ部は、前記臀部支持手段と別体で構成されたことを特徴とする運動補助装置。
【請求項3】
請求項1に記載の運動補助装置において、
前記背もたれ部は、前記臀部支持手段と一体で構成されたことを特徴とする運動補助装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の運動補助装置において、
前記使用者の肘を置くことが可能な肘置き部を備えたことを特徴とする運動補助装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の運動補助装置において、
前記揺動駆動手段は、前後方向の揺動に加えて前記臀部支持手段を左右方向に揺動させることを特徴とする運動補助装置。
【請求項6】
請求項5に記載の運動補助装置において、
前記揺動駆動手段は、前後方向の揺動と左右方向の揺動とを組み合わせて前記臀部支持手段を8の字に動作させることを特徴とする運動補助装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の運動補助装置において、
前記使用者が把持可能な把持部を備えたことを特徴とする運動補助装置。
【請求項8】
請求項7に記載の運動補助装置において、
前記把持部は、移動不能に設けられたことを特徴とする運動補助装置。
【請求項9】
請求項7に記載の運動補助装置において、
前記把持部は、少なくとも前後方向に傾動可能に構成されたことを特徴とする運動補助装置。
【請求項10】
請求項9に記載の運動補助装置において、
前記把持部は、前記使用者による該把持部の移動を補助又は前記把持部の移動に抗する力が作用する作用手段が設けられたことを特徴とする運動補助装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の運動補助装置において、
前記把持部は、駆動源により傾動動作可能に構成されたことを特徴とする運動補助装置。
【請求項12】
請求項11に記載の運動補助装置において、
前記揺動駆動手段の駆動源と、前記把持部の傾動動作に用いられる駆動源とが同一のものであることを特徴とする運動補助装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の運動補助装置において、
前記足置き部の前後方向の位置を調整可能な位置調整手段を備えたことを特徴とする運動補助装置。
【請求項14】
請求項13に記載の運動補助装置において、
前記位置調整手段は、前記足置き部を前記臀部支持手段の下部まで後退させて収容可能に構成されたことを特徴とする運動補助装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の運動補助装置において、
前記足置き部は、前記使用者の足の基節骨と当接する当接部を備えたことを特徴とする運動補助装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−152301(P2012−152301A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12373(P2011−12373)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
[ Back to top ]